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ライブ・レポート Feed

2018年9月27日 (木)

真夏のJazz葉山 2018~杉本篤彦BAND featuring そうる透

 
寒い!
ナンダこの寒さは…冬じゃん?
あんな狂ったように暑かったのにもうコレだもんね。
そりゃ「暑いより寒い方がいい」とは何度もココに書いているけど、こんなに急に寒くはしてもらいたくないもんですな。
残暑と秋をスキップした感じだね。
「朝晩はラクになったね~」なんてセリフが出て来る場面がゼンゼンなかった。
それなのにまだデカい台風が接近しているとか…。

10なんて毎年同じことを書いているが、同じ人間が書いているので仕方ない。

20今年も8月の上旬は葉山。
今回で5回目。

30
早稲田、慶応、日大、独協、中央、成蹊、東海…日本のヨットの発祥地とだけあって、葉山を拠点としている大学のヨット部が多く、合宿所がひしめいている。
40v 我が母校もドカっと中心地に合宿所を構えている。50ヨットか~。
やってみたいと思ったことないな。
乗ったことすらないわ。
吉村昭ファンの私のせいでMarshall Blogには漂流した人の話が出て来るが、今朝そんなニュースをやっていたね。
夜間、魚を獲るために海面に光を当てる仕事をしていた18歳のインドネシアの青年が乗ったイカダが突風で流されて漂流。
49日後、2,500km離れたグアム島沖で日本の船に発見されて一命を取り留めたという。
そもそもインドネシアの125km沖でひとりでこの漁をしていたのいうのだからスゴい。イカダには動力が付いておらず、もはやこの時点で漂流しているように思えるが…。
イカダには数日分かの少量しかなかったが、さすがプロだけあって青年は自力で魚を取って食料を確保。
漂流中、雨が降ったのだろうか、シャツを絞って水分を摂ったという。
しかしね、この話で一番驚くのは、この青年はこの漂流は3度目だったんだって!
学習しろよ!と言いたいところだが、こうでもしなければ生計が建てられない事情があるのだろう。
救出後、「もうこの仕事はしたくない…」と言ったそうだ。
そりゃそうでしょ。

60vそんな場所だから朝はヨットの練習に出向く学生さんでにぎやかだ。

45みんなで協力して船艇を海に繰り出す。

70vコレがこの後どうなるのかは知らない。

80ドンドン難民も押し寄せて来る…ウソ。

90蜘蛛を発見。
朝の蜘蛛はナゼ殺してはいけないか」についてはいつか書いた。

65そして、葉山のお楽しみ…

100鐙摺港の朝市。

1155回目ともなると、もうスッカリ勝手知ったるところ。
年々にぎやかになってきている。

120少しずつ出店も変わっている。

130しかし、変わらないのはこの行列。
パティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤという地元のケーキ屋さんのタルトを買い求める人の列。

1408時半から販売を開始するのだが、予め並んだ人の分だけで完売してしまう。
以前はひとりで複数枚変えたが、今はひとり1枚限定になってしまった。
ま、確かにおいしくてホールで1,000円はお買い得だろう。
それとケーキのハジッコの切り落とし部分を100円で売っているのも人気の理由。
150いつもこの朝市に十分間に合うぐらいの時間に来ているのは高速道路の渋滞を避けるため。
でも、盛大に時間を持て余してしまう。
そういう時はココ。
葉山御用邸の跡地に作られた「葉山しおさい公園」の中にある「葉山しおさい博物館」。

160御用邸の跡地だけあって今上天皇の即位記念碑も建っている。

170v中は冷房がキンキンに効いているし、人は滅多に入って来ないのでリラックスし放題。
館内には昭和天皇が寄贈(御下賜)された標本や葉山の海の生物に関する展示が施されている。
下は昭和25年に日本ヨット教会が当時皇太子だった今上天皇に献上した「オリンピア・ヨーレ」という形式のヨット。
美智子妃殿下とお乗りになったそうですよ。

180この時は特別展として化石の展示をしていた。

210 ダイオウグソクムシもいたよ。
コイツ、5年ぐらい食事をしなくてもいいんでしょ?
痩せるだろうナァ、5年も食わないと。

200vしかし、ナント言ってもココの魅力はコレ。

220素晴らしい庭園。

230PCを持ち込んで、時間が来るまでこの景色を前にしてMarshall Blogを書くのが実に気持ちいいのだ!

240そして、時間がくると今度は山へ。
葉山福祉文化会館へと移動する。

250今年もコレ!

260v今年のトップ・バッターは若きピアノとパーカッションのデュオ・チーム「Wataru y Takumi」。

270相澤亙
290vひごたくみ

280vたくみくんは以前に8回もこの舞台に立っている若きベテラン・パーカッショニスト。

300コルトレーンでおなじみのモンゴ・サンタマリアの「Afro Blue」。

310v定番「Spain」。
Ss41a0317もう1曲演奏したのはラファエル・エルナンデスのラテンの大スタンダード「エル・クンバンチェロ」。
ロック・ファンにはリック・ウェイクマンの『ヘンリー八世』の2曲目「Anne of Cleves」でおなじみのメロディだろう。

330たくみくんを見てて「パーカッションもカッコいいもんだナァ」と思ってしまった。 320vNATALもパーカッションやってますからね
…というよりも元々はパーカッションのブランドだから。

Snc5続いては常連のVakeneco。

Ss41a0404田近香子

340中島道博

350今までは元ミドリのベース、岩見のとっつぁんを交えたトリオ編成だが、今回はデュオで臨んだ。
オリジナル曲の他に「Danny Boy」などを取り入れ、フレームの大きなパフォーマンスを聴かせてくれた。

Ss41a0409 ステージにMarshallが登場。

370このイベントには付き物の司会者、晋道はるみさんのが紹介するのは…

380v杉本篤彦BAND featuring そうる透

390杉本篤彦

400v藤原美恵

Ss41a0620江口弘史

420vそうる透

430v杉本さんはMarshall。

440vココ数回お供をしているMarshallはJVM210Hと1936。
クリーン・チャンネルだけを使用。
Marshallの美しくパンチの効いたクリーン・トーンは杉本さんの強い味方だ。

450vオープニングは「Abordage~宮古湾海戦~」。

460スリリングなブッ速い4ビート!470杉本さんに続いて各人のソロがフィーチュアされた。

480v

490v

500v「宮古湾海戦」とは戊辰戦争の最後の戦いとなった、盛岡藩宮古村沖で発生した明治2年(1869年)の箱館戦争のうちの戦闘のひとつ。
劣勢に立たされていた旧幕府軍は新政府軍の主力艦に乗り込んでダッシュする作戦、すなわち「Abordage(アボルダージュ:英語ではBoarding=乗ること)」を決行したが失敗に終わった。
近代では世界でも稀に見る戦闘事例だったそうだ。
その新政府軍の艦隊を襲った旧幕府軍の軍艦が「回天」だった。
第二次世界大戦末期に決行した悪名高き海の特攻隊「回天」の名称はココから転用されている。
またしても吉村先生で恐縮だが、ホラ…ちゃんと書いていらっしゃる。
私の書架には入っているのだがまだ読んでいない。
今読んでいるのが終わったら次はコレを読むことにしよう。

Kaiten_3 「こんにちは!いつも出させてもらっています。暑いので休憩がてら聴いて下さい。
今のは土方歳三をテーマにした曲です」
歳三は宮古湾海戦に参加はしたが、生還し、その3か月後五稜郭の戦いで新政府軍に狙撃されて命を失った。
杉本さんは坂本龍馬のテーマにした曲にとりくんでいらっしゃる。龍馬の末裔の方と仲良くされているとか。
でもいいんですか?
佐幕派と討幕派の両方やっちゃって…。
私は江戸っ子なので佐幕派です。

510v次は杉本さんが「わかったよ!という曲」と紹介した「I Got It」。
550デューク・エリントンに「I Got It Bad」という曲があるが、それとは関係なし。
ゼンゼンGoodである。530v_igiこの曲も「Abordage」も最近作、『Tomorrow Land』に収録されている。
アルバムに収められたギターのサウンドはしすべてMarshallによるものだ。
いい音なのよ!

520その「いい音」を出している要素のひとつが杉本さん独特のツー・フィンガー・ピッキング。

535そしてこのシンプルな足元。
ケーブルだけ。
アンプのリバーブは使用するがエフェクターは一切なし。

540「学位を返そうかと思ってるんですよ…」
ココで日大のアメフト部事件についてひと言。
杉本さんは事件を起こしたクラブとは関係ないが、優れたアメリカン・フットボールの選手で、日大のOBなのだ。
「次の曲は怪人二十面相をテーマにした曲です。すごくいい曲なので聴き入らないでくださいね…大事に身に付けている貴金属が盗まれないように。
女性のハートも盗んじゃったりして!」
ナニ言ってんスか!

560v曲のタイトルはドンズバで「怪人二十面相」。

560v_tlシンプルだがタイトル通り怪しげなメロディを持ったテーマが印象的なワルツ。

570本気で女性のハートを盗もうとしているのか、よく取り上げる杉本さんの愛奏曲だけに、内容の濃いソロが展開する。

580v美恵さん、ピアノを弾き出すと感情移入が生半可でなくて、これはキースもビックリでしょう!

Ss41a0540ピアノの素晴らしさだけでなく、ピアニストにしておくのはモッタイナイぐらいの顔弾きが素晴らしい。
やっぱりこうでなきゃ!

Ss41a0449 ココでバラード。
『Tomorrow Land』を締めくくっているエリック・クラプトンの「Wonderful Tonight」。

590_wtハートウォーミングなんだよネェ、杉本さんのギターって。
この杉本さんのギターとシュレッド・ギターが「ギター」という地面でつながっているとは思えないよ。
そういえば、あの「♪あったかいんだから」っていうの見なくなったネェ。そろそろシーズンなんじゃないの?

600お客さんの中にスッカリ出来上がっちゃってる人がいて、杉本さんとのやりとりが面白かったんよ。

610最後も『Tomorrow Land』から「涙の向こうに」。

620_nm手拍子を交えたノリノリの雰囲気が楽しい!
いつもより盛り上がっていた感じがしたネェ。

630vコレいい曲なんだよ~。

640v今回は杉本さんのセリフ入りバージョン。
680途中で「Take the A Train」が引用され、各人の感情豊かなソロが交えられた。

650v

660

670v今年もウチの葉山はコレにて楽しく終了。
また来年楽しみにしています!
 
杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ

690

200 

(一部敬称略 2018年8月5日 神奈川県葉山町福祉文化ホールにて撮影)

2018年9月26日 (水)

黒門町のNATAL~Haruka Plays NATAL

 
今日は最寄りのJRの駅で言うと「御徒町」にある「JAM SESSION」というライブハウスから。
お隣の上野駅周辺も含めて、このあたりもライブハウスがずいぶん増えた。
子供の頃の御徒町というと、ナント言ってもモデルガンの「MGC」を指した。
「御徒町」の「徒(かち)」というのは、乗り物を使わないで歩くこと。つまり徒歩のこと。
江戸時代、江戸城や将軍の護衛をする、馬に乗ることが許されない下っ端の武士を徒(あるいは徒士)と呼んだ。
その徒に「御」がくっついて「御徒」。
今で言う御徒町駅のあたちにはその徒がたくさん住んでいたことから「御徒町」という地名になった。
だからこの地名は城下町であれば、何も東京だけでなくどこにでもある地名なのだそうだ。
でも、このお店の付近は御徒町ではなく、昔は「黒門町」といった。

10東京の花見の名所、上野恩賜公園。
元々この辺りは増上寺と並ぶ徳川家の菩提寺、東叡山寛永寺の境内だった。

30コレが今の寛永寺。
こんなに小っちゃくなっちゃった。
芝の増上寺と並ぶ徳川家の菩提寺の東叡山寛永寺は、3代将軍家光が江戸城の鬼門となる丑寅(北東)の方角を封じるために建てられた。
東の比叡山で「東叡山」だ。

40非公開ではあるが、4代家綱、5代綱吉、8代吉宗、10代家治、11代家治、13代家定が寛永寺に墓所を構えている。
最後の将軍慶喜はお隣の谷中霊園で一般に公開されている。

50その寛永寺の総門を「黒門」と呼んだ。
下は昇斎一景という歌川広重の門人が明治4年に描いた「東京名所四十八景」のうちの「上野黒門前花見連」という浮世絵。
奥に見えるゲートが「黒門」だ。
コレ、今で言うと上の広小路付近。
いいね~。見てみたかったナァ。
このあたりで彰義隊とフェイクの錦の御旗を掲げた薩長軍が壮絶な戦いをしたんだネェ。
もしタイムマシンがあれば、未来なんかどうだっていい。江戸時代の吉原や江戸の町の方々を見て歩くね。
でもデロリアンもプルトニウムも持ってないならな~。

60v_2コレは上野恩賜公園の入り口にある水のオブジェ。
黒門をイメージしているのだそうだ。
上野戦争で焼け残った黒門は明治40年に荒川区の円通寺に移築された。
坂上田村麻呂が開祖といわれる円通寺には彰義隊の墓所があるともことで、近々訪れてみようと思っている。

70しかし!
「黒門町」といえば!
このお方なのであ~る!
「黒門町の師匠」、8代目桂文楽。(ちなみに9代目はペヤング)
もう大スキ。
5代目古今亭志ん生がウェス・モンゴメリーなら、8代目桂文楽はパット・マルティーノ。
演目が少ない代わりに、何度演っても数秒しか違わなかったという練りに練り込んだ緻密な噺っぷりは天下一品。
文楽が高座で甘納豆を食べる芝居をすると、寄席の売店では甘納豆が飛ぶように売れたという。
しかし後年、高座での本番中、登場人物の名前が出て来ず絶句。
「台詞を忘れてしまいました…申し訳ありません。もう一度…勉強をし直してまいります」と深々と頭を下げて挨拶をし、噺の途中で高座を降りた。
そして、その後二度と高座に上がることなく「昭和の大名人」の生涯を終えた。
芸に対する何たる真摯な姿勢!
昔の芸人は本当にスゴかった。
でもね、芸人がスゴかったばかりではなくて、お客さんの質も高かったんだよ。80vそんな黒門町からお送りするのは『Instrumental Summit Vol.16 Ladies Night』という女性バンドのセッション・ライブ。

90v超満員の店内。

110ステージに立ったのは…
 
セッションリーダーのRie a.k.a. Suzaku

120vキーボーズに藤岡久瑠美実。

130vベースに芹田ジュナ。

140vドラムスはFate Gearの森はるか。

150vはるかちゃんはNATAL。
アッシュのホワイト・スワールのキットを持ち込んだ。

100今回で16回目となるシリーズ・ライブ。
Rieちゃんの人気のほどがうかがえるというものだ。

160ショウは2部構成で、第1部のオープニングは「Southern Wind」。

170vはるかちゃんとNATALは今回が初めての参加。

180v涼し気でオシャレなナンバーのリズムを軽快に奏でる。
やっぱいいね、NATALの音は…ナニをやってもカッチリとキマる。

190Fate Gearつながりの久留実ちゃん。
この人、チック・コリアみたいなフレーズを弾くんだよね。

200お客さんとの一体感バリバリのMCが楽しい。
Rieちゃんの名前にある「a.k.a.」というのは「also known as」の略で「またの名を」という意味であることは皆さんもご存知でしょう。
コレはまだ英語だから覚えやすい。
このほかネイティブさんがよく使う略語に「i.e.」とか「e.g.」とかいうのがあって、元がラテン語だけあって、コレがなかなか覚えられない。
i.eは「id est」の略で「すなわち」とか「言い換えれば」という意味。
また、e.g.は「exempli gratia」の略で「たとえば」ということ。
自分で使えば覚えるんだけど、覚えていないから使えない。i.e. 覚えられないでいる。

210v「初登場」ということではるかちゃんもご挨拶。

220vこのセッションでは、オリジナル曲だけでなく、セットリストにコピー曲を盛り込むことになっていて、この日はゲイリー・ムーアの「Parisienne Walkways」を披露。

230vジュナちゃんはテクニカルかつド迫力のベース・ソロをお見舞いしてくれた!

240バッキングにソロにと大活躍の久瑠実ちゃん。
こういうフュージョニーな音楽にはやっぱりキーボーズは欠かせない。

250vそして、はるかちゃんのタイトなドラミング!

260vそして、ギターにおしゃべりにとファンを魅了したRieちゃん。

270v1部2部とも6曲ずつの構成。
アンコールに「Across the Sky」を演奏して黒門町のライブは盛大に幕を閉じたのであった。

280 

200_2 
(一部敬称略 2018年8月11日 御徒町JAM SESSIONにて撮影)

2018年9月25日 (火)

西日本豪雨災害被災者支援 田川ヒロアキの緊急チャリティーコンサート~田川ヒロアキ

 
今日は竹橋から。
竹橋は北の丸公園と一ツ橋1丁目の間に横たわる清水堀にかかる橋で、徳川が江戸に入る前からあった、東京の中でも特に古い歴史を持った橋のひとつらしい。
私たちが小学生の頃は「竹橋」と、隣の北の丸公園の中にある様々な科学遊具で丸一日無料で遊べる「科学技術館」は同義語だった。
ちなみに田安、清水と並ぶ徳川御三卿の「ひとつばし」は「一橋」と綴る。
最後の将軍、慶喜が水戸徳川から婿入りした先ね。
一橋家は8代将軍吉宗が、四男坊の吉尹(よしただ)に一橋門内の屋敷を与えたところからスタートした。
この御三家とか御三卿なんてのはスゴいシステムだよナァ。
家康ってのはホントに頭が切れる。
というよりも、この時代のお家継承問題ってのにはすさまじいモノがある。今、サボってしまっているヘンリー八世もそうだけど、「お世継ぎできればすべてよし」なのだ。
こりゃウチのお世継ぎたちもせいぜい大切にしておかないとイカンな。
 
そして、竹橋と言えば、日本の三大新聞の一角、毎日新聞の東京本社があるところ。
三大新聞は朝日、読売、毎日とされるが、毎日が最古。
うち朝日と毎日は大阪が発祥だ。
1872年、浅草で創刊された「東京日日新聞」が1911年に大阪毎日新聞社に併合され、戦中の1943年に題号を「毎日新聞」に統一した。
なんて、知ったようなことを書くといかにも毎日新聞の熱心な読者のように見えるかもしれないが…違うの。
でも、今の国情を鑑みるに、毎日さんにカッコいい報道姿勢を見せてくれることに期待している1人ではある。
政治とは一線を画してしるMarshall Blogゆえコレ以上は突っ込まないが、我々の子供や孫や子孫が生を営むこの国の将来を左右するカギを握っているひとつの大きな要素は、今の局面、「メディア」であることは間違いないと思っている。

10_2さて、話が「新聞」ということになると、私はコレ。
またしても吉村昭。
私の雑学のほとんどが吉村昭の小説に根差している。
『アメリカ彦三』は1850年、ペリーが来航する3年前、播磨の船乗り「彦太郎」が初めての航海で遭難する話。
吉村先生お得意の一連の漂流モノ。
その後、アメリカの船に救助された彦太郎は当時の幕府の鎖国政策により日本に帰ることができず、「ジョセフ・ヒコ」として洗礼を受け、アメリカに帰化する。
マァ、こういうの読んでいると、今とは大違いのこの時代のアメリカの寛大さに感動してしまうね。
そして、彦太郎は明治維新後、日本に帰国する。
その際日本にアメリカから持ち帰ったもののひとつが「新聞」だったワケ。
おもしろいんだゼ~、コレ。
文庫で550ページ程度の長中編だけど、例によって一気に読み通してしまった。
それこそNAMMへ行く飛行機の中で読んだんじゃなかったかな?
先日、「私の光太夫」で江戸時代にロシアに10年間抑留した大黒屋光太夫に触れたが、私は自分が英語で苦労してるせいか、こうした言葉のわからない地で苦労した人の話に大変興味があるんだな。
だから杉田玄白の「ターヘル・アナトミア」、すなわち「解体新書」の翻訳を手伝った前野良沢の偉業を綴った『冬の鷹』なんてのも夢中になって読んだ。

20bこの彦太郎は1859年に帰国した後、浜田彦蔵と名乗り、米国領事館の通訳として日米交渉にも活躍。
伊藤博文や木戸孝允らとも交わり、1872年大蔵省に入り渋沢栄一の下で国立銀行条例を編纂したというのだから、とても一介の船乗りとは思えない優秀さだ。
そんなことが綴った自叙伝が現代語に翻訳されて上梓されている。
私は偶然それを高田馬場のブックオフで見つけて2冊600円で買った。
奥付を見てみると、初版第1刷が1964年の2月。
私が持っているのは1987年4月の初版第10刷。
つまり、27年の間に1回も改訂されていない。非の打ちどころがない完璧な書物か、あるいはどうでもよい忘れ去られた書物ということになる。
イヤ、10刷ということはそれなりの部数が販売されてきたワケで、一体誰が買って読んでいるのか実に興味があるな。
私は買っただけでまだ読んでいないんだけど、いずれはジックリ読んでみたい。
読書は楽しい。
電子書籍は絶対イヤ。
何度も書いているけど、「読書」というモノは、活字を目で追うだけでなく、本の重さを感じ、インクと紙のニオイを嗅ぎ、指先でページを繰ることまでが「読書」なのだから。

2ahjその毎日新聞社の地下街。
なつかしいな。
隔年で開催される楽器フェアの合間に、科学技術館で「大楽器祭」という展示イベントを開いていた時期がかつてあった。
その時、ココに入っている飲食店で打ち上げをやったのよ。
30その地下街の突き当りにあるのが毎日ホール。
今日のレポートはココから。
我が田川ヒロアキによる西日本豪雨災害者支援のチャリティ・コンサートが開催されたのだ。

40入り口には酒樽。
コレが募金箱として活躍した。

50まずは主催者方々からのご挨拶。

60v本コンサートの主旨などが述べられる。

70そして、「がんばっぺ福島」でおなじみの株式会社無洲の浅野社長も急遽駆けつけてくれて、ご挨拶にマイクを握った。

80vそして、ヒロアキくん登場!

