Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

ライブ・レポート Feed

2019年11月14日 (木)

ドーヴァー海峡冬景色~Yukiさゆりの『うたコン』

 
NHKホール、久しぶりだナァ~。
前回来たのは伊藤広規さんのMarshallの取材で訪れた達郎さんだったかな?
TOKIEさんにお誘いを頂戴してAJICOを観に来たのはMarshall Blogを始める前のことだしナァ。
偶然お二方ともベーシストだ。
ヴィジュアル系の取材にも来たことがあったっけ。
でも、今日はベースでもヴィジュアル系でもないMarshallギタリストの取材&お手伝い。10NHKの人気番組『うたコン』にD_DriveのYukiが出演したのだ!

20お昼前に入ってまずは音作り。
オケをバックに音量の調節などを…。

30YukiちゃんのバックにはもちろんMarshall!

40Marshallデザイン・ストアによるYukiちゃんのオリジナル・モデルJVM410HYBRと1960AYBR。
「YBR」という型番は「Yuki's Blue Rose」の略。
この型番は世間では全く通用しない。
50v
ナゼなら私が昨日自転車に乗っている時に思いついて勝手につけた型番だからだ。
京浜急行に「YPR野比」という駅があるが、混同しないように…誰もしないか。

8_0r4a0248 先だっての『Marshall GALA2』では3段積みで登場してその威容を知らしめた。

60SeijiさんのJVM410HSVSも3段積で登場。
Marshall Recordsアーティストとしてのアイデンティティを発揮した。
ちなみにSeijiさんの方の「SVS」は「Seiji's Vintage Special」だ。
コレも私しか知らない名称だ。

70生のオーケストラに合わせて自分のパートを完璧にこなすYukiちゃん。
チョット音が小さいんじゃん?
いつものYukiちゃんの音よりはるかにおしとやかだ。

80「こんなもんスかね?」…今回もまったく緊張の素振りを見せない!

85「もう1回お願いします!イヤモニの調子は大丈夫ですか?本番の時は後にオケはいませんから!」と聞いて2人でビックリ。
本番の時はオケが乗ったステージごと上手に移動してしまうのだとか。

86お昼になって2人でNHKの社員食堂で昼食を済ます。
YukiちゃんはC定食。
私はカツ丼。
 
そして、3時を過ぎてまたリハーサルに呼ばれる。
今度は石川さゆりさんとの歌合わせ。100曲は9月11日にリリースされたばかりの、さゆりさんの「河童」。
「河童」というの飲み屋をやろうと約束したのに男性に先立たれてしまう女性の心情を描いたヘヴィな内容の曲。
カッパの話題なんてそう出て来るもんじゃないので、少し脱線させて頂きますよ。
 
下は「厨房用品の問屋街」として世界的に有名な「合羽橋(かっぱばし)」のカッパ。
この辺りをナゼ「合羽橋」というか…?
何でも2つの説があるらしい。
ひとつはこの辺りに伊予大洲藩の支藩である「新谷藩(にいやはん)」の下屋敷があった。
「下屋敷」というのは地方の藩が所有していた倉庫みたいな役割をする建屋のことね。身分の高い人は「上屋敷」を使う。
で、その下屋敷の下級の侍や足軽が内職で作った雨合羽を天気の良い日に近くにあった橋にズラ~っと干していたから。
この説はツマらんね。作っていたのが合羽じゃなくてフンドシだったらどうすんだよ。
もうひとつは、近くにある「曹源寺(通称”かっぱ寺”)」にお墓がある合羽川太郎(本名:合羽屋喜八)にまつわる説。
今から約180年前、この辺りは水はけが悪く、少々の雨ですぐ洪水になってしまうのを見かねた川太郎が、私財を投げ出して掘割の工事を始めました。
立派な人です。
ところがなかなか工事がはかどらず、その様子を見ていた隅田川の河童たちが川太郎の善行に感動して夜な夜な工事を手伝った…という。
そして、その働く河童たちを見た人は運が開け、商売も繁盛したとさ…絶対にこっちだな。

8_kpところどころこの河童の像が置かれている通りは「かおう会通り」といって、徳川家の菩提寺である寛永寺と浅草寺を結んでいる近道として、江戸年間には将軍様が行き来したらしい…知らんけど。

8_lo近くにある大雄山海禅寺。
150年前の上野戦争の時、慶喜が長州藩が掲げるニセの「錦の御旗」にビビって水戸に引っ込んでしまった後の幕府軍のリーダー的存在だった輪王寺宮寛永寺貫主(北白川能久親王)が、長州藩から逃れるために一時的に隠れたとされる寺。
この後、長州藩が東北の人に対してどんな蛮行をしたかをモノの本を読んで勉強していみるといい。

8_コレが合羽川太郎が眠る曹洞宗は巨嶽山(こがくさん)曹源寺。

8__2境内に入った右側にあるお堂。
この中に「河童の手のミイラ」が安置されている。
また、手塚治虫や藤子不二雄等、著名なマンガ家が描く河童のイラストが天井に所狭しと飾られている。
七夕の季節に開催される「下町七夕祭り」の時に開放されるので、河童ファンの皆さんは是非訪れてみるといいだろう。

8__3 そんな河童にまつわる話を胸にさゆりさんの歌に合わせて「河童」のギター・パートを奏でるYukiちゃん。
コレがホントの「Yukiさゆり」。
♪ル~ル~ル~ル~…チガウか?
 
キメフレーズの音数はそれほど多くはないのだが、コレがなかなかにカッコよくて、Yukiちゃんが万全を期して楽屋で何度も何度も練習するもんだから耳にコビリついてしまった。
110vコッチ側はクルーがゾロリ!
物おじしないYukiちゃんには何てことないがね。90一度演ってみたところさゆりさんからアドバイス。
「チョット音が小さいんじゃない?もっとギュイーンと演っちゃえば?」なんて聞こえて来る。
「遠慮しないでもっとドンドン前に出ていいのよ…前へ」
120…と無事に歌合せのリハも終了。
空き時間に司会の谷原章介さんの楽屋にご挨拶に行って来た。
谷原さんとは「謎の"美女"ギタリスト」の時以来。
しかし…Yukiちゃんに言われて驚いたんだけど、アレからもうソロソロ2年だなんて絶対信じられん!
アノ時はまだMarshall Recordsの世界デビューのことがヒミツになっていたんだよ。
 
そして、いよいよ本番の時間!
ギターを用意して…

130vイザ出陣!

140v後は皆さんがテレビでご覧になった通り。
コレはステージ袖のモニターを撮ったもの。
私の背中ではオケがギンギンに演奏していて、真後ろがヴィオラだったのね。
そのヴィオラのバッキングのメロディがスゲエかっこよくてビックリしたわ。
画面は「世界で活躍するギタリストYukiと共演」と来たもんだ!
「D_Drive」の名前もシッカリ出たし。

150トークのコーナー(局の皆さんは「MC」と呼んでいた)では今年6月のMarshall Liveのビデオがアイリスで紹介された。(「アイリス」というのが正しいのかどうかはわからないが、少なくとも「ワイプ」ではない)
コレのためにワザワザMarshallから取り寄せたビデオだったのよ!
この場をお借りして…Thank you very much for your hard work Philippa!

165Yukiちゃん、堂々としていて実に立派だった。
そうだ!愛用のMarshallも付いているしね!
 
諸説ありすぎてあまりアテにはならないデータらしいんだけど、一般的あるいは感覚的に日本の場合、視聴率1%とというのは約110万人に値するらしい。
インターネットで調べてみると、この番組は8%ほどの視聴率があるそうで、そうなると約1,000万人が青いバラのイラストが入った白いMarshallをバックにギターを弾くYukiちゃんの姿を見たことになる。
それは日本の人口の約8%になるので、さすがにソコまでは多くはないと思うが、途轍もなく大きなプロモーションの機会になったことは間違いない。
私の周囲からは「あんな白いMarshallがあるんですか?黒ばっかりかと思っていました」なんて声がチョコチョコと聞こえて来ている。
スゴイ情報伝番能力ですな。
私としては「エレクトリック・ギターを弾く人の風景」というのは、少なくとも生演奏では背後にシッカリとしたギター・アンプが置いていなければ全くサマにならないな…とYukiちゃんに改めて教わったような気がしたよ。
私には、最近よく見かけるギター・アンプが置いていないステージってのが信じられない。
M16を持ていないデューク東郷みたいなモノじゃないか!
我々は「Marshall」の錦の御旗を掲げて「チャンとしたロック・ギター藩」として断固戦うぞ!

160さゆりさんと記念に1枚。
このさゆりさんの青いお着物がまたYukiちゃんのMarshallやギターの「Blue Rose」とマッチしてヨカッタね!

170v「終わった~!緊張した~!」
え?Yukiちゃん、緊張してたの?そうは見えなかったけどな~。
私はドキドキでした。
そして少々ホロっと来てしまった。
D_Driveさんとももう10年のお付き合いだからな~。

190vさて、『Marshall GALA2』ではMarshallのエラリー社長に捧げる新曲も披露してくれたD_Drive。
GALAの翌日から『47都道府県ツアー』をスタートさせた。

Xハイ、全国の皆さん。
D_Driveはライブ会場でしか販売しないオリジナル国内盤を持参して47都道府県をツアーします。
Marshall Recordsからリリースされた世界デビュー・アルバム『Maximum Impact』。
コレはLP。

0r4a0051コッチはCDね。
CDの方が収録曲が1曲多いのね。
それぞれ特製オビと…

0r4a0053写真満載の豪華20ページ・ブックレットが付いています。(LP、CD共通)

0r4a0058皆さんの町のライブ会場で是非お買い求めくださいませ!

0r4a0063「あ~、お腹空いた~」
やっぱり緊張していたとは思えないYukiちゃんなのでやんした…知らんけど。

200※タイトルの『ドーヴァー海峡冬景色』は、Marshallがドーヴァー海峡に面したサウザンプトンという港から世界へ輸出されていることにちなんでいますが、Marshallが日本に運ばれてくる時、実際にはドーヴァー海峡を渡ることはなく、サウザンプトンを出港してから船は西走し、ポルトガル沖からジブラルタル海峡を経て地中海に入り、スエズ運河を抜けてアラビア海からインド洋に入り、一路極東を目指します。
この日使ったYukiちゃんのMarshallもそうやって運ばれて来ました。
♪ああ、ドーヴァー海峡冬景色…もうイギリスはメッチャ寒いって!

Mblogo 
(一部敬称略 2019年11月12日 東京渋谷NHKホールにて撮影)

2019年11月 5日 (火)

激音 – GEKi ON – vol.4 <後編>~ D_Drive

 

5_marshall_gala_2_logo2_3「誰がディーを知らないか?」…なんて書いてもナンのシャレだかわかる人は1人もいないだろうナァ。
「上海帰りのD_Drive」っていうことなんだけどね…。

20元は津村謙という人が歌った1951年の「上海帰りのリル」。
当時、記録的に大ヒットしたのだそうだ。
タンゴだね。
昔の日本人はジャズを通じた4ビートは言うに及ばず、マンボやルンバ、タンゴなど色んなリズムを日常的に耳にしていたんですよ。
音楽的に今よりゼンゼンにぎやかだった。
それが今はどうだ?
そんなリズムの曲を耳にすることはまずないでしょう。
テレビをつけて聞こえてくるのは、味も素っ気もない単調な8ビートや下品な16ビートなリズムばかり。
ロックに関していえば、ブギやシャッフルのような3連のリズムの曲を演奏する若いバンドを目にすることがなく、このままいけば上のラテン・リズム同様、日本においてはブギやシャッフルは間違いなく絶滅するだろう。
恐ろしいことだ。
だから大分前に人気があったポルカを導入したBrave Comboなんてのはウマくやったよな。
日本の若いミュージシャンも「音楽」をやっているつもりなら、もっとチャンと勉強していい音楽を作ってもらいたいと願っています。
30cさて、この曲があまりにもヒットしてしまったので同名の映画まで作っちゃった。
私は観たことはないんだけど、香川京子が出てるのか…。
私は『二十四の瞳』すら観たことがなく、もっぱら黒澤映画での香川京子しか知らないんだけど、とっても好き。
可愛くて、品があって…。
そのおかげか、香川さんだけは黒澤明に怒られたことがなかったらしい。
とにかく昔の女優さんってのはホントにステキだった。

40v_2で、上海でのD_Drive。
もう、大ウケ!
でもね、私は絶対にウケる自信があったんだ。
そのあたりのことをいち早く皆さんにお伝えしたいんだけど、まだ6月のイギリスのレポートも終わらない内に先月の上海のレポートに着手するワケにもいかんわな~。さりとて早くアップをしないとすぐ来年1月のNAMMになっちゃう!。
とにかく『Marshall GALA2』が終わるまでナニもできん!

50ということで昨日に引き続いて『激音-GEKi ON vol.4-』の<後編>。
トリ前にステージに上がったD_Driveだ。

60_2Seijiと…

70vMarshall JVM410H&1969BXのSeiji SPECIAL。

80vYukiと…

90v_2Marshall JVM410H&1960AのBlue Rose White。

100vToshiと…

110vEDEN WT-800と…

120_2わかるかな?
フレットレス・ベース。
Toshiくんはこの頃時からフレットレス・ベースに転向したのだ。

130_2Chiikoと…

140vNATAL…と言っても今日はイベントなのでNATALのフルセットは持ち込めず。
10"&12"のタムと…

150_2Chiikoロゴが入ったスネア・ドラムのみNATALを使用。

160_2オープニングは「Attraction 4D」。

170_2Seijiさんのシンプルながら魅力的なリフでスタートするD_Driveのキラーチューンのひとつ。
やっぱりいいモノってのは大抵シンプルに出来ているものだ。180v_4dコレ、やっぱり海外でもウケるんよ。

190_2続いては「M16」。

200_16SeijiさんとYukiちゃんの掛け合い 

210おお~、ベースがフレットレスになると同じ曲でもバンドの音の響き方ってこうも変わるのか~。
オモシロいな~。

220Chiikoちゃんはいつも通り安定のドラミング。
ベースがフレットレスになると音の立ち上がりがソフトになるので叩いていてどうなんだろ?

250v続けて「Cassis Orange」。

230_co以上の3曲はイギリスでも中国でも何度も取り上げた海外への名刺代わりの曲たちだ。

240「こんばんは、D_Driveです!
今日はMarshall Recordsからリリースした世界デビュー・アルバム『Maximum Impact』からの曲をタップリとお届けします!」

260v_mcコレがその『Maximum Impact』ね。
CDとLPのジャケット。
D_Driveのライブ会場限定で国内盤がリリースされています。
Mi Seijiさんのもの悲しいイントロから~

270v_urYukiちゃんのギターがむせび泣くのは「Unkind Rain」。

290コレも海外でウケるんよ。

280そして、D_Driveのヘヴィ・ワルツ「Lost Block」。

300_lbこの曲のリズム隊のプレイは切れ味鋭く最高に気持ちがいい。

310フレットレス魂(そんなのあるのか?)丸出しで狂暴なプレイを聴かせてくれたToshiくん。

320v続けて「The Last Revenge」。

325_lrギター2人が交互に弾くリフがスリリング。

330v_lrやっぱりシンプル。
ただ複雑なことをするのではなく、最もシンプルなところから曲を発展させていくところに感動的な音楽ドラマが生まれるのね。

340『Music CHINA』、『Marshall GALA2』、『47都道府県ツアー』の告知をして最後のブロックに突入。

S41a0247 まずはChiikoちゃんの必殺フィルから「GEKIRIN-逆鱗-」。
390Yukiちゃん作のプライベート・ドラゴンボール・テーマソング。
この曲も育って来た感があるね~。
音楽ってオモシロイ。

360v_grウン、コレもいいわ、フレットレス!

370v最後はおなじみ「Screw Driver」で燃え尽きた!

400v_sd

420v

430v

440あ~、もう『Marshall GALA2』が今週の土曜日になっちまった!
準備し忘れたことはないかいな…後は台本を覚えるだけってか?

5_marshall_gala_2_logo2_4当日、D_Driveのコーナーにはサプライズがあります。
「サプライズがある」と言っちゃったら「サプライズ」じゃないのか?
じゃ「サプライズ」はありません。
『Marshall GALA2』にお越し頂く皆さん、とにかくお楽しみにしていてください。

Chiiko

Seiji

Toshi

Yuki3GALAグッズもよろしく。
完全会場限定発売です。

今回初登場のトートバッグ。
幅34.5cm×高さ37cm。
ん~、大き過ぎず、小さ過ぎず、実にいいサイズで1,500円(税込)。

0r4a0518もうひとつは、『Marshall GALA2』シャツと…

0r4a0539

0r4a0541ランヤード…。
パスは付いていません。0r4a0532それがMarshallメッセンジャー・バッグに入って3,000円。
コレは前回と同じですな。
前回、アッという間に売り切れてしまったので、お買い逃がしになられた方、今回是非ゲットしてくださいませ。

0r4a0074D_Driveは年明けのNAMMショウで『SHE ROCKS AWARD』というロックの発展に貢献した女性ミュージシャンに捧げられる賞のオープニングアクトで演奏し、会期中Marshallのブースでデモンストレーションをすることがキマっている。

N2020その前に!
GALAの後、NAMMの前ね。
D_Driveの音楽とダンスとマルチメディアの舞台作品『チェリーを3つ入れてください』が神戸で上演される。
「D_Driveの音楽とダンス」…私の頭の中では勝手にFrank Zappaの『Baby Snakes』の「Black Page #2」の光景が浮かんじゃうんだけど、ゼンゼン違うだろうな。
コレもとても楽しみにしている。
 
『チェリーを三ついれてください。』の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

8_flyer1copy2D_Driveに関してはすごいニュースがまだあるんだけど今は言えない。  GALAの時に発表するのかな?

200_3 

(一部敬称略 2019年9月6日 厚木THUNDER SNAKEにて撮影)

2019年11月 4日 (月)

激音 – GEKi ON – vol.4 <前編>~ AZAZEL

 

5_marshall_gala_2_logo2_2厚木サンダースネイクのシリーズ・イベント『激音-GEKi ON-』。
『Marshall GALA2』に出演してくれるD_DriveとAZAZELのMAYOちゃんが顔を合わせるということでお邪魔させて頂いた。

10ギターの空也。

20vベースのyuri。

30vドラムスのMayo。

40vボーカルズでサポートした紗良

50v紗良ちゃんはAZAZELの事務所の先輩ということで、バンドを離れてしまったMIYABIちゃんの穴を埋めるピンチヒッター。
イヤイヤ、もうその百戦錬磨のステージングは「ピンチヒッター」の枠にはとても収まり切れない堂々たるもの。
下は今年5月にリリースしたフル・アルバム『This is 紗良』。

55cd空也ちゃんはいつもMarshall。
数日前の開催したバースデイライブも大盛況だったと聞いた。

60MayoちゃんもNATALプレイヤー。
今日はイベントなのでNATALはじゃないの。

S41a1110 Marshall Blogには久しぶりの登場のAZAZEL。
オープニングは「Go ahead。」70初っ端から飛びっきりのハイテンションで会場を引っ掻き回す紗良ちゃん。

80そしてステージ上手では空也ちゃんが暴れまくる!

90v2曲目は紗良ちゃんの曲で「unchain」。

130続いても紗良ちゃんのオリジナルで「Firebird」。

100バリッバリのヘヴィ・チューンにピッタリのリズム隊。

120「日本で一番ラウドなガール・ドラマー」の名に恥じないスティックさばき!
NATALだともっといいんだけどね。

110AZAZELのフル・アルバム『3513~chain of A~』から「EGOIST」。

140コレがその『3513~chain of A~』。

12cdで、今度は紗良ちゃんのシングル曲、Ready?」と、お互いのレパートリーを取り混ぜてのセットリスト。

160どっちの曲であろうと自分たちの音楽を完璧に作り上げようとする熱意が伝わって来る。

150空也ちゃんのアクションがスゴイ!
でもすぐ泣いちゃうんだよね。

170「BLOOM」から『3513』のオープナー「Helix」へ。

180さらにAZAZELのシングル「DISCLOSE」。

190キラー・チューンを立て続けに演奏して興奮っぷりをまき散らす!

200vそして出番の最後を「Song for」で締めくくった。

260要するに「ハードロック」なんだよね、こういう人たちが演っているのって。
テレビなんかで「ありがとう」とか「負けるな」と歌っているバンドさんの「ロックもどき」とは全く異なるいわゆる「ロック・ミュージック」。
もっと若い人たちの間に広がるといいんだどね~。
せっかくシッカリしたロックを演っているのモッタイないよ。
AZAZELのようなバンドを観ているといつもそう思ってしまう。
きっとまたいつか時代が変わるよ!

210v

220v

230v

240vAZAZELの詳しい情報はコチラ⇒AZAZEL OFFICIAL WEVSITE

265 さて、Marshall 『GALA2』。開催までとうとう1週間を切った!

5_marshall_gala_2_logo2先日Mayoちゃんが参加するTHE CORAL CANDIESのリハーサルがありましてね、様子を見に行って来た!

120r4a0004sun-goさんの指導の下、もうみんな真剣!

120r4a0012リハーサルのためにひとりで徹底的にリハーサルしてきたMayoちゃん。

120r4a0018真剣!

120r4a0038そんな皆さんの熱意に応えるべく、私も熱唱!
この日はまきちゃんが来れなかったからね。
え?熱意に応える必要はないって?まぁな。

12腕利きの皆さんが集まってくれたおかげでサクサクちリハーサルが進んだ。

120r4a0063Mayoちゃんのチーム、THE CORAL CANDIESは…
SHOW-YA、dead branch brothersの五十嵐☆sun-go☆美貴。

Sun_goアコメタルで人気絶頂の大山まき。

Maki3池尻家からテクニシャン、池尻喜子。

8_LAZYgunsBRISKYのAzu。

AzuそしてMayoちゃん。

Mayo2もうチケットは完売けど『Marshall GALA2』にお越しになる方、お待ちしています!

120r4a0071 

200_3_2 

(一部敬称略 2019年9月6日 厚木THUBDER SNAKEにて撮影)

2019年11月 3日 (日)

CONCERTO MOON~OUROBOROS TOUR 2019千秋楽

 

6_marshall_gala_2_logo2_3新たに芳賀亘を迎えて制作したアルバム『OUROBOROS』のリリースを記念して行われたツアー『OUROBOROS TOUR 2019』の千秋楽のレポート。
7月20日には

10会場は目黒鹿鳴館。
CONCERTO MOONのホーム。
7月20日にも鹿鳴館のライブがツアーに組み込まれたが、Marshall Blogでレポートしたようにその時はイベントでの出演だった。
今回が本チャンの鹿鳴館でのステージとなる。30コレが『OUROBOROS』。
新しシンガーを迎えてのセルフ・カバー・アルバムだが、「声」が変わると「音楽」は別のモノの変わる…のいい例。

20cd島紀史、以下は「ノンちゃん」である。

40v芳賀亘

50v三宅亮

60v中易繁治

70v河塚篤史

80vノンちゃんの背後はもちろんMarshall。

90やっぱりコレである。
こういう音楽にはこういう光景が不可欠なのだ。

100ノンちゃんの愛器MAJOR 1967。

8_110セッティングはこんな感じ。
PRESENEはわかるけど、BASSも「0」というのが意外じゃない?

8_120足元のようす。

130そのお隣のようす。

140千秋楽のオープナーは『OUROBOROS』収録の「Alone in Paradise」。

150芳賀ちゃん、今日も絶好調。
ス~っと声を出してくるからね、涼し気にス~っと。

160一方、コチラは鋼鉄よりも岩石よりもドシっと音を出してくるからね、重々しくドシっと!

