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2025年5月

2025年5月30日 (金)

Silex~Dramatic Dream 6th

 
久しぶりのSilex。
今日は次回Marshall Blogに初登場して頂く「1st0」のセカンド・アルバムの発売記念ライブに出演した際のレポート。10v1曲目は「Standing on the Grave of Yesterday」。
この曲をドアタマに持ってくるのは珍しい。
もっと珍しいのはいつも下手に陣取るMashaくんのポジション。
この日はキーボードの搬出入の段取りを優先してMashaくんは上手に立った。
20Cho30vMasha40vKohta50vHayate(颯)60vTakaya70v最上のギター・サウンドでノッケからバリバリ弾いて見せてくれるMashaくん。
もちろん音を出しているのはいつも通りの愛用のMarshallたち。80この日のMarshallのようす。
キャビネットはライブハウスの1960Aなんだけど、ちょっと「おカビ」が…。
そうなのよ、保管する環境によってはフレット・クロスに盛大にカビが生えちゃうの。
Marshallは純粋のアナログ製品で不純物が入っていないからだよ…食料品かッ?!
コレはアルコール成分入りの消毒液をスピーカー・ユニットにかからない程度の勢いで噴霧してあげるとキレイになりますのでお試しあれ。
また生えて来るけど。
90vMashaくんのラック・マーシャル。
プリ・アンプは「JMP-1」。
パワー・アンプは50W+50W出力の「9100」、後の「EL34 50/50」だ。100Choくんの短い挨拶があって、2曲目は早くもSilexのキラー・チューンのひとつ「Destiny」。110_dst「♪ジャ~ジャジャッ」の劇的なイントロからChoくんのどこまでも伸びやかな雄叫びが炸裂する!120vメジャーに移調して30秒チョットの短いスペースのギター・ソロに詰め込まれた密度の濃いフレーズたち。
ソロの最後のパート、「(実音で)E|Gm|G|Gm」とやるサブ・ドミナント・マイナーのところのフレーズがヤケクソにカッコいい~!130v「改めましてSilexです。こんばんは!
本日は『Dramatic Dream』の第6回にお呼び頂きましてありがとうございます。
そして、今日ここにお越しくださいました皆さんと配信でご覧頂いている皆さま、本当にありがとうございます!
もう皆さんは2時間ライブを楽しんでいると…。
ボクたちもその熱気で吹っ飛ばされそうですが、Silexなりのドラマティック・メタルで、お前たちをブッツつぶしにかかるからな!みんなついて来れるか?!」
ダイジョブ、ダイジョブ。
皆さんお金を払っているので何があっても必ずついて来てくれます。140MCに続いて取り上げたのは「Arise」。
イントロからMashaくんのギターが巧みにストーリーを語り出す。
430v_vonひたすらストレートにバンドをドライブさせる颯くんのダイナミックなベース・ラインと…
160v2つのバスドラムが大地を揺らすTakayaくんのドラムス!150_arsKohtaくんはシンセサイザーで曲全体をに豊かな色彩を加える。180vそんなバック陣の演奏に乗ってChoくんがパワーみなぎる歌声を聴かせてくれた。170まだ音源化されていない「Only the Strong」。
ノッケからMashaくんのスキルフルなギターが飛び出してくる。200_ots3連リズムのパターンのヘヴィ・チューン。
コレもカッコいいぞ!
210vChoくんの「ギター!」の掛け声でMashaくんが壮絶なソロをブチかます。
エンディングを導くキメのフレーズも完璧!
260v続けても未音源化ナンバーで「Find my Ownway」。230_fmo前曲と同じくバックに流し込まれてくるKohtaくんのオルガン・サウンド。
このトラディショナル感がすごくいいな~。240遠慮なく叩き込んで来るTakayaくんのドラムスは最早「パワフル」を上回る!S41a0062このリズム隊、「強靭」そのもの!S41a0076 意表をつく転調からのギター・ソロが勇猛に切り込んで来た!220このCDに収められていない2曲は他とは少々違う雰囲気だね。
どう違うかと言うと、私のバカ耳なんかには上でチョット触れたようにトラディショナルな感じに響く。
すごくいい。270_end「イヤ~、熱っ!こんばんは!
