ドイツ大使公邸チャリティ・ガーデン・パーティー
久しぶりにドイツに行ってきた。
下はフランクフルト中央駅。
「フランクフルト中央駅」のことをドイツ語では「Frankfrut Hauptbahnhof(フランクフルト・ハウプトバンフォフ)」という。
この「Hauptbahnhof」という単語を覚えるだけで3日はかかっただろうか?…といってももうネタは上がってるか?
そう、タイトルにある通り、行って来たのは広尾のドイツ。
すなわち駐日ドイツ大使館。
下は日比谷線の「広尾ハウプトバンフォフ」から大使館に行く途中にある「NATIONAL」というスーパー。
家内が前々から行ってみたいと言っていたので、誕生日も近いこともあってプレゼントがわりについでに寄ってみた。
ご存知の通り、この辺りにはフランスをはじめとして、多くの駐日大使館が立ち並んでいるからしてスーパーのお客さんは外人ばっかり。
下校の時間ともなると通りを行き交う小学生なんかも多く、その会話が実に面白い。
ホント、頭の中はどうなっているんだろう?…日本語と英語が猛烈に入り混じっていて、「よくこんなんで会話できるな~」と、立ち聞きしていて吹き出してしまった。
そういう外人相手のスーパーだけあって、置いてあるものは海外のモノばかり。
まぁ、わかってはいたけど、改めてビックリ…というのは、その置いてある食料品の成分を見ると「調味料(アミノ酸等)」の表記があるアイテムがまったくと言っていいほど見当たらないのだ。
「調味料(アミノ酸等)」というのはいつも私が騒いでいる、欧米で使用が禁止されているMSG(グルタミン酸ナトリウム)ってヤツね。とにかくアレが使われていないモノばかり。
反対に日本のスーパーに行ってごらん。
生鮮食品を除いて「調味料(アミノ酸等)」という表記のない商品を見かけるのは大変困難か不可能だ。
マイケル・シェンカーの人気が高いのは喜ばしいことだが、一方でこの国はMSG漬けになってるんだよ。
もう一度書くけど、この国の食料品には欧米で使用が禁止されている化学成分が盛大に使われていることを知っておくべきだと思う。
卵もそう。
このスーパーで取り扱っているのは「平飼い卵」といって、野ッパラにほったらかしてあるニワトリが自然に生む卵を多く扱っている。
一方、日本のスーパーで売っている卵がどうやって生産されているかは知ってるでしょ?
味も日本のモノと海外のモノは決定的に違う。
マァ、私も徹底してオーガニックに凝っているワケではないんだけど、海外に行ってスーパーを覗く度に「MSG Free」の表記を見ると、さすがに日本はヤバいんじゃないか?と思ったりしてね。
それで、少なくとも自分で防衛できるところだけは「MSG断ち」をしてるの。
以前にも何回か書いているけど、コレをしばらくやっていると、MSGの入っているモノ、すなわち「化調」をふんだんに含有しているモノを口にすると、舌の奥の方の両側にものすごくイヤな味が残るようになる。スゴく不快な味だ。
これで困ったのが立ち食いソバ。
私、好きだったんですよ。
中には「無化調」のお店もあるが、大抵はMSGがタップリ使われたダシに浸かった「ケミカル・ソバ」ばかりで、最近はまったく食べなくなっちゃった。
日本橋の三越前にある「そばよし」という立ち食いソバ屋があるんだけど、そこは鰹節屋直営
で、もちろん無化調。ダシの風味が強くてすごくおいしい。
ソバもチャンとしていてありがたいんだけど、いつも混んでてどうにも入りづらいのがタマにキズ。
身体に悪いモノから順に好物を選ぶような私が、そんな「MSG断ち」をしているのは家内の影響でしてね。
でも、彼女がこのスーパーに寄りたがった理由は「MSG Free」食品ではなくて、コレ。
このガチャガチャみたいなヤツ。
コレ、ピーナツバター製造機なの。
下の棚に入っているピーナツを赤い機械の上から投入してスイッチを押してやると、アラ不思議!
それこそ昨日のマーブロのタイトルみたいなヤツがニュルニュルと出て来る。
種類は普通のピーナツバターと予め豆に味付けがしてある甘いバージョン、それにアーモンドバターの3種。
ビンに詰めて売られている日本製のモノとは味がゼンゼン違う。
混ざりけなしで、風味が大変に豊かでおいしいことこの上なし!
コレをバゲットに塗って食べるのが大スキなのです。スーパーを出、有栖川公園を左に見ながら坂を上るとすぐにドイツ大使館がある。
お邪魔するのは今回で2回目。
ん?
