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2016年4月25日 (月)

これかたがわ~ギター・デュオの魅力(ディスク・ガイドつき)

「ギターは小さいオーケストラだ」…と言ったのはベートーベン。
このことは大分前にMarshall Blogに書いた記憶があるが、どうもコレは「ベルリオーズの言葉」らしいという説もあるようだ。
ベルリオーズ、詳しくはないけどカッコいいよね。映画『シャイニング』のタイトルに流れる不気味な旋律がベルリオーズのものと知った時は何やらうれしかった。
ところが、このメロディはリストの「死の舞踏」という曲にも現れる通り、「怒りの日」というクラシックではイディオム的な普遍性の高いメロディでマーラーを初め何人もの作曲家が引用しているのだそうだ。
ロックで言えば「ジョニー・B・グッド」のイントロみたいなもんだね。

さて、そのギターについて…。
こういうセリフもある。
「ギターが2本あるとマジックが起こる」…正確な引用ではないが、Larry CoryellかJohn McLaughlinの言葉だったように記憶している。
「マジック」より先に、同じ楽器2つ寄り添って何かひとつの音楽を作る…っていうシチュエーションは圧倒的にギターが有利だ。
それはギターがメロディ、リズム、ハーモニーの音楽の三要素と呼ばれる仕事がすべて難なくできて、かつリードも伴奏もできるという万能性が大きな理由のひとつ。
カスタネット・デュオなんて見たことないし、バグ・パイプ・デュオなんて相当やかましいぞ。
そう、音量の問題もある。
しからば、同じことができる楽器を考えてみると、例えばピアノがある。
Herbie HancockとChick Coreaのデュエットの名ライブ盤なんてのもあるが、何せピアノ2台を用意するのは大変なことだ。
それもスタインウェイやベーゼンドルファーを用意しろ…なんて言われたらどこかで破産するヤツが出て来るかも知れない。
他にもマリンバやヴィブラフォンなんかの名前が挙がろうが、実に魅力的な楽器ながら、演奏者の数が相当少ないことは間違いない。場所もかなり取るし、演奏するが破天荒にムズカシイ。
移動も大変だ。
そこへいくと、ピッコロには負けるにせよ、ギターの可搬性たるや楽器界のスーパー優等生だ。


今日はそんなギターのデュエットが生みだす「マジック」のレポートだ。

10是方博邦
久しぶりにご登場頂いた是方さん。
新しいMarshall Blogになって初めてのお目見えだ!

20v田川ヒロアキ

30v 人呼んで「これかたがわ」。
苗字がウマくつながってるナァ。
考えてみると2人は名前も「ヒロ」で共通なんだよね。
そこで「ひろくにあき」っていうのもイケるのではないか?…と。
そして、もうひとつ実に素晴らしい名前をこのデュオ・チームにつけることが可能なのだ。
それは「JVM」という名前。

402人ともJVMをお使い頂いているのだ!
コリャ、ちょっとしたJVM GALAじゃん?

50ヒロアキくんはJVM210Hと1936V。
Marshall Blogではおなじみの愛機。(コレ、いつも「愛機」か「愛器」かすごく迷うんだけど、ギターは楽器なので「愛器」、アンプは「機械」なので「愛機」というふうに使い分けているんだけど、ギター・アンプは楽器!といつも言ってるぐらいなので「愛器」にするべきか?教えて金田一さん!)

60そして、是方さんは…

70v JVM205C。
2x12"、50WのJVM2コンボだ。
実はこの時、「お試し」だったのだが、リハーサルでチェックして頂いて、早速本番で使って頂いた。
130v_tone
また、是方さんが弾くと、コレがいい音なんだ~。
メッチャ、ウォーム!
すっかりお気に召して頂いて、現在は100WのJVM210Cをお使い頂いている。

80是方さんには1987Xもご愛用頂いているが、そのスタイルはよく知られている通り、ブルージーでソウルフル、総じてビンテージ系のイクイップメントがマッチするトラディショナルなものだ。
100
方やヒロアキくん。
トラディショナルなギター・プレイの王道を踏み外すことはないが、コンテンポラリーなギター・パフォーマンスも得意としている。
おかしいのは弾き方だけだ。
この2人のかけ離れたスタイルを結びつけているJVMのヴァーサティリティがスゴイじゃないの。
共通項は、やはり真空管のギターアンプのサウンドに魅せられたギタリストということ。
そして、もうひとつは「Marshall」というアルファベット8文字に愛着を隠し得ないということか。