170v2曲目も『OUROBOROS』から「Surrender」。

180_srステージ中央に出て猛然と島節を繰り出すノンちゃん。
「島節」…いいダシが出るぞ。

190「みんな大丈夫ですか?」
そうだ、この日は台風15号が関東に上陸してしまってそれこそ雲行きが怪しかったんだ。
「こんなにたくさんの人に集まってもらってとてもうれしいです。
イザ二を空けてみたら会場にはオレたちだけ…なんてことになったらイヤだからな!」
そんな、スパイナル・タップじゃあるまいし!
200mc「今日はツアー・ファイナル。台風で帰れなくなったらどうするか…みんなで白木屋へでも行くか?
最後まで楽しんでいってください」
こういう時、もうひとつの選択肢として「帰れなくなったらどうするか?朝まで演るか!」とお客さんを喜ばせるやり方があるが、私もこういう現場に出入りするようになってカレコレ45年近くになるけど、そう言ってお客さんを喜ばせておいて朝までライブを演り続けたバンドは見たことがない。
そこはさすがノンちゃん、できないことは言わないで「白木屋」で押さえ込んだところがニクイ。
しかし、調べてみると、同じ「白木屋」でも夜中の2時か3時までしか営業していない店舗もあってみんなで行くには下調べが必要のようだ。
260vMCに続いては「Fight to the Death」。

210_ftd惜しげもなく入魂のソロをキメまくるノンちゃん。
もちろんその度に大きな歓声が沸き上がる。

210v「Run to the Sky」、ここまで『OUROBOROS』の収録曲でつなげて来た。

220rts前回のイベントの時は結構出し惜しみしていたからね。
今日は自分の声でレコーディングしたアルバムの曲が大放出だからね、芳賀ちゃんのハジけようが見ていて気持ちいい!

230v_oaoココでニューアルバムから離れて「Over and Over」。

240もちろん旧作のネタもバッチリだ。

250「ニューアルバム以外からの曲を演ります」という短いMCをはさんで「The Last Betting」。

270_tlb1998年のセカンド・アルバム『From Father to Son』から。

280もう1曲は「Tears of Messiah」。

290tom本編のこの2曲では白いストラトを使用。
ギターが変わっても当然ノンちゃんサウンドは変わらない。
いわゆる「島音」だ。
この場合、沖縄は関係ない。

300ココで亮くんのキーボード・ソロ。
340いいよね~、キーボーズ。
SHOW-YAとか、APHRODITEとか、BLINDMANとか、Marshall Blog的には比較的頻繁に出て来るキーボード・ソロだけど、若いバンドさんなんかのコンサートでこういうシーンを見ることはできなんでしょうナァ。
このハードロックの一種の様式美を未来に伝承したいものです。

S41a0488 ところで亮くん、今日お誕生日なんですって!
おめでとう!
ということでもう1枚、バースデイ記念で写真追加!

S41a0020 ショウは後半。
また『OUROBOROS』に戻って「Holy Child」。

350_hc芳賀ちゃんはお召替えして再登場。
全く汗ひとつ流さなかった前半に引き続き相変わらず涼しそう!

360vこちらは熱血ギターで汗みどろ。
同じステージに立っているとは思えない。
しかし、Marshallを背中にしたギタリストはこうなるのが当たり前なのだ!…ホンマか?

370さらに「Into the Fire」。

380_itf今日も几帳面で折り目正しいドラミングが魅力的な河塚さん。
絶対にミスをしない…ように見えるし、実際そうなのだろう。
間違いなく机の引き出しの中がキチンとしているタイプだ。
私もそういう人になりたかった。
390どんなことがあっても自らの道を突き進む鉄人、島紀史。
私にとっての「鉄人」は28号でもなく、ルー・テーズでもなく、衣笠祥雄でもなく…島紀史なのだ。

400v「5月にアルバムを発売して、ツアーが6月から始まり今日でファイナル。
これからは新しいアルバムの制作に入ります。
来年の5月、6月、7月………6月をメドにこのツアーで得た経験とモチベーションを詰め込みます。
期待して待っていてください。
さぁ、ここからはより一層激しく行きますよ!」
480キラー・チューンのひとつ「Savior Never Cry」。

420_snc人気曲だけに一層の盛り上がりを見せる!

430ノンちゃんと芳賀ちゃんを容赦なくプッシュする3人!

440

450v

460v続けて「Noah's Ark」。

470_na再度ノンちゃんから台風の日に集まってくれたファンにお礼の言葉が贈られて本編の最終セクションへ。

490_inoまずは「It's not Over」。

500最後の最後までスロットル全開の鉄人のソロ!

S41a0723 そして最後は「Dream Chaser」。
このコンビネーションもスッカリ板について来た!

515そしてエンディング!
本編終了…外の様子はどうなってるんだ?

520アンコールの1曲目は「Father to Son」。

530_ftsこの表情!
アンコールでも渾身のプレイで観客を圧倒!

540vさらにもう1曲!
この盛り上がりようを見よ!

550その大きな歓声にガッツリと応えた5人!

560v

570v

580v

590

600そして、ノンちゃん…

610ルーティンで完全燃焼!
でも台風のライブはコレだけでは終わらなかった。
620「OUROBOROS」シャツを身にまとって再び登場!
大丈夫なのか…外は。
「こんな嵐の日はパーティなんだよ…ってブラックモアズ・ナイトのベースの人が言ってた。
ツアーを終えて来てこんなに素晴らしい夜を迎えることができました。
これからのアルバム制作に勇気を頂きました!
最後にもう1曲演ります!」

625vファンが狂気乱舞する中、文字通り「嵐のライブ」は幕と閉じた。

630v

640v

650v

S41a1009

660vCONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

670vさて、島紀史が出演する『Marshall GALA2』…おかげさまですべてのチケットを販売し終わりました。
正直、ホッとしました。
チケットをお買い上げの皆さま、本当にありがとうございます。楽しんでいらしてくださいね~!

6_marshall_gala_2_logo2…ということで、ノンちゃんが出演するのは『GOTWEE3 with KAZUE AKAO』。
「Marshall=ブリティッシュ・ロック」の権化のようなネタをご披露頂きます。
Non小笠原義弘

Ogan山口PON昌人

Ponそして赤尾和重。

CazGALAグッズもよろしく。
会場限定発売です。

今回初登場のトートバッグ。
幅34.5cm×高さ37cm。
ん~、大き過ぎず、小さ過ぎず、実にいいサイズで1,500円(税込)。

0r4a0518もうひとつは、『Marshall GALA2』シャツと…

0r4a0539

0r4a0541ランヤード…。
パスは付いていません。0r4a0532それがMarshallメッセンジャー・バッグに入って3,000円。
コレは前回と同じですな。
前回、アッという間に売り切れてしまったので、お買い逃がしになられた方、今回是非ゲットしてくださいませ。

0r4a0074

Mblogo 

(一部敬称略 2019年9月8日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2019年10月26日 (土)

祝、Silex活動再開!

 

06mgノルウェイのチームだとか…。
同じスカンジナビアのスウェーデン、あるいは近隣のフィンランドに比べるとノルウェイのロック・バンドってのは馴染みがないな。
CIRCUS MAXIMUSというバンド。
「メロディック・プログレッシブ・メタル」という範疇に入るらしんだけど、シンガーの声が信じられないぐらいキレイなのにはビックリした。
東京で2回の公演をこなしたCIRCUS MAXIMUM。
その2日目のオープニング・アクトを務めたのが…

10vSilex!
メンバーを大幅にチェンジしていよいよ活動を再開させたのだ!
うれしいね~!

20新しいメンバーは…
Dan Figueiredo(ダン・フィゲレイド)

30vMASHA

40v「つよぽん」こと大西つよし。

50v内田伸吾

60vメンバーが変わろうがナンだろうがMASHAくんはMarshall。

70v愛器JCM800 2203を携えての活動再開。
以前は1987だったっけか?

80vSilexの新しい声としてDanのお披露目はもう済ませてはいたものの、バンドとしてSilexの姿を現したのはコレがはじめて。

90記念すべきその1曲目は「Arise」。

1002017年のフル・アルバムのタイトル・チューン。

110「バンド形態」といっても、つよぽんと内田さんはサポートでの参加だ。
しかし、そんな風には思えないカッチリとした仕上がりで…

120伸びやかで迫力のあるSilexの新し声をサポートする。

130vMASHAくんもうれしそうだ。
そして楽しそう!

140vリズム隊の2人も鬼気迫るパフォーマンスだ!
つよぽんはEITAちゃんのバンドの取材で過去に何度かご一緒させて頂いている。

150vもう本番の直前まで熱心にプレイの確認をしていたつよぽん。
コレ1回で終わっちゃうなんてお気の毒…でもそういうお仕事なのね。
270v聞けば内田さんはSHOW-YAのsun-goさんのチームでGALA2にご登場頂く池尻喜子さん系列の方々ととても近しくていらっしゃる。
当然、NATALドラマーのショボンちゃんとも懇意。
いくら業界が狭いとはいえ、こういうご縁はうれしいね。

160それと、内田さんRushの大ファンとおっしゃるんだけど、新しめのヘビィメタルにも造詣が深く、その知識に舌を巻いた。
イヤ、何よりもいつもMarshall Blogを読んで頂いているのがうれしかったね。
汗みどろの大熱演がスゴイ迫力!

S41a01462曲目は「Standing on the Grave of Yesterday」。
デビュー音源をリリースする前にMASHAくんから聴かせてもらったのがこの曲だった。
私にとっても思い入れがある曲。

170ナントならば、Marshall Blogは2016年9月25日のお披露目ライブを取材しているのだ。
あの時も内藤新宿だった。

180めくるめく美しい旋律で構成されるMASHAくんのソロは相変わらず。

200vやっぱりMarahallだよ。
やっぱり真空管アンプだよ。
ミュージシャンなのにコレがわからない人がいるのが困っちゃうんだよね~。
重いとか、デカいとか、メンテが面倒だとか…いつからみんな音を犠牲にして利便性を採るようになっちゃったんだろう。
MASHAくん、頼むぜ!

190vMASHAくんからご挨拶。
ごく簡単にね。
今日は持ち時間が長くないので、言葉より音!

0r4a0247続いて「Misery」。
これまでライブで何度か演奏していたものを、新しいSilexの「声」であるダンの加入に合わせてMASHAくんが作り直した。
アルバム未収録のナンバー。
こういう機会にそういうステイタスの曲をかけるところがMASHAくんが新生Silexにかける思い…だと私なんか思っちゃうワケよ。210v今日のお客さんはもちろんヘッドライナー目当ての方々が多いんだろうけど、客席を見るとSilexの演奏を食い入るように見ていたのがうれしかったナ。

2204曲目は「Destiny」。
ホラね。
コレはこの日のための新曲。
ダンとの出会いにインスピレーションを受けて作った曲だという。
リスナーはサビのポジティブさを感じ取らなければならない。
新生Silexのキラー・チューンになりそう!
イヤ、なるね。225v後半に入ってますます切れ味のよいソロを聴かせるMASHAくん。

230vこの2人のフロント陣は来年からの日本のメタル・シーンのひとつの大きな駆動力になることは間違いないだろう。

240ナゼ「来年」からかと言うと、今回のステージはリズム隊がサポート・メンバーだったが、来年からは石川達也が正式メンバーとして加入して安定した活動が望めるからだ。
新しいSilexのドラム・サウンドはNATALで…ああ、大きな楽しみがまたひとつ増えた。

300v最後の曲に入る前にDanが短いMCをしたのだが、日本語は一切なし。英語。
いいね~。
ポルトガル語だともう「フェイジョアーダ」ぐらいしかわからないけど、英語ならバッチリだ。
MASHAくんの朴訥としたMCとダンの英語のMC…この辺りも将来オモシロくなりそうだぞ。

255vそして最後はSilexのスタンダード、「Cansion da Amor」。

250v30分という短い時間ながら怒涛の演奏で重責を果たし、また華麗な再デビューを飾ったSilex。
MASHAくん、まずは活動再開おめでとう!
来年からの本格活動を首を長くして待っているぜ!
280

0r4a0388

260Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Official Website

290さて、『Marshall GALA2』。
日に日に開催が近づいて段々ビビり出している私です。
まだまだやらなければならないことが山ほど残っているけどどうすんの?
大丈夫、皆さんのご援助を得て着々とこなしております!
後は私の司会か…それが問題だ。
  
ところでMASHAくんには第1回目に続いてのご出演をお願いした。
アレね、3年前、MASHAくんのチームはTHE SHRED MASTERSと名乗ってオープナー(トッパーという言葉は変です)で登場してもらったんだけど、演奏が始まった瞬間の客席からの反応は決して忘れないよ。
もうあの時「あ、コレは行ったな」と第1回目のMarshall GALAの成功を確信したのです。

300mg今回、若干の変更があったものの、メンバーはこんな感じ。
チーム名は「THE GUV'NORS(ザ・ガヴァナーズ)」。
コレ、秋冬の格好をしているけど今じゃない。
こんな寒かった頃からMarshallの事務所に集まって着々と準備を進めて来たのだ!
そう、ジムが6人目のメンバーなのです。
310最近は東京のガヴァナーさんもオリンピックのマラソンで大変なことになっちゃっているようだけど、今回もMASHAくんのチームはMarshallのエフェクト・ペダルの名称である「THE GUV'NORS」を名乗ってトリプル・ギターでオモシロイことをしてもらうことになった。
ク~、早く観てぇ~!
コレを観ることができない、あるいは観ようと思わないロック・ファンの皆さま…ゴメンね。
我々だけで楽しませて頂きます!
 
THE GUV'NORSは…
MASHA

320v大人気のI Don't Like Mondays.からChoji。

330v元Tornado Grenadeの真壁雄太。340vベースは藍。

350vそしてドラムスは石川達也。
Silexの新ドラマー。

360vイープラスの残りチケット情報ではまだ「〇」になっているけど、おかげさまでかなり少なくなって来ました。
売り切れになる前にお友達とお誘い合わせの上チケットをゲットしてMarshall GALA2へゼヒお出かけください。

Marshall GALA2の解説はコチラ⇒Marshall GALA2の見どころ、楽しみどころ、味わいどころ

200 
(一部敬称略 2019年10月23日 HOLIDAY SHINJUKUにて撮影)

2019年10月22日 (火)

よしこセッション vol.3~池尻喜子登場!

10_2 今日の記事は珍しいよ。
主役はキーボード・プレイヤーだもん。
Marshallも70年代には一生懸命キーボード・アンプを作っていたんだけどね~。

20v『よしこセッション』というライブ。

30セッション・リーダーの池尻喜子。

40v加治良浩
180v_2加治伸浩

60v_2shinpei

70v喜子さんは五十嵐☆sun-go☆美貴さん率いるTHE CORAL CANDIESで『Marshall GALA2』にご出演頂く。
実はこの日が初対面だった。
当初、前回のGALAでNEO-ZONKというプログレッシブ・ロック・トリオで衝撃のパフォーマンスを披露してくれた長崎祥子ちゃんに出演をお願いしたのだが、すでにガッツリ予定が入っていたので断念。
すると祥子ちゃんがそれに責任を感じて代わりの女性キーボード・プレイヤーをご紹介くださった。
それが喜子さんなのだ。
まさかリハや本番でいきなり顔を合わせるワケにもいかないので、お願いして喜子さんが出演するライブにお邪魔させて頂いたというワケ。
こうしてステキな仲間に出会うことができるのもGALAのイイところなんだよな。

85v…と思ったらアータ、喜子さんはウチのNATALプレイヤーの伊藤ショボン太一と大の仲良しだっていうじゃないのよ!
ショボンちゃんもNEO-ZONKだったからね、その辺つながっていた…ということですな。
ショボンちゃんにもGALA2への出演をお願いしたんだけど、超人気ピアノにスト、SANOVAさんのサポート仕事が入っていてNG。
そのSANOVAさんのトリオでベースを弾いているのが喜子さんのご主人なのだ。

86v『よしこセッション』は今回で3回目となるそうだ。

90オーププ二ングは「Night Street」。
ギターの加治さんの曲。

110_2「フュージョン・ロック」というか「ロック・フュージョン」というか…そもそもジャズとロックが「fuse(融合する)」したのが「fusion」だから「フュージョン・ロック」はおかしいか。
ロックよりのフュージョン。
方角で言えば「南南西」とか「北北東」とか…「南」と「北」がロックで「西」と「東」がジャズだ。
ん~、我ながらわかりやすい説明!…でもないか。
でもこんなことをしてるのね、喜子さん。

120「ハイ、こんばんは!今日は木曜日というお忙しい中お越し頂きありがとうございます!
私は主人の池尻晴乃介と『池尻家』として活動しているのですが、『よしこセッション』は自分の名前を付けて自分の好きな人と、好きな音楽を演っていま~す」
なるほどね。

S41a00782曲目は…アララ、こんなところで!

130ゲイリー・ムーアの「Sunset」。

100v良浩さんのリクエストかな?
KellyさんやMASHAくんなんかも演っていたけど、みんなこの曲好きだな~。
良浩さんはMarshallを使用。

80vベースの伸浩さんは良浩さんの双子の弟さん。
コチラはコチラで「加治ブラザーズ」としてご兄弟で活動されている。
海外ではThe Kinks、The Beach Boys、The Allman Brothers Band、Marshall Tucker Band、Van Halen、CCR、The Carpenters、Sparks、Heart、AC/DC、Oasis、The Brecker Brothers、…、日本では古くはザ・タイガーズ、チェッカーズ、イエローモンキー、マキシマムザホルモン、ミュータント・モンスター…等々枚挙にいとまがないけれど、コレってどういう感じなんだろう。
職場が同じワケじゃなない?
歳が離れた妹しかいない私には感覚がどうもわからない。
うらやましい。

140vこの曲を初めて演奏したという喜子さん。

150v続いては加治お兄ちゃんをフィーチュアして「天城越え」をマーティ・フリードマンのアレンジで「Amagigoe」。
0r4a0106_3天城峠は三島と下田を結ぶ「下田街道」の一部で、伊豆と桜でその名をよく知られる河津町の境にある峠。
昔は街道一の難所とされていたが、明治37年(ウチの父方のお爺さんの生まれた年だわ)に天城隧道が完成して一気に行き来がラクになった。
情感豊かにメロディをナゾる良浩さんのギターが昔の峠越えの厳しさを表現しているようだ。

S41a0024 ココで脱線。
しかも以前にも出したネタ。
上に出て来た「天城隧道」ね。「隧道(ずいどう)」というのは「トンネル」のこと。
ココで出て来るのが吉村昭の『高熱隧道』。
黒部第四ダムの導水トンネル工事の物語。
建設会社のモデルは佐藤工業。
とにかくオモシロイ。
私はコレで吉村昭のファンになり100冊近くを蔵書しています。

Kz吉村昭はもう一つ、『闇を裂く道』という丹那トンネル建設に関するノンフィクションを書いている。コレがまたヤケクソにオモシロかった。
喜子さん、GALAが終わったら秋の夜長に吉村昭などどうかしらん?YmMCでは『Marshall GALA2』の告知をしてもらったよ。
そして、オリジナルTシャツの自慢大会!
喜子さんは、胸にに家紋、背中に「池尻家」のロゴサイン。
アレ?
喜子さんの家は(正確には晴くん?)「尻」ではなくて「㞍」なんだ。
戸籍がそうなってるんだろうね。
「㞍」は「尻」の異体字で、珍しい部類に入るらしい。

170加治ブラザーズは胸に風神&雷神をあしらった。
弟さんが雷神。190背中には「弟」の文字が!
とてもわかりやすい。

200vお兄さんは当然「兄」だ。
コレ気になってたんだよね~。
ウチのセガレたちも相当仲がいいけど、兄弟っていいね。
260v_2さぁて、ココで喜子さんのオリジナル曲を披露。
さっきから「よしこさん、よしこさん」ってやってると何やら三平になった気分だな。

200まずは「Breaking the Limit」という曲。
コレは6/8と4/8が組み合わさっているのかな?
スケールの大きいハードなナンバー。
昔風に言えば「プログレッシブ・ロック」だけど、メロディは今風。
「今の若い人のプログレッシブ・ロック」という感じかな?
やっぱりこういうのはいいね。

240v_2「私は作曲の経験がなくて、それがかつてはコンプレックスでもありました。挑戦してみようと思って厄年だった3年前に次の曲を作りました。
『厄年』という曲なんですが、この曲ができてから活動がひろがり、厄払いになりました」

160v_2ということで、曲は「Yakudoshi」。

250_2ソロ・ピアノによる静謐なイントロから…

S41a0008 ヘヴィなワルツに!

230vコレが滅法カッコいい。
ナニよ喜子さん、ドンドン曲を作るべきですぞ!

220v_2この曲では加治弟さんがダイナミックなベースソロを披露。

8_s41a0223 そして、鍵盤を叩くのが楽しくて楽しくて仕方ない!という風情の喜子さん。
こういう人は見ていて実に気持ちがいいですな。

310「いよいよ最後です。ドリーム・シアターを演ります。
ドリーム・シアター大好きなんです。
そもそもドリーム・シアターが好きになったのもこの3人の影響なんです。
最後は私が絶対演りたいと思ってリクエストした曲です」
Dream Theaterは「ドリムシ」って言うんですってね。
 
「ドリムシ」でひとつ私の研究結果を…。
以前、超ベテランのミュージシャンがどこかの楽屋でこうおっしゃっていた。
「しかしサァ、ミュージシャンも何の抵抗なくメイクをするかしないかで世代が分かれるよね。オレはダメなんだよね~」
私も高校の時にメイクをして演奏する男性バンドが出だして来て、客として見ていてあまり気持ちのいい思いはしなかった。
私はその超ベテランのミュージシャンと同じ世代ということになりますな。つまり「昔の人」ということだ。
で、コレと同じことがドリムシに言えることに最近気がついた。
私と同年代のミュージシャンや音楽好きの人に「ドリーム・シアターが好きかどうか尋ねると、かなりの確率で「どちらかと言うとNo」という答えが返ってくる。
同じハード/プログレッシブ・ロックに聴こえても、我々みたいな古い世代にはどうしても魅力が伝わってこないようだ。
私はどうかって…ヒ・ミ・ツ。
Spock's Beardあたりはかなりシックリ来るよ。
一方、若手ミュージシャンとなると、喜子さんのようにドリムシを崇め奉っている人たちの何と多いことよ!
はい、ココ。ココね。
すなわち、ドリーム・シアターの音楽を受け入れることができるかどうかがひとつの世代の分かれ目になっているということだ。
昔にもコレと同じ現象があって、エルヴィスなんかそうだよね。
私が思うにエルヴィス・プレスリーが好きで聴いている人はビートルズ以前の人。
受け付けない人はビートルズ以降の人。
ま、大ざっぱな話ですけど。

280v演奏したのは「Dance of Eternity」という曲。

290v鬼気迫る演奏。

S41a0193_2 ドラマチックに、そして複雑に展開する曲をスラスラと編み上げて行くところは圧巻だ。

300そして、とても楽しそうだった!

270v後日、喜子さんがGALAの打ち合わせで事務所に来てくれた。
Zappaの濃いところはもちろん、Areaだの、PFMだの、ポチャカイテ・マルコだの、辺境のプログレからジャズ、クラシック、民族音楽までヘンテコなヤツをタップリ聴いてもらい、大変喜んで頂きました。
そう、世代で分断される音楽って不可逆的なんだよね。
つまり年寄りは若手が好む音楽を受け入れることはできないが、若者は良質でありさえすれば過去の遺産を受け入れることができる。
このことが示すようにロックが生き残るためにすべきことは「温故知新」しかない。
機材も含めてね。

330…ということで、池田喜子さんは五十嵐☆sun-go☆美貴さん率いるTHE CORAL CANDIESで『Marshall GALA2』に参加して頂きます。
THE CORAL CANDIESは…
 
SHOW-YA、dead branch brothersの五十嵐☆sun-go☆美貴。

Sungアコメタルが大人気の大山まき。

Maki2LAZY guns BRISKYのAZU。

Azuそして、M.D.M.S.、AZAZELのMAYO。

Mayoそして池尻家から池尻喜子。
もう濃い~ミュージシャンが大集結!
ところで、そんなスゴ腕が集まってナニを演るかって?

8_ヘヘヘ、知ってるけど教えない。
ひとつだけいいことを教えてあげよう。
『Marshall GALA2』はマジで長尺のイベントゆえ、5時キッカリ、英語で言えば「Five sharp」に開演します。
それに遅れることのないように!
 
