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2017年4月11日 (火)

【春のオガンちゃん祭り 2017】 Tomi-Iso Blues Dogs 士農工商犬ブルースマン

【春のオガンちゃんまつり 2017】の最終回は久々の高円寺JIROKICHI。
在米ブルース・シンガー/ギタリスト、Tomi Isobeの登場だ。
JIROKICHIは1975年のオープン。
創業40余年の老舗ライブハウスだ。
ところが私はほとんど来たことがなくて、初めてお邪魔したのはChris DuarteのバックをSavoy Truffleが務めた時のことだから、さほど昔ではない。
考えてみると、初めての時もオガンちゃんだったんだな。
Marshallという商品のキャラクターから、この仕事についてからもお邪魔することがなかった。
正直、今回が人生で3回目か4回目…多分3回目。

10…ってんで、以前は楽屋にも入ったことがなかった。
そして、今回楽屋にお邪魔させてもらって「おお~!」ということになった。
それは壁に飾ってある歴史的なポスターたち。
『生聞』!
残念ながらポスターには開催年が記していないので、いつのコンサートなのかは正確にはわからないが、憂歌団の名ライブ盤、『生聞59分』がリリースされたのが1977年のことだからその近辺だったのだろう。
ちなみにこのアルバムをリリースしたレーベルはSHOWBOAT。おもしろくない?東京エリアの人以外にはピンとこないか…。
高円寺つながりね。そして、高円寺といえば、ウチは「太陽」の煮干しラーメンか「天すけ」の天ぷら定食卵つき。
最近は「セルフ焼肉」とかいうのも登場して話題を呼んでいるようだ。
「渡辺貞夫とのクロス・サウンド!」なんて書いてある。
4:30開場で6:00開演っていうのがスゴイな。
不幸にも塩次さんは亡くなられてしまったが、他は今でもバリバリと精力的に活動を続けている方々ばかり。
その40年前の演奏…さぞかしスゴかっただろうな。

20vこんな憂歌団のパネルも。京都のサーカス・サーカスの時の写真なのかな?
調べてみるとサーカス・サーカスも1975年のオープンだったそうだ。
まだお店がある時分に二度ほどバンドで京都へ行ったが残念ながらお邪魔したことはなかった。
で、ヨソさんのウェブサイトを拝見すると、このい店は終演後「反省会」というものがあって、お店のマスターからバンドの演奏に関して気になるところをズバズバ注意されていたらしい。
つまり、お店の人も真剣にバンドの演奏を見ていたんだろうね。
とにかく今はライブハウスが多すぎるって!
私の感覚では1/50ぐらいに減らしていいのではないかと思っている。
そうすればチョットやそっとじゃライブハウスに出れなくなって「すこしでもいい音楽を作ろう」とか「他のバンドと違うことをやろう」とかいう風潮が強まって音楽がよりよいモノになるのではなかろうか?
そうすればミュージシャンの地位も上がるし。
我々が高校の頃はライブハウスに出演できるなんていうのは、「成功」の部類だったからね。
今は「どこそこに出ている」なんて聞いても何の驚きもないし、そもそも毎日のようにライブハウスができるのでもうサッパリわからん!
ヘタすりゃ武道館で演奏することもさして凄みがなくなって来てるような気がするもんね。
以前にも書いたけど、ラジオを聴いていてブッたまげたことがあった。
バンドは誰だったか忘れてしまったが、ひと通り成功を収めているようで、こんなことを言っていた。
「ボクらがココまでこれたのは、まだロクに演奏できないうちからステージに上がらせてくれた○○というライブハウスのおかげです」
ハ?
The Shaggsか?
「演奏できないうちからステージに上がる」って一体どういうことなのでしょうかッ?
ま、私はそんなのおかしいと思うけどね。観客からお金を取るんでしょうに…。
いくら成功したとしてもそんなの一時的なもので、ナニひとつ音楽的な業績を残すことはないでしょう。

80
このポスターも年が載っていないのでいつのものかわからないが、この年の3月に出演者していたのは…
鈴木茂グループ/エド+シバ/ミッキー吉野グループ/水橋孝/友部正人/渡辺貞夫/金子マリ/
上田正樹とサウス・トゥ・サウス(3日)/大友義雄/本田竹広
…となっている。
ジャズの人が多かったんだね~。

40v20周年記念月間のポスター。1994年とある。
上に記した通り、モノの本によると、オープンは1975年2月となっているので、少し早めに記念したのかな?
ボ・ガンボスに始まって、金子マリ、ムッシュかまやつ、上々颱風、峰厚介、木村充輝+渋谷毅、シナロケ、増尾好秋、山下洋輔、ウエストロード、香津美さんも出演している。
そして締めくくりはNATIVE SONというすごいラインナップ!
このまだ音楽が熱かった時代は一体どこへ行ったんだ?

