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2016年11月

2016年11月30日 (水)

Marverics & Mystics ~ BLINDMAN編

世によく言う、その誕生の瞬間を「Rock Around the Clock」だとすると、ロックは今年で還暦を迎えて早二年経過したことになる。
その間、オールディーズ、テケテケ、ビートルズ、グラム・ロック、ブルース・ロック、ジャズ・ロック、ハード・ロック、プログレッシブ・ロック、パンク、ニューウェイブ、テクノ、デス…最近のはサッパリわからないけど、一体今までどれぐらいの種類の「ロック」と呼ばれる音楽が現れては消えていったのだろう?
ジャズなんてアータ、ディキシーランド、スウィング、ビ・バップ、後はフリーを含むモダン…乱暴にやればこれだけでコトが済んでしまう。
ま、「モダン・ジャズ」の中にもクールとか、ハード・バップとか、ジャズ側のジャズ・ロックとか、ゴチョゴチョあるけど、とにかくロックの多様性の足元にも及ばない。
一般的にクラシックは150年、ジャズは10年で大きな転機が訪れると言われているが、最近のロックに関してはそれを「数か月」としても過言ではなかろう。
少しでも金儲けの可能性があればドド~っとそちらになびいてしまう。そこには「芸術性」のカケラもない。あるのはかぐわしき福沢さんの香りだけだ。
さて、それだけの種類で構成されるロックだからして、生まれ育った時代や環境で人はそれぞれに「自分のロック」を持っていることでしょう。
私はビートルズからロックを聴くようになり、パンクやらニューウェイブが出て来る前まではずいぶん色んなロックを聴き込んだが、問答無用でプログレッシブ・ロックが一番好きなのね。
でも自分の「ロックの原風景」ということになるとチョット違う気がするんだな~。
しからば、自分の一番のルーツは何かというと…「ハード・ロック」ということになるかナァ~。
要するにMarshallがあったからこそこの世に産声を上げた音楽。
それも絶対的にブリティッシュなんだな。
アメリカン・ハードってのは昔からどうもソリが合わない。
Marshallを産んだ国のMarshallが作ったロック…ソレが私の原風景のような気がする。
今回の『Marverics & Mystics』の後半に登場したBLINDMANはそうしたブリティッシュ・ロックの伝統的な風合いを頑なに守り続けるガッツあふれるバンドだ。すなわち私の原風景がそこにある。
ガンコ結構、ワガママ結構!
我が道を突き進んでこそ「アーティスト」ってもの。そしてそれが「ロック」ってもんじゃないの?
Marshall Blogに登場するアーティストやバンドはみんなそういう方々だ。

10_2中村達也

20v_2ボーカリスト レイ

30v_2戸田達也

40v_2松井博樹

50v實成峻

360v
(中村)達也さんはMarshall。
ズッ~とMarshall。
だってBLINDMANはそういう音楽なんだもん!
どういう音楽かって?
冒頭に書いた通りMarshallがなければこの世に存在しなかったであろう「ロック」だ。

70愛機のJCM800 2203。

80v足元のようす。
しかし、最近の皆さんのペダル・ボードがにぎやかだね~。
自分の勉強不足をタナに上げて言うけど、見たこともないようなヤツばっかり。
もちろん長命の商品もあるけど、エフェクター、特に歪み系商品の移り変わりの速さったらないよね~。
日本はペダル天国だから余計か…。
多分ロンドンのデンマーク・ストリートで展示しているエフェクターを全部かき集めても、種類で比べれば、東京の大きめの楽器店一店に負けるよ。

90_2今日の1曲目は4枚目のアルバムのタイトル・チューン、「Turning Back」。
100_2イキイキとしたプレイを見せる達也さん。
「水を得た魚」とはこういう状態を指すに違いない。

110_2ブルースの11~12小節を「ターン・バック」と呼んだりするが、「turn back」とは「来た道を引き返す」という意味だ。

120v若き同志をファミリーに迎え、再び歩み直すという気持ちが込められているのか、意味深なオープナーだ。

60v

その若き同志がBLINDMANを律動させるために今日タッグを組んでいるのはNATAL。
やっぱりブリティッシュ・ロックにはMarshallをはじめとしてイギリスのギアがベスト・マッチする。

1407枚目のアルバム、『Re-rise』から「In the Pain of Love」。

150ん~、安定のBLINDMAN節。
何せ安心するわ~。

180_2短いMCで「ニューアルバムに収録される予定」と紹介された曲、「Rising Sun」。

190_2松井さんのキーボードから「Without a Word」を続けて演奏した。

200v胸のすくようなブッ速い曲ばかりでなく、こうしたドッシリとした曲調もBLINDMANの魅力だ。

210「昔なつかしい曲で楽しみましょう!」と紹介されたのは「Why did You Come Back?」
ファースト・アルバムからのチョイスだ!

220_2この曲はいかにもBLINDMANというイメージが強い。
達也さんのソロもまさにBLINDMAN的に鳴り響く!
230
達也さんのフォームも美しいな~。
310
次の曲もスタートは松井さんから。

240_2そのキーボードの音色が飛び出した瞬間に大きな歓声が上がったのは「The Tears of God」。

225
ヘヴィに迫りくるレイさんのボーカル。
コレがBLINDMANの声だ!

250vニュー・アルバムからの2番目のチョイス、「In the Sleepless Night」でブッっちぎる!260_2
音楽は「年齢」じゃないけど、やはり若いメンバーのパワーを感じずにはいられないほどの疾走感!
いつも書いているけど、ロックはこういうベテランと若者の交流をドンドン推進するべきなのだ。
若者はベテランから経験と知識を学び取り、ベテランは若者の感性とパワーを大いに吸収すべし!
コレが実現したところに新しいロックの道が日ら開けると信じでいる。
S41a0446
「若者」って言えば、峻くんと話をしていて大笑いしちゃったんだけど、彼がもっと若い時、すなわち中学生の時に私を見てるって言うんだよね。
カレコレ10年も前の話。
この業界、驚くほど狭いということは先刻承知なんだけど話を聞いて驚いたわ~。
私はミュージシャンでも何でもないので彼に「見られた」っていうのもヘンなんだけど、関西で学校対抗の大きなバンド・コンテストがあって、その審査員をさせて頂いた時のこと。
コンテストに先立って、出場する中高生向けに「機材の使い方教室」のような講演会が用意されていた。
当時「時空海賊SEVEN SEAS」のEITAちゃんをデモンストレーターに迎えて「アンプの使い方」をテーマに何回か私が講師を務めさせて頂いたのですわ。
その時、中学生だった峻くんが客席にいたっていうんだよね。
改めて「どうだった?」って訊いたら、「すごくおもしろかった!とにかくJVMを激押しされていましたよ!」だって!子供相手に押し売りとは恥ずかしいわ…イヤイヤ、教育ですから!
当時、彼の学校にはMarshallが3台も置いてあって私が心底うらやましがってたらしい。我々が中高校生の時にはMarshallのニオイすら嗅げなかったからね。
そう、以前は専門学校から「アンプ教室」の講師を依頼されて、同時に「Marshallやロックの歴史」みたいな講義をずいぶんやらせて頂いたんですよ。
私はエラそうに人前で話すのがそうキライではなくて、好きな仕事のひとつだった。
私の授業の第一のテーマはとにかく「笑い」。
Marshall GALAの時もそうだったんだけど、まずは聴き手を笑わせることに注力する。
そうしないとオッサンのつまらん話なんか誰も聴いてくれないからね。
そんなワケで、時々峻くんみたいに、「あの時私教室にいたんですよ!」なんて臨時教え子さんたちに出くわすことがある。
相手の数が多いので、残念ながら相手を思い出すことはできないが、すごくうれしいもんだ。さらに皆さん、「お話がすごくおもしろかった!」と言ってくれる。
コレがつまらない授業だったら誰も声をかけてくれないでしょう?
笑いの中でMarshallの話をするワケ。
生前Jimもしょっちゅう冗談を言っていたので、コレには大賛成してくれているだろう。
そんなMarshallの講義をある専門学校で久しぶりに受け持つことになりそうで今から楽しみにしている。
「笑って笑って、気が付いてみればキミもMarshall博士!」そんな講義をご希望の方、ゼヒお声をかけてくださいまし!
  
ところで、峻くんが実際にそのコンテストに出たのか尋ねたところ、出たんだって。
その時の何人かの審査員のうちのひとりが私で、もうひとりはD_DriveのSeijiさんだ。私はそこでSeijiさんに出会ったのだ。
ちなみに、峻くんはウチの上の子よりも年下なのよ。
若い。
そんな彼がBLINDMANのリズムを刻んでいるんだから応援したくなるのは「道理」ってもんでしょ?
S41a0731
ジ~ックリ「River of Life」を聴かせておいて…

290_2

達也さんのギター・ソロをア・カペラでタップリ…。

300_2
Marshallとレス・ポール。
素晴らしいサウンド…ロック・ギターの魅力がギッシリ詰まっているサウンドだ。
Benoや『Truth』の時代から50年。
この牙城は崩せない。
ナゼならそういう「音楽」だから。そのサウンドによって成り立っている「音楽」だから。
  
解せないのは、後から後から出て来るMarshallのコピー商品のこと。
コピーするのは構わない。Marshallだって最初はそうだった。
それを「Marshallより良い音がする」と喧伝するのもゼンゼン構わない。それが彼らのビジネスだし、ビジネスにはそうした宣伝惹句は不可欠だ。
不思議なのは、それほどMarshallより優秀という自信があるのならどうしてルックスを似せて作るんだろう?恥ずかしくないのかな?
せっかく自分の納得のいく音が出る製品の開発に成功したのなら、見た目も本家とゼンゼン違う形にしてオリジナリティや優位性を確立させればいいと思うんだけど。
私だったら絶対そうするな~。
それと「Marshall好きならきっと気に入りますよ!」とかいう商品説明。
Marshallが好きならホンモノを使えばいいのにね。そこから自分の味を引き出すのがアーティストの腕であり、仕事であると思うんだな。
そこへ行くと達也さんをはじめ、マーブロにご登場頂いているギタリストの皆さんはやっぱりスゴイ。
みんな大好き…自分が好きなMarshallを好きでいてくれて、最高の音を聴かせてくれるから!

320_2
そのままセカンド・アルバム収録の「Hot Blood」。
270v

MCでは12月21日にリリースが予定されているニュー・アルバム『TO THE LIGHT』への想いが語られた。
達也さん本当にうれしそう!
失敬を承知でこんな言葉を使うが、やっぱりこうして「愚直なまでに」自分たちのやっていることに誇りと自信を持って、「己が道」を突き進む姿に感動を覚えずにはいられない。
意志ある「継続」は「力」どころの騒ぎではない…「継続は感動」だ!
私はMarshall Blogを通じてそういうアーティストたちとお付き合いさせて頂いていることを誇りに思っている。

160

その「感動」の度合いを高めたのが峻くんの存在だ。
以前にも触れたが、一旦録り終えたすべてのドラム・トラックをこの新加入の若きドラマーのプレイに差し替えたのだ。
峻くんといい、MashaくんのSilexといい、Crying MachineのOBの活躍が目立っている。
ちなみにMashaくんが今使っているブルーのストラトキャスターの前のオーナーは達也さん。
Mashaくんは達也さんに敬慕の念を寄せているのだ。ここでも新旧の交流が!

280
コレがそのニュー・アルバム『TO THE LIGHT』。
12月21日の発売ゆえ残念ながらまだ聴けていないが、渾身の一作に仕上がっていることは想像に難くない。
耳にするのが楽しみだ!

170cd

そして、アッという間にBLINDMANのステージも最終セクションに突入する。

Img_0185
「The Touch of Gray」…

S41a0506「Blazing Crisis」…

S41a0463と立て続けにブチかまして本編を終了した。

Img_0194熱狂のアンコールは「もちろんこの曲!」として…

330_2「Living a Lie」を演奏した。

340_2完全復活を遂げたBLINDMAN、Marshallとともにジャンジャン暴れちゃってくだされ~!
130v

350v

370v

380v

390vさて、直近のBLINDMANの予定は、『at the end of the year ~Between life and death tour final~』と題したCONCERTO MOONのコンサートへのゲスト出演が決まっている。
ゲストだから「ダブル・ヘッドライナー」ではない。
東京は12月18日の目黒鹿鳴館。
そして、ニューアルバム『To the Light』のレコ発ワンマン・ショウ、『LIVE TO THE LIGHT 2017 TOKYO Vol.1』は年が明けて1月21日。
場所は同じく目黒鹿鳴館だ。

BLINDMANの詳しい情報はコチラ⇒BLINDMAN Official Web Site

4001965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年10月2日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2016年11月29日 (火)

Marverics & Mystics ~ APHRODITE編

今回のレポートは久しぶりにご登場頂くグループがふたつ。
岡垣正志率いる様式美の雄、APHRODITEと正統派ブリティッシュ・ロックの伝統を奏で続ける不死鳥、BLINDMANのダブル・ヘッドライナーだ。
だからまずはアレをやらないと!
「ツーマン」では断じてない。「ダブル・ヘッドライナー」だ…ってヤツ。
「ダブル・ヘッダー」でもいい、とにかく「ツーマン」だけはヤメましょう。
しかし、どうして「ツーマン」なんて言葉が出て来たかね~?
おそらく、昔から広く使われている「ワンマン」という言葉の「ワン」を「ツー」とか「スリー」に置き換えた感覚なんだろうね。
そこには当然「man」の複数形が「men」だなんて感覚は介在しない完全な日本語感覚なんだろう。
だからそれを「Two Man Live」などとアルファベットで表記するなんて恥ずかしいことこの上ない…とチョット前に書いたばかり。
そういえば、昔のバスって運転手と車掌さんの「ツーマン」だったんだよね。あ、イカン!
「ツーマン」って言ってしまった!
車掌さんが真ん中あたりに乗っていて硬い切符をチョキチョキ改札していた。のんびりした時代だった。
さて、ネイティブの人にこの辺りのことを尋ねると、「ワンマン」という言葉もどうもシックリこないらしい。
「One Man Concert」なんて聞くと、あるグループから一人だけ独立して演奏する弾き語りのような形態のショウを思い浮かべるらしい。
しからば、グループがひとつだけ出演するコンサートをどう呼ぶか?…というと特別な言い方が思い浮かばないということだった。そういうコンサートが当たり前なので、ワザワザ特別な言葉を充てる必要がないのかもしれない。
そもそも昔のライブハウスはね、今ほど複数のバンドがいっぺんに出るなんてことがなかったんだよね。
だから「今度ワンマンやります!…♪ドコドン、ジャ~ン!」なんてやっていた記憶もないなァ。
私は故意に「コンサート」とか「ショウ」いう言葉をMarshall Blogで使っているが、コレらの言葉も「ライブ」…「ライヴ」か?…という言葉に押されて絶滅しそうだもんね。それより先に「リサイタル」という言葉をトンと耳にしなくなった。
本当に言葉というものは世につれて変化していくもんですな~。
でも、どんな言葉が使われようが、「ツーマン」だけはチョット…。
  
まずはAPRODITEの出番。

10さて、同名のイベントで7月にはJILL'S PROJECT-D名義でステージに上がった岡垣正志。
今回はAPRODITE!

20v荒木真為

30v西村守

40v西村さんは当然Marshall!

50ANI-Katsu

55vトレードマークのフロント・ヘッドを擁するのは…

60堀江睦男

70v一曲目は「アンシャン・レジューム」。

80タイトルの「アンシャン・レジューム(レジーム)=Ancien regime」はフランス語。
16~18世紀のフランス革命以前の絶対王政期の同国の社会・政治体制のこと。フランス以外の国々では「旧体制」を意味する比喩として用いられることが多い。
英語で言えば「ancient regime」…ほぼ同じ。

90急速調でドラマチックな展開はオープニングに持って来い。
こうしたロックがなかなか聴けなくなったのは本当に残念だ。まさに「Ancien regime」!
120
岡垣さんのキーボードから始まる二曲目は「Holy,Unholy」。

100これまた迫力のスピード・チューン。

110ギター・ソロもバッチリきまり、最近の作品で固めた滑り出しは絶好調!

130「7月は夏が始まる感じ、今日は(10月初旬)は秋が始まる感じでココ鹿鳴館のステージに上がっています」という岡垣さんの時候のご挨拶の後は「Long Live The Dead」。
150v
前二曲とは異なり、若干テンポ・ダウンしたドッシリした雰囲気が重厚感を演出する。
140v

岡垣総帥の世界をミッチリと織りなしていく三人。

160v

S41a0026

170曲は「詩人シャロー」へ…。
「♪詩人シャロ― 難解すぎて 詩人シャロ― 誰にもわからない」という歌詞が最高。
ま、私は残念ながら詩歌をジックリと味わうほどロマンティックな人間ではないが、瀧口修造という人の作品には腰を抜かしたな。
『妖精の距離』という作品はこんな具合だ…チョット飛ばさないで読んでみて!
  
うつくしい歯は樹がくれに歌った
形のいい耳は雲間にあった
玉虫色の爪は水にまじった
脱ぎすてた小石
すべてが足跡のように
そよ風さえ
傾いた椅子の中に失われた
麦畑の中の扉の発狂
   
…イッちゃってますね、完全に。
若い頃は「ロクでなし野郎赤い羽根 ミシンをかついたギタリスト 傘をかぶったベーシスト おいらは銀河のニヒリスト」にも相当ビックリしたけど、瀧口修造の言葉の四次元ぶりは尋常ではない。
まさに難解すぎてサッパリわからん!

180そのかわり、ギター・ソロはストレートにブッ放す!
やっぱりこういうギターはMarshallでないと!

S41a0310岡垣さんのキーボード・ソロ。

180v徐々にエキサイトしてキーボードをゴインゴインと猛スイング!

190そして、曲は五番目の「Fear」に突入する。
こうしたドロッとした重苦しい曲調もすごくマッチする。

S41a0128 堀江さんのドラムが雄叫びを上げた!

220
鐘や雷の音から始まったのは「Edge Of The World」。

240西村さんの流麗なギターがフィーチュアされる!

250Rick Wakemanのようなカッチョいいピアノのイントロから「人形愛」。
230v
ソリッドなリフからメロディアスなボーカル・パートへ。
290
この曲でも聴かせてくれる華麗なギター・ソロ。
280v
岡垣さんのオルガン・ソロ!
グワングワンとキーボードを前後に揺さぶる岡垣さん。その振幅は増すばかり!

260しまいにはコレもん!
200
Ani-katsuさんはゴリンゴリンと遠慮なく図太い低音を放り込んでくる!

270その低音とガッチリコンビを組む堀江さんのシャープなドラミングが小気味いい!…と、APHRODITEのエキス満開!
295v
さらに「Daydream」。
完璧なバック陣にサポートされた真為さんのボーカルが冴えわたる。

300最後の最後までとにかく突っ走る。
もう「様式美」ファンにはタマらないステージだ!

320そして、APRODITEのステージは「紅蓮の炎」で幕を閉じた。

330岡垣正志とAPHRODITEの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website340<BLINDMAN編>につづく

(一部敬称略 2016年10月2日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2016年11月27日 (日)

【号外】ドローイング・レコード2016(梅春スケッチフェス)

今、一部では「ゴールド免許のあり方」についてモメているようですな。
何でも「ゴールド免許」保有者の21%はペーパードライバーだそうで…。
「運転しないヤツこそ講習を受けるべき」という論理も立派に成り立つような気がしますな。
かく言う私もしばらくゴールド免許だった。
地方から東京に帰って来て車に乗る必要がなくなったからだ。
今、Marshallに勤めるようになって、MarshallやNATALを運ぶ仕事が多く、車に乗る必要が出て来た。
そしたら一発よ、一発!
一日に二回切符を切られてアッサリ「違反野郎」の大悪人に転落。
それで、先日30年ぶりぐらいに鮫洲の試験場に免許の書き換えに行ってきた。
そして、そのサマ変わりにビックリ仰天。
私が免許をゲットした昭和56年頃は、鮫洲駅前の細い道には数え切れないほどの代書屋が立ち並び、まるで「海の家」のようににぎやかに客の呼び込みをやっていたものだった。
今は一軒だけになっていた。

9_2img_2825 他の代書屋さんはこの通り全部閉まっていた。
ところで、昔は何であんなに代書屋ってのがにぎわっていたのかしらん?…とベースの山本征史さんと話をしていたら、「イヤ、昔は字を書ける人が少なかったんじゃないですかね?」などとおっしゃる。
「そんなバカな…」と受け答えたのだが、調べてみるとどうもコレはまんざらでもないようだ。
一応日本は「識字率100%、文盲ゼロ」の国だからして、字が書けないとまではいかなくても、チョット複雑な書類が作れない人が昔は多かったようなのだ。
そこで活躍していたのが「あなたの代わりに免許更新に必要な書類をお作りします」という代書屋だったようだ。

9_2img_2826 試験場もスッカリきれいになって、コンピュータのおかげか、手続きもアッという間だった。(講習は長かった~)
昔は、教習所を卒業して「さぁ、思いっきり暴走するゾォ~!」という血気盛んな若者でゴッタ返していてね。何をやるにもものスゴク時間がかかってウンザリだったんよ。

9_2img_2827 …なんて話を友人としていたら、「ところで、何で鮫洲なんて行ったの?東陽町の方がゼンゼン近いじゃん?」と言うじゃない?
「へっ…?! トーヨーチョー?」
何のことかと思って尋ねると、今、東陽町に試験場があるんだってね~!知らなかった。
80年代半ばからしばらく東京を離れていたことと、ゴールド免許のおかげで近隣の警察署で用を済ますことができていたので、そういう設備が出来たことを本当に知らなかったのだ!

で、今日の舞台はその東陽町のdowntown records(ダウンタウン・レコーズ)というレコード屋さんだ。

10永代通りからチョイと入ると目に飛び込んで来るアートのカタマリ。
20
そこがダウンタウンレコード。
「CD屋さん」ではない。
「レコード屋さん」だ。
以前にもMarshall Blogに登場して頂いたことがあるのでご記憶のある方も多かろう。

15今、ダウンタウンレコードで開催しているのが梅村昇史+渡辺千春(パンプロ・ファクトリー=梅村家)による「絵」のイベント。
お二人のドローイングやスケッチ等のイラスト作品の展示のほかに、それらの作品をジャケットにした中古シングル盤を販売するという企画。
「作品展」と「産地直売会」が混ざり合ったアートイベントだ。
名付けて『ドローイング・レコード2016(梅春スケッチフェス)』。

40
主宰の梅村昇史さん。
「下町のひとりヒプノシス」として、もう何回もMarshall Blogにご登場頂いている。
先日の『1000のMarshall Blog』にもメッセージを寄せて頂いた。

50一応、チラリとウチ系のポートフォリオをご紹介しておくと…
これまたおなじみ田川ヒロアキの『Ave Maria』のジャケット・デザイン。
帯のデザインも梅村さんの手によるもの
写真はワタシ。

55_2梅村さんとの初仕事は2010年度版のMarshallのカタログの表紙だった。
何回も書くが、コレは古今東西で最もカッコいい楽器カタログの表紙だと信じている。

56さて、今回の『ドローイング・レコード2016(梅春スケッチフェス)』の作品を見てみよう。

60こちらはLPサイズの丸い盤に描かれたイラスト。

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80レコードとしてちゃんとクレジットも入っている。
100
コレは梅村さんの奥方の渡辺千春さんの作品。
また、千春さんがやさしくて可愛いイラストを描くんだ~。

90コレも千春さんの作品。

110入り口に貼ってあった江東区の子育て関連のイベントの告知ポスター。
コレも千春さんの仕事。

120お店の一面を占めているのは梅村さんの作品群。

130Marshall Blogでも紹介している通り、梅村さんは実際のCDジャケットのデザインを種々手がけているが、以前から「架空のレコード・ジャケット」というコンセプトの作品に取り組んでいる。

140この30cmの真四角のスペースをキャンバスに見立てた美術作品だ。

150

160コレはSoft Machineを思い出させるな…。

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180レーベルに刷り込まれたクレジットとコピーライト表示。
こういう細かい配慮がうれしい。

190背面もちゃんと作り込んである。

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240とにかくどの作品も可愛くて、見ているとついついニコニコしてしまう。

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270コレは実際に商品になっている。

280Frank Zappaの代表曲のひとつ「Peached en Regalia」のオルゴール付きCDだ。
右上のクレジットは上で紹介したモノとは異なり、コチラは「ROCK & ROLL MUSIC BOX SOUNDS」となっている。

290

300

310コレはEPサイズ。
モチーフはもちろんZappaだ。

330コチラは千春さんの作品。
いいナァ。
「RECORD PEOPLE ARE FLOWER PEOPLE」だって!

320
千春さんは豆本の製作家でもある。

335コレがレコード入り、ジャケット。
ホントは反対なんだけど…。

336ココでの主役は梅村さんと千春さんのイラストだからね!
中身は何が入っているかはわからない。

337ウチはポスト・カードを数枚ゲット。
「WHAT'S NEW IN CANTERBURY?」はZappaの「WHAT'S NEW IN BALTIMORE」のもじり。
メリーランド州ボルチモアは全米でも治安の悪いことで有名なところ。
NFLのフランチャイズ・チームは、昔は「コルツ」だったのだが、今は「レイヴンズ」になっている。ギターがうまそうなチームだ。
コルツはインディアナポリスに行ったそうだ。インディアナポリスは「インディアナ/ポリス」ではなくて「インディ/アナーポリス」と発音する、なったってWes Montgomeryの故郷だからね。

340なぜ「カンタベリー」なのかというと、このデザインはSoft Machineの『フローティング・ワールド・ライブ』の国内盤のジャケットのイラストなのだ。
このアルバム、輸入盤より梅村さん盤のジャケットの方がゼンゼンよかった。
ちなみに去年久しぶりにカンタベリーに行ったけどナニも変わっていなかった。

Smしかし、可愛いイラストだな~。
ココにある「Flogs With Pretty Little Eyes」もZappaネタ。
オリジナルはZappaの息子アーメット作詞による「Flogs with Dirty Little Lips」(『Them or Us』収録)。

350コレは『Just Another Band from L.A.』。
Zappaの同乗者が胴部ってところが手塚治虫の『W3』みたいで可愛いナァ。
主題歌の最後の「♪ワンダースリ~」という部分を覚えいるんだよね。
でも、テレビで『W3』を放映していたのが1965年。私が3歳の時だからして、さすが覚えているワケがない…とういことは再放送で見ていたのか。
なつかしくなってこの主題歌の動画見てみたら、バーバーショップ・ハーモニーだよ。
昔の人は本当にスゴかった。

360コレが元の『Just Another Band from L.A.』。
梅村さんのポストカードに載っている「GOING TO  EL MONTE LEGION STADIUM」というのはこのアルバムにも収録されている「Dog Breath」の歌詞の一部。(初出は1969年の『Uncle Meat』)
1963年、ZappaはThe Mother of Inventionを結成する前にRay Collinsと「Memories of El Monte」というドゥーワップの曲を作り、The Penguinsというグループが歌ってチョットしたヒットとなった。
ちなみにこの「El Monte Legion Stadium」はキャパ7,000のインドアの大ホールでビートルズも演奏したことがあるという。
今は駐車場になっているらしい。
ところで、この1972年のZappaのアルバムの聴きどころは何と言ってもLPのA面を占める「Billy the Montain」だろう。
私よりチョット年上で、とても仲のよくしている生粋のLA生まれのアメリカの友達が、1969年あたりからZappaのコンサートに何回も行っていて、「Billy the Mountain」も生で観たというのを聴いてとてもうらやましかった。
この人、Duane Allmanもホンモノを見たそうだ。
人間はゼッタイに平等ではない!