改めまして、Silexです。今日は1日よろしくお願いします。
1st0さんのレコ発にお呼び頂きましてありがとうございます。
出演バンドがノッケからスゴくてヤラれちゃった感がありますね。
皆さんの身体にムチ打ってもっとやっていこうかな。
今日はそれで帰って頂くと…よろしく!」270「…というワケでですね…疲れていませんか?
配信の人、寝ていないですか?
チョットこぶしが上がっていないですよ。
みんなで熱く盛り上がっていきましょう!」290Takayaくんのツーバスが猛烈な律動感を押し出してくる「Metal Nation」。310vイントロではMashaくんがワウワウ・ペダルを踏みながら極上のギター・サウンドを放出する。
やっぱりちゃんと真空管アンプを使って作る音はいいね。
問答無用でギターの音が抜けて来る。
0r4a0039 これまたサビのパートがグッとくるSilexの代表的なナンバー。320ガツンと転調してMashaくんのソロ。350vそして、リズムが変わって…
330vKohtaくんのシンセサイザー・ソロが続く。
これまた実にメロディアス!
そして何よりもドラマチックな展開だ。
360v替わってKohtaくんが奏でるのは哀愁のピアノ。370_cfmSilex定番のバラード「Cry for the Moon」。
一度聴いたら忘れられない歌のメロディ。380vもちろんMashaくんがギターでウチに秘めた感情を爆裂させたことは書くまでもない。390vChoくんもジックリと歌い込む。400vそして曲を締めくくる感動のギター・ソロ。
「Made of Lies」と並ぶSilexの名バラードの名演だった。410「ありがとうございます!
いよいよラスト2曲となりました。
我々なりのドラマチックな時間がもうすぐで終わってしまいます。
おなじみの方も、今日はじめてSilexをご覧頂いた方もSilexの応援をよろしくお願いします。
今日はイベントに呼んで頂いてありがとうございました!
OK!ラスト2曲いくぞ~!」420最後の2曲。
まずは、コレもまだ音源になっていない「Veil of Night」。430_vonすさまじくハードな勢いで曲が流れる中、Mashaくんは立ち慣れているステージ下手に移動。S41a0295 「ウン、やっぱりこっちからの景色がいいわ」
「あ、ヤッパリ?」
という会話を目でChoくんとしたとか…しなかったとか…。450「ギタ~!」
怒涛の如く押し寄せて来るMashaフレーズ。
太くヌケのよいギターの音も相まって最高のソロが構築されていく。
細かいところまで実に端正に作り込んで、それを良い音で聴かせてくれようとする姿勢が素晴らしい。
まったくクラシックっぽいことはやっていないが、ショウを通してその姿勢を目にすると何となく協奏曲を聴いているような感覚に陥るわ。
460「ラスト~!」
Silexのステージの最後を飾ったのは「Everlasting Symphony」。470_elsSilexのステージには欠かすことのできない『ARISE』収録のキラー・チューンに5人が燃え上がった!480v 490v 500v 510v 520v燃え上がる気合をドラマチックに発散させた全10曲であった!530今、Marshallからは新しいペダルのシリーズが出て話題になっているが、コレはMashaくんにデモンストレーションをお願いしたビンテージ・リイシュー・ペダルのビデオ。
4種類のペダルを使ってのひとり4重奏をゼヒご覧頂きたい。

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Website
540<つづく>
 200(一部敬称略 2025年4月6日 巣鴨獅子王にて撮影)

2025年5月28日 (水)

曾我泰久 ソロ活動35周年記念ライヴ~NOW HERE I AM <後編>

 
ヤッチンのソロ活動の35周年を記念するライヴ『NOW HERE I AM』のレポートの<後編>はマージ―・ビート・チューンを2つ披露した後のMCから。 
「久しぶりに『On the beach』を歌ってみましたがキーが高い!
