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2017年8月25日 (金)

Crossover 関 雅樹+岡井大二 Session~私の神保町

    
JR御茶ノ水駅。
昔の駅舎ってどんなだったけかナァ。
どうしても思い出せないんだよね~。
なんかものすごく灰色だったイメージがあるな。

A神田川を挟んで北側の景色。
随分変わった。
昔から東京医科歯科大と順天堂大の大きな建物が同じ場所にあったが、比べ物にならないぐらいデカくなった。

B医科歯科大の壁面のレリーフ。
私、中学3年の時にココに入院したことがあるの。
病名は「睾丸捻転症」。
何かの拍子にタマキンが捻じれて血液が止まってしまい、放っておくとタマが腐ってしまう恐ろしい病気、というか怪我?
ある日、40度近い高熱が出て、フト気が付くとタマキンが「ハらさき色にムれて」いて、触っただけでももんどり打つような激痛。
近所の小さな医院に行くと、「コレは!ウチではとても手に負えないので、明日大きな病院に行きなさい!」と言われ行ったのがこの東京医科歯科大学付属病院。
診察室に入り、恥ずかしながら患部を見せるやいなや、その医師は受話器を手に取り、ゴチョゴチョと電話の向こうの相手と話し出す。
「アそう、じゃ、それ、お願いします」
と、受話器を置くと、私に向かって、「良かったね、手術室空いてたから、午後切るよ!」ってアータ!
心の準備期間まったくなしにそのまま入院。
手術中も痛かったナァ~。
どういう術式かというと、袋を切って開けて、タマを正常な位置に戻して固定する。ま、極めて単純で土木的な作業よ。
ところが!
コレは男性にしかわからないが、タマキンをぶつけると下腹部の脇が痛くなるじゃない?
局部麻酔は施してあっても、手術の間中アレの強烈なヤツが襲ってくるのよ。
あんまり痛いものだから、助手の男性に「ウウ~…す、すいません!タ、タマキンをブツけるとお腹が痛くなるじゃないですか!あの痛くなった時に押す箇所を今先生の手で押してもらえませんか?」
こればかりは看護婦さんに頼めない。
するとその助手も私を憐れに思ったのか…
「おお、いいよ!こ、ココかい?」
「もうチョットみ、右!」
…なんてやったもんですよ。
カーテンの向こうでは、「オイ、コレがそうだ。カメラ持って来い!キミたちもよく見とけよ!」とか言ってるし。
競輪選手がこの病気というか、怪我というか、罹りやすいそうですよ。
タマを元の状態に戻せばもう後は何でもないんだけど、抜糸の時が大変だった。
何せ袋がシワシワじゃない?
糸を引っ張る時にシワをつまんじゃって「ギャ~!」なんてね。
大変な思いをしたけど、私の人生の「激痛ベスト10」では4位ぐらいかな?
今のところダントツの1位は何といっても「椎間板ヘルニア」だ。
アレはシャレにもギャグにもならないぐらい痛い。

Cお茶の水橋から秋葉原方面を望む。
眼下を流れるのは神田川。
ひとつ向こうの聖橋から眺める秋葉原方面の景色は、吾妻橋から望む隅田川下流の両岸の景色と並ぶ東京の絶景だと私は思っていて、コレを機に写真を撮っておこうと思ったけど、この工事のおかげで全然ダ~メ。

Dコレ、ホームを作ってるんだね?
また景色が変わっちゃうね~。
ま、確かにラッシュ・アワーにはホームがゴタゴタになっちゃうもんね、この駅は。

E暑いのをガマンして、チョット足を伸ばして神田川北岸を神田明神の前あたりまで降りてみる。
この下にはビリヤード台で有名な淡路亭がある。
線路を見やると、総武線、中央線、地下鉄丸の内線が交差しているポイントが目に入る。
コレ、スゴイね。
JRと地下鉄の「かぶり」がこんなに薄い!
丸の内線は銀座線に次いで2番目に古い東京の地下鉄ゆえ、路線のほとんどが開削工法なんだね。
だから浅いところを走っている。
四谷三丁目とか新宿御苑前とかホームがすごく浅いところにあるでしょ?
でも、赤坂見附と霞が関の間の230mの区間だけはシールド工法が導入されたんだって。
コレが日本で最初のシールド工法による地下鉄軌道掘削工事だったそうだ。

