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2016年6月15日 (水)

Mary's Blood~GRAND CROSS TOUR

グランドクロス(Grand Cross)とは何ぞや?
Wikipediaによれば、「西洋占星術におけるグループ・アスペクトの1つで、黄道十二宮上で4つの惑星が十字型に並ぶ配列を指す。占星術上の意味としては、凶座相を意味するとされる。」
何のコッチャ?
とにかく、惑星が十字に4つ並ぶのは不吉なこと…のようだ。
さて、コチラ…勢いよく前列に4つ、後列にひとつ、メタルの金星を配置したステージ。
え、何で「金星」かって?水星でも木星でもいいじゃないかって?
ダメダメ、だって「金星」は英語で「ヴィーナス」でしょ!
Mary's Bloodの『GRAND CROSS TOUR』の千秋楽だ!

103日前に開催した『NAONのYAON 2016』にも出演したMary's Blood。
そのステージではSHOW-YAが所属する事務所に移籍することが正式に発表され、客席から大きな反響を得た。
もはやガール・メタル・バンドの最高峰の仲間入りを果たしたと言っても何ら差し支えのない見事なステージだった。
休日出勤の経産省の連中もさぞかしビックリしたことだったろう。
このあたりのもようは、もちろん後日ユックリとレポートする予定だ。
さて、コチラは渋谷のCLUB QUATTRO。

20スンゲエ久しぶりのQUATTRO。
いつ以来Marshall Blogに出ていないだろう?
その沈黙を破ったのがMary's Bloodでうれしい。
今日はBloody Maryの説明はしません。

30最近作『Bloody Palace』の冒頭の「The Gate of palace」をSEに登場したメンバー。
オープニングは野音でも演奏した「Bite the Bullet」だ!

40EYE

60vSAKI

1_img_0339RIO

80vMARI

90vそして、サポート参加の社-yashiro-。

95v続けて「Crime and Punishment」。

100あたかも「血まみれの宮殿」の重い門扉が開いたかのようなスタート。
前回のツアーでもこうしてオープニングを飾った。

110v3曲目も『Bloody Palace』から「Grayish World」。
目の覚めるような、シャープな正統派ハード・ドライビング・チューン。

120最初のMCでこのツアー企画についての説明があった。
それは後ほど…。
もうひとつ…「ロックがどれだけ素晴らしいかを見せつけるためのツアー」ということなのだ!
実に頼もしい!

130v「Wings」、「Song for You」、「Infinite Love」と続く。
50
見つめ合うふたり…。
「Song for You」のエンディングではサキバウアーもキマった!

415

さっそく…このツアーはスペシャルな先輩たちを迎えて演奏することがテーマになっている。
大阪では相川七瀬、名古屋ではOUTRAGEにご登場頂いたことを報告し、今日は寺田恵子がこの後ステージに上がることが告げられた。
え?もう言っちゃうの?
いいじゃない、いいじゃない、男らしくて!
あ、男じゃなかった…でも、間違いなく草食系男子ロックよりは全然男らしいぞ!

150v_swdさらに野音でも演奏した「Shall We Dance?」。
前回のツアー千秋楽で初めて披露した新曲。

140

そして、『Bloody palace』から「Ready to Go」。
メジャーなメタル・ナンバー。この曲好き。

160「オ~イ、楽しんでるか~?! 寺田だぁ!」とEYEちゃんの予告通り恵子さん登場~!

170v「あこがれの人なんです!」とかなり興奮気味のEYEちゃん!
うれしそ~!しばし、EYEちゃんの興奮トークがあって、恵子さんの曲コール。
恵子さんの「わたしは~?」のコールにお客さんが「あらし~!」とレスポンド!わかってるぅ~!

180おお~、Maryの「嵐」!

190恵子さんとの周波数ピッタリ!

200vん~、sun-goさんばりの正統派ハードロック・ギター・サウンド!
そう、2人ともMarshall。しかも同じモデルなのだ。

210「嵐」ポーズもふたりでシッカリとキメた!

220EYEちゃんの興奮のMCが止まらない!
「まさかウチのイベントに出てくださるなんて!」
「出る、出る~!(客席に向かって)私のこと初めて見る人いる~?決して怒らないから手を上げてごらん~!覚えておくから!」
姐さん節炸裂!
所属事務所が一緒になって、Maryにとってはこれからはホントに「姉さん」だ!

230次はSAKIちゃんのリクエストで「Rolling Planet」。300
SHOW-YAのステージでもあまりかからない曲だという。
そうかな~?よく演っているような気もするけど…それだけ印象の強い曲ということなのだろう。

240vこりゃ盛り上がるにキマってる。
ノラない方がおかしいぐらいの疾走感!

250SAKIちゃんのソロもエキサイティング!

260「こういう若いバンドに入って歌う時は私なりに頑張らなきゃ!と思う訳ですよ。なんか平野レミさんみたいなしゃべり方になっかった!」と恵子さん。
そう、こういうベテランと若手の交流はとてもいいことだ。ロックが生き残るためのひとつの重要な方策のひとつだと思ってる。
ベテランは若手から向こう見ずな活力と感性を吸収し、若手はベテランから経験と知識を盗み取る。その上で自分たちの音楽を作る。
そういう段階に来ているんじゃないかな~?

270「この曲を知らないヤツは出てけ~!」
最後はお待ちかねの「限界LOVERS」。

280_gl「熟女なめんなよ~」の雄叫びもバッチリ!こういう時は「雌叫び」っていうの?

290v誰もがこうなることを想像していただろうが、とにかく絵に書いたような猛烈な盛り上がりだ!

310「アラよっと!」
恵子さんの華麗なジャグリング。サービス満点だ!

320vEYEちゃんも自家薬籠中の曲なのだろう。完璧な歌い回しだった。

330v最後にハグハグ。ホントにうれしそうだね!

340さて、死ぬほど盛り上がったところで終盤に入る。
やっぱり、こういうチャンとした盛り上がり方ってのはいいよね。

350_mnさて、そろそろMarshall Blogの儀式だよ。
いつもとは構成を変えてみた。
そう、ここでMarshallの紹介。

370SAKIちゃんのMarshallはいつものJVM410H。
コレが言いたかった!

380ここからは最後のブロック。
『Countdown to Evolution』と『Bloody Palace』からの曲を織り交ぜてホーム・ストレッチに入った。
余計な話しなんだけど、「Countdown to E」まで打つとどうしても「Ecstasy」とキーを打ちたくなってしまう!
人間が古いもんで…『Countdown to Ecstasy』はSteely Danのセカンド・アルバム。捨て曲皆無の超名盤。
Jeff ’Skunk' Baxterのギター・ソロがあまりにもカッコいい「My Old School」は若い人にも是非聴いてもらいたい。

390v「Sweet Trap」…

400_dead「I'm Dead」…

420

「Bloody Birth Day」…

450

「Promised Land」…と続けて本編を終了。
430

Blimey!全編Bloody lovelyなギター・プレイを聴かせてくれたSAKIちゃん、アッパレ!

410vしかし、何と言っても今日のお妃さまは、憧れの大シンガーとの共演を果たしたEYEちゃんだろう!

460vすぐさま猛烈な呼び戻し(コレは王様風)。
でも、アンコールのコールって何ていうの?「アンコール・コール」?
ちなみに「Encore」はフランス語だからね。

465おそろいのTシャツにお召し換えしての登場。

470『Countdown to Evolution』から「Coronation Day」。
コレは「戴冠の日」という意味だったね。

480お客さんとの一体感も尋常ではなかったな。

500

アンコールのもう1曲は『Bloody Palace』のクローザー「Moebius Loop」。

490vそして、恵子さん再び登場!
会場の空気が引き締まる!

510「今度は恵子さんがウチらの曲を歌ってくれます!」

520v2012年のミニ・アルバム『SCARLET』から「Burning Blaze」。

540パワーみなぎるヘヴィ・チューン。

70v

憧れの大先輩に自分たちの曲を一緒に歌ってもらえるなんてうれしいだろうね!

550「奇跡のような夜でした!」というEYEちゃんの言葉がとても印象的だった。

さて、Mary's Bloodの進撃は続く。
7月日にはNAONのYAON+CLASSIC ROCK JAM PRESENTSとして 『寺田恵子&山本恭司~ふたりのROCK SHOW~』というコンサートに出演。
さらに、その2週間後の17日には『Burning Blood』と銘打ったワンマン・コンサートが控えている。
Marshall Blogでは、次は『NAONのYAON 2016』のレポートでお会いしましょう!

Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

寺田恵子の詳しい情報はコチラ⇒寺田恵子オフィシャルサイト

560(一部敬称略 2016年5月3日 渋谷QUATTROにて撮影)

2016年6月10日 (金)

CONCERTO MOON~BETWEEN LIFE AND DEATH TOUR VOL.2

「生と死のはざま」か…。
私の人生もスッカリ後半戦に入っちゃったナァ。
去年死んだ父と同じく82歳まで生きるとすると、現時点で66%まで来たことになる。生きている時間より、残っている時間の方が短くなる時がこんなに早く来るとは思わなんだ。
「七割未満」なんだからマダマダじゃん?と思うような気もするけど、コレ、野球でいうともう7回だよ。
ワンサイド・ゲームだったら、メチャクチャ混雑する総武線を避けるために、早々と後楽園球場を後にしているところだ…コレは父。
あるいは、高崎線が混んでしまうので、アンコールはおろか、本編が終わる前にさいたまスーパードームから出てきちゃうところ…コレは私。
ところがドッコイ、たとえ7回のオモテだろうが8回のウラだろうが、私は絶好調。
徹底的にMarshall Blogを書き続けるぞ!…だからお願いだから拡散して!
私のライフ・ワークをもっともっと広めて、皆さんに楽しんで頂きたいのだ~。
なんてことを書いたのはもちろんCONCERTO MOONの近作『BETWEEN LIFE AND DEATH 』にちなんでのこと。
20cd
ちょっとおもしろい話しを目にしたので記しておく。
人間が今わの際に取る行動には三つのパターンがあるというのだ。
まず、「許しを請う」という願望…「あの時意地悪しちゃってゴメンね」というヤツ。
次に、「記憶」への願望…「オレのこと忘れないでくれよ!」というヤツね。
最後は「人生の意味を問う」…自分が生きていたことに「意味」があったのか知ろうとする。
なるほど…自分はどうかな?
私の場合、全部しつこくやっちゃいそうだな。
「Marshall Blogは本当におもしろかったのか?」、「写真はカッコよかったか?」、「誰が書いたのか忘れないでくれよ!」、「Marshall Blogをやってヨカッタよね?」…みたいになるな。
ヤダね~。めんどクサいね~。
「迷惑」のかたまりのようなこの人生、死ぬ時ぐらいは人様にご厄介をおかけしないようにしたいものだ。

さて、CONCERTO MOONは昨秋アルバムの発表に合わせてタイトルと同名のツアーを敢行した。
そのうち、名古屋 ell.size公演のもようがオフィシャル・ブートレッグ・シリーズの第三弾としてライヴ会場限定販売のDVDとなった。
タイトルはそのまま『BETWEEN LIFE AND DAETH TOUR 2015』で本編全曲+アンコール二曲を収録収録している。
もちろん今回も一切手直し無しの真剣勝負。コアなファン向けのコレクターズ・アイテムだ。
ん~、スリーヴの写真もいいね~。ナントならば、私が撮ったものだからだ!

Cmdvdそして、CONCERTO MOONは『BETWEEN LIFE AND DEATH』のツアー第二弾を企画。
今日のMarshall Blogはその千秋楽のレポートだ。
会場は古巣の目黒鹿鳴館。
勝手知ったるステージで、冒頭からアクセル全開!
オッリャ~!
10
島紀史

30v久世敦史

40vAki

50v中易繁治

60v河塚篤史

70vオープニングは「Angel of Chaos」。

80全曲ではないにしろ、ほとんど前回のツアーとは異なるセット・リストで臨んだ。

90一曲目をニュー・アルバムから持って来ないところがシブいね。

100v二曲目は「Survive」。
これはニュー・アルバムからのチョイス。

120相変わらず切れ味鋭いノンちゃんのソロ!
口数は多いが、必要なことしか言わない。男のソロだ。

130v二曲続けたところで久世ちゃんのMC。
「vol.2ができてうれしく思います。声が出なくなったらみんなに歌ってもらうから!みんなで大合唱していこうぜ!」って、ヤダよね~?
そもそも普通の人が久世ちゃんみたいに声を張り上げたら血管切れるわ!

140v三曲目も新作から「Struggle to the Death」。
「struggle」とは「もがく」とか「あがく」という自動詞で、私はよく「have been struggling with ~ing」として、現在完了進行形を用いて、「(焦りながら)今メッチャがんばって~に取り組んでいます」という風にイイワケっぽく使っている。
「ストラッグル」っていう音がナンカ頑張ってる感を表現していると思わない?
「奮闘している」みたいな意味では他に「strive」なんて単語もあって、穐吉敏子は「Strive for Jive(スイングに奮闘)」という超カッコいい曲を残している…なんてことはどうでもいいのか。
下のCONCERTO MOONは、まさにStruggling with Metaling!って感じかな?

210

CONCERTO MOONで低音にstruggleしている中易さん。

S41a0680VBA400とVBC412を使用。
VBAシリーズってこぢんまりしたラインナップだったけど、すごくマジメなコンセプトで、とてもいいベース・アンプだった。何よりもサウンドがヨカッタ。
ヘッドもキャビも泣きたいぐらい重くてね~。
海外では今も愛好しているベーシストが多い。

160vグッと旧作に戻って2003年の『Life on the Wire』から「Cheating Fortune Teller」。
ま、たいていはFortune TellerはCheatしてると思うけどね。
CONCERTO MOONの音はCheatingなしの荒行を積んだメタル僧侶の言葉だ。

165vベテランの業務部長もしくは総務部長が、机に向かって真っすぐ、背筋をピンと伸ばし、ひとつのミスも見逃しもなく、適切な判断で、モノスゴイ数の書類にハンコを押しているようなドラミング。
しかも、そのハンコはどれもすべてまっすぐに押されている。
河塚さんのドラミングを見ていると、そんな印象を受けるんだよね。
ニコニコしながら、必要以上に熱くなることなく、オッソロシク冷静に、そして完璧にCONCERTO MOONを律動させる。

170ステージの下手でコツコツとバンドに厚みを加えているAkiちゃん。
いい仕事をしている。

180オラオラオラオラオラオラオラオラ~!
泣く子もダマるノンちゃんサウンドだ!

190vそれはMarshall 1967MAJORがブッ放してる!

200vココのセクションは旧作シリーズ。
1999年の『Rain Forest』から「Lonely Last Journey」と「Fight to the Death」を繰り出した。
しかし、メタルの人達は「death」が好きだナァ。

220さらに曲を続けて中盤のクライマックスに向かう。
「Stand by the Window」だ。

230v前作『Black Flame』からタイトル曲と2004年の『After the Double Cross』から「Find the Key」。

240中盤でのアクセント。
Akiちゃんと…

250v久世ちゃんによる「Holy Child」。
会場の耳は二人のジックリと練り込んだパフォーマンスにクギ付けとなった。

260定番、「Dream Chaser」。

270_dc2003年のアルバム、 『Life on the Fire』からインスト・ナンバーの「Eye for an Eye」。

280_3 そのままノンちゃんのソロ!

290vこれまたお客さんの耳目はステージの動静にクギ付けだ。

310v
浴びも浴びたり「ノンちゃん風呂」!泉質はMarshall。効能はストレス解消!
皆さん、大満足~!

300ギター×ドラムの対決からそのままドラム・ソロへ。
さっきの業務部長とはかけ離れた、第一戦で営業マンに檄を飛ばす猛烈営業部長のようなエキサイトぶり!

320ハナ肇ばりにドラム・セットの前まで出てキットを叩く熱演ぶりだった。

330vそしていよいよタイトル・チューンの「Between Life and Death」!

340_bld「朝まで演りたい!僕が何を言っているかわからない時はテンションが上がってる時です!」と久世ちゃんのMCを経てショウは最終ブロックに突入~!

350_slm「Shining Light of the Moon」…

360v「Surrender」…

370v「Down Fall in Blood」と一気にたたみかけて…

380v全16曲で構成された本編を終了した。

390vアンコールはまず「From Father to Son」から。

400続けて「Take You to the Moon」。

410vもちろんコレでは収まらず、二回目のアンコール!

420自信満々にTシャツを脱ぎすてた久世ちゃんが「It's not Over」を絶叫。

430v最後まで信じられないようなテンションの高さのソロをキメまくったノンちゃん。
このすさまじい集中力にはいつも脱帽だ!

440そして、2012年末のファンの人気投票で見事第一位を獲得した当時の新曲、「Savior Never Cry」でアンコールを締めくくった。

450何たる狂熱のパフォーマンス!
CONCERTO MOONの「生と死の間」にあるものは「情熱」と「Marshall」だと思った。

460CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Website

470(一部敬称略 20164月30日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2016年6月 9日 (木)

TOUR 2016のグッドモーニングアメリカ

八王子市の観光大使も務めるグッドモーニングアメリカの春のツアーの千秋楽。

10立錐の余地がない客席を、いつもの通り割ってステージに上がったのはたなしん。
20

みんな楽しみにしているこの冒頭のセレモニー。
今日の役回りは『アメリカ横断クイズ』の司会者。

15

客席から二人ほどステージに上がってもらいクイズに答えて頂くという趣向。

30そして、母の日が近いということで、会場にお見えになっていたお母様にカーネーションが送られ…

40作文が読み上げられた。
マァ~、大概私も40年はロック・コンサートを観てきてるけど、こういうのは初めてだね。
「ロックとお母さん」か…。
イヤ、昔は「お母さん」という言葉はロック・ミュージシャンには付きものだったんですよ…「mother f%&#er」といってね。
つくづく時代は変わったんだな~。
あ、よいこのグドモ・ファンはこのあたりのことを詳しく調べちゃダメ~!

50v「グッドモーニングアメリカはじめます!」の掛け声で始まったのは「ディスポップサバイバー」。
あのすもうのPVの曲ね。今日は力士は登場しない。
登場しているのは…

1_img_0101金廣信吾

70v渡辺幸一

80vMarshall JVM210H

90Marshall 1959

100

たなしん

120vEDEN WT-800とD410XSTが2台。

130vペギ

140vNATALブビンガ・キット

150

160NATALメイプル8"&10"タムタム
…他。

170ものすごい歓声!

180つづけて代表曲「キャッチアンドリリース」。

190ここで猛烈に盛り上がっちゃう!

200v「境界を超えて」、「アウトサイダー」とたたみかける。

210vMCを挟んでこれも人気の一曲…「コピペ」だ!

230vこのセクションでも「言葉にならない」や「ハローハローハロー」とおなじみのナンバーを披露。

240vもうスゲエの!
観客席は興奮のうず!

250次のセクションでは「雨ニモ風ニモ負ケズ」から「拝啓、ツラツストラ」、「雨の日」を配置。

260v「ツラツストラ」なんかシャッターを切りながら、私も思わず一緒に歌っちゃう!

270v今日も気持ちよくバッシン、バッシンとキメまくるペギちゃん。コーラスでも大活躍だ。

280ショウも中盤に入る。
「ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ」、「ビッグバン」、「ロールプレイングゲーム」。

290もうこの辺になると、ウカウカとプレスピットに入っていられないよ!
後ろからジャンジャン人が降ってくるからね。

1_img_0251 もちろん「ファイヤー!」も欠かせない!

310v
「突破していこう」、「低気圧の夜」、「イチ、ニッ、サンでジャンプ」と新旧取り混ぜてのセットリストが続き、ショウはクライマックスに突入していく。

300そして、「友よ」、「空ばかり見ていた」、「inトーキョーシティ」、「一陽来復」と最後のセクションでもバラエティに富んだナンバーを並べて本編の幕を下ろした。

320vアンコールは「for better, for worse」。

330vこれまでもずいぶんとグドモのステージを拝見してきたが、キャリアを積むにつれて、ますます自分たちの音楽に自信を持って、かつその作品をすごくを大切に扱っているかの印象を受ける。

340vそして、一時も力を抜くことのない真摯なステージ・マナー。
この立派なミュージシャンシップもグドモのステージの見どころのひとつといえよう。
350夏のイベントや7月からスタートする『TOUR 2016』の第二波で大忙しのグッドモーニングアメリカ。ますますの活躍が楽しみだ!
Marshall、NATAL、EDENのトリオがお伴します!

グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

3601965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2016年4月24日 新木場STUDIO COASTにて撮影)

2016年6月 8日 (水)

BLIND BIRD~Spicy Sweet Tour Final‼︎

このバンドはマジでカッコいいと思う…BLIND BIRD。
実にいいバンドだ。
こう演ってくれたらいいな…って思うことを全部実現してくれる。
変に新しぶってチャラチャラするワケでもなく、かといってノスタルジックでもなく…彼らの音楽は「ロックの文法」にのっとって書き進められた新しい名著群だと私は思っている。
Img_0059_2
そのBLIND BIRDが4月にニュー・アルバム、『SPICY SWEET』をリリースした。
前作『仮想粒子』もとても立派な出来であったが、今回も期待通り。
まったく前作にに引けを取らない素晴らしい仕上がりになった。
今日はそのリリースに合わせたツアー『Spicy Sweet Tour』の千秋楽のもようをレポートする。

10cd この日、BLIND BIRDの前に二つのバンドが登場。
その内のひとつが慈雨~JIUだ。
「慈雨」というのは「ほどよく物をうるおして育てる雨」とか「日照り続きの後の雨」とかいう意味でいわゆる「恵みの雨」という意味だ。
調べてみると、「慈」という文字が入っているので英語では「Merciful rain」ぐらい言うのかと思ったら、「Gracious rain」という表現になっていた。もちろん「慈悲深い雨」という意味になる。

10ボーカル/ギターのReds☆。

20vギターはYuichiro Szk。

30vドラムはKoREDS★。

50v
ベースに千葉貴俊。

40v何しろ強烈なのがReds☆さんのキャラクター!
最近では絶対的に他に見ることができない独自の雰囲気を漂わせている。

60ギターのYuichiroくんは根っからMarshall。
史上最年少で出演した2015年のCLASSIC ROCk JAMの時が初対面だった。
「いつもMarshall Blogを見てる」とうれしいことを言ってくれたのをよく覚えている。

70v1994年の生まれだからまだ22歳!
世間一般の子であれば、もはやギター・ソロに魅力すら感じていない年代だ。
あるいは「速さ命」のピロピロ系のどちらかになるハズで、YuichiroくんもCLASSIC ROCk JAMの時にはバリバリ弾いていた。
しかし、この慈雨では音をジックリ選ぶ何とも落ち着いたプレイング・スタイルを見せてくれる。
JCM900が好みだそうだ。
この日もギターから4100へ直接つなぐクラシック式で、ミドル・レンジがいいように張りだした独特の音色で実に渋いギターを聴かせてくれた。
ホントに22歳か?

