2017 春の魔界都市めぐりツアー <前編>~Mardelas & TEARS OF TRAGEDY編
世の中ゴールデン・ウィークなのね?!
今年は今日と明日を休めば9連休だって?
ああ、またテレビで高速道路の渋滞のニュースを見るのが楽しみだナァ~。
Marshall Blogは今年もカレンダー通りに動かします。
Mardelas、Silex、TEARS OF TRAGEDYという若手個性派メタル・バンドが結集して各地を回る『魔界都市めぐりツアー』。
4月中旬の名古屋ですべての公演を完了した。
「魔界都市」か…。
何となく耳にする言葉だけど、自分では生まれてこの方、一度も口にしたことのない言葉だな…「歳」は魔界の域に達してきたんだけどね。
…と思って調べるに、ナニナニ、菊池秀行という人の空想小説のタイトルなのか。
私はそういうの一切読まないからナァ。
菊池秀行…どこかで聞いたことあると思ったら、菊池成孔のお兄さんね。
昔のMarshall Blogにはよく菊池さんにもご登場頂いたんよ。
さて、少々時間が経ってしまったが、今日はその『魔界都市めぐりツアー』の柏公演のもようをお送りする。
ショウは。各バンドを代表してひとりずつメンバーがステージに上がり、前説からスタートした。
Silexからは真壁雄太…って、メンバーじゃないっつーの!
よく出てくるな~。
この人はTORNADO-GRENADEのギタリストね。
Silexのデビュー・ステージにはサポート・ギタリストとしてステージに上がった。
会場が暖まったところでトップ・バッターの登場。
Mardelasだ!
珍しい!JCM800 2210だ。そのパワー・アンプだけを使っている。
キャビは1960A。
2210は1983年に発売されたJCM800シリーズの「Split Channel」と呼ばれるモデル。
2203の2チャンネル・モデルと思えばよいだろう。
当時を知るMarshallの友人に話を聞くと、その頃「マスターつき2チャンネル」という回路はかなり先進的な技術で、製造するのが結構大変だったらしい。
50Wは2205。
Michael Schenkerが長年愛用していることで有名だ。
また、2210は日下部BURNY正則も長いことステージで使い、素晴らしいサウンドを出していた。
このシリーズはリイシューのリクエストも多いファン垂涎のモデルだ。
ヘッドはTERRA NOVA TN501。
この図体で500W。そして、驚異的なパワフル・サウンド!
売れています。
しかし…何でもかんでも小さくなっていくね~。
1981年、MarshallのTHE 2000というベース・アンプのラインナップに375W出力の2001というヘッドがあった。
大きさは普通の100Wヘッドと同じなんだけど、中身の半分ぐらいがトランスで、もう近寄っただけで腰が痛くなるような代物だった。
それに比べたらこのTN501、大きさは1/4以下、重さは多分1/20ぐらいじゃないの?イヤ、もっとかな?
それでいてワッテージは2001より大きいと来てる。
小さくなっているのはベース・アンプだけじゃないもんね。シューマイ弁当のシューマイのタマのサイズも昔に比べて小さくなったような気がする。昔直径を測っておけばヨカッタな。
まったく「エール・チョコレート」がなつかしいよ。
して、hibikiくんのEDENへの信頼度は…ホレ、この通り。
ドラムスは弓田"Yumi"秀明。
「待ってました!」的な滑りだしで、会場は最初っから最高潮!
マリナちゃん、久しぶりだね~。
相変わらずの爆発的な歌声で観客を圧倒する。
曲を追うごとにヒート・アップするマリナちゃんのパフォーマンス。
hibikiくんもノリノリだ!
ちなみにhibikiくんはこのシリーズのオーガナイザーを務めている。
見て、コレ!
マリナちゃんの一挙手一投足に歓声が上がる盛り上がりよう!
Mardelasは『Premium One-man Show 2017』と銘打って5月6日に表参道GROUNDにて単独公演を開催する。
その会場で第二弾シングルとなる『Snake to Metamorphose』を緊急発売するそうだ。
ファンは待ちきれないね!
でも、もうすぐじゃん?!
このイベント、もうノッケからこんなに盛り上がっちゃって…。
Mardelas Officialの詳しい情報はコチラ⇒Mardelas Official Website
実際の出演順とはチョット順番を変えてレポートさせて頂く。
展開の間、毎回例のMCチームがステージ上がって間をつないだのだが、トリの前に現れたのはまた雄太。
とうとう歌まで歌っちゃった!
