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2017年7月19日 (水)

ARESZ 7弦Guitars☆那都己セミナー

おお!ナンダ、ナンダ!
暴走族の出勤かッ?!

10v…と思ったらARESZ!
今日は前回の翔己くんの6弦ベース・セミナーに引き続いて7弦ギターの那都己くんのセミナーが開催されるのだ。
昨日のペギちゃんのNATALに続いてMarshall Blogでイベント・ネタが2日続くのは初めてのことかも?

20_2ステージの上にはズラリとMarshall!
左からASTORIA CUSTOM(アズキ)、ASTORIA CLASSIC(抹茶)、JVM210Hと1960BV、JCM2000 DSL100と1960A。
その上のラックの中にはJMP-1も収まっている。

30_2今日の講師、ARESZ 那都己!

40_2まずは機材の説明から…ということでMarshall。
「日本国中どこのスタジオへ行っても、ライブハウスに行ってもMarshallがあるので、Marshallで自分の音を作っておくことはロック・ギタリストの重要な課題です」
那都己くんはJCM800 2203からMarshall道に入ったそうだ。

50_2アンプとエフェクターの重要性を説きながらJVMを解説。
2007年、つまりJVMが発売になった頃、もうこのJVMのデモ・ショウを日本全国でどれだけやったことか…。
JVMがJCM2000シリーズに続いてこの世に現れてからもう10年経つのね?
早いナァ~。
Marshallの工場で開催された発表会のことを思い出す。
当時デビューして間もないThe AnswerやDoug Aldrichがデモンストレーションをしたんだっけな。
お、待てよ…私がタバコを止めたのはこの時だから、吸わなくなって10年経ったのか…。
遅いナァ~。

70_2

そして、那都己くんがこの日初めて試したASTORIA。
「とても感動しました。指やピッキングの使い方で色んな音を出してくれます」…と、実際の音を聴かせながら、一台一台とても丁寧に解説してくれた。
ARESZはベースが2本という特殊なインストゥルメンタリゼーションであるため、どういうギターの音を出すのが最もふさわしいか今でも試行錯誤を繰り返しているそうだ。

60_2続いてギターの部。
140_2

那都己くんは変形ギターがお好き。
フライングVが那都己くんにとってはスタンダードな形なのだそうだ。
ARESZに加入した時もJCM900をゲットしてVで鳴らしていたとのこと。

100v_2ARESZと言えば人類の能力を超えた激しいステージ・アクション。
話はそのアクションにも及んだ。
125最初の頃は、楽器を弾くことだけで精いっぱいで、アトラクションとして誰かに見せるような弾き方などとてもできなかったという。

170vつまり、お客さんのことを見る余裕などまったくないし、自分の所作を全然カッコよくないと思っていたそうだ。
そこで、ギターを提げて、家で鏡を見ながら徹底的にポーズを考え、身体にスリ込んだ。

130v

そんな苦労の甲斐があって今ではこんなこともできるようになった!

290v

「ARESZに入ってからは、シッカリ演奏して、シッカリ動いて、それがとにかく自然にやっているように見えるよう努力をしました」
また、ひとりだけ目立たないようにも注意しているのだそうだ。
フロントのメンバー4人(写真では手が「3」になっておりますが…)がカッコよく見えないとダメだという。
なるほどね。
確かにそうだ。
あの一糸乱れぬ頭グルグルをひとりでやっていたり、回す方向がバラバラだったりしたらアクションの意味が半減しちゃうもんね。
しかし、一体だれがあんなこと考え出したのよ?
我々の世代のロックにはなかったよ。

110v

そうするためには「自分たちの感情をお客さんにシッカリと伝える気持ち」がないとダメ。
ギターの技術だけでは伝わらない。
その「伝える気持ち」をステージからお客さんに飛ばすつもりで演奏しているのだそうだ。
なるほどね~。
伝わってるわ~。
90_2ARESZはボーカルズの瑠海狐さんとベースの雅己さんがオリジナル・メンバーで、結成2年後にもうひとりのベースの翔己くんが加入。
結成10年後に那都己くんが入った。それまではARESZのローディをしていたのだそうだ。
始めのうちはメイクをすることに大きな抵抗があったそう。
しかし、ARESZがARESZであるためにどうあるべきかを考えた時、「継続」が大切であると思ったという。

120_2

ARESZは結成23年を迎えるそうなのだが、失敬ながら私は昨年末までこのバンドのことを知らなかった。
私は年間100~150回以上コンサート・ホールやライブハウスに行くことをカレコレ約10年の間続けているのだが、よく今まで一緒にならなかったのかすごく不思議。
それとも忘れていたのかな…イヤイヤ、こんな人たちは一回見れば忘れるワケがない!
それがチョットしたハズミ…というのはFEEL SO BADなんだけど…でこうして知り合うのだから面白い。
  
で、ですね、初めて会った時からメンバーの皆さんとは何となく波長があって、すぐに仲良くなってしまったのね。
那都己くんがセミナーの中で「メンバーを信じることや礼儀を重んじているのがARESZなのだ」みたいなことを言っていたけど、まさにソレ。
挨拶は決まってキチンとするし、つつましやかな態度は本当に好ましいモノで、誰もが避けたがる力仕事もみんな進んで取り組んでいる姿は見ていて実に気持ちがよい。
今はもうロック・バンドに「いい子」も「悪い子」もないでしょう。
「ロック=反抗心」みたいな精神は完全に消え失せた。
いいですかアータ、今では高校、あるいは中学で学校を上げて軽音楽部のバンド活動をプッシュする時代ですよ。
しかも部員のほとんどが女子だという。
もちろん彼女たちはかつて「エレキギターが不良であったこと」を知らないだろう。
この状況が良いとか悪いとか、ロックだとかロックじゃないとか、などということは関係ない。
「それが今のロック」という事実が目の前にあるだけだ。そして、それがマジョリティであるということを忘れるべきではない。
だから、昔のロックンローラー気質でトッポくしみても世間から疎まれるのが関の山よ。
そんな態度を取るよりも、礼儀礼節を重んじ、謙虚さを忘れないで周囲の人に可愛がってもらわなきゃ損だ。
そして、自分たちだけの音楽を作る。
正直、23年もやっていればARESZも最早「若いバンド」では決してあるまいが、ARESZが見せるそうした普段の行動からは、本当に音楽が好きでやっている初々しさのようなものが伝わってきてすごくうれしいのだ。

160この那都己くんのセミナーもそんなARESZの真摯な姿勢が垣間見れる好感度の高いモノであった。
やっぱりギター・アンプは真空管、すなわちMarshallだね~。
  

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

180_2(一部敬称略 2017年6月12日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)