365_2千春さん作のクリスマス・カードもゲット。

380さて、この展示会は11月24歩から12月5日まで開催しているが、12月2日には『ドローイング・レコードのパーティー〜でも、おむすびとお茶しかないけど!(仮)』なる企画が予定されている。
梅村家の夜食である「顔つきおむすび」を食べる会だそうだ。
12月2日金曜日18:00から。合い言葉は「夜食 in 夕方」。
「顔つきおむすび」とはこういうモノ。

Rbそれと、今回併催されていたのがコレ。

390プラスチックの薄い板に何かを描いてオーブンで焼き固めるヤツがあるでしょ?

395アレで80~90年代のロックのレコード・ジャケットや写真を再現したそうだ。

400製作者は中学生だ。

410ところで、コチラのダウンタウンレコードさん、はじめの方に「レコード屋さん」って書いたでしょう?

420この通り…本当のレコード屋さんなのだ。
つまり、CDを一枚も置いていない。
若い人が見たらどう思うのかな?
私なんかはこういう光景が当たり前の時代に育ったので何の違和感もないが…。

430お店は非の打ちどころがまったくないまでに、いつ来ても清潔感にあふれ返っている。
でも、キレイなのはそれだけじゃなくて、展示している商品がどれも驚くほど美品なのだ。
それでいてお値段もすこぶる良心的だ。

440「マニアック」という言葉はあまり好きではなくて、自分から使うことはないが、ま、こういうのを「マニアック」って言うんだろうな~。
何しろ、まずエサ箱の仕訳がスゴイ。
「60年ロック」、「70年代ロック」なんて表示はどこでも見かけるが、ダウンタウンさんときたら細かいところでは「'64~'66」とか「67'~69'」みたいに2年区切り!
要するに、それほどこの時代はロックの変化が激しく、リスナーの嗜好も別れるところ…ということか。
こんなことお店の人がよほどのマニアでない限り絶対にできない。
470
この「映画音楽」のコーナーがまたスゴイときてる。
私も40年以上中古レコード屋に通っているが、そもそも映画音楽だけに一列まるごとスペースを与えているなんてお店は他に知らん。
Neal Hefti、John Barry、Jerry Goldsmith、Armando Trovajoliなんて仕訳ラベルは他ではまずお目にかかることはあるまい。
『モン・パリ』なんて、どうにもなつかしいね。
それとね、うれしいのはこの展示品の分量。
スキスキでしょ?
こうしておけば、盤を持ち上げないでペラペラとめくるようにしてアイテムをチェックすることができる。
盤がパンパンに詰まっているとそうはいかない。
まだ血気盛んな頃、私はあのLPレコードを持ち上げては落とす作業の速さにかけては誰にも負けなかった。
でも、もうそんなことをする元気もないし、ガツガツしてまで欲しいと思うアイテムも多くなくなった。
今では、ジャズとかクラシックを中心に、一枚一枚ゆっくりチェックして、知らないアイテムとの出会いを楽しんでいる。
すると、ダウンタウンさんのディスプレイはとてもありがたい。
そもそも静かだし、ジャケットの痛みも防ぐことができる。
480
前回は、超美品でが格安だったThe Whoの『Quadphenia』とウエスト・ロード・ブルースバンドのライブ盤を頂いてきた。
今回はコレ。
『冒険者たち』の主題歌…「Laetitia(レティシア)」っていうのか?
私はこの映画を父のススメで小学生の時に初めて観た記憶があるが、モノスゴイ感動したな。
以前にもどこかに書いたことがあったと思うが、ジョアンナ・シムカスが最高にチャーミングだった。この人、「シムカス」なんていうsurnameなので、てっきりギリシア系アメリカ人かと思っていたら、リトアニア系のカナダ人だった。
そのジョアンナ・シムカスの役名が「レティシア」。
映画の中には印象的なシーンがいくつがあるが、凶弾に斃れたレティシアを潜水服にくるみ、深海に沈めるシーンは子供ながらに美しいと思った。
そして、全編に流れるテーマ・ソング。
このシングル盤はアラン・ドロンの歌が入っているが、映画の中では悲しげな口笛がメロディを奏でるインスト・バージョンが使われる。
もうこのメロディがタメらなくてね~。映画を観て、その場で覚えた。
作曲はフランスの映画音楽の大家、「フランソワ・ド・ルーベ(François de Roubaix)」という人。詳しくは知らないが、アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンの『さらば友よ』なんかもこの人の作品だ。アレもカッコいい曲だった。
ハリウッドは別して、フランスもイタリアも映画に使われるオリジナル・スコアっていいものが多いよね…あ、もちろん昔の話。

465もう一枚は加藤登紀子と長谷川きよしの1978年の二枚組ライブ・アルバム。
私にしては珍しいジャンル。
最近、長谷川さんの声が聴きたくなっていたこと、去年野音で加藤さんを撮らせて頂いたこと、バックに中野督夫さんが参加していること…等の理由でゲット。もちろんお値打ち価格。
メモが貼ってあるでしょ?
ダウンタウンさんでは、LP一枚一枚にこうして簡単な解説を記したメモを付けている。
コレは破天荒に大変な作業ですよ。
何が大変かって、聴かなきゃならないもん。つまり、時間がかかるということ。
466
最近「~に愛を感じる」みたいな言い方が流行っているけど、このお店のレコードや音楽に対する愛情にこそ、その表現を使って欲しい。
下の写真では見えないが、正面後ろのラックに一週間前に亡くなったMose AllisonのLPを飾り、追悼の意を表していた。
私はMose Allisonのホワホワした声が苦手で決してファンではないが、facebookで訃報を投稿したがほとんど反応がなかった。
つまり日本人の多くがMose Allisonを知らないようだった。だからダウンタウンさん「サスガ!」と思った。
ジャズのシンガー/ピアニストだが、ロック・ファンにはThe Whoの「A Young Man's Blues」を作曲した人と説明すればよいだろう。
 
ダウンタウンレコードの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト

450

『ドローイング・レコード2016(梅春スケッチフェス)』の開催は12月5日まで。
  
パンプロファクトリーの詳しい情報はコチラ⇒ハルタンタハルタンチ

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(2016年11月26日 東陽町ダウンタウンレコードにて撮影)

2016年11月25日 (金)

Sound Experience 22~ 足立祐二 3 tea 3編的な?

22回目を迎えた今回もダブル・ヘッドライナーでお送りしている『Sound Experience』。
レポートの後半は足立祐二率いる3 tea 3の登場だ。
さて、こうした「対バン形式」のことを日本ではいつの頃からか「ツーマン」とか呼んでいるが、断じて「ツーマン」なんて言葉はおかしい。
「ダブル・ヘッドライナー」だ。「ダブル・ヘッダー」でもOK。
「ダブル・フィーチュア」は大掛かりなコンサートの場合に使われるか、「二本立て上映」という意味で映画の興行に充てられる。『Rocky Horror Show』のオープニング・ナンバー、「Science Fiction/Double Feature」がそれ。
さて、おかげさまでMarshall Blogも意地を貫き通して来て、最近では「『ツーマン』という言葉はおかしい」という賛同のご意見を頂戴するケースが増えてきた。
せっかく「ダブル・ヘッドライナー」って言っていたのに「ツーマン」に戻っちゃった人もいるけど…ネェ~、Sさん!
一方、Mくんは一昨日のステージで「ダブル・ヘッダー」という言葉を使った。うれしい。
滑稽なのは「Two Man」とアルファベットで表記したりしているケース。
何でも貪欲に吸収しちゃう日本語のことだからして、「ツーマン」をもはや純粋な日本語として捉えるのならまだしも、間違えた英語をアルファベット表記するのは二重に恥ずかしい。
ま、とにかく一度張った強情は最後まで貫き通すぞ!
アレ、デジャヴ?
このあたり、どこかで書いたことがあるような気がするゾ…。
あ、昨日も書いたんだった!
  
さて、3 tea 3はインストゥルメンタルのギター・トリオ。
YOUさんも次から次へと色んなグループを送り出してくるナァ。

10足立"YOU"祐二

20v_2YOUさんはMarshallを使用。
JVM210Hと1960Bだ。

30vベースは長谷川淳。

40vそしてドラムは今週パパになられた星山哲也。
星山さん、おめでとうございます!
赤ちゃん、ダッコしたいな~。

50v徹頭徹尾、YOUさんの音楽とギターを楽しむグループだ。
1曲目のアップ・テンポな「Magical Arms episode 2」からしてYOUワールド全開!
目まぐるしく変化する場面の数々に引き込まれてしまう。
今時普通ならタッピングを使って対応するようなフレーズを開放弦を組み込んで処理するところはYOUさん流。
定規を使ったかのような正確無比なプレイが素晴らしい。

60派手なキメが入ったり、ワルツになったりと展開が予想できない!

70vそうした複雑な構成を完璧にこなすリズム隊も絶好調だ。

802曲目は「天使の誘惑」。
我々の世代だと絶対に「黛」という名前が出て来る。
「黛」といっても「黛敏郎」のことではない。
『題名のない音楽界』の司会で有名なこの人、「涅槃交響曲」などの作品で知られる現在音楽の大作曲家だ。
黛さんは極貧ゆえピアノを買うことが出来なかった後進の天才作曲家にピアノを1台無償でプレゼントしたことがあったという。その天才作曲家とは武満徹のことである。
で、「天使の誘惑」は「敏郎」ではなくて「ジュン」の方。
1968年のレコード大賞を獲得した「黛ジュン」が歌った名曲だ。今、聴いてみると殺人的にいい曲だな。
歌詞も可愛いし、信じられないぐらいメロデイが素晴らしい。歌もいいし、アレンジも秀逸。つまりムダな部分がナニひとつないのだ。
「♪私の唇に 人差し指で 口づけして あきらめた人」…なんて、今時そんな純なヤツはいまい。
本当に昔の歌は魅力的だ。
もちろんYOUさんの「天使の誘惑」はそれとは何の関係もない。
三連のリズムに乗ったシャープなテーマ、親しみやすいメロディ(ココは同類)にノケ反ってしまいそうになる予想外の展開。
これぞ「天使のYOU惑」!

90vこの大サビの旋律!まるで歌のようだ。だがプレイはカミソリのように鋭いぞ!
そして、何しろJVMの音が気持ちよい。

100ベースソロからスタートするのはミディアム・スローの「My SUN」。
長谷川さんにはこの10日後にある現場で偶然一緒になってビックリしちゃった! 

110ホロ苦いメロディ。
そのメロディを感情豊かなアーティキュレーションで歌い上げるサマはまるで管楽器のようだ。

120ピッキングの位置やピックが弦に当たる角度を調節して出す音ひとつひとつに表情が与えられていく。
シュレッディングとはまったく異なる違う恐るべき技術の集積と集中力。
「超絶技巧」とは断じて速弾きばかりではない。

220角度を変えてみるとこんな感じ。
左手のグリッサンドの入れ方も独特至極。
ロックの定石フレーズをほとんど弾かないこともYOUさんのサウンドを独特なモノにしているポイントのひとつだ。

230バック陣がまるで分身のようにYOUさんのプレイに反応していくのも見事。

130「伊豆ライナー episode 3」という曲。
コレも本当に列車の中から景色を見ているように情景がコロコロと変わっていく。
中間部は7/4というか、4/4に7/8がくっついているのか…?

140vこの曲も強烈だ。
ビックリするほどポップなメロディからキテレツなフレーズまで、何が飛び出すかサッパリわからない。
そういう意味ではもはやザッパ的。トリオではなくて大編成のバンドにアレンジしたものを聴いてみたい!
ヘタなプログレよりゼンゼンすごい。
150前曲とメドレーのようにして演奏した「Magical Arms Episode 3」はタイトルからするとは1曲目の続編なのかな?
3/4拍子のテーマ内のトリッキーなフレーズとその後の展開の対比がスゴイ。
これまた予想外の転調からブギへ!
こんな曲があればおもしろいな…とフザけて考えた無茶な曲がそのまま現実になってしまったような印象を受ける。
途中で5/4拍子のアップテンポに!
そして、エンディングのキメ…エ、これで終わりなの?こういう茶目っ気がYOUさんらしいんだよな~。

160v6曲目は「Hard Tension」という作品。
これはワルツ。
もはや当然のごとく、曲は意外な展開を見せるが、一か所三宅さんの「murt'n akush(マラケシュ)」のリフとほとんど同じフレーズが飛び出してビックリ!
後は何しろ聴いたことのないようなフレーズがテンコ盛りで面白いことこの上なし。

170「Ghost Song」が続く。
チョット怪しいイメージのテーマ・メロディ。やっぱりダイナミクスのつけ方が際立っている。
一か所しか出てこないが、転調を重ねるパートがスリリングだ。
そして、繰り返し出てくるメイン・テーマが耳に残る。
それにしても似たような写真ばかりで恐縮至極ですわ~。
YOUさんのライブ・レポートはいつもこうなっちゃうの。だってYOUさん表情ひとつ変えないんだもん!
顔で弾く人、暴れながら弾く人、いろいろな表現方法がギタリストにはあるけど、YOUさんは指で弾く人だな。当たり前のことなんだけど「指」だ!
下の写真はかなりレアな表情。

180v私が経験した限り、YOUさんのステージには曲間にMCがない。
ドバーっと演奏して最後にひとこと…というパターンだ。
そして、そのMCを挟んで最後の曲、「Worry Rat」。
開放弦を使ったトリル・フレーズ。ココでもYOUさんは右手を使わない。
190
胸のすくようなドライビングチューン!
これも独特のテーマメロディを持つ曲だ。

200v変拍子パートもバッチリ挿入されている。

210vそして、ギター・ソロ。
ココは怒涛のロック・フレーズ・ラッシュ!
十分に気を衒った素材なのに異様なまでの耳なじみのよさ。
プレイはもちろんスゴイんだけど、曲が何しろおもしろい。
このSBLとのダブル・ヘッドライナー、ギター好きのシリアスなリスナーには相当お値打ちだったハズだ。
  
足立祐二の詳しい情報はコチラ的な?⇒You's Alien blog

S41a0260 アンコールは3 tea 3に三宅さんが加わった。
名門バンド、Terra RosaのOBふたり…まずはその周辺の話で大盛り上がり。
メチャクチャ笑ったわ~。
内容は保安上、割愛させて頂きます。
あ、YOUさんの歯に衣着せぬところ、大好きですとだけ書いておこう。
240さて、出演者の競演はこの「Sound Experience」の名物だからして、今回も当然お二人にバトとって頂きます。

250このバトル…JVM210Hと4x12"スピーカー・キャビネットとアンプの状況がほぼ共通だ!
しかし、ゼ~ンゼンサウンドが違うから面白い。
270v
でも、共通なのは「自分だけの言葉」を持っているということ。
それだけに以前にも観てはいるものの、この共演はとても楽しみだった。

260v曲はJ.J. Caleの「Cocaine」。
コレは完全な私見だけど、オールド・ファンの皆さん、桑田佳祐の歌い方ってJ.J. Caleにソックリだと思わない?
さて、この曲を選んだのは、リフがあってワン・コードで延々と弾ける…という発想。
本当は「Cocaine」はワン・コードの曲ではないけどね。
歌詞は中学校の英語のテストだったら大変なことになる。
「She don't lie」だからね。主語は三人称単数ですよ!果たして「Cocaine」が女性名詞か?ということもあるけれど。
Zappaにもこういうのがあるね。
「She don't wanna get drafted, she don't wanna go(彼女は徴兵なんてまっぴらゴメン!戦争になんか行きたくないんだよ!)」…「I don't Wanna Get Drafted」という曲。
コワイね、徴兵…。たった2、3年前までは現実のものとして考えたことすらなかったのに。
3.11から日本のすべてが変わってしまった。
アメリカはイギリスから遅れること13年後の1973年に徴兵制を廃止したが、代わりに故意に格差社会を推進し、貧富の差を作って志願兵を確保した。
ちなみにこの13年の差が「ブリティッシュ・インヴェイジョン」を実現させたことは事実と観ていいだろう。
それを礎にDeep PurpleやLed Zeppelinをはじめとした栄光のブリティッシュ・ロックが誕生する系譜になるワケだが、これだけでは条件を満たさないんだな…。
イギリスにMarshallがあったからブリティッシュ・ロックは世界を制覇したのも厳然たる事実なのだ。
あ、イカン、思いがけず変な脱線の仕方をしてしまった!

290期待通り火花を散らすような「ギター」対決…というよりピロピロ一切なしの「音楽」対決!
イヤ、対話かな?
何回も交換される上質なソロ。
技術の見せ合いではなく、いかにいいフレーズを弾くか…コレならいくら聴いていても飽きることはない。ピロピロは飽きる。

300三宅さんのソロの最中にムニッ!

310YOUさんのソロ。

320三宅さんのソロ…ムニッ!
「あ、やめて…弾きにくい!」

330YOUさんのソロ。

340三宅さんのソロ…ムニッ!
「あ、また!やめて!」

350「後ろへ逃げちゃおう…」

360YOUさんのソロ。

370v三宅さんのソロ…ムニッ!
「あ、また!今度はネックを握ってる!」

380「やめて!」
「ゼッタイ放さへんで!」

400「放してくれ~!」
390
「ああ~、そんなことやってるウチに曲が終わってしまった!」…と最後まで楽しくスリリングなショウでした!

4101965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

※本日は祭日ですが更新しました。その分、Marshall Blogは28日の更新をお休みします。

(一部敬称略 2016年9月29日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2016年11月24日 (木)

Sound Experience 22~ Strange,Beautiful and Loud編

毎度おなじみ三宅庸介の『Sound Experience』。
今さら説明は不要だろう。
ナニせ今回で22回目!  
今回はStrange,Beautiful and Loudと足立祐二率いる3 tea 3のダブル・ヘッドライナーだ。
断じて「ツーマン」では断じてない。
「ダブル・ヘッドライナー」だ。
おかげさまでMarshall Blogも意地を貫き通して、最近では「『ツーマン」という言葉はおかしい」という賛同のご意見を頂戴するケースが増えてきた!
せっかく「ダブル・ヘッドライナー」って言っていたのに「ツーマン」に戻っちゃった人もいるけど…ネェ~、Sさん!
せっかく止めたタバコをまた吸いだすようなもんですぞ!
滑稽なのは「Two Man」とアルファベットで表記したりしているケース。
何でも貪欲に吸収しちゃう日本語のことだからして、「ツーマン」をもはや純粋な日本語として捉えるのならまだしも、間違えた英語をアルファベット表記するのは二重に恥ずかしい。
ま、とにかく一度張った強情は最後まで貫き通すぞ!
次は「参戦」だな…。
そうそう、アーティスト・グッズなんかを指して「戦利品」なんて呼んでいるのを見かけるけど、アレもすごくイヤな気分になるナァ。
戦争に関する本を何冊か読んでみるといい。
「戦利品」とはナニか、どうやって手に入れるか…。戦争が民間人に一体何をもたらしたのか…。
史実を知ったらたちまち「戦利品」なんて言葉を軽々しく使えなくなるハズだから。
イカンイカン、また書いているうウチに燃えてしまった!
  
林先生ほどではないけれど、私は言葉に関するウンチクが結構好きでしてネェ。
先日KRUBERABLINKAの赤尾和重さんと英単語に関することをメールでやり取りしていて、スゴイことを教わっちゃった!
その内容はTerra Rosaのライブ・レポート(gig review)の時にでも!

Img_0001三宅庸介

S41a0007 山本征史

S41a0011金光健司

S41a0041この黄金のトリオ、あるいは「魔のロック・バミューダ」が奏でる三宅ミュージック。
Img_0057

楽器の重要な成分を占めるのはMarshallと…

Img_0077
NATALで構成されている。

S41a0338今日の1曲目は「Ring」。
2_img_0022

三宅さんの作品の中でも作るのに最も時間を要した曲だという。
ギター一本の指板の中にどれだけのメロディーやハーモニーの可能性が潜んでいるか…ということを探求したというのだ。
S41a0039
その作業は本当に少しづつ、細心の注意を払い、何度もやり直しながら進められたそうだ。
その甲斐あって、曲の構成の面でも、ありがちなのロック・インストとは全く違うとても独自性の強い曲に仕上がっている。
2_img_0050
この3人で演奏した三宅さんのセカンド・アルバム、『orchestral supreme』の収録曲の中でも「マジカルなテイク」として自身もとても誇りに思っているとお聞きした。
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S41a0052

続いて「mani」。
征史さんと並走する重く暗いリフ。
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「70年代初期のマーキー・クラブ」が曲のイメージ。すなわちハード・ロックがものすごいスピードで熟成されていた時期だ。
2_img_0066

この曲を演奏する時の心構えは「バンドでどれだけリズムの伸縮を表現できるか」ということだそうだ。セクションごとにテンポが変わり、それぞれに適切なムードを与えられるか?ということを頭に入れて演奏している。

 2_img_0039

いつも通りの緊張感の中、3曲目に移る。「bloom」だ。
レパートリーの中では古い部類でSBL以前から演奏している、双方も含めて三宅エキスが詰まった曲。
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ソロの後半に繰り返されるアルペジオなんかは20歳の時から取り入れている弾き方で、三宅さんの特徴的な弾き方のひとつだ。
「弾き方」と聞いてチョット思ったんだけど、三宅さんの左手、指板への親指の乗せ方が深いとは思わない?
どんな時でもグッと握りこんじゃうの。
S41a0120

 まタマにはこういうのもある。
これは思い切りアームダウンして弦を動かしているから指をフィンガー・ボードから離している。

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ホラまた、ギュッ!
2弦の5フレットをチョーキング(へへへ、ここは「ベンド」って言わないの。人間が古いから)する時ってこんなに握らないんじゃない?
親指が長いのかな?

S41a0124

…と思って、昨日おとといと三宅さんと一緒になったので、手を見せて頂いた。
親指が長いのかと思ったらさにあらず。
それよりも手の甲が長いというか、親指のついている位置が下の方というか、手のひらが細長いということだけは言えそうだ。
ちなみに、ガバっとネックを握るのもジミの影響かと思ったら、それは関係ないそうだ。

9_2img_2970 この汚い手はワタシ。
三宅さんのと違って横幅が広くなんと不格好のことよ!
この親指の付け根がシッカリしているのは「お金が入ってくる手」と言われているけど、ウソこけ!
まったく入って来ねーじゃねーか!

Lf

 


4曲目の「devil」は比較的新しい曲。
この曲も「Ring」に似た発想で作らている。
「リフがあって、ハイ、次はメロディ」という展開の形を採らず、リフそのものを大きなメロディとして捉えているという。
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ココでも既成のロックにとらわれない三宅さんの気概が見て取れる。
しかし、それは決して奇を衒ったモノではないところがスゴイところだ。
ま、こういう音楽を聞き慣れていないとなかなかそうは感じないかも知れないけど…。

S41a0004

リフの弾き方についても「Ring」に倣ったところがあるそうで、それはとにかくMarshallでストラトキャスターを鳴らす楽しみであり、『限りなき探求(Infinite Research/Miroslav Vitous…ギターはJohn McLaughlin)』なのだそうだ。
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そう、このトリオって3つの楽器のうち、2つMarshallから音が出ているせいか、ものすごく音色のコンビネーションがいいんだよね。

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もちろん金光さんが叩くNATALのサウンドもすごくキレイに溶け込んでいる。
ちなみに…邦楽の打楽器は「叩く」とは言わないで「打つ」と言います。
S41a0046
「♪シャ~バダ~、シャバダダダシャバダダダ、シャ~バダ~、シャバダダダシャバダダダ」…コレな~んだ?
クロード・ルルーシュの『男と女』の主題歌。主演はジャン・ルイ・トランティニアンとアヌク・エーメ。
作曲したのはフランシス・レイ。
今の若い人はフランシス・レイなんて知らないだろうな…。
フランス映画をあまり観ない私でもココまでは知ってるけど、もうひとり、この映画の音楽を担当しているのがブラジルのギターの大名手、バーデン・パウエルだったとは知らなんだ!
フランシス・レイは『パリのめぐり遭い』、『白い恋人たち』、『雨の訪問者』、『ある愛の歌』といったフランス映画を代表するような作品の音楽を担当し、数々の名曲を残した。
『なつかしの映画音楽』みたいなコンピレショーン・アルバムには必ず何曲かが収録されるであろう大作曲家だ。
フランス映画についてはまたどこかで触れることにして、今日は先を急ぐ。
さて、三宅さん自身も「大切な曲」と呼ぶキラー・チューンで、必ずステージで演奏される曲がこの日の5曲目「if」だ。
「if」もフランシス・レイもご存知の方はにわかには信じられないであろうが、三宅さんは子供の頃から大好きだったというフランシス・レイの影響が強いのだそうだ。
  
チョット思い出したんだけど、上に挙げた『白い恋人たち』という作品は原題を『13 Jours en France』と言って、「フランスにおける13日間」という意味で、1968年冬のグルノーブル・オリンピックの記録映画だった。
この大会で滑降、大回転、回転で金メダルを獲得したジャン・クロード・キリーが世界的大スターになった。小学校に上がるか上がらないかの私でも名前を知っていたぐらい。
それで、その次が1972年の札幌よ。
この札幌オリンピックの主題歌で「虹と雪のバラード」ってのがあってね、この曲を小学校の音楽の時間に徹底的に歌わされた。
「みんなでこの曲を歌ってオリンピックを迎えましょう」…みたいなヤツだ。今では信じられないでしょう?
あんまりコレばっかりやらされすぎて、当時この曲がものすごくキライになったよ。
東京の小学校だけかと思って家内に尋ねてみたところ、横浜でもさんざんやらされたそうだ。
そもそも、オリンピックは札幌で開催するなんだから東京や横浜の子は関係ないだろうに。
おかげで家内も私も今でも歌えるよ。
でも、へへへ、今聴くと実にいい曲だナァ~。昔の曲は本当にヨカッタ。今の巷の曲とは土台クォリティが違う。
作曲は村井邦彦。
慶応のライトミュージックソサエティ出身で、数々のGSのヒット曲を世に送り出したアルファ・レコードの創設者、つまりYMOの生みの親だ。
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繰り返されるメロディと下降するコード、そして曲の後半では更にメロディも一緒に動いてドンドン転調していく。
「同じ場所にいながら過去の様々な出来事を思い出してる…そんな世界観が創れたんじゃないかと思っています」というのは本人弁。
曲を作りながら「オルゴールで聴くような曲」という発想を交えたそうだ。
中間部のリフやソロのパートには伝統的なブルース・ロックの施法を挿入した激しいワルツだが、三宅さんの作品の中ではもっとも親しみやすい曲であろう。
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この曲では征史さんのすさまじいアクションも見逃せない。

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アタマを激しく前後に揺さぶるサマにはいつも鬼気迫るものを感じる。

2_img_0079「作曲」という作業と「演奏」という作業をを切り離して作った曲…というのが「petal」。
その時、人生で「作曲をする」という言葉を最も意識したというだけあって、三宅さんもかつて愛奏曲のひとつに挙げていた。
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曲は大きく分けて4つのパートで構成されており、「A」のパートのメロディとソロの前半のそこかしこにGary Mooreの影響が表れている。
「今も好き」というGaryは、三宅さんの子供の頃からのギター・ヒーローだ。そういえば、Garyがなくなった時もいち早く私に情報を発信してくれたのも三宅さんだった。
それにJim Marshallの時もそうだった。
あの時、私はすでに前職を辞していて、Marshallとは何の関係もなくなっていた時期であったが、三宅さんは私の気持ちを慮って世間が騒ぎ出すよりはるか前に連絡をくれたのだった。
私は夜更かしができないので、時差のある海外での出来事に関する情報にはどうしても出遅れてしまうのだ。
それで、この「petal」には、子供の頃に持っていたGaryに対する「なんて素敵なメロディーと表現!」という印象を素直に反映させた。
2つのパートでは、Marshallの三宅さんが「クリーン」と呼んでいる浅いクランチがとても重要で、Marshallのトーンあってこそ具現化した曲という感覚が強いそうだ。
ここでもGary Mooreの薫陶を受けているに違いない。
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レギュラー・グリップの金光さん。
三宅さんの意図を酌んだサトルな表現が素晴らしい。

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そして「murt'n akush(マラケシュ)」。
「ストラトキャスターで低音弦を使ったリフ」という着想で作られたこの曲は5/4拍子。
リフを弾いた時からすでにこのリズムが決められていた。
アウトロのワルツ以外は全て自然な5拍子でまとまった。
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「if」やこの曲、さらに「mani」や「Ring」は特にリズム隊の2人とどれだけ楽しみ、そして挑発しながら演奏できるか?というテーマも含まれている。
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当然、作曲する時も2人のプレイを完全に頭の中で描いて作業が進められた。
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その結果、リズムの骨格がクリアに浮き出ることとなった。
作曲者自身もその仕上がりに満足しているようだ。

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今回のクローサーは「virtue」。
今演奏しているレパートリーの中では「bloom」と並んで一番古い曲。

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キャリアのある曲だけあって、SBLのステージでもとりあげられる頻度が高い。

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それだけに猛り狂う溶岩のような猛烈な演奏が楽しめる一作。
この日もスゴかった!

