Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

ライブ・レポート Feed

2014年10月 7日 (火)

D_Driveワンマン・コンサート!!~Driving Rock Revolution 2014 in TOKYO <後編>

そういえば、D_Driveがこの会場での初めてワンマン・コンサートの時、本番中満員の客席をかき分けてプレスピットに入ったはいいが、ほどなくしてお腹が痛くなりだした。
トイレに行きさえすれば楽になる類のアレだ。「渋り腹」っていうのかな?
ま、チョット我慢すれば何とかなるだろうと歯を喰いしばりながらシャッターを切り続けた。
ところが、一向に痛みが収まる気配がなく、脂汗がにじみ出て来る始末…。
「ああ、どうしよう…まさかこの満員の客席をかき分けてトイレに行って、また戻ってくるワケにもいくまい…」
何しろ客背は立錐の余地もない。イヤ、それよりそんなことをしていたら、いいようにシャッターチャンスを逃してしまう。絶体絶命だ~!
で、どうしたか?…スタンダードだが答えはこれしかない。
「ガマンした」…である。
艱難辛苦の末、峠を越すと痛みは徐々に薄らぎ、見事克服。
アレも「心頭滅却すればハライタ楽し」とまではいかないが、何とかなるものだ。イヤ、奇跡的に何とかなった、というのが正しいか…。それぐらい痛かったのよ。
そうして撮った写真が、これらD_DriveのDVDのジャケ写に収まったというワケ。

D_live Shimaちゃんの教則DVDも…。

Shima_2 さて、今回のD_Driveのワンマン・コンサートの<後編>はsun-goさんのMCからスタートだよ。

『mintmintsでは「キャンディ」って呼ばれてま~す!
Shimaちゃんが15kg痩せればデートに誘う約束だったけど、実現しなかった。さてはShimaちゃん、身体で「デートしたくない」ということを証明してるのかな?』
会場は大爆笑!イヤ、15kgは大変ですって!

330_32曲目はお待ちかねの「限界LOVERS」。

340サオもの4人衆が絶妙のアンサンブルで名曲を奏で上げる。

360「エエな~、前の連中は…。あんな並びよってメッチャ楽しそやんけ!」とChiikoちゃんが思ったとか思わなかったとか…。イエイエ、あなたのカッコいいドラムがあってのことですから!

370v

ご存知の通りキャンディはSHARAさんのmintmintsで過去に何度もD_Driveと共演して来ている。
380

それだけにキャンディもまるで5人目のD_Driveのメンバーもようにシックリ溶け込んでいる。演奏も当然イキのピッタリ会ったゴージャスなものとなった。

375インスト・バンドにプラス・アルファのメンバーが加わると面白いね。アレンジ考える方は大変かもしれないけど…。
370
キマった~!
もっと見たかったね!

3902人目のゲスト。
キーボードの石黒彰
石黒さんは難波弘之さんと並んで、Marshall Blog登場高頻度キーボード部門のメダリストだ。それだけシビアで濃い音楽を演ってるってことね。

10今度はD_Driveの曲に石黒さんが付き合うスタイル。まずは「Lost Block」。コレもワルツだった。
延々と続くスリリングなテーマの提示部からSeijiさんのソロが鋭く切り込んでくる。

20v_2続くワウを使ったYukiちゃんのソロも相当アグレッシブ!音も素晴らしいことこの上ない。
Marshallっていいナァ~。
スタジオとか宅録ならイザ知らず、やっぱりライブ・コンサートでは思いっきり真空管アンプの図太いギターの音を聴きたいよね。

220v

ベースとドラムのハダカのパートがまたカッコいいんだよね。今日は一段と音が前に出て来るShimaちゃんのベース。こうしたへヴィかつハードな音楽でのEDENサウンドの存在感は特筆すべきものであろう。

40v_2この曲、改めて聴くとコロコロと場面が変わるわ、シカケとキメだらけだわでメチャクチャかっこいいな~。
セカンド・アルバム『ACCELERATOR』にライブ・バージョンを収録しているのが「お気に入り」の証しなのかな?
それにしても、Chiikoちゃんの緩急自在なドラミングがモノを言ってますな。

50v_2これまた石黒さんも絶妙のプレイ。まるでこの曲にはじめからキーボード・パートがあったかのような…。

60v_2続いては「Chanoagne」。
この曲は普段あんまり演らない曲。

70ワンマンならではの選曲に加えて、石黒さんの壮絶なインプロヴィゼーションが聴く者をとことん魅了する。

80迎え撃つD_Driveのメンバーたち。やっぱりこういう器楽演奏の技術の粋をつくした音楽は面白いな。

90v_2残るもう1曲は「Mr. Rat Boots」。これはいつも演奏しているおなじみの曲。

100vこの曲では「石黒vs.Shimataro」の壮絶なバトルが見応え満点だった。

160
沸き上がる「イッシグロ!」コール。
「オイオイ、こんなの初めてだよ~!」ととてもうれしそうな石黒さん。

110この公演の1週間ぐらい前にSeijiさんがコンサートにお誘いしたところ、石黒さんから「何曲かD_Driveに混ぜてくれたらうれしい」と逆オファーが!
そうしてこの類まれなるスリリングなコラボレーションが実現したというワケ。石黒さん、ナイス・オファー!そしてSeijiさん、ナイス・レシーブ!
MCでもD_Driveをほめちぎってくれていたっけ。

元々はギタリストになりたかったんだけど親御さんにピアノを強要されたとか…。
石黒さん、いつもポジティブに演奏しているけど、今日は特に演奏を楽しんでいるように見えた。
イッシグロ!、イッシグロ!イッシグロ!と大ウケ!

130v_2ショウも終盤に入る。「Among the Distraction」。120v
この最後のブロックから全員、ギターの衣替え。
はい、サオ換えて~!オトナ、オトナ。
「Russian Roulette」。

150v曲中でSeijiさんのメンバー紹介。
照れながら取り組む姿が新鮮だ。見てるこっちもチョット照れちゃうゾ!

170v_2「シマシマシマシマ…ビールが大好き、変顔大好き…でも一番好きなのは若い女の子ですから~!」
男は誰でも同じですな。
ところがね、私みたいに年とってくるとこの「好き」の意味合いが変わって来ましてね…とにかく若々しくて元気で可愛いところが「好き」になって来るんだな。ようするに孫を見る目だ!すっかりチャンジーです。

180「チィコチィコチィコチィコ…ドラムが大好き、青色大好き(色の事。税務申告じゃないよ)…でも一番好きなのはおいしいラーメンですから~!」
日本人ならみんなラーメン好きですな。
でもさ、最近のラーメンの専門店志向というか細分化というか、グルメ志向というかなんかウンザリだな。
ナントカ系とかカントカ系とかばっかりでサ、あれを見てるとヘビメタを連想するわ。バイキング・メタルとかゴシック・メタルとか…。調べてみると「ポルカ・メタル」とか「フォーク・メタル」なんてのも見かけたが、ホントにそんなのあんのかよ?ただ混ぜっコすりゃいいってもんじゃない。完全にネタ切れだろう!
何と言っても私が好きなのは「ジェスロ・タル」だな。

さもなければ中国か台湾の人たちがやっているような「一皿350円」みたいな本場系の中華料理店。この手の中華屋とインド料理店の増加具合は尋常ではないね~。

で、言いたかったのは、「中華そば」と赤地に白ヌキされたのれんの普通のラーメン屋さんが少なくなったな~ってこと。レバニラでイッパイなんてラーメン屋に入っても、メニューは「コッテリ」だの「麺カタ」だのばっかりでレバニラも野菜炒めなんかやってないもんね。「本場系」も当りハズレがコワイし。
私はラーメンがイッパイ80~90円の頃から食べてるからそういうクラシックな店がシックリくるわ。

あ、イカン、こんなところで脱線してしまった。今回は脱線なしにしようと思ったのに!
ゴメンね、Chiikoちゃん!今度レバニラじゃなくて海鮮でイッパイやろう!

190v_2「ユキユキユキユキ…ギターが大好き、バレーが大好き…でも一番好きなのはイケメンですから!」
ま、普通そうでしょうな。
ところが最近は「イケメン」の基準がスッカリおかしいと思わない?ヤセてりゃ全部イケメンか?みたいな。これは都心以外を全部「下町」と呼んでしまう現象に似ていると思う。

200v「オレオレオレオレ…D_Drive大好き、メンバー大好き、でも一番好きなのはD_DriveRですから!」
エライ!D_Driveのリーダーというよりは保護者にして身元引受人!そして、「D_DriveR」とはD_Driveファンのこと。Greatful Deadでいえば「Dead Head」。
「オレオレ」というのは自分で「セイジ」というのが恥ずかしいからで、決して「詐欺」ではない。
一から始めた自分のバンドが着実に成長していく姿を見るのは何物にも代えがたいよろこびだろう。
Marshall Blogも数日前にある目標を達成しましてね。ゼロからやり直した時は「トホホ」だったけど記事数も500を越し、アッという間にアクセス件数も目標までたどり着くことができた。
これも協力して頂ける大勢のミュージシャンと読者の皆さんのご協力のおかげです。この場をお借りして心から御礼申し上げます。

210v

…と楽しいメンバー紹介も終わったところで激演にもどって「Mystery Zone」、「1,000,000 h.p」をプレイして「Over REV」で本編を終了した。

220アンコールではまず「Screw Driver」を。よくアンコールで演奏される人気曲。
Seijiさんが弾くこのリフ、すごく耳に残るんだよね~。
「♪ジャカジャジャージャン、ジャカジャジャージャン、ジャカジャジャージャン、ジャガッカジャガッカ」って。(曲を知っている人は文字を追いながら実際に口ずさんでみてください)

230v_3ピョンピョン跳ねるアクションもおなじみだ。(写真は跳ねているシーンではありません)
真ん中のShimaちゃんのベースが裸になる展開部からピョンピョンに戻るところもカッコいい。

265

ま、コレで済むワケがありませんでね。当然のごとくダブル・アンコール。

3_img_0188「Advance and Attack」と…

250最後の最後にヒット曲「Cassis Orange」を演奏して東京でのワンマン・コンサートの演目をすべて終えた。

260雪にも台風にも法面崩落にもタイヤのバーストにも負けず、毎月のように上京して充実したパフォーマンスを見せてくれるD_Drive。
ワン&オンリーのハイパー・テクニカル・ヘビィ・メタル・インストゥルメンタル・バンド(HTHMIBと略されている…ってどうやって読むのか?!)としてこれからも独自の音楽制作を推進していってもらいたい!

270D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

280みんな楽しそうだ!
でも、まだこんなにケムケム。
とにかくメンバーもゲストもお客さんも燻製にならずに済んでヨカッタ、ヨカッタ。

290(一部敬称略 2014年8月30日 六本木morph Tokyoにて撮影)

2014年10月 6日 (月)

D_Driveワンマン・コンサート!!~Driving Rock Revolution 2014 in TOKYO <前編>

モクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモクモク…。
イヤイヤ、すごいスモークだった。
ショウが終わるころには「燻Seiji」か「スモークYukiちゃん」が出来上がるかと思った。
コリャ、ステージがかすんでしまって後ろからは撮れないや…と早々にプレス・ピットに入る。

10いたいた!おなじみのD_Driveのみんなが!(実はさっきまで楽屋一緒だったんだけどネ)

Seiji

1_img_0425Yuki

30Shimataro

40vChiiko

50vいつも通り機材のチェックから…まずSeijiさん。

60vJCM2000 DSLECと1960AX。キャビネットのロゴは最近交換した。

3_img_0163 足元のようす。

3_img_0157 Yukiちゃんの機材。

90vJCM2000 TSL100と1960A。

3_img_0152 足元のようす。

3_img_0156 Shimataroのベース・アンプ。

120EDENのWT-800とD410XLTが2台のフル・スタック。

130v足元のようす。

3_img_0154 オープニングは「Hyper Driving High」。

150もうすっかり珍しくなくなったD_Driveの東京でのワンマン・コンサート。
Yukiちゃんも勝手知ったるところでハナっからノリノリだ!

155満員だった初のワンマンの時もこの会場だった。こんなにモクモクじゃなかったけど…。
もちろん今日も満員御礼!!

160つづいて「Drive in the Starry Night」。
SeijiさんとYukiちゃんのリフの掛け合いで始まるアイデアがいかにもD_Driveらしい。

170vテナー・サックスの巨人Sonny Rollinsに『Sunny Days. Starry Nights』というアルバムがある。
こちらはロマンチックなイメージを想起させる「starry(星明りの)」という言葉がまったくフィットしない、星が落っこちて来そうなとてつもなくハードでへヴィな曲…Shimaちゃん笑ってるけど。

180vもう完全に慣れた感のる東京でのワンマン。のびのびとした演奏が見ていて気持ちがいい。

190v一糸乱れぬギター陣のコンビネーション。必殺技にますます磨きがかかってるゾ!
210
MCをはさんで「Escape from…」。

230v

おなじみのD_Driveのメタル・ワルツ「Peach Fizz」。

250_2

そして降りしきる雨の音から始まるのは「Unkind Rain」。

200Yukiちゃん作&フィーチュアのハードでドラマチックなバラード。感情豊かに弾きまくるYukiちゃんの姿が凛々しい。

30v

しっかし、スゲぇベース・サウンド!Shimaちゃんゴキゲン!いつもはEDENのヘッドだけだけど、今日は4x10"にキャビを2台使ってるからね。そりゃ強力にキマってるわ!信じられないぐらいの音抜け!

240ここで最初のゲスト登場。
SHOW-YAから五十嵐sun-go美貴

260YukiちゃんもButtler Shimataroの給仕でギターのお召し換え。

270sun-goさんもいつものMarshallだ。

280vJVM410Hと1960BDM。これであの図太いsun-goサウンドをブッ放す!

3_img_0164さぁて、一体どんな曲を演奏するのかと楽しみにしていたら…

300SHOW-YAの「Battle Express」!

310v以前はD_DriveにSHARAさんが入って「RADIO MAGIC」や「MORE」を一緒にプレイをしたことがあった。
アレもメチャクチャよかったが、このハードにドライブするSHOW-YAの重要なレパートリーの1曲もD_Driveにピッタリだ。そこへホンモノのSHOW-YAのギタリストが入って演奏しているのだからタマらない!

315vsun-goさんの出番は<後編>につづく!

320D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

(一部敬称略 2014年8月30日 六本木morph Tokyoにて撮影)

2014年10月 3日 (金)

高梨康治 -CureMetalNite vol.1- <後編>

さて、『CureMetalNite vol.1』の後半。

私のアニメといったら「鉄腕アトム」から始まって、「オバケのQ太郎」、「ワンダー3」「魔法使いサリー」、「巨人の星」、「あしたのジョー」、「ゲゲゲの鬼太郎」、「タイガーマスク」、「狼少年ケン」、「チキチキマシン」、「ひみつのアッコちゃん」…アニメじゃないけど「怪奇大作戦」だの「キャプテンウルトラ」だの「河童の三平」だの…それに「ウルトラマン」、「仮面ライダー」、「変身忍者嵐」、「スペクトルマン」、「ミラーマン」、「バロムワン」等のヒーローもの…全部リアルタイムで見てるのよ。
コレ、ロックだったら大変だよ。The Beatles、Led Zeppelin、Deep Purple、Beck Bogart&Appice、Free、Pink Floyd、Grand Funk Railroad、ELP、Jethro Tull…こういうのの全盛期を全部ナマで見てるようなもんだからね。
でも、ロックはチョット遅かったんだよ。もう5~6年早く生まれていたら全部観てたな。

そのかわりアニメに関しては最初の黄金時代のいい時を過ごさせてもらったと思ってる。
「ド根性ガエル」面白かったな~…どうしてるかな~、ヒロシとか、京子ちゃんとか、梅さんとか…ナンテね。

今はもうまったく見ないよ。
だから当然この『CureMetalNite』もなんの予備知識もなく接したワケ。それなのに、バラエティに富んだ曲がジャンジャン出て来てまったく飽きさせられる気配なし。
アッという間に後半になっちゃったよ!
10_2「宿命の戦士」~「プリキュア・ビートアップ!」~「プリキュア!オープン・マイハート!」と続く。

20v_2後半といえどもテンションが全く落ちない鉄壁のパフォーマンス!
私は昔からヴァイオリンが参加しているジャズやロックが好きでしてね、渡辺さんの参加はうれしいな。

30_2そして高梨さん、ショルキーを携えてステージのフロントへ!

40「いよいよ御大の登場!」という感じで一段と大きな歓声が巻き起った。将棋でいえば「入玉」か?この日のハイライトのひとつと言えよう。
「ドラゴンフォース」~「ログ・ホライズンメインテーマ 2014 ver.」などを披露。

50v_2そしてクライマックスではキーボードの仕掛けが炸裂!

70vここでまた場面が変わる。
メンバーが続々とステージから姿を消し、残るは打楽器チームの2人。
PAスピーカーから流れるはチャイコフスキーの『大序曲1812年』!そうです、HR/HMファンにはおなじみのアレです。
アレを和太鼓とドラムでやっちゃおうというワケ。うまいこと考えたな!

85茂戸藤浩司の和太鼓と…

90_2山口PON昌人の華麗なる共演。そして打楽器の饗宴!

100_2そして、ふたりのバトルに突入。

110死力を尽くして、数々の和太鼓を叩き倒す姿は圧巻!この腕だもん!

130v_2迎え撃つPONさん。四肢を思う存分駆使してくり広げる超絶ドラミング!PONさんのドラム、ホント派手で好きだわ~。

もう1曲続けて演奏されたのは「疾風伝」。

ところで、この打楽器アンサンブル。印象深い演奏として渡辺香津美さんの『KYLYN LIVE』の村上秀一さんとペッカーさんの共演が挙げられよう。そちらはドラムとパーカッションの組み合わせだが、手に汗握るスリリングな演奏は何人も否定し得ない名演だと思う。
今回のこのシーンもそれに勝るとも劣らない激演だった。アレレ、偶然ドラマーはふたりとも「PON」だ!

140vエエイ、また見せちゃえ!
これがPONさんのドラム・キット。NATAL(ナタール)といいいます。
元は1965年創業のイギリスのパーカッション・ブランド。
数年前にMarshallが買収してドラム・キットのビジネスを展開しているが、これが大変好評で世界中のドラム界に浸透してきている。
日本でもMarshall Blogではスッカリおなじみだが、たくさんのプロ・ドラマーから高い評価を頂戴しています。ありがとうございます。

140まだまだ続く濃密な演奏。
「プリキュア・スマイルチャージ!」…

200_2「プリキュア・ハートキャッチオーケストラ!」。
なるほどね、このコンサートは下準備が大変なハズだわ。キメも多いし、曲数も多い。コード譜さらって、ハイ後は本番よろしくね~…なんてワケには絶対いかないわ。

220_2

先回も触れたが、このコンサートは当初この日一日だけの公演のハズだったが、あまりにも人気が高いために前日に追加公演が催された。
そんなバックグラウンドだったにもかかわらず、「まったく同じ曲を演奏するのは気が引ける」…と高梨さんが気を利かして、当日の朝、Remiさんにムチャぶりしてお願いした…というのが次の曲。

150_2
「幸福のメロディ」。

160v
高梨さんのキーボードをバックにオペラチックな美しい声で独唱を披露してくれた。
ホント、色んなことやるわ~。
バンド・パフォーマンス、ソロ・パフォーマンス…種々入り乱れての構成はYesみたいじゃんね。

2img_0614
「プリキュア大好き!」…庄太郎ちゃんのフレンドリーなMCも。

170_2
本編もいよいよクライマックスを迎え、一丸となったメンバーの激演は一層の凄みを増した。

190v
「堪忍袋の緒がきれました!」~「明日への戦い」

80

庄太郎ちゃんの必殺技、ファイヤー・フィンガーボード(仮称)!うまく撮れた!
220v
本編最後は「最速キュアメタル」といわれる「プリキュアオールスターズ大活躍!」。

230_2全員が汗みどろの熱演だ~!

