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2018年2月 4日 (日)

NAMM 2018 MISCELLANEOUS ~ つれづれNAMMままに <その4>

  

下の写真は会場とホテルを結ぶ近道を歩いている時にみつけたバス。
「ELVIS Monroe」だって。
いまだにプレスリーとマリリン・モンローなんだな~、アメリカって。
私はリアルタイムではないけれど、エルヴィスやモンローに夢中になっていた方々の直下の世代なので何の違和感もない。
日本で言えば「石原裕次郎」や「美空ひばり」みたいなものか?
アメリカの若い人たちはこういうのどうなんだろう?
伝承されているのかな?
  
「2017年のアメリカの音楽市場は、ストリーミングの売り上げにおいては、ヒップホップが優勢で、ロックは最も人気のある音楽ではなくなった」というニュース記事を今年の初めに紹介した。
ストリーミングの統計ということなので、このデータが若者の嗜好を強く反映しているやや偏った結果であることは明かなのだが、私はこのことがすごく引っ掛かっているのね。
その結果、今回のNAMMはそのことをかなり意識して観察してしまった感があるな~。
  

NAMMの初日を翌日に控えた夜、ドイツのディストリビューターとの会食に出席させてもらったことを数日前の記事に書いた。
かつてMarshallの会議でいつも一緒になった古くからの友人であるマークの隣りに座り、お互いの国の仕事や音楽の状況について情報を交換した。
かつてドイツと日本はMarshallの売り上げにおいてはとてもいいライバルだった。
また、以前からマークとは意見の波長が合うのでとても話しやすい。
早速、アメリカのヒップホップ人気のことを話題に出すと、彼はチャンとそのことを知っていた。
そして、こう言った。
「Rock can't rule the world any more」
「rule」というのは、「規則」を意味する「ルール」のこと。
よく新商品のPRなんかに使われる単語だが日本語にしにくい。
ま、「思いのままにする」ぐらいの意味か?
つまり、「世の中の音楽はもうロックの思い通りにならない」という意味で、ロックの斜陽感をうまく表現したと思う。
日本では絶対にでて来ない意見だと思う。
そして、私がアニソンやゲーム音楽、そしてJ-POPのことを引き合いに出して日本の音楽シーンについて語ると、大きく頷きながら私の話を聞いていたマークは、ドイツの音楽シーンについて教えてくれた。
やはり、70年代に隆盛を極めた従来型のロックは完全に死に体で、ロックの軟弱化に歯止めがかからないという。
「スコーピオンズなんてトンデモナイ!」という状況だ。
ドイツには「Schlager(シュラガー)」という人気の高い音楽のスタイルがあるのだそうだ。
「Schlager」というのは英訳すると「hitter」という意味になるらしい。
野球のスラッガー(slugger)に近い言葉だね。「slug」というのは「強く打つ」という意味の英単語。
どういう音楽かというと、「シンプルでキャッチーなメロディー。甘く、非常に感傷的なバラード。歌詞は恋愛関係もの」…要するに、我々の感覚で言えば「歌謡曲」ということになるか?
で、このシュラガーがガッチリとロックに入り込んで、「ロック」という音楽の「ロック」っぽさがドンドン希薄になってきている…というのだ。
コレ、どこかの国と同じだわね?
やはり、ドイツでも気骨のあるロックは衰退の一途をたどっているようだ。
マークは「Helene Fischer(ヘレーネ・フィッシャー)」というシュラガー界のスーパースターの名前を教えてくれた。
早速、YouTubeで調べてみると…コレが結構いいんですよ。
たまたまこのヘレーネの声があまりにも素晴らしいので、魅力的に聞こえるのかも知れないが、マァ、少なくとも私なんかが知っている「ロック」という音楽には及びもつかないわナァ。
  
一方、ヒップホップ。
私がココにヒップホップのことを書く資格はないが、どちらかと言うとプロテスト的な音楽なんでしょう?
つい最近もヒップホップがギンギンに盛り上がっているという中国で、反体制的なことをテーマにしたラップを演じていた子がこっぴどく怒られて謝っていたもんね?
それって、つまり50、60年前のロックの黎明期と同じじゃん?ロックもかつてはそういう音楽だった。
時代が大きく変わっても、やっぱり若い人たちはそういう反抗的なモノに刺激を感じ、そして求めるということよ。
日本のロックもそうだった。でも今は「ありがとう」と「がんばろう」だから。
つまり、「Hip Hop rules the world」になっちゃうのは仕方のないことなのよ。
それだけに今の日本なんかロックにこそチャンスがあると思うんだけどね~。
05さて、今日は土曜日。
NAMMは通常木曜日から始まって日曜日に終了する。
会期中人出はズッと多いが、木&金曜日はまだ大丈夫。
まだまだスカスカ。

1_img_3958 土曜日がピークなのかな?
笑っちゃうほど混み合っちゃうんだぜ。
そんだけ大勢の人が集まるだけあって、マァ、色んな人がいるわね。
ドワッ!

40_2この人、毎日見かけたけどサスガにどこでも目立っていたナァ。
鳥?
蛾?
コレ地毛やってるのかしら?
こんなことしてるんなら毛を分けてくれ!

50_2そ~ら、段々人が増えて来たよ~。
遠くの方…まるでマラブンタが押し寄せて来るようだ!

1_img_3959 やっぱりアーティストが来て何かをやっているところのブースは人だかりが多いね。

60_2ホラ、やっぱりいた、Tony Levin!
NAMMへ来てTonyを見かけなかったことはただの一度もない。
近所に住んでるのかナァ?

70_2しかし、何気に進歩してるよナァ。
ブース内のイベントとなるとサスガにバカでかい音は出せない。
かと言って音が小さかったらデモにならない…ってんで、デジタル関連の商品なんかはよくヘッドホンをお客さんに渡して聴いてもらう手法を取っていた。
この原理は変わらないんだけど、Wi-FiだかBluetoothだか知らんが、今ではこうしてワイアレスだもんね。
コレは便利でしょう。

80_2反対に不便だったのがWi-Fiなし。
こんなところこそWi-Fiを飛ばせばいいのに…ない。
ホテルは無料のWi-Fiが完備しているので、せめてNAMMの会場にいる間は携帯をほったらかしておこうと思っていたんだけど、なかなかそうもいかず困っていた。
すると、昨日紹介した新しい棟の中でココを発見。
このエリアだけはWi-Fiで携帯が使える。
会場の中心からは結構歩くんだけど、陽当たりはいいし、静かだし、日本人はナゼか全く通りかからない。
発見後はココが食堂兼、日に何度かの休憩のための場所となった。

140_2お、こんなモノを展示しているブースが!
 右下の青い解説を大ザッパに訳すと…
「フランク・ザッパの作品は途方に暮れるほど多く、それぞれの内容が大きくの異なっている。そこで我々は、初心者そのどこから手を付ければよいのかをドゥィージル・ザッパに尋ね、指導してもらうことにした。
 
ドゥィージルによれば…
「初めてのリスナーは『Apostrophe(')』か『Over-Nite Sensation』から手を付けるといいと思うよ。それらのアルバムはあなたを何もかもが揃った旅に連れ出してくれるんだ。
それらが気に入ったら、色々と手を伸ばす前に、1966年から始まったザッパ・ワールドの出発点である『Freak Out!』を聴く。
フランクのクラシックっぽい作風が好きなら『Yellow Shark』から始めることをおススメするよ」
  
そうかナァ…。
『Apostrophe(')』や『Over-Nite Sensation』はいいけど、私だったら出し惜しみしないで、『One Size Fits All』、『Roxy and Elsewhere』、『Shiek Yerbouti』、『Bongo Fury』、『You Are What You Is』の5枚を問答無用で買え!って言うけど…。
息子と意見が合わないのは私がZappaをわかっていないということか…。

1_0r4a4493 このブースはシカゴの通販会社なんだって。
中古の楽器屋やレコードも扱っているのだそうだ。
私が中学生の頃はこんなのいくらでも売ってたけどな~。

130_2日本製のギターのコーナーも。
「日本の楽器メーカーは100年の長きにわたって、その素晴らしい品質により世界中の信頼を得て来た」って言ってるよ。
やっぱ日本人は素晴らしい!
しかし、ナンでBarney Kesselのコピー?
ブランドはVentura。
マツモクが作っていたのね…。
南松本の駅の側にある公園って、マツモクの工場の跡地なの?
ナンだよ~、知らなかった!行けばヨカッタ。南松駅へは軽く200回以上は行ってるのに!
今度行ってみよう。

120v さて、宴もたけなわ。
土曜日の午後ともなると、来場者でゴッタ返してくるよ。
でも、新しい棟ができて、展示スペースの面積が広がったせいか、昔よりは混んでいない感じがするな。
それでも今年のNAMMは来場者数が11万5千人で前年比107.6%。
出展社数は2,000社で、コチラも前年の1,779社を大きく上回ったそうだ。

20_2段々年末のアメ横みたいになってきたゾ!
それでも、以前より何となく寂しい感じがするんだよな~。
それは今日の記事の冒頭に書いたようなことが影響している気がしてならない。
つまり、NAMMに元気がないのではなくて、音楽に、もっと言うとロックに元気がないように見える。
私はどんなに楽器が売れたって、「楽器のブーム」というのは基本的に存在しないと思っていて、60年代にエレキギターがバカ売れしたのは「ギター・ブーム」ではなくて「テケテケという音楽」のブームだったと見るべきだと思うワケ。
楽器は音楽がなければ意味がないじゃん。
その点、楽器を使わないヒップホップがもっともっと台頭してきたら一体楽器業界はどうしたらいいの?
そして、演奏する方も聴く方も、60~70年代のロックを愛する世代がいなくなった時、ロックはどうなっちゃうの?
そういうことをモノスゴク考えたNAMMだったナ。

30_2それともうひとつ。
下はNAMM開催期間中の情報日刊誌。
3日目号なんだけど、来場したアーティストの写真を添えて「WHAT A PARTY!」なんて景気のいいことが書いてある。
  
そうかナァ…。何となくむなしく見えるナァ…。
来場しているアーティストの数が激減したイメージがあるのだ。
チョット前はStevie WonderとかHerbie Hancockとかがフツーに遊びに来ていたし、私の好みで言えば、Joe BeckだとかEd ThigpenとかLarry Coryellとか、偉大なミュージシャンがそこら中を歩いていたし、デモをしていたよ。
「ナニ言ってんの、おとっつぁん!アレも来ていたし、コレも来ていたじゃんか!」なんて怒られるかも知れない。
最後の1日を残して会場を離れたのと、私がコマメにブースを見て回らなかったせいもあるからね。
もっともLarry Coryellはもう2度とNAMMには来れないんだわ。
そう、ここ最近の物故者の多さは尋常ではないので、そういうことも関係しているのかも知れない。
   
もうひとつは、期間中に開催されるイベントの数が減ったような気がするのですよ。
「ナントカ Presents カントカ」系の冠イベントだよね。
大分前、「Tribute to Django Reinhardt」みたいなのがあって、「John Jorgensonが出る!」なんて興奮したりしたことがあったよ。メンドくさくなって結局観に行かなかったけど。
メーカーにもそういうイベントの経費を負担する体力がないんだろうね。
何しろ、アメリカの2大ギター・ブランドのひとつが今回欠席したんだから!
あ、私は決して文句を言っているワケではありませんからね。
何となく盛り上がり方が違う感じがして心配しているのよ。

150_2それでは、2018年のNAMMとの別れを惜しんで、会場をもうひと回りしましょう!

160_2

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180

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210

220_2

230「家に帰るまでがNAMMですよ!」と言われるかもしれないけど、コレで会場からのレポートはすべて完了!
おわり!
次にNAMMに来るのはいつのことかな?

240実際にはNAMMはもう一日残っているんだけど、私にとっては最後の晩。
カナダのディストリビューターとの会食を楽しんだ。
写真は撮らなかったんだけど、とても仲良しのピーターとずいぶん久しぶりに会った。
以前にも書いたことがあったけど、Marshallの会議で一緒になると、ピーターの部屋でラム酒を飲みながら、彼が持って来たギターを交代で弾くのが恒例になっていた。
ピーターは1970年代の初頭にカナダでプロのバンドで活動し、レコードも出していた。
音源を聴かせてもらうと、メッチャかっこよくて、そのことを以前のMarshall Blogに書いてあげた。
ピーターはそれを大層よろこんで、マーブロの記事をプリントアウトして額に入れて家の壁に飾ってあるらしい。
今回もそのことを口にして、それを知らない人たちに説明してくれるワケ。
うれしいやら、恥ずかしいやら…でも、Marshallの中でもMarshall Blogの認知度や評価が私が思っていたよりはるかに高いことに驚いたよ。
結構、自動翻訳で読まれているんだけど、あの吉原の脱線のところとか一体どう思うんだろうね?
  
下はその会食の時のメニュー。
ナゼこれを載せたのかと言うと…「EAT」はいいよね。「DRINK」もいい。
「MINGLE」ってナニよ?
「mingle(ミングル)」とは「混じる」とか「混ぜる」という意味で、「入り混じる」、「まぎれ込む」という意味も持つことから「〈知らない人と〉話をする」ということになるらしい。
だから、コレは「食べて、飲んで、知らない人とも気さくにおしゃべりしよう!」ということ。
ちなみに、「mingle」はスラングで「彼氏募集中」という意味もあるんだって。

250さて、アナハイムを離れる朝。
2日前に来るときに利用した例のシャトルを予約しておいた。
飛行機は11:30なんだけど、余裕を持って7:40にホテルに迎えに来る車に乗ることにした。
20年近く前、空港からさほど遠くないフリーウェイで車が炎上するという事故が起きて、一度だけ大渋滞に巻き込まれたことがあった。
向こうの高速道路の車線数は日本の何倍もあるからね。渋滞の光景もスケールがデカい。
この事件はテレビでも盛んに報じられていた。
そんなことがあるとマズイ。
飛行機に乗り遅れたら大変だからね。
でも、6年前、夜中の12時と昼の12時を取り違えて自分が搭乗するハズの飛行機を逃したことがあった。
空港の受付の女性が「あの~、お客さま?お客様の飛行機はもうすでに東京に向けて飛び立っているんですが…」
「ああ、そうですか、ハハハ、じゃお昼の便に乗れませんかね?席はどこでもいいです」
なんか、さほど慌てなかった記憶があるな。
で、やはり真ん中の席に空きがあり、そこにネジ込んでもらって成田に帰って来た。
とにかく、空港までの道中にナニかがあって予定していた飛行機に乗れないようなことがあると、それだけアジの開きが遠のいてしまうので余裕を持って空港に向かうのだ。
そして、肝心のシャトルに乗り遅れるともっとマズイので、予定の15分前にロビーに降りてイスに座ってシャトルが来るのを待ってた。
するとひとりの黒人が「キミ、Marshallの人?そこでナニやってるの?」と私に話しかけて来た。
「空港行きのシャトルを待ってるんだよ」と答えると、「チョット、ナニそれ?そんなのあんの?いくらよ?」とかなり驚いた調子で訊いてくる。
どうやらシャトルの存在を知らないらしい。
「17ドルだよ」と教えると「メッチャ安いやんけ!どうすれば乗れるんだい?」と言うので、「一昨日アソコで予約したんだよ」とコンシェルジュの方を指さすと、彼は慌ててシャトルのことを尋ねに行った。
すると、「席に余裕があれば予約がなくても乗れる」という情報を得て、彼はその空席に期待をかけることになった。
9:30の飛行機に乗るというのに、空港まで行く手段すらおぼつかないなんてなんてノンキな人だろう!
そして、「タクシーだとロサンゼルス空港まで100ドル以上かかるんだよ!」…なんてことをやっているウチにスッカリ仲良くなっちゃった。
彼はSteveといって、某ドラムス(ブランド名は忘れた)のデモンストレーターとしてNAMMに来ていて、アトランタに帰るところだと言う。
「Hot 'Lanta?(ハッランラ?)」と私が言うと、「Yeah!!」とうれしそうにSteveが答える。
もちろんThe Allman Brothersが好きなのだろう。
ところが話をしているウチに彼が大プログレ好きだということがわかった。「King Crimson」が大スキだと言うのだ。黒人で珍しいよね?
ナニせGongの名前まで出て来たのには驚いたよ!
彼もストリーミングの売り上げでロックがヒップホップに負けたことを知っていた。
そして、「ラップはイカンよ」と黒人のワリにはヒップホップもストリーミングも否定していた。
ドラマーの話になって、Lenny Whiteの名前を出すと、キッパリと「A legend!」と言ったのが印象的だったな。
それと私が大のZappaファンであることを告げると以前「Wino Man」を演奏したことがあると言っていた。
やっぱ感覚が違うナァ。
専門はフュージョンで、日本にも来たことがあって室蘭と東京で演奏したそうで、「ヤキソーバ」が最高においしかったんだと。
そんなおしゃべりをしていたもんだからアッという間に空港についてしまった。
下はSteveがシャトルの情報のお礼にとプレゼントしてくれたサンプラーCD。
なるほど確かにフュージョンだった。

1_2sg無事搭乗したのはいいんだけど、空港の免税店の中国人がスゴイ!
ナニが?って、爆買いよ、爆買い!
マリリン・モンローやサンタモニカビーチのパッケージのチョコレートをカゴの中に山ほど積み上げた人で免税店の中がゴッタ返している。そして長い長いレジの行列!
私もどうしても義理でいくつかその手のお土産を買う必要があったんだけど、断念。
だってあんな列に並んでいたら飛行機に乗り遅れちゃうもん!
チョット前まで日本人もああだったんだろうけど…なんて言っている本人も30年チョット前の新婚旅行でやってました、ハイ。
その頃って、飛行機の中でまだタバコが吸えたんだよ。
後ろの方が喫煙席になっていて、禁煙席との間にはナニもないからいいように煙が行ったり来たりしていた。
それと思い出したのは映画。
今では前の座席の背もたれの後についている小さなモニターでいつでも自分の好きな映画を見たり止めたり、あるいは見逃した部分に戻ったりできるけど、昔は席の切れ目の壁に掛かっている大きなスクリーンをみんなで見たものだった。
見たくなくても上映しちゃうし、もちろん好みなんて関係ない。
でも最新の映画が見れるというので得した気分にはなれたけどね。
しかし!
ますますヒドイね、最近の映画は!
一体アメリカ映画ってどうなっちゃったんだろう?
ネタは完全に枯渇しているし、チャンとした映画を作れる人がいなくなっちゃったんだろうな。
今回はナニひとつ観なかった。
それとアメリカに文句をもうひとつ。
ビールがツライ!
そうそう、冒頭にも出て来たドイツとの会食の時にマーブロでもおなじみのジョン社長の隣に座ったのね。
彼がIPAをオーダーすると、ウェイトレスが「ビンになりま~す!」と言った。
やっぱりイギリス人は、そうしたレストランなどではビールはビンや缶で飲むものではないと思っているようで、ジョンはあからさまに困ったような表情をして「コレはコないのか?コレは?」とウェイトレスに言いながら、ビール・サーバーのレバーを押し下げるジェスチャーを何度もしていた。
ああ、イギリスのビールが飲みたいナ。
ドイツのヴァイツェンでもいいや…。

260帰りはラッキーなことに3人掛けのシートが全部空いていたのでガッツリと横になって帰って来た!
昔は結構こういうことがあったんだけど最近では相当珍しい。
空港の受付の人にその理由を尋ねると、LA行きが増便になったかららしい。
だからアッという間に成田に着いちゃった。
「寒波、寒波」と騒いでいたので、かなり日本の気温との落差にビビっていたが、それほどでもなかった。

270まぁ、音楽業界の心配事を色々とつづったけど、気持ちは下の写真ですわ。
Every cloud has a silver lining. (どの雲にも銀の裏地がついている)
つまり、「どんなに困難な状況や悪いことにも何かしらの良いことがある」ということよ。
それほど心配なの…ロックのことが。
私はやっぱりロックを支持するよ!
できれば60&70年代風でお願いします。

280ただいま~!
アジの開きじゃなくて、シャケでももちろんOKです!

290この歳になっても、色んなことに興味深々。
今回も色々なことを学ばさせて頂きました!
これからもMarshall Blogでは、ことあるごとに触れていくことになると思うけど、「新しいMarshall」…みなさんよろしくお願いします。

300_2<おわり>
 
(2018年1月27&28日 アナハイムにて撮影)

2018年2月 3日 (土)

NAMM 2018 MISCELLANEOUS ~ つれづれNAMMままに <その3>

 
またぞろ朝ごはんのお話。
コレは2日目のメニュー。
炒り卵、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモの炒め物、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。
あ、向こうの人たちは「ビュッフェ(buffet)」を「バフェイ」と「フェ」にアクセントをつけて発音してる。

2153日目。
メニューはナニかな?
炒り卵、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモの炒め物、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。

2154日目。
メニューはナニかな?
炒り卵、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモの炒め物、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。
うれしいな~、毎日が安定していて!…って、飽きるんだよ!
コレ、私が好き好んで同じモノしかビュッフェで取ってきているワケではなくて、本当にほぼコレしかない。

2155日目。
チョット変化あり。
オーバーイージー(両面を焼いた目玉焼き。片面だけ焼いたものは「サニーサイドアップ」)にハッシュ・ポテト…結局、卵にジャガイモ。
それにソーセージ、ベーコン、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。
本当に海外での朝食はツライ。
それにしても、こういうところに長期で滞在している人たちは一体どうしているんだろう。
まず、考えられるのは、パス。朝食抜き。
もしくは、売店でヨーグルトやカット・フルーツのような簡単なモノを口にして終わり…ぐらいだろうね。
このホテルのレストランの朝のメニューがどうなっているのかどうしても気になったので、ウエイトレスを捕まえて訊いてみた。
そのウエイトレスはフィリピンからの移民で、菅井きんみたいなイメージ。とても愛想がよい。
「コレ、毎朝同じモノが給仕されていますけど、長期滞在している人も毎日それを食べているんですか?」
菅井きんは「アッハハハハハハ!」と大笑い。朝っぱらからやたらと明るく元気がよい。
その大きな笑い声に続けて彼女はこう言った。
「そうなんです。毎日全く同じではさすがに飽きるので、一品だけ変えているんです。この辺りのホテルは皆そうしています。私はフィリピンの出身なんですが、私の国でもこれほど同じモノを毎日食べることはありませんよ!アッハハハハハハ!」………それを私は4日も続けて食べてしまった。
ナ~ンてね。
実はそれは先刻承知で、知ってて食べ続けてみたのだ。
マジでツライよ。
しかも、生野菜を摂らないでこんなモノばかり食べていると便通が悪くなるので、コレの後に果物とヨーグルトをガッツリと頂くようにしている。
ほとんど効果ないけどね。
3_img_5619さて、今日はまず会場の地下を紹介しましょうね。

10以前、この地下の展示スペースは「インディーズ」というか、新興のブランドやホームメイドの零細メーカーのブースが軒を連ねている。
何しろ聞いたこともないブランドが見たこともない商品を展示していて、ある意味ではココが一番面白い。
「こんなの作っちゃって!一体売る気あるの~?」みたいな商品が結構あってね。
それと中国や台湾の業者のブースが多かった。
ようするに「NAMMの登竜門」みたいなエリアだね。
かつては材木を加工する機械まで展示していたんだけど、もうなくなっていたな。
アメリカではもうギターは作らないということか?

20今でもそうしたスペースであることに変わりはないが、チト様子が変わった。

26それは…中国の業者がかなりのスペースを席巻したこと。

30ここも中国…

40チャイナ…

50中華民国…

60CHINA…

70中華人民共和国…

80CHINE…

90中国…スゴいパワーだ。
そういえば、ロサンゼルス空港の入国審査局での場内アナウンスも英語に次いで流れたのは中国語だった。
その後は韓国語。
日本はどこへ行ったんだろう?

100んん~。
どの商品にもなじみがあるような…。

110こういう商品をどこかの国の商社が買いつけるかと思っていたら、そうではないんだってね。
もちろんそういう場合もあるのだろうが、大半はそうではなくて「ウチの工場ではこういうことができます」と、OEMの製造能力をクォリティを示すための商品サンプルなんだって。
納得ナウ。

120そして、いまだに謎が解けないのは、そうした中国の方々が食べているランチ。
中華弁当なんだよ。
エビチリや青椒肉絲に白いご飯…中国の人たちはみんなそういうのを食べてる。
昼時になると、どこからともなくワゴンを押しながら出前がやって来て、中国のメーカーのブースに弁当を配って歩いている。
アレってどこから来るのかね?
一度でいいから仲間に加えてもらいたいわ。どうにもおいしそうなのよ!
で、翻ってみるに、会場内の一角に日本食の売店をやったら相当儲かると思うよ。
だって、少なくなったとはいえ、モノスゴイ数の日本人が来ていて、死ぬほど日本のメニューに飢えているんだから。
そこへおにぎりでも牛丼でも売ってみな?
砂糖に群がるアリのようにワ~っとなって、おにぎりなんか1個300円にしても飛ぶように売れるって!
待てよ…いっそのこと寿司なんかやったら外人もメッチャよろこぶんじゃないの?
それならいっそのこと、天ぷら、すき焼き、しゃぶしゃぶもやっちゃえ!ゲイシャも呼んじゃえ!
以前、楽器フェアで寿司屋のブースを出しているところがあったな…あ、私でした。

1_0r4a4402 そうして中国の企業が地下のスペース集められていたため、かつてそこにあった新興のメーカーの一部が1階に上がって来た。

140コレはとてもいいことだと思う。

150実際、見ていてとても面白いし、伝統のブランドと地続きで見て歩くことができるのはとても興味深い。

160コレも同じスペース。
ブティック・ギターだけを集めたコーナーなんて始めて見た。
ココはかなり面白かった。

170まず入り口で目を惹いていたのはこのピカソ風ギター。

180vコレはギター・ケース。

190v扉を開けるとこうなってる。
商品はすべてOne off。
同じモノは2つとない。
値段を訊くと、さすがにかなりのモノだったよ。

200v同じルシア―の作品。
ボディはメイプルのワンピースかな?

210v一体どういう感覚をしてるんだろう?

220コレはギター・アンプだって!
もう売約済みになってた。

230vコレも同じ人の作品。

240vこの人形はどういう意味なんだろうね?

250vコレは別のルシア―の作品。

260vすごくキレイだったよ。

270vマァ、とにかく自由奔放な発想のギターが並んでいてとても面白い。

290vこんなシェイプなんてどうして思いつくんだろうか?
ギターを作ってるんですよ!

300コレがホントのツーピース・ボディ。

310v回路がほぼムキ出しになってる。

320vコレも好きにやっちゃってるナァ。

330vとにかく他人と同じことはするまい…という気概に満ちているんだよね~。

340vパーツが全部フロートしてる。

350vコレも大胆な意匠ですな~。

360vやっぱりパーツが飛び出しちゃってる。
こういうの流行ってるの?

370マァ、あるわあるわ…色んなのが!

380vコレはどこかで見たことがあるような…。

390v牛ちゃん!

400vZZ Top仕様か?
どんな音がするんだろうか…。

420vこれはパーカッションだけど、ナンだってギターの形にしちゃうのよ!
それともこういうドレッドノート・シェイプにするとレゾナンスがいいとか?

430帰りがけに正面玄関の前の屋外ステージを覗くと…

4401987のハーフ・スタックにBluesbreaker!

