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2017年3月14日 (火)

犬神サアカス團 ~『黄金郷』レコ発巡業

あけましておめでとうございます。
そうなんです。
マーブロがようやく新年を迎えました…というのは、今日の記事が2017年の一発目のライブだったのよ。
いくつかすでにレポートしている2017年のライブやイベントもあるけど、何しろ今日が本格的な年明けなのですわ。
いつもは2月ぐらいにマーブロの新年が明けるんだけど、年末に大型のコンサートが続いたことや「名所めぐり」をいくつか突っ込んだせいもあって例年より遅くなってしまった。
ライブ・レポートだけ先にアップしていっちゃえばいいじゃん?と思うかもしれないけど、同じ作業ばっかりやってるとどうしても飽きて来ちゃって筆の進みが遅くなっちゃうのよ。
そこで合間にロンドンに行ったりして気持ちを切り替えて、またライブ・レポートを書く。
そうして文章を書くストレスを文章を書いて解消している…と言えば少しは「文豪」っぽいか?そんなバカな!ってか。
とにかく、そんなことをカレコレ2,000回以上やっております。
2,000回といえば、去年の10月に「1,000回記念」ということでたくさんの方々からお祝いのメッセージを頂戴したけど、あれからもうソロソロ100回だよ。もうすぐ1,100回!早いよな~。
で、今日は犬神さま。

10早いのはマーブロの更新が重ねる回数だけじゃなくて、犬神サアカス團のアルバム・リリースもかなりいいペースだね。
2015年の10月に『ここから何かが始まる』をリリースしたかと思ったら、もう次作。
最近作『黄金郷』を発表したのは昨年の11月のこと。
でも、もう1年経っちゃってるのか~。
あの寺山さんのイベントなんか、もうずいぶん昔のような感じがするよ。
今日のレポートはその新作『黄金郷』のレコ発ライブの千秋楽のもようをお送りする。
ところで、1年に1作、着実に新作を発表するなんてのは大変なことだ。
でも、それがミュージシャンの本来の仕事だからね。
大工が家を作るのと同じく、「音楽をつくる」のがミュージシャンの生業だ。
人前で生演奏をするのも大切なことだけど、それも最終的には音源を売るためのPR手段だからね。
少なくとも昔はそうだった。
ミュージシャンの本当の仕事は、昔はレコード、今でいえば「CD」を作ることであって、ロゴ入りTシャツや携帯のケースを売ることではまったくない。
そういうのは部のスタッフの仕事であって、音楽家は真っ先に音楽を作らなきゃ!誰かのコピーでもマネッコでもない、自分たちだけの音楽を作るんだから本当は悪夢のような仕事のハズなんですよ、ミュージシャンってのは。
でもそうなっていないのが今の音楽界やミュージシャンの大きな悲劇だ。
多くのミュージシャンが音楽だけで喰えるようになって、独創的で魅力的な音楽にあふれた日々がまた戻って来るといいねェ。
音楽の「黄金郷」を期待している。

20cdそれまでの間は物販もやむなし。
今回も物販では新しいアイテムを引っ提げて来たよ~。

30新年だからね。
年の初めは手帳が用意される。
今年は「その日暮らしの手帖」だって。
ちなみに「手帳」と「手帖」は同じ。「帖」という字が当用漢字ではないので「手帳」が普通に使われるようになったらしい。

40新しい缶バッジは「見世物小屋」のキャラクターのイメージなんだって。
いつかどこかに書いたのを覚えているけど、私が若い頃はお酉さんなんていうと、たいてい見世物小屋が立ったもんですよ。
昔は浅草にもあった。アレは常設展だったのかな?
バッジを見ると…
明兄さんは「おかま芸者」
情次兄さんは「電気人間」
ジン兄さんは「学者犬」…という役回り。
そして、凶子姉さんは「へび女」。
へび女は見た記憶がないけど、アリス・クーパーみたいにクビ蛇を巻き付けるオバさんは見世物小屋に出ていたことがあるような気がする。
他にも「人魚」とか「タコ女」ってのがいたけど、中身は男だった。コレはハッキリ覚えている。
子供ながらに一番ビックリしたのは、浅草で観たパフォーマンス。
ビーチクに丸く切った金色の折り紙を貼った上半身裸の太ったオバさんがステージに登場して、ポリバケツを紐でつないだ5円玉を目にハメて、今のヘドバンよろしく、一心不乱に頭を振りまくる…という芸だった。バケツの中には少量の水が入っていたような…。
今から50年以上前に見たライブなので細部に誤りがあるかもしれないが、すごく衝撃的だった。
お父さんが「新世界」の場外馬券売り場に馬券を買いに行っている間、そんなライブを観ながら待っていたんだよね。
今にして思うと一体どういう親なんだっつーの!コレも前に書いたか?
ま、多少の思い違いは入っちゃっているだろうけどね…。

