Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

ライブ・レポート Feed

2017年5月11日 (木)

Strange,Beautiful and LoudとD_Driveのダブル・ヘッドライナー<高円寺編>~SBLの巻

もし…。
ジミヘンじゃないけど「もしも、もしも」ですよ、あの時代に今みたいなSNSがあったらどうなっていたかね?
こんな感じかな?
1967年7月の投稿。

4img_3712

この後、ドカンと「いいね!」が押されてくる。
ナニせビートルズの新譜だ。もうみんな買ってビロテしているにキマってる。
当時は「ヘビロテ」なんて言葉はないが…。
…とか、こんなの。

42jh2正直、コレには無理がある。
『Are You Experienced?』の発表は英米ともに1967年だが、日本では同時期に発売されたのであろうか?日本はまだこの頃GSブームの真っ最中だ(筆者は幼稚園生)。
この辺りは三宅さんにお訊きした方が時間のムダにならないのであろうが、タイトルや「日本発売」等のキーワードをいくつか放り込んでインターネットで調べたところ手がかりがつかめなかった。
私の調べ方が悪いせいも多分にあるのであろうが、このあたりに日本のロック文化の貧弱性を見出さざるを得ないんだよね~。
実は今コレを書いているのも、そのあたりのことを述べたいから。
しかし、コレも67年…岡井大二さんのインタビューにあるように1967年ってのはロックにとってホントにスゴイ年だ。

もうひとつやってみようか?

Kc
…なんてね。
この投稿は大枚をはたいて発売直後のイギリス盤を個人輸入した私という設定。
というのは、アルバムの本国でのリリースは1969年だが、日本では2年後の1971年に発売されたようなのだ。
私が初めて聴いたのは1974年か75年のことだった。
  
さて、facebookを見ていて思うんだけど、日本人のあの「一局集中性」とには恐るべきものがあるように思う。
Deep Purple、Led Zeppelin、Rainbow、Whitesnake、Yngwie Malmsteen等々への変わらない執着度高さには驚くばかりだ。
それと40年前に比べるとドメスティック度の高さが尋常じゃなく高くなった。
私の「友達」の地域性もあるだろうし、それらの人気者が人気者たる由縁も理解しているし、それが決して悪いことではないとも思っている。
こちらは生まれつき大の「アマノジャク」ゆえ、流行は追わず、特に音楽に関するものは人様が「よし」とするモノに反目し続けてきた。で、ブームが去った頃、隠れて夢中になったりして…Queenがそうだった。
私もロックを聴き始めの頃は、そりゃDeep Purpleのような超メインストリームのバンドに夢中になったもんですよ。
でも、猫も杓子も騒ぐもんだからひと通り聴いて失礼しちゃった。
こんなことを子供の頃からやってきて知ったことは、「世界の音楽の幅広さと深さ」だ。
音楽は知れば知るほどおもしろい。
しかし、その「知る」機会が問題でしてね。
私みたいにワガママに音楽の刺激を求めていつもヨダレを垂れ流している「音楽変態」は別にして、普通の人はそう熱心にアチコチ嗅ぎまわるなんてことはしないでしょう。
それが普通の生活だもん。
だから、あの時代にインターネットがあって、様々な新しい音楽の情報が万人に広く行きわたったとしたら、今の音楽界は違うモノになっていたかな?と思って冒頭のオフザケをやってみたというワケ。
  
そして、特殊扱いされて、一般大衆に浸透していない…と思わざるを得ないロックのジャンルがある。
それは、歌なしのロック。
いわゆる「インストゥルメンタル・ミュージック」。
あんなにみんなギターが好きなのに、ギター主役の歌なしの音楽になるとナゼか二の足を踏んでしまうのがすごく不思議なんだよね。
それに、器楽演奏が主体となるプログレッシブ・ロックがいまだに日本では人気があるのに、インストゥルメンタル・ミュージックとなると話が別になってしまう。
音楽の精神が違うせいももちろんあるけどね。
本当の意味でこの分野で成功したのヴェンチャーズだけでしょう。
ナニが言いたいのかというと、Strange,Beautiful and LoudやD_Driveのようなインストルメンタル・ロックもたくさんの人に聴かれるべきものだと思っているのですよ。
あのね、こういう音楽をヨーロッパに持っていくと向こうの人たちってすごくよろこぶと思うんだよね。アメリカよりもクラシック音楽の土台がシッカリしているヨーロッパの方がウケるんじゃないかな?
以上、今日も変なオープニング・トークになっちゃった。
  
今日のダブル・ヘッドライナー、後攻でステージに上がったのはStrange,Beautiful and Loud。

10三宅庸介

30v山本征史

190v

金光健司

50v三宅さんはいつものJVM210Hと1960BV。

60金光さんはNATAL。

80vSBLのセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』で実際に使用されたバーチのキット。

90オープニングはその『Orchestral Supreme』から安定の「if」。
ク~、この音!
こういう音を出したいなら真空管のアンプよ。
似てるヤツとか似せてるヤツでは無理よ。
「似てる」ということは「違う」ということだから。

100v耳なじんだコーラスのテーマ・メロディ。

110v徐々に燃え上がっていく征史さんのベース。

S41a0324 力いっぱいに、でも繊細なタッチでリズムを送り出すKK。

130そして、思わず一緒に口ずさんでしまいたくなるサビのメロディから灼熱のギター・ソロへ。
やっぱりこの曲は問答無用でカッコいい。
今日の記事の書き出しが「if」だったの気が付いた?

140「bloom」の2曲目は珍しい?
このテーマもスゴイね。
いつか田川ヒロアキくんとハモって弾いた時はトリハダが立った。
そういえばあの時もココだった。
「bloom」っていうのは「花」という意味。特に観賞用の花のことを「bloom」という。
せっかくだからまたアレやってみようか?
「lay/lie」のシリーズ。
まず「bloom」からアタマの「b」を取ると「loom」。「loom」とは織機のこと。糸を織物に加工する機械のことね。
で、「l」を「r」に変える。するとコレはおなじみの「room」になる。英語圏の人はこの言葉を「部屋」だけでなく「空間」という意味で使うことがやたら多いのを知っておくべき。
「loom」と「room」…これが基本形。
そこで、「loom」に「b」をくっつけると三宅さんの「bloom」。今やったヤツね。
今度は「room」に同じ「b」をくっつけると「broom」となって「ほうき」になる。あの棒状の床を掃く道具ね。
では、今度は「g」でやってみる。
「gloom」は「薄暗」がりとか「陰気」という意味。
一方、「groom」は「花婿」さんだね。
こうやって英単語の語彙を増やしていくとよい…ワケがない。かえってややこしくなる。
でも、「loom」と「room」の両方のアタマにくっついて意味のある言葉を作るアルファベットは「b」と「g」しかない…ということをたった今発見した。
勉強になった!ありがとう、Marshall Blog!

150v_b…なんていうことを考えているとはツユ知らず魂の塊のようなソロを展開する三宅さん。
この後のD_Driveとの出会いについて語ったMCではMarshall GALAのことに触れてくれた。

160最近のスタンダードが3曲目。
それは「devil」。

S41a0515 ハード・ロック・テイストのリフを持つこの曲はこの3人にとてもマッチする。

180v曲が始まった途端ステージの温度が何度か上昇するのだ。
いつも一番前にいるから私にはそれを肌で感じることができるのだ。

40v_2 そして金光さんのスネア・ドラムの轟音でから「murt'n akush」。

200v_nこの「devil」から「murt'n akush」へのくだりは最近の流行り。
ガッツのあるハード・チューンの連続は聴くものの手に汗を握らせる。
270
それにしても征史さんの音、いいナァ。
SBLの時はコレ以外は考えられない。この音がSBLの音楽の一部になっちゃってるから。
ヘッドは1992 SUPER BASS。キャビネットは型番不明の4x12"。

70v
「petal」とは「花びら」のこと。
三宅さんの愛奏曲。

230_p今日も最後の2曲で燃え尽きる。
このあたりから三宅さんが薄皮を剥ぎ、命を縮めていくような演奏を展開するのだ。

240演奏するのは「virtue」。
どのシーンも一切の甘えがない厳格なパフォーマンスだがやはりクローサーとなると意気込みが違う。
この迫力が写真から伝わるだろうか。
うん、コレなら伝わるでしょう。
でも実際はこんなもんじゃない。

Img_0225

290

310v

全6曲、ひとりでも多くの音楽好きに聴いて頂きたい素晴らしい演奏だった。

210
Strange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介facebook

320vさて、アンコールのセッション・コーナー。

330前回とは逆にSBLにSeijiさんとYukiちゃんが加わった。

340曲は同じくSteve Vaiの「The Crying Machine」。
私にはクレイジー・ケン・バンドにしか聴こえません。

400
え、「どうせジジイはSteve Vaiなんか知らないんだろう」って?
冗談言っちゃイケね~よ。
こちとら大のZappaフリークだぜ。
Steve VaiがZappaのところでStunt Guitarやってる時から知ってんだい!
『Shut Up 'n Play Yer Guitar』の頃だから1981年ぐらいだな。
私がSteve Vaiの名前を知った頃にまだ生まれていないマーブロ・読者もいるんじゃない?
その後すっかりスターになっちゃって…。
一応こんなのも持ってるんだよ。
10インチ盤って持ってるだけでナンカうれしいよね。
でもこの曲は知らなかったので大いに驚いた。
こういう感覚がまたすごく受けるんだろうね。30年以上聴いていないけど、確か下のアルバムでは必死にZappaのマネッコをしているんだよね。
…と、前回書いたことをコピペしてやったぜ~、ワイルドだろう?
30r4a2375
ステージの上はもうノリノリ状態。

350もちろんギター・ソロのリレーもタップリ。

360vリズム隊が異なるので前回とはまたゼンゼン変わった雰囲気だった。

370征史さんのベースも暴れてたな~。

X 短くもなく長くもなく、ちょうどいい頃合いの、実に中身の充実したダブル・ヘッドライナーだった。
ツーマンではない。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

390

今はこうだもんね~。

410v

  

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月24日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年5月10日 (水)

Strange,Beautiful and LoudとD_Driveのダブル・ヘッドライナー<高円寺編>~D_Driveの巻

今日の舞台は高円寺。
時折ココに書いているように、各地のライブハウスの近くにお気に入りの食べ物屋を見つけておくことはとても重要なことだ。
楽しみが倍増すらぁな。
高円寺でよく来るのはココ。
天ぷらの「天すけ」。
最近はテレビで紹介される機会もあるのでご存知の方も多いかもしれない。
名物はご主人が直々揚げてくれる「卵の天ぷら」だろう。
ミスター・マリックよろしく、卵をお客さんに見せておいて、手際よくカラを割り、揚げ油の中に中身を落とす。
もちろん片手だ。
そのカラを背後のゴミ箱に投げ捨てるのだが、そのゴミ箱に目をやらないところがミソ。
決して小さくないゴミ箱なので、見ないでその中にカラを投げ入れることはそれほど造作のないことだとも思うのだが、カラが入った瞬間、ご主人は最上級のドヤ顔でお客さんの顔を見やる。
この時小声で、「おお~!」と言ってあげるのがエチケットというものだ。
頃合いを見計らって油から取り出し、卵をタレに浸して、丼のごはんに乗せて頂く。卵は半熟状態に揚がっているので、半分に割ると黄金色に輝くの黄身が炊き立てのご飯の上に広がる。
ココからが私のこだわり…私は白いご飯を極力白いまま頂きたいので、一切コレをかき混ぜない。
衣の香ばしさ、タレのうまみ、そして卵の芳醇な風味が絡み合いウマいことこの上なし。
もちろん普通の天ぷらもひとつひとつ目の前で上げてくれるのでマズイわけがない。
ただ、いつも機材を運ぶ車で行くので、飲めないのが残念至極!
天ぷらって信じられないぐらい高いじゃない?
大分前に結婚記念日に両親からプレゼントしてもらった一流ホテルのクーポン券を使って、家内と天ぷらを食べたことがあった。
新鮮な魚介類や獲れたての野菜…次々に出される揚げたての高級店の天ぷらのお味はそれは素晴らしいものだった。
食後、二人で「どれが一番おいしかった?」なんて話になった。
結局、二人の共通の答えは「エビの足」だった!本体じゃなくて足!
ま、そんなもんですわ。
ココは1,500円ぐらいの定食でバッチリ天ぷらの魅力を味あわせてくれる。
私なんかは天すけで十分!値段は高級店の十分の一!

10でも、頻繁に行くのはコッチなの。
そう天ぷらばっかりは食えんからね。
煮干しラーメンの「太陽」。
大スキなの、ココのラーメン。
もうさ、最近のラーメンってスープがドロッドロしてるヤツばっかりじゃない?
アレが苦手でしてね~。よっぽど空腹の時でない限りはおいしいとは思えない。
やっぱり「中華そば」然としたアッサリしたヤツが好き。
ココは餃子もおいしい。ジャンボより小ぶりの方がいいな。
うれしいのは、このスープの量。
タ~ップリと注がれているでしょう?気前いいでしょう?
煮干し丸出しの風味がタマらなくおいしい。
しょっぱくないし…近頃は塩っ辛いラーメン屋が多すぎるよ。
麺の量もタップリでうれしい。
コレで470円…だったかな?(下の写真の煮卵はトッピングで別料金のハズ)
支店だか姉妹店だか知らないけど、江古田でも同じお店を発見。だからマーキーの取材もOKだ。
私が一番好きなラーメンは浅草「十八番」のニラそばで、太陽は二位に着けてる。
40年食べ続けているニラそばの地位は死ぬまで揺らぐことはなく別格とすれば、いつでも行けるラーメン屋の範疇においては、私の中ではこの太陽のラーメンが第1位ということになる。

20vご存知の通り、高円寺には何軒かのライブハウスがあるが、今日はSHOWBOAT。
3月のライブのレポート。
この月はD_DriveとStrange,Beautiful and Loudの当たり月だった。
約2週間前には本八幡でSBLがD_Driveに合流する形でのダブル・ヘッドライナー・ショウがあった。
今回の高円寺はSBLのライブにD_Driveが合流するスタイルで開催された。

30v最初にステージに上がったのはD_Drive。
Seiji

40vYuki

50vShimataro

60vChiiko
今日はドラムではなくヒモがついた棒を振り回している…って、コレ違うヤツじゃん!
メッチャ古い写真!
もう一回やり直しね。

70v Seiji

72v_2

Yuki

72v_1Shimataro

73vChiiko

74v アレ?
コレも違う!
  
実は、コレらの写真はD_Driveが初めてMarshall Blogに登場した記事に使用されたモノなのだ。
途中に空白期間があるものの、最初のMarshall Blogは2008年4月にスタートしたので、先月で9年目を迎えたというワケ。
しまった!コレ、10周年記念企画にとっておけばヨカッタ!
バンドとしてD_Driveが2011年5月16日にMarshall Blogに登場する前に、あるイベントに出演したYukiちゃんだけが単独で二月前に登場してくれている。
Seijiさんとのお付き合いはもっと前からだが、マーブロ・デビューは案外遅かったんだナァ。まだ6年しか経っていない。
でもD_Driveは今年で8年目。
まだこの頃は今みたいに頻繁に上京していなかったのかもしれない。
今ではアチコチで引っ張りダコだ!

さて、時を今に合わせて…

80Seiji

90vYuki

100Shimataro

110vChiiko
6年ぐらいじゃあんまり変わらないか?

120vそして、もうひとつ変わらないのはMarshall。

130SeijiさんはJCM2000 DSL100ECと1960AX。

140v足元はしょっちゅう変わってる。

150Yukiちゃんも変わらずMarshall。

160vJCM2000 TSL100と1960A。

170足元のようす。
あ~あ、Marshall純正のTSL用のフットコントローラーがなくなっちゃった!

180ShimaちゃんはEDENに切り替わった。

190先代のフラッグシップ・モデル、WT-800…轟音。

200今日のオープニングは「Hyper Driving High」。

210初めてのSHOWBOATに響き渡るD_Driveサウンド!

220v初めての場所でも安定のドライビング・パフォーマンスは不動。

230v続いてもドライビング・チューンで「Drive in the Starry Night」。
240リズム隊のドライブ感も健在。
食らえ!ドライブづくし!

250v2週間前にも観たばっかりなのにまた観てバッチリ楽しめるぅ!

260v続いては定番「M16」。

270この切れ味の鋭さはゴルゴ13の仕事級だ。

280v新しいギターももう完全に2人の身体の一部になってるね。

290押したり引いたり…この曲のクライマックス。
SeijiさんとYukiちゃんの掛け合い「♪タラリラリ~ン」。
ちなみに私、関西のMBSラジオの人気番組『押尾コータローの押しても弾いても』に、ナッシュビルの世界的フィンガー・ピッカーDoyle Dykesの通訳として出演したことがあるんよ。
収録だったけど、結構緊張したな。
でも、北海道のFM局で、同じDoyleの通訳をしたことがあったんだけど、生放送だったので小便チビりそうになったわ。

300MCをはさんで「Attraction 4D」。
Yukiちゃん渾身のプレイ!

305vSeijiさんも「完璧」なプレイを惜しげもなく披露する。
やっぱり、正真正銘の真空管ギター・アンプは音がいいね。
やっぱりホンモノは違う。
「似てる」ということは「違う」ということを覚えておこう。

310vさらに続けて演奏したのは「Now or Never」。

320「SBLとダブル・ヘッドライナーをさせて頂けるのは光栄です」
ね~、ちゃんとYukiちゃんは「ダブル・ヘッドライナー」って言ってるでしょう?
「ダブヘ」でいいんだから…とにかく「ツーマン」はやめましょうよ。
D_Driveもチョット気を許すとSeijiさんが「ツーマン」って言うからな~。
でも、先日滋賀で9つのバンドが集まる「キューマン」ってのがあったんだって。
麻雀か?
もうそれは「キューマン」でいいじゃないですか?

325春ですからね。
Seijiさんのオリジナル・アレンジの「どこかで春が」をプレイ。

330チャンと変拍子も再現している。

340v「おかあさんといっしょ」っていう幼児向けの番組あるでしょ?
ウチの上の子が小さい時によく挿入歌を聴いていたんだけど、それに収録されていた「透明人間」という曲が変拍子であることに気付いた。
「カッコいいな~」と思ってクレジットをチェックしたら作曲者がジャズ・ピアニストの渋谷毅さんだった。
童謡ってスゴイよね。
そんな変拍子もChiikoちゃんにかかればお茶の子Silent Sirenだ。イヤ、最近野音で撮らせてもらったもんだから…。

350最後を締めくくったのは最近作から「Shape of Your Life」。
4人がガツンとカマしてくれた!

360v

370v

380v

390vウン、コレを最後に持ってくるのはいい構成ですな。
エラく華やかな終幕となるよ。
今日もカッコよかった!

400D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

410v<つづく>

(一部敬称略 2017年3月24日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年5月 9日 (火)

川島だりあ LIVE SHOWCASE 3・2・1 GO!~川島だりあバンドの巻

私は一切できませんが、ARESZの音楽に合わせてみんなで頭を振り狂った後は、いよいよヘッド・ライナーの登場だ。

06川島だりあバンドだ。

10コレが3月15日、すなわちこのライブの二日前に発売となった川島だりあのソロ・アルバム『LIFE=NOW』。
2016年4月に配信でリリースされた同名のサード・ソロ・アルバムにボーナス・トラックを追加。
さらに全曲のベース・パートをFEEL SO BADの新メンバーであるSYOIが差し替え。
加えて数曲のギター・ソロを新しく取り直した強力盤。
地球がサッカー・ボールになってるのね?

30cdアルバムの4曲目に収録されている「Introduction Goal」のSEが流れる中、メンバーが登場。
だりあさんを支えるメンバーは…

50vARESZから那都己<なつき>。

60vFEEL SO BADからCHRIS。

80v
その両方から翔己<しょうい>。

70vドラムスは、ひこ。

90vそして、一曲目は「Goal」。

100コレがまた実に独特なんだよね~。
20
パワフルなこのライブ・バージョンも結構だけど、CDの方のこの曲のアレンジはスゴイよ。こんなの他にない!

110vショッパナっから一発でだりあムード!

120v続けてはアルバム二曲目の「Judgment Day」で突っ走る!

130ドライブ感満点のCHRISのギターもMarshallが鳴らしてる!

140vヘッドはJVM410H、キャビネットは1960Bだ。

145v那都己くんももちろんARESZから引き続きMarshall。
JCM2000 TSL100と1960A。

150続いて「Dive Into Myself」。

Img_0352翔己くんの鍵盤のようなベースが面白い。

S41a0231へヴィにしてシットリ感濃厚の印象的な一曲だ。

170ここで、だりあさん、Chris、那都己くんの三人がステージを降りる。
そして代わって登場したのがFEEL SO BADの倉田冬樹!

180vそう、冬樹さんもインストゥルメンタルのソロ・アルバムをリリースしたのだ。
タイトルは『Tyrannosaurus The Guitar World with SYOI』。
だりあさんの『LIFE=NOW』同様、配信でリリースしていた『Tyrannosaurus』のインスト曲に新曲を二つ追加。
さらにだりあさんの『LIFE=NOW』に収録されている「Going My Way」とさっきオープニングで実際に演奏した「Goal」のインストゥルメンタル・ヴァージョンを収録した。
そして、タイトルにあるように、コチラでも全編で翔己くんの六弦ベースが大活躍している。

190cdまずはアルバムから「Journey to the Planet」をプレイ。

200今回、冬樹さんは那都己くんのTSLを使用した。

210vアルバムではMichael Schenkerに捧げた曲も収録されているが、今日はSatriani。

270

先日の来日公演でも演奏していた「Surfin' with the Alien」をカッコよくキメでくれた。

Img_0404 冬樹さんと翔己くんのスリリングにして濃密な演奏が続く。

230

ちなみにひこくんが叩いているドラム・キットはNATALのアッシュね。

220翔己くんの六弦ベースをフィーチュアして一曲。
ココでの前回のステージでも披露した「6弦Bassの為の超絶技巧曲1番 ロ短調」だ。

250
フィンガーボードの上を縦横無尽に両手の指が舞う!

260
この冬樹さんが奏でる奇抜なフレーズがタマりませんな。
自身のアルバムだけでなくだりあさんの『LIFE=NOW』でもその奇天烈感が大爆発している。

240v

冬樹さんのセットを締めっくくったのは、もちろんアルバム収録曲の「火の鳥」。
コレも前回このステージで演奏され喝采を浴びた一編だ。

290しかし、今日は盛りだくさんだね~。
今度はだりあさんとCHRISがステージに戻ってZARDのカバーを一曲。
『LIFE=NOW』の最後に収録されている「あの微笑みを忘れないで」。

300vだりあさんが作曲してZARDに提供した曲。
ZARDの中でも最も人気のある曲だ。
最前列には、曲を始める前から落涙する熱心な女性ファンの姿もあった。

310vだりあさんも感極まってこの通り。
バック陣の優しくあたたかい演奏が感動を際立てた。

320ステージはさらに転換を重ねる。
冬樹さんが退場し、那都己くんが戻る。
スタート時の状態に戻り、FEEL SO BADのレパートリーを二曲プレイした。

330まずは1995年の四枚目のシングル「憂鬱な快楽」。

340vお客さんは勝手知ったるところで大騒ぎ!

350もう一曲は1994年の「BACK YARD RAISE MAN」。

360シャープな演奏でだりあさんをガッチリとサポートするバック陣!

370vエネルギッシュなパフォーマンスも大きな見どころだった。

380v本編の最後を飾ったのは『LIFE=NOW』のリード・チューン、「譲れない場所~Hometown~」。

390思い入れタップリに熱唱するだりあさん。
ハードな曲もいいけど、こういうタイプの曲がすごくよく似合うね。

400vまぁ、とにかく「FSB TURBO DREAMS祭り」とでも形容したくなるような盛りだくさんのレコ発ライブだった。

410そしてアンコール。
今日の出演者が全員集合!

420遊びに来ていたPONさんがNATALの前に座った!

430v曲はだりあさんの右手が示してる!
もちろん「バリバリ最強NO.1」!

440やっぱコレは死ぬほど盛り上がるわな~!

450PONさんの切れ味鋭いドラミングが大爆発。
NATALのアッシュ…いい音するわ~。
イヤ、さすがPONさん、いい音出してくれるわ~!

460ナンダカンダで一番目立ってます!

465…とみんなで大騒ぎして、ライブは終了したとさ…。
おもしろかった~!

470だりあさん、冬樹さん、ソロ・アルバム発売おめでとうございます。
ふたりはソロだけでなく、FEEL SO BADとしても動き出してますからね~。
今後の活動に大注目!

