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2018年11月 6日 (火)

Yasu&Tosh 生誕60周年ライヴクロニクル『生涯現役でいこみゃ~か』 vol.5(最終回)~私の明治村 <後編>

 
ようやく5丁目の見学を終わらせて4丁目に降りて来た。
しかし、暑いナァ~。
さっき犬山で雨が盛大に降っていた時はうすら寒かったのに。
 
このエリアは今までとはガラッと雰囲気が変わって庶民的な木造の建物が並んでいるぞ。

10コレは大阪の池田にあった「呉服座(くれはざ)」という芝居小屋。
明治25年の建造だそうだ。
池田ネェ…私はしばらく箕面に住んでいたことがあったので、あのあたりの土地勘はある程度持っているつもりだが、池田に芝居小屋ネェ…。

20歌舞伎の地方公演や演芸に使われていたそうだ。
なるほど。
それだけに回り舞台になってるんだって。
さらに、政治の講演会の場としても使われていたのだそうだ。
よく映画やテレビドラマのロケで使われているらしいよ。
そうそう、アチコチの展示物に「NHK朝のドラマ〇〇のロケで使われました」とか「NHKの大河ドラマの撮影をココでしました」みたいな表示が付いてたナァ。
ウチは両方とも絶対に見ないので面白くもうれしくもなかったけどよ。

30焼津から移築してきた小泉八雲の避暑の家。
別荘というワケではなくて、夏になると八雲は東京を離れて、この山口乙吉という魚屋さんの家に身を寄せていたのだそうだ。
今は駄菓子屋になっちゃってる。
しかし暑いな…と外でボーっとしていると、「ハイ」と家内が声をかけて何かを差し出してきた。

40何かと思ったら凍らせた「あんずボー」。
ウチはコレに目がなくてね~。
普段、アミノ酸だの人工甘味料だのと騒いでいるけど、コレだけは許す。
ナニを含有しているのかは今でも知らないんだけどね。
子供の頃から大好きで、昔は5円で売ってた。
今でも夏になるとアメ横の「二木の菓子」へ行ってまとめて買って来る。

Abコレね、浅草にある「港常(みなつね)」という会社が生産してるんだよ。
下がその本社社屋。
立派でしょう?「あんずひと筋」だよ。ステイタス・クォーの「ブギ」みたいなもんだ。
この「あんずボー」ね、かなり古い歴史があるよ。
港常は大正4年の創業のあんず加工メーカーで、戦前に干あんずが輸入された。
すると、長野の更埴出身の、時の2代目社長の奥さんが「チョイとオマイさん、このままじゃ安い輸入あんずにヤラれてオマンマの喰い上げになっちまうよ!アタシが口を効いてやるから、あんずの木が生えている山を丸ごと買っておしまいよ」と杉村春子っぽく言ったかどうかは知らないが、山ごと買っちゃった。
更埴というのは更科と埴科が合体したところで、「森」というエリアに「ひと目百万本」といわれるほどのあんずの木が生えている。
ちなみにこのすぐ近くには長野自動車の「森トンネル」という長い隧道があるが、ここの現場プラントに納入するセメントを担当したのは私です。
で、あんずの木って、桜を思いっきり低くしたような感じなのね。
だから、桜のように見上げることなく、目の高さで可愛らしいピンクの花を目にすることができる。
そんなだから、開花の時期はスゴイよ、観光客でゴッタ返しちゃって。
でも、この時に売っているあんずの実はすべて前年に収穫されたモノです。
で、その後港常はどうなったか?
その2代目社長の弟さんが独立して「あんず水」というあんずボーの前身のようなお菓子を開発。
コレがアホほどヒットして、とても生産が追い付かず、弟さんは権利を港常に譲渡したのだそうだ。
あんずって長持ちしないんだって。
だから賞味期限内に配送できる範囲でしか「あんずボー」が販売できないため、関東近郊でしか売っていなかった。
今でも東京からの遠隔地では販売していないようだけど、どうなんだろう?
名古屋では売ってる?
その後、「あんずボーを凍らせるとおいしさ倍増!」という評判が立ち、冷蔵庫の普及とともにガンガン売れたんだって。
ただし、長野のあんずではとても生産に追いつかず、また原価も嵩むことより昭和20年代から中国のあんずを使っているそうだ。
今、駄菓子屋なんてないじゃない?
「あんずボー」も売り場を失ったかのように思えたけど、どころがドッコイ、スーパーでまとめ売りしたところ、コレがまた大当たりしたんだって。
さもなきゃ東京のど真ん中でこんなビルを構えてないわな。
あんず恐るべし!

92mt2「東海の小島の磯の白砂に 我泣きぬれて 蟹とたはむる」…石川啄木ね。
この下の家は文京区の本郷にあった「喜之床(きのとこ)」という床屋さんで、石川啄木がこの2階に住んでいたのだそうだ。

50v伊勢にあった郵便局舎。
明治42年の建築。
シナゴーグみたいでカッコいいデザインだ。

60中には歴代のポストが展示されている。

70日本テレビが移転して来て再開発が進み、スッカリ賑やかになってしまった汐留だけど、明治の末期には火力発電所があったそうだ。
もっとも一般の家庭に供給する電気ではなくて、近くの新橋停車場のために発電をしていた。
それにしても、あんなところに火力発電所があっただなんてネェ。
マァ、小津安二郎の『東京物語』にも出てくる「オバケ煙突」で有名な東京電力の千住火力発電所を考えれば大したことないか?
ロンドンのバタシーしかり。

80上の煙突の跡のとなりにあったコレが面白かった。
日本の鉄道の先生ってイギリスでしょ?
下は新橋にあった「鉄道寮新橋工場」なる明治5年に建てられた今で言うプレハブの建物。
柱、サッシ、壁板、すべてイギリスから持って来たんだって。
柱には「Hamilton Windsor Ironworks Ltd」という銘が入っている。
リバプールの会社だそう。
リバプールというのは18世紀は世界有数の港町だったからね。
ナニで栄えたか知ってる?
そう、奴隷貿易。
でも面白いのこの建物のガワタではなくて中身。
中身が面白かったので、この建屋の全景の写真を撮り忘れたよ。

90r4a2733 鉄道とは全く関係ないんだけど、紡績をはじめとした古式ゆかしい機械がズラリと並んでる。

100コレはドイツのMiehleという会社の印刷機。

110

120このPlatt Brothersというのはイギリスの紡績機械を作る会社。
なんと創業は1770年だって!
今でもあって、従業員15,000人を抱える大手企業だ。

150日本経済の礎はナント言っても生糸と紡績だからね。
特に生糸に関しては、ダントツで世界一のクォリティを誇っていたのだそうだ。

160こういう古い機械ってのはカッコいいね。
重々しくて、頑固そうだけど、いい仕事をします…みたいな。
何しろウチの製品もいまだに真空管を使ってますもんで!

180_2コレは名古屋の「衛戍(えいじゅ)病院」の中の展示。
こういう古い看板とか広告ってのも実にいいよね。
「衛戍病院」というのは、旧陸軍が衛戍地に設けていた病院のこと。
しからば「衛戍」とはナニか?
大日本帝国陸軍の軍隊が永久に駐屯することを「衛戍」という。その場所が「衛戍地」。
この…といっても外観の写真がまたしてもないんだけど…衛戍病院は終戦後に連合軍に接収され、「国立名古屋病院」になった。
当然、軍隊とともに「衛戍」というシステムも言葉も無くなった。

190v他にもナニやら怪しげな医療器具が展示されているのよ。

200vコレはレントゲン関連の機械。
ちょっとカル・シェンケルっぽくてカッコいいじゃん?

210コレは「無声堂」という名の金沢の第四高等学校の武道場。
大正6年の建築。

220ちょうど何かのイベントをやっていて、「無声堂」どころかワイワイ若い人で賑わっていた。
『おれは鉄兵』に出て来るような、いかにも「道場」らしい道場だ。

230ブラジルはサンパウロから移設した日本人移民の住宅。
ウチにはとても仲良しの日系ブラジル人の女性がいてね、興味深く見学させてもらった。
チョット日本家屋っぽいのは、現地の日本人大工が作ったから。

240明治41年、781人でスタートしたブラジルへの移民渡航者は最盛期に年間20,000人にも上ったという。
コレらはコーヒーを栽培する道具。
辛抱強い日本人は想像を絶する過酷な生活に耐えたのだ。

250外観は日本家屋っぽくても、風土に合ったブラジル式の構造が取り入れられている。
この半分開放しているような屋根もそうなんだって。

260v最初に日本人を運んだ「笠戸丸」の資料も展示されている。

270「橋」にちなんだ人情話を集めた藤沢周平の『橋ものがたり』。
井上ひさしがこのアイデアを耳にして「やられた!」と大変悔しがったという。
いいよね~、藤沢周平って。
時々、無性に読みたくなる。
…ということで、マーブロの「橋ものがたり」を<前編>の新大橋に続いてひとつ。
イヤ、大したことはありません。

Hm コレは大田区の蒲田と川崎を結ぶ多摩川に架かっていた「六郷橋」。
明治5年に日本で初めて鉄道が開業した時、新橋・横浜間に架かっていた橋はすべて木造だった。
本当は鉄橋にしたかったんだけど、日本にはまだその製造技術がなかった。
さりとて、イギリスから輸入していたのでは間に合わない。そこで木造で架橋することに踏み切ったんだって。
そして鉄道が開通して、複線にする時に日本で初めての鉄橋が導入された。
コレがその日本で初めての鉄橋。

280ホラ!
またHamilton Windsor Ironworks。
日本にとってリバプールはビートルズだけじゃないんよ!え!マージ―で?…ナンチャッテ。コレが言いたかった。
橋ものがたり、終わり。

290この灯台は古いよ。
明治3年(1870年)の建設。
1858年にアメリカ、オランダ、ロシア、イギリス、フランスらの列強5か国と結ばれた条約によって各地に港が開かれたが、ヤイノヤイノと関税他についてうるさいことを言い出したもんだから、1866年に新しい条約を交わすことになった。
その新しい条約に「外国船のために灯台を作る」という文言が入っていた。
で、作った灯台のウチのひとつがコレ。
当時、日本には灯台建設の技術がなかったため、フランス人技師の指導を受けた。
だから風見鶏の方位を示す記号がN(north)S(south)E(east)W(west)ではなくN(nord)S(sud)E(est)O(ouest)とフランス式になっている…へんなの。

300この辺りでようやく3丁目。
このエリアで目を惹くのは西園寺公望(さいおんじきんもち)の別邸、「坐漁荘」。
ボランティアの人が色々と説明してくれて面白かったな。
実に細かいところまで公望の希望が組み込まれていて、建築の際にも監督が厳しかったらしい。
大工さんはイヤだったろうナァ。明治時代、最後の総理大臣だからね~。

320こちらは墨田区の東向島にあった幸田露伴の住まい「蝸牛庵」。
「蝸牛」ってのは「かたつむり」のことね。
はい、幸田露伴といえば、尾崎紅葉と並ぶ明治の文豪ですね。で、代表作は「五重塔」。
ココまでは誰でも知ってる。
でも、幸田露伴について、我々はそれ以上ナニを知っているというのだ?
「五重塔」すら読んだことがない私が言えた義理ではないが、ほとんどの人は「五重塔」で終わっちゃうのではないか?
それなのにナンでこんなに有名なんだ?…なんてことを、ココのボランティアの係りに人に話したら、「……ホントですね~」とのお答え。0r4a2687 港区にあった「北里研究所」を通りすぎていよいよ2丁目へ。
しかし、こんな建物が東京にもゴロゴロしていたんだもんね~。
ステキだったろうな~。

330ココもなかなかに見応えのある建物が並んでいた。

340明治31年建設の札幌電話交換局。
北の電話交換局といえば樺太の「真岡事件」。
コレは近々詳しくMarshall Blogで取り扱います。

350安田銀行会津支店。
安田銀行を創設した安田善次郎はオノヨーコの母方のひいジイちゃんだ。
ヨーコさんの父方のおジイちゃんは著名な銀行家の小野英二郎、ダディは東京銀行の常務。
手がつけられないほどのお金持ちのお嬢さんなのだ。
ちなみに凶弾に斃れたヨーコさんのダンナさんは元ビートルズのジョン・レノンさん…コレは誰でも知ってるか。
その前の旦那さんは誰だか知ってる?
先頃文化勲章を叙勲した作曲家の一柳慧(とし)。
もう好きにすれば良いじゃないか。
でもね、今の若い人…どころか若いミュージシャンもビートルズのメンバーの名前が言えない子が多いんだよ。

360コレも立派だったナァ。
東山梨郡役所だって。明治18年の建設。

380もうこの頃にはヘロヘロ。
朝、あの喫茶店でホットドッグを食べてから水以外何も口にしていないし、ズッ~ト歩きっぱなし、立ちっぱなしなんだもん!

390ほとんどウンザリしながら最後の1丁目へ。
しかし、コレもスゴイな。
昔の三重県庁舎。

400やった!
正門に到着!
ゴォォォォール!

410コレが明治村の正門なのよ。
一応、全部見た…ということで。
オイ、チョット待てよ~!
「全部見た」はいいけど、これからあの駐車場まで歩いて戻れっていうのか?
ずっと上りなんだぞ!
あ~、ムリムリ。無理です。
誰か車を持って来て!…というワケにもいかず…。

420有料とは知っていながら例のシャトルバスにご厄介になることにした。
チケットを買って…と。

430オイ、チョット待てよ~!
500円も取るのかよ~!タッケェな~。
と思ったら、1日何度でも乗り降りし放題なんだって。
バスの中ではかなりの名調子で運転手さんが建物の解説をしてくれる。
お年寄りなんかはコレを利用して見て回るんだね。
ナンのこたぁない、自分が「お年寄り」なんじゃねーか!

440ハイ、駐車場に到着。クタクタだ~。
オイ、ちょっと待てよ~!
これから東京まで運転して帰るんだぜ~!
 
ということで、今回の「私の〇〇」はライブ・レポートよりお先に終了させて頂きます。
最後までご高覧頂きありがとうございました!

450さて、ELLの方もいよいよ大詰め!
SNIPERを終えたトシさん、「みんな大丈夫?まだ元気ありますか?」
「オオ~!」客席からは元気な反応。

460vさっきからACEさんに代わってMCを務めているKAZUさん。
「今日のイベントにもいよいよリーチがかかったね。長い間お付き合いくださいましてありがとうございます。
トシと増井と赤松は同世代で、赤松が生前に作ったCDが3枚あります。
奥さまが『お聴き頂けるのであれば持って行ってください』ということで預かっています。
死ぬ間際までいい音を作っていました。
どうか皆さん、聴いてやってください」

465v12番目はDYNAGON!
待ってました!

470中野重夫

480v加藤剛

490v宮田叔侑

500v増井康博の4人がDYNAGON。

510vドヘヴィなサウンドはまさに「中京の重戦車」!

530ナニを演るのかと思ったら「Dynagon」。

520この曲はシゲさんと剛さんのバトルが見所なんだ。

540今日も組んずほぐれつ2人で暴れております!

550剛さん、会心の一撃!

560vMarshallとSGのコンビネーションでシゲさんも負けじと応戦。
もう最近は長いこと「ギターを欲しい」なんて思わなかったんだけど、近ごろメチャクチャSGが欲しいと思ってるのです。
理由は特にない。
だけど、ナンカ惹かれているんだよね~。
あ、アンプは大丈夫です。

570ヤスさんもタフだな~。
この巨岩がゴロゴロと転がり落ちていくような激しい曲でも涼しげにスティックをさばいてる。
これで10バンド目だからね。

580トシさんはひとつ少なくて9バンド目。
やっぱり元気だわ~。
見て、ステージの上下でシゲさんとギンギンに角を付け合わせてる。

590剛さん、渾身のソロ~!

600v1曲だよ。
15分で1曲。
コレで言いたいこと、演りたいことをすべて吐き出した。
カッコいいじゃあ~りませんか!

610さぁ、さぁさぁさぁさぁさぁ、もうカレコレどれぐらい押してるんだ?
んなことはどうでもいいか!
泣いても笑ってもいよいよ『Yasu&Tosh 生誕60周年ライヴクロニクル"生涯現役でいこみゃ~か"』の最後!
皆さん、一番最初に誰が出たか覚えていますか~?
覚えていない人はコチラを読んで復習してからこの先に進みましょう。
色々あったな~。コレで終わっちゃうの寂しいな~。

620v演奏前に主役の2人からひと言。
「最後まで本当にありがとう!リハからアクセル全開で演ってます。最後はGONZで〆たいと思います」

S41a2258 「みんなが還暦になった時に思い出してね…コレぐらいのことはできるって。赤松他、先に逝った人たちにも感謝の気持ちを込めて演ります」
S41a2259トリを飾ったのはキーボーズ・トリオのGONZ。

630Talkey Sakamoto

640Tosh

650Yasu

660v曲はアルバㇺ『Instrumental Trance Phenomena』のクローザー、トシさん作の「Circle of Mind」。
このアルバム、いいんだぜ~。
キーボーズのトリオというとThe Nice、Egg、ELP、Refugee、UK、Quatermas、Trace等々、歴史的にはそんなに珍しいモノではないけど、GONZはどれにも近くない独特の存在なんだよね。
トシさんとも話したんだけど、このアルバム、仕上がりがエラくワイルドで粗削りなのね。それがすごくカッコいいのよ。

670cdTalkeyさんの部厚いキーボーズサウンドに乗って…

690vトシさんが美しいテーマを奏でる。

730vそしてドラムが加わる。

710v曲はメジャーのミディアム・スロー。
コレを最後の最後に1曲勝負で持ってくるなんでズルくない?
感動してまうでにゃ~か!

680トシさんのソロが華やかに展開する。

700vTalkeyさんのピアノがどこまでも可憐で愛らしい。

720そして表情豊かなヤスさんのドラミング。
なんかギターがいないのにパット・メセニーの音楽を聴いているような幸福感に包まれる。
もしくはZappaの「Watermelon in Eastwr Hay」みたいな感動だ。

740vそのGONZ、今新しいアルバムをレコーディング中なんだって!
トシさんはEDENのTerra Novaをガンガン使ってくれているし、

750ヤスさんはもちろん愛用のNATALメイプルを使用。

760Talkeyさんもオルガン様に1987Xを使ってくれているようだ。

7703人の熱演が心を揺さぶる!

780終わった~!終わっちゃった~。

790トシさん、ヤスさん、お疲れさまでした~!

800最後はステージ全員集合。
ジャムセッションなんてなくていい。
もうコレでいいんだってば。
「おめでとう」を連発するワケでもなく、主役が挨拶を考えて来ないような実にリラックスしたお祝いのコンサートだった。
ま、確かに予定をはるかに超過してかなりの長尺となったが、イベントはある程度仕方ない。
ヘタをするとここから、「ハイ、じゃ、そっちから全員ひとことずつ…」なんてイベントもあるからね。
もう音楽で十分語ったハズなんだからそんなことしなくていいの!
810トシさんとヤスさんは色んな音楽を演ってきたんだね~。

815しかし、うらやましいね。
昔からの仲間がこうして集まって音楽で友達を祝福するなんて。

820コレも名古屋だからなせるワザでしょう。
東京や大阪ではなかなかこうはいかない。東京や大阪は集まって来る場所だから、いつかみんないなくなっちゃう。
それに規模が大きすぎる。
その点、名古屋は丁度いいサイズなんじゃないかしら?
才能ある人材も確保できるし、規模が大きくないゆえに横のつながりが強固になる。
カッコよく言えば、60年代のロンドンのロックシーンみたいなモノか?アメリカの都市だと広すぎちゃう。
ケンカしちゃうとやりにくいだろうけどね。
さらに「尾張名古屋は芸どころ」だから!
名古屋はある種、音楽の都なのかも知れないよ。
そもそもいいライブハウスが多いもんね。
コレが今シリーズ最後の脱線になるけど、歴史をひも解くとその理由がわかる。
享保年間、江戸では8代将軍吉宗(「暴れん坊将軍」ね)が前代未聞の緊縮財政をひき、爪に火を灯すような倹約を強要していた頃、尾張徳川家7代藩主の徳川宗春は、祭りや芸能を奨励し、ジャンジャン消費を推進したんだね。
遊郭や芝居小屋も公認して名古屋に芸能ブームを巻き起こした。(江戸では風紀を乱すとして、歴史的に芝居小屋の規制も厳しかった)
この伝統が息づいているに違いない。
でも、コレは宗春のヤキモチによるモノで、吉宗への当てつけでこんなことをしたのかも知れないよ。
吉宗は徳川宗家の出身ではなくて、宗春と同じ徳川御三家のうちの紀伊の出身だから。
 
そして、名古屋にはうまいもんがたくさんある。
今回も白川で「ひつまぶし」を頂きました!

830もうひとつ。
仲間がいるから続けているからか、それとも続けているから仲間がいるのか、どちらかわからないけど…両方かな?…とにかくみんな音楽から離れていないところがスゴい。
何事も続けなければ何にもならないもんね。
それにはやっぱり健康第一ですわ。
どんなにいいギターを持っていても、健康でなくては弾くこともできやしない。
  
13ものバンドを見ていて、私も久しぶりにバンドやりたくなっちゃったよ。
私とバンドを組むとMarshall GALAに出れるよ…こういうのを「職権乱用」とか「公私混同」とかいうんだけどね。

840最後に主役の2人から本当に「ひと言」。
「チョット疲れ切っています!みんな、どうもありがとう…最高!」

860v「みんな、覚えておけよ!みんなもコレをやるんだぞ!」

850vハイ、記念撮影。
きっと赤松さんもどこかにいらっしゃると思うよ。
みなさん、最後までお疲れさまでした!

870超末筆になってしまいましたが…
トシさん、ヤスさん、還暦おめでとうございます!
これからも名古屋においてのギンギンの音楽活動を楽しみにしています。
とにかく健康第一!
GONZのニュー・アルバム楽しみに待っています!

880<おしまい>
 

200_3
(一部敬称略 2018年9月8日 名古屋Electric Lady Landにて撮影)

2018年11月 5日 (月)

Yasu&Tosh 生誕60周年ライヴクロニクル『生涯現役でいこみゃ~か』 vol.4~私の明治村 <前編>

 
ナンダ、ナンダ?
犬山城を出た後はグイグイと天気が良くなってきたぞ!
この日は完全に「雨」の予報だったんですけど…。
もちろん文句は言うまい。
今回の観光で一番楽しみにしていた「明治村」が晴れているんだからこの上なし!
案内板に導かれるまま山道を登って駐車場に直行し、その最寄り入り口から入村した。
正門ははるか下の方になる。
この駐車場のロケーションがね~…この時は知らなかったよ。

10明治村に来たのはコレが初めてのことではなくて、前回書いた、例の社員旅行の時に訪れたことがあるの。
つまり34年ぶりの再訪。
だから犬山城同様、ゼンゼン覚えていない…というワケではない。
ところどころ覚えていて、長い間「また来たい」と思っていたんだ。

20ウワ~!地下通路を抜けるとこの景色。
気持ちいい~!

30そして、すぐ左手には旧帝国ホテル。

40カッコいいな~。

90r4a2444 コレがこうして日比谷公園の向かいにあったなんてね~。
この建物がフランク・ロイド・ライトの設計であることはつとに有名だ。
1923年の竣工。つまりジム・マーシャルが生まれた年(大正12年)に工事が終わった。
コレすなわち関東大震災の年。
オープンの準備に大あらわだった時に地震が発生した。
植草甚一の本を読むと、植草さんは当時中学生で、都電(当時は市電かな?)に乗っていた。
地震の瞬間に電車が転覆したそうで、何が起こったのか全くわからなかったらしい。
そんな地震でも出来上がったばかりの帝国ホテルはビクともしなかった。
アメリカに戻っていたライトは、地震の2週間後に手紙でそれを知り、狂喜したそうだ。
しかし、見ての通りこの東京の貴重な土地のど真ん中を陣取っていた割には部屋数が270しかないために採算性が悪く、老朽化が著しく進んだことより1968年(昭和43年)に解体され、一部がこうして明治村に移築されて保管されている。

110中に入る。
やっぱり覚えてないな。

60アールデコ調の装飾がそこら中に施してあってステキなことこの上ない。

70v

80v

90見て!この天井のデザイン。

100コレがロイド翁。

120v中には帝国ホテルで使っていた食器なども飾られている。
このお皿のデザインはライトによるもの。
あくまでも「シンプル」だね。

130コレは銀のスプーン。

140ハイ、ココで脱線。
この脱線のために上のスプーンの写真を撮って来た。
「銀のスプーン」は英語で「silver spoon」。
出て来るでしょ、「アビィ・ロード」のアレに。
「♪She came in through the bathroom window, protected by the silver spoon」ってヤツね。
この曲はポールの実体験に基づいていて、風呂の窓から入ってきた女性の「空き巣」の歌なんでしょ?
だけど、それはリンダだという説もあるとか…。
「銀のスプーンに守られて」いるんだから相当な金持ちの女性のはず。
しからば旧姓イーストマンのリンダに違いない…と思ったことがあったけど、リンダはイーストマン・コダックのイーストマン家とは無関係なんだってね?
そう、「silver spoon」は金持ちの家を象徴していて「be born with a silver spoon in one's mouth(銀のスプーンを咥えて生まれる)」という風に使い、リッチな家庭の出身を意味する。
向こうの曲を聴いていると時々この表現に出くわす。
そして、この反対をやったのがThe Whoの「Substitue」…「恋のピンチヒッター」ね。
「♪I was born with a plastic spoon in my mouth」っていうところ。
ウチのことだわ。
銀なんてムリムリ!ウチはプラスティックのスプーンです。
そういえば最近が「プラッチック」っていう人を見かけなくなったね。

Subコレはチョコレ―トでできたスプーン。
トルコ製。
ホット・ミルクをコレでかき混ぜると、スプーンが溶けてホット・チョコレートになるんだって。
ホンマかいな?
アメ横で見つけて、この記事のために買って来た。

9sp2 戻ってコレですよ。
ビリヤード台でも帝国ホテルの大浴場のそばにあったピンポン台でもないよ。
コレ、ポーツマス条約の時に実際に使われたテーブルだっていうんだよね。
ポーツマス条約というのは1905年(明治38年)にアメリカのセオドア・ルーズベルトの仲介で結ばれた日露戦争終結のための講和条約だよね。

150交渉を全権委任されたのが、日本側は時の外務大臣、小村寿太郎。
ロシア側は調印直後にロシアの首相となるセルゲイ・ウィッテ。
下の絵がその調印式のようすで、ン~、絵の方が何となくテーブルが短いように見える感じはするけど、確かには似てはいる。
ホンモノかナァ?興奮するな~。
なんだって、こんなモノに興奮するかというと、ウチのひい爺ちゃんがこの席にいたとかいうワケではまったくなくて…

9160 この吉村昭の小説を読んだからなのね。
ハッキリ言いましょうか?
ヤケクソに面白い。
もうチョット言うと、今の政治家は全員読むべき。
昔の政治家が大変に立派だったということがわかる。
この講和条約に臨んだ小村外務大臣は、途方もない苦労をして調印にこぎつける。
普通、日露戦争というと、「アジアの小国がヨーロッパの列強に勝利した誇るべき戦い」みたいなイメージが我々にはあるでしょ?
とんでもない。
ロシアはバルチック艦隊の到着が遅れて、チョット劣勢になってしまっただけで、「何なら2回戦をやってもいい」ぐらいのつもりだったらしい。
そうなったら間違いなく日本は滅亡していたらしい。
コレに先立つことたった14年、1891年に「大津事件」という滋賀の大津で津田三蔵という警官が来日中の時のロシアの皇太子ニコライを突然斬りつけるという暗殺未遂事件が発生した。
この時、日本政府はマジでロシアが仕返しで日本を滅亡させると心配したらしい。
そんな状態での交渉なもんだから当然小村は苦労しますわな。
でもとにかくガンバル。
結果、樺太の北部はゲットできず、かつ一銭もロシアから賠償金をふんだくることができなかった。
国内はマスコミがいいように掻き立てて、国民はスッカリ大勝だと思っているもんだから、小村は国賊扱いされてしまうんだな。
ヒドイ話よ。
この「勝ったつもり」になった戦争が、結果的に太平洋戦争に発展しちゃったんだから恐ろしい。
とにかくご一読をオススメします。

9ph そして、そのバルチック艦隊の顛末を小説にしたのがコレ。
あ、私は戦争マニアとかいうワケではゼンゼンありませんよ。
ただ、戦争まわりのことは、機会があれば少しでも多くを学ぶように努めているつもりなのです。
Us「大津事件」はコレに詳しい。
コレも面白いよ。
今日は徹底して吉村昭を出しちゃう。
私のウンチクの多くは吉村昭の小説から拝借しているのです。

Ns 話を戻して…
ココに「このテーブルがポーツマス条約の調印に使用された」ことを証明する銘板が取り付けてあった。170その銘板がコレ。
ようするにホンモノなのね。

180コレはその時の写真。
上の絵の反対側から撮影してるね。
手前側の左から3人目が小村寿太郎。
190村内をシャトル運行する乗り合いバス。
無料かと思ったら有料。まあ乗らないわね。
ところが、このバスにトリックがあることを最後の最後に知った。

200コレ、何だと思う?
日本の司法制度確立期の明治19年に京都の宮津に建てられた裁判所の一部。

210内部には人形を用いて当時の裁判の様子が描かれている。
裁判所なんてどこにでもあるわけじゃなく、明治9年には全国で23か所しか地方裁判所がなかったらしい。
私はですね、今から30年ぐらい前、関西電力の「宮津エネルギー研究所」という火力発電所の建設現場によく行ったんですよ。
宮津といえば舞鶴から天橋立を経て西進したロケーションでとても寂しいところだった。

にもかかわらず何で宮津に裁判所なんかあったんだろう?

