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2018年1月27日 (土)

FRIDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

 
あ~~~、足が痛い~~~!
特段NAMMのためというワケではないんだけど、少しでも運動不足解消にと、ここのところ毎日10km近くのウォーキングをしていた。
ダメ!効果なし!
コレってもしかして、知らないうちに10km以上歩いてるのかな?
長距離をあるくことより長時間立ちっぱなしなのがキツいのかな?
しかも、マーブロの書き直しで昨日は3時間ぐらいしか眠れなかったのでシンドイのなんのって!
食べ物のせいもあるんだよね~。
あともうチョット!
  
ところで、タイトルに使っているのは、以前にもどこかでやったことがあるんだけど、Miles Davisの『Miles Davis at Fillmore』から拝借している。
1970年にLaura Nyroの前座でMilesがFillmore Eastに出演した時のライブ・アルバム。
LPでは2枚組で、片面1曲ずつ。
それらの曲のタイトルが「Wednesday Miles」から始まって「Saturday Miles」で終わる。
カッコいいナァ。
今回のNAMMには開催1日前の水曜日から入っているのでちょうどいいと思って…。

Mdaf…ということで第2日目。
おなじみの光景。
しかし、いい天気だナァ。
でも、2013年か前回の2014年に来た時雨が降ったんだよね。

10_2ま、私も新婚旅行からはじまってLAにはずいぶん何度も来ているけど、アレは初めての経験だった。
「雨のロサンゼルス」で思い出すのはビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』。
主人公の売れない脚本家、ジョー・ギリスが雨の日にこう独り言を吐く。
「ロサンゼルス何もかもがデカい。雨もそうだ。ココでは雨は滅多に降らないが、一旦降り出すとすさまじい大雨になるのだ」
正確ではないけど、こんな感じ。
私が体験したアナハイムの雨はマァ大したことがなかった。

Sb ギンギンの晴れ空が背景の見慣れた風景なんだけど、今朝はチョット様子がいつもと違う。
開場を待つ一般の人々を前にスゴイ音量で音楽が鳴り響いているのだ。
その開場を待つ人たちと言えば、みんな会場の建物の上を見上げている。

20_2みんなの視線の先はテラス。
ビートルズのルーフトップ・コンサートよろしく、ココでライブ演奏をしていたのだ。
こんなの初めて見た。
ま~色々と考えますな~。

30_2昨日だか一昨日だかに会場のセキュリティの話をしたけど、なんとメタル・ディテクター動員!
つまり金属探知機ね。
昔はこんなこと絶対しなかった。
ヒデェ国だナァ。

40_2Marshallのブースでは今日もセッセとSteveがデモンストレーションにいそしんでいる。

50v_2ウン、やっぱりORIGIN、いいよ。
Marshallだけのヴィンテージ・トーン。
自分だけの声を持ってるんだな~、Marshallは。
歌と同じで、楽器ってそういうことじゃない?
どんなにデジタルの技術が進化したとしても、オリジナルのサウンドにはかなわないよ。
このことが改めて見直される時は近いと信じている。

60_2仕事とはいえエライなぁ。
毎日数回、同じことを繰り返してる。
それも人柄からか、ものすごく丁寧なんだよね、Steveは。
キチ~っと仕事をこなしている。
デモに適用しているオリジナル曲がまたいいのよ!

70vSteveの後、ステージに飛び入りで上がったのはこの9歳のボクちゃん。
足にMS-2をくくりつけているのが可愛い!
途中でORIGINにアンプを変更したんだけど、結構いい音出すのよ!
メタリカの曲らしいんだけど、ギター・ソロはなし。
ん~、ゴメンね。
日本のキッズの方がテクは上なのよ~。

80_2アメリカで活躍しているドラマー、Misaiちゃんが遊びに来てくれたよ。
Misaiちゃんが参加しているバンド、DOLLFACEはラスベガスを中心に全米で年間110回を超すライブこなしている忙しバンド。
Misaiちゃんのアメリカでの活動の話は本当におもしろくて、同時にショウビジネスの本場のすごさや厳しさを窺い知るね。
Misaiちゃんのナントたくましいことか!
私も見習いたいぐらい。

100_2場所を階下に移す。
…と、そこにもMarshallが…。
ココはアメリカのディストリビューターのブース。
NATALはココに展示されている。

105

Marshallの壁の人気は相変わらず。110もちろんEDENも展示してある。120今回は2階のMarshallの単独ブースに力を入れたため、NATALの展示はかなり軽め。

130NATALオリジナルの他…

150おいしくご飯が炊けそうなブラスの深胴スネア。

160人気のCafe Racerや…

140DNAという…

170新しいシリーズの展示されている。
お、このスネアはマーブロでも紹介したスチールね。まだ日本に1台しか入ってきていない。

180Misaiちゃんのキットも早く出来上がってくるといいね!

90_2またMarshallのブースに戻る。
昨日チラッと登場したAlice Cooperのギタリスト、Nita Straussがステージに上がっていた。

190残念ながらギターは弾かないが、NitaのMarshallに対する愛情トークがそこにいる者の耳をとらえて離さなかった。
「School's Out」、「Billion Dollar Babies」、「Under my Wheels」、「Eighteen」、「Cold Ethyl」、「Black Widow」…Alice Cooperの名曲やヒット曲を挙げたらホントにキリがない。
Nitaがそうした曲をレパートリーにしているのかも不勉強で存じ上げないが、やっぱりそうしたロックの史に残る名曲は絶対にMarshallの音で演ってもらいたいよね。
Nitaのトークはそのあたりのことを完全に理解したギタリストととしてのモノだった。

200v_2アメリカのディストリビューターに勤めるRyan。
こんなでも、彼、フルネームを「ライアン・ローズ」という。メッチャかっこよくない?
Ryanとももうずいぶん長くなった。17年ぐらいか?
冗談を言うのが大好きなんだけど、ものすごい早口なもんだから、英語を聞き取るのにいつもスゲエ苦労する。
ギターもものすごく上手で、2000年にAVTシリーズを発売した時、ショウケースCDにギタリストとして参加していた。
名前が名前だけにてっきりランディ・ローズとと関係があるのかと思ったら同業者だった(当時)ので、ビックリした記憶がある。
今日は、「このブースと企画が大変よくできましたで賞」を獲得し、記念の盾をゲットした。
おめでとう、ライアン!

210v_2あ!
今日初めて気がついたんだけど、このプラグ、Marshallロゴが入ってんじゃん!
ウチのには入ってないぞよ。
今度取り替えてもらおうっと!
ナンダカンダ言っても、私はMarshallミーハーなのです。

220ブース内の打ち合わせ室の壁に飾ってあった1960年代の工場の写真。
この一番前の白いシャツの人、ケン・ブランかな~?
と思いつつ今日はココまで。

230(2018年1月24日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

 

 

2018年1月26日 (金)

THURSDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

    
いよいよ今日から始まった2018年のNAMMショウ。
昨日も書いた通り、私は2014年に来て以来で、今回色々な変化が目についたナァ。
細かいところではANAが温かいおしぼりを出さなくなった…とか。
そういうのは最後にまとめて書くとしてさっそく会場に向かおう。
Harbor BlvdはNAMMを開催しているコンヴェンション・センターの前の通り。
数ブロック先にディズニー・ランドがある。
ココの「数ブロック」って結構あるからね。
ニューヨークのストリートと違って、1ブロックがメッチャでかい。
Blvdは「Boulevard」の略ね。
この単語、なかなかに発音が手ごわい。

05_2コンヴェンション・センターはHarbor Blvdから少し引っ込んだところにある。
その途中にある…つまり会場に一番近い巨大なホテルがこのマリオット。
一度だけ泊まったナァ。
まだジム・マーシャルが元気な時に、このホテルのオープン・テラスでイッパイやったことがあった。
なつかしいナァ。
このホテルの向かいのもうひとつのバカでかいホテルはヒルトン。
今は知らないけど、そっちはロビーにいくつかステージが設置してあってやかましいことこの上ない。

10_3我々が入場パスを手に入れるひとつの方法として関係者からメールでバーコードを送ってもらって、それをNAMMの開場の窓口に提出してパスを発行してもらう。
便利になったよな~。
その窓口はいくつかあって、以前はヒルトン・ホテルの地下でそれをやっていた。
スゲエ行列でね~。
ちなみにココではそのパスのことをCreamじゃあるまいし、「バッジ」と呼んでいる。

20_3コレね。
もちろんMarshallのランヤードは自前ね。
昔はこのバッジさえつけていれば会場にスイスイ入ることができたんだけど、例のNYCのテロ以来、バッジと同時に写真のついたIDを見せないと会場に入れなくなった。
現地の人は運転免許証でいいんだけど、我々はそういうワケにいかないでしょ?
連中は漢字がわからないんだから。
するとどうしてもパスポートということになる。
それも最初のウチはパスポートのコピーで受け付けてくれたんだけど、いつの頃からか、「本物のパスポートじゃないとダメ」ということになった。
パスポートを持って歩くのはホントにイヤでね~。
困ったもんです。
コレ、ご覧の通りデカデカと愛称が印刷される。
私は外人には「SHIGE」と呼んでくれと言っているので、「SHIGE」と入れてもらってる。
コレがさ~、外人だとやっぱりカッコいいんだよね。
「Jeff」とか「Brad」だとか…。
見てくれは全然ジェフっぽくないのにね~。
でも、コレはいいシステムだと思うね、特に最近では。
相手がコレを提げていれば相手の名前を思い出すのに苦労しないから。
英米の人たちなら問題ないんだけど、数年に1回しか会わない、聞きなれないドイツ人やフランス人の名前なんかなかなか覚えられませんよ。
で、今回気がついてしまったんだけど、この「SHIGE」の読み方ね。
連中は見慣れないアルファベットが並んでいる単語はまず自分たちの読み方や知っている単語に当てはめて読んでしまうクセがある…といつか書いたことがある。
例えば「KIMURA」さんだったら、「キンバリー」という女性の名前の愛称の「KIM」を見つけて、まずそれを読んでしまう。
次に来るのは「U」。
連中は普通これを「ウ」と読まずにそのまま「ユー」と読むのが普通だからここまで「キムユー」となる。
「RA」はどうやったって「ラ」しかないので、最終的に「キムユーラ」になっちゃう。
で、私の「シゲ」。
よく「シギー」って呼ばれるんだけど、「シュイギ」って読む人が多いことに気が付いたのだ!
「SH」をまず「シュ」と読んでおいて、母音の「イ」、それに「ゲ」という発音がないので(多分)、「ギ」に近くなって「シュイギ」みたいな。
ま、どうでもいいことなんだけど。
チョットした発見がうれしかったのです。

20_4で、今回は会場の入り口にでかいテントを張って、そこでバーコードを読んでバッジを発行していた。
下は昨日の様子。

30_3そして、コレが今日。
スゲエ~行列なの。
ヨカッタよ~、昨日やっといて!

40_3会場はいつも通りのルックス。

50_2反対はこんな感じ。
右手にはいつも屋外レストランがあったんだけどね。
今回はなかった。
ナンダカンダで色々と変化が散見される。

60_3会場の建物に入ったところ。
地上3階、地下1階まで全部楽器だの舞台関係の機材が展示されている。
今回、Marshallのブースは2階に設置された。

70_3以前は一番大きい1階で、アメリカのディストレイビューターのブース内で展示していたんだけど、今回はMarshall単独でブースを設営した。
2階以上は比較的大きなブランドが集まっていて、階下とは異なりとても静かだ。

80_3入り口で待ち構えているのはMarshallの50周年コンサートにも出演したStone SourのCorey TaylorとAlice CooperのNita Strauss。

90_2「音楽のスタイルがどうであろうと、Marshallがそれ以上のものにしてくれるって」

100_2「混じりけのないクリーンから破壊的なリード・トーンまでゼ~ンブ入ってる」

110_2室内はやや暗し。
入ってすぐに目を惹くのは真ん中の島でフィーチュアされている新シリーズのORIGIN。

120_2左側は壁。
やっぱりコレは必要だよね。

125vでも今回はギッチギチに積んで並べるのではなく、なんとなくスタイリッシュだ。
コレもイメージ・チェンジの一端かな?

130_2反対側の壁は…

135_2LIFESTYLEのアイテムたち。

140_2いいディスプレイ!

150キーホルダーやスピーカー…

160_2もちろんHEADPHONESもゾロリ。

170_2MarshallのBluetoothスピーカーは世界中で人気なんだって。

180_2コレは以前Marshall Blogでも紹介した「マルチ・ルーム・システム」。
要するに、Bluetoothではなく、Wi-Fiで稼働させるシステム。

190_2室内の一番奥はデモンストレーション用のステージが設置された。

200_2すぐ隣はEDEN。
今回、NATALは階下のディストリビューターのブースでの展示となった。

205_2その向かい、入り口の右の壁には昨日レポートした「新しいMarshall」のイメージ。

210_3ま、やっぱりコレか!
ORIGINね。

230_2ORIGINのラインナップは小さい方から:
ORIGIN5 (5Wコンボ)
ORIGIN20H (20Wヘッド)
ORIGIN20C (20Wコンボ)
ORIGIN50H (50Wヘッド)
ORIGIN50C (50Wコンボ)
…とおいしさイッパイの「幕の内弁当」状態。
同時発売のスピーカー・キャビネットはなし。
コレはORIGIN20H。

240_2「POWERSTEM」という出力コントロールがORIGINの特徴のひとつ。
五極管を三極管にしたりするのはまた別の新しいテクノロジーを採用している。

250_2シンプルなコントロール。
余計なモノがない。
ひとつ、気になるのは「TILT」というノブ。
1959のような4インプットのモデルを使うときによく「リンク」ってするでしょ?
そうしておいて、VOLUME1とVOLUME2の混ぜ具合でトーンを決める…これをTILT一発で片づけちゃう。
良さそうでしょう?

260_2リアパネルのようす。
スピーカーアウトは16Ωがひとつに8Ωが2つ。
4Ωアウトはなし。

265_2こっちはORIGIN50H。

270_2コンボのルックスがまたいいね!

280コントロール部は当然こうなる。

290リアパネルのようす。

300コレはORIGIN50C。

31050Cにはベンチレードが2ケついている。

315ORIGINは音だけでなく、ルックスもビンテージにこだわっている。
コーナーガードはなし。

3301959と同じゴールド・ストラップ。

32ビーディング(表面に埋め込んである線)はなし。
パイピングはゴールドに統一された。
発売が楽しみ!

340また、MGも「MG GOLD」の名のもと、昔のスタイルになって帰ってきた。

350「G」が大きくなった!

360またDSLの小出力モデルに改良が加えられ、JCM2000のDSLのサウンドにより近くなったということだ。
以上、ORIGIN、MG GOLD、 DSLが今回のキモとなった。

37010時の開場と同時にお客さんが詰めかけてきた。

380土日にはコリャ大変なことになりそうだぞ!

390インターナショナル・デモンストレーターのSteve Smithのデモ。

400バッキング・トラックに合わせ、オリジナル曲を華麗に弾いてみせるSteve!

410デモンストレーションのアイテムは、CODE100C、ORIGIN20C、そしてDSL40C。

420集まったお客さんはSteveの説明に熱心に耳を傾けていた。

430各モデル、1曲。
次々とアンプを替えてそれぞれの魅力と特長を弾き出していく。

440vん~、ORIGINはとてもいい感じだよ。
ビンテージ系のアンプが好きなら試す価値大。
しかも、値段もいい感じになりそうなことを聞いている。

445また新しいMarshallの新しい時代がやって来そうだ。

450ウワ!ホンモノ!

460また明日!

470(2018年1月24日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

WEDNESDAY MARSHALL in NAMM SHOW 2018

 
そうなの。
来ちゃってるの、NAMMショウ。
元旦早々、社長から連絡があって、「NAMMへ来い!」と。
飛行機と宿を自力で探せ!というワケよ。
飛行機はマァ、何とかなるにしても、宿は無理でしょう。
だって、前年に来た人たちがみんな翌年の分も予約していくというじゃない?
インターネットで探せば、空いているホテルがあるにはあるけど、殺人的に高いところか、とても人間の足では歩けないような遠くのロケーションと相場が決まってる。
それでも何とか飛行機もホテルもゲットできて、3年ぶりの参加と相成ったワケ。
NAMMは今日(1月25日木曜日)が初日。
下の写真は、さっき朝ご飯を食べた後に散歩がてら会場に行って撮った1枚。
オープン前だからまだ静か。
今回は耳栓を持ってきたよ。

10前回来たのは2014年のこと。
コレで何回目になるかナァ?
一番最初に来たのはカレコレ20年前のことで、会場はLAの市街地だった。
実は、NAMMショウってのは、私あんまり得意ではないんだよね。
前の会社で来ていた時、あまりにも忙しかったのがトラウマになっちゃってて…。
開催中の4日間、朝から晩までズ~っと打ち合わせで、もうクタクタのヘロヘロになっちゃうワケよ。
オマケにかなりノイジーなところで大声で英語を話すもんだから余計にシンドイ。
で、夜は夜で会食なんかがツマっているでしょ?
そして大敵…強烈な時差ボケだよ。17時間も時差があるんだから調子狂っちゃう。
音楽ファンが「あ~!リーランド・スクラーのヒゲはスゴイぞ!」とか「お!トニー・レヴィンの頭蓋骨は形がいいな~」なんてやってる分には最高に楽しいところではあるんだけどね。
今回はそんな趣ともスタッフとしての参加でもなく、一種のレポーターとしての任務を帯びてきた。
実はMarshallはブランドのイメージを一新しようというプランを立ててきていて、いよいよその内容をこのNAMMショウで公開することになっていた。
もちろん私はもうずいぶん前からそのことを知っていて、一部参画もしていたんだけど、今回この方向転換について、Marshall Blogで情報を拡散してくれ…ということになった。
MarshallもMardhall Blogに出たいんだね~。
それが私が今アナハイムにいる理由。

20NAMMに来たことがある人にはおなじみのNAMM情報誌UpBeat。
コレが毎朝ホテルのドアの前に配布される。

30そこにもホラ…。
「マーシャルがリフレッシュする」という見出しでこのことに触れている。
もちろん今回のNAMMで発表される新商品の情報も。

40今回はMarshallだけで単独のブースを設営した。
昨日、関係者向けに公開されたのでお邪魔してきた。

60
新商品については別の機会に詳述するが、今回新たにラインナップに加わったシリーズがコレ。

名前を「ORIGIN」という。

どうしても我々日本人にはお弁当屋さんのイメージが付きまとってしまうが、その名の通り、見た目もサウンドもかなりのヴィンテージ。

デジタル時代へのMarshallからの回答の1つというとのろかな?
S0r4a4208
ヘッドとコンボが用意されているが、50Wがもっとも大きなモデル。

100Wモデルがないのは時代を反映しているということになるのかしらん?

その他の新しい商品についてもまた別途詳しく紹介する。
S0r4a4125まぁ、リフレッシュといっても栄光のスクリプト・ロゴを止めちゃうとか、黒い製品はもう作らないとかそういうことでは一切なくて、ITの活用を中止とした、いわゆるマーケティングへの新しい取り組みということになるかな?
例えばウェブサイトのURL。
長年にわたって使ってきた「marshallamps.com」は終了。
今後は「marshall.com」となる。
コレはとてもいいことだと思う。

70そして、今から約2時間前、新しいMarshallのウェブサイトがスタートした。
URLはもちろん…

marshall.com

今までは「amps」が入っていたから…というワケでもないのだが、別々になっていたEDEN、NATAL、LIFESTYLEらと同居することになった。
コレもってもいいことだと思う。
ゼヒご覧くだされ。

75ナゼこうしたかって?
我々はMarshallだから!

80久しぶりのNAMMで色々と思うところもありましてな。
今回から始まった速報と得意の紀行文と、これからごちょごちょとNAMM関連に記事をアップしていきますのでよろしく。
ホンじゃ会場へ行ってきま~す!

(2018年1月24日 アナハイム・コンベンションセンターにて撮影)

2018年1月25日 (木)

ガルパライブ&ガルパーティ! in 東京

 
今日は東京ビッグサイトから。
エ?…ココへ来るのは一昨年の楽器フェア以来か?
ということは1年と3ヶ月ぶりぐらいか…例によって早いな~。
今年も10月にココで楽器フェアが開催されるそうだけど、そんなのアッという間に来ちゃうね。

10今日はビッグサイトの東7番と8番のホールにお邪魔している。

15開催しているのは『ガルパライブ&ガルパーティ! in 東京』というイベント。
「ガルパ」というのは『バンドリ! ガールズバンドパーティ』の略称で、スマートフォン向けの『BanG Dream!(バンドリ!)』の音楽ゲームのこと。
それに登場するバンドのライブと「ガルパ」にちなんだアトラクションをドバっと展示した「ガルパーティ in 東京」が組み合わさった立体的なイベントというワケ。

20開催は1月13日と14日の2日間。
その初日にお邪魔してきた。
初日は朝の9:00に開場して17:00まで「ガルパーティ!」を楽しんで、夕方の5時からライブに参加するというまさに「ガルパ」漬けの一日。(14日のライブは3時からのスタート)
このレポートでは「ガルパーティ!」のようすをレポートする。

55入場者には色々オマケがもらえるのよ。
左は「キラキラチケットケース」。
真ん中は「ライブスタッフパス風シール」。
今時「シール」なんてナァいいね。私なんかには「ステッカー」なんて言葉より全然シックリ来る。
右はイベント案内のリーフレット。

30「ハロー、ハッピーワールド!」のキャラクター、ミッシェルのお面。

40コレはデッキホルダー。組み立てて使う。
13日はPoppin' Party、14日はRoseliaのデザインだった。

50さて、イザ会場へ。
いきなり目を惹くのは巨大な「ガルパ」キー・ビジュアルの壁!
可愛いね~。

60ゴージャスな祝い花!

70ESPさんのブース。

80当然キャラクターたちが使用している楽器が展示されている。

90キャラクターの等身大のポップの展示。

100「ガルパ」に登場するキャラクターがズラ~っと並んでいる。

110クレーン・ゲームも人気だった。
「クレーン」ってどういう意味が知ってる?
鳥の鶴を英語で言うと、「crane(クレーン)」。こんなこと誰も教えてくれ~ん、ナンチャッテ。

120コレがね~、いまだにわからないのですよ。
「ガルパーティ!キラキラガチャ♪」というアトラクション。

130すごい人気なのよ。

170「ガチャ」っていうから、いわゆるガチャガチャかと思ったらどうも違う。
若い係の男の子に尋ねてみると…
  
男の子「イヤイヤ、リアルなガチャガチャではないんですよ~」
私「リアルじゃない…?」
男の子「はい、ガチャガチャとレバーを回してカプセルとかが出て来るリアルなヤツじゃないんです」
私「じゃ、ガチャガチャじゃないんじゃないの?」
男の子「そう、リアルではないんですけど、ガチャなんですよ」
ん~、出川哲郎とおしゃべりをするとこんな感じなのか?
結局、わからずじまい。

150で、家に帰って下のセガレに訊いたところによれば、ナニ、ゲームの中のヴァーチャルなガチャガチャなんだって?
わからん。
ところで、あのリアルなガチャガチャってのは私が子供の頃にはもうあったからね。
50年以上の歴史はあると思うよ。

160…となると、調べずにはいられないのがMarshall Blog。
ガチャガチャはアメリカから入って来たのだそうだ。
アメリカではピーナツの販売機として利用されていたらしい。そういえば、昔は丸いガムを出すガチャガチャがそこら中にあったな。
国産のガチャガチャが登場したのは1965年のこと。ね、50年経ってるでしょ?
最初は10円だったんだけど、1973年のオイルショックの時に20円になったんだって。
私なんか、完全に10円の世代だよ。
今、「カプセル・トイ」っていうのか…。
「ガチャガチャ」じゃクツワ虫みたいだもんな。

140コレは「TVアニメ振り返り上映会」。
みんな熱心に見入ってたね。

180ファンにはタマらない原画の展示。

190各バンドへのメッセージを貼り付けるボード。

200Poppin' Partyのところを覗いてみると…
「世界はバンドリ!」…ウン、野菜さんのおっしゃる通りですな。

210アクセサリー類の展示も充実!

Img_0026フィギュアはマストでしょうな~。

Img_0030SDキャラクターのスタンディングポップ展示。

Img_0031SOACEステージフォトスポットというコーナー。
この前に立って写真を撮る。

Stage やってみた。
ギターも貸してくれたよ。

Img_0044おかげさまでこういうことを人前でするのが恥ずかしくない年頃になりました。

Img_0048そうらもう一丁!
今日はタッピングに徹してみました。
ナンカ、めっちゃ楽しそうだな、オレ。

Img_0047ライブでの衣装や楽器など実物の展示も豊富だ。

Img_0050実はコレを見に来たのです。

Img_0058ホラ、Marshall ASTORIA CUSTOM!

Img_0053戸山香澄役の愛美ちゃんが使用するMarshall。

Img_0055ギターとおそろいの赤がカッコいいでしょう?

Img_0057コレは物販コーナー。
デカい~!
もうライブが始まる時間なので人出は少ないが、昼間は大変なにぎわいだった。
これ以外にも魅力的なアトラクションが用意されていて、ガルパ・ファンは大いに楽しめたことと思う。

Img_0072この後はガルパライブ。
昨年末の「バンドリ!ガールズバンドコンテスト!」で優勝した宮崎のトリオ・バンド、magnetが冒頭に登場した後、Glitter*Green、ハロー、ハッピーワールド!、Roselia、そしてPoppin' Partyが登場し、熱狂的なライブが展開した。
まさにパーティのような一日!
楽しかった!

 

バンドリ!ガールズバンドパーティの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

Live(一部敬称略 2018年1月13日 東京ビッグサイトにて撮影)

2017年12月22日 (金)

だから私は、Marshall。~私の居酒屋について来れる?

 
久しぶりに仕事で来る港ヨコハマ。
天気ワル~。

10今日はパシフィコ横浜にやって来たのだ。
ココへ来ると必ずジム・マーシャルのことを思い出す。
まだ楽器フェアをこの隣の展示場でやっていた2003年、ジムはこのホテルに滞在した。
この時がジムの最後の来日になった。

20詳しくは『ありがとうジム・マーシャル!<中編>~I Remember Jim! 2』という記事に書いたが、この車寄せで車を待っている時に、前日のしくじりをジムに詫びた。
この時のことを本当にハッキリ覚えている。
私の前に立っていたジムは、振り返って私をチョット見上げ、「フォッ、フォッ、フォッ」とニッコリ笑いながら「Never mind!」とおっしゃった。
もちろん「気にしないで!」という意味なんだけど…と、いうことは忘れてないんじゃん!というワケ。

30以前にポータブル・オーディオの展示会のレポートを『あなたが知らない世界』と題してお送りしたことがあるが、今日も「私が知らない世界」へと足を踏み入れる。
1_img_0279今回は『居酒屋甲子園』というイベント。
何なのソレ?…という方も少なくないだろうが、イベントのタイトルからおおよその察しを付けることができるだろう。
そう、全国の居酒屋の最優秀店を決める「居酒屋の甲子園」なのだ。
それに加え、売り上げを伸ばしているお店のノウハウを勉強することができる居酒屋さんの一大研修会とでも言おうか…。
え?そこへ何でMarshallが来てるのかって?
実は…居酒屋「ま~しゃる」を始めるので勉強しに来たの。
なんてことはないワケで…

50このおふたり。
D_DriveのSeijiさんとYukiちゃん。
熱心にも「居酒屋でぃ~どらいぶ」のために研修を受けに来たのだ。
…なんてことはないワケで、「このイベントを盛り上げるためにD_Driveの音楽が必要」…と、お呼びがかかったのだ。

60_2まずは前日のリハーサルのようすから。
ステージ裏でプレイを確認するふたり。

70_2会場はこんな感じだからね。
明日の本番は5,000人の居酒屋関係者でココが満席となる。
スクリーンのすぐ右隣りに注目!

80寄るとこうなる。

90演奏する曲は「The Lat Revenge」。

2_img_0016 泣いても笑ってもコレ1曲。

1_img_0091 ふたりが目にしている光景はコレ。
いつも演ってるライブハウスより幾分広い感じかな?