90今日はバッキング・トラックを使ったソロ・パフォーマンス。

100_ssお供は愛用のJVM210Hと今日のキャビネットは1960A。
JVMが2台積んであるのは「景気づけ」だ。
黒、白、金…しかし、Marshallってのはキレイだね~。
何も足したり引いたりする必要のない完璧なデザインだと手前ミソながら思うわ。

100vオープニングはおなじみの「Seascape」。
時に「君が代」と合体したして数々のステージの冒頭に置かれるヒロアキくんの挨拶曲。

110v続いては軽快な「Dear Heart」。
2011年、「田川プロジェクト」の発足を記念して制作された限定シングルCDに収録された曲。
CDの売上の全額を東日本大震災の被災地へ寄贈した。

120_dhパッヘルベル!
コレ前から演ってたっけ?
要するに「カノン」。
「アヴェ・マリア」もそうだけど、ヒロアキくんはこうしたユッタリとしたメロディを歌わせるのが実にウマい。
きっと自分で歌い上げている気分で弦をハジいているのだろう。

130v_cmまずはご挨拶。
同じ西日本出身として、急遽ではあったがこのチャリティ・コンサートの申し入れを受け、このステージに立ったことに触れた。
そういえば、ヒロアキくんも件の豪雨の被災者だったんだ。
というのは丁度西へ向かっている時に災害が発生し、新大阪駅でいつ解放されるともわからない足止めを喰らい、マンジリともしない時間を過ごさざるを得なかったのだ。

140ココから先は昨年10月に発表したフル・アルバム『Theme Park』からの選曲を中心にプログラムが組まれた。
もう1年かよ!
このアルバムの制作にあたっては、タイトルから、写真から、チョットしたことまで色々とお手伝いさせて頂いたが、楽しかったナ。
ジャケットが少しずつ出来上がっていくプロセスにとてもワクワクした。
このアルバムの詳細についてはコチラをクリック!
  ↓    ↓    ↓
『THEME PARK』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <前編>
『THEME PARK』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <後編>

しっかし、この記事…我ながらスゲエ大作を編んだものだな~。自分で言うのもナンだけど、今読んでも十分に面白いわ。

150cdまずは「府中に夢中」。
上で紹介した記事をお読みいただければそれぞれの曲の解説は要らないだろう。

160_fm続いては「酎HIGH KING」。

170_skヒロアキくんも当日のMCで触れていたが、「酎HIGH KING」は広島県呉市にあるライブハウス「ケラウスランブラ」の20周年を記念してヒロアキくんが作ったお店のテーマ曲。

180cdコレがそのケラウスランブラの店内。
オーナーのNaoさんはてらちん、向山テツさん、下山武徳さんSHOW-CHU-ROCK(焼酎ロック)というンドのギタリスト。
もちろん頭に「バカ」がつくMarshall好きだ。
どんなにデジタル・アンプが跋扈しようとも微動だにしない、Marshall一筋のありがたいお店。

42303206_267831950513595_4049376899この人がその「Marshallバカ」…イヤイヤ、オーナーのNaoさん。
上で紹介した『Theme Park』の記事にも書いたが、Naoさんの酒豪ぶりをMarshallで表現したら1959の三段積みが5セットぐらいになろうか?
ヒロアキくんの結婚式にも出席された。
そのケラウスランブラも今回の豪雨で被害を受けてしまい、一時休業を余儀なくされてしまった。
その被害は甚大で、当初は年内の再開は絶望視されていたが、今では状況が好転し、ライブやイベントについては10月12日より開催できる運びとなった。
ただし、通常のショット・バー営業の再開は来年になる見通しだそうだ。
Naoさん、ひとまずおめでとうございます。
これからもMarshallバカぶりを存分に発揮して頑張ってください!
Nao2_1気合いの入った正統派ロック・ナンバーから…

190v雰囲気がガラリと変わって民謡調に。
下関のよさこいチーム「馬関奇兵隊」のために書いた演舞曲。
コロコロと変わる曲調が楽しい。

200_ikそして、「カラムーチョZ」。
横浜のライブ・ハウスにヒロアキくんが出演した時、近くのコンビニにこのお菓子を買いに行ったっけナァ。

210v今日は久しぶりの「お尻が痛い!」だった。

220v「秋ですね~」…と、秋の新ネタ。
「秋童謡」と題し、「虫の声」や「夕焼け小焼け」を大胆に料理。

230_adコレが容赦無用のドヘヴィ・アレンジ!
よ~やるわ!
そういえば、昔はどこの家でも鈴虫を飼っていたものだった。
子供の頃、翅をコスることによってあの音を出しているって知った時、驚かなかった?
だから鳴き声ではないんだよね。

240vハイ、それではここでマーブロ・クイズ。
当たってもMarshallはもらえません。
 
問題です。
下のそれぞれの写真の虫の名前と鳴き声を答えてください。 
 
紙幅が嵩むのでいきなり答え! 
まず、コレが松虫。
高校の時に松川さんという現国の先生がいらっしゃって、アダ名が「松虫」だった。
この虫、「チンチロ、チンチロ、チンチロリン」と鳴く。
ホンマかいな?
今戸の鉄火場じゃあるまいし。
英語では「pine cricket」。
ハハン、コレを直訳したな?
別名が「bell cricket」…いいね、どうにも。
英語圏のベルはチンチロチンチロ鳴るらしい。

2コレは有名ですな…コオロギ。「蟋蟀」という漢字は書けんな。
「キリキリキリキリ」鳴くのか…。
コオロギはディズニーの『ピノキオ』にも出て来るので、英語の名前は比較的知られているだろう。
そう「cricket」。
ところで、そのピノキオを製作するゼペットっていうジイさんがいるでしょ?
あのゼペットって名前は「Geppetto」って綴るんだぜ。
そう、ピノキオってイタリアなんだね。

Photoさて、この曲の「コオロギ」の部分はキリギリスとも歌われるらしい。
私はどっちで覚えたかな?
しかし、他のヤツらが「ナニ虫」、「カニ虫」と言っているのにコイツだけは「キリギリス」なんておかしくない?
ギリシア人みたいな名前だ。
「チャキリス」とか「デュカキス」とか「カサベテス」とかバキバキした名前がおおいんだよね、ギリシア人って。
コレ、鳴き声からきてるんだってサ。
で、YouTubeでその鳴き声を確認してみると、「ビュイー、ビュイー」っていってるだけ。
私にはとても「キリキリキリギリス」なんて聞こえません。
キリギリスは英語で「katydid」。

Photo_3ハイ、その通り。
年季の入ったロックファンならビビビと来るでしょう。
Steely Danの『katy Lied』のジャケットのヤツね。
コレについては以前にも書いたが、あまりにもタイムリーなことが書いてあるのでそのまま引用させて頂く。
 
1975年の『Katy Lied』。
「Rose Darling」「Daddy Don't Live in That NYC no More」、「Everyone's Gone to the Movies」、「Your Gold Teeth II」、「Chain Lightning」…名曲そろいの傑作だと思う。
特に「Doctor Wu」のPhil Woodsのソロが好きだった。
そういえば日本でもおなじみになったんだか、なじまなかったんだか知らないが、「Black Friday」なんてブギも入っていた。
この『うそつきケイティ』という邦題はなかなか良いセンスだと思ってる。
ところで、アルバムのジャケットがなぜバッタだか知ってる?
コレ、実はバッタではなくて「Katydid」というキリギリスの仲間なんだって。
イギリスでは「Bush Cricket」というらしい。

それでアメリカではこの虫が鳴くと「katy did, Katy didn't(ケイティ・ディド、ケイティ・ディドゥント)」と聞こえるんだって。
それで「Katydid」という名前になった。
命名のされ方としては
「ツクツクボーシ」みたいなもんだね。
で、さっきの「Doctor Wu」。
「Katy tried」と「Katy lies」という歌詞が出て来る。
この虫をその歌詞に引っ掛けたんだって。
 
ウォルター・ベッカーが亡くなった時にこの記事を書いたのだが、他にもSteely Danについて書いておいたので興味のある方はコチラをどうぞ。私がスゴイ発見をしたあたりをゼヒご覧頂きたい⇒【訃報】ウォルター・ベッカーのこと

Kl_2続いては「ガチャガチャ」とくつわ虫。漢字では「轡虫」ね。
轡とはあの馬の口にくっつけるヤツね。
ハハハ!英語では「noisy cricket」だって。
コレもYouTubeで鳴き声を確認してみると、確かにウルセ~!
こんなもんが一晩中聞こえたら「おもしろい」どころか「大迷惑」だわ。

1最後は馬追虫。
なるほど!
コレを「スーイッチョン」と表現したセンスは素晴らしい。
この虫を指す英単語はないらしく、「hexacentrus japonicus(ヘクサセントラス・ジャポニカス)」となるらしい。
「centrus」というのは「トゲ」という意味。「hexa」は「6」だからトゲのようなものが6本生えてるのかな?
以上、「虫の声クイズ」でした!

Photo_2「虫」でエラく脱線しちまった。
ゴメン、でもどうしても「無視」できなかったの。
今回の記事を書くのにこの箇所が一番時間がかかったわ。
 
さて、私が虫に夢中になっている間にヒロアキくんはアコギに持ち替え。
皆さん、気が付いた?下の写真。
今初めての上手側からのショットなんだよ。
立奏すると光がまったく当たらないため、コチラ側からは一切写真が撮れなかったのです。
コレ、フリオ・イグレシアスやスタン・ゲッツだったら大変なことになっていた。

250曲は「たんぽぽと風」。
260v
冒頭にご挨拶をされた浅野社長の株式会社無洲の社歌だ。
ヒロアキくんの「やさしさ」と「あたたかさ」がふんだんに盛り込まれた愛らしい一編。
もちろん『Theme Park』収録。

270そしてソロ・コンサートでは時折取り上げられるビートルズ・ナンバーから「All my Loving」。
「自分で書いた曲でないのが悔しい!」とジョンに言わせしめた初期のポールの代表作。
移動の最中に歌詞を書き、公演会場の楽屋のピアノで曲を付けたという。
曲に歌詞をつけるのがポールの通常の作曲手法だったが、コレはその反対の順序で作られた珍しい1曲。
1964年2月、エド・サリバン・ショウに出演した時、一番最初に演奏した曲としても知られている。
つまり、この曲からビートルズのアメリカ制覇がスタートしたのだ。

280エレキに戻って「平和の風」。
ジェスチャーを交えて熱唱するヒロアキくんの姿が感動的だ。
いい曲だよネェ。
コレはやや上手から撮ってるナァ。

290その感動を盛り上げるのが後半に出て来るギターでメロディをナゾるパート。
美しいヒロアキ・ギターの魅力が満載だ。
それを演出しているのがアータ、Marshallですよ。

300vそして、コンサートの本編を締めくくったのは「アヴェ・マリア」。

310vこのアルバム『Ave Maria 』をリリースしてから6年か!
コレのジャケット撮影の時も楽しかったな。
デザインは『Theme Park』を手掛けた梅村デザイン研究所。

320cdコレも曲・演奏・音色が三位一体となった美しいヒロアキ・ギターの格好のショウケースと言えよう。

330こうしてジックリとギターを聴かせて本編を締めくくった。

340v客席からは花束が贈呈された。

350アンコールはガツンとカマしたよ。
ココ最近のキラー・チューン、MAZDAファン・フェスタのテーマ・ソング「君を乗せて」。

360vコレもよく書けた曲。
スポーツカーが疾駆していくような中間部のギター・ソロがスリリングだ!

370vこのコンサートで販売したCDの売り上げはすべて西日本豪雨災害被災者への義援金に充てられた。
また、このコンサートのレポートが9月22日の毎日新聞の東京版の朝刊に掲載された。
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒fretpiano

380v

200 
(一部敬称略 2018年9月10日 毎日ホールにて撮影)

2018年9月21日 (金)

SPEED METAL ASSAULT~HELL FREEZES OVER

 
今日はドメタル。
ああいうのはいつの頃からなんだろう?
ロックからチョット目を離しているスキに「何とかメタル」ってのがウジャウジャ出て来て、私にはサッパリわからんのよ。
私が若かった頃、ロックのカテゴリーといえば「ハード・ロック」、「プログレッシブ・ロック」、「ブルース・ロック」、「ジャズ・ロック」とか、せいぜいそんなもんで、その下は階層はなかったように記憶している。
でも、そういう細かいジャンル分けというか、やや流行りの表現で言えば「レッテル張り」を私はキライではない。(←この文章はジャズ評論家&ジャズ喫茶「メグ」の寺島靖国さんの言い回しを拝借しています。間違いではありません)
だって「エ~、そんなメタルあんの~?!」なんておもしろいじゃん?便利だし。
それに、それだけジャンルが分かれるということは、「人とは違うことをやって、何とかオリジナリティを出そう!」というアーティストの姿勢が見て取れるからね。
ところで、「レッテル」ってなんだ?
少なくても英語ではない。
調べてみると…オランダ語だってよ。
英語では当然「label」。
ご存知の通り、日本は「蘭学」といって、江戸末期までは従順にオランダをフォローしていたので、今でも我々は驚くほどたくさんのオランダ語を語源とする単語を日常的に使っている。
「エレキ」、「オルゴール」、「ガラス」、「コック」…等々。
「おてんば」も元は「otembaar」というオランダ語なんだって!
オランダ語はゲルマン語系言語なので英語と兄妹みたいなものだからして、「ガラス」や「コック」なんてのは同じようなものだが、もし、それらの単語がイギリスから入って来ていたとしたら、「グラース」とか「クック」と呼んでいるハズ。
「今年は大掃除で徹底的にグラースを磨くぞ!」とか、「オイ、この料理はなんだ?クックを呼べ!」なんてことになってた。
ナンカしまらない。
でも、長州藩や薩摩藩がイギリスとケンカなんかしないでイギリスがもっと早く深く日本に接近していたら、今の我々の英語の勉強も少しはラクになっていたかも知れない…なんてノンキなことは言っていられない。
間違いなく植民地にされてたな。
ところで、北欧の人たちってメッチャ英語ウマいじゃない?
それもそのはず、スウェーデンなんかは政府刊行物が英語だっていうからね。
でもね、私の経験から言って、第二母国語として英語を最もうまく自然に話すのはオランダ人だと思う。
ドイツ人よりゼンゼンうまい。
前に勤めていた会社でオランダ人からの電話を取って、あまりのネイティブさに驚いたことがあったし、Marshallのオランダのディストリビューターも同様だった。
多分、イギリス人の英語を「標準語」とするなら、オランダ人の英語は「関西弁」になるぐらいの違いなんじゃないかね?
イヤ、我々はあんなに上手に関西弁をしゃべりよらん。
で、「レッテル」。
コレは英語では「letter」に相当する言葉なので、「ラベル」の他に「文字」という意味もあるようだ。
英語の「letter」は「手紙」という意味だけじゃなくて「文字」という意味があるからね。
ホーソンの『緋文字』という小説があるでしょ?
アレは原題を『A Scarlet Letter』というし、楽譜でパートの冒頭につける四角で囲ったアルファベットがあるでしょ?
あれを外人に向かって読む時は「Letter B」とか「Letter F」と読む。
あ~、またずいぶん脱線しちゃったナァ。
もう少しいい?
 
どこでだったかはどうしても思い出せないんだけど、「平山秀山堂」という会社があって、中学の頃、通学の途中に毎日その看板を目にしていた。
そこに「シタダシレッテル」という文字がデカデカと出ていた。
こっちはまだ子供だから、コレが「下田シレッテル」か「舌出しレッテル」かわからなかったのだが、ある日、ロゴに使われていた子供のイラストがベロを出していることに気づき、「舌出し」が正しいことを知った。
それから40年以上経った今ッ!
今回のこの脱線のためにッ!
「シタダシレッテル」を調べてみた。
ゴメン…まだ本題まで大分あるぞ~。
この「平山秀山堂」という会社、創業は太平洋戦争真っただ中の1942年。
それに先立つこと46年、1896年(明治29年)から「シタダシレッテル」を製造販売していたという。
19世紀ですよ!
この「シタダシレッテル」って何のことかと言うと、かつては「値札」のことだったそうだ。
今ではBOOK OFFみたいに、ペロっとシール状の値札を商品に貼るだけだが、昔はシタダシレッテルの裏に塗布してあるアラビア糊をベロンチョと舐めては商品に貼り付けていた。
不衛生と言えば不衛生。
何が優れていたのかはわからないが、その需要たるや凄まじかったらしく、日本全国に流通していただけでなく、海外に輸出もしていたらしい。
レッテルを貼られるのが極端におキライの御仁はこのことをご存知かな?
創始者の平山秀雄さんの墓が谷中の墓地にあるらしいので今度訪ねてみるか…。
色んなことが知りたくてさ…今度はドライクリーニングの歴史の本を読んでみようかと思ってる。
 
さて、メタルに来た。
今日の主役が何メタルかはわからないけど、ヘッドライナーは「LECHERY(レチェリー)」というスウェーデンのバンド。
お目当てはトップに出演したHELL FREEZES OVERという若いヘヴィメタル・チームだ。

10v下はこの公演の2週間チョット前にリリースされた4曲入りミニ・アルバム『Speed Metal Assault』。
見てよ、このジャケット!
炎にたかれて今にも崩れ落ちそうな1960の壁!
いいね、ジャケットにMarshallが出てるってのは。
もうそれだけでロックの香りがプンプンじゃないか!
実はこのバンドさんはNATALでおなじみのBAZOOKA STUDIOさんの紹介で数年前に接触があったんだけど、メンバーが交代するかなんかしてずっと没交渉でいた。
そこへMarshallの本社から連絡が入って、「ある日本のバンドがCDジャケットにMarshallを登場させたいと言っているがどうしましょ?」と私に相談して来た。
それがHELL FREEZES OVERだったというワケ。
「あ~、このバンドは知ってるよ」ということで話がトントン拍子に進んだ。

30cdMarshallが登場するアルバム・ジャケットってのは、おかげさまでたくさんあるけど、私はコレが好きなの。
カナダのパット・トラヴァースの『Putting it Strait』。
1959、1987、1960Aが写ってる。
ジャケットは表裏でストーリー仕立てになっていて、パットがMarshallを持ち込んでオーディションを受けに来たって想定なのかな?
面接官のオジさんの背後に壁には、ハンフリー・ボガート、グレタ・ガルボ、ケーリー・グラント、マリリン・モンローら往年のハリウッドの大スターのポートレイトがかかっている
要するに猛烈なオールド・スクールだ。
そこへパットがブチかま~す!
曲は「Gettin' Betta」かな?「Snortin' Whisky」かな?

Ptaジャケットの裏面。
オトっつぁん、ブッたまげ!
そりゃそうだ、Marshallだもの!
私なんか、完全にこのオジさんの方の部類なんだけど、ロックのギターってやっぱりこうであって欲しいと思うよね。
最近はとうとうキャビネットもステージに持ち込まないで、足元のペダルから卓へ信号を渡して、PAのスピーカーでギターを鳴らすっていうじゃない?
ま、Marshallが将来この分野に進出するかわからないので、あんまりキツイことは言えないけど、ヤッパリいい加減にして欲しいと思うわ。
ま、大きなコンサート会場にいるお客さんは、最終的にはPAから出て来るギターの音を聞いているので、「中間を省略した」といえばそれまでだけど、あんまりじゃない?
またロックが明後日の方向へ遠のいてガッカリするわ。
ジミ・ヘンドリックスやゲイリー・ムーアなんかがこの有様を見たら何って言うだろう?
「こんなのオレら知ってるロックのサウンドじゃない」ってキッパリ言うにキマってる。
そして自分の1959を引っ張り出して来るよ。
それにAC/DCをご覧なさい…やっぱり、ロックという音楽はステージの中も大きな音で演るべきだと思うよ。
だって外に出て来る音がゼンゼン違うもん。
やっぱり「なければない」で乗り切れるような利便性は風情を殺すだけだね。
 
そんなパットもスッカリとオジちゃんサイドになっちゃったもんナァ。64歳だって。

Ptbもう1枚は、そのゲイリー。
ジミ・ヘンのポスター。
そしてMarshallにレスポール。
ココに写っているコンボはBluesbreakerではなくてオリジナルの1974。
Marshallはかつてタイトル曲の「Still Got the Blues」を2245で録音したとしたが、真相は1974。
この1974については過去何回も書いているので今日は割愛するが、実際にこの写真に写っている1974のオーナーから話を聞いた時は興奮したナァ。

Gma裏面はコレ…ゲイリーがツアー先のホテルの一室でギターを弾いている。
コレはマズイ。
だって、たとえ18Wでもホテルの部屋で1974を鳴らしたらイカンがな。
…ということはない。
マズイのは時代考証。
「Still Got the Blues」と言っても、表の少年はゲイリーではない…と思わざるを得ない。
ナゼならこの少年は、マァ8歳ぐらいか?
ゲイリーは1952年の生まれなので、8歳というと1960年。
ジミがイギリスに渡って脚光を浴びたのは1966年。
合わない。
となると、この部屋はこの子のお兄さんの部屋だったのかも知れない。よく「隠れてお兄さんのギターを弾いていた」なんて話があるじゃない?
なんてことを考えてジャケットを眺めるのは楽しい。
だからITで聴く音楽はツマらないんだよ、ジャケットがないから!
正直、あまり聴くことのないアルバムなので気が付かなかったんだけど、Guv'norを使ってるんだね。
それに『Beno』アルバムに『A Hard Road』。
まだジョン・メイオールを聴いてるんだね~。
イギリス人にブルースが与えた影響がいかに大きいかがわかる。
だから日本とは丸っきり違って、イギリスにはMarshall RECORDSが取り組んでいるようなシリアスなロック・バンドがいつでも出て来れるマーケットがある。
ジョン・メイオールって今年で85歳だって!

Gmbさて、HELl FREEZES OVERに戻って…。
ジャケットにはこんな断り書きがしてある。 
「私たちのギター・サウンドは、エフェクターを一切使わず、昔よく使われたMarshallのアンプを最大のボリュームで鳴らしているものです。どうぞ爆音で聴いてください!」
コレでいいのだ。
でも、よくエフェクターを使わずギターとアンプを直結することを「男らしい」と形容するけど、実は私はそうは思わないのね。
「シンプル」なばかりが何も「男」ではあるまい。
直でつなぐのが音が一番良いことは間違いないのだが、無理して歪み系のエフェクターを使わないで直結にして、ギターが弾きにくくなったりしたら元も子もなかろう。
「楽器は音楽を作るための道具」だから…。
職人は使えない道具を選んだり、使いにくい状態にしておいてはならない。
ウチの父は大工だったが、飛び切り自分の道具を大切にするタイプではなかったものの、いつも自分が使いやすいように道具をモディファイしていた。
HELL FREEZES OVERの場合はムリをしているワケではなく、自分たちの音楽を作るために、Marshallとギターを直接つないで弾くのが一番好ましい結果になったのだろう。
音は良くなるし、言うことなしじゃん?

40cdさて、ステージの方はというと…オープ二ングSEの後、メンバーがステージに現れた瞬間から大騒ぎ!

50TREBLE "GAINER" AIDYSHO

60vRYOTO

70vHIROTOMO

80vTAKUYA MASHIKO

90vTom Leaper

100v1曲目は「BURN YOUR LIFE」。

05_2イケイケ~!
問答無用のスピードチューン。
ギャハハ、何だか気持ちいいな~!

110vもちろんギター・ソロ炸裂!
こういう曲でシュレッド・タイプではないギターを耳にするのは久しぶりだナァ。

120スゲエ歓声!

130みんな前から知ってたの?って感じ。

140下手からもHIROTOMOくんのギターがガンガン聞こえて来る。
もちろんMarshall!

150vいいね~、うれしいね~、上下で1959!
まるで70年代の屋根裏やロフトにタイムスリップしたようだ!
彼ら自身は80年代のヘヴィメタルを標榜しているようだが、もっとトラディショナルな響きを感じる。
シュレッド・オリエンテッド以前のへヴィメタル。

160cまた一心不乱にバンドをドライブさせるリズム隊がいい。

170汗みどろのドラミング!
Tomくんはこの時はサポートでの参加だったが、9月8日にめでたく正式メンバーに迎えられた。
こうして見ると刃の和太鼓の茂戸藤さんに似てるんだよナァ。
そういえば、ロックの人は「トラ」という言葉を使わないね。普通「サポート」って言う。

180v2曲目は「HAWKEYE」。

185コレまた火花を散らすドライビング・ナンバー。
冒頭の転調がカッコいいね。
225いかにも!いかにも!のGAINERくん。
ステージさばきもバッチリなのよ!

190曲間には仕掛けも用意されていて、ただただブッ飛ばすだけのナンバーとは一線を画している。

200vMCをはさんで「END THE BREATH OF THE NIGHT」。
コレは『SPEED METAL ASSAULT』には入っていない曲。
220vドラムとベースリフからスタートするのは「WRITING ON THE WALL」。
このタイトルにはちょっとタートルズの「Tears Began to Fall」を思い出しちゃった…我が中学時代の青春の1曲なの。
気持ちイイね~。このぐらいのテンポもとてもいい。

200出番の最後を締めくくったのは「OVERWHELM」。
この曲はメッチャ印象に残ったナ。
「Overwhelming」が「Jaw-dropping」か…タイトル通りのド迫力の1曲。

230全5曲。
『SPEED METAL ASSAULT』の全収録+1曲という構成でまとめ上げた。
ナンカ久しぶりにメンバー全員が寸分の狂いもなく同じ目標に向かっている若いバンドに出くわした感じがするな。

240vところで「Hell Freezes Over」とは何ぞや?
そう、彼らは本当は隠れイーグルス・ファンなのです…なワケない!
コレは正式な英語の慣用句で、言葉としては「地獄が氷つく」ということ。
転じて「想像が付かないぐらい途方もなく長い時間」みたいな意味になる。

250v何でか?
我々が地獄をイメージする時、針の山とか血の池とかを初めとして、色んな現場を思い浮かべるでしょう?
実際に行ったことのある人はいないと思うけど。

260vところがクリスチャンの人たちは「地獄」といえば、もっぱら「火」なんだって。
ズッと燃えてる阿鼻叫喚の焦熱地獄。
そんだけアッチッチなので、その地獄を凍りつかせるとしたら相当な時間がかかるでしょ?
そこから来ているんだそうです。

270vまた、そんな火の地獄を凍らせることは不可能でしょう。
そこで、このバンドは「不可能なことを可能にして見せましょう!」という意気込みをバンド名に込めたのだそうだ。

280v終演後の5人。
短い時間だったとはいえ、会心の出来を示すいい笑顔!
まだ平均年齢が25歳だからね。
このまま続けて頑張っていって欲しい!
絶対に簡単に止めちゃダメだぜ!
ちなみにいつもは盛大にスモークをたくらしいのだが、「初めなのでクリアな写真が撮りたい」という私のリクエストを聞き入れてノンスモークにしてくれた。
RYOTOくん、ありがとう!
うれしいことにRYOTOくんが中学の時からのMarshall Blogの愛読者なんだって!
290ところでHELL FREEZES OVERは来る9月28日に渋谷TSUTAYA O-EASTで開催される『RedBull Music Festival "METAL MANIA"』への出演が決定している。
LOUDNESSと同じステージ。
楽しみだ~!

