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2014年5月 2日 (金)

三宅庸介・田川ヒロアキ Guitar Show 2014 <後編>

ここのところ三宅庸介の登場が頻繁と思われるかもしれない。
燃えているのだ、三宅庸介は!
ライブハウスが企画したこの『Guitar Show 2014』の後半の出演はStrange, Beautiful and Loud。

10_2三宅さんが燃えているタネ火はもちろんコレ…。
Strange Beautiful and Loudのセカンド・アルバム『Orchestra Supreme』。

20cd今日のレポートは、発売を4月2日に控え(当時)、ノリにノッている3人の姿をキャッチしたものだ。

70v_2三宅庸介

60山本征史

40v金光KK健司

50v_2さすがに何度も何度も記事を書いてきているので、何がしかの目新しい文章でこの演奏を描写することは、私のような文才に乏しい者にとって至難のワザとなってきた。
こういう時は、初心に帰ってシンプルに認める…素晴らしい演奏だった。

30v東京での演奏のほとんどすべてに定点観測的に接して来た私が感じるのは、『Orchestral Supreme』のレコーディング前後ぐらいから演奏内容が一段とグレードアップしてきたということだ。
コンサートで演奏される曲は以前から3人で演奏して来たものなので、「演奏に慣れた」というワケでは決してあるまい。

80vそうした演奏技術によるものではなく、このグループの精神性のようなものに頑強な筋が通ったように感じるのだ。
コレがパーマネントなグループのスゴさなのであろう。一期一会のセッションが生み出す奇跡も、技術に長けたプレイヤーの演奏を鑑賞する大きな魅力だが、こうしたグループ・エクスプレッションはそれとは異なる贅沢な楽しみがある。

90vそれも三宅さんがクリエイトする孤高の音楽によるところが大きい。つまり「素材」がいいのだ。
三宅さんの音楽は決してジャズではないが、ジャズを愉しむ時のようなスリル。それに覆いかぶさるロック魂全開のパワー。コレである。
さらに楽器の限界をつきつめた素晴らしいサウンド。
この組み合わせは何回観ても飽きることがない。出来る限りこの目で彼らの演奏を観ておこうと思っている。他に替えがきかないグループだからね!

100vオープニングは「Virture」と、前作からのチョイスとなったが、後は「Solitary Past」を除いて今日は『Orchestral Supreme』からの選曲となった。
こんな感じ…
1. Virtue
2. murt'n akush
3. mani
4. Solitary Past
5. Petal
6. if
7. Ring
コレ、実は珍しい。
三宅さんはいつも2枚のアルバムからほぼ均等に演奏曲目を選出することが多いからだ。
今日のこのセットリストを見返すに、新しいアルバムへの三宅さんの深い愛情を感じざるを得ない。
それだけ情熱を傾けて真剣に作ったってことよ。
レコーディングのようすをすでにレポートしているのでコチラをご参照されたい。

110前掲したが、このグループの見どころのひとつはそれぞれの楽器の音色だ。三宅さんのMarshallとストラトのコンビネーションの素晴らしさについ耳が貼りつきがちだが、征史さんの1992SUPER BASSとプレシジョン・ベースの組み合わせがクリエイトする男性的なベース・トーンも決して聴き逃してはならない。
機材はいつも紹介しているので前回のレポートをご覧いただくこととしよう。
コチラ⇒Sound Experience 11

120v_2ドラムも同様。このドラム・サウンドを失くしてはこのグループの魅力を完全に引き出すことはできない。
NATALドラムの面目躍如たるところだ!

130_2実はこの日、三宅さんが長年愛用して来たルーパーのフット・スイッチがリハーサルの時にイカれて使用できなくなってしまった。
やむなくそのルーパーを取り除きエフェクター・ボードを組み直して演奏したのだが、出て来たサウンドに感動!
あまりにもギターのトーンがピュアでストレートになったのだ。薄皮が1枚どころか5~6枚剥けて奥の方からご本尊が出て来た感じ…。今までは7年に一度の善光寺の御開帳の時の柱に触っていたような感すらある。(←コレわかる?)
ま、機材を簡素にすればするほど音が良くなるなんてことは三宅さんも私も、百も二百も承知しているが、豹変ぶりがあまりにも見事だったのだ。
利便性を目的に使用せざるを得ない周辺機器だが、たまには「素」や「直」を追求してみるのもよいことだ。

いつもとチョイと違う三宅さんのギター・トーンを味わえたというだけでも価値のあるコンサートだった。

140三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful and Loud

150vそしてアンコール。

155田川ヒロアキがStrange, Beautiful & Loudにひとり加わる。
ヒロアキくん、三宅さんとの共演はこれが初めてではない。以前、三宅さんの『Sound Experience』に登場したことがあるのだ。

160v迎え撃つ三宅庸介。ま、別にケンカするワケじゃないけど…。

170曲は「Bloom」。三宅さんの代表作のうちのひとつ。

180vこれがおっそろしく素晴らしかった!

190_2リハーサルの時に度肝を抜かれたのは、テーマのメロディをヒロアキくんが一糸乱れずピタリとハモって見せたこと。

195この三宅さんならではの特異なメロディを持つ曲がふたりのギタリストによって演奏されるのは新鮮この上ない。
コレ、もしかしたら最初で最後になるんじゃないですか、三宅さん?

230そして、お待ちかねのソロの応酬。

200_2音楽のスタイルも…

210弾き方も…

220_2ギターのトーンもまったく異なる2人がしのぎを削る姿はスリル満点!

225案外正攻法的なフレーズを織ってくる三宅さんに対し、ヒロアキくんがアクロバチックなプレイで応える「木に竹をつぐ」ような展開がおもしろい。

240やはりこういう達人の共演はいつ観ても楽しい。
このコンサートは珍しくMarshall Blogで緊急に事前告知をしたが、その価値が十分にあった内容となった。
お見えになった人ラッキー!お越しになれなかった方は是非次の機会にお見逃しなく!

三宅さんは最近教則DVDをリリースされた。その情報と撮影レポートも近日アップしますので乞うご期待!

250最後に出演者全員で記念撮影。みんなうまくいった時の満足の笑顔だな、コリャ?

260_2NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
おかげさまでNATALが設置されている部屋のご指定もたくさん頂き、ますます高い評価を頂戴ております。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年3月10日 高円寺SHOWBOATにて撮影)