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ライブ・レポート Feed

2015年9月 7日 (月)

Kenta Harada meets Strange, Beautiful and Loud~原田喧太&三宅庸介

コレはなかなかに珍なる組み合わせ!
今日の記事のタイトルの「~」から前は舞台となったライブハウスが付けた企画の名前。
原田喧太のライブに三宅庸介が客演するということになる。
事前に喧ちゃんに問えば、アコースティック・ライブとのこと…。
え、?そんじゃ三宅さんがアコギでStrange, Beautiful & Loudを演るってこと?
観てみたい!!
「Strange」になるか、「Beautiful」になるか…少なくともLoudにはなるまい。

…ということでナニがどうなるか当日を楽しみにしていた。
結論。
喧ちゃんはアコギの弾き語り、Strange, Beautiful & Loudはトリオ演奏というカップリング。
ま、そうだろうな。
落ち着いて考えれば、そういうことがあったって特段おかしくはない。
でも、そうなら喧ちゃんだってバンドで出るのが普通のような気がしないでもない。
まるで、プロレスの試合にフィギュア・スケートの選手が出るような…。
ま、そこが見どころのひとつでもあったワケね。

そういうことで先発は三宅さんチーム。

10三宅庸介

20x山本征史

30v金光KK健司

40v『Sound Experience』でおなじみのStrange Beautiful and Loudだ。

50オープニングは「devil」。

60v三宅さんのレパートリーの中で最も新しい曲。
いかにもMarshallとストラトキャスターのコンビネーション・サウンドを意識して作ったかのような曲だ。

70SBLの曲は三宅さんの手によって書かれるが、最終的に音楽作品として仕上げていくのはこのリズム隊の二人を含めての話し。

80試行錯誤を続けて、三人の演奏がこなれていくたびに曲のステージがグングン昇華していくのだ。
110

それがこういうフリー・フォーム重視のバンドの見どころのひとつ。
そして、こなれた演奏が生み出す瞬間の化学反応を見逃してはならない。

120

二曲目はセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』収録の「mani」。
久しぶりの登場。

140v

CDではギターの多重録音が用いられ様々な表情を見せるが、ライブでは「ワイルド」のひとこと。
ロンドンの空のように鉛色にドンヨリとしたヘヴィな曲だが、ドラマチックに展開する起伏の激しい曲調は聴く者を惹きつけて離さない。

130

三宅さんのMarshallは今日もJVM210Hと1960B。
もはや何の違和感もないJVM。
三宅さんも色々とセッティングを試してきたようだが、いよいよそれも落ち着いて来て完全に身体の一部に組み入れたようだ。
フル・バルブ・アンプでなければ到達し得ない音世界。分厚くて、太くて、深くて…エレクトリック・ギターという楽器の音色の魅力がココにこそある。
90

征史さんはいつものMarshall 1992SUPER BASS。
これまたプレシジョンとの組み合わせが素晴らしい。

160v金光さんはNATALアッシュ。
『Orchestral Supreme』のレコーディングではバーチのキットを使用したが、アッシュでもバッチリ。
ライブ会場の隅々にまでいきわたる歯切れのいいサウンドがとても音楽的で気持ちがいい。

180

三曲目に「bloom」。
三宅さんの作品では古い部類に入る曲。演奏される機会も多い孤高の「三宅ワルツ」。

170この曲も暗く、重い。
しかしその雰囲気に切り込んでくるテーマ・メロディが私は好きだ。
元より三宅さんの曲にノーテンキな「スチャラカ節」やコピーの類は一切ないが…。

190征史さんのベース・ソロもガツンとフィーチュア。
音を追うごとに熱を帯びていくフレーズの連なりがスリリングだ。

200おかげさまで、ミュージシャンや音響スタッフの皆々様方からいつも好評を頂戴するNATAL。
本当にありがたい。
KKもNATALの鳴らしどころを完璧につかんでいて、実に巧みに三宅さんの音楽にドラムを組み込んでいく。
ところで、KKというは「金光健司」の頭文字かと思っていたが、正式には「ケンケン」の略称だった。
さぁ、次回からステージのKKに呼びかけよう、「ケンケ~ン!」と!

210v「murt'n akush(マラケシュ)」も『Orchestral Supreme』から。
「Marshallとストラトキャスターの組み合わせによる低音リフ」というアイデアから生まれた曲。

230v

ほとんど全編を貫く5/4拍子のヘヴィ・チューンだが、三宅さんの曲にあっては親しみやすい作品だろう。
良質の変拍子の曲は「変拍子」を感じさせない。
1_img_0427

そして「if」。
私の中では「三宅庸介のテーマ」。
三宅さんの曲の中で一番最初に覚えたメロディがこの曲の中にあるから。

240三宅さんのステージを観た回数はもう数えきれないほどになるが、正直、まだ題名が一致しにくい曲があって、記事を書くたびにCDを引っ張り出して確認している。三宅さん、ゴメンちゃい。
もちろん、曲は全部知ってる。
もっとも三宅さんの曲を聴いて一回で覚える人がいたら、その人にはすべてを捨てて音楽家になることをオススメする。
で、CDを聴くにつけ感心するのはそのギターの音だ。
特に二枚目の『Orchestral Supreme』。
このアルバムのレコーディングの様子をかつてMarshall Blogでもレポートしたが、コレ、聴けば聴くほどギターの音がスゴイ。
エンジニアのテルさんの仕事も素晴らしい。
三宅さんが凝りに凝って丹精込めて録音したものだから当然なんだけど、Marshallとストラトキャスターの組み合わせによる、ギターの音色の魅力がパンパンに詰まっているのだ。
音楽とともに「ギターの音」を意識して聴くべき一枚。
やっぱりどんなにデジタル技術が進歩してもアンプは真空管にはかなわない…ということを如実に表したという意味でも私にとっては名盤の一枚なのだ。

250vかつて、三宅さんのお気に入りと紹介した「petal」と…

260vおなじみの「virture」を演奏して出番を終えた。
バンドとしての一体感が増し、毎回ステップ・アップしているかのような演奏を聴かせてくれる三人。
同時に三人とも演奏する楽しさが増しいるように見えるのは私だけかな~?

270v三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful and Loud
220
続いて原田喧太が登場。
大音量から突然の大幅な舞台転換!
喧ちゃんも「順番が違うんじゃない?」なんて言ってたけど、タマにはこういうのもイイじゃない?!

275vホントにたったひとりの弾き語り!
300

Marshallの出番はないけど、喧ちゃんの弾き語りは好きだ。
280v
弾き語るだけではなくて、ループを使ってギターのひとり多重奏も取り入れられた。
しかし、「弾き語り」ってそうして「語り」なんだろうね、歌ってるのに…。

290_2自作曲、カバー曲、そして鮫島さんと組んでシリーズで展開している『唄い繋いでゆく旅』からのレパートリーを披露した。

原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

310そして、アンコール。
ステージには三台のMarshallハーフ・スタックということは…

320そう、喧ちゃんがSBLと共演したのだ~!
340
曲は「Superstition」…

330「Little Wing」…。

360当然、ギター・バトルもタップリと!
喧ちゃん、水を得た魚状態!

370三宅さんも行った~!

380征史さんはお召し換えしての登場。

365

ケンケンも鉄壁のドラミングでフロント陣をインスパイアする!

366v

そして「Crossroads」まで飛び出した!
結果、何しろフリ幅の広いライブになった…というワケ。
おもしろかった~!

3901965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年7月24日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2015年9月 4日 (金)

MURO FESTIVAL 2015のグッドモーニングアメリカ

暮れなずむ東京湾にやって来た。
東京の景色も美しい…なんて、今は涼しくなったからそんなこと言ってられるけどこの時はハラ立つほど暑かった~!

10_2ココは晴海客船ターミナル。

20_22年ぶりのMURO FESTIVALなのだ。
MURO FESTIVALは渋谷のTSUTAYA O-CRESTに関連の深いバンドが集まったイベント。
すなわち若い人たちに支持されている若いバンドによるフェスティバルだ。

30去年は休んじゃったけど、何せ第一回目から参加してるでね、ヘヘヘ。
オジちゃん、いつだって完全に最年長だっ!

40開場は午前11時。朝から来ている連中はひとっ風呂浴びたみたいに汗でビチョビチョだ。

50屋外には二つのステージ。
そして屋内にもステージがセットされているが、屋内の方は入場規制がかかっていてまったく入れない状態だった。

60MUROフェスのステイタスが年々アップしているのを強く感じたね。

70そのMUROフェスもそろそろ終演に近づきトリの出番となる。

75ステージ裏に回ってみると…オ~、JVM210H。

80そして、NATALのブビンガ・キットと…

90_2無造作に準備されたツイン・ペダル。

100_3もちろんEDEN WT-800も!
これらはグッドモーニングアメリカの機材。

110ただいまクイック・サウンド・チェック中。

115ステージに並んだMarshallとNATAL。
後はグドモの出番を待つだけ…。

116辺りも大分暗くなって来て…いよいよLEFT STAGEのトリの登場だ!

120セキュリティ・スタッフもスタンバイOK。トラブルを未然に防ごうとせんその表情は真剣そのもの!ひとりユニフォームが違うようだが…顔はマジ。絶賛勤務中だ。
ご苦労様です。

1_s41a0235 今回も客席を割って登場したたなしん。

130_2満場の大喝采を浴びて意気揚々とステージに向かう。

135そして…

140_2前柵に上って…

150会場を埋め尽くした観客を見下ろす。

160v「グッドモーニングアメリカはじめます!」

180
ドワワワワワ~ン!!!!!!!!!!!
割れんばかりの歓声。声が若い!

170_2オープニングは「空ばかり見ていた」。

190_2金廣 真悟

200v渡邊 幸一

210vたなしん

220vペギ
230v

いきなりの人気曲に…

240お客さんは大興奮!
280
「♪オーオーオーオーオオー」のところは当然の大合唱ね。
260v

このパートの一回目、よく聴くとBb(Bb onFかな?)からCに上がって、C#dimになってるんだね。
気持ちいい展開。

250v

金ちゃんの曲は、よく聴くとコードの内声がさりげなく動いたりする凝った作りのモノが多い。

270二曲目は「コピペ」。
今日は時間もあまりないのでガンガン行くよ~!いつものことか…。

250

見て、このペギちゃんの激演!いつものことか…。

290まだシャツを着ている。

300暑そ~!ジッとしてても汗が出て来るくらいなんだから!

310しかし、このNATALの音!
抜けるな~!
音像が「固め」とされるブビンガ材だが、NATALのブビンガもソリッドな鳴りをクリエイトするが、ものすごくウォームで芯があるトーンだ。
ペギちゃんのスティックさばきをペギちゃんの望む通りの音に変換している。

320v三曲目は「言葉にならない」。
MURO FESではいつも演奏している曲だ。

330vこれまた遠慮のないエキサイティングな展開に客席の興奮は留まるところを知らない。

360

続いて「イチ、ニッ、サンでジャンプ」。NATALが初めてグドモのPVに使われた私にとっては思い出深い曲。
ところが…チョットしたトラブルで演奏が中断。でも、メンバー誰も慌てず。
そして、この後がすごかった。
410v
金ちゃんがお客さんにお詫びの言葉を告げ、四人は即座に曲を変える判断をして演奏をつないだのだ。この間、3、4秒。
見事なステージ・マナーだった。

340v曲は「キャッチアンドリリース」。これまたグドモの代表曲だけあってお客さんはおおよろこび。

370そして、締めくくりは「未来へのスパイラル」。

390金ちゃんもエキサイト!
お客さん、うれしそうだ~!
400
さて、予てよりお知らせしている通り、グッドモーニングアメリカは11月27日に日本武道館のステージに登場する。
その前哨戦として現在『凌ぎ合うツアー 2015』を敢行しているが、もちろんそれも大好評。
武道館への道のりを着実に固めている。

日本武道館公演の詳しい情報はコチラ⇒ROAD TO BUDOKAN

1_img_0694
この四人の北の丸での晴れ姿…実に楽しみだ!

420v

380v

430v

440v時間は短いながらも充実した内容でLEFT STAGEのトリを務めあげたグッドモーニングアメリカなのであった!

グッドモーニングアメリカの詳し情報はコチラ⇒Official Site

4501965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
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★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年7月26日 晴海客船ターミナルにて撮影)

2015年9月 3日 (木)

ミオヤマザキ in HYBRID IMAGINATION

またミオヤマザキ行っちゃった!
古くからMarshall Blogをご覧の皆さんには、「ジャズだ、ザッパだと言ってるクセに、オッサン、若づくりしすぎじゃないの?」なんてみんな思ってるかもね
ほっとけ。
ナンだろね、このバンドはすごくおもしろいナァ…「ロックの毒」みたいなものがあって。

10『~ライブにおけるタオルの是非を問う2015年初夏~』というイベントに登場。
そうなんです。
あのタオル振り回すヤツ。
誰がいつ始めたのかしらん?バンドの世代や音楽の別を問わず、もはやほとんどのバンドさんがやってるじゃんね。
どうしてみんな同じことをやっちゃうんだろう?昔は人と違うことをするのがカッコいいとされたものだけど…。
メタルの連中はやってないか…美学違うんだな。「美学」というものは素晴らしい。


このタオル回し、まさか今治市の街おこし作戦ではあるまいな?
明治時代に白木綿の不振を挽回すべく、乗り出した事業がタオルの生産で、成長を続けた今治市は当時一番だった大阪を抜かして日本一のタオル生産地になったんだよ。
タオルは今治、メガネは鯖江ってか。
メガネといえば、MarshallのEyewear…コレ、メッチャいいよ~。一日も早く紹介したくてウズウズしてるんだからッ!

20mio

30vtaka

40vShunkichi

50vHang-Chang

60vtakaのJVM410Hと1960A。

70vShunkichiはEDEN WT-800とD410XST。

80vステージで展開されるのは相変わらずの破壊力満点の孤高の世界。

90「不倫は犯罪」と説く「民法第709条」。

180v

他にも「DV」だの「水商売」だの、このバンド、歌ってることが至極社会的なのだ。
少なくとも「ありがとう」や「がんばれ」一辺倒の草食系バンドとは全く世界を異にする。
最近のロック事情はといえば、その草食系とカバーとコピーばっかりになっちゃったからね。

100曲がよくこなれていてカッコいい。すべてバンドのペンによるものだ。
ハードな演奏はまさに肉食系。インテリジェンスも感じさせる。
パンキッシュな部分も垣間見れるが、練り上げたアレンジと社会的な詞の内容が一線を画す。
すなわち「肉食系社会派バンド」なのだ。私が高校生の時に頭脳警察に夢中になった道程に似てるかもしれない。

130超早口で舌滑よくまくしたてるmioちゃんのカッコよさといったらない。
『大人がダメって言ったヤツ』に収録されているその名もズバリ「山崎美央」という曲なんかは素晴らしい。つい聴き入ってしまう。

110v

またね~、ギターとベースの音がいいのですよ。
図太く切れのよいMarshallの正真正銘の真空管ディストーション・サウンドとどこまでも抜けて行くEDENのパンチーなトーン。タマらんわ~。
残念なのは相変わらず顔出しNGなのよね~。せっかくのイケメン揃いなのに!

120v

コレがですね、実に難しい。ナニがって写真撮影。
以前は、普通に撮って後で顔をブロックしようという段取りだったが、takaと相談して今回から「首から下を撮ろう」という作戦に変更。

140何しろいつもは逆光を避けて、皆さんのいい顔を撮ろうと努力してるじゃない?
それが逆光を利用して顔を隠したり、身体だけ撮ったり…なんてことがなかなかすぐにはできない。
構図の計算が丸っきりいつもと違っちゃうから実に難しい!
ドラムなんか撮るトコないもんね。ゴメンねHang-chang。

150vそれでもやってるうちに面白くなってきたけどね。
コレでミオヤマザキの魅力が伝わればうれしいのだが…。

160何はともあれ、この強烈な個性を世代を問わず一人でも多くの人に味わってもらいたいものだ。

170ミオヤマザキの詳しい情報はコチラ⇒ミオヤマザキOfficial Website

190(一部敬称略 2015年7月28日 TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2015年9月 2日 (水)

MAGIC OF LiFE in 真夏のサンタクロース

『真夏のサンタクロース』というイベントに登場したMAGIC OF LIFE。

10かつてDIRTY OLD MENという名前でMarshall Blogに登場してもらったことがあったが、MAGIC OF LIFEとバンドの名前を変えた。
新バンド名になってからは初めての登場となる。

20MAGIC OF LIFEと改名してからも活動は目覚ましく、人気アニメ『弱虫ペダル』のエンディング・テーマを担当したり…

30cd2今年三月にはアルバムをリリースし、好評を博している。

40cdメンバーは以前のままだ。

ボーカル/ギターの高津戸信幸。

50vギターは山下拓実。

60v_2ベースに渡辺雄司。

70v_3そして、ドラムが岡田翔太朗。

80v翔太朗くんはNATAL。

90やはりアッシュがお気に召している。
今日は12"&13"のツー・タム仕様。

100v翔太朗くんの切れ味の鋭いドラミングにアッシュがとてもよくマッチしている。

120v満員の客席に向かって最初に演奏したのは…

130…「弱虫な炎」。
この曲もかつて『弱虫ペダル』で使用された曲。

140ノッケからの人気曲で客席のボルテージが一気にアップ!