Mm しかし、このチーム、絶望的なメタル少子化の環境下にあって、まるで宝石のような存在ではなかろうか?
『SPEED METAL ASSAULT』、HELL FREEZES OVERのメンバーと同世代の若い人たちにもジャンジャン聴いてもらいたいね。
今、もう若いメタラーは、自分たち自身の力で、自分たちの世代の人たちに、自分たちが作った音楽をコマメに広めないとダメだ。
がんばれ!Marshallがついてるぞ!
 
HELL FREEZES OVERの詳しい情報はコチラ⇒Official website

300cd 

200_2 
(一部敬称略 2018年7月27日 新宿ZIRCO TOKYOにて撮影)

2018年9月20日 (木)

ハートにグサリ!<後編>~ D_Drive

 
イヤ、違う!
私もアホだな~。
今、フト気が付いた。
<前編>で「straight」について書いたけど、そうかこのイベントのタイトルは「ライブハウスのHeartsに直行だ!」という意味だったのね?
「heart」に「s」が付いていることに気が付いたのだ。
ヤボなことを書いちゃったけどイジらないでおこう、別に間違いじゃないから。
それより、我ながら締めくくりがウマかったと思うね。
「ストレート」に「ロック」…ク~、ここのところピタリとアルコールを止めているせいかサエてるナァ~。
自分の文才に酔ってしまいそうだ…ナンチャッテ。(ココも引っ掛けになってるんですね)
その『Straight for the Hearts』のヘッドライナーはD_Drive!

10今日は「Attraction 4D」で幕を開けた。

20Seiji

30vSeijiさんはいつものMarshall JCM2000 DSL100SEと1960AXの組み合わせ。

40vYuki
バックドロップの2つの「D」が髪の毛みたいになっちゃった。

50vYukiちゃんはMarshall JCM2000 TSL100と1960A。

60vToshiyuki

70vEDENのベース・アンプヘッド。
WT-800(大)とTerra Nova TN501(小)の2台がステージにセットされたが、WT-800を使用。

80Chiiko
Ss41a5480D_Driveならではのシンプルにして深いリフ・メロディ。

100v_a4そのリフの2人の弾き分けがおもしろい。

110vそして魅惑のツイン・リード。
この曲のサビのメロディは素晴らしい。

120続いてはYukiちゃん作の「Now or Never」。
林先生のテーマ…チガウチガウ!

130v_nすごくカッコイイ曲なんだけど、あんまりステージで演奏されないでしょ?
な~んでか?
ムズカシイんだって。

150vこのメンバーでも「ムズカシイ」なんてことがあるのかね?
イヤ、ないな。

160v「こんばんは!D_Driveです!
2週間空いてしまい、すごく久しぶりな感じがします!」
完全にステージ中毒ですな。
関西が拠点で、東京での演奏が2週間空いただけで「久しぶり」なんてどないやネン?
さすが地球7周半を走り回ったバンド!

170vSeijiさんが弾くおなじみのリフは「The Last Revenge」。

190vそう、いつも言ってる通り「居酒屋甲子園のテーマ」。
SeijiさんとYukiちゃんが5,000人の居酒屋の店員さんを前にして弾いた曲。あの時は2人ともASTORIAだったんだよね。
居酒屋の店員さんが5,000人も集まってみな。
スゴイよ、酒臭くて!…というのは真っ赤なウソで、居酒屋さんのクォリティを競う大会なのね。
エントリーした居酒屋さんが本番前に廊下でプレゼンの練習しているのを聞いた時に忘れられないそのお店のモットー。
「『美味しかった』より『楽しかった』を!」…っての。
同じことを何回も書いているけど、スゴくない?
こんなモットー、鈴本や末広でも聞けないぜ。

S0r4a9533Yukiちゃんが手拍子で客席をアオるのは隠れた名曲「Mr. Rat Boots」。
イヤ、特段「隠れ」てないか…しょっちゅう演ってるもんね。
「隠れた名曲」というフレーズが使ってみたかっただけ。

210v_mrb「Rat」というのは「Rugged All Terrain」の略。だから本当は「RAT」と大文字にする。
意味は「すべての凸凹地」ということ。

180_lrこういうのが「ラット・ブーツ」。
靴底が厚くて、頑丈にできているからどんな悪路でもヘッチャラで歩けるというワケ。
つまり軍靴の一種なんだね。

Rat 一方「Rat」といえばAerosmithでおなじみの「ネズミ」。
ポッポ、ポッポとコマネズミが走り回るようにして展開する曲調が楽しい。

220v下手に移動してToshiくんの後に回り込んだSeijiさん。

230Toshiくんのソロ炸裂!

240vイケイケ~!
しかし、スゲエ音だな。
さすがEDEN!!
キャビもEDENだともっとスゴくなる。

S0r4a9581_2 客席はもう熱気ムンムンよ!

200「みなさん、楽しくやれてますか?」
ココで単独公演や直近のライブの告知などを。

250vサオを持ち替えたフロント陣。
260_gd曲はSeijiさんがヒネり出したD_Driveの新機軸曲「Gradation」。
そうね、私なんかはこういうのは大歓迎。
もっともっと色んなタイプの曲を演って聴衆を楽しませてもらいたい。

270次の「GEKIRIN-逆鱗-」はYukiちゃん作のヘヴィ・チューン。
S0r4a9669プライベートな「ドラゴン・ボールのテーマ」であることはファンの間でよく知られている。
「♪探そうぜ!逆さのウロコ!」っていうヤツ。

290v締めくくりはSeijiさんのこのポーズ。
そう、「Russian Roulette」ね。マウ!

300_rrコレもね、聴けば聴くほどカッコいい曲なのよ。

280v_gr本編を7曲で締めくくった。

310アンコールは「Screw Driver」。
時間はそう長くなかったけど、ま~、よく盛り上がったわ~。

330さて、YukiちゃんがMCで告知していた通り、D_Driveの4人はもうすぐ単独公演に臨む。

340v

350v

360v

90vまずは今週末の新横浜。
そして、来週末の大阪。
みんな、遊びに来てね~!

DomD_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive OFFICIAL WEBSITE

380

200 
(一部敬称略 2018年7月20日 西川口Heartsにて撮影)

2018年9月19日 (水)

ハートにグサリ!<前編>~ BOOOOZE

 
今日は前置きは抜きだ。
イヤ、チョットだけ書こう。
今日のタイトル…「heart」を入れようと思ったんだけど、どうもタイトルのところには絵文字が入らないようなので諦めた。
さて、そのタイトルは今日レポートするイベントの名前をちょっとイジったものにした。
イベントのタイトルは『Straight for the Hearts』という。
「straight for ~」は「head」を伴って「~へ直行する」という意味。だから「ハートにグサリheart!」だ。
「for」か…「to」としたいところだが、「head」と「for」は組だから。
「straight」ね。
セロニアス・モンクの代表作のひとつに「Straight, No Chaser」というにFのブルースがある。
無限にあるブルース曲の中でもAクラスにランクインする有名曲だけにご存知の方も多いだろう。
フランク・ザッパ・ファンなら『Roxy & Elsewhere』の「Be Bop Tango」でジョージ・デュークがスキャットして、バンドが猛然とスイングするシーンでおなじみのハズ。
あのジョージが歌っているのが「Straight, No Chaser」。

Sre 今では「チェイサー」なんて言葉の意味は誰でも知っているだろうけど、昔はコレがわからなくて翻訳家を困らせたらしい。
「まっすぐ行け!追手は来ない」
なんて珍訳もあったとか…ホントかな?コレじゃ「胡椒軍曹の寂しい心楽団」だ(←コレはビデオの翻訳で実際にあった)。
もちろん、本当の意味は「追い水なしのストレート」というスコッチの飲み方だわね。
マァね、結局、日本人はそんなスコッチ・ウイスキーのような強い酒を全く薄めないで飲むなんてことは普通じゃなかっただろうしね。
昔、ロサンゼルスの空港のバーのカウンターに立ったすごくキチっとした身なりの男性が、「キュ~!」っとバーボンのダブルを2杯続けてあおったのには驚いた。
イヤ、私だってやればできるけど、まず「ガッハ~!」っとムセることは間違いない。それと後で胃がね…コワイじゃん?
その男性はホントにグラス2杯の麦茶を飲み干したような風情でバーを後にしたよ。
カッコいいわ~。
あ~、ゴメン!
またこんなに書いちまった!
さて、今日のイベント・レポートのトップ・バッターはBOOOOZE。
Marshall Blogには2回目の登場となる。
メンバー全員がアルコール好きということからこのバンド名にしたのだが、飲む量がスゴイことから「o」を4コも入れてしまったという。
ウイスキーを飲む時は間違いなく「Straight, No Chaser」だな?

10佐藤陽(あきら)

20v伊藤大貴

30v大貴くんはMarshall!

40北川翔太

50v後藤尚音
コード・ナンバーは5107010。

60vオ―プ二ングは「Hush」。
Deep Purpleのはカバーね。
元はジョー・サウスという人の作品。
知らなかったんだけど、時の話題として…アレサの代表曲「A Cahin of Fools」のイントロはこのジョー・サウスが弾いているらしい。
また、この人、ディランの『Blonde on Blonde』にベースとギターで参加しているとか。
カッコいい曲だよね。
で、この曲が収録されている『Shades of Deep Purple』。
私はニック・シンパーに会ったことがあるのがチョットした自慢でしてね。
だって普通絶対会えないでしょ?
もっとも、その人がニック・シンパーって教えてもらわなければ、誰かはわからなかったんだけど…。
ジムのお別れの会に列席していたのだ。

70_h2曲目は「右脳」という曲。
以前にも演奏していたクラシック・ロック風味のナンバー。

80v_unギター・ソロ炸裂!

90v胸のすくようなヘヴィ・チューンは「銃声」。

100_jsヘヴィなリズム隊はこうしたヘヴィなナンバーにベスト・マッチする。

110v

120「Tell me why」というバラードが続く。

130vワイルドでハードなギターは心地よい。
やっぱこうしたチャンとしたロックはMarshallがクリエイトするギター・サウンドが不可欠なのだ。

140vギターのカッティングから「Naive」。

150_nvこの辺りも以前からステージで演奏されているBOOOZEのスタンダード・ナンバー。

160そして、出番を締めくくったのはデビュー・シングルのタイトル・ナンバーにしてBOOOOZEのキラー・チューン「Get Back」。

180ハードでスケールの大きなイントロを陽くんの熱唱が引き継ぐ。

190vココでもワイルドな大貴くんのギターが大活躍だ。

200vバンドを徹底的にうねらせる翔太くんの低音。

220vそして容赦なくバンドをドライブさせる尚音くんのドラミング。

230v久しぶりに観たBOOOOZE…やっぱり「ロック」だ!
イヤ、この人達は「ストレート」だな。
お後がよろしいようで…。
 
BOOOOZEの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

240<つづく>
 

200 
(一部敬称略 2018年7月20日 西川口Heartsにて撮影)

2018年9月18日 (火)

銀幕一楼とTIMECAFE企画 レコ発ワンマン公演 〜ゾッコンな夜に恋して〜

 
長いこと生きていると世の中の移り変わりに驚く機会が少なくありませんな。
一番驚いたのは10年続けて来たMarshall Blogの毎日更新がシレっと終わってしまったこと…んなことはないか。
ゴメン!
掛かりっきりにならないとやり切れない仕事がいくつも重なってしまって、とうとう音を上げちゃった。
コレを機にチョット方針を変えようと思ってます。
で、方針を変えようにも、それに取り掛かる時間がなくて随分間が空いてしまいました。

で、その変化。
テレビを見ていてフト気づくと…
●酒類のテレビ・コマーシャルの主役が完全に女性になった。
  -----昔は「男はダマってサッポロ・ビール」だった。
●同じようにゲームのコマーシャルが大人が主役になった。
  -----昔は大人はグラブらなかった。「ドンキ―コング」は子供のモノだった。大人がゲームで遊ぶことに抵抗がないのは、昭和40年代後半生まれの世代ぐらいからかしらん?
●さらに、同じくTVCMで『ドラえもん』を観て泣いている人が大人になった。
  -----ま、『ドラえもん』もいいけど、アノね、世の中には感動で言葉が出ないような素晴らしい映画が他にいくらでもあるから!子供の楽しみを盗るんじゃない!
 
ま、こんなことやっているとキリがないんだけど、お酒のCMの件を除いては『人類の幼児化』が恐るべき早さで、かつ着実に進行していることは間違いない。
加えてアレね…電気やエアコンぐらい自分で消しなさいよ。
でもコレって、寝たきりのご老人なんかにはとても有益だとは思うんだけど、大枚はたいてパソコンが仕事をしてくれる環境に家中を作り変えなければならないワケでしょう?
ウチなんかいくら頼んだって今のままでは豆電球のひとつもつけられないもんね。ゼンゼン「OK」じゃない。
需要や消費を捻りだす次元がドンドン低くなっていくのは仕方のないことか。
 
久しぶりに書いたもんで筆が止まらんわ。
もうチョットいい?
携帯電話が普及して何年経つのかは知らないけど、当然その昔はそんなものがなくても生活の何の支障もきたさなかった。
最初はせいぜい出先の営業マンを捕まえるのにポケベルより便利…ぐらいだったんじゃないかしら?
それがアッという間に「なくては困るもの」の筆頭になっちゃった。
若い人たちなんか。「生活の一部」どころか「生活のすべて」だもんね。
細かい説明を一切省いて一足飛びに言うと若いギタリストたちなんか「Marshallを携帯の中に入れて欲しい」って言うんだよ。
 
でね、20年後、今の状況がどう変わっているか?
つまり、20年後にナニが懐かしくなっているか?
コレを想像するのがおもしろい。
「知ってる、知ってる!オレも聞いたことあるよ、『パソコン』とかいうヤツ。オヤジが夢中になってイジってた!」…なんてね。
私なんかはIT技術なんてのはもう今のレベルで十分すぎると思うわ
 
さて、もうひとつの大きな変化。
昭和に入ってから今まで、こんな時代ってなかったんじゃないかね?
どんな時代かというと、「流行歌が存在しない時代」ね。
一部にはあるのかも知れないけど、私が言っているのは「子供から年寄りまで幅広い範囲の一般大衆が知っていて、ある程度口ずさむことができる歌」ということ。
要するに「歌謡曲」ですな。
今なんてレコード大賞受賞曲を一度も耳にしたことがなく、一体どこで流行していたのか?不思議に思う時代だもんね。。
私の世代はスゴイよ。
個人的に印象に残っている流行歌と言ったらナンだろう?
「ブルー・シャトー」、「帰って来たヨッパライ」、「黒猫のタンゴ」、「ブルー・ライト・ヨコハマ」、「また逢う日まで」、天地真理ちゃんブーム、花の中3トリオの時代…と、完全に枚挙に暇がない。
いつも書いているように私は歌謡曲に夢中になったことはただの一度もないけど、とにかく幼稚園生からジーさんバーさんまで、みんな知っている曲がウジャウジャあった。
そして、コレらの曲は今でもよく耳にしたり、歌われたりするワケで、カレコレ50年の風雪に耐えて来た名曲ばかりだ。
すごいパワーだよね。
ナゼかというとバツグンに曲がよくて、シッカリした演奏で隅々までキチっと作り上げているから。
それもそのハズ、一流の作詞&作曲家が曲を作って、チャンと音楽の勉強した編曲家がアレンジをして、優れたスタジオ・ミュージシャンが腕によりを利かせて演奏してるんだもん。
悪いワケがない。
出がらしのロックをチョコチョコっと聴いて、「オレにもできる」と試しに作った曲がタマタマ何かの拍子にウケて名を売ることになる今のそこら辺の若いバンドとはワケが違う。
下は私のレコード棚に入っているほぼ唯一の歌謡曲のLP。
岩崎宏美ちゃんの3枚組ボックスセット。
いいんだ、コレが。
どの曲もクォリティが破天荒に高くて、チャンとしたホンモノの楽器の音が聞こえて来る。
それに加えて宏美ちゃんの美しい声と歌い回し。
タマらんよ!
何で日本人は「歌謡曲」という自分たちのオリジナルの音楽を切り捨てちゃったのかね~。
時代が変わって飽きられてしまったということなんだろうけど、あまりにもモッタイない。
やっぱりテレビなんかで流される曲は専門家に任せたらどうかね?
音楽の「大政奉還」。
チャンと音楽を勉強した才人に作詞作曲をお願いして、DTMではなくてホンモノの楽器を奏でて録音する。
ミュージシャンの皆さんはいいぞ~。仕事増えるぞ~!
要するに、コレは30年ぐらい前に時間をさかのぼるに過ぎないことなんだけど、そんな動きがあったらいいな~。
考えてみると、音楽の贅を最高に尽くした時代に私は生きたんだナァなんて思うわ。

12img_7382さて、今日のMarshall Blogはそんな「音楽の時代」だった「昭和」のテイストをフィーチュアしたチーム、銀幕一楼とTIMECAFE。
Marshall Blogには2回目の登場となる。
前回、イベントで拝見してスッカリ気に入ってしまい、今回は『ゾッコンな夜に恋して』と題した単独の公演と聞いて、足取りも軽やかに渋谷TSUTAYA O-WESTに向かった。

10まずは前説を務める「アナタの男爵」こと山下さんが登場。

20「ワンマン・ライブは去年の4月19日以来、1年3か月ぶりでございます。
人って変わるもんですね。
私もチョット前まではそちらにいたんですが、今はこうしてステージの上にいるワケでございます」

30vそしてバンド・メンバーをステージに迎えてショウがスタートした。

40銀幕一楼

50v寒河江宏樹

60v寒河江くんは先日の若手ギタリストの座談会の通りいつもMarshallね。

70松永健太

90v瀬間詢子

120v1年3か月ぶりのワンマン・ショウのオープナーに選ばれたのはセカンド「胸中」。

130v寒河江くんがメロディを奏でるイントロ。
この人、いい音出すんだよね~。

140スラブの雰囲気漂う魅力的なナンバー。
いいね、こういうのは。

150続いて2012年のセカンド・アルバム『銀幕ギャラクシー』から「月食」。

160vここでも寒河江君のギターが大活躍!

170vおお~っと!
ステージ下手では銀幕さんが抜刀!
平井権八かッ?!
権八は江戸時代、惚れた「小紫」という吉原の遊女に会いにいくための金欲しさに130人も辻斬りをしたという実在の人物。
その辻斬りの悪行とは関係ないが、「お若えの、お待ちなせえやし」とその権八に声をかけたのが有名な幡随院長兵衛。
「待てとお止めなされしは、拙者がことでござるかな」と答える権八。
有名な歌舞伎の一場面。
イヤ、最近「♪よう、そこの若エの」っていう歌が生命保険のCMでやたら流れていたから書いておいた。

180コレは台東区は浅草と上野の中間ぐらいにある源空寺という浄土宗の寺。

S0r4a8925ココに幡随院長兵衛が眠っている。
この向かって右側には伊能忠敬の先生である高橋至時の墓、そして推歩先生、つまり伊能忠敬の墓がさらに連なり、その2つの墓は国の史跡に認定されている…ということは以前詳しく書いた。

S0r4a8935_2 こういう演出が楽しんだよね~!
木馬亭か!

190vそして、ご本人自ら「一度聴いたら忘れないこのナンバー」と紹介するのは…

210_mtr銀幕一座のキラー・チューン、「摩天楼」。

220もうすでに雰囲気は最高潮!

230v確かに「♪ま~てんろ~お~」はやたらと耳に残るんだよね~。
銀幕さんの歌い方が、曲に輪をかけて印象的なのだ!
「恋をした…」の「た」スタッカートがステキなの。

240vお客さんも大合唱で楽しさ満点!

430「皆さま…ド平日の、週の真ん中の水曜日にたくさんお越しくださいましてありがとうございます。
帰ってから『行ってヨカッタ~』と思って頂けるように演ってまいります。
パッとやってパッと帰ります。早いからね!
さぁ、ミュージック!」

250v_mcMCを挟んでの4曲目は「無口な夜」。

290_niアダルトなムードの「音色」。

390v「音を選ぶギター」っていうのかな?
寒河江くんはお父さんの影響でクラシック・ロックをよく聴いたという。
クラプトンのアコースティック・ナンバーを聴いて音楽の道に入ったというが、そのことがよくわかるような気がするプレイだ。

270v場内が暗転。
嵐の音。
ステージ上に数個のローソクの明かりが灯る。

300ピアノの音色…。
400v不幸な物語を綴る銀幕さんのナレーションから「枕営業」。

3802011年の『銀幕イリュージョン』からの「孤独」へと続けた。

410v雰囲気がガラリと変わって「熱帯夜」。
この銀幕さんと松永さんのさりげないフォーメーションが気持ちいい。

420「あらためまして銀幕一楼とTIMECAFEです。
やってまいりましたこのコーナー…今日のこの日を祝してカンパイしたいと思います!
ある方は手にグラスを…。
ない方は心のグラスを…。
この会場にいるということは皆様お知り合いということですから…ご来場の皆様、カンパイ!」

440実はこの日のショウは久しぶりの単独公演というだけではなく、当日発売となったシングルの発売記念ライブだった。

450yfその中新しいシングルから「よふかし」。
480vディストーション・ギターがモノを言うハード歌謡チューン。
このソロもカッコいいね。

470v「急にオマエどうしたんだ?…という感じの歌ですが、『表銀幕』と『裏銀幕』があります」
メンバー同士の長電話の話があって…「早いもので後半戦に入ります。料理のフルコースでいきなりメインは出て来ないでしょ?
盛り上がる準備は出来ていますか!?
アナタに届け…アナタに届け…」

200v_mc「わがままルージュ」。
ジャケットを脱いで更にハッスル!
「ハッスル」なんて今は言わないか?
ここまでジャケットを着ているところがスゴイ。こういうところにプロ根性を感じちゃうんだよね。
490そして、同じく当日発売のシングルから「リップサービス」。

490wr絢子ちゃんのビートが気持ちいいノリノリ・チューン!

500vコレ大スキ。

510右へ左へ…みんなで楽しくワカメ・ダンス!

660_0r4a8872 まぁ、最初っから大いに盛り上がっていたけど、なるほどショウが終盤に差し掛かっての盛り上がり方が素晴らしい!

530v客先に飛び降りての「わからずや」。

540下手でモクモクとギターを弾いていた寒河江くんもステージを横断してのエキサイトメント!

550そして、ショウは最後のセクションに突入する。
「コレ何だかわかる?そう、アンブレラ!
私が歌うのは、雨だ!」

560みんなに届けられたレイン・ソング…コレはいい曲だな~。
傘を持っての歌といったら、もっぱらジーン・ケリーだけど、銀幕一楼も"わるくない"。
歌詞には「マンボ」、「ルンバ」なんて言葉が出て来る。
昔ハヤったラテンのリズム。
日本は、消費量から見れば音楽の豊かな国だが、その割には驚異的なリズム貧乏国だと思う。
チョット飽きて売れなくなるとドンドン切り捨てちゃうんだよね。
銀幕さんなんかにこうした昭和に流行したリズムを取り戻してもらいたい。
ドドンパをハード・ロックで演ったらカッコよかったりすると思うんだけどな~。
四分音符と三連がそれぞれ2ケずつ…こんなリズム恐らく他にないから!

570ウン、このソロもいい。
コンパクトながらとても美しいメロディで歌に寄り添っている。
ウチに来た時、彼がこんなギターを弾くとは思ってもいなかったナァ。
正直、お見それいたしました。
やぱりね、チャンとしたオリジナルに近い音楽を聴いていると違うんだよね…このことを寒河江くんが証明してくれた気がする。

660_0r4a8915本編を締めくくったのは、さっきから触れているこの日発売となった最新シングル『ゾッコン』のタイトル・チューン。

Zl コレまたいかにも銀幕一座らしいドライブング歌謡チューン!
「♪素数の秘密も割り切れない」…うまいな。
素数とは、1とその数字自身でしか割り切ることのできない数。
加減乗除の「割り切る」と気持ちの「割り切り」のダブル・ミーニング。
「素数」については何度かMarshall Blogで触れているので興味のある方は「Marshall Blog 素数」で検索してみてくだされ!
ちなみに、今わかっている最も大きな素数は「2の74,207,281乗-1」だって。
2013年に発見された素数を500万ケタも更新したのだそうだ。1日24時間飲まず食わずでその数字を読み続ければ、127日で読破できるらしい。

590vわざわざテーブルを用意しての紙吹雪アクション!
至れり尽くせりだ。

600v最後は定番の歌舞伎+相撲アクションだ!