F_2上の写真でチョット立ち位置を変えるとコレのアタマが見える。
ニコライ堂ね。
1891年にオリジナルが建てられたが、関東大震災で被災。
1929年に今の建物が竣工。
ナント、空襲を免れて無傷だったらしい。
まさか「くだん」がいたのでは?あ、コレについては小松左京の「くだんのはは」という小説を読んでください。
小説と言えば得意の吉村昭に『ニコライ遭難』という作品がある。
明治24年に、時のロシア帝国皇太子ニコライ2世が来日し、警備にあたっていた津田三蔵という警察官が切り付けてハラホロヒレハラとなってしまったという「大津事件」を題材にした話。
当時、ロシアは日本とは格もケタも違う世界の一等国。そこの王子様をイジめちゃったもんだから、仕返しに本当に日本が滅ぼされると当時の政府はビビったらしい。
ま、その事件の顛末が綴ってある。
おもしろいよ。
そのニコライとこのニコライ堂は無関係。
「ロシア関係の吉村昭」といえば『ポーツマスの旗』という日露戦争終戦後のロシアとの交渉を担当した小村寿太郎という外務大臣を描いた話もメッチャおもしろかった。
コレは皆さんよりも、まず先に今のこの国の政治家の皆さんにご一読いただきたい作品。(←コレが言いたくてこの部分、脱線しました)

Iハイ、御茶ノ水の駅に戻って駿河台下方面を眺める。
ロンドンで言えばデンマーク・ストリート。
デンマーク・ストリートも私が知っているだけでもかなり変わったが、ココもずいぶん変わったよ。
ちなみに私も知り合いを連れていくと、デンマーク・ストリートを指して「ロンドンの御茶ノ水」なんて紹介してしまうのだが、「楽器店が立ち並んでいる」という点ではこの紹介は間違えていないのだが、本質的にはデンマーク・ストリートと御茶ノ水は違う。
デンマーク・ストリートは。「ティンパンアレイ」の俗称通り、楽器の街ではなく、音楽出版社が集まる通りなんだね。
「音楽」ということでは趣を同じくしているが、機能は全然違う。
The Kinksに「Denmark Street」というドンズバの曲がある。
いつか『名所めぐり』で「キンクス特集」をやりたいと思ってるんだよね~。

Gそんな変わりゆく街中で最も醜く変わってしまったのはコレだな。
恥ずかしながら我が母校。

H我々が通っていた頃はこうだった…「明治大学記念館」。
向かいの「主婦の友社」社屋と並ぶ御茶ノ水のランドマークだった。
この講堂の舞台でよくビッグ・バンドの練習をした。
まぁ、こうして今見てみると確かに老朽化が相当進んで汚いけど、何とか残すことはできなかったのかね~?
主婦の友社ビルは今でもすごくキレイに残ってるじゃんね。

22さらにその昔はこうだった。
まるでロンドンのシティのような光景だ。
イヤ、道路が広い分こっちの方が立派か?
東京は古い建物がどんどんなくなっていってしまうね。バカだね。

Knk 駿河台下の交差点まで降りて来た。
目につくのは三省堂書店。
辞書で有名な三省堂だけど、書店の「三省堂」、つまり下の写真の「三省堂書店」とは資本関係がないんだってね。
元々は一緒だったのだが、1974年に大きな負債を抱え、出版部門が独立し、創業者一族は経営から離れて「三省堂書店」の運営だけに携わるようになったそうだ。
その向かって左隣のビル。
昔、「ディスクロード」というレコード屋が入っていてね。
The Brecker Brothers Bandの『Heavy Metal Be-Bop』をココで買ったわ。
で、その奥隣だったかな、向かいだったかな?
スポーツ用品のVicotiaがレコード屋をやっていてね、ナゼか、スウェーデンのジャズ・レーベル、Steeple Chaseの品揃えがやたら豊富だった。