FEEL SO BADの詳しい情報はコチラ⇒FSB TURBO DREAMS Official Website

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

10_2 1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月17日 六本木新世界にて撮影)

2017年5月 8日 (月)

川島だりあ LIVE SHOWCASE 3・2・1 GO!~ARESZの巻

終わっちゃったね~、ゴールデン・ウィーク。
今年は1日と2日を休まなくても、後半がガツンと4連休でうれしかったね~…と、いっても私は休みも週末も関係ないんだけどね。
いつもは大抵どこにも出かけないで、テレビで高速道路の渋滞情報を見て連休気分に浸っているんだけど、今年は観光というか、勉強というか、仕事というか、二か所ほどお出かけをしてきた。
ひとつは千葉の香取市の佐原というところ。
かつてMarshall Blogで栃木市や松阪を仔細に紹介したことがあるように、ロンドンを訪れて以来、古い町並みにすごく興味があって、この佐原はその手の格好の観光スポットなのです。
ユックリお邪魔できて大満足。
ココで何度も書いているように、わが街だって「東京大空襲」さえなければ、残っている古い建造物を修繕&補強して、いくらでも昔の街並みを存続することができた。そして、世界に冠たる一大観光都市になっていたハズだ…なんて話を百年以上続いているという佐原の荒物屋のおジイさんとしていたら、「水戸がそうなんですよ」とおっしゃっていた。
おジイさんは続けて…都心部の空襲を終えたアメリカの爆撃機が、余らせておいても帰路の燃料を食うだけ、と必要もないのに残った爆弾を水戸に落として行ったのだそうだ。
水戸は尾張、紀州と並ぶ徳川家の一角であり(異説あり)、戦前は昔の風情をそのまま残す、それはそれは魅力的な街だったと聞いた…ヒデエ話だよナァ。
戦時中、「あの美しい街を壊してはいけない」とルーズベルトだかトルーマンが京都への爆撃を禁止した…とかいう話があるが、これは作り話らしいね。
で、ここ佐原はさしたる工業がなかったので空襲を免れ、こうして古い町並み残すこととなった。(註:「街」と「町」は使い分けています。表記ユレではござらん)

40r4a5120でもね、この佐原を訪れたのは、古い町並みを見に行きたかっただけではない。
また、BAD SCENEが好きだったからではない。(「佐原」は「さわら」と読むのであって、「サハラ」とは読まない)
一番の理由は、佐原がチョット前まで一番興味のあった歴史上の人物の出身地だからということ。
その辺りのことはあまりにも音楽とは関係ないのでMarshall Blogで触れるワケにはいかないが、佐原が期待通り色々と興味深い町だったので、時間がある時にShige Blogで一作編みたいと思っている。
シーボルトとか間宮林蔵も関係しちゃうよ。

40r4a5091もう一か所は車。
何かと茨城がらみっぽいが、「つくばサーキット」へ行ってきた。

4img_0064こっちは仕事なので、後日Marshall Blogでレポートすることになる。
双方、道中さしたる渋滞もなかったし、結果、近年まれに見るいいゴールデン・ウィークになったかな?

4img_0393さて、本題。
時は3月にさかのぼる。
遅くなっちゃってゴメンちゃい。
再活動を始めたFEEL SO BADの川島だりあと倉田冬樹がそれぞれソロ・アルバムをリリースし、記念のライブが開催された。
今日&明日はそのもようをお届けする。

10その記念ライブの冒頭に登場したのは、FEEL SO BAD の倉田冬樹が最近作『Skill』をプロデュースしているARESZ。
Marshall Blogでももうおなじみの顔ぶれだろう。

20瑠海狐<るみこ>

30v那都己<なつき>

40v雅己<まさみ>

50v翔己<しょうい>

60vサポート・ドラムの鉄兵。

70ドラム・キットはNATALアッシュだ。

75この五人が奏でた最初の曲は「BATTLE MODE」。

80ノッケから瑠海狐さんのMarshallボイス炸裂!
ニコニコしながらこの声を出すところが恐ろしくもスゴイ!

90「♪ホイホイホイ」のデス声が瑠海狐さんの後を追う。
240v

那都己くんのコンパクトなギター・ソロ。まずは小手調べ。

100v小手調べにしろ、取り調べにしろ那都己くんはMarshall。
JCM2000 TSL100と1960Aだ。

110v「♪ロックロックロック」と続くのは「Come on baby☆ロック魂」。
「今日は精一杯キャッチーな曲を演奏している」のだそうだ…どこがやねん!

180

ARESZの大きな魅力のひとつはやはりこのふたりのツイン・ベース。

165
六弦ベースを使い、ソロの他、両手を使ってARESZのアンサンブルを分厚くするのが翔己くんの仕事。
150

音作りの基本はMarshall 3560。
パワー・アンプはEDEN等を使用。
キャビネットは1960を使うことが多いが、この日はキャビネットもEDENのD410XSTだ。
それらを併用して爆音を轟かせることもあり。

140vそれ以外の普通のベース的なパートは雅己くんが受け持つ。

160v「あのだりあ様のソロ・ライブです!光栄です。体重も、顔の大きさも3倍ある私が同じステージに立てるなんて光栄です!」とやっておいて、ダイエット中の進捗状況を報告。
ダイエットか…そういえばそんなのあったね~。

120

三曲目は三々七拍子を取り入れたという「神いづる國の祝い囃子」。

170三々七拍子はいいよね。
やっぱり運動会だな。小学生の時、先輩の応援団の演技にあこがれたもんだ。
昔、日野皓正も思いっきり三々七拍子を突っ込んだ曲をやってたっけね。
ちなみに「三々七拍子」は4/4拍子だ。

190那都己くんは七弦プレイヤー。
曲を追うごとに激しくなるソロ・プレイが小気味よい。

200v対する翔己くんもギターばりのシュレッディングで対抗する。
ギター、キーボーズ、ベース(当たり前か)の役割を六弦ベース一本でこなしている感覚か。
昔はこういうことができる楽器と言えば鍵盤楽器と相場がキマっていたんだけどね。
ベースでやっちゃうところがヘソ曲がりだ…イヤイヤ、ユニークだ。

210vそして、雅己くんは本来のベースらしいベースで着実にバンドをプッシュする。

230vお!ETとエリオット君!?
違うか…。

280v あ、片方は合ってた。

Y「だりあ様からの命令に対する答えは二文字のみ。『御意』でございます」と、だりあさんからのリクエストに応えて「闘争本能」。

220v

この和風のメロディが何ともいえんのよ~!
そこに楔を打ち込むかのようなシャープなギター・ソロ。
その楔は当然Marshall製だ!

260v

そして、瑠海狐さんの「クラ~ッシュ!」の掛け声でお客さんがジェスチャーで曲に参加。
たこ焼き、グリコ、さくら、大阪城、人形焼…と瑠海狐さんから指示が下る。
写真は「たこ焼き(ひとつ)」楽しいね~。
この日は他に、ミトコンドリアやインドイボイノシシをはじめ、ニューギニアヒメテングフルーツコウモリ、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシなどの指示が出た(ウソです)。

290ポジションの関係でチョットうまく撮れなんだが、ベースふたりがお互いにネックをこすり合わせるという荒技も!

Img_0167 「♪ひらり、ひらり」と闘争本能をムキ出しにした後は早くもこの日最後の曲。
「血のつながらない暗黙の同志の皆さんに捧げます…Soldiers Of Cause!!」。

250v

スゴイな~。
コレだけは絶対にマネできないな。

270

「もっと~!」と猛り狂いながら客席をあおる瑠海狐さんをすさまじいパワーでバックアップする4人!

300

310v

320v

330v

340vそして~、キメのポーズへ。

350キマった~!
今日もとにかくスゴかった。

360v<お知らせ>
さて、今日も六弦ベースとMarshall、EDENを使って華麗なプレイを見せてくれた翔己くん。

130v

「特別音楽セミナー」と題して、来る5月22日、ベース・クリニックを開催するそうだ。
実はこの企画、ARESZのメンバーが順番で講師を務めていて、前回は雅己くんが担当した。
今後も続いていく予定なのでお楽しみに!
もちろん、ARESZのライブのスケジュールも相変わらずギッチギチに組まれていることはいう間でもないよね。

  
ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

380v<つづく>

(一部敬称略 2017年3月17日 六本木新世界にて撮影)

2017年5月 2日 (火)

2017 春の魔界都市めぐりツアー <後編>~Silex & セッション編

昨日、今日と仕事が休みで9連休を取っているみなさん、いかがお過ごしですか~?
そろそろ会社へ戻りたいんじゃないですか~?!
仕事の合間にMarshall Blog読みたいんじゃないですか~?!
ま、たまには家でゴロゴロしながらスマートホンでマーブロ読んでやってくださいな。
  
『2017 春の魔界都市めぐりツアー 』の柏公演、昨日もお伝えした通り、実際の出番とは順番を変えてレポートを編んどります。
今日は二番手で登場したSilexから。

10Pete Klassen

190_2

MASHA

30vhibiki

40v_2Yosuke Yamada

50v_2サポート・キーボーズはYOSISI。

60v_2MASHAくんはもちろんMarshall。

70v_2昨日もチョイと触れたがヘッドはJCM800 2203
スピーカー・キャビネットはSilver Jubileeシリーズから2551BV
搭載されているスピーカー・ユニットはCelestion Vintage30だ。

80v_2hibikiくんはEDEN。

90v_2スピーカー・キャビネット昨日も紹介したD410XLTD115XLT

100vアンプ・ヘッドはTERRA NOVA TN501だ。

110_2しかし、Silex人気はスゴイね。
MASHAくんには失礼だけど、想像をはるかに上回る評判の良さとファンの皆さんの熱狂ぶりだ。
ヨカッタよ~、滅多なこと言わないで。
まさに「絶好調」!
Marshall GALAの時のTHE SHRED MASTERSの人気ぶりが納得できるというモノだ。

120オープニングは今日もファースト・シングル収録の「Cry in the Starlight」。

130MASHAくんのCrying Machine時代のドライビング・チューン。
後半の「青い影」のメロディはいつ聴いても「うまいことやったな~」と思っちゃう。
Procol Harumも50周年。
Gary Brookerは72歳。それでもニューアルバムを出して大規模なツアーをやってるって!

140vこの日、Mardelasから連続で登板したhibikiくん。
頭の中はすでに完璧にSilexミュージックになっている。

150v_2今回のSilexのステージでうれしかったことのひとつはこの人の登場。。
Crying Machineで初めてYOSISIを見た時の衝撃は忘れられない。
本当に弾いているのか、弾く気があるのか、はたまた本当に弾けるのか、暴れたいだけなのか…?
あまりのアクションのすさまじさに、私は以前のMarshall Blogのライブ・レポートの中で「まるでふなっしーのような動き」と形容した。
当時、まだふなっしーは関東エリアのローカルな存在で、西方のCrying Machineのメンバーたちはふなっしーを知らないようだった。
YOSISIはMarshall Blogを読んで自分のブログに「『ふなっしー』と言われた。ふなっしーがどんなものかは知らないが、知るのがコワい」…みたいなことを書いてくれたのがおかしくて、おかしくて!
そのふなっしーもゼンゼン見かけなくなっちゃったね。
今日もすさまじいアクションを期待しています!
もちろん、派手なアクションにマッチしたダイナミックな鍵盤さばきはSilexのサウンドを極限まで重厚なモノにする。

160_2Yosukeくんは安定のドラミングでバンドを容赦なく猛プッシュする。

170_2二曲目もファースト・シングル『Silent in Explosion』に収録されている「Cancion de Amor」。
このタイトルについてはかつてゴチャゴチャ書いた。

180v_2三曲目は「Metal Nation」。

210_2

クライ~ング!
感情タップリのソロがさく裂。これぞMASHA節。
「マシャ節」なんていうと本当にそういうのありそうだな…サバ節、マシャ節、カツオ節みたいな。

200vhibikiくんも余裕シャクシャクの激演で、時折くれるカメラ目線が楽しい。

220v前半ショルキーで気炎を吐いたYOSISI。
まだまだ序の口だ!

230v続いて「Cry For The Moon」。
曲を追うごとに熱を帯びて来るPeteの歌声が響き渡る!235vMASHAくんもノリノリだ~!

240_2「きょうだい」っていいな…。

245こちらは双子のように息の合ったアンサンブル。

265
Peteがお召替えをして「Cry For You」。

250ひとつ前の「Cry for the Moon」とこの「Cry for You」は4月1日に先行リリースされたセカンド・シングル『Everlasting Synphony』からのチョイス。
着々と前進するSilex。
なんかすごく丁寧にやってる感じがしていいね。
しかし、「cry」のオンパレードですな。
最近、ありがたいことに悲しいことでは泣いてないな~。
でも年取ってくると変なところで感動して涙が出ちゃうんだよね。
私に「木綿のハンカチーフ」を聞かせてごらんなさい。セカンド・コーラスの終わりには涙を出して、最後には「オエオエ」ってなってみせるから!
若い人にはわかんねーんだろーなー。
もちろんこの「Cry for You」は太田裕美ちゃんとは縁もゆかりもないバリバリのSilexテイストだ!
20v

これがそのセカンド・シングルの『Everlasting Synphony』。
全国発売は5月17日だ。
前掲の二曲とタイトル・チューンが収録されている。

335
言ってるそばからそのタイトル曲「Everlasting Synphony」をお見舞いしてくれた!
Img_0484
最後を締めくくったのは…
270v_2
Silexのキラー・チューン「Standing on The Grave of Yesterday」。
290_2
全員が一丸となった火の玉のようなパフォーマンス!
歌におしゃべりにと圧倒的存在感のPete。

 260v_2
最後まで怒涛のドラミングを見せてくれたYosukeくん。

280v_2hibikiくんは2バンド連続でテクニック全開のスリリングなプレイを披露!

300v_2とてもサポート・メンバーとは思えないYOSISI!
でも、アクションは比較的おとなしかったな…後で訊いたら、暴れる余裕がなかったとか!
お疲れさまでした。

310vそして、随所にクライングなソロをちりばめ観客を魅了したMASHAくん。

320vよく練られたフレーズと美しくも力強いトーン。
や~っぱりMarshallでないとこうはならないよね~。
真空管のアンプってやっぱり素晴らしい。
しかし、今日はホントにJCM800づくしのコンサートだったね。

330Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

340アンコールは出演者全員参加の大セッション!

350_2曲はマリナちゃんの「Sward of Avenger」。
370
MASHAくんもTORUさんも、別の時期にMardelasのサポートを務めたことがあって、それが礎で今回のイベントになったとのこと。
まさにその最後を飾るにふさわしい曲。

360_2みんな楽しそうだ。
そう、若い人たちが力を合わせて肉食系ロックを受け継いでいってもらいたい。
そうしないとハードなロックが本当に絶滅しちゃうぞ!

380お疲れさま~!

390_2(一部敬称略 2017年2月19日 柏PALOOZAにて撮影)

2017年5月 1日 (月)

2017 春の魔界都市めぐりツアー <前編>~Mardelas & TEARS OF TRAGEDY編

世の中ゴールデン・ウィークなのね?!
今年は今日と明日を休めば9連休だって?
ああ、またテレビで高速道路の渋滞のニュースを見るのが楽しみだナァ~。
Marshall Blogは今年もカレンダー通りに動かします。
  
Mardelas、Silex、TEARS OF TRAGEDYという若手個性派メタル・バンドが結集して各地を回る『魔界都市めぐりツアー』。
4月中旬の名古屋ですべての公演を完了した。
「魔界都市」か…。
何となく耳にする言葉だけど、自分では生まれてこの方、一度も口にしたことのない言葉だな…「歳」は魔界の域に達してきたんだけどね。
…と思って調べるに、ナニナニ、菊池秀行という人の空想小説のタイトルなのか。
私はそういうの一切読まないからナァ。
菊池秀行…どこかで聞いたことあると思ったら、菊池成孔のお兄さんね。
昔のMarshall Blogにはよく菊池さんにもご登場頂いたんよ。
  
さて、少々時間が経ってしまったが、今日はその『魔界都市めぐりツアー』の柏公演のもようをお送りする。
ショウは。各バンドを代表してひとりずつメンバーがステージに上がり、前説からスタートした。

10_2Silexからは真壁雄太…って、メンバーじゃないっつーの!
よく出てくるな~。
この人はTORNADO-GRENADEのギタリストね。
Silexのデビュー・ステージにはサポート・ギタリストとしてステージに上がった。

20 会場が暖まったところでトップ・バッターの登場。
Mardelasだ!

30蛇石マリナ

40v及川樹京

50v樹京さんの背後にはMarshall。

60v珍しい!JCM800 2210だ。そのパワー・アンプだけを使っている。
キャビは1960A。
2210は1983年に発売されたJCM800シリーズの「Split Channel」と呼ばれるモデル。
2203の2チャンネル・モデルと思えばよいだろう。
当時を知るMarshallの友人に話を聞くと、その頃「マスターつき2チャンネル」という回路はかなり先進的な技術で、製造するのが結構大変だったらしい。
50Wは2205。
Michael Schenkerが長年愛用していることで有名だ。
また、2210は日下部BURNY正則も長いことステージで使い、素晴らしいサウンドを出していた。
このシリーズはリイシューのリクエストも多いファン垂涎のモデルだ。

70vhibiki

80vhibikiくんはEDEN。

90vキャビネットはD410XLTD115XLT

100ヘッドはTERRA NOVA TN501
この図体で500W。そして、驚異的なパワフル・サウンド!
売れています。
しかし…何でもかんでも小さくなっていくね~。
1981年、MarshallのTHE 2000というベース・アンプのラインナップに375W出力の2001というヘッドがあった。
大きさは普通の100Wヘッドと同じなんだけど、中身の半分ぐらいがトランスで、もう近寄っただけで腰が痛くなるような代物だった。
それに比べたらこのTN501、大きさは1/4以下、重さは多分1/20ぐらいじゃないの?イヤ、もっとかな?
それでいてワッテージは2001より大きいと来てる。
小さくなっているのはベース・アンプだけじゃないもんね。シューマイ弁当のシューマイのタマのサイズも昔に比べて小さくなったような気がする。昔直径を測っておけばヨカッタな。
まったく「エール・チョコレート」がなつかしいよ。

110して、hibikiくんのEDENへの信頼度は…ホレ、この通り。

120v

ドラムスは弓田"Yumi"秀明。

130v

「待ってました!」的な滑りだしで、会場は最初っから最高潮!

140マリナちゃん、久しぶりだね~。
相変わらずの爆発的な歌声で観客を圧倒する。

150vテクニカルでエモーショナルな樹京さんのギター。

160曲を追うごとにヒート・アップするマリナちゃんのパフォーマンス。

170こんなシーンも。

S41a0203 hibikiくんもノリノリだ!
ちなみにhibikiくんはこのシリーズのオーガナイザーを務めている。

180vパワフルなボーカルズとシャープでハードなギター…

190そして、へヴィな鉄壁のリズム隊。

200へヴィ・メタルの憲法を遵守する姿は凛々しくも美しい!

Img_0162 見て、コレ!
マリナちゃんの一挙手一投足に歓声が上がる盛り上がりよう!

210Mardelasは『Premium One-man Show 2017』と銘打って5月6日に表参道GROUNDにて単独公演を開催する。
その会場で第二弾シングルとなる『Snake to Metamorphose』を緊急発売するそうだ。
ファンは待ちきれないね!
でも、もうすぐじゃん?!

215cdこのイベント、もうノッケからこんなに盛り上がっちゃって…。

Mardelas Officialの詳しい情報はコチラ⇒Mardelas Official Website

220実際の出演順とはチョット順番を変えてレポートさせて頂く。
展開の間、毎回例のMCチームがステージ上がって間をつないだのだが、トリの前に現れたのはまた雄太。
とうとう歌まで歌っちゃった!
今度はアクセル・ローズだって。

230 当日、実際にはトリでステージに上がったTEARS OF TRAGEDY。

240HARUKA

250vTORU

260vYOHEI

290vHAYATO

295vHIDEYUKI

300vTORUさんはMarshall。

270v
JCM800 2203と1960A。

280v
一体、どうしたっていうんだ!
明日登場するSilexのMASHAくんもJCM800 2203。
若者がズズズと2203に傾いている!
「デジタルだ~」、「モデリングだ~」と、ギター・アンプの多様化が進む中、ホンモノを見極める目を持った若手ギタリストが増えてきた…ということだろうか?
そう思っておく。
「新しいもの=いいモノ」の公式が成り立つのは日本人の間だけだ。
古かろうが、代わり映えがしなかろうが、いいモノはいい。
1959がいい例だ。50年以上変わらない工業製品なんて珍しい。
ギターの二大名器もそう。
手を変え、品を変え、ナンダカンダ色んなものを世に問うけど、基本的にはオリジナルのままだ。
それなのにギター・アンプだけがコロコロとスタイルを変えるのはどういうことか…。
テクノロジーの変化や進化を吸収し、変容してくのは電気機器の宿命であるけれど、コレ、考えてみるとやっぱりギター・サウンドのカギっていうのは、最終的にはアンプが握っているっていうことじゃん?
それを知ってか知らいでか、こうして若い世代の人たちが40年も前に生まれ出た電気機器を愛用しているなんてうれしいことだわね。

290
昨年の12月にリリースした『STATICE』も好評と聞くTEARS OF TRAGEDYだけど…私は今回丸っきり初めて拝見しました。
310
他の若いバンドさんにも「スターチス」という曲があって、意味を知らなかった。
「スターチ(starch)」が「デンプン」だったり洗濯用の「のり」を指すこと知っているんだけど…。
「スターチス(statice)」というのは花の名前なのね?
語源はギリシア語の「statizo(止める)」。
スターチスが古くは薬草として下痢止めに用いられてきたことに由来しているらしい。
現代なら「正露丸」か?イヤ、「ストッパ」か…。
スターチスは今では「リモニウム」と呼ばれているらしいが、全般の花言葉は、「変わらぬ心」、「途絶えぬ記憶」だそうだ。
そして、スターチスは花の色ごとに花言葉が定められていて…
紫は「しとやか」、「上品」。
ピンクは「永久不変」。
黄色は「愛の喜び」、「誠実」。
道理で紫のスターチスが自分に似合うと思っていた。
あ、勝手に書き進めておりますが、TEARS OF TRAGEDYの「Statice」が上記と関連しているかどうかは未確認ですから。
でもせっかくだからマーブロを読んでくれた人は何かひとつでも知識が増えればいいと思っております。
ちなみに花の「statice」の英語式発音は「スタティス」。

315cdさて、コチラも女性ボーカルズと…

320猛烈なギター・シュレッディングをフィーチュアしたサウンドがウリのチーム。
340v
コレがですね~、実に新鮮というか、ビックリというか…。
サウンドはもうバリンバリンにしてゴテゴテの伝統的メタル系。
そういったメタル系の女性シンガーといえば、Marshallのようなブッとい声で地獄の底から絶叫するのが、ま、当たり前といえば当たり前。
ブッとい声でなくとも、命をかけて絶唱するスタイルの歌い手さんがバンドにいるのが定石でしょう。

345v
ところがこのバンド、そのハード極まりないバンド・サウンドに乗って、HARUKAちゃんが女性的な声で歌い、そしてヒラヒラと舞うというなかなかに珍なるもの。
私も勉強不足なので、鬼の首を取った風には決していえないが、実によろしいな。
360

もちろんそのハードなメタル・サウンドにはパワフルなベースと…

370vドラムスをタッグを組んでいる。

380vドラマチックに展開する曲たち。
しかし何度も言うがその音像はどこまでもメタリック!

350HARUKAちゃんとTORUさんのコントラストも絶妙だ。

330v
ハード一辺倒かといえばそうではなく。

384キーボーズという利点を活かしたバラードも披露。
(註:Marshallでは正式な英語用法にのっとり、「ボーカル」と「キーボード」、「ドラム」は常に複数形で表記しています。
また、「ツーマン」、「スリーマン」という言葉は絶対に使いません。今日のイベントは「トリプル・ヘッドライナー」です。「トリへ」でいい。「スリーマン」なんて変な言葉より「トリへ」の方がはるかにカッコいい)

385シットリと歌いあげるHARUKAちゃんの歌声を固唾を呑んで聴き入るお客さんの姿が印象的だった。

386vそして、また~、ハード路線に!

390弾きまくるTORUさん。
やっぱりMarshallじゃないとイカンな…こういう音楽は!

400熱狂的なステージでトリをバッチリ務め上げたTEARS OF TRAGEDYなのであった。

410TEARS OF TRAGEDYの詳しい情報はコチラ⇒TEARS OF TRAGEDY Official web

420<つづく>

(一部敬称略 2017年2月19日 柏PALOOZAにて撮影)

2017年4月28日 (金)

【祝!】 Sound ExperienceのSilver Jubilee ~ Strange,Beautiful and Loud

日本人の感覚で、最も重用している数字といえば間違いなく「3」と「5」だろう。

長嶋茂雄の影響なのかどうかは知らないが(今の若い人は「4番、サード、長嶋」という成句を当然のことく知らない)、「三大〇〇〇」が大好きだし、「五刻み」という感覚は当たりすぎるモノだ。
海外ではどうか…。
私の経験では何といっても「12」と「25」だと思う。
「dozen」という言葉があったり、1から12までの数字には個別に名前をつけたりと、頭の中には必ず「12」がある。
そして、「25」。
Marshallもそうだったように、「〇周年」といった何かのお祝いごとは「5年」、「10年」と「5単位」で刻んでいくが、25周年は「Silver Jubilee」、50周年は「Golden Jubilee」として盛大に祝うことからしても「25」や「50」は重みが違う。
アメリカでは「Quarter」と呼ばれる25¢硬貨もあるしね。イギリスにはないんだけどね。
50周年の次のデカいお祝いは当然75周年となり、それは「Diamond Jubilee」と呼ばれる。
ところが、イギリスにおいて1897年にヴィクトリア女王が在位60周年を迎えた時にDiamond Jubileeを当ててしまった。
私は2012年に現エリザベス女王が在位60周年を迎えた時に幸運にもちょうどロンドンにいて、その熱狂ぶりを目の当たりにしたが、どうして「Diamond Jubileeが60周年なんだろうな~」と不思議に思った。
調べてみると、案の定「Diamond Jubilee」は75周年を称える表現だった。
コレ、「ヴィクリア女王はとても75周年までもたないから、60周年をDiamondにしちゃおうぜ!」と、25年刻みで祝ってきたものを、いきなり10年刻みに変更してしまったのではないかしらん?
そうなると、エリザベス女王だってそうしてやらなきゃ不公平だ…ってんで2012年に盛大にDiamond Jubileeのお祝いをしたんじゃないのですかね?
ま、おかげさまであの時のロンドンでは貴重な体験をさせてもらったけど…。
では、75周年は「ナニJubilee」か?
答えは、同じ「Diamond Jubilee」なんだって。え~?
エリザベス女王は今月91歳の誕生日を迎えたそうだ。
75周年まであと10年。
その時女王陛下は101歳。
ハッピーにもそこまで女王がご存命だとしたらどうするんだ?
もう一回「Diamond Jubuilee」をやるのか?「Diamond Jubiee 2」なのか?
どうするイギリス?!
国民性からして、コレはヘタをするとBrexitよりモメるかもしらんぞ!
  