150続いては最新アルバム『Storyteller』から「ジェットモンスター」。

170v

高津戸さんのセンシティブな世界をバランスよくサポートするギターと…

160…ベース。
時にやさしく、時に激しく、そのフレキシビリティは高い。

180vやさしいメロディと疾駆するエイト・ビートが美しくマッチする「夜空のBGM」。

190アニメのPVも愛らしかった。

220

続けて演奏したのは「呼吸」。
コレはサッカー・チーム「栃木SC」のテーマソングだ。
MAGIC OF LIFEは栃木出身のバンドで、「Don't Stop Music Fes.栃木」というフェスティバルを主宰している。
いいね、こういうのは。つまり「どこそこのバンド」っていうヤツ。今は高速道路網が発達したこともあり、どんなバンドでも機材車一台で日本国中どこでも簡単に回れるようになったため、「バンドの出身地」ということがゼンゼン意識されなくなった。時折ライブハウスのスケジュール表に「from大阪」のような表記を見かけることもあるが、それ以外は全部が全部東京のバンドのような感がする。
そこへいくと、ロックの本場イギリスは違う。
いまだに「ロンドン出身」とか「マンチェスターから来たバンド」とか「スコットランドで結成」とか、地元を意識する姿勢が強い。
ロックの本場だけあって、みんな自分たちの音楽のオリジナリティをアッピールする一助にしているのであろう。

215v

ここでこの時はまだ発表されていなかった新曲を披露。

2007月30日に配信限定で発表された「音無き言葉」だ。

210cdコレもとてもやさしいタッチの曲。イントロのメロディも印象的。

260v

そして、最後は「青くて白い」という曲で出番を締めくくった。

230vさて、翔太朗くん。
飾り気のないストレートなドラミングが実に気持ちいい。
また、NATALアッシュの鳴りがメリハリの良さを際立てている。
240v
ジャズまで勉強している翔太朗くんのこと、いつか田川ヒロアキと共演した時のように、またハードでテクニカルなプレイを聞かせてくれることも期待している。
270v
MAGIC OF LIFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

2501965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年7月22日 TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2015年9月 1日 (火)

TAGAWA with OA(pneumothorax)

田川ヒロアキ、寺沢功一、長谷川浩二からなるというスゴ腕トリオ、TAGAWA。
アルバムを発表し、全国的なツアーもこなしてその評判は高まるばかりだ。
そのTAGAWAが、東京で三回目のワンマン・コンサートを開催した。

05今回はpneumothoraxというオープニングアクトつき。
「pneumothorax」をパッと見て発音できる人は英語を勉強している人。
読みにくいよね、病気の英単語って
コレは「ニューモソラックス」と「ソ」にアクセントを置いて発音する。。読まないなら「p」くっつけんなよ~。
「気胸」という意味。
「pneumo-」というのは「肺の」という意味を表す接頭辞だから、「pneumo」が頭にひっ付いた単語は「肺」に関する単語と考えて間違いない。
もっとも有名なのは「肺炎」を意味する「pneumonia(ニューモニア)」だろう。
メンバーの病歴がバンド名になっているそうだけど、「アンスラックス」にも引っ掛けているのかな?
10_2

西川翔太

20_2長谷川雄太

1_s41a8743 雄太くんはMarshall。エライ!
親の顔が見てみたい…もうすぐ見れるよ。
お察しの通り長谷川浩二さんの息子さんだ。
ギターを遅くに初めてまだ間もないらしいが、もう8弦ギターをバリバリ弾きやがる。やっぱ血は争えんのう。

40_2

知久光一

50v_2實成峻(みなりしゅん)
浩二さんのお弟子さんの峻くんは大分前から知ってる。
実はもう何回もMarshall Blogに登場してくれているのよ。
そう、将来を嘱望されながら惜しまれつつ解散したCrying Machineに在籍していたからだ。

60vリンキン・パーク等の曲をパワフルに演奏していた。
ゴメンね、おじちゃん、そこ辺りのことよくわからないの。
パークじゃなくてカークなら大得意なんだけど…ローランド・カーク。

70_2そして、TAGAWAが登場。

80_2田川ヒロアキ with Marshall。

90_2JVM210Hと1960B。
愛器はJMD501だが、スッカリJVM210Hも自家薬籠中のものにしてしまった。

100v寺沢功一

110_2長谷川浩二

120_2コレがTAGAWAのファースト・アルバム『Flying Carpet』。
もうみんな知ってるか…。

125cdこのアルバムでもヒロアキくんはJVM210Hと1960Bをスタジオに持ち込んで自由に爆音を轟かせてギターを録音した。

180

CDを一聴すればわかる通り、コレが真空管のギター・アンプで鳴らしたギターの音だ。
こういうのを「いい音」という。
斯界では手軽で便利なアンプの類が色々出回っているが、どうあがいてもコレにはかなうまい。
上質のカツオと昆布を使い、手間をかけてとったダシがグルタミン酸ナトリウムでできた化学調味料に劣るワケがないのと同じ。

160

オープニングはCD通りの「Stranger Destoys Arms」。

130vいきなりのドヘヴィな展開。コレでいいのだ。

160v

コレがTAGAWAなのだ!

140二曲目は田川スタンダードの「My Eternal Dream」。
疾走感あふれる人気ナンバーだ。

150vこの曲は何と言ってもてらちんのベース。

T_s41a8792 スケールの大きなベース・ラインで極限まで曲をドライブさせる。
売れっ子ロック・ベーシストの面目躍如たるプレイ。

T_s41a8800 三曲目は今やTAGAWA名物のムチャな「Led Boots」。

Jeff Beckが怒るのではないか?というアレンジとされているが、大丈夫、大丈夫。この曲の作者はMax Middletonだから。
それにJeffには短気で神経質なイメージもあるようだけど、楽屋では結構ニコニコしてるよ。
このアレンジを聴いたら「仲間に入れて!」って言うかもよ。

190続いて乗り物コーナー。
「乗り物」ったって三人が何かに搭乗するワケではない。「乗り物」をテーマにした曲を二曲お届けしようという寸法だ。
Marshall Blogでは「乗り物」が登場するレコード・ジャケットの解説をしているページがあるので興味のある方は是非コチラをご覧頂きたい。

200vまずは「train」。
電車に乗ってヒロアキくんのライブに行こうてェ曲。

260v

つい顔がほころんでしまう、ほのぼのムードの愛らしいメロディが魅力の一品。

220v続いては「キミを乗せて」。

240vMAZDAのイベントのテーマ・ソングに採用された曲で、コンサートやイベント会場限定でシングルCDも発売された。
このCDはもう手に入らないが、この曲は今月17日に新しくリリースされたアルバムにも収録された。
安心してください!入ってます。
230cd

主旨に真っ向から取り組んだキャッチーな仕上げがいかにもヒロアキくんらしい。
こういう誰にでも歌えるようなポップ・チューンから、ともすれば近所迷惑にもなりかねないヘヴィ・チーン、果ては設計図も完成図もないフリー・インプロヴィゼーションまでをカッチリとキメるところが彼のスゴイところ。
その正体は真ん中の「ヘヴィ野郎」なんだけどね。
210_2
作品の意図を完全に咀嚼して曲に魅力を加えるリズム隊の技巧にも特筆すべきものがある。さすが百戦錬磨の職人ワザだ。

250続いては、市政60周年を記念して、府中市から委嘱された曲、「府中に夢中」という曲。
「府中」ってのは東京だけかと思っていたら広島県にもあるのね?その広島の府中市からの依頼だ。
ヒロアキくんは官需が多いのも仕事の特徴のひとつだ。
もうしばらくしたら、無事に片付けたドデカい仕事をMarshall Blogでレポートするのでお楽しみに!

265何でも、この曲はいつもヒロアキくんのコンサートに来てくれる市の職員の方による起案だったそうだ。
子供たちのダンス・チーム、ヒップホップよりのロック・テイスト。子供たちがその曲に合わせて踊るワケだ。
これが実に可愛い曲で、これもヒロアキくんのやさしいキャラクターにピッタリだ。
私はコレを聴いてイタリアのLatte E Miele(ラッテ・エ・ミエーレ)というプログレッシブ・ロック・トリオの『Papillon』という作品を思い出してしまった。
Emerson Lake & Palmer調のキーボード・トリオが、ひとつの素朴なメロディを軸にスリリングでテクニカルなパートとシンプルなアレンジのパートを対比させながら、スケールの大きなドラマを構築していく趣向。
オルガン・ロック、ジャズ、ベートーベンからチャイコフスキー等々、まるで音楽の図鑑のページをめくるように様々な要素が切れ目なく飛び出してくる組曲。イタリアン・ロックが好きな人なら間違いなく一度は聴いているであろう名作だ。
その曲の大切な要素のひとつとして取り扱われているのが「児童音楽」だ。
子供に聴かせる音楽、あるいは子供が演奏する音楽をバカにしてはならない。かなり音楽的に密度が濃かったりするのだ。
ウチの上の子が小さい時に、『おかあさんといっしょ』のカセット・テープを買って来て、何気なく聴いていたら、実にいい曲がたくさん入っていて驚いた。
して、クレジットを見ると作曲が渋谷毅さんだったりする。「そりゃ当然いい曲になるわ」といった次第。
以前にも書いたことがあるが、渋谷毅オーケストラのライブ盤に収録されている、Carla blayがアレンジした「Soon I Will Be Done With The Troubles Of This World」というトラディショナル曲は何度来ても涙がこぼれ落ちる思いだ。(YouTubeで合唱ものを検索してもダメ。ゼンゼン違うの)
げに童謡は素晴らしい。

ところで、イタリア語ってのは思ったよりロックにマッチするんだよね。すごくロマンチックに響く。
ヒロアキくんも何か一曲イタリア語で歌ったらどうだろう。
フランス語は意外にダメよ。怪奇なイメージを出すにはフランス語は持って来いだ。シャンソンは最高。
カンツォーネやシャンソンがいいのは、当然のことながら地の言葉で歌うからだ。英語がロックにシックリはまるのも同様。
しからば、日本語はどうか?
やっぱり演歌や民謡、あるいは歌謡曲ということになるんだろうね。でもそれじゃ面白くないので、強引に舶来の音楽を組み合わせるとしたら、やっぱり自然なところではフォークということになるだろう。
してみると、テレビで見かけるような、「フォークをただバンドでやってみました」という体の今の草食系ロックが定着したのは自然の成り行きだったのかもしれない。

270また府中はタンスの特産地で四角い引き出しに革を張って作った太鼓があるそうで、その音もレコーディング時に使用したとのことだ。
ということでギターをパーカッションに見立てて叩きまくるヒロアキくん。

280アルバムの収録曲を演奏しながらショウは進む。

T_s41a8909 てらちんのソロ。

295v

低音暴力団組長の名に恥じない超アグレッシブなプレイ!
愛知県警捜査第四課の方が差し入れの焼酎を手にして、このてらちんの雄姿を見にいらしたという。組長の力のスゴさが容易に計り知れるというものだ。

170_2

浩二さんのソロも炸裂!

300鬼気迫る怒涛のプレイに大歓声が飛ぶ!

305vそして、負けちゃいられない田川ヒロアキ!

310v火の出るようなすさまじいソロの数々でリズム隊に立ち向かった。弾き方ヘンだけど…。
それにしてもJVMっていい音だな~。

315アンコールは「Space Walker」。
私はこの曲が好きなのだ。
前回の八王子の時、MCが長すぎて電車の時間がヤバくなっちゃって、その時もアンコールで演奏されたこの曲はサワリしか聴くことができなかった。

320v「8時だよ!全員集合」を想起させるメイン・テーマ。
私はこういうダイアトニック・ノートだけでメロディを練り上げたタイプの彼の作品を、親しみを込めて「校歌ロック」と呼ばせてもらっているが、コレもヒロアキくんならではのテイストだ。
反対にブルーノートを使った校歌なんて聞いたことないでしょ?

380 そのテーマ・メロディをワザワザ否定するかのように展開するその後のパート。

350計算しているんだか、行き当たりばったりでつなげたのか、はたまた自然なのか、強引なのか?まるっきり先が読めない曲の成り立ち。
演奏させられる方もタマッタもんじゃないだろう…というほどのスペクタクル巨編だ。

360vそして、また校歌に戻った時の安堵感。

370やるな~、ヒロアキくん。
考えてみれば、歌は入っていないものの、「Space Walker」は先に挙げたヒロアキくんの音楽の要素をすべて注ぎ込んだショウ・ケース的作品なのだ。
恐るべし「校歌ロック」!

390vそれにしても忙しいヒロアキくん。身体に気をつけて欲しいものだ。
そして、ますますの前進を期待しているでござる。Marshallと一緒にね!
次回は暑かったアレでご登場頂きますのでよろしく!

400田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒fretpiano

410(一部敬称略 2015年7月17日 吉祥寺シルバー・エレファントにて撮影)

2015年8月28日 (金)

SHOW-YA ~GlamorousShow Ⅱ Release Tour FINAL~ <後編>

「オラオラ、マーブロなめんなよ!<後編>だ~!」とは恵子さん言ってない。
ショウも中盤に差し掛かり、メンバー全員参加の楽しい楽しいMCコ~ナ~!

10_2MCコーナーといえば、まずトップ・バッターはmittanと相場がキマっとる。
コレでツカミは完璧だ!

20v「30周年、このメンバーで山あり、谷あり、人生色々ありながら、こうして迎えられてハッピーな気持ちで~す!」
P・I・T!P・I・T!と恒例の会場名コール。
「HappyのP、愛情のI、チームのT!」…????
Happyは「H」だと思うんですけど…。
とにかく猛烈に盛り上がるのがmittanのMCコーナー。
まさか、この後、前人未到、傍若無人、阿鼻叫喚、驚天動地のトラブルが待っていようととは!

ドラムス、角田mittan美喜!ドコドンッ!

30_2「久しぶり、トーキョー!30周年ね、どこまでいけるかね?そこそこ辛いのよ(爆笑)!みんながついて来てくれるなら、やってもいいって思ってる(お客さん:行く、行く~)」

ベース、仙波さとみ! ドコドンッ!

40v_2「キャプテンで~す!」

50「今年は30周年イヤー。忙しくしているけど、このみんなで30周年!って言えるのがうれしい。レコ発ライブもコレで終わっちゃうけど、このままレコーディングをして秋にはニューアルバム発意です。これからもよろしくお願いします!」
恵子さんの耳打ちがあって…
「熟女なめんなよ~!」

キーボード、中村美紀! ドコドンッ!(←ちなみにコレ、ドラムの音です。メンバー紹介の時によくやるヤツ)

54v5人の中で一番新しいメンバーとされるsun-goさん、「1984年11月3日にSHOW-YAに入ることを決心した。寺田恵子がおごってくれたマックにつられて…。
30年前、ロンドンでレコーディングやライブをしたり、NHKの朝の番組にも出て…そんな時代だった。
SHOW-YAの前には8年他のバンドをやっていたの」
その時代のsun-goさんを知る私の古~い友人はsun-goさんのことを「美貴ちゃん」と呼ぶ。
そりゃそうだ、SHOW-YAに入る前なんだから。その頃はichi-goだった。
反対に私が「sun-goさん」って呼んでいたら、「オマエ、さっきから”サンゴー、サンゴー”って一体誰のこと言ってんだ?もしかして美貴ちゃんのことか?」と不思議がられておもしろかった。

ギター、五十嵐sun-go美貴! ギュイ~ン(←ここはMarshallの音)

55「最初の5年、再結成した10年があっての寺田です。5人で30周年が迎えられるのが本当にうれしい!
コレでみんながCD買ってくれれば他にいうことないんだけど…」

ボーカル、寺田恵子! ジャ~ン!

56vLineのアンケートで募ったみんなが聴きたい曲ということで…

60_2中森明菜の「DESIRE」。
85
恵子さん、「ハイ、ドッコイ!」なんて合いの手を入れちゃう。ヤメテ!また思いっきり笑っちゃうでないの!