450<つづく。次で終わり>

(2018年1月25&26日 アナハイムにて撮影)

2018年2月 2日 (金)

NAMM 2018 MISCELLANEOUS ~ つれづれNAMMままに <その2>

     
昨日の記事の最後に「NAMMの初日のはじまり~」なんて書いたけど、日を追ってレポートをするということはしません。
気になったことや面白いと思ったことを書きながらランダムに進めるので、ほとんど時系列を気にしないで読んでね。
…ってんで今回はいつもとは違う入り口を通って会場に入ることにするよ。05この立派なパームツリーの並木道を通って北側の入り口からお邪魔しようというワケ。06通路の右側には会場のコンヴェンション・センターの歴史を記したパネルが展示されている。
こういうのは好きですよ。
チョット見てみようか?
まずは60年代の出来事。
ナニナニ…1955年に開園してバカあたりしたディズニーランドを目の当たりにして、「ホンダラ春と冬だけでなく、一年中観光客でホテルの部屋がイッパイになるような設備をオラたちで作るべ!」と自ら「Anaheim Visitor and Convention Bureau(アナハイム・ビジター・アンド・コンヴェンション・ビューロー)」と名乗るアナハイムの61人が集まった。
コンヴェンションの施設は成功すれば大きなビジネスではあったが、アナハイムにそんなモノを作ることに関しては懐疑的な意見が多かったらしい。
ナゼなら、それまでコンヴェンションの設備のロケーションといえば、ニューヨークやシカゴやラスヴェガスのような大きな街が当たり前だったから。
その理由はコンヴェンション設備の場所は、中年のオッサンが少しの間家を離れてウップンを晴らすことができるような場所でならなくてはならず、家族連れを狙ってコンヴェンション設備を作るのはウマくいかないと考えるのが当たり前だったのだ。
ったくオッサンと来たらナニを考えているんだか…。
話を大分ハショるけど、大きな賭けではあったもののアナハイムは街を上げて建設に取り組み、1967年の7月にコンヴェンション・センターがオープンした。
そのオープニング・セレモニーは、それはそれは盛大なもので、ディズニー・ランドとの相乗効果を発揮してコンヴェンション・センターはその華麗なスタートに見合った大きな成功を収めたのたのだそうですよ。
そんなことがこの赤い掲示板に書いてある。330vオープ二ング・セレモニーや告知の写真。
オモシロそうなヤツを紹介しましょう。
340こけら落としに出演したアーティストの1人はボストン・ポップス・オーケストラの常任指揮者、アーサー・フィードラーだった。
フィードラーはアメリカでは超有名な指揮者。
ボストン・ポップス・オーケストラのこの人の次の次の常任指揮者が『ジョーズ』や『インディアナ・ジョーンズ』や『E.T.』の音楽でよく知られるジョン・ウィリアムス。
ココにあるようにこの時フィードラーは近隣のオレンジ郡(Orange County)の市民オーケストラを指揮したんだね。
Zappaファンなら「Orange County」の名前はおなじみであろう。1_20r4a4629フィードラーの3日後に開催された「ティーンのためのイベント」。
出演はJefferson AirplaneとThe Doors。
このアー写にあるように、Jeffersonはこの年、『Surrealistic Pillow』と『After Bathing at Baxter's』をリリースしている。
このこけら落としのイベントの3か月前にリリースした「Somebody to Love」が特大のヒットとなり、スーパー・スター・バンドになった頃だったんだろうね。
この曲、今でもよく耳にするけど、この世に出てからもう50年!
こういう長年の風雪に耐え得る曲なんてもうチョットやソットじゃ出て来ないだろうね。
一方、Jim Morrisonのところは、1月にファースト・アルバムをリリースして、この2か月後に『Strange Days』を発表するというタイミング。
The Doorsも衝撃的だったんだろうな~。
Morrisonのカリズマティックな魅力もさることながら、クルト・ワイルの「Alabama Song」なんかをカバーするオリジナリティが当時非常に新鮮だったのだと思う。
ちなみに同じくファースト・アルバムの冒頭に収録されている「Break On Through (to the Other Side)」は私のテーマ・ソングだ。
だって途中でMorrisonが何度も叫ぶでしょ?
「シゲ!」って。
いいよナァ…普段アメリカン・ロックは聴かないと言っている私だけど、こういうバンドは観てみたかった。
ちなみに1967年というのは、ロック界が大激動した年。
その起爆剤はその年の3月にビートルズが発表した『Sgt. Pepper's Lonly Hearts Club Band』だった。
「この年、ロックの何もかもが変わってしまった」…と、リアルタイムでこのムーブメントを体験された岡井大二さんがおっしゃっていた。
私、この頃は極東の島国で5歳児をやってました。

380これスゴイよ。
1968年の2月のThe Animals。4,851人の観客の前での演奏。
チケット代は5.5~3.5ドルだって。高くない?
この時の前座はナント、JimiHendrix。
Jimiはこの2年後、死ぬ前日もEric Burdonと一緒だった。
ロンドンのジャズ・クラブRonnie Scott'sに出演していたEric Burdon & Warのステージに飛び入り参加して「Tobacco Road」と「Mother Earth」を一緒に演奏した。
コレが生前のJimiの最後の演奏。
翌日、EricはJimiのガールフレンド、モニカから「Jimiが死にそう!」という連絡を受け顔色を失った。1_0r4a4631リチャード・ミルハウス・ニクソン…懐かしいね。
この人はオレンジ郡の出身。
1969年の大統領選に勝利して凱旋した時のもよう。
私なんかは「大統領」といえば「ニクソン」、「総理大臣」といえば「佐藤栄作」…というイメージがいまだにあるよ。
彼のテーマ・ソングは何と言ってもZappaの「Dickie's Such an Asshole」だ。
Chester Thompsonのドラムスが無限大にカッコいい変形ブルース。
タイトルは「ディッキー(リチャードの愛称)はそんなクソ野郎」という意味ね。
日本でも誰かこういう曲を演ったら?1_0r4a463270年代に入るとアナハイム・コンヴェンション・センターの需要は増していき拡張工事を敢行する。
そして、1974年1月に再オープンを果たし、展示会などの用途の他に、エンターテインメントの重要な拠点として積極的に利用されることになった。
この頃、コンヴェンション・センターのアリーナでショウを開催した面々がパネルに記されている。
ジョニー・カーソン(ジェイ・レノの前に30年間にわたって『ザ・トゥナイト・ショウ』の司会を務めた大人気コメディアン&俳優)、レッド・スケルトン(俳優)、ビル・コスビー(黒人コメディアン。長者番付のレギュラー)、ディオンヌ・ワーウィック、エンゲルベルト・フンパーディンク、そしてボブ・ホープ。
要するにアメリカのお茶の間の人気者がガンガンここを使っていたということ。
その中にディオンヌ・ワーウィックの名前が入っているのが意外だな?
この人ってアメリカではそういうポジションだったの?

390vロック・コンサートも盛んに開催された。
その辺りも名前が列記してあって、Elvis、Elton John、Neil Diamond、James Taylor、David Bowie、KISS、Rod Stewart、Deep Purple、Joni Mitchell、Donovan、Jackson Browne、Cat Stevens、Jethro Tull、Jimmy Buffett等々。
結構イギリス勢が名前を連ねているところがうれしいね。
1973年3月のNeil Youngのコンサートは8,508人を集め、完全ソールド・アウトを達成した。
人気あるんだね~、Neil Youngって。
1_0r4a4642_2Elvisは73年と76年にコンサートを開き、ともに約9,000人を集めファンを酔わせた。
そして1977年、Elvisはビルから立ち去った。
「Elvis has just left the building!」ね。1_0r4a4641 コチラはThe Beach Boys。
1973年11月のコンサートには8,483人を動員した。
一番高いチケットは$6.50。当時のレートだと2,340円。1ドルは360円の固定相場制だったからね。このチケットは高いのか?
1973年の日本の大卒の初任給は62,300円だったんだって。
直近では206,100円だっていうから1973年の3.3倍になった。
それをこのチケット代に当てはめると7,722円。
安いんじゃん?1_0r4a4640_2この1973年の演奏の3日後にも彼らはアナハイムでコンサートを開いており、その演奏が『The Beach Boys in Concert』の一部になっているらしい。
「らしい」というのは、このアルバムは1972~73年の間に4回行われた北米ツアーの音源で構成されていて、アルバムには詳しいレコーディング・データが掲載されていないのよ。
もう当時はレコーディング・バンドとしての人気は下降していたが、ライブ・バンドとしての人気はギンギンだったらしい。
私も好きでこのアルバムを時々聴くんだけど、「Sail on Sailor」~「Sloop John B.」から始まるヒット・パレードは楽しいことこの上ない。
それと「You Still Believe in me」、「Caroline No」、「Wouldn't it be Nice」等の『Pet Sounds』からの選曲もうれしい。
え?The Beach Boysなんかホントに聴いてるのかって?
イヤ、私も人間ですから…『Pet Sounds』は「人類の宝」だと思っています。1_2bbおお~!
コレ、ここでやってたのかよ~!
知ってる、「ローラー・ゲーム」?
すごい人気だったんだよ。
コレが大流行した時、私は小学校5年生だった。
日光へ行った移動教室の時、宿舎で「ローラー・ゲームごっこ」をやったのでよく覚えている。
「東京ボンバーズ」とか言ってサ。
一番人気のあった「なんとかヨーコ」さんという女性の選手の伝記マンガまであったよ。
…と興奮気味に書いている私はというと、実はコレ、あんまり好きではなかった。
ナニがおもしろいのかがサッパリわからなかった。
そういう人が多かったせいか、アッという間に跡形もなく消え失せた感があるな。
これをモチーフにした『ローラー・ボール』という映画もあった。
アイデアはヨカッタんだけど、ノーマン・ジュイソンにしてはおもしろくなかった。
試合のシーンはメッチャかっこいいんだけど、それ以外のシーンが相当退屈だった記憶がある。1_0r4a4644_2需要度を増すアナハイム・コンベンション・センターは80年に入ると西海岸で最も大きなコンヴェンション設備となった。
その規模においては当時、ニューヨークと全米3位の地位を競っていた。
どうしても抜かせなかったのが、シカゴとラスヴェガスの施設。
そういえばNAMMって昔シカゴでやっていたんじゃなかったっけ?440vコンサート会場としての人気も衰えず、Lionel Richie、Rush、Barry Manilow、Elton Johnらが大きなショウを開いた。
そして、1984年にはロサンゼルス・オリンピックのレスリング会場として使用された。
このロス五輪はリアルタイムで見たけど、「さすがアメリカ!」と思ったよね~。
オリンピックの後に就職活動を始めたんだけど、面接の時に「最近一番感動したことは?」と質問されると、「ロサンゼルス・オリンピックです」と答えていたのは私だけではないようだ…無難だからね。

1_0r4a464790年代に入っても展示会や会議の場としての需要は衰えず、アナハイム・コンヴェンション・センターはさらなる大拡張を計画し、1997年より現在の建物の建設に着手した。
そう、私が90年代の終わりに初めてNAMMに行った時、現在の会場は工事中で、アナハイムではなくロサンゼルスのダウンタウンにある「ロサンゼルス・コンヴェンション・センター」というところで開催していた。
その前年に東京で撮った写真をジム・マーシャルに届けたのを覚えている。
ちなみにこの会場はエディ・マーフィとジャッキー・チェンの『ラッシュアワー』という映画のロケ地に使われている。
映画を観てビックリしたんだもん。「あ!ココ行ったことある!」って。460vアナハイム最大の公共の工事となった5回目の拡張工事を経て現在の姿になったアナハイム・コンヴェンション・センター。
ココの人たちは「The Anaheim Way(アナハイム流)」という思想を大切にしているのだそうだ。
それは、自分が人からしてもらいたいことを人にしてあげなさい…というモノ。
業者でも、ゲストでも、アーティストでも、相手を問わず人には優しく…ということなんだけど、あの会場に入る際にパスポートをチェックする係員の対応はどうしてもその「アナハイム流」には見えないけどねェ。
でもね、コレはもちろんアナハイムの人に限ったことではないし、しかもアメリカだけの話でもないんだけど、向こうの人たちって、ゼンゼン知らない通りがかりの人やエレベーターで、一緒になった人に朝なら「Morning.  Have a good day!」って声をかけるでしょ?
夜ならエレベーターを降り際に「Good night」とか「Have a nice evening!」って言う。
そして、どんな場所でも目と目が合えば、大抵ニコッと微笑みかけてくる。
コレは歴史的に戦争ばっかりやってきた連中が育んだ「私は安全です」ということをアッピールするための習慣なのだろう…と勝手に解釈しているんだけど、こういうことこそ日本人はマネするべきだと思うんだよね。
日本で若い女の子にワケもなく微笑みかけたら絶対イヤがられるか気持ち悪がられるもんね。

480vでは、移動します。
会場の正面を右に折れて進む。
コレはどうも北へ向かうことになるらしい。

07コンヴェンション・センターを北に向かって突き抜けて当たった通りがWest Katella Avenue。
20_2立派なパームツリーのグリーンベルト。60_2West Katella Avenueを挟んだ向かいはディズニー・ランド。
32年前に新婚旅行で来た時は楽しかったナ。70_2公の駐車場は1日停めて$14.0。
安い!30_2一応駐車場の案内はしているけど、そういう公の駐車場はすぐにイッパイになってしまうそうだ。
バスはガンガン走っていても、公共の交通機関なんか無いのも同然。
いくら海外からの観光客が多いといっても基本的には車のみだからね。
膨大な数の人間が集まる機会となれば、駐車場なんかあふれちゃうにキマってる。
1_0r4a4672するとこうなっちゃう。
コチラはホテルの駐車場。
$40.0~$50.0だって。
東京のど真ん中に一日停めて5,000円だったらまだわかるけど、こんなところまで来て駐車代に$50.0も出すのはシャクだろうな~。40_2コレが北側の入り口。

50_2「The Music Being Here(音楽ココにありき)」がNAMM SHOWのコピー。

80_2そう、これはビジネス専門のイベントで一般人は入れないのよ。
でもね、以前はどう見ても10代としか思えない子供たちが大勢来ていたけど、今回は明らかに減っていたと思う。
コレも若者の楽器離れの表れなのかな?90_2コレが今回新たにオープンしした新設備。
ズッと工事をしていたって言うんだけど、ゼンゼン記憶にないな~。100_2敷地内に入ったところに設置されている小型の屋外ステージ。
ジャズを演っていたよ。110_2コレ何を売っていたんだろう?
余りにも派手な車のフィニッシュに見とれてチェックするのを忘れた。130_2コレはホットドッグ屋。
グエッ!
1個$11.0だって!ホットドッグ1個で1,300円!140_2そういえば会場の地下にあるハンバーガーも1個$13.0だったとか言っていたな~。1,500円だよ!
20年ぐらい前は$7.0だった。
そんなだから、いつも昼食は会場の売店で買い食いしないことにしている。
どうするかというと…ココだけの話だよ。
ホテルの朝のビュッフェで菓子パンを数個失敬して来ちゃうのさ!
セコいと思うなかれ。
どうせ体内時計がメチャクチャになっていて、お昼時になっても大してお腹が空かないんだもん。
こんなんで十分。
240_2そして、空いたペットボトルにホテルの水道水を入れて水筒代わりに持参する。
コレまたセコいと思うなかれ。
ま、会場内で売っている水のペット・ボトルが高いということもあるんだけど、まだ水があればいい。
炭酸のジュースしかないと困ってしまう…絶対にアレを飲みたくないのだ。
Marshallのスタンドでミーティングをする時に水をもらおうと思ったら切らしていて、残念ながら「ダイエットXXX」しかなかった。
XXXはブランド名…コーラね。
その手の人工甘味料を盛大に使った清涼飲料水を仕方なしに何年かぶりに口にしたワケ。
メッチャ喉が渇いていたが、とてもふた口は飲めなかった。
舌に苦いような変な味が残ってしまって…よくこんなモノを以前は飲んでいたナ、とビックリしてしまった。
以前にも書いたけど、こういう化学調味料って慣れてしまうと全くわからなくなっちゃうんだよね。
コールド・ターキー(意味が分からない人はこの前の回の記事を見てね!)してしばらくするとその不健康感が如実にわかる。
でも、またそういうモノを摂り出すと、すぐにマヒして平気になっちゃうんだよ。
だからコワいの。
ホラ、コレは近所のコンビニ(イギリスで言うところの「コーナー・ショップ」で買った水のペット・ボトル。
スーパー・ボールが近いせいか、NFLのロゴが入っている。3_img_5602 左の丸い建物から館内に入るよ。150_2中はこんな感じ。
ココでは以前は舞台照明の機材なんかを展示していたけど、今はほとんど空。160_2本館に移る。165照明機材の展示はこっちへ移って来たんだね。
スモークですぐにわかる。175ココまで来てスモークか…。
ま、ライトの効果をデモするために仕方ないんだよね。
でもすぐ隣に照明機材屋さんではないブースがあって、関係ないのにモクモクで気の毒だったな。180_2以前と比べて勢いが尚一層強く感じられたのはDJ関係の機材。190_2ナニがおもしろいんだか、「キュッキュキュッキュ」とアチコチでやってる。200_2このあたりもそれに付随する機材だね。210_2こういうのも仲間だろう。230_2チョット話は戻るけど、コレはさっき紹介した新しい建物の中の展示。
コンピューター・ミュージック関係のブースが並んでいる。250こっちも盛況だったナァ。
以前と比べて今回のNAMMは「楽器の形をしていない楽器」の人気が高まっているように感じた。260_2チョット外を覗いてみようか?
広~!
地平線までバッチリ見通せる。
こんな所でやってんだぜ!270_2もちろん従来型の商売も健在だ。
例えば音楽出版。
Hal Leonardはディズニーとビートルズの北米での出版権を保有する大音楽出版社で以前ずいぶん仕事でご一緒させて頂いた。280_2「シゲ~!」と私を見つけるなりスッ飛んで来てくれたのはティナ。
彼女はいつも私のことを「人気者」と持ち上げてくれる。
考えてみると実際には一度も一緒に仕事をしたことはないんだけどとても仲良しなのが不思議。
ココの会社の人はみんないい人でね~。290_2エ~、今「OMNIBOOKS」ってこんなに種類があるの?
Charlie Parkerだけかと思っていた。
「OMNI」はアドリブ・ソロの採譜本。
CannonballからColtrane、GetzからJoe Passまであるんじゃんよ!
ジミヘンまで出てる!
持っていてもどうせやらないから買わないけど。

300ああ~、この人にも会いたかったんだ~!…ロブ・ウォリス。
Drummers Collective InstituteやDCIビデオの創設者。
そして今はHUDSON MUSICのオーナー。
ロブも昔のことをよ~く覚えていてくれて、この場でずいぶん盛り上がってしまった。
ナンダカンダで20年の付き合いだ。
それに、自分で言うのもナンだけど、私、一生懸命やったからナァ。
向こうも私の音楽や映画に関するの知識をすごく尊重してくれたし、私もずいぶん色々なことを教わった。310_2Warner Brothers Publicationsを合併して、今では全米で一番大きい音楽出版社となったAlfredのクリスティーナとはホテルのレストランでバッタリ!
クリスティーナも知り合ってからカレコレ20年になる。
最初は独身だったんだけど、今では5人の子供のお母さん。
6年ぐらい前に有楽町でイッパイやって以来のおしゃべり。
浅草の天ぷら屋でカードが使えずにヘコンでしまったのは彼女。このことをブログに書いたと言ったら大笑いしていた。
  
昔の中間っていいナァ。
でも不思議なんだよね~。
何年も会わなくても、こうして昨日会っていたかのように接することができる仲良しがいる一方、同じく緊密に仕事をしていた仲間でも、シレ~っと付き合いが無くなっちゃう人がいる。
この他にもそういう仲良しがいるんだけど、なかなか会えなくてね。
NAMMに来ていることはわかっていてもブースを留守にしていたり、接客中だったり、ミーティング中だったり…。
ま、また会えるでしょう、生きていれば。1_cp1コレは静かでいいな。320_2こういう楽器を見るとホッとするよ。330バス・クラリネット…音は不気味だけどカッコいい。340vサキソフォン・カルテットによるデモンストレーションには黒山の人だかりができていた。350黒人で、アルトサックスで、ガタイがいい、というだけでもうキャノンボール・アダレイに見えて来る。
バップ・フレーズをバリバリ吹いていた。音が太くてかっこヨカッタ! 360_2それと、ディストリビューション会社、つまり楽器商社のブースが増えたように感じたナァ。
メーカーが自分のブランド名でブースを出すのではなく、販売店の一角に自分の商品を展示してもらうというやり方。
それとebayのような通販会社のブース。
コレも昔はなかった。
そのウチ、全部amazonになっちゃうんじゃないの?370Marshallは単独のブースを設けたが、NATALに関してはアメリカのディストリビューターに展示を任せるやり方をしたことはレポートした。380_2打楽器ゾーン。
このSABIANのディスプレイは見事だったね。
コレ、基礎の処理が大変だと思うよ。385何と言ってもノイズ量最大。
もちろん耳栓を持って行った。390特にシンバルがスゴイんだよね。
ドシャメシャ、ドシャメシャ、一日中やってる。
それにしてこのエリアも知らないブランドが増えたね~。400さて、この日は会食の予定がないので、近くのスーパーへ買い出しに出かけた。
前日にこの通りを歩いていたら、バス停のベンチにパンやハム等の新品の食材が置いてあるのに気がついた。
ベンチの場所を取っているならそれらを袋に入れておくのが普通だろうから、とても不思議に思っていた。

410この日、その答えがわかった。
バス停のベンチで生活をしている人たちがいるのだ。
こんな悲惨な生活なのに、愛想がとてもいいの。420_2朝晩は結構冷えるからね~。
気の毒である。430目指したのはココ。
あ、いきなり暗くなったワケではござらんよ。
この写真は別の日の夜に撮ったもの。
ちなみに10年近く前にはココにこんなモノはなかった。
CVS/pharmacyという薬屋さんなんだけど、食材も取り扱っているスーパー。
アメリカで最大の薬局のチェーン店で、41州で6,800店舗もあるんだって!440ココでね、驚くべきことが起こったんですよ。
向こうのスーパーってよく1列に並んで「何番のレジにどうぞ」なんてやるでしょ?
ご存知の通り、こういう所の店員は黒人やヒスパニック系の人が多く不愛想なことこの上ない。
フト、いくつか並んでいるレジに目をやると、実にニコニコと明るく愛想よくお客さんに接している若いカワイコちゃんがいるじゃんよ。
「ああ、この人のレジに当たるといいナァ」と思っていたらラッキー到来!
そのカワイコちゃんのところで精算することになった。
早速彼女が明るい口調で何やら話しかけて来る。
ところが…。
ナニを言っているのかわからないのだ。
イヤ「全部は聞き取れない」なんて生易しいモノではない。そんなことは慣れっこだ。
ナニを言っているのか皆目見当がつかないし、そもそも単語がひとつも聞き取れないのだ。
進歩はないにせよ、私も長いこと英語を勉強しているつもりですよ。
彼女の英語(だったと思う)は私の英語学習史の中で恐らくダントツで歯が立たなかったリスニングのひとつだったのではなかろうか?
どうも「ビニール袋は要りますか?」ということを言っていたようなのだが、その質問に使用されるであろう英単語はひとつも聞こえて来なかった!
別にショックは受けないけどね。ただ彼女に悪いことしたと思ってサ。450_2この日の夕食。
野菜が好物ではない私でも2、3日海外にいると無性に生野菜が食べたくなる。
それとおかず代わりのポテチはハズせないナァ。460ナントならば、この「Lays」というポテト・チップス、アミノ酸(グルタミン酸)を使用していないからだ。
チョット塩気が強いんだけどね。

470イギリスではコレが「クリスプス」という食べ物の名称に替わってブランドが「Walkers」になる。
もちろんアミノ酸抜き。

1_index 原材料を見てみようか?
ジャガイモ、植物油(ひまわり油、コーン油と/またはキャノーラ油)、食塩…以上。
ポテトチップの原材料は基本的にジャガイモと塩で十分なワケ。

490_2私にとってポテチはが最も好きな食べ物のひとつ。
でもアミノ酸は摂りたくない。
これ以上バカになったら困るから!
そこで、日本ではアミノ酸が入っていないポテチをワザワザ時々取り寄せて食べている。「Lays」もドンキなんかで売ってるけどね。
下のポテチはできたてを工場から直送するというヤツ。
味がやや薄くてとてもおいしいんだけど、届いて早く食べないとドンドンおいしくなくなっていっちゃう。
コレはたまたま「のり塩」なので原材料に青のりが含まれているが、やはり使っている材料はジャガイモ、植物油、食塩だけ。

510コレは成城石井に売っているヤツ。
これも同様にジャガイモと植物油と食塩だけで作られている。
チョット高いけど、ジャガイモの味が濃くてとてもおいしい。

520大手企業が作っているポテチはどうか?
「うす塩」味なのに、こんぶエキスパウダーなんてのが使われていて、デキストリンとアミノ酸をガッチリと含有している。
ポテトチップスというモノはジャガイモと食塩だけで作られるハズなのに…。
困っちゃうのはコレがまたおいしいんだよね。
マァ、今の時代、いくら気を付けていても化学調味料を完全に絶つことなんかできないのはよくわかっている。
だからこそ自主的に防衛できることはやっておこうかと思ってね。
ナゼ、このアミノ酸(グルタミン酸)絶ちをしているのかというと、コレは「MSG」といって、欧米ではかなり危険視している成分であることを知ったから。
だからポテチに入っていないというより、法律で使用が禁止されているんだって。
摂りすぎるとアタマおかしくなって狂暴になっちゃうらしい。
アメリカ人って黒色人種を中心に極度に肥満している人が多いでしょ?
アレも相当身体に良くないにキマっているけど、それよりMSGの方が危険っていうことなんだよ。
長いことアメリカに住んでいた人に聞いた話なんだけど、あの肥満にはまたそれなりの原因があるんだって。
その話はまたいつか…。

<つづく>

(2018年1月24&25日 アナハイム他にて撮影)

2018年2月 1日 (木)

NAMM 2018 MISCELLANEOUS ~ つれづれNAMMままに <その1>

   
月曜日の夕方、無事にNAMMから帰って来た。
4日間というアッという間の滞在で、時差ボケに陥る間もない感じ。
もう少し若い頃は海外に行って時差ボケになって、身体が向こうの時間に慣れる頃に帰って来て、また日本で時差ボケなんて調子だったけど、もはや時差ボケの方が老体に寄りつかなくなって来たよ。
さて、NAMMでのMarshallについては既に現地からレポートさせて頂いた。
そこに書いたように、かつてNAMMといえば、「超多忙の重労働の場」という印象がトラウマになっていて、私にとってはとてもじゃないが「うれしい!楽しい!大スキ!」で訪れるような場所ではないのね。
それでも今回は、リフレッシュしたMarshallと対面して、公私ともにMarshallに関して新しい世界が広がったことはとてもうれしかったし、2014年以来のNAMM往訪で久しぶりに会う友人も多く、そういう連中との交流は最高に楽しかったとも言える。
NAMMに行きたくても行かれない方々のために失敬なので「大スキ」かどうかは書かない。
そして、4年ぶりのNAMM SHOWは様々な点において、色々な変化を目の当たりにさせてくれた感じがしたな。
そのあたりのことをツマらんウンチクを交えながら今日から数回にわたってお届けしようと思う。
もう肝心なことはレポートし終わっているので、「全体が脱線の旅日記」のつもりでリラックスして書かせて頂くのでお楽しみ頂ければ幸いである。
♪明るく陽気にいっきましょう~…と。
ちなみにタイトルの「miscellaneous」とは中古レコード屋さんのカテゴリーの分類なんかで見かける「misc.」っていうヤツ。
「種々雑多の」という意味ね。
  
出発は成田から。
羽田より慣れた成田の方がいい。
さて、今回はいきなり「ラッキー」が待っていたのです。
年明けにMarshallの社長から「NAMM行きのチケットをすぐにゲットしなさい」と言われ、「そんな…今頃言われてもチケットが取れないでしょうに!」と恐る恐る格安チケットのウェブサイトで空席情報をチェックすると、空席は少々残っていることが確認できるのだが、やっぱり3人掛けの真ん中しかない。
トイレ近いじゃん?
呑めないじゃん?
ま、タマにはそんな空の旅もいいか…と諦めていたのだが、搭乗24時間前のネット・チェックインでもう一度空席の状況をチェックしてみると、あるじゃないの~、通路側の席がッ!
しかも、あの足元が広いエコノミー・エリアの先頭の列だ!
コレで安心。
翌日、意気揚々と成田のカウンターへ赴いた。
10すると、チェックイン・カウンターの若い係員がこう言う。
「通路側ではありませんが、今でしたら無償で『プレミアム・エコノミー』の席にお移りになれますが、いかが致しましょう?」
その係りの方が言うには、例え通路側でなくても「普通のエコノミー席よりはるかにラク」だと言う。でもこっちのカードはエコノミーの先頭の通路側だぜ!…と、少し迷った。
「本当に楽なの?アナタ、名前覚えたよ。もしラクじゃなかったらクレーム申し入れて、その上Marshall Blogに悪口書くよ!」とフザけていうと、大笑いしながら「絶対大丈夫です!」と言う。
今まで私はそのプレミアム・エコノミーの席を一度も利用したことがないので、4人掛けの内側のロケーションではあったが、それを利用させて頂いた。
結果…メッチャ、ラクだった!
経済的にビジネス・クラスにはとても手が届かないけど、コレ、少しぐらいの値段の差だったらゼンゼンいいんじゃない?
食事はエコノミーの席と同じだけど、耳栓だの、アイマスクだの、スリッパだののサービスが付く。
ま、そんなモノは特段うれしくはないけれど、座面がチョット広くて、リクライニングの角度の大きさとフット・レストの有無が普通のエコノミー席と比べて信じられないぐらいの快適性を発揮するのよ。
あの成田の係員さんに感謝だわ~…名前忘れちゃったけど。
しかし…機内食は年々ヒドくなっている気がするな~。
ANA名物と聞いた温かいおしぼりのサービスもなくなってしまった。
20信じられないぐらいアッという間にロサンゼルス空港に到着。
シートのせいかな?
ホントに早かった。
そして…ま~~~相変わらずの入国審査の行列。ヒースローもヒドイけど、ココもヒドいな~。
グルグルグルグルグルグルグルグル、スペースマウンテンだってこんなにグルグル並ばないつーの。
コレ、列に並んでいるだけで相当歩いてるよ。
この列の中にいるといつも思い出すのが『ゴッドファーザーPartII』のエリス島のシーン。
幼いドン・ヴィトー・コルレオーネがシシリー島からやって来て、エリス島の入国管理官の差し出す書類のサイン欄に「×」をする場面。
で、どんなもんかと思って、このエリス島に行ってみたことがあるんだけど、明治時代に日本からたったひとりでアメリカに渡った女子がいたっていう話がフィーチュアされているんだよね。
アレには驚いたナァ。
Ei もうひとつ驚いたのは、入国手続きの機械化。
あるでしょ、「オッハヨゴーザマス。何しに来たの?何日の滞在なの?アラガトガザマス」っていうヤツ。
あれが機械になっていて…つまり無数に設置されている機械の画面を見ながら、適切な答えを入力していき、写真を撮って、かつ指紋を取る。
すると、今撮った顔写真(自分でいうのもナンだが、コレがなかなか男前に撮れている)が載ったお札みたいなペラペラな紙が出て来る。
それを受け取って次のセクションに進む。
この作業ででモタモタしているヤツがゴマンといるから行列がドンドン長くなる。
そこへまた新しい飛行機が到着するもんだから、そこはもう阿鼻叫喚の行列地獄よ!
機械の画面には何種類もの言語が対応しているんだけど、お年寄りなんかはやっぱりちょっとキツイかもしれないよね、こういうのは。
ま、実は私も少しビビりましたが?イヤ、機械の操作にビビったのではなく、行列の中から機械を操作している人たちを見ていてが一体ナニをしているのかと思ってね。
で、ですよ。
次にセクションに進むと入国審査官が何人か並んでいて、ビジターたちは順番にその前に立つ。
すると驚いたことに、その審査官が「オハヨーゴーザマス。何しに来たの?何日の滞在なの?」と訊いてくるではないか!
「ハァァァ!? オマエ、一体ナニ訊いてんだよ!さっき機械に打ち込んだだろうが!」…なんて文句を言う度胸も必要も全くないので「デヘヘ、NAMMで~す!5日で~す!あざーす!」とやりとりしておいた。
何せ相手の親分はトランプだ。
怒らせたらナニをしでかすかわからない。
外に出れないように家の周りに壁でも作られたんじゃかなわないからな。
いずれにしてもコレでもう手続きは終わりだろう…と思ったら大間違い。
  
この後、カルーセルで荷物を受け取って、ココからまた大行列だよ!
もう後は外に出るだけだというのに、向こ~の方までモノスゴく長い行列ができている。
「2列、2列!」と大声を上げている行列の整理をしてい兄ちゃんは、何やらその行列を長くすることに快感を感じているようなのだ。
「疲れてんだよ、こっちはよ~!」…なんて文句を言う度胸も必要も全くないので、荷物をただただ無言でガラガラと押しながら列の最後尾につく。
ジリジリと順番が繰り上がり、最後の地点でさっきの機械から出て来た紙を係員に渡して釈放。
覚悟はしているけど、ヒドイな。
いくらなんでももうチョット何か他のシステムがあるだろうに…。
やはり入国審査に時間がかかる悪名高いヒースローよりヒドイ。
この季節に、あんな狭いところにモノスゴイ数の人間が詰め込まれて、インフルエンザでも伝染されたらどうすんの!
実際、5年前のNAMMがそうだったからね。
早く外の新鮮な空気が吸いたい!
  