50ストッキングの新作。

60vモチーフは「死と天女」?シューベルトみたいだな…アレは「死と乙女」か。
「死と乙女」はシューベルトの弦楽四重奏曲第14番のこと。この第一楽章はメッチャかっこいいよ。イタリアン・プログレなんかが好きな人は一発でハマると思う。
このストッキング、絵柄がとてもよくて欲しいんだけど、穿くワケにいかないもんナァ。

70「腐乱腐乱」ね。よ~やるわ!
犬神様には「腐乱のあなた」なんて曲あるもんね。
80
CDの冒頭と同じ音源が流れメンバーが登場。
このCDのオープニングがまたいいんだ。
研究熱心な明兄さんのセンスが光りますな。

90犬神凶子

100犬神情次2号

110v情次兄さんはJCM800 2003と1960A(向かって左)ね。

120足元のようす。

130
犬神ジン

140vジン兄さんはEDENの旧フラッグシップ・モデル、WT-800とD410XSTをふたつ。

150v現在のEDENのフラッグシップ・モデルはWorld Tour Pro WTP900だ。

9_wt900pro2で、今メッチャ人気なのがTERRA NOVA N501。

9_stn501_hr_2足元のようす。

160そして明兄さんは…

170v赤いバスドラム・ヘッドがまばゆいNATALのバーチ・キット。

180明兄さんが叩く最高にヌケのよいNATALのドラム・サウンドは犬神サアカス團の重要なポイントだ。

190オープニングは『黄金郷』3曲目の「パンディモニアム」。

200超ストレートな典型的ノリノリの犬神チューン。

210v以前にも書いたが「pandemonium(パンデモ二アム)」とは「大混乱」という意味で、「伏魔殿」とか「悪魔の巣窟」とかいう意味。
「pan」は「すべて」、「demon」は「悪魔」、これがくっついて「pandemonium」というひとつの単語になっている。
悪魔が全部集まっちゃった状態を表す。

220続いては「サキュバス」。この2曲はCDと同じ流れ。
「サキュバス」についても以前書いた。
アレを書いた後、下の子(「子」といってももう大人)と『ローズマリーの赤ちゃん』をまた観ちゃったよ。

230_sc前の曲とは異なる急速調のドライビング・ナンバー。

240この曲は凶子姉さんの美しい声が実によく映える。

250v「今日はデート気分で黄金郷を探しに行こう!」というMCに続いて「ビザール」。
2011年の『死ぬまでROCK!』からのチョイス。珍しい。

260_bzヨーロッパ調のマイナー・ワルツ?カッコいいわ~。
こんな曲演奏しているバンド、日本には犬神様の他に決していまい。
「殺人鬼ビザール」という歌詞がでてくるが、「ビザール」とは「bizarre」。「奇怪な」とか「異様な」という意味。普通に使う英単語。
ちなみに1967年にFrank Zappaが興したレーベルを「Bizarre Records」という。

270v続けて「黄泉の国」。
コレも初めて聴いた。2003年の『神の犬』から。
何せスゴイ数のレパートリーだからね、犬神様は。

280v_ykコレはおなじみ、「ビバ!アメリカ」。
「♪アメリカ、アメリカ、憧れの国 アメリカ、アメリカ、呪われた夢」か…。
アメリカってどうなっちゃうんだろうね。そして、その奴隷の日本はもっとどうなっちゃうんだろうね。
ま、マーブロは政治には触れないことにしていますんで…ハイ。

290_va情次兄さんのコンパクトなソロが炸裂!