70もう1曲は「六本木心中」。

90v_2

このあたりは当然ハマりますわな。
130

でも普通の「六本木心中」では収まらないよ!

100sun-goさんのMarshallの轟音鳴り響くヘヴィな「六本木心中」だ!

120vココでまた『Glamorous Show II』に戻る。
「宴もたけなわだけど、SHOW-YAの曲1曲しかやってないよ!」

110v_2

ところが十分にSHOW-YAなところがスゴイ。

140v_2SHOW-YAのキャラクターを完全咀嚼した選曲とアレンジ…

150vそして、5人のパフォーマンス。
ソフトとハードが絶妙に噛みあった第一級のエンタテインメントに仕上がっているのだ。

160v1982年の「い・け・な・い ルージュ・マジック」。
CDではデーモン閣下と組んだこの曲。
180v
今日はキャプテンとのコラボだ。

170_2これもテンポを落としたヘヴィ・バージョン。原曲のポップなフィーリングを見事に払拭してSHOW-YA流に仕上げた。

190「Gang★」と「So Young」まで全速力で駆け抜ける。

240v_2

トコトンこだわるヘヴィなアレンジとパフォーマンス!

210vそして、本編の最後を締めくくるのは、本日2曲目のSHOW-YAの曲…要するに最初と最後にSHOW-YAの曲を持ってきたワケ。

220このイントロ、このメロディ、このリズム…デへへ、やっぱシックリ来るな~。

200v_2

この曲は動画撮影OK…というんで、見て!この光景。おもしろい!全員同じ格好してる。

230_2いくら大阪他で上演してきたとはいえ、2曲目からズ~~~~~っと新曲を演っていたようなもんだからね。
250v
オハコを演るのはさぞかし気持ちがいいことでしょう。

Img_0504 開放感あふれる超パワフルな演奏がファンの感動を誘う!

260ナンカ、みんな水を得たお魚のよう。

270vん~、耳なじんだギター・ソロが何ともなつかしい!

280_2mittanの強力なプレイが一段とパワーアップした瞬間。
まだ、この後何が起こるかは誰も知らない…。

290_2「撮ってるかァ~?!」の恵子さんの掛け声に(私は)大爆笑!
だってそんなの初めて聞いたんだもん。

300v_2
後ろを振り返れば…ドワ!みんな撮ってる~!
…というのは、お客さんはスマホで撮ってくれた動画を投稿してもらって、それを素材にPVを作っちゃおうという企画なのだ。

295そして、コレがそのPVの予告編。
39秒から41秒ぐらいまでの間、2秒チョット、私も出演しています。コリャ本チャンが楽しみだ。
本チャンでは、投稿した動画が採用された方のお名前がクレジットされるんだって!

本編終了!
いつも通り、楽しい時間はアッという間やね。

310_2結局、本編で『Glamorous Show II』のアルバム全曲を披露。
恐らくこんなコンサートはもう二度とないでしょう。30年に一回っきりだ。
前作の時には全曲ブっ通しなんてことはしなかった。
皆さん実に貴重なシーンに出くわした。

190cd_2

ところでこのアルバムを聴いていて思うことがある。
それはsun-goさんのギターの音がズバ抜けていい…ということだ。分厚くて、コシが強くて、色気があって、あたたかくて、それでいて途轍もなくシャープときてる。
一聴してちゃんと真空管のアンプを大音量で鳴らして録ったギターの音ということが想像できる。
デジタル・テクノロジーの進化がめざましく、古式ゆかしい真空管稼働が尊重されたギター・アンプの世界にも随分と便利なものが入り込んで来て久しい。
しかも、PAやモニターの機材の大幅な質の向上によってその傾向はライブ・ステージの上にまで広がって来た。
便利なんでしょうね~。
真空管は換えなくてもいいし、トランスというデカい鉄の塊が入っていないので軽くて運搬も楽だし、無限にセッティングは変えられて、よそのブランドの音まで出すことができるっていうんだからいうことない。
もちろん音質や弾き心地も昔に比べて飛躍的に向上し、ほとんど「完璧」になったがゆえ、プロの人たちが重宝するのもよくわかる。ラクだもん。
もし、私が昨日今日ギターを始めていたらそういうものに飛びついていただろう。
ところが、幸か不幸か、私はロックの黄金時代のギターの音が身体に沁み込んじゃってるんだな~。そうなるとちとキツイ。
やっぱり真空管アンプの音がいいわ。特にステージは。
最上級の素材を使って丹精込めてとったダシが化学調味料に負けるワケにいかないのだ。

60

で、ここにも真空管アンプの信者が…。
私はMarshall屋として、真の良音にこだわる、sun-goさんのようなギタリストたちのミュージシャンシップに畏敬の念を抱き、心から親愛の情を持ってサポートしていきたいと思うのである。

X アンコールの恵子さん、Tシャツで登場。

320vココもカバーで固めるよ。

340
まずは前作から「激しい雨が」。

Img_0324 そして「紅」。

350vsun-goさん、この期に及んでもギター・チェンジ!
今日大活躍の「白フェアリー」なのであった。

360vそして、mittanフィーチュア。
ココでアレが起こった!

365vいつも〆に叩くドラ。
mittanが力いっぱい叩いたところ、ナント、ドラが落下してしまったのだ!
コレにはみんなビックリ!
恵子さんも、「すっげ~パワー!さすがmittam、ドラの女!ドラを落とした女を初めて見た!」。
イヤイヤ、私も40年近くロックのコンサートに通って来たけど(途中休みアリ)、男女の別を問わずドラをスっ飛ばしたドラマーなんて初めて見ましたよ!
mittanにしてみれば「It's a piece of cake!(どうってことないさァ)」ってとこかな?

1_s41a9629…と思っていたらホンモノのケーキが登場!
380v

よろこびのポーズ!

390ホンモノの火が使えないのでローソクはイミテーションね。

400vお誕生日おめでとう!

370_2

記念に一枚パチリ。
キャプテンとさとさんの見事なピース・サイン!
で、今日はさとさんのお誕生日。
さとみさん、お誕生日おめでとう!

410そして、最後の一曲。
430v

ココは「Fairy」でしょう。

420v最後の最後、力が入る!

445v

Img_0188 定番のナンバー、定番のアクションに客席はそりゃもう大騒ぎさ!

440_2やっぱりこのSHOW-YAも見たいよね!

455もちろんサオ回しも…

460_2キマった~!

470_2mittanも大暴れッ。ドラム・キット壊さないように!

480vアンコールも入れて全17曲。
また、この尺がとても好き!すべてが計算された一流のステージを観た!

490さて、MCで触れていた30周年記念リリースの第三弾のニュー・アルバムがコレ。
セルフ・カバーを含む全曲新録のオリジナル・アルバムだ。
発売は9月30日。
まだ、チョット先なのでそれまでの間先行で配信されている「限界LOVERS 2015」をお楽しみあれ!

1_progress SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト

500(一部敬称略 2015年7月20日 豊洲PITにて撮影)

2015年8月27日 (木)

SHOW-YA ~Glamorous ShowⅡ Release Tour FINAL~ <前編>

30年…。
SHOW-YAがデビューした30年前の1985年、自分はナニをしていたか…?
学業を終えて、社会に飛び出した年だ。
大正年間創業の、古くて固くて保守的な、比較的大きな会社でね…スーツを着て、ネクタイを締めて…サラリーマン人生の将来に胸を膨らませていたもんよ。
アレから30年…色々あって、今こうしてMarshallの扶持を食んでいることが実に不思議なんだけど、とにかくアッという間だった。
SHOW-YAにとっても、また30年間SHOW-YAを追い続けて来たファンにとっても、「30年」という時の流れの速さと重みにはひとかたならぬものを感じていることだろう。
そして、30周年を記念して飛び出してくる数々のSHOW-YAの企画に、ファンの皆さんは狂喜乱舞しているハズだ。
今日の記事が伝えるところもそのうちのひとつ。

10今年5月にリリースされたカバー・アルバムの二作目『Glamorous Show II』の発売記念ツアー、その千秋楽だ。

30寺田恵子

40v五十嵐sun-go美貴

50vsun-goさんのMarshallはいつも通りのJVM410H。60キャビネットが1960BDM。

70v足元のようす。

80中村美紀

90v仙波さとみ

100v角田mittan美喜

110v今日も「私は嵐」で幕を開ける。

120いきなり飛び出す人気曲で会場はイッキに最高潮!

130vsun-goさんも新しいギターで颯爽とステージに立つ!

140vさとさんのベース・ソロの轟音!

150そして定番の「嵐」ポーズ。
ハイ、さすがにこの辺りのシャッター・チャンスは逃しません。

160大歓声に応える恵子さん!今日もノリノリだぜ!

誰かに指摘される前に説明しておきましょう。
実は、ここまで前回のAiiAの時のレポートと概ね一緒なの。
この場にいて、ホンモノをご覧になっている方には私の気持ちがお分かりいただけると信じるていが、この筆舌し難いオープニングの昂揚感を何とかして画面で伝えたいと思ってのことなのだ…手抜きじゃないよ。

170いつもならドドドドっとパワフルな曲を続けて演奏するところだけど、今日は違う。
恵子さんのMCが入る。

1_s41a9050ニュー・アルバム『Glamorous Show II』に関する話し。
「カバー曲だから自分が知ってる曲は盛り上がってね!」
結局全曲盛り上がったよ。

190cdで、ここから怒涛の新譜レパートリー・ラッシュ!
まずは「眠れない夜」。

200v1974年の泉谷しげるの曲。
今はスッカリ役者さんやタレントになっちゃった泉谷さんだけど、こんなにカッコいい曲を残している。テレビには出なかった頃の作品だ。
240v
私はフォークやニューミュージックに夢中になったことはなかったが、1977年に晴海の国際貿易センターで開催された『ローリング・ココナッツ・レビュー』で観た泉谷さんはカッコよかった。
それを観た時、私は中学3年生だったが、白いスーツに身を包んだCharさんがムスタングを下げて登場し、泉谷さんと共演したエキサイティングなステージは忘れられない。
Charさんがトリルをしながらアーム・ダウンしているのを見て、「アレ、ああやってんのか!」とトレモロ・アームの使い方のひとつを発見して大層感動した。
当時はビデオも気の利いた教則本もなかったからね、そうやってひとつひとつ研究したり、自分で考えて練習するよりギターを上達するスベがなかった。
ネェ、sun-goさん、そうだったよね?!…「そうそう!」…ホラね。230

どうでもいいけど、この曲のメロディ、メチャクチャSHOW-YAにマッチしていると思う。

220v続いては矢沢永吉の「黒く塗りつぶせ」。

250コレは2月の関係者を集めてのお披露目会の時に初めて聴いた。

260v「♪黒く塗りつぶせ~」のドスの利いた恵子さんの歌い方がカ・イ・カ・ン。そのパートのバッキングのパターンが最後のリフレインのところだけ違うところもエラくかっこいい!

290
コレも中学の時初めて聴いた。
私の友人に安藤というストーンズの大ファンがいたので、その時すでに「Paint it Black」を知っていて、このタイトルを聞いてビックリしたもんだ。
で、その安藤が『ドアを開けろ』を持っていたので聴かせてもらった。コレも中学3年生の時の話し。
「ゲンノーサティスファイ」?「ゲンノー」って何だろうな?まさか「カナヅチ」のことじゃあるまいな?と思った。ウチの父は大工で、カナヅチのことを玄翁(げんのう)と呼んでいたことを知っていたからだ。
子供の発想は無限大だからね。私にもそんな頃があったのだ~!

270コレまた恵子さんにピッタリの曲だ。うまいこと選ぶナァ。
この曲、「ハリケーン」とか「Night & Day」とか同じ言葉を繰り返すでしょ?それがすごく耳に残るんよね。

Img_0005 「今夜は眠れそうな予感!
もうすぐSHOW-YAも30周年。去年からの企画でカバーをやっているけど、今回は男性ソロ・アーティスト特集。
ヤ~よね~。女あつかいして欲しいわ~」
SMAPの中居くんに「聖子ちゃん演ればいい」っていわれて「メタル聖子ちゃん」をやってるとか…メッチャ聴きたいんですけどッ!
「よく同じメンバーで30年もやってると思うよ。コレもひとえに私のおかげです…ギャハハ!」
今日も絶好調の恵子さんのMC。終演後笑い声がデカすぎと恵子さんに言われてしまった!ゴメンちゃい。でも恵子さんのMC大好きなんだもん!
「それじゃsunちゃん、勝手に弾きやがれ~!」

1_img_0102_2 で、ジュリーの「勝手にしやがれ」。
コレも2月に聴いた。
大胆なアレンジに驚いた。
「一体何が始まるんだ?」というsun-goさんのギターによるイントロも印象的なんだけど、ギター・リフを堅持するがためのリハモが大胆すぎる!

280コレも77年何だね。
この曲は、も~~~のすんごく流行った印象がある。
洋楽ロックばっかりで歌謡曲を聴かない私でもほとんどそらんじて歌えるもんね。本当に昔の歌謡曲ってのは想像を絶するほどのパワーを持っていた。
民衆がまだまだいい音楽を欲していた時代だっただね。
ちなみ「アンタその頃ナニを聴いていたの?」と問うならば…初めてFrank Zappaのアルバムを買ったのが中学3年の時で、『Fillmore East, June 1971』だった。

S41a9057 で、『Glamorous SHow II』を聴いた時、そんな耳なじんだ曲だったので、このリハーモニゼーションはチョットしっくりこなかった。
何かがノドに引っ掛かって飲み下させない感じと言ったらよかろうか?
歌メロの2小節目はコードが変わって欲しいのだ。
330
ところが!
今回ナマで聴いたらそんなもん飲み下してとっくの昔に出し切ってスッキリしてしまった(失礼!)。
完全にロック・チューンとして、寸分のスキもなく出来上がっていたからだ。
さすがSHOW-YA、完璧なROCK-YAだ。

320井上陽水の『青空、ひとりきり』。
Img_0250
ま、こういう企画だから言うだけヤボなんだけど、これも実にシックリ来るな~。歌詞とメロディが恵子さんの声にピッタリだ。

S41a9048 またしてもアレンジがピュアなハード・ロック。キャプテンのキーボード以外はギター・リフに乗っかってワン・コードを貫くAメロ。正統派ロックの手法だ。UFOみたいじゃんね。
コレでいいのだ!コレがいいのだ!
300v
mittanのドラミングが最高にカッコいい!

310

一番アンニュイなヤツが一番ヘビメタになってしまった…という、

350かまやつさんの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。
ありません。タバコやめてソロソロ10年になるし。

355個人的にはコレが一番ヨカッタ。
ハッキリいってメチャクチャすごかった!
CDを聴いている時はそうでもなかったんだけど、ライブはチトわけが違ったわ。
ステージを駆け巡る恵子さんのセリフ調ボーカルと…

3604人のバックの演奏がいいように化学反応を起こしちゃって、そりゃスゴイのなんのって!
だから「生」はおそろしい。
もうステージで何が起こっているのがわからないぐらいの押し寄せるスリル感。
この曲だけはシャッターを切らずにジックリ観たかった!(実際にはジックリ観てる)…それぐらいマイッタ。

370ここで恵子さん、アコギを手にした。

380曲は浜田省吾の「悲しみは雪のように」。

390vこれは会場のみなさんと大合唱。人気のある曲だね~。

400vリズム感がいいせいか、気風がいいせいか、恵子さんのアコギってソリッドでカッコいい。

410v恵子さんのアコギ曲、もうひとつはグッとコンテンポラリーなチョイスで斉藤和義の「やさしくなりたい」。

420この辺りはエキサイティングな後半に向けての一種のインタールード。

430v

オリジナル、カバーの別を問わずハードなステージに終始するSHOW-YAのグラマラスなショウの中にあって一種の清涼剤、あるいは後半に向けてのビタミン補給的な瞬間。

440とはいえ、おなじみのメロディをSHOW-YA風に聴かせる魅惑のひと時でもあった。

450ブルーを基調としたsun-goさんのイメージにピッタリの新ギター。
よくお似合いですぞ!