さて、またまたやってきましたSound Experience。
今回で25回目を迎えた!Silver Jubileeだ!
だからこんな話を冒頭に持ってきたよ。

10v25回…なかなか偉業ですよ。

20三宅庸介

30v山本征史

40v金光健司

50vせっかくの機会なので、ここでチョット三宅さんと私の関係の歴史を振り返ってみたいと思う。
  
初めて三宅さんのパフォーマンスを拝見したのは、2009年の3月。高円寺ショウボートでのことだった。
この日は、東京から地元の大阪に帰る板倉じゅんぺーさんをみんなで送り出すという大谷令文さんの仕切りの「音楽送別会」だった。
三宅さんのセットはトップ・バッターで登場した。
Marshall Blogでつとに触れているように私は80年代の前半からジャズに狂ってしまったので、「ジャパメタ・ブーム」なるものを通過しておらず、この時は「Terra Rosa」も「三宅庸介」も名前すら知らなかった。

60この時の三宅さん。

70vベースは征史さんだったのね。

80vドラムスはこの日の主役、じゅんぺーさん。

90v三宅さんはこの時、JCM900 4100を鳴らしたのかな?
その正統派Marshallサウンドに度肝を抜かれた。

100イヤ、でも本当は、「今時こんなことを演っている人がいるのか?!」とその音楽に驚いてしまった。

110v出演者も多彩で、このイベントはすごく楽しかったな。

120どうやってつながったのかは覚えていないが、それから7ヶ月後には三軒茶屋のGrapefruit Moonに取材に出かけたようだ。
この時の対バンは藤岡幹大くんのバンドだった。
このライブを「Sound Experience」と呼んだかどうかは定かではない。
ベースが河野さんだったんだね。

130三宅さんはJCM2000 DSLと1936Vを使っていた。

140vドラムは金光さん。
8年前…ゼンゼン変わらないな~。
まだNATALが日本に入ってくる前。

150v翌年の6月には「Tokyo Guitar Show」に出演。

180

この時が今のStrange,Beautiful and Loudを観た一番最初だったのかな?

190v

征史さんと…

200v

金光さん。
7年ぐらいじゃゼンゼン変わってないか。

210

このイベントは競合ブランドの代理店が主催していたものだったが、「Strange, Beautiful and LoudのサウンドはアンプがMarshallでないと作れない」と主催者にかけ合って三宅さんも征史さんもMarshallを持ち込んでくれた。(主催者さん、ありがとうございました)
この時の三宅さんはVintage Modern 2466を使った。

220v

旧Marshall Blogの取材で2010年2月には新発売のJMD:1を試奏。
この試奏にあたって、三宅さんはご丁寧にも自分なりの「Marshall考」をまとめて、論文を持参してくれた。
ず~っとMarshallを爆音で鳴らして来てくれた人の考察だけに、内容がすごくおもしろかったし、何よりもそのMarshallへの愛情や熱意がすごくうれしかったのを覚えている。
もちろんJMD:1もシビアな目と愛情で具に分析した頂いた。
170
コレは2010年11月。

260
もう今と同じSBLとしてガッチリ活動し出していた頃か…。

270v
初々しい感じがまだしてるようなしていないような…。

280v

このころもまだNATALが日本に入って来ていなかった。

290

この日のお相手は令文さん。
令文さんはゲストとして、また対バンとして複数回ご出演頂いている。
この時はバンドを従えてのご登場で、アンコールでSBLに令文さんが加わった。
コレもスゴイ演奏だった。

300
コレはその翌年の2011年8月。
240v
これまでも色んな方々に出演して頂いたが、この日のゲストは田川ヒロアキさんだった。
250

三宅さんとヒロアキくんの共演はこれきりではないが、自分だけのMarshallサウンドを持ったふたりの共演はいつもスリリングだ。
150
この時は河野さんのベースに下田さんのドラムスなので「Sound Experience」名義ではなかったかも知れない。
あ、そうだ、この時は「Orchestra Four」というセッション・バンドでの出演だったんだ!

230そして今!
2017年3月…ゼンゼン変わりませんな。

310変わったのはバックライン。

320三宅さんはJVM210Hに1960BV。
足元はある時からガツンとシンプルになった。それで薄皮が2、3枚ムケたように音がよくなった。

330v征史さんは安定の1992。

340vSUPER BASS 1992と中身が何かわからない1960A。
このリグが出す低音がないとSBLサウンドにならない。

350vもうひとつSBLに欠かせないのはNATAL。

360vセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』のレコーディングでも使われたNATALのバーチ。
NATALは2013年の秋頃からボチボチ日本に入り出したが、金光さんにはその初期からご愛用頂いている。
コレもSBLサウンドの一部。

370今回は25回目という節目の大切なステージだ…ということとは一切関係ないかのような平生と変わらぬ展開。
ただし、ゲストも対バンもないStrange,Beautiful and Loud単独のステージだ。

380_rオープニングは珍しく「ring」。

390v金光さんのスネアのフィルから果敢に突っ走るのは「if」。

400v_i相変わらずのSBL節でショウはスタート。

410サビの征史さんの命がけのプレイに一気に目を奪われる。
このSUPER BASSとプレシジョン・ベースの組み合わせによる征史さんのサウンドはワン&オンリーだね。

420vサクサクと「murt' n akush」。

430_mkここで場面が変わって「mani」。

440v_mn最近のステージには欠かせない「devil」。
反対に「fantasia」が全く出て来なくなったのはナゼでしょう。
好きなんですけど、アレ。

450_d人気曲「stratify」。
コレのアンサー・ソング、「marshallify」もしくは「marshallogy」がなかなか発表されないのはどうしたワケか?

460v_stしかし、この金光さんの音もタマらんな~。
音といい、間といい、SBLの曲を歌うドラミングだ。

470v そして、後半は重苦しいまでにシリアスなシーンが続く。
コレがSBL流。
まずは「bloom」。

480_blこのバンドは速い曲もスローな曲もテンションが全く同じなんだよね。

490v「垣根」の名で親しまれている「solitry past」。

500v私、20世紀のクラシックとかフリーがかったジャズとか、日頃から一般的には「変な音楽」とされているモノに親しんでいるんだけど、正直、この曲をはじめて聴いた頃は「何て変わった曲だろう」と思ったね。
ま、この曲だけじゃないけど。

510この三宅さんが愛奏曲に挙げる次の「petal」もそう。
それが今では、もう自分には当たり前すぎる音楽になってるんだよね。
三宅さんの音楽は一回や二回聴いたぐらいじゃゼンゼンダメ。
何回も観るたび、聴くたびに発見があって、いつのまにか自家薬籠中のモノになるんだな。
三宅さんの音楽を一回だけ聴いて「わかった」風なことを言うのはウソだと思う。
一回聴いただけで誰もが口ずさむことのできる曲も音楽の魅力のウチであることは間違いないんだけど、そんなの飽きるって。ビートルズとかはそういう凡百の素になっているオリジナルな音楽は話は別ですよ。
そういう親しみやすい音楽とは反対に、「何回聴いてもわからん!」という難関を突破するのも音楽を聴く大きな楽しみだと思っている。私はそれを子供の頃からやってきて、今最大の難関は「オペラ」なの。どうもイカン。
プッチーニの『ラ・ボエーム』なんてメッチャかっこいいんだけど、途中で苦しくなって、フト気が付くと全く聴いていない自分を発見したりする。
注意しなければいけないのは、「つまらない音楽」はジャンルはどうあれ「つまらない音楽」だということ。
「わからない音楽」と「つまらない音楽」はゼンゼン違うということだ。
ココで引用すべきはデューク・エリントンの言葉。
「音楽に種類は二つしかない。『いい音楽』と『よくない音楽』だ」
言ってみたいよね~。
チョット脱線で…最近気が付いたんだけど、私はジャズ、クラシック、ロック、民族音楽をいつも楽しんでいるんだけど、やっぱりロックは好きで、クラシックや民族音楽を聴く時は頭のチャンネルが「ロック」になっているんだよね。
例えばストラヴィンスキーやショスタコーヴィチやドビュッシーを聴いてそこにKing Crimsonを聴いた時と同じ愉しみを見出すんですわ。ショスタコーヴィチの弦カルなんてどれもロック的にカッコいい。
バルトークの音楽なんかはChick Coreaなんかも感じるし。
でも、ジャズからはジャズしか聴こえてこないし、頭の中が完全に「ジャズ」のチャンネルになるんだよね。
Chick Coreaからはバルトークは聴こえてこない。Chick Coreaのジャズにしか聴こえない。
この現象おもしろくない?
私だけかな、こんなこと感じるていのは?

520_p話を元に戻して言い換えると、三宅さんの音楽は難解な推理小説を読み解くようなモノ。
ただ問題は、一度この世界に入り込んでしまうと、抜け出れなくなっちゃう。
え、そんなこと書くのは「営業妨害」だって?
トンデモナイ!
私は皆さんに色んな音楽を幅広く聴くことをおススメしているのです。
いい加減「Burn」ばっかりじゃ飽きるでしょうに…と思ってサ。

530v記念すべき25回目のSound Experienceの本編の最後を飾ったのは「virtue」。
いつもと同じです。

540_vBarney Kesselのオリジナル変形ブルースに「Slow Burn」という曲があるがまさにそれ。

Img_0118 ジワジワと熱を帯びていって…

560vまだまだ上がる。
命を削るようにして、まだまだ熱を上げる。

570vそして爆発!

550v

毎回こんなことを演って25回。
大変な仕事だっての。
こっちは好きなシャッター切って、好きなこと書いて…何だかだんだん申し訳なくなってくるね。
イヤイヤ、一人でも多くの人にこういう誰も演らない替えのきかない音楽を聴いてもらうぞ!

575アンコールはSilver Jubileeをまとめ上げる意味でか、敬愛するJimiの「Purple Haze」。
やたらと「♪パロへッ」などとガナリ立てるのではなく、大好きなJimiに吹きかけるようなやさしい「紫のカスミ」だった。

580vギターはガツンといったけどね。
Sound Experienceの25回目達成おめでとうございます!

Strange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介facebook

590v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月6日 三軒茶屋GRAPEFUIT MOONにて撮影)

2017年4月27日 (木)

衝撃の一夜、再び…今宵、あなたが目撃者になる~SUPER GUITAR SESSION

今日はすごいタイトルでしょう?
「一体どんな事件が起こってるんだッ!」って感じじゃん?
事件は会議室ではなくて、ライブハウスで起こった。
湯島というか、御徒町というか、上野広小路というか…「ファビュラス・ギターズ」というお店。
外人と話していて何かを褒めたたえる時、「magnificent」とか「splendid」とか「marvelous」とか「terrific」とか、なかなかナチュラルに口にできないよね。ノン・ネイティヴの英語学習者にとってはどうも大ゲサっぽくて恥ずかしい。
「fabulous」もそのうちのひとつ。
外人相手に一回も言ったことないな。
以前、ニューヨークのバードランドで敏子さんのオーケストラを観に行った時、Lew Tabackinのおっそろしく長いカデンツァがあった…いつものことだが。
真っ赤になって吹ききったLewに向かってひとりのお客さんが「Sensational!!」とたたえた。
カッコいいな~、こういう時に「sensational」という言葉を使うのか…と、私にとってはLewのカデンツァよりもそのお客さんの方がよっぽど「センセーショナル」だった。
こうして、英語圏に生まれた二歳児のように、ひとつひとつ英語を勉強しているんですわ。エライ時間がかかるわい。
そんなだから、私の場合、こういう類の言葉は相手がアメリカ人なら「great」一発。
イギリス人なら「lovely」か「brilliant」でだいたい済ませちゃう。その前に「bloody」を付ければ尚一層可愛がってもらえる。
さて、その「fabulous」。
ビートルズが「The Fab Four」、すなわち「fabulous four(メッチャすごい四人)」と呼ばれていたことをだいぶ後になって知った。「ゴレンジャー」みたい。
昔の職場の取り扱い商品のひとつに、ビートルズの曲のギターを教える輸入教則ビデオがあった。
不思議なことに、そのビデオのジャケットの解説には一切「The Beatles」という名前が出ていなかった。
代わりに「The Beatles」とするべきところの表記がすべて「The Fab Four」という言葉になっていた。
不思議に思って、このビデオを制作したアメリカの音楽出版社に確認したところ、権利関係の問題があって「The Beatles」という名前が使えないということだった。(ちなみにこの問い合わせ先はRed Hot Chilli PeppersのChad Smithのお兄さん。この関係でウチの家族はレッチリの来日公演はいつでもどこでもVIP待遇だった。いい時代だった)
アメリカでは「The Fab Four」という言葉が一般的で、誰でもそれがビートルズのアダ名だということを知っているので何ら問題はないという。
ハテ、日本はどうしたものか?
私はこの時はもちろん、今の今までビートルズのことを「ファブ・フォー」と呼ぶ日本人に出会ったことがない。これだけドップリ音楽関係の人たちと仕事をしていても、ただの一度もない。
そのビデオの宣材物に果たして「ファブ・フォー」などと記していいものかどうか…コレには悩んだ。
どういう風にしたのかは残念ながら記憶にないが、それなりの忖度を図ったことは間違いない。
確か本国の意向に沿い「The Fab Four」という言葉を生かしたように思う。
他の「fabulous」といえば、後は「The Fabulous Thunderbirds」ぐらい?
ちなみに映画『荒野の七人』の原題は「The Magnificent Seven」だ。

10このお店には今日のライブで初めてお邪魔させて頂いた。
お店の触れ込みは「Live Bar & Total Music Shop」。
そして売りはコレ…「お昼からお酒が呑める」って!
「誰でも気軽に演れる」って!
「夜でも楽器が買える」って!
店内では中古CDなんかも扱っていて「トータル・ミュージック・ショップ」の名に恥じない内容になっているのだ。

20このあたりを眺めながら昼間っからイッパイやるってワケ。
展示品の前に柵がセットされているのは夜のライブハウス態勢に入っているから。

30そして、今日の出し物はコレ。

40今日のタイトルはこのライブのキャッチだったです!

是方博邦

60v杉本篤彦

70v田中晋吾

80vそうる透
透さん、お久しぶり!

90v是方さんはMarshall ASTORIA CLASSIC

100v普段はJVM410Cをお使い頂くことが多いが、田川ヒロアキとの「これかたがわ」でASTORIA CLASSICを試して頂いて一発でお気に召して頂いた。
後ろに見えるのは1987X1960AX
Fabulous Guitarsの機材。
渋い…そして、わかっていらっしゃる!
他にも1962Bluesbreakerをご用意頂いている。
あ、これからさんも1987Xのオーナーです。

110v杉本さんもMarshall。

120vJVM410Hと2x12"のキャビネットは1936

130ショウは是方さんのギターでスタート。
50
アレ?どっかで聴いた曲!
ホラ言わないこっちゃない!
The Fab Fourの「Here, There and Evrywhere」じゃないの。
大胆なアレンジ。

150続いては杉本さんの曲。
Marshall Blogで何度も紹介している杉本さんの最近作『Tomorrow Land』から「Mark the Mobster」。
コレは「~the…」の用法。「…の~」を表す。
「Jack the ripper(切り裂きジャック)」、「Mack the knife(匕首マッキー)」とかあるでしょ。
「mobster」はいわゆる「そっち系の人」という意味。このあたり詳しく説明したいんだけどやめとく。この単語は辞書に出ているので興味のある人は調べてアル・カポネの生涯でも研究してください。
ちなみに「アル・カポネ」はそのまま発音しても絶対に英語圏に人には通じません。「アル・キャポーン」が正しい発音。
で、杉本さんは「マーク」さんというそっち系の人から「ワシのために一曲作ってくれんかいの~」と頼まれて書き上げたのがこの曲。だから「Marh the Mobster」。意味は「そっち系のマーク」。
『仁義なき戦い』のテーマとはほど遠い横乗りのゴキゲンな16ビート・ナンバー。

160個性的な二人のギタリストを支えるリズム隊。
田中さんはT-SQUAREのサポート・ベーシストを務めている。

170完璧なバックアップ。
曲の主旨を的確にくみ取って物語を編んでいく。

180続いては是方さんの作品で「Pricia」。
Jeff Beckファンの是方さんらしい、ギター以外の楽器でテーマを弾くことが考えられないようなギター好きにはタマらないラブリーなナンバー。
今日はこうして杉本さんの作品と交互にチョイスしていく趣向だ。
それにしてもピッキングが個性的なお二人!
190v是方さんならではのサム・ピック。
弾きにくいそうだ…でも、コレが是方さんが確立した是方さんのスタイル。
コレで16ビートのカッティングもこなしちゃう。

200杉本さんも独特なのは皆さんもうご存知の通り。

210vピックを使わない「ツー・フィンガー・ストローク」というオリジナル奏法。
弦を指板と平行にはじいて、アルアイレ奏法と同じ効果を作り出す。
実にウォームなサウンドだ。

220このセッションは今回で二回目。
半年ほど前に杉本さんが是方さんをお誘いしたとのこと。
290v
知らなかったんだけど、このお二人、十年ぐらい前はよくデュエットで一緒に舞台に上がっていたそうな。
今度は杉本曲。同じく『Tomorrow Land』から「はるかなる大地へ」。
240v
一部の最後はBob Dylanの1971年のシングル「Watching the River Flow」。
私はこの曲を1978年にJoe Cockerのアルバム「Luxuary You Can Afford」で知った。
その後、Steve Gaddが『The Gadd Gang』というアルバムでこの曲を取り上げていて、Ronnie Cuberのバリトン・ソロが好きだった。
ちなみに『Luxuary You Can Afford』でドラムスを叩いているのはSteve Gaddだ。ギターもCornell Dupreeがかぶっている。
ところでこの曲、どうしても頭の中でThe Manhattan Transferの十八番「The Operator」とゴッチャになっちゃうんだよね。
コチラはSister Wynona Carrという人の1954年の「Operator,Operator」という曲がオリジナル。ゴスペル調の魅力的な曲だ。
Dylanは間違いなくこのWynonaの演奏を聴いていると思う。

230v昔、東京おとぼけキャッツでSteve Gaddのモノマネをされていた透さん!
「ガッド!ガッド!ガッド!ガッド!ガッド!」と乱れ打ちするのがカッコよくも面白かった。
おとぼけキャッツのものまねコーナーは「ジェフ・ベック先生」とか「クイーン」とかだけではなくてThe Crusadersとか、あの時代にBrecker Brothers Bandの「Some Skunk Funk」とか演ってたからね。
全部透さんがドラムスを叩いてた。カッコよかった。

 360v
休憩をはさんで第二部は驚きの展開となった。
衝撃の一夜とはこのことか?
私は目撃者になった!

140

それは杉本さんの掛け声で始まった。
「ディスコ・タ~イム!」
突然Earth, Wind & Fireの「September」等のディスコの古典をメドレーで演奏し出したのだ!

300v
この四人が演奏するもんだからコレがめっちゃカッコいいんですわ!
310v
ディスコ・ブーム…なつかしいね。
いつかSHOW-YAの記事にも書いた通り、私はディスコには無関係だったけど、音楽的にはかなり大きな財産を残したことは認める。
「新宿ディスコ・ボーイ」なんて曲あったナァ。
田中さんは体験されていないでしょう、さすがに。
260
杉本さんなんかコレもんだもん。
でも、考えてみるに今の時代は一体ナンなんだ?
チョット前までは戦争の心配なんて全くしていなかったのに…まったく信じられん。
このディスコ・ブームの頃が健全な平和の時代の最後だったような気がするのだ。
「平和でなければ音楽もできない」…この山下達郎さんの至言を音楽家も音楽ファンも今こそ噛みしめるべきだと思う。
320v
ディスコで大暴れした後は杉本さんの「Your Breath」。
ソロではお得意のダブル・オクターブ奏法を組み込んだ。
それにしてもMarshallのクリーンっていいナァ。
280v
「ボクがギターを弾き始めた頃、まだJimi Hendrixが生きていたんですよ。子供ながらに衝撃的でしたね」…話はCreamやLed Zeppelinにまで及んだ。
いいナァ~。
十年はチョット遠慮しておくけど、少なくとも五年は早く生まれたかった。
ちなみに、いつも書いているようにMCの内容は私のパートナー、すなわち家内がメモしてくれているんだけど、ナゼかLed Zeppelinを「レッド・チェッペリン」って書くんですよ。
おかげさまで昨日結婚三十周年の「真珠婚」を迎えさせて頂きましたが、付き合い出したまだ我々が十代の時から、いっくら注意してもナゼか「チェッペリン、チェッペリン」って言うんだよね。
もう直らないな、コリャ。ちなみに今はThe Kinksにご執心です。
ところがコレは家内だけでなく、我々も間違えていて、「Zeppelin」は「ゼペリン」と発音するのが一番ネイティブに近くて、ネイティブの人達は「Led Zeppelin」を「レッゼペリン」と呼んでいる。
で、是方さんがココで取り上げたのはチェッペリンではなくて、Jimiの「Little Wing」。
ん~、やっぱりASTORIAは素晴らしい。

270杉本さんの『Tomorrow Land』から「I got It」。

340v

最後は是方さんの曲で楽しくソロを回して本編を終了。

330v

S41a0122

350v

250v

アンコールは是方さんの十八番「Mo Better Blues」をプレイしてすべてのプログラムを終了した。
名手ぞろいだけに見ごたえのあるショウだった。
周りは楽器だらけだし、雰囲気も抜群!
次回はアナタが目撃者だ!

370是方博邦の詳しい情報はコチラ⇒是方博邦Official HP
杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ

C(一部敬称略 2017年2月24日 湯島Fabulous Guitarsにて撮影)

2017年4月26日 (水)

J:COM PRESENTS GRANRODEO limited SHOW

2月に7枚目のアルバム『Pierrot Dancin'』をリリースしたGRANRODEO。
発売記念のミニ・ライブとJ:COM主催のコンサートが開かれ、後者にお邪魔させて頂いた。
今日はそのレポート。
ところで、「ピエロ」という言葉は英語圏では通じないって知ってた?
イヤ、正確に言うと、外人と「ピエロ」の話などしたことがないので「通じないらしい」ということになるんだけど、英語には「clown」という言葉があるのでフランス語の「pierrot」は使われないらしい。
同じ「クラウン」でも王冠の方は「crown」ね、「r」。
ジャズでは『The Clown』なんてCharles Mingusの名盤があるので、気になる人は『Pierrot Damcin'』の後の聴いてみて!
ハード・ロックの本当の原型をそこで聴くことができる。

10cdこのコンサートが開催されたのは3月1日のこと。
昨日Marshall Blogでレポートした通り、この日はe-ZUKAさんの誕生日が近いことから、ロビーにはファンから贈られた誕生日を祝う凝った装飾が施された花が飾られていた。

20vスゲエ!
見て、このプレート…DSLになってる。GRANRODEOだけに「モウたまらん!」
れいなちゃん、よしのちゃん、この記事見てくれてるかな?

30さて、今回のステージ。

40当然、Marshallがズラリ。

50コチラ上手のMarshall。
e-ZUKAさんが一番奥のMarshallを使っている。JCM2000 DSL50だ。

60足元のようす。
Marshall純正のフットスイッチPEDL-10001が入っているところがうれしかったりする。

70出番を待つe-ZUKAさんの愛器たち。
全部使われるでね。

80冒頭に書いたように、この日は『「Pierrot Dancin'」リリース記念ミニライブ』というマチネーがあった。
そちらは同アルバムの曲だけを7つ演奏するというショウケース・ステージだった。
夜はJ:COMが主催する『GRANRODEO limited SHOW』。コチラは新旧の曲を取り交ぜてのコンサートだ。

90KISHOW(谷山紀章)100ve-ZUKA(飯塚昌明)

110v瀧田イサム

120vそして、新サポート・メンバーのSHiN

130v会場のZepp Diver Cityはチョー満員。

140ものすごい熱気の中で最初に飛び出した曲は「TRASH CANDY」。

150タイトなドライビング・チューン。
アニメ『文豪ストレイドックス』の主題歌。
セカンド・コーラスの前でバキっと転調しているように聞こえるが、ファースト・コーラスのサビで知らない間に転調していて、実はキーを元に戻しているというトリック。
「ストレイ・ドック」といえば、1973年にデビューした英米混合のトリオ・バンドでStray Dogというのがいてね、「Fasten your seat belt!」と大ゲサに始まるハードなロックがメッチャかっこよかった。
このコンサートもまさに「Fasten your seat belt」級の滑り出しだ。

160v_sm見て、この盛り上がりよう!

170vそれもそのはず、矢継ぎ早に飛び出してきたのは「シャニムニ」!

180さらに「Can Do」をカマしてきた!

190vホップ・ステップ・ジャンプなんてもんじゃなくて、完全にジャンプ・ジャンプ・ジャンプだ~!

200vアタマっからコレもん!!

185

3曲終えたところでステージ下手からJ:COMのイメージ・キャラクター、ZAQ(ざっくぅ)が登場!

210「デカくてコワい」とか「実は中に人が入っていない」とか、GRANRODEOの二人にイジられまくられていたげど大丈夫。
だってZAQはずっと(Z)、安心(A)の、クォリティ(Q)だから。
大学翻訳センター(DHC)みたいやね。

220MCでは昨日レポートしたサプライズ・バースデー・パーティのことにも触れたe-ZUKAさん。
爆笑トークで今日も舌好調!

225vギターを持ち替えて(ココですでに三本目)、ニューアルバムのタイトル・チューン「Pierrot Dancin'」。
カッコいい~!
ホントにStray Dogみたいだな~。
「♪ワッハッハ」がメッチャ印象的!