S41a0083 例えていうと「暗黒のFree」といった趣のサウンドで、私なんかには70年代の「日本のロック」の香りを感じ取ってしまう。
この空気感が何とも言えず気持ちいい!

9024"バスのNATALがサウンドをへヴィに演出するんだな~。ハラに来る図太いサウンドだ。

100v1994年生まれでKISSに影響を受けてギターを始めた…なんてYuichiroくんみたいなパターンは珍しいとしても、この慈雨みたいに若いミュージシャンとベテランのミュージシャンがガンガン交流を図ってお互いに刺激を与え合えばいいナァと思ってる。
若者は今より断然素晴らしかった昔のロックをベテランから教わるべきだし、ベテランはコピー・バンドから脱却して若手の感性を吸収するべきだ。

110慈雨~JIUの詳しい情報はコチラ⇒一緒にTogether

120そして、いよいよBLIND BIRDの登場。
オープニングはアルバム通りのタイトル曲、「Spicy Sweet」。

130小松優也のシンプルだが分厚いリフで曲は始まる。

140vそこへ山口PON昌人のドラムと…
170v

河野充生のベースがドッシリとのしかかってくる。

160vそしてこの声!
桐嶋直志の声がBLIND BIRDの声だ!

150v

二曲目は「LOSER」。
優也くんの16のカッティングが珍しい?
Marshallは今日もJCM800 2203と1960Aだ。
180_ls

ファンクがかったBLIND BIRDもまたよき哉。

190この河野さんのベース!
なんじゃ、コリャ?あんまりカッコいい!
まるでMilesの『On the Corner』のMichael Hendersonのようだ。

200ドッカン、ドッカンとへヴィにファンクするPONさん!

210v今日は10"、12"、16"、24"というコンフィギュレーション。
しかし、スゴイ音だにゃ~。

Img_0075 そして爆発する優也くんのソロ。
ん~、これまたいい音!
Vintage Modern時代も最高のロック・トーンを聴かせてくれていたが、JCM800もいいね~。

220vこれまたゴキゲン!へヴィなシャッフル「Keep the Tension」。

230_tenこういう派手なナンバーにはPONさんのドラムがベスト・マッチするね。

S41a0315 ワウを使ったソロが印象的。
個性的なメンバーによってインスパイアされるのか、このバンドでの優也くんのプレイはバッキングもソロも薄皮どころか本皮(?)が剥けたかのようなシャープなプレイを聴かせてくれる。

250v「♪Keep the tension, keep the tenshion!」のリフレインがちょ~気持ちいい!
コレは直志さんの声じゃなきゃサマにならんね。

260四曲目はアルバムの曲順通りの「Bala-Bala」。
もうお気づきのことと思うが、ここまでアルバムの内容をそのまま実演しているのだ。

270_baここはジックリと、しかし熱っぽく直志さんが歌い込む。
曲名は「Bala-Bala」だが、このバンドのアンサンブルの妙は目を見張るものがある。

280v四人が四人ともバラバラというか別々のことをやっているのだが、ひとたび合体するとすさまじくレンジの広いアンサンブルを生みだす。
まるでジャズ・コンボのカルテットのようなのだ。
やっぱりアレンジってのはホントに大切だ。

290半分近くの曲でギターを弾く直志さんもMarshallだ。
優也くんと同じJCM800 2203。

300vイントロは3-3-3-2の11/8拍子。

330v

D-Daug-Bm-D7というコード進行がいかにもBLIND BIRDらしいんだよな~。
そして序破急の展開が、本来ロックが持つスリリングな要素を存分に味あわせてくれる。

310vこのギター・ソロのメロディがいいよ。
ホントに優也くんはいい仕事しとる。
あなたが東京に出てきて沼袋で初めて会った時のことを思い出すよ。

320vバラード、「君なしに」。
「慈しみ 軋み 悲しみ 儚い世界に 君なしに 君なしに」という「し」で韻を踏んだ歌詞がおもしろい。

340_kn曲は次第に激しさを増していく。

Img_0110

優也くんがドラム・スティックを使って激しいソロをキメる!

Img_0109

そして、直志さんの猛シャウト!

350v

こんな曲を演ってるバンドなんて最近他にないでしょ?
優也くんのソロも含めて、この曲はBLIND BIRDのステージの新しい「ハイライト」になりそうだ。

Img_0114

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ~!
最後は怒涛のドライビング・チューン「絶叫スパイラル」。
PONさんのバスドラがドコドコ絶叫してる!

360v上へ下へスケールの大きなラインでバンドにドライブ感を注ぎ込む河野さん。
間違いなく河野さんのベースはこのバンドの要だ。
いいバンドには必ずいいベーシストがいる…というのは私の名言だ(自分で言ってりゃ世話ぁない)。

370とにかく突っ走る、突っ走る!究極の疾駆ナンバー。
気分爽快、ロックの醍醐味満点の一曲!

380vBメロのバッキングのギターのメロディがカッコいい!
そして、急速の曲調に合わせて若干ピロピロ系のソロを聴かせる優也くん。

390v文字通り、全員が燃え尽きんばかりの激演だ!

400結局、全七曲、『SPICY SWEET』をそのまま丸ごとアルバム通り演奏してくれた。
Van Halenの初来日公演を思い出したわい!

410v「Hi-Lite」他、ニ曲のアンコールを披露してBLIND BIRDはステージから降りた。

430vPONさんお疲れさま~!
最高のNATALサウンドだった!

440もっかい。
コレがBLIND BIRDの最新作『SPICY SWEET』。
タイトルは撞着だね。
とにかくおススメ!
このバンドって、もちろんライブもいいんだけど、スタジオ音源の出来もすこぶる素晴らしいと思うんだよね。
作り込み加減がすごく自然というか、とにかく聴いていて気持ちがいい。
早くも次作が楽しみだったりして!

10cd
BLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site

4501965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2016年4月22日 高円寺SHOW BOATにて撮影)

2016年6月 7日 (火)

三文役者 in クロコダイル

トラディショナルな「日本のロック」サウンドを奏で続ける三文役者。
渋谷屋根裏のメモリアル・イベントに出演するなど、パワフルに悪あがき爆走中だ。

10花之木哲

20vちぇり~(大竹亨)

30v石井正夫

40vさとっちょ

50vもちろんオープニングは「三文役者」。
会場は一気に70年代の空気で満たされる。

60定番の曲順で「あやつり人形」が続く。 

80
大竹さんのソロがいい。
Hawkwind好きな人から出て来るフレーズとは思えない。
大竹さんはFaustとか変なのをよく聴いていたナァ。

70v「Dream Crush」を続けて三文役者のハードな面をフィーチュアする。
100v

ここで重苦しいバラードの「魂」。
哲さんはこの曲を歌うとヘロヘロになってしまうという。体力的な問題ではない。「魂」で歌うからだ。

90vコンテンポラリーなレパートリーで「Oh Oh Yeah」。

95第一部ではこの「Oh Oh Yeah」だけが新し目のナンバーとなった。
歴史のあるバンドだけが成せるセットリストだ。

120v真剣にギターをかき鳴らす哲さん!

130そして名曲「コルト'65」。

140響き渡るNATALサウンド!
きょうもさとっちょのドラミングが三文役者を激しくドライブさせる。

150v最後は「Red Sugar」で第一部の幕を閉じた。

160第二部にはコンテンポラリーなナンバーを中心に構成。
あ、何がコンテンポラリーかっていうのは、私が20歳まで三文役者に関わっていた時分までのナンバーが「クラシック」で、それ以降の活動で演奏している曲が「コンテンポラリー」なのね。
だから、一般的な定義では全くありませ~ん。
一曲目はコーラスが印象的な「Hold on my Way」。

170リズムの変化がカッコいい「To-Night」。
260v

そして、「メモアール」。

200v

この曲は元は「風」という名前だった。1980年に10インチ・シングル「怒雨降り」のカップリング曲としてリリースされた。
当時、10インチ(25cm)シングルという体裁がとても珍しくてビックリしたのを覚えている。このあとサンハウスも10インチ・シングルを出したのかな?チョット覚えていないな。
この曲はキーがDmなんだけど、オリジナルのバージョンでは、片山さんがBbのトライアドを引っ掛けて入ってくる。そこが高校生の私にとって、ものすごく新鮮だった。
レゲエ調というのも当時はまだ珍しかった。
何よりも曲がいい。
歌詞と曲が実にうまく絡み合っている「哲ミュージック」のひとつの完成形ではなかろうか?
このように三文役者は非常によい曲が揃ってるのだ。

1_img_2182_2 「Like a Rolling Stone」…

250v「Hello Dear Friend」とコンテンポラリー・ナンバー。

190v

ロッカ・バラードの名曲「聖羅」。
こういう曲って絶滅したよね。
若い人達がこの曲を聴いたら何て言うだろう。

270vそして、「My Blues」。
1991年、『Live On』収録の一曲。

290そして、「怒雨降り」。こうしたやや泥臭い軽快なロックンロールも三文役者の魅力のひとつ。
こういう曲もメッキリ巷間では聴かれなくなったナァ。

310ハーモニクスもスラップも無縁な正夫さん。しかしステディに低音を刻むことこそが正夫さんの仕事だ。
昔は正夫さんも1992SUPER BASSを愛用していたんよ。

280v
コーラスでも大活躍のさとっちょ。
パワフルなドラミングはステージの終盤になってもまったく変わらない。

300v
第二部は、哲さんが暴れまわる「回転木馬」で終了させた。320そしてアンコール。
正夫さんの誕生日がちかいことで「♪ハッピーバースデイ」…。

230
頭脳警察、友川かずきを支えた名ベーシスト。
しっかし、正夫さんって35年ぐらい前とゼンゼン変わらない!
昔はね、パタパタパタパタと走る黄色いビートルがトレード・マークだったんよ。
ご一緒させて頂いていた時は「音が大きい!」と怒られたこともあたし、「ウッシーは食い物の好き嫌いがある割には性格がいいな~」なんて注意されているんだか、ホメられているんだかわかないようなこともいわれたっけ。思い出は尽きないな~。
もう過ぎてしまったけど…正夫さん、お誕生日おめでとうございます!

240v

アンコールには「Home Again」と…

330v

「Love Game」が選ばれた。

1_s41a0306 三文役者の詳しい情報はコチラ⇒三文役者 Official Site

340<特報!>かつてMarshall Blogでレポートした『伝説のロッカーたちの祭典』がDVD化された!
発売は7月20日。
もちろん三文役者も登場する!
レポートはコチラ ↓   ↓   ↓
伝説のロッカーたちの祭典 <第1部>~めんたんぴん&THE 卍

伝説のロッカーたちの祭典 <第2部>~頭脳警察&三文役者

伝説のロッカーたちの祭典 <第3部>~外道&合同


<オマケ>
正夫さんが使っていたベース・アンプ。
3540というヘッドと1520というキャビネット。

350v3540は「Integrated Bass System」と名付けられた400Wヘッド。

3604 x12"キャビ2台tの組み合わせということもあろうが、クリアで芯の太い音が実に素晴らしい。

3701965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2016年4月20日 原宿CROCODILEにて撮影)

2016年6月 3日 (金)

NAKED MACHINE登場!【追補版】

「naked」という単語は「裸の」を意味する形容詞だけど、何となく単語と意味がかみ合っていないような感じが昔からするんだよね。
つまり「naked」という言葉を見たり聞いたりしても、「裸の」という意味が出て来るまでに、何となく頭の中でワンクッション入る感じがする。
普段から英文を書いていて使うことがほとんどない言葉なのでなじみが薄い…というのがその理由なんだと思うけど、これからはなじみの単語となりそうだ。
ナゼならこのNAKED MACHINEというバンドへの期待が大きいからだ。

ちなみに他にも「bare」とか「nude」とか、「裸の」という意味を表す英単語がある。当然それぞれ使い方が違う。
「bare」は部分的に裸になっている状態を指す。だから「素足」は「barefoot」だし、「素手」は「bareknuckle」だ。
一方、「nude」は服があるのに着ていない状態、何かの目的で裸になっている状態を指す。
「NAKED」でヨカッタ。
「NUDE MACHINE」だったらヤバそうだもんね。すぐにおまわりさんに連れて行かれそうだ。

さて、前から一度観たいと思っていたNAKED MACHINE、いよいよMarshall Blogにご登場頂いた!

10里村源多朗

20v杉浦智和

30峯村武憲

40石川達也

50そして、サポートで参加のKAN。

60源多朗さんは他のバンドで何度かMarshall Blogにご登場頂いている。

70vもちろん生粋のMarshallプレイヤーだ。

80実はお付き合いも結構古く、VintageModernのデモンストレーションをお手伝い頂いたのが最初になる。
写真は2007年に配布されたJVMとVintageModernの宣伝用デモンストレーションDVD。
チョット名前は出せないが、豪華なメンバーが出演している。
その中でも源多朗さんはハードロック・ギターのエキスを吸いつくしたかのような華麗なプレイを見せてくれている。
普段から仲よくお付き合い頂いている人、今では世界で活躍する人、ご無沙汰になっている人、残念ながら消滅してしまったバンド…久しぶりに観たけど、破天荒に濃い内容で驚いちゃった。
昔はずいぶんいろんなことをやったな~。何でも夢中で一生懸命やった。今はその時以上だ!

90dvd杉浦さんもMarshall。

100そして、Marshall GALAではTHE SHRED MASTERSルーク篁さんのチームで大活躍してくれた達也くんはNATAL。
達也くんが加入したこともあってNAKED MACHINEのステージを楽しみにしていた。

110vしかも、サポート参加とはいえ、KANちゃんが歌うのだから楽しみは増すばかりだ。

1_s41a0281 この日、複数のバンドが登場したが、NAKED MACHINEの出番になると場内はスシ詰め。
お客さんはノッケから興奮状態で、「待ってたぞ~!」感がハンパではなかった。

120_op 一曲目は「Evil Eyes」。

140

何たる純粋なハード・ロック・サウンド!
まさにMarshallがなければこの世に生まれて来なかった音楽。
そして、Marshallでなければならないロック!

130v_eeこういうロックを聴くとホッとするわ~。
1_img_0031

二曲目は「To the Top」。
KANちゃんの激唱ぶりがすさまじい!

160v_tttそして、冴えわたる源多朗さんのソロ!

210v

その二人をガッチリとバックアップする面々の仕事も見事だ。

170v

180v

190v

イヤイヤ~、達也くん、こうしたメタル・ドラミングはバッチリだね~。
ただでさえラウドでヌケの良い24"のバスドラを豪快に踏みながらNATALを鳴らし切ってくれた。

1_s41a0227「今までコーラスだったけど、昇進した」というKANちゃんのMCをはさんで…
240
「Oh my God」。

230_omgどこまでもメロディアスにソロを紡ぐ源多朗さん。
すさまじいシュレッドぶりだが一音一音の粒立ちがものすごくハッキリしている。

250昇進を果たしたKANちゃんの活躍ぶりも実に見事だった。

260前任のシンガーは男性だったが、まったくそんなことを気にさせない完璧なハマりよう。
恐るべし、KANちゃん!
しかし、いくら以前からコーラスを担当していたとはいえ、キーの問題は大丈夫だったのかね?

270v源多朗さんのソロのたびに大きな歓声が上がる!

280熱狂のステージはまだ続く…「Eternal Moon」。

300変わらぬテンションで整ったフレーズをとめどもなく繰り出す源多朗さん。

310v達也くんのドライブぶりも豪快そのものだ!

320vそして、最後の曲、「Fight to Survive」。

330v_fts正統派メタルむき出しのドライビング・チューン!

340v胸のすくような疾走感。

350vロックの醍醐味とはこういうことなのだ!

360v今回はイベントということで六曲と短いステージではあったが、ハードロックあるいはへヴィメタルの健在ぶりを見せつけてくれるような充実したパフォーマンスであった。
そして傍らにはMarshallとNATAL。
今後の活動がとても楽しみだ!

370vNAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒NAKED MACHINE OFFICIALWEBSITE

380この日、トリで登場したのはKNOCK'EM DEAD。
楽屋にお邪魔したら「お~!」なんて声をかけられた。

390誰かと思ったらバーニー!
うれしいね~。
開演前にBAD SCENEやら、シゲさんやら、楽器に関する昔話でスッカリ盛り上がってしまった。
…というのも、バーニーは10月に「野獣」に参加することになっているのだ

1_s41a0346 当然この日もMarshall。
カスタムショップで作った白い1987Xを使用。

400vいつも通り、絵にかいたような王道ギターをバッチリとキメて大きな歓声を浴びまくっていた。
ホント、「ロック・ギターの権化」のような人だ。

410vKNOCK'EM DEADのギタリストとのギター・バトルは最高の見せ場だった!
ありがとうバーニー!

420

【追補】
この記事を掲載した翌日、ビッグ・ニュースが転がり込んで来た。
記事内で「サポート参加」として触れているKANちゃんがNAKED MACHINEに正式加入したのだ!

1_s41a0248 おめでとうKANちゃん!
ますますのご活躍をお祈り申し上げております。
NAKED MACHINEのオリジナル曲で源多朗さんと一緒にジャンジャン日本の正統派HR/HMシーンを盛り上げてくだされ!

1_s41a01281965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2016年4月16日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2016年6月 1日 (水)

田川ヒロアキ~春のOver Drive Tour

意外だったな~。
もうとっくの昔に済ませていたのかと思ったのは田川ヒロアキのソロ形態でのツアー。
手数セッションやTAGAWAで何度も全国を回っているので完全に混同していたようだ。
田川ヒロアキ、アルバム『Over Drive』を引っ提げてのソロ・ツアーの千秋楽。

10 冒頭はヒロアキくんのステージではおなじみのオープニング曲「Seascape」。
バッキング・トラックで奏でるソロ・ギター曲だ。

20v初ソロ・ツアーのお伴も当然Marshall。
JVM210Hと1936Vだ。

30v足元のようす。
歪みはすべてJVMによる。
空間系のコンパクト・マルチ・エフェクターはセンド&リターンに接続。
フットコント―ラーの1~3に3種類のチャンネルを割り当て、4にはループのオン/オフをアサインしている。
チャンネルはOD/REDを多用しており、ギターのボリュームをコマメに変えて音色を変えている。

40田川ヒロアキ
「Seascape」の後、ヒロアキくんが車に乗るシーンの短い動画が上映された。
そう、ヒロアキくんといっしょに音楽のドライブに出かけよう!…といういかにもヒロアキくんらしい演出。

50v今回のツアーは、東京以外の公演ではバッキング・トラックを使った、文字通り「ソロ」でによるパフォーマンスを展開してきたが、この千秋楽の東京公演はバンド形態でのステージとなった。

60キーボードは石黒彰

70vベースに仮谷克之

80v仮谷さんはEDEN。
WT-800とD410XSTの組み合わせ。

90vドラムはヒロアキくんのバンド初登場の川口千里

100vバンドが入ってからの1曲目は「Straightforward」。

110_sfアップテンポのインスト曲。
ドライブのスタートにふさわしい、まるで高速道路を爽快に突っ走る感じ!

120vMCでツアーついての説明がなされた後、「Landscape」を披露。

130_ls気心知れた盟友、仮谷さんと…

140v石黒さんの安心のサポート。

150vそして千里ちゃんのスーパー・ドラミングで田川「ワールド」の魅力が増幅される。

160vまさに果てしない音の景色(Landscape)が広がる!

170v最初のボーカル曲は「Journey in my Heart」。
昔からレパートリーに顔を見せるおなじみの曲。

180v_jimコレもドライブのひとコマで、「傷心の車のひとり旅」のイメージなのだそうだ。

190v続けて「Keep Flying」。
2010年にリリースした二井原実、ファンキー末吉の両氏の共同プロデュースによるシングルCD曲。

200_kfここで年齢順にメンバー紹介。
ギタリスト大スキ!の石黒さん。実際スーパー・ギタリストとの共演は日常茶飯事だ。
最近Bill Evansのいい音源をゲットしたとか…。
石黒さんもヤタラメッタラとあらゆるジャンルの音楽に詳しいでネェ。音楽についての話しをしていて最も楽しいお方のひとり。
もちろん中心となる話題はいつもジャズとかヘンテコリンな音楽ばかり。

350v
「顔で弾くベーシスト!」と紹介された仮谷さん。
機動力に富んだ仮谷さんのベースがスキ!EDENをアグレッシブに思い切り鳴らしてくれるしね。

360v

「師匠から赤ちゃんって呼ばれています」と千里ちゃん。
こんなにスゴイ赤ちゃんはいませんから!
師匠には「Marshall祭り」のハウス・ドラマーを2回もお願いしたんですぜ。

370v

ここでゲストが加わる。
コーラスのLILIY BABIES。

210ヒロアキくんは「海岸通り」を熱唱。
もちろん『Over Drive』収録の一作。
ヒロアキくんのポップな面が目いっぱいプッシュされた曲。
「カセットテープに入れて来たベスト・ソング」ってとこが泣かせるね。アナタもそんな世代なのね?
でも今、またカセットテープが見直されてるんだってねッ?!
230
しかし、コーラスの力ってスゴイな。イヤ、「人の声の力」というべきか?
曲の雰囲気がガラっと変わるもんね。

220「つくばサーキット」のイベントでいっしょになってからのお付き合いだという。
LILY BABIESをフィーチュアしてもう一曲、「Ain't no Mountain High Enough」。
1967年のMarvin GayeとTammi Terrellのヒット・シングル。1970年にはDiana Rossがカバーしてまたしてもヒット。Diana初のビルボード・チャートNo.1に輝いて…なんてことは私が知っているワケがないので調べてみたら、そういうこと。
240_anmLILY BABIESは9人編成のバンド(他にひとり育休中)だが、この3人のボーカリストが参加してくれた。

Sasammy
尊敬する人が「Sammy Davis Jr.とセーラームーン」ってどういう組み合わせよ!
Sammyはホンモノ見たよ、ラスヴェガスで!最高だった!