460後ろの席のファンの方へ…恵子さんの左足に輝くロザリオだよ。

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト

470<後編>につづく

(一部敬称略 2015年7月20日 豊洲PITにて撮影)

2015年8月26日 (水)

THE BOOMERANGS~英太郎 Plays NATAL

私は一切関係ないのだが、通っていた高校が水球の名門校だった。その水球部がオーストラリアに遠征した時、部員の友達がお土産にブーメランを買って来てくれた。
ブーメランはオーストラリアの原住民、アボリジニが狩猟の道具として使用していたことがよく知られているが、起源はオーストラリアということではなく、アフリカやヨーロッパでも古代に使用されていたらしい。
そのブーメランを買って来てくれた友達と、投げると本当に戻って来るかどうか試してみようということで荒川べりに早速出かけた。
コレが実に不思議で、マンガのように投げたそのままの手に帰って来るというところまではいかないものの、うまく投げるとかなり近いところまで戻って来て予想以上におもしろい。
二人でいい気になって力いっぱい投げて遊んでいたら、とうとう投げ損じてしまい、ブーメランは京葉道路に…。ちょうど車がいない時でヨカッタが、そこへデカいトラックが…。
あわれブーメランは木端微塵になってしまった。
秀樹に申し訳ないと思いながらも、とにもかくにもブーメランの能力のスゴさを思い知ったのであった。

さて、今日の出番はThe Boomerangs(ザ・ブーメランズ)。

101995年、福岡で活動してきた元Phiの瀬下黄太(Vo&G)を中心に四人で結成された。

30vベース/ボーカルの小林ジュン。

40vリード・ギターの高田寛之。

50vそして、ドラムはMarshall Blogではすでにおなじみの諸藤英太郎。

60v英太郎さんはいつもの自慢のNATAL。

7012"、16"、22"のアッシュのキット。
スネアはNATAL自慢のピュア・ステイヴの14"x6.5"。(自慢ばっかでスミマセン)

80vギターの瀬下さんはMarshall。

90v1962 Bluesbreaker。

100ベースの小林さんはEDENを使用していた。

110vWT-800ヘッドとキャビはD410XLT。

120v結成した年にアルバム『PRESENT』をリリース。
翌年にはプロモ・オンリーのカセット『DEMO TRACKS』をリリースしたがやがて活動休止になってしまった。
そして、結成20周年を迎えた今年、復活が実現し地元福岡と東京でのライヴが企画された。その東京公演が今日のレポートだ。

130根強いファンが待ちかねていただけのライブだけあって、会場は超~満員!

140vそして声援が100%博多弁!
コレがまた最高におかしいやら、あたたかいやら…。
地方のライブハウスへ行くと、実際にはそんなことないのだろうが、自分を除いたお客さん同士が全員友達で、ケタはずれのアウェイ感に襲われることがある。
まさにあの感じ…。
「アレ?博多へきてるんだっけ?モツ鍋喰ったっけ?」と錯覚しちゃうほど。

150vサウンドは、ビートルズ・フォロワーを主張するようなポップ・サウンド。

160耳なじみのよいメロディの曲がテンコ盛りでいい感じ!
180
それにしても音デケェな…NATAL。
英太郎さんは撫でるように叩いているが、楽器の鳴りが良いためよく響く。
しかし、まったくうるさくない。実に気持ちがいい!コレがいい楽器の特長だ。

170告知ゲストが登場。
英太郎さんが現在メインに据えて活動しているバンドのメンバーだ。

190サイバーニュウニュウのメカエルビス!

200来る8月30日のコンサート『20世紀→21世紀 新世紀復活祭』のPRに登場したのだ。

210vサイバーニュウニュウは23年ぶりの再結成になるそうだ。
ゲストを迎えての公演、見逃す手はない!

220さすが英太郎さん、コスチューム系には抜群の強さを見せる!すでに何の違和感もなく溶け込んでいる。
相棒のNATALと思い切り暴れて欲しい。

サイバーニュウニュウの詳しい情報hがコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE

230vThe Boomerangsの演奏に戻る…。
メンバー四人、最後までブランクを全く感じさせない息のあった演奏やコーラスを披露。

240v

250

260v

270vファミリー感満点の楽しみどころ満載のライブだった!
結成20年おめでとう!

280

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年7月12日 HEAVEN青山にて撮影)

2015年8月25日 (火)

Kelly SIMONZ~Tokyo Kinema Club "the 9th" AT THE GATES OF A NEW WORLD 2015 <後編>

Kelly SIMONZ's BLIND FAITHの『Tokyo Kinema Club "the 9th" AT THE GATES OF A NEW WORLD 2015』もアッという間に後半に突入だ。
ゲストがステージに上がる。

10_2おなじみkeiji by ZERO

20vKeijiくんの足元。アンプは当然Marshallだ。

30_2曲はニュー・アルバムから「Attack by Zero」。

40_2どうでもいいけど、マァ~、ふたりとも弾くわ、弾くわ…

50v

60_2フロントの二人の熱演を極限まで激しくバックアップするリズム隊。

70v_2

80v寸分のミスもなしに勇猛果敢に弾き切るkeijiくん。
また出音がシッカリしてるんだよね~。

90vKellyさんとのイキもピッタリなのだ~。

100KellyさんもKeijiくんに敬意を表し、時には見守り…

105v時には競い合う。

110お揃いライトハンドがバッチリとキマる!

140

Keijiくんとの競演の二曲目はKelly スタンダードの一曲「Opus#1」。

120
二人の激演にKAZさんも参加!

130フロント三人+バック一人が一丸となったスリリングな演奏は今回のショウのハイライトのひとつになった。

145ピックを客席に投げ入れるKeijiくん。

150_2そして、Kelly SIMONZのニュー・アルバム『AT THE GATES OF A NEW WORLD 』の発売を記念するコンサートも最終コーナーに入る。

160引き続きニュー・アルバムから「Enter The New World」。
Kellyミュージックのトレード・マークのひとつ、怒涛のインスト・チューン!

170コレがまさに「爆発」の形容こそふさわしい阿鼻叫喚のメタル地獄!
155
台風が四つぐらい同時に上陸したようなあまりにも凄まじいソロ!

180v_2ここまで来るとお気付きのことと思うが、今日のセットリストは、既発表曲を若干ちりばめながららニュー・アルバムの内容をソックリそのまま「生」で再現している。
310_2
すると残りは一曲。
そう、「Stay With Me Forever」で今度はKellyさんが熱唱。

185vタップリとギターを泣かせておいて…

190vまた熱唱。
「♪ステ~~~~~~~~~~~~~~~~~~イ」のところが気持ちよさそう!
ハハン、Kellyさん、コレがやりたかったのね!?

200ココでドラム・ソロ!

210先日のイベントでKellyさんが語っていたようにニュー・アルバムではドラムの録りに凝ったとか…。
「生」でアルバム収録曲を全部聴かせておいて、Yosukeさんのドラムをフィーチャして総括的に締めくくろうという計算だな?…よく考えられた構成ではあるまいか!

220_2力いっぱいの渾身の演奏に大喝采を浴びた。

230v新しい曲をすべて演奏しておいて、後は引き慣れたレパートリーで締めくくろう。

240_2YAMA-Bが加わって「N.W.O」。

250v前作のオープナーをこんなところに持ってくるなんて!

260v_2最後の最後までエンジンが全開なのを見せつけようってんだな?!

270あたかもショウが始まったばかりかのように鋭敏なソロをたたき込む!

280vそして、本編を締めくくるのは…

290「Toki-No-Kakera」だ!

300v_2Kellyさんの歌ものレパートリーのショウ・ケースのような一曲。

320vドラマチックなコンサートはドラマチックな一曲によって幕を下ろした。

330v_2今日のショウの主役の『AT THE GATES OF A NEW WORLD』。
ココに収められた11曲のうち、どれが将来のKelly SIMONZあるいはBLIND FAITHのスタンダード・ナンバーになっていくのかが楽しみだ。

340cdアンコールは一曲!

345この潔さはステキ。
やりたいことをすべて本編でやって、アンコールで「チラ見せ」して、見足りない人はまた次回。それまでの間、CD買って楽しんでてチョ…コレでいいのだ。
最近はもう一回コンサートが始まったかと思うぐらいしっかりアンコールをやる若いバンドがいるけど、そんな、ゲップが出るほどアンコールやっちゃダメよ。
アンコールについてはまた別の機会に書くよ。

350曲は人気の「Now Your Turn」。曲名が告げられた瞬間大歓声が上がった。

360Yosukeさんも後ろの方で汗みどろの力演!

370まるでBLIND FAITHのメンバーのようなパフォーマンス…イヤイヤ、そんなもんじゃ収まらない…BLIND FAITHの五臓六腑(重要ってことね)のような活躍だったゲスト・ボーカルのYAMA-B。

380vすでに次回のキネマ倶楽部公演が10月9日に決定しているKelly SIMONZ。
次はどんな手で我々を楽しませてくれるのか?

390v超高速で駆け抜けた四人に浴びせられた拍手と喝采の大きさをここに書き記せないのが悔しい!

400ノリにノッてるSIMONZ氏。
この後もニュー・アルバムのプロモーションが続く。Marshall Blogでもレポートするのでお楽しみに!

410_2Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ OFFICIAL WEBSITE

420(一部敬称略 2015年7月11日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2015年8月24日 (月)

Kelly SIMONZ~Tokyo Kinema Club "the 9th" AT THE GATES OF A NEW WORLD 2015 <前編>

先日レポートしたKelly SIMONZの『リスニング・パーティ&ミニ・ライブ』
あの時はKellyさんの新譜をみんなで聴いて、その中から数曲のデモ演奏をマイナスワン音源をバックに披露するというコースだったが、今回はその「生」編。
場所は東京キネマ倶楽部。上野のひとつ隣の鶯谷。駅から2分、急げば1分。スキップで行っても2分はかからない楽々ロケーション。

10Kellyさんのライブ活動の総本山、東京キネマ倶楽部。
そして、「キネマ」といえばMarshallの壁!

20ステージいっぱいに広がったMarshall+EDEN。
今回でKellyさんのキネマでのコンサートも9回目を迎える!

30そして、ショウはスタート。

40今回のコンサートはKelly SIMONZ's BLIND FAITHのニュー・アルバム『AT THE GATES OF THE NEW WORLD』の発売を記念するもの。
どこまでニュー・アルバムの曲に特化するのかがひとつの見どころとなる。

50cdオープニングは「The Journey To The Gates」。

60Kelly SIMONZ

70v背(せな)にしょってる三段積み!

80足元のようす。

90KAZ

100vEDENのWT-800とD410XSTを使用。

110vYosuke Yamada

120v冒頭から猛烈にドラマチックな展開!

130vそして気合タップリのプレイ。
Kellyさんのニュー・アルバムへの意気込みが感じられるというものだ。

140v私も今度のアルバムが好きで、聴いているうちにハタと気づいた。
このオープニング曲の「The Journey to the Gates」というアルバム全体の序曲的なナンバーは、「シャー」という森のざわめきのようなSEで始まるが、コレ、「Close to the Edge」の川のせせらぎの音とかなり近い。
この手は効果音はどれも似通っているということかもしれないが、何というか、ノイズの種類と周波数が被って聴こえる。
「オー!さすがKellyさん、Yesへのリスペクトか!」と思わせると同時に、私なんかには曲を親しみやすくしてくれているように思えるのだ。

200v

YAMA-Bが2曲目で登場。

160v観客の期待を裏切らないアルバム通りの曲順でアルバム・タイトル曲の「At the Gates of a New World」。

170v続いて「In the Name of Love」。
明るく楽しいメタル・チューン。

180v

それが美学…ということになるのであろうが、ヘヴィ・メタルって圧倒的に短調で重い曲が多いでしょ?
「ヘヴィ」で「メタル」なんだから重いのは当然なんだろうけど、希望に満ちた明るく楽しいヘヴィ・メタルがもっとあってもいいと思うんだけどダメなの?
そういう意味ではこの曲は私にはストライクなのだ。
ただし、「がんばれ」、「負けるな」、「桜」はイカン。ま、「サクラ、サクラ」と絶叫するメタル・チューンも一度は聴いてみたいような気もするが…。

190YAMA-Bがギターを下げる。

210v

Kellyさん、まさかのハンド・マ~イクッ!

220曲順はアルバム通りだから「I am Your Judgement Day」。
240
70年代テイストたっぷりのハード・ロック・チューン!
250
アルバムの中ではこの曲が一番好き。
歌の内容はドロッドロのラブソング。ハード・ロックはコレでいいのだ。

230ソロはコンテンポラリーな展開を見せる。コレがまた曲調にシッカリ溶け込んでいるところがうれしい。

260vアコギを手にしたKellyさん。
曲は「Immortal Love」。

270vKellyさんのシットリしたアコギも魅力だが、この曲の聞きどころは、知らない人が聞いたら、ともするとビックリして飛び上がってしまいそうなYAMA-Bの「♪Immortal love」の大絶唱だろう。

280感情を込めてナイロン弦の上に指を滑らせるKellyさんのプレイも印象的だ。

290vYngwieテイストの「Tales of Viking」。

300vYngwieが聞いたら喜ぶわ。彼って何か豪快なことをしたり、破天荒な話しをすると、よくフザけて「Oh yeah, I'm a viking!」って自分から胸を張って言うんだよね。それが「なるほど」…と思わざるを得ない迫力なのよ。
Kellyさんの演奏も海賊級だ!
でもkellyさん、素行は全然ヴァイキングじゃなくてジェントルマンだよ。
315v
ココで一旦ニュー・アルバムから離れて、前作から「Signs Of The End Of The World」。
前作も大好評だっただけにそのレパートリーを期待していたお客さんも少なくなかったことであろう。

310Marshallサウンドで飽和した会場。それでも容赦なくKellyさんから発されるシュレッディング・ノーツ!(正確にはshredded notes)

一旦ステージを降りたYAMA-Bが再び加わる。

330vすなわちニュー・アルバムに戻って「Bound For Glory」。

340怒涛の火の玉チューン。
Kellyさんの激情ソロが観客の度肝を抜く!

350vKellyさんのエモーションに一歩も引けを取らないYAMA-Bのシャウト!
中盤のハイライトだ!

360vそして前半最後の「Nobody Is The Same」。

370vコレも70年代テイストが香る正統派ブリティッシュ・ロック・チューン。

380CDではオルガンが実にいい雰囲気を醸し出しているが、ライブのド迫力にはかなうまい!

390私もこのシリーズは何回も観て来たが、今回のKellyさん、いつになくみずみずしく、かつ大らかにプレイしている感じがしたな。
他の2人のメンバーも同様だ。
「意欲作を作り上げた」という自信があるのだろう。
それよりナニより、Kellyさん…楽しそう!

150

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ OFFICIAL WEBSITE

400v<後編>につづく

410(一部敬称略 2015年7月11日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2015年8月20日 (木)

METALLIC SPIN JAPAN TOUR 2015 <後編>~Girls,Boys,Boys(TSPっぽい人達)

『METALLIC SPIN JAPAN TOUR 2015』、二番目の登場はGirls,Boys,Boys(TSPっぽい人達)というバンド。

10ギターはShuっぽい人。

20ボーカルはKouzyみたいな人。

30vベースはTHUNDERのような人。

40そして、HINAらしい人。

50vそして、この四人に女性コーラスが加わる。

60KANちゃんっぽい人。あ、KANちゃんはKANちゃんでいいのか!

70v今日はスティックをマイクに持ち替えての登場となる釈迦。

80vなるほど、コレはTSPっぽい!