イープラスの残りチケット情報ではまだ「〇」になっているけど、おかげさまでかなり少なくなって来ました。
売り切れになる前にお友達とお誘い合わせの上チケットをゲットしてMarshall GALA2へゼヒお出かけください。

Marshall GALA2の解説はコチラ⇒Marshall GALA2の見どころ、楽しみどころ、味わいどころ

690_mg2喜子さん、スッカリゴキゲンでございます~!

340v 

200 
(一部敬称略 2019年8月8日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2019年10月21日 (月)

【勝手に犬フェス】『宇宙一超絶技巧雑技団 2019』~犬神サアカス團を単毒公演<呪怨の理>

 

05ということで、今回は【勝手に犬フェス】の第2弾。
普段Marshall Blogの記事を書く時、音源を聴くことができる場合はその音源を参考にして文章を書いているんだけど、昨日、それをやっていてつくづく思ったね。
「やっぱり犬神はカッコいい」…と。
破天荒にカッコいいよ。
その犬神サアカス團からギターの犬神情次2号とベースの犬神ジンが今年いっぱいで脱退する。
25年も続けて来たのに…だ。
昨日の記事に日本のロック産業に対する呪怨を幾分書かせて頂いたのでもうそれについては触れない。
こっちも商売があるからサ。
とにかく色んな音楽が存在していて欲しいんだよね。
そんな色んなロック…放っておけば普段耳に入って来ないような良質なロックをジックリと鑑賞するコンサートが『Marshall GALA2』。
最近、「音楽を聴くロック・コンサート」って絶滅したでしょ。
そりゃ激しい音楽に合わせてピョンピョン飛び跳ねたり、グルグル回ったりするのも楽しいのかも知れない。
でも、それなら盆踊りに行きなさい。楽しいぞ~。
町の盆踊りなら無料でいくらでも櫓の周りをグルグル回れるじゃん。
私はやっぱり才能あるアーティストが全知全霊をかけて生み出した音楽をジ~ックリと鑑賞する場がロックにもあっていいと思ってる。
Marshall GALAではそれをやりたいの。
演奏を聴いた上で、興に乗ってイスから立ち上がったり、手拍子を打ったり、一緒に歌ってもらってももちろん一向に構わない。
自然発生的であれば、それはとてもステキなことだと思っている。
実際、私だって若い頃にはそんなことをしながらロックを楽しんだ。
そんなコンサートに現体制の犬神サアカス團が出演してくれる。
恐らくは残されたスケジュールの中で最も大きな舞台となるだろう。
どうか『Marshall GALA2』をお見逃しなく。
 
そういえば、先日犬神サアカス團とは全く縁もゆかりもないバンドのコンサート会場で2人の女性が私に声をかけてくれた。
「犬神のライブで写真を撮っていらっしゃる方ですよね?」
その日も撮影の仕事でカメラをブラ提げていたので、すぐに私だとわかったのだろう。
少し言葉を交わした後に『Marshall GALA2』の案内をさせて頂いた。
その方々はGALAをご存知でいらしたが、「行くかどうかわからない」とおっしゃる。
その後どうされていらっしゃるかな~?チケットをお買い上げ頂いたかな~?
もしまだだったら、まだ少しだけチケットが残っています。
おいでなさい…犬っ子であれば万難を排してお越しなさい。
そして、東京キネマ倶楽部の大きなステージの上に立つ、25年の歴史を持った犬神サアカス團の姿を瞼に焼き付けてください。
『Marshall GALA2』のご案内は記事の最後で…。

10_galaさて、Marshall Blogプレゼンツ【勝手に犬フェス】の千秋楽は年に一度の下北沢「小劇場楽園」から。
これで何回目かな?
「1年」の早さがどれぐらいのスピードかを知るバロメータ的イベント。
だって、すぐにやって来るんだもん。
近くなると明兄さんから電話が来ていつも驚いちゃう。
「え!ウッソ!もう楽園?早いな~」って。
まずステージに現れたのは私のカワイイ後輩、橋沢進一。

20橋沢さんはこのイベントのプロデューサー。
「このイベント」と言っても、実は今まで慣れ親しんで来た「BAKA EXPO」ではない。
今回は『宇宙一超絶技巧雑技団』と題した日替わりのステージ・ショウ。
お芝居あり、犬神のようなライブありのバラエティに富んだイベントだ。
笑っちゃったよ、だって『フランダースの太』とかいうお芝居がかかってるんだもん。
「犬」じゃなくて「太」…「、」の位置が違うんだって!

30v橋沢さんのご挨拶に続いて犬神サアカス團がステージに上がる。

40さて、イベントのタイトルは変わっても内容は変わらない。
2部構成で、第1部はコント。
今回もお客さんのご協力を得ての企画。

50事前にお客さん全員に何か好みの言葉をひとつ紙に書いて提出して頂く。
團員がその紙をひとつ選んでお芝居を加えてドラマ的に読み上げるというもの。
團員の演技の力量が問われる実にシビアなコントだ…というのは誇張だが、橋沢さん曰く、実際に演技の訓練に使われる手法だとか。

60v百戦錬磨にして…

80頭の回転の速い犬神團員のことだからして…90vこんな感じ。

70凶子姉さんも大熱演!

100お客さんに提出頂いたメモすべてを演じきって第1部は終了。
しばし休憩。
そして、第2部はお待ちかねの生演奏だ。

110今日のMarshallは今年発売となったSC20HとSC212。
情次兄さんがいつも使っているJCM800 2203をギューっと小さくしたモデル。
コレが素晴らしい…当然大ヒット中!

120v今日のEDENはいつもと同じTerra Nova TN501とD410XSTがひとつ。

130v今日のNATALもいつものNATAL。
いつものサウンドでうれしいなッ!

140そしていつもの4人でスタートだ!
でも、この「いつもの4人」の姿は年末までなのだ。
ハァァ~。
この時はまだ2人の脱退を知らなかったんだよね。

150犬神凶子

160v犬神情次2号

170v犬神ジン

180v犬神明

190v今回の「楽園」の1曲目は「夕焼け」。

200_yy凶子姉さんのモノローグ。
こんな曲を演るバンドが今時他にいるか?
私はシアトリカルなネタが好きなので、こういう曲は大歓迎だ。

210v陰惨な語りの後の凶子姉さんの美しい歌声。
こんなことをするバンドは残念ながら今の日本には犬神以外にはいない。

220v凶子姉さんの「ロックンロール!」の叫び声で炸裂するドライビング・チューンは「道行き」。

230_my明兄さんの叩くNATALが楽園に鳴り響く!

240vトラディショナルなスタイルでソロをキメ込む情次兄さん。
コレでいいのだ、コレがいいのだ!255vそれを見まもるギター・ソロ・サポーターさんたち。

250「こんばんは!
今日はワンマンみたいなものです。
コントも楽しかったし、最後まで盛り上がっていくぜ~!」

260v「小悪魔エレジー」…

270_ke「栄光の日々」と続く。

280v_eh双方、最近作『Gold』に収録されている最近の頻出ナンバーだ。

290もいっちょ続けて「ビバ!アメリカ」。

300_vaこの曲が出て来る度に毎回書いてしまって恐縮だけど、アメリカ病を治しましょう。
アメリカがかつて日本にナニをしたのか勉強しましょう。
アメリカを嫌うことはありません。
アメリカがどういうことをする国かを知っておくだけでいいのです。

310v「どうもありがとう!ライブは楽しいね!」
ココで『Marsahall GALA2』の告知をして頂きました。
「今日はベスト盤からのセットリストでお送りしていますが次は昔の曲」

320v2000年の『蛇神姫』収録のバラード「カナリヤ」。

330_knry凶子さんの声は本当に美しい。
グッと聴き入ってしまう。

340今日も演っちゃう「黒い花が嗤う」。
3人でキメる例の長い長いリフというかキメは今日も最高潮にカッコいい!

350_khw

360v

370v舌を巻き巻き、そして誰かの首をギリギリ締め上げるようにして歌う凶子さんが凛々しいではないか!

380最近オリジナル作品のタイトルチューン「東京2060」。
おお~、コレを「黒い花」に続けて演るとスゲエな。

390v_2060私に言わせると70年代丸出しのロック。
ロックっていうのは例えばこういう音楽を指すのだ。

400『東京2060』から「化猫遊女」。
コレもそう…このリフ。

490_by昔に戻りたいとは思わないけど、ああ、ロックだけは70年代に帰って来て欲しい。

500この曲は犬神さんの曲では珍しく各人のソロがフィーチュアされる。

510vジン兄さんのベースも!

520vトボけた凶子姉さんと気転の利いた情次兄さんのコンビによるMCはいつも楽しかった。
来年からはもうこの光景を見ることはできない。

535「♪ロックンロール!」のコール&レスポンスは「暗黒礼賛ロックンロール」。
ウチのパソコン、「暗黒」って打つと「暗黒礼賛ロックンロール」と自動変換してくれる。
他に「暗黒」という言葉を使う機会が全くないのだ…普通そうか?

540_rrココでもロック・ギターのバイブルのようなソロを聴かせてくれる。

550そして、またギター・ソロ・サポーターさんたち。
こんな光景ももう少しで見られなくなるのか…。

560続けて『Gold』から「Gold」。

570_gl本編を締めくくったのは「ドグマの呪い」。好き!

590v

600v

610v

590_dnま、書きたくはないけど、このメンバーでの楽園はコレが見納め。
この時はそんなことツユ思わなかったけどよ。

620そして、アンコールは「最後のアイドル」。
今年もアッという間にやって来て、アッという間に終わってしまった楽園だった。
 
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

640_en最後は今日のイベントのプロデューサーの橋沢さんからご挨拶。
「皆さまありがとうございます。
楽しんで頂けましたか?
また来年やったら来て頂けますか?
またよろしくお願いします!」
橋沢さん、この時はもうご存知だったのかな?
ご存知だったんだろうね。

650v なんか昨日と今日で「残念だ」とか「悲しい」みたいな筆致でレポートをお届けしたけど、犬神サアカス團は解散するワケではありませんからね。
コレからもバンドは存続して行くし、離れていく2人も音楽活動を続けて行くワケで…みんなで応援しましょう。
でも、もう少なくとも苗字は変えないとマズイよね。
犬神家ではなくなるんだから。
「情次2号」さんはナニになるんだろう?「会田譲二」さん?
「ジン」さんは?「矢野陣太郎」さん?この名前を知っている人は私と同世代のハズだ。
そういえば、犬神さんとお付き合いし出して7年になるけど、本名を知っているメンバーは1人もいないな。
情次さんは高校の卒業生名簿でも見てみるか?
 
…ということで、『Marshall GALA2』は現体制の犬神サアカス團の最後の大舞台です
絶対にお見逃しなきよう。
まだホンの少しだけチケットが残っています…Marshall GALA2へゼヒお出かけください。

現体制の最後のライブは12月27日とのこと。
残念ながらその日はもうふさがっていつのでお邪魔することができない。
したがって現体制の犬神サアカス團のライブ・レポートをするのは『Marshall GALA2』が最後になりそうだ。
そんな機会に司会として同じ舞台に立つことができる私は幸せ者だ。
 
Marshall GALA2の解説はコチラ⇒Marshall GALA2の見どころ、楽しみどころ、味わいどころ

690_mg2※GALAの準備に追われております。「私のディープ浅草」に取り組み時間が全くありません!でも続けますから!
2人がいなくなった後の犬神さん、そんなにすぐには動かないだろうナァ。
まだまだ『ディープ浅草』のネタはあるので一時的にも引っ越し先を考えておかないとマズかな?
犠牲になるのは誰だ?
 

200 
(一部敬称略 2019年10月16日 下北沢「小劇場楽園」にて撮影)

【勝手に犬フェス】祝25周年!犬神まつり -GOLD-

 
先日開催された犬神サアカス團の恒例のイベント、『犬フェス』に参加できなかった。
Marshallの別の仕事で上海に出張していたのだ。

8_0r4a0853そこで、ライブ・レポートをつなげてMarshall Blogで勝手に「犬神サアカス團の記事のフェス」を開催すると言うのが今回の企画…といっても2連作だけどね。

8_0r4a0877 しかし、実にイヤな気分だ。
こんなことがあっていいのかね。
デビュー25周年を迎えている犬神サアカス團から、犬神情次2号と犬神ジンが今年限りでバンドを脱退するというニュースが飛び込んで来た。
もちろん「イヤな気分」というのは情次兄さんやジン兄さんが犬神サアカス團を脱退することではない。
その脱退する理由を作り出した日本の音楽シーンに絶望し、とてもイヤな気分がするのだ。
そして、恐ろしくさえもある。
詳しい事情は犬神サアカス團の公式家頁にあるのでココでは触れないが、2人に脱退を決意させた遠因は経済的な問題だ。
バンド経営を成り立たたせることが困難であることからメンバー間に活動の方向性の食い違いが生じてしまった。
もしCDがジャンジャン売れてライブ会場にもっと多くの人が足を運んでいればこんなことにはならなかった。
インターネットの登場によって、良質なCDを作っても売れず、音楽がタダ同然となり、音楽家は重要な収入源を取り上げられてしまった。
タダ同然のモノに「いいモノ」があるワケがない。
それに輪をかけているのがこの国の民衆の「大衆音楽」に対する民度の低さだ。
もうハッキリ言っちゃうけど幼稚すぎるよ。
「黒酢」だか「葱間」だか知らんが、消費者はハヤリのモノ以外に手を出すことができない。
この国は、ハヤリそうにはないものの、独創的な音楽をクリエイトしようとしているアーティストにとって音楽で生計を立てることがムズカシすぎるのではなかろうか。
そりゃ、土台好きなことをやっているのだから、たとえ売れずに食えなくてもそれはミュージシャンの自業自得というものだ。
もちろんそうした状況は日本だけではないこともわかっている。
しかし、あまりにもヒドい。
「アタイら25年やってきてやっとホンモノになれたわよ!」と自認しているバンドが食えないのだ。
25年ですよ!
「ロック」と呼ばれている音楽をチョコチョコと聴いてその気になって、始めてすぐに止めてしまう若手バンドとはワケが違う。
薄皮を剥ぐようにして自分たちの音楽を25年間も作り続けて来たバンドなのだ。
こんな状態が続くのであれば、本当に日本の「ロック」が死んでしまう。
メジャーなモノがあって、でもマイナーなモノがある…それが健全な市場環境でしょう。
聴き手は作り手が送り出すモノにしか接することができないんですよ。
マスコミを含めて作り手が「売り上げ第一」で同じようなモノしか送り出して来なかったら、その結果は推して知るべしだ。
昔はこんなことなかったんだよ。
作り手がロックがナンたるか理解していなかったのであらゆるモノを送り出してきた。
だから1970年代中盤ぐらいまでのロックは本当にバラエティに富んでいて魅力的なのだ。
 
そうだ、こんな時こそMarshall Blogがシッカリしなきゃ。
Marshallを通して本当に良質な音楽をサポートしていくのだ。
今回の悲報が私にそんな決意をさせてくれた。
私の人生はそれをやり通して終わりヨ。いわゆる「ライフワーク」ってヤツ。
 
さて、情次兄さんとジン兄さんが犬神サアカス團に在籍しているのは年末まで。
もう僅かの期間しか残されていない。
当然ライブの回数も限られている。
犬神サアカス團は解散するワケではないが、どうかこの「25年の犬神サアカス團」を大舞台で見ておいて欲しい。
11月9日の『Marshall GALA2』だ。
イギリスのMarshall本社が主催するコンサートに、25年間もの間自分たちの音楽を貫き通した現体制の犬神サアカス團をお迎えすることを誇りに思う。

04_logoさて、Marshall Blogの『勝手に犬フェス』。
第1弾はナント!8月に開催した最新ベスト盤『Gold』のレコ発単独公演のレポートだ。
遅い!今頃?なのだ!

1025周年の幟が「まつり」感を盛り上げる。

15コレが犬神サアカス團の25周年を記念してリリースされたベスト・アルバム『Gold』。
普通25周年は「Silver Jubilee」といって「銀」なんだけどね。
「銀婚式」なんかがそう。
でも、犬神サアカス團の25年の活動はその倍の「Gold」に値するだろう。20cd「Gold」ね。
私が小~中学生の時、パニック映画ブームっていうのがあってね。
このロジャー・ムーアの「ゴールド」という映画が大層話題になってたっけ。
残念ながらコレは観たことがない。
「丸の内松竹」か…有楽町の丸の内ピカデリーの地下にあった中型の映画館。何回か入ったな。
今は有楽町マリオンになってる。

25goldイギリスを代表する人気映画スターのロジャー・ムーアは3代目ジェイムズ・ボンドを演じ、歴代最多で7つの作品に登場した(『カジノ・ロワイヤル』を除く)。
「ゴールド」に縁があるのか、主演2作目は『黄金銃を持つ男(The Man with the Golden Gun)』だった。
コレもなつかしいナァ。

27gold『007』にはもうひとつ「ゴールド」があった。
シリーズ3作目の『ゴールドフィンガー(Goldfinger)』。
イギリスの名女性歌手、シャーリー・バッシ―の主題歌がメッチャかっこいいんだけど、今聴くと結構歌詞がバカバカしくて笑える。26goldいつも楽しい犬神さんの物販。

30今回も愉快なグッズが目白押し。

40コレがいい。
犬神語録の「犬辞林」。

5025年の犬神史の中で生まれ、使われて来たオリジナルの言葉をひとつの冊子にまとめたモノ。

60_2ほぼ定刻通りにショウがスタート。

80犬神凶子

90犬神情次2号

100情次兄さんのMarshall。
使用しているのは向かって左のJCM800 2203と1960A。

110犬神ジン

120ジン兄さんもいつものEDEN。
ヘッドがTerra Nova TN501、キャビネットはD410XSTが2台。

130v犬神明

140v明兄さんもいつのNATAL。

150もはや犬神サウンドにNATALのドラムスは欠かせない。

160オープニングは『Gold』のタイトル・チューン。

170_gold「アタイら25年やってきてやっとホンモノになれたわよ!」

180vポップでハードな魅力的なナンバー。
アルバムではクローザーを務めているところがニクイ。
しかし…25年目にこんなことが待っていようとはナァ。

190情次兄さんのめの覚めるようなシャープなリフは…

200_zrアルバム1曲目の「残酷楽園」。

205ドライブしまくる明兄さん!

210「こんばんは!今日は犬神まつりツアーのファイナルです。
サッポロから始まって、大阪、福岡、広島…そして今日です!
今日も最後まで盛り上がっていきましょう!」

2303曲目は「ビザール」。
もう私はビザールと言えばコレ。
かつてのフランク・ザッパのレコード・レーベル。
「Bizarre」というのは「風変わりな」という意味。
向こうの人はヘンテコリンなモノを指して「ビザ~ル!」なんて言いますな。

240v_bz暗い暗いマイナー・ワルツ。
でもこういう雰囲気がいいのだ。
他のバンドにこんなムードは作れまい。

2503人が奏でる長大なリフが(私の中で)話題を呼んだ「黒い花が嗤う」。

260_khこうしたカッコいいリフを持った70年代ハードロックのテイストが犬神サアカス團の魅力だ。

280v明兄さんが刻む小気味いいハイハットから始まるのは「栄光の日々」。

290v_ehジン兄さんのベースと…

300v情次兄さんのギターの掛け合いから…

310v竹を割ったようにスッパリと歌う凶子姉さんのボーカルズがとてもステキ。

330vMCの後は情次兄さんの歌をバックに…
460歌い込む凶子さん。
『Gold』にも収録されている「ねむり姫」。
サビ前のBb⇒C⇒Bbdim⇒Dmと進むところがカッコいい!360v続いてロッカバラード「空の色は何色ですか」。
この辺りはジックリ聴かせるところ。370_keMCをはさんでは「小悪魔エレジー」。
コレも『Gold』に収録。
男性陣のコーラスがまたいいんだよね。
370_va_3ココでジャケットを脱いだ明兄さん。
ショウは中盤に差しかかる。

380v「♪こあ~く~ま~」
しかし、「エレジー(哀歌)」なんて言葉も死語だね。

400v日本が世界に誇るジャズ・ピアニスト、穐吉敏子の1974年の『孤軍』というアルバムの1曲目はドンズバで「Elegy」という曲。
座りションベンしちゃうぐらいカッコいい曲だからジャズに興味のある人は聴いてみてチョ。

Kogun 情次兄さんのソロの最後に出て来る「Child in Time」みたいなフレーズがいいのよ。

410v「ビバ!アメリカ」が続いた!
みんなでアメリカ病を治そう!
私はスッカリ治りました。

420v今日もステージ下手で暴れまくりのジン兄さん。
もうこの辺りともなると誰も止められない。

430v情次兄さんフィーチュアで「開かずの踏切」。
「♪あの娘の心はいつも開かずの踏切なのさ」か…「遮断機」だの「警報機」だの、鉄道関連で固めた歌詞がリッパだ。

440v_af凶子さんがお休みの時、男子チームで「Z」っていうのもやったよね。
私の犬っさん歴は決して長くないけど歴史を感じるナァ。

450凶子姉さんから応援のタッチ。

455そして、ギター・ソロ

350「浅草心中」は明兄さんの軽快なドラムスが素晴らしい。

480「ニコヨン、日雇い、運転手」…「ニコヨン」って何だか知ってる?
コレ、差別用語になるらしい。
「ニコヨン」は「ケロヨン」の親戚ではない。「ケロヨン」なんて知らないか。
「ニコヨン」とは昭和20年代、終戦直後の山谷(さんや)の日雇い労務者の最低賃金だった「240円」のこと。
240円からその日の宿代80円を引いて、残りの160円は酒とタバコでなくなっちゃう。
そもそもあの辺りには山も谷もないのにナゼ「山谷」というか知ってる?
歴史は古く、平安時代にはあの辺りには家が3つしかなくて、それで「三家」⇒「山谷」になったらしい。
ホンマかいな?

470_asトーク・コーナーの後はBlack Sabbathを連想させるダークでヘヴィなギター・リフ。
いいね~、じょにちゃん、メッチャいい!

490_cg曲はコレまた『Gold』収録の「血の下僕」。

500v続いてはまた鉄道関係。
列車が走り出して…

510v_yr猛烈なスピードで駆け抜ける「夜行列車」!
やっぱり犬神はカッコいいよ。絶対カッコいい。

520じょにちゃん、イケイケ~!

530トーク&告知コーナーでは『Marshall GALA2』にも触れてもらったよ。
この時はまだまだ先だと思っていたけど、もうすぐだ~!
ショウはいよいよ最終セクション。
きょんぴとコール&レスポンスで盛り上がろう!
もちろん曲は「暗黒礼賛ロックンロール」。

540_arrr今日も「クイ」の「入り」がバッチリ決まって気持ちいい~!

550情次兄さんのソロを見守る2人。
こっちも見物なの。

560本編のクライマックス!

570_hkt_2「光と影のトッカータ」と「ドグマの呪い」で4人は燃え尽きた!(「ドグマ」はマジでカッコいい)

580v_dn

590

600

630v「アンコールお願いします」のコーナー。

640_enまずは「かわいい」のヤツ。

645明兄さんもごいっしょに!