90_style今回、チョット職権乱用でリハーサルの時にヒロアキくんのJVMを試させてもらった。
ヒロアキくんのJVMの使い方は、歪みはすべてアンプの中である(←島崎藤村のパクリ)。
ループに空間系のエフェクターをつないで、クリーンはギターのボリュームを下げて作る。
コレが基本。
あのね~、我々こっち側でプロの皆さんの音こそいつも聞いているけど、実際に同じ機材でギターを弾かせてもらうチャンスはあまりない…というよりお願いするのも畏れ多い。
そこは、ま、付き合いの長いヒロアキくんのこと、ホームという雰囲気の柔らかさもあって図々しく「チョット、弾かせて!」とお願いしてみた。
「どーぞ、どーぞ!」と、私の腕のマズさを知っていながら気軽にOKしてくれたヒロアキくん。
…(間)…
ドワ~!
恥ずかしながら白状しますが…コレが同じJVM?ってな具合に弾きやすく、音がきれいなのよ!
やっぱプロの機材は違うね~。
今更ながら恐れ入りました!
120_try
さて、これかたがわのパーフォーマンスはバッキング・トラックを一切しようしないピュアなギター・デュオだ。
設定やテーマを予め決めておいて、後はお互いがインスパイアし合って作っていく音楽が主だ。

110v_tone1曲目はEのブルース。
一応タイトルがついていて「新年一発目の良いブルース」だって。

140v_aふたりが「ウッス!」と顔を合わせて握手をして、ホンじゃ、まずはブルースをば…みたいなあいさつ代わりの1曲なのだそうだが…しょっ端からモノスゴイ充実感!

150v_a続いてはキーを「A」に設定した即興曲。
これもタイトルがあって、「A」だから「『A』にちなんで、アメリカンギター」だって!
この曲ではカホンも披露。
あ、次回NATALでお願いします。NATALのカホンの評判はすこぶるよろしいよ。

S41a0802 この日、ヒロアキくんは打楽器系ではエレクトリック・パーカッションも使用した。
そういえば最近のあの変なフエ(失礼!)見かけなくなったね~。

330

和音の響きを大切にしながらカラッとした雰囲気を醸し出す是方さんのソロ。

170v_eこの手のライブでは重要なMCもバッチリ!
もうとにかくMarshallの話づくしでありがたいやら、うれしいやら、面はゆいやら…。
まるで私が司会をしないMarshallロードショウみたい?

190_m色々と使ってきたけど、やっぱりMarshallに戻る…とおっしゃる是方さん。
これまでに所有してきたMarshallの数は30はくだらないという。

200v今日使っているJVM210Hをゲットして「念願のスタック」のオーナーになった…というヒロアキくん。
その美しいトーンはもはや「ヒロアキ流JVMサウンド」と呼んでいいだろう。

210今度は「E」でスロー・ブルース。
「E」だから「イギリス」のイメージだって。
どこがじゃい!…といいたいところだけど、イギリス人はブルース好きだよ~。

180v

クリーン・トーンに空間系のエフェクターを使って広がりのあるソロを聴かせてくれた是方さん。
上に書いた通り、この日初めて使ったモデルなのに、もう長い間一緒にいらしゃるような使いこなし感がスゴイ。
やっぱベテランのマーシャリストだけあって、ツボがすぐにわかっちゃうんだろうね。

S41a0821 休憩をはさんで、第二部の冒頭はソロ・コーナー。

220_2

バラードだったんだけど、分厚いコードワークに彩られたメロディが美しい。
サウンドは柔らかいけど、芯がビシッと通った厳しい演奏だ。聴く者を思い切り自分の敷地に引っ張り込んでしまう。
やはりこういうプレイはギターという楽器を知りつくしたベテランならではのものだ。
音の説得力が違うのだ。