J 学生の頃、ベルギーのジャズ・ギタリストPhilip Catherineが好きで(後期Focusにも在籍して来日もした)、参加しているSteeple Chaseのアルバムを何枚か買いに行った。
こういうヤツ。
Steeple Chaseのレコードってジャケットの紙質がペラッペラですぐにボロボロになっちゃうんだよね。

2_img_0116さて、駿河台下の交差点を右に曲がって靖国通りに入ると、そこは神保町。

7東京で最も好きなエリアのひとつ。
世界最大の古本屋街。

6…と言っても、古本を買い漁ることはそうないの。
だって本が汚いんだもん。
どちらかというと、レコードだね~。
昔は裏通りにも中古レコード店がいくつもあって、見て歩くのが大スキだった。

2v…と言っても、あんまり買ったことはないの。
だって高いんだもん!
いいの、いいの見て歩くだけで楽しいのさ。

チョット裏へ入るとこんな感じ。
2_img_1826こんな路地にも両側に古本屋がズラリ。
オシャレでしょう?
2_img_8338こんな立派な洋書が店頭に並んでいる。
2_img_8339…というのはウソ。
ゴメンちゃい。
上下の写真はロンドンの神保町、チャリング・クロス・ロード。
古本屋がアチコチにあって実に楽しい。
どうせ読まないから買ってこないけどね。
Marqueeの3号店もこの通り沿いにあった
でも、ロンドンの中でも特にお気に入りのエリアなのだ。
2_img_7950神保町は正式には「神田神保町」といい、江戸時代の旗本「神保長治」に由来するそうだ。
かつては神保町も小川町の地籍であったが、大正12年、周辺を火事で焼失。
神田高等女学校(今の神田女学園中学校・高等学校)の教員だった岩波茂雄が焼け跡に古書店を開いたところ大当たり。
コレが「岩波書店」の起こりとなった。
長野の諏訪に行くと、「岩波さん」って名字が多いんだよね。
前の前の会社にいた時、諏訪にある関係会社の社長さんが岩波さんとおっしゃったが、岩波茂雄さんの親戚だとか言っていた。
この岩波書店の成功によりこのエリアに本屋がジャンジャンでき始めたのだそうだ。
3出版社や学校も多いことより、いわゆる教養人や大学生が大挙して神保町に訪れるようになり、喫茶店の文化も栄えた。
神保町はカレーライスの激戦区としても有名だが、コレはカレーライスはスプーンひとつで食べることができるから…っていうんでしょ?
つまり、喫茶店に入って、片手に古本屋で買った本、片手にスプーンの体で読書を楽しんだことが発端だとか。
それじゃサンドイッチの起源と同じじゃんね?
私はココで食べ歩きはしたことがないが、それでも数種類のカレーを試したことがある。
その中でダントツなのはこの欧風カレーの「ボンディ」。
多分私の人生で一番おいしいカレーだと思う。
これを知ってからは食べ歩く必要がなくなった。だってコレ以上のモノは要らないもん。
Marshallの社長やスタッフ、アメリカ人、ヴェネズエラ人、スペイン人、みんなボンディのカレーが大スキ。
国籍老若男女を問わず、連れて行った人たちは例外なく涙を流しながら「ウマい、ウマい」と言って完食するわ。
デザートのプリンもおいしい。
ただ、お値段がね~。
それとこの辺りはナゼか知らんが殺人的に駐車代が高いんだよね~。

