グワ~、スゴイ人出だよ。
今回、実際に会場を訪れた人の数は16万1千人。
どういう状態を指すのかはわからないが、インターネットで参加した人は612万人だそう。
612万人がどれぐらいの数かというと、それこそこの超会議が開かれている幕張メッセがある千葉県の人口が622万人だそうだ。
ということは、ディズニーランドでミッキーマウスの着ぐるみに入っている人から、九十九里の漁師さん、習志野の落花生農家の皆さん、鹿野山神野寺の僧侶…と、千葉県民全員とほぼ同じ数の人たちがパソコンやスマホと首っ引きで『ニコニコ超会議』に参加したことになる。
一体全部でいくつのブースが出展されているのかは知らないけど、チョットやソットじゃとても回り切れない!
次のNATALの出番まで、イヤイヤ、時間の許す限り会場をくまなく見て回ろう。
どれもこれも何をやっているのかは、相変わらずにわかには理解しがたいんだけど、とにかく賑やかで見ていて飽きることがない。
しかし!
一見してわかるモノもある。
そう、Marshallね。
この黒と金と白の雄姿。
チャンとココでも活躍してた。
「ば・か」か…そう!
こんなところへ来てもMarshallが気になる「マーシャルばか」なのです。
コレなんかJCM900時代のコンボだからね。
すごく興味を引かれたのはブースのスポンサーだ。
日本を代表する大手企業ばかり。
このダンスの体験ブースは日本航空の後援。
NTTも。
元はといえば、日本航空は半官半民、NTTの前身の「電電公社」は「専売公社」、「国有鉄道」と並ぶ三公社の内のひとつですからね。
文化だけでなく、ニコニコが日本の経済の一部を動かしていることは間違いない。
NTTなんかマンホールの鉄蓋の歴史まで開陳しちゃって…私はこういうの好きなんだけど、他には誰も見ていなかったナァ。
結構驚いたのはコレ…自衛隊のブース。
12式地対艦誘導弾を発射するためのシステム。
ミサイルが全長約5m、重量が700kg。
あまりの大きさにビックリ!
形式は異なるけど、こういう感じのヤツ…一式で500億円だって。
三菱重工謹製。
まいだーりー!
こんなんもあったよ。水陸両用装甲車?
コチラも三菱重工さんの製造みたい。
GDPの1%の一部がコレに使われたんだね~。
これからは2%だよ!
制服を着て記念撮影ができるようになっている。
コレは陸上自衛隊。
制服だけでなく、戦闘服を着用することもできる。
うれしそうだね。
こんな感じ。
「#予備自衛官」のハッシュタグを忘れるなよ!
日章旗…コレは断じてLOUDNESSじゃありませんよ。
海上自衛隊だ。
ココのブースで気になったのは壁に貼ってあった「自衛官募集」のポスター。
女性初の士官をはじめ、女性の隊員の写真ばかりが載っている。
そのどの女性自衛官もすこぶるカワイコちゃんばかりなのだ。
そばにいた女性の隊員にこのことを尋ねると、そのポスターのカワイコちゃんにつられて志願する男性隊員も実際にいるのだそうだ。
それを説明してくれた女性隊員もなかなかの美人だった。
敢えてこのあたりのことについては意見をさし挟まないことにしておく。
さいなら!
当然といえば当然か?…「テツ」のブースもあった。
ブース内イベントも大人気!
「静岡鉄道」とか「大井川鐵道」とか、ヤケに地方色が濃いところが面白い。
阪神だの阪急だの、エリアが広い!
コレは東京の地下鉄のブース。
車内に掲示している案内板や…
つり革などを販売していた。
エ~、ハゲ対策のブースまで?!
あの黒い粉か~!
『ハゲどっと来い!』だって。
コチラは完全に地方色。
ふるさと自慢のブースで『超岩手県2018』。
岩手まで「超」か!?岩手を超えたら青森じゃん?
他にも高知の土佐だの鹿児島の曽於とか…エ、コレなんて読むの?「そお」か…。
下は淡路島の洲本市のブース。
タマネギもらっちゃった!
タマネギを頂いたお礼に洲本市のPR。
コレもブースで頂戴した洲本市の携帯ストラップ。
「アレ?この形、どっかで見たことがあるぞ!」って言ったら、市章がミッキーマウスの逆さまの形なんだって!ブラック企業のブース。
「ブラック企業には気をつけましょう!」ということね。
休んでる人も多いな…何せ広い!
