TOKYO HIGH SCHOOL ROCK 2017
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也
今日は内容に合わせて芭蕉でスタートしたよ。
そう、今年も10月1日がやって来た。
それにしても…2017年もあとたった3月かよ~!
ったく信じられんな、この月日の経つ早さときたら。
10月1日は「都民の日」で学校が休み…ということで、高校生バンドのライブをやろう!と第1回目を開催したのが2008年。
あの時、高校3年生で出演してくれた子たちは今頃25、26歳になって、毎日額に汗して働いていることだろう。
「赤痢オルガン鳥」とか「ほめごろし」の子たちはみんな元気でやってるかな?
なつかしいな…でも、そんなこととは全く関係なく、今年も「都民の日」名物『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』が開催された。
今回でもう9回目!
このイベント、Marshallは第1回目から機材でお手伝いさせてもらっているのです。
なので、今回もステージにはMarshall JCM2000 DSL100と1960A。
そして、ベース・アンプのヘッドには、大人気のスグレモノTerra Nova TN-501。
せっかく一生懸命演奏するんだから、気持ちよくいい機材で臨んだ方が気持ちいいもんね!
まず最初にステージに登場したの司会の深野叶子さんからこのイベントの主旨が説明された。
以前は司会もいなくて、シレ~っと始まって、シレ~っと終わっていたんだけどね。
司会者を立てたのはとてもいいことだ。
叶子ちゃん、チョット緊張した面持ち?
できれば私が替わってあげたいわ。
今回のトップバッターは鷺宮の都立武蔵丘高等学校からLyric Jack。
森口楽絃
女性3人に男性1人のいわゆる「ハーレム状態」。
この反対、すなわちボーカルズが女の子でバックがみんな男の子…というパターンは昔からあったが、こういうのは時代の変化がなせる業ですな。
今、共学の高校の吹奏楽部なんて、ほとんど男子がいないでしょう?「こんなに広いステージで演るのは初めてです。スゲエ景色で感無量です!最後まで楽しんでください!」とあいさつして、熱唱を見せてくれた森口くん。
各バンドの持ち時間は20分。
その限られた時間で苦労して作った自分たちの曲を精一杯披露する。ベースの梨沙ちゃんのプロ顔負けのアクションがカッコよかった!
楽しそうに、また、とてもシッカリした演奏でトップバッターの重責を完璧にこなしたLyric Jackだった
2番手はガール・バンド。
都立武蔵丘高等学校の旋光少女…って、前のチームと同じ高校じゃん!
そう、同じ高校の2つのバンドが別々に応募して、双方オーディションを通過してしまったのだとか。
ロックが盛んな学校なのかな?
かわいい!
夏子ちゃんのエフェクター、ポーチのクッションが敷いてあった。
コレは女子ならではの所業でしょう。
「いい日、悪い日あるじゃないですか?たとえ悪い日でも、今日という日はその日しかない。ガンバリましょう!」という曲を作りました。
そう、「明るく陽気にいきましょう(by ぴろき)」!
ナンじゃ?この夏子ちゃんベースの音。
オッソロシク抜ける~!そして深い!
EDENのTerra Novaはやっぱりスゴイわ!
やっぱり女子はこういう音ヌケの優れたベース・アンプを使うといいね。
理奈ちゃんのギター・ソロも各曲でフィーチュア。
やっぱりアンプは真空管に限るでしょ?「今日はこんなステージに立つことができてうれしいです!人生の中で忘れられない経験となりました。最後に私たちの大スキな曲をやります!」
とあいさつして右手を高く上げた。
旋光少女も4曲。
若々しく、ガール・バンドの魅力に満ちたステージを見せてくれた。
今日はトリもガール・バンドなんだけど、女子パワーは相変わらずスゴイよ。
仕事中の私。
右手にハメている黒いベルトは決してアクセサリーではない。
転換が終ると、その前のシーンとは雰囲気がガラっと変わって、ギターふたりが向き合ってイントロを奏で始めた。
3バンド目はPatchworks 。
日本大学第二高等学校から。
日大二高の最寄り駅は、荻窪、阿佐ヶ谷、下井草…なるほど、アッチの方か。池田将人
この日、初めての私立高校からのエントリー…。
イヤ、それより、この日初めてのボーイ・バンド!
あ、今ワタシ、生まれて初めてここで「ボーイ・バンド」という言葉を使ったよ。
ナゼなら私の世代は、バンドってのは「ボーイ」がやるのが当たり前だったので、ワザワザ「男の子」と付け加える必要が全くなかったからね。
もちろん私が通った高校にはボーイ・バンドしかなかった…アレは男子校だったからか。
「皆さん…盛り上がってますか?
ステージの折り返し地点ですけど、最後まで盛り上がっていきましょう!」
西原くんのメッチャ恥ずかしそうなMC、ヨカッタよ~!見ていてこっちがドキドキしたわ!
派手なアクションを交えてバリバリとMarshallを鳴らしてくれた関本くん!
いいギターの音を出したかったら、ギターよりもアンプに気を遣うこと。
音を出しているのはギターではなくてアンプなんだから。
ステージで弾く場合は最低限真空管アンプを使おう!
つまりMarshallということね!
タイトでカッコいいドラミングを披露した米久保くん。NATALのことを絶賛してくれていたらしい。
パッとみるとミュージシャンというよりアスリートっていう感じだけど、彼、ドラムスだけじゃなくて、コーラス・ワークが抜群に素晴らしかった。
曲は池田くんが作っているのかな?それともみんなでやっているのかな?
