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ライブ・レポート Feed

2017年2月20日 (月)

Thunder Snake ATSUGI 14th Anniversary SPECIAL LIVE!!~BLIND BIRDの章

厚木のライブハウス、Thunder Snakeが14周年を迎え、記念ライブが企画された。
今日のレポートはそのうちのひとコマ。4つのバンドが登場した。
フフフ、「ツーマン」ダメ、「スリーマン」ダメ…とくれば、バンドが4つ出た日にゃさすがに「フォーマン」とか言うと思った?
もしくは「ダブル・ヘッドライナー」、「トリプル・ヘッドライナー」と来たらその次はどうなるんじゃいと思った?
じゃ、今日はまたコレで脱線してみるか…。
single、double、tripleまでは誰でも知ってる。元はラテン語。正確な意味は「~倍」だ。
しからば「4倍」はどうなるか…「quadruple(クワッドループル)」という(「ル」にアクセント)。略して「quad」と言ったりする。
もう15年ぐらいは経ってるかな~。
以前、JCM2000の後継機種をどうすっべか?という会議があって、Marshall先進国の関係者がイギリスの本社に集まって会議を開き、アイデアを募ったことがあった。
私はいつもの調子でゴチャゴチャと色んなアイデアを出したんだけど、その中に「4チャンネルのモデルはどうスか?」というのがあった。
JCM2000シリーズはDual、Tripleとやったので、こうなりゃ次は「4しかない!」と思って「Quad Super Lead」というアイデアを出したのだ。
すると会議の時に、司会のMarshallの担当者が「誰だっけな~、誰か4チャンネルとか言ってたヤツがいたな~。Quadだってよ!誰が言っていたんだっけな~?」と、あたかもバカ者扱いしやがんの。
私は下を向いていましたが…。
それから数年経って…、見ろ!JVMを!
4チャンネルじゃねーか!
ま、今となっては懐かしい話ですな。
新商品のアイデア出しの会議で、話がアクセサリーなんかに及ぶとおもしろいんだよ。
みんなそれぞれ自分のお国事情に合わせて勝手なことばっかり言っちゃうワケ。
「お前、ソレ!ゼッタイ自分が欲しいだけだろ!」みたいなアイデアがジャンジャン出てくる。
昔は朝から夕方までビッチリ話し合ったもんでしてね、私なんか英語を聴きとるのに必死で、クタクタになっちゃったもんです。
話を少し戻すと、上のdual。意味としては「二重」ということになるんだけど、じゃ「三重」は何ていう?
trial?…チガウ、チガウ!それ「トライアル」で意味が変わっちゃう!
答えは「triple」でOK。
不思議なことに「2」の時だけdualという別の言い方があるんだって。
ハイ、それで話をもっと戻して「4」。
ダブル・ヘッドライナー、トリプル・ヘッドライナーと来たんだから「クワッドループル・ヘッドライナー」と言いましょう!…ということは言わない。さすがに長い。」
「4バンド」でいいでしょう。英語なら「Four bands」だ。
ナゼなら、この「クワッドループル」という言葉は、英語圏でも滅多に使われることがないらしいからだ。
…ということで4バンドが結集したイベントのうち、3バンドのステージを3日間にわたって紹介する。
トップバッターはおなじみBLIND BIRD。

10桐嶋直志

20v小松優也

30v河野充生

40v山口PON昌人

S41a0215

オープニングは人気の「hi-lite」。
私が名盤と評するサード・アルバム『仮想粒子』の最後を飾るキラー・チューン。

50
ストレートなヘヴィ・テイストから中間のテクニカルなインスト・パートに移る構成が実にスリリングだ。
ん~、この声!この声がBLIND BIRDの声。

60vそしてその声を支える楽器陣。
やっぱりギター・サウンドはMarshallでないとダメね。直志さんの声に負けちゃう。

70v優也くんはJCM800 2203。
キャビネットは1960Aを横にしてBキャビに見立てて使っている。
80v猛然と突き進むマニッシュなギター・ソロ!
シュレッディングだけがギター・ソロの魅力ではない!と訴えかけているかのようだ。
優也くんのギター・ソロはロック・ギターのプリミティブなカッコよさを思い起こさせてくれる。

90「ドラマチック」に「ダイナミック」をドップリ注ぎ込むのがPONさんのドラム。
PONさんはNATALだ…と言いたいところだが、今日はイベントなので借り物キットを使用。
140
普段はこんな感じ。
再び活動を始めた古巣のFEEl SO BADでもNATALで大暴れしてくれている。
150
そして相変わらずインテレクチュアルな河野さんのベース。
コレでBLIND BIRDが飛翔する。

130

この曲のMVがあるので紹介しておこう。
発表から少々時間が経ってはいるが、BLIND BIRDの魅力を知るにはもってこいのフッテージだ。
もちろんMarshallやNATALが大活躍!

2曲目は目下のところの最新アルバム『Spicy Sweet』から「Keep the Tension」。
先日のお台場の野外ステージでも演奏していた曲だ。
適度にポップなメロディがキレッキレのシャッフルに乗ってスッ飛んで行く!

100

河野さんのスタッカートで刻む3連はお見事!
今時こんなベース弾く人いない!。

S41a0147 ワウを効果的に使った優也くんのソロ。
この曲、メッチャかっこいいと思うんですけど…。
最後のパートはいつ聴いてもトリハダものだ。

S41a0162 直志さんもギターを提げる。
アンプはもちろんMarshall。

110

直志さんもJCM800 2203を愛用している。
キャビネットのセッティングは優也くん仕様だ。

120v

同じく『Spicy Sweet』からジトッとマイナーに攻めるミディアム・ナンバー、「Bala Bala」。

170v

この曲も中間にハッとするようなキメがあるんだ。
こういう予想だにしない仕掛けをシレっと織り込んでくるところがいい。

160続けてセカンド・アルバム『Mescal Soul Drive』のオープナー、「凡才」。

180彼らのライブでは定番のドライビング・チューン!

190vさらに同アルバムからバンドのテーマ・ソング「Blind Bird」。

200はじけるようなパワフル・チューンだが、決してそれだけには終わらないテクニカルなテイストが素晴らしい。

210vスキルフルな連中だけが醸し出す深みのあるテイストとでも言おうか、サウンドに威厳があるね。

240

持ち時間の加減でもう最後の曲!
名盤『仮想粒子』から「Still」。
甘くせつないメロディがすごく印象的なんだけど、コレ、変なんだぜ。
Aメロが…

I|Idim|IIIm|IIIm|IIm7|V7|

…というコード進行で、6小節ワンパターンになってる。
二回目はコレのが後ろに1小節くっついて7小節でひとパターンになってるの。
ディミニッシュをうまく使った曲ってやっぱりすごく魅力的だよね。
最近の若いバンドさんの演っている曲はダイアトニック・コードとそのアヴェイラブル・ノートだけで作られているモノが多いのでスリルも何もあったもんじゃない。
人の心を動かす音楽のカギのひとつは「半音」にあると思うんだよね。

230_2とにかくBLIND BIRDってこういうトリッキーなことを結構やってんだよね。
さりげなく変拍子になってたりとか…。

250v詩と歌詞がそういう仕掛けによってすごく活かされてくる。
要するに工夫して演っていることが自然なんだな。
音楽はムズカシイことをやればいいってもんじゃないからね。
いくらムズカシイことをしていても自然にかつ、カッコよく聴こえなければなんの意味もない。
Zappaを聴けば私の言っていることがすぐわかる。

Img_0006ホントにいいバンドだと思いますよ、BLIND BIRDは。
その良さを失わずにガンガン突っ走ってくれることをひたすら願っている。
このまま4人で…さすればその良さもQuadrupleだ!

Blind Birdの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site

260つづく

(一部敬称略 2016年12月10日 Thunder Snake ATSUGIにて撮影)

2017年2月17日 (金)

Heaven's Tragedy~nonLinear Metal DynamiX 2016 GRAND FINAL!

9月にMarshall Blogに登場したHeaven's Tragedy。
昨年末に開催されたイベントでとうとうその姿を現した!

10その「イベント」というのはココでも紹介した『nonLinear Metal DynamiX SUPER COMPILATION Vol.2』というメタル系バンドのコンピレーション・アルバムのレコ発ライブ。
その2日目にステージに上がったのだ。

20_cdボーカルズ、YOSH。
(筆者注:Marshall Blogでは正しい英単語語法にならって「vocal」と「keyboard」と「drum」を常に複数形で書き表すことにした。
英語圏の人は例えひとりでも「ボーカル」とはふつう言わず、特にバンドのメンバー紹介の時は必ず「ボーカルズ、〇〇!」とやる。もちろん単数形もあるが、この言葉を使うときは必ず複数形で使う。
したがって、レコードやCDの表記も必ず「Vocals」となっている。
ウソだと思ったらFrank Zappaのライブ音源を聴いてみなさい。たいていZappaはメンバー紹介をライブ音源に収録しているのでよく聴きとることができる。もちろん、コレはZappaだけではないからね。
ちなみにイギリス人は歌い手のことは「vocals」とは言わず、通常「singer」と呼んでいる。
「vocals」というのは「歌い手」という意味よりも「歌のパート」という意味合いが強いようだ。
この辺りは目下研究中。
大きなお世話だけど、正しい英語に向かって、小さなことからコツコツと…。)

30vギター、Jien Takahashi。

40vドラムスにRyuya。

50vキーボーズ、Missu。

60vそして、サポートで参加しているベースのhama-。

70vJienくんはMarshall。
170

この人、若いのに機材が渋い!
何しろJMP-1が大好き。
アナログ・サウンドを信奉する頼もしいヤツだ。
JMP-1にVALVESTATEのパワーアンプを組み合わせて使っている…と言いたいところだが、このVALVESTATEのパワー・アンプがどうしても手に入らないそうだ…変わったヤツだ。
仕方がないので現在のところ他ブランドのパワー・アンプを代用している。

90vVALVESTATEのパワー・アンプは、初代の時はステレオ40W+40Wの8004と、同じく80W+80Wの8008がラインナップされていた。

8008 それが二代目のVALVESTATEの時代にはステレオ120W+120WのVS PRO 120/120に様変わりした。

Valvestatepro Jienくんは、さらにラック式マルチ・エフェクターのJFX-1も狙っているという。
どれもそれほど出回ったモデルではないので、なかなか出てこないとは思うけど、不要なコレらのモデルをお持ちの方はゼヒJienくんに知らせてあげてください。

Jfx

さて、重厚なパイプオルガンのオープニングSEに導かれて5人がステージに上がる。
オープニングの曲は「Lamentation Wing」。
よくこんな単語知ってるな。
「lamentation」とは「悲哀」とかいう意味だけど、外人が口にしているのを一回聴いたことないぞ。
有名なトロンボーン奏者のJ.J. Johnsonに「Lament」という有名なバラードがあるけど。Coltraneにも「Lonnie's Lament」という曲がある。
あ、そういえばJienくんはラーメン好きだもんね。
メタル系の方々の曲名は日常の会話に絶対に出てこないようなビッグ・ワードがよく出て来て勉強になる。
「vengence」なんて「出る単」にも載ってなかったでしょ?ま、この単語の元ネタがJudasだってことえお比較的最近知ったけど。

100リフのないシンフォニックなドライビング・チューン。
いきなりYOSHさんの声が炸裂!

110vギター・ソロもキチっと練り込まれたメロディアスなものだ。

120vまぁ、何しろドラマチックな展開でコンテンポラリーなヘヴィ・メタルの美学を貫いている曲。

130続けてJienくんのギターからスタートするのは「My Soul Will Rise Again」。
2015年に制作されたシングル『Beginning of the Tragedy』に収録されていた曲。
このシングルの帯に書かれている文句がスゴイ。
「天空を駆ける叙情の旋律 優しき悲劇が送る魂…」
…と来ると、「ああ、こんな女に誰がした」と続けたくなるけど、そうなんだよね、すごく演歌に通じるところがある。
「Let It Roll」とか「Mistreated」とか…私なんかハードなロックと演歌は紙一重のところがあると思っているのでゼンゼンこれで構わない。
おもしろいことに日本のヘヴィ・メタルってドンドン和風度が高くなっているように見えるんだね。
タイトルなんかは外人も使わないような英単語を並べるんだけど、音楽はすごく和風。
この現象はヘヴィ・メタルに限ったことではないが…。
そうそう、最近私は時々インターネット・ラジオを聴くようになったんだけど、私がいつも聴いている局のプログラムでおもしろいことを発見した。
私がいつも聴いているのは、「British Classic Rock」、「Be Bop」、「Broadway」、「Anant Garde Classical」の4つなんだけど、民族音楽も大好きなので時折「World Music」というプログラムにも手を伸ばす。
そこにあるんですよ、「日本のロック」が!
2つのプログラムが用意されていてひとつは「Japanese Rock」というジャンルで「The best of J-rock and visula Kei music」というキャプションが付いている。
スゴイよ、日本のロックは。世界から見ると、「民族音楽」と化しているのだ!
「演歌」がそうくくられるのならまだしも、まさか「日本のロック」がそういう風にみられるとは40年前、一体誰が想像したであろうか?
もうひとつは「Visual Kei」。
こちらは「Flamboyant Japanese glam rock and heavy metal」 とある。
「flamboyant」とは「ケバケバしい」という意味だ。
日本のロックが従来の西欧音楽から見事に脱却したと見るか、ルールを見失って行き場を失っているか…どう見るかはアナタ次第だ!

140コレもノリノリのハード・チューン。
2曲目にしてこの盛り上がりよう!

150ギターがテーマを奏でるが、ソロにはならない。
それがかえって新鮮だ!
80

「(2016年の)3月にライブの後に活動を停止し、メンバーを一新して復活した」と、YOSHさんのMCがあって3曲目。
「Tears of the Sky」という曲。

180_3コレもガッチリと急速調。
イントロのギターのメロディが耳につくんだわ~。

190v先日紹介したWeROCK誌の付録CDに収録された、Heaven's Tragedyの目下のところのキラー・チューン。
それだけに演奏にも力が入る!

200この曲でまず耳に付くのがイントロのJienくんのギター、そして「♪ビャ~」っとバンド全体にクールにかぶさるMissuちゃんのシンセなんよ。
コレはおもしろいな、と思った。

210v熱狂のリズム隊!
ズッパンズッパンと猪突猛進を絵にかいたようなパワフル・ドラミング。
「若さあふれる」なんて軽い形容はしたくないが、彼、17歳。若さあふれてる!
220hama-のバンド・サウンドの格とも思える堂々としたプレイはサポート参加とは思えない。
すごい人気で。大きな歓声を浴びていた。

160v

そして、ギター・ソロ。
これまたよく練られたメロディをクールに弾きこなしていた…コレで18歳!

230続けて4曲目に突入。
冒頭のキメが印象的な「Gradational Sky」だ。
Sky好きだね。「空」がらみが2曲続いたよ。
アレ、Jienくん、ウリ好きとか?ぬか漬け最高!…違うか。

240_4ここでも閃光のようなRyuyaくんのドラミングがバンドを全力疾走させる!

250vおお!意外な転調!

260Jienくんはこの曲でもメロディアスなギター・ソロを聴かせてくれるんだけど、実にコンパクトなんだよね。
ギター・フィーチュアのバンドであることは間違いないんだけど、長々とソロを弾くことをしない。
バンド・トータルのサウンドで勝負しているのだ。
最近、そういうバンドが増えて来たような気がする。
こちとらMarshall屋なんで、ギターをフィーチュアされたほうがいいにキマってるんだけど、あんまりギターばっかりでも胃液が逆流して食道を傷めちゃう。
「もう速いのは十分わかったから!とにかくひと味違ったいい曲を聴かせて欲しい!」、と常日頃から思っているので、こういうアプローチは結構うれしいのだ。

270vコロコロと変わる場面展開もこの曲の魅力だ。

280vMissuちゃんが奏でる琴のような音がドラマチック!

290そして、ココでビックリしちゃったのが「トロイカ」!
え、「トロイカ」ってナニかって?
海鮮丼の物販だよ。
イヤイヤ、この熱気でナマモノはマズイ。
あのロシア民謡の「トロイカ」。
「♪雪の白樺並木」…我々世代は学校で教わったような気がする。今では「テトリスの歌」の方が通りがいいらしい。
金持ちに恋人を奪われた若い馭者の悲しみを歌った曲なんだって。
そうなんですよ、こうしたスラブ系の悲哀(lamentation)を含んだメロディは絶対メタルに合うと思う。「演歌つながり」だし。
スラブ系のメロディを使ってメタルをやったバンドって以前はいるのかな?
チョット引用が長すぎたけど、ドエライ強いアクセントになったと思うよ。
カッコよかった。
「トロイカ」とは別にフト思い出しのは、昭和40年代の歌謡曲。
この曲なんか、スゴくなつかしい感じがするんだよね。
Jienくんが昭和40年代の歌謡曲なんて聴いているワケないし、こういうのは不思議だね。

300そして、MCをはさんで最後の曲。
このMCではYOSHさんがMarshall Blogが取材に来ていることをアナウンスしてくれた。
ありがとうYOSHさん!
曲は「In My Rusty Heart」。

320全曲ブッ速いドラミングでドライブしまくったRyuyaくん。

330vいつでも冷静なMissuちゃん。

340ジックリとバンドの低音をキープしたhama-。

350「もっと演りたい!」と実に楽しそうだった激唱のYOSHさん。

370

そして大活躍のJienくん!
早くRigをMarshallで固められるといいね!

370v    
最後に長年色んな音楽を聴き続けて来たジジイとしてチョット生意気なことを書かせてもらうけど、Heaven's Tragedyにはとにかく他のバンドがやらないことをやってもらいたいと思うナァ。
ずっと同じことをやるのもひとつの美学だとは思うけれど、ヘヴィ・メタルはもうそれではやっていかれないでしょう。
花形楽器のギターの花形のテクニックだった速弾きがもう極限まできてしまったし、いくら高い声が出たって音楽として意味がない。
日本のヘヴィ・メタルは、最初の方に書いたように和式に独自の進化を遂げた代わりに、どのバンドも全部同じサウンドになっちゃった!
アレは誰を手本にしてこうなってしまったたんだろうか?
特に女性のメタル・バンドは皆さんとても似通ってらして、もはや音楽だけでは見分け(聞き分け)がつかん。
40年前と違って誰もやっていないことを探すのは大変なことだし、見つけたアイデアを血肉に変えるのはもっと大変なことだとは思う。
でも、こんな時こそ色んな音楽を聴いて、自分たちの感性でそれらを消化して、人とは違う音楽をクリエイトしてもらいたいと願う。
とにかく若いミュージシャンはジャンルを問わず死ぬほど音楽を聴くことだ。
仕事がら色々なタイプの若いミュージシャンに接することがあるが、みんな本当に音楽を知らないことに驚く。
ま、私も新しいのはサッパリわからないけど、マァ、そういう若い人に比べれば、音楽全般の知識や経験の深さや幅に関してはそう簡単に負けないよ。伊達にジジイやってるワケじゃないから。
万が一ロックで負けるようなことがあったらジャズで勝負してやるし!
以前は若い人たちがビートルズを知らないことに驚いていたけど、最近は「ビートルズ」という名前を知ってるだけでもビックリするよういになってきちゃった!
そして次に、彼らが果たして本当に音楽が一番好きでバンドをやっているか疑わしくなってしまうのだ。
なんか音楽の質を競うよりも、どれだけ大きな会場で、どれだけ多くのお客さんを呼べるかを競っているような印象を受ける。
まずは音楽を聴かなきゃ。
それこそ「9以上」聴いて「1以下」を吐き出すぐらいでいいのではなかろうか?
   
「よいミュージシャンはよいリスナー」…将来有望な若きアーティストにまたぞろこの言葉を送って締めくくらせて頂く。
ちなみにJienくんはよく聴いてるよ~。とても18歳に思えん!

380さて、Heaven's Tragedyは5月14日に開催される『non Linear Metal Dynamix EXTRA Vol.4』というイベントでクラブチッタのステージ立つ。
メタル好きの人はゼヒおでかけくだされ!

Heaven's Tragedyの詳しい情報はコチラ⇒Heaven's Tragedy facebook
不要になったVALVESTATEのパワー・アンプやJFX-1の情報、または目撃情報もfacebookへお寄せくださいますようよろしくお願いいします!

390v(一部敬称略 2016年12月11日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2017年2月13日 (月)

MAGIC OF LiFE TOUR 2016“X-1A”

まだ続いてる昨年分のライブ・レポート。
今日は12上旬に開催されたMAGIC OF LiFEのレコ発ツアーの千秋楽のもようをお送りする。

10コレが9月にリリースされたニュー・アルバム『X-1A』。
11曲入りCDと5曲入りDVDの二枚組だ。
ジャケットの写真は一瞬荒川かナァ?…と思ったけど、芝浦埠頭か…。

20cd高津戸信幸

40v山下拓実

50v渡辺雄司

60v岡田翔太朗

70v翔太朗くんはもちろんNATAL。
愛用のメイプルのキット。美しいフィニッシュはシー・スパークル。

80もちろん『X-1A』で聴けるゴキゲンなドラム・サウンドもこのキットが叩き出している。

90オープニングは『X-1A』の1曲目、「Go Out」。
ハンド・マイクを握って登場した高津戸さん。
もう1曲目から大興奮のノリノリ大会!

100翔太朗くんのドラムからスタートするのは「スキルフラワー」。
BSスカパー! オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダル』の主題歌だ。
130
さっそくギターを提げて定位置で歌う高津戸さん。
2012年の『doors』から「変えるのうた」、さらにニュー・アルバムからのチョイスで「DOUBLE」。
「DOUBLE」は今回のアルバム以前にシングルでもリリースされていた曲。

110「ボクらにしかない音や言葉…生きている力として持って帰ってください。今日はこうして出会たことに感謝して心を込めて歌います」…というMCに続けたのはニュー・アルバム収録の「Bellyas」。

120曲調はライトだが、グッとしまったリズム隊のパフォーマンスがすごくマッチしている。

170

要はこの人のドラミング。
ともすればヘヴィになりそうなパターンをサラッと軽く叩いているところが実に気持ちいい。
もちろんNATALのサウンドがバッチリとフィットしている。

180v

DIRTY OLD MEN時代の『I and I』から「Born Message」。
そうそう、そういえば、数日前にMarshallのレコード・レーベル、Marshall Recordsの第一弾アーティストが発表になった…という記事をMarshall Blogに掲載したが、そのバンドの名前がDIRTY YOUTH。
それを知った瞬間にMAGIC OF LiFEのことを思い出してしまったよ!
「youth」というのは若者という意味だからして、DIRTY OLD MENの正反対なんだもん!

140続けて『X-1A』から「Misanga」。

145vこのバンドはスネアの位置が独特な曲が多い。
この曲もドラムがとても印象的だ。

S41a0120 『I and I』からの「Knight」を披露した後、ショウの中盤は『X-1A』からのレパートリーで構成された。
2015年の11月にシングル配信れ、今回のアルバムに収まった「風花ノ雫」。
165v
「栄光への一秒」…「青くて白い」。
150

さらにアルバムのクローサー、「音無き言葉」。
この曲はずいぶん以前から演ってたでしょ?このイントロのメロディはメチャクチャ耳に残る!
実にいい曲だと思うよ、コレは。
やさしいメロデイに「♪見えなくても聴こえなくても この目も耳も心にあるの…」という言葉が乗っているサビには人の心をグッとつかむ力がある。
160
メンバー紹介と爆笑質問コーナーで盛り上がった後は、コンサートも最終段階に突入する。
ニュー・アルバムから「I'm Rainbow」。
もうこのあたりは大盛り上がり大会ね。

190DIRTY OLD MEN時代の『Prologue』から「メリーゴーランド」。

200新作から「zero」、『I and I』から「呼吸」と新旧を思いっきり行ったり来たりのセットリスト。
息をつく間のないドライビング・チューンの連続にファンはもちろん大よろこびだ。

205そして名曲「スターチス」。
大好き。
コレはホントにいい曲だと思う。
アノね、「ロック」という音楽のカテゴリーということを念頭に置いてMAGIC OF LiFEの音楽を聴いた時、他の若い人たちのバンドと同様に、それは我々世代が知っている「ロック」という音楽とはもはや似ても似つかないものだ。
しかし、そういう見方から離れると、このバンドが作り出す曲のクォリティはかなり高いと思う。
私はいつもMarshall Blogで悪態をついているが、ガンコおやじだって「鬼」ではない。
いいものはいいと思うし、素直に楽しみますよ。
我々の時代のロックとあまりに隔たりがあるのはもう仕方がない…時間の隔たりがあるのだから。
そして、それが滅びゆくであろうということも覚悟した。
だから、こうした才能のある若き人たちにこそ、昔のロックを研究してもらい、ロックが一番ヨカッタ時代のエキスを吸収してもらいたいと思うのだ。
よりオリジナルに近いロックをね。

210vコンサートの本編を締めくくったのも『X-1A』からのナンバー。
ウォームなワルツ、「アオイシグナル」だ。
この曲もテーマって言えばいいのかな?すごく印象に残るメロディを組み入れている。

220さて、アンコ―ルの前に告知。
Marshall Blogでもレポートした2016年6月の赤坂BLITZでの全21曲を収録した『「LIVE TOUR 2016 ~紫陽花ヲ栞~FINAL at AKASAKA BLITZ』がMAGIC OF LiFEの公式サイト並びにライブ会場にて販売されているよ!

Dvd

アンコ―ルが始まった。

230v「はじまりの日々」…

240「弱虫な炎」…

250v「夜空のBGM」…の3曲を演奏して全プログラムをビシッと終わらせた。

260v全編でほぼ2時間。
彼らはダラダラ演らない!
自分たちが、言いたいこと、聞いてもらいたいことを端的に訴えてステージから姿を消していった。
この点でも実に気持ちのいいコンサートだった。
今年も益々の活躍を期待している…NATALとともに!

270MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

2801965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年12月9日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2017年2月 3日 (金)

SHOW-YA~メタロッポン METALLIC ROPPONGI <後編>

さて、「六本木心中」前半をで締めくくった後は休憩コーナー、イヤ、恒例の楽しい楽しいMCコーナー。
「この六本木で私ばっかりしゃべっちゃって…本当はメンバーのみんなにしゃべってもらおうと思っていたんだよ!」
ナンカ今日は「六本木」に対する意識がスゴイな。

10v…ということで早速マイクがミッタンに渡される。

20「皆さん、お久しぶりで~す!お元気ですか?
以前、六本木にはビブロスというディスコがあって、海外のアーティストがよく来るということでロック少女の私のあこがれの場所でした!」
「EXシアターの注意事項に『ネコ、イヌ、宇宙人の持ち込み禁止』とありました。
昔、ドラム・セットをUFOと思って見ていました。
あれからこんなに長くドラムをやることになるとは思いませんでした!
SHOW-YAの明るい未来を築いていきたいと思います!」
ドラムス、 角田mittan美喜。

30v「ディスコね…行ったよ!渋谷のキャンディ・キャンディ!
新宿のツバキハウスで「ヘビメタ・デイ」ってのやってたの。
初めて行った時、恥ずかしくて踊れませんでした!トイレで練習した!」
「皆さん、クリスマスの予定はありますか?
私は全くないので、その分今日は楽しんで帰りたいと思います!」
ベース、仙波さとみ

40v「今日はみんなのことがとてもよく見えます!
私、デビューするまでディスコなんて行ったことなかった。バンドはやってたんだけど…。
昔、キャプテンにリズム感がないのは踊れないからだ!と言ってSHOW-YA全員でディスコに行かされたの。
すごくイヤでした…。
人に強要されて踊るなんてイヤでしたよ。
sun-goは踊ってました!
その時ミッタンはどうやって踊ってたいたのかわかりません!」
キーボーズ、中村美紀

50v…と言われて脇を閉めるsun-goさん。
「六本木と言えば、恵子に老舗のイタリアン・レストランに連れて行かれて道を間違えたことを鮮明に覚えています!」
「ディスコはそれなりに行ってました。それに、ロック喫茶、ビブロス、無限…。」
「レアなものを観ることができるのでSHOW-YAのライブは必ず来てくださいね!」
  
そうか、「六本木=ディスコ」だったのね。
いつかも書いたことがあったけど、高校1年ぐらいの時に『サタディナイト・フィーバー』が大流行して、猫も杓子も「ディスコ、ディスコ」って騒いでいた。
そのブームは大学に入る頃まで続き、ミーハーな友達からよく誘われたが、私はドップリとロックに浸かっていていたので、ああいうところが苦手で、苦手で…。
キャプテンじゃないけど、まず踊りがイヤだった。
小学生の頃はそれなりに盆踊りを楽しんだんだけどナァ。
それと、知らない女の子に声をかけるなんてことは、論外の恥ずかしさだった。
今ではスーパーのレジのオバちゃんでも話かけることができるのに…あ、オバちゃんだから大丈夫なのか。
それでもどうしても断りきれなくて、新宿のUSA(って言ったっけかナァ)ってのと、六本木の「ブルーなんとか」というお店につき合わされた。
後にも先にもディスコへ行ったのはこの2回だけ。
面白くも何ともなくてすぐに出てきちゃったけどね。そりゃそうよ、踊りもしなければ、女の子に近づきもしないんだから。
踊りは今でもイヤ。
海外へ行くと、時々普通のパーティが最後の方でダンス・パーティになっちゃうことがあるんだけど、ガンとして踊らない。
強引に引っ張り出された時だけ、チョコっと身体を動かしてサササと逃げてきちゃうようにしている。誰も見ちゃいないんだけどやっぱり恥ずかしい。
SHOW-YAの皆さんは完全に私と同じ世代。
そうして話を聴いてみると面白いナァ。
高校生の男子はいくらロック好きでも、外タレが来るからと聞いてディスコへ行くなんてこと考えつきもしなかったと思う。
そうか、sun-goさんはディスコで踊ってたのか…今でもジュリアナ扇子やってるもんな。
ギター、五十嵐sun-go美貴

60vハイ、休憩終わり!
「この曲も久しぶりに演ります」と紹介した曲はsun-goさんの泣きのギターで始まる。
曲は「In my Arms」。
『GENUINE DIAMOND』収録のバラードだ。
440v
ボーカルズ、寺田恵子

70vsun-goさんはスタンドにセットされたアコギに持ち替え。

80vグググ~っと情感豊かに歌い上げる恵子さんが素晴らしい!