S41a0274 同じくニュー・アルバムから「ナミダバナ」。
和風で始まるスピード・チューン。こういう「和」のテイストもGRANRODEOの特徴だ。

240_nbMCをはさんで『Pierrot Dancin'』から「キミにone way love」。

250_kowlミディアム・テンポのポップ・チューン。
いい曲だな。
それでも7/4拍子を差し込んだりして工夫を凝らしているところがe-ZUKAさんらしい。
それとAb7のガツンとした響き…いいんだよな~、こういうのって。

260vここのセクションではニュー・アルバムのレパートリーに旧作をシレっとハサミ込んで来た。
「SUPERNOVA」。

270勝手知ったるナンバーで尚一層盛り上がっちゃうの。

280vところどころに登場するe-ZUKAさんのツボを得たソロが心地よい。
もっと聴きたいんだけど、弾かない。
余計なソロは一切弾かない。
「何も足さない、何も引かない」…まるで良質のウイスキーだ。
本当に何も弾かないジョン・ケージの「4分33秒」という曲もあるにはあるが…。

290リズム隊も絶好調!

300v新ドラマーのSHiNさんも早くもバンドに溶け込み自然体で大熱演!

310v続けて「Passion」。

320でもね、言おうか?
実は新旧関係なく、ニュー・アルバムの曲も大合唱だったのよ。コレには結構驚いた。
『Pierrot Dancin'』がリリースされてからひと月弱の間、皆さんヘビロテだったに違いない。

330で、また新作から「Fake lover's true heart」。

340vそしてもう一発「FAT SHAPER」。
ホント、皆さん新しい曲でもイントロだけで大歓声。ロデオ組の予習のスゴさったらない。
小学校の時、「予習と復習、どっちが大事か?」なんてよく聞いたな~。
答えは「予習」だという。
自分で予め勉強して、わからなかったところを授業で理解する…そんなヤツいないって!
少なくとも自分はやったことないし、周りにもそんなヤツはいなかったよ。
授業なんて聴かないのが当たり前だったもん。
だから今マーブロ書いてる。もし予習して、授業をチャンと聴いていたら今頃は……どうなってただろうね?
とにかく今日のお客さんはGRAN優等生だ!
430v
そして、最終セクションに差し掛かる。
MCで「今日はアコースティック・セットがないから休めないね!」なんて言っていたが、ま、アレも休んでいるワケではないんでしょうが、今回のスピード感はホントにスゴイ。

350v最初っから最後まで全力疾走だもん!
370v
これまたイントロのSEで客席が大爆発!
「ROSE HIP-BULLET」だ!
360v
自分で自分の頭が少しおかしいんじゃないかと思うんだけど、この曲のイントロを聴くとPat Methenyの「Phase Dance」を思い出す。
でもDeep Purpleの「Burn」の名リフのヒントがGeorge Gershwinの「Fascinating Rhythm」だとかいうからね。
e-ZUKAさんのことだからPat Methenyもありかも…。
だからGRANRODEOはおもしろい!

S41a0359 この最後のセクションではおなじみの人気ノリノリ・ナンバーで構成され、みんなで真っ白な灰になろうという趣向だからもう大騒ぎ!

380v「カナリヤ」が続いて…
420v

「日常ホライズン」。

400そして「modern strange cowboy」で本編の幕を閉じた…といつもなら〆るところところだけど、もう一曲。

410昨年の11月にリリースしたシングル、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期エンディング主題歌「少年の果て」で本編の幕を下ろした。

390v

好調にブッ飛ばすGRANRODEO。
3月22日にも『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』主題歌の「Glorious days」をシングル・リリースした。
左がDVDが付いた初回限定盤。右がCDだけの通常盤。

Original

Standardさて、お待ちかねのアンコール。

440まずは「Once & Forever」。
455
アンコールとは思えないみなぎるパワー!
450v
もう一曲は「Punky  Funky Love」。

460

全編17曲。
ホント、アッという間だったな~。

480vどの場面も見逃すことのできない「ロック・シーン」の連続。

490今回はダンサーもファイヤー・ホーンズもなし。
ZAQくん(ちゃん?)が出てきたぐらい。
Gナンバーものの豪華絢爛さとは違った味わいの、ピュアなGRANRODEOのステージとなった。
今の時代にあって、「音楽を聴かせるロック・コンサート」としては最高峰のモノであると断言したい。
446
そして最後。
KISHOWさん、〆のひとっ飛びお願いします!
キマった~!

500

GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

510(一部敬称略 2017年3月1日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2017年4月21日 (金)

Loud Vibration~D_DriveとStrange,Beautiful and Loudのダブル・ヘッドライナー

D_Driveと…

10_2

Strange,Beautiful and Loudのダブル・ヘッドライナー。

15いきなり場面が変わって登場した冴えないオッサンはワタシ。
向かって右の信号の後方の馬に乗った銅像に注目。
場所は、ロンドンはトラファルガー広場。

20vそしてコチラはマンハッタンはコロンバス・サークル。
私が手を振っているのが見えるかな?←ああ、探さない、探さない…ウソです。
セントラルパークの南端の59丁目とブロードウェイが交差しているところ。
ああ、久しぶりにニューヨーク行きたいな~。
この二つの共通点は何か…。

30答えはコレ。

40今ならコレ。
ロンドンやニューヨークや東京からの距離程の起点となる場所だ。

50そして、この日本橋から千葉市中央区を結ぶ道路が国道14号線。
今日はその「国道14号線」を店名にした本八幡のライブハウス「ROUTE FOURTEEN」からお送りする。
Marshall Blogで取り扱うのは二回目のライブハウス。
小田原に国道1号線にちなんだ「ROUTE 1」というお店があるので、いつかそこで取材をするようなことになれば同じことをやるので、マーブロ読者の皆様は覚悟しておいて頂きたい。

60_14最初にステージに上がったのはStrange,Beautiful and Loud(以下、「SBL」))の三人。
三宅庸介

70v三宅さんはいつものJVM210Hと1960BV。

80v山本征史

90vヘッドは1992 SUPER BASS。
キャビネットは型番不明。

100v征史さん、今回はこんなモノを用意。
昔はこういうのゴロゴロしてたんだけどね~。
今の若い人たちは想像もできないだろうけど、私が若い頃はディレイなんてなかった。
もっと言うと、「ディレイ」なんていう言葉も一般的ではなかった。
そういったエコー系のエフェクターはせいぜい「リバーブ」ぐらい。それもアンプに内蔵されているヤツね。
やまびこ効果を得るにはこうしたテープ・エコーをゲットするしかなかった。
コレが高くてね~。
とても高校生なんかが気軽に買えるシロモノではなかった。
そこへ出てきたのが「アナログ・ディレイ」っていったっけか?テープの入っていないエコー。
アレはビックリしたナァ。
その頃はまだサイズが結構デカくて、音もすこぶる悪かった。
それが今ではスッカリ小さく安くなっちゃって…。
私は下の写真の上の機種を持っていて、自転車の荷台にくくり付けてスタジオへ運んだものだった。
40年近く前の話。「若い」ってのはすごいバイタリティだよね。

110金光健司

120v今日のNATALはブビンガ。
残念ながらブビンガのキットはもう製造していない。
狙っていた方、ゴメンなさい!
ウォルナットの製造は継続しています。

130一曲目は「mani」。
あらま、珍しい。

140vドッシリとしたへヴィ・ワルツでまずは雰囲気を作る。

150ウワ~、輪郭のハッキリしたブビンガのサウンドが聴いていてとても気持ちがよい。
ただし、SBLのセカンド・アルバム、『Orchestral Supreme』の中でこの曲のレコーディングで使われているのはバーチのキットだ。

160征史さんの1992とプレシジョンの組み合わせによるベース・サウンドもSBLの魅力のひとつ。

170vギター・ソロ。
まずは小手調べといったところか…ま、三宅さんの小手調べは他の人のハイライトぐらいの凄みがあるけどね。
190v
SBLにとって千葉での演奏は初めてとのこと。
三宅さん個人は25年前にcircusmindというバンドで出演したことがあるのだそうだ。
「Little Wing」か…。
「circus mind」はいいけど、あるパフォーマンスを指して「circus production」なんて言うのは大変な侮辱になるので要注意。
ちなみにPiccadilly CircusとかOxford Circusとか、ロンドンの地名に出てくるcircusはcircleということ。
25年ぶりということで、三宅さんすごくなつかしそうに…特にしてはいなかった。
この日、マイっちゃったんだよね…というのは、カメラ一式家に置いて出てきちゃったのですよ。
「あ!カメラ忘れちゃった!」と現場で三宅さんに告げると、「いいですよ、いいですよ、タマにはユックリ観るだけでもいいじゃないですか」と優しく言ってくれるかと思ったらさにあらず…。
「帰って取って来ます…」と言うと、「ハイ」とのお答え。
そして、私はこうして撮影したんだとサ。
あ~あ~、おかげさまでいいのが撮れましたよ~だ!
ま、自分が悪いんだけど。

180二曲目は「devil」。

200まだレコーディングされていない新しめの曲だが最近の三宅さんのステージでは欠かすことのできない人気曲。

210v続けていつもはオープニングに配置されることが多い人気曲の「if」。
前半のクライマックス。

220vやっぱこの曲は聴いてる方も燃えるね!そういう意味ではアタマではなくてこうして真ん中で演るのもいいかも?
Marshall GALAの時も大好評だった。

230vさらに「murt'n akush」。
アラアラ、「devil」、「if」、「murt'n akush」と来たら、天ぷら(エビ)にトンカツ(ロース)、続けて焼肉(カルビ中心)を頂くようなものです。

240後半は「bloom」、「petal」、「virtue」と大人タイム。
コレが三宅さんのやり方だ。
始めチョロチョロと出ていた火が徐々に大火事になっているくような…最後の「virtue」の後半のギター・ソロはショウの中での最大の聴きどころだろう。
こんなの他に演っている人は日本で他にいないんじゃない?
先ごろAllan Holdworthが亡くなり、Marshall Blogで追悼文を掲載した。そこに書いた通り、私は中学生の時からHoldsworthが好きでずいぶん追いかけた。
始めはあの速弾きにあこがれたが、段々音楽がわかるようになってくると、Holdsworthの本当のスゴさはギターを演奏する技術にあるのではなく、彼の音楽の独自性にあるということに気が付いた。
ギターのテクニックはその音楽のためのモノであることも後になって理解した。
音楽は曲芸や鬱憤晴らしをするものではないのだ。
日本にはHoldsworthのようなタイプのアーティストってのが出て来にくいね~。
三宅さんは間違いなくご謙遜するであろうが、「誰も演らない自分だけの音楽づくりに身を捧げる」という姿勢で音楽に取り組んでいるということに関してはHoldsworthと相通ずるところを感じる。
だからしょっちゅうMarshall Blogにご登場いただいている。
曲に関して言えば、正直、Holdsworthのモノより三宅さんの曲の方がカッコいいと思ってる。

250vStrange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介facebook

260続いて…「Hyper Driving High」でD_Driveがステージに上がる。

270Seiji

280vSeijiさんはJCM2000 DSL100ECと1960AX。
このキャビ、中身は違うスピーカーが入っているのかとも思っていたが、正真正銘のCelestion G12M-25 Greenbackだったことが判明。
すなわち1960AX。

290Yuki

300vYukiちゃんもいつものJCM2000 TSL100と1960A。

310Shimataro

320vShimaちゃんも愛用のEDEN WT-800を持ち込んだ。

330ドラムはChiiko。

340vD_Driveはもうこのお店の常連さんだからして勝手知ったるところですわな。

350Seijiさんがハデに足をクジいたのもココ。
お立ち台から降りるときにグキってやっちゃったんだって。
その足もよくなったと思ったら、今はアバラ骨と格闘中だそうだ。
アレ、痛ぇんだよね~。
私も酔っぱらってイスのヒジ掛けに脇腹を強打してヒビを入れてみたことがあるけど、何せもうクシャミなんか出ようもんなら一大決心をしてからでないとマズイ。
しかもアレって治療のしようがないんだよね。とにかく骨がくっつくのを待つより仕方ない。
がんばれSeijiさん!

360vSBLもそうだけど、このD_Driveも替えのきかない稀有なチームだ。
男女二人ずつ混合のインストゥルメンタル・へヴィ・メタル・バンドなんて世界のどこを探しても他にないだろう。
そりゃ世界中くまなく探せば出てくるかも知れないけど、珍しいことだけは確か。
とにかくミュージシャンの方々には誰ももやらないことにドンドン挑戦してもらいたいナァ。
「コレは!」と思えばMarshall Blogは応援しますよ~。
あ、もちろんMarshallのファミリー商品を使ってきゃダメよ。
「結局それじゃん!」って?そりゃそうだよ~、宣伝だもん。
でも、ウチはちょいと違うよ、私みたいな音楽バカがやってるから。

370vリズム隊の二人に注目!
この写真、すごく気に入ってるのだ。
うまく撮れた。
カメラを取りに帰った甲斐があったというものだ。

380続いてアルバム『R』から「Advance and Attack」。

390「M16」でアタマ三曲を続けてぶっ放す!

400MCをはさんで新しいシングルから「Shape of Your Life」。
Yukiちゃんがお姉さんに捧げた作品。

410「Runaway Boy」が好き。
一番最初に聴いたD_Driveの曲だから。

420ガンガン行っちゃう今日のステージ。
その新しいシングルから「The Lat Revenge」。

430v何となくどのハコにも「攻略法」みたいなものがあって、ココに出慣れているD_Driveはその攻略法をガッチリ実践しているような感じがする。
私にはその攻略法はわからないが、よく行くライブハウスの照明、それと近隣の駐車場とうまいもの屋はバッチリと攻略してるぞ!(ココはまだ2回目なので無案内)
皆さん、うまいもの屋がないところのハコにはあんまり出演しないようにしてくださいね。

440「Mr. Rat Boots」…
490v
「Attraction 4D」…

470v
「Cassis Orange」…と新旧を取り交ぜたD_Numberが怒涛のように押し寄せる~!
480v
しかし、NATALって音がいいな~。
上に書いたように残念ながらこのブビンガは今のところもう入手できないが、音の傾向はメイプル、バーチ、アッシュと共通だ。
とにかくよ~鳴る!
ドラム・キットを買い換え、買い増しご検討中の方にはこの大英帝国が誇るドラム・ブランド、NATALを選択肢のひとつに加えて頂くことをおススメする。

510v
D_Driveの持ち時間もいよいよ残りわずか!

460きっと後半のクライマックスで出てくる「Russian Roulette」。

500v

Seijiさんの弾くリフが鮮やかにキマる!
この時はアバラ折れてないから!
でもまだ足がしんどかった。

520v「Screw Driver」…

530v「Over REV」ときて終わり!
12曲…スゲエ勢いだったな~。
しかし、どうでもいいけど、ココ、ものすごく音がデカいな~。
こんなにデカかったかな?
Marqueeみたいに建物が動いちゃいそうだよ。

540vD_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

550アンコールのセッションはD_Driveに単身三宅さんが加わるスタイル。
ところで、三宅さんがMCで触れてくれたんだけど、SBLとD_Driveが同じステージに立つのはMarshall GALAが初めてのことだったのね。
そのMarshall GALAは2016年の3月6日の開催。
そして、このライブが2017年3月5日の開催。
スゴクね?

560ナニを演るのかと思ったら、ナゼかクレイジー・ケン・バンドの「泣き虫装置」って曲。
え、違うの?

570ナニ?…コレSteve Vaiの曲なの?
しかも本当の曲名は「The Crying Machine」っていうの?どっかで聴いた名前だ。
え、「ジジイはSteve Vaiなんか知らないんだろう」って?
580
冗談言っちゃイケね~よ。
こちとら大のZappaフリークだぜ。
Steve VaiがZappaのところでStunt Guitarやってる時から知ってんだい!
『Shut Up 'n Play Yer Guitar』の頃だから1981年ぐらいだな。
私がSteve Vaiの名前を知った頃にまだ生まれていないマーブロ・読者もいるんじゃない?
その後すっかりスターになっちゃって…。
一応こんなのも持ってるんだよ。
10インチ盤って持ってるだけでナンカうれしいよね。
でもこの曲は知らなかったので大いに驚いた。
こういう感覚がまたすごく受けるんだろうね。30年以上聴いていないけど、確か下のアルバムでは必死にZappaのマネッコをしているんだよね。

30r4a2375ソロ回しの儀が盛大に執り行われたことに触れるまでもない。590v

600v

610超大爆音の中、すべてのプログラムが終了。
楽しかったね~!
ああ、耳がチョットCryingだわ。

620<オマケ>
D_Driveも愛用しているMarshall HEADPHONES。

2img_0752そのポップ・アップ・ストアが今新宿髙島屋に設置されている。
新宿にお越しの際にはゼヒお寄り下され!


詳しくはコチラ⇒Marshall HEADPHONES~音のあるくらし

0r4a23221965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月5日 本八幡ROUTE FOURTEENにて撮影)

2017年4月19日 (水)

WITHIN~NAKED MACHINE、KRUSHGROOVE、YouRaw

自分のアタマが悪いことは百も二百も承知した上での話。
でも、誰しもどうしても覚えられないことってあるじゃない?
私の場合、英語に関して言うと、ひとつは「lay」という単語。
意味は「横たえる」という他動詞。コレがlay-laid-laidと時制変化をして、現在分詞がlaying。
これだけなら何ら問題はない。
不規則に時制変化する動詞にビビっていたら英語なんて到底勉強できない。
厄介なのは、相棒に「lie」なる「横たわる」という意味の自動詞があって、コイツがlie-lay-leinと変化して、現在分詞がlyingとなりやがる。
さらにArgentやThree Dog NightやQueenの「Lier」という曲でおなじみの、「ウソをつく」という動詞の「lie」という裏ワザまで持っていやがる。Steely Danにもいあるね。
こちらはlie-lied-liedと規則変化する。
この中で一番使うのは「横たわる」の「lie」かナァ?
何しろ頭がこんがらがっちゃって、いつまでたっても正しく使うことができない。
さ、今日のMarshall Blog、間違いなくこのあたりで読者が半分になったな。
でも、もう一個やるよ。
それはね、「ロー」なんですよ、「ロー」。
日本語で書くとせいぜい「ロー」か「ロウ」の二通りだけど、英語の「ロー」はすこぶる厄介なんだな~。
こちらは名詞か形容詞なので覚えやすそうなんだけど、それがなかなか覚えられないときてる。
やってみようか?
まずは<L>チーム。
law : 法律
low : 低い
次に<R>チーム。
raw : 生の 
row : 列 
ま、本当のことを言うと、「low」と「law」は確実に覚えているのね。
で、「連続で」という意味の熟語に「in a row」というのがあって、結構よく使うんだけど、「生」か「列」かでいつも悩んでしまうのですよ。
ちなみに同じ音で「roe」というのもあって、コレは「魚の卵」という意味。
厄介なのは発音。
会話の前後があるので意味を取り違えることは実戦の会話の中ではあり得ないんだけど、我々英語学習者の耳にはよっぽど意識をしていないとすべて「ロー」と同じに聞こえる。
ネイティブさんは三歳の子供でももちろんこれらをすべて正確に聞き分けることができる。
日本人も昔は「じ」と「ぢ」の発音を使い分けることができたというが、今コレができるのはヒサヤ大黒堂の社員の方々だけだ…ウソです。
ちなみに「row」は映画『ウッドストック』にも出てくる通り、「漕ぐ」という動詞や、「騒々しいケンカ」という意味もある。
あ~、ややこしい~!
ココまで完全に今日は読者を失ったかも知れんな。
  
さて、なんだってこんなややこしい話をしたのかというと、目黒鹿鳴館でシリーズで展開しているイベント、『WITHIN』に登場したバンドさんのひとつがこの話題に大きく関わっているからなのだ。
この日、三つのバンドが登場したが、そのトップバッターがYouRaw。
ハイ、上を見てください、。
「R」チームの「a」の「raw」は「生の」という意味。
バンド名の由来は存じ上げませんが、こういうことがあると今までどうしても入ってこなかったことがスンナリ頭に刻まれて覚えることができたりしちゃうんだよね。

10シンガーのMasa Oryu

20vギターはH TsunagaとT Nakata。

30

40vベースはShogo Kimura。

50vドラムのRyu Usuki。

60vこういうロックはいいナァ。

70AOM(Adult Oriented Metal)を標榜するツイン・リードを前面に押し出したハードロック。

80やっぱりこういうロックにはMarshallのギター・サウンドが欠かせませんな。

3img_0298 そして、You Raw恐るべし!ものスゴイ動員力でフロアはパンパン!

100v飛び切りイキの良い正統派ハードロックで冒頭からイベントを盛り上げた

S41a0044 リズム隊の二人がかなりお若いようだったが、新旧の交流は大歓迎だ。
若い人たちをジャンジャン取り込んで正統なロックを確実に次世代伝承していって頂きたいと願っている。
  
YouRawの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

110続いての登場はKrushgroove。

120Tetsuya Horie

130vKoutarou "TOMMY" Tominaga
220v
Etsuo Ishikawa

150vYasuo Nagai

160vところで、今日ステージに上がっているMarshall。
時々こうしてAキャビを横にして「Bキャビもどき」で使う人がいるが、二つ積んでいるのは初めて見たな。
コレも日本人の生活の知恵でしてね。
海外のミュージシャンがやっているのを私は見たことがない。この写真をMarshallの連中に見せたらビックリしていた。
AキャビとBキャビの音の違いは、形やスピーカーの取り付けの向きもさることながら、質量の違いが大きい。

180vそして、この上に載っている2203のオーナーはTominagaさん。

3s41a0159
シリアルを見ると1977年製のもの。
JCM800シリーズ以前、いわゆるJMP時代の2203。
「2203」の定義は「100Wのマスター・ボリュームつき、2インプット」。
裏ブタは自家製。
本当に最近まで知らなかったんだけど、2203はこのJMPスタイル、すなわちセンター・コントロール・パネルにフロント・パネルを横切るホワイト・パイピングのモデルが最初かと思っていたら違うのね。
つまり一番最初、マスター・ボリュームのモデルを開発した1976年にはビンテージ・コスメティック(今の1959SLPみたいなヤツ)の2203を作っていたのだ。

190コレがその実物。コレで2203。

3s41a0009 Krushgrooveは今年で結成26年!
ハードでグルービーなロックサウンドをクリエイトすることを是としているが、まさにその通り。

3img_0325 Tetsuyaさんの歌を前面に押し出したメンバー全員が一丸となった演奏は実に気持ちの良い、楽しいものだった。
26年…スゴイ!
210v
Krushgrooveの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

230そしてヘッドライナーが登場。

240_2NAKED MACHINE!

250KAN

260v里村 源多朗

270v杉浦智和

280v峯村武憲

290v石川達也

300vオープニングは「Evil eyes」。

310堰を切ったように一気に押し寄せてくるメタルの土石流!

S41a0225 その響きはあくまでも「正統派」…しれがネイキッド流!

330二曲目は「To the Top」。

340一曲目同様にまっすぐの剛速球。
投げた音玉が曲がる気配が全くない。曲がりもしなければ落ちもしない。

350源ちゃんのソロが冴えわたる。
厳格なソロだ。
そう、源ちゃんのプレイには他人の意見など絶対に寄せ付けない孤高の厳しさを感じる。

360vその源ちゃんのプレイを下手で支えているギター・サウンドもMarshall。
杉浦さんはリズム・ギターでガッチリ!
380v
続けて「Chained Mystery」。
「待ってました」感のテンションが落ちない客席。すごい盛り上がりようだ!

370そして、NAKED MACHINEのステージの見せ場のひとつ…源ちゃんのア・カペラ・ギター・ソロ。

400v_2 出す音ひとつひとつに重みを感じさせるプレイだ。

Img_0465 今年2月に7年半ぶりにリリースしたセカンド・ソロ・アルバム『PAIN OF CREATION』も大好評だ。
415cd
トリッキーなワザを組み込むワケでもなく、ここでも源ちゃんの質実剛健さが発揮されたプレイを見せてくれた。
もちろん割れんばかりの喝采!

410v持ち時間が少ないのでサッサとセットリストの駒を進めるよ…「Standing alone」。

430v半分ネイキッドで熱演を繰り広げている達也くん。
460v
ドラムはNATAL。
おかげさまで「NATAL」の名もだいぶ浸透してきましたよ~!
日本語のウェブサイトもありゃせんのに本当にありがたいことで…。
それもこれも達也くんのようなNATALアンバサダー、すなわちNATALをお使い頂いているドラマーの皆さんのおかげ。
450v
こんなに後からやって来て、どこへ出しても「音がいい!」とホメられて…幸せなヤツですNATALは。
Marshallファミリーのドラ息子、焦らずジックリ取り組んでいきたいと思っている。
ドラム・キットの買い替え、買い増しをご検討のドラマーさんには選択肢のひとつにゼヒ加えて頂きたいと思う。
200
今月はじめにNAKED MACHINEも出演した自身のバースデイ・コンサートで32曲を叩ききった達也くん。
もちろんドラム・キットはNATALだったワケだが、終演後こんなことを言ってくれた。
「NATALでなければ32曲、とてももちませんでした!」
NATALのキットはとてもよく鳴ってくれるので力を入れる必要がなかったというのだ。
ま、下の写真はどう見ても力が入っているようだけど…もちろん力を入れたら入れたなりのパフォーマンスを返してくれる。
440v
名曲「Eternal Moon」。
この曲、一度聴いただけでバッチリ頭に入った。上に記した達也くんのコンサートでも演奏したんだけど、もうメロディが頭の中から出てきたんよ。
こんなことを思うのは私だけだろうから無視してもらって構わないんだけど、Al Di Meolaの「Race with Devil on Spanish Highway」のメロディを感じてしまうんだな。
それもあって、ものスゴく親近感を覚えるのだ。
そういうのを「名曲」と呼ぶ。
またね、魅力的な声でカッチリと歌うKANちゃんがいいんだ~。
420
源ちゃんはいつもは1959派。
普段から寡黙な源ちゃんにはやはり硬派な魅力に横溢しているな。
「言いたいことはオレの指が言ってくれる」…コレはリッチーのセリフだっけ?それが源ちゃん。

470v本編を締めくくったのは「Fight to Survive」。

480全部で6曲と短いステージではあったが、写真を見ての通り…

490「五人六脚」とでも言いたくなるような完璧なまでの一体感が素晴らしい!