…と、外に出ると凄まじい排気ガス!

30空港からNAMMの会場があるアナハイムまでは「シャトル」と呼ばれる乗り合いのタクシーを利用する。
安いからね。
利用者を全員各々のホテルまで送り届けてくれて17ドル。
4年前は16ドルだった。
コレにチップを乗せなきゃダメね。
チップは何回やってもイヤだな。この習慣は本当によくないと思う。

40下の写真の左の青いユニフォームを着ているのがいつも利用しているSuper Shuttleという会社のスタッフ。
大抵ゴッツイ黒人が受付をやっていて、行先と名前を訊いて、持っている小さな端末にその情報を打ち込む。
そして、順番が回ってくると名前を呼んでくれる。
大変威勢がよくて話しかける時はいつもビビってしまうんだよね~。
「タナ~カ~!」とか「スズゥ~キ~!」とかいう名前が飛び交っている。
私の名前は複雑なので、呼び出す時に必ず何回かつっかえるのですぐに「自分だ!」とわかる。
メッチャいい加減に采配を振るっているようなんだけど、なかなかどうして見事な仕事っぷりだといつも感心しちゃうんだよね。

50フリーウェイをブッ飛ばして40分も走ればアナハイムに着くかな?
今回は2番目にシャトルを降りることができたのでかなり早くホテルに到着した。
これが、個人宅へ行く人が紛れ込んでいると街中を巡回するのでエラく時間がかかるのよ。

60今回は前々回もお世話になったDouble Tree Suites by Hiltonというデカいホテル。
Marshallの工場のすぐ近くにこのチェーンのホテルがあって、そこと企業間で契約をしているのでアナハイムでもDouble Tree。
NAMMの会場までは1ブロック+アルファなので悪くない。

70ホテルのロビーの壁に掛かっている警告文。
法律でコレをやることになっているんでしょ?
「この施設は喫煙を許可していますが、カリフォルニア州ではタバコの煙は癌の原因、出生異常、そして生殖機能障害を引き起こすことを認識しています」
要するに、「この施設にはタバコが吸えるところはあるけんども、吸ったらアンタの身のためにならんぞ」ということ。
今、日本政府でもオリンピックに備えてタバコの件でスッタモンダしてますな。
自分が吸わないということもあるけど、居酒屋を含むレストラン等の公共の場で喫煙が許されているのは、先進国の一員(のつもり)として大変恥ずかしい。
頼むから公の場は完全禁煙にしてもらいたいわ。
同時に愛煙家のために喫煙が可能な場所を確実に確保して、紫煙が行き来しない設備の整備をドンドン進めるべきだと思うんだよね。
タバコの楽しみを知ってるからね…私は。愛煙家のことも考えてあげなきゃ!
でも私はもう二度と吸わない。

80で、ナンでここでタバコの話をしたのかと言うと、実はお詫びしたいことがあるからなのです。
私は11年前にMarshallに行った時、イギリスのタバコの値段が当時の為替レートでひと箱1,500円以上もしたため、バカバカしくて止めた。
禁煙するつもりはなかったんだけど、タバコを買うお金もなかったの。
それほどヘヴィなスモーカーではなかったので大したことはないだろうと思っていたんだけど、イザ止めてみると、その禁断症状のツラいこと、ツラいこと!
数日間、もうどうにもならないぐらい苦しかった。
それでみんなで会食をした時、そのつもりはなかったんだけど、苦しい表情がにじみ出ていたんだろうね。
それを見たダグ・アルドリッチが「シゲ、大丈夫か?どうしたんだ?」と声をかけてくれた。
するとそばにいた当時のMarshallの副社長が「シゲは『コールド・ターキー』なんだよ!」と私に替わってダグに答えてくれた。
それを聞いていて、「おお~!『コールド・ターキー』か…ジョン・レノンじゃん!カッコよくなったもんだな、オレも!」と思った。
そして、その「cold turkey」という言葉を「禁断症状」という意味のスラングかと思った。
だってサ、ジョンの歌を聴けばそう思っちゃうじゃん?
このことを以前の記事に書いた。
ところが、「cold turkey」の正しい意味を新聞を読んで今朝知ったのだ!
「cold turkey」というスラングは禁断症状を意味するのではなく、「意思の力によって、何かをスパっと止めること」なのだそうだ。
だからその副社長はダグに向かって「シゲはタバコをキッパリ止めたところなんだ」と言ったワケ。
ジョン・レノンの「Cold Turkey」は1969年のシングルで、後に1975年のジョンのベスト・アルバムに収録された。
このアルバム、実は私が生まれて初めて買ったLPレコードなの。
13歳の時かな?クラスメイトの松尾くんから600円で譲ってもらった。
ココから始まった。
ちなみに今はこのアルバムはウチにありません。

85cd部屋からの眺めはこんな感じ。
広いね~。

90ベッドの脇のナイト・テーブルの中にはホ~ラ、「Gideon's Bible」。
下には「Placed by The Gideons」とある。
「国際ギデオン協会」という団体がキリスト教を広めるために、無料でこうして聖書を配布している。

100ビートルズ・ファンならポールの「Rocky Racoon」でおなじみでしょう?
どうしても耳に付くのが「♪Only to find the Gideon's Bible」というくだり。
私もこの曲で「Gideon's Bible」という言葉を知った。
それだけに、この曲においてはコレがよっぽど大切な意味を持っているんだと思っていた。
ポールはインドに行った時、ジョンとドノヴァンとギターを弾いていた時にこの曲のアイデアを思いついたというのだが、2008年にイギリスの音楽雑誌「Mojo」のインタビューでこう語っている。
「この曲には『Gideon's Bible』ってのが出て来るだろ。どのホテルに泊まっても目にするヤツさ。引き出しを開けると必ず入ってるヤツ!
このギデオンって一体誰よ?今でもコイツが誰だか知らないんだよね。きっとメッチャ善意の人なんだろうね」…だって。
このインタビューを読む限りではこの言葉に意味がないようですな。
それよりスゴイことを発見してしまった。
この聖書を配る団体は日本にもあって、「日本国際ギデオン協会」という。
この協会は1950年に設立され、やはり聖書を無料で配布し、キリスト教を広める運動をしているのだが、初代会長が五十嵐文雄さんという五十嵐健治さんという人のご長男。
「白洋舎」っていうクリーニング屋さんのチェーン店があるでしょ?
この五十嵐健治さんは、日本で初めてドライ・クリーニングの開発に成功したその「白洋舎」の創始者なのだそうだ。
チョット来歴に目を通すとなかなかに波乱万丈の人生を送られた方で、三浦綾子が伝記を書いているというので読んでみたくなり、さっそく注文しておいた。
で、この健治さん、人生に行き詰って自殺を考えた時にキリスト教が思い留まらせてくれた。
その感謝のしるしに…とこの事業を始めたということだ。

105cdコレはNAMM開催の前日のようす。

110既にレポートしたようにバッジがスイスイとゲットできたので、挨拶をしにMarshallのブースへ。

120_1会場は設営のクライマックスを迎えている。

130ホホウ、今回はこんな感じか。
このパネルを目にしただけでイメージが変わったことが理解できる。

140もうスタンドの中は準備万端。

150

160Steveのデモのリハーサルにも力が入る。

170この日はドイツのディストリビューターとの会食にお呼ばれ。
ドイツのディストリビューターには古い友人も何人かいるので久しぶりに会うのを楽しみにしてくっついて行った。
会場は近くのレストラン。
しかし、この辺りもずいぶん変わったね~。

180NAMMに初めて来たのはカレコレ20年近く前のことだけど、新しい建物が増えて大分にぎやかになった。

190昔、この明かりがついているファストフードの長屋に奇妙な麺類屋があってね。
うどんともラーメンともつかない、世にも奇妙な食べ物を出していたんだけど、結構おいしかったな。
とにかく海外へ出ると恋しくなるのが出汁を使った食べ物。
たとえそれが化学調味料リッチなものであったとしても「海の家のラーメン効果」にも似た「海外の出汁もの効果」ですんなりイケちゃうのだ。
イギリスのニューキャッスルで食べたラーメンなんて味の素の味しかしなかったけどおいしく感じちゃうのよ。
今はとてもムリだけど。

200この晩ごちそうになったのは鶏。
ドイツ・チームの親分がこの付け合わせのブロッコリーを「tree」と呼んで笑いを取っていたが、おいしかった。
みんなイギリス式に「Starter」と「Main」の2品を注文していたが、Starterでスゴい量なのは先刻承知なので、私は1品だけ頂いた。
丁度いいわ。

3_img_5597 ハイ、翌朝。
今日もいい天気~!
日本はこの時、猛烈な寒波だったんでしょ?
アナハイムも朝晩はさすがに寒くなる。
半袖では少しキツいぐらいかな?

210出た~!
朝ゴハン。
初日はいいよ…おいしく頂きます。
これが向こう4回続くワケよ。
泣きたくなるぐらい飽きるのよ。
ひとつ発見したんだけど、オレンジ・ジュースってどうして別格扱いされているんだろうナァ。
レストランに入って席に収まると、ウェイトレスが「コーヒーですか?オレンジ・ジュースですか?」と大抵訊いてくる。
イギリスのホテルもそう。
写真に写っている赤いのはグレープフルーツ・ジュース。
サーバーがビュッフェに置いてあって自由にお代わりできるんだけど、このホテルではオレンジ・ジュースがそこにないんだよね。
隠してんの。
もちろんウェイトレスに頼めばいくらでも出してくれるんだけど、不思議だ。

215まだ時間が大分早いので少しホテルの周りを散歩する。
ガソリンスタンドにコンビニが組み込まれている光景は最近では日本でも見かけるかな?
以前、天井から給油のホースが下がっている日本のガソリン・スタンドを見たイギリス人が大変感動して写真を何枚も撮っていたが、確かに海外ではああいうのを見ないね。

220モーテルね。

230日本では「モーテル」なんて言葉もスッカリ聞かなくなった。

240向こうに見える人たちはNAMMの会場に向かっている。
ずいぶん遠くから歩いてくるんだな~。
朝はいいけど、帰りはツライぜ~。

250v空気が日本と違うのかね?
海外では飛行機雲をよく見かけるような気がするな。
高い建物がないので、その飛行機雲の長いこと、長いこと。
「空が広い」ってことね。

260こういうのを見るとこのアルバムを必ず思い出しちゃう。
John Abercrombieの『Direct Flight』。

Df湿気がなくて、朝は空気もよくて本当に気持ちがいいね。
アメリカに住みたいとはそうは思わないけど、湿度の低いのだけは本当にうらやましい。270開場前の会場にも行ってみよう。

280まだほとんど人がいない。

290おまわりさんはもう今から待機。

310バッジをホテルの部屋に置いて来てしまったんだけど、バッジがないともうこれ以上会場に近寄れないのよ。
キビしい~!

320そして、一旦ホテルに帰って出直し。

325NAMMの初日の始まり~。
実はホテルの部屋でMarshall Blogを書いていて、オープニングのセレモニーには間に合わなかったの。
まだ木曜日だからそれほどは混んでいない。
土日はスゴイよ~!

490<つづく>

(2018年1月23&24日 アナハイム他にて撮影)

2018年1月28日 (日)

SATURDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

   
イヤ~、今日は暑かった!
とても長袖なんかじゃいられない。
会場の中は冷房が入っていたよ。
もう1日残っているんだけど、明朝、愛する祖国に帰るぞ~!
今、日本はものすごく寒いんだってね。
楽しみだ!
そんな話をカナダの人と話していて大笑いしたんだけど、連中は-5℃になると半袖に短パンになるっていうのよ!

ホンマかいな?
でも、以前他のカナダ人から聞いたのは、気温が5℃になると「暑い!窓全部開けろ!」ってなるらしいからまんざらウソでもあるまい。
そうかと思うと夏は40℃を超えるところも珍しくないとか…。
まぁ湿度が高いのはツライけど、やっぱり日本が一番いいね。
 
さて、今回も色々なことを勉強した。
そのあたりは帰ってからユックリとMarshall Blogでレポートさせて頂く。
少し間が空くかもしれないけど待っててね。
今ひとつだけ書いておくと、Marshall社の中でこのブログのステイタスが私が思っているよりはるかに高いことを知った。
それもこれもご愛読頂いている皆様と、制作にご協力頂いている皆様のおかげです。
  
アジの開き、納豆、生卵、豆腐の味噌汁、そして白く輝くご飯…食べるぞ!
ネ、私の場合、海外に出て恋しくなるのは必ず朝ご飯のメニューなの。
  
さらばNAMM 2018!

F0r4a4789 (2018年1月27日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

2018年1月27日 (土)

FRIDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

 
あ~~~、足が痛い~~~!
特段NAMMのためというワケではないんだけど、少しでも運動不足解消にと、ここのところ毎日10km近くのウォーキングをしていた。
ダメ!効果なし!
コレってもしかして、知らないうちに10km以上歩いてるのかな?
長距離をあるくことより長時間立ちっぱなしなのがキツいのかな?
しかも、マーブロの書き直しで昨日は3時間ぐらいしか眠れなかったのでシンドイのなんのって!
食べ物のせいもあるんだよね~。
あともうチョット!
  
ところで、タイトルに使っているのは、以前にもどこかでやったことがあるんだけど、Miles Davisの『Miles Davis at Fillmore』から拝借している。
1970年にLaura Nyroの前座でMilesがFillmore Eastに出演した時のライブ・アルバム。
LPでは2枚組で、片面1曲ずつ。
それらの曲のタイトルが「Wednesday Miles」から始まって「Saturday Miles」で終わる。
カッコいいナァ。
今回のNAMMには開催1日前の水曜日から入っているのでちょうどいいと思って…。

Mdaf…ということで第2日目。
おなじみの光景。
しかし、いい天気だナァ。
でも、2013年か前回の2014年に来た時雨が降ったんだよね。

10_2ま、私も新婚旅行からはじまってLAにはずいぶん何度も来ているけど、アレは初めての経験だった。
「雨のロサンゼルス」で思い出すのはビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』。
主人公の売れない脚本家、ジョー・ギリスが雨の日にこう独り言を吐く。
「ロサンゼルス何もかもがデカい。雨もそうだ。ココでは雨は滅多に降らないが、一旦降り出すとすさまじい大雨になるのだ」
正確ではないけど、こんな感じ。
私が体験したアナハイムの雨はマァ大したことがなかった。

Sb ギンギンの晴れ空が背景の見慣れた風景なんだけど、今朝はチョット様子がいつもと違う。
開場を待つ一般の人々を前にスゴイ音量で音楽が鳴り響いているのだ。
その開場を待つ人たちと言えば、みんな会場の建物の上を見上げている。

20_2みんなの視線の先はテラス。
ビートルズのルーフトップ・コンサートよろしく、ココでライブ演奏をしていたのだ。
こんなの初めて見た。
ま~色々と考えますな~。

30_2昨日だか一昨日だかに会場のセキュリティの話をしたけど、なんとメタル・ディテクター動員!
つまり金属探知機ね。
昔はこんなこと絶対しなかった。
ヒデェ国だナァ。

40_2Marshallのブースでは今日もセッセとSteveがデモンストレーションにいそしんでいる。

50v_2ウン、やっぱりORIGIN、いいよ。
Marshallだけのヴィンテージ・トーン。
自分だけの声を持ってるんだな~、Marshallは。
歌と同じで、楽器ってそういうことじゃない?
どんなにデジタルの技術が進化したとしても、オリジナルのサウンドにはかなわないよ。
このことが改めて見直される時は近いと信じている。

60_2仕事とはいえエライなぁ。
毎日数回、同じことを繰り返してる。
それも人柄からか、ものすごく丁寧なんだよね、Steveは。
キチ~っと仕事をこなしている。
デモに適用しているオリジナル曲がまたいいのよ!

70vSteveの後、ステージに飛び入りで上がったのはこの9歳のボクちゃん。
足にMS-2をくくりつけているのが可愛い!
途中でORIGINにアンプを変更したんだけど、結構いい音出すのよ!
メタリカの曲らしいんだけど、ギター・ソロはなし。
ん~、ゴメンね。
日本のキッズの方がテクは上なのよ~。

80_2アメリカで活躍しているドラマー、Misaiちゃんが遊びに来てくれたよ。
Misaiちゃんが参加しているバンド、DOLLFACEはラスベガスを中心に全米で年間110回を超すライブこなしている忙しバンド。
Misaiちゃんのアメリカでの活動の話は本当におもしろくて、同時にショウビジネスの本場のすごさや厳しさを窺い知るね。
Misaiちゃんのナントたくましいことか!
私も見習いたいぐらい。

100_2場所を階下に移す。
…と、そこにもMarshallが…。
ココはアメリカのディストリビューターのブース。
NATALはココに展示されている。

105

Marshallの壁の人気は相変わらず。110もちろんEDENも展示してある。120今回は2階のMarshallの単独ブースに力を入れたため、NATALの展示はかなり軽め。

130NATALオリジナルの他…

150おいしくご飯が炊けそうなブラスの深胴スネア。

160人気のCafe Racerや…

140DNAという…

170新しいシリーズの展示されている。
お、このスネアはマーブロでも紹介したスチールね。まだ日本に1台しか入ってきていない。

180Misaiちゃんのキットも早く出来上がってくるといいね!

90_2またMarshallのブースに戻る。
昨日チラッと登場したAlice Cooperのギタリスト、Nita Straussがステージに上がっていた。

190残念ながらギターは弾かないが、NitaのMarshallに対する愛情トークがそこにいる者の耳をとらえて離さなかった。
「School's Out」、「Billion Dollar Babies」、「Under my Wheels」、「Eighteen」、「Cold Ethyl」、「Black Widow」…Alice Cooperの名曲やヒット曲を挙げたらホントにキリがない。
Nitaがそうした曲をレパートリーにしているのかも不勉強で存じ上げないが、やっぱりそうしたロックの史に残る名曲は絶対にMarshallの音で演ってもらいたいよね。
Nitaのトークはそのあたりのことを完全に理解したギタリストととしてのモノだった。

200v_2アメリカのディストリビューターに勤めるRyan。
こんなでも、彼、フルネームを「ライアン・ローズ」という。メッチャかっこよくない?
Ryanとももうずいぶん長くなった。17年ぐらいか?
冗談を言うのが大好きなんだけど、ものすごい早口なもんだから、英語を聞き取るのにいつもスゲエ苦労する。
ギターもものすごく上手で、2000年にAVTシリーズを発売した時、ショウケースCDにギタリストとして参加していた。
名前が名前だけにてっきりランディ・ローズとと関係があるのかと思ったら同業者だった(当時)ので、ビックリした記憶がある。
今日は、「このブースと企画が大変よくできましたで賞」を獲得し、記念の盾をゲットした。
おめでとう、ライアン!

210v_2あ!
今日初めて気がついたんだけど、このプラグ、Marshallロゴが入ってんじゃん!
ウチのには入ってないぞよ。
今度取り替えてもらおうっと!
ナンダカンダ言っても、私はMarshallミーハーなのです。

220ブース内の打ち合わせ室の壁に飾ってあった1960年代の工場の写真。
この一番前の白いシャツの人、ケン・ブランかな~?
と思いつつ今日はココまで。

230(2018年1月24日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

 

 

2018年1月26日 (金)

THURSDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

    
いよいよ今日から始まった2018年のNAMMショウ。
昨日も書いた通り、私は2014年に来て以来で、今回色々な変化が目についたナァ。
細かいところではANAが温かいおしぼりを出さなくなった…とか。
そういうのは最後にまとめて書くとしてさっそく会場に向かおう。
Harbor BlvdはNAMMを開催しているコンヴェンション・センターの前の通り。
数ブロック先にディズニー・ランドがある。
ココの「数ブロック」って結構あるからね。
ニューヨークのストリートと違って、1ブロックがメッチャでかい。
Blvdは「Boulevard」の略ね。
この単語、なかなかに発音が手ごわい。

05_2コンヴェンション・センターはHarbor Blvdから少し引っ込んだところにある。
その途中にある…つまり会場に一番近い巨大なホテルがこのマリオット。
一度だけ泊まったナァ。
まだジム・マーシャルが元気な時に、このホテルのオープン・テラスでイッパイやったことがあった。
なつかしいナァ。
このホテルの向かいのもうひとつのバカでかいホテルはヒルトン。
今は知らないけど、そっちはロビーにいくつかステージが設置してあってやかましいことこの上ない。

10_3我々が入場パスを手に入れるひとつの方法として関係者からメールでバーコードを送ってもらって、それをNAMMの開場の窓口に提出してパスを発行してもらう。
便利になったよな~。
その窓口はいくつかあって、以前はヒルトン・ホテルの地下でそれをやっていた。
スゲエ行列でね~。
ちなみにココではそのパスのことをCreamじゃあるまいし、「バッジ」と呼んでいる。

20_3コレね。
もちろんMarshallのランヤードは自前ね。
昔はこのバッジさえつけていれば会場にスイスイ入ることができたんだけど、例のNYCのテロ以来、バッジと同時に写真のついたIDを見せないと会場に入れなくなった。
現地の人は運転免許証でいいんだけど、我々はそういうワケにいかないでしょ?
連中は漢字がわからないんだから。
するとどうしてもパスポートということになる。
それも最初のウチはパスポートのコピーで受け付けてくれたんだけど、いつの頃からか、「本物のパスポートじゃないとダメ」ということになった。
パスポートを持って歩くのはホントにイヤでね~。
困ったもんです。
コレ、ご覧の通りデカデカと愛称が印刷される。
私は外人には「SHIGE」と呼んでくれと言っているので、「SHIGE」と入れてもらってる。
コレがさ~、外人だとやっぱりカッコいいんだよね。
「Jeff」とか「Brad」だとか…。
見てくれは全然ジェフっぽくないのにね~。
でも、コレはいいシステムだと思うね、特に最近では。
相手がコレを提げていれば相手の名前を思い出すのに苦労しないから。
英米の人たちなら問題ないんだけど、数年に1回しか会わない、聞きなれないドイツ人やフランス人の名前なんかなかなか覚えられませんよ。
で、今回気がついてしまったんだけど、この「SHIGE」の読み方ね。
連中は見慣れないアルファベットが並んでいる単語はまず自分たちの読み方や知っている単語に当てはめて読んでしまうクセがある…といつか書いたことがある。
例えば「KIMURA」さんだったら、「キンバリー」という女性の名前の愛称の「KIM」を見つけて、まずそれを読んでしまう。
次に来るのは「U」。
連中は普通これを「ウ」と読まずにそのまま「ユー」と読むのが普通だからここまで「キムユー」となる。
「RA」はどうやったって「ラ」しかないので、最終的に「キムユーラ」になっちゃう。
で、私の「シゲ」。
よく「シギー」って呼ばれるんだけど、「シュイギ」って読む人が多いことに気が付いたのだ!
「SH」をまず「シュ」と読んでおいて、母音の「イ」、それに「ゲ」という発音がないので(多分)、「ギ」に近くなって「シュイギ」みたいな。
ま、どうでもいいことなんだけど。
チョットした発見がうれしかったのです。

20_4で、今回は会場の入り口にでかいテントを張って、そこでバーコードを読んでバッジを発行していた。
下は昨日の様子。

30_3そして、コレが今日。
スゲエ~行列なの。
ヨカッタよ~、昨日やっといて!

40_3会場はいつも通りのルックス。

50_2反対はこんな感じ。
右手にはいつも屋外レストランがあったんだけどね。
今回はなかった。
ナンダカンダで色々と変化が散見される。

60_3会場の建物に入ったところ。
地上3階、地下1階まで全部楽器だの舞台関係の機材が展示されている。
今回、Marshallのブースは2階に設置された。

70_3以前は一番大きい1階で、アメリカのディストレイビューターのブース内で展示していたんだけど、今回はMarshall単独でブースを設営した。
2階以上は比較的大きなブランドが集まっていて、階下とは異なりとても静かだ。

80_3入り口で待ち構えているのはMarshallの50周年コンサートにも出演したStone SourのCorey TaylorとAlice CooperのNita Strauss。

90_2「音楽のスタイルがどうであろうと、Marshallがそれ以上のものにしてくれるって」

100_2「混じりけのないクリーンから破壊的なリード・トーンまでゼ~ンブ入ってる」

110_2室内はやや暗し。
入ってすぐに目を惹くのは真ん中の島でフィーチュアされている新シリーズのORIGIN。

120_2左側は壁。
やっぱりコレは必要だよね。

125vでも今回はギッチギチに積んで並べるのではなく、なんとなくスタイリッシュだ。
コレもイメージ・チェンジの一端かな?

130_2反対側の壁は…

135_2LIFESTYLEのアイテムたち。

140_2いいディスプレイ!

150キーホルダーやスピーカー…

160_2もちろんHEADPHONESもゾロリ。

170_2MarshallのBluetoothスピーカーは世界中で人気なんだって。

180_2コレは以前Marshall Blogでも紹介した「マルチ・ルーム・システム」。
要するに、Bluetoothではなく、Wi-Fiで稼働させるシステム。

190_2室内の一番奥はデモンストレーション用のステージが設置された。

200_2すぐ隣はEDEN。
今回、NATALは階下のディストリビューターのブースでの展示となった。

205_2その向かい、入り口の右の壁には昨日レポートした「新しいMarshall」のイメージ。

210_3ま、やっぱりコレか!
ORIGINね。

230_2ORIGINのラインナップは小さい方から:
ORIGIN5 (5Wコンボ)
ORIGIN20H (20Wヘッド)
ORIGIN20C (20Wコンボ)
ORIGIN50H (50Wヘッド)
ORIGIN50C (50Wコンボ)
…とおいしさイッパイの「幕の内弁当」状態。
同時発売のスピーカー・キャビネットはなし。
コレはORIGIN20H。

240_2「POWERSTEM」という出力コントロールがORIGINの特徴のひとつ。
五極管を三極管にしたりするのはまた別の新しいテクノロジーを採用している。

250_2シンプルなコントロール。
余計なモノがない。
ひとつ、気になるのは「TILT」というノブ。
1959のような4インプットのモデルを使うときによく「リンク」ってするでしょ?
そうしておいて、VOLUME1とVOLUME2の混ぜ具合でトーンを決める…これをTILT一発で片づけちゃう。
良さそうでしょう?

260_2リアパネルのようす。
スピーカーアウトは16Ωがひとつに8Ωが2つ。
4Ωアウトはなし。

265_2こっちはORIGIN50H。

270_2コンボのルックスがまたいいね!

280コントロール部は当然こうなる。

290リアパネルのようす。

300コレはORIGIN50C。

31050Cにはベンチレードが2ケついている。

315ORIGINは音だけでなく、ルックスもビンテージにこだわっている。
コーナーガードはなし。

3301959と同じゴールド・ストラップ。

32ビーディング(表面に埋め込んである線)はなし。
パイピングはゴールドに統一された。
発売が楽しみ!

340また、MGも「MG GOLD」の名のもと、昔のスタイルになって帰ってきた。

350「G」が大きくなった!

360またDSLの小出力モデルに改良が加えられ、JCM2000のDSLのサウンドにより近くなったということだ。
以上、ORIGIN、MG GOLD、 DSLが今回のキモとなった。

37010時の開場と同時にお客さんが詰めかけてきた。

380土日にはコリャ大変なことになりそうだぞ!

390インターナショナル・デモンストレーターのSteve Smithのデモ。

400バッキング・トラックに合わせ、オリジナル曲を華麗に弾いてみせるSteve!

410デモンストレーションのアイテムは、CODE100C、ORIGIN20C、そしてDSL40C。

420集まったお客さんはSteveの説明に熱心に耳を傾けていた。

430各モデル、1曲。
次々とアンプを替えてそれぞれの魅力と特長を弾き出していく。

440vん~、ORIGINはとてもいい感じだよ。
ビンテージ系のアンプが好きなら試す価値大。
しかも、値段もいい感じになりそうなことを聞いている。

445また新しいMarshallの新しい時代がやって来そうだ。

450ウワ!ホンモノ!

460また明日!