646曲のコーナーではまず「ロックンロールを唄いきれ」。
そして「念仏谷」。
いいね、いいね~。『夜行列車極楽行』って私が初めて聴いた犬神さんのアルバムなのさ。

650v

660v

670v

0r4a0164 もう一度アンコールをお願いされて登場。
最後の最後は「最後のアイドル」で「I-N-U-G-A-M-I」と盛り上がって終了。

675

676v_2

676v犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

680…ということで、現体制の犬神サアカス團をお見逃しなく。
まだホンの少しだけチケットが残っています…Marshall GALA2へゼヒお出かけください。

Marshall GALA2の解説はコチラ⇒Marshall GALA2の見どころ、楽しみどころ、味わいどころ

690_mg2※チョット時間がなくて今回も「私のディープ浅草」はお休みします。次回も。

200 
(一部敬称略 2019年8月3日 高田馬場PHASEにて撮影)

2019年10月19日 (土)

METAL WEEKEND 2019のLOUDNESS

05去る9月14日と15日、昨年に引き続きヘヴィメタルの祭典『METAL WEEKEND』が開催された。
今日は初日のヘッドライナーを務めた我らがLOUDNESSのステージのもようをお送りする。
浅学にしてLOUDNESS以外のバンドを存じ上げなかったが、MYRATHというバンドはオモシロかったナァ。
「中近東ロック」っていうの?アチラ方面のメロディがガンガン出て来ちゃってとてもゴキゲン。
聞けばチュニジアのバンドだとか。
「チュニジア」という地名はディジー・ガレスピーの「A Night in Tunisia(チュニジアの夜)」で滅法近しい。
でも、その国が北アフリカにあるということは知っていても、正確な場所すらわかっていない。
せっかくだから調べてみると、アルジェリアとリビアの間なのね。
今、お隣の国は大変だからな。
それと、このイベントを通じてひとつよ~く勉強させて頂いたことがあった。
それは後で触れることにする。

10「8118」のオープ二ングSEに乗って現れたLOUDNESSの4人。
客席の雰囲気がガラっと変わっちゃう。

20二井原実

30v高崎晃

40v山下昌良

50v西田竜一

60vこの日の高崎さんの光景。

70世界がうらやむいつもの「Takasaki Rig」だ。
こうして「世界がうらやむ」なんていつも書いているけど、ま、実際その通り。

80そして、忘れちゃいけない高崎さんのもうひとつのリグはコレ。
「高崎楽屋行」と書かれたMarshall CODE25。
楽屋でのウォーミング・アップに欠かせない大事なアイテム。

90そしてショウがスターティン!

100このリフ!

100_cdいきなり「Crazy Nights」だ!

110ク~、この音、このフレーズ!
タマらん!

120v今回も「LOUDNESSのオフィシャル・フォトグラファー」としてお邪魔させて頂いたのだが、こうして一番前で直接「Takasaki Sound」を浴びることができるのは職権乱用か?
イヤ、前じゃないと写真が撮れないよ。
ナニせ美しく、太く、ヌケの良いトーンが快感なのだ。

130v割れんばかりの拍手と歓声を静かに抑え込むようにして2曲目がスタート。

140_hcそして二井原さんの雄たけび。
2曲目に「Heavy Chains」を持って来たのだ。

150タイトルと同じく「ヘヴィ」級のリズム隊が12ビートをうねらせる!160そう、大好きなんです私、この曲。

170もちろん高崎さんのソロも炸裂。

185「今年もMETAL WEKENDに呼んで頂いてありがとうございます!」という二井原さんのご挨拶に続いては、新しいところから2曲…
200『Rise to Glory』のリード・チューン「Soul on Fire」。

190_sof中間部のキメからの~、ギター・ソロ。

204しかし、カッコいいな。
ハード・ロック・ギターのエッセンスをすべて詰め込んだかのようだ。

210vそしてこの岩をも砕くロック・ボイス。
ジャンルを問わず歌のある音楽は「声」だ。

205vスゴイ歓声!
この曲はもう完全にLOUDNESSスタンダードだね。

220アルバム通りにつなげて「I'm Still Alive」。

230_isaブッ速いテンポを竜さんの鉄壁のドラミングが華麗に演出する。

240ドラマチックなギター・ソロ。
この曲もカッコいいな。
そう、『Rise to Glory』って名曲揃いだということを私は知っている。

250v続けて「In the Mirror」。

260v_itmココでも抜群のメタル・グルーヴを見せてくれる山下さん。
実に気持ちのいい低音だ。

270vまぁ、ココは爆発するにキマってるわな。

273誰がナンと言おうと、私のお気に入りの1枚。

275「♪ミラ~」

280高崎さんも!

290このあたり前半のクライマックスだったね。

295照明が落ちる。
ピンスポットを浴びて見上げる二井原さん。
バラードだ。

300_sl曲は「So Lonely」。
やはりいいバンドはバラード曲がシッカリしている。
ツマらないバラード曲をコンサートで演られるのはホントにツラいからね。
その点、LOUDNESSのコンサートではバラードが聴きたくなる。
それはやっぱり曲のクオリティと二井原さんのこの声があるからだ。

310vそして、感情のすべてを注ぎ込んだギター・ソロ。
330何て物語性に富んだソロの組み立てだろう。
ズッと聴いていたい。

325v二井原さんからLOUDNESSのライブ告知。
恒例となっている年末のEXシアターの開催を発表した。
楽しみ!

S41a0227 LOUDNESSの持ち時間も残すところあと4曲。
ナニが来るかと思ったらクモ!
「Black Widow」だ!
もうこの3人のインスト・パートはいつ聴いてもトリハダものだね。

350_bw

360

370そこに切り込んで来る二井原さんのボーカルズ。

380この曲ではトリッキーなソロを聴かせてくれる高崎さん。

380vでもダラダラ弾くなんてことは絶対にしない。
高崎さんのギター・ソロはいつだってコンパクトで高密度だ。
540続いては『Hurricane Eyes』から「This Lonely Heart」。

400猛然と最後のクライマックスに向かって登り詰めていくLOUDNESSとお客さん。

420_2 そして「Crazy Doctor」!

430_cdいつも通りギター・ソロでは大歓声が!

465何回聴いてもよくできたギター・ソロだ。
もうコレだけで1曲成立しちゃうもんね。
560まだまだコレで終わりじゃない。
もう一発!
最後を締めくくったのは「S.D.I.」。

480_sci_2 9月の週末を完全にメタル色に染め上げた4人!

490v

500

510

520vア~、もう終わっちゃった。
〆て10曲。
アンコールはなし。
もうチョット聴きたいね…でもまた来ればいいじゃないか。
日本にLOUDNESSがいてくれることを誇りに思う。570さて、2019年はLOUDNESSファンにとって、とてもうれしい年末となりそうだ。
 
まず、20周年を迎えた『SUMMER SONIC』の東京公演の模様が10月22日に合計12時間に及ぶ大ボリュームでWOWOWで放映される。
「♪WOWOWに入ろっかな?」ってか?
LOUDNESSが出演したのはDAY1なので放映はお昼の12:00からの部。

そして、26日には『伊藤政則のロックTV』で今日レポートした『METAL WEEKEND 2019』の模様をオンエア。
 
さらにステージで二井原さんが紹介した2019年の締めくくりのEXシアター。
『LOUDNESS World Tour 2019-2020 THANK YOU FOR ALL Chapter1: Ampan vs Dragon』と題した単独公演。
チケットの発売は11月9日…東京キネマ倶楽部へ出かける前にチケットをゲットしましょう。
そして、その前日は同じくEXシアターで、LAZYが『宇宙船地球号』をライブで完全に再現する!
スペシャル・ゲストはGRANRODEO。
コチラも楽しみ~!
 
LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

580しかし、ロック・コンサートのステージの光景もスッカリ様変わりしてしまったね。?
ギター・アンプがステージに見当たらないバンドばっかりなのよ。
もちろんこっちもプロなんで、世の中のトレンドがナゼそうなっているのかは百も二百も承知よ。
デジタル・テクノロジーの隆盛よ。
でもね、この日、私は高崎さんのギターの音に接して確信を高めたよ。
やっぱりどんなにPAの技術やデジタルのテクノロジーが進化しても、アンプが作り出すギターの音に関しては、真空管アンプが最高峰であることを再確認したのだ。
弾き手が「高崎晃」ということを割り引いてもコレは間違いない。
永遠の定理なのだ!

590そんなギターのサウンドをタップリ聞かせる今となっては珍しいイベントがコチラ。
11月9日に東京キネマ倶楽部で開催されるMarshallの祭典『Marshall GALA2』。
年末のLOUDNESSのチケットをゲットしてからゼヒお出かけください!

『Marshall GALA2』の見どころ、楽しみどころ、味わいどころはコチラ⇒Marshall Blog
 

200_2

(一部敬称略 2019年9月14日 ZEPP DIVER CITYにて撮影)

2019年9月20日 (金)

関東ギターエロス vol.61~Luther Smoke Dokeyes他

05_2あの「右折禁止」に注意しながら今日は西川口Heartsから。
Marshall Blogでは初めてレポートさせて頂く『関東ギターエロス』というイベント。
恐らくはノリ一発で決めてしまったのではないかと想像に難くないイベント・タイトルがいい。
こういうシリーズものは、まず良いタイトルをつけてやらないと長続きしない。
「関東ギターエロス」…いいじゃないか。
ね、61回目だもん!

10v関東地区5つのライブハウスが「ウチの一押しバンド」を出し合って構成されるライブ。
今回の幹事は西川口Hearts。
そこでイベントはHeartsのブッキングをお努めになられているHarry原畠さんのリードで展開した。

205つのバンドに先立ってオープニング・アクトとしてステージに上がったのは弾き語りの篠木拓哉さん。

30v代々木のLIVE labo YOYOGI代表の「The Confront」。

40転換の間のMC。
コレがまた楽しい。

50本八幡The3rd STAGE代表の「microgic」

60ワイアレス・マイクを使って会場の外のロビーでMCをやっちゃう!

70新宿FATE代表の「BACK SHOW」。

80そして、横浜BAYSIS代表の「Orca-Luca」。
今風のロックからラップまでさすがショウビジネスのプロが推薦するだけあって、可能性を秘めたバリエーション豊かなラインナップとなった。
マーブロ的に記録しておくと、ギター・リフやソロをフィーチュアした従来型のロック・サウンドを聞かせてくれるチームはなし。
ま、今時はコレが当たり前でしょう。

90そして、トリ。
トリは幹事店が推薦するバンドが努める。
原畠さん、力と気合がガッツリ入って自腹でチラシを作っちゃった!
「まずバンド名の綴りがムズカシイですね~!」なんて原畠さんがおっしゃっていたが、そうなんだよね。
「Dokeyes」は「ドゥ―キーズ」とは読めんよな。
Marshallへの月報でこのバンドのことをレポートしているんだけど、「Dokeyes」をなんて読んだかはわからない。
再来月Marshall GALA2で来日したら確認してみようと思っている。

11061回目の『関東ギターエロス』のトリを務めたのはLuther Smoke Dokeyes(ルーサー・スモーク・ドゥ―キーズ)。

120Johnny

130JohnnyくんはもちろんMarshall。
ギターとMarshallの間にあるのはカール・コードだけ。

131今日は現地調達のJCM800 2203と1960Aを使用。

132vベースは伴航平。
ヴァン・コーヘー…バンド名みたいでカッコいいな~。

138v山口翔也

139vオープニングは「Ramblin Rider」。
4月にリリースした初ミニ・アルバム『Jukebox is Playin'』から。

Lsdcd オールマン臭プンプンのタイトルだけど曲はセカンド・ライン・タッチ。
「ガルシア」という固有名詞が出て来るところが好き。

140vそして炸裂するボトルネック。
今の若いバンドのギターの人たちってこういう奏法があるのを知ってるのかな?
「コリシディン」とか。
いつか奥田民生さんが元アイドルワイルドサウスの松浦善博さんと組んで「ボトル・ネック・ギター保存会をやっている」なんておっしゃっていたけど、ホント、ロック界の「絶滅危惧種」の筆頭だよな。
ムズカシすぎんだよね。
でもやっぱりいいな、このサウンドは。トロンボーンのように人類が自然に愛でることができる音色のひとつではなかろうか?

141ペダル・スティールだけど、バディ・エモンズがジャズを演奏しているアルバムなんか、もうCDやLPに頬ずりしたくなるぐらいいいもんね。
バディ・エモンズはカーペンターズの「Top pf the World」なんかでペダル・スティールを弾いている名手ね。
「Jambalaya」のペダル・スティールなんかもいいよね~。曲はハンク・ウィリアムスか…。
おっとっと、私は生涯カントリーの門外漢だった。これ以上書くとJohnnyくんにヘコまされるかも知れないのでやめておこう。
しかし、カーペンターズも今聴くと殺人的にいいな~。昔は絶対に聴かなかったけど…。
曲よし、演奏よし、そして最早トロけてしまいそうなカレンの美しい歌声。
でも今の若い人たちの口から「カーペンターズ」という言葉が発せられるのを聞いたことがない。
やはりカーペンターズも「絶滅危惧種」のひとつなんだろうな~。
Be 快調な滑り出し!

1451曲目からテンガロンハットがスッ飛ぶほどの熱演なのだ!

150テンガロンハットね~。
白馬に「テンガロンハット」というとてもおいしいパスタ/ピザ屋さんがあるんだよ。
今は大きなログハウスで営業しているけど、昔は10人も入らないような小さなお店でね。もうそこの味が大好きで長野に住んでいた時には毎週のように食べに行ってた。
ログハウスに移転した頃、お店で馬を飼ってたなぁ。
 
テンガロンハットはもちろん10ガロンの水が入ると言われていて、よく西部劇でカウボーイが帽子をひっくり返してガバっと水を汲むシーンを見かけるよね。
今の若い人たちは西部劇なんか見ないか…ジブリばっかりで。(今日は「若い人」をイジってます)
ガソリンなんかがそうだけど、アメリカは世界でほぼ唯一ヤードポンド法を採用している身勝手な国なので、容積の単位は「ガロン(gallon)」を使う。
このヤードポンド法を使っているのはアメリカとミャンマーとリベリアだけだからね。ドマイナーなのよ。
コレと日本の定格電圧100V。この2つは世界の大迷惑だ。ちなみに100Vの電圧を使っているのは世界で日本と北朝鮮の一部だけのハズ。
で、1ガロンって何リットルか知ってる?
これまた厄介なことに国よって換算値が異なる。
アメリカは1ガロンが約3.8リットル。
だから10ガロンって38リットルだぜ!
水は比重が1だから、38kg分の水があの帽子の凹みに入るというワケ。
オイオイ、そんなに入るワケねーだろ!
Johnnyくんの頭蓋骨はそんなにデカくねー!
由来後はメキシコからのスペイン語が変化したものとされているようだ。
 
まだ続くテンガロンハットの脱線。
カントリーではとてもJohnnyくんにかなわないのでジャズで対抗。
下は穐吉敏子のビッグバンドの1984年のアルバム『Ten Gallon Shuffle』。
敏子さんの作品の中では重要視されていないがアルバム表題曲や「Happy Hoofer」なんて聴きやすい曲が入ってる。
一番いいのはジャケ写かな?
この女性は敏子さんと最初のご主人でアルトサキソフォニストのチャーリー・マリアーノとの間のお嬢さん、Monday満ちるちゃん…今はもう「満ちるさん」、か。私と1歳しか違わない。
岩波文庫に『ジャズと生きる』という敏子さんの名著があるのでご覧になることをオススメする。
読めば敏子さんがどんなにスゴイ人で、もっと我々が世界に自慢してよい日本人であるかを知るだろう。
今の若いバンドさんがホイホイと海外へ行っている状況と比べてみるがよい。

Tgs 帽子をスッ飛ばしたままで続けた2曲目は「Jesus」。

160_jしかし、若いバンドさんでギター・ソロのパートが楽しみ…なんてのは本当に滅多にない。
そんなギターを聴かせてくれるJohnnyくん。

165そしてそのギターを弾きたてるアンサンブルのなんと素晴らしいことよ。

170MCをはさんで「Win Lose, Or Honky Tonk」。
もちろん曲名はアレから。

180_wlhTシャツも作っちゃった!

190vしかし、ギターの音がよろしいな~。
そりゃアンプ直結だもんね。音なんていいにキマってる。
前にも書いたけど、よくエフェクターを使わなかったり機材の点数が少ないと「男らしい」とか言うけど何ですかね、アレは?
別に男らしくなんかないよ。
ギターがウマいからそれができるだけの話でしょ?
もちろん腕だけではなく、いいアンプとギターがないとできないけどね。
ペダルなし、マスター・ボリュームなし、センド&リターンなし…コレが絶対に一番。
そうしてみると今の若い人たちが夢中になっているデジタル機器がどういうことかは推して知るべし。
ギター・アンプ、つまりMarshallは「楽器」です。
巷間のデジタル機器は「機械」ですから。
「楽器」と「機械」は別物です。
Johnnyくんはチャンと楽器で音楽を演っている。
 
チョット最近ああいうので驚くべきことがあってね…それでこんなことをまた言ってる。
要するにデジタル・アンプ系のギタリストの音って後で聞いていると音が届いて来ないんだよね。
真ん前で聴いていると好き嫌いは別にして問題はないんだけど、後の方はヤバい。
ナニを弾いているのか聞き取れなかったのだ。ジムのAキャビの話を思い出すな…あ、今度コレを書こう!
やぱりステージの中音が小さいとかそういうこともあるんだろうな。だって舞台にギター・アンプを置いてないんだもん。
ああいう現場に接すると楽器屋としてではなく、40年以上コンサートに通って来た純粋な音楽リスナーとしてミュージシャンシップを疑わざるを得ない。
いくら便利でも音楽家の命である「音」を犠牲にしていいいのだろうか?
そんなことはないでしょうねェ…恐らくステージにいるとアレがわからないんだろうな~。
まぁ、PAシステムの進化の弊害ということか?
「ギター」という楽器の地位の低下か?…こっちか。
ギターがこんな扱いじゃ、ロックは本当にヤバいよ…っていうか、機材に関して言うと自分だちで首を絞めちゃってるんだもん!
 
ひとつ提案…ギター・アンプがどうのこうのじゃなくて、今や主流のデジタルPAシステムと昔流のフルアナログPAシステムを2通りセットして、その音の聴き比べをするコンサートをやったらどうだろうか?
全然変わらなかったりして!
200このリズム隊の2人がまたいいんだ。
派手なところは一切見せずひたすらリズムに徹する。
「職人」を感じるわ。

310v堅実なドラミングだけでなくさっきの「Win, Loose or Honky Tonk」Tシャツのデザインも担当した翔也くん。
ずっとこの3人でやっていってもらいたいナァ。
今の若い人たちのバンドっていとも簡単に解散しちゃうからナァ。
頼むぜ、オイ。

230v4曲目は「Sound Like Dreams」。
ん?Johnnyくんの「ジョニー」ってJohnny Cashの「ジョニー」か?
そうであれば刑務所へ行って演奏しないとイカンな。

240_sldステージセンターで…

245紙を振り乱してのソロ!
2203から飛び出す音が素晴らしい。
「若者」にしておくのがモッタイナイ!
すぐ年取っちゃうけどね。

250vそしてコレは別の機会で新しい曲って言ってたかな?
「The Sunset」というナンバー。
しかし、歌もいいんだよな~、この人。

260v_ssココでも入魂のソロ。

270v初ワンマン公演の告知をした後、コレも新曲で「Railroad Song」。
ドンドン作ってます。
そう、作家でも音楽家でも画家でも、才能のある人って多作なんだよね。
確率の問題、つまりたくさん作るから有名になって「才能がある」ということになるのかも知れないけど、寡作の才人っていうのは少ないんじゃないかしら?
玉石混交でもいいから曲を作って作って、とにかく作るべし!

280_rsJohnnyくんの足元にはさっき書いたようにエフェクターはない…が、散らかっている。
飲み物はわかるけど、メガネや財布まで転がってる。
こういう人、好きです。どっちかというと私と同類です。

290「最後はブルースを演ります」と「Jukebox Blues」で本編を閉めた。
最近、フトした瞬間にコレ歌っちゃんだよね。
「♪堪らない夜は」というパートがアタマにコビリ付いちゃって!

0r4a0420 そのままアンコールに入って「Far East Cowboy」をプレイ。
写真はないけど、このトリオ、コーラスも果敢に取り入れている。
海外のバンドと日本のバンドの音楽的レベルの大きな違いのひとつの要因がコーラス・ワークだということを、きっとJohnnyくんは知っているんだろう。
つまり「歌」ということだ。

300_jb
短いながらも『関東ギターエロス vol.61』を締めくくるにふさわしい、実に内容の濃いステージだった!

210v

320v

330vLuther Smoke Dokeyesの詳しい情報はコチラ⇒Offcial Website

340さて、エンディング。
コレがまたオモシロかった!
各ライブハウスの方々から寸評を頂く。

350原畠さん…「Lutherは大きいところで観てみたいよね。でも、武道館じゃなくて、野音なんだよね。
よし!オレには野音が見えて来たよ!」
近くて助かります…野音なら勝手知ったるところだし。
原畠さんよろしくお願いします。
Marshallの壁、イッちゃう?

355v最後は「青春の握りコブシ」。
「関東ギタ~」…「エロ~ス!」のコール&レスポンス。
380
コレを150回ぐらいやって61回目の『関東ギターエロス』は幕を降ろした。

360ロンドンのエロス、どうしてるかな?

40v 

200_2 
(一部敬称略 2019年7月25日 西川口Heartsにて撮影)

2019年9月13日 (金)

Sound Experience 31~Strange,Beautiful and Loud, 梵天 and AN-16

 
前回めでたく30回目の開催を達成した『Sound Experience』。
つづく今回は「31回目」…新たなるステップに踏み出すべく、普段通りに開催された。
でも、珍しくトリプル・ヘッドライナー。
そして、すべてインストゥルメンタル。
この手の音楽が好きな方には最高の一夜となった。

10_2まず登場したのはAN-16。

20Akky(山田章典)
山田さんとは2017年5月にココで開催された小松優也のさよならライブでご一緒させて頂いた。
アレからもう2年以上経ったのかよ!信じられん。

40vJIN-JIN(前田仁)

50vAYA(K.)

