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2018年5月 1日 (火)

第3回 がんばっぺ福島!応援の集い <前編>

  

東日本大震災から7年。
今も災禍に苦しむ方々がいらっしゃる一方、そうした方々を支援するイベントやそれに取り組む人々がいる。
今日と明日のMarshall Blogは、『がんばっぺ福島!応援の集い』と題したイベントのレポートをお送りする。
今回は、SHOW-YAの寺田恵子や田川ヒロアキ他の人気ミュージシャンを交えての開催となった。
「続けることに意味がある」…このキャッチコピーにあるように、続けることって本当に大変なことだと思う。
「始める」ことより、「続ける」ことの方がはるかにムズカしい。「終わる」こともまた相当にムズカしい。
しかし、始めないことにはナニも始まらないからね。
3回目を迎えたこのイベント、これからもズッと続いて行くことが窺い知れるパワフルなものだった。

10ところで、「福島」というと、私には強力な思い出が2つある。
ひとつは2010年の5月末に郡山の私立美術館で開催された『スウィンギン・ロンドン 50's-60's ―ビートルズたちが輝いていた時代―』という企画展のオープニング・イベントして催された鮎川誠さんとSHEENAさんとの鼎談。
【SHEENA & THE ROKKETS 35周年記念特別企画】鮎川さんとMarshallとわたし』という記事に詳しく記したのでココでは内容については触れないが、この後、SHEENAさんが急逝したこともあって「郡山」は一生忘れられない場所となった。

05そして、その翌年、2011年の10月。
場所はいわき。
長年にわたって山下達郎さんのベース・パートを担当している伊藤広規さんのバンドが「いわきアリオス」に登場し、写真撮影をさせて頂いた。
広規さんも東日本大震災のチャリティに熱心に取り組んでいて、このライブもその一環だった。
この時の演奏が録音され『Relaxin' at IWAKi ALIOS』としてリリースされ、写真だけでなく、私が書いたライナー・ノーツもご採用頂いた。
それからというもの広規さんのオリジナル・アルバムのすべてに寄稿させて頂いていることは私の大きな自慢のひとつだ。
一度消滅してしまったこのコンサートのレポートを、本当に偶然ながら先週アーカイヴ的にMarshall Blogに復活させたのでゼヒご覧頂きたいと思う。
  
記事はコチラ⇒RE-BIRTH WITH MUSIC! ~ いわき街なかコンサート2011

06以上が私の福島の強力な思い出。
そして、この日…場所は日本橋ながら福島関連のイベントとして心に残る楽しい思い出となった。

20会場は著名芸能人の披露宴かと見紛うばかりの大規模なモノ。
600席だって!
もう向こうの方は霞んで見えやしない。
ココで福島の食材やお酒、そして様々な演芸を味わおうというワケ。

25会場のロビーのようす。
福島の名産&特産品がズラリと並ぶ。

140日本酒類の展示が目立つ。
そう、福島は日本酒の生産量が全国第7位の酒どころなのだ。

30福島の日本酒のスゴイところはその生産量だけではない。

50「全国新種鑑評会」という100年以上(!)の歴史を持つ日本酒の品評会で5年連続で金賞を受賞。
そして、金賞受賞銘柄数が日本一多いのも福島県なのだそうだ。

90お、我がいわきからも!

80ワインだって負けちゃいない!

60所せましと美味しそうなモノが並んでいる。

40おお~、「ままどおる」!
ままどおるは郡山は三万石の銘菓。
思い出すナァ、美術館のことを!

95喜多方のラーメンはもう完全に全国区だけど、餃子も頑張ってる?
しかし、全国で展開しているこの餃子の「名物化」合戦もスゴイものがあるよね。
もはや焼餃子もラーメン、カレーに続いて完璧に日本のオリジナルのメニューになった。

70なでしこJAPANからも応援が!

100鮫島彩選手のユニフォーム。

110マグロやカジキの油漬けの缶詰なんてもの用意されていた。

120展示品は食品だけじゃないよ。

130地元の高校生が作ったアクセサリー。

160いわき海星高等学校の生徒さんの作品。

170んッ?
コレは下関産。

180そのご本人はリハーサルを前にアンプのセッティング中。

190vその傍らでポケットに手を突っ込んだままアレやコレやと指図をする態度の悪い鬼コーチ。

200リハーサルが終わったところで出演者並びにイベント・スタッフが全員集合しての記念撮影。

205そして、開場。

210これだけの客席がすべて埋まるのよ。

220このイベントを協賛・後援している企業の数々。
大手ばっかりよ。
そして主催者は毎日新聞社とレストラン企業無洲。

230お客さんが席に収まったところでいよいよイベントがスタート!