8司馬遼太郎の『街道をゆく』によれば、戦争中、「神保町の古書を焼失することは、文化的に極めて大きな損失である」として、アメリカ軍がこのあたりへの空襲を避けたというけど…マァ、ウソでしょう。
まったく同じ話の「京都バージョン」があって、ルーズベルトが「あの美しい古都を燃やしてはならない」と側近に命令したとかいうけど、全然ウソだったことが判明していると聞いた。
確かに神保町の周辺には戦前の建物がチラホラ残ってはいるけど…。

4vハイ、神保町の交差点まで来ました。
写真の右後ろが岩波書店。
新書は知らないけど、岩波の本って一回文庫になると、絶版にならないんだってね。
つまり会社が続く限り、その本が売れようが売れまいが、半永久的に流通し続けるんだとか…。

1この岩波のビルの中には有名な「岩波ホール」があって、芸術的な映画を上映することで全国的にその存在を知られている。
私も中学生の時に何回か観に行ったことがあったけど、ナニを観たか忘れちゃったな~。
ローレンス・オリビエの『ハムレット』だったような気もする。
ある時、「黒澤明が選ぶ世界の名作映画〇〇選」みたいのがあって、イタリアのフェデリコ・フェリーニ、スウェーデンのイングマール・ベルイマン、ポーランドのアンジェイ・ワイダ、ギリシアのテオ・アンゲロプロスといった有名なヨーロッパの映画作家の中に混ざって、インドのサタジット・レイの名前が挙がっていた。
私はこういった芸術的な映画が苦手なので、さほど興味はもたないのだが、このサタジット・レイだけは気になった。
ナントならば、昔、岩波ホールではこのサタジット・レイの作品をシリーズで上映していて、中学の時にチラシをもらったことを覚えていたからだ。
下の写真がそれ。
こういう告知チラシって、月日は書いてあるんだけど、案外年が入っていないんだよね。
なのでいつの頃のモノかは正確にはわからないが、もう40年以上は経っているハズ。

2_img_0216靖国通りと南北で交わっているのがこの白山通り。
背中は水道橋駅方面だ。
この通りにも中古レコード屋や古本屋がひしめいていて面白かったんだよね。

9それと、神保町で忘れてならないのはカレー以外の安くておいしいB級の食べ物屋さん。
学校が多いのでコスパに長けた店が多いのだ。
この角は昔「キッチン南海」って言ってなかったかな?
その奥が半チャンラーメンで有名な「さぶちゃん」。
昼時はいつも長い行列だ。

10この中古レコード屋さんも古くからあるよ~。
買ったことないけど。

11その向かいには…アラ?
ない!
この角にあったのが「トニィ・レコード」。
なくなっちゃったんだね。
クリーム色のビニール袋が目印だった。
このお店はジャズが専門で、二階の貴重品コーナーなんかゴチャゴチャでものスゴいことになっていた。
確か、オリジナル盤のような希少なものを除いては、2,000円以上の値段を付けない主義だったんじゃなかったっけ?

13ココで買った思い出のレコードは何といってもコレ。
当時結構長い間探していて、最終的にココで出くわした。35年ぐらい前か…。
値段はその最高レベルの「2,000円」だったが、もちろん何の迷いもなく買った。
Marshall Blogでも何度か紹介したように記憶しているが、八城一夫さんというピアニストのドラムレスのトリオ盤。
若き日の香津美さんがバリバリにビ・バップを弾いている。
私の宝物。
今でも時々聴いている。
2_img_0123その隣の隣ぐらいにも一軒中古レコード屋があって、Frank Zappaの『Waka Jawaka/Hot Rats』の国内盤を買った。

12それがコレ。
かなり昔からZappaを聴いていたが、コレの国内盤を持っていなくて、コレも結構探し周った挙句ようやくココで見つけたのね。

2_img_0119白山通りからチョイと御茶ノ水方面に戻る感じで細い道に入る。
チョット撮影している向きがバラバラで申し訳ないけど、ま、わかる人にはわかるでしょう。
わかる人には説明する必要もない気がするが…。
この通りは学生時代ずいぶん来たな。
安くておいしい食べ物やが揃っているから…と言ってもずいぶん様変わりしちゃったな。

17この「伊峡」というラーメン屋は古い。
ものスゴイ細麺を採用していて、今のそこらのグルメ・ラーメンとはお呼びもつかない、シンプルを絵に描いたような飾り気のないラーメン。
大変おいしい。
そしてやたら安い。
今はもう息子さんがやっているのかな?

