MEJIBRAY~4周年記念全国TOUR 「毒」
赤坂BLITZに行くと、ずいぶん前からこのポスターが貼られていて、チョット気になっていた。
…というのは、ルックスだけでなく、「盈虧」とか「毒」とか刺激的な漢字と「ネペンテス」という妙な耳触りの言葉。
一体どうなってんだろう…と興味を持った。
40年前なら「ショック・ロック」というカテゴリーに繰り入れらていうたであろう、ゴシック調のオドロオドロしいイメージのバンドが私はキライではない。
その気になっていたのが今日Marshall Blogに初登場のMEJIBRAYだ。
ある友人の紹介でお近づきにならせて頂いたが、聞いたらアータ、バリバリのMarshallバンドだっていうじゃない?
楽しみは倍増したというワケ。
開場前の赤坂サカス周辺にはそれらしい男女がイッパイ!
この日はMEJIBRAYの4周年を記念するツアーの千秋楽だ。
ステージにはMarshallの壁!
もうコレだけでロック・フィーリング満点。世界のロック史上もっと「ロック」なアイコンだ!
コレをはじめて目にしてから40年近く経つが、いまだにカッコいいと思うわ。ただの黒いハコが並んでいるだけなのにね~。
今年はスタックが誕生して50年の年に当たる。
それでMarshallの25周年を記念したモデル2555の復刻を企画したんだけど、50年、ほぼその姿を変えていないんだからスゴイ。
レスポール、ストラトキャスター、そしてMarshall…名器は姿を変える必要など何もない。それこそがオリジナルのみが持つ底知れぬパワーだ。
それにしても後を絶たないコピー・モデルたち。そんなに「オリジナルより優れている」と思うのなら自らのオリジナル・デザインで勝負すればいいのにナァ…といつも思う。
Marshallのスタートは、中身こそBassmanを礎にしているが、デザインはジムのオリジナルだ。
そのデザインがMarshallならではのサウンドを生み出したのだ。
さて、MEJIBRAYの4周年記念ツアーの千秋楽。
客電が落ち、オルフの『カルミラ・ブラーナ』が大音量で流れる中、メンバーが登場。
超満員の会場に興奮が渦巻く!
実際に鳴らしているのはステージそでにセットされていたJVM410Hだ。
かなりコンテンポラリーなトーン。もちろんJVMが得意とするエリアのひとつだ。
オープニングSEの「猛毒」から一曲目の「醜詠(しゅうえい)」につなぐ。
「醜詠」は綴の造語で「醜い中の美しさ」というような意味らしい。何でも「詠」という字が好きでそこから発想を膨らませた。
こういう感覚は面白い。日本のバンドにしかできないワザだ。(中国のバンドもできるか…)
この話を聞いて昔、清志郎がインタビューで苗字の由来を訊かれ、「『忌』って漢字がカッコいいから」と答えていたのを思い出した。
今年の4月にリリースされた12枚目のシングル。ジャケットは三種類用意された、そのうちのふたつが下の写真。
「ネペンテス(nepenthes)」というのは「ウツボカズラ」のこと。
私はたまたまこの単語を知っていたので、冒頭に書いた通りポスターを見て「オヤ?」と思い、そして興味が湧いたのだ。
ちなみにこのウツボカズラというのは、「pitcher plant」とも呼ばれている。形があのビールのピッチャーに似てるからね。
食虫植物(carnivorous plant)をテーマにする感覚がいい!
ちょっと不気味なギターのアルペジオに導かれるドヘヴィなスピード・チューン。4分の間にコロコロと場面が変わる聴きどころ満点の一曲。
続いて「蜈蚣」。これは「ムカデ」…難読漢字のひとつだろう。勉強になるな、MEJIBRAYは。
綴のデス・ボイス炸裂のこれまたべヴィなナンバー。ナニを歌っているのは一切わからないが、何しろ迫りくるパワーがスゴイ!
「DIE KUSSE」、「サバト」、「マダリ」、「RAVEN」、「Sadisgate」…
何の愛想もなく、地面を揺らすような極力なヘヴィ・チューンを黙々と奏で続ける。
SEが流れしばし静寂の後はシットリ・ナンバーの「EMILY」。
ミディアム・テンポの「これを依存と呼ぶなら」をジックリと聞かせる。
大サビの綴の絶叫が印象的だ。
続けて13枚目のシングル『盈虧』。この曲も三種類のジャケットをまとって登場した。
「盈虧」は「えいき」と読み、「月の満ち欠け」を意味する。ゴシック漢字だね。
これもメディアム・テンポのヘヴィ・チューン。
表現力豊かな綴の声とMiAのギターが曲を際立たせる。
リズム隊も強力だ。歯切れのよいドラム。
ベース・サウンドも実に独特!リッケンバッカーがこの手の音楽に使われているのを見るのは初めてだ。
一転してハデハデなダンサブル・チューン「DECADANCE-Counting Gaots…If I can't be yours-」。
他の曲同様、この曲のPVにもJVMが登場している。
2分ほどのインターバルをはさんでショウは最終コーナーに突入する。
ここからは怒涛!
ハードに攻め立てる「KILLING ME」…
リフがカッコいい「原罪の林檎」。ウン、カッコいい曲だ。
「原罪」とはアダムが神様の命令に背いて人類史上初めて犯した罪のこと。
「アプリオリ」のMiAのギター・ソロにニヤッとさせられて「月食」へ。
まだまだ続く暴虐のヘヴィ・ナンバー…「枷と知能 -それってとても人間らしいって神様は笑ってるの- 」。
そして、本編を締めくくる18曲目は「アヴァロン」。
何しろトコトン狂熱を感じさせるMEJIBRAYのステージ。
一糸乱れぬ観客のノリも最高!
観客の男性比率がすごく高いことにも触れておこう。
「砂に還りしキミ走る」、「シアトリカル・ブルーブラック」と続く。
MCを挟んで「カルマ-瓦礫のマンティコーラース-」で熱狂は何度目かの最高潮に達する。
続いて「Dicergence」。
アンコールでは五曲を演奏しメンバーはステージを後にした。
下は8月5日に発売されたばかりの三枚目のミニ・アルバム『VENOMS.app』。
今回も三種類のジャケットが用意された。
一度きりのアンコールでは収まり切らない観客の前に登場した四人は、真紅の照明の中、そのミニ・アルバムの中から「VENOMS」をプレイして4周年記念全国ツアーの幕を下ろした。
今月末にはモバイル会員限定で東名阪のツアーを敢行。
9月5日には『盲目の猫を殺した猛毒』と銘打ったワンマン・コンサートを日比谷野音で開催する。
また、10月と11月には それぞれ『パラダイム・パラドックス』と『SECRET No.03』というシングルを連続リリース。
さらに11月から12月には『NEXT MAJORITY VENOMS』なる全国ツアーが決定している。
まさに八面六臂の活躍を見せてくれるMEJIBRAYなのだ!
MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Site