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2014年5月 1日 (木)

三宅庸介・田川ヒロアキ Guitar Show 2014 <前編>

三宅庸介と田川ヒロアキというMarshall Blog頻出の人気ギタリストが登場する今日と明日にわたってレポートするコンサートは、「見逃してほしくないもの」として事前にMarshall Blogで告知したモノだ。
結果はどうだったか…公私にわたって見どころが満載された、事前告知するに十分値する素晴らしい内容だった。

下の写真は、当日のアンコールで演奏する曲のリハーサルのようすを捉えたもの。
実際にMarshall Blogの記事内で使うことがないので、私は滅多にリハーサルの写真を撮らないのだが、この日はチョット様子が違った。

10内容はお定まりのセッションなのだが、2人が弾き出した途端、身体中に電流が走り、シャッターを切らずにはいられなかったのだ。
このシーンの本番は<後編>で紹介する。

20既報の通り若手ミュージシャンを引き連れて登板したヒロアキくん。準備万端!

30オープニングは「Seascape」。
バッキング・トラックに合わせスケールの大きいギターが飛び出す。
95vそして、躍動感あふれるドライビング・チューン、「Speedway」へ!
220田川ヒロアキ

50vベースは永井双樹。

60vドラムは岡田翔太朗。

70v今回は初顔合わせながら、容赦なくヒロアキくんの新旧のレパートリーが選ばれた。

あ、そうそう、コレいつか触れようと思っていたのだが、「レパートリー(repertoire)」って英語圏の人は「レパトワ」って読むんだよね。フランス語。イギリス人にどんなに英語らしく「レパートリー」と発音しても絶対通じない。
100今日は愛用のJMD501はおやすみ。JVM210Hと1960のコンビネーションで臨んだ。

80「新」のレパトワはここから。昨年の10月に発売された『ようこそ田川Night!へ』。
レギュラーで開催しているホーム・パーティのようなヒロアキくんのコンサートのエキスを詰め込んだ1枚。いわば「出前田川」盤。

90cdその『ようこそ田川Night!へ』から「BOUND」。タイトル通り心地よいノリノリのバウンス・ナンバー。

110v続いてはアーバンな雰囲気満点の「Swing Picking」。このフリ幅の大きさがヒロアキくんの魅力のひとつだ。

120vその要求にピタリと合わせる若手2人のリズム隊。実にいい雰囲気だ!

135v『ようこそ田川Night!へ』は一種のコンセプト・アルバムと言えるワケだが、それを強く印象付けるのは1曲目の「train」だろう。
何しろ「田川ナイト」の会場に向かう電車の描写から始まるのだから「サージェント・ペパーズ」も驚きだ。これを超えるのはもう「田川ナイト」へ行く日の朝の目覚まし時計の音から始めるしかない。
ウキウキして朝も飛び起きちゃう…そんなはずむ気持ちがうまく表されている「train」を次に持ってきた。

以前、ウェブサイト用にJMDのデモ演奏曲をヒロアキくんに書き下ろしてもらったことがあった。ヒロアキくんがいつも使っているJMDはプリ・アンプにデジタル回路を搭載しているため、バラエティに富んだサウンドを出せることがひとつのウリで、その異なったサウンドを使用するデモ曲を3つ用意してもらった。
そして、それぞれの曲にマーシャルにちなんだ「J」、「M」、「D」、それぞれの文字から始まる曲をタイトルをつけさせてもらった。
その中のひとつが「D」で始まる「Denbigh Road Run Down (to Tesco)」という曲だった。「Denbigh Road(デンビー・ロード)」というのはMarshallの工場が面している表通りで、「Tesco」はイギリス最大のスーパー・マーケット・チェーン(かつてJR高円寺駅からSHOWBOATに行く途中の右手にもあった)。
つまりお昼になるとみんなで「今日は何のサンドイッチにしようか?」とDenbigh Roadを歩いてTESCOに向かう設定の曲。楽しげな雰囲気がよく出ていて、この「train」を聴くたびに思い出すのだ。
ちなみに、タイトルのアイデアはSonny RollinsのImpulse盤「East Broadway Run Down」から頂いた。

133「train」の曲調に惹かれて楽しそうに演奏する翔太朗くん。特にイントロの「ガタンガタン」という電車の通過音をライド・シンバルを使ってヒロアキくんとコール&レスポンスで表現するところが印象的だった。
ちなみにCDには実地で録音された電車の音が収録されているのだが、コレが大変だったらしい。
まずロケハン。
この曲はその電車の「ガタンガタン」という音とヒロアキくんの頭の中にあるテンポをシンクロさせる必要があり、その適当なテンポの通過音を見つけるのが至難の業だった。
つまり新幹線でやると急速調のパンク・チューンになりかねないし、ホームに入ってくる電車の音では遅すぎてバラードになってしまうのだ。
で、実際にどこで録ったのかというと、鴬谷の線路のヨコだったそうだ。ここは高崎線、宇都宮線、常磐線、山手線、京浜東北線等が並走する大線路地帯。通過音もよりどりみどりなのだ。
しかも、上野駅からそう遠くないために上りの電車も下りの電車もちょうどいいバウンス・テンポで動いているというワケ。
それでも、収録したのは9月ということで、虫の声が盛大に入ってしまい、それをデジタル処理で消去するのが大変だったとか…。
考えてみればどこかで録音した音源をデジタル処理して好みのテンポにすることもできたであろうが、それを敢えてしなかったことこそ「ヒロアキズム」なのだろう。
134v旧作から「Stranger Destroys Arms」をハードにキメる双樹くん!