270v

Hamazoo
マイケル・J・フォックスが尊敬する人だそう。芸名の元になっているマイケル・J・ポラードも名優ですぜ。

250vそして、東京生まれで西伊豆育ちのSuzuyo。
「伊豆の育ち」ってナンカいいナァ。気候は温暖、いかにも美味しいものを食べて育った…みたいな。


この三人、終始ニコニコで見ていて最高に気持ちがいいわ!
楽屋が隣だったので、部屋で練習している三人の歌声が聞こえてきたんだけど、スゲエの!三人ともメッチャ歌がうまくて、絶妙なアンサンブルがカイカンでした!
ごめんね、盗み聞きしちゃって!

さて、前曲に引き続いてメドレーで演奏したのは「天使にラブソングを」。
そういえば、ウーピー・ゴールドバーグ主演の同名の映画があったでしょ?アレの冒頭に「Heatwave」~「My Guy」~「I'll Follow You」からなる「Lounge Medley」と銘打ったR&Bのメドレーがあるんだけど、コレがすごく好きだった。ナニが好きって、ベース・ラインがメッチャかっこよくて、長野でハコバンをやっていた時に採譜したことがある。結局、演らなかったけど。
え、R&Bもイケるじゃないか?って?イエイエ、ベラ・バルトークの方が全然好きです。

260v…と、楽しく過ごしてきた田川ヒロアキ『春のOver Drive Tour』の第一部もコレで終了。

280休憩を挟んで第二部もヒロアキくんがソロで登場。

290v相変わらずの美しいギター・サウンド!
クリアでハード、それでいて深みのあるトーンを聴かせてくれるヒロアキくんのプレイはJVMの力量を見せてくれるひとつの完璧なショウケースだ。
1936Vとのコンビネーションもバッチリ以上!

300vアコギに持ち変えて石黒さんとのデュオ。

310曲は「たんぽぽと風」。
ヒロアキくんがソフトに歌い奏でるさまは、まるで優しい風にたんぽぽの花や綿帽子が揺れているようだ。
ユーミンの歌でよく知られるようになったけど、「たんぽぽ」って英語で「dandelion」っていうでしょ?
「lion」はあのライオンね。なんであんな可愛い花に「ライオン」なんて言葉が入っているか知ってる?
「dandelion」の語源はフランス語で「dent-de-lion」という。「dent」は「歯」という意味。たんぽぽの葉っぱってギザギザしてるでしょ?アレがライオンの歯なんだって。
昔の人のセンスはスゴイね。
しかし、「デンターライオン」とは何の関係もない。
…なんてことを考えながらヒロアキくんは歌っていないハズだ。
ちなみに綿帽子は「blowball」という。「blow」は「吹き飛ばす」ってこと。

320v続いて石黒さんのソロ。
Keith Emersonを偲んで、ココはFriedrich Guldaの「Prelude and Fugue」が来るかと思ったら、「アレを引くには半年の鍛錬が必要!」ということで今回はパス。
S41a0030

代わってとても美しいシンフォニックなソロで観客を魅了したのであった。

330v『Over Drive』からその名もズバリ「Driving Jam」。

380vこの曲ではメンバー各々のソロがフィーチュアされた。

390v仮谷さんのソロはいつだってダイナミック。
あれよあれよという間にギンギンに盛り上がっていく!

400vそして、千里ちゃんの圧巻のソロ!

420v

目も覚めるようなテクニックと歯切れの良いトーンが心地よい!

410vスティック・トリックもバッチリとキマってニッコニコ!

430v何をやっているかわからない人のためにもう一枚。
我ながらウマく撮れたお気に入りの一枚でもある。

そうそう千里ちゃん、10月には中野のシゲさんやバーニーと「野獣」演るんだって!絶対観なきゃ!

S41a0469 エキサイティングなナンバーの後は心温まる「切手のないおくりもの」。
ヒロアキくんはたま~にこの曲を選ぶが、こうしたホンワカ・ムードも彼の魅力のひとつ。

440続いてはヒロアキくんの平和賛歌、「平和の風」。
450_hkこの日の「Ave Maria」はマジでスゴかったナァ。
彼が石黒さんのアレンジで最初にレパートリーに加えた時から相当な回数を聴いてきたが、これほど感動的な「Ave Maria」は今までなかったのではないか?
トコトン美しいギターのトーンと感動的な歌いまわし。
本人も弾いていて感無量であったのだろう。少し涙ぐんでいた。
イヤ、これは涙するに値するパフォーマンスだったよ。
ヒロアキくんの演奏あっての話なのは百も二百承知しているけど、私も改めてJVMのすごさを知り、改めて真空管アンプの魅力を再発見した気がした。
もう、面倒だからハッキリいうけど、デジタル・プロダクツでは絶対にこうはいかないよ!
木でできたギターの音色の魅力を本当に引き出すことができるのは「0と1の世界」ではなくて、カソードやらグリッドやら前時代の産物、「真空管」だけだ。
MarshallはこれからCODEというモデリング・アンプをやるが、それはそれ。
どんな時代が来てもMarshallにはこの素晴らしいギター・サウンドを守り抜く姿勢を崩さないでいて欲しい。
なんか、そんなことまでを瞬時に考えさせられちゃう美しい演奏だった。

450v第二部でもLILY BABIESが登場。

460_kn『Over Drive』のリード・チューン、「キミ乗せて」だ。

470vコーラスも加わってグレードアップしたサビはゴージャスそのもの!
Marshall GALAでも演奏してくれた私にとってがおなじみの曲だけに、結構普段から無意識にこのサビのメロディを口ずさんじゃうことがあるんだよね。
いい曲とはそういうもんだ。

480そしてお揃いの「FRETPIANO」シャツに着替えて登場したアンコールは「Drive my Car」。

490ドライブづくしの全23曲!
本当の運転と違って、腰が痛くなることも、目が疲れることも、ETCカードを入れ忘れてあわてることもない実にドライブだったぜ!

500vこうしてヒロアキくんの丹精込めて企画&演出した初のソロ・ツアーの千秋楽は大成功に終わったのであった~!

510最後に…。
これがそのアルバム、『Over Drive』。
内ジャケにはつくばサーキットで撮った私の写真が使用されているので見てね!
220cd

最後はみんなで記念撮影。
楽しかったね~!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

520(一部敬称略 2016年4月15日 二子玉川Kiwaにて撮影)

2016年5月31日 (火)

CHIMERA GAMES TOKYO Vol.1

ヤダよ~!ヤダヤダヤダ~!
今年の夏は史上最高の暑さになるっていうじゃんね。
何も「夏も涼しくしろ」とは言わん。エル・ニーニョだかエル・ガウチョだか知らんが、冬はいっくら寒くてもいいから、夏は普通でいて欲しい。
あ、ちなみに「エル・ガウチョ」とは『Adam's Apple』に収録されているWayne Shorterの名曲ね。
で、インドはさっそく大変なことになってるっていうもんね。
TORNADO-GRENADEの雄太くんに教えてもらった、白山にある行きつけのインド料理店「SURAJI(スーラジ)」に日曜日に行った時、その話になったんだけど、インドはもう摂氏50℃だっていうからね。やっぱり史上最高気温になっているそうだ。
50℃!
そうなると、どうなるか…息も吸えないらしいよ。内臓が焼けてしまうほど空気がアツアツなのだそうだ。
暑くて何もできないので、少しでも涼しいところでジッとしているしか成すスベがない。ヤダね~。
反対にシカゴに住んだことがある友人からは、「マイナス50℃」っていう寒波の話も聞いたことがある。こちらはこちらで、息を吸うと内臓が凍り付いてしまうので外出できないらしい。
私もマイナス50℃っていうマグロの冷凍庫に入ったことがあるけど、入って数秒でまつ毛がパリパリ…簡単な防寒着を着ていたけど1分とガマンできなかった。
50度とマイナス50度…あなたならどちらを選ぶ?

で、今日は残念ながら悪天候に重なり、4月の上旬にしてはエラク寒い日に開催されたイベントのレポートだ。
ここは台場、ゆりかもめの青海駅からの眺望。

10『CHIMERA GAMES TOKYO』というイベント。
「Chimera」は「キメラ」あるいは「キマイラ」と読む。このイベントは「キメラ」だ。
「キマイラ」はギリシア神話に登場する怪物で頭がライオン、胴体がヤギ、それに毒蛇の尻尾がついているというてんでバラバラのフュージョン状態。
そこから転じて、最近では「由来が異なる複数の部分から構成されている」という意味の例えに使われるらしい。
サブタイトルに「EXTREME & STREET & Rock FES」とある。
エクストリーム・スポーツとストリート・パフォーマンス、そしてロックの融合という意味。
要するに「キマイラ」状態のテンコ盛りイベントなのだ。

20開催は4月2日と3日の二日間。
お邪魔したのは3日の方。
前日は天気がヨカッタそうだ。

25「Rock FES」はまだしも、「EXTREME」と「STREET」はどうかな~…オジちゃん、大丈夫かな~。とやや心配しつつ会場へ。

30場内にはさまざまな出店でにぎわっている。

40ヤング(今は「ヤング」なんて言わないか?)向けのグッズから…

50キュートなアクセサリー類…

60キッズ向けのコーナーも設置されている。

70そして、ステージ!

90JVM210Hと1960A。

110vEDEN WT-800とD410XST。

120vNATALのバーチ・キット。

130写真左のコンボはJVM205Cだ。

100

CHIMERA GAMES、2日目のステージに最初に上がったのはI Don't Like Mondays.。

140ボーカル/ギターの悠。

150vギターの兆志。

160vベースは謙二。

170ドラムに秋気。

175vいよいよ日本にも現れた本格的文章系バンド名グループ、I Don't Like Mondays.!
「.」までがバンド名だ。

180オシャレな女の子を踊らせるために2012 年、表参道でバンドを結成されたという。
190vこういうのを「シティ・ポップス」というのかしらん?
いかにも都会的でソフィスティケイトされたサウンドにファンクっぽさが加わる。

200vバンド名通り、「月曜日が苦手」ということで、月曜日はバンドの定休日となっているそうだ。
もし、月曜日が祝日の場合は翌日に振り替えとなる。
週に一度しか休まない働き者バンドだ!

210v後で聴いて驚いたんだけど、この手の音楽を演っているにもかかわらず、兆志さんはナント大のGary Mooreファンなのだそうだ。

220道理でギター・ソロになると俄然ガッツむき出しになると思った!
260v
NATALのバーサティリティにはまったく恐れ入る。
秋気さんのプレイに忠実に従いI Don't Like Mondays.のリズムをドラマチックに演出する。
バスドラのキレが素晴らしい!

230アダルトなサウンドからノリノリの曲まで多彩なレパートリーが大きな魅力。
それに、こういう音楽を演るバンドには必ずと言っていいほどキーボードがいるのにこのバンドにはいない。
そうなると、なんとなく男らしさを見出だしてしまうから不思議だ。

240v後半ではダンサブルな曲を固めて寒さをブッ飛ばす!
そして、キメラ・ガールズも舞台に上がり、ゴージャスにステージを締めくくった。

270I Don't Like Mondays.の詳しい情報はコチラ⇒Official Site

250

ステージは2日とも3バンドずつ、計6バンドがエキサイティングなパフォーマンスを展開した。

1_img_0009 さて、CHIMERA GAMESのメインのひとつ、エクストリーム・スポーツ。
私はそういうの、全く無縁の人生でしてね~。
この日、もうひとつ取材があって先を急ぐ必要があったのだが、どうしても見たくなっちゃって、しばらく居座らせて頂いた。
単車がピョーンと飛ぶヤツ!

280場内はエクストリーム・スポーツにちなんだ数々のアトラクションが設置されている。

290当然スケート・ボードも!

310v

320vさてさて、準備が整ったようだぞ!

330ひとりひとりライダーがステージに登場して紹介される。

340そしてジャンプ台に向かう。

350vブルンブルンブルン、バリバリバリバリ、ブォブォブォブォ…何て表現していいのかわからないけど、やっぱ音がスゴイね!
コレ、無音だったらおもしろくもなんともないゼ!
カーレースの類も何度か見せてもらったけど、目の前だけにこっちの迫力も負けちゃいない!
ク~、オレの「バイク野郎」の血が騒ぐゼ~!←どこがじゃ!

360始まった…モノスゴイ加速!

370オリャ~!

390vもう後は説明不要ですな。

380v

空中での妙技をしばしご覧あれ!

410v天気が惜しい!

420

430v

500v

480

440v

450v

470v

160

490v…とこういう感じ。
テレビで見るのとは全く違うド迫力のパフォーマンスで思わず感動してしまった!

510さて、このCHIMERA GAMES、早くもvol.2が決定している。
開催は10月29&30日。
場所は今回の会場のすぐ近くだが、規模は何倍にもなるのだ!
Marshall Blogでおなじみのバンドがステージに登場するといいね!

CHIMERA GAMESの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

5201965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2016年4月3日 お台場特設会場にて撮影)

2016年5月27日 (金)

激突!歌舞伎町のMarshall対決~Strange,Beautiful and Loud x D_Drive

ロンドンの地下鉄ディストリクト線の西の終点(West Bound)にはふたつの駅がある。
ひとつはテニスでおなじみの「ウィンブルドン」。
有名な植物園、キュー・ガーデンの隣がもうひとつの終着駅で、「リッチモンド」という。
ここはそのうちに『名所めぐり』で取り上げるつもりなので、今日は詳しくは触れないが、1962年に開業したCrawdaddy Clubのある場所がココだ。
開店の翌年、1963年にはThe Rolling Stonesがレギュラーで登場するようになり、The Yardbirds、Paul Jones、Long John Baldley、The Kinks以前のRay Davis等がこのハコでキャリアを積んだ。
代はスッカリ変わったが、現在でも同じ名前で営業している。
リッチモンドには私も何回か行っているのだが、Crawdaddy Clubに関する取材はしていない。

10そして、新宿のCrawdaddy Club。
Marshallのフルスタックがステージに鎮座し、「70's Good Music Bar」を標榜するありがたくもうれしいお店だ!
ここでMarshallづくしのライブが開催された。
出演は、Strange,Beautiful and Loudと…

20D_Drive!
このちょうど二週間前にはMarshall GALAが開催され、双方同じステージに立ったばかり…。
今回はダブル・ヘッドライナーでゴキゲンなパフォーマンスを見せてくれた。

400

先行はStrange,Beautiful and Loud。

X 三宅庸介

30v山本征史

40v金光健司

50v今回はステージのスペースの関係上、バックラインがおもしろいことになった。
もちろん三宅さんはMarshallだ。

60上段が三宅さんが使っているJVM210H。
そして、それをD_DriveのSeijiさん所有の1960Aで鳴らしたのだ。
だから今日の三宅さんのギター・サウンドはStrange,Beautiful,Loud and Driveだ。

70v足元のようす。

80以前はこんな感じだった。
若干シンプルになったことがわかる。ナニをどうしたからどうなった…ということは敢えて書かない。皆さんご存知でしょうから。

240_5 征史さんもいつものMarshallでいつものMarshallサウンド。

90v1992SUPER BASSのハーフスタック。
Marshall GALAの時からロゴがひっついて凛々しくなった。
このスクリプト・ロゴの力はスゴイな~。
見た目がMarshallそっくりのコピーの商品が後を絶たないが、皆さんこのスクリプト・ロゴだけはマネしないね、サスガに。
コフィン・ロゴはやられちゃってる。
ついでに書くけど、アレ、本家Marshallが作るMarshallが気にいらない、あるいはもっとよくしてやろう、とかいうことで自作するワケでしょ?
そんな自慢のオリジナル商品なのにどうして見た目はコピーしちゃうんだろうな~。
私だったら絶対にそんなことしたくないナ。
ルックスもオリジナルにするのが「筋」とか「根性」とかいうもんだと思うんだけど…。
ま、理由や気持ちはわかるけど、これこそ「画竜点睛を欠く」じゃない?
良きにつけ悪しきにつけ、イメージというものは本当に力を持っていることを思い知らされる。

100v今日のオープニングは「bloom」。

110三宅ワールド全開のワルツ・チューン。
後半に進むにしたがって三宅さんがジックリと弾き込もうとしているのが伝わってくる。

130続いてもワルツで「mani」。

140v三宅さんのヘヴィでダークなリフを征史さんが並走する。
テーマのバックで征史さんがグリッサンド

して何度もブチ込む「E」の音がメッチャ印象に残る。

150vこの曲はライブでのワイルドなパフォーマンスとは別に、オーバーダブを多用して細部まで作り込まれたスタジオ・バージョンも素晴らしい。
セカンド・アルバム、『Orchestral Supreme』を未聴の方は是非そちらもお試し頂きたい。
そういえば、このアルバムに入っている「hymn」ってライブでは取り上げられないナァ…カッコいい曲なのに。
あ、それと、「Fantasia」も最近全然出て来ないな…。

160vMarshall GALAで試して以来スッカリ気に入ってしまったハンドマイクでのMCも披露。

210
もう新曲を仕込んだのかもしれないが、かなり新しい部類に入る「devil」が三曲目。
この曲に関しては「ピアソラの影響が強い」という三宅さんだが、私のような一般人にはこういう人の物事の捉え方がサッパリわからん。

180

続いて金光さんのパワフルなスネア6発!
190v

一段と三人の統一感を見せるSBLのテーマ的な曲「if」。
「テーマ・ソング」とは私の勝手な表現。

170

でも「テーマ・ソング」と思っているのは私だけではないと思うんだよね。
…というのも三宅さんが弾く印象的なサビのフレーズになると、お客さんが演奏に合わせて小さく頭を振ってるんだな。

B_s41a0092 三宅さんの曲の中ではそれぐらい親しみやすい曲なワケで、このバンドのひとつのイメージに仕上がっていると感じる。すなわち「テーマ・ソング」に近いと思うのだ。
親しみやすいが、実に作りが凝っている曲だ。

B_img_0020 特に後半の征史さんと奏でるリフが出て来るところは何とも言えない快感を覚える。

200vジトっと「Petal」。
三宅さんの曲のタイトルは英単語ひとつのモノが多い。コレはご自身でもこだわっているそうだ。
しかも一音節の単語が多いんだよね。
でもわからないことがひとつある。
それは、ナゼかイニシャルが大文字のものと小文字のものが混在してるんだよね。
今度ワケを訊いてみよう。
ミスプリントだったりして。
それにしても重いナァ、「Petal」は。これもいかにもSBLらしい。
230v

SBLのステージを締めくくるのは「Virtue」。

220今のレパートリーの中では「bloom」とともに最も古い曲。
三宅さんがチャイコフスキーとマディ・ウォーターズをよく聴いていた時期に作ったそうだ…♪なんでだろう。

240v中間の長いインプロヴィゼーションのパートを経てクライマックスへ向かう。

250vそこで三宅さんは燃え尽きるのだ。
今晩も薄皮を何枚も剥いだに違いない。

260vさて、来る5月31日、Strange,Beautiful and Loudがシリーズで展開している『SOUND EXPERIENCE』が開催される。
場所は三宅さんの東京のホーム、三軒茶屋のGRAPEFRUIT MOON。いつものとこだ。
家内曰く、ここのモヒートがすごくおいしいらしい。私はいつも車なので飲んだことがない。
で、いつも対バンを招いての企画なのだが、いよいよ三宅さんと対バンをする度胸のあるバンドがいないくなってしまった…というのはもちろん冗談だが、今回の相手は人間ではない。
その相手とはMarshall ASTORIA!
三宅さんが今話題のASTORIAをプレイすることが決定した。
全編ではないが、どんな音を出すのかすごく楽しみだ!
実は三宅さんとASTORIAの関係は結構古くてございましてナ。
そのあたりの話がでるかどうかわからないが、是非皆さんにも「ASTORIA EXPERIENCE」して頂きたい!

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

270続いてD_Driveがステージに上がる。

280Seiji

290vYuki

300vShimataro

310vChiiko

320vSeijiさんとYukiちゃんは昨日のCODEの試奏レポートに続いてのご登場!

330vSeijiさんの愛機、DSL100ECの姿が見えないと思ったら…安心してください!奥にありますよ。
この「安心してください!」っというのももう誰も言わなくなったね。
Marshall Blogでは積極的に流行りの言葉を引用するようにしている。時代を映すことができるからね。
今なら「第三者の厳しい目」だろう。
後半に強力な流行語が出なかったら今年の流行語大賞は固いだろう。受賞して賞金が必要ならわずかで申し訳ないが、オレの都民税を使えよ。
アレさ、元検事とか言う人ふたりを「第三者」に選んだでしょ?
その人の苗字が「第三者」さんだったら絶対大ウケするよ。
…と思って調べてみると、さすがに「第三者」さんはいないみたいだけど、ナント!
「台」さんと「三者」さんという苗字の方がいらっしゃるらしい。
「だいさん」は、「台」さんや「代」さんと結構多く、「中」さんがいるんだから「大」さんもいて当然。
一方、「三者」さんはさすがに珍しい。長野の姓で、推定人口10人だとか。
この二人が組んでですよ、
「元検事の『台』です。」
「私も元検事の『三者』です。」
そして、知事が言う…「だから隠していたワケじゃなくて『だいさんしゃ』さんって苗字だったんですよ。」…ってやったら最高だったのによ!
名前も「健二」さんでお願いしたいところだ。
ああ、どうでもいいことで思いっきり脱線してしまった。
でも、Seijiさんをプライベートで知る人にはこの部分、おもしろかったのではないでしょうか?

340知事といえば大阪でも色々ありましたな~。
ということでYukiちゃん。もちろんMarshall。

350v三宅さんのJVMの下敷きになっているのがYukiちゃんのTSL100。
キャビは三宅さん同様、Seijiさんの1960Aを拝借。

360v足元が大混雑~!

370そして、見落としてはならないのがShimaちゃんのベース・アンプ。

380vMarshallの後ろで見えないけど、愛機EDEN WT-800!

390「Hyper Driving High」でステージはスタート。

410vニュー・アルバム『R』から「Drive in the Srarry Night」へとつなげる。

420そして、Marshall GALAでも取り上げられた「M16」

480

「なんで私たちの出番が後なんでしょうね~。順番おかしくないですか~?」とYukiちゃん。
「今日はいろんなアルバムから演りますよ~」

500v

…と、YukiちゃんのMC。
何かこの日は特に演奏に集中している感じがしたな。
「徹底的に弾いてまうで!」みたいな…。

440v…ということで「Lost Block」から

450v「Peach Fizz」…

460v「Unkind Rain」と立て続けに演奏した。

470v今日はチョイと変則的なバックラインだけど、そんなことはお構いなしに新旧のDチューンをブチかました!
「R」のリストバンドだよ~。

B_s41a0226 楽しい時間はアッという間に過ぎますな…早くも最後のセクション⇒エエ~!

