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2018年7月26日 (木)

夏フェス直前Marshall特別講義

 
春日通りと白山通りが交わる「春日町」の交差点。
人はココを「Death Crossroad」、すなわち「死の交差点」と呼んでいる…かどうかは知らない。
トリックを知っていれば…イヤ、交通法規をチャンとわかっていれば「死」でも「魔」でも何でもないのだが…。
というのは、白山通りを水道橋方面に向かって(関東以外の人、ゴメンナサイ!)春日通りを左折する時に注意をしなければならないのが、左折専用信号。
直進の青い矢印が点灯してから左折許可の左向きの青い矢印が出るまで結構時間がかかるのだ。
ものすごく大きな交差点で、見通しもよいので、「アレ?コレもしかして左折してもいいんじゃないの?」とどうしても思いたくなってしまう。
その迷いに負けてアクセルを踏んでしまうと、チャンとその先にお巡りさんが待っているという仕組み。
もちろん、そのお巡りさんが微妙な笑みを浮かべていることはココに書くまでもない。
罪状は「信号無視」。
市中引き回しの上、小塚原にて獄門。加えてお家取り潰し…とまではいかないが、罰金はイヤなモノである。
後で聞くと、やはり多くの人がココでヤラれちゃうのだそうだ。
ココと上野駅前の昭和通りと浅草通りの分岐点は要注意。
違反するつもりは全くなくても知らずにやっちゃうことがあるからね。
 
…と、注意しながらやって来たのが「尚美ミュージックカレッジ専門学校」。

10今日は『夏フェス直前Marshall特別講義』ということで、3時間枠の授業を設けて頂いて登壇させて頂いた。
尚美さんでMarshallの講義をさせて頂くのはコレで2回目。
前回は去年の1月30日だった。
ナゼ、スッと日付が出て来るのかというと、上の交差点で「信号無視」でトッ捕まって青切符を切られたからだ。
今回も学校のMarshallをズラリと並べて頂き、当方から少し追加させて頂いた。
尚美さんはMarshallが豊富に常備されていて大変ありがたい。
やはりいい道具を使うのは何事も学習者にとって重要なことだからね。

20講師は私。

30v聴講生は今年入学したプロミュージシャン科ギター専攻の皆さん+アルファ。

35とにかく3時間、聴いている人が飽きないようにしゃべらなきゃイカン。

40宣伝もさせてもらっちゃう…というのは、講義の数日前に久しぶりにこの『Marshall Chronicle』に目を通したところ、我ながら、「Marshallの歴史」のところがスゲエよく書けていて、ひとりでも多くの人に読んでもらいたくなってしまったのだ。

45今回、講義の内容を整備していてフト気づいた。
私はカレコレこういう仕事を15年ぐらい前からやってるけど、ずいぶん話す内容が昔と変わったな~…と思ってね。
以前は「デジタル」なんて言葉は私の講義に存在しなかった。
今は避けて通れない!

46また、「Marshallの歴史」ひとつ取っても、後になってわかってきたことや知ったことも結構あってね。
昔は「Marshallアンプの起源」なんていうとジムとケンぐらいしか名前が出て来なかった。

C_n1だから、まだまだ知られていない歴史的に面白い事実がたくさん埋もれていることは間違いない。
反対にそういうことを誰かが記録しておかなければ、ドンドン風化して忘れ去られてしまうということよ。
Marshall Blogはそんな語り部的な役割も果たしたいと思ってるんだよね。私が元気なウチは。

55結局、この講義で一番面白いのは「Marshallの歴史」のパートなのです。

C_n2Marshallの歴史も第1号機からズド~っと時代を下ってJCM800を経て、現在。

80イヤ、昨日。
とうとう新シリーズORIGINが日本でも発売された。
せっかくなので、その発売より2日前、この講義の中でORIGINを紹介させて頂いた。

90Marshallも音を出さなきゃただの黒いハコ。
モノや口で説明しても面白くないのでデモンストレーターをお招きした。
IOSISの真壁六郎太。
尚美ミュージックカレッジ専門学校さんのOBだ。

C_n2ym上にあるように、いつもはJubileeのハーフ・スタックを愛用してくれている。

100ナゼ、「六郎太」は黒澤明のマスターワークのひとつ、『隠し砦の三悪人』をご覧頂ければ一目瞭然。
三船敏郎扮する主役の名前が「真壁六郎太」なのだ。
見よ!この男らしい風貌!
お姫様を守り、敵陣を突破する勇ましい武将にソックリではないか!