90v

100v

110v

120vShuっぽい人はMarshall。
TSPのShuと同じセットアップ。

130JMP-1とEL34 100/100のアンプ・セクションとMF400Aのコンビネーションだ。

140vやっぱりJMP-1ってのは音がいいね。
100/100の素直な押し出し感がまた素晴らしい。両方ともMarshall史に名を残す名器ですよ。

150このTSPっぽい人たち、今日はMotley Crueのカバーを演っちゃうぞという企画。

160vハイ、ここでお詫び。
正直に言います。
私、モノの見事にMotley Crueというバンドを知りません。メンバーの名前ぐらい?
一曲も知りません。
Motley Crueか、「フェルマーの最終定理」、あるいは「エニグマ暗号機」のどれかを説明しろと言われたら、Motley Crueはカンベンしてもらうわ。
勉強不足と笑わば笑え。
Motley Crueがキライなワケでも恨みがあるワケでも何でもない。世代も違うし、交わる機会がまったくなかったのね。
ですから!
ココは謙虚に、知らないことには触れないで、TSPっぽい人たちが何を演奏したかだけ記していくことにするよ。
手抜きじゃないからね。
知らないだけだからね。

170オープニングは「Dr. Feelgood」。
Dr. Feelgoodといえば、パブ・ロックを代表するバンドじゃんね!…なんて説明はおもしろくくない。
マーブロ的ではない。
…結局ダマっていられなくてスミマセン。


「Dr. Feelgood」っていうのは、ヘロインを意味したり、薬を違法に処方してくれる悪医者を意味するらしい。
もちろんMotleyのこの歌もドラッグ関連の歌なんでしょ?
で、ですね、調べていて面白いのを発見したのは、The Beatlesがらみの話し。
『Revolber』に「Dr. Robert」って曲が入っていますね?
このロバート先生のモデルになったのが、ドイツ生まれのアメリカ人医師、Robert Freymannという人。で、この人がまさにDr. Feelgoodで、あんまり好き勝手するもんだから、しまいにゃ医師免許を剥奪されてしまったらしい。
驚いたのはこの先。
モダン・ジャズの一番の巨人と言えば、Charie "Yardbird" Parkerですね。ジャズを聴かないロック・ファンでも音楽を長いこと聴いていればこの名前は耳にしたことがあるのではないかしらん?ニックネームは「バード」…ったってフリーのアナウンサーとはワケが違う。
何しろこの人がいなければモダン・ジャズが生まれなかったような人だ。ま、ロックで言えばビートルズ級の人。
このバードにロス・ラッセルという人が書いた『バードは生きている』というヤケクソにおもしろい伝記がある。
それによればバードは重度のヘロイン中毒で、そうなると普通はアルコールと食べ物の摂取が極端に減るらしいのだが、バードはヘロインを摂りながら浴びるように酒を飲み、馬のようにメシを喰らったという。
そんな無理がたたって、バロネス・パノニカ・デ・ケーニヒウォーターというパトロンとニューヨークのホテルでテレビを見ている時に胃に穴が空いてしまい、もんどり打ちながら絶命した。肝硬変と心臓麻痺もあったらしい。ボロボロよ。
享年34歳。若い。
ところが、死亡診断書の推定年齢は50から60歳とされた。
この手の話しはJanis Joplinでも聞いたことがある。
で、バードを検死し、死亡診断書を作ったのがこのロバート先生だったというのですよ。
スゴクない、この話し?
こんなの喜んでるの私だけでしょうけど…。
ちなみにバードが言うには、ヘロインの注射器の針を身体に入れた瞬間、人生が終わるとか…。絶対に止められないそうだ。
バードは生涯クリエイティブですさまじい演奏を披露し、たくさんのフォロワーを生んだ。皆、バードがスゴイのはドラッグのおかげだと思い、こぞってその悪癖をマネたが、バードが本当にスゴイ演奏をしたのはシラフの時だったという。
そういえば、Aretha Franklinにも「Dr. Feelgood」って曲があるね。


ゴメンちゃい、TSPっぽいところから大分遠くへ来ちゃったな…でもナンカ書かないとね。私カキカキ中毒なの。
でも今日はもうグダグダ書きません。

190
しかし、Shuちゃんっぽい人のヌケヌケのブルータルなギター・サウンドが素晴らしい!

180二曲目は「Wild Side」。
「Wild Side」といえばLou Reed!…イヤ、もう止めとこう。

200KANちゃんの堂に入った歌いっぷりがまたカッコいい!

210v「Shout at the Devil」

220v「Looks That Kill」

230v「Live Wire」。
「Live wire」って文字通り「送電線」とか「電気が通っている線」のことを言うんだけど、「活発な人」とか「活動家」みたいな意味もあるんだよね。

240v「Girls x 3」

250そして「Kickstart」で締めくくった。
何とかワタシも乗り切ったよ~!Motley Crueファンの皆さん、ゴメンナサイ!

260さて、コチラは本家のTSP(Tribal Scream of Phoenix)。
6月に四曲入りのミニ・アルバム『TSP II』をリリースした。
雷鳴のような相変わらずのラウドっぷりが気分爽快!
ゼヒお試しあれ!

270cdTSPの詳しい情報はコチラ⇒TSP OFFICIAL WEB SITE

S41a6431(一部敬称略 2015年6月26日 下北沢GARDENにて撮影)

 

2015年8月19日 (水)

METALLIC SPIN JAPAN TOUR 2015 <前編>~SS BAND

明けまして夏休み。
Marshall Blogをご愛読の皆様におかれましては、楽しい夏休みをお過ごしになられたことと存じます。
私の方はといえば、週末も盆暮れの別もまったくなく、一年中こんなことをしてるワケなんだけど、今年は土日に仲良くして頂いているギタリストが三重県は松坂の方からご夫妻で上京されて、イヤァ、飲んだり、喰ったり、しゃべったりで楽しかった。死ぬほど笑ったわ!

…というワケで今日からMarshall Blog再開します。よろしくお願いします!

まず…。
今日レポートするライブのリハーサルが終わって、買い物に行こうとハコから表に出たら、原田の喧ちゃんのギター・テクをやってる大ちゃんにバッタリ。
近くの違うハコでのお仕事だったそうだ。
そしたら今度は、「オ~イ、ウッシ~!」と向こうから手を振りながら近づいてくる人が…。
誰かと思ったら、ウワッ、当の原田喧太!大ちゃんと顔を見合わせてビックリ!
「どしたん?」と訊くと、「イヤ、借りてたDVDを返しにきたのよ」だって。
イヤ~、こんなことがあるんだね~…とパチリ。
残念ながら喧ちゃんはその後打ち合わせがあったので、激急ぎでトンボ返りしたのでした。

I_kh2 では二枚目の写真、どうぞ!
今日のオープニングは盛りだくさんだ~。
オオ、まるでお寺の山門のようにならんだJVM410Hのハーフ・スタック。
「家庭厳峻 不容陸老従真門入 鎖鑰放閑 遮莫善財進一歩来」…コレは、曹洞宗の総本山、福井県の永平寺の山門の入り口の両脇に掲げられた言葉。
以前書いたような気もするが、検索しても引っ掛かってこないのでまた書いちゃうゾ。お寺関係のことはコレぐらいしか知らんからね、出せる時に出しておかないと…。
この言葉は「かていげんしゅんにして、りくろうのしんもんよりいるをゆるさず さやくほうかん、さもあらばあれ、ぜんざいのいっぽをすすめきたるに」…と読む。

「ココ(家庭)は厳しいところですよ~、チャラチャラしてたら入ることは許しませんよ~」と言っているのが前半。
永平寺の山門には扉が付いていないのね。いつでも開けっ放し。つまり自由にいつでも入れることを示唆している。「扉は開いているけど、そう簡単には入れませんぜ、ダンナ」…ということ。
後半は、「でもね、本当にヤル気になって、この門をくぐって頑張っちゃえば、メッチャいいことが待ってるよ~」と言っとる。
曹洞宗は修業が厳しいでね。

一休さんが足利義光将軍と「作麼生・説破(そもさん・せっぱ)」ってやるじゃない?
「法戦(ほっせん)」っていうだけど、永平寺でああいうのを本当にやってる。禅問答というヤツよ。
その年に選ばれた一番優秀な若い坊さんが、「そもさん!」と問われると、「セッパ~ッ!」とジョー・コッカーもビックリの大絶叫でその問いに答える。
「人間は平等と言われているのに何故に貧富の格差が生まれるのか?」みたいな質問。答えは忘れちゃったけど、そのドキュメンタリーを見て、あまりの迫力に感動してしまい、いつか永平寺に行ってみたいと思っていた。
それで、昔の仕事で富山に住んでいた時、福井に出張したついでに何回か寄って、この言葉を覚えたというワケ。
だってカッコいいじゃん?

それを今日はMarshallがなぞっているワケ。
「麻亜紗瑠厳峻 不容舞台従真門入 鎖鑰放閑 遮莫爆音善財進一歩来」ということ。
「マーシャル厳峻にしてステージの真門より入るを許さず 鎖鑰放閑さもあらばあれ、爆音の一歩をすすめきたるに」…もう意味はおわかりね?
1959あたりにピッタリの言葉じゃない?10『METALLIC SPIN JAPAN TOUR 2015』というイベントからのヒトコマ。
はじめに登場したのはSS BAND。

20「作麼生、SS BANDの由来は種々あるやに聞くが、真実はいかに?」
「説破、SSのSはSHARAのS」…

30v「そして、sun-goのSなり!」…。

40vボーカルはRAY

50vドラムは山内康雄

60vベースは寺沢リョータ

70v前回同様、オープニングはKISSの「Detroit Rock City」。

80今日もふたりのMarshallをチェックすると…
SHARAさんはJVM410HとMF400Bの組み合わせだ。

100v一方、sun-goさんはヘッドはSHARAさんと同じJVM410H。キャビネットはMegadethのDave Mustineのシグネチャー、1960DMのBだ。

110堰を切ったように飛び出すハード・ロックの名曲!

120イキの合った真ん中のツイン・リードのパート。
考えてみると、人気ボーカルと人気ギタリストがタッグを組んでバンドを結成するということは、古今東西いくらでもあったが、人気ギタリストの二枚看板バンドというのは記憶にないな。
Wishbone Ashみたいのはまた違うし…。
mintmintsがまさにソレといえばソレなんだけど、どちらかと言えばmintsはバンド全体で魅せるという印象が強いし。
同じ楽器の花形が一緒になるときっとウマくいかないんだろうね。
もちろんSS BANDはウマくいってる。

130二曲目は「Hush」。

140こういうのは燃えるよね~。何たって曲がいい!

150vでもコレはDeppe Purpleの曲ではありませんからね。Joe Southというアメリカ人の1967年の作品。
「♪ナ~ナナナ~ナナナ~ナナ~ナ~」っていうところがあるでしょ?あのパートはThe Beatlesの「A Day in the Lifeと同じ」ということになってる。ま、確かに。
で、「Hush」は「A Day in the Life」よりテンポが速い。
Deep Purpleバージョンは、最後に一回だけ半分で「♪ナナナ」を演ってるでしょ?アソコは「A Day in the Life」のつもりらしいよ。
「Deep Purple」というのはジャズのスタンダード曲のタイトル…ということはみんな知ってるだろうから書かないでおこう。書いちゃったか!
30年以上前、ジャズを聴き始めの頃、このことを知って結構ブッたまげたよん。リッチーのお母さんの好きな気曲だったとか。

160v三曲目はAC/DCで「Highway to Hell」。

170コレまた盛り上がること必至!
SHARAさんのドッシリしたソロが炸裂!

180Y&Tの「Forever」。

190vY&TはSHARAさんのお好みのハズだ。

210v
成長目覚ましいリョータくん。
彼が所属するTORNADO-GRENADEはいいよ。
懐古主義などではない、今の若者による今のHR/HMが    TORNADO-GRENADEには詰まっているということは以前にも書いた。ソコがポイント。
290

そうした若者がSHARAさんやsun-goさんのようなベテランと一緒に何かをやる…というのは実にいいことだと思ってる。
さすがはSHARAさんだ。
このバンドではカバー曲だけだけど、そうした新旧の才能がくっついて何か自分たちだけのものをクリエイトしていくことがロックの将来への望みのひとつだと見ているんだよね。
そうしたアクションには惜しみない協力をさせて頂きたいとMarshallは思っている。

Img_0069 定番、「Rock 'n' Roll」。
しかし、コレも歌詞がスゴイよナァ。
シンプルということに着目すれば、まさにブルース的と言えるのかもしれないけど。
「久しぶりだぜ、ロックンロール。またやらせてくれよ、寂しかったんだゼ」…があんなカッコよくなっちゃう。
英語圏の人たちはこんな内容の曲をコンサートの一曲目に、しかもあの演奏でやられたらそりゃショーベンちびるわナ。
そして爆音。
当時、Marqueeに出演した時なんかでも遠慮なく音がデカかったらしい。230Vだでね、そりゃスゴイよ。
やぱり今のロックとは隔世の感があるよな。

220パワフルにドライブしまくる山内さんのドラム!ロックンロール!

230vZeppelin大好きのsun-goさん、ノリノリだぜぃ!

250vここのところギターといえばストラトばっかりだけの感があるけど、今日は二人ともハムバッキングのギターで図太い、図太い。JVMの轟音と相まってZeppelinテイスト満点だ。

260v

んで、「ロンリ、ロンリ」は大合唱…と来たもんだ。
295

前回は「Radio Magic」だったんだけど、今回は「More」。
イントロだけで大歓声があがった。

280レイさんが歌うところの「More」も本家とは違った雰囲気で実によろしいわ~。

270v

伝家の宝刀。ホンモノは重みが違う!

300vすると今度は~!

310

「私は嵐」!

340v

コレもまた妙にレイさんの声がハマる!何たって声がいいからね。
サビは大合唱。

320v

SHARAさんも大熱演。

330v

二曲ともいつもご一緒させて頂いているバンドの愛奏曲だけにすごく新鮮だった。

325それにしても人間の声ってやっぱりスゴイね。歌い手が代わると曲が変わってしまう。
しかし、Marshallから飛び出してくるSHARAさんとsun-goさんの轟音はまったく変わらないのであった!350石原SHARA慎一郎の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL BLOG
五十嵐sun-go美貴の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL BLOG

360ところで!
mintmintsがニュー・アルバムを発表したよ!
今回はメンバー各々が曲を持ち寄って制作したというスペクタクル巨編!
残念ながら私はまだ聴いてないのよ。私同様、Marshallの社長も楽しみにしているに違いない。
SHARAさん、sun-goさん、楽しみにしておりやす。

Mmq_2(一部敬称略 2015年6月26日 下北沢GARDENにて撮影)

2015年8月10日 (月)

MEJIBRAY~4周年記念全国TOUR 「毒」

赤坂BLITZに行くと、ずいぶん前からこのポスターが貼られていて、チョット気になっていた。
…というのは、ルックスだけでなく、「盈虧」とか「毒」とか刺激的な漢字と「ネペンテス」という妙な耳触りの言葉。
一体どうなってんだろう…と興味を持った。
40年前なら「ショック・ロック」というカテゴリーに繰り入れらていうたであろう、ゴシック調のオドロオドロしいイメージのバンドが私はキライではない。
その気になっていたのが今日Marshall Blogに初登場のMEJIBRAYだ。
ある友人の紹介でお近づきにならせて頂いたが、聞いたらアータ、バリバリのMarshallバンドだっていうじゃない?
楽しみは倍増したというワケ。
開場前の赤坂サカス周辺にはそれらしい男女がイッパイ!

20この日はMEJIBRAYの4周年を記念するツアーの千秋楽だ。

30これがMEJIBRAYのステージ。

10

ステージにはMarshallの壁!
もうコレだけでロック・フィーリング満点。世界のロック史上もっと「ロック」なアイコンだ!
コレをはじめて目にしてから40年近く経つが、いまだにカッコいいと思うわ。ただの黒いハコが並んでいるだけなのにね~。

50今年はスタックが誕生して50年の年に当たる。
それでMarshallの25周年を記念したモデル2555の復刻を企画したんだけど、50年、ほぼその姿を変えていないんだからスゴイ。
レスポール、ストラトキャスター、そしてMarshall…名器は姿を変える必要など何もない。それこそがオリジナルのみが持つ底知れぬパワーだ。
それにしても後を絶たないコピー・モデルたち。そんなに「オリジナルより優れている」と思うのなら自らのオリジナル・デザインで勝負すればいいのにナァ…といつも思う。
Marshallのスタートは、中身こそBassmanを礎にしているが、デザインはジムのオリジナルだ。
そのデザインがMarshallならではのサウンドを生み出したのだ。

60さて、MEJIBRAYの4周年記念ツアーの千秋楽。
客電が落ち、オルフの『カルミラ・ブラーナ』が大音量で流れる中、メンバーが登場。
超満員の会場に興奮が渦巻く!

70ボーカルの綴。

80vギターはMiA。

90vベースの恋一。

100そしてドラムはメトだ。

120Marshallの壁を背にするMiA。

130実際に鳴らしているのはステージそでにセットされていたJVM410Hだ。
かなりコンテンポラリーなトーン。もちろんJVMが得意とするエリアのひとつだ。

140オープニングSEの「猛毒」から一曲目の「醜詠(しゅうえい)」につなぐ。
「醜詠」は綴の造語で「醜い中の美しさ」というような意味らしい。何でも「詠」という字が好きでそこから発想を膨らませた。
こういう感覚は面白い。日本のバンドにしかできないワザだ。(中国のバンドもできるか…)
この話を聞いて昔、清志郎がインタビューで苗字の由来を訊かれ、「『忌』って漢字がカッコいいから」と答えていたのを思い出した。

150二曲目は「ネペンテス」。

160v今年の4月にリリースされた12枚目のシングル。ジャケットは三種類用意された、そのうちのふたつが下の写真。
「ネペンテス(nepenthes)」というのは「ウツボカズラ」のこと。
私はたまたまこの単語を知っていたので、冒頭に書いた通りポスターを見て「オヤ?」と思い、そして興味が湧いたのだ。
ちなみにこのウツボカズラというのは、「pitcher plant」とも呼ばれている。形があのビールのピッチャーに似てるからね。
食虫植物(carnivorous plant)をテーマにする感覚がいい!

