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2018年7月20日 (金)

GRANRODEO LIVE 2018 『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』<後編>

 

さあ、楽しい時間が過ぎるのは早いもので…『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』のレポートも今日で最後です!
「エエ~!」
…と、Marshall Blogの読者が言ったとか言わないとか。
 
コレはMarshall的に心温まる光景。
タテ書きの「あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい!」Tシャツに挟まれて…

20横書きのMarshall GALAシャツ!
他にもこのTシャツを着てくれているお客さんがいらっしゃった。うれしかった。
Marshall GALAでのe-ZUKAさんの演奏もヨカッタからナァ~。

30レポートの<後編>と言っても、実はショウはまだ中盤に差しかかるところなのです。
だからまだまだコレから!
 
中盤に差し挟まれたアコースティックの1曲。
イヤ~、ココでのMC、面白かったな~。40「さっきから目がかすんでて…オレ、泣いてるのかな?と思ったら目に汗が入ってたのね」
イヤイヤ、実はウルウル来てたんじゃないんですか~?
…と、ココで驚くべきことがッ!
e-ZUKAさんがこうおっしゃったのだ。
「今日、会場の入り口のところでMarshallの人にバッタリ出くわしてビックリしちゃった!
Marshall Blogというのがあるんですけど、その取材に来てくれたんです。
十日町にMarshallの人が来るなんてビックリですよ!」
デへへ、私のことです。
一瞬、「じゃ、ちょっとステージに上がってもらってひとこと挨拶させましょう」なんてことになったらどうしよう!と思ったけど、まぁそんなことあるワケないわね。
e-ZUKAさん、ありがとうございました。最高にうれしかったです!
トンデモナイんですよ。
e-ZUKAさんの記念すべき凱旋コンサートと聞いて「コレはMarshall Blogで絶対レポートしなきゃ!」と矢も楯もタマらず勝手にスッ飛んで来たんですから!

60v「さっき『Y.M.C.A.』やったのわかった?」
やっぱりそうだったのね?
ココからはe-ZUKAさんのトークったく。
ギターや音楽に関する青少年時代の美しきメモリーが出で来るわ、出て来るわ!
ドラムをやってるイトコのヒデちゃんとベンチャーズを演った話、お兄さんの同級生とKISSのコピーをやった話、レッド・ツェッペリン、BOW WOW…我々世代では超スタンダードな名前がゾロゾロ。
「アレ、誰に向かって話してるんだかわからなくなってきた!」と自分でおっしゃるほどローカル色の濃い内容。

50客席には若い人が多いので、e-ZUKAさんも最初は「レッド・ツェッペリンって知ってる?」なんて少々遠慮がちにしゃべってはいたものの、興が乗って来ると、ドラムの橋本さん、清水さん、佐藤さん、ディープ・パープルのリッチー長谷川さん、スタッカー橋本さん、BOW WOWのコピーをやっていた五人囃子(なんでやねん)等々、ツェッペリンどころか、誰も知らない名前が続々登場した。
あの頃のロックは本当にバラエティに富んでいたからね。
夢中になってロックを聴いて、ギターの練習をして…そんな青春時代をとても楽しそうにお話するe-ZUKAさんがとても微笑ましかった。
私とか十高の同級生の皆さんはe-ZUKAさんのお話にすごくよろこんだのではなかろうか?
そして、ジミー桜井さんの話になった。
そうだ!桜井さんも十日町なんだよね。
桜井さんは長年にわたってMR.JIMMYというレッド・ツェッペリンのコピー・バンドをされていたんだけど、アメリカのレッド・ツェッパゲン(Led Zepagain)というバンドに加入するために、数年前に一大決心をして50歳の時に会社を辞めて単身渡米した。
その後、キャリアを積んで、今ではホンモノのレッド・ツェッペリンのドラマーだったジョン・ボーナムの息子さんとJohn Bonham's Led Zeppelin Eveningというレッド・ツェッペリンのコピーバンドに参加して世界中で活躍をしている…という立身出世の人。
最近、自叙伝まで上梓されちゃった(私が撮った写真も使われています)。

Js 桜井さんはe-ZUKAさんとは違う高校なんだけど、十日町のご出身。e-ZUKAさんのお兄さんと同級生なんだって。
飯塚昌明とジミー桜井…恐るべし十日町。
もちろん桜井さんもドップリMarshall。ジミー・ペイジのクローンだからね。
桜井さんは元々細身なんだけど、アメリカに渡ってしばらくして日本に帰って来た時、さらに細くなられていて驚いた。
やはり食事がツライのではないかと思ってお尋ねすると、「そうなんです。へぎそばが食べたくなるんですよ~」とおっしゃっていた。
アメリカで「へぎそば」はどうあがいてもムリだろうからね~。
 
せっかくなのでe-ZUKAさんの先輩が出ている記事をリンクしておこう⇒LED ZEPAGAIN AGAIN~『Live at Earl's Court』 40周年記念 <前編>

70「さださんがしゃべるみたいにしゃべったね~。色んなことがあって飯塚昌明も大人になって今があります。
ココでアコースティックを聴いてください」…と演奏のコーナーに戻った。

80ve-ZUKAさんのアコースティック・ギターに乗ってKISHOWさんが歌った曲は「少年の果て」だった。

90「十日町高校校歌」が流れる中、ショウは後半に突入した。
曲は「Deadly Drive」。コレも『文豪ストレイドッグス』なのね?

1105/4に3/4…クインシー・ジョーンズですな。
KISHOWさんの歌と絡み合って実にいい感じ。

100v_dl客席の脇まで出て来たe-ZUKAさんにお客さんも大興奮!

115瀧田さんも大ったく!

150vもうこの辺りは容赦なくガンガンいっちゃうから。
1日目は「RIMFIRE」だったココが今日は「メモリーズ」。
赤の7弦のVは初めて?

120v_mm後半に入ってますます激唱を聴かせてくれるKISHOWさん!

130vん~、このコロコロと転調を重ねていく作曲手法…スキです。

140v「No Place Like a Stage!」が続く。

170_npl7弦がはじき出すヘヴィな低音!

180v空間を埋め尽くすSHiNくんのバスドラム!
160vNo! Place! Like a Stage!!

220この盛り上がりも「想定内」だ~!

190v_cn続いて「カナリヤ」。

210ココも前日は「ROSE HIP BULLET」を演奏したところ。
240v_msc双方GRANRODEOのステージには欠かせない人気曲だ。

230v「新潟カモン、十日町カモン、いくぜ十日町!飛んでくれ!歌ってくれ!」
2_s41a4671この怒涛の後半のブロックの最後を飾ったのは「modern strange cowboy」。

3_img_3080 ドライブに次ぐドライブ!
も~、日頃のメンド臭いことすべてを忘れさせてくれるような爽快感!260ソロでもリムスキー・コルサコフもビックリのクロマチック・パッセージが素晴らしい!

250vMarshallの壁を飛び越してきたかのようなKISHOWさんのジャンプもバッチリ~!
390ve-ZUKAさんは凱旋バッチリ~!

280v「今日はどうもありがとう!昨日今日と最高の時間をココ十日町で過ごさせて頂いております。また、4年に1回、イヤ、2年に1回、イヤ、毎年毎月来れたらいいな…と。ごはんも美味しいし!春日屋さんに美味しいモノを頂きに通いたい!ありがとう十日町!」
春日屋さんからは祝い花が届いていたね。

400v「さっきしゃべり過ぎちゃって…。ナンカ今でも信じられない。18で高校を出て、東京の音楽専門学校に行かせてくれた両親にとても感謝しております」
当時は今とは違って音楽の専門学校は珍しかったからね。もちろんそれ相応に行く人も少なかった。コレはコレで大きな決心だったに違いない。
「家を出たまま実家のことなんて何も考えないで来てしまいましたが、家業を継いでくれた兄にも感謝しています。
こんな風にいつもと同じようにステージを作ってくれたスタッフにも本当に感謝しています。
あの牛はダンサーじゃなくてウチのスタッフです。ヘタだったでしょう?」
あ、バラしちゃった!秘密にしてたのに!
「そして、メンバーの瀧田さん、SHINくん、ありがとう!」

410vその2人からもひと言ずつご挨拶。
「ナニかの芽がおいしかったです(タラの芽かな?)。あとおそばが美味しくて!タレかつ丼が好きです。新潟に来ると必ずタレかつ丼を食べるんです。
それとケータリングの野菜がウマい!
新潟に来るたびに健康になるんじゃないかと思います」
SHINくんは好きな自転車でも新潟に来るのだそうだ。

420v「散歩をしたんですけど、川があって、山があって、本当にいいところです。おそばは美味しいし。
お母さまのカレーが楽屋にありましてね…ひと口目が甘くて、2口目がチョット辛い。スパイスが効いていてすごく美味しかった!ありがとうございました!」
皆さん食べ物の話ばっかり?

430vさらにe-ZUKAさんがこう付け加えた。
「アニメの業界に入って、KISHOWに出会って…12、13年前ですかね?そのおかげで十日町に来れたワケです。KISHOWのおかげです!その位感謝しています!」
このe-ZUKAさんの言葉を受けて…
「2人合わせてGRANRODEOです。ボクひとりでココまで来れたか?って言ったらそんなことはない。2人合わせてGRANRODEOです!」とKISHOWさん。
「すごくうれしくて…楽しいので次の曲を歌います!」

440本編最後の曲は「delight song」…「よろこびの歌」。
460v

470v

480v

490vよろこびに満ちた17曲で十日町をったくさせた4人なのであった!

500「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」…。

510アンコール。
まずはTシャツに着替えたe-ZUKAさんがソロで登場。
520そして、ギターを手にする。
「昨日も演りましたが、今日も演ります。皆さん、耳をふさいでいてください。そして、あたたかい目で見守っていてください」
そ、そんな!

530凱旋スペシャルでe-ZUKAさんの弾き語り。
この照明!前後左右上下からe-ZUKAさんをフィーチュア…してるのはいいんだけど光輝きすぎちゃって写真が撮れない!。

540ve-ZUKAさんは「iffinite love」を熱唱!
歌い終わった後に「お耳汚しを失礼しました」なんておっしゃっていたが、イヤ~、いいもんですよ。心が込められていることがヒシヒシと伝わってきた。
「さ、ゆかいな仲間たち、出ておいで!」とバンド・メンバーをステージに迎え入れる。

550早速ステージに上がったKISHOWさん、出て来ていきなり「1、2を争う恥ずかしい曲を歌うなんて、十日町愛を感じますね~」ですって!
「アンコールありがとうございます!みんなに声を出して頂きたいのであと何曲か演らせて頂きます!」

2_s41a5057 まずは「Punky Funky Love」!

550_os最高にポップなドライビング・チューン。

560v何だかとてもアンコールとは思えない、今からシヨウが始まるかのようなエネルギッシュなパフォーマンスだ!

570盛り上がって、盛り上がって、盛り上がって~…

580クライマ~ックスでドーン!

585「ありがとう!あ~楽しい曲!あ、チョットお知らせがあります!」
告知コーナー。
12月8&9日に大阪城ホールで開催されるナンバー・ロックシヨウ。
「13」ね。
それに先立ち、今度はKISHOWさんの凱旋コンサート、『GRANRODEO LIVE 2018 KISHOW 宇部凱旋 ロデオぶるとっぴん 〜暑ぅてわやになりそうじゃけえ皆でぶち盛り上がろうや〜』。
タイトルは十日町より宇部の方がわかりやすいね。
KISHOWさん、宇部なのか~。
山口県って県庁所在は山口市、人口が一番多いのは下関人口が多いんだけど、空港は宇部にあるんだよね。
山口市に県庁があるのは、周防と長門の国に領主である毛利氏の地元が山口市だかららしいのだが、空港はナンで宇部なんだろうね?
万を超す従業員を抱える大企業、「宇部興産」の力なのでしょうか?
宇部の空港には何回も行ったナァ。
その宇部興産の工場見学に行ったことがあるし、Mashall Museum Japanに何度か行った時も宇部空港だったし、一番最近では2015年に「世界ボーイスカウト・ジャンボリー」を取材しに行く時に利用した。あの時も暑かったナァ。アレは我が人生で一番暑い一日だったかも知れない。
しかし「ぶるとっぴん」っていうのが気になるな…「ったく」という意味なんだろうけど。まさか「ぶるっぴん」じゃなくて「ぶるとっん」だなんてことはないでしょう

575v「皆さまの人生がバラ色になりますように!」

590_rlもう1曲「バラライ」いってみましょうかッ!

600vいつも終盤に組み込まれるさわやかナンバー。
GRANRODEOでかいた今までの汗をGRANRODEOが洗い流してくれる…みたいな。

710ve-ZUKAさんはまだまだ燃えとる!

720vあ~、楽しかったね~!

730…と思ったら!
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「もう1回」「もう1回」、「もう1回」「もう1回」、「もう1回」「もう1回」…「もう半分」なんて怪談噺があるけどね。

740圧倒的なアンコールに応えて登場したe-ZUKAさんはナント、この出で立ち!
しかし、色々やるナァ。

750vu-ZUKAさんが身にまとっているのは新潟県立十日町高等学校のジャージ。
凱旋ならではの企画。

760v「みんなが来てくれたので十日町も活性化されました。十日町もがんばって!
そういう『ガンバレ!』って英語で何て言うんだっけ?」
「Hang in there!」かな?

770_gfiんなワケない!
「Go For It!」だ~!

780v予想していなかった…と言えばウソになるだろうけど、本当のクライマックスはこの先にあったのだ!

790vま、私はGRANRODEOさんとのお付き合いはたかだか7年程度の新参者ですが~、今までの中で最もエキサイティングにして個人的な「IGPX」だった。
もうコレがおかしくて、おかしくて!
「ロデオ・ガール(ボーイ)のみなさん」、「(一階席)二階席のみなさん」からはじまって、マァ「十日町の人!」なんてのも想定内。

850十日町高校の人!
十日町高校に行っている人!
川西高校だよっていう人!
南中学だよっていう人!
親子で来たよっていう人!
十日町中学だよっていう人!
西小だよっていう人!
十日町小学校だよっていう人!
…それでも大勢の人が「ハ~イ」ってやってる。ウッソだろ~。高校ふたつ行っちゃってる人もいたりして。

I_img_3126ネタ切れ。

810「愛宕幼稚園っていう人!」
いるの~?幼稚園が続いていれば別におかしくないか…?
エエイ、とにかく「ア~イジ~ピーエックス!!」。

Img_3122そしエンディングに向けてまっしぐら!

825

830v

840v

860v

1_0r4a5436最後はe-ZUKAさんの大ジャンプ~!

870こうして感動の『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』はニギニギしく幕を降ろしたのであった。

880さらに、さらに『飯塚昌明 十日町凱旋歌謡シヨウ』!

890ポーズだけでした~。
e-ZUKAさん、歌い足りなかったんだね!

900GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

920あ~、楽しかった!
行ってヨカッタ~!
しかし、日帰りで東京~十日町間を往復したワケなんだけど、「行きはヨイヨイ、帰りはコワイ」でさ…帰りの運転がシンドイのなんのって!
前の週の名古屋往復+αの720kmが楽勝だったのは、現地で2泊したからということに途中で気がついた。
十日町への往復460kmをナメてました。
関越自動車道を走っても、走っても練馬が近づいて来ない。
年寄りの日帰りの長距離運転は禁物ですな。
それでも休み休み運転して、私も無事に東京へ凱旋~!…お後がよろしいようで。

<おしまい>

 

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200  
(一部敬称略 2018年5月20日 新潟県十日町市越後妻有文化ホール・段十ろうにて撮影)

2018年7月19日 (木)

GRANRODEO LIVE 2018 『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』~私の新潟<中編>

 
さて、今日はe-ZUKAさんの地元、十日町の駅から…。
そもそも、六日町とか八日町とか、「x日」という地名はどこから来ているのか?
これはその昔(鎌倉~室町あたりとされている)、その地名になっている数字がつく日に「市」が立っていたということらしい。
だから六日町は6日、16日、26日。十日町は10日、20日、30日。
当然「八日市」とか「廿日市」とかいう地名も同じ由来。

10_2周辺の路線図を見て少しビックリ。
イヤ、自分の認識が浅かっただけなんだけど…。
まず、十日町駅が飯山線で、飯山、豊野を経て直接長野につながっていたこと。
前回も書いたように、私は以前の会社に勤めている時、7年半の間長野に住んでいたので、こういう関係を発見すると、十日町が大変身近に感じてしまう。
また、この「北越急行ほくほく線」というのは、確か通過する山々の状態が悪く、トンネル工事に大変難航したのではなかったか?
「山の状態が悪い」というのは、「出水が多い」ということ。山というのは「水の塊」で、現在主流となっている掘削したそばからコンクリートを吹き付けていくNATMという工法は、出水が多いと大変工事がしづらいのだ。
さらに津南町が隣りとは気付かなんだ…というのは年金福祉事業団が運営していたリゾート施設「グリーンピア津南」に2度ほど遊びに行ったことがある。
…なんてことを知った。

20なんだ、この有名な土器、十日町博物館にあったのか!
見逃した!
笹山遺跡というところから出土した5,000年前の土器。
新潟県で唯一の国宝。

30vお昼はへぎそばを頂きました。

130どこへ行っていいのかわからないので、取りあえず皇室に献上しているという「元祖」の店へ。

140生地につなぎとして布海苔(ふのり)が練り込まれているのが特徴。
ちょっとヌルっとしてて、美味しいね~。

150_2「へぎ」というのは「片木」と書く。
木片で作った入れ物のことらしい。

160「へぎそば」って上に書いたようにつなぎに海藻を入れているそばのことかと思っていたらさにあらず。
コレは山形で食べたそば。
やっぱり「へぎ」に入っているので「へぎそば」と呼ばれていた。
名前は同じでもこの山形のそばと十日町のへぎそばはゼンゼン別物だった。

170_2さて、たとえ火焔型土器を見逃したとしても絶対に見逃すワケには行かなかったのが、目抜き通りにある町の電器屋さん「飯塚テレビ電化」。

40_2GRANRODEOファンなら知らぬ者はいない聖地、すなわちe-ZUKAさんのご実家だ。
店先にはLED電球と並んでコンサートの告知パネルが!

50_2お邪魔しま~す。
早速、店内には数人のGRANRODEOファンが…。
e-ZUKAさんのお母さまがご丁寧に対応していらっしゃる。

60_2店内はGRANRODEO一色!
イヤ、本職の家電製品と二色!
110_2新潟のロデオ・ガールとロデオ・ボーイから贈られたウェルカムボード。

65親ってありがたいナァ。
私の母なんか自分と違って断捨離の鬼みたいな人で、以前実家に帰った時、封筒をいくつか私に渡しながらこう言った「コレ要るんなら持って行きなさい、要らないんなら捨てちゃうから」。
中を見ると、ナント50年以上前に撮った私が幼い頃の写真…ビックリしたわ。
いくらなんでも断捨離が過ぎるだろうがッ!
もちろん1枚残らず持って帰って来た。

80_2ポスターや写真だけでなく、e-ZUKAさんが出ている雑誌もコレクト。

90_2右はe-ZUKAさんのお母さまの手。
ファンの人にサイン入りのドラム・ヘッドの説明をされているところ。

110v「思い出ノート」にメッセージを書き込むファンも後を絶たない。

120お母さまは私が首から下げていた大きなカメラを見つけて「カメラマンの方ですか?」とお尋ねになられた。
「イエ、あ、はい。でも…」とテレビに目をやると丁度Marshallを背にしたe-ZUKAさんが出てるじゃないの!
そこで「e-ZUKAさんにご愛用頂いているギター・アンプのメーカーのモノです」と自己紹介をさせて頂いた。
「それはそれは、息子がお世話になっております」と丁重にお礼を頂戴した。
「トンデモありません!いつも舞台にズラリと並べて頂いて、お世話になっているのは私の方なんです!」とご挨拶させて頂いた。
e-ZUKAさんのお誕生日イベントで上映されて知って一度は訪れてみたかった「飯塚テレビ電化」…念願がかなった。
実はですね、私が学校を出て最初に勤めた会社の略号が「電化」といいましてね。
しかも同じ糸魚川の隣の「青海(おうみ)」というところに同社が保有する日本海側最大の工場があったのですわ(今もあります)。
この符合も面白いな…と思って。

100_2さて、最初のセクションが終わった『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』…今日はその続きから!
今回のレポートは回が進むにつれてGRANRODEO色が濃くなるからね。最後まで見ないとソンソン!180_2「へぎそばをイッパイ食べてゴキゲンなKISHOWです!海藻が練り込んであるから痛風にもいいんですよ。
今日は十日町の2日目…昨日は雨だったけど、今日は晴れてヨカッタ!」
そうだ、e-ZUKAさんのお母さまが「昨日は天気が悪かったんですよ~」っておっしゃっていたっけ。
「ココに来るのは2回目なんですが、十日町には『白』しかないと思っていました」
さっきチョコっと触れたe-ZUKAさんのバースデイ・イベントの時に放映したKISHOWさんが冬に訪れた十日町のビデオのことね?
「(鼻の辺りを指で指して)この位まで雪があってビックリしました。息ができないと思いましたよ!」
日本一の豪雪地帯ですからね~。

190vさぁて、e-ZUKAさんのご挨拶!
「十日町出身のe-ZUKAです!専門店会の皆さん、ありがとうございます!スタッフの皆さま、町の皆さま、ありがとうございました!
昨日チケットがないのに来てくれた人がいて、『グッズだけ買って帰ろうと思った』なんておっしゃるので、機材を置いておくための席も開放しました!
ロデオ・ボーイ、ロデオ・ガール…ボクはシアワセです!」

200_2「春日屋さんでへぎそば食べてはらくっちゃい!」
そうか、地元の人は「春日屋」さんというところへ行くのか…そういえばロビーに春日屋さんから贈られた祝い花が飾ってあったもんね。
次にe-ZUKAさんが凱旋される時は「春日屋」でへぎそばを食べよう。
「諏訪山も登ったし、飯塚テレビにも行ったし、木村屋でシュークリーム食べて…。
GRANRODEOのシャツを着た若い子がたくさん十日町を歩いてるってみんなビックリしてたよ!」
e-ZUKAさん、怒涛のトーク!

210v「あのね『ごったく』じゃなくて『ったく』だよ…ってイトコに言われました。ボクもいつの間にかシティ・ボーイになってました。
ホントに十日町に来たんだね~。
地元の人?(手が上がる)
十高の人?(少し手が上がる)
お花に『昭和60年卒業有志一同』ってありましたもんね。
最初に流れていた『十日町小唄』ね、十日町では子供の頃から全員踊れるんですよ。学校でやらされるから…。
ボクなんてシティ・ボーイだから忘れちゃった!
…といっても練馬で関越のすぐそばだけど…」

230_2KISHOWさんが「ココからしゃべらず続けて演ります!ライブ・モードに切り替えて行きましょう!」と締めくくって演奏のコーナーに戻った。

220_2このイントロ!
260v_3もうココで「Can Do」を出しちゃう。

240_cd人気ナンバーの早々の出番に客席は激ったく!

250v必殺のギター・ソロにマイクをあてがうKISHOWさん。

270まだやってる!
コレは何なのですか?

280_2グア~!
ますますやってる!

290_2スゲエ歓声~!
ああ、生演奏っていいナァ。

300_2KISHOWさんの言葉通り矢継ぎ早に「move on! イバラミチ」。

310_moi前日はここが「Once & Forever」だった。

330vこの曲もサビのパートへの転調がスゴイね。ハッとしちゃう。

340vそしてコンパクトなソロ。
余計なことは言わず、必要なことだけ主張するのがe-ZUKA流。

350_2もはや息継ぎもしていないのではないか?と思いたくなる密度の濃いリズム隊のパフォーマンス!
ベースは瀧田イサム。

360_2ドラムスはSHiN。

370_2KISHOWさんが扇子を手にするのは「Y.W.F」。

380_2お客さんも扇子を取り出してと…。

460_2ノリノリ大会の権化のような曲もさることながら、ココの見どころは皆さんの「舞い」でしょう。

400vん、「Y.M.C.A.」?

410SHINくんも。

410ve-ZUKAさんも。
430vもちろんお客さんもステージ上のメンバーとイキの合った舞いを見せてくれた。

425オマケでもう1枚…凱旋だから!
420vそして、燃え盛る炎のようなギター・ソロ!
コレもいいソロだにゃ~。
e-ZUKAさんのソロってやたらとピロピロ速く弾いたりしないでしょ?
曲の雰囲気を優先して、必要な時に、必要なだけ速く弾いているだけ。
Mr.BIGのポール・ギルバートも数年前に会った時、自分もそうしていると言ってた。
どんな楽器にでも「超絶技巧」と呼ばれる曲はあるけど、こんなに速く弾くことだけを「超絶」と謳っている楽器ってギターだけなんだよね。
そりゃギターを正確に速く弾くには大変な鍛錬を必要とするけど、決して「速弾き」だけがギターの超絶技巧ではない。
今の若い人は、もう速弾きをマスターした時点で疲れ切っているように見える。「音楽をやっている」、というより「ギターをやっている」という感じ。
大切なことは、速弾きをマスターしたなら、その技術を使って自分だけの音楽をクリエイトすることなのに…。
実は音楽家の仕事としては、そこからが本当にムズカシイところなのだ。
だからイングヴェイ・マルムスティーンはスゴイかった。
イングヴェイの偉大さはギターを速く弾いたことよりも、ナンダカンダ言ってそのプレイング・スタイルで「自分だけの音楽」を確立したことだと思う。
e-ZUKAさんやポールもそんなことを目指しているに違いない。

450vイヤ~、盛り上がる、盛り上がる!

470_2「どう?イケてる?ノレてる?
じゃあ、新しい曲を聴いてもらいましょう。
昨日初めて演ったんだけど…カワイイ曲を聴いてもらうね!」

480_2曲は「マジカルストーリー」。

490v_msコレでしょ?

140音数が少ない印象的なイントロのギターが、中間部の歌のバッキングにそのまま転用されている所が面白い。
よくある手法だけど、この音数の少ないギターのパターンでやるところが快感だ。
「カワイイ曲」というより「大人っぽい」?

500_2私は次がメッチャよかった!
SHINくんのドラムスが切り込んできて…
520ve-ZUKAさんと…
530v瀧田さんのオクターブ・ユニゾンがそのドラムにカラミ付く!
535vそしてKISHOWさんの声…コレもカッコいいわ~「Urban Sweet」。
「ロック」って音楽はこうあるべきでしょうよ~!
タマらんわ!
昼飯を抜いてでもお金を貯めて1枚1枚ロックのレコードを買い集めていた頃の自分を思い出させてくれる。

510vコレね、中間の「トゥッティ」というか、みんなでユニゾるパートね。
15小節目はバップ・フレーズ、16小節目はコルトレーン。「Giant Steps」ですな…サスガe-ZUKAさん!

2_s41a4539 観客席のペンライトの色が白に変わる。

540_sp曲はホッコリと「Snow Pallet」。
「♪雪化粧美しく 君の頬を染めてゆく」…十日町へのトリビュートかな?

550vおお~、ダンサー登場!
牛装束がカワイイ~!

560_2よく見るとすごくおなじみの牛さんたちのような気もしますが…。
何しろ楽しそう!

570_2ハード一辺倒ではなく、こうした優しい曲もGRANRODEOの魅力のひとつだよね。
KISHOW=e-ZUKAが一流のソングライティング・チームであることを証明している。

580美しいキルテッド・メイプルのギターに持ち替えてもう1曲心あたたまる系ソング。
595v「HAPPY LIFE」。

590v_hlお客さんと「♪ウォ~ウォ~ウォ~」。

600正しくこんな瞬間が「HAPPY LIFE」。

610GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

620<後編>につづく

※Instagramのフォローもよろしくね!Marshall Blogに未掲載の写真もチラホラ!⇒marshallamps_shige 

200  
(一部敬称略 2018年5月20日 新潟県十日町市越後妻有文化ホール・段十ろうにて撮影)

2018年7月18日 (水)

GRANRODEO LIVE 2018 『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』~私の新潟<前編>

  
今日の記事はMarshall Blog史上最長のタイトルかも…。
「ごったく」というのは「大騒ぎ」みたいな意味なのね?
GRANRODEOのe-ZUKAさんが、故郷である新潟県十日町市に錦を飾ったコンサートのレポート。
そりゃ大騒ぎになるにキマってる!
Marshall Blog、初の新潟遠征。

10ところで、「凱旋」という言葉を耳にしたロック・ファンが放っておけないのが下のアルバムでしょう。
若いロデオ・ガールやロデオ・ボーイのために少しだけウンチクを固めさせてね。
下のアルバムはジェフ・ベックというイギリスのギタリストのインスト・アルバム(歌なし)の名作で、ギター・キッズなら間違いなく通っているレコードだったのね。
もちろんe-ZUKAさんも散々お聴きになっているハズ。
プロデューサーはジョージ・マーチン…ビートルズを育てた人ね。
このアルバム、元々のタイトルは『Blow by Blow』というんだけど、昔、このアルバムには『ギター殺人者の凱旋』という邦題が付いていた。
変でしょう?
「blow by blow」というのはボクシングから来た慣用表現で、直訳すれば「一発ずつ」ということなんだけど、「具に(つぶさに)」という意味。ま、「細かく丁寧に」というか…。
選手が繰り出すパンチ一発ずつを細かく実況する…みたいなところから定着した表現なのだそうだ。
私はこのレコードを今から40年以上前、13、14歳の頃に聴いた。
そんな子供でも『ギター殺人者の凱旋』という題名は「おかしいんじゃね?」と思った。
だって、元のタイトルの『Blow by Blow』には「ギター」といういう言葉も、「殺人者」という言葉も入っていないことが一目瞭然でしょ?

20cdそれが何だって『ギター殺人者の凱旋』などというキテレツなタイトルになったのかを大分後になって知った。
コレはアメリカのレコード会社が宣伝のために考えた「The Return of the Axe Murderer」というキャッチ・コピーを、日本のレコード会社が律儀に直訳してアルバムのタイトルにしちゃったんだね。
ちなみに「axe(アックス)」というのは、「斧(おの)」という意味。昔のジャズのスラングで「楽器」という意味を表す。
サキソフォンも「アックス」、ギターも「アックス」。まぁ、そのミュージシャンの「武器」みたいなイメージなんだろうね。
コレが私の「凱旋」。
パリに行ったこともなければ、年上の友人もいない…あ、コレは「パイセン」か?

30adということで、今日から3日間にわたってBlow by Blowでe-ZUKAさんの凱旋コンサートをレポートします。
行かれなかったお友達のロデオ・ガール、ロデオ・ボーイにもこのレポートのことを教えてあげてくださいね!要するに拡散して、みんなで「ごったく」してね…ということです。

C_gottaku 私がコンサートにお邪魔したのは、2日目の5月20日の日曜日。
朝早く東京を発って関越自動車道をまっしぐら!
快調、快調!

C_d4ああ~、いい天気だ~!気分がいい~!新緑が美しい~!
普段東京にいると気がつかないんだけど、「遠くが見える」ってのは実に気持ちのいいことだ。
自分の目がよろこんでいるのがわかる。
そして、空気!
この歳になるとね、「空気のウマさ」ってのが本当によくわかるんですよ。
コレのちょうど1週間前にはやっぱりMarshall Blogの取材で名古屋へ行ったんだけど、車の運転が好きではない私でもそれほどシンドくなかった。今回は十日町まで片道230km…それなら楽勝、楽勝!

C_d2せっかくの出張取材なので、いつも通りチョイと寄り道。
例によって「古い町並み」を探して訪ねてみた。

40ココは湯沢の先、目的地の十日町の隣の南魚沼市六日町。
高崎から長岡の寺泊に抜ける三国街道、29番目の宿場町だったところ。

50「古い町並み」と言っても、古いモノがそのまま残っているというワケではない。
街おこしで昔風の新しい建物が並んでいるということ。
郵便局もこの通り。

60コレは信用金庫かな?

70コレらが大層よくできていて実におもしろいのよ。
100建物だけでなく、ディテイルにもこだわっていて安っぽい感じが全くない。

80公衆トイレだってこんな具合。

90建物の間から姿をのぞかせる山々のナント美しいことよ!

110コレはバッタか?キリギリスかな?
かつては雪がココまで積もった…という記録を記したポール。
スゴイよ!
このポールの一番上の線昭和58年の3.7mという記録。
私も富山や長野に住んでいたことがあって、当然雪もガンガン降った。でもそんなのはカワイイ部類だわね。

115v雪国のアーケード、がんぎ。
コレは小学校の社会科で習った。

120v_2この看板がすごくいいよね。

130v_2がんぎは長野の飯山なんかでも見たことがあるけど、昔はスゴかったろうね。
この左側が雪で真っ白い壁になっちゃうんだからね。

140v_2消雪パイプは富山で初めて体験した。
富山では「融雪パイプ」って呼んでたような気がするな。
初め「あ~、あ~、グシャグシャになっちゃって!」なんて思ったけど、ひとたび消雪パイプのないところへ行くと、コレのありがたさがすぐにわかったわ。

150古い消雪パイプはスチールで作ってあるため、サビが出てこうして道が赤く染まってしまう。
なんかいい風合いだけどね。
今ではステンレスや塩ビ管を埋設しているそうだ。
長野は消雪パイプがなかった。
どんなに雪が降っても、翌朝ひとたび太陽が昇ると雪はすぐに溶けてしまうから。

160v_2ウワ~「磐城セメント」か…住友セメント系ですな。
同時に肥料を取り扱っている。
地方へ行くと、こうしてセメントと肥料の販売を兼業しているお店が多かった。
昔はセメントは国土を作り、肥料は食物を作る社会的にとても重要なアイテムで、そう簡単に誰でも取り扱うことが出来なかった。
だからこういう「〇〇特約店」なんて看板を掲げるのはとてつもなく大きな名誉なことであり、コレらを「金看板」と呼んだ。
実際、文字に金箔が施されていたこともあったのかも知れない。

180どんなのかは見て来なかったけど、「江戸時代の風景を楽しめます」なんてのもあった。

190色々なお店があって、それらを見て回るのも興味深い。

200通りかかった「食料品、酒、土産物、荒物、雑貨 in ワン・ショップ」に足を止める。
この手のアイテムは東京では見かけない。
「着ござ」なんて言葉は初めて聞いた。

210気になって「着ござ」を調べてみた。
夏場にこうやって背中に装着して、日光や雨露を遮る。
太陽に背中を向けて農作業をするのはさぞかし辛かったのだろう。
きっと涼しんだよ。
コレ、東京でも今が使い時だよね…950円なら買ってくればヨカッタ。今日、渋谷に行くときに使えたのにナァ…。
昔のモノってのは本当によくできていてムダがない。

C_kgzコレは「袖カバー」。
畑のおバアちゃんたちって大抵この花柄のカバーをお揃いで付けてる。
こういうところで買うのか…。

220しかし…人がいない。車も走らない。
清々しててすご~く気持ちがいい!