90続いては『PROGRESS』から「Show-yA」。
「We are…」

1_img_0311 「SHOW-YA!」
メンバーにスポット・ライトが当てられる。

110v

120v

2_s41a0149

130vダウン・チューニングしたsun-goさんのギターに乗ったSHOW-YA讃歌。

140そして、定番のドラム・ソロ。

150今日もパワフルに暴れまくるミッタン!

160お客さんのレスポンスもバッチリ!

170vそして、最後はコレコレ。
銅鑼をぶっ放してSHOW-YAの名物コーナーのひとつを〆た。

180v続いては『GENUINE DIAMOND』からさとさん&ミッタン共作の「Count 8」。

190_8タンバリンを手にしてアグレッシブに歌う恵子さん!

200v4ビートも取り入れられたこの曲、sun-goのソロの雰囲気も他とはチョット違っていい感じ!

210「これから5曲、死ぬ気でやればアップアップしちゃうぞ!
一緒に盛り上がっていこう!
オッサンの声が多いな…女の子がんばって!」

220「私のギターが、「みんなの声が小さい』って言ってる。
私の妖精ちゃんの音が出るように声を出して!」

230vおなじみ「Rolling Planet」。

240コンサート後半に出てくるドライビング・チューン。
もちろん大ウケ!

250v展開部のAb→Bbの次のディミニッシュが気持ちいいにゃ~。
普通のロック・バンドだとたいていAb→Bb→G→CmとやるところをAb→Bb→Bdim→Cmとスムースなアセンディング・ラインにしたところがカッコいい。

260vギター・ソロに続いてキャプテンのソロ!
今日もキーボードとコーラスと大活躍なのだ。
私はキャプテンのコーラスの声にいつも注目しているのです。

270sun-goさんがドラムのライザーに乗って弾いているのは「Look at me」。

9_s41a0846 恵子さんはキャプテン・サイドだ!

280vセクシー・ポーズ、バッチリ~!
このピンクのライトはやっぱりクセ者だ。
誰だLEDの照明なんて開発したのは!

290メンバーが動き回る猛烈にエキサイティングなシーン!

1_img_0585 コレ、メタメイカンではできませんからね。
思いっきり暴れてくださいました!

300ここでまたメンバー紹介。
520v
ミッタン…

310さとさん…

320vキャプテン…

330vsun-goさんはハート・マーク付き!

350vそして5人の他に大切なメンバーとして…「and…and…and…you!」…お客さんが紹介された。

3_img_0090…ということで、メンバー参加コーナー。
よくあるチーム分けしてやるコール&レスポンスね。
下手はさとさんチーム。
上手は先生チーム(sun-goさんのこと)
そして、真ん中は恵子さんのヤンキー・チームだって。

360ココはおもしろかったな~。
遠慮なく大声出して笑っちゃったよ!
…て言うのはね、さとさんとsun-goさんのチームの掛け声は「ヘイ、ヘイ」なんだけど、恵子さんのチームだけは「コリャ!コリャ!」なんだよ、ヤンキーだから!
もうコレで大爆笑!

370すると、その様子を見て取った恵子さん、「ン?もしかして全員『コリャ』やりたい?よし!チーム分けを止めて全員でハラの中にたまった怒りをココで全部吐き出しちゃおう!」

390「コリャ!コリャ!コリャ!コリャ!」
もう、おかしくて、おかしくて!
こんなの初めて見た。
世界広しといえどもこんなことやってるのはSHOW-YAだけだと思うよ。
このMarshall Blogを見たSHOW-YAファンで、コリャ!未体験の人、今度コンサートに行った時に恵子さんがコール&レスポンスをやることがあったら、「姐さん!Marshall Blog見ました!『コリャ』でやって!」ってリクエストするといいよ。
380
…と、さらに盛り上がったところで「BATTLE EXPRESS」!

400_beコレもコンサートの終盤に持ってこいのスピード・チューン。
恵子さんの歌もポーズも最高潮だ!

410vこの曲の見せどころ!
「キャプテン!」

420「sun-go!」
キーボードとギターの掛け合い。
カッコいい~!

430v

「フェアリ~!!!!!」
436v_f
本編を締めくくったのは「Fairy」だった。
1_img_0122_2
恵子さん、珍しくこの曲でくステージに腰をかけた。

450「ピ~ス!」

470その体制から…

480ゴロリ!
私もずいぶんというかSHOW-YAのステージを拝見しているが、「Fairy」でこんなことをする恵子さんを初めて見た!
恵子さんがやるとキマるな~。

490フェアリー・ポーズも!

510そしてクライマッ~クス!

435

いつも通りサオ回しの儀も無事、かつスムースに執り行われた。

530「どうもありがとう!
老体にムチ打ってみんなとこうして同じ時間を楽しむのは最高なのだ~!」
そして4月29日に『NAONのYAON』が決定したことが発表された。

540アンコールは「限界LOVERS」。
215
今日も最高にロックな5人だった!

550v

560v

570v

580v

590vお客さんも大満足。
本編14曲、アンコール1曲。〆て2時間。
コレでいいんですよ。
一流はコレですよ。
何回も何回もダラダラとアンコールをやらない。
お客さんもいつまでも「アンコール、アンコール」とねだらない。アンコールなんてなくたって別に構わないんだから。
「あ~、カッコよかった!おもしろかった!もうチョット観たい気もするけど、また来ようよ!」
コレでいいじゃんよ。

3_img_0185今回は今まで取り上げられなかった曲もふんだんに盛り込まれてすごく新鮮な感じがしたね。
コンサート冒頭の「みんなで楽しめるように色々考えて来たよ!」という恵子さんの言葉通りだった!

600世界最強の女性ロック・リズム・セクション!
実際、アメリカにもイギリスにもいないでしょ?

610sun-goさん、どこ行ってんの!まだお仕事が残ってますよ!

620sun-goさん、照れ笑いをしております!

630「みんな、愛してるよ~!!」
  
次は4月29日の野音か…まだまだ先のような感じがするけど、例によってまたアッという間なんだろうな~。
今年も楽しみだ!
  
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

640さて、SHOW-YAの年末のコンサートの後は、忘年会が開かれるのが恒例になっているのです。
毎回ゴージャスなメニューが楽しみなんだけど、今回はコレ、カニちゃん!

9_img_30652みんな会場に入っていると「ウワ~!」とビックリして記念撮影。
恵子さんとキャプテンもこの通り!
今回は流しのマジシャンも登場して存分に楽しませて頂きました。
あの手品のタネどうなってるんだろうな~、今度恵子さんに教えてもらうぞ!

9_img_30702

そして、ミッタンのお誕生日をみんなで祝ったのだ~!
ミッタンお誕生日おめでとう!

2_s41a1049(一部敬称略 2016年12月4日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影)

2017年2月 2日 (木)

SHOW-YA~メタロッポン METALLIC ROPPONGI <前編>

2016年のSHOW-YAはココ六本木で締めくくられた。
夏の目黒鹿鳴館の「メタメイカン」に続いての「メタ」シリーズは「メタロッポン」。
あ、別にシリーズになっているのかどうかはわかりません。
惜しいナァ、八丁堀にいいライブハウスがあれば「メタボリック」だったんだけどナァ。
それにしても「六本木」ってのは一種変わった地名だよね。
その由来を調べてみると、その名の通り、6本の「松の木」があったというつまらない説があるらしい。
それよりも、何でも「上杉、朽木(くつき)、高木、青木、片桐、一柳」という木っぽい大名屋敷が6つあったという説の方がゼンゼンおもしろい。
そういえば目黒に五本木ってのがあるよね。
するってぇと、コレ、「何本木」が実際に存在するんだろう?
…と思って、これまた調べてみると、一本木から三本木まではたくさんある地名らしい。
そして、四本木から激減して、九本木を除いては十本木まで全部揃っているんだって。
それしても木が6本揃えば世界的に有名な歓楽街。かたや1本多くても少なくてもマイナーな地名。
3つ並ばない限り「6」なんて数字はなかなかフィーチュアされることがないからね。「六本木」は貴重な地名なのかも知れないよ。
さて、ココまでやると徹底的にやらなきゃ気が済まないのがMarshall Blog。
俄然気になりだすのは「五反田」だよね。
コレについても調べてみた。
こちらは単純で、目黒川周辺の田んぼの区画が五反だったことが由来らしい。
「五反田」は字名で、かつてはマイナーな地名だったが、山手線(私が子供の頃は「やまてせん」と読んだ)の駅名に採用され一気にメジャーな地名となった。
「ポンギ」シリーズと異なり、「タンダ」シリーズは「一反田」から「十反田」まですべて実在するのだそうだ。
「タンダ」シリーズの方は人名にスライドされやすかったのか、「ゴタンダさん」にこそお会いしたことはないが、「サンタンダ」さん、「シタンダ」さん、そして「ロクタンダ」さんにお会いしたことがある。
何かカタカナで書くと外人の名前みたいだな~。
ん?
五反田に頃合いの良いライブハウスができたら『メタンダ』ってコンサートを開くのどう?
まぁ、ほぼ一日中こんなことを考えて過ごしています。
10すいませんね~、季節外れで…。
このコンサートが開催されたのはクリスマスの20日前のことだ。
それが、クリスマスなんかとっくに終わって…年が明けて…また新しい年だもんね。

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也…ってか!

そんな新しい年ももうひと月が終わっちゃったよ!

20vさて、「メタロッポン」…ほぼ定刻に5人のメンバーがステージに上がった!

30_2寺田恵子

40五十嵐sun-go美貴

50v仙波さとみ

60v中村美紀

9_s41a0879 角田mittan美喜

80vここは避けて通れないところ。
ハイ、今日もやりますよ~、sun-goさんのMarshall。

90ハイ、コレは何ですか?
「JVM410Hで~す!」
その通り!

100キャビネットは?
「1960BDMで~す!」
誰のシグネチャー・モデルですか?
「メガデスのデイヴ・ムスティンです!」
Marshallではこのモデルの前にキャビネットのシグネチャー・モデルがありましたか?
「ありませ~ん!1960DMがMarshall初のシグネチャー・キャビネットです!」
スゴイ!みなさん完璧だ!

110足元のようす。

120オープニングは「私は嵐」!

1_img_0637今回もいきなりの「嵐」!
も~、ショッパナからカッコいい感満点よ!

140vさとさんのベースを喰らえッ!

150いつ聴いてもダイナミックで凛々しいさとみサマのベース!

160v「♪私は炎」…サビは当然大合唱。

170今日の「嵐」ポーズはこんな感じ。
このピンクのLED照明がクセ者なんよ。
誰がこんなLEDの照明を作ったのかね~、うらみますよ~。

180間髪入れずに「流星少女」。

185巨大岩石のようなsun-goさんとMarshallの轟音で会場が揺れる!

190v「オラオラ、回せ、回せ~!」
このタオル回しってのも最初見た時「ナンダ?」と思ったけど、こうして定番になってみると楽しいね!
ホコリがスゴイけど…。

210おなじみの2曲をガッツリかましてつかみはOK。
2016年もにぎやかに締めくくれそうだ!

215「ありがとう!今年最後のSHOW-YAのライブになります!
みんなで楽しめるよに色々考えて来たよ~!」

220v_mcここでいきなりsun-goさんから振られて「舟唄」。
コレも超定番。
ただ今日は出てくるのが滅法早い!
そして、「やったことない曲をやります!」…

230_fu…と飛び出したのは『PROGRESS』収録の「反逆のフラッシュ」。

240_hf恵子さん、アコギをかき鳴らしての熱唱…と書くとバラードのようだが…

250胸のすくようなドライビング・チューン。

260続けて同じく『PROGRESS』から「Bring It Out」。

270_bioベースを持ち替えたさとみさん。
ベースラインが効いたちょっとファンクな曲調がカッコいい。

280v中間のスリリングなキメからキャプテンのソロへ!
このパートカッコいいな~。

290この曲、サビのメロディとコード進行がアンバランスですごく耳に残るんだよね。
『PROGRESS』からの2曲、これからもどんどんライブで演って欲しいな~。

300vミッタンのフィルからスタートしたのは…

310v_sg

「性~SAGA~」

315v

コレもライブ初演かな?イヤ、以前も演ってるかな?演ってるか?
『GENUINE DIAMOND』の1曲。
恵子さんの声にピッタリの曲だね。

320v

キャプテンのキーボードがアンサンブルを分厚く演出する。

330vそして、sun-goさんのソロを経て曲は終了する。

340v「いかがかな?
新しいアルバムを23年ぶりに出したり、カバー・アルバムを出したり、そのあたりから用意しました。
みんな!予習してきた?!
まさか、まさか昔の曲しか聴かないなんて人いるのかな~?」
ココで恵子さんと目を合わすとマズイ。
と言うのはもちろん冗談で、いつもの調子が小気味よい。
「今年(2016年)、新曲のレコーディングをやったんですよ。その曲聴きたい?
正直言うとレコーディングした後、まったくと言っていいほど演ってないので覚えるのに必死で~す!」
恵子さんによれば、出来上がる曲のテンポがドンドン速くなってきているという。
なぜなら…
「SHOW-YAは戦うバンドだ~!ヘヴィ・メタ~ル!」

310v_mc_1

ということで、新曲「NO REGRETS」を披露。

350なるほど、コリャ激しいワイ!
いいのいいの、コンサートはブッ速い曲をやるべし!
Frank Zappaはコンサートでは絶対にバラードを演らなかった…というよりバラードがほとんどなかったか。
370v
最後の恵子さんのセリフがいいね!

360v「ゴメン、動けない…55近くになってこんな速いの大変…」とsun-goさん!
イエイエ、バッチリだったよ~!

380_mc「SHOW-YAのワンマンっていつ以来?
8月か…8月に2daysやって(『メタメイカン』のこと)デビュー32年目に突入しています。
ナンカ演らないといられない。しょうもない性なんだよ!」
「SHOW-YAが六本木で下車することもないね。そんなおしゃれな街でライブをやっております!
ここはギロッポン!
ギロッポンと言えば~、クラブ!
ここは大きな、大きなクラブ…みんなで踊ってみましょう!」

390v_mc何だか知らないけど、ココでいきなりKISSの「I was made for Lovin' you」。
ようするに「ですこ」ね!
なんか「ディスコ」だなんて、今にして思うとものすごく「平和」だった感じがあるよね。
それがこんな世の中になってしまうなんて…「♪ワ~イエムシエ~」なんてやっていた連中の誰があの時想像しただろうか。
そういう平和で無邪気だった頃のことを、知っている人、感じるところがある人はドンドンそれを思い出すといい。
そうすればこれから自分が何をすべきかがわかって来るかも知れない。
ちなみに私は「♪ワ~イエムシエ~」はやってません。

400皆さん、楽しそうです!

410vナンダカンダでお客さんも大盛り上がりで前半の最後に差し掛かる。

420そして「六本木」にちなんで…

430_6「六本木心中」!

440vsun-goさんのソロが炸裂。
ん~、やっぱり轟音!

460vお客さんの定番の相の手もキマって大盛り上がりで前半を終了した。

1_img_0378_2 SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

ファンの皆さん!カレンダー使ってますか~?
もう一枚減っちゃったね!

470(一部敬称略 2016年12月4日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影)

2017年1月31日 (火)

LOUDNESS 35th Anniversary Year Special Live “SAMSARA FLIGHT” <後編>

さて、コンサートも中盤に差し掛かる。

10_2高崎晃

70v

二井原実

160
山下昌良

150v_2
鈴木政行

S41a0366 ギターを持ち替えて演奏したのは1999年の『ENGINE』収録の「ASYLUM」。

20_3初めて耳にした曲だが、カッコいいナァ。
この時期のLOUDNESSも実にいいナァ。
「asylum」というのは「亡命者」という意味。
この言葉に関して、誰かからイヤな話を聞いたことがあった。
例えば政治的あるいは経済的な理由で国境を越えて来た者を白人は、白人に向かっては「aylum」と呼び、有色人種に向かっては「refugee(リフュジー)」と呼ぶ…とか。
「refugee」とは「難民」という意味だ。
30

昨日も書いたが、LOUDNESSはやっぱり曲のクォリティが問答無用で高いと思うね。
私が感じるその「高さ」とは、「日本人離れ」ということ。
例え日本語で歌ってもテイストとか空気は欧米のハードロック、あるいはヘヴィメタル・ミュージックのモノだ。

40v反対に今の若手のヘヴィメタルのバンドが奏でている音楽は丸っきり「邦楽」に聞こえる。
特に女の子のバンドは顕著だ。
最近の皆さんは、若くても楽器を扱う技術に関しては、昔に比べて圧倒的に優れているのだが、ごくわずかのバンドを除くと、やっぱりやっている音楽は欧米のそれとは全く違って聞こえる。
いいとか悪いとかいうことでは全くないんですよ。
ただ、やっぱりどこからか変わっちゃってるんだよね、この手のロックも。
一曲で普通の人の一生分ぐらいのピッキングをして、煙の出るようなものすごい速弾きのギター・ソロを聞かせてくれるのはいいのだが、前後の歌のメロディが「え、それで本当にいいの?」という感じ…私なんかにはそう聞こえちゃうのね。
元々ロックが持っているハズのナニかが欠落している気がしてならないんだよね。
大人の表現をすれば、「日本人は自分たちのヘヴィメタルを確立した」ということになるのだろうか?
そこへいくとLOUDNESSの曲の場合、歌詞を英語にして、同じ演奏技術を持つ外人に入れ替えて演奏させ、それを目をつぶって聞いたらどうだろう。
恐らく全員が日本のバンドの曲とは思うまい。
そこには「時代」とか「世代」の違いということ以外に、ロックへの関わり方の大きな差があるのだろう。

50このギターを提げた高崎さんを何度も撮らせて頂いたが、今日はいつになく蛍光が鮮やかだナァ。
暗がりで黄色いフチ取りだけのギターがブチかます轟音が素晴らしい。

6021世紀のLOUDNESS、最初のアルバム『SPIRITUAL CANOE~輪廻転生~』から「THE WINDS OF VICTORY」。
100
オリジナル・メンバーが結集し、ここでもテーマは「輪廻」だった。

60vこの曲なんて、さっき書いたことがモロに当てハマるでしょう?
歌詞は日本語だけど、日本のバンドのサウンドにはまったく聴こえない。
もちろん、それもこのリズム隊があってのこと。

80v日本が世界に誇る「ジャパニーズ・ヘヴィメタル・リズム・マシーン」だ。
(コレはジャズ・ドラムの巨匠、Elvin JonesのJazz Machineとアルト・サックス界のRitchie Blackmore、Phil WoodsのEuropean Rhythm Machineから拝借しました)

90いよいよコンサートも終盤に入る。

1102001年にリリースされたもう一枚のオリジナル・スタジオ・アルバム『PANDEMONIUM~降臨幻術~』から「THE PANDEMONIUM」。

120タイトル通りの大修羅場チューン!

130_2段々時代が近くなって来た!
やっぱりこの時代になるとLOUDNESSサウンドにも大きな変化が出てくるね。
2002年の『BIOSPHERE』から「HELLRIDER」。

1402004年の『TERROR~剥離~』から「THE CITY OF VAMPIRE」。
行きつけのラーメン屋で、スポーツ新聞を見ながら大好きなニラそばをすすっていると、芸能欄にLOUDNESSが出ていた。
それは「LOUDNESSがニュー・アルバムをリリースした」という紹介記事で、そこには「今度のアルバムはBlack Sabbathを標榜した」ぐらいのことが書いてあった。
その時、アルバムのサンプルを頂戴し、実際に聴いたけど、私にはゼンゼンLOUDNESSだった。(私はほんのチョットだけSabbathが苦手なんです)

180そして時代は一気に現在に!
2014年の『THE SUN WILL RISE AGAIN』からタイトル・チューンと「MORTALITY」を演奏して本編の幕を降ろした。
このアルバムについてはリリース時にMarshal Blogでも記事を編んでいるのでご覧になられていない方はゼヒご覧頂きたい。
コチラ⇒LOUDNESS~WORLD TOUR 2014 "THE SUN WILL RISE AGAIN″

200
そして、アンコール。
ここは定番の人気曲で固めて来たよ~!

190まずは「CRAZY DOCTOR」。
イントロだけで最高の盛り上がり!
昨日、今日とLOUDNESSの曲の良さについてチョコチョコと書かせて頂いているが、2009年ぐらいにフランクフルトのMarshallのパーティでPaul Gilbertと一緒になったことがあった。
どこかに書いた記憶があるが、彼はもうとんでもないロック好きで、ズ~っと音楽を話をしている…といっても共通の話題は音楽かMarshallしかないんだけど…。
で、高崎さんの話題になると、ギター・プレイの素晴らしさに触れた後、「LOUDNESSの曲はメロディアスですごく好きだ」って。
自分が作った曲でもないのにこういうのはスゴクうれしいよね。

210v
締めくくりは「S.D.I.」!

240

80年代から90、2000年代、そして現在までの偉業を俯瞰し、また、80年代の原点に帰っていった今日のLOUDNESS。
まるで一編の映画のような展開だった。
長年追いかけているファンにはたまらなかろうて!

230_2エンディングをガツンと決める高崎さん。

250_2裏はこうなってるんだぜ。

S41a0004

この後、LOUDNESSは東京で二度コンサートを開く。
ひとつはガン撲滅チャリティ・コンサートの『Rock Beats Cancer』。
そして、もうひとつはファンのリクエスト曲で構成されたベスト・ヒットLOUDNESS。
そのコンサートをもって『THUNDER IN THE EAST』の完全再現から、35年のLOUDNESSの歴史を〆ることになったワケだ。
一年を費やして作り上げた35周年記念事業の企画自体もアッパレだったと思う。
さすがLOUDNESS!

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

26035周年イヤーであった2016年には数々のアイテムがリリースされた。
最後に発売した音源アイテムがコレ。
『LOUDNESS BUDDHA ROCK』。
『GHTTO MACHINE』、『DRAGON』、『ENGINE』の3枚のアルバムのリマスター音源にビデオクリップを収録したDVDが組み合わさった4枚組。
ジャケットもカッコいい!

Br そして、もはやおなじみ『SAMSARA FLIGHT』が2種。

30cd_2

スッカリ気に入っちゃってかなり聴いています。

40cd_2
そして、高崎さんのギター・コレクション写真集。

270v_2そして、ギター・カラオケ本。
スコアとマイナスワンCDですな。
もう一回言わせてもらうならば…表紙の写真は私が撮らせて頂きました!
  
2017年のLOUDNESSも楽しみだ!

280v(一部敬称略 2016年11月28日 Zepp Diver Cityにて撮影)

 

2017年1月30日 (月)

LOUDNESS 35th Anniversary Year Special Live “SAMSARA FLIGHT” <前編>

毎度、毎度、「早い、早い」と時の流れの容赦のなさに驚いているが、一年なんていうのはアッというまだ。
そもそも2017年の最初の月ももう明日で終わろうとしている!
そんなワケでLOUDNESSの35周年イヤーであった2016年も信じられないぐらいのスピードで過ぎ去ってしまった。

10_2でも、Marshall BlogではまだLOUDNESSの35周年は続いている。
今日お送りするのは、11月末に開催された『LOUDNESS 35th Anniversary Year Special Live “SAMSARA FLIGHT”』という文字通りスペシャルなコンサート。
そして、まだ今日のレポートの後にもスペシャルが控えているのでお楽しみししておいて頂きたい。

20_2さて、35周年ということで2016年はLOUDNESS関連、あるいは高崎さん関連のアイテムのリリースもにぎやかたっだ。
まずは今日レポートするコンサートのタイトル作品『SAMSARA FLIGHT』。
初回限定盤は2枚のCDとDVDで構成され、DISC1にはメンバーが選んだファーストからサード・アルバムの12曲のセルフ・リメイク音源が収録され、DISC2は、ファンが選んだベスト・アルバム、そしてDVDは、Marshall Blogでもレポートした、今は無き渋谷公会堂で一昨年の9月に開かれた『THUNDER IN THE EAST』完全再現ライヴの映像が収められている。

30cdそして、通常盤には上のセルフ・リメイク曲集とボーナス・トラックが一曲収録されている。

40cdCDだけでなく、高崎さんのギター・コレクション本もリリース。
発売イベントのもようもレポートした

50vbさらに、高崎フォロワーにはうれしいスコア&カラオケ本も発売された。
ちなみに、表紙の写真は私が撮らせて頂いたものだ。うれしい。

60vbさて、コンサート。
いつも通りの期待と緊張感が張り詰める中、4人がステージに登場した。

80高崎晃

90v二井原実

100v山下昌良

110v鈴木政行

120vしばしのインスト・パートを経てオープニングに選ばれた曲は「LOUDNESS」!

130あのハード・ロックの権化のようなカッコいいイントロ・リフがガツンと出てきただけで、もう会場の興奮は最高潮よ!

140v矢継ぎ早にドライビング・チューン、『Lonly Player』。
ココまでの2曲は『SAMSARA FLIGHT』のDisc1に収録されている。
すなわちメンバーにチョイスされた曲たち。

150vそして、「SPEED」。
この曲のリフも、いかにもLOUDNESSらしくて好き。
「SPEED」はDISC2に収録されている。ファンの人気が高いということね。ま、当然でしょう。

160vMCをはさんで「CRAZY NIGHTS」。
当然ドッカ~ンと盛り上がるわナァ。
200v

山下さんの地の底を這うような重低音…

180vアンパンさんの怒涛のドラミング…このリズム隊あってのこのサウンド!
気持ちいいいことこの上なし。

190vそして、カラっと「LET IT GO」。
LOUDNESSはドハードでドヘヴィな曲は言うに及ばず、この曲とか「GOTTA FIGHT」のようなメジャー系の曲もすごく魅力的だよね。

170v

そしてグッと落として「So Lonely」。

210ここまでの6曲はすべて『SAMSARA FLIGHT』に収録された曲でセットリストは構成された。
この後、コンサートはガラリと変わる展開を見せた。

220LOUDNESSはこの35周年を迎え、そして終わる間に35周年史をキッチリと俯瞰する事業に取り組んでいたのだ。
つまり『THUNDER IN THE EAST』の完全再現で幕を開け、『SHOCKING DEVIL'S LAMD』で初期のレパートリーを披露。
今日のコンサートを経て、昨年の最後の最後にファンが選んだ人気曲をすべて演奏して35周年を締めくくったのだ。
ん~、メッチャ仕事が丁寧!さすがLOUDNESS!

230今日のコンサートは1989年の『SOLDIER OF FORTUNE』以降の各アルバムから、これまた丁寧に一曲ずつ選び出し、演奏した。
まずは「YOU SHOCK ME」。

240v1991年の『ON THE PROWL』から「DOWN 'N' DIRTY」。

250どの曲でもギター・ソロが出るたびに「タッカ~ン!」の大きな掛け声がかかる。
それに呼応するかのような密度の濃いソロ!
やっぱりカッコいいわ~。

260vバンドに在籍していなかった時代のレパートリーも完璧に歌いこなす二井原さん!

270vそして、ここで定番のドラム・ソロ!

280ツーバスを利してのすさまじいパフォーマンス!

290そしてこの笑顔!
LOUDNESSのコンサートに不可欠なシーンだ。

300vここはチョット変則的に、92年の『LOUDNESS』から「BLACK WIDOW」と「EVERYONE LIES」が選ばれた。

310『HEAVY METAL HIPPIES』からの選曲はなく、97年の『Ghetto Machine』から「LOVE & HATE」。

320…と80年代と90年代のLOUDNESSを駆け抜けて見せた。
35年の歴史ってのは相当長いね。
なぜ、長いかという、常にLOUDNESSが前進してきたからなんだな。
しかしね~、ホント思うんだけど、曲のクォリティがあまりにも高いよね。
いい素材に素晴らしいパフォーマンス…やっぱりケタ違いにカッコいいわ!