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三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Official Blog

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<3 tea 3編>につづく

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1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

※本日は祭日ですが更新しました。その分、Marshall Blogは28日の更新をお休みします。

(一部敬称略 2016年9月29日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2016年11月23日 (水)

セキーン・オカーン&ミヤーン in ところざわまつり前日祭

今日は「勤労感謝の日」か…。
今まで54回感謝してきたけど、一体何に感謝してるの?
「勤労感謝の日」というのは、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」のが趣旨だってばよ。
  
なんてフザけている場合じゃない。
だって、この祭日はスゴイよ。メッチャ古い。
そもそも農業国である日本は、太古から神々に五穀の収穫を祝う風習があったんだね。コレはよくある話。
そして、昔は食品の保存の技術なんてないから、その年の収穫物は、国としても向こう一年を養う大切な蓄えとする必要があった。
そこでだ、その収穫物に感謝する大事な行事として、ナ、ナント飛鳥時代の皇極天皇の時代に始まった新嘗祭(にいなめさい)の日が「勤労感謝の日」なんだって。
だから1400年近い歴史があるのだそうだ。
戦後のGHQの占領政策によって、1948年(昭和23年)に今の形となった。
へへへ、感謝しあおうぜ!
みんな、ありがとう!

さて、今日の舞台は所沢。人生で二回目の所沢。

10去年の『ところざわ収穫祭~秋のミュージックフェスタ』に続いての往訪だ…ということは何やらMarshallに関係があるということ。
私はMarshall関係以外では、中古CDを買いに行くのと、さぼりがちだが運動のためにしているウォーキングぐらいしか他に外に出ないからね、極端な話。

20なので、行った先々ではなるべく何かしらおいしいモノを食べるようにしている。
…と言ってもラーメンばっかりだけどね。
今回はビートたけしが命名したとかいう『まぼろし軒』というところのラーメン。
別にたけしが名付けたから行ってみたワケではないが、おいしかったな。
最近は東京のラーメン屋さんもとんこつドロドロばっかりでしょう?
どちらかというと私はアレが苦手なもんだから、ここのような透き通った系のスープのラーメンはうれしいね。
鶏ダシのラーメンが好きだナァ。
街中にあるラーメン屋さんの中でもっともおいしいと思う「鶏系スープ」のラーメンは浅草橋の「水新菜館」の「とりそば」だな。高いけど。
ココは広東麺が有名で、カップラーメンにもなっているぐらい。確かにすごくおいしいんだけど、ケタ違いに「とりそば」の方が好き。
こういう味は中華街に行かないと出くわさない。
そこらへんのラーメン屋の塩ラーメンのスープとは違うコンセプトのモノだ。本当においしくて、できればこのスープの風呂に浸かりたいぐらい!
スープを一口ずつ大事そうに口に運び、私があんまりおいしそうに味わっていたら、それを見たマスターがツツツと近寄ってきて、「おいしそうに頂いてもらってありがとうございます!」とワザワザお礼を言っていたぐらい。
私の中のラーメン・ランクは、一位が浅草「十八番」のニラそば。コレは40年食べ続けている。
二位がこの「とりそば」かな?
三位は高円寺もしくは江古田の「太陽」の煮干しラーメン。
あとはほぼ全部同列。
あ、あといつか原田の喧ちゃんに連れて行ってもらった札幌の「純連」の味噌ラーメンも腰を抜かしそうになるぐらいおいしかった。残念ながらチョットやソットじゃ行かれないもんね。
いかん、いかん、ラーメンの話なんてどうでもよかったんだっけ!
危うく「マーブロ」が「ラーブロ」になる所…沢。

Smkさて、今回も所沢駅前WALTZ入口に設けられたステージで開催された『ところざわまつり前日祭』というイベントにお邪魔した。
所狭しと並ぶのはMarshall、NATAL、そしてEDEN。

30首都圏近郊の皆さまご愛読のフリー・ペーパー「ショッパー」にもホラこの通り!
私はコレ知りませんけど、八王子だの、大宮だの、町田だので合計82万部も流通している情報紙だそう。
木曜日の午後になるとみんな「♪迫る~、ショッパー!」と歌っているのは、毎週金曜日に発刊しているため。
1989年に創刊した所沢版の流通部数は44,000部。所沢市の人口は34万人なので市民の1割以上の人が目を通しているということになる。
読者層は30~69歳の女性で80%を占めているそうだ。
だから所沢の女性はみんなNATALをご存知なんだね~…ウソこけ!

40前回レポートしたのは『ところざわ収穫祭~秋のミュージックフェスタ』という企画だったが、今回はそれとは異なり、上にも書いた通り『ところざわまつり前日祭』というイベントだ。

50出演は関雅樹、セキーン。

60v岡井大二、オカーン。

70v宮野和也、ミヤーン。

80vそして、ゲスト参加のアルト・サックス、加賀明宏、カガーン。

90v セキーンはMarshall…って、最初に写真を出してるんだった。

100ASTORIA CLASSICと1987X。

110オカーンはNATAL。上に同じだね。

120フィニッシュは異なるが、いつも大二さんが使っているのと同じバーチのキット。
スネアはブビンガだ。

130ミヤーンはEDEN。
やっぱり「〇〇ーン」は宮野さんが一番シックリくるな。

140v WT-800とD410XST。

150WT-800は現在は製造していない。
今流通しているEDENのフラッグシップ・モデルはこのWT-900PROだ。

9_wt900pro2 そして、今大きな人気を読んでいるのがコレ。
TERRA NOVAというモデルだ。

Terra_nova_2さて午後2時、定刻通りにステージがスタート。
1曲目はThe Metersの「Cissy Strut」。

160_cs関ちゃんはいつも軽快なテンポで演奏しているが、オリジナルはもっとスローで重た~いサウンドだ。
「オリジナル」といえば、毎日夜10時にテレビ朝日で放映している報道番組のテーマ曲ってコレに似てると思わない?
最初聴いた時に「アッ!」と思ったのだがいかがだろう?

170v やっぱり魅力的な大二さんのドラム。
いつもドラムのカッコよさの真髄を教えてくれる。

190v
「安定」、「安心」の宮野さんのベース。カバーする音楽の幅もすこぶる広い!

180加賀さんは関ちゃんの音楽の先生だったのだそう。
関チャンは『Speak No Evil』とか『Juju』とかをよく聴いているけど、Wayne Shorterは加賀さんから教わったとか。
あ、「Juju」っていったって歌手じゃないからね。

200v コレね、『Juju』は。

Juju 2曲目はBilly Joelの「New York State on my Mind」。
ま、こう言っちゃなんだが、所沢駅前というロケーションはなかなかにミスマッチだ。

210_ny「Billy Joelとサックス」といえば、「Just the Wat You Are」のPhil Woods。
何でもココでの演奏がPhilの生涯のベスト・プレイとされる向きもあるようだが、違うからね!
Steely Danの「Doctor Wu」だからね!…というのは悪い冗談。
Phil Woodsは良質のアルバムを多数残してモダン・ジャズの歴史のその名前を残している。

220v続いては宮野さんの作品、「koto」。
「koto」は「古都」だ。
魅惑的な4ビートのワルツ。

230v
関ちゃんは新しいギターに持ち替え。
出力の低いピックアップを弦が磁力の影響を受けないようにさらに低くセットし、木の鳴りを強調している。
なるほど、独特のサウンドだ。
そうしたもくろみがうまくいくのもASTORIAや1974Xがあることが前提だ。
ギターのチョットした違いまでも忠実にアンプリファイしてくれるのが「いいアンプ」なのだ…値段もいいけど。

220v_kt通りかかる人は間違いなく全員見て行くね。
そりゃそうか…。

225v一回目のステージの最後は加賀さんが再び加わってU2の「With or Without You」。
この曲って好きな人多いね~。
私はまったくU2ってのは門外漢でしてね。
初めてこの曲を聴いたのはアメリカのフィンガーピッカー、Doyle Dylesの演奏だった。
すごくみんながよろこんでいたのが不思議だった。
関ちゃん、自家薬籠中の曲。
よく取り上げているんだけど、私は80年代に入ってからの以降のこうしたロックはどうしてもキツイ。病気なのかな?

240_ww去年来たのは10月31日だったんだけど、やっぱり激曇りで、急にモノスゴク寒くなっちゃってね~。
イベントで展示していた熱燗をおいしそうに飲んでいた大二さんを思い出す。
あまりにも寒いもんで、一部と二部の間に上着を買いに出たんだっけ。
結局、いいのが見つからなくて買わずに帰って来て、震えながらシャッターを切ったのよ。
今年は朝のうちは土砂降りだったけど、寒さはセーフだった。

2503時半になって第二部がスタート。
今回、一部と二部の間はもちろん、演奏していない空き時間は朝早くからエンドレス・テープで延々と関ちゃんと大二さんのプロフィールがアナウンスされていた。
関ちゃんなんか「所沢北高」なんて出身校まで紹介されちゃって完全に「郷土の星」状態。
大二さんは「日本が世界に誇るロック・バンド、四人囃子のドラマー」っと紹介されていた。
ふたりとも照れちゃってステージに上がりづらそうだった!

260第二部の一曲目は「Cause We've Ended as Lovers」。
邦題は「別れの理由(ワケ)」。
タイトルからしてムード歌謡の香りがプンプン。
関ちゃんがこの曲を取り上げるのは珍しいかも?…というのはウソで、コレは名盤の誉れ高い『ギター殺人者の凱旋』から「哀しみの恋人たち」。Jeff Beckね。
チャンと訳すと「別れの理由」。
私はこの曲を収録している『Blowe by Blow』というアルバムの邦題を誰かが口にしているのを耳にした記憶がない。14歳の頃、友達が言ってたかな?
Yesの『危機』とは正反対だね。今の若い子の間ではどうなっているんだろうか?若い子はJeff Beckなんかに興味ないか…。
「blow by blow」とは「具に」という意味。ボクシングの実況放送が語源だ。

270vココで関ちゃんがマーシャル・コマーシャルをしてくれた。
Marshall、NATAL、EDENを紹介してくれて、このライブがMarshall Blogでレポートされることに触れてくれたのだ!
Marshall Blogのくだりではお客様からチョットした拍手喝采が!うれしいもんです!
関ちゃん、どうもありがとう!
280関ちゃんのオリジナル曲で「Laundry」。

300

スペイシーなギターだが、関ちゃんのプレイはとても男性的だ。
何というか、フレーズと音に「ガツン」とした芯があるんだな。
そして、意表をつくフレーズ。コレがタマらん!

290v 続いてはビートルズの「Dear Prudence」。
もちろんそのまま演奏するワケはなし。

310_dp実は関ちゃんはHiram Bullockの大ファン。
Hiramは下の1995年にリリースした『Live at Manny's Car Wash』というアルバムで「Dear Prudence」を取り上げている。
私はHiramはチト苦手なんだけど、このアルバムはナゼか出てすぐ買ったんだよな。関ちゃんと知り合うずいぶん前なのに。
でも、『Live Under the Sky』のGil Evansのオーケストラで、ピチピチのレオタードみたいのを身につけてキレッキレのダンスをしながらギターを弾く姿はそれはそれはカッコよかった。
後年、Marcus Millerと来日した時、楽屋で出会った極度に太った黒人がHiramだったとは、本人がステージ上がるまでわからなかった。

Mcwこうして見ていると、演奏していることにまったく興味を示さない人もいるんだナァ。
サッサとエスカレーターでおりてっちゃった。

315第二部の最後を締めくくったのもU2の「With or Without You」。

320v_2大2さん、じゃなかった、大二さん、今日は全編通して半袖だった!
プレイも熱気に満ちたもので、だっぷりと大二さんのドラミングを堪能させて頂いた!

330宮野さん、今日はDEENのサポートで日本武道館のステージだ!

350v

Marshall、NATAL、EDENのサウンドが所沢の街に鳴り響く秋のよき一日だった。

360_u終演後、大二さんは『1000のMarshall Blog』用にNATALと記念撮影。

370関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒Seki's Web

3801965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

※本日は祭日ですが更新しました。その分、Marshall Blogは28日の更新をお休みします。

(一部敬称略 2016年10月8日 所沢WALTZ特設会場にて撮影)

2016年11月22日 (火)

44605960(ヨシロー・ゴクロー)~人間万事塞翁が馬~ <後編>

ベテラン・ドラマー、久嶋喜朗さんの壮行コンサート、『44605960~人間万事塞翁が馬~』のレポートの<後編>。
   
よしろーさんはそのままに次のグループに出し物が移行する。
しかし、28インチのバスドラムってのはデカいな~。直系71cmだもんね。
ロックで使う普通のバスドラムは22インチ、つまり56cm。
12インチのスピーカーが4個入っているおなじみのMarshallのスピーカー・キャビネット1960の横幅は77cmだからね。
28インチってのは相当デカいことがわかる。

10v次のグループはこんな面々。
70

大谷令文!

30v鈴木ユタカ

40高橋竜

50v_2曲は「Jet」。
STANDの「Jet」ではなくてポールの方ね。「♪ウウウウ~ウウウ~ウウ」の方だ。
ビートルズ関連で言うと、令文さんはジョンの「Jelous Guy」をよくインストで演奏しているけど、コレを演奏する令文さんを見るのは初めて。
20

やっぱり令文さん、スゴイ存在感。
ギターとキーボード、両方のパートを演奏した。
60v_2
例の28インチ・バスドラでジャンボ級の「Jet」になった。こんなに重くて月まで飛べるのか?!
私はこの曲で「女性参政権」という英単語を覚えた。実際に使ったことはこれまで一度もないけど…。
David Bowieにも「Suffragette City」という曲があるが、断然「Jet」の方が言葉の使われ方のインパクトが強い。
久しぶりにWingsのCDを引っ張り出して来て聴いてみたが、やっぱり「Venus and Mars」あたりまではポールの才能全開という感じですごくいいね~。
私が中学2年生ぐらいの頃は、絶対にロックなんか聴いていないような子も「あの娘におせっかい(Listen to What the Man Said)」のイントロのメロディを口ずさんでいたりしたな。いい時代だった。
この後、『Wings at Speed of Sound』から「心のラヴ・ソング(Silly Love Songs)」が大ヒットした。それにしても双方ヒドイ邦題だ。

75
それにしても令文さんのギターってのはどうしてこう外人の空気感が強いんだろうね~。
曲は「Band on the Run」へ。

80v今日の令文さん、ハコのDSLを使ったけど、やっぱり「令文サウンド」だった。
正しくは「令文+Marshallサウンド」だ!

90令文さんがステージを降りてメンバーが入れ替わる。
ここからは女性ボーカルをフィーチュア。

100ボーカルはTomoya。
130v_2
令文さんに替わって再びステージに上がったのは石井仁さん。

120曲はGuns N' Rosesの「Paradise City」。
別に言わなくてもいいんだけど、なんか後ろめたいような気がするので白状しちゃうと、私、このガンズってゼンゼン知らないんだよね。
Slashには二度ほど会ったことがあるんだけど…。
140_2
何しろ、Guns N' Rosesがデビューして活躍していた頃は横分けにして、ネクタイ絞めて、スーツ着て、おカタイ仕事していたんだ。
でもこうして聴いてみると、80年代のバンドにしてはなるほどカッコいいもんだ。
今頃楽しめてうらやましいでしょう?

150v_2

実際、Tomiyaさんが本当にカッコよかった!
すさまじいまでのエネルギッシュな歌いっぷりにッビックリしたよ。

9_img_0408 その歌声に呼応するかのようにヘヴィにバンドをプッシュするよしろーさん!

155v歌に、アクションに、後半の大きな見どころのひとつとなった。

160v_2続いても女性シンガーの出番。

180_2Tomiyaさんに替わって登場したのは元ノーマ・ジーンのMARI。

190v_2またコレ、MARIさんがスゴくて!

200Stevie Salasの「Born to Mack」という曲を演奏。
私はコレまたゼンゼン知らない曲なんだけど、メッチャかっこよかった!
さすがダイナマイト!この発破力は完全に「松」級だ!

210vそして、TomiyaさんとMARIさんがそろい踏み!
このコンサートにあった「G.S.T.Q.」とは「God Save the Queen」のこと。
コレを指していたのかしらん?
エリザべス女王はまだご健在だけど、チャールズ皇太子が後を継いだあかつきにはイギリスの国歌は「God Save the King」になりますからね。
どうするSex Pistols!
ま、王位後継問題に関しては、カミラ・パーカーボウルズのことがどう影響してくるか…もうヘンリーが継ぐべし!なんて真剣にやってるからね。
仮にウィリアム・ケンブリッジ公が王位を継いだとしても国歌は「God Save the King」だ。
また誰かそれにちなんだ歌を作るでしょ。

220さて、曲の方はというとCCRの大ヒット・ナンバー、「Proud Mary」。「♪ローリン!」のヤツね。
ここはもう2人の独壇場!

230v_2「このコンサートのハイライト」と言っても過言ではない、留まるところを知らない盛り上がりよう!

240vコレはゴーゴーの時代と言うことになるのかな…

250振り付けも究極的なまでにエキサイティングだった。

260よしろーさん、怒涛のドラミング!

265vメンバー全員が悔いを残さないように思いっきりこの機会を楽しんでいる感じ。

280とにかくステージが燃え上がってしまいそうな熱狂ぶりで本編を終了させた。

290アンコールでは「44605960~G.S.T.Q.」のメンバーが全員ステージに登場。

300ウワサをすればSex PistolsのTシャツを着た竜さん!

9_img_0550 曲はナゼか「Helter Skelter」。
こういう場にはおおよそ似つかわしくない曲のような気もするが、暴れちゃえ!

310_2当然、ギター・バトルも!

320_2冒頭に出演したよしろーさんのお弟子さんもステージに加わって最後を締めくくった。
曲は「Anarchy in the U.K.」。
370_2
ゴメン庄ちゃん、今回は終始フロントに人たちに気を取られてしまってドラゴン・ファイヤをやったことに気付かなかった!

340v_2MARIさんの爆発的なヴォイスも炸裂!
330

「よしろー」コールで…

350よしろーさんが〆る!

360v_2「ありがとうございました!」

380v_2よしろーさんが前で出てご挨拶する。
今回は竜さんの企画であったことを説明。タイトルも竜さんの発案だったそうだ。

390vそして、よしろーさんが出演者全員に関する思い出を語って別れを惜しんだ。
よしろーさんの故郷は石川県の小松だそうだ。
私、上に書いたおカタイ仕事をしていた時、2年ほど富山に住んでいて、石川県と福井県を担当していたんだよね~。
だから金沢、松任、根上、小松あたりは8号線を走ってよく行ったものです。
よしろーさんは小松で音楽関係のお店を営むそうだが、もうドラマーは辞めてしまうという。
とても寂しいことだが、ここで思い出して欲しいのは<前編>の冒頭の昔ばなしじゃ。
「人間万事塞翁が馬」…人生はチョコレートのハコのようなもの、開けてみるまでは何が入っているのか誰にもわからないもんじゃ。
  
いずれにしても、ベテラン・ドラマーの門出を彩る最高のコンサートになったことは間違いない。
よしろーさん、ありがとうございました!
新しいキャリアでのご成功をお祈り申し上げます。

400よしろーさんの詳しい情報はコチラ⇒What's a YOSHIRO World

410※明日は「勤労感謝の日」で祭日ですが、Marshall Blogは明日も更新します。代わりに28日(月)の更新を休みますこと予めご了承ください。

(一部敬称略 2016年9月28日 吉祥寺ROCk JOINT GBにて撮影)

2016年11月21日 (月)

4460 5960(ヨシロー・ゴクロー)~人間万事塞翁が馬~ <前編>

むか~しむかしのことじゃった~。
中国の北の方の塞(とりで)の近くに占いの巧みな老人が住んでおったそうじゃ。
塞の近くに住んでいるジイちゃんだから「塞翁(さいおう)」じゃ。
ある日、そのジイちゃんがとても大事にしていた馬が「胡(こ)」の地方に逃げてしまった。
「あ~、あ~、あんなに可愛がっていたのに…」と、周囲の人々がジイちゃんを大層気の毒がったそうじゃ。
さぞかしジイちゃんはガッカリしただろうと思うと、「ま、仕方なかんべな。そのうちにまた福が来るだろて」と馬のことを潔くあきらめたんじゃな。
ところがしばらくすると、ジイちゃんの大切な馬が戻って来たんじゃ。
しかも、胡からとてもいい馬を連れて来たんじゃな。
今度は、周囲の人々は「やったじゃん!チョーラッキーやんけ!ジイさん!」と祝ったが、ジイちゃんは浮かれたりすることなど全くなく、「インヤインヤ、コリャ不幸の元になるに違いない…」と占った。
するとジイちゃんが予言した通り、その胡から来た名馬に乗っていた老人の息子が、落馬してしまって、バキッ!!…ああ~、気の毒に…足の骨を折ってしまったんじゃな。
周囲の人々が息子さんを見舞うと、今度はジイちゃんは「これがラッキーの元になるだろさ」と皆に言ったそうじゃ。
息子さんが足の骨を折って、一体何かラッキーと言うんじゃ?
それから一年後、ジイさんの村に胡の軍隊が攻め込んで来て戦となった。
いつの時代も戦の犠牲になるのは若者じゃ。
ジイさんの村の若者のほとんどがその戦で死んでしまった。
しかし、足を折って動けないジイさんの息子は、兵隊に行かないで済んだため、死ななくて済んだのじゃ。
まったく人生どうなるかわからんもんじゃ…。
  
Marshall Blog史上初の「昔ばなし」調。
文章を頭の中で読みながら書いていると、その読む声が自然に常田富士男になってるんだよね。私は『日本昔ばなし』より10年以上前の世代なのにスゴイ影響力だ。モノマネのせいだな。
さて、以上が「人間万事塞翁が馬」のストーリー。
何が言いたいのかと言うと、「人生はスペース・マウンテン」ということ。
人生は上るか下るか誰にもわからない。だから何でも安易によろこんだり悲しんだりするべきではないというたとえ。
ガンプのセリフといっしょ。
"Life is like a box of chocolates, you never know what you're going to get.
ああ、考えてみると『フォレスト・ガンプ』の原作者はこの中国の故事をヒントにしたのかも知れないね。
興味があったので、チラっと調べてみると、この故事は中国からきたせいもあってか解釈にバラエティがあり、色んな英訳があるようだ。
ロマンティックかつ乱暴なヤツに…
"Que Sera, Sera" 
なんてのがあった。ま、コレはスペイン語だけど。
コレを英語で言うと、"Whatever will be, will be"。 ま、「Let it be」の条件付き未来形とでも言おうか…チョット強引だけど面白い解釈だ。
で、一般的には…
"Joy and sorrow are today and tomorrow"
「今日のよろこびは明日の悲しみ」
わかりやすいけど、チト大味な表現だな。
他にも…
"A joyful evening may follow a sorrowful morning"
「悲しみの朝にはよろこびの夕べがつづく」
前のヤツと同じパターンですな。
それと、もうひとつの一般的なヤツは…
'Inscutable are the ways of Heaven"
というヤツがある。
「天のやることはワケわからん」という意味。
いずれにしても表現に味とかロマンがないんだな~、英語には。合理優先の言葉だから仕方ない。
「人間万事塞翁が馬」なんて、ド~ンとストーリーがにじみ出てきてステキじゃない?
元は中国だけど、日本語って素晴らしい!
   
そんな故事をタイトルにしたコンサートがあるよ…と、令文さんから情報を頂戴し、さっそくお邪魔してきた。

104460(ヨシロー)とはドラマーの久嶋喜朗のこと。
本木雅弘、aiko、平井堅、高橋克典他多数の人気歌手のサポートの他、頭脳警察やNuovo Immigratoにも在籍した超ベテラン・ドラマー。
過去に一度だけMarshall Blogにご登場頂いたこともある。
そのよしろーさんがドラマーを卒業し、東京を離れ故郷へお戻りになるというのだ。
その壮行会となったのが今日レポートするコンサート。
よしろーさんの長いキャリアに関わったたくさんの音楽仲間が結集し、よしろーさんの新たなる旅立ちを祝った。

20vコンサートのスタートはよしろーさんのお弟子さんたちのバンドから。
まずは、marcominelmanというグループ。
エ、マルコ・ミネマンじゃないの?
まだマルコがデビューしたての頃、フランクフルトで見たことがあってね…あの時はビックリしたナァ。Eddie Jobsonのバンドで来日した時はそうでもなかった。
このmarcominelmanはプログレとは縁もユカリもない元気な今風のロックを披露してこの記念すべきコンサートのオープナーの重責を果たした。

30ボーカル/ギターの堀泰輔。

40vギターはwataru。

50vベースはりょーへー。

60vドラムがキヨ・サチコ。

70v続いて登場したのは2014年に活動を開始した「いろは」。
パワフルなボーカルが印象的な5人組。
コンセプトは「感情のおもちゃ箱」だそうだ。

80ボーカルのみすず。

90vギターはTacky。

100vもうひとりのギターが、あまがい。

110vベースがコム。

120vそしてドラムが田山直樹。
この人だけ本名なんだな?