620vドスコイ~、ドスコイ。

630vキマった~!

640アンコール。

6461曲目は「サタデーナイト」。

650またまた客席に降りて、今度は…コレセグウェイっていうんだっけ?…で行ったり来たり。

670vさらに脚立によじ登って…

680_2くす玉割り!

690まったくひと時も目を離せない銀幕さん。
写真撮るの大変なんだわ!

660_img_8781『ゾッコンな夜に恋して』の最後は『銀幕ポップコーン』収録の「臨時ニュース」で締めくくられた。

700ココでもまたブリッジ紙吹雪!

710そしてドスコイ!

720あまりにも個性の強い歌い手をガッチリとサポートした4人。

730v

740v_2

750v

760v以前にも書いたけど、銀幕さんってナルシスティックなところが皆無でいいんだよね。
すごくサッパリしてる。
そして、メロディと歌詞を大切にして、とても丁寧に歌うところが好き。
昔の「歌手」ってのはみんなそうだった。

770あ~、おもしろかった!
大変に熱気のこもった歌謡ロック・ショウだった。

780最後は冒頭と同じく山下さんがひとりステージに残りご挨拶。
そして完結。

660_s41a5088銀幕一楼とTIMECAFEの詳しい情報はコチラ⇒新公式ウェブサイト

790

200_2 
(一部敬称略 2018年7月18日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2018年8月28日 (火)

AZAZEL~初のワンマン・ショウ

 
「ガールズハードロックバンド」、AZAZELの初めてのワンマン・ショウ。
いいね「ハードロック」なんて言葉。好きです。
この日を待ちわびていた人もおおかったのだろう、チケットは完売!
おめでとう、AZAZEL!

10v「腕上げろ~!」
初っ端から凄まじいテンション!

20MIYABI

30v空也40vyuri

50vMayo

60v空也ちゃんはMarshall。

70この日はJCM2000 DSL100と1960Aのハーフスタックを使用。

80vMayoちゃんはNATAL。

90バーチのキット。

100スネアのサウンドがまた彼女の大のお気に入りなのだそうだ。
スネア・ドラムもキットのモノを組み合わせる…外人みたいでカッコいいね。
先日のサマソニにはNATALを使うバンドが3つ来日して、私がキットの面倒を見たんだけど、全員スネアもNATALの指定だった。
今までもそういうことは多かった…というよりも、スネアだけを他のブランドに換えている外人のドラマーってひとりもいなかった。
アレ、持って来るのがメンドくさいからなのかな?
日本人は絶対と言っていいほどスネア・ドラムとペダルを持参するでしょ?
Mayoちゃんが日本人離れしているということか。

110ショウは空也ちゃんのシンプルでソリッドなリフから始まった。

S41a4191そして、Mayoちゃんの鬼神のようなドラミングがなだれ込んでくる!
女性だから鬼子母神ドラムかな?
160vファースト・アルバム『3513 chain A』から「Spica」でスタート。
コレ、アルバムの2曲目に入ってるんだけど、1曲目に入っていそうなバリバリのナンバー。
私の40年以上に及ぶロック経験から言って、2番目にそういう曲が入っているアルバムって大抵よくできてるんだゼ。1202曲目も同じく『3513』からヘヴィに「Howling」。

130v続いてミニアルバム『Inside Reflection』からタイトル・チューン。

150イントロから想定外のAメロへ展開するところなんざオモシロイな。

180しかし、スゴイなMayoちゃんのドラムは。
Mayoちゃんは同じNATALドラマーの石川達也くんから紹介してもらったんだけど、「日本で一番音の大きな女性ドラマー」という触れ込みだった。

170そして、先日Marshall社の社長夫妻が来日した時、空也ちゃんと共に懇親会にお招きした。
Mayoちゃん、ナゼか「アポロチョコレート」持参。
向かって左のジョナサン・エラリー社長が手にしているのはAZAZELのCD『DISCLOSE』。
後日このCDは海を越えてイギリスへ渡った。
もうひとつイギリスへ渡ったのは「The loudest girl drummer in Japan」というMayoちゃんのキャッチコピー。
ロンドンのキングス・ロードあたりで出くわした音楽の詳しそうな若者に「Who do you think the loudest girl drummer in Japan?」と尋ねると間違いなく「No doubt, it's Mayo!」と答える…かどうかは知らない。

Mp「AZAZELの初ワンマンへようこそ!今日はアルバム・リリース・ツアーのファイナルにしてAZAZEL初のワンマン・ライブだ~!
ワンマンをやるとキマってから正直ドキドキで毎日悪夢を見ました。でもちょっとワクワクの気持ちもありました。
でも、こんなにイッパイになるとは思っていませんでした!
今日はAZAZELの全部を出し切っていくので、とことん楽しんで行ってください!」

660_s41a3803と、4曲目の「DRAW」につなげた。

205んん?ナンダこのリフ?
4/4拍子なんだけど、4・5・3・4とアクセントがズレて変拍子に聞こえる。
やるな~、AZAZAEL!

230v「Never...」、「Revive」とノリノリのナンバーが続く。

210vMCをはさんで「Still」、「Go Ahead」、「Angel's Stairway」。
「Still」の大サビとでも言うのか、「♪滲む世界綺麗すぎて」のパートのメロディはすこぶるカッコいい。

220空也ちゃんの作曲か…Marshallがインスピレーションにひと役買っていたらうれしいね。
200vyuriちゃんのベースが活躍する「Go Ahead」なんて真正ブリティッシュ・ハード+ジャパニーズ・ガール・バンドのテイストが満載でカッコいいよ。
このあたりは今の若い人のバンドにない音楽性だと思う。

S41a3932 「♪ル~ルル、ルルルル~ルル」
ハードな曲の連続から一転、会場に「徹子の部屋」のテーマ・ソングが流れる。
「まさかの『空也の部屋』の生放送…」、空也ちゃんフィーチュアのコーナー。

240Miyabiちゃんがゲストという設定。

260このコーナーのためだけに持参したアコギで…

280v「Helix」をジックリと聴かせた。
「Helix」とは「らせん」のこと。
ピアノの山下洋輔にDNAの二重らせん構造をテーマにした「Double Helix」という曲があるが、AZAZELファンは聴かない方が賢明だ。270v空也ちゃんとMiyabiちゃんがステージを降り、颯爽とステージに姿を現れすMayoちゃん。

290おお~、豪快なドラム・ソロ!
ん~、このダイナミズム!「女の中の男」だね~。
そして、やっぱり素晴らしいNATALサウンド。
もうドラムス全体でウナリを上げているようだ。

300v途中「森のクマさん」を熱唱。
パット・トーピーかッ!?

310とにかく「豪快」のひとことに尽きるMayoドラミング。
アタシャ、ベテランの男性ミュージシャンの中にMayoちゃんを突っ込んで、トラディショナルなハードロック・ドラムを叩いてもらいたいと思ってるんだよね。
もちろんNATALでなきゃダメよ。

320vそして、ソロはyuriちゃんにバトンタッチ。
コチラもMayoちゃんに負けないハードなソロ!
190vノリノリのベースとドラムスのコンビネーションに客席は大盛り上がり!

340メンバー全員がステージに戻り、Mayoちゃんのドラムスでスタートした次の曲は…

S41a3936 「Untamed Heart」。
チョット「20th Centuray Boy」を連想するリフ。カッコいいんだけど、今の若い子のバンドの曲ってどうしてサビのメロディがこうなっちゃうんだろうナァ。
「ロック度」がガクっと落ちて、サビになるとどのバンドも全部同じになっちゃう。
勝手なことを書いてゴメンね、でもサビまでがカッコいいだけにモッタイナイ!とオジサンは思うのだ。「古い」ってことか?

350次の「Shadow Town」もハードロック色が濃くていいね~。

370そして愛と感動のAZAZEL初のワンマン・ショウも最後のセクションに突入する。
ポップなテイストの「Song for」。

360v矢継ぎ早に「Fall down」。
デス・ボイスから普通の声に戻るところがなんとも言えないぞ!
もうこの辺りになると、客席はこんなアリサマ。
グルグルと忙しい!
この日も尻痛覚悟で高めの脚立のてっぺんに腰を掛けて撮影していたんだけど、上からこういう光景を見ていると実にオモシロイね、色んな人がいて。
とにかくナニがナンでも特攻する人、どんなに体当たりされても完全にシカトしている人、人の顔色見て行動をキメている人…。
ただひとつ言えるのは、みんなとにかく楽しそうだ…ということだね。それでいいのだ。

380「EGOIST」で猛烈にドライブして…

390v「Keep Holding my Hand」でおしとやかに本編の幕を降ろした。

400vスゴイわ、この熱気!
当然すぐに沸き上がった「アンコール!」の大合唱。

410今、AZAZELのメンバーは着替えているからね、その間にCDの紹介なんぞを…。
 
今回のレコ発ツアーの「レコ」がコレ。
6月にリリースした5曲入りのミニ・アルバム『Inside Reflection』。

Cd3コチラは昨年11月発表のシングル『DISCLOSE』。

Cd2そして、2016年3月に発売した初のフルアルバム『3513~Chain of A~』。
今日は『Inside Reflection』の収録曲全部を演奏するだけでなく、初のワンマンらしく各アルバムから几帳面に選ばれた曲たちによってセットリストが構成された。

Cd1はい、アンコール。
スゲエ歓声!

420演奏の前にメンバーから今日の初のワンマン・ショウについての感想が述べられた。
「もうやりたくないです!ダマされた気持ちです。ベース・ソロとかやりたくない!
虫を食べさせられる夢を見たんですよ。それって夢占いだと『すごくストレスが溜まっている』ということなの!夢の中ではお母さんが代わりに食べてくれました」
お母さんはありがたいね~、夢の中でも娘のことを助けてるんだから。

430v「私は海外に行ってパスポートがなくて、自分だけ帰れないっていう夢を何回も続けて見ました」
そして、空也ちゃんは昔のことを思い出して涙がポロリ。
「このワンマンは私にとって大きなことです。また新たなスタート地点に立った気がします。本当にありがとうございました!」
私はタバコを止めてから数年の間、つい吸ってしまって「ギャ~、ついやっちゃった!」という夢を何度も見たな。
それと卒論の面接で落第して留年がキマってしまう夢。コレも何度も見た。
おかげさまで今はもう両方とも見ることはありません。

450v「『森のクマさん』も出て来たけど…とても楽しかったです!でも本当に大変だった。もうワンマンはやらないと思う。
今度やる時は武道館クラスのところでやります!」

440vなんて言っていたけど、Mayoちゃんも感極まってナミダ!
よく泣くバンドだナァ~。
470男性に負けないあんなダイナミックなドラムを叩くMayoちゃん…でも女の子なんだね~。
しかし、こういうシーンはヤロウのバンドでは見れないからね。
イヤ、絶対に見たくないわね。
480「AZAAELを始めてこの3人に出会えたことが本当に楽しかった!結成して4年ぐらい?幸せなAZAZELでいたいです!
最後まで楽しんで行ってください!」

460vアンコールは「空也の部屋」でアコースティックで演奏した「Helix」をバンド・バージョンで。

490そして「DSICLOSE」でAZAZEL初のワンマン・ショウを完結させた。

500v

510v

520v

530vAZAZELは「生音勝負!!」を信条としているそうだ。
何のことかと思ったら、「同期」を使わない100%人力の演奏を標榜しているという。
超大賛成!
そもそも「同期」なんて言葉が気に喰わない。
「打ち込み」ならまだいい。
「同期」なんて「桜」じゃあるまいし。「救心」でも飲むか?
コレも「コピーバンド」を「トリビュートバンド」とか「カバーバンド」って呼んでいるのと同じ現象だと思う。
バンドのメンバーが出せない音を機械で付け足すなんて「カラオケ」じゃん?
昔はね、こういうことは恥ずかしいことだったんよ。「なんだ、あのバンドってテープ使ってんの?」って。
どんなにテクノロジーが進歩したとしてもそんなことするもんじゃない。
それが「音楽」を創造するにおいて善か悪かは、ジャズやクラシックがそんなことをやっていないのを見れば一目瞭然だ。
しかし、このバンドはナンですな…派手なソロこそないものの、ギター・リフがチャンとあって、ヘヴィなリズム隊でトラディショナルな音を聴かせる反面、デスボイス等、コンテンポラリーな要素もふんだんに盛り込まれていてとてもオモシロイと思うんよ。
「骨がある」っていうのかな?
結成して4年ぐらいとMiyabiちゃんが言っていたけど、とにもかくにも続けて欲しい。若いバンドさんはアッという間に解散しちゃうから。
ガンバレ、AZAZEL!
 
AZAZELの詳しい情報はコチラ⇒AZAZEL OFFICIAL WEB SITE

540 

200 
(一部敬称略 2018年7月7日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2018年8月25日 (土)

居酒屋でぃ~どらいぶ <2018年7月の巻>

  

ひっさしぶりに電車で来た本八幡。
「本八幡」なんて言っても首都圏エリアにお住まいの方でなければ、それがどこかはわかるまい。
江戸川を渡って総武緩行線が千葉県に入って停止する2つ目の駅。

10_2この丸いデザインの白いビルには映画館がいくつか入っていた。
ナニを見たのかはスッカリ覚えていないが1度か2度来たことがある。
今はもう映画館はなくなっちゃったのかな?
昔は住宅街にも小さな映画館があったのにね。
この本八幡から3駅ほど都心に近い新小岩の駅前の西友のなかにも映画館が2つぐらい入っていて、私が高校の時分までは黒澤明の「用心棒」、「椿三十郎」、「隠し砦の三悪人」なんて3本立てがかかっていたからね。最後まで見てると、もう完全に尻が痛くなっちゃってね~。
考えてみると昔は随分ムチャなことがまかり通っていた。

20「ムチャ」と言えば、昔、24時間ぶっ通しで映画を観る「マラソン何とか」みたいな企画があったね。今でも似たようなことをやってるのかな?
最後まで寝ずにガンバっていると、まだ日本で公開されていない作品がご褒美としてトリで上映される。
私が知っている限りでは『サブウェイ・パニック』がそのご褒美作品に選ばれていたっけ。
1975年の公開だってよ。
私も古くなったナァ。
夜に弱い私は当然別の機会で観たが、ウォルター・マッソーやマーチン・バルサム等の渋い役者がたくさん出ていて、特に犯人を演じるロバート・ショウ(『ジョーズ』のクイント船長ね)がヤケクソにカッコよかった。

Sp駅を背に北へしばらく進むと国道14号線に当たる。
写真の奥が東京方面。
国道14号線の起点は日本橋。

30下の写真の奥が終点の千葉市方面。
国道14号線の総延長は65kmだ。

40この辺りは京成電鉄が並走していて、「京成八幡」という駅を超えた右側にあるのが今日の舞台「Route Fourteen」。
「LIVE HOUSE」という堂々たる表記がうれしいね。
時々和製英語にウルさいMarshall Blogだけど、「Live House」ってのはいい表現だと思う。
「ツーマン」、「スリーマン」という言葉のアホらしさに比べてごらんよ。
信州の長野駅の近くには「Rice House」の看板を掲げるとても洋食屋があるんだよ。
この「Live House」という言葉、子供の頃から慣れ親しんでいるせいか、つい英語を使う時に口にしてしまいそうになる。ネイティブさんには通じない。ヘタすりゃ「生きる家」ぐらいの意味で「老人ホーム」と街がられそうだ。
「I set a massive Marshall wall on the stage of a live house」なんてレポートでもしたら大変だ。
「エ~!シゲは老人ホームの舞台にデカイMarshallの壁を作ったのか?お年寄りは大丈夫なのか!」なんてことになる。
英語では「Club」だ。
日本で「クラブ」なんて大凡私のタイプではないモノが定着しちゃったもんだから、どうもライブハウスを「Club」と言い換えることに抵抗があるんですわ~。

50今日はRoute Fourteenで時折開催している「居酒屋でぃ~どらいぶ」。

60_2まず、ステージに上がるのはいつもの4人。
Seiji

70vYuki

80vToshiyuki

90vChiiko

100v「居酒屋でぃ~どらいぶ」は、演奏の合間にD_Driveの連中が腕にヨリをかけて作った料理でイッパイ楽しんで頂こうという企画…ではなくて、食事とお酒を楽しみながらD_Driveのパフォーマンスを堪能しようというモノ。
演奏自体はいつもと変わらないスリリングな内容だ。

110だからSeijiさんはMarshall。
今日はいつものDSL100ECはお休み。

120YukiちゃんもいつものMarshall。

130vToshiくんはEDENのアンプヘッドでプレイ。

1401曲目は「Peach Fizz」。

150_pf続けて「Runaway Boy」。
ん~、やっぱイイね、D_Driveは!

160vナンカ最近、インストのメタル・バンドが増えて来たような感じがするけど、やっぱD_Driveはイイ。

170v続いてはChiikoちゃんのドラムスでスタートする「Lost Block」。

200D_Driveの中でも珍しいワルツ・ナンバー。

190vドシッと重々しくダークに展開する印象的なナンバー。

180_lbまずはYukiちゃんからご挨拶。
「またライブができてうれしいです!」
この日は先日レポートした「美女金」の直後だった。
「今日はMarshall Blogの取材が入っています。写真に写ってはマズイ人は自分で隠れてくださいね!」

210v「The Last Revenge」

220v_lrこれこそ「居酒屋」!
そう、全国5000の居酒屋が集まる大イベントで活躍したナンバー
私の中では「居酒屋」といえば、五木ひろしも木の実ナナも坂本冬美も関係ない…D_Driveなのだ!

230v「♪グイ~ン」は「Drive in the Starry Night」。

240_disそして、D_Driveのキラー・チューンのひとつ「Attraction 4D」で4人が突っ走る!

250v_4d

260v

0r4a0286_2

280vココでまた「美女金」をテーマにした4人のMCコーナー。

290「美女金初めて出演しました」

310「ツアーって最後はすごく寂しくなるんですよ」

320v「(メンバーが替わったので)今回は特別な感じがしました」

300v曲のコーナーに戻ってYukiちゃん作の「Shape of Your Life」。

330v_soyl再びドラムス・スタートの「Mr. Rat Boots」。

340v_mrbこの曲ではToshiくんが大暴れ!

350爆裂ベース・ソロでお客さんを巻き添えに!
Chiikoちゃんが「Toshiくん、帰ってもうきーひんとおもたわ」と言った。
ハイ、コレね。
きーひん
けーへん
こーへん
関西弁のネイティブさんたちは一体コレらをどう使い分けているのだろうか?
ナゼ「きーへん」ではないのか?
「けーひん」ではダメなのか?
不思議だ…。

360続いては「居酒屋でぃ~どらいぶ」名物、お客さん参加ののセッションコ~ナ~!
370Seijiさんに替わってステージに上がられたのは星さん。

380vお題は「Russin Roulette」。

390「あまり練習できていない」なんておっしゃっていたけど、トンデモナイ!
人前でコレだけサラリと演奏できるなんてのはタダ者じゃござんせん!

395v星さんの完璧なプレイとパフォーマンスにYukiちゃんもビックリ!

400vだってコレもんですから!

410vただ問題は星さん、Marshallをお使いでないとおっしゃる。
それじゃD_Driveになりませぬ!D_DriveとMarshallは一心同体なのだから!
コレを機に7月に新発売となったORIGINシリーズをどうぞ。
今、もう代理店の方で品切れ状態になっているようだけど、9月の終わりか10月のはじめの頃には店頭に並ぶようなので、コレを機にゼヒ!

420続いての犠牲者…じゃない、出演者は…。

430またしてもSeijiさんのパートで大雅くん。

440vドラムスに「ざわちん」。

450vYukiちゃんは出ずっぱり。
課題曲は「Runaway Boy」だった。

460実は大雅くんはNATALの山口PON昌人さんがドラムスを務めているMomo & The Shockersの一員としてMarshall Blogに一度登場している

470コチラの2人も完璧な演奏でセッション・コーナーを盛り上げてくれた!

480「楽しかったな~。それでは7時までフリータイムです」と担任の先生から指示が与えられた。

490vフリータイム中はD_Driveのメンバーとおしゃべりをしたり…

500

510グッズをチェックしたり…
550サインをもらったり…

520肩を揉んでもらったり…

530みんなでイッパイやったり…。
写真左端の方のオゴリで私もさっき「Russian Roulette」を弾いてくれた星さんたちとイッパイやらせて頂きました。
コレのために電車で来たんだもん!

560ハイ、後半。

570Seijiさんはギターを持ち替え。

590v曲は「Gradation」。
あの夏の海の風景にインスパイアされてSeijiさんが作った曲。出来上がったのは冬だった…ってヤツね。

595v続いてはYukiちゃんの作品で「GEKIRIN-逆鱗」。

600v_gk純粋なヘヴィ・チューン。

610作者自ら思いっきり暴れまくる~!

615vそして最後はまたぞろ「Russian Roulette」。

640vVが2本の大熱演!

650vアンコールは全くキメていたなかったのでリクエストに応えることに…。
ホントにキメていなくて、セットリストにも「アンコール」の表記がなかったのよ。
「Champaign」かXperiaの「VOICES」か…。
対立するお客さん同士に取っ組み合いのケンカをしてもらった結果(ウソですよ~)…

660「VOICES」に決定。

670失礼ながら、この曲の演奏も最初は正直「ナンダ?」と思ったけど、今ではすっかり自家薬籠中のレパートリーになって実にいい感じだ。
しかし、こんな曲、よくいきなり出来るわな~。

680v

690v

700v

710vさて、8月ももうすぐ終わるけど、9月には大ワンマンが2本控えているD_Driveなの。
22日の新横浜 NEW SIDE BEACH
30日の十三 GABU
ね。
D_DriveRの皆さん、次回は新横浜でお会いしましょう!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

720v 

200_2 

(一部敬称略 2018年7月1日 本八幡Route Fourteenにて撮影)

2018年8月23日 (木)

犬神サアカス團ショートプレミアム興行~サマー・オブ・ラブ2007

 
ビールが好き。
下の写真、ホラ、街灯がジョッキになってるんだよ。
そんなビールの街といえば~、恵比寿。
ヱビスビールって恵比寿にあるから「ヱビスビール」じゃないんだよ。
反対なの。
ヱビスビールがある街だから「恵比寿」っていうんだぜ。
そのヱビス、アルファベットだと「Ebisu」ではなく頭に「Y」がひっついて「Yebisu」と表記する。
♪なんでだろ~う、なんでだろ?
江戸末期から明治中期にかけては、外国人に「エ」を表す時、「ye」って表記したんだって。
16世紀に渡来したポルトガルの宣教師には日本人が発音する「エ」が「ye」に聞こえたからだそうだ。
多分「聞こえた」のではなくて、実際に「エ」と「イエ」を区別して発音していたんだと思う。
昔の人は「じ」と「ぢ」や「ず」と「づ」の発音を区別していたというからね。
その後、江戸期に日本人は「エ」と発音するのが普通になったけど、外人にとっては「エ」は「ye」のまま。
今度はそれを知った日本人が逆輸入さながら、「そうか…外人が『エ』を表記する時は『ye』とつづるのか」と思ってしまった。
その名残が「Yebisu」なんだって。
そういえば、通貨単位の「円」は「Yen」と書き表すよね。コレもこの名残。
我々はお金のやり取りをするときに齟齬が生じないように「JPY(Japanese )」とか「GBP(Great Britain Pound)」とか「USD(United States Dollar)」とか書くことが多いけど、連中はこの時「ジャパニーズ・イエン」と「エ」の前にハッキリと「イ」と発音する。
…とココまで書いてサッポロさんにお詫び。
私、ヱビスビールが苦手なんだよね。
ラガー・ビールの割には濃すぎるんよ。
やっぱり「エール」と呼ばれる上面発酵のビールがいい。
ビターとか、スタウトとかの、要するにイギリスのビールね。ドイツのヴァイツェンも上面発酵だ。
ヴァイツェンもメッチャおいしい。
昔はバドワイザーなんか喜んで飲んでいたけど、一旦イギリスのビールの味や香りやノド越しを覚えてしまったらもうバドは無理。Bud Powellは大好きだけど。
もう20年も前の話になるけど、アメリカはコロラドのフォート・コリンズという街に行ったことがあった。
ココは繁華街にあるバーにそれぞれ自前のブリュワリーがあることがよく知られていて、「シゲはジャズがすきだから」と、生バンドが入っている店に連れて行ってもらった。
メニューには何種類かのビールが並んでいて、どれを頼んでいいのかわからない…。「そういう時はコレ!」と6種類ぐらいのビールが試飲できるセットがあって、それを頼んでみた。
まぁ、アメリカン・サイズでしょう?
目の前に出された試飲用のグラスが日本では完全に本番用のサイズなワケ。
ラガーとはいえ、それでも作り立てのビールの味は悪いハズはなく、マァ、結構グビグビいっちゃうんだけど、そうは飲めない。(スゲエまずいヤツもあった)
試飲セットをやっとの思いで平らげると、「シゲ、で、どれ飲む?」と訊いてくる。
その答えは「見ていてわかんねーのか!もう一滴もはいらねーよ!」だった。
後でトイレが大変だったよ。10…ということで今日は恵比寿に来ている。
初めて訪れるハコ、club aim。
イヤ~、迷った、迷った。
近くでバンドのメンバーに偶然出くわして助かった。
犬神サアカス團の『ショートプレミアム興行』。
アルバム単位でセットリストが構成されるこの企画…『怪談!首つりの家』、『地獄の子守歌』に次いで、Marshall Blogでは3回目のレポートとなる。

20v今年の夏は酷暑に豪雨と、この過酷な気象にはまったく「愛」が感じられない。
地球が怒り狂っているんだから仕方ない。
しからば、コチラは「愛」の「夏」でいこうじゃないか!
今回の特集は『サマーオブラブ2007』。
「サマー・オブ・ラブ(Summer of Love)」というのは「フラワー・パワー」なんて言って1967年の夏にサンフランシスコを中心い起こったヒッピー・ムーブメントのこと。
そもそも今の若い人たちは「ヒッピー(Hippie)」なんて言葉は知らんよね?
1967年といえば私は5歳だったが、ちょっとでも髪の毛が伸びると親戚のオバさんが「なんだ、ヒッピーか?」なんてやってたのを思い出す。
「ヒッピー」について詳しく知りたい人は各自調べてもらうこととして、犬神サアカス團はそのムーブメントの40年後、すなわち1967年当時に二十歳だった団塊の世代が定年を迎える2007年に、昭和歌謡を結び付けた独自のムーブメント『サマーオブラブ2007』を展開した。
2007年の8月から連続5ヶ月でシングル盤をリリースしたのだ。

30当時は帯の裏面のハジッコにあった「キ」から始まるクーポンを5枚集め「キ・ン・メ・ダ・イ」とコンプリートするとプレゼントがもらえるというキャンペーンを張った。

40その賞品がこのツアー・プログラム。
この日は物販でその貴重な保管分が放出された。

5011年前の凶子姉さん。
とても楽しそうに歌ってる。

60これはその時の宣伝ポスター。
まだ犬神サーカス団ね。
…と、物販コーナーには普段見慣れないモノが並んだ。

70vでもステージの方はおなじみの光景が広がっていた。
ステージ上手にはMarshall JCM800 2203と1960Aのハーフスタック。

80vそして、ステージの中央にがNATALのアッシュのキット。

90今日の『ショートプレミアム興行』はその5枚のシングル盤に収録されたの曲を演奏し、「サマーオブラブ2007」を再現するというモノ。

100犬神凶子

110v犬神情次2号

120v犬神ジン

130v犬神明

140vオープニングは「光と影のトッカータ」。

150これ。
ん~「dog」と「god」で「犬神」ね。ウマいことやったな。
「God is dog」ってやってたのはFrank Zappaだったけか?

