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2016年3月14日 (月)

【Marshall GALA レポート】 vol.1: Ready for GALA!

みなさん、お久しぶりです。
毎日更新を続けて来たMarshall Blogだけど、ついに沈没。スッカリ休み込んでしまった!
でも、私、遊んでいたワケでも、病の床に臥せっていたワケでもござらんよ。
Marshall GALAの事後処理や写真の整理等に追われてマーブロの記事を書く時間が全くなかったのだ。
Marshall GALAが終わって「真っ白な灰」になりゃしないか…と心配していたけど、「灰」になってるヒマも余裕もなくバタバタしているのですよ。

改めまして…。
Marshall GALA、無事に終了しました。
おかげさまで出演者の皆さん、スタッフの皆さんに楽しんで頂けたようでホッと胸を撫で下ろしている。
そして、何よりもお越し頂いたお客さまから絶賛の声を多数頂戴したことに筆舌し難いほどの喜びを感じております。
ありがとうございました。
特に、「アッという間だった」とか「ま~ったく飽きなかった」等の好意的なご評価は、4時間半にも及ぶ規格外の上演時間を心配していた私にとって最高の賛辞であり、大きく快哉の声を上げたい。
GALA開催にご尽力頂いたすべての皆さまに心から御礼を申し上げる次第である。

さて、GALAもひと段落したと来れば当然Marshall Blogのレポート。
本日からトックリとMarshallらしく「Blow by Blow(当然Jeff Beckに引っ掛けてる。『具に』という意味ね)」に長尺でお送りするので、キネマにお越し頂いた皆様も、残念ながらお越し頂けなかった皆さまも是非最後までお付き合いくださいまし。

10_logo従前からお伝えしている通り、鶯谷の東京キネマ倶楽部はMarshallの壁がいつでも設置できる英Marshall社公認のライブハウスとなった。

20hコレはGALAのMCでも触れたが、キネマ倶楽部の前身はグランド・キャバレーで、当時は若かりし頃の私の父も時折訪れたそうだ。
要するにこのホールには親子二代でお世話になることになった。
そこで、今回も父が生きていればGALAを見せてやれたのだがチョット間に合わなかったな。
ちなみにウチの父は2000年Jim Marshallを見ている。

30hとにかく!
PAシステムの発達やロックの草食化ですっかりステージへの登場頻度が減ってしまったMarshallの壁…。
こんなんじゃイカン!みんなMarshallの壁で大きくなったんでしょう?…ということで思いついたのがこの「公認ライブハウス化」計画だった。
イギリスの本社も即OK。
東京キネマ倶楽部さんの絶大なるご協力を得て実現した次第。
そして、この機会を記念して、Marshall社の社長のアイデアで企画されたのがMarshall GALAなのね。
ま、この辺りのことはもう何度もMarshall Blogに書いてきたし、GALAのMCでも触れたのでココではシレっとやり過ごすことにさせて頂く。

40hそれにしてもMarshall GALAの当日は疲れたわ~。
こんなに疲れたのは久しぶり。人生で二番目の大疲労だったわ。
今まで生きてきて一番疲れたのはMarshallの50周年コンサートの時。
少しでも疲れを和らげようと、楽屋でRed Bullを3本立て続けに飲んでMarshallの友人のサンチャゴから「シゲ、そんなことをしたら死んでしまうぞ!」と大慌てで忠告された時だ。
あの時は激務に加えて、時差による体内時計の狂いやコメ不足による栄養失調もあったのでボロボロになったとしてもムリはない。もちろん「加齢」という大敵も目の前に立ちはだかっている。
今回は友達ばかり、日本語。地元。時差なし。アジの開きにも納豆にもラーメンにも不自由しない。
それにもかかわらず、あれほどヘロヘロになっちゃったのは、フィジカルな理由だけでなく、メンタルな部分も大きかったんだと思う。
※写真は鶯谷ではありません。

Wembley2 規模は違えど「俺のウェンブリー」…指示通りに60人からの仲間に動いてもらって、何とかまとめ上げさせて頂いたが、とにかく心配だったのは進行、すなわちステージプランだった。
出演バンドは欲張りに欲張って、9チーム。誰も削りたくなかった。
すき焼きとしゃぶしゃぶと焼肉を同時に食べて〆に天丼を頂くような内容だ。
出演時間はトリの稲葉囃子を除いて15分。転換はたったの10分とした。
ハイハイ、わかってます、わかってます。
転換が「たったの10分」なんてことがムチャなのは。
キネマさんにも音響さんにも「不可能」と言われた。正直私も同感だった。
Marshall Blogで「Marshall GALAは長尺で、上演時間が延びる可能性もある」と執拗に告知したのはそのためだ。
遠方からお見えになるお客様もたくさんいらっしゃって、マドンナみたいなことには絶対にしたくなかったからね。
だから、演奏時間を削ることなく(元より15分しかないので削りようもない!)、いかにその他の場面を短くするかということに今までの経験とあらゆる知恵を注ぎ込んだ。

