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2015年7月 7日 (火)

伝説のロッカーたちの祭典 <第2部>~頭脳警察&三文役者

15分の休憩をはさんで登場したのは三文役者。
まずは、三文役者をご存じない方はコチラの記事をご参照頂きたい⇒三文役者なわたし

10_2花之木哲

20v大竹亨

30v_2石井正夫

40v_3さとっちょ

50v_2以前はツイン・ギターの五人編成だったり、それにキーボードが加わって六人編成になったりしたこともあったが、現在はこの四人が三文役者だ。

60_2一曲目は「Hold on my Way」。

70_2哲さん、ノッケから気合の入り方がスゴイ!

80vもちろんメンバーも同様。

90v大竹さんはJVM210Hと1960Bのハーフ・スタック。

100v_1

昔はMarshall 1992 SUPER BASSを愛用していた正夫さん。私の1959のハーフスタックとステージではお揃いだったのよん。
120v
今回はEDEN WT-800とD410XSTの三段積み。
130v_2
さとっちょのクリスピーなドラミング。

140v_2

NATALアッシュで効果倍増!すごく気に入ってくれた。
150
この「Hold on my Way」という曲は新しいのかな?

100_2私にとってはもちろん古い曲の方が断然シックリ来るんだけど、新しい曲もとても魅力的に聴こえる。
哲さんはThe Rolling Stonesのようなものすごくシンプルなロックがお好みなのだが、曲を作る時そこに何とも言えない昭和歌謡的な雰囲気を入れ込んでくる。
当時は本当に昭和だったから「昭和歌謡」なんて発想は全くなかったんだけど、いかにも日本人らしいメロディをシンプルな8ビートに載せるのがうまかった。
コレもそんな曲。

110_2三声のコーラスなんか入れちゃってビックリ!
大竹さんもさとっちょもコーラスうまいからね。昔はこんなんなかったんよ。

160続いては二月のライブでも取り上げていた「Dream Crush」。

170_2コレまた哲さんらしいミディアム・テンポのシンプルなナンバー。

180_2哲さん書く曲のもうひとつの魅力は歌詞だ。イヤ、むしろこっちが土台なのだ。
作品には「街」をテーマというか、街を相手にした内容の歌詞が結構あって、この曲もそう。
その「街」とは「東京」のことだ。
実際に「東京デストロイ・シティ」という曲では「裏切りの街」と歌い、この「Dream Crush」では東京を「イカれた街」と歌っている。
東京で生まれ育った私にはわからないが、地方から東京に出てきた人たちにしかわからない大都会に対する特別な感情や体験があるということに気付いたのはずいぶん後になってのことだ。
何事においても悲喜こもごもの経験が生み出す曲は深い。

物価に関していえばロンドンの方が断然イカれているけど…。

190_2三曲目は「Hello Dear Friend」。

200_21991年リリースのアルバム『Live On』から。
コレもロマンチストな哲さんらしいメロディが印象的な作品。

210v上着を脱いでいよいよエキサイトしてきたぞ!

220定番の「怒雨降り」。
哲さん、この曲好きなんだナァ~。ここから最後まではトラディッショナルなレパートリーで固めた。

230_2着実なプレイが身上の正夫さん。EDENのヌケヌケサウンドにゴッキゲン!

260v
さとっちょの要所要所をバシバシキメてくるメリハリの効いたドラミングが小気味よい!
270v
マフラーを振り回し暴れまわるのは「回転木馬」。
245

この曲も2月に演奏した。
「回転木馬」曲が生き残って今も頻繁に歌われているのはチョット意外かな?
もちろん好きな曲!

240vこの曲には2小節のギターのピック・アップがあって、そこにクイでバンドが入るところがカッコいいんだ。
ヘヘン、実は高校の時、この曲で「クイ」という言葉を教わったのだ。

250_2そして最後は「三文役者」。

280v哲さんとPANTAさんの共作。
大竹さんが弾くこのリフをこれまで一体何回聞いたことか!

290v哲さんは18、19歳の時に開高健の「日本三文オペラ」を読んでインスピレーションを得たという。そして、PANTAさんと共作。哲さんはPANTAさんの才能に憧れていたそうだ。

320v

この曲を死ぬまで忘れない人って私の周りには結構いるんじゃないかな~。

310_3PANTAさんバージョンはホーンが入ったファンクっぽいアレンジだったが、三文役者バージョンはストレート・アヘッドな8ビート。
#9thのカッティングから続く長いアウトロがカッコよくってね。初めて聴いた時は鳥肌が立ったな~。

330vで、大竹さんにどうやって弾いているのか教えてもらった。例のゲーム・センターでね!私が17歳ぐらいの時の話しよ。

340_3力演!熱演!激演!…その類の言葉がすべて当てはまるパフォーマンス!
なんか心の底から「お疲れさま!」って声をかけてあげたいわい!まだまだこれからなんだけど!