160s全体的なデザインは何となくコレに似てるな。
1967年1月リリースのThe Doorsのデビュー・アルバム。
若い頃はほとんど聴かなかったけど、今聴くとすごくいいナァ。
「ハートに火をつけて(Light my Fire)」がダントツに有名だけど、1930年初演のクルト・ワイルのオペラ『Rise and Fall of the City of Mahagonny(マハゴニー市の興亡)』の挿入歌「Alabama Song」を取り上げているあたりに鋭いセンスを感じるわね。
後年、デヴィッド・ボウイなんかも取り上げていたけど、ジム・モリソンの方がゼンゼンいい。
それと、1曲目の「Break on Through (to the Other Side)」は私のテーマ・ソングなの。
「She gets high!」とジム・モリソンが怒鳴るところが「シゲッ!」と聞こえるのです。

170s「トッカータ」は普段のステージでもよく演っているからね。

180とてもスムースな滑り出しだ。
210v

「皆さん、こんばんは!今日はショートプレミアム興行です。11年ぐらい前に5ヶ月連続でシングルをリリースしました。その5ヶ月を1時間で再現します」
と今日の企画の説明があって、早速重大発表。
「明兄さんがギックリ腰をやりまして…。それに情次兄さんは高熱を出して2人とも大変なことになっています」
ジョニーちゃんは39度まで熱が上がったとか…。
明兄さんは「今はアドレナリンが出ているので大丈夫!」と言っていたけど2人ともツラかったろうな~。
「もし何かあったらすぐに演奏を中断します」と安全第一宣言で2曲目に移った。

1_s41a8410 2曲目は同シングル収録の「腐乱のあなた」。

200vギター・ソロ…ああ~!そんなに張り切って大丈夫なのかッ!
私の学校の後輩だからね、心配だ。

270v続いては2枚目、「地獄に堕ちた子供たち」。
このジャケットも何かに似ている気がするな~…

220s…と思ったらコレだった!
Frank Zappaの『We're Only in it for Money』。
え、違う?コレは1968年だわ。
何しろビートルズのアルバムのパロ・ジャケはゴマンとあるからね。

230s『Sgt. Peppers Lonley Herats Culb Band』がリリースされたのは1967年3月のこと。
日本でのリリースはそれより後のことだったのだろうが、実際にこのアルバムの前後を経験した、当時ロック狂いの中学生だった四人囃子の岡井大二さんによれば、このアルバム以降、周辺のポップカルチャーのすべてが変わってしまったそうだ。
このアルバムって「ロックの金字塔」のように崇め奉られているけど、ロックの定義とも言えるエイト・ビートの曲って収録曲の半分以下しかないんだよね。
さんざん書いて来ているけど、今でも絶大な人気を誇るビートルズだけど、英語ができない日本人は、その魅力の半分を味わっていないと思うんだよね。
ビートルズの音楽って、もちろんメロディや演奏だけでも十分楽しめることも確かなんだけど、歌詞を理解して一緒に歌うとその魅力が爆発的に上昇するんだよね。
あのメロディにあの歌詞を乗せて口にするととにかく気持ちがいい。
それと歌詞の内容だよね。
このアルバムに入っている「She's Leaving Home」なんてイギリスの娘を持つ親たちが聴いた時、一体どういう風に感じたろう?
私には娘はいないが、歌詞カードを見ないで何とか直で英語を理解して聴いた時の感動は凄まじいモノがありますよ。
「When I'm Sixty-Four」も同じ。
この程度の曲ならティンパンアレイには掃いて捨てるほどある。天下のポール・マッカートニーでも向こうの土俵では、ジョージ・ガーシュウインやコール・ポーターやアーヴィング・バーリンやハロルド・アーレンにかなうワケがない。
ところがポールの声であの歌詞を歌い上げられるとコロっとヤラれちゃうんだよね。
今、若い人はビートルズを聴かないらしい。
コレは音楽界の大きな悲劇だと思うし、売上至上主義のクダラナイ音楽を押し付けてきた日本の音楽業界の重大な罪だと思う。
気の毒にナァ、ビートルズの音楽を知らないで死んでいくなんて…。

1_sgt曲はもちろん「地獄に堕ちた子供たち」。
しかし、コレもスゲエ歌詞だな。

250vココでも長めのジョニーちゃんのソロ。
身体は大丈夫なのかッ?!

190vステージ下手では凶子姉さんとジン兄さんのフォーメーション。

280続けて「一つ目小僧」。
この曲も普段のステージで時々取り上げられている。

260凶子姉さん、ココで本日のお召し物を紹介。
何とネコ柄の生地!
ネコ柄の着物なんて初めて見たけどかわいいね。

1_s41a8536 よくこういうトンボの柄を見かけるでしょう?
コレ、何でトンボか知ってる?
トンボって前にしか飛ばないんだって。だから「スクスク育て」と男児の着物の柄の選ばれることが多いのだそうだ。
しかし、後ろ向きに飛ぶ虫なんて見たことないけどナァ。

Df 3枚目のシングルは「たからもの」。

290sあ、こっちだ!
しかし、よくできてるナァ。
ジャニスの、イヤ、Big Brother and the Holding Companyの『Cheap Thrills』は1968年8月のリリースだ。

300sジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリックスが出演して名前を上げた有名な「モンタレー・ポップ・フェスティバル」も1967年8月の開催だ。ウッドストックの2年前。
昔はね、ビデオをDVDも、ましてやYouTubeもなかったでしょ?
動くロック・バンドを見るにはフィルム・コンサートに行くしかなかったんよ。
まだロックは全くのマイノリティだったからね。いいですかロックを聴いて楽しんでいる人は少なかったので、テレビにロック・バンドが出てくることはまずなかった。
夜中にテレビで『ウッドストック』が放映されて明け方ま眠い目をこすりながら観たこともあった。
え?タイマーでビデオを撮っておけばいいって?
だからビデオなんかなかったんだってば!
で、観に行ったのよ、映画の『モンタレー・ポップ・フェスティバル』。
中学3年生ぐらいだったかなナァ?1977年ぐらいか…。
会場は九段会館だった。
何か併映されてたけど忘れちゃったナァ。
下はその時会場で買ったプログラム。この時から40年以上経っちゃった!

305vコレは脱線になるけど、このフェスティバルに出ていたThe Whoのキース・ムーンとママス&パパスのママ・キャスことキャス・エリオットってロンドンのアパートの同じベッドで死んでるんだよね。

詳しくはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.26~ハイド・パークのカドッコで

260vこのシングルからは3曲が演奏された。

310リード・チューンの「たからもの」。

320「裸のマリー」
340v凶子姉さんがステージから降り、トリオに。
ああ、懐かしいな~この光景…「Z」!

385曲はジン兄さんの歌で「気ままな旅を」。

390v次は『バビロニア物語』。
あ、またやっちゃった!
コレはCreamの『Disraeli Gears』。
日本では『カラフル・クリーム』という無責任でアホ丸出しの邦題が付けられているが、原題はベンジャミン・ディスラエリというイギリスの政治家にちなんだタイトルだ。
 
興味のある人はコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.24~カーナビー・ストリート <前編> Dedicated Follower of Fashion

360s犬神バージョンはコチラ。
やっぱりイラストだと近づけやすいね。
お!三億円事件犯のモンタージュ写真が遺影スタイルで組み込まれている。

350s「三億円事件」は1968年の12月に府中で発生した窃盗事。
当時子供だった私は「三億円」がいくらなのかはよくわからなかったが、とにかくエライ騒ぎだったのを覚えている。
1975年12月に時効が成立し未解決事件となった。
三億円事件犯のモンタージュ写真は以前にもレコード・ジャケットに使用されている。
1972年年にリリースされたが発売中止となった頭脳警察のファーストは有名だろう。
今でこそ平気で売られているが、私がロックにのめり込んでいた高校時代、このアルバムを聴くことはとても困難なことだったが、年上の知り合いにお願いしてダビングしてもらった。
「世界革命戦争宣言」なんてのはやっぱりショックを受けたよね。
偶然並んだので書いておくが、「頭脳警察」というバンド名は上で紹介したザッパの『We're Only in it for Money』に収録されている「Who Are the Brain Police?」から転用されている。

Zk それとね、「三億円事件」と聞いていつも思い出すのは望月三起也の「ワイルド7」。
「ワイルド7」とか「秘密探偵JA」なんて夢中になって読んだな。
今じゃ「JA」と言えば「農協協同組合」のことだからね。
で、ワイルド7の人気エピソードのひとつに「緑の墓」という長編があった。
「緑の墓」というのは凶悪犯を収容する架空の特殊刑務所のことで、そこの囚人のひとりが自分の優秀さを示すためにこういうセリフを吐くシーンがある。
「あの『三億円事件』の計画の一部を担当したのは私だ」
コレがカッコよくてね~。
それほどこの事件はスゴイ犯罪だったというワケ。
犯人の連中は今頃そうしてるんだろうね。
当時30歳で犯行に及んだとして今年で「傘寿」だよ。
そうか…三億円事件から50年経ったのか!私の小学1年生は50年も前のことなのだ!

660_mh曲はそのまま「バビロニア物語」。

370合掌。

1_s41a8640 続けてカップリング曲の「ディストピア」。
ん~、やっぱりいいな~NATALのサウンドは!

380vそして、体調が悪い情次兄さんはMarhsallがガッチリとサポート。
例え弾き手に熱があってもMarshallが助けてくれます。

400さて、最後は2007年11月に発表したシリーズ最後のシングル「いつか」。

400s1967年2月にリリースされたジェファーソン・エアプレインの『Surrealistic Pillow』はロックを聴き始めの頃に買って聴いたけど「Somebody to Love」以外はダメだったナァ。
コレのせいかどうかは知らないけど、ジェファーソンはエアプレーンもスターシップもどうも受け付けなかった。
でも20年前にサンフランシスコに行った時、現地の人が遠くの山の中腹を指差して「アレがグレイス・スリックの家だよ」と教えてくれた時はチョットだけうれしかったナ。

420s凶子姉さんは「いつか」を熱唱。

440そして、明兄さんがお好きだという「過去の栄光」をテーマにした「運命」を演奏して本編を終了した。

430 

470そして、アンコールは『地獄に堕ちた子供たち』の「苦界浄土」をプレイ。
「苦界(くがい)十年」なんてね。
吉原なんかに売られていくと、最低10年はそこで過ごさなければならなかった。チョット今日も『私のディープ浅草』はお休みね。

490v2人の故障者を出しながら、見事に『サマーオブラブ2007』を再現した~!

480ああ~、明さん大丈夫ッ?
凶子さんが心配そうにサポート。
そういえば前回レポートした『妖怪大戦争』の終演後もシンドそうだったからな~。
腰はダメよ。
本当に気をつけないと!重度の椎間板ヘルニアになんかに罹ろうものなら地獄ですからね。510そして、『新宿ゴーゴー』に続くニューアルバム『東京2060』の発売が9月26日に決定した。
スゴいね~、犬神さんは。
こうして定期的にキチッと新作を出し続けて、ツアーをして…コレがミュージシャンの本来の仕事だわね。
そのレコ発ツアーは10月20日の札幌から。

520sその前に恒例のバカスポの単毒公演。
オイオイオイオイオイオイオイ、もう1年経ったのかよ!
この「楽園」もど早くやって来る企画はないね。
今回のタイトルは『ケルベロスの狂宴』だそうです。
 

犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

530 

200 

(一部敬称略 2018年6月26日 恵比寿club aimにて撮影)

2018年8月21日 (火)

GO!GO! Rock'n'Roll Party! <後編>~BLIZARD 35th

 
ベーシスト寺沢功一の55回目の誕生日とデビュー35周年を記念するイベントもいよいよトリの出番となった。
司会のガリガリガリクソンが声高に紹介するのは…

10v_2皆さんお待ちかねのBLIZARD 35th!

20_2下村成二郎

30_2村上孝之

40v横関敦

45v山内康雄

55vそして本日の主役、寺沢功一!

60v村上さんはMarshall。

70_2JVM210Hと1960Aの組み合わせ。

80v_2上手のMarshallもJVM210H。
スピーカー・キャビネットは1960BV。

90v_235年目のBLIZARDのオープニングは「Stealer」。

100_2失礼ながら私は現役時代のBLIZARDを全く存じ上げないんだけど、ん~、日本のハードロック臭がプンプンしていてうれしくなるね。

115v続いて「Lady Stardust」。

120v_2何となくジックリ、そして感慨深げに低音を奏でているかのように見える今日の主役。

130v「なんじゃ、平均年齢はマァ…ナンだけど、こんなに暑い中たくさんの人に集まって頂いてとてもうれしいです。
こんな暑い日に誕生日を迎えるってどーゆーことよ!」
まったく、私は11月生まれなので同様に理解できません。
「とてもきれいだった時の心を思い出して急いでいきましょう。
今日は歌詞を忘れた時は皆さんのクチを見るからね…みんな歌ってくれないと困るよ!曲を知らない人も何となく歌ってくれぃ!」

660_s41a0258 …と、そんな歌詞忘れの危険性などゼンゼン感じさせない安定の歌いっぷりで「Shallow Runnner」。

140_2コーラスもバッチリ!
200_2ホントにお客さんもうれしそうに下村さんに合わせて歌っている!

160_2ステージ上手では横関さんのギターが炸裂しまくり!
横関さんもひっさしぶりのご登場。

150vよく抜けるサウンドで横関さんのJetギターが存分に味わえる~。

180vやっぱり真剣な面持ちのてらちん。
昔のことでも思い出してセンチになっているのかな?
でも出て来る音は低音の暴力。

170v「Love Me Tonight」…

190vステージ下手を華やかに彩る村上さん。

220v_2次から次へと密度の濃い演奏が展開していく。

230_3「みんな知ってるよね?気づいた人もいたと思うんですけど、昔NHKの『ロック講座』に出た時、『狂った』とか『イカれた』とか他の言葉に替えろって言われたの。でも2回のウチ、両方とも『狂った』って歌っちゃった!
アレ、自分でもビックリした。『イカしたロックンローラー』って言われていたのに『イカれたロックンローラー』になっちゃった」
イヤイヤ、ロックンローラーはイカれているのが正常だったんです。
今の若い人たちはお行儀が良すぎる…というか、「知性的なロック」は大いに結構だが、「お行儀のよいロック」というのは基本的におかしい。
「お上品なパンク」なんてのは完璧な撞着だ。
「今日集まってくれたみんなのために歌いましょう!」

240v「Show Me the Way」を熱唱。

260ココでメンバー紹介。
「ベース、寺沢功一!おめでとう~!」

250v続いて熱すぎちゃって、熱すぎちゃって、「Over Heat」!

270v_2グワ~っと迫りくる横関さんのソロ。
終始笑顔ひとつ見せず、コワイぐらいギターに没頭しているところに職人感があふれている!

280v_2文字通りオーバーヒートのままステージはクライマックスに突入する。

290v_2「Orion」…

300v_2そして「Boy」…

310v_2こうして35周年のBLIZARDは幕を降ろした。

320_3最後は出演者全員がステージに集まり「Happy Birthday」を歌っててらちんの誕生日を祝った。

330「色んな不安がありました。たくさんの人が集まってくれて本当にありがとうございました!次は5年後かな?…次はチャンチャンコかな?」

340そうか…チャンチャンコか…。
ま、私の方が1年先に着させてもらうワケなんですけどね。
とにかく健康でいましょうね。
齢を重ねて本当に自慢できるのは健康だけです。
金があっても、毛がたくさん生えていても、ハズキルーペが不要でも、健康でなければナ~ンも意味もない。
健康のワリにあまりにも金がないのも困りますけどね。

350てらちん、おめでとうございました~!
これからも元気に低音をブチかましてくだされ!

360 

200_4
(一部敬称略 2018年7月5日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2018年8月20日 (月)

GO!GO! Rock'n'Roll Party! <前編>~TAGAWA

  
フェデリコ・フェリーニの『オーケストラ・リハーサル』じゃないけど、やっぱり楽器の性質とそれを演奏する人間のキャラクターにはある程度の相似性があるよね。
ボーカルズっぽい人とか、ドラムスっぽい人ってのはたいてい派手で、ヤンチャな人が多い。
ギターもどちらかといえばその部類だろう。
もちろん例外も少なくはないけど。
私は年上のイトコの影響で中学2年生の時にギターを始めたんだけど、目立ちたがり屋だったので私には「ベース」という楽器が全く目に入らなかった。
もっともその頃はまだまだロック・バンドをやっている人なんてのは猛烈に珍しかったので、自然に耳に入って来る楽器に関する情報も少なく、そもそもベースという楽器がどんな働きをしているのかも知らなかった。
昔はバンド内で担当楽器をキメる時に、家が金持ちだからドラムス、年下で立場が弱いからベース、なんてことがよく言われていたよね。
ところがそのベース、音楽がわかってくれば、わかってくるほど面白い楽器だということに気付いた。
40年にわたって山下達郎さんのベース・パートを務めている伊藤広規さんの『Relaxin' at IWAKi AKIOS』というライブ・アルバムがリリースされる時、ライナーノーツや写真のお仕事の他にキャッチコピーの考案を依頼された。
そこで「いいバンドにはいいベーシストがいる」という惹句を提供したところ、見事ご採用頂いたのだが、コレは本心から出た言葉だった。
そもそもロック・バンドというは、歌とドラムスがシッカリしていて、ギターのチューニングが狂ってさえいなければ、マァ、第一段階は何とか乗り切れるものだ。
反対に歌もドラムスもバッチリ、ギターはバッキングもソロもピカいち!というバンドでベースがイマイチ!…なんて時は、そのマズいベースのプレイが気になっちゃって他の音が耳に入って来なくなっちゃう。
さらに反対に、本当に音楽を知っているベーシストが繰り出すグルーヴっていうのは信じられないぐらい気持ちがいいからね。
そういう時は、反対に耳がベースの音しか受け付けなくなってくる。人間は低音なくしては生きられない。
しかもこの現象は音楽の種類を問わないんだよね。ジャズなんかもモロにそうだもん。
クラシックだって同じ。ベルリン・フィルの出す音がスゴいのは、コントラバスの音を気持ち早く出しているからという説がある。
 
今日はそんな「ベース」という楽器に魅せられた男、「てらちん」こと寺沢功一の55回目の誕生日と35年のキャリアを記念するコンサートのレポート。

10v冒頭、ステージに上がったのはてらちんのお弟子さんだちのコントラバスによるカルテット。
「The Chicken」をオリジナリティあふれるパフォーマンスで披露。
コレがとてもカッコよかった!
そして「もう1曲すごく短い曲を…」と「♪Happy birthday to you」を師匠に捧げた。

20「芸能人ですよ~、芸能人ですよ~!」
司会のガリガリガリクソンが登場。
「『おめでとう!』という言葉と『帰れ!』という言葉をたくさん頂きました~!」
そして次の出演者を紹介する。

30ステージに上がったのはTAGAWA。
 
田川ヒロアキ

40長谷川浩二

50そして…あ、コレは付けてなかったけど…

60s寺沢功一

70オープニングはヘヴィに「Stranger Destroys Arms」。

70v_sdaもちろんヒロアキくんはMarshall。

80v専売特許の美しいトーンを演出しているのは愛用のJVM210Hと今日のキャビネットは1960BV。

90vTAGAWAもスタートして早や3年だよ。
ホントに早い!

1003人の鉄壁の演奏にますます磨きがかかってきた。
やっぱり何でも「継続」が大切なのだ!

110vヒロアキくんがてらちんを紹介。
「寺沢功一~!」

115「まずは一発目、TAGAWAです。
5年前にも同じようなイベントをやりました。このTAGAWAをはじめ、ボクの自慢できる4バンドを揃えました。
TAGAWAでこのステージに立つことができてとてもうれしく思っています」とご挨拶。

120v続いて演奏したのは自慢のポップ・チューン「キミを乗せて」。

130この曲もスッカリおなじみになって久しい。
時折サビのメロディを無意識に歌っちゃうんだよね。

140続いて景気よく「Bound」でドライブ!

150弾きまくるヒロアキくん。
この日は「ノッテる感」がスゴかった。

160フロントの2人を容赦なくバウンドさせる浩二さんのドライビング・ドラムス!

170TAGAWAのステージには欠かせない曲とだけあってバッチリとキメて見せた。

180本日の主役をフィーチュアして「Crazy Gun」。

190熱唱するてらちん!
「いい夢みさせてやるぜ!」
純愛をテーマにしているそうです。

200「ココで強力なボーカリストが迎えます。広島でライブをした時にタマタマその人が来ていたので一緒に歌ってもらいました。
それがすごくヨカッタので今日もお呼びしました」

660_s41a0107_2 ステージに姿を現したのは…

205下山武徳

大分前、Double Dealerのライブには何度かお邪魔したことがあったんだけど、あの頃はまだMarshall Blogを始めていなかった。
よって、下山さんは今回がMarshall Blog初登場。ようこそいらっしゃいました!

220v曲はAC/DCの「Highway to Hell」。

210ノッテる感満点のヒロアキくん、ココでも充実のソロ!

230ふたりのイキもバッチリだ。

240それもそのハズ、呉のライブハウス「CAROUSELAMBRA」の20周年を記念して制作された「酎ハイKING」で下山さん、ヒロアキくん、そしててらちんは共演済なのだ。
過日の豪雨災害では呉も大きな被害を被った。
この場をお借りして謹んで災害のお見舞いを申し上げます。

Sk_2 ヒロアキくんが奏でるおなじみのリフ。
私が中学2年生の時に生まれて初めて外タレのコンサート聞いた最初のギター・リフがコレだった。

260v_ktk曲は「Kill the King」。
ま~、この4人の演奏だからして、すさまじいこととこの上なし!