8_s41a0019 若い感性のインスト・ミュージックとでも言おうか、従来の形にとらわれない自由な発想による器楽音楽。
トラディショナルな音楽をミッチリ勉強したうえで、こういう発想を広げ、時代の音楽をクリエイトするAN-16のようなバンドがドンドン出て来ることを期待している。

60続いては梵天。

70チャーリー田中

80vセキタヒロシ

90v星山哲也

S41a0063 「三宅さんとご一緒できることをとても楽しみにしていました」とご挨拶したチャーリーさん。
Marshall Blogにはチョー久しぶりのご登場。
何と2013年以来!
前回もStrange,Beautiful and Loudと一緒にココGrapefruit Moonでの取材だった。
その時が『Sound Experience』の何回目だったかと言うと…実はそれは『Sound Experience』ではなくて、『Harvest Moon』という梵天のイベントにSBLが客演した格好だった。
だから、もしかしたら『Sound Experience』というシーンでは梵天はMarshall Blog初登場?…かどうかは三宅さんが知っている。
全部頭に入ってるから。

110_ar_31曲目は「Arion」。
ゴキゲンな5/4拍子のヘヴィ・チューン。

130「Arion」は2016年にリリースされたアルバム『梵天~Bonten~』のオープナー。
このアルバム、ジャケットがまずいいよね。
そしてこの中にはチャーリーさんの無限の音宇宙が広がっている。

120cdチャーリーさんは以前1987Xをご愛用頂いていたのだが、今回の相棒はコレ。
なんとJCM2000 DSL100EC。
昔、私がMarshallに頼んで作ってもらった限定モデル。
D_DriveのSeijiさんが以前使っていたDSLだ。
案外こんなに時間が経って再会するもんなんですナァ。
自分の仕事の軌跡を目の当たりにするようでうれしい。
今もだけど、一生懸命やって来たからナァ。
コレでキャビがMarshallだともっとうれしいんですけどね~。

140そして、チャーリーさんのもうひとつの相棒。
私もかなりのコンサートを観て来ているけど、こんなに堂々とサンダル履きでステージに上がる人も珍しい!
以前、サンダルで新幹線に乗って名古屋から東京に来て、そのままステージに上がる…という方がいらっしゃったが、堂々さということで言えばチャーリーさんも引けを取らないだろう。

150次の「Pluto〜Tango O'Five」はチャーリーさんの5/8のアルペジオをバックに…

160セキタさんのフレットレス・ベースが幻想的なメロディを重ねる。

170星山さんのスネア・ドラムがクレッシェンドしながら入って来、曲は一部4/4拍子のパートを経て…

180チャーリーさんのハードなギター・ソロをはさみそのまま最後まで5拍子基調で走り抜ける。
特に「タンゴ」のリズムが取り入れられているワケではないが、チャーリーさん中に「タンゴ」のイメージがあるのだろう。
あるいは「ピアソラ」とか「アルフレッド・ハウゼ」とか。
タンゴか…後の人は知らないな~。
日本で最初の地下鉄銀座線はロンドンではなくて、ブエノスアイレスの地下鉄をお手本にして作られたのは知っているけど…コレはショックだった。
そもそも、アルゼンチン・タンゴとコンチネンタル・タンゴの違いもわからなかったからね。
アルゼンチン・タンゴは発祥の地、その名の通りアルゼンチンのタンゴで、楽器の中でも最高難度の演奏技術を要すると言われるバンドネオンが必ず使用される。
190v一方、コンチネンタル・タンゴはヨーロッパのタンゴ。別名「ヨーロッパ・タンゴ」。
フィンランドなんかは「フィー二ッシュ・タンゴ」っていうのがあって、とてもタンゴが盛んなんよ。
大分前にその「フィー二ッシュ・タンゴ」のCDを買ってナンノ気なしに聴いていたら「Satumaa」という知っている曲が出て来て驚いた。
Frank Zappaの『You Can't Do That on Stage Anymore vol.2』にこの曲が収録されてるの。
この曲はフィンランドではスタンダード中のスタンダード。
このライブ・アルバムはヘルシンキでの録音で、ザッパは「ご当地ソング」としてレパートリーに取り入れたのだろう。

8_vol2 「ありがとうございます。
今の曲は'Pluto'と言いまして、冥王星から頂いたタイトルです。静かな星をイメージして作りました」
 
「水金地火木土天海冥」なんて覚えたけどね。「ドッテンカイメー」と、土星のところで撥音便変化するのが気持ちヨカッタ。
英語では「My Very Educated Mother Just Served Us Nine Pizzas(学のある私のお母さんはピザを正確に9等分した)」ってやるわね。「Educated」が「Earnest」になっているのを見たこともある。
ま、我々は太陽系(英語で「ソーラー・システム」という)の惑星の名前や順番を覚えるよりこの英文自体覚える方が大変だったりするからね。
でも、コレ今は違う。
2006年に冥王星が太陽系をクビになっちゃったから。
正確に言うと「惑星」から「準惑星」に格落ちしてしまったので、「太陽系惑星」のウチに数えられなくなってしまった。
だから今は「スイキンチカモクドッテンカイ」だよ。
ちょっと関西弁みたいだ。
「オイ水金、地火木、取ってんかい!」みたいな。
一方、英語の方はどうなるか…「My very educated mother just served us noodles」なんて案があるらしい。
また、冥王星が格落ちしたことにより、「pluto」を他動詞で使って「降格させる」とか「~の価値を低く評価する」という意味が出来たらしい。
アメリカのスラングだからよい子の皆さんは覚えないでね!
英語はイギリスの言葉です。イギリス英語を進んで学びましょう。

185v次の曲もチャーリーさんの静謐なギターでスタートするスロー・ナンバー。
260vアルバムの収録されている「Funeral Dance」。
テンポはスローでも独特のギターのフレーズで織りなしていくお葬式には十分にハードだ。

200最後はアルバムに収録されている曲を2つ続けての演奏した。
まずは「Siesta」。
S41a0027とても柔らかいサウンドなのにすさまじい緊張感。
コレは昼寝どころではないぞ!

210最後はアルバム2曲目の「La valse du chat noir」。
「vlase」はフランス語で「ワルツ」のこと。
だからタイトルは「黒猫のワルツ」というという意味。
ちなみに「黒猫のタンゴ」は(今日はタンゴがよく出るな)、日本の曲じゃありませんからね。
イタリアの曲がオリジナル。
あの子どうしてるかね?

230「valse」って単語を覚えたのはコレ。
1956年のSonny Rollinsの名盤『Sonny Rollins Plus 4』。
コレの1曲目が「Valse Hot」というジャズ・ワルツなのだ。
でもそれぐらいではタンゴじゃない、単語ひとつ覚えることはできない。
名曲なのだ。
だからすぐ覚えられる。
ロリンズはテナー・サックスの最高峰としての存在だけでなく、「St. Thomas」、「Oleo」、「Doxy」、「Airegin」、「Tenor Madness」、「Don't Stop the Carnival」等々、ジャズ史に残る名曲をたくさん作った大作曲家でもある。
この「Valse Hot」を聴いていい曲だと思えない人は音楽を聴くのを止めた方がいい。そういう人はどうせ先行き、本当にいい音楽にはめぐり合うことはできないよ。
チャーリーさんがこういう独自の音楽で頑張ってくれているので、それを援助する意味で私もハッキリ言うけど、テレビなんかで「今の音楽シーンがオモシロい」なんて言っている人…ま、宣伝でやらされているんだろうけど、そう思ってたり言ったりしている人は、「音楽を知らない人」とみなして何ら差支えない。
本当にいい音楽にまだめぐり合っていない、あるいは「音楽」という氷山の一角のカケラから出た削り氷の一部程度にしか音楽を聴いていない人たちだ。
だから音楽を聴く側もいろんな音楽を聴いて勉強しないとダメね。
聴き手のレベルが低いと、レベルの低い音楽しか出て来ないのは道理ってもんだ。
 
あ、このアルバムのもうひとつの聴きどころの「Pent-Up House」もロリンズの代表作だわ。
私はロリンズを2度ほど観たが、今年で御年90。
最後のジャズの巨人だ。

P4ところでValseなのに全然4/4なんですけど!…と思ったのは最初だけ。
すぐに3/4となりグイグイと攻めてくる!

240vしかし、厳しい音楽ですな。
SBLもそうなんだけど、従来の音楽の型にハマらない音楽。
でも新しくはない。また新しくある必要もない。
高い器楽演奏の技術に裏打ちされた自由な発想の音楽だよな。
どこへ行くのがわからない。
でもどこから来たのかというと、ひとつは…コレは私の勝手なイメージですよ…Paul Williansがいない時のAllan Holdsworthが取り組んでいたモノに近いのではないかと思う。

250ま、バンド名が「梵天」ですからね。
梵天はヒンドゥー教の「創造神」にしてトリムルティの一角である「ブラフマー」の仏教版。
トリムルティは他に、「ビシュヌ」と「シヴァ」の3柱からなる。
ジョン・マクラッグリンの「マハビシュヌ・オーケストラ」の「マハビシュヌ」は「マハ(偉大なる)」な「ビシュヌ」ということ。
釈迦牟尼、つまりゴータマ・シタールダが悟りを開いた時、その悟りを広めることをためらったが、梵天さまは寅さんでおなじみの帝釈天さまと組んで「イヤイヤ、その教えをどうか世にお広めください」とお釈迦さまに勧めた。
コレを「梵天勧請(ぼんてんかんじょう)」というらしんだけど、コレがなかったら世界三大宗教のひとつ「仏教」はこの世に出て来なかったとされている。
だから梵天さまがいらっしゃったからこそ仏教が生まれ、我々はお葬式を仏式ですることができるのだ。
そして、「どうぞ面倒ですから、何でもかんでもイッショクタにしちゃいましょう」とやるのが「ドンブリ勘定」という。
 
ところで、先日家内のお婆ちゃんの十三回忌に出席して、お坊さんのお経を聞いていた。
元々お経はエイト・ビートなのはわかっていたので、今回は拍数を数えてみた。
すると、お経のくくりは4/4拍子で5小節から成り立っていることを発見した。
時々6小節になることもあるのだが、ほとんどが5小節、20拍で出来ている。
コレは曹洞宗なので、当然宗派によってはこの構成が大きく変わることが容易に想像できるが…。
なにしろ横浜の上大岡で開かれたお葬式に出た時には、お坊さんが木魚を裏拍で打ち、猛然とスイングしていたこともあったからね。
エイトではなくて完全にフォー・ビートになっていて驚いた。

245複雑なビートを難なくこなすリズム隊も素晴らしかった。

270vいつもニコニコの星山さん。余裕しゃくしゃくなドラミングはとてもこんなギンギンな変拍子の曲を演奏しているようには見えないのだ!
初めてお会いしたのはkelly SIMONZさんとご一緒の時だった。

280v後はキャビもMarshallだともっとうれしいんだけどニャ~。

梵天の詳しい情報はコチラ⇒Charlie Tanaka's Website

290トリはもちろんStrange,Beautiful and Loud。

300三宅庸介

310v河野充生

330v金光健司

340vやっぱいいね、金光さんの叩くNATAL。
ベスト・マッチのバーチのキットだ。

350三宅さんはいつものMarshallハーフ・スタック。

360JVM210Hと1960BVのコンビ。

370v今日の1曲目は三宅さんの愛奏曲「Petal」。

380vそして三宅さんのキラー・チューンを続けて…まずは「if」。

390河野さんのスリリングなベース・ライン。
かなりのパートをインプロヴァイズしている。

400続けて「murt'n akush」。
見て!
三宅さんと金光さんのアクションが完璧にシンクロナイズしてる!

415それほどイキがピッタリ合っているのだ。
当意即妙に三宅ミュージックを作り上げていくサマを見ているのは楽しい。

410「こんばんは…メッチャ暑いです。
2年ぶりにチャーリーと一緒になる今日を楽しみにしていました。
たくさん集まってくれてありがとうございます。
大きな音でお騒がせしますけど、この位の音で大丈夫ですか?
大きな音ですが最後までお付き合いください」
音が大丈夫ということでピース!
ホントにネェ…この会場はチョット事情が違うからなんだけど、いつからロックを爆音で演ることが罪悪になったんだろう?
聴く方が「やかましい!」というならわかるんだけど、最近は演奏している方が大音量を忌み嫌ってるもんね。
しかも昔を知っているベテランがそういうことを言うんだよ。
やみくもに音をデカくする必要はナニもない。
でも、「それなりの音量」ってもんがあるでしょう…「ロックの音量」ってのがサ。
音が大きすぎるんだったら耳栓を持参すればいいだけのことじゃん。
私はそういうところにも「ロックの終焉」を見る思いがするんだよね。
その点、三宅さんはスゴイよ。
440vMCの後は「devil」。
500vいいですか?大音量だからこういう表情になり、コレが表現でもあるんだよ。
コレを蚊の泣くような音量でできますか?ってんだ。

420そして、この恍惚の表情。
今、三宅さんは「ギター」というアッチ側の世界に行っている。

430v続けて「virtue」。
Marshall Blog初の試み!
ビデオを挟み込んでみました。
この日、写真とビデオの両方を撮ってみた。
Marshallのほぼ真ん前で撮影しているので音はチョッとシンドイけど迫力は伝わればOK。
次の機会には是非ホンモノを観に来てくだされ。

こうして31回目の『Sound Experience』のSBLのステージも無事終了!
今日も魂をさらけ出すかのような3人の熱演に心を揺さぶられた。

490

470

480Strange, Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒facebook

450そして最後はCharlieさんが加わって1曲。

8_bloom1

510v曲は三宅さんの「bloom」。
三宅さんの曲ってバッキングが入るとまた世界がガラリと変わるんだよね。
三宅さんがもうひとりいるといいんだけどね~…というかなえられない願望を実現してくれたのがチャーリーさん。

8_bloom4_2

520vこの曲は以前、ヒロアキくんと共演した時にも取り上げられてテーマを美しくツイン・リードで奏でたが、今回のチャーリーさんもコレをやってくれた。
実に魅力的なメロディだ。

8_bloom3_2今回も大充実の「Sound Experience」だった! 460v

200_3 

(一部敬称略 2019年7月24日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2019年9月 6日 (金)

Metal総進撃Vol.2~APHRODITEの巻

 
『Metal総進撃 vol.2』のトリはAPHRODITE。

0r4a0140岡垣さんのイベントには「〇〇大作戦」とか、この「〇〇総進撃」とか、私の世代にはとても懐かしく響くタイトルがつけられていてうれしい。
「総進撃」といえばコレでしょうね。
1968年の夏の公開というから、私が6歳の時の映画。
さすがにどこへ観に行ったのかまでは記憶にないが、母が連れて行ってくれたことは覚えている。
ウチの母はゴジラやガメラだけではなく、ギララから、ガッパから、恐竜グワンジまでコマメに映画館に連れて行ってくれた。その前はケロヨンだった。
まったく「感謝」しかない。
しかし、このポスター、キャストがまず怪獣というところがスゴイ。
ゴジラ、モスラ、ラドン、ミニラ…。
中に入っていた人はこのポスターを見て「なんでい!オレが演ってんだよ!」ぐらいのことを思ったのだろうか…。
キングギドラ、アンギラス、バラゴン、クモンガ…ナゼかこの「クモンガ」というクモ系の怪獣だけは名前がイージーだな。
そうそう、バランなんてのもいた。モモンガみたいなヤツ。20v_3今、バランと言ったら間違いなくコレだろう。
この寿司の折り詰めに使われる「バラン」は、葉蘭(はらん)というユリ科の植物からがその名の由来なのだそうだ。

30sm_2つい先日Shige Blogでも紹介したんだけど、ロンドンで出くわした映画の宣伝ポスター。
今度はラドンなのね?

8_200v そんななつかしの怪獣のことを調べていて、こんなヤツを見つけた。
コレ、「ナタール人」だって。知ってた?
ケムール人なら知ってるけど。

40v_2オイオイ、「ナタール」と言ったら今はコレだぜ、エエ?
NATAL Drumのことよ!

8_natal_cafe_racer_uf22_sea_foam_grさて、ステージに上がったいつもの5人。
 
総帥、岡垣'JILL'正志。

60v_2荒木真為

70v西村守

80vANI-Katsu

90v堀江睦男

100vチョット調べたいことがあって過去の記事をチェックしてみたんだけど…このチームはスゴイ。
2017年6月の鹿鳴館、その前にご登場頂いている2016年10月の同じく鹿鳴館。
そして、今回…堀江さんを除いて衣装が全員同じ!堀江さんにしても今回だけチョット違うだけ。
ユニフォームということか…。
「エエイ!それじゃその前はどうなんじゃい!」と思って2013年8月の鹿鳴館の記事を見ると、岡垣さんと西村さんは同じ衣装をお召しになっていた。
何たるこだわり!
そして何たる様式美!

110オープニングは「Ancien Régime」。
今上げている真為さんの左手に付けられたブレスレットもこだわりのアイテム。

120岡垣さんはノッケからキーボーズをグワングワン!130_2そして鮮やかに切り込んで来る西村さんのギター・ソロ。
もうこの時点でAPHRODITEワールド全開。

140_nga「今夜もウンザリするほど演らせて下さい!」という真為さんのMCに続い2曲目は「人形愛」。

150vコロコロ変わる曲調が実にスリリング。
中間部の展開とか、キーボーズなくしては考えられないアレンジがステキ。

160v_2真為さんのノリノリのステージグに合わせて客席もヒートアップ!

170_23曲目に行くまえに岡垣さんのごあいさつ。
「『Metal総選挙』と言ってしまいそうですが、正しいイベント名は『Metal総進撃』です」
なんて言うもんだから、ホラ、イギリスがあんなことになっちゃった。
スコットランド独立問題の時もそうだったけど、海外の政情がこんなに気がかりだったことは人生で他にないね。
最早イギリスは私の第2の母国だからして。
イギリスがおかしくなっちゃうと、コッチの生活がおかしくなっちゃうのよ!
それにしても、今、イギリス旅行の大チャンスですよ。
未曽有の円高ポンド安だから。私が5月に行った時より更に10円も£が安くなってる。
 
キーボーズ始まりの3曲目は「Long Live the Dead」。
あ~、このフレーズ!
メチャクチャ印象が強いよね。

180_lld中間部では岡垣さんと…
200西村さんのバトル!

190_22015年11月のシングル。
シングルとなるだけあってとても聴きやすいハード・チューンだ。好き。

210_2更に続けて「Before the Dawn」。

210_btdしかし、真為さんのパワーすごし!

220v_2各曲で華麗なギター・ソロを聴かせてくれる西村さん。

234もちろんMarshallを使用(向かって左のJCM2000 DSL100)。

235そして、バックを固める鉄壁のリズム陣。

240ナニがどうなっていたのかはわからないけど、今回は2人のコンビネーションがすごくハードに響いたな。

250_2そして総帥、岡垣さんのキーボーズ・ソロもタップリと味わうことができた。

260_kbsただでさえキーボーズがフィーチュアされたロック・バンドってのは昔から多くなかったでしょ。
最近の若いバンドさんなんていったら、キーボーズどころかギター・ソロもギター・リフもないときてるんだからね~。
こんな岡垣さんのようなプレイを観ることができる我々はラッキーだ。
また書くけど、70年代の某有名音楽雑誌のリーダーズ・ポールでELPが第1位の座を占めていた時期があったんだからね。
FocusとかPFMまで人気バンドのベスト10に入っていた時代。
いい時代だよな~。
あの頃のリスナーはどこへ行ってしまったんだろう。
360当然、コレもん。
岡垣さんは興に乗ってごく自然にやってるけど、コレ、鍵盤の位置までヒザを上げて暴れまくるの大変だよ。
当然お客さんは大喜び。

275真為さんが下がってインスト・ナンバーの「Fear」をプレイ。

350ステージに戻った真為さん。
「ハイ!」
このMCへのキッカケの「ハイ!」がいいんですよ。
シーンに区切りがつけられて気持ちがよい。
「どんより、しんみりしてしまいましたけど~、私たち『APHORODITE』という名前になってから長いことやってるんですね。
アルバムも出したいね…なんて言ってるんですけど。
ライブも定番メニューでやっているんですが、今日は新ネタを用意してきました。
次に演るのはその新ネタです…緊張すろう…ドキドキするだろう…。
気に入って頂けますとうれしいです!」

290_2その新ネタは「In a Daze」という曲。

290_iad皆さん、新しい曲を披露する時、大抵緊張されますナァ。
それはウケるか否か…ということか…。
それとも演奏し慣れていないからミスがコワいとか?
大丈夫、大丈夫…誰も聴いたことがない曲なんだからミスなんて絶対に誰にもわからない。何なら構成がわからなくなっても、それを見抜けるお客さんはいないんだから。
やっぱりウケるかどうかが心配で緊張するということなのね?
大丈夫、大丈夫…ストラヴィンスキーの「春の祭典」のことを考えればどうってことない。

もちろん「In a Daze」は完璧な演奏で(コチラ側にはわからない!)、バッチリとウケていました。

310_2西村さんのギター・ソロをはさんで…

T 「Edge of the World」。
「定番メニューをやってる」ってMCで言っていたけど「詩人シャロー」は今日は演りそうにないな。
あの「♪難解すぎてわからない」という文句が好きなの。
この曲で忘れていた瀧口修三のことを思い出したからね。
すると、ますます瀧口の詩が読みたくなっちゃって、詩集を買おうとしたんだけど、絶版になって久しいのか高くて買えない!
340ココでも岡垣さんと西村さんのツーショット。
客席から大きな歓声が上がった!

330最後を締めくくったのは「紅蓮の炎」。
APHRODITEらしいブッチギリのスピード・チューンで熱狂のステージの幕を降ろした。

390v_2

230

410v

420

430この後、APHRODITEはNAKED MACHINEのファースト・アルバム発売記念ツアーの大阪公演に出演する。
場所は阿波座BIG JACK。
阿波座って立売堀の近くだっけ?
ハイ、関東の人にクイズ…「立売堀」は何と読むでしょうか?
昔勤めていた会社で大阪支店にいた時、立売堀に住んでいた同僚がいてね、私はそれで知った。
ま、難読地名の宝庫である関西にあってはあまりに入門的な設問でしたな。
 
APHRODITEの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website

8_20190915_live_banner2アンコール・セッションで演奏したのは「Speed King」。

440「Good Golly Miss Molly」、「Tutti Frutti」、「Lucille」なんてリトル・リチャード・ナンバーのタイトルが出て来るのが楽しいね。
紫の皆さん、チャンとロックンロールを勉強されてる…と言ってもコレらの曲は1955~1958年ぐらいのヒット曲。イアン・ギランあたりが12、13歳の時分だからね、きっと夢中になって聴いたんだろう。
日本で「ロックンロール」というとチャック・ベリーばかりにスポットが当てられるけど、リトル・リチャードがロックに与えた影響ってスゴイものがある。「Long Tall Sally」もそうだもんね。
あとバディ・ホリー。
海外に行くと日本のロック界がいかにローカルかがわかる。日本はプログレはスゴイけどね。
「The house of blue light」というのは古いブギウギ・ナンバーのタイトル。
そうか…「Tutti Frutti」というのは「すべて果物」という意味か…「tutti(トゥッティ)」だもんね。お菓子の名前だって。

450ここでもスラっとラクラク歌いこなす芳賀ちゃん。

460黒いボディがお揃いとなったサオ・チーム。

470大いに盛り上がった『Metal総進撃 vol.2』なのであった!(『Metal総選挙』ではありません)

480

200
(一部敬称略 2019年7月20日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2019年9月 5日 (木)

Metal総進撃Vol.2~CONCERTO MOONの巻

 

27nb去る7月、『Metal総進撃 vol.2』というイベントに出演したCONCERTO MOON。
それは5月下旬にリリースしたセルフカバー・アルバム『OUROBOROS』の発売記念ツアーの中でのことだった。
早いモノでそのツアーも今週末の目黒鹿鳴館を残すだけとなった。

10島紀史

20v芳賀亘

30v中易繁治

40v三宅亮

50v河塚篤史

60vそしてコレがそのニューアルバム『OUROBOROS』。
本人たちは「リレコーディング・アルバム」と称している。
このジャケット好き。
コンチェのアルバムって、いつもジャケットもいいよね。
イヤらしいことを言うようだけど、いかにもチャンと経費を計上してデザインしている感が強い。

70cdコレはロンドンのV&Aに展示されている巨大なケルティック十字。
詳しくはコチラ⇒【Shige Blog】 イギリス紀行2019 その6 ~ ヴィクトリアとアルバート <前編>

210v出番は2番手。
ショウのオープニングにはアルバムと同じ「Change My Heart」を持って来た。80乾坤一擲、♪ゾンゾンと気合の入ったイントロで始まるCONCERTO MOONの世界。

90_cmhもう何の違和感もなくCONCERTO MOONの声と化した芳賀ちゃんの歌声。

100そして、待ってましたのギター・ソロ。

105自分のスタイルを猛然とさらけ出すノンちゃん。
どんなスタイルかというと「シマ模様」だ!

110vそのスタイルを演出している重要な要素はMarshall。
今日も愛用のMAJOR1967が大活躍だ!

120v三宅さんのキーボーズ・ソロ。
いいね、この音色は。
ハードロックのキーボーズの音色はオルガンとムーグに尽きる。
個人的はメロトロンも大好きだけどよ。クラビネットもいい。
でもやっぱりアコースティック・ピアノか?
結局全部いい…でも「モーグ」っていう言い方はイヤだな。
あと「フィル・ライノット」と「ピーター・ゲイブリエル」。

130 続けて旧作から「Over And Over」。

140_oaoffts「東京は久しぶりです。
昔の曲を新しいメンバーで録り直したアルバムをリリースしました。
今回は岡垣さんのお誘いでツアーの合間にこうして皆さんにお会いできることになりました。
今日は激しくやります!」
いつも激しいんですけど…。
ピックガードの上のピックのひっかきキズがスゴイな。
フォーク・シンガーならわかるけど、ノンちゃんはストラミングなんてしないのにどうしてこうなる?145おなじみのリフは人気曲「Savior Never Cry」。
でも『OUROBOROS』には入っていない…ま、比較的新しい曲だからね。

150v_snc疾駆するリズム隊。

160vこのドライブ感がタマらんのよ!

170なんかもう全然バッチリじゃないの、この2人!
ノンちゃんもすごく楽く演っているのが伝わって来る。

180涼し気に歌う芳賀ちゃんの後のフォーメーションは完璧。

190グッと落として1999年の『Rain Forest』から「Lonely Last Journey」。
300v_ino2センターに躍り出てソロをキメまくるノンちゃん。

200_llj極上のギター・ソロをタップリどうぞ~!