500vハードロック、へヴィメタルのコアの部分を受け継いでいってくれるチームであることは間違いない。

510vアンコールに応えて「Walk Don't Run」ですべての演目を終了した。

520v来る5月27日には同じくココ目黒鹿鳴館で『NAKED MACHINE presents 源多朗生誕祭』なるイベントが開催されるのでそれも楽しみだ!

NAKED NACHINEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIALWEBSITE

5301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月4日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2017年4月11日 (火)

【春のオガンちゃん祭り 2017】 Tomi-Isobe Blues Dogs 士農工商犬ブルースマン

【春のオガンちゃんまつり 2017】の最終回は久々の高円寺JIROKICHI。
在米ブルース・シンガー/ギタリスト、Tomi Isobeの登場だ。
JIROKICHIは1975年のオープン。
創業40余年の老舗ライブハウスだ。
ところが私はほとんど来たことがなくて、初めてお邪魔したのはChris DuarteのバックをSavoy Truffleが務めた時のことだから、さほど昔ではない。
考えてみると、初めての時もオガンちゃんだったんだな。
Marshallという商品のキャラクターから、この仕事についてからもお邪魔することがなかった。
正直、今回が人生で3回目か4回目…多分3回目。

10…ってんで、以前は楽屋にも入ったことがなかった。
そして、今回楽屋にお邪魔させてもらって「おお~!」ということになった。
それは壁に飾ってある歴史的なポスターたち。
『生聞』!
残念ながらポスターには開催年が記していないので、いつのコンサートなのかは正確にはわからないが、憂歌団の名ライブ盤、『生聞59分』がリリースされたのが1977年のことだからその近辺だったのだろう。
ちなみにこのアルバムをリリースしたレーベルはSHOWBOAT。おもしろくない?東京エリアの人以外にはピンとこないか…。
高円寺つながりね。そして、高円寺といえば、ウチは「太陽」の煮干しラーメンか「天すけ」の天ぷら定食卵つき。
最近は「セルフ焼肉」とかいうのも登場して話題を呼んでいるようだ。
「渡辺貞夫とのクロス・サウンド!」なんて書いてある。
4:30開場で6:00開演っていうのがスゴイな。
不幸にも塩次さんは亡くなられてしまったが、他は今でもバリバリと精力的に活動を続けている方々ばかり。
その40年前の演奏…さぞかしスゴかっただろうな。

20vこんな憂歌団のパネルも。京都のサーカス・サーカスの時の写真なのかな?
調べてみるとサーカス・サーカスも1975年のオープンだったそうだ。
まだお店がある時分に二度ほどバンドで京都へ行ったが残念ながらお邪魔したことはなかった。
で、ヨソさんのウェブサイトを拝見すると、このい店は終演後「反省会」というものがあって、お店のマスターからバンドの演奏に関して気になるところをズバズバ注意されていたらしい。
つまり、お店の人も真剣にバンドの演奏を見ていたんだろうね。
とにかく今はライブハウスが多すぎるって!
私の感覚では1/50ぐらいに減らしていいのではないかと思っている。
そうすればチョットやそっとじゃライブハウスに出れなくなって「すこしでもいい音楽を作ろう」とか「他のバンドと違うことをやろう」とかいう風潮が強まって音楽がよりよいモノになるのではなかろうか?
そうすればミュージシャンの地位も上がるし。
我々が高校の頃はライブハウスに出演できるなんていうのは、「成功」の部類だったからね。
今は「どこそこに出ている」なんて聞いても何の驚きもないし、そもそも毎日のようにライブハウスができるのでもうサッパリわからん!
ヘタすりゃ武道館で演奏することもさして凄みがなくなって来てるような気がするもんね。
以前にも書いたけど、ラジオを聴いていてブッたまげたことがあった。
バンドは誰だったか忘れてしまったが、ひと通り成功を収めているようで、こんなことを言っていた。
「ボクらがココまでこれたのは、まだロクに演奏できないうちからステージに上がらせてくれた○○というライブハウスのおかげです」
ハ?
The Shaggsか?
「演奏できないうちからステージに上がる」って一体どういうことなのでしょうかッ?
ま、私はそんなのおかしいと思うけどね。観客からお金を取るんでしょうに…。
いくら成功したとしてもそんなの一時的なもので、ナニひとつ音楽的な業績を残すことはないでしょう。

80
このポスターも年が載っていないのでいつのものかわからないが、この年の3月に出演者していたのは…
鈴木茂グループ/エド+シバ/ミッキー吉野グループ/水橋孝/友部正人/渡辺貞夫/金子マリ/
上田正樹とサウス・トゥ・サウス(3日)/大友義雄/本田竹広
…となっている。
ジャズの人が多かったんだね~。

40v20周年記念月間のポスター。1994年とある。
上に記した通り、モノの本によると、オープンは1975年2月となっているので、少し早めに記念したのかな?
ボ・ガンボスに始まって、金子マリ、ムッシュかまやつ、上々颱風、峰厚介、木村充輝+渋谷毅、シナロケ、増尾好秋、山下洋輔、ウエストロード、香津美さんも出演している。
そして締めくくりはNATIVE SONというすごいラインナップ!
このまだ音楽が熱かった時代は一体どこへ行ったんだ?

30v

2000年2月の25周年記念月間。
20周年の時と比較的似たラインナップ。

70v

30周年記念月間。

50v35周年記念月間。
マリさんとか木村さんとかズ~っと参加し続けている方が少なからずいらっしゃるところがスゴイね。

60vそして、今日のポスターがコレ。
「士農工商犬ブルースマン」だって!
ブルースマンの地位は犬より低いということらしい…そんな!
あ、Marshall Blogでは「ブルーズ」という表記を使いません。ミスタイプではないのであしからず。
最近、井上ひさしの本で読んだのだが、「士農工商」といったって、江戸時代のお百姓さんのイジメられようたるや、それはそれは悲惨なモノだったらしい。
なんだかんだ言っては厳しい年貢を課し、そこからまた搾取が繰り返されるという…ま、今も似たようなことが一般市民に向けて形を変えて行われているワケだけど、時に名前は忘れちゃったけど、将軍様に収める米を作る天領の農家は地獄だったという。
何しろ、規定があって、米一俵の中に傷んだコメが数粒以上入っていたらハイもうおしまい。
コレは持ち回り制になっているが、当番に当たった天領の農家は、村人が総出で米を一粒ずつチェックしたというのだ。
でも、こうした米農家より悲惨なお百姓さんがいたのだそうだ。
それは「藍百姓(あいびゃくしょう)」といって、あの青い染料を作る農家のこと。
英語で言えば「インディゴ」なんてカッコいいけど、あの藍を作る農家の生活の辛さは米農家をしのぐ想像を絶するものだったらしい。
興味のある人は井上ひさしの伊能忠敬の伝記『四千万歩の男』をご一読あれ。

90vハワイ在住の日本人ブルース・マン、Tomi Isobeの日本ツアー16本。
その前半の東京公演のうちのひとつのレポートが今日のMarshall Blogだ。

100Tomi Isobe

110小笠原義弘
230v
Marshall Blogでは珍しいリハーサル時のショット。
2img_0019 オガンちゃんの後ろはEDEN。

120先代のフラッグシップ・モデル、WT-800と4x12"キャビネット、D410XST。

130v足元のようす。

140小野秀夫
ツアー中、ドラムスは公演によってはロジャーさんが担当した。

150v稲葉政裕

160vコレもリハーサル時のショット。

2img_0018 稲葉さんが使用するMarshallはASTORIA CLASSIC。抹茶くん。
ASTORIA CLASSICは「私がいい音を出しますから、お好きなエフェクターで安心してギター・サウンドをアナタ色に染めてくださらないこと?」。
そんな高貴なマダムがASTORIA CLASSIC。

170今日、稲葉さん色にASTORIAを染め上げるツールはコレ。

180アメリカ在住のIsobeさんの人生を音楽で語り上げていこうというご自身でも初の試み。
スタートは寒い寒いシカゴ。
シカゴと言えば『お熱いのがお好き(Some Like It Hot)』。もう死ぬほど好きな映画。
あれは殺人事件を目撃したミュージシャン、ベーシストのジャック・レモンとサキソフォニストのトニー・カーティスが女装をしてフロリダへ逃げる話。モンローがメチャクチャ可愛かった。
「Nobody's perfect」という最後のセリフはアメリカ映画の名セリフ100選の48位に選ばれているらしい。
挿入歌「Bye Bye Baby」はジャズ・スタンダードにもなっているし、Barney Kesselは『Some Like It Hot』というジャズ・アルバムを作っている。
「Windy City」の愛称で知られるシカゴってのは寒いんだってね~。
しばらく住んでいた家内の友人から聞いた話では、厳冬期には外出禁止令が出るとか…。無防備に外に出て冷気を吸い込むと肺が凍って死んじゃうんだって!
私は暑いところだったら寒いところの方がいいけど、さすがにそれはチョット…。

190TomiさんのシカゴはLAに向かう国道66号線の起点。
そう、歌うは「Route66」。

200vTomiさんが向かうのはココ。
サンタモニカにあるRoute66の西の終点だ。
以前『名所めぐり』で紹介したので興味のある方はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり <番外編>】マーブロ聖林へ行く~Mar-Blo Goes to Hollywood <後編>

800 今日の稲葉さんはES-335。
ASTORIA CLASSICとES-175の組み合わせは試したことがあるが、セミアコの音は初めて耳にする。
ん~、「メッチャいい音!」とか言いようがないわ、こりゃ!

210v「シカゴからカリフォルニアに行ったんですが、遊びすぎて奥さんに怒られてブルースに入ります。僕の人生そのものです。『ちょっとヤバくなって来たな~』という歌」

220Lightnin' Hopkinsの「Trouble in Mind」。
Tomiさんの歌声はのびやかでとても味わい深いものだが、ギター・プレイもウォームで実にいい感じだ。

240vピックを使わない指弾きスタイル。
これで16分音符のカッティングを演っちゃう。

2s41a0177 稲葉さんのソロ。
このプレイあってのASTORIAサウンドだな~。
ところで、多分なんだけど、今稲葉さんでMarshall Blog史上初めてのことが起こっている。
ナンだと思う?
同じ週内ではないんだけど、7日間、すなわち一週間のうち、プロのギタリストが親子でMarshall Blogにご登場いただくのは初めてのことではないかしらん?
稲葉さんのご子息は喬之くんといって、先週の金曜日【オガンちゃん祭り】の一本目にご登場頂いた。
ご協力ありがとうございます!

250v「自分の人生にトラブルが入って来た!でも、まだあきらめない。今はダメだけどまた朝日が必ず上ってくる…と思っていた頃の曲」
オリジナルの「I'm Messed Up」。

260vこの曲のオガンちゃんのランニング・ベースがあまりにもスゴかった!
もうトリハダ立ちっぱなし。
オガンちゃんの中でも私が最も好きな類のプレイ。

280

この右手。
何かこう豆をつまむような動きとでも言おうか…チョットぎこちないように見えるんだけど。

290この右手が呆れるほどすさまじいグルーヴを出すんだな~。
フト気が付くと、Art Taylorのプレイとか、右手のシンバル・レガートの「♪チンチキチンチキ」だけ聴いていて1曲終わっちゃったりすることがあるんだけど、このオガンちゃんもそう。
ベース・ラインだけで一曲聴けちゃう。

300「引きこもりになってしまった…昼間からカーテンを閉めてバーボンを飲んで…」
曲は有名な「Woke up This Morning」…「朝起きたらオレのベイビーがいなくなってた」というブルースの基本にして古典的ナンバーをルンバで。
ウシャコダも昔よく演ってたな~。

2img_0052 稲葉さんとの掛け合いが楽しい!

310続けてブルースのスタンダード、「Thrill is Gone」…ウワ!コレも偶然金曜日に出たばかり!
奥さんがいなくなってオレは自由だ!
ということで、Tomiさんはシングル・ファザーになった。
オリジナルで「Single Daddy Blues」。
と、こんな調子でブルースでTomiさんの半生がつづられていく。
第一部を締めくくったのは最後はBilly Paulという人の「Me and Mrs. Jones」という曲だった。

380 
休憩をはさんで始まった第二部もTomiさんのオリジナル曲とブルースのスタンダード曲でショウは展開した。

2img_0045 Freddie Kingの「Sugar Sweet」ではまたしてもオガンちゃんのスーパー・プレイが!
ク~、タマらんぜよ!
360
小野さんとのコンビネーションも最高!
330
そして、この曲での稲葉さんのソロが本当にスゴかった。
フレーズ、構成、音色…どれを取っても完璧以上に完璧!
あまりにもすごいソロに客席から大きな拍手が浴びせかけられた。当然です。

320vイヤ~、この2人、わかっちゃいるけど恐るべし!
アレ?MarshallにEDENじゃん!偶然だな~。

270

Ray Charlesの「Unchain my Heart」。

340v歌にギターにとTomiさんの熱演もすさまじい!

400v
その熱演を支える完璧なバック陣。
370v

390v
「Unchain my Heart」ではバップ・フレーズがガンガン飛び出して来て気持ちいことこの上なし。
これが「イナバップ」か!←コレは私が勝手に言っているだけです。
410v
Tomiさんは21歳ぐらいまで六本木や赤坂のクラブのハコバンをされていたそう。
黒人と自分の声のどちらが大きいか比べたくて何もわからずにジョージアへ行ってしまったという。
そんなバカな!
最後の曲は稲葉さんのルバートのソロで始まった。
350「Georgia on my Mind」
2img_0120
アンコールでは飛び入りゲストをお迎えした。

420シカゴ時代からの盟友、菊田俊介!
菊田さんとは以前Marshall Blogでもレポートした教則DVDの撮影の時以来。
4年ぶりにお会いしたんだけど、一発で思い出してくださってビックリ!
さっそくASTORIA CLASSICにご興味を持って頂いた。

430v菊田さんを迎えてのJunior Wellsの「She Wanna Sell my Monkey」!

440v
ソロが全員に回される!
460v

470v

450v

そして、また菊田さん!

1s41a0236 イヤ、もう演奏もショウの構成も最高に楽しめる素晴らしいライブだった!
  
Tomi Isobeの詳しい情報はコチラ⇒Tomi Isobe Music

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

480【春のオガンちゃん祭り 2017】はコレで終了。
また来年!
オガンちゃん、ありがとう!

490(一部敬称略 2017年3月23日 高円寺JIROKICHIにて撮影)

2017年4月10日 (月)

【春のオガンちゃん祭り 2017】 小笠原義弘×濱口祐自 WITH A SECRET GUEST ON DRUMS!!

今日の『春のオガンちゃん祭り 2017』でお邪魔しているのは汐留のBLUE MOOD。
隣は築地の青果市場、そしてチョット先は築地魚市場。
考えてみれば、ココはロンドンのコヴェント・ガーデンとマンハッタンのフルトン・マーケットが合わさったようなところだな。
あ、…出ちまった、フルトン・マーケット。自分で出したんだけど。
そんじゃ今日はまずニューヨークで脱線させて頂くよ。
私にしては珍しいアメリカ・ネタだよ。

10v私はね、ニューヨークは大好きなの。
下は1996年に初めてニューヨークへ行った時、タイムズスクエアのVirginで買った『Leonard Berstein's New York』というコンピレーション・アルバム。
リリースされたばかりで店先にドカンと平置きされていた。
レナード・バーンスタイン…イヤ、ここからは「レニー」と呼ばせて頂きますよ、ミスター・バーンスタイン。
このアルバムは、レニーが手掛けたニューヨークを舞台にしたミュージカル、『On the Twon(踊る大紐育)』、『Wonderful Town(日本未公開)』、『ウエストサイド物語』等の代表曲をコンパイルしている私の大の愛聴盤。
コレで知ったのだが、『Wonderful Town』の挿入曲で「What a Waste(何たるムダ)」というのがある。
成功を夢見てニューヨークにやってくる若者を諭す歌だ。
これが実にいいんだな。
「故郷へ帰りなさい。西へ戻りなさい!お前が元いたところへ帰りなさい!一体どうしてオハイオを捨ててきたんだ?」と始まる。
おもしろい曲なので歌詞をチョット訳してみようか?
「目を輝かせたキミのようなたくさんの若者が毎日街にやってくる。
天下を取るんだと言ってね。
ピューリッツァー賞を獲るんだって言ってね。
でもヒドイもんだよ。みんな厳しい現実にビックリしているよ。
結果は…トムもそうだった、ディックもそうだった。
そして私もそうだった…っていうのが関の山だ…」
とここから成功を夢見てニューヨークへやってきた若者の経験談が始まる。
 
「ダルースの生まれながらの作家。
7歳で本を出した天才タイプだ。
学校では演劇の台本を書き、新聞を作っていた。
もちろん学校は主席(summa cum laude)で卒業…でも、そんなことはどうだっていいこと。
ニューヨークにやってきた。
出版社のスタッフで働かせてもらった。
チャンスと言えばそれだけさ。
それからいうもの私は一言も書いていないよ。
何たるムダ!(What a waste!)
何たる時間と金のムダ!」
自分のことだったんですな。
  
「デトロイトの素晴らしいアーティスト。
ピカソが驚いた。
フランスに渡ってベレー帽を買った。
モンマルトルに住んでガッチリ勉強した。
ニューヨークにやってきた。
個展を開いた。
ケチョンケチョンに叩かれた。
今ではバスの中の歯磨き粉の広告のデザインをやってるよ!
何たるムダ!
何たる時間と金のムダ!」
おもしろいナァ、もうチョット付き合って!
 
「ケープ・コッドの若者は漁師の家の出だ。
よく通るバリトン・ヴォイスの素晴らしい歌手。
ボートを借りて練習したけど、チャンとした歌の勉強がしたくて仕方ない。
ニューヨークにやってきた。
オペラをやるためだ。
望み通り『リゴレット』を歌った。
今はフルトン・マーケットで『さかな、さかな~!』って叫んでるよ。
何たるムダ!
何たる時間と金のムダ!」
  
ココでフルトン・マーケットが出てくる。
一度見に行ったけどエラクにぎやかだったナァ。
ところでこういう物語調の曲ってのは日本人は不得手だよね。
ま、音楽と物語の融合ということで言えば日本は浪曲という強力なエンターテインメントがあるけどね。
それと、ロンドンもそうなんだけど、自分たちの街を賛美する歌。日本はまったくコレに弱い。
日本では大阪の人たちは比較的そういう曲を好むけど東京勢は…「東京ワッショイ」ぐらいか?
ま、コレもね、関東大震災と東京大空襲がなければ「東京の唄」ってのがもっとあったのかも知れないよ。
東京だけじゃなくて「♪鬼無里~、鬼無里~」なんて歌があってもいいと思うんだけどね。
  
もうチョット…レニーと言えば、『ウエスト・サイド』。
無理して『エレミア』や『不安の時代』なんて交響曲も聴いてはいるけど、やっぱり『ウエスト・サイド』。
大ゲサではなくて、人類にとって『ウエスト・サイド物語』の曲たちよりいい曲を作ることは不可能だと私は考えている。
レニーの生きた時代に生まれてラッキーだった。
で、「多分」なんだけど、先日佐渡裕さんを高円寺でお見かけした…ような気がする。
一度だけオーチャードで佐渡さんが棒を振るのを観たことがある。
演目はショスタコーヴィチの「交響曲第5番」と「ウエストサイド」のメドレーだった。
カッコよかった。
佐渡さんはレニーの最後のお弟子さんだ。
もひとつ、1967年11月、小澤征爾が指揮をする武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」の初演をカーネギー・ホールで聴いたレニーは「なんと強い音楽だ。人間の命の音楽だ」と目に涙をためて語ったという。
    
私はね、死ぬまでにとにかく少しでも多くの色んないい音楽を聴きたいと思ってこんなことをしてるんですわ。
実際、面白いし。
でもね、年寄りはやっぱりダメ。死んでいくだけだから。
ミュージシャンもリスナーもとにかく若いうちに色んな音楽を聴いておくべきだよ。
「What a waste!」なんてことにならないようにね。
そう思ってこんなことを書いているの。
内容があるような、ないような変なオープニング・トークでした。

Img_0130さて、本題。
この日のことは、もちろんオガンちゃんから事前に情報をもらっていたんだけど、正直ナニをどういう風にやるコンサートかあまり要領を得ないでいた。
でも、オガンちゃんが演奏するならなんだっていい音楽にキマっているので、安心して出かけて行った。
ライブの見出しはオガンちゃんと「濱口祐自」という人。それに謎のドラムのゲスト。
どうなってるんだろう…謎の出演者を含む下のチラシの三人が一緒に演奏するというこか?
イヤ、やっぱり不安になって来た!

20で、行ってみた。
ショウがスタートすると、まずは濱口祐自がソロでステージに上がった。
そういうことか…。

30濱口さんは2014年、還暦を前に久保田麻琴さんのプロデュースによる『From KatsuUra』でメジャー・デビューした話題のフィンガー・ピッカーだ。

Fk 「KatuUra」とは和歌山の勝浦のこと。
濱口さんは那智勝浦で生まれ育ち、80年代にはマグロ漁船に乗ってパプア・二ューギニアへ遠洋漁業に行き、その後様々な職業に就き、ドイツやフランス等でストリート・ライブを展開し、そして音楽の表舞台に現れた。
那智の滝って社員旅行で行ったな~。カッコいい滝だった。
で、この濱口さんが最高だったの!
時折Marshall Blogで触れることがあるが、私は以前の勤め先でアコースティック・ギターの仕事に携わったことがあったが、アコースティック・ギター・ギター・ミュージックを自発的に聴いたりすることはまずもってないんだよね。
無理して言えば、Doyle DykesとかSteven KingとかGuy Van DuserとかPete HuttlingerなんかのCDをホントに時々引っ張り出してきて聴くぐらい。
ところが、濱口さんと来たら!
思いっきり自然にギターの音が耳に入って来てグイグイと引き込まれてしまった!

40vまずはボトルネックを使った土臭いプレイ。
「Rollin' and Tumblin'」かな?
「Amaging Grace」のアレンジが素晴らしい!

50足台がピンク色でかわいい。

60ブルースものをフィンガー・ピッキング・スタイルで…。
70v深みのある歌もとてもいい感じだ。

80濱口さんの魅力は音楽だけではない。
「すまんのう。弦が切れてしもたのう。弦が切れてしもた。エライ、すまんのう。」…口で真似することもできないのに、文字で表現することなど到底かなわないが、濱口さんの語り口は今まで耳にしたことがないものだった。
特段おもしろいことをしゃべっているワケではないのだが、殺人的におもしろい!
「那智弁」とかいうのかどうかは知らないが、関係者の方にお聴きすると、濱口さんの言葉は那智勝浦のごく限られたエリアでしか使われていない方言なのだそうだ。
独特の口調があまりにも楽しい。
この方言も含めて、会った瞬間にグッと人の心を惹きつける強力な何かを持っていらっしゃるのだ。
そして、一旦音楽を奏でるとコレが底抜けに美しい。

90vレパートリーもすこぶる魅力的で、ケルト風にアレンジした日本の童謡や、サティの「ジムノペディア」のフィンガー・ピッキング・バージョン等々、次にナニが出てくるかが本当に楽しみなのだ。

S41a0052 濱口さんのステージの最後に例の謎のゲスト・ドラマーが登場。
そのドラマーとはYonrico Scott。
この人のこと後で詳しく紹介する。

100アコースティック・ギターとドラムのデュオ。

120曲は濱口さんアレンジの「Caravan」。
あのDuke Ellingtonとエリントン楽団のトロンボーン奏者、Juan Tizolの共作の有名な「Caravan」。

130Yonricoはブラシで猛烈にスイング!

140この濱口さんのアレンジがメッチャかっこいい。
そして、つけ入るスキのない完璧なプレイ!

150最高にスリリングな「Caravan」だった。
もっと聴きた~い!

160当日、濱口さんはラインでアコースティック・ギターを鳴らしていたが、Marshallのアコギ・アンプ、AS100Dを紹介したところ大きな興味を示して頂いた。
日本のアコギに関するPAはライン天国だが、海外は違うからね。
アコギ・アンプを使うのがスタンダードだ。
その理由は音にパンチ力が出て、手元で音が作れるから。
さっそくこの日の一週間後にAS100Dを濱口さんにお使い頂くチャンスがあったのだが、コチラがつかずやむなく断念。
近々、AS100Dで濱口さんのステキなギター・サウンドを耳にすることを期待している。

1as100d濱口祐自の詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

170vそして、ステージは次の展開に進む。
冒頭、トーキング・ドラムを奏でながら登場したのはさっき濱口さんと共演したYonrico Scott。
185
今度はYonricoのバンドの出番だ。

180Yonrico Scott

190v小笠原義弘
今日のオガンちゃんはこのバンドでの登場だ。

200vアンプは当然EDEN。
キャビネットはいつものD410XSTだが、上に乗っているヘッドの様子がチト違う。

210v今日オガンちゃんはTERRA NOVA TN501を使用。
コレで500W。
現在ヒット中のEDENのアンプ・ヘッド。
オガンちゃんはこの日初めて使用したが、すぐに自家薬籠中のモノにしていた。
さすが!

Tn501_2ギターは森達哉。

220vキーボードは工藤舜也。
二人とも若い!

230vYonricoはThe Derek Trucks Bandのドラムスを長きにわたって務めている。
他にもStevie Wonder、Whitney Houston、Sammy Davis Jr.、Aretha Franklin、Buddy Guyらと共演してるスゴ腕ドラマー。

240昨年『Life of a Dreamer』というアルバムをリリースしたばかりだ。
ショウはそのタイトル曲でスタート。

250フュージョン・タイプの16ビートのワルツ。
オガンちゃんのダイナミックなベース・ラインが気持ちいい!