220トトロの「さつきちゃん」の家?
新潟の上越市に明治41年(1908年)に建てられたという写真館。
明治時代は正式な理化学の知識を持ち、それなりの修行を積んだ人でなければ写真館など開くことはできなかったらしい。
今のデジカメで猫も杓子も「にわかカメラマン」というのとはワケが違う、花形職業だった。
ま、私も猫や杓子の一部ですが…。

2302階がスタジオになっている。
当時はストロボ等の人工の光源がなかったため、太陽の光がスタジオに入り込むように大きな天窓を設けたのだそうだ。
わかるワァ、この気持ち。
しかし、低感度のフィルムじゃ、冬の上越ではコレでもキツかっただろうナァ。

240「明治五大監獄」っていうのがあるの知ってる?
私は知らなかった。
入ったこともないし。
千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島の5つ。
下はそのウチの金沢監獄の正門で明治40年に作られた。

420コレがその中央看守所という設備。
アータ、調べてビックリよ。
この金沢監獄はおろか、上の五大監獄はすべて山下啓次郎という人の設計。
山下啓次郎…知ってる?
なんと、ピアニストの山下洋輔の実のおジイさんだって!
そういえば以前テレビでそんなことをやってたような記憶がなきにしもあらずだわ。
そして、まだコレが金沢にあった頃、五木寛之がこの監獄の裏に住んでいたそうだ。(この設備が解体されたのは昭和46年)

250中央看守所から5つの収監棟が伸びていて、下のような八角形の監視室から全てが見渡せるようになっている。
この監視室は網走刑務所のモノだそうだ。

260網走刑務所か…開拓作業に従事する明治時代の北海道の刑務所を描いた小説も吉村昭は書いている。
コレはどちらかというと集治監が主役の話。
正直あんまり面白くなかったナ。
9ah_2 吉村昭の監獄モノの白眉といえば、実際に4度刑務所を脱走し「昭和の脱獄王」といわれた白鳥由栄を主人公にした『破獄』。
私は33年ぐらい前に『高熱隧道』についでこの『破獄』を読んで吉村昭のファンになった。

9hg他にも吉村の刑務所モノにはコレ。

9kshそれから巣鴨プリズンを舞台にしたコレ。
もし吉村昭に興味を持った人がいても、ま、この2つは後にしましょう。

9pm先に読んでもらいたいのはコレ。
シーボルトに師事した蘭医、高野長英の悲劇的な半生を描いた長編小説。
天保の改革の水野忠邦の部下、悪名高い鳥居耀蔵の「蛮社の獄」で伝馬町の牢獄に入れられた長英が脱獄して逃げに逃げる話。
コレは私の「吉村昭ベスト5」に入るね。

9sim_2 話は戻って金沢監獄。
コレが監獄棟。

270v官房はこんな感じだったそうだ。

280v食事はコレ。
身体にいいよ~。
しかし考えてみると、牛丼やコンビニの弁当で格安に済ませてしまう現在の食生活と大差はないかもね。
イヤイヤ、摂取カロリーは低いし、MSGやトランス脂肪酸、化学保存料、合成着色料、人工甘味料などが含まれていないこの囚人の食事の方がはるかに身体にはヨカッタのかも知れないよ。

290さ、我々も脱獄して外へ出よう。
この荘厳な洋館は明治40年に皇居の大手門内に建てられた「内閣文庫」の本館。
今の国公文書館の前身。

300手前の電灯は皇居前の石橋に明治21年に設置されたモノ。
明治21年にガス燈として設置されたが、時代は電気に移行するタイミングで、最終的には電灯になったが、その安全性が確認されるまで5年も使われなかったんだって。
デザインがすごくイカしてる。

310vしかし、昔の建物ってのは立派だよな~。

320中にはこんなモノが展示されている。
全国の歴史的な建物の紙でできた模型。
ココのアトラクションはさっきのポーツマスみたいに、例え建物とは何の関係ないモノでも色んな展示をして見るものを飽きさせないようにしているところがエライね。

330村内を見渡す。
ホントに気持ちいい~!
この辺りは「5丁目」というエリアでまだ見学コースが始まったばかりの地点。
お~、向こうの方に良さそうな建物が!

340コレコレ。

345愛知の刈谷から移築された「菊の世酒造」の酒蔵。
1868年の建造だというから、明治元年だね。
デザインがカッコいい。

350内部には様々な酒造りのツールが展示されている。

370ハイ、今度は手前。
左下の鉄橋。

380ナント、隅田川にかかる「明治五大橋」の一角、新大橋。
五大橋は他に上流から吾妻橋(ウンコビルのところね)、厩(うまや)、両国、新大橋、そして永代橋を指す。
ウエストミンスター、ウォータールー、ブラックフライアーズ、ロンドン、タワー…ロンドンに行くとテムズ川にかかる橋にいつも魅了されてしまうが、ナンノナンノ、隅田川も負けてない。
テムズ川の橋もそうなんだけど、デザインがそれぞれ全く異なるところが実にカッコいい。
また、それぞれの橋は大正末期から昭和の初頭に集中して建造あるいは改築されていて、関東大震災の惨劇の教訓を生かして設計された。
もうひとつ、その頃にこれらの橋の建造が集中しているのには理由があって、関東大震災の前年、大正11年のワシントン軍縮会議で列強より押し付けられた条項により、軍艦建造用の鉄が余ってしまった。
「ワリィ、軍艦作れねーわ。ココはひとつ我慢しちゃって!」というワケにもいかず、政府は鉄鋼会社から購買を約束した鉄を買って、それを消費するために隅田川の橋を造ったんだね。
これまた上流からいくと、白髭、言問、吾妻、駒形、厩、蔵前、両国、清洲橋、永代…要するに今隅田川に架かっている主要な橋は全部この時に作られた。
この新大橋と勝鬨橋は対象外。
昨日も吾妻橋と駒形橋を車で渡った。アホみたいに金をかけて作った大和や信濃は海の藻屑と化したが、橋はこうして今でも大活躍してるぞ!

390もう少し新大橋と吉村昭の話を…。
ジム・マーシャルが生まれた1923年、つまり大正12年の9月1日の昼に関東大震災は発生した。
死者は10万とも14万人とも言われているが、吉村先生の本によると、そのうち3万人が両国の横網にあった陸軍被服廠(軍服を作る工場)で焼死したという。
多くの人が逃げ込んだ工場の敷地内に火が燃え移り、そこに強風が入り込んで、避難者もろともアッという間に全焼したという。
当時、女性は髪の毛に大量を整髪油を塗布していて、そこに火がついて頭が丸焼けになった女性が多かったらしい。
また、災害の被害を食い止めるには、携行する荷物をできる限り少なくするのが鉄則なのだそうだ。
何も持たないで逃げるのが一番。
コレは吉村昭の本によるところではないが、それでも東京大空襲の時にはアップライト・ピアノを運んで逃げた人もいたらしい。
さて、そうした被害が甚大になるのは橋の周りに多かった。
結局、荷物を多く持っていると、それだけ避難者の体積が大きくなり、動きも鈍く、橋上のスムースな通過を妨げることになり、実際に関東大震災の時にも橋で亡くなった人が多かった。9kd ところが!
この新大橋ではひとりの死者も出すことがなかったのだそうだ。
ナゼか?
この橋が架かる新大橋通りにある所管の久松警察署の職員がこのことを知ってか、橋の両端に待機して、荷物を持っている避難者の通行を一切遮断したのだそうだ。
そうして、隅田川の東詰めを目指す避難者をスムースに通過させて多くの命を救った。
後日、久松警察署は東京府かどこかから表彰されたのだそう。

400新大橋の手前の池の反対側に移動したよ。
それでもまだ5丁目。
コレ、今日中に見終わるのかね?
この後東京まで帰らなきゃならないのよ!

410京都の河原町三条にあった聖ザビエル天主堂。
名前の通り、フランシスコ・ザビエルを記念して明治23年に建造されたもの。

430イギリスのドデカイ聖堂に慣れているせいか、マァ、正直それほど「ドワ~!」という感じにはならないけど…

450それでもなかなかのモノ。
470vかつて取り付けてあったバラ窓も立派だ。

460吉村先生には隠れキリシタンの長崎での処刑を描いた「磔」という短編もあるよ。

9ht 以上で『私の明治村』の<前編>は終わり。
 
さあ、コンサートもいよいよ後半。
ココから各バンドの持ち時間が5分ずつ伸びて20分になる。
まずはLOVE HUNTER。490千田忠彦

500vTora

510v松井博樹

520vTosh

530vそして、Yasu。

540v千田さん、ステージの上から私を見つけてビックリしてたナァ。
彼は広島の人だけど、確か前回会ったのも名古屋でのことで、BOTTOM LINEだったような気がするぞ。

550vLOVE HUNTERは広島のWhitesnakeのコピー・バンド。
今日はその名古屋バージョンだ。
だから「nagoya LOVE HUNTER」。

560曲は「Crying in the Rain」。
BLINDMANの松井さん、名古屋からご苦労さま…ってココ名古屋だった!
イヤ、東京で一緒になると、どうしてもそういうご挨拶をするもんだからつい!

570私はWhitesnakeってゼンゼン接点を持たずにココまで来ちゃったんだけど、ピリリとしまったとてもいい演奏!

580vしかし、後半になってもこんなに濃い~チームが出て来て…トシさんもヤスさんも、ずいぶん音楽的に濃い60年を送って来られたのね~。

585「どうですか?もうお一方…僕の大好きなアニキを!もうスッカリ出来上がっちゃってますけど…ミスター・アメリカ・タケ!」
600v曲は同じくWhitesnakeから「Walking in the Shadow of the Blues」。

590タケさんがまたスゴい破壊力!
もうステージ狭しと縦横無尽に暴れまくる!

610負けていられない伴奏陣。

630Toraさんのギターもガッツリとフィーチュア。

640vこの辺りからドップリとハード・ロック・ゾーンに突入。
650全く疲れを見せない還暦リズム隊…

645vと言いたいところだが、リハーサルからだからね~…大変ですよ!
あと4バンド!ガンバレ!

620vいよいよ大台の10バンドめ!
「やっと出番が来ました!」とさっきからステージを離れていた…

660ACEさんがボーカルズで登場!

670v柴田博章

680v引き続いて松井博樹。

690vベースはトシさんで…

700vドラムスはヤスさんが休んで、藤生善三にスイッチ。

710vバンドはGypsies Heap。
コチラはユーライア・ヒープのコピー・バンド。
曲はまずは「July Morning」。
なつかしいナァ。

720vACEさんが今までのトークでの仕事と区切りをつけるようにシンガーとしての凄まじいテンションを見せつける!730このACEさんのステージさばき。
さすが!

740トシさんとは二人羽織を披露。
ACEさんはギタリストでもあるからね。

750そして、もう1曲は「Look at Yourself」。

760「対自核」!
一体何年ぶりに聴いたことか!
やっぱり盛り上がるね。

770vもう会場は総立ち!

800…と言ってはおりますが、ワタクシ、ヒープもチョイと苦手で、加えてヘソ曲がりなもんだから『Firefly』が一番好きだったりするのです。
790vしかし、ACEさんの声はデヴィッド・バイロンのように伸びやかで聴いていてすごく気持ちがいいね。

780v藤生さんを得たヘヴィなリズム隊もバッチリ!

810v20分で2曲。
70年代ハードロックの、つまりロックが一番カッコよかった時代のロックを堪能させてくれた。
ところで、Gypsies Heapは「Heep」じゃないのね。
以前Soft HeapというSoft MachineとNational Healthの元メンバーが集まったバンドがあったね。
「heap」というのは「堆積」とか「山」いう意味。

890v11番目に登場したのは今日のこのイベントの目玉のひとつSNIPER MKII。

900金子光則

910v日下部正則

920v加藤剛

930v宮田叔侑

9s41a2063 板倉淳

950v事前に頂いた資料ではこのチームの表記が「SNIPER(BAD SCEME)」となっていた。
浅学にして存じ上げなかったのだが、「マーク2」と呼ばれているこの面々でのSNIPERの演奏は大変珍しいそうで、ココだけ枠が30分に拡大された。

960vまずはSNIPERで「Open the Attack」。

970正統派ジャパメタ・サウンドにBurneyの純潔ロック・ギター・サウンドがベストマッチする。
気を衒うことのないBurneyのギターはいつ聴いても折り目が正しくて気持ちがいい。

980vヘヴィにドライブするリズム隊も爽快感に満ち溢れたもの。

985じゅんぺーさんは久しぶりのMarshall Blog登場だ。

990v金子さんのMarshall Blogへのご登場はコレが2回目。
そういえば、前回のご登場もBAD SCENEのギタリスト、杉山勝彦さんの還暦記念コンサートの時のことだった。
「35年前にBAD SCENEが名古屋に来たことを知っていますか?BAD SCENEで音源になっていない曲をトシと演ってみたくて…楽しみにしていてください!」

1030v2曲目は1曲目同様SNIPERで「Turning Point」。

1000ココはヤスさんも加わってのツイン・ドラム体制。

1010vこの曲でも金子さんのド迫力の歌いっぷりが炸裂!
その姿を目の当たりにすることができた喜んだお客さんも多いハズだ。
S41a2071剛さんのキーボーズがバンド・サウンドを分厚くするのだ。

1040そして、3曲は金子さんがさっきMCで触れたBAD SCENEのナンバー。
1020「No where」という曲。
私の知らない曲だった。

1050ココでのドラムスは増井康博。

106011番目のパフォーマンスもまったくダレることなく終了。
演者も観客も集中力を欠かさずこの記念イベントの行く末を見守っている。

1070金子さんが前に置いていた譜面台。
最後に向きを変えてお客さんにお見せしたページ。

1080 汗ダクのトシさん。
MCマイクを握ってひとこと…「生きててヨカッタ!」

90r4a2093 <次は最終回!>
 

200_3
(一部敬称略 2018年9月8日 名古屋Electric Lady Landにて撮影)

2018年11月 2日 (金)

Yasu&Tosh 生誕60周年ライヴクロニクル『生涯現役でいこみゃ~か』 vol.3~私の犬山城

 
コンサートのレポートはまだ前半が終わったところだけど、『私の〇〇』の方はひと足先にコンサートの翌日にコマを進めるよ。
初日の宿を名古屋市内に取ることができず、桑名の温泉宿に投宿したことは既報の通り。
その翌日のコンサート当夜もダメだったの。
本当はELLの近くに泊まって打ち上げにも参加したかったんだけど、宿が取れないんじゃ仕方がない。
そこで翌日の行程を考慮して小牧に宿を取った。
終演後、大須から高速に乗って急いで向かったんだけど、ホテルに着いたのは12時チョット前。
普通のビジネス・ホテルに素泊まりしたんだけど、驚異的に安かった。
風呂に入ってホテルがサービスで提供してくれたビールを飲んでバタンキュー!
で、翌朝のごはんは家内が予め調べておいてくれた、目的地に行く途中の「グリーンハウス」という喫茶店のモーニングを摂った。

01なんだ?
朝から駐車場は満杯だよ。
お店もほぼ満席。

02最近は「コメダ珈琲店」が東京に進出して来て、東京に住む我々も音に聞こえた名古屋独特の「喫茶店文化」に触れるようになったけど、ココにはビックリ!
このメニュー見て。
トーストは当然のこととして、ホットドッグ、パフェ、あんみつ、たい焼き…これらからひとつオーダーすればコーヒーや紅茶が付いてくる。
…と思ったら違うんだよ!
いいですか?
話は反対で、コーヒーや紅茶を頼むとコレらのフードが付いてくるっていうワケ。
おかしいでしょう~、それは!
弦を買ったらギターやベースが、マイクを買ったらイアン・ギランが無料で付いてくるようなもんですよ!
イヤ、どうでもいいことなんだけど、この感覚が実にオモシロイ。
飽くまで「ウチはコーヒー店」ということか?

03ホットドッグを頂いて目的地へ向かう。
すると…。
またこれは朝からナンダ?
若い人が大勢集まってる。
ライブハウスか…と思って一旦は通り過ぎたんだけど、どうしても気になって、ワザワザUターンをして様子を見に行った。

04ハハン、アイドル系のライブがあるので朝から整理券か物販をゲットするのに並んでるんだな?
しかし「maruman」なんてライブハウス聞いたことないな…。
06…と思ったらこの若い人たちパチンコ屋の開店を待ってるのよ!
コレもビックリだった。
朝から東京では見かけないモノを見て新鮮な気持ちで向かった先は…
05ココ…犬山城。

10_2お城観光もいいけど、どこも結構上り下りが大変なんだよね~。

0r4a2232ま、戦の時の防御を考えてのことだから仕方がない。

20v_233年前、当時赴任していた富山から社内旅行でココまで来たことがあるんだけど、見事にナニひとつ覚えていなかったわ。
社内旅行がイヤでね~。
反対に普段大人しいくせに、社内旅行となるとやたらと燃えちゃうヤツがいるんだよね。
今でもああいうのやってるのかな?
そういえば、あの朝食の時のビール。
若い頃はアレがキライだった。
ところが、数年前郡山で開催された『スウィンギン・ロンドン展』の講演会に登壇するために行って泊まった温泉。
電車だったので、何の気なしに朝風呂浴びた後の朝食の時のビール。
コレが信じられないぐらいおいしくて「コレがあのオッサンたちが社内旅行の時に飲んでいたビールか!」と、感動とともにジジイ度が増したことを自覚したのであった。

30v_2国宝ですよ。
江戸時代までに建造された現存する12の天守のうちのひとつで、国宝に指定されている5つの天守のうちのひとつでもある。
他の4つはと言えば、姫路、松本、彦根、松江だそうだ。
繰り返すが、私は城に関してはマニアでも何でもないのだが、このうち行ったことがないのは松江城だけだわ。
ナゼか他は行ってる。
松本城はすごく好きです。

40_2天守へ上がると、おお~絶景かな、絶景かな…ただし天気がヒドイ!
眼下の木曽川までは高さ88mもあるんだって。

50_2下の写真…屋根の先っちょには桃。
桃が乗っかっているのは亀の甲羅。「固く守る」という意味。
ではナゼ桃か?
桃は大好きよ。
桃は太古の昔から「魔除けの力」があるとされていたのね。
なるほど、だから桃が引っ付いているか…で終わっちゃダメなワケ。
どうして桃に魔除けの効果があるのか?というところまで興味を持つ。コレがMarshall Blogを書くコツ。
コレね、2回前の「猿田彦神社」のところに書いてあったでしょ?…「古事記」の話。
マーブロってのはホントによくできてるナァ。
チョット省略するけど、イザナギとイザナミの「国生み儀式(凸と凹を合わせるヤツ)」を営んででイザナミが火の神様を生んだ時、自分も焼け死んじゃうんだな。
するとイザナギは寂しくて、イザナミに会いたくて黄泉の国に会いに行く。
いいですか~、「ファンタジー」ですからね。
イザナギは黄泉の国でイザナミを見つけて現世に連れ戻したいのだが、イザナミは黄泉の国の食べ物を口にしてしまっているので、ルールとして現世に帰ることができない。
でも、イザナギの元へ帰りたい一心で黄泉の国の親分に相談するのでその間イザナギに待っているようにお願いする。
その待っている間、「絶対に私を見ちゃダメよ」と厳重に戒める。
ところがあまりにも時間がかかるので我慢できないイザナギがイザナミを見に行ってしまうんだな~。
すると!
イザナミは腐った身体にウジ虫が湧く化け物になっていたのよ。
ま、キューブリックの『シャイニング』に出て来る237号室の幽霊のもっとスゴいヤツと思えばいいでしょう。
ちなみにあの辺りに使われている音楽はバルトークの「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」の第2楽章です。第2楽章はあの通り薄気味悪いけど、第1楽章はすこぶるカッコいいよ。
で、「おのれイザナギ!アレほど見てはならぬと言ったのに!」と怒り狂ってイザナギに襲いかかる。
イザナギだって元のままのイザナミならいいけど、腐った化け物に追いかけられてはタマらんので、そりゃ逃げだすわね。
這う這うの体で黄泉の国と現世の間まで逃げて来た時、イザナギの目に入ったのはそこに生えていた桃の木!
その木から桃の実をもぎ取って追いかけて来るイザナミの化け物に「エイッ!」っと投げつけるとイザナミは退散したという。
ま、私はその場にいなかったのでホントかどうかは知りませんよ。
そんなことから「桃には魔除けの力がある」と信じられているのだそうですよ。
ま~、とにかくこの「古事記」とか「日本書紀」に出て来るストーリーはスゴイよ。「なんでやねん?」のカタマリです。60_2さっきまで晴れていたのにもうこんな曇り空。
晴れてればキレイだったろうにナァ。

70_2城の中はどこも一緒だわね。
コレ、上の階ってトイレはどうしてたのかネェ。
桶に溜めて家来が捨てに降りたんだろうナァ。
日本家屋というのは2階以上にトイレがないのが普通なのね。
ま、お城を「日本家屋」として扱っていいのかどうかは知らんけど。
ところが江戸時代、2階にトイレがあるのが当たりまえの建物が並んでいるエリアがあった。
それはどこかというと、吉原。
だから当時は「2階で用をたして来た」と言うのは「吉原へ行って来た」という意味の符牒だった。

80_2犬山城は元々は織田信長の叔父さんの織田信康が1537年に築城して、1617年に尾張徳川家のお偉いさん、成瀬正成が拝領して今の天守の姿にしたのだそう。
前にも書いたけど、この御三家、御三卿のシステムってのはよく考えたよね。

90_2初代から数えて12代目が昭和の名横綱千代の富士。
チガウカ。

100_2そして昭和27年に国宝に指定されたのだそうだ。
どうよ家が「国宝」って。
でもね、上には上がいくらでもいましてね…

105例えば「Never give in!(負けるもんか!)」の名演説で有名なウィンストン・チャーチル。
頭文字は「WC」。
下はイギリスのオックスフォードにある世界遺産の「ブレナム宮殿」。
なんと、コレがウィンストン・チャーチルの実家。
実家が「世界遺産」って一体どういうことだっつーの!

106私のCD棚にはチャーチルの名演説を収録した下のBBC制作のアルバムが収まっているが、最後まで聞いたことがない貴重なCDの筆頭に君臨している。

Wc 城から出てきた頃には雨が降り出しちゃった!

120_2それでも近くの「犬山城下町」と呼ばれているエリアを散策。

130_2ココもなかなかに面白いね~。
雨さえ降ってなきゃもっといいのにな~。

140vなんて言ってたらウワ~!
土砂降りだよ!
「すぐ止むだろう」と読んではいたけど、さすがにこの時ばかりはお土産物屋さんで雨宿りさせてもらったよ。

90r4a2334 ね、すぐ止んだ。
早速、散策。
この建物は2004年に「犬山市都市景観賞」というのを獲っている。
あんまりそうは見えないんだけどナァ。

150_2カッコイイ雨樋。
コレは銅だね?
何十年かするといい感じの緑になるんじゃない?

160_2コレもイイ感じ。

170_2昭和10年頃まで酒を造っていた高木さんの家。
大正初年の建築だというから築106年。

90r4a2345 ココは立派だったナァ。
屋根にRがついているのがわかる?180_2「柏屋孫兵衛」の屋号で呉服商を営んでいた磯部さんの家。

185慶応年間の建築だ。

186「慶応」というと、スゴイ昔の感じがするけど明治のすぐ前で、期間はたった4年だったんだよ。
だからこの家が慶応年間の最も古い時期に建てられたとしてせいぜい築155年ぐらい。
スゴイ古いか!

190_2でもイギリスなんかへ行くと築100年はまず当たり前。
築400年の家とかあるからね~。
「石」にはかなわないし、向こうは地震がないからね。

200_3この吹き抜けは立派ですよ。
しかし冬は寒かったろうね~。

210_2ホラ、シャチホコ。

220_3ね、屋根の真ん中あたりが膨らんで少し丸くなってるでしょ?
こういうのを「起り屋根(むくりやね)」というのだそうだ。
どうしてこういうデザインになっているのかというと、勾配がゆるい屋根でも軒先にキツイ勾配がつけられることより、雨水を流し易くなるというメリットがあるんだって。
そういえば、昔の奥行きのある家の屋根の勾配はゆるかやになってるもんね。
この「起り屋根」は海外には存在しない日本のオリジナル・デザイン。
かつ寺社仏閣や武家屋敷なんかには見ることができず、もっぱら商人、庶民の家に用いられたんだな。
なんかチョット曲線になっただけでずいぶん感じが変わるモノですな。
となりの家の屋根と比べてみて!

230_2さて、コンサート。
ELLに戻る前にチョイとコレを見て頂こう。
コレは私の手元にある3枚組のLPレコード。
今は「ヴァイナル」っていうのか?
Marshall RECORDSの連中も「ヴァイナル」って言ってるけど、アレはどうもシックリ来ないね。
レコードは「レコード」だよ。
「日本全国俺達スターだ!!」というキャッチが付いた当時ヤマハが運営していた各地のバンド・コンテストの優勝者が雌雄を決するアマチュア・バンドの一大イベントの実況録音盤。

240日本の「ロック」が一番ヨカッタ時代かもね。
この数年前まで「ロック」という音楽はまだマイノリティだった。
そして、全国で大規模なコンテストがこんなに開催されていたんですよ。
「East West」は有名だよね。私も高校の時、予選の予選ぐらいは何度か出させてもらった。
中京地区の「Mid Land」や関西の「8.8 Rock Day」や九州の「L-Motion」は東京にいてもよく耳にした。
「Rock Fusion」とか「West Wave」なんてのは知らなかったナァ。
楽器を売るためとはいえ、ヤマハさんは大手にしか絶対にできない立派な仕事をされた。
こうした企画は日本でのロックの普及に計り知れない功績を残したが、マァ結果的に功罪はあったことも否めまい…飽くまでも結果論ですよ。
学校の先生が軽音楽部の生徒を引率してバンド・コンテストに出場するなんてことをこの頃誰が予想できたであろうか?
つまり、一般化しすぎて本来「ロック」という音楽が持つ、不良の香りや、クリエイティビティの追求という魅力が消失してしまい、誰もが同じことをやる健全な「童謡」になってしまった。
このLPに音源が収録されているバンドさんたちは「日本のロックの第2世代」的な存在で、「いかに人とは違う『自分たちのロック』をクリエイトするか」ということに腐心していた猛者たちだ。

250ライナーを見てビックリ。
知ってる人がイッパイ出てるんだもん!
まずはSHOW-YA。
まだ恵子さんとキャプテンだけだったんだね。
でもさすがSHOW-YA!レディース部門で「優秀賞」を獲得している。

260_2X-Rayも。
朗さんはいるけど、まだオズマさんもロジャーさんもメンバーになる前か?
ドラムはババちゃんだったのね?後列の左がそうかな?
他に八重ちゃんの「十二単」なんかも収録されている。

270そして…今日のトップ・バッターはこの方々。
スゴイ、全員ご健在!
さぁ、原形のままELLのステージに登場だ!

2806番目にステージあがったのはSPRITZ!

290もうメンバーを紹介しちゃったようなもんだけど…
KAZU

300v中野重夫

310v加藤剛

485vTosh

500vそしてYasu。

510vSPIRITZはシゲさんの還暦記念コンサートでも演奏したので、1982年以来36年ぶりの再集結というワケではない。

520このチームは「Midnight Train」1曲のみを演奏。

530Marshall Blogには久しぶりの登場となるシゲさん。
シングル・ピックアップのSGがよく似う!

540v剛さんも久しぶりのマーブロ登場で見事な鍵盤さばきを見せてくれた。

550vしかし、考えてみるとこのチームはDYNAGONにKAZUさんが加わった格好なんだね。
610でもシゲさんは「KAZUちゃんは元気にココで歌っていますけど、このステージにいられるのは奇跡なんです」とMCで告げた。

560このチームは1曲だけだったので演奏のパートがタップリ!

580中京の重戦車、DYNAGONチームのパフォーマンスだけあって聴きごたえ満点!
600vちなみにこの曲は演奏時間を超過してどこかのコンテストで失格になった曲だそうです。
だから今日は1曲にしたのかな?
今日はお時間ちょうどでございました!合格!
590続いてステージに現れたのは…アレ?
今日、女性ボーカルズはひとりだけだ!
記事を書いていて今気が付いた。

620オトミさん!