350_2初対面のROLLYさんからインタビューを受ける哲さん。
以下ROLLYさん…「三文役者はスタジアムが似合いますね。スカッとするハードロックを演奏するバンドが少なくなった今、貴重な存在…(中略)…77年のロッキンfの記事で初めて三文役者を知りました。そして、それから35年経って遂に同じステージに立つことが出来ました!」
さらに…「こういうストレートなロックは海外向けだと思いますね。声がとても日本人らしい。AC/DCのBon Scott(故人)やJourneyのSteve Perryみたい…」
哲さん、ニンマリ。
ありとあらゆる膨大な量のロックを聴き漁ってきたROLLYさんが言うのだから間違いない。

360_2ROLLYさんがご覧になったロッキンfの記事ってコレかな?コレはレコードを出した時だから80年か…。
でも、それより前のロクfの記事ってのも見た記憶がなきにしもあらずだな。イヤ、アレは大竹さんにみせてもらったのかな、あのゲームセンターで…。
他にも「ADVEN」という雑誌にも出たことがあった。あの雑誌、どこへ行ったかな…実家にまだ残っているような気もするけど。
だから私は「断捨離」に反対なのだ。家では「断捨離」に反対していることを反対されていますが…。
「後で何が必要になるか」なんてことはその時には絶対わからないんだもん。捨てて臍を噛む思いをするなら捨てないで全部とっとけ!

70_2 ところで、三文役者には埋もれている曲がまだまだたくさんあって、今こうして外から観てみると、このバンドって哲さんの「シンプルなロックンロール」のコンセプトをベースにずいぶん色んなタイプのロックの要素を吸収していたことがわかるんだよね。
「ニアミス」や「悪魔の誘い」なんてブリティッシュ・ロックっぽい曲なんかもあったし、「ファースト・キッス」なんて下世話な曲、「三文役者パート2」と題した大作もあった。
「夢うつつ」なんてあまり演奏しなかった曲(村八分とは同名異曲)のメロディが今でも突然ボロっと脳裏をかすめたりすることがある。
私も「昔のことほどよく覚えている年齢」になっているにしても、よっぽど三文役者と過ごした日々が印象に残っているのだろう。


三文役者は8月にもワンマン・ライブが決定しているので、是非ご覧になって頂きたいと思う。
チョー久しぶりのクロコダイル?
前回は大阪から来たキャバレーというバンドと一緒だったような…30年以上前の話しだ。

T_sanmon引き続いてROLLYさんが「最後の肉食系ロックバンド」と紹介するのは…

365頭脳警察!

370PANTA

380vTOSHI

390v_2菊池琢己

400vJIGEN

420v原田淳

430v_2一曲目…聴き慣れたベースのリフが、一気にテンションが高める!

440「銃を取れ!」だ。

450_2なかなかドップリとPANATAさんのことを書く機会がないが、頭脳警察を聴いた時はショックを受けたナァ。頭脳警察も大竹さんから教わったハズだ。
今では大っぴらに手に入る発売禁止となった一枚目と二枚目のアルバムが聴きたくて悶々とした時期もあった。
三文役者の伝手でテープにダビングしてもらったその音源にこの曲が入っていた。やっぱり聴いてブッ飛んだよね。
それよりもビックリしたのは「世界革命戦争宣言」だった。
後に読んだ角間隆というルポライターが著した『赤い雪』という連合赤軍のノンフィクションにこの宣言文全文が載せてあって、「ウォー!頭脳警察じゃん!」と感動したものだった。
私の世代はそんなもんですよ。
大学への進学率が急速に高まり、学生はみんなバリバリのノンポリで、「大学は遊びに行くところ」が当たり前の風潮。学生運動はすでに前時代的なものになっていた。
それでも、「カク」だの「マル」だの独特のフォントで書かれた難文の横断幕がキャンパスの一部に盛大に飾ってあったナ。学生運動の全盛期にはモノスゴイことが起こったキャンパスだったから。
今では「ノンポリ」なんて言葉も消え失せてしまった。
でもPANTAさんが最近披歴されたその「世界革命戦争宣言」の裏話に大笑いしてしまった!