230さっきから私が上ったり下ったりしている目抜き通りを「牧之通り」という。
「牧之(ぼくし)」というのは、鈴木牧之という明和7年(1770年)にこの地に生まれた商人にして随筆家のこと。

240牧之は19歳の時に縮織物を売りに江戸に出たところ、あまりにも江戸の人たちが雪国の生活を知らなかったことに大層驚いた。
そりゃそうですよ。インターネットどころか本だってロクにない時代、イヤ、字が読めない人が多かった時代なんだから。
それで牧之は一念発起して山東京伝らの助けを得て『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』という随筆を著した。
内容は雪国に暮らす人々の生活や悲喜劇をオムニバスで綴ったモノで、バカ受けして当時の超ベストセラーになったそうだ。
私も読んでみようと思って既に買ってある。
270bk牧之は絵も得意で、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』の挿絵を描いたり、山水画が良寛和尚から絶賛されたというのだからスゴい才能の持ち主だ。
その鈴木牧之の記念館が牧之通りからチョット入ったところにあったので入ってみた。
「北越雪譜」の執筆に関わる資料や、昔の六日町の生活用具や写真が飾ってあってなかなか面白かった。

250牧之の句碑。
「そっと置く ものに音あり 夜の雪」
わかるナァ~。
雪が降るとすべての音を雪が吸ってしまって反響がなくなるでしょ?いわゆる「デッド」な状態。
そうすると辺りが静まり返ってしまい、どんな小さな物音でも聞こえてしまうという雪の夜の静けさを謳った句…だと思うんですけど。
当然、当時の江戸の人たちはそんな経験がないので、『北越雪譜』を読んで感動していたんでしょうな。
260v_2そして、ひと山越えてお隣の十日町へ!
e-ZUKAさんの故郷。
今日のコンサート会場はココ、「十日町市越後妻有文化ホール・段十ろう」。

290開場時間にはまだ間があるけど、すでに大勢のロデオ・ガールやロデオ・ボーイで大賑わい。

300そして、会場の前にはテントがゾロゾロと並んでいる。

310チョット覗いてみるよ~。

320「e-ZUKさんのお母さんカレー」!
「我が子を思う母の優しさタップリのレシピ」だって!
だから毎日カレーでもいいのか~。

330こっちはGRANRODEグッズの販売。

340コチラは…またカレー!

350「チャーキカレー」が大好評!

360ナント、「チャーキカレー」を買うとGRANRODEOのロゴ入りの「十日町専門店会協同組合」さんの茶封筒に入れてくれる!

370水もGRANRODEO!

380イヤ~、賑やかで楽しいわ~。

390館内では丁度パッチワーク展を開催していた。

400私、パッチワークって好きなのよ。
もちろん眺めるだけね。

450コレはGRANRODEOには全く関係ありません。

460こっち、こっち!
凱旋コンサートだけあって、ロビーには地元の皆さんからの祝い花がドッサリ!
せっかくだからご芳名を挙げておきましょう。
「十日町そば 春日屋」さま、「十日町高校音楽部ギター班OB」さま、「十日町高校昭和60年卒業生有志一同」さま、「南中学校昭和57年卒業生有志一同」さま…

470「十日町高校昭和60年卒業生有志一同」さま2基目、「十日町専門店会協同組合」さま、ファンのみなさま。

480ファンから送られた祝い花がまた凝ってること!
ビールにギター。

490「飯塚酒」も!
ビンが指板になってる。これがホントの「ボトルネック」!

500そして楽屋に飾ってあった鉢植。
e-ZUKAさんのご兄妹の皆様から…感動的。

520さて、ステージの方はというと…

530やった~!
いつも通りのMarshallの壁。
やっぱりGRANRODEOのステージはコレでないと!

540e-ZUKAさんご愛用のJCM2000 DSL50。

550足元のようす。

560さてさてお待たせしました!
いよいよ『e-ZUKA 十日町凱旋ロデオごったく:あさささ、ごーぎだども あちこたねぇすけこらっしゃい』の始まり始まり~!
「十日町小唄」とそれ合わせた手拍子に包まれてステージに上がるGRANRODEO!

565オープニングは「SEED BLASTER」!

570KISHOW(谷山紀章)

580ve-ZUKA(飯塚昌明)

590vそしてベースは瀧田イサム。

600vドラムスにSHiN。

610vん~、このエキサイトメント!
やっぱり新潟で観てもGRANRODEOはGRANRODEO!

620_sb「いくぞ十日町!」

625vおかえりなさ~い!

630vGRANRODEOのコンサートがスタートした時につい口にしてしまう「独りごと」が私にはある。
今回もやっぱり言ってしまった…「カッコいい~!」って。

63470年代からロック・コンサートを観続けているこのオッサンが何の違和感もなく入り込めるコンサートがGRANRODEOのシヨウなのだ!

635そう思わせるひとつの理由はこの景色。
「e-ZUKAさん+Marshallフル・スタックの壁」なんだよね。
どんなに会場の音響設備が進化しても「ロックのコンサート」っていうのはこうあるべきなんですよ。

640_sn2曲目は「SUPERNOVA」。

660この曲のイントロのギターの5~6小節目がカッコいいんだよね~。
「え、そっち?」みたいな。
710そして、切れ味鋭いe-ZUKAさんのソロ。
音にムダがないのだ!
720vもう1曲いっちゃうよ!
KISHOWさんのア・カペラで始まるのは「Pierrot Dancin'」。

700vしかし…この曲もカッコいいナァ。
730トリッキーなキメからギター・ソロへ行くところなんてトリハダもんですわ。
私がハードロックで演ってもらいたいことが沢山詰め込まれているのです!
670vやっぱり「張り切ってる感」がガンガン出ているe-ZUKAさん!
「錦を飾る」ってどういう気持ちなんだろうナァ?
うれしいんだろナァ。

690GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

3_img_2986<中編>につづく

※Instagramのフォローもよろしくね!Marshall Blogに未掲載の写真もチラホラ!⇒marshallamps_shige 

200  
(一部敬称略 2018年5月20日 新潟県十日町市越後妻有文化ホール・段十ろうにて撮影)

2018年7月17日 (火)

犬神サアカス團~ゴーゴー!ゴールデンウィーク!

 

今頃ゴールデン・ウィークの話題なのよ。
遅くなってスマンね。
しかし暑い…ゴールデン・ウィークの頃、一体誰がこんなに暑くなるって想像したかね?
そういえば、今年のゴールデン・ウィークの翌週はヤケクソに寒くなって北の方では雪が降ったんじゃなかったっけ?
いいナァ、雪。
ちょうどその時、ウチの社長夫妻がイギリスから来てね…イギリスはその前の週、激暑だったせいもあって、あんな寒い国の人たちですら「寒い、寒い」と驚いていた。
イギリスも相当天気がおかしいらしい。
なんて話をしてたら幾分涼しくなって来たね~…なんねーか。
今日はそんなゴールデン・ウィークの頃の犬神サアカス團のライブ・レポート。

C_3fl 『ゴーゴー!ゴールデンウィーク』と銘打ったツアーの千秋楽。

10ステージみはおなじみの幟(のぼり)の間にMarshall JCM800 2203と1960A、それに今日はJCM2000 DSL100のハーフ・スタックも並んでる。

20_2ステージ下手にはEDEN Yerra Nova TN-501とD410XSTのフル・スタック。

30vそして中央にはこれまたおなじみのNATALのアッシュのキット。

40_2「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!千葉県市川市の魔界から来ました~!」
司会はおなじみ魔将軍チャッキー!
私も市川の魔界には2年ほど住んでいたことがあるぞ!…と、前回も書いたか?
早速、今日のオープニング・アクトを紹介する。

50_2犬っ子サーカス團!

60ゆら

70vこうた

80v_2そういち

90vあやた

100v犬っ子サーカス團は福島県いわき市からやって来た犬神サアカス團のコピー・バンド。
昨年10月にココで開催された犬神サアカス團のコピー・バンド・コンテスト『犬フェス』で優勝したチーム。
約束だった優勝のご褒美のオープニング・アクトとしての出演が今日実現したのだ!

110_2まずは…おお!いきなり「暗黒礼賛ロックンロール」!
130v_2さすが犬フェス・グランプリ・バンド、堂々たるパフォーマンス!

1302曲目は「夜行列車」。

A_img_0469 「ココに戻って来て歌うことができてうれしいです!最後は盛り上がる曲を持ってきました!」

120v「一生懸命練習してきました!」…と3曲目に「需要供給の法則」を演奏。

140「出だしから楽しすぎてブッ倒れそうです!」と、そういちくん。

150v_2「観客の前で演奏できるのがうれしいです!」と挨拶したあやたくん。

160v_2若さあふれる犬神さんたちでした~!

B_img_0054「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!千葉県市川市の魔界から来ました~!…あ、コレはもう言ったか?」
魔将軍は今回のツアーで司会とオープニング・アクトを担当してくれた。
そして、この千秋楽でも一発カマしてもらえるというワケ。
「貴様ら!2.5次元魔界力を~!ミュージック、スタートッ!」

170サンバで始まるノリノリのナンバーはUNITED MONSTERSの「THNDERBIRD」。

C_190v2次元の方には犬神サアカス團が登場。
しかし、イラスト上手だな~。
もちろん魔将軍チャッキー。

180_2…というのも作詞曲が犬神情次2号。
そして、コーラスとプロデュースが犬神サアカス團なのだ!

200cdコレがね、いいんですよ。
聴いてて安心のディスコ・チューンってのかな?
もちろん、お客さんは2.5次元で大騒ぎ~!

C_img_0529今日限定のオリジナル・カクテルも販売された。

220vそして、犬神サアカス團の登場!

230犬神凶子

240v犬神情次2号

250v_2犬神ジン

260v犬神明

270v今日のオープナーは『死ぬまでロック』から「桜散る中」…珍しい。

280_scnロックの王道的なギターリフでスタートするドライビング・チューン。
いつも言っているようにこういう曲はMarshallで弾かなきゃダメだ。

300v実によろしいな~!

290v続けて『ビバ!アメリカ』から「生霊」。
『源氏物語』ですな?

310v_irん~、「ヌケのいい音」ってのはこういう音を指すのだろう。
キレのいい8分で凶子姉さんの語りをサポートするジン兄さん。

320v「こんばんは!年老いた方の犬神サアカス團です!」

330v_mc3曲目は…コレ私、はじめて。
「ほんとにほんとにご苦労さん」か~!

340_hhg私はこの曲、ドリフ・バージョンはリアルタイムです。
でも元は昭和14年に発表された戦時歌謡曲の「ほんとにほんとに御苦労ね」。
犬神バージョンは、4番目の「ほんとに」の音階がオリジナルはオクターブであるのに対し、短6度にアレンジしてある。

350続けて「怪談!首つりの森」。
この曲は「ショート・プレミアム興行」でミッチリ取り上げたもんね。

360v_kkiさらに「ほんとに御苦労さん」とのシングル・カップリング曲「都合のいい女」を熱唱。

370vナンカ今日のセットリストはいつもとはひと味違う感じがするぞ。

390v_2「このツアーは『ゴーゴー!ゴールデンウィーク』っていうんだけど、ゴールデン・ウィークは終わっちゃいました」
しかし、犬神さんもそうだろうけど、ゴールデン・ウィークが特段うれしくなくなって、一体何年経つかナァ。
あ、休みがない…ってことね。私なんかは勝手に好きで仕事してるだけなんだけど。
「辛い人生を送っている皆さんのために私たちは存在しているのです。パーっとした曲を演ります。そら、皆さん!手を出して!この宗教感!
次の曲は歌って踊る曲です!」

400mcタンバリンを手にした凶子姉さん。

410_tpc2010年のシングルで「天変地異」。440v_nmセカンド・ラインにディストーション・ギターというナイスなアイデアのイントロ。
なかなかこんなサウンド他では聴けない。
本当に犬神さんは色んな音楽を聴いてらっしゃる。

430ジャケットを脱いだ明兄さん。
続いての「猫町」は『夜行列車極楽行』から…珍しい!
こういうところが犬神さんのスゴイところ。
コア・ナンバー以外にもレアなナンバーをガンガン入れて来る。普段演っていない曲を組み込むのは面倒なことだからね。
長い歴史がなければ決して出来ないことだ。

P 「色に狂わせ夢に憑りついて 魂吸い上げましょう 狂わせてあげる 愛し麗し夜の街」…「猫町」は情次兄さんの作品。
2008年の発表。
もうこの頃からジョニーちゃんは「IRナントカ」のカジノの危険性を予見していたんだね~…チガウカ?

480「どうもありがとう!楽屋で犬っ子サーカス團を観ていて4人で『ウン、ウン』って。どうやったら初々しさってでるんだろう?って頷いてた。
私たち来年25周年です。心機一転、初々しいバンドになります!」

460v_mc初々しく最近作から「朽ちたブルース」。

A_img_0702 ジョニーちゃんのギターが泣き叫ぶ!

C_img_0162 「今の曲はこのツアーで初出しです。今日来たお客さんはラッキーです。
ところで、今日初めて来た人っている?」
何人かいらっしゃる。
「(犬神の曲は)ちょうどいいテンポでポップかな?ってノッテればナニをやっても大丈夫なの。ほぼそういう曲でできていますので楽しんでいって欲しいと思います!」
590v_mc2014年の『玉椿姫』から「突発性行動障害」。
コレも珍しいんじゃん?
500vナント言ってもサビのメロディがいいんだよね…なんてやってると痛い目に遭う。
ドンドン曲が展開して予想外のパノラマを作っていくのだ。
まさに突発性行動障害!
490_ths「赤痣の娼婦」が続く。

510v_aas「暑くない?何か飲んだ方がいいよ。倒れたらイケないからね。
ここのところズーッとお家にいたの。ナニやってたのか聞きたいかい?
ネットフリックスに登録したの。
誰とも喋っていないから声がよく出ます。
『ゴーゴー・ツアー』です…なので『新宿ゴーゴー』からも演りたいと思います」
490_ncコレね。

530cd昨年の10月に発表したこのアルバムは、ジョニーちゃんから5月に来日したMarshall社社長夫妻の手に直々に渡され、海を越えて大英帝国へと運ばれた。
英国ゴーゴー!

540まずはタイトル・チューンの「新宿ゴーゴー」。

550v「栄光の日々」…

560v_2「怪我する前に」…

570v8曲目に取り上げた「朽ちたブルース」と合わせて、この日は『新宿ゴーゴー』から4曲を演奏した。

580v「今日はツアー・ファイナルです。兄さん達にツアーがどうだったか、そしてコレからどうするか訊きたいと思います」
520_sgg「4月から北海道、東京、京都、大阪、福岡、広島、名古屋を回って来ました。丸々ゴールデン・ウィークとかぶってどこへ行っても渋滞に巻き込まれました。
来年のゴールデン・ウィークは10連休になるのかな?来年どうしましょう?」
ツアーは止めた方がいいと思います。

Mcj「疲れたよ~!こんなに疲れるなんて『身体重い病』になったんだよ。だからオレはやるよ!疲れにくい身体づくり。歯磨きする時はスクワットするとか…。そういう感じで少しずつやってみたいね。
ウン、次のツアーに向けてオレはやる!」
今は知らないけど、レッチリのFleaって「万年疲れ病」みたいな病気に罹っていたらしい。
ものすごくツライんだって。
私はウォーキングをやってます。なるべく毎日1.5~2時間。しかし、この暑さじゃな~。
早く秋になって欲しい。

Mcg「どうも!犬神明です!そうだね~、ツアー楽しかったよ!セットリストがアゲアゲでね!
そうだね~、ジョニーちゃんみたいに疲れたけど、気持ちはおちこまなかったね。ハイでいられたね。
そうだね~、オチはないよ。これからは我々の明るい面を出していきたいね」

Mca凶子姉さんも「楽しかった!」というツアーの最終日もいよいよ最後のセクションに差しかかる!

600「運命のカルマ」…

600v_2「自殺の唄」…

610v「最後のアイドル」…

630v…と3曲続けて演奏し、本編16曲の幕を降ろした。

640vそして、アンコール。

645まずは恒例のジンにいの物販アイテム紹介、販売促進、活動告知のコーナー。

650v今回のTシャルはコレだって。
ココのグッズはいいよね。
犬っこ、犬っさん達も投資のしがいがあるってもんでしょ。

655アンコールの1曲目は『新宿ゴーゴー』のリード・チューン、「暗黒礼賛ロックンロール」。

660そして「残酷楽園」!

670vしかし、今回はセットリストといい、演奏といい、何となくいつもとは雰囲気が違っていた感じがしたナァ。

680vそれにしても、恐るべきは犬神レパートリーの奥の深さだよね。
毎回毎回趣向を凝らしてくる。
エンターテインメントの基本は「観客を飽きさせない」ことだからね。
犬神さんはまさにソレ。
そして、お客さんが曲をよ~知っとること!

690vもうひとつ、スゴイのは「作り続けている」ということ。
今頃もう次のアルバムづくりに精を出していることだろう。
音楽家たるものこうでなくちゃ!

700v本来であればココでショウは終了する予定であったが、再度のアンコールに応えた。
曲を決めていなかったので選曲会議。

710結局「白痴」炸裂!

720犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

730_2例によって終演後の物販は大行列~!
ホントいつもスゴイ人気だわ~!

740_2※あまりにも長くなってしまったので「私のディープ浅草」はお休みします。

200_2 
(一部敬称略 2018年5月19日 高田馬場Club PHASEにて収録)

2018年7月11日 (水)

スピンオフ四人囃子 #3 <後編>:スピンオフ四人囃子~私の光太夫

 
ことあるごとに「吉村昭が好き」とMarshall Blogに書いてきた。
どれぐらい読んだかナァ…と思って手近にあった文庫本を並べてみた。
この他にも何冊かあって、またはハードカバーなども加えるとちょうど100冊ぐらいか?
私は本はハードカバーで読んでキチンと蔵書しておくのが正しい読書の作法だと思っているのだが、吉村作品の場合はいつでも、どこでも読みたいので、持ち運びに便利な文庫で集めた。
正直言うと下の写真の蔵書の中にはまだ読んでいない作品もいくつかあるのだが、もう吉村さんが亡くなってカレコレ12年…当然二度と新作は出て来ないので大事に大事に読み進めているのだ。
吉村昭の作品は徹底した取材と史実に基づく「記録文学」といわれるモノ。
エッセイや若干の創作が混ざっている作品もあるにはあるが、どの作品もが重厚で、とても読みごたえがある。
この歳になると、フィクションを読んでいる時間がモッタイなくなるのよ。
ま、どちらかといえば男性が好む小説だよね。
最近読んだ全く別の分野の本に「松本良順」という江戸後期の奥医師のことが書いてあって、とても興味を持った。
ハテ、どこかで見た名前だな…と思って調べてみると、あったあった、吉村先生の『暁の旅人』という作品。
次はコレを読むのを楽しみにしている。

10そして、大分前に買ってはいたものの、まだ読んでいなかった作品に『大黒屋光太夫』という文庫で2巻組の作品があった。
何の気なしに読み出したら、アータ、最後まで止まりゃしませんよ…おもしろすぎちゃって!
吉村作品は圧倒的に長編がおもしろい。
「磔」などという隠れキリシタンが、処刑されるために長崎へ向かう行程を描いた優れた短編などもあるにはあるが、やっぱり長編がいい。
実際一番おもしろかったのは、吉川栄治文学賞を獲った文庫の上下巻合計で1,300ページを超す大著『ふぉんしいほるとの娘』だな。
コレも読みだしたら全く止まらなくなっちゃって一気に読み抜いた(シーボルト関連についてはコチラに書いたことがある)。
さて、この『大黒屋光太夫』、吉村先生お得意の「漂流もの」。
1782年に伊勢白子浦を出帆した回米船、神昌丸が江戸に向かう途中遠州灘で時化に合い、17人の乗組員がロシアに漂流し、10年ぶりに日本へ帰って来る…という実話。
ストーリーを書けばそれだけの話なんだけど、極寒地での苦労は想像を絶するものであり、また光太夫の賢明かつ勇気ある行動がこと細かく記録されており、読む者の感動を誘わずにはいられない…って新潮社の宣伝惹句みたいなことを書いているけど、そういうことです。
私も-50℃の冷凍庫の経験があるからね…10秒しかもたなかったけど。そのスゴさは知ってる。
ウチの家内も読書が好きで、山岡荘八の『徳川家康』を完全読破しているのが自慢なんだけど、吉村作品は固すぎて苦手だと言う。
その家内が2、3日で読み終えてしまったのがこの上下巻。
それだけ魅力的だったのです。

20実はこの光太夫の物語は井上靖も文藝春秋に連載小説で発表していて、1992年には緒方拳の主演で『おろしや国酔夢譚』という同じタイトルで映画化もされている。
ところが井上靖が執筆したのは1966~1968年のこと。
当時は光太夫の行動についてわからないことが多かったらしい。
対して吉村作品の発表は光太夫の研究が進んだ後の2003年のことで、以前は不明だった部分が数多く明らかになってからの執筆だ。
なので井上作品より緻密な内容となっているのだそうだ…「だそうだ」というのは井上作品は読んでないから。
でも、映画はDVDを借りて観てみた。
ま、こんなもんでしょうな。光太夫の苦難の10年を2時間で描くんだから、こういうダイジェスト的な脚本になってしまうのは避けられまい。つまり黒澤明なら絶対に題材にしない小説ということだ。
映画を観ていて、こっちの教科書は微に入り細にうがち光太夫を書き表した吉村作品でしょ?「ああ、そうじゃない!」とか「イヤ、こんなもんじゃない!」とか、大騒ぎしながら鑑賞させて頂いた。
結果、ナンダカンダで結構楽しませて頂いた。
ちなみに光太夫たちが7ヶ月の漂流の末に到着したアムチトカ島はアリューシャン列島の西に位置し、アメリカが1867年にアラスカを買った際に米国領に組み入れられた。
その後、アメリカはこの島で3回も核実験を行っている。

2_ で、今回名古屋に車で行くなら、おお!光太夫のところまでいってみようじゃねーか!
ということになった。
実は以前、光太夫のことをMarshall Blogに書いた時、誤謬を指摘してくださった方がいらっしゃった。その方から「大黒屋光太夫の記念館がある」という情報をありがたくも頂戴していたのだ。 
そして、やって来た!
場所は三重県鈴鹿市若松というところ。大黒屋光太夫の故郷。
「郷土の偉人」ですよ。
この記事に触発されて、もしかしたらこれから本を読む人がいるかもしれないので詳述は避けるが、光
太夫がナゼ偉人なのかというと…日本に帰って来たからなのね。
当時、時化によって内航船がロシアに漂着した漁師は過去にもたくさんいた。
「種痘」ってあるでしょ?天然痘の予防接種。
今、天然痘は絶滅して種痘はしなくなったけど、私が子供の頃は種痘とか結核の予防接種BCGとか、そういうのがまだあった。
この種痘を日本に持ち込んだのも確かロシアに漂流した漁師だったハズ。
吉村昭の『花渡る海』という作品がこの話だったように記憶している。
ちなみに「日本の新聞の父」とされる「アメリカ彦蔵」こと浜田彦蔵も2ヶ月の漂流の末、アメリカの商船に救助されにサンフランシスコに渡り、当時まだ日本には存在しなかった「新聞」を持ち帰った。私はこのことも吉村昭の『アメリカ彦蔵』で知った。
話を元に戻すと、光太夫より以前、ロシアに漂着した日本人で祖国へ帰って来た者はいなかった。
光太夫は何とか日本へ帰還しようとロシア人支援者の力を借りて、時のロシアの君主エカテリーナ2世に何千キロもの旅を経て謁見し、彼女に直訴したんだね。
そして女王の憐憫の情を買い、見事OKをもらって帰って来た。
その時、一緒に日本にきたのが有名なラクスマンなんだな。

30vまず訪れたのは若松町公民館敷地内にある「開国曙光」という光太夫の顕彰碑。
この「開国曙光」の書は第16代徳川宗家当主、徳川家達(いえさと)によるもの。
家達は田安家の徳川慶頼の三男。
その慶頼は14代将軍徳川家茂の後見職で、幕府の要職に就いていた。
家達は家茂および13代将軍の家定の従弟にあたる人。 

40v1976年に立てられたこの石碑は3代目なのだそうだ。
光太夫の生涯がガーッっと書かれている。

50コレが大黒屋光太夫記念館。
入場は無料だけど、展示物の撮影はNG。

60コレが光太夫。

70v光太夫はエカテリーナ2世からたくさんのお土産をもらって来た。
そういうモノが飾ってあるのかと思いきや、ほとんどなし。

2_img_6971 でも、光太夫に関するさまざまな資料が展示してあって、小説を読んだ人ならば、かなり興味深く見学することができるであろう。

80せっかくだから光ちゃんとツーショット。
小説を読んでいると、漂流中に始まり、ロシアに渡ってからも光太夫のリーダーシップとその聡明な頭脳に感心せざるを得ない。
そのウチの際たるモノが「言葉」だ。
光太夫は最初に漂着したアムチトカ島に来ていたロシア人に遭遇した時点でロシア語を学習し出した。現地の人間と言葉でコミュニケーションすることが自分たちの命を救うと直感したのだろう。
やっぱり「言葉」なんですよ。音楽に国境がないのは音楽をやっている時だけです。
加えて光太夫はロシア語の読み書きも習得した。
また、ロシア滞在中の記録を残したことが幕府の取り調べに役立ち、『北槎聞略〛という書物になって家斉に献上された。
そして、光太夫はロシア文化のエキスパートとして幕府に重用され、厚遇を受けた。

90v光太夫は16名の乗組員とともにロシアに流れつき、10年の歳月を彼の地で過ごしたワケだが、病気で死んでしまう者、寂しさや不安に耐え切れず現地で改宗してキリシタンになってしまった者等を除き、日本に帰って来れたのはわずかに3人だけだった。
そのウチのひとりが磯吉という船乗りで、この寺が菩提寺なのだそうだ。
100

110小市もそのウチの1人だったが、気の毒なことに蝦夷に帰って来て亡くなってしまった。
せっかく祖国にたどり着いたのに…。
コレがその小市の菩提寺の宝祥寺。
140ココには小市の供養碑が立っていた。

120残された小市の妻は、光太夫たちがロシアから持ち帰った小市の分のお宝を譲り受け、人のススメでそのお宝の展示会を開いた。
その会場のひとつがココ。

160大須にある「大須観音」の境内。
展示会は爆発的な人気を呼び、小市の奥さんは大儲けしたらしい。

170ところが、「死んだ夫の形見で商売をするなんて!」という非難も少なくなく、良心の呵責に大層悩み苦しんだそうだ。
このことがあったもんだから、ELLやell.SIZEに行くついでに大須観音にお邪魔したというワケ。
もちろん何度も大須には行っているが、大須観音の境内に入るのは初めて。

175同時に大須の商店街もブラリと見て回ったが、世界の料理屋が揃っていて驚いたわ。
それとコレ。

180大須ってのはスカジャンの聖地かなんかなのかしらん?

190 若松町に戻って…。
若松東墓地というところにある光太夫他の供養碑。
光太夫たちが姿を消してから3回忌に当たる年に立てられた。
それから7年後、本人が生きて帰ってきたもんだからハラホロヒレハラ!

150千代崎という港。
200防波堤には光太夫のロシアへの漂流記の壁画が飾ってある。

210

230ココから光太夫たちは江戸を目指し、ロシアに流れ着き、シベリア大陸を横断し、7,500km離れたペテルブルグ(現在の「サンクトペテルブルグ」、ソ連時代の「レニングラード」。ロシア第2の都市)まで行って、日本に帰って来た…のかと思うと感動的よ。
興味のある人はゼヒ『大黒屋光太夫』を読んでみてくだされ。

240さて、アッと言う間に『スピンオフ四人囃子』のステージも後半になってしまう。

Fl 最良の素材に最高の演奏…イヤ、それだけではなくて、根本さんのMCがこれまた絶品でしてね~。
どのMCも見もの、聴きものだった。
以前、佐橋佳幸さんのコンサートに根本さんがゲストでご出演された時にそのMCに接して仰天したね。
何やら変な装置でも身体に付けているのではないか?と思うくらいの爆笑MC。
アレ、どうやってるんだろう?
あのケタ外れの「フラ」こそ持って生まれた才能なんでしょうネェ。
「フラ」というのは落語用語で、「独特の面白み」とか「何もしなくても面白い」みたいな、人を笑わせる特殊なエキスですな。
五代目古今亭志ん生は高座に上がっただけで笑いを取った。そして「アタシャ、まだナニも言ってないんで…」と言うとまた大爆笑。
根本さんはコレに似たフラをお持ちの稀有な方だ。
 
根本さんの四人囃子の思い出話。
「高校生の時、郡山ワンステップ・フェスティバルで四人囃子を観ました。日本初のロックフェスで世界からバンドが来て演奏したんですね。
2日目の最後に出演したのが四人囃子で、初日はジュリーでした」
…と、野田さんのMCを丸っきり聴いていなかったかの内容。
アレは根本さん一流のギャグだったのかナァ?きっとそうに違いない。
「チャーさんは直前にバンドを解散していたので出なかったんですよね。四人囃子はステージの上からゼンゼンお客さんを相手にしてなかった感じでした。
ボクは気持ちが空を飛んでいましたね。小鳥がエサをもらうようにボクは四人囃子から全てをもらいました」

250v西山さんとのカラミも楽しかった。
「西山さん、そんなにシッカリとムズカシイ曲を完璧に覚えたって1度しか演らないんですよ!」
「イヤ、ボクは1度きりとは思ってないんで…」
「一度きりって言ってたよ!」
「もう『スピンオフ四人囃子』という名前で、このメンバーでやればいいんじゃないですか~」
西山さんに賛成!

260さて、後半。
「昼下がりの熱い日」が終わって…。
「聴いて頂きました。喜びがあふれていたと思います。ココで喜びがあふれると、ウチのメンバーに悪い気がするんですけどね。
四人囃子は1974年にデビューしたんですよね?…『一触即発』で。熊谷ではなるべく四人囃子のことは言わないようにしていました。
『一触即発』を出した東宝レコードはロックのレコード会社ではありませんでしたよね?」

2_s41a3276「そう、他には研ナオコさんとか中日ドラゴンズとか…。中日ドラゴンズが優勝して応援歌を出したの」と大二さん。

2_s41a3694「その頃から名古屋に縁があったんですね?野球はトンチンカンなんですが、今日1日はドラゴンズ・ファンでいます。
さて、私は個人的には『ゴールデン・ピクニックス』までシッカリ聴いています。その後、自分たちのデビューが決まったので、急に四人囃子がライバルになったんです。
だからライブは3、4回、アルバムは2枚しか買ってなくてスミマセン!」

2_s41a3433_2曲のコーナーに行ってみましょう!
「昼下がりの熱い日」に続いてもう1曲『Printed Jelly』から…。

Jelly 「ハレソラ」!

270_hsオリジナルのマンドリンのイントロは、ライブでは坂下さんのキーボーズが奏でているのだが…

280今日は西山さんがそれにハーモニーをつけた。
オオ~!
レコードみたい!

290vそして、大二さんのドラムスと…

300v山崎さんのベースが圧倒的なドライブ感を演出する。

310v根本さんの歌が加わる。
タマりまへんナァ~。

320v中間のギター・バトルもスリル満点!

330次々とシーンが移り行く音のパノラマ!
360コレコレ!
最後のリフレインのところのオブリガード。
さすが西山さん、バッチリ完コピでキメてくれた。コレ、絶対演ってくれると思ってたんだ!
このパートって歌いながら弾くのはサスガにシンドイいからね。
今日は五人囃子でいつもよりゴージャスに空が晴れてる!

340v西山さんは今日はMarshall ASTORIA CLASSICを使用。

350ASTORIA CLASSICは極上のクリーン・トーンを出すのが仕事のアンプ。
だから歪みはエフェクターで作る。
コレが西山さんのこの日の足元のセッティング。
キチ~っとした美しいロックギター・サウンドとなった。
やっぱASTORIAはスキ。410_2 そして、大二さんはNATAL。

370v愛用のバーチ・キット。

380キットとお揃いの14"x5.5"スネア。
文句のつけようがないドラム・サウンドだ。

385「恐らく日本のロックバンドは音楽を作りながら自分たちの思いを伝えられたら…と考えて演っていると思うんですけど、四人囃子は一生懸命世の中に出ようとしているようには見えなかったんです。
その点ご両親はどう思っていらっしゃったんでしょう?ウチは随分心配されましたけど…」
今から40年も前の話だからね。
Marshall Blogでしょっちゅう書いているように、その時代はまだロック文化はマイノリティで、売れもしないのに30歳を過ぎてもバンドをやっているのはかなり奇異なこととされていた。
今、「若手」と呼ばれているバンドでも平気で30歳を越しているでしょう?
私が若い頃にも当然そういうバンドはいたけど、やっぱり少数派だったハズ。売れていればもちろん話は別ですよ。
そして、ココで話題は坂下さんに…。
このプロジェクトに関して3人で酒席を設けたのだが「酒の席で坂下をキライにならないでくれよ!」と、大二さん言われたそうだ。
「お2人の行きつけの店だったんですが、お店の人がコチラを見るなり3人なのに『一升ビンありますよ!』って言うんですよ。焼酎のお湯割りを飲むと、一番年下のボクが作るんですけど、坂下さんのお湯割りを作って、しゃべると無くなってる。
作る、しゃべる、ない…作る、しゃべる、ない…の繰り返しで、ボクが2、3杯飲む間に焼酎のボトルが3本空いてたんですよ!ビックリです!」

2_s41a3437苦笑いの坂下さん。
坂下さん、大きいからね~。そりゃ酒量もそれなりに嵩むことでしょう。
2_s41a3542また曲のコーナーへ行ってみましょう。
「次の曲は日本で第1位か2位の難易度の曲だと思います。インスト曲なんですが、コレに歌が入ったら死ぬね。
やることなくてディープ・パープルのイアン・ギランみたいにコンガを叩いちゃう」
ハイハイハイハイ、「ディープ・パープルのコンガ」というのはコレですね。
海外仕様の『ライブ・イン・ジャパン』、すなわち『Made in Japan』のジャケット。
内容は日本でのライブだけど、ジャケットの写真はロンドンはフィンズベリー・パークにある「レインボウ・シアター」で撮影したモノが使われている。
イアン・ギランがコンガを叩いてるでしょ?

Dp ガラは違うけど、このイアン・ギランが叩いている黒いコンガこそ、大二さんが愛用しているドラム・キットを作っているNATAL製。
ローリング・ストーンズもレッド・ツェッペリンも、Tレックスもフリートウッド・マックもみんなNATALのパーカッションを使っていたんだよ。

Conga さぁて、根本さんのおっしゃる通り、ココでウルトラG難度の曲の出番。
アレ、今日『ゴールデン・ピクニックス』から初めての曲になるのか…。

Picnics 「なすのちゃわんやき」!

390_ncこの曲を聴くといつも思うことがあるの。
それは、日本のプログレッシブ・ロック・シーンのことなのね。
コレも何度もMarshall Blogに書いていることなんだけど、日本はプログレッシブ・ロック大国で、御茶ノ水の明治大学の向かいにあったレコード屋が世界で一番『クリムゾン・キングの宮殿』を売った店だったんだって。

420vマァ、色んな数え方があるんでしょうし、シャレで言っているのかもしれないけど、とにかく日本人は本場のイギリス人やイタリア人すら忘れかけているこの音楽がいまだに大スキであることは間違いない。
それなのに、日本ではプログレッシブ・ロックのバンドってのが驚くほど出て来なかったよね。
コレ、何でだったんだろう?