640vそしてバンドは剛さんがステージから降りて、SPIRITZII。
カッコいいな「II」。
そんなね、名前に「II」が入ったバンドなんてそうないよ。
パっと思い浮かぶのは「Colosseum II」ぐらいだもんね。

630曲は、まずは「Wishing well」。

690出るべくして出たロックの名曲。
やっぱり名曲はいつ聴いても名曲だ。

680v2曲目は「Good Times」。
この曲はシゲさんの還暦記念コンサートでも演った曲。
私はフィービ・スノウのバージョンでこの曲を知ったが元はサム・クック。
収録されているのはまたしても『サンフランシスコ・ベイ・ブルース/ブルースの妖精フィービ・スノウ』とかいうマヌケな邦題が付けられた1974年の『Phoebe Snow』というドンズバのタイトルのフィービのデビュー・アルバム。
私はジャズ以外の女性ボーカルズものは聴かないんだけど、コレはズート・シムズやテディ・ウィルソン、チャック・ドマニコやチャック・イスラエルズとったベテランのジャズメンが参加していることで興味を持った(ナゼかデイヴ・メイスンも参加している)。
つまり、大分後になって聴いたワケなんだけど、実にいいアルバムだよね。
このフィービの声と歌い回しはナニモノにも替えがたいぐらい素晴らしい。
そしてこの「Good Times」。
これがですね~、「ナニが悲しくてフィービはこのクックの曲を選んだんだろう」と首をかしげるぐらい原曲と違う。
歌詞の一部が同じというだけで、完全に別の曲と言っていい。コレなら自分で1曲作っちゃえばよかったのに…。
つまりフィービの方がダンゼンいいワケ。
このアルバムに感動して他のフィービのアルバムを色々買って聴いてみたけど、このアルバムがダントツでお気に入り。
それとドナルド・フェイゲンの『New York Rock & Soul Revue』での活躍もすこぶるカッコよかったが、フィービも残念ながら7年ほど前に亡くなってしまった。
650cdチャック・ドマニコなんて名前、Marshall Blogで出る機会がないし、女性ボーカルズつながりということで一応脱線しておくけど、カーメン・マクレエの代表作、『The Great American Songbook』の「Satin Doll」のチャック・ドマニコによるベースのイントロ…トリハダです。
このアルバムはギターがジョー・パスで、バリッバリ弾いているので、「ジャズでも聴いてみようかな?」なんて思っているロック・ギター・ファンにもおススメです。

Cm勝手にフィービ・バージョンでオトミさんが歌ったかのような筆致になってしまったが、少なくともサム・バージョンには料理されていない(←ココ、シャレになってます)。
でもフィービ式でもない。
つまりオトミさん流なのだ。

660vというのもバックがこのメンツだからして、それはそれはガッツのある演奏だった。

670この日、唯一の女性シンガーのステージ、ものすごく良いショウ運びのアクセントになった。

700おなかが空いてきたので、私はこのあたりで栄で買ってきた天むすをコッソリ頂いたよ。
ひと口で食べられるし、おいしいし、とてもいい感じ!
記録を紐解いてみると、この時点で30分押し。
演奏も転換も順調だけど、イベントってのはだいたいこんなもんよ。
でも、早くももう後半だよ。
出てこいや8番手!
 
で、出てきたバンドはBlues Deluxe。
いい名前だ。

710コレ。
このアルバムってモノの本によると、Marshallとレスポールのコンビネーションが最もいい音で録られたアルバムなんだって。
そのアルバムに収録されているのが「Blues De Luxe」。
私がこのアルバムを友達の家で初めて聴いたのは中学2年ぐらいの時のことだったが、全然ピンと来るものがなかった。
わからなかったんだろうね。
アルバムは持っていても、実は今でもほぼ聴くことはないのだが、初めからこの曲だけはすごく印象に残っている。
それはジェフ・ベックのギターというよりも、あのロッド・スチュアートの「♪ッスッテディ~アッ、ッスッテディ~アッ」っていうところ。

720cd曲はJeffrey Rodのオリジナル。
この「ジェフリー・ロッド」ってだ~れだ?
答え…下の写真の左から2人と一番の右、2人1組でジェフリー・ロッド。
つまり、ジェフ・ベックとロッド・スチュアートですな。
藤子不二雄か!?
『Truth』にはこの名義で3曲ほどオリジナル曲が吹き込まれている。
右から2人目のメガネのアンちゃんはミッキー・ウォーラー。
ジム・マーシャルのドラム教室の生徒さんだった。
自分が通うドラム教室の先生が作ったギター・アンプを弾くヤードバーズのOBと一緒にバンドをやるなんてのはどんな気分だったんだろうね?
ミッキーはロング・ジョン・ボールドリー、ロッド、ジュリー・ドリスコル、ブライアン・オーガーらが在籍したThe Steampacketやジョン・メイオールのBluesbreakersといったイギリスのブルース/ロック・シーンで輝かしいキャリアを積んだが、自分のドラム・キットを持っていないことで有名だった。
ちょっと~、ジム・マーシャル、つまりあなたのドラムの先生はドラム・キットを生徒に売りつけるためにドラム教室を開いたんですよ!
ココでもうチョット付け加えると、エルトン・ジョンの「ジョン」はロング・ジョン・ボールドリーの「ジョン」、「エルトン」はSoft Machineのサキソフォン奏者、エルトン・ディーンの「エルトン」からとられている。
本名は「レジナルド・ドワイト」というので、イギリスの年配のファンはエルトン・ジョンのことを「レジ」と呼ぶ。
コレも何回も書いたか…。

725ミッキーがドラム・キットを持たなかった代わりにヤスさんがNATALを所有してくれている。
ジムも喜んでくれているハズだ。

726vBlues DeluxeのボーカルズはKAZU。

730vギターは2人。
ひとりは平井チカ哉房。

740もうひとりは松村英利…エイリさん。
800vベースはトシさん。

760vそしてヤスさん。
トシさんもヤスさんはこのバンドでも赤松さんと一緒だった。

780v曲はZETT時代に演っていたという「Maybe Tonite」。

790ボトルネックのエイリさん。
いかにも「ギタリスト」のたたずまいがカッコいい。エイリさんも赤松さんを敬愛するギタリストのひとりだ。
ヒヌカムブロウ、また東京に来ないかな~。

750ワイルドなチカさん!
チカさんも赤松さんのフォロワーだ。

810ピックアップセレクターに付いている50円玉が気になるんですけど!
ん…もしかして、パチンとセレクト・バーをリアにしたときに自動的にセンターとリアのハーフ・ポジションに止まるようになってるのかな?

8202曲目もオリジナルの「Sweet Home」。
ココでもパワフルなKAZUさんの歌声が爆発!

830v徹底して暴れっぱなしのチカさん。

860エイリさんをして、「素晴らしい後輩」と演奏後にトシさんがおっしゃっていたが、いいねこういうのは!
今の若いJ-POP世代の子はこういうことができないだろうからね。
先輩との音楽的な接点が全くない。
まず「ブルース」なんて音楽を知っている子が少ないだろう。そりゃ学校へ行けばコード進行ぐらいは教わるだろうけど、それぐらいで身に付いたり習得したりできるほど音楽は甘くない。
加えてブギやシャッフルの3連のリズム。
若い人の間にコレがなくなって日本人のリズム貧乏に拍車がかかった。
考えてみると我々の世代は中学とか高校の時にステイタス・クォーとか聴いていたんだもんナァ。
今、ITのおかげでいかにもロックが盛んになっているように見えるが、実は本来「ロック」と呼ばれていた音楽はトキよりも深刻な絶滅の危機に瀕しているのだ。
マディ・ウォーターズが歌ったように「ブルース」から生まれた子供が「ロック」なんだから…親を尊敬しなければバチが当たるというものだ。
コレは今音楽をやっている子供たちのせいではなくて、作り手の大人の責任だ。

840だからこうした新旧が入り混じっている光景を見るとうれしくなってしまう。

870そんな社会的な意義も含めて2人の還暦の記念は進む。

880v

890vココからMCはKAZUさんに交代。
するとトシさんから「このコンサートはKAZUの快気祝いでもあるだでナァ」のひと言。
さっきSPIRITZの時、シゲさんが「KAZUがココに立っているのは奇跡」という発言をしたが、KAZUさんは深刻な大病を患って、それを見事に克服しての出演だったのだ。
するとKAZUさん、「そんなこと言われると泣いちゃうよ~!60歳にもなるとナミダもろくなるね!」
感動のシーン。
KAZUさん、ご回復おめでとうございます!
Kz<連日の大作続きでちょっと疲れてきたぞ!でもまだつづく>
 

200_3 
(一部敬称略 2018年9月8日 名古屋Electric Lady Landにて撮影)

2018年11月 1日 (木)

Yasu&Tosh 生誕60周年ライヴクロニクル『生涯現役でいこみゃ~か』 vol.2~私の名古屋城

 

特段「城マニア」とかいうワケではないのだが、ELLにお邪魔する前に名古屋城に行ってみた。
山岡荘八の『徳川家康』全26巻を見事読破した家内のリクエストでもあり、5月に来た時にどうしても時間がなくて来れなかったリベンジ的意味合いもあった。

10メッチャ曇り!よくもマァこんなに曇ったもんだ。
これだけ曇っていると最早気持ちがいい…ワケないか。
でもEvery cloud has a silver lining…きっといいことあるよ。
そして、工事中の雰囲気満点。

20v名古屋城と言えば「金のシャチホコ」。
家内と「そもそもシャチホコってなんだ?シャチか?」という話になった。
シャチってのはこういうヤツじゃんね。
あんな屋根に乗っかっているようなシャツはオルカ?ってな具合。
ちなみに、「オルカ」がシャチを指すことは映画を通じで日本人の間にも知れ渡ったが、英語では「Killer Whale」、すなわち「殺し屋クジラ」という物騒な名前が付いている。

Shachi_2シャチというのは漢字で「鯱」と書く。
コレは頭が虎で身体が魚のルックスをした想像上の魚で、Killer Whaleとは別のモノ。
鯱は水を吐く能力を持ているため、火除けのおまじないとして織田信長が安土城の天守閣に乗せたことにより広まったそうだ。
コレがあのシャチホコか…。
案外ユーモラスな顔してるな。

30v空模様は回復する見込みは全くないけど、家内と「徳川将軍15人のウチ、誰が好き?」なんて話をしながら奥へ進む。
ウチでは14代の家茂が人気者なのです。

40今回、名古屋城については何の下調べもしないで訪れたんだけど、何やら新規オープンでにぎわいを見せているアトラクションがあったので寄ってみることにした。

50名古屋市内の地下鉄の駅にも盛んにポスターを見かけたんだけど「名古屋城本丸御殿」ってのが公開されているというワケ。

60「名古屋城本丸御殿」というのは徳川家康のオーダーで1615年に建てられた尾張藩主の住居かつ藩の政務を司る役所だった。
それがですよ、昭和20年にアメリカのバカったれが爆弾を落として全部焼き尽くしてしまった。
名古屋もかわいそうに…。
そして、長い間望まれていた復元が完了して今年6月から見学できるようになった。
折角だから中に入ってきたんだけど、コレがスゴかったのですよ。

70本丸御殿は世界に誇る近世書院造の建造物として、昭和5年に城郭建築における国宝の第1号に指定されていたんだって。
コレが玄関。
ウチとは大分違うナァ。

80どこもかしこもキンキラキンでスゴイのよ。
100釘隠しもこの通り。

90「表書院」と呼ばれる正式な謁見に用いられた場所。
ま、応接間ですな。110ね?
「ホントにこんなんなってたのかいな?」と疑いたくなるような完全に不必要なまでの豪華さ!
ボランティアの案内係が説明していたけど、エライ人が使う部屋になればなるほど天井がゴージャスさに差が出てくるのだそうだ。

120ココは「対面所」。
藩主が身内や家臣とプライベートで会ったり宴を開くためのスペース。
プライベートならもっと質素にイケや。

130名古屋城には江戸時代の文献や実測図や戦前の写真等の史料が豊富に保管されていたため、かなり忠実な復元に成功しているのだそうだ。
廊下だってこの通り。

170釘隠しもドンドン豪華になっていく。

160欄間がスゴイわな~。
「透かし彫り」っていうヤツ?

180コレは1634年に3代将軍家光がココへやって来るってんで造っちゃった建物「上洛殿」。
「上洛」っていうのは都へ行くことね。
ちなみにさっき名前が出た14代将軍は229年ぶりに上洛、すなわち天皇陛下に合いに京都に行った将軍で、攘夷を約束して江戸に帰ってきた。
幕府もエンディングに向かっていた家茂の頃は色々と大変だったんですよ。そのストレスもあり、家茂は21歳で脚気で死んだ。甘いものには目がなくて、全部虫歯だったらしい。
 
家光のために作った部屋はいくつもあって、下の写真は「一之間」。

250こんなの落ち着かないだろうにな~。

220すぐ隣に続いているのは…

230「上段の間」。

190コレ、スゴイよね~。
A面とB面でデザインが違うんだもんね。

200こっちが「二之間」だって。

270そして「三之間」。
一体コレらの部屋をどうやって使い分けていたのかしら?

290最後は釘隠しもこうなっちゃう。

240しまいには目がチカチカしてきた。
やっぱりどんなにボロでも我が家が一番ということよ!

300で、結局工事中で城の中には入れず。

310でも、この工事もスゴイよ。

330通路にはいくつものテントが…。

340「堂主」?
「看守」?
何かと思ったらコレは楽屋だね。
屋外ステージかなんかでプッチーニの「トスカ」を上演するイベントがあるんだね。

350「名古屋城へ行って来た」と言ったら「じゃ、アソコも見て来た?」と地元に人に訊かれたのがココ。
名古屋城のすぐ隣にある昔風のアーケード「金シャチ横丁」。

370こっちで言えば「伝法院通り」ってとこか?
スミマセン、時間が押していたので素通り。

380結局、名古屋城の中には入れなかった。
でも「本丸御殿」が見応えタップリだったので「入場料損した感」は全くなし。これが「Silver lining」だったのね。
また、名古屋来るぞ!
ということで今回のレポートはコレで終了!

Img_9301 

200_3 
(一部敬称略 2018年9月8日 名古屋城にて撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘヘヘ、知らない読者もソロソロ増えて来たのではないかと思って久しぶりにまたやってみた。
前回コレをやったら真剣に注意してくれた人がいてサ…「ホントに終わったのかと思いました。あんなことをしたら読むのを途中で止めてしまう人がいてモッタイないですよ!」って!
なので今回はブランクを短めにしてみた。
フェイク・エンディングね。
音楽的に言えば「偽終止」。英語では「Deceptive cadence」。
「Decptive」とくれば10ccの『Deceptive Bends』。
イタズラの上に脱線で恐縮だけど、チョットこれについてやらせてくだされ!
今コレを読んでいる人の中に10ccファンはいらっしゃるかな?
このアルバム、『愛ゆえに』というクソ以下の邦題がついているけど、原題はすぐ上に書いたように「Decptive Bends」という。
下のジャケットがそれ。
なんで潜水服の男が溺れてしまったステキな女性を抱えているのか?
さすが10ccというより、さすがヒプノシス。
このデザインの意味合いが超面白い。
まず、「Deceptive Bends」というのは、ロンドンの南西のサーリー(クラプトンとかジェフ・ベックの地元)に実際にあった道路標識のことね。
「bend」だから曲がっているモノを指す。要するに「見通しの悪い曲り道に注意」という意味ね。
ジャケットを見る。
ひとコマ漫画のようにストーリーになっている。
どういう展開かというと…潜水服の男は助けた美人に惚れこんでしまうかも知れない。
もしかしたらそれがうわべだけの(deceptive)危険な恋かも知れない。そうだとしたら問題だ。
こうして、あたかも人間は海から上がって、世界に出て来て、たくさんの問題に直面していくというワケ。だから曲がり角(bend)を運転する時のように注意をしなければならない。
後ろに2人の男が海から上がって来てるでしょ?この人たちも同様に色んな目に遭うことでしょう。
さて、ココがわからないとこの話は面白くもなんともないんだけど、コレはガッチリしたシャレになっていて、実は「bends」というのは「減圧症」という潜水病の俗称なんですな。
気圧が急に大きく変わると耳が痛くなったりするでしょ?…アレ。
すべてがシャレでつながってる。

Db そしてジャケットをひっくり返すと…エリック・スチュアートとグレアム・グールドマン。
あの後ろの潜水夫はメンバーの2人だったんですね~。
そして、真ん中の潜水夫は誰?…と、潜水服を脱ぎだすところで話が終わる。
こういうジャケットをまとっていたロックを聴いて育った私はシアワセだ。
そういえば、ロンドンのどこかにこの潜水服を発明した人のプラークがかかっていたな。
Rc さて、話を戻さみゃ~か。
ELLでご挨拶を済ませてからチョイとお出かけ。
本城未沙子さんのサポートでMashaくんが名古屋に来ているというのでSPADE BOXというライブハウスに顔を出してみた。雄太くんも来てた。
ココ、ダイヤモンド・ホールの下なのね?
いつかダイヤモンド・ホールってChildren's Bodomのアレキシ・ライホの写真を撮りに来たことがあったわ。
それと、BOTTOM LINEに曾我ヤッチンも来ていたのでサプライズして来た。慌てていて写真を撮るのを忘れちゃった!

385vそして、ELL。
この芳名表がいいね。
「♡おかえりなさい♡」って。
コレはELLに「おかえりなさい」ということなのか、演奏を終えて楽屋に「おかえりなさい」とうことなのか…両方だね?
やっぱりライブハウスを知り尽くした人が作っただけあって、荷物の搬入スペースから、照明から、楽屋の導線から、何から何まで気が行き届いている。

390このパスもうれしいね。
「FREE PASS」の吹き出しのデザイン。

400だって『FREAK OUT!』なんだもん!
Help, I'm a Rock!

410cdさて、『いこみゃ~か』の3番手はヤスさん参加のチーム。

415vKing Cool

420「赤松一郎くんとヤスとボクの3人でやった」とバンドを紹介したのはさっきThe Wizzで登場したJack。

430vギターはかまいたち才蔵。

440そしてヤスさん。
このバンドでは下手のキットに引っ越し。

450v曲はまず「Spoonful」。
Willie Dixonね。
この曲の歌詞ってオシャレなんだよね。
「スプーン一杯のコーヒー
スプーン一杯のお茶…でもスプーン一杯のお前の愛があれば俺には十分だ」
キザでしょう?
もうチョットやると…
「その一杯のスプーンのために人はウソをつき
涙を流し、死んだりもする
誰もがソイツのために戦うんだ」って。
コレはお薬のことを言ってるのかな?
私は知りません。
『Mary Poppins』の薬を飲みやすくする「スプーンフルの砂糖」とは大分違う。
 
このギター!
460vもう完全にCream。

470Jackさんは「Bruce」の「Jack」だったのね。
SGベースでブイブイとジャック・ブルース・トーンを炸裂させた。

480vもう1曲は「I'm so Glad」。

0r4a1289 かまいたち才蔵さんは大学の時から存知上げています。
遠藤豆千代さんとか、敷島パン助さんとか、紫狂乱さんとか、もちろん平野茂平さんとか…なぞなぞ商会大スキだったから。
私が観た渋谷の屋根裏は初めての東京へのツアーの時のことで、他にロフトとクロコダイルに出演したのを今回調べて初めて知った。
その次に上京した際の新宿ロフトにも一度観に行ったことがあった。
棺桶を持って来てお客さんを中に入れちゃうヤツ。
で、そのお客さんにマヨネーズに浸した白滝(だったかな?)を食べさせるんだけど、自分には絶対にできないと思った。
私、マヨネーズ苦手なんです。
なぞなぞ商会のことはもう何度もMarshall Blogに書いているけど、フランク・ザッパとロッキー・ホラー・ショウの曲をレパートリーにしていたのだが、今の「トリビュート・バンド」と称しているコピー・バンドとは異なり、原曲によく練られた日本語の歌詞を乗せていた。
要するに「替え歌」ということになるのだが、その歌詞が王様の手法とは全く異なり、完全にオリジナルでその内容が秀逸だった。
Zappaでは「Carolina Hard Core Ecstasy」とか「Penguin in Bondage」とか「Trying to Grow a Chin」とか、どれも最高によかったし、ロッキー・ホラーでは「Time Warp」とか「Sweet Transvetite」とかをカッコよくキメていた。
屋根裏の時に、悪乗りした客がステージ上がって来てしまい、見るに見かねて「ルールに従ってあんじょうよ~乗らんかい!お前らノリ方も知らんのかい!」と茂さんが怒鳴ったのがカッコよかった。
まだ書きたいことはあるんだけど、今日はココまで。

490ヤスさんのジンジャーぶりもゴキゲン!
私はCreamに夢中になったことはないけど、ロックにインプロヴィゼーションを大体的に持ち込んだ功績というのは偉大なものがあるね…とつくづく最近思うようになった。
私もようやくCremeの偉大さを理解したというのかな?
「偉大」といえば、Creamは音も特大だったらしいね。
そりゃ1959のフル・スタックをズラリと並べていたんだから。
時代が時代だけに恐らく全部鳴らしていたの出はないか?
ニューヨークでCreamを観た横尾忠則が「あまりにも音が大きすぎて途中で気分が悪くなった」と何かにインタビューに答えていた。
それが「ロック」というものですよ。

500v「赤松一郎…名古屋のスーパー・ギタリストやったね。
ボクも何回か一緒に演らせてもらいました。速く弾くとかじゃなくてね、彼のギターは『間』がいいんだよね」

9s41a1079 続いては…ギターの人が自分のポジションに向かう前にその赤松さんのストラトキャスターにキス。

510the Sharman Cultの出番だ。

520KAZU

530vKuma

540v山森洋之

550v野々部俊秀

555vそしてNATALのキットに戻ったヤスさん。
580曲は「Road Racing Crazy Riding」。

570胸のすくようなドライビング・ロック!
生前の赤松さんがKUMAさんを可愛がっていたということで、KAZUさんが今回ギターに起用したのだそうだ。
SPADE VOXで会った満園の庄太郎ちゃんに名古屋に来た理由を尋ねられ。「トシさんとヤスさんの還暦祝い」と伝えると、「あ、KUMAちゃんが出るヤツだ!」とおっしゃっていました。

590昔の日本の「ハード・ロック」ってこうだった。
コレでいいのだ!

600v 2曲目は「Tragedy」。

610v残念ながら現役時代のことは存じ上げないが、きっとこうしたロック感満点の空気感だったのだろう。

620当時のパワーをそのままよみがえらせたであろうエネルギッシュなステージ!
KAZUさんの暴れようがまたスゴイ!

630このあたりで気が付いたんだけど、ヤスさんは登場するたびに着替えて来てる!

560v「疲れるわ~!そんなん横で見ててオレが疲れたわ~!」とACEさん。
お2人は昭和29年生まれで、誕生月も11月で同じなのだそうだ…ということで仲良しトークが盛り上がる!

6404つめはZETT!

650ベースにはトシさん!
トシさんも着替えてる!

660vそしてドラムスはヤスさん。
今日初めてのTYコンビネーションだゼ~ット。

670v奥嵜明

690v日下部正則

700vボーカルズは引き続いてKAZU。

730v曲はまずオリジナルの「Rock'n Roll All of You」。

740Burnyスッカリ細くなっちゃって!
今日は珍しくVで登場。
コレには理由が…。

750ZETTは故赤松氏とトシさんと野獣を脱退した杉田サニー裕の3人で結成された。
その後、サニーさんが脱退してヤスさんが加入した。
そういう歴史。
その赤松さんがZETT時代に愛用していたのがフライングVで、Burnyは赤松さんへの敬意を表してこの日はVを使ったのであった。

710vトシさんと在りし日の赤松さん。
トシさんの後ろには1959のハーフスタックが見える。赤松さんが使ってたのかな?

720vBurnyとのコンビネーションもバッチリ!

765ココでSunnyさんが登場してNATALのキットに向かった!

790v_2「SunnyはZETTと野獣を作った。Sunnyはみんなと遊んでくれるんだよね。『平和』と『愛すること』と『友達』…この3つがSunnyのテーマ」とKAZUさんがSunnyさんを紹介して2曲目の「Natural High」がスタートした。

780v新旧ドラマーの共演!

800vこういうのは歴史があって、メンバーさんが元気でいないと実現しない。
S41a1470奥嵜さんとBurnyのギター・バトル!

0r4a1522トシさんもベース・ソロ!
ドラムスがヤスさんに交代して、ZETTは1981年のヤマハ・バンド・コンテストのMIDLANDにてグランプリを受賞。
トシさんは見事ベスト・ベーシスト賞を獲得し、同年の合歓の郷のLight Music Contest(LMC)に出場した。
トシさん、楽しそうだナァ~!

760「さぁ、皆さん!恐怖の時間がやってまいりました!
日本全国、そして世界がひとつになるように手拍子をお願いします!」というKAZUさんのアオリに合わせて手拍子。

0r4a1557ジャケットを脱ぎ去ったKAZUさんが客席をアオりまくる!
「ボツボツいってみようか~!」

830「♪どんな時でもナチュラル・ハイ!」が大須の街に鳴り響いて5つ目のバンドが終了。
まだ8バンドも残っているのにすでに完全に「ハイ状態」だ!

840<つづく>

200_3 
(一部敬称略 2018年9月8日 名古屋Electric Lady Landにて撮影)

2018年10月31日 (水)

Yasu&Tosh 生誕60周年ライヴクロニクル『生涯現役でいこみゃ~か』 vol.1~私の猿田彦様2

 
ミュージシャンの還暦を祝うコンサートのレポート。
めでたいね~!
今回還暦を迎えて赤ちゃんに戻ったのは、名古屋が誇るリズム・セクション、ベースの宮田叔侑とドラムスの増井康博…「トシ&ヤス」のコンビだ。
ありがたいことに大分前にトシさんから撮影のお仕事の依頼を頂戴した。
まだスケージュールを確定することができない時期であったので、失礼ながらその時は流動的なお返事をさせて頂いた。
何もなければもちろんお請けするつもりでいた。
そして開催日が迫り、プログラムが決まって再度オファーを頂戴して驚いた。
だって、聞けば13ものバンドが出演するっていうじゃない!?
2マンだの3マンだのどころじゃない…13マンだよ!
「13マン」だなんて30年チョット前の大卒の初任給じゃん?
タイトルに「生誕60周年ライヴクロニクル」とあるように2人の音楽活動の遍歴を俯瞰するという内容だからしてそれも仕方ないだけろう。
しかし、13ものバンドが出るとあっては、想像を絶するほどの長尺になるハズだ。
ひとバンド短く見積もったとして、持ち時間は20分。13バンドが出れば合計260分…すなわち4時間20分。
転換に早くても15分ぐらいはかかるだろうから、15分×12回で180分。
コレに前後のセレモニーをチャッチャと済ませたとしても30分…しめて470分。
エ、8時間弱ってこと?! 
ウッドストックじゃないっつーの!
私がレギュラーでやらせてもらっているお仕事の中では、SHOW-YAさんの『NAONのYAON』よりはるかに長い。
さすがにコレには怖気づいてしまって、一度はトシさんにお断りしたの。
還暦を祝うったって、こっちもチャンチャンコがピンク色になってきた年回りだからね。どっちが還暦だかわかない。
東京から機材を持参して、8時間ブッ通しでシャッターを切って、翌日帰京…イヤ、コレだけならいいんだけど、この歳になるとね~、1回ムチャをしちゃうとホントに後がツラくて、他の仕事に差し支えがでてしまう恐れがあるのです。
するとトシさんが説明するには「夕方の6時半に始めて10時前には終わる」っていうワケ。
私も「Marshall祭り」や「Marshall GALA」やら色々なイベントを企画してきている経験上、「そんなワケがない!」と思ったものの、人の一生に一度しかないおめでたい機会でもありトシさんの言葉を信じることにした。
それにロケーションは5月に『スピンオフ四人囃子』で楽しませてもらった名古屋のこと。
結果、喜んで請けさせて頂くことにした。
…と来れば、ただ行ってもモッタイないので、社長から許可を取って2泊の行程を組んで、「私の〇〇」の取材も兼ねることにした…要するに観光だわね。

10vまずは、思い切って伊勢神宮を再訪することにした。
つまり、おめでたいのは還暦を迎えた2人だけではなくて、私たちもめでたかったのです。
ナントならば、以前に中野シゲさんの還暦祝いのイベントで松阪に赴いた時にも伊勢神宮に来ているから。

20コレはどういうことかというと、昔は「生きているウチに一度でもお詣りすることができれば最高の幸せ!」と言われていた伊勢神宮にわずか2年チョットの間に2回も来ることができたのだ。
こんなの江戸時代の人が聞いたら腰を抜かして驚くよ。

30vお伊勢さんのことは前回の2016年に訪れた時のレポートに詳しいので今回は割愛する。

40前回5月に名古屋へ来た時、最後の日は東京に着くまで豪雨だった。
今回の旅程は、天気予報によれば、ノッケから「雨」ということだったのよ。
ガッカリじゃんね~。せっかくの遠出なんかだから…と、心配していたんだけど、ナントカ首の皮一枚でつながっているような曇り空。

50やっぱり気が引き締まるというか、スガスガしいというか、太陽神、天照大御神を祀った伊勢神宮のたたずまいというのは他の神社とは勝手が違いますな。
ナニせ一番格式の高い神社だから。
ジャズで言えばデューク・エリントン。モダン・ジャズに限って言えばマイルス・デイヴィス。
ロックならザ・ビートルズ。
ギター・アンプで言えばMarshall…あ、コレが一番わかりやすかったな。
そのせいか、鳥居をくぐるたびに低頭している参拝者が目につく。