どの曲もなかなか作りがシッカリしていて聴きごたえがあった。
さて、怪しげな照明の中ステージに現れ、トリを務めたのは神奈川県立厚木高等学校のSEED。
5人編成のガール・チーム。
「都民の日のイベント」と謳っている『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』だけど、今年は10月1日が日曜日に当たったので、東京近隣の高校にまで門戸を広げたそうだ。
千葉県民の日は6月15日、埼玉県民の日は11月14日、そして神奈川県民の日は…ないらしい。
「県民の日」があるところは、県内で何がしかの大きな行事があったり、「ナニかが何年目を迎える」という記念事業があると、「その日を〇〇県民」の日にしよう!住民が自主的に盛り上がり、その要望が県議会に上程され「県民の日」が決定してきた。
ところが神奈川県にはそういう盛り上がりがなかったんだって。
でも、神奈川県には「市民の日」というのがあって、横浜は6月2日、川崎は7月1日に制定されているそうだ。
あ、それとね、今はどうだか知らないけど、我々世代の横浜市民って多分漏れなく「横浜市歌」が歌えるんだよ。
どうして10月1日が「都民の日」になったのかはコチラに書いておいたので興味のある人は読んでごらん。
ね~、タメになるでしょう、Marshall Blogって?!
アンプもブログもMarshallにキマりでしょう!
今風のJ-POP風ロックっていうのかな?ま、我々の世代から見ると「電化フォーク」っていうイメージなんだけど、そういうのとは全く異なるサウンド。
見た目からは想像できないドロドロっとした昭和のイメージ。
いいね~。
このイベントはコンテストではないので、奇を衒って目立とうとする必要は全くない。
力まずに自分たちの音楽を演ればいい。
それでもこうしてチョコっと雰囲気の違ったバンドが出てくるところがおもしろいんだよね。
この日、キーボーズは全編を通じて佳乃ちゃんひとり。
コレはイヤでも目立ちますな。
なるほど、彼女たち、「暗い音楽」を標榜しているのね。
そんなダークなロックでもNATALがバッチり。
NATALっていい音でしょう?
そしてMarshallでバッチリとハードなギター・ソロを披露してくれた澪菜ちゃんも大活躍!
スッカリ入り込んでしまっている栞奈ちゃんの渾身のパフォーマンスはもちろん大きな見どころだったね。
イベントはゲスト・コーナーに突入。
今日のゲストは大阪出身のラックライフ。
彼らも高校の同級生で結成したのだそうだ。
今風のロックにちょっとハードなボーカルズが乗ってとてもいい感じ!
会場を大いに沸かせた!
全員集合。
やっぱり女子強しだナァ。
数えてみると男女比は5:12。
70%が女性ということになる。
応募の段階でも7割とまではいかないまでも、感覚的に見て6割は女性だったらしい。
繰り返すが、このイベントはコンテストではない。
こんな光景と見ると、いかにも「結果発表!ダラララララララ」みたいな感じだけどさにあらず。
最後に出演者からひとことずつメッセージを発してもらった。
今日出演の皆さんが演奏してくれたのは100%自作曲。
つまり全部オリジナル曲でコピーは1曲もなかったそうだ。
このライブはコピー曲を禁止しているワケではない。
しかし、みんな苦労して自分たちで作った曲を披露してくれたのだ。
もちろんこのイベントに出演するにはオーディションを経なければならない。
年々出演を希望する応募者の数は増えているが、ハードロックやヘヴィメタル・バンドの応募はとうとう皆無になったそうだ。
70年代あたりのスタイルのロックは、日本の若者の間ではすでに絶滅していると言っても過言ではないだろう。
とても残念で悲しいことだが、伝承に失敗したのだから仕方がない。私から若い方々へお願いしたいことがふたつある。
ひとつは続けること。
ふたつ目は、とにかくジャンルを問わず少しでも多くのいい音楽を聴く努力をすること。
生意気言ってゴメンね。
私も若いミュージシャンに接する機会が少なくないが、今の時代、皆さんはあまりにも音楽のインプットの量が少なすぎると思う。「音楽の幅」という意味ね。
でもそれはキミたちのせいではない…そういう風にしてしまったのは、後先を考えなかった「売り上げ至上主義」の音楽関連産業に従事する大人たちなのだから。
世の中にはクラシックから、ジャズから、民族音楽から…素晴らしい音楽がたくさんあって、キミたちはまだ何も聴いていないに等しい。
モッタイないよ!
人生なんてアッという間。
若い頃から垣根を取り払って色々な音楽を聴くクセを付けるといい。
私もキミたちに劣らないロック狂いの少年だったけど、20歳前にジャズを聴くようになったことで、音楽人生が飛躍的に拡充した。
民族音楽も大スキだし、今はクラシックにも夢中になっている。個人的には古いロックなら今でももちろんよく聴いているよ。
生きている間に少しでも多くの素晴らしい音楽を聴いて感動してください。
自分で音楽をやるのはそれからでも遅くない。
あ、ゴメン、もうひとつあった。
アノね、コレは実際に年を取って気がついたことなんだけど、「何かに感動する」ってのは若い人が持つ特殊技能のひとつなんだよ。
たくさんの経験を経て年を取ると、感性が著しく衰えて、チョットやソットのことでは感動しなくなる。
だからこそ、若いウチに色んな音楽を聴いておくことが大切なんだ。
私もビートルズを聴いてトリハダが立った頃に戻りたいよ!
最後は記念撮影。
「オラオラ、そこの!もっと寄って寄って!」…ウソ、もっとゼンゼンやさしいです、私は。
「パシャ!」
お疲れさまでした!
来年の「10周年記念」でまたお会いしましょう!
<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。
パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。
カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
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(一部敬称略 2017年10月1日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)