410日本人ミュージシャンの器楽演奏技術はピカいちだし、プログレ消費大国だけあってプログレッシブ・ロックの情報も比較的沢山入って来ていたし…それなのにナゼか大成したバンドが極端に少なかった。
プログレッシブ・ロックの大ファンである私としては実に残念なことなのだ。
四人囃子がいたからみんなビビっちゃったのかしら?
この「なすのちゃわんやき」は「日本のバンドにもこういう音楽を作って欲かった!」という私にとっては最良のお手本の曲なのね。
だからMarshall GALAでも演奏して頂いた。

2_s41a3289それと、プログレッシブ・ロックはLPレコードの特長をフルに活かした音楽だとも思っている。
ジャケットが作り出す30cm四方の視覚的な魅力、コンセプト・アルバムというドラマチックな舞台。
コレラのすべてをインターネットがブッ壊しちゃった。

430この日、ボトムラインに集まった満員のお客さんは「なすのちゃわんやき」のパフォーマンスを固唾を飲んで観ていたと思う。
演奏が終わった後、「フ~…」という緊張がほぐれるような雰囲気がヒシヒシと伝わってきた。
そして、大きな拍手と歓声。
正真正銘、鬼気迫るパフォーマンスだった。

440「スゴイ曲を作っちゃったのね。こういう曲を作って普通にライブでやっていたんだから、この人たちは本当に変ですよね」
「なすのちゃわんやき」を作ったのは四人囃子の初代ベーシストの中村真一。
「こんな曲作っちゃった~!」と四人囃子が合宿しているところに持っていらっしゃたとか。
その中村さんも2011年5月、くも膜下出血で帰らぬ人となってしまった。
その追悼コンサートの模様を旧Marshall Blogでレポートしたが、残念ながらブログごと消滅してしまって今はもう見ることができない。
ただし、記事の元データは私が保管しているのでいつか「Marshall Blog Archive」で復活させたいと思っている。
 
「最後の曲になりました」
お客さんの「エ~!」。
「スゲエむずかしくて覚えるの大変なんだよ!今日は1曲につき1本ずつ毛が抜けて行きましたよ!」
ココまで7曲で7本?
ゼンゼン大丈夫ですから。
「この機会を作って頂いて本当にうれしいです。岡井さん、坂下さんに大きな拍手を!」

450「最後は『一触即発』を!」

Sokuhatsu 問答無用の四人囃子の代表曲。
「ウシさん、せっかくだから…」と大二さんからのご提案でMarshall GALAでも演奏してくれた。

460_is歌詞と曲とインスト・パートの見事な融合。

470vコレぞ四人囃子の世界。

480v一糸乱れぬ中間のインスト・パート!
スゴイ緊張感!

510この日初めてこの曲をお聴きになられた方も多かったと思うが、一体どうお感じになられたのか…出口調査をしたいぐらいだった…

500イヤイヤ、そんなことをするまでもない。
演奏後の大きな大きな拍手と喝采ですべてがわかった。

520アンコール。
「皆さん、トイレに行っています。あんまりお待たせしてはイケないので、私と坂下さんで出てきました」
初めて根本さんがこの曲を聴いた時、とても荘厳な気持ちになったという。
「あまりライブでは演らないそうですが、坂下さんに『歌わせてください』とお願いしました」

530v曲は『ゴールデン・ピクニックス』収録の対策「泳ぐなネッシー」。
坂下さんの作品。

Picnics実は当初のセットリストには入っていなかった曲。
540確かにこれまでのスピヨンでは取り上げられて来なかった。
オリジナル・バージョンを知っているればそれも無理からぬことだとは思うが…。

540vもちろんココでは水のようにやさしい坂下さんのピアノをバックに歌のパートだけがしっとりと演奏された。

550v「このライブを主催してくれた野田さんを紹介します」
The BECK'sの野田さん再登場!
「欣ちゃん、こんなキッカケを作ってくれてありがとう」と、大二さんからもお礼のお言葉。
野田さんもそれに応えてこのコンサートに注いだ情熱を言葉にした。

560野田さんを交えての1曲は『ゴールデン・ピクニックス』から。
Picnicsこれまた日本のロック史に燦然と輝く名曲「Lady Violetta」。

570v四人囃子+ジェフ・ベック!
こんなのココでしか観れないよ~!

580ジェフ・ベック・スタイルで歌い上げる名旋律。
どこでこの曲が出てくるのかと思っていたらジェフ・ベックが弾くとは!
野田さん、夢のひととき。

590vそして、いよいよ最後の曲。
私は中学生の時、ハンターで買った中古の『ゴールデン・ピクニックス』でこの曲を聴いてブッ飛んだ。
実はこの曲ではもう1回ブッ飛んだことがあった。
高校の時に渋谷の屋根裏でその音源を聴いた時だった。
もちろんこの曲はよく知っていたんだけど、その演奏があまりにもスゴかったのだ。
それはミツルさん時代の四人囃子が屋根裏に出演した時に録音された演奏だった。
ミツルさんには2000年に開催された『マーシャル祭り』にご出演頂いたことがあったんだぜ。
曲は「カーニバルがやってくるぞ」。
Picnicsこれこそ、シャッターを切りながら思いっきり歌ってしまったよ!

600_carどんなに演奏の技術が向上しても、オーディオ・テクノロジーが進化しても、もうこんなバンドは二度と出てこないだろうナァ。
そして、こうして楽器やブログを通じて日本のロックを永遠に代表し続けるであろう名門バンドと一緒にお仕事をさせて頂けることを誇りに思っている。

610v私は根本さんや野田さんのように当時の四人囃子を見たことはなかったが、それでもほぼ同じ時代に生まれてヨカッタと思っている。

620その最高のロックをこうして楽しめるのもこの3人の名手がいてくれたからこそ!

630v西山さんがおっしゃった通り、このメンバーで東京や他の街で再演されることを望む。

640vそのためにも根本さんは十分にご自愛くださいまし!

650v エ~!まさかの「Smoke on the Water」終わり?
そんな大二さんがス・テ・キ!

660今回も各曲ごとに収録アルバムのジャケットを掲載した。
もちろんコレは昔のロックはジャケットも最高だった…ということが言いたかったから。
 
四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒①Official Web Site ②facebook

670 
<オマケ>
ほんの少しだけ打ち上げの様子を…。
乾杯の音頭は大二さん!

680v「カンパ~イ!」
楽しいひと時だった~!

690今回の名古屋への旅は耳や目だけでなく、舌も大いに楽しませて頂いた。
まずはコレ。
うなぎヤケクソに高いじゃん?
ひっさしぶりに頂いた。
今池のひつまぶし屋、「白河」。

695私は大盛り。
イヤ~、うなぎってこういう味だったっけか?
おいしいね~、おいしいね~、おいしいね~。

700このお店、リーズナブルなこともあって開店時から大行列。
店の前の廊下のイスに腰を下ろしてフト前に並んでいる人を見ると…ウワッ!元センチメンタルシティロマンスの本多taco-bow正典さん!
ビックリしたわ~!
久しぶりにお会いできてうれしかった。
 
この場をお借りして…中野督夫さんの1日も早いご回復をお祈りしています。

710味噌煮込みうどんは何軒か行ったことがあるのだが、今回は「山本屋本店 大門本店」ってのにした。
私は絶対にうどんをフタに移して食べたりはしない。
Marshallじゃないけど「直」で頂きます。
そっちの方が激熱でおいしいじゃん?身体に悪いことはわかってます。
心を鬼にしてご飯は止めておいた。
今年から「炭水化物 on 炭水化物」はしないようにキメたのだ。

720この食べ放題のお新香もおいしいね~。

2_36968069_1648735135237927_4568329 それから天むすも行っといた。
ジム・マーシャルと名古屋にお邪魔したのはもう20年も前のことか…。
名古屋へは仕事で相当な回数行っているけどこんなフルコースは初めて。
おいしいかった~。
あ、きしめんが抜けてた。

730イヤ~、今回書いたわ~。
そんな入魂の一編を天むすの写真で締めくくるのもナンなので、このコンサートにお誘い頂いた大二さんにもう一度ご登場頂くことにしよう。
大二さん、ありがとうございました!

740v  

200_2 

※Instagramのフォローもよろしくね!Marshall Blogに未掲載の写真もチラホラ!⇒marshallamps_shige 

 
(一部敬称略 2018年5月12日 名古屋Bottom Line他にて撮影)

2018年7月10日 (火)

スピンオフ四人囃子 #3 <中編>:スピンオフ四人囃子~私の猿田彦様

  
せっかく車で名古屋まで来たんだから…ということで、空き時間を利用して興味のある場所にチョコチョコと足を延ばしてきた。
そのひとつがココ。
三重県は鈴鹿市にある「椿大神社」。
コレ、「つばき だいじんじゃ」じゃないからね。「つばき おおかみやしろ」と、神道だけに思いっきり訓読みをする。
私は信心はしないんだけど、何千年にもわたって民衆から支持されてきた神事にはそれなりの畏敬の念を持っていて、日本人である以上は神道、仏教、ともにある程度の知識と作法だけは身に付けておきたいと思っている。
そう思うようになったのも比較的最近のことで、海外の人とお付き合いすることが多くなってからの話。
海外の人はみんな宗教に熱心で、日曜日には必ず家族で教会に行って…なんてイメージがあるからね。
それなら私も自分の国の宗教ぐらい知っておかないと…ということで少しは勉強する気になった…なんてのはお門違い。
あのね、外人が映画やドラマで、食事の前に手を合わせて「天にまします我らの父よ…」ってお祈りするシーンに今でも時々出くわすでしょ?
私もアメリカ人やイギリス人の家庭にお呼ばれされて食事をごちそうになったり、レストランで一緒に食事をしたりすることがよくあるけど、今までああいうのをやっている人を見たことがないんだよね。
ただ1人の例外は、アイアン・メイデンのニコ・マクブレイン。
ニコとはフランクフルトやロンドンのレストラン、ジム・マーシャルの家などで何回か食事をご一緒させて頂いたが、周りの連中が早速ガバガバ飲み食いしてる中、いつでもどこでも必ず手をキチンと合わせ、うつむいて祈りの言葉を囁き、胸の前で十字架を切ってからフォークとナイフを手にしていた。
この間ほんの数十秒…他の皆さんは全く気にしていなかったけど、私はそれを見ていてすごくいい気分になったね。
あ、それとナッシュビルの偉大なるフィンガーピッカー、ドイル・ダイクスもやっていたかも知れない。
話が飛んだな。
昨日の記事を書くのに半日以上かかっちゃって、今日の前置きは簡単にしようと思っていたのだが…。
 
とにかく、神社仏閣などにも興味が出てきたというワケ。

10_2門柱に「伊勢一之宮」ってあるでしょう。
コレ、スゴイんだよ。
まず…伊勢神宮っていうのは全国8万社あるといわれている神社の中て一番尊いとされているのね。
かつてMarshall Blogでもお邪魔した。
そもそも「神宮」と「神社」ってのはアホほど格が違うもので、しかも「神宮」というのは元々お伊勢さま専用の言葉だったらしい。(「今は諏訪大社とかもあるけど「大社」というのは出雲を指す言葉だったらしいッス)
で、「一之宮」というのはナニか?
律令国家時代(10世紀ごろ)、日本は国内が「国」という行政区画に分かれていて、その国の親分を「国司」といった。
そして、それぞれの国は『延喜式(えんぎしき)』という法制書によって「大、上、中、下」と等級が定められていて、伊勢神宮のある「伊勢国」は大和、河内、武蔵等と並び、13しかない「大国」の一角を占めていた。
だからそこの国司っつったらメッチャ偉いワケ。
で、その国司が変わった時に、地元の神社に赴いて神様にご挨拶をして回る。その参拝して回る神社の順番が厳格にキマっていたんだね。
もちろん、重要なところから訪れるのは言うまでもない。
その順番で一番最初に訪れる神社のことを「一之宮」という。
つまり、ココはかなり位の高い神社なんです。

20_2そして、この椿大神社は猿田彦大神を祀っている神社で、全国に2,000あると言われている「猿田彦神社」の総本社とされている。
伊勢市にも「猿田彦神社」があるが、「どっちが総本社か」ということに関しては意見が分れるところらしい。

30v猿田彦大神は「導きの神様」といって、大変重要な神様の一柱。
鼻がやたらと大きく、七咫(あた)あったという。「咫」というのは手のひらを広げた時の中指の先から親指の先までの長さだというから尋常な大きさの鼻ではない。
手塚治虫の『火の鳥』に出て来る猿田博士は猿田彦大神をモデルとしていることはよく知られている。
手前はムーピーの「タマミ」。
この『火の鳥<未来篇>』は衝撃的だったね。
話の最初の方で大国のコンピューター同士がケンカして核戦争が起こるでしょ。
コレ、まんざら空想ではなくなって来てるよね、最近。「ITと核」。
ホントにコンピューターもいい加減にした方がいいと思うよ。
コンピューターに話しかけて選曲の依頼なんかをしているCMを見かけるけど。大変ゾッとする。
自分の聴きたい音楽ぐらい自分で探して自分でかけろよ。
人間がドンドン、しかもものスゴイ早さでバカになってるとしか思えない。
大ゲサだけど、あのCMを見るたびに『火の鳥<未来篇>』を思い出す。

Sh 中に入ってみる。
神社に入る時はお辞儀をして、参道の左側を静かに歩く。

40vいいね~、この雰囲気。
こんな私ですらスガスガしい気分になる。

50本殿。
『火の鳥<鳳凰編>』の我王という主人公も猿田彦大神がモデル。
猿田彦大神は「道の神様」とも言われ、中世には「道祖神」とされた。
我王は道端の石に仏像を彫りながら日本国中を旅して歩くでしょう。それが道祖神になったんだろうね。
手塚治虫はそこまで考えてキャラクター設定をしているワケですな。
『火の鳥<鳳凰編>』には、その我王の支持者として吉備真備(きびのまきび)が登場する。
この神社にはその吉備真備が奉納したとされる獅子頭があって、獅子舞発祥の地とされているのだそうだ。
こういうつながりを考えたり想像したりするのは歴史を勉強する醍醐味。この上なく面白い。

60_2二礼二拍一礼…実は今我々が行っている神社の作法は明治時代にできたもので、古式ゆかしいモノではない。
本来は鈴も賽銭箱もなかった。
だからこうした由緒正しい神社にはそうしたものが設置していない。あ、賽銭箱はあるな。
驚いちゃったのは、この神社、ロケーションはお世辞にも良いとは言えないんだけど、三重県では伊勢神宮、二見興玉神社に次い3番目に参拝客が多いのだとか。
その数たるや年間150万人弱!ウッドストック3回分だぜ!

70_3屋根は銅板だ。
コレが何十年かすると、緑青が生えて見事な緑に変色し、貫禄と風合いを蓄える。

80_2結婚式をやっていた。
こういう祝儀に出くわすのは縁起がいいんだよ。

90_2続いてそのお隣…

100_2コチラは椿岸神社。

105v天之鈿女命(アメノウズメミコト)を祀っている神社。
アメノウズメは皆さんもよくご存知も通り、天照大神が天岩戸に隠れてしまった時に、外で裸になって舞い、八百万の神様に「ヤンヤ、ヤンヤ」と言わせ、「外はヤケに楽しそう…」と見事天照大神を天岩戸からおびき出した大功労者。
日本で最初のダンサーともストリッパーとも言われている芸能の神様。
その時に伴奏をしたのが「弦」という楽器。恐らくギターみたいなヤツでしょう。
世が世ならMarshallでその「弦」とやらを鳴らしていたところだろう。

110_2で、アメノウズメというのは猿田彦大神の奥様なんだね。
天宇受賣命を祀っている神社はたくさんあって、ココもそのうちのひとつ…ということになる。
120本殿の傍らにある「扇塚」。

130_2儀式や舞などに用いる扇は、古来神様を招き、奉るものとして芸道を志す者の心の寄りどころとされ。芸を磨いていく過程には欠かせないアイテムだった。
芸の道に終わりはなく、その扇に感謝と慰霊の気持ちを込めてこの塚が作られたのだそうだ。
芸の道を志す者は常に新たな気持ちで芸の修行や恵子に励み、感謝の気持ちを込めて古くなった扇子をココに納めるというワケ。

140_2しからば、ウチは塚ではないけど、エンタテインメントの世界が活発にになって、またロックが以前のようなクリエイティビティを取り戻し、ギター・ヒーローが生まれ、Marshallがよく売れますように…と…。
見たか、ブレッチリー!こっちはもはや神だのみだぞ!

2_2img_6949 境内にはカワイイ滝も。
「かなえ滝」といって、椿大神社にある滝から流れを引いているのだそうだ。
つまり夫婦でお揃いの滝なんだって。
今日の「私の〇〇」は以上。

150_3さて、帰ってきたぞ今池へ!

700_2 ∞Z、The BECK'sの気合いの入ったパフォーマンスに続いてステージに現れた4人。
いよいよ「スピンオフ四人囃子 #3」のスタートだ!

160_2岡井大二

170v坂下秀実

180v山崎洋

190vそして、根本要。
コレまで「スピンオフ四人囃子」は稲葉政裕、小野瀬雅生とフロントを迎えて来て、根本さんが3人目なので今回は「#3」となる。

200v大二さんのドラムでスタートする1曲目。
「♪ドゴストタン、ドコストタン」と大二さんがNATALで叩きだすヘヴィなワルツのリズム。
350「円盤」だ~!
Seしかし、何だろうね、この世界は。
いつも言ってるけど、音楽ってのは、シンガーの甲高い声でも、ギターの速弾きでもなく、バスドラムを踏むスピードでもなく、最終的には「曲」のクォリティに尽きるね~。
曲があってのテクニック。
いくら楽器がウマくても曲が良くなければ音楽としての価値はないでしょう。音楽は「万国ビックリショウ」でもなければ「ウップン晴らし」でもないんだから。
そういえば最近は「ヘタウマ」という言葉を耳にしなくなったね。
お金を取って人に聴かせる以上は「ウマく」なきゃダメ…だと私は思ってる。
「ヘタウマ」ってのは「ウマい」ということだからね。

330_ufこのイントロのギターのメロディだって日本のロック史に残しておかなければならないモノだぜ。

340v根本さんと一緒に歌っちゃった人が多いんじゃないかな?
ハイ、私はシャッターを切りながらシッカリと歌わせて頂きました。
周囲の人、ゴメンナサイ。
でも、こんなコンサートは1年に何回もないんよ。今年はこの後、外道があった。

360vステージ上手でもの静かに鍵盤をたたく坂下さん。
出している音は重要で味わい深いモノだ。

370v根本さんからご挨拶。
「皆さん、よくいらっしゃいました。普段はスターダスト☆レビューというバンドをやっている者ですけど…大先輩の大二さんと坂下さんに誘われました。普段は『ガンバって演奏する』だなんて絶対に言いませんが、今日は『ガンバって演りたい』と思います」

1_0r4a2829続いてはこのアルバム…『一触即発』から。

Sokuhatsu 日本で一番有名なシンバル・レガート…「おまつり」だ。
海外には1小節にも満たないドラムスの音で曲名を当てられるナンバーがあるでしょ。
ビートルズの「She Loves You」や「Birthday」、Steely Danの「I Got News」とか…。ヘタすると「Hey Nineteen」なんてスネア一発でわかるもんね。
「おまつり」の大二さんのドラムスはまさにソレ。
日本にはそういう曲がほとんどないんだよね。
PANTA & HALの「ナイフ」なんかはそれに当てはまるな。
210vそしてこれまた日本のロック史に残るギターのメロディ。

230_2眼前に広がるこの四人囃子の音楽!
ドバ~っと知的に、上品に四人囃子の世界になった。
ロックを聴いてて「日本人に生まれてヨカッタな~」と思うことができる数少ない機会だ。

220「♪何もすることがなくて 何もすることがなくて…」
どうしても一緒に歌っちゃうナァ。
バラ色のシャツも着ていなければ、本当はやらなきゃいけない仕事が山積みなんだけど…。
根本さんはチャンと赤いカーディガンを身につけていらっしゃる。

240v坂下さんのエレピの音がまた素晴らしい。コレじゃないとダメ。

250_2中間のハードなパートもバッチリ!キマった。

260_2そして根本さんの歌。
声質がバッチリですな。安心して、イヤ、ウットリして聴いていられる。
ところで、つい先日脳に小さな血栓が見つかり緊急入院が報じられ、ファンをヒヤっとさせた根本さん。
このコンサートからさほど時間が経っていない時期での出来事だったので私もメチャクチャ驚いた。
だって、あの打ち上げの時の元気で楽しそうな根本さんの姿と声が瞼と耳にこびりついていたんだもん!
でも、心配はご無用。
スターダスト☆レビューとして、6月27日には4年ぶりとなる39枚目のアルバム「還暦少年」をリリースし、7日に沖縄宜野湾からスタートした開催した野外ライブツアー『楽園音楽祭2018(全11公
演)』で本格復帰を果たされた。
また10月からは、そのニュー・アルバム「還暦少年」の全国ツアーが開催される…というバリバリのスケジュール。
とにかくお身体だけはご自愛頂きたいものです。

270v_2大二さんはNATAL。

280_2愛用のバーチ。フィニッシュはグロス・バーガンディ。

290_2スネアは曲に合わせて使分けていらして、今日は3曲目からNATALになった。

300山崎さんは稲葉さんとMarshall GALAに登場してくれた、このプロジェクトには欠かせないベーシスト。

310_2EDEN WTP-600とD410XSTを使って頂いた。

320v根本さんの四人囃子の思い出。
「高校生の時に初めて四人囃子を観ました。ミュージシャンにはとても評判がヨカッタけど、一般人には知られていなかったんですね。
そこで、コピーして熊谷で演奏していたんです。
みんな知らなかったので、ボクらのオリジナル曲だと思って聴いていてくれたと思います」
ズルだ~!
でもどれだけロックがまだ一般大衆に浸透していなかったを証明する話だ。
「四人囃子の曲は複雑です。覚えるのに苦労します。でもスターダストではそんなことはありません。必ずや演奏に不備が出るということで、助っ人を呼んでいます。
私の素晴らしき相棒を紹介します。私がガンバるのは、ココまでです」

2_s41a3699「西山毅!」

375v根本さんから「1978年の『包』のA面の1曲目」という曲の紹介。
「A面」という言葉で会場から笑い声が漏れていたが、「A面&B面」は大切です。
今となっては「面」どころか、CDやらジャケットまでなくなろうとしているんだから恐ろしい。
新しいモノが「すべて良い」とは限らないんですよ~!
Bao 『包』のA面の1曲目は「眠たそうな朝には」。
そう、スピヨンのいいところは森さん期とミツルさん期の曲の両方が楽しめることなの。

380_na西山さん、お久しぶり~!
西山さんは2001年に開催された『マーシャル祭り2』にご出演して頂いたり、楽器屋さんやスタジオ主催のMarshallのセミナーなんかでよくご一緒させて頂いたんです。

390v今日の西山さん、ASTORIA CLASSIC他をお弾き頂いております。

400_2足元の様子。
右端のヤツなつかしいね。私、コレのスイッチ・ボックスを持ってますわ。

410これまた根本さんの声が曲にピッタリなんですよ。

420この曲って歌のパートが14小節でできているんだよね。
「歌」としてはシンプルなんだけど、恐ろしくドラマ性が強い。
コーラスとコーラスをつなぐ器楽のパートがバラエティに富んでいるからだろう。
まるでミュージカルを観ているみたいに舞台と物語が変わって行く。
あ、コレも大二さんの冒頭の「♪ドコドン」というドラム・フィルで曲がわかるわ。

430ギターのかけ合いパート…

1_0r4a2779今回の楽しみのひとつ…西山さんの完コピ具合。
西山さんは覚えていらっしゃらないだろうけど、ずいぶん前にどこかの楽屋で「哀しみの恋人たち」の弾き方を教えてくださったことがありましてね。
もうスゴイからね、几帳面で、正確で。
でも、コレぐらいじゃなきゃプロは務まらんよ。
そして、今日は四人囃子の音楽のギターのパートをどれだけホンモノと同じに、あるいはそれ以上に弾いてくれるか!…シカと楽しんでおります。

440vそれとベース・ラインがヤケクソにカッコいいんだよね。

2_s41a3242 「私は一部間違えてしまいました。西山君はどうでしたか?完璧でしたね~!」
イエイエ、根本さんもバッチリ!
「60を過ぎた頃からかなり得意分野でも物忘れが出て来ましてね…お客さんに指を差されないようにしようと思っています」
そう、得意の分野でも固有名詞が出て来ないことがあるんですよね~。昔はこんなこと絶対になかったのに~!

1_0r4a2724更に次の曲を根本さんが紹介する。
「次の曲はまたアルバム『包』からです。お気に入りのアルバムってことではないですか?
あ、今日のセットリストは岡井大二さんがキメてくれました。ボクはそのセットリスト通りに紹介しているだけです。」

Bao_2 実はね、このアルバムってライナーノーツに「Marshall」がクレジットされてるんだよ。
ヘヘヘ、一番上だぜ。
そして、このアルバムの2曲目の「君はeasy」の作者は大二さん、
大二さんのポップ感覚が窺えてすごく興味深いな。

2_2img_6951 さて、印象的な坂下さんのキーボーズから始まるのは「機械じかけのラム」。
私も大スキな曲で、Marshall GALAの時にリクエストさせてもらいました。

460v_lmこの曲も大二さんのシンバル・レガートがカッコよくてね~。

470vホントにコレなんか日本のロックにごくごく稀にしか誕生しない破天荒にカッコよい曲だと思うんだけど。
歌詞もいいよね。
1978年時点でコンピューターをテーマにしてる。
Pantaさんも1977年当時、「HALのテーマ」でコンピューターを題材にしてるんだよね。
やっぱりミュージシャンはこの頃から時代を先取りしてそうしたテクノロジーが気になっていたんだろうな。

490_2ホントだ。
西山さんが説明してくれたんだけど、この曲のイントロ。
AのペダルトーンでG69とBb69かな?
基本はこの2つのコードの繰り返しになってるんだ。
コード自体の音程が上がって行くのかとばかり思っていたけど、ドンドン音が積み重なっていくだけだったのね。

480_2「Machine Work 'RAM'」なんてタイトルもいいよね。
「時計じかけ」は「オレンジ」。「機械じかけ」は「ラム」。もちろん「Random Access memory」の「RAM」に引っ掛けている。イヤ、反対か?
果物の「rum」を引っ掛けてるんだね…お酒もあるだけに?(←「ラム酒を引っ掛ける」というシャレになっています)
今日の前半に手塚治虫が出て来たのでもうひとつ、「機械仕掛けのりんご」という社会派のマンガがあった。アレも面白かった。

500ココで『Printed Jelly』から1曲。

Jellyミツルさんのプレをイ完コピされている西山さんのギターがまず耳を惹きつける「昼下がりの熱い日」。510v_hsコレもいい曲だよね~。
坂下さんの作品。
560_2根本さんの歌が最高に映える。

520v「♪時計を遅く進ませて」とか「♪雨の音 遠くで緑に聞こえたら」なんて面白い表現だ。
でも昔から「♪空の中から落っこちて」の「落っこちて」という言葉のリズムがモノスゴク耳に残るのです。

530この曲の聴きどころのひとつは最後に出て来るミツルさんのギター・ソロ。
スタジオ・バージョンもかなり凄まじいんだけど、この『From the Vaults』に収録されている1977年のFM東京でのプレイが輪をかけて凄まじいと来てる。

2_img_6957 そして、西山さんのソロ!
新宿のリハーサルでお会いした時「あのソロは完コピでやるんですか?」と尋ねた。
「イヤ~、やろうかとも思ったんだけど…」なんておっしゃっていたけど、結果はモロに西山さん。
新東名を突っ走るスーパーカーのようなシャープなソロでゴキゲン極まりなし!

540vこうしたミディアム・テンポの曲でもバツグンのロック・グルーヴを聴かせてくれる大二さん。
やっぱり最高のドラムスだ。
大二さんがNATALを叩いていらっしゃることを誇りに思う。イヤ、自慢かな?

570_2四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒①Official Web Site ②facebook

580<後編>につづく

 

200_2

(一部敬称略 2018年5月12日 名古屋Bottom Line他にて撮影)

2018年7月 9日 (月)

スピンオフ四人囃子 #3 <前編>:The BECK's と∞Z~私の有松

 
今日は新記録出しちゃいます。
 
チョットいくらなんでもこんな入り方はどうかと思ったんだけど、「もうココに載せるしかない!」と思って、出だしはまさかの成田空港。

10到着ゲートのところにいつも必ずいる『YOUは何しに日本へ』のスタッフの方々。
大変なんだってね~。アレ、取材がOKになる人を捕まえることができる確率の低さと言ったら中途半端ではないとか…。100人単位に1人いるかいないか以下らしい。
ナニを基準に声をかけているのかは知らないけれど、この日も彼らをしばらく見ていたけど、適当なターゲットすら見当たらないらしく、ゲートから出て来る客の姿をボーっと見ているだけの感じだった。
そんだったら私に訊いて欲しいね…「Youは何しに成田空港へ?」って。

20「あ、私はイギリスへ帰る社長夫妻のお見送りに来たんです」ってのが質問の答え。
かつてウチの社長はVirgin Atlanticを使っていたんだけど、日本航路から撤退してしまったのでイギリスの航空会社のチョイスはもうBritish Airwaysしかない。
このBritish Airwaysの日本からの出発時間が朝の9時なもんだから、いつも6時にホテルへ迎えに行って成田へ送り届けている。
2時間前のチェックインを目指すとなると、時間の余裕が皆無となる。
コレがいつも心配なのよ。
もし京葉道路で何かがあって、大渋滞なんてことがあったら、飛行機に間に合わなくなっちゃうからね。
かといって、安全を見てあんまり早く迎えにいくワケにもいかないし…。
車だと結構あるよね~、成田空港って。
おかげさまでこの日も何事もなく無事に社長夫妻をお見送りして、「さぁ、行こう」と駐車場への渡り廊下があるターミナルビルの2階に上がってコレがあることに気が付いた。
「Anime Tourisum」という展示。

30ナニかと思ったら、要するに私が『イギリス-ロック名所めぐり』でやっていることと全く同じ。
アニメに出て来るスポットを実際に訪れてみよう!という観光案内。

60どこが何のアニメに出て来るのかはサッパリわからないけど、この「アニメ名所探索の旅」のスタートはココ、成田空港。
ナンカやることがウマいね。

65v「札所ポイント0」だから。
まずはココで記念のスタンプを押すワケよ。

50vそれがコレ。
「名所」じゃなくて「アニメ聖地」だった。
完全にお遍路さん状態。

55それぞれの聖地へのルートが示してある。
コレは空港や千葉近辺の案内。

70コレは神田明神だって。

80コレは横須賀。
面白いのは起点が全部秋葉原になってんのよ!
つまり「秋葉原からどう行くか」…ということが記してある。
スゲエな、秋葉原。聖地どころの話じゃない。『私の秋葉原』とは似ても似つかない。

90聖地の写真もそれぞれ飾ってある。
コレ、つい自分の知ってるエリアを探しちゃうね。

110神田明神の写真。
一体何というアニメに出て来るんだろう。皆目見当がつなないな…。全部「セーラー・ムーン」に見える。
ちなみにウチの両親は神田明神で結婚式を挙げた。

100パンフレットも立派。
日本語、英語、中国語で用意されている。
よくテレビのCMなんかで「英語が話せれば〇億人とコミュニケートできる」なんてやってるでしょ?
母国語として世界で最も離されている言語って「何語」だか知ってる?
中国語なんだよね。
次いで英語、スペイン語、ヒンドゥー語と続く。
中国語は国連でも公式の原語に定められているし、コレからは中国語ですよ。
私は英語をマスターしたら中国語をやろうかな…イヤ、もう私の人生内では間に合わないな。

56当然フィギュアの展示もある。

120v『ラブライブ!』は知ってますよ。

130主役の声優さんのライブではショボンちゃんがNATALを叩いてるからね。

120_2 『文豪ストレイドッグス』も知ってる。
GRANRODEOだもん。

140それとガチャガチャが完備している。
コレもいいアイデアだよね。
普通はコインは母国にに帰っても両替することができないので、日本から離れる前にアニメ・ファンの観光客は硬貨を全部コレにつぎ込んじゃうらしい。
我々にしてみれば、コインをかき集めて飲むヒースロー空港のエールみたいなもんよ。
まぁ、ホントにアニメの力ってのはスゴイよ。
 
…とイントロはここまで。
この話題をどこで出していいのか考えていたんだけど、今日の記事に載せるのが一番いいと決断した。
この後にどうつながるかというと、社長夫妻に別れを告げて、その足で成田空港から今日の記事の舞台となる名古屋へ向かったのだ! 40行くぞ名古屋~!…と張り切って京葉道路から新東名をブッ飛ばしたのはいいんだけど、エラく遠い。
決して走り慣れていたりするワケではなないが、「遠い」感が中途半端でなはい。
考えてみたら「成田⇒東京」間の80kmが加算されてたのね。調べてみると「東京~彦根」間か…。井伊さんのとこだな。

2_drive 名古屋に向かっている途中、Concerto Moonがell.SIZEに出演する情報をキャッチ。
ELLの平野さんともずいぶんご無沙汰していたので、ノンちゃんに会うためにまずは大須へ向かった。
ま、大須に向かったのにはもうひとつ理由があったんだけどね。
その理由は今シリーズの<後編>で解明する。

150ノンちゃんと1枚。
ホントはライブを観て行きたかったんだけど先約があったので断念。
前の会社を辞める時にELLにお邪魔して以来だから、平野さんにも6年ぶりぐらいにお会いしてご挨拶させて頂いた。

160実は、大須へ行く前にもう1ヶ所立ち寄ったところがあった。
「有松」というところ。
ココは名古屋市の南東になるのかな?
1560年、戦国時代の転機ともなった、織田信長と今川義元が一戦交えた桶狭間のすぐ近くというロケーション。
なんでそんなころへ行ったのかというと…。

170コレ。
古い町並み。

180ココは「有松しぼり」で有名なところね。

185スゴイんだわ~。
重要文化財級の古民家がゴロゴロしてる。
しかも、訪れた時間がチョット遅かったせいか観光客はゼロ。

190コレは有松絞りの開祖といわれている竹田家の住宅。

210何でも14代将軍、家茂がココの「裁松庵」と呼ばれる茶室を訪ねたとか。
江戸末期の1862年(私が生まれるたった100年前!)、「公武合体」ムーブメントの中で和宮親子内親王が家茂に降嫁し、翌1963年、家茂は3,000人を率いて229年ぶりに上洛した。つまり徳川将軍が229年ぶりに京都へ行ったっていうことね。
その時にココに寄ったのだろう。
ナニせ、この前の道は東海道だからして。

230チョット脱線。
一方、その前年に将軍家へ嫁いだ和宮様は京都から江戸へ引っ越す際、中山道を進んだ。
中山道は大井川のような大きな川を渡る危険個所が少なく、かつ外敵に狙われにくいというのがその理由だった。
下の写真の山道を30,000人で行列したという。(コレは人間椅子さんの回でやりましたね)

430v_2こんな山道を30,000人がいっぺんに歩いてごらんなさいよ。行列は50kmに及んだという。
和宮様は有栖川宮熾仁親王との結婚が決まっていたんだけど、岩倉具視らの「公武合体(朝廷と幕府が仲良しになること)」派の動きで身を挺して幕府に嫁いだ。
でも家茂と和宮様はすごく仲がヨカッタらしいね。

2_0r4a7713 しかし、竹田さんち、できゃー!
この塀見てよ!
ズッと向こうまで竹さんの家だよ。

240岡さんの家。
江戸末期の有松絞り問屋の典型的なつくりらしい。
かなり当時のまま残されている。

260小塚さんの家。
コレも典型的な有松絞り問屋の形式なのだそうだ。
卯建(うだつ)が付いているところがカッコいい。

280ん~、どの家も素晴らしい。

250郵便受けだってシャレてるよ。

270vこの松の木もスゴイ。

290傍らに「東海道五十三次二代目松」という碑が立っている。
何でもこの松は、東海道が開かれた当時からここに生えていた樹齢300年の松…からエキスを採取して育てた松なのだそうだ。
要するにクローン。

300v松のすぐそばに立てられている梅屋鶴壽という人の歌碑。
「あり松の 柳しぼりの 見世にこそ しばしと人の たちとまりけれ」
「あり松」の「松」はこの松に引っ掛けてあって、柳と対になってるんだね。
行き交う人がお店に飾ってある有松絞りの美しさに目を奪われて立ち止まってしまう。有松はそんなステキなところさ…ぐらいの意味かしら?
この梅屋鶴壽という歌人は神田佐久間町の出身なんだそう。
神田佐久間町は今の秋葉原のイケベ楽器さんがあるあたりね。

310イヤ、とにかく見ごたえがありますよ。
ガラガラだし。

320お、銅板。

330東京に残る銅板建築は関東大震災の火事に凝りて、防火を目的に木材を薄い銅板で覆っているんだけど、この銅板建築って、地方ではまず見かけないんだよ。
ナゼって家屋が密集している東京とは火事のコワさの度合いが全く違うから。
多分ココも同様で、飾りで戸袋に銅板を貼り付けただけなのではなかろうか。
今は緑青が生えて緑色だけど、取り付けた当初はゴージャスな赤銅色をしていて相当目立ったに違いない。

340見て、この雨樋(あまどい)。
古い家屋って、こういうディテールがいいんですよ。

350v瓦のデザインなんかも実に味わい深い。

360コレはなんだろね?
1_0r4a2088コレが今歩いて来た旧東海道ね。

370上の写真の左側の茶色いトタンの家屋がコレ。
昔は薬屋さんだった。

371今は有松絞りのショウルームみたいになっている。
チョット覗いてみた。

372藍だね。
以前、チョット書いたけど、藍に携わる仕事は極めて過酷で、「藍百姓」といって年貢にあえぐ一般の農家ですら「セーフ!藍じゃなくてヨカッタ」と思わせたらしい。
チョットその仕事の内容を見てみると…。
2月上旬に苗床を作って種をまく。それから何回も何回も間引きをし、施肥をする。虫よけのためにタバコの茎の汁で苗を撫でて歩くという単調極まりない仕事を繰り返す。
苗がある程度育ったら、本畑へ苗を移植しなければならない。その前の本畑を整備する作業がツライらしい。
本畑に移植した後、3回根踏みをし、畑に水を引いたり、何度も施肥を繰り返さなければならない。
そして害虫駆除に当たっては、ホウキを使って葉の1枚1枚を撫で払う必要があり、コレが気が遠くなるほど根気の要る作業だった。
また搗(つ)いたタバコの葉の粉を撒いて害獣駆除をする方法もあったが、タバコの粉は鼻や喉をひどく痛めるので、これも相当ツライ仕事だったのだそうだ。
刈り取った藍はその日のうちに茎や葉をナタで同じ長さで細かく刻み、翌朝からはその細かい藍を打ちほぐさなければならず、この間しばらくは不眠不休で作業をしなければならない。
要するにヤケクソに手がかかる商品だったということ。
デューク・エリントンはこのことを知っていたのであろうか?とても「Mood Indigo」なんて言ってる場合じゃないのだ。
…とそんな話をこのギャラリーの女性店長に話すと、さすが、よくご存じだった。
それどころか、その方は邦楽とロックを合体させた音楽をクリエイトしている集団との関わりがあって、私がMarshallの人間であることを告げるといよいよ話に花が咲いてしまった!