60原生林の参詣道を抜けると…

70内宮の拝殿だ。
ココから上は撮影禁止。
ナニをお詣りしたのかは秘密。
私は特に熱心にナニかを信心しているワケでは全くないのだが、歳を取ってからというもの、色々と古いモノに興味が湧くようになりましてな。
ムズカシイので本当に上っ面だけなんだけど、『古事記』や『日本書紀』に関する本なんかを読むと実に面白いね。
洋の東西を問わず、神話というのはおそろしくダイナミックかつアクロバチックな内容が多い。
日本神話の元、「イザナギ&イザナミ」の「国生み」話に思わず赤面してしまったりしてね。
こういう勉強をしていると、古来より我々の周囲にあるモノすべてには意味があることを学ぶのです。

90場所は替わって…。
実は、今回伊勢へ赴いたのは伊勢神宮が目的ではなかったのね。
ココに来るためだった。

100内宮の近所にある「猿田彦神社」。

110v5月に名古屋へ出張した時にお詣りした鈴鹿市にある「椿大神社(つばき おおかみやしろ)」も猿田彦大神を祀った一之宮の神社だけど、コチラは名前が「猿田彦神社」だから。

120全国に2,000はあると言われている「猿田彦神社」の総元締め…かどうかを「椿大神社」と争って来た神社。

130猿田彦大神は天照大御神のお孫さんの瓊瓊杵尊(絶対に読めん!「ににぎのみこと」と読みます)を宮崎の高千穂まで道案内したことから「道開き」の神様と言われている。
だからかなりの「ラッキー・カムカム」なワケ。
右下に参拝者が集まっているでしょう?
135皆さんこうして「方位石」と呼ばれている八角形の石柱に触っている。
ココは昔の神殿があったところで、強力なパワースポットなのだそうだ。
八角形は「方位」を表し、ココは鳥居の支柱も八角形になっている。

140v見ていると全員触って行くね。
私はやらないけど。150船のような形を「宝船」に見立て「たから石」と呼ばれている石。
白い蛇が乗っかってるところなんだって。
敏捷かつ獰猛なところから「蛇」というのは日本では縄文時代から崇め奉られていた。
蛇って脱皮を繰り返すでしょう?
アレが強靭な生命力の表れということになっているのだそう。
神社や神棚に飾る「しめ縄」あるでしょ?ネジネジのヤツ。
アレは2匹の蛇が絡み合って交尾をしているところなんだって。
さっきチョット触れたように『古事記』も『日本書紀』もスゴイよ、エロ度が。
つまり、子孫繁栄ということなんだよね。

160コチラは同じ境内にある猿田彦様の奥様、天宇受賣命(あめのうずめのみこと)を祀った佐瑠女神社(さるめ)。
「椿大神社」でも対になっていたでしょう?いつも一緒。

170もう1回書くよ。
天照大御神が天岩戸に引きこもって、世の中が夜だけになってしまった。
そして、夜陰に乗じて悪がはびこった時、天宇受賣命は天岩戸の前で裸になって天照大御神をおびき出したという日本最古のストリッパー。
ハダカになったと言ったって、アータ、ロック座のソレよろしくチラリチラリと美しい肢体を出し惜しみするワケでもなく、一番大事な部分までキッパリとご開帳したというのだから根性が座っていらっしゃる。
そこに集まっていた神様たちがそれを見て大笑い。その声に「アララ、外では何が起こっているんだろう?」とチラリと岩戸を開けたのが天照大御神の運の尽き。
その隙にサッと岩戸のスキ間に鏡を挟み込まれて、天照大御神は岩戸の中に戻れなくなってしまった。
そして天手力男命(たじからをのみこと)というバカ力の神様がその岩戸を「ウオリャァァァ!」とブン投げた。
その岩戸ははるか遠く長野の戸隠までスッ飛んだというんだけど、それはウソだろ~。
とにかく、こうしてめでたく日本の昼間が光を取り戻す。
ちなみに、そのストリップの伴奏をしたのは「弦」というギターのような楽器なのだろう…演奏中にヘッドに鷲が止まった。
「日本に昼間を取り戻すのをサポートしエライ鳥」ということで、その鷲を祀っているのが、「お酉さん」でおなじみの「鷲神社(おおとりじんじゃ)」なのです…前にも書いたことは覚えてます。
もうすぐお酉さんだけど、また今年も「三の酉」まであるね。火事に気をつけないと!
もうチョット書くと、吉原に近い「鷲神社」の「酉の市」は「かこつけ場所」として有名だった。
「かこつけ場所」というのは、吉原へ行くための口実にした場所のこと。「オイ、ちょいとお酉さん行ってくらぁ!」とウソをついて男たちは鼻の下を伸ばして吉原へ出かけた。
他にも「隅田堤」なる桜の名所の隅田川べりなどもかこつけ場所としてはポピュラーで、昔は葬式も「かこつけ」のひとつだった。
葬儀の帰りには「精進落とし」と称して吉原へ行って妓楼に上がるのがごく当たり前のことだったらしい。
※私がロック座に入ったのは裕也さんの「ニューイヤーロックフェス」で原田の喧ちゃんがマサやんのサポートをやったのを観に行った時だけでストリップを観たことはありません。

180傍らにある石。
コレは「さざれ石」。
さざれ石というのは全国にあって、ココのさざれ石は成長を続けていて、やがて「岩」になるのだそうだ。長寿で縁起が良いということ。
みんながんばってるんだね。

190社殿の裏には「御神田」という田圃がある。

200毎年5月5日には豊作を祈って、桃山時代の衣装を着けてお囃子に合わせて田植えをする「御神田祭」というのが催されるのだそうだ。
『七人の侍』の最後のシーンみたいなヤツかな?
「今回も負け戦だった…勝ったのはあの百姓たちだ」…と島田勘兵衛が言うシーン。

210とりあえず目的を果たしたので、伊勢神宮のおはらい町へ。

220ココは何度来ても面白いナァ。
オリジナルのままの建造物ではないことは百も承知だけど、とても惹かれるモノがある。

230今日も赤福で一服。

240お、作ってる、作ってる!
完全ハンドメイド。

250商売とはいえ、上手に包むもんですナァ。

410前回ジックリ見たので今回はチョコっとだけね。

260お、コレは前回気が付かなかったゾ。
神宮道場という、神職を目指す人たちの研修設備なのだそうだ。

270チョット失礼して中を覗いてみる。
夏になると多くの神道系の大学の生徒が研修に訪れるそうだ。
雅楽の研修もあって、その期間はこの建物から笙や篳篥の音が朝から晩まで聞こえてくるんだって。
以上をもって伊勢を後にした。

280名古屋市内で宿を探したんだけど、全く取れず。
そりゃ金に糸目をつけなければ何とかなるんだろうけど、そうもイカン。
仕方ないので名古屋近郊で分相応の宿を探すことにした。
そうと来れば温泉があった方がいいにキマってる。
家内が桑名に適当なヤツを見つけてくれたので、早々に宿に入って温泉につかることにしたのだが、それでもまだ時間が早かったので途中「長島リゾート」ってのに寄ってみた。

290高速から見えて、前から気になっていたのです。

300コレが「長島スパーランド」か~。

310すごいウォータースライダーだね~。
まだこの頃そんなに暑かったっけ?

320vグバーっと通り過ぎるジェット・コースター。
もうこんなの乗れないな。
というか、ワザワザ乗ることに意味が見出せない年齢になったわ。

330ココが気になった理由のひとつはコレ。
「Jazz Dream」…ジャズに目がない私としては一体どうなっているのかが気にかかるじゃん?
で、入ってみた。340なんだココは?
どこがジャズなんだ?
360ジャズっぽいといえば、何とはなしにチャーリー・パーカーとロリンズっぽいこの階段のイラストぐらい?
ガックシ…。
ごく普通のアウトレット・モールだった。

350イヤイヤ、普通じゃないわ。
人がいない!

370ま、言ったのは金曜日の夕方ではあったんだけど、人がいなさすぎる!
コレ営業中ですからね。

380訊けば名古屋からのお客さんで週末は結構にぎわうそうだけど…。
肝心のアウトレット商品が少なくて困ったが、ムザムザと駐車代だけ取られるのもシャクだったので、強引にクツを1足買ったわ。

390宿に到着~。
「天然温泉」ですよ。
本来は結構なお値段でしてね。それでも家内が「ワケありプラン」という割安の部屋があるのを見つけてくれて、そこに収まることにした。
「ワケあり」…旅館でワケがあるのは「幽霊」と相場がキマっている。
そこで予約する前に電話をして確認してみた。
「あの~『ワケあり』っていうぐらいですから、当然、夜になるとアッチの方が出て来るワケですよね?」
「は?『アッチの方』とは?」
「ほら、アレですよ、夜になると出るアレ…足がないヤツ」
「あ~、幽霊ですね?大丈夫ですよ。特に幽霊が出たことはありません」
とかなり事務的に幽霊出現の有無を確認したうえで「ワケあり」の理由を尋ねると、部屋が屋上にあって、そこに行くには建物の外の階段を使わなければならないという。
要するに非常階段ですな。
「あ~、そんなの構いませんよ!」と値段につられて予約してみた。

400この看板の下が当日の我々の部屋…というか一軒家。
恐らく、かつては従業員のための設備だったのだろう。
内風呂がないだけで、中は広いし何の不自由もない。

410屋上から眺める景色はこの通り。

420チョット先に流れているのは木曽川だ。

430料理もバッチりおいしかったナァ。
ひとつ残念だったのは、ココは「日帰り入浴」で風呂を開放していて、エラく混んでいるのが不快だった。朝はガラガラで気持ちヨカッタけどね。
そして、翌日いよいよ名古屋へ!

440会場となる大須のElectric Lady Land(以下「ELL」)にお昼前に到着。

450Marshall BlogのELLでの取材は始めてのこと。
お隣のELL Fits AllはDynagonやTrio the Collagensでお邪魔したことがあるんだけどね。

460今回のコンサートの会場の場所を尋ねた時、トシさんが「ELLの本丸ですわ」と答えたのが印象的だった。
「本丸」…ELLは名古屋のロック・ミュージシャンにとっての要衝であり、聖地でもあるのだ。
かく言う私も18歳の時に出たことがあるんですよ。

470それは以前のELLね。
写真を探したんだけどどうしても手に入らなくてトシさんにお願いして送ってもらった。
コレが入り口。
中のようすはほとんど覚えていないけれど、とにかく細長くて、入り口の階段の途中にトイレがあって、その壁になぞなぞ商会の長細い塗り絵のポスターが貼ってあったのを覚えている。

480vステージはこんな感じ…だったのか。
私も生まれて初めて渋谷の屋根裏に行ってから40年が経つけど、ライブハウスっていうのは今も昔もそう変わるもんじゃないね。
また、こういう雰囲気のライブハウスが一番シックリ来るわ。

490コレは今のELL。
表の看板に今日の出し物が表示されている…13バンド!
そうか名古屋弁では「いこみゃ~か」か。
それではステージに行こみゃ~か!

500コレが数々の名演を生み出してきたElectric Lady Landのステージ。

510会場には出演バンドのグッズが並べられた。

520CDはもちろんのこと…
540シゲさんのペダルなんかも展示してあったよ。
奥に見えているハコは…

530コレ。
このコンサートの1週間前に関西を襲った台風21号や北海道地震の影響で会場に来ることが出来なかったお客さんもいらっしゃって、その皆さんを慮って義援金ボックスが設置されたのだ。
そして、集まった義援金はそれぞれの被災地に確実に送られた。

550さて、ステージのようす。

560まず目を惹いたのはケースと共に飾られた黒いストラトキャスター。
かつてのオーナーはギタリストの故赤松一郎氏。
ご存命であれば赤松さんはトシさんやヤスさんたちと一緒に還暦の祝いを迎えていた2人の朋輩だ。
この日、ステージの下手から2人の活躍を見守った。

565ベースアンプはEDEN WT-600とD410XSTが2台。

580vそしてステージの上手側にセットされたのがヤスさん所有のNATAL。
ヤスさんはDynagonで鹿鳴館にご出演された時にメイプルのNATALを叩いてスッカリ気に入って頂いた。
その後、メイプル、バーチ、アッシュのキットが揃っている高田馬場のバズーカ・スタジオまでワザワザお越し頂き、すべてを試した上でメイプルのキットをオーダーしてくださった。

590実は私もこのキットを当日初めて目にした。
コレ、写真の色がうまく出なかったけど、すごくキレイなのよ。NATALのフィニッシュは本当に美しい。
コッパー・スパークルというフィニッシュ。
今はもうやっていないので、このまま行けば日本に1台しかないNATALなるだろう。

600いよいよ本番がスタート。
先が長いからね、バッチリ定刻通りに始めるよ。

610司会は野獣のACEさん。
「皆さんどーも、どーも。今日は増井とトシの還暦ライブにお越し頂いてありがとうございます。増井とトシは40年も一緒に演っている兄弟みたいな仲ですからね~」
「増井とトシ」!…プライベート感丸出しのトークが素晴らしい。
完全にすべてのお客さんが友人であるかのようだ。
ACEさん、最近お身体を悪くされたが、無事快癒されたと聞いて安心した。

620そして、主役の2人が登場。
40年も仲良くしてるなんてスゴいよね。
親兄弟でもなかなかできるこっちゃないよ。仲が悪くならなくても、何がしかの事情でたいていはバラバラになっちゃうもん。
コレはね、名古屋という地元に在住して音楽をやっているからこそ成せるワザなんだよね。

630「何かひとこと」とACEさんに促されてご挨拶。
「え、ナニも考えて来なかった…」って、今日の主役のひとりはトシさんですよ!
「前日眠れないのは予想していたけどね…イッパイ出るんで楽しんで行ってください」
なんて挨拶だ!
ま、トシさんらしいか?

640vトシさんとACEさんはお揃いのTシャツ。
ELLのオリジナル・デザインで「ELL FACE」だって!
可愛いな~。

650替わってヤスさん。
「こんなにたくさんの人に集まって頂いてうれしいです。
60歳…今日はボクたちが主役の記念のライブですが、フロントの人たちがスゴイから最後まで楽しんでください!」
ACEさんから義援金ボックスの説明があって、いよいよショウ・タイム!

660早速最初のバンドがステージに上がる。

670ヤスさんが参加してThe Wizz。

710vJack

680vBrian

690vMinnieというヤスさんを除いて全員外人のバンド…チガウか。

700v1曲目は「Look Around」。

720「名古屋の重鎮リズム・セクションの記念イベントで一緒に演れてハッピーです!」とご挨拶をして2曲目の「Dear Prophet」へ。

730持ち時間が15分しかないのでとにかく演奏!

740vんん~、やっぱりNATALっていい音だな~。
NATALとモッズのターゲット・マークの組み合わせもバッチリ!

745もちろん全編を通じてMarshallも大活躍。

750vまずはポップに2曲を演奏したヤスさん。
コレからスゲエ色んなタイプのドラムを叩くからね~。

760vThe Wizzの詳しい情報はコチラ⇒The Wizz Official Page

770転換中はACEさんのトークを楽しむ。

780v「お疲れさま~。エフェクターとギターをつなぐケーブルが短くてどうなるか本当に心配だったけど、最後まで抜けなかったな~!間違えたんやろ?」
どうもBrianさん、アンプ側のケーブルとギター側のケーブルを取り違えてしまったようだが、無事に完奏!

790トークの合間にコレ。
忙しい。

800vおわ~、確かに転換が早い!
そうこうしているウチに2番手のJB-BANDの演奏がスタ―トした。
「おめでとうございます!すぐに追いかけますんで待っててください!
久しぶりなんで今日はイキの合わない所をお見せします!」

810お、今度はトシさんがステージに上がった!
860v小島リュージ
870v中垣博詞

830v小野寺宏美

840v水野芳史

850vこのチームはThe Doobie Brothersのコピーを披露。
8201曲目は『The Captain and Me』から「Dark Eyed Cajun Women」。

890ブルージーなマイナー・チューン。
小島さんの声と歌い方ががトム・ジョンストン的でバッチリ。

895中垣さんのシブいギター・ソロ。

900v2曲目は同アルバムからみんな大好き「Long Train Runnin'」。

880vゴキゲンなパフォーマンスでグイグイと雰囲気を盛り上げる!

910vトシさんも昨晩寝ていないとは思えないパワフルなプレイを見せてくれた。
ヤスさんもトシさんも滑り出し好調!

920v「♪ウィザッラ~」完璧にキマって2番手終了。

930「今、みんな歌詞を見るのにiPadを使うよね。私はまだ紙をめくっています。ところで写真屋さんに間違えられない?」
「戦場カメラマンね」

940<つづく>

200_3 
(一部敬称略 2018年9月8日 名古屋Electric Lady Landにて撮影)

 

2018年10月26日 (金)

SPORTS of HEART 2018

 
今日からMarshall Blogが再開して丸6年!明日から7年目に入ります。
  
"One ordinary article for readers, one giant leap for Marshall Blog"
 
コレは1969年に人類が初めて月に降り立った時のアポロ11号のニール・アームストロング船長の言葉、「これは1人の人間にとっては小さな1歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」の原文をモジったもの。
あの月面着陸の映像は、スタンリー・キューブリックの指導のもと、ハリウッドかどこかのスタジオで撮影した…という噂を耳にした時は「さもありなん」と思ったし、キューブリック・ファンとしては「そうであって欲しい」とも思った。『カプリコン1』みたいで面白いじゃん?
冒頭の英文の訳は「読者にとっては普通の記事だが、Marshall Blogにとっては大きな一歩だ」とやる。
今日はそんな記事なのだ。
お題は2020年のオリンピック/パラリンピックの応援イベント『SPORTS of HEART 2018』の田川ヒロアキ。
Marshall Blogではヒロアキくんが最初に出演した『SPORTS of HEART』から取材していて、ご本人には失礼だが、それこそ年中行事の普通の記事なのね。

10_2いつものレポートとの違いといえば、今回は本番に先立って制作発表の記者会見まで取材しちゃったことぐらいか。
それでは、一体ナニをそんなにギャーギャー騒いでいるのかというと…。

20_2実は、折悪く本番と同じ時間にどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしても抜けられない仕事が入ってしまい、代々木公園の本番に行かれなかったのだ!
ゴメン、ヒロアキくん!
 
それでどうしたかというと、Marshall Blog田川班の美瑞穂特派員に現場に行ってレポートしてもらうことにした。「行ってもらった」と言ってもいつもヒロアキくんと一緒なんだけどね。
それじゃ、写真はどうすんだ?
心配ご無用。
美瑞穂特派員を通して、古くからのMarshall Blogの愛読者でマーブロへの写り込みを趣味にしている佐々木光仁フォトグラファーにお願いしたのだ。
ヒロアキくんのギター・プレイもブッ飛んでるので、飛行機の撮影が得意な光っちゃんならバッチリだ。
要するにこのあたりが「大きな一歩」なのだ!
だって、消えてしまった記事も含めて丸10年の間にアップして来た記事の数は2,500本以上。
その中の記事で本格的に人様のレポートと写真で編んだことは1度もなく、今日のこの記事が初めてなのです!
別に「飛躍」はしていないんだけど、マーブロ史に残る「大きな一歩」なのだ。
んなこたぁないか。
でもとにかくそういうこと。
 
Marshallバッグを身につけてリハーサルを見守る美瑞穂特派員。
ま、「レポーター」はそもそも美瑞穂さんの本職なんだけどね。

30_2ヒロアキくんはチョチョイと慣れた手つきでセッティング。

40_2今日も愛用のJVM210Hと1960A。

50足元のようす。

9dsc_0024_00001そして本番。
前回は夕方だったけど、今回は昼間の出番。

60本番が始まった!

70_2鼓の大倉正之助。
今回も袴姿ではなく洋装だった。

80v三味線は…
中原正人

90_2KIJU

110匹田大智

100そして我らガワター、田川ヒロアキ!

120v_2今回もヒロアキくんのスぺクタクルなアレンジによる国家。

125ヒロアキくんのライブのオープニングの定番曲「Seascape」と「君が代」のハイブリッド、「Seaが代」だ。
このアレンジはデザイナーの山本寛斎さんにも絶賛されたモノ。

130v絶妙の間で切り込んでくる先生の鼓と「イヨ~」。
やっぱりコレがないとしまらない。
我々日本人は「リズム」は大貧民だけど、「間」に関しては大富豪だからね。
やっぱりシックリくる。
ちなみに正しいコロケーションは、ドラムは「叩く」、太鼓は「打つ」だ。
へへへ、実はコレ、大倉先生から教わったの。

140v抜群に抜けるJVMの音色で美しいいメロディを美しく奏でるヒロアキくん。

145もちろんハードなパートはスリリングに弾きまくって見せる。

150v三味線チームとのイキもピッタリ。

155この三味線のチームは昨年とは違うメンバーだ。
しかし、ヒロアキ・アレンジの国家を完全に咀嚼して完璧なアンサンブルを披露してくれた。

160クライマックスに向けて先生の鼓や掛け声とヒロアキくんのギターが緻密かつ大胆に絡み合うのだ。

180_2今年もキマった~!

190v以上ホンの少しだけキューブリック気分で1本編ませて頂きました。
本番が観れなくて残念だったけど…コレ、ラクでいいな。
次回から全部美瑞穂さん書いてくんない?

200v_2田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

001_3948_00001 
<オマケ:美瑞穂写真館>
以前レポートした通り、『SPORTS of HEART』は東京に先立ち、9月下旬に大分でも開催された。
最近は「滑って転んで大分県」なんてのをメッキリ耳にしなくなったが、滑ったり転んだりするどころか、たくさんのゲストを迎えて最高の盛り上がりを見せたそうだ。
以下は美瑞穂特派員のその大分と今回の東京でのスナップショット集。
 
まずは大分から…
モデルのIVANさんと。
彼(彼女?)は根津神社でロケしているところを見かけたことがあるな。テレビやこの写真で見る通りすごく明るい雰囲気が漂っていた。

11アスリートとミス・コンテストの皆さんと。
中央はSOH理事の廣道純さん。

12林芳正前文部科学大臣、ヴァイオリニストの穴澤雄介さんと。この3人は昨年一緒に「星を見上げた」仲だ。
右は演出家の門田頼枚(もんでんよりひら)さん。
ヒロアキくんも政界進出間近だな。

92img_7320 小林幸子さんと。
ヒロアキくんも紅白出場間近だな。

15コチラは東京で…。
ヤクルト・スワローズの川崎憲二郎さんやQちゃんと。
ヒロアキくんもスポーツ界進出間近だな。

14そして鈴木奈々ちゃんと。
ヒロアキくんも芸能界進出間近だな。

1217 そして、今回の共演者の皆さんと。
やっぱりギタリストのヒロアキくんが一番いい!Marshallも付いてくるし!

1216 

<過去のスポーツオブハート関連記事>
スポーツ・オブ・ハートの田川ヒロアキ
SPORTS of HEART 2016~田川ヒロアキ代々木第一体育館で「Seaが代」再演!
SPORTS of HEART 2017の田川ヒロアキ
★SPORTS of HEART 2018~記者発表会

 

200_2 

(一部敬称略 2018年10月13日 代々木公園野外ステージにて撮影 ※撮影:佐々木光仁 協力:吉岡美瑞穂)

2018年10月25日 (木)

セキエリとAS100Dが元気にするお茶の水


ホント、「本」に「音楽」に「スポーツ用品」に…お茶の水というのは、世界的にもマレに見る魅力的なエリアだろう。
いつか『私の神保町』でもやったが、この周辺は子供の頃から慣れ親しんで来たこともあり、今でもとても好きな場所だ。(神保町の古本屋さんには新潟の長岡ご出身の方が多いということは以前書いたよね?)
さて、下の写真はお茶ノ水駅を背中に、明治大学を右に見て駿河台下に向かって降りて来たところにある駐車場。
私が同校で学んでいた(ウソです。ほとんど学んでいません)30数年前には、今「なんとかタワー」があるところに当たり前に記念館があって、その向かいの角ッコには「師弟食堂」という学生食堂があった。
汚いし、マズイし、いつも混んでいたので私が利用したのは数えるほどであったが、今にしてみると結構懐かしかったりもする。
せっかくの機会なのでインターネットでその師弟食堂の写真を探してみた。
全然なかった。
「何でも写真を撮っておくもんだな…」なんて、少しは思いもするが、スマホが当たり前の今と違って、まさか学食の写真を撮るためにカメラなんか持ち歩いてなんかいられないからね。
「写真を撮っておけばヨカッタ」と後悔するような、見たくても二度と見れない懐かしい光景ってのは結構あるものだ。
で、今日この駐車場にナゼこうして大勢の人が集まっているのかというと…。

10去る10月7日、今年3回目となる『神田小川町ライブイベント ワクワクfesta』が開催されたのだ。
昭和25年創業の老舗洋食店「キッチン カロリー」の方々と宇崎竜童さんの「お茶の水を元気にしたい!!」という熱い思いから始まったイベント。
私の世代では「ガチャ」だよね~、「カロリー」といえば。
40年前、中学生の頃ディスクユニオンに中古レコードを見に行った帰りによく寄って食べた。
一方、竜童さんは私の中学、高校、大学の先輩でしてね。
私が高校の時に同校の創立50周年ぐらいの大きなイベントが開催され、ゲストで竜童さんがご出演されたらしい。
「らしい」というのは、私はそのイベントをズル休みしたのだ。
ナゼかというと、ある民間のロック・サークルがちょうど同日に吉祥寺のライブハウスでイベントを開くことになり、それにどうしても出演したかったのだ。
プライベートなイベントとはいえ、当時高校生の分際でライブハウスの舞台に上がることができるなんて夢のまた夢だったからね。
後日それがスッカリ見つかって罰としてアタマを丸めさせられた。
ちなみにそのライブハウスというのは開店したばっかりの「シルバー・エレファント」だった。
竜童さんは大学では同じ部活の先輩OBで、私はジャズのビッグバンドに所属していたけど、トランぺッターだった竜童さんはディキシーランド・ジャズのグループに属していた。
だからココへお邪魔したというワケではないんだけど、やっぱりお茶ノ水には愛着があるということよ。
そういえば去年の暮れから今年の初めにかけては、ウチの上の子がアメリカン・フットボールの試合中に大ケガを負い、ヒザの大手術をしたのもお茶の水の病院で、今から40年前、私も同じ病院で手術をして入院した。

20この日、竜童さんのご挨拶に始まり、和太鼓Atoa.、「半鐘はおよしよ、おジャンになるから」の「火焔太鼓」は金原亭伯楽、そして津村禮次郎による能楽と出し物が続いた。
Marshall Blog的にお邪魔したのはコレ。

30「セキエリ」という男女混合のアコースティック・デュオ。

40真行寺恵理

50vおなじみ関雅樹。
今日はアコギ1本でのステージ。
そしてアコギといえば…

60vAS100D~!
ヨーロッパではアコースティック・ギター・アンプのスタンダード・モデルなれど、いつまでたって需要が喚起されない日本…ということで積極PRしております。

701曲目は「Desperado」。

80アコースティックといえばコレだよね~から…

90アコースティックでは普通演らないよね~、の「Sweet Child O'mine」。
この曲のタイトルを耳にすると100%必ず思い出しちゃうウディ・ショウの名曲「Sweet Love of Mine」。
Marshallに申し訳が立たちませんな…。

100v続いてはシットリとしたバラード。

120v玉置浩二の「幸せのランプ」。

140続いても玉置さんの曲。お客さんに手拍子を促したのは…

150「田園」。

160v関ちゃん、ノリノリでストラミング!

170vあ~あ~、すっかりゴキゲンだ!
お茶の水が元気になるのは間違いない!

180そして最後の曲。
「真行寺ファンの皆さん…ナニか足りないんじゃないですか?」
「名曲を演ってない!」とお客さん。
「そう、20年ぐらい前の曲…」

200v本編の締めくくりに恵理さんが作詞作曲した1998年のアニメ「Brain Powerd」の主題歌「In my Dream」を演奏して大きな喝采を浴びた。

220すかさずのアンコールに応えて再びステージに上がった2人。

190アンコールを演る前に関ちゃんがシッカリとAS100DとMarshall Blogとステージの横に立っていた私の紹介をしてくれた。
恥ずかしいっちゅーの!
実際、機材にうるさい関ちゃんもAS100Dをお気に召して頂いたようで、ベタ褒め。
音はいいし、自分の手元でサウンドを調節できるし…「アコギ・アンプ普及」の最貧国である日本でももっと使う人が多くなってくれるといいんだけどね。
ダメなんだよね~、「アコギはライン」という固定概念が強いから。
日本人って、伝統を平気で捨て去って新しいモノに飛びつく反面、ものすごく凝り固まって変に伝統を守っちゃうところがあるんだよね。
日本にいるとコレがわからないんだけど、Marshallの世界会議に出ると日本の楽器マーケットの趣向の独特さがたちどころにしてわかる。
それが「日本のいいところ」ってか?
要するにお金持ちなんです。

210アンコールで演奏したのはエアロスミスの「I Don't to Miss a Thing」。

230v恵理さん、大熱唱!