130それにしても見事だったのは翔太朗くんのドラミング。
複雑なキメの多いヒロアキ・チューンをカラフルに、かつ完璧に叩ききった!
180翔太朗くんが参加するバンド、DIRTY OLD MENは5月7日に『Blazing』なるニュー・アルバムを発表し、23日から7月まで全国を巡回する大ツアーが始まる。

160cd_2こちらはすでにMarshall Blogでも紹介している2月発売の人気TVアニメ『弱虫ペダル』の主題歌、「弱虫な炎」だ。
活躍著しいDIRTY OLD MENにも注目だ。

岡田翔太朗の詳しい情報はコチラ⇒DIRTY OLD MEN OFFICIAL WEB SITE

170cdもちろん翔太朗くんはNATALプレイヤー。DIRTY OLD MENではアッシュのキットを使用するが、今日はこの後に出演する金光健司さんとの使い回しでバーチのキット使用した。
アッシュの攻撃的なサウンドも魅力的だが、バーチの深みのある音像も捨てがたい。いずれにしても表現力豊かな翔太朗くんのドラミングにNATALはピッタリなのだ。

そしてもうひとつ注目すべきは、今回のようなベテランと新旧の邂逅だ。
最近富に現在の音楽界を危ぶむ声を聞くようになってきた気がしている。もし、それが勘違いだとしてもうれしいね。だって「火のないところに煙はたたない」のだから。

何回でも書くけど、未来の音楽に学ぶところはない。まだ進化するであろうテクノロジーすらもはや無視した方がいいかもしれない。音楽の退廃を招くだけだから。それは最近の歴史が見事に証明してしまった。
とにかく今は過去の音楽の中からすべてを学びとる局面だろう

若者は偉大な先輩たちが築いたロックを掘り下げて十分に研究するべきだし、ベテランもかつて自分達の中にもあふれていた若人だけがが持つエネルギーと感性を尊重すべきだと思う。
ところがこれらはすべての面において相容れることがムズカシイ。

憲法記念日も近いが、これから世の中がドンドンおかしくなっていくことだろう。その歯止めに少しでも音楽が役に立てば素晴らしいんだけどね。自由に音楽ができることこそ平和の象徴なのだから。
でもね、今の音楽には何の力も感じられない。
別にヒットなんかしなくたっていいじゃない。メジャー・デビューがどうだとか、売上が何枚だとかよりも、作り手は「いい音楽を作った」、聴き手は「本当にいい音楽を聴いた」ということに誇りを持とうではないか!

本当に「力のある音楽」というものはヒット作ではなくて、いかにいい耳を持った熱心な聴き手を抱えている音楽かどうかということではなかろうか。
ベテランも若手もいっしょになって「いい音楽」をクリエイトしてもらって、我々リスナーはそれを聴き分ける耳を研ぎ澄ませ、いいものには惜しみのないエールを送ろうではないか!
140vイカン、つい力が入っちまって久しぶりにぶってしまった。

お待ちかねのア・カペラのギター・ソロ。

190速弾きパート、タッピング・パート。三味線パート、スラップ・パート…今回はいつにも増して弾きまくっていたナァ。

200JVMのフルスタックを背にカッチリと弾き上げた!

210vもうそれこそ何回ヒロアキくんの演奏を観てきたかわからないが、今回の演奏はとてもフレッシュだったな。
もちろん若いリズム隊の影響ということは否定できまい。そのリズム隊によってヒロアキくんのメンタルな部分に変化を起こさせた。気に入った部分もあれば、気に喰わなかった箇所もあるだろう。
その内部の変化が技術面&演奏面に現れたということができるだろう。これが音楽の化学反応だ、

決して目立つようなライブではなかったが、先に述べた新旧の交わりという難しいテーマについて、典型的な手法による画期的な試みになったと思う。
この試みはドラムが一番やりやすい。残念ながらギターでは難しいだろうな。

230v終盤で派手に飛び出したのは旧作から「Keep Flying」。
せっかくノッて来たのにもう時間がッ!

240vこの日の演奏を境にYesやKANSASの音楽を聴いて真っ先に「美しい」と感いるようになったという翔太朗くん。もともと色んな音楽を聴いている彼だが、自分の中に音楽的な変化が現れたことを自覚したあたりはさすが!
ね、いくら若くたって「カッコいいロック」は世代を超えて共通なのだ。若い人たちは知らないだけ、イヤ、知らされてないだけなのだ。

250v最後は火照った身体を冷ますようにやさしく「アヴェ・マリア」をプレイして幕を閉じた。
40田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

260<後編>につづく

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
おかげさまでNATALが設置されている部屋のご指定もたくさん頂き、ますます高い評価を頂戴ております。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年3月10日 高円寺SHOWBOATにて撮影)