今度はアクセル・ローズだって。
当日、実際にはトリでステージに上がったTEARS OF TRAGEDY。
一体、どうしたっていうんだ!
明日登場するSilexのMASHAくんもJCM800 2203。
若者がズズズと2203に傾いている!
「デジタルだ~」、「モデリングだ~」と、ギター・アンプの多様化が進む中、ホンモノを見極める目を持った若手ギタリストが増えてきた…ということだろうか?
そう思っておく。
「新しいもの=いいモノ」の公式が成り立つのは日本人の間だけだ。
古かろうが、代わり映えがしなかろうが、いいモノはいい。
1959がいい例だ。50年以上変わらない工業製品なんて珍しい。
ギターの二大名器もそう。
手を変え、品を変え、ナンダカンダ色んなものを世に問うけど、基本的にはオリジナルのままだ。
それなのにギター・アンプだけがコロコロとスタイルを変えるのはどういうことか…。
テクノロジーの変化や進化を吸収し、変容してくのは電気機器の宿命であるけれど、コレ、考えてみるとやっぱりギター・サウンドのカギっていうのは、最終的にはアンプが握っているっていうことじゃん?
それを知ってか知らいでか、こうして若い世代の人たちが40年も前に生まれ出た電気機器を愛用しているなんてうれしいことだわね。
昨年の12月にリリースした『STATICE』も好評と聞くTEARS OF TRAGEDYだけど…私は今回丸っきり初めて拝見しました。
他の若いバンドさんにも「スターチス」という曲があって、意味を知らなかった。
「スターチ(starch)」が「デンプン」だったり洗濯用の「のり」を指すこと知っているんだけど…。
「スターチス(statice)」というのは花の名前なのね?
語源はギリシア語の「statizo(止める)」。
スターチスが古くは薬草として下痢止めに用いられてきたことに由来しているらしい。
現代なら「正露丸」か?イヤ、「ストッパ」か…。
スターチスは今では「リモニウム」と呼ばれているらしいが、全般の花言葉は、「変わらぬ心」、「途絶えぬ記憶」だそうだ。
そして、スターチスは花の色ごとに花言葉が定められていて…
紫は「しとやか」、「上品」。
ピンクは「永久不変」。
黄色は「愛の喜び」、「誠実」。
道理で紫のスターチスが自分に似合うと思っていた。
あ、勝手に書き進めておりますが、TEARS OF TRAGEDYの「Statice」が上記と関連しているかどうかは未確認ですから。
でもせっかくだからマーブロを読んでくれた人は何かひとつでも知識が増えればいいと思っております。
ちなみに花の「statice」の英語式発音は「スタティス」。
猛烈なギター・シュレッディングをフィーチュアしたサウンドがウリのチーム。
コレがですね~、実に新鮮というか、ビックリというか…。
サウンドはもうバリンバリンにしてゴテゴテの伝統的メタル系。
そういったメタル系の女性シンガーといえば、Marshallのようなブッとい声で地獄の底から絶叫するのが、ま、当たり前といえば当たり前。
ブッとい声でなくとも、命をかけて絶唱するスタイルの歌い手さんがバンドにいるのが定石でしょう。
ところがこのバンド、そのハード極まりないバンド・サウンドに乗って、HARUKAちゃんが女性的な声で歌い、そしてヒラヒラと舞うというなかなかに珍なるもの。
私も勉強不足なので、鬼の首を取った風には決していえないが、実によろしいな。
もちろんそのハードなメタル・サウンドにはパワフルなベースと…
ドラマチックに展開する曲たち。
しかし何度も言うがその音像はどこまでもメタリック!
HARUKAちゃんとTORUさんのコントラストも絶妙だ。
ハード一辺倒かといえばそうではなく。
キーボーズという利点を活かしたバラードも披露。
(註:Marshallでは正式な英語用法にのっとり、「ボーカル」と「キーボード」、「ドラム」は常に複数形で表記しています。
また、「ツーマン」、「スリーマン」という言葉は絶対に使いません。今日のイベントは「トリプル・ヘッドライナー」です。「トリへ」でいい。「スリーマン」なんて変な言葉より「トリへ」の方がはるかにカッコいい)
シットリと歌いあげるHARUKAちゃんの歌声を固唾を呑んで聴き入るお客さんの姿が印象的だった。
弾きまくるTORUさん。
やっぱりMarshallじゃないとイカンな…こういう音楽は!
熱狂的なステージでトリをバッチリ務め上げたTEARS OF TRAGEDYなのであった。
TEARS OF TRAGEDYの詳しい情報はコチラ⇒TEARS OF TRAGEDY Official web