110posこっちがMarshallの六郎太。イヤ、雄太くん。
曲は前回も披露してくれたシュレッド曲「Apocalypse」。

120v雄太くんが弾いてくれたORIGINは50WヘッドのORIGIN50H。
コレを愛用のJubileeキャビ、2551BVにつないで使用した。

130他にも20WコンボのORIGIN20Cと5WコンボのORIGIN5をお披露目。

140重要なバッキング・トラックの操作を一手に引き受けているのはD_DriveのToshiyuki。
Toshiくん、協力ありがとう!

150v_2まぁ~、弾くわ、弾くわ!
実に気持ちヨサそうに一分の狂いもなく弾き切る様を見ているとコッチも気分がよくなってくる。

160感想を尋ねる。
「メッチャいい感じのビンテージ・テイストです」
そう、BVキャビを使っているせいもあるが、太くシッカリした中域が素晴らしい。
そして、この50Wとは思えない音圧。
やっぱりMarshallだ。
ORIGINシリーズはオープン価格なので、取り扱い楽器店のウェブサイトを見てビックリしてくだされ。

170「Marshallの歴史」の後は「ギター・アンプのしくみ」や真空管、アンプの取り扱いについてのコーナーとなる。
この辺はどうしても眠くなっちゃうよね~。

180今回は学校さんサイドからリクエストを頂戴して、雄太くんに手伝ってもらってJCM900 4100をモデルに「音づくりのコツ」を実演した。

190Marshallをセッティングする時に「足していくか」、それとも「引いていくか」という選択肢があったりするが、雄太くんはどちらかというと「足していく」派になるのかな?EQを全部ゼロにしておいて、ひとつずつのノブを上げてみて音の傾向を確かめてミックスしていく方法。
大変ウマくやってました。

200vそして、愛器Silver Junileeを使ってもう1曲。

210彼がナント、この日のために書き下ろしてくれたという「Vlad」という曲。

220雄太くんの最大のギター・ヒーローはポール・ギルバート。
よくRacer Xの「Technical Difficulties」を指ならしに弾いていたりするけど、今度のこの曲は明らかにそれらとは異なる曲調。
やたらとシュレッディングを前面に押し出すことを控えたテクよりも曲を重視した感じ。

230v事前にこの曲を聴かせてもたった時にそんな感想を伝えるとすごく喜んでいた。
彼はよくMarshallの事務所に現れるんだけど、「シゲさん、ナンカいい音楽ないですか?」と自分の知らない音楽の勉強に来るのだ。
その都度、60~70年代のロックや、ジャズやクラシック、さらに民族音楽まで聴いて帰って行く。
今回の曲がその成果だと言うのだが、そんなこと言ってくれるとコッチがうれしくなるってもんだ。

240そして、今回のスペシャル企画。
もうひと組のデモンストレーターとしてD_Driveをお招きした。

C_n2dd今日はギター科中心のMarshallの授業ということで、ギター・チームだけの登板。

260Seijiと…

270vYukiのふたり。

280vこのコーナーではツルりとD_Driveの人気曲をバッキング・トラックに合わせて弾いて頂いた。
まずは「Attraction 4D」。

290バッキング・トラックの操作はベースのToshiyukiくん。
ゴメンね~、出番がなくて!
ちなみにToshiくんはEDENプレイヤーだ。

150v_2Seijiさんはいつもと同じJCM2000 DSL100と1960AXを使用。

300YukiちゃんはJVM210Hと1960A。

310Marshallの魅力は?なんて質問をしてみる。
上に書いたように、「Marshall ROADSHOW」と称して私はこの手のデモ・イベントを日本国中で一体何回やらせて頂いたかわからない。
そして、D_Driveとは結成当初からのお付き合いになるのだが、考えてみるとこうしたデモンストレーションを一緒にやったのはコレが初めてなんだよね。
すごく不思議。