120今回は演奏する場所が狭いこともあり、いつものMarshallのハーフスタックはなし。

130v_2その代わりASTORIAを用意した。
ふたりは楽器屋さんでASTORIAのイベントをやってくれるほどこのモデルに詳しいからね。
いつものハーフ・スタックでなくても何の問題もない。
その代わりMarshallでないとダメね。それも真空管のモデルじゃないとダメ。

140Seijiさんは…

150v2チャンネルのブルー・ハワイ、ASTORIA DUAL。

160足元のようす。
190Yukiちゃんは…
110v_2歪みが得意なアズキちゃん、ASTORIA CUSTOM。

180足元のようす。
YukiちゃんはASTORIAの純正のフットスイッチもセットした。

165リハ―サルは続く。

170_2ふたりが演奏するのは上に書いた通り、「The Last Revenge」だ。
「Shape of Your Life」とカップリングされた1年前にリリースしたシングル曲。

200_2ナンだってこの場で、この曲を演奏することになったのか…。

220vそれは…このイベントのプロデューサーがD_Driveのファンで、表彰式の選手(?)入場のシーンでどうしても「The Last Revenge」を使いたくてホンモノ半分だけを呼んでしまったというワケ。

230v_2念入りにリハーサルやったね~。
今晩見る夢は完全に「♪タラッタ~タラッタ~タラタラタラッタッタッタ~」だぜ。
本番は翌日。
「細工は流々、後は仕上げを御覧じろ」ってか!

240_2ハイ、翌日。
この『居酒屋甲子園』はアニュアルのイベントで、今回で12回を数える。

250_23階まで満席。
皆さん、売り上げを伸ばしている他店の成功例やノウハウを吸収しようと真剣なのだ。

255プレゼンをするお店のスタッフは前日から熱心にその練習に没頭していた。
アチコチから様々なスローガンや自店の心意気を表した言葉が聞こえて来る。
「『おいしかった』より『楽しかった』を!」…な~んて実にいいじゃない?
1_img_0380ロビーには『居酒屋甲子園』のオフィシャル・グッズも用意されていた。
270_2「What is your core?」が今回のテーマ。
私はナンだろな…やっぱりMarshallだな。
衣料やアクセサリーだけではなく、過去の大会の様子を収録したDVDなどもラインアップしてあって、みんなそれを見て勉強するワケですな。

280_2予選を勝ち抜いてきたお店のブースも設置されている。

260_2

290_2

300

310

320

330

340大会が始まった。
まずは『居酒屋甲子園』の主旨や選考方法についての説明がなされる。

350コレすごいんだよ。
1年かけてジックリ選ぶんだから。
審査員が一般のお客さんの体でお店に赴き、ありのままのお店の様子をチェックする。
いわゆる「覆面調査」ってヤツ。
コレを何回か受けた後、プレゼンや面接を経て、1756店の中から5店舗を抽出する。
そして、その5店がいよいよ今日のこの場に臨み日本一の居酒屋の座を獲得せんと火花を散らすワケ。
何せこの大会で優勝しようものなら、翌日からは予約がゼンゼン取れなくなってしまうほど全国から注目を浴びることになるのだ。

2_img_0085 過去の受賞者の体験談や成功事例などもタップリと紹介される。

370イヤ~、大変なもんですな~。

360コレ見ちゃうとね、「唐揚げひとつ」おろそかには食べられなくなるよ。

380客席では皆さんプレゼンに耳を傾け、熱心にメモを取っている。

375そして、『第12回居酒屋甲子園』決勝大会のエントリー店がステージに集結する。

390ココで登場するのがSeijiさんとYukiちゃん!
イヨッ!「居酒屋でぃ~どらいぶ」!

400曲は予定通り「The Last Revenge」。

410「♪タラッタ~」が会場の10,000個の耳に突き刺さる!

440そして、ふたりが演奏している間にエントリー店が続々とステージに現れる。

490チョットこの曲だとハード過ぎるのでは?と思っていたがゼンゼン!

500エキサイティングな雰囲気を実にうまく醸し出していた。

420v

430v選手(?)の入場が遅れたりしたら先に曲が終わってしまいバツの悪いことになってしまうからね~。

510でもそんな心配はご無用。
昨日の念入りなリハーサルが奏功してバッチリと収まった!
しかし、ココにいるお客さんはXperiaのCMを見て、Yukiちゃんのことを「あ!『居酒屋甲子園』の女の子だ!」って思っただろうな。
違います。
「居酒屋甲子園の女の子」ではなくて「D_Driveのギタリスト」です。
540ハイ、お疲れさまでした~!

520v2日間、ご苦労さまでした!

530vSeijiさんとYukiちゃんの熱演でスッカリ盛り上がった居酒屋甲子園。
ここからは最終選考に残った5店のプレゼンとなる。

550皆さん、ホントにアツい!

560「私たちはー!」
繰り返しになるけど、こんなに情熱を傾けてお店をやっているのかと思うと、ホント、客の方も真剣に飲み食いしなきゃいけない気になるよ。

580まさに『七人の侍』の島田勘兵衛状態よ…「このメシ…おろそかには食わんぞ」ってヤツね。

590最終的に第12回居酒屋甲子園の栄冠は…
北関東地区から選出、埼玉県の「三好屋商店酒場 深谷店」さんの頭上に輝いたそうだ。
おめでとうございます!
 
居酒屋甲子園の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

600やっぱりASTORIAいいな~。
だから私は、Marshall。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

140(一部敬称略 2017年11月13&14日 パシフィコ横浜国立大ホールにて撮影)

2017年12月20日 (水)

『ROAD TO EDEN』のJEKYLL★RONOVE

   
EDENがMarshallの傘下に加わって6年経つのかな?
我々は「エデン」と発音するけど、ネイティブさんたちは「イードゥン」みたいに発音するんだよね。

10logo_2おかげさまで、このTerra Nova TN-501という500Wのモデルの評判が大変よろしくて喜んでいる。
今日はEDENの話…。
といっても、ベース・アンプのEDENではない。

20

同じEDENでも、今日はフジテレビが制作する『ROAD TO EDEN』というテレビドラマの話題なのだ。
というのは…ナント!
JEKYLL★RONOVEの曲がそのドラマの挿入歌に採用されたのですよ!
そして、そのドラマが地上波で放映されることになり、昨日それにちなんだ『試写会&トーク・イベント』が開催された。
今日のそのイベントのレポート。
  
まずはその第1回放送分をみんなで鑑賞した。
地球とは別の荒廃した惑星が舞台のSF劇。
人類を支配する「ニュークローン」という連中との戦いを背景に、主人公の出生の秘密を明らかにしようとエデンを目指す…というお話。

30試写の後、司会者が舞台に登場。

40司会はフジテレビのアナウンサー、渡辺和洋。

50vステージ上手にはMarshallのハーフ・スタックが2セット。

60そして、主演の皆さんがステージに現れた。

70主役の柄本佑。

80v久松郁美

90v松田慎也

100v桜田通

110v三浦真耶

120v台湾でのロケがスゴイの。
CGもタップリと導入されて『ターミネーター』とか『バイオレンス・ジャック』とか、その手のモノが好きな人にはタマらない作品だろう。
撮影の裏話をタップリと聞かせてもらった後はフォト・セッション。
JEKYLL★RONOVEや主題歌を担当したUse With Cautionも登場。

130前日、「緊張している」と言っていたN★OTOくんだったけど、ナンダよ、ゼンゼンいつも通りじゃん?

140この作品を音楽で支えた2つのチームからもメッセージが発された。

R_img_0035 JEKYLL★RONOVEはJEKYLLちゃんがご挨拶。
155「ただ光栄です。これまでバンド活動をしてきた中で色々な方のお力添えを頂いたおかげでここまで来ることができました」
2_img_0062「ドラマのメッセージがバンドの思いと同じで、一緒に理想郷のEDENを探し求めて頂けたら…と思います」
…と、まるでスミレのように清らかなメッセージがJEKYLLちゃんから発っせられた。150「トーク」のコーナーを終えてイベントは「ライブ」のコーナー。
最初に演奏したのはUse With Caution。
アダ名を「ゆず胡椒」というそうだ。
ずいぶんウマいことを言うヤツがいたもんだ。まるで「掘ったイモいじるな」じゃんか!
Use With Cautionはドラマの主題歌を提供している。

160ヨシスエコージ

170ジニー早﨑

180芳賀慎司

190熊澤伸義

200ギターの 早崎くんは普段からMarshall。
曲想にピッタリのディレイ・トリックを効果的に使っていた。
コレぞ今時のギター・スタイル。

210平均年齢22歳!
メンバーには現役の大学生がいるのだとか。
完全に今のロック・サウンドで、ドラマの主題歌「EDEN」を含む3曲を熱演した。

  

Use With Cautionの詳しい情報はコチラ⇒【四人組ロックバンドゆずこしょーの公式サイト】

220続いてJEKYLL★RONOVEの4人が登場。
アングルが似通っているのは、ご用意頂いたプレス席から移動ができなかったからです。
横着しているワケではありません。

230Jekyll

240N★OTO

250SEI

260キャプテン★いえっち
410N★OTOくんは自前のMarshallを持ち込んだ。

280Silver Jubilee 2555Xと1960BVだ。

290Jubileeの上には敬愛するSLASHが…。
向こう側はジャック・スパロウだって。

3001曲目はアルバム『E=mc2』から「Guilt or Innocence」。
ゆずこしょーとは正反対のハードロック・サウンド!
こんなに違ってて大丈夫なのかッ?!

310前回観た時は半分コピー曲だったでね。
今日は3曲といえども全部オリジナル。
こっちの方がゼンゼンいい。

3202曲目にはドラマの挿入歌「Always~The answer is blowin' in the wind~」を熱唱。
Bob Dylanか…こういうクラシックなネタをガツンと組み入れるのもこれからのひとつのやり方かも知らんな。
ドンドンやるがいい。
先日もあるフェスに出ていた若いバンドが「Purple Haze」をモチーフにしたオリジナル曲を演奏していたけど、すごくいい感じだった。
若い人は過去の音楽を徹底的に勉強して新しいモノをジャンジャン作り出してもらいたい。
現在の音楽には未来はないからね。過去の音楽のなかにこそ未来がある。
ま、このJEKYLLちゃんの作品は、曲自体は「Blowin' in the Wind」とは毛色が全く違うけどね。

330試写で観た第1回目のエピソードの中でも実に効果的に使われていた。
JEKYLLちゃんの声が実にいいんだな。
キャストの三浦さんはイントロを聴いただけでナミダが出てしまう…という。

340最後はこれもアルバム『E=mc2』に収録されている「HELTER SKELTER」。

350グリングリンのハードロックでイベントを大いに引っかき回す!
しかし、タマらないね、この声は!
チョット鼻にかかった芯のシッカリしたサウンドはまさにMarshall Jubilee!

380最後の曲だけギターを持ち替えたN★OTOくんも最後まで大熱演!

390オイオイ、あんまり近づくとまたボコっとやられるぞ!

400鮮やかなベース・ソロも見せてくれたSEI。
次回のベース・アンプは間違いなくEDENだろうな…。

370いえっちの豪快なドラミングも素晴らしかった!
やっぱハードロックはいいね~!
360JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒official site

420『ROAD TO EDEN』は毎週水曜日24時55分から。
初回の放映は2018年1月17日。
ドラマだけでなく、ブラウン管から流れて来る…今はブラウン管じゃないか…テレビから流れて来るこの2バンドの音楽がどんな場面で使われるのかも楽しみだよ。
  
それと!
今日ナマで披露したJEKYLL★RONOVEの「Always」とUse With Cautionの「EDEN」の音源が配信されることが決定している。
開始は2018年1月18日から。
配信される曲目は;
JEKYLL★RONOVEが…
1. Always~The answer is blowin' in the wind~
2. VENOM
3. HELTER SKELTER
そして、Use WIth Cautionが…
1. EDEN
2. タイトルバックの続きを
…となっている。
さらに!
「Always」とEDEN」が同時に収録されたCD。つまり物体も2月21日に発売されることが決まった。
こういうの「スプリット・シングル」っていうんだって。昔の「両A面シングル」って感じかな?
コレらの音源でEDENへの道をたどろうではないか!
双方よろしく!

Rte (2017年12月19日 赤坂BLITZじゃなくて、マイナビBLITZ赤坂にて撮影)

2017年12月17日 (日)

ポタフェス2017 -WINTER AKIHABARA-

   
スゴイね~。
どこかの企業の差し金の投稿かナンか知らないけど、巷間では生活空間でCDを再生する装置がないのが当たり前で、最早CDから音楽を聴くってことがないのが普通なんだって?
すなわち、「CDが売れない」とか騒いでいるレベルではなくて、「CDを売っていること」が不思議な時代なんだってさ。
マァ、以前から耳にしてはいたけど、私はダメ。
音楽のダウンロードということは一切したことがないし、ストリーミングとかいうのにも興味のカケラすらない。
ところが、先日とうとう「やっちまったな~!」だったのがUSBってやつ。
しかもよりによってフランク・ザッパだよ。
1977年のニューヨークでのハロウィンの公演をすべて収録しているてぇヤツ。
CD版も同時に発売しているけどUSBの方が圧倒的に内容が濃い。
そうなると、買いたくないけどUSBで買わざるを得ない。
で、買った。
そして聴いた。
どういう風にして聴いているのかというと、PCからBluetoothを使ってMarshall HEADPHONESのWOBURNを鳴らしているのね。つまりいつもCDを聴いている状態といっしょ。
音質にはさほどうるさくない方だし、WOBURNは素晴らしい音で鳴ってくれるので、耳に入って来る音自体は何ら気にならない。
しかし、気になるんだよね。
川上が…。
コレが!しかも地球上で最もカッコいいザッパのこのロックが!LPやCDではなくてUSBってェもんから出て来ていることがどうにも気になってしまう。
ありがたみがないんだよナァ。
それにコレクションのし甲斐ないよ、こんなチューインガムみたいの。
「慣れ」とかそういうことではなしに、あまりに味気ないじゃん?
   
私は知っている。
ナゼこういうものを受け付けたくないのかを…。
それはね、我々世代はレコードであの素晴らしいロックを体験したからなんだよ。「ヴァイナル」なんて言葉がない時代。
それがCDに変わったまではヨカッタ。小さくはなったが、ジャケットもあるし。
ナニよりも盤が回ってるから。
我々はトーマス・エジソンの子でしてね。
カセットテープにしてもそうだけど、音楽を聴く時は何かが回ってないとダメなのよ。
だから「このUSBなるものからはいい音楽が流れ出て来ない」という一種の刷り込みがあるんだな。
こんなこと考えてるのは私だけかもしれないけど、この「CD古し」の話は、何か、こう、音楽が破滅に向かう道を発見してしまったような不吉な印象を覚えるんだよね。
ちなみに日本で最初に蓄音機を出した場所って知ってる?
それはね、「鹿鳴館」だったんだよ。目黒ではなくて、今の内幸町にあった明治時代の社交場ね。
1889年だったというから明治22年のこと。
音が悪すぎてみんなドン引きだったらしい。
それから約130年。
音楽は内容も装置も、進化どころか退化しているように思えてならないのだ。
この「CD絶滅」の話がフェイク・ニュースであって欲しい。
チョット今日の話題にはふさわしくないオープニング・トークになっちゃたな…。
  
先日、夏の回をレポートしたと思ったらもう冬のポタフェスがやって来ちゃった。
開催は昨日と今日。

10場所はいつものベルサール秋葉原。

20今回も1階、2階、地階と3フロアを独占しての開催だ。

50マァ、最初に「ポタフェス」と聞いて、一体何のことだ?と思ったが、3回目めともなればもうヘッチャラ。

60展示の内容もますます濃くにぎやかに、そしてバラエティに富んできている感じ。
もうね、昔のオーディの話なんかしてられんよ。

70訪れるタイミングもあるのだろうが、来場者も毎回増えて行ってる感じだよ。
コレは昨日、つまり初日の2時ぐらいだったんだけど、マァ、すごい人出だった。
Marshall Blogの効果ってスゴイね…ウソこけ!

751階のエントランスのドデカいヘッドホンもバッチリ人目を惹いていた。

30アラ?
その隣にはおなじみのロゴ・サインが!

80そう、Marshall HEADPHONESのスタンド。
前回あまりにも大きな音でデモンストレーションをしたもんだから、今回は「もう外でやってくれ!」ということになったんだって。
コチとらMarshalldデェ、やっぱりそう来なくちゃイケねぇよ!

90…というのは残念ながら冗談でもあり、本気でもあり…Marshallの轟音で道行く人をポタフェスに呼び込んで欲しいということなんだって。
昨日は晴れてたからいいけど、曇りや雨だったら寒いぞ~!
今日も完璧な晴天でいい感じだね。

R_img_0215 お時間のある方は是非ポタフェスにお出かけくだされ。
今日の夕方5:30まで入場を受け付けてるから。
入場無料。

R_img_0194…というのは、今回Marshall HEADPHONESで商品を体験された方には特製Marshallマグネットか缶バッチがもらえるから!
色は2種類。

180コレは今回初めて紹介するモデル、「Major」。
Majorは以前からあったモデルだが、コレはBluetoothバージョン。
デザインも一新されてカッコ良くなった。
音質はもちろん極上なのでご心配なく。

130Bluetoothスピーカーもちろんゾロリと展示されている。
先頃、「マルチ・ルーム・ワイアレスWi-Fiシステム」というWi-Fiを使用するスピーカーを発表したが、アレはまだチョット先になる。

110しかし、いつの間にかディスプレイの台が全部1960になっちゃったね。
そのうち1960サイズのスピーカーも出て来るんじゃないの?

120ASカバリングのSTANMORE。
ウチのSTANMMOREは夜間に大活躍している。
いつもはWOBURNなんだけど、周囲が寝静まった時間に使うと、どんなにボリュームを下げても音が大きすぎるのよ。
そんな時はSTANMORE。
小さな音量でも豊かな低音で実に伸びやかに鳴ってくれる。

150ヘッドホン類も勢ぞろい。

160イヤホンも…。
その横はMarshallのスマートホン、LONDON。

170オサレなカタログを2種類用意してお待ちしております。

175Marshall HEADPHONES製品の詳しい情報はコチラ⇒NAVYS
 
英語版はコチラ⇒Marshall HEADPHONES Official Web Site

190※明日のMarshall Blogの更新はお休みです。記事の仕込みをしなきゃ!
 
(2017年12月16日 ベルサール秋葉原にて撮影)

2017年12月 6日 (水)

クリスマスがやってくるぞ!(ケリー・サイモンCODEへ飛ぶ)

 

先日、CODEシリーズの100Wのヘッドとコンボが発売されたことをレポートした。

10そして、それに伴って渋谷のアンプステーションでKelly SIMONZによるCODE100のセミナーが開催された。

20実はKellyさんのCODEのデモンストレーションはコレが初めてではなくて、昨年の楽器フェアでもご担当頂いている。

30この時はCODE50までしか発表されていなかった。

40_2 それが今日は100W。
実は私も100WのCODEは未体験だったのでどんなことになるやらとても楽しみだった。
何せ「爆音」はMarshallの大事な商品だでね!

50v会場内には100WコンボのCODE100も展示。

55_3既発のCODEやフットスイッチまで取り揃えて頂いて、そのサマはさながら「コード天国」。
さすがイケベさん、高度な行動力!
後はフィッシュ&チップがあればな~。(註:Marshallの故郷、イギリスの代表的な食べ物のフィッシュ&チップスのネタはタラ。「タラ」を英語にすると~。「コッド」ですな。チト苦しいか。)90特設ステージにセットされたCODE100Hと同時発売のスピーカー・キャビネットCODE412。

45このヘッド、今回の正式発売に際し、一番最初に姿を現した時よりホンの少し小さくリサイズした。
パネルのレイアウトにも少し変更が加えられ、反対にディスプレイは若干大きくなり、フットスイッチのジャックとヘッドホンやMP3のジャックの位置が入れ替わった。

60キャビネットのアングルのデザインにも変更が加えられた。

T_img_0014 「Kellyさんは、Xperia」かどうかわからないが、ヘッドの上にはCODEの専用アプリ、「GATEWAY」がインストールされているKellyさんの携帯をセット。

70その画面を傍らのディスプレイに表示した。

80セミナーは時間通りにスタート。
会場の都合で定員は20名で打ち止め。
予約の段階でアッという間に定員に達してしまった。
参加できなかった皆さん、ゴメンナサイ!

95司会はアンプステーションの本田さん。
本田さんとMarshallへ行ったのはもう何年前だ?
ジムは倒れた後だったけど、まだゼンゼン元気な頃だったよね。

100v_2そして、Kellyさん登場!
ギターを下げる前にまずは衣装の解説から。
手ごろな値段でアメリカでゲットした皮の上着。
手を入れたら元の値段の何倍にもなってしまったとか…。
そういうえばこういうロック衣装って見なくなりましたナァ~。

110_2結局、冒頭からその自慢の皮の上着を脱いじゃった。
そして、さっそくデモンストレーションに入る。

120v曲はKellyさんのライブではおなじみの「Future Destination」。
いつも通りギンギンに弾き倒してくれた。

130本田さんからCODEについての質問が寄せられ…

135Kellyさんがひとつひとつ丁寧に答える。
数え切れないぐらいこうしたセミナーをこなしているkellyさんのこと、説明はバッチリ。
どんな質問に対しても、お客さんが知りたいであろうと思われることを絡めて理路整然とキチッとわかりやすく話してくれる。

140v基本的にはいつも使っている1959を想定したKellyさんのてプリセットを使用。
もちろんそれだけでなく、他のプリセットやその場でGATEWAYを操作して音質や機能を説明。

150「47」っぽい設定は自分の年齢だって!
Kellyさんもおっしゃっていたけど、ノイズ・ゲートはできるだけ浅くセットするのがCODEをうまく使うコツ。
Kellyさんは通常はノイズ・ゲートに頼らず、ギターのボリュームの光速(ママ)コントロールでノイズを殺している。
耳障りなノイズはもちろんご免被るが、「ノイズもMarshallのうち」という考え方もあって、ある著名なギタリストは、レコーディング・エンジニアが気を効かせて取り除いたノイズが全く気にくわず、後からノイズだけ足し直した…という話もあるぐらいなのだ。
要するに不自然なノン・ノイズはかえって「エレクトリック・ギター特有」の音質を悪化させてしまうということ。

160音色を変えてGary Mooreの「Sunset」。

170v100Wということや4x12"キャビネットということもあろうが、楽器フェアの時に比べてサウンドは格段にグレードアップ。
Kellyさんがいつも使っている1959と同じ…ということは口が裂けても言えないし、思わないが、かなりの完成度。
やはり大出力のCODEの方がよりMarshallらしさが出るように聴こえた。

180サウンド・メイキングのコツを懇切丁寧に解説するKellyさん。

190もちろんQ&Aにも積極的に取り組んでくれた。

200v演奏の方も「Far Beyond the Sun」や「Opus #1」等の人気曲をタップリと演奏し、CODEの魅力をジックリとデモンストレーション。
そう、Kellyさんっていつもホントにサービス満点なんだよね~。
ありがとうございました。
 
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

210vさて、毎回書いているけど、CODEのもうひとつの魅力は「MY MARSHALL」というコミュニティ。
コレを活用してもらいたいんだよね~。
ということでKellyさんも色々仕掛けてくれているよ。
  
詳しくはコチラ⇒CODEをフル活用するなら、MYMARSHALLへ登録!

220vもうすぐクリスマスだからね~。
どうでしょう、ギタリストの皆さん。
CODEシリーズもアンプ系がすべて出そろったところで、自分へのクリスマス・プレゼントにCODEを贈るってのはいかが?
しかし、このコスト・パフォーマンスはスゴイよ。
今回の100W系も「Marshallさん、大丈夫なの?無理しないでよ!」と言いたくなるのではないか?と思われる価格だと思われると思うのです。
クリスマスがダメならお年玉!
冬の夜長をMarshallの歴代の名器を自分で好き勝手イジって楽しもうではあ~りませんか!
 
CODEに関する情報はコチラ ↓  ↓  ↓
Marshall日本語版オフィシャル・ウェブサイト
Marshall BlogのCODEウンチク大全集『その暗号を解け!』

230(一部敬称略 2017年12月3日 渋谷アンプステーションにて撮影 ※協力:ヤマハミュージックジャパン)

2017年11月22日 (水)

LONDON DRUM SHOW 2017のNATAL

  
「♪ロンドン、ロンドン、ゆかいなロンドン、楽しいロンドン」
このテレビCMをご存知の方は、「ロック」とくれば、それこそ最も盛んだった時代のブリティッシュ・ロックが一番のお好みの世代に違いない。
このCM、『11PM』の枠でかかっていたんだってね。
私なんかかなりナチュラルにこのCMソングを受け入れちゃうんだけど、それだけ『11PM』を見ていたということか?
ああした番組があったことも今となっては信じられないけど、このCMはもっとスゴイよね。
だってキャバレーの宣伝だぜ?
日本のキャバレーはボブ・フォッシーの『キャバレー』とは違うからね。
CMを取り扱うテレビ局も相当ゆるかったんだろうけど、キャバレー側もスゴイ経済力だったと思う。
70年代中盤、それだけ世の中に活力があったんだろうな。
今、「バブル超えの景気」なんてホンノひと握りの人たちが騒いでいるようだけど、「景気がいい!」なんて実感を持っている人は少なくとも私の周囲にはただのひとりもいない。
それどころか、日に日に世の中が暗くなっていることを憂えている人ばかりだ。
ま、そんなイヤな空気はマーブロ読んで吹き飛ばしちゃおうぜ!
ちなみに、このキャバレー・ロンドンを経営していた会社は、石橋を叩いても渡らないような慎重な経営で知られ、現在でも無借金の優良企業としてレジャー産業で活躍しているとのこと。
ロンドン、ハワイ、ハリウッド…昔のキャバレーって地名が多かったんだな。
あるサックス吹きが、とるライブで飛び入りでステージに上がった時、MCで「フロム・ハリウッド!」と紹介された。
お客さんが「おお~!本場じゃん!」と騒いだ。
よくよく聞いてみると赤羽のハリウッドのハコバンの一員だった…なんて話もあるね。
  
話替わってコチラは本物。
去る11月11日と12日の2日間にわたって、『LONDON DRUM SHOW』が開催された。
イギリスは何度も書いているけど、人口は半分、国土面積は2/3と日本よりもスケールの小さな国だ。
しかし、世界的に国家の位は第一等。そして皆さんもよくご存知の通り、ロックに関しては超一等国だ。
何せビートルズを生んだ国なんだから。
それと、やや細かいところに目をやると、イギリスって「ドラム・ヒーロー」の国でもあるのだ。
ま、これは岡井大二さんの受け売りなんだけど…。
ジャズに関して言えば、ジーン・クルーパに端を発し、マックス・ローチ、エルヴィン、トニー他、数え切れないほどのインヴェンターやイノヴェイターが群雄割拠したアメリカに大きな軍配が上がるが、ロック・ドラムはイギリスだ。
何せレッド・ツェッペリンを生んだ国なんだから。
他にもキース・ムーンだの、コージー・パウエルだの、イアン・ペイスだの、これまた枚挙にいとまがないのでいちいちココには記さないが、状況は皆さんもよくご存知の通り。
アメリカはどうだ?
カーマイン・アピス?ドン・ブリュワー?…「ドラム・ヒーロー」然とした人ってあまりいないんだよね。
ま、コレは圧倒的にアメリカン・ロックよりブリティッシュ・ロックを好む私の偏見かもしれない。
  
そんな国の最も大きなドラムのイベントが今日の話題。


Lds

場所は昨年同様、ロンドン・オリンピア。
レッド・ツェッペリンで有名なアールズ・コートから支線で一駅のロケーション。
今回も大盛況だったようだ。

06ということで、さっそく我がNATAL Drumsのスタンドを紹介しよう。
何しろ私自身は行ったことがないので、レイアウトとかサッパリわかりません。
なので、こういうアイテムが展示されたよ~!というレポートね。
 
向かって左は新商品の「チューリップウッド・インレイ・スネア」。
真ん中のパステルの緑のヤツは「TJ Cafe Racer」。フィニッシュはシー・フォーム・グリーン。
先だってお伝えした英リズム・マガジン誌で『BEST DRUMS IN 2017』の「Best drum kit」賞を獲得した人気のモデル。
右のグリーンは同じくCafe Racerの「UF22」。
コンフィギュレーションは10"x8"、12"x9"、16"x16"、22x18"。フィニッシュはエキゾティック・フェイド。

20コレが「チューリップウッド・インレイ・スネア」。

96_214"x5.5"と14"x6.5"。
そして、フィニッシュはサラサラの「サテン」とピカピカの「グロス」が用意されている。

40_2コチラは、Marshallで言えば1959みたいな、NATALの初代シリーズ「Originals」の「UFX-Plus」。

22フィニッシュは「オレンジ・スパークル」。
コレ、きれいだね~。
NATALの実物をドラマーさんたちにお見せすると、音だけでなく、間違いなく「フィニッシュが美しい!」とおホメの言葉を頂戴するが、特にこうしたラメを使ったスパークルものの評価がすこぶる高い。
実際キレイなのよ~。

97vこちらはおなじみARCADIAのアクリル・シリーズ。

25アクリル・シリーズもリズム・マガジン誌の『BEST DRUMS IN 2017』で「Best snare drum」賞を獲得した。26vOriginalシリーズのアッシュのスネア・ドラムをカスタマイズしたものに白いハードウェアを装着したもの。

60イギリスのディーラーからの特注品。
アッシュのタムタムにウッドフープを取り付け、それをバスドラム用のクロウで固定したいる。

70コレもイギリスのディーラーの特注品。
チョットおもしろいと思ったのは、イギリスのNATALの担当者がこの写真に付けたテキストで「British Flag」としてあったこと。
我々だったら憧れの感覚もあって「ユニオン・ジャック」なんて書いちゃうじゃん?
そこを「British Flag」とサラっとやったところがいいね。

95 「Red Candy」というキット。
これもイギリスのディーラーからの特注品。

100赤いアクリルのキットに白いストライプの塗装を施してある。
この黒っぽいパーツは「ブラッシュト・ニッケル」。
チョットしたヴィンテージ風味が高級感を醸し出す。
最近、グッドモーニングアメリカのペギちゃんがこのパーツをシルバー・スパークルのキットに装着して実にいい感じに仕上げている。

105
コレがペギちゃんのキット最新バージョン。
ストロボの光でチョットわかりにくいが、パーツは上の写真と同じ「ブラシュト・ニッケル」が装着してある。
パーツの色が変わるだけでずいぶんキット全体の印象が変わるものですな~。

T_img_0466 こっちは赤いアクリルのシェルに白い線を入れただけなのにホントに甘くなった感じがする。
さすがはイギリス、「Brighton Rock」みたい?