373ギャラリーの内部はまだ薬屋の造作を保存していて、コレがまたエラくカッコよかった。

374昔の薬屋ってこうだったよね。

375今度は駅前の道をはさんで反対側に旧東海道を進んでみる。
1_0r4a2110コチラ側も負けてはいない。

390この家はかなり立派ですよ。

400なんとならば、卯建が付いているから。

410vよく「ウダツの上がらない男」とか言うでしょ?
この屋根に垂直に設置されている小さな壁のことを「卯建(うだつ)」といって、ある程度の財力がある家にしかコレが付いていなかった。
だから、甲斐性のない輩のことを「卯建が上がらない」と表現した。
コレ、何のために付いているかというと、延焼を防ぐための火除けだったのね。一種の防火設備。
この屋根がカッコいいよね。

420v服部さんの家。
「服部」さんというぐらいだから元々服の職人だったんだろうけど、ココでは屋号を「井桁屋」といい、やはり絞り問屋だった。
見事な蔵だネェ。
470壁の下の方が海鼠壁になっているのも防火対策のひとつ。
蔵に関する落語に「鼠穴」という人情噺があるんだけど、チャンスがあれば是非聴いてくだされ。
「夢は土蔵の疲れなり」なんてね。スゴクいい噺です。

440鬼瓦も立派!

430v「井桁屋」だけあって、瓦には「#」のような井桁の紋がついている。
この服部さんの家は有松を代表する建築物とされているのだそうだ。

480反対側も大変立派な建物ばかりでどこもかしこも見ごたえ十分!

450

460

490ここにも銅板。
やっぱり戸袋だけだ。

520この道が東海道であったことを示す碑。
でも有松は宿場ではなかった。
有松は東海道39番目の宿場、池鯉鮒(ちりゅうじゅく)と40番目の鳴海宿の間にあった「間宿(あいのしゅく)」と呼ばれる集落で、宿場と異なり間宿には宿泊することが許されず、旅人が休憩をしていくエリアだった。

530v 有松絞会館の裏手にあるかなり立派な碑。

500c有松絞りの開祖といわれている竹田庄九郎の碑ですって。

510v マンホールのフタも絞り風だよ。

550コレは「きょうか」という駄菓子屋さん。

560ウインドウには何やら懐かし気なモノが並んでいる。

570ウインドウにあった張り紙。
「ばっちゃんは、しばらくお休みをさせてもらっていましたが、体が悪くなってしまい、お店を続けていくことができなくなってしまいました。
今までしんせつにしてくれたみんなに会えなくなってしまいさみしいですが、駄菓子きょうかを閉店することにしました」
チョット~、ヤメてよ~。ホロっと来ちゃうじゃんか!
駄菓子屋って必ずバアさんなんだよね。
私は小さい頃、実家の近所の「金子」と呼ばれる駄菓子屋によく通った。
別に看板が出ているワケではなくて、普通の家の一角で営業していたので、表札を見た誰かが「カネコ」と呼びだしたんだろうね。
金子のバアさんも江戸時代に生まれているんじゃないか?と思うぐらいシワクチャだったナァ。
当時、まだ1円とか2円の商品がゴロゴロしていて、アンズの甘露煮が3つ刺さっていた串が最初の頃は1本2円だった。
私はコレが大スキで、2円ずつ払って食べていたら、そういうことにはダイナミックな母が「そんなチビチビ買って食べるのはみっともないからヤメなさい。箱ごと買っといで!」と数百円渡してくれた。
早速カネコへ箱入りのアンズを買いに行くと、そんなことをする子は他に全くいないので、バアさん、「いいのかい?」なんて目をシロクロさせてブッたまげていた。
50年も前の話…こういうことはよく覚えているんだよな~。
もうカネコはとっくの昔になくなっちゃったけど、あのバアさん、今生きていれば130歳ぐらいかな?まだ顔も店の様子もハッキリ覚えてるわ。

590vソロソロ有松の町に別れを告げようかと思っていたところ…

600良さげなパン屋を発見。
パンもさることながら、家の中が見てみたくて買いに入ってみた。

610おお~。

620v雰囲気満点!

625v多分ここはお屋敷の下働きをする人たちの居住スペースだったんだろうね。
かまど…こっちでは「へっつい」かな?…があったり…

630井戸があったりいい感じ。
「へっつい幽霊」はメチャクチャ面白い噺だよね。

640店の奥にある窯。

650「どうぞ、どうぞ」と中を見せてくれた。

660v屋根にはこの窯に直結した煙突が飛び出していた。

670vあ~、堪能した!
最高に面白い町でありまつた!380以上で『私の有松』は終了。
ココから本題だでね。
やって来たのは今池のライブハウス、THE BOTTOM LINE。
久しぶり~。
2015年の1月以来。
ココはいいよね~。
とても好きなハコ。

700_22階に上がる階段の壁に飾ってある、ここで演奏したジャズ・ミュージシャンの写真がまずうれしい。
そして2階の楽屋…面白い話を聞いちゃったんだ~。
ソロモン・バークって知ってる?
「The King of Rock & Soul」の異名を取る、ミック・ジャガーやヴァン・モリソンに大きな影響を与えたR&Bの超大御所黒人歌手。
2010年に日比谷野音で開催された『ジャパン・ブルース&ソウル・カーニバル』に出演するために初来日した。
この時、私はシーナ&ロケッツの取材でお邪魔していたのだが、いつもMarshall Blogに書いているように、私はジャズ以外の黒人音楽をほとんど聴かないので「キング・ソロモン」と名前を知っているものの、シーナ&ロケッツの出番が終わったところで失礼しようと思っていた。
ところが、鮎川誠さんが「絶対に観ておいた方がいい」と博多弁で猛烈に勧めてくださり、最後まで残ることにした。
スゴかったね。
コレが人間の声かッ?というぐらいの圧倒的な歌唱力と説得力、そして最高のショウマンシップ…最後まで鳥肌が止まらなかった。
それで、キングは野音の後、大阪と名古屋を回った。
名古屋公演の会場はココ、THE BOTTOM LINE。
キングは一時期は体重が180kgを越したこともある巨漢で、晩年のチャールズ・ミンガスのようにもう自分の足では歩行することが難しく、車椅子を使っていた。
そんな巨漢だからして、当然使用する車椅子も規格外にデカい。
そこで、プロモーターのスタッフは車椅子のサイズの情報を得て、キングが不自由を被らないように行く先々のエレベーターや出入り口の寸法を前もって測ったっていうんだよね。
すごいナァ、プロは!
大きな車椅子といえども、意外にどこでも通過できることがわかったのだが、ただ1カ所だけどうしても通り抜けることができないポイントがあった。
それが下の写真。
ボトムラインの楽屋の入り口。
ドアの部分自体は通過できるのだが、内側の作り付けのテーブル(写真左)とソファの間隔が狭く、ナニをどうやっても車椅子が通過できないことがわかった。
作り付けのテーブルを壊して取り除いてしまえば通行に関する問題はすべて解消するのだが、まさかソレ1回だけのためにそうするワケにもいかず…。
で、どうしたか…。
「The King of Rock & Soul」は出番の時以外、ズット楽屋の外にいたんだそうだ。
知らない人はビックリしただろうナァ。バカでかい黒人が車椅子に座ってエレベーターホールにいるんだから。
キング・ソロモンは2010年、オランダのスキポール空港に向かう飛行機の中で亡くなってしまった。
結果、ソロモン・バークはロイ・ブキャナンやローウェル・ジョージ、リック・ダンコと並んで私の「観ておいてヨカッタ!」リストの上位に入っている。
鮎川さんにはホントに感謝している。

710さて今回、新東名をブッ飛ばしてはるばる名古屋にやって来た用向きは昨年1月にリリースしたアンソロジー『錯』も大好評だった四人囃子。
名古屋在住のある人の熱意でココTHE BOTTOM LINEで四人囃子がよみがえったのだ。
タイトルにある最近よく聞く「スピンオフ」というのは「副産物」という意味。
「番外編」みたいな意味で解釈されることが多いみたいね。
会社がある部門を独立させて子会社にすることなんかを英語で「spin off」という。
もちろん「spin」というぐらいだから、グルグル回って、その遠心力に耐え切れなくなってブチッと本体から切り離されちゃうイメージが語源だそうだ。

Sk定刻になりステージに登場したのがその「ある人」、野田欣志。
「こんばんは!スピンオフ四人囃子のライブにおいで頂きありがとうございます。
2014年、4年前に四人囃子はデビュー40周年を迎え、東京と大阪で記念ライブをする計画がありました。その時、ゼヒ名古屋でも演ってください!とお願いしたんですが、佐久間さんが亡くなって、結局そのプラン全体がなくなってしまい、そのまま現在に至っています」

720「しかし、今回そのライブが実現することになりました。サポート・フロントで根本要さんが参加され、西山毅さんも来てくれました。
リハを拝見したんですが震えるぐらいスゴかった!
その震える思いは最後にとっておきましょう!」
野田さんの四人囃子への情熱で実現したコンサート。
会場は超満員!ご盛会おめでとうございます。
まず、最初にステージに上がったのは…

730東北出身の3人によるトリオ、∞Z(ゼロゼロゼット)。
福島で2016年に開催したワンマン・コンサートでは1,700人を動員したという人気チーム。
1976年、四人囃子が出演した郡山で開催された伝説のロック・フェスティバル、『ワンステップ・フェスティバル』にちなんで福島から招聘したのだそうだ。
17歳の時にそのフェスに参加した野田さんの計らいだ。

740ボーカルズ/ギターのERIKA。

750vベースのKenji Sato。

760vドラムスはShingo Katagiri。

770v「フュージョン・ポップ・パワー・トリオ・バンド」というスタイルを標榜するこのバンド、確かにそんなサウンド。
え~、このタイプの音楽を3人で演っちゃうの?って感じ。
「こんなタイプの音楽」っていうのは、いわゆる「シティ・ポップス」っていうのかな?
普通だったらキーボーズがいるのが当たり前という雰囲気の音楽とでも言おうか?
それを緩急自在にギター・トリオで演っちゃう。

790ERIKAちゃんの個性的な声。

800高度な技術を駆使した厚みのある演奏。

810そう、アンサンブルが強力なんだよね。
とても3人演奏している感じがしない。

820MCでも大いに笑いをゲットして、この記念すべきコンサートの幕を華々しく切って落としたのであった!
ちなみにドイツ人は「0 0 Z」を「ぬるぬるツェット」と発音するハズ。

∞Zの詳しい情報はコチラ⇒The Official Website ゼロゼトゼット

830続いてステージに上がったのはThe BECK's。
名前の通り、ジェフ・ベックの音楽を追求するバンドだ。

840ギターというか、ジェフ・ベック担当は冒頭にご挨拶をされたこのコンサ―トの主催者、野田欣志。

850v今日は1959と1960BX。
そう、ジェフはBキャビしか使わないからね。
野田さんはClass5なんかも愛用してくださっている。
おお~っと!それと、いつもMarshall Blogを応援してくださってるのだ。

860v足元のようす。

870ドラムスは古山哲。

920v使用するNATALは大二さんのバーチのキット。

1_0r4a2523 サイド・ギターの宮脇貴博。

880v宮脇さんはDSL20Hと1960A。
ハイ、宮脇さん座布団1枚。
Marshall BlogにDSL20Hを持ち込んだのは宮脇さんが初めてです。

890vベースはサポート参加の河童。
あ、チガウ!

2_2kappa ベースは藤田亜沙子。
ニックネームが「Kappa」さん。

900vEDEN WTP-600とD410XSTを使用。

910vそして、ゲストで参加したのは松川純一郎。

930vオープニングはおなじみ「Superstition」。

940ノッケから野田さんのジェフ節炸裂!

960v「ジェフ・ベックはインストゥルメンタル曲が多いが、そればっかり演っちゃうとお客さんが引いてしまう…」ということで今回はすべて歌モノのジェフ・ベックでセットリストを構成したという。
そこで松川さんのボーカルズが大活躍!
2曲目は「Drifftin'」。

950vココでいかに私がジェフ・ベックに疎いかが自分の中で露見するのだ。
この曲のレコーディングではウィル・リーと共演してるのね?
作曲はジミ・ヘンドリックス。

990続いては、ジミつながりでおなじみ「Little Wing」。

970v「Little Wing」はジェフのライブの重要なをレパートリーだ。
そんなジェフの愛奏曲を歌うように弾きまくる野田さん。
以前、広規さんのkoki Tetragonがツアーを終えて、そのレポートを兼ねたライブをやったんだけど、MCで窪田晴男さんが「名古屋にジェフ・ベックそっくりな人がいて驚いた」なんておっしゃっていた。
それが野田さん。

980ココで野田さんが四人囃子の思い出について語る。
「ボクが高校生の時にレコード・デビューを果たし、四人囃子が今はなき勤労会館にやって来ました。東京の大学に行っていた友達のお兄さんが『観た方がいい!』と勧めてくれて観に行きました」
インターネットなんてない時代だからね、年上の人からの情報はとても貴重だったんでしょう。
当時は神様のような存在だったそうしたミュージシャンたちは当時20歳ぐらいで、野田さんは17歳。もっと年上だと思っていたという。
わかります。ソレ、すごくよくわかる。

1050そして、郡山で『ワンステップ・フェスティバル』が開催されることを知り、当時のロックを演っている人たちが全部出てるな…と思って観に行ったという。
コレもわかる。
当時、ロックはまだマニアックな音楽でバンドの数もそう多くなかったからね。大人の趣味のひとつだった。
パンク/ニューウェイブの後、80年代に入ってロックがビジネスになり出すと様子がガラっと変わってしまった。
若い人はこのワンステップ・フェスティバルに出演したバンドの音楽を聴き比べてみるといい。今、いい感じで音源がリリースされてるでしょ?
若い人たちはそれを聴いて、どのバンドも替えのきかないオリジナリティのカタマリであることを知るだろう。
海外のロックに追いつけとばかりに、人がやらないことを考えて独自性を競った時代のロックだ。
今の若いバンドさんを見てると、「人と同じこと」をやるのに必死になっているとしか思えない。そして、武道館が上がりの「バンド双六」をやってる。
野田さんの思い出話は続く…。
フェスティバルの初日のトリがジュリー。
2日目が四人囃子だったそうだ。
宿泊ってどうなってたんだろう?テント?
ロックのコンサート・イベントとしては「日本のウッドストック」みたいなものだからネェ、うらやましいね。私は生まれて来るのが5年遅かった。
そして、ナント同じ時間、同じ場所にこの後に登場する根本要さんもいらっしゃったというのだ。
「このことが自慢です。今日、このイベントを開催することができて本当にうれしくて…。
リハーサルを見ていてうれしくて泣いてしまいました。皆さんも泣きますよ!」
感動のMC!

1060vドラムからスタートしたのは「Rough Boy」。

1150vコレはZZ Topの曲なのか!
自慢じゃないけどゼンゼンわからないな。
でも、ビリー・ギボンズにはロンドンで1回会ったことがあるんだけど、私なんかにも気軽に声をかけて来てくれるすごく感じのいいおジイさんだったよ。ダスティもとても気さくな方だった。

1000もちろん野田さんと松川さんのギター・バトルもバッチリ。
ベックとSRVの共演か?それともジェフとビリーの共演か?
いずれにしてもゴージャスな組み合わせではあるまいか!

1070野田さん、楽しそう!

1100イヤ、2人ともギターを弾く楽しみを存分に味わってる!
2_s41a3204その2人を安定した低音で支える亜沙子さん。
コレを機にfacebookで友達になって頂き、やりとりをしてビックリ。
ジャズを大変よく聴いていらして、今般発売になったジョン・コルトレーンの未発表音源はCDもLPもゲットされたという。

1010_2それだけではなくて、彼女はKYOW-YAというSHOW-YAのコピー・バンドをされていて、10月20日にはell.FITS ALLで『NAONのNAGOYA』という一大イベントを今年も開催する。
おもしろいな~。
「尾張名古屋は芸どころ」っていってね。とてもお盛んでよろしいな。
 
NAONのNAGOYA 2018の詳しい情報はコチラ⇒facebook

1020vキタキタ~!定番の「Going Down」!
イケイケ、宮脇く~ん!Marshallがついてるぞ!

1040ココはもう皆さんに弾きまくっていただかないと!

1080いつかも書いたけど、ジャムセッション最強の曲のひとつだからね。

1090The BECKSのステージを締めくくったのは「Purple Rain」。
1110vこの曲はKoki Tetragonでも取り上げている松川さんの自家薬籠中の曲。
それだけに実にシットリと滑らかな演奏が展開した。

1120v

1130v

2_s41a3217

1045v思い入れタップリの舞台で充実の6曲を演奏した野田さん。
そして、この後はスピンオフ四人囃子。
1160v_2今日は最高の1日ですね~!…ニンマリ。

2_s41a2983 The BECK'sの詳しい情報はコチラ⇒The BECK's - JEFF BECK BOOTLEG NAGOYA - 

 
さて、冒頭でチョット触れた「新記録」ね。
何のことかおわかりになりましたか?
「いつになく長い記事だな…」とお思いになられた方、ほぼ正解。
本日掲載した写真の数は131枚。
80枚台は過去に何回もあるんだけど、100超えは今回が初めてのことだったのです。
最後までご高覧ありがとうございました!…イヤイヤ、このシリーズまだこれからですから!
 
四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒①Official Web Site ②facebook

1170<中編>につづく

 

200_2

(一部敬称略 2018年5月12日 名古屋Bottom Line他にて撮影)

2018年7月 4日 (水)

【NAONのYAON 2018】vol.8 : SHOW-YA<後編>、フィナーレ

 

ド~ンといったね~!
そして、奪ったね~!
強大な岩石が急坂を転がり落ちて行くような、中途半端でない圧倒的なパフォーマンスをお見舞いしてくれたSHOW-YA。
まだまだ『NAONのYAON』は終わらない!
恵子さんのMC。
「皆さん…ココは大きな大きなカラオケ・ボックスです」…ってことはみんなで歌うということか?

10vそして、ステージに呼び込まれたのが相田翔子20v_4さらに早見優!

30v_4「それでは、大先輩のアンさんの80年代のヒット曲を演りたいと思います。アンさんも『NAONのYAON』に2回出てくれました」…と3人が歌ったのは「あぁ無情」。

40激唱のお三方を前にしてこんなことを言っていいのかどうかわからないけど…も~、おかしくて、おかしくて!

50v_3というのは、お客さんの間の手。
あの「ホッホッ~!」とか「プワップワッ!」っていうヤツね。
アレ、誰がやり始めたんだか知らないけど、笑っちゃうぐらい美しく曲に溶け込んでいたのだ。
もはや歌詞の一部になっちゃってる。

60v_3さすがに掛け声だけで、全国各地で色々なバージョンがあるせいか、文章系の間の手は入らない。
こういうの、カラオケを媒体にして広まったのはわかりきってるんだけど、インターネットがなかった時代、どうやって全国津々浦々に伝播していったんだろうね。
口づてか?
サラリーマンが出張先の各地の飲み屋で「こんなん知ってるか?」なんてやったのかしら?

70v_3恵子さん、しきりにこのジェスチャーをやってくれたんだけど、ゴメンナサイ!どういう意味だったんだろう?
左手の薬指?

15_0r4a1644 とにもかくにも、恵子さんが言ったように日比谷野音が巨大なカラオケ・ボックスになった!
♪プワップワップワップワッ!

80_3翔子ちゃんも…

90優ちゃんも…

100SHOW-YAメンバーとガッチリからみ合って演奏を盛り上げる。

110_3翌朝のスポーツ新聞によれば、何でもこの3人でチームを組むとか?

120イヤ~、すさまじい盛り上がりようだったね~。

160そして、最後。
コレが『NAONのYAON 2018』の本編のエンディング。
『NAONのYAON 2018』のスタンダードで演奏していない曲といえば…まだ「限界LOVERS」が残っている。
最後もコラボレーションだ。
して、その共演相手は…?
「次はいよいよ最後の曲です。この曲はやはりこの人と一緒に歌いたいと思います…椿鬼奴!」

170v_3「寺田恵子です!」

175v去年の秋にものまね番組で共演したことがあったとか…。
奴さん、恵子さんの衣装を身にまとって気合い十分。
なんたって『NAONのYAON』のトリだからね~!
初出演にしてトリ!

180恵子さん、熱唱!

360v奴さん、完全に恵子さんに成りきって絶唱!

15_s41a2766 ダブル恵子で限界まで燃え尽きる!

210_3このステージに立てて本当にうれしそうな「恵子奴」さん。

220恵子さんに成り替わっての大ハッスル!

230v_3大騒ぎしているフロント陣をガッチリとサポートするキャプテンと…

240v_3mittan!

250sun-goさん、本編最後のソロ!
イケイケ~!

260v_3もうコレもんですから!
ナンカ練習したかのようにキッチリとキマってる。

270いよいよエンディングだ!

280_3もちろんエンディングはこのルーティンで〆る。

290クルリン…

300_3…パッと!
見慣れているシーンだけに、向こうに恵子さん以外に誰か立っていると変な感じがする~!

310_3終わっっちゃった~!

315v最後はジャ~ンプ!

320野音は時間に厳しいからね。
恵子さんが出演者を呼び込んでこのままアンコールに突入!
340もちろん曲は『NAONのYAON』のテーマ曲、「Rock Love」!

330お客さんは総立ち。
「とっくに」だけど。

350今回も色々あったね~。
時の番人が登場したのは5時間以上前だからね!
何か前日のことのようだよ。

360STARMARIE、うれしそうだな~!

380みんな楽しそう!

370そしてお定まりのギター・ソロまわし。
まずはYASHIROちゃんから。

410最後まで顔で弾いてくれた初登場のHAL-CAちゃん!

420_3NAGISAちゃんも初めてのソロまわし!

430_3ベテランの茉凛ちゃんもシッカリとソロを聴かせる。

440今回は大忙しだったTOMO-ZOちゃん。

450_3WGGCで大活躍してくれたAYUMIちゃん。

460泣いてるヒマなんて全くないほどSAKIちゃんも大忙しだった。

480そしてシンガリはsun-goさん!

390_3ドラムス・チームも後ろで盛り上がってたよ~!

470

500

510「Rock Love!」

530

540そして、全プログラムが終了した。

520恵子さんから、来年も4月29日に『NAONのYAON』が開催されることが発表された。

2_0r4a1855 「おお~!」
会場から大きな歓声と拍手が沸き上がったことは言うまでもあるまい。

555「みんなありがとう~!」

560そしてSHOW-YAの5人がステージに残り…

570最後は恵子さんただひとりに…。
「みんな…愛してるよ~!」

580v_2そして、ステージを降りた。

世界でも他に類を見ない、大イベントに今年も参加することができて光栄でした。
また、来年もMarshall Blogでレポートできたらうれしいなッ!

590SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

8回にもわたる長期連載を最後までご覧頂きましてありがとうございました!
SHOW-YAと真空管アンプは不滅です!

600<おしまい>

※Instagramのフォローもよろしくね!Marshall Blogに未掲載の写真もチラホラ!⇒marshallamps_shige 

200

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年7月 3日 (火)

【NAONのYAON 2018】vol.7 : 小柳ゆき、SHOW-YA<前編>

  
さて、さてさて、いよいよ『NAONのYAON 2018』も最後のゲストの登場だよ~。
七瀬ちゃんに紹介されてステージに姿を現したのは…

10小柳ゆき!

20v一方、もうここまで来ちゃうとバンドは完全にSHOW-YAの皆さんですな。
この「いよいよ感」もファンにはうれしい限りでしょ~?
 
五十嵐sungo美貴

30v仙波さとみ
さとさん、手は大丈夫かナァ…コレばっかし。でも心配なんだもん。

40v中村美紀

50v角田mittan美喜

60vそして、ヴァイオリンの末延麻裕子が加わる。

70vまずは大ヒット曲「あなたのキスを数えましょう」を…。

80こうしたノリが命のイベントでジックリとバラードを聴かせるなんてのはスゴイね。
いわゆる「ハンパない」歌唱力と声があっての話。
そして、ナントいっても曲のクォリティがモノを言うってことよ。
ちなみに「ハンパない」なんて言葉を使うのはヤメましょうね。
「中途半端ではない」とチャンと言いましょう。

90v音楽が人の心を動かす。
ジッ~っと聴き込んだ大観衆から中途半端ではない大きな歓声がゆきさんに浴びせかけられた!

100vそして、ゆきさんもコラボレーション。
「今回、はじめて『NAONのYAON』に参加させて頂きましたので、私もこの方とコラボしたいと思います。」
と呼びこまれたのは中村あゆみ!

120vあゆみさんを迎えての2曲目は「愛情」。
ヒット曲の連続に会場は大騒ぎ!

110ゆきさんとあゆみさんの中途半端ではなく魅力的な声のコラボレーション!
歌は声だよ、声!

130そして、歌うようなヴァイオリンの音色で2人に寄り添う麻裕子さん。
ロックにヴァイオリンっていいんだよね。
私が最初にこのコンビネーションでナミダしたのはボブ・ディランの「Hurricane」だった。
1976年、まだ13歳の時かな?アルバム『Desire』がリリースされたと同時に聴いた。
それ以来ヴァイオリンが入っているロックってのが好きになって、チョット中途半端ではあるが、知らないグループでもヴァイオリニストが参加しているプログレッシブ・ロックなら今でも問答無用でCDを買っちゃう確率が高い。

140vそして3曲目…。
コレにはビックリ!

150ナント、ゆきさんのチョイスは光GENJIの「STAR LIGHT」!

160vとくればsun-goさん!

170v「とても大スキでよく歌っていた曲」だったそう。
いい曲だもんね。
この光GENJIのデビュー・シングルって、作詞曲はCHAGE&飛鳥でアンドリュー・ロイド・ウェーバーのミュージカル、『Starlight Express』が下敷きになっているワケでしょ?
ローラースケートだし。
で、このシングルのB面は「Rolling Stock」という『Starlight Express』の中の1曲なのね。ウェーバーに対するリスペクトだったのかな?お礼?
早速、オリジナル・バージョンを聴いてみると、コレが変形ブルースの類なんだな。
ウェーバーってシンプルなんだけど、中途半端ではない深い世界を作り出すのが実にウマいんだよね…というか、いい曲ってのはいつでもシンプルにできてるモノなのね。

180vココでも麻裕子さんのヴァイオリンが妖艶に曲にカラんでいく。

190こういう予想外のレパートリーが飛び出してくるのも『NAONのYAON』の楽しみのひとつ。
「小柳ゆきの光GENJI」なんて他では聴くことができないでしょう?
ド迫力の「STAR LIGHT」でカッコよかった!

200v小柳ゆきの詳しい情報はコチラ⇒UNIVERSAL MUSIC JAPANウェブサイト

そして、ゆきさんが最後の演者を紹介する…

210「SHOW-YAぁぁぁぁ!」

220v「欲しいモノは~」…キタキタキタ~!…「奪いとれ~!」

230vそして発される5人の中途半端ではない轟音!
 
エエイ!もう1回メンバー紹介だ!
五十嵐sun-go美貴

240v中村美紀

250v仙波さとみ
さとさん、手は大丈夫かな?最後だからがんばって!

260v角田mittan美喜
 
メンバー紹介はラクに紙幅を割くことができる……ウソウソ、写真を楽しんで頂くコーナーです。

270v「お天気に恵まれて…アタマ振って帰れよ~!」
恵子さん、いつも天気のことを心配してくれいるからね。
雨の心配がなかった今回は相当な暴れ具合が期待できそうだぞ!

300sun-goさんのソロ!
日比谷の夜空を切り裂くロック・ギター・サウンド!

290vその出しているのはコイツら。
「マーなんとか」のアンプヘッドJVM410H。
「マーライオン」じゃないよ。

380 「なんとかシャル」の1960BDM。
そう、忙しくてもきれいになりたいあなたに「エッセンシャル」…チガウチガウ!シャンプーは関係ない!

2_0r4a0533 やっぱりSHOW-YAのイベントだけあって、ご本尊が出て来ると会場の雰囲気がまた変わるね。
310空気が違うの。
気を引き締めてないと恵子さんの吹っ飛ばされちゃうからね。

2802曲目は「Fairy」~~!

580vん~、このイントロ。

330v_fそして、この歌!

340v何回も聴いてる曲だけど、野音で聴くと…イヤ、『NAONのYAON』で聴くと、味わいがまた違うんだよね~。

350vかきあげる濡れた髪もまた違って見える。

2_s41a2588さとさんはあの事件以来のSHOW-YAのステージだからね…気合いがスゴい。
手は大丈夫なのかナァ?

380v「奪いとれ」から「Fairy」へと続いたドライビング・チューン。
今回、最もハードなパートだったのではなかろうか?
そのカギを握っていたのがmittanのドラミングだ。

390「Fairy」ポーズもバッチリ。

400もちろんギター・ソロ炸裂~。
今回もメンバーはSHOW-YA以外のアクトに、時に一緒に、時に別々に登場したワケなんだけど、誰が一番ステージに上がったのか?…と思って数えると、4人とも4回ずつなの。
うまく組むな~。
そういうのを考えて組み立てていく仕事はおもしろいんだよ。
私も来年の秋に開催する予定でいる『Marshall GALA 2』の脚本を考えるのを今から楽しみにしてるのさ!

410v3役そろい踏み!
見所です!

420ヨッシャ―!
「Fairy」のルーティンもいつも通りスムーズにキマった!

430アラ~、この写真、ウマい具合にMarshallのヘッドが写ってるわ~。
次で『NAONのYAON 2018』のレポートもいよいよ最終回!
最後まで盛り上がっていくぞ~!

450SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

440v<最終回につづく>

※Instagramのフォローもよろしくね!Marshall Blogに未掲載の写真もチラホラ!⇒marshallamps_shige 

200

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年7月 2日 (月)

【NAONのYAON 2018】vol.6 : 早見優、中村あゆみ他

   
「80年代のアイドル」がテーマの今回の『NAONのYAON』。
今度は早見優の登場だ!

20v赤い衣装に身を包んではつらつとステージに現れた優ちゃん!
まずは「夏色のナンシー」。
70ココまで何回も「歌謡曲はほとんど聴かなかった」と書いてきたのにはワケがある。
真理ちゃん、百恵ちゃん、淳子ちゃん…昔はアイドルの下敷きってのがあったでしょ?
あるいは「平凡」やら「明星」から切り抜いた好きなアイドルの写真を薄いプラスティックのケースに挟んで下敷き代わりにしている子がクラスにたくさんいたんだよね。
ここのところ、ついぞ「下敷き」なんて言葉を耳にしないけど、まだあるのかな?
それはともかく、私は一そういうことを一切しなかった。
ズッ~とロックバカで、またその前は映画狂だったので、何回も書いてきたように歌謡曲やアイドルに夢中になった経験がない。
40年以上音楽を聴いて来て、盲信的に好きなのはフランク・ザッパぐらいかな?
でも、いくつかの例外はある。
そのひとつが優ちゃんなの。
恐らくテレビで観たんだろうけど、優ちゃんのデビュー曲、「急いで!初恋」を聴いた瞬間にビビビと来ちゃった!
そして、翌日急いでレコードを買いに行った。
1982年のリリースだというから、私が大学生の時の話ね。
もう「♪君の香り深呼吸」のメロディがヤケクソに気に入っちゃったのね。
歌謡曲のレコードを買うなんてこと、「帰って来たヨッパライ」か「黒猫のタンゴ」かモップスの「月光仮面」ぐらいしかなかったんだから。
この曲を書いた小杉保夫さんという方は「お嫁サンバ」を作曲した人。
優ちゃんの初々しい歌い方がすごく可愛らしくて、聞けばハワイ育ちで英語がバッチリっていうじゃない?
優ちゃんの「♪diary」の発音に憧れちゃいましたよ。
私は当時、英文科の学生でありながら英語はカラっきしダメで、今ごろ大きなツケを払っております。
今日、優ちゃん、歌ってくれるかな?

40epそれにしも、そんな私の思い出の人がカメラのファインダーの向こうに立っているんだから感動だってばよ!
しかし、「夏色のナンシー」なんてステキな文句じゃない?

50sun-goさんとのカラミもあったりしてうれしいわん。

60当然「♪恋じゃない」の「Yes」のところは大合唱です。
 
続けて優ちゃんがバンドのメンバーを紹介。

30vこのセットはSHOW-YA+αが担当した。
ファンにとっては、最後の方に近づくにつれてSHOW-YAの出番が多くなってくるのも『NAONのYAON』大きな楽しみ方だよね。
 
五十嵐sun-go美貴

80v仙波さとみ
さとさん、手は大丈夫かな?もう心配で…。

90v_2中村キャプテン美紀

100v_2角田mittan美貴

15_img_0060そして、+αでGacharic Spinからレオナちゃん!