260v続いてはFreddie Hubbardの「Povo」。FreddieのCTI時代の作品、『Sky Dive』のオープナーだ。

330

プロ・ミュージシャンに向かって失礼なんだけど、しっかし向こうの人って歌ウマいよな~。
昨年亡くなったB.B. Kingに捧げて「The Thrill is Gone」。
何でも「Yonricoは歌って叩けるドラマーが夢だった」そう。
「その夢がようやくかなった!」なんて喜んでいたけど、普段歌ってないの?ウソでしょ?!

260コルトレーンの急速マイナー・ブルース「Mr. P.C.」。
オガンちゃんはこの曲はChris Duarteのところで演っているハズ。
「P.C.」とは50年代のジャズの黄金期の低音域を支えた偉大なベーシスト、Paul Chambersのこと。
オガンちゃんの4ビートもまたよき哉。

270ピアノがすごくヨカッタ!
まだ相当若いだろうに、カッコいいフレーズがジャンジャン出てくる!

280一曲はさんで「Red Baron」。
オガンちゃんによるとYonricoはBilly Cobhamが好きなんだって。
さっきのFreddieの『Sky Dive』のドラムスもCobhamだ。
この後、「Stratus」が出てこなければいいのだが…。

290いつになく真剣っぽいオガンちゃん…に見えるが至って普通。
もうアメリカ人が繰り出すリズムは完全に吸収しちゃってるから!

300v今度は「Red Clay」。
Yonricoさん、CobhamというよりFreddieファン?
Freddie Hubbardといえば当然ハードバップ期からつい最近までジャズ界を代表し続けた「オレが、オレが系」の名トランぺッターだったが、2008年に鬼籍に入ってしまった。もう10年近く経つのか…。
Freddieって作曲家としても一流で、このジャズ・ロックの代表曲の他にもカッコいい曲を結構残してるんだよね。
カリプソ・メロディの「Breaking Point」とかVSOPで有名な「One of a Kind」とか。
Blue Noteに名盤がたくさんあるけど、ヘソ曲がりな私は1969年のドイツのMPS盤、『The Hub of Hubbard』が大好き。だって気持ちいいんだもん!ものすごいドライブ感でさ。
まさにジャズのスピード・メタル!
ああ、Freddieで思い出してしまった。
最近見かけなくなったけど、よく「クマさん」というスキンヘッドで着物を着たオジちゃんがよくテレビに出ていたでしょう?
「ゲージツ家」の篠山勝之さん。
この人、吹けないんだけど趣味でトランペットをやっていて、ポケット・トランペットという小さなトランペットを持って歩いていた。
海外のジャズ・フェスティバルかなんかで、それを見つけたある黒人がクマさんに近寄ってきて、「キミ、トランペットをやっているのかい?」と尋ねた。
「まぁな…」と答えたクマさん。
その様子を遠巻きに見ていたお付きの人が後でクマさんにこう訊いた「クマさん、あの人を知っているんですか?」。
「いいや、知らネェんだよ。ラッパやってんのかって訊いてきたんだよ」と答えたクマさんに向かってそのお付きの人が言ったのは、「『知らない』って、あなた、あれフレディ・ハバードですよ!」
「エエッ?! バカ、それを早く言え!」
と驚いたという話を聞いたことがある。
この曲は例のニュー・アルバムでも取り上げていてギターがハードにテーマをキメている。

310vドラム・ソロでは素手のドラミングも披露。

320「Footprints」も出てきたよ!
なんかいいね~、60年代から70年代のかかりぐらいのレパートリーで固めるジャズも!

340vYonricoの指示をうかがう三人。
実は、リハーサルが大変だったのよ。
かなり細かいところまでYonricoが指示を出すので、言葉の問題もあって緊張の連続だったの。
オガンちゃんはまったくいつも通りだったけど…。
でも、そのYonricoの様子は「とにかくいい音楽を作るんだ!」という気魄に満ち溢れたものだった。
いつも思うんだけど、外人と日本人のミュージシャンの大きな違いのひとつとして、外人はまず「音楽」。ナニがあってもなくても自分の「音楽」を作ることを優先する。
反対に日本人は、まず「楽器」(「音」と言ってもいいかもしれない)が先に来ているような感じがするナァ。
外人は楽器に無頓着というワケではなくて、「楽器なんか後からついてくる」…というか、どんな楽器でも自分流に鳴らしちゃうんだよね。
プロなんだから音がよくて当たり前。そこからどういい音楽を作るか?あるいは聴き手を楽しませるか…コチラの圧倒的に重点が置かれているような印象をいつも受ける。

350_2

オリジナル曲をはさんで、あ~出てしまった…「Stratus」!
今日はオガンちゃんがこの延々と続く同じベース・ラインを弾くのか!

370もう「耳タコ」状態の「Stratus」だけど、コレはすごい演奏だったな。

380v「♪デドデドドデデド」と百万回ぐらい弾くオガンちゃんもまたよき哉。
TERRA NOVA、音いいわ~!

390vアンコールには濱口さんも迎え入れてのブルース・セッションだった。

400またココでもYonricoが渋いノドを披露。
ホントに楽しそうに歌っていたよ。

360v

濱口さんはディストーションをカマしてのブッ飛びプレイ!

410こんなんオガンちゃんじゃなきゃ務まらんね。
いつもながらのオガンちゃんの最高のリズム・パフォーマンスだった!
 
小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

420(一部敬称略 2017年2月23日 汐留BLUE MOODにて撮影)

2017年4月 7日 (金)

【春のオガンちゃん祭り 2017】 KISS THE SKY 1967 to 2017 tour~ KISS THE SKY編

ようやくあたたかくなってきましたな~。
春ですわ~。
「春」といえばオガンちゃんですわ~。
今日から三日間、『春のオガンちゃん祭り』。
広規さんから続いて日本を代表するベーシストにご登場頂いてシアワセですわ~。
今日のオガンちゃんは中野のシゲさんとのKISS THE SKYでの登板となる。
昨日から連載している『KISS THE SKY 1967 to 2017 tour』の東京公演のトリですわ~、ホンマ。

10中野重夫

20小笠原義弘

30そして、今回のドラムスはロジャー高橋。
パートの名を表す時、ボーカル、キーボード、ドラムは常に複数形ね。

40vKISS THE SKYはもちろんJimi Hendrixの「Purple Haze」の歌詞が元になっていて、「重夫」の「S」、清の「K」、義弘の「Y」の頭文字を並べて「SKY」に当てられた。
アレ、ヘンだな…「清」ってダレだ?
ウソ、「K」はGargoyleのドラムス、KATSUJIさんの「K」だ。
今回はKATSUJIさんが欠席で、ロジャーさんが代わりに参加してくれた。
ご心配なく!
ロジャーさんの下の名前は「和久」さん。「K」だ…うまくいった。
ジミヘンには『Kiss the Sky』というコンピレーション・アルバムもありますな。

50シゲさん、東京公演ではココ下北沢GARDEN自慢の1959を使用。

60vコレね。

70v足元はこんな感じ。
UNI VIBEにFUZZ FACEとワウ。
UNI VIBE以外は代替わりはしたもののアイテムとしては昔と変わらない。

80コレはシゲさんと初めて会った吉祥寺のハンバーガー屋。
17年前のこと。先日前を通りかかって思い出してしまった。
この時からシゲさんの上の足元は変わっていないのだ。
17年前か…シゲさん40台半ば、アタシャ30台後半だよ!
それなのに還暦のお祝いが去年終わっちゃったんだもんナァ~。この時の早さ、信じられん。
初めて会った頃はホントにジミヘンみたいで驚いていたけど、私にはだいぶ前から完全に「シゲさん」だ。
一時サンタナに見えたこともあったが、もう「シゲさん」以外には考えられない。
当時はMarshallのクリニックで札幌から福岡まで回ってとても楽しかったナ。

1img_3085 で、変わったのが音!昔より断然グレードアップしたと思う。
今回は特にスゴかった。
ちょっと音がデカすぎたような気もしたけど…1959だから!

90研究に研究を重ねたトラクション・コントロール・ピッキングが花を開いたというか…

115

そもそもこんなピッキングでよく弾けるナァ…というか。

116

どんな音かと言うと、「パチーン!」、「パキーン!」、「ピシーン」、「コキーン!」…と書き表すよりしょうがない、Marshall 1959とストラトキャスターの組み合わせの音。
この組み合わせの人は山ほどいるが、こういう音を出している人は極端に少ないな。
私の感覚で一番この音に似ていると思うのはUli Jon Rothだ。
何年か前に来日した時、市販の普通の1959SLPを貸し出したことがあったのだが、まさにこういう音だった。
「パチーン!」、「パキーン!」、「ピシーン」、「コキーン!」ね。

180

当然、このMarshallは用途がら無数のギタリストに使われているワケだが、ハコのスタッフの方がシゲさんのプレイを見てボソっとおっしゃったのを私は聞き逃さなかった。
「このMarshallをこんなに鳴らす人を見たのはコレが初めてだ…」
ホンモノのJimiのMarshallの音を聴いてみたかったね~…イヤ、この音が近かったのかもしれない。
Uliは「本物のJimiを2度観た」と言っていたが、ものすごく音がクリーンだったそうだ。

240v

そして、迎え撃つオガンちゃん。
オガンちゃんは愛用のEDENを持ち込んだ。

100EDEN WT-800とD410XST。

110vこのEDENでまるでアップライト・ベースのような、最高に優雅な音を聴かせてくれる。
ホントにそう思ったのかどうかは知らんけど、昔、Joe ZawinulがJacoと知り合う前、ベースの音だけを聴いて「ウッド・ベースを弾いているのかと思った」らしいが、まさにそれ。
とにかくウッディなんだよね。
170v
この時ではないんだけど、オガンちゃんのベースって特に音が大きいワケでもないのにすごくよく聞こえてくるのは「Freddie Green効果」なのではないか?と思った。
Freddie GreenはCount Basie Orchestraのギタリスト。
オケの中で最も音が小さい楽器であるギターをマイクなしでギンギンに響かせていたという。
相手は管楽器13人にドラムス、ベース、ピアノだよ!
いわゆる「ジャズ界の七不思議」の一角だ。
一説によると、コレは誰も音を出していない瞬間を狙ってコードを刻んでいる…というのだ。
そんなバカな!
でも、ベルリン・フィルの弦楽器セクションは、必ずコントラバスの音を先に出しているというからね。
そういう音の魔法があることはあるに違いない。
こういうベースを弾く人ってやっぱり日本には少なくて、オガンちゃんがアメリカで通用する理由がうなずけるというモノだ。
オガンちゃんのベースだけで一曲丸ごと聴けるもんね。
そんな人にEDENを使ってもらえて光栄だ。

225v

もうね、この日は「よい音の博覧会」みたいなものだった。
ロジャーさんが叩くNATALも最高だった。

350

このキットはブビンガ。
リハーサルの時、「やっぱ要らへんな…」とつぶやいて、ロジャーさんはバスドラムに入れていたミュートを全部取り出してしまった。
大二さん、雷電さん、ロジャーさん、みなさんNATALのバスドラムにはミュートを入れないのです。

130とにかくロジャーさんが叩く一打一打の音が最高に気持ちヨカッタ!
やっぱりNATALのドラムって音がいいと思う。すごく音楽的。
細々とやっておりますが、すごくいい楽器だと思うのですわ。

140演目は当然Jimi Hendrixスタンダート。

150「ワシらの演奏でみんなが元気になってくれればそれでいいです!」と言うシゲさんが一番元気!
還暦祝いのコンサート、『わてロク』からこっち、また元気になったような感じ?
ライブの前半はとにかくやたらと威勢が良い。

160v始まってすぐにコレもんですから!

250

こういうのとか…。
330
珍しく「Drivin' Sounth」を…Rolloverの時にほとんど演っていなかったレパートリー。

190やっぱりノッテるシゲさん!

380

今回はオガンちゃんの歌も。
「Blowin' in the Wind」…もちろんBob Dylanのアレね。
一昨日も書いたけど、ノーベル賞受け取ったってサ!

280v

原曲とは程遠いKISS THE SKYのロック・アレンジメント。
Chrisのところではコーラスでガンガン活躍しているけど、オガンちゃんのリード・ボーカルズもいいもんです。
何しろ「21世紀の精神異常者」歌ってるの聴いたことあるぐらいなのよ。

290v

「Red House」。
シゲさんのブルース実に味わい深い。
そういえば今回はFrank Marinoそのまんま弾いてな~。
ところでシゲさんの後ろに見えるのは、そうASTORIA CUSTOM。通称「あずきのアストリア」。
今回は使っていません。

200v

ASTORIAが発売になった時、シゲさんがCUSTOMを弾いてみたい!と言っていたのを思い出してお試し用で持ってきた。
シゲさんが東京に来た時でないと試して頂くチャンスがないやんやん。(←まっさか弁)

210v結果はもちろんバッチリ!
でも本番の1959の前では(実際は横)意味がなかろうということで今回はお飾りで登場した。
ハイ、露出に必死で~す!

220v当然ロジャーさんリード・ボーカルズ曲も!
今回は「難聴」ではなく得意のGS。
日本のロックの原点。

300v

熱唱されたのは「エメラルドの伝説」。
ザ・テンプターズやね。
1968年、50万枚を売ったヒット曲。
「♪湖にキミは身を投げた 花のしずくが落ちるように 湖は色を変えたのさ 君の瞳のエメラルド」
私はまだ小学校に上がったぐらいの時分だったけど、リアルタイムで経験しているので、あのメロディにはこの歌詞が当たり前に聞こえる。
でもコレ、今歌詞だけ見るとスゴイよね。
今の若い人たちの「ありがとう」と「ごめんね」の歌を100曲集めたところでこの「エメラルド」一曲の輝きにはかなわないでしょう。
若い人たちにはまだまだ楽しみが残されているということだ。

310v

もう後は名曲&名演のオン・パレード。

230お定まりの「Foxy Lady」…「Power of Love」

195v

当然の「Fire」…

260v「Hey Joe」も当然出るわね。

S41a0294 「If Six Was Nine」は演らない。シゲさん、この曲は昔っから演らないんだよ。
その代わりでは全然ないんだけど、「Power of Love」の一体感はスゴかったね!

270「Spanish Castle Magic」やら「Voodoo Chile」やら。

315今回は「アメリカ国歌」なしで「Villanova Junction」。

Img_0197 そして、Hendrix本人よりも数多く演奏しているという「Purple Haze」で「Excuse me while I kiss the sky」!

320もう後は野となれ…

325ジミとなれ…。

340ベース・ソロ…
370v
ドラム・ソロも鮮やかに炸裂!

360すべてやりきったスガスガしい表情で本編を締めくくるシゲさん!

390アンコールでは本編のオガンちゃんの「風に吹かれて」に呼応したように「All Along the Warch Tower」を演奏した。

400名曲と…

410v激演、そして極上の音質…素晴らしいコンサートだった!

420vシゲさん、今日も大阪のS.O.RaでBand of Gyapanysの本番。ロジャーさん、清水興さんと一緒。明日はホームのまっさかM'AXA。
今月はKASTUJIさんが戻ってのKISS THE SKYも控えている。
で、5月は昨日登場したJimisenとダブル・ジミヘン。
そして早いもんだよ~、同じ月にまた野獣。鹿鳴館が楽しみだ。

Yajuu 9月にはRolloverも復活するんだって!
ここへ来てメッチャ忙しいよ、シゲさん。身体は大丈夫なのかッ?!
  
一方、オガンちゃんは一昨日、Tomi Isobeさんとのツアーが終わったところやね。お疲れさまでした。
オガンちゃんは一年中、日米で忙しいから…。
そして、【春のオガンちゃん祭り 2017】は来週も続く。

中野重オ夫の詳しい情報はコチラ⇒Official facebook
小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!
ロジャー高橋の詳しい情報はコチラ⇒高橋ロジャー和久OfficialSite

  
※今日のバナーの意味がわかった人、スゴイ。

4301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年2月13日 下北沢GARDENにて撮影)

2017年4月 6日 (木)

KISS THE SKY 1967 to 2017 tour~神風&TheDoomS編

以前すさまじいステージを紹介したKISS THE SKYが再度ツアーを敢行した。
東京公演には複数のバンドを招きにぎやかなイベントとなった。
今日はそのレポート二本の一本目。
まず、ステージに上がったのは前回の公演でもオープナーと務めたThe DoomS。

10ボーカルズ/ギターの佐伯遼平。

20ドラムスの室町公哉。

40v_2サポート参加のギター、稲葉喬之。

50v同じくサポート参加の後藤匡宏。

30v稲葉くんはMarshall。この日はJCM900 4100と1960Aをプレイ。

60vThe DoomSはブルース・ロックのコンセプトを基本にしているようだが、実際のサウンドはおしゃれで都会的だ。

70vそこへガツンと組み込まれる遼くんのソウルフルなギター。
昔、Christopher Crossってのいたでしょ?「Arthur's Theme (Best That You Can Do)」という特大ヒット曲を出した人。
あの人、歌を歌うだけかと思っていたところ、ギター・ソロを引き出したらヤケクソにすごくてビックリしたことがあった。
「都会的サウンド+ギター・ソロ」ということでは、あの時のことを思い出す。
90v
ということでこんなギター・バトルのシーンも。

80随所にちりばめられたソロやバッキングで堂に入ったプレイを見せてくれた稲葉くん。
今日はサポートでの参加だが、普段はベースの後藤くんと一緒にAwesome Handsomesというバンドで「稲バウアー」として活躍している。

S41a0042 「稲葉さん」と聞けば、「うさぎ」より先に、シンガーより先に、我々はあの方を思い出しちゃうよね。

S41a0006 そう、喬之くんは稲葉雅裕さんのご子息なのです。
いいよな~、生まれた時からお父さんがギターの名手だなんて~。
音楽に直結じゃん?
私も父が大工なもんで、小さい頃から釘はよく打たせてもらったわ。

70 遼くんはアコースティック・ギターもプレイ。
実はこの日、しょっぱなから弦が切れるトラブルが発生。
終演後、遼くんに「Roy Buchananという人はステージで弦が切れた時、少しも慌てず、お客さんの前でビールを飲みながら弦を張っていたよ」と言った。
私の子供より若そうな遼くんのこと、Roy Buchananなんか知らないと思ったら…「え~、ホンモノ観たんですか!」と驚いてくれたことに驚いた。
チャンと勉強してるのね!

110しなやかなパフォーマンスを、見えてくれたリズム隊!
130

後藤くんはさわやかにスラップのソロを披露してくれた。

120…と、堂々とした演奏で今回もオープナーの務めを完璧に果たしてくれたThe DoomSなのであった!
 
The DoomSの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

140ひとバンドスキップして…三番手に登場したのは、神風。

150_2神風1号 Jimisen

210v

神風2号 Noggy

170v神風3号 Toshi

180v神風はへヴィ・ファンクを標榜するトリオ。
重めの16ビートにシンプルな歌詞やリフを乗せてそれを繰り返すスタイル。
コレがなかなかに協力だ!

190「神風」は「The divine wind」と英訳されるが、「kamikaze」として英単語の一つになっていて、それがSpellig Bee(英単語の綴りの正確さを競うコンテスト)の問題として出題される…ということを以前Marshall Blogに書いた。
それを思い出して今一度その記事を読んでみたのだが、コレが滅法おもしろい。自分で言うのもナンだが、やっぱりMarshall Blogは面白い。「脱線がすごく楽しい」というのも我ながらうなずける。
その記事はコチラ⇒IMPELLITERI~LIVE in JAPAN
 
下は神風のセカンド・アルバム『The 2nd kmkz』。
英語のネイティブスピーカーが「神風」を発音する時、「kamikaze」とするより「kmkz」という表記して読ませたほうがより自然な「神風」の音に近いからだそうだ。
「kamikaze」だと間違いなく「キャーミキャーズィ」になっちゃう。
まさにへヴィ・ファンク満載の一枚。
ちゃんと「Divine Wind」という曲も収録されている。

1img_0632 一曲目はそのアルバムに収録されている「Zero fighter」。
指のジェスチャーがちゃんと「0」になってる。

160v

一曲目からノリノリのJimisen!
本当は本名で呼びたいところ。「Jimisenさん」っていうのもナンかヘンなので「Jimisen」で行かせてもらいます!

240v

もちろんMarshall。

200二曲目はNoggyの歌。

320

独特のアクション。
ポジションを低くして、猛烈に動き回るサマは神風の音楽のイメージにベストマッチしている。
写真に収めやすい人だ!

220v今回は9か月ぶりのライブとなった。
そして、次は8年ぶりだというドラムスのToshiさんのラップ曲。
270v
…と、へヴィ・ファンク調だけでなく、色々なパターンのレパートリーを繰り出してくる。
でも、そのどれもがへヴィで濃い。
こういっては失礼になるのだろうけど、「ヤケクソ一歩手前の計算が緻密に働いている」とでも言えばいいのかな?
250
しかし、いろんなことをやる人だ。
当日は「禁ジミヘン」のお触れが出ていたJimisen。
イヤイヤ、kmkzバッチリ!

230v猪突猛進、痛快なベースソロも披露した神風2号!
300v

徹頭徹尾、へヴィなビートを叩き出した神風3号!
310v
5月4&5日に中野重夫とのジミヘン競演が控えている神風1号…イヤ、Jimisen!
330v
イヤ~、へヴィなロックの一陣の風だった。
  

Jimisenの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

290<つづく>

(一部敬称略 2017年2月13日 下北沢GARDENにて撮影)

2017年4月 5日 (水)

THE CLASSY ROCK GIG / Koki Tetragon <後編>

休憩の間も広規さんはステージに居座って「クリスマス・イブ」のベース弾き語りを披露するというサービスぶり!
「本物だ~!」とお客さんは大喜び。歌はさておいて、ベースは本物!
ところで、<後編>になってからでナンですが、このギグに「THE CLASSY GIG」というタイトルがつけられた経緯は…CDのライナー・ノーツをご参照あれ!

20_3さて、「固い、固い」と言っていた第一部もアッという間に終了し、Koki Tetragonの「THE CLASSY ROCK GIG」も第二部に突入する。

30窪田晴男

40v_2松川純一郎

50v_3岡井大二

60v_3伊藤広規

70v_3第二部のオープニングは「Red Baron」。
Jeff Beckが取り上げてからというもの「Stratus(ストラトゥス)」が一種のスタンダードになっちゃったね。
下手すると「Stratus」がJeff Beckの曲だと思っている人もいるようだけど、違うからね。
この「Red Baron」も「Stratus」もBilly Cobhamの『Spectrum』収録のナンバーだ。
オリジナルのギターはTommy Bolin。
ベースはLealand Sklar。
LeeってNAMMへ行くと毎日会場をウロウロしていて、やたらと見かけるんだよね。あの猛烈なヒゲなもんだからすごく目立つ。
『Spectrum』のドラムスって誰だっけ?…ってBilly Cobhamか!

Img_0341最近Billy Cobhamの『The Art of Three』というピアノ・トリオ・アルバムを聴いたんだけど、これが存外にヨカッタ。
ナゼかというとピアノがKenny Barronなのね。好きなピアニストなのだ。
ベースはRon Carter。
Billy Cobhamも実にいいんだけど、ドラム・ソロになるとあの調子なもんだからズルっと来ちゃう。でも、それが彼のスタイルだからね。
「Red Baron」と「Kenny Barron」を引っ掛けてみた。
あ、イカン、今日は脱線しないつもりだったんだ!

171bu3miul_sl1500_松川さんと話したんだけど、もう猫も杓子もの「Stratus」はチトご勘弁…ということで「Red Baron」を選んだそうだ。
「Burn」、「Spain」は私の「家では聴かない曲」の東西の横綱。それに引っ張られてロドリーゴの「アランフェス協奏曲」も第一楽章しか聴かない。こうなると第一楽章の方が断然カッコいい。
そんな「Red Baron」を艶っぽく弾く松川さんの相棒は…

90_2Marshall ASTORIA CUSTOM。

100_3窪田さんの後ろにおいてある緑のASTORIA CLASSICとセットで「抹茶とあずき」って言ってた人がいたけど、うまいこと言うな~。

80_rb

「Stratus」のいつ終わるかもわからない、果てしなく延々と続く単調なベース・ラインから逃れた広規さん。
自在に曲の中を泳ぐ。やっぱり「Red Baron」で正解。
この曲はアルバムに収録されていないので、お聴きになりたい方は初回盤特典で音源をゲットするべし!
130_2
窪田さんのスペイシーなソロがスリリング!

120_2ここでも重量感に満ちた円熟のドラミングを聴かせてくれる大二さん。

140_3大二さんのドラム・キットはNATALのメイプル。

150_3スネア・ドラムはNATALの人気商品Staveシリーズのアッシュだ。Staveとは「桶」という意味。

160v_2続いてはそのTommy Bolinの「Teaser」。

170v_ts早逝した天才アメリカ人ギタリストの人気アルバムのタイトル曲。
若い頃、『Come Taste the Band』を聴いて、Ritchie Blackmore在籍時との変わりように「Tommy BolinがDeep Purpleをおかしくした」とTommyをウラんでいるヤツがいたけど、そんなバカな…。
それに『Come Tastes the Band』ってすごくいいアルバムだと思うんですけど。

180vKoki Tetragonバージョンはオリジナルよりチョイとハードな演奏。
その気風の良さが買われてのことか、アルバムのオープナーに選ばれている。

190v_2広規さんのMC。
「固さもチョットはチョットほぐれた感じがあるね…」
お客さん拍手←なんで?
「レコーディングしていることをスッカリ忘れてました。忘れちゃうぐらいじゃないとダメだよね。そうじゃないとチャンと弾こうとしちゃう危ない自分がヤバいよね。」
え~ッ?
窪田さん、「広規さんはどれだけマジメにならないかということで今までの人生やって来られたんですよね?」
広規さん「(即答で!)そうなの!どうでもいい気持と的確なプレイがいいものを生むんですよ。ところが、『どうでもいい気持』ってのがまた難しいんですよ」
…と、何だかわかるような、わかんないような…。含蓄があるような、ないような…。

270v_2

大二さん、それを聞いて後ろで大爆笑!大二さんもそうなんでしょう?
そこかしこに挟まれた脱力系MCがまた最高に面白かった。
「みんなノッてるか~?」なんて絶対やらないから。
せいぜい「みなさんのアルコール血中濃度の方は上がってますか?(窪田さん)」ぐらい。
でも、広規さんも大二さんも、演奏中は全身全霊を自分の出す音に傾けていることはよ~くわかっていますから!