将棋と囲碁のブース。
ひふみんも来てたよ。
左のピョコッと出ている「叡王戦」というのはニコニコを運営しているドワンゴさんの将棋タイトル。
一番新しいタイトル戦だ。
私は将棋は全くわからないが、棋士には大変に興味がある。
「アタマの中がウニになるほど考えて、考えて考えまくる」というこの競技。
そんなのやっぱり普通の人では務まりませんからね。
ひふみんもスゴイ記録を持っているけど、現役時代には最後の最後、つまり完全に負けが決まる一手を指されるまで「負けました」とは言わなかったとか。
先を読めば勝つ見込みが全くない対局でも最後まで「参りました」とは言わなかった。
ナゼか…。
「負けました」と言わざるを得ない直前に相手が心臓マヒで死ぬかも知れないから…というのだ。
死んだら負けだからね。
「勝負」への凄まじい執念!
そういう人たちが集まっている世界だから面白くないワケがない。
そういえば、Marshall Blogで将棋について触れるのは初めてのことかな?
それにしても将棋ブームだよね~。
聡太くんサマサマ。
そうなんだよね。
相撲なんかもそうだけど、若きスーパースターが出て来ると業界ってのはガツンと盛り上がる。
今、落語もそうらしい。
誰に人気が集まっているかはわからないけど、人気の若手噺家を目当てに若い人たちが寄席に足を運んでいるらしい。
それによってベテランの噺家も若い人の間に名前が浸透しているのだそうだ。
そんな人がヘビメタ界に現れてくれないかね~。
ブースには人気棋士の直筆の座右の銘扇子が展示されていた。
渡辺明永世竜王&永世棋王。
佐藤康光永世棋聖。
そして藤井聡太七段。
今、「王座」のタイトルに向かって爆進中。あと2勝でタイトル戦への挑戦権獲得。
きっとやるでしょ。
史上最年少「王座」生まれるかも知れない。
この本をご存知?
『花と蛇』等のベストセラーを書いた官能作家、団鬼六が書いた『真剣師 小池重明』という、ある将棋指しの伝記小説。
死ぬほど面白い。
一昨日、久しぶりに本棚から出しで読みだしたら止まらなくなってしまって、昨日3回目を読み終えた。
ジャズ・ミュージシャンで言えばチャーリー・パーカー、ボクシングで言えば矢吹丈のような破滅型にいて規格外に強かったアマチュア棋士の悲惨な物語。
今やロックなどは最たるモノだけど、プロとアマの境目がなくなってるでしょ?
つまり、どの分野でもプロのレベルが低くなり、アマチュアの実力が上がった。
その中にあってどうしてもアマチュアがプロに歯が立たない種目が日本にふたつあるそうだ。
それは「相撲」と「将棋」なんだって。
この小池は素行があまりにも悪く、チャンスが幾度かあったにもかかわらず、終生プロになることができなかったが、バッタバッタとプロをなぎ倒し、対局の後にこう言った。
「ありがとうございました。拾わせて頂きました」
カッコいい!
これが負けた相手のプロ棋士の神経を猛烈に逆なでしたとか。
羽生善治は小学生の時に小池の対局を実際に観ていて、「型破りだが、とにかく強かった」という感想を残している。
聡太くんはチャンとこの人の研究をしているらしい。
ガラっと変わって…こういうホラーものも当然取り揃えている。
この子、日がな一日こんなことをしている。
「あ、ゴメン!うまく撮れなかった!」と言うと、「ンガ~」と声を出しながら、また別のポーズを取ってくれた。
いいゾンビだ。
さて、やっぱりコレはハズせない…というか、メッチャ面白かったのがコスプレの皆さん!
コレは館内のコスプレ・ブースに設置されているセット。
会場の建屋の間のスペースがコスプレ・ゾーンになっていて、そりゃもう大騒ぎ!
この手のイベントの「花」ですな。
何を倣っているのかはサッパリわからないが、華やかでとてもよろしいな。
ジックリ見て回っちゃったよ。
このポーズがいい。
カメラを向けるとシュピっとポーズをキメてくれる。
こういう小道具がまたスゴイ。
そんなに大きなモノどうしたの?
電車で持って来たの?
私も普段仕事で使っている大きなカメラを持参してもんだから、少しカメラを構えると皆さん積極的にポーズを作ってください。
「イヤイヤ、私違うんですよ!」なんて言うのもヤボなのでガンガン撮らせて頂いた。
一方、マニアの皆さんはスゴイよ!