106もちろん試奏コーナーもバッチリ。

23こうした展示会には欠かせないクリニックやデモンストレーションもガッチリとプログラムされている。
NATALのスタンドでは例えばコレ。
イギリスの大スター歌姫、Jess Glynneのサポートを務めるAnthony ‘Sweetstix’ Lewis。
彼のマスタークラスでのクリニックは超満員で、数あるロンドン・ドラム・ショウ内のイベントでも指折りの素晴らしいモノだったとのこと。
AnthonyのNATALは自身の‘Sweetstix’というキット。
やっぱりNATAL注目されてるんだナァ。

21Simple MindsのMel GaynorもNATALプレイヤー。

200サイン会には長蛇のキュー(列)ができたようだ。

24パッと見コワそう人だな。
しかし、スゲエ身体ですナァ。

210ま、何でも見た目だけでキメちゃいけないけど…この子、もうすでにウマそうだな。
いつかこのショウにもお邪魔してみたいものだ。

230

<<NATAL NEWS>>

この度、NATALは権威あるイギリスのドラムス雑誌、RHYTHM Magagineから賞を2つ頂戴しました!

T_rmひとつは『BEST DRUM IN 2017』の栄えある「BEST drum kit」という部門。
受賞モデルはまだ日本に入って来ていない「Cafe Racer」というシリーズ。

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もうひとつは同じく「BEST snare drum」部門。
対象は「Acrylic Series」。
こちらは日本の楽器店にも並んでいます。

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As 海外ではすごい勢いでノシています、NATAL。
私もガンバらねば!
ドラム・キット他の新規購入、あるいは買い替えを考えていらっしゃる方は是非候補のひとつにNATALを!

  
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2017年11月12~13日 London Opympiaにて撮影 ※写真提供:NATAL Drums)

2017年10月13日 (金)

ポタフェス 2017~私の秋葉原


お、今日は「Friday the 13th」ですな?
しからば、朝からセロニアス・モンクを聴くことにしよう。
          
今日は、前回の開催時にもレポートしたポータブル・オーディオの展示会、『ポタフェス』のレポート。
コレが本体なんだけど、出て来るのはズ~ット後のこと。
その前に…ハイ、出ました「私の~」シリーズ。
イヤですね~、長くて、ツマらなくて…。
そんなジジイの取るに足らない思い出話などまっぴらゴメン!という方は、どうぞツラ~っと飛ばしてくださいね。
どうせ十にひとつもタメになることなんて書いちゃいないんだから。
今回はポタフェスが開催される秋葉原の思い出をやります。
同時代に当該のエリアをブラブラしてた人には「なつかしい!」なんて場面もあるかも?
  
ではさっそく…。
「アキバ」は「アキバ」でも、いきなり秋葉原ではないところからスタートするよ。  
下は日本で初めて報道規制が導入されたことで知られる、1963年に発生した凶悪な営利誘拐事件、いわゆる「吉展ちゃん事件」の犠牲者である、当時4歳だった吉展ちゃんが連れ去られた「入谷南公園」のすぐそばにある神社。
「秋葉神社」という。
  
秋葉原ってなんで「秋葉原」っていうのかを知ってる?
私は知らなかったんだけど、知って結構驚いたんよ。
もちろんこの秋葉神社が関係している。

10_3江戸時代、「火事とケンカは江戸の華」と言ったぐらい昔の東京には火事が多く、明治に入ってもその様相は変わらなかった。
ケンカぐらいならいいけど、火事は困るじゃんね。
で、火事に苦しむ庶民のことを案じて、明治初期に時の天皇のお母さんである英照皇太后のご発案で、今の秋葉原に神社を建立した。
火事が起こらないように願った神社だったので、そもそもはそれを「鎮火社」と呼んだらしい。
一方、浜松にある「秋葉山」の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の宗派に「秋葉権現」というのがある。
秋葉権現は火防の神様と知られることより、人々はその秋葉原の「鎮火社」のことを勝手に「秋葉さま」とか「秋葉さん」と呼ぶようになった。
実際は秋葉権現とは何の関わりもないのに…だ。
それがいつのまにか「秋葉社」と呼ばれるようになり、その周辺の火除地(「広小路」ってヤツね)を「『秋葉』がある『原』っぱ」ということで「秋葉原」と呼ぶようになったんだと。
そんなんでいいのかッ?!
AKB48のメンバーはもちろんこのことをご存知だろうナァ。
そして明治21年(1888年)に秋葉原の駅ができることになり、オリジナルの秋葉神社は境内地を払い下げて、現在の場所に引っ越して来たんだとさ。

3_aj現在の秋葉原、中央通り。
銀座周辺では「銀座通り」と呼ばれる、新橋から上野を結ぶ日本の「通り」界のスーパー・スターだ。
通りの重要度から言えば、ロンドンならオックスフォード・ストリートかリージェント・ストリート。
ニューヨークならフィフス・アヴェニューだ。
正面は上野広小路。

20その中央通り沿いのモダンなビルで「ポタフェス」は開催される。
ココへは後でまた戻ってくるね。

30そのモダンなビルのあたりで上野方面を背中にすると、前方に緑色の総武線の鉄橋が見える。
この辺りは世界に冠たる「電気の街」の心臓部と言ってよいだろう。

40_2第二次世界大戦後、神田の須田町(後述)に主に真空管を取り扱う電気部品の闇市が立った。
それが秋葉原に移転し、1949年にGHQが都市のインフラ整備のために「露店撤廃令」を出した際、代替地を提供した。
その提供された土地が秋葉原駅のガード下で、現在も元気に営業している下の写真の「ラジオストアー」や「ラジオセンター」となった。
そして、これが「電気の街」の礎となったのだそうだ。

50ロンドンにもトッテナム・コートロードという電気街のつもりでいるらしいエリアがあるが、ココに比べたら「屁」のニオイすらしない(失敬!)。
コレはかつて私が勤めていた会社の先輩から聞いた話だが、ジム・マーシャルとともにMarshall Amplificationを興したエンジニアのケン・ブランがかつて来日した際、「アキハバ~ラに行きたい」と言い出し、連れて行ったところ、このラジオ・センターに入り込み、バッグいっぱいの電子部品を買い込んだそうだ。
それから程なくすると、Marshallの歪みエフェクターの名機、「ガヴァナー」が発表された。
イギリスから送られてきたサンプル品の中身を見たところ、そこにはラジオセンターで買ったに違いない「Made in Japan」のパーツがふんだんに使われていたのだそうだ。

60そのケン・ブランと私。
ケンはMarshallの創始者のひとりであるにもかかわらず、今となっては社内の極めて限られた重役や、ごく親しい古い友人しかその動静を知らない。
私もMarshallの仕事をしている以上、何とかして一度お会いできないものかとそのチャンスが来るのを狙っていた。
そのチャンスがジムのお別れの会の時にやって来た。
ジムが私をケンに会わせてくれたのだ。
その時に撮影した1枚がコレ。
完全に舞い上がっている私…だってメッチャうれしかったんだもん!
この時から5年、元気にしていらっしゃるかしら?
え?私が帽子を取ったところを初めてみたって?
だからいつも言ってるじゃん、薄いって!

3_img_5798最近は大規模免税店として外国からの観光客でにぎわっている「LaOX」。
ココはかつて「朝日無線」といった。
私が中学生の時分は、「エレキなら朝日無線」といわれていて、私も初めてのギターとアンプは朝日無線さんにお世話になった。
考えてみると、生まれて初めて目にしたMarshallの実物もココでだった。
よく古くからある秋葉原の電気屋さんで「〇〇無線」というのを見かけるが、あの「無線」というのはハムとかの無線ではなくて、「ラジオ」のことなんだって。
「ハム」って言葉も使わなくなったね。
70v_3そのほぼ向かいの「TAX FREE 愛客旺」というタレ幕がかかっているビルもかつては朝日無線で、ここの2階にはシンセサイザー・コーナーがあった。
時々イジりに行ったものだが、たいていは操作方法がわからず音が出ることはなかった。
1階のオーディオ売り場には「Lカセット」のデッキなんかが並んでいた時分の話だ。

80v_3万世橋の手前を右折する。
すっかり、カラオケ屋になっちゃったけど、ココは最近まで石丸電気の2号館だった。
この上の方の階には倉庫を改装したようなチョットしたホールがあって、数年前にポール・ギルバートが来て演奏したんだよ。
かつてはレコードも豊富に取り扱っていて、閉店処分セールの時には結構買わせて頂きました。
そこに残っていたアイテムは普通の人なら見向きもしないようなゲテモノだったけど、私は結構ウハウハでしたわ。

90vその向かい。
「AKIBAガールズステーション」とあるビル。
昔は石丸電気3号館「レコードセンター」というレコードの専門店だった。
1階から5階まで全部レコード。
ビートルズから始まって、トッド・ラングレン、フランク・ザッパ…いったいココで何枚買ったかな?
1階が歌謡曲、2階が洋楽、3階がジャズ、4階がシングル盤と国内のロック、5階がクラシックの売り場だった。
繰り返すけど、全部レコードね。
CDなんてモノが姿を現す何年も前の話。
初めてのジャズのレコード、チャーリー・パーカーの『マッセー・ホール』もココで買ったのをよ~く覚えている。

100v_3今はアニメのお店になっている。
先日、アニメの勉強をしようと思い立ち、チョット中に入ってみた。
「アニメ」といってもソレそのものではなくて、声優さんや音楽に関係することを調べに行ったのだ。
もうどれも同じに見えちゃって…不慣れなジジイには何がなんだかサッパリわからない。
ってんで、アラレちゃんみたいなメガネをかけた若い女性店員さんにいくつか質問を投げかけてみた。
すると、「よくぞ、マァ、私に訊いてくださいました~!」という風情で、その説明たるや完全に「立て板に水」。
アニメの暴走機関車!一向に止まる気配がない!マ、私も人のことは言えた義理ではないが…。
コチラも負けずに質問を繰り返すで大いに盛り上がっているところに他のお客さんが現れて講義は終了。
ナニせこっちは何も買わないから。
しかし彼女、実に親切でタメになった。

110v_2実はアニメの勉強もあったけど、久しぶりに中に入ってみたくなっっちゃってサ。
懐かしかったな~。
建物自体の構造は何ら変わっていないんだけど、展示物は似ても似つかないものばかり。
この踊り場のウインドウにはかつて発売されたばかりのレッド・ツェッペリンの『永遠の詩』が飾ってあった。
今は『バチカン奇跡調査官』だ!ナンダそれは?

111vこの踊り場も懐かしい!

120v_2信じられないだろうけど、この踊り場の壁に下の写真のようなフィル・マンザネラの『リッスン・ナウ!』の巨大なジャケット画を飾っていたことがあった。
いくら大型レコード店でも壁一面を使ってフィル・マンザネラの新譜をプッシュするなんてこと、今では絶対に考えられないでしょ?
スゴイ時代ですよ。
松本孝弘でも布袋寅泰でもなくて、フィル・マンザネラですよ。
ナゼこれを覚えているかというと、ロキシー・ファンだった私は、店員さんにおねだりして、その壁に貼られていた巨大なポスターを使用後にもらったからだ。
もちろんただお願いしてもそんなものをゲットできるワケがない。
そのポスターをくれた店員さんは、そのフロアの主任さんで私の家の近くに住んでいた。
何度もその人からレコードを買っているうちに顔見知りになり、お互いに近くに住んでいることを知ったのだ。
当時は春になるとまだ国鉄のストライキがあった。
学生はすぐに学校が休みになったが、社会人はそうはいかない。
何とかして会社に行かなければならない。
そこで、その店員さんは通勤のために私の自転車を貸して欲しい、とストの前夜にウチを訪ねて来たのだ。
もちろん貸して差し上げた。
そして貸しを作った。
そしてそのポスターをもらった。
イヤ、ポスターだけでなく、その後ずいぶんといろんな販促品でサービスしてもらったな。
こっちはまだ子供だったから、そんなものでもとてもうれしかったものだ。
あの人、考えてみると、今ではもう70歳は軽く超えているだろうな…どうしてるかな?
  
それにしても、やっぱりレコードひとつとっても本当に風情がなくなったよね。
我々の世代は、音を聴いたことがないバンドに出くわして興味を持つと、考えに考えて、想像に想像を重ねて、大枚2,500円を用意して、電車に乗ってこの石丸電気に行って、その聞き覚えのないバンドのレコードを探して、清水の舞台の三倍ぐらい高いところから飛び降りるようにして2,500円を支払って買ったものだ。
もしそれがツマらなかったり、自分の好みでない音楽だったら、2,500円はパァだよ、パァ。
でも、決してそんなムダはしない。
どうするかというと、そのツマらなかったレコードが好きになるまで徹底して聴くのだ。
今でいえば超「ヘビロテ」を組んで、朝から晩まで聴き込んで強引に好きになってしまう。
そうすると不思議なモノで、またそこから他のバンドや音楽への興味が広がって来るんだな。
昨日も東京ではまだ知名度の低いバンドをMarshall Blogで紹介した。
そのバンドに興味を持った人はどうするか…「YouTubeでどんなんかチェックしてみよっと!」
それが自分の好みでなければ…ハイ終わり。
こんなんでCDが売れるワケがないわな。
もっともYouTubeに音源なり動画なりを投稿する方もする方だ…ということなんだけれど、コレも時代の趨勢だから抗えないのもよくわかる。
インターネットの普及でよくなったこともたくさんあるけれど、こと音楽に関しては、上辺は便利になったかもしれないが、音楽の質としては、恐ろしいほどの退化を強いられているのではないだろうか?
コレは演る方だけでなく、聴く方にも言えることなのだ…と最近強く思う。

125cdこんな記事を書いていたら奇跡が起こった!
石丸電気で買い物をすると、下のような和田誠が描いた人気アーティストの似顔絵が施された黄色い紙袋にレコードを入れてくれた。
この袋がひとつのステイタスだった。
なつかしいナァ~。
一生懸命石丸電気でレコードを買っていた頃は、モッタイなくてこの紙袋を捨てられず、段ボール箱に入りきらないぐらい保管していた。
でも結局みんなどっかへ行っちゃったな。
今回もこの記事を書くに当たって、「ああ、あの黄色い袋を1枚ぐらい大事に保存しておけばヨカッタな~」と後悔していた。
ところが、先日、普段は寄りつかない近所のリサイクルショップの店頭にエサ箱(レコードを展示する箱)が置いてあることを発見し、なんの気なしに箱の中を見てみると、ナント!この黄色い袋が入っているではないか!
そこでレコードを買って、黄色い袋をオマケにもらおうと思ったのだが、欲しいアイテムが見事に1枚もない。
しかも存外に値段が高かったので、イチかバチか袋だけ頂けないかお願いしてみた。
「ナニかを買ってお願いするのがエチケットだとは思うのですが、あいにく…」と切り出すと、「ああ、どうぞどうぞ!」と快く譲ってくれた。
LP用のビニール製とEP用の紙袋だ。
片面にはジャズとポップスの人気アーティストの似顔絵が載っている。
時代を感じるぜ~!
サッチモ、マイルス、コルトレーン、キース…そもそもジャズ・ミュージシャンが多いところからして猛烈なタイムマシーン感覚に襲われる。
ディランやスティーヴィー・ワンダーやエルヴィスやビートルズの面々は別にしても、シャルル・アズナブール、ポール・モーリア、オリヴィア・ニュートン・ジョン、アンディ・ウィリアムスは今なら絶対に載せてもらえないだろうな。
  
私が記憶している限りでは、この袋は2代目のデザインかな?
この前の時期は人名が水平に入っていて、ビートルズの4人も初期のルックスだったような気がする。
それにしてもいい時代だな~。

3_img_0009片面はクラシックの方々。
今より盛んだったんだろうね。
ブラームスが丸っきりザ・バンドのガース・ハドソンになってる。
私の頭の中にあるワルターとかオイストラフとかストラヴィンスキーの顔ってこの袋の絵の顔なんだよね。
3_img_0013この袋には別の思い出があって、ある時、PANTA&HALのリハーサルにお邪魔させて頂いたことがあった。
その時、ギターの平井光一さんに無理をお願いして「HALのテーマ」のコード進行を教えて頂いた。
「11th」だの「13th」だの、ロック狂いの青年には何しろチンプンカンプンだったけど、とにかく書き留めておこうと思った。
ところが、ノートなんか持ち合わせているワケがない。
ハッと思い浮かんだのがこの黄色い袋。
PANTAさんにサインをもらおうと思って、リリースされたばかりの『1980X』をこの黄色い袋に入れて持参していたのだ。
そして、慌てて黄色い袋を破いて、その裏面に平井さんが口にする聞き慣れないコードの名前をツラツラと書いて行ったのだ。
アレ、どこへ行ったかな。
ああいうものは大事にしているつもりでも、自然になくなっちゃうね。
ま、37年も前のことだからな…。
下はその時の『1980X』。

3_img_0015 時代が下って、紙がビニールになった。
キャラクターも若干替わって、貞夫さんやオスカー・ピーターソン、ロッド、イヴ・モンタンが加わった。
また、ジョージ・ベンソンなんかも入って来たところを見ると、クロスオーバー・ブームの後…ということになるんだろうね。
不思議なことに、ビートルズには「The Beatles」という表記がなくて、「John、Paul、George、Ringo」とメンバーのファースト・ネームだけが表示されている。

3_img_0003クラシックの方はストラヴィンスキーとオイストラフが失格になってポリーニとワーグナーがエントリーした。
オイオイ、イゴールは載せとけよ!
それほど頻繁に通った石丸電気のレコード・センターだが、家に取り置いていた段ボールに入りれないほどの黄色い袋は、ある時から徐々に白い袋に替わって行った。
その白い紙袋には「HUNTER」という文字が印刷されていた。
私の中古レコード人生の到来である。

3_img_0006店を出て右に進む。
昔はこのあたりも店先に巨大なスピーカーをディスプレイしたオーディオ関連の電気屋さんがズラリと軒を連ねていたんだけどな…。
その中のひとつに「九十九電気」というお店があって、「つくも」という読み方を覚えた。
どうして「九十九」を「つくも」と読むのかはまた別に機会に。

120_2どこだっけな~…。
このあたりの地下にとてもおいしい札幌ラーメン屋があったんだよ。
とても気風のいいオバちゃんが店を切り盛りしていた。

130_3それと、並びにカレーライス屋があったの。
家庭風もいいところで、今にして思えばよくあんな店に入ったな…と思うんだけど、その店は食後にコーヒーをサービスしてくれてね。
コーヒーたってアブクだらけのインスタントよ。
でも中学生にはそんなんでもモノすごく得をした気になっちゃうワケ。
カレーの味は悪くなかったような気がするな。

140_2その向かいの「千代田区万世会館」。
イヤ、私の親友がお父さんの葬式をココでやったというだけ。

150_3『鬼平犯科帳』にも出てくる昌平橋付近の総武線ガード下。
ここは江戸時代、広小路だったという。
つまり火避け地。
延焼を防ぐために幕府が建物を作らせなかった空き地エリア。
もちろん上野の広小路も同様。

160_2私が以前勤めていた会社の直属の上司の家族は、かつてこのあたりで喫茶店を経営していた。
「アノな、いいこと教えてやろうか?のコーヒーってのはな、原価が安いんだよ。だから流行さえすれば喫茶店ってのはとてつもなく儲かるんだ」とよく話していた。
スターバックスもドトールもない時代の話だ。
実際ここにあったその上司の家族の店はモノすごく流行って、笑いが止まらないぐらい儲かったらしい。
この上司、私が転勤してお別れした後、社内旅行の宿泊先で心臓が止まってアノ世に行ってしまった。
まだ、40歳になるかならないかぐらいの若さだったのでかなりビックリした。

170コレが昌平橋。
最初に神田川にかけられたのは1624年から1645年の間のことだという。
明治41年には「昌平橋」という駅が仮で設置され、明治45年(1912年)にすぐ隣に万世橋駅ができるまで名古屋までの中央本線の始発駅として活躍した。

180_3昌平橋から万世橋方面を望む。
今、この高架の下がショッピングセンターになっている。
いいね、こういうのはロンドンみたいで。
いいことはドンドン真似しなさい。

190_2「マーチ エキュート神田万世橋」という名称らしい。
名前がよくないな…長すぎるよ。
写真の向かって右側はかつて交通博物館があったところ。

200交通博物館で撮ったウチの下の子の写真。
カワイかったな~。ダッコしたいな~。
下の子はとても色が白く、髪が完全に栗毛色で、日に当たるとオレンジ色に輝いた。
その頃はオリンピックが開催される前の長野に住んでいて、外人に接する機会がほとんどない現地の人たちがウチの子を見かけると、「見て見て!外人の赤ちゃんだよ!」などとよく言っていた。
それがどうだ?
高校からアメリカンフットボールを始めた彼はみるみるウチにゴツくなってしまい、今ではタテもヨコも私よりデカい屈強なアンちゃんになってしまった。
子供たちは家内に連れられて何度も交通博物館に来たようだが、私自身は自分が子供の頃から不思議と縁がなく、とうとう一度も入ることなく2007年に博物館は閉鎖してしまった。

3_2img_4665 それ以前、同じ場所には、すでに上でチョコっと触れた中央本線「万世橋駅」があった。
その名残りを「マーチ エキュート神田万世橋」の2階で見ることができる。
ホームの屋根を支える柱の一部だ。

210v_3つまり、今立っている場所がホームの一部ということになる。
ここから先は少々この万世橋駅の話題になる。

220_2私がナゼこの万世橋駅に興味を持ったのかというと…実はバリバリの鉄道マニアだからだ。
というのは、まったくのデタラメ。
地下鉄はすごく好きだけど、あいにく普通の鉄道に興味を示すことはない。
それよりも、ロンドンに行くようになってからというもの、自分が生きてきたこの東京という街の昔の姿に興味が沸くようになった。
そして、その関係の本を読んでいたときに、「明治の頃、神田須田町は日本でもっともにぎやかな繁華街だった」ということを知ってかなり驚いたのだ。
神田須田町はココの周辺のエリアを指す。
須田町がにぎやかでナゼ驚くか…。
それは地下鉄銀座線の神田駅がそもそもの始まり。
銀座線の神田駅には、JRへの乗り換え客でにぎわう出口とは反対に昇降客が少ない須田町へ向かう出口があるのね。
今ではこんなにきれいに、そしてモダンになってしまったけど、昔はかなり古式ゆかしいスタイルだった。

3_img_4672で、地下鉄の改札と出口の階段を結ぶ通路には「須田町ストア」という、ま、今でいえば駅地下があった。
上に登場した「千代田区万世会館」でお父さんの葬式をやった友人が小川町に住んでいて、中学の頃、時折この決して短くない距離の地下道を利用したのだ。
コレがものすごく不思議な空間だった。
商店街といっても、多くの店がトタンの戸にヒモを巻いて閉めていて、とても薄暗く、子供が見ても斜陽感丸出しで、気味の悪い雰囲気だった。
開いているお店といえば、床屋とか、歯医者とか、服の仕立て屋ぐらいで、間違っても流行りのスイーツを扱う店などなかった。
下は現在のようす。
ココに地下商店街があった形跡はまったくなく、工事中ではあるが、すっかり明るくなっている。

3_img_4670かつてはこんな感じだったが、これもかなりキレイにした後、あるいはキレイにした部分だけを撮ったんじゃないかな?