Img_2273

ちょっと不気味なギターのアルペジオに導かれるドヘヴィなスピード・チューン。4分の間にコロコロと場面が変わる聴きどころ満点の一曲。

170続いて「蜈蚣」。これは「ムカデ」…難読漢字のひとつだろう。勉強になるな、MEJIBRAYは。

180綴のデス・ボイス炸裂のこれまたべヴィなナンバー。ナニを歌っているのは一切わからないが、何しろ迫りくるパワーがスゴイ!

200v
「DIE KUSSE」、「サバト」、「マダリ」、「RAVEN」、「Sadisgate」…

190何の愛想もなく、地面を揺らすような極力なヘヴィ・チューンを黙々と奏で続ける。

195SEが流れしばし静寂の後はシットリ・ナンバーの「EMILY」。

220ロマンチックなMiAの泣きのギター・ソロがキマる!

230ミディアム・テンポの「これを依存と呼ぶなら」をジックリと聞かせる。
大サビの綴の絶叫が印象的だ。

240v続けて13枚目のシングル『盈虧』。この曲も三種類のジャケットをまとって登場した。

M_img_2262

「盈虧」は「えいき」と読み、「月の満ち欠け」を意味する。ゴシック漢字だね。
これもメディアム・テンポのヘヴィ・チューン。
表現力豊かな綴の声とMiAのギターが曲を際立たせる。

250リズム隊も強力だ。歯切れのよいドラム。
ベース・サウンドも実に独特!リッケンバッカーがこの手の音楽に使われているのを見るのは初めてだ。

260v一転してハデハデなダンサブル・チューン「DECADANCE-Counting Gaots…If I can't be yours-」。
他の曲同様、この曲のPVにもJVMが登場している。

2702分ほどのインターバルをはさんでショウは最終コーナーに突入する。
ここからは怒涛!
ハードに攻め立てる「KILLING ME」…

280vリフがカッコいい「原罪の林檎」。ウン、カッコいい曲だ。
「原罪」とはアダムが神様の命令に背いて人類史上初めて犯した罪のこと。

290「アプリオリ」のMiAのギター・ソロにニヤッとさせられて「月食」へ。

300まだまだ続く暴虐のヘヴィ・ナンバー…「枷と知能 -それってとても人間らしいって神様は笑ってるの- 」。

310そして、本編を締めくくる18曲目は「アヴァロン」。
何しろトコトン狂熱を感じさせるMEJIBRAYのステージ。
一糸乱れぬ観客のノリも最高!
観客の男性比率がすごく高いことにも触れておこう。

330そして、アンコール。

335入退場はいつもこの姿のメト。

340アンコールの一曲目は「BOWOW」。

350「砂に還りしキミ走る」、「シアトリカル・ブルーブラック」と続く。

360フロントの三人が中央に揃う…大歓声!

370MCを挟んで「カルマ-瓦礫のマンティコーラース-」で熱狂は何度目かの最高潮に達する。

Img_0302 続いて「Dicergence」。
320v
アンコールでは五曲を演奏しメンバーはステージを後にした。

380v下は8月5日に発売されたばかりの三枚目のミニ・アルバム『VENOMS.app』。
今回も三種類のジャケットが用意された。

M_img_2269
一度きりのアンコールでは収まり切らない観客の前に登場した四人は、真紅の照明の中、そのミニ・アルバムの中から「VENOMS」をプレイして4周年記念全国ツアーの幕を下ろした。

390v今月末にはモバイル会員限定で東名阪のツアーを敢行。
9月5日には『盲目の猫を殺した猛毒』と銘打ったワンマン・コンサートを日比谷野音で開催する。
また、10月と11月には それぞれ『パラダイム・パラドックス』と『SECRET No.03』というシングルを連続リリース。
さらに11月から12月には『NEXT MAJORITY VENOMS』なる全国ツアーが決定している。
まさに八面六臂の活躍を見せてくれるMEJIBRAYなのだ!

MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Site

400(敬称略 2015年6月21日 赤坂BLITZにて撮影)

2015年8月 5日 (水)

李涛(Li Tao) 1stアルバム発売記念ライブ~左見右見

中国出身で、かつて劇団四季にも所属していたミュージカル俳優、李涛(Li Tao)のコンサートにお邪魔して来た。

10このコンサートはLiさんのCDの発売を記念するものだ。
しかも、二作品同時のリリース!

35v

一枚はポップス・バージョンの『左見-tomi』。

35cdもう一枚はバラード・バージョンの『右見-koumi』だ。
「左見右見(とみこうみ)」というのは、あちこちを見ること。右顧左眄(うこさべん)なんて言ったりもしますな。
ポップスからバラードまで、右から左までズズズイと幅広い音楽をお届けします…的なイメージなのであろう。

バラエティに富んだ音楽もさることながら、参加したミュージシャンがまたMarshall Blogでおなじみの方々が参加していらっしゃる!
ファンキー末吉、二井原 実、石黒彰、はんだすなお、仮谷克之の各氏をはじめとして、井上尚彦、進藤陽悟、サンプラザ中野くん等々。
加えて、ヤッチンも曲を提供し、ファンキーさん作のバラードで「FLY AGAIN」ではギターもプレイしている。

36cd…というのも、双方プロデュースを担当したのが和佐田さんなのね。
この誇らしげな表情!

125

会場は満員の大盛況!

30_2当日のバンドのメンバーを紹介すると、レディ・ファーストで…

ダンサーの滝沢由佳

240

駅田郁美

250

上手のキーボードがはんだすなお

50_2下手が進藤陽悟

40vドラムに井上尚彦

60_2そして和佐田達彦
すなわち、最後の三人は「いわし」だ。
和佐田さんはEDEN。
お気に入りのWT-800とD410XSTを使用。

80_2ショウは歌とダンスのバラエティ・・ショウといった趣だ。楽しいナ!100_2セット・リストはもちろんアルバムの曲を中心に構成された。

120エキサイティングなノリノリ・ナンバーから…

123ヴァイオリンが入ったシットリ・ナンバーまで幅広い選曲がLiさんのエンタテイナーぶりをアッピールする。
ヴァイオリンはsources(ソーシズ)の加賀谷綾太郎だ。

130冒頭にも書いた通り、Liさんは劇団四季にも所属していたこともあり『Ctas』や『Lionking』にも出演していた。
『キャッツ』では「Curious Cat(好奇心ネコ)」のRum Tum Tugger(ラム・タム・タガー)、Rumpleteazer(ランプルティーザー)と徒党を組んだ「Notorious Cat(悪名高きネコ)」のMungojerrie(マンゴジェリー)、「Railway Cat(鉄道ネコ)」のSkimbleshanks(スキンブルシャンクス)を演じた。
『Cats』はどこをどう切っても名曲ぞろいの作品だ。
まさかグリザベラやオールド・デュトロノミーを演じるワケにはいかないとなると、Liさんが演じたのはどれも最高においしい役どころだ。
私、『Cats』好きでしてね、Wintergardenで二回観た。

M_s41a4225 Marshall Blogでもちょくちょく触れている通り、私はミュージカルが大好きなのね。
だからLiさんのミュージカルからの選曲はうれしかった。

140

例えば「Over the Rainbow」なんかもセットリストに組み入れていたし、チョット意外だったのは、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの『踊らん哉(Shall We Dance)』の挿入歌、「They Can't Take That Away From Me」を歌ったことだ。古い古い歌だ。
この曲はガーシュインの代表曲のひとつでもあるが、1992年にトニー賞を取ったガーシュインの曲で構成したミュージカル『Crazy For You』にも使われていた。Liさんが選んだのはその関係かな?
『Crazy For You』もとても楽しいミュージカルだ。コレもブロードウェイのShubertで観た。Mel Tormeのライブ盤で有名なShubert Alleyのとなり。

150他にも『キャッツ』と同様、Andrew Lloyd Webberの『Evita』や『Wicked』の曲が取り上げられた。
それと『Rent』の「One Song Glory」。
「The Seasons of Love」ばかりが有名な『Rent』だけど、このミュージカルもいい曲がテンコ盛りなんだよね。
『Rent』は1996年にニューヨークに行った時、ちょうどオフからオンに上がって来た時でモノスゴイ話題になっていた。
それじゃ、というので観てみようと思ったのだが、劇場の前はチケットをゲットしようとする寝袋にくるまった若者が芋虫の大群のように列を成していて、チケットを入手することはとてもできなかった。
結局、音源をゲットしただけで舞台は観ずじまいだった。
Liさんの歌を聴いていてそんなことを思い出した。

160Liさんの熱唱を完璧な演奏でバック・アップするバンド陣!

180このバンドはギターがおらずツイン・キーボードという編成だ。
進藤さんとすなおさんが絶妙なサジ加減で役割を分担して分厚いサウンドを出していた。

190緩急自在な熟練の技を見せてくれる井上さん。
今日はトークなし!
次回のいわしまでガマンしよう。

200そして音楽監督、和佐田達彦。
この日はイスに座って神妙な面持ちでプレイに徹していたが、ソロ・コーナーでは大爆発!
EDENのいいところを100%引き出すスーパー・スラッピングで大歓声を浴びた。

220そしてLiさんの魂の熱唱!
何度も感謝の言葉を述べながら、とてもうれしそうに、そして楽しそうに歌う姿にとても好感が持てた。
一方、Liさんの歌や踊りを一時も聴き逃すまい、見逃すまいと熱心にステージに観入るお客さんの熱気もスゴかった。

275

ダンサーのお二人も客席に降りて盛り上げる!

270

ステキな歌と踊りに満ち溢れた楽しい二時間だった!

260

和佐田さん、さすがのグッジョブ!

280李涛(Li Tao)の詳しい情報はコチラ⇒Li Tao Official Web Site

290(一部敬称略 2015年6月4日 赤坂BLITZにて撮影)

2015年8月 3日 (月)

摩天楼オペラ~The Fifth Element TOUR ファイナル

開演前の静謐なクラシックが会場に流れる中、客電が落ちそのまま演奏につながる。
まるで『Yessongs』の「火の鳥」から「Siberian Khatru」への流れのようだ。
ちなみに「Siberia」は「シベリア」ではなく「サイベリア」と発音する。だからこの曲は「サイベリアン・カートゥル」が正しい。

10ステージにはMarshallのフル・スタックが三列!

20摩天楼オペラだ!

30苑 ~sono~

40vAnzi ~anzi~

50v彩雨 ~ayame~

60v燿 ~yo~

70v悠 ~yu~

80vAnziといえばMarshallの壁。

90実際に音を出しているのは真ん中のJCM2000 DSL100とその下の1960Bだ。

100足元のようす。意外にいつもシンプルなのだ。

110今、摩天楼オペラが取り組んでいるのは「The Elements」こいうコンセプトだ。
水、土、火、風、エーテル…という世界を形成する五大元素を音楽で表現するという試みで、それぞれのテーマをシングルとしてリリースしている。
で、ツアー・タイトルの『The Fifth Element』にある「五番目の元素」とは「ether」のこと。
その「ether」をそのままタイトルにしたシングルのレコ発ツアーの千秋楽が今日レポートするステージだ。

120オープニングはその「ether」!
「エーテル」は有機化合物のひとつだが、「天界、天空、輝き、光」と捉えてタイトルにしたそうだ。
「r」が「l」になるととてもなじみ深いのだが…そう、Frank Zappaの名作「Billy the Mountain」の主人公、山のBillyの肩に生えている女の子の木の名前だ。

さて、この曲はキーボードの彩雨が音楽監修を務めた『心霊写真部 劇場版』主題歌。
「愛と平和」を願った曲。

ところで、「心霊写真」ってのは、ちょうど私が小学生ぐらいの時に猛烈に流行ったんよ。つのだじろうの『うしろの百太郎』が火をつけた。ものすごく流行ったんだから。
今みたいにCGのようなデジタル技術がない時代だからね、ホンモノだと信じて子供たちはみんな震え上がった。
でも今の世の中、心霊写真なんかよりよっぽど恐ろしい事件が毎日平気で起こってるから恐ろしい。
いい音楽を聴いてみんなで平和に暮らしたいものだ。

130この「ether」、ドハードながらポップなメロディが実にいい感じ!摩天楼はこういうところが実にウマい!

140v続いてもたたみかけるようなドライビング・チューン、「落とし穴の底はこんな世界」。
205
満員の観客を睥睨し自信たっぷりのギター・ソロを展開するAnzi。
ものスゴイ歓声だ!

150「俺たちは太陽を呼ぶぜ!笑顔がいっぱいじゃねーか。今日はファイナル、ひとつになって行こうぜ!」

160vイントロのフランジャーがカッコいい「RUSH!」。ソロでも魅せるAnzi。

180v

これまたハードな「Psychic Paradise」。
190v

まだまだ続くハード・チューン。「Mermaid」。

200v毎度のことでもあるし、「これでもか!」とアップテンポの曲をたて続けに演奏するコンサートは他にいくらでもあるけど、この摩天楼オペラの圧倒感ってのは何物にも換え難いんだよね。

170

ダンサブルとでもいえばよいのか、キレのよいリズムが小気味いい「Round & Round」。
「ether」のカップリング曲。
270

まばゆいミラー・ボールの明かりが抜群の舞台効果をクリエイトする。

280
ここで悠のドラム・ソロ。

300v
コレも摩天楼オペラの定番。
私も子供の頃からコンサートで数えきれないほどドラム・ソロを見て来たけど、こんなに早くドラム・ソロをやっちゃうのは他に記憶がない。
私が知っているドラム・ソロの出番は大抵後半なんだけど、いつも摩天楼は前半でドラム・ソロを入れて来る。

310
どこでソロをやってもパワフルなだろうけど、今日も渾身の力を込めて華麗にスティックを踊らせる!

320v
「The Fifth Element Jam」と題したインスト・コーナー。ココも聴きごたえ満点!
まずはAnziのカッコいいリフでスタート!

220キーボード・ソロではベートーベンの「「第九」!

390v

そして、ベース・ソロ!

380

ボーカルと掛け合いの場面も。「Black Night」も飛び出した!

415

またまたハードなドライビン・チューン「致命傷」。カッコいい曲だ。

230vここでコール&レスポンス。
「今日は声出たね~。さすがファイナル!」
男性の声もデカい。
そう摩天楼オペラは男性の客も多いし、また、増えてきているのだ。

275v

これも「ether」のカップリング曲、「蟻の行進」。

240単純に「ロック」ということを考えて作られた曲だとか…なるほどひたすらロックだ!

250v随所に散りばめられるAnziのギター・ソロ。
毎回大きな大きな歓声が沸き上がる。
「楽しんでるかブリッツ?!」…そういえば、MCで「Blitzというのは『爆撃』のことを言うんだぜ」と説明していたAnzi。
「blitz」はドイツ語で「稲妻」という意味。そう、英語ではAnziが言う、通り飛行機を使った「猛爆」を意味する。
一般にイギリスでは「The Blitz」として「ロンドン大空襲」のことを指す。
ロンドン大空襲は1940年9月から1941年5月までドイツ軍が行った大規模な空襲のこと。つまり「Blitz」だ。
43,000人の犠牲者を出し、100万以上の家屋が被害を受けた。
ところが、今、ロンドンの街を歩いてみると、そんなことを微塵も感じさせない。戦前からの建築物は戦争などまるでなかったように古い建物が居並び、実に魅力的な光景が展開する。
これも「石の文化」がなせるワザか?
一方、東京は「東京大空襲(Bombing of Tokyo)」で何にもなくなっちゃった。
コレも何回も書いていることだが、関東大震災と東京大空襲がなかったら東京は今のつまらない高層建築物が立ち並ぶ光景など足元にも及ばない歴史を感じさせる魅力的な街になったであろうに…。
大好きな東京…残念でならない。

ちなみにコレに「激しいこと」を意味する「krieg」という言葉を付け加えて「blitzkrieg」とすると「電撃戦」という意味になる。「予想していない素早く仕掛ける戦争」という意味合いだ。
The Ramonesに「Blitzkrieg Bop」とかいう曲があるでしょ?パンクはまったくわからないけど、コレは知ってる。
ついでに…ジャズに「Be- bop」というひとつのスタイル」があるが、これはスラングで「刃物を使ったケンカ」を意味していた。

260vMarshallのヌケのよいサウンドで弾きまくるAnzi。
彼のプレイは絶対に冗長にならず、密度が濃い。そして、どのソロも曲に溶け込むように計算している。
もちろんそのギター・サウンドはMarshallでなくてはならない。それが彼の美学なのだ。

350

ショウは中盤に入る。
「蜘蛛の糸」。カンダタ~。

420v

ここは耳なじんだおなじみの曲でガッチリと固めて盛り上がるコーナー。

210

「CAMEL」~「ANOMIE」と続いて…

330「クロスカウンターを狙え」…あしたのために その3!

