高梨康治 -CureMetalNite vol.1- <前編>
端から端まで機材で覆い尽くされたステージ。
詰めに詰めたり、Marshallのハーフ・スタックが2セットに和太鼓のキット。ツーバスのドラム・キットに奥にはレスリーまでセットされている。
マァ、これだけの機材をよく乗っけたね~。それだけの弾き手がステージに上がるのだから当然のことなのだ。
そして、今日ここで演奏される音楽が「キュアメタル」。
Marshall Blogの読者のために説明しておこう。
2004年にスタートした『プリキュア・シリーズ』という人気テレビアニメがある。長寿番組だけあって、音楽の担当者も変遷を経て、ある時期よりロック・キーボード・プレイヤーの高梨康治が就任することとなった。
高梨さんといえば、「Classic Rock Jam」のレポートでMarshall Blogにもご登場いただいているベテラン・ミュージシャンだ。
元々、Ritchie Blackmoreに憧れてギタリストを志し、Marshallギタリストの清水保光とのHellenの活動でも知られるガチガチのハード・ロック・ミュージシャン。
その人が作る音楽となれば相手がアニメ用の音楽といえど当然HR/HM志向が強くなる。
やがてファンがそのことに気づき、『プリキュア』シリーズの音楽を『キュアメタル』と呼ぶようになったのだ。
要するに音楽が独立したのね。
このあたりのことは<後編>でまた触れたいと思う。
その「キュアメタル」のライブ・バージョンが今日明日でレポートする『高梨康治 -CureMetalNite vol.1-』なのだ。
では、まずメンバーを紹介しよう。レディ・ファーストで女性ボーカル・チームから…
弦楽器チーム。
ヴァイオリンに渡辺一雄。
渡辺さんはご覧の通りMarshallでヴァイオリンを鳴らしている。ヘッドはJCM2000 TSL100。キャビネットは1960A。
ヴァイオリンでMarshall?なんて思う人もいるかも知れない。ところがドッコイ、イタリアの超名門バンド、PFMがかつて来日した際、のヴァイオリンの人(Mauro Paganiじゃない)がDSLを使ってスゴイ音を出していた。足元のようす。
ギターは藤澤健至。
手前のハーフスタックが健至さんのMarshall。JVM410HJS。Joe Satrianiシグネチャー・モデル。これはホント評判イイね。
先日レポートをした健至さんがサポートを務める森久保祥太郎さんのコンサートでも大活躍していた。
弦楽器チームのシンガリ、ベースはおなじみ満園庄太郎。
続いて打楽器チーム。
和太鼓の茂戸藤浩司。
ドラムは我らが山口PON昌人。
キットはいつものNATALのアッシュ。後ろの方のお客さんは見えなかったかも知れないけど、ツーバスだったのよ。
そして、この日の主役、高梨康治。
もう客席はパンパンもいいところ!
ステージに張り出しを付けたもんだからプレス・ピットが狭くなっちゃって入れない…ってんで、ホール上手の中ほどに台を設置してもらってその上からの決死の撮影。
何しろ、本来は一日だけの予定だった公演があまりの人気に2daysになってしまったという。それでもチケットが手に入らずに諦めざるを得なかったファンもいたハズだ。
次回は是非武道館でお願いします…というぐらいの大入りもよう。
なるほど、コレは激烈。この音楽だけ聴いた段階ではコレがアニメ用の作品だとは誰も想像し得ないだろうな~。
サウンド的にふたりの女性コーラスが入っているところがまたミソで、私なんかにはところどころフランスのMagmaを連想しちゃう。
ハードなだけでなく、ドラマチックな展開はプログレッシブ・ロックのテイストも感じさせてくれる。
「プリキュア♪ハートフルビートロック!」~「暗黒の挑戦者」。
自称「ゆるいMC」。イエイエ、なごやかで大変親しみやすい!
「ランランしたいか~!」
…と始まったのが「レッツプレイ!プリキュアモジュレーション」。おお、確かに「♪ランラン」いってる!
それにしてもスゴイ熱気だ。
アニメ系の音楽や声優さんのコンサートのお邪魔したのはもちろんコレが初めてではないが、今回は男性客がほとんどのせいかオッソロしく迫力があるわい。
ステージで何か動きがあるたびに客席の電圧が上がる!
ジャンジャン続くハードな曲たち。
劇中歌だけあって、アッと言う間に終わっちゃう曲もある。そういう曲を挟みこんでいるところがまたいいいのだ。
ハードなだけでない、とにかく丁寧な演奏。
「プリキュア大活躍!」~「不屈の闘士たち」~「出でよ!ネガトーン」。
そんな鉄壁な演奏を支えているのがこの豪華なリズム陣。
ベースは、ロック・ベーシストとして栄光のキャリアを誇る庄太郎ちゃんだし…
24時間×365日ロックしているPONさんはロック・ドラマーの権化だ。PONさんもズ~っとドラムかロックの話しをしてるもんね。それでこそロック・ミュージシャンだ。そうでなくちゃイケない。
それに加えて茂戸藤さんのパワフルな和太鼓だもんね。ド迫力だ。
実は茂戸藤さんは旧Marshall Blogにご登場いただいたことがある。その時はMr.BIGとの共演だった。Paul Gilbertと渡りあう茂戸藤さんもカッコよかったが、水を得た魚のようにイキイキと自分達の音楽を演奏する今回の姿も凛々しく魅力的なものであった。
アクションもバッチリ。
健至さんのソロもビシビシとキマる!
やっぱりアナログ真空管のアンプの音っていいナァ。
続いて…スペシャル・ゲストで登場した工藤真由。
大歓声に迎えられてノリノリで歌ったのは「プリキュア~永遠のともだち~」。
なんか健至さん、さっきからいいポジションだな~。
高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒ROCKMAN
NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2014年8月24日 表参道GROUNDにて撮影)