240v終演後には花束が贈呈された。
2人の演奏でお茶の水が元気になったことは間違いない。
 
関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒Seki's Web

250 

200 
(一部敬称略 2018年10月7日 お茶の水・小川町三丁目駐車場特設会場にて撮影)

2018年10月21日 (日)

【LOUD & METALLIC WEEK】Red Bull Music Festival TOKYO 2018 METAL MANIA <後編>~LOUDNESS

 

さて、早くも『Red Bull Music Festival TOKYO 2018 METAL MANIA』のトリの登場と相成る。
そして、先週の月曜日からスタートした【LOUD & METALLIC WEEK】の最終回となるのが今日の記事。

400双方の最後を締めくくるのはもちろんLOUDNESS!
オープニングのSEは『Rise to Groly』の「8118」。

10二井原実

20v高崎晃

30v山下昌良

40v西田竜一

50v高崎さんはいつものバックライン。

60客席に向けられたMarshall JMP-1を搭載したおなじみのラック・セット。
そういえばロジャー・メイヤーさん、今回の楽器フェアにも元気に参加なされていた。

70v1曲目は「Soul on Fire」。
この7日間Marshall Blogでご覧頂いた通り、1週間のウチに3回LOUDNESSのステージに接するという僥倖に恵まれた。
それに合わせて記事を編んだワケだが、一体何回「スゴイ」と書いたことか…。
コレは私の貧弱な語彙によるせいだけではない。
実際にスゴかったのだ。
スゴいものは「スゴい」と書くのが一番いいのだ。
「ゴイス~」だなんてフザけて書けたものではない。

80vそして、もう1回書く。
スゴかった!
一体この日は何だったのだろう?

90もうステージの上も下も手のつけようがないぐらいの盛り上がりと熱気だったのだ。
やっぱりこの雰囲気はLOUDNESSだけが作り出せるモノだし、「スゴい」としか書きようがない。

1002曲目も『Rise to Groly』 から「I'm Still Alive」。

110v_isaこの嵐のような雰囲気にLOUDNESSの皆さんもとても楽しそうだ。

130vそうか!
お客さんみんなRED BULLを飲んでるんだな?

300v「こんばんは!LOUDNESSです。
今日はお招き頂きましてありがとうございます!
とても短い時間ではありますが楽しんで、ハジけて帰ってください!
Say Yhah!」
「YEAH~!!」×100

ドワ~!超特大のレスポンス!

145火に油を注ぐように「Crazy Nights」。

150しかし、ギター・ソロのこの1小節ほどのアウト・フレーズはいつ聴いてもカッコいいよね。
高崎さんがこの手法を使うのはこの曲だけではないけれど、どれも大変効果的で何度聴いてもハッとさせられる。
ソロの組み立て方が秀逸なのだ。

190v続けて「Crazy Doctor」。
ドンドンいくよ~!

180今日もあの名ソロ・フレーズに歓声と喝采が浴びせかけられる。

S41a7354歴史に残る名曲を自分のモノとして演奏する姿というのは何とも言えない迫力があるものだ。
舟木一夫の「高校三年生」だってそうだ。
そういう曲が何かひとつあれば歴史に残る。
200LOUDNESSはそういうロック史に残る曲がいくつもあるんだから偉大だ。
次の曲もそう。

210高崎さんがステージ中央に歩み出て大きな歓声を浴びたのは「In the Mirror」。

220_itmホントに今日は、天ぷらとすき焼きとステーキとカツ丼とハンバーグをいっぺんに食べたようなボリューム感だ!

230vいつも演奏している曲なのだが、雰囲気が違う。
「ノリ急ごう」なんて言うと感じ悪いけど、とにかくお客さんが「ノッタもん勝ち」みたいな勢いなのね。
そしてノッテいるお客さん全員が「これ以上ない!」という位、最高にうれしそうな顔をしていた。

240高崎さんのソロにも気合いが入る。

0r4a4607 お客さんは1音としてそれを聞き逃さない。

250最後は「S.D.I.」。

260_sdi「♪S.D.I.」!

S41a7304 最後にもう1回書いちゃうけど、ヤキを入れに入れたタングステン製の6曲…「スゴかった」。
やっぱり曲だよ!音楽は!

285METAL WEEKENDの4連チャンに続いてのこのステージ。
今日はホントに楽しそうに演奏していた4人。

270v

S41a7359

290v

S41a7262もう最初から最後の最後までこの調子。
終わらせたくないけどコレで終わり!
次の機会が待ち遠しいぞ!

305高崎さんはこの後、セッションのコーナーで演奏したBlack Sabbathの「Paranoid」に参加された。
 
毎回書いているけど、LOUDNESSは年末にまだ企画が残されているそうなので、それを楽しみに待っていましょう。
そして、その時またお会いしましょう!

0r4a4525 LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒-Official Website-

320全7回にわたって連載した【LOUD & METALLIC WEEK】はこれにて終了です。
毎日ご高覧頂きました皆様、どうもありがとうございます。
そしてLOUDNESSの皆さま、ご関係の皆さまご協力ありがとうございました。

330 

<オマケ>
東京ビッグサイトにて、今日まで『楽器フェア』が開催されていんだけど、昨日と一昨日お邪魔して来た。
ESPさんのブースにて…ホラ。

90r4a0772  

200_2 
(一部敬称略 2018年9月28日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2018年10月20日 (土)

【LOUD & METALLIC WEEK】RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018 METAL MANIA <前編>~HELL FREEZES OVER

 
東京の街全体を舞台にした都市型音楽イベント『RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO』が去る9月22日から10月12日まで約1か月間にわたって開催された。
「RED BULL」…私は強烈な思い出があるんですよ~。

10それはココ。
渋谷からいきなりロンドンのウェンブリー・アリーナに飛ぶ。
Marshallの「50周年記念コンサート」の時の話だから2012年の9月のこと。
もう6年も経ってしまって、Marshallももう50周年より60周年の方が近くなって来た。
50周年は「ゴールド・ジュビリー」、60周年は「ダイアモンド・ジュビリー」だからね。
また楽しみだ。
この時、ただでさえ時差ボケでヘロヘロでクタクタになっているところへ持って来て、前日は朝から夜10時までビッシリとリハーサルが入っていてそれにガッツリ付き合った。
ザックだの、イングヴェイだの、ケリーだののリハーサルだからして10時間以上爆音に浸かっていたのね。
もう身体ボロボロ。
そして翌日のコンサート本番。

15カメラを3台を首からブラ下げて、大勢の屈強な外人のフォトグラファーの中にアジア人がたった1人混ざってプレスピットで4時間半。(みんなやさしかったけどね)
もう、「コレが自分の身体か?」というぐらい疲れ切ってしまって、終演後、さすがにスタッフの控室でヘタリこんでしまった。
その時、フト部屋の隅に目をやると、RED BULLが山積みになっているではないか。
私はその手のものを普段一切口にしないのだが、「コレって疲れが取れるヤツじゃん?」と思い、缶のサイズも小さかったので3本たて続けに飲んでみた。
3本の空き缶をひとっ所に集めておいたのだが、後から部屋に入って来たMarshallのスタッフがそれを見つけてやや驚き気味にこう訊いた。
「誰だ?コレ飲んだのは誰だ?」
それが勝手に手を付けてはいけないモノだったのかと思い、私は恐る恐る名乗り出た。
「シゲか?オマエ、3本いっぺんに飲んだのか?」
「そうだよ。あんまり疲れていたから」
「ダメだよ~!飲むのはいいけど、3本はダメ、ダメダメ!」
「え、ナニ?ナンなのッ?」
後で理由を聞いて驚いたけど、効果が絶大なので「過ぎたるは及ばざるがごとし」…ということなんだってね。
幸か不幸か、私の疲れの方が勝っていたらしく、全く何事も起こらなかったです。

16渋谷に戻る。
今日はそのフェスの中のプログラムのひとつ『METAL MANIA』。
LOUDNESSをヘッドライナーに迎え4つのバンドが出演した。
会場のO-EASTのロビーにはこんな写真撮影コーナーが設置されていた。

20Marshall Blogでレポートするステージは2つ。
当然ひとつはトリのLOUDNESS。
そしてもうひとつは3番手、トリ前にステージに上がったHELL FREEZES OVER。
いいね~、このドライアイス!カ~ッコいい~!
やっぱり化学薬品でモクモクと捻り出したそこら辺のスモークとはワケが違う。
昔のスモークはみんなこうだったんだよ。

40この平均年齢25歳の若きメタル・チーム、Marshall Blogには早くも2度目の登場となる。

50TREBLE "GAINER" AIDYSHO

70vRYOTO

80vHIROTOMO

90vTAKUYA MASHIKO

100vTom Leaper

110v1曲目は「OVERWHELM」。
先ごろリリースされた彼らのファーストミニ・アルバム『SPEED METAL ASSAULT』のリード・チューンだ。

120見てよ、この景色!
HIROTOMOくんの背後には1959のフルスタック。

130vああ、凛々しいナァ。
やっぱりロックはコレだよね。

140vRYOTOくんも同様。
ありがとうヘルフリ!

150vRYOTOくんの「マーシャル2台積み」。
あ、私じゃないよ!
このMarshallを指して「2台積み」と表記しているライブ・レポートを目にした…きっと若いライターさんなのだろう。
「2台積み」…ある意味、新鮮な表現だナァ。でもどこをどう数えて「2台」なんだろう?
1960のことを指しているんだろうね?
それともキャビは1960が2台が合体していて、ヘッドとキャビで「2台」ということなのかな?
そんな…ピート・タウンゼンドじゃないんだから。
ひとつ確実に言えることは、残念ながらMarshall Blogをお読み頂いていないということだろう。
ま、そんなことは構わない。
でも、音楽に関係したプロのライターさんだったら例えハードなロックを専門としていなくてもMarshallの数え方ぐらいは知っておこうよ。ロックの歴史の一部を作った楽器なんだから。
我々の世代なら笑って済ますことができるけど、若い人がその文章を読んで覚えてしまったらマズイんだよね。歴史が書き換えられてしまう。

160vヘルフリのみんなはこんなこと百も承知なので申し訳ないけど、せっかくの機会なので、ココでスタック・タイプ(積み上げ式)Marshallの数え方を勉強しておこう。
ムズカシイことはひとつもない。
ただヘッドとスピーカー・キャビネットの数を上から数えればOK。下から数えても答えは同じだ。
ちなみに、ギター・アンプに「Stack(スタック)」という言葉を使ったのはMarshallの創始者、ジム・マーシャルだと言われている…というより、実際にジムが私にそう言っていたので間違いないだろう。
「シゲ、スタックという言葉はね、私は最初に浸かったんじゃよ、フォッフォッフォッ」って。
ハイ、やってみましょうか?
下の写真は、ヘッドはJVM410H、それにスピーカー・キャビネットの1960A、それに1960B。
ヘッドで1、Aキャビネットで2、Bキャビネットで3。
だからコレで「3段積み」。
Aは前面に角度がついているのでAngled、Bは下に使うことが多いのでBaseという名前がついていて、それぞれ「A」、「B」と表記される。
この3段積みのスタイルを英語で「Full Stack(フル・スタック)」と呼んでいる。
昔は、ヘッドが今で言うビンテージ・タイプのものしかなくて、100W出力の1959のヘッドに、これまた今で言う1960AXと1960BXというキャビネットを組み合わせて「UNIT3」と呼んだ。
ヘッドがベース用の1992になると「UNIT22」とかね。
とにかく「2台積み」ではないことは私の家内でもよく知っている。

Jvm4fs_2一方、下の写真のようにヘッドとキャビネット1台ずつのパターンを「2台積み」といいます。
ウソウソ!
Marshallに「2台積み」という言葉など断じてありません。
「2段積み」です。英語では「Half Stack(ハーフ・スタック)」。
100Wヘッドと1959の2段積みは「UNIT17」。
対して50Wヘッドである1987との2段積みは「UNIT15」だった。
あ、こんなの覚えなくでもいいですからね。試験には出ません。
モデル名に使われている数字に全く意味がなくてヤヤこしいったらありゃしない。
でもこの時使ったヘルフリのMarshallが「2台積み」ではないことはもうご理解いただけたであろう。
「2台積み」を書いたライターさんには災難だったが、イヤミっぽく詳しくやらせて頂いた。
やはり言葉は正しく使わないと。
おそらく昔のロックを聴く機会などなく、仕方のないことなのかも知れない。
でも文章を書くことを生業としている以上は歴史が育んだ言葉は正しく使って頂きたい。
「ツーマン」とかおかしな言葉が跋扈している時代だ。
こういうことを看過していると、まずますロックがおかしくなってしまう気がしてならないのだ。

Jvm4hsもうこのパワーと勢い!
本当に曲の題名通り「圧倒」されるわ!

170vリフがあって…

180ギターのアンサンブルがあって…

190ソロがあって…

200v後は爆音で暴れるだけ。

220v今の巷間の若いバンドさんたちにない「ロック」の宝物がココに詰まっている。

230続けて「HAWKEYE」。

210v今日、このバンドを見るのが初めてなお客さんがほとんどだったハズ。
にもかかわらず、ものすごく盛り上がっているんですよ。
まるで昔からのファンが集まっているかのよう。

240みんなこういうロックに餓えてるんだね~。
デジタル・アンプなんかではなくて、真空管がウナリを上げるMarshallでギターを鳴らすロック。
そういえば、始めた見た時の会場でもこうして盛り上がっていたっけ。
初登場なのにも大盛り上がり…曲は知らなくてもビビビと伝わるのだ。
そう!
このバンドが作る曲は、若い割にサビのメロディが「アレ」じゃないんですよ。
だから「ロック感」に満ち溢れている。
よく「メロディアスなんとか」っていう言葉を使うでしょう?
「メロディアス」というのは、旋律が歌謡曲っぽいという意味ではありませんからね。
優れた魅力的な旋律のことを「メロディアス」という。250vMCを挟んで「BURN YOUR LIFE」。

260前回見た時にはオープナーを務めていたこの曲。
つまりインパクトが最大級ということだ。

270そしてこのアクション!
今日の会場は広いので心おきなく暴れろ!

280チョットしたドラムスのソロがあって…

S41a7078 「WRITING ON THE WALL」につなげて…

300さらに「END THE BREATH OF THE NIGHT」と、大熱演が続く。

310v「サンキュー!
どうだい?最高かい?
オレたちのファンになっちゃったか?」
この自信がまたいいじゃないの。コレぐらいでなきゃ!
お客さん間違いなく全員年上だぜ。
「あと1曲になっちまった!力尽きるまでたのしんでくれよ!」

290最後は「HELLRAISER」。
ね、どう見てもお客さんが初めてこのバンドに接している光景には見えないでしょ?

320最後の1曲…ステージの上も必死!

330v

S41a7005

340v

350v

370v大歓声に包まれながら持ち時間イッパイに6曲を披露した。

360演奏した曲はすべて先ごろリリースされたミニ・アルバム『SPEED METAL ASSAULT』から。
HELL FREEZES OVERのエネルギーでガラガラと崩れ落ちる1960のジャケットが目印だ!

30cd 演奏が終了してプレスピットから出る時、「コレ、いいネェ!」なんて声が客席から聞こえて来た。
そのお客さんだけでなく、もう会場全体の雰囲気がHELL FREEZES OVERの登場を歓迎しているようだった。
うれしかったね。
近頃この他にも本来のロック・テイストを持った骨のある音楽を演る若いチームが出て来ていてね。
最近の若いバンドは他と同じことをやることに一生懸命になってるでしょ?
タオルを回したり、「ホイッ、ホイッ」ってお客さんに叫ばしたり、歌い方がミスチルとソックリだったり、歌詞が「ありがとう」と「ごめんね」と「がんばろう」だったり…。
そういう時代にソロソロお別れをする時が来たのではないか?と淡い期待を持ってはいるけど、現実はそうではないことも知っている。
若いお客さんがいないんだよ。
コレじゃダメなの。
次の世代への伝承ができず、いずれ絶滅してしまう。
エンタテインメントの主役はステージの上の人たちではなくて、客席にいる人たちだからね。
ナントカこの手の音楽に若い人たちを取り込む方策はないものか…。
アニメの主題歌にガンガン採用してもらうというのはどうだろう。無理か…。
とにかく、まずは続けなければなるまい。
がんばれHELL FREEZES OVER、地獄が凍りつくまで!

380HELL FREEZES OVERの詳しい情報はコチラ⇒Official website

390<【LOUD & METALLIC WEEK】最終回につづく>

 

200_2 
(一部敬称略 2018年9月28日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2018年10月19日 (金)

【LOUD & METALLIC WEEK】METAL WEEKEND 第3弾~LOUDNESS <後編>

 

『METAL WEEKEND』の3日目の後半。
「Ares' Lament」の大合唱で感動した後は…

10_2♪ダカダカダカダカ…

20v_df♪ダカダカダカダカ…

30v_2♪ダカダカダカダカ…

40v♪ダカダカダカダカ…

50v_2「Dream Fantasy」!

66目の覚めるようなスピード・チューン!
コーラスの最後の「♪世界、Fantasy」のところが大スキ。

60_2「すさまじい」としか形容のしようがないギター・ソロ!
汗が!

65v続けても究極のスピード・チューン。
Go ahead,竜さん!

70v_es「Esper」久しぶり!

75圧倒的な「♪Esper」の絶叫!
3日連チャンでもビクともしない二井原さんのメタル・スロート。

95ベストの前身頃には「東北魂」のワッペン。

96とにかくホレボレするような高崎さんのギター・ソロがココでも大爆発!
90v_2高崎さんが全身全霊を傾けて弾いていると…

100ああ~!
二井原さんダメよ、ダメダメ!
アンプを勝手にイジっちゃマズイってば!
ちゃんと左手でマイクを背中に持って来ている。
二井原さんのマイクが1960の音を拾っちゃったらマズイからね。
ナンチャッテ…。

110v_2ココでメンバー紹介があって新しいアルバムに触れ、「ボクの大好きな曲です」と次のセクションへとコマを進めた。
すなわちココから数曲は『Rise to Groly』コーナーとなる。

130v当たって砕けて「Go for Btoke」。
「Go for Broke」といえば、数日前に『ベスト・キッド』のことを書いたでしょう?
一昨日、事務所に若い連中が来て、その辺りのことを話してビックリ。
4人とも全員が『ベスト・キッド』といえばジャッキー・チェンなのだそうだ。
だから当然「ダニエルさん」のことも「ミヤギさん」のことも知らない。
こうして古いモノがドンドン忘れ去れていくんですな~。
かといって若い人たちに古いモノすべてを吸収してもらうことも不可能だし…。
時の流れは残酷だ…どんなにいいモノでも容赦なく抹殺してしまう。
だからLOUDNESSには一日でも長く元気に活動を続けて頂きたいのだ。

120_gfb第1日目にも披露したアコースティックのシーンがそれに続いた。

140_uisl曲は「Until I See the Light」。
デューク・エリントンに「I'll Beginning to see the Light」という曲があるんですよ。
「光を見はじめて」→「光を見るまで」…名曲どうしでストーリーがつながりそうだ。

150v高崎さんの美しいアコースティック・ギター・プレイから…

160v_2後半のヘヴィ・パートへ。
やはりグリーンのPrime Signature。
ココから最後までこのギターとMarshallのコンビネーションで極上のギター・サウンドを炸裂させた。

170v梵鐘が2つ。
「The Sun will Rise Again」だ!

180_swra今日も「♪The sun will rise again」の絶叫が会場の隅々にまで響き渡る。

190v誰にも止められることのできない、まさに灼熱の太陽のようなパフォーマンス!

210そして4人がひとつになって本編を締めくくったのは「S.D.I.」。

240v

200v

260v

S41a6682この盛り上がり方は「クライマックスの権化」!230その様子をステージそでから見守るRiotのMike。

280こうして3日目の本編のプログラム全14曲を完走したのであった。
スゴい歓声だったナ~。

300_2そして、アンコールにはさっきとは反対にRiotのメンバーがLOUDNESSに合流した。
曲は「Crazy Nights」。

310さっきステージそでからLOUDNESSの演奏を観ていたMikeがはじめはステージ下手に陣取っていたのだが、高崎さんの横に移動して来た!
370_2まずはMikeのソロ。

340v「Akira!」

350_2高崎さんがそれを受けてバッチリとギター・ソロをキメてくれた!360vコチラは山下さんとDonのベース・チーム。

330ボーカル・パートは二井原さんとToddで分け合った。

380固い握手を交わすボーカルズ・チーム。

390こうして3日目のRiotとのダブル・ヘッドライナー・ショウも大歓声に包まれて終了した。
イベントはもう1日あったのだが、残念ながら私は先約があって不参加。
あんぱんさんが登壇し、元気な姿を見せてくれたと後に聞いてうれしくなった。
LOUDNESSは年末にまだお楽しみが残っているそうなので、それまで皆で楽しみに待つことにしよう!

410LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒-Official Website-

420<オマケ>
見て!
終演後の高崎さんのギター。
汗がしたたり落ちている!

430v <『METAL WEEKEND』のレポートはコレでおしまい。RED BULL主催『METAL MANIA』につづく>

 

200
(一部敬称略 2018年9月23日 ZEPP DIVERCITYにて撮影)

2018年10月18日 (木)

【LOUD & METALLIC WEEK】METAL WEEKEND 第3弾~LOUDNESS <前編>

 
ホラ、見てごらん…下のサインボード。
さすが世界のLOUDNESS。
「LOUDNESS/RIOT ダブル・ヘッドライナー・ショウ」って書いてあるしょ。
どんなことがあったって「ツーマン」なんてみっともない言葉を使ったりしない。
しつこいか…。
それにしても一体誰が「ツーマン」だなんてキテレツな言葉を最初に使い出したのだろうか?
きっと冗談のつもりで口にしたのがナニかの拍子で広まっちゃったんだろうね。

10私はこの日が『METAL WEEKEND』の最終日だったので、記念にメタっておいた。
どうだい、ジジインスタ映えするだろ?
30v会場のロビーには全日程を通してRock Beats Cancerでおなじみの「樋口宗孝がん研究基金」のブースが設置され多くの人が立ち寄っていた。

20さて、『METAL WEEKEND』第3日のダブル・ヘッドライナー・ショウもRIOTの熱演が終わりLOUDNESSの出番となる。
ステージ上手にはMarshall。

40そしてアンプはおなじみのJMP-1セット。

50vそして、高崎さんの今日の愛器たち。

55v実は、LOUDNESSはこの夏にドイツで開催された『Headbangers Open Air』において、昨日レポートしたRiotとヘッドライナーの座をシェアしている。
その共演を東京で再現したのが『METAL WEEKEND』の3日目のステージ。
LOUDNESSのステージは、『Headbangers Open Air』と同じ内容を演じた。
つまり『THE LAW OF DEVIL'S LAND~魔界典章』と『DISILLUSION~撃剣霊化』の初期のアルバムからの曲を中心としたセットリストだ。
…と来れば、デビルのバックドロップの出番だ。

60目ツブシが炸裂し、いよいよスタート!

70イヤ~、今日もいきなりアクセルとスロットルが全開した演者と観客!

80二井原実

90v高崎晃

100v山下昌良

110v西田竜一

120v1曲目は「In the Mirror」!

130_itm二井原さんは、チョット前にステージに上がったテンションをそのまま持ち込んだ。

140v3日目でも高崎さんのギター・ソロが容赦なく切り込んでくる!
ああ、今日もこの音、このプレイ!
シアワセだ~。

160vガンガン観客をアオる二井原さん。
もうRiotが温めておいてくれたからね~、客席は導火線のない爆弾のようだ。

165タイトル・チューン、「The Law of Devil's Land」。

170_lod「Black Wall」へと続く。

190_bwドクロを背にして弾きまくる高崎さん。
すべてのソロが真剣での斬り合いのようだ。
でも実際には映画やテレビのようにつばぜり合いをしたり、刀を振り回して派手にチャンチャンバラバラやるようなことはなかったらしいね。
刀は重いし、極度に緊張するしで、チョット動くとみんな疲れてヘロヘロになっちゃったとか…。
でも吉村昭の『桜田門外の変』なんかを読むと、あの事件の後、現場には鼻や耳や指の先がたくさん落ちていたらしい。
水戸藩士の士気は映画以上だったのだろう。
ちなみにその後始末は町民がしたらしい。
ヤダね、落ちている人の鼻をつまんでゴミ袋に入れる作業なんて…。地面の血を洗い去るのも相当大変だったようだ。

195v高崎さん、今日は珍しく何回もお立ち台に乗ってのプレイ。
普段あまり乗らないからね。
225コレも珍しいショット。
私は過去幾度となくLOUDNESSさんのステージの写真撮影をお任せ頂き、これまで万単位の写真を撮ってきた。
そのことを大きな誇りに思っているのだが、私の記憶ではこのフォーメーションで4人をフレームに収めた記憶がない。
もちろん何枚もこのシーンを撮ったんだけど、どれも気に入っている。200「凄まじい演奏と歌声で楽屋で凍り付いていました!」
Riotのことね。
「でもみんなの歓声に勇気を頂いて出てきました!
ドイツのフェス3日間の2日目に出たんですが、3枚目と4枚目を中心に演ってくれ…というリクエストが具体的にありました。
今日はそのなつかしい曲を中心に演ります。
その時代に青春を過ごした人は存分に楽しんで行ってください!そして、そうでない人もそれなりに楽しんで行ってください!」
という二井原さんのMCに続けて…
220『THE LAW OF DEVIL'S LAND~魔界典章』から「Sleepless Night」。

210v_snもうスゴイ汗!
熱演ぶりが伝わることと思う。

230vもうイッチョ『魔界典章』から「Speed」!

240_spこの曲のリフが何とも好きでしてね~。

150猛然とドライブするLOUDNESS!

250竜さん、今日も大熱演!
竜さんは今年3月の『Rise to Glory』のレコ発ツアーの時からだけど、考えてみるとスゴいレパートリーの数だよな~。
長い歴史と大きな実績のあるバンドをサポートするっていうのは大変ことだ。
フランク・ザッパのところなんかも、メンバーはツアーに出る前の半年間のリハーサルで200曲以上完全に暗譜させられたとか。

260今日は1日目に使用しなかったギターを使用している高崎さん。
どれを弾いても「世界の高崎サウンド」なんだけどね。

270ウワッ!こんな高崎さん、初めて見た!
白衣。

275当然、曲は「Crazy Doctor」。

276vココからは『DISILLUSION~撃剣霊化』のコーナーだ。

280v例の名ソロ・フレーズが3日目の『METAL WEEKEND』の空間に響き渡る。
一音一音に魂がこもっているようだ。

290vこんな鬼気迫ったお医者さんがいたらコワイって!

300竜さんのドラムスから「Milky Way」。

310v_mw白衣を脱いだ高崎さん。
またこの汗!
相当暑かったことでしょう。

320v「Ares' Lament」では照明が落とされ2つのミラー・ボールが幻想的な空間を演出。

330_alやっぱり名曲ですな。
どんなにハードな曲を演奏するバンドでも、いいチームのレパートリーには必ずバラードの名曲があるものだ。

340お客さんの大合唱を浴びながら前半が終了した。

360LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒-Official Website-

370 <3日目のレポートはつづく>

 

200
(一部敬称略 2018年9月23日 ZEPP DIVERCITYにて撮影)

2018年10月17日 (水)

【LOUD & METALLIC WEEK】METAL WEEKEND 第3弾~RIOT

 

Marshall Blogの【LOUD & METALLIC WEEK】はまだまだ続くよ~!
今日は『METAL WEEKEND』の3日目。
LOUDNESSとRIOTの出番だ。
ホラ、見てごらん、下のサインボード。
さすが世界のLOUDNESS。
「LOUDNESS/RIOT ダブル・ヘッドライナー・ショウ」って書いてあるしょ。
どんなことがあったって「ツーマン」なんてみっともない言葉を使ったりしない。
想像してもごらんなさいよ。
「METAL WEEKEND 第3弾 LOUDNESS/RIOT ツーマン」…ガクっと来ない?
LOUDNESSとRIOTの「ツーマン」だってサ!
いつも書いてるけどあんまりヒドイよ、この「ツーマン」とか「スリーマン」とかってのは。
いつかD_Driveが出演するイベントで9バンドが登場するということで「キューマン」ってのがあったけど、それは面白いじゃねーか。
そんなの「9バンド」って言えばいいんですよ。本当は「9バンズ」だけど、それはマァいいことにしよう。
「ハチマン」とかね…神社じゃん、それじゃ。
出演バンドがもっと増えるとどうなるか…「ジュウゴマン」、「ジュウロクマン」…ニューヨークまでの飛行機のエコノミー席料金かッ!?つーの!

10_2そう、RIOTはこの日のためだけに、はるばるニューヨークからやって来てくれたのだ。
それだけに気合いの入ったステージの造作がうれしい。
下手のMarshallの壁。40_2上手のMarshallの壁。
まるで神社の狛犬のようにステージの両側を陣取っている。
30_2知ってるでしょ?
神社の狛犬って左右で口の形が違うんだよ。
向かって右は口を開いて「あ」。
左が口を結んで「ん」。
五十音の始まりと終わりの文字を表しているのね。
つまり、ココにはすべて詰まっているというワケ…的な?
阿形(あぎょう)&吽形(うんぎょう)といって合わせて「阿吽(あうん)」…いずれにしても宇宙のすべてを包含しているという意味なのです。
Ki何が言いたいのかというと、「阿Marshall」と「吽Marshall」で、ココにロック・ギターのすべてが詰まっているということよ。

20_2Sunday I watched the riot…ホントはWednesdayなんだけどね。
ザッパ・ファンならニヤっとしてくれたことでしょう。
Riotのショウの始まりだ。
開演時間となり、場内に流れるSEに乗って表れたのは5体の着ぐるみの皆さん。

60_2手に物騒なモノを持って音楽に合わせて観客をアオるフクロウたち。

80_2フクロウじゃない?
エ、アザラシ?
ゴメンなさい!
調べてみるに「Johnny」という名前のマスコット・アザラシなのね?
正直に言いますが、私、Riotって全く存じ上げないのです。
でも、この着ぐるみの中には存じ上げている人がお2人入っています!ご苦労様です。
見てますか~?Marshall Blogに出て頂いていますよ~!