330v<後編>ではコンサートの後半のもようをレポートする。

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

10

(一部敬称略 2016年11月28日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2017年1月27日 (金)

空より高く~Strange, Beautiful and Loud×Silex <SBL編>

Strange, Beautiful and LoudとSilexのダブル・ヘッドライナー、『Up from the Skies』も後半に入る。
ちなみに「ツーマン」という言葉はいくら和製英語にしてもヒドすぎる。
和製英語でも秀逸なものもあるが、「ツーマン」はチョット…。せめて「ツーメン」、「スリーメン」。
何か新しいラーメンみたいでおかしいな。
そこで、「ダブルヘッド・ライナー」あるいは「ダブル・ヘッダー」という呼び方をおススメしている。
とにかくネイティブさんの前で「ツーマン」なんて不思議な言葉を使うことだけは避けて頂けるとありがたい。
ネイティブさんといえば、前半で出演したSilexのPeteはカナダのご出身だ。
カナダと言えばフランス語を公用語としているエリアもあるが、Peteの故郷はロッキー山脈の真っただ中の英語圏。
イメージとしては、長野の日本一の星空の阿智村、「日本のチロル」が愛称の上村(現在は飯田市に編入)、あるいは南信濃村(同現飯田市)という感じか。
スケールがゼンゼン違うか…。
また昔話で恐縮だが、何度もマーブロに書いている通り、以前の仕事で長い間信州に赴任していた。
その関係で、上の村々を訪れる機会が何度もあった。
これらの村は飯田市街から入って行った南アルプスの中にあるのだが、イヤ~、初めて南信濃村に行ったときは心底驚いた。
…というかショックを受けたって感じかな?
私は生まれも育ちも東京なもんで、あまりの田舎加減にビックリしてしまったのだ。イヤ、田舎というのとはまたチョット違うんだよな…「山」か。
それまでにも富山に住んでいたことがあって、なかなかにアルプスチックな山村をいくつも見てはいたのだが、信州のソレには到底かなうものではなかった。
よく地方の中学生が修学旅行に来て、渋谷駅前のスクランブル交差点を見て腰を抜かす…みたいのがあるでしょ?
アレの正反対。クララみたいなもんね。
「何もない」というより山しかない。
「どうして、一体どういう理由があってこんな山間に住まなければならないんだ!」というとてつもなく大きな疑問が浮かび上がってくるワケよ。理由は後で知った。
当時、南信濃村は無医村だった。
それで、仕事先の方と昼食を摂ることになって、「名物料理を召し上がれ」というワケ。
ありがたいですね。
「名物料理」は「ヤマニク」だという。
「ヤマニク?」ってなんだ?こんなところでエスニック料理か?…と思い、「ヤマニク」の名店に連れて行ってもらった。
また驚いたよ。
店先には白目をむいて、ダラ~と長く赤い舌を伸ばしている大きなイノシシの死骸が山と積んであったのだ。
そもそも本物のイノシシ自体だってほとんど見たことがないのに、ドッカと山になってんだよ。しかも死んでるし。中にはうらめしそうにこっちを見ながら悶死しているヤツもいるわ。
さ、「ぼたん鍋」召し上がれ~…って食えないよ~!
ぼたん鍋は丹波篠山に行った時に一度ご相伴に預かったんだけど、ごめんなさい、私、鼻に関しては「犬」と言われてますもんで…もうあのオイニーで頭がクラクラしちゃって…。
で、この時も当然降参。
「なんだ、シシはダメら?」ぐらいのこと言われたが、ご親切にも代わりの料理を注文してくれる。
できれば放っておいて頂いて、カップラーメンでもいいんですけど…何てことも言えない。
相手はお客さんだ。
「じゃ、熊は?」「イヤ、ちょっと…」
「じゃ、鹿は?」「イヤ、それも、あの、普通の牛とか豚とか…」
「山にはそんなモンはねえら!」
そう、「ヤマニク」とは当然「山肉」のこと。
今でこそ「ジビエ料理」とか言ってるけど、私は一食ぐらい抜いてもゼンゼンへっちゃらですから!
それで、一昨年、イギリスのコッツウォルズへ行ってまたビックリ。
イギリス人がウサギを食べるのは知っていたけど、結構山肉を召し上がるのを新しく知った。
詳しくはコチラ⇒【イギリスーロック名所めぐり vol.16】 コッツウォルズにロックの名所なんかあんの?!
何でイノシシの話になったんだ?
あ、Peteの故郷だ。
上の話はPeteとは一切関係ありませんからね。
話を元へ戻すと、そのネイティブのPeteも「ツーマン」、「スリーマン」はすごく変だと言っていた。
コレが言いたかっただけなのにイノシシの死骸の山まで出てきちゃった。
あ、それと「メタラー」という言葉にも大きな違和感を覚えるともPeteは言っていた。
私はコレはそんなに抵抗がないのです。
  
さて、Strange, Beautiful and Loudの登場。

10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40v三宅さんはMarshall JVM210Hと1960BV。
征史さんのヘッドはMarshall 1992SUPER BASS。キャビネットもMarshall。
金光さんはNATALのアッシュ。
すなわち、Marshallのファミリー商品がこの素晴らしいサウンドのサポートをしている。
SilexのhibikiくんはEDENだし…このダブル・ヘッドライナー、最高だ!

50今回のオープニングは「devil」。
まだアルバム未収録の新しめの曲…と書き続けてどれだけ経ったかな?

60vこのバンドならではのリフと、ロックとはおよそ呼びにくい丸で映画音楽のような独特のサビ(と言っていいのかわからないが)のメロディ。

70v

もうスッカリSBLの代表曲の仲間入りを果たした一作だ。

80v続いては「murt'n akush」。
これまた5/4拍子のリフを持った三宅式ハード・チューン。

90この日、Silexを観に来て、SBLを初めて目にした人も少なくなかったのではなかろうか。

110それを意識してか、SBLの中でも比較的耳なじみのよい二曲を続けて演奏した。

110v三曲目は「bloom」。
このいかにもSBLらしいワルツが出たところで…。
「どうしてMarshall BlogにはStrange, Beautiful and Loudが頻繁に登場するんですか?」と訊かれる…ということは一回もないんだけど、ま、よく登場して頂いていることは確か。
しかも、ほぼ毎回同じ曲だ。
したがって、 こうして毎回レポートを書くのも正直大変ですよ。手を変え、品を変え記事を作っている。でも、こんな曲、ホイホイと次から次へと作れるワケはないことはよくわかっている。
またぞろ大二さんのインタビューを引き合いに出して恐縮だが、「いいものができるまでの過程にナニがあったか」…ということを実感させられる曲たちなんだよね。
一回や二回、イヤ、もしかしたら十回聴いても三宅さんの曲の良さがわからないかもしれない。
私はジャズやクラシックはもちろん、現代音楽から民族音楽まで聴いて耳と感性とワガママと音楽の変態性を鍛えているが、私ですら一番最初は「なんてキテレツな曲だ」と思ったもんね。
ただひとついえることは、今のところ三宅さんと同じレベルの音楽性と精神性で演奏活動をしているロック・ギタリストは他にそういないと思っている。
要するに「ワン・アンド・オンリー」だと思うのね。「ユニーク」と言ってもよい。
「聴いて、踊ってハッピー、ハッピー」というのは音楽の魅力のひとつであることは間違いないが、眉間にシワを寄せて、「この曲ができるまでに、この人の中に一体ナニが起こっていたんだ?」と考えながら聴く音楽があってもよいではないか?
そして、そういう一般大衆に容易には簡単に受け入れられそうにない厳格な音楽は好きな人たち助けてやらないと生き残ることができない。
セスジキノボリカンガルーやオガサワラオオコウモリトキ、あるいはメキシコサンショウウオのように保護をしてやらないと絶滅しちゃう。
そして、絶滅したら最後、そういう音楽はそう簡単に出てこない。
コンサートの客席で聴衆がグルグル回ってよろこんでいるだけの音楽ばかりの世の中だからね!
もうね、私は鼻歌で出るよ、SBLの曲は。
私の頭の中では、「if」なんか「Let it be」と同じところに入ってるよ。
ウチの家内もそう。
台所でネギを刻みながら「♪かきねの、かきねの」と「Solitary Past」を歌ってるよ。
ま、そこまでやる必要はないけれど、とにかく、皆さんに色んな音楽を聴いてもらいたいと思ってるんだな。
大きなお世話でしょうけど…。
それと、もちろん、Marshallの宣伝ですよ。
そもそもこのブログ自体がそうなんだから。
でも、こんな音でMarshallを鳴らしている人は他に滅多にいないでしょう?
ギターをやっている人は、デジタル商品に手を出す前に三宅さんのMarshallの音を生で聴いてくださいよ!

あ~、ずいぶん説教くさくなっちゃったな。
とにかくそんな気持ちでいつも記事を書いている。
今日はナンカ変だ。
後はサラっとやらせてもらいましょうかね。

120四曲目はその「Solitary Past」…a.k.a. 「垣根」。

130このあいだも。別の会場で聴いていて思ったんだけど、この曲には私はものすごく「和」を感じる。

140vこうしたゆったりしたテンポの曲での金光さんの空間の埋め方が実にいい。
一打、一打、音を出す場所を厳密に選んでスティックを動かしているようだ。

150v二枚目のアルバム『Orchestral Supreme』のクローサー「Ring」。

160もうコレはブッちぎりのドライビング・ナンバー。

170v他にはきっと聴くことのできないであろうユニークなリフで爽快に突っ走る!

180お次はさっき名前が出た「if」。

185SBLのテーマ・ソング的リード・チューン。
コレも三宅ミュージックの入門編としては最適だろう。わかりやすく親しみやすい。
私なんかしょっちゅうサビのメロディを口ずさんでいるよ。
なんか今日は「ベスト・ヒットSBL」だな。

190v好事魔多し。
ここからSBLの「暗黒ゾーン」が展開する。
SHARAさんがおっしゃるところの、いわゆる三宅さんの「悪魔的世界」かな?
…ったって、ナ~ニ、怖がることはまったくない。
インプロヴァイズド・ミュージックに慣れていないような人は最初は「この人一体ナニやってんの?」と面食らうかも知れない。
しかし、ココは三人が織りなす至高の即興音楽を楽しむべきなのだ。
コレこそが三宅ミュージックの真骨頂とも言えるのだから。

200三宅さんの愛奏曲「petal」。
この曲は聴けば聴くほど、時間が経てば経つほど魅力が大きくなってくる。

210そして、飽きることがない。
こんな曲、よく考えつくな~。

220v最後は「virtue」。これまた三宅さんの好きなワルツのリズム。

P_img_0400 ライブでのこの曲の後半のケイオスがまたタマらない!
三人はこのままあの世に行ってしまうのではないか?…とまで思わせる入り込みよう。
この曲はライブでどうぞ。

230vさて、最近私が思っていることを最後にひとつ。
もしこの記事を読んで、あるいはMarshall Blogの他のSBLの記事を読んで「ホンマかいな?ライブに行ってみようかな」と思った人で、まだCDを聴いていない人がいたら先にCDを聴いておくといいと思う。
三宅さんのCDは二枚出ているが、セカンドの『Orchestral Supreme』をおススメする。
理由はジャケットの写真は私が撮ったものだから…というのはウソで、三宅/征史/金光の現メンバーの三人で録音した作品だから。
MarshallとNATALの至高のサウンドがテンコ盛りだし。
このアルバムで聴ける緻密なサウンドで曲に慣れておいてから、ライブで超ワイルドなバージョンを堪能して頂きたいと思う。

9_os_2三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

240vアンコールではSilexからPeteとMASHAくんが合流!

250二人のこの個性派が一緒になってナニを演るのか楽しみにしていた。

260一曲目はScorpionsの「Roch You Like A Hurricane」。

280
ああ、コレか。
コレは知ってる。
何しろオジちゃん、『Love Drive』までしか聴いてないもんだから。
だから二回目の来日公演は観に行った。

270vこの選曲はSilexサイドからのリクエスト。
二曲演ることになっていて、一曲ずつ選んだのだそうだ。

310vしかし、「80年代」丸出しの曲だな。
でも、大丈夫。
SBLのリズム隊はこの手の曲は何でも完璧にできちゃう。

290v

いつもSBLのリハーサルで三宅さんが弾き出すリフに即座に反応して遊んでるからね。
それがまたカッコいいんだ。

300v

キマった!
ウリでなく、マティアスの三宅さんもまたよき哉。それともマイケル?

320二曲目はSBLからのリクエストで「Highway To Hell」。

330個人的にはせっかくPeteが歌ってくれるのなら「Let There be Rock」なんかいいと思うんだけどな。
あの曲こそ日本人が歌ってもサマにならないでしょう?
360
そんなことは全く関係なくて、ノリノリ・ナンバーの代表だけあってジャム・セッションのムード満点

340ギター・チームの相性もとてもいいようだ。

350三宅さん、SBLのMCでMASHAくんとの関係を「Marshall GALAが結び付けてくれた縁」って言ってくれたんよ。
うれしいね。
また、来年にはMarshall GALAを開きたいと思っているんだけど、ベテランと若手の交流の場にできたらいいな…と思ってるんだ。
それは出演者だけでなくて、お客さんもなの。
誰かがそういうことをやらないと!
具体的なアイデアはまだない。

370征史さんもノリノリだ~!

380当然ギター・ソロもたっぷりと!

390シュレッディングで攻めるMASHAくんと個性で攻める三宅さん。
どちらもMarshallあってのスタイルだ!
弾き方、魅せ方はどうでも、やっぱり真空管のアンプの出す音ってのは魅力的だよね。
土台新しいテクノロジーでマネをしてみたところで代役が務まる代物ではない。
この二人はそのことがよ~くわかってる!

410v「♪ハ~ウェ~トゥへ~」
今日も楽しい一日でした。
コルーソーがお届けしました!

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

420

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年11月23日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年1月26日 (木)

空より高く~Strange, Beautiful and Loud×Silex <Silex編>

「もしも、もしも」と並ぶJimi Hendrixナンバーの名邦題「空より高く」…ウソこけ。
原題は「Up from the Skies」。
1967年の12月にリリースされたJimiのセカンド・アルバム『Axis:Bold as Love』の、曲としてはアルバムのオープナー。
ファースト・アルバムであれだけ衝撃的なギター・サウンドを聴かせたにも関わらず、セカンドではいきなり4ビート。
歌詞は氷河期の頃に住んでいた宇宙人が地球に戻って来てハラホロヒレハラという浦島太郎ストーリー。
ナゼ「Skies」と複数形になっているのかはわからない。宇宙人だからいろんな星の空を飛んできたのだろうか?
ハイ、ココで時代を整理してみましょう。
もし、先週から今週にかけて掲載した岡井大二さんのインタビューをまだご覧になっていない方はココから先に行く前にコチラを読んでくださいね。
さて、この『Axis:Bold as Love』が録音されたのは1967年の3月から10月にかけてのこと。
ハイ、ピンと来た人?…そうです、1967年です。
ご明解!
Jimiがこのアルバムをレコーディングしている間に『Sgt. Peppers』が出てしまった。
PaulはJimiを観にカーナビー・ストリートのライブハウス、「Bag O' Nails」に足を運んでいたりしていたので、Jimiが『Sgt. Peppers』を聴いていないワケがない。
そして、実際Jimiは曲の「Sgt. Peppers Lonly Heart's Club Band」をいち早く自分のレパートリーにしている。
(下の写真がその「Bag O' Nails」。PaulとLindaが出会った場所でもある。私が写っててゴメン。カーナビー・ストリートはモッズ発祥の地だけあって、「名所めぐり」のネタに事欠かないんだけど、色々と調べる時間がなくてなかなか記事にできません)

9_img_0732 こんな宇宙人の話を歌にするなんて、その前に同様の曲があったのかどうかは知らないが、この発想がDavid Bowieの「Space Oddity」のヒントになっていたらおもしろいな…と。
「サージェント・ペパーズからすべてが変わった」…という大二さんのお話に感化されすぎたのかもしれないが、ん~、1967年…深い!
あ、この辺りは大二さんのお話をお聞きしての私の勝手な夢想ですからね。
私はジミヘン研究家ではないので、詳しい人、文句をつけないように。
でもね、コレは「まっちがいない」という想像がひとつある。
それはドラムのMitch Mitchelのこと。
この「Up from the Skies」のブラシのプレイ…絶対、Jim Marshallに教わったんだよ。
Jimはロックの大流行を予測してドラム教室を開いたんだけど、ジャズ・ドラミングも教えていたに違いない。
「おいおい、ミッチ、ブラシも練習しておかないとダメだぞ!フォッ、フォッ、フォッ、」なんてやっていたハズだ。
その成果が実ってJimi Hendrix ExperienceのオーディションでAynsley Dumberを破ることができたのかもしれない…ということが関係ないことも実はわかっている。
でも、ElvinやPhilly、Ed Thigpenのようにはいかないまでも、なかなかにスウィングしているのはJimのおかげじゃん?

Abl それから50年後…高円寺で『Up from the Skies』というタイトルのイベントが開催された。
Strange, Beautiful and LoudとSilexのダブル・ヘッドライナーだ…ツーマンではない。ツーマンという言葉はない。
おかげさまでジワジワと「ダブル・ヘッドライナー」や「ダブル・ヘッダー」という言葉が定着してきているような気がするんだけど…。
あ、そうそう先日ね、おもしろいことがあったんだよ。
あるバンドがMCでライブの告知をした。
その人はいつもは「ダブル・ヘッドライナー」という言葉を使ってくれているんだけど、どういうワケかその日は昔使っていた「ツーマン」という言葉をウッカリ口にしてしまった。
すると、ナニが起こったと思う?
お客さんたちが大声で「ダブル・ヘッドライナー!!!」って訂正してくれたのよ~!
うれしかったな~。みんなマーブロ読んでくれてるのよ!
そのバンドが誰だったかは、レポートの順番が回って来た時にわかります。
それにやっぱり、「『ツーマン』という言葉はおかしい」…と思っている人が多いみたい。いくら和製英語にしても恥ずかしいもんね、こんな言葉。
ちなみに今日明日とご登場頂くMASHAくんも、三宅さんも、「ツーマン」という言葉は使わない。
あ~、しょっぱなから変な脱線の仕方をしてしまった!
脱線のファンの皆さん、今日はこの後もう一回脱線します。
  
さて、『Up from the Skies』…初めにステージに上がったのはSilex。

10インストの壮大なプロローグを経て…

20vシンガーが登場。

30Pete Klassen

40hibiki

50vYosuke Yamada

60vそして、MASHA!

70v今日も当然Marshall!

90v向かって右側がMASHAくんのMarshall。
JCM800 2203と1960Aだ。キャビは借り物だ。

100そしてhibikiくんはEDEN。
わかりにくいけど、後ろのアンプのてっぺんに置いてある白くて小さいヤツね。

110vコレがそのEDENのアンプ・ヘッド。
TERRA NOVA(テラ・ノヴァ) TN501。
誰だ!「ニラレバ」とか言っているヤツは!…あ、オレか。
コレね~、ほんとスゴイよ。マジでスゴイ!
出力は500W。
最近こういう小型のベースアンプが流行っているけど、コレ、結構切り札になるんじゃないかな?
音作りの幅が広くて、ヌケが抜群に良い。
ベーシスト諸君にはゼヒ一度お試し頂きたい!

120_ed「♪ワイヤ~」…天地を引き裂くかのようなPeteの絶叫!
一曲目はデビューCD『Silence in Explosion』にボーナス・トラックとして収録されている「Cry in the Starlight」。

130v基本的にスピード感満点のメタル・チューンだが、色々な光景が現れては消えていくパノラミックな一曲。
MASHAくんらしく、普通のメタル・チューンとは一線を画そうとしている意図が伝わってくる。
160v
そんなひと癖もふた癖もある曲を余裕でこなすリズム隊!
ここもSilexの見どころね。

200v
そして、MASHAくんのソロ。
まぁ、とにかくドラマチックにギターを弾く人だ。

180v
そのドラマの最高潮が曲の最後にやって来る。
MASHAくんのお父さんが好きだった「青い影」のメロディ。
大二さんがインタビューの中で触れていた「作曲の段階でクラシックの要素を組み込むところが魅力」というProcol Harumの最初期の傑作。元ネタはバッハ。
ちなみに「青い影」は古今東西、世界中で電波に乗った回数が最も多い曲だとか…。

140前回のレポートでは「シャンソン・ダ・ムール」について書いた「Cancion de Amor」。
こちらも『Silence in Explosion』に収録されている。

80cd

コレは展開部のコード進行がおもしろいのね。
170
Peteの声がまた曲にぴったりなのよ。
このフィット感はまるで年末ジャンボたからくじで一等が当たったかのようだ!

150続いてはミディアム・テンポのパワー・メタル「Metal Nation」。

185曲の最後でMASHAくんがガツンとカマしてくれた!

220v

そして、コレまた得意のスピード・メタル・ナンバー「Haunted Forest」。

190vこのあたりの曲はCDには収録されていない。
ナンとならば、新曲だからだ。
ドンドン新しい曲を作るがよい。みんなそれを待ってる。
でも、音楽はまず「曲ありき」ということを一時も忘れて欲しくない。
いくらアクロバチックな演奏ができても曲がおもしろくなければ誰にも聴いてもらえないのだから。
今時速弾きギターや手数ドラムは子供でもやる時代だからね!
「曲」のクォリティだけが勝負のしどころの世の中になってしまった…大変な時代だよ。
MASHAくんの作る曲はホント期待している。

210ココでバラード。
新宿のデビュー・コンサートで初披露した「Cry for the Moon」。
ハイ、ココで脱線。
「cry for the moon」というのは「月に泣く」ということだけど、実は他の意味がある。いわゆる慣用表現というヤツ。
「cry」を「ask」に変えて「ask for the moon」でも同じなんだけど、「手に入れることが不可能なモノを望む」という意味がある。
ま、外人がコレを実際に入っているところは見たことはないけど。
その代わり、Marshallの連中なんかは似たような意味でよく「Holy Grail」という言葉を使うね。
「Holy Grail」は通常頭文字は大文字にする。日本語で「聖杯」ってヤツね。
最後の晩餐でイエス・キリストが使った杯…コレがあるのか、ないのか?手に入るのか、入らないのか?
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のアレね。(ちなみにショーン・コネリーはスコットランド人)
とにかく手に入れられないアイテムなワケ。何せこの世に存在するのかどうかもおぼつかないんだから。
それで新商品の宣伝文句なんかに「Holy Grail」という表現が使われる。
「ギタリスト垂涎の聖杯が手に入る」ってな具合。
しまった!ココまで書いて気が付いた。
このバンド、ネイティブさんがいたのを忘れてた!
ココ、カットしておいてください!
ところで「聖杯」といえば最近、「いい仕事」はどこへやら、鑑定団がエライ騒ぎになってるね。
その昔、私が勤めていた会社の特約店に骨董品のエキスパートがいた。
この方の家の倉庫から、フョードル・シャリアピンのサインが入ったSP盤が発掘され、全国ネットのテレビ番組で紹介されたことがあった。
シャリアピン・ステーキの「シャリアピン」。
でも、この人はコックではありませんよ。20世紀初頭に活躍したロシアの大オペラ歌手。
1936年、この人の入れ歯の調子が悪い時、あるホテルの料理長が薄切りにした肉をタマネギに漬け込み、焼いたその肉の上に炒めたみじん切りのタマネギをかけステーキをシャリアピンに供したところメッチャ気に入られた。
それがシャリアピン・ステーキのはじまり。
そのホテルとは東京の帝国ホテルのこと。
だからこの来日時にそのSP盤にサインが入れられたのだろう。
で、その骨董品の収集家に「鑑定団」でつけられる値段の話について尋ねたところ、アレは業者を経て最終的に骨董品店に並ぶときの末端価格で、あの鑑定士たちはあんな値段では絶対に手を出さないとのことだった。
マァ、そうだろうね~。
翻ってみるにチョット無責任のような気がしますな~。アレなら「私ならこの値段で買って進ぜよう!」というイメージがついて回るもんね。
もひとつ、「最後の晩餐」。
イヤ、ムズカシイことは言いません。
10ccの「Sitting for the Second Last Supper」を知らない人はゼヒ聴いてみてくだされ。
私はコレを中学の時に聴いて、あまりの曲のよさに腰を抜かした。
今日の脱線終わり!
  
汗が飛び散るスピード・チューンもいいけれど、こうした雰囲気のPeteの熱唱もまたいいものだ。

P_img_0111_2ココでPeteがステージから降りて三人のインスト・コーナーに入る。
Andy Timmonsの「Super 70s」。

240MASHAくん作のブギ、「What a Game!」はこの日が初演となった。
いいね、三連は!
もう若い人はブギを知らない。
絶滅寸前のブギを救ってくれ!さもないとRick Parfittが浮かばれん!

250オタマジャクシの行進(March of the Tadpoles)に大激演!

260v余裕。

270vインスト・コーナーの最後にはMarshall GALAでも演奏してくれた名曲「Forever More」が飛び出した!

275告知・物販紹介コーナーもバッチリだよ。
ロゴTシャツやサイン入りポスターを紹介。
あ、もう一回言っておきますが、このポスターの写真、私が撮ってま~す!
MASHAくん、ありがとね~。
でもね、私はミュージシャンがこんな物販なんかをやらずに、CDを売って、すなわち自分の「音楽」を売って潤うことができる時代がまた来ることを願っているよ。
ミュージシャンはタオル屋でも携帯ケース屋でもない。音楽を作るのが仕事なんだ。
一体、誰が音楽をタダにしたんだよ!
え、インターネット?
このやろ~!と言いたいところだけど、インターネットなくしてはMarshall Blogはできないもんナァ。
インターネットを非難したところで、所詮天に向かってツバを吐くようなもんだ。

280Silexの持ち時間も終わりに近づいたよ!
残り二曲もブッ飛ばしてくれ!

290「Everlasting Symphony」

300v目の覚めるようなスピード・チューン!

310vそして、クローサーはCDのリード・チューン「Standing of the Grave of Yesterday」。

320ステージ上の四人、一糸乱れぬ演奏でSilexの音楽を完璧に奏で上げた!

330v

340v

350v

360vSilexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

370

<つづく>

(一部敬称略 2016年11月23日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年1月25日 (水)

森友嵐士 ~ Hallowe'enでCOVERな嵐

もうすぐハロウィンだね~。
ナァに、10か月なんてアッという間だよ!
2017年ももう20日以上が過ぎてしまったんだから。
え、フザけんなって?
でも今日は森友嵐士のハロウィンのコンサートのレポートなのだ。
ドンドン時間がさかのぼってるよ!
まるで「タイムマシーンにお願い」したみたいだ!

10会場内はソレっぽい装飾やら照明やら…。

20開演時間になり客電が落ちると…ワァ!ビックリした!
暗くて写真ではわかりにくいけど、客席にもゾンビ装束のダンサーが!

30そして、バンド・メンバーがステージに上がりショウがスタートした。

40森友嵐士
そう森友さんもハロウィンの出で立ち!

50vギターは原田喧太。

60vドラムは山口PON昌人。

70v喧ちゃんは今日も当然Marshall!

80でもね、今日はいつもとチト違う。
今日はいつも使っているJVMでも2チャンネルのJVM210Hなのだ。

90v足元のようす。

100PONさんも当然NATAL!

110愛用のアッシュのツーバス・キット。

120PONさんはドラム・キットがハロウィン・バージョンになってる。
通常は目玉なしです。

130フィニッシュはブラック・スウォール。
別段ハロウィン用ではないんだけど、妙に雰囲気が出てるな。

140オープニングは「ピンク・スパイダー」。
コンサートのタイトル通り、今回のコンサートはドメスティックのカバー曲のみで構成された。

150セットリストがすごいフリ幅。
世代の違いで私が知らない曲もあったが、ほとんど聞き覚えのある曲ばかり。

160喧ちゃんやPONさんの力演も手伝って熱気あふれるコンサートとなった。

170続けて「BAD FEELING」。
あ、今日は曲の説明等はほとんどしません。
皆さんの方が圧倒的にお詳しいにキマってるもん。

180「アジアの純真」から「SOMEDAY」へ。

190v「しょげないでよBABY」、「わがままジュリエット」、「A DAY」。

200いいナァ、ロックの歌い方。
声の質によるところももちろんあるけど、森友さんのようにいかにも「ロック」な歌の歌い方ができる人っていいよな~。
ま、今更自分がロックっぽく歌えるようになったところでクソの役にも立たないけど…。

210ロックっぽいドラマー!
PONさんのブライトなドラミングは「ロック」以外の何物でもないね。
NATALのアッシュ・サウンドがバッチリはまってる。
気持ちいい~!
FEEL SO BADも着実に動き出しているし、今年は「PON活」が楽しみだ。

220v「あぁ無情」、「激しい雨が」、「愚か者」。
「愚か者」といえば井上尭之さん。
昔、井上さんはMarshallのVALVESTATE VS100Rという中堅機種とテレキャスターを組み合わせてお使いになられていてね。
その音の良さみビックリ仰天したことがあった。
私もVS100Rとテレキャスターを持っていたので、家に帰ってすぐ試してみたが、まったく及びもつかない音だった。

230vお、喧ちゃん、珍しくVだ!
後で聞いたら、(当時)最近ゲットしたものだとか…。

240ショウはクライマックス・パートに突入する。
「WON'T BE LONG」、「CLOUDY HEART」…

250_2喧ちゃんのソロ炸裂!
ん~、新入りのギターでもバッチリといいサウンドを聴かせてくれる。
やっぱり使い慣れている分、JVMのツボもわかっているからね。

260v「BE MY BABY」、「LA VIE EN ROSE」、「POISON」と続く。
人気曲の連続に観客は大喜びだ。

270vおなじみのシグネチャー・モデル。
シックリくるな~。
気に入っているんだね~。
たくさんのギターを使うのもギターへの愛情の表れなんだろうけど、ず~っと同じギターを使い続けるのも愛情だよね。
喧ちゃんは両方だな。

280森友さんとのコンビネーションもバッチリだ!
310
ノリノリのパートに入り、ますますシャープなドラミングでフロント陣をプッシュするPONさん!
スゴイ迫力!