470(2018年1月24日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

WEDNESDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

 
そうなの。
来ちゃってるの、NAMMショウ。
元旦早々、社長から連絡があって、「NAMMへ来い!」と。
飛行機と宿を自力で探せ!というワケよ。
飛行機はマァ、何とかなるにしても、宿は無理でしょう。
だって、前年に来た人たちがみんな翌年の分も予約していくというじゃない?
インターネットで探せば、空いているホテルがあるにはあるけど、殺人的に高いところか、とても人間の足では歩けないような遠くのロケーションと相場が決まってる。
それでも何とか飛行機もホテルもゲットできて、3年ぶりの参加と相成ったワケ。
NAMMは今日(1月25日木曜日)が初日。
下の写真は、さっき朝ご飯を食べた後に散歩がてら会場に行って撮った1枚。
オープン前だからまだ静か。
今回は耳栓を持ってきたよ。

10前回来たのは2014年のこと。
コレで何回目になるかナァ?
一番最初に来たのはカレコレ20年前のことで、会場はLAの市街地だった。
実は、NAMMショウってのは、私あんまり得意ではないんだよね。
前の会社で来ていた時、あまりにも忙しかったのがトラウマになっちゃってて…。
開催中の4日間、朝から晩までズ~っと打ち合わせで、もうクタクタのヘロヘロになっちゃうワケよ。
オマケにかなりノイジーなところで大声で英語を話すもんだから余計にシンドイ。
で、夜は夜で会食なんかがツマっているでしょ?
そして大敵…強烈な時差ボケだよ。17時間も時差があるんだから調子狂っちゃう。
音楽ファンが「あ~!リーランド・スクラーのヒゲはスゴイぞ!」とか「お!トニー・レヴィンの頭蓋骨は形がいいな~」なんてやってる分には最高に楽しいところではあるんだけどね。
今回はそんな趣ともスタッフとしての参加でもなく、一種のレポーターとしての任務を帯びてきた。
実はMarshallはブランドのイメージを一新しようというプランを立ててきていて、いよいよその内容をこのNAMMショウで公開することになっていた。
もちろん私はもうずいぶん前からそのことを知っていて、一部参画もしていたんだけど、今回この方向転換について、Marshall Blogで情報を拡散してくれ…ということになった。
MarshallもMardhall Blogに出たいんだね~。
それが私が今アナハイムにいる理由。

20NAMMに来たことがある人にはおなじみのNAMM情報誌UpBeat。
コレが毎朝ホテルのドアの前に配布される。

30そこにもホラ…。
「マーシャルがリフレッシュする」という見出しでこのことに触れている。
もちろん今回のNAMMで発表される新商品の情報も。

40今回はMarshallだけで単独のブースを設営した。
昨日、関係者向けに公開されたのでお邪魔してきた。

60
新商品については別の機会に詳述するが、今回新たにラインナップに加わったシリーズがコレ。

名前を「ORIGIN」という。

どうしても我々日本人にはお弁当屋さんのイメージが付きまとってしまうが、その名の通り、見た目もサウンドもかなりのヴィンテージ。

デジタル時代へのMarshallからの回答の1つというとのろかな?
S0r4a4208
ヘッドとコンボが用意されているが、50Wがもっとも大きなモデル。

100Wモデルがないのは時代を反映しているということになるのかしらん?

その他の新しい商品についてもまた別途詳しく紹介する。
S0r4a4125まぁ、リフレッシュといっても栄光のスクリプト・ロゴを止めちゃうとか、黒い製品はもう作らないとかそういうことでは一切なくて、ITの活用を中止とした、いわゆるマーケティングへの新しい取り組みということになるかな?
例えばウェブサイトのURL。
長年にわたって使ってきた「marshallamps.com」は終了。
今後は「marshall.com」となる。
コレはとてもいいことだと思う。

70そして、今から約2時間前、新しいMarshallのウェブサイトがスタートした。
URLはもちろん…

marshall.com

今までは「amps」が入っていたから…というワケでもないのだが、別々になっていたEDEN、NATAL、LIFESTYLEらと同居することになった。
コレもってもいいことだと思う。
ゼヒご覧くだされ。

75ナゼこうしたかって?
我々はMarshallだから!

80久しぶりのNAMMで色々と思うところもありましてな。
今回から始まった速報と得意の紀行文と、これからごちょごちょとNAMM関連に記事をアップしていきますのでよろしく。
ホンじゃ会場へ行ってきま~す!

(2018年1月24日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

2018年1月25日 (木)

ガルパライブ&ガルパーティ! in 東京

 
今日は東京ビッグサイトから。
エ?…ココへ来るのは一昨年の楽器フェア以来か?
ということは1年と3ヶ月ぶりぐらいか…例によって早いな~。
今年も10月にココで楽器フェアが開催されるそうだけど、そんなのアッという間に来ちゃうね。

10今日はビッグサイトの東7番と8番のホールにお邪魔している。

15開催しているのは『ガルパライブ&ガルパーティ! in 東京』というイベント。
「ガルパ」というのは『バンドリ! ガールズバンドパーティ』の略称で、スマートフォン向けの『BanG Dream!(バンドリ!)』の音楽ゲームのこと。
それに登場するバンドのライブと「ガルパ」にちなんだアトラクションをドバっと展示した「ガルパーティ in 東京」が組み合わさった立体的なイベントというワケ。

20開催は1月13日と14日の2日間。
その初日にお邪魔してきた。
初日は朝の9:00に開場して17:00まで「ガルパーティ!」を楽しんで、夕方の5時からライブに参加するというまさに「ガルパ」漬けの一日。(14日のライブは3時からのスタート)
このレポートでは「ガルパーティ!」のようすをレポートする。

55入場者には色々オマケがもらえるのよ。
左は「キラキラチケットケース」。
真ん中は「ライブスタッフパス風シール」。
今時「シール」なんてナァいいね。私なんかには「ステッカー」なんて言葉より全然シックリ来る。
右はイベント案内のリーフレット。

30「ハロー、ハッピーワールド!」のキャラクター、ミッシェルのお面。

40コレはデッキホルダー。組み立てて使う。
13日はPoppin' Party、14日はRoseliaのデザインだった。

50さて、イザ会場へ。
いきなり目を惹くのは巨大な「ガルパ」キー・ビジュアルの壁!
可愛いね~。

60ゴージャスな祝い花!

70ESPさんのブース。

80当然キャラクターたちが使用している楽器が展示されている。

90キャラクターの等身大のポップの展示。

100「ガルパ」に登場するキャラクターがズラ~っと並んでいる。

110クレーン・ゲームも人気だった。
「クレーン」ってどういう意味が知ってる?
鳥の鶴を英語で言うと、「crane(クレーン)」。こんなこと誰も教えてくれ~ん、ナンチャッテ。

120コレがね~、いまだにわからないのですよ。
「ガルパーティ!キラキラガチャ♪」というアトラクション。

130すごい人気なのよ。

170「ガチャ」っていうから、いわゆるガチャガチャかと思ったらどうも違う。
若い係の男の子に尋ねてみると…
  
男の子「イヤイヤ、リアルなガチャガチャではないんですよ~」
私「リアルじゃない…?」
男の子「はい、ガチャガチャとレバーを回してカプセルとかが出て来るリアルなヤツじゃないんです」
私「じゃ、ガチャガチャじゃないんじゃないの?」
男の子「そう、リアルではないんですけど、ガチャなんですよ」
ん~、出川哲郎とおしゃべりをするとこんな感じなのか?
結局、わからずじまい。

150で、家に帰って下のセガレに訊いたところによれば、ナニ、ゲームの中のヴァーチャルなガチャガチャなんだって?
わからん。
ところで、あのリアルなガチャガチャってのは私が子供の頃にはもうあったからね。
50年以上の歴史はあると思うよ。

160…となると、調べずにはいられないのがMarshall Blog。
ガチャガチャはアメリカから入って来たのだそうだ。
アメリカではピーナツの販売機として利用されていたらしい。そういえば、昔は丸いガムを出すガチャガチャがそこら中にあったな。
国産のガチャガチャが登場したのは1965年のこと。ね、50年経ってるでしょ?
最初は10円だったんだけど、1973年のオイルショックの時に20円になったんだって。
私なんか、完全に10円の世代だよ。
今、「カプセル・トイ」っていうのか…。
「ガチャガチャ」じゃクツワ虫みたいだもんな。

140コレは「TVアニメ振り返り上映会」。
みんな熱心に見入ってたね。

180ファンにはタマらない原画の展示。

190各バンドへのメッセージを貼り付けるボード。

200Poppin' Partyのところを覗いてみると…
「世界はバンドリ!」…ウン、野菜さんのおっしゃる通りですな。

210アクセサリー類の展示も充実!

Img_0026フィギュアはマストでしょうな~。

Img_0030SDキャラクターのスタンディングポップ展示。

Img_0031SOACEステージフォトスポットというコーナー。
この前に立って写真を撮る。

Stage やってみた。
ギターも貸してくれたよ。

Img_0044おかげさまでこういうことを人前でするのが恥ずかしくない年頃になりました。

Img_0048そうらもう一丁!
今日はタッピングに徹してみました。
ナンカ、めっちゃ楽しそうだな、オレ。

Img_0047ライブでの衣装や楽器など実物の展示も豊富だ。

Img_0050実はコレを見に来たのです。

Img_0058ホラ、Marshall ASTORIA CUSTOM!

Img_0053戸山香澄役の愛美ちゃんが使用するMarshall。

Img_0055ギターとおそろいの赤がカッコいいでしょう?

Img_0057コレは物販コーナー。
デカい~!
もうライブが始まる時間なので人出は少ないが、昼間は大変なにぎわいだった。
これ以外にも魅力的なアトラクションが用意されていて、ガルパ・ファンは大いに楽しめたことと思う。

Img_0072この後はガルパライブ。
昨年末の「バンドリ!ガールズバンドコンテスト!」で優勝した宮崎のトリオ・バンド、magnetが冒頭に登場した後、Glitter*Green、ハロー、ハッピーワールド!、Roselia、そしてPoppin' Partyが登場し、熱狂的なライブが展開した。
まさにパーティのような一日!
楽しかった!

 

バンドリ!ガールズバンドパーティの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

Live(一部敬称略 2018年1月13日 東京ビッグサイトにて撮影)

2017年12月22日 (金)

だから私は、Marshall。~私の居酒屋について来れる?

 
久しぶりに仕事で来る港ヨコハマ。
天気ワル~。

10今日はパシフィコ横浜にやって来たのだ。
ココへ来ると必ずジム・マーシャルのことを思い出す。
まだ楽器フェアをこの隣の展示場でやっていた2003年、ジムはこのホテルに滞在した。
この時がジムの最後の来日になった。

20詳しくは『ありがとうジム・マーシャル!<中編>~I Remember Jim! 2』という記事に書いたが、この車寄せで車を待っている時に、前日のしくじりをジムに詫びた。
この時のことを本当にハッキリ覚えている。
私の前に立っていたジムは、振り返って私をチョット見上げ、「フォッ、フォッ、フォッ」とニッコリ笑いながら「Never mind!」とおっしゃった。
もちろん「気にしないで!」という意味なんだけど…と、いうことは忘れてないんじゃん!というワケ。

30以前にポータブル・オーディオの展示会のレポートを『あなたが知らない世界』と題してお送りしたことがあるが、今日も「私が知らない世界」へと足を踏み入れる。
1_img_0279今回は『居酒屋甲子園』というイベント。
何なのソレ?…という方も少なくないだろうが、イベントのタイトルからおおよその察しを付けることができるだろう。
そう、全国の居酒屋の最優秀店を決める「居酒屋の甲子園」なのだ。
それに加え、売り上げを伸ばしているお店のノウハウを勉強することができる居酒屋さんの一大研修会とでも言おうか…。
え?そこへ何でMarshallが来てるのかって?
実は…居酒屋「ま~しゃる」を始めるので勉強しに来たの。
なんてことはないワケで…

50このおふたり。
D_DriveのSeijiさんとYukiちゃん。
熱心にも「居酒屋でぃ~どらいぶ」のために研修を受けに来たのだ。
…なんてことはないワケで、「このイベントを盛り上げるためにD_Driveの音楽が必要」…と、お呼びがかかったのだ。

60_2まずは前日のリハーサルのようすから。
ステージ裏でプレイを確認するふたり。

70_2会場はこんな感じだからね。
明日の本番は5,000人の居酒屋関係者でココが満席となる。
スクリーンのすぐ右隣りに注目!

80寄るとこうなる。

90演奏する曲は「The Lat Revenge」。

2_img_0016 泣いても笑ってもコレ1曲。

1_img_0091 ふたりが目にしている光景はコレ。
いつも演ってるライブハウスより幾分広い感じかな?

120今回は演奏する場所が狭いこともあり、いつものMarshallのハーフスタックはなし。

130v_2その代わりASTORIAを用意した。
ふたりは楽器屋さんでASTORIAのイベントをやってくれるほどこのモデルに詳しいからね。
いつものハーフ・スタックでなくても何の問題もない。
その代わりMarshallでないとダメね。それも真空管のモデルじゃないとダメ。

140Seijiさんは…

150v2チャンネルのブルー・ハワイ、ASTORIA DUAL。

160足元のようす。
190Yukiちゃんは…
110v_2歪みが得意なアズキちゃん、ASTORIA CUSTOM。

180足元のようす。
YukiちゃんはASTORIAの純正のフットスイッチもセットした。

165リハ―サルは続く。

170_2ふたりが演奏するのは上に書いた通り、「The Last Revenge」だ。
「Shape of Your Life」とカップリングされた1年前にリリースしたシングル曲。

200_2ナンだってこの場で、この曲を演奏することになったのか…。

220vそれは…このイベントのプロデューサーがD_Driveのファンで、表彰式の選手(?)入場のシーンでどうしても「The Last Revenge」を使いたくてホンモノ半分だけを呼んでしまったというワケ。

230v_2念入りにリハーサルやったね~。
今晩見る夢は完全に「♪タラッタ~タラッタ~タラタラタラッタッタッタ~」だぜ。
本番は翌日。
「細工は流々、後は仕上げを御覧じろ」ってか!

240_2ハイ、翌日。
この『居酒屋甲子園』はアニュアルのイベントで、今回で12回を数える。

250_23階まで満席。
皆さん、売り上げを伸ばしている他店の成功例やノウハウを吸収しようと真剣なのだ。

255プレゼンをするお店のスタッフは前日から熱心にその練習に没頭していた。
アチコチから様々なスローガンや自店の心意気を表した言葉が聞こえて来る。
「『おいしかった』より『楽しかった』を!」…な~んて実にいいじゃない?
1_img_0380ロビーには『居酒屋甲子園』のオフィシャル・グッズも用意されていた。
270_2「What is your core?」が今回のテーマ。
私はナンだろな…やっぱりMarshallだな。
衣料やアクセサリーだけではなく、過去の大会の様子を収録したDVDなどもラインアップしてあって、みんなそれを見て勉強するワケですな。

280_2予選を勝ち抜いてきたお店のブースも設置されている。

260_2

290_2

300

310

320

330

340大会が始まった。
まずは『居酒屋甲子園』の主旨や選考方法についての説明がなされる。

350コレすごいんだよ。
1年かけてジックリ選ぶんだから。
審査員が一般のお客さんの体でお店に赴き、ありのままのお店の様子をチェックする。
いわゆる「覆面調査」ってヤツ。
コレを何回か受けた後、プレゼンや面接を経て、1756店の中から5店舗を抽出する。
そして、その5店がいよいよ今日のこの場に臨み日本一の居酒屋の座を獲得せんと火花を散らすワケ。
何せこの大会で優勝しようものなら、翌日からは予約がゼンゼン取れなくなってしまうほど全国から注目を浴びることになるのだ。

2_img_0085 過去の受賞者の体験談や成功事例などもタップリと紹介される。

370イヤ~、大変なもんですな~。

360コレ見ちゃうとね、「唐揚げひとつ」おろそかには食べられなくなるよ。

380客席では皆さんプレゼンに耳を傾け、熱心にメモを取っている。

375そして、『第12回居酒屋甲子園』決勝大会のエントリー店がステージに集結する。

390ココで登場するのがSeijiさんとYukiちゃん!
イヨッ!「居酒屋でぃ~どらいぶ」!

400曲は予定通り「The Last Revenge」。

410「♪タラッタ~」が会場の10,000個の耳に突き刺さる!

440そして、ふたりが演奏している間にエントリー店が続々とステージに現れる。

490チョットこの曲だとハード過ぎるのでは?と思っていたがゼンゼン!

500エキサイティングな雰囲気を実にうまく醸し出していた。

420v

430v選手(?)の入場が遅れたりしたら先に曲が終わってしまいバツの悪いことになってしまうからね~。

510でもそんな心配はご無用。
昨日の念入りなリハーサルが奏功してバッチリと収まった!
しかし、ココにいるお客さんはXperiaのCMを見て、Yukiちゃんのことを「あ!『居酒屋甲子園』の女の子だ!」って思っただろうな。
違います。
「居酒屋甲子園の女の子」ではなくて「D_Driveのギタリスト」です。
540ハイ、お疲れさまでした~!

520v2日間、ご苦労さまでした!

530vSeijiさんとYukiちゃんの熱演でスッカリ盛り上がった居酒屋甲子園。
ここからは最終選考に残った5店のプレゼンとなる。

550皆さん、ホントにアツい!

560「私たちはー!」
繰り返しになるけど、こんなに情熱を傾けてお店をやっているのかと思うと、ホント、客の方も真剣に飲み食いしなきゃいけない気になるよ。

580まさに『七人の侍』の島田勘兵衛状態よ…「このメシ…おろそかには食わんぞ」ってヤツね。

590最終的に第12回居酒屋甲子園の栄冠は…
北関東地区から選出、埼玉県の「三好屋商店酒場 深谷店」さんの頭上に輝いたそうだ。
おめでとうございます!
 
居酒屋甲子園の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

600やっぱりASTORIAいいな~。
だから私は、Marshall。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

140(一部敬称略 2017年11月13&14日 パシフィコ横浜国立大ホールにて撮影)

2017年12月20日 (水)

『ROAD TO EDEN』のJEKYLL★RONOVE

   
EDENがMarshallの傘下に加わって6年経つのかな?
我々は「エデン」と発音するけど、ネイティブさんたちは「イードゥン」みたいに発音するんだよね。

10logo_2おかげさまで、このTerra Nova TN-501という500Wのモデルの評判が大変よろしくて喜んでいる。
今日はEDENの話…。
といっても、ベース・アンプのEDENではない。

20

同じEDENでも、今日はフジテレビが制作する『ROAD TO EDEN』というテレビドラマの話題なのだ。
というのは…ナント!
JEKYLL★RONOVEの曲がそのドラマの挿入歌に採用されたのですよ!
そして、そのドラマが地上波で放映されることになり、昨日それにちなんだ『試写会&トーク・イベント』が開催された。
今日のそのイベントのレポート。
  
まずはその第1回放送分をみんなで鑑賞した。
地球とは別の荒廃した惑星が舞台のSF劇。
人類を支配する「ニュークローン」という連中との戦いを背景に、主人公の出生の秘密を明らかにしようとエデンを目指す…というお話。

30試写の後、司会者が舞台に登場。

40司会はフジテレビのアナウンサー、渡辺和洋。

50vステージ上手にはMarshallのハーフ・スタックが2セット。

60そして、主演の皆さんがステージに現れた。

70主役の柄本佑。

80v久松郁美

90v松田慎也

100v桜田通

110v三浦真耶

120v台湾でのロケがスゴイの。
CGもタップリと導入されて『ターミネーター』とか『バイオレンス・ジャック』とか、その手のモノが好きな人にはタマらない作品だろう。
撮影の裏話をタップリと聞かせてもらった後はフォト・セッション。
JEKYLL★RONOVEや主題歌を担当したUse With Cautionも登場。

130前日、「緊張している」と言っていたN★OTOくんだったけど、ナンダよ、ゼンゼンいつも通りじゃん?

140この作品を音楽で支えた2つのチームからもメッセージが発された。

R_img_0035 JEKYLL★RONOVEはJEKYLLちゃんがご挨拶。
155「ただ光栄です。これまでバンド活動をしてきた中で色々な方のお力添えを頂いたおかげでここまで来ることができました」
2_img_0062「ドラマのメッセージがバンドの思いと同じで、一緒に理想郷のEDENを探し求めて頂けたら…と思います」
…と、まるでスミレのように清らかなメッセージがJEKYLLちゃんから発っせられた。150「トーク」のコーナーを終えてイベントは「ライブ」のコーナー。
最初に演奏したのはUse With Caution。
アダ名を「ゆず胡椒」というそうだ。
ずいぶんウマいことを言うヤツがいたもんだ。まるで「掘ったイモいじるな」じゃんか!
Use With Cautionはドラマの主題歌を提供している。

160ヨシスエコージ

170ジニー早﨑

180芳賀慎司

190熊澤伸義

200ギターの 早崎くんは普段からMarshall。
曲想にピッタリのディレイ・トリックを効果的に使っていた。
コレぞ今時のギター・スタイル。

210平均年齢22歳!
メンバーには現役の大学生がいるのだとか。
完全に今のロック・サウンドで、ドラマの主題歌「EDEN」を含む3曲を熱演した。

  

Use With Cautionの詳しい情報はコチラ⇒【四人組ロックバンドゆずこしょーの公式サイト】

220続いてJEKYLL★RONOVEの4人が登場。
アングルが似通っているのは、ご用意頂いたプレス席から移動ができなかったからです。
横着しているワケではありません。

230Jekyll

240N★OTO

250SEI

260キャプテン★いえっち
410N★OTOくんは自前のMarshallを持ち込んだ。

280Silver Jubilee 2555Xと1960BVだ。

290Jubileeの上には敬愛するSLASHが…。
向こう側はジャック・スパロウだって。

3001曲目はアルバム『E=mc2』から「Guilt or Innocence」。
ゆずこしょーとは正反対のハードロック・サウンド!
こんなに違ってて大丈夫なのかッ?!

310前回観た時は半分コピー曲だったでね。
今日は3曲といえども全部オリジナル。
こっちの方がゼンゼンいい。

3202曲目にはドラマの挿入歌「Always~The answer is blowin' in the wind~」を熱唱。
Bob Dylanか…こういうクラシックなネタをガツンと組み入れるのもこれからのひとつのやり方かも知らんな。
ドンドンやるがいい。
先日もあるフェスに出ていた若いバンドが「Purple Haze」をモチーフにしたオリジナル曲を演奏していたけど、すごくいい感じだった。
若い人は過去の音楽を徹底的に勉強して新しいモノをジャンジャン作り出してもらいたい。
現在の音楽には未来はないからね。過去の音楽のなかにこそ未来がある。
ま、このJEKYLLちゃんの作品は、曲自体は「Blowin' in the Wind」とは毛色が全く違うけどね。

330試写で観た第1回目のエピソードの中でも実に効果的に使われていた。
JEKYLLちゃんの声が実にいいんだな。
キャストの三浦さんはイントロを聴いただけでナミダが出てしまう…という。

340最後はこれもアルバム『E=mc2』に収録されている「HELTER SKELTER」。

350グリングリンのハードロックでイベントを大いに引っかき回す!
しかし、タマらないね、この声は!
チョット鼻にかかった芯のシッカリしたサウンドはまさにMarshall Jubilee!

380最後の曲だけギターを持ち替えたN★OTOくんも最後まで大熱演!

390オイオイ、あんまり近づくとまたボコっとやられるぞ!

400鮮やかなベース・ソロも見せてくれたSEI。
次回のベース・アンプは間違いなくEDENだろうな…。

370いえっちの豪快なドラミングも素晴らしかった!
やっぱハードロックはいいね~!
360JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒official site

420『ROAD TO EDEN』は毎週水曜日24時55分から。
初回の放映は2018年1月17日。
ドラマだけでなく、ブラウン管から流れて来る…今はブラウン管じゃないか…テレビから流れて来るこの2バンドの音楽がどんな場面で使われるのかも楽しみだよ。
  
それと!
今日ナマで披露したJEKYLL★RONOVEの「Always」とUse With Cautionの「EDEN」の音源が配信されることが決定している。
開始は2018年1月18日から。
配信される曲目は;
JEKYLL★RONOVEが…
1. Always~The answer is blowin' in the wind~
2. VENOM
3. HELTER SKELTER
そして、Use WIth Cautionが…
1. EDEN
2. タイトルバックの続きを
…となっている。
さらに!
「Always」とEDEN」が同時に収録されたCD。つまり物体も2月21日に発売されることが決まった。
こういうの「スプリット・シングル」っていうんだって。昔の「両A面シングル」って感じかな?
コレらの音源でEDENへの道をたどろうではないか!
双方よろしく!

Rte (2017年12月19日 赤坂BLITZじゃなくて、マイナビBLITZ赤坂にて撮影)

2017年12月17日 (日)

ポタフェス2017 -WINTER AKIHABARA-

   
スゴイね~。
どこかの企業の差し金の投稿かナンか知らないけど、巷間では生活空間でCDを再生する装置がないのが当たり前で、最早CDから音楽を聴くってことがないのが普通なんだって?
すなわち、「CDが売れない」とか騒いでいるレベルではなくて、「CDを売っていること」が不思議な時代なんだってさ。
マァ、以前から耳にしてはいたけど、私はダメ。
音楽のダウンロードということは一切したことがないし、ストリーミングとかいうのにも興味のカケラすらない。
ところが、先日とうとう「やっちまったな~!」だったのがUSBってやつ。
しかもよりによってフランク・ザッパだよ。
1977年のニューヨークでのハロウィンの公演をすべて収録しているてぇヤツ。
CD版も同時に発売しているけどUSBの方が圧倒的に内容が濃い。
そうなると、買いたくないけどUSBで買わざるを得ない。
で、買った。
そして聴いた。
どういう風にして聴いているのかというと、PCからBluetoothを使ってMarshall HEADPHONESのWOBURNを鳴らしているのね。つまりいつもCDを聴いている状態といっしょ。
音質にはさほどうるさくない方だし、WOBURNは素晴らしい音で鳴ってくれるので、耳に入って来る音自体は何ら気にならない。
しかし、気になるんだよね。
川上が…。
コレが!しかも地球上で最もカッコいいザッパのこのロックが!LPやCDではなくてUSBってェもんから出て来ていることがどうにも気になってしまう。
ありがたみがないんだよナァ。
それにコレクションのし甲斐ないよ、こんなチューインガムみたいの。
「慣れ」とかそういうことではなしに、あまりに味気ないじゃん?
   
私は知っている。
ナゼこういうものを受け付けたくないのかを…。
それはね、我々世代はレコードであの素晴らしいロックを体験したからなんだよ。「ヴァイナル」なんて言葉がない時代。
それがCDに変わったまではヨカッタ。小さくはなったが、ジャケットもあるし。
ナニよりも盤が回ってるから。
我々はトーマス・エジソンの子でしてね。
カセットテープにしてもそうだけど、音楽を聴く時は何かが回ってないとダメなのよ。
だから「このUSBなるものからはいい音楽が流れ出て来ない」という一種の刷り込みがあるんだな。
こんなこと考えてるのは私だけかもしれないけど、この「CD古し」の話は、何か、こう、音楽が破滅に向かう道を発見してしまったような不吉な印象を覚えるんだよね。
ちなみに日本で最初に蓄音機を出した場所って知ってる?
それはね、「鹿鳴館」だったんだよ。目黒ではなくて、今の内幸町にあった明治時代の社交場ね。
1889年だったというから明治22年のこと。
音が悪すぎてみんなドン引きだったらしい。
それから約130年。
音楽は内容も装置も、進化どころか退化しているように思えてならないのだ。
この「CD絶滅」の話がフェイク・ニュースであって欲しい。
チョット今日の話題にはふさわしくないオープニング・トークになっちゃたな…。
  
先日、夏の回をレポートしたと思ったらもう冬のポタフェスがやって来ちゃった。
開催は昨日と今日。

10場所はいつものベルサール秋葉原。

20今回も1階、2階、地階と3フロアを独占しての開催だ。

50マァ、最初に「ポタフェス」と聞いて、一体何のことだ?と思ったが、3回目めともなればもうヘッチャラ。

60展示の内容もますます濃くにぎやかに、そしてバラエティに富んできている感じ。
もうね、昔のオーディの話なんかしてられんよ。

70訪れるタイミングもあるのだろうが、来場者も毎回増えて行ってる感じだよ。
コレは昨日、つまり初日の2時ぐらいだったんだけど、マァ、すごい人出だった。
Marshall Blogの効果ってスゴイね…ウソこけ!

751階のエントランスのドデカいヘッドホンもバッチリ人目を惹いていた。

30アラ?
その隣にはおなじみのロゴ・サインが!

80そう、Marshall HEADPHONESのスタンド。
前回あまりにも大きな音でデモンストレーションをしたもんだから、今回は「もう外でやってくれ!」ということになったんだって。
コチとらMarshalldデェ、やっぱりそう来なくちゃイケねぇよ!

90…というのは残念ながら冗談でもあり、本気でもあり…Marshallの轟音で道行く人をポタフェスに呼び込んで欲しいということなんだって。
昨日は晴れてたからいいけど、曇りや雨だったら寒いぞ~!
今日も完璧な晴天でいい感じだね。

R_img_0215 お時間のある方は是非ポタフェスにお出かけくだされ。
今日の夕方5:30まで入場を受け付けてるから。
入場無料。

R_img_0194…というのは、今回Marshall HEADPHONESで商品を体験された方には特製Marshallマグネットか缶バッチがもらえるから!
色は2種類。

180コレは今回初めて紹介するモデル、「Major」。
Majorは以前からあったモデルだが、コレはBluetoothバージョン。
デザインも一新されてカッコ良くなった。
音質はもちろん極上なのでご心配なく。

130Bluetoothスピーカーもちろんゾロリと展示されている。
先頃、「マルチ・ルーム・ワイアレスWi-Fiシステム」というWi-Fiを使用するスピーカーを発表したが、アレはまだチョット先になる。

110しかし、いつの間にかディスプレイの台が全部1960になっちゃったね。
そのうち1960サイズのスピーカーも出て来るんじゃないの?

120ASカバリングのSTANMORE。
ウチのSTANMMOREは夜間に大活躍している。
いつもはWOBURNなんだけど、周囲が寝静まった時間に使うと、どんなにボリュームを下げても音が大きすぎるのよ。
そんな時はSTANMORE。
小さな音量でも豊かな低音で実に伸びやかに鳴ってくれる。

150ヘッドホン類も勢ぞろい。

160イヤホンも…。
その横はMarshallのスマートホン、LONDON。

170オサレなカタログを2種類用意してお待ちしております。

175Marshall HEADPHONES製品の詳しい情報はコチラ⇒NAVYS
 
英語版はコチラ⇒Marshall HEADPHONES Official Web Site

190※明日のMarshall Blogの更新はお休みです。記事の仕込みをしなきゃ!
 