270v

280v

290v

300vそして、フィニ~ッシュ!

310v大成功!

320こうして会場は一気に盛り上がりの頂点に達したのであった!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

660_0r4a0736この後、てらちんはOSAMU METAL 80's、RIDER CHIPSのステージを経てトリの出番に臨んだ。
その様子は<後編>で!

330vつづく 

 

200_4
(一部敬称略 2018年7月5日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2018年8月10日 (金)

Poundin' Jam with ORIGIN~Masha & Makabe

 

「おぅ…………いいモン見せてやろうか………」
「へッ!」と手もみをしながら調子よく答えるのは沢村いき雄扮する「番太の半助」。そして、その半助に、懐から取り出したピストルを見せて、声を出さずに「バーン」と撃つ仕草だけをしてスゴむのが清兵衛一家の「新田の卯之助」。
何十回観てもこの仲代達也がタマらなくカッコいい。
黒澤明の『用心棒』の中でとても好きなシーンのひとつ。ああ、また観たくなってきた~!
下は『用心棒』のイギリス盤。
ナゼか盤には「棒」という文字があしらってある。
「用」、「心」、「棒」の中で「棒」が一番カッコよく見えるのかな?
あ、「いいモン」ってのはこのDVDではない。A「いいモン」とはコレ。
英エリザベス女王の在位60周年「Diamond Jubilee」記念して作られた£5硬貨。
ホンモノだよ。

B_2中はこうなってる。
見にくいけど、エンボス加工されたホルダーにシッカリと収まっている。
デザインは表が女王が若い時の、ウラは現在のポートレイトとなっている。
表面の「DIR IGE DEVS GRESSVS MEOS」というのは「我が君主が進むべき道を示すであろう」という意味。
「V」は「U」なのね。今でもスコットランドに行くと「U」であるべき表記が「V」になっている現象を見かける。

Cゲイトフォールドを開けるとこう。
いくつ作られたのかはわからないが、材質はCupro Nickel、すなわち白銅。
品質は「Brilliant Uncirculated」というグレード。
「Uncirculated」は文字通り流通していない状態を指していて、完全ではないが、製造時にできた微細なキズはOK…みたいな状態を示す。
そのうち、製造時の光沢(Luster)がそのままの状態で残っているものを特にBrilliant Uncirculatedって言うんだって。

D知ってる?イギリスって世界で最高の硬貨の鋳造技術を持っているんだよ。
私は知ってました。コインには興味はありません。
だからEUのコインもイギリスで作られた。自分たちは「€」を使わなかったクセにね~。
しかもEUを脱退までしようとしてる。
いかにもイギリスらしい。
で、世界で一番美しいと言われているコインがある。
それは1839年に400枚だけ作られた「ウナとライオン(Una and the Lion)」と呼ばれているもので、『何でも鑑定団』では3,500万円の値段が付いたとか…。
絵柄は、今のエリザベス女王に抜かされるまで最長の在位期間を誇ったヴィクトリア女王。
ね、裏面に「DIRIGE DEUS GRESSUS MEOS」がまれている。こっちは「V」じゃなくて普通に「U」になってる。

Vmさらにコレ。
2012年のロンドン・オリンピックを記念して発行された£5硬貨。

Eこちらもグレードは「Brilliant Uncirculated」。
デザインは、表はセントポールやビッグベン等のロンドンのランドマーク。
裏は婆さんバージョンのエリザべス女王だ。
コレで7,000万円…へへへ。

F最後はコレ。
人のことは言えないが、お父さんとお兄さんの頭髪を一手に引き受けるハリー王子の婚約記念硬貨。

Gしかし、カッコいいですな~。
まるで映画だよ。
これで〆て1億と500万円…と。

Hさて、ナンダって記念コインの話なんかを持ち出したのかと言うと、「£」です「ポンド」。
「ポンド」すなわち「pound」で話を持って行きたかったの。
現地の連中はポンドのことを「クイッド(quid)」なんて言うね。ペンスは「p」。
他に、コレは単位ではないけど「英貨」を表す「Stterling」とか、「Great Britain Pound」とかいう呼び名もある
スゴイね、金には。
ポンドは貨幣の単位だけでなく、重量の単位にも適用されるでしょ?
重量のポンドをなぜ「lb」と表記するのかは以前やりましたね。
このパウンドケーキの「パウンド」の重さのポンドから来ている。

40s_2
「My heart is pounding」なんて言うと、「ああ~ドキドキする」なんて意味になる。
「緊張する」なんてのは「I have a butterfly in my stomach(お腹にチョウチョがいるの)」というオモシロイ表現もある。
Peter Gabrielはファースト・アルバムの「」という曲で「my heart going boom, boom, boom」と歌った。

Pgさて、今日はそんな「Pound」をタイトルにあしらったジャム・セッションのレポート。
その名も「poundin' Jam」。
「ドキドキ・セッション」なんてところになるのかな?

50vギター×2にベーとドラムスのカルテット編成。

60Masha

70v真壁雄太

80vZARY

90vZARYくんはEDENを使用。

100Terra Nove TN501とD410XLT。

110vドラムスはBLINDMANの實成峻。
「Pounding Jam」は峻くんがセッション・リーダーを務める企画。
さっき勝手に「Pounding」を「ドキドキ」みたいに解釈してしまったけど、「pound」にはハンマーなんかで何度もブッ叩く、なんて意味もあるので、ドラマーの峻くんのリーダー・セッションゆえ、むしろそっちの意味なのかも知れない。

120v数日前にレポートしたように、予告通りギタリストはふたりとも新商品のORIGINを使用。
MashaくんはORIGIN50C。

13050W、1x12"のコンボがORIGIN50C。

140Mashaくんのセッティングの特徴はGAINがフルでMASTERが「3」ぐらい?そしてBOOSTをON。
TILTは「6」ぐらい。
TILTを操作することによって、1959のような4インプットのモデルのインプット箇所を連続的に変えていくような効果をもたらす。
コレでもクランチにチョット毛が生えたぐらいの歪み。
だから音が太くてヌケがバツグン!

150Mashaくんの足元。
歪みはペダルで色付けする。
コレでいいのだ。

190一方、六郎太、イヤ雄太くん。
こっちはスタック。

160v50WヘッドのORIGIN50Hと自前のJubileeキャビ、2551BVを組み合わせた。

170v雄太くんもGAINをフルにしている。BOOSTもON。TRBLE、MIDDLE、BASSともに「8」ぐらい。TILTは「5」なので1959で言えば、INPUT1とINPUT2の中間ぐらいになろうか?

180雄太くんの足元。

155雄太くんはLOOPのON/OFF用に付属のフットスイッチを使用。

200さぁて開演!
1曲目は古典。Michael Schenkerの「Into the Arena」。
Mashaくんのチョイス。

210vコレね、考えてみると…いや想像の域は出ないんだけど、世界初の「ORIGIN2台を使ったプロ・ギタリスト2人によるライブ・ステージ」なんじゃないかな?
ギネスに載ることはないがな。
少なくとも間違いなく「日本初」は達成したでしょう?
半永久的的にMarshall Blogにその記録が残るぜ!

220v2曲目はTony Macalpineの「Edge of Insanity」。
ゴメンナサイ!早くも知らん!
でも名前は知ってる。トニー・マカパインの教則ビデオって結構売れてたからね。
「Starlicks」なんて懐かしいな…。

210ココでセッション・リーダーである峻くんからご挨拶。
「今日は火曜日にもかかわらず、たくさんおいで頂きありがとうございます!」
峻くんはこの「Poundin' Jam」と「Rock Inst Night」という2つのセッション・ライブを切り回している。
「ココはご飯がおししいですからね。ゼヒ召し上がりながらお楽しみください」
そして、今日のメンバーが紹介された。

225v続いてはEuropeのJohn Norumのナンバーで「Aphasia」。
初めて取り上げた曲だそうだ。

230John Norumって大人しくてスゴく感じのいい人だったな。
YOUNG GUITARさんのDVDの企画で、当時新商品だったMarshall初のデジタル・アンプ、JMD:1を勧めたらすぐに使ってくれてね~。

34841048_1510985712344527_708032915 初めてとは思えない充実感で演奏をこなす若者たち。

240

250余裕シャクシャク。

260続いてはMashaくんの泣きのギターをフィーチュアして「The Loner」。
この曲は人気だね~。
Max Middletonの曲なのか…。
しかしいいナァ、ORIGIN!

270v第1部の締めくくりは「Party in Simon's Pants」。
Steve Lukatherの曲だそう。

280v峻くんの説明通り、なるほど17/2拍子だ。
ルカサーってこんなことやってたの?

460vま~よく弾くこと…。
2人のギターの音が空間を埋め尽くす!

290vま、そのギター・サウンドがMarshallだからタマらない。
ORIGINも絶好調のウチに第1部が終了。

S41a0847
休憩をはさんで第2部がスタート。

320まずは珍しく和モノから。
T-Squareの「Faces」。
340アイルトン・セナのテーマ・ソングなのだそうだ。
そういえば、私が4年生の時に出場した山野楽器のビッグバンド・コンテストは国立音楽大学が優勝したんだけど、その時リード・アルトを吹いていたのがT-Squareの本田さんだった。
ベースの人がアップライト・ベースをエレキベースのように横に抱えて演奏したり、バス・クラリネットを使っていたりとか、圧倒的な演奏だったのを覚えている。

330v続けてシットリと「Last Horizen」という曲。
エエ?Brian Mayの曲?
Brian MayってQueenの?
ハァ~1993年のシングル?よく知ってんな~。
Brian MayはMarshallを使わなかったけど、Water Ratsという団体を通じてジム・マーシャルと仲がヨカッタんだよ。

450MCを挟んでAndy Timmonsの「Super 70's」。
Mashaくん、今回のピートの一時帰国に伴うSilex活動停止のお知らせをしてた。
マァ、バンドってのは大変だよ。
特に最近は簡単に解散しちゃうバンドが多いからね。
みんなで共通の夢を目指して、石にかじりついてでも自分たちの音楽をやり抜くぞ!っていう雰囲気がないもんね。
そんな中でSilexはシッカリした活動が期待できそうだったのでとても残念な話だ。
ガンバレ、Mashaくん!
Marshallが付いてるぞ!

410vこの人はIOSISという自分のバンドを率いている。
人とは違った音楽をガンガン聴いて勉強して、自分だけの音楽を作ってくれい!
Marshallが付いてるぞ!

400v続いて今度はJoe Satriani。
「Summer Song」という曲。

470vSatrianiってのもスゴイ人だと思うんよ。
ギター1本と自分の音楽でさ、ズッとスターの座を守り抜いてるんだもん。
もうこの時代、ギターがウマいとか、速いとか、意味がないような気がしてる。
どうやって人と違う魅力的な音楽をクリエイトするか…コレを追求しなければならない場面でしょう?
音楽界って最早やることがなくなっちゃって、キッズ・ミュージシャンがあふれ出してきたでしょ。
コレを音楽界の「学徒動員」と呼んでいいのではないか?思うんだけど、かなりコワイよね。
音楽は何といっても「曲」であって、技術を競う「万国ビックリショウ」じゃありませんから。
聴衆が確かな耳を持っていることを示す時代でもあると思う。480vMCコーナー。
セッションの経験や楽譜の話や告知の開陳があって、峻くんが「ところで…」とORIGINの話を切り出してくれた。
ったく!峻くんがMarshallを紹介してりゃ世話ねーじゃねーか!
改めまして、峻くんありがとう!

350「ギターというモノはアンプがセットです。
今日はMarshallが並んでいますが、新商品です。

360vロックといえばMarshallです!
こんなにいい音なのに安くて、コンパクト…皆さん買ってください!」
Mashaくんが使っているのがORIGIN50C。

227s_2

「ORIGINは7月25日に発売されました。
今日は50Wのコンボとヘッドを使わせて頂いています!」

380_2雄太君が使っているのはヘッド・バージョンのORIGIN50H。

226ZARYくんにMarshall Blogに出て頂くのは、実は今回が2回目なの。
峻くんが教えてくれたんだけど、以前、TAGAWAの前座のバンドでベースを弾いていたのだそうだ。
2度目まして~!

370v曲のコーナー。
そうだね、峻くんとMashaくんのコンビだもんね。
演奏したのは「Crying Machine」!
私はZappa歴が比較的長いので、Steve Vaiの名前は1980年代初頭から認識していた。
だって「Vai」ってすごくヘンな名前だし、Zappaのアルバムに記してある担当パートが「Stunt Guitar」ってなっていたのでスゴク気になったんだよね。
若い時は私も「テクニック至上主義」だったから。
昔はソロアルバムも買った。LP。『Flexable Leftover』みたいな10インチ盤もあったな。
その後は全く聴いていなかった。
それで時々、この曲を耳にするようになって、なんでみんなクレイジー・ケン・バンドなんて演ってんだ?って結構本気で思っていた。
小野瀬さんの作品なのか?…なんてね。
で、三宅さんから「アレはSteve Vaiの曲なんですよ」ということを告げられてかなりビックリしたのが数年前。
要するに私の勉強不足です、はい。
初期のようにZappaの猿マネをしているよりゼンゼンかっこいい。要するに他の人がやってないから。

390峻くんのドラム・ソロ!

300v全く奇を衒うことのない、トラディショナルかつ音楽的なプレイ。
正しいことがキチっと書かれた教科書に目を通しているようで、聴いていてとても気持ちがいい。

310アンコールは「Rock You Like a Hurricane」。
Scorpionsね。
私にとっては新しいScorpions。
このタイトルだとアタマに浮かぶのは完全にNeil Young。

4904人ともとても一期一会的なセッションとは思えない、完璧なアンサンブルを聞かせてくれた。

510

520

530v

500イヤ~、1年分のギターを2時間で頂戴しました!

535「ORIGIN」なんてチョット風変わりな名前を付けたな…と最初は思った。
しかし、1チャンネルでリバ―ヴすら付いていないシンプルな機能、歪みすぎない図太いトーン、豊かな倍音とサスティン、そして黒、白、金のコントラストが生み出す伝統のルックス…。
「ギター・アンプってコレでいいんじゃないの?」と思った瞬間、Marshallが「ORIGIN」という名前に込めた精神が理解できた。
今日、バンドという実戦の場でのORIGINの活躍を見て、その精神の理解度が更に深まった。
おかげさまでお求め安い価格ということも手伝って、輸入販売会社の担当者から「最初の入荷分は完売した」と聞いた。
うれしいね~。すごくうれしい。
チョット前までは滅多にギターを触らなかったんだけど、私もスッカリ気に入って、20Wのコンボを家で毎日使っている。
フルアコをつなぐとまたいいんだ!

540

200_2  

(一部敬称略 2018年8月7日 四谷Sokeh's Rockにて撮影)

2018年8月 8日 (水)

美女と金髪と野獣2018 <後編>~ TSPとセッション

 
『美女と金髪と野獣2018』のステージ上手のようす。
ステキ…でもチョット変わった光景。
ヘッド+ヘッド+キャビネットの3段積みが並ぶのはそう珍しくないが、真ん中にラック・システムのMarshallが挟まっている所が新鮮だ。
なんかオーディオ・ステレオのセットみたいじゃん?

10_2その『美女と金髪と野獣2018』も早くもトリの登場となる。
TSPの出番だ!

20TSPの総帥にして我が大後輩、Shu。

30v_2HINA

50v_2Marshall Blog初登場のとなるTSPのシンガー、RIKI。

60v_2ウワッ!ベースも替わっちゃったの?と思ったらTHUNDERくんはお休み。
トラで参加したのはそもそもTSPに在籍していたYou+。

70vオープニングは『The Lat Resistance of the Firebird』から「Ash & Rain」。

80_2ん~、Shuちゃんの轟音健在!

90真ん中のセットがShuちゃんのMarshall。
JMP-1+EL34 100/100+MF400Aというコンビネーション。

40v_2
しかし、あの80~90年代にかけてのラック・ブームってのはスゴかったね~。
その頃は私もしきりにバンドをやっていて、やっぱり憧れたもんね。
私が初めて「ラック・システム」なるものを見たのは1980年ごろ、PANTA& HALの長尾行泰さんのアンプだったように思う。
やっぱり世の中でもまだ珍しい部類だったのだろう、何かの雑誌の機材紹介で「このシステムを構築するにはかなりの金額を要したことであろう」と書かれていたのを覚えている。
Marshallも結構色んなラック製品を作ったんだよ。
JMP-1は言うに及ばず、世界的に大ヒットしたSERIES9000、Shuちゃんも使っているパワーアンプEL34 100/100なんてオーディオ・マニアが使っていたりもしたんだから。
VALVESTATEシリーズにもラック・モデルがあったしね。
それからこんなのもあった。
一時期、ジェフ・ベックも使っていたスピーカー・エミュレーター、SE100。
今、こんなのやったた結構ヒットするんじゃないかな~?

660_2se1000_2

マルチ・エフェクターのJFX-1なんてメッチャよかったよ。660_jfx さて、曲はおなじみの「Mad Cluster」に移る。

100さらに「Freeze」。
チョット調べてみたら、2012年の記事にYou+くん出てた。

120v_2MCを挟んで「In You Life」。
前から気になっていたんだけど、このバンドのMCってBGMが流れてるんだよね。コレはこういうモノなの?
140v_2続けて「Break Myself」、「Get High!」、「The Times」。

130v_2このあたりは昨年発表したセルフカバーを含むアルバム『TRIBAL REVOLUTION』からのチョイス。

200cdHINAちゃんのド迫力の歌いっぷりが素晴らしい!

110vしかし、このバンドの盛り上がり方も独特だよな~。

150ナント表現すればいいのか、「お祭り感」がスゴイんだよね。
別に今流行りの和楽器を使っているわけでも、和風のメロディを奏でているワケではないんだけど、私なんか「日本の祭り」を感じ取っちゃうんだよな~。

190_2You+くんはシャープなベース・ソロをタップリとお見舞いしてくれた。

160v_2「Desperate」から…アラ?こんなの演ってんの?というのはT.Rexの「20th Century Boy」。
T.Rexのマーク・ボランの相棒、ミッキー・フィンはNATALのパーカッションを愛用していたんだよ。

170vTSPのステージも最終セクションに入った。
暑い!
お客さんが盛り上がりまくりでどうしようもなく暑い!

180おなじみの「附和雷同」と…

S41a9350 「矛盾」で持ち時間を走り抜けた。

210TSPの詳しい情報はコチラ⇒TSP OFFICIAL WEB SITE

220vさて、全バンドの演奏が終わったところで「ビヤキン」名物のセッション・コーナー。
演奏される曲目によって、イヤが応でも私の世代の違いを感じるコーナー。
1曲目はJourneyの「Separate Ways」。
コレは知ってる。

230_2そして、全員入り乱れての「The Hellion~ Electric Eye」。
コレはJudasu Priestね。
アータ、私が中学生の時にジューダスが出て来たんだから。
君たち生まれてないでしょう?
「ジューダス・プリースト」を知ってる子なんて私の他に全校で数人しかいなかった。
そんなアンコール・セッションでした。

240_2<前編>で触れた通り、今回の『美女と野獣と金髪』は、『美女と野獣と金髪と筋肉』と称した追加公演が催された。
貴イベントの益々のご発展をお祈りしております。
ご発展の際にはMarshallと一緒にお願いしますよ。オイテケボリはイヤだかんね。

250v_2 

200 
(一部敬称略 2018年6月30日 新宿Zirco Tokyoにて撮影)

2018年8月 7日 (火)

美女と金髪と野獣2018 <前編>~ TEARS OF TRAGEDYとD_Drive

 

定着して久しいイベント『美女と野獣と金髪』。
Marshall Blogにも何度かご登場頂いているが…アレ?
今、初めて気がついた。
コレ、『美女と野獣と金髪』だったのね?
イヤみんな「ビジョキン、ビジョキン」って言うからさ、テッキリ「美女と金髪と野獣」かと思っていた。
それじゃ「ビジョヤ」って言ってもらわないと!イヤ「ビヤキン」ですべて収まる。
年々人気がアップしているこのイベント、今年はいよいよ追加公演も実現した。
その名も『美女と野獣と金髪と筋肉』だって。
こうなると「ビヤキキ」ですな。
今日はその「ビヤキキ」の方ではなくてツアー本編千秋楽「ビヤキン」のレポート。

05vまず最初にステージに上がったのはTEARS OF TRAGEDY。
Marshall Blog久しぶりの登場。

10HARUKA

20vTORU30vHAYATO

40vYOHEI

50vHIDEYUKI

60vオープニングは「Beyond the Chaos」。

70相変わらずのTEARS OF TRAGEDY式ドラマチック&ロマンチック・サウンド!

80今日もバリバリやってくれているTORUくんはもちろんMarshall。

90vヘッドは下段のJCM800 2203。

94vMarshallを背中にしてステージ上手で華麗に弾きまくる~!

952曲目は「Void Act」。
1曲目同様アルバム『STATICE』からのレパートリー。
さらに続けて「Rebirth」。

100vヒラヒラと空に浮かぶようにして歌うHARUKAちゃんと攻めまくるTORUくん。

120vその2人を鉄壁なパフォーマンスでバックアップする3人。

130v

140v

150vMCをはさんでシングル・リリースの「Astrea」。

160v「Silence Ocean」、「Blue Lotus」と続けた。

170TORUくんってサ、あまりにも何でもなくギターを弾くんだよね。
この「お茶の子サイサイ感」はTORUくん独特のモノで、クールな「仕事人」を感じさせる。

180vサワリでHARUKAちゃんとHAYATOさんのデュエット・コーナーも。

190HARUKAちゃんは楽屋でモーツァルトのオペラ『魔笛』の中の「夜の女王」で喉のウォーミングアップをしていた。
このアリアは「ハイF」と呼ばれるピアノの真ん中のFの2オクターブ上のFの音を使っていることで有名。
私は大阪の箕面に住んでいた時にクラシック評論家の出谷啓さんによる「西洋音楽史」の講座を受けたことがあるのだが、その時にこのアリアの話が出た。
『魔笛』が作られたのは1791年のことで、当時はひと通り音楽のパターンが出尽くしていて、人間の限界にチャレンジすることが流行っていたのだそうだ。
要するに今のシュレッダーの皆さんが人智を超えてどれだけ速弾きができるか…なんてのと同じこと。
そこでモーツァルトは素晴らしいメロディの中にこの「ハイF」という普通の人間では到底出すことができない高音をブチ込んだ。
さすがモーツァルト。
こうしたアクロバチックことをしても人類史に残る名曲を作り上げた。
ちなみに最も高い声を使った曲は「夜の女王」の半音上をいくリヒャルト・シュトラウスのオペラ『ナクソス島のアリアドネ』という歌劇らしい。
この「ハイ何とか」という表現は日本だけのモノで、海外では意味が通じないらしいよ。
デューク・エリントン楽団のリード・トランぺッターだったキャット・アンダーソンは、ジャズ史上最も有名なハイノート・ヒッターだったが、彼のトレードマークであった3オクターブ上の「C」のことを英語で「Triple C」とは記述されているものの、確かに「ハイC」という風には書いていない。
しかし、人間は「ハイノート」とか「速弾き」とか好きだね~。ようするに曲芸だからね。
音楽で一番ムズカシイのは高さや速さを競うのではなく、誰も思いつかないいいメロディで人の心を揺さぶることだと最近つくづく思う。200vTEARSのステージも終盤に入り「夏」から「It Like Snow...」。

210vMCをはさんで「Another World」、「Accept Yourself」とつなげて出番を終えた。

220TEARS OF TRAGEDYの詳しい情報はコチラ⇒TEARS OF TRAGEDY Official web230続いてはD_Drive。

240Seiji

250vSeijiさんはいつものJCM2000 DSL100ECと1960AX。

260vYuki

S41a8873 YukiちゃんはJCM2000 TSL100と1960A。

280vToshiyuki

290vToshiくんはEDEN。
Terra Nova TN501とWT-800を装備。

300Chiiko

310v今日のオープニングは「Attraction 4D」。

320v2人でリフを引き分けるパターンがカッコいい。

330v続いてD_スタンダード「Cassis Orange」。

340MCを挟んでYukiちゃん作の「Shape of Your Life」。

270v続いてスーパー・ドライビング・チューン「Mr. Rat Boots」。

360v胸のすく快走を見せるリズム隊!