220v新しめのところから「Noah’s Ark」。
2017年の『Tears of Messiah』のキラー・チューン。
あのビデオ撮影は砂が大変だったんじゃないかしら?

230_naコレって曲としてははマイナーの「♪ズンズクズンズク」のドライブ調だけど、仕上がりとしてはすごくポップだよね。
私にはそう聴こえる。

240vバンドを果てしなく鼓舞するバスドラムが小気味よい。

250こういうナンバーのこのチームのリズム隊の一体感ってモノは素晴らしいですよ。

260vそして、この奇抜な出だしのギター・ソロ!
よくコレで吹き込んだと思う。

280v「楽しんで頂いていますかッ?
ソロソロ我々はステージを降りますよ」
「エエ~!」
「そう言われるとうれしいです。
ありがとう!本当にありがとう!」
…とココでニュー・アルバムとツアーの告知をして最終セクションに突入した…って、『OUROBOROS』の曲ゼンゼン演んないじゃんよ!いいの?290…と思ったら演った。
「It’s Not Over」だ!
360vボーカルズが芳賀ちゃんになって、ファンの人たちはどう思っているのか何人かのベテラン・ファンさん達に訊いてみたの。
みんなすごく喜んでくれているんだよね。
私はこのことがすごくうれしいの。
415それとコレは余計なことなんだけど、芳賀ちゃんの声って以前にどこかで聴いた記憶があるな…と思っていたんだけど、『OUROBOROSに』収録されている「Holy Child」を聴いてわかった。
それはラッセル・マエル(Russell Mael)だった。
声だけでなくところどころ歌い回しが似ている感じがする。
コレ以上は書かん。
興味のある人は自分で調べて確認してください。
ちなみに私はマエル兄弟が大好きです。
210この曲のオリジナルは2003年の『Life on the Wire』収録のコンチェ・スタンダード。

310ココでもカッチリとしたフォーメーション。

320ますます冴えを見せるノンちゃんのソロ。

330vそして出番を締めくくったのは「Time To Die」。

340_何回目かは浅学にして存じ上げないが、またまたCONCERTO MOONは絶頂期を迎えているに違いない。
そんなことを思わせてくれる力みなぎる5人のパフォーマンスだった。

365v

370

390v

400vウシッ!

380CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

410ハイ…ということで、今週の日曜日は『OUROBOROS TOUR 2019』の千秋楽ですからね。
皆さん、目黒鹿鳴館でお会いしましょう!
この日の晩御飯はまた「すばじろう」の「権之助坂セット」かな?

10<つづく>
 
さて、既報の通り、島ノンちゃんには『Marshall GALA2』に出演して頂きます。

6_marshall_gala_2_logo2_4ここの所取り組んでいるGotwee 3での出演。

8_shima2小笠原義弘

8_ogan山口PON昌人

550v…の3人にナント、赤尾和重を加えた超スペシャル・カルテット!
ハードロック・ファンと自称していながらコレを観ない人は「ハードロック・ファン」と認めないよ!
「ありがとう」とか「がんばろう」の「J-POPファン」だと見做すからね。
アノね、コレを見逃さない方がいい理由がもうひとつあるの。
コッソリ聞いちゃったんだけど…それは選曲。いわゆる「セトリ」。
ゴメンね、今は教えてあげられないんだよ。
もう本番が楽しみで仕方ない。
ああ、あの曲が和重さんの声とこの3人のバックで聴けるなんて…こんな時が11月9日に来るとはナァ。

8_kazueGALA2に行こうと思っているけど、11月はまだ2ヶ月も先なので予定がハッキリせずチケットを買い控えている方がまだいらっしゃると聞きました…というか、何人かそういう方にお会いしました。
本コンサートは長丁場なのでイス席のみの立ち見なし。お客さんを詰め混むようなことは一切しません。
よって売り切れた時点でチケット販売は終了となり、おひとりの追加入場もできなくなります。
ですのでゼヒお早めにチケットをお求めくださいませ!
当日はMarshall GALAオリジナル・グッズを会場限定で販売もさせて頂きます。
 
Marshall GALA2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します!
11月9日、東京キネマ倶楽部でお待ちしています!

 

200
(一部敬称略 2019年7月20日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2019年8月29日 (木)

踊る田川ヒロアキ!&大前光一 〜 Tokyo Tokyo Festivalから

 

ここのところテレビを見ていると、パラリンピックに関する報道や宣伝の分量の多さに圧倒される。
自国開催ということもあるのか、ヘタをするとオリンピック関連の報道より接する機会が多いのではないか?…と思えるほど。
とてもいいことだと思うけど、日本人ってのは「オッソロしく熱しやすく、あまりにも冷めやすい」ので、一過性の現象で終わらないよう、広めることよりも継続することの方がムズカシイでしょうね。
海外に倣ってやっているんでしょうけど、土台「歴史」が違う。
歴史が違うということは「意識」が違うということだから。
では、このパラリンピックの歴史をチョット勉強してみましょう。
「発祥の地」とされているのはナント、Marshallの本社があるバッキンガムシャーのエイルズベリー(Aylesbury)という町。つまり、またイギリス!
実はMarshall Recordsのピーターがココの町の出身で、その昔、King Crimsonが来て演奏したライブハウスがあるのが自慢だ…と言っていた。
日本でも行政区画の変わり目で「ようこそメガネの町 鯖江へ」みたいな標識を見かけるでしょう?
ああいうのがイギリスにもあって、エイルズベリーを通り過ぎる時に「Birthpalce of the Paralympics」という標識を見た記憶がある。
Marshallがあるブレッチリ―は何の町だか知ってる?
ブレッチリ―のエリアに入る時に見かける標識には「Welcome to home of codebreakers」って書いてある。
「ようこそ暗号解読者の故郷へ」ということね。
で、エイルズベリーにあるストーク・マンデビル病院というところで開催された戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして開催されたスポーツ競技会が発祥とされているらしい。
その時は「手術よりスポーツ!」というスローガンだった。
そして気になるのは語源。
「Para-」という接頭辞がついているので「複数の」的な意味合いがあるのは想像がつくんだけど、さにあらず。
元は「Paraplegia(パラプレジア)」の「Para-」と「Olympic」の合成語で、「ストーク・マンデビル競技大会」のアダ名として「パラリンピック」という名称が使われていた。
パラプレジアとは脊髄損傷等による下半身がマヒしてしまった方々を指す言葉だ。
しかし、その後発展を続けたこの競技会は半身不随者以外の人たちの参加するようになり、1985年にIOCは「パラリンピック」の名称を正式に認め、同時に「Para-」を「平行」の解釈に変更し「もうひとつのオリンピック」という意味合いを持たせるようになった。
 
そんなオリンピック/パラリンピックの機会に日本を訪れる海外のお客さまを迎える曲「Sky」を制作した田川ヒロアキ。
リリースを前にパラリンピック関連のイベントに登場した。

730cd場所は立川からモノレールで2駅ぐらいの「立飛」というところ。
完全に生まれて初めて来た。

10駅の傍らには巨大なショッピングセンター、「ららぽーと」。
というか、このショッピングセンターのための駅なのね?

20イベント会場のロケーションは屋外。
あいにくの雨模様。

30『Tokyo Tokyo Festival』という東京都のイベント。
ほんの少しだけ都民税の元を取ったゼ。

40「No Border "ARTS x SPORTS” 芸術とスポーツの融合」という触れ込み。
ヒロアキくんは「ART」で登場だ。
この写真、まだ使ってもらってありがたいです。
『Ave Maria』のジャケット用に私が撮ったモノ。

50現在リハ中。
8:00からヒロアキくんのリハーサルだっていうから、アータ、6時半に家を出て来たよ。
メッチャ久しぶりの早朝の電車だったゼ。

60ステージはこんな感じ。

70開演時間が近づきお客さんがジャンジャン集まって来た。
どうでもいいことなんだけど、日本のサラリーマンのYシャツってのは「白」だよね~。
水色が関の山で、色や柄の付いたYシャツを着ているサラリーマンの比率が海外に比べて桁違いに低い…気がする。
別に悪いこっちゃないんですよ。
コレも「日本の風景だな~」って思うだけ。

80イベントが始まった。

90いきなりヒロアキくん登場。

100何台ものテレビカメラが入っていた。

490もちろんお供はMarshall。

110v愛用のJVMはJVMでも、今日は1x12"コンボのJVM215C。

120弾いたのは「Seascape」。
コレはヒロアキくんコーナーの最初に弾いているワケではなくて、今回の『Tokyo Tokyo Festival』全体のオープニングの序曲になった。

130今まで『Sports of Heart』や各種の関連イベントに出演して来たヒロアキくんだけに、今回のこのイベントも「出て当然」というイメージだが、オフィシャル・サイトを通してお声がかかり、オーディションを受け、そしてそれを通り抜けての出演だったそうだ。
おめでとう!140v司会はカミナリの2人。

150今日は長州に水戸だな~!
私は彰義隊だから。

160ステージの横には手話通訳がついた。
手話でお笑いを伝えるというのは相当ムズカシイだろうな~。

170小池都知事登場。
「オリンピックまで1年と2日…東京オリンピックが2回目という方はいらっしゃいますか?」
オレだ、オレだ、オレだ~!
ま、2歳だったけどね。
1964年のオリンピックは10月に開催されたんだね~…ってそれが「体育の日」になったんだもんね。
56年も前の10月となると大分すずしかったのかしら?

180ちなみにこの年はマイルス・デイヴィスが初来日していて、オリンピックに先立つこと3か月、今はなき新宿の厚生年金会館大ホールでコンサ―トを開いた。
その時のライブ盤がこの『Miles in Tokyo』。
今はジャケットが変わってしまったけど、私は断然こっちの古バージョン。
そして、ビートルズがやって来るのはこの4年後だ。

Mt 「皆さん、ご存知ですか?『パラリンピック』というのは1964年の東京オリンピックの時に初めて開催されたんですよ~!」
しかし、本職とは言え、おしゃべり上手だな~。
まず、声がいいもんね。
「パラリンピック」と「オリンピック」を同時に開催したのは1960年のローマが最初で、『パラリンピック』という名称が使われたのは東京大会が初めてだったらしい。

190v続いてステージに登場したのは、2008年の北京パラリンピックの走り幅跳びで銀メダルを獲得した日本の義足陸上競技選手初のパラリンピック・メダリスト、山本篤。

200vさらにMarshallを最高に美しい音で鳴らすギタリスト、田川ヒロアキ。

210vそして、意表をつく登場の仕方をした…

220義足のダンサー、大前光市。

230そして、音楽界代表でヒロアキくんもご挨拶。

260イギリス製も韓国製もないホンモノのGuv'norとの共演!
S41a0156これまで村岡山口県知事、林前文科大臣らとの共演を果たしてきた、ヒロアキくん。
今度は東京都知事だ!
もうこうなったら次の都知事選に立候補だな…公約は「Marshallファースト」でお願いします!

270

 

 

出演者勢揃いで記念撮影。

280カミナリはネタも披露。

290手話通訳が交代。
やっぱりこの仕事は大変なんだろうね。
考えてみれば同時通訳だもん。
テレビのニュース英語の同通なんかも5分ぐらいで交代するでしょ?
アレ精神的にメッチャ大変だからなんだって。
何しろ日本語は世界の言語の中でも最も英語から遠いとされているからね。

300「9回しか言ってないだろ!」バチン!
昔、「暴力漫才」ってのがスゴク流行ったんだよね。
それに大笑いしている父を見ていつも母が怒っていたのを思い出す。
今では「パワハラ」だのナンダのでできないだろうね、あんなの。

310そこへヌラ~っと忍び寄る大前さん…

320ココからは大前さんのコーナー。

330vオリジナリティあふれるコレオグラフィとシャープな動きでお客さんの目を惹き付ける。

340バックにMarshallが入っている…というのもうれしかったりして。350v紙吹雪舞う中演舞を終了し、大前さんに大きな拍手が浴びせられた。

360vそして、ヒロアキくんコーナー。

3701曲目は「キミを乗せて」。

380vJVMとのコンビは絶好調!

390再びひところご挨拶。
「オリンピックまであと368日…来年は閏年ですからね…」
ヒロアキくん、閏年まで考慮していたのがスゴイな…と思っちゃった。

400もちろん手話通訳付き。

410vココで新ネタを披露。
パッヘルベルの「カノン」。

420_c「心休まる曲」のま、そこはヒロアキくんのアレンジらしく、後半はドッカンドッカンと暴れまくってくれた。
スゲえアレンジだったぞ。
465_2この曲、何かと今でも耳にすることが多いけど、作られたのは1680年頃。
例によって1680年がいつ頃のことかと調べてみると…綱吉が五代将軍になった年だって。
バッハより前だからね~。
340年も前の新曲。
今から300年以上歌い、あるいは演奏され続ける曲って出て来るかな?
「Let It Be」はどうだ?
イヤ、その前に人類がもたないだろうな。
460しかし、いい音出しよるわ~。わかっちゃいるんですよ、でも美しい。
440_s後で聞いたんだけど、ペダルをやみくもにつなげるのではなく、専門家にJVM用にチューンナップしてもらったんだって。
ヒロアキくんのJVMの使い方は単純明快。
だから音がいい。
まず、100%歪みはJVMで作る。
クリーンはクランチ・トーンをギターのボリュームを下げて作る。
あとは空間系のエフェクターをセンド&リターンにカマしているだけ。
まぁ、Marahallが聞いたら泣いて喜ぶような模範的なJVMの使い方。
シンプルだからトラブルもほとんどない。

445約10年ほど前、ヒロアキくんはデジタル・アンプを使っていた。
その後、私と知り合って、デジタル/真空管のJMDを経て現在のJVMになった。
ヒロアキくんが置かれた環境を考慮すればデジタル・アンプの方がラクにキマってるんだよね、今流行りのヤツとか…。
でも、もうJVMからは逃れられない。
天然ものの「味の良さ」を知ってしまったからだ。
そして、我々はこの美しいトーンをジックリと味わえるというワケ。
430vヒロアキくんコーナーを締めくくったのは冒頭で紹介したウェルカム・ソング「Sky」の日本語バージョン。
この曲、ただメロディや歌詞をナゾるだけじゃなくて、バッキングのコード(ヴォイシング)をよ~く聴いてみて。
メロディを引き立てる仕掛けがたくさん詰まっているから。

450vこのエンディングのフェルマータのフィードバック!
何の引っ掛かりもなく一発でキメて見せたのには驚いた。
そして、ヒロアキくんも盛大な喝采を浴びた!

470vこういうのって「あんなに激しかった雨が田川ヒロアキが登場して演奏を始めるとウソのように止んで太陽が会場を照らした。やはり天気の神様もヒロアキくんを応援してくれているようだ」ってなりがちじゃない?
ヒロアキくんが出て来たら雨脚がドンドン強くなって、テントの隙間から降り落ちてくる雨でカメラがビチョビチョになっちゃったよ!
壊れていたら修理代の請求書がそちらに行きますのでヨロシク!

480さて、実はココからがクライマックス。
大前さんが登場して…

500vステージにひとり残って「チゴイネルワイゼン」を奏でるヒロアキくんにからみつく。

510v

520サングラスを交換。

530おお~、そんなことをして大丈夫なのか?

540v激しい動きに思わず笑いがこぼれてしまうヒロアキくん。
コレ、全く休むことなくズ~ッとギターを弾き続けているからね!

550v今度は背中合わせでしゃがみ込む。

560足を引っ張られてズルズルとステージ上を引き回してもらったヒロアキくん。

570存外に楽しそうなヒロアキくん!
こんな経験は滅多にできないぞ!

580vまだズーっと弾いてる。
ホントに1回も止まってない

590実はこのあたりのことはマネージャーの美瑞穂さんからリハーサルの動画を見せてもらっていてナニをやるかを知っていたんだけど。もしこの時初めて見ていたら相当ビックリしただろうな~。

600いわゆる「扇」の隊形。
チョットこれはコワかった…でも弾いてる!

610大前さんは真っ逆さまになってくれた。

630vキマった~!

640vチョット髪の毛ッ!

650想像を絶するエキサイティングなパフォーマンスの後は出演者の座談会。

660カミナリの2人からアスリートやアーティストの裏話を聞き出す。

670普段聞くことのできない話にお客さんたちは興味津々。

680vヒロアキくんも楽しそうに語っていた。

690ということで、オリンピック/パラリンピックまであと1年。

710次は9月に開催される『Sports of Heart』ですな。

720そして、同じく9月にリリースされる「Sky」。
私の立場から言うと、わざわざシカゴからロスまで運んだJVMで録音した逸品でございます。
皆さんどうぞよろしくお願いします!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

730cd_2 

200_2
(一部敬称略 2019年8月23日 ららぽーと立川立飛にて撮影)

2019年8月27日 (火)

美女と金髪と野獣 2019 ~ TSPとフィナーレの巻

 
この週末で13本の興行をすべて終了させた2019年の『美女と金髪と野獣』。
Marshall Blogのレポートも今回が最終回。

10vトリを飾ったのはTSP。

20Shu

30vHINA

60vRIKI

40vYou+。

50v今年も安定の「ShuサウンドPowered by Marshall」でうれしいね。

70JMP-1+EL34 100/100+MF400Aというコンビネーションだ。

80v1曲目は「ビーツ」。

906月5日にリリースされたミニ・アルバム『Scream & Rebellion』からのチョイス。
現メンバーとなって初めてのアルバムだそう。

145cdそうだよな~、TSPはMarshall Blogに登場頂くたびにメンバーが変わっていたからな~。
でもこの4人は前回の美女金をレポートした時と同じだから。
ずっと続くとよろしいな。

110v続いても同ミニ・アルバムから「Loud Party」。
歌詞は全く聞き取れないjけど、まさにコレこそが「Loud Party」でしょう!

120vHINAちゃんの歌も炸裂。
声がロックだからね~。バッチリよ!

130v2015年のセカンド・アルバム『TSP II』から「the times」。

150D_DriveもそうだったようにTSPもギンギンの曲でセットリストを組んで来た。
そこがこのイベントの魅力というワケか。
お客さんも大変だぜ!

140でもこの通り大喜び!

190ところどころでブチかまされるShuちゃんの必殺ソロ!
こんだけ激しく演るとなるとやっぱMarshallじゃないとダメだね。

160vシングル『Tribal Revolution』から「Break Myself」。

170v「ビーツ」、「Loud Party」等、ド迫力のノドで客席を揺さぶったHINAちゃん。
もちろん鉄壁のドラミングでもお客さんをノックアウト!

180TSPライブの名物、サークル・モッシュは欠かせない。

210最後は『Scream & Rebellion』収録の2曲で締めくくった。

200「Scream Out」と「Arise」だ!

240v

250v

230v

260v6月29日には『Live & Scream』というDVDもリリースしているTSP。
冒頭に書いたように『美女金』ツアーは終了したが、ノリにノッているのだ!
 

TSPの詳しい情報はコチラ⇒TSP OFFICIAL WEB SITE

265dvdそして、コレも『美女金』名物のセッション・コーナー。
出演者が2班に分かれて最後の激演を展開した。

270第1班が演奏したのは…ナンダナンダ?百恵ちゃんの「ロックンロール・ウィドウ」。

280高校3年の時に文化祭で演っていたヤツがいたな~。
Shuちゃんも知っているあの講堂ね。
歌ったヤツが「カッコカッコ」を何回やるのかわからなくて四苦八苦していた。

290みんな楽しそうです。300第2班はXの曲。

310こんな風に盛り上がりました!

320vステージに静かにマイクを置いてお別れを告げるまきちゃん。
「牛殺しのマス大山」とか呼ばれていたけど、最後は百恵ちゃんだった。

330vそして記念撮影。
また来年~!

340 

200
(一部敬称略 2019年7月16日 六本木Morph Tokyoにて撮影)

2019年8月26日 (月)

GENKI SESSION ~Summer of Love~★Marshall GALA2最新情報!

 

年に一度のお楽しみ…『GENKI SESSION~Summer of Love~』に久しぶりにお邪魔してきた。
やっぱりスゴイね。
落語で言えば、まるで志ん生、文楽、圓生、金馬、可楽、といった「昭和の名人」が集まってGENKIさんの歌をみんなで盛り上げているような充実した安定感がケタ違いに素晴らしい。
コレは「昭和の」と付けたところがミソ。
「平成の名人」でも、ましてや「令和の名人」でもこの安定感や空気感を醸し出すことは不可能なのだ。
音楽の専門学校が林立し、音楽雑誌どころか、インターネットでいくらでも器楽演奏や機材の情報が無料で手に入る昨今、楽器を達者に弾きこなす若者がゴマンと増えたが、今日登場する「名人」たちのように「ロックの空気」を匂わせてくれるミュージシャンは本当に少なくなった。
ロックがアニメやゲームの付属品となってしまい、生まれた時からそれが当たり前の若者にはそれもムリからぬこと。
大衆音楽の頂点であるロックが時代とともに変容していくのは当然であることは理解しているが、私は70年代の中頃まで持てるオリジナリティを極限まで開花させたロックは「昭和の音楽」だと思うのだ。
その昭和の音楽の芳香漂う中『GENKI SESSION』を拝見する時、いつもこんなことを考えてしまうのだが、その思いは年々強くなっていくようだ。
そして、その芳しい空気を4年ぶりに思いっ切り吸い込んできた!

10_2このGENKIさんとステージを共にした名人の方々は…
 
大谷令文

20v難波弘之

30水野雅章

40v高橋ロジャー知久

50久々の令文さんのMarshall艶姿!

60なんかこの1959群を見るとホッとするわ。
「ロックの良心」すら感じるね。
そして、「ロックギターはこういう機材で弾きなさい」という厳しさも。

70足元のようす。

80オープニングは「Hallelujah I Love her so」。
続けてMontroseの「I Got the Fire」。
この曲、久しぶりに聴いたな~。Montroseはナンダカンダで人気あるね~。特に初期。
私なんかヘソ曲がりだからHipgnosisのジャケットも手伝って『Jump on It』なんか好きなんだけど。
そうそう、実はこないだロンドンに行った時、Hipgnosisの事務所跡というのを訪ねて来た。興味のある人は後日の『名所めぐり』をお楽しみに!
ところで、前にも書いたけど、1978年の『Live Under the Sky』のTony WilliamsグルーブのRonnie Montrose見たかったナァ。Brian Auger付きで!見た人に会ったことないんだよな~。
令文さんとはこの話をしたことはないんだけど、ご覧になってるかな?

90「Communication Breakdown」~「How Many More Times」~「Whole Lotta Love」の3曲で構成したLed Zeppelinメドレー。

100手に隠れて見えなかったんだけど、短いボトルネックかな?
胸のポケットからソレを取り出して右手に持ち、ディレイを盛大にかけて弦の上を滑らせて、あの「Whole Lotta Love」の幻想的なパートを実にうまく再現していた。あの「♪プイシ、プイシ」のところね。

S41a0080 もう1曲Led Zeppelinナンバーが続いた。
レスポール・スタンダードに持ち替えて令文さんが弾くあの有名なイントロは「Since I've Been Lovin' You」。
125vソロもタップリ…しかし、いい音だな~。
私が子供の頃に屋根裏やロフトで聴いたあの音…「ロックのギター」の音だ。
イヤ、Marshall1959の音だ!

