SHOW-YA ~Glamorous ShowⅡ Release Tour FINAL~ <前編>
30年…。
SHOW-YAがデビューした30年前の1985年、自分はナニをしていたか…?
学業を終えて、社会に飛び出した年だ。
大正年間創業の、古くて固くて保守的な、比較的大きな会社でね…スーツを着て、ネクタイを締めて…サラリーマン人生の将来に胸を膨らませていたもんよ。
アレから30年…色々あって、今こうしてMarshallの扶持を食んでいることが実に不思議なんだけど、とにかくアッという間だった。
SHOW-YAにとっても、また30年間SHOW-YAを追い続けて来たファンにとっても、「30年」という時の流れの速さと重みにはひとかたならぬものを感じていることだろう。
そして、30周年を記念して飛び出してくる数々のSHOW-YAの企画に、ファンの皆さんは狂喜乱舞しているハズだ。
今日の記事が伝えるところもそのうちのひとつ。
今年5月にリリースされたカバー・アルバムの二作目『Glamorous Show II』の発売記念ツアー、その千秋楽だ。
sun-goさんのMarshallはいつも通りのJVM410H。キャビネットが1960BDM。
そして定番の「嵐」ポーズ。
ハイ、さすがにこの辺りのシャッター・チャンスは逃しません。
大歓声に応える恵子さん!今日もノリノリだぜ!
誰かに指摘される前に説明しておきましょう。
実は、ここまで前回のAiiAの時のレポートと概ね一緒なの。
この場にいて、ホンモノをご覧になっている方には私の気持ちがお分かりいただけると信じるていが、この筆舌し難いオープニングの昂揚感を何とかして画面で伝えたいと思ってのことなのだ…手抜きじゃないよ。
いつもならドドドドっとパワフルな曲を続けて演奏するところだけど、今日は違う。
恵子さんのMCが入る。
ニュー・アルバム『Glamorous Show II』に関する話し。
「カバー曲だから自分が知ってる曲は盛り上がってね!」
結局全曲盛り上がったよ。
で、ここから怒涛の新譜レパートリー・ラッシュ!
まずは「眠れない夜」。
1974年の泉谷しげるの曲。
今はスッカリ役者さんやタレントになっちゃった泉谷さんだけど、こんなにカッコいい曲を残している。テレビには出なかった頃の作品だ。
私はフォークやニューミュージックに夢中になったことはなかったが、1977年に晴海の国際貿易センターで開催された『ローリング・ココナッツ・レビュー』で観た泉谷さんはカッコよかった。
それを観た時、私は中学3年生だったが、白いスーツに身を包んだCharさんがムスタングを下げて登場し、泉谷さんと共演したエキサイティングなステージは忘れられない。
Charさんがトリルをしながらアーム・ダウンしているのを見て、「アレ、ああやってんのか!」とトレモロ・アームの使い方のひとつを発見して大層感動した。
当時はビデオも気の利いた教則本もなかったからね、そうやってひとつひとつ研究したり、自分で考えて練習するよりギターを上達するスベがなかった。
ネェ、sun-goさん、そうだったよね?!…「そうそう!」…ホラね。
どうでもいいけど、この曲のメロディ、メチャクチャSHOW-YAにマッチしていると思う。
コレは2月の関係者を集めてのお披露目会の時に初めて聴いた。
「♪黒く塗りつぶせ~」のドスの利いた恵子さんの歌い方がカ・イ・カ・ン。そのパートのバッキングのパターンが最後のリフレインのところだけ違うところもエラくかっこいい!
コレも中学の時初めて聴いた。
私の友人に安藤というストーンズの大ファンがいたので、その時すでに「Paint it Black」を知っていて、このタイトルを聞いてビックリしたもんだ。
で、その安藤が『ドアを開けろ』を持っていたので聴かせてもらった。コレも中学3年生の時の話し。
「ゲンノーサティスファイ」?「ゲンノー」って何だろうな?まさか「カナヅチ」のことじゃあるまいな?と思った。ウチの父は大工で、カナヅチのことを玄翁(げんのう)と呼んでいたことを知っていたからだ。
子供の発想は無限大だからね。私にもそんな頃があったのだ~!
コレまた恵子さんにピッタリの曲だ。うまいこと選ぶナァ。
この曲、「ハリケーン」とか「Night & Day」とか同じ言葉を繰り返すでしょ?それがすごく耳に残るんよね。
「今夜は眠れそうな予感!