300v「今、アメリカ、黄泉の国、ビザール、ヨーロッパへ行って来た。次、どこへ行きましょうか?」
え?! コレ、そういう企画なの?…あ、そうだ、デート感覚で黄金郷を探しに行くんだった!
で、「赤痣の娼婦」。
20年ぐらい前の凶子姉さんの頭の中へ行ったのだった。

310v_as2010年のシングル『Dead End Kids』のカップリング曲「天変地異」。
コレも珍しいんじゃないの?
プリプリ以来こういうリズムの曲ってなくなったな~。The Supremesの「You Can't Hurry Love」みたいなの。
いい曲だ。

320_tp「天変地異までデートで行っちゃったね!」
ココでニュー・アルバムに戻って「死に行く日に」。
340
この曲は発表前から演っていたので、もはやおなじみですな。
コレも凶子さんの声をジックリ味わう曲。

330v_sih同じく『黄金郷』から「骨壺」。

350v_ktこうした物悲しいミディアム・スローの曲も犬神様らしさにあふれている。
昔、『墓場の鬼太郎』だったかな~。「幽霊列車」みたいな話があって、その駅名のひとつが「骨壺」っていうんだよね。アレは漫画だったかな?テレビアニメだったかな?ま、「荻窪」のパロディだったんだろうね。

360MCをはさんでニュー・アルバムからの曲を続ける。
「病葉」…コレ「わくらば」って読むの?
歌詞は犬神ワールドの真骨頂。

390_kg

この曲は中間部のヘヴィなキメがカッコいいんだ。
380_sk

そして、ギター・ソロを経て…

365テンポ・アップ!

366アレ?!
このバンド、すごい!
ギターとベースを合わせてもノブが2つしかない!

367コレは結構レアだよ。

368前作『ここ何』から「生命の起源」…

400_ti『黄金郷』から「ケガレ」。
新旧行ったり来たりで忙しいったらありゃしない。

410v_skkMCをはさんで最終セクションに入って畳みかけてくるのは『黄金郷』から「虎の威を借る狐」だ。
この辺りはもう「桃源郷」。

415ニューアルバム中の最速チューン「生存狂騒曲」で大盛り上がり!

480
続けて『セタカムイ』収録の「ドグマの呪い」。
この曲、メッチャかっこいいな~。
みんな楽器の音が曲想に完璧にマッチしている。
情事兄さんの2203はクールなギター・リフを実に色っぽく演出する。JMP2203が登場したのは1975年のことだからね。2203の回路にはブリティッシュ・ハード・ロックの酸いも甘いも詰め込まれている。

420ギターとのオクターブ・ユニゾンでリフを弾くパートなど、EDENの輪郭のハッキリしていて音ヌケの鋭いサウンドが爆発的な威力を発揮する。

430そして、正統派大英帝国ドラム・サウンドのNATAL。
ブリティッシュ・ハードの伝統を和風に引き継ぐ犬神サアカス團の曲に合わないワケがない。
ようするに70年代のロックの黄金時代のサウンドだ。

440凶子姉さんもいつになくアクションが大きいぞ!

450v左に…

460v右に大暴れ!

470vそして、いつの間にか本編最後。
デートの末にたどり着いたのは「エル・ドラード」。

1_s41a0159 こうして黄金郷探しの旅は終わった。
明兄さんはこんな格好で旅に出ていたのであった。

490vそして、アンコール。

495アンコールの1曲目は「花嫁」。

500そして、「ロックンロール・ファイヤー」へとつなげた。

510メンバーは全員おそろいのTシャツ。

520v例の「腐乱腐乱」だ!

520ジン兄さんの充実の物販ガイドも挟み込まれたよ。

540さらに定番「命みぢかし恋せよ人類!」を披露。

550実はコレ、3回目のアンコールなんだけど、「死ぬまでROCK!」。
ジン兄さんのオリジナル・アクションをみんなで楽しんだね!

560「死ぬまでロック~!」

1_img_0080そして、ジャンプもキマった!
2人ともよく飛んでる!

570今日はすごいサービスだったね!
十分犬神様参りをさせて頂きました。
今年もジャンジャン楽しませてくだされ!Marshall、NATAL、EDENと共にお願いします。
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

5801965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

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(一部敬称略 2017年1月5日 高田馬場CLUB PHASEにて撮影)