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2016年7月13日 (水)

Sound Experience 18~ASTORIAとともに

260毎回レポートを掲載しているStrange, Beautiful and Loudの『Sound Experience』。
今回が18回目となる。
このグループにいつもご登場して頂いているのは伊達や酔狂ではなく、ましてや個人的趣味だけによるモノでは決してない。
彼らは今の日本の音楽界に於いて、三宅庸介がクリエイトする他に例を見ない音楽をもってして、ギターやロックの魅力を伝える希少なバンドだからだ。
そんな音楽をひとりでも多くの人に体験してもらいたいと願う一種のガイドを買って出ているつもりなのだ。
ま、決して優れたガイドではないけど…。
それに、東京ドームや日本武道館で大勢の人が観る誰もが知っているバンドやミュージシャンのレポートをしたっておもしろくも何ともないでしょう?そういうものは普通のウェブサイトや雑誌に任せておけばいい。
Marshall Blogは読者の皆さんに、すべての記事が該当しないにせよ、もっと新鮮な音楽の喜びをお伝えしたいのだ。
そんなガイドのクセに驚いたのは、今日レポートする『Sound Experience』がナント半年ぶりだったということよ!
前回の「17」は、昨年の9月にSTANDを迎えて開催した「Jimi Hendrix Tribute」だった。
Marshall GALAなどでSBLの演奏を観ている、あるいは写真を撮っているせいもあろうが、実感が湧かず、そんなに間が空いていたとは夢にも思わなんだ。

10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40vいつもはゲストや対バンを迎えるSound Experienceだが、今回はなし。
Strange, Beautiful and Loudのワンマン・コンサートの形となった。
強引に言わせて頂くならステージ下手に並んだMarshall ASTORIAがゲストということになろうか?

50ASTORIAが並んでいるということは、三宅さんがASTORIAを弾く…ということになるワケだが、ASTORIAはあくまでもゲスト出演。
メインはいつも通りJVM210Hと1960Aだ。
JVMのハンドルがピョコっと持ち上がっているでしょう?
コレも三宅さんのこだわり。こうなっていないと気に食わない。
ところが、私はコレがキライなのです。コレ、どうしてもこうなっちゃう。古くなってくるとますます自動で引っ込まなくなってくるのね。
イベントなんかでMarshallがズラリと並んだ時など、私は片っ端からたたみ込まないと気が済まない。
そこで、三宅さんといつも大ゲンカになってしまう…というのはもちろんウソで、こんなところにまでMarshallにこだわってくれる三宅さんをうれしく思ったりするのだ。

60v 大小の名機の囲まれて、三宅さんがいつもより楽しそうに見えるのは私だけであろうか?

70征史さんもMarshall。

80v1992 SUPER BASS。
ロゴもしっかり入って若々しくなった。

90v金光さんはNATAL。

100vバーチのワン・タム・キット。
フィニッシュはタバコ・サンバースト。
三宅さんのセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』のドラムはこのキットから生まれた。

110さて、今日のオープニングは「stratify」だ。

120ま、チョット聞こえは悪いかも知れないが、今日もレパートリーにそう大きな変わりはない。
コレは悪口や批判ではない。
私はコレを60年代のMiles Davisの「フリー・ブローイング」時代と同じように捉えている。

130v同じ曲を何度も何度も演奏し、そこから何か新しいものを導き出すのだ。

140ところで、三宅さんの作る曲は十分に魅力的だが、それと同時にパフォーマンスの素材としても良質なものだ。
曲にメロディを乗せ、ハーモニーを構え、リズムを刻む中心は三宅さんだ。

150v三宅さんが奏でるMarshallの凄まじい轟音でそれを楽しむのは正しい鑑賞法だが、このリズム隊の妙技を見逃す手はあるまい。
時に大蛇のように三宅さんに絡みつき、時に白馬のように三宅さんを乗せて疾駆し、時に獅子のごとく噛みつくのだ。

160スッカリ重要なレパートリーへと昇華した「murt'n akush」。

180v重く暗いリフを征史さんと並走する「mani」。
イメージは70年代初期のロンドン・マーキー。
ドラマチックに情景が変化していくこの曲は、一本のヒモで三人がつながっていくような感覚があるという。
また、「そうならないとイケない」という独特の緊張感を持ってプレイしているそうだ。

170

メインテーマの最初の音を派手にグリッサンドさせる征史さんのベースが快感!