(2017年12月16日 ベルサール秋葉原にて撮影)

2017年12月 6日 (水)

クリスマスがやってくるぞ!(ケリー・サイモンCODEへ飛ぶ)

 

先日、CODEシリーズの100Wのヘッドとコンボが発売されたことをレポートした。

10そして、それに伴って渋谷のアンプステーションでKelly SIMONZによるCODE100のセミナーが開催された。

20実はKellyさんのCODEのデモンストレーションはコレが初めてではなくて、昨年の楽器フェアでもご担当頂いている。

30この時はCODE50までしか発表されていなかった。

40_2 それが今日は100W。
実は私も100WのCODEは未体験だったのでどんなことになるやらとても楽しみだった。
何せ「爆音」はMarshallの大事な商品だでね!

50v会場内には100WコンボのCODE100も展示。

55_3既発のCODEやフットスイッチまで取り揃えて頂いて、そのサマはさながら「コード天国」。
さすがイケベさん、高度な行動力!
後はフィッシュ&チップがあればな~。(註:Marshallの故郷、イギリスの代表的な食べ物のフィッシュ&チップスのネタはタラ。「タラ」を英語にすると~。「コッド」ですな。チト苦しいか。)90特設ステージにセットされたCODE100Hと同時発売のスピーカー・キャビネットCODE412。

45このヘッド、今回の正式発売に際し、一番最初に姿を現した時よりホンの少し小さくリサイズした。
パネルのレイアウトにも少し変更が加えられ、反対にディスプレイは若干大きくなり、フットスイッチのジャックとヘッドホンやMP3のジャックの位置が入れ替わった。

60キャビネットのアングルのデザインにも変更が加えられた。

T_img_0014 「Kellyさんは、Xperia」かどうかわからないが、ヘッドの上にはCODEの専用アプリ、「GATEWAY」がインストールされているKellyさんの携帯をセット。

70その画面を傍らのディスプレイに表示した。

80セミナーは時間通りにスタート。
会場の都合で定員は20名で打ち止め。
予約の段階でアッという間に定員に達してしまった。
参加できなかった皆さん、ゴメンナサイ!

95司会はアンプステーションの本田さん。
本田さんとMarshallへ行ったのはもう何年前だ?
ジムは倒れた後だったけど、まだゼンゼン元気な頃だったよね。

100v_2そして、Kellyさん登場!
ギターを下げる前にまずは衣装の解説から。
手ごろな値段でアメリカでゲットした皮の上着。
手を入れたら元の値段の何倍にもなってしまったとか…。
そういうえばこういうロック衣装って見なくなりましたナァ~。

110_2結局、冒頭からその自慢の皮の上着を脱いじゃった。
そして、さっそくデモンストレーションに入る。

120v曲はKellyさんのライブではおなじみの「Future Destination」。
いつも通りギンギンに弾き倒してくれた。

130本田さんからCODEについての質問が寄せられ…

135Kellyさんがひとつひとつ丁寧に答える。
数え切れないぐらいこうしたセミナーをこなしているkellyさんのこと、説明はバッチリ。
どんな質問に対しても、お客さんが知りたいであろうと思われることを絡めて理路整然とキチッとわかりやすく話してくれる。

140v基本的にはいつも使っている1959を想定したKellyさんのてプリセットを使用。
もちろんそれだけでなく、他のプリセットやその場でGATEWAYを操作して音質や機能を説明。

150「47」っぽい設定は自分の年齢だって!
Kellyさんもおっしゃっていたけど、ノイズ・ゲートはできるだけ浅くセットするのがCODEをうまく使うコツ。
Kellyさんは通常はノイズ・ゲートに頼らず、ギターのボリュームの光速(ママ)コントロールでノイズを殺している。
耳障りなノイズはもちろんご免被るが、「ノイズもMarshallのうち」という考え方もあって、ある著名なギタリストは、レコーディング・エンジニアが気を効かせて取り除いたノイズが全く気にくわず、後からノイズだけ足し直した…という話もあるぐらいなのだ。
要するに不自然なノン・ノイズはかえって「エレクトリック・ギター特有」の音質を悪化させてしまうということ。

160音色を変えてGary Mooreの「Sunset」。

170v100Wということや4x12"キャビネットということもあろうが、楽器フェアの時に比べてサウンドは格段にグレードアップ。
Kellyさんがいつも使っている1959と同じ…ということは口が裂けても言えないし、思わないが、かなりの完成度。
やはり大出力のCODEの方がよりMarshallらしさが出るように聴こえた。

180サウンド・メイキングのコツを懇切丁寧に解説するKellyさん。

190もちろんQ&Aにも積極的に取り組んでくれた。

200v演奏の方も「Far Beyond the Sun」や「Opus #1」等の人気曲をタップリと演奏し、CODEの魅力をジックリとデモンストレーション。
そう、Kellyさんっていつもホントにサービス満点なんだよね~。
ありがとうございました。
 
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

210vさて、毎回書いているけど、CODEのもうひとつの魅力は「MY MARSHALL」というコミュニティ。
コレを活用してもらいたいんだよね~。
ということでKellyさんも色々仕掛けてくれているよ。
  
詳しくはコチラ⇒CODEをフル活用するなら、MYMARSHALLへ登録!

220vもうすぐクリスマスだからね~。
どうでしょう、ギタリストの皆さん。
CODEシリーズもアンプ系がすべて出そろったところで、自分へのクリスマス・プレゼントにCODEを贈るってのはいかが?
しかし、このコスト・パフォーマンスはスゴイよ。
今回の100W系も「Marshallさん、大丈夫なの?無理しないでよ!」と言いたくなるのではないか?と思われる価格だと思われると思うのです。
クリスマスがダメならお年玉!
冬の夜長をMarshallの歴代の名器を自分で好き勝手イジって楽しもうではあ~りませんか!
 
CODEに関する情報はコチラ ↓  ↓  ↓
Marshall日本語版オフィシャル・ウェブサイト
Marshall BlogのCODEウンチク大全集『その暗号を解け!』

230(一部敬称略 2017年12月3日 渋谷アンプステーションにて撮影 ※協力:ヤマハミュージックジャパン)

2017年11月22日 (水)

LONDON DRUM SHOW 2017のNATAL

  
「♪ロンドン、ロンドン、ゆかいなロンドン、楽しいロンドン」
このテレビCMをご存知の方は、「ロック」とくれば、それこそ最も盛んだった時代のブリティッシュ・ロックが一番のお好みの世代に違いない。
このCM、『11PM』の枠でかかっていたんだってね。
私なんかかなりナチュラルにこのCMソングを受け入れちゃうんだけど、それだけ『11PM』を見ていたということか?
ああした番組があったことも今となっては信じられないけど、このCMはもっとスゴイよね。
だってキャバレーの宣伝だぜ?
日本のキャバレーはボブ・フォッシーの『キャバレー』とは違うからね。
CMを取り扱うテレビ局も相当ゆるかったんだろうけど、キャバレー側もスゴイ経済力だったと思う。
70年代中盤、それだけ世の中に活力があったんだろうな。
今、「バブル超えの景気」なんてホンノひと握りの人たちが騒いでいるようだけど、「景気がいい!」なんて実感を持っている人は少なくとも私の周囲にはただのひとりもいない。
それどころか、日に日に世の中が暗くなっていることを憂えている人ばかりだ。
ま、そんなイヤな空気はマーブロ読んで吹き飛ばしちゃおうぜ!
ちなみに、このキャバレー・ロンドンを経営していた会社は、石橋を叩いても渡らないような慎重な経営で知られ、現在でも無借金の優良企業としてレジャー産業で活躍しているとのこと。
ロンドン、ハワイ、ハリウッド…昔のキャバレーって地名が多かったんだな。
あるサックス吹きが、とるライブで飛び入りでステージに上がった時、MCで「フロム・ハリウッド!」と紹介された。
お客さんが「おお~!本場じゃん!」と騒いだ。
よくよく聞いてみると赤羽のハリウッドのハコバンの一員だった…なんて話もあるね。
  
話替わってコチラは本物。
去る11月11日と12日の2日間にわたって、『LONDON DRUM SHOW』が開催された。
イギリスは何度も書いているけど、人口は半分、国土面積は2/3と日本よりもスケールの小さな国だ。
しかし、世界的に国家の位は第一等。そして皆さんもよくご存知の通り、ロックに関しては超一等国だ。
何せビートルズを生んだ国なんだから。
それと、やや細かいところに目をやると、イギリスって「ドラム・ヒーロー」の国でもあるのだ。
ま、これは岡井大二さんの受け売りなんだけど…。
ジャズに関して言えば、ジーン・クルーパに端を発し、マックス・ローチ、エルヴィン、トニー他、数え切れないほどのインヴェンターやイノヴェイターが群雄割拠したアメリカに大きな軍配が上がるが、ロック・ドラムはイギリスだ。
何せレッド・ツェッペリンを生んだ国なんだから。
他にもキース・ムーンだの、コージー・パウエルだの、イアン・ペイスだの、これまた枚挙にいとまがないのでいちいちココには記さないが、状況は皆さんもよくご存知の通り。
アメリカはどうだ?
カーマイン・アピス?ドン・ブリュワー?…「ドラム・ヒーロー」然とした人ってあまりいないんだよね。
ま、コレは圧倒的にアメリカン・ロックよりブリティッシュ・ロックを好む私の偏見かもしれない。
  
そんな国の最も大きなドラムのイベントが今日の話題。


Lds

場所は昨年同様、ロンドン・オリンピア。
レッド・ツェッペリンで有名なアールズ・コートから支線で一駅のロケーション。
今回も大盛況だったようだ。

06ということで、さっそく我がNATAL Drumsのスタンドを紹介しよう。
何しろ私自身は行ったことがないので、レイアウトとかサッパリわかりません。
なので、こういうアイテムが展示されたよ~!というレポートね。
 
向かって左は新商品の「チューリップウッド・インレイ・スネア」。
真ん中のパステルの緑のヤツは「TJ Cafe Racer」。フィニッシュはシー・フォーム・グリーン。
先だってお伝えした英リズム・マガジン誌で『BEST DRUMS IN 2017』の「Best drum kit」賞を獲得した人気のモデル。
右のグリーンは同じくCafe Racerの「UF22」。
コンフィギュレーションは10"x8"、12"x9"、16"x16"、22x18"。フィニッシュはエキゾティック・フェイド。

20コレが「チューリップウッド・インレイ・スネア」。

96_214"x5.5"と14"x6.5"。
そして、フィニッシュはサラサラの「サテン」とピカピカの「グロス」が用意されている。

40_2コチラは、Marshallで言えば1959みたいな、NATALの初代シリーズ「Originals」の「UFX-Plus」。

22フィニッシュは「オレンジ・スパークル」。
コレ、きれいだね~。
NATALの実物をドラマーさんたちにお見せすると、音だけでなく、間違いなく「フィニッシュが美しい!」とおホメの言葉を頂戴するが、特にこうしたラメを使ったスパークルものの評価がすこぶる高い。
実際キレイなのよ~。

97vこちらはおなじみARCADIAのアクリル・シリーズ。

25アクリル・シリーズもリズム・マガジン誌の『BEST DRUMS IN 2017』で「Best snare drum」賞を獲得した。26vOriginalシリーズのアッシュのスネア・ドラムをカスタマイズしたものに白いハードウェアを装着したもの。

60イギリスのディーラーからの特注品。
アッシュのタムタムにウッドフープを取り付け、それをバスドラム用のクロウで固定したいる。

70コレもイギリスのディーラーの特注品。
チョットおもしろいと思ったのは、イギリスのNATALの担当者がこの写真に付けたテキストで「British Flag」としてあったこと。
我々だったら憧れの感覚もあって「ユニオン・ジャック」なんて書いちゃうじゃん?
そこを「British Flag」とサラっとやったところがいいね。

95 「Red Candy」というキット。
これもイギリスのディーラーからの特注品。

100赤いアクリルのキットに白いストライプの塗装を施してある。
この黒っぽいパーツは「ブラッシュト・ニッケル」。
チョットしたヴィンテージ風味が高級感を醸し出す。
最近、グッドモーニングアメリカのペギちゃんがこのパーツをシルバー・スパークルのキットに装着して実にいい感じに仕上げている。

105
コレがペギちゃんのキット最新バージョン。
ストロボの光でチョットわかりにくいが、パーツは上の写真と同じ「ブラシュト・ニッケル」が装着してある。
パーツの色が変わるだけでずいぶんキット全体の印象が変わるものですな~。

T_img_0466 こっちは赤いアクリルのシェルに白い線を入れただけなのにホントに甘くなった感じがする。
さすがはイギリス、「Brighton Rock」みたい?

106もちろん試奏コーナーもバッチリ。

23こうした展示会には欠かせないクリニックやデモンストレーションもガッチリとプログラムされている。
NATALのスタンドでは例えばコレ。
イギリスの大スター歌姫、Jess Glynneのサポートを務めるAnthony ‘Sweetstix’ Lewis。
彼のマスタークラスでのクリニックは超満員で、数あるロンドン・ドラム・ショウ内のイベントでも指折りの素晴らしいモノだったとのこと。
AnthonyのNATALは自身の‘Sweetstix’というキット。
やっぱりNATAL注目されてるんだナァ。

21Simple MindsのMel GaynorもNATALプレイヤー。

200サイン会には長蛇のキュー(列)ができたようだ。

24パッと見コワそう人だな。
しかし、スゲエ身体ですナァ。

210ま、何でも見た目だけでキメちゃいけないけど…この子、もうすでにウマそうだな。
いつかこのショウにもお邪魔してみたいものだ。

230

<<NATAL NEWS>>

この度、NATALは権威あるイギリスのドラムス雑誌、RHYTHM Magagineから賞を2つ頂戴しました!

T_rmひとつは『BEST DRUM IN 2017』の栄えある「BEST drum kit」という部門。
受賞モデルはまだ日本に入って来ていない「Cafe Racer」というシリーズ。

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もうひとつは同じく「BEST snare drum」部門。
対象は「Acrylic Series」。
こちらは日本の楽器店にも並んでいます。

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As 海外ではすごい勢いでノシています、NATAL。
私もガンバらねば!
ドラム・キット他の新規購入、あるいは買い替えを考えていらっしゃる方は是非候補のひとつにNATALを!

  
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

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(一部敬称略 2017年11月12~13日 London Opympiaにて撮影 ※写真提供:NATAL Drums)

2017年10月13日 (金)

ポタフェス 2017~私の秋葉原


お、今日は「Friday the 13th」ですな?
しからば、朝からセロニアス・モンクを聴くことにしよう。
          
今日は、前回の開催時にもレポートしたポータブル・オーディオの展示会、『ポタフェス』のレポート。
コレが本体なんだけど、出て来るのはズ~ット後のこと。
その前に…ハイ、出ました「私の~」シリーズ。
イヤですね~、長くて、ツマらなくて…。
そんなジジイの取るに足らない思い出話などまっぴらゴメン!という方は、どうぞツラ~っと飛ばしてくださいね。
どうせ十にひとつもタメになることなんて書いちゃいないんだから。
今回はポタフェスが開催される秋葉原の思い出をやります。
同時代に当該のエリアをブラブラしてた人には「なつかしい!」なんて場面もあるかも?
  
ではさっそく…。
「アキバ」は「アキバ」でも、いきなり秋葉原ではないところからスタートするよ。  
下は日本で初めて報道規制が導入されたことで知られる、1963年に発生した凶悪な営利誘拐事件、いわゆる「吉展ちゃん事件」の犠牲者である、当時4歳だった吉展ちゃんが連れ去られた「入谷南公園」のすぐそばにある神社。
「秋葉神社」という。
  
秋葉原ってなんで「秋葉原」っていうのかを知ってる?
私は知らなかったんだけど、知って結構驚いたんよ。
もちろんこの秋葉神社が関係している。

10_3江戸時代、「火事とケンカは江戸の華」と言ったぐらい昔の東京には火事が多く、明治に入ってもその様相は変わらなかった。
ケンカぐらいならいいけど、火事は困るじゃんね。
で、火事に苦しむ庶民のことを案じて、明治初期に時の天皇のお母さんである英照皇太后のご発案で、今の秋葉原に神社を建立した。
火事が起こらないように願った神社だったので、そもそもはそれを「鎮火社」と呼んだらしい。
一方、浜松にある「秋葉山」の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の宗派に「秋葉権現」というのがある。
秋葉権現は火防の神様と知られることより、人々はその秋葉原の「鎮火社」のことを勝手に「秋葉さま」とか「秋葉さん」と呼ぶようになった。
実際は秋葉権現とは何の関わりもないのに…だ。
それがいつのまにか「秋葉社」と呼ばれるようになり、その周辺の火除地(「広小路」ってヤツね)を「『秋葉』がある『原』っぱ」ということで「秋葉原」と呼ぶようになったんだと。
そんなんでいいのかッ?!
AKB48のメンバーはもちろんこのことをご存知だろうナァ。
そして明治21年(1888年)に秋葉原の駅ができることになり、オリジナルの秋葉神社は境内地を払い下げて、現在の場所に引っ越して来たんだとさ。

3_aj現在の秋葉原、中央通り。
銀座周辺では「銀座通り」と呼ばれる、新橋から上野を結ぶ日本の「通り」界のスーパー・スターだ。
通りの重要度から言えば、ロンドンならオックスフォード・ストリートかリージェント・ストリート。
ニューヨークならフィフス・アヴェニューだ。
正面は上野広小路。

20その中央通り沿いのモダンなビルで「ポタフェス」は開催される。
ココへは後でまた戻ってくるね。

30そのモダンなビルのあたりで上野方面を背中にすると、前方に緑色の総武線の鉄橋が見える。
この辺りは世界に冠たる「電気の街」の心臓部と言ってよいだろう。

40_2第二次世界大戦後、神田の須田町(後述)に主に真空管を取り扱う電気部品の闇市が立った。
それが秋葉原に移転し、1949年にGHQが都市のインフラ整備のために「露店撤廃令」を出した際、代替地を提供した。
その提供された土地が秋葉原駅のガード下で、現在も元気に営業している下の写真の「ラジオストアー」や「ラジオセンター」となった。
そして、これが「電気の街」の礎となったのだそうだ。

50ロンドンにもトッテナム・コートロードという電気街のつもりでいるらしいエリアがあるが、ココに比べたら「屁」のニオイすらしない(失敬!)。
コレはかつて私が勤めていた会社の先輩から聞いた話だが、ジム・マーシャルとともにMarshall Amplificationを興したエンジニアのケン・ブランがかつて来日した際、「アキハバ~ラに行きたい」と言い出し、連れて行ったところ、このラジオ・センターに入り込み、バッグいっぱいの電子部品を買い込んだそうだ。
それから程なくすると、Marshallの歪みエフェクターの名機、「ガヴァナー」が発表された。
イギリスから送られてきたサンプル品の中身を見たところ、そこにはラジオセンターで買ったに違いない「Made in Japan」のパーツがふんだんに使われていたのだそうだ。

60そのケン・ブランと私。
ケンはMarshallの創始者のひとりであるにもかかわらず、今となっては社内の極めて限られた重役や、ごく親しい古い友人しかその動静を知らない。
私もMarshallの仕事をしている以上、何とかして一度お会いできないものかとそのチャンスが来るのを狙っていた。
そのチャンスがジムのお別れの会の時にやって来た。
ジムが私をケンに会わせてくれたのだ。
その時に撮影した1枚がコレ。
完全に舞い上がっている私…だってメッチャうれしかったんだもん!
この時から5年、元気にしていらっしゃるかしら?
え?私が帽子を取ったところを初めてみたって?
だからいつも言ってるじゃん、薄いって!

3_img_5798最近は大規模免税店として外国からの観光客でにぎわっている「LaOX」。
ココはかつて「朝日無線」といった。
私が中学生の時分は、「エレキなら朝日無線」といわれていて、私も初めてのギターとアンプは朝日無線さんにお世話になった。
考えてみると、生まれて初めて目にしたMarshallの実物もココでだった。
よく古くからある秋葉原の電気屋さんで「〇〇無線」というのを見かけるが、あの「無線」というのはハムとかの無線ではなくて、「ラジオ」のことなんだって。
「ハム」って言葉も使わなくなったね。
70v_3そのほぼ向かいの「TAX FREE 愛客旺」というタレ幕がかかっているビルもかつては朝日無線で、ここの2階にはシンセサイザー・コーナーがあった。
時々イジりに行ったものだが、たいていは操作方法がわからず音が出ることはなかった。
1階のオーディオ売り場には「Lカセット」のデッキなんかが並んでいた時分の話だ。

80v_3万世橋の手前を右折する。
すっかり、カラオケ屋になっちゃったけど、ココは最近まで石丸電気の2号館だった。
この上の方の階には倉庫を改装したようなチョットしたホールがあって、数年前にポール・ギルバートが来て演奏したんだよ。
かつてはレコードも豊富に取り扱っていて、閉店処分セールの時には結構買わせて頂きました。
そこに残っていたアイテムは普通の人なら見向きもしないようなゲテモノだったけど、私は結構ウハウハでしたわ。

90vその向かい。
「AKIBAガールズステーション」とあるビル。
昔は石丸電気3号館「レコードセンター」というレコードの専門店だった。
1階から5階まで全部レコード。
ビートルズから始まって、トッド・ラングレン、フランク・ザッパ…いったいココで何枚買ったかな?
1階が歌謡曲、2階が洋楽、3階がジャズ、4階がシングル盤と国内のロック、5階がクラシックの売り場だった。
繰り返すけど、全部レコードね。
CDなんてモノが姿を現す何年も前の話。
初めてのジャズのレコード、チャーリー・パーカーの『マッセー・ホール』もココで買ったのをよ~く覚えている。

100v_3今はアニメのお店になっている。
先日、アニメの勉強をしようと思い立ち、チョット中に入ってみた。
「アニメ」といってもソレそのものではなくて、声優さんや音楽に関係することを調べに行ったのだ。
もうどれも同じに見えちゃって…不慣れなジジイには何がなんだかサッパリわからない。
ってんで、アラレちゃんみたいなメガネをかけた若い女性店員さんにいくつか質問を投げかけてみた。
すると、「よくぞ、マァ、私に訊いてくださいました~!」という風情で、その説明たるや完全に「立て板に水」。
アニメの暴走機関車!一向に止まる気配がない!マ、私も人のことは言えた義理ではないが…。
コチラも負けずに質問を繰り返すで大いに盛り上がっているところに他のお客さんが現れて講義は終了。
ナニせこっちは何も買わないから。
しかし彼女、実に親切でタメになった。

110v_2実はアニメの勉強もあったけど、久しぶりに中に入ってみたくなっっちゃってサ。
懐かしかったな~。
建物自体の構造は何ら変わっていないんだけど、展示物は似ても似つかないものばかり。
この踊り場のウインドウにはかつて発売されたばかりのレッド・ツェッペリンの『永遠の詩』が飾ってあった。
今は『バチカン奇跡調査官』だ!ナンダそれは?

111vこの踊り場も懐かしい!

120v_2信じられないだろうけど、この踊り場の壁に下の写真のようなフィル・マンザネラの『リッスン・ナウ!』の巨大なジャケット画を飾っていたことがあった。
いくら大型レコード店でも壁一面を使ってフィル・マンザネラの新譜をプッシュするなんてこと、今では絶対に考えられないでしょ?
スゴイ時代ですよ。
松本孝弘でも布袋寅泰でもなくて、フィル・マンザネラですよ。
ナゼこれを覚えているかというと、ロキシー・ファンだった私は、店員さんにおねだりして、その壁に貼られていた巨大なポスターを使用後にもらったからだ。
もちろんただお願いしてもそんなものをゲットできるワケがない。
そのポスターをくれた店員さんは、そのフロアの主任さんで私の家の近くに住んでいた。
何度もその人からレコードを買っているうちに顔見知りになり、お互いに近くに住んでいることを知ったのだ。
当時は春になるとまだ国鉄のストライキがあった。
学生はすぐに学校が休みになったが、社会人はそうはいかない。
何とかして会社に行かなければならない。
そこで、その店員さんは通勤のために私の自転車を貸して欲しい、とストの前夜にウチを訪ねて来たのだ。
もちろん貸して差し上げた。
そして貸しを作った。
そしてそのポスターをもらった。
イヤ、ポスターだけでなく、その後ずいぶんといろんな販促品でサービスしてもらったな。
こっちはまだ子供だったから、そんなものでもとてもうれしかったものだ。
あの人、考えてみると、今ではもう70歳は軽く超えているだろうな…どうしてるかな?
  
それにしても、やっぱりレコードひとつとっても本当に風情がなくなったよね。
我々の世代は、音を聴いたことがないバンドに出くわして興味を持つと、考えに考えて、想像に想像を重ねて、大枚2,500円を用意して、電車に乗ってこの石丸電気に行って、その聞き覚えのないバンドのレコードを探して、清水の舞台の三倍ぐらい高いところから飛び降りるようにして2,500円を支払って買ったものだ。
もしそれがツマらなかったり、自分の好みでない音楽だったら、2,500円はパァだよ、パァ。
でも、決してそんなムダはしない。
どうするかというと、そのツマらなかったレコードが好きになるまで徹底して聴くのだ。
今でいえば超「ヘビロテ」を組んで、朝から晩まで聴き込んで強引に好きになってしまう。
そうすると不思議なモノで、またそこから他のバンドや音楽への興味が広がって来るんだな。
昨日も東京ではまだ知名度の低いバンドをMarshall Blogで紹介した。
そのバンドに興味を持った人はどうするか…「YouTubeでどんなんかチェックしてみよっと!」
それが自分の好みでなければ…ハイ終わり。
こんなんでCDが売れるワケがないわな。
もっともYouTubeに音源なり動画なりを投稿する方もする方だ…ということなんだけれど、コレも時代の趨勢だから抗えないのもよくわかる。
インターネットの普及でよくなったこともたくさんあるけれど、こと音楽に関しては、上辺は便利になったかもしれないが、音楽の質としては、恐ろしいほどの退化を強いられているのではないだろうか?
コレは演る方だけでなく、聴く方にも言えることなのだ…と最近強く思う。

125cdこんな記事を書いていたら奇跡が起こった!
石丸電気で買い物をすると、下のような和田誠が描いた人気アーティストの似顔絵が施された黄色い紙袋にレコードを入れてくれた。
この袋がひとつのステイタスだった。
なつかしいナァ~。
一生懸命石丸電気でレコードを買っていた頃は、モッタイなくてこの紙袋を捨てられず、段ボール箱に入りきらないぐらい保管していた。
でも結局みんなどっかへ行っちゃったな。
今回もこの記事を書くに当たって、「ああ、あの黄色い袋を1枚ぐらい大事に保存しておけばヨカッタな~」と後悔していた。
ところが、先日、普段は寄りつかない近所のリサイクルショップの店頭にエサ箱(レコードを展示する箱)が置いてあることを発見し、なんの気なしに箱の中を見てみると、ナント!この黄色い袋が入っているではないか!
そこでレコードを買って、黄色い袋をオマケにもらおうと思ったのだが、欲しいアイテムが見事に1枚もない。
しかも存外に値段が高かったので、イチかバチか袋だけ頂けないかお願いしてみた。
「ナニかを買ってお願いするのがエチケットだとは思うのですが、あいにく…」と切り出すと、「ああ、どうぞどうぞ!」と快く譲ってくれた。
LP用のビニール製とEP用の紙袋だ。
片面にはジャズとポップスの人気アーティストの似顔絵が載っている。
時代を感じるぜ~!
サッチモ、マイルス、コルトレーン、キース…そもそもジャズ・ミュージシャンが多いところからして猛烈なタイムマシーン感覚に襲われる。
ディランやスティーヴィー・ワンダーやエルヴィスやビートルズの面々は別にしても、シャルル・アズナブール、ポール・モーリア、オリヴィア・ニュートン・ジョン、アンディ・ウィリアムスは今なら絶対に載せてもらえないだろうな。
  
私が記憶している限りでは、この袋は2代目のデザインかな?
この前の時期は人名が水平に入っていて、ビートルズの4人も初期のルックスだったような気がする。
それにしてもいい時代だな~。

3_img_0009片面はクラシックの方々。
今より盛んだったんだろうね。
ブラームスが丸っきりザ・バンドのガース・ハドソンになってる。
私の頭の中にあるワルターとかオイストラフとかストラヴィンスキーの顔ってこの袋の絵の顔なんだよね。
3_img_0013この袋には別の思い出があって、ある時、PANTA&HALのリハーサルにお邪魔させて頂いたことがあった。
その時、ギターの平井光一さんに無理をお願いして「HALのテーマ」のコード進行を教えて頂いた。
「11th」だの「13th」だの、ロック狂いの青年には何しろチンプンカンプンだったけど、とにかく書き留めておこうと思った。
ところが、ノートなんか持ち合わせているワケがない。
ハッと思い浮かんだのがこの黄色い袋。
PANTAさんにサインをもらおうと思って、リリースされたばかりの『1980X』をこの黄色い袋に入れて持参していたのだ。
そして、慌てて黄色い袋を破いて、その裏面に平井さんが口にする聞き慣れないコードの名前をツラツラと書いて行ったのだ。
アレ、どこへ行ったかな。
ああいうものは大事にしているつもりでも、自然になくなっちゃうね。
ま、37年も前のことだからな…。
下はその時の『1980X』。

3_img_0015 時代が下って、紙がビニールになった。
キャラクターも若干替わって、貞夫さんやオスカー・ピーターソン、ロッド、イヴ・モンタンが加わった。
また、ジョージ・ベンソンなんかも入って来たところを見ると、クロスオーバー・ブームの後…ということになるんだろうね。
不思議なことに、ビートルズには「The Beatles」という表記がなくて、「John、Paul、George、Ringo」とメンバーのファースト・ネームだけが表示されている。