下の写真はそのステージ・プラン。
何日も考えて、何回も何回も書き直した。
まず頭を悩ませたのは出演の順番。
Marshallのコンサートというと、どうしても「ギターの大洪水」になってしまう。確かにMarshall GALAとてギターの大洪水だ。
MCでは「ゲップが出るまでギターを聴かせます!」とは言ったものの、とにかく見ている人を飽きさせないように、飽きさせないように…と工夫したつもり。
4時間半、ひっきりなしにピロピロやられたらナンボ好きでも飽きちゃうもんね。

次は演奏者の立ち位置。
レッツゴー三匹だってジュンと長作(文明さんがよく「スタンリー・クラークに似ている」とおっしゃっていたのを思い出す)の立ち位置が入れ替わったらさぞかし漫才がやりにくかろう。イヤ、できないかもしれない。
出演者はいつも実際のステージを拝見している方々だ。だからワザワザ確認しなくても立ち位置は頭に入っている。まずはそれを尊重した。
そのままいつも通りに並べりゃいいじゃん?とお思いだろうが、それが簡単にはいかないのよ。
それはBackline、つまり機材との兼ね合いが重要だからなのね。
上手のギターを一番下手の1960Bで鳴らしたらいくらモニターがあっても弾きにくいでしょう?
「アンプの風を背中で感じる」ぐらいのことはしないと!

140

こうした作業はこれまで何回もやって来たのだが、いつもは出演者にサオだけご持参頂いてコチラで用意したMarshallを弾いてもらう…というのが普通だった。
この手法だとまずアンプの入れ替えの必要は発生しない。アンプを使いまわして頂いて、せいぜいアンプのボリュームやトーンをチョコチョコっと変更する軽作業で済むのだ。
しかし、今回は「ご自分の音楽を好きなように演奏してください」と出演者の皆様にはお願いしてあった。
自分の音楽を演るのに借り物のアンプはなかろう…ということで、アンプ・ヘッドは自由に持ち込んでもらうことにした。
アンプはひとつの楽器だからね。
ギター一本一本の音が異なるようにMarshallもそれぞれのMarshallに固有の声を持っている。イヤ正確に言うと使い手に応じて声を出す。誰だって自分の声で歌を歌いたいでしょう?
何しろ音を出しているのはギターではなくて、アンプなのだからして自分が信頼しているアンプを使った方がよいにキマっている。
私は「演奏者」の夢はとっくの昔に捨て去ったが、演奏者の気持ちになることはできるつもりでいる。
何て言うとカッコいいんだけど、それがこのステージ・プランの組み立てを困難極まりないものにしてしまった!余計なことしなけりゃヨカッタぜ!…というのはウソで…
1. いつもの立ち位置
2. アンプ持込歓迎
3. 最低限のアンプの差し替え
…を尊重して、いかに転換の手間を省くかを念頭に合理的な壁の設計を考えた。
ココで無理な転換のプランを立てて時間を喰うワケには絶対にいかないからね。
Marshallは上下4セットずつ…イヤ~、頭使ったわ~。
「三宅さんは下手…」、「ノンちゃんは上手…」とかブツブツ言いながら下のチャートも何回も作り直した。
黄色はそれぞれの場面で使用する機材。
青色は差し替えを必要とするアンプだ。
結果、アンプヘッドの差し替えは5台、キャビは2台で収め込んだ。NATALとEDENは使いまわして頂いたが、Marshallは使い回しなし。
怖かったのはキーボード類。
勝手がよくわからないことに加えて、どうしても転換が大掛かりとなるからね。
今回は鍵盤奏者が4人いらっしゃって、そのうち一台を使い回すことになっていた。
プランを立てる時、その取り回しにもかなり神経を使った。

150

今度は台本。
コレはお手のもの。いつもMarshall Blogに書いていることをしゃべればいいだけ。
…なんだけど、待てよ、お客さんはMarshall Blogの読者が多いだろうから、あまり同じこともしゃべれないな…ということに気が付いた。
結局は出演者とのインタビューをからめて「出たとこ勝負」の様相を呈してしまって、台本通りにしゃべったのは恐らく30%ぐらいか?
それでもA4で19枚ほどの台本を用意しておいた。
コレは好きな作業なのでスラスラできた。

130スタッフの皆さんが何をすればよいかが一目でわかる「進行早見表」みたいなものも作った。
「ステージでコレをやっている間にコレをやる」みたいな。
私の小道具も全部書き込んである。本番中はまったく見なかったけど。

160会場の辺りには駐車場が少ないので、車でお越しになる関係者の皆さんが困らないように、実際に歩いて回って駐車場をすべて調査した。
マァ、思いつくことは色々とやってみたワケ。