430

『R』から「Now or Never」と「Attraction 4D」。

490vチョットこのあたり、曲の変更があったんだけど覚えてないな…。
あと「Cassis Orange」は演った。

510今回は初めての会場ということがあったのかも知れないが、何しろ「大人のD_Drive」という感じがした。
あ、いつもは「子供のD_Drive」ということでは当然ないよ。

520vD_DriveはD_Driveだし、イイとかワルイとかいうことはゼンゼンなしに雰囲気が全然違うように私には感じられた。
だからおもしろいね。
「音楽が生き物」ということだ。だから「live」なのだ。

525vここのところASTORIAやCODEの試奏で大活躍して頂いたギター・チーム。

530v今日も素晴らしいMarshallサウンドだった!

B_s41a0235_2 こうして、今日の出演したギタリストの皆さんのように、Marshallを爆音で鳴らしてこそクリエイトできる音楽の価値がますます上がって来たって気がするね。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

550(一部敬称略 2016年3月20日 新宿Crawdaddy Clubにて撮影)

2016年5月25日 (水)

日本の歌もASTORIA~ノブ&フッキー結成25周年コンサート

久しぶりのハリウッド。
グローマンズ・チャイニーズ・シアターの前は相変わらず大勢の観光客でゴッタ返している。

05たくさんのみやげ物屋が立ち並ぶ、前を走るハリウッド・ブールヴァード。
アレレ、様子が違うぞ!

05_2…と思ったら浅草公会堂!
ああ、アメリカより日本、カリフォルニアより東京、ハリウッドより浅草…こっちの方が全然好きだわ…。

06お隣さんは浅草寺の本坊、伝法院(でんぼういん)。「本坊」とは住職が住むところ。
平成23年に国の名勝に指定されたが、一般への公開は基本的にしていない。
時々、開放しているので、いつか中を見たいと思っている。

07伝法院の前の通りはその名も「伝法院通り」。
演芸の町らしくズラリと並んだステージ衣装店。赤、青、黄、金、銀…あらゆる色のタキシードが取り揃えられている。
私の友人のジャズ・ミュージシャンもココでタキを買ったと言っていた。
そういえば、この並びにビッグ・ダディが整骨院みたいのを開業したんよ。
それを知らずにタマタマ通りかかったらあの声が聞こえて、見たらホンモノの「ビッグ・ダディ」!
アタシャ、驚いちゃった。コレがホントの「ビックリ・ダディ」…ナンチャッテ。

08公会堂の前の通り、「オレンジ通り」のキャラクター、「オレンテくん」。
ズッと「オレンジくん」かと思っていたんだけど、「オレンテくん」なんだってよ!
それにしてもこんなところにもゆるキャラがあるんだもんね~。
Marshall Blogも作っちゃおうかな…「マーブ郎」っていうの。

09それにしても、なんだ「オレンテ」の「テ」って?と不思議に思っていたらこういうことなのだそうだ。
要するに最初の写真のスターの手形から来てるワケ。
コイツ、天才肌らしい。

10そもそも何でココが「オレンジ通り」って言うのかと思っていたんだけど、道路がオレンジ色なのね?
何百回通っていてもゼンゼン気がつかなかったわ。
…と思ったらさにあらず。
名前が先に決まって、それにちなんで後から道路の表面をオレンジ色に塗装したんだって。
「オレンジ」はイメージで採用しただけで、さしたる意味はないようだ。

11vみんなが気にする、角の呉服屋さん屋根の上のねずみ小僧。

12v上から見るとこうなってる。

20さて、今日の浅草公会堂はものまね界の重鎮チーム、ノブ&フッキーの結成25周年を記念するコンサートだ。

40スゲエ、祝い花の数!

50ロックの世界ではさすがにこんなの見たことない!
やっぱ芸能界はケタが違うな。

60開演までまだ大分時間があるというのにたくさんの人が着席して開演を待つ。
チケットは完全ソールドアウトだ。

75そしていよいよ開演。
華々しくステージに登場するふたり。
オープニング・ナンバーはナット・キング・コールの「L-O-V-E」。

80ノブ

S41a0290
そして、フッキー。

S41a0288ところで、なんだってノブ&フッキーがMarshall Blogに出ているのかというと…この人。

90vおなじみ関雅樹がギターを弾いているのだ。

100もちろんアンプはMarshall。

110今回はASTORIA CLASSICをメインに使用。
先日レポートした通り、関ちゃんにはいち早くASTORIAを試奏してもらっていて、早速こうして大舞台の実戦で使ってもらったというワケ。
向かって右は以前から愛用している1974X。
イスは見ての通りNATAL!

120_2そしてベースは山田直子

130vEDENを使用。

140vヘッドはWT-800、キャビネットはD410XSTだ。

150ショウの方はコンサートのサブタイトルにあるように、「ものまねで綴る日本の歌」ということで、誰もが知っているおなじみの名曲の連発。

180v

大木凡人さんの進行で矢継ぎ早に次々とものまねが披露されるのだ。

185v
ルックス、歌ともに25年のキャリアがモノをいう完璧な芸だ。

160ジャンジャン出て来る!
谷村新司

170v千昌夫

186関雅樹…あ、コレは本人だ。
With Marshallね。

190こちらも本人。
直子さんの着実な低音が演奏を引き締める!

200美空ひばり

220谷村新司&堀内孝雄

230安岡力也。ホタテね。

240vロック・フレイバーあふれるこのコーナーでは関ちゃんのギター・ソロもフィーチュア。
ん~、いい音だな~。

250直子さんも猛ドライブ!
それにしてもEDENの音ってのはよーヌケる!

255そして…
S41a0144

裕也さんのクダリではステージ前方に歩み出て…

270大ノリ!

S41a0131 バック陣もダイナミックな演奏でこのロック・パートを盛り上げる。

ここで第一部終了。

280休憩をはさんでスタートした第二部でもジャンジャン飛び出すネタの嵐!
「ものまねジェットコースター」の名に恥じない、まだまだいくらでも出て来る豪華ものまねパフォーマンス!
美輪明宏

290v矢沢永吉

300v達郎さんまで!

310vコレはスゴイよな~。
ノブさん(お兄さんの方)が特にスゴイ。
ココに挙げなかったネタもドッサリ!一体何人分を演じたのだろう?

320青空球児・好児、ビートきよし、コロッケ、テツandトモ…写真は掲載していないが、25周年を祝うために多くの先輩や仲間が駆けつけてくれた。
生ゲロゲーロ、生なんでだろう等で大盛り上がり!テツandトモは大きなハシゴを使ったアクロバットまで披露してくれた。
そして、最後はノブ&フッキーのオリジナル曲、「素顔でいいのさ」を熱唱。

330v関ちゃんはエレガットも披露した。このギター、弾きやすいんだぜ~。

34025周年の感謝の気持ちを込めた歌に会場は感動一色!

350イヤ~、内容テンコ盛の一大爆笑スペクタクルでした!
ASTORIAも大活躍!
ところで…今日歌われた曲はタイトル通りまさに「日本の歌」、すなわち代表的な「歌謡曲」ばかりで、私世代ぐらいだと全曲知っている。歌詞は正確でないにしてもラクラク一緒に歌うことができる。
どうだろう、「真っ赤な太陽」あたりが最も古い曲だろうか?昭和42年のヒット曲だから約50年前の曲だ。
その曲が今でもこうして親しまれているのは、「歌い継がれている」からだ。
コレがあと30年位経ったらどうなるだろう?
今、テレビ等で流れる若い人たちが演っている曲は果たして残っているのだろうか?マァ、ホンの少しは残るかもしれないが、昭和歌謡のように長生きすることはま不可能だろう。
しからば、ものまねネタはどうなるのか?その時、誰のものまねをしているんだろう?
そもそも音楽なんて聴かれているのだろうか?
今日これだけたくさんの「日本のスタンダード曲」を耳にしてそんなことを思ってしまった。
落語と漫才同様、ものまねも日本独特のエンタテインメントだ。
海外でももちろん「ミミック・ショウ」というのは存在するが、せいぜい何の芸もないソックリさんが出て来るのが関の山だ。
コレほどまで高度な技術を持ってして人様のマネで爆笑をクリエイトするエンタテインメントは、日本人の根底に流れるマジメさ勤勉さが育てたモノで、言葉やものまねの対象を別にしても、日本人にしかこのおもしろさは通用しないのではないだろうか?
ノブ&フッキーがいる国に生まれてヨカッタ!

1_s41a0319 そしてフィナーレ!

何はともあれ、25周年おめでとうございます!
ノブ&フッキーの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルHP

360次にASTORIAを弾くのはキミだ!

370関ちゃんは『Arm Up Guitar School』というギター教室も開設している。
詳しい情報はコチラ⇒The website of Masaki Seki

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】 いよいよASTORIAが出るよ!

(一部敬称略 2016年3月12日 浅草公会堂 大ホールにて撮影)

2016年5月21日 (土)

LOUDNESS~35th Anniversary Year Special Live "SHOCKING DEVIL'S LAND"

35周年を激走中のLOUDNESS。
10
LOUDNESSのコロンビア期のリマスター盤がリリースされたことを記念したコンサートが東京と大阪で開催された。
『誕生前夜』、『魔界典章』、『撃剣霊化』からの収録曲を中心据えたセットリストに満員の観客はケタ違いの熱狂と感動に包まれた。
今日のMarshall Blogは3月31日のその東京公演のもようをレポートする。

Sign オープニングでいきなり爆発的なインストを披露。
音が出た瞬間からLOUDNESSの世界の真っただ中に突入だ!

20最初の曲は「LOUDNESS」。
LOUDNESSの記念すべき最初のアルバム『誕生前夜』、の最初に収められている曲…と「最初」づくしで固めてきた。

30二井原実

40v高崎晃

50v山下昌良

60v鈴木政行

70v続けて「ROCK SHOCK」…『誕生前夜』の曲が並ぶ。

80『誕生前夜』の発表は1981年。
35周年だからして、デビュー・アルバムのリリースが35年前なのは当然至極なのだが、コレが四半世紀を10年も上回る過去の曲とは思えない。

90ステージの上下(かみしも)に備え付けられた巨大な十字架。
高崎さんの鬼気迫るプレイにとてもよくマッチしている。

100v1982年のシングル、「BURNING LOVE」。まだEPの時代。CDが一般的に普及し出したのがこの年の後半と言われている。
その頃からバリバリに激走し続けているのだ。
ちなみに、最近は音楽配信の隆盛でスッカリ見かけなくなったが、1987年、世界で最初に8cm(3インチ)シングルをリリースしたのはFrank Zappaで曲は「Peaches en Regalia」だった。
さらに「STREET WOMAN」、「TO BE DEMON」と続けて演奏し、『誕生前夜』のセクションを終了。

110そして、「IN THE MIRROR」。
現在も演奏される機会の多いLOUDNESSスタンダードの一作。

120vここから『魔界典章』セクションに入る。

130近作であれ、旧作であれ、何ともすさまじいまでの高崎さんの存在感。
もはやロック・ギターの権化にして真髄。ギターがギターが弾いているような感覚さえ受ける!

135続けての曲は「BLACK WALL」。

140vそのままドラム・ソロへと突入した。

150ドラム・ソロって昔からナゼかコンサートの後半に持ってくる傾向があるでしょ?
この点もLOUDNESSは違う。
中盤前に持ってくる。

160vそれだけにお客さんのドラムに向ける集中力も高い。

S41a0844 パワフルで粒立ちのよいダブル・バス・プレイをふんだんに盛り込んだ強力なソロで観客の喝采を一身に浴びた。

170まだ続く『魔界典章』のセクション。
1983年のシングル「ROAD RACER」だ。

180問答無用にストレートなメタル・チューンが実に気持ちよろしいな。
いつもMarshall Blogに書いているように、「音楽は曲だ」…を証明してくれるようなクォリティの高い曲が続く。
『THUNDER IN THE EAST』の萌芽はとっくの昔に始まっていたのだ。

190そして、その佳曲をドラマチックかつスリリングに演出する完璧な器楽テクニック。
不滅のロック・スタイルがココにあったし、当然今も健在だ!

195v1987年の『HURRICANE EYES』から「ROCK'N ROLL GYPSY」。
独自のグルーヴでステージ下手から重低音を遠慮なくブッ放す山下さん!

200v人気曲「CRAZY DOCTOR」…ここから『撃剣霊化』のセクション。

210vその前に、待ってました!の高崎さんのギター・ソロだ!

230ロック・ギターのすべてのエッセンスを含んだ素晴らしいプレイ!
お客さんの高崎さんへの凝視がハンパじゃない!

240vこれほど激しく、獰猛に、しかし、美しく、繊細にギターを弾く人は世界でもそうはいまい。驚異的なテクニックのすべてが「音楽」をクリエイトするために注ぎ込まれている点が素晴らしいのだ。

250ショウは後半に入り『撃剣霊化』の曲を連ねる。

260「BUTTERFLY」から「SATISFACTION GURANTEED」。
310v

時折ドラムのライザーに上がってはあんぱんさんをインスパイアする二井原さん。

275高崎さんと山下さんのカラミも見逃せない!

280『魔界典章』から「THE LAW OF DEVIL'S LAND」を経て、名バラード「So Lonly」へ。
今日も序破急取り混ぜた鉄壁のラインナップで客席のファンを狂喜させた4人!

320

290v

300

330v以上で本編は終了。
全14曲。劇的なメタル・ショウだった!

340そして、アンコール。

350一曲目は最新作のタイトル・チューン、「THE SUN WILL RISE AGAIN」。

360デビュー作から最新作までを一気に俯瞰しても少しもブレることがないところがスゴイ。
すべてがLOUDNESSミュージックだからだ。

380vアンコールのもう一曲は定番「CRAZY NIGHT」。

370ホント、LOUDNESSのコンサートは「ロックを観た!」という感激に浸らせてくれる。
今年も世界のフェスティバルでの活躍を期待している。

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

390ここでLOUDNESS情報!
コレは昨年末に開催されたEARTHSHAKERとのダブル・ヘッドライナー・ショウの模様を収めたライブ・アルバムが1月にリリースされている。

395また、樋口さんのシグネチャー・スティックもリリースされた。
会場にて販売されたが、当日分がアッという間にソールド・アウトとなった人気アイテム。

400最後に!
ファンの人気投票による選曲で構成されるベスト・アルバム『SAMSARA FLIGHT~輪廻飛翔~』。
中間発表では「CRAZY DOCTOR」が第一位だそうだ。
発売は7月6日を予定しているが、この人気投票の締め切りの5月24日まであと数日だ。
まだ、投票していないファンはお忘れなく!

詳しい情報はコチラ⇒特設サイト

Samsara

※5月23日のMarshall Blogの更新はありません。代休。

(一部敬称略 2016年3月31日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影)

2016年5月20日 (金)

TWIN PEAKS~二番、Deep Purple編:SMOOTH DANCER

ある日、Marshall Blogの原稿書きだったか、写真の現像作業だったかに疲れてしまい、ソファで横になりながらジックリとハナクソをほじっていた。大きいのがスポッとキレイに取れた!とよろこんでいたら傍らの電話が鳴った。
電話はDYNAGONのキーボード、加藤剛からだった。
「他にはない本格的な大人のDeep Purpleのトリビュート・バンドをやろうと思っているんですよ。で、ギターは島くんにお願いしようと思っているですわ」…と新しいバンドの構想を私にいち早く知らせてくれるための連絡だった。
若手ロックの草食性に変化が見えない一方、ベテランはベテランで、コピー・バンドで気勢を上げるという状態が続いていて、正直「またか」という印象もないではなかった。
それにしてもこのトリビュート・バンドって増えたよ~。
ジミヘンのBand of Shigeo Rolloverとか、ストーンズのBeggarsとか、ツェッペリンのシナモン…私は詳しくはないが、それらのグループが相当昔からあったのは知っている。Bad Sceneのコピー・バンドっていうのもいた。そう、昔はコピー・バンドって呼んでいた。
今はスゴイね。何から何まで揃ってる。
さて、剛さん…あれほどのJon LordないしはDeep Purple愛の強い人だし、ギターはノンちゃんということもあってその仕上がりを楽しみしていた。
…と、話は飛んで、アッという間に本番の日。
会場に足を運ぶと剛さんたちのバンド名が「SMOOTH DANCER」となっていてまずはニヤリ。
「Smooth Dancer」は1973年リリースのDeep Purpleの7枚目のアルバム『Who Do We Think We Are?』の収録曲のひとつ。
私はこのアルバムを14、15歳の時に中古で買ったのだが(オマケでロゴ・ステッカーが付いていた)、熱心なファンでもなかった私は「My Woman From Tokyo」ぐらいしか聴かず、すぐに手放してしまった。したがって、このアルバムの内容についてはほとんど記憶がなかった。
そして、ココでノンちゃんが登場する。ハッキリ言って最近の話よ。
「あのアルバムは『My Woman From Tokyo』以外の曲が全部いいんですよ。」と言うノンちゃん。
「ナヌ?」と不審に思った私は、このアルバムをまた買って聴き直してみた。
すると、すると~!アータ、なにコレ?「アッとおどろくタメゴロー」じゃないの!
殺人的にカッコいい!しかも全曲(「My Wonan~」含む)!
中でも気に入ったのが「Mary Long」という曲。
このサビがいいんだ。一発で気に入った(といっても昔聴いてるハズなんだけどね)
「♪How did you lose your virginity, Mary Long?」と「♪When will you lose your stupidity, Mary Long?」というところ。
「How」 と「What」の疑問詞の組み合わせ。そして、「Virginity」と「Stupidity」の脚韻を踏んだ意味の対比がタマらない。
日本にも似た曲があるよね。
もちろん「Super Trouper」も「Rat Bat Blue」も「Place in Line」も「Our Lady」もみんないい。イケね、全部挙がっちまった。
その中で「Mary Long」に次いで好きな曲が「Smooth Dancer」なの。「Blood Sucker」でも「Fireball」でもない、「Smooth Dancer」をバンド名にしてくれたのがチョットうれしかったというワケ。
ちなみにノンちゃん曰く、アルバム『Fireball』の場合も表題曲「Fireball」以外がおススメだとか…。
でもね、「Deep Purpleの最高傑作は『Who Do We Think We Are?』と『Fireball』だ」と本場イギリスの友人も言っていた。
前書きおわり。

10_3SMOOTH DANCERのメンバーは…
Ray

20v_2島 紀史

30v_2加藤 剛

40v_2臼井"OZMA"孝文

50v加藤剛志
スゴイ、剛さんの名前がフルでスッポリ入ってる!

60v一曲目は「Burn」。

70_2水を得た魚のような剛さんのオルガン・プレイ!

80v_mightカバーデイルをしっかりカバーするRayさん!
昔は誰も易々と「Burn」なんか演奏できなかった…なんて話をDead Eyed Spiderの千田さんと以前話したことがあった。
少なくとも私が高校ぐらいの時はDavid Coverdaleと同じように歌える人なんていなかった…というか見たことなかった。
コレも食や生活の西洋化にともなう肉体的進化なのであろうか?
陸上の100m走の記録がドンドン塗り替えられていくのと同じ現象なのか?
ところがその西洋が「Baby化」してるのだから皮肉なものだ。

90_2続いて、コレはあまり取り上げられないんじゃない?
『Burn』の二曲目「Might Just Take Your Life」。

100v_mtこういう他のバンドが演りそうにない曲を取り上げるのがSMOOTH DANCERのいいところ。
こういうことをジャンジャンやるべき。

110v_2ところで、今日のノンちゃん…もちろんMarshall。

120v愛用のMAJOR 1967と1960Bのセットだ。

130v_2三曲目は「Mistreated」。
MKⅢを代表する曲のひとつですな。
昔は「ミステリー・テッド」かと思っていた。「ミス・トリ―テッド」だということに気が付いたのはかなり後になってのことだった。
「ニュー・ジーランド」みたいなもんです。
以前にも書いたけど、子供の頃はかったるい曲だな~、と思っていた。今になってみると実にいい曲だ。
ノンちゃんも思い入れタップリにあのリフを鳴らす。
そして、「チゴイネルワイゼン」にも似た演歌調のあのソロ!「♪タリララ~」のとこね。

300v_2

Rayさんの情感豊かな歌いっぷりも印象的だった。
Marshallの50周年コンサートではGlennとYngwieがこの曲で共演した。

詳しくはコチラ⇒【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.8~Glenn Hughes & Andy Fraser

しっかし、Andy Fraserも亡くなっちゃったもんね~。

220_2
「Stormbringer」が続く。
「Stormbringer」というのはマイケル・ムーアコックという人の小説に出て来る魔法の黒い剣の名前だが、Coverdaleはレコーディング時にはこのことを知らなかったと関係を否定しているそうだ。
アルバムでは歌の始まりの前に奇妙な低い叫び声が聞こえるが、これはCoverdaleが映画『エクソシスト』のリンダ・ブレアのセリフを逆読みしたものだとか…。

140sb念願のパープル・バンドが実現して剛さんも楽しそうだ!
290_2
OZMAさんはいつも通りの鬼気迫る全力投球!

160v_2ノンちゃんはジックリとRitchie役に徹している感じ?

170再結成ものから「Perfect Strangers」。
グバ~!ッと剛さんのオルガンが鳴り響く!
200v_lz
私としては、「Perfect Stranger」の方が得意なんだけど、この曲もカッコいいね。
なるほど、真ん中は4/4と5/4のコンビネーションになってるのね。

180_2そして、「Lazy」。
ノンちゃんガッシリとハマっとる!

