在と無とのはざまで生きる髭 ツアー・ファイナル~BLIND BIRDニュー・アルバム発表!!
『在と無とのはざまで生きる髭』?これがツアー・タイトル。
5月末に終了したBLIND BIRDのニュー・アルバム発売前ツアーだ。今日はその千秋楽のレポート。
そして、下が7月23日に発売予定の3rdアルバム、『仮想粒子』。
「仮想粒子(virtual particle)」とは、粒子と粒子の反応の際、中間の過程で現れ、存在を考慮する必要がある粒子を指す」…なるほど。ってナンのこっちゃ?そもそも粒子とはナンだ?
ま、ツアーのタイトル同様、ワケがわからないところがBLIND BIRD流と私はとらえている。
しかし!こっちの『仮想粒子』はわかりやすい。
メッチャいいんだわ、コレ!スゲェ気に入っちゃった!
今までナマ演奏でしか彼らの音を聴いたことがなかった。したがってこのバンドには「ワイルド一本!」という印象が強かったが、このアルバムを聴いて驚いた。
恐ろしく緻密なのだ。それでいてそのワイルドさをひとつも失っていない。すごく「ゴージャス」で安っぽいところがない。
BLIND BIRDの皆さんには失礼かもしれないが、期待をはるかにはるかに上回る仕上がりだ、コリャ。
職業柄、まず耳に入ってきてしまうのはギターの音なのだが、音はリッチこの上ないMarshallサウンド。優也くんのMarshallサウンドはいつもゴキゲンだ。
でも「音」よりも興味を惹いたのはdimやM7系のコードが頻出するバッキング。コレも問答無用でカッコいい!各曲のソロも出過ぎず、控え過ぎず、トリッキーなものも含めて、よく練られたメロディが実に心地よい。
それとドラム!さすがPONさん。聴いていてPONさんの顔が目の前に浮かんだわ!まさにそんなドラミング。
「NATALサウンド炸裂してまっせ~!」とレコーディングの期間中何度も聴かされていたが、そのPONさんの言葉にウソいつわり全くなし。
使用したのはいつものNATALのアッシュ・キット。スゲェな、NATALのアッシュって。こりゃ快感だ!またまたNATALに大きな自信を抱いてしまった!
我田引水…ついMarshallやNATALについて触れてしまった。だってマジでカッコいいんだもん!
BLIND BIRDの魅力はもちろんそれだけではござらん。
加えて直志さんのロック・ヴォイスと激シャウトに河野さんの音楽性豊かな知的ベース!これがなくてはもちろんBLIND BIRDは始まらない。
とどのつまりは曲のクォリティだね。どの曲も魅力的だ。このクォリティの高いロック・チューンがなければ4人の濃~いテイストもアッピールできない。
洋楽をミッチリと聴いてきた人達だけがなせるワザで、いいタネと肥沃な土がガッチリと組み合わさった良作だ。
それとね、これは書かない方がいいかな…?曲順もすごく考えられているから。まずは聴いてのお楽しみってことにしておこう!
ああ、今日のマーブロ、このアルバムに満足してこれで終わっちゃいそうだわ!…そうもいかない!
このツアー・ファイナルも大変素晴らしいものだった。
桐嶋直志
この日は対バンがあったので1時間弱のステージ。
オープニングは『仮想粒子』のリード・チューン、「hi-lite」。
へヴィなギター・リフ。4/4+4/4+4/4+2/4。
やはりこういうロックはMarshallのギター・サウンドでなければ成立しないね。
優也くんのMarshallはVinyageModernの100Wヘッド、2466。
2006年の暮れにリリースされて問答無用ですぐにゲットしてくれた。
「もう少し試してからの方がいいんじゃないの?」と訊くと、「あ、コレがボクが求めていたサウンドですから…」と即決してくれたのをよく覚えている。
それからずっと大事に使ってくれている。Marshall屋冥利に尽きる話しだ。
「弘法筆を選ばず」ではなくて、真の弘法さんは自分の欲しい筆がはじめからキマってるのよ。
この曲、リード・チューンなのにアルバムでは最後に収められている。
それでライブでは1曲目に演奏するというこのパラドックスもBB流?
いつも何か変わったことをしてやろう…と考えている感が見ていて楽しい。
2曲目は「星座」。イントロではド派手なPONさんのドラムが炸裂!
好き。この曲、演る人が変わったら完全に別な曲になることは間違いない。ちょっとバッキングを変えれば良質なシティ・ポップスに変身しそうなのだ。あるいは湘南風?
ものスゴくポップでキャッチーなんだけど、まったくポップさを感じさせないところが実におもしろい。
「そこまで叩く必要があるのか?!」というくらいあおりまくる。この手の曲でこういう風に叩きまくると曲が壊れてしまいそうだが、そこはさすがBLIBD BIRD、すべて計算のうえでうまくまとめて曲の魅力を倍増させてしまう。
そして、これがあの優也くんか?という大人のコード・ボイシングが耳につく。おもしろいナァ~。
こうしたロマンチックな曲が地続きになっているところがまたおもしろい。
続いても『仮想粒子』から「Pride on the Street」。
直志さんのロック・ヴォイスが実によくマッチする!
中間部のスリリングなキメもバッチリ!
演奏を見ていて、このバンドには4人のメンバーの「バランスの奇跡」のようなものがあるように思ったな。
どんなに人気のあるスターがいるバンドでもバランスを崩してしまうと、そのパフォーマンスはつまらないものになってしまうものだ。
このバンドは、そのバランスがあまりにも整っているように感じるのだ。全員がスターでありながら民主的とでも言ったらいいのだろうか?
そのバランスを保つカギを握っているのが河野さんだろう。タガをハメていると言ってもいいかもしれない。
この記事を読んでBLIND BIRDのコンサートに行ってみようか?という人がいれば大変うれしく思うが、もし行った際には河野さんのベースをよく聴いてもらいたい。
ラインのカッコよさはいうに及ばず、押したり引いたりするそのセンスが絶妙なところにゼヒ注目してもらいたい。
かつて伊藤広規さんのCDのライナーでも触れたが、いいバンドには必ずいいベーシストがいるものだ。
前作『Mescal Soul Drive』から「デタラメデモラブ」。
同じく前作から「凡才」と…
「BLIND BIRD」。
最後は『仮想粒子』から「Still」をプレイ。
このI→IdimとつなげるGeorge Harrison的なディミニッシュやIVm等、タマらんのう!
これはいい曲だわい!
ミディアム・テンポながらショウの最後にピッタリの胸につきささるセンチメタル・チューン。
短い時間ではあったが、BLIND BIRDの魅力の片鱗をアッピールしたステージだった。
それまでの間、このPVでガマンすることにしよう。
このPVでPONさんが使用してるのがこのNATALのキット。
それでは、BLIND BIRDのサード・アルバム、『仮想粒子』から「hi-lite」、ご覧ください!…ってDJみたいになっちゃったな。
『仮想粒子』は7月23日発売。それに伴うリリース・ツアーも決定している。
BLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site
NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2014年5月31日 目黒鹿鳴館にて撮影)