110vGENKI SESSIONスタンダードのひとつ「Move Over」。
令文さんはストラトキャスターに持ち替え。
130vGENKIさんの歌の素晴らしさは書くだけ無駄。素晴らしいにキマってるから。
この曲の水野さんのベースですよ。
アタシャ、コレが大好きなの。
いかにも正統派なベース・サウンドでどこまでも疾走していくランニング・ベースが今回も気持ちいい~!
140vカバー・バージョン多数の人気曲、Bill Withersの「Ain't no Sunshine」。

0r4a0039 GENKIさんと令文さんで奏でた「樹のうた」と「いつものように」のNOIZナンバーで第1部を締めくくった。

S41a0137 第2部。
今回は第1部のショッパナからGENKIさんのトークがにぎやかに咲き乱れ、第2部がスタートが9時過ぎになる…という海外のコンサートのような展開。
でも第2部のスタートはド派手だったぜ~!
新しいレパートリーだという「Lay Down, Stay Down」。もちろんDeep Purpleのアレね。
もうひとつDeep Purpleをつなげて「Lady Double Dealer」。

160しかし、このストラトキャスターの時の音がタマらんね。
特にフロント・ピックアップの時。
Marshallとストラトキャスターを組み合わせてこんなに太いサウンドを出すギタリストって、今、世界でも他にいないんじゃないの?
今流行りのあのデジタル装置の音と比べてごらんよ。どんなに音に鈍感な人でもその違いがハッキリわかるにキマってる。
ヤッパリ真空管アンプを使いきる腕なんだって!
最近、令文さんは残念ながらあまり頻繁に活動をされていないけど、このサウンドを聴いたことがない人は、チャンスがあれば今回みたいにチャンとした令文さん所有のMarshallのバックラインで弾くライブを観に行った方がいい。
老いも若き…時に「若き」は行くべきだって!デジタル機器をつばげて「いい音だ!」と悦に浸っている若者は必ず行くべし、行くべし!(2回言ってやった)

180難波さんがボーカルズを取る「花・太陽・雨」。
歌い出しのメロディが印象的でスケールの大きな曲だ。

190つづけては、GENKIさんの声が存分に楽める「Cry me a River」。
 
昔、「Cry me a riverって一体どういう意味なんだろう?」とズット思っていて、ある日ジャズ通の年配の方から「川一本分泣く」ことだと教わった。
コレ、前に書いたね?
しかし、すごい涙の量だ。お別れした相手へのメソメソした恨み節。
脱線します。
というのはMarshallが初めてハンドワイアード・シリーズという高級機種のシリーズを始めた時、渡辺香津美さんが、その中から1974Xというモデルを使って、渋谷のオーチャード・ホールで満員の観衆の前でこの曲をア・カペラで弾いてくれたのだ。

7_1974x
私はバラードをそれほど好んで聴かないんだけど、この曲は比較的お気に入りで、その時以来ますます好きになった。
ジュリー・ロンドンの1955年のヒット曲。
このアルバム、バーニー・ケッセルの伴奏が破天荒に素晴らしい。

Jl そういえば香津美さん、その昔、バーニー・ケッセルとハーブ・エリスと新宿ロフトで共演されたことがあったとおっしゃっていた。
コレ、「The Great Guitars」という向こうの企画の日本バージョンね。

GgバーニーはThe Beach Boysの『Pet Sounds』でもギターを弾いてるんよ。
超一流のセッション・ギタリストだったか…か、ジャズでは喰えなかったのかは知らないけど。
ま、後者でしょうな。
「Wouldn't It Be Nice」のイントロをバニやんが弾いていると勝手に思い込んで聴くと、ケッセル・ファンの私としては稀代の名盤『Pet Sounds』を喜びもひとしおなのだ。

Ps さて、「Cry me a River」は『Pete Kelly's Blues(邦題:「皆殺しのトランペット」←ヒドさを通り越して十分に笑える!当時は何にでも'皆殺し'って付けていたのかもしれない」)』という1955年の映画の挿入歌。
チョット調べてみると、コレが音楽家にまつわる犯罪劇で、ジャネット・リーやエドモンド・オブライエン、リー・マーヴィンとなかなかにすごいキャスト。
更に興味を惹くのが音楽界からの共演者で、エラ・フィッツジェラルド、ペギ―・リー、それこそハーブ・エリス、ジョージ・ヴァン・エプスまで出ているらしい。
観たい!
で、当初「Cry me a River」は映画の中でエラが歌う予定だったが彼女は他の曲を歌った。
ところが、この映画を企画、監督、主演したジャック・ウェッブが名曲「Cry me a River」をそのまま埋もれさせるのはモッタイないと、離婚したばかりの元細君、ジュリー・ロンドンに歌わせたところコレが大ヒット!
わからないもんです。
だって、エラはもうケタ違いの大スターだったからね。生前は世界で一番ギャラの高い女性シンガーだったんだから!

Pkb 私は反対にエラ・バージョンをよく耳にした。
1961年の『Clap Hands, Here Comes Charlie!』というスタンダード集。
「Clap Hands, Here Comes Charlie!」というのは1920年代の古い曲のタイトル。
もし、ジャズを聴かない人でこの曲を知っているロック・ファンがいたらベラボーにスゴイ。
Chそれはコレ。
Electric Light Orchestraのファースト・アルバム。
後年、ジェフ・リンの書く数々のポップ・チューンのおかげで押しも押されぬ人気バンドになってしまったが、やっぱりコレが一番聴ける。
ナントならばロイ・ウッドがまだいた頃の作品だから。
ストリングスを効果的に使ったELOだけのロックが展開できているのは一重にロイ・ウッドの才によるところだろう。
そのロイ・ウッドが「Mahattan Rumble(49th Street masacare)」という物騒なタイトルの曲の中で「♪Clap hands! Here comes Charlie!」と2回ほど叫ぶのだ。
実際、アルバムの中でこの曲が一番カッコいい。
 
以上で脱線終わり。
川一本分、流されたな。本当はまだ河口を広げることができるんだけど止めておく。でも久しぶりに気持ちの良い脱線だった。

EloこのGENKI SESSIONバージョンの「Cry Me a River」でハッとさせらるのは水野さんのベース。
何コーラス目かで延々とペダルトーンをキメて見せる。
そこから動き出すベース・ラインはまさに快感!
120第2部でもNOIZのレパートリー「Hey Bro.」を披露。
そして、The Whoの「Real Me」。
「Real Me」は以前からGENKI SESSIONで取り上げている曲だが、今回は吾妻光良さんをゲストに迎えてのパフォーマンス。
ラップスチール・ギターにストラップを付けて登場した吾妻さん。
誰がこの曲にボトルネック・ギターを絡ませるなんてアイデアを思いついたんだろう?
メッチャかっこよかった。
 
GENKIさんがMCでも触れていたんだけど、令文さんが駅の階段で腰を強打して大変状態だった。
私もこないだ横浜で雨の日に階段で足を滑らせて腰を強く打ってしまってね~。
骨が折れたかと思ってマジでコワかった。
1週間は激痛だったけど、骨に異常はなかったようで何とかその後痛みが和らいで助かった。
令文さんは本当にツラそうだった。
時折GENKIさんが令文の腰を気遣うシーンがまたヨカッタんだ。
とにかく令文さん、お大事にしてくださいまし。
200その後もGENKI SESSIONスタンダードの「30 Days in the Hole」、メンバー各々のソロをフィーチュアした「Gimme Some Lovin'」。240vココでも水野さんのベースがプレイ、サウンドともに圧巻だった…と思ったら!
ベース・アンプのヘッドはEDEN WT-800でした!
うれし、ありがたし。
そして、「All or Nothing」と続けて本編を終了した。

210アンコールではGENKIさん難波さんの「Imagine」…

230吾妻さんが再び加わっての「Going Down」、「Summertime Blues」、やっぱりコレでしょ?の「アッコちゃん」ですべてのプログラムを終了した。
この日は全てイス席だったんだけど、大正解でしたね!

250イヤ~、やっぱり「昭和の名人芸」は問答無用でスゴかった。
とにかく、今日も令文さんの1959サウンドにヤラれたわ!

260vあのネ、皆さんが思っている以上に、私はロックの将来に関して心配しているんですよ。
こういうすごい芸がそのまま残すことができればどれだけ素晴らしいか…。
冒頭に書いたけど、音楽ってのは「音」だけじゃないから。
「空気」も含めて「音楽」なワケ。
その「空気」はその時代に生きた人でないと絶対に持ち合わせることができない。
デジタル・アンプが真空管アンプの音を完全には出来ないように、どんなにテクノロジーが進歩しても「空気」を作り出すことは不可能だ。
でも、後進はその「空気」が持っている「精神」を学び、後世に残すことはできるだろう。
幸いなことに、最近ホンノ少しだけそうした黄金時代の「ロックの精神」を感じさせる、洋楽に薫陶を受けた若いバンドが出て来た。
Luther Smoke Dokeyes(ルーサー・スモーク・ドゥ―キーズ)なんてのはとてもいい例だ。
Marshall Blogはそんな若いバンドさんを徹底的にフォローしてあげたいと思っている。
そして願わくば、若い人たちにそういう音楽を楽しんでもらうことを切望している。
今、ひとつアイデアがあって、イギリスに出す企画書の下書きをしているところ。

260 
 
<Marshall GALA2情報>

さて!
一部のSNSで発表しておりますが、Marshall GALA2にGENKIさんをお迎えすることになりました。

265s出番はKelly SIMONZさんのセット。
Marshall Blogでもレポートした通り、kellyさんはMark Boalsとの共演を果たしたばかり。
そして今度はGENKIさんという日本のロック・ボーカルズの最高峰とのコラボレーションを実現させます。
こんなの観れるのはMarahall GALAだけすよ~!

7_ksmg2 Marshall GALA2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します!
11月9日、東京キネマ倶楽部でお待ちしています!

 

200
(一部敬称略 2019年8月23日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2019年8月22日 (木)

美女と金髪と野獣 2019 ~ D_Driveの巻

 

6_marshall_gala_2_logo2_3

『美女と金髪と野獣 2019』レポートの第2弾。
Mardelasに次いでステージに上がったのは…

10v_2D_Drive!

20_3まずはSeijiさんの号砲一発「Attraction 4D」。

30v_2Yuki

40vToshi

50v_2Chiiko

60v_2SeijiさんもスッカリJVM。

80_4dコレね。

90vYukiちゃんもJVMに替わって一段と音がよくなった!

100vコレね。

110vToshiくんはまたWT-800に戻ってブリブリ。

120コレね。

130vもちろんChiikoちゃんもNATAL。

140v_2コレね。
使い回しのウォルナットのキットに自分のモデルのタムを組み合わせた。
155矢継ぎ早に「M16」。

160_m立て板の水のごとく「The Last Revenge」が続いた。

170v_lrここまで全部イギリスでブチかまして来た曲。
エラくウケていたっけ…もうソロソロで丸2ヶ月経つじゃん。
あ~あ、ロンドン行きたいな~。

180「改めまして、D_Driveです。『美女金』へようこそ!
私たちもこうして仲良しのバンドと回ることができてうれしいです。
私たちD_DriveはMarshall Recordsから世界デビューしてイギリスへ行ってきました。
世界デビュー・アルバム『Maximum Impact』は聴いて頂けましたか?」

190_2そしてマイクがSeijiさんに渡されてアルバム『Maximum Impact』の説明をしてくれた。

7_s41a0203コレが『Maximum Impact』の原盤…要するに世界バージョン。

305_cd_2そしてこっちはD_Driveのライブ会場でしか買えない国内バージョン。
世界バージョンとチョット色目が違うが、コレは写真のせいで、実物は世界バージョンと同じ色合い(私が撮ったのではありませんから!)。
国内バージョンには帯と20ページのブックレットがついている。
コレがまたオモシロい。他では読むことができないメンバー自身の曲目解説を私がまとめて読みやすい文章に書き替えた。
写真もタップリ収録されている。

同時に発売されたLPも「音がいい!」と大好評だ。
終演後、これらのアイテムがバンバン売れていくの横眼で見ていたんだけど…うれしいね。
とても気分のいいモノです。
お買い上げ頂きました皆さん、どうもありがとうございます!

12obi1 ショウは早くも後半に突入。
曲は「GEKIRIN-逆鱗-」。

200Yukiちゃん作のヘヴィナンバーで会場がますます熱気を帯びる!

210vこのポーズは「Russian Roulette」!
ナンカ久しぶりのような感じがするな。

230v_2この曲のリフはSeiji節そのもの!
本当は『Maximum Impact』にいれたかったんだけどね…実際、イギリスのライターさんにその理由を訊かれたよ。

220この日のToshiくんのイードゥンの音はマジでスゴかった。ギャグかと思うぐらい。
あんまりスゴかったのでジーっと聴いていたらToshiくんと目が合ってお互いに笑ってしまった。
こんなのイードゥンでなきゃムリ。
あの殺人的に重いキャビは伊達や酔狂ではないのだ。
D_Driveのレポートの時はEDENを「エデン」ではなく「イードゥン」と表記しているが、はじめのうちはチョットふざけていた感じだったんだけど、Toshiくんの協力のおかげで「イードゥン」の方がシックリ来るようになっちゃった!
だって、海外へ行ってごらん。
「エデン」なんていう人はひとりもいないんだから。
だから「EDEN」も「イードゥン」にしちゃえばいいんだよ。
かのKISSだって今でこそ「キッス」って呼んでいるけど、デビューした頃は「キス」って表記してたよ。

240v「火の玉リズムセクション」の核、チーさま。
この日もNATALでドライブしまくった!
250vD_Driveの出番の最後は「Screw Driver」。

260今日のセットリストはスゴかったね。
「攻め」のセットリスト。
後でSeijiさんにこのあたりのことを尋ねると、やはりその通りで、短い時間でD_Driveのぶっちぎり感を演出したとのこと。

270

280v_2

290v

300v 

改めまして…ChiikoちゃんもNATALドラムスを愛用していま~す!

360

370さて、既報の通りD_Driveは『Marshall GALA2』に出演して頂きます。

6_marshall_gala_2_logo2_4前回に引き続いての登場。
今回はMarshall Recordsアーティストとして舞台に上がるのだ!

340_2ジョンとの再会も楽しみですな。
Marshallの人たちはホントにD_Driveの活躍を期待しているからね。

350_2GALA2に行こうと思っているけど、11月はまだ先なので予定がハッキリせずチケットを買い控えている方が多くいらっしゃると聞きました。
本コンサートは長丁場なのでイス席のみの立ち見なし。お客さんを詰め混むようなことは一切しません。
よって売り切れた時点でチケット販売は終了となり、おひとりの追加入場もできなくなります。
ですのでゼヒお早めにチケットをお求めくださいませ!
当日はMarshall GALAオリジナル・グッズを会場限定で販売もさせて頂きます。
 
Marshall GALA2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します!
11月9日、東京キネマ倶楽部でお待ちしています!

 

200
(一部敬称略 2019年7月16日 六本木Morph Tokyoにて撮影)

美女と金髪と野獣 2019 ~ 大山まきの巻

 

6_marshall_gala_2_logo2_2 TSPとD_Driveの共同企画『美女と野獣と金髪』が今年も開催され、各地を回っている。
6月21日の福山からスタートしたこの企画のツアーも今週末の町田で千秋楽を迎える。
今日はその中から7月15日の六本木morphでのもようをレポートする。

10vこの日はフォーマン…じゃない、4つのバンドが出演。
トッパー…じゃない、オープナーは大山まき。

20_2大山まき

30v斉田和典

50v志太郎

60v佐野優

70v山口PON昌人

80vPONさんはNATAL。
この日は出演するすべてのドラマーさんにNATALを使い回して頂いた。
このキットの素材はウォルナット。
10"、12"、16"、22"というコンフィギュレーション。

90これはPONさん愛用のスネア・ドラム。
NATALのBEADED/HAMMERED STEEL SNARE(ビーデッド/ハンマード・スチール・スネア)の13"x8"。
ルックス通りの厚みのある性格的なサウンドはシャープなPONさんのドラミングを一層際立たせる。

1001曲目は「Karma」。

1104月にリリースされたフル・アルバム『Monster』からの1曲。
この日、2曲を除き、すべてこのアルバムに収録されている曲でセットリストを固めた。

40cd2曲目は「Survivor」。

120_svヘヴィな3連のリズムとサビのメロディがとても印象的な曲。
今の若いバンドさんってこんな曲出来ないでしょう?演らないだけなのかな?
いずれにしてもシャッフルとかブギのような3連の曲はそのうち絶滅すると私はニラんでいる。

130テクニカルなギター・ソロも炸裂。
当然斉田さんはMarshallを使用。
そもそも使っているギターがいいね!

140vドッコドッコとゴキゲンにバンドをハネ上がらせるPONさんのドラミンングがまた気持ちいい!
しかし、NATALっていい音だな~。
このバスドラの引き締まったサウンドがタマらんぜよ!

150簡単な挨拶の後、「ジャジーな曲を…」と紹介したのは「Swing Out」。

170_soまきちゃんの紹介通りの4ビートのバウンス・ナンバー。

190中間部のキメからギター・ソロへ。

200vまきちゃんの絞り出すようなシャウトっぷりが素晴らしい!

7_0r4a0050 「とうとうやって来ました、美女金の東京!
メッチャすごいね!
個人的に私は4日連続でライブしました。倒れるかと思ったけど楽しくて仕方ない!
初めての人もいると思うので自己紹介がわりの私のルーツの曲を演ります」

210v_mc3月の単独公演では「ルーツの曲」としてDeep Purpleのナンバーを演奏した。
そして、この日はジャニス。

220_mo私が初めてまきちゃんを観た時にも歌った「Move Over」。

230v志太郎さんのソロ。
志太郎さんも根っからのMarshall派なんだけど、この日は使えるMarshallが1台しかなく、やむなく別ブランドのアンプを使用。240イヤイヤ、このエキサイティングな弾きっぷりで十分Marshall魂が伝わって来ましたぜ!

250「元気ですね~!この分じゃTSPの時にはみんな倒れちゃうんじゃないですか?」
ホント、モノスゴイ盛り上がりようだったからね。
「今年は東京にイッパイくることになりそうなんです」…と、9月15日のアコメタルのワンマン・ライブと11月9日の『Marshall GALA2』について触れた。

260v_mcこの日演奏した『Monster』に収録されていないで2曲のウチのひとつ、「修羅場 de ダンス?」。
2854日連続でノドを酷使しているとは到底思えない超パワフルな歌いっぷり。
尻上がりにますますシャウトが激しくなってくる。
270_sdこの曲では佐野さんのベース・ソロもタップリとフィーチュア。

290PONさんのソロ!

310vイケイケ~!
PONさんのドラムはハデでいいな~。
聴いててスカっとするわい!

300ギター・チームも負けていない!

320

330ココはまきちゃんのコーナーのハイライトのひとつだった!

340客席をあおりまくる まきちゃん!
こんな「あおり」なら大歓迎?
 
ところで、あの「あおり運転」って言葉は、前に走っている車をどかそうと車間距離を極端に詰めてプレッシャーをかける運転を意味したと思うんだけど…。
今では危険で悪質な運転をすべて「あおり運転」と呼んでいるようで、アレがどうもシックリ来ない。
だいたいナンで追い越されることに怒りを感じるのかがそもそも理解できん。
それとタクシーの運転マナーの悪さが目立つね。
客を乗せたり降ろしたりする時に、平気でウンインカ―なしで道の真ん中で停止する車のなんと多いことよ。アレにはみんな怒ってるぞ!

280vメンバーもお客さんもスッカリまきちゃんにあおられて、とてもいい感じ!

350続けてバリッバリのドライビング・チューン「Pain Letter」。

360_plコレもいかにも「まきちゃんっぽい」ナンバー。

7_0r4a0026 オープニングの「Karma」といい、この曲といい、「いかにもまきちゃん」と思わせるところが立派である。
それだけ個性があるということだから。
テレビで取り扱われるようなどこを切っても同じようにしか聴こえない音楽やっているバンドさんとは関係ない世界に、最近すごくいい若手が出て来ている感じがする。
いよいよ「先祖返り」が始まったのかな?…なんて期待しているんだけどね。
Marshall Blogはそういう若手さんをドンドン応援していきたいと思うのです。

370v出番を締めくくったのはそのアルバムのタイトル・チューン「Monster」。

380_msとにかく「まきちゃん」っぽい!
この声、この歌い方でしか実現できない音楽なのだ!
このサビのメロデイ、一発で覚えたわ!

390

400

410v

420

430vノッケから凄まじいテンションで2019年の『美女金』を盛り上げたまきちゃん達なのであった。

440v大山まきの詳しい情報はコチラ⇒Oyama Maki official website

450 
…ということで11月9日、『Marshall GALA2』でまきちゃんに暴れて頂きます。

6_marshall_gala_2_logo2 まきちゃんの出番は『Marshall GALA2』でしか観ることのできないワンオフ・バンド「The Coral Candies」。
「Coral」ってのは「珊瑚」のことね。
 
出演は…
SHOW-YAから五十嵐sun-go美貴

460vまきちゃん

470v池尻家から池尻喜子。
ジョーダン・ルーデス系のハードなプレイヤー。

480vLAZY guns BRISKYからAzu。

490vそして、AZAZEL/M.D.M.S.からMAYO。
…というスリリングな面々。
スゲエ楽しみ。

500v次…NATAL。

505山口PON昌人はNATALドラムスを愛用しています!

510そのPONさんも『Marshall GALA2』にご出演頂きます。
PONさんのチームは「Gotwee 3 with Kazue Akao」。
 
Kruberablinkaの赤尾和重。

520vCONCERTO MOONの島紀史。

530v日本ベース界の最高峰のひとつ、小笠原義弘。

540vそして、PONさま!
これも『Marshall GALA2』でしか観ることができないワンオフ・ユニット。
ああ、早く観たい!

550vGALA2に行こうと思っているけど、11月はまだ先なので予定がハッキリせずチケットを買い控えている方が多くいらっしゃると聞きました。
本コンサートは長丁場なのでイス席のみの立ち見なし。お客さんを詰め混むようなことは一切しません。
よって売り切れた時点でチケット販売は終了となり、おひとりの追加入場もできなくなります。
ですのでゼヒお早めにチケットをお求めくださいませ!
当日はMarshall GALAオリジナル・グッズを会場限定で販売もさせて頂きます。
 
Marshall GALA2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します!

27nb11月9日、東京キネマ倶楽部でお待ちしています!