290v本編を締めくくったのは「Runner」!
チョットこの曲は異質な感じがしたが、流れる汗もそのままに客席も走り続けていた!

300そして、アンコール。
まずは永ちゃんで「止まらないHa-Ha」。

340爆走ランナーと化した喧ちゃん、もはや止められない!
320v
PONさんも同じ!
ヘヴィにブライトに永ちゃんスタンダードを叩き上げた。
330
そして、最後は「タイムマシーンにお願い」。
コード三つでできた最もシンプルでカッコいい日本のロック・ナンバーで楽しくハロウィンのステージの幕を降ろした。
翌日は森友さんのオリジナル・ナンバーで構成されたコンサートが開催された。

350
原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

360

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年10月31日 新宿ReNYにて撮影)

2017年1月20日 (金)

秋CANTA'16 Growth~成長中の男達~

例年通り、年が改まってもしばらくの間は旧年中のライブのレポートが続くMarshall Blogでございます。
たとえ間が少々空いてしまったにしても、今日の記事を楽しみにして頂いていた方も多かったのではないのかしらん…とよい反応を期待していおりますが…CANTA秋のツアーの千秋楽だ~!

10この千秋楽の3日前には9枚目のアルバム『Love Fixxxer』が発売されたばかりのタイミング。
9月17日に広島からスタートした秋のツアー、ニュー・アルバムの発表後の公演はこの東京のみとなった。
いいね~、「水がしたたり落ちる桃」。
内容も成長中の男たちのみずみずしいパフォーマンスが満載だ!
ルークさん曰く、歌詞に苦労したとか…。
たどりついたテーマは「愛」だ!

20cdルーク篁

20vMASAKI

30v雷電湯澤

40v今日もルークさんの後ろにはMarshallがドッシリと控えている。

50_2こんな感じ。
やっぱりカッコいいね。
間違いなく「ロック」を奏でる時の正しい光景だ。
今日はいつものMFキャビではなくて1960AXを鳴らしている。

9_img_1016熱気ムンムンの会場…ステージに現れた3人はいつもの通りインストの「The Theme of New Frontiers」で思いっきり景気をつける!

70…か~ら~の~「Tonight3」。

80v_tnすでにステージと客席の波長がビッタリと合致している!今日も最高の滑り出し。

90今回のツアーは熊本地震の影響で鹿児島公演がキャンセルとなってしまった。
ルークさんからは、代わりに「熊本へ行くぞ!」宣言が発された。
そして、いきなりの健康ネタ。
ルークさん、何でも腰が痛いとか…。
そして、腰が痛い原因のひとつは寝相がいいことなのだそうだ。(テレビネタ)
私は別の原因による腰痛持ちだが、確かに私も寝相が大変よろしくてね。
ズ~っと仰向けなの。
うつ伏せで寝ることは絶対にあり得ないし、横を向いたとしてもものすごく短時間で仰向けに戻ってしまう(らしい)。
あ~、腰イテ…。
ウォシュレットネタから、寝相ネタへの転換の瞬間だった?!
170v_mc
続いての曲はニュー・アルバムから「Bound for Freedom」。
この曲、いいな~。
アルバムの中でも一、二を争う私的ベスト・ナンバー。CDを先に聴いておきたかったな。

100v_bffこの後のMCで「イッパイ間違えちゃった!」なんてルークさんはおっしゃっていたがゼンゼン問題なし!
リズム隊のおふたりも新しいレパートリーを完全に自家薬籠中のモノにしてしまっていた。

110雷電さんなんか余裕、余裕!この表情だもんね!

120一旦、ニュー・アルバムから離れて「オルタナ」。

140_al出だしの音で大歓声が沸き上がるのは、ライブでは必ずセットリストに組み入れられる「Fantasize」。

150v_fs各曲に挿入されるギター・ソロも好調そのもの。
ん~、しかしいい音だ!
中域の張り出した「ルークさん+Marshall」ならではの独特なトーン。
やっぱりアンプは真空管に限るね!
130v
MCをはさんでニュー・アルバム・コーナーに入る。
まずはタイトル・チューンの「LOVE FIXXXER」。
アルバムのオープニングにぴったりのドライビング・チューン。
サビのメロディが印象的だ。

180v_lf猛然と突き進むドラムと縦横無尽に放たれる低音!ゴキゲンだ!

190そして、ブッちぎりのギター・ソロ!身近ながらもスリリング!

200静かに始まる「Campanella」。
I-IM7-IIdim…コレもいいナァ~。
ディミニッシュ・コードがうまく使われているとうれしくなる。
George Harrisonの専売特許だ。

200v_cp続けてニュー・アルバムの最後から2番目に収録されている「Madness」。

210_mdチョット「fantasize」っぽいノリノリ・ナンバー。

220vコレもサビのメロディがいいナァ~!
きっとこれからライブの定番曲になっていくことだろう。

230v「CANTA恒例のしっとりコーナー」とMCで案内しておいてから「金木犀」。

240v_kms「Everyday」…

250_ebそして「月とチャリとGuitar」を続けて演奏して「しっとりコーナー」を締めくくった。

260v_tcg「あ~、楽しかった!
(音楽を)聴いている時も旅に出るけど、演奏している時も旅に出るよね。それぞれのトリップがある。どこに行っているのはわからないけど…とにかく浮いている感じ?
今日はそれを何回も感じているから、いいライブだと思います」
そして、メンバー紹介。

270v雷電さんのMC。
新曲の演奏を指して…「リハやってないんだよね!初演はものすごく集中力が必要。でもリズム隊は完璧でした!
聖飢魔Ⅱの国際フォーラムの前の日にレコーディングしたんだよ!
ルークの頭の中では曲が出来上がっているんだろうけど、オレの頭の中は『?』だよ!」

280vこないだTerra RosaでMarshall Blogに登場して頂いたばかりのMASAKIさん。
「You know me? ノドチンコが寂しかったよ!」といつもの爆笑パターン!

290自慢のヤカン・スタンドを紹介。
楽器メーカーが作ってくれたんだって。
めっちゃガッチリハマってる!

300v「みんな誰かが必要なんだぜ!」と「Everybody Needs Somebody」。

310_ens続けて「108」。
実はもうココは最終コーナー。
もう怒涛の如く押しまくっちゃうよ!

320v_108「♪ダッ、ダッ、ダッ」…キタキタ~!
本編の最後は「HEAVEN'S WAITING」。

330v_hw毎回ライブの盛り上がりシーンで演奏されるこの曲…今日のエキサイト具合も最高だ!

340vオリャ~!弾きまくりだ~!

350本編14曲。
短いと思うことなかれ!コレでいいのだ。
ファンの皆さんはこの先のスペクタクルをよくご存知じのハズ。

360v「奇跡を起こすのは神様じゃなくてボクらだってこと…被災した次の日から顔を上げた人だっているんだ…という思いで歌います」
アンコールの1曲目はルークさん弾き語りの「MIRACLE」。

370_mcそして、アンコールの爆発の部!
まずは「FEEL YOUR LIGHT」。

380v「1400km/h」…

390vそして「春の嵐」!

400v「待ってました!」…スゲエ参加率!

1_img_1108 もちろんMASAKIさんのタライ芸も!

450フィニッ~シュ!

460vそして、いよいよ最後の曲。
もちろん「Happy Birthday To You!」。

470vこの曲を聴いて、このパフォーマンスを見なきゃCANTAのコンサートを見たことにはならないよね!
ギターとともに客席へGo!

480ステージではMASAKIさんがピョンピョン大暴れ!

490雷電さんも行った~!

500そしてモニター・ブースで集合!

510しかし、毎回見てるけど、こんなことやってるの世界広しといえどもCANTAだけだろうな~。
感心しますわ~。

520ステージに戻って弾きまくり、暴れまくりだ!

530最後の出し物もセット完了!

540巨大スティックで手際よく風船を割った雷電さん。

550感動のエンディング~!
今日も最高に充実したステージなのであった。

560年が明けて2017年はCANTAの結成15周年になるのだそうだ。
今年も大きな飛躍を期待している!

570vCANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

580(一部敬称略 2016年11月5日 新宿BLAZEにて撮影)

2017年1月19日 (木)

TORNADO-GRENADE~FIRE YOUR GUN-風愛溶岩-

しかし、驚いたよ!
ナニが?って、「ぼんご」のおにぎり。メチャクチャおいしいんじゃないの!
少し値段が張るので敬遠していたんだけど、「この時」はじめて食べた。
「ぼんご」とは大塚のライブハウス、「Hearts+」のそばにあるおにぎり屋さん。
アレ、見てるとオジちゃん、ほとんど握らないんだよね。炊きたてのアツアツごはんを無謀にも素手でつかんでやんわりと海苔に押し付けて、たっぷりの具を乗せて丸めるって感じ?
具の種類も豊富だし、なにより米がおいしい。
行列ができるワケだわ。
ギャル曽根ちゃんだったら100個ぐらいイケるんじゃないのかね?
私は3個までなら余裕だな。
この「ぼんご」のおにぎり食べたさに「日曜日のブッキングはできれば避けたい…」なんてバンドもあるようだ。
日曜日はお店が休みなのだ…と、マァ、コレは冗談にしても、やっぱりこういう何千年も食べられ続けているトラディショナルな食べ物はおいしいね。
音楽もトラディショナルなモノがいいナァ。
イヤ、トラディショナルな要素を含んだものがいい。
いつも書いているように、そんなハード・ロックやヘヴィ・メタルのトラディショナルなテイストを持って時代の感性でロックを料理しているのがTORNADO-GRENADOだ。
そして、冒頭の「この時」というのはTORNADO-GRENADOがホームのHearts+(本当は西川口Hearts)で初の単独コンサートを開催した時のことを指す。
コンサートは最新アルバム『LOVERUPTION』の発売を記念したツアーの千秋楽で、『FIRE YOUR GUN-風愛溶岩-』と題された。
このツアー、総計70本も演ったんだって!
千秋楽は当然ソールド・アウト。

10コレがアルバム『LOVERUPTION』。
「Fire your gun」なんて聞くとナンカPattoを思い出すね。

Lr単独コンサートなんてもうとっくの昔にやっているのかと思っていたら、コレが初めてのことだという。
ということで、色々な記念アイテムが展示された。
壁にはポートレイト…なんかシャドウだけデフォルメがキツくない?

 20

立派な祝い花(っていうのかな?)も!

30 ここにもポートレイト。苗字、しかも漢字の表記がすごくいいね!

40このバンドは物販のアイテムが豊富だ。
各種Tシャツは言うに及ばず…

50 ポストカード、ステッカー、トートバッグといったスタンダードなアイテムはすべてカバー。

60 こんなモノも!

70 クリスタルの楯!ピックが付いてる。

80 ジグゾー・パズルや時計。
何とCDまで売ってる!…って当たり前か。
しかし、この物販ってのも時代の産物だよね~。
昔はこういうモノなんてなかった。
まず、こういうアイテムが簡単には作れなかった。
そして、バンドやミュージシャンは、グッズではなく音楽を作って、レコードを売って利潤を得るのが当たり前だった。
コンサートも重要な仕事だが、レコードを作る、すなわち「音楽」を作ることこそが「ミュージシャン」という職業の仕事内容だった。
「誰が音楽をタダにした?」なんて本が出ているようだ。
消費者も「音楽がタダになった」と喜んでいるのはいいが、トンデモナイ代償を払っていることに本当は気が付くべきだ。
それは音楽の質の著しい低下だ。
もちろんTORNADO-GRENADEは例外だ。
だからこうしてMarshall Blogで紹介している。
また、物販なんかしなくてもいい時代が来るといいね~。
出だしからツマらないことを書いてゴメン!
でも、いつかこのことに触れたいと思っていた。
時代が変われば状況が変わるのは当たり前なんだけど、過去や歴史を知っていないと何かの時に軌道修正ができないんだね。
だからケムたいと思われるだろうけど、コトあるごとにこうして文字にしているというワケ。

90 さて、これがその記念すべき初の単独コンサートのステージのようす。

100上手はカズマくんのMarshall。JCM2000 DSL100のフル・スタック。

110v足元のようす。
140

下手は雄太くんのMarshall。
Jubilee2555のハーフ・スタックの間に1960Bを組み込んだブチのフル・スタック。

130v足元のようす。
120

初の単独コンサートのステージの両脇は風神&雷神、助さん&角さん、あるいはリー&ラーのようにガッチリとMarshallで固められた。

150 オープニングSEのインスト・チューン「Loveruption」が流れる中、五人が登場。
そして、ショウがスタートした!

160 〜 Sex,Spice,Rock'n Roll !! 〜
塚本”JOE”旭

160v〜 Mr.Little Heart 〜
松浦カズマ

170 〜 ハイテンションエクスタシー 〜
真壁雄太

180v〜 カーニバルフィンガー 〜
寺沢リョータ

190v〜 ジャパメタ界のキューティーハニー 〜
ドラゴンシャドウ村田

200 記念すべき…そんなに記念しなくてもいいか、もう…一曲目は「Love never Dies」。

210アルバムでも実質一曲目を飾るスピード・チューン。

220 アルバムのコンセプトを歌い上げるかのような「愛」の歌。
滑り出しは絶好調!

230 続いては「Rise up to the Win」。
出だしの文句をずっと「アラブの町」だと思っていてゴメンね。

240 TORNADO-GRENADEと私を結び付けてくれた一曲なのだ。

250 コレもお初!ドローンを使ってシャドウを撮ってみた。

260 三曲目は話題の「荒神見ない」、ウソ「Cause in Midnight」。
でも、この曲は耳に残るよ~。
ピリッとしたハードロックに耳慣れた言葉。
そのコンビネーションが、いいんだこのバンドは。

270さっそく、おなじみのアクロバットが飛び出した。

280 Joeくんのヒザの上でソロをキメる雄太くん。

290vそして、Joeくんの肩に乗って…

300vハイ、上手に向かってポーズ!

310 そして反り返り。
ずっとソロ弾いています!

320 フィニッシュ!
1月30日、水道橋の「尚美ミュージックカレッジ専門学校」でMarshallやギター・アンプの講義を開催する。
講師はMarshall社から私。
デモンストレーターはOBの雄太くん。
最強なんだか最弱なんだかわからないコンビ。
残念ながら在校生しか受講できないけど、レポートはMarshall Blogでするつもり。
とにかく受講生を飽きさせないようにお笑い第一でやるぞ!
私はかつてこういう仕事をずいぶんやらせて頂いておりましてね。
好きなお仕事のひとつなので張り切ってしゃべります!
あ、肩車はしません。

330v続いても「Scarlet Love Story」で大疾走!

340 それにつけてもこの曲のJoeくんの劇唱ぶりはすさまじい。
…とここまでは『Loveruption』から。
しかも、アルバム通りの曲順だ。
370
人気の「ワル」のMCも当然挟み込まれる。
「オレはメチャクチャ酒が強ェんだよ」
「お前、それ『ザル』だろ!」

9_joe「バイブス、マジで下がるんですけど~」
「そりゃ『ギャル』だろ!」

9_s41a0103「こないだ海外行ったんだよ~」
「それは『JAL』!」

9_s41a0107「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ!」
「オイ、オメェ、そいつァまさか」
「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ!」
「『バル』か『バルタン星人』なのか?」

9_s41a0105

…というのはまったく架空のMC。
今私が作りました。スミマセン。
イエね、TORNADO-GRENADEはMCも楽しいよ!ということが言いたかったのさ!
真偽のほどはライブ会場に来て確かめてチョ。

9_img_0111次に一旦『Loveruption』から離れて「Ride on Fire」。
この曲カッコいいよね~!
現代版日本人AC/DCみたいな感じ?すごく好き。
350
ちょっとファンキー・テイストの「My Sweet lover」。中間のキメがカッコいいんだ。
それで、もう歌詞がさ、70年代歌謡なワケよ。それがいいんだな~。
TORNADO-GRENADEのやっていることは、大ゲサに言えば70年代初頭の「日本語でロックはできるか論争」のひとつの答えだね。
タイム・マシーンがあって、TORNADE-GRENADEを1972年ぐらいに送り込んで演奏させたらどうなっていたろうね。
完全にマーティ・マクフライ状態。
アンプのことは心配するな!Marshallがバッチリ用意されているぞ。
1972年といえば創業から丸十年。ハードロックの黄金時代、最高にMarshallが忙しい時だ。

450

ようやく霧も晴れてきたところで、ギター・バトル。

380 若きシュレッダー二人の大決闘!

400武器はMarshall。
二人とも弾くわ、弾くわ!

390v

勝負の結果!…真空管アンプ最高!アンプはMarshall!
ハイ、賛成の人「いいね!」押して!

S41a0193 今回はワンマンということもあって、「Reason of the Life」の後にはリズム隊もソロを披露した。
まずはリョータくん。
気を衒うことのないオーソドックスなプレイが魅力なんだけど、この日は、ソロを終わりたくても終われないというアクシデントが発生!結果大フィーチュア!
悪いけど、メッチャおもしろかった!

430 シャドウも正統派のドラム・ソロで会場を沸かせた。
440
私の好きな「Love Blizzard」。
若い人のシャッフルがうれしい。
420
ここで新曲を披露…「Wings of Steel」。
ウケてたね~!

S41a0353 Vシェイプのアコギを下げてしっとり歌うのは「Sleepless Liar」。

460 そして、TORNADO-GRENADEのテーマ・ソング「Sex, Spice, Rock 'n Roll」…あるいはJoeくんの自伝歌。

470おなじみのゴキゲン・ナンバーとだけあってエライ盛り上がり!
360
当然、いつものエグザイル(正しい発音は絶対「イグザイル」)フォーメーション…グルグルグルグル。

480 コレまたキマった!

490 定番のボーカル持ち回りコーナー。

500v もちろん歌うパートは「Sex, Spice, Rock 'n Roll」

510vしかし!いくら歌とはいえ、人前で「sex」なんて言葉は口に出せんな~。
この辺りはそれこそ世代の違いか…どころか、この子たち、ウチの下の子と年齢が同じなんだよね~。
そういう若い人たちと私は仕事をしています。Marshallありがとう!真空管アンプが結んでくれた親子の絆だ!

520 このコーナーはシャドウのこの無気力パフォーマンスが最高におもしろい!

530_2ちなみにこの曲の歌詞に出てくる「♪刺激を求めているなら カレーをたべよう」の「カレー」は、ココ文京区白山のSURAJIのカレーを指している。
しばらく留守にしていたマスターも復帰して「カラサ タリナイノトキ イッテクダサイ」も絶好調のようだ!
チョット待て!
コレ、「スーラジ」じゃなくて「スラージ」って読むの?
昔、ウルトラマンに「バラージの青い石」なんてのがあったね。

9_suraji本編最後は「Storm is Blowin'」。

540 この曲、コンパクトなリフがカッコいいんだよね。
560
まさに台風のような怒涛のパフォーマンスで本編を締めくくった!

550 アンコールはおそろいのロゴTで登場。
曲は「What's up Crazy Girl」。

570 ストレートなハードロックで五人は燃え尽きた!

590

600v

610vあんまり燃えてない?それに一人だけ衣装が違うってか?ま、現場では色々なことが起こりますから。
もちろんシャドウもギンギンに燃えていたよ~。

620 サングラスも無事返還された。

S41a0508 終わり~!

630…と思ったらもう一度アンコールに応えたよ!
全体を締めくくったのは「Cry for the Light」!

640

あ~おもしろかった!
いいバンドです。
初の単独コンサートの大成功おめでとう!
これからもMarshallと一緒にガンバってね!

TORNADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

660(一部敬称略 2016年11月19日 大塚Hearts+にて撮影) 

2017年1月13日 (金)

EDGE OF STRINGS II <後編>~D_Driveと名物セッション!

楽しい時間が過ぎるのは早いもので…EDGE OF STRINGS IIのトリがステージに上がった。
D_Driveだ!
ん、チョット待てよ…。
Marshall GALA、ASTORIAやCODE、楽器フェアなんかでD_Driveのみんなとチョクチョク一緒になっているからなんだろうけど、Marshall Blogの『ライブ・レポート』に登場するのってすごく久しぶりなのでは…?
そう思って調べてみると、GALAの二週間後に三宅さんとダブル・ヘッドライナー(ツーマンはやっていない)をやって以来だわ。
すなわち5月下旬の記事以来。
そうだ、10月の六本木の単独コンサートに行かれなかったからメッチャ間が空いちゃったんだ!
ゴメンね~、D_Drive!

Gf2 ということでK-A-Zさんのイキな計らいでD_Driveはトリで登場。
この「ギターの塊」のようなチームもギターの魅力をしっかりと伝えてくれた。

10Seiji

20vYuki

30vShimataro

40vChiiko

50v久しぶりの登場でも安定のMarshallでホッとしますな。
SeijiさんはJCM2000 DSL100と1960AX。

60YukiちゃんはJCM2000 TSL100と1960A。

70Shimaちゃんも安定のEDEN。
WT-800だ。

80vオープニングは「Drive in the Starry Night」。
120

Yukiちゃんのペンによる、オープニングに持って来いのハードでストレートなドライビング・チューン。
スカッとくるぜ!

110

当然Seijiさんとのギターのからみを活かしD_Driveらしさも忘れていない。
すなわちスリリングで完璧なギター・インスト曲に仕上がっているということ。

100v続いては「Attraction 4D」。
コレもいいな~。圧倒的な疾走感!
Seijiさんの作だ。
サビのクロマチックのメロディが好き…と以前書いた。でもコレって一回目とそれ以降のサビのメロディが違うのか…。
二人のもはやムチャとも言えそうなハモリや、ドンドン変わっていく情景…メッチャ手が込んでるナァ、この曲。メッチャムチャや!
しかし、考えようによってはHell Dumpのサタン鈴木のような声のズ太いシンガーを入れて、ドギツイ歌詞をつけて、もっと変拍子を大胆に取り入れたら結構70年代中盤のZappaミュージックをハードにした感じに近くなるんじゃないかね?
90

どんな複雑な曲でもガンガンとフロントの二人を責め立てちゃうD_Drive名物のリズム隊は今日も絶好調だ!

130v

140最初の2曲は一昨年の11月に発表したミニ・アルバム『R』からのチョイス。
毎回書いてるけど、もう「一昨年」かよ~!
なんかついこないだ出したばかりのような気がするじゃんか!
あのね~、ライブのワイルドなパフォーマンスはもちろんD_Driveのウリなんだけど、スタジオ・バージョンもすごくいいよ。
最初の2枚のアルバムも当然聴いているけど、この『R』はそれらよりも完成度が高いということが言えそうだ。
まずすごく音がよくなった。
内容もますます充実していて、ライブでの迫力をそのままスタジオに持ち込みながら実に緻密な演奏を展開している。
以前にも触れたことがあるが、生演奏で聴きなれている曲でも「アレ、こんなことを演っていたのか!早ぐ言っでよ~」という発見がたくさん。名刺じゃなくてヨカッタ。
ヘヴィメタル・ギター・オリエンテッド・インストゥルメンタル・ファンにおススメの作品だ。

55cd_2そんなアッという間続きはD_Driveの歴史にも当てハマる。
何と、この1月から結成8年目に入るというのだ!
おめでとうD_Driveゥ~!
その結成丸7年を直前に控えた先月。2曲入りのシングル盤を発表した。
続いてはそのコーナー。

150まずは盤の後に収録されているYukiちゃんの作品「Shape of Your Life」。
私?
あ、私のShape of Lifeは「メタボ」です。
いいこと教えてやろうか?
近所のお寺の壁にこう書いた紙が貼ってあった。
「性格は顔に出る。生活は身体に出る」
誰か座布団持って来い!
160
ゆったりナンバー。
Yukiちゃんは以前にも「Unkind Rain」というバラードを発表しているが、こっちはまたゼンゼンそれとは違うイメージのミディアム・スロー。
180
でも、そこはやはりD_DriveのYukiちゃんが作る曲だ。凝りに凝ったツイン・リード・パートや激烈ソロがテンコ盛りだ!
組んずほぐれつ、段々とハードに盛り上がっていくところがタマらなくカッコいい!

170v続いての曲はSeijiさんの「Last Revenge」。
これまたアータ、重い鎧を着て100mを全力していそうなハード・チューン!
サビの展開の発想が「Attraction 4D」に似ている。

200vShimaちゃんのテクニカルなソロもバッチリ!
230v
コレもしばらくはライブの定番になることは間違いないな。
CDでは冒頭にSEが入っていて、ゼンゼン似ても似つかない割にはナゼかSteve Millerの名曲「Fly Like an Eagle」を思い出してしまった。
つまり、とても気持ちがいいということ。

210Yukiちゃんからこのシングル盤が当日先行発売されていることがアナウンスされた。
「7年間ずっとインストでやっています!」
ガンバレ!

190v

下がYukiちゃんがMCで紹介した最新のシングル盤『Last Revenge/Shape of Your Life』。
大変ですよ~。
これほど作り込むのはあまりに大変な仕事ですよ。
「愛してる」だの「ありがとう」だの「さくら、さくら」と、どこにでもある歌詞に何の工夫もないメロディをつけてハイ出来上がり…というのとはワケが違う。
それらが鉄骨にペタペタを新建材を貼り付けた家だとしたら、D_Driveの曲は完全木造の三階建て。宮大工まで繰り出した細工の凝った家と言えるだろう。
建てるに当たってはMarshallやEDENといった良質の材料が使われていることは言うまでもない。
毎回、曲の構想を立てて、メロディを考えて、ハモリをつけて、何よりも大変なのは何がしかの仕掛けを考えることのは地獄の苦しみだと思う。
ただいいメロディを作ってベンベコ弾いているだけではベンチャーズのやっていたこととは変わらないもんね。
それにどんな安易な発想じゃ誰も興味を示してくれまい。
カッコいいリフをひとつ作るだけでも至難のワザなのに、D_Driveならではの、あるいはD_Driveしかできないトリッキーなパフォーマンスを考える部分がもっとも大変な作業だろう。
しかも、一度やってしまったら他で使うことはできない。「○○と同じじゃん!」となってしまうから。
こういう創造の苦しみに耐えて、初めて世に問う曲だからこそ価値があり、聴く側を感動させるハズなのだ。
カッコやウサ晴らしだけで音楽をやっているのとは土台芸の厚みが違う。
それを8年もやってきたんだからD_Driveは偉大だよ。
東名をブッ飛ばして月に何回も東京へ来てさ…。
でも今回のこのシングルはまたしても見事にその苦行に耐えた証となり得る立派な作品に仕上がっていると十分に言えるだろう。
  
ところで、何気なくこのシングル盤とか『R』のジャケットを見ていてフト気が付いた。
タイトルのアルファベット表記が実にキチンとしているのだ。
つまり、大文字と小文字の使い分けのルールを知っている人の仕事が入っていると思った。
どういうことかというと、一番最初の文字は大文字。コレは常識。
それと名詞や動詞、形容詞、副詞といった動作や形態を表す重要な単語の頭文字は大文字にする。逆に言うと、冠詞、助動詞、接続詞、前置詞等は、文頭でない限りは常時全部小文字にする。
コレは意見や好みの分かれるところらしいんだけど、名詞や動詞でも4文字以下の短い単語は全部小文字にするというルールを採用する流派もあるらしい。
何でこんなことを知っているかと言うと、昔、教則ビデオの翻訳の監修の仕事をしていた時に気が付いた。会社によって表記がそれぞれ異なることを発見して不思議に思い調べたことがあったのよ。
でも、不完全でしてね、機会があればもっと正確な情報が欲しい。
ね、この下を見ると「Shape of Your Life」の「of」だけ小文字になってるでしょ?
こういうところもD_Driveの好きなところだ。

Lr それと!
へへへ、また書くぞ。
しかも、今日は名指しだ。
Seijiさんはかつて対バンがあるライブのことを「ツーマン」とか「スリーマン」とか呼んでいたけど、ある時から「ダブル・ヘッドライナー」とか「トリプル・ヘッドライナー」と言ってくれるようになったのです。
時々戻っちゃうのは知っているけど、マァたまには許す。
これでまたひとり…三宅さんやMashaくんなんかも取り入れてくれているからね。うれしいじゃないの、ネェ?
    