自分で作っておいてナンなんですが…。
ズ~っと高いところで歌ってるので声がチョット変になってきた」
すると即座に客席から「ガンバって!」の掛け声がかかる。
「オマエもな!」と答えるヤッチン。
会場は大爆笑。
10v_2「それではココからバンドのメンバー1人1人にゆかりのある曲をお送りします。
先ほど言いました通りデモ・テープの『Super Rare Trax』でソロをスタートしたワケですが、自分でアレンジをして5枚目のアルバムを作っていた時、『次の曲のベースを自分で弾くのはどうかな?』と思ったんです。
そこでまこっちゃんに『ベース弾いてくんない?』とお願いしました。
快く引き受けてくれて、しかも、すんごくカッコいいソロを自分で考えてくれて、それを収録したんです。
このベース・ソロ1発で曲がグンと大人っぽくなりました」
ヤッチン曰くそのベース・ソロは「カッコよすぎて腰が砕ける」という。
そこまで言われるとドキドキするナァ~。
20_2曲は2002年、その『Super Rare Trax Vol.5 N゜5』から『「秘密」』。
マージ―・ビートから一転して長短7度の音が飛び交う激オトナのムード。
ヤッチンはこういうタイプの曲も得意だよね。30_hmtフレット・ベースに持ち替えた斎藤さん。
なるほど、コンパクトながら曲想に完璧にマッチしたソロは秀逸!
ソロだけでなく、バッキングでもフレットレス・ベースの効果を大いに発揮させて厚みを加えた。
今から10年以上前のこと、山下達郎さんの右腕ベーシストである伊藤広規さんのソロ・アルバムのライナー・ノーツの執筆を6枚ほど担当させて頂いたことがあった。
その中で私はこう書いた。
「いいバンドにはいいベーシストがいる」
自分で言うのもナンだが、斎藤さんのプレイは私の言葉が正しかったことを具(つぶさ)に証明して見せてくれた。
40v荒川さんのメローなエレピもステキ!
そういえば「メロー」なんて言葉も全く耳にしなくなったな。
世の中がもう「mellow(まろやかな)」なんてことを受け付けなくなっているのかしらん?50_2ヤッチンの歌声もメローに響いて曲の魅力が余すところなく客席に伝えられた。60v「カッコいい~!
この1曲のためにあの重いベースを持って来てくれたの。
改めてまたCDで聴いていただくとして…まこっちゃんのベースソロ、ホントに秀逸でございます」118a0593「ところで、この4月の1日、雨の中に集まってくれている方は超マニアックですからね。
ボク自身が知らないボクのことも知っているかも知れない。
それぐらい知り尽くしていらっしゃるから今日のライヴを聴いて、改めてもう1度CDを聴き直して頂きたいと思います」008a0190「続きまして泰(とおる)ちゃん。
初期から中期の間、色々とキーボードを演ってくださっていたんですが、その中でチョット自分でアレンジができない曲があったんです。
『The swinging in the rain』なんですが、どうやってもジャズっぽさが出てこないんですよ。
当たり前ですよね、ピアノも弾けないし。
これはもう泰ちゃんに頼むしかないと思って『こういう曲があるんだけど、アレンジしてくれるかなぁ』と電話をしたんですが、たぶん釣りに行っていたんでしょう…いなかった」
70
「雰囲気はジャズなんだけど、よくポップ・ミュージシャンやロック・ミュージシャンがちょっとジャズっぽいようなことを演るような雰囲気。
ドジャズに持って行かないで、ちょっとジャズ・テイストがあるポップスに落ち着きたい…ということを伝えてあのアレンジをしてくれたのが泰ちゃんです。
で、ベースを弾いてくれているのが、まこっちゃんです。
そんな泰ちゃんのアレンジとまこっちゃんのランニング・ベースでお送りしたいと思います」80v_22013年の『The Swinging in the Rain』からタイトル・チューン。
曲名はもちろん『Singing in the Rain(雨に唄えば)』からでしょう。
「雨に唄えば」はジーン・ケリーの1952年の映画でよく知られているけど、実は1920年代からある古~い曲なんですよ。
そして、ヤッチンのCDのジャケットのデザインはアルト・サックスのジャッキー・マクリーンが最もノッていた時期だった1961年のブルーノート盤『A Fickle Sonance』が元。
『Swing, Swang, Swingin'(私の大の愛聴盤!)』、『Jackie's Bag』、『Let Freedom Ring』等、この時代のマクリーンはジャケットのデザインもヨカッタ。
その中から『A Fickle Sonance』を題材にしたご慧眼はお見事!
私なんかはカレコレ45年近くジャズを聴いて来ているので、こういう所業はドンドンやって欲しい。90_sir急速調のスウィング・チューン。
斎藤さんのベースが大活躍!