130v若手の熱演が終わると、ステージはガラリと雰囲気が変わった。
HEAVY FUNK ALL STARSと名付けられたセッション・バンドの登場だ!

140もちろんドラムはよしろーさん。
200v
ギターはTHE KEY PROJECTの八重樫浩。
八重樫さんは「十二単」というバンドの出身。十二単は1982年のEASTWESTで優秀グループに選出された。
よしろーさんは「ロッキンf」を見て十二単のドラマー募集に応募したことがあったそうだ。
結果は残念ながら落選。
その時採用になったのは五十嵐公太さんだったのだそうだ。公太さんが十二単にいたのは知らなかったナ。
ちなみに1982年のEastWestのレディース部門のグランプリはSHOW-YAが獲得。
シニアのベスト・ボーカリストは久保田利伸だった。
150v上手にはJimisen
すごい久しぶりの登場!

160vもちろんふたりともMarshall!
八重樫さんはJCM800の1959。

170いつもは1959のJimisennさん。今日はJCM2000 DSL100だ。

180ベースはshoo-G。

190v1曲目に演奏したのは「Born to be Wild」。
歌はよしろーさん!

9_s41a0071 よしろーさんのドデカいバスドラムの迫力にあおられて、「ワイルド」で行くより「ヘヴィ」で行く感じ!

240_2続いては八重樫さんのリード・ボーカルで「Don't Let me Down」。

230v
「ガッカリさせないで!」…去りゆくよしろーさんに向けて歌っているのかな?
210
次はJimisenさんをフィーチュア…
220v
…とくれば当然Jimi Hendrix。
「Foxy Lady」を大熱演!

250vもう1曲、Jimi Hendrixから。
「Little Wing」をシットリと…。

9_img_0177 そして、そのままシットリと終わるワケはなく…

260v激烈ギター合戦!

265当然こんなワザも飛び出す!

270vしかし、このバスドラ!よしろーさんのトレード・マークだ。
28インチってこういう音か…。22インチや24インチとはもはや別の楽器だな。

280vよしろーさんに送る白熱のギター・バトルは延々続いた!

300vここからは「4460 5960~G.S.T.Q」と称して、入れ代わり立ち代わり、次々とよしろーさんの仲間が登場した。
まずはこの組み合わせ。

310ギターは石井仁
ヨシローさんが20代前半に「SOY SAUCE SONIX」というグループで活動を共にしたギタリストのギタリストとして山瀬まみや本木雅弘のツアーなどもこなしたそうだ。
石井さんも普段はMarshall。

320vベースは高橋竜
竜さんもMarshallのベース・アンプ愛用者だ。

340vドラムはそのままよしろーさん。
早い話が、よしろーさんが出ずっぱりね。主役だから。

350vボーカルは、そう、満園プラン太郎!

360v曲は…コレは珍しい!
当然Led Zeppelinなんだけど『Physical Graffiti』から「The Wanton Song」!
こういう時には普通やらないよ!
たいてい「Rock 'n' Roll」じゃんね。こういう選曲はうれしい。

370完全なりきりの庄太郎ちゃんもうれしいね!

380vここで、ギターがもうひとり加わる。
元マルコシアス・バンプのギタリスト、鈴木ユタカ

330v

満園庄太郎がベースにまわって…
400v
今度は竜さんが歌う。
今日はベース⇔ボーカル大会か!

390竜さんのスーパー・ボイスが響き渡るのは「Mama Kin」!

410vハード・ロック・ギターの魅力満点の名曲だからして、ギター・チームが猛ラッシュ!

430vやっぱり名曲は熱演を呼ぶね!

440よしろーさんの詳しい情報はコチラ⇒What's a YOSHIRO World

450v<後編>につづく

(一部敬称略 2016年9月28日 吉祥寺ROCk JOINT GBにて撮影)

2016年11月18日 (金)

GRANRODEO LIVE 2016 G11 ROCK☆SHOW -TRECAN ▶⦿◀ PARTY- <後編>

楽器チームの素晴らしいソロ演技が終わったところでショウは後半に突入する。

10_4衣装替えした二人。
今回は真ん中で「Can Do」。
もう演っちゃうの?!

20_cdKISHOW(谷山紀章)

40v
e-ZUKA(飯塚昌明)

30_3瀧田イサム

50v長井VAL一郎

60vオラオラ、後半も盛り上がっていくぞ~!
間髪入れず「Once & Forever」。

70v_o_fキャッチーな曲だけどギター・ソロの濃度は高い。
それがグラン流!

80_3今回はこの背面飛びが多いKISHOWさん。

90v演奏中に足がつってしまったというe-ZUKAさん。
「皿うどん」を引き合いに、今回導入されている「サラウンド・サウンド・システム」を紹介した。
曲は「背徳の鼓動」へ。
シットリのマイナー・ムードから…

110_2ドラマチックな展開を見せる。
コレはスゴイ歌詞だね。
「I believe 行く道はなくとも まだ見ぬサーカス一座と 旅する夢に抱かれて幾度眠る」…なんて。
寺山修司っぽくてカッコいい!
100v_hk
KISHOWさんの熱唱をギターに置き換えたかのようなe-ZUKAさんのソロ!
アンプ・テンポな曲だけがGRANRODEOの魅力ではない。

120_3ココでメンバーがステージから降りる。
すると舞台の上から白い布が降りてきた。

130_3そこには赤装束の女性の姿が!

140_2「偏愛の輪舞曲」のSEに合わせてヒラヒラとエアリアル・ダンスを披露。
アブアブアブ!
160_2

コレ、今気が付いたんだけど、布は二本だったのね?…あ、それなら自分もできる!ということでは決してありません。
硬いポールと違って、どうやって横になってたんだっけかナァ~、とチョット不思議に思っていたもんで…謎が解けました。
写真撮ってるとそっちに夢中になっちゃってとこどころ記憶がないのです。

170_2

そして、ダンスの後半から「偏愛の輪舞曲」を演奏。
180_hr

長いことロック・コンサートを観て来たけどこういうのは初めてだナァ。
とてもステキな演出だ。
150v_2

ワルツになるところからのギター・ソロがカッチョええ~!
「輪舞曲(ロンド)」というのは曲の形式のことね。「ロンド形式」。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は「大ロンド形式」というヤツ。

185またここから怒涛の盛り上がりセクションに入るよ~!
「RIMFIRE」と「紫炎」をカマす。
「RIMFIRE」カッコいいよね~。KISHOWさんの声がタマりまへんナァ~。
で、コレ「rimfire(リムファイア)」とは何ぞや?と思って辞書を引いたファンも少なくなかったのでは?
「周辺起爆式」なんて出てるでしょう?でも何のことやら?
私も初めて見た単語。
「rim」はリムショットとかいうようにヘリのこと。「fire」は発火とここまでは検討がつく…。
そこでチョイと調べてみると、コレは弾薬の発火方式のひとつ。
かつて主流だったピンファイア方式に代わって普及したもので、カートリッジのシリの外周のリム部に発火薬を詰めて、そのリムを撃鉄が叩いて発火する仕組み。
私、小学生の時にモデルガンに夢中になったことがありましてね。
で、このリムファイア方式は、 その後センターファイアという方式に主流の座を奪われることになる。
ナゼならリム内に発火薬を均一に詰めることが難しく、不発の確率がセンターファイア方式に比べてはるかに高かったかららしい。 しかし、単純な構造なため大量生産がきくため、価格が非常に安く、民生用途では広く普及しているとのこと。
GRANRODEOは勉強になるナァ。

190_rfここから最後まではスロットル全開!
お客さんも待ってましたの大騒ぎ!

200_4あのSEが流れただけで大歓声が沸き上がるヘヴィ・チューン「Rose Hip Bullet」。

210_2コレのPVはいいよね~。いきなりMarshallでスタートするし…。
曲が始まる直前にe-ZUKAさんの右手がアップになってピックを指の中で転がすでしょ?
アレ、わかるな~。ピックを使う人はよくやる仕草だ。

220_rhb本編の最後がもうそこまで来てる…「modern strange cowboy」!
このPVに映っているMarshallはJCM2000 TSL100。
e-ZUKAさんの愛機はJCM2000 DSL50だ。

225v目も覚めるようなスピード・チューンが会場の隅から隅までを引っ掻き回すのだ。

230_mscそして、またまたジャ~ンプ!
え?よくそんなにジャンプするところが撮れるなって?ズット待ってるのよ。
KISHOWさんが飛ぶ気配を出すのをず~っと観察してるんだよ。
こんなに飛んでくれるんだもん、うまくとらなきゃバチが当たる!

240v「楽しすぎるぜ!いつまでもやっていたいッ!急遽決まったライブなのに本当にありがとう。アレ、なんか出て来た…」
ステージの上手にセットされたのはGRANRODEOの電飾が施されたアップライト・ピアノ。
e-ZUKAさんが手で人形劇ををしてくれている。

250_2「次は必ず演る曲です。オレたちの曲だと思っている…13年前に出会って夢をかなえた…」とセンチメンタルにスタートするのは…

260_2「We wanna R&R SHOW」だ~!

270_3いいナァ~!
ポール・マッカトニーもマッサオのGRANRODEOのロックンロール賛歌!
火星や金星までスッ飛ぶテンション!

280v_2コレコレコレコレ、このギターソロ。
「♪チュララ。チュララ」と、こういうソロが巷で弾かれなくって久しい。
徹頭徹尾「Rock」だから私はGRANRODEOが好きなのだ!

300v_2見た目通りの炎のパフォーマンスで20曲の本編を終了した。

290

即座に猛アンコール。
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」…

340_2

「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」…
まだ出て来そうにないのでCM。
GRANRODEOは今月の23日、TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期のエンディング主題歌「少年の果て」をリリースする。
コチラはCD+DVDの初回限定盤。

320cd「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」…
こっちはCDだけの通常盤だ。

330cd
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」…
まだ時間がかかりそうなので便乗してマーシャル・コマーシャル。
コレは9月末に日本でも発売開始となったMarshall初のモデリング・アンプCODE25とCODE50。
54年の長きにわたってギター・アンプの王座に君臨するMarshallの歴代のモデルのサウンドが詰まった夢のアンプ。
コレがまたお買い得なんだ~。
初回入荷分は即完売しちゃったけど、またすぐ入荷するハズなのでゼヒ.。
e-ZUKAさんが使っているDSLの音も入ってるよ!

C35 「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロ」…。
  
モノスゴイ歓声の中、お召し替えして登場!

350v_hvアンコールの一曲目は「HEAVEN」。

360「コレやらないと終わらないでしょ!」
二曲目は「Go For Ot!」。

410v

IGPXは…
●GRANRODEOはじめての人!
●今回のツアーで他の公演にも行ってG11に来た人!
●ツアー全公演行ってからG11に来た人!
…等々。
やっぱり盛り上がるね!楽しいね!

3_img_0059 またジャ~ンプ!
文句なくキマった!

390「これアンコールだったね!盛り上がっちゃったね~タップリやってます。お客様は神様です!」
そして告知をはさんで…
「今日、オレ、見つけちゃったかも…。キミたちの笑顔とオレたちの笑顔が合わさって希望となる宝物もの…」
チャンと言った!(何のことかわからない人は<前編>を読み返してね)
「『希望の彼方』を聴いてください」

400_2e-ZULAさんのアコギに合わせてシットリと歌いアンコールの幕を降ろした。コレは314?414?…「ESシステム」とかなつかしいナァ。あ、こっちの話。

420v「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロ」…。
もう一回登場!

430_2曲は「バラライ」。

440楽しかった大コンサートにふさわしい楽しくゴージャスなフィナーレ。

450v_2もう説明は要らないでしょう。

460vFIRE HORNSの三人も楽しそう!

470_2FIRE HORNSのメンバー全員に個別にからむe-ZUKAさん。律儀だ~。
490

480_2

500ボリューム満点の『G11』。
「ROCK☆SHOW」の名の通り素晴らしいエンターテインメント・ショウだった。
こういうのこそ「エクストラヴァガンザ」というのだ!

520瀧田さんの華麗なテクニックに操られる多弦ベースがクリエイトする豊かな低音。

370v_2

瀧田さんとの完璧なコンビネーションでストレートアヘッドにバンドをドライブさせるVALさんのドラミング。

525vそして、男が聴いてもホレボレしちゃうカッコいいKISHOWさんの声。
まったくフェイクをせず、最初から最後まで猛ダッシュで絶唱し続けるKISHOWさんの姿にはいつも感動してしまう。

510v

そして、e-ZUKAさんのギター。
ヘヴィなリズム隊、カッコいい声のボーカル、ギター・リフとギター・ソロ…「ロック」というものはこれらの要素で完結する音楽だ。
でも、ココで触れておきたいのはe-ZUKAさんの作る曲、すなわちGRANRODEOの音楽について。
GRANRODEOの曲ってどれもギターの魅力にあふれているでしょう?
普通、e-ZUKAさんの演奏を目の当たりにすれば誰だって「ギターってカッコいい!」って思うでしょう?
それは、もちろんプレイがカッコいいからなんだけど、実はそれよりも先にe-ZUKAさんが作る曲がそういう風にさせていることを知っておくべきだ。
どうしてギターがそんなにカッコよく響くか…e-ZUKAさんの作る曲は1970年代のロック、すなわち「オリジナリティ豊かなロックの黄金時代」のエキスに満ち溢れているからだと思うのだ。
それは、カッコいいギターがなければロックがニッチもサッチもいかなかった時代。Marshallがなければあり得なかったロックの時代とも言えよう。
そのロックがロックらしい、最も魅力的なスタイルを誇っていた40年前の音楽に最新のテクノロジーやテイストをマブしているのが私のGRANRODEOの音楽の分析だ。
e-ZUKAさんはそうしてオリジナル曲でロックのコアな部分の遺産を伝承しているのだ。
 
ここに集まった約一万人のファン、全国の数万・数十万のファンとGRANRODEOとの間には様々な人気アニメが介在していることは百も二百も承知している。
でも、キッカケはアニメだったかもしれないけど、ファンの皆さんはこの音楽の魅力を実際に十分理解し、楽しんでいるワケでしょう?
しからば、ゼヒこうしたロックをジャンジャン浴びてもらって、音楽ライフを豊かにしてもらいたいと思う。
自分から探さなきゃダメよ。残念ながら待っていても向こうからはやって来ないから。
手前ミソながらMarshall Blogを参考にしてもらうのもいいだろう。
反対に、ロック・ファンを標榜している連中にも、アニソンとの間の垣根を取り払ってGRANRODEOのようなキチっとしたロックを聴いてもらいたいと願うな~。
ロックとアニメソングの間にある垣根なんて低くてスカスカじゃないか!向こう側が透けて見えてる。
ファンの往来によって双方のますますの繁栄を願うばかりである。
なんか宴会の挨拶みたいになっちゃったな…。
では、一本締めではなくて…

530v_2一本飛び!
G11、見納めのひとジャ~ンプだ。

540_2最後は出演者全員でごあいさつ。

550_2お楽しみのプレゼント・コーナー!
KISHOWさんはキックしてタオル。

560VALさんはドラム・ヘッドでフリスビー。

570e-ZUKAさんはピックを客席に投げ入れた。

580終わり~!
楽しかったね~!

590ナント、GRANRODEOが、日本が世界に誇るLOUDNESSと共演する!
12月29日に開催される『Rock Beats Cancer FES Vol.5』がソレ。
コリャお年玉を年内にもらっちゃうようなもんだ!楽しみ~!
  
GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

600_2(一部敬称略 2016年9月19日 代々木第一体育館にて撮影)

2016年11月17日 (木)

GRANRODEO LIVE 2016 G11 ROCK☆SHOW -TRECAN ▶⦿◀ PARTY- <前編>

代々木第一体育館。
人がビックリしているのを見てすごくビックリした。
朝のワイドショーで例の「オリンピックの会場をどうすんべかネェ…」というヤツをやっていた。
水泳の会場の候補として「代々木第一体育館はどうか?」という案が紹介されていて、某人気フリーアナウンサーとそのアシスタントの女性がその案に大層驚いていたのである。
「ココは、ナ、ナ、ナント昔はプールだったんですってネェ。1964年の東京オリンピックの水泳競技のために造られたって知ってましたか?」…ってな具合。
知っとるわ!
このアナウンサー、この建物をコンサートとかイベントのためのものかと思っていたらしい。アシスタントもしかり。(この二人のことは好きなので悪くは言わない)
驚いたわ~。
今、コレを読んでいる人の中にも「エ、そうなの?アレって武道館の代わりじゃないの?」なんていう人もいるんじゃない?
そもそも、日本武道館だって元はコンサート会場じゃないからね!
私なんかはこの代々木第一体育館は、いまだに「プール」のイメージの方がダンゼン強い。
というのも、昔は奥の方…というか、今コンサートの時にステージを作っているあたりに10m、7.5m、5m、3m×2の高飛び込みの台があったの。
で、私は小学校六年生の時に、ひと夏ココの飛び込み教室というのに通ったことがあったんですわ。
普通のプールも盛んに一般公開されていて、もちろん有料だけど誰でも入ることができた。大学の頃まで行ってた。
だから、私が若い頃はココでコンサートが開催されるなんてことは想像すらしたことがなかった。
だってプールだったんだもん。
ロンドンのウェンブリー・アリーナも元々はプールだったんだよね。

10_3今日はGRANRODEOの『G11 ROCK☆SHOW』。
30_2
実は一番上の体育館の写真は別の日に撮ったモノでね、
あいにく当日は天気が悪かった。

20_2…なんてことは、まったく関係なく、もちろんいつも通りの満員の大盛況!
天井につられている大きな風船の数は11。
もちろん『G11 ROCK☆SHOW』のナンバリングにちなんでのことだ。

40_2Yesの「Close to the Edge」のアタマみたいな、「森の音」のようなSEが止み、客電が落ちる。

50_2号砲一発!

60_2煙幕の中から~…

70_2GRANRODEO~。

80_2この歓声!
これぞ大会場でのロック・コンサートの醍醐味よ!

90_2KISHOW(谷山紀章)

100ve-ZUKA(飯塚昌明)

110vやっぱりGRANRODEOのステージはコレがないとね~!Marshallの壁!
しかし、仕事とはいえ、世界中のあらゆるMarshallの壁を見ているけど…飽きないナァ。
それは、この壁に「夢」が詰まっているからなんだ。
「音楽の夢」だ。
そして世の中には似たようなヤツがたくさんあるでしょ?
それらをこうして積み上げて壁にしてごらん。
人様のアイデアをマネッコしたものを並べてみたところで何の「夢」も「ロマン」も感じることができないでしょう?
それがオリジナルとコピーの違いなんだ。

120_2
『G11』のオープナーは「帰結する共犯者」。
ク~、どこまでも楽しいこのAC/DCっぷりがタマらん!
145
しょっちゅう書いているように私が初めて観た外タレ(海外ミュージシャン)の生演奏を体験したのは1976年、40年前のこと。
音のデカさにビックリもしたけど、興奮したよ~!
それから80年代に突入するまで一体どれだけ海外のバンドのコンサートに出向いたか数えられないが、いつもワクワク、ドキドキだった。
GRANRODEOのコンサートはいつもその時の感激を呼び覚ましてくれるんだよね。
この時もそうだった。
シャッターを切りながら心の中で「ウワ~!」って叫んじゃった!

130_2今回も二人をサポートするのは、瀧田イサム

150vそして、長井VAL一郎
あ、VALさん、先日は楽器屋さんでお待たせしちゃってスミマセンでした!

160v

一発目のソロ!
おいしいフレーズの連発にニンマリ。
140v

オリャ~!すさまじいドライビング・チューン!

2_s41a0173 続けて飛び出したのは「ケンゼンな本能」。
170_kh
ナニせ問答も理屈も無用でカッコいいと言って差し支えないでしょう!
180v_2
瀧田さんのベース・ソロも炸裂。
200_3
そして、ワイルドなギター・ソロ。
ロックのスリルがテンコ盛りだ!
190v_2
もう一曲続けて演奏したのは「Pink Phantom」。

210_pp6枚目のアルバム、『カルマとラビリンス』からのチョイス。
コレ、あんまり演らないんじゃないの?

220_2早くもダンサーのお姉さんが登場してステージをゴージャスに彩る。

230_2

「代々木第一体育か~ん!お待たせしました!
今年もやって来たぜ…G11!」とKISHOWさん。
「まだ宝が見つかっていない。みんなと一緒に宝さがしをしたいと思います。」とMCしたのはe-ZUKAさん。
やっぱりコンサートの最後には「宝物は君たちの笑顔」って言っちゃうんだろうね~!…というKISHOWさんの自己ネタばらしで大笑い!

240v_mcココで「TRASH CANDY」。

250_tce-ZUKAさん、今度はVに持ち替え。
ダウン・チューニングのヘヴィな音像が気持ちいい!
270_2

この曲、途中で予想外の転調するところメッチャかっこいいな~。

260v続けて「NO PLACE LIKE A STAGE」。最新版「There's no business like show business」ですな?
ん~、このソロも密度が濃くてカッコいいな~。
e-ZUKAさんのソロは至極テクニカルだが音楽的なところが素晴らしい。
どんなにシュレッディングをカマしてもピロピロ感がまったくないんだよね。
ナゼか…曲がいいから。

280v

このセクションもバンバン続けて演っちゃうよ~。

290_psおなじみ「Passion」。

300v

そして、このセクションの最後は「ブランニューDAY」。

310_bndやっぱりいいね~。
ギタリストの後ろは背後霊でなくMarshallが定番だ。

320このセクションをジャ~ンプで締めくくる。

330vココでホーンが登場。

340GRANRODEOのコンサートではおなじみのFIRE HORNSだ。

350雰囲気がチョット変わってファンキー・ムード。
380
こういう曲のKISHOWさんの歌がまたいいんだよね。
「♪キャノンボールのように」というサビがすこぶるクールだ!

360v関係ないけど、Julian "Cannonball" Adderley好きです。
アルバム20枚以上持ってるけどゼンゼンまだまだだな…。

370v

カラーガーズが登場したのは「Beat it, Love!」。
「Beat it!」はマイコーのおかげで日本でもよく知られる英語表現になったけど、かなり品の悪い部類のスラングなので、相手をよく見てから使うようにしましょう。

390_bil「♪ウォオッオッ」が耳に残る印象的なナンバー。
この曲にカラーガーズをつけるセンスが秀逸!

410FIRE HORNSが戻って「PUNKY FUNLY LOVE」。

420_pfl

この曲もサビが印象的だよね。
コレはウケるにキマってるよナァ~。
超人気アニメ『黒子のバスケ』の主題歌だけど、アニメ抜きでも第一級の「明るいハードロック」でバッチリ!

430ココでも手の込んだe-ZUKAさんのギターが聴ける。

440v絵に描いたようなジャンプ!

450v

「Lovers High」の軽快なエイトビートに乗って華麗な舞いを披露するふたり。

460_lhホントに色んなことをするナァ。
今、「ナンバーワンのジャズ・アルト・サックス奏者」の呼び声も高い私の大学の後輩は、かつて誰もが知っている人気ロック・バンドのホーンセクションをやっていたんだけど「踊りだけは勘弁して欲しい」と言っていた。
で、楽器を演奏しない「踊りの練習」の日というのがあって、そういう時は「とても憂鬱」だとこぼしていたっけ。
こういうのはKISHOWさんやe-ZUKAさんが「踊らせてくれィ!」って希望するのかしら。
喜々として舞っていらっしゃるように見えます。
何より楽しそうです。

470そしてガツンとギター・ソロ。

480やっぱこっちの方がいいか!

490v

このあたりまでが前半。

495迫りくるすさまじい激演と凝った演出、それに呼応するお客さんの尋常ならざる盛り上がりで大コンサートの楽しみを存分に見せつけてくれる。

500v

そうだね~、このペンライトの海ってのは大きな会場でしか見ることができないもんね~。
キレイなことこの上ない!

510恒例のソロ・コーナー!
『Yessongs』で言えばC面。今度「名所めぐり」で『ヘンリー八世と六人の妻』を取り上げるのでお楽しみに!
さて、まずは瀧田さんのベース・ソロ。

530v

バリッバリのテクニックを駆使してソロ楽器としてのベースの魅力を見せてくれる。

2_s41a0610 FIRE HORNSとのカラミもスリリングだ!

550

FIRE HORNSは湯本淳希(あつき)…

570v近藤淳也(ジュニア)…

560v

そして、川島稔弘(とっち)の三人。
タップリとソロも聴かせてくれた。

580vそしてVALさんのソロ。
610v
ストレートでエネルギッシュなパフォーマンスは絶対に期待を裏切らない。

590vアオるね~、FIRE HORNS!

600

「インスト・コーナー」とでも言おうか、コンサート中盤の大きな見どころとなった。

555そしてもうひとりのソロ!
ステージ後方に注目が集まる。

620目も眩むまんばかりのスポット・ライトにスッポリと包まれるe-ZUKAさん。

630v

すると、e-ZUKAさんが…

640スルリスルリと吊り上げられ…

1_img_0201_2こんなに高くなっちゃった!
好きだナァ、上にあがるの。

1_img_0210 そしてe-ZUKAさんを乗せたゴンドラは前方にせり出してきた。
e-ZUKAさん余裕の表情だけど、いい加減コワイだろうにナァ。
もちろんガシガシ弾きっぱなし。

660v無事帰還!

680vそしてひとしきり弾き倒す!
今回も「熊蜂の飛行」の激超速バージョンを披露。

690Marshallをバックにステージ狭しと弾きまくるe-ZUKAさん。

700プレイといい光景といい、私にとってのハイライトなのだ!

710GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

720

<後編>につづく

(一部敬称略 2016年9月19日 代々木第一体育館にて撮影)

2016年11月16日 (水)

LONDON DRUM SHOW 2016

ロンドンは得意のアールズ・コート駅。
ココはピカデリー線とディストリクト線が乗り入れているにぎやかな駅。
何せレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドで有名なコンヴェンション・センターがあるので、以前から何回もここを訪れているし、前回ロンドンに行った時には5日ほど滞在して何度もこの駅を利用した。
しかし、ディストリクト線の支線がここから伸びているとは知らなんだ。
ハイ、英語脱線。
「拍車」ってあるでしょ?騎士の靴の踵にくっついている馬のお腹をつっつくギザギザの車輪。
アレ、英語で「spur(スパー)」っていうのね。
ナゼこれを覚えたかと言うと、Horace Parlan(ホレス・パーラン)というピアニストに『On the Spur of the Moment』っていうアルバムがあって、「spur」の意味を調べたから。「on the spur of the moment」は熟語で、「出来心で」とか「衝動的に」とか言う意味。
で、この言葉、もうひとつ「支線」という意味があるんだってさ~。正しくは「spur track」って言うらしいんだけど、「spur」でも通じるようだ。
今、知ったよ!うれしいな~。
さてこのspur、アールズ・コートから先に駅がひとつしかない。
要するに始発駅と終着駅だ。
その終着駅とはケンジントン(オリンピア)というところ。

20その駅名の通り、ここにはオリンピア(Olympia)という見本市会場がある。
1885年に完成。129年前の建物だ。
立派だね~。

30最近でこそビッグサイトとか幕張メッセとかパシフィコ横浜なんてのがあるけど、日本はこういう設備が本当に少ないよね。
日本に比べて国土2/3、人口半分のイギリスにはこういう設備がいくらでもある。
展覧会、博覧会、展示会、見本市等がいかに太古から普通に開催されていたかを物語っているのではなかろうか?
それで、こういう展示場につきものなのがコンサートの類。
調べてみるとヤッパリ…ジミ・ヘンドリックスは1967年12月22日に、ステイタス・クォーは1975年の大みそか、その翌日の元旦にはプロコル・ハルム、バッド・カンパニーは1977年のお正月の2日と3日、、ロッド・スチュアートも1977年の1月にここでコンサートを開いている。
これらは一種の「ニュー・イヤー」企画だったのかな?

40展示があるとこんな感じ。

50コレ、相当デカイね。
敷地面積は4エーカーだって…1万6千平方メートル。
浅草寺の本堂が何個入るんだ?
と久しぶりに平方根の計算をすると、126.5m四方となる。屋内でこのサイズは相当大きいでしょう。
しかも19世紀の建物だからね。

60それで、この週末の11月12&13日にココで開催されたのがロンドン・ドラム・ショウだ。
数えてみると65のドラムに関するブランドの豪華な展示とアーティストを売り物にしている。
やっぱりこういうイベントはアーティストをジャンジャン呼ばないとラチが開かないのをさすが連中はよくわかってる。
展示やデモだけでなく、エデュケーション・ゾーンという体験コーナーというかドラム教室のコーナーも充実しているようだ。コレは楽器フェアなんかでもマネっこしていておなじみだろう。
ウェブサイトに出ているこのイベントの紹介文を見るとこんな文章があった。
「Some of the best drum tutors out there will be on hand to finesse your fills and reignite your rudiments.」…会場にいる何人もの世界的なドラム講師が、あなたのオカズの悩みを解決し、あなたのルーディメンツに火をつけるのをお待ちしています…ぐらいの意味になるのかな?
「fill」だの「rudiments」だのに特化しているところが面白い。
ちなみ「finesse」というのはフランス語。辞書によると動詞では「術策を用いる」なんてスゴイ意味になっているけど、そういう意味なのか…。
穐好敏子のソロ・アルバムに「Finesse」という作品があるので単語自体は知っていたのだが意味は正確には知らなんだ。「オハコ」っていう意味かと思っていた。
入場料は£5だから今なら700円ぐらいかな?
10_2
コレは調べたワケではなくて、何人かのイギリスの友人からの聞き伝えで恐縮なのだが、ロンドンでは元々『ロンドン・ギター・ショウ』というのがあって、ここに『ドラム・ショウ』が合体したり離れたり、場所を変えたり、しまいには開催しなかったり、と紆余曲折を経て来たようだ。
それがこんな立派な会場で開催されてめでたし、めでたしなんじゃないの?
私はと言えば、2004年にウェンブリーで開催された『ロンドン・ギター・ショウ』にお邪魔したことがある。
ドラムは全くなかった。
比較的ショボめの展示会だったが、ジェリー・ドナヒューがデモをやっていて、そのスゴさに腰を抜かしたものだった。

70他にもMarshallのデモ・バンドにブルース・ディッキンソンが飛び入りで入って来て歌ったりと日本では絶対にできない経験をした。
「VIP」だし!でも何ひとつ特別な扱いはなかったな。
で、この晩、ニコ・マクブレインたちと夕べの食卓を共にさせてもらったんだけど、ニコがフォークとナイフを手にする前に、手を合わせうつむき、神様にシッカリとお祈りを捧げている姿を目の当たりにして驚いた。あの顔だし…。
他にもイギリス人がたくさんいたが、そんなことをしているのはニコだけだった。
その後もニコとはジムの家やフランクフルトで何度も食卓を共にをしているが、彼はいつもキチンとお祈りをしている。
そういえば、この時、ウェンブリーが物騒だから外に出ない方がいい…とMarshallのスタッフに注意を受けたっけ。
たまたま、数日前に追剥きかなんかがあったからだったように記憶している。

80さて、そのロンドン・ギター・ショウ、じゃないわ、ついついギターが先に出てきてしまう!
ロンドン・ドラム・ショウ、もちろんNATALも参加した。

90以下はその展示のもよう。

100色々とラインナップを広げております!

110こないだ「NATALのアクリルってカッコいいですよね~!」とあるプロ・ドラマーに言われちゃってさ~、うれしかったな。
正直、ヨソとどこが違うんだかよくはわからないけど、カッコいいことはよくわかる!

120スプリット・ラッカーというヤツ。

125おいしそうなお菓子が入っていそうでしょ?
音はおいしいよ~。

130

140

150こんなヤツも…。

160

165

170METAシリーズという新しいブラスのスネアのラインも好評だったようだ。

180vあ~、コレはどこでも見かける光景!

190vオリジナル・シリーズも安定した人気をキープしている。

180お!スゴイ行列!

200StereophonicsのJamie Morrisonのサイン会。

210展示されていたキットはまさにホンモノ。

220だって、コレと同じなんだもん。

230コレはStereophonicsが7月に来日した時に撮影したもの。

240グドモの金ちゃんとペギちゃんとも記念撮影したね。
JamieとペギちゃんはNATALつながりなのだ!
この時、モノスゴイ黒山の人だかりになっちゃって…。
Jamieからスティックをもらってご満悦のペギちゃん。

9_s41a0271 これがそのスティック。

9_2img_2382 相変わらずの人気のJamieなのである。

250コレはエデュケーション・ゾーンのようす。
NATALドラマー、Marko Djordevicのクリニック…ってったって知らない人はまず読めないよね。
「マルコ・オルジェヴィック」っていうんだって。
モダンドラマー誌に「世界クラスのドラマー」とか「真の革新者」と評価されたスゴ腕ドラマーで、SVETIというグループを率いてリーダー作も発表している。
バークリーを出たジャズ系の人で、Wayne Krantz、Garry Willis、Bill Frisell等々と共演し現在までに40枚以上のアルバムのレコーディングに参加しているそうだ。
彼のSVETIというグループは「コルトレーン、ウェザー・リポート、ザッパ、ポリスに影響を受けた古郷のバルカン風味タップリの音楽」を標榜している…「バルカン」にはそそられるな~、と思いつつ動画をいくつかチェックしてみたけど、普通のジャズだったわ。
でも今風のテイストのジャズ・ドラミングでカッコいい。
260今回写真を提供してくれたアメリカのJoshが動画をあっぷしてくれたのでそれを拝借して掲載しておく。
この人、どこか東ヨーロッパの国の出なんだろうけど、こういうルーツを持った人たちが英米のシーンに出て来ることも珍しくなくなったね。
こういう人たちはアニメもゲームもない裸一貫の音楽出稼ぎだからして、その実力と根性はかなりのレベルなのだろう。
そして、この動画を見て思い出したのはMagamとかSBBとかあたりのブリティッシュではないプログレッシブ・ロックだ。新手のフリオ・キリコみたいな?
彼らにはアニメがない代わりに、この手の音楽のDNAがあるんだろうな~と感じてしまった。

…ということでNATALよろしく願します!

270965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年11月12~13日 ロンドン・オリンピアにて撮影 ※Spechai thanks: Josh Touchton)

2016年11月15日 (火)

CURE METAL NITE 2016 - THE LAST <後編>

さて、『CURE METAL NITE 2016 - THE LAST』も後半に入る。
ココでまたシーンが変わった。

20_3ステージに加わったのは尺八の元永拓。

30v三味線の-KIJI-。

50vここから「刃-yaiba-」のメンバーによる『NARUTO-ナルト-疾風伝』のコーナーとなる。
茂戸藤さんが説明しているのは「刃」のサイン。
「刃」とか「匕首」とか、このあたりの漢字の読みは特殊だ。

55v曲は『NARUTO』からの新曲で「勇ある者たち」だってばよ。

60元永さんがステージに用意した尺八。
尺八という楽器は、その長さが「一尺八寸(約54.5cm)」であることからその名前がついたとされているが、実際にはいろんな大きさのものがある。
曲に合わせてサイズが選ばれる。

40_2
ショウも後半に入り、ますますシャープさを増す健至さんのギター。

1_img_0491健至さんがステージに用意したMarshall。
Marshallというギター・アンプはその創設者かJim Marshallということよりその名がつき、色々なモデルがある。
ハードなロックばかりに使われているようなイメージがあるが、音楽に合わせてモデルとサイズが選ばれる。
健至さんのMarshallはジョーサトリアーニのシグネチャー・モデルJVM410HJSと1960Bだ。

90_2-KIJI-さんは以前にもMarshall Blogにご登場頂いたことがあるってばよ。
『GRANRODEO LIVE 2013 ヤッホー ワンダホー FUJIYAMA!!』の時のことだ。
70_2

さらに新曲がふたつ…「永遠に眠れ」と「轟地に立つ」を披露。

75v元永さんは篠笛もプレイ。
私、武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」が好きなのね。
知っている人も多いと思うけど、武満徹は世界で最も評価が高い日本人の作曲家で、1996年に亡くなった時は、アメリカの新聞は自国の大統領級の訃報を掲載したほどに偉大な人。
その時日本では最初、NHKが「『夢千代日記』の音楽の作者」と紹介したという。
日本人の恐るべき音楽的民度の低さを露呈してしまった。(しかし、この国はイギリスと並んで文学については世界一だ。両方は土台ムリ。イギリスはロックは最強だが、クラシック音楽の大作曲がいない。ヘンデルとエルガーぐらいか?そのヘンデルも元はドイツ人だ)
1959年にストラヴィンスキーが来日した際、武満の「弦楽のためのレクイエム」をいう作品を耳にし、大絶賛したことで評価を得た。
そして、武満徹の名前を世界的な作曲家に押し上げたのは、小澤征爾の仲介でニューヨーク・フィルから委嘱されて作ったのがその「ノヴェンバー・ステップス」という1967年の作品。
この曲はオーケストラに琵琶と尺八が用いられ、カーネギー・ホールで初演されたのだが、この時の尺八奏者は横山勝也という人で、ナント元永さんはその方の孫弟子に当たるのだそうだ。
その流派は「虚無僧」系。
一方、この時の琵琶奏者は鶴田錦史という人。
この人の生きざまがまたすさまじい。
元は女性なのだが、人生の途中から終生男性として過ごしたという天才琵琶奏者だ。
『さわり(小学館刊)』という伝記が出版されているので興味のある人はどうぞ。

80

立て続けに「形勢逆転」。
テクニカルにしてパーカッシブな三味線のサウンドがパワフルに鳴り響く!

90vこのセクションは問答無用、驚天動地のメドレー形式。
次から次へと次ぐ演奏に高梨さんもエキサイトだってばよ!

95_2そして、「動天」でこのセクションが締めくくられた。
100

そのまま突入した次のコーナーは打楽器の祭典。

110茂戸藤さんの太鼓と…

120v_2市川さんのドラムのデュエットだ!

130イヤ、火花を散らすような和洋の打楽器の共演はやはり「バトル」と呼ぶべきだろう。
あるいは「デュエル」か、それとも「バウト」か?
140_2
でも、別に共演しているだけで決してケンカしているワケではない。
それなのに何となく太鼓を応援しているような気になってしまうのは日本人の性か…。
市川さん、ごめんなさい。
でもMarshallもNATALというドラムやってますから!
昔、大映に『妖怪大戦争』という映画があって、西洋の妖怪ダイモンに挑む日本の妖怪を思い出してしまう…と言ったら怒られるか?
この映画、6歳の時に一度見たきりなのに、私もよく覚えているな~。
今では3分前に名刺を交換した人の名前が出てこないで絶句することもめずらしくない。

150vそして、流れ出したるはチャイコフスキーの『序曲1812年』
打楽器の人たち、コレ好きだな~。
今年見たいくつかのドラムソロでこの曲が使われるのはコレで3回目だわ!
昔、4バンドぐらい出るライブで、そのうちの2バンドがドラムソロで同じことをやったのを見たこともある。
もちろんコージー・パウエルの大きな遺産で、今もってドラマーたちに与える影響力のすごさを思い知りますな。

160でも、曲の運命なんてわからないものだ。
この曲のタイトル、「1812年」はナポレオンのロシア遠征が行われた年。
チャイコフスキー自身は結構チャチャチャと書いた曲のようだ。
『交響曲第六番』とはワケが違うみたい。
なのに、こうしてたくさんの打楽器奏者に愛されているのだから面白い。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーも極東の島国(実はお隣さん)の『CURE METAL』なる演奏会で自分の曲が愛奏されているのを知ったら「バリショーエ・スパシーボ」と言うことだろう。
余談だが、クラシックの「もうウンザリ」という作曲家はベートーベン、ブラームス、そしてチャイコらしいよ。
私は作曲家ではないが、曲を上げれば、ロックは「Burn」、ジャズは「Spain」、クラシックは「カルミラ・ブラーナ」だ…ウンザリ。

1702人のすさまじい激演に大きな喝采が送られた!
9_img_0187

この辺りから最終セクションに入る。
今度は『セーラームーン』から。
『セーラームーン』は知ってる。
ウチの下の子が小さい時に見ていたから。
あのオープニングの曲を覚えて歌っていたが、最後の部分の「ミラクル・ロマンス」というところを「♪ミラクルのマウス」ってやってたっけ。
ちなみに上の子は、「かごめかごめ」の「♪いついつ出やる」を「♪いついつJR」と歌っていた。

190v
曲は「スーパーセーラームーンのテーマ」と「プラネット・パワー・メイクアップ」。
そういえば今から20年近く前、コロラドから来たアメリカ人が「娘へのおみやげに」とセーラームーンの単行本を何冊も買って行ったのを見て驚いたことがあったっけ…。
もうその頃から日本のアニメは世界でもスゴイ人気だったんだね。
考えてみると、マーブロでも何回か書いているけど、私には同じ年のアメリカ人のイトコがいて、アメリカに住んでいるその彼が「ウルトラマン」やら「アトム」を知っているのを知って子供の頃にかなり驚いたことがあった。
50年近く前の話。
げにスゴイ歴史だよ、日本のこういう文化は。

200v_2いよいよ、本編最後のパートを迎える。

210_2まずは「プリキュア・ビートアップ!」。

220_phu歌を歌うようにメロディを奏でる健至さん。
やっぱりMarshallの音は素晴らしい。
誰が何と言っても真空管アンプに尽きる!

1_img_0472攻めまくる高梨さん!
今やショルダー・キーボードは珍しくないが、ここまで活用するキーボード・プレイヤーはジョージ・デューク以来かッ?
若い人に言っておくけど、こういうの昔はなかったんだよ。
ショルキーが出て来た時、この楽器に存在自体に賛否両論あったぐらいだったんだから。

260_2そして、クライマックスに突入!
曲は「登場!謎のプリキュア」。
ステージの8人が一丸となって怒涛のパフォーマンスを展開する。
270_2

コーラス部隊も…280v_2打楽器チームも…

250v_2

290v_2弦楽器チームも白熱の鬼気迫る演奏!

1_img_0712 いつか「プリキュア好きなんだよね~」と私に言っていた庄太郎ちゃん。
メッチャ楽しそうにベース弾いてる!

240v
そして総帥の高梨さんが楽隊をまとめ上げる!

300曲は間断なく続いて「明日への戦い」から最後の「燦然!プリキュアオールスターズ」へと移行した!
もう呆れるほどの盛り上がりよう!

320こうして『CURE METAL 2016 -THE LAST-』の本編の幕が下ろされたのであった。
325
もちろん即座にアンコール。
高梨さんからお客さんへの丁寧な感謝の言葉が発せられた。
終演後、楽屋で高梨さんからお話を伺ったが、そのあまりにも多忙な毎日を心配すると…「ボクはインディーズの時代が長かったんです。だから自分の音楽を聴いていくれる人がいるのがすごくうれしいんです。だから、そういう人がいてくれる限りは休まずやり続けるつもりなんです」
その話をお聞きして感動しちゃったよ!
結局は絵でも音楽でも「芸術」ったって、楽しんでくれる人がいなければ何の意味もないからね。
苦労して、本当に努力しているからこそ出て来る言葉だったと思う。

330さあ、アンコール。
340_2
出演者が全員ステージに登場した。

350
曲は「今よ!ファンタジスタドール」!
380

これまたずいぶん可愛い曲だこと!

360_2そこへ激烈なシュレッディングが斬り込んで来る!

370

さあさあ、「-THE LAST-」の一番最後のところ!
420
会場には大きな風船から飛び出した色とりどりの小さい風船が!

410お客さんも大よろこび!
430_2

とても楽しい演出なんだけど、プレスピットの中はこの通り風船だらけで歩けない!
バッツンバッツン割ってやったぜ~。ワイルドだろう?

3_img_0178曲にぴったりの演出でドラマティックにショウを締めくくったのであった!
  
高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒Team-MAX

400

…と思ったら、「-THE LAST-」に寂しさを隠し切れないファンから熱烈なアンコールが沸き起こった!
450_2
それに応えて再登場!

440_2「最後はキュアメタルで締めくくりたいよね!」と「プリキュアオールスターズ大活躍!」を再度演奏した。

230

サービス満点!

390v_2

コレでとうとう最後!
感動のフィナーレ!!

460記念撮影しました~!

465ファンとの別れを惜しむ高梨さん。

470_2スゴイ人気!

480こちらでも記念撮影。

490お疲れさまでした~!
イヤ~疲れたわ~。
出演者の数が多いと、どうしても撮影が大変なの。上手で撮っていると下手で何かが始まっちゃったりしてもう大忙し!
でも楽しかった~!

500<あとがき>
このコンサートはボストン・ポップス・オーケストラなんかのコンサートと同じなんだね。
つまり、ジョン・ウィリアムスが作曲した映画に使われた曲を「ナマでお聴かせしましょう」…というヤツ。
すなわち、映画や演劇に使われた音楽だけを聴いて楽しむ。
日本でもこの手のコンサートが時々開催されているけど、日本でやるとどうも民音あたりの『映画音楽の夕べ』みたいになってしまって雰囲気がだいぶ異なる。
英米では純粋な「コンサート」として盛んに行われている。
先週も、Marshall Blogに来てくれたグレースがロイヤル・アルバート・ホールに『エイリアン』の音楽のコンサートを観に行って大いに楽しんできたようだ。
『エイリアン』の音楽を担当したのは映画音楽作曲家の最高峰のひとりジェリー・ゴールドスミス、『エイリアン2』はジェームズ・ホーナーといって以前マーブロで紹介したこともあるイギリス王立音楽院(エルトン・ジョンの母校)でリゲティに師事した優秀な作曲家だ。
どんな曲が使われていたのかはサッパリ覚えてはいないが、そんな才人が作る音楽だからして、当然そのクォリティも素晴らしく、音楽だけでも十分独立させて楽しめるレベルのものであることは論を俟たない。
そして、音楽の楽しみ方や楽しみの幅において、英米人は日本人とではどうようしようもなく違っていることがこんなところからも見て取れると思うのだ。
 
さて、この『CURE METAL NITE』も主題歌や劇中歌をヘヴィ・メタルにアレンジして音楽だけを楽しもう!という企画で、内容はその名の通り、ほとんどインストのヘヴィ・メタル、あるいはハード・ロックだ。
とにかく、歌があろうとなかろうと、今テレビ等で流れるの巷の草食系ロックより格段に骨太の音楽をアニメファンの皆さんに聴いてもらっているワケだ。
私は高梨さんと丸っきり同じ世代で、同じロックを通過しているので、『CURE METAL』の音楽が比較的スンナリ入ってくる。
その私が思うに高梨さんは、『プリキュア』の音楽を演っているのと同時に「自分のロック」をやっているワケ。
そして、お客さんたちはその「高梨さんのロック」に熱狂している。
もちろんお客さんと音楽の間にはアニメが介在しているのは百も二百も承知なのだが、今日こうしてメタル版『プリキュア』の音楽を楽しんでいるお客さんは「ロック」を楽しんでいることになるワケでしょう?
いくら関連しているアニメが好きでも、音楽がウンコだったら絶対にソレを聴かないでしょう?
しからば、キッカケがアニメだとしても、この手の音楽をカッコいいと思ったら、ジャンジャン自発的に「ロック」を聴いてみたらいかがだろう?
思い起こしてみるに、父の影響で私は10歳ぐらいから海外の映画に夢中になって、その映画に使われている音楽ばかり聴いていた。
クラスの他の子が百恵ちゃんとか淳子ちゃんに夢中になっていたけど、私はゼンゼン興味がなかった。
だからもう12歳の時にはスコット・ジョプリン(ラグタイム・ピアノの大家)の名前は知っていたし、・ウィリアムスやゴールドスミスはもちろん、ジョン・バリー、ラロ・シフリン、ニーノ・ロータ、エンニオ・モリコーネ、さらにレナード・バースタインだのリチャード・ロジャースだのフレデリック・ロウだのの名前は小学生の時から諳んじて言えた。
それが、13歳になってキッパリ終了、打ち止め、さよなら…ナゼならビートルズの音楽を知ってしまったからだ。
それから20歳ぐらいまでは、ロック中心の生活になった。私も若かったし、それほど昔のロックは面白かった。
で、ナニが言いたいのかというと、今はアニメをキッカケに高梨さんの音楽を楽しんでいる人も、ちょっと幅を広めれば、ロックの魅力を知り、人生が豊かになることだろう…と大きなお世話をしているのである。
『CURE METAL NITE』はそんな「ロックへの扉」を開け放たんとする素晴らしい企画だと思う。
それが最後だとは残念至極だ。
  
あ、それと…カッコいいロックはMarshallから!…お忘れなく!

510(一部敬称略 2016年8月20日 新宿ReNYにて撮影)

2016年11月14日 (月)

CURE METAL NITE 2016 - THE LAST <前編>

ロビーに並んだ夥しい数の祝い花。これらはホンノ一部。

20このロビーの様子を見ただけでも今日レポートするライブ、そして、その音楽の人気や支持が高さを窺い知れよう。

10

大分時間が経ってしまって恐縮だが、今日は8月に開催された『CURE METAL NITE 2016』の様子をレポートする。
今回で三回目。
記念すべき第一回目はMarshall Blogでもレポートした。
あの時は二日興行なれど、さほど広くないライブハウスでの開催となったため、会場は完全にスシ詰め状態。
客席中央部の壁側に据えた脚立にほとんど上がりっぱなしのキツイ撮影だったことが思い出される。
二回目からはガツンと広い会場に場所を移した。
そして、残念ながら今回が最後の開催となるそうだ…エ~!
    
ナニはともあれ結局スシ詰め状態の客電が落ちる。
ショウのタイトルがステージに投影される。

30スライドで出演者が紹介され、数々のヒットアニメサウンドを手掛ける高梨康治が紹介されるとひと際大きな歓声が上がった。

40いよいよ緞帳が上がる。

50CUREMETAL GOD、高梨康治!

60v太鼓の茂戸藤浩司

70ギターは藤澤健至

80v健至さんはMarshall!
ジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデル、JVM410HJSち1960Bを使用。

90ゲスト出演のヴァイオリンは水谷美月

95ベースはおなじみ、満園庄太郎

100vドラムは市川義久。

110v魅惑のコーラス隊、Remiと…

120vますだみき
みきちゃん、三年前とかなりのイメージチェンジ!

130vオープニングは「プリキュアオールスターズ大活躍!」。
イヤ~、二度目なのでわかっちゃいるけど、スゴイのよ、この盛り上がり方が!

140ショルダー・キーボードを提げて華麗なソロを披露する高梨さん。

150Marshallと7弦ギターのコンビネーションで縦横無尽なプレイを繰り広げる健至さん!

160v高梨さんの前の客席は興奮したファンが組んずほぐれつの大騒ぎ。
曲は「堪忍袋の緒がきれました!」へと続く。

170v美月ちゃんのヴァイオリンとの掛け合いもスリリングだ。
ワタシ、ヴァイオリンが入っているバンドって大好きなんだよね。

180もうコレもんで…

55
コレもん。
こういうのはうらやましいと思うね。
私も何かと物事に夢中になる性格だけど、ここまで入り込むことはできないの。
皆さんこの記事を読んでまたこの時の興奮を呼び覚ましてくれたらうれしいナァ。
健至さんのギター・アンプはMarshallだということだけは忘れないで!

190「ようこそ!3年目!CURE METALは最後です!完全燃焼します!」
シレっとアナウンスする高梨さんのMCにお客さんは「エ~~~!」。
そりゃそうなるわね。
「次は皆さんの大好きな曲!」…
200v「プリキュア♪ハートフルビートロック」!

210ヘヴィメタル!
でも確かにハートフルでゴキゲンなメロディが楽しいね!

230v続いてはヘヴィな低音が地を這いまわる「暗黒の挑戦者」。

240タイトル通り、いかにも「巨悪に立ち向かうヒーロー(ヒロイン)の雄姿」の雰囲気?
ここでもバッチリとメタル感が発揮されている。

250vへへへ、「ランラン・タイム」。
実は、二年前に初めて観た時に一番印象に残っていたのはこの曲だったりして…「レッツプレイ!プリキュアモジュレーション」。
Remiちゃんとみきちゃんの「ランラン」の歌声が前の曲との雰囲気をガラリと変えてしまう。
2_s41a0207
続けて「プリキュアスマイルチャージ」。
いい曲だナァ。
チョット脱線するけど、こういう女性のコーラスとか子供の合唱団とかってモノスゴイ音としての「力」を持ってるんだよね。
で、この曲は違うけど、児童音楽なんてのもその一種で、いい童謡って親しみやすい上にすごく説得力がある。
例えばJethro Tullの代表作『Thick as a Brick』のA面の最後のメロディとか、ローマ法王の前で演奏することを許されたというイタリアのプログレッシブ・ロックグループ、Latte E Mieleの名作『Papillon』なんていうのもいい例だ。
私はパンク・ロックって自分から聴くことは絶対にないが、限りなく童謡に近いと思っていて、あるいは童謡をそのままロック・バンドで乱暴に演奏すればパンク・ロックになると信じている。
だから、パンク・ロックというものが支持され続けていると分析しているのだ。

270ここまでは前回と同じ展開だったとか…。
そして、ココでさらにドカっと盛り上がる。
プリキュアシリーズの九作目、『スマイルプリキュア!』で日野あかね/キュアサニー役を演じた田野アサミがゲストで登場したのだ!