200v

新しめのレパートリー「devil」と…

190vおなじみの「virtue」を演奏して前半を終了させた。

210vその後、三宅さんがひとりでステージに登場。
冒頭で触れたASTORIAの出番だ。強いて言えばASTORIAがゲスト…なんて書いたが、本当のゲストは…

220…オレ!
ウソウソ!「ゲスト」なんて大層なモンじゃござんせん。
休憩というか、箸休めというか、気分転換がわりに三宅さんにお願いして少しASTORIAについてお話しさせて頂いたというワケ。
240
私が過去にMarshallに提出したASTORIA CLASSICのアイデアを記したメモの実物やKT66管をお見せしながら、チョットした開発の裏話や、コンセプトや商品の説明をさせて頂いた。
三宅さんはASTORIAの元ネタをご存知なのでとても話しやすかった。

230もちろんデモンストレーションも!
CLASSIC、CUSTOM、DUALとすべてのモデルを用意して、それぞれ弾いて頂いた。

260_2その間、私は撮影。
忙しい。

270それぞれのモデルに対する三宅さんらしい詳しい考察も加えて頂いた。
実はこの日、リハーサルの前にタップリと試してもらって、三宅さんのASTORIA評を記録させてもらった。
現在文字お越し中なので、まとまったところでMarhall Blogで公開する。
稀代のトーン・マスターによるASTORIA評を是非ご期待頂きたい。

290

三宅さんとはMarshall Roadshowを上演する機会が残念ながらなかった。
それが、ヒョンなことからこうして実現できたのはうれしかった。
こんなギターのトーンを聴くことは滅多にできないので、できればASTORIAを持って歩いて、二人で全国を行脚したいぐらいだ。

280そして、Strange, Beautiful and Loudで一曲演奏してもらった。
三宅さんにお願いしてメンバーの呼び出しをさせてもらったよ!
どうしても司会魂がうずいてしまうのだ!

310曲は「Little Wing」。
使用したモデルはCLASSIC。
あのイントロ…今までこれほど美しく、かつ逞しく聴こえた試しはない。

315vそして、ソロ。
ギターそのもののキャラクターだけでなく演者の気持ちをそのまま音に換えてくれるのがASTORIA。

316だからこうなる。
要するに、「気持ちイイ」のだ!

317vさあ、ASTORIAですっかりサウンド・トリップした後はSound Experienceの後半に突入する。

320まずはドカンと「if」をブチかまそう!

330SBLのテーマ・ソング的ナンバー(…と勝手に私がそう思ってる)だけに一体感がハンパではない。
Marshall GALAでの狂熱のパフォーマンスを思い出す。

340vもう一発ハードに「ring」!

350v♪タタタタンタンタンタンタタタタン…このイントロの金光さんのスネアがめちゃカッコいい!

360vしかし、このリフ!このJVMの音!
このバンドが海外で、特にイギリスで演奏したらどういう反応が返ってくるだろうナァ。連中の意見を訊いてみたいナァ。

Img_0057 愛奏曲「petal」。
巷間の音楽と成分が異なるので、三宅さんの作品は概して覚えにくいが、どの曲もかなり印象が強いハズだ。
この曲のアルペジオ・パートもそのうちのひとつと言って差し支えないだろう。
Db→G→A→B→E→B→A→G / E→E→G→Db→E→B→Db→G / E→E→G→Db→Gb→E→Gb→Db…ぐらいかな?

370最後は「solitary past」。
三宅さん自ら「垣根」と呼ぶ、コレもアルペジオ・パートが印象的な曲だ。

380v最後にへヴィかつダークな2曲を持ってきた。

390vこの日は通常のSound Experienceの構成と比べ、ゲストや対バンがない…という形式上の違いがあったが、それだけではなくて、何となく、こう、「ジ~ックリ演奏してやろう」みないな雰囲気があったように感じたな。

400vズッ~と観てきているからすぐわかる。

410気が付いたら時間がもうパンパン!
アンコールはなし。
それだけ充実した演奏だったのだ。
エ、ASTORIAのコーナーが余計だった?いいのいいの。アンコールなんて要らんて!やっぱりビートルズは偉大だった。
三宅さん、ありがとうございました!

次回のSound Experienceは7月28日。

420Strange,Beautiful&Loudの詳しい情報はコチラ⇒Official Blog

最後は仲良しのみんなで記念撮影。

4301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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(一部敬称略 2016年5月31日 三軒茶屋Grapefuit Moonにて撮影)