15入りやすいせいか、スズメも食べに来た。
コレ、ドアが開いているということはエアコンがないのかな?
そういえばいつもドアが開いていたような気がする。
2_img_4363その隣がコレ。
昔、ココはトンカツの「いもや」だった。
奥が向こう側の店舗とつながっていて、そっちは天ぷらの「いもや」だった。
私が学生の頃はロースかつ定食が550円だったかな?
みそ汁の具はしじみ。
もう大スキでね、夏になるとクラブの友人はトンカツをイヤがったが、私はひとりででも食べに来てた。
だから太ってる。
レッチリいるでしょ?Red Hot Chilli Pppers。
あのバンドのドラムのChad Smithね。
以前の会社にいた時、音楽出版社に勤めるChadのお兄さんのBradと長いこと仕事をしていた。
Bradはトンカツが大スキで、日本に来ると「シゲ、トンキャ~ツ食べに行こう!」ということになって、ココにあった「いもや」に連れて来たことがあった。
Chad Smithのアニキがココでトンカツを食べたということね。
昔、「いもや」はこのあたりにずいぶん沢山あったんだけど、いつの間にか数軒しかなくなっちゃったね。

16さらにその隣。
ココだったっけかな~。
「響(ひびき)」という老舗のジャズ・喫茶があった。
マスターの大木さんという人がElvin Jonesと仲がよくて、私は見ていないんだけど、ココでElvinが演奏したハズ。

18もうひとつジャズ喫茶。
今の場所からチョット離れるが、白山通りと並走する裏の通りにかつて「コンボ」というジャズ喫茶があった。
このお店についてはしばらく前に『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』の時に書いたので今回は詳述しないが、とにかくコーヒーのおいしい、いいジャズ喫茶だった。
あ~んなに通ったのにこうして街並みが変わってしまうと、正確な場所が全く思い出せない。
情けないぐらいわからない。
浦島太郎はさぞかし苦労しただろうナァ。
こうなると街の写真ってのも撮っておくべきだと思うよね。
ハイ、以上が今日の記事のオープニング。
古本、中古レコード、ジャズ喫茶、安くておいしい食べ物…大好きな御茶ノ水~神保町を紹介した。
ココからが本題だ。

14さて、そんな愛すべき神保町に新しくライブ・ハウスが昨年オープンした。
派手な赤い壁面の通りに面したガラス張りのキッチンが目を惹く。

10中目黒で20年のキャリアを持つ「楽屋」の2号店だ。
エスニック料理が自慢のとても雰囲気の良いお店。
ドリンク&フードのお値段もお手ごろだ。

20開演前のステージ上のスクリーンにはライブのスケジュールが投影される。
お、四人囃子の『錯』!

30そう今日の出し物は関雅樹と岡井大二のセッション。
お店のスケジュールに「Crossover」と分類されているのがうれしい。
ん~、どれも見覚え、そしてシャッターの切り覚えのある写真だにゃ~。

40落ち着いた大人の雰囲気の中、4人のメンバーがステージに上がった。

50ギター、関雅樹。

60v関ちゃんはASTORIA CLASSICと1974Xを併用。

70足元のようす。
コレだけゴチャゴチャつなげても全く音ヤセしないのは電気に強い関ちゃんの特技か。

80ドラムスは岡井大二。

90vドラムキットはNATALのバーチ。
大二さんのお好みはバーチ。

100お気に入りのスネアはNATAL Stave。
音ヌケの良さは生半可ではない。

105ベースは宮野和也

110v宮野さんはEDEN TERRA NOVA TN-501とD410XST。
しかし、このTN-501ってのはよくできてるね~。

120vキーボーズは石井為人。

2901曲目は関ちゃんのオリジナル曲で「J's Mood」。

160vメンバー全員でソロを回してツカミはOK!

