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2017年4月12日 (水)

チケットは楽し。青いのキライ。

何かを集めたくなるのは基本的に男性特有の習性なんだってね。
まったくそういう「収集」に興味のない人も見かけるけど、私の周りの皆さん、すなわちミュージシャンとか音楽ファンの方々は間違いなく何かを集めている。
もちろんCDとか、レコードとか、ミュージシャン・グッズとかいうアイテムが対象ですな。
私も集めて並べるのが大スキ。
買って、集めて、並べて…意味がわかんな~い、なんていう若い人もいるかもしれないが、「意味なんかない!」。
ただ好きなのだ。
でもね、ホントにこの「何かを集める」ってのは金と時間がかかる。
一番の問題は入れ物と置き場所なんだよね。
段ボールに入れてしまって積み上げていたら面白くも何ともないし、並べて置けば場所を取るし…。
モノに固執せず、何の未練もなくポイポイと処分できちゃう人がうらやましくて仕方ない。
しかし!
我々収集族は、コレクションに大きな楽しみがあることを知っている。
ひとつはもちろん「収集」するという楽しみ。繰り返すが「収納」という苦しみも付きまとう。
もうひとつは「思い出」なのよ。
「心はかたちを求め かたちは心をすゝめる」…コレはマーブロに時々出てくる近所の仏壇屋のキャッチ・コピーだが、ま、そういうこと。
何か形に残しておくと、それにまつわる思い出が残りやすい。
よく海外の映画で家族が残した「形見」を大切にしているシーンが出てくるでしょう。
例えば『パルプ・フィクション』にクリストファー・ウォーケンが戦争で捕虜になった時、おじいさんの形見の懐中時計を没収されないように肛門に入れて守り通したというシーンが出てくる。
このクリストファー・ウォーケンの表情が最高に面白くとても印象深いシーンだった。
我々は近親者を亡くすと墓に収めて、成仏を願い、盆暮れ等に墓参りをして故人を偲ぶ。
しかし、西洋の人たちはコレをやらないんだよね。
少なくともイギリス人はよほどのことがない限り墓参りしないと聞いた。
ではいつ墓参りに行くのか?と尋ねたところ、思い立った時に自由に花を持って墓地に赴き、墓前にぬかずくとのことだった。
その代わり、彼らは故人の形見や写真を肌身離さず、あるいは家の目立つところに置いておいて、いつでも大切な人のこと想いだせるようにしている…というワケ。
何でこんな話になった?!
あ、そうだ「思い出」だ。
つまり、コレクションのひとつひとつには思い出が詰まっていて、それを見たり手にしたりすることで郷愁に浸ることができるのね。
もちろんすべてのアイテムに思い出が込められているということはないけれど、中学時代に買ったLPなんかを手にするとその当時の色んなことを思い出すよ、私は。
その「思い出させアイテム」の重鎮のひとつにコンサート・チケットの半券がある。
集めている人は決してすくなくないハズだ。
最近、facebookでかなり昔のコンサートの半券の写真を投稿されている方を見かけるが、すごくうらやましい。
というのは、私も1976年のRitchie Blackmore's Rainbowの武道館公演の半券を振り出しに、中学&高校時代にお小遣いをはたいて見に行った外タレのコンサートのそれをすべてコレクションしていたのだが、大学に上がった時にした引っ越しの際、父が誤って全部捨ててしまったのですわ。
ウチの父は私と正反対でナニひとつ集めるということをしない人だったから。
とても残念だったけど、悔やんでも仕方ない…。
ということで、キッパリ諦めたけど、知らないうちにまたこんなに集まってしまった。
仕事の関係でご招待頂いたコンサートのチケットの半券。
チャンと保存してるのです。
「意味わかんな~い」って?意味なんかない!(←松川さん、コレ重宝してます)
コンサートに取材に行ってチケットを用意して頂くのは稀なことで、バックステージ・パスを発行して頂くのが普通。それでもすぐにこんなに集まってしまう。
だから、バックステージパスのコレクションたるや、コレの10倍ぐらいになるかもしれない。イヤ、もっとか?段ボール箱ひとつパンパンになってる。
  