かなり本格的な機材を持ち込んでの撮影なの。
で、コスプレの皆さんは、実に柔軟にカメラマンたちのリクエストに応えてくれる。
横で見ていて気が付いたんだけど、ナゼかみんな「座ってくれ」というリクエストを出すんだよね。
アレはどういうことなんだろうか?
着ぐるみの中にスッポリ入っちゃって全く動かない人たちもいる。
メンズだって負けちゃいない!
このヒーローものなんかは結構お金がかかってるんじゃないかしら?
この人はやたらと後ろを見せていたよ。
コレなんかは相当大がかり!
シアワセのホワイト・タイガーが覆いかぶさってる。重いだろうにナァ。
とにかくスタイルも十人十色でおもしろい!
やっぱり可愛いのがいいナァ。
「コスプレにトライ!」みたいなコーナーもあった。
自由に身につけてアナタもコスプレを楽しんでね!…ってヤツ。
コスプレ衣装の修理屋さんまで用意されてる。
コチラはフェイス・ペイントのコーナー。
ココも人気だったよ~!
さぁ、第1日目もソロソロ終盤。
イヤ~、しっかしスゴイ人!
『超演奏してみた』に戻って来た。
ココだって大和証券がスポンサーだからね。
この日のトリを務めたのは「紅い流星 with 東京アクティブNEETs」。
トランペットは「ヒロコマン」こと古屋ひろこ。
トロンボーンは枡家小雪。
テナー・サックスが山石本薫。
キーボーズは紅い流星。
蒼い刹那のベース。
パーカッションに金山敦史。
そして、「白いイブリガッコ」こと伊藤ショボン太一。
だ~か~ら~、ショボンちゃんのドラムスはNATALね。
素材はウォルナット…クルミ。
フィニッシュはイブリガッコ色のナチュラル。
ステージはMarshall JCM900 4100の姿も!
使われなかったけど…だって東京アクティブNEETsはギタリストいないんだもん。
でも、ステージにこの黒と金と白の四角いヤツがあるだけでライブ感が倍増するからフシギ。
「ハイ、お待たせしました!」と浴衣姿の7人が現れると、客席から大きな歓声が上がった!
もうこのチームは「お祭り」という言葉がピッタリとハマる。
そのハジケぶりが気持ちいい。
ココのお祭りには「影」などない。
いつでも「本祭り」だ。
流星さんをはじめ、東京アクティブNEETsのほとんどのメンバーはつい先日Marshall Blogにご登場頂いた。
ヒロコちゃんのビッグバンドだ。
今日も仲良しの小雪ちゃんと息の合った演奏でカッ飛ばす!
加えて山石さんのテナーが唸りを上げる。
しかし、いいね…3管ってのは。
誰が考えたんだか、トランペットとサックスにトロンボーンが1管加わることでものすごくサウンドがふくよかになって、アレンジによってはとてもスリリングなハーモニーを生み出す。
私はジャズ・メッセンジャーズも3管編成の時代が好き。
流星さんのMC。
「今年でナント10周年になりました!プライベート・スタジオを作っちゃおうかと思います」
おめでとうございます!
そして最初のゲストを紹介した。
ヴァイオリンのTAM。
国内はおろか世界中を一緒に回っている盟友。
曲はアニメのメドレー。
2000年代、90年代、80年代とさかのぼっての選曲と構成。
ん~、わかったのは子供が小さい時に少しだけ見ていた「セーラームーン」と「クレヨンしんちゃん」、それと「ドラえもん」ぐらいか…。
80年代ったって中盤からはもう社会に出て働いていたからナァ。
しかし、密度の濃いアレンジと圧倒的な演奏で十分楽しめる。
「次は2000年以降のアニソン・メドレーを演りたいと思います」
もうダメ。
全くわかりませんでした。
でも、会場のお客さんには大ウケ!
後半はTAMさんの他にもゲストや飛び入りを迎え盛り上がり度がアップ。
最後は先日のヒロコマンBIG BANDでも取り上げられた人気曲「Native Face」で締めくくった。
今日もヒロコマンはギンギンに盛り上がってますナァ。
さすが私の後輩!
3回のステージをこなして大忙しのショボンちゃんとNATAL。
今日も素晴らしいドラミングだった!
東京アクティブNEETsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
最後、すなわち第1日目の締めくくりは『超踊ってみた』と『超歌ってみた』のブースとのコラボレーションで『超合わせてみた』!
離れている各ブースが一斉に同じ曲を歌って演奏するのだ。
曲は「バラライカ」。
大ホールに鳴り響く歌声!