こんな壁画は以前はなかったぞ。以前はツルッツルのコンクリートの打ちっぱなしの壁だった。
説明書きが付いていたので読んでみる。
冷戦の象徴とされた「ベルリンの壁」は1961年8月13日に築かれ、1989年11月9日に消滅した。
その間28年…10,316日間にわたって壁はドイツを東西に分断した。
忘れていたけど、チョット前までドイツの首都って「ボン」っていうイメージだったもんね。
そして、今年の2月6日、1961年の壁の建設から10,316日が経った。
その日を記念してこの壁画を描いたのだそうだ。
「変化は起き得るものであり、苦しみもいつかは癒え、対立は協力へと変わる」
そんな思いがこの壁画に込められているのだそうだ。
昨年は参加できなかったが、今年も日本での生活に困っている在日ドイツ人を支援するためのチャリティ・パーティが開催された。
前回のレポートでもやったけど、また大使館の中を見学してみよう。
滅多なことでは入れないからね。
ココは大使の住居スペース。
ドイツと日本の関わりは古く、1863年(文久2年)にはマックス・フォン・ブラントという人がプロイセン王国の領事として日本に滞在した。
それが最初の駐日ドイツ外交使節だったらしいッスよ。
その後、何度か公館が移転し、現在の場所に移る前は今の国立国会図書館の場所に大使館があったんだと。
そして、1954年、日本政府から現在の場所を代替地として1円で取得した。要するに交換したんだね。
今の事務所棟の場所には中国大使館があった。
ちなみにこの麻布の場所の路線価は坪当たり505万円だそうです。
スゲエ庭だよね。
中に入るとスッカリ忘れちゃうんだけど、ココ、麻布と広尾の中間だよ。
この庭は小泉策太郎という大正から昭和にかけての政治家の私邸の一部だった。
戦後の日本の造園界をリードした飯田十基という人が設計した名園ゆえ、なるべく手を入れずに温存しているのだそうだ。
だから前回の来訪時と比べて変化なし。
この鐘楼は京都周辺の三条村の「瓦屋吉右門」により造られ、1703年に東山天皇に奉納されたというの記録が残っている。
もともとは奈良にあったが、明治期の「廃仏毀釈」で無用になったモノを策太郎が入手してココに移設した。
この日本家屋も策太郎が作ったもの。いわゆる四阿(あずまや)。
第一次世界大戦後ぐらいの建築であまりにも老朽化が進んでいたので2011年の日独交流150周年を記念して改装した。
写真の左側に赤いの見えるでしょ?
アソコが策太郎邸の正門。
お客さんはあの門を通ってまずこの四阿に寄る。
そして、お茶室からこの美しい庭を眺めて楽しんだだらしいッスよ。
いいネェ、風流で。
コレが「武家門」と呼ばれるその正門。
詳しいことはわからないらしい。
フト、瓦を見ると「丸に二つ引」という家紋が付いている。
こういう丸に横線が入っているデザインは「引き両紋」といって、源平時代からある古い家紋だそう。
線の数は1本から3本と様々だが、新田義貞、足利尊氏、今川義元、ピーコとよい家柄の家紋らしい。
コレだけ広くて木々が茂っていると空気がいいね。
少なくとも浅草よりは空気が澄んでるわ。
ガーデン・パーティだからね。
庭のアチコチで準備が進められている。
チョット準備している間に我がイギリス大使館を見てみよう。
Marshallの関係で何度かクリスマス・パーティにお邪魔したことがあるんだけど、やっぱりそれも大使館のおエライさんの公邸で開かれた。
ま、昭和4年あたりに作られたという古い洋館なんだけど立派な庭があってね。
で、お濠を挟んで皇居の隣にあるこの広大な土地は未来永劫イギリスが自由に使うことができる…という話を聞いたことがある。
タダじゃないよ。チャンとイギリスは地代を支払っているんだけど、ドイツ大使館みたいに立ち退く必要が出て来ないということ。
ナゼかというと、明治維新の時に、イギリスは新政府側をサポートしたからなんだって。そのお礼として新政府がイギリスにそういう約束をしたのだそうだ。
何だよ、かつては生麦事件だ、下関戦争だ、薩英戦争だ、でモメてたクセによ~。
ちなにみフランスは幕府側について貧乏クジを引いた。
この土地は路線価で坪805万円だって!