もうすぐSHOW-YAも30周年。去年からの企画でカバーをやっているけど、今回は男性ソロ・アーティスト特集。
ヤ~よね~。女あつかいして欲しいわ~」
SMAPの中居くんに「聖子ちゃん演ればいい」っていわれて「メタル聖子ちゃん」をやってるとか…メッチャ聴きたいんですけどッ!
「よく同じメンバーで30年もやってると思うよ。コレもひとえに私のおかげです…ギャハハ!」
今日も絶好調の恵子さんのMC。終演後笑い声がデカすぎと恵子さんに言われてしまった!ゴメンちゃい。でも恵子さんのMC大好きなんだもん!
「それじゃsunちゃん、勝手に弾きやがれ~!」
で、ジュリーの「勝手にしやがれ」。
コレも2月に聴いた。
大胆なアレンジに驚いた。
「一体何が始まるんだ?」というsun-goさんのギターによるイントロも印象的なんだけど、ギター・リフを堅持するがためのリハモが大胆すぎる!
コレも77年何だね。
この曲は、も~~~のすんごく流行った印象がある。
洋楽ロックばっかりで歌謡曲を聴かない私でもほとんどそらんじて歌えるもんね。本当に昔の歌謡曲ってのは想像を絶するほどのパワーを持っていた。
民衆がまだまだいい音楽を欲していた時代だっただね。
ちなみ「アンタその頃ナニを聴いていたの?」と問うならば…初めてFrank Zappaのアルバムを買ったのが中学3年の時で、『Fillmore East, June 1971』だった。
で、『Glamorous SHow II』を聴いた時、そんな耳なじんだ曲だったので、このリハーモニゼーションはチョットしっくりこなかった。
何かがノドに引っ掛かって飲み下させない感じと言ったらよかろうか?
歌メロの2小節目はコードが変わって欲しいのだ。
ところが!
今回ナマで聴いたらそんなもん飲み下してとっくの昔に出し切ってスッキリしてしまった(失礼!)。
完全にロック・チューンとして、寸分のスキもなく出来上がっていたからだ。
さすがSHOW-YA、完璧なROCK-YAだ。
井上陽水の『青空、ひとりきり』。
ま、こういう企画だから言うだけヤボなんだけど、これも実にシックリ来るな~。歌詞とメロディが恵子さんの声にピッタリだ。
またしてもアレンジがピュアなハード・ロック。キャプテンのキーボード以外はギター・リフに乗っかってワン・コードを貫くAメロ。正統派ロックの手法だ。UFOみたいじゃんね。
コレでいいのだ!コレがいいのだ!
mittanのドラミングが最高にカッコいい!
一番アンニュイなヤツが一番ヘビメタになってしまった…という、
かまやつさんの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。
ありません。タバコやめてソロソロ10年になるし。
個人的にはコレが一番ヨカッタ。
ハッキリいってメチャクチャすごかった!
CDを聴いている時はそうでもなかったんだけど、ライブはチトわけが違ったわ。
ステージを駆け巡る恵子さんのセリフ調ボーカルと…
4人のバックの演奏がいいように化学反応を起こしちゃって、そりゃスゴイのなんのって!
だから「生」はおそろしい。
もうステージで何が起こっているのがわからないぐらいの押し寄せるスリル感。
この曲だけはシャッターを切らずにジックリ観たかった!(実際にはジックリ観てる)…それぐらいマイッタ。
リズム感がいいせいか、気風がいいせいか、恵子さんのアコギってソリッドでカッコいい。
恵子さんのアコギ曲、もうひとつはグッとコンテンポラリーなチョイスで斉藤和義の「やさしくなりたい」。
この辺りはエキサイティングな後半に向けての一種のインタールード。
オリジナル、カバーの別を問わずハードなステージに終始するSHOW-YAのグラマラスなショウの中にあって一種の清涼剤、あるいは後半に向けてのビタミン補給的な瞬間。
とはいえ、おなじみのメロディをSHOW-YA風に聴かせる魅惑のひと時でもあった。
ブルーを基調としたsun-goさんのイメージにピッタリの新ギター。
よくお似合いですぞ!
後ろの席のファンの方へ…恵子さんの左足に輝くロザリオだよ。
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト
(一部敬称略 2015年7月20日 豊洲PITにて撮影)