170…と、ずいぶん先だと思っていた本番の日が信じられないぐらいの速さで近づいて来て、アッという間に社長が来日する日になっちゃった!
成田へ迎えにいかなきゃ!
このBA便は朝9:30に成田に着くんだよね。実にイヤな便だ。
今はもうVirginは飛んでいないので、イギリスの航空会社を利用するとなるとBritish Airwaysしか選択肢がない。
「Why did you come to Japan?」なんて、ゲートから出てきたジョンにテレビ局のスタッフがインタビューすると…
「Of course, Marshall GALA!」
と答える場面があればおもしろかったのだが、スンゲェ、空いててとてもそんな雰囲気ではなかったな。
Marshall GALAの密着取材して欲しかったな。

180前日の社長との打ち合わせも厳格な雰囲気の中で行われた。

190さて、当日。
そのMarshall公認のライブハウスの入口には、おなじみのMarshallスクリプト・ロゴが!

50h

Marshallを知っていて、背景を知らない人がコレを見たらビックリするだろうな。
「な、何で鶯谷でMarshall?!」
そう、コレでいいのだ。東京キネマ倶楽部はMarshallの壁が作れるライブハウスなのだ!

60h

6階のホワイエにもMarshallスクリプト・ロゴ。

70s_2ホール内奥のカウンターもMarshall。1960仕様だ。

80sカウンターの壁にはMarshallの創始者、Dr. Jim Marshall OBEのポートレイトが飾られている。

90sコインロッカーもドバとMarshallだ~!

100s同じコインロッカーでもコイツぁ、モノを入れるのが楽しくなるね。

110s物販の準備も万端!

196オリジナルグッズは「下町のひとりヒプノシス」、梅村デザイン研究所の手によるGALAシャツ。

200s実に気品のあるデザイン!
私はイラストだろうが、コラージュだろうが、レタリングだろうが、タイポグラフィだろうが、梅村昇史さんの作品が大スキなのだ。

210sそのTシャツとランヤードとメッセンジャーバッグの3点セット。

220家の中は一時期、グッズやら新商品やらチラシやらで段ボールだらけになったよ!
226
実はコレもかなり大変だった。
お客さんにはTシャツをバッグに入れてお渡ししようということで毎晩徹夜でTシャツをたたみ続けた…家内が。
不器用な上にやることが雑な私は完全に手出し禁止。
お疲れさまでした。
おかげさまで、開場して30分で完売!
お買い求めになれなかったお客様、申し訳ありませんでした。

225出演者やスタッフさん用のグッズは別立てで用意。会場ですぐに渡せるようにしておいた。
コレ、なまじサイズがあるから大変なんよ。

227vGALA菓子。
おかげさまでコチラもほぼ完売。
メイン・キャラクターがポテチ、かっぱえびせん、ポップコーンの別になっていたんだけど、かっぱえびせんが一番人気だったんだって!
絶対ポテチかと思っていた。

230実はコレはですね、私の中学生の時の苦い経験から思いついたアイデアだったの。
1977年、中三の時に晴海の国際展示場で『ローリング・ココナッツ・レビュー』という「アンチ捕鯨」を標榜したロック・フェスティバルがあった。
リッチー・ヘヴンスだのカントリー・ジョー・マクドナルドだのウッドストックのミュージシャンが出るというので友達とよろこんで見に行った。
考えて見ると、あの時ってウッドストックからたった8年しか経っていなかったのね…。
開演は5時で終演は10時の予定だったが、帰りのバスがもうとっくに終わっていて、銀座まで歩いて帰ったのでそうとう押したハズだ。
それよりも困ったのは食料だった。
会場の中の暗がりでパンを売っていたんだけど、コレがかなりズイマでとても食えたもんじゃなかった。そのおかげでものすごくひもじい思いをした。
腹減っちゃって「Freedom」どころじゃないのよ。
ハラ具合までウッドストックの真似をさせることはなかろうに…。
この時の印象が強烈で、長尺になることがわかっていたMarshall GALAのお客さんにはそんな思いをさせたくなかったのね。
かっぱえびせんをポリポリやりながらビール片手に最高の演奏を楽しんで頂きたかったのだ。
でもかっぱえびせんって人気だけじゃなくてカロリーもNo.1なんだよね。

240Marshall関連グッズも大好評だった。

270Eyewearはモノによっては20%オフ!それに3Dのステッカーがオマケについたのよ!

280Marshall HEADPHONESのコーナーではiPhoneのケースがガンガン売れたと聞いている。

290入口にはASTORIAを展示した。

300イヤ~、ひっさしぶりにPOPなんて作ったよ!

310そんなこんなでステージの準備ができたようで…。
リハーサルは時間通りにいくかしらん?

320<つづく>