30v

2000年2月の25周年記念月間。
20周年の時と比較的似たラインナップ。

70v

30周年記念月間。

50v35周年記念月間。
マリさんとか木村さんとかズ~っと参加し続けている方が少なからずいらっしゃるところがスゴイね。

60vそして、今日のポスターがコレ。
「士農工商犬ブルースマン」だって!
ブルースマンの地位は犬より低いということらしい…そんな!
あ、Marshall Blogでは「ブルーズ」という表記を使いません。ミスタイプではないのであしからず。
最近、井上ひさしの本で読んだのだが、「士農工商」といったって、江戸時代のお百姓さんのイジメられようたるや、それはそれは悲惨なモノだったらしい。
なんだかんだ言っては厳しい年貢を課し、そこからまた搾取が繰り返されるという…ま、今も似たようなことが一般市民に向けて形を変えて行われているワケだけど、時に名前は忘れちゃったけど、将軍様に収める米を作る天領の農家は地獄だったという。
何しろ、規定があって、米一俵の中に傷んだコメが数粒以上入っていたらハイもうおしまい。
コレは持ち回り制になっているが、当番に当たった天領の農家は、村人が総出で米を一粒ずつチェックしたというのだ。
でも、こうした米農家より悲惨なお百姓さんがいたのだそうだ。
それは「藍百姓(あいびゃくしょう)」といって、あの青い染料を作る農家のこと。
英語で言えば「インディゴ」なんてカッコいいけど、あの藍を作る農家の生活の辛さは米農家をしのぐ想像を絶するものだったらしい。
興味のある人は井上ひさしの伊能忠敬の伝記『四千万歩の男』をご一読あれ。

90vハワイ在住の日本人ブルース・マン、Tomi Isobeの日本ツアー16本。
その前半の東京公演のうちのひとつのレポートが今日のMarshall Blogだ。

100Tomi Isobe

110小笠原義弘
230v
Marshall Blogでは珍しいリハーサル時のショット。
2img_0019 オガンちゃんの後ろはEDEN。

120先代のフラッグシップ・モデル、WT-800と4x12"キャビネット、D410XST。

130v足元のようす。

140小野秀夫
ツアー中、ドラムスは公演によってはロジャーさんが担当した。

150v稲葉政裕

160vコレもリハーサル時のショット。

2img_0018 稲葉さんが使用するMarshallはASTORIA CLASSIC。抹茶くん。
ASTORIA CLASSICは「私がいい音を出しますから、お好きなエフェクターで安心してギター・サウンドをアナタ色に染めてくださらないこと?」。
そんな高貴なマダムがASTORIA CLASSIC。

170今日、稲葉さん色にASTORIAを染め上げるツールはコレ。

180アメリカ在住のIsobeさんの人生を音楽で語り上げていこうというご自身でも初の試み。
スタートは寒い寒いシカゴ。
シカゴと言えば『お熱いのがお好き(Some Like It Hot)』。もう死ぬほど好きな映画。
あれは殺人事件を目撃したミュージシャン、ベーシストのジャック・レモンとサキソフォニストのトニー・カーティスが女装をしてフロリダへ逃げる話。モンローがメチャクチャ可愛かった。
「Nobody's perfect」という最後のセリフはアメリカ映画の名セリフ100選の48位に選ばれているらしい。
挿入歌「Bye Bye Baby」はジャズ・スタンダードにもなっているし、Barney Kesselは『Some Like It Hot』というジャズ・アルバムを作っている。
「Windy City」の愛称で知られるシカゴってのは寒いんだってね~。
しばらく住んでいた家内の友人から聞いた話では、厳冬期には外出禁止令が出るとか…。無防備に外に出て冷気を吸い込むと肺が凍って死んじゃうんだって!
私は暑いところだったら寒いところの方がいいけど、さすがにそれはチョット…。

190TomiさんのシカゴはLAに向かう国道66号線の起点。
そう、歌うは「Route66」。

200vTomiさんが向かうのはココ。
サンタモニカにあるRoute66の西の終点だ。
以前『名所めぐり』で紹介したので興味のある方はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり <番外編>】マーブロ聖林へ行く~Mar-Blo Goes to Hollywood <後編>

800 今日の稲葉さんはES-335。
ASTORIA CLASSICとES-175の組み合わせは試したことがあるが、セミアコの音は初めて耳にする。
ん~、「メッチャいい音!」とか言いようがないわ、こりゃ!