2img_0501
高梨さんのキーボードに少しでも触れんと熱狂する最前列の観客。コンサートの盛り上がりようがわかるというものだろう。
こうして興奮のうちに本編が終了した。

240v_2そしてアンコール。

250_2再び真由さんが加わり「今よ! ファンタジスタドール」

260_2さらに「PRIDE」。コレで終了。みんなで記念撮影。
290
しかし!アンコールがまったく鳴りやまない。
…ということで、この日はダブル・アンコールが実現。オープニングに演奏した「燦然!プリキュアオールスターズ」が追加で演奏された。
180_2
あらかじめわかっちゃいたけど、やっぱりへヴィで重厚なサウンドにすっかり夢中になってしまった。

そして、このコンサートの熱狂の中で改めて再確認したのは、「ロック」という音楽の在り方が従来とまったく変わってしまったという事実。ま、コレもいつも書いているんだけどサ。
アニメ、ゲーム、動画投稿サイト等をなくしては軽音楽はまったく成り立たなくなってしまったということだ。

音楽が魅力を失ったのか、アニメやゲームの力が強くなったのか…。きっとその両方なのだろう。
とりわけ昔「ロック」と呼ばれていた硬派でエネルギッシュな音楽はもはや単体では存立しにくくなってしまい、その中心をアニメとゲームに移した。
「イヤイヤ、ドームなんかで大きなロック・コンサートが開催されて満員になっているじゃないか?」とおっしゃる方もいるだろう。
アレはロックではなくて、昔の歌謡曲がバンドの形態に変わっただけの話し。各地でにぎわいを見せているロック・フェスティバルにしても、音楽よりもフェスのブランドを楽しむことが優先されているように見える。もちろんコレは間違いではないが…。

加えて、ロックの分野はもはや女性プレイヤーを除いては成立しなくなった。特にハード&へヴィ・メタルの分野。功罪はあれど、音楽学校の普及によるものだろう。「男がすなる日記を」…なんて『土佐日記』のようなことは完全に言わなくなった。
女性は勇ましく鋼鉄の肉食獣と化し、数少ないテレビの音楽番組に出演しているような男の子のバンドはますます女性化が進んでおしとやかになり、かつ草食化しているというのが現状だろう。
ホント、最近のガール・バンドは問答無用でカッコよく、そして頼もしい。
ちなみに、優秀なガール・バンドが多いのは、今日では日本のロック・シーンの大きな特徴になっている。ロックの本場であるイギリスでもこうした現象を見ることはできない。

それでは、今日このコンサートに集まっている若者たちからアニメを取り払い音楽だけを残したらどうなるか?この素晴らしいメンバーが演奏した音楽は見紛うことのない良質なハード・ロックあるいはへヴィ・メタルである。
こうした音楽がアニメの中であろうとなかろうと元気に演奏され、かつ支持されているのはとてもうれしいことなのだが、若者たちは果たして音だけでこのスタイルの音楽を楽しむことができるのだろうか?
音楽だけで今日のコンサートを楽しんだ私には皆目見当がつかないが、若者のみんなも楽しんでくれることを大いに期待したい。
そして、カッコいいと思ったら、この音楽をクリエイトした高梨さんが憧れたリッチー・ブタックモアというギタリストが所属したディープ・パープルというバンドの音楽に興味を持って、そして聴いてもらいたい。
高梨さんもそう願っていると確信している。

時代は変わった…。
「いいロック」は永遠に不変であり不滅だ。ただ「ロックの在り方」が変わっただけなのだ。

270_2本当に充実した内容の素晴らしいショウだった。
いまでも大熱狂の会場の様子がまぶたに焼き付いている。『vol.2』の開催を期待している。

280_2高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒ROCKMAN

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2014年8月24日 表参道GROUNDにて撮影)

2014年10月 2日 (木)

高梨康治 -CureMetalNite vol.1- <前編>

端から端まで機材で覆い尽くされたステージ。
詰めに詰めたり、Marshallのハーフ・スタックが2セットに和太鼓のキット。ツーバスのドラム・キットに奥にはレスリーまでセットされている。
マァ、これだけの機材をよく乗っけたね~。それだけの弾き手がステージに上がるのだから当然のことなのだ。
そして、今日ここで演奏される音楽が「キュアメタル」。

10Marshall Blogの読者のために説明しておこう。
2004年にスタートした『プリキュア・シリーズ』という人気テレビアニメがある。長寿番組だけあって、音楽の担当者も変遷を経て、ある時期よりロック・キーボード・プレイヤーの高梨康治が就任することとなった。
高梨さんといえば、「Classic Rock Jam」のレポートでMarshall Blogにもご登場いただいているベテラン・ミュージシャンだ。
元々、Ritchie Blackmoreに憧れてギタリストを志し、Marshallギタリストの清水保光とのHellenの活動でも知られるガチガチのハード・ロック・ミュージシャン。
その人が作る音楽となれば相手がアニメ用の音楽といえど当然HR/HM志向が強くなる。
やがてファンがそのことに気づき、『プリキュア』シリーズの音楽を『キュアメタル』と呼ぶようになったのだ。
要するに音楽が独立したのね。
このあたりのことは<後編>でまた触れたいと思う。

その「キュアメタル」のライブ・バージョンが今日明日でレポートする『高梨康治 -CureMetalNite vol.1-』なのだ。

20vでは、まずメンバーを紹介しよう。レディ・ファーストで女性ボーカル・チームから…

Remi

30ますだみき

40v弦楽器チーム。
ヴァイオリンに渡辺一雄

50v渡辺さんはご覧の通りMarshallでヴァイオリンを鳴らしている。ヘッドはJCM2000 TSL100。キャビネットは1960A。
ヴァイオリンでMarshall?なんて思う人もいるかも知れない。ところがドッコイ、イタリアの超名門バンド、PFMがかつて来日した際、のヴァイオリンの人(Mauro Paganiじゃない)がDSLを使ってスゴイ音を出していた。60足元のようす。

70ギターは藤澤健至

80v手前のハーフスタックが健至さんのMarshall。JVM410HJS。Joe Satrianiシグネチャー・モデル。これはホント評判イイね。
先日レポートをした健至さんがサポートを務める森久保祥太郎さんのコンサートでも大活躍していた。

90足元はこんな感じ。

100弦楽器チームのシンガリ、ベースはおなじみ満園庄太郎

110v続いて打楽器チーム。
和太鼓の茂戸藤浩司

120vドラムは我らが山口PON昌人

130vキットはいつものNATALのアッシュ。後ろの方のお客さんは見えなかったかも知れないけど、ツーバスだったのよ。

140そして、この日の主役、高梨康治

150もう客席はパンパンもいいところ!
ステージに張り出しを付けたもんだからプレス・ピットが狭くなっちゃって入れない…ってんで、ホール上手の中ほどに台を設置してもらってその上からの決死の撮影。
何しろ、本来は一日だけの予定だった公演があまりの人気に2daysになってしまったという。それでもチケットが手に入らずに諦めざるを得なかったファンもいたハズだ。
次回は是非武道館でお願いします…というぐらいの大入りもよう。

160オープニングは「燦然!プリキュアオールスターズ」。

170なるほど、コレは激烈。この音楽だけ聴いた段階ではコレがアニメ用の作品だとは誰も想像し得ないだろうな~。

180サウンド的にふたりの女性コーラスが入っているところがまたミソで、私なんかにはところどころフランスのMagmaを連想しちゃう。
ハードなだけでなく、ドラマチックな展開はプログレッシブ・ロックのテイストも感じさせてくれる。

190「プリキュア♪ハートフルビートロック!」~「暗黒の挑戦者」。

200自称「ゆるいMC」。イエイエ、なごやかで大変親しみやすい!
「ランランしたいか~!」

225v
…と始まったのが「レッツプレイ!プリキュアモジュレーション」。おお、確かに「♪ランラン」いってる!

220それにしてもスゴイ熱気だ。
アニメ系の音楽や声優さんのコンサートのお邪魔したのはもちろんコレが初めてではないが、今回は男性客がほとんどのせいかオッソロしく迫力があるわい。
ステージで何か動きがあるたびに客席の電圧が上がる!

220vジャンジャン続くハードな曲たち。
劇中歌だけあって、アッと言う間に終わっちゃう曲もある。そういう曲を挟みこんでいるところがまたいいいのだ。
ハードなだけでない、とにかく丁寧な演奏。

223v「プリキュア大活躍!」~「不屈の闘士たち」~「出でよ!ネガトーン」。

230

そんな鉄壁な演奏を支えているのがこの豪華なリズム陣。
ベースは、ロック・ベーシストとして栄光のキャリアを誇る庄太郎ちゃんだし…

210v
24時間×365日ロックしているPONさんはロック・ドラマーの権化だ。PONさんもズ~っとドラムかロックの話しをしてるもんね。それでこそロック・ミュージシャンだ。そうでなくちゃイケない。

236
それに加えて茂戸藤さんのパワフルな和太鼓だもんね。ド迫力だ。
実は茂戸藤さんは旧Marshall Blogにご登場いただいたことがある。その時はMr.BIGとの共演だった。Paul Gilbertと渡りあう茂戸藤さんもカッコよかったが、水を得た魚のようにイキイキと自分達の音楽を演奏する今回の姿も凛々しく魅力的なものであった。

235アクションもバッチリ。
健至さんのソロもビシビシとキマる!
やっぱりアナログ真空管のアンプの音っていいナァ。

240v

続いて…スペシャル・ゲストで登場した工藤真由。

250大歓声に迎えられてノリノリで歌ったのは「プリキュア~永遠のともだち~」。
なんか健至さん、さっきからいいポジションだな~。

2img_0358 真由さんは「MOON~月光~ATTACK」も熱唱。

270高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒ROCKMAN

280<後編>につづく

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2014年8月24日 表参道GROUNDにて撮影)

2014年10月 1日 (水)

GENKI SESSION~Summer of Love 2014

今、1,000人規模の大型ライブハウスや武道館など大規模な会場を若い人で埋め尽くす人気バンドが奏でりロックと我々の世代が夢中になった60~70年代の、言い換えればパンク/ニューウェイブ以前のロックとの違いは何か?…ということをこれまでウンザリするぐらいしつこく書いてきた。
やれ、ギター・リフがどうだの、ギター・ソロがどうだの、へヴィなリズム隊がどうだの、録音の手法がどうだの…。
これからもズッと書き続けると思うけど…、
ナンダカンダ言ってきて悟ったよ。今日レポートするコンサートがハッキリさせてくれた。

今と昔のロックの最も重大な違いは「声」だ。シンガーの「声質」だ。
やはり歌の入った音楽はどうしても歌手が主役になる。
もしMarshallがなくてペランペランのクリーン・トーンでギターを弾いて果たしてサマになるだろうか?
それと同じことで、やはりロックという音楽は野太い男性的な声(女性も同じ)があって初めてロックという音楽になると確信した。

ま、この意見もまたすぐ変わって、「かっこいいギター・リフが一番大事」なんてことになるかもしれないけど、これからもこの見方がブレることはあるまい。
やはり今の若いバンドから聴こえて来るシンガーの声はおしなべて細くて女性的だもんね。昔はそういうきれいな声はフォーク・ミュージックに重用されたものだ。
「いい」とか「悪い」とかいう話しじゃないよ。
歌い手の声がいかに音楽に影響するかという話し。

…とシナリオ通りにいけば、「さて!」という書き出しで今日の声の持ち主を紹介したいところなのだが、残念ながらできない。
最高のロック・ヴォイスの持ち主だ。MarshallでいえばオリジナルのJTM45か69年製の1959か?
紹介はできないが、みんな知ってる。
記事のタイトルでその偉大なシンガーが誰かを当てることができる人は、ナゼここで本人を紹介しないかもご存知だろう。
我々はこの声が日本にあることを幸せに思うべきだし、この声を頻繁に聴くことができないことを不幸せに思うべきだ。

今日はその人が毎年夏に開催しているコンサートのレポート。
「Summer of Love」というのは1967年、アメリカのサンフランシスコを中心に広がったヒッピーたちのムーブメントの名前だ。
そうした現象につきものの音楽はGreatful DeadやJefferson Airplaneが中心となった。

…というワケで、今回も主役のシンガー抜きのレポートになるが、ナンノナンノ!最高のシンガーには最高のバンドが付きものだ。
そのスゴ腕ミュージシャンの写真を掲載してコンサートの内容をお伝えすることにする。

10ギターは大谷令文

20vキーボードは難波弘之

30vベースは水野雅章。

40vドラムは高橋ロジャー和久

50v…というこのコンサートのレギュラー・メンバー。

もちろん令文さんはガッチリと愛用のMarshallを持ち込んだ。

60これが極上のロック・トーンをクリエイトする令文さんのMarshall群。ヘッドはすべて1959だ。

70v足元のようす。

90それにしても素晴らしい令文さんのトーン。以前にも書いたことがあったが、令文さんがMarshallからひねり出しているモノはギターの音色だけでない。あの時代のロックの空気感もひねり出しているのだ。ココが令文さんのスゴイところ。
だから令文さんがここで使っている機材すべてを借り受けて弾いたとしても、絶対にこのトーンを出すことはできない。
令文さんと同じ人生を歩まないと出ない音なのだ。
ひとりでも多くの若い人たちにこのトーンを聴いてもらいたいな~。「低音がどうだ」、「歪みはどうだ」、「真空管がどうだ」とゴチョゴチョ言うのはこの音を聴いてからにしてからでもまったく遅くない。

100v令文さんのギターに導かれてのオープニングはRay Charlesの「Hallelujah I Love Her So」。へヴィ・バージョン。にぎやかでゴキゲン!
この曲を初めて聴いたのはずいぶん昔のことだけど、上田正樹が歌ったものだったような気がするな。R&Bという音楽にまったくなじみがない時分だったが、「いい曲だな~」と思ったことを覚えている。

110v続いてもR&Bナンバー。Otis Reddingの♪ガチャガチャでおなじみの「Try a Little Tenderness」。
コレも上田さんの演奏が初めてだったかもしれない。野音で観たのかな?「聴こえるか?聴こえてるかオーティス?!」と絶叫していたのが印象的だった。
130
このバンドのややソフィスティケイトされた演奏も最高!やはり上田さんと声がまったく違うから雰囲気もまったく違う。
最後のリフレイン、下手のサブ・ステージから出たり入ったり繰り返すこと4回!もはや今日も長丁場になりそうな予感満点!
コレ、他のコンサートだったら絶対最後にやるヤツだぜ。そういえば始める前に「いよいよ第一部最後の曲になりました!」なんて言ってたな。

最近フト思ったことがあった。「Hallelujah I Love Her So」の「her」、「Try a Little Tenderness」の歌詞「She may be weary」に出て来る「she」、他にもズバリ「My Girl」とか「My Guy」とか…コレ全部黒人ミュージシャンの曲なワケだけど、この中の「her」、「she」、「my girl」、「my guy」って黒人だと思う?それとも白人だと思う?ま、東洋人ではないだろうし、こんなこと考えたことがない方が当たり前かもしれない。
でもナゼか、無意識に白人を想像していませんかね?コレらの曲の主語や目的語は「黒人」のハズなんだけど、自動的に「白人」を結びつけてしまうんだよな。
イヤ、特に意味はないんだけど不思議だな?と思って…。

120Montroseは『Paper Money』から「I Got the Fire」。

140vMontroseも人気が根強い。チョコチョコといろんなところで演奏されてるもんね。
150v
私はアメリカン・ロックをそれほど熱心に聴いていないのであまりピンとはこないんだよね~。
しかも、ああいうサウンドながらRonnie MontroseがMarshallじゃないと聞いてビックリしたわ。

145vでも、このバンドにかかると何しろ愉快爽快!ブリティッシュもアメリカンも関係なくロックしちゃう!

160こういう演奏を聴くと「久しぶりにMontrose引っ張り出してくるか…」なんて気になる。

165vJanisの「Move Over」。
今またCMで使われてるね。この曲も定期的に世の中に出てくるナァ。問答無用でカッコいいもんナァ。
しかも、この声で歌われた日にはこっちはイチコロだってば!

170vDeep Purpleを1曲。…といっても「Highway Star」やら「Smoke on the Water」ではない。
「This Time Around / Owed to G」。
MCで「Deep Purple」のマイナーな曲」と紹介されていたが、ま、確かにスッとは出てこないな~。
わかってんのよ『Come Taste the Band』だってことは…。
しかし、この「Owed to G」ってインスト曲。こうして聴くとヤケクソにカッコいいな。「Hidden gem」ってヤツだね。

1_img_0176

普通こんな曲演らないでしょ~。これがGENKI SESSION。

前々から思っていたんだけど、この『Come Taste the Band』というタイトルはミュージカルの『Cabret(キャバレー)』からなのかしらん?
このミュージカルのリード・チューン「Life is a Cabaret」という曲のサビの歌詞が「♪Come taste the wine/Come hear the band/Come blow your horn」という一節があって、ここから採ったのかしら?ジャケットもワインだし。それとも何かの決まり文句?
ボブ・フォッシーの『キャバレー』という映画は実に不思議な魅力があった。ハッキリ言ってつまらないんだけど、なぜか時々観たくなる…そんな作品。
235v
この後、シンガーが在籍していたバンドのオリジナル曲を2曲演奏して第一部は終了した。
しかし、令文さんの出番が多いのはうれしいんだけど、主役が出せないと書きづらいな~。

1_img_0056第二部のスタートはまた『Come Taste the Band』!「Love Child」だ。これは有名。コレも普通演らないよね。

2_img_0158 そして、ここでバンド・メンバーの歌をフフィーチュア。
難波さんの「花・太陽・雨」。

ザ・タイガース、ザ・テンプターズ、ザ・スパイダースのメンバーで結成されたスーパーグループ「PYG」のデビュー・シングル。スゴイよね~。今だったらSMAPと嵐と関ジャニのメンバーでバンドを結成するようなもんだぜ。
作曲は井上堯之さん。そういえば、井上さん、昔MarshllのValvestateシリーズのVS100Rをお使いになられててね…。ほとんど直でつないで、信じられないくらいいい音を出されてたな~。
ギターがテレキャスターでさ。ウチにテレキャスもVS100Rもあったのでマネして弾いてみたけど、あまりに音が違うのでガッカリしたことがあった。

難波さんのソフトな歌声にウットリ…。この曲には難波さんの声がピッタリなのだ。

180v続いてはロジャーさん。お!Scorpionsの「Virgin Killer」!と思ったらオリジナルの「痛風キラー」だった。病気シリーズ第二弾!内容は「バン・バン・バン」。
会場は大爆笑。
「痛風はあっても糖尿ではありません!」というロジャーさんのセリフがビシッとキマった!