1502曲目はノンビリとレゲエで南の島のイメージの「Spice」という曲。

170vコレも関ちゃんのオリジナル曲。
この日の第1部は関ちゃんの作品を中心としたメンバーの自作曲で構成された。

190v関ちゃんのMC。
彼、MCウマいんだよね。
飄々と、かつ事務的によどみなくしゃべるサマはストレスがなくて見ていてとても楽チン。
「ステキな店ですよね。お料理もおいしいですよね!ボクはステキなお店じゃないとギターを弾きたくないんですよ。このお店がすごく気に入っています」

140v…と続けて紹介した次の曲は宮野さんの曲で「Koto」。
このメンツでは必ず取り上げられる曲。
「Koto」は「琴」ではなくて「古都」ね。

165_k4ビートのワルツ。
作者の宮野さんのベースがフィーチュアされる。

180v「最近SNSなんかで『シェア』という言葉をよく聞きますよね」とつないだ次の曲は関ちゃんの曲でその名もズバリ「Share」。
ウン、「share」もかなり一般的になったよね。
ひと昔前は「シェア〇〇%」という「占有率」を示す使い方しかしなかったが、SNSのおかげで「分ける」という動詞的な使い方を日本人は覚えた。
新しい日本語英語と言っていいだろう。

200_s曲はミディアムの8ビート。

210vマイナーだかメジャーだかハッキリしないおもしろい曲調だ。

220vスネア・ドラムを撫でる大二さんの右手。
カッコいい。
ジッと観てると微妙で正確なアクションがすごくおもしろい。

225関ちゃんのギター・ソロも作者だけあって実に密度の濃い独特の展開を呈した。

230この後、関ちゃんがタンバリンの購入で、楽器店とのトラブルに巻き込まれるというMCを経て一部最後の曲となった。

240_l曲は関ちゃんのオリジナルで「Laundry」。
ワルツのバラード。

250vこの曲でもメンバー全員にソロが回された。
270関ちゃんのソロはBill Frisellから毒気を少し抜いたような奇抜な演奏だった。

260v休憩をはさんでの第2部のスタートはビートルズ・ナンバー。
Hiram Bullockファンの関ちゃんはよく「Dear Prudence」を取り上げていたが、今回はナント「Back in the U.S.S.R.」。
なんでこの曲やねん?!
310_sbナチュラルで味わい深いフレーズが連なる為人さんのソロはどんな曲にあってもゴキゲンだ。

130vココで関ちゃんから各メンバーの仕様機材が紹介された。
Marshall、NATAL、EDEN大活躍!

300v_mc続いてはHorace Silverの「Senor Blues」。
この曲好きだね~。
皆さん「ダンナのブルース」とか「オヤジのブルース」とか言っているけど…実にいい訳だ!
Ebの変形マイナー・ブルース。
アタマの「Ebm→B7」の流れはDuke Ellingtonの影響を受けていると言われているらしい。
最近、一生懸命Ellingtonを聴いているんだけど…なるほど、意味はわかるような気がする。

280v_dp「Senor Blues」が出たところでHorace Silverを少しやっておこうか?
  
この『A Night at Birdland』はジャズを聴き始めた頃よく聴いたナァ。毎日聴いてた。
Horaceが参加している1954年のライブ・アルバム。
Horaceは後に「ファンキー・ジャズ」という一分野で人気を得る名ピアニスト/作曲家。
古くはJazz Messangersの一員としてArt Blakeyと組んでこのアルバムを皮切りに50年代のハードバップ・ムーブメント発展の一助を担った。
ちなみにEmerson, Lake & Palmerの「Tiger in the Spotlight」のピアノ・ソロで使われているメロディの一部はこのアルバムに収録されているHoraceのオリジナル・ブルース「Quicksilver(水銀)」だ。
320
ピアノのプレイングスタイルも独特あるものだが、Horaceは作曲家としてBlue Note時代に多くの名曲を残した。
この1957年の『The Stylings of Silver』なんていい曲ぞろいだよ~。