210v「シカゴからカリフォルニアに行ったんですが、遊びすぎて奥さんに怒られてブルースに入ります。僕の人生そのものです。『ちょっとヤバくなって来たな~』という歌」

220Lightnin' Hopkinsの「Trouble in Mind」。
Tomiさんの歌声はのびやかでとても味わい深いものだが、ギター・プレイもウォームで実にいい感じだ。

240vピックを使わない指弾きスタイル。
これで16分音符のカッティングを演っちゃう。

2s41a0177 稲葉さんのソロ。
このプレイあってのASTORIAサウンドだな~。
ところで、多分なんだけど、今稲葉さんでMarshall Blog史上初めてのことが起こっている。
ナンだと思う?
同じ週内ではないんだけど、7日間、すなわち一週間のうち、プロのギタリストが親子でMarshall Blogにご登場いただくのは初めてのことではないかしらん?
稲葉さんのご子息は喬之くんといって、先週の金曜日【オガンちゃん祭り】の一本目にご登場頂いた。
ご協力ありがとうございます!

250v「自分の人生にトラブルが入って来た!でも、まだあきらめない。今はダメだけどまた朝日が必ず上ってくる…と思っていた頃の曲」
オリジナルの「I'm Messed Up」。

260vこの曲のオガンちゃんのランニング・ベースがあまりにもスゴかった!
もうトリハダ立ちっぱなし。
オガンちゃんの中でも私が最も好きな類のプレイ。

280

この右手。
何かこう豆をつまむような動きとでも言おうか…チョットぎこちないように見えるんだけど。

290この右手が呆れるほどすさまじいグルーヴを出すんだな~。
フト気が付くと、Art Taylorのプレイとか、右手のシンバル・レガートの「♪チンチキチンチキ」だけ聴いていて1曲終わっちゃったりすることがあるんだけど、このオガンちゃんもそう。
ベース・ラインだけで一曲聴けちゃう。

300「引きこもりになってしまった…昼間からカーテンを閉めてバーボンを飲んで…」
曲は有名な「Woke up This Morning」…「朝起きたらオレのベイビーがいなくなってた」というブルースの基本にして古典的ナンバーをルンバで。
ウシャコダも昔よく演ってたな~。

2img_0052 稲葉さんとの掛け合いが楽しい!

310続けてブルースのスタンダード、「Thrill is Gone」…ウワ!コレも偶然金曜日に出たばかり!
奥さんがいなくなってオレは自由だ!
ということで、Tomiさんはシングル・ファザーになった。
オリジナルで「Single Daddy Blues」。
と、こんな調子でブルースでTomiさんの半生がつづられていく。
第一部を締めくくったのは最後はBilly Paulという人の「Me and Mrs. Jones」という曲だった。

380 
休憩をはさんで始まった第二部もTomiさんのオリジナル曲とブルースのスタンダード曲でショウは展開した。

2img_0045 Freddie Kingの「Sugar Sweet」ではまたしてもオガンちゃんのスーパー・プレイが!
ク~、タマらんぜよ!
360
小野さんとのコンビネーションも最高!
330
そして、この曲での稲葉さんのソロが本当にスゴかった。
フレーズ、構成、音色…どれを取っても完璧以上に完璧!
あまりにもすごいソロに客席から大きな拍手が浴びせかけられた。当然です。

320vイヤ~、この2人、わかっちゃいるけど恐るべし!
アレ?MarshallにEDENじゃん!偶然だな~。

270

Ray Charlesの「Unchain my Heart」。

340v歌にギターにとTomiさんの熱演もすさまじい!

400v
その熱演を支える完璧なバック陣。
370v

390v
「Unchain my Heart」ではバップ・フレーズがガンガン飛び出して来て気持ちいことこの上なし。
これが「イナバップ」か!←コレは私が勝手に言っているだけです。
410v
Tomiさんは21歳ぐらいまで六本木や赤坂のクラブのハコバンをされていたそう。
黒人と自分の声のどちらが大きいか比べたくて何もわからずにジョージアへ行ってしまったという。
そんなバカな!
最後の曲は稲葉さんのルバートのソロで始まった。
350「Georgia on my Mind」
2img_0120
アンコールでは飛び入りゲストをお迎えした。

420シカゴ時代からの盟友、菊田俊介!
菊田さんとは以前Marshall Blogでもレポートした教則DVDの撮影の時以来。
4年ぶりにお会いしたんだけど、一発で思い出してくださってビックリ!
さっそくASTORIA CLASSICにご興味を持って頂いた。

430v菊田さんを迎えてのJunior Wellsの「She Wanna Sell my Monkey」!

440v
ソロが全員に回される!
460v

470v

450v

そして、また菊田さん!

1s41a0236 イヤ、もう演奏もショウの構成も最高に楽しめる素晴らしいライブだった!
  
Tomi Isobeの詳しい情報はコチラ⇒Tomi Isobe Music

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

480【春のオガンちゃん祭り 2017】はコレで終了。
また来年!
オガンちゃん、ありがとう!

490(一部敬称略 2017年3月23日 高円寺JIROKICHIにて撮影)