320「一時期、別のアンプを使っていたんですが、やっぱりMarshallに戻りました」

325「D_Driveを始めた一番最初の頃はMarshallではなかったんですが、SeijiさんのMarshallの音にとてもかなわなくてMarshallに替えました。音のヌケがゼンゼン違うんです」

330vSeijiさんが着ていたMarshallのTシャツがキッカケで仲良くなったのは、D_Drive結成以前のことなので、もうずいぶん長い付き合いになる。
気心が知れているので、トークもとてもやりやすい。
私はD_Driveの曲がアタマに入っているし、いつか長尺でD_DriveとMarshall ROADSHOWをやってみたいと思ってるのだ。

340さて、もう1曲。
私が勝手にしつこく「居酒屋甲子園のテーマ」と呼んでいる「The Last Revenge」。

3505,000人の居酒屋店員を前にパシフィコ横浜を揺るがした人気曲。

360vリフの受け渡しがカッコいいんだよね。

370そうそう!
もうひとつスゴイことに気が付いた。
もうお気づきの方も多くいらっしゃると思うが、写真の右下に入っているクレジットをご覧頂きたい。

380今日はD_DriveのドラムスのChiikoちゃんに撮影をお願いしているのだ。
…ということは私は手ブラ。

390v今までどれだけD_Driveのステージを観て来たかわからないが、ファインダー越しではなく、あるいは照明やシャッター・チャンスのことを気にせずD_Driveを観たのはコレが初めてのことなのです。

400v「こんなんなってたのか~」と驚いた、と言ったら大ゲサだけど、今まで聞こえてなかった音をたくさん発見した感じ。
このSeijiさんのドヤ顔が「せやろ」と言っている。410今更こんなことを言うのもナンだけど…カッコいいね。
やっぱり他のチームが取り組まないことをやらなきゃダメだ。

420D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

425普通はコレで最後…みたいな感じなんだけど、今回は先生にお願いして、チョットだけMarshall以外のことをしゃべらせて頂いた。

430それはコレ。

440最近の音楽界を見ていて、ずいぶん変わっちゃったな~…と思うことがあまりにも多くて一席ブラせていただいたのだ。
音楽の専門学校にお邪魔してこんなことを言うのもどうかと思ったけど、とにかく若い人たちには色んな音楽をたくさん聴いてもらうことをお願いした。
若いミュージシャンと話をしていると、あまりにも音楽を知らないことに驚くことがよくあるのね。
下は氷山。
若い人たちが聴いている音楽は氷山の一角にもならないことを説明した。
だって損じゃん!
色んないい音楽を聴いた方が楽しいじゃん!
いい音楽を聴かなければ、絶対にいい音楽は作れないし!

C_n4…と、3時間ピッタリ、思う存分しゃべらせて頂きました。

460皆さま、お疲れさまでした!
やってる私が一番くたびれたよ~(落語「黄金餅」より)。
05
 
<エンディング>
上で触れたように、講義を通じて写真を撮ってくれたのはドラムスのChiikoちゃん。
重いカメラを持って、長時間ありがとうございました!

C_s41a8996_2せっかくなのでChiikoちゃんの作品をもう2点ほど発表させて頂きましょう。

C_0r4a9926私の「監督ムード」を表現してくれたのだそうです。
「アキラ」って呼んで!

490もうひとつ。
尚美さんの並びにある「Honey Trip」というソフトクリーム屋さん。「Trap」じゃないよ。
Yukiちゃんが「シゲさん、シゲさん、私、あの喫茶店知ってるんです」というワケ。
ナント、例のSONY Xperiaのプロモーション・ビデオの一部をココで撮影したのだそうだ。ビックリ!
「だから私は、尚美ミュージックカレッジ専門学校!」
あ、それと上で紹介した『隠し砦の三悪人』の六郎太が守るお姫様の役名を「雪姫」という。コレはただの偶然。
 
尚美ミュージックカレッジ専門学校の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

500 

200 

(一部敬称略 2018年7月23日 尚美ミュージックカレッジ専門学校にて撮影)