4460 5960(ヨシロー・ゴクロー)~人間万事塞翁が馬~ <前編>
むか~しむかしのことじゃった~。
中国の北の方の塞(とりで)の近くに占いの巧みな老人が住んでおったそうじゃ。
塞の近くに住んでいるジイちゃんだから「塞翁(さいおう)」じゃ。
ある日、そのジイちゃんがとても大事にしていた馬が「胡(こ)」の地方に逃げてしまった。
「あ~、あ~、あんなに可愛がっていたのに…」と、周囲の人々がジイちゃんを大層気の毒がったそうじゃ。
さぞかしジイちゃんはガッカリしただろうと思うと、「ま、仕方なかんべな。そのうちにまた福が来るだろて」と馬のことを潔くあきらめたんじゃな。
ところがしばらくすると、ジイちゃんの大切な馬が戻って来たんじゃ。
しかも、胡からとてもいい馬を連れて来たんじゃな。
今度は、周囲の人々は「やったじゃん!チョーラッキーやんけ!ジイさん!」と祝ったが、ジイちゃんは浮かれたりすることなど全くなく、「インヤインヤ、コリャ不幸の元になるに違いない…」と占った。
するとジイちゃんが予言した通り、その胡から来た名馬に乗っていた老人の息子が、落馬してしまって、バキッ!!…ああ~、気の毒に…足の骨を折ってしまったんじゃな。
周囲の人々が息子さんを見舞うと、今度はジイちゃんは「これがラッキーの元になるだろさ」と皆に言ったそうじゃ。
息子さんが足の骨を折って、一体何かラッキーと言うんじゃ?
それから一年後、ジイさんの村に胡の軍隊が攻め込んで来て戦となった。
いつの時代も戦の犠牲になるのは若者じゃ。
ジイさんの村の若者のほとんどがその戦で死んでしまった。
しかし、足を折って動けないジイさんの息子は、兵隊に行かないで済んだため、死ななくて済んだのじゃ。
まったく人生どうなるかわからんもんじゃ…。
Marshall Blog史上初の「昔ばなし」調。
文章を頭の中で読みながら書いていると、その読む声が自然に常田富士男になってるんだよね。私は『日本昔ばなし』より10年以上前の世代なのにスゴイ影響力だ。モノマネのせいだな。
さて、以上が「人間万事塞翁が馬」のストーリー。
何が言いたいのかと言うと、「人生はスペース・マウンテン」ということ。
人生は上るか下るか誰にもわからない。だから何でも安易によろこんだり悲しんだりするべきではないというたとえ。
ガンプのセリフといっしょ。
"Life is like a box of chocolates, you never know what you're going to get.
ああ、考えてみると『フォレスト・ガンプ』の原作者はこの中国の故事をヒントにしたのかも知れないね。
興味があったので、チラっと調べてみると、この故事は中国からきたせいもあってか解釈にバラエティがあり、色んな英訳があるようだ。
ロマンティックかつ乱暴なヤツに…
"Que Sera, Sera"
なんてのがあった。ま、コレはスペイン語だけど。
コレを英語で言うと、"Whatever will be, will be"。 ま、「Let it be」の条件付き未来形とでも言おうか…チョット強引だけど面白い解釈だ。
で、一般的には…
"Joy and sorrow are today and tomorrow"
「今日のよろこびは明日の悲しみ」
わかりやすいけど、チト大味な表現だな。
他にも…
"A joyful evening may follow a sorrowful morning"
「悲しみの朝にはよろこびの夕べがつづく」
前のヤツと同じパターンですな。
それと、もうひとつの一般的なヤツは…
'Inscutable are the ways of Heaven"
というヤツがある。
「天のやることはワケわからん」という意味。
いずれにしても表現に味とかロマンがないんだな~、英語には。合理優先の言葉だから仕方ない。
「人間万事塞翁が馬」なんて、ド~ンとストーリーがにじみ出てきてステキじゃない?
元は中国だけど、日本語って素晴らしい!