110v_2続いては1985年のリリースの「PASSION」。

130_2「ナンシー」とはガラッと変わってロックっぽい曲調。

150v_2この曲もサビのメロディが魅力的ですな。
作曲は中原めいこさんか…あの頃、みんなカラオケで「♪きみたっちキウイ、パッパイヤ」ってやってたな。
私は80年代ってすごく最近に感じるんだけど、もうかなり遠いところへ来たんだね。
なんてったって「30年前」だもんな~。
元ゾンビーズのコリン・ブランストーンに「1年間(One Year)」というソロ・アルバムがあるけど、それの30枚分だもんね。

140_2SHOW-YA+レオナちゃんの伴奏も相まってエキサイティングなシーンとなった。

160v_2「では、私も恵子さんと一緒に歌いたいと思います!恵子さ~ん!」
恵子さん、本日4回目のコラボレーション。

170今日の恵子さんの衣装は一貫して黒ベース。
優ちゃんの赤と並んでスタンダール状態。

180ナニを2人で演るのかと思ったら…ナント、「ローリング・ストーンズ・メドレー」!

200v_2「ガスガスガス」と「Jumpin' Jack Flash」からスタート。

210_2恵子さんは完全に自家薬籠中のナンバーでしょう。

210vもう1曲は「♪アライキ、アライキ」と「It's Only Rock'n'Roll」。
優ちゃんもギンギンのロック・パフォーマンス!

220_2「急いで!初恋」は個人的に残念ながら聴けなかったけど…このアクトも盛り上がったよね~!
2人ともとても楽しそうだ!
この雰囲気を深呼吸!

230_380年代のアイドル話で盛り上がって優ちゃんの出番は終了。

早見優の詳しい情報はコチラ⇒早見優Official Website

240続いてはおなじみさんの登場!

260中村あゆみ!

270v_2このイントロ!
もはや「NAONのYAONのスタンダード・ナンバー」の感もある「翼の折れたエンジェル」。

280_2一緒に歌っているお客さんがたくさんいたナァ。

290v_2あゆみさんがバンドのメンバーを紹介する。
このセットはおもしろくて、全パートがダブル・キャストになってるの。
ドラムスが富田京子と…

300vむらたたむ。

310v_2ベースがAZUと…

320v_2仙波さとみ。
この写真はタンバリンをブンブン振り回してるけど。

330v_2そして、ギターは宮沢茉凛と…

340v_2SAKI。

350vSAKIちゃんは例のTattoo Marshallね!

360「皆さん、こんばんは!さぁ、ココからはステージと客席がひとつになるロック・ステージになります!」
お客さんと一緒に歌おうということ。
「『Come on! come on!』…これだけ。サビは♪ララララ」とMCで説明しておいてイザ本番。370v_2ハイ、ここ!
「♪Come on! Come on!」…大合唱!

380vSAKIちゃんのソロ。
ボトルネックを披露。

390vやっぱりお客さん参加ナンバーは盛り上がるね~!
スッカリ日も落ちて、雰囲気も満点!
この曲を作曲したのは鎌田ジョージさんなんだね。
鎌田さんはあゆみさんのサポートをされていたのか…。
大分前に鎌田さんが福山雅治さんのサポートをしている時にご本人とご一緒させて頂いたことがあったんだけど、アタシャ驚いたよ。
楽屋でズ~~~~~~っとギターの練習してるの。息をするのと同じようにズ~っと。
その雰囲気が尋常じゃなくて、ま、実際には見たことがないけど、武士が剣の修行をしているような感じ?
コワくて近寄りがたいものがあった。そうまるで『七人の侍』の宮口精二扮する「久蔵」みたいな雰囲気。
それでもMarshallのSERIES9000の話で「お近づき」というか「お近寄り」させて頂くと、勉強不足で恐縮ではあったが、鎌田さんが「ZERO」の方だったことを知った。
ZEROって昔、「毒蛾」っていうバンドだったんだよね。
近田春夫が司会をやっていた『ロックおもしロック』というテレビ番組のバンド・コンテストに毒蛾が出場して「うわ~、ウマい人がいるもんだな~」と、高校生の私はひどく驚いたことがあって覚えている。
どなたかからだったかまでは覚えていないが、番組の中で「演奏は最高。でもバンド名は変えた方がいいんじゃない?」みたいな寸評があって、次に毒蛾を見た時にはZEROというバンド名に変わっていた。
「ああ、あの時のアドバイスを実行したんだナァ」と感心した。
まぁ、40年も前の話だからして、違っていたらゴメンなさい。

400_3デビュー当時は歌番組でよく一緒になったという京子さんとのやり取り。
学校も同じだったとか。
「今日はキョンちゃんと一緒ということで、『キョンキョン』の歌にチャレンジしようかと思います。その前に一緒に歌ってくれる若い人を呼ばなくちゃ!」

410v_2…と、登場したのは LoVendoЯの岡田万里奈。
本日2回目の登板。

420曲は「なんてったってアイドル」。

430_2コレも絶対盛り上がるヤツじゃん!…イヤ、それでいいんだけど。

440この曲も流行ったよね~。
1985年のヒット曲だそうです。
ドワ!33年も前の歌なのかッ?!
520vあゆみさんのおっしゃる通り、ギンギンのロック・ステージ!
ダブル・キャストのバックバンドも見ごたえタップリのド迫力のセットだった!

470v

480v

490v

500v

510v_2 

12_s41a1976 中村あゆみの詳しい情報はコチラ⇒中村あゆみオフィシャルサイト

530_2続いても常連さん。
相川七瀬ちゃんの出番。
これまた「NAONのYAONスタンダード」の「夢見る少女じゃいられない」でまずは大盛り上がり!
続いて自身が大好きな曲だと言う「恋心」を熱唱。
バンドのメンバーはSAKIちゃん。

560vYashiroちゃん

570v渡辺敦子さん

580mittan

590そして、3曲目ではSTARMARIEの5人を迎えてナント百恵ちゃんの「ロックンロール・ウィドウ」を演奏した。
540_2まだまだ盛り上がる『NAONのYAON 2018』!

600<つづく>

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200

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年6月29日 (金)

【NAONのYAON 2018】vol.5 : World Guitar Girls Collection、椿鬼奴&金星ダイヤモンド

 

10分間の休憩。

10恵子さん、「ビールは水じゃねーぞ!」なんて言ってたけど、この時期はまだいいよね。
もう少し暑くなってくると、飲み過ぎて後ろの方でブッ倒れているヤツが必ず出て来るんだよね。
しかし、この日比谷公園、江戸時代の頃まではこの辺りまで海だったんだからね~。

M_img_0021 神取チームが舞台に現れた。
「間もなく後半のステージが始まります。お席を離れている皆さ~ん!ソロソロお席にお戻りくださ~い!」…と時の番人の担当職務をこなした。

13 そして、恵子さん登場。
「みんな、後半戦の準備はできてる?
後半の一発目は、去年の『NAONのYAON』から始まったギタリストを集めたWorld Guitar Girls Collection(以下、「WGGC」)です。今年もやって来ました!
世界にたったひとつしかないコーナーです!」
と、ステージに上がったガール・ギタリストたちを紹介してこう言い放った。
「SAKI!後はよろしく!」

15v♪ジョコジョ~ン!!
いや、ジャカジャ~ン!!か。

30SAKI

40v宮澤茉凛

50vHAL-CA

55vAYUMI

60vカワイ・トモーゾ

70vYASHIRO

90vそして、ギタリストたちを支えるのは…
AYANO

100vAZU

110vそして、むらたたむ。

120vこれまで幾度となく開催されて都度話題を呼んできたWGGCだが、恵子さんが説明したように、コトの起こりは昨年の『NAONのYAON』。
まさにこの舞台でスタートしたのだ。

130出て来る、出て来る古今東西のロックの名曲や名リフ!

145vメンバーは少しずつ入れ替わっているが、相変わらずの圧倒感!

160v今回、初めて参加したHAL-CAちゃんはASTERISMという平均年齢17歳の若~~~いバンドで活躍中。
もう顔で弾いてる。

150vHAL-Caちゃんは…出たよ、2002年生まれ!Marshallが40歳の時のご生誕。
いいですか~、今日、皆さんが演奏しているロックの名曲の多くは、Marshallがなければ生まれて来なかったかも知れない曲なんですよ~。
だからロック・ギターを弾く時はMarshallなのです。
今のウチにシッカリ頭の中に入れておいてもらわないと…。

9_s41a1350 AZUちゃんもソロで参加するのは初めてかな?
エライ、エライ、以前言った通り、今回は前髪を上げてくれたので写真が撮りやすいぞ!

170vたむちゃんは2回目かな?
売れっ子ドラマーとしてバリバリに活躍中!

180v茉凛ちゃんもWGGCには欠かせないギタリスト。
9_0r4a0958今回もガンガン弾いてくれた!

9_0r4a0951「背が高いだけでバンド・マスターに選ばれました」…なんていつか言ってたSAKIちゃんだけど、イエイエ、もうプレイも存在感も超バンマス級ですから。

200v名門ギターブランドが倒産して、「ギター冬の時代」なんて言われているでしょ?
理由は「ギター・ヒーローの不在」とされているけど、果たしてそうかな?
私はそうは観ていなくて、「ギター・ヒーローを作り出す『音楽』の不在」と理解している。
ベンチャーズは「エレキ・ギターのブーム」というよりも、最終的には「ギターを主役にした『音楽』のブーム」だったと思ってる。
見てごらん、今日WGGCが演奏した不滅のロック・スタンダードを…。
なぜこうした曲が時代や聴く人の世代を超えて生き永らえているのかというと、「ギターのカッコよさ」よりも、「ギターを使った『曲』のカッコよさ」が際立っているからなのよ。
音楽は「曲」がすべてなの。
残念ながらこのままではギター・ブームの再来はないでしょう。それどころかギターを使わない『ヒップホップ』ってのはすぐそこまで来ちゃってる!
カッコいい曲なくしてギター人気を再燃させようなんてことは、クラッチを切らずにクランクを通過しようとするようなものだ。(←例えが古くてヘタすぎるか…?ただ「不可能」って言いたいだけです)
ま、ヘリクツと思わば思え。
いつもフザけて書いているけど、Marshall屋としてはこの状況がマジで心配なんですよ。
そんな環境にWGGCは熱湯を注いでくれていると思うのサ。
若い人たちにも積極的に見てもらいたいと願っている。

210…なんてオッサンのボヤキとは全く関係ないトークでにぎやかに出番を終了したWGGCの皆さんでした~!

220次は初参加の椿鬼奴&金星ダイヤモンド。
鬼奴さん、Adamas風ウクレレを手にしての登場!
「『NAONのYAON』の話を聞いて、マネージャーの返事よりも先に自分で『はい、お願いします!』と言ってしまいました」
そりゃ、出たいよね~!
「実は私もバンドを組んでいます!金星ダイヤモンドの曲を聴いてください!」

225v演奏したのはオリジナル曲で「土を掘る」。

230椿鬼奴

240v金剛石琴音

250v高井5キャラット

260vトモモーリス

270v「♪月曜日 太陽の下 土を掘る」、「♪ディグダグ ディグダグ やり直し」…ん~、いいな~。
でも、ふきのとうは苦手です。苦いんだもん。

280ちなみに「Dig」というビバップ期の有名なジャズのスタンダート曲とアルバムがございます。作者はマイルス・デイヴィス。
オッとイカン!『NAONのYAON』のレポートは極力脱線をしないようにしてるのだ!

Dig「私もコラボしていいですか?」
お客さん「イエ~イ!」
「SHOW-YAの皆さん、お願いします!」

290vステージ中央に歩み出た恵子さん、「一緒に演る?コラボが見たいんじゃないのか~?」
お客さん「イエ~イ!」300ズラリ揃ったSHOW-YAの面々。
『NAONのYAON』の主だからして、やっぱ迫力が違うね。

310v

320v

330v

340v曲はボンジョビの「You Give Love a Bad Name」。
やっぱコレだよね。

350…と、言っても、この手のロックに馴染みが薄い私は、実は…ホンモノよりも奴さんバージョンの方を多く耳にしているかもしれない。
そんな奴さんの持ち歌(?)だけあって、大観衆を前にして堂々たる歌いっぷりを見せてくれる。

360v恵子さんはお手の物だわね。

370vキマった~!
鬼奴さん、メッチャ楽しそうだな。

380「じゃあ、80年代のアイドルの曲を演りますかッ?この曲はモノマネしてるよね…酒焼けの声で」
「お互い、声がかすれてますよね…」

390「(かすれた声で)暗いアイドルの歌といったらこの人しかいない…」とお揃いのモノマネから入ったのは…

400_2中森明菜で「飾りじゃないのよ涙は」。

410v2人とも、と~てもいい感じ!420vそして、バッキングはギンギンなロック・テイスト!
SHOW-YAだからね!

440v

450v

460v

10_s41a1590 メチャクチャ息の合ったコラボレーション!

470アクションも…

480バッチリ!
イヤ~、明るく楽しい明菜ちゃんでした。

490「楽しかったね~!また演りたいね!」なんて言いながら80年代アイドルの話や活動の告知をしていたら…。
カンカンカンカンカンカンカンとゴングの音~。

510v「ハイハイ、時間!時間ですよ!アラよっと」
本日2人目の強制退場!

520神取さん、EYEちゃんの時に比べると大分重そうな感じだナァ。

530「チョット!ナニするの?!ワタシ、女優よ!」
 
椿鬼奴の詳しい情報はコチラ⇒公式Twitter

540<つづく>

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200

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年6月28日 (木)

【NAONのYAON 2018】vol.4 : STARMARIE、相田翔子

 

お、sun-goさんがステージに上がった。
sun-goさんとズラリと並んだMarshall…美しいコンストラクト。
スタンバイOKかな?

2_0r4a0532 こちらはスタンバイOK。

450初登場のSTAMARIE!のステージが始まった!

460木下望

470高森紫乃

480中根もにゃ

490松崎博香

500渡辺楓

510STARMARIEはすでに2度ほどMarshall Blogにご登場頂いているからね。
この5人が『NAONのYAON』の大舞台でどう立ち回るのかを楽しみにしていた。

515その5人をサポートするのが…
ベースにFチョッパーKOGA。

520はな

530そして、五十嵐sun-go美貴!

540sun-goさん、本日2回目のお勤め。
マー坊が同伴致します。

570アンプ・ヘッドはJVM410H。

550スピーカー・キャビネットは1960BDM。

2_0r4a0533 1曲目は「ママは天才ギタリスト」。

580sun-goさんが初めてヨソの人が作った曲のアレンジを担当したという1曲。

545vSTARMARIEのコンサートでsun-goさんが出演する時は一番の見せ場になるヤツ。
今日も大いに盛り上がっております!

600今回はGacharic Spin、大忙し!

630どのアクトに出ても出過ぎず…さりとて引っ込み過ぎず。
このセットも実に的確なサポートでSTARMARIEのステージを盛り上げていく。
…と思ったら、10月にはSTARMARIE主催のコンサートにGacharic Spinが客演することになってるのね?

6402曲目は「悪魔、はじめます」。
この独特の振り付けがいいんですよ。
ただし動きが滅法早いので写真を撮るのが大変です。

650sun-goさんは「Fairy」にギターを持ち替え。

660vこの曲は2月にリリースしたアルバム『FANTASY WORLD IV』のオープナーだ。

670vまぁ、とにかくSTARMARIEの世界感はスゴイですよ。
こんなにハッピーに歌って踊ってるけど、歌の内容が何しろスゴイからね。

680v考えてみると、アリス・クーパーから毒とグロを抜き去って少女チックにしたモノがSTARMARIEだったりして。
要するに「愛」だの「恋」だの、「がんばれ」だの「負けるな」の歌ではないということね。

690vビートルズにしてもボブ・ディランにしても、我々は「歌詞を楽しむ」という点では言葉の壁によって洋楽の楽しみを半減させられてるでしょ。
イヤ、半減以下かな?
辞書を片手に歌詞カードを読んでもダメなのね。
「歌詞」というモノは、歌ってその言葉を口にできないと本当の魅力は伝わらないんですよ。
ナゼかというと、それが「歌」というモノだから。

700vそれゆえ、他の人たちが誰もやっていないSTARMARIEの「歌」を言語で味わえるというのはとても有利ことなのです。
ああ、今日は「お弁当」が出て来なくてヨカッタ…。
涙を流しながら写真を撮ってたらみんなビックリしちゃうもんね。

710vでもsun-goさんは涙が出るほどカッコよろしいな。
自分の世界をガッチリ作ってるもん。
この貫禄がタマりまへん。「還暦」じゃないよ、「貫禄」ね。
ね~、sun-goさん、我々まだまだだもんね~。

720v先日もMarshallの集いで社長夫妻と楽しいひと時を過ごして頂きました。

2_0r4a1951 キレイにジャンプがキマって予定の2曲を見事に演じきった!

730「なぜキミがいる?」
「ママで~す」とsun-goさん。

740「実は1曲目の『ママは天才ギタリスト』はNAONのYAONをキッカケにしてギタリストを目指す…という歌なんですよ!」とSTARMARIEのメンバーが状況を説明する。
そう、「ママのテクにプロモーター 『NAONのYAON』に出て見ないか」という歌詞が出て来るんよ。
日本のロックはこういう固有名詞を効果的に使った歌が極端に少ないからね。
だからとても印象的だ。
10年目を迎えるSTARMARIE、「夢がかなってすごくうれしいです!」と結んでステージを降りた。

750「今回のYAONは80年代のアイドルをテーマにお送りしていますが、前半の最後はそんなテーマにふさわしい方が登場します。正真正銘のアイドルです。
初出演の…」

760v相田翔子!
ウワ~、可愛らしい!お人形さんみたい。

1010「WINKでデビューして30周年。伝説のこのステージに立たせて頂けてすごくうれしいです!」とご挨拶。
「80年代アイドルが今日のテーマということで、WINKの8年間を思い切り歌います。でもWINKは2人ですので相方が必要です…。
寺田恵子さんにお相手をして頂こうと思います!恵子さん、お願いします!」

1020v満面の笑みでステージに戻ってきた恵子さん!

1030vハッシ!

1050「ふつつかなダンスですが踊らせて頂きます!」
「お願いします!楽しくやりたいと思います。じゃあ最初に…」

1060…と、始まったのが「淋しい熱帯魚」。

1070vYAONのWINKを支えるのは…

1080TOMO-ZO

1090v中村キャプテン美紀
キャプテンはこのまま前へ出て行ってWINKできそうですな。

1100vAYANO

1110v渡辺敦子

1120vそして、むらたたむ…という濃い~面々!

1130v「昭和」最後の年、1989年の7月にリリースされた大ヒット曲。
その翌月、私は昔勤めていた会社で、大阪から長野に転勤になった。
きっと信州に向かう車の中のラジオやドライブインなんかで盛んに「淋しい熱帯魚」がかかっていたんだろうな~。
自主的に歌謡曲を全く聴かなかった私でもメロディは全部歌えるもん。
昔のヒット曲ってそうだったの。
今、老若男女を問わず、「誰もが歌えるヒット曲」がなくなったでしょ?
歌謡曲を聴かなかった私が歌謡曲を恋しがるんだから不思議なモノです。

1140自称「悪いWINK」。
そんなことないない!

1150v「良いWINK」…ヒラリヒラリととにかくカワイイ翔子ちゃん。

1160v曲がいいんだわ~。
それと「淋しい熱帯魚」なんてタイトルも実にシャレていますよ。
「淋しい」も「熱帯魚」も歌詞の中に1回も出て来ないんだよ。
歌詞にタイトルが出て来ない名曲のひとつと言えよう。
 
ココにひとつおもしろい符合があって、ジュリーの「カサブランカ・ダンディ」と郷ひろみの「哀愁のカサブランカ」、この2つの大ヒット曲にも「カサブランカ」という言葉がが歌詞の中に出て来ない。
ま、ワザワザ言わなくても「ハンフリー・ボガート」を連想しろよ…ということか?
モロッコの国王がコレを知ったら、ムッとしてこう言うよ…「その曲は弾くなと言っただろう」。
ハイ、コレがわかる人は結構シッカリと昔の映画を観てる人。

1170「あ~、緊張した~。
夜、窓ガラスに自分を写して練習してたら外の人に見られた!」
見たい!恵子さんが必死にダンスの練習をしているところ!
 
「恵子さんと私には共通点があるんですよ。私も女子プロレスになりたかった。でも14歳だったのでダメだったんです。
それで、時が経つのを待っていたらWINKになっちゃった!」
見たい!翔子ちゃんのレスラー姿!
女子プロでヒール役をやりたかったんだって!

11802曲目は「Sexy Music」。1990年のカバー・ヒット曲。
「WINKっぽくない曲だから」という恵子さんのリクエスト。
「チョットこっち寄りの曲も演りたいじゃないか?」
「こっち寄り」?

1190この曲も全部知ってる。
もう1度書かせてもらいますが、面と向かって曲を聴いたことはただの一度もないんですよ。
それなのに知ってる。
コレはノーランズのカバーなんだね。
イギリスへ行くといまだにノーランズの名前を耳にすることがあるよ。

1200vこのチョチョチョとしたフリがまたカワイイんだわ~。

1210「こっち寄り」ということもあって恵子さんにもベスト・マッチだ!

1220v無事終了!
恵子さん、スゴイなぁ。
曲を覚えるのはお手の物だろうけど、フリとともにアタマに叩き込むのは大変だと思うよ。
それに疲れるもんね。絶対に身体を動かさなければ身に付かないじゃん?

1230「恵子さんメッチャかっこいいです~!こんなに踊って頂けるなんて!」
「イヤイヤ、足を引っ張っちゃイケないと思って!」
「引っ張ってもらってます~」
会場大爆笑!
もちろん翔子ちゃんが言ったのは「恵子さんが翔子ちゃんの足を引っ張るどころか、リードして自分を引っ張ってくれている」…という意味ね。

10403曲目は「愛が止まらない」。

1240コレも知ってる。

1250v3作目のシングルで、この曲のヒットによってWINKがブレイクしたという翔子ちゃんにとって大切な曲。

1260v1988年のリリース。
コレは元はカイリー・ミノーグだったのか…。

1270もうアタシャ80年代以降のロック周辺と流行歌は洋の東西を問わず弱くて…でもメロディは全部歌える。
63万枚を売ったというWINK最大のヒット曲だからして、こんな私でも知っている…と、結局3曲とも同じことを書いてしまった。
だってスゴイんだもんWINK!

1280v恵子さんの芸の厚さを提示した3曲でもあったね。
当然、エラク盛り上がったよ~!

1290v相田翔子の詳しい情報はコチラ⇒相田翔子 Official Website

1300ダンスも歌もバッチリとキマってひとまずホッとした感じの恵子さん。
ココで休憩。
「みんな休憩しろよ~!水分摂れよ!ビールは水じゃねーゾ!」って。

2_s41a1040<つづく>

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200

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年6月27日 (水)

【NAONのYAON 2018】vol.3 : DOLL$BOXX、Mary's Blood

  

おかまりん&稚菜のホンワカしたムードから一転…黒、黒、黒!
DOLL$BOXXの登場だ!

10FUKI

20vTOMO-ZO

30vオレオレオナ

40vFチョッパーKOGA

50vはな

60v1曲目は「Take my Chance」。

70v2012年にアナタのハートをハコ詰め。
そして、昨年2月に復活。
『NAONのYAON』へはコレが初めての出演となる。

80黒づくめの衣装がまさにピッタリのダークでハードなパフォーマンス。

90vそのハードなテイストの中にポップな要素が実にいい頃合いに混ぜ合わさっているところが小気味よい。

100v「今日は本当に晴れてヨカッタ!ありがとう!」
2曲目は昨年1月にリリースしたミニアルバム『high $pec』から「世界はきっと愛を知ってるんだ」。

110歌だけでなく、はなちゃんがドラムスでも猛然と暴れまくる!

120vこの曲もハード&ポップの魅力が炸裂!

125この日も多くのお客さんのハートがハコ詰めにされたハズ!

130vDOLL$BOXXの詳しい情報はコチラ⇒DOOL$BOXX Official Web Site

140「黒い集団ってコワいよね」
…恵子さんもスッカリ黒だけど。
「みんな笑わないんだよね…」
「そうです…(キッ)」
でもTOMO-ZOちゃん、結局ニコニコ。
FUKIちゃんも危うし。
やっぱり人前で笑顔を全く見せないというのもなかなか大変ことですナァ。
来る7月のワンマン・コンサートの告知をして、演奏とは正反対に物静かにステージを去った。

150イチロクサンマル時…午後4時半。
野音は時期にもよるけど、3時を過ぎると下手側の客席がが大分日陰になるんだよね。
昔は楽屋が古い木造の建物だったんだよ。

160ハード&ダークなアクトはまだまだ続くよ~。
Mary's Blood!

170EYE

180SAKI

190RIO

200MARI

210そしてYASHIRO。

220ハーフスタックのMarshallをズラリと背後に従えたSAKIちゃん。

230SAKIちゃんのMarshallはおなじみのJVM410Hと1960AのTattooシリーズ。
目立つ!

240グワ~!
ノッケからMaryサウンド全開!
曲は「World's End」。

2507弦ギターによるSAKIちゃんの痛快なソロが炸裂!

260続いては「ツキヨミ」。
一般的には「ツクヨミ」とされる日本神話の「月の神様」。伊勢神宮では「ツキヨミ」としている。
フ~ン、天照大神の弟なのか…。
やっぱり日本神話は一度シッカリ勉強しておかねばなるまい。

270これもハードやな~。
しかし、メロディは耳ザワリがよろしい。
コレがMaryの魅力のひとつだろう。

280MARIちゃんのバスドラムがスゴいんだ!
ギターに比べると、ドラムスの奏法は目立った革命があまりなかった。モーラーとか細かい技術の導入は別よ。
で、恐らくドラムスの奏法史上、最も大きな変革は1940年代のケニー・クラークが編み出したとされるモダン・ジャズ・ドラミングだろう。
それまでバス・ドラムがキープしていた4分のリズムを右手に移植して、ライド・シンバルやソック・シンバル(今のハイハット)がバス・ドラムの役割を担うようになった。
もうひとつは、ここ最近のバスドラムスの連打ではなかろうか?
従前はアクセントを付ける役割だったバス・ドラムがリズム・キープのツールになった。
大ゲサに言うと70年以上前のドラム奏法に「先祖返り」したということか?
390その凄まじいドラミングと完璧なコンビネーションで低音をひねり出すRIOちゃんのベース。
以前、ショウの初めにリズム隊2人だけのパフォーマンスを披露したことがあったが、誠にカッコよろしかったっけな。

290事務所の後輩を見守る恵子さん。
エライな~。
恵子さんはこの日は全く休む時間がない。
今回は大丈夫だけど、雨が心配な時は楽屋で「日照り乞い」をしている。

310しかし、この曲の歌詞スゲエな。
「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき」…あ、コレは藤村か。
「飄々と騒めく白菊は 散り急ぐように 終演を秒読み映して」…コレはEYEちゃん。
文豪の香りがするな。

320随所、随所で艶やかなソロを聞かせてくれるSAKIちゃん。

330そのたびに大きな歓声があがった。

350ステージの下手では寡黙にギターを弾き、誠実なコーラスでMaryサウンドをサポートするYASHIROちゃんにもたくさんの呼び声がかけられた。
YASHIROちゃんはまだこの後別のアクトでも大活躍するからね。

340「次の曲は皆さん、全員参加です!手を振って遊んでください!」
Mary's Blood、最後の曲!

360「It's Alright」!
ウ~ム、おもしろいな。

370_2…というのはMaryのステージは先ごろリリースしたアルバム『Revenant』のアタマ3曲をそのまま演奏したことになったこと。

380はじめっからそういう作戦だったのか、選曲が面倒だったのか…ナニはともあれノリノリのナンバーでIt's alright!

300Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood's Official Site

400「楽しい~!今年も『NAONのYAON』を楽しみにしていました!ついこの間までレコーディングをしていまして、11日前に発売されました。そして今日はその新譜の曲だけを演りました!」
なるほど!つまりその新作『Revenant』はスゴイ自信作ということだ。
「アレ?SAKIは今年泣かないの?」と恵子さん。
「泣いたのは2年ぐらい前だと思います。今年は大丈夫です…」
それじゃ、2年前の様子を見てみようか?

410Maryはオープニング・アクトとして『NAONのYAON』に出演していて、2016年に初めて本編に登場した。
SAKIちゃんはその感激が抑えきれず泣いちゃったんだよね。

210vそして、その後インタビューが長引いてゴング!
神取さんが出てきてEYEちゃんを担いで行っちゃった。
そして、今年…。

240_2アリャリャ!

420今回もEYEちゃん強制退場!

430<つづく>

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200

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年6月26日 (火)

【NAONのYAON 2018】vol.2 : 神取チーム、Gacharic Spin、GIRLFRIEND、おかまりん&稚菜

 

キャプテンの絶叫で締めくくったSHOW-YAメンバーの挨拶。
そこへ切り込んで来たのが乾いたゴングの音。
♪カンカンカンカンカンカンカンカンカン…「あ~、NAONのYAONへ来たな~!」って感じ?
パブロフよろしく、どこにいてもこのゴングの音を耳にすると自動的に「NAONのYAONの始まりだ~!」って思っちゃう。
神取チームの入場です!

G2 神取忍

580v井上貴子

590vそして、遠藤美月。

600vもちろん任務はショウがスムーズに進行させるための「時の番人」。
620「今年もビシビシ仕切っていくのでよろしく!」
「イヤ~、頼もしいわ~」と恵子さん。
ホント、頼もしい。
今年は犠牲者がどれくらい出るかな~?

610お、今度は恵子さん、美月さんに耳打ち。

625「テメェら~、最後まで盛り上がるんだゾォ~!!」

626「じゃ、さっそく行ってみよう!ま~ず~は~、Gacharic Spinだ~!」

640vNAONのYAONの常連、Gacharic Spinが早くも登場!

10「毎年、毎年、出演できることをうれしく思います!最後まで楽しんでいってくださ~い!」とFチョッパーKOGAの挨拶で始まった!

20vまるで野音に熱風がふきすさび出したような猛烈なパフォーマンス。
曲はおなじみ「赤裸ライアー」。

30TOMO-ZO

40vオレオレオナ

50vはな

60vそして、1号まい。
今日もまいちゃんのけん玉はバッチリ!

70v続いては4月11日にリリースされたニューアルバム『G-litter』のオープナー、「Redline」。
歌うははなちゃん。
「litter」か…イギリス英語ですな?
イギリスに行くと「Litter」と書かれた箱状のモノがそこら中に設置してある。

80ベースを持ち替えたKOGAちゃん、怒涛の低音が迫りくる!

90v今日のレオナちゃんはハンバーガーか~!
厚切りのトマトがうれしいね。
でも、動くの大変そう!

100まいちゃんは0.001秒も止まることがない!
楽器同様、音が聞こえて来そうなパフォーマンス。

110vソロにバッキングに大活躍のTOMO-ZOちゃん。
今日のギターはアイスクリームじゃないのね?
でも衣装がパフェみたい!
今度、浅草のひさご通りにあるフルーツ・パーラーに行ってごらん。

120v「次の曲はこの方と一緒に演りたいと思います!」とKOGAちゃんのアナウンスで呼び込まれたのは…
恵子さん!

130「次の曲は…テラダリック・スピン…行きます!」
「ガチャリック・ケイコ」とはならない。

140v「♪白い少女 迷いながら…」

150おお~!
ナニを演るのかと思ったら「流星少女」!

160コレが「テラダリック・スピン」か~!

170v恵子さんの歌声と4人の演奏が曲にマッチしてスゴイことになった!

1802016年にも『Different Colors』というタイトルの下、SHOW-YAとGacharic Spinのダブルヘッドライナー企画があったが、あの時はバンド単位での共演だった。2_0r4a0220 今日は完全に恵子さんがGacharic Spinに入り込む形でのパフォーマンス。

205vタオルを振り回すパフォーマー3人を背に熱唱する恵子さん。

200客席でもグルんグルン。

2_img_0047_2 「流星少女」は、この世に出て来た時から知っている私の思い出の曲でしてね。
これまで何回耳にしたかわからないけど、今日の演奏がまた新鮮に響く。

210vこのアクトのハイライト。
盛り上がったね~!!

230「ガチャと演るためにニコチンを6mgから1mgに減らしました!」という恵子さん。
それでもアタマがクラクラしちゃってるそうです。
じゃ、ついてにもう1mg減らしてみましょう!
7月には「テラダリック・スピン」でのワンマンも決定!
また「NAONのYAON」に端を発する伝説がひとつ増えそうだ。
 
Gacharic Spinの詳しい情報はコチラ⇒Gacharic Spin Official Web Site

240続いて初登場の4人組、GIRLFRIEND。

250ボーカルズ&ギターのSAKIKA。

260vギターのNAGISA。

270vベースがMINA。280vそしてドラムスがMIREI。

290v初の野音の1曲目は「ミライリスト」。

300ルックスの印象よりはるかにハードなギターリフで始まるドライビング・ナンバー。

310平均年齢17歳だって!

320「こんにちは~!メチャメチャ楽しいです!」…と大観衆を前にして堂々たるパフォーマンス。
350「次の曲で皆さんジャンプしてくれますか!」
2曲目はその名も「JUMP」。

340vメンバーそれぞれが曲を作るのだそうだ。
ギターのNAGISAちゃんは「2001年」生まれだって!
「2001年」って一体いつだ?
キューブリックもビックリしてら!

3_s41a0490 最後もはじけるようなナンバー。

3_s41a0488「キセキラッシュ」で出番を終えた。

3_s41a0463 「初めて見た時カッコいい!と思ったんだけど、平均年齢を聞いて腰を抜かしたよ!私がSHOW-YAに入った時が17歳なんだけど、人前でこんなに演奏できたかな~?でもしゃべると普通の女の子だね!」と恵子さん。
「リハーサルの時、緊張したけど恵子さんがいてくれたので安心しました!」

360ココでインタビューは若い人の間に浸透している略語の話題に…。
「JK」は「女子高生」の頭文字なんでしょ?
NAGISAちゃんは「LJK」だと言う。
恵子さんが「LJK」ってのは何の略かと尋ねると、「ラスト・女子・高校生」という返答。
なるほどネェ。
よせばいいのに恵子さん、「じゃあさ、『還暦前』はナンていうの?」と訊いちゃった。
「KRM(KanRekiMae)」とか「RBS(Right Before Sixties)」とかになると思ったんじゃない?
するとNAGISAちゃんの答えは「LNJ」と来た。
NAGISAさんの気転がスゴイ。

370「LNJ」…そのココロは「ラストの人生」だって!
恵子さんガックシ…。
  
GIRLFRIENDの詳しい情報はコチラ⇒GIRLFRIEND OFFICIAl WEB SITE

380さ、気を取りなおして…ステージに上がったのは「おかまりん&稚菜」。

390LoVendoЯから岡田万里奈。

400同じく宮澤茉凜。
この2人で「おかまりん」。カワイイ名前だな。

410おかまりんに稚菜が加わってのユニット。

4201曲目は「出発の鐘」。

430シットリした歌と演奏でコレまでとはステージの雰囲気がガラリ変わる。
カメラのクルーさん、大変です。
ま、私も同じようなもんなんだけど、日がな一日レールの上を上下に行ったり来たり。
そんな我々を慰めてくれるような静かな万里奈ちゃんの歌声…。

435「今年のテーマは80年代のアイドルです」
「必ず皆さんが口ずさめる曲」と紹介された2曲目は稚菜ちゃんの歌で「赤いスイートピー」。

440稚菜ちゃんの歌とピアノをフンワリと包みあげる茉凜ちゃんのギター。

450いい曲だな~。
聖子ちゃんの1982年のヒット曲。
ヒップホップなんてのがなかった時代の歌…ホッとするね~。
 
1982年ってスゴイことが起こってるんだよ。
それは、5月にヨハネ・パウロ2世がイギリスを訪問し、カソリック教会とエリザベス2世女王を宗主とするイギリス国教会が450年ぶりに仲直りをしたんだ。
コレはスゴイことですよ。
ヘンリー八世の時、すなわち16世紀初頭から続くゴタゴタだからね。
そのゴタゴタが原因で起こった悲劇をバンド名にしたのが明日登場するMary's Bloodだから。
ヘンリー八世の記事も続編を早く書きたいんだけど時間がない!