ココまでは新しめのレパートリーを固めてきた。
そして、ココからはおなじみのナンバーを並べてきたよ!

Img_0455まずは「Russian Roulette」。
もうライブではしょっちゅう演ってきたナンバーだけど、シングル盤を経て、『R』に収録された。
繰り返すが、このスタジオ・バージョンがスゴイのだ。
もちろんライブはライブのスゴさで押しまくる!

250ステージ前は勝手知ったるD_Driverさんたちが大騒ぎ!
310
今回のイベントの出演者4つのうち、Marshall GALAに出演して頂いたバンドは3つ。
GALAに来て頂いた方々はもうそれぞれのバンドをご存知だったワケだけど、初めて見た人ってどう思ったんだろうナァ。
皆さん、それぞれヒイキのバンド以外の音楽をどう聴いたのか…。
実に興味がある。
「また新しくいいのを見つけちゃった!」なんて人がいてくれるとうれしいナァ。
え?「お前はMarshallのことだけ考えていればいいだろう!」って?
そうじゃないんだな~。
楽器なんて、いい素材がなければクソの役にも立たないただの雑音製造機だ。
いい音楽があってこそいい楽器が生きる。
だから十把一絡げのツマらないポップソングは少しでもお引き取り願って、今日の出演者たちのように命を削って作った音楽をその分少しでも広めたいんだ。
いい音楽をまず作る。楽器はその後だよ。
いい楽器がいい音楽を作ることもある。例えばMarshallはまさにそのいい例だけど、そんなの滅多にない。
昨日ヴェンチャーズの話をしたのはこのあたりのことが言いたかったからなのだ。
正月早々シビアでゴメン。
出演者のみんなが真剣に音楽に取り組む姿を見ていてつい一席ぶちたくなってしまったのさ!
300
最後は「♪ジェゲロゲ~ロ、ジェゲロゲ~ロ、ジェゲロゲ~ロ、ゲロツク、ゲロツク」
わかんない?
260v
この後は、「♪ゲンゲンゲロンゴ、ゲンゲンゲロンゴ、ゲンゲンゲロンゴ、ゲンゲンゲロンゴ」
その通り!「Screw Driver」だ!
320

演奏し慣れたオハコ・ナンバーで大爆発!

270vきれいにアルバム毎に選曲した6曲で会場を盛り上げ、EDGE OF STRINGS IIのトリを見事に演じきった!

280vさぁ、9年目!
D_Driveの猛ドライブは止まらない!

290vここでD_Drive情報をひとつ…1月のライブ会場ではおみくじ付の『D_Drive福DVD2017』ってのを販売するのだそうだよ。
・新年の挨拶
・昨年を振り返る
・Chiiko(Drアングル動画)
・Shimataro(機材紹介)
・Seiji(曲解説)
・Yuki(曲解説)
・今年の抱負
・㊙︎エンドロール
が収録されているんだって。書初め、福笑い、双六、コマ回し、凧揚げの動画はカットされたようだ。
しかし、みんな色んなことやるな~。そのうち「会場物販税」ってのが導入されるかもよ。気をつけろ!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

3304バンドすべての演奏が終了したところでこのイベントの名物ともなっているバトルロイヤル型セッションのコーナーへ!
つまり「全員参加」ってこと!

340曲はHear 'n Aidの「Stars」。

350こちらも本家に負けないギター・スターズの饗宴が繰り広げられた。

360これだけ個性派のギタリストがそろうと壮観ですな~!

370さて、定番のソロ回しが始まるよ。
380

ひとりひとり中央のお立ち台に上がる。
上手からということでまずはSeijiさん。

390K-A-Zさん。
デカ!
頭をかがめてる!
大きさがYukiちゃんと完全に倍半分になってる!

400次はノンちゃんの番。
へへへ、実はノンちゃんがお立ち台に上がるかどうか楽しみにしていたんだ。
結果…やっぱり上らなかった!
理由…ノンちゃんは高いところがキライなのだ。

410三宅さんも照れて絶対に上がらないかと思っていたら…なんだよ、マンザラでもないわ。
「あ、上がった」…後ろの二人も興味深そうに見てるでしょ?

420Yukiちゃん!
「あたしの速さについて来れる?」とバッチリ決めた!…そんなこともう言わないか。

430ベース・チームもガツンといった~!
Shimaちゃんから…

440征史さん!

450ドラム・チームも大ハッスル!
河塚さんに…

460Chiikoちゃん…

470そしてケンケン!
なんでドラム・チームは何かかぶってんの?
どうでもいいけど金光さんうれしそうだな~!

480それぞれ局地戦でも色々ありまして…

485

490

500_2エンディング!

510「これからもEDGE OF STRINGSを続けていくのでよろしく!」
ガンバレK-A-Zさん!

530ギター・アンプとギター万歳!
最後に…皆さんギターの音がとてもヨカッタ!
やっぱり真空管のアンプに限るね。
真空管アンプは重くて手入れも大変、利便性や機動性、多様性はどう逆立ちしてもデジタル製品にはかなわないけど、ひとつだけ絶対に負けないものがある。
それは「音」だ。
今日のギタリストは全員それがわかっている…ということだ。

520

次回をお楽しみに!
さ、高速乗って家に帰ろう。

275(一部敬称略 2016年11月22日 横浜F.A.D.にて撮影)

2017年1月12日 (木)

EDGE OF STRINGS II <中編>~CONCERTO MOONとK-A-Z with BPM 13 Groove

昨日からレポートしているギター好きにはタマらないギター・インスト・イベント、『EDGE OF STRINGS』の第二回目の横浜公演。
考えてみると日本ってのはギター・インストの国なんだよな~。
いまだにこんなにThe Venturesに幕を掛けて崇め奉っている国って、日本の他に地球上で存在するのだろうか?
あのテケテケでいつも思うことがある。
それは、あのエレキ・ブームが「電気ギターのブーム」であったことは確かなのだが、その以前に「電気ギターを使った『音楽』のブーム」だったのではないか?ということなのだ。
もちろん、あの音楽が電気ギターでなければならなかったし、できなかったという必然性はある。
でも、あのテケテケの音色で奏でる「Walk don't Run」や「Pipeline」のメロディにヤラれちゃったんじゃないの?
ちなみに、あの「Walk don't Run」という曲はジャズ・ギタリストのJohnny Smithの作品ですからね。ヴェンチャーズが作った曲ではござらんぞ。
で、このJohnny Smith…欧米に数万人は軽くいるであろう平凡な名前を持ったギタリストの才能は極めて非凡だった。
今日の一回目の脱線。ギターがテーマの記事だからいいよね?
Johnny Smithは50年代に活躍した大ギタリストだ。
私も好きで色々聴きたいんだけど、寡作なワケでもないのに条件にあったCD(中古)に巡り合うことができなくて下の四枚しか持ってないの。
しかも、右側のピンクのと黒っぽいのはJohnny Smithの代表作とされる『Moonlight in Vermont』で、ただのジャケ違い。だから音源の内容としては3種類しか持ってないゾ、コノヤロー!
で、「Walk don't Run」は左上の『Johnny Smith's Kaleidoscope』に収録されている。
コレは1967年の録音。だからVenturesのヒットに乗じてセルフカバーした…と思いたくもなるが、67年といえば『Sgt. Peppers』が出た年だからね、今更「Walk don't Run」でもなかろうに…ということになる。
何しろVenturesの「Walk don't Run」は1960年なのだから。
でもね、演奏はすごいよ。
テンポは速めでTal Farlowスタイルの超絶技巧。ものすごくウマい人だよね。
このアルバム、「Old Folks」とか「酒バラ」とか「Sweet Lorraine」とか名曲満載でおススメです。

9_img_0262もうひとつ、ジャズの「Walk don't Run」として、Joshua Breakstoneを紹介しておこう。
この人、猛烈にわかりやすい。
「え、プロなのにそんなフレーズ弾いちゃっていいんですか?」みたいなジャズの定番フレーズを連発してくれる。
そのJoshuaがVenturesの愛奏曲を集めて録音したジャズ界から見れば一種のゲテモノ盤。
コレが実にいい。
この人、「ダレダレ集」というアルバムを得意としていて、そのうちの1枚『Remembering Grant Green』というGrant Greenの特集盤は、コレからジャズ・ギターもやってみたいな~、なんてロック・ギタリストには大いに参考になるだろう。
Johshuaの「Walk don't Run」は少しテンポを落としたJohnny Smithのバージョンで演奏している。

9_img_0263 Johnny Smithに戻って…。
この人がいかに人気があったかの証拠。
コレは欲しいナァ~、向かって右。

Js_2 このギターをASTORIA CLASSICにつないでさ!
最高じゃん?
大して弾けないけど…。

9_astoria_ast1c_classic_combo1 さて、本題に戻ると…「エレキ・ブーム」は「音楽」のブームだったということね。
私は楽器よりも、録音よりも、ジャケットよりも、何よりも音楽が先に来なければならないと考えていて、このイベントは「ギターのカッコよさをアッピール」するということにはなっているけど、本当は「ギターが主役の『音楽』のカッコよさを伝える」ということだと思うのですわ。
似ているようだけど意味合いが大分違う。
そのカギは演目がオリジナルかコピーかということだ。
出演する4つのバンドがそれぞれ自分たちの「音楽」でギターの魅力を発揮する…素晴らしいじゃないの!
Venturesの魅力も新しい世代にまったく伝承されていない。
Marshallの出現によってギタリストがヒーローだった音楽、すなわち70年代前半のロックもしかり。
今、巷に残っているのは、ピロピロと速く弾きまくるギターかジャンジャカかき鳴らすだけの脇役のギターばっかりじゃない?
コレじゃ本当にマズイって。Venturesの魅力を知っている世代やハードロックで育った世代の人たちがいなくなったら本当にそれらの音楽は絶滅しちゃうよ。
ま、私はいいよ。もう十分に楽しんだから。ジャズもクラシックも残っているし、民族音楽だってある。
でも、仕事で困るのよ!ギターが脇役になっちゃうと!
また、美田は子孫に残してしかるべきものでしょう。
だから、このようなイベントでギターのカッコよさが後世に伝承されることを願って止まないのだ。

15さて、二番手にステージに上がったのはへヴィ・メタル部門からCONCERTO MOON。
「おいおい、チョット待った!コレはインストのバンドのイベントじゃないの?」って?
そうなの、CONCERTO MOON(inst. ver.)と銘打った、歌わないMOONなのよ!

10
だからメンバーは久世ちゃんなしの…
島紀史

20v_2Aki

30v中易繁治

40v河塚篤史

50v当然ノンちゃんは今日も愛用のMarshall MAJORを持ち込んでいる。
昨日書き忘れたが、三宅さんが使ったキャビはノンちゃん所有の年季の入ったもので、素晴らしいサウンドだった。
もちろん、こちらのオーナーのサウンドも素晴らしいことこの上ない!

60vこの日、山本征史さんに続いてのMarshallベース・アンプ。
VBA400とVBC412。

70vCONCERTO MOONは2015年にリズム隊が交代し、新メンバーで同年9月にニュー・アルバム『Between Life and Death』を発表。
アルバムの出来に呼応するべく三度にわたってレコ発ツアーを実施し、その最後のツアーが先月終了した。
このイベントが開催されたのはそのツアーの直前のことで、当日は気合も芸も充実しきったところでのステージとなった。
Bld

オープニングは「Reason to Live」。

80おお~、ノンちゃんのソロ・アルバム『From the Womb to the Tomb』のオープナーだ!

90v考えてみると、この『From the Wonb to the Tomb』っていうのは、言葉の意味としては『Between Life and Death』の外側に位置しているんだなァ。
人間はお母さんの子宮(womb)から出て来て生(life)を受け、死(death)に、墓(tomb)に収まる。
気になるのは「womb」や「tomb」には「the」をつけて、「life」や「death」にはつけなかったこと。ノンちゃんはソロ・アルバムのタイトルをつける時、誰か特定の人の「子宮」や「墓」を想定し、CONCERTO MOONのニュー・アルバムをつける時には、生と死は生まれてきた以上、誰でも直面する普遍的なこととして「the」をつけなかった…とい意味合いか。
そんなことを考えてみるのも興味深い。

95vま、曲はそんなことは全くお構いなしのスーパー・ドライビング・チューンだ!
オイオイオイオイオイオイオイオイ、このソロ・アルバムが出てから丸8年経ってんのかよ!
ザケンなよ~。発表に当たっては前のMarshall Blogでインタビューしたっけナァ。あのアルバム、すごく好きでよく聴いた。
ホントに早いな~。コレじゃ、私もアッという間にDeathとTombのクチだな、コリャ。
あ、そういえば!私、煙草を止めて丸十年経ちました!
こっちは時の経つのがエラク遅かったな~。「まだ十年か!」って感じ。
いつかも書いたことがあったが、ヘヴィなスモーカーではなかったが、ホント止めた時はしばらくの間ツラかった。
そして、止めて本当にヨカッタ~!

S41a0193 続いては「Eye for an Eye」。
2003年の『Life on the Wire』。ホラ、ここでも「life」。

110v冒頭の垂直型フレーズからして密度の濃い、これまた「すさまじい」の一言に尽きるメタル・ギター・チューン。
ココまで2曲。
もうすでにカルビづくしの焼肉にうな丼(松)と天丼(エビ4尾)を食らったかの充実感!キムチや肝吸いを口に運んでいる余裕はない。

120Akiちゃんのキーボーズもいつも以上に大活躍だ!

130「楽しんでますか!オレはうさぎの7倍寂しがり屋だから、みんなが反応してくれないと寂しいぞ!」
普段のMCではココで久世ちゃんとカラむところだが、今日のMCはノンちゃんのソロ。
関西の公演ではそのノンちゃんトークが長くなって時間をオーバーしてしまったとか?!

140MCの後もガツンと来た!
すき焼きと火鍋と大盛ナポリタンの追加だ!
それは「Change my heart」と「Between Life and Death」と「Alone in paradise」のソロ・パートのメドレーだ!ムッチャするな~。

150特濃のナンバーの連続に難なくついていくリズム隊。

160vイヤ、反対か!グイグイと引っ張っていく!
180v
久世ちゃんが絶好調なだけに、「歌のないCONCERTO MOON」はどうなの?なんて思った人もいるかもね。
私はゼンゼン心配していないどころか、すごく楽しみにしていた。
それは久世ちゃんのボーカルズ(Marshall BlogはKruberablinkaの赤尾和重さんからのご指摘を尊重し、正式な英語表現を取り入れて、今年から歌のパートを指すときは「ボーカルズ」と複数形にしています。「キーボード」も同様)がない方がいいワケではござらんよ。
久世ちゃんの声はCONCERTO MOON鑑賞の大きな楽しみのひとつだからして。
私が楽しみにしていたのはノンちゃんのインプロヴィゼーションなの。

170v昔はノンちゃんとふたりで何回も「Marshall Roadshow」というMarshallのクリニックをやったもんですよ。
デモンストレーションの題材はCONCERTO MOONナンバー。当然、その時は歌なんか入らないから、歌のパートも全部ノンちゃんのギターで埋め尽くすことになるワケ。
そのソロがいつもスゴイかったんですよ。
どういう風にスゴイかと言うと、「速弾き」とかいうことではゼンゼンない。
商売柄、また年齢柄、あるいは経験上、最早どんなに速く弾くギターとかタッピングを見てももう驚くことはない。
私も若いころは速弾きに夢中になったけどね!でも音楽の楽しみは他のところにもたくさんあることを比較的早い時期に知ったって感じかな?
もちろん速弾きがよくないとは絶対言いませんし思いません。音楽的にすごいフレーズを弾いていれば話は別なのだ。
とにかくイングヴェイ以降、老若男女を問わずみんな同じことをやっているのを見るのがキツイのだ。
で、ノンちゃんはそれなの。出てくるフレーズの密度が極めて濃いのだ。
でね、ある時彼に尋ねたことがあった。
「ノンちゃん、アレ歌のパートって作ってあるんでしょ?」
「イイヤ、何にも考えてませんよ」
「ええ~、アドリブなの?」
「ああ、全部アドリブです~」
結構ビックリしたわ。
チョット、思い出しついでに…。
一度、CONCERTO MOONのツアー先の大阪でMarshall Roadshowをやったことがあったんだけど、当時のバンドのメンバーがRoadshowを見たいっていうワケ。
まさか、断るワケにもいかないし、かと言って恥ずかしいし…。
ナゼそんなもんが見たいのか?と尋ねたら、「イヤ~、だってMarshall Roadshowはおもしろいってみんな言ってますからね~」と言われてうれしかったな。一生懸命やってたからね~。
その日、私のトークとノンちゃんのギターがいつもより冴えわたったことは言うまでもなかろう。

190そんなギター・プレイがふんだんに詰め込まれたMoonナンバーのメドレーだった。
それとね、やっぱり音が素晴らしいよ。説得力のある音なんだよね、ノンちゃんのギターは。
時に説教をされているような?威厳のあるプレイだ。

200vココで「泣き」を一発。
『Black Flame』から「Until You Remember」。こんなMoonならぬMooreチックなナンバーもまたいいもんだ。

210そして、最後は普段もノンちゃんフィーチュアで演奏しているおなじみのインストゥルメンタル・ナンバー「To Die for」で締めくくった。

220v近々「at the end of the year ~Between life and death tour final~」もレポートすっからね。

CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Website

230vそして、三番目にステージに上がったのはK-A-Z with BPM 13 Groove。

240K-A-ZさんはMarshallプレイヤーではないが、CLASSIC ROCK JAMなどでご一緒させていただき、何度かMarshall Blogにもご登場いただいている。

250今回もベースと…

260ドラムのトリオ、K-A-Z with BPM 13 Grooveでの登場だ。

270v

三宅さんの孤高の音楽、ノンちゃんの極上のヘヴィ・メタルときて、K-A-Zさんはそれまでとはまたガラリと変わったコンテンポラリーなギター・ミュージックを披露した。

280vK-A-Zさんも自分の思った音楽を、好きなように好きなスタイルでクリエイトするタイプのギタリストだ。
やっぱりこのルックスだしね~。ナニをしてもサマになる。
Marshallでないのがザンネンだけどね。

290でも、当日楽屋で話をした時はうれしかったな。
前述のように活躍の場が広い人だけに色んなところでK-A-Zさんとは出くわすのね。
このイベントの数日前にも幕張のKNOTFESTでお会いしたばかりだった。
ところが、あんな話をしたのは初めてだったのだ。
…というのは、このイベントについての話。
ご存知の方も多いと思うが、このイベントはK-A-Zさんが主宰している。
そのK-A-Zさんがこう言っていたのだ。
「最近は本当にギターのカッコよさが忘れられているんですよ。ギターってカッコいい楽器ですよね。それなのに若い連中はまったく興味を示さない。カッコよさを知らないんです。
そこでこういう企画をやって少しでもギター・シーンを盛り上げていきたいんです。
そのためには、とにかくコレを続けていきたいと思っています。」
うれしかったね。
ま、ここに記した字句は実際の発言と多少異なるが、こういうことをクールに言っていた。
目的や取り組みは違うかもしれないが、根っこのところでMarshall GALAとつながっていると思った。
その理由のひとつは、冒頭に書いたようにコピーではなく、自分たちのオリジナルの音楽でギターの魅力をアッピールさせようということだ。
そこで、Marshall BlogでガッチリとレポートしてPRのサポートをさせて頂くことを約束したのだった。
本当にどうして、ロックってこんなことになっちゃったんだろう?
ギター・リフもソロもないロックって一体どういうつもりなんだろう…と私の世代は思わざるを得ない。カッコいいロックを体験してきたからね。
こうした催しの意図が若い人たちにも伝番してカッコいいロックを若い人たちにまた盛り上げてもらいたいナァ。
本当にあの時代のロックは高齢化と過疎化と少子化があまりにも進んでしまった。
こういうイベントにもっと若い人たちが来るような算段はつけられないものだろうか?
とにかく日本のロック界は文化の伝承に急いで真剣に取り組むべきだ。

300しかし、大きいな~。
会場に向かう時、K-A-Zさんがコンビニの袋をさげて歩道を歩いているのが、車の運転をしていて一発で目に飛び込んで来たよ。
だって、人ごみの中から頭ひとつどころか、肩が出ちゃってんだもん!
昔、あるバンドに巨大なギターの人がいて、地方の小さなライブ・ハウスに出演した時、ステージに上がったら大きすぎて頭が天井に当たってしまい演奏できないことがあった。
それでどうしたかというと、仕方ないのでステージを取っ払ったって嵩を下げたっていうんだよね。
本当の話らしい。
それを思い出さずにはいられない!

320忙しいところ企画を立てるのも大変かもしれないが、次回のEDGE OF STRINGSも楽しみだ。
できれば、Marshallのギタリストでお願いしますね。だってガンガンレポートしたいもん!

330vK-A-Zの詳しい情報はコチラ⇒K-A-Z Neo Stylez

340<後編>につづく

(一部敬称略 2016年11月22日 横浜F.A.D.にて撮影)

2017年1月11日 (水)

EDGE OF STRINGS II <前編>~Strange, Beautiful, Loud:私の元町

先週の金曜日に掲載した今年最初のMarshall Blog。
見てくれた?
年始めのことだからして、干支のことに触れ、大昔はなぜ元号を頻繁に改めたかの理由のひとつを記した。
そして、「『酉』の年は革命の年で世の中が大きく変わる」と言われてきたことについても書いた。
すると、昨日今日のニュースで「平成は30年までで改元する」ようなことが報道されているではないの!
日本政府はMarshall Blogが大好き…ということがコレでわかった。
ますますヘタなことは書けないな~。
Marshall Blogの記事で世の中がコロコロ変わっちゃ皆さんに申し訳ないもんな~。
そんなことも考えつつ…そんなバカな…今日は無難に観光案内から。
このMarshall Blogの観光案内、決してネタがなくてやっているワケではござんせんからね。
イヤ、実はこの件が皆さんにご迷惑をおかけしているかとチト心配していたんだよね。ところがつい先日、著名な大ギタリストから惜しみのない大賛辞を思いがけず頂戴してビックリした。
特にあの松阪&伊勢の回をお気に召して頂いたようで、「本当におもしろかった!ああいうのもっとやって!」とリクエストを頂き、いい気になっているところでの今日の観光案内。
  
今日は近場だ。
お好きでない方はどうぞご遠慮なくツツツ~っと飛ばしちゃってくだされ。
今日来ているのは、「石川町」。
今や大阪を抜いて日本で二番目の都市となった横浜。その横浜駅から根岸線で三つ目の駅。
かつては近辺にフェリスや横浜双葉等、女子高が7つもあったため、マニア垂涎の「女学生の駅」と言われていた。
登下校の時間になると駅は女学生であふれ返ってしまう。
一方、駅の前を流れる中村川の向こう側には、あいりん、山谷に肩を並べる「日本三大ドヤ街」の一角、寿町が広がる。
建ち並ぶ「山手」の豪奢な住宅エリア。他方、プスプスとガスが沸き上がるドブ川に沿ったドヤ街…まさに黒澤明の『天国と地獄』の舞台のようなところだ。
チョット脱線。
『天国と地獄』の室内のシーンはほとんどがセットで撮影されたが、ロケのシーンは横浜の伊勢佐木町等で敢行された。
映画に登場する、阿片窟は黄金町とされているが、アレは架空の設定で実際は寿町がモデルになっている。モノの本を読むと、1962年当時、撮影に行った際は実際にかなりコワかったらしい。
黒澤映画の大きな特徴のひとつはパンフォーカスと言われるタッチで、カメラのレンズを思い切り絞る。一眼レフをやっている人ならわかると思うが、そうすると被写界深度が浅くなり、画面の端から端までにピントが送られる。
その代わり画面が暗くなってしまうので、大量の照明が必要となってくる。するとどうなるか…室内のシーンなどは現場が灼熱地獄だったらしい。
それだけでなく、あまりにも照明が明るいため、役者さんが目を傷めてしまったという。
これは主役を演じた香川京子の回想。
香川京子って品があっていいよナァ。
『どん底』の時はものすごく可愛かった。『悪い奴ほどよく眠る』もすごくよかった。
昔の女優さんは洋の東西を問わず、実に「女優然」としていた。今のガラッパチの若い女優とは異なり、美しいだけでなくどこか威厳を感じさせたものだ。
ほとんどの役者さんが黒澤明にどやしつけられる中、彼女だけは一度も怒られることがなかったらしい。すごく可愛がられていたようだ。
脱線おわり。
  
さて、昔はこの中村川には無数の船が不法で係留されて川面が見えないほどだったんよ。いわゆる「水上のスラム街」を形成していたワケだが、今ではその姿をスッカリみなくなった。アレ、どこへ行っちゃったんだろう?
ほど近い真金町には金毘羅大鷲神社があって、子供の頃、一度親に連れられて酉の市に行ったことがあったが、大きな見世物小屋が設営されていて、至るところに傷痍軍人の方々が立っていた光景をすごくよく覚えている。
あの見世物小屋ってのがすごく衝撃的だった。
その時は入れてもらえず、後に浅草で一回だけ入ったことがあった。タコ女とか「何とか男」とか…やっぱり衝撃的だったな。
さて、また近くにはかつて「十全病院」という、今の横浜市立大学医学部付属病院の前身があった。
そこにはかつて「巨人病」という、ホルモンのバランスに支障をきたすことにより身体が際限なく肥大化してしまう患者がいて、病院の窓から足が飛び出していたという話を聞いたことがあった。
そんな、たけしの漫才じゃあるまいし、そんなことはよもやあるまいが、何せ子供の頃のことだったので実に驚いたものだ。
昔はのんびりしていて、まだ、医療器具が置きっぱなしになっていた建て壊し前の古い病院の設備に自由に出入りすることができ、叔父につれられて昼間の肝だめしに行ったことがあった。
どうして、東京生まれ&育ちの私がこのあたりの昔の話を知っているのかというと、母の実家がこの近くで、幼いころから何度も行き来していたからなの。

10_2ココの駅は構造上の理由なんだろうけど、いまだにホームと地上を結ぶエスカレーターあるいはエレベーターが設置されていない。

20v お隣の関内駅もそうなんだけど、こんなにホームが高いのに昇降機がない!
建造物の構造上の理由があるのかもしれないけど(あるようにはとても思えない階段の幅員)、かなり不親切だぜ。

30駅前の通り、昔は本当に何にもなかった。これでもかなりにぎやかになった方だ。
ま、この先に元町の商店街があるので、ここで商売しても立ち行かないんだろうね。

40ああ~、この二階、司城さんっていう耳鼻咽喉科があってしばらく通ったことがあったんだけど、なくなっちゃったね。

50_2駅を背中に大通りを渡る。
この通りは何ていうんだろう?
右手を見る…このトンネルを抜けるとそこは本牧だ。
私が大学生の頃までは、本牧はまるでアメリカの街のようだった。
かつてはアメリカ海軍の居留地があって、今でいう横田基地のようなものだが、街の雰囲気は今の福生どころではなかった。
便が悪く、バスで訪れるしか公共の交通手段はなかった。
バスの窓の外の光景はと言えば、ある地点から街の中の看板がすべて英語に変わり、完全に日本ではなくなってしまう。
私は当時アメリカに行ったことはなかったが、「コレがアメリカか~!」なんて錯覚してしまう雰囲気だった。
「日本で最古」といわれた「Lindy」なんてディスコもあったが今はどうなっただろう?
70_2
そして、横浜元町へ。
我々東の人間は「元町」といえば問答無用で横浜の元町を指すが、西の方々には神戸の「元町」ということになるだろう…と思いやって、ワザワザ「横浜」とつけてみたが、太古の昔は「横浜元町」が正式な地名だったらしい。
神戸の元町もいいな~。
大阪に住んでいた頃何度も訪れ、行く度に中古レコード屋でZappaのいいアイテムをゲットした。正確には「ガット」した思い出がある。

55こんなにカッコよくなっちゃって…。

60_2横浜の元町は、1859年に横浜港の開港によって退去した旧横浜村の住民が移住することによって始まった。
明治維新の頃には外国人向けの商店街としてすでに賑わいを見せていたそうだ。

80v_2して、後ろを振り返り、今歩いて来た石川町駅の方面を見る。
このガストのところには、昔はTOWER RECORDSがあったんだよ!
いきなりステーキのところはケンタッキーだった。

90_2チョット離れて中村川を渡り、中華街に向かって少し行った左側にジャズ喫茶の老舗「MINTON HOUSE」がある。
崎陽軒のCMに出てくるあのジャズ喫茶だ。
横浜には有名な「ちぐさ」を筆頭に良いジャズ喫茶がたくさんあってね、私は桜木町の「downbeat」が大好きだった。
大学の頃、ホンの短期間ではあるが、チョットした家の事情で本牧に住んでいたことがあって、やることがない時はほとんど一日downbeatで過ごしていた。アレでずいぶんジャズを覚えたし、のめり込んだ。
当然このMINTON HOUSEにも何回か来たが、全くの偶然なのだろうが、ナゼか私が行く時はPhineas Newborn Jr.とかStanly Cowellなんかのソロ・ピアノのレコードか、つまらないクロスオーバー(当時はまだ「フュージョン」という言葉は使われていなかった)のアルバムがかかっていtて、それが退屈でトンと行かなくなってしまった。
そこへ行くとdownbeatはかなりの硬派で、当時はJohn Coltraneの月命日である17日には開店から閉店まで丸一日Coltraneのレコードをかけるという荒業をやっていた。
『A Love Sureme』ぐらいだったらまだいいけど、『OM』とか『Expressions』あたりを一日聴かされたら身体悪くするぜ(『Ascension』なら大丈夫)。残念ながら私は17日に行ったことは一度もなかったが…。
ちなみに「MINTON HOUSE」という名前は、40年代ニューヨークのハーレムにあった「Minton's Playhouse」から採られたのであろう。
ハーレムのそれは、Charlie ChristianやDizzy Gillespieらが夜な夜な集まってジャム・セッションを繰り返した「ビ・バップ生誕の地」とされているジャズ史に名を残すクラブだ。

100もうだいぶ日も傾いて来たけど、久しぶりに元町をブラっとしてみよう!

