美女と金髪と野獣2018 <前編>~ TEARS OF TRAGEDYとD_Drive
定着して久しいイベント『美女と野獣と金髪』。
Marshall Blogにも何度かご登場頂いているが…アレ?
今、初めて気がついた。
コレ、『美女と野獣と金髪』だったのね?
イヤみんな「ビジョキン、ビジョキン」って言うからさ、テッキリ「美女と金髪と野獣」かと思っていた。
それじゃ「ビジョヤ」って言ってもらわないと!イヤ「ビヤキン」ですべて収まる。
年々人気がアップしているこのイベント、今年はいよいよ追加公演も実現した。
その名も『美女と野獣と金髪と筋肉』だって。
こうなると「ビヤキキ」ですな。
今日はその「ビヤキキ」の方ではなくてツアー本編千秋楽「ビヤキン」のレポート。
まず最初にステージに上がったのはTEARS OF TRAGEDY。
Marshall Blog久しぶりの登場。
相変わらずのTEARS OF TRAGEDY式ドラマチック&ロマンチック・サウンド!
今日もバリバリやってくれているTORUくんはもちろんMarshall。
Marshallを背中にしてステージ上手で華麗に弾きまくる~!
2曲目は「Void Act」。
1曲目同様アルバム『STATICE』からのレパートリー。
さらに続けて「Rebirth」。
ヒラヒラと空に浮かぶようにして歌うHARUKAちゃんと攻めまくるTORUくん。
「Silence Ocean」、「Blue Lotus」と続けた。
TORUくんってサ、あまりにも何でもなくギターを弾くんだよね。
この「お茶の子サイサイ感」はTORUくん独特のモノで、クールな「仕事人」を感じさせる。
サワリでHARUKAちゃんとHAYATOさんのデュエット・コーナーも。
HARUKAちゃんは楽屋でモーツァルトのオペラ『魔笛』の中の「夜の女王」で喉のウォーミングアップをしていた。
このアリアは「ハイF」と呼ばれるピアノの真ん中のFの2オクターブ上のFの音を使っていることで有名。
私は大阪の箕面に住んでいた時にクラシック評論家の出谷啓さんによる「西洋音楽史」の講座を受けたことがあるのだが、その時にこのアリアの話が出た。
『魔笛』が作られたのは1791年のことで、当時はひと通り音楽のパターンが出尽くしていて、人間の限界にチャレンジすることが流行っていたのだそうだ。
要するに今のシュレッダーの皆さんが人智を超えてどれだけ速弾きができるか…なんてのと同じこと。
そこでモーツァルトは素晴らしいメロディの中にこの「ハイF」という普通の人間では到底出すことができない高音をブチ込んだ。
さすがモーツァルト。
こうしたアクロバチックことをしても人類史に残る名曲を作り上げた。
ちなみに最も高い声を使った曲は「夜の女王」の半音上をいくリヒャルト・シュトラウスのオペラ『ナクソス島のアリアドネ』という歌劇らしい。
この「ハイ何とか」という表現は日本だけのモノで、海外では意味が通じないらしいよ。
デューク・エリントン楽団のリード・トランぺッターだったキャット・アンダーソンは、ジャズ史上最も有名なハイノート・ヒッターだったが、彼のトレードマークであった3オクターブ上の「C」のことを英語で「Triple C」とは記述されているものの、確かに「ハイC」という風には書いていない。
しかし、人間は「ハイノート」とか「速弾き」とか好きだね~。ようするに曲芸だからね。
音楽で一番ムズカシイのは高さや速さを競うのではなく、誰も思いつかないいいメロディで人の心を揺さぶることだと最近つくづく思う。TEARSのステージも終盤に入り「夏」から「It Like Snow...」。
MCをはさんで「Another World」、「Accept Yourself」とつなげて出番を終えた。
TEARS OF TRAGEDYの詳しい情報はコチラ⇒TEARS OF TRAGEDY Official web続いてはD_Drive。
SeijiさんはいつものJCM2000 DSL100ECと1960AX。
ToshiくんはEDEN。
Terra Nova TN501とWT-800を装備。
MCを挟んでYukiちゃん作の「Shape of Your Life」。
続いてスーパー・ドライビング・チューン「Mr. Rat Boots」。
D_Driveの新しい側面を見せた「Gradation」はSeijiさんの作だ。
夏の海辺を走る車から見る景色のグラデーションをイメージして、完成した時には夏が完全に終わっていたという曲。
いつも笑い話扱いにしているけど、それだけ考えて、そして煮詰めて曲を作っていることに注目すべきだ。
そしてYukiちゃんのペンによる自発的ドラゴン・ボールのテーマ、「GEKIRIN」。
この曲のハードさがタマらん。
そういえば、「お母さんが竜を見た」と言っているのを聞いたことがあるというMarshallギタリストがいたナァ。
竜は大丈夫なんだよ。
すごくやさしいんだって…「逆鱗」に触れさえしなければ。
しかし、「GEKIRIN」の悪徳サウンド、違う、極悪サウンドに大きくひと役買ってるのはToshiくんのベース。
このサウンド、「スゴイ」のひと言に尽きる。
他公演でジョイントした爆弾幸気圧のE-changも!
「爆弾幸気圧」なんていい名前だな。
暴れているのはフロントだけじゃないよ。
チーさまも…
イントロで、Seijiさんの独特なリフから他の3人が「♪ゾン」って入るところが気持ちいいよね。
あとはもう「♪ゾンゾンゾゾンゾ」で大盛り上がり。
しかし、この曲も山あり谷ありのすごいパノラマだよね。
やっぱり、こうして苦心して作り込んだ音楽はよろしいな。
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site