460「ステキ、ステキ!でも『紅いスイートピー』なんて世代じゃないでしょ?みんな趣味は何なの?」
万里奈ちゃん「釣りが大スキなんです。釣りばっかりやってます」
茉凜ちゃん「アニメ、ゲーム、競馬ですね」
恵子さん「アンタたちアイドルじゃないの?」
稚菜ちゃん「趣味は読書です…根暗なんです」
釣りの魅力を語る万里奈ちゃんの気合いがスゴかったね!

470<つづく>
 
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200_2  

(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年6月25日 (月)

【NAONのYAON 2018】vol.1 : オープニング・アクト & SHOW-YA

 
ハイ、お待たせしました~!
今日から『NAONのYAON 2018』のレポートを連載します。
今回はテレビの収録が入り、その放映も終わっているけど、Marshall Blogの『NAONのYAON』もゼヒお楽しみ頂ければ幸いです。
10今年も開催は4月29日。
今、何の日なんだっけ?…え、「昭和の日」っていうの?
マジで知らなかった…。
我々の世代だと、いまだに「天皇の誕生日」と認識する人が多いのではなかろうか?
そして、「4月29日」といえば『NAONのYAON』の日だ。

202008年以来、5年ぶりに開催されたのが2013年の4月29日。
私の「はじめてのNAONのYAON」にして、初Marshall Blogレポート。
今回で7回目の参加となるが、その間、夏のエキストラ公演を除くと、4月29日に開催されなかったのは2016年だけ。
この年の開催は6月12日でほぼ梅雨の時期だった。
野音のイベントは昔から天気との勝負だからね…この時はかなり雨が心配だった。
イヤ、2016年の開催にかかわらず、「いよいよ今年はヤバいか!」と、覚悟を決めて自分用とカメラ用のカッパを毎回撮影機材の中に忍ばせて来たんだけどね。
私も40年ぐらい前から野音に通っていて、多くはないにしても、何回か雨に当たっちゃったことはあった。
誰の時だったか、一度だけどうしようもないぐらいの豪雨に見舞われたことがあったな…。
そんな時、「雨の中の激演」とか言ってよくドラマ仕立てにして片づけちゃうけど、晴天の方がいいにキマってる。

30だから1年のウチで最もテレビの天気予報をチェックするのは、正月でもクリスマスでも、はたまた地元のお祭りの時期などでもなく、『NAONのYAON』を控えた4月の中旬ごろなのだ。
…と、毎年天気を心配しつつも恵子さんのパワーで、結果的には一度も本降りの憂き目に遭わないで済んでいるのは本当にありがたいことだ。
天気予報は雨、本番なんとかセーフ、終演後どしゃ降り…なんて時もあったもんね。

40で、今年は「雨の心配なし」だったでしょ?
ありがたいよね~。
春の晴天の野音…これほどシアワセなことはない。

50当日のリハーサルも終了し、開場を待つ『NAONのYAON 2018』。
ステージにはMarahallがズラリ。
やっぱりロック・コンサートのステージはこうでなきゃ!

2_0r4a0015 そして、オープニング・アクトで使用されるNATAL。
おかげさまで「NATAL」ブランドも多くの方にその名をご認識頂けるようになりました。

70今年も客席はビッシリ!
また書いちゃうけど、天気の心配がない…ってのはうれしいね~。
コレが「夕方から雷雨間違いない」とか言われてみなよ。
取りあえず、そんな予報を出す気象予報士をブン殴りたくなるのが人情というモノだぜ。

802時15分…。
「こんにちは!寺田だぁ!今日はお天気でヨカッタねぇ!」
恵子さんの影アナ。
定刻通りにオープニング・アクトが始まった。
「3月28日行われた『Cute girls Live~ROAD TO NAONのYAON』でオープニング・アクト出場権を獲得したバンドの演奏がはじまります!」
 
最初に登場するのは軽音楽部の追加枠で出演する「もんすてら」。
神奈川県は茅ケ崎市、鶴嶺高校の3年生。

100キーボーズ&ボーカルズのパピコ。

110vギターのみそりん。

120vベースのみくりーむ。

130vドラムスはワイリナ。

140v「モンステラ」って観葉植物のことか…。
コレよく見るよね。

Mon 2018年の『NAONのYAON』の最初の「音」となった「もんすてら」。
曲がとてもヨカッタ。
そして演奏はモンステラのようにみずみずしかった!
 
「もんすてら」の詳しい情報はコチラ⇒Twitter

150続いては軽音楽部枠でグランプリを獲得したSEED。
こちらも神奈川県からで、厚木高校県音楽部の皆さん。

160ボーカルズの「かんな」。

170vギターは「みおな」。

180vキーボーズは「かの」。

190vベースに「もえ」。

200vそしてドラムスは「まい」。

210v実はね、私はこのチームを知ってるの。
つまり、SEEDは以前Marshall Blogに登場したことがあるのね。
アレは毎年10月1日の「都民の日」に開催されているイベントに出演した時だった。
今の若いバンドさんは、「人と違うことをやる」より「人と同じことをやる」のに一生懸命のように見えるのね。
そこへ行くとこのバンドは、チョット昭和歌謡っぽい、他の子たちが演らないような音を出すでしょ?
だからすごく印象に残っていたの。
今回、カメラのファインダーを覗いてすぐに思い出した。
 
SEEDの詳しい情報はコチラ⇒Twitter
0_img_0007 舞台そでから見守る恵子さん。
登場前のルーティン。

220vオープニング・アクトの最後を飾ったのがインディーズ枠でグランプリを獲得した「fleufleu」。

230ヴオ―カルズとギターはCanaco。

240vドラムスはMimo。

270vベースは「わかざえもん」。

260vギターのKAHOちゃんは昨年Chelsyというバンドで出演したよね。

250vこのチームも切れ味の鋭いサウンドでオープニングをカッチリとまとめ上げてくれた。
 
fleufleuの詳しい情報はコチラ⇒fleufleu Official Website

280vココまでは毎年同じ。
オープニング・アクトが終了すると、時刻は3:00PM。
『NAONのYAON 2018』本編のスタートだ。
今年はどんな展開になるのかな?!
前回は大人しめに始まったけど…。

290白煙とともにステージに現れたのは…

300SHOW-YA!
今年はそう来たか~ッ!

310寺田恵子

320v五十嵐sun-go美貴

330v中村美紀

340v仙波さとみ

350v角田mittan美喜

360v1曲目はsun-goさんの奏でる轟音リフから。

370vその轟音を出してるのはMarshall。
sun-goさんはJVM410Hと…

3801960BDM。
SAKIちゃんの白いMarshallの向かって右隣のヤツね。

390曲は「私は嵐」。
もう今日は雨の心配がないから「嵐」でも「水の中」でも大丈夫!

400v「♪私はあ~ら~し~」
1曲目から大合唱。
休日出勤している厚労省のヤツら驚いてるゾ!

410vsun-goさんのギター・ソロから…

420vさとさんのベース・ソロ!…と言いたいんだけど、この日はテレビカメラのレールが敷いてあって、いつものように下手のベースのところへスッ飛んで行かれない!
私の一番の見せ場なんですけどネ。

430vイヤ~、でもよかった…さとみさん、おかえりなさい!
今までのウップンを一発で晴らすかのような豪快なプレイとアクション!

440vそして、大急ぎで戻って来て…

450_2「嵐」ポーズ!

460v『NAONのYAON』でこんな明るいウチからSHOW-YAメンバーが舞台に揃うことはなかったからね。

470vお客さんは当然大よろこびなんだけど、SHOW-YAのメンバーも実に気持ちよさそうに演奏していた。

480v「今年も野音にやって来たぞ~!」

490v演奏後、熱狂的な歓声に包まれながら舞台中央に集まるSHOW-YAメンバー。

500ひと言ずつご挨拶。

G1 「暑いけど身体に気をつけて最後まで楽しんで行ってね!」

510v「本日はお日柄もよく…このようなお天気に恵まれたのも皆さんのおかげです!最後まで楽しんで行ってください!」

520v「今回も最高のメンバーが控えています。盛り上がって行きましょう!」
おかえりなさい。

530v「私も楽しみたいと思います!」

540v恵子さんがキャプテンに何かを耳打ち…。

550「テメエら~!行くぜ~!」

560v「アタマから最後までサポートして行きますのでよろしく!」
『NAONのYAON 2018』が始まった!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

570v<つづく>
 
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200
(一部敬称略 2018年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2018年6月24日 (日)

IOSIS始動!

  

アルファベットの「I」で始まる名前のバンドってナニが思い浮かぶ?
テリー・スミスとジェフ・ホワイトホーンで「If」、ゲイリー・ボイルの「Isotope」、フィル・ミラーの「In Cahoots」、ビヨルン・イエロッテは知り合いで「In Flames」。
ウチのCD棚に入ってる「I」はコレぐらいか…。
あとIron Maidenがいるな。
音は聴いたことがないけど、Indian SummerとかIt Bites、それにINXSとかIncubusっての?
他にナニがある?
お!I Don't Like Mondaysがあるじゃん!
いずれにしても「I」で始まる名前のバンドはそう多くないハズだ。
「Q」も少ないな。今、棚を見たらQueenとQuintessenceとQuatermassしかなかった。
 
さて、その「I」バンド、新たに仲間に加わるチームが日本で誕生した。
その名はIOSIS(イオシス)。
やってみたことはないが、外人はまず「イオシス」とは発音しないだろうな。
「アイオウシス」ってところかな?

10今日のレポートはそのデビュー・ライブから。
編成は4人のメンバーに、この日はサポート・ギタリストが加わった。

20ギターの真壁雄太がTORNADO GRENADE解散後、満を持して立ち上げたのがIOSISなのだ。
「IOSIS」というのは信奉する先輩のギター・プレイヤーが以前にやっていたバンドの名前で、雄太くんはそれを譲り受けたのだそうだ。

40vボーカルズに鷲塚真志。

30vベースは成。

50vドラムスは横田 拳章。

60vそして、サポート参加の松尾祐。

70v「真壁」と言えば、『隠し砦の三悪人』!
チガウチガウ、真壁といえばヘヴィメタル。
となれば、当然相棒はMarshall。

80この日も愛用のSilver Jubilee 2555Xとおそろいのキャビネット2551BVで臨んだ。

90vドラムスの横田 拳章はNATAL。
メランコリック写楽の時から引き続いてNATALのブビンガのキットを使用。

100v何かとデカいこのキットが破天荒なグルーヴマスターにベストマッチする。

110サポート参加の松尾くんもMarshall。

120JCM2000 DSL100と1960Aだ。

130vオープニングは冒頭の写真にあるデビュー盤に収録されている「Never Look Back」。

140デビューのショッパナを飾るにふさわしいイキのいいスピード・チューンだ。

150v中間部のギター・ソロの作り込みがいかにも雄太くんらしい。
客席から盛んに「真壁コール」がかかっていた!

160高校時代からの仲間、憲章くんとの相性もさすがバツグンだ。
後先を全く考えていないような、この人の規格外のドラムはホントに気持ちがいい。

180v続いては「Freesia」という曲。

190長いステージならともかく、短い持ち時間の時は絶対に速い曲しか演らない…というのが真壁流。
そうそう、それでいいのだ。
この曲も当然カッ飛ばして行くパターンのヤツだ!

200v雄太くんが以前から組んでみたかったという松尾くんは、カッチリとサポート仕事をこなしていく。

210雄太くんからご挨拶。
この日はHeartsの19周年を記念する『METAL HEARTS 2018』というイベントだった。
「記念すべきイベントに出れてうれしいです!METAL HEARTSに出演させてもらうのは今回で3回目で、2016年はTORNADO GREBADOのハッピーな時。
2017年は解散直前…。
そして、2018年はIOSISのお披露目でとてもうれしく思っています!」

220v3曲目はCDに収録されている「Cold Dusk」。

225ハードめなギター・リフから…

300急速調の「♪ズタズタ」・ビート。

240コレが今の若い子たちのハード・ロックあるいはヘヴィ・メタルのテイストなんだよね。
我々の世代が夢中になったハード・ロックと趣を大きく異にしている理由のひとつはメロディ。
昔はこういうメロディでロックを演ることは絶対になかった。
歌詞も同様。

250もうひとつ大きく異なるのがシンガーの声だろうね。
もう一度書くが、コレが今のハード・ロックでありヘヴィ・メタルなのだ。

2_img_0127ブッ速い曲が次から次へと現れてステージが進行していく。
客席も盛り上がっていたよ~!

235コピーは一切なし!
レパートリーがオリジナル曲で貫かれている所がうれしい。

260「Somehow」、「Love Bite」、「PROMISE」と続く。

280メンバー紹介の後、「これからもステップアップしていくのでよろしくお願いします!」と鷲塚くんのMCがあってステージは最終セクションに入った。
320「Twilight」…

305そして「Forever」で5人が燃え尽きた!

2_img_0285

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310v

290vお客さんのウケも上々だったIOSISのお披露目公演。

330演奏も完璧でとてもうれしそうだった雄太くん。
とにかく続けること!
すぐ止めちゃ絶対にダメだぞ!

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200  

(一部敬称略 2018年5月4日 西川口Heartsにて撮影)

2018年6月20日 (水)

おどろ曼荼羅~人間椅子 2018年春のワンマンツアー

 
今日は久しぶりの人間椅子。
調べてみたところ、2015年以来、3年ぶりにご登場頂くこととなる。
…ということで…イヤ、というワケではないのだが、エリを正してレポートするべく、江戸川乱歩の「人間椅子」を読み返してみた。
中学1年生ぐらいの時以来かな?コチラは3年どころか40年以上の月日が流れている。
  
いいね。実にいい。
書簡体小説っていうの?
読者に語りかけて来るようなリズミカルな筆致で、手紙の書き手の話にグイグイと引っ張り込まれてしまう。
でも、コレだけ様々な事物が氾濫している世の中、今の人たちはドンデン返しが途中で読めちゃうかも知れないナァ。
さて、この小説の結末…私はコレは手紙の送り主の創作なんかではない…つまり「現実に起こっていること」と読んでいるのだが、そうでなんでしょ?つまり再ドンデン返し。
この小説が発表されたのは関東大震災の翌々年の1925年、すなわち大正14年。
「大正ロマン」なんて言葉を時折耳にするけど、あの「小口末吉事件」といい、今から100年弱前の事象が今の時代と地続きになっているとはどうも考えにくい。
いつもMarshall Blogに書いているように「利便性と風情の反比例」がココでも確認できるような気がした。

10今日は4月4日にリリースされた人間椅子のミュージックビデオ集、『おどろ曼荼羅』の実演販売。
「実演販売」とはうまいこと言ったもので、要するにレコ発。
会場DVDとBlu-rayを販売し、そこに収録されている曲を中心に生演奏するのだから、なるほど「実演販売」なのであ~る!

30v_dvd_2会場は渋谷TSUTAYA O-EAST。
全国11か所を巡るワンマン・ツアーの千秋楽。
客電が落ち、会場にお鈴の音色が響きわたる。
「此岸御詠歌」が流れる中、姿を現した人間椅子の3人。

20和嶋慎治40v鈴木研一

50vナカジマノブ

60v1曲目は昨秋のアルバム『異次元からの咆哮』から「超自然現象」。
1_0r4a9809和嶋さんは少し前に犬神サアカス團の『犬フェス』というイベントでMarshall Blogにご登場頂いた。
しかし冒頭に記した通り、Marshall Blogで人間椅子として和嶋さんにご咆哮頂くのは本当に久しぶりのことだ。

80vノッケから人間椅子のカタマリのようなサウンドに満員の客席の興奮が爆発する!

90続いて2016年の『怪談 そして死とエロス』から「地獄の球宴」。

100v_jkノブさんが猛烈にバンドをドライブさせる「生首」チューン。
もはやこのサウンドに「首実検」は不要だ!

120v和嶋さんのソロ。
天保年間、青梅のあたりに生首を持って歩き、それを質草に取れと言って、イヤがる質屋から金を強請するひどいヤツがいたらしい。
詳しい話はまたどこかで…。

110もちろん和嶋さんはMarshall。
愛用の1972年製の1987と1960TVのコンビネーション。
1251960TVってXキャビネットよりチョコっと背が高いだけなのにものすごく独特な音を出すんだよね。
和嶋さんはさらにSGで個性を際立たせる。
ザル・クレミンソン、アンガス・ヤング、かつてのザッパ…MarshallとSGを組み合わせるギタリストに凡庸な人はいない。

126v「こんばんは人間椅子です!お仕事の後に駆けつけてくださってありがとうございます!」
この日は金曜日だったからね。
いつの間にかコンサートといえば土日が当たり前となってしまって、平日の開催が罪悪みたいになって久しい。
月曜日は「週明けにもかかわらず」
火曜日は「火曜日にもかかわらず」
水曜日は「週の真ん中にもかかわらず」
木曜日は「一週間で一番疲れる日にもかかわらず」
金曜日は「明日休みにもかかわらず」
土曜日は「お休みにもかかわらず」
日曜日は「明日仕事にもかかわらず」
…コンサートに行く日がないじゃん?!
昔はこんなこと言わなかったんだけどね~。
 
「北は北海道、西は沖縄まで、DVD『おどろ曼荼羅』の実演販売をやってまいりました。
さぁ~、ファイナルです!
生演奏で皆様と楽しさを共有していきます。今日は生配信もしております!
実演販売は皆様のご協力の上に成り立っております!」

130早速『おどろ曼荼羅』収録の1999発表の「幽霊列車」。

140v_yr不吉なダブル・ストップが耳に突き刺さる。
しかし、やっぱりロックはヘヴィな8ビートに限りますナァ。

150サビの展開が素晴らしい。
コレはEm→E/C→A/Db→C→Emになってるのかな?
こういうクロマチック・テイストが人を感動させる…と私は思ってる。
「メロディ、リズム、ハーモニー」が音楽の三要素だとするなら、「半音、変拍子、不協和音」こそ人を感動させる音楽に必要な「毒素」だ。
この毒の味を覚えてしまうと、そう簡単には解毒できず「音楽」という深い森に迷い込む一方だ。
私は40年以上そこから抜け出ることができず、今は「現代音楽の森」をさまよっている。

160v鈴木さんが「レアな曲」と紹介したのは「悲しき図書館員」。
2014年リリースの25周年を記念したベスト・アルバム『現生は夢』からのチョイス。

180_ktク~、典型的なブリティッシュ・ヘヴィ・サウンド!
タマりまへん。

190しかし、和嶋さんのロック・ギター然としたサウンドの素晴らしいことよ。
Marshallがあるからこの手の音楽があるのか…この手の音楽のためにMarshalがあるのか…答えはその両方なのだ。
どちらが欠けても存在しえない音楽なのだ。

200v「本の虫」が主人公のこの曲。
本といえば、ロンドンならチャリング・クロス、日本なら神保町。
その神保町についてチョット面白いことを知ったので脱線させて頂く。
神保町の古本屋さんというのは店舗間でシッカリした蔵書のネットワークを持っていて、各店が持っている関連図書を即座に集めることができるらしい。
かつて、井上ひさしが「タヌキ」に関する小説を書く時、神保町からタヌキに関する本が1冊もなくなったという…ホントかどうかわからないような話は以前にも書いた。
で、この古本屋さん、ほとんどの創業者が新潟の長岡出身の人たちだったらしい。
実際、風呂屋と古本屋は新潟の人が多いらしいのだが、大橋佐平という人が一番最初に「博文社」という古本屋を開いて成功を収め、取次会社、印刷所、広告会社等を併せて開業し、日本最大の出版社に育て上げた。
「出版コングロマリット」ってヤツですな。今でも「博文館新社」や「博友社」として存続している。
その大橋佐平は。故郷である長岡の困っている人たちを東京に呼んでは神保町で古本屋を開業させたのだそうだ。
ナゼ長岡に困った人達がいたのかというと、幕末期、旧長岡藩は強硬な佐幕派で薩長に盾突いたため賊軍とみなされ、明治新政府となった後も官職につけない等、冷や飯を食わざるを得ない人が多く、自力で何とかしなければならなかったからだそうだ。

6「レアな曲を演りました。この後、10年は演りませんよ」という、今日は大変貴重なコンサートだ。
「昔は小芝居をしていましてね…。でも、最近はそれがなくなってきました。できる役が少なくなってるんです。」
「お坊さんの役しかできない」とおっしゃる。
もうひとつ、「江戸時代のお医者さんの役」というのはいかがであろうか?
こんな話がある。
当時はお坊さん同様、お医者さんも剃髪するのが普通だった。
そして、お坊さんたちが吉原に遊びに行く時(ホントはダメなんですよ)、さすがに僧侶の格好のまま行くのはマズイので、お医者さんのフリをしたのだそうです。

210v「私の場合は、占い師か書道家かホームレスです。この姿で街を歩いていると、『炊き出しどうですか?』と声をかけられる、公園の似合う男でです。
今度のDVDは遊び人(ノブさんのこと)とお坊さんとホームレスで小芝居しましょう!」

220v続いて「怪人二十面相」。
怪しげなイントロに続く切れ味鋭いリフ。
こういう典型的なリフ曲が若いバンドの中では完全に絶滅してしまっている。
寂しい限りだ。
「ロック」が一番「ロック」たるスタイルだと思うのだが…何とかしないと!

230_k20後半で現れる和嶋さんのフェイザーをかけたボトルネックのプレイも印象的だ。
しかし、怪人二十面相が今の時代にタイムスリップしたら苦労するだろうナァ。
防犯カメラだらけだからネェ。
悪事に風情は必要なかろうが、ロマンがないよ。

1_0r4a9986 「はいはい、コレね…Gibsonのダブルネックでありま~す。高松で楽器屋さんに弦を買いに行った時に買ってしまいました!」
弦はオマケしてくれたという。そりゃ、そ~でしょ!
弦の買い物でダブルネック、さすが和嶋さんである。
きっとダブルネックが「連れて行ってください!」と和嶋さんに声をかけたのであろう。
イヤイヤ、こういう話をよく聞くが、そんなのウソウソ。
声をかけるのはギターではなくて店員さんですね。後はノリと度胸との戦い…と思ったら、鈴木さんの「早くキメろ~!」のひと声で買っちゃったとか。
やっぱり弦を買いに行って59年製のレス・ポールを買っちゃったイギリス人のギタリストを知ってますよ。

260せっかくなのでココで12弦ギターのデモンストレーションとなる。
「Hotel California」から「Stairway to Heaven」。
「天国への階段」は和嶋さんが最初にコピーした曲だとか…。

270そして、ダブルネックを使って1991年の「夜叉ケ池」。

280_yiジンタ風の導入部。
ナゼか「Moonchild」を連想してしまうのは私だけだろうか?

290vそして、曲は表情を変え…

300vハードにドライブ!

240vワウワウを踏みながらの鮮やかにギター・ソロがキマった!

310v「ありがとうございます!ファイナルなのでいつもの倍演ってしまいました!」
次は「ボクらが作らないでどうする?」とオファーを快諾したというBSジャパンの三島由紀夫の連続ドラマ『命売ります』の主題歌。

320v曲はドラマのタイトルと同名の「命売ります」。
三島由紀夫は、1925年の生まれ。冒頭に記した通り、奇しくも江戸川乱歩が「人間椅子」を発表した年だ。
そして、市ヶ谷の大本営で割腹自殺をしたのが1970年。
私が小学校2年生の時で、テレビで大騒ぎしていたことだけはよく覚えている。
ナニを騒いでいたのかはサッパリわからなかった。
その2年後が「あさま山荘」だもんね。
スゴイ時代だった。
「あさま山荘事件」は頭脳警察の影響で高校の時に何冊も本を読んだっけナァ。
四人囃子の岡井大二さんと話てたんだけど、昔はこうして「あさま山荘事件」とか、「吉展ちゃん事件」とか、ひとつの犯罪が固有名詞になったけど、今はもっとヒドイ事件が日常的に頻発していて、事件に名前など付けている暇がないんだよね。
こんなことひとつ取っても世の中がドンドンひどくなっているのがわかる。

330_iu
ノブさん、もろ肌!
それほどのスピード・チューン。

3_s41a0504 プレシジョンに持ち替えた鈴木さん。
それにしてもこの曲がTVドラマの主題歌とは!
さすが人間椅子。
「全国のお茶の間に毒を撒きたいと思って作りました」と和嶋さん。
それならナットク。
やっぱり音楽の魅力は「毒」にあるのです。
3_s41a0315ク~、コレもタマらんな~、2003年の「東洋の魔女」。
「♪娼婦の知恵に処女の無知」…バレーボールの歌ではない。

350_tm曲の情景がコロコロと変わってサマが何とも気持ちいい。
それと「ベイベ、ベイベ」。
今、こんな曲を演っているチームは世界で人間椅子だけじゃないかね?
でも、鈴木さんによれば「今日限り」とか!

360「今回は沖縄も行って来ました。アロハ持って行ったのに寒かった…。人間椅子は北国の風を持ち込むんですかね?」
灼熱の陽光の下で「賽の河原」はチョット…。
「昭和の子は『1999年に世界が終わる』と思っていたんですが、そんな子供が大人になって作った曲です」
「ノストラダムスの大予言」ですな?
アレもすさまじく流行りましたな~。
調べてみるに、1973年か…私は小学校5年生。
クラスの子はみんな騒いでいたけど、アマノジャクの私は全く興味がなかった。
あと「紅茶キノコ」も。
今みたいに庶民の楽しみが多様化していなかったせいか、昔は「流行りモノ」のパワーが生半可じゃなかった。
今はナニかが流行しても熱中度が低く、短命で終わっちゃうよね。
何でもある代わりに、人の心に残るモノが極端に少なくなったように思う。
音楽が一番いい例だ。
370
世界が滅亡してから17年後の2016年の作品、「恐怖の大王」。

380_kdノブさんのシャープなハイハット・ワーク!
しかし、ホントに曲調がバラエティに富んでいるナァ。

390ド迫力のキメから和嶋さんのソロ!
カッコいい曲だにゃ~。

4002004年の『三悪道中膝栗毛』から「洗礼」。

410v「膝栗毛」といえば…。
最近、チョットだけど「街道めぐり」を楽しんでましてね。
イヤ、正確に言うと、古い町並みを訪れるのがスッカリ面白くなってしまったのだ。
古い町並みというのはたいてい宿場の名残で街道筋に面しているから自動的に街道をめぐることになる。
下は名古屋にある「絞り」で有名な有松。
絞りといえば藍。
江戸時代の「藍百姓」の悲惨な生活について近々書き記す予定。
有松は宿場ではなくて、「中宿」といって宿場と宿場の中間にあるオマメ的存在。

420v街道巡りで驚いたのはコレ。
この石畳みの細い山道は「中山道」。
国道で言えば19号線。
42番宿の妻籠から43番宿の馬籠へ向かう途中の道。
江戸末期、京都の天皇家から14代将軍徳川家茂に降嫁した和宮親子内親王は、江戸へ向かう際、東海道ではなく中山道ルートを選び、実際にこの石畳みの山道を進んだ。
進んだのはいいけど、その一行の人数たるやナント3万人!
行列の長さは50kmにもおよび、沿道からは犬猫さえも遠ざけられたという。
こんなところを3万人が一気に通過したとは…。
実際、荷物が多くてメッチャ大変だったらしい。
ちなみに「膝栗毛」とは「徒歩による旅行」のこと。

430vいかにも人間椅子チックなヘヴィ・チューンは和嶋さんのソロで終結する。

440「すご~く久しぶりに演ります」と、曲名を告げるなり大きな歓声が沸き上がったのは「水没都市」。

450_st1992年のアルバム『黄金の夜明け』に収録されている曲。
オッ、このジャケットの左下に描かれている塔は「浅草凌雲閣」!?12浅草凌雲閣は1890年に竣工した日本で最初の電動式エレベーターが設置された展望塔。
1923年の関東大震災でポッキリいっちゃった。
仁丹塔もスペース・タワーも、また花やしきのグルグル回る乗り物のタワーも無くなってしまって、今、浅草にある塔といえば、やはり花やしきのコレだけ。上がって落ちるだけの古式ゆかしいアトラクション。
ま、ナニをどうしたってお隣りのスカイ・ツリーにはかなわないもんナァ。

2_2img_6777 鈴木さんのベースのアルペジオにボトルネックを乗せる和嶋さん。
実にクールなアレンジだ。
4609分にも及ぶ壮大なドラマ。
すごく久しぶりに取り上げられたということもあって、このコンサ―トのハイライトのひとつだったのではなかろうか?

3_s41a0088 「オレのことアニキと呼んでくれ~!」
キタキタキタ~!ホンの14年前に加入したというノブさんの歌のコーナー!

480v今回の曲は『異次元からの咆哮』収録の「悪夢の添乗員」。

490v三途の川に針の山…ノブさんとのハードな地獄めぐり!

500ノブさんの歌で始まったコンサート最後のセクション。
続いては「地獄のヘビーライダー」。

510_jhrこの曲も『異次元からの咆哮』からのチョイスだ。
自身のシグネチャー・モデル「冥王~Pluto」に持ち替え、和嶋さんのギターがますます冴えわたる!

520v間髪入れずに『無頼豊饒』から「迷信」。
610そして、本編を締めくくったのは定番「針の山」。

3_s41a0082 期待通りの展開と3人の大熱演に客席の熱気はもはや阿鼻叫喚の焦熱地獄!

550

570v

600v緩急自在、古今東西、充実のセットリストにお客さんも大満足の本編だった!

540vそしてアンコール。
「今回の実演販売会、熱のこもったいい演奏ができております。
メンバーも歳を取りました。
鈴木くんはだいぶ大きくなりました。
ノブくんが入って14年…変わっていないと思っていたけど、ダルマになったよね。
ボクも髪の毛が真っ白になりました。そして、ドンドン痩せてるね。
それでは、髪の毛が黒かった頃の曲を演っちゃっていいのかと思いますが、いいでしょうか?」

620v運命を感じさせるさせるイントロから…

630v極悪ベース・リフが炸裂するのは…。

660v…2009年の「浪漫派宣言」。
歌詞の中に「愛が ぞめく」とあるんだけど、「ぞめく」ってわかりますか?
ココでは「浮かれ騒ぐ」というぐらいの意味なのかな?
大店(おおだな)の放蕩若ダンナが、あんまり吉原が好きすぎて自分の家の二階に遊郭を作ってひやかして歩く…という艶笑噺がある。
題名を「二階ぞめき」という。
この「ぞめき」は「ひやかし」という意味。
「ぞめく」なんてのも絶滅しかかっている日本語のひとつだろう。
こうして音楽や落語の中で日本古来の言葉がひとつでも多く生き延びていってもらえたらうれしいね。
この曲の歌詞はベートーベンからワーグナーまで登場して、「和嶋レトリック」の見本のような内容で楽しいね。
イントロのメロディの意味が理解できるというものだ。

650v「ダ~イナマイト!!!」

640vグワ~!まさに「桜級」のダイナマイト・チューン!
コレも以前にも書いているんだけど、こんなプレイを目の当たりにするとまた書いてしまう!
ダイナマイトには「桜」とか「松」とか「竹」とかいうグレードがあって、含有されているニトログリセリンの分量によって分別される。
実際に鉱山の発破技師から聞いた話だが、ダイナマイトというモノは食べることができるらしいのだ。
昔、山奥の飯場では薄切りにしたダイナマイトを肴に酒を飲んだという。
甘みがあるらしい。
グレードによって味も異なり、やはり取り扱いが一番危険な「桜」が一番おいしいらしい。
ダイナマイトつながりでついでに書くと、1953年のフランス映画に『恐怖の報酬』という作品があった。
化学工場で火災が発生し、鎮火するためには現場を爆破するしかなく、それに使用するニトログリセリンをトラックに載せて悪路を進むというハラハラドキドキのストーリー。
この仕事を引き受けるのが、主役を演ずるイヴ・モンタンとその相棒。
彼らの役名が「マリオ」と「ルイジ」。
私はコレを知っていたので、ゲームの『スーパーマリオブラザーズ』が出て来た時、ハハンと思った。
だから何だ?と訊かれれば「それだけ」の話。

670ノブさんのドラミングも大爆発!

690アンコールは2曲で収まらず、3人が再びステージに上がり、和嶋さんからひと言ご挨拶。
「おかげさまでツアー・ファイナル、素晴らしいライブになりました!LINEライブ・アーカイヴとして観ることができるそうです。
お名残惜しゅうございますが、次にお会いするその時まで!」
…と、「どっとはらい」を演奏。

680最後の最後まで繰り広げられる熱のこもった激演!
「どっとはらい」とは「おしまい」とか「めでたし、めでたし」とかいう意味なのね?

700全18曲、充実のライブ・ステージだった!
次から次へと出て来るかカッコいいリフにトリハダが止まらなかったよ!
こうして『おどろ曼荼羅~人間椅子 2018年春のワンマンツアー』を締めくくった…どっとはらい。

710人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

720DVD&Blu-ray『おどろ曼荼羅』よろしく!