210v_2私の場合、Deep Purpleというと、Ian GillanのMKIIなんだよね。
でも、どうも見てると、圧倒的に「Burn」をはじめとしてMKIIIの曲の演奏を耳にすることが多い。
剛さんにワケを尋ねてみると、Ian Gillanを歌える方が少ないんだとか…。
チョット気になって本国イギリスの事情を調べてみた…ったって、友達ひとりに訊いただけだけど。
イギリスにもゴマンとDeep Purpleをコピーしているバンドがいるそうだ。ま、そうでしょう。
で、彼らのはレパートリーはやっぱりMKIIとMKIIIのチャンポンで、MKIIばかりやってるバンドというのは見かけないそうだ。
そして、Ian GillanとDavid Coverdaleのボーカルを両方完璧にこなす歌い手は皆無なのだそうだ。
そりゃそうでしょうね。ブリティッシュ・ハード・ロック界の二大個性だもんね。
日本ではどうなの?
Whitesnakeの影響も大きいせいか、Coverdale派の方が断然多いような印象なんだけど…。
その点、Big IanはIan Gillan Bandで貧乏クジを引いたな。
Ian Gillan Band、今聴いてもすごくいいんだけどね。武道館へ観に行っといてヨカッタ~。
このバンドもスター・ギター・プレイヤーがいたらもっと人気が上がってたのではないかと私はニラんでいる。
Rayさんは10穴ハーモニカもバッチリこなす熱演ぶり!(「ブルースハープ」は登録商標です)

215vさて、本編の最後は「このドラムのパターンとくればコレ!」の「Space Truckin'」。

230v_stここではタップリと名人たちのインプロヴィゼイションを披露。

240v最近はこうした即興パートをフィーチュアしたロックがホントになくなっちゃったからね~。

250剛さんとノンちゃんの対決。

280

遠慮なく鋭いフレーズを放り込むノンちゃん。

260v_2

それを真っ向から受けて反撃する剛さん!

275

「♪Conme on, Come on, let's go space truckin'!」…コレも問答無用でカッコいい曲だよね。実はスッゲエ久しぶりに聴いた。
本編はここまで。

270_2

アンコールは「Speed King」。
320
「♪スピ~~~~ドキンッ!」…これまたド迫力の演奏で会場は盛り上がる!

310さらにはシゲさんが加わっての「Little Wing」。

330ジックリとソロを弾き合うふたり。
ノンちゃんのジミヘンもまたよき哉。

335こんどはDeep Purpleのレパートリー。

350「♪デデデデデデ、デデデデデデ、デデデデデデ、デデデデデデ」のイントロはあまりにも有名ね。
曲名は敢えて記すのをよそう。

360…と充実の演奏を見せてくれた6人!
今度はバンド名にちなんで、『Who Do We Think We Are?』全曲演奏会をやって欲しいナ~。
ノンちゃんによれば、本家もライブでやってないとのこと。
トリビュート企画全盛の昨今、Led Zeppagainのように、そうした本家もやらなかったような曲を聴かせることもそうしたイベントの楽しみであり、醍醐味だと私は思うのだがいかがなものだろう?しばらく「Burn」は休ませてやりましょうよ。

V 

340v

370

380v

390vシゲさんは徹底的にGoing my wayでお願いします!

400お疲れさま~!

DYNAGONの詳しい情報はコチラ⇒Facebook

410<おまけ>
せっかくのDeep Purpleネタなので…。
紙焼きの写真を整理していて見つけた一枚。
2002年ぐらいかな?
フェスで有名なネブワースにほど近いヒッチンという小さい町にある楽器店。
Puepleファンにとってはタマらない店名でしょ?
ちゃんと紫になってる。
向かって右の人がオーナーなんだけど、尋ねるとやっぱり大のDeep Purpleファンだって言ってた。
それだけにMarshallの品揃えもバッチリだった。
しかし、ナンダって俺、ネクタイなんか締めてんだ?

1_502(一部敬称略 2016年2月28日 巣鴨獅子王にて撮影)

2016年5月19日 (木)

TWIN PEAKS <前編>~一番、Jimi Hendrixの部:中野重夫&東京エクスペリエンス

シゲさん、久しぶりのご登場!
「TWIN PEAKS~Jimi Hendrix vs. Deep Purple」なるイベントに出演した際の「中野重夫 & 東京エクスペリエンス」のステージのもようをレポートする。

10中野重夫

20v犬ケン

30vMitch Akimoty

40v直近でシゲさんにご登場頂いたのはDYNAGONだったか、Jimi Bruce Bandだったか…。
ジミヘンでのMarshall Blogは本当に久しぶりなのではなかろうか?
やっぱりこの姿がシックリくるね。
16年前に吉祥寺で最初にで会った時には「ウワッ!ジミヘンだ!」と思わず息をのんだものだ。
下は2000年に開催された一回目の「マーシャル祭り」の打ち上げの時に撮影した写真。
二人でジムを挟んで「イギリスで演奏させてください!」なんて直訴したっけ。
私は最近のコピー・バンド・ブームを「これでいいのか?」と思うクチのひとりだが、シゲさんぐらいになるとワケが違う。
Band of Shigeo Rolloverとして、1988年から28年もの長きにわたって真摯にJimi Hendrixの音楽とギターを追及し続けているんだから。
シゲさんは今年還暦をお迎えになるが、かれこれ人生の半分はジミヘンをやってるんだね~。

1_47 シゲさんとのお付き合いもこうして長くなって、今では父の墓参りにまでお越し頂くような緊密な関係になった。
すると、私にとってシゲさんは、もはや完全に「シゲさん」でしかなくなっちゃった。
一時はシゲさんにサンタナや渡辺貞夫も見出だしたが、やっぱり私には「中野重夫」だ。当たり前なんだけど…。

50その私よりもケタ違いにシゲさんと付き合いの長いのがMarshall。
ご存知の通りいつもはJimi Hendrix Singature SUPER100JHを愛用しているが、今日は現地のJVM210Hと1960Aを使用。

60一曲目は「Fire」。
100

シゲさんのジミヘン・ステージでは何回もオープニング飾った曲。

S41a0002

おなじみのソロ・フレーズ!
しかし、ジミヘンのオリジナル曲ってのはいいよね~。深いわ。

S41a0095

「♪Let me stand next to your fire」と気の合ったメンバーとのイキもピッタリ。
しかし、「東京エクスペリエンス」なんてうまいこと付けたもんだ。

290

そういえばシゲさん、かつて「ピック一枚持って出かけて、日本国中のジミヘン仲間とジャムろう!」なんて企画をやっていたな。青森エクスペリエンスとか…。
昔はShieo RolloverとMarshallのクリニックをよくやったものだった。札幌から福岡まで色々行ったっけ。
クリニックの後半で「ハイ、リアル・カラオケ!Rolloverと一緒に演奏したい人!」とお客さんからジミヘン役を募ると、福岡ではたくさんの希望者が出てきちゃって「Voodoo Chile」なんかをお客さんと一緒に演奏して頂いた。
それを見て「ジミヘン業界」は将来も明るいな…」と思ったが、実際は最近どうなのだろう?

120
続いて「Sunshine of Your Love」。
コレは比較的珍しい選曲。

110v

「Hey Joe」…「おい、ジョー、銃を片手にどこへいくんだよ?」と不誠実な奥さんを撃ってメキシコへ逃げる男の歌。
こんな歌詞は日本ではありえないよね~。
Billy Robertsというアメリカのフォークシンガーの作品ということになっているが、コレも著作権でモメているらしいね。
最近もRandy Californiaの「Stairway to Heaven事件」をブリ返していたけど、海外では有名曲、ヒット曲にはこういう盗作騒ぎがつきものだネェ。全部モメてんじゃん。
こんなことやってたらDeep Puepleなんてニッチもサッチもいかんよ。
この期に及んでは、「出来のいい改作は目をつぶれ」というのが私の意見。ただのコピーよりはゼンゼンいい。そもそもロックはブルースのエキスを吸収して育ったんだから。

140

「Manic Depression」も必ず選曲に入る重要な曲。

180

しかし、繰り返しになるが『Are You Experienced?』ってのはすごいアルバムだね。
Andy Aledortというアメリカのシゲさんみたいな人がいて、収録曲すべてのJimiのギタープレイを解説する教則ビデオがあった。
その字幕用の翻訳の監修の仕事をしたのだが、「なるほど、なるほど」とJimiの偉業に逐一関心したものだった。

190v

そして、Jimiのプレイもさることながら、やっぱりどれも曲がいいもん。
「不滅」どころか年々その価値が上がってる。
いかに音楽というものが、曲によってステイタスを左右されるのかがわかる。
どんなにすごいテクニックで離れ業をやって見せても、曲が凡庸であれば価値がなくなってしまう…それが音楽だ。音楽は曲だ。

210v

哀愁の「Vilanova Junction」。

200

ここはジックリと弾き込む。
コレっていい曲だよナァ。
いつ聴いても映画『ウッドストック』の最後でこの曲をバックに、落ちているスイカの食べカス(赤い部分少しあり)を拾って口にする若者を思い出す。
あのスイカの若者も、もう70歳ぐらいになっていることだろう。

80v

シゲさんはこの日、いつものMarshallでないせいか、かなり慎重な感じで演奏していた。
これまでいろんなタイプのシゲさんを見てきたが、もしかしたら今までで一番大人しいシゲさんだったかもしれない。

240
ガラリと代わって「Ezy Rider」。

260v

映画『イージーライダー』に使われたとかいうワケではなく、Jimiがタイトルに触発されて作った曲。
『イージーライダー』についてはコチラに書いておいたので未読の方は是非ご覧あれ。
  ↓   ↓   ↓
【Music Jacket Gallery】サウンドトラック盤ジャケット特集<前編>

シゲさん、ちょっと失礼。
実はですね、この『Music Jacket Gallery』と『イギリス-ロック名所めぐり』の回はMarshall Blogへのアクセス数がガクっと落ちるんですよ。
どうも本当にいつもご覧になってくださっている方々しか見てくれないみたい。
でもね、そういうのに限って記事を書くのが滅法大変なんですわ。
ひとつ書くのにモノスッゴイ時間がかかる。
取材して、写真を整えて、ストーリーを考えて、情報を注ぎ込む。イイ加減なことは書きたくないので、かなり時間をかけてひとつのことを調べ上げる。
文献は大抵が英語なので、読むにも日本語よりは時間がかかる。
さらに、初見でわかる、すなわち二度読みさせない文章を書くように心がけているので、自分で読んで「?」の時は何度も文章を書き直すことも少なくない。それでも結構誤植は出て来るけどね。
ま、やっていてツライけど楽しい。
楽しいのは、知らなかったことを知るよろこびなのね。「みんな知ってるかな~?知ったらビックリするぞ~!」なんてニヤニヤしながら書いてる。
ところが…だ。
アクセス数はガクッ!よ、ガクッ!記事の下の「いいね!」の数を見ればわかるでしょ?
ハッキリ言ってこの「いいね!」と実際のアクセス数は比例しないことが多いんだけど、それでもひとつの張り合いになっていることは間違いない。
やっぱ、つまんないのかな?
我ながらこのふたつはMarshall Blogの中で最も価値のあるカテゴリーだと思ってんだよね。
誰かに頼まれてやっているワケじゃないのでボヤくわけにもいかない。
早い話し、みなさん読んでください…ってことですわ!で、読んでみておもしろい!と思ったら是非拡散してやってくださいませ。
もうこうなりゃ肉弾戦ですわ!ご支援よろしくお願いします。
はい、シゲさん、お待たせしました。

270

小気味よいエイト・ビートに乗ってギター・ソロがバシっとキマる!

230v

ここで「Red House」。

220

実はですね、私、シゲさんの弾くブルース好きなんですわ。
元来ブルースを好んで聴いたりはしないことをいつも書いているけど、いいブルースはいいと素直に思う。
シゲさんのブルースは、ただただブルースペンタを行ったり来たりするだけではなくて、妙に不安定なメジャー感があるんだよね。
で、どこからそういうテイストを引っ張ってきたのか訊いてみた…当然Jimi Hendrixからの影響だと思ってサ。
そしたら答えはFrank Marinoだって!驚いたわ!
シゲさん、Frank Marinoが好きで、1978年の来日時、中野サンプラザまでワザワザ観に来たそうだ。(シゲさんは中京地区在住)
私はその前日かなんかに後楽園ホールで観た。
ま、Frank MarinoはJimiの完全フォロワーなので「直伝」ということなのね?

170v「All Along the Watchtower」…コレも重要なレパートリー。
実際、Bob Dylan自身のコンサートでもこの曲が最多演奏回数を誇っているとのこと。
次いで「Like a Rolling Stone」、「Highway 61 Revisited」、「Tangled Up in Blue」、「Blowin' in the Wind」なのだそうだ。
「ブルーにこんがらがって」ってのは、けだし名訳だと思う。

90

「The Star-Spangled Banner」…シゲさんのステージのハイライトのひとつ。ご存知「アメリカ国家」。
昔、Jim Marshallが来日した時、イギリス大使館でのパーティで呼ばれたシゲさんはコレを披露しようと思ったという…いくらJimi Hendrixでもそれはダメでしょ。
このダイナミックさがシゲさんなのだ!
ところで「spangle」って何だか知ってる?私は知らなかったんだけど「スパンコール」のことなんだってね。イヤ、「スパンコール」を英語で言うと「spangle」になる。動詞としては「ピカピカ光る」という意味。
「The Star-spangled Banner」とは「お星さま輝く旗」という意味。
アメリカ一体どうなるんだろね?

150v

ここからグイグイとクライマックスに向かっていく。

S41a0222

いつもと音は違うけど迫力は十分!

130v

ココからつなげて…今となってはJacoの愛奏曲としてもおなじみの「Third Stone from the Sun」。
「太陽から三番目の石」…すなわち地球のことだ。「Straneg beautiful gree of grass」ね、over。

250v
そして、〆は居酒屋の後のラーメンより定番の「Purple Haze」。

70

ナニせ、本人より演奏回数が多いというオハコ中のオハコ…

160v
当然こうするし…

300vこうもする。

久しぶりのシゲさんのジミヘン、タップリと楽しませて頂きました!

310vさて、こんなのがある…『SHIGEO HENDRIX 60th ANNIVERSARY』なるシゲさん祭りだ!
還暦、おめでとうございます!
場所は地元の松阪。
シゲさんが関わる現役のバンドのほとんどが出演するシゲさんづくしの一大イベント。
現在力を入れているJimi Bruce Bandも出演…私と家内はベースのYoko Leeの大ファンだでね!
行っちゃおうかな?
とにかくシゲさんもまた前歯を折らない程度に思う存分暴れて欲しい!

1_sg さてさて、世の中思いがけないことが起こるもんでございますが~、シゲさんネタでもうひとつ!
それは野獣の再結成なのだ!
「野獣」を知らない若い人たちのために一応記しておくが、「野獣」は「のけもの」と読む。
かくいう私も最初は「やじゅう」かと思ったら、現三文役者の大竹さんに「アレ、『のけもの』って読むんだぜ」と教わった。
下はデビュー・アルバムの『地獄の叫び』。
1979年6月の「ミュージック・マガジン」で中村とうようさんがディスク・レビューを書いている。
で、今回の再結成では、ギターにバーニー、すなわち日下部正則、さらにドラムに川口千里ちゃんが参加するという。
一体ナニ考えてんだか!楽しみじゃねーか!
ということで、中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

Shigeo Rolloverの詳しい情報はコチラ⇒Crying Guitar

Nmlp つづく

(一部敬称略 2016年2月28日 巣鴨獅子王にて撮影)

2016年5月18日 (水)

MEJIBRAY情報!~未公開写真つき

順調に快進撃を続けるMEJIBRAY。
昨年末には『NEXT MAJORITY VENOMOS』と銘打ったワンマン・ツアーを敢行。
東京はEX THEATER ROPPONGIで千秋楽を迎えた。

10当然、ステージにはMarshallの壁!

20「猛毒」のSEでスタートした狂熱のステージ。

30

40MiA

50背後にはMarshallウォール!

60愛用のJVM410Hはステージそでにセットされている。

70恋一

80メト

90vオープニングの「枷と知能」から猛然とブッ飛ばし続ける。

100v「SECRET No.03」や「パラダイム・パラドックス」、「NENOMS」といった人気曲が次から次へと飛び出し観客をたたみ込む!

110vトーチやレーザーなどステージの演出もゴージャス!

120ひと際大きく響く「MiA~!」の歓声!

130メンバー渾身のパフォーマンスは見ごたえ十分だった!

140ほとんどMCがないのはMEJIBRAYのスタイル。
この日も演奏に集中した18曲で本編を終わらせた。

150アンコールは、3月にリリースされたシングル曲「Agitato GRIMOIRE」だった。

160v「Agitato GRIMOIRE」に続き、4月に二ケ月連続でシングルをリリース。
17枚目のシングルは「THE END」。

170cd_4今回も3種類のスリーブで登場だ。

180cdこれが通常盤。

190cdさらに!
MEJIBRAYは「THE END」を引っ提げてデビュー5周年を記念した全国ツアー『THE END to be or not to be』の真っただ中。
千秋楽は6月10&11日、赤坂BLITZの2Days。
快進撃のMEJIBRAYなのだ!

MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Web Site

200(一部敬称略 2015年12月18日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影)

2016年4月28日 (木)

Hooked on Jazz with NATAL! ~ ROBERTA GAMBARINI -St. Valentine's Day Special Live - <増補版>

Marshall Blogの皆さんもウスウス感づいていることと思うが、白状すると、私はジャズが大スキである。(みんな知ってるか…)
Marshallが欠かせないハードなロックももちろん大スキだけど、ジャズもクラシックも民族音楽も大スキ!
だからジャズの仕事はメッチャうれしい。滅多にないけどね。
今日はそんなジャズのお仕事なのだ~!

10主役はこの方。
イタリアご出身の歌手、Roberta Gambarini(ロバータ・バンバリーニ)。

20vそして…
アルト・サックスがJustin Robinson。

30vピアノにSullivan Fortner。

40vベースはAmeen Saleem。

50vドラムがJeremy Bean Clemons。
NATALなのだ!

60vJeremyと一緒になるのは実はコレが2回目。
このRobertaのギグに先立つこと2週間。
アメリカのNATALのスタッフ、Joshの紹介でスネア・ドラムを渡しにJeremyが投宿している汐留のホテルにお邪魔した。
その時は人気トランぺッター、Roy Hargroveのコンボでの来日だったのだが、残念ながらJeremyがリクエストするコンフィギュレーションのキットがなかったのでスネア・ドラムだけを貸し出したのであった。したがってショウにも行かず…臍を噛む思いをした。Roy観たかった。
スネア・ドラムを手渡すと、Jeremyは満面の笑顔を浮かべて「NATALは音がものすごくいいから大スキなんだ!」と言ってくれた。うれしかった。

70Jeremyのリクエストとは20"のバス・ドラム。
22"で演奏すると音がデカすぎてクラブごとフッ飛んじゃうらしい。
10"、12"、16"、20"のメイプル。
何だか知らないけど、10"と12"タムの場所が反対なんじゃないの?

80スネアはさっき書いた、事前に貸し出していたアッシュの14"x5.5"。
どうもやたらと気に入ったらしい。
こないだMarshall Blogに登場したChris DuarteのところのJohn McNightもそうなんだけど、向こうの人達って機材に関してな~んにもうるさいこと言わないんだよね。
もちろん遠慮しているワケではない。言葉の壁で諦めているワケでもない。
ところが「ハイ、これ」と渡した道具を使って、いとも簡単に最高のサウンドを作っちゃうんだな。

90vさて、Roberta、私は浅学にしてどんな音楽を演るのか知らなかった。
ホテルでJeremyに会った時、「イヤ、オレはあんまジャズは…」みたいなことを言っていたので、AORみたいな音楽を演奏するのかと思っていた。

Img_0007 ところが、アータ、フタを開けてみたらストレート・アヘッドなジャズじゃないの!
もうアタシャごっきげん!
オープニングに私が知らないミュージカルの挿入歌をア・カペラで披露。
S41a0153

続いてバンドが入って「That's Old Black Magic」。
ちょっとカーメンっぽい歌いまわしが実にカッコいい!

110

またバックのお歴々の演奏の素晴らしいこと!

120vこのアルトの人がヤケクソにカッコよかった。
リハーサルでは「In a Mellow Tone」だの「52nd Street Theme」だのを吹いていたけど、サウンドチェックで演った超高速の「Lover Come Back to Me」にはブッ飛んだわ!
調べてみると、JustinもRoy Hargroveのコンボのメンバーで、Abbey LincolnやDianna Ross、Dizzy Gillespieのビッグ・バンドなんかでも活躍しているようだ。
今度リーダー・アルバムを見つけたら買ってみよう。

205
この人、リハでズッ~とピアノ弾いていた。
もう頭の中には音楽しかない感じで、Robertaの歌に合わせて自由奔放にヴォイシングを楽しんでいる姿がすこぶるカッコよかった。
楊枝も印象的だ。行儀悪いけど…。

130何が「ちょっとジャズは…」ですか?!
すさまじいスウィングぶりが最高だった!
NATAL、ジャズばっちりだね~。やっぱりバスドラの音がクリアかつ重厚で気持ちいい!
お店の音響の方からも大絶賛して頂いた。

140続いてはDave Brubeckの名作、「In Your Own Sweet Way」。
Brubeckは「Take Five」のピアノの人ね。あの曲を作ったのはアルト・サックスのPaul DesmondでBrubeckではありません。
この「In Your Own Sweet Way」もよく取り上げられるミュージシャンズ・スタンダード(ティン・パン・アレイのような職業作曲家の作品ではなくて、ミュージシャンが作曲してスタンダードになった曲)で、ん~、ロックに絡めていえば、Soft Machineにいたギタリスト、John Etheridgeも自身のソロ・アルバムで取り上げている。
いい曲だよ。

150v次の曲を説明するRoberta。
曲は「On the Sunny Side of the Street」らしいが、ナニナニ、Dizzy GillespieとSonny Rollinsのソロをボーカライズしました…と。おお!楽しみ。
GillespieとRollinsで「Sunny Side of the Street」と来れば、パッと頭に浮かぶのは『Sonny Side Up』からか?
このアルバムにはもうひとりSonnyが参加している。大好きなSonny Stitt。だからタイトルの『Sonny Side Up』。
もちろん「目玉焼き」のシャレだ。
片面だけ焼いた目玉焼きが「Sunny-side up」、方や両面焼きは「Over easy」という。ちなみに英米の人達は寄生虫を恐れて生卵を食べることはまずない。向こうの卵って風味が強くておいしいんだよね。アレで卵かけご飯をやったらどうなんだろう?
「ボーカライズ」とは、The Manhattan Transferで知った人も多いかもしれないが、ジャズ界の詩人、Jon Hendricsが開祖と言われる。Lambert, Hendricks & Rossというボーカル・トリオなんてのがあったんだけどスッゲェかっこいいよ。
歴史的に有名なアドリブ・ソロに歌詞をつけて歌う技法だ。

160これまた胸のすくような快演!
Robertaの声は重すぎず、軽すぎず、実に聴いていて心地よい。

170その素晴らしいボーカルをサポートするバック陣の鉄壁の演奏。

180ここでピアソラを1曲はさんで…「No More Blues」。

この曲を知ったのは渡辺貞夫の『Live at The Junk』というアルバム。1969年リリース。ギターは増尾好秋だった。
その増尾さんのギターを聴きに最前列を陣どったのが渡辺香津美だったという。
香津美さんご自身がかつてラジオでそうおっしゃっていた。
話題は反れるが、そのアルバムではナベサダさんの弟の文男さんがドラムを叩いているが、その後任がつのだ☆ひろさんだった。
その布陣でナベサダさんはモントルーに出演し、それもライブ盤になっているが、そのツアーでつのひろさんはスティックを12ダースへし折ったとか…。
ところで、作曲はジョビン。好きなんだ~、コレ。
「No More Blues」は英題で、原題は「Chega de Saudade(シェガ・ジ・サウダージ、邦題:想いあふれて)」という。
ボサノバという音楽は基本的には「サンバをゆっくりにして、ジャズの要素加えたもの」と定義づけられると思うが、この曲がボサノバ第一号と言われているらしい。
「サウダージ」というのは「郷愁」という意味。
ク~、こんなこと書いてたら『Live at The Junk』聴きたくなって来た!CDを持っていないので倉庫からLPを探してこないと…。

190v_blSullivanのピアノをバックにバラード、「Never Let me go」。

195マレットに持ち変えたJeremyのドラムが実にあたたかい。

S41a0212まぁ、なんてレパートリーが広いことよ。
続いて出てきたのはLeon Russell。
「Song for you」?いいえ…

Img_0018 「Masquarade」をシットリと4ビートで!
コレがすごくヨカッタ!

