田川ヒロアキ帰朝報告会~LAレコーディング・アフター・パーティ
ま~ったく早いもんだ。
田川ヒロアキがパラリンピックのウェルカム・ソングを作って、LAで現地のミュージシャンとレコーディングして…なんてプランを聞いた時はずいぶんまだ先の話だナァと思っていた。
それがですよ、田川ヒロアキがパラリンピックのウェルカム・ソングを作って、LAで現地のミュージシャンとレコーディングしてもう帰って来ちゃったよ!
信じられんな、この時の流れの速さは!
…ということで本計画のクラウドファンディングをご担当されたCAMPFIREの本社で「アフター・パーティ」と称した帰朝報告会と打ち上げが開催された。
入り口にはさっそく会場の案内が…スゲエ手書き!
あのチャップリンとじぇじぇじぇが演ってるテレビCMとの格差の大きさがオモシロイじゃないの!
会場にはレッド・カーペットが!
スゴイね~、さすがハリウッド帰り!その先にはMarshall。
ヒロアキくん愛用のJVM210Hと1936V。
アメリカのMarshallがコレと同じセットを用意して、シカゴからスタジオのあるLAまで送り出してくれた。
3日ぐらいかかるとか…。
コレでギター・サウンドはバッチリ!
マネージャーの美瑞穂さんとニコニコしながら一歩一歩進むこの姿…どこかで見たことがある気がするな…あ、結婚式だ!
「皆さんようこそ!
ついにLAに行ってレコーディングして来ました!大成功でした!
アメリカの曲をずっと聴いてきて、とうとう本場のグルーヴを感じてきました。
街の音がすべて音楽に聞こえる感じで何もかもが新鮮でした!」
そうなんだよね。
「街の音」っていうのがあって、同じアメリカでもLAとNYCの街の音は全く違うし、同じ大都市でもNYCもロンドンもフランクフルトもホーチミンもそれぞれの騒音を持っている。
我が町、東京はどうかというと…「静か」だね。
ヒロアキくんなんかは私の何万倍も耳がいいので、それらの音がまた違う風に聞こえているんだろうね。
LAのアーティスト等のブッキングを担当した國井大河さんによる進行でLAでの土産話が綴られた。
現地のスタッフやミュージシャンの皆さんはとても優しくて、親切で…。
でも英語には苦労した模様。
初日は緊張しちゃって全然ダメだったけど、2日目には大分慣れて距離が少し縮み、慣れた頃にはレコーディング終了~!
「次に行く時はもっと英語を勉強して行きたいと思います」
ま、そんなもんです。
海外から日本への帰途、みんな必ず決心するんだよ。
「ヨシ決めた!英語を勉強するぞ!」って。
そして本屋へ行って「3日でしゃべれるようになる英語!」とか「英単語は5つで十分!」とかいう本を買ってくる。イヤ、いまならワンクリックか?
その結果を書く必要はあるまい。
あのね、もし本当に始めるのなら、イギリス英語を勉強することを強くおススメします。発音のバリエーション多く、アメリカ英語に比べてケタ違いに難しい。イギリス英語が美しくしゃべることができればアメリカは発音は料理しやすい。
私はずっと反対だと思っていたんだけど、Marshallの連中と付き合うようになってから自分が勘違いしていると言ことをイヤというほど思い知らされた。今でもそう。
イギリス英語に慣れておくとMarshallに行った時にもラクだよ~!
アメリカは電圧が日本より高いので、日本で弾くMarshallとは音が違う…なんて話をしていたんだけど、緊張していてそれを実感するのを忘れちゃったんだって!
美瑞穂さんから後で「すごくいい音だったよ!」と言われて自分を納得させたとか…なんだよ!
日本語が少しできる現地のスタッフがヒロアキくんに向かって「ヘンタイ!」と言ったとか…と、思ったらその人は「テンサイ!」って言ったんだって。
そんな勘違いをするほど緊張していたらしいよ!
レコーディングのドキュメンタリー・ビデオも公開。
コレがナント!家を出るところからスタートするという凝りよう。何となくマーブロチック!
下のシーンは空港に向かうJRの中の風景。
やるナァ、美瑞穂さん。グレート・ジョブ!