230v続いてヒロアキくんのソロ・コーナー。

240ア・カペラ・ソロはお手のもの。
この日もトリッキーなプレイも差し込んだOD/REDモード(JVM2で一番歪むとこ)でスリリングに展開させた。
どんなに歪ませても音が美しい。
そうそう、JVMのOD/REDは超ハイゲインゆえ、GAINをちょっとでも上げ過ぎるとハウリングやらノイズが盛大に出るのね。故障ではありませんよ。そういうものなのです。
ヒロアキくんはそのモードで弾いても、ハウリングもノイズもカケラすら出さないね。
で、弾いてわかったんだけど、ノイズ・ゲートの使い方が実にうまいのよ。
もちろん優れたミュートの技術が先にあっての話なんだけど。

250vソロ・コーナーが終わってお互いのプレイについて語り合う。
またこういうのがおもしろいよね。

260真剣に逆手プレイに取り組む是方さん。

270スタンダードな弾き方なら私でも勝てそうなヒロアキくん。
あ、次回はサムピックも条件に加えましょう!

280第二部でも話題はギター・アンプに及んだ。
ギターについてのMCはそう珍しくないと思うけど、ギター・アンプについてこんなに語られるステージは滅多にないよ。
「ギター・アンプは重要です。我々のような音楽を演るには絶対必要なものなんです。アンプが変わると音楽も変わってくる。弾くときのタッチも違ってきてしまいます。」と是方さん。
いいことおっしゃって頂いた!とてもうれしい!
いよいよMarshallロードショウみたいになってきちゃったけど….。
ギターに比べればアンプは脇役だけど、その脇役がいなければいい音楽を作ることはできません。音を出しているのはギターでなくアンプだから。
そして、脇役と悪役がよくなければおもしろい映画が絶対に作れないのと同じで、音楽にも名脇役が必要なんですよ。真空管が入っている脇役が!
あ、Marshallは名脇役だけど、悪役じゃありませんから。
以上はワタクシの言葉。もう何百回口にして来たことか…。

290v
第二部でも白熱かつ、グッド・ミュージックにあふれるホンワカなムードで2人の演奏が続く。
290v_west
ヒロアキくんの自作曲もレパートリーに取り入れられた。

300是方さんのバッキングにリバーブの利いたヒロアキくんのメロディ乗る極上のパフォーマンス!

310当日は機材を入れる関係もあって、リハーサルもご一緒させて頂いたが、是方さん、本番になったらスゲエの!

320vこんなに次から次へと濃いフレーズをシームレスで繰り出す人って滅多にいないよ。
イメージとしてはClifford BrownかSonny Rollins。例えがジャズで申し訳ないんだけど。
とにかく作曲したかのようなフレーズがとめどもなく出て来る。
要所要所に取り入れるダブルストップがまた実に美しい。ソロを聴いていて、それが終わって、「もっと弾いて~!もっと聴かせて~!」と叫びたい気持ちにさせてくれるギタリストはそうはいない。
それが是方さんだ。

340十分にお互いにお互いを刺激し合う緊張感のあるステージだったが、ホンワカ。
2人のギターへの愛情と情熱にあふれる素晴らしいショウだった。

350ナンカ、今思い返すと、アレ本当に2人だけで演奏してたっけ?って疑いたくなるような充実した音世界だった。
「Marshall愛」がタ~ップリだったことも書き落としては決してなりませんな!
JVMがメンバーに加わって、デュオではなくてトリオだった?!
ありがとうございました!

是方博邦の詳しい情報はコチラ⇒是方博邦Official HP
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

360<オマケ>
滅多にないギター・デュオが題材になったので、ギター・デュオ・アルバムをいくつか紹介させて頂きたいと思う。
ハイ、大きなお世話です。

★Spaces / Larry Coryell
冒頭にでてきたLarry CoryellとJohn McLaughlinのアコギ・デュオ「Rene's Theme」が収録されている。Reneとはベルギー出身のジャズ・ギタリスト、Rene Thomas(ルネ・トーマ)のこと。
コレを書くので引っ張り出してきて久しぶりに聴いたけどカッコいいな。
好敵手を得たせいか、まぁ、Coryellの力みようがスゴイ。
ちなみに、Mahavishunuの頃はMcLauglinもMarshallよ。Coryellはどうだっただろう?