70_3そして、バンドが登場!

90_2ブォォォォォォっとCO2をカマす景気のいいオープニング!

100_2Todd Michael Hall

100vMike Flyntz

110v_2Nick Lee

120vDon Van Stavern

130vFrank Gilchriest

140v1曲目は「Victory」。
もう一度言っておきますが、私、Riotさんを全く存じ上げないので、以下はセットリストに毛が生えたようなレポートになってしまうこと、予めご容赦頂きたい。
写真は気に入ったのが撮れた。
全部ココに載せたいぐらい。
ということで、ファンの方には申し訳ないが、写真集をご覧になるつもりで画面をスクロールしてくだされ。

150_2「Fight of the Warrior」
スゲエ声!
何もココまで高い声を出す必要ななかろうに!と驚いちゃう。
でも驚いたのは声だけでなく、その若い頃のTodd Rundgrenのようなマスク。
さらに驚いたのは、この方、ファースト・ネームがToddだったのね⁈

160v「On Your Needs」

170vやっぱりこの光景だよね、ロックは!
使用しているヘッドはJCM800 2203。

180「Ride Hard Live Free」

190vNickも2203だった。

200スゴイ歓声!

210「Johnny's Back」

220_2「Outlaw」

230「Road Racin'」

240「ニュー・アルバムから」…と紹介したのは「Caught in the Witch's Eye」。

250vところどころに挟まれるツインリードが素晴らしい!
何でもこの2人は師弟関係だとか…。
一糸乱れぬアンサンブルの源はそこかな?

260「Angel Eyes」
Nickのアクションがあまりにも激しい!
最初から最後まで一時としてジッとしていない…コレは私の小学校の時の通信簿の先生のお言葉だ!

270vコーラスがまたスゴイのよ。
主にMikeがToddの歌にハモりをつけるんだけど、とても2人だけで歌っているようには聞こえない。
向こうのバンドはどんなタイプのロックでもハーモニーを取り入れるよね。
そこが日本のロックとの大きな違いだ。
こういうところにもロックのルーツが異なることが感じ取れる。

280竿チーム、3人揃い踏みも壮観だった。
430「Tokyo Rose」から…
420v…「Rock City」のメドレー。
私が中学の時分にリリースされたファースト・アルバムからのチョイス。
その頃私はプログレッシブ・ロックに興味が移っていたせいで残念ながら聴かなかったんだよね。
でもジャケットは知っていて、その時からJohnnyはフクロウだと思っていた。
290v「Angel's Thunder, Devil's Reign」もニューアルバムから。

300vコワモテのFrank。
終演後、少しおしゃべりをしたんだけど、実は物静かな人で、真剣にアメリカの楽器店の話をしていた。
ところでバスドラムが小さすぎね?
20インチ?まさかの18?

310「Bloodstreets」

320いよいよショウも後半!
「Take me Back」

340vまたニュー・アルバムから「Heart of Lion」。

350vToddが「次はニュー・アルバムから」と紹介する曲がどれもすごくいいんだよね~。
全曲初めての私には、多様性に富んだテイストの新曲の方が面白かった。
コレがそのニュー・アルバム『Armor of Light』。

Aor 終盤になっても暴れまくるNick。
終演後、Nickとも話をした。
こんな激しいステージでのアクションとは縁も所縁も感じられないおとなしい人だった。
当然Marshallの話になって、「今流行っているデジタル・アンプは使わないの?」とイジワルで尋ねたところ、「オイオイ、悪い冗談は止めてくれよ!」みたいな表情をして「オレは2203があれば他に何もいらないよ!」って!
加えて「Mikeも同じだよ」と言ってくれた。
このバンドは大丈夫だ!

360v本編最後の曲の前にDonからご挨拶。
手にしているのはテキーラだ。

370Don自ら説明したのはこのバックドロップ。

380ハハハ!
Donは右手に剣(sword)、左手にテキーラのボトルを持ってる!
トレード・マークなのね?

390vそして曲は「Swords and Tequila」!
「sword」は発音注意ね。
「スウォード」みたいに「w」を発音してはダメよ。
「サード」と「ソード」の中間みたいに読む。
「Throw Down the Sword」なんて名曲を知っている人は、年配かよっぽど熱心にロックを勉強している若い人。

400最後の最後まで緻密なギター・アンサンブルは見応え満点だった。

410アンコールはまず「Land of the Rising Sun」。
「日出る国」…

330ということで次の曲にLOUDNESS合流!

440さすがにスゴイ歓声だったな~。

450LOUDNESSからの参加は二井原さんと…

460山下さん!

465v曲は「Warrior」。

470LOUDNESSとRIOTは海外のフェスでも度々一緒になる仲良しバンド。
冒頭に書いたように、このLOUDNESSのイベントのためだけに来日してくれたのだ!

480そして最後にブッたまげた!
だってお客さんが大合唱なんだもん!
50_2曲は「Thundersteel」。
メンバー5人のテンションの高さがそのまま伝わってくるような熱演!

500v

510v

520v

530

540Donはまたテキーラでカンパイ!
Mikeも演奏中同じボトルを手に取ってグイっとやっていたけど、よくこんな強い酒をそのままグビグビできるな~。
やっぱり白人の臓器の強さは尋常ではない。

570一方、NickはYONA YONA。
おいしいもんね。
次回はMarshall Beerかな?
 
Marshall Beerの詳しい情報はコチラ⇒THE ROCK 'N' ROLL CRAFT BEER~Marshallのビール!

560爽快感あふれる充実したパフォーマンスだった!
やっぱりMarshallで奏でるロックはホンモノだ。

580RIOTの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site(英語版)

590<3日目のレポートはつづく>

 

200
(一部敬称略 2018年9月23日 ZEPP DIVERCITYにて撮影)

2018年10月16日 (火)

【LOUD & METALLIC WEEK】METAL WEEKEND~LOUDNESS World Tour 2018 RISE TO GLORY 凱旋公演 <後編>

  
『METAL WEEKEND』のイベントTシャツ。
やっぱり「METAL」と来ればこういうデザインになるってことよ。実績が作るイメージというのはとてつもなく強力なモノですな。
ヘッドの部分には「Metalheadz」と入っている。

92jmwf背面には参加バンドのロゴ・マークがあしらわれている。

92jmwr開演前の高崎さんの楽屋をパパラッチ!
はしたなくてスミマセン。
でも、見えちゃったんだもん…CODEが!
高崎さん、CODE25でウオーミングアップされているのです。

9img_7463 さて、『METAL WEEKEND』の初日、『LOUDNESS World Tour 2018 RISE TO GLORY 凱旋公演 』も後半に入る。
ステージにはアコギを提げた二井原さん。
「誰が長渕やねん。『乾杯』演ろうかと思ったけど、時間がなかったわ。明後日演ろうかな?」370要するにアコースティック・セットだわね。

375v高崎さんもアコギで加わって、曲は『Rise to Groly』から「Until I see the lIght」。

380アコースティック・パートからヘヴィ・パートへ。

390ココでもメロディを重視したギター・ソロがタップリ味わえる。
二井原さんの歌をそのままギターが引き継いでいるかのようだ。

0r4a9136 好きなんだ~「Kama Sutra」。
3+3+2のパートから…

400v_ksヘヴィなリフ・パートに入るところがトリハダものなのだ。

410タップリと盛り込まれたキメのひとつひとつが最高にカッコいい!

420vそして、そのままドラム・ソロへ!

430「竜」というよりドラムスの「鬼」と化す竜さん!
いつも通り普通にシェルを使ったソロから…

450vシンバルのソロへ。

460そして、スティックを投げ出し、拳で美しいブリリアント仕上げのシンバルたちをボッコボコにしちゃう。

S41a4691 お客さんとのコール&レスポンスもバッチリ!
竜さんの大熱演に大きな歓声が飛び交った!

470v竜さん以外のメンバーがステージに戻り、また『Rise to Groly』から強烈な一発をお見舞い!
490v「Massive Tornado」だ!
この二井原さんの「♪Massive tornado」のシャウトはスゴイな~。
殺人的だわ!
今からこんなに叫んでしまって向こう3日間大丈夫なのだろうか?…大丈夫なのだ!

480v_mtマッシヴなのは二井原さんのシャウトだけじゃないからね。
LOUDNESSが一丸となったマッシヴだから相当マッシヴだ。
この「massive」という言葉、初めて耳にしたのはダムのコンクリートについて勉強した時だったナァ。「RCD工法」って言ってね。

485場内が暗転してミラー・ボールが灯される。

500_raこのイントロ!
このメロディをCDで初めて聴いた時はチョット驚いたね。
一体ココからどう展開するんだ?って。
高崎さんの音楽的な柔軟性ってスゴイよ。

515ヘビーなスロー・チューン。
この曲も「So Lonely」と並んでLOUDNESSの叙情面をアッピールする代表曲になるのではなかろうか?

510vミラー・ボールが2つになり演出効果も抜群。
お客さん、ジ~ックリ聴いちゃってるもん。
コレいい曲だな~。
そして、あのイントロのメロディが効果的であることを確信する。

520最後のMCをはさんでいよいよ『METAL WEEKEND』の初日も最後のセクションに差しかかった。
イヤ~、それにしても皆さんよくノッていらっしゃる!

530_tlhココからは『Rise to Groly』から離れて、LOUDNESSスタンダードが連続する。
550まずは『Hurricane Eyes』から「This Lonely Heart」。

540このセクション、ヨーロッパの人たちの反応はどうだったのだろうか?
さぞかし盛り上がったんだろうな~。

590_cd_2続いて「Crazy Doctor」。

555定番中の定番。
何度接しても飽きないモノが定番だ。
つまり名曲中の名曲ということ。

595vおなじみのギター・ソロでも大きな歓声が上がった。
そんな、弾き始めに歓声が上がるギター・ソロなんてのは、日本には他にないんじゃないの?
名フレーズの証だ。

600そんな魅力的なフレーズはコレを使って練習しよう!
ちなみに表紙の高崎さんのお姿は私がお撮りしていおります。

92book さらに「In the Mirror」だ!

610v_itmコレもLOUDNESSスタンダードの人気上位をマークする曲。

620vZEPP DIVERCITYは興奮のるつぼ。熱気でお客さんが溶けちゃってる。
ヨーロッパでも客席はきっと同じ光景だったに違いない。
チェコの60℃の中でコレはタマらないぞ~!630_sdiそして、最後は「S.D.I.」!

680完全燃焼間近の4人!
まさに「ラウド」の宴!

670v

675v

650v

660v「8118」ロゴが刻印された緑のPrime Signature。
高崎さんはコレを15曲中、10曲で使用した。
いい音だった~。
どんなに爆音でもうるさくない。
640vエンディングではその爆音を出し続けたMarshallと格闘!

676そして、終了!
終わっちゃった~。

690アンコールはなし。
カッコいい。絶対カッコいい。
LOUDNESSが徹底的に演ってくれたんだもん、アンコールなんてなくていい。
ファンの皆さんもその辺りをよくわかっていて「アンコ~ル、アンコ~ル」なんてやらない。
そんなお客さんもカッコいいよ。
昔はそんなことしなかったよ。
まるでタチの悪いヨッパライが、看板後の飲み屋で「もうイッパイ飲ませろ!」とクダを巻いているようだ。
最近は客電が点いて、BGMが流れているのにいつまでも「アンコ~ル、アンコ~ル」ってやってるライブがあるでしょ。
よしゃいいのに、バンドもそれに応えて、予定外に追加で演奏したりするからみっともない。
アンコールが悪いって言っているんじゃありませんよ。
ヤッパリ演る方にステージマナーというモノがあるように、観る側にもエチケットというモノがあるんですよ。
もう少し観たかったらお友達を誘って次回のコンサートに行けばいい。
バンドもお客さんに「もう少し観たかった!」と思わせるように「寸止め」するべきだ。
いいコンサートはね、例え上演時間が短くても「楽しかったね、また来ようね」となるモノです。
そもそも最近のライブ・コンサートはどう考えても長すぎだって!
ツェッペリンやスプリングスティーンじゃないんだから…。
やっぱりブライアン・エプスタインは正しかったのだ。

700ってんで、またすぐ観たくなっちゃうLOUDNESS、まだ詳細は秘密だけど、年末にもナニかありそうなので乞うご期待!
 
LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒-Official Website-

720明日も『METAL WEEKEND』だよ。
 

200
(一部敬称略 2018年9月21日 ZEPP DIVERCITYにて撮影)

2018年10月15日 (月)

【LOUD & METALLIC WEEK】METAL WEEKEND~LOUDNESS World Tour 2018 RISE TO GLORY 凱旋公演 <前編>

 
ラウドに行こうよ!ロックじゃないか!
9月の後半はLOUDNESSづくしだった。
下旬に開催されたLOUDNESSのイベント『METAL WEEKEND』が4日間!
そしてその翌週にはエナジー・ドリンクのRED BULLが主催した『METAL MANIA』というイベントに出演したのだ。
Marshall Blogでは『METAL WEEKEND』に2回と『METAL MANIA』の取材にお邪魔させて頂いた。
ってんで、Marshall Blogも負けじと、今日から『LOUD & METALLIC WEEK』と題してブっ続けでこのあたりのレポートを掲載する。
向こう1週間とチョット…Marshall Blogのラウドでメタルなウィークをお楽しみあれ!
 
まずは『METAL WEEKEND』。
先を急ぎたいのはヤマヤマだけど、いい機会なのでチョット「週末」について調べてみた。
よく外人とメールのやり取りとしていると、金曜日の最後の通信には「Have a great weekend!」とか「Enjoy your weekend!」なんて書いてその週の仕事を締めくくるんだけど…そもそも「週末」とはいつぞや?
金曜日と土曜日?
土曜と日曜?
でも、1週間の初めは日曜日なんだぜ。それで「週末は」おがしくね?
あ、昨日、山形の人と一緒だったのでうつっちゃった。山形弁は実にチャーミングである。
そもそも、明治に入るまで、日本にはこの「曜日」という感覚はなくて、文明開化によって西洋から輸入されたモノなのね。
するとそういうモノには宗教が絡んできて話が長くなるし、ボロが出るのでカット。
ただひとつとてもオモシロい話を発見したので、それについて触れておくことにするね。
この「weekend」という言葉。
日本では何の抵抗も疑いもなく「週末」という風に訳されるけど、コレは誤訳なんだそうですよ。
確かに「end」は「おしまい」という意味だけど、「ハジッコ」という意味もあるでしょ?
ギタリストには「ボールエンド」とか「エンドピン」なんて言葉でおなじみのアレね。
それで「週末」ということを忘れて考えてみると、週の始まりは日曜日、そして終わりは土曜日…コレ両方とも週のハジッコにでしょ?
だから「weekend」は「週端」と訳すべきであって、「週の終わりがいつ」ということには関係なく、結果的に「日曜と土曜」が「weekend」だというワケ。
でも、コレは伝統的な話。
現在ではヨーロッパは月曜日を週の始まりとしているので、この解釈で「weekend」というと「月曜日と日曜日」がお休みになっちゃう。
「情けは人のためならず」みたいに、言葉の意味というモノはこうして変わっていくんですな。
 
4日間にわたって開催された『METAL WEEKEND』…初日はLOUDNESSの単独公演となった。

10今年1月に発表したアルバム『RISE TO GLORY』を引っ提げての夏のヨーロッパ・ツアーの凱旋コンサートだ。

20cdステージにはMarshallフルスタックの壁!

40アンプ陣はMarshallのプリアンプJMP-1を組み込んだいつものラック・システム。
世界がうらやむ「高崎サウンド」の製造元。

50v今回の足元のようす。

60そしてステージのそでにセットされた出番を待つ愛器たち。
コレでロックの準備は万端!

70『RISE TO GLORY』の冒頭に収録されている「8118」が場内に流れる中、メンバーが登場した。

80高崎晃

90v二井原実

110v山下昌良

120v西田竜一

130v「8118」からアルバム通りそのままリード・チューンの「Soul on Fire」に突入。
モノスゴイ歓声!
お客さんがみんなうれしそうにニコニコしてるんだよね。
え?ファインダーを覗きながら私もニコニコしてるって?
そりゃそうよ、LOUDNESSだもの!
この音、曲、雰囲気に囲まれてゴキゲンじゃないロック好きなんてこの世にいなかろうて。

140高崎さんの背後にはMarshallの壁。
やっぱりMarshallがよく似合う!
今日は珍しくサングラスをかけての登場だ。

100今日も冒頭からハイ・テンションの二井原さん。

150v二井原さんの背面には竜。後にはホンモノの竜さんがいるんだけどね。
そして「SOUL ON FIRE」!

115v燃えたぎるソロをタップリと盛り込んで、これから4日間にわたる『METAL WEEKEND』の1曲目が終了した。

160そして、ココもアルバム通りに「I'm Still Alive」をつなげた。

287 まずは新しいレパートリーに会場は大盛り上がりだ。

170「ラウドネスです!どーも!
『METAL WEEKEND』という乱暴な企画です…4連チャンです!」
4連チャンはスゴイ。
しかも、そこら辺のJ-POPみたいな軟弱な歌じゃないからね~。
二井原さんは鉄人だ。
「今日はヨーロッパでやったライブをそのまま皆さんにお届けするという企画です。いいですか~、トーキョー!」
おお~、東京にいながらにしてヨーロピアン・ラウドネス!
コレはタマりませんな。
このLOUDNESSの激演がどういう風にヨーロッパの人たちに響いたのか想像しながら聴くのが楽しい。
そういう時って絶対に自慢している気分になるんだよね。
だってLOUDNESSなんだもん!

180二井原さんのご挨拶の後は…

190_cnいきなり「Crazy Nights」!

200vさっそく…ヨーロッパの人たちもこの展開に興奮しただろうナァ~。

210v続けてもLOUDNESSスタンダード「Like Hell」。

230vこの重厚なリズム・セクション!
鋼鉄なんて形容では追いつかない。
まるでタングステンだ。

240vタングステンは全元素の中で最も比重が大きいと言われるオスミウム級の金属で、その比重は19.3!
一般的な鉄の比重が8なのでその倍をはるかに超える。
水の重さの約20倍ですからね。
タングステンはたった3.8cmの立法体で1kgもあるんだって!
ホンモノのヘヴィ・メタルだ。
その重さを利用してF1マシンのバランスを取るための重りに使われるのだそうだ。
まさにそんなタングステンのようなベースとドラムのアンサンブルだ。

250vお客さんの「♪Like Hell」の大合唱に呼応するかような炎のギター・ソロ。
そう、クリスチャンにとっての「地獄」は「炎」なのだ。

255vもう1曲、スタンダード・ナンバー。
久しぶりじゃない?
「Heavy Chains」、大好きな曲。

260_hc多分日本で最も重く激しく美しいトリプレット・チューン。
私はこういう曲にLOUDNESSの「日本人離れテイスト」を感じるんだよね。
280v最もカッコよかった時代の西洋のロックに薫陶を受けたことの賜物だ。
今の若いバンドさんたちはいいお手本がなくて気の毒だ。

270鐘の音が2つ…「The Sun Will Rise Again」だ!
コレね~、カリヨンなんかではなく、梵鐘の音色っていうのがいいんですよ。
でも、すごく曲にマッチしていると思わない?
この曲を知らないヨーロッパ人がこの梵鐘の音を耳にしてこんなドハードな曲が始まったらどう印象を受けるんだろう?
興奮していてそれどころじゃないか?

290_swr前アルバムからのタイトル&リード・チューン。

300v時折Marshallの壁に背中を寄せる高崎さん。
そんなシャッター・チャンスは逃しません。
コレがロック・ギタリストの正しい風景だ。
それにしてもこのギターの音!
フォトグラファー特権でナマの「高崎音」をタップリ頂戴しております。

310水を打ったような静かな客席に向かって放つ「♪The Sun Will~」…もうこんなスゴいカデンツァは日本人では二井原さん以外には不可能でしょう。
350「こんなもんでカンベンしといたろか?」って感じ?
二井原さんの声に負けないぐらいの大きな歓声!

320v_2今回のツアーは3週間で10本というツアーで移動が大変だったとか。
陸路で一日800kmの移動なんてのがあったらしい。
日本換算で東京から広島までの距離…それを聞いただけで腰が痛い。
移動して次の日が演奏ということもあるが、移動したその日に演奏などということもあるのだそう。
ステージでは疲れた顔なんて絶対に見せられないからね~。
大変な仕事ですよ。
「療養中のアンパンさんに代わってそのツアーに参加してくれたドラマー」と、改めて竜さんを紹介。
竜さんは初めてのヨーロッパ・ツアーでチェコでデビューされたそうだ。
20,000人ぐらいの会場で気温が60℃ぐらいあったとか…60℃は冗談だけど、相当暑かったんでしょうね。
日本もヒドかったけど、今年のヨーロッパの気候はメチャクチャだったらしい。
イギリスのMarshallの連中も暑さにヒーヒー言っていた。
だって、事務所にエアコンが付いていないのよ。

Z3 『Rise to Groly』に戻って「Go for Broke」。

330_gfbハードロックのお手本のようなリフ・チューン。
展開部が実にゴージャスだ。

340vサビの「♪We can break out, break out and go for broke」がメッチャ印象的なんだ。
どんなに間違えても、今風メタルのサビのような惨事にはならない。
 
ところで、この「go for break」という表現。
「当たって砕けろ!」という意味。
第二次世界大戦中、士官を除き、日系人だけで編成されてドイツ軍と戦った第442連隊戦闘団(442nd Regimental Combat Team)のスローガンが「Go for broke!」だった。
この部隊の死傷率は314%だったという。
第二次世界大戦のアメリカ兵の死傷率は1.8%。100人のうち2人弱が命を落としたことになる。
対して日本兵はケタ違いの26%。
死傷率が314%とはどういうことか…。
例えば100人の部隊が全滅して兵の補充をしなければ死傷率は100%となる。コレが314%ということは、442部隊の兵隊が全員死んで兵を補充して、3回以上入れ替わっているということ。
敵性国民としてアメリカ人に散々イジめられた日系人が見返してやろうと「大和魂」を見せた結果だろう。
この442部隊は結果、アメリカ合衆国史上最も多くの勲章を受けた部隊として知られていて、1951年に「Go for Break(邦題:二世舞台)」というタイトルで映画化もされている。
『ベストキッド』の「ミヤギさん」もこの第442連隊戦闘団の出身という設定だというので、DVDを観て実際に調べてみた。
在米日系人の強制収容所で医者が面倒を看なかったことによって奥さんと生まれてくるお腹の赤ちゃんを失くしたミヤギさんが偲んで酒を飲み、ヘベレケになっているシーン。
ちょうどダニエルさんがミヤギさんを訪ねてくると、上官に戦果を報告する追想の芝居をしてこういう。
「I kill many Jerry German, Sir!」
「Jerry」というのはイギリス英語で「ドイツ兵」のこと。
「442nd」という言葉自体は出て来ないが、多分コレがその「442部隊出身」ということを仄めかしているのだろう。
コレを確認するのに映画1本を観てしまった!だからマーブロ書きは時間がかかるのだ。
せっかくなので、脱線ついでにひとつ気が付いたことを書いておくと、ダニエルさんが引っ越して来て盆栽に初めて触るシーン。
お母さんが「コレはナニ?」とダニエルさんに訊くと「Baby tree」と答える。
するとミヤギさんは「ボンサイ」と正しい名称を教える。
ダニエルさんは初めて耳にする単語なので「バンザイ」と言い直すが、ミヤギさんはそれを聞いてイヤな顔をして「ボンサイ」ともう一度教える。
ミヤギさんは「バンザイ」という言葉がキライなのだ。
もちろんサイパンの「Banzai Cliff」のように犬死した日本人を慮ってのことだ。
不思議でしょ?
戦争が大好きな国がこういう映画にそういうシーンを盛り込んでくるんだから。
また、こういう緻密なシーケンスが盛り込んであるのでこの映画は面白いんです。
要するに脚本がよく書けているということ。
余計なことだけど、「go broke」だと「一文無しになる」という意味なので気を付けて!

295このギター・ソロ!
まるでよい脚本の映画のようにドラマチックだ。
「Crazy Doctor」なんかもそうだけど、一度聞けば口ずさめるようなメロディから泣く子もダマるハードなプレイへとつなげる…このコントラストが高崎さんならではなんだよね。
プレイに良質な「歌」があるの。

355濃密なパフォーマンスで前半の最後に到達。

356右手を高々と上げて当たって砕けた二井原さん。
おお~!竜と竜さんのユニゾン!

365vLOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒-Official Website-

730<後編>につづく 

200
(一部敬称略 2018年9月21日 ZEPP DIVERCITYにて撮影)

2018年10月11日 (木)

THE GOOD-BYE ANNIVERSARY CONCERT~35周年はじめちゃいます~

 
お客さんが長い入場の列を作っているのは中野サンプラザ。
2024年前後には解体することがとうとうキマったんだってね。
築45年だって。
一体何回外タレのコンサートに来たかナァ。
今は無き新宿厚生年金会館と合わせれば私の青春の30ページ以上になっていると思う。

10まだまだ全然キレイじゃない?
地震が皆無とは言え、19世紀につくられた劇場を今でも大切に使っているロンドンあたりの事情を見て知っているコッチとしては、「ナンだって何でもブッ壊しちゃうのよ!」とハラ立たしく思ったりもするが、中野サンプラザは大赤字なんだって。
何でも借入金が44億円あって、現在の純利益は2.2億円。で、コレをあと15年継続させるには32億円の費用がかかるそうだ。
このホールのキャパは2,200席。
今となってはZeppやBLITZのような大型のライブハウスが林立して、それ以上になると万単位のアリーナかフェス。
コンサートの在り方も45年のウチにだいぶ変わっちゃったからね。
色々と複合的な事情があるんでしょう。

20開場の時間となり、自分の席へと向かうお客さん。
「どんな席かナァ?」なんてね、心ときめかせたものですよ。
私はこの業界に入ってこの感激を完全に失った。
いつも楽屋口から入れてもらうからね。
Marshall Blogの取材なんかだと、そもそも席もないのが普通だし、カメラを提げて動き回るので、席をご用意頂いても意味がない。

30スゲエ人!
そんなワクワク感でお越し頂いたのはTHE GOOD-BYEのコンサ―ト。
1983年デビューだからして、今年で35周年となるのだ。
その記念すべき年のキックオフがこのコンサート。
いいね~、ファンの皆さん。今年1年楽しみで!

40The Beach Boysの「Good Vibrations」に乗ってステージに現れたのは…
 
曾我泰久

50v衛藤浩一

60vそして、野村義男さんの3人に加えて…
当時のTHE GOOD-BYEのサポート・キーボーズ・プレイヤー、小野澤篤。

70v和佐田達彦80v 和佐田さんはEDEN。
WT-800とD410XSTが2台というお気に入りの組み合わせ。

90ステージ下手を固めるsourcesの面々。

100野津永恒

110v加賀谷綾太郎

120v日髙隼人

130v鍬田修一
…という35周年イヤーの冒頭を飾る豪華な布陣。

140v ヤッチンの背後に控えしは…

150Marshall~!
JVM410Hと1960Aのハーフ・スタック。

160v 今日もゴキゲンなギター・サウンドで始まったのは「You惑 May惑」。

170「にくめないのがニクいのサ」、「1999」…180v 「Midnght Train」、「涙のティーンエイジブルース」。

190ナント、アタマ5曲ブっ続け!
しかも人気曲で固めちゃった…密度濃し!
ステージに向かってスゴイ歓声が浴びせられる。

200v冒頭から5曲も連続して演ることなどなかったそうで…
「往年の曲をすごくたくさん連れて来ました。最初の5曲ぐらい演らないと演りきれません。
最後まで目一杯楽しんで帰ってください」
270v「ペパーミント・パティ― Telephone」…

220「TWO NIGHTS」

230v「8月31日、月末の金曜日のお忙しい時間にありがとうございます!ワザワザお休みを取って来てくださった方々はあらゆる手段を使って頂いたことと思います。
明日から35周年目に入ります。
デビューした時は35周年を迎えられるだなんて思ってもいませんでした」
「明日から35周年」…じゃ、翌日にコンサートを開けばヨカッタのに!と思うのが人情でしょう?
すると…
「実は明日の9月1日はベンチャーズにこの会場を取られちゃっていたんですよ!」
残念!
ま、ベンチャーズなら仕方ない。
72回目のご来日だったそうです。

240vココでバンド・メンバーを紹介。
「どうにもナマにこだわりたい。ナマでTHE GOOD-BYEを再生したい」という希望で。ヤッチンのソロ活動でご一緒されている和佐田さんにご出演を依頼したのだが、一旦は断られたのだそうだ。
最終的にはこうしてステージに立った和佐田さんだが、この日、加賀さんの墓参をし、残っていた最後の加賀さんの弦を張って臨んだそうだ。

S41a02041984年のファースト・アルバム『HELLO THE GOOD-BYE』から3曲。
「イマジネーション・ブルー」、「Shock Me」…

250vそして「想い出のロングバケーション」。

260v_10B面の曲順通りに演奏。
このアルバム、amazonでスゴイ値段になってます。

9hgTHE GOOD-BYEの「秘密兵器」とか「隠し玉」とか紹介されて衛藤さんのコーナーに突入。
衛藤さん目立ってて別に秘密でも隠れているワケでもないような気がしますが、とにかく「花のお江戸は花盛り」!