190vまたGS。「好きさ 好きさ 好きさ」…とここまで書くとつい「お前のすべ~て~」と書きたくなると言ったら年がバレるか?もうバレてるか。

200「Cry me a River」。名曲ですな~。
このタイトル、どういう意味かわからなかったんだけど、ある人が教えてくれた。「私のために川一本分泣いておくれ」という意味なんだって。
いまだに全然わからない英語表現がゴロゴロしてる。意味は先刻承知の簡単な単語の配列なんだけど、まったく意味がわからない表現にチョクチョク出くわすからイヤになっちゃうよ。

この曲はシンガーの十八番的な感じ。情感豊かに歌い上げる姿に感動を覚えない人はいないだろう。

210vHumble Pieの『Smokin'』から「30 Days in the Hole」。
Steve Marriottがドラッグの不法所持によって刑務所に入った時のことを歌っている。
歌詞には麻薬の名前がゾロゾロ出てくる。
Steve Marriottは惜しいことをした。

220vこういう曲もこのバンドにピッタリだ。
Steve Marriottの曲なんか歌える人、日本にはフツーいないからね!

230水野さんのソウルフルなベース・ソロも実に魅力的だった!250

第二部も佳境に入って「Gimmie Some Lovin'」。
260v
この曲も実にシックリくるね。
もういい加減メッチャ長いコンサートになっているんだけどお客さんはノリノリだ。
270
そして最後はSmall Facesの「All or Nothing」。
お客さんの大合唱は感動的だった!

240こうして本編は終了。
それにしてRay CharlesからDeep Purple、モッズまでこんなにそつなく演っちゃうバンドって他にないよね?自分達が演奏しやすいように大きくアレンジを施すということならまだしも、アレンジはほぼオリジナル通り。
やっぱり優秀なシンガー、そしてそれを支えるスゴ腕ミュージシャンだからなせるワザなのだ。

280vアンコールに入って、演奏したのはJohn Lennonの「Imagine」。令文さんだと「Jelous Guy」になるんだけどね。

290続いてBeck Bogart & Appiceで有名な「Sweet Sweet Surrender」。元はSteve CropperやDuck Dannと活動を共にしたR&B系のサックス・プレイヤーにして大物プロデューサーのDon Nixの作品。
やはりBBAでおなじみの「Goin' Down」もこの人のペンによるものだ。
310
さぁて、これで休憩を含めてほぼ4時間。メッチャ長かったけどアッという間だったな~。
クロージングは「アッコちゃん」。定番ですな。

300あ~、久しぶりに素晴らしい声のホンモノのロックをドップリと聴かせてもらった。やっぱこうでないとダメだわ…ロックは。
九州からワザワザこのショウの観に駆け付けてくれたお客さんもいらっしゃった。

この記事だけを見るとまるで令文さんのバンドのコンサートのようだが、それはそれでまた結構。あんなに素晴らしいサウンドで最高の演奏を見せてくれたんだから!
マンゾク、マンゾク。
できることならこのバンド、自分でセットリスト作ってそれにそって演奏してもらいたいな~。そんなのダメよ、ダメダメ…か?

330v(一部敬称略 2014年8月  東京キネマ倶楽部にて撮影)

2014年9月30日 (火)

曾我泰久 LIVE! LIVE! LIVE! ~Summer 2014

みんな楽しみにしているヤッチンの『LIVE! LIVE! LIVE!』。
前回の開催は3月、ヤッチンの芸能生活40周年をお祝いするものだった。

10そして、やってきました今回も!シンプルに『LIVE! LIVE! LIVE! 2014~Summer 2014』と銘打った全国5大都市を回るツアー。
その初日にお邪魔して来たのはまだかなり暑い頃…。昨年同様ツアーの初日は横浜だ。

20曾我泰久

30v田川ヒロアキ

40v和佐田達彦

2_img_0378 ファンキー末吉

60v黄金のカルテット。
見て、この写真!メッチャ気に入ってるの。まるで「セーノ!」でポーズを取ったみたいでしょ?
実物がこうだからこう写る。つまりノリノリってことなのさ!

70今回もヤッチンのお供は愛用のギターとMarshall。

80vJVM410Hと1960Aのコンビネーション。

90vステージ上手にはヒロアキ君とMarshall。

100愛用のJMD501。上に乗っているのは後で詳しく。

このJMDシリーズ、惜しまれつつ製造中止になってからすでに数年が経つが、探している人がかなり多い。「JMDどっかに残っていませんか?」とプロのギタリストからよく訊かれるんよ。
みんな無くなってから欲しがるんだから、も~。
先日号外を出したが、MarshallはこのJMDのデジタル・プリアンプを作ったスウェーデンのSoftubeというデジタル・オーディオ会社と技術提携したことを発表した。
もうJMDは製造されることはなかろうが、何やら新しい商品に期待が寄せられそうだ。

110ヤッチンとのイキはピッタリ!Marshall同士サウンドもシックリ!

120そして和佐田さんのベース・アンプ。

125EDEN WT-800とD410XSTのフル・スタック。
「アノね、低音がよく出るベース・アンプっていうのはよくあるんですよ。別に珍しいことじゃない。でもね、このEDENは低音がよく出るだけじゃなくて音の輪郭がものすごくハッキリしているんです。そういうベース・アンプってありそうでなかなかないんです。とにかく弾いていてメチャクチャ気持ちがいい。」
コレ以上の説明は不要だろう。それがEDEN。

2_img_0341 オープニングは「UP BEAT」。

127ところで、今回はヤッチンのニュー・アルバムの発売を記念してのツアーでもある。

130コレがそのニュー・アルバム『SUPER RARE TRAX vol.9』。

130cd「UP BEAT」で幕を開けたアタマは4曲ブッ通し!

140「アポロでドライヴ」…

150v「Let's get together」…

170「Yes! Yes!! Yes!!!」と続く。

180滑り出しは快調というより快感!
まるで毎日一緒に演奏しているかのような完璧に練り込まれた完璧なパーフォーマンス。3年前の七夕に結成されたというが、もう何十年も一緒に演奏しているかのようだ。

190MCでは「来年はワールド・ツアーって言っておきながら去年より規模が縮小してしまった!でも内容は濃いからね!」なんてことで笑いを取っていたヤッチン。


このメンバーで初めて演奏するという「どれ位…」。
1_img_0249

規模なんて関係ない、関係ない!
そりゃ大きい会場でのスペクタクルなコンサートにも大きな魅力があるし、長大なツアーをするほどの動員力はスゴイものだ。しかし、ドームのコンサートなんかでなくても、観客ひとりひとりの心を揺さぶるいいメロディを丁寧に編み上げるコンサートも最高に楽しいものだ。
今の若い人はドーム級の会場とか、数万人が集まるフェスティバル、千人を超すキャパシティを持つライブハウス(我々の世代にはこういう設備には間違えても「ライブハウス」というイメージはない)でのコンサートばかりがおなじみなのだろうが、決してキャパの大きくないライブハウスでこそ素晴らしい音楽がクリエイトされているということを知っておいてもらい。

とにかくね、最近は「いいメロディ」が少なすぎる。もっとも私が最近の音楽を注意して聴くなんてことはまずあり得ないので、すべてを知っているかのようなことは言えないが、テレビはよく見てるからね。マーブロのネタ集めで。
そうして自然に耳に入ってくる曲を聴いているだけでも、後世に残る名メロディなど皆無に近いことは容易に感じ取れる。
最近朝から晩までかかっている曲があるでしょ?生命保険のCM、スポーツ大会のテーマソング、スポーツ番組のBGM…。ホント、いい加減にして欲しい。
あのね、あれだけテレビでかけりゃ誰だって覚えますよ。それは名曲だからではない。回数を多く聞いているだけの話し。
昔はいい曲だから一日に何回もテレビから流れたし、それも1曲ではなくてヴァラエティに富んでいたよ。
今は、まず「売らんかな」の曲が先にありきで、もうノイローゼになるぐらいテレビで流して強引にヒットさせようとしているように思えてならない。音楽が「音楽」である前に完全にただの「宣伝ツール」になっちゃった。
音楽に力がない証拠であるのと同時に、いかにリスナーが不在なのかを証明しているような気がする。
すると、自然に音楽が聴衆に溶け込んでいるアニメやゲームの方が全然健全に見えて来るし、音楽がイキイキといているようにも感じる。

だいたい「楽曲」なんて言葉を使っているウチはダメだ。何回も書いてるけど「楽曲」なんてビッグ・ワードはモーツァルトやベートーベンの作品を指す言葉だよ。

200v

その点ヤッチンは違う。
私はね、過去の音楽の巨人たちに思い切り敬意を払いつつ、偉ぶらず、ひたすらいいメロディを探して自分の音楽を創作しようとしている彼の姿が好きだ。
もちろん、それによって生み出される曲は素敵なものばかりだ。
何だかヤッチンに「音楽の宮沢賢治」を見る思いなのだ。←コレ、マジです。

210
「僕の月面計画」~「One more kiss you!」~「Every Single Day」。
ここからヒロアキくんはキーボードにまわる。さすがフレット・ピアノ。鍵盤楽器は朝飯前だ。
それどころか最近はカホンやら謎の管楽器やらまで手を伸ばして驚異のマルチ・プレイヤーぶりを発揮しているからね。

220

「キミガワカラナイ」。前曲の「Every Single Day」、そして次の曲もニュー・アルバムから。


「『衛藤浩一』と名前を言っただけで笑いが取れるっていいよね。次の曲のタイトルを聞いただけで衛藤さんでしょ?とわかると思います」…と紹介された曲は「お気楽に行こう」。
ご名答。衛藤さんと作った曲だそうだ。

230vここでアコギに持ち替え。ニュー・アルバムに収録されている「Go Ahead Again!」。好きな曲。これも先人へのリスペクト感に満ちている。

240ファンキーさんと和佐田さんがステージを降りて、ヒロアキ君もアコギに持ち替えてのデュオ。

260v
曲は「遠い夏」…。
MCではところどころでメンバーの「夏の思い出」が語られた。和佐田さんの「乾いたノドにおはぎ」事件は笑ったな~。

250vここで今度はヤッチンがステージを降りてファンキーさんと和佐田さんが戻ってのバンドさんコーナー。
「オオっ!なんでこんなものがココに!」と驚くファンキーさんが手にしているのは「カラムーチョZ」。
さっきヒロアキ君のMarshallの上に乗っていたのもコレ。

270雰囲気がガラリと変わって灼熱のメタル地獄!
曲は「カラムーチョZ~秘密結社コイケヤのテーマ」。このあたりについてはコチラを見てね。

280カラムーチョの味に合わせてか、照明真っ赤っか!ボーカルにハードなギターにとヒロアキ節が炸裂!

290v作曲はファンキーさん。イントロの急速調のキメがすさまじい。ガッチリと譜面に喰いつく和佐田さんの姿が見モノだった!

300vすさまじいパワーでカラムーチョするファンキーさん!

310v本番直前まで筋トレをしていたという和佐田さんのベース・ソロ。これはスゴかった。愉快痛快!

320v火を吹くような猛烈なスラップ!
SPICE FIVE、いわし、爆風関連、結構色々と和佐田さんのベース・ソロを拝見してきたが、今回のソロはその中でもマジで白眉だったと思う。
プレイもさることながら、音が素晴らしいのなんのって!

330終演後、訊いてみた…期待通りEDENの影響は小さくなかったようだ。
やはり、いい道具は腕の立つ達人の技術をより一層引き立たせるということを目の当たりにした瞬間だった。

ところで、ヤッチンのニュー・アルバムはほとんどが自宅での録音。和佐田さんもベースを入れに楽器をかついでヤッチンの家まで来てくれたそう。5~6時間家にいてベースを弾いたのは10分ぐらいだったとか!

340「キマった…キマったゼ…」

2_img_0422続いてファンキーさんのドラム・ソロ。
360v
パワフルにして緻密な大瀑布。ファンキー・ドラミングが爆発した!

350ここからがクライマックス。ブッ通しで5曲!
「約束の場所で」~「流されて」…
380v
ゴキゲンなR&R、「Midnight Train」~「21st Century」~「Please Believe me」。

370いつもギター・ソロはヒロアキ君に譲っちゃうヤッチンだけど、今回は前回よりソロを弾いてくれましたな。
「音を選ぶギター・ソロ」…飽くまで曲の一部と捉えてメロディを紡ぐことに集中するソロは実に耳にやさしい。
ヒロアキ君もそういうところがあるな。音を選ぶ。激しいところは死ぬほど激しく爆発するロック・ギターを聴かせてくれるし。
2人はじつにいいギター・コンビだと思う。

2_img_0566 本編最後は「Stand Alone」。

390アンコール。ヤッチンもTシャツに着替えて登場。『SUPER RARE TRAX vol.9』にちなんだ「N○9」のデザインがシャレている。
410_2
アンコールでは定番「愛を育てよう」と「ハダカノココロ」を演奏して初日の幕を閉じた。

400今日もやさしく、力強く、そして楽しい曲たちに囲まれたいい夜でした。

420曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com

430(一部敬称略 2014年8月13日 横浜F.A.D.にて撮影)

2014年9月29日 (月)

秋CANTA '14 秋の少食健康習慣TOUR ~少なめが調度いいよね!春にもやるけどね!~

まずは長い!今日のタイトル。でもコレがCANTAの秋のツアーのタイトルなのだ。あんまり長いので一文字も足さないでそのまま今日の記事のタイトルに持って来た。
その割には「少なめが調度いい」…だ。タイトルではなくて食事の話しなのね?

「少食」か…。心がけなきゃな~。でもついつい「大盛り」だよ。
「大盛り」といえば、以前から気になっていることがある。それは、「大盛り100円」はいいけど「150円」はイヤだナァ…ということ。
そもそも「大盛り100円」ってかなり不利な場合が多いような気がするんだけど。本体が1,000円ぐらいのスパゲティならゼンゼン納得がいくんだけど、歩が悪いと思うのは立ち食いそばの大盛りね。本体が300円かそこらなのに麺を0.5玉足したぐらいで100円も上乗せされたんじゃ泣いても泣ききれない。
スパゲティを例に採れば立ち食いそばの大盛は「30円増し」で間尺に合うハズだ。百歩譲って「50円増し」でも許すことにしようではないか。「大盛り業界」にはご一考をお願いしたい。

さて、「食欲の秋」。食習慣は少食がいいかも知れないが、コンサートは大盛りの方がいいにキマってる。
そんな大盛りのコンサートが秋のCANTAのツアー。初日の柏にお邪魔してきた!

10ルーク篁。細い。うらやましい。少食なんだろうな~。

20vMASAKI。細い。うらやましい。少食なんだろうな~。

30v雷電湯澤。細い。うらやましい。少食なんだろうな~。

40vルーク篁=Marshall。
今回のツアーももちろんMarshallがお供させて頂いている。

50メインは愛用の1959RR。限定モデルのランディ・ローズ・シグネチャー。

60キャビネットはMF280B。根強い人気のMFキャビ。残念ながら今はもう製造していない。

70足元のようす。

80今回のツアーの雷電さん…ドラムはNATAL(ナタール)!

90v雷電さんのチョイスはアッシュ。

110コンフィギュレーションは10"、12"、16"、22"、14"x5.5"。

130_2ただただ「音がよく、鳴りがいい」ということではなく、自分の裁量で自在にサウンドをコントロールできるところがすごくいい…というご評価。

130_3実は雷電さんが実地でNATALを使うのはコレが初めてのことではなく、ちょうど1週間前にデーモン閣下のコンサートでもNATALは活躍した。(コレも後日マーブロでレポ―地する予定)
その際も、バンド・メンバーやPAスタッフから高い評価を頂戴した。

100v

 さて、今回の秋のツアー、冒頭でも触れたが、『秋の少食健康習慣TOUR ~少なめが調度いいよね!春にもやるけどね!』という規格外に長いタイトルがまず印象的だ。

140v毎回カチッとツアー・タイトルが決められのがすごく気持ちがいいんだよね。
「じぇじぇじぇ」がタイトルに入っていたこともあったので今回は「見に来なきゃダメよ、ダメダメ」ぐらいが来るかと思ったら「健康志向」で攻めて来た!
180v_2
11月中旬までの全16公演(すでにそのうち2公演が終了)。
これからご覧になる方のために詳しいことは書かないが…

160vいつも通りの愛と笑いと涙と感動がふんだんに盛り込まれた充実の内容!

170vセット・リストは新旧取り混ぜの「CANTAバラエティ・ショウ」。

150

緩急自在のサービス精神テンコ盛りの構成だ。

190今回、雷電さんのタライに替わって登場するのが自転車タイヤのホネ。コレが何の役を果たしているかはコンサートに行ってのお楽しみ。

200vん~、それにしても実にクリスピーで心地よいドラム・サウンド!

210v雷電さんの電光石火のテクニックとCANTAのバンド・サウンドにNATALがバッチリとマッチしているのがうれしい!

230v今回改めて聴き惚れたのがルークさんのMarshallの音。我々世代がよく知っているMarshallの音。我々世代が憧れた正統派Marshallサウンドだ。
だからCANTAサウンドが気持ちいいのだ。「Marshallはこうやって使うんだよ」と示しているかのようなサウンド・メイキングのひとつ。

240もちろんMASAKIさんのベース・サウンドも欠かすことができない。この音もスゴイよナァ。MASAKIさんだけにしか出せないワン・アンド・オンリーの限定サウンドだ

250そして、NATALがサポートする雷電さんのドラム!
これから14公演。あなたの街でCANTAと至高の瞬間をお過ごしあれ!

CANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

260NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年9月28日 柏PALOOZAにて撮影)

2014年9月26日 (金)

三宅庸介 Strange,Beautiful and Loud~put a spell on you!!