こういう4分音符のジャズのベースは英語圏では「ウォーキング・ベース」という。
ヤッチンも言っていたようにナゼか日本では「ランニング・ベース」ということになっている。
もっと言うとジャズで使うリズムのことを「4ビート」というけど、海外ではそのまま「ジャズ・ビート」と呼んでいるようだ。
同じく「8ビート」は「ロック・ビート」、「16ビート」は「ファンク・ビート」。
試しに日本式にそれらのリズムの呼び方をイギリスの音楽関係者に向かって使ってみたところ、「そういうムズカシイことはわからない」と言っていた。100シンセサイザーによるダイナミックなホーン・セクションとピアノ・ソロ。
予定通り荒川さんが大フィーチュアされた。110v_2初めてこの曲を聴いた時「♪なぜにイギリス人は傘をささないの?」という歌詞に大爆笑してしまった。
ホントのことだから。
強い雨でも彼らが「Hoodie(フーディー)」とよんでいるヨットパーカーのフードを頭に被せて平気で歩き回っちゃうことはヤッチンがこの曲を取り上げるたびに書いて来た。
ヤッチンもバックのゴキゲンな演奏に乗ってスウィンギーな熱唱を見せてくれた。120v「ありがとう、泰ちゃん!こんなアレンジ他ではできません」
ヤッチンの感謝の言葉に態度で応える荒川さん。
118a0545 「まこっちゃんのランニング・ベースもカッコよかった。
さて、続きましては衛藤浩一と作った曲です。
浩一くんと作った曲は結構あるんですが、THE GOOD-BYEの時には『Another World』1曲だけなんですよね。
アレは確かはっつぁんが8、9割方書いて、浩一くんがどっか歌詞をチョロチョロっと書いて曲づくりにカスっているんです」
130vヤッチンのトゲのある言葉に衛藤さんが…
「こ、言葉の、は、はし端…ゴホゴホ」
118a0549「本当にジイさんみたいな咳するからね。
このメンバーで集まってリハーサルをやってるでしょ?
すると話題が薬のこととか、健康にいい食事だとか、そういうことがホントに多いんですよ。
やっぱりみんな齢を重ねたんだナァということを痛感したリハーサルでございました。
当たり前のようにみんな年を重ねていてどこかしらにガタが来る年齢になっているんですね。
なので、そんな情報交換もありがたいものでした。
浩一くんと作った曲はこの後の『珍道中』の中でもいっぱいお送りします。
今日はボクが大好きな、言葉のはし端に勇気をもらえる曲でございます。
衛藤浩一作詞、曽我泰久作曲によります『お気楽にいこう』です」
あと、よく出るのは血圧と保険の話ね。
150この曲もヤッチンのコンサートではよく取り上げられる1曲。
今日も軽やかで楽しいビートを衛藤さんが叩き出す。160v_okriヤッチンが「お気楽感」あふれる歌を乗せて…170v_2衛藤さんも楽し気な歌声を聴かせてくれた。180v「『珍道中』では浩一くんにも歌ってもらいますのでゼヒ楽しみにしていてください。
さぁ、いよいよ大トリがやって参りました!じっちゃんです!
ボクはじっちゃんの家が近いということを知っていたので、中学生ぐらいの時に近所を結構クマなく探して『実川』さんを見つけたの。
『あっ!ココが実ちゃんの家だ!』と思っていると2階からナンカ音が聞こえて来たんです。
そこで電信柱をよじ登って外から『じっちゃ~ん!』って呼んだら家の中から『オ~!』って。
ボクはそんな時から実ちゃんを知っていて、ことあるごとにライヴを観に来てくれたりしていまだにズ~っと関係が途切れていないんです。
また実ちゃんから教えてもらったことがイッパイあって、ギターもそうですし、打ち込みも最初はじっちゃんが全部やってくれて結構細かいことまで教えてくれました」
190v「じっちゃんの家に行くと、よくカレーを作っていたの。
『カレー食べる?』って言うから『ウン、食べる』って言うとニヤニヤしながら『ハイ、どうぞ』って持って来てくれるんだけど、それが信じられないぐらい辛くて!
