Kenta Harada meets Strange, Beautiful and Loud~原田喧太&三宅庸介
コレはなかなかに珍なる組み合わせ!
今日の記事のタイトルの「~」から前は舞台となったライブハウスが付けた企画の名前。
原田喧太のライブに三宅庸介が客演するということになる。
事前に喧ちゃんに問えば、アコースティック・ライブとのこと…。
え、?そんじゃ三宅さんがアコギでStrange, Beautiful & Loudを演るってこと?
観てみたい!!
「Strange」になるか、「Beautiful」になるか…少なくともLoudにはなるまい。
…ということでナニがどうなるか当日を楽しみにしていた。
結論。
喧ちゃんはアコギの弾き語り、Strange, Beautiful & Loudはトリオ演奏というカップリング。
ま、そうだろうな。
落ち着いて考えれば、そういうことがあったって特段おかしくはない。
でも、そうなら喧ちゃんだってバンドで出るのが普通のような気がしないでもない。
まるで、プロレスの試合にフィギュア・スケートの選手が出るような…。
ま、そこが見どころのひとつでもあったワケね。
そういうことで先発は三宅さんチーム。
『Sound Experience』でおなじみのStrange Beautiful and Loudだ。
三宅さんのレパートリーの中で最も新しい曲。
いかにもMarshallとストラトキャスターのコンビネーション・サウンドを意識して作ったかのような曲だ。
SBLの曲は三宅さんの手によって書かれるが、最終的に音楽作品として仕上げていくのはこのリズム隊の二人を含めての話し。
試行錯誤を続けて、三人の演奏がこなれていくたびに曲のステージがグングン昇華していくのだ。
それがこういうフリー・フォーム重視のバンドの見どころのひとつ。
そして、こなれた演奏が生み出す瞬間の化学反応を見逃してはならない。
二曲目はセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』収録の「mani」。
久しぶりの登場。
CDではギターの多重録音が用いられ様々な表情を見せるが、ライブでは「ワイルド」のひとこと。
ロンドンの空のように鉛色にドンヨリとしたヘヴィな曲だが、ドラマチックに展開する起伏の激しい曲調は聴く者を惹きつけて離さない。
三宅さんのMarshallは今日もJVM210Hと1960B。
もはや何の違和感もないJVM。
三宅さんも色々とセッティングを試してきたようだが、いよいよそれも落ち着いて来て完全に身体の一部に組み入れたようだ。
フル・バルブ・アンプでなければ到達し得ない音世界。分厚くて、太くて、深くて…エレクトリック・ギターという楽器の音色の魅力がココにこそある。
征史さんはいつものMarshall 1992SUPER BASS。
これまたプレシジョンとの組み合わせが素晴らしい。
金光さんはNATALアッシュ。
『Orchestral Supreme』のレコーディングではバーチのキットを使用したが、アッシュでもバッチリ。
ライブ会場の隅々にまでいきわたる歯切れのいいサウンドがとても音楽的で気持ちがいい。
三曲目に「bloom」。
三宅さんの作品では古い部類に入る曲。演奏される機会も多い孤高の「三宅ワルツ」。
この曲も暗く、重い。
しかしその雰囲気に切り込んでくるテーマ・メロディが私は好きだ。
元より三宅さんの曲にノーテンキな「スチャラカ節」やコピーの類は一切ないが…。
征史さんのベース・ソロもガツンとフィーチュア。
音を追うごとに熱を帯びていくフレーズの連なりがスリリングだ。
おかげさまで、ミュージシャンや音響スタッフの皆々様方からいつも好評を頂戴するNATAL。
本当にありがたい。
KKもNATALの鳴らしどころを完璧につかんでいて、実に巧みに三宅さんの音楽にドラムを組み込んでいく。
ところで、KKというは「金光健司」の頭文字かと思っていたが、正式には「ケンケン」の略称だった。
さぁ、次回からステージのKKに呼びかけよう、「ケンケ~ン!」と!
「murt'n akush(マラケシュ)」も『Orchestral Supreme』から。
「Marshallとストラトキャスターの組み合わせによる低音リフ」というアイデアから生まれた曲。
ほとんど全編を貫く5/4拍子のヘヴィ・チューンだが、三宅さんの曲にあっては親しみやすい作品だろう。
良質の変拍子の曲は「変拍子」を感じさせない。
そして「if」。
私の中では「三宅庸介のテーマ」。
三宅さんの曲の中で一番最初に覚えたメロディがこの曲の中にあるから。
三宅さんのステージを観た回数はもう数えきれないほどになるが、正直、まだ題名が一致しにくい曲があって、記事を書くたびにCDを引っ張り出して確認している。三宅さん、ゴメンちゃい。
もちろん、曲は全部知ってる。
もっとも三宅さんの曲を聴いて一回で覚える人がいたら、その人にはすべてを捨てて音楽家になることをオススメする。
で、CDを聴くにつけ感心するのはそのギターの音だ。
特に二枚目の『Orchestral Supreme』。
このアルバムのレコーディングの様子をかつてMarshall Blogでもレポートしたが、コレ、聴けば聴くほどギターの音がスゴイ。
エンジニアのテルさんの仕事も素晴らしい。
三宅さんが凝りに凝って丹精込めて録音したものだから当然なんだけど、Marshallとストラトキャスターの組み合わせによる、ギターの音色の魅力がパンパンに詰まっているのだ。
音楽とともに「ギターの音」を意識して聴くべき一枚。
やっぱりどんなにデジタル技術が進歩してもアンプは真空管にはかなわない…ということを如実に表したという意味でも私にとっては名盤の一枚なのだ。
おなじみの「virture」を演奏して出番を終えた。
バンドとしての一体感が増し、毎回ステップ・アップしているかのような演奏を聴かせてくれる三人。
同時に三人とも演奏する楽しさが増しいるように見えるのは私だけかな~?
三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful and Loud
続いて原田喧太が登場。
大音量から突然の大幅な舞台転換!
喧ちゃんも「順番が違うんじゃない?」なんて言ってたけど、タマにはこういうのもイイじゃない?!
Marshallの出番はないけど、喧ちゃんの弾き語りは好きだ。
弾き語るだけではなくて、ループを使ってギターのひとり多重奏も取り入れられた。
しかし、「弾き語り」ってそうして「語り」なんだろうね、歌ってるのに…。
自作曲、カバー曲、そして鮫島さんと組んでシリーズで展開している『唄い繋いでゆく旅』からのレパートリーを披露した。
原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site
そして、アンコール。
ステージには三台のMarshallハーフ・スタックということは…
そう、喧ちゃんがSBLと共演したのだ~!
曲は「Superstition」…
当然、ギター・バトルもタップリと!
喧ちゃん、水を得た魚状態!
ケンケンも鉄壁のドラミングでフロント陣をインスパイアする!
そして「Crossroads」まで飛び出した!
結果、何しろフリ幅の広いライブになった…というワケ。
おもしろかった~!
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
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★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2015年7月24日 高円寺SHOWBOATにて撮影)