四人囃子 再発プロジェクト・コラボレーション "稲葉囃子" <前編>
実はまだ昨年のライブのネタがいくつも残っている。
年が明けて出張が重なった後、プライベートで天地を揺るがす大事件が勃発(今はほぼ解決)。
今年に入ってゆっくりブログを書く時間がなく、それでもその後、NAMMのレポートに取り組んでいたりしたら今度は新型コロナ。
アッという間に世界の様子が変わってしまったネェ。
恐ろしいもんだ、アッと言う間だよ。
とにかく一日も早く終息して欲しいものだ。
さもないとコロナより恐ろしいことが起きてしまいそうだからね。
またココで思い出すのは達郎さんの言葉…とにかく「平和じゃないと音楽なんかできない」ことがよくわかった。
さて、しばらくは「まさかこんなことが起こる」なんて想像すらしていなかった頃のライブのレポートをお送りする。
まずは四人囃子の名盤再発に関連するコンサート…「稲葉囃子」のステージのもよう。昨年の10月に『一触即発』のデラックス・エディションがリリースされた。
オリジナル・マスターテープの発掘により、このアルバムで初めて明らかになった音源やコンプリートなライブ音源にファンは歓喜の涙を流したことだろう…イヤ、流したのだ!
パッケージを開くとこんな感じ。
いいね~。そして3枚のCD。
音がゼンゼン良くなったことは以前にも書いたね。
それにしても、ジャケットがいいよね。
いちいち名前は出さないけど、昔は日本のロックもレコード・ジャケットに秀逸なモノが多かった。
ジャケットがいいから中身がよく聴こえるのか、イヤ、もちろん中身がいいからジャケットもステキに見えるんだろうけど、まさに見た目のと音のコラボレーションだった。11月にはアナログ盤もリリース。
(写真は私が持っている46年前のオリジナル盤ですので仕様に違いがあったらゴメンナサイ)
コレが再発プロジェクトの第2弾。
第3弾が3月11日に発売となった東宝レコード時代のその他のアルバム。
まずは『二十歳の原点』。
恥ずかしながらこのアルバムだけは聴く機会がなくて最近初めて拝聴した。
実にいい!デビュー前の音源を収録したライブ盤『'73四人囃子』。
そして、もう一回『一触即発』!
『デラックス・エディション』とは異なるマスタリングのスタンダード・バージョンだ。
…と四人囃子の周囲がにぎやかでとてもよろこばしい。
そして、昨年末のライブ会場に戻る。
ロビーでは第1弾&第2弾のアイテムに加えDVD(後出)を販売。特製Tシャツも。
さて、「稲葉囃子」…この時、私にとっては約1ヶ月ぶりのステージ。
この日に先立っての11月9日。
東京キネマ倶楽部で開催されたMarshallのイベント『Marshall GALA2』に「SPIN OFF 四人囃子#1」名義でトリでご登場頂いたすぐ後だったのだ。
その時の様子はコチラ ↓ ↓ ↓
【Marshall GALA2】vol.9:SPIN OFF 四人囃子#1
定刻になり、まずステージに上がったのはピアニストの秦万里子(はたまりこ)。
とにかく言いたいことはひとつ…素晴らしい演奏だった。
若い頃から四人囃子を追いかけていたという秦さん。
「泳ぐなネッシー」、「ピンポン玉の嘆き」、「カーニバルがやってくるぞ」の変奏をちりばめたピアノ・ソロ。
大二さんにお聞きしたところによると、演奏は鍵なく即興なのだそうだが、構成力に富んだ、美しくも厳しい演奏はトリハダものだった。
また聴きたい~!
第2部は、1989年のMZA有明のコンサートのもようを収録した『FULL HOUSE MATINEE』の鑑賞会。
今回のプロジェクトでめでたくDVD化された。
四人囃子リイシュー・プロジェクト・キュレーターの灘井敏彦さんの解説付きだ。
収録されている演奏はもちろん素晴らしいが、四人囃子の5人とホッピーさんの若いお姿がとっても凛々しい!
大二さんのNATAL。
メイプル・オリジナルのフィニッシュはホワイト・スパークル。
スネアドラムは同じくNATALの「ハーフ・ビーデッド・スチール」。
ゴツイ見た目に比べて音はウォームだ。
稲葉さんはMarshall ASTORIA CLASSICが2台。
ステレオで使用した。
山崎洋
山崎さんはEDEN。
WTP-600ヘッドとD410XSTキャビネット。
いつも書いてしまって恐縮だけど、今回も書かずにはいられない…大二さんの魅惑のシンバル・レガートでスタートしたのは…
祭りは締めくくられる。
いいナァ~。
やっぱり、いいナァ!
とてもシアワセな気分になる。
しかし、今年は三社さんできるのかナァ?
私は祭りマニアではないけれど、下谷も、小野照も、鳥越も心配だネェ。
2曲目も大二さんのドラムスでスタート。
楽しい楽しい「カーニバルがやって来るぞ」。
私の四人囃子初体験は『一触即発』ではなく『ゴールデン・ピクニックス』だった。
「Flying」が終わってこの曲が始まった時、ノックアウトされた。
特に中間部の「Paris Canaille(パリ野郎)」のパートが好きだった。
1953年のLéo Ferréのシャンソン・スタンダード。私は映画音楽やミュージカルからロックに入ったこともあってドラマ仕立てのシアトリカルな音楽が大好きなのです。
今でもコレを聴くと心ウキウキ!気分ワクワク!!
この黒のカスタム・メイドのASTORIAは日本初公開。
残念ながらMarshallはもうASTORIAは製造していない。
モッタイないよな~。
ギターを弾くことの喜びを教えてくれるモデルだった。
クリーンしか出ないのがASTORIA CLASSIC。
稲葉さんはこの足元でサウンドに彩を添えた。
「四人囃子の音楽を聴いてくれて、喜んで頂ける人がいらっしゃる限り演っていきたい。
そんな機会を作ってくれた稲葉くんに感謝しています」
そう、「稲葉囃子」は稲葉さんのひと言で始まったチームなのだ。
その稲葉さんがバンドのメンバーを紹介。
「キーボーズの坂下秀実と申します」「お年寄りたちをダマって支えてくれています。お母さんとお顔が同じです」と紹介されたのは山崎さん。
わかるような気がする~。「お母さんとお顔が同じ」だなんて素晴らしいことです。「今日はしゃべらないつもりでガマンしていたんですけどツラくて、ツラくて!」
そんなのダメダメ!
稲葉さんのトークは絶品ですからね。
ドンドン語るべし!
ココでは「おまつり」と「カーニバルがやって来るぞ」についてオモシロおかしく説明してくれた。にぎやかなMCから一転してシリアスな雰囲気で3曲目はスタート。
曲のすばらしさを噛んで含めるように聴く者に染み入ってくる演奏だ。
四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒四人囃子オフィシャル・ウェッブ・サイト