730v 

200 
(一部敬称略 2018年4月27日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2018年6月12日 (火)

ヒロコマンBIG BAND 春パーティー!! <後編>

  
ヒロコマンBAG BANDの『春パーティー』の第1部が終了し、休憩時間に入った。
この休憩時間を拝借して少し自分の過去について書きたいと思う。
ま、しょっちゅう書いてるけど、今までに触れたことのない私の白歴史だ。
まずは私の名言から…
  
「青春」とは己を知らない時期を指す
 
つまり、どういうことかというと、ワタシ、大学の1年生の頃までは本気でプロのロック・ギタリストになりたいと思っていたのですよ。すなわち40年前の話ね。
「若さ」というものは美しいまでに無謀だ。
当時は今みたいにバンドの数も多くなく、ライブハウスのような演奏をする場所も極端に少なかった。もちろん「インディーズ」なんて言葉もない時代で、「デビューする」というのはメジャーのレコード会社から音源を発売することと同義だった。イヤ、それが「デビュー」ということだった。
そもそも、少なくとも私の周りでは「音源」なんていう言葉も当時は使われていなかったし、「楽曲」なんて言葉も耳にすることはなかった。
さらにコンサートに行くことを「参戦」だなんて言わなかったし、ましてや「ツーマン」だの「スリーマン」だのという、みっともない言葉もなかった。
ま、「ロックがまだおカタかった時代」とでもいうのかな?
それだけにライブハウスに出ているお兄さんたちはロックのカタマリみたいなスゴイ人たちばかりで、カッコやファッションで音楽をやっている人はまだ少なかった。
今にして思うと、まだ、英米に追いつき追い越せ!と日本のロックを確立するのにみんな躍起になっていた時代だったんだな。
それに「30歳までにデビューしなかったらまず芽は出ない」とされていて、それでもバンドを続けている人はアタマがおかしいか、家に金があるか…のどちらかと言われていた。
そんな世界に高校の文化祭に出て校内でチヤホヤされる程度のワタシなんかが行ってごらんなさい。
いくら私でもそんな中に入れば、自分に才能がないぐらいのことはわかるじゃん?
「このまま続けていても人生を棒に振るだけだ!」と思い、3年生の時に学校にシッカリ戻ったワケですよ。
ちゃんと堅気のカイシャに就職するために…。
朝早く起きて1年生に混ざって体育の授業を受けたりして、とにかく単位を取り戻すのが大変だった。
それで、今でもそうなんだろうけど、就職試験を受ける時には部活をやっていないとツブシが利かない…ということでナニかクラブに入ることにした。
まさか、少林寺拳法を始めるワケにもいかないし、カバディはその頃まだなかったし、将棋は回り将棋しかできないし…。
で、やっぱり音楽系のクラブに入れてもらうことにした。
それとて今更オーボエなんか咥えたところで音が出るワケないし、そもそも譜面に弱くてラチがあかない。
かといって、プロに交じってひと通りライブハウスなんかを経験しているもんだから、ロック系のクラブもツマらない。
その頃のロックは右を見ても、左を見てもパンクだ、テクノだ…の時代で、世に出て来る新しいモノにウンザリしていて、しばらく前からロックから離れ、サッパリわからなかったけどジャズにのめり込んでいた。
それで、ビッグバンドに入っていたクラス・メイトに相談してみた。
「ウッシーならゼンゼン平気だよ。バンマスだってできるんじゃない?」…んなワケね~だろう。
でも軽薄な中にもシッカリした誠実さを持つその友人は、すぐにオーケストラに本話をつけてくれて本当に入部させてもらうことになった。
もう3年生も半ばのことだった。
私は明治大学だったので、そのオーケストラはBig Sounds Society Orchestraということになる。

10ここから秘蔵写真が続く。
下は冬の合宿のようす。
山中湖のスタジオつきの民宿。

20エラく寒かったけど楽しかった。

40vコレのために分割で中古のGibson ES-175Dを買ってね~。

50v_2以前の記事に、イギリスで開かれたジム・マーシャルのお別れの会に出席するために、当時持っていたほとんどのギターを処分したことを書いた。
でもこのギターは手放さなかった。
まったく大したギターじゃないけど、思い出がたくさん詰まってるからだ。

60vコレはFM東京のスタジオ。
大学のビッグバンドを特集した番組があって、それのレコーディングの時のようす。
ギターはブースが別になっていたのであんなところからみんなの所を覗き込んでる。
70_2コレは夏の合宿の時のようす。
千葉のどこかのスタジオつきの民宿。
確かロサンゼルス・オリンピックが開催された年で、トランペットの連中があのジョン・ウイリアムスが作曲したテーマ曲を吹いていたのを思い出す。
楽しかったナァ。
私は根っからのヘソまがりのワガママで、生来団体活動がすごく苦手でしてね。
実はコレが生まれて初めてチャンとやったクラブ活動だったの。
そんなだから、年に一度のクラブ活動の集大成となるリサイタルの前に行われる合宿の最終日の打ち上げで号泣しちゃってサ。
私みたいなヤツを途中から快く仲間に入れてくれてサ…みんなで面倒をみてくれてサ…それで友達っていいなって…ああ、思い出しただけでまた涙が出て来る。あんなの初めてのことだった。
そしたらもらい泣きすつヤツが何人も出て来てね~。
「ウッシー、泣くなよ!オレまで涙が出て来ちゃったじゃないか!」…なんて。
それでもああいう時に何でもないヤツもいるんだよね。
この写真の一番左の手前の人がそう。
サキソフォン界の重鎮のひとり、今尾敏道。
「ナニナニ、みんなナンで泣いてんのッ?」と涙ひとつこぼさなかった。
彼とは映画の趣味も共通で、今でも時折連絡を取り合っている。
チョット前も電話で遊郭の話をして盛り上がった。

30そして、いよいよ迎えた最後の演奏、リサイタル。
会場は有楽町のよみうりホール。
今は下はビックカメラになっているけど、当時は「そごう」だったんだよ。
ついでに言うと、その向こうの、今東京フォーラムがある場所にはかつて都庁があって、シケた建物が並んでいた。

80_2このギター、どこへ行っちゃったかな~。
しかし、カッコ悪いな、私は。
夢中になっちゃってる。
まだTシャツが「イン」の時代だ。

90v真ん中で指揮をしているのは故・谷啓さん。
ご存知の通り、谷さんはトロンボニストで中央大学のスイング・クリスタル・オーケストラのOBだが、快く出演してくれてご自分で編曲した譜面を持参頂いた。
その中に「瀬戸の花嫁」のメロディをギターで弾くパートがあった。
それがスゴイ変なメロディで、リハーサルの時に「ウッシー、それおかしいんじゃないの?」とみんなに責められた。私が譜面に弱いことをみんな知ってるからね。疑ってるワケ。
ところが、私が弾いたメロディは谷さんの思惑通りで、みんなで演奏してみると、あの「♪瀬戸は~」のメロディがマイナーにアレンジされていることがわかった。
さすが谷さん~、ってな具合。
「谷啓と演奏した」なんて一生の思い出だよ。

100_2この日のために同じ曲を何度も何度も繰り返し練習して…その甲斐あって、我ながらすごく上手に演奏できたと思ったナァ。
このリサイタルの頃には就職もキマっていて、将来の心配なんか何もなく…とにかく楽しかった。
今も楽しいけど。

110ハイ、休憩終わり!
ナゼ、私の昔の話を持ち出したのかと言うと…今日の主役、古屋ヒロコちゃんは私の大学の後輩だからなのだ!
つまり彼女もBig Sounds Society Orchestra(BSSO)にいたというワケ。
ヒロコちゃんだけでなく、ヒロコマンBig Bandには少ない数のBSSOのOBが参加していたのです。
ってんで少しだけ先輩風邪を吹かせてみた…というワケ。
 
ところで昨日、The Manhattan Transferのところで「ヴォーカリーズ」について触れたけど、クラシックに「Vocalise」という手法があることを昨日たまたまブックオフで買った280円のCDで知ったのでココに記しておくね。。
ラフマニノフの「Vocalise Op34 No.14」なんてのがそれで、ジョン・ヘンドリックのヴォーカリーズとは正反対に、歌詞がなくて「♪アアアア~」と母音だけでメロディを歌うスタイル。
コレがすごくて、なかなかに圧倒されてしまった。
やっぱり才能がない私は、こうして音楽に関する色んなことを細かく調べて、Marshall Blogを通じて「音」ではなく「言葉」で皆さんに接する方が向いているようだ。
 
さぁさ、第2部のはじまり、はじまり~!
「2回目のこんばんは~!」
第2部になってもヒロコマンのテンションは全く下がらず。
「次はすごくいい曲です」

120v_2…とまたカウント・ベイシー。
曲は「ディスコモーション」。
ワタシ、コレってずっと「ディスコ・モーション」かと思ってたんだよね。みんなそうやって発音するからサ。
正しくは「ディス・コモーション」なんだよ。
「インディ・アナポリス」みたいなモノ。
でも「discommotion」という単語は存在しないようで、作曲者のフランク・フォスターの造語なのかしらん?私は知りません。
「comotion」は「動揺」とか「興奮」とか「騒乱」という意味。
それに反意を示す「dis-」という接頭辞がついているので「我、動ぜず」みたいな意味?イヤイヤ知らない、知らない!
知らないことを「知らない」と正直に言うのはMarshall Blogのひとつのルールなのです。

130_dcトランペット・ソリが鮮やかにキマる!

140_2暗くて撮れなかったけど、4番ラッパは菅谷隆介。

150v_2「すっごく気持ちいい~!実は8年ぶりにビッグバンドをやるんです」
もっと長いこと遠ざかっていたような喜びようだ。
「他にOMATSURIESというバンドをやっていまして、『Champagne Fight』という曲を作りました。今日は小雪ちゃんとビッグバンド・アレンジをしてきました!
一緒にお酒を飲んで楽しいな~、という気持ちで演ります」

160v_cf今日2回目の金管ガールズ・フィーチュア。
小雪ちゃんは北海道出身で、サバがお好きなのだそうだ。
サバおいしいもんね~。

170v_2佐々木さんのギター・ソロから…

2_s41a0024フロントの2人のソロへ!

190v_2まさにあのおめでたいシャンパンのぶっかけ合いのようなにぎやかな演奏!

200v_2雰囲気が変わって「夢の中にいるような曲」とヒロコちゃんが紹介したのは石川周之介のソプラノ・サックスをフィーチュアした「Second Chanses」という曲。
コレもゴードン・グッドウィンのレパートリーなのね。

210_scカーヴド・ソプラノを華麗に吹く石川さん。
この楽器、ウェイン・ショーターがLive Under the Skyで使っているところをジャズ・ライフ誌が紹介したことで知った。
フーン、管が曲がっているだけでそんなにスゴイものなのか…と思った。
通常のまっすぐなヤツより楽なんだろうね、きっと。

220v物販の紹介コーナー。

230_nfヒロコちゃんはさっきのOMATSURIESと東京アクティブNEETsというバンドにレギュラーで参加している。
今年で結成10周年を迎える東京アクティブNEETsの方は、今日リズム隊を務めているピアノの「赤い流星」、ベースの「蒼い刹那」、ドラムスの「白いイブリガッコ」もメンバーとして参加している。
すなわちNATALバンドということ…と来ればいいバンドに決まってる。
そこで、このコンサートの数日後にライブがあったので早速取材して来た。
その時の記事は近日紹介される予定なのでお楽しみに!
私の「現代エンタテインメント論」もそこに記す予定。
下はヒロコマンが手にしている東京アクティブNEETsのアルバムね。
 

東京アクティブNEETsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

Jazzb_mさてさて、本日のサプライズ写真の第2弾といきましょうか。
昨日ヒロコちゃんとメールでやりとりをしていて驚いた!
ヒロコちゃん、Marshall Blogに出たことがある…っていうのよ。
エエ~!
失礼ながらまったく記憶になかったので、いつのことかを尋ねてみたところ、2015年の『NAONのYAON』のことで、元ピンクレディの未唯さんのステージのホーン・セクションに参加していたというのだ。
早速チェ~ック!
記事はコレ ↓   ↓   ↓
NAONのYAON 2015】 vol.5 : 山下久美子、シークレット・ゲスト、YU-KI、杏子登場!
 
ウン、確かに出てるには出てるんだけど、残念ながらあゆみさんの影に隠れてしまってホンの少ししか写っていない。
ってんで、未発表の他の写真を探してみた。
ホントだ!いたいた!…こんな感じ。
右の黒い衣装の人が未唯さん。
左に少し見えている白い衣装の人は中村あゆみさん。
そして真ん中がヒロコマン。

2_img_0029ね、真剣な表情で「♪ユッフォー」ってやってる!

2_img_0011ハイ、今日はドラムスの伊藤ショボン太一がNATALということで記事をお送りしていますよ~。
時々書いておかないと宣伝にならん!

240コレがショボンちゃんの愛器、NATALのウォルナット。
250_2バスドラが22"で、少しジャズには低音がキツイかな?と思ったけど…

260そこは「白いイブリガッコ」の異名を取る名手、ショボンちゃんのこと。
そのバスドラのサウンドを活かしてド迫力にしてオシャレな4ビートを聴かせてくれた。
ショボンちゃんのドラミングは聴いててホントに気持ちがいい。

270v_2続いては「Native Face」という人気オリジナル曲。

290ココではリードの菅野浩と…

300v_23番の岩本義雄のアルト・バトル。
いいよね、アルト・サックスのバトルってのは。
この時も大変にスリリングだった。

310vナゼかは知らないけど、アルト・サックスのコンビってのは盛んなんだよね。
例えば、フィル・ウッズとジーン・クィル。

01_pqジャッキー・マクリーンとジョン・ジェンキンス。

01jpフィル・ウッズとリッチー・コール。

01_pr更にアート・ペッパーとソニー・スティットの組み合わせ等々。
コレがテナーだったらロリンズ&コルトレーンの『Tenor Madness』とグリフィン、コルトレーン&モブレーの『Blowing Session』ぐらいしかスラっと出て来ないもんね。
きっとアルト・サックスはバトル向きの楽器なのだろう。

01_as きらびやかな流星さんのピアノ・ソロが続く。320この曲では金山敦史のプレイも見ものだった。
シェケレから…

330v_2ボンゴまで多種多様なパーカションでサウンドに彩を添えた。
金山さんとは「虹色オーケストラ」の時以来。
彼にはすごく感謝していることがありましてね。
「虹色オーケストラ」のリハーサルの時にジーンズ生地のジャージがあることを私に教えてくれたの。
教わってすぐに買いに行った。
腰の悪い私にとってはコレがもう快適で、快適で…。
それからというもの、それ一辺倒。
アウトレットで見つけるたびに買い備えているのです。
金山さん、EDWINさん、ありがとう!

335刹那さんはエレベに持ち替え。

340vこのブログでアート・ペッパーの名前が出る機会なんて滅多にないので、ついでに紹介しておくが、この『ストレート・ライフ』という自伝、メッチャおもしろかった。
麻薬禍で人生の大半を刑務所で過ごしたという天才アルト・サキソフォニストの人生。
もう時効になってるだろうから書いちゃうけど、昔に勤めていた会社にいた時の話。
昼休みにこの本を読んでて、あんまりおもしろくて夢中になっちゃってサ。
500ページを超す大著なんだけど、どうしても最後まで一気に読みたくて、営業に行くフリをして某市役所の休憩室に入り込んで半日ブッ続けで読んだことがあった。
生涯で私が仕事をサボったのは、この時と『シンドラーのリスト』を観た時だけだ。
あの時、昼間明るいウチに入った映画館から出て来たら、外が真っ暗になっていたのでちょっとビビった。
映画に惹き込まれてしまって時間の経過をスッカリ忘れてしまったのだ。

01a_2_sl2_またヒロコちゃんと小雪ちゃんのコーナー!

350_www今度はサッチモの「What a Wonderful World」。
人気あるネェ、この曲。
明るくハッピーなアレンジで楽しいなったら、楽しいな!

360_2「最後の曲になりました~!」
「エエ~!」
「山梨県甲斐市敷島出身の私がバディ・リッチに頼んで作ってもらった曲です。『Time Check』!」
ウソですよ~!
そもそもこの曲は<前編>に登場したドン・メンザの作曲ですから。

370v_tcしかし、カッコいい曲だ。
モダン・ビッグバンド・サウンドのお手本みたいなナンバーですな。
ロブ・マッコーネルとかビル・ホルマンとか好きなんだよね、ワタシ。
380_2Go ahead, Shobon!!

400今からちょうど20年前にニューヨークのボトムラインでバディ・リッチ・ビッグバンドを観た。
もうその時にはバディ・リッチは亡くなっていたので、ドラムスはデイヴ・ウェックルだった。
ウェックルがフィルをキメるたびに客席から「ウェッコー!」と掛け声がかかった。
それほどカッコよかった。
でもネ、私はバディ・リッチの片腕だったテナーのスティーブ・マーカスの方がカッコいいと思った。

390_2やれ『Tomorrow Never Knows』だの、『Count Rock Band』だの、『The Lord's Prayer〛だの、ジャズ・ロックのアルバムで有名なマーカス。
そういうのもモチロン悪くはないんだけど、私の愛聴盤はこの『Smile』というストレート・アヘッドなジャズ・アルバム。
メッチャかっこいい!

Sms ド派手に締めくくった本編から間を開けずにアンコールに移る。
まずカウント・ベイシーの「Wirlybird」を取り上げた。
「whirlybird」ってアメリカの古いスラングで、「ヘリコプター」を意味するんだよね。
BSSOだけあって、やっぱりベイシーで来たか…。
いいことだ!

410_wb昨日から今日にかけて果たして何回「カウント・ベイシー」という文字をタイプしたか知らんが、実は私は全く詳しくない…と言うより、熱心に聴いたことがない。
でも『The Atomic Mr. Basie』とか『Basie Straight Ahead』のような代表作は聴いているつもり。
2001年に今はなき六本木のスイート・ベイジルでシンバルのZildjianの関連のコンサート開催された。頼まれて私が台本を書いたのだが、菅沼孝三さんとBSSOを組み合わせるアイデアがすぐに出て来た。
それと同時に演奏する曲もキマっていた。
それは『Basie Straight Ahead』の「Magic Flea」だった。
あの演奏後の信じられないぐらいの大きな歓声は今でも覚えている。
 
それでは、ベイシーのお気に入りアルバムは?と訊かれたらヘソ曲がり全開でこの2枚を選ぶかも。
ひとつはビートルズのカバー・アルバム『Basie's Beatle Bag』。
原曲に媚びることなく、ジョンとポールを無視したベイシー・サウンド炸裂のアレンジが痛快。

01_basiebeatlesそれと「007(ドイツ語だと'ヌルヌルズィーブン')」の挿入歌集『Basie Meets Bond』。
そもそも「ジェイムズ・ボンドのテーマ」の最後の方ってベイシーっぽいじゃん?
映画では初代ボンド・ガールのウルスラ・アンドレスが歌った「Underneath the Mango Tree」が入っているのがうれしい。
ジェイムズ・ボンドが歌い継いでナンパするシーン。
この曲、小学生の時大スキだった。
「ウルスラ(Ursula)」という女性の名前、英語では「アーシュラ」と発音する。

01_jbマイルスの『The Man with the Horn』に「Ursula」って曲が入ってるでしょ?
このアルバムが発売されて来日した時のマイルスへのインタビューが面白かった。
インタビュアーがこのアルバムの収録曲について1曲ずつマイルスに質問するという趣向だ。
「『ウルスラ』についてはいかがですか」
「ああ?…ナンダ?ナニ言ってんだ?」
「あ、あ、あの『ウルスラ』です」
「『ウルスラ』って一体何のことだ?オマエ、もしかして『アーシュラ』のことを訊いてんのか?」
コエ~!
ま、コレは少しオーバーに書いたけど、マイルス・デイビスという人間の雰囲気が伝わって来て面白かった。

Mh せっかくマイルスが出て来たのでハービー・ハンコック経由でベイシーに戻ろう。
それは2枚組のライブ・アルバム『V.S.O.P.』。
コレの「Eye of the Hurricane」の前にハービーがメンバーを紹介してるでしょ?
トニー・ウィリアムスから始まって、「オン・ベース、ミスター、ウォン・キャ―ラ―」とかいうヤツ。
この部分は古今東西、音源として残っているモノの中で最もカッコいいメンバー紹介とされているらしい。
実際、ジャズとは縁遠いロックしか聴かない若い子がウチに来た時にコレを聴かせても「マジでカッコいいッスね!」と感動して帰っていくもん。01a_2_2img_6727 それと同じぐらいカッコいいメンバー紹介が収められているのがこの3枚組ライブ・アルバム『Jazz at the Santa Monica Civic '72』。
カウント・ベイシーがエラ・フィッツジェラルドのバックを務めているのでココで引き合いに出してみた。
「You've Got a Friend」や「What's Going on」なんかも演っているのでロック・リスナーにも聴きやすいハズだ。
で、そのカッコいいメンバー紹介というのは残念ながらエラとベイシーの共演ではなくて、最後のジャム・セッションのところ。
エリントンの「C Jam Blues」の中でエラが最高に可愛らしく、メロディをつけて次のソリストを紹介していく。
私のベイシーはそんなもんです。

01_smc「もう1曲演ってもいいですかッ?!」
最後の最後にもヒロコマンと小雪ちゃんのコンビを持ってきた。

420_um何ともにぎやかな「上を向いて歩こう」!

430_2全員のソロ回しがあって、ショボンちゃんの番が来るとアララ…

440_2ショボンちゃんのフィルを合図に曲が「ハッピーバースデイ」に変わっちゃった!
するとステージそでからケーキを持ったお友達が!
四代目罪袋とかいう人?

450_2トランペットを吹くようにケーキのローソクをブロウ!

460「感動して泣きたいけど、面白すぎて泣けない!」

470…と、最後まで天真爛漫だったコンサートが終了した。
な、ナンだこの「台風一過」感は?!

480最後は記念撮影。
あ~、面白かった。
そして、大好きなジャズのことを自由に書くことができて楽しかった!
ヒロコちゃんどうもありがとう!いい後輩を持って私はシアワセだ!
ショボンちゃんにも大感謝!

490 
<オマケ>
Marshall Blogの読者の皆さんといえば、圧倒的にロックを愛好するギタリストが多いワケで…。
にもかかわらず最後までジャズに関する記事にお付き合い頂いた感謝の気持ちを込めて、ギターとオーケストラの共演アルバムを紹介させて頂きましょう。
今は聴いていなくても、いつかジャズを聴いてみたくなった時の参考になれば幸いです。
 
NOMAD/Dave Stryker with the Bill Warfield Big Band
最初デイヴ・ストライカーは好きじゃなかったんだけど、いつの間にかハマってしまってニューヨークを初めて訪れた際、かつてヴィレッジにあったVisiones(ヴィジョネス)というクラブに観に行った。
このアルバムはビッグバンドをしたがえたブルース・アルバムを標榜しているんだけど、肝心のブルース・ナンバーは面白くない。
ストレート・アヘッドなナンバーになるとストライカー節が炸裂して実にいい感じ。
このビッグバンドのことは知らない。
Ds 
Our Sound! / Steve Slagle
もしこんな解説でストライカーの興味を持ったら、スティープルチェイスのリーダー・アルバムもいいんだけど、アルトの盟友スティーヴ・スレイグルと共演した『Our Sound!』というアルバムがおススメ。
ストライカーのワイルドなバッキングで華麗なソロを展開するスレイグルもいいが、やっぱりゴリゴリと雑に弾き散らかすギターが快感。
「Little Rootie Tootie」なんかタマらんね。
「Carazy She Calls me」とかミンガスの「Haitian Fight Song」なんて選曲もグー。
スレイグルはMingus Big Bandのメンバーで、私はイースト・ヴィレッジのFezとかいうハコで観たことがあるが、ヤケクソにカッコよかった。

01a_2_ss
  
Fall Out / Terry Smith
コレはもう何度かMarshall Blogで紹介しているイギリス人ギタリスト、テリー・スミスのリーダー・アルバム。
正統派ビッグバンドをバックにゴリゴリと弾き切っている。
この人はイギリスのChicagoと言われたブラスロックの名門バンドIfのギタリスト。
すごく趣味のいいプレイヤーなんだけど作品が少ないのが残念。

Ts 
Jimmy & Wes the Dynamic Duo / Jimmy Smith & Wes Montgomery

大御所の共演。
初めて聴いた時はシビれたナァ。オケはオリバー・ネルソン。
1曲目のEbのブルース、「Down by the Riverside」のウェスのソロの2コーラス目の10~12小節にビビビと来たらもうウェスはヤメられない。
ウェスを聴き進めていくと存外に指グセが多いことに気付くが、そのクセのひとつひとつがジャズ・ギターの魅力に満ち溢れている。

Dy

Movin' Wes / Wes Momtgomery
ウェスは晩年のA&M時代のイージー・リスニング調の作品も含めオーケストラとの共演版を数多く残している。
コレはまだ初期の硬派時代の作品。
正直、1曲目の「Caravan」しか聴かないが、私にはそれで充分価値ありの1枚。
ヴェンチャーズとどっちがカッコいいか聴き比べてみるのも一興かも?

Mo
Fusion! / Wes Montgomery
チャーリー・パーカーに始まって、クリフォード・ブラウン、キャノンボール、ゲッツと、どうしてみんな「With Strings」をやりたがるかね~。
ジャズ・ミュージシャンの一種のステイタスなんだろうね。
ウェスはこの『Fusion!』というアルバムがそれ。テーマをツラツラ弾いているだけ。アドリブ・ソロのないウェスなんて速弾きをしないイングヴェイ・マルムスティーンみたいなモノだ。
よってこのアルバムはおススメではありません…だったら載せるな!ってか?

Fu 

So Much Guitar! / Wes Montgomery
コレはオマケ。反対にガンガン行っちゃうウェスということで…。
ウェス・モンゴメリーというとすぐに『Incredible Jazz Guitar』とか『Full House』とか『Half Note』とか『Boss Guitar』とか…この『So Much Guitar!』が話題になる機会に接したことがないけど、このアルバムって前作の『Movin' Along』でバリトン・ギターなんかを使って失敗したと思ったのかどうかは知らないが、タイトル通りの「So Much Guitar」。ウェスなら「Too Much Guitar!」でも大歓迎なんだけどね。
ややヤケクソ気味で従来のウェス節を連発させているところが素晴らしい。
私は『ウラ Incredible Jazz Guitar』だと思っている。

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Big Boss Band / George Benson featuring the Count Basie Orchestra
ベンソンにベイシーという夢の組み合わせ。
ギターも弾いてるけど、基本は「ベンソン、歌のアルバム」ですな。
信州は上田のBIG SPOTで見つけたレンタル流れ品を300円で買った。
ジョージ・ベンソンのギターを聴くならブラザー・ジャック・マクダフ時代か60年代のリーダー・アルバム、そして必殺は1973年のライブ盤『Jazz on a Sunday Afternoon』の2連作だろうナァ。でも、このアルバム、音が悪いのがタマにキズ。
しかし、ジョージ・ベンソンの顔って、60年代の真正黒人スタイルの方がカッコよかったと思うのは私だけではあるまい。

Gb

In Humburg / Joe Pass
ジョー・パスが珍しくオーケストラと共演しているライブ盤。
コレ、いいんだゼ~。
ビッグバンドはドイツのNDR Big Bandでそれにストリングスが乗っかってる。
選曲も歌モノが中心で、トロけるようなギター・ジャズがテンコ盛りにツマってる。
ホレス・シルヴァーの「Sister Sadie」を取り上げているところなんかも面白い。

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Live at Elder Hall, Adelaide / Joe Pass
またオマケ情報。
ジョー・パスといえば『Virtuoso』。このアルバムのヒットのおかげで雨後のタケノコのようにソロ・ギター・アルバムが出て来ちゃった。
ジョー・パス好きとしてはナンダカンダで手を出してしまうワケだが、一番ヨカッタのはこのオーストラリアはアデレードでのライブ盤。
クリニックみたいな雰囲気で「さぁて、次はナニを演ろっかナァ~」みたいなリラックスした雰囲気がとてもいいんだけど、出て来るフレーズは鬼クラスばかり。
亡くなる4年前の1990年の録音。晩年の一番いい時を捉えた1枚だと思う。

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Two for the Road / Herb Ellis & Joe Pass
オマケのオマケのオマケ。
昨日ビッグバンドの四つ切りギターについて書いたが、それのお手本のような演奏をひとつ。
弾き手はハーブ・エリス。
2種類の速さで「Cherokee」を演奏しているが、密度の濃いフレーズで空間を埋め尽くすジョー・パスのプレイに引っ張られてはイケない。
バックで4分音符を刻みつづけるハーブ・エリスのプレイに注目。
コレぞ超絶!
ちなみに「Two for the road」というのは「最後のイッパイ」を意味する「One for the road」のシャレ。
向こうの人と酒を飲んでいてお開きになる寸前、締めの前の最後のイッパイを飲む時に「one for the road!」と言うことがよくある。
そういう時、キマってこのアルバムのハーブ・エリスのプレイを思い出す。

2_img_6728
Romanesque / 渡辺香津美
最後は香津美さん。
オーケストラをバックにジャンゴとエリントンのナンバーを収録したライブ盤。
水を得た高級錦鯉のような香津美さんのゴージャスな演奏は言うに及ばず、「Minor Swing(1937年バージョン)」のジャンゴのソロのオーケストレイションなんかもうれしい愛聴盤。

Kw 
Jazz Orchestra '75 / 水野修孝
香津美さんをもう1枚。こちらは客演盤。
水野さんという方は、千葉大のオーケストラでヴィオラを弾いていたが、指揮をするようになり、作曲家を志して、半年で受験の準備を整えて芸大の楽理科に合格した才能のカタマリのような人。
60年代の後半に渡辺貞夫さんにジャズ理論を師事し、制作したアルバムが『Jazz Orchestra '73』と『Jazz Orchestra '75』。
この『'75』の方に香津美さんが参加していて、宮間利之とニューハードをバックにスケールの大きなソロをくりひろげる。
その後、『水野修孝の世界』というライブ・アルバムもリリースされ、そこでも香津美さんが当時愛用していたアレンビックで凄まじいソロを聴かせてくれる。
今、『'75』と『世界』のおいしいところをコンパイルしてCDになっているんだよね~。
ま、言い換えれば、香津美さんのソロを聴くためのアルバムだ。
数年前にこのCDの存在を知った時、自分と同じことを考えている人がいるもんだナァと驚いた。
というのは、30年前、大学の時に私はコレとまったく同じことをカセット・テープでやってたから。

Sm 
以上!
最後までお付き合いしてくださったロック・ファンの皆さま、ありがとうございました!
特に若い人!人間、やっぱり若いウチが勝負です。色んないい音楽をたくさん聴いて豊かな人生を送ってくださいね。
ギターを弾く時はMarshallだけでいいのよ。
 
最後にもう1回NATAL!

510 1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

500 

200 
(一部敬称略 2018年4月16日 高円寺HIGHにて撮影)

2018年6月11日 (月)

ヒロコマンBIG BAND 春パーティー!! <前編>

  
ナンダカンダで10年もの長きにわたってMarshall Blogを続けて来たが、ジャズのビッグバンドを取り上げるのはコレが初めてのことではなかろうか?
部分的には脱線の中で何度もデューク・エリントンやら穐吉敏子に触れているが、ビッグバンドが主役の記事は以前になかったハズだ。
そこで~、まさかの2本立て…ジャズ好きな私としてはうれしいったらありゃしないのだ。
ロック・ファンにも読んでもらえるよう、例によって公私混同の脱線を挟み込みながらお送りするので<後編>の最後までご覧頂くことを願う。
  
今日登場するのは『ヒロコマンBIG BAND』。
『春パーティ』と銘打ったコンサートだ。20v会場は開店から10周年を迎えた高円寺のHIGHというお店。
高円寺といえばSHOW BOATやらJIROKICHIやら、比較的訪れる機会の多いエリアだが、ココは初めて。
天井が高く、スゴくいいお店で、今まで訪れる機会がなかったのを残念に思った。

10vこの人がヒロコマンBIG BANDのバンド・マスターにしてトランぺッター、「ヒロコマン」こと古屋ひろこ。
初対面ながらとてもそうとは思えないタイプのキャラ。
そんな特技(?)を活かして、トランペットだけでなくMCでも終始大活躍だった。
そういえば、「山梨は甲斐市敷島町出身」と自らを紹介していた。
「かいし?」…そんなのあった?、と思って調べてみたところ、ナニよ、20号線沿いの竜王町のあたりなのね?
2004年にできた新しい「市」ということでわからなかったけど、昔はこのあたりによく行ったんだ。
ホント、韮崎と市川大門は何度訪れたかわからない。
なつかしい。
モノの本によると、何でも武田信玄の軍隊っていうのは、色々な意味で日本の歴史上最も強かったらしい。
ヒロコちゃんのMCを聞いた途端このことを思い出したわ。

30vこういうのがビッグ・バンドね。
『8時だヨ!全員集合』とかのアレね。
ロック・ファンのためにチョコッと説明しておくと、普通は…
トランペット×4(たまに5)
トロンボーン×4(テナー×3、バス)
サキソフォン×5(アルト×2、テナー×2、バリトン)
リズムセクション(ピアノ、ギター、ベース、ドラム)
の18人で構成される。
で、管楽器のパートは番手によって役割がキマっているのが普通で、1番(リード)は主旋律を奏でる。
2番(セカンド)はソロが多い。
3番(サード)は複雑なハモリのメロディを担当する…という具合。
ロックと違って皆さん、譜面にお強いワケだけど、この3番のパートなんかは普通は覚えられないようなキテレツがメロディが多く、どんな譜面でも読みこなせないととても務まらない。
リズム・セクションにはギターがいないバンドも多いね。
先に挙げたエリントンや穐吉敏子のオーケストラからはお呼びがかからない…と言いたいところだけど、エリントンはジャンゴ・ラインハルトをゲストとして起用しているんだよね。サスガ。
反対にカウント・ベイシー・オーケストラなんてのは、フレディ・グリーン(後出)という名プレイヤーのギター・サウンドがシンボルにもなっていたんだから面白いじゃあ~りませんか。
ピアニストでもあるデューク・エリントンが「私の楽器はオーケストラだ」と言ったことがあった。奏でる楽器の音がひとりひとり異なるように、それぞれのオーケストラ固有のサウンドがあったというワケ。
さて、興味のない人にとって「ジャズ」というと、タキシードを着たオッサンが4、5人集まってワケのわからない音楽をゴチャゴチャ演っている…というのが普通のイメージになろうか?
そういう少人数のバンドのことをジャズでは「コンボ」という。
「combination」ですな。ネイティブさんは「combination」を「コンボネイション」と発音するからね…と思っているんだけど。
でも、皆さんが普通「ジャズ」と言うと思い浮かべるこのコンボの形態は、ビッグバンドが元になっているのね。
元々ジャズは踊るための音楽で、ビッグバンドが演奏する曲のソロの部分だけを切り取って観賞用の音楽になったのがその「コンボ・ジャズ」なの。
ビッグ・バンドでソロを担当する目立ちたがり屋の連中が「オレが、オレが!」と集まって「ソロだけでジャズを演っちまおうゼ!」となった場面を見たワケではないが、歴史的にはそういうことになっている。
ロック・ファンの皆さん、アメリカ好きでしょう?
あんな勝手なことばかりして世界を困らせている大統領を選ぶ国でもアメリカが好きなんでしょう?
だったらジャズを少し聴いてみるといいと思いますよ。
何しろ、ジャズは「アメリカの偉大な発明のひとつ」とされているんだから。

40前置きはココまで。
意外に早く本題に入る。
 
さて、ナンダってMarshall Blogにビッグバンドが登場するか…?
残念ながらMarshallがらみではない。
ドラムは非常に困難な役ですが、それを非常によくこなしている素晴らしいドラマー」…伊藤ショボン太一のからみ。

50vすなわち、このビッグバンドで使用されているドラムスがNATALなのだ!

60ショボンちゃん愛用のウォルナット(クルミ)のキット。
スネアはステイヴ(桶)。

70ショボンちゃんは他にバーチのNATALも持っているんだけど、深みと鋭さを兼ね備えたこのウォルナットのキットはオーケストラのサウンドにベスト・マッチする。

80しかし、いつの間にか譜面もこういうのが当たり前になっちゃったんだね~。

90コレは滅多に見れない画像。
オーケストラのドラマー側から見た景色。

100あるインタビューで、かのスティーヴ・ガッドが「アナタの夢は何ですか?」と訊かれて「ビッグバンドでフランク・シナトラのバックを務めることです」と答えていた。
ま、主眼はシナトラとの共演ということなのであろうが、「ビッグバンドで」と注文を付けていることがすごく印象に残っている。
やっぱりビッグバンドの花形はナント言ってもドラムだからね~。
その証拠に、バディ・リッチ、ルイ・ベルソン等、ドラマーをフィーチュアしたビッグバンドがあるぐらいだ。
ギタリストがリーダーのビッグバンドなんて聞いたことないもんね。
ビッグバンドのドラムスってのは、アクセントのスネアのタイミングが微妙にズレただけで自分以外の17人のメンバーに迷惑をかけてしまうというとてもシビアなパートですからね。
ビッグバンドのドラマーは並大抵の技術と神経では務まらないってばよ。

2_s41a0756まずは冒頭にヒロコマンの挨拶・
「こんばんは~!元気~?結構緊張しています。皆さんの『イエ~イ!』が力となります!ガハハハハッ!」
緊張のカケラも感じられない「ツカミ」がやたらと強力だ。
できれば私もこうやってMCや授業をやりたいものだ。
「今日はカッコいい曲しか演らないので楽しんでいってください!」

120v1曲目はゴードン・グッドウィンの「The Jazz Police」。
スリリングなエイトビート・チューン。
ゴードン・グッドウィンは自らのGordon Goodwin's Big Phat Bandを率いるアメリカのピアニスト、サキソフォニスト、そして作曲家。
私は知らなかったんだけど…ドン・メンザといっしょにルイ・ベルソンのところにいたとか…。
また、ギタリストのグラント・ガイスマンと活動を共にしているのね。
ドン・メンザといえば、日曜日の朝にテレビ朝日でTOKIOの城島リーダーが報道番組をやってるでしょう?
アレの「今週話題のニュース・ベスト10」みたいなコーナーのテーマ・ソングがドン・メンザの「Cinderella Waltz」という曲。
私はCDをホンの数枚持っているだけでゼンゼン詳しくないんだけど、ドン・メンザってトランペット・フィーチュアの「Dizzyland」とかいい曲あるよね。

130ソロはテナー・サックスのレイモンド・マクモーリンと…

140ギターの佐々木秀尚。
トリッキーなメロディが心地良い~!