もちろんレコーディングの風景もバッチリ収録。
サウンドエンジニアに、Megadethや平原綾香等、数々のアーティストを手掛けるニコラス。ファーマカリディスが担当。「He is an amazing guitarist!」とヒロアキくんを称賛し、ミュージシャンを招集してくれた。
参加ミュージシャンはヒロアキくんが作った曲を「Beautiful Song!」「I love this melody!!」等と絶賛の嵐だったそうだ。
レコーディングしたのは2曲。
今回のメインの仕事である東京五輪に向けた曲「Sky」とマツダファンフェスタの公式テーマソング
「Ride the Wind」。
ミュージック・ビデオも現地で撮影された。
ゲリラ的に色々なところでカメラを回したウチのひとつが地下鉄の中。
え、ロスに地下鉄なんかあるの?と思うかもしれないが、あるんよ。
アレは「ブルー・ライン」って言うのかな?
ものすごい昔に作ったんだけど、車の販売を促進するために線路をひっぺがし、そして渋滞を解消するためにまた敷設した…と現地の人から聞いたことがある。
で、「地下鉄で撮影した」と美瑞穂さんから聞いて私は驚いた。
もう20年ぐらい経つかな~?
ロサンゼルス空港の近くに宿泊した時、ホテルのコンシェルジュに行き方を訊いて、ハリウッドまで公共の交通機関で行こうとしたことがあった。
東京じゃないっつーの!わかっちゃいたけど、この感覚が間違えていた。
まずは、ホテルのシャトルバスでその地下鉄の駅まで行って、地下鉄でドコソコまで行って…みたいな説明で、まずはシャトルバスに乗った。
バスがガラガラだったので、ハンドルを握る黒人の運転手にもう一度ルートを確認。その後、地下鉄の駅に着くまでおしゃべりをして仲良くなった。
「Good luck!」なんて言われながらバスを降り、教えられた目的地までの切符を買ってホームまで上がった。地下鉄とは言っているけど、この路線はハイウェイに沿って線路が走っているチジョ鉄なの。
ところがですね、電車が来るのを待っている間もうコワくてコワくてどうにもならなかったのよ。
周囲にいる人といえば黒人だらけ。チョットでも目が合いそうなっただけでみんなコッチへ寄ってくる。
何しろ身の危険しか感じないワケよ。
「この分だと電車に乗ってしまったら間違いなく大変なことになるぞ!」と思ったところに、飛び切りデカい黒人がズイと近寄ってきた!
「ヒャ~!」と悲鳴を上げ、その瞬間にハリウッド行きは諦め駅の階段を駆け下り、通って来た改札を出てホテルのシャトルバスが来るのを待った。
するとそこへやって来たシャトルバスを運転するのはさっきの黒人ドライバー!私の顔を見るなり「アレ~、どうしちゃったの?ハリウッドへ行ったんじゃないの?」とヒックリ返って笑われた。
バスを降りた後、ナニが起きたのかを説明すると「ギャハハハハハ!」とひたすら笑うだけ。
コッチとしては「そんなの大丈夫だよ~。危なくないから行って来ればヨカッタのに!」という答えを期待したんだけど、そんなのナシ。
アレ、ホントに危なかったんだゼ、絶対。
そんな体験があったものだから、その撮影の話を聞いて驚いちゃったワケ。
違う路線だったのかな?ゼンゼン大丈夫だったらしい。
それどころか、ちゃんと車両の中でMarshallを鳴らしてギターを弾いたんだって!
…と言ってもヒロアキくんが「コマーシャル」と呼んでいるマイクロ・スタックのMS-2ね。
下がその実物。
ヒロアキくんも解説してくれたんだけど、このMS-2は2015年に開催したMarshall GALAの出演者に配られた、非売品にしてMarshallの社長のサイン入りのレアもの。
下は社長がサインを入れているところ。コレ大変だったのよ!
社長、イスがないと5分と座っていられなくてさ。
「グァ~!」とか言ってすぐに足を伸ばしちゃう。
で、この小さいアンプを地下鉄の中で鳴らした。
ヒロアキくんもさすがに恥ずかしかったので、撮影スタッフから「もっとボリュームを上げて!」と言われても「コレが最大です!」とごまかしたとか…。
スタッフの皆さ~ん!MS-2はもっと大きな音が出ますからね~!…へへへ、バラしてやった!
今回、最終的に日本からLA赴いたのはヒロアキくんと美瑞穂さんの2人だけ。
美瑞穂さん、大変だったと思うよ~!
ヒロアキくんが音楽に専念できるようにコマゴマと身の回りの世話をすることはもちろん、アメリカ在住経験があるので通訳も務めたし、ビデオ撮影から機材のケアまで!