420D_Driveの新しい側面を見せた「Gradation」はSeijiさんの作だ。
夏の海辺を走る車から見る景色のグラデーションをイメージして、完成した時には夏が完全に終わっていたという曲。
いつも笑い話扱いにしているけど、それだけ考えて、そして煮詰めて曲を作っていることに注目すべきだ。

350vそしてYukiちゃんのペンによる自発的ドラゴン・ボールのテーマ、「GEKIRIN」。

390vこの曲のハードさがタマらん。
そういえば、「お母さんが竜を見た」と言っているのを聞いたことがあるというMarshallギタリストがいたナァ。
竜は大丈夫なんだよ。
すごくやさしいんだって…「逆鱗」に触れさえしなければ。

380しかし、「GEKIRIN」の悪徳サウンド、違う、極悪サウンドに大きくひと役買ってるのはToshiくんのベース。
このサウンド、「スゴイ」のひと言に尽きる。

430そしてクライマックス!

440「1,000,000h.p」だ~!

480このイベントに持ってこいのナンバー。

490vSeijiさん、相変わらずの結構なお手前!

500他公演でジョイントした爆弾幸気圧のE-changも!
「爆弾幸気圧」なんていい名前だな。
510v暴れているのはフロントだけじゃないよ。
チーさまも…

520Yukiちゃんも激ハードにSeijiさんの伴奏を務めてる!

530vお客さんも大喜び!
実際、このコーナーは楽しい。

540最後を締めくくったのは…「Screw Driver~!」。

450vイントロで、Seijiさんの独特なリフから他の3人が「♪ゾン」って入るところが気持ちいいよね。
あとはもう「♪ゾンゾンゾゾンゾ」で大盛り上がり。

470しかし、この曲も山あり谷ありのすごいパノラマだよね。
やっぱり、こうして苦心して作り込んだ音楽はよろしいな。

550v

475v

S41a9080

S41a8956 D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

560<後編>につづく
  

200 
(一部敬称略 2018年6月30日 新宿Zirco Tokyoにて撮影)

2018年8月 3日 (金)

妖怪大戦争 <後編>~ 銀幕一楼とTIMECAFEとフィナーレ

  
さて、小岩。
実際に習ったことはなかったが、私が中学の時「小岩」という理科の先生がいらっしゃった。
私が通っていたのはドロッドロの男子校で、大人しくしていると生徒にナメられてしまうため、若かった小岩先生は生徒にやたらと厳しく、「コイワはコワイ」というキャッチコピーを自分自身に付けていた。
この先生、本当に小岩に住んでいた。

10_5小岩ってこの南口は昔から比較的にぎやかだったけど、反対の北口は今と違って何にもなかった。
で、その南口に3つある商店街の中のこの昭和通り商店街…ココをしばらく行った左側に「珈琲園」というジャズ喫茶がかつてあった。

20v_2コーヒーがものすごく美味しいとてもいいお店だった。
1階は普通の喫茶スペースで、2階が昔のジャズ喫茶によくあった「おしゃべり禁止」の鑑賞スペース。
レコード・コレクションや立派なオーディオ装置(マッキントッシュだったかな?)は階下にあった。店内が吹き抜けになっていて、プレイ中のレコードのジャケットをその吹き抜けの空間に浮かばせているのがそのお店の大きな特徴だった。
どういうことかというと、レコード・ジャケットを収納するフレームに長いヒモをくっつけて、天井に付けられた滑車を使ってそのフレームを上げ下げする仕組みになっていたワケ。
レコード片面が終了すると、レコード係り、あるいはマスターがそのヒモを緩めてフレームを階下に降ろし、次にプレイするレコードのジャケットに入れ替えたらまたヒモを引っ張ってガラガラとそのフレームを空中に浮かべる。
換言すると、今かかっている気になるレコードのジャケットを手にすることができないのだが、それは後で1階に降りて行って、空中から降ろされたジャケットをチェックすれないい。
今では全く行かなくなったけど、私は「ジャズ喫茶」という空間が大好きで、大学生の頃よく通ってジャズの勉強をした。
桜木町のダウンビートなんて丸一日いたことが何回もあったし、その頃は有名な「ちぐさ」のマスターもまだ元気にしていた。
「ちぐさ」は日本のジャズ喫茶の草分け的存在で、まだレコードがベラボウに高価だった時代に、穐吉敏子や渡辺貞夫がお店にやって来てコーヒーを飲みながらスピーカーから流れて来るアドリブのメロディを採譜していたという。
小岩の珈琲園はそんな愛すべきジャズ喫茶の名店のひとつだった。
まだ残っているなんてことを期待せずに近くまで行ってみたが、もうどこにあったかのもサッパリわからなかった。
下の写真は珈琲園のマッチ。
その頃は私もタバコを吸っていたのでこのマッチ箱が家にゴロゴロしていたけど、アレ取っておけばヨカッタな~。
ジャズ喫茶のマッチ箱ってカッコよかったんだよね。
そういえばこのオリジナル・マッチの文化もスッカリなくなったね。それどころか、今の子供たちなんてもう「マッチ」自体を知らないんじゃないか?
少なくとも「燐寸」を読むことはできないかもね。

30_200そして、昭和通り商店街とは反対側の商店街。
パッと見た目は変わらないな…でも、アレはもう無くなっちゃっただろうな…。
と、商店街を進む。

C_2img_6812 失礼をば致しました!
ありました!「音曲堂」というレコード屋さん。
今はわからないけど、以前は楽器も取り扱っていた。

40v_4いいな~、昔の「町のレコード屋さん」風情で。
あ、「楽器」って書いてある。
昔は本屋さんでレコードや楽器を売っているところも普通にあったんだよね。
それで、コチラさんの最上階にはチョットしたホールがあって、私が高校の時にその舞台に立たせて頂いたことがあった。
UFOのコピーを演った。「Shoot Shoot」と「Mother Mary」だったような気がする。
私にだってシェンカーに夢中になった時期があったんですよ!
そして、その時だったと思うけど、生まれて初めてBAD SCENEを見た。
ホンの数曲分の演奏時間だったのに、杉村さんと鴫村さんはMarshallのハーフ・スタックを持ち込んで、三根生さんも自前のツーバスのフル・キットを組み立てた。
たった2、3曲のためにですよ!
転換の時間がどうしようもなく長かったのも覚えている。
ビックリしたね~。「こんなバンドが日本にもいるのかッ?!日本人でもこういうハード・ロックができるのかッ?!」って。
なつかしいな~。40年ぶりに来たよ!

50_2ハイ、北口に移動して京葉道路沿いのライブハウス、オルフェウス。
『妖怪大戦争』もトリの登場となる。
銀幕一楼とTIMECAFEの登場だ。

60_3銀幕一楼

S41a8252 寒河江宏樹(さがえひろき)

80v_4寒河江くんは1959好きのMarshallプレイヤー。

90v_2この日使用したJCM2000 DSL100のハーフスタックの隣に立てられた「銀幕一座」の幟。
「黒・柿色・萌葱」の配色は森田座の定式幕だ。イコール、銀座の歌舞伎座と同じ。
定式幕については犬神さんの記事に書いてあるので興味のある方はゼヒ⇒TOKYO BAKA EXPO 2017:犬神サアカス團単独公演『髑髏城』~私のディープ浅草 <その4>

かつては「江戸四座」と呼ばれた江戸の芝居小屋が後にひとつ減って、ナゼ「江戸三座」になったか、最近その理由を偶然知った。コワいよ、女の闘いは。
この話はまた別の機会に…。

100v_4山下大輔

110v_3松永健太

130v_2瀬間彩娘(せまあやこ)

140v_5犬神の明兄さんからお聞きして以来、観てみたかったチームのひとつ。

150_3銀幕さんのおそろしいまでの存在感にヤラれっぱなし!
初めてのことだったし、そもそも何をするかがわからん!

160v抜刀。

C_0r4a9021 歌舞伎アクション。

180v_3アイドル風コレオグラフ。

190v_2ビシッとキメるポーズ…撮り逃せない!

230_3銀幕さん、動きがオッソロしくシャープでうまく撮影するのが大変なのです。
それとね、こういうタイプの方って「オレってカッコいいだろ?」的なナルシシズムな要素を持っているのが普通だが、銀幕さんからはそういう意向が全く感じられない。
要するにサッパリしていて、メンド臭くないのだ。とてもありがたいことだ。

200_3しかし、銀幕一座を知らない人がこの写真を見て、どういう音楽を演っていると思うだろうか?
いわゆる「ロック寄りの昭和ムード歌謡」っていうのかな?
「昭和歌謡」っていう言葉は好きじゃないけど、音楽自体は好きだ。
日本における大衆音楽の一番の悲劇は、「歌謡曲」と「日本のロック」の両方を大衆から取り上げてしまったことだ。
今、銀幕一座の存在意義はとてつもなく大きい。

270_3寒河江くん、いいね~。
まず音がいい。
実に色気のあるギター・サウンドなのだ。

300v_5実は寒河江君とは以前から面識があって、お父さんの影響で彼のルーツが昔のロックにあることも知っていた。
まさにそんな感じのプレイ。
今の若い人には珍しいスタイルだ。
もう速弾きもタッピングもスッカリ珍しくなくなってしまったからね。
最近はかえってこうした選び抜いたフレーズをいい音でジックリ聴かせるスタイルの方が目立ってきているような気がする。
170v_2時に銀幕さんとユニゾンで舞い、時に単独で客席をあおる健太さんは小岩が地元。
パン屋さんをされているそうだ。
終演後、健太さんが焼いた人間椅子とNazarethのロゴが入ったパンの写真を見せてもらった。
大変おいしいと評判がいいので、今度、父の墓参りで市川に行った時の帰りにでもに寄ってみよう。

210v_2前説、キーボーズ、コーラス、後説と大忙しの山下さん。
銀幕一座の狂言回しといったところか?
顔も忙しい!

240v_3エイトビート、フォービート、なんでもござれの彩娘ちゃん。
コンパクトなドラミングが実に気持ちいい!

260_2「ココ小岩に、ココ小岩に足を運んで頂きありがとうございます。リハからいつもよりソワソワとしています。
終わったら『お疲れさま!』と声をかけてあげてください。きっと喜ぶと思います。
今日の日を祝し、乾杯をしたいと思います。
ある方は手にグラスを、ない方は心のグラスを…出会いを祝して、カンパイ!」

250_4上着を脱ぎ捨ててますますスパークする銀幕さん。
「皆さまと意思を合わせる時が来ました!このままアナタに届け…摩天楼」

290_4「♪まってんろっほ~、キッミッに恋をしった~」
ウワ~、メッチャ耳に残る~!銀幕一座のキラー・チューン。
お客さんとのコール&レスポンスも完璧!

310_3いよいよエンディング!

320_2ワカメダンスから、ナゼか相撲。

330v_3キマった~!
カッチョいい~!

340v銀幕一座はこのステージの後、7月13日に3曲入りシングル『ゾッコン』をリリース。
そのレコ発ワンマンがTSUTAYA O-WESTで開催された。
そちらの模様もMarshall Blogで取材して来たのでお楽しみに!

ところで、銀幕さんがMCで触れていたけど、この日は「ボウリングの日」だったんだって。
長崎に初めてボウリングが伝わったのが1861年6月22日のことだったそうです。

480cd銀幕一楼とTIMECAFEの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

360_3アンコール。
「申し訳ありませんが、代表としてアンコールさせて頂きます!」

0r4a9212 1曲演奏した後、「皆さん、1曲じゃ足りないんじゃないでしょうか?」と、妖怪が全員集合した。
「隣にいると我々がナチュラル・メイクに見えてしまいますね!」

370_7「あなたに届け、ロックンロール!」

380_3スゴイ!

390_2全員でビシっとフリをキメた!

400_2しかし、銀幕さんの迫力がスゴイ!一生懸命のカタマリみたいな?!

410_3何かもうコレを演るためにこの世に存在している感じ…というぐらいそれが板に付いているのだ!

420EXILEのグルグルも!

430_2「ラスト一発!」

450_2チャンと後ろの人たちもやってるから面白い!

460_2「ステキな夜を!」
あ~、オモシロかった!

470 

200  
(一部敬称略 2018年6月22日 小岩オルフェウスにて撮影)

2018年8月 2日 (木)

妖怪大戦争 <前編>~犬神サアカス團と絶叫する60度

  
総武本線の鈍行の起点は御茶ノ水。
秋葉原、浅草橋、両国、錦糸町、亀戸、平井、新小岩ときて、小岩。
「恋が小岩に来いよと乞うわ」…なんてね。
今日は小岩のオルフェウスから。
なかなかにスゴいイベント・タイトルだ…『妖怪大戦争』。

10_4自分が母に感謝することのひとつに、私が小さい頃、ずいぶんたくさんの劇や映画に連れて行ってもらったことがある。
特に怪獣映画には片っ端から連れて行ってくれた。
それが昂じて「映画小僧」になり、ビートルズを聴いて「ロック少年」になり、ロックに飽きて「ジャズ兄ちゃん」になり、普通に会社に勤める「オジさん」になり、その後Marshallと出会って、今「マーシャルジイさん」になっていることを考えれば、母には感謝してもしきれない。
ゴジラやガメラは当然のこと、松竹の『宇宙大怪獣ギララ』、日活の『大巨獣ガッパ』、『恐竜グワンジ』…まだまだ沢山あったハズだが申し訳ないことに記憶が残っていない。
しかし、よく覚えている作品のひとつに『妖怪百物語』がある。
1968年の3月公開だっていうから、私が小学校へ上がる1年前のことになろうか?
併映は『ガメラ対バイラス』だったのか…きっとこっちがお目当てだったんだろうな。バイラスってイカみたいなヤツだっけ?
しかし、『妖怪百物語』はカラ傘オバケとルーキー新一のカラミや、のっぺらぼうやろくろ首など、おなじみのオバケがゾロゾロ出て来てすごく楽しんだように記憶している。
ひとつわからなかったのが、やたらと顔がデカいその名も「大顔(正しくは大首という名前のようだ)」とかいうオバケ。
あのオバケ、小顔がもてはやされる今の時代に出て来ていたら相当イジめられるぜ。
「あぶらすまし」とか「ぬらりひょん」とか「ぬっぺっぽう」とか、子供の頃に覚えたヤツは忘れないナァ。
今では5分前にやったコンピューターの操作方法が思い出せないで四苦八苦することも珍しくない。

30v_280同じ年の年末に公開されたのが続編の『妖怪大戦争』。
もちろん母が観に連れて行ってくれたのだが、併映の『蛇娘と白髪魔』という作品はナニひとつ記憶がない。きっと退屈して見ていなかったのだろう。
この2本、どう考えてもヘッドライナーは『妖怪大戦争』の方で、きっと前作の『妖怪百物語』の評判がヨカッタんだろうね。
実際『妖怪大戦争』はオモシロかったナァ。
「ダイモン」という海外の妖怪が長い眠りから覚めて、どういうワケか来日しちゃって、日本の妖怪チームと一戦交えるんだよね。
ダイモンってのが悪くてさ、すごくコワかった。
昔はヨカッタな~。
CGに慣れきった今の子供たちがこんなの観るとどう思うのかな?
Frank Zappaの「Cheepnis」よろしく、やれ「糸が見えてる」だの「中に人が入ってる」とロマンのないことを訴えるに違いない。
そもそも映画館になんか行かないか…やっぱBlu-rayだよね~。便利だもんね~。
それじゃやっぱり風情がない!
映画館で知らない子と「♪ガンメラ~、ガンメラ~、強いぞガンメラ、強いぞガンメラ」ってやるのがいいじゃないか!
なんてことばかり書いているから若い人がMarshall Blogに寄りつかないんだよな。
言われなくてもよくわかってんだよ。

20v_280さて、こっちの『妖怪大戦争』もオモシロかったよ~!
まずステージに上がったのは「絶叫する60度」。

40_2魁(かい)

50v_4もんてろ

60v_3絶叫さんは昨年の『美女と金髪と野獣』にホンのチョットだけご登場頂いたことがあったが、Marshall Blogへの本格登場はコレは初めて。

70_3以前はカラオケで暴れまくっていたが、今はバンドを引き連れて大騒ぎ。

80この日、ギタリストはお二方ともMarshallを使用。

90_2

100v_3

110v_2知ってはいたけど、イヤ~、スゴイわ。

120_2魁ちゃんと…

130vもんてろちゃんのパワフル極まりない歌声とパフォーマンス!

140コレを年間300回やってるっていうんだから恐ろしい。
こんなに動き回って…運動になっていいどころか、身体に悪いんじゃないか?というぐらいの激烈パフォーマンス!

150_2「♪ポ~ニョポニョポニョ」なんて大人しくやっていたかと思うと…

160_2ブシュッ!!
「三途の川のポニョ」だった。

170_3曲としてはハードでポップな昭和歌謡みたいでいい感じ!

180_2こんなこともやっちゃう!

190_3ルドルフ・シェンカーがコレを見たら自分が若かった頃を思い出すことだろう。

200v_2お客さんたちのノリがまたスゴイのナンのって!

210_4どっちが絶叫してるんだかわかない!

220_2この軍隊のような凄まじいまでの一体感!
コレを見ているだけでも絶叫する価値あり!

240_2リハーサルの時に魁ちゃんが自家製のお立ち台に「Screaming Sixities」とマジックで名前を書いているのを後ろから偶然眺めていた。
「『Screaming Sixities』か。なるほど…ウマいこと言うな」と思っていたら!
この「絶叫する60度」というのは、南極地方の海域のことなんだってね~。
知らなかった~!
「Screaming Sixties」は「Shrieking Sixties('shriek'も'悲鳴を上げる'という意味)」とも呼ばれ、南緯60度から70度の風の強いエリアのことを指すのだそう。
他に「吠える40度(Roaring Fourties)」と「狂う50度(Furious Fifties)」というのがあって、南極に向かう船は南緯40度、50度、60度と猛烈な風の中を進まなければならないのだ。
ま、絶叫ちゃんのステージはコレ3つが合わさって「150度」に到達していたよ!

250_3絶叫する60度の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEB SITE

2602番目に登場したのは我が、犬神サアカス團!
あ~、静かだ。

270_2犬神凶子

280v_2犬神情次2号

290vジョニーちゃんはいつもと同じくJCM800 2203と1960A。
コレが犬神サアカス團のギター・サウンド。

300v_4Marshallもギターもいつもと同じだけど、それをつないているアイテムがいつもと違う。
いつもはワイアレスを使用しているが、今日はワイアード。
理由は「忘れ」。

310_2犬神ジン

320v_4犬神明

330v_2ますは最近アルバムのタイトル・チューン「新宿ゴーゴー」。

340_sg切れ味のよいエイト・ビート。
耳に残る犬神ならではの歌詞…やっぱり何度聴いてもいいね。

350_4こうした正統なブリティッシュ・ロック・サウンドにはMarshallがベスト・マッチする。
つまり正統派ロック・ギター・サウンドだ。

360v_4「あらためましてこんばんは、犬神サアカス團です。絶叫する60度ファンの皆さん、はじめまして~。銀幕ファンの皆さん、お久しぶり~。オルフェウスさんは2回目なんですが、今日は一番いいところを見せたくてセットリストを作って来ました。最後まで盛り上がっていきたいと思います」

380_tik2曲目は「虎の威を借る狐」。

390v_2アフロ・キューバンっぽいリズムから7/4拍子のリフへ。
いかにも犬神様らしいナンバー。

400v_23曲目は久しぶりに『恐山』から「浅草心中」。

410_as惚れた男に逃げられまいと、「何でもするわ」とすがる女…「ニコヨン、日雇い、運転手、クズ鉄拾いに犬殺し」と色々な職業がこの曲に出てくるけど、昔はね今では考えられないような仕事がたくさんあった。
「犬殺し」っていうのは私が小さい頃見た記憶があるな。
先に縄で作った輪っかがついている長い棒を持っていて、野良犬の首をその輪っかに通し、手元の縄を引っ張ると、その輪っかがギュッと締まって犬はもう逃げることができなくなる。
最近では宮古島で見た。アレは保健所の職員なんだろうな。
私が小さい頃は野良犬って結構見かけたけど、今はまったくいなくなった。
江戸時代は野良犬がたくさんいて、夜は恐ろしくて気軽に出かけられなかったらしい。住居があつまるエリアには野良犬が入って来ないように門を作っていたそうだ。

420v_3「犬神ファンの男性を『犬っさん』っていうんです。以前は『犬っ子』って言ってたんだけど、オジさんたちがドンドン増えて来たので『犬っさん』と呼んでいます」
犬神さんはこの5日後、以前にもMarshall Blogでレポートした『ショート・プレミアム興業』と称したワンマン・ライブを控えていた。
その「予告編」として次の曲に移った。

430v_22007年のシングル「たからもの」。

450_tmやっぱりシングルに仕立てるだけあっていい曲だ。

450v_2ジャケットはこんな感じ。

Tm偶然チョット雰囲気がコレに似てる。
ナゼこの曲が「予告編」なのかは次回の犬神さんのライブ・レポートにて。

Ct続けて犬神さんのライブでは定番の「光と影のトッカータ」。
胸のすくようなドライビング・チューン!

460v_hkt

470v_2

480v

490v「今日はMarshall Blogの取材が入っています」
凶子姉さん、ありがとう!
「あと2曲です」
「エエ~!」
「その力強い思いで私と一緒に歌いませんか?」

500vコール&レスポンス。

510v_arそして歌うはアルバム『新宿ゴーゴー』のリード・チューン、「暗黒礼賛ロックンロール」!

520_2やっぱりコレは盛り上がるね。

530vシンプルでハードでものすごく「ロック」を感じさせてくれる名曲だ。

540そして、最後も定番の「命みぢかし恋せよ人類!」。
なるほど、このあたりのたたみ込むような感じが「一番いいところを見せる」セットリストなのね?
 
今日もソリッドなギターをガンガン奏でてくれた情次兄さん。

0r4a8789ステージせましと暴れまくったジン兄さん。

560vジャケットを脱いで吠えまくる明兄さん!

570v今日も美しい歌声の凶子姉さんなのであった!

580犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

590<後編>につづく 

200  
(一部敬称略 2018年6月22日 小岩オルフェウスにて撮影)

2018年8月 1日 (水)

加納秀人音楽生活50周年&外道結成45周年記念コンサート <後編>

  
「さぁ~、手拍子よろしく!」とハチ切れんばかりの勢いで演奏するのは「ダンスダンスダンス」。
レコードではまだA面。
しかし、会場の熱気は最高潮!

10_ddd加納秀人

20v松本慎二

30vそうる透

40v_3インスパイアし合う2人。

70_2秀人さんのロング・ソロ!

75そして、恒例の「三・三・七拍子」から…・
「ある言葉に乗せてすべての悪いモノを捨てて行ってください!」
「ある言葉」とは「外道」のこと。
「悪いモノはマネージャーが全部持って行ってくれます」…「外道!」
「みんなの未来のために!」…「外道!」
「みんなのシアワセのために!」…「外道!」

60_2そして透さんのソロ!

50この曲のリフも素晴らしい!…「ビュンビュン」。

80v_bb「♪外道のワッペン背中にしょって」
外道のワッペンは物販コーナーにて好評販売中!
ちなみに「ワッペン」はドイツ語。フランス語では「アップリケ」。英語では「パッチ」ね。

90vシンプルにストレートにカッ飛ばす外道。
客席はますますヒートアップするばかり。
え?「ヒートアップ」って、お客さんが座りっぱなしじゃないかって?
いいんですよ。
みんな「外道の音楽」を聴きに来てるんだから…騒ぎに来ているワケじゃない。
コンサートは音楽を聴く場所なのだ。
「音楽は鬱憤晴らしではない - ユーディ・メニューイン」

95いつかのコンサートで、秀人さんはこの曲を演奏する前にひと言こうつぶやいた。
「ブルースを聴かせてあげよう」…コレがエラクかっこよかった。
曲は「いつもの所でブルースを」。

100v_ibそれにしてもナント存在感のあるギター・サウンド!

110やはり秀人さんにはMarshallが一番お似合いだ。

120v_3秀人さんもソロを弾いていてとても気持ちよさそう!今夜は気持ちいいね!

180v_2いよいよコンサートも終盤に入る。
270次から次へと息もつかせぬ展開で外道ワールドが炸裂!

140v_4「腐った命」

160_kr弾きまくる秀人さん!

150vそして、本編最後は「人間わずか50年」の「完了」。
コレでMarshall Blogの冒頭につながるというワケ。Marshall Blogってよくできてるナァ…んなこたぁないか。

C_s41a7706 客席を練り歩く秀人さん。
今日はワイアレスだけど、以前は比較的広い会場でも頑固にケーブルを使ってコレをやっていたんだよね~。

190_2お客さんもうれしそう!

200_2自撮り派のお客さんもたくさん!