そんな故事をタイトルにしたコンサートがあるよ…と、令文さんから情報を頂戴し、さっそくお邪魔してきた。
4460(ヨシロー)とはドラマーの久嶋喜朗のこと。
本木雅弘、aiko、平井堅、高橋克典他多数の人気歌手のサポートの他、頭脳警察やNuovo Immigratoにも在籍した超ベテラン・ドラマー。
過去に一度だけMarshall Blogにご登場頂いたこともある。
そのよしろーさんがドラマーを卒業し、東京を離れ故郷へお戻りになるというのだ。
その壮行会となったのが今日レポートするコンサート。
よしろーさんの長いキャリアに関わったたくさんの音楽仲間が結集し、よしろーさんの新たなる旅立ちを祝った。
コンサートのスタートはよしろーさんのお弟子さんたちのバンドから。
まずは、marcominelmanというグループ。
エ、マルコ・ミネマンじゃないの?
まだマルコがデビューしたての頃、フランクフルトで見たことがあってね…あの時はビックリしたナァ。Eddie Jobsonのバンドで来日した時はそうでもなかった。
このmarcominelmanはプログレとは縁もユカリもない元気な今風のロックを披露してこの記念すべきコンサートのオープナーの重責を果たした。
続いて登場したのは2014年に活動を開始した「いろは」。
パワフルなボーカルが印象的な5人組。
コンセプトは「感情のおもちゃ箱」だそうだ。
若手の熱演が終わると、ステージはガラリと雰囲気が変わった。
HEAVY FUNK ALL STARSと名付けられたセッション・バンドの登場だ!
もちろんドラムはよしろーさん。
ギターはTHE KEY PROJECTの八重樫浩。
八重樫さんは「十二単」というバンドの出身。十二単は1982年のEASTWESTで優秀グループに選出された。
よしろーさんは「ロッキンf」を見て十二単のドラマー募集に応募したことがあったそうだ。
結果は残念ながら落選。
その時採用になったのは五十嵐公太さんだったのだそうだ。公太さんが十二単にいたのは知らなかったナ。
ちなみに1982年のEastWestのレディース部門のグランプリはSHOW-YAが獲得。
シニアのベスト・ボーカリストは久保田利伸だった。
上手にはJimisen。
すごい久しぶりの登場!
もちろんふたりともMarshall!
八重樫さんはJCM800の1959。
いつもは1959のJimisennさん。今日はJCM2000 DSL100だ。
1曲目に演奏したのは「Born to be Wild」。
歌はよしろーさん!
よしろーさんのドデカいバスドラムの迫力にあおられて、「ワイルド」で行くより「ヘヴィ」で行く感じ!
続いては八重樫さんのリード・ボーカルで「Don't Let me Down」。
「ガッカリさせないで!」…去りゆくよしろーさんに向けて歌っているのかな?
次はJimisenさんをフィーチュア…
…とくれば当然Jimi Hendrix。
「Foxy Lady」を大熱演!
もう1曲、Jimi Hendrixから。
「Little Wing」をシットリと…。
しかし、このバスドラ!よしろーさんのトレード・マークだ。
28インチってこういう音か…。22インチや24インチとはもはや別の楽器だな。
ここからは「4460 5960~G.S.T.Q」と称して、入れ代わり立ち代わり、次々とよしろーさんの仲間が登場した。
まずはこの組み合わせ。
ギターは石井仁。
ヨシローさんが20代前半に「SOY SAUCE SONIX」というグループで活動を共にしたギタリストのギタリストとして山瀬まみや本木雅弘のツアーなどもこなしたそうだ。
石井さんも普段はMarshall。
ベースは高橋竜。
竜さんもMarshallのベース・アンプ愛用者だ。
ドラムはそのままよしろーさん。
早い話が、よしろーさんが出ずっぱりね。主役だから。
曲は…コレは珍しい!
当然Led Zeppelinなんだけど『Physical Graffiti』から「The Wanton Song」!
こういう時には普通やらないよ!
たいてい「Rock 'n' Roll」じゃんね。こういう選曲はうれしい。
ここで、ギターがもうひとり加わる。
元マルコシアス・バンプのギタリスト、鈴木ユタカ。
満園庄太郎がベースにまわって…
今度は竜さんが歌う。
今日はベース⇔ボーカル大会か!
竜さんのスーパー・ボイスが響き渡るのは「Mama Kin」!
ハード・ロック・ギターの魅力満点の名曲だからして、ギター・チームが猛ラッシュ!
よしろーさんの詳しい情報はコチラ⇒What's a YOSHIRO World