コレは本当にただの偶然なんだろうけど、また出て来た「put a spell on ~」。この英語表現についてはチョット前の記事に記したので詳述は避ける。
かといってこのまま本題に入るのも寂しいのでムリヤリ「spell」について文句を言うことにしよう。イヤイヤ、「spell」という単語に文句があるワケではもちろんない。
またぞろ日本の英語教育というか使用環境についてモノ申したいということだ。

それは、英単語を日本語に引用するなら正しく使えということだ。イヤ、違うな…せっかく英単語の意味を覚えるんだから、そのまま英語に使えるよう正しい語法を教えておくべきだ…ということ。

そういえば、昨日の新聞に「国語世論調査」に関する記事が掲載してあった。
擬音や名詞に「る」とか「する」をひっ付けて動詞化した言葉を多いモノで90%の人が使っているというのだ。
「チンする」とか「パニクる」とかいうヤツね。
「チンする」を使う人は全体の90%。「事故る」や「告る」となると使う人の割合が減り、「タクる」に至っては6%の人しか使っていないそうだ。
その記事に書いてあったワケではないが、この理由は、そのシチュエーションに遇う確率がそのままスライドしているのだろう。
いいオッサンが「告る」機会はほとんどないし、若い人がタクシーに乗るのもホンノたまの機会だ。こういう言葉はすぐに消えて行く。
その点、「チン」は強い。米を炊いたりパスタをゆでたりするのも電子レンジという昨今だ。年がら年中「チン」していることがそのまま言葉に表れた。また、この「チンする」は表現自体が可愛いもんね。こういう言葉は重用されるのが理解できる。

外国の単語の一部を頂いて日本語化しちゃうのも日本語のスゴイ能力だ。
「ディスる」という表現が一時流行ったが、もう絶滅に近いらしい。コレは「disrespect」や「dis-」という否定を意味する接頭辞から来ているんでしょ?
ついでに「サボる」。コレは確かフランス語の「sabotage」からきているハズだ。日本語だと思っている人もいるようだが、試しにワープロで「さぼる」を変換しても漢字にはならない。
ここでもさっきと同じことが起こっている。
いいオッサンが誰かを公の場で「ディする」ことはほとんどないだろうが(飲み会や仲間内では頻繁だろうが…)、「サボる」ことはしょっちゅうに違いない。
昔よく「ネグる」って言葉を聞いたけど、最近は聞かなくなったな…。

さらに、誤用が定着し、言葉自体の意味が変わってしまっているケースも多いらしい。
その一例として、恥ずかしながら私も知らなかったのだが、「まんじりともせず」。
コレは「ジッと動かない状態」を意味するのかと思っていたら、「眠らない」というのが正しい意味なんだそうだ。
こんなことも知らないで文章を書いているなんて、気になってまんじりともしないわ。
この歳になっても、イヤ、この歳だからかな?…読書の重要性をイヤというほど感じますよ。

で、「spell」。
タイトルに使われているのはJimiの「Purple Haze」の一節。この場合は、「呪文」とか「魔法」とか「魔術」という意味。
この他、よく「綴り」という意味の「spell」がある。よく「どういうスペル?」なんて言うでしょう。英語圏の人は「綴り」という名詞として「spell」という言葉を使うことはない。
ナゼなら「spell」は動詞だからだ。「綴り」という名詞を使いたい時は「spelling」と言う。
こういうこともサ、一個一個覚えてんのよ。
だからはじめから「スペリング」と日本語に取りこんでくれていれば苦労がひとつ減ってたワケ。
それが言いたかった。

さて、コチラは「魔法」の方のspell。
悪魔のように大胆に、天子のように細心に…何かにとりつかれたようなパフォーマンスを繰り広げる3人のレポート。
おなじみの三宅庸介率いるStrange, Beautiful & Loudだ。

10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司
KK、ゴメンナサイ。カーツ大佐みたいになってしまった!何しろ暗くて暗くてドラム席まで光が届かない!

40vオープニングは「If」。

50_2
ほぼ毎回演奏される三宅スタンダード。もはや三宅ミュージックの代表作のひとつと言っても差支えないだろう。
美しくもの悲しいサビの旋律が印象的だ。

60

今日も三宅さんはもちろんMarshallなのだが、愛用のDSL100と1960BVではなく、借り物のJCM900 4100と1960A。いわゆる「ハコキュー」というヤツだ。

80v
征史さんはいつもの自分の1992 SUPER BASS。
70

「If」が収録されているのはこのアルバム、『Orchestral Supreme』。
まだ聴いたことのない人はとにかく聴いてもらいたい。これまでいい評判しか耳にしたことがない。
前作『Lotus and Visceral Songs』の方法論を推し進め、磨きぬいた自分たちだけの音楽を極限まで追求した7曲が詰め込まれている。
そして、そこで聴くことができる楽器の音に注目してもらいたい。
三宅さんも征史さんもMarshallにできることのすべてを要求し、Marshallがそれにすべて応えている。
三宅さんは改造など一切Marshallに施していない。三宅さんの魂と指が作りだしているピュアなMarshallサウンドなのだ。
そしてシャープにして深遠なドラムのサウンドはすべてNATALによるものだ。
ジャケットの写真は私。内容の崇高さに比べるとレベルもクォリティは落ちるかもしれないが、三宅さんの音楽そのものが写るようにシャッターを切ったつもりだ。

『Orchestral Supreme』のレコーディングのレポートはコチラ

45cd2曲目は先述の前作『Lotus and Visceral Songs』から「Bloom」。
「Bloom」とは観賞用の花のこと。「花」は一般的にはflowerだが、バラのように特に見て愉しむ花のことをbloomという。
また、実を付ける果樹の花は「blossam」という。

90果たしてこの曲を聴いて「花」を連想する人がいるのかどうかわからない。ともすると「ロックの毒花」なのかもしれない。

100vかつてSHARAさんが三宅さんの音楽を指してこうおっしゃったことがあった。
「三宅くんの音楽は『悪魔的』やナァ…」
ロックの裏の裏まで聴きこんだSHARAさんからそんな風に形容されるなんてスゴイことだ。

この曲を田川ヒロアキとプレイした時はこの上なくスリリングだった。

130
『Lotus and Visceral Songs』は色んな人がリズム隊に参加していたが、今作は丸っきり3人で制作した。
すなわちもっとも三宅さんが好む安定したリズム隊ということだ。

110v時に3人がひとつに、時に3人以上に…縦横無尽に三宅ワールドを展開する三宅さんにとって最高のリズム陣だ。

120v続いて『Orchestral Supreme』から「Petal」。
「Petal」とは「花弁」。これまた題名と内容がなかなか結びつけるのが難しいへヴィな曲。
三宅さんのお気に入りでよく演奏されている。

140v三宅節全開のテーマ・メロディ。
身を削るようにして絞りだすギター・プレイが息苦しいほどに切ない。

170v
続けて「Ring」。問答無用でカッコいい。

R_img_0152 へヴィなリフからテンポ・アンプするところはいつ聴いても鳥肌だ。
この曲、もしかして三宅さんのレパートリーの中で最もテンポが速い曲なのではなかろうか?

210v
曲中、8分の裏でベースが上昇していくドラムとのキメがまたすこぶるカッコいい!

150「murt 'n akush(マラケシュ)」。この曲が世に出てそう長い時間は経っていないが、早や三宅スタンダードの仲間入りを果たした感がある。
三宅さん自身も気に入っていつも大事に弾いている感じが見受けられる。

160v征史さんたちも新しい曲に挑むのがすごく楽しそうに見える。そういう意味では毎回各曲、まるで新曲を演奏する緊張感とうれしさがあふれ出ているようなイメージがあるな。

200v
最後に演奏したのは「Virtue」。前作収録の強烈なワルツ。
時折出て来る#9thのキメがいかにも三宅さんらしい。コレは三宅さんの「Manic Depression」なのかな?
180v
今回はハコキューだったので、本人的には完全に納得のいくギター・トーンではなかったかも知れない。
もちろん4100も同じハイゲインでもDSLとは異なる独特のキャラクターを持ち、マスターを7程度に上げた時の音の張り出し感には筆舌し難い充実感がある。ひとことことで言えば「快感」がソコにある。
三宅さんはそのあたりのことも熟知していて、平生4100を使っているような見事なサウンド・メイキングをしてくれた。
ところが、この約ひと月後、我々は三宅さんとMarshallの新しい関係を目の当たりにすることとなった。
それはJVM。詳細は次回のレポートをお待ちいただきたい。

ハッキリ言って、ロックを聴きなれていない人には三宅さんの音楽を楽しむに至るまで時間がかかるかもしれない。
しかし、三宅さんの音楽には明確な調性やリズムがあり、抑揚が効いており、決してとっつきにくいモノではないと思う。
誰も聴いたことのない奇を衒っただけの新しい音楽をしているワケでは決してない。正解だ。
私は音楽に「新しさ」を求めるのは「音楽の自殺行為」だとすら思っている。
そんな陳腐でうわべだけのすぐに消えてなくなるような新しさを求めるくらいなら、三宅さんがやっているようなストイックな音楽の「重厚」さを味わった方が断然いい。

曲はもちろんのこと、楽器の音色やオリジナリティあふれる器楽演奏にジックリと耳を傾け、味わいつくすがいい。
でも一番味わうべきは何かにspellされた、音楽に人生を捧げた彼らの「魂」だろう。

220

三宅さんにとりついた「何か」とは間違いなくJimi Hendrixだった。

230v三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Yosuke Miyake's Strange Beautiful and Loud

240v(一部敬称略 2014年8月16日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2014年9月25日 (木)

BLIND BIRD~TOUR FINAL 初ワンマン!!!!!!!!!

あるリサーチによると、調査の対象になった人の約70%が今年に入って一枚もCDを買っていないそうだ。
そんな話しを聞くといかにも音楽産業が斜陽化しているように思えるが、さにあらず。街中や電車の中でイヤホンをしている人の数は減ったようには見受けられないし、実際、CDという形態とは離れたところで音楽が普及しているらしい。つまりダウンロード配信やらストリーミング配信というヤツだ。
ま、今に始まったことではないが、それにしてもそんなに多くの人がCDを買わなくなったとは…。
いわゆるPhysical Products離れってヤツ。

それにしてもわからん。
自分の好きな音楽でしょう。何がしかの「形」で持っておきたいって思わないのかね~。
私なんかいまだに毎月30~40枚買ってるんですけど…。
ま、私が聴いているのはマイナーなジャズか、マニアックなブリティッシュ・ロックが多いので、恐らく配信なんかされていないような気もするし。

それはさておき、とにかくCDだのLPだのなんてものは内容もさることながら、集めることが大きな愉しみなワケですよ。
聴いて、見て、棚に収める、そしてタマに引っ張り出して来て、聴いて、見て、また棚に収める…コレがうれしいんじゃん?
iPodの中に何万曲入っているか知らんけど、CDを買わず、そんな目に見えないもの集めたって面白くもなんともないじゃんね~。

最近気が付いたんだけど、もしかしたらこの統計は「男性の女性化」が少なからず関与しているのではないか?
私なんかは「断捨離」がまったくできないタイプで、「資料」と銘打って後に必要になりそうなものはとりあえず何でも保管しておく。そうでなければこのブログなんてそうした「資料」なくしては到底成り立たない。家内の忍耐の上に実現していることは十分自覚している。
でも、この何でもバカスカ捨てないで、「集めておく」というのは男性特有の習性なのではなかろうか?
よっぽどのセレブがブランド品を集めるとか、キティちゃんのマニアなんかを別にすれば、女性って何かを集める欲求が男性に比べて比較的希薄でしょう?古銭を集めているとか、弁当についている醤油の入れ物を集めているとかいったウラ若き女性はついぞ見たことがない。
コレですよ。
男性が「女性化」…あるいは「草食化」と言ってもいいかもしれない…してしまって、CDを集める男性が減ってしまったのではないか?と思ったりしているのだがいかがだろう?関係ないか?

私の場合、アホみたいにいまだに毎月バカスカと中古CDを買っているのは、むしろ「集める」ことを目的としているのではなく、見知らぬ面白そうなCDを探し出すことに悦びを見出しているからだ。
もうひとつ。私はミュージシャンではないが、そうした新しい音楽に出会うことによって刺激を得、写真を撮ることや文章を書くことに新鮮さを注入しているつもりなのね。
だから、購買の対象となるCDは、ジャズやブリティッシュ・ロックが圧倒的に多いものの、面白そうなものがあれば、クラシック音楽でも民族音楽でもサウンドトラックでも何の抵抗もなくゲットする。その多くは二度と聴かないモノも少なくない。加えて最近ではすでに持っていることを忘れ、ダブって買ってしまこともしばしば見受けられるようになってしまった…トシで。
これが私のCDライフ。

それともうひとつ。
やはり大枚はたいてアルバム一枚買ってもいい…という気骨のある作品があまりにも少ないのと同時に、強烈なシングル志向がアルバムの必要性を低くしてしまったこともあるのだろう。
コレはずいぶんと前から書いているが、このシングル志向は軽音楽の分野からひとつの芸術を失うことを意味していると思っている。
アルバムとして聴く音楽の楽しさやおもしろさが忘れられ、またCDが売れなくなるという、どうにもならない音楽デフレ・スパイラルに陥っていることは否めまい。
要は「アルバム一枚通して聴きたい!」という魅力的な作品がジャンジャン出てくれば少しはCDも売れるようになるのではなかろうか?…ということ。

そんなCD受難の時代にお金を出してでもゲットしたいというアルバムにめぐりあえることはラッキーかつハッピーなことと言えよう。
コレはそんな作品。
以前にも紹介したBLIND BIRDが7月にリリースした『仮想粒子』。
良質なロック・チューンが詰め込まれているだけでなく、MarshallとNATALの魅力的なサウンドにあふれている。

10cd今日はそのレコ発ツアーの千秋楽のようすをレポートする。
60
ボーカル/ギターの桐嶋直志。

20vギターの小松優也。

30vベースは河野充生。

40vドラムは山口PON昌人。

50v優也君は根っからのマーシャリスト。今日は特別な機会とあって、いつもよりマッシブなバックラインとなった。

70v左の上は長年愛用してきたVintageModern2466。その下が今回初登場のJCM800 2204。コンボはJVM215C。キャビネットは1960A。

80足元のようす。ワウは優也君の重要なツールだ。

90コレでBLIND BIRDの重厚なギター・パートがクリエイトされる。

100PONさん!

100v今回のドラム・キット。
ちょっとわかりにくいがNATALのスリー・バス!
派手なことがお似合いのPONさんにピッタリではないか!

110基本はアッシュのブラック・スウォールだ。
これがBLIND BIRDの律動感を強烈に演出する。

120直志さんのBLIND BIRDピック。

130オープニングはアルバムと同じ。「はじまりの風」。やっぱりコレから聴きたいよね。

150v続いて「Earth Below」。

160vさらに「星座」。

170vアルバムでも暴れまくっていた「星座」のドラム。ライブではもはや歯止めがきかない壮絶ドラミング!
それにしてもこの曲、いいナァ~。

180…ここまではアルバムを曲順に再現。
続いてもアルバム10曲目の「Wonderful World」。これも実にいいんだよね~。
歌詞と曲と直志さんの声が絶妙にマッチしている。

190「Sunny Rain」…ここまですべて『仮想粒子』から。
ちょっとハードなシティ・ポップスみたいな展開。ところどころ魅せるこのキャッチーさもこのバンドのいいところ。

270

セカンド・アルバムの前作、『Mescal Soul Drive』から「BAD FLOWER」。
266v
ニュー・アルバムのリード・チューン「hi-lite」。
え、もうここでもう出しちゃうの?!普通、最後の方にとっておかない?…気前がいいのもBLIND BIRD流。

220vこの曲はよく作りこまれていてすごく好き。
MarshallとNATALが大活躍のPVは見てくれたかな?
ライブ・バージョンはワイルドさも最高に増幅され、ド迫力の「hi-lite」となった。
そういえば、昔のミュージシャンってみんなhi-lite吸ってたな~。ちなみにあの青いパッケージをデザインしたのは和田誠だったって知ってた?
140

「凡才」のイントロからPONさんのドラム・ソロ。

240情け容赦なくNATALをねじ伏せるPONさん。だが、NATALも負けてはいない!
2_img_0058
愛用のアッシュ・キットから繰り出される乾いた歯切れのよいサウンドがたまらなく気持ちがいい!

280
あ~、ズッと聴いていたい!PONさん頼む!

250vまたセカンド・アルバムからバンド名を冠した曲、「BLIND BIRD」。

260
ここはライブ・コンサートならではの変形BLIND BIRD。盛りだくさんだゼ!
バラードで「領域」。
そしてビックリしたのが次の「Angel」。そうJimiの名曲。
これまた絶妙の選曲でBLIND BIRDの意外な一面を見せてくれた。

1_img_0207 客席から大声でヤジを飛ばしている人が!…誰かと見ればPONさん。休憩でBLIND BIRDを観てる。

265そのまま河野さんのベース・ソロ!
ソロ・プレイも深淵にしてまたよし。
230
これもセカンド・アルバムからだね。「帽子の影」。

2_img_0071 ここで優也君のギター・ソロ。
以前にも書いたが、優也君とは結構長い付き合いで、以前のバンドも当然よく知っている。それでも今回の『仮想粒子』のギター・プレイにはまったくマイッタ~。
「なんだ、こんなこと出来るのかよ!」などと、最早ベテランの域に達しているギタリストに向って失礼千万なのだが、とにかく素晴らしいプレイを聴かせてくれた。
200v

この日のソロでも渾身のプレイを披露。
彼も速弾きなんかはまったく朝飯前なのだが、やたらめったらピロピロしない。70年代のハード・ロック全盛期、いやロック全盛期の香りを漂わせる重厚なプレイ。
ロック・ギターのカッコよさを伝承し続けている男のひとりと考えて間違いないだろう。
今日初登場の2204もいゴキゲンなトーンを聴かせてくれた。

210

あのね、私はね、このMarshall Blogに出てくれるギタリストがみんな大好きなのよ。
みんな素晴らしい。マーブロに出てくれるから好きなワケではないよ。彼らのプレイや存在が大好きなのだ。
340v
そして、こんな素晴らしい音楽家の皆さんとお付き合いをさせてもらっていることが何よりもうれしい。
マーブロに出ているから当たり前なんだけど全員Marshallだし。
結局Marshallって自分の人生の大半を占めているんだナァ~、と改めて感謝の念を天国のJim Marshallに表したい。Jimに会いたいナ~。

お、なんだかセンチになってしまった。こんなこと今書くつもりじゃなかったのに。コレもBLIND BIRDの魔力のせいだゼ!

2_img_0040 セカンドから「再生」。
やっぱり今日もスゴかった河野さんのベース。時折耳がベースにだけ張りついてしまう!

300v

またニュー・アルバムに戻って「Pride on the Street」。ファンキーなビートがまたシックリくる。
中間部のキメのカッコいいことといったら!

290v疾駆する「初触」!
こうしたハードなドライビング・チューンでは一丸となって重戦車と化す4人!

1_img_0081 本編最後は「Still」。
本来、ショウの最後はドバ~っとブッ速い曲で締めくくってくれるのが好きなのだが、コレはいいね。
グっとくるものがある。オカズなしにシレっと入って来るリズム隊がカッコいい。
名曲だ。

310アンコール。
「もうニュー・アルバムの曲は全部演っちゃったよ!」…♪ジョコジョーンと始まったのは…
330v
本日カバー2曲目、T.Rex「20th Century Boy」。
みんな楽しそうだ。
それにしてもこの曲は人気あるな~。
みなさん!T.RexのMarc Bolanの相棒、Micky Finnが使っていたパーカッションはドップリNATALですからね~!

320ニュー・アルバムの評判も上々で、コンサートも大成功!メンバーの顔が輝いている!

350vボーカルも披露した優也君!ノリノリ!

370ノリノリすぎてギターかじっちゃった!

380最後はBLIND BIRDスタンダードの「デタラメデモラブ」。

360v
BLIND BIRDには、焦らずにジックリといい作品を世に問うてロックの殿堂に努めてもらうことを願って止まない。

385vBLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site

400NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年8月10日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2014年9月24日 (水)

TRANSSEXUAL BOOGIE SHOW~vol.20~ROLLY & THE MULBERRIES登場!

MarshallやNATALやEDENを使うと使わないとに関わらず、また、自分が取り扱われているかいないかを問わず、大変ありがたいことにMarshall Blogはプロのミュージシャンの閲覧率が高いと聞いていて大変うれしく思っている。
さらに光栄なことは、そうしたマーブロをご覧のプロ・ミュージシャンの方々から「マーブロで知った」とか「マーブロから情報を得ている」などというお言葉を頂戴することだ。
そんな時、「がんばっててヨカッタ!」…と、サラリーマンが過酷なガマン仕事から解放され、夜遅く我が家に帰ってカワイイ我が子の寝顔を見た時の気持ちになる…違うか?もうはるか遠い昔のことなので忘れた。

とにかくうれしいのだ!