200

またまた、ガラっと変わって、今度はJimmy Heath。
Jimmy Heathはテナー・サックス奏者だが、作曲家としても有名で、Jimmyの作品集をリリースしているアーティストも散見される。Jimmyと書いたのは、Heath家も音楽一家で、兄弟のPercyがベーシスト、AlbertがドラマーでともにMJQのメンバー。
そして、『On the Corner』、『Get up with it』、『Dark Magus』、『Agharta』、『Pangaea』といったエレクトリック・マイルスの黄金期を支えたパーカッションのEmtume(エムトゥーメ。昔はムトゥーメと呼んでいた)はJimmy Heathの息子さんだ。

さて、Robertも『Connecting Spirits』というJimmy Heath作品集をリリースして本人とも共演を果たしている。
曲は「Without Song」。
コレね、「Without a Song」っていうスタンダード曲もあるのよ。ややこしい。
Jimmy Heathと聞いて「C.T.A」ぐらいしか頭にパッと浮かんでこない体たらくな私は、「Without a Song」の方がなじみ深かったりして…スミマセン。

S41a0027そして、本編最後は景気よく「From This Moment on」。
ミュージカル『Kiss me Kate』の挿入歌。Cole Porterの作曲だ。

S41a0323 軽快に、そして激烈にスウィングしまくるRoberta。カッチョイイ~!

230途中、Jeremyのドラムとデュエットに!

240vエキサイティングなドラムに鼓舞されて熱唱しまくりのRoberta!

250vやっぱ、NATALって音いいな~!

260アンコールでは「私の名前はロバータ・ガンバリーニ、ガンバリマス!」と自己紹介をして観客の笑いを誘った。
ところで、Frank Gambaleというイタリア系オーストラリア人ギタリストもいることだし、イタリアのどこかにやたらみんな頑張っている地方があるのだろうか?と疑問に思って少し調べてみると、ミラノとジェノバの間ぐらいに「Gambarana(ガンバラーナ)」という人口280人程度の小さな村を発見した。
その村とRobetaの家系に関係があるのはどうかはサッパリわからないが、とにかく怠けているとたちまち誰かに怒られてしまいそうな地名だ、「オラオラ、がんばらーなあかん!」って。
ちなみにイタリア語で「ガンバレ!」は「Forza!(フォルツァ!)」というそうだ。

270アンコールに選ばれたのはおなじみ「Fly me to the Moon」。

280vこれにて最初の東京でのステージが終了。
イヤ~、聴きごたえ満点以上の素晴らしいステージだった!

290最後まで楊枝!いかにもピアノ弾き職人といった感じのSullivan。

300ヘッドにヒョイと帽子を引っ掛けたイナセなAmeen。

310vそしてNATALで怒涛のスウィングを味あわせてくれたJeremy!

320もっと観たい~!
やっぱりジャズは好き。

330At last but never least!
今回Jeremyが使ったシー・スパークルのキットはCyber New NewのセミメタルA太郎さんからご貸与頂きました。
「20"インチのキットが必要ならどうぞ私のを使ってください」と提供してくださった。
この場をお借りしまして、A太郎さんのご親切なお申し出に心から御礼申し上げます。

3401965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年2月11日 COTTON CLUBにて撮影)

2016年4月27日 (水)

Electric Killer Show!!のBlind Bird

『Electric Killer Show!!』というイベントに登場したBlind Bird。

10_2桐嶋直志

20v小松優也

30v河野充生

40v山口PON昌人

50v不動の四人がクリエイトする不変のロック魂。

60優也くんはMarshall。ズ~ッとMarshall。

70JCM800 2203と1960A。

80v多くの曲でギターを弾きながら歌う直志さんもMarshall…

90v同じくJCM800 2203なのだ。

100vそして、PONさんはNATAL。

110vグレイ・スパークルのアッシュのキットで臨んだ。

120それにしてもこのバンドはいい。
まず、バンドに超強力で個性的な声がある。
直志さんの歌だ。
草食系ロックとは一線を画す「ロック」の声だ。

130曲がいい。
適度にハードで適度にポップで…どの曲も聴きどころが用意されていて、聴くものを飽きさせない。
決してピロピロ弾くことのないツボを得た優也くんのギターが曲にベスト・マッチする。

140vそして、アンサンブルの素晴らしさ。
そのカギを握っているのは河野さんのベースだろう。
ルートでリズムを刻むようなことはほとんどしない。独自のラインに乗って、行ったっきり帰って来ない。この河野さんのスタイルがバンドのサウンドを徹底的に厚くする。
3人の役割が確立されて、それが絶妙に絡み合っている。まるでジャズのコンボのようだ。

150vそして、各人のテクニック。
百戦錬磨の腕利きが次から次へとスリリングなプレイを披露していく。
特にNATALを使いこなすPONさんのプレイからは一時たりとて目も耳も離すことができない!

160チョット今日は記事の書き方が変でしょう?
いつもと同じワンパターンだって?ほっとけ!
書いている私の気持ちが違うのだ。それが筆致に表われていない?

170このイベントが開催されたのは2月の上旬のこと。
Marshall GALAのレポートなどでスッカリ掲載が遅くなってしまった。ファンの皆さん、ゴメンナサイ。
この日のセットリストは名盤『仮想粒子』からの曲が中心だった。

180v普通であればそのあたり様子を曲名を交えてレポートを編むのだが、それを止めたのだ。
ナゼならBlind Birdに失礼だと思ったから…。

190vナゼ失礼かと言うと、Blind Birdが4月に強力なニュー・アルバムをリリースしたからだ。
常に前進を続けるBlind Birdだからして、Marshall Blogもその姿勢に呼応したいのだ。(記事のアップが遅いせいなんだけど!)

200v
コレがそのニュー・アルバム『SPICY STREET』。
いいんだ~、コレが。
Blind Birdがまたやった!って感じ。
Cd
このアルバムの発売記念ツアーも終了し、その千秋楽に取材に行ってきた。
勝負はそっちということで、今日のMarshall Blogはそれの「予告編」として考えて頂きたい。

210v「Marshall」だ、「NATAL」だ…ということももちろんあるが、「良質なロック」として、もっともっと多くの人に見てもらいたいバンドのひとつだ。
がんばれBlind Bird!

220Blind Birdの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site

230

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年2月5日 渋谷CHERSEA HOTELにて撮影)

2016年4月26日 (火)

Invasion of Queen~Mary's Blood Tour 2015 - 2016

メジャー・デビュー後、昨秋2枚目のアルバムをリリースしたMary's Blood。

10_2今日はそのニュー・アルバム、『Bloody Palace』のレコ初ツアー『Invasion of Queen』の千秋楽のレポートだ。
会場はソールド・アウトの超満員!

120

コレが昨年10月にリリースされた『Bloody Palace』。
130cd
コレが実際の「Bloody Palace」。
メアリーのお父さんの家だ。

M_img_1071 さて、侵入を企てる4人の女王は…
EYE

30SAKI

40vRIO

50vMARI

60vそして、サポート参加の社-yashiro-

70v_2SAKIちゃんのMarshallを紹介するのは楽しい。

80_2JVM410Hと1960Aのタトゥー仕様だ。
SAKIちゃんのJVMはMarshallGALAにも登場し、Marshall Blog読者にはスッカリおなじみのことだろう。
SAKIちゃんは日本で唯一のタトゥー・オーナーのプロ・ギタリストだ。

90社ちゃんもMarshallだ。

100_2DSL100Hと1960A。

110オープニングは「Bite the Bullet」…「弾丸を噛め」。
この映画のことは以前に書いた。「bullet」のことも書いたことがあった。
Marshall Blogに縁の深い曲?

20

アルバムはSAKIちゃんのナイロン・ギターをフィーチュアした、序曲的な「The Gate of Palace(前掲の写真がまさにこれ!)」で幕を開けるが、それを除けば、アルバムの冒頭を飾るのがこのドメタルナンバー!

130v_btb規格外のハードなオープニングに会場は一気に興奮のるつぼと化した。

140v続いて「Crime and Punishment」。
170v

矢継ぎ早に飛び出すハード・ドライビング・ナンバーで会場の電圧が一気に上がってしまう!

160_2この曲はベースのゴリゴリ感がスゴイんだ。

150_cap

そのゴリゴリにベストマッチするMARIちゃんのドラムが尋常でなくへヴぃときてる。

160v_sfy哀愁のメロディが聴く者の耳をとらえて離さない「Song for You」。
いい曲だね。
アレンジがすごくいいし、歌のメロディとバッキングの組み合わせが実に魅力的だ。
ここまでニュー・アルバムの曲順通りという演出。

180_wings前作『Countdown to Evolution』から「Wings」。

190ここでMC。
「年をまたいでやってきたツアー・ファイナル。ひとつの歴史を作ろうと思っている。感謝と希望をこの曲に乗せてお届けします」…と演奏したのは「Infinite Love」。
ニューアルバム収録の純愛物語。

200_iflここまでのすさまじくハードな曲調からは考えられない、可愛い曲なのよ。
こうしたところもMaryの魅力のひとつだね。
サビに一箇所ドキッとする旋律が入ってる。
350v
SAKIちゃんの泣きのギターが炸裂!

220_ca前作収録の「Campanula」がコレに続いた。

270v

「タオル持ってる人出して~!」

230x_rtgまたまたニューアルバムから「Ready to Go」だ。
メジャーで軽快なナンバー…それでいてハード。魅力的な1曲だ。
240_2変わってドへヴィに「Grayish World」。
「graywish」は「灰色がかった」という形容詞。イギリス英語だ。
曲の方もまさに「Blimey!」なドライブ感!
イヤ、ここでは「Bloody!」だ!

250_gw「XOXO-kiss & hug-」。
「X」はキス、「O」はハグを表すことは今の若い人はフツーに知ってるだろう。
「O」はハグしている2人を上から見たところなんだって。そうかな~?
日本人にもこのハグをする人が増えてきたネェ。
外人は実にそつなくこなすけど、日本人がやるのはどうなんだろ?
キチンと頭を下げてお辞儀をする方が好ましいというのが私見。
それでも仕事で外人と付き合うとどうしてもコレをやらなければならず、初めのうちは恥ずかしかったな…今ではまったく平気になったけど。
キスを表す「X」の方が歴史が古く、起源には色々な説があるようだ。
苦手なのはこっち。
海外では、よく知っている女性とは「ムン~、チュッ!」とほっぺに軽くキスし合うのが正式な挨拶なワケだけど、いまだに右からか左からかわからなくてオロオロしてしまう。
作法がよくわからないので、仕方なく相手のリードに任せて、とにかくホッペを合わせ音だけ軽く「チュ」っとやるようにしている。
向こうは本当に仲がいいと、そういう趣味がない男同士でもブッチュ~だもんね。
「XOXO」は、向こうの人は手紙の最後にサインとともに書いたりするが、若い人だけではない。
ご年配の方もコレをやるんだよね。

260v_xo

ニューアルバムから「Sweet Trap」。

260_stココでステージ上はSAKIちゃんひとりとなる。

280_2ギター・ソロだ~。

290先日のMarshall GALAでもルーク篁さんと火花を散らすようなギター・バトルを披露してくれたが、この日のソロも煙が出てきそうなシュレッディングぶりで、観客の度肝を抜きまくった!

300_2続いてMARiちゃんのパワフルなドラム・ソロ!

310_2前作から「Marionette」…。
さらにその前のアルバム『AZURE』から「Veronica」を取り上げた。

320v_maここで~、「プレゼントを用意してきた」のとアナウンス。
「日本初」にして「世界初」にして「宇宙発」だというのは、新曲~!
210_2
「Shall We Dance?」という曲を披露。
405
大ウケにウケたね。

340v_swd新曲も無事に披露したところで最終コーナーに突入する。
『Bloody Palace』から「I'm Dead」。
この「dead」は冠詞がないので形容詞。すると英文としての意味は「私、死んでる~」とか「メッチャ疲れた~」という意味になる。

360_iad一方、Alice Cooperに「I Love the Dead」という曲がある。
こっちは「dead」に定冠詞の「the」が付いている。するとたちまち「dead」は名詞となり「死体」を意味する。
Aliceはこう歌う…♪I love the dead, before thet're cold…
すなわち死体愛好家の歌だ。
もちろん最高にカッコいいサウンドだ。Aliceはいつでも最高にカッコいい…1976年の『Alice Cooper Goes to Hell』までは…。
ところがですね、Maryの「Dead」も全くスゲエんだよ!
こんなジジイでも頭を振りたくなってくるぜ!…みたいな。

370v『Bloody Palace』から「Bloody Birthday」と、前作から「Coronation Day」。
「coronation」というのは「戴冠式」という意味。
イギリスのエリザベス女王は63年前、ウエストミンスター寺院で執り行った。それからイギリスでは戴冠式がない…当たり前か…。次はどうなるんだろうね~?

330v_v

そして、本編最後は『Countdown』から「Promised Land」。
390
疾風のごとく吹き抜けた18曲を演奏した4人の女王。
Invasionは完璧に遂行された。

380_bb

410v

420v

430vアンコール。
まず最初の曲は「Shout the Truth」。

440ケミカル・ライトが一斉に光を放つ。
Img_0189
曲に合わせて左右に揺れるライトが美しい。

460

さらにアンコールは続く…「Burning Blaze」。

470vもう1曲は「Moebius Loop」。

480コレで冒頭で触れた1曲を除き、『Bloody Palace』の収録曲をすべて演奏したことになる。
こうして聴くとこのアルバム、曲がすごくいい。
この調子でガンガン行ってもらいたいナァ。

490Marshallチーム!最高にカッコヨカッタぞ~!

500お客さにサインボールをプレゼント。

520こうして無事にかつ盛大にツアーの幕を下ろした5人なのであった!

530この模様はDVD化されて4月13日にリリースされた。
タイトルは『LIVE at BLAZE ~Invasion of Queen Tour 2015-2016 Final~』とわかりやすい。
そして、今年も『NAONのYAON』への出演が決定しているMary。
それに先立って5月13日に恵子さんと共演するそうだ。楽しみ!

Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

M_dvd
(一部敬称略 2016年1月31日 新宿BLAZEにて撮影)

2016年4月25日 (月)

これかたがわ~ギター・デュオの魅力(ディスク・ガイドつき)

「ギターは小さいオーケストラだ」…と言ったのはベートーベン。
このことは大分前にMarshall Blogに書いた記憶があるが、どうもコレは「ベルリオーズの言葉」らしいという説もあるようだ。
ベルリオーズ、詳しくはないけどカッコいいよね。映画『シャイニング』のタイトルに流れる不気味な旋律がベルリオーズのものと知った時は何やらうれしかった。
ところが、このメロディはリストの「死の舞踏」という曲にも現れる通り、「怒りの日」というクラシックではイディオム的な普遍性の高いメロディでマーラーを初め何人もの作曲家が引用しているのだそうだ。
ロックで言えば「ジョニー・B・グッド」のイントロみたいなもんだね。

さて、そのギターについて…。
こういうセリフもある。
「ギターが2本あるとマジックが起こる」…正確な引用ではないが、Larry CoryellかJohn McLaughlinの言葉だったように記憶している。
「マジック」より先に、同じ楽器2つ寄り添って何かひとつの音楽を作る…っていうシチュエーションは圧倒的にギターが有利だ。
それはギターがメロディ、リズム、ハーモニーの音楽の三要素と呼ばれる仕事がすべて難なくできて、かつリードも伴奏もできるという万能性が大きな理由のひとつ。
カスタネット・デュオなんて見たことないし、バグ・パイプ・デュオなんて相当やかましいぞ。
そう、音量の問題もある。
しからば、同じことができる楽器を考えてみると、例えばピアノがある。
Herbie HancockとChick Coreaのデュエットの名ライブ盤なんてのもあるが、何せピアノ2台を用意するのは大変なことだ。
それもスタインウェイやベーゼンドルファーを用意しろ…なんて言われたらどこかで破産するヤツが出て来るかも知れない。
他にもマリンバやヴィブラフォンなんかの名前が挙がろうが、実に魅力的な楽器ながら、演奏者の数が相当少ないことは間違いない。場所もかなり取るし、演奏するが破天荒にムズカシイ。
移動も大変だ。
そこへいくと、ピッコロには負けるにせよ、ギターの可搬性たるや楽器界のスーパー優等生だ。


今日はそんなギターのデュエットが生みだす「マジック」のレポートだ。

10是方博邦
久しぶりにご登場頂いた是方さん。
新しいMarshall Blogになって初めてのお目見えだ!

20v田川ヒロアキ

30v 人呼んで「これかたがわ」。
苗字がウマくつながってるナァ。
考えてみると2人は名前も「ヒロ」で共通なんだよね。
そこで「ひろくにあき」っていうのもイケるのではないか?…と。
そして、もうひとつ実に素晴らしい名前をこのデュオ・チームにつけることが可能なのだ。
それは「JVM」という名前。

402人ともJVMをお使い頂いているのだ!
コリャ、ちょっとしたJVM GALAじゃん?

50ヒロアキくんはJVM210Hと1936V。
Marshall Blogではおなじみの愛機。(コレ、いつも「愛機」か「愛器」かすごく迷うんだけど、ギターは楽器なので「愛器」、アンプは「機械」なので「愛機」というふうに使い分けているんだけど、ギター・アンプは楽器!といつも言ってるぐらいなので「愛器」にするべきか?教えて金田一さん!)

60そして、是方さんは…

70v JVM205C。
2x12"、50WのJVM2コンボだ。
実はこの時、「お試し」だったのだが、リハーサルでチェックして頂いて、早速本番で使って頂いた。
130v_tone
また、是方さんが弾くと、コレがいい音なんだ~。
メッチャ、ウォーム!
すっかりお気に召して頂いて、現在は100WのJVM210Cをお使い頂いている。

80是方さんには1987Xもご愛用頂いているが、そのスタイルはよく知られている通り、ブルージーでソウルフル、総じてビンテージ系のイクイップメントがマッチするトラディショナルなものだ。
100
方やヒロアキくん。
トラディショナルなギター・プレイの王道を踏み外すことはないが、コンテンポラリーなギター・パフォーマンスも得意としている。
おかしいのは弾き方だけだ。
この2人のかけ離れたスタイルを結びつけているJVMのヴァーサティリティがスゴイじゃないの。
共通項は、やはり真空管のギターアンプのサウンドに魅せられたギタリストということ。
そして、もうひとつは「Marshall」というアルファベット8文字に愛着を隠し得ないということか。

90_style今回、チョット職権乱用でリハーサルの時にヒロアキくんのJVMを試させてもらった。
ヒロアキくんのJVMの使い方は、歪みはすべてアンプの中である(←島崎藤村のパクリ)。
ループに空間系のエフェクターをつないで、クリーンはギターのボリュームを下げて作る。
コレが基本。
あのね~、我々こっち側でプロの皆さんの音こそいつも聞いているけど、実際に同じ機材でギターを弾かせてもらうチャンスはあまりない…というよりお願いするのも畏れ多い。
そこは、ま、付き合いの長いヒロアキくんのこと、ホームという雰囲気の柔らかさもあって図々しく「チョット、弾かせて!」とお願いしてみた。
「どーぞ、どーぞ!」と、私の腕のマズさを知っていながら気軽にOKしてくれたヒロアキくん。
…(間)…
ドワ~!
恥ずかしながら白状しますが…コレが同じJVM?ってな具合に弾きやすく、音がきれいなのよ!
やっぱプロの機材は違うね~。
今更ながら恐れ入りました!
120_try
さて、これかたがわのパーフォーマンスはバッキング・トラックを一切しようしないピュアなギター・デュオだ。
設定やテーマを予め決めておいて、後はお互いがインスパイアし合って作っていく音楽が主だ。

110v_tone1曲目はEのブルース。
一応タイトルがついていて「新年一発目の良いブルース」だって。

140v_aふたりが「ウッス!」と顔を合わせて握手をして、ホンじゃ、まずはブルースをば…みたいなあいさつ代わりの1曲なのだそうだが…しょっ端からモノスゴイ充実感!

150v_a続いてはキーを「A」に設定した即興曲。
これもタイトルがあって、「A」だから「『A』にちなんで、アメリカンギター」だって!
この曲ではカホンも披露。
あ、次回NATALでお願いします。NATALのカホンの評判はすこぶるよろしいよ。

S41a0802 この日、ヒロアキくんは打楽器系ではエレクトリック・パーカッションも使用した。
そういえば最近のあの変なフエ(失礼!)見かけなくなったね~。

330

和音の響きを大切にしながらカラッとした雰囲気を醸し出す是方さんのソロ。

170v_eこの手のライブでは重要なMCもバッチリ!
もうとにかくMarshallの話づくしでありがたいやら、うれしいやら、面はゆいやら…。
まるで私が司会をしないMarshallロードショウみたい?