275v
お次はそれこそJeff Beck。
JeffとTony Hymasの共作で「Brush with the Blues」。
これもCDには収録されなかった一曲。

230_bb

演奏の直前、「あ、ゴメン!晴男ちゃんにこの曲のコードを書くの忘れてた!」と松川さんの告白が!
それを聞いた広規さん、「じゃ、演ろう!」

1img_0702_2 ま、何ら問題なく演っちゃいましたが…。
今度はジミヘンで「The Wind Cries Mary」。

200_wcmこの曲はCDをお聴き頂ければおわかりのように、ほとんどオリジナル通りの演奏となった。

210ジミヘン・スタンダードの中ではどちらかと言えば地味な部類に入るが、そういえば、この曲をガツンとアレンジして演っている人って見たことがないな。
Gil Evansも取り上げていないし。
小品ながら完成度が高いということなのだろう。

220v_2いくら音楽の化学反応を期待する偶発性の高いギグとはいえ、基本的な曲順はキマっていた。
しかし、次の場面は違った。
松川さんが「どうしようかな…『ウエイト』しようか?」と言ってダンベルでも持ち出すのかと思ったら(ウソ、ホントは思いませんよ)、The Bandの「The Weight」をプレイ。

240v_wtいくら人気のある有名曲とはいえ、一番の聴かせどころのコーラスまでバッチリなのには驚いた。
残念ながらCDには収録されなかったが、第一部の「The Joker」に呼応したかのような第二部のいいアクセントになった。

250_3そういえば、こんなシーンも…。

130_ld_jc「え、コレな~に? ’D'なの?」…とその場でコードを確認。
広規さんのバンドなのにゼンゼン曲が頭に入っていない!
で、笑っちゃったのは譜面のこと。
松川さんの「もったいないから五線紙は使わないで広告のウラにサインペンでコードを書いている」という話。
こういう皆さんはセッションの時、コード進行とキメだけを書いた簡易な譜面を使っているのね。
曲を知っているので、そういう譜面はほぼ備忘録のような役割にすぎない。
で、広規さん、「だいたい、オタマジャクシが書いてあっても読めないからね(←コレはご謙遜でしょう)。
だってさ~、ヘ音の譜面なんて’ラ’が’ド’だなんて信じられる~?オレなんか「毎回(ラのところから)ドレミファソラシドって勘定しているんだから!幅で読んでるのよ、幅で。」
これには大爆笑。
そうなんだよね。ま、しくみと気持ちはわかるけど、あのヘ音記号の譜面ってのは、ト音の楽器をやっている人には実に煩わしいんだよね。
私もハコバンをやっていた時にずいぶんベースの譜面を書いたんだけど、初めのうちは、知らない間に途中からト音で記譜しちゃたりして。
でも、他に「ハ音記号」ってのがあって、ヴィオラが使うことは知っていたんだけど、コレは「ソプラノ記号」とか「アルト記号」とかそのパートによって基音となる「ド」の場所が移動させて使うんだってね~。
そんなの意味があるのかと疑問に思うが、記譜する方も読譜する方も慣れると使いやすいんだろうね。
反対にサックスの連中がフルートの譜面を読むのがすごく面倒だ…というのもわかる。
でも、「幅で読む」というのは本当らしいね。
マァ、とにかく広規さんほどの大音楽家がそんなことを言うもんだからひとり吹き出しちゃったよ!

140_2 先ごろ亡くなったLeon Russellが好きだという松川さん。
何かLeonの曲を演ろうと思って取り上げたのが「I Got the Same Old Blues」。
それで、よくよく調べてみたらJ. J. Caleの曲だったという。

280v_sob
9小節のブルース。
Lynard SkynardやBryan Ferryもカバーしている不思議な曲。そんな半端な小節数がまったく気にならない。
Lynardの演奏はまるで自分たちの曲であるかのようにメッチャかっこよく演ってる。
Koki Tetragonの演奏はナチュラル。
ココにこなければ生涯知ることのなかった曲。
そういう曲に出会うのもこういうギグの大きな楽しみのひとつだ。

320

ギグもいよいよ佳境。
コレもこのメンバーなら出るべくして出たといってもおかしくはないであろうJoe Walshのスタンダード、「Rocky Montain Way」。

330_2「Teaser」が終わった時、「Tommy Bolinできたから今日はもういいや!」なんてご満悦な松川さんだったけど、この曲って何となくすごく松川さんっぽいイメージがあるんだけどいかがなもんだろう?
ASTORIA CUSTOMのハードな部分がすごくうまく活かされたギター・サウンド!

340vザッコザッコと快適なビートに乗って皆さん気持ちよさそうだ!

350vやっぱりこうした3連の曲にリズム名人の至芸が現れますな。

360v大二さん、今日も終始ニコニコとゴキゲンのドラミング!

370v最後を締めくくったのは、Bob Dylanのバラード、「To Make You Feel My Love」。
Billy JoelとAdelにカバーされたラッキーな曲だ。
そうそう、浅草博徒一代のDylanもとうとうノーベル賞を受け取ったんだってね。
(浅草博徒一代とボブ・ディランの関係が気になる方はShige Blogをどうぞ)

390vシットリと締めくくった本編。
それに続くアンコールも味わい深いバラードだった。
Princeの「Purple Rain」。
分厚いコーラスもすこぶる素敵だったが、延々とリフレインされる二本のギターのフレーズが最高に感動的だった。

400しかし、アメリカだったね。
今日のブリティッシュ勢の要素といえば、元はアメリカとはいえEric Claptonアレンジの「Steady Rollin' Man」、最初にロンドンでブレイクしたJimi Hendrixの「The Wind Cries Mary」、後はAdelぐらいか…これとてDylanのカバー。
イギリス人が作った曲はゼロだった!
イザとなるとアメリカ勢はやっぱり強いか…。
今度はThe Kinks、The Who、Dave Clark Fiveあたりの60年代の名曲を特集したTHE CLASSY ROCK GIGもいいな。ね~、大二さん!
最後はワザワザ熊本から駆けつけてくれた広規さんファンも交えて会場に残ったお客さんと記念撮影。
お疲れさまでした~!

410さて、<中編>、<後編>と二回にわたってお送りした「THE CLASSY ROCk GIG at Yokohama STORMY MONDAY」。
その様子を具にとらえたCDとDVDは本日正式発売です!

420で、ココで<前編>に戻ってアイテムをチェック!

1dvd広規さん、改めまして40周年おめでとうございます!

80_5

せっかくの機会なのでMarshall BlogとShige Blogの過去の広規さん関連の記事のリンクをココに記しておきますので未読の方はゼヒ!
  

★Shige Blog 2012年5月1日初出
名盤誕生!伊藤広規ライブ・アルバム『Relaxin' at IWAKI ALIOS』 

★Marshall Blog 2012年12月5日
ミート・ザ・リズム・セクション~A*I(青山純&伊藤広規)登場!

★Shige Blog 2012年12月5日初出
青山純&伊藤広規『A*I』のライナー・ノーツと撮影

★Marshall Blog 2013年10月30日
本日発売の伊藤広規ニュー・アルバム、そしてチャリティ・コンサート

 

<広規さんとのイギリス珍道中はコチラ>
★Shige Blog 2012年8月23日初出
Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く 1 <マーシャルとアビィ・ロード>

★Shige Blog2012年8月24日 初出
Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く 2 <いつでもどこでもリラキシン!>

★Shige Blog2012年8月31日 初出
Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く 3 <ウォータールー・ブリッジにて>


★Shige Blog2012年9月11日 初出
Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドンを往く 4 <バトラーズ・ワーフでシェー!>

   
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年1月30日 関内LIVE CAFE STORMY MONDAYにて撮影)

2017年4月 4日 (火)

THE CLASSY ROCK GIG / Koki Tetragon <中編>

さて、いよいよ始まったKoki Tetragonの「THE CLASSY ROCK GIG」。
昨日も書いたように、ライナー・ノーツに記したことをココで繰り返したくはないのだが、ま、ほんの少し重複させて頂くことをお許し願いたい。
  
今回もバンド名をつけることになって、私の方から「Koki Tetragon」という名前を提案させて頂いた。
「4人」、「40周年」と、「4」にちなんだ名前がふさわしい…というお題を頂戴していた。
とくれば「Quartet」というのが最も一般的だ。
でもそれでは面白くも何ともない。
そこで「四角形」の意味を持つ「テトラゴン」という単語が思いついた。
怪獣みたいで強そうでしょ?

10v実うぃ言うと、この単語はいきなり頭に浮かんで来たモノではなくて、テナー・サックスの名手、Joe Hendersonの1968年のアルバム『Tetragon』が先に脳裏をよぎったのだ。
Marshall Blog読者ならAllan Holdsworth好きの方も多かろう。
彼が独自の解釈でジャズのスタンダードを演奏したアルバム、『None Too Soon』に収録されている「Isotope」と「Inner Urge」はJoe Hendersonの作品だ。ナゼにAllanがジョーヘンの曲を2曲も選んだのかが知りたいところだが、理由は不明。ま、好きなんだろうね。ちなみに『None Too Soon』はDuke Ellingtonの曲、「All Too Soon」のモジリだ。
渡辺香津美さんは17歳の時にリリースしたデビュー・アルバムでこの「Isotope」を演奏している。
この『Tetragon』、学生の時に聴きたかったんだけど、当時はLPからCDへの移行期で、どうしても手に入らなくて臍を噛む思いをした。
それだけに「tetragon」という英単語が印象に残っていたというワケ。今はCDで入手できるようになったが、結局いまだに聴いたことがない。

Tetr もうひとつ、ナゼゆえ今回のような狭隘なスペースでライブ・レコーディング並びにビデオ・シューティングをしたのか…コレもライナー・ノーツに書いたんだけど…。
それは、演者と観客がフレンドリーな空間でしか起こりえない「音楽の化学反応」のようなものを記録したかったからだ。
もちろん、音楽の化学反応を起こさせるにもってこいの材料と道具が用意された。
15_2そして、見事にその化学反応の瞬間をとらえたのがこのCD『The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』と…20_2DVDの『The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』だ。

1img_0769 それでは当日の演奏の模様をレポートしていくことにしよう。
オープニングはThe Metersの「Cissy Strut」。

30_cs松川さんのギターのカッティングから始まり…

40v広規さんのベースがそれに絡みつく。

50v_2そして大二さんのドラムスが加わった時には、普通の人ならトリハダが立っていることだろう。

60v_2そして窪田さんの繊細にしてダイナミックなソロ。

70v_21曲目から広規さんのソロもタップリとフィーチュアされた。
80_2
さすが、キャリア40年の重みはダテじゃない!
スラップもハーモニクスも出てこないベースらしい王道ソロだ。
しかし、音がいいナァ~。広規さんとMarshallのコンビネーションの音だ。

76v昨日も記した通り、今年は広規さんの音楽生活40年の大きな節目の年だ。
3年前にはMarshall Blogでもレポートした還暦のお祝いを開き、今年は40周年。
ノリにノッてる広規さんなのよ!

そうそう、最近こういうのを教わった。
Marshall Blogに登場するARESZという大阪のへヴィメタル・バンドのシンガーの瑠海狐(るみこ)さんが曲間のMCでこうガナリたてる…「女は80歳~、男は110歳からぁ~!!』…コレが気に入っちゃって!
瑠海狐さん的には人生のスタートラインは、女は80歳。そして、男は110歳からで、皆さん、まだまだ人生が始まってないですよ!スタートラインにも立ってないですよ!…ということ。
長ェ助走だな~。私ですら人生のスタートまで50年以上あるわ!
でも、なんか元気が出てくるセリフだな…と思って気に入ってるの。
ケンタッキー・フライド・チキンのオッサンも60歳になってアレを興したっていうもんね。
80 2曲目はRobert JohnsonのオリジナルをEric Claptonが『461 Ocean Boulevard』でカバーした「Steady Rollin' Man」。

90v_srmCDでも2曲目に収録されている。
広規さんは1曲目が終了した途端、「固いね~。緊張したときはHなことを考えればいいんだよ~」なんて変なアドバイスをされていたが、果たしてそうかな~?
早くもなかなかのレイド・バック状態で演奏を練り上げた。

100_2窪田さんの音頭でお客さんと「カンパ~イ」!

125
こんなことアータ、東京ドームじゃできないよ~!
「音楽の化学反応」もさることながら、もうすっかりアルコール反応が出ている?
まさに企画の勝利!

126

3曲目は「Lady Day and John Coltrane」という曲。
演奏する直前に「コレ、どういうヤツだっけ?」なんてセッション・リーダーである広規さんがおっしゃってマンマとお客さんの爆笑を誘っていたが、コレは私も全然知らなかった。
Gil Scott-Heronという「ジャズの詩人」を標榜する人の作品…と思ったら、ちょっと前にロフト・ジャズの中心人物であったアルト・サックスのArthur Blytheが亡くなり、その調べごとをしていたところ、この「Gil Scott-Heron」という名前を発見した。
ロフト・ジャズの人なのね?
ロフト・ジャズというのは1970年代にニューヨークで起こった、自分たちの解釈で伝統的なジャズを演奏するムーブメント。

160v

「つらいことがたくさんあるけど、ビリー・ホリディとジョン・コルトレーンを聴くと元気が出るということを歌っている」という松川さんのコメントに窪田さんも「そうかな~?!」
窪田さんに激しく同意。
何か音楽を聴いて気持ちを入れ替えようなんて時にコルトレーンを聴く人なんているのかね?
ミンガスなら経験があるけど。
何しろ「私の人生にレジャーはなかった」と言った音楽の求道者がコルトレーンだ。その音楽を聴いて「修行するぞ!」という気持ちならわかるよ。
香津美さんは後年のフリー・ジャズ期のアルバム『OM』を聴く時、体中に油を塗って電気を消して聴いてみたとかおっしゃっていた。
「何だってでそんなことをしたんですか?」とお訊きしたところ、「イヤ、そうすればコルトレーンの考えていることがわかると思って…」とのお答え。コレは修行の一種でしょう。
私も『Expression』あたりでそれをやってみようかと思っている。
120
ハイ、ライナー・ノーツからゴソッと切り捨てたパートにガッツリ加筆してここで大脱線してみたいと思います。
Marshall Blogには滅多に名前が出ることがないJohn Cortraneだからして、ココでロック・ファンの皆さんにおススメの「聴いて元気が出るかも知れない」コルトレーンのリーダー・アルバムの名盤5枚をレーベル別に紹介させて頂こうと思う。
 
【Soultrane】
まずは1959年代後半のPrestige期。
この時期の作品は「ジャズを聴く」という観点ではどのアルバムも楽しい。
「こんなのホントにあんの?」なんて曲がテンコ盛りで勉強にもなるのね。
『Traning In』とか『Lush Life』にしようかと迷ったが、Prestige期最強の人気盤にして名盤の『Soultrane』には負けるか…。

St
【Blue Trane】
このアルバムは今でもよく聴くんだけど、ビートルズで言えば『Sgt. Peppers』、Zappaで言えば『One Size Fits All』、Fleetwood Macで言えば『Rumors』をいつも連想しちゃんだよね。
要するに非の打ちどころがないんだな。
録音は上の『Soultrane』より先なのだが、ズッと先進的なイメージがあるのは曲調もさることながらやはりBlue Noteというレーベルの効果か?
「-trane」だの「Train」だの言っているのは彼のニックネームが「トレーン」だったから。

Bt
【Giant Steps】
Atlantic期。
Elvin不在のRoy Hanesによる「My Favorite Things」がさく裂する『Selflessness』は確かに聴いて元気がでそうな気もするが、やはりコレはハズせないだろう。
2拍ずつ転調する「Giant Steps」のカッコよさもあるが、コルトレーン・スタンダードが数多く収録されているという魅力も捨てきれまい。
この時期、『Coltrane Jazz』も『Coltrane Sound』もいいんだよな~。
この写真!
サキソフォニストの写真を撮る時には必ず何枚か真似してしまう構図。

Gs
【Ascension】
問題はImpulse期。
コルトレーンの代名詞的活動時期なだけにアルバムも宝の山で、一枚を選ぶことに無理があるが、黄金のカルテットの絶頂期とフリージャズをカギに選ぶと自然とコレが浮かび上がらざるを得ないんじゃない?
グジャグジャのフリー状態からイン・テンポになって、猛然とハードにスイングしていく瞬間は何度聴いても感動するわい。
「ascension」とは「上昇」という意味。
あと、『Larks' Tongue in Aspic』あたりのKing Crimsonファンには『Kulu Se Mama』なんかがハマるかもしれない。
どこにでも出てくる『A Love Supreme』や『Live at Village Vanguard』は故意にハズした。

As
【Kenny Burrell & John Coltrane】
最後、5枚目…Marshall Blogなのでギターものを1枚。
Kenny Burrellとの双頭アルバム、『Kenny Burrell & John Coltrane』。
昨日紹介したTommy Flanaganの変形ブルース「Freight Train」はこのアルバムの1曲目。
フリー期のコルトレーンがWes Montgomeryを自分のコンボに誘ったが、「イヤ、無調の音楽チョット勘弁してチョ…」と、断られたという話が残っているが、果たしてコルトレーンってギターが好きだったのかな?
ちなみに、ザッと考えてみると、コルトレーンのリーダー・アルバムに参加しているギタリストって…ひとりもいないんじゃないかな?
さぁ、これで元気になったでしょ?
え、Billy Holidayはどこへ行ったのかって?ごめん、私Billie Holidayって数枚のアルバムは持っていてもほとんど聴かないのですわ。

Kb さて、Koki Tetragon。
「Lady Day and John Coltrane」はこの日一番のアップ・テンポ・ナンバー。
イヤ、スゴかった。
ウネちゃって、ウネちゃって!

150_2

広規さんと大二さんのコンビネーションがすさまじいのなんのって!

Img_0192今、現存する日本のリズムでは最強のチームのひとつではなかろうか?

110v♪チンチキチキチン、チンチキチキチン…「機械じかけのラム」でおなじみの大二さんお得意のシンバル・レガートが気持ちいい~!
ココも間違いなくトリハダ・ポイント。

165広規さんのMCをお借りして、コルトレーンだけじゃなくてLady Dayにも触れておこう。
あ、「Lady Day」というのはBillie Holidayのニックネームね。
ビリーが時の大統領フランクリン・ルーズベルトにちなんで、恋仲だったテナー・サックスの巨人、Lester Youngに「Prez(=President)」というアダ名をつけたところ、レスターはビリーに「Lady Day」というニッネームをお返ししたという。
何でも広規さんがダイアナ・ロスが演った映画『ビリー・ホリディ物語』を観に行った時に併映していたのが『ジョニーは戦場へ行った』だったそう。先に『ジョニー』をご覧になった。
ドルトン・トランボね。
現代は『Johnny Got his Gun』というんだけど、コレ、『Annie Get Your Gun(アニーよ銃をとれ) 』にひっかけていたのかな?
「アニー」はアニー・オークレーという女流射撃名人を主役に据えたミュージカル。
「There's no Business Like Show Business(ショウほど素敵な商売はない)」や「Doin' What Comes Naturally」、英米の子供ならきっと歌える「Anything You Can Do」といった名曲が収められた楽しい作品。
映画はジュディ・ガーランドが体調不良を理由に途中で降板し、ベティ・ハットンが主役を務めたが、ジュディの声でアニーを観てみたかった!
一方、「アニー」ではなくて「ジョニー」…この映画を観たことがある人ならおわかりの通り、そう、あまりに悲惨。
その悲惨なインパクトがあまりにも大きすぎて、広規さんは『ビリー・ホリディ物語』のことをナニひとつ覚えていらっしゃらないという。
わかるわ~。
私が小学生か中学生の時に観た際も二本立てだった。新小岩の西友にあった第一劇場で観たのは覚えているんだけど、もう1本が何だったかをサッパリ覚えていない。
ジョニーが自分の身体の状態を知るシーンはかなりのショックだったし、看護婦さんがジョニーの胸に字を書いて意思疎通を図るシーンは印象的だった。
大人も夢中になってる幼稚なマンガ映画などではなく、戦争によって「ありのまま」ではいられなくなった若者を描いた、こういう悲惨な社会的な映画を今の若い人たちにドンドン見せるべきだと思いますよ。

S41a0495今回のギグはメンバーの楽器の音にも十分に注目して頂きたいのだが、松川さんのギターの音!

170vASTORIA CUSTOMのいいところが存分にフィーチュアされている。
輪郭のはっきりしたクランチ。音の芯の太さはやっぱりMarshallならではのもの。
こんな音をほぼ生音で体験できるのもこうした規模でのライブならではのことだ。

180_2「A」でスローなブルースを1曲。
本番前には「Red House」というウワサもあったように記憶しているが、違う曲だった。
曲名はわかりません。ブルース疎いから。
今度松川さんに訊いとかなきゃ!

190_sb楽しそうに演奏しているのはSteve Miller Bandの「The Joker」。
こりゃタマらん。
アメリカン・ロックをあまり好んで聴かない私だけど、Steve Miller Bandは大好き!

200_jkコレ、平坦な歌詞を覚えるのが結構大変だと思うんだけど、松川さんは正確に歌われていた。

210v_2ギター・ソロガッツリかますちょっとハードな「The Joker」もまたよきかな。

220v松川さんは選曲に歌にギターにと超大活躍!Junichiro Tetragonでもあるぞ!

230_3もちろんこのミディアムテンポの名曲でもグイグイとグルーブを送り込む広規さん!

240v_2それを受けての大二さんのドラムスにうっとり。
叩き手の良さはもちろんだけど、NATALってやっぱり音がいいナァ~。

250v…とここまでで第一部は終了。
前半は割合軽く流した感じ?いえいえ、中身はかなりハードでした。

260_3『THE CLASSY ROCK GIG 』のCDとDVDの発売は明日です! Cddvd

<つづく>

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年1月30日 関内LIVE CAFE STORMY MONDAYにて撮影)

2017年4月 3日 (月)

THE CLASSY ROCK GIG / Koki Tetragon <前編>

Gregg Allmanが口の中でゴニョゴニョ歌うせいにしてしまっては熱心なオールマン・ファンに怒られること必定だが、「Stormy Monday」って「♪They call me stormy Monday」と歌っているのかと長いこと思っていた。
だって「オレのこと、『嵐の月曜日』って呼んでくれ」なんてカッコいいじゃんね。ハウンドドッグみたいだ。
コレは完全に私の思い違いで、Albert Kingの「The Hunter」と混同していた。
T-Bone Walkerに謝らなくちゃいけないね。
この「Call me ~」は他でも赤っ恥をかいたことがあった。
以前にも書いたことがあるのだが、初めてMarshallに行った時、時の重役たちや関係部署の担当者たちと中華料理店で昼食を摂った。
「そうだ、自己紹介ではコレを言おう。きっとウケるぞ~!」と事前に仕込んでおいたセリフを披露した。
食事の間に「チョット自己紹介させてください」と切り出しておいて、こう言ったのだ。
「I was born in 1962.  Please call me 'Bluesbreaker'」
ドッカ~ン!大ウケ~…となる予定だったのだが、席にいた全員がビックリして私のセリフに凍り付いた。あのシラケぶりは本当にスゴかった。一世一代のドッチラケだった。
英語は通じていても、全く意味が伝わらないようだった。アータ、Marshall初のコンボ・アンプ、「Bluesbreaker」の正式な型番は「1962」じゃないのよ!
ビックリしたのはこっちだよ。
話を戻すと、この曲の正しくは正式な題名は「Call it Stormy Monday (But Tuesday is Just as Bad)」」といって、歌もこの通り歌っている。
「Stormy Monday進行」なんていうブルース・コード進行のバリエーションが有名だが、オリジナルは至ってシンプルな12小説のブルースだ。
変形ブルースだったら、Charlie Parlerの「Blues for Alice」とかTommy Flanaganの「Freight Train」の方が何枚も上手だけどね。ロックの人、誰かこのコード進行でブルースを演奏しないかナァ。
さて、「Stormy」…ここではチョット歌詞について触れたいんだけど、「一週間」っていう歌があるじゃない?「♪日曜日は市場に出かけ~」っていうヤツ。
この「Stormy Monday」って、同じようなコンセプトの歌詞で、失恋の一週間を歌っているんだよね。
月曜日は「嵐」!
火曜日は「悪」。
水曜日は「マァ、悪」。
木曜日は「哀しいわ~」。
金曜日は「鷲が飛ぶ」。
土曜日は「遊びに行くぜ!」。
日曜日は「教会へ行くのだ」。
面白いよね~。
ココで知っておかなければならないのは金曜日のこと。
歌詞は「The eagle flies on Friday」となっているんだけど、なんでいきなり「鷲」か?
コレ、「The eagle flies」とはアメリカの表現で「給料が出る」という意味なのね。
アメリカの紙幣に鷲のデザインが施してある(あった?最近見てないからわからんな)ことから、そういう表現をするようになったらしい。
だから土曜日には遊びに行けるワケ。アメリカはかつて週給がポピュラーで、金曜日が給料日だったからね。
そこで湧いてくる疑問はTraffic。
『When the Eagle Flies』というアルバムがあるでしょ?アレ、給料日の歌だったの?
イギリスの紙幣はエリザベス女王の姿が印刷されていても「鷲」の姿は見当たらない…と思って歌詞を調べると、少なくとも「給料」は全然関係ないもっと文学的な内容だった。
「給料」ということとは関係なしに、The Kinksの「Rainy Day in June」とかElton Johnの「Skyline Pegion」とか(訂正!コレは「鷲」じゃなくてもちろん「鳩」。「翼を広げてどうのこうの…」という歌詞が似通っているのでつい混同してしまった!)、「鷲」に関する歌詞の曲ってイギリスにも結構あるんだよね。
それにしても、この人、日曜日にチャンと教会に行くところがエライね。
「金持ちの彼女ができて遊んで暮らせますように…」とお願いするのだろうか。
今日のオープニング・トークは脱線が脱線を呼んでおりますが…。
いつも言っているように私は本当におつきあい程度にしかブルースを聴かないので、あんまりノメリ込むとすぐにメッキがハガれてしまうのでそろそろ結論。
  