オッシャ!そんなら情報発信しちゃおうじゃないの!…という意気込みで編んだのが今日の記事。
『TRANSSEXUAL BOOGIE SHOW~vol.20~』というイベントのレポート。「vol.20」…ってアータ、これそんなにやってんのッ?!
「transsexual」は「性倒錯の」とか「性転換者の」とかいう意味の形容詞。
「transvestite」は「服装倒錯者の」という形容詞。
「transylvania」はドラキュラ伯爵の故郷のルーマニアの地名。
そう、みんな『Rocky Horror Show』で勉強した。Dr. Frank N. Furterのおかげ。
Frank Zappaは「Transilvania Boogie」という曲を吹き込み、Zappaと『Rocky Horror Show』のトリビュート・バンド、なぞなぞ商会はそれに引っかけて「Vampire Boogie」という曲を作って演奏した。
…もう何回コレ書いたかな?
ちなみにドラキュラは現地の言葉で「竜の子」という意味がある固有名詞で「吸血鬼」の意味はない。「吸血鬼」を表す英単語は「vampire(ヴァンパイア)」だ。

さて、会場に入る。転換の時間のハズなのだが真っ暗で爆音。ステージの反対側のスペースで何やら演ってる。

10真っ赤な照明の中に浮かび上がったのはROLLY!

20ROLLYさんはこの日の2週間後にCDがリリースした「ROLLY & GlimRockers」として、翌日のステージに上がった。2日連続、ステージの内外で独自の世界を展開し会場を盛り上げた。

30vROLLYさんはね、2000年の「マーシャル祭り」にご出演して頂いたんよ。他の人たちが洋楽を演奏する中、櫻井哲夫さんと菅沼孝三さんをバックに、ただひとり「日本のロック」、フラワー・トラベリン・バンドの「SATORI PART2」をプレイする姿はカッコいいことこの上なかった。

ROLLYの詳しい情報はコチラ⇒www.ROLLYnet.com

そして、ROLLYさんが次の出演者を紹介する「世界一カッコいいバンド!…」

40マルベリーズ!

冒頭で触れた「発信したい情報」とはこのバンドのこと。
いわゆる「グラム・ロック・バンド」ということになるのであろうが、コレが実にいい。
私はグラム・ロックを熱心に聞き漁ったことはないが、そうしたジャンルなどというものを飛び越えた「歌のロック」の楽しさをそこに見たのだ。
その逢瀬をレポートする。「逢瀬」とはマルベリーズのコンサートのことだ。

60ボーカル&ピアノの★(スタァ)。

170v
ギター、Cookie。

80vベースのKammie-ju。

90vドラムはA-taro。

100vA-taroさんはNATAL。
岡井大二さんのプレイを見た途端NATALに惚れ込んでくれた!アッシュのホワイト・スウォール。
「自由に自分のサウンドを彩ることができる」…とどこの現場でも愛用してくれている。
ローマ兵士の格好がまたよく似合うこと!

110vマルベリーズのアルバム。
左が『マルベリーズ その新世界』、右がファースト・アルバムの『THE MULBERRIES』。
いいんだゼ~、両方とも。
葉山へ向かう車の中で聴いてもうゴッキゲンなドライブになっちゃった…なんて言うといかにもミーハーチックな生活をしているように聴こえるが、仕事だよん。
本当はジャズとザッパと60&70年代のロックにまみれたリスナー生活を送っております。
とにかく初めて聴いたにもかかわらず、つい一緒に口ずさみたくなるような曲が詰まってるのよ!

2img_0064 しかも!『その新世界』の方の裏ジャケはというと…。
聴けばスタァさんは大のMashallファンとのこと。
MS2Rに細工を施しているところがまた殊勝で好感が持てるじゃないの!普通はフル・スタックとかハーフ・スタックにしがちだもんね。「R(赤)」のチョイスもイカしてる。
そして、ノブに注目。全部フルテンになってる!

2img_0066 1曲目はファースト・アルバム収録の「恋のファンファーレ」。
トッドも自分のファースト・ネームを冠したアルバムのオープニングに「How About a Little Fanfare?」という曲を持って来たことがあったが、派手なパフォーマンスにはファンファーレが良く似合う。

120ハチ切れんばかりの疾走感!
またね、いいんだ、曲が!D→Daug→Bm→D7ここで4度進行して、Gからのサブドミナント・マイナーでGm、D→A7。嗚呼、ポップ!
こういうクロマチックなコード進行の曲はイイね。大抵が名曲になる。

130v続いては「君にハロー」。ゴーゴー・ビート!「ゴーゴー」という言葉は死んだな。ずいぶん流行ったんだゼ。
この曲、サビの展開が意外なんだよ~。
150
この曲はシングルになってる。
ク~、『SLAYED?』!!
いいよな~、Slade。Sladeが一体どれだけ人気があったかは「名所めぐり」の「Earl's Court」の回にも書いた。
このバンド、Sladeの「Rock and Roll Preacher」なんか演ったらピタリとハマりそう。

「ハロー」っていい言葉だな。すごくいい音だと思う。
私の世代は子供の時に最初に知らされる英単語は「ハロー」だった。
その後、中学校で英語の授業が始まると「英語圏の人はHelloとは言いません」と習った。
確かにアメリカ人は滅多に口にしないが、イギリス人はごく普通に「Hello」と言っています。実際の挨拶でも電話でもメールでも普通に使う。
いつか国立劇場の英語表記のことを書いたが、まったく日本の英語環境はヒドイ。
子供たちにワケのわからない早期英語教育を押し付ける前に、国会議員就任の条件にTOEIC850点以上獲得を組み入れるべきだ。

2img14スタァさんがピアノを前に「恋のつぶて」。なんか、「スタァさん」って呼ぶのは、ハイジの「トライさん」みたいだな…。
コレもいいな~。サビのメロディが魅力的なの。

140vバックの皆さんも実に楽しそうに演奏するのがマルベリーズ流。

160vハッキリと「原曲を侮辱する」とアナウンスして始まったのは「Bohemian Rhapsody」。
ところが曲は「海その愛」…なんでやねん!
♪う~みよ~、お~れ~のう~みよ~…ってコレが実にハマる。
2_img_0139

続けて「僕なき世界」。
Vが良く似合うクッキーさん。客席に飛びこんでお客さんと戯れるシーンも!

180派手なベース・ソロも大きな見所だったKammie-ju。

190v緩急自在にマルベリーズのリズムをコントロールするA-taroさん。レギュラー・グリップがカッコいい!
ところでなんでローマ?

200v「恋の願い」。
これもいい。シャンソンっぽいっていうのかな?シャンソンはわからんな~。カンツォーネではない。でも「歌曲」なんだよね。
このバンドの大きな魅力はスタァさんの声。声の質が曲に実によくマッチしている。

2_img_0151 あのね、何でこんなに私が気に入っているかというと、さんざん書いてきた通り、曲の良さなんです。
失礼を承知で書かせてもらえば、別に新しいことをやっているワケではまったくない。断じてないんだけど、永遠に変わることのないポピュラー・ミュージックの真髄もようなモノを突き詰めている感じがするのですよ。
すなわち「歌謡ロック」なんだな。
J-POPとかいうのが台頭してしまったおかげで、不幸にも日本人はいつのまにか「歌謡曲」と「ロック」の両方を失ってしまった。マルベリーズはその失われた両方の魅力を伝えてくれるバンドと言えよう。
過去にも同じ方法論を採ったバンドはいくらでもあったが、今こそその存在を尊重するべきだと思う。

2_img_0193 最後はスペシャル!ROLLYさんがステージに上がった!

210曲は「I Love Me」。この曲はROLLYさんのThe卍がカバーしている。

220vこの曲もステキ。
さっきの英語教育論を持ち出せば、「I Love Me」じゃマズイ。主語と目的語が同一の場合は、目的語を再帰代名詞に換えて「I Love Myself」にしなければダメ。
でもそんなことはロックンローラーにとってはどうだっていい。
だってみんなナルキッソスなんだから!

230このギター!こういうの使ってるの他には宇崎さんしか知らない。

240vROLLYさんってホントにギターがよく似合う人だ。

2_img_0180 シックリくる共演だな~。

250A-taroさんも実に楽しそう。もうドラムが好きで好きでたまらない感じ。そうROLLYさんのギターみたいにドラムが似合う人なのだ。あ、ローマ兵士の格好もよく似合ってるゾ!

260v♪心の底から自分が大好き 誰かを恋するヒマなどないのさ
コレでいいのだ。ミュージシャンは全員コレ!そうでなきゃこんなこととてもできんて!
ちなみに私はコレじゃないからロックンローラーになり損ねた!自分のこと…決してキライじゃないけどね…。

270スゴイ光景。
一体どんな音楽を奏でているんだって思われるかもしれない。
そんな風に興味を持った人は10月26日の次回の逢瀬(ROCk JOINT JB)にお出かけあれ!

280マルベリーズの詳しい情報はコチラ⇒マルベリーズ公式ファンサイト

50

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2014年8月2日代々木Zher the ZOOにて撮影)

2014年9月22日 (月)

LEGEND OF ROCK at日比谷野音 vol.6

昨年もレポートした世界に冠たるトリビュート・プロジェクト『LEGEND OF ROCK』の日比谷野音公演。
今回で6回目を迎える。
出演者はホンモノになりきって、観客はホンモノを見た気になりきって、和気あいあい、実に楽しいイベントなのだ。
そして、多くの人がいまだに黄金時代のロックを希求していることを実感させてくれる。あの時代の息吹をナマの音で伝えるという意味でもこのプロジェクトは重要な役割を果たしているのだ。

しかしですよ、最近テレビのコマーシャルを気を付けて見ているんだけど、オリジナル音源やクラシック音楽を除けば、なんと多くの60~70年代の曲が使用されていることか。
使用料の問題もあるのかもしれないが、やはり人の耳を惹きつけるだけの魅力を持った曲がその時代に集中していることの表れに違いない。
今、音楽が進む方向は「温故知新」しかない…ステージを見ていてまたぞろそんなことを考えていた。

実はこの日、前々からガッツリと先約が入っていて、当初はコチラの取材は諦めようと思っていたのだが、せっかく大イベント…その一部だけでもレポートしたい思い、他の現場を抜け出してきた。
したがって今回のレポートは抜粋となることをお許し願いたい。
ワガママな取材を快くご了承頂いたLEGEND OF ROCKの主宰者にこの場をお借りして御礼申し上げる次第である。

10まずはAD/CD。エ、コレ「アーダー・コーダー」って読むの?ウマイな。
何のトリビュート・バンドかはバンド名、写真を見れば一目瞭然だろう。

20AC/DCを初めて聴いたのは『Let There Be Rock』の国内盤が出た時だった。
それまでオーストラリアのバンドなんてついぞ見かけたことがなく、珍しもの好きな友人が試しに買ったLPを聴かせてもらった。詳しくは知らないんだけど、このアルバムが日本のデビュー盤だったのかしらん?
「なんだコレ?変な声。ウワ!ギターのヤツ、半ズボンでランドセルしょってるわ!それにえっらいシンプルなハード・ックだナァ~」という印象だった。
まさかこれほどまでのビッグ・ネームになるなんてあの時は思いもよらなかった。

30vAC/DCといえばAngus Youngのギター。AngusのギターといえばMarshallとSG。MalcomもMarshall。
Marshall抜きにしてはAC/DCのサウンドは万にひとつも実現しなかったろう。

40もちろんAD/CDもMarshall。
AngusやMalcomのようにはいかなくてもMarshallなら万事OK!Marshallってそういうもんだ。サウンドとルックスですべてをロック色に染めてしまう。

50v以前のブログに書いたことがあったように記憶しているが、前回の来日公演時、さいたまスーパーアリーナでバックステージを見せてもらった。
コンサートの運営スタッフ以外は一切立ち入り禁止ということだったが、ツアー・マネージャーが「ナニ、Marshallの人?おいでよ、バックステージを案内してあげよう!」と言って、ステージの下から裏からすべて見せてもらった。最高におもしろかった。

AC/DCは舞台やPAシステムを含むすべての機材を自家用ジェット機で運んで、世界中持ち歩いている。
感動したのは、あの巨大なRosieや大砲の出番前の姿見たのもさることながら、ステージの下にはギターやアンプを修理する部屋があったり、1959のタワーがいくつもそびえていて、スケールの大きさが尋常ではなかったことだ。
AC/DCの機材についてはまたどこかで触れたいと思っているが、フィル・ウェルズも私のインタビューで触れているのでコチラもご参照いただくといいだろう。
下はその時ツアー・マネージャーからお土産にもらったピック。

2img_0003それにしても『Let There Be Rock』なんていいタイトルだよな。後年、『Bacl In Black』がロック史の頂点をなす大ヒットとなったけど、私はこっちの方が全然好き。
今回、この記事を書くにあたり「let There Be Rock」を聴いていたんだけどサ、あんまりカッコいいね。何回も鳥肌が立った。
この人達、もしMarshallがなかったらどうしてたんだろう…。ま、その手のバンドはAC/DCだけではないけれど、困っていた、もしくは存在し得なかったバンドの最右翼であることは間違いないだろう。反対にMarshallも自分のサウンドがこんなにカッコいいロックに昇華してよろこんでいるハズだ。

60_2このタイトル曲、聖書の文句を引用した歌詞が最高にイカしてて…

Let there be light…There was ligjht (光よあれ、と神は言った。すると光があった)
Let there be drums…There was drums(ドラムよあれ、と神は言った。するとドラムがあった)
Let there be guitar…There was guitar(ギターよあれ、と神は言った。するとギターがあった)
Let there be be rock(さぁ、ロックよあれ!)…か~ら~の~Angusのソロ。

カッコよくない?
願わくばこんな一節を入れて欲しかった。
Let there be Marshall  There was, is and will be Marshall!って!
ま、でもこの聖書ネタはFrank Zappaがもっと前にやってるんだけどね…。


そういえば、Bad Sceneにこの曲のリフに似た「In the City」というイカしたナンバーがあったのを思い出した。1981年のシングル「SAHARA」のB面。

2img_0180 そして野音の「ロック魂」たち!

70v

80

90v

100v

110v前から言っているが、日本はAC/DCのコンサートのチケットが売り切れない珍しい国になってしまった。
オーストラリアに住む友人にこのことを話すと、やはり「信じられない!」と言っていたし、現実的に国内のコンサートのチケットをゲットするのは至難のワザだそうだ。
ホームだから当然なのかもしれないが、同じことはロンドンやニューヨークでも起こっているに違いない。

日本の音楽マーケットは洋楽の比率が20%を切ったという。もはや洋楽は絶滅危惧品種の域に達した。
これは世界の目からすると、「日本という国はは自分たちの国のロックしか聴かない『ロック鎖国政策』を採るロック後進国ということになっている」に見えているハズだ。それでいいのかネェ?

若い人たちにはLEGEND OF ROCKでロックの魅力を発見してもらいたいナァ。

120v_2AD/CDの詳しい情報はコチラ⇒AD/CD facebook

130今回も司会はコンク勝二。
勝二さんとお会いできるのもこのイベントの私の楽しみのひとつだ。

135v続いてご紹介するのはaDIOsのステージ。

140もうMarshall BlogではおなじみのRonnie James Dioのトリビュート・バンドだ。
ボーカルはDIO KEN。
220
ギターの里村源多朗。
230

今日も愛用の1959を持ち込んでの素晴らしいサウンド。

170Kassy

180KOU

190出原卓

200aDIOsは昨年に引き続いての登場だ。

210v大歓声で迎えられ、観客も段取りがよくわかっているもんだから凄まじい盛り上がりよう!

240
華麗なテクニックを必要以上に出しすぎない抑制の効いた「音を選ぶギター」。こういうギターは外国でウケるハズだ。
250v
まるで自分の作品であるかのように完璧に曲になじむ至極音楽的なギター・プレイなのだ。
160
熱唱につぐ熱唱!DIO KENの絶叫がビルの谷間にこだまする!
今日も「Heaven and Hell」を唱和させていただきました!

150_2aDIOsの詳しい情報はコチラ⇒Dio Ken facebook

260そしてQueenに扮したQueer。

270Bulsara

280vBULA!!!an M Sato

290vGeorge Deacon

300vRoger M.T.

310vQueerも去年に引き続いての出演。

320今年はセットリストがヒット・パレード状態でメチャクチャ盛り上がった。

330Queenの絶頂期、私はアンチ・クイーンだった。完全にアイドル状態でね、硬派な私は例え「Keep Yourself Alive」がメチャかっこいいと思っていても口に出すのが恥ずかしかったのだ。
それでも当時、コッソリとシングル盤を買いこんでいたりして…。

2img_0187 後年「好きだ」と抵抗なく言えるようになって、来日公演を見逃したことを悔いた。

そして、とうとう今年のSummer Sonicでホンモノを見た!これでもう満足。別にFreddieでなくてもいいの。
その時の模様はコチラ
しかも、Freddieの家まで行ってしまった。それはコチラ


それにしてもQueenってスゴイいいバンドだったんだよな~。最近1975年当時の海賊盤のライブ音源を立て続けに聴いたんだけど、曲のクォリティの高さは言うに及ばず、何しろ演奏がウマイ。
そしてメンバー各人の声や楽器の音色が破天荒に素晴らしい。Marshallじゃなくても許す!
「もうこんなバンドは永久に出てこないだろうな…」の最たるもののひとつがQueenであることは間違いない。

野音の女王様も大喝采で持ち時間を終えた。

Queerの詳しい情報はコチラ⇒Queer WEB SITE

340レポートの最後に登場するはTHE BEATMASTERS。

350John

360Paul

370George

380Ringo

390しかしね、トリビュート・バンド数あれど、ナンダカンダいってもビートルズの再現が一番難しいんじゃないかな?
今では実際に使った機材やレコーディングの秘密、演奏方法など色々な情報が簡単に手に入るようになったものの、どうしても乗り越えることができない大きな障壁があるからだ。
それは「声」だ。
ビートルズほどの存在になるとジョンの繊細な声、ポールの太い声、ジョージの優しい声、リンゴの鼻声のすべてがリスナーの耳に記憶されていて、どうしてもそれが邪魔してしまうのだ。


そんな障害を吹っ飛ばすようなTHE BEATMASTERSの自身に満ちあふれた演奏はとても魅力的に聞こえた。

最近の日本の若い人はビートルズの4人の名前が言えないのがもはや普通らしい。こんな話しを聞くと「世界の終り」も近いような気がするね。

LEGEND OF ROCKの重要性をますます感じざるを得ない。

THE BEATMASTERSの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

400…ということで、ここで野音を後にした。
今回レポートできなかった当日の他の出演者を記しておく。

THE BEGGARS
JIMISEN
TOWNZEN
Gunmen Showers

LEGEND OF ROCKのますますの発展を期待している。

LEGEND OF ROCKの詳しい情報はコチラ⇒LEGEND OF ROCK WEB

410(一部敬称略 2014年7月21日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2014年9月19日 (金)

SHOW-YA ON TOP~A NIGHT AT BLITZ <後編>

楽しい時間が過ぎるのは早いものでもう後半。
夢中になってるもんだからアッという間に時間が過ぎちゃってサ、自分がどのあたりにいるのかわからない感じ。でもセットリストでいけば「後半」。
ものすごいモノを見たような、時間の経過が早すぎてまだ何も見てないような…そんな時間の経過を体験した。

Nc_img_0049 恒例のご挨拶コーナー。
ここは休憩がてら実に楽しい時間帯。
mittanもステージ前まで出張。「みなさ~ん!」と言っただけで大歓声が巻き起こる人気のmittanコーナー。

10vひとことずつナニをしゃべるか楽しみなのね。
さとさんもいつもナニを言うかが楽しみだ。

20言われた通~りになんでもやっちゃうキャプテン。

30vこのsun-goさん、なんのポーズだったっけな~。

40v今日は7月27日、実は恵子さんのお誕生日なのだ。
かといって「バースデイ・コンサート」とかいうふれこみでないところが渋い。
お祝いしてもらうのはありがたいし、うれしいんだけど、ま、誕生日もそうめでたいものでもない年齢になったよな~、私は。
ここまでくると、ああ一年間無事で生き延びた…という感謝の気持ちしか沸いてきませんな~、私は。

恵子さん、お誕生日おめでとう!