3_img_0003クラシックの方はストラヴィンスキーとオイストラフが失格になってポリーニとワーグナーがエントリーした。
オイオイ、イゴールは載せとけよ!
それほど頻繁に通った石丸電気のレコード・センターだが、家に取り置いていた段ボールに入りれないほどの黄色い袋は、ある時から徐々に白い袋に替わって行った。
その白い紙袋には「HUNTER」という文字が印刷されていた。
私の中古レコード人生の到来である。

3_img_0006店を出て右に進む。
昔はこのあたりも店先に巨大なスピーカーをディスプレイしたオーディオ関連の電気屋さんがズラリと軒を連ねていたんだけどな…。
その中のひとつに「九十九電気」というお店があって、「つくも」という読み方を覚えた。
どうして「九十九」を「つくも」と読むのかはまた別に機会に。

120_2どこだっけな~…。
このあたりの地下にとてもおいしい札幌ラーメン屋があったんだよ。
とても気風のいいオバちゃんが店を切り盛りしていた。

130_3それと、並びにカレーライス屋があったの。
家庭風もいいところで、今にして思えばよくあんな店に入ったな…と思うんだけど、その店は食後にコーヒーをサービスしてくれてね。
コーヒーたってアブクだらけのインスタントよ。
でも中学生にはそんなんでもモノすごく得をした気になっちゃうワケ。
カレーの味は悪くなかったような気がするな。

140_2その向かいの「千代田区万世会館」。
イヤ、私の親友がお父さんの葬式をココでやったというだけ。

150_3『鬼平犯科帳』にも出てくる昌平橋付近の総武線ガード下。
ここは江戸時代、広小路だったという。
つまり火避け地。
延焼を防ぐために幕府が建物を作らせなかった空き地エリア。
もちろん上野の広小路も同様。

160_2私が以前勤めていた会社の直属の上司の家族は、かつてこのあたりで喫茶店を経営していた。
「アノな、いいこと教えてやろうか?のコーヒーってのはな、原価が安いんだよ。だから流行さえすれば喫茶店ってのはとてつもなく儲かるんだ」とよく話していた。
スターバックスもドトールもない時代の話だ。
実際ここにあったその上司の家族の店はモノすごく流行って、笑いが止まらないぐらい儲かったらしい。
この上司、私が転勤してお別れした後、社内旅行の宿泊先で心臓が止まってアノ世に行ってしまった。
まだ、40歳になるかならないかぐらいの若さだったのでかなりビックリした。

170コレが昌平橋。
最初に神田川にかけられたのは1624年から1645年の間のことだという。
明治41年には「昌平橋」という駅が仮で設置され、明治45年(1912年)にすぐ隣に万世橋駅ができるまで名古屋までの中央本線の始発駅として活躍した。

180_3昌平橋から万世橋方面を望む。
今、この高架の下がショッピングセンターになっている。
いいね、こういうのはロンドンみたいで。
いいことはドンドン真似しなさい。

190_2「マーチ エキュート神田万世橋」という名称らしい。
名前がよくないな…長すぎるよ。
写真の向かって右側はかつて交通博物館があったところ。

200交通博物館で撮ったウチの下の子の写真。
カワイかったな~。ダッコしたいな~。
下の子はとても色が白く、髪が完全に栗毛色で、日に当たるとオレンジ色に輝いた。
その頃はオリンピックが開催される前の長野に住んでいて、外人に接する機会がほとんどない現地の人たちがウチの子を見かけると、「見て見て!外人の赤ちゃんだよ!」などとよく言っていた。
それがどうだ?
高校からアメリカンフットボールを始めた彼はみるみるウチにゴツくなってしまい、今ではタテもヨコも私よりデカい屈強なアンちゃんになってしまった。
子供たちは家内に連れられて何度も交通博物館に来たようだが、私自身は自分が子供の頃から不思議と縁がなく、とうとう一度も入ることなく2007年に博物館は閉鎖してしまった。

3_2img_4665 それ以前、同じ場所には、すでに上でチョコっと触れた中央本線「万世橋駅」があった。
その名残りを「マーチ エキュート神田万世橋」の2階で見ることができる。
ホームの屋根を支える柱の一部だ。

210v_3つまり、今立っている場所がホームの一部ということになる。
ここから先は少々この万世橋駅の話題になる。

220_2私がナゼこの万世橋駅に興味を持ったのかというと…実はバリバリの鉄道マニアだからだ。
というのは、まったくのデタラメ。
地下鉄はすごく好きだけど、あいにく普通の鉄道に興味を示すことはない。
それよりも、ロンドンに行くようになってからというもの、自分が生きてきたこの東京という街の昔の姿に興味が沸くようになった。
そして、その関係の本を読んでいたときに、「明治の頃、神田須田町は日本でもっともにぎやかな繁華街だった」ということを知ってかなり驚いたのだ。
神田須田町はココの周辺のエリアを指す。
須田町がにぎやかでナゼ驚くか…。
それは地下鉄銀座線の神田駅がそもそもの始まり。
銀座線の神田駅には、JRへの乗り換え客でにぎわう出口とは反対に昇降客が少ない須田町へ向かう出口があるのね。
今ではこんなにきれいに、そしてモダンになってしまったけど、昔はかなり古式ゆかしいスタイルだった。

3_img_4672で、地下鉄の改札と出口の階段を結ぶ通路には「須田町ストア」という、ま、今でいえば駅地下があった。
上に登場した「千代田区万世会館」でお父さんの葬式をやった友人が小川町に住んでいて、中学の頃、時折この決して短くない距離の地下道を利用したのだ。
コレがものすごく不思議な空間だった。
商店街といっても、多くの店がトタンの戸にヒモを巻いて閉めていて、とても薄暗く、子供が見ても斜陽感丸出しで、気味の悪い雰囲気だった。
開いているお店といえば、床屋とか、歯医者とか、服の仕立て屋ぐらいで、間違っても流行りのスイーツを扱う店などなかった。
下は現在のようす。
ココに地下商店街があった形跡はまったくなく、工事中ではあるが、すっかり明るくなっている。

3_img_4670かつてはこんな感じだったが、これもかなりキレイにした後、あるいはキレイにした部分だけを撮ったんじゃないかな?

Scsそれで、「須田町」というと自動的にこのさびしく暗い「須田町ストア」のイメージが重なり、この辺りがかつては日本で最もにぎやかだったことなどとても想像できず興味を持った。
それで万世橋駅とつながって来るワケ。
後になってわかったことなのだが、この地下街、須田町がかつてにぎやかだったので作られたワケではないというのだ。
地下街は、地下鉄の利用客を増やすための地下鉄会社のアイデアだったそうだ。
浅草や上野にも古い地下街があるのはこのアイデアによるもの。
つまりやっていることは今とナニも変わらないのだ。

3_img_4667「マーチ エキュート神田万世橋」に展示している万世橋駅のジオラマ。

230_2今、この模型を見ているのと同じ場所にこんな立派な駅舎があったのだ。
チョット大げさに言えば、ロンドンの国際駅、「セント・パンクラス駅」にも劣るまい。Mbイヤ、ちょっとかなわないか?この激ゴシックには。

3_img_0831 「マーチ エキュート神田万世橋」にはこのジオラマの他にほんのチョットだけ万世橋駅に関する資料が展示されている。

240_2「何だよ、こんなの東京駅のパクリじゃんかよ!」なんて思うことなかれ。
万世橋駅舎は東京駅ができる以前の建物なのだ。
しかし、意匠が似ているのもムリはない。
東京駅や日銀の本店を手掛けた辰野金吾という人が設計したからだ。
こんなものが今も街の中にあったらさぞかしステキだったろうね~。
しかし、そうは問屋が卸さないのが、またもや大正12年(1923年)の関東大震災。
駅舎は焼失したが、仮の駅舎が造営され、震災の遺体の安置所に利用されたそうだ。
その後、東京駅ができ中央本線の始発駅の座を奪われ、さらに神田駅や秋葉原駅ができたことが追い打ちをかけ、結果昇降客が激減し、駅としての役目を終え、昭和18年に廃止された。
かくして須田町の栄華は人々の記憶から消えてなくなったのであった。

250_2「マーチ エキュート」の外廊下から昌平橋を望む。

270_3目の前には元石丸電気2号館の背中がそびえる。
かつてここには石丸電気の赤い白抜きの「石」という巨大なロゴ・サインが施してあって、中央線のすべての乗客の目に入ったものだ。

280v外に出て今度は万世橋から「マーチ エキュート」を一望する。
写真の左端、ビールのブリュワリーがあるの。

260何種類かのオリジナル・ビールを飲ませるお店で、おいしかった。

310_2グルッと回って万世橋のかかる中央通りまで戻ってきたよ。
1676年に架けられた万世橋の前身は筋違橋(すじかいばし)といって、現在のロケーションとは異なるが、徳川将軍が江戸城から上野の寛永寺に赴く際にこの橋を渡ったいう。
想像するとすごいよね。
江戸城を出た将軍様ご一行がゾロゾロと万世橋を渡って中央通りを進み、上野広小路を過ぎ、坂を上って寛永寺にたどり着く。
何のことはない、普段よく自転車や車で通る道だけど、将軍様が歩いたのかと思うとロマンを感じるよナァ。
見てみたかったナァ。ま、「下に~、下に~」で庶民はその姿を見ることはできなかったんだろうけど。
今のこの万世橋は昭和5年に建造されたものだ。
立派だね~。

325そして、今回この記事を書くに当たって、万世橋に関して初めて気がついたことがあった。
子供の頃から数え切れないぐらい渡っていたのだが、興味がないので全く目に入って来なかったのであろう。
それは、この船着き場。
かつて盛んだった水運の名残だ。
市場があった秋葉原は物流の要所だった。
窓の付いた小部屋は、昔は荷揚げ作業員の詰め所とか、荷揚げ作業の道具を保管するスペースに供されていたのだろう。
今は向かいにある万世警察の機材倉庫になっているらしい。

326不思議なのは対岸の設備。
手すりが見えていて、小部屋を経て橋のたもとの中に入れるような様相を示しているが、上には公衆トイレがドッカと設置されていて、この手すりのフロアに降りる階段がない。
少し調べてみた。
この設備に気が付いて、その存在を不思議に思う人はどうも私だけではないらしく、色々なサイトで取り扱われていた。
結果、この小部屋が何のために作られたのかハッキリしたことはわからないらしい。
単なるデザイン上のものという説や、銀座線の工事のための設備という説、いまだにナゾなのだそうだ。

327コレはチョット番外編。
というのも秋葉原から御徒町方面へ少し行ったところのロケーションだから。
建物のデザインがカッコいいので興味を持った。
ご覧の通り銭湯。
「燕湯」といって2階が宝石屋になっている。
宝石商が並ぶ御徒町はマンハッタンで言えば5番街だからね。それにしても銭湯の上に店を構えることもないように思えるが…。
で、私は入ったことはないのだが、調べてみると、やっぱりこの銭湯…ひとクセあった。
昭和25年に作られた建物と内部にある岩山の装飾が国の登録有形文化財に指定されているというのだ。
特にその岩山の装飾は、本物の富士山の溶岩で作られていて、国立公園となっている富士山は、現在は溶岩などを持ち出すことが厳禁となっているためメッチャ貴重なのだそうだ。
それと、湯。
ちなみに銭湯を「お風呂」と呼ぶのは関西弁なんだって。
江戸っ子は「湯屋(ゆうや)」と呼ぶのが正しい…と、古今亭志ん生が言っておりました。
で、この銭湯、朝6時から入れるというのだ。
昔、秋葉原にあった「ヤッチャバ」の早朝の労働者や行商の人たちのための慣習のなごりなのだそうだ。
そう!今、ヨドバシカメラがあるあたりって、私が中学ぐらいの頃まではデカい青物市場だったんだよ!
そのお湯が尋常でなく熱いらしい。
銭湯の一番風呂は湯が硬く、普通より熱いものと相場が決まっているが、燕湯は朝48~50℃まで沸かしてそのまま自然にさましていくスタイルらしい。
アータ、48℃のお湯なんてとてもじゃないけど入れませんよ。
その後、自然にさますといっても、平均で45~46℃までしか下がらないのだそう。
私も熱い風呂が好きなんだけど、45℃でもまずムリです。
実は家の近くにもそれぐらいの温度にしている銭湯があるんだけど、なかなかに強烈だ。
「お湯が喰いついてくる」てェヤツ。
普通、「熱い風呂」って言っても、最初思いきってガバっと入っちゃえば、湯を揺らさない限り、マァ気持ちのいいもんですよ。
ところが、これぐらいの温度になるとそうはいかない。
入っていればいるほど際限なく熱くなってきて、何やら自分が茹でられているような心持ちになってくるのだ。
もうその時分には、熱いとかヌルいとかいうことは最早問題ではなくなり、生きるか死ぬかの二者択一になってくる。
それほど熱い。
行ってみようかな…燕湯。

328ハイ、中央通りに戻って来ました。
コレで終わりかと思ったらこれからが今日の本題。

330去る7月15&16日の2日間にわたってポータブルオーディオの祭典、「ポタフェス」が開催された。

340_2以前、昨年12月に開催された冬の「ポタフェス」をレポートしたが、「Spring & Summer」と称される、この夏場に開催される「ポタフェス」が「主」なのだそうだ。

350_2今回もたくさんのポータブル・オーディオ・ファンが詰めかけていた。
来場者の数は2日間で56,000人に上ったという。

360_2あ!こんな人も!
うれしいね~。

370さて、ナゼ私がポタフェスにお邪魔しているのかといえば、当然コレ。
Marshall HEADPHONESのスタンドを覗きに来たのだ。

380_2前回は2階の室内の会場にスタンドを設けていたが、今回はメイン・エントランスを数メートル入った左側。
モノスゴイ人通りだ。
420_2展示はもはやおなじみのBluetoothスピーカーと…

390vヘッドホンの数々。

430最も目立つロケーションだけあって、すぐ近くにはステージが設置されていて、耳をつんざくような大音量でアニメ系アイドルがライブ・パフォーマンスを展開している。

450大音量なら負けないゼ。
こっちを誰だと思ってんだ?
Marshallさんだぞ!
…と、いうことで、特段頼んだつもりはないのだが、私のためにスタンド内にあるすべてのMarshallスピーカーを使って大爆音のデモンストレーションしてくれた。
曲は「Highway Star」。
イヤま~、スゴイのなんのって!
さながら「♪Nobody gonna take our speakers…」ですわ。
恐らく、フェスを通して一番の爆音だったのではなかろうか。
もっとも他はヘッドホンとかの展示だでね。

400「お!Marshallじゃん!」なんて言いながらひっきりなしにお客さんが立ち寄ってくれて大変な賑わいを見せていたMarshall HEADPHONESスタンドであった。

440_2Marshall HEADPHONESはこうした展示会だけでなく、全国各地でコマメにポップアップ・ショップを展開しているのね。
東京は終わってしまったんだけど、10月22日まで京都と福岡、さらにオンラインのコンラン・ショップで「hoping LONDON」という展示会が開催されていて、Marshall HEADPHONESも参加している。
 
hoping LONDONの詳しい情報はコチラ⇒THE CONRAN SHOP

410_2さて、今回もポタフェスの会場をグルリと見てみましょうかね。

4601階の会場では即売のコーナーを設置。

470_2「アニソンのためのイヤホン」だって。

480こちらは「女性ボーカルにおススメのイヤホン」だそう。
正しくは「ボーカルズ」ね。

490_2冬は1階と2階のみの展示だったが、今回は地階も使用していた。

500_2前回、初めて来た時は「こんな世界があったのかッ!」とかなり驚いたけど、今回はゼンゼン慣れっこよ!

510_2そういえば、今年の初めに白山通りで交通切符を切られちゃってさ…。
担当のお巡りさんがすごく若い人で、私の来ていたシャツのMarshallロゴに気が付いてしゃべり出したんだっけかナァ?
そのお巡りさんはイヤホンが趣味だというワケ。
それで、このポタフェスをことを教えてやったの。
ついでにMarshall Blogにレポートが掲載されていることも教えてあげた。
すると、「見ます!見ます!」とものすごくよろこんで違反を帳消しにしてくれた…というのはウソ。
違反は違反でガッツリやられて9,000円振り込んできたよ。
私はズ~っとゴールド免許だったのよ、長いこと車に乗らなかったから。
で、Marshallの仕事を始めて車に乗るようになったら一発で庶民の免許に逆戻り。
アレ絶対に「ゴールド免許=車に乗らないこと」なんだよね。
だからあのシステムには意味がない。

520様子はわかっていたつもりでも、やっぱりスゴイな、この世界は!

530もう皆さん、夢中になってイヤホンを耳に突っ込んでる。

550v業者さんに話を聞くと、皆さん、家の中と外で同じクォリティの音質で音楽を聴きたがっている…のだそう。

540スピーカーとイヤホンの音質の差にこだわるなら話はわかるが、家の外にいようが中にいようが、イヤホンで聴いている分には大差ないと思うのだが…。

560vケーブル類がスゴイんだよ。
イギリス式に言えば「リード」。
聞けば、何でもメーターで30万円するケーブルなんてのもあるらしいよ

570ケーブル製作の実演コーナーなんてものある。

580試聴しているお客さんの装置を見せてもらった。
ね、iPodみたいなヤツにヘッドホン・アンプをくっつけて聴いてるワケ。
業者さん曰く、「現代の音楽は現代のヘッドホンで聴くべし」…だそうです。
ま、そうでも言わなきゃ商売になりませんからね。
そうなると、チャーリー・パーカーをSPで聴いてみたくなるような気がしないでもない。

590v海外ブランドも目立ってたナァ。

600こんなものも。
欅で作ったヘッドホン・スタンド。
お値段は想像にお任せします。

610vコレが一番いいわ。
イヤー・マフ。
私は仕事柄ライブ会場に行くときは必ず耳栓を携行している。
演奏自体がうるさいからではなく、写真を撮っていると、どうしてもPAスピーカーの直前に立たなければならないことが多く、その爆音から耳を守るためにどうしても必要なのだ。
で、自分の耳に合わせて成型できるドラマー用の耳栓を愛用しているんだけど、完全に遮音することは全くムズカシイ。
ところが、このヘッドホン型のヤツは素晴らしいね。
スゴイ遮音性能。
ハメると「シーン」となる。
でもナァ…。

620vコレをハメている姿を一生懸命演奏しているステージ上のミュージシャンにはお見せできないよね~。
失礼すぎるわ。

630vスタンプ・ラリーなんかも開催していて人気を呼んでいた。
 
次回のポタフェスが12月16&17日、同じ場所で開催されることが決定している。

640vMarshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒日本語版オフィシャル・ウェブサイト

650さて、場所は変わって、Marshallの事務所。
ココでは3台のMarshallスピーカーを使っている。
向かって左からWOBURN、STANMORE、そして、ポータブル・タイプのSTOCKWELL。

660最近、レコード・プレーヤーを導入したため、かつてはWOBURNだけだったシステムにそれより小ぶりのSTANMOREを追加して、LPをWOBURNで、CDをSTANMOREで再生するようにしている。
ちなみに…このWOBURN、Marshallの工場があるBletchleyの近隣の町の名前なんだけど、発音がややナゾ。
代理店の方は「ウバーン」と呼んでいるし、私は「ウォバーン」だと思っていた。
で、デモ動画でネイティブの人の発音を確認してみた。
カタカナにすると「ウォウバン」が一番近い感じがするな。

670ふたつとも大のお気に入りで事務所にいる間はズッと鳴らしっぱなし。
双方、抜群の音質だが、真剣に音楽を聴こうとするならWOBURNの方が上。
スピーカーも筐体も大きいので音がすごくリッチでクリアなのだ。
ところが、WOBURNは本物のMarshall同様、小さい音量で鳴らすことが大の苦手。
つまりボリュームが「ゼロか大」の2種類しかない。
そうなると辺りが寝静まった夜中なんかはチョット厳しい。
そこでSTANMOREに助けを求める。
適材適所ですな。
小さめの音量で実に優雅に、そしてバランスよく音楽を鳴らしてくれる。
それとSTANMOREってナゼかクラシックを聴く時にいいんだよね。
すごく音がまとまるの。
ジャズは断然WOBURN。
ロックはどっちでもOKかな?

680それと、やっぱり見た目がいいな。
Marshallが生活に中にあるってのはとてもステキなことだ。

690ああ~、ずいぶん長くなってしまった。
最後までくださった皆さん、お付き合いありがとうございます。
今、もっと長いヤツに取り組んでいるんだけど、またよろしくね!

 

2017年10月 4日 (水)

TOKYO HIGH SCHOOL ROCK 2017

  
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也
 
今日は内容に合わせて芭蕉でスタートしたよ。
そう、今年も10月1日がやって来た。
それにしても…2017年もあとたった3月かよ~!
ったく信じられんな、この月日の経つ早さときたら。
10月1日は「都民の日」で学校が休み…ということで、高校生バンドのライブをやろう!と第1回目を開催したのが2008年。
あの時、高校3年生で出演してくれた子たちは今頃25、26歳になって、毎日額に汗して働いていることだろう。
「赤痢オルガン鳥」とか「ほめごろし」の子たちはみんな元気でやってるかな?
なつかしいな…でも、そんなこととは全く関係なく、今年も「都民の日」名物『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』が開催された。
今回でもう9回目!

10このイベント、Marshallは第1回目から機材でお手伝いさせてもらっているのです。
なので、今回もステージにはMarshall JCM2000 DSL100と1960A。

10vNATALのドラム・キット。
今回はアッシュね。

20そして、ベース・アンプのヘッドには、大人気のスグレモノTerra Nova TN-501。
せっかく一生懸命演奏するんだから、気持ちよくいい機材で臨んだ方が気持ちいいもんね!

30まず最初にステージに登場したの司会の深野叶子さんからこのイベントの主旨が説明された。
以前は司会もいなくて、シレ~っと始まって、シレ~っと終わっていたんだけどね。
司会者を立てたのはとてもいいことだ。
叶子ちゃん、チョット緊張した面持ち?
できれば私が替わってあげたいわ。

40今回のトップバッターは鷺宮の都立武蔵丘高等学校からLyric Jack。50森口楽絃

60旭朋子

70前田梨沙

80江田遥

90女性3人に男性1人のいわゆる「ハーレム状態」。
この反対、すなわちボーカルズが女の子でバックがみんな男の子…というパターンは昔からあったが、こういうのは時代の変化がなせる業ですな。
今、共学の高校の吹奏楽部なんて、ほとんど男子がいないでしょう?
120「こんなに広いステージで演るのは初めてです。スゲエ景色で感無量です!最後まで楽しんでください!」とあいさつして、熱唱を見せてくれた森口くん。

100各バンドの持ち時間は20分。
その限られた時間で苦労して作った自分たちの曲を精一杯披露する。130vベースの梨沙ちゃんのプロ顔負けのアクションがカッコよかった!

110v2 パートナーの遥ちゃんとのコンビネーションもバッチリ!

140v楽しそうに、また、とてもシッカリした演奏でトップバッターの重責を完璧にこなしたLyric Jackだった
1502番手はガール・バンド。
都立武蔵丘高等学校の旋光少女…って、前のチームと同じ高校じゃん!
そう、同じ高校の2つのバンドが別々に応募して、双方オーディションを通過してしまったのだとか。
ロックが盛んな学校なのかな?

160山家潮音

170v関絵理奈

230v河田夏子

190vかわいい!
夏子ちゃんのエフェクター、ポーチのクッションが敷いてあった。
コレは女子ならではの所業でしょう。

200福田彩瑛

210v「いい日、悪い日あるじゃないですか?たとえ悪い日でも、今日という日はその日しかない。ガンバリましょう!」という曲を作りました。
そう、「明るく陽気にいきましょう(by ぴろき)」!

1_img_0464ナンじゃ?この夏子ちゃんベースの音。
オッソロシク抜ける~!そして深い!
EDENのTerra Novaはやっぱりスゴイわ! 
やっぱり女子はこういう音ヌケの優れたベース・アンプを使うといいね。

2_img_0726 理奈ちゃんのギター・ソロも各曲でフィーチュア。
やっぱりアンプは真空管に限るでしょ?180v「今日はこんなステージに立つことができてうれしいです!人生の中で忘れられない経験となりました。最後に私たちの大スキな曲をやります!」
とあいさつして右手を高く上げた。

220旋光少女も4曲。
若々しく、ガール・バンドの魅力に満ちたステージを見せてくれた。

240v今日はトリもガール・バンドなんだけど、女子パワーは相変わらずスゴイよ。

250仕事中の私。
右手にハメている黒いベルトは決してアクセサリーではない。

1_2img_9004 転換が終ると、その前のシーンとは雰囲気がガラっと変わって、ギターふたりが向き合ってイントロを奏で始めた。

2603バンド目はPatchworks 。
日本大学第二高等学校から。
日大二高の最寄り駅は、荻窪、阿佐ヶ谷、下井草…なるほど、アッチの方か。270池田将人

280関本晃輔

290v西原和哉

300v米久保隼介

310vこの日、初めての私立高校からのエントリー…。
イヤ、それより、この日初めてのボーイ・バンド!
あ、今ワタシ、生まれて初めてここで「ボーイ・バンド」という言葉を使ったよ。
ナゼなら私の世代は、バンドってのは「ボーイ」がやるのが当たり前だったので、ワザワザ「男の子」と付け加える必要が全くなかったからね。
もちろん私が通った高校にはボーイ・バンドしかなかった…アレは男子校だったからか。

320「皆さん…盛り上がってますか?
ステージの折り返し地点ですけど、最後まで盛り上がっていきましょう!」
西原くんのメッチャ恥ずかしそうなMC、ヨカッタよ~!見ていてこっちがドキドキしたわ!

330v派手なアクションを交えてバリバリとMarshallを鳴らしてくれた関本くん!
いいギターの音を出したかったら、ギターよりもアンプに気を遣うこと。
音を出しているのはギターではなくてアンプなんだから。
ステージで弾く場合は最低限真空管アンプを使おう!
つまりMarshallということね!

340vタイトでカッコいいドラミングを披露した米久保くん。NATALのことを絶賛してくれていたらしい。
パッとみるとミュージシャンというよりアスリートっていう感じだけど、彼、ドラムスだけじゃなくて、コーラス・ワークが抜群に素晴らしかった。

350v曲は池田くんが作っているのかな?それともみんなでやっているのかな?
どの曲もなかなか作りがシッカリしていて聴きごたえがあった。

360さて、怪しげな照明の中ステージに現れ、トリを務めたのは神奈川県立厚木高等学校のSEED。
5人編成のガール・チーム。
「都民の日のイベント」と謳っている『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』だけど、今年は10月1日が日曜日に当たったので、東京近隣の高校にまで門戸を広げたそうだ。
千葉県民の日は6月15日、埼玉県民の日は11月14日、そして神奈川県民の日は…ないらしい。
「県民の日」があるところは、県内で何がしかの大きな行事があったり、「ナニかが何年目を迎える」という記念事業があると、「その日を〇〇県民」の日にしよう!住民が自主的に盛り上がり、その要望が県議会に上程され「県民の日」が決定してきた。
ところが神奈川県にはそういう盛り上がりがなかったんだって。
でも、神奈川県には「市民の日」というのがあって、横浜は6月2日、川崎は7月1日に制定されているそうだ。
あ、それとね、今はどうだか知らないけど、我々世代の横浜市民って多分漏れなく「横浜市歌」が歌えるんだよ。
どうして10月1日が「都民の日」になったのかはコチラに書いておいたので興味のある人は読んでごらん。
ね~、タメになるでしょう、Marshall Blogって?!
アンプもブログもMarshallにキマりでしょう!

460SEEDは、矢萩栞奈。380v池田澪菜

390v武田萌

400v村川佳乃

410v伊藤真依

420v今風のJ-POP風ロックっていうのかな?ま、我々の世代から見ると「電化フォーク」っていうイメージなんだけど、そういうのとは全く異なるサウンド。
見た目からは想像できないドロドロっとした昭和のイメージ。
いいね~。

430vこのイベントはコンテストではないので、奇を衒って目立とうとする必要は全くない。
力まずに自分たちの音楽を演ればいい。
それでもこうしてチョコっと雰囲気の違ったバンドが出てくるところがおもしろいんだよね。

1_img_0716この日、キーボーズは全編を通じて佳乃ちゃんひとり。
コレはイヤでも目立ちますな。

1_img_0703 なるほど、彼女たち、「暗い音楽」を標榜しているのね。
そんなダークなロックでもNATALがバッチり。
NATALっていい音でしょう?

2_img_0909 そしてMarshallでバッチリとハードなギター・ソロを披露してくれた澪菜ちゃんも大活躍!

440vスッカリ入り込んでしまっている栞奈ちゃんの渾身のパフォーマンスはもちろん大きな見どころだったね。

450コレで高校生の演奏は終わり。

370イベントはゲスト・コーナーに突入。
今日のゲストは大阪出身のラックライフ。
彼らも高校の同級生で結成したのだそうだ。
今風のロックにちょっとハードなボーカルズが乗ってとてもいい感じ!
会場を大いに沸かせた!