330人気作、『Blowin' the Blues Away』は1959年の作品。
有名な「Sister Sadie」、「Peace」はこのアルバムから生まれた。
「ブルースをブッ飛ばせ」なんてタイトルもいいじゃんね。

360この1960年の『Horace-Scope』には人気の「Strollin'」や激名曲「Nica's Dream」が入っている。3401961年のライブ盤『Doin' the Thing』。
「ジャズの楽しさを教えてくれ」と頼まれた時、このアルバムを推薦するのはひとつの手だと思う。

3801964年のヒットアルバム『Song for my Father』。
Steely Danの「Rikki don't Lose that Number(リキの電話番号) 」のイントロはこのアルバムのタイトル曲「Song for my Father」の完全パクリ。

3501965年の『The Cape Verdean Blues』。
悲劇のトランぺッター、Woody Shawが参加していることで人気がある1枚。
Terry Bozzioは若い頃、このWoody Shawのバンドにいたことがあったそうで、音源を探してみたけどとうとう見つからなかった。残っていないのかも知れない。
バラエティに富んだドラマーが集結したBuddy Richのトリビュート・アルバム、『Burning For Buddy: A Tribute To The Music Of Buddy Rich』の中で、元Journeyのドラマー、Steve Smithが取り上げている「Nutville」という曲はHoraceの作品で、このアルバムに収録されている。

370他にも『Further Explorations』とか『Finger Poppin'』とか『The Tokyo Blues』とか、Blue Note時代に素晴らしいアルバムの数々を残したHoraceだったが、その求心力も上の『The Cape Verdean Blues』あたりまでだった。
その後もリリースは続いたが、どれも話題になることはなかったようだ。
下は1970年と1972年にリリースしたアルバムを2004年にコンパイルした『The United States of Mind』。
コレなんかはかなりツライよ、最後まで聴くのは。
結構な忍耐力が要る。
…なので、もしこの記事を読んでHorace Silverに興味を持った人にはとにかく50年代の諸作をオススメします。

390あ、イカン、肝心なことを書くのを忘れてた!
「Senor Blues」はこの1956年の『6 Pieces of Silver』に入ってる。
CDにはBill Hendersonの歌入りバージョンも収録されているよ。

400ココで四人囃子の曲を2つ。
ひとつはおなじみ「Lady Violetta」。

410v_lv弾き慣れた曲だけあって、実にのびのびとスケールの大きいソロを聴かせてくれた関ちゃん。

430vもう1曲は1989年のアルバム『DANCE』収録の「眠い月」。

440この曲の持つ深遠で感傷的な魅力が実にうまく表現された演奏だ。

450この曲の後、関ちゃんは珍しくループを使ってア・カペラのギター・ソロを披露した。
数々のエフェクターを自在に操る様子はまさに「関雅樹のエフェクター講座」!
おもしろかった。

460そして最後はメンバー紹介を経てPoliceの「Every Breath You Take」。

470vこのチームではおなじみのナンバーだ。
インストでもちろん大胆にアレンジを施して、関ちゃんが曲をさばいている。
だから「関サバ」だ。480本編を終了させた4人はそのままステージに残り、アンコール曲をこなした。

490vさっき触れたビートルズの「Dear Prudence」。
これまたオハコ中のオハコだけあって、ダイナミックなパフォーマンスを展開した。
名人がジックリと落ち着いて聴かせてくれる演奏はやっぱりいいね!
ホント、いいお店だ。
ロケーションは神保町だし!

500v関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒Seki's Web

510『四人囃子アンソロジー~錯~』絶賛発売中
 
岡井大二×Marshall Blogのインタビューはコチラ⇒四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー(4本立て)

520cd

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年6月27日 神保町楽屋にて撮影)