C10_2★Two For The Road / Larry Coryell & Steve Khan
Larry Coryellはコレで味をしめたかギター・デュオのアルバムを多数リリースしている。
「Spain」が収録されているんだけど、この頃は「お!スペイン!」なんて、パエリアが好きなワケでもないのに喜んだものだが、今では猫も杓子も「スペイン」でしょ?
最近は「アランフェス協奏曲」の第二楽章のメロディを聴いただけで「ウワ!またスペインかよ!」と逃げ出したくなる。
ちなみにSammy Khanの息子、Steve Khanは独自のアプローチを持っていてすごくいい音楽をクリエイトしている。
昔、来日した時1936を貸したことがあった。

C20★Together / Larry Coryell & Emily Remler
Larryは女流ウェスといわれたEmily Remlerとのデュエット・アルバムも吹き込んでいる。
コレ、ハンターでえらく安く買ったのを覚えてる。
Emily、カッコいいんだけど、1990年に薬のオーバードーズでこの世を去っている。
何と言ってもこのアルバムでは「Joy Spring」が最高にカッコいい。

C30★Young Django / Stephane Grappelli
これはギター・デュオではない。
ジャンゴの相棒、ステファン・グラッペリが若手を集めてジャンゴ・ナンバーを演奏しているんだけど、いいんだぜ~、コレ。
ギターはLarry CoryellとPhilip Catherine。
『Three or Four Shades of Blues(ロック・ファンにもおススメ)』というCharles Mingusのアルバムに参加したCatherineに向かってミンガスが「おぬし、ヤング・ジャンゴじゃのう」と言ったとか。
でもタイトルはCatherineひとりを指すのではなく、参加者を指していて、「ジャンゴの魂を伝承する若い音楽家たち」という意味だろう。
ナゼ、このアルバムを挙げたのかというと私の愛聴盤という理由の他に、次のアルバムにつなげるためだ。

C40★Twin-House / Larry Coryell & Philip Catherine
CoryellとCathrineのギター・デュオ・アルバム。
ココでもジャンゴの名曲「Nuages」を演奏しているんだけど、コレがめっぽう美しい。

C50★Splendid / Larry Coryell & Philip Cathriene
『Twin House』の続編。
ここでもジャンゴの「My Serenade」を取り上げている。C60ところで、Marshall Blog読者のほとんどの方には「Philip Catherineって誰?」ってことになるでしょう。
ジャズを聴かなくてもオールド・ファンはご存知かもしれない。
先に名前が出たRene Thomasに影響を受けた同郷のベルギー出身のギタリストで、『Focus Con Proby』というFocusのアルバムに正式メンバーとして参加しており、来日も果たしている。
この人のギターが好きで、若いころは参加作品を調べては探して歩いたものだ。
C80
Rene Thomas関連をもうひとつ。
コレはFabien Deryseという同じくベルギー出身のジャズ・ギタリストの『Hommage a Rene Thomas』というRene Thomasへのトリビュート盤。
このアルバムにもギター・デュオの曲が何曲か収められているが、コレがヤケクソにカッコいい。
それこそPhilip Catherineが参加しているのでゲットしたが、むしろその影は薄い。
メタル・シュレッダーの若者たちにこういうギターの音楽がどう聴こえるのか興味があるナァ。

M_igl134_3 ただいま脱線中。

Catherineにはこんなのもある。
テナー・サックス界の重鎮のDexter Gordonの「Sonething Different」。
コレがまた大スキだった。
シリアスなストレート・アヘッド・ジャズなんだけど、レスポール・カスタムでMilesの「Freddie Freeloader」なんか平気で弾き切っちゃう。
他にもKenny Drewというピアノの大御所との共演盤も何枚かあって、やっぱりレスポール。アンプはMarshallではなさそうなのが残念だが、ロック出身の私としては実に爽快な気分で楽しんだのを覚えている。
死ぬまでに一度は見て見たいナァ。ベルギー行ってみたいけどテロがナァ。

