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2016年7月12日 (火)

Introducing Silex! ~ 祝!Mashaの新プロジェクト

もうすぐオリンピックですナァ。
スゴイね、リオ。
「Welcome to Hell」なんて…Alice Cooperかと思ったワ。
元より次の東京大会のこともあって、「オリンピック」ってヤツの印象もずいぶん変わってきたかに見えるのは私だけだろうか…?
ま、スポーツ好きではない私のこと、子供の頃からオリンピックを楽しみにしていたなんてことはただの一度もないんだけど。
よく「オリンピックは参加することに意義がある」とかいうじゃない?
アレって、「苦労して、頑張って、とうとうオリンピックに出場できる権利を獲得すること」こそに意義があるっていうことなのね?要するに結果より過程が肝心ということ?
アタシャ、「参加すること」っていうから、観戦しに行くことにも意義があるのかと勘違いしていたよ。
あ、ところで、もうライブに行ったり、出演したりすることを「参戦」だなんて軽々しく口にすることは厳に慎みましょうね。先週と今週とではこの言葉の重みが違う。もちろんMarshall Blogではただの一度も使ったことはない(ハズ)。
でも、スポーツの試合を見るのは「観戦」でいいでしょう。
さて、そのオリンピックの花形競技のひとつが「男子の100m走」なんでしょう?
チョット調べてみると、今残っている最古の公認の世界記録ってのが1912年のアメリカのドナルド・リッピンコットが持っていて、そのタイムが10秒06だそうだ。
そして、現在の世界記録がご存知ジャマイカはウサイン・ボルトの9秒58。2009年の記録。
人類は0.8秒早く走るのに97年もかかってる。
その間に西欧人の平均身長は約10cm伸びているそうだ。(日本人もほぼ同様)
ついでに書くと、今、日本人の男子の平均身長って171cmなんだって。デカくなったナァ。
これが江戸時代の初期には155cmだったそうだ。
そうした肉体的な進化を経て記録が約100年で約1秒。
スゴイんだか、スゴくないんだか、「陸上競技」という4文字が人生に存在しない私にはにわかにはわからないが、きっとスゴイんだろう。
それよりもスゴイと思ってしまうのはギターの速弾きさだよね。シュレッディング。
我々が子供の頃、すなわち1970年代の初頭から半ば頃には、「Highway Star」のソロあたりが速弾きの極致だったようなイメージがある。
その頃は、まだAlvin Leeなんかも「速弾きの達人」扱いされていたし、Al Di Meolaが出て来た時にはみんな腰を抜かしたもんですよ。
ハハハ、ノンビリした時代だ。
私はEddieが出てきた時はハッキリ覚えている。重度の天邪鬼な私ですら、Van Halenはカッコいいと思ったし、すごいギターだと思った。だから初来日のコンサートにも行った。
そして今!
Alvin LeeにしてもDi Meolaにしても、この人たちを説明する時に「速弾き」という枕詞を使う人はもういまい。
今の「速弾き」というのはVan HalenとYngwie以降のスタイルということになるのかな?
かなり乱暴な考察だけど、Yngwie以降はさしたる進化なしと見做すと、ウッドストックのTen Years AfterからYngwieの『Rising Force』までたった15年!
100m走で言えば、10秒台から5秒台ぐらいまで進化した感じなんじゃないのかしらん?しかも最近ではこの競技も男女の別もなくなった。
今では学校のカリキュラムが確立したせいか、どんな子でも早いパッセージを澱みなく弾けるようになった。それははいいが、みんな同じになっちゃったね~。
決して忘れてはならないのは、EddieもYngwieも、イヤ、RitchieもAlvinもみんな鍛え抜かれたテクニックを使って、他人とは異なる自分だけの音楽を作った…ということだ。
だから歴史に残る。
もうひとつは、そこにMarshallがあったということなんだな。
まるで取って付けたようだけど、厳然たる史実だから仕方がない。
コレは決して偶然ではなくて、Marshallの爆音が一部のロックの発展を手伝ったという事実があったにすぎない。あのパワーがロックを何歩も前進させたのだ。
そして、Jim MarshallもPete Townshendに言われるままにアンプを作りはじめ、22年が経過したら5秒台が出てしまったということだ。道具というモノはウマく使う人がいて初めて役に立つ。
速弾き結構、私も大スキだった。
ただ、人と同じことを繰り返しているのを見るのは、好きな音楽だけに仕事とはいえしんどいナァ。


で、今日紹介するのは新しくスタート・ラインに立ったチーム。
元Crying MachineのMashaの新しいプロジェクトだ。
先日のMarshall GALAでもTHE SHRED MASTERSという一度限りのバンドで大活躍してもらった。
職権乱用でひと足先に音源を聴かせてもらったが、コレが他のメタル・バンドとはチト違っておもしろかった。
大きくは違わない。
でも、チョット違う。
その「チョット」に大きな期待をしているゆえ、今日こうしてMarshall Blogで紹介してMashaくんの新しい門出を祝わせて頂くことにした。

10vプロジェクトの名前は「Silex」。「サイレックス」と読む。
チョット聞くと内装用の建材の名前のようだが、「Silence in Explosion」というMashaくんの曲から転用された。
はじめはその曲名の頭文字を取って「S.I.X」としようとしたが「Silex」に落ち着いたとのことだ。
この度、Mashaくんからありがたくもご指名を頂戴してSilexのアーティスト写真を撮らせて頂いた。

20さて、このMashaくんのプロジェクトに参集したのは…
ボーカルのピート・クラッセン。

30vベースにHibiki。

70vドラムにYosuke Yamada。

80vそして、Masha。
あ~、ヨカッタ…みんな知ってる人たちで!

90vこの4人がSilex!

100もちろんMashaくんはSilexでもMarshall。
これまではずっと1987を使用していたが…

110最近はJCM800 2203を導入してサウンドの幅を広げている。

120かつてCrying Machineの曲でアイリッシュっぽいサウンドを取り入れた曲があって感心したものだった。
Marshall GALAで演奏した「Forever More」ではバロックのエッセンスを引用していた。
今回聴かせてもらった音源にもお父さんが大スキだったというProcol Harumの「A Whiter Shade of Pale(青い影)」をウマい具合に取り入れたCrying Machine時代の曲が含まれていた。
もちろん何でもかんでも引用すればいいと言っているワケではない。その持って行き方がすごくウマいのだ。すごく新鮮に聴こえる。
「それがMashaのやり方か~?」
彼の作る曲は、ソレらしく始まって(起)、まずはソレらしく展開していくのだが(承)、その後、ソレらしくない要素を見せて(転)、良く練り込まれたギターを聴かせる(結)というドラマチックな展開なのだ。
厳格なメタル・ファンから言わせると「ソレらしくない」箇所は許せないのかもしれないが、私はとてもいいと思った。
リフやソロだけでなくバッキングのギターもものすごく丁寧に作り込まれている。

130そのアイデアを極限まで活かすバンド・メイトの活躍も楽しみだ。
ピートのド迫力のボーカル。
ちなみにバンド名が「S.I.X.」でなく「Silex」になったのもピートのアイデアだ。

140vHibikiくんの超テクニカルなベース・プレイ。

150Yosukeくんの堅実にしてパワフルなドラミング。
どれもこれもが楽しみだ!

160お披露目は9月25日の新宿。
私は観に行くよ。
100m走とは言わず、マラソンのスタート・ラインに立ったつもりで、末永く多くのメタル・ファンを楽しませてくれることを期待している。

180vSilexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

170(一部敬称略 アーティスト写真 by ワタシ)