Scsそれで、「須田町」というと自動的にこのさびしく暗い「須田町ストア」のイメージが重なり、この辺りがかつては日本で最もにぎやかだったことなどとても想像できず興味を持った。
それで万世橋駅とつながって来るワケ。
後になってわかったことなのだが、この地下街、須田町がかつてにぎやかだったので作られたワケではないというのだ。
地下街は、地下鉄の利用客を増やすための地下鉄会社のアイデアだったそうだ。
浅草や上野にも古い地下街があるのはこのアイデアによるもの。
つまりやっていることは今とナニも変わらないのだ。

3_img_4667「マーチ エキュート神田万世橋」に展示している万世橋駅のジオラマ。

230_2今、この模型を見ているのと同じ場所にこんな立派な駅舎があったのだ。
チョット大げさに言えば、ロンドンの国際駅、「セント・パンクラス駅」にも劣るまい。Mbイヤ、ちょっとかなわないか?この激ゴシックには。

3_img_0831 「マーチ エキュート神田万世橋」にはこのジオラマの他にほんのチョットだけ万世橋駅に関する資料が展示されている。

240_2「何だよ、こんなの東京駅のパクリじゃんかよ!」なんて思うことなかれ。
万世橋駅舎は東京駅ができる以前の建物なのだ。
しかし、意匠が似ているのもムリはない。
東京駅や日銀の本店を手掛けた辰野金吾という人が設計したからだ。
こんなものが今も街の中にあったらさぞかしステキだったろうね~。
しかし、そうは問屋が卸さないのが、またもや大正12年(1923年)の関東大震災。
駅舎は焼失したが、仮の駅舎が造営され、震災の遺体の安置所に利用されたそうだ。
その後、東京駅ができ中央本線の始発駅の座を奪われ、さらに神田駅や秋葉原駅ができたことが追い打ちをかけ、結果昇降客が激減し、駅としての役目を終え、昭和18年に廃止された。
かくして須田町の栄華は人々の記憶から消えてなくなったのであった。

250_2「マーチ エキュート」の外廊下から昌平橋を望む。

270_3目の前には元石丸電気2号館の背中がそびえる。
かつてここには石丸電気の赤い白抜きの「石」という巨大なロゴ・サインが施してあって、中央線のすべての乗客の目に入ったものだ。

280v外に出て今度は万世橋から「マーチ エキュート」を一望する。
写真の左端、ビールのブリュワリーがあるの。

260何種類かのオリジナル・ビールを飲ませるお店で、おいしかった。

310_2グルッと回って万世橋のかかる中央通りまで戻ってきたよ。
1676年に架けられた万世橋の前身は筋違橋(すじかいばし)といって、現在のロケーションとは異なるが、徳川将軍が江戸城から上野の寛永寺に赴く際にこの橋を渡ったいう。
想像するとすごいよね。
江戸城を出た将軍様ご一行がゾロゾロと万世橋を渡って中央通りを進み、上野広小路を過ぎ、坂を上って寛永寺にたどり着く。
何のことはない、普段よく自転車や車で通る道だけど、将軍様が歩いたのかと思うとロマンを感じるよナァ。
見てみたかったナァ。ま、「下に~、下に~」で庶民はその姿を見ることはできなかったんだろうけど。
今のこの万世橋は昭和5年に建造されたものだ。
立派だね~。

325そして、今回この記事を書くに当たって、万世橋に関して初めて気がついたことがあった。
子供の頃から数え切れないぐらい渡っていたのだが、興味がないので全く目に入って来なかったのであろう。
それは、この船着き場。
かつて盛んだった水運の名残だ。
市場があった秋葉原は物流の要所だった。
窓の付いた小部屋は、昔は荷揚げ作業員の詰め所とか、荷揚げ作業の道具を保管するスペースに供されていたのだろう。
今は向かいにある万世警察の機材倉庫になっているらしい。

326不思議なのは対岸の設備。
手すりが見えていて、小部屋を経て橋のたもとの中に入れるような様相を示しているが、上には公衆トイレがドッカと設置されていて、この手すりのフロアに降りる階段がない。
少し調べてみた。
この設備に気が付いて、その存在を不思議に思う人はどうも私だけではないらしく、色々なサイトで取り扱われていた。
結果、この小部屋が何のために作られたのかハッキリしたことはわからないらしい。
単なるデザイン上のものという説や、銀座線の工事のための設備という説、いまだにナゾなのだそうだ。

327コレはチョット番外編。
というのも秋葉原から御徒町方面へ少し行ったところのロケーションだから。
建物のデザインがカッコいいので興味を持った。
ご覧の通り銭湯。
「燕湯」といって2階が宝石屋になっている。
宝石商が並ぶ御徒町はマンハッタンで言えば5番街だからね。それにしても銭湯の上に店を構えることもないように思えるが…。
で、私は入ったことはないのだが、調べてみると、やっぱりこの銭湯…ひとクセあった。
昭和25年に作られた建物と内部にある岩山の装飾が国の登録有形文化財に指定されているというのだ。
特にその岩山の装飾は、本物の富士山の溶岩で作られていて、国立公園となっている富士山は、現在は溶岩などを持ち出すことが厳禁となっているためメッチャ貴重なのだそうだ。
それと、湯。
ちなみに銭湯を「お風呂」と呼ぶのは関西弁なんだって。
江戸っ子は「湯屋(ゆうや)」と呼ぶのが正しい…と、古今亭志ん生が言っておりました。
で、この銭湯、朝6時から入れるというのだ。
昔、秋葉原にあった「ヤッチャバ」の早朝の労働者や行商の人たちのための慣習のなごりなのだそうだ。
そう!今、ヨドバシカメラがあるあたりって、私が中学ぐらいの頃まではデカい青物市場だったんだよ!
そのお湯が尋常でなく熱いらしい。
銭湯の一番風呂は湯が硬く、普通より熱いものと相場が決まっているが、燕湯は朝48~50℃まで沸かしてそのまま自然にさましていくスタイルらしい。
アータ、48℃のお湯なんてとてもじゃないけど入れませんよ。
その後、自然にさますといっても、平均で45~46℃までしか下がらないのだそう。
私も熱い風呂が好きなんだけど、45℃でもまずムリです。
実は家の近くにもそれぐらいの温度にしている銭湯があるんだけど、なかなかに強烈だ。
「お湯が喰いついてくる」てェヤツ。
普通、「熱い風呂」って言っても、最初思いきってガバっと入っちゃえば、湯を揺らさない限り、マァ気持ちのいいもんですよ。
ところが、これぐらいの温度になるとそうはいかない。
入っていればいるほど際限なく熱くなってきて、何やら自分が茹でられているような心持ちになってくるのだ。
もうその時分には、熱いとかヌルいとかいうことは最早問題ではなくなり、生きるか死ぬかの二者択一になってくる。
それほど熱い。
行ってみようかな…燕湯。

328ハイ、中央通りに戻って来ました。
コレで終わりかと思ったらこれからが今日の本題。

330去る7月15&16日の2日間にわたってポータブルオーディオの祭典、「ポタフェス」が開催された。

340_2以前、昨年12月に開催された冬の「ポタフェス」をレポートしたが、「Spring & Summer」と称される、この夏場に開催される「ポタフェス」が「主」なのだそうだ。

350_2今回もたくさんのポータブル・オーディオ・ファンが詰めかけていた。
来場者の数は2日間で56,000人に上ったという。

360_2あ!こんな人も!
うれしいね~。

370さて、ナゼ私がポタフェスにお邪魔しているのかといえば、当然コレ。
Marshall HEADPHONESのスタンドを覗きに来たのだ。

380_2前回は2階の室内の会場にスタンドを設けていたが、今回はメイン・エントランスを数メートル入った左側。
モノスゴイ人通りだ。
420_2展示はもはやおなじみのBluetoothスピーカーと…

390vヘッドホンの数々。

430最も目立つロケーションだけあって、すぐ近くにはステージが設置されていて、耳をつんざくような大音量でアニメ系アイドルがライブ・パフォーマンスを展開している。

450大音量なら負けないゼ。
こっちを誰だと思ってんだ?
Marshallさんだぞ!
…と、いうことで、特段頼んだつもりはないのだが、私のためにスタンド内にあるすべてのMarshallスピーカーを使って大爆音のデモンストレーションしてくれた。
曲は「Highway Star」。
イヤま~、スゴイのなんのって!
さながら「♪Nobody gonna take our speakers…」ですわ。
恐らく、フェスを通して一番の爆音だったのではなかろうか。
もっとも他はヘッドホンとかの展示だでね。

400「お!Marshallじゃん!」なんて言いながらひっきりなしにお客さんが立ち寄ってくれて大変な賑わいを見せていたMarshall HEADPHONESスタンドであった。

440_2Marshall HEADPHONESはこうした展示会だけでなく、全国各地でコマメにポップアップ・ショップを展開しているのね。
東京は終わってしまったんだけど、10月22日まで京都と福岡、さらにオンラインのコンラン・ショップで「hoping LONDON」という展示会が開催されていて、Marshall HEADPHONESも参加している。
 
hoping LONDONの詳しい情報はコチラ⇒THE CONRAN SHOP

410_2さて、今回もポタフェスの会場をグルリと見てみましょうかね。

4601階の会場では即売のコーナーを設置。

470_2「アニソンのためのイヤホン」だって。

480こちらは「女性ボーカルにおススメのイヤホン」だそう。
正しくは「ボーカルズ」ね。

490_2冬は1階と2階のみの展示だったが、今回は地階も使用していた。

500_2前回、初めて来た時は「こんな世界があったのかッ!」とかなり驚いたけど、今回はゼンゼン慣れっこよ!

510_2そういえば、今年の初めに白山通りで交通切符を切られちゃってさ…。
担当のお巡りさんがすごく若い人で、私の来ていたシャツのMarshallロゴに気が付いてしゃべり出したんだっけかナァ?
そのお巡りさんはイヤホンが趣味だというワケ。
それで、このポタフェスをことを教えてやったの。
ついでにMarshall Blogにレポートが掲載されていることも教えてあげた。
すると、「見ます!見ます!」とものすごくよろこんで違反を帳消しにしてくれた…というのはウソ。
違反は違反でガッツリやられて9,000円振り込んできたよ。
私はズ~っとゴールド免許だったのよ、長いこと車に乗らなかったから。
で、Marshallの仕事を始めて車に乗るようになったら一発で庶民の免許に逆戻り。
アレ絶対に「ゴールド免許=車に乗らないこと」なんだよね。
だからあのシステムには意味がない。

520様子はわかっていたつもりでも、やっぱりスゴイな、この世界は!

530もう皆さん、夢中になってイヤホンを耳に突っ込んでる。

550v業者さんに話を聞くと、皆さん、家の中と外で同じクォリティの音質で音楽を聴きたがっている…のだそう。

540スピーカーとイヤホンの音質の差にこだわるなら話はわかるが、家の外にいようが中にいようが、イヤホンで聴いている分には大差ないと思うのだが…。

560vケーブル類がスゴイんだよ。
イギリス式に言えば「リード」。
聞けば、何でもメーターで30万円するケーブルなんてのもあるらしいよ

570ケーブル製作の実演コーナーなんてものある。

580試聴しているお客さんの装置を見せてもらった。
ね、iPodみたいなヤツにヘッドホン・アンプをくっつけて聴いてるワケ。
業者さん曰く、「現代の音楽は現代のヘッドホンで聴くべし」…だそうです。
ま、そうでも言わなきゃ商売になりませんからね。
そうなると、チャーリー・パーカーをSPで聴いてみたくなるような気がしないでもない。

590v海外ブランドも目立ってたナァ。

600こんなものも。
欅で作ったヘッドホン・スタンド。
お値段は想像にお任せします。

610vコレが一番いいわ。
イヤー・マフ。
私は仕事柄ライブ会場に行くときは必ず耳栓を携行している。
演奏自体がうるさいからではなく、写真を撮っていると、どうしてもPAスピーカーの直前に立たなければならないことが多く、その爆音から耳を守るためにどうしても必要なのだ。
で、自分の耳に合わせて成型できるドラマー用の耳栓を愛用しているんだけど、完全に遮音することは全くムズカシイ。
ところが、このヘッドホン型のヤツは素晴らしいね。
スゴイ遮音性能。
ハメると「シーン」となる。
でもナァ…。

620vコレをハメている姿を一生懸命演奏しているステージ上のミュージシャンにはお見せできないよね~。
失礼すぎるわ。

630vスタンプ・ラリーなんかも開催していて人気を呼んでいた。
 
次回のポタフェスが12月16&17日、同じ場所で開催されることが決定している。

640vMarshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒日本語版オフィシャル・ウェブサイト

650さて、場所は変わって、Marshallの事務所。
ココでは3台のMarshallスピーカーを使っている。
向かって左からWOBURN、STANMORE、そして、ポータブル・タイプのSTOCKWELL。

660最近、レコード・プレーヤーを導入したため、かつてはWOBURNだけだったシステムにそれより小ぶりのSTANMOREを追加して、LPをWOBURNで、CDをSTANMOREで再生するようにしている。
ちなみに…このWOBURN、Marshallの工場があるBletchleyの近隣の町の名前なんだけど、発音がややナゾ。
代理店の方は「ウバーン」と呼んでいるし、私は「ウォバーン」だと思っていた。
で、デモ動画でネイティブの人の発音を確認してみた。
カタカナにすると「ウォウバン」が一番近い感じがするな。

670ふたつとも大のお気に入りで事務所にいる間はズッと鳴らしっぱなし。
双方、抜群の音質だが、真剣に音楽を聴こうとするならWOBURNの方が上。
スピーカーも筐体も大きいので音がすごくリッチでクリアなのだ。
ところが、WOBURNは本物のMarshall同様、小さい音量で鳴らすことが大の苦手。
つまりボリュームが「ゼロか大」の2種類しかない。
そうなると辺りが寝静まった夜中なんかはチョット厳しい。
そこでSTANMOREに助けを求める。
適材適所ですな。
小さめの音量で実に優雅に、そしてバランスよく音楽を鳴らしてくれる。
それとSTANMOREってナゼかクラシックを聴く時にいいんだよね。
すごく音がまとまるの。
ジャズは断然WOBURN。
ロックはどっちでもOKかな?

680それと、やっぱり見た目がいいな。
Marshallが生活に中にあるってのはとてもステキなことだ。

690ああ~、ずいぶん長くなってしまった。
最後までくださった皆さん、お付き合いありがとうございます。
今、もっと長いヤツに取り組んでいるんだけど、またよろしくね!

 

2017年10月 4日 (水)

TOKYO HIGH SCHOOL ROCK 2017

  
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也
 
今日は内容に合わせて芭蕉でスタートしたよ。
そう、今年も10月1日がやって来た。
それにしても…2017年もあとたった3月かよ~!
ったく信じられんな、この月日の経つ早さときたら。
10月1日は「都民の日」で学校が休み…ということで、高校生バンドのライブをやろう!と第1回目を開催したのが2008年。
あの時、高校3年生で出演してくれた子たちは今頃25、26歳になって、毎日額に汗して働いていることだろう。
「赤痢オルガン鳥」とか「ほめごろし」の子たちはみんな元気でやってるかな?
なつかしいな…でも、そんなこととは全く関係なく、今年も「都民の日」名物『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』が開催された。
今回でもう9回目!

10このイベント、Marshallは第1回目から機材でお手伝いさせてもらっているのです。
なので、今回もステージにはMarshall JCM2000 DSL100と1960A。

10vNATALのドラム・キット。
今回はアッシュね。

20そして、ベース・アンプのヘッドには、大人気のスグレモノTerra Nova TN-501。
せっかく一生懸命演奏するんだから、気持ちよくいい機材で臨んだ方が気持ちいいもんね!

30まず最初にステージに登場したの司会の深野叶子さんからこのイベントの主旨が説明された。
以前は司会もいなくて、シレ~っと始まって、シレ~っと終わっていたんだけどね。
司会者を立てたのはとてもいいことだ。
叶子ちゃん、チョット緊張した面持ち?
できれば私が替わってあげたいわ。

40今回のトップバッターは鷺宮の都立武蔵丘高等学校からLyric Jack。50森口楽絃

60旭朋子

70前田梨沙

80江田遥

90女性3人に男性1人のいわゆる「ハーレム状態」。
この反対、すなわちボーカルズが女の子でバックがみんな男の子…というパターンは昔からあったが、こういうのは時代の変化がなせる業ですな。
今、共学の高校の吹奏楽部なんて、ほとんど男子がいないでしょう?
120「こんなに広いステージで演るのは初めてです。スゲエ景色で感無量です!最後まで楽しんでください!」とあいさつして、熱唱を見せてくれた森口くん。

100各バンドの持ち時間は20分。
その限られた時間で苦労して作った自分たちの曲を精一杯披露する。130vベースの梨沙ちゃんのプロ顔負けのアクションがカッコよかった!

110v2 パートナーの遥ちゃんとのコンビネーションもバッチリ!

140v楽しそうに、また、とてもシッカリした演奏でトップバッターの重責を完璧にこなしたLyric Jackだった
1502番手はガール・バンド。
都立武蔵丘高等学校の旋光少女…って、前のチームと同じ高校じゃん!
そう、同じ高校の2つのバンドが別々に応募して、双方オーディションを通過してしまったのだとか。
ロックが盛んな学校なのかな?

160山家潮音

170v関絵理奈

230v河田夏子

190vかわいい!
夏子ちゃんのエフェクター、ポーチのクッションが敷いてあった。
コレは女子ならではの所業でしょう。

200福田彩瑛

210v「いい日、悪い日あるじゃないですか?たとえ悪い日でも、今日という日はその日しかない。ガンバリましょう!」という曲を作りました。
そう、「明るく陽気にいきましょう(by ぴろき)」!

1_img_0464ナンじゃ?この夏子ちゃんベースの音。
オッソロシク抜ける~!そして深い!
EDENのTerra Novaはやっぱりスゴイわ! 
やっぱり女子はこういう音ヌケの優れたベース・アンプを使うといいね。

2_img_0726 理奈ちゃんのギター・ソロも各曲でフィーチュア。
やっぱりアンプは真空管に限るでしょ?180v「今日はこんなステージに立つことができてうれしいです!人生の中で忘れられない経験となりました。最後に私たちの大スキな曲をやります!」
とあいさつして右手を高く上げた。

220旋光少女も4曲。
若々しく、ガール・バンドの魅力に満ちたステージを見せてくれた。

240v今日はトリもガール・バンドなんだけど、女子パワーは相変わらずスゴイよ。

250仕事中の私。
右手にハメている黒いベルトは決してアクセサリーではない。

1_2img_9004 転換が終ると、その前のシーンとは雰囲気がガラっと変わって、ギターふたりが向き合ってイントロを奏で始めた。

2603バンド目はPatchworks 。
日本大学第二高等学校から。
日大二高の最寄り駅は、荻窪、阿佐ヶ谷、下井草…なるほど、アッチの方か。270池田将人

280関本晃輔

290v西原和哉

300v米久保隼介

310vこの日、初めての私立高校からのエントリー…。
イヤ、それより、この日初めてのボーイ・バンド!
あ、今ワタシ、生まれて初めてここで「ボーイ・バンド」という言葉を使ったよ。
ナゼなら私の世代は、バンドってのは「ボーイ」がやるのが当たり前だったので、ワザワザ「男の子」と付け加える必要が全くなかったからね。
もちろん私が通った高校にはボーイ・バンドしかなかった…アレは男子校だったからか。

320「皆さん…盛り上がってますか?
ステージの折り返し地点ですけど、最後まで盛り上がっていきましょう!」
西原くんのメッチャ恥ずかしそうなMC、ヨカッタよ~!見ていてこっちがドキドキしたわ!

330v派手なアクションを交えてバリバリとMarshallを鳴らしてくれた関本くん!
いいギターの音を出したかったら、ギターよりもアンプに気を遣うこと。
音を出しているのはギターではなくてアンプなんだから。
ステージで弾く場合は最低限真空管アンプを使おう!
つまりMarshallということね!

340vタイトでカッコいいドラミングを披露した米久保くん。NATALのことを絶賛してくれていたらしい。
パッとみるとミュージシャンというよりアスリートっていう感じだけど、彼、ドラムスだけじゃなくて、コーラス・ワークが抜群に素晴らしかった。

350v曲は池田くんが作っているのかな?それともみんなでやっているのかな?
どの曲もなかなか作りがシッカリしていて聴きごたえがあった。

360さて、怪しげな照明の中ステージに現れ、トリを務めたのは神奈川県立厚木高等学校のSEED。
5人編成のガール・チーム。
「都民の日のイベント」と謳っている『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』だけど、今年は10月1日が日曜日に当たったので、東京近隣の高校にまで門戸を広げたそうだ。
千葉県民の日は6月15日、埼玉県民の日は11月14日、そして神奈川県民の日は…ないらしい。
「県民の日」があるところは、県内で何がしかの大きな行事があったり、「ナニかが何年目を迎える」という記念事業があると、「その日を〇〇県民」の日にしよう!住民が自主的に盛り上がり、その要望が県議会に上程され「県民の日」が決定してきた。
ところが神奈川県にはそういう盛り上がりがなかったんだって。
でも、神奈川県には「市民の日」というのがあって、横浜は6月2日、川崎は7月1日に制定されているそうだ。
あ、それとね、今はどうだか知らないけど、我々世代の横浜市民って多分漏れなく「横浜市歌」が歌えるんだよ。
どうして10月1日が「都民の日」になったのかはコチラに書いておいたので興味のある人は読んでごらん。
ね~、タメになるでしょう、Marshall Blogって?!
アンプもブログもMarshallにキマりでしょう!

460SEEDは、矢萩栞奈。380v池田澪菜

390v武田萌

400v村川佳乃

410v伊藤真依

420v今風のJ-POP風ロックっていうのかな?ま、我々の世代から見ると「電化フォーク」っていうイメージなんだけど、そういうのとは全く異なるサウンド。
見た目からは想像できないドロドロっとした昭和のイメージ。
いいね~。

430vこのイベントはコンテストではないので、奇を衒って目立とうとする必要は全くない。
力まずに自分たちの音楽を演ればいい。
それでもこうしてチョコっと雰囲気の違ったバンドが出てくるところがおもしろいんだよね。

1_img_0716この日、キーボーズは全編を通じて佳乃ちゃんひとり。
コレはイヤでも目立ちますな。

1_img_0703 なるほど、彼女たち、「暗い音楽」を標榜しているのね。
そんなダークなロックでもNATALがバッチり。
NATALっていい音でしょう?

2_img_0909 そしてMarshallでバッチリとハードなギター・ソロを披露してくれた澪菜ちゃんも大活躍!

440vスッカリ入り込んでしまっている栞奈ちゃんの渾身のパフォーマンスはもちろん大きな見どころだったね。

450コレで高校生の演奏は終わり。

370イベントはゲスト・コーナーに突入。
今日のゲストは大阪出身のラックライフ。
彼らも高校の同級生で結成したのだそうだ。
今風のロックにちょっとハードなボーカルズが乗ってとてもいい感じ!
会場を大いに沸かせた!

470全員集合。
やっぱり女子強しだナァ。
数えてみると男女比は5:12。
70%が女性ということになる。
応募の段階でも7割とまではいかないまでも、感覚的に見て6割は女性だったらしい。
  
繰り返すが、このイベントはコンテストではない。
こんな光景と見ると、いかにも「結果発表!ダラララララララ」みたいな感じだけどさにあらず。
最後に出演者からひとことずつメッセージを発してもらった。

480みんな口々にこの日のステージに立てた感動を述べてくれた。

490今日出演の皆さんが演奏してくれたのは100%自作曲。
つまり全部オリジナル曲でコピーは1曲もなかったそうだ。
このライブはコピー曲を禁止しているワケではない。
しかし、みんな苦労して自分たちで作った曲を披露してくれたのだ。

500もちろんこのイベントに出演するにはオーディションを経なければならない。
年々出演を希望する応募者の数は増えているが、ハードロックやヘヴィメタル・バンドの応募はとうとう皆無になったそうだ。
70年代あたりのスタイルのロックは、日本の若者の間ではすでに絶滅していると言っても過言ではないだろう。
とても残念で悲しいことだが、伝承に失敗したのだから仕方がない。
510私から若い方々へお願いしたいことがふたつある。
ひとつは続けること。
ふたつ目は、とにかくジャンルを問わず少しでも多くのいい音楽を聴く努力をすること。
生意気言ってゴメンね。
私も若いミュージシャンに接する機会が少なくないが、今の時代、皆さんはあまりにも音楽のインプットの量が少なすぎると思う。「音楽の幅」という意味ね。
でもそれはキミたちのせいではない…そういう風にしてしまったのは、後先を考えなかった「売り上げ至上主義」の音楽関連産業に従事する大人たちなのだから。
世の中にはクラシックから、ジャズから、民族音楽から…素晴らしい音楽がたくさんあって、キミたちはまだ何も聴いていないに等しい。
モッタイないよ!
人生なんてアッという間。
若い頃から垣根を取り払って色々な音楽を聴くクセを付けるといい。
私もキミたちに劣らないロック狂いの少年だったけど、20歳前にジャズを聴くようになったことで、音楽人生が飛躍的に拡充した。
民族音楽も大スキだし、今はクラシックにも夢中になっている。個人的には古いロックなら今でももちろんよく聴いているよ。
生きている間に少しでも多くの素晴らしい音楽を聴いて感動してください。
自分で音楽をやるのはそれからでも遅くない。
あ、ゴメン、もうひとつあった。
アノね、コレは実際に年を取って気がついたことなんだけど、「何かに感動する」ってのは若い人が持つ特殊技能のひとつなんだよ。
たくさんの経験を経て年を取ると、感性が著しく衰えて、チョットやソットのことでは感動しなくなる。
だからこそ、若いウチに色んな音楽を聴いておくことが大切なんだ。
私もビートルズを聴いてトリハダが立った頃に戻りたいよ!

520最後は記念撮影。
「オラオラ、そこの!もっと寄って寄って!」…ウソ、もっとゼンゼンやさしいです、私は。

1_2img_9013「ハイ、撮るよ~!ワン、ツー、スリ~!」

1_2img_0249 「パシャ!」
お疲れさまでした!
来年の「10周年記念」でまたお会いしましょう!

530

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年10月1日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2017年10月 3日 (火)

NATALドラム・クリニック by ペギ&翔太朗

 
初めて来た…八王子のMatch Vox!
以前からお邪魔したいとは思っていたんだけど、ウチから遠いこともあって、なかなかその機会が訪れなかった。でも今回、ペギちゃんがそのチャンスをひねり出してくれた。
グッドモーニングアメリカのペギちゃんのドラム・クリニックだ。
ペギちゃんのドラムスといえば…そう!
NATALね。
そのNATALつながりで仲良しの翔太朗くんをゲストに迎えた企画。
コレがメッチャおもしろかったんよ~!

05vさすがグッドモーニングアメリカのホームだけあって店内にはこんな寄せ書きが。

06さて、今日のデモンストレーターは…
まずは西の横綱。
グッドモーニングアメリカから、ペギ!

20v当然いつもステージでペギちゃんが使っているNATALのドラム・キットが持ち込まれた。

3010"、12"、16"、24"のメイプル。
フィニッシュはシルバースパークル。

40スネアドラムは14" x 6.5"の同じくメイプルのステイヴ・スネア。
「ステイヴ」とは「桶」のことね。
普通のスネア・ドラムとは異なり、縦に木を組み合わせて、まさに桶状に組み立てられているNATALの人気商品。

50バスドラムのペダルもNATAL製だ。

60続いて東の横綱。
MAGIC OF LiFEから岡田翔太朗!

70v翔太朗くんもいつもはシー・スパークルという青いメイプルのキットを使ってくれているんだけど、今回はちょうどツアーのための機材運搬の都合で持参できず。
ってんで、ウチから持って来たのがアッシュのキット。
12"、16"、22"のシンプルなセット。
ラーメンで言えばチャーシュー、メンマ、ナルトだ。これだけで十分においしい。
フィニッシュはブラック・スワール。
以前「スウォール」と言っていたけど、「スワール」に発音を訂正します…今ココで。

80スネア・ドラムは14"x5.5"のブビンガ。
パリっとした音が気持ちいいのだ。

90…と機材は揃った。
役者も揃ってる。
さて、この2台のドラム・キットをどう配置しよう…と、みんなで色々と考えた。

10普通であれば当然ステージにドラム・キットを乗せてお客さんの方に向けるところなんだけど…。
結果、フロアの真ん中にキットを2台設置して、お客さんにはステージとその他の客席スペースに座って頂こうということになった。

100この通り、2台のドラム・キットが角を突き合わせたようなルックス。
これが大成功!
ペギちゃんのグレート・アイデアだ。110リハーサル。
バッキング・トラックの動作確認や音量のバランスをチェックに余念がない。
で、ペギちゃんは時間が空きさえすれば、いつでも練習してるんだよ。

120PCに向かって真剣な面持ちの翔太朗くん。
実はバッキング・トラックにトラブルが発生したようで、色々と対処を試みている所。
でも慌てず、お店のPCに詳しい方の援助を仰ぎながら難なく問題をクリア。

130v定刻になり、司会者が大きな拍手を浴びながら登場!

140私です。
さぁ、「♪明るく陽気にいきましょう!」…とは、ぴろきではないので言わなかったけど、冒頭でNATALについて説明させて頂いた。
若い方を中心に満席状態だ。

150vそして、ペギちゃん登場!
ペギちゃんとは6月にも日本工学院八王子専門学校さんでNATALのクリニックを開催させて頂いた。
その様子はコチラ⇒ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子
今日は雰囲気がゼンゼン違うよ。

160そして翔太朗くんも登場!
おお~、茶系で統一した帽子にストールがバッチリじゃん!

170まずはご挨拶代わりに1曲ずつ演奏してもらった。
先行はグドモさんチームで「コピペ」。

190v人気のグドモ・ナンバー。
実はこの前日も渋谷のO-WESTで開催された『凌ぎ合う』でペギちゃんと一緒だった。
その時にアンコールで演奏したのが「コピペ」。
場所も、形態もゼンゼン違う環境で2連チャンで聴いた!

200クリニックだろうとなんだろうと容赦なくNATALを打ち込むペギちゃん。
もちろんNATALもピッタリとペギちゃんのアグレッシブなプレイに着いて行くよ。

210v後攻のマジックさんチームは「線香花火」。

220vペギちゃんは翔太朗くんのことを「ストールの男」なんて呼んでいたけど、ナンカ若い頃のマーカス・ミラーみたいですな。
「イナセなドラマー」感タップリ!

230翔太朗くんらしいドッシリしたドラミングはいつ聴いてもカッコいい。
アッシュもすごくいいんじゃない?

240vこのレポートでは先にやってしまったが、演奏の後はドラマー・サイドの観点で使ったNATALの解説を詳しくしてもらった。
材質や音の特徴、気に入っているところ等々。
せっかくなので、24インチと22インチのバスドラムの音の違いなんかも実演してもらった。
恥ずかしながら、この日初めて知ったのは口径が2インチ、すなわり5.08cm違ってもバスドラムから出て来る音のピッチは変わらないということ。
ところが、音の奥行きの違いがあまりにも違うのでビックリ!

260クリニックではお定まりの「練習方法について」や曲の中で使われているドラミング・パターンを実演を交えて解説してくれた。

280そして、ふたりがドラマーとして、バンドの創作活動に音楽的にどう参加しているかを熱心に語ってもらった。
こういうのは面白いね。
私はドラマーではないので、「ドラマーがナニを考えているのか?」、結構目からウロコが落ちるような話だったな。
こういう話を聞くと、ますますグドモやマジックの音楽を聴くのが楽しみになる。
「ああ、コレがあの2人が言ってたヤツか~」みたいな。
あ、ナベちゃん、Zildjianの解説も知ってる範囲内でしておきましたから。
オマエがZildjianのナニを知っているんだ?って?
へへへ、ナニを隠そう、日本で最初に出たZildjianの歴史本、『ジルジャンの軌跡(The History of Zildjian)』の日本語版の翻訳の監修は私が担当したのだ!
下訳の仕上がりがかなり厳しくて、結局原文をすべて読んでしまった。
それでだいたいのことは覚えちゃった。
好きなジャズのドラマーがイッパイ登場したので面白かった。

270次もスペシャル。
またしてもペギちゃんが持ってきてくれたアイデアでこの日ならではの企画が実現!
それは曲のSwitch。
つまり、翔太朗くんがグドモの曲を、ペギちゃんがマジックの曲を演奏したのだ。
翔太朗くんはナニを演奏ったのかというと、「鉛色のスターゲイザー」。

290コレはメッチャ面白かった。
金ちゃんの声に、幸一ちゃんのギターなのにドラムがMAGIC OF LiFE!