最近、ベストセラー『昭和史』で有名な半藤一利さんの本で面白いことを知った。
チョット長くなるけど…。
日本の軍隊と言うのは、明治維新の流れで、陸軍は長州閥、海軍は薩摩閥という図式が成り立っていた。いわゆる薩長土肥は「官軍」、それに盾突いた藩は「賊軍」で、軍隊の中で出世するのに大変苦労したらしい。。
で、海軍に関して言うと、それ「官軍 vs. 賊軍」という派閥以外にも「親ドイツ派 vs. 親英米派」という派閥があった。
官軍系が親ドイツ、それに対して賊軍系は親英米というのが大まかな図式だった。
さて、一般的に日本は第一次世界大戦に参加していない…とされているが、形だけは参加したことになっている。ナゼなら「日英同盟」があったからなんだけど、実は日本はパラオ、テニアン、グアム、サイパン等の当時のドイツ領がノドから手が出るほど欲しかった。
いわゆるスケベ根性で大戦に参加したんだけど、イザとなるとイギリスは日本の海軍を「使いっぱしり」としてしか参戦させなかった。
地中海くんだりまで物資を運ばさせられていたらしい。
それじゃドイツに勝ってもおこぼれがもらえないじゃんね。
日本海軍は相当アタマに来た。
その後のワシントン軍縮会でまたイギリスにヤラれちゃって、日本は堪忍袋の緒が切れて日英同盟を破棄するに至った。
その時、スルリと手を差し伸べてきたのがドイツなんだよ。
で、日本海軍にはドイツ派が優勢になり、色んなことをドイツから教わった。
ドイツまで潜水艦でレーダーを取りに行った…なんて吉村昭の『深海の使者』という小説もあるけんね。
ところが、ドイツの海軍ってのは大したことがなくて、優秀な日本海軍が学ぶところはなかったらしい。
しからばナンだってそんなにドイツに傾倒したのかというと…。
日本海軍のオエライさんたちは、ヒトラーが仕掛けたハニー・トラップに引っ掛かっちゃったんだって。
女性のお色気に負けてしまったんだってサ。戦後、生存していた何人もの海軍将校がそう白状したらしい。
ドイツの女性ってのは大きくて立派だからね~。日本の男なんてイチコロだったんじゃん?
初めて食べたのがニューヨークだったせいで、プレッツェルってアメリカのモノかと思っていた。
名前はラテン語に由来していて、「腕」という意味。
このデザインが、人が腕組みしているみたいに見えるところからその名が付いた。
コレ、時間が経つと信じられないぐらい固くなるでしょ?
初めて買った翌日に食べようとしたんだけど、あまりの固さに歯が欠けるかと思った。
「こんにちは~」とそこへ現れたのがベースの「のまぐち」さん。
ドワ~!そのTシャツ!
そう、チョット前に『私のホーチミン』でやったヤツと同じ、「ヤバいTシャツ」ではないですか!
もう大笑い。
のまぐちさんもベトナム旅行のお土産で貰ったそう。
触らせてもらったけど、やっぱり伸びないホンマもの。
彼は細いので、ウチの子みたいに「着たら最後、もう脱げない」なんてことはないから大丈夫。
1974XとASTORIA。
外見は赤だけど、中身は緑のCLASSIC。
そして、今回はEDENも参加した。
Terra Nova TN501とD410XST。
学生時代、コイツを敷くアルバイトをチョクチョクやっていたのでどうしてもなつかしくて注目してしまう。
専用のレンチをこの小さな穴に突っ込んで回し、板が外れないように固定する。
1m角の板はまぁまぁの重量で、それが何10枚も組み合わさるので、全体では相当な重さになるのだが、それでも大勢の人がこの上で勢いよく動くと少しずつズレちゃうんだよね。
この板の上で女性がヒールを滑らすワケだから、当然レンチのネジ穴も極限まで小さくしなければならない。
板は中央から組んでいく。
この時点でズレがあると、ハジッコに行く頃には大きな誤差ができてしまって、「ハイ、やり直し」となってしまうんだね。
お客さんもそろったところでいよいよパーティのはじまり、はじまり~!
2014年から特命全権大使を務めるハンス・カール・フォン・ヴェアテルンさん。
来場者へのお礼はもちろん、このパーティの主旨やスポンサーが紹介された。
大使!泡だらけです!
さすが特命全権大使、コレぐらいのことでは決して慌てない。
間もなくすると時計は7時になり、ダンス・パーティがスタートした。
パーティに誘ってくれたマーブロではおなじみの関雅樹。
ココ「マサキ×2」なんだよね。
上手のギターはFrank Kato-Bernhardt。ベースはのまぐちひろし。
今回のドラムスは木村真巳。
ドラムスはメンバーが入れ替わっているものの、皆さん、6回連続の出演だそう。
1時間弱のステージを3セット。
ファースト・セットはイーグルスの「Take It Easy」でスタート。
曲はもう皆さんおなじみのロックのスタンダード…と言いたいところだけど、私は半分以上わからなかったな~。
ダンス・フロアはスカスカ…いいの、いいの。
はじめのウチは必ずこうなの。
恥ずかしがって誰も踊らない。
そんなこと気にせず素敵なダンスを見せてくれた写真の女性は大使館のスタッフ。
カッコいいね、こういうのは。
私はダメです。絶対ダメ。
他にブルーのワンピースを身にまとってひとりで踊ってくれた日本の女性がいた。
かかとをフロアに打ち付けて、とても可愛くて、ステキな踊りだった。
つい見とれてしまって写真を撮るのを忘れてしまったのだが、その彼女が後で私に話かけて来てくれた。
そう、2年前に外で写真を撮って差し上げた珍名の方だった。
私のことを覚えていてくれたのだ。
あ~、あのステキなダンス、写真を撮って、後で送って差し上げればヨカッタ…後悔。
バンドさんのテンションはスゴイよ!