470全員集合。
やっぱり女子強しだナァ。
数えてみると男女比は5:12。
70%が女性ということになる。
応募の段階でも7割とまではいかないまでも、感覚的に見て6割は女性だったらしい。
  
繰り返すが、このイベントはコンテストではない。
こんな光景と見ると、いかにも「結果発表!ダラララララララ」みたいな感じだけどさにあらず。
最後に出演者からひとことずつメッセージを発してもらった。

480みんな口々にこの日のステージに立てた感動を述べてくれた。

490今日出演の皆さんが演奏してくれたのは100%自作曲。
つまり全部オリジナル曲でコピーは1曲もなかったそうだ。
このライブはコピー曲を禁止しているワケではない。
しかし、みんな苦労して自分たちで作った曲を披露してくれたのだ。

500もちろんこのイベントに出演するにはオーディションを経なければならない。
年々出演を希望する応募者の数は増えているが、ハードロックやヘヴィメタル・バンドの応募はとうとう皆無になったそうだ。
70年代あたりのスタイルのロックは、日本の若者の間ではすでに絶滅していると言っても過言ではないだろう。
とても残念で悲しいことだが、伝承に失敗したのだから仕方がない。
510私から若い方々へお願いしたいことがふたつある。
ひとつは続けること。
ふたつ目は、とにかくジャンルを問わず少しでも多くのいい音楽を聴く努力をすること。
生意気言ってゴメンね。
私も若いミュージシャンに接する機会が少なくないが、今の時代、皆さんはあまりにも音楽のインプットの量が少なすぎると思う。「音楽の幅」という意味ね。
でもそれはキミたちのせいではない…そういう風にしてしまったのは、後先を考えなかった「売り上げ至上主義」の音楽関連産業に従事する大人たちなのだから。
世の中にはクラシックから、ジャズから、民族音楽から…素晴らしい音楽がたくさんあって、キミたちはまだ何も聴いていないに等しい。
モッタイないよ!
人生なんてアッという間。
若い頃から垣根を取り払って色々な音楽を聴くクセを付けるといい。
私もキミたちに劣らないロック狂いの少年だったけど、20歳前にジャズを聴くようになったことで、音楽人生が飛躍的に拡充した。
民族音楽も大スキだし、今はクラシックにも夢中になっている。個人的には古いロックなら今でももちろんよく聴いているよ。
生きている間に少しでも多くの素晴らしい音楽を聴いて感動してください。
自分で音楽をやるのはそれからでも遅くない。
あ、ゴメン、もうひとつあった。
アノね、コレは実際に年を取って気がついたことなんだけど、「何かに感動する」ってのは若い人が持つ特殊技能のひとつなんだよ。
たくさんの経験を経て年を取ると、感性が著しく衰えて、チョットやソットのことでは感動しなくなる。
だからこそ、若いウチに色んな音楽を聴いておくことが大切なんだ。
私もビートルズを聴いてトリハダが立った頃に戻りたいよ!

520最後は記念撮影。
「オラオラ、そこの!もっと寄って寄って!」…ウソ、もっとゼンゼンやさしいです、私は。

1_2img_9013「ハイ、撮るよ~!ワン、ツー、スリ~!」

1_2img_0249 「パシャ!」
お疲れさまでした!
来年の「10周年記念」でまたお会いしましょう!

530

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年10月1日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2017年10月 3日 (火)

NATALドラム・クリニック by ペギ&翔太朗

 
初めて来た…八王子のMatch Vox!
以前からお邪魔したいとは思っていたんだけど、ウチから遠いこともあって、なかなかその機会が訪れなかった。でも今回、ペギちゃんがそのチャンスをひねり出してくれた。
グッドモーニングアメリカのペギちゃんのドラム・クリニックだ。
ペギちゃんのドラムスといえば…そう!
NATALね。
そのNATALつながりで仲良しの翔太朗くんをゲストに迎えた企画。
コレがメッチャおもしろかったんよ~!

05vさすがグッドモーニングアメリカのホームだけあって店内にはこんな寄せ書きが。

06さて、今日のデモンストレーターは…
まずは西の横綱。
グッドモーニングアメリカから、ペギ!

20v当然いつもステージでペギちゃんが使っているNATALのドラム・キットが持ち込まれた。

3010"、12"、16"、24"のメイプル。
フィニッシュはシルバースパークル。

40スネアドラムは14" x 6.5"の同じくメイプルのステイヴ・スネア。
「ステイヴ」とは「桶」のことね。
普通のスネア・ドラムとは異なり、縦に木を組み合わせて、まさに桶状に組み立てられているNATALの人気商品。

50バスドラムのペダルもNATAL製だ。

60続いて東の横綱。
MAGIC OF LiFEから岡田翔太朗!

70v翔太朗くんもいつもはシー・スパークルという青いメイプルのキットを使ってくれているんだけど、今回はちょうどツアーのための機材運搬の都合で持参できず。
ってんで、ウチから持って来たのがアッシュのキット。
12"、16"、22"のシンプルなセット。
ラーメンで言えばチャーシュー、メンマ、ナルトだ。これだけで十分においしい。
フィニッシュはブラック・スワール。
以前「スウォール」と言っていたけど、「スワール」に発音を訂正します…今ココで。

80スネア・ドラムは14"x5.5"のブビンガ。
パリっとした音が気持ちいいのだ。

90…と機材は揃った。
役者も揃ってる。
さて、この2台のドラム・キットをどう配置しよう…と、みんなで色々と考えた。

10普通であれば当然ステージにドラム・キットを乗せてお客さんの方に向けるところなんだけど…。
結果、フロアの真ん中にキットを2台設置して、お客さんにはステージとその他の客席スペースに座って頂こうということになった。

100この通り、2台のドラム・キットが角を突き合わせたようなルックス。
これが大成功!
ペギちゃんのグレート・アイデアだ。110リハーサル。
バッキング・トラックの動作確認や音量のバランスをチェックに余念がない。
で、ペギちゃんは時間が空きさえすれば、いつでも練習してるんだよ。

120PCに向かって真剣な面持ちの翔太朗くん。
実はバッキング・トラックにトラブルが発生したようで、色々と対処を試みている所。
でも慌てず、お店のPCに詳しい方の援助を仰ぎながら難なく問題をクリア。

130v定刻になり、司会者が大きな拍手を浴びながら登場!

140私です。
さぁ、「♪明るく陽気にいきましょう!」…とは、ぴろきではないので言わなかったけど、冒頭でNATALについて説明させて頂いた。
若い方を中心に満席状態だ。

150vそして、ペギちゃん登場!
ペギちゃんとは6月にも日本工学院八王子専門学校さんでNATALのクリニックを開催させて頂いた。
その様子はコチラ⇒ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子
今日は雰囲気がゼンゼン違うよ。

160そして翔太朗くんも登場!
おお~、茶系で統一した帽子にストールがバッチリじゃん!

170まずはご挨拶代わりに1曲ずつ演奏してもらった。
先行はグドモさんチームで「コピペ」。

190v人気のグドモ・ナンバー。
実はこの前日も渋谷のO-WESTで開催された『凌ぎ合う』でペギちゃんと一緒だった。
その時にアンコールで演奏したのが「コピペ」。
場所も、形態もゼンゼン違う環境で2連チャンで聴いた!

200クリニックだろうとなんだろうと容赦なくNATALを打ち込むペギちゃん。
もちろんNATALもピッタリとペギちゃんのアグレッシブなプレイに着いて行くよ。

210v後攻のマジックさんチームは「線香花火」。

220vペギちゃんは翔太朗くんのことを「ストールの男」なんて呼んでいたけど、ナンカ若い頃のマーカス・ミラーみたいですな。
「イナセなドラマー」感タップリ!

230翔太朗くんらしいドッシリしたドラミングはいつ聴いてもカッコいい。
アッシュもすごくいいんじゃない?

240vこのレポートでは先にやってしまったが、演奏の後はドラマー・サイドの観点で使ったNATALの解説を詳しくしてもらった。
材質や音の特徴、気に入っているところ等々。
せっかくなので、24インチと22インチのバスドラムの音の違いなんかも実演してもらった。
恥ずかしながら、この日初めて知ったのは口径が2インチ、すなわり5.08cm違ってもバスドラムから出て来る音のピッチは変わらないということ。
ところが、音の奥行きの違いがあまりにも違うのでビックリ!

260クリニックではお定まりの「練習方法について」や曲の中で使われているドラミング・パターンを実演を交えて解説してくれた。

280そして、ふたりがドラマーとして、バンドの創作活動に音楽的にどう参加しているかを熱心に語ってもらった。
こういうのは面白いね。
私はドラマーではないので、「ドラマーがナニを考えているのか?」、結構目からウロコが落ちるような話だったな。
こういう話を聞くと、ますますグドモやマジックの音楽を聴くのが楽しみになる。
「ああ、コレがあの2人が言ってたヤツか~」みたいな。
あ、ナベちゃん、Zildjianの解説も知ってる範囲内でしておきましたから。
オマエがZildjianのナニを知っているんだ?って?
へへへ、ナニを隠そう、日本で最初に出たZildjianの歴史本、『ジルジャンの軌跡(The History of Zildjian)』の日本語版の翻訳の監修は私が担当したのだ!
下訳の仕上がりがかなり厳しくて、結局原文をすべて読んでしまった。
それでだいたいのことは覚えちゃった。
好きなジャズのドラマーがイッパイ登場したので面白かった。

270次もスペシャル。
またしてもペギちゃんが持ってきてくれたアイデアでこの日ならではの企画が実現!
それは曲のSwitch。
つまり、翔太朗くんがグドモの曲を、ペギちゃんがマジックの曲を演奏したのだ。
翔太朗くんはナニを演奏ったのかというと、「鉛色のスターゲイザー」。

290コレはメッチャ面白かった。
金ちゃんの声に、幸一ちゃんのギターなのにドラムがMAGIC OF LiFE!

1_img_0081その反対にペギちゃんは「呼吸」をプレイ。

2_img_0215ペギちゃんの「♪オッオッオッオ」もいいね~。
やっぱりガラっとサウンドが変わるよね。
そう、ロック・バンドの要ってドラムスとボーカルズなんですよ。
ギター・アンプ屋が言うのもナンですが、ロック・バンドってギターやベースが変わっても、あるいはマズくても、聴いている分にはマァ何とかなる。
でも、ひとたびシンガーとドラマーが変わるとそうはいかない。
ヘタをすると、ゼンゼン違うバンドになってしまい、クォリティが極端に上がり下がりするのだ。
もちろんギターやベースも大切。
「アンサンブル」を重視するのであれば、どちらかというとベースの方が重要だろうね。
ギターは仮にヘタクソでも「個性」として乗り切れることがあるけど、ベースはそうはいかない。
反対にいいバンドってたいていいいベーシストがいるものだ。
ついでに言うと、ジャズのオーケストラもやっぱりドラムが一番重要なんだよね。
ドラムスと、メロディを奏でる「リード・ラッパ」と呼ばれる「第1トランペット」の2人の良し悪しで20人近くで編成されるオーケストラの良し悪しのすべてがキマってしまうと言われているんだよ。

2_img_0213お客さんトライコーナー!

K10ペギちゃん、このコーナーが大スキで、実際にお客さんにジャンジャンNATALを叩かせちゃう!

K20vお、若きドラマー!ウマかった!
将来のNATALのお客さま、よろしくお願いします。
  
「お父さん、お母さん、今日ペギさんと翔太朗さんのドラム・クリニックに行って来て、そこでスゴイものを見たんだ!」
「おう、それはヨカッタな!一体ナニを見て来たんだい?」
「ナタールだよ!ナタール!」
「『ナタール』?何だいそれは?頭痛薬かなんかかい?」
「違うよ!ドラム・キットだよ!ボク、ナタールのドラムキットが欲しいんだ!」
「あ、そうか!ドラムスのナタールか!道理でどこかで聞き覚えのある名前だと思ったよ。
アレは音は最高だし、値段もお手頃だってみんな言ってるぞ…ナタールを選ぶなんてさすがお父さんの子だ!
お父さんもドラム・キットを買うなら絶対ナタールがいいと思っていたんだ」
「じゃ、買ってくれるの?!」
「ああ、ただしナタールじゃなきゃダメだぞ!ヘタな買い物はしたくないからな」
「やった~!将来、ボクもジーン・クルーパを目指すぞ!」
…なんて会話がこの後、彼の家であったかどうかは知らない。
  
若い方々に説明しておきますが、「ジーン・クルーパ」とは、ジャス・ドラム史上最も偉大とされる1930~40年代に一世を風靡したアメリカのジャズ・ドラマーです。
Marshallの創始者、ジム・マーシャルは元々はドラマーで、ジーン・クルーパがジムのアイドルでした。

K30vガールズも容赦せず。
はじめは少し端化しそうなんだけど、すぐ楽しくなっちゃう。

K40v腕自慢の猛者も当然出て来るね。

K60vそんな腕自慢にも評価が高いのがNATALなのよ!

K50続いては、コレもクリニックには欠かさないQ&Aコーナー。
事前に質問を集めて置いて、2人には私が選んだ質問に対して答えて頂いた。
当然、笑いが絶えませんな~。
私としては、少しでもお客さんに笑って頂こうと必死です。
クリニックが成功するかどうかは、「笑い」が多いかどうかなのよ。
私はMarshallのクリニックを全国で数え切れないほどやったんだけど、結局コツは商品の説明ではなくて「笑い」だということを学んだ。
話がツマらないと、どんなに上手に商品を説明しても、素晴らしいデモンスストレーションをしてもお客さんを惹きつけることはムズカシイ。
エ?それにしてはヘタだったって?
ホっとけ!

250恒例のプレゼントコーナー!
ハイ、クイズ。間違い探しね。
ちなみに間違い探しは英語で「Error recognition(エラー・リコグニション)」という。
問題です…♪ジャカジャン!…上の写真と下の写真の翔太朗くんの大きな違いはナンでしょう?
チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ…はいブー!
答えはストールです。
上はストールを首に巻いているけど、下の写真ではそれを着けていないでしょう?
翔太朗くん、自作の練習パッドの他に、臨時のプレゼントととして、抽選で当たったお客さんに首に巻いていたストールをその場で差し上げちゃったの!
太っ腹!
やっぱり見た目はウソをつかないね!
あ、私も「太っ腹」なんですけどね…見た目だけ。

311ぺぎちゃんはマメでね~、使用済みシンバルやらナニやら、いつもこまごまとグッズを用意して来てくれるのです。

312ペギちゃん名物の「Tシャツプレゼント」。
Tシャツのプレゼントなんて珍しくないのにナゼ「名物」かと言うと…ペギちゃんのプレゼントしてくれるシャツは新品ではなくて、既にペギちゃんが着用したモノなのです!
もちろん完璧に洗濯は済ませてあるよ。
だから抽選に当たったファンにはタマらないアイテムなのだ!

313最後のコーナーもペギちゃんが練って来てくれたアイデア。
ふたりがドラムスに向かう。

320その通り!
ふたり同時に演奏しようというのだ!

330曲は色々悩んだが、結局先ほどの「レパートリー・スイッチ・コーナー」で翔太朗くんがプレイしたグドモの「鉛色のスターゲイザー」を再演することになった。

350さっき見せてくれた通り、チャンとさらってきているので翔太朗くんのドラミングは完璧。
380そして、本家、余裕のドラミング!

370火花散らす…というより仲良しのドラマーが、心からドラムスを、そして音楽を演奏することを楽しんでいるようだった。
その2人をつないでいるのは…NATAL!

390さて、Marshall Blogでも2回にわたってレポートしている通り、無事に活動を再開させたグッドモーニングアメリカ。
明日、10月4日にはニューアルバム『502号室のシリウス』をリリースするよ~!
  
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

Cdg_2一方、MAGIC OF LiFEはニューアルバム、『Niemeyer』を引っ提げて全国ツアー中!
 
MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

380cdそして、11月11日には再びココ八王子でグドモ主催のイベント『八王子天狗祭 ~2017~』が開催される。
グドモは当然だけど、MAGIC OF LiFEも登場するよ~。
コレも楽しみだね。
  
『八王子天狗祭 ~2017~』の詳しい情報はコチラ⇒特設公式ウェブサイト

396flイヤ~、我ながら本当に面白いイベントだったな~。
欲を言えば、もうチョットしゃべりたかったか?
しかも昔のロックの話。
ダメね。コレをやっちゃうと若い人たちイヤがっちゃうのね…レッド・ツェッペリンとかジミ・ヘンドリックスとか。
ところで、講義の内容やQ&Aの細かい内容は故意に割愛させてもらいましたよ。
イジワルでしょう~?
違うのよ!
もしそのあたりを見たり聞いたりしたかったら、是非、現場へ来てください…ということなの。
クリニックはPCやスマホの中で起こってるんじゃない!
現場で起こっているのさ!
  
そうそう、ひとつ驚いたことがあったんだ!
終演後、楽屋でお店の方に「ペギちゃんのお友達」というドラマーをご紹介して頂いた。
彼もNATALを高く評価してくれていて、とてもうれしかったんだけど、アレ?チョット待てよ…。
どっかで会ったことがあるナァ~…と思って二、三質問をさせてもらってビックリ仰天!
昔、私はマキシマム・ザ・ホルモンのベースの上ちゃんとお仕事をさせて頂いていた時期があったのね。
で、ある楽器のPRで、ベースマガジンの付録DVDの撮影があった。
その時、上ちゃんが連れて来たドラマーはまだ子供、子供した弟さんでね。
でも、演奏はバッチリだった。
その楽屋で会った彼というのは、その上ちゃんの弟さんの「上原晃」くんだったの。
スッカリたくましくになっちゃって言われなければゼンゼンわからなかった。
お互いに「あ~、アノ時の!?」なんて言っちゃって。
更に驚いたことには西村守くんのFury of Fearのサポートもやったことがあるっていうんだよ!
長いことやってるとこういうことが起こっておもしろいね。
  
…と私が楽屋でこうしている間に、ホールではドラム・キットを片づけるまでの寸暇を惜しんでグドモの「言葉にならない」をお客さんみんな演奏していたようだ。
  
最後に出演者3人で記念撮影…っていうのはウソ。
翔太朗くんの首にはお客さんにプレゼントしてしまったストールが巻かれているからね。
コレはリハ―サルの後に撮った1枚。
とてもいい記念になりました。
ああ、またやりたいナァ~!

400

 

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年8月3日 八王子Match Voxにて撮影)

2017年7月26日 (水)

あなたの知らない「汚レコード」の世界展


おはようございます。
今日の東京、涼しくていいけどスゴイ雨ですな。
先日の雹はマジで驚いたな~。
あんまりだったので一部始終を携帯で撮影したわ。
イヤ、驚くどころか「世界の終わり」を感じさせるぐらいコワかった。
まったく地球はどうなっちゃうんだろうか…。
  
突然ですが…レコード、あるいはレコード・ジャケットはお好きですか?
      
「レコード・ジャケットはレコードをしまっておく単なる『入れ物』だからして、どんなものでも構わない」、あるいは同じ理由で、「ジャケットなんか汚くても一向に気にしない」という方はもうココここで帰って頂いて構わない。
この先を読んでもちっとも面白くないから。
  
そうそう、ソニーがレコード盤の生産を始めるんだって?
1980年代の中頃、全人類を挙げてあれほど崇め奉ったCD様の音質より「音の温かみがある」ことが指示されているからだとか…。
実に結構。
そのレコード盤を真空管のアンプと38cmウーファーを搭載した堅牢なスピーカーで大音量で鳴らしてくだされ!
え?違う?
アナログ・レコードの音源をパソコンに取り込んで、パソコンのスピーカーやポータブル・オーディオとイヤホンで聴くんだって?
それじゃアタマが人間で身体がロボットみたいじゃん。
それで「♪あったかいんだから~」ってやるの?
儲けるためには何でもやっちゃうのね?…としか見えないな~、私には。
「レコードが持つ本来の音質を楽しんで頂くためには、重量のあるプレーヤー、真空管アンプとまでは言いませんが、高品質のアンプとスピーカーをご用意ください」ってことを同時に案内してレコードを販売するなら大賛成だけど。
そんなことするワケない。
それじゃ誰も寄りつかず、商売にならないもんね。
最後の方で私の貧弱なLPコレクションを開陳するけど、私はレコードで育った世代だ。
したがって、あの音質を十分経験したので、年を取った今では音質云々よりもCDの利便性の方に軍配を上げるわ。
土台音質なんて、大きな音で聴ける環境がなければ、装置にいくら凝ったところでさほど意味がないと思っている。
どんなにいい音が出るイヤホンだって絶対にパラゴンから出て来るサウンドには叶わないからね。
つまり、最終的にはオーディオもギター・アンプもアナログの方が断然いいと思っているんよ。
ナゼなら人間の耳はアナログだからだ。
    
さて、今日の記事は先月開催されていた『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』という展示会のレポートをお送りする。
「おレコード」というのは人類初の言葉か?
内容は下にあるように、故意に汚された、イヤ、私の立場から言うと「汚されてしまった」レコード・ジャケットの展示会だ。

10私はレコード・ジャケットはピッカピカでなければガマンできないタイプなのね。
だから新品で買ったゲイトフォールドのLPのジャケットなんか、180度開いたことなどただの一度もない。
背表紙に白い線が入ってしまうからだ。
おかげで内ジャケットを見たことがない2枚組のLPがウチにはゴロゴロしている。
かつては帯も同様だった。「帯至上主義」。
昔はアレ、「タスキ」とも言ったよね。
まだ学生だった頃、Pabro Cruiseのファンだった今の家内に新作をプレゼントしたところ、「うわ~!聴きたかったんだ!どうもありがとう!」と言いながら、目の前で右手の人差し指を帯に引っ掛けて、グイッと一気に引きちぎった時には卒倒しそうになった。
その様子を見て取った家内は「どうしたの?あ、帯?だって帯なんか付けていたらジャケットが全部見えないじゃん?」と生粋の横浜弁で「帯不要論」を説いてくれた。
当時、私も同じ理由で帯は外してはいたが、もちろん後生大事に保管していた。
それをウチのオヤジが引っ越しの時に捨てちまいやがって!…そこから帯に固執することは止めて真っ当な人間に戻ることができた。
だからそれまでは中古レコードを買う時も帯が完全な形で付いていないものは購買の対象から漏れて行った。
皆さんはどうです?
今ならCDに付いている帯、キープしてる?
そんな風にレコードを我が子のように大切にしているもんだから、ジャケットを単なる「入れ物」としか考えていない外人は困るのよ。
初めてニューヨークへ行った時に寄ったグリニッジ・ヴィレッジの中古レコード屋さんのアイテムの汚さには絶句した。
レコードを立ててディスプレイしていたんだけど、どのレコードも背表紙が擦れきれていて文字を読み取ることなど到底できず、棚一面白くなってた。
平気で値段をジャケットに直に書いちゃうしね。
そして、ロンドンでも。
下の写真はOASISファンならすぐにピンとくるであろう、ソーホーのバーウィック・ストリートというところ。
この通りに中古レコード屋が何軒かあるのをある時発見して以来、ロンドンに行くたびに軽く覗くのを常にしていたんだけど、どこもマァひどい。
いつか、ある店でイタリア人の女性がボロッボロ極まりない10ccの『Live and Let Live』を手にして店内を物色していた。
何しろ。まずジャケットにマジックでガツンと値段が書いてある。結構いい値段だったハズだ。
まさか、その値段でボロボロのレコードを買うはずがないだろう、と思ってどうするかとしばらく観察していたら何のためらいもなく、そのレコードをレジに差し出したのには仰天した。
もちろん私はそんな汚いモノに興味はないが、この通りにある他の店でArgentのCDを何枚か買ったことがあった。
チョット装丁が貧弱だったが、キレイで割安だったのだ。
ところが…後でわかったのだが、コレ、よくある廉価のCDボックス・セットをバラして売ってやがったんだよ。
ま、音楽の内容に変わりはないんだけどね。
とにかく、中古レコードは日本が一番!

15さて、展示会の会場はMarshall Blogに何度か登場している東陽町のDowntown Records。
いまだにCDを置いていないこのお店は、レアな「美レコード」を良心的な価格で販売してくれるレコード好きのパラダイスだ。
Marshall GALAのTシャツや、初期のMarshall Blogのバナー、以前のカタログ等のデザインを手がけた梅村デザイン研究所がサポートしているということでお邪魔してきた。
306月3日~18日の展示期間中にはピチカート・ファイブの小西康陽さんのトークショウも開催された。

20さぁ、行くよ~、汚い世界へ!
店内に入っていきなり目に飛び込んでくるのがコレ。
説明不要。
何だってこういうことするかネェ。
「A面良し」なんて書いてしまうのはどうしたことだろう。ほっとけばいいジャン。
自分の気に入った曲に出くわすと、ジャケットの曲目のところに印を付けちゃう人がいるでしょう?
あの気持ちもわからないが、コレはさらに強力だ。
しからばB面は金輪際一切聴かないということか?
ゼッタイそうなっちゃうよね。
しかし、コレ流行ったよね~。
一応書いておくと、Ben Johnson、じゃないや、George Bensonは「10年にひとり出るか出ないかの天才ジャズ・ギタリスト」だった。
実際、音は良くないけど、『Jazz at Sunday Afternoon』なんてライブ盤の演奏はスゴイわね。
Wesのスタイルを踏襲しているワケだけど、彼はWesの伝家の宝刀「オクターブ奏法」を進化させ、オクターブの2音に4度か5度の音を加えて3音でブッ早いフレーズを弾くまくった。
アノね、速弾きばかりが「超絶」では決してないのよ。
イヤ、Tal Farlowだとか、Wesとか、この人とか、ま、ジャズ・ギター界では枚挙にいとまがないけど、ロックの速弾きより「超絶」なことを演っている人はゴマンといる。
1小節に4回しか音を出さない「超絶」とかね。
反面、私は完全に飽和状態、あるいは金太郎アメ状態に陥っているロック界の「速弾き」が今後どういう展開を見せるか、イヤミではなく、ものすごく楽しみにしているんだ。

50「汚レコード」にもいくつかのパターンがあるようで、私なりのカテゴライズに従って展示アイテムを紹介させて頂くことにしよう。
  
まずは「ぬり絵」編。
お!「ZUMA」のカラー・バージョンなんてあるのか…と、Neil Youngにツユほどの興味のない私はそんなノンキなことを考えてしまうが、さにあらず。
自分で塗っちゃった!
George Harrisonの『All Things Must Pass』なんかもリマスター盤はジャケットがカラーになったじゃない?
アレだと思えば結構いい出来なんじゃない?
だって、コレ、ぬり絵好きが元のデザインを見たら塗らずにはいられないでしょ!

60売値は200円だって。
「ジャケット・ダメージ」で返品不可。
苦心の作も「ダメージ」扱いか。

70お、すると、The Whoの『The Who By Numbers』のジャケットのアノ線をつなげちゃった場合はどうなるんだろうか?
ダメージだろうな~。
実際、昔は時々そういう中古盤を見かけたナァ。

Wbn 次は映画音楽、ボストン・ポップス・オーケストラのJohn Williamsのコンピレーション。
コレが施術前。

90r

あ~、あ~、あ~、あ~、あ~!
汚ね~な~。

80こっちはコレでよろしいんじゃないスか?

100元はコレ。

110r続いては「落書き」編。
George Lewisはディキシーランド・ジャズの名クラリネット奏者。
「ジャズの歴史的名盤紹介」となるとこの人の『Jazz at Ohio Union』というアルバムが必ず出て来るけど、シデキだけは全く聴かない私は未経験。
何やらジャンジャン落書きしてある。

140この人は知らない。
ゲ、B面が「屋根の上の仔猫」だって。PANTAさんご存知かな?
「評判が良い!Good!」…かつての持ち主はよっぽど熱心なファンだったのかな。
昭和53年に引退ということは1978年…大分古い人だね。

150

「Loveにてタマキと踊った曲!」か…。
相当楽しかったんだろうな~。
「踊る」なんてのがいいよね。この頃はディスコじゃないからね。
ビッグ・バンドの演奏に合わせて2人で身体を揺らしたんだろう。優雅な時代だ。
1965年、西田佐知子はこの「赤坂の世は更けて」で紅白に出たようだ。

160続いて「記録」編。
プレスリーの逝去が記録してある…昭和52年か。
1977年だから今年で、エ!40年?! そんな経ったの?
ウチのオヤジが「プレスリーがドーナツ食いすぎて死んだ!」って大騒ぎしてたな。
そのオヤジも2年前に死んじゃったけど…。
  
「Elvis has left the building」ってあるじゃない?
Frank Zappaの曲名にもなっているでしょ?
コンサートが終わってもアンコールをせがむ観客に向かって司会者が「もうエルヴィスはココにはいませんよ~!」と言ってショウを打ち切っていた有名なセリフ。
コレをですね、The KinksのRay Daviesが演奏をする前にこうやった。
「The Kinks just enter the building」
さすがRay!
こういうのは本当におもしろい。
The Kinks大スキ!

170コレなんか山田邦子とは何の関係もない「千代の富士優勝」のデータが書き込まれている。
今なら「こんなこと書かなくたってインターネットですぐに調べられるじゃん!」と思いがちだけど、当時はこうして何かに記録しておかないと、何事も調べるのにエラク苦労したんですよ。
反対に知らないままに済ませておくことが普通のノンビリした時代でもあった。
ま、こうしておけば「歌は世につれ、世は歌につれ」が絶対的なモノになる…とでも考えていたのかしらん?
しかし、こんなレコード買う人が実際にいるんだね~。
もっともそういう人で経済は成り立っているんだろうけど。

180「贈り物」編。
「〇〇さんから頂きました」とか「XXさんへ」系のプレゼントでレコードが使われるケース。
私はやらないけど、コレはわかる気がする。
私の経験に照らし合わせると、見たこともないようなCDが棚から転がり出て来てビックリすることが時々ある。
そんなアイテムがあったことを知らないワケだから、当然自分でお金を出して買ったモノではないハズ。
するとそれは誰かからの贈り物だったりするワケ。
私の場合、「シゲは音楽が好きだから」と海外の方が現地のCDをお土産で持ってきてくれることがちょくちょくあって、その贈り手が付き合いの短かい人だったりすると、もう誰からのギフトだったのかなんて皆目見当がつかない。
そういう意味ではこうしてモノに書き込んでおくのは有益かもしれない。
私はこれからも絶対やらないけどね。

190写真では見にくいんだけど、左下のメモにはこうある。
「〇〇へ ご入学おめでとう。リオにもこんなにステキなゴーゴーボーイがいます 1967年 XXより」
このRoberto Calrosという人はメモにあるようにブラジルのミュージシャンだ。
ただ「ゴーゴーボーイ」ではななくてシンガーソングライターのようだ。
でも、わたしの目に留まったのは「ゴーゴーボーイ」よりも、「素敵」を「ステキ」とカタカナ表記しているところ。
私もMarshall Blogではよく「素敵」を「ステキ」と書き表すが、50年も前に同じことをしていた人がいたなんてステキじゃない?