ハッキリ言って、美瑞穂さんがいなければこのプロジェクトは到底実現しなかっただろう。
…ということで美瑞穂さんからもひと言ご挨拶。
ヒロアキくんからも美瑞穂さんの武勇伝が語られた。
オートロックでガレージから締め出されちゃった話とか…。
そして、本プロジェクトの門田さんからも当然ご挨拶。
「アメリカに行ってもらってワンランク上の田川さんになってもらいたかった」
門田さんとの出会いは5年前のスポーツオブハート。
「アメリカに行ったことがない」というヒロアキくんの言葉を聞いて大きな力添えをしてくれた。
「ココからがスタート」とおっしゃっていたが、ホントそうなの。
雰囲気は「ゴール」みたいになっちゃってるけど、ココが「始まり」なんだよね。
私も今、他のバンドで同じようなことをしているんだけど、CDを作るまでは今の世の中さほど難しくはない。いい音源さえあれば形にはなる。
大変なのは形になってからなんだよね。
昔は選ばれに選ばれた音楽だけが世の中に出て来たが、今では簡単に作れるようになった音源がSNSで簡単に宣伝ができるようになった分、情報を浸透させることがヤケクソに難しくなった。
私が若い頃は、世の中に出て来たバンドはもうその時点で話題になったからね。その代わりそこに至るまでが大変だった。
だからツマらないモノも出て来にくかった。
だからレコード会社は王様だったよね。今じゃ「メジャーはお断り」なんてバンドの方が多いんだから世の中も変わったもんだ。
とにかく、そういう意味でこれからが勝負…ということになるワケ。
そして、ココでいよいよそのウェルカム・ソングのお披露目。
もう一度書くと、タイトルは「Sky」。
ヒロアキくんらしい、イヤ、ヒロアキくんしか作ることのできない優しくあたたかい世界が広がる1曲。
本人によると…
「誰にでも、日々の生活の中でのハードルがあると思います。どちらかというと、上手くいくことよりも壁の方が多かったりするのではと…仕事、スポーツ、勉強、アート、制作、人間関係、悩み、病など。
私はもどかしい思いをするときによく空を眺めます。すると、頑張る力になったり、心が落ち着いたりします。
空は見えないけれど、そんな私が感じる色や景色をこの曲に描きました。
皆さんそれぞれの思いで聴いて頂いて心が繋がる曲になればと願っています」
照明を落として、まだラフミックスの状態の出来立てのホヤホヤの「Sky」をみんなで聴いた。
ご参加の皆さんの反応の詳細はヒロアキくんのブログをご参照くだされ⇒コチラ。
とにかく感動の渦!泣いているいる人もいたからね。
その感動を演出したポイントのひとつが子供たちの合唱。
ヒロアキくんの故郷で「ふるさと大使」を務める下関の30人の子供たちが協力してくれた。
その映像も公開された。
私は曲全体もさることながら、サビのコードの使い方がカッコよくてゾクってきちゃった。
今度どうなているのかヒロアキくんに教えてもらおう。
報告会の最後はみんなで記念撮影。
今回のクラウドファンディングの最終結果は320万円と目標額の200万円を大きく上回った。
記念写真に写っている支援者の皆さんは、この帰朝報告会に出席できるコースに参加された方々。
この後の打ち上げも含めて貴重な田川ヒロアキとファンとの交流会になったのではなかろうか。
はい、報告会は終わり。
ココからがパーティ…というか打ち上げ。
まずはヒロアキくんからご挨拶。
「皆さんと一緒に過ごせてとてもヨカッタです。クラウドファンディングの間は皆さんから色々なモノを頂いたと思っています」
そして、関係者への謝辞が述べられた。
お料理はおなじみ、株式会社無洲のお手製ディッシュ。
美味しかった!
クラウドファンディングを担当されたCAMPFIREの奥村さんからもご挨拶があり…
オリジナルの音源の歌詞は英語だからね。
世界でまだ誰も聴いたことがないこのバージョンを聴くことができたのはとてもゴージャスなリターンなんじゃいの?
また感動して涙を流している方々がいらっしゃった。
そんな曲が「Sky」なのだ。
5月26日には町田で開催されるバリアフリーイベント『とっておきの音楽祭2019』のフィナーレでも
「Sky」を披露する事が決定しているという。
オリンピック/パラリンピックに向けてこの曲が街中で聞えるようになるといいね!
パーティもお開きになり、お帰りになる支援者の皆さんを送り出してこの日のプログラムは終了。
おつかれさまでした!
身体に気をつけてこれからもガンガンがんばってください…Marshallと一緒にね!