110「久しぶりに」というのは、実はウチの家人も横浜出身で、今から37、38年前にはよく元町でデートしたもんなのよ。
毎年二月と九月に開催される「チャーミング・セール」にはよくつき合った。
調べてみると、このセール、1961年からやってるんだそうだよ。

120_2先述の通り、横浜は古くから外人が居住していたということで、「~発祥の地」が多いんだよね。
元町は「日本のパンの発祥地」とされていて、今でも営業している「ウチキ・ベーカリー」というパン屋さんがそれにあたる。
パンのチェーン店「ポンパドウル」も元町がスタート。「ポンパドール」じゃなくてこの大きい「ウ」がいいね。犬神サアカス團の「ア」みたいで…。
「アイスクリーム発祥の地」なんてのもこの辺りにあったと思う。

130元町UNION。
このスーパーは元来シップ・チャンドラーだった。
「シップ・チャンドラー」というのは、滅多に耳にしない言葉だが、港に停泊する船舶に、食料品や日用品、船具や船舶機械を販売する業者を指す。日本語では「船舶納入業者」という。
で、このユニオンはそうした外国船舶との関係に優位性を見出し1958年、当初は外国人向けスーパーとして流通業に参入した。
シップチャンドラーとしての立場を利用した品揃えは多彩で、来店する外国人客の要望に応じて当時日本には無かった商品を次々と仕入れて流通させた。
どんなものかというと、野菜だったらズッキーニや、マッシュルーム。
お菓子だったらチョコレート。
調味料ならマヨネーズやスパイス。さらにウイスキーやバーボンの酒類も扱った。
それらは当時、ユニオンでしか手に入らない品々で、その評判が広まり、次第に日本人もそれらの品を買いに来るようになったという。
ね~、コレ1958年の話だからね。昭和で言えば33年。
私はまだ生まれていないが、日本ってまだそんなだったんだよ。チョコレートもマヨネーズも普通には手に入らない世界の田舎国だった(今でも結構そう思うことが多い。経済を別にすれば、西欧基準に立脚した場合、残念ながら日本はまだ世界の三流国だと思う)。
そのたった13年前までアメリカとケンカしていたんだから恐れ入谷の鬼子母神。
最も日本が戦争に負けないで、あるいは、生活がアメリカナイズされず独自の道を歩み続けてチョコレートもマヨネーズも不要で、アンコと酢味噌で十分やって行かれたのかも知れんよ。間違いなくそっちのほうが身体によかったハズだ。
ココの緑色のロゴの紙袋が高級感があってカッコいいんだよね。
現在は京急傘下となっているようだ。

140「ハマトラ」なんて今の若い人は知らないでしょうナァ。
「My Way」ばっかり有名だけど「Nice Work if you can Get it」の方がゼンゼン好きだナァ~…そりゃ「シナトラ」だ!
「テリマカシ~!」…それは「スマトラ」!
私、生まれも育ちも…「フーテンの寅」ってか?ゼンゼン違うじゃねーか!
「ヨコハマ・トラディショナル」…だよね?
流行しだした神戸の「ニュートラ」に対抗して70年代後半から流行りだしたファッション。
フーン、コレはフェリスの女学生が着用することをイメージしたファッションだったのか。
スゲェな、フェリスは。行きたかったな~。イヤ、親子面接でダメだな。あ、それ以前に私は男だった!
そのファッションの特徴はミハマの靴、キタムラのバッグ等、元町のブランドを身に着けることだった。
そして、その極め付けがこのフクゾー。
こんなブームがあったからフクゾーは誰にでも知られるブランドになったけど、ウチも家内の実家もその前からおなじみだった。
私はもちろんなんの興味もないのでまったく詳しくないが、家内曰く、モノがいいのでとにかく長持ちする…のだそうだ。
確かに彼女は40年近く前に買ったレインコートをいまだに着用している。
でも、何といってもスゴイのは、一世を風靡したファッション・ブランドながら、1946年(昭和21年)に開業して以来、店舗はこの本店と横浜のそごうの中の二店でしか展開していないということだ。そごうが開店する前はこの本店だけだった。
さすがに今では通販は取り扱っているらしいが、スゲエ自信だよね。カッコいいよ!

150v1924年創業の老舗洋菓子店、喜久屋。

160ココの名物(かな?)は左のジャム・ターツと右のアーモンド・ビスケット。
「ターツ」ってのは「タルト」のことだよね。パイ生地にジャムを挟んでペッチャンコにしてザラメをかけたシンプルなお菓子。
コレがおいしい。
アーモンド・ビスケットはスライスしたアーモンドがメッチャ硬いビスケットに乗っているだけという、これまたシンプルなアイテム。コレもおいしい。
喜久屋はフクゾーと異なり、支店展開をしているので、昔はそこらでよく買って食べた。
しかし…コレ、昔に比べてだいぶ小さくなった感じがするナァ。以前は包装もペッラペラの透明無地のセロハンに包まっているだけだったんよ。

Jt

Ab_2大分暗くなってクリスマスの飾りつけのイルミネーションが映える時間になってきた…のはいいけど、人いね~!ガランガランだよ。
浅草よりヒデェな~。
土日の観光客だけを相手に商売をせざるを得ないんだろうな~。
昔は元町も伊勢佐木町もものすごい賑わいだったけどナァ。

165それでも、元町らしくシャレた飾りつけはサスガだ。

166華やかな商店街を抜けたところにあるのがこの元町プラザ。
店の名前はスッカリ忘れてしまったが、37年前にはこの中に中古レコード屋があったんだよ。

170_2その向かいがコレ。
ああ~なつかしい。

180_2クレープ屋のドン。
もう40年ぐらいはやっていることになる。

190オジちゃんも昔のまま…でもないか。人のことは言えないけどお年を召されましたな~。
「37、38年前からきているんですよ!」とオジちゃんに告げたところ、昔からあんまり愛想のいい方ではなかったが、うれしそうにしていた。
そこで少し話かけてみた。
「もう長年やっていらして、この(クレープを焼く丸い)鉄板、すり減って何回も交換してるんじゃないですか~?」…田原町の焼きそば屋を思い出しちゃってサ。死んだウチの父はあの焼きそばが鉱物で、「鉄板から削れた砂鉄が入っているからここの焼きそばはウマいんだよ!」と物騒な冗談をよく言っていた。
さて、オジさん、「イヤイヤ、鉄板はすり減ることはないんですが、やっぱり電気系統はダメになってしまうのでヒーターは何回も取り換えましたね」
フムフム…してみるに、アレからオジちゃんはクレープを一体累計で何枚焼いたことだろう?
皆目見当もつかないが、一日50枚焼いたとして、週六日、それを38年続けると…547,200枚!?
土日は平日の何倍も忙しいので、実際はもっと大きな数字になるだろう。
アレから一人で55万枚以上ものクレープの記事を焼いたってのかよ!
Marshall Blogの1,000回なんて屁でもないな。
そして、私が知っている子供の頃の元町のことについて触れると、チョット寂しそうに「元町もずいぶん変わりましたよ…」
「元町」なのに元の通りではない…とはコレいかに。
オジちゃんの視線はす向かいのコンビニエンス・ストアに向けられていた。元町も今ではどこでも見かけるチェーンストアばかりになってしまったのだ。
オジちゃん曰く、「昔、元町には元町にしかないものしかなかった。もうここは『元町』じゃありませんよ」…ア、ここジーンとくるところです。
200元町散歩を終わって中華街へ。
一番山下公園側にある老舗は「北京飯店」。
実は母方の叔父が長年にわたってココで料理長を務めていた。
その関係で、私はこのエリアの中華料理店はほとんどココしか知らない。
220_2
そんな関係で、北京飯店はジム・マーシャルが来店した中華料理店になった。
まだ楽器フェアを横浜でやっていた頃来日したジムを囲んでココの二階で会食をしたのだ。
ジムはチャイニーズが好きだったからね。
この時のことをココに記してあるので、未読の方はお時間がある時にゼヒご覧頂きたい。
  ↓      ↓      ↓
ありがとうジム・マーシャル!<中編>~I Remember Jim! 2

北京飯店は反対側に支店もあったんだけど、ものすごく前に火事になり閉店してしまった。

210アッラ~、この丸い建物は以前はHoliday Innだったんだよ。
大学の時にダンス板を敷くアルバイトに来たっけナァ。

230ネオンは派手だけど、中華街も寂しいな~。
平日はこんなもんか?昔はもっとにぎやかだったけどな~。

240ドワ~、中華街の真ん中に「すしざんまい」!
どういうマーケティング・リサーチの仕方をして進出をキメたんだろう。マジで知りたいナァ。
結構お客さん入ってるんだよ。

250_2横道に入るとこんな居酒屋も!
そうか、地元の人とか、中華料理店で働く人とか、観光客以外を狙っているのか?
まさか中華街へきて「神田」はないもんな~。

260_2さて、元町&中華街散策はコレにて終了。
仕事、仕事!
今日、横浜に来たのは『EDGE OF STRINGS II』というイベントの取材のためなのだ。
「ギターという楽器のカッコよさを見直そうよ!」的な願ったり叶ったりの企画の第二回目。
出演がD_DriveにStrange, Beautiful and Loud、そしてCONCERTO MOON他のインスト・バージョンという夢とも爆音の悪夢とも言えそうなゴージャスなイベント!
今日から三本立てでレポートしちゃうのだ。

270ステージはこんな感じだもん。Marshallだらけ。うれしい~です。
クレープ屋のオジちゃんにも見せてやりたかったナァ。「元町は変わってもMarshallが変わりません!」って。

275一番手はおなじみStrange, Beautiful and Loud!
いきなりギターのカッコよさ満開!

280三宅庸介

290v山本征史

300v金光健司

310v横浜でも三宅さんはMarshall。
JVM210Hと1960Bだ。

320征史さんもいつもの1992 SUPER BASSと愛用のキャビネット。

330v一曲目は「bloom」か…。
最近の三宅さん、この曲は昔よりテンポを落として演奏しているように思うのだがどうだろう?

340征史さんのソロ。
SUPER BASSとプレシジョンのコンビネーションがクリエイトするこの独特のサウンドがいいんだな~。
360
それを受けて三宅さんのソロが炸裂。
こうしたミドル・テンポのワルツは三宅さんのプレイング・スタイルがよく乗る。

350vそして金光さんの「モノ言うドラム」がガッチリと支え上げる。

370vこれがまさにStranege, Beautiful and Loudのあるべき図式なんだけど、なんか雰囲気がいつもと違う。
イベントという「くくり」とことと横浜という「現場」のせいだな。
横浜の三宅さんは初めてかな?…と思いついて、考えてみたらだいぶ前に令文さんやジーノ・ロートなんかと新横浜で一杯やったことがあったな~。
アレ、何の時だったけかな?
帰りにヒドイ目にあったのは覚えている。
あんまり楽しくて長居してしまい、終電を逃してしまった。「コレ、タクシー代ヤバいな」…と思ったら国鉄のダイヤが乱れていて、うまい具合に東神奈川でその日最後の京浜東北線をキャッチすることができた。
「お~、まさにCatch Your Train!アレは兄貴の方か…」なんて電車に飛び乗った。
安心していたのもつかの間、どうにもこうにもトイレに行きたくなっちゃて…こういう話は定番ですな。
普段だったら次の駅で降りでトイレに駆け込むところなんだけど、終電だからそうもいかない。
降りたら最後、そこから先はタクシーだ。
ってんで、これから支払わなければならないであろうタクシー代を何とか少しでも抑えようと、肉体の限界に挑戦した。
電車の中には誰も乗っていなかったのでどれだけズルしちゃおうかな…と思ったけど、さすがにそれもできん。
結果、田町まで我慢した。膀胱に小水がたまっちった…なんて言ってられない!
田町の駅員さんが「終電ですよ!降りちゃっていいんですか!」なんて注意してくれたが、そんなことはわかっとる!
まぁ、あの時の足の速さならボルトに勝てたな…。そして、解放。
結局、その後大枚はたいて家までタクシーで帰ったとさ…。
三宅さん、ご熱演中にこんな話をすみません。でも、あの時のイッパイは楽しかった。

380そのまま「murt'n akush(マラケシュ)」へ。

390vナチュラルな5/4拍子のリフに乗って繰り広げられる熱砂の物語。

400MCをはさんで「devil」。

420三宅さんのレパートリーでは新しい部類で、まだ正式にレコーディングされていない曲だが、ステージではよく演奏されているので、もはや咀嚼しきった円熟した演奏が楽しめる。
410v
「Marshallでストラトキャスターを鳴らす」という三宅さんのこだわりのテーマの課題曲のひとつ。

430それだけに音楽と楽器の関係を熟慮した作品であり、また、演奏もテーマに見合った白熱したものになるのが常だ。

440vバラエティに富んだ出演者、すなわち色々ギターが楽しめるこのイベント、初めて三宅さんの音楽を聴いた人たちはどう思うのかな~。
いつも同じようなことを書いているけど、リスナーの皆さんもこうした機会を利用して幅広い音楽を聴いてもらいたいと思う。
そういう意味でもEDGE OF STRINGSはとてもいい企画だ。

450このイベントは石巻を皮切りに大宮から関西を回り、この横浜を経て二日後の下北沢で閉幕するという旅程だった。
Strange, Beautiful and Loudは大阪、神戸、京都と今回の登板だったため、この日が最後の参加となった。
三宅さんは楽屋にいる他の出演者に聞こえるように「ありがとう!」とお礼を伝え出番の最後のセクションに移った。
460v
曲はSBLのテーマ曲的存在の「if」。

470寸分の狂いもなく三つの歯車がギリギリと回り、独特のノリをクリエイトする。
歯車のひとつ、イヤ、歯のひとつが欠けてもこの音楽は成立しない!
そんな三人が一丸となったパフォーマンスが聴けるのが「if」だ。

480そして、もう一曲は三宅さんが愛奏曲のひとつに挙げる「petal」。
「petal」とは「花びら」のこと。
三宅さんの愛花、ハス(Lotus)の白く、美しく、そして気高い花びらをイメージして作曲したのだろう。

490あ曲は可憐な花びらとは異なる重厚なものだ。

500この曲って、ワン・コーラス(っていえばいいのかな?)終わった後に大きなギターのピック・アップ・ソロがあるんだけど、コレってなかなか出ないアイデアだと思うな。
このアイデアがこの曲全体に強力なドラマ性をもたらすんだな。
三宅さんの愛奏曲とだけあって、もう何十回と生の演奏を聴いてきたが、鑑賞の仕方によっていくらでも新しい発見ができるのが三宅さんの曲だ。

S41a0036 ギターの魅力をアッピールするイベントのオープナーにふさわしい三人の激演だった!

510v<お知らせ>
最近まで入手が困難だったStrange, Beautiful and Loudの二枚のアルバムが再発売されている。言い方は悪いけど、手に入れやすいうちにゲットした方がいいですよ。
凡百のロックとはことなる音楽性とMarshallにより至高のギター・サウンドをお楽しみあれ!

★Lotus and Visceral Songs
9_lvs  
★Orchestral Supreme

9_os 三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

520v<中編>につづく

(一部敬称略 2016年11月22日 横浜F.A.D.にて撮影)

2017年1月10日 (火)

BARAKA 単独公演

2017年の最初のライブ・レポートはBARAKA。
今年結成20周年を迎えるベテランのプログレッシブ・ロック・トリオ。
Marshall Blogには久しぶりの登場となる。
11月に開催されたワンマン・コンサートのもようだ。
さて、正月早々申し訳ないのだが、早速一席ぶらせて頂きたい。
「またかよ~」とお思いになることを承知で書くが、それは「ワンマン」という言葉。
「『ツーマン』、『スリーマン』は止めてください!」と泣いて頼んでいるにもかかわらず、ほんのごく一部の人しか「ダブル・ヘッドライナー」とか「トリプル・ヘッドライナー」に改まらないのはとても悲しい…どころか段々こっちも意地になってきた!
今年も記事の中で何回も触れることになるだろう。
一方、「出演者が単独のコンサート」のことを我々は「ワンマン・コンサート」と平気で呼んでいるが、これも英語圏の人にはおかしい…というか、言葉の意味が違うというのだ。
コレは以前にも書いたことなのだが、英語圏の人々にとって「One-man concert」というと、バンドの中のメンバーの一人が独立してギター一本で弾き語るコンサート…というイメージが強いらしい。
しからば、「ダブル・ヘッドライナー」や「ダブル・ヘッダー」よろしく、「出演者単独のコンサート」のことを連中は何と呼んでいるか…。
調べてみると、どうも特定の言葉はないようで、「a live performance without any supporting acts」とか言うらしい。
コレじゃ「言葉」ではなくて「説明」じゃんね。
「皆さん!いよいよア・ライブ・パフォーマンス・ウィズアウト・エニィ・サポーティング・アクツが決定しました!」、♪ドコドン、ジャーン!…なんてライブでやるのは無理だ。
「ねえねえ、あのバンドのア・ライブ・パフォーマンス・ウィズアウト・エニィ・サポーティング・アクツのチケット買えた?」なんてのもあり得ない。
ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーが何というか、一緒になった時に毎回尋ねて調査をしてみるね。
恐らく、そもそもコンサートとかリサイタルなんていうのは、単独で演るものであって、わざわざ「ワンマン」なんて言葉を使う必要がないのではなかろうか?
「ベルリン・フィルハーモニック・オーケストラ・ワンマン・コンサート!」なんてはヘンだもんね。
それに昔はロック・バンドでも「ワンマン」なんて言わなかったような気がするよ。
何て言ったかな…「ピン」かな?
「ツーマン」は「対バンあり」って言ってたかな?絶対に「ツーマン」とは言っていなかった。
何だって正月早々、こんなことを書いたのかと言うと、今回のBARAKAはピンなのに、コンサートになんのタイトルもついていないのが逆に気になったからだ。
ライブハウスのスケジュールを見てもただ「BARAKA」としてあるだけで、「ワンマン」とも書いていないし、何ら修飾の語句が付されていない。
カッコいい~。気持ちいい~。
では私が代わりに言って差し上げましょう。
今日のレポートは、BARAKAのア・ライブ・パフォーマンス・ウィズアウト・エニィ・サポーティング・アクツだ!

10ベース&ボーカルズの依知川伸一(SHIN ICHIKAWA)。
もちろん「ボーカルズ」と複数形にしているところにも注目して欲しい。今年はコレを貫く(和重さん、ありがとう!)。

60

依知川さんはEDEN。

70

ヘッドは長年愛用しているWT-800。
キャビネットはD410XLTの旧タイプ。

80v
足元のようす。
90
ギターは高見一生(ISSEi TAKAMI)。

20v一生さんはMarshall。

30v1987Xと1960AX。

40v足元のようす。
このドバッと広がったセッティングがトレードマーク。

50ドラムは平石正樹(MAX HIRAISHI)。

100vオープニングは「Butterfly」。
1999年のファースト・アルバム、2003年の5枚目のアルバム、2008年のマキシ・シングル、さらに2012年の10枚目のアルバム並びにシングル配信と、何度も生まれ変わっては世に問われてきた。

110_bfドラムのフロント・ヘッドも「蝶」だ。
BARAKAにとって大切なイメージ・アイテムなのね?
しかし、なんで「バターのハエ」で「蝶」なんだろうね?「バターのイヌ」なら知ってるけど。
butterflyの語源を調べたんだけど、何パターンもの説があったので今回は触れないでおく。
120昔は歌が入っていたが、現在は7/4拍子のメロディをメインテーマに据えたインストゥルメンタル・ナンバーとなっている。

130v時間を追うごとにコロコロと変わっていく光景。

140vBARAKAの音楽を象徴するかのようなショウ・ケース的な一編で幕を開けた。

150続いては一生さんのヘヴィなリフとやや不思議なメロディがカッコいい「19-16」。
このタイトルはどういう意味なんだろう?まさか引き算で答えは「3」?

160v_19これまたムチャとも思えるスリリングな場面展開!目をつぶって針の穴に一発で糸を通すような演奏。
こういうのはいいナァ~。
日本はKing Crimsonの『宮殿』が今でも世界一売れるプログレ大国なのにこういう音楽を演るバンドが少なすぎるよナァ。
その点、BARAKAはありがたい。

170大英帝国の芳香漂うハード・ロックだけでなく、こうしたプログレッシブ・ロックも絶滅していくんだろうナァ。
若い人たちがこういう音楽を聴くワケがないもん。イヤ、聴くチャンスがないといったほうが適切か…。
冷や水をブッかけるようなことを書いて申し訳ないけど、先人の偉大な遺産をもっと大切にするべきだと思うけどね。(ああ、今年もまたコレか…)

180もう1曲続けて「Reflected Waves」。

180_rwBARAKAのシャッフル。
一生さん独特のフレーズがハードに飛び交う!

190v_2もちろん曲は素直に進むワケがなく、11/4(かな?)拍子の一生さんのカッティングからアクロバティックなパートに突入する。

9_s41a0173 そして、そのままスペイシーなワルツ、「Plung from the Darkness」へとつなげられる。
2010年の9枚目のアルバム『Inner Resonance』と同じ構成だ。

200_pfd「今3曲演ったんだけど、曲の切れ目がわかりましたか?」と依知川さん。
インストゥルメンタルで情景を表すことに取り組んでいる…と、BARAKAの音楽を説明し、昨年が19年目の活動であったことに触れた。

210v続いては、The Beatlesの大メドレー。

220BARAKAがビートルズとQueenのカバー・アルバムをリリースしていることは以前Marshall Blogで紹介した。
また、依知川さんが出演してくれたMarshall GALAでも触れた。
これが2013年に発表したそのビートルズのカバー・アルバム

230cdアルバムには14曲が収められているが、今日はその中から6曲を取り上げた。
まずは「Can't Buy me Love」。
この曲のタイトルってヘンだと思わなかった?訳では「愛はお金で買えない」となっていて、何となく英文からも意味がわかるんだけど、シックリいかない。主語は一体なんだ?となるハズ。
で、歌を聴いていると「Money」が主語だということがわかる。
すると文章としては「お金は私に愛を買い与えることができない」、すわなち「愛はお金で買えない」ということになるんだけど、イントロもなしにいきなり主語を省略したこんな歌詞が来るところなんか、当時すごく新鮮だったんじゃないかね~…なんて思うのよ。
ビートルズってその時代の背景も含めて色んなことを知って聴くと、そのおもしろさは留まるところを知らないんだよね。
さて、BARAKAの「Can't Buy me Love」…もちろん、原型は一旦破壊されている。
そして、三人の手によって新たに再構築されている。
「I Feel Fine」から始まる依知川さんのベースが唸るヘヴィ編だ。

240v続いては「Love me do」…って、どこかじゃい?みたいなアダルトな仕上がり。コレは結構「原曲当てクイズ」に使えるだろう。
「原曲当てクイズ」の「イントロドン」だったら正解者はまず一人も出まい。

250さらに「Norwegian Wood」、「Something」、「Day Tripper」、「She's a Woman」とカマしてくれた。

260すべてDNAはビートルズなれど、血肉はBARAKAというダイナミックなアレンジで完全にビートルズとは別の音楽として楽しむことができる。

270
私の手元に『Beatle Vibrations ビートルズのフォロワーたち(音楽之友社)』という、ビートルズのフォロワーやカバー・バージョンを山ほど紹介している1998年発刊のムックがある。
ま、この手の本はいくらでもあるんだろうけど、タイミングが合えばこの本にもBARAKAのアルバムが掲載されていたろうにナァ…というぐらいBARAKAのカバー集は立派な出来だ。
興味のある人は『THE BARAKA』、ゼヒどうぞ。

9_img_32372 ココで依知川さんから重大発表!
今年がBARAKAの20周年に当たることは先に触れたが、それを記念して11月2日に大コンサートを開催することをアナウンスしたのだ。
会場は東京フォーラムのCホール。キャパは1,500人!
スゴイね、BARAKA。
20年のキャリアと音楽的蓄積をそこで一気に爆発させてくれることであろう。楽しみだ!

280次の曲は依知川さんのベース・ソロから…

290依知川さんは決して派手にバカチコバカチコやることはない。
ごくオーソドックスな手法でこの「ベース」という低音楽器の深淵な魅力を伝えてくれる。
もちろん、そのプレイを支えるEDENのトーンは依知川さんのプレイに不可欠だ。

300vそして、そのまま「Let me in」へ。
開演前にセットリストを拝見したとき、「え、Rick Derringer?」とチト驚いたが、そんなワケはないね。
一生さんはギターをセミアコに持ち替えて渋めのバッキングに回る。
330v_at
依知川さんのボーカル。
広い声域が実現する豊かな表現力が日本人離れしている。
330v
しかし、この曲、依知川さんだけでなく、エラク日本人離れしてるな~。
それは歌詞が英語ということでは決してないのよ。
海外での演奏活動も盛んなBARAKAの特徴的な曲ともいえるのではなかろうか。

320vそして、2012年のベスト・アルバムのタイトルにもなっている「Atlantic」。
このあたりは今までのハードなパフォーマンスがウソだったかのような幻想的で静謐な世界を綴りあげた。
こんなBARAKAもまた佳き哉。

9_s41a0259 一生さんのMC。メンバーを紹介したんだけど、なんとも言えない、そして誰にもマネできない独特なトークなんだよね。
一生さんもおっしゃっていたが、依知川さんのお名前って「回文」ならぬ、「回名」になっているんだよね。私もGALAの書類を作っているときに気が付いた。
だって、「イチカワシンイチ…カワシンイチ…カワシンイチ…カワシンイチ…カワシンイチ…」と永久に続けられるんだぜ!スゴくない?
それにしても、こんなシリアスな音楽を演っているのにこのMC!この一生さんが作り出す落差もBARAKAのコンサートの楽しみのひとつ、間違いない。

340v本編最後の曲は大作「Bharmad」。

350v_bhmもうコレはガッツリBARAKAワールド。
変拍子を織り交ぜながらグルグルと情景が変わっていくサマは愉快痛快!

360vしかも余裕シャクシャク!
それにしてもこのバンドは毛の量がスゴイなぁ。ま、依知川さんは別格としても、みんなフッサフサでうらやましい。
405v
ドラム・ソロでMAXさんを大フィーチュア!

380
パワフルでストレートなプレイが圧巻!

370白熱のドラム・ソロを受けてさらにエキサイティングなアンサンブルで後半を奏で上げた。
いいね~、やっぱりこういうロックは!
このバンドはいわゆる「プログレッシブ・ロック」を標榜しているんだけど、やれジャズっぽいとか、やれクラシックの要素だとかいうことは一切ない。
ロックなんだよね。生一本のロック。
そこがまたとても気持ちいいところなのだ。

390アンコールまでの間にCM。
コレもGALAで紹介したけど、BARAKAのカバー・アルバムシリーズ、Queen編の『A Night at the Open』もおもしろいよ!
こちらも完全にやりたい放題のおもちゃ箱状態だ!

Qo
そこでアンコールはQueenの「Tie Your Mother Down」。
ボーカルが入るのは「♪Tie your mother down」のとこだけね。

400_tymdさらに続けたのは「Palm Tree of the Maldives」。
軽快な曲調にノ~リノリ。
そしてもう何でもアリ!

410「見て、見て!」と依知川さん。
依知川さんの指さす方に目をやると…

420_ptおお~!あんなところに一生さん!

430二階席からこんにちは!

440その場でソロをキメて…

450vおかえりなさ~い!
ホント、こうしたアクションとは縁遠い音楽のハズなんだけど…イヤ、コレでいいのだ!

460…と色んな要素がゴッチャ混ぜになった楽しいコンサートでした~!
20周年おめでとうございます!
今年も日本のプログレッシブ・ロックをよろしくお願いします。
そして、11月のフォーラム、楽しみにしていま~す!

470_3BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA offcial website

480(一部敬称略 2016年11月11日 渋谷 Mt. RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて撮影)

2016年12月28日 (水)

I FEEL SO GOOD!~FEEL SO BADのレーベル発足! <後編>

ひとりの怪我人を出すことなくARESZのステージも無事終了し、FEEL SO BADのレーベル発足記念イベント、『FSB TURBO DREAMS NIGHT』もいよいよクライマックスに差し掛かる。
イヤ~、それにしてもビックリしたわ、ARESZには!