290v曲はもちろん、キュアサニーのキャラクターソング「オンリーワンダフル!」。

300v元気いっぱいのステージングに会場に大きな花が咲いたようだった。

310「太陽があるということは月があります。この曲をアサミが歌うことなはい。
今、ここにいる皆さんだけが体験できる。
泣くぞ~!
スペシャルな曲をスペシャルなこの空間に!」と、アサミさんはもう一曲、「MOON~月光~ATTACK」を熱唱。
350v
次に用意されていたのは五人で歌う「笑う笑えば笑おう♪」という曲。
Remiちゃん、みきちゃん、ヴァイオリンの美月ちゃん、そしてアサミちゃんとステージに女性四人が集まってはいるがもうひとり足りない。
するとスクリーンに「道」の文字が…すると客席からどよめきが起こる。
ナンダ、ナンダ?
私にはサッパリわからん。
「寄り道、脇道、回り道…しかしそれらもすべて道!」という名セリフにちなんだものなのだそうだ。
博多駅前の道も大変だが、ここ新宿も大変な盛り上がり。

315大歓声の中、もうひとり女性シンガーが加わる。

316サプライズ・ゲストの西村ちなみ。

330x五人が勢ぞろいしてにぎやかに「笑う笑えば笑おう♪」を披露。

340コレは盛り上がるにキマってるわナァ。
アニメをまったく知らない私だってウキウキしちゃんもんね。楽しいなッ!

360茂戸藤さんが担ぎ太鼓でフロントへ…。
メンバーの誰かが「あ~あ、出て来ちゃったよ…」とボソっと言ったのがおかしくおかしくて!

420v

高梨さんのキーボード・ソロを経て、ここからは『プリキュア』から離れた高梨さんの作品が立て続けに披露された。

370v『Fairy Tail』から「ドラゴンフォース」と「3人のドラゴンスレイヤー」。

380v茂戸藤さんの登場で雰囲気がまた一転!

430

台風のような茂戸藤さんのパワーでメンバーもあおられっぱなしだ!
茂戸藤さんって、過去知らない間に撮影させて頂いて、前のMarshall Blogにご登場頂いたことがあったんだよね…茂戸藤さんがポール・ギルバートと共演した時のことだった。

440市川さんもエキサイト!
この打楽器チームは後半でたっぷりフィーチュアされる。

460v続けて「FAIRY TAIL  メインテーマ2014」と…

470『ログホライズン』から「メインテーマ 2014 ver.」を披露。

1_img_0356圧倒的な迫力で怒涛のコーナーを走り抜けた!

1_img_0400

そして、10月から放映が始まったアニメ『All Out!!』のメインテーマを演奏した。

390v

この曲がフルサイズで人前で演奏されるのはコレが初めてのこと。本邦初公開だ!

400v

『All Out!!』はラグビーをテーマにした作品。
何と、日本ではラグビーのアニメというのはコレが初めてなのだそうだ。
そうか…そう言われてみるとそうなのかも知れない。ルールを知ってる人からして少ないもんね。
これも五郎丸効果のなせるワザなのか?焼きおにぎりでも食うか!
そうしたエポックメイキングな作品の音楽制作が委嘱されるというのも高梨さんの売れっ子ぶりを物語っているに違いない。
  
高梨康治の詳しい情報はコチラ⇒Team-MAX

2_s41a0245 <後編>につづく
 
(一部敬称略 2016年8月20日 新宿ReNYにて撮影)

2016年11月11日 (金)

TOKYO HIGH SCHOOL ROCK 2016

10月1日…学生の頃はうれしかったな。
学校が休めるのがなんだってあんなにうれしかったんだろうね?
学生やっているウチが一番楽だなんてことにはその時はついぞ気がつかないもんだ。
 
さて、ナゼ10月1日が「都民の日」になったのか…?
林先生なら知ってるだろうナァ。
私は知らなかったので、これを機に「いち都民」として調べてみた。
ちょっとゴチョゴチョ書くが、高校生諸君、学校を休めるんだからこれぐらいの文章はガマンして読んでもらいたい。
     

東京は昔、「東京府東京市」といった。
東京市、京都市、大阪市の三つは「市制特例」といって、これらの市が設置された1889年5月~1898年(明治22~31年)まで、当時の社会的背景を利用することによって実現するかもしれない独裁政治を防止するために、権力の強い「市長職」を置かなかった。
他の一般の市には「市長」さんはいたのよ。
その後、その「市制特例」が撤廃されて東京も普通の「市」となり「市長」を置くことになった。
それが1898年10月1日の出来事だったというワケ。
その10月1日を記念して、1952年に9月27日に東京都が「都民の日条例」を制定し、同年10月1日から施行した。
つまり、最初の「都民の日」はそのたった3日前にキマったんだって!
当時の学生も突然休みが増えてよろこんだことだろう。
ちなみに「県民の日」は設けている県とそうでない県があるようだ。
東京と同じ「市制特例」が施行されていた大阪も京都も「府民の日」ってないんだって。
♪ねぇフーミン、ナンチャッテ。
  
で、何で「都民の日」を休みにするかというと、その目的は、「都民の一体感や自治意識を高め、また福祉を増進する」ということらしいんだけど、休んじゃえばこっちのもの。
せっかく学校が休みなんだからロックで楽しんじゃおうぜ!…というイベントのレポートが今日の記事。
この『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』は、コンテストではなくて、オーディションを経て勝ち残った4バンドがO-WESTのステージに上がることができるというスタイル。
今回で9回目の開催となる。
年々応募者の数が増え、また、演奏や音楽のレベルも毎回アップし、今回も審査にかなり骨を折ったとのことだ。
ちなみに、応募者の中にはギター・リフがあって、ギター・ソロがあって、ヘヴィなリズム隊に乗って男性的なボーカルが暴れまわる…という往年のハード・ロック・スタイルのバンドはゼロ。皆無だったそうだ。
我々が高校の時はまずディープ・パープルだったけどね。
間違いなくハード・ロックは世代間の伝承に失敗し、「絶滅危惧種」の音楽の代表格になったことがここでも容易にうかがえる。
Marshallは最初か2回目からかこのイベントをサポートさせて頂いているが、今回は2014年以来のレポート。

10_2最初にステージに上がったのは神奈川から来た「ニトロデイ」。
10月1日は神奈川もが休みなの?…という心配には及ばない。ナゼなら当日は土曜日だったのだ。

20_2 男女2名ずつの4人編成でオリジナル曲を披露。
「ナニナニ風のサウンド」なんて形容したいんだけど、もはや私には不可能。
我々の世代なら普通はなじみのないスタイルのロックだ。

30v_2そういう音楽を聴き、影響を受けて来た世代だからそれも当然のこと。
もうそこにディープ・パープルの幻影を求めてはならないのだ。

50v_3「エ?」と耳を疑うようなアルペジオ。
とっても自由でよろしいな。
それにしても、女子のバンド・メンバーってのはホントに当たり前になったね。

40v_3
「原爆オナニーズ」のTシャツを着てる!
オジちゃん、37年前、自分が高校生の時に「なぞなぞ商会」の前座で登場したこのバンドを見たわ。

60v_3誰かを目的にライブハウスに赴くというのと違って、こうして受動的に若者の音楽を聴くのはとても刺激になるし、彼らの今の嗜好を掴むいい勉強になる。
70

次は「hula-hoop」という女子のトリオ。
フラフープできる?
自慢じゃないけどアタシャ見事なまでにできない。一回転もさせられない!
しかし、若いのによくフラフープなんて知ってるね。

80「歌詞はネクラで曲ポップ」のネクラ・ポップを標榜しているのだそうだ。

90v歌詞の内容としては高校生の日常を歌っている。可愛らしくて、何よりも品がいいところが気に入った。

100v一体誰の影響を受けて曲を作っているのだろう?なんてことが気になるね。

110v出番が終わった後、実は少しお話をさせて頂いた。
「ねごと」が好きなのだそうだ。

120こういう早くからオリジナリティを発揮しているバンドには、とにかく色んな音楽を聴いていいものを吸収してもらいたいと思う。
まだ、キミたちが知っている音楽は氷山の一角の一角にも満たないのだから。

130

三番手は「メチルオレンジ」。

140ボーカルをフィーチュアしたハッピーハッピーなポップ・ロック。

150v3曲演奏したうちの2曲がオリジナル。
コピーの1曲が何かは聴いただけではサッパリわからん。

160vここも5人メンバーのうち3人が女性!

170vそのせいかアンサンブルもしっかりしていてコーラスがきれいだ。

180vドラムの彼女、メッチャうまかったな。もうグルーヴ感がゼンゼン違う。
今高校2年で、ドラムは1年生の時に始めたそうだ。誰かによっぽど教わっているのかと思ったらそうではないとのこと。
いつの時代でもいるんだよね~、そういう人って。

190v我々が若い頃は照れちゃって、人前でこんなにソレっぽく演奏することなんてとてもできなかったナ。
ただ突っ立ってるだけが関の山。
ステージでのこうした所作も含めて、コレが彼らの「ロック」なんだな~。
ちなみに私が彼らぐらいの時はマイケル・シェンカーに夢中になってUFOのコピーを演っていた。その前はウィッシュボーン・アッシュだった。

195コレはビックリしたよ。
だって4番目に登場したのがゲストなんだもん!普通最後でしょ?
…と思って仲良しのスタッフに理由を訊いてみたら、「高校生のイベントですから、やっぱりトリは高校生にしないと!」…いいイベントだ~。
でも調べてみたら2014年の時も真ん中でゲストが登場していた。
…ということでMAGIC OF LiFEがステージに上がった!

200高津戸信幸

210v山下拓実

220v渡辺雄司

230vそして、我らが岡田翔太朗!

240v短い持ち時間だが、大激演はいつも通り。

250MAGIC OF LiFEは9月7日に発表したニュー・アルバム『X-1A』が大好評だ。
そして、このアルバムを引っ提げて明日から全国ツアーがスタートするのだ。

190cd「高校生はいいよね。MAGIC OF LiFEは栃木の高2年の時からの仲間で、その頃に書いた曲をいまだに歌っているんだ」
うん、高校の時は楽しかったな。
私は絶対にプロギタリストになろうと思っていた。結果、ならないで命拾いしたわ。

270おお~!名曲「スターチス」。
コレはホントいい曲だと思う。

9_img_0219 MAGIC OF LiFEの曲は繊細さと豪放さが複雑に混ざり合っている。
そのあたりを演出するダイナミクスのカギを握っているのはなんといってもドラムだ。
255v

いつもはメイプルのキットを使っている翔太朗くんだけど、今日は皆と同じバーチのキットを使って頂いた。
メイプルよりは落ち着いた深みのあるサウンドだが、翔太朗くんのドラミングの持ち味であるキレの良さは全く変わらない。

260

フランスでドラムのことを「バッテリー(Batteries)」と言うが、まさにバンドの原動力とでもいうべき推進力にあふれたドラムを聴かせてくれる。
そういうドラマーにはNATALがピッタリだ!

280vMAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

290どーすんだよ、プロの後!
どのツラ下げて出てくりゃいいんだよ~、なんてことは心配ご無用!

300_2 チャンと元気のいいのが出てきて立派にトリの大役をこなした!

Img_0061 「豆腐メンタル」というグループ。
最近、フト気が付いたんだけど、食べ物を扱う商店で豆腐屋さんって特殊だと思わない?
肉屋でも魚屋でも、ま、加工はするにしても、基本的には右のモノを左に動かして商売するのに対して、豆腐屋さんって「メーカー」なんだよね。
自分のところで商品を作ってるの。
パン屋もそういうところがあるけれど、それは最近の話。昔のパン屋さんは仕入れしたものをただ売っている店ばかりだった。
豆腐好きだな~。
おいしい豆腐屋さんが近所にあるとホッとする。
ハイ、ここで脱線クイズ。
コレは以前にも書いたけど、豆腐は冷ヤッコの夏と鍋物の冬、どちらが売れ行きがいいでしょ~か?
答え…ケタ違いに冬の方が忙しいそうです。

310v「サイン、コサイン、タンジェント」か~!
ああ、高校生らしくて素敵!
三角関数好きだったけど、社会に出てから一回も使ったことないな~。コタンジェントとかコセカントとかいうのもあったよね?

320vジャージに入ったロゴを見るにアソコだね、学校は…オレンジがスクール・カラーのところ。
大学のビッグバンドでいえば「二ューオレンヂスウィングオーケストラ」やね?

330vなんとなく往年のP-MODELを思わせるような独特のサウンド。
好きなことをドンドンやればいい!

S41a0373プロの後というキツイ状況で見事にトリの重責を果たした豆腐メンタルだった!
  
それにしても、女子パワーの何と強いことよ!
待てよ、数えてみると今日出た4つのバンドのメンバーの男女比って6:10で女の子の方がゼンゼン多いじゃねーか!
我々が高校の時は、そうだな~、たぶん30:1とか20:0とか、そんなだったよ。
スタッフの方に尋ねると、今日はタマタマ女子が多かったのではなく、応募者全体を見ても女子の方が多いらしい。
そこで提案。
男子はもっと男性にしかできないような硬派なロックをやったらどうかね?
要するにハード・ロックということになるけど。
…と言いたいところなんだけど、プロの世界を見てもガール・バンドの方が硬派だからね~。
ま、どんな音楽をやるにしても、色んな音楽を聴いて勉強してもらいたい。
今、テレビやインターネットから自然に耳に入ってくる音楽は、「流行」という錦の袈裟をかざして耳ざわりがよく聴きやすいかもしれないけど、どう聴いても風雪に耐えることができるようなシロモノではない。「流行っている」ということは「短期間のうちに消えてなくなる」ということだ。
一生付き合えるような音楽を早いうちに見つけることができるのはとてもシアワセなことだ。
音楽は知れば知るほど奥が深く、そして面白いものです。
どんどん探求して豊かな人生の糧にしてもらいたいと思う。
もし、本当にこれからも音楽を続けていきたいと思っている人に、ふたつの言葉を贈りたいと思う。いつもMarshall Blogで書いていることだ。
ひとつは「音楽の将来は現在にはなく、過去にしかない」ということ。
もうひとつは「平和でなければ自由に音楽を楽しむことはできない」ということ」だ。
  
ナンカいつもの読者に読んでもらいたいんだか、高校生に読んでもらいたいんだかわからない内容になっちゃった!
とにかく『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』、来年も楽しみだ!

S41a04021965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年10月1日 TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2016年11月10日 (木)

Different Colors ~ SHOW-YA x Gacharic Spin <後編>

SHOW-YAとGacharic Spinのダブル・ヘッドライナー『Different Colors』の<後編>。
今日はスンナリ入ります、と思ったけど…しかし、ビックリだね、アメリカには…。
Brexitもいい加減驚いたけど、コリャ世の中何が起こってもおかしくなくなりそうだね。
といかく、音楽でも何でも楽しめるうちに楽しんでおいた方がよさそうだ。
   
SHOW-YAのステージ、早くも後半に入る。
ここでメンバー紹介だ。
♪ジャージャッ!

M_img_0122 ドラム、角田mittan美喜

20♪ジャージャッ!

30キーボード、中村美紀

40v♪ジャージャッ!

50ベース、仙波さとみ

60v♪ジャージャッ!

70ギター、五十嵐sun-go美貴

80v♪ジャージャッ!

90ボーカル、寺田恵子

100vWe are SHOW-YA!

10

最後のブロックの一曲目は「Rolling Planet」。

110「あまりかからない曲」っていうんだけど、ものすごく親しみがあるのは、この印象的なサビのメロディのせいなのかしらん?

120開放弦を使ったおなじみのイントロは「BATTLE EXPRESS」。
133
(勝手に思っている)SHOW-YA名物のたたみかけるような「後半アップテンポ・コーナー」絶好調!

135
「♪Show the power」は当然の大合唱!

130v_beそして「限界LOVERS」!

140v本編を締めくくる名曲。
「限界」か「Fairy」か…どちらに転んでも客席の炎に油を注ぐようなもの。

150_glラスト・スパートをかけるこの五人の姿はいつ見ても美しく力強い。

2_s41a0568

170v

180v

190v

200v今日も「限界」超えた~!

215こうして先行してステージに上がったSHOW-YAの本編が終了した。
この盛り上がりだからして当然のアンコール。
210
アンコールにはGacharic Spinのメンバーが加わった!
F チョッパーKOGAちゃん、オレオレオナちゃん、TOMO-ZOちゃんの三人だ。

230このふたつのバンドはMarshall Blogでいつもレポートしている通り『NAONのYAON』で一緒になっているからね…

250キャリアの差はあれど仲良し感満点!

260曲は「Fairy」!

270v本編のセットリストで引き算すれば「Fairy」が演奏されることが容易に予想されるワケだけど、わかっていてもうれしいじゃん?

280vお定まりのパート毎のツーショットもバッチリ!

320

300

310すさまじいスピード感と音圧!

330「Fairy」ポーズも…

340vしっかり揃えた!

350ド迫力の六人そろい踏み!

360キャプテンとmittanも後ろで大爆発だ!

365そして恵子さん!

370そして圧巻だったのは五人まとめてのサオ回し…

380いくよ~!

390クルリン…

400…ッパッと!
コレは滅多に見れないスペクタキュラーだった!

410SHOW-YAの出番はココで終わり。

1_img_0400しばし転換の後、改めてGacharic Spinが登場し、熱狂的なステージを展開した。
  
その間、SHOW-YAコマーシャル!
SHOW-YAの30周年期間中の数々の名演を記録した豪華ボックスセット。
『SHOW-YA BIG 30 -THE BOX-』絶賛発売中!

420dvdSHOW-YAの原点、目黒鹿鳴館に凱旋した模様を収めた『Return to ROCKMAYKAN』も大好評だ。

430dvdそして、恵子さんのソロ・アルバム『PIECE OF MY HEART』も先月リリースされ大きな話題を呼んでいる。
アルバムのリリースに際してはソロ・ツアーを敢行し、その東京公演の模様を撮影させて頂いた。
ギターにはMarshallプレイヤーの原田喧太がサポートに入ったが、アコースティック・セットだったためMarshallの出番はなし。
よって、ライブ・レポートはMarshall Blogには掲載されず、姉妹ブログのShige Blogに登場する予定なのでファンの皆さんは要チェック。

440_pomhはい、続けてマーシャル・コマーシャル。

Marshall_logo_square_2sun-goさんが使っているのはMarshall。
ヘッドはフラッグシップ・モデルのJVM410H。

450スピーカー・キャビネットは1960BDMね。

460vそれと、コレは新商品のCODEシリーズ。
Marshall初のフル・モデリング・アンプ。
今回は25WのCODE25と50WのCODE50が先月発売された。

C10_2この歴代のMarshallの名機のサウンドを詰め込んだお徳用ギター・アンプに先週の楽器フェアでも大きな注目が集まった。
興味のある方はココをクリック!
ギターをやらない人でも、ギターをやっているお友達に教えてあげて!

C35さて、『Different Colors』に戻る。
Gacharic Spin熱狂のステージの最後にもうひとつ大きなクライマックスが!

470今度はGacharic Spinのステージに…

480恵子さんと…

490vsun-goさんが加わったのだ!
sun-goさん、キャワイイ~。今年のテーマは「So cute」だからね。コレでいいのだ。
もうすぐ今年も終わる。

500v曲はもう一回「限界LOVERS」。

510こっちも何ともすさまじく激しい「限界」!

550

激しいだけでなくて楽しそう!

1_img_0601 ジャズなんかでは比較的頻繁に行われているけど、こうしたベテランと若手の交流をロックでもドンドン取り入れればいいのにな~。
え、スタイルがゼンゼン違うから無理だって?だからやるんじゃん!

520おお~っと!恵子さんけん玉成功!

530vsun-goさんも思いっきり弾きまくる~!

540vイヤ~、実ににぎやかでパワフル、かつナチュラルなコンサートだったな。

570嵐のようにシャキシャキしちゃうエキサイティングな夜だった。

580さて、今年のSHOW-YAのコンサートも残すところあと一本!
12月4日、六本木のEXシアターの『メタロッポン~METALLIC ROPPONGI』だけだからね!
もう<最前列VIP席>と<VIP席>は売り切れちゃったけど、まだ何とか指定席はイケそうだ。
Marshallと一緒に六本木で待ってるからね!

 
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

590(一部敬称略 2016年9月4日 新宿ReNYにて撮影)

2016年11月 9日 (水)

Different Colors ~ SHOW-YA x Gacharic Spin <前編>

「Colors」…アメリカ英語ですな?
イギリスの英語だと「Colours」と「u」が入る。
同じパターンでいくと「honour」とか「favour」とか…。
面倒でしょう?イギリスの英語は!
もちろん「u」を抜いても意味は変わらないし、イギリス人にもまったく問題なく通じる。
私も昔は、「なんだよ、イギリス英語はカッコつけちゃって!」…なんて思ったりもしたけど、今はこっちの方がカッコいいと思ってる。
Marshallとのメールのやりとりは、知っている限り、もしくは気がつく限りはイギリス英語に統一するよう努めている。
前の会社にいた時はアメリカ人と連絡を取ることも多く、そういう時はアメリカ英語のつづりに変えるようにしていた。
Marshallへは「catalogue送って!」としておいて、アメリカの楽器メーカーには「catalog送って!」みたいに使い分けるワケ。
だって、何か変でしょ?
外人が東京の人に向かって関西弁でメールを送ってきたリ、その逆だったりしたら…。
関西弁ならまだしも山形弁だったら「どだなだず?」
   
チョット今日は皆さんおイヤでしょうが、冒頭から英語で大脱線します。
さて、どうして、同じ英語なのに英米の間でそういうことが起こったのか?
気になるでしょう?
今日はそのあたりを勉強してから楽しいSHOW-YAのステージにご案内しましょうね。
18世紀の初頭ぐらいまでは、イギリスもアメリカもつづりに関してはすごく曖昧にしていたらしい。「ま、どうつづってもいいんじゃないの~?」みたいな。
で、18世紀になってからは英語の辞書が出版されるようになった。
すると、「コリャ、いい加減っていうワケにはいかんじゃん?」となり、1755年にサミュエル・ジョンソンという人が出版した辞書をキッカケに正式なイギリス英語のスペルが決まったんだと。
ちなみに…「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与え得るもの全てがあるから。」って聞くでしょ?コレはこのジョンソンの言葉。
このオッサン、辞書の編纂者だけあって、他にもなかなか含蓄に富んだ言葉を残している。
曰く…
「腐敗した社会には、多くの法律がある。」
「政府は我々を幸せにすることはできないが、惨めな状態にすることはできる。」
「愛国心は卑怯者の最後の逃げ口上。」
「結婚は多くの苦悩を生むが、独身は何の喜びも生まない。」
「あらゆる出来事のもっともよい面に目を向ける習慣は、年間1千ポンドの所得よりも価値がある。」…なんてね。
「信頼なくして友情はない、誠実さなくして信頼はない。」…いいこと言うわ~。
 
さて話は戻って(戻っても脱線中!)、ご存知の通り、英単語はラテン語やらギリシャ語やらフランス語やら、ヨソ様からの借り物が多いでしょ?
イギリスはそれらの外国の言葉のつづりをそのまま取り入れたんだって。
かたやアメリカ英語…1828年にあの有名なウェブスターが出した辞書によってアメリカ英語のつづりが制定されたのが礎となっている。
で、「オレがオレが」と言ったかどうかは知らないが、ウェブスターさんはその辞書を作る時に「アメリカはアメリカ独自のやり方で!」と勝手につづりを変えてオリジナルの英単語を作っちゃったんだね。
どっかの「Make America Great Again」みたいなもんだ。(もうすぐアメリカの新しい大統領が決まるのね?)
そのおかげで三宅坂の国立劇場の英語表記が「National Theatre」のなっているのに対し、目の前の信号機についているの標識が「National Theater」と記されている、なんてアホな状況が生まれちゃう。
ちなみに英米のつづりの違いはやや規則性があって、上の「-our/or」とか「-re/er」とか「-ise/ize」とか…興味のある方はお調べになるとよろしい。  
  
ちなみに前にも書いたことがあるんだけど、「spell(スペル)」という単語は動詞なので、「つづり」という名詞で使いたいときは「スペリング(spelling)」と言わなきゃダメなのね。
  
もうひとつ、脱線ついでに辞書の話。
アメリカのWebsterに対してイギリスの辞書といえば何といってもOxford。
この辞書が出来たのはビクトリア朝の時代で、それは大英帝国の威信をかけた文化事業だった。
で、その編纂作業に当たって激しい情熱を注ぎ、最も大きな貢献をしたうちの一人は決して人前に現れようとはしなかったらしい。編集部とは書簡でやり取りをしていたのだろう。
それで、編集部はこの人のあまりにも大きな貢献に敬意を表すために、その書簡に書いてあった住所を頼りにその人を訪ねた。
たどり着いた先は精神病院だったという…。
その人は人前に出てこなかったのではなくて、病院から出ることが許されなかった…という話を大分以前に何かで読んだことがある。
お後があんまりよろしくないようで…。
  

さて、脱線終わり!
今日のレポートはSHOW-YAとGacharic Spinのダブルヘッドライナー・ショウのレポートだよ!
いつも通り二本立てでお送りする。
先にステージに上がったのはSHOW-YA!
140
寺田恵子

1_img_0309 五十嵐sun-go美貴

30vsun-goさんのMarshall。
JVM410Hと…

501960BDM。
SHOW-YAサウンドの要のひとつだ。

60v足元のようす。

70今回はsun-goさんのピックも紹介しちゃおう!

80中村美紀

90v仙波さとみ

1_img_0472これはさとみさん愛用のピック。
いわゆるベース用。
昔、カルロス・サンタナがこの形のピックを使っているという情報が出回って、「サンタナってベース用のピックを使ってるんだってよ!」、「ホントかよ(当時『マジ』という言葉はこの世に存在しなかった)?だからあんなに音が伸びるのか?」…なんてね。
私が中学の時の話。子供ってのは無邪気なもんだ。

110角田mittan美喜

120vこれはmittanのスティック。
実際にスティック・ケースに入っていたヤツだよ。

130
今日の会場、新宿ReNYっていうんだけど、ホールが円形で引きの写真がすごくキレイに撮れるの。
ま、それも凛々しいSHOW-YAのことだから!
10

オリャ~!
今日は一発目から「嵐」じゃい!

150「私は嵐」が一曲目に来るのって好き。
いきなりの大合唱でスタートダッシュが効くからね!

5_img_0032 sun-goさんのギター・ソロ…
160v

さとさんのベース・ソロ…

170vそして、ドライブしまくるリズム隊に乗った恵子さんの激唱!

180いかにも「千両役者が揃った!」っていう感じがタマらないのだ。

190続けて『Genuine Diamond』から「Bloody Rose~薔薇の紋章~」。

200v_brもうイッチョ続けて「TROUBLE」でドライブ!
カッチョええ~!

210v
本当は「嵐」の後にMCが入るハズだったんだけど、ここまで三曲ブッ続けで演っちゃった!
すさまじい会場の熱気がそうさせてしまったのだろう。

220v_tr猛烈な律動感でバンドをプッシュしまくるmittan!