240司会はテレビでおなじみ中井美穂。

250v災害の犠牲者の方々に黙とうを捧げた後、主催社のひとつ毎日新聞社国際事業室顧問の常田さんからご挨拶

1_img_0011 次いでイベントの「第1部」として「未来を生きる福島の子どもたちへ」と題された対談が始まった。
マイクを握っているのは内堀福島県知事。

260そして、対談者は東芝ブレイブルーパスの大野均選手。

270v元読売巨人軍の鈴木尚広氏。

280vそして、ココから第2部。
司会にこのイベントの主催社のひとつである株式会社無洲の浅野社長が加わる。

290vこのイベントの合言葉「がんばっぺ福島!」のエールで気合いが入った!。

295するとステージにはズラ~っと福島の作り酒屋さんが並んだ。

296そして、鏡開き。310福島県酒造組合の会長さんの音頭で「カンパ~イ!」。
300テーブルには福島の食材を使った料理が並んだ。

450それには地元の若者からの丁寧なメッセージが添えられていた。

460ステージでは「和の響演」と題したパフォーマンスがスタートした。

320まずは迫力の「山木屋太鼓」。

330v平成13年に発足した福島県川俣町のチーム。
川俣町にある山木屋地区も避難区域であったが、ちょうど1年前に解除になった。

340山木屋太鼓のテーマは「美しい自然、そしてここが故郷」。
昨年には「Blissfest」という北ミシガンの音楽祭から招待を受け遠征したという。

350v続いても「和」。
小湊美和・昭尚姉弟with Friendsというチームで「春よ、来い」。

355三味線の小山清雄。

360ギターに斎藤純一。

370vヴァイオリンの土屋雄作。

380vそして、小湊昭尚の尺八と…

400vお姉さんの小湊美和が加わって「東京ブギウギ」転じての「福島ブギウギ」。
当然福島弁が飛び出してく~る~!

390vさらにお姐さんが加わって「炭坑節」。
ま、炭坑節ってのは田川市が発症と言われているんだよね。

410コレは壮観でしたよ~。
全員立ち上がって踊っちゃったんだから。
子供の頃、盆踊りって楽しかったナァ。

420出演者の席も全員ダンシング!
ウチのカミさんまで踊ってら。こういうの大スキだからな~。

430コチラの姉さんも負けちゃいない!
恵子さん、完璧でした。
ね~、昔はこういうの楽しかったですよね~。

440ガラリと雰囲気が変わってジャズ。
松平恒和ジャズバンドと銘打ったクインテット。

470クラリネットの松平恒和。

480vテナー・サックスの上野まこと。

490vピアノで参加の仁井田真樹さんは300年以上続く郡山の蔵元「仁井田本家」の女将。

500v_2ベースは福澤宏明。

510vドラムスは五十嵐公太!

520v曲はまず「All of me」。
いかにもベニー・グッドマン!
私はモダン一辺倒で普段は聴かないんだけど、スイングもいいもんですな。
ジム・マーシャルとほぼサシで食事をした時、話題に困って「好きなドラマーは誰ですか?」と尋ねたところ、子供のようなうれしそうな顔をして「ジーン・クルーパ!」と答えてくれたのを思い出した。

530v松平さんの法被の襟には「戊辰一五〇年」とある。
「戊辰」とは「戊辰戦争」のこと。
「薩摩・長州・土佐vs.奥羽越列藩同盟」の内戦があったのが慶応4年、この年が「つちのえたつ」だったことより「戊辰戦争」と呼ばれている。
もうひとつ、今年150周年に当たるモノはな~んだ?
そう、今盛んにやってるでしょ、明治維新が150周年。
そりゃそうだよね、幕府が倒れて明治維新が実現したんだから。
で、ナゼ松平さんが「明治維新」ではなくて「戊辰戦争」の150周年の法被をお召しなられているのかというと…このお方は最後の会津藩主、松平容保の曾孫、すなわちひ孫であられるのだそうだ。
楽屋でご一緒させて頂いたんだけど、道理で気品があると思ったんだよ。
この時、徳川の菩提寺、上野寛永寺の北白川宮能久親王(きたしらかわのみやよしひさしんのう)、すなわち輪王寺宮の東北への逃避行を描いた吉村昭の『彰義隊』を読み終えたばかりでサ、ワタシ、興奮しちゃって!
こちとら江戸っ子よ、佐幕派よ。法被を着るなら『彰義隊』って銘を入れちゃうよ。
ナニもお話できなかったけど、ひとつだけ教わった。

540それは葵のご紋。
コレは上野の寛永寺の通用門にひっ付いている徳川家の葵のご紋。
ワザワザ行って撮ってきた。

560かたや、松平さんが羽織っている法被に入っている葵のご紋。
似てるけど、葉脈のデザインがゼンゼン違うでしょ?
コチラは「会津葵」というのだそうだ。
日本のこうしたグラフィック・デザインってのは本当にカッコいいよ思うよ。
シンプルで、清楚で、味わい深く、そして意味が深い。

550vココでシンガーが加わる。

565川澄はるかさんが歌うのは「Tennessee Waltz」。
テネシーにいるのかと思ったポール・ギルバートが飲み屋にすぐにやって来たっていう話しがあってね…ポールがいたのはテネシーじゃなくて田無だったという。ホンマか!
もう1曲はナゼか「Bei Mir Bistu Shein」という原題が定着しているアンドリュー・シスターズの「素敵なあなた」。

570v公太さんのド派手なフィルが刺激的なドラミングも冴えに冴えてジャズのセットは終了した。

580v会場では福島さんの銘酒が存分にふるまわれたが…私は飲めないの、車だから。

1_img_0054 ロックの<後編>につづく
 

200_2 
 
(一部敬称略 2018年3月3日 ベルサール東京日本橋にて撮影)