今回のコレを機にチラチラとチケットをチェックすると、やっぱり色んなことを思い出すナァ。
今もバリバリに活躍されているバンド、解散したバンド、どうしているのかサッパリわからないバンド…悲喜こもごもですナァ。

10

中にはこんなのもあるんよ。
ロンドンで観た『Mary Popins』。

20コレはイギリスの国鉄のチケット。
「RETURN」とは「往復」という意味。片道は「SINGLE」という。

30おなじみのロンドンの地下鉄のチケット。
2011年6月27日はラッシュアワーを除いて自由に乗り回すことができるというヤツ。
ZONEが6までの最強のヤツだから、おそらく在英最後の日だったのだろう。つまりコレでヒースローまで地下鉄で行ったということ。

20r4a0278 チャーチル博物館。

40コレは見にくいけど、サンディエゴで観たDave Matthews Bandのチケット。
比較的に厚い紙に銀色の文字を使っている豪華版。
Dave Matthews Bandは一時アメリカで一、二を争う人気バンドだったけど、日本ではウケなかったネェ。
私もまったく苦手だった。
このバンドのドラマー、Carter Beaufordってのメッチャすごかったけど今ナニをやっているんだろう?

50コレはイギリスで観たElton Johnのコンサート。
「& His Band」となっているが、ベースのDee Murrayは亡くなっているので仕方がないが、ギターにDavey Johnstone、ドラムにNigel Olssonという全盛期のメンバーが登場してうれしかった。
Special Guestは、一時日本のテレビCMにも出ていたイケメンのチェロのデュオだった。

60上のように、日本でも昔はチケットにアーティストの写真やロゴがあしらってあって、コレクションするのにふさしいモノだった。
私は行かなかったが、Rod Stewardtのチケットなんかは豪華なデザインで学校で話題になっていたな。
プレイガイドに並んだりしなくても、今はコンビニなんかで発券できて便利かもしれないけど、あの必要事項だけが記された字だけのチケットは面白くも何ともないよね。
コレクションのしがいがない。
やっぱり「利便性は風情を殺す」んだよ。
そこへ行くと、さすが永ちゃん!
カッコいいじゃないの!

70そう思っていた私は、2000年に開催した『マーシャル祭り』では記念にきちんとチケットを作って皆さんの思い出として残してもらおうと思ったんだよね。
ただ作るのでは面白くないので、横型にしてMarshallのヘッドをそこにあしらった。
それがエスカレートして、二回目と三回目のチケットは三段積のデザインのチケットをもぎると半券が二段積みになるようにした。
コレらのコンサートにお越しいただいた方がその二段積の半券を保存してくれているかどうかはわからないけど、そんな思いを込めたデザインだった。
ところが、肝心の一回目の『マーシャル祭り』のチケットっていうのがゼンゼン見当たらないのだ。
集め好きの私がどうしたことか、一枚もキープしていないのだ。
そしたら!

80出てきたんですわ~。
もう17年も前のヤツ。
私のところから出てきたワケではなくて、先ごろの大二さんのインタビューの時にご協力頂いた四人囃子研究家の灘井さんがコレを保管していてくださったのだ。
すなわち灘井さんもMarshall祭りをご覧になられていたのですな。縁って不思議だな~。
この時はMarshallの主力ラインナップのひとつであるValvestateが代替わりをする大きな転換期だった。
ジムもまだピンピンしていて、コンサートの本番だけでなく、楽器店の方々をお招きした「Valvestate2000 AVTシリーズの発表会」でも元気に挨拶をしてくれた。
そうか、こんなデザインだったっけ。
まだTSLだったんだね~。
フロント・パネルのフレット・クロスの部分に「Marshall祭り」のロゴをピッタリに収めてくれとデザイナーに頼んだ記憶があるわ。
なつかしいな~。
この頃の経験があってMarshall GALAを開いたのです。
次回のGALAではオリジナルのチケットを作りたくなるね、こんなの見ると。
作らないけど。

90こんなチケットはゴメンだね。
頼みもしないのにナゼか思い出したようにコイツがやってくるんだな~。

35 (チケット写真提供」灘井敏彦さん  ありがとうございました!)