150vドアタマから胸のすくようなシャープなドラミングを見せてくれたショボンちゃん。
ん~、やっぱりNATALいいわ~。

160「日頃からやりたいことをやっている私ですが、言いたいことがイッパイあって…MCが長いな~っていつも言われるんです。今日も長いので覚悟してください!」
イエイエ、お上手なMCなので大歓迎ですよ。
「ビッグバンドにはルールがあります。大学のオーケストラに入ってすごく不思議だったのが『イエイ』でした…ソロの後に『イエイ』って言うんですね。
で、ソロの後の『イエイ』はまだわかるんですけど、ピアノのイントロの時の『イエイ』にはビックリしました。
皆さんも今日は『イエイ』をやってみてくださいね!
次の曲はそれにピッタリの曲です」

170v有名なピアノのイントロ。
「イエイ!」
曲はカウント・ベイシーの「Corner Pocket」。

180v_cpベースの「蒼い刹那」はアップライト・ベースに持ち替え。

190vベイシー・ナンバーの中でも人気の高い曲。
私もジャズを聞き始めた最初の頃、名盤の誉れ高い『Basie in London』でよく聴いた。
「in London」とか言ってるけど、このアルバムってスウェーデンの録音なんだよね。

01_img_6717この曲はDon Wolfという人が歌詞をつけて「Until I met You」と題して1960年代に歌曲にもなった。
1981年、フュージョン全盛期にThe Manhattan Transferが『Mecca for Moderns』というアルバムでこの曲をヴォーカリーズで焼き直した。
私は19歳だったんだけど、シビれたな~。
ちなみにこのアルバムのドラムスはスティーヴ・ガッド。
「ボーカリーズ」というのは、ジョン・ヘンドリックスというジャズ・ボーカリストが始めた(のかな?)、ジャズ・ジャイアンツの有名なソロに歌詞をつけて歌っちゃおうというアイデアね。
その辺りのボーカルズのアレンジをメンバーのジャニス・シーゲルと何とジェイ・グレイドンが担当している。

Mfm マントラは上の『Basie in London』の「Corner Pocket」ではなくて、下の『April in Paris』という1957年のスタジオ・アルバムのバージョンをヴォーカライズしているんだけど、コレがまた名ソロ揃いと来てるんですな~。
ぺレス・プラードの演奏で有名な「Cherry Pink and Apple Bloosom White」とウディ・ハーマンの「Four Brothers」を引用したサド・ジョーンズのトランペット・ソロをジャニス・シーゲルが、続くジョー・ニューマンのソロをシェリル・ベンティーンが…と歌いつないでいく。(LPのライナーノーツに書いてあるソロ・オーダーはコレと違うんだけど、ホントのところはどうだろう?動画を見るとサド・ジョーンズが先にソロを取っている。あ、サド・ジョーンズはエルヴィン・ジョーンズのすぐ上のお兄さんね)

01_cb_2 で、この曲は意外にもギターのフレディ・グリーンの作品。
1小節に4回音を出すだけで、自分が目立つパートはカケラもない。
それなのにこんないい曲を作っちゃった。
しかしね、その「1小節に4回」しか音を出さずにスウイングするギター…私はヘタな速弾きよりケタ違いにムズカシイく、その「四つ切り」と呼ばれる演奏技術は間違いなく「超絶技巧」のひとつの頂点だと思っている。
イヤ、そりゃ1小節に4回音を出すのは簡単だよ。
でも、その4つの音でスウイングするのが普通の人にとっては至難のワザなのだ。
速弾きは鍛錬を積めばある程度のところまでたどり着くことができるが、この「四つ切り」は「スウイングできる」という生まれ持った才能がない限り死んでもできないのではなかろうか…それが私だ。
また、ココが「ロックの人間」と「ジャズの人間」を区別する最初で最後のポイントだと思う。
そんなバッキングの鬼のようなフレディ・グリーンにもリーダー・アルバムがある。
下の『Mr. Rhythm』がそれ。
「中間派」っていうのかな?
スイングとモダンの間ぐらいの古式ゆかしい~スタイルのジャズ。
例によって「♪ガッ、ガッ、ガッ、ガッ」だけ。ソロなんて全くない。
イングヴェイ・マルムスティーンが1枚のアルバムで何回ピッキングするのかは知らないが、フレディ・グリーンの場合、アルバム収録曲の合計の小節数がわかれば、それに4をかけてやることによって、このアルバムでこの人がピッキングした回数が正確に割り出せるというシロモノ。
でもね、当たり前のことかもしれないけど、ジム・ホールでも、ジョー・パスでも、バーニー・ケッセルでも、ハーブ・エリスでも、名人・巨人と称されているギタリストは例外なくこのテクニックに長けているのよ。

01_fg_MCの時も、演奏している時も、そして演奏していない時も猛烈に元気なヒロコちゃん。
216vソロはアルトの菅野浩。

200vそして、トロンボーンの三塚知貴。

210vそしてド迫力のトゥッティ!
「トゥッティ(tutti)」はイタリア語で「みんな」とか「全体」とかいう意味。

220スウイングしまくるショボンちゃん。
トップ・シンバルと右手1本でだけでスウイングしちゃう。
コレができないとどんなに派手な技術を持っていても、根本的にジャズ・ドラミングは一生ムリ。
ロックの人たちが時々やって見せる4ビートはコレができていない。
  
しかし、この曲のテーマを聴くと手塚治虫の『どろろ』のテレビアニメの主題歌を思い出してしまうのは私だけだろうか?
私だけだろうな…テーマのメロディは「♪ホゲタラホゲタラ」と聞こえて仕方ないのだ。

230vこのレポート、まだ2曲目かよ!
 
ノミニュケーションの力でトロンボーンの人たちは仲間意識が強い…ということで、次はそのトロンボーン・セクションをフィーチュア。
誰のアレンジかは知らないけど、曲はスタンダード・ナンバーの「Just Friends」。

240_jfガツンとトロンボーン・ソリ。
「ソリ」とは「ソロ」の複数形で、ジャズのビッグ・バンドの場合はソロを合奏することを指す。

250トロンボーン・セクションはお宅の方から向かって左から…
枡家小雪

260v三塚知貴

270v川原聖仁

280v浅星勝久はバス・トロンボーン。
各人のソロを交えて徹底的にトロンボーンの魅力をアッピール!
客席の誰かが「いい楽器!」なんて声をかけていたが、ホント、トロンボーンって素敵な楽器だよね。
音と音の間がシームレスということもあって、人間の声に一番近い楽器と言われているらしい。

290vそして、トロンボーン・ソリといったらコレ。
穐吉敏子の『March of the Tadpoles』という1977年のアルバムのタイトル曲。
「tadpole」というのは「おたまじゃくし」のこと。
「All the Things You Are」のコード進行に基づいて作られたこのファスト・チューンはまさに「おたまじゃくしの行進」!
その中間部に登場するア・カペラのトロンボーン・ソリのカッコよさといったら一体どうなってんだ?!
ソプラノ・リードによるサックス・セクションによるテーマもウネウネと実に素敵。コレ、はじめの2回しはオクターブ・ユニゾンで演ってるのね?
私は穐吉敏子の大ファンなんだけど、ベスト10に入れたい1曲。
下がそのアルバムなんだけど、クソみたいなジャケットだな~。
Toshiko-Tabackin Big Bandは、『Kogun』はまだマシな方にしても、『Long Yellow Road』、『Tales of a Courtesan(花魁譚)』…とどれもヒドい。
これまでにこのブログに何度も書いたけど、敏子さんのオーケストラかフランク・ザッパのバンドにいたミュージシャンはどこへ行ってもオーディションなしでOKという話を聞いたことがある。
その両方に在籍したブルース・ファウラーというトロンボーン奏者もいる。
そんなすごいバンドだからして、ミュージシャンとしては敏子さんと演奏したいと思うのが自然なワケ。
ところが、敏子さんがオーケストラを結成した70年代の初め頃は、「黄色い肌の女のバンドに雇われるなんて恥を知れ!」みたいにミュージシャンの奥さんたちが旦那のやってることを快く思わなかったっていうんだよね。
恐らく日本との貿易摩擦という背景もあったのだろう。
だからコレらのジャケットにしても「日本の女のバンドの作品なんてテキトーにやっとけ」なんて感じじゃなかったのかしらん?なんてのは私の思い違いか?
でも実際、『Kogun』の人気曲「Elegy」ですらソロがブチッとカットされたりしていて作りも相当に粗いもんね。あんな処理、敏子さんが許すワケがない。
ところで上に挙げた『Tales of a Courtesan(花魁譚)』。
「courtesan」というのは「高級売春婦」という意味。
学生の頃、みんな「オイランタン、オイランタン」と「オランウータン」みたいに言っていたけど、コレは正しくは「オイラン・タン」ですからね。
今『私のディープ浅草』でやっている吉原なんかの花魁の物語ということ。

N_mot敏子さんのオーケストラなんかはロック・ファンにもかなりおススメですよ。
それこそ上の「March of the Tadpoles」なんて曲はシックリくるんじゃないかな?
イヤ、それよりも大作「Minamata(水俣)」を聴いてもらった方がいいか?
エエイ、それらが同時に収まっているアルバムがあるので、宝くじにでも当たったらワンクリックしてゲットしてみたらいかがかしら?
それがこの『Live at Newport II』というライブ盤。必ず「II」の方ね。
代表的なレパートリーにひとつ、「Road Time Shuffle」なんてゴキゲンなシャッフル・ナンバーも入ってるよ。

01_np ハイ、なんでジャズの記事をやっているのかというと、ドラムスがNATALなんですよ~。

300vついでに「Just Friends」もやっておくと、数え切れないほどの名演が残されているが、今日はせっかくビッグバンドをやっているのでサラ・ヴォーンとカウント・ベイシー・オーケストラが共演した『Send in the Clowns』というアルバムを紹介しちゃおう。
サラ・ヴォーンって、原曲がサッパリわからなくなるほどフェイクしちゃうのが時々イラっとくるんだけど、この「Just Friends」は気分爽快!

01_vaughan同じ女性ボーカルズということで中本マリの『Mari Nakamoto III』も出しちゃおう。
このアルバムはドラムレスで、ボーカルズ、ギター、それにベースという大変シンプルな編成で渋めのスタンダードが取り上げられている。
ギターは香津美さん。
この「Just Friends」のソロがノケ反っちゃうほどのカッコよさ。

01_mari 学生の時、そのソロをホンの少しコピーしたこともあった。

2_2img_6721カウント・ベイシーにこの「Just Friends」のコード進行を元にした「Orange Sherbet」という曲がある。
大学のビッグバンドなんかでは定番の人気曲だ。
それで今思い出したんだけど、以前勤めていた会社にビッグバンドでサックスをやっていたという女性の新入社員がやって来た時のこと。
「へ~、ビッグバンドやってたの?どんな曲を演ってたの?ベイシーとか?」と私が訊くと、その新入社員がこう言った。
「ああ、演りましたよ。『オレシャ』とか」
「お、おれしゃ?ナンダ、『おれしゃ』って?!」
それが1975年の『Basie Big Band』に収録されている、あの「Orange Sherbet」を指していることを理解するまでに7秒ぐらいかかった。
コラ!何でも省略するな!

Cb ココで場面が変わる。
後列から大貫禄で出てきたのは佐久間勲。
トランペット界のファースト・コール・マンだ。

310さっきのスティーブ・ガッドじゃないけど、ビッグ・バンドを従えて朗々とバラードを歌い上げるのはトランぺッターの夢であろう。

320_pmそれを佐久間くんがカウント・ベイシーの「Pensive Miss」で披露。

330v実はですね、佐久間くんは大学の後輩で、と~きどきMarshallの仕事で一緒になることがあるんだよね。
たとえばコレ。
2008年に中野サンプラザで開催された『Pearl』というジャニス・ジョプリンの追悼コンサート。
マリさん、森さん、ナルチョさん、大二さんらのバンドに混ざって…

340哲さんと一緒にホーン・セクションで参加した。

350vまた、2011年には宮古島で毎年開催されている『宮古島ミュージック・コンベンション』でご一緒させて頂いた。
私はカメラマンとして田川ヒロアキくんに連れて行ってもらったの。
この時も面白かったな~。戦後2番目の大きな台風ってのが来ちゃってサ。
もちろんMarshall Blogでレポートしたんだけど、もう消されて読めなくなってしまったので、Marshall Blog Archiveで新たに記事を書いてレポートを復活させようと思っている。

360この時の佐久間くんは本業のオルケスタ・デ・ラ・ルスで大活躍。

370vそして、今日はヒロコマンBIG BANDでトロけるような音色のトランペットでお客さん全員を感動のウズに巻き込んだ。

380次はヒロコちゃんの出番。
酒の盟友(?)、トロンボーンの小雪ちゃんと仲良くガツンとフィーチュア。
曲はウイスキーが好きだという小雪ちゃんの「人生のテーマ・ソング」、「ウイスキーがお好きでしょ?」をジャズにアレンジ。

390MCも強烈だけど、そのはるか上を行く強烈なソロをお見舞い!

400v「枡家小雪」さんって本名かしらん?…カッコいいナァ。
「三升家小勝」という噺家の名跡があるからね。
メルバ・リストンもビックリの豪放磊落なブロウが素晴らしい!

410vバリトン・サックス、永田昴生のソロ。
コレもいい楽器だよね。
何をやっても豪快に仕上がる。
ジェリー・マリガンを筆頭にサージ・チャロフ、ペッパー・アダムス、エリントニアンのハリー・カーネイ、ニック・ブリグノラ、ロニー・キューバ―等々、競争倍率が低いせいか、名手が多い印象があるな。

420第1部の最後もトランペット・フィーチュア。

430小澤篤士のトランペットがおなじみ「Birdland」で炸裂。
コレは誰が最初にビッグ・バンド・アレンジで演奏したのかね?
メイナード・ファーガソンあたり?

440珍しくまたまた登場するThe Manhattan Transfer。
「Birdland」が収録されているのはこの1979年の『Extensions』。
マントラはコレでブレイクしたんだっけ?
ジャック・ウィルキンス、アレックス・ブレイク、ケンウッド・デナードというあまりにもすごいメンバーで初来日したんだよな~、観なかったけど…というより私はマントラはとうとう1度も観ることがなかった。
ウチの家内は『Vocalese』の来日の時にサンプラかどっかで観てるんだよ。

01_n_mt「Birdland」もカッコよかったんだけど、やっぱり「Twilight Tone」が好きでサ…シングル盤も買った。
あのジェイ・グレイドンのギター・ソロはビックリしたよ。
ジューシー・フルーツがあれを完コピで演奏しているのをテレビで見てもう1回ビックリしたわ。

01_img_6718さらに、去年の葉山のジャズ・フェスでベースの大御所、斎藤クジラ誠さんのDecorationというバンドが『Extensions』に収録されている「The Shaker Song」を演奏しているのを聴いてうれしくなってしまった。
いい曲だぜ~、コレ。
ジェイ・ベッケンスタインの作なので元はSpyro Gyraですな。

01_32sg そして、佐々木さんが「Birdland」にピッタリのギター・ソロを添えてニギニギしく第1部が終了した。

450ガマンして最後まで読んでくれたロック・ファンの皆さん、どうもありがとう!
お願いだから明日も見てね!
珍しい写真を出すから!

 

200_2 
(一部敬称略 2018年4月16日 高円寺HIGHにて撮影)

2018年6月 6日 (水)

ドイツ大使公邸チャリティ・ガーデン・パーティー

 
久しぶりにドイツに行ってきた。
下はフランクフルト中央駅。
「フランクフルト中央駅」のことをドイツ語では「Frankfrut Hauptbahnhof(フランクフルト・ハウプトバンフォフ)」という。
この「Hauptbahnhof」という単語を覚えるだけで3日はかかっただろうか?…といってももうネタは上がってるか?
そう、タイトルにある通り、行って来たのは広尾のドイツ。
すなわち駐日ドイツ大使館。

10下は日比谷線の「広尾ハウプトバンフォフ」から大使館に行く途中にある「NATIONAL」というスーパー。
家内が前々から行ってみたいと言っていたので、誕生日も近いこともあってプレゼントがわりについでに寄ってみた。
ご存知の通り、この辺りにはフランスをはじめとして、多くの駐日大使館が立ち並んでいるからしてスーパーのお客さんは外人ばっかり。
下校の時間ともなると通りを行き交う小学生なんかも多く、その会話が実に面白い。
ホント、頭の中はどうなっているんだろう?…日本語と英語が猛烈に入り混じっていて、「よくこんなんで会話できるな~」と、立ち聞きしていて吹き出してしまった。
そういう外人相手のスーパーだけあって、置いてあるものは海外のモノばかり。
まぁ、わかってはいたけど、改めてビックリ…というのは、その置いてある食料品の成分を見ると「調味料(アミノ酸等)」の表記があるアイテムがまったくと言っていいほど見当たらないのだ。
「調味料(アミノ酸等)」というのはいつも私が騒いでいる、欧米で使用が禁止されているMSG(グルタミン酸ナトリウム)ってヤツね。とにかくアレが使われていないモノばかり。
反対に日本のスーパーに行ってごらん。
生鮮食品を除いて「調味料(アミノ酸等)」という表記のない商品を見かけるのは大変困難か不可能だ。
マイケル・シェンカーの人気が高いのは喜ばしいことだが、一方でこの国はMSG漬けになってるんだよ。
もう一度書くけど、この国の食料品には欧米で使用が禁止されている化学成分が盛大に使われていることを知っておくべきだと思う。
卵もそう。
このスーパーで取り扱っているのは「平飼い卵」といって、野ッパラにほったらかしてあるニワトリが自然に生む卵を多く扱っている。
一方、日本のスーパーで売っている卵がどうやって生産されているかは知ってるでしょ?
味も日本のモノと海外のモノは決定的に違う。
マァ、私も徹底してオーガニックに凝っているワケではないんだけど、海外に行ってスーパーを覗く度に「MSG Free」の表記を見ると、さすがに日本はヤバいんじゃないか?と思ったりしてね。
それで、少なくとも自分で防衛できるところだけは「MSG断ち」をしてるの。
以前にも何回か書いているけど、コレをしばらくやっていると、MSGの入っているモノ、すなわち「化調」をふんだんに含有しているモノを口にすると、舌の奥の方の両側にものすごくイヤな味が残るようになる。スゴく不快な味だ。
これで困ったのが立ち食いソバ。
私、好きだったんですよ。
中には「無化調」のお店もあるが、大抵はMSGがタップリ使われたダシに浸かった「ケミカル・ソバ」ばかりで、最近はまったく食べなくなっちゃった。
日本橋の三越前にある「そばよし」という立ち食いソバ屋があるんだけど、そこは鰹節屋直営
で、もちろん無化調。ダシの風味が強くてすごくおいしい。
ソバもチャンとしていてありがたいんだけど、いつも混んでてどうにも入りづらいのがタマにキズ。

11身体に悪いモノから順に好物を選ぶような私が、そんな「MSG断ち」をしているのは家内の影響でしてね。
でも、彼女がこのスーパーに寄りたがった理由は「MSG Free」食品ではなくて、コレ。
このガチャガチャみたいなヤツ。
コレ、ピーナツバター製造機なの。
下の棚に入っているピーナツを赤い機械の上から投入してスイッチを押してやると、アラ不思議!
それこそ昨日のマーブロのタイトルみたいなヤツがニュルニュルと出て来る。
種類は普通のピーナツバターと予め豆に味付けがしてある甘いバージョン、それにアーモンドバターの3種。

12ビンに詰めて売られている日本製のモノとは味がゼンゼン違う。
混ざりけなしで、風味が大変に豊かでおいしいことこの上なし!
コレをバゲットに塗って食べるのが大スキなのです。13スーパーを出、有栖川公園を左に見ながら坂を上るとすぐにドイツ大使館がある。
お邪魔するのは今回で2回目。

20ん?
こんな壁画は以前はなかったぞ。以前はツルッツルのコンクリートの打ちっぱなしの壁だった。
説明書きが付いていたので読んでみる。
 
冷戦の象徴とされた「ベルリンの壁」は1961年8月13日に築かれ、1989年11月9日に消滅した。
その間28年…10,316日間にわたって壁はドイツを東西に分断した。
忘れていたけど、チョット前までドイツの首都って「ボン」っていうイメージだったもんね。
そして、今年の2月6日、1961年の壁の建設から10,316日が経った。
その日を記念してこの壁画を描いたのだそうだ。
「変化は起き得るものであり、苦しみもいつかは癒え、対立は協力へと変わる」
そんな思いがこの壁画に込められているのだそうだ。

30昨年は参加できなかったが、今年も日本での生活に困っている在日ドイツ人を支援するためのチャリティ・パーティが開催された。

40前回のレポートでもやったけど、また大使館の中を見学してみよう。
滅多なことでは入れないからね。
ココは大使の住居スペース。
ドイツと日本の関わりは古く、1863年(文久2年)にはマックス・フォン・ブラントという人がプロイセン王国の領事として日本に滞在した。
それが最初の駐日ドイツ外交使節だったらしいッスよ。
その後、何度か公館が移転し、現在の場所に移る前は今の国立国会図書館の場所に大使館があったんだと。
そして、1954年、日本政府から現在の場所を代替地として1円で取得した。要するに交換したんだね。
今の事務所棟の場所には中国大使館があった。
ちなみにこの麻布の場所の路線価は坪当たり505万円だそうです。

50スゲエ庭だよね。
中に入るとスッカリ忘れちゃうんだけど、ココ、麻布と広尾の中間だよ。
この庭は小泉策太郎という大正から昭和にかけての政治家の私邸の一部だった。
戦後の日本の造園界をリードした飯田十基という人が設計した名園ゆえ、なるべく手を入れずに温存しているのだそうだ。

80だから前回の来訪時と比べて変化なし。
この鐘楼は京都周辺の三条村の「瓦屋吉右門」により造られ、1703年に東山天皇に奉納されたというの記録が残っている。
もともとは奈良にあったが、明治期の「廃仏毀釈」で無用になったモノを策太郎が入手してココに移設した。

60v何しろ蚊がスゴイ!
この手前の石像も策太郎のコレクション。

70この日本家屋も策太郎が作ったもの。いわゆる四阿(あずまや)。
第一次世界大戦後ぐらいの建築であまりにも老朽化が進んでいたので2011年の日独交流150周年を記念して改装した。
写真の左側に赤いの見えるでしょ?
アソコが策太郎邸の正門。
お客さんはあの門を通ってまずこの四阿に寄る。
そして、お茶室からこの美しい庭を眺めて楽しんだだらしいッスよ。
いいネェ、風流で。

2_0r4a5879 コレが「武家門」と呼ばれるその正門。
詳しいことはわからないらしい。

90フト、瓦を見ると「丸に二つ引」という家紋が付いている。
こういう丸に横線が入っているデザインは「引き両紋」といって、源平時代からある古い家紋だそう。
線の数は1本から3本と様々だが、新田義貞、足利尊氏、今川義元、ピーコとよい家柄の家紋らしい。

100コレだけ広くて木々が茂っていると空気がいいね。
少なくとも浅草よりは空気が澄んでるわ。

110ガーデン・パーティだからね。
庭のアチコチで準備が進められている。

120チョット準備している間に我がイギリス大使館を見てみよう。
Marshallの関係で何度かクリスマス・パーティにお邪魔したことがあるんだけど、やっぱりそれも大使館のおエライさんの公邸で開かれた。
ま、昭和4年あたりに作られたという古い洋館なんだけど立派な庭があってね。
で、お濠を挟んで皇居の隣にあるこの広大な土地は未来永劫イギリスが自由に使うことができる…という話を聞いたことがある。
タダじゃないよ。チャンとイギリスは地代を支払っているんだけど、ドイツ大使館みたいに立ち退く必要が出て来ないということ。
ナゼかというと、明治維新の時に、イギリスは新政府側をサポートしたからなんだって。そのお礼として新政府がイギリスにそういう約束をしたのだそうだ。
何だよ、かつては生麦事件だ、下関戦争だ、薩英戦争だ、でモメてたクセによ~。
ちなにみフランスは幕府側について貧乏クジを引いた。
この土地は路線価で坪805万円だって!
最近、ベストセラー『昭和史』で有名な半藤一利さんの本で面白いことを知った。
チョット長くなるけど…。
日本の軍隊と言うのは、明治維新の流れで、陸軍は長州閥、海軍は薩摩閥という図式が成り立っていた。いわゆる薩長土肥は「官軍」、それに盾突いた藩は「賊軍」で、軍隊の中で出世するのに大変苦労したらしい。。
で、海軍に関して言うと、それ「官軍 vs. 賊軍」という派閥以外にも「親ドイツ派 vs. 親英米派」という派閥があった。
官軍系が親ドイツ、それに対して賊軍系は親英米というのが大まかな図式だった。
さて、一般的に日本は第一次世界大戦に参加していない…とされているが、形だけは参加したことになっている。ナゼなら「日英同盟」があったからなんだけど、実は日本はパラオ、テニアン、グアム、サイパン等の当時のドイツ領がノドから手が出るほど欲しかった。
いわゆるスケベ根性で大戦に参加したんだけど、イザとなるとイギリスは日本の海軍を「使いっぱしり」としてしか参戦させなかった。
地中海くんだりまで物資を運ばさせられていたらしい。
それじゃドイツに勝ってもおこぼれがもらえないじゃんね。
日本海軍は相当アタマに来た。
その後のワシントン軍縮会でまたイギリスにヤラれちゃって、日本は堪忍袋の緒が切れて日英同盟を破棄するに至った。
その時、スルリと手を差し伸べてきたのがドイツなんだよ。
で、日本海軍にはドイツ派が優勢になり、色んなことをドイツから教わった。
ドイツまで潜水艦でレーダーを取りに行った…なんて吉村昭の『深海の使者』という小説もあるけんね。
ところが、ドイツの海軍ってのは大したことがなくて、優秀な日本海軍が学ぶところはなかったらしい。
しからばナンだってそんなにドイツに傾倒したのかというと…。
日本海軍のオエライさんたちは、ヒトラーが仕掛けたハニー・トラップに引っ掛かっちゃったんだって。
女性のお色気に負けてしまったんだってサ。戦後、生存していた何人もの海軍将校がそう白状したらしい。
ドイツの女性ってのは大きくて立派だからね~。日本の男なんてイチコロだったんじゃん?

125初めて食べたのがニューヨークだったせいで、プレッツェルってアメリカのモノかと思っていた。
名前はラテン語に由来していて、「腕」という意味。
このデザインが、人が腕組みしているみたいに見えるところからその名が付いた。
コレ、時間が経つと信じられないぐらい固くなるでしょ?
初めて買った翌日に食べようとしたんだけど、あまりの固さに歯が欠けるかと思った。

130「こんにちは~」とそこへ現れたのがベースの「のまぐち」さん。
ドワ~!そのTシャツ!

140vそう、チョット前に『私のホーチミン』でやったヤツと同じ、「ヤバいTシャツ」ではないですか!
もう大笑い。
のまぐちさんもベトナム旅行のお土産で貰ったそう。
触らせてもらったけど、やっぱり伸びないホンマもの。
彼は細いので、ウチの子みたいに「着たら最後、もう脱げない」なんてことはないから大丈夫。

150さて、今回のパーティでもMarshallが大活躍。

1601974XとASTORIA。
外見は赤だけど、中身は緑のCLASSIC。

170同じくASTORIA DUAL。

180そして、今回はEDENも参加した。
Terra Nova TN501とD410XST。

190v ダンス・フロアにはバッチリとダンス板が敷かれている。

195学生時代、コイツを敷くアルバイトをチョクチョクやっていたのでどうしてもなつかしくて注目してしまう。

196専用のレンチをこの小さな穴に突っ込んで回し、板が外れないように固定する。
1m角の板はまぁまぁの重量で、それが何10枚も組み合わさるので、全体では相当な重さになるのだが、それでも大勢の人がこの上で勢いよく動くと少しずつズレちゃうんだよね。
この板の上で女性がヒールを滑らすワケだから、当然レンチのネジ穴も極限まで小さくしなければならない。

197板は中央から組んでいく。
この時点でズレがあると、ハジッコに行く頃には大きな誤差ができてしまって、「ハイ、やり直し」となってしまうんだね。

198お客さんもそろったところでいよいよパーティのはじまり、はじまり~!

200まずはテラスで大使がご挨拶。

2102014年から特命全権大使を務めるハンス・カール・フォン・ヴェアテルンさん。
来場者へのお礼はもちろん、このパーティの主旨やスポンサーが紹介された。

220v恒例のビヤ樽開き。

230v大使!泡だらけです!
さすが特命全権大使、コレぐらいのことでは決して慌てない。

240間もなくすると時計は7時になり、ダンス・パーティがスタートした。

250StuartO (スチュアート・オー)

250v川上真樹

260vパーティに誘ってくれたマーブロではおなじみの関雅樹。
ココ「マサキ×2」なんだよね。

270v
上手のギターはFrank Kato-Bernhardt

300vベースはのまぐちひろし280v今回のドラムスは木村真巳。

290vドラムスはメンバーが入れ替わっているものの、皆さん、6回連続の出演だそう。

3101時間弱のステージを3セット。
ファースト・セットはイーグルスの「Take It Easy」でスタート。

320曲はもう皆さんおなじみのロックのスタンダード…と言いたいところだけど、私は半分以上わからなかったな~。

330vダンス・フロアはスカスカ…いいの、いいの。
はじめのウチは必ずこうなの。
恥ずかしがって誰も踊らない。
そんなこと気にせず素敵なダンスを見せてくれた写真の女性は大使館のスタッフ。
カッコいいね、こういうのは。
私はダメです。絶対ダメ。
他にブルーのワンピースを身にまとってひとりで踊ってくれた日本の女性がいた。
かかとをフロアに打ち付けて、とても可愛くて、ステキな踊りだった。
つい見とれてしまって写真を撮るのを忘れてしまったのだが、その彼女が後で私に話かけて来てくれた。
そう、2年前に外で写真を撮って差し上げた珍名の方だった。
私のことを覚えていてくれたのだ。
あ~、あのステキなダンス、写真を撮って、後で送って差し上げればヨカッタ…後悔。

340バンドさんのテンションはスゴイよ!
もう始めっからノリノリ。
こうでなくっちゃ誰もノッてくれないませんよ!

350関ちゃんは1974XとASTORIAでウォームで切れ味の鋭いサウンドで弾きまくる。

355ん~、やっぱりTerra Novaいいな。
こんなにちっちゃくなっちゃって!
でも音の太さやヌケ方はバツグン!

360フランクもASTORIAがお気に入り。
随所でバッチリとフィーチュアされた。

370v「Long Train Runnin'」、「Every Breath You Take」、「Change the World」などをプレイ。
後はわからん。
もうね、80年代に入っちゃうと、よっぽどハヤっていた曲しかわからないのです。

380vフランクはドイツ大使館の職員で無類のギター好き。
この日をとても楽しみにしていたようでとても楽しそうだった!

390セカンド・セットもバンドは全力疾走!

400外はもう真っ暗だけどたくさんの人で賑わっている。

410コレ、港区麻布ですからね~。

420v料理もとてもおいしいのです。
もちろんデザートも充実。

440お、なんか様子が変わったようだ。

430バンケット・ルームを覗いてみよう。

450結構な熱気!
そう、抽選会をやっていたのだ。
チャリティのクジを買うと、何かが当たるというヤツ。

460コレ書いていいのかな?…エエイ、書いちゃえ。
というのは数字のこと。
下の女性が、引いたクジに書いてある番号をドイツ語で読み上げるんだけど、コレが面白い。
前にも書いたことあったけど、ドイツ語の数字って音が変わってるじゃない?
アイン、ツヴァイ、ドライってヤツ。
コレに「0」が入って来ると面白くなる。
ドイツ語で「0」は「ヌル」だ、
「7」は「ズィーブン」。
だからジェイムズ・ボンドのコード・ネームは「ヌルヌルズィーブン」になっちゃうワケ。
「ゼロゼロセヴン」ならいいけど、シマらないぜ~「ヌルヌルズィーブン」じゃ!
でね、フランクフルトでは土曜日の夜中ぐらいになるとテレビで風俗店のCMが流れる。アレはホテルだけか?
美しい女性が悩ましい格好をして、吐息交じりに店の電話番号を読み上げる。
「ヌル・アイン・ツヴァイ・ヌル・ゼクス・アハト・アイン・アイン・ツヴァイ・ツヴァイ」とか、「
ヌル・ドライ・フュンフ・アハト・ツヴァイ・ヌル・ヌル・フィア・ドライ」とか…。
それがメッチャ面白い…なんて思ってるのは恐らく私だけだろう。
そして、この抽選会でも…「高級自転車の当選者は…ツヴァイ・ヌル・ドライ!」ってな感じ。
470einfach zugreifen!
コレは私がフランクフルトの楽器フェアのMarshallブースでお手伝いをしていて覚えた唯一のドイツ語!
「アインフォフ・ツグレイフェン」と読むんだけど、意味は「おひとつご自由にどうぞ」。
何でコレを覚えたのかと言うと、ブースに突っ立っていると、来場者が無料で配っているMarshallのポスターを見つけて「コレ、もらってもいいんですか?」とやたらと訊いてくる。
そういう時にドイツ人に向かっての答えが「einfach zugreifen!」というワケ。
あ、もちろんこの自転車は違いますよ!冗談です。
コレを書きたいがために、わざわざフランクにお願いしてスペル・アウトしてもらった。
この自転車もかなり高額な感じだけど、1等賞はこのチャリティ・イベントの後援企業であるルフトハンザの航空券がプレゼントされたようだ。
ああ、久しぶりにフランクフルトへ行きたいナァ。

480さて、いよいよライブの方も最後のセットへ突入!

490この辺りになって来るとまさに「宴もたけなわ」、踊る人も多くなってくるよ。

520バンドももちろん輪をかけてノリノリの演奏を見せてくれる。

500曲はいよいよわからなくなって来たけど、お客さんは大合唱!

530アンコールでは「Smoke on the Water」だの「Rock and Roll」だの超クラシックも!

540そんな曲もダンパ・ネタになっちゃう。

550v要するにナニを演ってもウケる、ウケる!

560フランク入魂のソロ!570最初から最後まで全く気も力も緩めないボーカルス・チームはお見事!580今回もドイツ(大使館の中はドイツ)でMarshallの魅力を関ちゃんが爆発させてくれた。
 

関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒The Website of Masaki Seki

2_0r4a6146 最後は特命全権大使と記念撮影!
来年もよろしく~。
  
このパーティは一般の方も参加できます。
駐日ドイツ大使館のウェブサイトをチェックしてください。
 
詳しくはコチラ⇒ドイツ連邦共和国大使館・総領事館のホームページ

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(一部敬称略 2018年6月1日 駐日ドイツ大使館にて撮影)