BLIND BIRD~Spicy Sweet Tour Final‼︎
このバンドはマジでカッコいいと思う…BLIND BIRD。
実にいいバンドだ。
こう演ってくれたらいいな…って思うことを全部実現してくれる。
変に新しぶってチャラチャラするワケでもなく、かといってノスタルジックでもなく…彼らの音楽は「ロックの文法」にのっとって書き進められた新しい名著群だと私は思っている。
そのBLIND BIRDが4月にニュー・アルバム、『SPICY SWEET』をリリースした。
前作『仮想粒子』もとても立派な出来であったが、今回も期待通り。
まったく前作にに引けを取らない素晴らしい仕上がりになった。
今日はそのリリースに合わせたツアー『Spicy Sweet Tour』の千秋楽のもようをレポートする。
この日、BLIND BIRDの前に二つのバンドが登場。
その内のひとつが慈雨~JIUだ。
「慈雨」というのは「ほどよく物をうるおして育てる雨」とか「日照り続きの後の雨」とかいう意味でいわゆる「恵みの雨」という意味だ。
調べてみると、「慈」という文字が入っているので英語では「Merciful rain」ぐらい言うのかと思ったら、「Gracious rain」という表現になっていた。もちろん「慈悲深い雨」という意味になる。
何しろ強烈なのがReds☆さんのキャラクター!
最近では絶対的に他に見ることができない独自の雰囲気を漂わせている。
ギターのYuichiroくんは根っからMarshall。
史上最年少で出演した2015年のCLASSIC ROCk JAMの時が初対面だった。
「いつもMarshall Blogを見てる」とうれしいことを言ってくれたのをよく覚えている。
1994年の生まれだからまだ22歳!
世間一般の子であれば、もはやギター・ソロに魅力すら感じていない年代だ。
あるいは「速さ命」のピロピロ系のどちらかになるハズで、YuichiroくんもCLASSIC ROCk JAMの時にはバリバリ弾いていた。
しかし、この慈雨では音をジックリ選ぶ何とも落ち着いたプレイング・スタイルを見せてくれる。
JCM900が好みだそうだ。
この日もギターから4100へ直接つなぐクラシック式で、ミドル・レンジがいいように張りだした独特の音色で実に渋いギターを聴かせてくれた。
ホントに22歳か?
例えていうと「暗黒のFree」といった趣のサウンドで、私なんかには70年代の「日本のロック」の香りを感じ取ってしまう。
この空気感が何とも言えず気持ちいい!
24"バスのNATALがサウンドをへヴィに演出するんだな~。ハラに来る図太いサウンドだ。
1994年生まれでKISSに影響を受けてギターを始めた…なんてYuichiroくんみたいなパターンは珍しいとしても、この慈雨みたいに若いミュージシャンとベテランのミュージシャンがガンガン交流を図ってお互いに刺激を与え合えばいいナァと思ってる。
若者は今より断然素晴らしかった昔のロックをベテランから教わるべきだし、ベテランはコピー・バンドから脱却して若手の感性を吸収するべきだ。
慈雨~JIUの詳しい情報はコチラ⇒一緒にTogether
そして、いよいよBLIND BIRDの登場。
オープニングはアルバム通りのタイトル曲、「Spicy Sweet」。
河野充生のベースがドッシリとのしかかってくる。
二曲目は「LOSER」。
優也くんの16のカッティングが珍しい?
Marshallは今日もJCM800 2203と1960Aだ。
ファンクがかったBLIND BIRDもまたよき哉。
この河野さんのベース!
なんじゃ、コリャ?あんまりカッコいい!
まるでMilesの『On the Corner』のMichael Hendersonのようだ。
今日は10"、12"、16"、24"というコンフィギュレーション。
しかし、スゴイ音だにゃ~。
そして爆発する優也くんのソロ。
ん~、これまたいい音!
Vintage Modern時代も最高のロック・トーンを聴かせてくれていたが、JCM800もいいね~。
これまたゴキゲン!へヴィなシャッフル「Keep the Tension」。
こういう派手なナンバーにはPONさんのドラムがベスト・マッチするね。
ワウを使ったソロが印象的。
個性的なメンバーによってインスパイアされるのか、このバンドでの優也くんのプレイはバッキングもソロも薄皮どころか本皮(?)が剥けたかのようなシャープなプレイを聴かせてくれる。
「♪Keep the tension, keep the tenshion!」のリフレインがちょ~気持ちいい!
コレは直志さんの声じゃなきゃサマにならんね。
四曲目はアルバムの曲順通りの「Bala-Bala」。
もうお気づきのことと思うが、ここまでアルバムの内容をそのまま実演しているのだ。
ここはジックリと、しかし熱っぽく直志さんが歌い込む。
曲名は「Bala-Bala」だが、このバンドのアンサンブルの妙は目を見張るものがある。
四人が四人ともバラバラというか別々のことをやっているのだが、ひとたび合体するとすさまじくレンジの広いアンサンブルを生みだす。
まるでジャズ・コンボのカルテットのようなのだ。
やっぱりアレンジってのはホントに大切だ。
半分近くの曲でギターを弾く直志さんもMarshallだ。
優也くんと同じJCM800 2203。
D-Daug-Bm-D7というコード進行がいかにもBLIND BIRDらしいんだよな~。
そして序破急の展開が、本来ロックが持つスリリングな要素を存分に味あわせてくれる。
このギター・ソロのメロディがいいよ。
ホントに優也くんはいい仕事しとる。
あなたが東京に出てきて沼袋で初めて会った時のことを思い出すよ。
バラード、「君なしに」。
「慈しみ 軋み 悲しみ 儚い世界に 君なしに 君なしに」という「し」で韻を踏んだ歌詞がおもしろい。
優也くんがドラム・スティックを使って激しいソロをキメる!
そして、直志さんの猛シャウト!
こんな曲を演ってるバンドなんて最近他にないでしょ?
優也くんのソロも含めて、この曲はBLIND BIRDのステージの新しい「ハイライト」になりそうだ。
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ~!
最後は怒涛のドライビング・チューン「絶叫スパイラル」。
PONさんのバスドラがドコドコ絶叫してる!
上へ下へスケールの大きなラインでバンドにドライブ感を注ぎ込む河野さん。
間違いなく河野さんのベースはこのバンドの要だ。
いいバンドには必ずいいベーシストがいる…というのは私の名言だ(自分で言ってりゃ世話ぁない)。
とにかく突っ走る、突っ走る!究極の疾駆ナンバー。
気分爽快、ロックの醍醐味満点の一曲!
Bメロのバッキングのギターのメロディがカッコいい!
そして、急速の曲調に合わせて若干ピロピロ系のソロを聴かせる優也くん。
結局、全七曲、『SPICY SWEET』をそのまま丸ごとアルバム通り演奏してくれた。
Van Halenの初来日公演を思い出したわい!
「Hi-Lite」他、ニ曲のアンコールを披露してBLIND BIRDはステージから降りた。
もっかい。
コレがBLIND BIRDの最新作『SPICY SWEET』。
タイトルは撞着だね。
とにかくおススメ!
このバンドって、もちろんライブもいいんだけど、スタジオ音源の出来もすこぶる素晴らしいと思うんだよね。
作り込み加減がすごく自然というか、とにかく聴いていて気持ちがいい。
早くも次作が楽しみだったりして!
BLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2016年4月22日 高円寺SHOW BOATにて撮影)