555
頭がスッ飛んでいきそうな激演から休む間もなくイベントの進行役に早変わりする大忙しの瑠海狐さん。
サービス満点のこの企画、今度は抽選会だ。
ココでも瑠海狐さんの話芸が鮮やかに炸裂!

560
だりあさんも参加してのトランプを使ったクジ引き。

570
ティラノザウルスTシャツ他、豪華景品が用意されているよ~!

580

私はアシスタント(=家内)と2人で参加させて頂いたのだが、見事2人とも当選!
景品は…ヤッタね!ARESZの2017年のサイン入りポスター・カレンダー!
しかも2枚!ありがとうございました~。
コレで2017年はARESZのみんなと毎日一緒に過ごすことができるぞ!

Poster そいて、いよいよFEEL SO BADのステージ。
開演前にはFSBのMVが収録されているDVD付属のWeROCK誌最新刊が紹介された。

Img_0280 「ね~、パパ~!コレ、楽譜書いてよ~!」と当時まだピアノを習っていた8歳の上の子が私に聴かせたのは、「潮騒のメロディ」とベートーベンの「交響曲第九番」の第四楽章が混ざった不思議なヘビメタ調の曲だった。
「ナニこれ?」
「『地獄先生ぬ~べ~』の歌だよ!」
「ぬ~べ~?ナンじゃ、そりゃ?」
長いことロックから遠ざかっていた私にとっては、So BAAD REVUEは知っていても、FEEL SO BADというバンドの名前を耳にしたことがなかった。
今にして思えば、この時が彼らとの音楽との出会いだった。
「最近はこういうのもありなのか~」と、すごく新鮮なイメージを抱いたことを覚えている。
それから20年…。
     
「♪今日から一番たくましいのだ お待たせしましたすごいヤツ」…ステージに上がっただりあさんがいきなりア・カペラでメロディを解き放ったのはこの曲だった!
「バリバリ最強No.1」だ!

595

ドワ~!これこれ!
まさか一番最初に演るとは思わなんだもんで、バ~っとトリハダが立っちゃったよ!

600
川島だりあ
740v

Fuyuki Kurata

620v
FuyukiさんはJVM410Hと1960Bを使用。
エフェクターなしのアンプ直!チャンネル/モードはOD1/Orange。
コレで耳を疑うようなハードでダイナミックなギター・サウンドをクリエイトしていた。

630
コチラはFuyukiさんの楽屋のMarshall。
MG10CD…なつかしいな~。
Marshall BlogでMGシリーズについて書いたことはほとんどないけれど、私がMarshallに関わり出した頃はParkの最後期だった。
しばらくしてブランドが替わると、「ParkがMarshallになった!」と当時はかなりのセンセーションが巻き起こった。
車じゃないけど、こういうズッと一貫して続けているシリーズ商品っていうのは、その変化を見るにつけ、時代の変遷を強く感じておもしろいね。
この第三世代MGが出た時には「前のシリーズより格段に音がよくなった!」と評判になり、それが今の多チャンネルのデジタルFX搭載機になり、さらに今年はシリーズは違うにしろ、フル・デジタルのCODEシリーズが登場した。
この間たった20年弱。
それとも、やっとの20年なのか…。
レスポールとストラトキャスター等の伝統的なギターがまったく変化を遂げない中、ギター・アンプはずいぶんと様変わりをしたものだ。
いずれにしてもこうしてMarshall製品を長い間大事にお使い頂いている姿を見るのはすごくうれしいものよ。

640v
FEEL SO BADふたりめのギターはChris。
FSBがツイン・ギター体制になるのは初めてのことだそうだ。
ChrisはMarshall JVM210Hと1960Aを使用。

650v

今日は本当に大活躍のSyoi。

660
そして、ドラムは我らが山口'PON'昌人。

9_s41a0271 キットはNATALアッシュ。
フィニッシュはブラック・スウォール。
サウンドだけでなく、このルックスがPONさんにピッタリなんだ!

680
いきなりの人気曲に客席は大興奮!

700
そして大合唱!
Img_0315
図太いサウンドのギター。
720v

そこにガッチリと食い込みPONさんのドラム。
730v
「伝家の宝刀」を最後の最後まで抜かないバンドってあるじゃん?
私の中でのそれの最たるものは「♪Carry on my waward son」って必殺曲を持っているバンド。
ギタリストがMarshallだった関係で何度か拝見したが、毎回呆れるぐらい最後に演奏していた。
そうなると展開がわかってしまい「どうせ最後はアレだろ?」って、却ってその目玉曲がチープになっちゃうんだよね。
そこで「一気に盛り上げたい」という狙いはわかるんだけど、あんまりそれをやっちゃうとね。
そういう意味でのこの「バリバリ」はスゴイ。
「意表をついた」ということでも奏功したと思うが、ナニせ潔くてカッコいい!
610v
ん?
ナンダこれ?!
真ん中のシンフォニックなパート。
セガレにコピーを頼まれた時はテレビの音源だったのでアタマのワンコーラスだけしか聴いていなかったんだけど…このパートはナンダ?
曲は4/4拍子だけど、前のコーラスの最後の小節を2/4に短くして、え~、コレは…5/4がふたつか…。それに2/4がくっついて、それから4/4に戻るのかな?
とても耳なじみの良いメロディがついてるけど、メッチャ複雑なリズムだ~!
こういうパートはZappaの「Easy Meat」を思わせるな…リズムはストラヴィンスキーの「春の祭典」っぽくもある。
ゼンゼン普通じゃない!
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2曲目は「したたかになれ」。
まずはFuyukiさんのギターのイントロがクール!

J したたかで艶やかなだりあさんの歌がまたロック、ロックしていて気持ちいい!
710

そしてトリッキーなギターソロ。
ん~、聴かせるわ~。

Img_0318

ドワ~、このキメもタマらん!

 750
ナンダ、ナンダ、ナンダ、オイオイオイオイ、今頃こう言っちゃ失礼だろうけど、このバンドめちゃくちゃカッコいいじゃないの!
Marshall Blogは知ったかぶりがキライだし、もう既に私がFSBを知らなかったことを白状しているので包み隠さず書かせて頂くが、私はこのチームがかつてどれだけ人気があったのかを全く知らなかった。
そりゃテレビアニメの主題歌を担当しているぐらいだからそれなりの支持を得ていたことはわかっていたが、まさかこれほどの人気だとは知らなかったんよ。
何せ、こっちはSo Baad Revueの方が近い世代なもんで。
ごめんねFSB!
…というのは今回のイベントのことを私よりひと回り程度若い連中に話すと、「いいナァ~!FSB観たい!」の連発。
「え~、まだFSBやるんですか?! うれしい!」とか「FSBはボクの青春でした!」とか、モノスゴイ反響だったのだ。
実際、昨日の記事のアクセス件数もかなりの量だった。

S41a0261
へへへ、コリャいいの見つけたぜ…なんてのは冗談で、人気の理由はこのサウンドを聴けばわかるわ。
どこにでもありそうなことを、どこにもない感覚で練り直して新しいものにしてしまうような独特なオリジナリティがある…とでも言おうか。
だから「ぬ~べ~」を聴いた時もタダ者じゃないと思ったんだよ。

810

そして、各人の演奏技量の高さも特筆すべきだろう。
弦楽器チームのMarshallやEDENもさることながら、PONさんのNATALアッシュ、FSBにベスト・マッチやんけ~!

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演奏の点については若いメンバーの加入も大きなポイントだろう。
Fuyukiさん同様、やはりエフェクターなしのJVM210Hへの直つなぎのChrisのギター・サウンドとプレイは抜群!

760v

そしてSyoiくん。
大相撲だったら大変だよ。「新世界場所」では殊勲賞、敢闘賞、努力賞を完全にひとり占めだ!

9_s41a0353そして最後の曲。
Fuyukiさんのギターからスタートしたのは…

9_s41a0295 新曲の「DIRECT MAIL」。

Img_0335「♪カモ~ン」
ハードな要素とキャッチーな要素、新しい感覚とトラディショナルな感覚が絶妙なサジ加減でミックスしたクールな曲だ。

770

あ、また!
ギター・ソロの前のシンフォニック・パートは6/4拍子になってるのね!

220ギター・ソロとツイン・リードのパートもバッチリ聴かせちょうよ~!

780

5人編成の新生FEEL SO BADの魅力が詰め込まれた1曲と言えるのではなかろうか。

S41a0192もちろん、お客さんのウケも上々!…というのも、昨日のレーベル是の「エンタテイメント5大要素」を思い出してもらいたいのだが…

790
キャッチ―なメロディやキメで→コアな部分を→クールに見せる→そのクレバーさ→それでいてどこかうっすらとコミカル…まさにそれがFEEL SO BADに当てはまっているからではなかろうか?
「エンタテイメント5大要素」がすべて入ってる。

800

ステージは3曲と短いものであったが、その充実度たるや尋常ではなかった。
昨日レポートしたARESZとともに、またこれからの大きな楽しみが増えたわい。
やっぱり「いいロック」は問答無用で「いいね!」。
  
FEEL SO BADの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

820

そしてアンコールはARESZが合流!

830
曲は、だりあさんバージョンの「Smoke on the Water」だ。
テンポ・アップした軽快なアレンジでゴキゲン!

840

PONさんも奥の方でリード・ボーカルズを取ったよ~!

850

なんともにぎやかな「Smoke」!
FSB TURBO DREAMSの将来は明るいぞ!
カッコいいロックを茂原からガンガン発信されることを期待している。

860
「うぉらっ!」
軽々とだりあさんを抱え上げる瑠海狐さん。
体力的にも十分安心できるレーベルだ!

870
最後にだりあさんから来場した関係者の皆さんにご挨拶があり、この記念すべき一夜は幕を降ろした。

880

FSB TURBO DREAMSの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

890
(一部敬称略略 2016年12月16日 六本木 新世界にて撮影)

2016年12月27日 (火)

I FEEL SO GOOD!~FEEL SO BADのレーベル発足! <前編>

Marshall Blogで頻繁に脱線している通り、映画やミュージカルは大好きなのだが、どうも演劇ってのが苦手でしてね。
「苦手」…というより、鑑賞するチャンスがなかったということなのだろう。もうチョット言うと周囲にも観劇を楽しみとしている人がいなかったと言えるのかもしれない。
だからココの存在も全く知らなかった。
場所は六本木。
現在は「新世界」という名称になっているライブハウスは、元は「自由劇場」という演劇の聖地だったとか…。
今日のライブ・レポートはココからお送りする。
その前に…

10v「演劇」には縁遠くても、「新世界」は実に愛着のある名称だ。
それは私が天王寺の出身でも、生野の学校に通っていたというワケでも決してない。
大阪の新世界の思い出と言えば、30年近く前に箕面に住んでいた時のこと…名物の串カツを食べた翌朝、猛烈な胃痛で目を覚まし、近所の病院に行ってそのまま手術を受けたことぐらいなのだ。
急性虫垂炎だった。
もちろん串カツだけが原因で罹患したわけではないのだろうが、ビックリするほど胃が痛くなって、いいように脂汗が流れた。
「ホラ見てみい、もうチョット遅かったら死んどったでェ~!」…と執刀医がピンセットでつまみ上げたホタテガイのはらわたのような物体。そのオレンジ色の鮮やかさが忘れられない。
私の「新世界」は大阪のそれではなく、浅草の「新世界」だ。
「新世界」というのは六区の今のJRAがある場所にあった娯楽施設で、父が当時もあった場外馬券売り場に馬券を買いに行っている間、「ココで遊んでいなさい」と過ごした場所だ。

201959年にオープンしたプラネタリウムから温泉まで揃った、今ではとても考えられないアクロバチックな複合施設だった。
5~6階が吹き抜けになっていて、私はゲームやお化け屋敷があるそのスペースが大好きだった。何となく「花やしき」よりも大人のイメージがあったんだよね。

30なんたって「歩ききれない娯楽のデパート」ですからね。
今にして思うと、幼稚園ぐらいの私をひとりココに残して、よくもひとりで馬券なんか買いに行けたもんだと、父の無責任かつダイナミックな行動に呆れもするが、まだそういう世の中だったのだろう。
この頃はまだ浅草がにぎやかな時代だった。
あのね、皆さん、今でこそ寂しく老いさらばえた、斜陽の街の代表の感が定着した浅草だけど、戦前までは東洋一の歓楽街だったんですよ!
それが、関東大震災で大きなダメージを受け、空襲ですべてを焼失してしまった。
戦後、「歴史や伝統を守るため」として、行政からの区画整理の指導を断った浅草は、申し出を受け入れた新宿や渋谷に街の主役の座を奪われ、凋落の一途をたどって今に至っている。
スゴイよ、平日の昼間の浅草は。人なんか歩いちゃいない。空いててせいせいすらぁ!
コレがもう4日もすると何十万人もの人が全国から集まって来るのですよ。
初詣、三社、花火、サンバと台東区のおまわりさんは大変だぜ!

40で、大変なのが今日の本題。
この「新世界」へお邪魔したのはコレ。
今日の記事のタイトルにもあるようにFELL SO BADが『FSB TURBO DREAMS』なるレーベルを発足。
ここ新世界で『TURBO DREAMS NIGHT』と銘打ち、そのお披露目のイベントが関係者を相手に開催されたのだ!

50vステージに並ぶおなじみのバックライン。

60Marshall JVM410Hと1960B。

70vMarshall JVM210Hと1960A。
ベースはEDEN WT-800とD410XSTが2台。
さらにラックには「25/50 Jubilee Bass Series 3560」ヘッドの姿も見える。

80そして、ドラムはNATALのアッシュ。
もうこれらのバックラインを見ただけで、使っているバンドが「Rockのカタマリ」だってことがわかるね。
やっぱ機材が作るイメージというのは大切だ。ロックにはロックの要素が詰まった機材を用意することが肝要なのだ。

90冒頭ステージに登場したのはARESZの瑠海狐(るみこ)。

100ARESZや瑠海狐さんについては後ほど詳述する。
とにかく「立て板に鉄砲水」のようなトークの達人の挨拶によってこの日のイベントがスタートした!

110さっそくFEEL SO BADのメンバーをステージに呼び込む。

120そして、新レーベル「FSB TURBO DREAMS」のレーベル是や運営方針がメンバーの口から説明された。

130内容はテロップの通り。
まずは国内でシッカリと足場を固める。「LOUDNESSと共演する!」なんて目標も述べられた。
そして、企業と手を組んでカッコいい音楽を作りたい!…というのが2番目。
Marshallのこともバッチリ紹介して頂いた。

140そして、新しい才能を発見・発掘していく…という。
そこでまずは紹介されたのがこの2人。
サングラスの人は違いますよ。右から2人ね。
右からFEEL SO BADのもうひとりのギター、Chris。
そして、真ん中がベースのSyoi(しょうい)。
まった世の中狭いもんで、Chrisくんは田川ヒロアキくんと近しい関係だというし、SyoiくんはSTANDやStrange, Beautiful and Loudの山本征史さんととても仲良し…と昨日征史さんからお聞きしたばかり。
2人とも若さと才能にあふれた将来有望なミュージシャンだ。
180
さて、次。

150それは、このテロップにある5つの「C」と捉えているそうだ。
まったくこの通りだと思う。
私なんかは「Comical」をすごく支持しちゃうね。
歌謡曲の死後、巷にいわゆる「いい歌」ってのが圧倒的に少なくなったじゃない?その分、「笑い」で稼いでもらいたいと思っちゃうんだよね。
生意気にも、もしもうひとつ「C」を付け加えさせてもらうなら「Consistency」かな?いわゆる「一貫性」。
日本人は同じことを繰り返すことを「ワン・パターン」言って軽んじる傾向があるのだが、「コレ」と決めた持ち味を最後まで貫き通すことは芸術の根本だと思うワケ。
そして、あってはならない「C」は「Copy」。「Cover」はまだよし。
「entertain」とは「楽しませる」ということ…コピーで人を楽しませるのはどうかと思うのだ。

160…ということで、ここからFSB TURBO DREAMSのショウケース・ライブとなった。
まず初めに演奏したのはFEEL SO BANDのメンバー2人によるバッキング・トラックを使用したインストゥルメンタル・デュオ。

190ギターのFuyukiと…

200ベースのSyoi。

210v曲はFuyukiさん作の「火の鳥[Transparent to Radiation]」。
2人のテクニックを存分に活かしたトリッキーなナンバー。
後半のコード進行の展開がスリリング!

E つづいてはSyoiくんをフィーチュア。
ソロでのパフォーマンスだ。

230コチラもバッキング・トラックを使った「6弦ベースのための超絶技巧曲 第1番 ロ短調」。
「アナタ、ベースはピアノじゃありませんよ!」と教えてあげたくなるぐらい両手を駆使しての込み入った演奏。弦も100本ぐらい張ってあるし!
何でもFuyukiさんが作った曲をベースで弾いてみせてご本人に認めてもらったそうだ。
James JamersonやらChuck Raineyあたりから見渡すと、「ベース」って楽器もずいぶん遠いところまで来たよね~。
この日のために死ぬほど練習したというSyoiくん。「身体中の穴という穴から何かが出ていると思う」なんて言っていたが、まったく堂々たるプレイだった。
「何かが出てる」ってナニが出てくるんだろうか…知りたい!

240v2人のテクニカルな器楽演奏を楽しんだ後は、だりあさんがマイクを握ってのバンド演奏となった。

250川島だりあ

260vギターはARESZの那都己(ナツキ)。

270vベースは冒頭で紹介されたChris。

280vドラムはTakayuki Tashiro。

290vライブで歌うのは初めてだというこの曲はだりあさんの3枚目のソロ・アルバム、『LIFE=NOW』収録の「譲れない場所~HOME TOWN~」。
LINE友達である地元茂原の整形外科の先生から作曲を依頼され、存外にいい曲ができたので歌を入れてレパートリーに仕立ててしまったのだそうだ。

310v

那都己さんのシャープなソロもバッチリきまった!

300「コミカル」をのぞくエンターテイメントの5大要素がいくつも入っている曲だった!

320再びメタル界の天童よしみ、瑠海狐さんがステージに上がる。

325ARESZの出番だ!

330vコレはスゴかった!
初めて見たんだけど、いわゆる「度肝を抜かれた」っていうヤツ!
私はこういうの好きでね~。
「こういうの」ってのはどういうのかっていうと、こういう風に見た通りの音を出すバンドのこと。

340今日の司会進行も務めるボーカルの瑠海狐。

350vギターはさっきだりあさんのバンドで弾いていた那都己。

360ベースは雅己。

370vもうひとりのベースはライブ・コーナーの冒頭から活躍しまくりの翔己(Syoi)。
3人とも「己」で統一してるんだな?

380vドラムは先ほども登場したサポート参加のTakayuki Tashiro。

390vARESZは活動歴23年。
訊けば犬神サアカス團と同期で、瑠海狐さんは凶子姉さんとも仲良しなのだそうだ。
拠点は大阪なるも、月に3回は東京で演奏しているっていうんだよ。
私は年間に150回ほどライブに出かけているんだけど、どうして今まで接点がなかったか不思議。

400ご覧の通り、もう何しろメンバー全員がすさまじい個性!

410曲はまずFuyukiさんプロデュースの「我が生き様誉れ」。

420自ら「声がMarshall」とおっしゃる瑠海狐さん。
確かにスゴイ声だ!
どちらかというと声も見た目も「Marshallの壁」だ!
実はですね、Fuyukiさんに事前に情報を頂戴して、YouTubeでARESZのパフォーマンスを見てはいたのね。
その動画では瑠海狐さんのトークに感動してしまってね。
私も人前でしゃべるのがキライな方ではないので、こういう弁の立つ人をホント尊敬するワケですよ。
そして、今回ナマでその歌声を聴いて再度感動。ノドは痛くないのかっ!
450v
もちろん楽器陣の一糸乱れぬハードで完璧な演奏も申し分なし!
445

そして、このアクション!
やっぱエンターテイメントはコレぐらいやんなきゃダメだって!
大変だよ、髪の毛伸ばして、衣装揃えて、曲作って、練習して、演奏して、暴れて、それでまた機材車に乗って大阪まで帰るんだから!
しかもですね…書いてもいいっていうから書くけど…この人たち、ツアー先では経費節約のために機材車に寝泊まりしてるんだって!
昔はそういうバンドもいたけど、今時ね~。
しかも!つい最近までは大阪から東京まで高速道路を使わず、片道12時間かけて一般道で往復してたんだって!飛行機ならロンドン着いちゃうよ!
車が好きでない私なんかはそれを聞いただけでブルっちゃうね。
それを23年もやってるっていうんだからまさに「我が生き様誉れ」でしょう!
スゲエな~、ARESZ。ゼッタイ入りたくないな…。
とにかく観ているのが一番!
観てる分には最高だ!

4402曲目はお客さん参加型ナンバーの「Soldiers of Cause」。

Img_0141超ドハードなメタル曲!
…なんだけど、途中で瑠海狐さんの「Crush!」の雄叫びの後の言葉に合わせてポーズを取らなければならないのだ。
コレが滅法楽しい!
このポーズは「スカイ・ツリー」ね。大阪では当然「通天閣」でやるらしい。
ロンドン公演の時は「ビッグ・ベン」、ニューヨーク公演なら「エンパイア・ステート・ビルディング」だ。
パリなら「エッフェル塔」、イタリアではチョット斜めに構えて「ピサの斜塔」ね!
世界中でできるじゃん!
あ、ちなみにエッフェル塔は、どんなに英語らしく発音しても英語圏の人には「エッフェル・タワー」では通じない。
「アイフル・タワー」と言わなくてはダメ。
ナッシュビルの世界的フィンガー・ピッカーDoyle Dykesから教わった。海外の色んな都市の話をしている時、彼はしきりに「シゲはエッフェル塔に上ったことがあるか?」と訊いてきたんだけど、「アイフル・タワー」がわからなかった。
彼は完全に私が「エッフェル塔」を知らないと思っていたようだ。知ってるよ!

460ホラ、お客さんもみんなやってるよ~!
一番奥のだりあさんも楽しそう!

470コレはたこ焼き。
ナニが出て来るかはわからない実に緊張感あふれるナンバーだ!

480ドラムの人もよろこんでる!

490コレはグリコ。
他にも「桜」だの、「しゃちほこ」だの、「招き猫」だの、「人形焼き」だの…盛り上がることこの上なし!
何となく幼稚園でやるヤツに似てなくもない気がするが…。

500続いての曲は「闘争本能」。
まさに闘争本能丸出しのような瑠海狐さんのようだが、本当は実に腰が低くて丁寧な方だ。
やっぱりね、そういう人じゃないとバンドなんて23年も続かんて!

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ベースが2人というのは珍しい編成だが、いわゆるベースの役割は雅己さんが担当していて、Syoiくんはもはやキーボード、もしくはバリトン・ギターを弾いている…と考えた方がいいかも知れない。
そして、那都己さんのギターとカラフルなコンビネーションを生み出す。
あ、なんか「さん」づけと「くん」づけが混同しているけど、落ち着くまで待っててね。

430
剛速球の連続で投げているかのような演奏は一時も目を離すことはできない!
そして、もちろん雷のようなMarshallサウンドからも!

510イヤ~、また楽しみが増えたわ~。
終演後、瑠海狐さんに「犬神サアカス團と共演すればいいのに!」なんて話をしていたら、ナント、早速来月そういう企画があるとのこと。
1月18日高野馬場CLUB PHASEだ!
コイツぁ春から縁起がいいねェ~。
520ARESZを見てて思ったんだけど…。
ま、普段から「人間、『毛』じゃないよ、『気』だよ!」なんて強がりを言っているけど、ロックは『毛』だね~。

530イヤ、「毛」があるとか、ないとかじゃなくて、長いかどうか…ということ。
ヤッパリさ、ロックたるものロング・ヘアを振り乱して情熱的に音楽を奏でないと雰囲気が出ないよね。
だってそういう音楽なんだもん。坊主が袈裟を付けるのと同じで、ロックの場合はロングヘアが正装なんだよ。

540ナニが言いたいのかと言うと、髪の毛伸ばして手入れするだけでも大変じゃない?
手間と費用をかけてそんな面倒なことを音楽のためにやるのは、やっぱり一流のエンタテイナー精神であると考えるワケよ。
若者よ、毛はせいぜい生えているうちに伸ばしておきたまえ!
無くなったら染めるどころか、伸ばすことだってできないんだぞ!

550ARESZ、ごめんなさい!期せずして毛の話になっちゃった。
イヤ皆さん、あんまり立派なお髪だったものですから…つい。
次回もメッチャ楽しみにしています!

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official web site of ARESZ

550v<後編>につづく

(一部敬称略略 2016年12月16日 六本木 新世界にて撮影)

2016年12月26日 (月)

TERRA ROSA 〜PRIMAL TOUR 2016〜 その起源「Battle Fever」から今へ

2016年もあとわずか!今年も早かったね~。
この年の瀬でMarshall Blogもダラダラやっているのかと思ったら大間違いだよ。
The Yardbirdsは悲しいぐらいウケなかったからな…。我ながらいい記事だと思ったんだけど、またしても洋楽の弱さを実感してしまったような気がする。
今日のはスゴイんだから!
誰も切らないかと思っていたら、突然「2」が4枚出て来るようなもんだ。
「え~!まだ持ってたの!」と誰もがビックリするようなカード…それはTerra Rosa再結成公演のレポート。

  

今回の再結成に当たっては東京・名古屋・大阪で3回のライブを開催。
今日レポートする東京公演は、たった3回しかないライブのウチの1回を見逃すまいと、ファンが大勢詰めかけ、会場内に入りきらなかった多くの人がロビーのモニターでパブリック・ビューイングを余儀なくされるほどの盛況ぶりであった。
筋金の入った剛健なロックを待ち望んでいるリスナーがいかに多いことかを裏付ける象徴的な光景だったのではなかろうか。10v今回のツアーに選ばれたレパートリーは、1984年のデモテープ『Terra Rosa I』と翌年のデモテープ『Terra Rosa II』に収録されていた曲、加えてその後のYOUさん在籍中の1986年に作った曲を中心に構成された。
さらに、その後の岡垣さん、三宅さんの作品もいくつか織り交ぜられた。
題して『PRIMAL TOUR 2016〜 その起源「Battle Fever」から今へ』。
「Battle Fever」はTerra Rosaの最初のオリジナル曲のタイトルだ。

20今回のメンバーは…
赤尾和重
現在はMarshall Blogで東京でのライブを毎回ポートしているKURUBERABLINKAで活躍中なのは皆さんもご存知通り。
A-K-A-Oの綴りから先日の「Marshall Blogの1000回記念メッセージ」特集でもトップ・バッターでご登場頂いたことは記憶に新しい。

30v岡垣JILL正志
Terra Rosa総帥の岡垣さんもついこないだAPHRODITEでMarshall Blogにご登場頂いた。もちろんJILL'S PROJECTでも何度もお出まし願っている。

40v足立YOU祐二
YOUさんも過日「3 tea 3」というトリオをレポートさせて頂いたばかり。

50v以上の元Terra Rosa組をサポートするリズム隊が…
MASAKI
CANTAで気炎を吐いているMASAKIさんもMarshall Blogのおなじみのベーシストだ。

60vそしてドラムが売れっ子、佐藤潤一

70v東京公演ではYOUさんはMarshallを使用。

80JVM210Hと1960A、1960BでTerra Rosaのギター・サウンドをクリエイトした。

90YOUさんから頂戴したピックみたいな。

100今回のツアーのために制作したワン・オフ・ピックだ。

110今回のような選曲は初めてというステージのオープナーは、1985年のデモテープ『Terra Rosa II』に収録された、Terra Rosa初期のギタリストであるシマユウジ作の「A HELL RAY」。

120_hr壮大なイントロから猛烈に疾駆するドライビングチューン。

130vファンにはおなじみのナンバーゆえ、サビでは大合唱!
会場はすさまじい熱気!
150v
シャープなギター・ソロにドラマチックなキメが連なるあたりが何ともいえない快感!
140
さすが百戦錬磨のツワモノ・リズム隊。

150完璧なメタル・フィーリングでTerra Rosaの音楽を律動させる!

160続いてはデモテープ『Terra Rosa I』から「BEWARE」。

9_img_0185 岡垣さんのペンによるヘヴィなナンバー。

Img_0366やっぱりこういうリフ曲ってはいいね。
私の中ではこういうタイプのロックこそ「Rock」と定義づけられている。
もちろん、そうしたリフはMarshallで奏でられなければならない。

Img_0219 「アルバムに入っていないYOUの名曲がたくさんあるので楽しんでね!」
冒頭に記した通り今回の再結成では、1999年に『Primal』と題された未発表音源集にまとめられたデモテープ時代の曲の演奏が中心になっている。
実に7割近くがYOUさんの作品だ。
またそのアルバム『Primal』にボーナストラックを加え、『Primal Plus』として今回再発売された。

180vMCをはさんで「I WILL LOVE YOU AGAIN」。
デモテープ『Terra Rosa II』に収録されていたYOUさん作のややポップなナンバー…といってもそこはTerra Rosa。
170_iwly

和重さんのシャウトが爆発するハード・チューンに仕上がっている。
1986年、この曲で「ロッキンF」誌のアマチュアバンド・コンテストのグランプリを獲得することになった。
200v
ここでもYOUさんの華麗なソロが炸裂!