1_img_0081その反対にペギちゃんは「呼吸」をプレイ。

2_img_0215ペギちゃんの「♪オッオッオッオ」もいいね~。
やっぱりガラっとサウンドが変わるよね。
そう、ロック・バンドの要ってドラムスとボーカルズなんですよ。
ギター・アンプ屋が言うのもナンですが、ロック・バンドってギターやベースが変わっても、あるいはマズくても、聴いている分にはマァ何とかなる。
でも、ひとたびシンガーとドラマーが変わるとそうはいかない。
ヘタをすると、ゼンゼン違うバンドになってしまい、クォリティが極端に上がり下がりするのだ。
もちろんギターやベースも大切。
「アンサンブル」を重視するのであれば、どちらかというとベースの方が重要だろうね。
ギターは仮にヘタクソでも「個性」として乗り切れることがあるけど、ベースはそうはいかない。
反対にいいバンドってたいていいいベーシストがいるものだ。
ついでに言うと、ジャズのオーケストラもやっぱりドラムが一番重要なんだよね。
ドラムスと、メロディを奏でる「リード・ラッパ」と呼ばれる「第1トランペット」の2人の良し悪しで20人近くで編成されるオーケストラの良し悪しのすべてがキマってしまうと言われているんだよ。

2_img_0213お客さんトライコーナー!

K10ペギちゃん、このコーナーが大スキで、実際にお客さんにジャンジャンNATALを叩かせちゃう!

K20vお、若きドラマー!ウマかった!
将来のNATALのお客さま、よろしくお願いします。
  
「お父さん、お母さん、今日ペギさんと翔太朗さんのドラム・クリニックに行って来て、そこでスゴイものを見たんだ!」
「おう、それはヨカッタな!一体ナニを見て来たんだい?」
「ナタールだよ!ナタール!」
「『ナタール』?何だいそれは?頭痛薬かなんかかい?」
「違うよ!ドラム・キットだよ!ボク、ナタールのドラムキットが欲しいんだ!」
「あ、そうか!ドラムスのナタールか!道理でどこかで聞き覚えのある名前だと思ったよ。
アレは音は最高だし、値段もお手頃だってみんな言ってるぞ…ナタールを選ぶなんてさすがお父さんの子だ!
お父さんもドラム・キットを買うなら絶対ナタールがいいと思っていたんだ」
「じゃ、買ってくれるの?!」
「ああ、ただしナタールじゃなきゃダメだぞ!ヘタな買い物はしたくないからな」
「やった~!将来、ボクもジーン・クルーパを目指すぞ!」
…なんて会話がこの後、彼の家であったかどうかは知らない。
  
若い方々に説明しておきますが、「ジーン・クルーパ」とは、ジャス・ドラム史上最も偉大とされる1930~40年代に一世を風靡したアメリカのジャズ・ドラマーです。
Marshallの創始者、ジム・マーシャルは元々はドラマーで、ジーン・クルーパがジムのアイドルでした。

K30vガールズも容赦せず。
はじめは少し端化しそうなんだけど、すぐ楽しくなっちゃう。

K40v腕自慢の猛者も当然出て来るね。

K60vそんな腕自慢にも評価が高いのがNATALなのよ!

K50続いては、コレもクリニックには欠かさないQ&Aコーナー。
事前に質問を集めて置いて、2人には私が選んだ質問に対して答えて頂いた。
当然、笑いが絶えませんな~。
私としては、少しでもお客さんに笑って頂こうと必死です。
クリニックが成功するかどうかは、「笑い」が多いかどうかなのよ。
私はMarshallのクリニックを全国で数え切れないほどやったんだけど、結局コツは商品の説明ではなくて「笑い」だということを学んだ。
話がツマらないと、どんなに上手に商品を説明しても、素晴らしいデモンスストレーションをしてもお客さんを惹きつけることはムズカシイ。
エ?それにしてはヘタだったって?
ホっとけ!

250恒例のプレゼントコーナー!
ハイ、クイズ。間違い探しね。
ちなみに間違い探しは英語で「Error recognition(エラー・リコグニション)」という。
問題です…♪ジャカジャン!…上の写真と下の写真の翔太朗くんの大きな違いはナンでしょう?
チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ…はいブー!
答えはストールです。
上はストールを首に巻いているけど、下の写真ではそれを着けていないでしょう?
翔太朗くん、自作の練習パッドの他に、臨時のプレゼントととして、抽選で当たったお客さんに首に巻いていたストールをその場で差し上げちゃったの!
太っ腹!
やっぱり見た目はウソをつかないね!
あ、私も「太っ腹」なんですけどね…見た目だけ。

311ぺぎちゃんはマメでね~、使用済みシンバルやらナニやら、いつもこまごまとグッズを用意して来てくれるのです。

312ペギちゃん名物の「Tシャツプレゼント」。
Tシャツのプレゼントなんて珍しくないのにナゼ「名物」かと言うと…ペギちゃんのプレゼントしてくれるシャツは新品ではなくて、既にペギちゃんが着用したモノなのです!
もちろん完璧に洗濯は済ませてあるよ。
だから抽選に当たったファンにはタマらないアイテムなのだ!

313最後のコーナーもペギちゃんが練って来てくれたアイデア。
ふたりがドラムスに向かう。

320その通り!
ふたり同時に演奏しようというのだ!

330曲は色々悩んだが、結局先ほどの「レパートリー・スイッチ・コーナー」で翔太朗くんがプレイしたグドモの「鉛色のスターゲイザー」を再演することになった。

350さっき見せてくれた通り、チャンとさらってきているので翔太朗くんのドラミングは完璧。
380そして、本家、余裕のドラミング!

370火花散らす…というより仲良しのドラマーが、心からドラムスを、そして音楽を演奏することを楽しんでいるようだった。
その2人をつないでいるのは…NATAL!

390さて、Marshall Blogでも2回にわたってレポートしている通り、無事に活動を再開させたグッドモーニングアメリカ。
明日、10月4日にはニューアルバム『502号室のシリウス』をリリースするよ~!
  
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

Cdg_2一方、MAGIC OF LiFEはニューアルバム、『Niemeyer』を引っ提げて全国ツアー中!
 
MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

380cdそして、11月11日には再びココ八王子でグドモ主催のイベント『八王子天狗祭 ~2017~』が開催される。
グドモは当然だけど、MAGIC OF LiFEも登場するよ~。
コレも楽しみだね。
  
『八王子天狗祭 ~2017~』の詳しい情報はコチラ⇒特設公式ウェブサイト

396flイヤ~、我ながら本当に面白いイベントだったな~。
欲を言えば、もうチョットしゃべりたかったか?
しかも昔のロックの話。
ダメね。コレをやっちゃうと若い人たちイヤがっちゃうのね…レッド・ツェッペリンとかジミ・ヘンドリックスとか。
ところで、講義の内容やQ&Aの細かい内容は故意に割愛させてもらいましたよ。
イジワルでしょう~?
違うのよ!
もしそのあたりを見たり聞いたりしたかったら、是非、現場へ来てください…ということなの。
クリニックはPCやスマホの中で起こってるんじゃない!
現場で起こっているのさ!
  
そうそう、ひとつ驚いたことがあったんだ!
終演後、楽屋でお店の方に「ペギちゃんのお友達」というドラマーをご紹介して頂いた。
彼もNATALを高く評価してくれていて、とてもうれしかったんだけど、アレ?チョット待てよ…。
どっかで会ったことがあるナァ~…と思って二、三質問をさせてもらってビックリ仰天!
昔、私はマキシマム・ザ・ホルモンのベースの上ちゃんとお仕事をさせて頂いていた時期があったのね。
で、ある楽器のPRで、ベースマガジンの付録DVDの撮影があった。
その時、上ちゃんが連れて来たドラマーはまだ子供、子供した弟さんでね。
でも、演奏はバッチリだった。
その楽屋で会った彼というのは、その上ちゃんの弟さんの「上原晃」くんだったの。
スッカリたくましくになっちゃって言われなければゼンゼンわからなかった。
お互いに「あ~、アノ時の!?」なんて言っちゃって。
更に驚いたことには西村守くんのFury of Fearのサポートもやったことがあるっていうんだよ!
長いことやってるとこういうことが起こっておもしろいね。
  
…と私が楽屋でこうしている間に、ホールではドラム・キットを片づけるまでの寸暇を惜しんでグドモの「言葉にならない」をお客さんみんな演奏していたようだ。
  
最後に出演者3人で記念撮影…っていうのはウソ。
翔太朗くんの首にはお客さんにプレゼントしてしまったストールが巻かれているからね。
コレはリハ―サルの後に撮った1枚。
とてもいい記念になりました。
ああ、またやりたいナァ~!

400

 

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年8月3日 八王子Match Voxにて撮影)

2017年7月26日 (水)

あなたの知らない「汚レコード」の世界展


おはようございます。
今日の東京、涼しくていいけどスゴイ雨ですな。
先日の雹はマジで驚いたな~。
あんまりだったので一部始終を携帯で撮影したわ。
イヤ、驚くどころか「世界の終わり」を感じさせるぐらいコワかった。
まったく地球はどうなっちゃうんだろうか…。
  
突然ですが…レコード、あるいはレコード・ジャケットはお好きですか?
      
「レコード・ジャケットはレコードをしまっておく単なる『入れ物』だからして、どんなものでも構わない」、あるいは同じ理由で、「ジャケットなんか汚くても一向に気にしない」という方はもうココここで帰って頂いて構わない。
この先を読んでもちっとも面白くないから。
  
そうそう、ソニーがレコード盤の生産を始めるんだって?
1980年代の中頃、全人類を挙げてあれほど崇め奉ったCD様の音質より「音の温かみがある」ことが指示されているからだとか…。
実に結構。
そのレコード盤を真空管のアンプと38cmウーファーを搭載した堅牢なスピーカーで大音量で鳴らしてくだされ!
え?違う?
アナログ・レコードの音源をパソコンに取り込んで、パソコンのスピーカーやポータブル・オーディオとイヤホンで聴くんだって?
それじゃアタマが人間で身体がロボットみたいじゃん。
それで「♪あったかいんだから~」ってやるの?
儲けるためには何でもやっちゃうのね?…としか見えないな~、私には。
「レコードが持つ本来の音質を楽しんで頂くためには、重量のあるプレーヤー、真空管アンプとまでは言いませんが、高品質のアンプとスピーカーをご用意ください」ってことを同時に案内してレコードを販売するなら大賛成だけど。
そんなことするワケない。
それじゃ誰も寄りつかず、商売にならないもんね。
最後の方で私の貧弱なLPコレクションを開陳するけど、私はレコードで育った世代だ。
したがって、あの音質を十分経験したので、年を取った今では音質云々よりもCDの利便性の方に軍配を上げるわ。
土台音質なんて、大きな音で聴ける環境がなければ、装置にいくら凝ったところでさほど意味がないと思っている。
どんなにいい音が出るイヤホンだって絶対にパラゴンから出て来るサウンドには叶わないからね。
つまり、最終的にはオーディオもギター・アンプもアナログの方が断然いいと思っているんよ。
ナゼなら人間の耳はアナログだからだ。
    
さて、今日の記事は先月開催されていた『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』という展示会のレポートをお送りする。
「おレコード」というのは人類初の言葉か?
内容は下にあるように、故意に汚された、イヤ、私の立場から言うと「汚されてしまった」レコード・ジャケットの展示会だ。

10私はレコード・ジャケットはピッカピカでなければガマンできないタイプなのね。
だから新品で買ったゲイトフォールドのLPのジャケットなんか、180度開いたことなどただの一度もない。
背表紙に白い線が入ってしまうからだ。
おかげで内ジャケットを見たことがない2枚組のLPがウチにはゴロゴロしている。
かつては帯も同様だった。「帯至上主義」。
昔はアレ、「タスキ」とも言ったよね。
まだ学生だった頃、Pabro Cruiseのファンだった今の家内に新作をプレゼントしたところ、「うわ~!聴きたかったんだ!どうもありがとう!」と言いながら、目の前で右手の人差し指を帯に引っ掛けて、グイッと一気に引きちぎった時には卒倒しそうになった。
その様子を見て取った家内は「どうしたの?あ、帯?だって帯なんか付けていたらジャケットが全部見えないじゃん?」と生粋の横浜弁で「帯不要論」を説いてくれた。
当時、私も同じ理由で帯は外してはいたが、もちろん後生大事に保管していた。
それをウチのオヤジが引っ越しの時に捨てちまいやがって!…そこから帯に固執することは止めて真っ当な人間に戻ることができた。
だからそれまでは中古レコードを買う時も帯が完全な形で付いていないものは購買の対象から漏れて行った。
皆さんはどうです?
今ならCDに付いている帯、キープしてる?
そんな風にレコードを我が子のように大切にしているもんだから、ジャケットを単なる「入れ物」としか考えていない外人は困るのよ。
初めてニューヨークへ行った時に寄ったグリニッジ・ヴィレッジの中古レコード屋さんのアイテムの汚さには絶句した。
レコードを立ててディスプレイしていたんだけど、どのレコードも背表紙が擦れきれていて文字を読み取ることなど到底できず、棚一面白くなってた。
平気で値段をジャケットに直に書いちゃうしね。
そして、ロンドンでも。
下の写真はOASISファンならすぐにピンとくるであろう、ソーホーのバーウィック・ストリートというところ。
この通りに中古レコード屋が何軒かあるのをある時発見して以来、ロンドンに行くたびに軽く覗くのを常にしていたんだけど、どこもマァひどい。
いつか、ある店でイタリア人の女性がボロッボロ極まりない10ccの『Live and Let Live』を手にして店内を物色していた。
何しろ。まずジャケットにマジックでガツンと値段が書いてある。結構いい値段だったハズだ。
まさか、その値段でボロボロのレコードを買うはずがないだろう、と思ってどうするかとしばらく観察していたら何のためらいもなく、そのレコードをレジに差し出したのには仰天した。
もちろん私はそんな汚いモノに興味はないが、この通りにある他の店でArgentのCDを何枚か買ったことがあった。
チョット装丁が貧弱だったが、キレイで割安だったのだ。
ところが…後でわかったのだが、コレ、よくある廉価のCDボックス・セットをバラして売ってやがったんだよ。
ま、音楽の内容に変わりはないんだけどね。
とにかく、中古レコードは日本が一番!

15さて、展示会の会場はMarshall Blogに何度か登場している東陽町のDowntown Records。
いまだにCDを置いていないこのお店は、レアな「美レコード」を良心的な価格で販売してくれるレコード好きのパラダイスだ。
Marshall GALAのTシャツや、初期のMarshall Blogのバナー、以前のカタログ等のデザインを手がけた梅村デザイン研究所がサポートしているということでお邪魔してきた。
306月3日~18日の展示期間中にはピチカート・ファイブの小西康陽さんのトークショウも開催された。

20さぁ、行くよ~、汚い世界へ!
店内に入っていきなり目に飛び込んでくるのがコレ。
説明不要。
何だってこういうことするかネェ。
「A面良し」なんて書いてしまうのはどうしたことだろう。ほっとけばいいジャン。
自分の気に入った曲に出くわすと、ジャケットの曲目のところに印を付けちゃう人がいるでしょう?
あの気持ちもわからないが、コレはさらに強力だ。
しからばB面は金輪際一切聴かないということか?
ゼッタイそうなっちゃうよね。
しかし、コレ流行ったよね~。
一応書いておくと、Ben Johnson、じゃないや、George Bensonは「10年にひとり出るか出ないかの天才ジャズ・ギタリスト」だった。
実際、音は良くないけど、『Jazz at Sunday Afternoon』なんてライブ盤の演奏はスゴイわね。
Wesのスタイルを踏襲しているワケだけど、彼はWesの伝家の宝刀「オクターブ奏法」を進化させ、オクターブの2音に4度か5度の音を加えて3音でブッ早いフレーズを弾くまくった。
アノね、速弾きばかりが「超絶」では決してないのよ。
イヤ、Tal Farlowだとか、Wesとか、この人とか、ま、ジャズ・ギター界では枚挙にいとまがないけど、ロックの速弾きより「超絶」なことを演っている人はゴマンといる。
1小節に4回しか音を出さない「超絶」とかね。
反面、私は完全に飽和状態、あるいは金太郎アメ状態に陥っているロック界の「速弾き」が今後どういう展開を見せるか、イヤミではなく、ものすごく楽しみにしているんだ。

50「汚レコード」にもいくつかのパターンがあるようで、私なりのカテゴライズに従って展示アイテムを紹介させて頂くことにしよう。
  
まずは「ぬり絵」編。
お!「ZUMA」のカラー・バージョンなんてあるのか…と、Neil Youngにツユほどの興味のない私はそんなノンキなことを考えてしまうが、さにあらず。
自分で塗っちゃった!
George Harrisonの『All Things Must Pass』なんかもリマスター盤はジャケットがカラーになったじゃない?
アレだと思えば結構いい出来なんじゃない?
だって、コレ、ぬり絵好きが元のデザインを見たら塗らずにはいられないでしょ!

60売値は200円だって。
「ジャケット・ダメージ」で返品不可。
苦心の作も「ダメージ」扱いか。

70お、すると、The Whoの『The Who By Numbers』のジャケットのアノ線をつなげちゃった場合はどうなるんだろうか?
ダメージだろうな~。
実際、昔は時々そういう中古盤を見かけたナァ。

Wbn 次は映画音楽、ボストン・ポップス・オーケストラのJohn Williamsのコンピレーション。
コレが施術前。

90r

あ~、あ~、あ~、あ~、あ~!
汚ね~な~。

80こっちはコレでよろしいんじゃないスか?

100元はコレ。

110r続いては「落書き」編。
George Lewisはディキシーランド・ジャズの名クラリネット奏者。
「ジャズの歴史的名盤紹介」となるとこの人の『Jazz at Ohio Union』というアルバムが必ず出て来るけど、シデキだけは全く聴かない私は未経験。
何やらジャンジャン落書きしてある。

140この人は知らない。
ゲ、B面が「屋根の上の仔猫」だって。PANTAさんご存知かな?
「評判が良い!Good!」…かつての持ち主はよっぽど熱心なファンだったのかな。
昭和53年に引退ということは1978年…大分古い人だね。

150

「Loveにてタマキと踊った曲!」か…。
相当楽しかったんだろうな~。
「踊る」なんてのがいいよね。この頃はディスコじゃないからね。
ビッグ・バンドの演奏に合わせて2人で身体を揺らしたんだろう。優雅な時代だ。
1965年、西田佐知子はこの「赤坂の世は更けて」で紅白に出たようだ。

160続いて「記録」編。
プレスリーの逝去が記録してある…昭和52年か。
1977年だから今年で、エ!40年?! そんな経ったの?
ウチのオヤジが「プレスリーがドーナツ食いすぎて死んだ!」って大騒ぎしてたな。
そのオヤジも2年前に死んじゃったけど…。
  
「Elvis has left the building」ってあるじゃない?
Frank Zappaの曲名にもなっているでしょ?
コンサートが終わってもアンコールをせがむ観客に向かって司会者が「もうエルヴィスはココにはいませんよ~!」と言ってショウを打ち切っていた有名なセリフ。
コレをですね、The KinksのRay Daviesが演奏をする前にこうやった。
「The Kinks just enter the building」
さすがRay!
こういうのは本当におもしろい。
The Kinks大スキ!

170コレなんか山田邦子とは何の関係もない「千代の富士優勝」のデータが書き込まれている。
今なら「こんなこと書かなくたってインターネットですぐに調べられるじゃん!」と思いがちだけど、当時はこうして何かに記録しておかないと、何事も調べるのにエラク苦労したんですよ。
反対に知らないままに済ませておくことが普通のノンビリした時代でもあった。
ま、こうしておけば「歌は世につれ、世は歌につれ」が絶対的なモノになる…とでも考えていたのかしらん?
しかし、こんなレコード買う人が実際にいるんだね~。
もっともそういう人で経済は成り立っているんだろうけど。

180「贈り物」編。
「〇〇さんから頂きました」とか「XXさんへ」系のプレゼントでレコードが使われるケース。
私はやらないけど、コレはわかる気がする。
私の経験に照らし合わせると、見たこともないようなCDが棚から転がり出て来てビックリすることが時々ある。
そんなアイテムがあったことを知らないワケだから、当然自分でお金を出して買ったモノではないハズ。
するとそれは誰かからの贈り物だったりするワケ。
私の場合、「シゲは音楽が好きだから」と海外の方が現地のCDをお土産で持ってきてくれることがちょくちょくあって、その贈り手が付き合いの短かい人だったりすると、もう誰からのギフトだったのかなんて皆目見当がつかない。
そういう意味ではこうしてモノに書き込んでおくのは有益かもしれない。
私はこれからも絶対やらないけどね。

190写真では見にくいんだけど、左下のメモにはこうある。
「〇〇へ ご入学おめでとう。リオにもこんなにステキなゴーゴーボーイがいます 1967年 XXより」
このRoberto Calrosという人はメモにあるようにブラジルのミュージシャンだ。
ただ「ゴーゴーボーイ」ではななくてシンガーソングライターのようだ。
でも、わたしの目に留まったのは「ゴーゴーボーイ」よりも、「素敵」を「ステキ」とカタカナ表記しているところ。
私もMarshall Blogではよく「素敵」を「ステキ」と書き表すが、50年も前に同じことをしていた人がいたなんてステキじゃない?

200コレも昭和49年の入学祝い。
モノは『ディズニーランドの小鳩くるみ』というディズニー映画の主題歌集。
「小鳩くるみ」というと、我々の世代では何といっても『アタックNo.1』の「鮎原こずえ」の声でしょう。
ところが、ナーニ、この人!
本当の姿はイギリス文学者並びに児童文学研究者で、目白大学外国語学部及び目白大学大学院言語文化学科の教授なんだって?
で、永井荷風や野村万作の血縁なんだと。
道理で苦しくたって平気なワケだ。

210「名前」編。
コレもまったく理解できない。
「千社札」の感覚なのかな?
何にでも名前を書いちゃう人っているんだよね。
確かに小学校の時は先生に「自分の持ち物には名前を書きなさい」と指導された。
でも、レコードに名前を入れる必要がどうしてもわからない。
誰かに持って行かれてしまうと考えるのだろうか?

230え?「前川清」?
同性同名だろうね~。
昔の仕事の取引先に「松本清」と「西田敏行」という人がいたっけナァ。

240「文字落書き」編。
もう何だか意味もなく文字で落書きしちゃう。

250何で?どうして書いちゃうの?

260「私」は百恵ちゃんということか?
関西のオバちゃんの「松坂慶子」みたいなもんやね?
「ナンでわかったん?」
実は私コレ持ってます。

270このレコードの持ち主はよっぽど拓郎さんが好きだったんだろうね~。
400落書きに迫力と愛情を感じるわ。
「浅田」ってのがスゴイね。
この相合傘は、浅田美代子じゃなくて陽水さんと一緒になれということか?
しかし、「上」という字ぐらい間違えないで書きなさいよ。

410インドネシアの歌手だそう。
外人も同じね。
ナニが書いてあるのかはわからないけど、平気でメモしちゃう。

280続いては「メッセージ」編。
レコードジャケットを用いて伝言しちゃうという。
このコーナーこそ「汚レコード」の醍醐味かも。
まずは、管原昭子という秋田出身の歌手のシングル盤。
放送局へ持ち込まれたらしいモノで、「A面キズ」と書かれているのを線で消して、新たにこう書かれている。
「キズじゃないのでかけてくださいね」
ハハハ、便利だな~、レコード・ジャケットって。
この管原さんという人、「スター誕生」で同じ秋田出身の桜田淳子と同時に合格したのだそうです。
「若い新宿」か…昭和49年、新宿は当時ナウい街だったんだな。

220

コレはカッコいい!
インナースリーヴに「愛してるよ」って書いてあるの。
しかもジャケは八代亜紀。
となると、雰囲気あるな~。
私も冒頭のPabro Cruiseのレコードに同じことを書いて、当時の彼女=ウチのカミさん=Marshall Blog記録部長に渡せばヨカッタ。
できない、できない!

310

「アタシ……マサミです。今夜も指名してくれる?」…ってコレ男じゃねーか!
「今夜も」ということは、このレコードを渡された人はマサミさんにかなりゾッコンなんだな。
でもコレ、一体どういうタイミングで渡したんだろう?
「同伴」だったらこんなことはするワケないし、開店前に一緒にいる時間があったということか?

325

古いレコードだナァ。
味の素の販促品だね。
もうこのあたりになると、少しぐらいの書き込みは何でもない。
でもコレは裏面のメモがスゴイ。

290「清水さんの家にいます  母より」
ナンでレコードに書くのッ?!
確かにおたくのママは世界一だわ。
このメモを見てお母さんを迎えに清水さんの家へ行ったのかしら?
  
『うちのママは世界一』は昭和34年から日本でも放映されたアメリカのホーム・ドラマ。
私は知らないけど、主演がドナ・リードだったんだね。
フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』で主役のジミー・スチュアートの相手役を演じた。
とても美しい人でね~。
ドナ・リードとかグレース・ケリーみたいな人を「美人」っていうんだよ。
『素晴らしき哉、人生!』も何度観ても泣ける映画だ。
ところが、後にこの映画はアメリカという国の素晴らしさを広めるためのプロパガンダ映画だと知った時はショックだった。
公開は1949年。
「アメリカってこんなにいい国なんですよ~!」、「アメリカ人はみんないい人ですよ~」と、誰もが落涙するであろう美しいヒューマン・ドラマの裏で有色人種に対してすさまじいまでの差別をしていたのだ。
そのクセ、この映画や『12人の怒れる男』だの『アラバマ物語』だの、さらには『ルーツ』なんてのを作っちゃうんだからやっぱりアメリカってのは恐ろしい。
味の素か…。

300マァ、どうしてもコレがチャンピオンだろうな。
「ごはんお たいておく事 さちこさんへ 母より」
同居か…。
お母さんはレコードのことをナンだとお思いだったのでしょう?
しかも、真ん中にキチっと書いてあるところがおもしろい。
パッと見ると俳句みたいじゃん?
「あ、いい句ができたわ。どこかに書いとかなきゃ…紙がないわ。エエイ、レコードに書いちゃえ!」みたいな?
レコードが入っていなかったので何のシングルだったのかは不明だそうだ。

320「絵柄落書き」編。
ジャケットの写真や絵に描きこんじゃう落書きの基本的手法ね。
音楽の教科書には必ず必要なヤツ。
子供の頃、いしだあゆみの頬骨は確かに気になったことがあったのでこれを施した人の気持ちがわからないでもない。

330ナゼ「③」なのじゃ?
よく見るとインナースリーブに名前のスタンプが押してある。

340メガネは基本中の基本だね。

350キチッと落書きしてる。
伊東ゆかりにはメガネとお歯黒。
この「KYOWA SANGYO KK」という会社をインターネットで調べてみたが、案の定、日本には「きょうわさんぎょう」なる会社が星の数ほどあってとても特定はできなかった。
落書きからすると海運業かなんかだろうか?
自分の大切なレコードに勤め先の情報を落書きするなんて見上げた愛社精神だ。

360どうしたんだろう?
さっきの「いしだあゆみみ」みたいにどうしても唇が気になっちゃったのかしらん?
この曲、「音頭」と銘打っているけど、なかなかイキな変形ブルース。
1963年の青山ミチの大ヒット曲。
「♪イカさぬ人にはヒジ鉄砲、イカす人には無鉄砲」なんて気の利いたことをお歌いになられている。
この曲、エンケンさんがカバーしているのには驚いた。
青山ミチは我々世代には安西マリアの「♪ギ~ラ~ギ~ラ」でおなじみの「涙の太陽」のオリジナルの人。

370え~、岩下志麻ってドドンパやってたの?
知らなかった。
私が高校生の時ね、連合赤軍事件の初公判が東京地裁であったの。
私の世代はもう学生運動なんてのは、もう無いに等しかったんだけど、当時頭脳警察を知って、学生運動に興味を持った。
当時入手不可能だったファースト・アルバムを先輩にテープに録音してもらって聴いたところ、「世界革命戦争宣言」に大きなショックを受けたんだね。
「我々はァァ!」ってヤツ。
あ、勘違いしないでよ!
「運動」に興味があったので決してなくて、自分と大差ない年齢の若者が、チョット世代が違うだけでどうしてあんな活動にのめり込んでいたのかをすごく不思議に感じたのよ。
「あさま山荘事件」が起こった時はまだ小学2年生でナニが起こっているのか知る由もなかったけど、成長して色んな本を読んでいるウチに連合赤軍の悲惨な事件を知った。
ショックだったね~。
妙義山だの、迦葉山だの、榛名山だのという名前を耳にすると、いまだに角間隆の『赤い雪』や高木彬光の『神曲地獄篇』のような、当時読んだ本のことを思い出す。
それで、その事件の初公判があるというので、傍聴券をもらうために朝一番でロック好きの友達と東京地裁に赴いた。
クジ引きの順番の列に並んでいると、「若いのにどうしてこの事件に興味を持ったの?」なんて新聞記者のインタビューを受けたりもした。まだ17歳ぐらいだったからね。
「あの、頭脳警察というロック・バンドの影響なんです」なんて答えたりしたっけ。
ところが、残念ながらクジにハズれ、傍聴券はゲットできなかった。
それでムザムザと家に帰るのもナンだし、社会勉強のために何か傍聴券を必要としない裁判を見ていこうということになった。
どうせなら「殺人事件」がいいだろうと、適当な裁判を選んで公判室に入り、イスに座って目の前のやりとりを見ていた。
もう何年も続いている裁判らしくて、もう全然ユルユルでサ、映画なんかの裁判劇とまったく違ってツマらないワケ。
こりゃサッサと帰った方がよさそうだ…と思っていると、大きなサングラスをかけた華やかな女性が静かに私の隣に腰をかけた。
いい匂い~…。
コリャ普通の女性じゃないな…と思い、チラチラと横目でその女性の顔を確かめると、ナント岩下志麻だった!
それはそれはキレイだったよ~。
数年後に岩下志麻は松本清張原作の『疑惑』で桃井かおりの弁護士役を演じたが、今にして思うと、それの役作りの勉強にきていたのではないかと思うのだ。
岩下志麻って声がまたいいんだよね~。
  
このシングル盤も岩下志麻の美しさに敬意を表してか落書きは極めて控えめだ。
  
下の青い部分。
「最高の実力を誇るモダン・フルバンドの演奏に最新決定のドドンパの踊りかた」とある。
そのバンドとは宮間利之とニューハードのこと。
曲目をみると「エリーゼのために」とか「オーソレミヨ」とか…エ~、ドドンパで踊るの?
それに誰がどうやって「最終決定」したの?
ドドンパの人気が最高潮だった頃のお話。

380それに引き換え、コレはヒドイ!
川中さん、お気の毒。
ナニが気に食わなかったんだろう?
しかも右側に書いてあるのは他の人の曲の歌詞だって!