C70もうチョット脱線ね。
Larryはギター以外の楽器ともデュエット・アルバムを出していて、コレなんかは比較的変わり種。
ポーランドのヴァイオリニスト、Michael Urbaniakとの共演盤、『A Quiet Day in Spring』。
特段Larryのファンでもない(そう、これだけ紹介していても特にファンではな~い。好きだけど。)
コレは1曲目の「Rue Gregoire Du Tour("リュ・グレゴワ・ドゥ・トゥワ"って読むのかな?)」が聴きたいだけで買った。
渡辺香津美さんとLarryが共演した音源をラジオで聴いてやられた。Larry Coryellってギターよりも曲作りの方がウマいのでは?と思わせるほどに美しい曲。
ま、香津美さんが弾いていたというのもあるけどね!
Larryは畏敬の念を表し、香津美さんのことを必ず「さん」づけで呼ぶらしい。
ハイ、Larry Coryell終わり!

C75★Standards Brabds / Chet Atkins & Lenny Breau
ガラっと変わって…。
Chet AtkinsとLenny Breauのデュエット盤。
ま、Lennyはカントリー系のジャズ・ギタリストということになるんだろうけど、Chetと組ますとは!
こういうクリエイティブな仕事がしてみたいナァ。
ところが内容はイマイチかな…。
デュエットではないけど、コレより、Lennyとペダルスティールの巨匠、Buddy Emmonsを組ませた『Swingin' on a Seven-String』というLennyが7弦ギターを弾いたアルバムの方がおもしろい。
Buddy EmmonsはThe Carpentersの「Top of the World」とか「Jambalaya」でペダル・スチールを弾いている名人ね。
この人がペダル・スティール・ギターでビバップを演奏している『Steel Guitar Jazz』ってのはスゴイよ。

C90★Interactions / Chuck Wayne & Joe Puma
正直、滅多に聴かないけど、タマにジックリ聞くといいナァ。
ジャズ・ギタリスト、ベテランふたりの共演盤。
有名なスタンダードを、出すぎず引っ込み過ぎず、ふたりで頃合いよく弾いているところが実に心地よい。

C100★In a Mellow Tone / Louis Stewart & Heiner Franz
Louis Stewartはアイルランドのギター・バッパーだ。
もうひとりの人は知らんけど、「超」がいくつもつく正統派のLouisのギターは好き。
で、ですね、この人を取り上げたのには理由があって…

C110実はこのLouis Stewartも『Overdrive』というアルバムを出してるので~す!
このオジちゃん、銀行の支店長みたいなルックスなんだけど、バリバリ弾きます。
このアルバムはコテコテのスタンダード曲が満載で、「ジャズ・ギターかく弾くべし」なプレイをイヤというほど聴かせてくれる。
ライブ・アルバムなんだけど、収録されてた場所は何と、スコットランドはエジンバラ。
エジンバラの人がジャズ聴くとは思えんのだけど…変な感じ。やっぱベイ・シティ・ローラーズでしょう!

M_mi0001719413 ★Two for the Road / Herb Ellis & Joe Pass
最後。もう疲れちゃった!ってんで別れ際に最後の一枚…。
こんな感じで「別れ際にもう一杯!」と傾けるグラスのことを英語で「One for the Road」という。
飲んで騒いで、最後に「One for the road!」と言って乾杯して散会する。
アルバムのタイトルはそれのシャレですな。
さっきもLarry Coryellのところで出てきたでしょ、「Two for the Road」。
ジャズ・ギター界の人気者2人のデュエット・アルバム。当然それなりの出来なんだけど、とにかくスゴいのは最後の「Cherokee」の2連発。
「Concept1」と「Concept2」のテンポが異なる2つのテイクが収録されていて、両方すさまじい。
何がって、Joe Passのソロもいいんだけど、何と言ってHerb Ellisのバッキング。
いわゆる「四つ切」。
何も速いばかりが「超絶技巧」とは限らない。
この1小節に4つ音しか弾かずに猛烈にスイング感を出す至芸はそこら辺の速弾きの何万倍もムズカシイだろう。
…というか、できない人はどんなに努力しても一生できない類のモノかもしれない。私はできません。

C120 ああ、やっぱりギターは素晴らしい!

(2016年1月23日 Live Bar X.Y.Z.→Aにて撮影 )