340vこのバンドは時折すごく独創的なタイトルを持つ曲を繰り出してくるよね。「落とし穴~」とか。コレがまたいいんだ。一発で覚えちゃうでしょ?
頭脳警察に「指名手配された犯人は殺人許可証を持っていた」という曲があるが、そういうこと、一回聴いたら忘れない
370

客席の盛り上がりもピークを見せる!

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暗転の後心を落ち着かせて「永遠のブルー」。

360そして本編の最後はお待ちかねのグロリア。

400「喝采と激情のグロリア」から…

410「GLORIA」へ。
野音の感動を思い出すね。今日は合唱隊が控えていないけど、テンションはまったく変わらない。

425こうして17曲を激演して本編の幕を下ろした。

430もちろんすぐさま呼び戻し。

540

ちょっとバンドさんの準備ができるまでお知らせ…


コレが4月に発売されたThe Elementsの第一作目の『ether』。

445cd こちらは6月に配信がスタートした二作目の『君と見る風の行方』。タイトル通り「風」だ。
ルネ・マグリットみたいなジャケットが印象的。

440cdそして三作目の『青く透明なこの神秘の海へ』。コレは7月20日に配信がスタートしたばかりだ。
摩天楼史上最長の8分の大作。
…と毎月連続のリリースを推進中。四作目が待ち遠しい。

450cdそして、アンコールが始まった。

460「どう聴いてもらっても構わない」と紹介したのは自身のほどか…今挙げたThe Elements第二作目の「君と見る風の行方」だ。

470v最後までクールにキメるAnzi!この人だけが出せる雰囲気を確立しているのだ。

480アンコール二曲目は「悲哀とメランコリー」。

490vドバーっとCO2も飛び出して盛り上がりはピークに達する!

500さらに「天国の在る場所」。

510v最後まで全員が一丸となった演奏はまさに圧巻!

520v最後の最後は「Orb」で締めくくった。

M_s41a5809摩天楼オペラの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL SITE

530(敬称略 2015年6月17日 赤坂BLITZにて撮影)

2015年7月31日 (金)

運命の歯車~FATE GEAR登場!

「運命」を英語で何というか…?
日本では「destiny」と答える人が一番多いのかな?
destiny
fate
doom
fortune
lot
…とチョット意味を広げれば、サッと考えただけでもコレだけ出て来る。
全部「運命」なんだけど、もちろん意味が全部異なっている。そうでなければ存在する意味がないもんね。
上から…
運命 (一番一般的なヤツ)
悲運 (コレも一般的)
不運 (ロック・ファンには「Doomsday」でおなじみか)
幸運 (おみくじは英語で「fortune lottery」という)
偶然 (「めぐり合わせ」みたいな意味)
日本語では上から三つめまでは普通に「運命」というイメージになろうか。
一方、英語圏の人はこれらの言葉を使い分けるワケだ。きっと宗教的な理由によるんだろうね。

その「運命」をバンド名に頂いたガール・バンドが登場した。
「運命の歯車」…FATE GEAR。
その初ライブがこのステージだ!

10メンバーは五人。
Mina隊長

20Nico

30vさかえ

50v杏奈

60vHIRO

70v「メンバーとファンひとりひとりがギア(歯車)となってひとつのものを創り上げていく」という発想から付けられたバンド名だそうだ。

80サウンドはメロディアスなヘヴィ・メタル。

90なじみやすいメロディがスカッとドライブしまくるサウンドは「組織の歯車」となって息苦しい日々を過ごしている方々には一種の清涼剤となるのではなかろうか。

100v_2FATE GEARは8月12日にフル・アルバムのリリースを予定している。
こちらのタイトルは『A Light in the Black』。

230cd

オープニングはバンド名をタイトルにした「FATE GEAR」。もちろんアルバムに収録されている。
初ライブの最初の曲がバンド名なんて自信を感じさせるね。イヤ、これも「運命」なのか…。

110Mina隊長はMarshall。

130v当日はJCM900 4100を使用。
Marshallはこの手の音楽にはなくてはならない「運命」的な存在だ。

140良質のトーンを得て縦横無尽に弾きまくるMina隊長!

145v「黎明」~「Romancer」~「Deathless Memories」とアルバム収録の曲がそのまま演奏される。(個人的には曲名を見て一瞬「Deathless Horsie」かと思ってビックリしたりして…)
カラフルなキーボード・サウンドで杏奈ちゃんがバンド・サウンドを厚くする。
185v
ソリッドなリズム隊もゴキゲンだ。
180
アクションも激しいさかえちゃん。

150vヘヴィにバンドをドライブさせるHIROちゃんはNATAL。

160vメイプルの12"、13"、16"、22"。やっぱバス・ドラムのヌケの良さは特筆すべきだろう。

170そしてパワフルにメロディを織り上げるNicoちゃんの歌声がたくましい!

210v

惜しげもなくファースト・アルバム収録の曲がジャンジャン繰り出される。
「沫雪の祈り」~「Nocturnal Moon」~「Winds of Fall」。

190Mina隊長のソロが炸裂するたびに大きな歓声が上がる。
ファースト・ライブは大成功!!

200強力なメタル・バンドはまたしてもガール・バンド!
華やかな門出を祝したい。


FATE GEARは明日、同じくココ目黒鹿鳴館にてレコ発ライブが開催される。
岡垣JILLさんとYOUさんのバンドとの共演だ!お見逃しなきよう!

220FATE GEARの詳しい情報はコチラ⇒FATE GEAR Official site

240

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年7月16日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2015年7月29日 (水)

BLACKCOFFEEにNATAL

♪I’m feelin’ mighty lonesome
Haven’t slept a wink
I walk the floor an’ watch the door
In between I drink Black coffee …

Love’s a hand-me-down room
I’ll never know a Sunday
In this weekday room
(lyrics by Paul Francis Webster)

もうクソがヤケるぐらいにカッコいい…。あ、アタマっから失礼しやした!
Sarah Vaughanの名唱で知られる「Black Coffee」という1948年の曲。
私はどちらかと言うとEllaの方が好きなのだが、この曲に関してはSarahに軍配が上がるな。
凄まじいまでの重さと黒さ、そして、どうしようもないけだるさ。
ツァ~、タマらん!
こんな曲、100年経っても日本人には歌えないだろうな~。まさに向こうの人の音楽だ。
Peggy Leeもいいナァ。


コーヒーに砂糖もミルクも入れなくなってからどれぐらい経つかな?アレは大阪にいた時だから29年前か…。
それから自主的にコーヒーには砂糖を入れていない。角砂糖一個、スプーン一杯もだ。
以前は濃いめのコーヒーに砂糖もミルクも十分に入れてアマアマにして飲むのが好きだったが、急に両方とも入れなくなった。何らかの主張があったワケではなくて、ホントに何となく使わなくなった。
「Black Coffee」という曲は大学の時に知ったが、それに感化されたワケでも決してない。

砂糖やミルクが入ったホットコーヒーを仕方なく飲むのは、差し入れなどで頂戴する缶コーヒーぐらい。これが存外にツラい…。
どんなに「微糖」を謳っていても、もう「コーヒーは甘くないもの」と脳に刷り込まれているので、そのギャップに苦しむのだ。甘いものは大好きなのよ。
「コーヒー・フレッシュ」っていうの?正直、アイスコーヒーにだけはミルクだけを入れていたが、最近ではその危険性がインターネット等で喧伝されているのを目にして恐ろしくなって使うのを止めた。
一日何リットルも摂らなければ身体に害はないであろうし、そんなことしても「頭隠して尻隠さず」なのは百も二百も承知。
でもサ、常温でいたまないミルクなんてやっぱりおかしいじゃん?
最近では牛乳ですら身体によくない…なんて言われているし、火のないところに煙は立たないからね。
日本人は世界で一番おいしいものを食べているんだから、どうせならもっと「食の安全」に気を使うべきだと思うよ。
もうスマホやらITやら、コレ以上進歩させてもそう意味はないでしょう?十分でしょ?
そんなことよりおいしくて安全な食べ物を安価で入手するシステムを作ることに知恵を絞るべきだとすごく思ってる。
私もスマホに代表されるIT技術の利便性を享受していることは認めるが、スマホがなくなるより、炊き立てのおいしいご飯が亡くなる方がコワいね。
スマホがいくら進化してもハラは満たしてくれない。

砂糖とコーヒーといえば、ま、人にもよるんだろうけど、私が見て来た限り、イギリス人ってコーヒーにかなり砂糖入れちゃうんだよね。紅茶にたくさん入れる人もいる。
カップに角砂糖を二つも三つも入れるのを前で見ていて、思わず「あ~、あ~!」なんて言うと「What?!」と実に不思議そうな顔をされる。
糖分は可能な限り摂取を押さえた方がよいとするのが日本でのもはや常識だ。
一方、以前にも書いたが、日本の加工食品のほとんどに使われている危険なグルタミン酸ナトリウム(MSG、日本では「アミノ酸」と表示されていることが多い)をイギリスでは厳禁している。かたや砂糖ドバドバ。
ところ変われば「悪」変わる…てか。

さぁ、音楽、音楽。
…ということで、今日はBLACKCOFFEEというバンドを紹介する。
舞台は『Fun Fun Connection』というアイスなるバンドが主催するイベントだ。今回で二回目の開催となる。

10BLACKCOFFEEはトリオ・バンド。
人間が古いもんで、「一体いつからこうなったんだ?」と思うことが少なくない。そこで思うのだが、このトリオ編成のバンドってメチャクチャ普通になったよね。私が若い頃は滅多にいなかったんよ。いつから、どこからこうなったんだろう?
あ、別に悪いこっちゃゼンゼンないのよ。まさか今時Creamに影響を受けてトリオを組んでいる若者なんて皆無だろうから…。Police?それとてもはやオールドファッションだもんね。Nirvanaとかその辺か?

20ギター/ボーカルはThe Power NudeLinxではZIN名義で活動している澤田天岳(まさたか)。

30vもちろんMarshallプレイヤー。今日はJCM900 4100と1960Aだ。

40vベースは岡田暁彦。同じくLinxからの参加だ。

50vドラムは元QUORUMの石川達也。

60v達也君はQUORUM時代から引き続いてのNATAL。
140v
12"、16"、22"のアッシュ・キット。

70おなじみの曲の数々をアレンジしてプレイするのがBLACKCOFFEE。
一曲目はMaroon5。

90v

寡聞にしてMaroon5のレパートリーはまったく知らないが、「maroon」という単語はFrank Zappaを通じてなじみがある。Mark VolmanとHoward KaylanのFlo & Eddieコンビだ。

100ゴキゲンなグルーヴ!

110v二曲目は東京事変だそう。
こういう曲が自然にセットリストに入って来るのは若い人たちならでは。

120v三曲目、アルトサックスはゲストで参加の名嘉(なか)達成。

130曲は「Change the world」。
この曲は人気あるネェ。自分の曲でもないのにグラミー賞を取ってしまうEric Claptonのアーティスト・パワーってのは本当にスゴイものがある。
Leon Russellと「Blues Power」なんて曲を作ってるぐらいだからね。パワーがあって当然か。

160

むせび泣くアルト・サックス。
そう、ロックにはアルトがいい。ロックンロールにはテナーだ。バリトンもいい。
アルトサックスがポピュラー・ソングに最もマッチしたプレイをしたのは間違いなく「Just the Way You Are」のPhil Woodsだろう。
「なかなか」なんて域を軽く超越する名嘉さんのプレイ!

150vガラリと変わってドカーンと「Burn」!

180v

ココでの聞き物はJon Lordのソロをベースで奏でた岡田さんのプレイ。愉快痛快!
後で訊いたら、コレハMr.BIGのアイデアだとか…だからこのベースなのね?!

170ハードロックはお手の物の達也君!暴れまくりです。

175Jamiroquaiの曲もプレイした。
ゲスト・ダンサーはDragon AshのDRI-V。

190ファンキーなプレイもお手のもの。
それにしてもNATALアッシュのサウンドのキレのよさよ!気持ちいい!

200v最後は「Come Together」。
ビートルズの曲はすべてそうだが、コレもやたら色々と料理される曲だ。それだけ密度が濃くまた深い。同時にシンプリシティが生み出すスキ間が多いということだ。名曲は偉大だ。人の感性を自由に引き出すから。

210v三人が一丸となって怒涛のごとく押し寄せる!

220vパワーみなぎるパフォーマンスは短い時間ながらとても見ごたえのあるものだった!

230vNATALは今日も働いてます!

240石川達也の詳しい情報はコチラ⇒おっさんの小部屋

250

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年6月14日 高円寺 Studio Kにて撮影)

2015年7月28日 (火)

オリンパス・ホール八王子のグッドモーニングアメリカ <後編>

グッドモーニングアメリカの『挑戦 㐧六夜』の<後編>。

10_2「楽しんでますか~…楽しんでます~…」。
お待ちかね(?)、たなちゃんのMCコーナー。
「いつでもゴロゴロ、腰イタイ…スッカリ必要、老眼鏡…コワくて帽子が、ハズせない!」…といういつものヤツで大暴れ!
ウソウソ、コレはわたしです。
「いつでも短パン寒くない」のヤツが正解ね。
この標語(?)もスッカリ定着してみなさん大合唱を楽しんでいましたな。

14v_2ここでは出身地を交えてメンバーを紹介。
サングラスをハズしたたなちゃん。
そして、いつも「ファイヤー!」で盛り上がる!

15v盛り上がったとろで、拍車をかけるのが「キャッチ・アンド・リリース」。

20_2イントロが聞えただけで割れるような歓声が沸き起こる!
40

そして立て続けに「空ばかり見ていた」。

30v演奏し慣れたグドモ・スタンダード。

50さらに「南風と太陽」。

60vメンバー四人とも付け入るスキのない鉄壁のパフォーマンス。
コンサート前半のハイライトとなった。

70_2ここで金ちゃんから。
「普段はライブハウスやフェスで演奏してるんだけど、今日はホールでのライブ。そこでいつもと違うことをやることにしました」と説明があった。

80_22012年10月、インディーズ時代の最後に2,000枚限定で発売したシングル『餞(はなむけ)の詩』に収録されている三曲をそのまま演奏したのだ。

90「恋愛三部作」と称された「あなたの傍に猛ダッシュで」…

100v「雨の日」、そして「餞の詩」だ。スゴイね、ドンドン歴史を積み重ねていってる感じがするね。

110_2ここで今日もグドモのバックラインを紹介しておこう。
ペギちゃんはNATAL(ナタール)。

120_2ブビンガのキットにアルミニウムのスネア。
最近、この「ロゴがいい!」とか「ナタールって名前がいい!」って言ってくれる人が増えて来ましてね。
うれしい限りです。一生懸命やっている甲斐があります。ホント、皆さんのおかげです!
ペギちゃん、ありがとう!

130たなちゃんはEDEN。

140WT-800のヘッドとD410XSTキャビネットが二台。
ものすごい存在感のある音を出しよる!

150vそして、幸一ちゃんはMarshallのJVM210Hだ。

155ここでメンバーは一旦ステージから降りる。
そしてステージのスクリーンにお宝映像が投影された。

156メンバーがステージに戻ればいよいよコンサートも後半だ!

220_2

「境界を越えて」…

160_2「inトーキョーシティ」…

245

「あなたに逢えて」…とここでも新旧取り混ぜてのチョイス。

170_2凱旋コンサートらしいシーン。
八王子のライブハウスに出演し、もがいて暮していた頃を思い返し、六年前に演った曲を感謝の気持ちを込めてプレイ。

210_2

「花」。

230_2

そして、場面は一転、本編最後の猛ダッシュの「未来へのスパイラル」!
240

250_2

200_2もうココは大合唱だよね。

S_img_0190_2 本編を締めくくるのは楽しい楽しい「イチッ、ニッ、サンでジャンプ」。

G_s41a5122 この曲は新しい曲だけど、思い入れの深い曲だ。
180_2
明るく楽しい曲調もさることながら…

190_2

グッドモーニングアメリカのプロモーション・ビデオに初めてNATALが登場した曲なのだ~!