190_m色々と使ってきたけど、やっぱりMarshallに戻る…とおっしゃる是方さん。
これまでに所有してきたMarshallの数は30はくだらないという。

200v今日使っているJVM210Hをゲットして「念願のスタック」のオーナーになった…というヒロアキくん。
その美しいトーンはもはや「ヒロアキ流JVMサウンド」と呼んでいいだろう。

210今度は「E」でスロー・ブルース。
「E」だから「イギリス」のイメージだって。
どこがじゃい!…といいたいところだけど、イギリス人はブルース好きだよ~。

180v

クリーン・トーンに空間系のエフェクターを使って広がりのあるソロを聴かせてくれた是方さん。
上に書いた通り、この日初めて使ったモデルなのに、もう長い間一緒にいらしゃるような使いこなし感がスゴイ。
やっぱベテランのマーシャリストだけあって、ツボがすぐにわかっちゃうんだろうね。

S41a0821 休憩をはさんで、第二部の冒頭はソロ・コーナー。

220_2

バラードだったんだけど、分厚いコードワークに彩られたメロディが美しい。
サウンドは柔らかいけど、芯がビシッと通った厳しい演奏だ。聴く者を思い切り自分の敷地に引っ張り込んでしまう。
やはりこういうプレイはギターという楽器を知りつくしたベテランならではのものだ。
音の説得力が違うのだ。

230v続いてヒロアキくんのソロ・コーナー。

240ア・カペラ・ソロはお手のもの。
この日もトリッキーなプレイも差し込んだOD/REDモード(JVM2で一番歪むとこ)でスリリングに展開させた。
どんなに歪ませても音が美しい。
そうそう、JVMのOD/REDは超ハイゲインゆえ、GAINをちょっとでも上げ過ぎるとハウリングやらノイズが盛大に出るのね。故障ではありませんよ。そういうものなのです。
ヒロアキくんはそのモードで弾いても、ハウリングもノイズもカケラすら出さないね。
で、弾いてわかったんだけど、ノイズ・ゲートの使い方が実にうまいのよ。
もちろん優れたミュートの技術が先にあっての話なんだけど。

250vソロ・コーナーが終わってお互いのプレイについて語り合う。
またこういうのがおもしろいよね。

260真剣に逆手プレイに取り組む是方さん。

270スタンダードな弾き方なら私でも勝てそうなヒロアキくん。
あ、次回はサムピックも条件に加えましょう!

280第二部でも話題はギター・アンプに及んだ。
ギターについてのMCはそう珍しくないと思うけど、ギター・アンプについてこんなに語られるステージは滅多にないよ。
「ギター・アンプは重要です。我々のような音楽を演るには絶対必要なものなんです。アンプが変わると音楽も変わってくる。弾くときのタッチも違ってきてしまいます。」と是方さん。
いいことおっしゃって頂いた!とてもうれしい!
いよいよMarshallロードショウみたいになってきちゃったけど….。
ギターに比べればアンプは脇役だけど、その脇役がいなければいい音楽を作ることはできません。音を出しているのはギターでなくアンプだから。
そして、脇役と悪役がよくなければおもしろい映画が絶対に作れないのと同じで、音楽にも名脇役が必要なんですよ。真空管が入っている脇役が!
あ、Marshallは名脇役だけど、悪役じゃありませんから。
以上はワタクシの言葉。もう何百回口にして来たことか…。

290v
第二部でも白熱かつ、グッド・ミュージックにあふれるホンワカなムードで2人の演奏が続く。
290v_west
ヒロアキくんの自作曲もレパートリーに取り入れられた。

300是方さんのバッキングにリバーブの利いたヒロアキくんのメロディ乗る極上のパフォーマンス!

310当日は機材を入れる関係もあって、リハーサルもご一緒させて頂いたが、是方さん、本番になったらスゲエの!

320vこんなに次から次へと濃いフレーズをシームレスで繰り出す人って滅多にいないよ。
イメージとしてはClifford BrownかSonny Rollins。例えがジャズで申し訳ないんだけど。
とにかく作曲したかのようなフレーズがとめどもなく出て来る。
要所要所に取り入れるダブルストップがまた実に美しい。ソロを聴いていて、それが終わって、「もっと弾いて~!もっと聴かせて~!」と叫びたい気持ちにさせてくれるギタリストはそうはいない。
それが是方さんだ。

340十分にお互いにお互いを刺激し合う緊張感のあるステージだったが、ホンワカ。
2人のギターへの愛情と情熱にあふれる素晴らしいショウだった。

350ナンカ、今思い返すと、アレ本当に2人だけで演奏してたっけ?って疑いたくなるような充実した音世界だった。
「Marshall愛」がタ~ップリだったことも書き落としては決してなりませんな!
JVMがメンバーに加わって、デュオではなくてトリオだった?!
ありがとうございました!

是方博邦の詳しい情報はコチラ⇒是方博邦Official HP
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

360<オマケ>
滅多にないギター・デュオが題材になったので、ギター・デュオ・アルバムをいくつか紹介させて頂きたいと思う。
ハイ、大きなお世話です。

★Spaces / Larry Coryell
冒頭にでてきたLarry CoryellとJohn McLaughlinのアコギ・デュオ「Rene's Theme」が収録されている。Reneとはベルギー出身のジャズ・ギタリスト、Rene Thomas(ルネ・トーマ)のこと。
コレを書くので引っ張り出してきて久しぶりに聴いたけどカッコいいな。
好敵手を得たせいか、まぁ、Coryellの力みようがスゴイ。
ちなみに、Mahavishunuの頃はMcLauglinもMarshallよ。Coryellはどうだっただろう?

C10_2★Two For The Road / Larry Coryell & Steve Khan
Larry Coryellはコレで味をしめたかギター・デュオのアルバムを多数リリースしている。
「Spain」が収録されているんだけど、この頃は「お!スペイン!」なんて、パエリアが好きなワケでもないのに喜んだものだが、今では猫も杓子も「スペイン」でしょ?
最近は「アランフェス協奏曲」の第二楽章のメロディを聴いただけで「ウワ!またスペインかよ!」と逃げ出したくなる。
ちなみにSammy Khanの息子、Steve Khanは独自のアプローチを持っていてすごくいい音楽をクリエイトしている。
昔、来日した時1936を貸したことがあった。

C20★Together / Larry Coryell & Emily Remler
Larryは女流ウェスといわれたEmily Remlerとのデュエット・アルバムも吹き込んでいる。
コレ、ハンターでえらく安く買ったのを覚えてる。
Emily、カッコいいんだけど、1990年に薬のオーバードーズでこの世を去っている。
何と言ってもこのアルバムでは「Joy Spring」が最高にカッコいい。

C30★Young Django / Stephane Grappelli
これはギター・デュオではない。
ジャンゴの相棒、ステファン・グラッペリが若手を集めてジャンゴ・ナンバーを演奏しているんだけど、いいんだぜ~、コレ。
ギターはLarry CoryellとPhilip Catherine。
『Three or Four Shades of Blues(ロック・ファンにもおススメ)』というCharles Mingusのアルバムに参加したCatherineに向かってミンガスが「おぬし、ヤング・ジャンゴじゃのう」と言ったとか。
でもタイトルはCatherineひとりを指すのではなく、参加者を指していて、「ジャンゴの魂を伝承する若い音楽家たち」という意味だろう。
ナゼ、このアルバムを挙げたのかというと私の愛聴盤という理由の他に、次のアルバムにつなげるためだ。

C40★Twin-House / Larry Coryell & Philip Catherine
CoryellとCathrineのギター・デュオ・アルバム。
ココでもジャンゴの名曲「Nuages」を演奏しているんだけど、コレがめっぽう美しい。

C50★Splendid / Larry Coryell & Philip Cathriene
『Twin House』の続編。
ここでもジャンゴの「My Serenade」を取り上げている。C60ところで、Marshall Blog読者のほとんどの方には「Philip Catherineって誰?」ってことになるでしょう。
ジャズを聴かなくてもオールド・ファンはご存知かもしれない。
先に名前が出たRene Thomasに影響を受けた同郷のベルギー出身のギタリストで、『Focus Con Proby』というFocusのアルバムに正式メンバーとして参加しており、来日も果たしている。
この人のギターが好きで、若いころは参加作品を調べては探して歩いたものだ。
C80
Rene Thomas関連をもうひとつ。
コレはFabien Deryseという同じくベルギー出身のジャズ・ギタリストの『Hommage a Rene Thomas』というRene Thomasへのトリビュート盤。
このアルバムにもギター・デュオの曲が何曲か収められているが、コレがヤケクソにカッコいい。
それこそPhilip Catherineが参加しているのでゲットしたが、むしろその影は薄い。
メタル・シュレッダーの若者たちにこういうギターの音楽がどう聴こえるのか興味があるナァ。

M_igl134_3 ただいま脱線中。

Catherineにはこんなのもある。
テナー・サックス界の重鎮のDexter Gordonの「Sonething Different」。
コレがまた大スキだった。
シリアスなストレート・アヘッド・ジャズなんだけど、レスポール・カスタムでMilesの「Freddie Freeloader」なんか平気で弾き切っちゃう。
他にもKenny Drewというピアノの大御所との共演盤も何枚かあって、やっぱりレスポール。アンプはMarshallではなさそうなのが残念だが、ロック出身の私としては実に爽快な気分で楽しんだのを覚えている。
死ぬまでに一度は見て見たいナァ。ベルギー行ってみたいけどテロがナァ。

C70もうチョット脱線ね。
Larryはギター以外の楽器ともデュエット・アルバムを出していて、コレなんかは比較的変わり種。
ポーランドのヴァイオリニスト、Michael Urbaniakとの共演盤、『A Quiet Day in Spring』。
特段Larryのファンでもない(そう、これだけ紹介していても特にファンではな~い。好きだけど。)
コレは1曲目の「Rue Gregoire Du Tour("リュ・グレゴワ・ドゥ・トゥワ"って読むのかな?)」が聴きたいだけで買った。
渡辺香津美さんとLarryが共演した音源をラジオで聴いてやられた。Larry Coryellってギターよりも曲作りの方がウマいのでは?と思わせるほどに美しい曲。
ま、香津美さんが弾いていたというのもあるけどね!
Larryは畏敬の念を表し、香津美さんのことを必ず「さん」づけで呼ぶらしい。
ハイ、Larry Coryell終わり!

C75★Standards Brabds / Chet Atkins & Lenny Breau
ガラっと変わって…。
Chet AtkinsとLenny Breauのデュエット盤。
ま、Lennyはカントリー系のジャズ・ギタリストということになるんだろうけど、Chetと組ますとは!
こういうクリエイティブな仕事がしてみたいナァ。
ところが内容はイマイチかな…。
デュエットではないけど、コレより、Lennyとペダルスティールの巨匠、Buddy Emmonsを組ませた『Swingin' on a Seven-String』というLennyが7弦ギターを弾いたアルバムの方がおもしろい。
Buddy EmmonsはThe Carpentersの「Top of the World」とか「Jambalaya」でペダル・スチールを弾いている名人ね。
この人がペダル・スティール・ギターでビバップを演奏している『Steel Guitar Jazz』ってのはスゴイよ。

C90★Interactions / Chuck Wayne & Joe Puma
正直、滅多に聴かないけど、タマにジックリ聞くといいナァ。
ジャズ・ギタリスト、ベテランふたりの共演盤。
有名なスタンダードを、出すぎず引っ込み過ぎず、ふたりで頃合いよく弾いているところが実に心地よい。

C100★In a Mellow Tone / Louis Stewart & Heiner Franz
Louis Stewartはアイルランドのギター・バッパーだ。
もうひとりの人は知らんけど、「超」がいくつもつく正統派のLouisのギターは好き。
で、ですね、この人を取り上げたのには理由があって…

C110実はこのLouis Stewartも『Overdrive』というアルバムを出してるので~す!
このオジちゃん、銀行の支店長みたいなルックスなんだけど、バリバリ弾きます。
このアルバムはコテコテのスタンダード曲が満載で、「ジャズ・ギターかく弾くべし」なプレイをイヤというほど聴かせてくれる。
ライブ・アルバムなんだけど、収録されてた場所は何と、スコットランドはエジンバラ。
エジンバラの人がジャズ聴くとは思えんのだけど…変な感じ。やっぱベイ・シティ・ローラーズでしょう!

M_mi0001719413 ★Two for the Road / Herb Ellis & Joe Pass
最後。もう疲れちゃった!ってんで別れ際に最後の一枚…。
こんな感じで「別れ際にもう一杯!」と傾けるグラスのことを英語で「One for the Road」という。
飲んで騒いで、最後に「One for the road!」と言って乾杯して散会する。
アルバムのタイトルはそれのシャレですな。
さっきもLarry Coryellのところで出てきたでしょ、「Two for the Road」。
ジャズ・ギター界の人気者2人のデュエット・アルバム。当然それなりの出来なんだけど、とにかくスゴいのは最後の「Cherokee」の2連発。
「Concept1」と「Concept2」のテンポが異なる2つのテイクが収録されていて、両方すさまじい。
何がって、Joe Passのソロもいいんだけど、何と言ってHerb Ellisのバッキング。
いわゆる「四つ切」。
何も速いばかりが「超絶技巧」とは限らない。
この1小節に4つ音しか弾かずに猛烈にスイング感を出す至芸はそこら辺の速弾きの何万倍もムズカシイだろう。
…というか、できない人はどんなに努力しても一生できない類のモノかもしれない。私はできません。

C120 ああ、やっぱりギターは素晴らしい!

(2016年1月23日 Live Bar X.Y.Z.→Aにて撮影 )

 

2016年4月20日 (水)

KAMIJO×Be choir + Kelly SIMONZ=『もしクワ』@東京キネマ倶楽部

今日はいきなり英語の話題から…。
いつか病気の名前を示す英単語はラテン語を語源としている場合が多く、読み方が難しいケースが多い…と書いたのはShige Blogだったか。
また例に出すのは「Lumbago」、「腰痛」という意味。
The Small Facesの名曲「Lazy Sunday」にこういう一節がある。ジョーンズ夫人に向かってSteve Marriottが声をかける場面。
「Gor blimey hello Mrs. Jones.  How's old Bert's lumbago?」
この名曲を知らない人は「lumbago」の発音は実際に音源を聴いてチェックして欲しい。
The Small Facesのロック史に残る1968年の名盤、『Ogdens' Nut Gone Flake』というアルバムに収録されている。
しかし、今改めて聴いてみるとすさまじいロンドン英語なんだな~。さすがモッズの象徴。
「Gor-blimey」はモロにイギリスの英語。「コイツぁ、驚いた!」ぐらいの意味。
「blimey」は「ブライミー」と読むんだけど、実際にMarshallの連中もしょっちゅう使っている。
Marshallの社長のジョンはIT関連とかいわゆるCutting Edge、最新の電子機器が好きなんだけど、初めて秋葉原のヨドバシカメラに連れて行った時、「ブライミー!」を連発していた。
そして、「シゲ、本当にココはこれ全部でひとつの店舗なのか?」と驚いていた。
ちなみにThe Small Facesは根っからのMarshallバンドだった。
1960年代の半ば、MarshallをめぐってThe Whoと爆音で争ったのがThe Small Faces。
当時最新にして最爆音の100Wモデル、JTM45/100をThe Whoと取り合いしたという。いい時代だ。
イカン、脱線に脱線を重ねてしまった。
で、話を元に戻すと、Psychologyのように読みにくい英単語ってのが結構あって、今日、登場するチームの名前に使われている単語もそう。
「Choir」だ。
「クワイア」…コレは知らなければ絶対に読めない。そのまま読めば、「チョイア~!」なんて少林寺拳法の掛け声みたいになってしまう。
「剣」を表す「Sword」なんてのも地味にムズカシイ。オールド・ファンなら泣いてよろこぶ(ワタシもだ!)Wishbone Ashの「Throw Down the Sword」のアレ。
「スワード」ではなくて「サード」と読む。
ま、こんなことやってるとキリがないんだけど、やっぱり外国語を覚えるのは大変だ。
どうしても、ひとつひとつマメに取り組まなければならない局面がたくさんある。聞き流すだけで英語が話せる…ようになった人が本当にいるならマジでうらやましいわ。
でもね、文法的に英語の極北にあるといわれる日本語だけど、我々にはかなり量の英単語の下敷きがあるのでまだいい方なんだよね。
反対を考えてみると大変なことだよ。外国の連中が日本語を学ぼうとした時、予め彼らが知っている単語は「ハラキリ」とか「ゲイシャ」、「カミカゼ」、「ウタマロ」とかそんなものでしょう。これじゃラチがあかない。
あるいは「テンプラ」、「シャブシャブ」、「スキヤキ」か?オイオイ、カロリー摂りすぎだよ。
「イチ、ニ、サン」から覚えなくちゃならないんだから大変だ。

さて、大変だったのはこのイベント。
記事のタイトルに『もしクワ』とあるが、正式には『もしもBe choirがKAMIJOとコラボレーションライブをしたら』という。

Be Choir(ビー・クワイア)は人気のマス・コーラス・グループだ。
以前にも写真を撮らせて頂いたことはあったが、Marshall Blogへの登場はコレが初めて。
そりゃそうだ、ボーカル・グループなんだからMarshallなんか使う場面はない。
「マス・コーラス・グループ」なんて言葉は今回初めて耳にしたが、「Choir」は「聖歌隊」というのが基本の意味で、「合唱隊」とを表す時にも使われるようだ。
ちょっと前にゴスペルがずいぶん流行ったが、あれは楽器屋泣かせなんだよね~。
「出演者100人、楽器ゼロ」なんてことはザラだから。
でも、息の合ったド迫力のコーラスは聴く者を容易に感激させるわね。

10そこにシンフォニック・メタルやメロディック・スピード・メタル界のボーカリスト、KAMIJOがジョイントし…

20vさらにKelly SIMONZが加わるという、盆と正月と花祭りが重なったようなにぎやかな企画。

30v話はチョット戻って…ゴスペル。
Marshall Blogでゴスペルに触れる機会なんてまずないからね…そうだ!と思い出したのが以下の話。
今もイギリスに行っちゃあ「イギリス‐ロック名所めぐり」やShige Blogでは「イギリス紀行」なんて旅日記を掲載しているんだけど、昔からそういうことが好きだったのね。
コレは1995年に初めてニューヨークへ行った時のアルバム。
ドッカドッカ撮った写真に細かい説明が付けられている。
なつかしいな。
このページにはマンハッタンに着いたその晩にグリニッジ・ビレッジのBlue NoteへPat Martinoを観に行った時のことが書いてある。
「脳を手術したMartinoがこの先日本へ来ることはないだろう」なんてことを言っておりますが、翌年からジャンジャン来日するようになりやがんの。
とにかく約1週間、毎日毎晩、ミュージカルとジャズのライブを堪能したっけ。

40まだワールドトレードセンターがあった。この頃はまだアメリカ大好きだったんだよね~。
こんなことをしたのは実は家内の影響でしてね。
ていねいにていねいに作った彼女の育児アルバムに感化されてる。
断捨離ができない私は地下鉄のトークンとか、買い物のレシート、チラシの類まで全部捨てないで取っておいた。だからこんなアルバムが作れるワケよ。ただ整理がヘタでしてね~。

50で、ある日曜日、現地に住む日本人が案内する「ホンモノのゴスペルを聴こう!」みたいなツアーに参加した。
教会の場所はハーレムで、「ひとりで行くのは危険」とされていたからだ。
30人ぐらいのバスを借り切った大所帯で、途中スパイ・リーがロケに使った高級住宅街とやらに寄った。写真は20年前のその時のワタシ。
そういうガイドの仕事がロンドンでできたらいいナァ。
「ロンドン-ロック名所の旅」…徹底的に歩く。参加者は夕方には足が棒になってヘロヘロになるという企画。
Virgin路線が廃止になったとはいえ、アレだけ毎日ロンドンへ行く日本人が多いんだから少しは商売にならんだろうか?

Shige2 さて、マンハッタンでは日曜日になるとアチコチの教会でこうした生のゴスペルを聴かせるツアーが開催されていて、ハーレムには大型のバスが行き交っている。
私が連れて行かれたのは「メモリアル・バプティスト・チャーチ」とかいう何のヒネリもない名前の教会だった。
下は入口で配られた案内。
今気が付いたんだけど、「祖父母の日」なんてあるんだね~。
いつがそうなのかと思って調べてみると、コレがややこしい。
9月の第一月曜日と決まっている「レイバー・デイ(労働者の日)」の後の最初の日曜日が「祖父母の日」なんだって。
この教会を訪れたのは9月10日だったのでそんなもんかな?

70v

教会の中はホンモノの信者っぽい人と私たちのような観光客が1:2ぐらい。
いつも書いているように、私はジャズ以外に黒人の音楽を聴くことがほとんどない。
ましてやゴスペルなんて言ったらマヘリヤ・ジャクソンのCDを数枚持っているぐらいなのよ。
だけど、せっかくニューヨークに来たんだからと本場のゴスペルだけは聴いておきたかった。
結果…マジでスゴかった。感動すること間違いなし。
「イエイエ、あんなの観光客相手のただの見世物ですよ」なんて言う人もいるかもしれないが、コレで十分。参加してよかった。

90v

入口で配られた案内の内側には譜面が載っていて、ある箇所になるとみんなで歌うワケね。
キリスト教の結婚式みたいな段取り。周りを見ると歌っている日本人は皆無だった。せっかくなので、私は譜面を頼りになんとなくメロディをナゾっておいた。
で、最後はハンドインハンドの「人類みな兄弟」状態でクライマックスを迎える。
私は好きでカッワーリーとか、クルアーンとか、中近東の宗教音楽なんかを時々聴いたりするんだけど、考えてみるとこのゴスペルもそれらと同じなんだよね。
パキスタンのカッワーリーなんかは、コレを聴いてトランス状態になって昇天するのが最も幸せな死に方なんだとか…。
そういう盛り上がり系宗教音楽の迫力たるややはり尋常ではない。

80vそして、終盤に差し掛かるとお定まりのドネーション・コーナー。
先っちょにザルがついた炉端焼きのデカいしゃもじみたいのを持ったスゲエ怖い顔をした痩せぎすの黒人の婆さんが「ホレホレ、チャッチャとザルに金を入れんかい!」と、しゃもじを突き付けて来る。ま、逃げることはほとんど不可能だ。最低1ドルなんだって。
チョット興ざめするけど。1ドルじゃ申し訳ない…ってんで5ドルもザルに入れてやった。
で、ひとしきり寄付を取り終わると、「ハイ、今日は混んでるので終わり!」ってな具合にアッという間に終わっちゃう。
ツアーはこの後、「本場のジャンク・フードを食べよう!」コーナーに突入。
ハーレムのレストランで会食をするんだけど、どれもこれも甘くてとても食えん。こんな砂糖まみれのモノばっかり喰ってたら太るにキマってるわ。
でも、おもしろかったナ。コレで40ドルぐらいだったかな?
ハイ、私のゴスペル体験コーナーが終わったところで、話はニューヨークから一気に…

60_2

鶯谷へ!
まずはKellyさんをフィーチュアしたインスト・ナンバーでスタート。自作の「EX-97」。

M_img_0001 「もしクワスペシャルバンド」のメンバーは…

キーボードに佐山こうた。
160v
ベース、関谷 友貴。
170

ドラムが渡邊 シン。

180v

そして我らがKelly SIMONZ。
150v
第一部はBe Choirのステージ。
リーダーの長谷川勝洋の指揮でパフォーマンスは進行する。

1001曲目はKirk Flanklinという人の「Now Behold the Lamb」。
上に書いた通り、私はゴスペルなどは全くの門外漢ゆえ、第一部はほぼ曲名と写真を並べるぐらいで許してね。

110

120v

130vところでKellyさん、もちろん今日もMarshall。
Kellyさんにとってはゴスペルもカクテルもホステルもぺんてるも関係ない。KellyさんのギターをアンプリファイするのはMarshallとキマっとる。

520v
今日はJVM410Hと1960Bの組み合わせだ。

200v足元のようす。

210さすがの迫力のコーラス隊!