50vそして演奏のコーナー。
まずは「Rolling Planet」。

60v『GENUINE DIAMOND』収録の新しい曲だが、昔からあるレパートリーのように聴こえる。いかにもSHOW-YAらしいということだ。sun-goさんの作曲。

70v先回も書いたが、SHOW-YAのテンションには<前半>も<後半>もない。

80v<前半>のようにエネルギッシュに、<後半>のようにエキサイティングに…

90vショウ全体を通じてメンバー5人全員が飛びかかってくる!

95v続けて「OUTSIDER」。これも『GENIINE DIAMOND』から。またまたSHOW-YAらしいカッチリとハードにまとまった佳曲。

100vこうして見ると『GENUINE DIAMOND』というアルバムは今のSHOW-YAをSHOW-YAたらしめる名曲ぞろいの作品なんだよね。SHOW-YAの歴史の中でも重要なアルバムといえよう。

110vMarshallスタック+新ギター+sun-goさん…最高の組み合わせじゃん?

113vスロープに上がったsun-goさん!

115スロープの上でもモニターを踏んづけちゃう!

イヤ、この写真、パッと見るとライトが当たっているモニターの側面がsun-goさんの足の裏に見えちゃって。「ウワ!sun-goさんってこんなに足がデカかったのか!」とビックリ仰天したが、もちろんホンモノは可愛いおみ足されてます。

120v「欲しいモノは奪い取れ~」!

130vここからが最後のパート。

150v飛び切り高いテンションはそのままに…

170v♪Show me the power!!!

180「Battle Express」だ。

190疲れを見せるどころか、メンバーのアクションも激しさを増してしまう!

200バラを抱えて恵子さんが登場するのは「What do you say」。

210ここで恵子さんのお誕生会。
50回目を迎えた昨年は盛大にやったけど、今回はシンプルにまとめた。
320
抱えていたバラは客席に放ってしまうが、1本だけは恵子さんからたったひとりのお客さんに手渡される。

220vそして、そのお客さんを見つめながらこの曲を歌う。緊張するだろな~、見つめられる方は…。

230…って感じ。

240前半は真っ赤、後半は真っ黒の衣装をまとった恵子さん。
前にも書いたかな?スタンダールでは赤は「軍人」、黒は「聖職者」を表す。
サマセット・モームが「世界の10大小説」に数える『赤と黒』。高校の時に読んだけど、さっぱりピンと来なかったな~。

250vところがドッコイ、赤坂の「赤と黒」は素晴らしい。

260v本編最後は「Fairy」。

270人気のSHOW-YAスタンダード。会場も大合唱だ。

280「Fairy」ポーズもバッチリ。

290すさまじい恵子さんの絶唱!

300やっぱりSHOW-YAのショウはコレで〆なきゃね!今日も大成功!
コレで本編が終了。

310普段はここでアンコールとなるが、その前に次のアルバムのPVを撮影することになった。
次作はSHOW-YA初のカバー・アルバム。古今の日本のロックのレパートリーで固めた。

330この時はまだ曲名が秘密扱いだったが、もうオープンになったのでいいでしょう。

340v収録されたのはX JAPANの「紅」。

350vL’Arc~en~Cielの「虹」。

360vGLAYの「HOWEVER」。

370vカメラ・クルーが何人もステージに上がっての豪華シューティング!

380滅多にない機会を目にしてお客さんもうれしそう!
私的にはどの曲も世代が若すぎちゃって馴染みは薄い。早い話しが元の曲を知らん。
かえってそれがSHOW-YAの曲みたいに聴こえちゃって…。皆さんとは違うところで楽しませて頂きました!カッコいい!

390…ってんで出来上がったのがコレだ!
私も映っちゃってるけど、探したらダメよ、ダメ、ダメ。

ニュー・アルバムのタイトルは『Glamorous Show 』。10月22日の発売だ。
430cd
さぁて、PVの撮影もうまくいったところでもう1曲。
400
「限界LOVERS」!

410SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

420次は『GLAMOROUS SHOW』とニュー・アルバムのタイトルを冠したコンサート。11月30日、日本橋三井ホールで開催。
お見逃しなく!
熟女ナメんなよ~!

440 (一部敬称略 2014年7月27日 赤坂BLITZにて撮影)

2014年9月18日 (木)

SHOW-YA ON TOP~A NIGHT AT BLITZ <前編>

デビュー30周年を記念するアルバムの第1弾の全貌が明らかになったSHOW-YA。
タイトルは『Glamorous Show』。30年目にして初めてのカバー・アルバムとなった。
発売は2014年10月22日。
とても楽しみだ。

Cd このアルバムの発売に先駆けて6月から7月にかけて大阪・名古屋・東京で開催されたSHOW-YAのコンサート。
今回は特にコンサートのタイトルはない…潔くていかにもSHOW-YAらしい!今日レポートするのは7月27日の赤坂BLITZのもようだ。

10オープニングは『GENUINE DIAMOND』の1曲目「Bloody Rose」。
会場は超満員!

30寺田恵子

40五十嵐sun-go美貴

50v仙波さとみ

60v中村美紀

70v角田mittan美喜

80vまずはいつも通りsun-goさんの機材をチェックしてみようね。

90今回はJVM410Hのフル・スタックが2セット用意された。やっぱりステージに映えるね~。
この永遠のロック・アイコンはsun-goさんによく似合う!

100v使用しているヘッドはJVM410H。いつものsun-goリグだ。

110足元のようす。

120sun-goさんのシルエットが映っているのが愛用のスピーカー・キャビネット、1960BDM。

130これでいつもの豪音の準備はバッチリ!

2_img_1116いつものことだけど、フルスロットルで幕を上げた5人。

140vこのテンションが最後の最後までキープされるからスゴイ。

150Marshallから飛び出すsun-goさんの雷鳴のようなギター・サウンド。

2_img_1040勇ましい低音でステージ下手を固めるさとみさん。

170v可憐なアクションと確実なプレイでバンドを包み込むキャプテン。

180vトーマスもやえもんも遠く及ばない「mittanドラミング」のすさまじい駆動力!

190SHOW-YAのステージっていつも「今回が最高!」って思わせられる。毎回毎回ドンドンスゴくなってるいることに驚かされる。

200v今回もそんなことを感じさせられるド迫力の展開。

210v何せ2曲目から「私は嵐」だからね~。

230v♪ゲンゲンゲロゲロゲンゲン…さとみさんのベース・ピックアップもキマった~!

235vもう油をたっぷり塗ったかのようなこの滑り出しのよさ!
撮影は死ぬほど忙しい!
しかも、スポーツ新聞の翌日の朝刊の締切が待ってるでね~。こっちも必死よ。

220v

3曲目は約1年前に24年ぶりにリリースしたシングル「V.S. MYSELF」。
え~、アレからもう1年経ったの?早いな~。信じられんな。今年の出来事かと思っていた。

240アタマっから濃い~3曲を立て続けにお見舞いしてくれた。

250vMCでの「熟女ナメんなよ~」はもはや恵子さんのご挨拶。誰もナメてはいないのだが…。

「こんな年で頭振ってる女バンド世界中探したって他にいねーぞ!」と恵子さん。
イヤ、別に頭を振らなくても、そんな年でなくても、女バンドでなくても、こんなにカッコいバンド滅多にいませんゼ!
30年もの時が流れても、「老いる」ワケでもなく、「若返る」ワケでもなく、充実度を増してる。

2604曲目は「LOOK AT ME」。

270この曲もカッコいいな~。
290
なんか、もう一回仕切り直してこの曲からショウが再スタートするみたいな…「ウエストサイド物語」でいうと「Something's Coming」のようなイメージ。すごいショウアップ能力を持った曲だ。

300v
続いては思い出の「流星少女」
すっかりあの「おもちゃ箱」のイントロご無沙汰になっちゃったけど…。

280「オラ~、回せ回せ~!」
今日も全員でタオル回して楽しかったね~。
320v
まだまだドライビング・チューンは続く!1990年のシングル「ギャンブリング」。

310v

sun-goさんやさとみさんのフロント陣と絡むのは見慣れているが、キーボード席まで行ってキャプテンと向かい合う光景は珍しいのでは?

3_img_0064今回は、コンサートにタイトルも付けないぐらい飾り気のないショウのようなイメージがあったけど、イザこうしてフタを開けてみるとところどころでいつもと違う雰囲気が何となくしたのは私だけだろうか。

330vMCをはさんで1986年発売のアルバム『WAYS』から「S.T.O.P (But I Can't…)」。
恵子さん、こっぱずかしいなんて言ってたけど、ゼンゼンいいじゃん。

340vSHOW-YAの昔…「昔」なんて言ったら怒られちゃうか…SHOW-YAの「クラシック・ナンバー」ってすごくいいと思うんですけど。

350vそして、ガラっと変わって「Life With You」。

360vここはジ~ックリと恵子さんが歌いこんでショウに大きなアクセントをつけるところ。
恵子さんのバラードはいいね!

370vそこからキャプテンのキーボード・ソロへ。
こんな展開は珍しいね。

380これは撮りたかった1枚。
キーボードを弾きながらのキャプテンを正面から撮るのは難しい。舞台上手ソデから狙うしかないのだが、mittanのドラム・キットでいつも視界が遮られてしまうのだ。
今回はナントカ隙間を発見!そのわずかな隙間にキャプテンが入り込んでくるところを捉えた!

390vスケールが大きいシンフォニックなソロ。こういうことをやるバンドが実に少なくなった。
だいたいバンドにキーボード・プレイヤーがいること自体珍しいもんね。

395リッチなキーボードのトーンを会場に充満させて切り上げた。

400v矢継ぎ早にmittanのドラム・ソロ!

410vここも人気のコーナーだ。

420vドシャメシャと叩き倒してか~ら~の~、ドラ登場!

430v大歓声に応えるmittan!

440vサービスでムキッ!

3_img_0543続いてさとみさんがステージに上がる。

450vステージせましと上下を行き交いながらのヘヴィなソロ。

460さとみさんのアクションも実にカッコいいよね~。

470曲は『GENUINE DIAMOND』から「Count 8」。さとみさんとmittanの作品だ。
ま、だいたいこの辺までが前半。もう普通のコンサートを1回観た感じがするぐらいの充実の内容だ。

490v

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIL SITE

480v

<後編>につづく

(一部敬称略 2014年7月27日 赤坂BLITZにて撮影)

2014年9月17日 (水)

T-ROCK LIVE~D-DAZE <後編>

さて、岡井大二さんのご還暦を祝うコンサート、『T-ROCK LIVE~D-DAZE』レポートの<後編>は当日の第2部に当たるパートをお送りする。
このシリーズ、今回で4回目を迎えたことは<前編>でも触れたが、毎回超満員で、今回も富山でいえば豪華な出演者が鱒(ます)で、お客さんがシャリの状態。「すし詰」めってことね。
別に富山に意味はない。少しの間住んでいたことがあるということだけだ。
だからもちろん、ネタが「サバ」ならバッテラでもいい。
…とここまで書いて思い出した。この「すし詰め」という表現は「押しずし」みたいに上下にギュウギュウ押している状態からではなく、「握りずし」を折詰にビッシリと隙間なく敷き詰めることに由来しているのだった。
でも、今の若いバンドのコンサートは「押しずし」だね。ネタ(ミュージシャン)がしょっちゅうシャリ(お客さん)の上に乗っかってるもんね!

第2部は第1部のややポップ路線と一部に比べて、ハードなギター大会となった。
主催者の高橋さん、Neon ParkのTシャツ渋いわ~。

1_img_0711 もちろんそう来りゃ、Marshall!当日はJVM215Cが2台セットされた。

1_img_0137_2そして主役の大二さんのドラム・キットはNATAL。Led ZeppelinもFleetwood MacもT.RexもThe Rolling StonesもDeep Purpleも愛用した1965年創業のイギリスの老舗のブランド。現在はMarshall傘下となっている。

2img_0129ベースアンプはEDEN。ヘッドがWT-800でキャビネットがD410XLTだ。

2img_0639第2部のトップバッターはエージ・ファーナー。
前回登場してセンセーショナルなステージを展開した。今回も出演者もお客さんも期待している人がたくさんいたようだ。

1_img_03321曲目は「Heartbreaker」。
中学生の時に渋谷陽一氏がDJを務めていたFMの番組でこの曲を初めて聴いた。「次はとても長い曲です。終わるかと思うと終わらない」と紹介したのを覚えている。

1_img_0375エージ・ファーナー

2_img_0395エンリケ

2_img_0396富岡"グリコ"義広…という強力な布陣。

2_img_0414超レアな機材も本家通りという凝りよう。イヤ、これこそ本当のリスペクト!

1_img_03192曲目は「Inside Looking Outside(孤独の叫び)」。

1_img_0324何も臆することのない、完全な成りきり状態!ここまで入り込んでる姿は見ていて実に気持ちがいい!

1_img_0354そんなエージを猛然とバック・アップするリズム隊がまたエクセレント!

1_img_0383ロック度1000%のグリコさんのヘヴィなドラミングが素晴らしい。

2_img_0447今日の出番は2曲。もっと見たいような、放っておけば永遠に終わらなくて恐ろしいような…。
お客さんも展開がよくわかっていてヤンヤの拍手!

1_img_0401アメリカに行けば本人に会えると思って行ったら本当にMark Farnerに会えたという。そんなバカな…でもホントの話し。
そこで観たGrand Funk Railroadのコンサートは最高だったらしい。何しろ演る方も観る方もかなりの高齢。お客さんなんかはみんな70歳台。それでもGFRの音楽を楽しもうという雰囲気が横溢していて実に素敵なものだったらしい。

2_img_0399残念がらMark FarnerはMarshallのプレイヤーではないが、一時期ラック・プリアンプ、JMP-1を愛用していたことがあった。
私は何となくGFRに夢中になったことは一度もないけど、そんな話しを聞くとうれしくなる。
やっぱりGFRは一世を風靡した替えのきかないアメリカの名門バンドだし、未来に伝承されるべきロックの財産のひとつだと思うからね。
もう本家は日本には来れないかもしれないが、大丈夫。エージ・ファーナーがいるから!

2img_0409_2続いての登場は…

1_img_0482ルーク篁

2_img_0421リズム隊ははそのままの~、エンリケさんと…

2img_0405…グリコさん。

2img_0451曲はT.Rexの「20th Century Boy」。
今日は9月17日。今から37年前の前日、Marc Bolanが交通事故で亡くなった。私は中学3年生の時で結構驚いたが、クラスではほとんどMarc Bolanを知っているヤツがいなかったナァ。

チョット調べてみるとT.Rexの来日公演は1972年の11月。東京の会場は武道館。
人気絶頂時の来日にもかかわらず、機材のトラブルもあったりしてお客さんがあまりノラず、Marcは大層困ったとか…。今みたいに何でもコンサートでギャーギャー大騒ぎする時代ではなかったからね。
それでも後半は機材のトラブルも解消し、お客さんもノリ始めて「Get It On」でピークを迎えたという。
武道館でのコンサートには不満も残ったらしいが、日本を気に入って突然東京でレコーディングをしたいと言いだし、その時吹き込まれた曲のひとつが「20th Century Boy」だった。
1_img_0446
ん~、ナンカちょっとルークさんのイメージに合わないような感じもしたけど、Marshallから飛び出して来たルークさん奏でるところのあのおなじみのイントロの「♪ジョコジョーン」を聴いた瞬間…快感。

1_img_0424オラオラオラ~!的なルークさんの押しがまたタマらん!

1_img_04672曲目こそ意外だった!…というのは何と「White Room」!
今までルークさんとCreamの話しなんかしたことないぞ…。

1_img_0440_2 T.Rexはまだわかる。「Get It On」とか「Children of Revolution」とか「Solid Gold Easy Action」とか出てきそうにない感じがしないワケではない。
あ、それと忘れちゃいけいないのは…先述の通り、T.Rexのパーカッショニスト、Micky FinnはNATALの大ユーザーだったのね。
それを知っててT.Rexの曲を選んでくれるなんてさすがルークさん!

しかし、ここでCreamが出るとは思わなんだ。
じゃ、ついでに言えば、CreamはClaptonもJack BrceもMarshallですから!
またしてもさすがルークさん。

1_img_0496 この曲での入魂のギターソロは大きな聴きどころだった。

1_img_0471

演奏しながらエンリケさんとヒソヒソ…。エンリケさんもしきりにうなずいてる。
一体ナニを話していたのかと思ったらルークさん、「今、スゲェ感電しちゃった!」とおっしゃっていたそうである。
ナニも演奏中の今言わなくても!それになんかうれしそうだし…。

1_img_0514_2 ここで恭司さんが登場!リズム隊も交代する。

1_img_0524山本恭司

2_img_0499ルーク篁

2_img_0460

満園庄太郎
1_img_0597
岡井大二

大二さん、着替えてきた。

1_img_0566_2このセットは1曲だけだったのだが、選曲がこれまた「なんで?」の「In Memory of Elizabeth Reed」。
大二さんがAllman Brothers Bandのトリビュート・バンドを手伝ってはいいるものの、サザン・ロックっぽい人は誰もいないじゃんね~。
ところが演奏は絶品!何しろ曲が問答無用でカッコいいしね。すごく得した気分!