G_s41a4823 燃えに燃えて本編終了!
トレードマークのロング・ボウ(長いお辞儀)でお客さんへの深い感謝を示す四人。

265
さて、コレは8月12日にリリース予定のニュー・シングル『ハローハローハロー』。
古い洋楽ファンにはBeggars Operaの『Pathfinder』を連想させてしまうかもしれないジャケット。
これも『ドラゴンボール・スーパー』のテーマ・ソングだ。
新鮮なグドモ・サウンドが二曲詰め込まれている。

S_gma_single さぁ、アンコール。

270金ちゃんがハンド・マイクで熱唱するのは最新のアルバムから「STAY WITh ME」。

280_2もう一曲は「いつかこういう場所で演ることをイメージして作った」という「喝采」。

290アンコールを入れて全18曲の熱演。

300_2大きな喝采を浴びるにふさわしい堂々たる演奏だった。

310またひとつ歴史を積み重ねたグッドモーニングアメリカ…

320次の大きな1ページは11月27日の日本武道館で開かれる!

325グッドモーニングアメリカの詳し情報はコチラ⇒Official Site

330

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年6月13日 オリンパスホール八王子にて撮影)

2015年7月27日 (月)

オリンパス・ホール八王子のグッドモーニングアメリカ <前編>

胃カメラ飲むのが好きな方いらっしゃいますか?
「バリウムが好き」という人がいるのは聞いたことがあるけど、さすが「胃カメラ好き」ってのは聞いたことないナァ。
もちろん私も大っキライ。それでも三回やったかな?
三回目の時は技術が格段に進歩していて、カメラの径が極端に細くなっていた。よって鼻から入れることができるようになっていたので、それに「挑戦」した。
口から突っ込むよりは全然ラクだった。ノドにカメラを通過させる時、「はい、カメラを飲み込むつもりで!」なんて言われる。苦しくはないのだが、コレが何とも心地悪い。唾をのむようにした瞬間ゴリッとカメラを押し込まれるのだ。
さて、この「胃カメラ」、日本人の発明だということはご存知か?
カメラ・メーカーのオリンパスが開発した。
元はゼロ戦のプロペラと機銃掃射のシンクロを研究していた人が開発に「挑戦」した。
ゼロ戦の機銃の弾丸は機体本体の前面で回っているプロペラの後ろから出て来る。
もし、弾丸の出て来るタイミングが合わなければ、自分でプロペラの羽を撃ち砕いてしまい、機体は推進力を失い即座に墜落してしまう。
つまり、あの弾丸は高速で回っているプロペラの羽と羽の間を縫って飛び出すのだ。
コレだけでもスゴイ技術だと感心する。
実際には、この技術はそれ以前からあって、ゼロ戦のエンジンをグレードアップする時に、後に胃カメラを開発することになるその人が担当したそうだ。
さて、この胃カメラ、やはり開発には相当な苦労があって、まさにそれは「挑戦」の連続だった。
まず、「カメラを口から突っ込んで胃の中をのぞいちゃおう!」という発想がすさまじい。
カメラの超小型化は必須なワケだが、大きな問題は照明だった。カメラは光源がないとフィルムが露光しない。
しかし、人間の身体の中は真っ暗なので、写真を撮るためにはカメラと一緒に照明も胃の中まで突っ込まなければならない。
また、カメラをそのまま突っ込むのも非常に危険だ。これにはゴム製の避妊具が使われたそうだ。
最初の頃は犬を使って実験に臨んだ。犬に麻酔を打ち、昏睡したところで避妊具に収めたカメラを犬の口から強引に突っ込む。
商品は急速に改良が加えられていったが、不幸にも胃壁や食道を破ってしまい、相当な数の犬を犠牲にしたらしい。
その後、ますますカメラは進化し、人間同士で試すことになっていったが、まだまだカメラが大きく、それを飲み下すのは地獄を見るより苦しかったという。
それなのにカメラにフィルムを入れ忘れて「ワリィ、ワリィ」なんてこともあって、被験者は激怒したらしい。そりゃそうだ。それほど苦しかったのだ。
以上の話しは吉村昭の『光る壁画(新潮文庫刊)』から抜粋した。大変おもしろい小説なので興味のある人は読んでみるとよろしいかと…。
人生、何事も「挑戦」だ!

そして、ここにも「挑戦」する4人の若者が…。

10『挑戦』と銘打ったグッドモーニングアメリカのホールコンサート。

20会場はグドモの地元、八王子の大ホール、オリンパスホール。
そう、だから胃カメラの話しをオープニングに持ってきた。

S_img_0055チャレンジャーたちは…
金廣真吾

30渡邊 幸一

40vたなしん

50vぺぎ

60ロビーにはファンからのメッセージが記された巨大な寄せ書きが!みんな「がんばって!」って応援してる。

70オープニングは2010年にリリースした最初のミニアルバムの最初の曲、「そして今宵は語り合おう」。(シングルとしてはライブ会場と通販限定で2009年に発売された)
ホールに集まった大観衆を目前に思い切り時計の針を戻した。

80幸一ちゃんはMarshall。

90vJVM210Hだ。以前ベテランから若手のギタリストまでを満足させてしまうJVMの優秀さについて触れた。
ね、この通り。血気盛んな若者のエモーションも見事に具現化してしまうのだ。

100JVMの裏にはスペアで以前使っていた1959が控えていた。70年代前半の4アウトプット期のモデル。

110たなちゃんはEDEN。

120ヘッドはWT-800。キャビネットはD410XSTが2台。

130vペギちゃんはもちろんNATAL。

140v本日初お目見えのキット。

150ブビンガだ。
フィニッシュはナチュラル。

160コンフィギュレーションは10"、12"、16"、22"。

170プレイヤー側から見るとこんな感じ。

180スネアはアルミニウムの14"x5.5"。ペギちゃんのお気に入り。ハードウェアもすべてNATAL。

190「フィニッシュが美しい!」という評判を頂戴しているNATALだが、とりわけコレは木目がきれい~!まるで高級家具みたいだ。
ブビンガは比較的重め。つまり木目が「密」ということで、その分音がソリッドだ。
ペギちゃんのパワー・プレイにベスト・マッチする。

200二曲目は「輝く方へ」。

2202,000人収容の大会場での演奏ということなどツユも感じさせないいつも通りの落ち着いたパフォーマンス。

230冒頭三曲は間髪入れない構成。
三曲目には約1年前にリリースした新しめのシングル曲「拝啓、ツラツストラ」を持ってきた。
『ドラゴンボール改』の曲。
コレは盛り上がるわ~。

240v_2

ホラ、ギンギンに盛り上がってる!

S_img_0190

幸一ちゃんから「色々な思い出がある八王子で凱旋コンサートができたこと、ありがとうございます!」とあいさつがあって、新曲を披露。

250このコンサートの三日前にリリースされた「コピペ」だ。

290v
時代の違いを感じるナァ。
タイトルからしてそうなんだけど、「♪SNSからSOS」とか「いいね」とか…我々が若かった時代にはカケラすら見いだせなかった設定だ。
パ行の言葉遊びもおもしろい。

260昨秋のメジャー・セカンドアルバム「inトーキョーシティ」から「何とかなるでしょう」。続けて2012年の「届いたらいいのに」をプレイ。

270v派手に新旧を取り混ぜたセットリストがいかにも凱旋公演という雰囲気を醸し出していてほほえましい。
「故郷に錦を飾る」という意味を英語で表現すると、この場合「Return to their hometown in glory」 となるが、まさに「Glory(栄光)」!
ちなみに「Old Glory」というのはアメリカ国旗のことを指す。

280グッドモーニングアメリカの詳し情報はコチラ⇒Official Site

300<後編>につづく

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年6月13日 オリンパスホール八王子にて撮影)

2015年7月22日 (水)

Sound Experience 16 <後編>

さて、『Sound Experience 16』の後半は座長、三宅庸介率いるStrange, Beautiful & Loudの登場だ。

10_2三宅庸介

20v今日もJVM210Hと1960Bの組み合わせ。それにしても、うまいこと使わはる!

30v_2足元のようす。
新しいヤツが上段の真ん中に入り込んで来た。

40山本征史

50v_2征史さんもMarshall。1992SUPER BASSだ。

60v金光KK健司

70vNATALのアッシュ。12"、16"、22"のコンフィギュレーション。

80珍しく一曲目に「petal」が出てきた。

90「ここでナニを弾くんだっけな…」と考えているワケではない。その場その場の閃きで音楽が変化するのが三宅ミュージック。

100v_2よどみなく流れ出るワン・アンド・オンリーのフレーズとMarshallがクリエイトする最高のギター・トーンでその音世界を楽しむ。

120_2そして、当意即妙…

160v
以心伝心のリズム隊の妙技も味わい深いところ…毎回書いてるけど。

M_s41a3840続いて「stratify」。SBLのテーマ曲的イメージ。

140「♪ギュイーン」の瞬間。
三宅さんはトレモロ・アームを多用する。ハードなアーミングからサトルなアーミングまで三宅さんの重要な表現手段のひとつだ。
しかし、どんなアーム・プレイをしても目立ってチューニングが狂ったところを見たことがない。
物理的構造的に音程が狂わないことはあり得ないので、チューニングが保たれているように弾いているのだ。
それと、ギターの日頃の手入れ。きっと『ストラトのポテンシャルを200%引き出す極意』を見て研究しているのだろう。

145ところで、今日の三宅さんはノッている。
大きさや質ではなく、一段と音に勢いがある。
何しろ動きも激しく、二枚上の写真で見られるヘッドに付けた飾りを二曲目にしてもうすっ飛ばしてしまった!そして、私の目の前にポトリと落ちた。
三宅さん、そのことすらまったく気がつかない入り込みようだった。
170v
続けて「murt'n akush」。まだこの世に出てそう時間の経っていない曲だが、スッカリ重要レパートリーの仲間入りを果たしている。

180

前回の『Sound Experience 15』で初披露した「devil」。これもいい!

150v_2手前味噌ながら、また今更ながら、JVMってすごいギター・アンプだと思う。
ま、そう思うのは極単純な理由なんだけど。
JVMは今風のエグイ激歪みをギンギンに出してコンテンポラリーな音楽を演出する一方、三宅さんやSHARAさんや令文さんのような伝統のMarshallサウンドを知り尽くしたウルサ方をも満足させる力を持っているのということだ。
言い換えると、JVMは自分自身の確固たるサウンドを持っている一方、誰にでも弾き手の意志を汲んで、何色に染められるフレキシビリティに富んでいるということなのだ。
JVM、今日も一生懸命働いています!

M_s41a3854征史さんが操るSUPER BASSの音もまったくもって素晴らしい。出過ぎず、引っ込み過ぎず、とにかく深く、あたたかく、そしてブ厚い。何よりも個性的な音だ。

130_2

そしてKKのNATAL。あまりにも広いダイナミック・レンジと鋭いレスポンス。やはりロックを知り尽くしたMarshall傘下のドラム・ブランドだ。

190v_2そのようにして見ると、このバンドは演奏、サウンドともにまさに「三すくみ」なんですな。
誰がカエルで誰がナメクジで誰がヘビとは言わないが、仲のよい「三すくみ」。三人が等しい力を持って釣り合っている。でも、視線はにらみ合っているのではなく、三人が同じ方向を向いているのだ。
そういう関係が音楽をおもしろくすることは間違いない。CreamやThe Who(四すくみ)みたいなものか。
曲は「Bloom」から「If」へ。もう終盤だ。

200v_2そして、この日のハイライトがここにあった。

210v_312分にも及ぶ「Virtue」。

220vこれぞ火花を散らす「競演」。怪我人が出るのではないか?というすさまじさ!

230v命の薄皮を剥ぐような演奏とはこのことか…フトそんなことを思ってしまった。

SBLは今週の金曜日(7月24日)、高円寺のSHOWBOATに登場するので乞うご期待。
今回はアコースティックでの登場ということではあるが、共演は原田喧太。
一体どういう組み合わせ?JVMつながりか?
いずれにしても楽しみだ!

240v三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒YosukeMiyake's "Strange,Beautiful&Loud"

250そしてアンコール。

260v両バンド入り乱れてのセッション。

270曲はMountainの「Nantucket Sleighride」…は長いヤツか…。「Mississippi Queen」だ!だって「ミシシッピー」ってスペリングが難しんだもん…と思ったけど、この単語、頭の「M」を除いたすべての子音が重なるのね…これで覚えた。
三宅さんとMountain、似合うようには思えないナァ。
280Mountainって最近よく人の口に上るような気がする。気のせいか。昔は私もよく聴いたもんでしてね、こういう連中が気張って演奏すると実によろしいな。

290vもちろんギター・バトルもタップリと…。
あるイギリス人ギタリストからLeslie Westが実際に使ったピックをもらったことがあったけど、体系とは正反対にペラッペラなんだぜ。

300メンバーが入れ替わっての二曲目。庄太郎ちゃんがマイクを握る。
アレ?どっちで紹介したっけかな。「Killing Floor」だったっけか「Lemmon Song」だったっけか。ここではHowlin' Wolfにしておこう。いずれにしても「I should've quit you」だ。

310ハイ、ここで英語のお勉強。または私の知ったかぶり。
イヤな人は飛ばしちゃって!

「I should have quit you」とはどういうことか?これは仮定法過去完了ですな。
副島隆彦氏の『英文法の謎を解く(ちくま新書)』によれば、この仮定法過去完了と第五文型(あのSVOCってヤツね)のふたつが「英語」という言語において最も洗練された表現なのだそうだ。
第五文型は「OがCするのをVする」というしゃべり手が実際の動作に関係していないというトリッキーさがスリリングだ。コレがもっと自由に使いこなせればどんなにカッコいいか…第五文型が使いこなせれば文章が格段に簡潔かつスピーディになるからだ。
一方、仮定法は、「時制」という日本語においては重要でない言語システムを利用して法(ムード)を作り出す。ムードというのは「実際にはしなかったんだけど、やっぱりあの時しておけばヨカッタな~」という後悔の念のこと。
仮定法現在、仮定法過去、仮定法過去完了と三種類取り揃えられていて、仮定法過去完了が最もわかりやすいし、使いやすい。
「仮定法現在」は使われることが少ないようだ。過去なのに現在のことを言い表す「過去法過去」が感覚的に一番わかりにくいが、他の言い回しで簡単に逃げられるので心配ない。
その点、この過去完了はよく使う割に仕組みがわかりやすいので、この歌で思えておくとどこかで役に立つかもしれない。
形は「should(またはcould)+have+過去分詞」。これだけ。コレで「~しておくべきだったのにな~」とか「~できていたらヨカッタのにな~」とメッチャ後悔できる。
優柔不断な私なんかには絶対に必要な表現だ。
じゃ、この「Killing Floor」はどうか?
この歌はタチの悪い女にとっ捕まって殺されそうになっちゃう話しだ。そんな女、コワくてイヤですよね?敬遠しておいた方がいいよね。そんな女と付き合ったら後悔するよね?
そこで仮定法過去完了の出番。
歌い出しは「I should have quit you a long time ago」だ。「should」は「~すべき」、後悔の念を表したいので仮定法過去完了にするために「have」をひっ付ける。
「quit」はパソコンの電源を落とす時なんかにも使う「やめる」という意味の言葉。コレ、現在も過去も過去分詞も全部「quit」で自制変化しない動詞。「cut」とかといっしょ。
コレを並べると「I should have quit you」。「you」とはその女のことだ。
すなわち「もっとずっと前にオマエと別れておくべきだったナァ」という意味になり…「でも実際には別れていない」…だから「こんな目に遭ってしまった」…となる。
こういうこともわかると尚一層、ロックがおもしろくなるのではないかと…。
The Beatlesにもあるよね。「恋する二人」と放題が付けられた「I Should Have Known Better」。「I should have known better with a girl like you」…意味はもうお分かりだろう。考えてみるとコレは「Killing Floor」と全く反対のシチュエーションですな。アンサー・ソングだったりして!
なんてエラそうに書いている私も英語には苦労しっぱなしだ。だから私の場合は、I should have studied English harder!
庄太郎ちゃん、気持ちよく歌ってるのにこんなつまらないこと書いてゴメンね。

320v征史さんのブルース好きはSTANDのジャケットを見れば一目瞭然だ。

330v英二さんも最後まで猛烈にパワフルなドラミングをキメて見せてくれる!

340v熱唱する庄太郎ちゃん!
第一部のMCではロック史のさわりにも触れてくれた。

350ここでも白熱のギター・バトル。
言うまでもなく三宅さんにとっての「Killing Floor」はJimiだ。

360Black SabbathやらJimi Hendrixやら、ナンダカンダでロックの根底がガッチリ地続きになっていることをわからせてくれるようなセッションだった!
次回も楽しみ!

3701965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版制作中!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年6月1日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)