エンディングには銀テープが宙を舞って大きな感動を演出した。
さて、最後に…。
もちろん私も『ニコニコ』のことを全く知らないワケではなかった。
が、チョット前まではこうして自発的にイベントに足を向けるなどとは夢にも思っていなかった。
一方、日頃より業界の人たちから、若い人たちの『ニコニコ』への熱中ぶりを耳にしていたので、一度どんなモノかをこの目で見てみたいという気持ちが募っていた…仕事としてね。
そこへ偶然声をかけてくれたのがショボンちゃん。
まずは、そんなチャンスを与えてくれたショボンちゃんにはこの場をお借りして深く御礼を申し上げたい。
初めての『ニコニコ超会議』…メチャクチャおもしろかった!
正直、こんなジジイでもと~ても楽しむことができた。
反面、ロックの将来について考え、暗澹たる気持ちにさせられてしまった。
私は13歳の時、つまり1975年ぐらいからロックに夢中になり出したんだけど、その頃の音楽といえば「歌謡曲」が全盛で、「ロック」はそれとは地面がつながっていない、完全に別の場所にあった。
それは少し大人っぽい所にあって、「ロックを鑑賞する」ことがひとつのステイタスで、独立した趣味分野だった。
「テレビにミュージシャンが出ない」時代とでも言おうか?
ロックを聴くことが「愉しみ」や「嗜み」のひとつとして、切手集めや熱帯魚の飼育、アマチュア無線や骨董品集めと同じ階層にあったように思う。
実際、ハード・ロック、グラム・ロック、プログレッシブ・ロック、ジャズ・ロックにブルース・ロック…パンク/ニューウェイブのブームが本格的になる前までは、掘っても掘っても色んなヤツが出て来てロックを知ることがおもしろくてしょうがなかった。
もちろんお小遣いやバイトの給料は、すべてレコードかギター関連のアイテムに化けたことはご多分に漏れない。
こうなると立派な趣味でしょ?
今の若い人の中にもそういう子はいるんだろうけど、昔ほどの数ではなかろうし、熱気を入れる対象も我々の頃に比べてあまりにも画一的になってしまっているのではなかろうか?
反対にもし、もしですよ…私が今の時代に青春期を迎えていたら、間違いなくロックに夢中になんかなっていなかっただろうね。
『ニコニコ』やアニメに入れ込んでいたことだろう。
だって、アニメを観れば「ロック」がもれなく付いてくるんだもん。
すなわち、クォリティの問題は別にして、世間一般のポジションとして「ロック」はもはやアニメーションやゲームなどのアクセサリーになってしまったということ。
そうなればワザワザ「ロック、ロック」と騒ぐ必要なんかありゃせんわね。
70年代は「ロックの普及のために…」なんてムーブメントが盛んだったが、それから30年、40年経ち、「ロック」というスタイルの音楽が歌謡曲を駆逐し、一般大衆の間に普及した途端に「Rock」というものが無くなってしまった…と観察している。
そこへヒップホップってのが出て来ちゃった。アレは困るんですよ…Marshall使わないから。
それとね、このイベント、金がかかっているからチンケなモノがひとつもないの。
私なんかに言わせると、「万博」のイメージかな?
それぞれのブースがアメリカ館でありソヴィエト館であり、太陽の塔であり…。中にはガーナ館とかタンザニア館みたいのもあるけど、総じてやっていることがゴージャス極まりない。
それも日本を代表する大企業がバックに控えてるんだもん、当然のこと。自衛隊のことを考えれば国も介入しているイベントと言っていいかも知れない。
それらの意味で、<前編>の冒頭に書いた通り「社会」の勉強にもなったというワケ。
大企業が決して少なくはないであろう宣伝広告費をこのイベントにつぎ込んでいるのだから、その効果も推して知るべし…すなわちコレはひとつの「経済」なんだよね。
私同様、クラシック・ロックで育った同輩のご貴兄、次回お足を運ばれることをおススメします。
日本のエンターテインメントの現状が一発でわかります。
そして、若い子は誰もツェッペリンやパープルに興味を持たない理由が痛いほどわかる。
それと、メタル関係のコミュニティにいる若い人たちもダマされたと思って行ってみるといい。
「社会科」のとてもいい勉強になると思う。
でも、ちゃんとメタルへ帰って来てくれよ!
「ミイラ取りがミイラになる」なんてことのないように…。
(一部敬称略 2018年4月28日 幕張メッセにて撮影)