240ここでMC。
今日はお相手がGacharic Spinということで…「若さでは負けるけど、生きていると色んな知恵がつくものです。その知恵で今日は対抗したいと思います!」…ってとても知恵で勝負しているとは思えないパワー丸出しの演奏は世界にひとつだけのものだ!
イヤ、真剣に、こういう女性バンドって世界にSHOW-YAしかいないと思っているからサ。

1_img_0095 続いてもノリノリの「OUTSIDER」。

250_os今日もsun-goさんの爆音が気持ちいい~!

260vこの曲のサビの高揚感ったらないよね。
誰でもピョンピョン飛び跳ねたくなっちゃう!

270vキャプテンのハードなオルガンに導かれるのは「戒厳令の街~CRY FOR THE FREEDOM~」。
230v
この曲珍しいんじゃないの?
私は初めてかも知れない。
286
この手のヘヴィなミディアム・スローの曲もSHOW-YAの魅力だね。

1_img_0073sun-goさんの奏でる雷のようなギター・リフは「流星少女」。

280v_rsオラオラ、回せ~!

290この辺りでSHOW-YAの持ち時間も後半に入る。
今日はダブル・ヘッドライナーだからして、SHOW-YAの上演時間が短いことを先刻承知のお客さんが悔いを残すまじと猛然とタオルを振り回す。

310もちろんステージの五人も負けていない。
後半に向けてさらにヒートアップしていくのだ!

2_s41a0598

320v

2_s41a0512

340v

350vSHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

360<後編>につづく

(一部敬称略 2016年9月4日 新宿ReNYにて撮影)

2016年11月 8日 (火)

楽器フェア 2016~三宅庸介CODEを弾く!(オマケつき)

11月6日(日)、『楽器フェア2016』最終日…この日もヤケクソにいい天気!
チョット出遅れたと思ったら会場となりの駐車場はすでに満車。
日曜日だけあって前日よりにぎやかなのかな?

06臨時駐車場を案内してもらって会場までカメラと脚立を持って10分ほど歩く。

10もうそれだけで汗が少し出て来るような陽気のよさだ。
気持ちいいね~。
着いた~。

20今日は11時チョット前の入場。

35やっぱりそれでも結構の人出だ。
更にお昼から最後にかけてはすさまじい混み具合になることでしょう。

40数えてみると、私は1999年から7回ほど楽器フェアの仕事に関わらせて頂いた。
意外に少ないとお思いになるかも知れないが、12年ほど堅めの仕事をしてからこの業界に引っ越して来たので、同輩に比べるとキャリア短いのだ。
池袋が2回、横浜が5回経験させてもらった。
客として訪れたことは一度もなかったが、前回からは「お客さん」としてお邪魔している。
  
関係者、客の両方の眼から見て…とにかく、ココへ移って来て格段によくなったよね。
都心から近いし、広いし…まったくうらやましい。チョット周りに飲食店が少ないのかな?
池袋の時は近くて助かったけど、会場の天井が低くて息苦しく、その分音もスゴかった。
それとが不便だった。
2003年に横浜に移った時からは、スタンドまでトラックが入れるようになり、搬入出の仕事が格段に楽になった。

50
でも、横浜はシンドかったナァ。
遠くて遠くて…。
何が遠いっか?って、あの頃はまだ「みなとみらい線」が開通していなくて、桜木町の駅から延々と歩かされたんだよね。
朝はいいんだけど、丸一日立ちっぱなしの後、パシフィコから桜木町まで歩く帰り道には泣きたくなった。
ま、飲んでたせいもあったけど…。
一日、騒々しい場所にいて、大声で話をしているとメチャクチャくたびれるんだ。
当時はパシフィコ周辺も今ほどはにぎやかでなく飲食店の数が極端に限られていて、夜はすぐに入れる店を探すのもひと苦労だった。
2003年の時にはジム・マーシャルが来てくれたんだよね。
それで、あの「タイタニック・ステーキ事件」が起きてしまった。
それも今となってはジムのいい思い出だ。
また、ジムのお付きのスティーヴが東京に宿泊する晩があって、二人で東横線に乗ってパシフィコ横浜に向かったのもいい思い出だ。
この時はMODE FOURが出た年だったが、「シゲ、来年はキツイぞ~。新商品がないんだよ!」なんてことを道々話していたのを覚えている。あとはズッ~トMarshallとブリティッシュ・ロックの話だった。
私はとにかく仕事に関係していようがいまいが、イギリスのことを勉強するのに必死だった(今でも同じ)。
そのスティーヴも何年か前に突然この世から姿を消してしまった。
たかだか13年前のことだけど、なつかしいナァ。
その時の写真を載せたいんだけど、チト色んな事情がありましてね…パス。
そもそも、その頃はまだフィルムが一般的な時代だったんよね。もうネガなんかどこにあるかわからないし…。
「デジタル・テクノロジー」ってのは、なるほど、ある局面においては究極的に便利だということを実感するわ。

60ほんと、ココは通路が広くていいね。
会いたくない人が向こうから来てもサッと隠れることができるじゃんか。
ま、相対的に全体の広さに関しては2011年の横浜が過去最強か?

70ハンドメイド系楽器のスタンドも目立った。
以前はこういうのなかったよね?
正確にシステムを把握しているワケではないが、NAMMの地下みたいなイメージ?
とてもいいことだと思う。
大分前のNAMMでこういう感じのコーナーにポッコリ座ってボ~っとしていたおじいちゃんがリック・デリンジャーだったのには腰を抜かしたっけ。

80オーディオ関連製品のコーナーもにぎやかだ。
こうなってみると、NAMMとの違いはプロオーディオや照明等の機材の展示の有無ぐらいか?

90昔からやっていたバーゲン品コーナーも同じフロアで開催されていて大にぎわい。

100楽譜やアクセサリー以外、ギター本体もココでしか見たり、触ったり、買ったりできないアイテムが大集合して多くのファンが群がった。
床がヨダレだらけになったことは言うまでもない。

110それと、大小を問わず、ブース内も含めてイベント・スペースが盛んに設置されていたような気がしたな。

130私は昔からブース内イベント推進派だった。
それと並行したプロ・ミュージシャンの招聘。NAMMを何回も観察していてそう思っていたのだ。
2001年の池袋では調子に乗って各種のデモをパンパンに入れ過ぎてヘロヘロになったこともあった。
それをやりたかった理由はふたつあって、ひとつは何といってもその商品の魅力を優れた弾き手によってアッピールしたい。
もうひとつは自分が司会をして、自分の口から商品の優位性を伝えたかったのね。
ま、要するに目立ちたがリ屋でおしゃべりなだけなんだけど…。
だからMarshall GALAは楽しかったな~。
アレはこのふたつの理由の権化みたいなものだっただからね。本当はしゃべり足りなかったんだけど…。

140冨田勲さんのメモリアル・コーナー。
こういうのはとてもいいね。
音楽のジャンルを問わず、レコード会社と手を組んで、こういう機会を利用して日本の音楽の「レガシー」をドンドン後世に伝えるべき。
武満徹がどれだけ偉大だったか…とか。一日中「ノヴェンバー・ステップス」を大音量でかけてサ。
そんなコーナーがあればオーディオとも手を組めるんじゃない?
ただし見せ方がムズカシイ。何しろ興味のないひとを振り向かせなければならないんだから。
でも、立体的に組み立てれば面白くなると思うけどな。
ジャズなんか、まだ敏子さんや貞夫さんがご存命のうちにナニかやったらいかがですかね?
ロックだってかなり面白いことができると思うのですよ。
もう日本ロックだってカレコレ50年近い歴史があるんだから…。
ライブハウスの歴史とか…みんなで「懐かしのグッズ」を持ち寄ってね。
こういう企画になると日本は必ずテケテケかGSになっちゃうからな~。それらは禁止。「ロック前夜」だから。
それ以降、いわゆる「日本のロック」のシーンがどうなっていたか…なんてことをテーマにした展示なんて面白いと思うんですけど…私だけか、そんなこと考えてるの。
イヤ、若い人だって楽しめるんじゃないかな?
ま、勝手な妄想を語っておりますが…失礼しました!

150v「ボク、楽器フェアのゆるキャラ、ガッキーです!」
もうひとつ白いのは「フェアリーちゃん」だ…紅白そろって「ガッキフェア」!
え、違う?スイマセン!
ベビーカーの子、ビックリしちゃってる。
スゲェちっちゃいナァ。子供が中に入ってるのか?

2img_2797 さて、全体を見回したところで~…

153Marshall!
今日は三宅庸介の登場だ!
え、コレどこ?
2011年の時の写真だよ。
以前の楽器フェアの写真をチェックしていて偶然見つけたの。

155三宅さんのCODEデモンストレーションの一回目。
まずは簡単なご挨拶から…

155v三宅さんのルーティン。
「Come down on me , Jimi!」

160CODE50を使用しての「if」。
真空管モデル以外のMarshallでこの曲を聴くのは生まれて初めてかも!
ま、正直言いますよ。
そりゃいつも三宅さんが使っているJVM210Hと1960BVの音とまったく同じではないですよ。
本当に同じ音が出るのであれば、MarshallはCODE作らないってばよ。
そんなことをしたらMarshallつぶれてまうって!
でもね、いつもの三宅さんの音を聴いて知っている人なら思わず笑っちゃうでしょう!
そして、信じられないでしょう。
この音が、あんな小さい箱から出ているなんて!

170v三宅さんから丁寧な事後解説が寄せられているので、紹介していくね。
事前に三宅さんにCODEをお預かり頂き、いろいろと研究してもらった後、このステージで初めて比較的大きな音で演奏してみた…というシチュエーションでのご感想だ。
『今日はこういうデジタル・アンプなので、せっかくですから自前のペダル類などは一切使わず、CODE本体だけで演奏してみました。
結果的に、お集まり頂いた皆さんにCODEのサウンドを聴いてもらう手段として、それが一番良かったと思っています』
180
三宅さんのセッティング。
JCM800への評価がかなり高かったんだけど、曲に合わせてのデモでは「Plexi」をチョイス。
1969年製のMarshallを想定したのかな?
今回のこのデモンストレーションに際して、事前に三宅さんと少し情報交換をした時に出たのがこの「Presence」の設定。
昨日も少し触れたが、見て!…三宅さんは1.1にまで下げている。
1959とかJTM45とから1962とかヴィンテージ系のプリアンプを選ぶ時は「Presenceを下げるべし」ということで意見が一致した。

200set

続いては、EQ関係。
ココでも昨日も触れたノイズ・ゲートの「Threshold」に注目。
1.5だ。
CODEのプリセットのデフォルトは、7とか8とか、かなり「しきい値」が高く設定されている。
ノイズゲートとしてはかなり優秀な働きを見せてくれるが、ギターのボリュームでトーンを作る人にはコレはかなりの危険物。
ノイズが出てもいいから思い切って下げるべし!
もちろん、ギンギンに歪ませて、ギターのボリュームを常にフルテンにしておくようなタイプの方は、反対にこのノイズゲートを盛大に活用するべし。
弾かない時にはスイッチが入っているのを忘れさせてくれるほどの働き者だ。
  
チョット脱線するけど、一昨日、偶然に何十年ぶりかにロイ・ブキャナンのファーストの「Sweet Dreams」を聴いたんだけど、コレ、無伴奏でギター単音のヴァイオリン奏法で始まるじゃない?
こんなにロマンチックなムードの曲なのに、ギターのボリュームを上げた時のノイズ!「ジィ~」って!
ま、ロイのことだから使っているアンプはMarshallではないんだろうけど、こんなの今だったらトンデモナイ話だよね!
でもそのノイズがまたいいのよ。そこにあってもゼンゼン構わない。
それで純粋な「音楽」が成立していればノイズなんて気にする必要がない…と思うのですよ。

210set

エフェクターは「Distortion/ODR」と「Delay/Vinbtage」を使用。

220set

再び三宅さんのご感想を引く…
『音そのものの感触としては、右手や左手で演奏中に行うダイナミクスのリニアな調整 (簡単に言うと、弾く際の強弱と呼吸感) にCODEは非常に従順で、「デジタル」ということを意識することはほぼありませんでした。』
ライブでのプレイを観察すれば一目瞭然なんだけど、三宅さんは一音一音、ピッキングの位置を変えたり、ピックの角度を変えたり、はたまたギターの・ボリュームを変えたりと…ギター・サイドでの細かい仕事が多い。
もちろん自分の頭の中にあるトーンを絞り出すことに集中しているんだけど、それに完璧に答えてくれるのがMarshallの真空管のアンプで、CODEもそれに準じた大役を果たしているということ。
また褒めすぎなんじゃないの、三宅さん?後半でNGはイヤよ!

190「if」を弾き終えたところで三宅さんが作ってきた音がいくつか紹介された。

230まずは、1959がギンギンにフルアップさせたことを想定したセッティング。
マスター・セクションではやはりPresenceを思いっきり下げている。
260set
ね、Thresholdがゼロになってる!
ま、コレは実際にやってみればすぐにどういうことかが、耳と指で理解できるでしょう。

250setさすが、三宅さん、19歳の時から30年間ずっとMarshallしか使ってこなかっただけのことはある…とエラそうに言いたくなるほどの的を得たトーン!

240v

「続いては」…みなさん興味津々。
真剣な面持ちで三宅さんの説明に耳をそばだてる。

270次はJTM45。
セッティングはこうだ。

290setそして…
キャビが2x12"に変更されていることに注意。
三宅さんは実際に1936Vを愛用している。
『JTM45のクリアで暖かいクランチ…これはいつまでも弾いていたいほど素敵です。』とは三宅さんの弁。
さっきからMiddleが盛大に上がっていることにも注目。

300set以上、「Spanish Castle Magic」、「Littel Wing」、「Foxy Lady」等で説明しました。
Jimiが降りて来た!

280v
もうひとつ…と引っ張り出してきたのはJVM!
いつもMarshall Blogで紹介しているように三宅さんはJVM210Hを使っているからね。
でも実際には、アンプはいつも    CLEAN/CRUNCHチャンネルで軽いクランチ程度に設定している。
ナント、今回はギンギンに歪ませたJVMをやってくれた。

310vプリアンプをJVMのODにしてキャビは4x12"に戻す。

320setJVMはミドルの帯域が少し高いので、中低音が出てこないためBassを高めにセット。
さすがにThresholdも少し上げた。

330set後はDELAYをかけて…

340set決して歪み一辺倒ではない三宅さん。
ASTORIAのインタビューでも語っていた通り、基本は強く弾いた時に軽く歪んでくれるクランチがサウンド・メイキングの基礎だ。
でもこの時は1959とJVMのアンプで作る歪みを再現してくれた。
『1959のをフルアップ(Gain 10ということです)がホントに素晴らしい。それから、「JVM」でのドライブサウンド、これも ただただ気持ち良く、「マーシャルドライブサウンド」を味わえるの秀逸です。』
JVMのモデリングについては、これだけ激しい歪みでもギターをボリュームを下げた時にちゃんとクリーンになるところが相当お気に召したようだ。
コレをやるにはもちろんThresholdの値はギリギリまで下げておかなきゃいけないよ。

345そして、曲でのデモに戻る。
二曲目は三宅さんのライブでは欠かすことのできない「bloom」。

350しかし、古今東西、色んな楽器展示のイベントあれど、「bloom」のような曲でデモンストレーションをしたのは三宅さんぐらいじゃないの?
普通はわかりやすいハッピーハッピーな曲やおなじみの曲で攻めるのが定石のような気がするけどね。

05 でも、コレでいいのだ。
あらゆる機会を利用して三宅さんの音楽をひとりでも多くの人に聴いてもらう良いチャンスだから。
コレはですね、仲がいいからといって、「三宅さん」をヒイキしているのではなくて、「三宅さんの音楽」をヒイキしてるの。
日本の音楽シーンはあまりにも「売り上げ至上主義」に偏重していてチットモ面白くない。
イヤ、面白くなくなっちゃった。作る側が儲け方を知っちゃったもんだから儲かることしかやらなくなってしまった…ように見える。
マァ、私も大いに変態方面に偏っているんだけどね。
日本人はもっと色んな音楽を聴くべきだって!
だからMarshall GALAでも出演の皆さんに「思いっきり自分の作った音楽を演ってください」とお願いしたのだ。

360さて、もうチョット三宅さんの話を聞いてみよう。
『持ち時間が短かったので説明できませんでしたが、ピッキングに関しての、素早く振り切る時の音の「立ち感」から喰いつかせて当てる時の「粘り感」…これらはMarshallでしか出ない独特の音なんです。
CODEはそこでもキチンとMarshallになっていました。
そのあたりの変化を実演で皆さんにも見てもらえると良かったんですけど…。』
見たかったな!

370あれほどまでにストラトキャスターと真空管アンプにこだわる、デジタルアンプから最も遠いところにいると思った人が、デジタルアンプに対する肯定的な意見を携えつつ、「瓢箪から駒」的にMarshall論まで到達したことが面白い。
でも絶対に勘違いして頂きたくないのは、三宅さんはCODEが真空管アンプの代わりをする…と主張しているワケではないということだ。
つまり、三宅さんの理想はCODEをキッカケにして、JVMでもいい、1959でもいい、はたまたASTORIAでもいい、そうした真空管アンプの素晴らしさに興味を持ってもらいたいということだ。
「そのために自分のセッティングが参考になればうれしい」とおっしゃっていた。

380v

ただここで問題がひとつ。
ウソを言わないマーブロなので正直に言っておく。
CODE50とストラトキャスターを用意して上のセッティングで弾いても三宅さんと同じ音は絶対に出ないということだ。
あ~、言っちゃった!
黙っていればいいのに!
三宅さんの音はストラトキャスターが出してるワケでも、CODEが出しているワケでもなくて、三宅さんの指が出しているからだ。
それともうひとつはマイキングのノウハウだ。
三宅さんはどんな会場でも、どんなシチュエーションでもキャビネットに向けるマイクを自分でセットする。絶対に音響スタッフに任せっきりにすることはない。
CODEの場合、コレがまたすごく微妙なのだそうだ。

390

私はこの後、KNOTFESTの取材で幕張メッセへ向かったが、2回目のデモでは「if」と「petal」を取り上げたとお聞きした。
「petal」も三宅ミュージックを初めて体験する方にはとてもいいショウケースになったことだろう。
三宅さんの音楽に興味を持った方は是非ライブへ足を運んでいただきたい。
そちらでは、耳を疑うような壮絶な真空管のMarshallのサウンドを独特の音楽を通じて体験させてくれる。
400
最後にもうひと言、三宅さんから…
『CODEが何十万円もするモノなら、また違った見方もあるでしょうけど、この価格ですからね…。
シールド一本で歴代のマーシャルサウンドを「こんな感じですよっ」て伝えてくれて味わえるんですから…そう思うと素晴らしい商品です。
そして、このルックスですから(^_^)』
ASTORIAのルックスのことをまだ言ってる!
じゃ、仕返しに…「シールド」は日本語ですからね~。Marshallの母国では「ギター・リーズ」といいます。

410v三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Official Blog

1_img_0045 「三宅さんのデモは見逃せない!」と会場に着いて真っ先にMarshallスタンドに来てくれたD_Driveの4人。
SeijiさんもYukiちゃんもCODEを試してくれているのはMarshall Blog読者であればご存知の通り。
D_Driveは『EDGE OF STRINGS II』というイベントでStrange,Beautiful and Loudにジョインする。
さらにStrange,Beautiful and Loudは話題のSilexとのダブルヘッドライナーも近い。
そして、左端はSilver Jubileeの愛用者で知られるTORNADO-GRENADEの真壁雄太くん。雄太くんも「三宅さんのデモがどうしても見たい!」と興奮気味にブースに駆けつけてくれた。
雄太くんも古くからのCODE経験者だ。TORNADO-GRENEDEももうすぐ初のワンマン・コンサートを控えて鼻息が荒い!
Marshallファミリー、みんな大忙しなのだ!

420

昨日のKellyさんのデモンストレーションでは、かの壮絶なシュレッディングに何の問題もなくついて行けるCODEを…。
そして今日の三宅さんのデモンストレーションではいかにCODEが真空管アンプのサウンドに肉薄できるか…ということを実証してくれた。
双方、素晴らしいデモンストレーションだった!
見た人ラッキー、見れなかった人アンラッキー!

CODE物語はコチラ  ↓  ↓  ↓
BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

430

<オマケ:三宅さんの思い出>
今回、昔の楽器フェアの写真を探そうとして色々とほじくり返していたらこんなのが出てきた。
本当は先々週の『1000回特集』の時に掲載するべきだったんだけど、チト遅かった。
私が初めて三宅さんを撮った時の写真。
すなわち初めて三宅さんの演奏を観た時のこと。

9_sb12009年3月9日のことだから、そう古い話ではない。
でも、若いな…。
コレは令文さんが音頭を取って開催されたドラムの板倉淳(じゅんぺー)さんが東京を離れる時の送別コンサートの時のもよう。

9_sb3確か、三宅さんは4100をお使いになったように記憶している。
ギターの音は確かにスゴかったが、それよりも私は音楽に驚いた。
私は常に「音楽ファースト」なのね。
いくらギターの音やテクニックがスゴくても、曲が十把ひとからげでツマらなかったら全部台無しだもん。
この時は「ナンだこの人!日本でもこんなことやってる人がいるの~!」ってな具合。
ご挨拶すらしなかったんだけど、別の機会でお近づきになり、DSL→Vinatge Modern→(?)→JVM→ASTORIA→CODEってなMarshall道をたどって頂いているというワケ。
9_sb2
<オマケ2:楽器フェアの思い出>
コレは2011年、横浜で開催された最後の楽器フェアの時のMarshallの展示のようす。
ご覧になればおわかりの通り、上の三宅さんの写真はココで撮ったもの。
この時はMG2DX、Class5、2187Xと小粒ながらバラエティ豊かなモデルがお目見えした。
前述したように、私は途中異なる業界から参入したためキャリアが短く、池袋の頃は知り合いが皆無だった。
だが、この頃になると、Marshall Blogにも盛んに取り組んでいて、ミュージシャン、業界関係者、一般のお客さんと爆発的に人脈が広がっていた。
そのおかげで毎日本当に開場から閉場までいろんな方々が訪ねて来てくださり、食事はおろか、トイレにもなかなか行くことができない忙しさだった。
だってトイレに行く間に誰かに会っちゃうんだもん。
でも、私はこの手の類の仕事、つまり人を楽しませたり、よろこばせることに頭や身体を使うのが好きでしてね。
そうでなきゃMarshall GALAなんて出来ませんよ。
とにかく、とても楽しかったな…この頃には地下鉄もできていたし。

A_40この時はこんなこともしたっけ…。
こんなことよく自由にやらせて頂けたよな~。
NAMMに比べてあまりにもおとなしかったので景気づけの意味もあった。
ずいぶん多くの人がホンモノの寿司屋と間違えて入って来た。
マァ、会期中は大変ながらも楽しいんだけど、この後の片づけが大変でね~。
疲れ切った身体に1960はあまりにも重く、会期前に意気揚々とセットした時に比べ、重さが倍にも三倍にも感じられたものだ。
撤収に関してはナゼかいつもビリだったな。

A_50
7回経験した楽器フェアのうち最も印象に残っているのは、ジム・マーシャルが来てくれた2003年の時のことかな。
  
それと同じぐらい思い出深いのは2001年、池袋最後の楽器フェアだ。
この時、会場に隣接しているサンシャイン劇場で『マーシャル祭り2』というイベントを開催した。
凄腕のギタリストが大集合して入場料が1,000円という破格の扱いだったので、超満員の大成功と相成った。
この時は本当に大変だった。
ひとりでやっていたので毎日真夜中まで残業して準備に取り組んだ。
このコンサートはMarshall GALAとは異なり、ベースに櫻井哲夫さん、ドラムに菅沼孝三さんをお迎えして、フロントのギタリストがドンドン変わっていくというスタイル。
櫻井さんがあまりにもご多忙で、演奏曲をさらっている時間がない。譜面が手に入らない曲は、不肖私がベースをコピーして、譜面を書いて櫻井さんに弾いて頂いた。光栄なことだった。
さらにオープニングは趣向を凝らした。
オープニング・アクトとして中野のシゲさんのShigeo Rolloverに前回に引き続いてご登場頂いた。
客電を落として暗転になると心臓の音が聞こえ出す。ドックン、ドックン…。新婚旅行の時にアナハイムのディズニーランドで買った効果音のLPのに収録されている音源だ。
スクリーンにはモノクロで次々に世界の偉大なMarshallプレイヤーのポートレイトが投影される。
心臓の鼓動が速くなる(レコードプレイヤーのターンテーブル手で強引に速く回して録音した)と、スクリーンがパッと明るくなる。
それは映画『ウッドストック』のジミ・ヘンドリックスの「アメリカ国歌」のシーンだ。
おなじみのメロディをジミが爆音で弾き出す…音がどこか生々しい。
「国家」が終わり「Purple Haze」のイントロが始まると同時にスクリーンが振り落とされる。
するとそこには、中野重夫とRolloverの姿が…。
そう、さっきの「アメリカ国家」はライブでシゲさんが1959を使って弾いていたのだ!…という演出だった。
コレがね、スクリーンを振り落とすタイミングが難しくて偉く緊張した。
シゲさんも面白がって熱心に取り組んでくれた。
こうして豪華絢爛、準備万端で臨み、来日を予定していたジム・マーシャルに見せるのを心待ちにしていた。
ところが、当時のジムの秘書だったエマ(Marshall Blogに2度登場しているキャワイコちゃん、コニーたんのママ)から数日前に電話がかかってき、「ジムの来日は中止」ということになった。
この日の約ひと月前に起こったニューヨークのテロ事件を鑑みてのことだった。
ガッカリした。
結局私が楽器フェアでジムを迎えたのは、その次の上述の2003年の時だけとなった。

A_60f_2チケットもこんな具合で、モギリをするとTSLのフル・スタックがハーフ・スタックに変身した。JCM2000 TSL100は当時のフラッグシップ・モデルだったのだ。
こんなアイデアならいくらでも出て来た。
今も同じだけど、とにかく24時間Marshallのことを考えていた。
マァ、実際ずいぶん色々なことをやらせて頂いた。一番いい時代だったのかもしれない。
また、私もまだ若かったんだろうね。
イエイエ、「年老いた」なんて言っていられない!
アイデアがまだまだ山ほどあるのだ~。

A_70v

また再来年の『楽器フェア』でお会いしましょう!
 
末筆ながらこの場をお借り致しまして、素晴らしい企画と展示に取り組んで頂いたMarshall総輸入代理店、株式会社ヤマハミュージックジャパンさんとスタッフの皆様に心から御礼申し上げます。

A_90(一部敬称略 2016年11月6日 東京ビッグサイト 楽器フェア2016会場にて撮影)

2016年11月 7日 (月)

楽器フェア 2016~Kelly SIMONZ CODEを弾く!

ドワ~!
なんていい天気なんだ~!
寒くなったり、暑くなったり、この老体にはタマったもんじゃないけど、ここ最近ものスゴく天気が悪かった…というイメージがあったので秋晴れ大歓迎!
「夏大キライ」の裏返しで、強がって「冬の方が好き」なんてよく言ってるけど、ホントは寒いのだってイヤなのよ。
これぐらいの陽気がずっと続くといいナァ。
それでも北海道はスゴイ雪で大変みたいだし、銀座線は一部が不通になっているし、韓国は上へ下への大騒ぎになっているし、なかなかに世の中は騒々しい。

10この週末、東京ビッグサイトも大騒ぎだった!