220

2302曲目は「Believer」。

270v

250

続いて「Hands up」。

235リーダーの長谷川さんをフィーチュア。

290v

4曲目は「Give Your Love」。

280

 この曲でも長谷川さんがフィーチュアされる。

S41a0080そういえばひとつだけゴスペルのスタンダード(らしき)で大スキな曲がある。
コレもこれまで何回もマーブロに出してるけど、「Soon I Will Be Done With The Troubles Of This World」というトラディショナル。
私は渋谷毅オーケストラのバージョンで知ったのだが、バラードをあまり好まない私でも聴くたびに心を打たれる。
で、元々はどんなんだろうと思ってYouTubeで調べてみたら、あまりの違いに愕然とした。
アレンジはCarla Bley。さすが、才女の仕事だ。
Carla BleyってPaul Bley、Michael Mantler、Steve Swallowと旦那さんを乗り換えた職場結婚の鬼でもあったんだよね。大きなお世話か。

240vさて、Kellyさんはといえば…シュレッドする場面もなく、借りてきた猫みたいに大人しくバッキングに徹し、ここではBe Chiorの音楽に没頭している。

285

最後は「Joyful, Joyful」という曲。

260迫力の楽しいステージでマス・コーラスの楽しさを存分に味あわせてくれた。
Be Choirの詳しい情報はコチラ⇒Be Choir Official Web Site

300以上が『クワ』の部分。

そして、休憩を挟んだ後、『もし』の部に移る。
サブステージに現れたの長谷川さん。

310KAMIJOさんの下僕に扮した長谷川さんがショウの趣旨とこれからステージで繰り広げられる演目の解説をする。
KAMIJOさんの『Symphony Of The Vampire』だ。

320そして、いよいよサブステージから登場したのが…

330KAMIJO!

340v1曲目は「Rose Croix」。
一転して真黒な衣装に着替えたBe Chiorの鉄壁のコーラスがKAMIJOさんの世界をドラマチックに演出する。
いつも観ているKAMIJOさんファンたちにはどう聴こえるのであろうか…。

350
ブァサッ!マントさばきが何ともカッコいいっすな!
今日のこのコンサートに際し、「歴史の証人になって欲しい…」とお客さんに告げた。

370

このステージはKAMIJOさんの制作によるルイ17世、16世、マリー・アントワネット、そしてルードヴィヒを中心とした『Symphony of the Vampire』という音物語の再現だ。
イギリス王室はやや得意なんだけど、フランスはチト苦手でゴメンナサイ。
第一楽章「Presto」。

360バンド・メンバーは第一部と同じ。
さっきとは違って、自分の世界に近くなった演目に眼光が鋭くなるkellyさん。

380v共演するにあたり、KAMIJOさんの世界を仔細に理解してもらうべく、事前にBe Choirのメンバーに『Symphony of the Vampire』の詳しいシナリオが配布され、その独特の世界をとKAMIJOさんとともに再現できるように努めたそうだ。
それだけに一糸乱れぬ音のスぺクタクルは圧倒的だった。

375その成果がいかんなく発揮された、第三楽章の「Royal Tercet」。
「tercet」とは「三行押韻連句」というらしいが、その名の通り、韻を踏んだ三行から連なる詩の形態をさすのだとか…。ダンテの「神曲」がそれらしい。

390「Louis~艶血のラヴィアンローズ~」

400Be Choirとの絡み合いがますます濃厚になっていく!

410もちろん、Kellyさんとの絡みもバッチリ!
05
オリャ~!弾くところは思い切り弾かせていただきます!

430v「今宵のメイン・ディッシュは子羊たち…お前達です!」
第四楽章「Dying-Table」が続く。

440 第五楽章「Sonata」。
下僕に扮する長谷川さんがまたいい味出してんだ!

450vKAMIJOさんはヴァンパイアの歌をうたっている割には血が苦手だそうだ。
しかし、物語は終焉に向かって進む。
ルードヴィヒ(ベートーベン)による第六楽章「満月のアダージョ」。
ところで、このルードヴィヒはLudwigと綴る。アメリカにルドヴィック・ドナスという往年の名優がいた。Ludwigを英語読みすると「ルドヴィク」となる。
そう、この「Ludwig」、あのドラムのラディックと同じ。ラディック・ドラムスの創業者はドイツ移民のウィリアムとテオバルトのラディック(ルードヴィヒ)兄弟だ。

460vそして、第七楽章「Throne」。

470vKellyさんのソロもフィーチュア!

S41a0216 そして、この曲で『Symphony of the Vampire』の物語は幕を下ろした。

480もちろんアンコール!
「皆さんが聴いてくださるから僕たちの歌が響く場所があるのです」
そうなんよね~、。長谷川さんいいことおっしゃるわ~。
皆さんがアクセスして、読んで、『いいね!』を押してくださるからMarshall Blogをやってられるんですわ。
人間、誰かから必要されなくなったら終わりよ。
長谷川さん、この後、感極まって泣いちゃったんだよ!

M_s41a0250 アンコールは「この世で一番美しい薔薇よ!」。

500

スクリーンには歌詞が映し出されみんなで大合唱!

510

そして、1曲済ませてシレっとサブステージへと姿を消そうとするKAMIJOさんを呼び留める長谷川さん。

M_img_0529 ナンダ、ナンダ?
140
「『もしクワ』ですよ!共演して頂いた方にもゴスペルを歌って頂くことになっています!」ということで、KAMIJOさんがゴスペルでBe Choirにジョイン!

M_s41a0249 曲は有名はな「Oh Happy Day」。
この曲は18世紀の讃美歌をEdwin Hawkins Singersというグループがアレンジして1968年にリリースして世界的なヒットとなった。

580v

「不幸せな曲にしちゃってもいいですか?」とKAMIJOさんが歌い出したのは…

530ロック・テイストの「No Happy Day」!
ウマい!

540バンド陣もノリノリだ~!

550こうして『もしもBe choirがKAMIJOとコラボレーションライブをしたら』はあまりにもにぎやかに閉幕したのであった。
おもしろかった~!

560KAMIJOの詳しい情報はコチラ⇒KAMIJO Official Web Site

590そして、そして、そして!

5月4日はKellyさんが東京キネマ倶楽部のステージに上がる。
『Tokyo Kinema Club The 11th "Are You Ready To Ride 2016" Kelly SIMONZ’s BLIND FAITH』と題したコンサートがそれ。
今回ほとんどバッキングに徹していたKellyさんが思いっきりヴィルトーゾぶりを発揮する番だ。
しかも舞台はMarshall公認のライブハウス。
充実のステージが約束されていること間違いなし!
再来週は鶯谷でお会いしましょう。
またステージの前をウロチョロしますんでよろしく。

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルブログ『超絶魂』

S41a0149(一部敬称略 2015年12月13日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2016年4月19日 (火)

Chris Duarte Group "Lucky 13 Japan tour" 2015

Marshall Blogのライブ・レポートがようやく2016年に突入したことをチョット前にお知らせしたが、諸般の事情により漏れていた昨年のライブの記事をいくつか掲載させて頂く。
いずれも観る者の感動を誘う素晴らしいショウだ。
そのひとつがコレ。
11月に日本ツアーを敢行したChris Duarte Group。

10_2このツアーについてはベースで参加している「オガン」こと小笠原義弘氏のインタビューで触れているので、ご覧になっていない方はまず、まずはそちらをご覧頂きたい。

★クリス・デュアルテがやってくるぞ(ベース野郎アメリカへ飛ぶ) <前編>
★クリス・デュアルテがやってくるぞ(ベース野郎アメリカへ飛ぶ) <後編>

Jp そのオガンちゃんのインタビューで触れているのが今日のレポート。


ボーカル&ギターのChris Duarte。

20vベース&コーラスの小笠原義弘。

30v_2ドラム&コーラスのJohn McNight。

40v_2Chrisはもう何度もMarshall Blogに登場しているので特に詳しい説明は必要なかろう。
今回の来日の用向きはChrisのニュー・アルバム『Lucky 13』のレコ初ツアーだ。
『Lucky 13』…いわゆるOxynoronだね。外人の好きな「撞着」ってやつ。
タイトル通り、Chrisの13枚目のアルバム。

50cd当然、ショウのレパートリーでは『Lucky 13』からの曲がフィーチュアされた。
オープニングはアルバムのクローザー、「Jump the Trane」。
アルバムの最終曲をオープナーに選ぶなんてコレも何かのシャレになってるのかな?

60_2軽快なシャッフル・ブルース。
こういう曲はオガンちゃんの天下だ。
日本人が弾くベースとは思えない。
ルックスも日本人とは思えない。

70_2コレコレコレ!タマらんわ~。
この撫でるように叩くJohnのドラム。ココからすさまじいグルーブが押し寄せて来る。

80_2タイトルの「Trane」とはもちろん、John Coltraneのことだろう。
Coltraneのニックネームがアダ名が「トレーン」だ。
チョット脱線。
ジャズを聴き始めた頃、「巨人」と呼ばれるコルトレーンの何がそんなにスゴイのかサッパリわからなかった。ただ、『Blue Train』とか『Giant Steps』とか初期~中期の作品ばかり聴いていた。
ま、今でも結局よくわからないんだけど、最近は私も大人になったんだか、『Ascension』なんかメッチャかっこいいと思うようになった。
『Kulu Se Mama』だの『Village Vanguard Again!』だの、昔、通過儀礼あるいは義務感だけで買ったフリー期のコルトレーンを今ごろ引っ張り出してきては、聴いてひとりでウナってる。
ところでそれだけの巨人ゆえ、Archie Shepの「One for Trane」とか直截的なモノを除いても「trane」すなわち「train」がらみのColtrane関連の曲っていくつかあって、例えばDuke Ellingtonとの「Take the Coltrane」、「Blue Train」、自作の「Training In」もそうなるのかな?いい名前だ。いかにも「巨人」らしい。
このChrisの「Jump the Trane」もそういうことになる。
何かの昔のインタビューで読んだのだが、本人曰く、「コルトレーン」という姓は本国アメリカではかなりの珍名さんらしい。
コルトレーンなんて写真撮ってみたかったよな~。でももう撮れーん。
肝臓ガンを患い、1967年に41歳の若さで死んでしまった。
亡くなる直前に来日した時は、朝から晩までひっきりなしにアイスクリームを食べていたらしい。
ChrisはColtraneが好きで、以前の来日公演でも難曲「Moment'S Notice」を取り上げていた。
90vこのシャッフルでも既製のブルース・フレーズにまったくとらわれることのない自由な発想でアドリブ・メロディを組み立てていく。
Coltraneの影響なのであろう。
S41a2080Chrisは音色によって2台のコンボ・アンプを使い分けている。
うち1台がMarshall。

190v

JVM205C。
JVM2の2x12"、50Wコンボだ。

100_2オガンちゃんはEDEN。

110ヘッドはWT-800。
キャビネットはD115XLTがふたつ。

120v_2そして、Johnは今回もNATALを使用。
えらい気に入ってくれていてとてもうれしい。

130v_2今回のキットはアッシュ。

140_212"、16"、22"、スネアは14"x5.5"。
フィニッシュはグレイ・スパークル。
コレがまたおっそろしくいい音なんだ~!

150_2続いてはミディアム・スローのブルース「Ain't Gonna Hurt No More」。
うるさ方に言わせれば「白い」だ「黒い」だ色々あるんだろうけど、こういう曲は日本人が演るにはムズカシイよね。
オガンちゃんがインタビューで言っていた日本人の手にかかるとどうしても「ナンチャッテ」になってしまうパターンのヤツ。
タイトルからしてそう。
最近、facebookの文章を英語で書いている方を時々見かけるが、ウマい英語は何ら問題ないし、おもしろくない。
大変イヤらしいんだけど、ああいうのは圧倒的に珍妙なヤツに興味を引かれる。もうチョット勉強してからやればいいのに…。
自分も勉強の旅なかばゆえ、決して嗤っているワケではない。「人のフリ見てって何とやら」というヤツに活用しているつもり。自分でも英文を書かなければならないからね。
そういう興味深い英文に出くわすと、「英語は英語で考えなければならない」ということが少~しわかって来たような気がするんだよね。
ひとつ気になるのは、「gonna」とか「wanna」とかを平気で使っている人がいるんだけど、私は英米両方の人から文章においては絶対にそれらを使うべきではない…と教わった。ナゼならそれらは話し言葉で、断じて書き言葉ではないから。「お里が知れる」そうだ。
なので、私も必要があれば会話では「gonna」も「wanna」も使うが、文章では絶対に使わないようにしている。
多分「gonna」とか「wanna」とか、カッコよく見えるんだろうね。
一方、同じ短縮形でも日本人はこの曲のタイトルにある「ain't」は使わないね。
使われているのを聞いたことない。
かつて、穐吉敏子が自分を裏切ったコンサート・プロモーターを当てこすって書いた曲に「I Ain't Gonna Ask No More(もうアンタにゃ頼まないよ)」というバス・トロンボーンをフィーチュアしたBbのスロー・ブルースがあった。コレなんか「ain't」も「gonna」も入ってる。
敏子さんは日本人じゃないか!って?
でも、Oscar Petersonの誘いで50年代に渡米した敏子さんは、もはや完全にネイティブと見て何ら差し支えないだろう。
何せ「ニューヨーク名誉市民」だからね。でも、敏子さんは、人種差別盛んな時代に渡米してさんざん差別された経験の反動で、日本人としての矜持を保つためにいまだにアメリカ国籍を取得していないんじゃないかな?
ちなみに「ain't」は「am not」の省略形で、この曲のタイトルをキチンと書くと「I am not going to ask no more」になる。コレじゃシマらんわ。
そういえば、アメリカ人の友達は「歌で英語の勉強をしないほうがいいよ!」とよくアドバイスしてくれた。
確かPaul McCartneyの曲だったと記憶しているが、ある有名曲を例に挙げて、「ホラ、こんなに文法が変でしょ?歌はコレでいいの。でも勉強するんだったらチャンとした英語を学ぶべきだよ」…なんてこともあったっけ。
いまだに英語で苦労しとります!
今日の脱線はが我ながら冴えてるナァ。

160続いてはツイスト・フィールのアップテンポ「Angry Man」。
これもニュー・アルバムから。

170v_2しっかし、オガンちゃんのベースはタマらんな~。
右手の動きなんかを見てると自分でもできそうな感じだけど、トンデモナイよね。
もうウネる、ウネる!
アップ・テンポではサラブレッドのように疾駆し…、バウンス・ナンバーでは草原のカンガルーのように跳躍し、そしてドロドロのスロー・ナンバーではアナコンダのようにうねりまくる。
こんな風に弾けたらベースもやってみたくなる。絶対気持ちいいにキマってる。

180v_2それと、Johnのドラムもタマらんわ~。
なんでこんなに軽く叩いてるのに音が破天荒にデカいワケ?
感覚としては大二さんのドラミングを見ているみたい。
本気で力を入れるとどうなっちゃうんだろう?NATALのアッシュのキットが実にイキイキと鳴り響いている。
この人、「NATALは最高のドラムだよ」ということを口にする以外、機材に関して細かいことを一切何も言わないんだよね。一切!
日本人には絶対に見かけないタイプだ…ってこの人、アメリカ人だった。
先日、他にもアメリカのジャズ系のNATALのエンドーサーの面倒をみたが、その人も一切細かいことを言わず、スネアも含めて貸し出したNATALにものすごく喜んでいた。
ドラマーってこうなのかな?
そこへ行くギタリストは機材の話しをよくするな。とにかく皆さんMarshallのことをよく語ってくれるわ。
で、色々と歴史的なこぼれ話をしてあげるとメッチャよろこんでくれる。
昔フェデリコ・フェリーニに『オーケストラ・リハーサル』という作品があったが、弾いている楽器によって、性格が表れるのは実におもしろい。

200さらに新作からもうi曲「Here I Come」。これもミディアム・テンポで♪ザッカザッカと。

220v

既存曲を何曲から演奏して、また新作から「Crazy For Your Love」。
210v_2
そして、Bob Dylan。
以前にも取り上げていた「One More Cup of Coffee」だ。
この曲が収録されている『Desire』がリリースされたのは私が中学3年の時だった。ハードロックに夢中で、プログレッシブ・ロックの愉しみを発見した時分の私はBob Dylanなんか聴くようなタマではなかったが、「Hurricaine」にはブッ飛んだナァ…カッコよくて。
だから「One More Cup of Coffee」なんてまったく印象に残ってなかったけど、こうして聴くと、いい曲だな~。Chrisの「♪One more cup of coffee 'fore I go」という歌声が心にしみる。
260_2

大きな見せ場に差し掛かる。
オガンちゃんがインタビューで触れていた箇所だ。
新作から「Mainfield of my Mind」。
オガンちゃん曰く、「Chrisがワンコードで狂ったように弾きまくる」というヤツ。

S41a1959_2 確かにスゴイ!
まるで何かにとりつかれているようだ。
ここでもContraneの影響がうかがえる…というのはギター版「シーツ・オブ・サウンド」。

初期~中期のColtraneが目指していた「音の敷布」だ。ビャーっととにかく空間と時間を音で埋め尽くす。

250

また、狂ったように弾きまくるChrisをバックアップするふたりの御仁がすさまじい!
230v_2
毎晩身を削ってこんなことやらなきゃならないんだからキツイ稼業だ…と思いたくもなる。

280v

この人は本当にインプロヴァイズしてるね。
何も考えないで頭の中に自然に浮かぶフレーズを指に指令を出して音にしている。ストック・フレーズを並べている感じがまったくしない。
「思考の地雷原」…タイトルが示す通り、一歩ルートを間違えたら一巻の終わりとなるヤバいパフォーマンス!

350v

そうかと思うと急におとなしくなって…

240vThe Beatlesの「For no One」。
オリジナル曲ばかりだと初めて来たお客さんが飽きてしまうのでカバーを取り入れる…というヤツ。
Chrisはビートルズが大好きなんだって。

S41a1967_2 当然オガンちゃんの日本語によるMCも挿入される。
Chrisと回ったアメリカ・ツアーの話しね。

300v_2

新旧取り混ぜてショウはまだまだ続く。

290

新作収録の「You Know You're Wrong」。
ハイハイ、私が悪ぅございました!といいたくなるぐらいのオガンちゃんの魅惑のベース・ライン!
あのね、今だから言うけど、もちろんオガンちゃんにMarshall GALAの出演をお願いしたんよ。
ソウル・ジャズみたいなことを演ってもらいたかったの。
ところが、Chrisのこのグループの北米ツアーが入ってしまうかもしれない…ということで安全を見て泣く泣く諦めた。
そしたらアータ、その北米ツアーがズレて結果的にはGALAへの出演はOKだったのよ~。
時すでに遅し…もうガッチガチにMarshall GALAのプラニングをしてしまった後だったんで断念。
EDENのエンドーサーとして『Marshall GALA 2』にはゼヒご登場願いたいと思っている。
待てよ、Marshall、EDEN、NATALなんだから、何ならこの3人全員出ちゃえばいいじゃんね~。
ムリか…。
今、その北米ツアーの真っ盛りで、明後日からオガンちゃんはフロリダだ。もう暑いんだろうナァ。
ツアーは5月28日の「クンネリケッ」から翌日のメイン州はスカボローで千秋楽を迎える。
スゴイなぁ、ワタシだったらとても身体がもたんわ。
ちなみに「クンネリケッ」は「コネチカット」のこと。アメリカ人には「クンネリケッ」でようやく通じる。

270vでも、Chrisの音楽なんか日本の若い人に聴いてもらいたいナァ。
そしてこう言う。
「『音楽』ってこういうもんだよ」って。
「『音楽』ってこうして、薄皮を毎晩一枚一枚剥いでいくように身を削ってやるものだよ」って。
この言葉は我が友、三宅庸介氏の受け売りだが、けだし名言だと思う。
もちろん誰にでも簡単にできて、楽しめて、「あ~、ハッピ~、ハッピ~」というのも音楽の魅力なんだけど、やはり「芸術」はストイックなものであるべきだ。
「芸術」という言葉が堅苦しければ「娯楽」と置き換えてもいい。
人様を本当に楽しませるには膨大な時間を費やした想像を絶する「鍛錬」が欠かせない。草食系ロックの極まりない退屈さはそこに起因しているのではないか?
Coltraneは死ぬ前にこう言ったという。
「私の人生にレジャーはなかった…」
彼は音楽に人生を捧げ、『A Love Supreme(至上の愛)』など、後年は次第に宗教色増し、無調の世界に突入していった。
長年カルテットのピアノを担当したMcCoy Tynerは、あれほどのスゴ腕にもかかわらず、ノイローゼになるほどColtraneから「練習しろ」と言われ続けたらしい。

310vおなじみの「Hideaway」から…

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本編最後の「My Way Down」へ。
この曲が私にとって一番Chrisのイメージかな?

320アンコールは3曲。
オガンちゃんが教えたんだろうけど、Chris直筆のセットリストには「Encore」とすべきところに本当に「残業」とキチンとした漢字で記されている。
下北沢ではどこのラーメンを食べたのであろうか?

340_2今回も「あ~、『音楽』をドップリ聴いた!」という気分に浸らせてくれた。

360v小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒

370_21965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年11月25日 下北沢GARDENにて撮影)