200コレも昭和49年の入学祝い。
モノは『ディズニーランドの小鳩くるみ』というディズニー映画の主題歌集。
「小鳩くるみ」というと、我々の世代では何といっても『アタックNo.1』の「鮎原こずえ」の声でしょう。
ところが、ナーニ、この人!
本当の姿はイギリス文学者並びに児童文学研究者で、目白大学外国語学部及び目白大学大学院言語文化学科の教授なんだって?
で、永井荷風や野村万作の血縁なんだと。
道理で苦しくたって平気なワケだ。

210「名前」編。
コレもまったく理解できない。
「千社札」の感覚なのかな?
何にでも名前を書いちゃう人っているんだよね。
確かに小学校の時は先生に「自分の持ち物には名前を書きなさい」と指導された。
でも、レコードに名前を入れる必要がどうしてもわからない。
誰かに持って行かれてしまうと考えるのだろうか?

230え?「前川清」?
同性同名だろうね~。
昔の仕事の取引先に「松本清」と「西田敏行」という人がいたっけナァ。

240「文字落書き」編。
もう何だか意味もなく文字で落書きしちゃう。

250何で?どうして書いちゃうの?

260「私」は百恵ちゃんということか?
関西のオバちゃんの「松坂慶子」みたいなもんやね?
「ナンでわかったん?」
実は私コレ持ってます。

270このレコードの持ち主はよっぽど拓郎さんが好きだったんだろうね~。
400落書きに迫力と愛情を感じるわ。
「浅田」ってのがスゴイね。
この相合傘は、浅田美代子じゃなくて陽水さんと一緒になれということか?
しかし、「上」という字ぐらい間違えないで書きなさいよ。

410インドネシアの歌手だそう。
外人も同じね。
ナニが書いてあるのかはわからないけど、平気でメモしちゃう。

280続いては「メッセージ」編。
レコードジャケットを用いて伝言しちゃうという。
このコーナーこそ「汚レコード」の醍醐味かも。
まずは、管原昭子という秋田出身の歌手のシングル盤。
放送局へ持ち込まれたらしいモノで、「A面キズ」と書かれているのを線で消して、新たにこう書かれている。
「キズじゃないのでかけてくださいね」
ハハハ、便利だな~、レコード・ジャケットって。
この管原さんという人、「スター誕生」で同じ秋田出身の桜田淳子と同時に合格したのだそうです。
「若い新宿」か…昭和49年、新宿は当時ナウい街だったんだな。

220

コレはカッコいい!
インナースリーヴに「愛してるよ」って書いてあるの。
しかもジャケは八代亜紀。
となると、雰囲気あるな~。
私も冒頭のPabro Cruiseのレコードに同じことを書いて、当時の彼女=ウチのカミさん=Marshall Blog記録部長に渡せばヨカッタ。
できない、できない!

310

「アタシ……マサミです。今夜も指名してくれる?」…ってコレ男じゃねーか!
「今夜も」ということは、このレコードを渡された人はマサミさんにかなりゾッコンなんだな。
でもコレ、一体どういうタイミングで渡したんだろう?
「同伴」だったらこんなことはするワケないし、開店前に一緒にいる時間があったということか?

325

古いレコードだナァ。
味の素の販促品だね。
もうこのあたりになると、少しぐらいの書き込みは何でもない。
でもコレは裏面のメモがスゴイ。

290「清水さんの家にいます  母より」
ナンでレコードに書くのッ?!
確かにおたくのママは世界一だわ。
このメモを見てお母さんを迎えに清水さんの家へ行ったのかしら?
  
『うちのママは世界一』は昭和34年から日本でも放映されたアメリカのホーム・ドラマ。
私は知らないけど、主演がドナ・リードだったんだね。
フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』で主役のジミー・スチュアートの相手役を演じた。
とても美しい人でね~。
ドナ・リードとかグレース・ケリーみたいな人を「美人」っていうんだよ。
『素晴らしき哉、人生!』も何度観ても泣ける映画だ。
ところが、後にこの映画はアメリカという国の素晴らしさを広めるためのプロパガンダ映画だと知った時はショックだった。
公開は1949年。
「アメリカってこんなにいい国なんですよ~!」、「アメリカ人はみんないい人ですよ~」と、誰もが落涙するであろう美しいヒューマン・ドラマの裏で有色人種に対してすさまじいまでの差別をしていたのだ。
そのクセ、この映画や『12人の怒れる男』だの『アラバマ物語』だの、さらには『ルーツ』なんてのを作っちゃうんだからやっぱりアメリカってのは恐ろしい。
味の素か…。

300マァ、どうしてもコレがチャンピオンだろうな。
「ごはんお たいておく事 さちこさんへ 母より」
同居か…。
お母さんはレコードのことをナンだとお思いだったのでしょう?
しかも、真ん中にキチっと書いてあるところがおもしろい。
パッと見ると俳句みたいじゃん?
「あ、いい句ができたわ。どこかに書いとかなきゃ…紙がないわ。エエイ、レコードに書いちゃえ!」みたいな?
レコードが入っていなかったので何のシングルだったのかは不明だそうだ。

320「絵柄落書き」編。
ジャケットの写真や絵に描きこんじゃう落書きの基本的手法ね。
音楽の教科書には必ず必要なヤツ。
子供の頃、いしだあゆみの頬骨は確かに気になったことがあったのでこれを施した人の気持ちがわからないでもない。

330ナゼ「③」なのじゃ?
よく見るとインナースリーブに名前のスタンプが押してある。

340メガネは基本中の基本だね。

350キチッと落書きしてる。
伊東ゆかりにはメガネとお歯黒。
この「KYOWA SANGYO KK」という会社をインターネットで調べてみたが、案の定、日本には「きょうわさんぎょう」なる会社が星の数ほどあってとても特定はできなかった。
落書きからすると海運業かなんかだろうか?
自分の大切なレコードに勤め先の情報を落書きするなんて見上げた愛社精神だ。

360どうしたんだろう?
さっきの「いしだあゆみみ」みたいにどうしても唇が気になっちゃったのかしらん?
この曲、「音頭」と銘打っているけど、なかなかイキな変形ブルース。
1963年の青山ミチの大ヒット曲。
「♪イカさぬ人にはヒジ鉄砲、イカす人には無鉄砲」なんて気の利いたことをお歌いになられている。
この曲、エンケンさんがカバーしているのには驚いた。
青山ミチは我々世代には安西マリアの「♪ギ~ラ~ギ~ラ」でおなじみの「涙の太陽」のオリジナルの人。

370え~、岩下志麻ってドドンパやってたの?
知らなかった。
私が高校生の時ね、連合赤軍事件の初公判が東京地裁であったの。
私の世代はもう学生運動なんてのは、もう無いに等しかったんだけど、当時頭脳警察を知って、学生運動に興味を持った。
当時入手不可能だったファースト・アルバムを先輩にテープに録音してもらって聴いたところ、「世界革命戦争宣言」に大きなショックを受けたんだね。
「我々はァァ!」ってヤツ。
あ、勘違いしないでよ!
「運動」に興味があったので決してなくて、自分と大差ない年齢の若者が、チョット世代が違うだけでどうしてあんな活動にのめり込んでいたのかをすごく不思議に感じたのよ。
「あさま山荘事件」が起こった時はまだ小学2年生でナニが起こっているのか知る由もなかったけど、成長して色んな本を読んでいるウチに連合赤軍の悲惨な事件を知った。
ショックだったね~。
妙義山だの、迦葉山だの、榛名山だのという名前を耳にすると、いまだに角間隆の『赤い雪』や高木彬光の『神曲地獄篇』のような、当時読んだ本のことを思い出す。
それで、その事件の初公判があるというので、傍聴券をもらうために朝一番でロック好きの友達と東京地裁に赴いた。
クジ引きの順番の列に並んでいると、「若いのにどうしてこの事件に興味を持ったの?」なんて新聞記者のインタビューを受けたりもした。まだ17歳ぐらいだったからね。
「あの、頭脳警察というロック・バンドの影響なんです」なんて答えたりしたっけ。
ところが、残念ながらクジにハズれ、傍聴券はゲットできなかった。
それでムザムザと家に帰るのもナンだし、社会勉強のために何か傍聴券を必要としない裁判を見ていこうということになった。
どうせなら「殺人事件」がいいだろうと、適当な裁判を選んで公判室に入り、イスに座って目の前のやりとりを見ていた。
もう何年も続いている裁判らしくて、もう全然ユルユルでサ、映画なんかの裁判劇とまったく違ってツマらないワケ。
こりゃサッサと帰った方がよさそうだ…と思っていると、大きなサングラスをかけた華やかな女性が静かに私の隣に腰をかけた。
いい匂い~…。
コリャ普通の女性じゃないな…と思い、チラチラと横目でその女性の顔を確かめると、ナント岩下志麻だった!
それはそれはキレイだったよ~。
数年後に岩下志麻は松本清張原作の『疑惑』で桃井かおりの弁護士役を演じたが、今にして思うと、それの役作りの勉強にきていたのではないかと思うのだ。
岩下志麻って声がまたいいんだよね~。
  
このシングル盤も岩下志麻の美しさに敬意を表してか落書きは極めて控えめだ。
  
下の青い部分。
「最高の実力を誇るモダン・フルバンドの演奏に最新決定のドドンパの踊りかた」とある。
そのバンドとは宮間利之とニューハードのこと。
曲目をみると「エリーゼのために」とか「オーソレミヨ」とか…エ~、ドドンパで踊るの?
それに誰がどうやって「最終決定」したの?
ドドンパの人気が最高潮だった頃のお話。

380それに引き換え、コレはヒドイ!
川中さん、お気の毒。
ナニが気に食わなかったんだろう?
しかも右側に書いてあるのは他の人の曲の歌詞だって!

385最後は「オリジナル」編。
勝手にジャケットを作っちゃおう!のコーナー。
コレ、レコードは「ツィゴイネルワイゼン」なのに「若大将」になっちゃってる。

420ジャケットを失くしちゃったんだろうね~。
タテ書きというのが渋い。

430コレもインナー・スリーブにタイトルを書きこんだ自作。
ご丁寧にイラストまで入っている。

440「♪フステー」の「悲しきあしおと」。
長野にいた時、ハコバンでこの曲をよく演ったな~。
コレなんかはかなりよくできてる。
ヘタすると昔実在していた感じすらあるもんね。

450これはジャケットではなくて、振り付けを記したオリジナルの解説書が付いている。
「おれは鉄平」のメモみたいじゃん!

455最後はコレ。
あ~、ジャケットをチョン切っちゃってる!

460ジャズ・ドラマーのジミー竹内のアルバム。
歌謡曲を演奏している。
アレンジに富樫雅彦が参加しているということで写真を撮っておいた。

470以上、『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』でした。
私には想像できない世界ですな。
おもしろかった。
  
オマケで、ウチの「汚レコード」を探してみた。
コレがウチのLP棚。
昔はもっといっぱいあったんだけど、時折マーブロに書いているように、転勤の引っ越しが大変だったので20年以上前に3,000枚以上売ってCDに買い換えた。
マァ、大したコレクションじゃないけど、どれも思い出が詰まったアイテムだ。
向こう側の棚がジャズ。手前側がロック。
手前の一番下の段の大半はFrank Zappa。480落書きがしてあるレコードなんて絶対に買わなかったので、「風呂沸かしといて!」なんて書いてあるレコードはない。
でも、汚いのは少しある。
まずコレ。
向井滋春の『Favorite Time』。
片面に香津美さんが参加していて、すさまじいギター・プレイを聴くことができる好盤。
向井さんと香津美さんがデュオで「Old Folks」を演っていて、コレが素晴らしい。
コピーして大学のビッグバンドのリサイタルでテナー・サックスのヤツと演奏したことがあった。
写真ではあまり写らないけど、ボロボロのヘナヘナなの。

490r裏ジャケもこんなに汚れている。

500rコレもヒドイ。
Pat Martinoの『Starbright』。
もうほとんどジャケットの裏表が離れ離れになっているもんだからセロテープでくっつけてある。
そのセロテープが溶けてくっついちゃってビニール袋から出すこともできない。
え、ナンでこんな汚いのを買ったのかって?
コレを買ったのは大学の時なんだけど、当時、Pat Martinoの音源ってなかなか手に入らなかったのよ。
お店で売ってるアイテムといえば、それこそライブ・アルバムぐらいで、初期のPrestige盤なんてまず見たことがなかった。
このWarner期も同様だった。
だから我慢して買ったけど、盤面もヒドくて結局ほとんど聴いていない。

510rそれと、Laurindo Almaidaの「Concerto de Aranjuez」。
コレも角が折れ曲がっているし、ボロボロのグチャグチャ!
でもですね、ボロボロにもかかわらずこの3枚を買ったのにはチョットした事情がありましてね。
かつて神保町に「コンボ」というジャズ喫茶があって、大学時代ジャズ仲間とよくそこへ時間を潰しに行った。
当時、御茶ノ水や神保町の界隈にはジャズ喫茶がたくさんあったからね。
コンボは、ひとたび足を踏み入れようものならパンツまでタバコ臭くなるような古式ゆかしい汚いジャズ喫茶の典型で、お店の奥に飾ってあったArchie Sheppのモノクロ写真のパネルがカッコよかったのが印象に残っている。
コーヒーは美味しかったナ。
ある日店に行くと、いつもと様子が違ってイスが取り払われ、店の真ん中にはレコードが詰まった段ボール箱が並んでいた。
顔見知りだったマスターに事情を訊くと、「イヤね、もうやっていかれないんで店を閉めることにしたんだよ。だからもうレコードも要らないんだ。好きなの持って行きな。一枚50円でいいよ」ということだった。
早速ハイエナのように段ボールを漁ると、そこはそれ何十年もお店で使われ続けたレコードだけあって、お世辞にもキレイなモノとはいえなかった。
でも、記念の意味もあって上で紹介した3枚を買ったのだ。しめて150円。
まだ消費税がなかった時代だからね。
本当はもう1枚、Charles Mingusの『At Carnegie』を買ったのだが、「あ、ゴメンね~、それはオリジナル盤だから高いんだよ~」と言われたのだが、値段を尋ねると700円だというので即買った。
さらに話を聞くと、熱心なお客さんは、お店のドアを売ってくれと言って来たそうだ。そんなもん持って行ってどーすんのよ!
その近くに新しくライブハウスが出来たので最近行ってみたが、コンボがあった形跡は微塵もなかった。

520r会場となったdowntown recordsさん、相変わらずのこだわりのアイテムと極めて高い商品のクォリティ、良心的な値付けに親切なマスターと、いいことずくめ。
他のレコード屋さんでは見かけることのないアイテムが目白押しでいくら見ていても飽きない。
レコード好きで未体験の方はゼヒ一度訪れてみてはいかがだろうか。
先述の通り、CDは扱ってないからね。
  
downtown recordsの詳しい情報はコチラ⇒Official websie

40

※すみません!
予てからパソコンの使い過ぎが原因で患っていた右ヒジの腱鞘炎が思わぬ方向に悪化してしまいました。
痛みはほとんどなくなったのですが、その痛みを防ぐ治療具の過度な使用で右腕が赤ちゃんの手のようにパンパンに膨れ上がってしまったのです。
「ナンダこれ!誰の腕だ?あ、オレの腕だ~!」みたいな。
マジで驚きましたわ~。
右腕だけ赤ちゃんのオッサン…コワい!コレがホントの「The right hand man」?
かといって、その治療具を使わずして作業をするともうタイヘン!
手を使わなきゃすぐ治ることはわかってるんですわ。
少し右手を休ませてやろうかと思います。
よって、様子を観る間、不定期更新とさせて頂きますことご了承くださいませ。
ライブの取材は継続します。
  
(一部敬称略 2017年6月17日 東陽町downtown recordsにて撮影)

2017年7月19日 (水)

ARESZ 7弦Guitars☆那都己セミナー

おお!ナンダ、ナンダ!
暴走族の出勤かッ?!

10v…と思ったらARESZ!
今日は前回の翔己くんの6弦ベース・セミナーに引き続いて7弦ギターの那都己くんのセミナーが開催されるのだ。
昨日のペギちゃんのNATALに続いてMarshall Blogでイベント・ネタが2日続くのは初めてのことかも?

20_2ステージの上にはズラリとMarshall!
左からASTORIA CUSTOM(アズキ)、ASTORIA CLASSIC(抹茶)、JVM210Hと1960BV、JCM2000 DSL100と1960A。
その上のラックの中にはJMP-1も収まっている。

30_2今日の講師、ARESZ 那都己!

40_2まずは機材の説明から…ということでMarshall。
「日本国中どこのスタジオへ行っても、ライブハウスに行ってもMarshallがあるので、Marshallで自分の音を作っておくことはロック・ギタリストの重要な課題です」
那都己くんはJCM800 2203からMarshall道に入ったそうだ。

50_2アンプとエフェクターの重要性を説きながらJVMを解説。
2007年、つまりJVMが発売になった頃、もうこのJVMのデモ・ショウを日本全国でどれだけやったことか…。
JVMがJCM2000シリーズに続いてこの世に現れてからもう10年経つのね?
早いナァ~。
Marshallの工場で開催された発表会のことを思い出す。
当時デビューして間もないThe AnswerやDoug Aldrichがデモンストレーションをしたんだっけな。
お、待てよ…私がタバコを止めたのはこの時だから、吸わなくなって10年経ったのか…。
遅いナァ~。

70_2

そして、那都己くんがこの日初めて試したASTORIA。
「とても感動しました。指やピッキングの使い方で色んな音を出してくれます」…と、実際の音を聴かせながら、一台一台とても丁寧に解説してくれた。
ARESZはベースが2本という特殊なインストゥルメンタリゼーションであるため、どういうギターの音を出すのが最もふさわしいか今でも試行錯誤を繰り返しているそうだ。

60_2続いてギターの部。
140_2

那都己くんは変形ギターがお好き。
フライングVが那都己くんにとってはスタンダードな形なのだそうだ。
ARESZに加入した時もJCM900をゲットしてVで鳴らしていたとのこと。

100v_2ARESZと言えば人類の能力を超えた激しいステージ・アクション。
話はそのアクションにも及んだ。
125最初の頃は、楽器を弾くことだけで精いっぱいで、アトラクションとして誰かに見せるような弾き方などとてもできなかったという。

170vつまり、お客さんのことを見る余裕などまったくないし、自分の所作を全然カッコよくないと思っていたそうだ。
そこで、ギターを提げて、家で鏡を見ながら徹底的にポーズを考え、身体にスリ込んだ。

130v

そんな苦労の甲斐があって今ではこんなこともできるようになった!

290v

「ARESZに入ってからは、シッカリ演奏して、シッカリ動いて、それがとにかく自然にやっているように見えるよう努力をしました」
また、ひとりだけ目立たないようにも注意しているのだそうだ。
フロントのメンバー4人(写真では手が「3」になっておりますが…)がカッコよく見えないとダメだという。
なるほどね。
確かにそうだ。
あの一糸乱れぬ頭グルグルをひとりでやっていたり、回す方向がバラバラだったりしたらアクションの意味が半減しちゃうもんね。
しかし、一体だれがあんなこと考え出したのよ?
我々の世代のロックにはなかったよ。

110v

そうするためには「自分たちの感情をお客さんにシッカリと伝える気持ち」がないとダメ。
ギターの技術だけでは伝わらない。
その「伝える気持ち」をステージからお客さんに飛ばすつもりで演奏しているのだそうだ。
なるほどね~。
伝わってるわ~。
90_2ARESZはボーカルズの瑠海狐さんとベースの雅己さんがオリジナル・メンバーで、結成2年後にもうひとりのベースの翔己くんが加入。
結成10年後に那都己くんが入った。それまではARESZのローディをしていたのだそうだ。
始めのうちはメイクをすることに大きな抵抗があったそう。
しかし、ARESZがARESZであるためにどうあるべきかを考えた時、「継続」が大切であると思ったという。

120_2

ARESZは結成23年を迎えるそうなのだが、失敬ながら私は昨年末までこのバンドのことを知らなかった。
私は年間100~150回以上コンサート・ホールやライブハウスに行くことをカレコレ約10年の間続けているのだが、よく今まで一緒にならなかったのかすごく不思議。
それとも忘れていたのかな…イヤイヤ、こんな人たちは一回見れば忘れるワケがない!
それがチョットしたハズミ…というのはFEEL SO BADなんだけど…でこうして知り合うのだから面白い。
  
で、ですね、初めて会った時からメンバーの皆さんとは何となく波長があって、すぐに仲良くなってしまったのね。
那都己くんがセミナーの中で「メンバーを信じることや礼儀を重んじているのがARESZなのだ」みたいなことを言っていたけど、まさにソレ。
挨拶は決まってキチンとするし、つつましやかな態度は本当に好ましいモノで、誰もが避けたがる力仕事もみんな進んで取り組んでいる姿は見ていて実に気持ちがよい。
今はもうロック・バンドに「いい子」も「悪い子」もないでしょう。
「ロック=反抗心」みたいな精神は完全に消え失せた。
いいですかアータ、今では高校、あるいは中学で学校を上げて軽音楽部のバンド活動をプッシュする時代ですよ。
しかも部員のほとんどが女子だという。
もちろん彼女たちはかつて「エレキギターが不良であったこと」を知らないだろう。
この状況が良いとか悪いとか、ロックだとかロックじゃないとか、などということは関係ない。
「それが今のロック」という事実が目の前にあるだけだ。そして、それがマジョリティであるということを忘れるべきではない。
だから、昔のロックンローラー気質でトッポくしみても世間から疎まれるのが関の山よ。
そんな態度を取るよりも、礼儀礼節を重んじ、謙虚さを忘れないで周囲の人に可愛がってもらわなきゃ損だ。
そして、自分たちだけの音楽を作る。
正直、23年もやっていればARESZも最早「若いバンド」では決してあるまいが、ARESZが見せるそうした普段の行動からは、本当に音楽が好きでやっている初々しさのようなものが伝わってきてすごくうれしいのだ。

160この那都己くんのセミナーもそんなARESZの真摯な姿勢が垣間見れる好感度の高いモノであった。
やっぱりギター・アンプは真空管、すなわちMarshallだね~。
  

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

180_2(一部敬称略 2017年6月12日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2017年7月18日 (火)

ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子

  

ココは八王子。
東京工科大学に併設されている日本工学院八王子専門学校。
今日はグッドモーニングアメリカのペギちゃんのNATALのクリックがココで開催される。
「キャンパスが広くてわかりにくいので正門で待ち合わせましょう!」ということでペギちゃんが来るのを待つ。
ゴルフ場の入り口みたいだ。

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構内に入ってビックリ仰天!
スゴイ。

10何たるゴージャスなキャンパス!
私は東京のど真ん中の学校に通っていたので、キャンパスはまったくなかった。
それだけにこういう光景に憧れてしまうね。

20「FOODS FUU」というフード・コート!
他にも大変立派な食堂があって。昼食をごちそうになったのだが、学食らしく安くてボリュームもタップリ。
「学食」とはいってもメニューが我々の世代のモノとはまったく異なる豪華版だった。
しかし、今にして思うと、あの学食のメニューってのはどうしてあんなにもマズかったかね~。
いくら値段を抑えて大量生産せざるを得ないといってもあまりにヒドかった。
ナニもあそこまでズイマにする必要はなかろうに。

30構内は緑も豊富!
「躍進」と題された駿馬のオブジェが目を引く。

40八王子の山を切り開いて造ったとだけあって、市街地から距離はあるが、たくさんのバスで常時送迎しているので安心。

50コレは地球防衛軍本部。
今日の会場はこの中だ。

60「研究棟」と呼ばれている施設に入るとこの通り。
スゴクね?

70「朝の調べ」という彫像が出迎えてくれる。
やっぱり「朝の調べ」となるとグリーグの「ペール・ギュント」か?エルガーの「朝の歌」か?

80会場はココ。

90コレがまたスゴイ。
「Music Pavilion of Real Dreams」という名前のスタジオ群。
イギリスで「パヴィリオン」といったら、ブライトンにある「快楽の王子・ジョージ四世」の別宅を指しますからね。
このあたりに興味のある人はコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.23~BrightonでRock!

100v設備&防音完備のきれいなスタジオがズラリ!
このスタジオをお借りしてNATALのクリニックを開こうというワケ。

120別のスタジオでは…お~、竜(りょう)さん!
高橋竜さんはコチラの学校で教鞭をお取りになられているのだ。
今日は来年の入校希望者のためのオープン・キャンパスで、アチコチで公開授業が開かれているのだ。

130NATALのクリニックの会場はココ。
中央にペギちゃんの24"バスドラムのメイプルのキット。
両側にアッシュとバーチのキットを設置した。

140はじまり、はじまり~!
冒頭はペギちゃんと私のオープニング・トーク。
ペギちゃんはトークがすごくウマいのよ~。
しゃべるポイントだけを記した簡単な台本は用意していたが、彼がグイグイしゃべって方向性を示してくれるので、ほとんど台本いらず!

150まずは景気づけにバッキングトラックに合わせたペギちゃんの模範演奏。

160v24"のバスドラが大迫力!
バスドラの音に定評があるNATALのキット。
コレは素晴らしい!

170いつもグッドモーニングアメリカの演奏で見聞きしてはいるものの、こうして単独でペギちゃんのドラミングを聴いていると、その良さが明確に伝わってくる。
もちろんキットのホレボレするような良質なサウンドはバンドの中でも際立っていることは言うまでもない。

180またこのスネアがアホほど強力だ。
色が似ているのでキットとおそろいのスネアかと思われるかもしれないがさにあらず。
コレはペギちゃん大愛用の14"x5.5"のアルミ・スネア。
芯がシッカリしていて、花があって、そして破壊力抜群のNATALスネア・ドラムの傑作だ。

185時と場所を選ばない相変わらずの大熱演で未来の生徒さん(=未来のNATALドラマーさん)たちの目はテンだ!

190vペギちゃんの好リードでトークのコーナーも順調に進む。
私からNATALの説明をさせてもらったり、ペギちゃんがメイプル、バーチ、アッシュの音色の違いを実演で説明した後…

200v楽器の種類を問わずクリニックでは必ず出て来る「練習方法」についてコチラも実演を交えて詳しく説明。
実はペギちゃんは今時珍しく、学校でドラムを教わっていない。
よってラタマキューだのオダキューだのフラマキューだののには詳しくないかわりに、彼独自の練習法が紹介され、受講生の大きな関心を引き寄せた。
しかし、いつも思うんだけど、あのアメリカン・ルーディメンツっていうのはスゲェ不思議だよな~。
主にマーチングの人たち向けのモノなんだろうけど、本当にアレをマスターしなきゃイカンのかね~?
アレがどういう風に役立っているのかがものすごく「謎」なのだ。
私がドラマーだったらまずあんな地道な練習できんぜよ。
でも名前は十分おもしろい。
「フラム・パラディドル・ディドル」なんて「PPAP」みたいじゃん?
「♪I have a フラム・パラディドル、I have a パラディドル・ディドル、ンッ、フラム・パラディドル・ディドル」って感じ?
ちなみに「diddle」というのは「早く上下に動かす」という意味。
さらに頭文字を「r」に変えて「riddle」にすると、それは「なぞなぞ」という意味。
やっぱりルーディメンツは私にとって「謎」だ!

205そして、ペギちゃんの呼びかけで受講者に皆さんにNATAL体験をしてもらった。

210まったくの未経験で入学される生徒さんもいなくはないが、やはり経験者が多いということで、もう皆さんドシャメシャと思う存分試して頂いた。

220皆さんの試奏中にもペギちゃんの親切な解説が続く。

225女の子チームも積極的にトライ!

230最近は本当にスゴイ女性ドラマーが多いからね~。
ドンドンやっちゃってくださいよ、NATALで!
250v彼はペギちゃんのリクエストでご登場頂いた。
ペギちゃんが頑強そうな彼の体躯にひとめ惚れし、そのドラミング・サウンドが「どうしても聴きたい!」と無理やりお願いしてドラムを叩いて頂いたのだ。
そうなんだよね、楽器はカラダなんだよね。
演奏する方も音を奏でる方も「体は音を表す」なんだ。
Marshallがデカいのも伊達や酔狂ではない。
見てごらん、デジタル・テクノロジーが普及して以降、「小型、小型」とみんな利便性を追求しすぎて、世間の楽器の音がドンドン軽薄になってる。
「大きいことはいいことだ!」が「真」であることが認められる時代に早く戻って来てもらいたいものだ…「大きいこといいことだ」かな?

240vそして、よせばいいのに、私も調子に乗ってコーナーを頂戴して少ししゃべらせて頂いた。
「どうせMarshallのことだろうがよ!」って?
ちゃうちゃう!
ナニについてしゃべったのかというと、「みんな、もっと色んな音楽を聴こうよ!」ということ。
ココに詳しく書いちゃうとヨソでこの講義ができなくなっちゃうので割愛するが、ミュージシャンにも一般リスナーにも最近は聴かれている音楽があまりにも一点集中しすぎているので、世の中にはもっとたくさんのいい音楽があって、それを楽しまずして死んでいくのはあまりにもモッタイナイ!…ということをクラシックから民族音楽まで実際の音源をはさみ込みながらしゃべらせて頂いた。
こういうのは実にやりがいのある仕事なのだ。こういうお仕事お待ちしております。

260他にもグドモの曲におけるドラミングの解説などを経て…

270v再びペギちゃんの模範演奏で締めくくった。

280私は撮影班に早変わり。
こう見えても案外忙しい。

290ペギちゃんはいつも心からドラムをプレイすることを楽しんでいるように見えるね~!

300最後に記念撮影。
先に記した通り、今回は来年度の入校希望者のみしか受講できない貴重なクリニックだったのだ。

310ハイ、お疲れさまでした~!
  
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

320日本工学院の詳しい情報はコチラ⇒日本工学院公式ウェブサイト2_img_0033

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

 
(一部敬称略 2017年6月11日 日本工学院八王子専門学校にて撮影)