190v_dc「Dreaming Cooler」も典型的なリフ曲。
「リフ曲」というのはギター・リフに歌のメロディを乗せて作られた曲、という意味で言っている。
今は「フレーズ」とほぼ同義で「リフ」と言う言葉が使われているが、以前は「リフ」というのはイントロだけではなく、歌の中でも奏でられ続けているスタイルを指した。
我々が若い頃は、そういうリフ曲の最強のお手本がUFOのMichael Schenkerの作る曲とされていた。
「Rock Bottom」でも「Natural Thing」でも「Mother Mary」でも歌のバックはずっとギター・リフでしょ?
若い人の演るロックにはギター・リフを持つ曲がないので、「リフ曲」が存在せず、それも我々の持っている「ロック感」に大きな食い違いを生じさせている。

Img_0141 70年代はこういうタイプの曲を日本語で演るバンドってのはほとんど見かけなかった。
カッコいいリフのメロディが思いついても、それに日本語の歌詞をうまく乗せるのがムズカシイからだ。
そこへいくとこの曲はどうだ?
まるで英語ように自然に歌詞が曲に乗っているではないか!
日本語によるハードロックのひとつの完成形といってもよいのではなかろうか。

210「ここからの3曲は、デモテープにも入っていない、ライブで数回やっただけの幻の曲です。YOUと最後にやった目黒鹿鳴館のライブでもやった思い出の曲たち」…もちろん3曲ともYOUさんの作曲。

Img_0206 …と紹介されて演奏したのはまずスローな16ビート・チューン、「Go Alone」。

210_ga続いて「Merry Lady」。

220_mlこの曲ではMASAKIさんのベース・ソロを大フィーチュア!

230vCANTAではおなじみのやかんパフォーマンスも披露!

240CANTAでは見慣れたこの光景だけど、ヨソで見るとまたゼンゼン違う印象を受けるから不思議だ。
もちろんMASAKIさんの一流のパフォーマンスだからして初めてコレを見る観客も大喜びだ!
また「ひとりハチャトゥリアン」とか見たいナ。

250このセクションの最後は「ADAGIO」。

Img_0026
今回、唯一のバラード。
和重さんの声で聴くバラードの味は格別だ。会場内のお客さんにはもちろん、ドアを隔てた外の連中にもこの和重さんの情感が突き刺さったハズだ。
性別を問わずロック・ボーカリストの最高峰のパフォーマンスだ。
そういえば、和重さんと話していた時のこと…。
和重さんはCDジャケット等への表記では必ず「Vocals」と複数形にされているのだが、「アレ、ボーカルって、英語では'vocals'って複数形になりまっしゃろ。ボーカルひとりでも必ず複数形ですやん。アレはナンで複数にせなあきまへんのやろう?メッチャ不思議に思てまんねん!」
ま、もちろん実際はこんなにディープな関西弁をお話になる和重さんではないが、関東の人間からするとこういう風に誇張したくなりますねやんか。
で、調べてみた…この複数形、確かにそうなの。
Frank Zappaのライブ音源には必ずと言っていいほどメンバー紹介が収録されているんだけど、(コレは私の勝手な想像だけど、あれほど難しい自分の曲を完璧に演奏してくれるバンドメンバーたちに敬意を表し、録音物に彼らの名前を残そうとしているのではなかろうか?)
「On guitar and vocals, Ray White!」とか「Tonight featuring dynamic Napoleon Murphy Brock on tenor saxophone and lead vocals」とかやってる。
このように必ず「vocal」は「vocals」と複数形にしているワケ。
理由は即座にはわからなかった。
もちろんその理由が気になるのは当然のこと。こういう質問は大歓迎だ!
そこでLongmanの英英辞典で「vocal」という単語を調べてみると、「楽器を奏でるのではなく、音楽を歌って奏でること」というような説明があって、名詞の「vocal」は「通常複数形」…と記されている。
そうかも知れないけど、コレじゃラチが開かない。
ってんで、早速英語の本場、イギリスへメール。
赤ちゃんの時から60年近く英語を話している私の友人曰く、「ボーカルというのは広範囲にわたる芸術様式と理解されているからではなかろうか?すなわち、リード、バッキング、スピーキング等複数の要素をいっぺんに'vocals'というカプセルに押し込んでいるので複数系で扱うのだと思う」ということだった。
思いっきり端折れば、「そういうものだから仕方ない」という風に説明せざるを得ない話とも言えそうだ。
加えてキーボードも同じ理由で必ず「keyboards」と複数形にするのが普通とのことだ。
そういえばZappaは鍵盤楽器プレイ―ヤを紹介する時にも必ず「on keyboards」ってやってるわ。
もしかしたらこのふたつの言葉は教会音楽にも関わっていて、古来より複数形で扱うことになっていたのではなかろか?コレは私の想像ね。
バシッとした回答ではないけれど、和重さんにはコレを答えとさせて頂いた。
これからも和重さんにはガンコに複数形のクレジットを貫いて頂きたい。

270v岡垣さんのキーボーズ・ソロ。さっそく複数形にしてみた!

280オルガンやシンセサイザーの鍵盤の上を指が滑り行く。そのなめらかなサマはまるで手品のようだ。

290vクライマックスは足のグリッサンド!
コレもAPHRODITEやJILL'S PROJECTで何度も観ているシーンだが、今日はやっぱり少し違って見える!

300vデモテープ『Terra Rosa II』から「MY POOR SOUL」。

310v_mps先の「DREAMING COOLER」同様、やや暗めのリフに和重さんのヘヴィなボーカルズが重なる。
ホント、このバンドってリフ曲が多かったんだね~。ブリティッシュ・ロックの象徴だよ。

320vMASAKIさんは日頃より「Terra Rosaが再結成する時はゼヒやらせて欲しい」と岡垣さんに頼んでいたらしい。
それだけにいつもとはまた違った気合がビンビン伝わってくる。

3251986年のYOUさんの曲、「HOLY ONE'S HOLY VICE」。
グワ~、ノッケから手に汗握るスリリングなソロ!

330_hohv歌詞は核兵器の製造者に向けたものだ。
KRUBERABLINKAの和重さんの歌詞を読んでいるとすごくおもしろいんだ。
曲と十二分に渡り合えるパワーを持ってるんだな。
和重さんはこの曲の他にも、テラローザでは「火の中に影」、KRUBERABLINKAではライブでもよく取り上げている「業火」など、反核や反原発をテーマにした歌詞を提供している。
それにしても「もんじゅ」ね~。
私は原子力関連の仕事に直接携わったことはないが、「核燃料開発事業団」や「高速増殖炉」、「実験炉、実証炉、実用炉」、「炉底部」なんて言葉は社会人になって初めて耳にして、そして覚えさせられた言葉だ。
この辺りの話はまたいつか…。

340vコレも私には見慣れた光景!

344v続けて「DO WORK」。
1986年リリースされた『Go To Eat』というメタルのオムニバス・アルバム(廃盤)に収録されたYOUさんの曲。

Img_0240 ノッケからスゲエ歌声!
コレがTerra Rosaのやり方か~!

S41a0110 この曲もカッコいいな~。
なんかこの曲ではYOUさんのギターにUliの影響を垣間見てしまうのは私だけなのかしらん?

Img_0084 人気曲でありながらCDでは手に入らなくなっていた曲。
そこで、この記事の最初の方でも触れたこのツアーで販売するために作ったアルバム、『Terra Rosa Primal Plus』にリマスタリングしてめでたく再収録された。
こういうのはチャンと残しておいた方がいいにキマってる。
この『Primal Plus』には他にも『デモテープI』と『II』が収録された1999年リリースのCD『Primal Rare Tracks(廃盤)』の全曲と、1986年当時の未発表ライブ音源などが収録されている。ぎょうさん入っとる!

Ppさて、後半のMCでは、「私はギタリストではないけれどMarshallが大好きで…」と、私がMarshall Blogの取材に入っていることを和重さんがアナウンスしてくれた。
ビックリするほどの「シゲさん」コールの中、ステージに上げてもらったので、皆さんをパチリ!
どうもありがとうございました~!
ハイ、写っていらっしゃる方、徹底的に今日の記事を拡散願いまっせ~!

345「次は新曲だよ~!」

350_tc

今回のツアーのためにYOUさんが書き下ろしたナンバー、「TO CODA」。

S41a0175 変拍子のインストっぽい曲に歌が乗ってるようなスタイル。

360今までのテラローザにはないテイストということだけど、やっぱりTerra Rosaだけの味わいがにじみ出ていますな。

370v東京公演もそろそろ終わりに近づく。コーダに入った!
曲は「FANTASY ROCK'N'ROLL」。

380_fr岡垣さん作のノリの良いロックンロール・ナンバー。
コレもライブでしかやっていなかった曲。
にもかかわらず、お客さん、大盛り上がりだったね~!

390vYOUさん作の「THE ENDLESS BASIS」が続く。
YOUさんがテラローザを脱退した後、三宅庸介が加入してリリースしたアルバム『The Endless Basis』のタイトルチューン。

400v_ebTerra Rosaで一番有名になった曲でもあり、一番の人気曲でもある。
シャッフル・ビートでメロディアスなナンバー。

410サビはお客さんと大合唱だっ!

Img_0360 本編の最後に選ばれたのは今回のツアーのサブ・タイトルにも謳いこまれている「BATTLE FEVER」。

420_bfデモテープ『Terra Rosa I』に収録された岡垣さん作の曲。
テラローザの最初のオリジナル曲でもある。
440v
今日の本編の最後を飾るにふさわしい、Rainbowの「Kill the King」を彷彿とさせるブッ速い2ビート。
ボーカルズとインスト連の組んずほぐれつの激演に演者、観客ともに昇天!
Terra Rosaの中でも人気が高いというのもうなずける!

430vこうして本編全16曲を終了させた。

450ツアーTシャツに着替えてのアンコール。

460vまずは「SASE」。

470v_oslメジャー最後のアルバム、『SASE』のタイトル・チューン。岡垣さん作のヘヴィな2ビートだ。
みんなTシャツなのに岡垣さんだけがよりヘヴィ・デューティな衣装になってる!
これぞ様式美!コレが美学!

560v
続いては「ONE OF SECTIONS 'LAP'」。

500_fff

『The Endless Basis』収録の当時のTerra Rosaとしては、いわゆる「様式美」とは少し異なるタイプの曲。
490
三宅さんの作曲で、リフやコード進行に三宅さんらしさが表れているとのこと。
今回この曲が取り上げられたのはMASAKIさんからの「ゼヒこれをやりた~い」とリクエストがあったため。
和重さんも大好きな曲のうちのひとつだそうだ。

480メンバーはステージを降りたが、アンコール鳴りやまずで再び登場!
最後の最後もYOUさんの曲で締めくくった。

580vデモテープ『Terra RosaII』と『The Endless Basis』に収録された「FRIDAY'S FREE FAIR」。

590vこれも「THE ENDLESS BASIS」同様にTerra Rosaのライブにはなくてはならない超人気ナンバー。

600v待ちわびていら人気曲の登場に煮えたぎった客席から大きな歓声が上がった。

610ん~、カッコよかった~!
やっぱりこういうロックがなければ「Rock」は成り立たんて!
時代が変わりゆく中、我々世代が密かに愉しむのもよかろうが、若い人たちにもこのカッコよさをわかってもらいたいナァ。
レコードだのカセット・テープだの、懐古趣味が横行する中、ナゼ音楽だけは過去を見つめ直そうとしないのだ?
モッタイナイ話だ。
  
こうしてTerra Rosaは11月26日の大阪公演を終了し、再び封印されたのであった。

S41a0045(一部敬称略 2016年11月3日 新宿ZIRCO TOKYOにて撮影 ※記事制作協力:赤尾和重)

2016年12月22日 (木)

The Yardbirds Live in Japan

今日はナント、The Yardbirdsのライブ・レポートをお送りする。
まさか、Marshall BlogにThe Yardbirdsが登場する日が来るなんて想像したこともなかった。
The Yardbirdsは、日本では何しろ「Eric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Pageを輩出したバンド」というのが枕詞になっていることで知られているよね。
私も中学の頃にはそう習った。
その次には「Led Zepplelinの前身」という認識か…。
私の世代はそういう周辺の情報だけで、実際にThe Yardbirdsの音を聴き、親しんだという人はあまりいないのではなかろうか。
「Train Kept a Rollin'」の話は出るにしても、「Shapes of Things」や「For Your Love」の話など友人としたことがない。
…というのも、あの当時は何となく、どういうオリジナル・アルバムが存在しているのかハッキリしていなかった印象があるんだよね。The Whoもそうだった感じがする。
今でこそ『Roger the Engineer』なんて名前を時折聴くものの、あの頃は発掘音源みたいなアルバムが喧伝されていて、「三大ギタリストが在籍していたバンド」には興味があっても、私のようなロック聴き始めの子供にはとてもとっつきにくい存在だった。
『Five Live Yardbirds』とか普通に売ってたのかな?
ところでこの「三大ギタリスト」というのは日本だけの言い回しだ。以前にも書いたが、イギリス人はこんなことを言わない。
有吉じゃないけど、そもそも日本人は「三大」が大好きだからね。私も好き。だって便利だもん。
それでも、当時は「イヤイヤ、イギリスで三大ギタリストといったらChris Speddingが入るらしいゼ」なんて話があった。
ああいうのは一体誰がいつ言い出すんだろうな…。
で、フト気が付いたのは、「三大ドラマー」とか「三大ベーシスト」っていうのがないでしょう?
要するにこういうものは、単なるレコード会社の宣伝惹句だったのではなかろうか?
本当は「三大」の前には「日本でレコードが売れる」という「( )」がついていたということ。
ま、勝手に決めつけることを許してもらえるなら、The Yardbirdsという存在がそういう宣伝材料に使われたに留まった感があるのは残念なことだ。
もうオリジナル・メンバーがひとりしか残っていないにしろ、今回彼らのショウを観て、実にいいバンドだったことを再認識した。

9_2img_2737 さて、このThe Yardbirds、そのバンド名がCharlir Parkerのニックネームから取られたということがよく知られている。
やっちまったな~。
Charlie "Yarbird" Parker…とくれば脱線せずにはいられない。
どこから話そうか…Parkerといえば「モダン・ジャズの巨人」。
そもそも「モダン・ジャズ」とはナニかと言うと、「モダンなジャズ」ということ。
それ以前のジャズを「オールド・ジャズ」と呼ぶかと言えばそうではなくて、ひとことで言い表す習慣がなく、「スウィング・ジャズ」とか「ディキシーランド・ジャズ」とか、時代に沿って生まれた種類ごとに呼んでいるのが普通だ。
翻って1940年代に発生した「ビ・バップ・ムーブメント」からこっちのジャズを総称して「モダン・ジャズ」という。
ビ・バップという音楽は、それまでのジャズとは完全に趣を異にし、使用するコードやアドリブ・メロディを複雑にして、さらにリズムを洗練させ、それまで「ダンスのための音楽」だったジャズを鑑賞するための「芸術」に昇華させた。Charlie Parkerを中心に、Dizzy GillespieやThelonious Monkらが作ったと言われている。
「アメリカ人最大の発明のひとつ」とジャズがされているのも、このモダン・ジャズ化をもってして言わせしめたものだろう。
…なんてことを知ったのは、すっかりジャズにハマってからのこと。
Charlie Parkerに思い入れがあるのは、実は生まれて初めて自分のお金で買ったジャズのLPがParkerの有名な『Jazz at Massey Hall』だったからなのね。
18歳の時のことだった。
ジャズのことなんか何も知らなかったが、帯に「名盤」と謳ってあったので試しに買ってみた。
それと、年上の好みのお姉さんがジャズの愛好家で、Parkerの名前をしきりに出していたので、話題を合わせるための素材ということもあった。
その女性は当時二十歳をチョット過ぎたぐらいだったのに、Mingusだの、Bud Powellだの、Max Roachだの、ずいぶんジャズを聴き込んでいるようだった。今にして思うとスゴイな。
さて、その頃時代は80年代に入り、ロックがお子様向けのポップになってしまい、おもしろくもなんともなくなってきた時分だったので、まったくジャズは理解できなかったけどすごく新鮮に響いた。
その時はまだロック・バンドをやっていたが、心はグイグイとジャズに引っ張られて行き、そのバンドを辞め、大学のビッグ・バンドに入れてもらった。
今でも「ベスト・ヒットUSA」に登場していたようなバンドの80年代のロックはまったく受け付けない。
もしかしたら、心のどこかで70年代のロックを抹殺し、私からロックを奪った「凶悪犯」と思っているのかもしれない。
でも、ジャズに転向したからこそ、今、ロックを落ち着いて俯瞰できるようになっているような気もする。Charlie Parkerのおかげだ。
ちなみに、ナゼParkerのアダ名が「ニワトリ」かというと、子供の頃、鶏の手羽先かなんかバッカリ食べていたから…とロス・ラッセルという人が書いた伝記『バードは生きている』に書いてあったような記憶がある。(この伝記と、Art Pepperの伝記『ストレート・ライフ』はメチャクチャおもしろいよ)
コレがその初めて買ったジャズのLP、『Jazz at Massey Hall』。
今でも時々聴いている。

10cd「ジャズなんか興味ない!」なんて人にはチャカはどうよ、チャカ・カーン。
この『What Cha'Gonna Do for Me』ってアルバムに「And the Melody Still Lingers On」って曲が入ってるでしょ?
この曲は上述のDizzy Gillespie他の作ったスタンダード・ナンバー、「A Night in Tunisia」に歌詞を付けたものなんだけど、聴きどころは真ん中のブレイクの部分だ。
目の覚めるような素晴らしいアルト・サックスのソロにHerbie Hancockがユニゾンでシンセサイザーの音を重ねるというもの。何というクールなアイデア!
初めて聴いた時にはもうParkerを知っていたので、最初に聴いた時は興奮したな~。
このアルト・サックスのソロを吹いているのがChrlie Parker。

20cdその音源は『Charlie Parker on Dial』の第一集に収録されている「Famous Alto Break」というもの。「もの」というのは「曲」になっていないから。
Parkerは常にファースト・テイクの出来が一番ヨカッタと言われているが、このソロも一回目の録音の時に飛び出した。曲は当然「A Night in Tunisia」。
残念ながら他のメンバーがミスをしてしまい、そのテイクは使われることがなかったが、完全無欠のあまりにも素晴らしいソロだったので、そのブレイクの部分だけが残され、我々も聴くことができるというワケ。
こんなこと全音楽を通じても他にないでしょう?それだけスゴイ演奏だった。
セカンド・テイクの時に、制作スタッフから「さっきみたいなソロをまた演ってくれ」と言われたが、Parkerは「もうあんなのはできないよ!」と答えたという。本当にアドリブで吹いていたのだ。
最高の音楽家であったが、私生活でのParkerは麻薬とアルコールに溺れた最悪の人間だったらしい。
まだ、書きたいことはあるけど、気が済んだので「脱線」終わり!
ご高覧ありがとうございました。

30cdさて、さてさて、バンド名の由来もわかったところで、そろそろブリティッシュ・ロックの黎明期を支えた偉大なバンドのライブにご招待することにしよう。

40v会場のCOTTON CLUBにお邪魔したのは来日公演の最終日の最終セット。

50ドラムはJim McCarty 。
唯一のオリジナル・メンバー。

60リード・ギターはJohnny A.。
私のお友達。彼の招きで取材をさせてもらった。

70vボーカルとサイド・ギターのJohn Idan。

80vハーモニカとパーカッションのMyke Scavone。

90xベースはKenny Aaronson。

100v当然、JohnnyとはMarshallつながり。
去年の2月の単独来日公演の時からの付き合いだ。
彼も私の写真をすごく気に入ってくれてね~。

110バックラインは前回同様、1962 Bluesbreakerを2台。
彼は母国アメリカではハンドワイアードの1962を使用しているが、コレはレギュラー品。

120冒頭に書いたように私もThe Yardbirdsは詳しい方じゃないからね…どれだけ知ってる曲が出て来るか…。
1曲目は「Heart Full of Soul」。

130_hfs決して知らなくはないJohnnyが奏でるイントロのメロディ。
1965年のアルバム、『Having a Rave Up with the Yardbirds』から。
オリジナル・レコーディンでギターを弾いているのはJeff Beckだ。

140作曲はGraham Gouldman…そう、10ccの!
この曲はイギリスのシングル・チャートで2位をマークした。

150v続いてはMykeのハモニカがカッコいい「Drinking Muddy Water」。
あ、Marshall Blogは「ブルース・ハープ」という言葉を使いません。ナンとならば、この言葉はドイツのハモニカ・メーカーの登録商標だから。
コレはチョットしたトラウマやね。あ、大した話じゃないから気にしないで!
170v
Johnnyがボトルネックを披露。
1967年のJimmy Page参加したアルバム、『Little Games』のB面の1曲目。
The Yardbirdsのオリジナルだけど、コレ、「Rollin' and Tumblin'」にソックリなんだよね。
だからタイトルも「ドロ水を飲む」か…。

160_mw次の「I'm not Talking」は1965年のThe Yardbirdsのアメリカ制作盤『For Your Love』に収録されている。
このアルバムはEric Claptonがギターを弾いている曲とJeff Beckが弾いている曲が混在していて、イギリスではリリースされなかった。
反対に母国でのファースト・アルバムにしてMarqueeでのライブ盤の『Five Live Yardbirds』はアメリカでは発売されなかった。
Eric ClaptonはThe Yardbirdsが大ヒット曲「For Your Love」に手を出したためバンドを離れたと聞いたことがある。
つまり、「For Your Love」はポップ・ソングであり、Claptonはブルースから離れたくなかったのだ。
そして、この「I'm not Talking」はJeff BeckのThe Yardbirdsでのレコーディングの最初の3曲のうちのひとつとなった。
ちなみにこの曲の作者は先ごろ亡くなったMose Allisonだ。
The Whoで有名な「Young Man's Blues」を作ったジャズ・シンガー/ピアニストね。

180_intマァ、Jimのドラミングのパワフルなこと!
1943年生まれだから73歳だよ!
楽屋でもとても愛想がよくて、すごく感じのいいオジイちゃんだった。
私と目が合うなりウインクしてニコニコ微笑みかけてきてくれる。ウインクはしないまでも(できない)、そういうオジイちゃんになりたいもんだ。
そして、そのオジイちゃんがEric Clapton、Jeff Beck、Jimmy Pageと一緒にバンドをやっていたなんてね~。
Keith Relfも入れとくか…あんまりRenaissance得意じゃないけど    。

190v『Having a Rave Up with the Yardbirds』から「Mr. You're a Better Man than I」。
イギリスを代表する名門バンド、Manfred MannのMike Huggの作。
あのね~、ビックリしちゃったのは…あ、その前に私はこの『Having a Rave Up with the Yardbirds』ってアルバムは持ってないんだけど…この曲、どっかで聴いたことがあるな~と思って、ハッと気が付いた。
サンハウスだ!
『有頂天』に入っている「風よ吹け」の原曲はコレ。いい曲だな~。
あ、Manfred Mann好きです。
このタイトル。「Than」の後が主格の「I」になってるでしょ?中学の英語の授業で教わったように、これは「You're a better man than I am」の「am」を省略しているから主格の「I」になっているんだけど、これは最早イギリス式のようだ。
アメリカ人はココを「I」ではなくて「me」と言う。イギリスでも口語においては「me」でもいいとされているが、正しくは「I」。アメリカ人は「me」だけでブッちぎっちゃうようだ。
なんで、こんなことをいうのかと言うと、「I」か「me」かでアメリカ人の若い女性とケンカしたことがあるのよ。
彼女は私に「ゼッタイ間違っている!」とキツく言っていたけど、旺文社の文法書のロングセラー『ロイヤル英文法』には「I」が正しいって書いてあるんだよ!
チャンとした英語をしゃべりやがれ、アメリカ人!子音もチャンと発音しろ!おかげでイギリス英語がゼンゼンできん!…ナンチャッテ。
あ、ちなみに現在のThe Yardbirdsのイギリス人はJimだけです。
Levon Helmと同じ状態だ。 「アメリカの心」、The Bandはカナダ人のバンドだ。

200_mybベースのイントロが印象的なのは『Roger the Engineer』のオープナー、「Lost Women」。

210_lwこれまたイキのいいドライビング・チューン。
Jimは絶好調だ!

220vヒット曲「Shapes of Things」のB面、「New York Cuty Blues」のイントロはLed Zeppelinの「Since I've Been Loving you」とまったく同じ。
でもオリジナル・レコーディングのギターはBeckだよ。
おもしろいね~。

230v_ny飾り気のないドブルース!

240Johnnyのギターがうなりまくる!
彼のギターってとてもシンプルで破壊力があるんだけね~。
分厚い段ボールの束を力を込めて一発で引きちぎっちゃうみたいな…でも繊細さも忘れていない。

250Jimmy Page期の「Little Games」。
コレいい曲だよね~…と思ったらヨソの人の曲だった。

260_lgココでリズム隊をフィーチュア。
まずはKennyのベース・ソロ。

270そして、打楽器チーム。

280Jimと…

290Mykeのパーカッション・バトル!
見せるな~。

300vUKチャートの第3位まで上昇した1966年のシングル、「Shapes of Things」。
コレもいい曲だ。
なんだ、結構知ってんじゃんね~、私も。

310_sotこの曲を初めて聴いたのはJeff Beckの『Truth』だった。
そして、Nazareth。
カッコよかったな~。Nazarethは1979年の来日公演でも演ったような気がするよ。

S41a0071 今度はJimがボーカルを担当。
「ア~ハ~」とお客さんとのコール&レスポンスで盛り上がった曲は「Back Where I Started」。

330_bwここでもJohnnyはボトルネックを披露した。

340ドラムだけでなく歌も披露したJimだが、この年季の入ったドラミングは誰もマネできないだろうな。
本物のブリティッシュ・ロックの礎だからね。

350v「Over, Under, Sideway, Down」。
この曲のメロディは「Jeff's Boogie」に使われているヤツね。

360_ousdFlower Travellin' Bandの「Satori PartII」はこの曲に影響を受けたのかな?

370Clapton期の『Five Live Yarbirds』からもう1曲。
Howlin' Wolfの「Smokestack Lightning」。
Mykeのハモニカが荒れ狂う!

380_sslJonnyは舞台のヘリに座ってプレイ。

390サービス精神も旺盛な人だ。

400目の前のお客さんにジックリと語り掛けるその言葉は「ブルース」だ。

410Jimがメンバーを紹介。

420vココで「サイケデリックの曲」と紹介されたのは「For Your Love」。
The Yardbirds最大のヒット曲。
NMEのチャートで見事1位を獲得。作者は10ccのGraham Gouldman。
イントロのハープシコードを弾いているのはBrian Augerなんだってね。

430_fylこの最大のヒット曲を金科玉条にフィーチュアするのかと思ったら…

440v惜しげもなく「Happenings Ten Years Time Ago」をメドレーで演っちゃった!
邦題は「幻の10年」。
私は中学生の時にTodd Rundgrenの『Faithful』でこの曲を知った。

450発表は1966年。
Jeff BeckとJimmy Pageがツイン・リードをやった唯一の録音。

460vそして、もう一発!
コレが本編最後の曲となる。

470「Dazed and Confused」…Led Zeppelinのアレね。
奇しくもLed Zeppelin、4日連続!うち「Dazed」2回!

480Johhnyはヴァイオリンの弓の代わりにE.Bowを使用。ま、「弓」ということでは同じか…。

490もちろん渾身のソロも!

500アンコールはキマってるわね。
「Honey Hush」、あるいは「レモンティー」…イヤイヤ「ブギウギ列車夜行便」だ!

510_tkrホンモノが観れてうれしかったな!

520総立ちのお客さんを前にメンバーも全員エキサイト

530もうコレが最後の最後だからね!

540そして、さらにもう1曲、『Five Live Yardbirds』に収録され、後にJeff Beckで録音しなおしたBo Didleyの「I'm a Man」を演奏して全公演の幕を降ろした。

550ナンダナンダ、知ってる曲がたくさんあって思いっきり楽しんじゃったよ~。
ブルースとロックが親子だった時代の音楽…やっぱりこういう音楽は問答無用でイイな。
今、ロックは最大の親不孝をしてるからね。まったくの他人丼だ。

560楽屋もそうだったんだけど、メンバーの皆さん、実に楽しそうだった。

 
Yardbirdsの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEB SITE(英語版)

Johnny A.の詳しい情報はコチラ⇒Driven(英語版)

570それと、お名前もうかがわなかったんだけど、ツアーマネージャーのこの人が信じられないぐらいいい人で…メッチャご親切にして頂いた。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
そして、Johnnyありがとう!またね~!
I'm sorry for my rudeness.  I didn't have the name of Mr. Tour Manager who  looked after me very kindly. 
Please let me send big thank to him in this occasion.
And thank you very much Johnny!  See you soon!

S41a0003(一部敬称略 2016年10月23日 COTTON CLUBにて撮影 )