1_img_0542ここで恭司さんコーナー。

2_img_0492ア・カペラでギター・ソロを披露してくれた。
恭司さんのソロはどういうシチュエーションでもストーリーがしっかりと組み立てられる。いわゆる「起承転結」だ。
音楽の種類を問わず、もちろん誰しもコレを十分に考えて演奏するのが普通なのだが、恭司さんが織り上げるソロは実によくできていて完璧なシナリオなのだ。
この日もそのよく歌うソロに観客の目と耳は釘付けにされた。

1_img_0643そして、バンドとともに「I Put a Spell on You」。
2_img_0483
CCRがWoodstockでも演奏したこの曲、John Fogertyのガナリ節も実にカッコいいがオリジナルはScreamin' Jay Hawkinsという人の1956年の作品。この人、基本的にはリズム&ブルースの人だが、Alice CooperのようなShock Rockの元祖と言われているらしい。

そして、この曲はアメリカの「Rock and Roll Hall of Fame and Museum」が選ぶ「ロックンロールを作った500の名曲」の1曲に選出されている。「500も選んでんのかよ?」とお思いになるかもしれないが、全世界が対象だからね、モノスゴイことだよ。
ついでに、米Rolling Stone誌がこれまた選ぶ「The 500 Greatest Songs of All Time」にもチャートインしている。

ここで今回初めての大脱線。このRolling Stone誌のソング・リストは1940年から2000年代のロックの名曲を選出しているんだけど、ここでクイズ。

「さて、いつの時代の曲が多く選ばれているでしょうか?」

答えは1960年代。195曲が選ばれていて、そのシェアたるや39%。ついで70年代の131曲で26.2%。もうこれで全体の65%を占めている。
ホ~ラ、だからオジちゃん、言わないこっちゃない。
ナニナニ、80年代?ブフッ!吹き出しちゃった。55曲で11%だって。90年代は22曲で2000年代は26曲だそうだ。ネタがなくなってしまったことを数字が物語っている。
おもしろいな~コレ。
もうちょっと付き合ってね。

ほんじゃ、誰の曲が最も多く選ばれているか…これは簡単。The Beatlesだよね。23曲が選ばれている。
ついでThe Rolling Stonesの14曲、Bob Dylanの13曲と続く。
以下、Elvisで11曲、U2が8曲、以下7曲でThe Beach Boys、Jimi Hendrix Experience。
その次に6曲が選ばれたLed Zeppelin、Prince、Sly & The Family Stone、James Brown、Chuk Berry。
5曲で同位なのはElton John、Ray Charles、The Clash、The Drifters、Buddy Holly、The Whoとなる。

ハイ、ここで集計。英米の構成を見てみましょう。(U2はイギリスに含む)
まず、アーティスト数は18のうちイギリスが7つ。アメリカが11。チッ、負けた。
じゃ曲数は?153曲中、イギリスが66曲でアメリカが87曲だって。イギリス比43%。
ダメだ、このリスト、わかってねーな!と言いたくなる気持ちがなくもないが、半数近くがイギリスの曲というのはむしろ快挙か?
ナゼ、これほどまでにブリティッシュ・ロックが本場のアメリカン・ロックの地位を脅かすようになったのか?それは極めて政治的な理由による。そしてこのことは今はや日本も無関係ではない。
この辺りのことは時期が来た時に詳しく触れたいと思う。

…話題を戻す。
恭司さんのきれいなピッキング・フォーム。それだけじゃなくて、手自体も尋常じゃなくきれいなんだよね~。
ギタリストはみんな手がきれいだ。そしてフワフワと柔らかい。ギタリストだけではなく、かのCharlie Parkerの手も赤ちゃんのようだったという。

私の手は大工さんの手だよん!汚い上にゴツゴツしてる。
あ、でも私、釘打たせたら雑だけどメッチャ早いですよ。親父にさんざんやらされた。
それと生コンとセメントの話しならなんでも訊いてください。
2_img_0480
2曲目は恭司さんのオハコ「Purple Haze」。
恭司さん、前の曲「I Put a Spell on You」でタイトルの説明をしてくれた。
「put a spell on~」で「~を呪縛する」みたいな意味なんだけど、この言葉、「Purple Haze」にも出てくるのよ!「♪That girl put a spell on me」って。
「spell」で揃えた恭司さん、さすが!

2_img_0469庄太郎ちゃんも着替えてきた。
自家薬籠中のこの曲、もちろん暴れまくった!

 1_img_0568
いつか恭司さんとルークさんと3人でおしゃべりをする機会があって、「もはや『山本恭司』というのは人名ではなく、ひとつの強力なブランド名ですよね~」なんて話をしてルークさんと盛り上がった。
ルークさんも私も若かりし頃(ルークさんは今でも超若い!)武道館のKISSで恭司さん体験をしているのだ。私はその前のAerosmithの時が初体験だった。
1_img_0579
そしてまたメンバーが入れ替わる。

1_img_0608西山さんが戻って四人囃子の「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」。
ああ、いつ聴いても最高の名曲。
どんなに激しく弾いてもどこまでも美しいのが恭司さんと西山さんのギターの魅力。このコンビにうってつけの美メロだ。

1_img_0629ベースは駒沢さっき
実はさっきちゃんはMarshall Blogには2回目の登場となる。前回は大分前に「Jeff Beck Night」というイベントの司会というポジションでお目見えしてくれた。
今日は本職、ベーシストとしての登場だ。
1_img_0639

ドラムはもちろん大二さん。ホンモノの「Violetta」だからね。

1_img_0671_2ソロもバッチリとキマった!
1_img_0688
最高に美しい「Violetta」であった。

1_img_0653最後はトリオでThe Shadowsを…。

2_img_0521ドラム・フィーチュアの「Little B」。
最後の最後に出た大二さんのダイナミックなドラム・ソロ!
1_img_0681
ここではさっきちゃんとのコンビネーションも!

1_img_0636_2
♪ゲロンゲロンとベースをスティックで打擲するワザ。コレひっさしぶりに見たな~!
ヤンヤヤンヤの大拍手で会場も大盛り上がりだ!

2_img_0560このコンサートはセッションなし、アンコールなし、のサッパリ完結が特徴なんだ…ということでココで終わり。
最後に大二さんを讃えて締めくくられた。

2_img_0529CROCODILEの西さんから花束が!
西さんにあこがれてドラムを始めたという大二さん。メチャクチャうれしそう!

2_img_0532大二さん、ホロっと来ちゃったんだよ。
続けて大二さんから最後のご挨拶。ここで衝撃発言が…。
実は大二さん、すでに61歳になられていて、還暦を迎えたのは去年だったということが判明!!
いーの、いーの。誰も「今年が還暦」だなんて言ってない。パーティがちょっとズレ込んだだけなんだから。
大二さん、おめでとうございます!!

2_img_0541最後に記念撮影。
あ、庄太郎ちゃん、横向いちゃった!

1_img_0724 もう一枚。あ~、いい写真だ~!
今回も最高に楽しかった~。
次回んp『T-ROCK』は皆さんもゼヒ!チケットがすぐ売り切れちゃうから要注意だよん。

1_img_0723 大二さんのTシャツ。Jethro Tullの『Too Old to Rock'n'Roll : Too Young to Die!』。
まさにこのコンサートにふさわしい。
『ロックンロールにゃトシだけど、死ぬにはチョイと早すぎる』ってか!全然トシじゃない。

1_img_0658
NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年7月21日 原宿CROCODILEにて撮影)

2014年9月16日 (火)

T-ROCK LIVE~D-DAZE <前編>

日本ロックの揺籃期から業界で活躍する「Mr. T」こと高橋重夫氏の企画によるコンサート。4回目を数える今回も豪華な出演者を迎えてにぎにぎしく開催された。

1_img_0141『T- ROCK LIVE~D-DAZE』とタイトルが付けられた今回は、日本を代表するドラマー、岡井大二氏の還暦をお祝いするコンサートだ。

2_img_0558大二さんのドラム・キット。バーチのNATAL。大二さんの大のお気に入り!

1_img_0128MarshallはJVM215Cが各場面で活躍した。

1_img_0137オープニングはThe Venturesの「The Creeper」。
このコンサートはいつも高橋さん自身が参加するエレキ・インストで幕を開ける。

1_img_0149 西山毅

2_img_0300高橋重夫

2_img_0307遠藤雅美

2img_0301岡井大二

2_img_0387このコーナー、回を重ねるごとにマニアックになっていくな~。同じThe Venturesでも「Walk Don't Run」だの「Wipe Out」だのはもう演らない。

1_img_0184勉強になるわ~、ってんで2曲目はThe Astronautsで「Hot Doggin'」。やっぱ知らない。

2img_0285当日のベース・アンプはEDENのWT-800とD410XLT。音抜けの良い美しいトーンがこうしたエレキ・インストに完璧にマッチする。

2_img_02903曲目はThe Shadowsの「Bombay Duck」。
The Shadowsがブリティッシュ・ロックに関していかに重要な位置にいるかは『名所めぐり』の「ニューキャッスル」の回で書いた。
私はコレも知らなんだが、やっぱり滅多に演奏されることのない曲だそうだ。

1_img_0302ここでようやくおなじみの曲が!「Slaughter on the Tenth Avenue(十番街の殺人)」。この名曲については以前にも書いたがRichard Rigersの作曲だ。
もう、好き放題やっちゃて楽しそう!

2_img_0298このセット最後は「0011ナポレオン・ソロのテーマ」。

このアメリカのTVドラマの原題は「The Man from U.N.C.L.E.」といい、日本では「ビートルズかナポレオン・ソロか」というぐらい人気があったそうだ。
主演はロバート・ヴォーン。その脇役がデヴィッド・マッカラム。マッカラムはスコットランドはグラスゴーの出身。どうするスコットランド!明後日の住民投票が実に気になる。まさかイギリスであんなことが起こるとはねぇ。

1_img_0188…ということは別にして、このマッカラム、初めは脇役にすぎなかったが、次第に人気を集め主役のロバート・ヴォーンを凌駕するまでになった…というのはよくある話し。
そのデヴィッド・マッカラムのファンで、役名をステージ・ネームにした人が次に登場する。
マッカラムの役名はイリヤ・クリヤキンという。
高橋さんのイキな選曲かな?

そして、登場したのが…イリア
2_img_0314
曲はセルジュ・ゲンズブール作、フランス・ギャルが歌ってヒットした「夢見るシャンソン人形」の改作で「夢見るシェルター人形」。

1_img_0202客席から呼び出されて特別出演を果たしたジューシィ・フルーツのドラマー、高木利夫。

2_img_0328コーラスで高橋きより。

2img_0336同じくコーラスでAsami。本職はシンガーソングライター/ドラマー/パーカッショニストだ。

2img_0310 タイトル通り、反核をテーマにしている曲。

1_img_0206それにしてもジューシィ・フルーツの人気はすさまじい。以前、ジューシィ・ハーフの時にヤッチン(曽我泰久さん)もファンだと言っていたが、西山さんも好きなんだって!
「今日は(イリアさんと高木さんの)ふたりに挟まれて幸せ!」という西山さん。
そういう私もついこないだ『ドリンク!』の帯つきアナログの美品をゲットした!
1_img_0236
イリアさんといえばハイ・レベルなギター・ワーク。ソロもバッチリとキマった!
今でこそ壮絶にシュレッドするガール・ギタリストは珍しくなくなったが、考えてみるとその礎はイリアさんだったんだよな~。

1_img_0232もう1曲は「そんなヒロシに騙されて」。

1_img_0215出演者がまず楽しんじゃうのがこのコンサート!もちろんお客さんもノリノリだ!
1_img_0213
ここで雰囲気が大きく変わってロケンロール・ムード!

1_img_0262リッキー廣田の登場!

2_img_0345ベースはおなじみ満園庄太郎

2_img_0352曲はLarry Williams作曲、The Beatlesのカバーで有名な「Slow Down」。
2_img_0359

ん~、ストレートなロック・ロール・テイストが気持ちいい!

1_img_0290続いてThe Dave Clark Fiveの「Anyway You Want It」。

1_img_0272

ゴキゲンにドライブするベース。庄太郎ちゃんはロケンロールもバッチリなのだ。

2_img_0378

リッキーさんのステージ、最後「Money」で締めくくられた。
2_img_0374
ここで第一部が終了。

2_img_0364<後編>につづく

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年7月21日 原宿CROCODILEにて撮影)

2014年9月11日 (木)

The Unknown World <後編>~D_Driveの巻

『The Unknown World』の<後編>はD_Drive。
この日、もうひとバンド出演する予定だったらしいのだが、キャンセルというか、欠席ということでTSPとD_Driveの「ツーマン」…じゃない、「ダブル・ヘッドライナー」となった。

最近特に「早期英語教育」って騒いでいるけど、こういうところからひとつひとつ直していかないとダメだと思うナァ。「ツーマン」って英語じゃないもん。どうせ英語っぽい表現を口にするなら正しく使わなきゃ損だ。

「早期英語教育」ねェ…。
とにかく日ごろの生活で我々は英語がなくても生活に支障をきたさないんだから、いくら早いうちから勉強しても苦しいし、つまらないばかりで意味がないと思うんだけど。
小学生のうちは英語なんか勉強する時間があったら徹底的に日本語の本を読ませるべきだ。

私のスペイン人の友達は、「s」が「th」になったり、「r」が思いっきり巻かれていたりと、すさまじいスペイン訛りだけど、なんの問題もなく英語を聞き取り、まるで母国語のように自然に話す。
で、どうやって英語を身に付けたのか問うと「え、学校で勉強したから…」って言うんだよね。
「イヤイヤ、そういうことではなくて、スペインでは学校で教わる他にどういう勉強をするのか?」と重ねて質問すると「なんで?中学から大学まで勉強すれば十分じゃん?」って言うんだよね。
まったく、そうありたいものだ。

彼らが初めて出会う文字は数字かアルファベットだし、共通、もしくは英語の語源となる単語をたくさん持っている上に母国語の文法が日本語よりはるかに英語に近いという大きなアドバンテージはある。
しかし、彼らが学校で受ける英語教育も日本人とそうは変わることはあるまい。なのにこの差はナンダ?

やはり、狩猟し、肉を喰らう人種と農耕をして米を喰らう人種とでは土台DNAが著しく異なっており、思考プロセスの違いで英語マスターの苦楽の大きな差が出るのではなかろうか?
だからこそ我々は名詞の単複や時制など、母国語にない考え方や言葉のルールに努力して意識しなければならない。
よって「ツーマン」はあり得ない。せめて「ツーメン」だろう。「チャッカマン」だって2個集まれば「チャッカメン」なんだから。でも英語圏の人は「ツーメン」なんて言わないと思うよ。

この後、ワタシ流の英語教育法のアイデアについてズラズラと書いたんだけど、あまりに長くなってしまったので消しちゃった。またいつか。考えてみりゃ自分だって修行の途中だしね。

今日は、とにかく「ツーマン」はやめましょうという話し。
ナニ、「ダブル・ヘッドライナー」って長くて面倒だって?じゃ、「ダブヘ」でいい。「スリーマン」なら「トリへ」。バンドが4つ出るなら「4(よん)バンド」でいい。(4バンズとまでは言う必要ないと思う)
元の言葉さえ知っていれば省略するのは一向に構わない。「省略」は日本語の発音体系だからこそできる日本人のお家芸であり抜群の利点だ。英語の発音では絶対にできない。

…ということで、ダブルヘッドライナーとなった当夜のコンサート。トリを務めたのはD_Drive。
今週2回目の登場!

ちなみになんで「トリ」っていうか知ってる?
コレは寄席用語。
昔は最後の出番となる人が当日のすべてのギャラを取って、他の主演者たちに分配していた。そこで、そのギャラを「取る」ところから最後に登場する主任格の出演者のことを「トリ」と呼ぶようになったらしい。
当然、この日はそれぞれのバンド別にギャラは行き渡ったことだろう。

10_2Seiji

20vおなじみSeijiさんのDSL100ECとロゴを付け替えて若返ったキャビネット。

30vやっぱり、コレかっこいいよね。
私がリクエストして限定で50台作ってもらったモデルだが、これと同時に同じく50台作ったDSL100LCというXキャビネットのフレット・クロス(LC=Large Check)をまとったモデルはまったく見ないな。どこへ行っちゃったのかね?

40足元のようす。

50Yuki

60vYukiちゃんもいつものJCM2000 TSL100と1960Aのコンビネーション。

70v_2足元のようす。

80_2Shimataro

90v_2しまちゃんはEDENのWT-800。

100そしてドラムはChiiko。

105vこの日、結構スゴイ雨が降ったんだけど、そんな雨などはモロともせず、会場はファンでイッパイだった。

オープニングは「1,000,000 h.p.」。 
120v
出慣れたハコのせいか、「勝手知ったるところ」の感強く、ノッケから水を得た魚のような演奏!

130vそれに呼応するD_Driveファンとの一体感も素晴らしい。

140v歌がなくても十二分にロックすることができる最良のショウ・ケースと言えるのではなかろうか?

1502曲目は「Russian Roulette」。こんな早くにこの曲を持ってくるのは珍しいね。それだけノリノリの証拠!
240_2
3曲めはジックリとヘヴィに「Peach Fizz」。
230v_2
「Runaway Boy」~「Lost Block」と続く。
最近のD_Driveは使用するギターの数もずいぶん増えた。登場するそれぞれギター・サウンドを楽しむよろこびも増えたというものだ。どれも素晴らしい音色だ。
そして、それらの音はすべてMarshallから!…それを忘れないでチョ!

160v_2いつも大きくフィーチュアされるしまちゃんのベース・ソロ。スリル満点だ!

佳境に入って演奏されたのは「Drive in the starry night」。

170本編の最後は人気曲、「Cassis Orange」で締めくくられた。
歌に何の恨みがあるわけでなし、でも、完全に歌なしで…しかも、ゴッリゴリのヘヴィ・メタルでこれほどお客さんが夢中になっているのを見るとうれしくなるね。ま、いつものことだけど…。

200v大好評だった8月末の東京のワンマン・コンサート。まだ名古屋と大阪が残ってるでね。皆さんゼヒ遊びに行ってタップリとD_Drive浴を楽しんで来てくだされ!

210_2その東京のワンマン・コンサートのもようはMarshall Blogで詳細にレポするので乞うご期待!

220vそのワンマン・ツアーと並行する形でmintmintsとのダブヘで西日本をまわるツアーがもうすぐ始まるよ。
チッ、東京でもやりゃいいのにナァ。
京都、大阪、岡山の皆さんがうらやましい!mintsとのダブヘは見どころ満載だからね!

2_img_0314
アンコールは「Mr. Rat Boots」。コレだけでは収まらず、ダブルでアンコールに応えるD_Driveなのであった。
190_2

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

250_2(一部敬称略 2014年7月20日 本八幡Route Fourteenにて撮影)

2014年9月10日 (水)

The Unknown World <前編>~TSPの巻

私も仕事柄都内のほとんどのライブハウスにお邪魔しているつもりでいるが、イヤ~、マダマダだね。知らないお店が後から後からいくらでも出てくる。

私が高校ぐらいの頃、渋谷には屋根裏やヘッドパワー等を先頭に数件のライブハウスしかなくて、確か「今度、公園通りのてっぺんに新しくライブハウスができるんだってよ!」って大騒ぎしていたのを覚えている。そう、Eggmanのことだ。
それが今、渋谷には三十数軒のライブハウスがあるという。でも、この話しを聞いてからもう軽く5年ぐらいは経っているので、今ではもしかしたら四十軒、イヤ、五十軒を超しているかも知れないね。

してみると、渋谷には吉野家と松屋とすきやを足した数よりライブハウスの数の方が多いことになるのか?
イヤイヤ、牛丼屋軍団ににケバブ屋とシュラスコ屋を加えたとしてもライブハウス軍団の数が勝るだろう。タコ焼きも足してみるか?

