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2016年8月24日 (水)

Marshall:THE BOOK OF LOUD~爆音の本

Marshallの本もナンダカンダで盛りだくさんになった。
まずはチョット過去を振り返ってみよう。
でも、何と言っても基本はコレ。
1993年に上梓されたMike Doyleの『THE HISTORY OF Marshall』。
出版社のHal Leonardも昔のロゴだ。
以前は何を調べるにもこの本が頼りで、原本を何度を開き、最初の方は自分なりに翻訳もして、重要な仕事のツールとしてトコトン活用させてもらった。
原文のまま読破した海外の書籍といえば、コレとその改訂増補版、後に出て来るジムの本と、卒論を書くに当たって泣く泣く読んだJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』ぐらいか…。
ちなみにこの『ライ麦でつかまえて』の原題は『The Catcher in the Rye』で、「Catcher」とは野球でいう「捕手」のこと。
なので、本当はタイトルを『ライ麦畑の捕まえ手』と翻訳すべきだった…とアメリカ文学の教授が授業で話していたことを思い出す。
当時はワープロなんてものもなく、タイプライターすら持っていない英米文学生にとって、何せ卒論は大きな苦労のタネだった。
どうしたかというと、引用が必要な部分だけコピーして、タイプライターを持っていた彼女に代タイプしてもらった。
その時の彼女が今の家内なんだけど…。
いいの、いいの、私も彼女の英語の教科書の翻訳をさんざんやってあげて、見事「優」を取らせてあげたんだから。
「助け合い」ということで言えば、Marshall Blogの原型だったか?
一方、私の卒論は「可」だった。
論文を提出した後には担当教授の面接というのがあって、私の卒論はクッソミソに非難された。
「こんな論文に単位はやれない」という。
落胆している私を見て、よっぽど気の毒に思ったのか、教授はガムを一枚差し出しながら、「キミも就職がキマっているんだろう?単位だけはあげるよ」と、何とかもぎ取った値千金の「可」だった。
でもおかげで見事に卒業ができ、内定が決まっていた会社にスンナリ就職することができた。
そうして社会に出てからも、何年経ってもこの面接の夢を見た。
それと、禁煙を破ってしまった夢…「あ~!吸っちゃった~!」っていうヤツ。
おかげさまでここ数年は両方ともまったく見なくなった。
…なんてことはどうでもいいんだけど、とにかく原文で読んだ。
頼りにしていた一冊。
型番をチェックする時など、今だに活用している。10_22002年に初めてMarshallに行った時に当時の役員から頂戴した。
個人的にすごく欲しかったので、メッチャうれしかったのを覚えている。
私が持っている本はジムのサイン入り。
懐かしいな~。

30hMarshallはコレを厚手の紙でできた黒いハード・ケースに収めて贈答品として使っていた。
昔からずっと私の宝物であり、大事な商売道具だ。

20この本は1982年に出版された下の書籍が下地になっている。
著者のMike Doyleはアメリカ人だが、イギリス式に「Valve」という言葉を使っているのが面白い。
残念ながら私はこの本をコレクションしていない。

35そして、Marshallの創立50周年を記念して大幅に改訂増補されて2013年に上梓されたのがコレ。

40その日本語版がコレ。
もうMarshall Blogの読者はノイローゼになるぐらい見せられているだろうからここでは詳しく書かない。
お、ちなみに…販売が開始される直前にあるライブ会場でこの本を先行発売をしたのだが、その時一番最初にお買い上げ頂いた方、すなわち、この本を日本で初めて買ってくれた人は、根っからのMarshallマニアではなくて、Marshall Blogをいつもご愛読いただいている音楽好きの女性だった。

50vジムのバイオグラフィに焦点を当てたのこの2004年の一冊。
コレも全部原文で読んだ…というか翻訳版はない。
この本にインスパイアされてロンドンのジムの生家や楽器店跡を訪ねたのであった。
英語も大変に平易で辞書を引かなくてもスラスラ読めるし、ややストーリ調なので初めて読むMarshall物語としては最適であろう。
タイトルがいい…『THE FATHER OF LOUD(爆音の父)』。
コレに『ラウドの父』とかいう訳を与えているのをどこかで目にしたことがあるが、それじゃ面白くもなんともあるまい。
「爆音」というせっかくの現代語を切り捨てた上に、「の」の両側で言葉のバランスが崩れてしまっているからだ。
こんな私でも字句に関しては結構色々悩んで、考えているのよ。
602010年にはBluesbreakerに特化した本もお目見えした。
ストラトキャスターやレスポールならわかるけど、いちコンボ・アンプで本が一冊編まれるところがいかにもスゴイ!
クラプトンの功績あまりにもデカし!

70個人的に一番思い入れが強いのは何と言ってもコレ。
50周年記念コンサートやMarshall物語、ロンドン探訪、社長をはじめとしたMarshallスタッフのインタビュー、ミュージアム取材、Marshallプレイヤーの皆さんの対談等々、企画、写真、テキスト、と思い切り好きなようにやらせて頂いた一冊。
この内容のキメ細かさ!西欧のヤツらには決してマネできまい、ガハハ!
発売当時、「大人のエロ本」と呼ばれたことは名誉のひとつ。

1_img_0517_3 こんな本もあった。
Marshallの本ではなくてブランドに関する本。
表紙が1962になっているだけなんだけど、Marshallの存在感が強いのでまるで一冊丸ごとMarshallの本のように見える。

90コレはロンドンの本屋で見つけた一冊。
60~70年代のロック・スターを中心とした500ページにも及ぶイギリス製の写真集。
コレがなかなかの雑食性で、アルゼンチンのサキソフォニスト、ガトー・バルビエリからクラシックのグレン・グールドまで出ている。
時折ページを繰っては、写真に関するインスピレーションを得ようとしているワケ。
ナゼか表紙がMG15DFX。サイズがちょうどだったのかしらん?
ハードカバーが箱状になっているのと上質紙を使っているので結構な重量。イギリスから持って帰ってくるのにエラク苦労した。

100さて、ここからが今日の本題にして、主役のお出まし!
Marshallがらみの新しい本が出来したのだ。
タイトルは『Marshall:THE BOOK OF LOUD(爆音の本)』。
もちろん前掲の「THE FATHER OF LOUD」からの引用だろう。
まずは表紙がいいね~。

1_book2_2_2

左下の惹句に目をやると…
「よろこんでMarshallが発売をお知らせする『Marshall:THE BOOK OF LOUD』。
長年にわたり一緒に仕事をして来たアーティストたちに触発されて編まれた一冊です。
Marshallはもはやアンプ・メーカーのブランドではありません。Marshallは音楽のブランドなのです」
いいぞ、いいぞ~!
続けて…
あなたがどなたであろうと、あなたがどこのお方であろうと、あなたのバックグラウンドがいかなるものであろうと、我々を結びつけるものはただひとつ…それは音楽です。---(本文より)

で、内容は;
●古今東西最も爆音のバンド (私が過去に聞いた話しでは、Blue Cheerだという説あり)
●ブラックリスト:ラジオから締め出しを喰らったアルバム (Zappaだったらうれしいナァ)
●ロック界最高のヒゲ (Billy GibbonsとDusty Hillかしらん?)
●ロック・スターの有名なタトゥー (Kerry Kingの後頭部?)
●Marshallアンプ解剖学
●ライブ史上最悪のライダー (これはサッパリわからん)
等々…。
( )内は私のコメント。果たして正解なのか?
早く答えが知りたい!

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