385最後は「オリジナル」編。
勝手にジャケットを作っちゃおう!のコーナー。
コレ、レコードは「ツィゴイネルワイゼン」なのに「若大将」になっちゃってる。

420ジャケットを失くしちゃったんだろうね~。
タテ書きというのが渋い。

430コレもインナー・スリーブにタイトルを書きこんだ自作。
ご丁寧にイラストまで入っている。

440「♪フステー」の「悲しきあしおと」。
長野にいた時、ハコバンでこの曲をよく演ったな~。
コレなんかはかなりよくできてる。
ヘタすると昔実在していた感じすらあるもんね。

450これはジャケットではなくて、振り付けを記したオリジナルの解説書が付いている。
「おれは鉄平」のメモみたいじゃん!

455最後はコレ。
あ~、ジャケットをチョン切っちゃってる!

460ジャズ・ドラマーのジミー竹内のアルバム。
歌謡曲を演奏している。
アレンジに富樫雅彦が参加しているということで写真を撮っておいた。

470以上、『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』でした。
私には想像できない世界ですな。
おもしろかった。
  
オマケで、ウチの「汚レコード」を探してみた。
コレがウチのLP棚。
昔はもっといっぱいあったんだけど、時折マーブロに書いているように、転勤の引っ越しが大変だったので20年以上前に3,000枚以上売ってCDに買い換えた。
マァ、大したコレクションじゃないけど、どれも思い出が詰まったアイテムだ。
向こう側の棚がジャズ。手前側がロック。
手前の一番下の段の大半はFrank Zappa。480落書きがしてあるレコードなんて絶対に買わなかったので、「風呂沸かしといて!」なんて書いてあるレコードはない。
でも、汚いのは少しある。
まずコレ。
向井滋春の『Favorite Time』。
片面に香津美さんが参加していて、すさまじいギター・プレイを聴くことができる好盤。
向井さんと香津美さんがデュオで「Old Folks」を演っていて、コレが素晴らしい。
コピーして大学のビッグバンドのリサイタルでテナー・サックスのヤツと演奏したことがあった。
写真ではあまり写らないけど、ボロボロのヘナヘナなの。

490r裏ジャケもこんなに汚れている。

500rコレもヒドイ。
Pat Martinoの『Starbright』。
もうほとんどジャケットの裏表が離れ離れになっているもんだからセロテープでくっつけてある。
そのセロテープが溶けてくっついちゃってビニール袋から出すこともできない。
え、ナンでこんな汚いのを買ったのかって?
コレを買ったのは大学の時なんだけど、当時、Pat Martinoの音源ってなかなか手に入らなかったのよ。
お店で売ってるアイテムといえば、それこそライブ・アルバムぐらいで、初期のPrestige盤なんてまず見たことがなかった。
このWarner期も同様だった。
だから我慢して買ったけど、盤面もヒドくて結局ほとんど聴いていない。

510rそれと、Laurindo Almaidaの「Concerto de Aranjuez」。
コレも角が折れ曲がっているし、ボロボロのグチャグチャ!
でもですね、ボロボロにもかかわらずこの3枚を買ったのにはチョットした事情がありましてね。
かつて神保町に「コンボ」というジャズ喫茶があって、大学時代ジャズ仲間とよくそこへ時間を潰しに行った。
当時、御茶ノ水や神保町の界隈にはジャズ喫茶がたくさんあったからね。
コンボは、ひとたび足を踏み入れようものならパンツまでタバコ臭くなるような古式ゆかしい汚いジャズ喫茶の典型で、お店の奥に飾ってあったArchie Sheppのモノクロ写真のパネルがカッコよかったのが印象に残っている。
コーヒーは美味しかったナ。
ある日店に行くと、いつもと様子が違ってイスが取り払われ、店の真ん中にはレコードが詰まった段ボール箱が並んでいた。
顔見知りだったマスターに事情を訊くと、「イヤね、もうやっていかれないんで店を閉めることにしたんだよ。だからもうレコードも要らないんだ。好きなの持って行きな。一枚50円でいいよ」ということだった。
早速ハイエナのように段ボールを漁ると、そこはそれ何十年もお店で使われ続けたレコードだけあって、お世辞にもキレイなモノとはいえなかった。
でも、記念の意味もあって上で紹介した3枚を買ったのだ。しめて150円。
まだ消費税がなかった時代だからね。
本当はもう1枚、Charles Mingusの『At Carnegie』を買ったのだが、「あ、ゴメンね~、それはオリジナル盤だから高いんだよ~」と言われたのだが、値段を尋ねると700円だというので即買った。
さらに話を聞くと、熱心なお客さんは、お店のドアを売ってくれと言って来たそうだ。そんなもん持って行ってどーすんのよ!
その近くに新しくライブハウスが出来たので最近行ってみたが、コンボがあった形跡は微塵もなかった。

520r会場となったdowntown recordsさん、相変わらずのこだわりのアイテムと極めて高い商品のクォリティ、良心的な値付けに親切なマスターと、いいことずくめ。
他のレコード屋さんでは見かけることのないアイテムが目白押しでいくら見ていても飽きない。
レコード好きで未体験の方はゼヒ一度訪れてみてはいかがだろうか。
先述の通り、CDは扱ってないからね。
  
downtown recordsの詳しい情報はコチラ⇒Official websie

40

※すみません!
予てからパソコンの使い過ぎが原因で患っていた右ヒジの腱鞘炎が思わぬ方向に悪化してしまいました。
痛みはほとんどなくなったのですが、その痛みを防ぐ治療具の過度な使用で右腕が赤ちゃんの手のようにパンパンに膨れ上がってしまったのです。
「ナンダこれ!誰の腕だ?あ、オレの腕だ~!」みたいな。
マジで驚きましたわ~。
右腕だけ赤ちゃんのオッサン…コワい!コレがホントの「The right hand man」?
かといって、その治療具を使わずして作業をするともうタイヘン!
手を使わなきゃすぐ治ることはわかってるんですわ。
少し右手を休ませてやろうかと思います。
よって、様子を観る間、不定期更新とさせて頂きますことご了承くださいませ。
ライブの取材は継続します。
  
(一部敬称略 2017年6月17日 東陽町downtown recordsにて撮影)

2017年7月19日 (水)

ARESZ 7弦Guitars☆那都己セミナー

おお!ナンダ、ナンダ!
暴走族の出勤かッ?!

10v…と思ったらARESZ!
今日は前回の翔己くんの6弦ベース・セミナーに引き続いて7弦ギターの那都己くんのセミナーが開催されるのだ。
昨日のペギちゃんのNATALに続いてMarshall Blogでイベント・ネタが2日続くのは初めてのことかも?

20_2ステージの上にはズラリとMarshall!
左からASTORIA CUSTOM(アズキ)、ASTORIA CLASSIC(抹茶)、JVM210Hと1960BV、JCM2000 DSL100と1960A。
その上のラックの中にはJMP-1も収まっている。

30_2今日の講師、ARESZ 那都己!

40_2まずは機材の説明から…ということでMarshall。
「日本国中どこのスタジオへ行っても、ライブハウスに行ってもMarshallがあるので、Marshallで自分の音を作っておくことはロック・ギタリストの重要な課題です」
那都己くんはJCM800 2203からMarshall道に入ったそうだ。

50_2アンプとエフェクターの重要性を説きながらJVMを解説。
2007年、つまりJVMが発売になった頃、もうこのJVMのデモ・ショウを日本全国でどれだけやったことか…。
JVMがJCM2000シリーズに続いてこの世に現れてからもう10年経つのね?
早いナァ~。
Marshallの工場で開催された発表会のことを思い出す。
当時デビューして間もないThe AnswerやDoug Aldrichがデモンストレーションをしたんだっけな。
お、待てよ…私がタバコを止めたのはこの時だから、吸わなくなって10年経ったのか…。
遅いナァ~。

70_2

そして、那都己くんがこの日初めて試したASTORIA。
「とても感動しました。指やピッキングの使い方で色んな音を出してくれます」…と、実際の音を聴かせながら、一台一台とても丁寧に解説してくれた。
ARESZはベースが2本という特殊なインストゥルメンタリゼーションであるため、どういうギターの音を出すのが最もふさわしいか今でも試行錯誤を繰り返しているそうだ。

60_2続いてギターの部。
140_2

那都己くんは変形ギターがお好き。
フライングVが那都己くんにとってはスタンダードな形なのだそうだ。
ARESZに加入した時もJCM900をゲットしてVで鳴らしていたとのこと。

100v_2ARESZと言えば人類の能力を超えた激しいステージ・アクション。
話はそのアクションにも及んだ。
125最初の頃は、楽器を弾くことだけで精いっぱいで、アトラクションとして誰かに見せるような弾き方などとてもできなかったという。

170vつまり、お客さんのことを見る余裕などまったくないし、自分の所作を全然カッコよくないと思っていたそうだ。
そこで、ギターを提げて、家で鏡を見ながら徹底的にポーズを考え、身体にスリ込んだ。

130v

そんな苦労の甲斐があって今ではこんなこともできるようになった!

290v

「ARESZに入ってからは、シッカリ演奏して、シッカリ動いて、それがとにかく自然にやっているように見えるよう努力をしました」
また、ひとりだけ目立たないようにも注意しているのだそうだ。
フロントのメンバー4人(写真では手が「3」になっておりますが…)がカッコよく見えないとダメだという。
なるほどね。
確かにそうだ。
あの一糸乱れぬ頭グルグルをひとりでやっていたり、回す方向がバラバラだったりしたらアクションの意味が半減しちゃうもんね。
しかし、一体だれがあんなこと考え出したのよ?
我々の世代のロックにはなかったよ。

110v

そうするためには「自分たちの感情をお客さんにシッカリと伝える気持ち」がないとダメ。
ギターの技術だけでは伝わらない。
その「伝える気持ち」をステージからお客さんに飛ばすつもりで演奏しているのだそうだ。
なるほどね~。
伝わってるわ~。
90_2ARESZはボーカルズの瑠海狐さんとベースの雅己さんがオリジナル・メンバーで、結成2年後にもうひとりのベースの翔己くんが加入。
結成10年後に那都己くんが入った。それまではARESZのローディをしていたのだそうだ。
始めのうちはメイクをすることに大きな抵抗があったそう。
しかし、ARESZがARESZであるためにどうあるべきかを考えた時、「継続」が大切であると思ったという。

120_2

ARESZは結成23年を迎えるそうなのだが、失敬ながら私は昨年末までこのバンドのことを知らなかった。
私は年間100~150回以上コンサート・ホールやライブハウスに行くことをカレコレ約10年の間続けているのだが、よく今まで一緒にならなかったのかすごく不思議。
それとも忘れていたのかな…イヤイヤ、こんな人たちは一回見れば忘れるワケがない!
それがチョットしたハズミ…というのはFEEL SO BADなんだけど…でこうして知り合うのだから面白い。
  
で、ですね、初めて会った時からメンバーの皆さんとは何となく波長があって、すぐに仲良くなってしまったのね。
那都己くんがセミナーの中で「メンバーを信じることや礼儀を重んじているのがARESZなのだ」みたいなことを言っていたけど、まさにソレ。
挨拶は決まってキチンとするし、つつましやかな態度は本当に好ましいモノで、誰もが避けたがる力仕事もみんな進んで取り組んでいる姿は見ていて実に気持ちがよい。
今はもうロック・バンドに「いい子」も「悪い子」もないでしょう。
「ロック=反抗心」みたいな精神は完全に消え失せた。
いいですかアータ、今では高校、あるいは中学で学校を上げて軽音楽部のバンド活動をプッシュする時代ですよ。
しかも部員のほとんどが女子だという。
もちろん彼女たちはかつて「エレキギターが不良であったこと」を知らないだろう。
この状況が良いとか悪いとか、ロックだとかロックじゃないとか、などということは関係ない。
「それが今のロック」という事実が目の前にあるだけだ。そして、それがマジョリティであるということを忘れるべきではない。
だから、昔のロックンローラー気質でトッポくしみても世間から疎まれるのが関の山よ。
そんな態度を取るよりも、礼儀礼節を重んじ、謙虚さを忘れないで周囲の人に可愛がってもらわなきゃ損だ。
そして、自分たちだけの音楽を作る。
正直、23年もやっていればARESZも最早「若いバンド」では決してあるまいが、ARESZが見せるそうした普段の行動からは、本当に音楽が好きでやっている初々しさのようなものが伝わってきてすごくうれしいのだ。

160この那都己くんのセミナーもそんなARESZの真摯な姿勢が垣間見れる好感度の高いモノであった。
やっぱりギター・アンプは真空管、すなわちMarshallだね~。
  

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

180_2(一部敬称略 2017年6月12日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2017年7月18日 (火)

ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子

  

ココは八王子。
東京工科大学に併設されている日本工学院八王子専門学校。
今日はグッドモーニングアメリカのペギちゃんのNATALのクリックがココで開催される。
「キャンパスが広くてわかりにくいので正門で待ち合わせましょう!」ということでペギちゃんが来るのを待つ。
ゴルフ場の入り口みたいだ。

2_2img_3944

構内に入ってビックリ仰天!
スゴイ。

10何たるゴージャスなキャンパス!
私は東京のど真ん中の学校に通っていたので、キャンパスはまったくなかった。
それだけにこういう光景に憧れてしまうね。

20「FOODS FUU」というフード・コート!
他にも大変立派な食堂があって。昼食をごちそうになったのだが、学食らしく安くてボリュームもタップリ。
「学食」とはいってもメニューが我々の世代のモノとはまったく異なる豪華版だった。
しかし、今にして思うと、あの学食のメニューってのはどうしてあんなにもマズかったかね~。
いくら値段を抑えて大量生産せざるを得ないといってもあまりにヒドかった。
ナニもあそこまでズイマにする必要はなかろうに。

30構内は緑も豊富!
「躍進」と題された駿馬のオブジェが目を引く。

40八王子の山を切り開いて造ったとだけあって、市街地から距離はあるが、たくさんのバスで常時送迎しているので安心。

50コレは地球防衛軍本部。
今日の会場はこの中だ。

60「研究棟」と呼ばれている施設に入るとこの通り。
スゴクね?

70「朝の調べ」という彫像が出迎えてくれる。
やっぱり「朝の調べ」となるとグリーグの「ペール・ギュント」か?エルガーの「朝の歌」か?

80会場はココ。

90コレがまたスゴイ。
「Music Pavilion of Real Dreams」という名前のスタジオ群。
イギリスで「パヴィリオン」といったら、ブライトンにある「快楽の王子・ジョージ四世」の別宅を指しますからね。
このあたりに興味のある人はコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.23~BrightonでRock!

100v設備&防音完備のきれいなスタジオがズラリ!
このスタジオをお借りしてNATALのクリニックを開こうというワケ。

120別のスタジオでは…お~、竜(りょう)さん!
高橋竜さんはコチラの学校で教鞭をお取りになられているのだ。
今日は来年の入校希望者のためのオープン・キャンパスで、アチコチで公開授業が開かれているのだ。

130NATALのクリニックの会場はココ。
中央にペギちゃんの24"バスドラムのメイプルのキット。
両側にアッシュとバーチのキットを設置した。

140はじまり、はじまり~!
冒頭はペギちゃんと私のオープニング・トーク。
ペギちゃんはトークがすごくウマいのよ~。
しゃべるポイントだけを記した簡単な台本は用意していたが、彼がグイグイしゃべって方向性を示してくれるので、ほとんど台本いらず!

150まずは景気づけにバッキングトラックに合わせたペギちゃんの模範演奏。

160v24"のバスドラが大迫力!
バスドラの音に定評があるNATALのキット。
コレは素晴らしい!

170いつもグッドモーニングアメリカの演奏で見聞きしてはいるものの、こうして単独でペギちゃんのドラミングを聴いていると、その良さが明確に伝わってくる。
もちろんキットのホレボレするような良質なサウンドはバンドの中でも際立っていることは言うまでもない。

180またこのスネアがアホほど強力だ。
色が似ているのでキットとおそろいのスネアかと思われるかもしれないがさにあらず。
コレはペギちゃん大愛用の14"x5.5"のアルミ・スネア。
芯がシッカリしていて、花があって、そして破壊力抜群のNATALスネア・ドラムの傑作だ。

185時と場所を選ばない相変わらずの大熱演で未来の生徒さん(=未来のNATALドラマーさん)たちの目はテンだ!

190vペギちゃんの好リードでトークのコーナーも順調に進む。
私からNATALの説明をさせてもらったり、ペギちゃんがメイプル、バーチ、アッシュの音色の違いを実演で説明した後…

200v楽器の種類を問わずクリニックでは必ず出て来る「練習方法」についてコチラも実演を交えて詳しく説明。
実はペギちゃんは今時珍しく、学校でドラムを教わっていない。
よってラタマキューだのオダキューだのフラマキューだののには詳しくないかわりに、彼独自の練習法が紹介され、受講生の大きな関心を引き寄せた。
しかし、いつも思うんだけど、あのアメリカン・ルーディメンツっていうのはスゲェ不思議だよな~。
主にマーチングの人たち向けのモノなんだろうけど、本当にアレをマスターしなきゃイカンのかね~?
アレがどういう風に役立っているのかがものすごく「謎」なのだ。
私がドラマーだったらまずあんな地道な練習できんぜよ。
でも名前は十分おもしろい。
「フラム・パラディドル・ディドル」なんて「PPAP」みたいじゃん?
「♪I have a フラム・パラディドル、I have a パラディドル・ディドル、ンッ、フラム・パラディドル・ディドル」って感じ?
ちなみに「diddle」というのは「早く上下に動かす」という意味。
さらに頭文字を「r」に変えて「riddle」にすると、それは「なぞなぞ」という意味。
やっぱりルーディメンツは私にとって「謎」だ!

205そして、ペギちゃんの呼びかけで受講者に皆さんにNATAL体験をしてもらった。

210まったくの未経験で入学される生徒さんもいなくはないが、やはり経験者が多いということで、もう皆さんドシャメシャと思う存分試して頂いた。

220皆さんの試奏中にもペギちゃんの親切な解説が続く。

225女の子チームも積極的にトライ!

230最近は本当にスゴイ女性ドラマーが多いからね~。
ドンドンやっちゃってくださいよ、NATALで!
250v彼はペギちゃんのリクエストでご登場頂いた。
ペギちゃんが頑強そうな彼の体躯にひとめ惚れし、そのドラミング・サウンドが「どうしても聴きたい!」と無理やりお願いしてドラムを叩いて頂いたのだ。
そうなんだよね、楽器はカラダなんだよね。
演奏する方も音を奏でる方も「体は音を表す」なんだ。
Marshallがデカいのも伊達や酔狂ではない。
見てごらん、デジタル・テクノロジーが普及して以降、「小型、小型」とみんな利便性を追求しすぎて、世間の楽器の音がドンドン軽薄になってる。
「大きいことはいいことだ!」が「真」であることが認められる時代に早く戻って来てもらいたいものだ…「大きいこといいことだ」かな?

240vそして、よせばいいのに、私も調子に乗ってコーナーを頂戴して少ししゃべらせて頂いた。
「どうせMarshallのことだろうがよ!」って?
ちゃうちゃう!
ナニについてしゃべったのかというと、「みんな、もっと色んな音楽を聴こうよ!」ということ。
ココに詳しく書いちゃうとヨソでこの講義ができなくなっちゃうので割愛するが、ミュージシャンにも一般リスナーにも最近は聴かれている音楽があまりにも一点集中しすぎているので、世の中にはもっとたくさんのいい音楽があって、それを楽しまずして死んでいくのはあまりにもモッタイナイ!…ということをクラシックから民族音楽まで実際の音源をはさみ込みながらしゃべらせて頂いた。
こういうのは実にやりがいのある仕事なのだ。こういうお仕事お待ちしております。

260他にもグドモの曲におけるドラミングの解説などを経て…

270v再びペギちゃんの模範演奏で締めくくった。

280私は撮影班に早変わり。
こう見えても案外忙しい。

290ペギちゃんはいつも心からドラムをプレイすることを楽しんでいるように見えるね~!

300最後に記念撮影。
先に記した通り、今回は来年度の入校希望者のみしか受講できない貴重なクリニックだったのだ。

310ハイ、お疲れさまでした~!
  
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

320日本工学院の詳しい情報はコチラ⇒日本工学院公式ウェブサイト2_img_0033

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

 
(一部敬称略 2017年6月11日 日本工学院八王子専門学校にて撮影)

2017年7月 6日 (木)

6弦BEAST☆翔己セミナー

  
6弦の達人、翔己のベース・セミナーのレポート。
イギリス本国に倣い、私も昔は「Marshall Roadshow」と称したMarshallのクリニックをずいぶんやらせて頂いた。
さて、今、私は「セミナー」と「クリニック」という言葉を使った。
恐らく皆さんは、こと音楽関係のイベントを指す場合、これらのふたつの言葉を同じ意味で使っているのではないだろうか?
私も同じだと思っているが、どちらかといえば「クリニック」という言葉を使っている。
双方チャンとした英単語ゆえ「ダブル・ヘッドライナーとツーマン」のようなケースとは異なり、特に言葉の使い分けにこだわりはないのだが、この手のイベントにおいては自分の場合、客席より舞台の上にいる機会の方が圧倒的に多かったので、出演者として「セミナー」なんて言うとチョット偉すぎな感じがしちゃっててね。結果、自然と「クリニック」と呼んでいた。
イギリスの連中はそういうデモンストレーション・タイプの企画のことを「Clinic」と呼んでるかな。少なくとも「Seminar」って言っているのを聞いた記憶がない。
ところで、この二つの言葉、もちろん意味が違う。
意味が違うから言葉が分かれてる。
「セミナー」というのは、その時々の大きなテーマを決めておいて、参加するメンバーでその当該のテーマに基づいたことを研究したり、意見を交換したりするイメージだが、講義の形を取ることも多い。
要するに「ゼミナール」だよね。
私は大学の時、出席が足りず「ゼミ」は単位を落としているので、実際にどうなっているのかを知らない。
一方、「クリニック」は、出席者個人個人が抱えている悩みや問題点を見つけ出し、それぞれのレベルをアップさせることを目的とする会合のイメージ。
だから、Marshall Roadshowは本当は「セミナー」だったんだな。
実はこういうヤツにはもうひとつ「ワークショップ」というのがある。
コレは講師がテーマについて一方的に講義する形式とは異なり、参加者した人が自分から入りこめるような機会を作って参加者した人たちの意見を聞き取りながら進めていく方法。
だから「セミナー」と「クリニック」を合体させたようなものか?
そういえば、アメリカに長く住む日本人が、著名なフィンガーピッカーのギター集中講座に通っていたことを指して、「〇〇のワークショップに参加していた」と表現していたな。
ナンカ「ワークショップ」と聞くと、「実験工房」みたいなイメージが強いんだけどな。
何人かが集まって「アレをやってみようか?」、「こういうのはどうだ?」と研究する感じ?
ま、いいや…。
とにかく今日のイベントは翔己くんのベース・セミナーなのだ。

10ステージにはホワイト・ボードが置いてあっていかにも「セミナー」なムード。

20翔己くんは珍しいツイン・ベースのインストゥルメンタリゼーションで知られるARESZ、並びに新生FEEl SO BADのベーシスト。
6弦ベースがトレードマークだ。

30いつもはこんな感じだけど…

40v今日は真剣な面持ちでセミナーの講師を務めるというワケ。
勉強しには行ったものの、途中で逃げ出してしまったので音楽理論はわからない…という翔己くん。
理論はわからなくても「ツイン・ベースはどうあるべきか」ということについて独自の研究を重ねて来たという。
それが彼独特のベースサウンドであり、奏法であり、フレーズであり…そういったことが実演を交え一時間半にわたって丁寧に語られた。

50vまずはバッキング・トラックを使っての模範演奏。
ARESZのステージで必ず演奏される「我が生き様誉れ」だ。

60この曲の中で使われているテクニックについて解説。
翔己くんのプレイング・スタイルの中でも取り分け人気の高いテクニックであるタッピングがこの曲でもふんだんに使われているが、コレはキーボーズを意識してのことだ。
初めてARESZを聴いた時、すぐにそれがわかったよ、オジちゃんは。
そして、ボーカルズにもギターにももう一本のベースにも負けない音を作らないとただの「落ち着きのないベースの人」になってしまうと思い、10年以上もかかって自分だけのサウンド作りをしてきたという。
ウン、ベースの人って落ち着いて大人しい人が多いからね。
奏法はもちろんのこと、弦高等の楽器の調整にも余念がなかったとのこと。

5img_0006_2 今や翔己くんのトレードマークとなっている6弦ベースだが、いきなり手にしたワケではない。
「バンドにベースが2人いる意味がわからない」と言われ、試行錯誤を繰り返し、ツイン・ベースの意味や効果を追求していくうちに徐々に弦の数が増え、5弦ベースを経て6弦ベースにたどりついたのであった。
何しろアイデア先行で、触ったこともないのに楽器屋さんに6弦ベースをオーダーしちゃったんだって!
弦はステンレス。コレもサウンドを考慮してのチョイスだ。

70そして、音の要であるアンプ。
コレも翔己くんならではの自己流。

80ある時、ベースをギター・アンプで鳴らすことを思いつき、試してみたらその音がスッカリ気に入ってしまった。
音ヌケが格段に良くなったのだそうだ。
そこで、現在はMarshall系とEDEN系の2セットを同時に鳴らすのが翔己くんの正式なバックライン。
エフェクターは使用せずベースとアンプは直結だ。

90これらがアンプ・ヘッド群。

100Marshall系のヘッドは300Wの3530。
3530は1987年にMarshallの創立25周年を記念して発売した25/50 Jubilee Bassシリーズのひとつ。
本来であれば、フロント・パネル左下の「300」の表記の右には「25/50 JUBILEE BASS SERIES MODEL 3530」という銘が入っているハズなのだが、きれいサッパリ消え失せている。
25周年を過ぎてからの製造だったのかしらん?
このあたりのモデルの資料が乏しくて詳しいことがよくわからん。
このヘッドをギター用スピーカー・キャビネット1960Aにつないでいる。

110EDENチームのヘッドはTERRA NOVA TN501とWTP-600とキャビネットはD410XST。
コチラは普通のベース用アンプの組み合わせだ。

120Marshallが歪み系のサウンドを担当し、EDENがクリーン系のサウンドを受け持っていて、両方をミックスするのが翔己くんが行きついたアンプのセッティングだ。

130「試しに…」とそれぞれ単独の音を聴かせてくれてその音色の違いを説明してくれた。
アシスタントはARESZのギターの那都己くん。

140会場の都合などで機材がフルで持ち込めない時はMarshallチームの方だけを使用している。
Billy Sheehanに憧れたという翔己くんらしいベース・サウンドだが、あくまでもオリジナルのトーンだ。

150今度は奏法の解説。

160v特にピッキングについて詳しく説明をしていた。
というのは、人差指、中指、薬指と長さの違う指を使ってどうやって同じ音を出すかという研究をかなりしたのだそうだ。

170とにかく苦労したのが弦をはじく指の順番が変わっても同じ音をキープするということ。
ホワイトボードを使って説明していたが、こうしたバッキングの練習を毎日2時間以上していたのだそうだ。
こういう地味な練習が一番ツライんだよね。
コレを克服できた人が才能のある人。練習できる人が「才能のある人」。
私はまっぴらゴメンだ!つまり才能はないということになる。それでよか。
翔己くん曰く「練習の時はドMになるべし」。

190他にもレ―キングやタッピング等の奏法についても詳しく説明。

200

やはりみんなが気になるのはタッピングのテクニック?
180v
ホワイト・ボードも駆使して熱の入った講義を展開した!