S41a0306 イヨ~、風流だったわ~!
290v「新しいアルバムには必ず収録されるだろう」という自信作「LOVE」。

280v実は「LOVE」は3年前のコンサートでも披露していた。
そして次は誰にも聞かせたことがないという「宇宙初公開」の曲「今を生きよう」。
大人のラブソングということだが、新しいアルバムの断片が着々と作られているようだ。
ファンの皆さん、楽しみですね~!

S41a0419 舞台は様子を変えてアコースティックのコーナーに。
「Don't Make Me Blue」…

300v「僕色に染めて」から「Hey, Girl!」。

320vそして「Going Home」へとつなげた。

330ショウはいよいよ後半に移る。

340vお揃いのジャケットに着替えたTHE GOOD-BYEの面々。

350v「Another World」からの~!

360ヤッチンのアコギ・ソロ!

370丸っきりアコギ1本!

380v力強いストラミングで満員の会場を魅了した!
カッコよかった!

390次回はMarshallのアコースティックギター・アンプAS100Dを使って是非!
音のパンチ力がラインとはゼンゼン違いますから!

9as2後半はスゴかったね~。
冒頭の5曲連続に呼応するかのように、本編の最後を9曲ほぼつなげて演奏した!
「Presentにはハムスター」、「白夜のREVOLUTION」…

400「浪漫幻夢」、「アカン Be Love」…

410vお客さんへの質問コーナーも盛り上がったよ~!
「女性の方、自分を女性だと思ってる方?」
「今日はチラチラお見かけしますね~、男性の方?」
「35周年になるTHE GOOD-BYEを今日初めて観た方?」
「何十年かぶりに駆けつけてくれた方?」
「THE GOOD-BYEと再会してから5割以上の確率でライブに来てるぞ!という方?」
「人には言えない理由をつけて私はココにやって来たという方?」
「親戚に不幸ができた、ママ友の集まりがあると理由をつけて来た方?」
細かいな~。
「海外から来てくれた方?」
コレがいらっしゃったのよ。
「ドラム、うるさいな~。もうチョット大人しくしてて!」
そんな!
「デビュー・コンサートのよみうりランドEASTに来てくれた方?」
「京都の円山公園のコンサートに来てくれた方?」
「やっぱりギター・アンプはMarshallに限ると思っている方?」
コレはウソです。ヤッチン、言ってない。
「毎日Marshall Blogを読んでいる方?」
ココの反応が一番大きかったな…ウソこけ!
「35周年とは言わず、私は死ぬまでTHE GOOD-BYEを応援するという方」

440vイヤ~、盛り上がりましたね~!

420まだ曲は続く。
「Go to the ぱらだいす」、「祭り気分でTake a Chance」…

450「悲しきRadio Girl」から…

460本編の最後を締めくくったのはヤッチンのソロ・コンサートでもおなじみ「YES! YES!! YES!!!」
タオルの準備はいいかな~?

470ホイッ!

480ホイッ!

490ホイッ!
3カ所で撮った!

500もう後は突っ走るだけ!

510v大歓声に包まれて本編を終了したのであった!

520アンコールは2回。
まずは「Forever friends」と「昨日まではFunky boy」。

530v2回目は「Hong Kong Blues」と「赤いポルシェ」から…

540vヤッチンの「♪It's my life」の声が耳に残る「TAKE OFF」ですべてのプログラムを終了した。
3時間半という長丁場だけど、曲がいいから飽きないね。
とても素晴らしいショウだった!
35周年おめでとうございます!

ヤッチン、またお正月楽しみにしています!
 
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com

560v

200
(一部敬称略 2018年8月31日 中野サンプラザホールにて撮影)

2018年10月10日 (水)

Yuki Plays ORIGIN


今日はD_DriveのYukiちゃんのソロ活動のレポート。
「ソロ活動」ったって、D_Driveと並行して何かやってるワケじゃないけどね。
いわゆる「ショクナイ」っていうヤツ。
D_Driveあってのyukiちゃんだし、D_Driveは4人でD_Driveだからして。
そして、その傍らにはいつでもMarshall!

10v場所は汐留のコンラッド・ホテル東京。
このホテルって確か受付がスゲエ上の階なんだよね。
大分前にアメリカから来た取引先の人と受付で待ち合わせしようとしてビックリした記憶がある。
調べて見たら正解。
28階だった。
しかし、この辺りも築地市場がなくなっちゃって様子が変わったろうね。
まだそうでもないか?
近くには浜離宮恩賜庭園があるわね。
アソコって元は甲府藩の下屋敷の庭だったというのだから驚く。
アレで下屋敷?そしたら上屋敷はどうなっちゃうの?
ま、甲斐甲府藩は三代将軍家光の三男である綱重が藩主を務めた有力チームだったからね。
綱重が正室を娶る直前に身分の低い女中に産ませた子供が、紆余曲折を経て徳川宗家に入り、六代将軍となった。徳川家宣である。

Chtさて、今日のYukiちゃんの舞台は1階の大きなバンケット・ルーム。

20お手伝いするのはコイツ…ORIGIN50C。
ORIGINシリーズの50Wコンボね。

30おかげさまでORIGINが大好評ですよ。
人様のアンプの音を出すこともできない、いまだに真空管で稼働させる「起源」という名前の通りの原始的なモデルだけど、「こういうモノが『ギター・アンプ』ってヤツなんじゃないスか?」というMarshallからの改めての問いかけに賛同の答えを頂いたかのような反応なのだ。
ありがとうございます、ありがとうございます…と新小岩の名トンカツ店、「竹家」の女将さんのように感謝の心を込めて「ありがとうございます」を2回言いたくなるような気持なのです。

10今日はYukiちゃんがそのORIGINとタッグを組んでくれた。
実はYukiちゃん、この日がORIGIN初体験!

90r4a1112 現場のようす。
研究会というか、研修会というか、その後の会食の場ですね。
お客様は日本を代表する一流企業のIT部門のトップの方々。
Yukiちゃんが主催社の方に「どういうお客様がお見えになるのですか?」と問うた答えが「極めてエクゼキュティブな方々です」。
「極めてエクゼキュティブな方々」…何ともヘヴィな表現。緊張するじゃんね~。
私が緊張する必要はナニもないんだけど。
かつては「マグロの解体ショウ」なんかも企画されたことがあったらしいが、今日は「Yukiちゃん+Marshall」でお楽しみ頂きます。
要するに「余興」というヤツ。
ビックリしたのは、主催スタッフのボスが20年ぐらい前に仕事でご一緒させて頂いた方だったのよ!
ズッ~とお会いしていなくて、昔話しに花が咲きましたわ。
やっぱり同じことを長年やっていると、こんな私でも少しは顔が広くなるってもんです。

40バッキングトラックを使っての演奏。

50v1曲目は例のXperiaの「Voices」。
コレはリクエストによるチョイス。

60さすがYukiちゃん!
ORIGIN初体験ながらバッチリ使いこなしてる!

70この曲はクリーン・トーンも多用するからね。ORIGINの太いクリーン・トーンがベスト・マッチするわい。

80v「皆さん、こんばんは!D_DriveのYukiで~す!」
MCもお手のモノなことは先刻承知。

90「次の曲はジェフ・ベックの『Led Boots』という曲です」
とアナウンスすると、客席からは「オオ~!」という歓声が上がった。
「フッフッフッ⤵…世代ですか⤴?」というYukiちゃんのクールなコメントが妙に面白かった。

100v…ってんで「Led Boots」。
このバッキング・トラックは私が用意したモノ。
昔、Marshallのクリニックでよく使ったんだ。

110v皆さん喜んでいらっしゃいます。

120本人も事前に少し心配していたんだけど、サビのところで少しはリズムが突っかかるかと思ったけどゼンゼン問題なし。
立て板に水の「Led Boots」でした。
だからこのドヤ顔!
Yukiちゃんのメガデスは見たことあるけど、ジェフ・ベックは初めて見た。

130v「最後の曲です」
「エエ~!」
YukiちゃんはD_Driveの説明をした上で次の曲を紹介した。

140vD_Driveのキラー・チューン「Cassis Orange」。

160v地球7周半分移動して弾き慣れた曲だけに鬼気迫る演奏だ!

170客席の雰囲気を見て取って即座にお客様をアオるYukiちゃん。

150vご本人も存外にノリノリでございます。

180v「皆さん、ありがとうございました!」
スゲエ拍手と歓声!
Yukiちゃんもいい仕事だったけどORIGINもヨカッタ!
ハイ、それでは今日のお仕事終わり~…ではない。

190舞台にズラリと並べられた豪華景品。
そうね、こういう会合はやはりクジ引きがないと寂しい。
ビンゴじゃ時間もかかるし、一発勝負のクジ引きがいいね。

200当然、クジ弾きガールはYukiちゃん。
残業ごくろうさまです。

220「コレ当たりましたよ~!」

230まず最初の景品はYukiちゃんの実家で採れたシャイン・マスカット!
私、時々家内から「バカじゃないの?」とあきれ返られてしまうことがあるんだけど、コレもそう。
恥ずかしながら「社員マスカット」かと思っていたの。
社員の皆さんが手塩にかけて育てたブドウだと思うじゃんよ!
そしたら「Shine」だって!
ジョージ・デュークか?ピンク・フロイドか?
はたまたジャック・トランスか?…「All work and no play makes Jack a dull boy」ってね。
コレがわからない人はキューブリックの映画を観てください。
 
アレ?「長野県産」って書いてある。
Yukiちゃんのウチのブドウではありませんでした!
何だよ~!と怒りながらジョン・スタインベックが言ったとか、言わないとか…。

210ご当選者に目録をプレゼント。

240そして記念撮影。
モザイクかけて記念撮影もヘンだけど…一応。
「極めてエクゼキュティブ」な方に失礼があってはならないからね。
社員マスカットご獲得、おめでとうございます!

250「バイバ~イ!」
任務完了。

260v今日もMarshallの魅力をバッチリ引き出してくれたYukiちゃんでした。

270vさて、D_Drive。
今週末の末のご予定;
12日(金):居酒屋でぃ~どらいぶ @本八幡 Route14
13日(土):月夜の演奏旅客団2018 @厚木 Thunder Snake
です。
そして翌週;
19日(金):楽器フェア @東京ビッグサイト⇒18:00からヤマハミュージックジャパンのブースにてMarshallのデモ他。
さらに…
24日(水):単独公演 @十三 GABU⇒先日の台風によるナミダナミダの振替公演。
 
相変わらず忙しいD_Drive…みんな、応援してね!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive OFFICIAL WEBSITE

90r4a9626

 

200_2 
(一部敬称略 2018年9月5日 汐留コンラッド・ホテル東京にて撮影)

2018年10月 9日 (火)

座・犬神サアカス團~鬼畜暗黒編&悲哀叙情編

 
今年もやってきました、南青山のおしゃれな犬神サアカス團、『座・犬神サアカス團』。
座ってユックリ犬神さんを鑑賞しようてぇ企画。
しかし、あの青山ベルコモンズの跡地はなかなか建物ができないネェ。
遺跡でも出ちゃったのかね?
あの遺跡というのは、出て来ちゃったら発掘する義務があり、その費用はお施主さんが負担しなければならないという話を聞いたことがある。
そんな、工事は遅れるは、金はかかるわで、タマったもんじゃないから、縄文土器だろうが、徳川家康の遺骨だろうが、出て来ると即座に埋め戻して無かったことにしちゃうとか…。
ま、世の中ってのはそんなもんだ。
学問ではハラが膨れない。

10_2今回もこの日だけの特別メニューが用意された。

30v物販も新しいアイテムが仲間入り。
こういうビニールのバッグ、プールや海は必ずコレだったよね。ナンでだったんだろう?
あと、デパートの店員さんはこういう透明のビニール・バッグに財布とかを入れさせられてお昼休憩に出かけるよね。
やっぱりお店の物を持ち出しちゃう不道徳な輩がいるのかね?
自分の勤め先の売り物を盗んでいて会社が潰れでもしたら元も子もないジャンね。

40ステージは上手にMarshall ASTORIA CUSTOM。
去年は緑のASTORIA CLASSICだった…私が間違えて持って行っちゃったんだけど…。50下手のベース・アンプはEDENのTerra Nova TN501とスピーカー・キャビネットD410XST。

60v今日のNATALはウォルナット。

70クルミね。
すんばらしい音だわ。

80昨年の『座』はマチネーとソワレに分けた2回興行だったが、今回はヘヴィな曲中心の「鬼畜暗黒編」とバラードをフィーチュアした「悲哀叙情編」の2部制となった。
スクリーミング・ジェイ・ホーキンスの「I Put a Spell on You」に導かれて登場。
オープ二ングは2000年の『蛇神姫』から「鬼畜」。

90犬神凶子

90v犬神情次2号

100v犬神ジン
370v_kh犬神明120v「こんばんは。犬神サアカス團です。
今回は2部に分けて、第1部が『鬼畜暗黒編』なので『鬼畜』から演ってみた次第です。
みんないつもよりオシャレして来ていると聞きました。ココはご飯もおいしいので食べたり、飲んだり最後まで楽しんで行ってください!」
そう、浴衣姿の犬っ子さんが多かった。

130v_mc『形而上のエロス』から「海の底」。

140_us犬っ子さんたちにはおなじみなのかも知れないが、私はコレが初めてかな~?

150v続けて「大地に死す」。

160_ds♪ドンドンパッ、ドンドンパッって…こんな曲あったのッ?
2001年の『暗黒残酷物語』からか…コレも初めて聴いた。

170ジョニーちゃんのギター・ソロにも気合いが入る!

180v『暗黒残酷物語』で思い出した。
昔さ、ヤコペッティというイタリアの映画監督がいて、『世界残酷物語』とか『残酷大陸』とか『大残酷』とか、「残酷」シリーズみたいな映画が流行った時期があったんだよね。
「モア」という曲(Earthshakerじゃないよ)の美しいことこの上ないメロディをを知っている人は多いと思うけど、この曲は『世界残酷物語』の主題歌だから。
マァ、「残酷」ったって、今ならYouTubeにアップしても誰も興味を示さないような、世界の野蛮な奇習を集めた陳腐なドキュメンタリー映画なワケ。
中学生の時に『ヤコペッティの大残酷』なんてのを実際に観に行ったけど面白くも何ともなかったナァ。
下のチラシにある通り日比谷映画でかかっていたんだよね。懐かしいナ、このチラシ。
日比谷映画といえば、有楽座やスカラ座等、有名な映画館が立ち並ぶ日本の映画文化のメッカ、有楽町(日比谷)の中にあって、一番話題となる作品がロードショウ公開させる一流の映画館だったからね…
「残酷」の人気のほどがうかがえるってもんだ。

Dz でコレ…今になって原題を調べるてみると「Monde cane」とか「Mondo candido」とか「La Donna nel mondo」とか、「mondo」という単語が使われている。
いわゆる「モンド映画」っていうヤツね。
「猟奇系ドキュメンタリー映画」と形容されるらしいんだけど、そもそもこの「mondo」というのはイタリア語で「世界」という意味だから。
一体どうして「残酷」になっちゃったのかというと、このシリーズの最初の作品『世界残酷物語』が公開されるチョット前に大島渚の『青春残酷物語』がヒットしたので、映画会社の宣伝マンがそれをそのまま頂いちゃったんだって!
私が中学生ぐらいの時は「愛と青春の〇×」だった。それと同じ。
ヒドイ話だよナァ。
本当に日本人ってのはこういうことに関しては、先進国の中で最も民度が低いと思うわ。
でも、この映画の方も「ドキュメンタリー」を謳っておきながら内容はかなりヤラセといういい加減なシロモノだったらしい。
だからその程度の邦題でちょうどいいのかも知れない。
 
この曲、こんなフリつきなんだもん!楽しいじゃんね、コレ。
いつも演ればいいのに!

190_2「今日の第一部は『鬼畜暗黒編』なんですけど、意外に選曲が難しかった。入れたい曲がイッパイあったんです。明兄さんが選んでくれたんです」
「そうだねぇ。
確かに演りたい曲がイッパイあったんだけど、もう『コレだ~!』ってキメちゃったね。今日演らない曲は来年に持ち越そう!」

200_mc次の曲はビザール。

210_bzコレも普段演らない曲だよね。

220v「ビザール」か…。
「Bizarre」と言えば、犬神さんには申し訳ないけど、もう私にはコレしかない。
1967年にフランク・ザッパがVerveレコード傘下で興したレコード・レーベル。

Bizarre初期のフランク・ザッパのアルバムはBIZARREレーベルからリリースされているので、ウチにはBIZZAREの名盤がたくさんあるんだけど、その中でこの1枚はチョットした思い出がある。
といってもごく単純な話で、このアルバムはそのBIZZAREのサンプラー、今で言うコンピレーション・アルバムで、40年近く前はなかなか中古レコード店に出て来なかった。
ものすごくマニアックな店でタマに見かけても、たいてい10,000円の値段がついていて、貧乏な学生にはとても手が出るシロモノではなかった。
しかも、収録されているお目当てのザッパの音源はすでに持っているモノだったしね。
でもジャケットがカッコよくてどうしても欲しかった。
結局、何年も経ってからジャケットの汚れで安くなっている盤を発見して、即買ったのが下のヤツ。
うれしかったな~。
いくらで買ったのかは覚えていないが、1万円にはほど遠い値札が付いていたように思う。
ジャケット違いの盤があるのも知っているけど、コレがあれば別に欲しくはない。
しかしですね~、今またLPレコードの値段が上がって、CDが益々ダメになってるんだってね~。
コレには言いたいことがたくさんあるんだけど今日のところはヤメておく。

922zappedj 次いで2003年の『神の犬』から「早死にするのはスターの運命」。

240vあなたを愛しています…
月が真っ赤な光を放ち
むせかえるような混沌が私を支配しようとひっそりと潜んでいる
そんな夜に気づきました
鼻から脳味噌が溶け出してかんでもかんでも止まりません
涙がかれた後
あなたを想うあまり目から白いネバネバが止まりません
全てが、あなた以外全てのものが歪んで見えます
「基準停止装置」からのモノローグ。

230v_hsu曲は「常世の蟲」。
「日本書紀」か…よく勉強してるナァ。

260_tm644年、富士川近辺の大生部多(おおうべのおお)という呪術師が「コレは常世神(とこよのかみ)である。この神を祀れば富と長寿が手に入る」と言って一大ブームを巻き起こした。
その「コレ」というのがイモ虫。
アゲハ蝶の幼虫と言われているらしいが、そのイモ虫を「常世の虫」として大衆が崇め奉ったという。
人間って昔からこうなのね。
「冨と長寿」とまではいかなくても、紅茶キノコとかさ、ノストラダムスとかさ…民衆というモノのはナント単純にできているものよ。
私は死んだ父が強力な「アンチ流行りモノ」のアマノジャクだったので、人が夢中になっているものをいつも避けてきたのね。QueenもKISSですらそう。
安室ちゃんに夢中になっているご夫婦とかさ、高校野球のヒーローに会いに行ったりとかさ、ああいう人たちをうらやましく思う時があるんですよ。
だってラクじゃん。
みんなと同じことをやっていればいいんだもん。
でも、そういう人たちが経済を形成していて、そういうモノを作り出すことこそが「本当の仕事」ということも知っているのサ。
今の世の中、よっぽどの研究者以外は、「マニアック」が「仕事」になることはそうないでしょう。

270v灼熱のギター・ソロで真っ赤に燃え上がるジョニーちゃん。
この日、ナゼかギター・ソロになると照明が真っ赤になった。
赤い照明はSNSの写真に不向きなのです。

280v「壁に頭をブチ当てろ!
壁に頭をブチ当てろ!
壁に頭をブチ当てろ!
壁に頭をブチ当てろ!
壁に頭をブチ当てろ!
壁に頭をブチ当てろ!
壁に頭をブチ当てろ!」
 
イヤです!
「基準停止線の網目」から…

290_kta「地獄の子守唄」へ。
 3曲続けてアルバム『地獄の子守唄』からのチョイスになった。

300『地獄の子守唄』といえば…。
Shige Blogでもレポートしたんだけど、先週、藤田嗣治を観て来たんよ。
前から観たかったので、もう素晴らしくてサ。
あんなに混んでいなければまた観に行きたいぐらい。
昨日で終わっちゃったけど。

10_2_2 それで、初期の作品を見て驚いた。
自分のスタイルを確立するまではピカソのキュビズムを模してみたり、親友のモジリアニの作風を取り入れたりしてるんだけど、この下の写真もその時代の作品のひとつ。
「二人の少女」というタイトルが付けられていて、私は思ったね…日野日出志さんは絶対に藤田を勉強しているって!

Fk 聴きなじみのある曲が出てホッとしたところで第1部の『鬼畜暗黒編』は終了。

310v「1部はコレで終了です。
20分ぐらい休憩します。
その間、飲んだり、食べたり、タバコを吸ったり(タバコは止めよう!)、トイレに行ったりしてください。
20分ぐらいしたらヌル~っと出てきます」

320_mc休憩の間にCM。
犬神サアカス團は9月26日にニューアルバム『東京2060』をリリース。
スゴイね~。
1年に1枚。
アルバムを出して、ツアーをしているウチに次のアルバムの制作に入って…そして、またニューアルバム。
曲を作って、アルバムを出す…これこそが音楽家の仕事なのだ。
ライブはその次。
先日音楽業界のベテランの旧友と話をしていたんだけど、近い将来、ライブもなくなるのではないか?とおっしゃっていた。
それはVR。
もうコンサート会場やライブハウスへ行かなくても、アレをポコッとハメて家でヘドバンする。
いいぞ~、楽で。
エンタテインメントに関わる科学技術はドンドン進歩していくけど、中身はドンドン酷くなっていきますね~!…と話が盛り上がった。
イヤ、盛り上がっちゃイケないんだ。
そもそもロック・コンサートで真空管のアンプを使わないでギターを鳴らすなんてこと自体おかしいと思う…というか、ホンモノから遠ざかっていると思うよ。
ホントに何とかしてほしいよ。
こんな時こそ犬神様に頼むしかない!

330cdさて、近未来をテーマにした今回のアルバムも犬神節炸裂のゴキゲン盤だ。
リード・チューンの「ロックロールを唄いきれ」のビデオが公開されているので見てチョーダイ。
明兄さんのドラム・キットに注目してね!

「また逢う日まで」に乗ってヌル~っと出て来て第2部の『悲哀叙情編』がスタート。
この「また逢う日まで」って私の中では「歌謡曲No.1」なんだよね。
一番いい曲という意味ではなくて、「もっとも歌謡曲らしい曲」という位置づけなの。
「さっきとは違うことを演ります。こっちの方が久々の曲が多いと思います」

340_kk1曲目は「神の子」。
初めて聴いた。
ピカーディ・ケーデンス(短調の曲において強引にメジャー・コードで締めくくる手法)が効いてるね。

350「何のアルバムに入ってるんですかね?去年ココでリクエストが入ってできなかったフリをしたんですもんね」
そんな久しぶりなのッ?
するとジョニーちゃん、「知らない曲だもんね」だって!
「今回も選曲に苦労しました。『悲哀叙情編』ということで、そういう曲を選びました」
ちなみに「神の子」は『セタカムイ』に入っていました。

360「僕たちの曲の9割方はそれに入るんじゃないですかね~」
まったくだ!

S41a9772「屈辱の悲哀歌」…

380v_org「オルゴール」…

110vこのあたりの曲は知らないお客さんもチラホラのようす。
凶子姉さんが作者の明兄さんにそれぞれの曲に思い出があるかと尋ねると「そりゃあるよ!ひとつひとつがいい思い出でイッパイだよ!」
ん~、そう来なくちゃ!
400v_mc続いたのは明兄さんのいい思い出がイッパイ詰まっているという「レクイエム」。
0r4a8573「去年来た人は知ってるかもしれませんが、ココからは前回好評だったセクションです。
犬神サアカス團の曲をアレンジしてお届けするっていうヤツ!
知らない曲はアレンジしても皆目わからないのでよく知っている曲を題材に選びました。
今回はジャズ・ロック風のアレンジです!
ジャズ・ロックってどんな感じ?」

410_mc「そうだね、はずんだ感じだね~」

420vあ~、やっちゃったか…。
「ジャズ・ロック」なんて聞いたらダマってらんないじゃん、オレ。
こんな本も読んでるし。
当然ココでガツンと大型脱線!…しようと思ったんだけど、他の脱線で結構エネルギーを使ってしまったので大人しくやっておきます。
さて、凶子姉さんは「ジャズ・ロックってどんなの?」と明兄さんに訊いていたが、その名の通り、ジャズとロックがくっついた音楽が「ジャズ・ロック」ということになります。
ところが、この言葉ってすごく変で、「ジャズ・ロック」というからには「ロック」ということになるワケでしょう。
でも、このタイプの音楽をおっぱじめたのはジャズ・ミュージシャンなのね。

430v_bkその元祖はジャズ史的には1962年のリー・モーガンの「The Sindewinder」ということになっている。
時折テレビなんかでも使われている有名な曲なので、きっと皆さんも聴けば「あ、コレね」となると思う。
ジャズも長年色々とイジくっているウチにアイデアが枯渇してきて、「今、流行ってるロックってのとくっつけてみようか?」ってな具合に8ビートのリズムを取り入れたんだね。
「ウワ!コイツァおもしろい!」ってんで一気に流行り出したんだけど、私が思うにコレはロックではなくて完全にジャズなんだよね。
ナゼかというと、リズムはどうあれジャズの言葉(メロディ)でおしゃべりをしているから。
だから、「ロック・ジャズ」であるべきなのです。
ジャズはこのようにして、色んな音楽を吸収して発展したきたワケで、他にもソウル・ジャズとかファンキー・ジャズとかいう種類もあるんだけど、ナゼかこのジャズ・ロックだけは「ロック・ジャズ」と言わない。
コレが不思議なんだよね。

9swその2年後、ラムゼイ・ルイスというピアニストの『The In Crowd』というアルバムが大ヒットして「ジャズ・ロック」の人気が定着する。
Earth, Wind & Fireってあるでしょ?あのバンドの創始者のモーリス・ホワイトはラムゼイ・ルイスのところでドラムを叩いていたんだよ。
この「The In Crowd」というタイトル・チューン、コレとて「ファンキーなジャズ」ぐらいでとてもロックには聴こえない。

9ticこのムーブメント、ジャズの人たちは長年ストレスがタマっていたんだか、「ロックで暴れようぜ!」とばかりに、その後も「ジャズ・ロック」の名盤と呼ばれることになるアルバムをドバ―っと繰り出してくる。
スティーブ・マーカスの『Count's Rock Band』なんてのは定番だよね。

Crbゲイリー・バートンの『Duster』もジャズ・ロックと言えば必ず出て来る。
ラリー・コリエルのファズファズのギターなんて今聴けたもんじゃないけど、アルバム全体としては、なるほど名盤と言われる所以が伝わってくる。
でも、こういうヤツはみ~んなジャズだよ。
もう一度書くけど、ジャズの言葉と思想で音楽を演っているからなのね。

9dustar一方、今度はロック・サイドから「ジャズ・ロックの名盤」と言われているアルバムを聴くと、この反対のことが起こっているからおもしろい。
バラカンさんも上の本の中で挙げているが、フランク・ザッパの「Hot Rats」。
もちろん私も大スキなアルバムだけど、全くジャズには聞こえない。

9hr

もう1枚、グレイトフル・デッドの名盤の誉れ高い『Live Dead』。
バラカンさんはコレも挙げているのだが、全くジャズには聞こえない。
どこを切ってもロックそのもの。

Ldイギリスもジョン・サーマンとイアン・カーとかマイク・ウエストブルックとか、ジャズ・ロックを志向したジャズミュージシャンが多いが、それに近い存在としてプログレッシブ・ロックにもくくられる「カンタベリー派」なんて音楽がある。
ソフト・マシーンというバンドなんかはその代表なんだけど、やっぱりジャズには全く聞こえないんだよね。
ナゼか…「ジャズの言葉」がほとんどと言っていいほど見つからないからなの。
しからばジャズの言葉ってナニかと言うと、チャーリー・パーカーらが作ったビ・バップのフレーズに他ならない…と、私は思っているのです。
ロックの人はこのバップ・フレーズを知らないのでどんなに4ビートで演奏しようと絶対にジャズにならない。
反対にジャズの人がどんなに「ロケンロー」と叫んだり、メロイック・サインを掲げてみたりしても、ロックにはならない。「キー」という大問題もあって、土台管楽器にロックはムリだ。
要するに、音楽の融合というのは最終的にはムリだということなんよ。

9sm3ココで凶子姉さんの質問に答えて「ジャズ・ロックとは何ぞや」を強引にまとめると、ジャズでもなくロックでもなく、はたまたジャズでありロックでもあり…そういう中途半端なジャズ、あるいはロックは「ジャズ・ロック」。
そして、バラカンさんのチョイスに見られるように、人それぞれによって捉え方があまりにも違う音楽…ということも言えるのではないかしら?
私は好きです。
ひとつ言えるのは、音楽の種類をキメるのは、音楽の言葉である「メロディ」だということ。
 
ところでナニをジャズ・ロック風に演ったのかというと「新宿ゴーゴー」。440_sg(コレが「ジャズロック」ってヤツか…)
という表情かどうかは知らない。

460vナニはともあれ、元の曲自体がいいのでどうやっても結果オーライとなる。

450vこのコーナーではもう1曲、「平成デモクラシー」をR&Bアレンジで披露した。

480_hd「平成デモクラシーは若干ダサさがあっていいんだよね。今のアレンジだとオシャレっぽくなっちゃう。チョイ、ダサさがないとダメだね。
ギリギリですよ、我々の曲は。
一歩間違えるとオシャレになっちゃう!」
ウソおっしゃい!