210_3ノッシノッシと歩を進める秀人さん。
指は猛然と動いたままだ。

220vステージの上のリズム隊のハードなドライブも聴き逃せないぞ。

250v

260v_4大きく会場内を一周してステージに向かう。

230_2そして「完了」!
アルバム『外道』収録の9曲と他4曲で構成された興奮のステージが完結した。
やっぱ、いいな~。

275すかざずアンコールの呼び声。

280_2アンコールはATOMIC外道。いわゆる「アトゲー」。
360_2曲は「悪魔のベイビー」。

300まずは透さんが歌う。
透さん歌お上手だからね~。
透さんが歌った東京おとぼけCatsの「ドアをあけて」は大好きな曲のひとつ。

310そして公太さんも熱唱!
ナンカこの曲を聴いてて、昔を思い出したのか、少しホロっと来ちゃったナァ。
一緒に歌いたかったけど、感激で「オエッ」ってなっちゃって歌えなかった。

320続けてゴキゲンなロックンロール「愛の寝台車」。
いわゆる「Freight Train Song」というヤツ。今、こういう曲はなくなったね。
やっぱり風情がなくなったよ。

330_as松本さんは「タオル・ベース!」。

350_3鉄壁のノリを見せるベース・チーム!

340_2いつの間にかお客さんは総立ちになっていた。

370_6バンドのメンバーがステージを降り、秀人さんひとりが残る。

380_2そしてスペシャル・ゲストとしてピアノで加わったのがエルトン永田。
エルトンさん、出番まで9時間待ちだったそう。

390v「やさしい裏切りの果てに」をシットリと…。
これまた感動の瞬間なのであった。

400かくして『加納秀人音楽生活50周年&外道結成45周年記念コンサート』はニギニギしく幕を降ろした。

410_2お疲れさまでした~!

420v_2秀人さん、そして外道、おめでとうございます!
50周年の野音が楽しみですな!
Marshallの壁でやりましょう!

430あまりにもめでたい機会だったので、終演後私も楽屋で1枚。

450vさて、<前編>の冒頭で紹介した通り、現在外道は2枚組のアルバムを制作中だ。
その内容に関する情報を頂いたのでお知らせしておく。

 
【外道結成45周年記念作品】
『外道参上』
★Disc-1 「外道LIVE !」
松本さんがMCでおっしゃっていたように、この日の外道のステージを完全収録。
アルバム『外道』発表から45年後の再演!
Marshall Blogのレポートを読みながらこのCDを聴いたらどうなのよ!
★Disc-2 「外道STUDIO !」
平成外道の新曲とセルフカバーで構成したアルバム。スタジオ・アナログ・レコーディングだそうだ。
やっぱ行きつくところはアナログか!
だって、人間ってアナログでできてるからね。
 
★加えて、3種類の特典が用意されているそうだ。
①タワーレコード・オリジナル特典:当コンサートの音源1曲
②ディスクユニオン・オリジナル特典:当コンサートのエキストラ・ライブ音源1曲
③ライブ会場販売オリジナル特典:当コンサートのエキストラ・ライブ音源1曲
「何だよ、全部同じじゃねーか!」って?
そんならこうしてワザワザ3行も使いません。
この3つの「エキストラ・ライブ音源」というのは全部違う曲なのよ。
そして、3枚すべてお買い上げいただくと、さらに3曲入りのエキストラ・エキストラ音源がもらえる…という仕組み。
レコードやライブ会場で「待ち伏せしてんだよ…卑怯だろ~」。蚊じゃない。
でも聴きたいよね~。楽しみだよね~。
発売は10月17日を予定している。
 
さらに外道は明日に向かってギンギンにライブの予定を入れているので、そちらも要注目だ。
10月末には原宿クロコダイルを皮切りに全国12カ所を巡るレコ発ツアーも予定されている。
 
ニューアルバムやツアーについてのお問い合わせはコチラ⇒Goodstock Tokyo

90加納秀人の最新情報はコチラ⇒facebook
外道の最新情報はコチラ⇒facebook

460v 

200 

(一部敬称略 2018年6月17日 新宿スペースゼロにて撮影)

2018年7月31日 (火)

加納秀人音楽生活50周年&外道結成45周年記念コンサート <中編>

 
15分の休憩の後、デーモン閣下から寄せられたビデオ・メッセージで外道のステージは始まった。

「ガハハハハハ、沖縄のライブハウスのこけら落しでATOMIC POODLEと一緒になってからもう10年も経ってしまった…月日が経つのは早い。
加納さんは吾輩の同じ学校の先輩。
ドラムの五十嵐くんも同じ学校の同級生。
ベースの庄太郎くんと松本さんをウチの学校に入れて…だな、OBバンドを組んで学校に乗り込もうではないか!
ところで、ウチの高校の新校長はナント2学年下の後輩ですよ。
後輩が校長をやっているので、乗っ取りは容易である。
近々一緒に演りたいと思う。
来週のお誕生日も楽しく迎えられるように…ガハハハハハ!」
さすが閣下、ギャグだけでなく、秀人さんのお誕生日についても言及された。
そういえば秀人さん、庄太郎ちゃんのお誕生祝いはしても、翌週のご自分のお誕生日には全く触れていらっしゃらなかった。
 
しかしいいね、先輩後輩ってのは。
自分の高校の場合はどうだろうか?
音楽業界で言うと、先輩では宇崎竜童さん、高崎晃さん。後輩で犬神サアカス團の犬神情次2号、TSPの山岸秀治、某人気ベテランメタルバンドでMarshallを使っていないギタリスト…ぐらいか。
角界なら若貴兄弟がいるんだけど、まさかMarshallは使わないだろうからナァ。
Marshallはギター・アンプ界の横綱なんだけどナァ。10_3秀人さんのインストの名曲「龍神」に乗ってステージに現れた外道。 
高校の時、『In the Heat』を聴いて興奮したもんですよ。

20_4加納秀人

30v_bk_2松本慎二

40v_2そうる透

50v_3ココから秀人さんのお供をするのはMarshall。
グワ$%&'#~!1曲目はナント「ぶっ込んでやれ」!

55v私は残念ならオリジナル・メンバーの、すなわち『拾得』の布陣の外道は見たことがないのね。
2003年、Marshallが下のMODE FOURというシリーズを発売した時、秀人さんにずいぶんお世話になって、それから何度も外道を拝見させて頂いてきた。
でも、演んないのよ、「ぶっ込んでやれ」。
私がお邪魔をしなかった時に取り上げていらしたのかも知れないが、ナマの「ぶっ込んでやれ」を聴いた記憶がない。

2mf その念願がかなった瞬間だった。
私は「ぶっ込んでやれ」は日本のロックの中で最もカッコいいギター・リフだと思っているのです。
他に「香り」は当然のこととして、「黒い影」とか、後で出て来る「逃げるな」とか、秀人さんってリフづくりの名人だと思う。
かのリッチー・ブラックモアでさえ「いいリフを作るのはムズカシイだでな~」と何かのインタビューでコボしていたぐらいだからね。 

60v_22曲目は「I can't Shout」。

70_icsシンプルにして深い。
コレが名曲のキモなんだよね。
秀人さんが長年演奏し続けている曲はすべてそういう曲だ。

80v_3続いて「アロハ・ババア」。
外道の2つのアロハ・ナンバーのうちのひとつ。
外道のレパートリーだからしてクチは悪いけど、実にカワイイ歌だよね。
昔は「Too Many Rules」とか「Like I Do」とか、甘酸っぱい青春の名曲ってたくさんあったんだよね。どれもいい曲なんだな~…あ、私、オールディーズ好きです。
この彼氏の電話を取り次がないアロハババア、今の時代なら、ヘタをすると彼にブスリとやられちゃうかもしれない。
あ、最もその前に今は「電話の取次ぎ」なんてことはしないんだよね…みんな携帯だから。
面白くないね~。
だからいつも言ってるでしょ?「利便性は風情を殺した(Taste no more!  Convenience do murder taste!)」って(ハイ、コレは先日勉強した『マクベス』ですね)
私も若い頃、今の家内に電話するのがコワくてネェ。大正生まれの厳しいお婆ちゃんが電話に出ちゃうんだよ。
すると知ってるクセに「何の用件ですか?」なんて言われてね~。
風情があったよ。

90_abこうしたユーモラスな曲も外道の魅力のひとつ。
でも、ベースになっているのはシッカリとしたルーツ・ロックだ。

100v_2本題に入る前に早くもひとつのクライマックスを迎えたのが次の「何?」。
コレも『Just Gedo』からのチョイス。

110_nn松本さんのピックを使った歯切れのよいベース・ラインがゲンゲロゲンゲロと暴れ回る。

120v_2疾駆する透さんのドラムス!
今週末、またよろしくお願いします。

130_2「何?」と来ればアレ。
「全員、外道に向かって礼!」…はなかったけど「外道ダンス」はバッチリ。
「ハイ、両手を上げて!いい感じですよ!1970年代に戻りますよ!タイムスリップです!」
ロックに関してはホントに戻りた~い!

135リアルタイムで「外道ダンス」をご経験されていらっしゃるお客さんも多かったのではなかろうか?
皆さん、何の迷いもなくビシっと「外道ダンス」をキメられていた。

136ココで一旦ステージに区切りをつける。
舞台は暗転。

140v_3はい、ココでクイズ。
私考案の「外道歴史クイズ」ね。
まず、この3人の共通点は何でしょう?
誰かがわからない人のために一応名前を記しておきましょう。
 
織田信長

150_280豊臣秀吉

160_250_2徳川家康

170_2エ、答えは全員右を向いてるって?
チガウ。
でも確かにそうだな。
なぜかこういう肖像画の中の偉人ってみんな右を向いてるんだよね。
多分正面より絵が描きやすいから斜めにしてるんだろうけど、何で右向きなんだろう?
と不思議に思い調べてみると、やはり鼻の形や高さなど、顔の特徴を出すために少し横を向いた構図にしたのだそうだ。でもナゼ右なのかはわからなかった。
でも、こういうのもある。
第17代島津藩主の島津義弘。
この時代、正面から描いた肖像画は大変珍しいそうだ。

Ys じゃ次。
コレは?
 
京都の二条城。

180奈良の東大寺。
共通項は何でしょう?
上の偉人たちとも共通してる。

190最後…。
 
杉田玄白の「解体新書」…ターヘル・アナトミア。
杉田玄白ってコレを出して億万長者になったんだぜ。
ちなみコレの翻訳を手伝った前野良沢は努力と苦労の割には冷や飯を食わされた。(吉村昭『冬の鷹』より)

200v_250あるいはコレ。
葛飾北斎「富嶽三十六景 波間の富士」。
さあ、どうよ。
全部に共通することがある。

210_2答えはね、全部必ず歴史の教科書に出て来る…ということ。コレが共通点。
間違いないでしょ?
そこでだ。
もし、「日本ロック史」という教科書があれば、「徳川家康」や「解体新書」のように絶対に出て来ることが間違いないのがこの外道のファースト・アルバムだ。
コレが言いたくて小1時間かけてこのくだりを書いた!
秀人さんの音楽生活50周年、外道の結成45周年を記念するコンサートとはココから「第4部」とも言うべき新たな展開を見せる。
このファースト・アルバムを最初から最後まで再現するという企画を実現させたのだ!

220_lp「ハハハハハハハハハッハッハッハッ」
暗転した会場に響きわたる笑い声。
Bonzo Dog Bandの『Let's Make up and Be Friendly』の「Slush」だ。
ココで「メカゴジラ!」と叫びたくなるのは決して私だけではあるまい。

230そして、コレまた日本のロック史に残る名リフ「香り」。

240v_2コレを初めて聴いた時にはそのカッコ良さにオシッコちびったっけナァ、少しだけ。

250_2「♪ゲ~ゲ~ゲ~ゲ~ゲゲゲゲゲゲゲ、ゲ~ゲ~ゲ~、ゲド~」
秀人さん、この曲を作る時ナニを考えてこういう譜割りにしたんだろうナァ?
時々コレを「ゲロゲロ」って歌う人がいるんだけど私にはそうは聞こえない。
また、「外道のテーマ」とか呼ぶ人もタマにいるけど、違うから。
シンプリシティこそが生み出すパワー。
コレを聴いて「カッコいい」と思えなければロックを楽しむことは到底ムリ。

260v_3その最高のカッコよさを演出したのがMarshallだ。
秀人さんは1974年8月20日、横浜野外音楽堂ロック・フェスティバルでこのMarshallを使って「香り」を弾いた。
1971年製の1959。
大事に大事にお使いになられて来たのであろう、メチャクチャきれいだ。
秀人さんによると、日本に初めて入って来たMarshallの内の1台だという。
1971年製といえば、1959が発売されてからまだ5年しか経っていない時代のシロモノだ。
当然、ハンドワイアードで4アウトプット。
インピーダンスの切り替えスイッチは更新されていたが、マスターボリュームの改造なども施していないフル・オリジナルの47年前のMarshall。
やっぱりいいな、Marshallって。
デザインや音だけではなくて、ロックの夢がたくさん詰まってる。

56v_2足元のようす。

57実は、今日Marshallを使い始めたのは外道のステージから。
今更ながらなんだけど、ビックリしちゃった。
だって、ノイズも含めてゼンゼンギターの音が違うんだもん。
それと不思議なことに、「ロック度が増す」っていうのかな?迫力がゼンゼン違うんだよね。
秀人さんは大きな会場でしかもうMarshallをご使用にならないが、やっぱり秀人さんのギターはコレですよ。
日本のロックの歴史にもMarshallが大きく関わっていることに私は誇りを感じる。
もうひとつ。
Marshallを鳴らして中音(PAではなくステージの中の音)が大きくなることによって、やっぱりバンドの鳴りみたいなモノがゼンゼン変わってくることを思い知った。
ちなみに秀人さんがセットしているボリュームの目盛りは「2」だ。
270v_3印象的なオクターブのイントロは「逃げるな」。

280v_ng_2サビなしのリフ曲。
やはりこのシンプリシティがハードさとパワーを生み出している。

290_2コレもシンプルの極致…「外道」。

310v_gd_2百戦錬磨のリズム隊が作り出すウネリがタマらない!

300v_3

320v_3「♪外道は行く 未来のない明日へ」…問答無用でカッコいいわ。

330「皆さん、こんばんは。やっとMCのお許しが出ました」
松本さんのMCコーナー。
「加納秀人音楽生活50周年並びに外道結成45周年記念にようこそご来場頂きました!
皆様のおかげで加納秀人が元気でありますこと感謝します。
外道の50周年は野音を目指しております。というのは、その年、日比谷野音は100周年なんですよ!」
今から5年後といえば2013年。
そう、日比谷野外音楽堂は1923年(大正12年)の開業。
すなわちジム・マーシャルと同じ年なの。つまり関東大震災があった年。野音がオープンした2か月後に発生した。
「外道はまだまだ途中の段階です。健康である限り外道として恥ずかしくない活動をしていきたいと思います!」
『外道』として恥ずかしくない…というのは面白い。一種の撞着ですな。
さらに「今日はライブ・レコーディングをしています。お客様の声も漏れなく収録されたCDが10月にリリースされる予定です。
今日は最後まで楽しんでいってください!」

335v_2そして「ロックンロールバカ?」。

340v_rrb_2スゲエ歌詞だよナァ~。
今の若い人たちにはとてもできまい。

350_2「♪ワンモー」
ジャン!

360「♪ツーモー」
ジャンジャン!

360v_3「♪スリーモー」
ジャンジャンジャン!0r4a8115 「♪どうも」
カン!
あ~楽しい!
 
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280<後編>につづく

 

200

(一部敬称略 2018年6月17日 新宿スペースゼロにて撮影)

2018年7月30日 (月)

加納秀人音楽生活50周年&外道結成45周年記念コンサート <前編>

  
「人間わずか50年 下天のうちを比ぶれば 夢まぼろしのごとくなり」
コレは室町時代に流行した「幸若舞(こうわかまい)」という舞曲の、「敦盛」という演目に登場する一節…らしい。
「人の世の50年間なんてものは、天界の時間と比べれば幻ようなモノだってばよ」と人間の人生の儚さを謳っている。
織田信長が桶狭間の戦いでコレを舞って出陣したことで知られていてる…らしいが、私はその昔、外道の「完了」という曲で知った。
その外道の加納秀人がただの「人間」どころか「音楽生活」の50年を迎えた。
そして、同時に外道の結成45周年に当たるという。
めでたいじゃないか!
秀人さんからお誘いを頂戴し、その記念コンサートにお邪魔してきた。
ところで、昔の人はそんなに50歳になるとバッタバッタと斃れていたのだろうか?…と不思議に思い、以前調べたことがあった。
想像通りさすがにセミやウスバカゲロウの一生じゃあるまいし、全くそんなことはなく、たとえ昔とはいえ寿命が70歳、80歳という人もごく普通にたくさん存在した。
ところが、子供の生存率が極端に低かったため、平均すると50年ほどの寿命ということになっていたのだそうだ。
秀人さんの50周年はホンマもんの50年だからね。
それは「日本のロック」の50年でもあるのだ。

10_2ロビーにズラリと並んだグッズの数々。

40当日購入されるCDや…

60Tシャツやバッグにはサイン色紙やサイン入り写真の特典が付けられた。

70鳥居の前に詰まれているのは、50周年を記念するソロ・アルバム『Thank Youk~Hideto Kanoh 50th Anniversatry~』や昨年リリースしたアコースティック・ライブアルバム『旅人』。

50v鳥居ピックも販売。

30さらに外道の40周年を記念したグッズも並べられた。

80v鳥居ペンダントやお守りなど豪華!
 
40周年記念コンサートはMarshall Blogでレポートしているので未読の人はゼヒ!
コチラ⇒外道結成40周年&レコ発LIVE

20そして、今、外道は2枚組のニュー・アルバムを制作中だ。
途中で何度かの空白期間があったにしても、結成45年を経た今も持続しているこの推進力!
私も見習わなければ!

90「ファンの皆さま、スタッフ並びにミュージシャンの皆さま、本当にありがとうございます。思い出話をするとトークだけでおわってしまいそうなんですが、16歳の時に内田裕也さんの元でプロになり、ミッキー・カーティスさん、小野洋子さん、篠山紀信さん、田原総一朗さん、アントニオ猪木さん、福田一郎さん、湯川れい子さん…にお世話になり、ありがとうございました」
…と50年の感謝の言葉が秀人さんの影アナで述べられた。
「今夜の演奏はレコーディングします。スッカリ楽しんでください。さぁ!ショウを始めましょう!」
この公演がライブ・レコーディングされることがアナウンスされた。

460v_2まず第1部はソロ。

100バッキング・トラックに合わせての秀人さんの歌とギターを楽しむ。
1曲目は「D3」。
いきなり得意のボトルネック。
110v50周年記念アルバム『Thank You』からのインスト・ナンバーだ。

120続いて1996年発表の『Sweet Misery』からタイトル曲。

130初めて聴いた秀人さんの声は『外道』だったけど、変わらないね。
私は昔から秀人さんの声を日本のロックを代表する声のひとつだと思っている。

140v「ナンでひとりで演ってんだって?結構ひとりで歩いてるのよ。人生ひとりで歩かなきゃいけない時があるものです。
これからバンドのみんなが出て来て『バンドっていいな』って思ってくれるといいな…あと数曲聴いてください」
そんな!

1503曲目は今回の『Thank You』に収録された「淋しすぎる夜」。

160以前はかなりハードなアレンジで演奏していたが、時を経てジックリしたアレンジに。
ココでもボトルネックが活躍。

170続けて「Life and Death そして運命」。
コレは外道の2015年のアルバム『Rocking the Blues』から。

S41a7053 秀人さんらしいセンチメンタルなギター・バラード。
こういう一面がまた素晴らしい。

200v5曲目は「One More Chance」。

180vコレも秀人さんらしいロマンティックなロッカ・バラード。
『Thank You』の収録曲だ。

190v「最近メガネをかけないとダメですね。大きく見えるメガネを買いましょう」なんておっしゃってたけど、今からメガネならなんら問題ないでしょう!
TAKEさんじゃないけど、譜面を読むことが避けられないミュージシャンは、ハズキルーペの上得意さんであると私は睨んでいる。
 
絞り出すようなギター・トーンで始まった次の曲も大人のシットリ・ナンバー。
「新たなる孤独への出発」だ。

220そしてソロ・ステージの最後はまたガラリと曲調が変わった。

210v一瞬ジェフ・リンかと思っちゃいそうな軽快な3連。
「長い旅~そして君に乾杯」で第1部が締めくくられたのだ。
ク~!コレ、アタマのコード、どうして7thなんだろう
D|D|A|A/Bbdim|Bm|Bm|G|G|D|D|Gb7|G/A| ときて、この次… D7|D7|G|G|EmEm|A|Aとなっている(ハズ)。どうして7th?
このD7をGへのドミナントモーションとするならここだけキーがDからGに転調しているってことのなるのかしら。
メッチャかっこいい。

230v全7曲、秀人さんの音楽生活50周年を記念した最新ソロ・アルバム『Thank You』からの曲をメインにソロ・コーナーの幕を降ろした。

240コレがそのアルバム、『Thank You』。

H50そして、さほど間を開けずにステージに上がった3人。
秀人さんのMC…「ジョニーが生きているウチにもう一度バンドを組もうと思って結成したのがJFK。
たった1枚のアルバムを残しただけで終わってしまいました。
その後のつながりやクラシック・ロック・ジャムや学校の先輩後輩などの縁もあって結成したのがこのバンドです。
久しぶりのATOMIC POODLEです!」

250加納秀人

260v満園庄太郎

270v五十嵐公太

280v1曲目はゴキゲンなドライビング・チューン「弾丸ベイべー」。

290いきなりこのテンション!

300v「こんにちは。加納さんおめでとうございます!…先輩、おめでとうございます!」
そう、公太さんやデーモン閣下、さらには以前Marshall Blogでレポートしたこともある、公太さんと庄太郎ちゃんが出演した福島応援イベントの主宰者の浅野さんも秀人さんの学校の後輩なのだ。

310v「おめでとうございます!加納さん、ホントにひとりで演ってましたね~!
10年前に加入してココではとても言えないようなことを楽しんできました」
…と2人からの祝辞があって…
S41a7155秀人さんのシンプルなリフから…

350「♪ベイビ、ベイビ」と公太さんが歌うのはこれまたゴキゲンな自作の「SUPER NICE DAYS」。
この曲ってCDではスゴイんだよ。
秀人さんのソロが始まって、コレから!っていう時にフェイドアウトして曲が終わっちゃうの。

330v「メインと小鉢みたいなもんですから…我々は箸休めだから」
メインは外道、ATOMIC POODLEが小鉢ということを言っている。
F1の時期になって松本さんの都合がつかない時には庄太郎ちゃんに外道の出番が回ってくる…なんて話が出ていたけど、それにしては随分存在感のある小鉢だこと!
「ボクたちも外道ファミリーで~す!切り干し大根みたいなもんで~す!」
ずいぶん豪華な切り干し大根があったものですナァ~!

320vサード・アルバムから「Love is just a memory」。

340『Thank You』収録の秀人さんのロックンロール「連れてかれちまうぜ!」。
Xコレも最高に気持ちいい~!
小鉢感、全くなし!

390続けてセカンド・アルバムのオープナー「君の瞳に映る世界、僕の瞳に映る世界」。

370ギター・リフやサビの展開のノスタルジックな雰囲気がタマりまへんナァ~!

380雷鳴のようなドラムスでスタートする「不良侍」。

400v「にっぽん讃歌」を連想させる外道ムード?

410ドンガラドンガラとシンプルな中にも深い味わいを見せるパワー・チューン!
3人の一丸となった演奏が快感!

420v

430v

440「今日は庄太郎の誕生日なんですよ。このままチョット待っててください」

360v_5 …とバースデイ・ケーキが運ばれて来た!

460「エッ?!この感じ悪くない!」 
庄太郎ちゃん、いくつになったんだろう。
私が初めて会った時から確実に20歳は齢を重ねたハズだ。庄太郎ちゃんは私にとって最も付き合いの長いミュージシャンの内のひとりなのだ。

470v取りあえず記念撮影。
さすが秀人さん、ご自分の記念コンサートに庄太郎ちゃんのお誕生会を組み入れちゃった!太っ腹です。

490そして、秀人さんから庄太郎ちゃんに向けてもう1曲。

500公太さんの歌詞カードのサポートつきの「Happy Birthday」。

510公太さんも庄太郎ちゃんもコーラスで参加!

520最高級のビーフステーキがテンコ盛りの小鉢でした!
 
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530<中編>つづく

200

(一部敬称略 2018年6月17日 新宿スペースゼロにて撮影)