それにしてもスゲエな、牛丼・ケバブ・シュラスコ屋連合軍よりライブハウスの方が多い街って…。
しかも、そこにいくつかのバンドが毎晩出ているんだから驚きだ。
おそらく牛丼屋を引き合いに出すまでもなく、渋谷ひとつでニューヨークやロンドン全体といい勝負になるんじゃないか?
出演バンドや音楽の質の問題は別ですよ…。
ハイ、こっから先はもう書きません。余計なこと言っちゃいそうだからね!アブね~、アブね~。

さて、今日初めてお邪魔するライブハウスは開店から29年を迎える超老舗のお店。
本八幡のRoute Fourteen。

どうもロックという音楽は「西高東低」という図式がお好みのようで、広くは東京よりも大阪もしくは関西の方に勢いがあると昔から相場がキマっている。
そして、東京の中でもどちらかというと、中央線沿線や狛江とか町田とか、西の方がロックがにぎやかだった印象が強い。
それなのに、もはや東京を突き抜けた本八幡で30年もの長きにわたってライブハウスを続けてきたのはまさにガラパゴス状態。
都心の「つわものライブハウス」と客層が被ってしまう地理的悪条件をハネのけることができなければ生きながらえることはできなかったハズで、おそらく独自の企画やブッキングがよほど素晴らしかったに違いない。

なるほどお邪魔してみると、スタッフの方々は破天荒に親切だし、お客さんへの待遇もかなり良心的だ。雰囲気も当時のライブハウスをそのまま温存しているかのようで、この落ち着いた空気感がタマらない。
もうちょっとで30年。これからもがんばって昔ながらのロック空間を彼の地でキープして頂きたい。

…ということで今日の企画もグー。『The Unknown World』と題してふたつのバンドが登場した。

まずはTSP。

10TSPもひっさしぶりの登場だ。
何だか前回とすっかりメンバーが変わっちゃって…。

20
これは今年6月にリリースしたその新型TSPの初の音源『TSP I』と題した4曲入りシングル。
新たなスタートを示唆しているのであろうか、タイトルが「I」とされている。シングルとはいえ、盛りだくさんの内容だ。

30cd
新型TSPのメンバーは…
総帥のShu。

40vShuちゃんもズ~っとMarshall。
80
これがShuちゃんのバックライン。こういうドンズバのラック・システムも最近あんまり見なくなった。

50vプリ・アンプは名器の誉れ高いJMP-1。パワー・アンプはEL34 100/100。JMP-1は惜しまれつつ引退してしまったがEL34 100/100は現在も製造している。
しかし、このルックスはどうよ。
この美しいゴールド・パネルは王者の証し。Marshallの製品はどれもデザインがいいが、この見てくれはその中でも一、二を争うといっても過言ではなかろう。イヤ、「二」か?やっぱり一位は「1959」だろうナァ。二位は「1960A」か…。三位は「1962」か…ってやってるとどんどんラック・プロダクツの順位が落ちてまうやないけ!
こうしてみるとやっぱりMarshall製品のデザインって素晴らしい。

60_2その美しい機器から発される信号を音にしているのはMODE FOURキャビ、MF400A。
MODE FOURシリーズもとっくに製造を終了してしまったが、SHARAさん、LUKEさん、原田の喧ちゃんとキャビネットの愛用者は少なくなく、根強い人気を誇っている。

70vドラムはおなじみHINAちゃん

90v新しいボーカルのKouzy。

100vベースはサポートで参加しているTHUNDER。

110v相変わらず遠慮会釈のないラウド天国!これぞTSP!

120ドラムと一心同体のHINAちゃん。すさまじい暴れっぷりだッ!
140
そのラウドなバックの演奏をものともせずにKouzyのパワフルな声が突き抜けて飛び出してくる!
シンガーとして活躍している傍ら格闘家としても活動している。右目の上のキズはルール無用の格闘だったとか…。
普段はニコニコの超ナイスガイだ。

130それにしても素晴らしいのはこのギターの音色!やっている音楽にMarshallのラック・システムとMFキャビの組み合わせを完璧に溶け込ませている。「適材適所」とはこのとこだろう。
ブルータルなまでにラウドだが、粒立ちのよいサウンドでギター本来が持つ魅力的な音像を十分に確保している。これがMarshall!

150v『TSP I』から「矛盾」。オイオイ、ノドは大丈夫なのかい?後で痛くなっちゃうよ!

160vHINAちゃんの歌がまたいいんだよね。TSPサウンドに欠かせない重要な要素のひとつだ。

170v誕生日が近かったKouzy。それで「主役」タスキをかけている。

180vバースデイ・ケーキのプレゼント!顔で受け止めた!

190HINAちゃんからも!

Yしかし、まだショウは途中なのだ!このまま歌い続けるのか?

200…と思ったらそのまま歌った。
『TSP I』からは「Ash & Rain」も演奏された。

D_img_0134
私はShuちゃんと付き合いも長いこともあって、TAIJIさんの最後のTSPでのステージも拝見し、撮影もさせて頂いた。
あの頃のTSPはチョットこわい感じがした…。
230v

その後ももちろん何回かステージに接しているんだけど、久しぶりに観た今回は今までとまったく違う雰囲気で、正直少なからず面食らった。

240
問答無用で楽しいのである。
なんかみんなで輪になって踊っちゃう雰囲気で、「小っちゃいことは気にせずに暴れちゃおう!」みたいな。
新型TSP…おススメです!
1_img_0042_2
TSPの詳しい情報はコチラ⇒TSP OFFICIAL WEB SITE

D_img_0095<後編>につづく

(一部敬称略 2014年7月19日 本八幡 Route Fourteenにて撮影)

2014年9月 9日 (火)

渋谷革命 <後編>~D_Drive、FullMooN登場

当日2番手で登場したのは美少女戦士ガールズロックバンド、FullMoon。

C10FullMoonのMarshall Blogへの登場は2回目。
以前は5人での登場だったが、メンバーの変更があり、前回とは異なる編成で登場した。
C90
ボーカルはBlueMoonのねね。

C20vギターはPinkMoonのえれん。

C30ドラムはRedMoon、えどがわるる。

C40ベースはサポート・メンバーで固めた。

C50こちらは可愛くもハードな路線。

C60ルックスとはかけ離れた猛烈にヘヴィな場面がとても魅力的だ。えれんちゃんのアクションがまたスゴイ!

C70v以前見た時よりも尚一層ストレートに「ロックロック」している感じがとても印象に残った。

C80FullMoonの詳しい情報はコチラ⇒FullMoon公式ホームページ

C100出番を待つD_Drive。

D10この日、トリの出演。

D20Seiji

D30vYuki

D40vShimataro

D50vChiiko

D60v考えてみると、D_Driveはスゴイ久しぶりの登場となる。

D70今回は写真はないけど、当然ギターのふたりはMarshallね。
SeijiさんはJCM2000 DSL100と1960Aのいつものヤツ。

D80vYukiちゃんはJCM2000 TSL100と1960Aのいつものヤツ。

D90vそして、いつも通りの緻密なコンビネーションはさすが。その様はわずかの狂いも見せずにD_Driveという名の超ハイテクの高層ビルを立ち上げているようだ。

D190

そんな超高層ビルの建設に絶対欠かせないのが盤石の基礎だ。
D_Driveは基礎工事も完璧だ。
Chiikoの正確無比のドラミング。

2_img_0437 着実にしてダイナミックなShimataroのベース。またそのサウンドが素晴らしい!
D180v
Shimataroが使用しているヘッドはEDENのWT-800。抜群な音抜けのよさがShimataroの驚異的なテクニックを余すところなくアンプリファイする!

D100ベース・ソロもバッチリキマってヤンヤの拍手~!
D95

セットリストはいつものD_Standard。

D120v寸分のスキもない完璧な演奏は見事としか言いようがない。

D130v最近はアチコチでインスト・バンドに接する機会が増えて来た。

D140vそうした動きにD_Driveの活躍が影響していることは疑う余地もなかろう。

D150v先ごろ東京でのワンマン・コンサートも大成功のうちに終了させた。
後は名古屋と大阪が残っているので近くの方はお見逃しなく!
D110
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

D200v(一部敬称略 2014年7月18 日 渋谷Rexにて撮影)

2014年9月 8日 (月)

渋谷革命 <前編>Mary's Blood、Albion登場

コンサートにタイトルをつけるのは今に始まったことではない。
特に複数のバンドが登場する時は、アレコレ趣向を凝らしたタイトルを付けることは昔から結構やっていたね。
今日のジョイント・コンサートのタイトルは『渋谷革命』。
スケールがデカい。何せ「革命」だからね。
3つのガール・バンドと男女混成バンドが登場する豪華企画。とてもニギニギしい内容で面白かった。

トップ・バッターはAlbion。2012年結成のガール・バンドだ。

A10ボーカルの百合。

A20ベースは祥。

A30_2キーボードの沙季。
以上の3人が正式メンバー。最近には珍しくメンバー全員の名前が漢字表記だね。

A40vドラムとギターはサポートということになる。
A70
で、ギターは、と見ると…ナンダ、EITAちゃんじゃないの?!
ま、ホントは楽屋ですでに会ってるんだけど…ここのサポートやってるのゼンゼン知らなかったのでビックリした。
A100v
当然Marshall。当夜はJVM210Hをプレイ。

A60

しかし、いつも書いているけど、もう「女性の」とか「ガール・なんとか」とかいう枕言葉は何の意味もなくなったね~。
人気取りや話題作りを目的に、強引に閣僚のポストを女性に充てている感すらある内閣とはエライ違いだ。こちらの女性閣僚たちは実力に満ちているもんね。

A50パワフルかつ繊細な百合ちゃんのボーカルはストーリー性をフィーチュアしたこのバンドの歌詞にピッタリだし…

A80ゴリゴリと重低音を響かせる祥ちゃんのベースはヘヴィなサウンドをアグレッシブに演出している。
A90v
EITAちゃんが参加しているのを知らなかったぐらいなので、当然Albionを観るのはこの日が初めてだったのだが、アレ?っと思ったのはバンド全体のサウンド。
ナゼか、すごく北欧っぽい感じがするのだ。本人たちはどうも意識していないようだったが、スウェディッシュなのだ!コレ、案外他にないよ。
そうしたサウンドに仕上がっているのは沙季ちゃんのキーボードによるところが大きいのかも知れない。
A120
それに加えていつも通りのEITAちゃんのシュレッディングとMarshall…ナニをか言わん哉なのだ。
また楽しみが増えた。

A110Albionの詳しい情報はコチラ⇒Albion公式ホームページ

A130今日レポートするもうひとつのバンドはMary's Blood。

B10ボーカル、EYE。

B20ベースのRIO。

B30vドラムはMARI。

B40vそしてギターはSAKI。
B130

SAKIちゃんももちろんMarshall。

B60この日、サポートで参加した社-yashiro-ちゃん。

B70v4月には『NAONのYAON』にも出演し、キャリアを着実に積み重ねているMary's Blood。
さすがに堂々たるパフォーマンス!

B80実はこの日の出演は直前までシークレット扱いとなっていた。

2_img_0265それだけにファンのよろこびようも尋常ではなかった。

B100野音の時もスゴかったからね、ファンの皆さんが!

B110v今日も冴えに冴えるちゃっきーのギター!
2_img_0207
自慢のギターもお似合いだ。ピックガードが透けていて中が歯車になってるんだぜ!

B120v激しいアクションもちゃっきーの大きな魅力。もちろんこのアクション通り、ギタープレイに込めたエモーションもすさまじい!
B140
転がる巨大な岩石のように迫りくる爆音!

B150vやっぱり「女性の…」という枕詞はもう必要ない。改めてそう思わさせざるを得ないド迫力の演奏だった。

B170
もちろんフェミニンな魅力もバッチリ!

B160vMary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood OFFICIAL SITE

B180<後編>につづく
※掲載は実際の登場順と異なります。

(一部敬称略 2014年7月18日 渋谷Rexにて撮影)

2014年9月 5日 (金)

祝20周年!犬神まつり千秋楽<後編>~犬神サアカス團登場

<前編>に引き続き犬神サアカス團の20周年を祝うイベント・レポート。
会場は渋谷TSUTAYA O-EAST。
20v
会場入り口には、犬神ファンの犬っこ、犬っさんたちから贈られた凶子さんをカリカチュアした派手な電飾の花輪が飾られていた。
30
『犬神まつり千秋楽』レポートの<後編>は、いよいよ当夜の主役の犬神サアカス團の登場だ。
当日は、その前にJ・A・シーザー & Asian Crack Bandが出演し独特の世界を展開していた。10さて、犬神サアカス團…客席が暗転になると、あの不幸なナレーションが…。
『単毒公演「祟神」』でも使用された、人間椅子の鈴木研一さんのリアルな青森弁による暗く悲しい、貧しく憐れなお百姓さんの物語。

40闇の中メンバーがステージに現れ演奏が始まった!満員

50犬神凶子

60v犬神情次2号

70v犬神ジン

80v犬神明

90v1994年「犬神サーカス団!」としてスタート。早、20年が過ぎたのだ。
その20年を記念して2007年以降のシングル盤をすべて網羅した2枚組ベスト盤『青少年のための犬神入門』がリリースされている。
Cd
1曲目は「光と影のトッカータ」。2007年発表のシングル。

100「♪恋人ができました、だけど今朝死にました」…いきなりコレだ。でもコレでいいのだ。観客も大よろこびなのだ!

110さて、このめでたき日の犬神サアカス團のバックラインは…

情次兄さんはフル・スタックを2組。

120vヘッドは愛用のJCM800 2203。

130やはり大舞台にはフル・スタックがよく似合う。
情次兄さんが指で示しているのはモニター・スピーカー。その理由は実際に会場にいた人だけの思い出にしておきたいのでココにはハッキリと書かないが、ミュージシャンの皆さん、コロガシには気をつけましょう!…とだけ言っておけば理由はわかっちゃうか?

140vジン兄さんのバックライン。こちらもフル・スタックだ。

150vEDEN WT-800と4x10"キャビD410XLTが2台。写真は別の機会に撮影したものだが、アンプは完全に同じモデル。

160v明兄さんはNATAL。
17012"、13"、16"、22"のコンフィギュレーション。シェルはメイプルだ。

180フィニッシュはブラック・スパークル。赤みがかった細かいラメが映える実に美しい仕上げだ。

190続けてプレイしたのは、凶子さんの「レッツ・ゴー!」の掛け声がイヤがオウにも会場を盛り上げてしまう「桜散る中」。2011年の『死ぬまでROCK!』収録。

200v正統派ブリティッシュ・ロック風のキレのよいギター・リフが曲想にバッチリとマッチするドライビング・チューン。
やっぱりこういう曲はMarshallじゃないとダメよ~、ダメダメ!

210明さんのシャープなドラムでスタートするのは「平成デモクラシー」。
250v
「今日は楽しくて仕方ない!」という凶子姉さん。「♪平成デモクラシー…」のリフレインが今日は一層鮮やかに響き渡る。
2005年の『スケ番ロック』から。

230
ストレートでハードなチューンが続く「ビバ!アメリカ」。

220v凶子姉さんは猛烈な巻き舌でこう歌う…「♪私の病気はアメリカ、あなたの病気もアメリカ」…ホント、アメリカってどうしちゃったんだろう。私も若い頃はトコトン憧れたけどナンカもうウンザリだな~。
今後いろんな意味で日本はアメリカに悩まされることになるだろう。
この曲は2010年の同名のアルバムから。
4年経った今、ゼヒ新しい「負のアメリカ賛歌」を明兄さんに作ってもらいたいと思う。

2_img_0181シットリと「いつか」。2007年のシングルだ。

このあと辺りから後半。
主役とはいえ、割り当てられた時間は他のバンドと同じく45分…アっという間だ。

260騒ぐだけでない。聴くべきところはジックリ聴き込むいいお客さん!これが犬神自慢の犬っこ・犬っさんだ。
315
「運命のカルマ」。
これまたヘヴィなリフに日本人好みのメロディが乗ったスピード・チューン。
何度も書くようだが、やはりこうしたタイプの曲にはJCM800の乾いたディストーション・サウンドがよく似合う。
過度に歪むことのない、太い音色はロックの歴史を作ったギター・サウンドなのだ。

270vこのバンドの楽しみのひとつはよく練られたジン兄さんのベース・ライン。どうしてもド派手なアクションについ目が奪われ、耳がおろそかになりがちだが、傾聴すべき。
その味わい深いラインがEDENでより一層聴きごたえのあるものとなり、バンド・サウンドを分厚くするのだ。
そのカギは信じられないくらいの音ヌケのよさだ。

280ん~、NATALって音色がいいな~。
「よく鳴る」ということに加えて音色がすごく音楽的なのだ。
特にバスドラ。ひと踏みごとに音楽を聴く楽しみが飛び出してくるよう。それも完璧にNATALに乗りこなしている明兄さんの技術の賜物だ。

290「DEAD END KIDS」。
2010年の『ビバ!アメリカ』収録にしてシングル・カットされた人気曲。

310そして痛快な「白痴」。
1999年の『地獄の子守歌』収録。犬神クラシックのひとつ。
凶子姉さんの「♪どうせブァカなんだろッ!」というところが大好き。
345v
疾駆するバック陣!

320vすさまじいラスト・スパート。

330最後までパワー全開の明兄さん!

340凶子姉さんの跳躍!キマった!
300v
本編最後には名曲「絆」を演奏して感動的に締めくくった。

360アンコールは全員集合して、まずは凶子姉さんのハッピー・バースディ。
そして、その後演奏したのは「命みぢかし恋せよ人間!」

370この日、本人の口から「健康上の理由で犬神サアカス團の活動からしばらくの間退くこと」が説明された。
ずいぶんコワイことを言ってファンを心配させてが、情次兄さんからの最新の情報では手術は無事終了し、凶子姉さんは順調に回復向かっているとのこと。ヨカッタ!
凶子姉さんも当然、一日も早く歌いたがっているらしい。
早く犬神に復帰して、元気に(?)不幸なストーリーを歌い上げてもらいたい。

380さらに、凶子姉さんの不在の間、残りの3人で「犬神サアカス團Z」として活動していくことも正式に発表され、犬っこ、犬っさんたちの大きな支持を得た。
D_img_0361
もう1曲、2011年のアルバム・タイトル曲「死ぬまでROCK!」。

演奏される曲の内容とは正反対の明るく楽しく、犬神サアカス團の20周年を祝うにふさわしいにぎやかなイベントとなった。
先述の通り出演時間は20周年といえども45分。「アレもやりたい、コレもやりたい!」と選曲には苦労したのではあるまいか?何しろ20年の間休まずに積み上げ続けたレパートリーは膨大なものになるのだから。

これからも暗く、不吉に、不幸に、みじめに、憐れな最高な曲で我が道を進んでもらいたい。

390犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒犬神サアカス團公式家頁

400P.S.  これで当日のプログラムをすべて消化したが、アンコールが鳴り止まず、再度ステージに登場して「地獄の子守歌」を演奏した。

P.S.ついでに…私も日野日出志好きだった。全部読んだワケではないけれど、『地獄の子守歌』とか『毒虫小僧』とか『蔵六の奇病』とか…。
本屋で単行本を買い込んで来ては「そんなマンガ読むんじゃありません!」と母に叱られた。
犬神サアカス團も他に「赤い蛇」なんて曲がありますな。実にいい趣味をしてる!

1_img_0601 NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年7月12日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)