20何しろこんなに大きなノコギリが地面に突き刺さっちゃう。
大騒ぎの元は…

30v楽器フェア。
前回は会場を変えて、3年ぶりの開催となった。
アレから2年。また隔年の開催となったようで、とてもよろこばしいことだ。
いきなりの英語脱線で恐縮だが、「一年おき」って英語で何て言うか知ってる?
「every other year」って言うんだけど、案外スッと出てこない人が多い。
昔、ある楽器関係の書籍の翻訳をある人に「仕事」としてお願いしたら、「毎回他の年」とかいう訳になっていてビックリ仰天したことがあった。
もちろん「year」を「day」にすれば「一日おき」となる。覚えておくと便利な表現だ。
ハイ、脱線終わり。

1_img_0024 これができた時は、上の三角のところに展示場がある…と、勝手に思っていたんだけど、全然違うのね?
コレは飾りなのかしらん?

40今日のレポートは11月5日(土)の午後にお邪魔した時のもよう。

50かなりの人出で熱気プンプン!

60とにかくまずはMarshallのスタンドへ…ブースか?
アメリカの人は割合「スタンド」って呼んで、イギリスの人は「ブース」とも呼んでいる傾向がある気がするな。
あるネイティブさんによると、「展示会等で何かを展示するためのスペース」という意味は変わらないんだけど、「ブース」は壁に囲まれているというイメージがある…という話を聞いたことがある。
さて、今回のMarshallの展示、主役はまずココかな?

9_img_0619 1959とJVMで歴史を俯瞰しているところ?
その間にあるのが…先月発売になったばかりのCODE。

70CODE25とCODE50の山。
ここに1962年から2007年のMarshall45年分のサウンドがデジタル・データで詰まっている。

80CODEが発売されて10日近く経った。
会場ではたくさんの楽器店の方々に久しぶりにお会いしたけど、私を見かけるなり声をかけて頂いて、皆さん「CODE、大好評でよく売れていますよ~!」と教えてくれた。
CODEのヒットを当て込んで、初回から大量に仕入れてくれた大型店でもすぐに完売。「お代わり」を待っているところ…だとか。
うれしいわ~。マジでうれしいわ~。

90だから言ったんだよ、オレは…JMDの開発の時によ~!
「プリアンプは〇〇、パワーアンプはXX、キャビは△△、みたいに自分で組み合わすことができるようにしたらどうか?」ってサ。
言わないこっちゃない!
あ、でも私、JMD好きなんです。
  
CODE物語はコチラ  ↓  ↓  ↓
BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

100ASTORIAも楽器フェア初登場。
目立つな~。
弾くとその素晴らしさがもっと目立つんだけどね…。
そうそう、ASTORIAの前でひっさしぶりにある若手ギタリストに会った。
彼はテレビのメジャーな音楽番組や「〇〇音楽祭」の類の現場でバンバン活躍している腕利きなんだけど、やっぱりASTORIA CLASSICみたいなコンセプトのアンプがMarshallから出るのをずっと待っていたんだって。
そうだろな~。わかるよ。
    
ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

110
従来のモデルもズラリ。

105ま、壁がないのが寂しいけど、片付けるのが大変なのよく知ってるから…。

120防音室も用意されているので爆音で試したい方はどうぞ。
どなたか弾いている最中に失礼!

130こちらはEDENコーナー!
こうして並べるとEDENもルックスがいいね!

145EDENは新しいヘッド、「TERRA NOVA」をフィーチュア。
お、おととい偶然「TERRA ROSA」の取材をしたばかり!
縁起がいいね~!

140
EDENも従来品をバッチリとディスプレイ。

150見るからに音が良さそうでしょ?!

160EDENは先日Silexのデビュー・ライブで素晴らしいプレイを見せてくれたhibikiくんが担当してくれた。

170さて、土曜日のCODEのデモンストレーターはKelly SIMONZ。
ステージの準備は完了。
CODE50とそれを操作するソフト、Marshall GATEWAYがインストールされたiPadが用意された。

180Kellyさん、出番でっせ~!
あ、さっき試奏していたのはKellyさんだったのね!(ホントはわかっていたけど…)

185足元には愛用のペダルボードもセットされた。

190ここのところのKellyさんの八面六臂の活躍ぶりを如実に表す人だかり!

200大きな歓声に包まれてスタート!

210KellyさんがGATEWAYに施したセッティングが後ろのディスプレイに大きく表示される親切な演出。

220一曲目は「Future Distination」。
Kellyさんのステージには欠かすことのできないメロディアスなスピード・チューン。

1_img_0649この曲でのKellyさんはプリセット51番の「JCM800」を使用。
ウン、CODEのJCM800は確かによくできてる。

1_img_2854
ResonanceとBassを上げ気味にして迫力の低域を狙った…っていうところかな?

1_img_2853
エフェクターは全編を通じてDELAY/STUDIOだけを使用。
今回はほとんどメロディだけなので、旋律を際立たせるために「やや深めにかけた」とのことだ。

1_img_2855

何の違和感も表さず、いつも通りの激烈なシュレッドを見せてくれた。
CODEのレスポンスの優秀性が証明されたようなもの…だって、Kellyさんについて行ってるんだから!
CODEだけにテクノロジーも「高度」だ。
270

KellyさんによるCODEのコンセプトや機能の説明に聴き入るお客さんたち。
ドンドン人が増えて来る!

240
ここでセッティングを変更してプリアンプを45番の「Plexi」にする。
CODEはPresenceの設定具合で音が劇的に変わるセッティングがあるので注意。
1_img_2880
上のPresenceの設定といいBassの設定といい、Middleを10にしたにしても結構ハイ寄りなセッティングといえようか。
上で触れたPresence同様、ノイズゲートのThresholdの値もサウンド・メイキングに大きな変化をもたらす。このノイズゲート、ものすごく効きがいいので、その使い方によっては毒にも薬にもなるので、上げるばかりではなくて、下げて使ってみるのも一考だ。
1_img_2837
二曲目はヴィヴァルディの『四季』から「春」。
Kellyさんのオハコだ。

250

プリアンプを「Plexi」にセットしての華麗な演奏…Kellyさんはいつものステージでは1959を使っているからね。
それほど違和感が少ない弾き心地なのだ!

230

同じセッティングでさらに「Opus #1」。
そうそう、やっぱり「Opus」でデモンストレーションをして欲しかったの!

1_s41a0005 あのいつものスリリングでアクロバチックなプレイが迫りくる!
おそるべしCODE!

285サングラスをハズしての激演!
ギタリストをそんな「弾く気」にさせてくれるのがCODEなのだ。

300辺りは通路の交通整理がでるほどの盛況ぶり!
この日、Kellyさんを初めて見る方がどれぐらいいらっしゃったのかはわからないが、ビックリしたろうナァ。

9_img_0701 そんな方は1959や1960がズラリと並ぶ東京キネマ倶楽部のKellyさんのライブにゼヒお出かけ頂きたお。再度ビックリすること請け合いだ。
kellyさんは全国各地でサービス満点のセミナー活動を展開しているけど、それで満足してはイケませんぜ。
やっぱり「キネマ」でのライブを観ないと!

205_2 短い時間ながらも充実のデモンストレーション。
私は次の予定が入っていたのでコレで会場を離れたが、Kellyさんはこの後もう一回舞台に上がった。
そちらの回も大盛況だったと聞いた。

290 Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

310<つづく>
 
(一部敬称略 2016年11月5日 東京ビッグサイト 楽器フェア2016会場にて撮影 ※協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン)

2016年11月 4日 (金)

Silex 衝撃のデビュー・ライブ!

こういうのを「鳴り物入り」っていうんだろうね~。
「鳴り物」とは、食べ物でいえば、白身の魚を練って、塩を加えて形を整えた…違う!そりゃ「練り物」だ!
元は歌舞伎で笛や太鼓等を使って舞台をハデに囃し立てるところから来ており、転じて楽器の伴奏を入れることを「鳴り物入り」といった。
ようするに「景気づけ」だ。
コレ、面白いのは西欧にも同じような表現があって、あちらの「鳴り物」はもっぱらファンファーレだ。使われる楽器といえばトランペットやドラム。
今日、Marshall Blogに「鳴り物入り」で登場するのはMASHA率いるSilex。
Marshall Blogではすでにデビュー・シングルやインタビューを紹介している
そして、9月下旬に『SILENCE IN EXPLOSION  The First -NEw Beginning-』と題していよいよデビュー・ライブが開催された。
チケットは完全ソールドアウトの超満員。
同業者(ギタリスト)並びに音楽関係者の来場も多く、Silexへの注目度の高さが容易にうかがい知れた。
何しろ写真を撮るスペースがないので、ホールの一番後ろにセットした脚立の上からの強引な撮影となった。
例によって身動きひとつできなかったため、今日の記事の写真のクォリティには目をつぶって頂きたい。

10x_3オープニング・アクトとして大阪から駆けつけてくれたのはMars Brigade。
コレは「火星旅団」という意味なのかしらん?
ハンガリーにSolaris(ソラリス)というプログレッシブ・ロックのグループがいて、『Marsbeli Kronikak(「火星年代記」、英語だとMarcial Choronicleね)』というアルバムを思い出してしまった。

20Tatsu

30Yu-ichiro

40vす~

50Hide

60vMars Brigadeは2枚のシングルに続いて、昨年8月には『PROGRESS』という5曲入りのミニ・アルバムをリリースしている。

70cdサウンドはコンテンポラリーなへヴィ・メタル。
「○○メタル」とかいうジャンル的な形容があるのだろうけど、ゴメンナサイ、どう表現していいのかわからない。

80何せTatsuくんの天にも抜けんばかりのハイトーン・ヴォイスと…

90v弾いて弾いて、弾いて弾いて、弾いて弾いて…そして弾きまくるギターが容赦なく耳に飛び込んで来る!
110v
Yu-ichiroくんはMarshallを使用。
やっぱあの「M」の字は人を弾く気にさせちゃうんだよね~。

100そして、鉄壁のコンビネーションのリズム隊。

120パワーとスピード感みなぎるす~くんとHideくんのコンビネーションも見事だ。

130それぞれの曲の中でもシャープなソロを聴かせてくれたYu-ichiroくん。
クライマックスではタップリとギター・ソロが!

140「いつもMarshall Blogを見てくれている」なんてうれしいことを言ってくれたんでマーブロでもフィーチュアしちゃおう!

150マァ、何せ煙の出そうなシュレッディングに客席からも大きな歓声が!
しっかし、人間ココまでシュレッドするとなると、この先ギター・テクニックってどうなっていくのだろう?
興味あるな~。
次は「遅弾き」かね?一回のソロにどれだけ白玉でいいメロディを作れるか?…みたいな。

160今どきのへヴィ・メタルのテンプレートを見せてくれたような若々しい演奏だった。
まさにSilexのデビューを完璧な形で華やかに演出してくれた。

MARS BRIGADEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE

170しばし休憩の後、期待感に満ちたスゴイどよめきに包まれてついに姿を現したSilex!
何たるテンション!

180Pete Klassen(ピート・クラッセン)

200vMASHA
350

Yosuke Yamada

220Yosukeくんとコンビを組んだのはhibiki!
べース・アンプはEDENを使用。
  
アレ?Silexってギターふたりなの?

230説明しよう。
今回のデビュー・ライブだけに特別参したTORNADO-GRENADEの真壁雄太だ。

240v先日のMarshall GALAにトップ・バッターで出演してくれたMASHAくんはもちろん愛用のMarshallを持参。

250_2以前は1987を使っていたが、今はJCM800 2203にスイッチしている。

260TORNADO-GRENADEのレポートで何回も紹介しているが、雄太くんもMarshall。

S41a0461Silexのステージでも自慢のSilver Jubilee 2555Xと2551Bが大活躍させた。

280コレはSilexの3曲入りのファースト・シングル『SILENCE IN EXPLOSION』。
この日会場で先行発売されたが、ようやく12月7日全国発売されることになった。
ジラしちゃって…Silexのイジワル!
ま、私はデモの段階から聴かせて頂いておりましたが…エヘン!
190cd
ピクチャー・ディスク仕様がまたうれしいね。
自分が撮ったアーティスト写真だから一層うれしいね…エヘン!

9_img_0244 1曲目は「Cry in the Starlight」。

290MASHAくんのCrying Machine時代の曲。
今回のシングルにも収録されているゴキゲンなドライビング・チューン。
亡くなったMASHAくんのお父さんが好きだったという「青い影」のクォーテーションが印象的だ。

300もう何もしなくても盛り上がっている客席をさらにあおるピート。
まるで乾ききったスポンジが水を吸うようにSilexの音を浴びる観客。

310とうとう念願の自分のプロジェクトを実現させたMASHAくん。
とてもうれしそうだ。
人間が何かの目標を成し遂げる姿というのは美しいね。
MASHAくんの親でもないのに、見てるコッチの目頭も熱くなっちゃったりして…。
210v

インタビューでも触れていた通り、雄太くんも大好きな先輩との夢の共演に大感激していた。
後日、「おつかれさん会」で熱海か湯河原に二人で出かけたのかどうかは聞いていない。

330ピートの堂々たる歌いっぷりも素晴らしい。
この人も「ロックの塊」のような人であることに疑いの余地もない。

340v2曲目もシングルに収録されている「Cancion De Amor」。
英語で「Love Song」あるいは「Song of Love」。
日本語で「愛の歌」。
フランス語で「Chanson d'Amour」。
なんでフランス語バージョンを知っているかというと、The Manhattan Transferが「Chanson d'Amour」という曲を取り上げていたから。好きだったの。
シャンソンのスタンダードかと思っていたら作者はアメリカ人でやがんの。Wayne Shanklinという人。
昔、この「シャンソン・ダムール」を「貝の歌」だと思っていた人がいたけど、それ違うから!

320v

曲名のイメージとは似ても似つかぬスピード・チューン!サビの展開が意外なのね。

360尊敬するMASHA先輩をピタリとバックアップする雄太くん。
Jubileeの音って…いいナァ。
そうそう、この日はJCM800対決だったんだぜ!

370vYosukeくんの怒涛のドラミングもSilexの聴きどころ!

375そしてCDから離れて「Everlasting Symphony」と「Haunted Forest」が続く。

380どれもMASHAくんが温めてきた曲。
CDには3曲しか収録されていないが、ネタは豊富。
インタビューでもMASHAくん自身が語っていた通り、「他とは違う」ひと味違ったメタル・チューンだ。

390v「日本語しゃべれるぜ!」というピートのMCも盛り上がる。
わかってますって!天才的なうまさだよね~。
まさに「立て板に水」…あ、コレはわからないでしょう?「Water on a vertical board」だよ。
「こんなにたくさんの人が来てくれてうれしいです!泣いちゃいそうです!」と感激を素直に表したピート。
あ、下の写真はMCの時のものではないよ。MCの時に写真がなかったので、歌っている写真を代用したのであしからず。
迫力がウリのピートもさすがにこんな風にはしゃべりませんからね~。

S41a0344 MCの後は「Cry for the Moon」。
この日MASHAくんが使用した青いギターは敬愛するBLINDMANの中村達也さんから譲り受けたものだ。
S41a0827

ピートがステージを降りてインストゥルメンタルを1曲。
コレは知ってる…「Forever More」。
Marshall GALAでも演奏してくれたから。

400

「MASHAさんと一緒に『Forever More』をステージで弾けるなんて!」と雄太くんが興奮気味に語ったのを思い出す。
この日使用したギターはMASHAくんのおさがりだ。
要するに先輩から後輩に心太式にギターが移動したというワケ。
ピート、「心」が「太い」と書いて「ところてん」と読みます。「ところてん」って知ってる?私は酢が苦手だから食べれないの。

430そして、Yosukeくんのドラムソロ!
Silexのデビューに!と自慢のフルキットを持ち込んだ!

440そんな気合がモロにあふれ出ていたかのような充実のソロだった!

450続けて「Metal Nation」。
アウトロではMASHAくんのギター・ソロがタップリとフィーチュアされた。
420v

 そして、8曲目にして本編の最後を締めくくるのは「Standing on the Grave of Yesterday」。
480
CDのオープナー。そして、キラー・チューン。

470vこの曲のサビっていうのかな?「大サビ前」っていうのかな?Bメロでいうのかな?
とにかくこの展開部の歌のメロディがすごく好き。

460

ここでも大歓声を浴びながら美しい音色でダイナミックかつ繊細なギター・ソロをキメて見せてくれたMASHAくん!
当然、アンコールの声が上がったが、それには応えなかった。
もちろん、気分が乗らなかったワケでも、ネタがなかったワケでもなく、初めから「今日はアンコールなし」とキメていたのだ。
カッコいい。ビートルズやLOUDNESSみたい!
ダラダラと演奏するより、自分たちが観てもらいたいことを本編に詰め込んで、それをキチっとやり遂げたという満足感の表れあり、自信でもあるのだろう。
ココでも他のバンドとは違う…ということを見せつけてくれたような気がした。

490最後は出演者が勢ぞろいしてご挨拶。
コレでいいのだ。

500 さて、今回のデビュー・ライヴを見逃した方々への次のチャンスは…
★11月23日 於 高円寺ショーボート
⇒Strange,Beautiful and Loudとのダブル・ヘッドライナー(「ツーマン」、「スリーマン」はやめましょう)がうれしい!
あまりにもスタイルの異なるギターの競演が見もの!レフェリーはMarshall!

5_img_0042 ★12月17日 於 西九条BRAND NEW
⇒"METALLIC DREAMS XV "というイベント。関西方面の方はゼヒ!
  
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook
  
終演後は物販タ~イム!
お!スペシャル物販要員が登場!「荒神見ない」のTORNADO-GRENADE。
この人たちももうすぐワンマンだよ。

510正直、終演後にこんなにCDが売れるバンドって見たことない…というぐらいの大盛況!
大行列だったのですよ。

520v 

最後に…
この日、3人の優れた若きギタリストが登場し、見事なシュレッドぶりを見せてくれた。
実は私は若い頃からガッチガチの速弾き支持者で、「味わい」よりもテクニック重視論に与していた。
ある音楽業界の人とイッパイやった時、「速弾き」か「味わい」かの論議になった。その人は味わい系ギターを支持していて、「イヤ、速弾きは練習すれば誰にでもできるけど、味わいはそうはイキませんよ!」、「ナニを言ってるんですか!その『練習する』ということができないから味わいに走ってるんじゃないですか!」と、議論はエキサイトする一方で、しまいにはマジでケンカしそうになったことがあった。
話は飛んで昨晩のこと。
「日本を代表する」と形容してもまったく過言ではないベテラン人気ギタリストとこんな話をした。
今日の記事のはじめの方にあった当世「速弾き」に関することで、「学校が普及したことで、これほど当たり前にギターを速く弾くようになってしまって、もはや速く弾くのが普通、いわゆる『フツ弾き』になってしまった今、ギターのテクニックは一体どこへ向かっていくんでしょうかね?…と私。
「テクニック的にはもっと楽で合理的な弾き方を追求するとか…そういうことは続いていくのではないでしょうか?
でも、どんなにテクニックが優れていても、曲に魅力がなければなんの意味もありませんよね。
そういう意味では、まずはイントロの重要性を感じます。
今は昔のレコードと違って、チョット曲のアタマを聴いて面白くなければボタンひとつで次の曲へ飛べますでしょ?
イントロが魅力的でないと、中間のギターソロはおろか、歌すら聴いてもらえない。
その次はAメロのよさとサビのメロディが魅力的であること…当たり前なんですけど。
ボクは速弾きは大歓迎ですが、それよりも『曲』があっての『テクニック』だと思っています。」
まったくその通りだと思う。
あのケンカからだいぶ時間が経って、『速弾き』も『味わい』もプレイヤーの個性を表す重要な手段で、どっちがどうだ…などと考えることを無駄に思うようになった。
そして、このギタリストがおっしゃることに10000%同意している。
The Whoの「My Generation」やThe Kinksの「You Really Got Me」をプロデュースしたシェル・タルミーが、「イントロですべてがキマる」と50年も前にヒット曲の極意について触れているのにもうなずける。
音楽はます「曲」がありきなのだ。
このことが忘れられがちになっているように思えるのと、MASHAくんが先のインタビューの中で、「他とは違った曲を作りたい」という意識を常に持っているということに相通ずると思ったので一筆認めさせて頂いた。Silexの未来は明るい。
ちなみに今の時代のロックにおいては、私は「メロディアス」と「いい曲」はまったく別なものだと考えている。

S41a0500 (一部敬称略 2016年9月25日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)

2016年11月 2日 (水)

CHIMERA GAMES TOKYO Vol.2~BLIND BIRD とKeiji by ZERO

Marshall Blogでレポートした前回の開催から早や半年。
CHIMERA GAMESが帰ってきた!

20 今回は10月29&30日の開催とあってハロウィン仕様。

10_2決してお化け屋敷という設定ではない。
しかし、スゴイ、雰囲気だな…。
これでカラスでも飛んでいれば絵的には完璧なのだが…。

20 いらっしゃ~い…。

30前回に比べ大幅にスケールアップしての開催。
コレは朝一番の光景。
今回も天気に恵まれないのが残念だ。

40前回には見られなかったようなアトラクションが増え、大人から子供まで楽しめるようになっている。

50

60コレ、「ホッピング」っていうんだっけ?
我々が小学校の時にものすごくハヤったんだよ~。

70コレは渋い!

75とび箱まで!
私はこれでもとび箱が得意だった。
で、どうしてもできない子ってクラスに何人かいたじゃん?
ナゼできないのか、それがすごく不思議だった。
今はどうかって?コワくて四段も飛べないかも!そもそも助走ができん!

76こんなカフェも…。

80スケートボードの設備はもちろん…

90道具のレンタルまでの至れり尽くせり。

100グッズの販売も充実している。

110オフィシャル・グッズも人気の的だ。

120こんなアートの実演も今回からかな?

130さて、CHIMREA GAMESはエクストリーム・スポーツ、ストリート・パフォーマンス、そしてロックを融合させたフェスティバルだ。
当然、巨大なステージがセットされバラエティに富んだ出し物が用意されている。

140協賛の音楽系専門学校の生徒さんたちによるダンス・パフォーマンス。

150そしてCHIMERA GAMESの二回目がスタート!

160ダンスに続いて登場したのは…

170Keiji by ZERO!
いきなりのMC。
大人ですら人前で話すのがやたらと苦手なヤツがたくさんいるというのに…実に立派なもんですよ。
自己紹介をした後、この日のスケジュールを告知した。

180vKeijiくんはJVM210Hと1960Bを使用。

185バッキング・トラックに合わせて弾きまくる!

190切れ味鋭いシュレッディング!

200v初めて見る人は「ギョッ」っとしてたけど、コレがKeiji by ZERO。

210ところでKeijiくん、四曲入りのCDをリリースしたのだ!
タイトルは『月夜(つきや)』。
トラくんのかわいいグリム・リーパーが目印だよ。
「Burning Heart」というKeijiくんのオリジナル曲も収録されている!

220cdKeijiくんを見るのはKellyさんの「ニューアルバム鑑賞会」の時以来だから…一年と三か月ぶりか…。
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ずいぶんお兄ちゃんになったな~。
ヨソのウチの子は本当に大きくなるのが早い!
以前よりピッキングが強くなった感じでますますいい感じ!

230こういう才能のある人には、若いうちから色んな音楽を聴いてもらって「シュレッダー」の枠に捉われない「音楽家」に成長して欲しい…とオジちゃんは思うのだ。

235vその頃、ステージの裏ではこの四人がスタンバイ完了!

240続いてはKeijiくんとBLIND BIRDのコラボレーションだ!
Keijiくんが弾き出したイントロは…
290
「Burn」…。

260優也くんとの相性もバッチリ!

270Keijiくんの完璧な演奏にお客さんから大きな拍手が送られた。
Keijiくんは、この後、CHIMERA FREE AREAというスペースでミニ・ライブを開催した。

Keiji by ZEROの詳しい情報はコチラ⇒facebook

280

ステージに残ったBLIND BIRD。

300_2桐島直志

310x小松優也

320v優也くんは愛機のJCM800 2203と1960Aを使用。

330河野充生

340v河野さんの今日のベース・アンプはEDEN WT-800とD410XSTのフル・スタック。

350現在WT-800は製造していない。
今のEDENのフラッグシップ・ヘッドはWT-900PROに替わっている。

9_wt900pro2そして、山口PON昌人。

360PONさんはNATALだ。
今日は10"、12"、16"、22"のコンフィギュレーション。
バーチのタバコ・フェイド・フィニッシュ。

370曲は最近作から「Keep the Tension」。
最後の「♪キッザテッショ、キッザテッショ」がめっちゃカッコいいヤツ。

Img_0101_2 PONさんのド派手なドラムと…
410v
河野さんの緻密なベースがからむうねりまくるリズム!
400

それに絡むワイルドなギター!

390vそして、ロックの塊のような直志さんのヴォイス!

420v残念ながらBLIND BIRDは一曲だけ。もっと聴きたい!
イヤ~、このバンド、ホントにカッコいいと思う。
あ、何かもらっているワケではありません。
素直にそう言えるの…。
  
BLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official website

Img_0106 さて、もう少し会場を見て回ろうか?

430ゴーカートも今回から?

440前回紹介したFMXも当然用意されている。

450ビョーンって飛んで、空中で回ったりしちゃうヤツね。
ナニせ、言葉や用語がわからん!

460単車の他に、子供たちもこの台でジャンプを披露…するワケない。

470自転車も盛んにスっ飛んでた。

480こんなだもん!

490ステージは色んな出し物で盛り上がっている。
これは「フリースタイル・バスケットボール」っていうらしい。
「ジャグリング」とは言わないようです。

500コレは「ダブル・ダッチ」っていう縄跳びね。

510おお!何やら煙を上げて向こうの方で何やらブイブイ言い出したぞ!

420

これは「ドリフト」っていうんでしょ?

530排気ガスとタイヤの摩擦でモックモク!
ブロン、ブロンと音がスゴイ!
550
やたらとクルクル回りまくってスゴイ迫力。
同乗体験もできるそうなのだが、こんなの乗ったらゲロ吐いちゃうな、アタシャ。

540
終了~!
拍手喝采!

570スゴイよ、一回でタイヤがこんなんなっちゃう!
あ~あ~、コリャ次の車検通らね~ぞ~!

580車を間近で見ることができる。

590エンジンはこんな具合。
610
車によってそれぞれゼンゼン違うんだよ。
620

好きな人にはタマらないんでしょうな~。

630

さて、優勝したドライバーさんにインタビュー!
…ってこりゃPONさんだ!
PONさんも近々動き出すFEEL SO BADで思いっきりドライブだ!

600CHIMERA GAMES、次回の開催は来年の5月ということだそうだ。
また楽しみだね!
来年は自転車で空中回転するぞ~…死ぬわ!

 

CHIMERA GAMESの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

640(一部継承略 2016年10月29日 お台場特設会場にて撮影)