Muddy Watersに「The Blues Had a Baby and They Named it Rock and Roll」という曲がある。
「ブルースには子供がいて、その子たちは『ロックンロール』と名付けられた」…まったく題名の通り。
この曲も歌詞がすごく面白い。
Muddy Watersも、James Brownも、Ray Charlesも、John Lee Hookerも、Otis Reddingも「ブルースには魂がある」と言ったとサ…その子供がロックンロールなんだよ」という歌なんだけど、ヴィクトリア女王そう言ったことになっているところがスゴイ!
今では現エリザベス二世女王がイギリスの在位期間最長の国家元首になったが、この曲が作られた頃まだヴィクトリア女王がトップでイギリス最強の女王だった。
もちろんコレはシャレだけど、Muddy Watersが言っていることはすこぶる正しい。
「魂」が宿る音楽がブルース、そしてその子供が「ロック」なワケ。
コレはどうしようもない事実。戸籍は歴史的な音源を聴けば容易に調べることができる。
どこでどうおかしな血が混ざってしまったんんだか、今のロックは絶対にブルースの子供じゃないよね。80年代以降、血脈が途切れて「ロック家」はお金持ちの家からやってきたヨソの子ばっかりになっちゃった。
コレが言いたかっただけ。
ブルースって歌詞がスゴイんだよ。
とにかくスゴイ。
あの歌詞がダイレクトに理解できないのは悔しいナァ。
曲は何しろ全部同じなんだから、歌詞を理解しないでブルースを聴くのは、その魅力の半分も味わっていないことになるのではなかろうか…コレが私の最新のブルース感。
何かの突然変異で今の若い人たちが若い感性で積極的にブルースを取り入れたら面白いだろうナァ…これが私のリスナーとしての最近の夢。
  
さて、今日から3日間、横浜は関内、LIVE CAFE STORMY MONDAYからお届けする。

10ドワッ!
ステージにMarshallのフル・スタック!
それにASTORIAにNATAL。
いい光景だ…私の眼がよろこんでる。
このステージに立つのは…

20ベースに伊藤広規。

30vドラムスは岡井大二。

50v下手のギターに松川純一郎。

70v
ステージ上手は窪田晴男。

60vMarshall Blogでもおなじみの日本を代表する低音にしてグルーヴ・マスターの広規さんは、今年で音楽生活40周年を迎えた。
例によってやってみるか…40年前の出来事。
40年前は1977年。昭和で言えば52年。
私は中学3年で、ハード・ロックに飽きてきてプログレッシブ・ロックに夢中になり出した頃だった。
ラーメンが260円、銭湯が120円だったって(今は460円)。コーヒーは260円。
国鉄の初乗り運賃は60円!都バスは90円、タクシーの基本料金は380円だったって。
米ドルはこの年291円に始まって、241円で終わっている。円が50円も上がった。まだグイグイと日本が国力をアップさせていたいい時代だ。
英ポンドは460円ぐらいか…今は145円/£ぐらい。Marshallがまだベラボウに高かったのもうなずける。
レコードは2,500円だった。コレはハッキリ覚えてる。
ああ、「青酸コーラ事件」ってのあったね。
このころは「ロッキード事件」で大騒ぎしていたんだ。飛行機が学校になっただけで、あの方々のやることとレコードの値段は今でも変わらんね~。
総理大臣は福田赳夫。アメリカ大統領はこの時就任したカーター。
映画は「ロッキー」に「未知との遭遇」、「幸せの黄色いハンカチ」。今みたいにマンガ映画なんか全くお呼びでない。まだ大人のエンタテインメントと子供のそれが分かれていた時代とも言えよう。
ヒット曲はジュリーの「勝手にしやがれ」と「憎みきれないろくでなし」、そして何といってもピンクレディーのオンパレード!
「ペッパー警部」、「S.O.S.」、「カルメン'77」、「渚のシンドバッド」、スゲエな…「ウォンテッド」もこの年だ。
それとキャンディーズの「やさしい悪魔」とか。
「北の宿から」や「津軽海峡冬景色」も1977年。
まだ「花の中三トリオ」も大活躍。
ダメだ!とても書ききれない!
今の音楽界とは比べ物にならない。土台、曲のクォリティが今の音楽とはケタ違いだ。
誰か、今の音楽界を忖度してやってくれよ!
こんな年から広規さんはプロでベースを弾いている。
コレは広規さん40周年記念イヤーのロゴ・サイン。三上雅浩さんのデザイン。

80広規さんはその40周年という節目にライブ・アルバムを制作した。
それが上のSTORMY MONDAYで収録した『The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』。

90まず、ジャケットがいいよね。

140

ジャケットは、2012年の『Relaxin' at IWAKI ALIOS』以降、広規さんのアルバムのデザインを手掛ける「やましたみか」の作品。

100

内部に使用されているライブ写真は、今回も私が撮ったモノをご採用頂いた。

130当日、みかさんから撮り方のリクエストを頂戴してはいたのだが、撮影スペースや照明の関係でなかなか思うようにいかず大苦戦を強いられた。
しかし…
160
その状況を忖度して頂き、バッチリと写真を収めこんでくれた!

145みかさんとの仕事はこれで6作目となる。
シンプルで上品、それでいて深みのあるデザインがいつも素晴らしい。

150私はと言えば、写真の他に今回もライナー・ノーツを担当させて頂いた。
そして、またやっちまった!
制作スタッフの皆さん、ゴメンナサイ。
あれほど「3,000字」と言われていたのに、例によって書き出したら止まらない。
少しずつ長くなっていって、一時は9,000字近くまで膨らんでしまった。
John ColtraneやSteve Millerのこととかをもっと書いたんだけど、考えてみりゃ「Marshall Blogがあるわ…」と思ってバッサリとカットした。
それでも削りに削って、7,000字。
かかる状況を忖度して頂き、何とかすべて収めこんで頂いた。
この世は「忖度」でできているんだナァ。
ナニが書いてあるかはCDを買ってのお楽しみ。Marshall Blogとの重複はホンの少し。

110_ln

120_ln収録曲は全部で10曲。

170

バンド名はKoki Tetragon。
僭越ながら私のアイデアをご採用頂いた。
ナゼ、そんな名前か…はライナー・ノーツに書いてあるのでそちらをご参照いただきたい。
アッレ~、コレ、この分だと案外マーブロに書くことなくなっちゃうな…。
とにかく!広規さんを中心とした音楽達人の名人芸がテンコ盛りだ。

180まずはそのCDに収録されている極上サウンドの素を紹介しておく。
最初に触れるべきは広規さんのMarshall。

190vヘッドは1979年製の1992 SUPER BASS。
「JMP」と呼ばれているこのルックスは1981年にJCM800シリーズに移行するまで。
1972年までは「T1992」というトレモロつきのモデルも生産していた。

200vスピーカー・キャビネットはJCM800時代のベース用4×12"の1984。
「JCM800時代」というのは、この型番はベース用のキャビネットとして何度も使われており、その歴史はとても古く、最古の1984はストレート・タイプの1960として、何と1964年に登場している。
この1984は3代目のモデルで、このあと第5世代まで生産された。

1s41a0980 大二さんのNATALはメイプルのF20というキット。フィニッシュはシー・スパークル。
会場の規模を考慮し、20"バスドラムのキットが使用された。

210vキットのオーナーはサイバーニュウニュウのセミメタルA太郎氏。
この場をお借りしてご厚意に深謝申し上げます。

220_2スネアはNATALのステイヴ・シリーズ。
大二さんが叩くと説得力の塊のようなサウンドが飛び出してくる。

230_2そして松川さんはMarshall ASTORIAを使用。

240v赤いヤツね。
ASTORIA CUSTOM。
1チャンネル・モデル。
ビロードのような美しいディストーション・サウンドが身上だ。
その奥に見えるのはお店のVALVESTATE…なつかしい~!

250_2松川さんの足元のようす。
基本的にディストーション・サウンドはASTORIAで作っておいて、ブースター系のペダルでサウンドに色付けを与えていた。

260_2

窪田さんの後ろにもASTORIA。

270vこちらはクリーン・サウンド専門のASTORIA CLASSIC。
実際には使用されることはなかった。

280_2そして、広規さんのライブに欠かせない物といえば…この南阿蘇のキャラメル・プディング。
当日会場でも大人気だった。
ソロソロ食べたいな~、オーダーしよう、そうしよう!
  
キャラメル・プディングの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

285_2会場はこんな感じ。
写真ではよくわからないかも知れないが、会場の奥には数台のビデオカメラが設置され、動画の撮影も敢行された。

290そして、その動画もDVDとなってCDと同時に発売される。
タイトルはCDと同じ『The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』。

1img_0769 装丁もCDと同じ鏡開きのデジパック仕様。

1img_0782 こちらの方でも光栄なことに私が撮った写真をご採用頂いた。
1img_0777
ライナー・ノーツはバンド・メンバーの対談だ。

1img_0779
ん~、みかさんうまいことやったな~。
…というのはね~、ここの現場はメンバーさんのポジションによって光の量が極端に違うんですよ。
カメラというモノは明るいものと暗いものを同時に均等に撮ることはできないでね~、どちらかに露出を合わせなければならないことになる。
それをシャッターを切るたびに考えて、判断して、カメラを操作してるんだけど、そう簡単にいくとは限らない。
要するにこのステージの場合、松川のところだけが明るすぎちゃうんだね。
それをデザイナーのみかさんが勘案してうまく写真を料理してくれたというワケ。
ですので安心してお買い求め頂けます。
1img_0775
収録曲はCDと同じ。

1img_0772で、ですね、ライブ会場やCDショップ(TOWER RECORD、HMV、ディスクユニオン)でCDやDVDをお買い上げの方には「オマケ」がつくよ!
例えば、表がKoki Tetragon、裏がSTORMY MONDAYの特製ピック。

S_1235104678_n

S5_n

または、CDジャケ・デザインの缶バッジ。
さらにCDやDVDに収録されなかった曲を収録したCDなども用意されている。
すべて初回プレス盤のみの早いもの勝ち特典。

1img_0788_2

さて、実況を元に戻して…向こう正面の私!
「はい、私です。こちら狭いです!」
  
カメラの設置場所などを確保する必要などもあったので、お客さんは20人限定。
ナゼ、こんなにタイトな環境で演奏したのかの理由は次回に譲るとして…それでもさすがにキツイ!

300広規さん、客席に入りこんじゃって…ソロソロ始めまっせ~!

310さあ、いよいよ演奏が始まったぞ!
  
伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒ITO KOKI official web site

330『THE CLASSY ROCK GIG 』のCDとDVDの発売は4月5日です!

Cddvd <つづく>

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年1月30日 関内LIVE CAFE STORMY MONDAYにて撮影)

2017年3月31日 (金)

Sound Experience 24

お騒がせしてしまったパソコン事件も何とか落着。
今日からまたMarshall Blogを再開します。
が!
パソコンって、普段何気なく日常的に仕事で使っているアプリケーションやデータが知らない間に山ほど蓄積されていて、OSの再インストールをしようものなら、今回みたいに「イザ復活」と相成っても、「あ、アレがない!」、「ウワ、コレも消えてる!」と不自由なことばかり!
そもそも元々ナニがあったのかがわからないんだから!
「完璧なコンピューター音痴」を自負する私でもずいぶん色んなことをしていたんだな~…と感心してしまう。
…なんてノンキなことは言っていられない。
え、データをバックアップしていなかったのかって?…イヤ、そんな面倒なことできないできない!
アレ、プロはその日の最後にその日にやったことをすべてバックアップしてるんでしょ?
そんなことはとてもできないよ。
その時は「データがなくなりゃまた何とかすりゃいいさ!」ぐらいのことを思っているからさ。
  
Marshallの社長はコンピューターのエキスパートでもあるんだけど、前回来日していた時に「シゲは撮った写真のデータをどうやって保管しているんだ?」と訊いてくるので「イヤ、外付けのハードディスクに撮った日毎に分類して保管しているんだよ」と答えた。
すると、「じゃ、もしそのデータがスッ飛んでしまったらどうするんだい?」と尋ねてくる。
私は「もうその時は覚悟するより仕方ない」と考えていたんだけど、一応「イヤ、考えたことがない。何かいい対策はあるの?」と訊き返してみた。
答えは「イヤ、特にない」だった。
そんなデータが消えてしまうことばかりを考えていたら、それこそ落語の『水屋の富』みたいになっちゃうでしょうよ。
データが心配で、心配で夜も眠れない。
何かの拍子にそのデータが全部消えてしまって、「ああ、ヨカッタ!これで安心して眠れる」というヤツ。
実は私、一回コレをやったことがあって…その肝心の外付けハードディスクが壊れちゃったのね。電源が入らなくなった。
困っちゃってサ…でも、すべてMarshall Blogで既に使ったヤツなので、一応の覚悟はできていた…でもそう簡単に諦めきれない。
何せ心を込めてシャッターを切った写真が数万枚も入っているんだから。
それで、その復旧にどれだけ費用がかかるかをインターネットで調べてみると、場合によっては数十万とかいうじゃない!
それで完全に諦めかけようとしたところ、妹が耳寄りな情報を与えてくれた。
妹もコンピューターがなければ手も足も出ない仕事をしているのだ。
何でもあの外付けのハードディスクなるものは、外側の装丁がメーカーによって異なっているだけで、中身はどのメーカーも同じだという。
そして、その中身に電源ケーブルと通信ケーブルをつなげばデータが取り出せる…っていうワケ。
そのケーブルセットってのは1,000円チョットだっていうし。
半信半疑だったんだけど、ご丁寧なことにYouTubeでそのハードディスクの分解法なんて動画まで見ることができる。
それでやってみたところマンマと大成功!
かくして数万枚の写真が命びろいしたのだった。
  
とにかくひとつだけパソコンに言いたいのは「お願いだから壊れないで!」ということぐらいだよ。
壊れたらこちとら手も足も出ないのっつーの。
ハイ、PCの話はコレで終わり。
復活後の第一弾は、「25」というビッグ・ナンバーを直前にした三宅さんのSound Experience。

10vステージはこんな調子。
Marshallのハーフ・スタックが3セットにNATAL。
3台のMarshallということはゲスト、あるいは対バンあり…ということ。
そう、私のPCよろしく、今回のSound Experienceは対抗バンドを迎えたいつもの状態に戻っての開催となった。

20その対バンとはギターの白田雄人率いるトリオ。

30v白田くんのロゴ・マーク。
メッチャよくない?!
ところで、「白田」くんは「はくた」くんと読む。
この姓は山形と茨城に多いらしい。
そして山形では「しらた」と読み、茨城では「はくた」と読むそうだ。
どだなだす?
この業界にいるとRudyのイメージがあるせいか、「しろた」と読んでしまいそうだが、全国的確率で見ると「はくた」と読む家が過半数なんだって!

Yutoベースは人時。
人時さん、久しぶりだわ~…と思ったけど、こないだ森友嵐士さんの時に会ったんだわ。

40vドラムは「DEATH-O」こと吉川修。

50v雄人くんはMarshall。

60若いのに70年代の1959を愛用している。
三宅さんと共通の友人の紹介でこのステージに立つことになった。
雄人くんの1959は1973年製のハンドワイアード期のもの。
三宅さんもかつて73年製の1959を愛用していた時期があって、そんなことも手伝って一気に意気投合したようだ。70vチョット深めのひずみで縦横無尽に弾きまくる。
トラディショナルなフレーズが次から次へと出てくる保守派系ギタリストだ。
コレは昨年の12月にリリースしたソロのインスト・アルバム。

Hy 派手なテクニックにとらわれることなく、ロック・ギターの伝統的なツボをキチっと抑えてのプレイは素晴らしい。
これからもMarshallでガンガンいっちゃって!
  
白田雄人の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト

80休憩を挟んでStrange,Beautiful and Loudが登場。

90三宅庸介と…

100vJVM210Hと1960BV。

110v山本征史と…

120v1992 SUPER BASS。

130v金光健司と…

140vNATALのバーチ。
安定のバックライン体制。

150オープニングには珍しく「petal」を持ってきたよ。

160続いては2曲目に来ることが多い「murt'n akush」。
激しい曲調に雰囲気が一転する。

170v今度は「bloom」。

180vそして、「if」。
ハハン、三宅さん、今夜は緩急緩急と交互にセットリストを組んだな。

190だって、また次が「垣根」だもん。そう「solitary past」。

200vそしてまた激しく「devil」。

210v最後に「緩」の「virtue」を持ってきた。
テンポは早くはないが、内容はすこぶる激しい。
この曲のインプロヴィゼーションで三宅さんがどれだけギターと絡み合い、どれだけ曲に入り込むかはステージの大きな見どころになっている。
要するにショウのハイライトだ。
特に真ん中のクリーンのソロから徐々に激しく、燃え尽きていく過程は見るものに息をつかせない。

220vそしてその三宅さんを鼓舞し続けるリズム隊。
今日も最高の仕事ぶりを見せてくれた。
この2人があってこその三宅ミュージックだろう。

230アンコールは白田くんも加わってのセッション。
まずは「People Get Ready」。
1965年のThe Impressions、あるいはCurtis Mayfieldのヒット曲。
Curtis Mayfieldって『Superfly』は持ってはいるものの、コレと「Freddie's Dead」しか知らんわ。
この曲はスゴイ人気だよね~。
でもJeff BeckとRod Stewartでしょ?
まさかThe Impressionsが好きでこの曲を選ぶギタリストはいないでしょう。
「Stratus」もそうだけど、本当にBeckの影響力ってのはスゴイね。

240ユッタリとしたムードで繰り広げられる…

251v2人のギター合戦!

260v2曲目は三宅さんの歌で「Foxy Lady」。
サラっとやる三宅さんの歌がいい、

270でもギターは激しいよ!
曲調に合わせてギンギラギンに弾きまくる!

275その2人のギターに呼応してエキサイトするリズム隊。

290vこのリズム隊はホントすごいバーサティリティを持ってるよね。

300v渾身のJimiスタンダードで燃える三宅さん!

310v一歩も引かない雄人くん!

320v楽しそうなKK!
何とも充実したギター・バトルだった!
次のSound Experienceはいよいよ「25」のシルバー・アニバーサリー!
  
三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange Beautiful & Loud

3301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年1月20日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2017年3月28日 (火)

METYA-METYA-EEYAN!!~犬神サアカス團編

イケね、イケね、「気をつけてなきゃ」…と思っていたのにやっぱりやっちまった。
というのは1,100本目の記事。
去年の10月にMarshall Blogの記事が1,000本を突破して、早4か月。
3月中には100本の新しい記事をを加え、1,100本に到達するな…と思っていたらそれもアッという間。
気が付いたら今日のこの記事で1,106本目になってた。
車の走行距離のキリのいい数字を見逃した気分だわ。
  
さて、そうして楽しい時間はアッという間に過ぎるものでございまして…と言ったかどうかはわからないが、当日総合MCの一角としてステージに上がったのは、イベントのトリを務める犬神サアカス團のジン兄さん。
何で最後に登場するパフォーマーを「トリ」っていうか知ってる?
私は知ってる。いつかマーブロに書いたから。
その理由が知りたい人はゼヒ過去のマーブロをチェックしてみてくださいね、全部。

10で、アッという間にトリの出番。
犬神サアカス團!

20犬神凶子

30v犬神情次2号

40v情次兄さんは当然Marshall。
JCM800 2203と19600Aね。向かって左のヤツ。

45ベースは犬神ジン。
この日はMCでも大活躍。
そして、この後、彼にはスペシャルな出来事が待っていた!

50vところで今日のジン兄さん。
EDENのTERRA NOVA N501を使用している。
実はジン兄さんはこの日初めてTERRA NOVAに触ったのだが、音を出した瞬間から「Yes, fall in love」。
お試しのつもりがガッツリ本番でも大活躍というワケ。
TERRA NOVA、評判がいいだけのことはありますな。

60犬神明
今日はイベントなのでNATALは持ってきてないの。

70vさて、犬神さん、先日Marshall Blogでレポートしたように、この日の約2週間前に同じステージに上がったばっかり。

80_tiその時は、この『黄金郷』のレコ発巡業の千秋楽だった。

90cd1曲目は早速その『黄金郷』から「虎の威を借る狐」。
昭和のテイストながら、さりげなく7/4拍子のリフを挟み込むところが何ともカッコいい。

100v典型的なミディアム・ファストな犬神チューン。凶子姉さんの声がバッチリ以上にマッチする。
125

この曲の大きな聴きどころは真ん中の凶子さんとバンドのキメのコール&レスポンス。

120そして、情次兄さんのソロが暴れる、というワケ。

Img_0697 続けて代表曲「命みぢかし恋せよ人類!」が続いた。
こんなに早くこの曲が出てくるパターンは珍しいんじゃないの?
チョット、普段から気になっていることがあるんだけど今ここに書いてもいい?
え、いいですか。
じゃ書きますね。
コンスタントに曲を作ってアルバムを発表している犬神さん。そのポートフォリオたるや素晴らしいものがありますわな。
掘っても掘ってもバラエティに富んだレパートリーが尽きないのは、日本のバンドでもかなり珍しい部類に入るでしょう。
でもですね、収録曲をゼンゼン演奏しないアルバムがある。
それは『夜行列車極楽行』。
ま、私はそれほど昔からお付き合いさせて頂いているワケではないけど、ここ数年、東京で開催される単独公演はすべてお邪魔してきたし、結構な回数の舞台を拝見しているつもりなんだけど、私が知る限り、このアルバムの曲を取り上げたこと一回もないのではないか?
2013年の『不確定性原理の悪夢』もかなりきわどいが、レコ発公演を観ているので収録曲を演奏したことはわかっている。
ま、他にもそういうアルバムがあるのかも知れないが、他のアルバムにはそれぞれ頻出するキラー・チューンがある。
『スケ番ロック』からは「平成デモクラシー」、『セタカムイ』からは「ドグマの呪い」、『ビバ!アメリカ』と『死ぬまでROCK!』からはタイトル曲、『恐山』からは「浅草心中」、そして『夜行列車極楽行』からは…ない!
もしかして「演らずのCD」?
さぁて、次回の単独公演が楽しみだ。(「開かずの踏切」を歌ってるのはジョニーちゃん?ナマで聴いてみたいな~)
「夜行列車」がいいかな~、「猫町」がいいかな~、イヤイヤ、何でもいいや。いい曲いっぱい入ってるんだよ。

130v_imそのすさまじいまでに犬神Vaultを構築している中心人物が明さん。マジで尊敬するわ。

135vまた『黄金郷』にもどって…

130「死に行く日に」。
私の最近の鼻歌曲。

110v
情次兄さんのソロでスタートするのは近作『玉椿姫』から「虚像の近い」。

150v_kc犬神サアカス團が得意とするところの演歌ヘヴィ・ロックの真骨頂のような曲。
4人の4人による4人しか実現し得ないアンサンブルが素晴らしい。
日本には他にも演歌チックなロックを演っているバンドがあるが、歌詞の内容も含めてこれほどさりげなくカッコよく、そしてヘヴィに演奏するバンドを犬神以外に私は知らない。
そういえば、40年ぐらい前になろうか、小林幸子が再デビューする時、「演歌ロック」を標榜していたんだけどね(あるいは「ロック演歌」だったかもしれない)。アレはどういうサウンドだったんだろうか?
その後、結局「思い出酒」かなんかがヒットして演歌の世界に帰っていった…ハズ。
当時、Charさんが「歌謡界へ殴り込みだ!」なんてこともやっていたな。
いつも書いているけど、それはロックと歌謡曲がハッキリ分かれていた時代。
最近はまったくその「別」がなくなっちゃった。
まだロックが大人のモノだった時代…いい時代だった。

160v

170v

175v

180vここでサプラ~イズ!
情事兄さんが手にしているのはバースデイ・ケーキ!

190ジン兄さん、この日がちょうどお誕生日!
おめでとう、兄さん&後輩!
そう、「兄さん」なんて書いてるけど、私と同窓で後輩なのだ。
この業界、結構いるんだよね、同窓生が。
今度、同窓のミュージシャン集めて同窓会しようかな?Marshall、NATAL、EDENのいずれかを使っていないと出席できないの。イジワル~!

200ケーキをひと口いただいて…

2101曲熱唱!
曲は「気ままな旅を」。

220vマラカスを手にしてメチャクチャ楽しそうな凶子姉さん!

230vジン兄さんの歌は凶子姉さんが欠席していた「Z」の時の「こんなのロックじゃねぇ!」以来。
独特の声でいい味出していらっしゃいました。

240そして、最後も『黄金郷』から「生存狂騒曲」!

250_skブッちぎりのドライビング・チューンを喰らえ!

260vすさまじい音のウネリにみんなゴキゲン!

270v今日の主役はことさらゴキゲンだ!
そういえば、歌う時、ゼンゼン緊張していなかったようだったナ。

280vトリでの出番なのでアンコールがついた。
曲はヨッシャ!「白痴」!

290_hcこれまた胸のすくようなスピード・チューン!
4人がひとつの巨岩となって急坂を転げ落ちる!

300

310

320

330vこういう曲は好きだ…あ~、あ~、どうせアタシはバカですよ!

340ハイ、〆のジャ~ンプ!
キマった~!
イベント終わり!

350_2前回紹介したグッズも好評だったよん。
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

360(一部敬称略 2017年1月18日 高田馬場 club PHASEにて撮影)