460_2皆さんご存知だとは思うが、一応書いておくに「頭脳警察」の出自はFrank Zappaの「Who Are the Brain Police?」だ。
1969年のデビュー。
パワーは全く衰えを知らない。

470vふたりを支えるバンドがまた強力!
琢己さんはMarshallプレイヤーだ。

480JVMはとっくにお試し済みで、シッカリいい音で鳴らしてくれた。
560_2
2曲目は1991年のアルバム『歓喜の歌』から「飛翔<ひらめく旗の下で>」。

490_2PANTAさんに紡がれた言葉が独特の世界を築き上げる。
やっぱり言葉の重みが違う。
40年以上前、日本語によるロックを確立させたのは、他でもない、頭脳警察だと私は思っている。

500_2没後30年で寺山修二の作品を取り扱ったのが次の曲。

510_22008年に発表した「時代はサーカスの象にのって」。

520_2「時代はサーカスの象にのって」…なんて言葉の列をよく思いつくものだと思う。
ROLLYさんも後のMCでおっしゃっていた。寺山さんの作品。
530
みっともなくて卑怯者、乱暴者で梅毒な私には詞なんてわからないが…、
「夜が疲れかけた時、鳥が夢をさがす時、銀のペンをイマージュに突き刺す  星が溢れすぎた街、時がこわれそうな街、それを今のテーマとみなそう」
…なんてどうよ。
コレは『誕生』に収録されている「詩人の末路」という曲の歌詞。PANTAさんの作品。
こんな言葉を一体どういう思考で選び、そして連ねるんだろう?素敵すぎるにもほどがある。
550v_3
四曲目は1986年のソロ作から「R☆E☆D」。
S41a7241
頭脳警察だけが作り得る孤高の世界をガッチリとサポートするバック陣がまた見事。

S41a7155いいんだよナァ、クールでいかにもロック・バンドらしい。やっていることとイメージがバッチリかぶさっている感じ。
590v_2
♪ダッパンダッパンというドラムのエキサイティングなイントロから…
580v_2
ギターのあのメロディ。
535v
「ふざけるんじゃねぇよ」だ!
570v
ク~、タマらん!一緒に歌っちゃったよ!舌がうまく回らないけど…。

S41a7210考えてみるとこの曲が一番最初に聴いた頭脳警察だったかもしれない。
コレを聴いた瞬間に逮捕されてしまった。「殺人許可証」を持っていなかったから!

540そして、最後の曲。
シットリと「さようなら世界夫人よ」。

S41a7106

先日、無くなられた頭脳警察の初代マネージャーに捧げられた。

600v_2この曲の歌詞はヘルマン・ヘッセ。
スムーズな言葉の連なりとと美しく物悲しいメロディはいかにも故人の追悼の場にふさわしいもので、何回も聴いた私ですら目頭が熱くなってしまった。
しかし、この曲の歌詞はとても辛辣なもので、PANTAさんは同時に現在の世情を憂い歌い上げたのだ。

610v頭脳警察の詳しい情報はコチラ⇒頭脳警察Official Website

620_2ROLLYさん、ヘルメットを持って登場。
話しは最後に演った「世界夫人」に…。
PANTAさん「マネージャーのこともあったけど、この曲がこれほど染み入ったことはない」
ROLLYさん「タイトルが好き。でも当時は聴きたくても聴けなかった。レコードが発売禁止で手に入らなかったから!」

630頭脳警察のデビューはいつどこか?というクイズも出題された。
答えは、1969年の神田共立講堂だったそうだ。
ウッドストック、成田闘争の年。
青山に「キラージョーズ(Benny Golsonの「Killer Joe」からかな?)」というディスコがあって、そこでナンパしたのが男だった。それが何とピーターだった!…で大爆笑。
コレ完全にThe Kinksの「Lola」じゃん!
そして、話しはシャンソンに突入した。
ROLLYさんは定期的にシャンソンのショーをやっているからね。
PANTAさんもフランスを題材にした作品があって、「トゥ・シューズ」もそうだけど、さっき「時代はサーカスの象にのって」のところでチョット引用したのはブリジット・フォンテーン。『仮面劇のヒーローを告訴しろ』の「まるでランボー」だ。
頭脳警察バージョンの方が断然スキ!
ふたりのシャンソンの競演を楽しみにすることにしよう。

05_2 つづく

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年6月28日 新宿スペースゼロにて撮影)