206自分の愛器を持参するお客さんも数人いたし…

250
翔己くんのベースをイジらせてもらうコーナーもあった。
240v
「ホ~、そんなことやってんねや?」とARESZのメンバーさんにも日頃の努力をアッピール?

260そして、模範演奏では「6弦ベースのための超絶技巧曲第一番ロ短調」も披露した

220v
観に来てくれたお客さんが「ベースをやってみようかな…」と思ってもらえるようなセミナーを目標にしていたという翔己くん。
まさにそんな目標を達成したような内容の濃いセミナーだった。
こういうのってイザしゃべり出すと「アレも」、「コレも」ってな具合で止まらなっちゃうモノなんですよ。
翔己くんは時間配分に気を配りながら実にうまくまとめていた。
おもしろかった!

270vさて、コレは先月リリースされたFEEL SO BADの新作『PENTAGON』。
先日の伊藤広規さんの新しいライブ・アルバムが『Tetragon』だったので、このタイトルを聞いた時はチョットびっくりした。
もちろんレコーディングには翔己くんも参加している。
Marshall、NATAL、EDENそろい踏みの作品。
FSBならではの世界をトクと楽しんで頂きたい。

5pg_2 そして翔己くんは明日、『FSB presents "LIVE PENTAGON vol.01 ~TOKYO~"』と銘打ったこのアルバムのレコ発ライブに出演する。
FEEL SO BADの他にもARESZとNAKED MACHINEが登場。
翔己くんはFSBとARESZの2バンドで登板する。
場所はココと同じ吉祥寺CRESCENDO。
お見逃しなく!

   
ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official web site of ARESZ
FEEL SO BADの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

280(一部敬称略 2017年5月22日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2017年3月21日 (火)

Marshall Japan Reception 2017

先週、Marshall社の社長ジョナサン・エラリーが来日した。
ジョンの来日は昨年のMarshall GALA以来でちょうど1年ぶりのこと。
そこで、『Marshall Japan Reception 2017』と称し、3年ぶりとなるジョンを囲んでの会食を企画した。
会場は前回に引き続いてのHard Rock Cafe。今回は上野駅店さんにお世話になった。
10vご出席頂いたのは日ごろよりMarshall、NATAL、EDENのMarshall製品をご愛用頂いているアーティストの皆さま。

20乾杯はMarshall GALAでトリを務めて頂いた岡井大二さん。
横に座って楽しそうにジョンとBrian Pooleの話をされていた。
Brian Poole&The Tremeloesは1962年のDECCAのオーディションでThe Beatlesに勝ったチーム。
Marshallの工場があるミルトン・キーンズに住むBrianとジョンは大の仲良し…という記事をMarshall Blogに掲載したことがあって、大二さんはそれを読んで下さっていたのだ。
  
その記事はコチラ⇒【Marshall Blog】 ビートルズに勝った男

30ヒロアキくんもジョンとはGALA以来の再会。

40この日、唯一のベーシストだった山本征史さんと。
もちろんEDENアーティストに声をかけなかったワケではなくて、ベーシストの方々、ナゼかタマタマ全員先約があって全滅だったのよ。

50シンガーもご出席。
クルベラブリンカの赤尾和重さんは大阪から駆けつけてくださった。
え?シンガーはMarshallもNATALも使わないじゃないか!って?
和重さんは声が1959みたいなもんだし、彼女のバンドはMarshall、NATAL、EDENだから。その三つのブランドはクルベラブリンカの音楽に不可欠なのです。使っているも同然。
それに和重さんはNATALの潜在アーティストなのだ!…パーカッションね。

60ジョンがニンマリしているのは…

70vコレ…。
お誕生日なのではなくて、お店からのスイーツの差し入れ。

80バーニーとの変則ツーショット。

85NAKED MACHINEからはMarshallのゲンちゃんとNATALの達也くん…とくればKANちゃんにも出席してもらわなきゃ!みんなMarshallファミリーの一員だ!

90ココはNATALチーム。
他のNATALアーティスト何人にも声をかけたんだけど、どうしても皆さん都合がつかなかった。
大二さんからグッドモーニングアメリカのペギちゃんまで、振り幅広し!

100若手の皆さんもガッチリとツーショット。
Ron Ron Necordsのタジーちゃん。

110Fury of Fearの守くん。
GALAのTシャツありがとう!

120TORNADO-GRENADOの雄太くん。

130バーニーと和重さん、感動の再会!
「今年は何か一緒にやろう!」ということになっているらしい。楽しみ!

140ジャズ方面からは関ちゃんが参加してくれた。
コレは珍しいツーショット!
ジャズ界にもバーニー・ケッセルという偉人がおりますな。

150ジョンとのツーショット写真がない方や最初の集合写真に写っていない方々もいらっしゃるけど、何しろ盛り上がって、結局閉店まで大騒ぎ!ということになってしまった!
  
この場をお借りしまして、Hard Rock Cafeさんのご厚意に心から感謝申し上げます。
お返しと言っては何だけど…Hard Rock Cafeさん主催のバンド・コンテストを紹介しておこう。
★世界規模のバンドコンテスト★Hard Rock RISING BATTKE of the BANDS

私、以前はこのコンテストの予選の審査員をさせてもらったこともあったんよ。
最後まで勝ち抜くとマイアミで開催されるNFLの試合のハーフタイム・ショウで演奏させてもらえるんだって!
マイアミ・ドルフィンズの前で演奏するなんてスゴイ!
  
Hard Rock Cafeさんと私の関係はコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.26~ハイド・パークのカドッコで

155さて、今回の社長の来日はパーティで楽しく騒ぐことの他にもうひとつ重要な目的があった。
それはMarshallの日本の事務所の視察。
ま、「事務所」ったって、「私の居場所」っていうだけのものなんだけどね…。
Marshallに直にお世話になることになってカレコレ5年が経った。
その一番最初の頃、NAMMに呼ばれ、アジア地区のディストリビューターに紹介してもらったことがあった。
その時、韓国のディストリビューターの人に「事務所はどこなの?」と訊かれ、「イヤ、そういうのは特になくて、自宅で仕事をするんだよ」と答えると、「それじゃプライベートの時間や空間がなくなっちゃうじゃないか!」とものすごく驚かれた。
大好きなMarshallだもん、その時はそんなこと問題とは何ら思わなかったんだけど、やっているウチになるほど…その彼が言うように、本当に24時間営業になってしまったのですわ!
朝起きてから本当に寝る直前までPCの前に座りっぱなし。
朝、床から出るとその足でPCの電源を入れる。PCの電源を消して、トイレを経由してそのまま床に入る…って感じ?
ヘタをすると寝ている間も、Marshall Blogのいいアイデアが浮かぶと床から這い出てPCの前に座ったりなんてこともザラになってしまった。
大したことはゼンゼンやっていないのはわかっているし、同じような環境の人は数えきれないほどいることもわかっている。
だけど、コレはさすがにチョット…ということで、ごく簡単な事務所らしきものを構えて仕事とプライベートを分断させてもらうことにした。
で、イザ事務所を構えてみたらそっちの居心地がスッカリよくなっちゃって、結局同じだったりして!

160事務所のシンボルはコレ。
1959SLPと1960BXのウォール・マウント。
コレは悩んだ。
「何か事務所のシンボルになるもようなものはないかしらん?」と思いつき、このウォール・マウントを取り付けよう!というアイデアまでは一瞬だった。
ヘッドを1959にするのもすぐに決まった。
ところが、このキャビネットに入れる絵柄に困ってしまったのよ~。
やっぱりJim Marshallのポートレイトは入れたいでしょ?しかも笑っているヤツが望ましい。
色々と写真を引っ張り出してきて、いくつかアイデアをイギリスに提示して実際にCGでモックを作ってもらったんだけど、イザこのフレームに入れてみると、どうしてもどれもシックリ来ない。
ジョンと何回もやりとりしているウチに思いついたのがこの『Father of Loud』の表紙の写真。
写真の転用ができるか心配だったけどマンマとOK。
どうすか?
やや若き日のJim。
事務所に遊びに来てくれたアーティストにこのJimと記念撮影をしてもらおうという算段だ。

170vちなみに元はコレ。
CGもPhotoshopもない時代、ロンドンのハマースミス・オデオンに本物の1960Bを持ち込み、足場を組んで積み上げた巨大なMarshallの壁の前のJim。
そのキャビネットの数たるや160を超えたという。
よ~やるわ~!

1_img_0081 本社工場の写真も当然飾ってあるよ。

165ジョンとジム。
靴を脱がないで土足のままズイズイ入って行っちゃったので慌てた。
ジムの視線がいいね。
それにしてもジョン、デカいな~。

180古民家の一室なので、Marshallがズラリと並んで試奏OK…なんて設備はまったくないけど、音楽には満ち溢れているよん。
CODEでギターを弾くこともできるし、WOBURNやSTOCKWELLで一日中音楽を鳴らしている。
爆音が出せる設備の代わりに、ロック、ジャズ、クラシック、民族音楽までをカバーした音源やMarshallに関する資料、音楽に関する書籍を取り揃えた。
訪れてくれたアーティストの方がッと音楽やMarshallの話をするのをとても楽しみにしているし、
世間ではほとんど聴くチャンスがない古い音楽や変な音楽に興味のある若いミュージシャンを集めて「昔のロックはこんなにおもしろかったを実感する会」や「ロックじゃない『ロック』な音楽を研究する会」なんてのを開いて、ロックの延命を図りたいなんて思っている。

190カギはここ!

200

それと我が写真のポートフォリオ。

210vこちらは本家の壁。

215

コレをイメージしたんだけど、さすがに似ても似つかないな、コリャ!

216以上が事務所。
ジョンもとても気に入ってくれた。
  
…と、話ははじめに戻って、パーティでは最後に私も混ぜてもらって一枚。
在京の方だけでなく、本当はMarshall、EDEN、NATALをドップリご愛用頂いているアーティスト、すなわちMarshallファミリーの皆さま全員をお誘いしたいしたいところなんだけど、会場の都合などもあってさすがにそういうワケにもいかないのが残念至極。
でも、この会はずっと続けていくつもりですから!
      
ところで、ジョンから言われてハッと気がついたんだけど、あと5年経って2022年になると、Marshallは60周年を迎えるんだよね。
エリザベス女王は2012年に在位60周年を迎え、「Diamond Jubilee」という国家的記念イベントを開催した。
さて、Marshallはナニをやるでしょう?
今は秘密。
5年なんてアッという間だよ。

220

(一部敬称略 パーティ写真:2017年3月16日 Hard Rock Cafe 上野駅店にて撮影)

2017年2月 1日 (水)

Marshallスクールへようこそ!

学校の先生という職業に就いている人は、ご両親とも、あるいはご両親のどちらかが教職についているケースが多い。
私が勝手にそう思っているだけかも知れないけど…。
ウチは父方7人兄弟、母方8人兄弟と合わせれば結構マッシブなファミリーなんだけど、とにかく親戚にだ~れもいないな。見事にひとりもいない。
医者か外交官か指揮者、後はパイロットかスパイばかり…んなワケない!大工とコックばっかりよ!
きっと勉強がキライな家系なんだろう。
したがって、私も「教師」という職業とはなんの縁もなくて当然だし、おおよそガラでもない。
しかし、教科がMarshallとなれば話は別だ。
誰かに説明して「Marshall」というブランドに身近になってもらうことは、大変やり甲斐のある好きな仕事のひとつだ。
以前にいた会社では新入社員や楽器店の皆さんを相手にずいぶんMarshallやギター・アンプの講師をさせていただいたものだが、今のポジションなってからはトンと遠ざかっていた。
それが、一昨日、久しぶりに教壇に上がらせて頂いたのだ。
うれしかった。
ナニせ好きな仕事だからね。
会場は、文京区は本郷の尚美ミュージックカレッジ専門学校さん。
ギター科の生徒さんを中心にベースやドラムを学ぶ生徒さんにも集まって頂き、「スペシャル・セミナー」という格好で教鞭をとらせて頂いた。
しかし、スゴイですよ。
素晴らしい設備で、Marshallももちろんバッチリそろってる。
生徒さんも皆さん快闊で礼儀正しく、スレちがうとみんな明るく「こんにちは!」と声をかけてくれる。
こういうところでわかるよね~。
10今日の仕掛け人はこの人。
Marshall BlogではおなじみのTORNADO-GRENADOのギタリスト、真壁雄太くん。
雄太くんはこの学校の(優秀な)OBなのであ~る!
  
「教鞭を取った」なんて言ってもそんな堅苦しいものではまったくなくて、パワー・ポイントを使ってMarshallや音楽やアンプに知識についておしゃべりさせて頂く趣向。
イザやりだすと凝っちゃうからね~。一週間以上かけて150枚にも及ぶスライドを用意したよ。
もちろん、予行演習もした。
生徒役は当然私の家内。
かわいそうに…眠い目をこすりながら付き合ってもらった。

15授業は、まずは自分のことを知ってもらうことからスタートさせた。
自己紹介と一種の自慢話ですな。最初にハッタリかましておかんとマズイからね。
Marshallに勤めるようになったキッカケ、今の仕事の内容、Marshall Blogのこと、Marshallの本を書いたこと…。
そういえばMarshall Blogを見てる生徒さん、少なかったな~。若い人の読者をもっと増やしたいんだよな~。
そして、写真の仕事をしていることにも触れた。
何枚か自分が撮った写真をスライドにしておいたのだが、ハタと思いついてある写真を忍び込ませておいた。

22その写真とはコレ。
そしたらビックリ!
だって何も知らせていないのに、本物が教室に現れたんだもん!
つまりてらちんが偶然補講の仕事で登校していたのだ。
「スペシャル生徒」さんとして、少しだけ私の講義を受けて頂いた。

Mm そして、1時間目は現在のMarshall社についての紹介。
30a
NATALやEDENについてもしゃべらせて頂いた。
50a
さらにHEADPHONESやEYEWEAR、冷蔵庫やLONDON等のライフスタイル商品のことも紹介。

40しかし、もっとニコニコしてしゃべれんもんかね~。
気をつけようと思っていたのに真剣になってつい忘れちまった!
とにかく聞き手を飽きさせないように、飽きさせないように…久しぶりなもんで必死でございます。

40a2時間目はMarshallの歴史。
Marshallの歴史はJim Marshallの歴史。
コレを説明をおもしろく聴いてもらうには、どうしてもある程度の洋楽の知識が必要なのね。
そこで受講者に洋楽を聴いている人がどれぐらいいるが尋ねてみたら、やっぱり手を挙げたのは1人だけだった。
イヤ、恥ずかしがって手を上げにくかった人も中にはいるかもしれない。
とにかく、若い人たちにMarshallの歴史の話をするときはいつもココが大きなネックになるんよ。
今の若い子たちはピート・タウンゼンドだのリッチー・ブラックモアだのと言ったところでピンと来ないからね。

70v_2
でも、みなさんとっても熱心に私の話を聞いてくれてうれしかった。

50当然初代JTM45も登場。

80aJCM800の発売時の話や、マイナーな商品、隠れたベストセラーなども紹介させて頂いた。

90そして、3時間目。
コレは実は初めての試み。
みんなでイギリスへ行って来た!

100つまりヴァーチャル工場見学ね。
大変だったけど、スライドを作っている時は楽しかった。
実際にもう何回工場見学したかな~。

110休憩をはさんで4時間目。
実はチョット時間が足りなくなって来ちゃってね。
少し早口の説明になっちゃったけど、ギター・アンプやスピーカー・キャビネットの基礎知識のようなちょっと技術的なことについてお話させて頂いた。

140実際に分解した真空管を見てもらったり…

150スピーカーの中身を見て仕組みを説明したり。

160

コレのために実機を近所の鉄工所に持ち込んでフレームを切ってもらった。

170v

真空管のところでは、Apple社とアラン・チューリング、Marshallの関係についても脱線させて頂いた。

130

当然そこでCODEが登場するところだったんだけど、今回は諸般の事情によりカット。

120

当然この時とばかりに、いつもMarshall Blogでやってる日本と海外の音楽用語の違いについてもシッカリやらせてもらった。
出るよね~、当然「ツーマン」についても触れた。
みんな何てうるさいージジイだと思ったろうナァ。

1805時間目はデモンストレーション
雄太くんにお願いして歴代のMarshallを弾き比べてもらった。

1901959SLP、4100、JVM等、歴史と特徴を説明しながら実際の音を聴いてみようという内容。

195そして、放課後。
自慢のSilver Jubileeを使って雄太くんにミニ・ライブをお願いした。

215雄太くんは、この日のためにバッキング・トラックを作って3曲用意してきてくれた。
事前に打ち合わせを何度かしたのだが、その都度「あ~、ナニを弾こうかな~!」とうれしそうに悩むので、「自分の音楽を後輩に聴かせてあげなさい」とアドヴァイスさせてもらった。
披露した曲はすべて雄太くんのオリジナル曲だ。

2301曲目は「APOCALYPSE」。
以前、ギタリスト3人が集まってライブをする機会があり、そのために作った曲だそうだ。
もう今のシュレッダー・ミュージック丸出しのドライビング・チューン。
210
続いては「Eceed」。
学生時代に初めて作った曲にして初のインスト曲。
当時の演奏レベルで「ムズカシイ~!」と思っていたテクニカルな要素をすべてつぎ込みシュラプネル系を意識して作ったという快作!

240写真のクレジットをご覧になればおわかりのように、この日、雄太くんの先輩お二方にすべての写真撮影をお願いした。
私の出番はなし。
まさか講義中に自撮り棒で自分を撮ったりはできないからね!
翌日の電話での雄太くんの言葉…「いつもは写真の撮影に忙しい牛澤さんに昨日はジックリとボクのプレイを観て頂けてうれしかったです!」
イヤイヤ、そんなそんな、大したもんではござんせん。
でも、2555Xらしさがとてもよく出ていた素晴らしいプレイだと思った。
曲もとってもヨカッタよ~!
いかにも今の子風のギター音楽だ。60年近く時間をさかのぼればThe Venturesということになる。
よくマーブロに「TORNADO-GRENADOのいいところはトラディショナルなロックの要素と今の若い人の感性のバランスがうまく取れていることだ」と書いているが、雄太くんはウチに来るたびに私が好んで聴くような音楽を吸収して帰っていく。
ハチャトゥリアンの「ヴァイオリン協奏曲」も聴かせた翌日にはもうゲットしていたようだ。
さすがにストレート・アヘッドなジャズにはあまり興味を示さないけど。
それが彼の曲にどう影響を与えたのかはわからないが、若い人たちにはゼヒともそういうことをしてもらいたいんだよね。

250MCでは「こんなハッピーな日に、演奏できて最高にハッピーです!」と言ってくれた。
イエイエ、こちらこそハッピーですよ!
最後の曲は「Wisteria」。

260v「ハッピーな日」にふさわしく、ポジティブでメロディアスな曲を作ろうと思って書き下ろしてくれたとのこと。
「wisteria」とは「藤」。花言葉は「至福の時」だ。
そこからタイトルをつけたそうだが、顔に似合わずめっちゃロマンチストやんけ!
ま、ミュージシャンはロマンチストかナルシストか、「オレがオレが」じゃなきゃとても大成せんよ。
そして、ナント!
この3曲を含め、今年中にインストのソロ・ミニアルバムをリリースする予定だそうだ。
ガンバレ真壁雄太!
真壁…まーかべ…マー壁…ナニせ名前がマーシャルの壁だからね。期待しています。

270こうして3時間チョットに及ぶ講義を終了させて頂いた。
ご静聴頂いた生徒の皆さん、どうもありがとうございました。
  
そうそう、下の写真でマイクを持っていらっしゃる轟先生。
私が以前勤めていた会社で長期にわたり赴任していた先とご出身が同じで、開講前にふたりだけで超ローカルな話題で盛り上がってしまった!
その轟先生、オープニングのごあいさつで生徒さんと「マーシャル!」のコール&レスポンスをされたのでビックリ!
「アンプは?」と訊くと?
「マーシャル!」と答えてもらうヤツね。
Marshall GALAでもやったけど、それってMarshall RoadshowやMarshallの講義でいつも私がやってるヤツなんだもん。
それゆえ、今回私は最後までそれをやりませんでした。

280a最後に先生とお手伝いをしてくれたみんなで記念撮影。
  
先生方、大変お世話になりました。
この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
  
また、お手伝いしてくれたオレの友達!
どうもありがとう!
余談だけど…この写真で私の隣に立っている「メランコリック写楽」というバンドのドラマーの拳章(ケンショウ)くん、私の家に来た時、冗談で聴かせたThe ShaggsとFrank Zappaにハマってしまい今CDを探しているとか。
若い連中だっていい音楽を聴きたいのだ!(The Shaggsはかなり好みの別れるところなので普通の人は要注意)

尚美ミュージックカレッジ専門学校の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

400そして最後に…雄太くん、どうもありがとう!
益々のご活躍をお祈り申し上げています。
CODE持って来いよ!

TORNADO-GRENADOの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site


そして末筆ながら、写真を撮ってくれた永倉くん、卓也くん、長い時間どうもありがとうございました!

9_img_33142 (一部敬称略 2017年1月30日 尚美ミュージックカレッジ専門学校にて撮影 ※写真提供:永倉航介氏、高橋卓也氏)

2017年1月16日 (月)

あなたの知らない世界~ポタフェスからWOBURNまで

少年マガジンで『うしろの百太郎』の連載が始まった時私は小学校5年生だったろうか?
連載の1回目の扉にどこかの建物の門柱の前にオカッパ頭の女の子がハッキリ写っている写真が掲載されていて、それが幽霊だということを知ってチビりそうになった。
CGなんてない時代だよ。
その時から「お化けの写真」と呼ばれていたモノが、「心霊写真」という名前に取って代わったのではなかろうか?
子供だったせいもあってか、そもそも「心霊」なんて言葉はそれ以前には耳にしたことがなかったので妙に怖い感じがしたな。
それから心霊写真ブームが起こって、御多分に漏れず私も一番最初の写真集を買ったような気がする。
テレビでもそうした科学の力では説明しにくいような心霊系の事象を扱ったプログラムが盛んに出始めた。その老舗のひとつが昼のワイドショーでやっていた『あなたの知らない世界』というヤツ。
ほとんど見た記憶はないのだが、夏休みなど学校が休みの時に目にしてコワがっていたような気もする。
今日はMarshall Blogがその「あなたの知らない世界」へご招待しよう…と言っても、別にコワイ世界ではない。
しかも、知らないのは「私」だけで、「あなた」はよくご存じの世界かもしれない。
それでは…。
コレがその私の知らなかった世界への入口。

10「ポタフェス」である。
初めて聞いたときは何となく「おせんべいの祭典」かなんかかと思った。コレ、結構マジ。
ただ「おばあちゃんのぽたぽた焼き」が頭にあっただけなんだけどね。
「ポタフェス」とは「ポータブル・オーディオ・フェスティバル」の略。

20それがどんなものであるかは今の時点では「ポータブル・オーディオ機器専門の展示会」としか言いようがないのだが、今回が2回目で、2日間の会期でナ、ナント59,000人が訪れたという。

30会場は秋葉原。
D_DriveのYukiちゃんとダイノジが5年前(早い!)に「Rocksmith」というギターのゲームのデモンストレーションを演ったところだわ。
YukiちゃんがMegadethの曲を弾いたんだよね。
Yuki_img_1353
そして、私は自分が知らない世界を見た。
最初に書いた通り、正確に言うと「自分だけが知らなかったかもしれない世界」かな。

40この展示、ほとんどがヘッドホン本体並びにその周辺機器なの。

50もうそのあたりのアイテムが信じられないぐらいたくさん並んでいる。

70失礼ながらヘッドホンのブランドがこれほどイッパイあるとは夢にも思わなんだよ!

210

それだけじゃない、ヘッドホン・アンプってのがこんなに盛んだなんて全く知らなかった。
ほとんどのヘッドホン・メーカーがヘッドホン・アンプを併売しているのだ。

220

ケーブル、プラグ、イヤーパッド等のアクセサリー類の充実具合がまたスゴイ。
ヘッドホンに関するありとあらゆるアイテムがテンコ盛りなのだ。
それにしても、ヘッドホンをカスタマイズする時代が来るなんて夢にも思わなんだナァ。
言っておきますが、コレ、音楽をかける装置の展示はほとんどないのよ。ひたすら聴く方のアイテムばっかり。
ご来場の皆様は熱心に商品を眺めてテストに大忙しだ。

225v

以前にもMarshall Blogで何度か触れたことがあるが、私が中学性の頃…アレは一種の流行だったのか、はたまたステレオが一般的な家電として扱われていた時代だったのか、今となってはわからないが、各家電メーカーがオリジナルのステレオのブランドを擁立して、プレイヤーからスピーカーまで盛んに販売合戦が繰り広げられていた。
そもそも、今「ステレオ」なんて言葉も死語かな?いつのまにか「オーディオ」という言葉が当たり前になった。
アレは以前、大抵の家庭にあったレシーバーが入った仏壇のような大きなステレオ・コンソール(たいていビクターだったような気がする)の需要が下火になり、「コンポーネント・ステレオ」という自分で好きなブランドの音響機器を組み合わせるスタイルに変わる瞬間だったのかも知れない。
40年以上前の話だ。
その時分14~15歳の私は、お小遣い+親の援助でステレオ一式を買い揃えたが、その時のプレーヤーとスピーカーは今も使っている。
それから数年してキラ星のごとくウォークマンが登場した。
この時は本当にビックリした。
それ以前にも「カッパ・サイズ」なんていう新書と同じ大きさの小型カセット・レコーダーというものはあったが、それは機器を小さくすることに重点を置いた、会議等の内容の録音を目的を主にした商品で音質はほとんど無視され、「音楽を聴く」ための機器ではなかった。もちろんモノラル。
それが、この初代ウォークマンが発売されてからというもの、音楽を外に持ち出せるようになった。
「歩きながら」あるいは「電車の中で」または「家の中のステレオのない場所で」自分の好きな音楽が楽しめるようになった瞬間であり、生活の中での音楽の位置が大きく変わることとなった。
そもそも「外で音楽を聴く」なんて発想自体がなかったので、洗濯機や冷蔵庫のようにそれまでの生活を変えてしまうような大発明だったんですよ。
その前に「Lカセット」で思いっきりしくじったソニーの会心の一撃でもあった。
この黄色いボタン、なつかしいね。
このボタンを押すとヘッドホンの音量がミュートされで、内蔵マイクが外の音を拾ってヘッドホンから流してくれるんだよね。
まだ外で音楽を聴くことに慣れていない民衆は、ヘッドホンから音が出ている間、自分の声がモニタリングできないため、無意識のうちに大声でしゃべってしまったものだった。その対策がこの黄色いボタンだったというワケ。
私も生涯この手の商品を一体何個買ったかナァ?
いつも使うのですぐに壊れてしまうのだ。
その後、本体は小型化が進み、ヘッドホンがイヤホンになり…CDウォークマンやらMDタイプやらが登場し、現在のようなデジタル製品に変遷を重ねた…というのが大ざっぱな歴史かな?
それがポタフェスに連綿とつながっておる。

Wm_3

実は、私にとってはこのポタフェスは結構衝撃的だったのよ。
わかってはいたものの、従来のオーディオ機器が完全に駆逐されたという現実を再確認したような気になったことが理由のひとつ。
それと、こうした再生機器の変化が音楽そのものを変えてしまっていることを改めて確信したから。
230
どういうことかというと…今度は音楽制作サイドの話ね…ミュージシャンはレコーディングする時、消費者がどういう再生機器を使用して自分たちの音楽を聴いてもらうかということを考える。
レコーディング時にスタジオの高級スピーカーでプレイバックを聴いたとき、それが絶世の音質であったとしても、実際にお金を出して音楽を楽しむ人たちは、スタジオ・クォリティのスピーカーでそれを聴くことはまずあり得ない。
すると、自分たちの作った音楽が自分たちの理想とはまったく違う状態で聴いているという事態が発生する。
それは、例えばキーが変わっちゃうとか、ギター・ソロの長さが変わっちゃう、なんてことはないんですよ。
ベースやバスドラムの音が小さくなってしまったり、ボーカルの聞こえが悪かったり…とかいう風に音楽のイメージがガラリと変わってしまうということね。
コレは作り手にとっては致命傷だ。
丹精込めて作って演奏した自分の音楽が、大ゲサに言えば自分のイメージとは異なる作品として聴かれるワケだから。
そこで今のミュージシャンは、いいヘッドホンからチープなイヤホン、あるいはカーステレオとあらゆる再生装置が使用されるケースを想定して、納得のいく範囲内の最大公約数的な音質を選んでいるのだ。
「そんなの当たり前だろ」って?
イヤイヤ、昔はステレオで音楽を聴いていたもんですよ。ステレオとはレコードを回して音楽を聴くための装置なんだから。だからそれを想定した音決めをすれば、それで済んだ。
ところが今は違う。
逆にステレオで聴かれることはもう想定していないというのだ。
235
ある仲良しのミュージシャンから聞いた話では、今、音楽の聴き方でもっともスタンダードな環境は、コンピュータにダウンロードした曲やiTunesに入っている曲をPC用のスピーカーで鳴らすケースなのだそうだ。
あのスピーカーもピンからキリまであるんだろうけど、ああした小さいスピーカーで聴いているのが普通なのだそうだ。
絶句…。
私は幸運にして真空管のアンプと最上スピーカーでオリジナル・プレスのレコードを聴かせて頂くという幸運に恵まれたことがあるが、あまりの臨場感に腰を抜かしそうになった。
目を閉じれば、本当にそこでバンドが演奏しているかのような生々しい迫力なのだ。
音楽好きにとっては、アレはもっとも贅沢な趣味だね。それだけに楽器など比べ物にならないぐらい金がかかる。平気でケタがひとつ違う。
ミュージシャだってできればそうい環境で自分の音楽を聴いてもらいたいと思っているだろうな~。だから「イヤホンやヘッドホンで聴く音楽」と音楽のあり方も変わってしまったワケですよ。
もっとも、いわゆる「ステレオ」という音響機器がこの世からスッカリなくなってしまい、本当にイヤホンやPCのスピーカーでしか音楽が聴かれなくなればもうそんなこと関係なくなっちゃうんだけどね…そんな近未来を実際に見たような気がして衝撃的だったのです。

240

で、なんでMarshallのオッサンがそんな展示会に来ているのかというと…あ、バレちゃった!