490v_mc…と「もしもあの曲がこんな風だったら」を楽しく締めくくった後は本編最後の曲。
バラードで「陽炎」。

500vアンコールも珍しい曲。
「おやすみ」。

510_krやっぱり「おやすみなさい」では終われず、もう一度アンコール。
ココはデーハにいこうではないかということになったが、イスで「白痴」もないもので、「栄光の日々」を取り上げた。

520_eh

530v

540v

550v最後の最後にこの凶子さんのボックスが見れて犬っ子さんたちも大喜び。

560犬神様ご一行は10月20日の札幌を皮切りにチョコチョコとイベントへの出演を挟み込みながら『東京2060』のレコ発ツアーに出かけるが、その前にコレ。
10月10日、下北沢の「東京バカエクスポ」。
もうアレから1年だよ。このイベントはホントにすぐやってくる。
私はね、最早正月よりこのイベントの方が「1年」を感じるわ。
バカスポがあって1年が終わり、また1年始まるワケ。
今回の単毒公演は『ケルベロスの狂宴』と銘打たれた。
タイトルと中身は関係ないと思うけど。
明日、下北沢でお会いしましょう。

580犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

570『私のディープ浅草』はまたいつかやります。
ネタは「赤線時代」まで揃ってるんだけど、書いてる時間がない! 

200_2 
(一部敬称略 2018年8月26日 南青山Mandalaにて撮影)

2018年10月 6日 (土)

Day Of Salvation Tour 2018 ツアーファイナル~THOUSAND EYES

 
ステージの上下に2台ずつのMarshallハーフ・スタック…いい光景だ。
もうコレだけでロック極まりない。
今日はMarshall Blog初登場のTHOUSAND EYES。

10開演を待つお客さんを楽しませるのは…

13エキサイティングなDJ。

16vTHOUSANAD EYES…「千の眼」。

20ココで「千の眼」で思いっきり脱線させて頂きます。
またしてもジャズ・ネタで恐縮なんスけど…。
  
「よるせん」って知ってる?
「夜専門に遊び歩く人」のことではないよ。
ちょっとジャズを聴きこんでいる人なら間違いなく知っていると思うけど、コレは「夜は千の眼を持つ」というジャズのスタンダード曲のタイトルを略したモノ
「夜は千の眼を持つ」を略して「よるせん」。
とってもいい曲なのにリスペクト感ゼロだな。
そんな略称が存在するぐらいなので、たくさんのミュージシャンが取り上げてきた。
コレを挙げる人はほとんどいないと思うけど、私は案外このフレディ・ハバードの演奏が好き。1983年の『Sweet Return』というアルバム。女流ピア二ストのジョアン・ブラッキーンのプレイもいい。

Sr マーブロらしくギターで攻めるなら断然コレ。
ジョー・パスの『Joy Spring』。
今、ジャケットが変わってジョーの写真になったけど、私はこの変な鳥のジャケットのバージョンでよく聴いた。もちろんレコードの時代ね。あ、上のフレディもレコードだった。

J2p2 しかし、素直なジャズ・ファンにとっての「よるせん」はナント言ってもコルトレーンだろう。
『Coltrane's Sound』という1964年の発表音源アルバムには『夜は千の眼を持つ』という邦題まで付けられちゃってるぐらいだから。
「夜」のついでに「昼」もやっておくと、このアルバムには「Equinox(イクイノックス)」とうオリジナルのマイナー・ブルースが収録されているんだけど、この「Equinox」というのは、日本でいう「春分の日」と「秋分の日」みたいなもの。
つまり昼と夜の長さが同じ状態を指す。

30cdで、この「よるせん」は原題を「The Night Has a Thousand Eyes」という。
出てきました、THOUSAND EYES!
でもどういう意味なのか長年不思議に思っていた。
まず、このタイトル…少しアレ?っと思ってしまうのは、「a thousand eyes」と「眼が千個」で複数形なのに「ひとつ」を意味する不定冠詞の「a」がつく。
おかしいと思わない?
理由は簡単。
この「a」は今日の記事の一番最後に出て来るけど、「one」を意味している。要するに「一千個の眼」ということ。
曲の出自は同名の映画の主題歌。でも映画の中でこの曲は使われていないとか…。
それにしても変じゃない?…何で夜が眼を千個も持ってるの?
そこで、いい機会なので調べてみた。私もこの曲が好きだでね。
この曲の歌詞は;
心にもないことを囁かないで…
心の奥底にある言葉なんて夜にはお見通しよ
夜は千の目を持っているの
そして夜は本当の心か嘘なのかをわかっているのよ
…ってなところ。
だから「千里眼」ということだね。やっぱり「1,000」だ。
ところが!
この歌詞も引用だということがわかった。
オリジナルはイギリスの詩人のフランシス・ウィリアム・ボーディロンという人による1873年の「Light」という一編。
内容は;
夜は千の目を持つ
そして昼はたったひとつ
太陽が死にかけて、今なお世界の明かりが死んでいる
…何やら天照大神みたいな感じ?
コレで「thousand eyes」の身元がわかった。
あ、コレは私が勝手に調べたことで、今日の主役のTHOUSAND EYESがコレにちなんでいるかどうかは全く存じ上げません。
でも長い間抱えていた謎を解く機会になってヨカッタ…興味のない人にはゴメンナサイ。

Nhteところで、上掲のコルトレーンの『Coltrane's Sound』ね。
同じようなジャケットがあるので要注意だ。
このデザインはAtlanticレコードのアートワークを担当していたマーヴィン・イスラエルという人の仕事。
その似ているジャケットのひとつがコレ。
ソニー・スティットの『Stitt Plays Bird』。
私の愛聴盤。
スティットの華麗なソロも爽快だが、ギンギンにスイングするバックのジム・ホールのギターがゾクゾクするほどにカッコいい。超絶だ。

40cdチャールズ・ミンガスの『Tonight at Noon』。
大好きなラサーン・ローランド・カークが参加しているんだけど、どうも面白くない苦手な1枚。

50cdそれとミルト・ジャクソンの『Vibrations』というアルバム。
コレは聴いたことがない。
この時代のAtlanticのジャズ系のアルバム・ジャケットはメッチャかっこいい。

60cdそして、このジャケットもカッコいいぞ!
今年2月にTHOUSAND EYESがリリースした『Days of Salvation』。

125cd_280今日の記事はそのニューアルバム『Days of Salvation』の発売を記念したツアーの千秋楽のレポートだ。

70DOUGEN

80vAKIRA

85vFUMIYA

86vKOUTA

90v今晩のKOUTAさんのサポーター。

100TORU

110vTORUくんはこんな感じ。
やっぱりいいね、Marshallは。
問答無用でカッコいいってば!

1201曲目はそのニュー・アルバム『Days of Salvation』のオープナー「Dawn of Despair」。
「絶望の夜明け」かよ~、そんな日はヤダな~。
確かに「salvation」してもらいたい。
でも、あるよね~。「あ~、とうとう今日になっちゃった!」みたいの。
そしてアルバムの曲順通りにタイトル・チューンの「Days of Salvation」、「Dead Again」とつなげた。130ステージから飛び出してくるのは「絶望」など軽く吹き飛んでしまうような超過激サウンド!

140vKOUTAさんと…

150vTORUくんのギターがくっついたり離れたり、縦横無尽に空間を駆け巡る!

160vこの手のサウンドは「メロディック・デスメタル」というそうな…。
でも、聴いている限り、「メロディック」と呼べるような歌の旋律は出て来ないんだな。
で、後で教えてもらったんだけど、「メロディック」というのは、ギターのプレイのことを指すんだってね。

170そんな強力なギター・チームをドライブさせるリズム隊も超重量級でなければならない。

180vイヤ~とにかくスゴイわ!

190vこの手のロックが出て来たのはいつぐらいからなんだろう?
私が子供のころから慣れ親しんで来たロックと地続きなのはよくわかるし、若い子の草食系バンドよりは絶対にロックの王道に位置していることも感じ取れる。
でも、申し訳ないんだけど、鑑賞の仕方が皆目わからない!
考えてみると、こうしたデスメタルのような音楽を身上としているバンドのソロ・コンサートにお邪魔したのはコレが初めてかも。
200_2鑑賞の仕方がわからないのは多分に年齢のせいであろうが、たとえ世代が違ってもMarshallのサウンドがキモになっていることは間違いなく理解できる。
どんなに激しい局面でもバッチリ音が抜けて来る。
このサウンドが、そしてこの音圧がロックを作り、THOUSAND EYESまでつながっている。
275ニューアルバムの曲がジャンジャン続く。
お、トルーマン・カポーティ?「Cold Blood」。カポーティの「冷血」の原題は「In Cold Blood」か。

230「Lost Forever」からMCを挟んで「Dread my Brain」と「Astral Skies」。
「astral」というのは「星空の」とか「星型の」という意味。
我々世代にはヴァン・モリソンの超名盤『Astral Weeks』が思い浮かぶ。
240vで、ビックリしたのは、ショウの途中でステージから誰もいなくなっちゃったの。
何の説明もないので、ヘタをすると終わっちゃったのかと思うわね。

210で、また何の前触れも解説もなく、ステージに現れ、あたかも何事もなかったかのようにガンガン演っちゃう。
こんなの初めて見た!

220セットリストはニューアルバムの曲を交えながら、既存の人気曲が中心となっていく。

250「Black Son」、「Suicide Machine」…

260v「Endless Nightmare」、「Final Reign」。

270vもう客席はスゴイ騒ぎよ!

280「Sign」…

290v「Dead Night, Moonlight」…

300v「Dead Sorrow of Me」…
320このDOUGENさんの右手のマイク・ケーブルの巻き付け方が気になっちゃった。

310TORUくんはTears of Tragedyの時と弾いている姿が同じワリには、あまりにも演ってる音楽が違うのでエラく不思議な感じがした。
330vそして本編はアルバムと同じく「Rampage Tyrant」と「Devastated Moment」で締めくくられた。

340『Day of Salvation』から「Death Illusion」を除く全曲を演奏するセット・リストだった。

125cd_280アンコールで取り上げられたのは「Eternal Flame」、「Last Rebellion」。

350さらに「Bloody Empire」と「One Thousand Eyes」を演奏した。
 
しかし、このバンドの曲のタイトルって「D」始まりが多いナァ。
今日のセットリストを見渡しても、「Dead」が3曲。
他に「Dawn」、「Day」、「Dread」、「Devastated」等々。
「devastate」なんて単語、知ってはいるけど使ったことないわ。

360vアンコールを含めて全21曲。
はじめてのメロディック・デスメタルのワンマン…ナンカ不思議な爽快感が残ったわ!
 
THOUSAND EYESの詳しい情報はコチラ⇒-Official web site-

370

200_3 
(一部敬称略 2018年8月16日 TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2018年10月 2日 (火)

HIGH VOLTAGE of sun-go☆

 
みんな大好きsun-go☆さん。
問答無用でカッコいいもんね~。
プレイよし、音よし、そしてアクションよし…考えてみるに、五十嵐さんは世界の女性ギタリストの中で一番カッコいいと言っても過言ではないんじゃん?
そんなカッコいいギタリストの姿を我が手で写真に収めることができるのは無上のよろこびなのだ。
しかし考えてみると、根っからのsun-go☆さんファンやSHOW-YAファンが聞いたら噴飯モノなんだろうけど、実はsun-go☆さんとのお付き合いは、それほど古いモノではないんだよね。
それも仕方ない、その前まではMarshallじゃなかったんだから!
2009年のmintmintsから始まったんだよね…それでも9年か…。
初めてお会いしたのは、沼袋のライブハウスでmintmintsがリハーサルをしている時だった。
SHARAさんのご紹介だった。
sun-go☆さんは初対面にもかかわらず、驚くほど気さくに、まるで竹馬の友のように接してくれた。
後でわかったんだけど、どうもsun-go☆さんはこの時、すでに以前に何度もお互いに顔を合わせていたと勘違いされていたそうだ。
そんな勘違いする人滅多にいるもんじゃない!
まったくダイナミックな人だ。
しかし、この時のことが転じてSHOW-YAのステージを撮影させて頂くようになったんだから人生ナニが起こるかわからない。
SHOW-YAのステージをズッ~と撮らせて頂いていることは私にとって大きな誇りであり自慢のタネなのであ~る。
しかし、 あの頃、我々は今より確実に9つも若かったんだナァ。
何せ、私がひとつ歳を取ったすぐ翌日にはsun-go☆さんもひとつ齢を重ねるからネェ。お互いサソリちゃんだから。
今日はそんなsun-go☆さんのプチ特集。
別の言い方をすると、かーくんのバースデー・ライブ『Volt-age 48』で撮影したsun-go☆さんの未発表写真集。
かーくんのステージの時は、SHOW-YAの時とは異なり、sun-go☆さんはサポートに徹するのでなかなか写真が撮りづらい。
つまりsun-go☆さんにスポットが当たる時間が短い。
私なんぞは「夏の夜の蛾」と同じでしてね…カメラのファインダーを覗くとどうしても明るいところに寄ってしまう。
だからかーくんのステージでは、そうしたsun-go☆さんにスポットライトが当たる貴重な時間を細大漏らさず利用してシャッターを切る。
そうして撮った写真の中から頭の中にあるライブ・レポートにマッチする写真を後に選ぶワケなんだけど、この作業が一番ツライ。
いい写真が極端に少ない時は当然シンドイんだけど、いいのがイッパイ撮れた時がこれまたツライ。
「コレもいいナァ、アラ~、こっちもみんな喜ぶだろうナァ。グワァァぁ、どうしたらいいんだ~!」という具合ね。
特にSHOW-YAファンの皆さんはライブ会場で「写真楽しみにしています!」なんて私に声をかけてくださる方が多いもんだから、みんなの顔がアタマに思い浮かんでしまって尚更悩むことが多い。
一方では、記事の構成との兼ね合いもあって、主役を差し置いてサポートの人ばかりフィーチュアするワケにもいかないのです。
自分ちの子供の運動会やおゆうぎ会じゃないんだから。
そんな事情があって、かーくんの『Volt-age 48』から今回の「プチsun-go☆特集」を編んでみた。
要するに、本編以外にも皆さんに見せたいsun-go☆さんの写真があるってことよ!
そして、sun-go☆さんの傍らにはMarshall。
コレを忘れてはイケません。
それではどうぞ!570vSHOW-YAの撮影の時は曲がほぼアタマに入っているので、イントロやソロなど、どこでsun-go☆さんがガツンと来るかわかってる。

20かーくんの時はそうもいかない。

25v急に舞台の前に出て来てドバ~っと演るもんだからいつも慌てちゃう。
もちろん事前にフィーチュア箇所を教えてもらっておくんだけど、夢中になってシャッターを切っているウチに忘れちゃうんだよね。

ステージの前に出て来ようが、後に引っ込んでいようが、ドップリとsun-go☆さんをサポートしているのがMarshall。
ステージの前(私のこと)と後ろでMarshallのハサミ打ちだ~、ナンチャッテ。

70vおなじみのsun-go☆さんのMarshallね。
JVM410Hと1960BDM。

30v「Volt-age」は毎回照明の趣向に変化があっておもしろい。

10vただ、スモークを多用するので、照明によっては時折撮影が実にシンドイのです。

60
480vこういう照明は気をつけないとマズイのだ。

90v「Volt-age」ではコーラスのシーンも少なくない。
sun-go☆さんが担当するハモリ・パートがよ~く聞こえてくる。

80今回は「おみ足ショット」が少なかったかな?

50vソロに集中するsun-go☆さん。
その集中具合はなおみちゃんに勝るとも劣らない。

100「オリャ~!」

110vここで今日のハイライト!
サオ回し。
「Volt-age 48」レポートにも掲載したが、こちらは完全版。
コレも「アララ、そこでやっちゃうのッ?!」って、実は焦ったんだよね~。
そこでいつもとはゼンゼン違う場所で無我夢中でシャッターを切ることになった。
SHOW-YAの時はさとみさんとユニゾンでサオを回すので必ず正面から撮るようにしているが、コレはそんな事情で結果的にそれとは違う構図になった。
コレもいいよね?
いくよ~、セ~ノ~!

500vこの眼光鋭いsun-go☆さんの眼差しに注目!

510vその視線の先はナンだッ?

520vクルッ…

530vリンッ…

540vパッ…と!

550vキマった~!
最近、よくfacebookにこのサオ回しの失敗の動画が上がっているけどアレおもしろいよね~。
このサオ回しも右回しと左回しがあるって西山毅さんから教わってビックリ。
全く気にしていなかった。
sun-go☆さんによると、男性は力があるのでギターのボディを掴んでグイッっと左側(お客さんが見て右側)に向けて飛ばして回すことが容易だが、女性は一般的に非力なので、ネックを握って、右の方に送り出す。
そうしてギターの重さが生み出す遠心力で回しきるのがラクなのだそうだ。
なんかその女性式の方がアクションで派手でカッコいいよね。

560v今回もカッコよかった~!
40v
sun-go☆の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

580vハイ、ココで話題はガラリと変わるよ。
引っ張り出してきたのはヤケに額の広いオジちゃんのジャケットのCD。
コレはいくら熱心なSHOW-YAファンでも知る人はいまい。
デイヴ・マーディというカリフォルニアのジャズ・ギタリスト。
別に聴きたくて聴くワケでもなく、ランダムに棚から取り出したCDがコレだったので超久しぶりに聴いてみた。
ウェスの「The Thumb」、パーカー・スタンダードの「Confirmation」、ショーターの「Yes or No」、コルトレーンの「Giant Steps」等の合間にオリジナル曲を散りばめた、ま、趣味のアルバムみたいなイメージ。
ギターの音が細いのとオリジナル曲があまりにもツマらない以外には可も不可もない凡庸な1枚。
救いと言えばチック・コリアのところのアルト、エリック・マリエンサルが全編に参加していてサスガ立派なソロを聴かせることぐらいか。
イヤイヤ、そんなことでココに紹介なんかするワケない。
1990年のこのアルバム、一体いつどこで買ったのか微塵も覚えていなくて、今回引っ張り出してタイトルを見て驚いた!
「That Goes to Show Ya!」という。
「Show Ya」ですよ。
 
コレは残念ながら我らがSHOW-YAのことを指しているワケではなくて、「Ya」は「you」のことね。
「goes to show~」で「~だということがよくわかる」とか「~だということを証明する」という意味。
例えば「It goes to show you can play guitar」なんていうと「アナタがギターを弾けることがわかったよ」なんて風に使うようだ。
でも、この場合は「ya」は目的格で、「このアルバムがオジちゃんがスゴイということをアナタに証明してまっせ」ぐらいの意味なんでしょう。知らんけど。9dm2そして、我々は「We'll go to Show-YA」なのだ!
来る10月21日、有楽町のヒューリックホール東京における『REVENGE TOUR』の千秋楽。
「REVENGE」か…ナニがrevengeなのかはファンの皆さんなら百も二百も承知のことでしょう。
調べてみて驚いた。
さとみさんが手に大ケガをする前、SHOW-YAの5人が揃って単独公演をしたのは、2017年7月30日のCLUB CITTAにおける『GET YOUR SHOW-YA』なんだよね。
この後、アコースティック・ミニ・ライブや『NAONのYAON』はあったにせよ、東京では1年以上ぶりの5人揃っての単独公演となる。
コレは見逃せませんな~!
 
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト

440 

200_2 

(一部敬称略 2018年8月12日 ZEPP Divercityにて撮影)

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2018年10月 1日 (月)

諸星和己 BIRTHDAY LIVE Volt-age 48

 

おかげさまでこのMarshall Blogもずいぶんと長いことやらせて頂いていて、「シリーズ」でというか、「レギュラー」というか、「アニュアル(annual=年1回の、例年の)」でレポートしているコンサートがいくつかある。
そのウチのひとつが今日お送りする諸星和己、かーくんのバースデイ・コンサートだ。
今年で6回目…すなわち6年目!
そんなもんだから、「Marshall ブログ」名義で控室までご用意頂き恐縮千万!
ありがとうございます。

92hm オープニングSEとともに客席が暗転。
そして、いつも通りの華やかな照明の中、かーくんが下手から登場した。
1曲目は「B.C.物語」。

10_2諸星和己

20v今回かーくんをサポートするバンドは…

30_2五十嵐sun-go☆美貴

40v_2下手のギターに土屋 浩一。

50vキーボーズに佐藤真吾。

60v_2ベースは中村泰造。
時折メンバーが替わるバック・バンド。ギターの土屋さんと中村さんは私は初めて。

70cパーカッションの中村順一。

80vドラムスは吉田太郎

90vsun-go☆さんは当然Marshall。

100_2SHOW-YAの時と同じJVM410Hと1960BDMのコンビだ。

110v足元のようす。

120_2スルリとつなげた2曲目は「VibesXXX」。

130v「パラダイス銀河」や「スターライト」等のヒット曲のメドレーに客席は大爆発。

S41a7977 sun-go☆さんもノリノリだよ。

155ギターを手にして「Take off」。

140v_toかーくんはステージ下手に移動してベースの中村さんと背中合わせのフォーメーション。

160_2さらに続けて「I am SAMURAI」。

170v_2sun-go☆さんはアコースティックにギターを持ち替えた。

170v_iasギターを置いたかーくん。

180vマイク・スタンド・アクションがバッチリとキマったゼ!

190v「どうも、こんちは!ナンダ、お前たちのこの盛り下がりは!」
いきなりコレ!
「せっかくスタッフがGENJIの曲を用意してくれたのに…かかったらそういう気持ちになるでしょ?
お前たちはそういう気持ちがなくなったのですか?」
ハハハ、始まった、始まった!
やっぱりかーくんのMCはこうじゃないとね。
「EXILEにも行かず(となりで野外イベントが開催されていた)、アニソンにも行かず、間違わずZepp Divercityに来てくれてありがとう」

200v_2「2階もすごい満員なんですよ!」

210_2「光GENJI30周年の最後のライブなんですが、特別なモノはありません…私の誕生日ですから。
めでたく48歳。
気づけば48歳。
48グループに入れます」
「30周年イヤー最後のライブ…新たに飛び立つ日でもあります。
皆さまの大好きな曲、皆さまがどうでもいいと思っている曲、色々織り交ぜて用意しておりますので楽しんで行ってください!」

S41a8113 CO2が派手に噴き出してスぺクタキュラー感満点!

210_cb曲は「Can-na-bis」。

220vお立ち台に座るかーくん。
250_2sun-go☆さんはガツンとステージ前方へ歩み出る。

230vそしてかーくんと背中合わせ!

240_2ん?コレは初めて見た。
かーくんがヘッドホンを付けてる。

260v_nguそのまま歌うのは「Never give up」。

270v今度はキャップをかぶって「Back off」。
かーくんのステージは小道具をウマく使うからね。
一時も目を離すことができない。

280v_bo黒いカーディガンを脱いで「Photograph」。

290_pgもう汗ビッショリの大熱唱!

300v「どうでもいい曲が続いただろう?オレはオマエ達を見ていられなかった!
よしわかった!
ココからは皆さんが好きであろう曲を演りますよ…ユル~い曲を!」

330_2カバサを手にした太郎さんとやり取りがあって…

370_2「Walk away」をプレイ。

320この曲は東京公演だけで演奏された。

350_2なるほど、ユル~い、イヤ、リラックスした雰囲気でsun-go☆さんもイスに座ってプレイ。

340_waそして、佐藤さんは鍵盤ハーモニカを披露した。
この楽器の音色っていいんだよね~。

360v「ブ~ブ~!」
タンバリンをハンドルに見立ててドライブ。
ウケる客席。
「ナンダ、お前ら!こんなの好きなのか!?」
このあたりの長尺MCは会場でお楽しみアレ。

380v_2次に歌ったのは「adios」。

380アコギに持ち替えたsun-go☆さん。
ショウの中盤のホッコリ・タイム。

390_adホッコリはいいけど、かーくん、お立ち台の上で横になっちゃたよ!

400「2017年8月19日…光GENJIの30周年イヤーが始まって何かしようと取り組んで来ましたけど、結果できないことが色々ありました。
ウチのメンバーも残念がっています。
先日、大雨の日、我々の歌の師匠でありプロデューサーでもあるASKAさんの家に行ったんですよ。
ある曲を作って頂く打ち合わせをした。
家に以前プロモーション・ビデオで使ったローラー・スケートが片方だけ飾ってあるんですよ。
もう片方はボクが持ってる。
いつかこのスケート靴が合体できるようにもう少しガンバって行け…というお言葉を頂戴しました」

410v_2ということで次に選んだバラードはASKAさんの「はじまりはいつも雨」。

S41a8340 更にかーくんはハーモニカを手にして自分で「♪Happy birthday」のメロディをプレイ!

430v_2トレードマークの白いモサモサつきのマイクスタンドでもう1曲続けたのは「Sometimes Love Hurts…like now」。

440_slh次の曲はsun-go☆さんのギターでスタート。

450v_2「Loving'you」!

460vガラリと雰囲気が変わってイケイケ状態!

470v_lyかーくんとsun-go☆さんの呼吸はピッタリ。

485そのシーンのひとつがコレ。
2人が右手を高々と上げて…

490さぁ、行きますよ~!

500v_2クルッ…

540vリンパッ…と!
大成功!
そう、sun-go☆さんが右回し。
反対側に回すのはすごく力が要るそうだ。

560v_2いよいよかーくんもHigh Voltageに差しかかった!
見てよ、ステージの右ハジ…水の入ったペットボトル。
このあたりから少し後ろに下がっておかないと、私の商売道具がアブナイ。

570_wr曲は「Whiskly's Rock」。

580v_2自らペットボトルの水を頭にかけた後…

590客席に水分補給!

600_2ノリの良いエキサイティングな曲だけにそちらに気を取られているとビショビショになる。

610vもちろんファンの皆さんはそれでバッチリ!

620以前は口に含んだ水を吹いていたんだけど、今回はペットボトルが大量に用意された。
この分だと記念すべきVolt-age 50の時には巨大なタライでやるかも知れないな…。

630v_2会場に投げ込まれたペットボトルから漏れた水滴に照明が当たる様が美しい。
かーくんのショウのハイライト・シーンのひとつ。

630もう本編も終盤。
またサングラスをかけたかーくん。

640_hg曲は「HIKARU現実」。

650v_3sun-go☆さんもセンターで大フィーチュアされたのは本編を締めくくった「CountDown」。

670v_2本編全16曲の大熱唱!

660v_cdアンコールで登場したかーくんの手にはバースデーケーキが。
そして、みんなで「♪Happy birthday to you」を歌ったんだよね。
かーくんのバースデー・セレモニーはサッパリしていて実に気持ちがいい。

680_2「ありがとう!この気持ちは歌で返していきます。
今日の私はこんな気持ち…」

690v…と、大ジャンプ!

S41a8550 そしてギターを手にして歌のコーナーに移った。

700vsun-go☆さんもアコギ。
そして、この手拍子。

710v…となると曲は「Try Again」。

720vココもかーくんのショウの大きな見せどころ。

730サオのメンバー全員が揃い踏むシーンが圧巻なのだ。
このシーンを撮り逃すまいと、正面でカメラを構えていたのだが、このシーンになっていきなり大スモーク+ピンクのLED照明攻撃!
これじゃ全く撮れん!…と大急ぎで上手側に移動して夢中でシャッターを切った!
コレでも結構考えて撮ってるんですよ~!

740もう一度バンドのメンバーを紹介。
「お待たせしました!ギター、sun-go☆!
その衣装はナニをイメージしたんですか?」

750「誕生日を祝うお店のお姉さんです!」
sun-go☆さんと私は生年が同じで、誕生日が1日違いなの。
我々はあと2ヶ月弱で「Volt-age〇〇」!「

760v「捨てきれない自分のプライドがあります。2018年のツアーのテーマでもあります。聴いてください

770ジックリ歌い込んだ「It's my PRIDE」。

780_impさらに「俺の手にSay Goodbye」でプログラムを終了した。

780vこの後、大阪公演を開催した。

800メンバー全員がステージから降りたが、アンコールが鳴りやまず、かーくんがひとりで再登場。
「普段ダブル・アンコールなんてないんですけどね…。ライブが終わるとチョット寂しい気持ちになるんです。
そんな気持ちを歌にしました。変なシャベリよりも皆さんに伝えたい曲です。
ステージを去る時はこんな曲を歌うんだろうな…と思ったらこんな曲になりました」
感動的なMCを加えて「Last Song」を歌って『Volt-age 48』の幕を降ろした。

810諸星和己の詳しい情報はコチラ⇒KAZUMI MOROHOSHI Official Website

0r4a7711 sun-go☆の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

0r4a8051 

200_2 

(一部敬称略 2018年8月12日 ZEPP Divercityにて撮影)