もう始めっからノリノリ。
こうでなくっちゃ誰もノッてくれないませんよ!
関ちゃんは1974XとASTORIAでウォームで切れ味の鋭いサウンドで弾きまくる。
ん~、やっぱりTerra Novaいいな。
こんなにちっちゃくなっちゃって!
でも音の太さやヌケ方はバツグン!
フランクもASTORIAがお気に入り。
随所でバッチリとフィーチュアされた。
「Long Train Runnin'」、「Every Breath You Take」、「Change the World」などをプレイ。
後はわからん。
もうね、80年代に入っちゃうと、よっぽどハヤっていた曲しかわからないのです。
フランクはドイツ大使館の職員で無類のギター好き。
この日をとても楽しみにしていたようでとても楽しそうだった!
結構な熱気!
そう、抽選会をやっていたのだ。
チャリティのクジを買うと、何かが当たるというヤツ。
コレ書いていいのかな?…エエイ、書いちゃえ。
というのは数字のこと。
下の女性が、引いたクジに書いてある番号をドイツ語で読み上げるんだけど、コレが面白い。
前にも書いたことあったけど、ドイツ語の数字って音が変わってるじゃない?
アイン、ツヴァイ、ドライってヤツ。
コレに「0」が入って来ると面白くなる。
ドイツ語で「0」は「ヌル」だ、
「7」は「ズィーブン」。
だからジェイムズ・ボンドのコード・ネームは「ヌルヌルズィーブン」になっちゃうワケ。
「ゼロゼロセヴン」ならいいけど、シマらないぜ~「ヌルヌルズィーブン」じゃ!
でね、フランクフルトでは土曜日の夜中ぐらいになるとテレビで風俗店のCMが流れる。アレはホテルだけか?
美しい女性が悩ましい格好をして、吐息交じりに店の電話番号を読み上げる。
「ヌル・アイン・ツヴァイ・ヌル・ゼクス・アハト・アイン・アイン・ツヴァイ・ツヴァイ」とか、「
ヌル・ドライ・フュンフ・アハト・ツヴァイ・ヌル・ヌル・フィア・ドライ」とか…。
それがメッチャ面白い…なんて思ってるのは恐らく私だけだろう。
そして、この抽選会でも…「高級自転車の当選者は…ツヴァイ・ヌル・ドライ!」ってな感じ。einfach zugreifen!
コレは私がフランクフルトの楽器フェアのMarshallブースでお手伝いをしていて覚えた唯一のドイツ語!
「アインフォフ・ツグレイフェン」と読むんだけど、意味は「おひとつご自由にどうぞ」。
何でコレを覚えたのかと言うと、ブースに突っ立っていると、来場者が無料で配っているMarshallのポスターを見つけて「コレ、もらってもいいんですか?」とやたらと訊いてくる。
そういう時にドイツ人に向かっての答えが「einfach zugreifen!」というワケ。
あ、もちろんこの自転車は違いますよ!冗談です。
コレを書きたいがために、わざわざフランクにお願いしてスペル・アウトしてもらった。
この自転車もかなり高額な感じだけど、1等賞はこのチャリティ・イベントの後援企業であるルフトハンザの航空券がプレゼントされたようだ。
ああ、久しぶりにフランクフルトへ行きたいナァ。
この辺りになって来るとまさに「宴もたけなわ」、踊る人も多くなってくるよ。
アンコールでは「Smoke on the Water」だの「Rock and Roll」だの超クラシックも!
フランク入魂のソロ!
最初から最後まで全く気も力も緩めないボーカルス・チームはお見事!
今回もドイツ(大使館の中はドイツ)でMarshallの魅力を関ちゃんが爆発させてくれた。
関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒The Website of Masaki Seki
最後は特命全権大使と記念撮影!
来年もよろしく~。
このパーティは一般の方も参加できます。
駐日ドイツ大使館のウェブサイトをチェックしてください。
詳しくはコチラ⇒ドイツ連邦共和国大使館・総領事館のホームページ
(一部敬称略 2018年6月1日 駐日ドイツ大使館にて撮影)