 

200
(一部敬称略 2019年7月16日 六本木Morph Tokyoにて撮影)

2019年8月20日 (火)

HELL FREEZES OVER in N.W.O.B.H.M 40TH ANNIVERSARY SPECIAL GIG

 

27nb

「え?タイトルに『N.W.O.B.H.M』ってあるのに今日はお寺でスタート?」
そう、間違いない。
今日の主役のバンド名にちなんで、神奈川県は保土ヶ谷にある「神戸山天徳院」からスタートする。
天徳院は小田原北条家の家臣、小野筑後守が帰依し華林榮公和尚となり、1573年に曹洞宗寺院として建立。
その後、文久年間(1861~1864年)に小机雲松院九世明山宗鑑和尚が中興し、曹洞宗寺院として開山した。
だから今は曹洞宗の寺院だ。
「曹洞宗」と言えば永平寺。
久しぶりにやると~、雲水の「起きて半畳、寝て一畳」や「法戦(ほっせん)」で知られるヘヴィな修行の永平寺の山門には扉がなく、両側の柱にこんなことが書いてある。
「家庭厳峻不容陸老従真門入(かていげんしゅん、りくろうのしんもんよりいるをゆるさず)」
反対側には…「鎖鑰放閑遮莫善財進一歩来(さやくほうかん、さもあらばあれ ぜんざいのいっぽをすすめきたることを)」
コレは、「永平寺の山門には扉がないので、誰でもいつでも入って来ることができるけど、ココはメッチャ厳しいんところだからして、チャラチャラした気持ちで来ようとするヤツは入れてやらんけんね~!」
すると「でも、もし本当にヤル気があるなら入れてあげてもいいよ。アナタにとってとてもいい結果をもたらしますよ」
…いう意味。
「善財(ぜんざい)」というのは「善哉」とも書き、サンスクリット語が元になっている。仏様が弟子をホメる時に使う言葉なのだそうだ。
そう、あの甘味処で食べる「ぜんざい」の語源。
で、ナンでこの寺が出て来るのかというと、天徳院は家内の実家の菩提寺で、昔から盆暮れに墓参しているワケ。
ココには以前からとても気になっていたモノがあって、前々から今日の主役のHELL FREEZES OVER(以下「HFO」)の記事でそれを紹介したかったの。
つい先日、義祖母の十三回忌があり、ようやくその「気になっていたモノ」の写真を撮ることができたので、それを紹介させて頂く。

10_2HFOが一番最初にMarshall Blogに登場した時、そのバンド名の意味を説明した。
海外で「Hell」といえば「火」。とにかく「火」のイメージらしい。
地獄は炎に包まれた灼熱地獄で、相当アッチッチなワケよ。
だからそれを凍らせる(freeze over)なんてことは不可能なの。
「Hell freezes over(地獄が凍る)」というのは、そんな不可能を可能にすることを表現する慣用句だということを書いた。
一方、日本のHellはどうか…ということをこの天徳院に収蔵されている、閻魔大王を中心に描いた「地獄」のジオラマ」が教えてくれる。
今風に言えば「地獄のフィギュア」か「地獄マップ」ということになろうか。
戦前の作品だという。
よく残っていたよ。20というのは、1945年5月29日、アメリカ軍はが横浜地区を徹底的に爆撃したからだ。
いわゆる「横浜大空襲」。
アメリカ軍は工業地、商業地、住宅地が入り組んだエリアに焼夷弾を落としたことがなかったため、横浜でそれを実験したのだ。
JR東神奈川駅、相鉄線平沼橋駅、横浜市役所、日枝神社、大鳥国民学校(現大鳥小学校)の5ヶ所に狙いを定めて爆撃し、その効果を測定した。
木造の家がどれぐらい燃えやすいかなど実際に木造家屋を作って事前に綿密に研究したことはよく知られている。
死者は8,000人とも1万人。
その2ヶ月半前の「東京大空襲」も同じ。
強風の日を予測して襲撃し、風が爆撃にどんな有利な効果をもたらすかを測定した。
そして、たった2時間半の間に10万人の市民の命を奪った。
この空襲を指揮したカーティス・ルメイは1964年に「勲一等旭日大綬章(一番強い勲章)」が与えられた。理由は自衛隊の育成に貢献したから…とされている。
この勲章は通常天皇陛下が手渡すことになっているが、昭和天皇はコレをお断りした。
いまだに「アメリカ、アメリカ」と騒いでいる若い人はこういう本を一度読んでおくとよい。
特に東京の人は。
「ジュニア新書」とあるけど、トンデモナイ!
大人が読んでも十分にショックを受けるようなことがゴマンと書いてある。 

Ij_2  一介の楽器の宣伝のブログが何でこんなことを書いているのかと言うと、日本は学校で戦争のことを教えないに等しいかなりヤバい国だからね。
今日みたいな若いバンドを取り扱う時にワザと書いて啓蒙している。
「♪カ~モンベイビ~」もいいけど、かつてアメリカが日本にナニをしたか…、また日本が世界にナニをしたのか…ということを若い人に知ってもらう機会を作りたいのだ。
自主的にドンドン歴史を勉強して、賢くならないと!
賢くなって自分が正しいと思う行動を取ってください。
人生、アニメとゲームじゃあまりにもモッタイないよ!
そして、とにかく平和でないと音楽なんてやってられないし、楽器が売れないのよ!…ナンチャッテ。
 
さて、その地獄のジオラマ…やっぱり火の出番は欠かせない。

50_2「釜ゆで地獄」。
かなりの強火だ。
釜が横川の釜めし弁当の入れ物と全く同じだ。ま、釜はどれも同じか…。
釜めしおいしいよね~。
浅草の「むつみ」が一番好き。混んじゃうとイヤだから場所を探したりしないでね!
60コレは「血の池地獄」。
このあたりは「カンダタ」でおなじみだ。

40_2コレは「積んでは壊し、壊しては積んで」の「賽の河原」。
父母の供養のために小石を積み上げて子供たちが塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされてしまう。
ちなみに「賽の河原」は英語で「The Children's Limbo」というんだって。
「limbo」というのは天国の地獄の間にいてキリストと関わりを持たなかった人が集まる場所のことで、転じて「宙ぶらりん」という意味があり、「どっちつかずの」状態を指す時に「in limbo」という表現を使うらしい。私は残念ながら実際に誰かが口にしているのを聞いたことがないけど。
この「limbo」の「l」を「b」に替えると「ビンボー」ね。
「bimbo」とは「貧しい」という意味ではなくて、「ふしだらな女」という意味のスラング。

91そこへ地獄菩薩が現れて子供たちを救う。
70_2後に見えているのは、Budgieもビックリの「針の山」。
私の友達のイギリス人は、「Budgie」をハッキリと「ブジー」と発音します。

80しかし、見ようによっては家族や鬼と一緒に温泉に入りに来ているようにも見えるな。
お婆ちゃんに抑えられている赤い金太郎を付けた子なんか実に楽しそうだ。

90_2この老人もそう。
まさか、コレって地獄に堕ちても「♪心配ないさ~!」とかいう意味なのかな?
生半可な知識では読みほどけないフィギュアなのかも知れない。
いずれにしても「火」一辺倒の西洋の地獄に比べて何とバラエティに富んだ地獄だろう。
こんなところにも連綿と受け継がれる日本の文化のキメ細かさが窺えるのではなかろうか?

30_2さて、ウチの地獄。
HELL FREEZES OVERは去る6月、『N.W.O.B.H.M 40TH ANNIVERSARY SPECIAL GIG』というイベントに出演した。
Venom Inc.とGirlschoolをヘッドライナーに据えた豪華なステージ。

93v恥ずかしながら私はこの「N.W.O.B.H.M.」という言葉をリアルタイムでは知らなくてネェ。
私がハードロックに夢中になっていた70年代の後半から80年代の最初の頃にはこんな言葉は使われていなかったと思う。
Iron Maidenが出て来た頃かな?
いつも書いているようにその頃はロックから遠ざかり出した頃だったので、私の耳に入ってこなかっただけなのかも知れない。
そしてMarshallの仕事をするようになって「N.W.O.B.H.M.」という言葉があって、それが「New Wave Of British Heavy Metal」の略だと知って驚いた。
この頭文字を口にするのはその正式名称を毎回頭に思い浮かべる必要があるのではないか?
それなら略称ではなく正式名称で呼んだ方が早いのではないか?
コレ、いまだにわからないんだけど、ファンの皆さんは「エヌダブリューオービーエイチエム」と常時呼んでいるのかしらん?
例えば…
 
「おう!メイデンのあの新しいヤツ聴いた?」
「メイデンってエヌダブリューオービーエイチエムのメイデンか?」
「そりゃそうだよ、メイデンといえばエヌダブリューオービーエイチエムにキマってら」
「そりゃそうだよな…でも、オレ最近あんまりエヌダブリューオービーエイチエム聴いてないんだよ」
「エ~、あんなにエヌダブリューオービーエイチエムが好きだったオマエが?」
「そうなんだよ、ちょっとエヌダブリューオービーエイチエムのロック以外も聴いてみたくてさ」
「よせよせ!エヌダブリューオービーエイチエムが一番にキマってるから!だってエヌダブリューオービーエイチエムにはMarshallがふんだんに使われているからな!」
「おう、そうだよな!マーシャルアンプリフィケーションピーエルシーはやっぱ最高だよな!」
ってな具合になっているのだろうか?
ならんな。
 
あんまり余計なことを書くとニックに怒られそうだからコレぐらいにしておこう。
ニックとはニック・ボウコットのこと。
エヌダブリューオービーエイチエムの一派、Grim Reaperの創設者。
お互いに「TDSM(私)」、「ADSM(ニック)」と呼び合う仲良しなのだ。
 
ということで、MBがN.W.O.B.H.Mのイベントに出演したHFOのステージのようすをレポートする。

953番手でステージに上がったHELL FREEZES OVER。

110転換の間、客席に空隙が目立ったが、出番が始まった頃にはお客さんがパンパンに集まりノッケからテンション高し!
これぞエヌダブリューオービーエイチエムのライブ!

120TREBLE "GAINER" AIDYSHO

130vRYOTO

140vHIROTOMO

150vTAKUYA MASHIKO

160vTom Leaper170vオープニングは「GRANT YOU METAL」。
「grant」か…いいね。
「お前がメタルのを認めてやろう」ってなイメージかな?

200v_2一発目はドッカ~ンとバリバリの急速調でくるかと思いきやさにあらず。
270_2ドッシリとしたヘヴィ・チューンを持って来たよ。
260こういうのもいいんじゃないスか?
バンドの余裕を感じるね。

TomくんはNATALプレイヤーなんだけど、今日はイベントなので使い回しのキットを使用。
220もちろんRYOTOくんと…

210v_2HIROTOMOくんのギター・ソロがバッチリとフィーチュアされた。
安心のMarshall 1959サウンド。
やっぱりコレやね、我々エヌダブリューオービーエイチエム以前の世代はこの音が一番シックリ来る。

250続けての2曲目は「HELLRAISER」。

230キタキタキタ~!

180耳をつんざくメタル地獄!

190_2ステージの中央でツイン・リード・メロディを奏でるギターの2人にひときわ大きな歓声が浴びせられる。
もはやお客さん全員がHellraiserだ!
 
RYOTOくんのTシャツは「Goes to 11」だな?好きだね~。

290もうイッチョ、「PHANTOM HELICOPTER ATTACK」!

280_2コレまたHFOらしいギンギンのメタル・チューン。
このバンドの曲って、チョット聴いただけでHFOとわかる独特のバンド全体の節回しみたいなモノを持ってるんだよね。

350それが日本人っぽくもあり、外人っぽくもあってオモシロい。
ひとつ確実に言えることは、今の日本の若いメタルのバンドとは音楽を作る思考が全く違うということだろう。
要するにヘヴィメタルの類をやっているそこら辺の普通の子とこの人たちが聴いて来た音楽が決定的に異なるということね。
わかりやすく言えば、この人たちのルーツは完全に洋楽ということ。
インプットするモノが違えば、アウトプットされるモノがこれだけ違うという好例だろう。

310_2ところで、題名に「ヘリコプター」という言葉が使われているロックの曲は私は2つしか知らない。
ひとつはこの曲。
もうひとつは…RYOTOくん、答えてみなさい!
ピンポ~ン、「I'm Going Home by Helicopter」ね。
ジャズではカウント・ベイシーの「Whirlybird(ワーリーバード)」という曲。「whirlybird」とはドンズバで「ヘリコプター」という意味。

0r4a0108_2 さらに続けて「END THE BREATH OF THE NIGHT」。 370って、オマエら『Speed Metal Assault』からの曲をゼンゼン演らねーじゃねーか!
そうか…そうだよね。
もう次の段階に行ってるのね?
そうでなきゃイカン。
Sma「今日は早い時間から駆けつけてくれてありがとう!
昼間っからマジで最高だぜ!
オレたちはコレで出番を終わるけど、最後まで楽しんでいってくれよ!」
この上から目線がまたいいのだ。
HFOのロックには「ありがとう」も「がんばろう」もない。
あるのはメタルの無間地獄だ!

240_2そして最後はその『SPEED METAL ASSAULT』から「OVERWHELM」。
HFO節に満ち満ちたキラー・チューンで5人は出番を終えた。

330v

320v_2

340v

350v_2

380vこの場にHFO目当てでいらしていたお客さんがどれだけいたのか見当もつかないが、演奏が終わった後の「なんだ、このバンド、いいじゃん」感がメッチャ強かったことを書き加えておくことにする。
LOUDNESSと同じステージに立った去年のRed Bullの時のアレだ。

HELL FREEZES OVERの詳しい情報はコチラ⇒Official website

400…ということで、既報の通りこの若きエヌダブリューオービーエイチエムの雄にもMarshall GALA2に出演して頂くことになっている。
 
さてGALA2、行こうと思っているけど、11月はまだ先なので予定がハッキリせずチケットを買い控えている方が多くいらっしゃると聞きました。
本コンサートは長丁場なのでイス席のみの立ち見なし。お客さんを詰め混むようなことは一切しません。
よって売り切れた時点でチケット販売は終了となり、おひとりの追加入場もできなくなります。
ですのでゼヒお早めにチケットをお求めくださいませ!
当日はMarshall GALAオリジナル・グッズを会場限定で販売もさせて頂きます。
 
Marshall GALA2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します!

27nb耳の肥えたお客さんがステージをジックリと見据える機会にHELL FREEZES OVERがどう立ち回るのか…今から楽しみでならない。
いつも通り「おいオマエら!ヘルレイザーになっちまったか?」と上から目線でやってもらいたいナァ。
だってそれがロックじゃないか!
Gainer

Ryoto

Hirotomo

Takuya

Tom11月9日、東京キネマ倶楽部でお待ちしています!

 

200
(一部敬称略 2019年6月2日 吉祥寺CLUB SEATAにて撮影)

2019年8月 9日 (金)

Sound Experience 30 ~ Strange,Beautiful and Loud & YOU-VAL メロン with 淳

 

05とうとう『Sound Experience』も30回!
Marshall Blogで一番最初にレポートしたのはいつのことであったろうか…。
そこは10年以上の歴史を持つMarshall Blogじゃない?…どうしても気になって、三宅さんからのサポートを得ながら調べてみた。

10vさすが三宅さん、第1回目のことを明確に覚えていらして、その時のレポートがすぐに見つかった!
「第1回目」というのは、GRAPEFRUIT MOONで『Sound Experience』という名義の下で開いた一番最初のライブということね。
それは2010年11月2日のことで、記事は削除されてしまったのでリンクすることはできない。
そこで私が保管している「Marshall Blog Archive」から記事を引っ張り出してみた。
ゲストは令文さんで、三宅さんと共演した曲は「Diamond Dust」だった。

Se2 その頃の三宅さんはこんなペダルボードを使っていた。
この時からいくらか時間が経過して、高円寺のSHOW BOATのリハーサルの時にルーパーが故障。
三宅さんはその場で撤去。すると音がガラリと変わって一段とスゴいサウンドになったのをよく覚えている。

7_2pb 『Sound Experience』というと、もう今ではStrange,Beautiful and Loudとゲストバンドのダブル、あるいはトリプル・ヘッドライナー・ショウだと思われがちだし、現実的にそうなっているんだけど、SBLではない三宅さんで開催したこともある。
その一例が2011年8月29日の第3回目。三宅さんは「Orchestra Four」というチーム名で出演した。
その時のゲスト・バンドはヒロアキくんだった。
2人で「Little Wing」をプレイ。
この記事ももう見ることはできません…削除済みです。

Se32011年の末にMarshall Blogが終了。
それから10ヶ月ほど経った2012年の10月26日に復活。
そうしておかげさまで現在に至っているのだが、新しくなったMarshall Blogで一番最初にレポートした2012年12月19日の『Sound Experience』は第6回目で、不思議なことにこの時のゲストも令文さんだった。

450
そして、初回から9年後、『Sound Experience』は第30回目を迎えた。
何しろ第1回目から観ているワケだし、レポートのし甲斐があるというものだ。
ところが!
いつも開演前に三宅さんに「照明を明るめにしてください」とお願いするのだが、この時はウッカリしてた。
お願いすれば快く照明を明るくしてくれるんだけど、この時は完全に忘れてしまった!
その結果どうなったか…何しろベラボーに暗いのと、強烈なLED攻撃で2曲分ぐらいしか写真が撮れなかったのよ!
アレじゃジム・マーシャルでもノーマン・シーフでも撮れないよ。
そういう時は撮るだけ撮って、モノクロで焼いてしまうやり方もあるんだけど、私はアレがあまり好きではないのです。
みんな「雰囲気があるね」なんて言うけど、そんなのウソです。ゴマカシが利いているだけ。
コレは三宅さんとも意見が一致したところなんだけど、やっぱりせっかくのカラーなんだもん、総天然色で撮らなきゃ!
でも今のMarshall Blogになって、一本だけ総モノクロ写真で記事を書いたことがある。
スモークがキツすぎて物理的にほぼ撮影不能で、カラーだと写真にならなかったから…。
そりゃ初めからモノクロ作品として計算して撮るのはムズかしいですよ。
その代わりチャンと撮る技術があればヘタなカラー写真よりよっぽど色彩感が出たりする。
セシル・ビートンの写真なんかそう。
…ということで、記念すべき30回目にもかかわらず、写真の撮れ高が少なかったのでサラっとしたレポートをお送りします。

2030回目の『Sound Experience』のステージに立ったのは…

30三宅庸介

40vMarshallはJVM210Hと1960BVで固めた鉄壁の三宅シフト。

50v河野充生

60v金光KK健司

70v今日もNATALのバーチ。

80まずは「君が代」でスタート。

Sそして、そのまま「devil」へ。

90たたいかけるように「if」から「virtue」へとつなげた。

100三宅さんのMC…「ココで発足して『Strange,Beautiful and Loud』と名付けて30回目のライブです。
色々な方に来て頂いてセッションをして来ました。
あまりに音が大きいので出入り禁止になって、1年ほどお休みしましたけど、この2月に復活して…。
一番音が大きかった時はボリュームの目盛りが8ぐらいでしたが、今日はその半分以下の3.5で演っています」
しかし、ホントにいつからロックで小さな音が礼賛されるようになったんだ?
そもそもその辺りからしておかしいんだよ。
いくらPAが発達しても、バンドの音、つまりステージの中の音が小さいと聴いてて面白くないんだよね。
迫力がグンと落ちてしまう。
今の若い人はそういうことを知らない。
コレは音楽の問題で、ステージの中音が小さくても成立する音楽が跋扈しているからこういうことになったんでしょう。
古き良き70年代ハードロックが盛んだったら、小さな音がもてはやされることなんて絶対になかったハズだ。
そもそも、あんまり音が小さくなったらこのバンドの名前も『Strange,Beautiful and Quiet』に変えなきゃならないんだぞ!
そんなことした草葉の陰でジミがガッカリすらぁ!

120金光さんのリードで「murt'n akush」。
ナンカこのあたりはそれこそ「怒涛の!」って感じだった。

130皆さんはすごく意外に思われるかも知れないけど、三宅さんは私よりいくつか年下なのね。
ところが、その立ち居振る舞いと来たら…私よりとても思慮深く落ち着いているでしょ。
音楽のことも本当によく勉強していらっしゃる。
私のように縄文時代のロックだけに傾倒することなく、若いお弟子さんを抱えていらっしゃるので、新しいロックにも造詣が深い。
ま、私もジャズでは負けんがな。
ギターやレコーディング関連の機材にも並々ならぬこだわりを持っているのでケタ違いに詳しい。
で、何よりもそのあたりのバランス感覚が優れているので、色々なことで相談に乗ってもらったり、意見を求めたりすることが決して少なくないのね。
付き合いもいい加減長いし。
すると毎回、「なるほど」と思わされる適切なアドバイスをくださるワケ。
もちろん意見が合わないこともしょっちゅうなんだけど、そんな時もその合わない意見が後々参考になったりするんだナァ。
とにかく、ジミヘンのことは音楽なり機材なり人生なり、全部三宅さんに訊けばいいし、リッチー・ブラックモアだったらノンちゃんだし…なんと便利なことよ。
そんな三宅さんはもちろん気配りにも長けていらして、お付き合いしていて実に気持ちがいい。
そのひとつの表れとして、Marshall Blogに関連記事を掲載すると間髪を入れずに礼状を送ってくださる。
もちろん、Marshall BlogはMarshallのPRのいち手段としてやっている仕事のひとつなので、私はお互いさまだと思っているんだけど、三宅さんのお礼の仕方がとてもうれしいんですわ。
三宅さんは決して「取り上げてくださってありがとうございます」とか「出して頂いて感謝します」なんてことは言わない。
どう言うかというと…「残してくれてありがとうございます」とおっしゃる。
コレなんですよ。
たとえヘタな写真やツマらない文章でも、私が生きてMarshallに勤めている限りは半永久的に「いつ、どこで、ナニを、どういう風にして演ったか」ということがMCも含めてMarshall Blogに記録されるワケ。
大ゲサに言えば日本のロック・シーンの一部の歴史をMarshall Blogに刻んでいることを認めてくださっているのがうれしいのね。
「毎回、身体中の薄皮を剥ぐようにして感情や心を込めて演奏している」といつか三宅さん自身がおっしゃっていたけど、そうとなれば尚更何らかの形で記録に残しておくべきなのだ。
ビデオもいいけれど、毎回すべてを記録するのは大変だし、もしそれが残ったとしても、どうせ見るのはホンノ一部分であることが多いだろう。
その点、余計なことがたくさん書いてあるにせよ、絵本や絵日記を見るような感覚で過去の演奏にまためぐり合うことができるなんてスゴイことではないか!…と三宅さんは思ってくれているに違いない。
だから私だって気合い入れてやりますよ。
このことをズッと書きたいと思っていたのです。

140vSBLのステージは「petal」、「bloom」へと続いた。
そして、また三宅さんの薄皮が1枚剥けた。

160イヤ、リズム隊の2人の薄皮も剥けたことは間違いない。

17030回目を迎えた『Sound Experience』でもそんな演奏を見せてくれた3人だった。

180Strange, Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒facebook

150続いてはYOUさん率いるYOU-VAL メロン with 淳。

190足立YOU祐二

200vYOUさん、今日はMarshallで鳴らしています。
ヘッドは三宅さんと同じJVM210H。キャビネットは1960BV。

210長谷川淳

220v長井VAL一郎
VALさん、お久しぶり~!

230vYOUさんは直近では22回目の『Sound Experience』にご登場頂いている。
その時は「3 tea 3」というバンド名義でのご出演。
YOUさんのバンド活動はバリエーションに富んでいるので、バンド名を完璧に頭に叩き込むのはなかなかに困難な作業だったりするのだ。
250しかし、どのチームでもYOUさんの音楽は一切ブレることがない。
今回の1曲目は「Gohst Song」という曲。
メロディがポップで耳馴染みはいいが、リズムは3/4+3/4+2/4だったり、サビで1回しか出て来ないメロディがあったりで一筋縄でいかない典型的なYOUミュージック。

240v曲は「Type B.」、「脳内列車」、「脳内列車 2」と続く。
この「脳内列車」だったかな?複雑すぎてリズムが読みほどけなかった。
でもメロディはどれもシンプルで歌詞を付ければそのまますぐに歌曲になるようなモノばかり。

255vそして、この集中力。
ギターの演奏に必要な部分意外の視界を一切断絶。
MCはなし。
もうYOUさん自身がギターになってしまったかのような楽器との一体感。
でも決して熱くなったりせず、徹頭徹尾クールなのだ。

260「My Sun」、「Garden」、「Blues Voice」、「The Thing」とただただ曲が続く。
そのどれもがまるでCDを聴いているように完璧で美しい。

270最後の曲の前のYOUさんのMC…「三宅くんのところ…本格的でしたね。
あれだけ本格的に演られるとコッチはナニをやってもチャラチャラにしか見えませんよね」
んなことはない。
YOUミュージック、私なんかにはメチャクチャ厳しい音楽に聴こえます。
そして最後を締めくくったのは「狂気のラビット 3」。

280さて、アンコールはゲストを迎えてのセッション!
いつもはSBLにゲストが加わるスタイルだが、今日はSBLの出番が先行なので三宅さんがYOUさんチームに合流してのセッション。
アレレ、セッションにしては三宅さんのMarshallがステージに上がっていないぞ~!

290三宅さんはギターすら下げていないし…。

320v…と思ったら、セッションはセッションでも「トーク・セッション」!

310vYOUさんの冗談かと思ったら本当におしゃべりだけ。
ところがコレがベラボーにオモシロい!
演奏もいいけど、コレも聞きたい!

330ま、ナンのトークかお知りになりたければ次回YOUさんが『Sound Experience』にご出演される際にゼヒGRAPEFRIT MOONにお出かけください。

340前回YOUさんが出演された記事を見たらアンコールのセッションの様子が我ながらすごく面白く書けているのでリンクをしておきましょう。
ね、ちゃんと「残してある」からこういうことができるの。
「ミュージシャンとMarshall Blogに歴史あり」なのだ。
 
ココをクリック⇒『Sound Experience 22~ 足立祐二 3 tea 3編的な?』

 
足立祐二の詳しい情報はコチラ的な?⇒You's Alien blog

350今日も演奏におしゃべりにと楽しい『Sound experience』だった。
三宅さん、30回おめでとうございます。
これからもズッ~と続けてくださいね。

360 <『Sound Experience 31』につづく>  

200

 (一部敬称略 2019年5月7日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)