80Marshall HEADPHONESの輸入販売代理店のNAVYSさんが出展していたからなのだ!

90目立つな、~三段積み。
皆さん、コレがMarshallの三段積みですよ~。「アンプ・ヘッド+上のキャビネット+下のキャビネット」、上から1、2、3で「三段積み」ね。
最近、この数え方も不確かなミュージシャンや機材屋さんのスタッフが出てきたからね。「ロックは遠くになりにけり」…なんて言っちゃいられない!スタックもがんばらないと!

100Marshallのヘッドホンを試しに見えた若いお客さんとスタッフの会話を少しの間そばで聞かせて頂いた。
そして、スタッフの商品説明の間隙を縫ってつい口をはさんでしまった。
「お客さん、やっぱりギターをやっていらっしゃるんですか?」
「あ、イエ、特に…」
「アレ?それじゃまたどうしてMarshallのヘッドホンにご興味を?」
「あ、イエ、普通に…」
「ロゴがカッコいいとか?」
「あ、イエ、何となく…」
「ん~、あの~、もしかしてMarshallってブランドってご存知ないとか…」
「あ、イエ、普通に知らないッス」
「じゃ、今初めて知ったとか?」
「あ、イエ、普通にそうです」
「ありがとうございます!」…ま、ココは「普通じゃないですよ!」なんて言いたいところだけど、若い人は仕方ないね…。
逆にMarshallというブランドを知らないのにこのスクリプト・ロゴを見て興味を持ってくれるなんてうれしいね!
何かMarshallというブランドの時代を超えた底知れぬパワーを感じるよ。
初めてMarshallというものを知ってから40年以上経つけど、我ながら今でもカッコいいと思うもんな~。

110v展示の主役は当然ヘッドホンたち。

120それに人気のBluetoothスピーカーたち。
最近、あるギタリストにこの写真のKILBURNをお買い上げ頂いた。
どうやってお使いなのか伺ったところ、Bluethoothを利用してパソコンから電波(でいいの?)を飛ばしてパソコンのない部屋で音楽を楽しんでいらっしゃるとか…なるほど。
音もルックスも最高!と大変よろこんで頂いている。

130スピーカーは人気も高いため軽量級のKILBURNからヘヴィ級のWOBURNまで展示されていた。

140Marshall HEADPHONESの輸入販売代理店NAVYSさんではこんなヘッドホンも取り扱っている。
カラフル~!
以前はこういうモノは「黒」と相場がキマっていたんだけどね~。

160もうちょっとポタフェスを味わってみましょうか?
ちなみに入場料はロハです。

170ヘッドホン関連のアイテム以外で異彩を放っていたのがコレ。
6L6GCを使って組み立てるオーディオ・アンプ・キット。私がEL34だの5881だのKT66だのECC83の名前を出したら係りの人がビックリしてた。
いつかは真空管のアンプにデカいスピーカーでゆったりを音楽を楽しみたいものだ。
早速挑戦してみようかとも思ったが、ハンダゴテを使えない人は作れないというので諦めた。
私、イモハンダの王者ですので。

180会場の入り口にはこんなアトラクションンも。
人気アニメの「ラブライブ!」のアトラクション。

190よく知ってるでしょう?
何とならば主人公、高坂穂乃果の声を演じているのは新田恵海ちゃん。
その恵海ちゃんのコンサートを二度ほどMarshall Bogでレポートしてるんだよ。

200_2なぜなら、恵海ちゃんのバンドのドラマー、ショボンちゃんはNATALプレイヤーだからなのだ!

3120_こんなモノも。
コレは我々世代ではカートリッジ・メーカーでおなじみのオルトフォン社製。
やっぱりイヤホンなんかを製造して世の荒波を乗り切っているようだ。

250以上でポタフェス終わり。
さて、この度、Marshall HEADHONESのBuetoothヘッドホンがいよいよ日本に上陸するそうだ。
もうヘッドホンもすっかりワイアレスの時代なのね。
MAJOR IIはブラック、ブラウン、ホワイトの3タイプが用意されるそうだ。

M22 Marshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒NAVYS公式ウェブサイト

150v

今日はこの後もう少しMarshall HEADPHONES商品をご紹介させて頂きますよ。
ナ~ンだ、コレ?

260表には1959や1960Xに使用されているレヴァント・カバリングにゴールドのMarshallエンブレム。

270ペロリンと開けると麻雀牌のケース!
じゃなくて充電式BluetoothスピーカーのSTOCKWELL。

280要するに今、STOCKWELLのケースを紹介している。
Marshallロゴをギューギュー押し付けないようにフタの裏側がへっこんでいる…という気の配りよう!

290ケースにはツメは二個付いていて…

300STOCKWELLの背面の凹みにそのツメを入れる。
ツメが付いている板の中には磁石が仕込んであって、ペロンとケースがSTOCKWELLにくっつくようになっている。
この「ペロン」が気持ちいい。

310そして、フタをたたむとこの通り…STOCKWELLのスタンドになるというワケ。

320こんな感じね。

330しっかり立ってる。

340…というのもコレ。
最初に紹介した金のMarshallエンブレム。

350SROCKWELL本体がこのエンブレムにひっかかってズルと滑らないようになっているのさ。

360Marshall GALAの時もチョイとした小芝居つきで紹介したけど、もうね、私、このSTOCKWELL大好きなの。
見た目よりズッシリくる。それがまた高級感を醸し出していていいんだな~。
このケースに収めてからというものますます好きになった。

370昔、何かのテレビCMに「好きなものに囲まれて生活するよろこび」なんてキャッチがあったような気がするんだけど、STOCKWELLに加えてまた「好きなもの」が!

380上でチョコっと触れたBluetoothスピーカーの最大機種、「WOBURN」。
MS-2と比べるとこんな大きさだよ。

390いつかも書いたけどWOBURNはMarshallの工場があるBletchleyの隣の町の名前。
Marshall HEADPHONESの商品にはその肝心のBletchleyという名前を冠した商品がない。
不思議に思って社長に尋ねたところ、「’ブレッチリー’という言葉はアメリカ人には発音しにくいんだ」ということだった。
そうかナァ。
しからばこの「WOBURN」はどう発音するか…なんか「WOBURN」って、字面からするとすごく親近感が湧かない感じがするんですけど。
この「WOBOURN」…「ウォバーン」ではなく、「ウォウバーン」という風に発音する。
アメリカ人は「バーン」のところで思いっきり舌を巻いても大丈夫だ。
まずはこのルックス!
いいナァ、タマりまへんナァ。

4001962や1969TVなどに使用されているECフレット。
そしてスモール・ゴールドのロゴ。

410ヘリにはチャンとゴールド・パイピングが施されていてビンテージ・テイスト満点!

420底を見るとカバリングを合わせた個所が…。
コレもさ、工場のカバリングの作業を見ているようでいいんだよね。
あ、こお製品はBletchleyで作っているワケではないんだけどね。

430工場はこんな感じ。

9_img_8298いまだに100%手作業でひとつひとつ丁寧にカバリングをキャビネットの貼り付けている。
道具はカッターとハサミと「ボーン」と呼ばれる細かいところにカバリングを定着させる小さな棒状の道具だけだ。
Marshallの工場には様々な工程があり、不器用な私にはそのどれもが不得意なのは請け合いだが、このカバリングの工程だけは絶対に無理だな。
できるのはみんなのコーヒーを淹れるぐらいか?イヤ、あれもブラックだの、砂糖だけだの、スペックが全員違うので大変だ。

9_img_0051上から見るとこんな感じ。
ひとつだけリクエストをさせてもらえば、上面にストラップが欲しいな。
大きさからしてMarshallの小型コンボみたいなので、移動する時、無意識のうちについストラップを探してしまう。
「あ、そうか、ないんだった!」となる。

コントロールはボリューム、トレブル、ベースと入力をチョイスするスイッチとBluetoothのペアリング・ボタンだけ。
ノブはゴールド・トップのブラック・ボディ。
ピン・スイッチにしたところがまた泣かせるじゃん?
さらにコントロール・パネルはアルミ削り出し。「プレキシじゃないの?」なんて言いなさんな。

450入力の方法は4通り。
Bluetooth、オプティカル、それにアナログのInpurtがふたつ。
コントロールの表示に使われているフォントが本物のアンプみたいでグッとくる。
ま、本家のギター・アンプみたいというのも当然だよね。アンプからアンプを作ってるんだもん。冷蔵庫とはワケが違う。

460背面の様子。
上部についている穴は持ち運びのためものではなくて、豊かな低音を実現するためのダクトだ。
「バスレフ式」っていうヤツ。

470OPTICALとInput2のRCA端子はコチラに搭載されている。

480付属品は電源ケーブルの他に、ミニプラグのカールコード(!)と分厚い取り扱い説明書。
取説は何も使用法が難しいから分厚いワケでは決してない。英語、フランス語、ドイツ語等ユニバーサルな仕様になっているから。
Marshallのアンプの取説も同様なのだが、こういうものに中国語のページが割かれるようになってから久しい。
このようなチョットしたことで世界情勢が変わっていることを実感する。日本語のページがなくならないことを祈るわ。

490こういう袋に入れられてくるのもうれしいところ。

500さて、せっかくの機会なのでWOBURNを使って少し試聴会をやってみよう。
試聴会といっても勝手に選んだCDをWOBURNで鳴らしてどんな印象かを記しただけなんだけどね。
試聴に当たっては、一時代を作ったオーディオの老舗ブランドに敬意を表してmarantzのCDコンソールを使用し、WOBURNのInput2に接続した。

 

Marantz

WOBURNには1インチのドーム・ツィーターと5と1/4インチのウーファーが2台ずつ搭載されている。
最大出力は80Wなので家で使う分にはボリュームは1か1以下で十分。こんなところもまるで1959みたいだ。
でも、1959と決定的に違うのはボリュームを5以上にしても当然歪まない。もっともそれだけ大きくするなんてことはほとんどないであろう。
とにかくラウドだ。
で、私もウサギの小屋のようなところで使っているのでボリュームはほとんど1。トレブルもベースも中点の5にセットした。

440

  

★Are You Experienced / Jimi Hendrix Experienceから「Manic Depression」
ん~、WOBURNで初めて聴いたけど、なんかね~、感無量なんだな~。
WOBURNを目の前に置いて聴いているでしょ。するとイヤでもMarshallのロゴとECフレットが目に入ってくる。
で、そこからJimiの音楽が流れ出てくるのがすごく感動的なんだな~。
むしろ音質とかよりもそちらのほうに意識が硬いてしまう。
ま、音としてはこのトリオのワイルドさが実にうまく表現されているとでも言おうか…。
Noel Reddingのベースってこんなにふくよかだったのね?

Are  
★Live in Japan / Deep Purpleから「Highway Star」
Marshallつながりのライブ盤を選んでみた。
ま、「Highway Star」といえばアンコールのジャム・セッションで「Burn」と並んでもっとも選んで欲しくない曲だが、久しぶりに本物を聴くと…カッコいいな~。
こういうロックで育った我々は幸せだ。
うん、コレはIan Gillanの歌がチョット引っ込んで聞こえる。
例えて言うと、ステージ・フロントではなくて、4人に囲まれて歌っている感じ。
そのかわりIan Paiceのバスドラがアホほどカッコいい!
さすがに左右のスピーカーがくっついているので、ステレオ装置で聴いた時のようなパノラマ感は希薄だが、ものすごく状態の良いモノラル録音盤を聴いたような印象を受ける。

Dpチョット脱線。
コレはご存知の通り輸入盤の『Made in Japan』。
写真はロンドンのフィンズベリー・パークにあるRainbow Theatreで撮られたもの。
この写真の中でIan Gillanが叩いているコンガはNATAL製だ。

Dp2 
しからば、試聴盤の候補に入れていなかったんだけど、純のモノラル録音盤をかけてみよう。
 
★With the Beatles / With the Beatlesから「Till There was You」
ウワ!今度はPaulがグッと前に出てきた!
全体がバキッとまとまっているけど、ひとつひとつの音が実にクリアだ。
何かでこの曲のことをビートルズの作品と紹介しているを見かけたことがあるが、それは誤り。
これは『Music Man』というブロードウェイ・ミュージカルの挿入歌だ。
でも、Paulが作曲したといわれても全く疑いようのないようなハマりようだよね。だから、常々私は「Paulはティン・パン・アレイの作曲家に本当にあこがれていたんだナァ」と思うのだ。
さもなければ「When I'm Sixty Four」とか「Honey Pie」とか、後の「You gave me the Answer」なんて曲作らないよね。

Wb

 

★Samsara Flight / LOUDNESSから「Loudness(Disc1)」
ヘビメタいってみよう!
文句なしに気持ちいい!
ついボリュームを上げたくなってしまいますな。
世界がうらやむ高崎トーンもナマナマしく再現されているし、リズム隊の迫力たるや文句のつけようがない。
その手前にヌッと二井原さんが現れて絶唱してくれる。
最新の音響テクノロジーの利点をうまく活かされていると思う。

Sf 

★One Size Fits All / Frank Zappaから「Inca Roads」
生涯の愛聴盤から一枚。「20bit 24k Gold」とかいう金色の盤の仕様。
今度はChester Thompsonのドラムが引っ込んだ。何か別室で叩いているような…。
その代わりBruce Fowlerのベースがスゴイな~。コレ出すぎなんじゃないの?
銀色の普通の盤に変えてみたらそうでもなくなったわ。
ま、知った風なことを書けば、こうしたコンパクトな音響装置というものは低音の出方を重視するので、マスタリングでベースを強調するような手の加え方がされていると効果がてきめんに出すぎちゃうことがあるのではないかしら。

Osfa

ジャズを聴いてみよう。

★Kind of Blue / Miles Davisから「So What」
何にしようかメッチャ悩んだけど、猛烈に普遍性が高いことからこの誉れ高き入門盤をまず選んでみた。
コレはいいわ~。
Paul ChambersのベースとJimmy Cobbのシンバル・レガートが気持ちいいことこの上なし。
そこへのっかってくるMiles、Coltrane、Cannonball、Evansらのソロの音色のクリアなこと!
それにしてもスゴイ演奏だな。もうこれまで何回聴いたかわからないけどいまだに緊張感に満ち溢れている。真剣に聴いてあげないと怒られそうだ。

Kind★From Toshiko with Love / Toshi Akiyoshi=Lew Tabackin Big Bandから「let the Tape Roll」
ビッグ・バンドから一枚聴いてみよう。
まるでジャズの「Highway Star」のようなブルース。
冒頭のLew Tabackinのテナーの音が図太く鳴っている。
アンサンブルでは音がゴチャゴチャになっちゃうかと思っていたけど割合そうでもなく、各パートがそれぞれカッキリと聴こえてくるわ。
やっぱりここでもベースとドラムのコンビネーションが素晴らしいな~。
サックス・ソリではバリトンがよく聴こえてくるナァ、こんなだったかしらん?

Toshiko   
★Jurassic Classics / James Carterから「oleo」
新しい録音から一枚聴いてみよう…といっても1995年の作品。
このアルバムはブレーキの壊れた大型トラックが暴走しているような乱暴な演奏が魅力なんだけど、ベースの音が弱すぎて爽快感が完全に失われてしまっている。
コレは大きなステレオで聴いたほうがゼンゼンいい。
イヤホンなどで聴くことを想定して低音をリッチに録音するんじゃないのか?
よくわからなくなって来たゾ。

Jc

今度はクラシック…
★ハチャトゥリアン / ヴァイオリン協奏曲から「第一楽章」
「20世紀に作られたヴァイオリン協奏曲の中で一番カッコいい」といわれているだけあって、何人かのギタリストにおススメしたところ好評だった。
何しろこの曲を聴かずして死ぬのはモッタイないとまで書いている音楽評論家もいるぐらい。
実際、メッチャかっこよくて大好き。
で、それを聴いてみると…ダメだ!
イツァーク・パールマンの弾くヴァイオリンは何ら問題ないんだけど、オーケストラがゼンゼンだめ。小型ラジオのクラシック音楽の放送を聴いているようだ。
実は、この他にもクラシックのCDを鳴らしてみたんだけど、どうもWOBURNにはクラシックは向かないようだ。Marshallだからな。
でも、この曲はホントおススメですよ。他の人の演奏も聴いてみたけど、このパールマン盤の方がゼンゼンよかった。
今、また聴いているんだけど、どうしても聴き入ってしまう!

Kp  
最後は民族音楽。
それこそ限りなく種類があるので、どうしようかと思ったが、一時夢中になったパキスタンのスーフィー歌謡、カッワーリーを選んでみた。
★法悦のカッワーリー[I] / ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンから「ナミー・ダーナム(たどり着いた場所はどこなのか)」
ま、コレはゼンゼン普通だった。
あの壺みたいなヤツの「プォ」という音がチョット目立って聞こえるぐらいか?
こうしたアコースティック・ミュージックはごく素直に再生するということだろう。

9_nfa1   
…と、色々聴いてみたけど、音的には低音がふくよかですごく好みのタイプということが言えるのね。
やっぱりロック系の音楽にマッチしていると言えようが、ジャズもすごくイケる。
それで、新たに気がついたのは、WOBURNを置く場所によって聴こえ方が結構変わってくるということ。
上に書いたように、WOBURNには低音を吐き出すダクトが背面についているので、壁の近くに置いた時と離して置いた時では低音の聴こえ方が異なるのだ。
コレはまさにコンボ・アンプと同じことだよね。
そのあたりにMarshallからのアドバイスがあったのかどうかは不明だが、色々と試してみるとおもしろいと思う。
何しろこういう自分のお気に入りのものが生活の中にあるっていうのはうれしいね。
Marshallが提唱する「Lifestyle」ってのがよく理解できる。



(一部敬称略 2016年12月18日 ベルサール秋葉原にて撮影)

2016年11月16日 (水)

LONDON DRUM SHOW 2016

ロンドンは得意のアールズ・コート駅。
ココはピカデリー線とディストリクト線が乗り入れているにぎやかな駅。
何せレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドで有名なコンヴェンション・センターがあるので、以前から何回もここを訪れているし、前回ロンドンに行った時には5日ほど滞在して何度もこの駅を利用した。
しかし、ディストリクト線の支線がここから伸びているとは知らなんだ。
ハイ、英語脱線。
「拍車」ってあるでしょ?騎士の靴の踵にくっついている馬のお腹をつっつくギザギザの車輪。
アレ、英語で「spur(スパー)」っていうのね。
ナゼこれを覚えたかと言うと、Horace Parlan(ホレス・パーラン)というピアニストに『On the Spur of the Moment』っていうアルバムがあって、「spur」の意味を調べたから。「on the spur of the moment」は熟語で、「出来心で」とか「衝動的に」とか言う意味。
で、この言葉、もうひとつ「支線」という意味があるんだってさ~。正しくは「spur track」って言うらしいんだけど、「spur」でも通じるようだ。
今、知ったよ!うれしいな~。
さてこのspur、アールズ・コートから先に駅がひとつしかない。
要するに始発駅と終着駅だ。
その終着駅とはケンジントン(オリンピア)というところ。

20その駅名の通り、ここにはオリンピア(Olympia)という見本市会場がある。
1885年に完成。129年前の建物だ。
立派だね~。

30最近でこそビッグサイトとか幕張メッセとかパシフィコ横浜なんてのがあるけど、日本はこういう設備が本当に少ないよね。
日本に比べて国土2/3、人口半分のイギリスにはこういう設備がいくらでもある。
展覧会、博覧会、展示会、見本市等がいかに太古から普通に開催されていたかを物語っているのではなかろうか?
それで、こういう展示場につきものなのがコンサートの類。
調べてみるとヤッパリ…ジミ・ヘンドリックスは1967年12月22日に、ステイタス・クォーは1975年の大みそか、その翌日の元旦にはプロコル・ハルム、バッド・カンパニーは1977年のお正月の2日と3日、、ロッド・スチュアートも1977年の1月にここでコンサートを開いている。
これらは一種の「ニュー・イヤー」企画だったのかな?

40展示があるとこんな感じ。

50コレ、相当デカイね。
敷地面積は4エーカーだって…1万6千平方メートル。
浅草寺の本堂が何個入るんだ?
と久しぶりに平方根の計算をすると、126.5m四方となる。屋内でこのサイズは相当大きいでしょう。
しかも19世紀の建物だからね。

60それで、この週末の11月12&13日にココで開催されたのがロンドン・ドラム・ショウだ。
数えてみると65のドラムに関するブランドの豪華な展示とアーティストを売り物にしている。
やっぱりこういうイベントはアーティストをジャンジャン呼ばないとラチが開かないのをさすが連中はよくわかってる。
展示やデモだけでなく、エデュケーション・ゾーンという体験コーナーというかドラム教室のコーナーも充実しているようだ。コレは楽器フェアなんかでもマネっこしていておなじみだろう。
ウェブサイトに出ているこのイベントの紹介文を見るとこんな文章があった。
「Some of the best drum tutors out there will be on hand to finesse your fills and reignite your rudiments.」…会場にいる何人もの世界的なドラム講師が、あなたのオカズの悩みを解決し、あなたのルーディメンツに火をつけるのをお待ちしています…ぐらいの意味になるのかな?
「fill」だの「rudiments」だのに特化しているところが面白い。
ちなみ「finesse」というのはフランス語。辞書によると動詞では「術策を用いる」なんてスゴイ意味になっているけど、そういう意味なのか…。
穐好敏子のソロ・アルバムに「Finesse」という作品があるので単語自体は知っていたのだが意味は正確には知らなんだ。「オハコ」っていう意味かと思っていた。
入場料は£5だから今なら700円ぐらいかな?
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コレは調べたワケではなくて、何人かのイギリスの友人からの聞き伝えで恐縮なのだが、ロンドンでは元々『ロンドン・ギター・ショウ』というのがあって、ここに『ドラム・ショウ』が合体したり離れたり、場所を変えたり、しまいには開催しなかったり、と紆余曲折を経て来たようだ。
それがこんな立派な会場で開催されてめでたし、めでたしなんじゃないの?
私はと言えば、2004年にウェンブリーで開催された『ロンドン・ギター・ショウ』にお邪魔したことがある。
ドラムは全くなかった。
比較的ショボめの展示会だったが、ジェリー・ドナヒューがデモをやっていて、そのスゴさに腰を抜かしたものだった。

70他にもMarshallのデモ・バンドにブルース・ディッキンソンが飛び入りで入って来て歌ったりと日本では絶対にできない経験をした。
「VIP」だし!でも何ひとつ特別な扱いはなかったな。
で、この晩、ニコ・マクブレインたちと夕べの食卓を共にさせてもらったんだけど、ニコがフォークとナイフを手にする前に、手を合わせうつむき、神様にシッカリとお祈りを捧げている姿を目の当たりにして驚いた。あの顔だし…。
他にもイギリス人がたくさんいたが、そんなことをしているのはニコだけだった。
その後もニコとはジムの家やフランクフルトで何度も食卓を共にをしているが、彼はいつもキチンとお祈りをしている。
そういえば、この時、ウェンブリーが物騒だから外に出ない方がいい…とMarshallのスタッフに注意を受けたっけ。
たまたま、数日前に追剥きかなんかがあったからだったように記憶している。

80さて、そのロンドン・ギター・ショウ、じゃないわ、ついついギターが先に出てきてしまう!
ロンドン・ドラム・ショウ、もちろんNATALも参加した。

90以下はその展示のもよう。

100色々とラインナップを広げております!

110こないだ「NATALのアクリルってカッコいいですよね~!」とあるプロ・ドラマーに言われちゃってさ~、うれしかったな。
正直、ヨソとどこが違うんだかよくはわからないけど、カッコいいことはよくわかる!

120スプリット・ラッカーというヤツ。

125おいしそうなお菓子が入っていそうでしょ?
音はおいしいよ~。

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150こんなヤツも…。

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165

170METAシリーズという新しいブラスのスネアのラインも好評だったようだ。

180vあ~、コレはどこでも見かける光景!

190vオリジナル・シリーズも安定した人気をキープしている。

180お!スゴイ行列!

200StereophonicsのJamie Morrisonのサイン会。

210展示されていたキットはまさにホンモノ。

220だって、コレと同じなんだもん。

230コレはStereophonicsが7月に来日した時に撮影したもの。

240グドモの金ちゃんとペギちゃんとも記念撮影したね。
JamieとペギちゃんはNATALつながりなのだ!
この時、モノスゴイ黒山の人だかりになっちゃって…。
Jamieからスティックをもらってご満悦のペギちゃん。

9_s41a0271 これがそのスティック。

9_2img_2382 相変わらずの人気のJamieなのである。

250コレはエデュケーション・ゾーンのようす。
NATALドラマー、Marko Djordevicのクリニック…ってったって知らない人はまず読めないよね。
「マルコ・オルジェヴィック」っていうんだって。
モダンドラマー誌に「世界クラスのドラマー」とか「真の革新者」と評価されたスゴ腕ドラマーで、SVETIというグループを率いてリーダー作も発表している。
バークリーを出たジャズ系の人で、Wayne Krantz、Garry Willis、Bill Frisell等々と共演し現在までに40枚以上のアルバムのレコーディングに参加しているそうだ。
彼のSVETIというグループは「コルトレーン、ウェザー・リポート、ザッパ、ポリスに影響を受けた古郷のバルカン風味タップリの音楽」を標榜している…「バルカン」にはそそられるな~、と思いつつ動画をいくつかチェックしてみたけど、普通のジャズだったわ。
でも今風のテイストのジャズ・ドラミングでカッコいい。
260今回写真を提供してくれたアメリカのJoshが動画をあっぷしてくれたのでそれを拝借して掲載しておく。
この人、どこか東ヨーロッパの国の出なんだろうけど、こういうルーツを持った人たちが英米のシーンに出て来ることも珍しくなくなったね。
こういう人たちはアニメもゲームもない裸一貫の音楽出稼ぎだからして、その実力と根性はかなりのレベルなのだろう。
そして、この動画を見て思い出したのはMagamとかSBBとかあたりのブリティッシュではないプログレッシブ・ロックだ。新手のフリオ・キリコみたいな?
彼らにはアニメがない代わりに、この手の音楽のDNAがあるんだろうな~と感じてしまった。

…ということでNATALよろしく願します!

270965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年11月12~13日 ロンドン・オリンピアにて撮影 ※Spechai thanks: Josh Touchton)