でもそれが好きなんだよね…クセになる。アレひき肉のカレーだよね?」
200_2「ひき肉と鶏ガラを煮込んで、ローリエとかクミンとかコクが出るように色々入れて、最後に辛いヤツをパッパって入れて、マァこんなもんかな?って思った後にさらに入れる。
でもコクがあるから美味しんだよね。
先輩の手前『おいしい、おいしい』と言って食べてくれているのかと思ったら『まだカレー残ってますか?』ってたくさん食べてくれたんだよね」
210_2「ホントお子ちゃまを扱うようにいつも見てくれていました。
それとボクはエレキ・ギターから入ってしまったのでアコースティック・ギターにはほぼ触っていなかったんですね。
じっちゃんの家に行くと、当時よくアコースティック・ギターを弾いていたんです。
じっちゃんはレッド・ツェッペリンとかが大好きだったんで普通とは違う『オープン・チュー二ング』にして弾いていたりして、それまで見たことないような世界にボクを連れて行ってくれたんです。
そこでココでまた『Another World』に連れて行って頂きたいと思います。
では、じっちゃん、どうぞ!」118a0138アコースティック・ギターに持ち替えた実川さん。118a0602 エキゾチックなメロディをつなげるソロをタップリとプレイ。
220v_2ヤッチンもアコギに持ち替えて…118a0629 演奏したのは「Another World」。230_aw「約束の場所で」なんかもそうなんだけど、この曲もヤッチンならでは曲の作りだよネェ。
『Revolver』とか『Rubber Soul』あたりのビートルズの雰囲気というか…私なんかにはグっと来ちゃうね。
そういえば、MCでもヤッチンはそれらのビートルズのアルバムもじっちゃん…じゃない、実川さんから教わったと言っていた。
私もビートルズのアルバムの中では『Rubber Soul』が一番好き。
ものスゴくどうでもいい話だけど、『Rubber Soul』とディープ・パープルの『Who Do We Think We Are』ってアルバムの存在位置がすごく似ている気がして仕方がないんだけどどうスか?
いい曲ばっかりなのに注目されにくいの。240v作詞者のひとりである衛藤さんのコーラスがまたいい感じ!118a0790 そして曲は予想だにしない展開に。
スポットライトを浴びたヤッチンのアコギ・ソロだ。250じっちゃんから教わったオープン・チュー二ングのギターを気持ちよさそうにストラミングするヤッチン。270_2以前にも何度かこのシチュエーションに接してきたが、この日のソロはいつになくタップリ。
ショウのひとつの見どころとなったと言っていいでしょう。
もちろんその熱演には大きな大きな歓声が送られた。
275v「どうもありがとう。
今の曲のチューニングを教えてくれたのが実ちゃんです。
レコーディングでも実ちゃんが弾いてくれてるんですよ」280v「ヤッチンがここまで成長するとは思わなかった。ビックリ!
後でギター教えてね!」
300v_2「イエイエ、じっちゃんのおかげでございます」
師弟共演も実現し、ますます会場の熱気が高まって来た。
「暑いからコレ脱ぎたいんだけど下がタンクトップなんだよ。
生々しんだよタンクトップって。
日焼けしている夏ならいいんだけど、色白の今は申し訳ないけど見せられたモノではございません。
本当に生々しいから!
それでは皆さん、後半いきますよ~!
ノンストップで最後まで演りきりたいと思います!」355v ヤッチンのコンサート後半の名物「マラソン・セッション」スタート!
まずは「僕の月面計画」。
335_ybいつも書いているけど、この曲のサビがとても好き。330v_2続けざまにヤッチンが弾き出したのは「約束の場所で」のイントロ・リフ。118a0703 ヤッチンの背中にはMarshall。345v<前編>で詳しく書いた通り、ヤッチンは上段の新商品「STUDIO SN20H」を使用。
この日、日本で初めて公の場で使われた。346コンサートの盛り上がったパートできっと取り上げられる重要な1曲。
シャッターを切っていていつもこの曲のサビにもワクワクさせられている。336グングン盛り上がる!
ギターを弾きながらヤッチンが客席に呼び掛ける。
曲は「気になる女の子」。
冒頭の「♪アアンアッアツアン」をお客さんに歌ってもらおうというワケだ。
でも今日はいつもと少し様子が違う。
320_bgk 「さ、いつものように声を出して頂くところです。
今日はリクエストがあります。
夜の渋谷でございます。
しかもココはボクが高校の時に入れなかった街でもあります…円山町。
円山町が怪しかった頃を知っている方もいらっしゃると思います。
その夜の円山町を意識して♪アアンを聞かせて頂けたらと思います」
簡単に言えば「♪アアンアアアンアアン」と色っぽくやってくれということ。
お手本をやって見せるヤッチン。
お客さんは大喜び…イヤ、大笑い!
340v_knoでも、やっぱり普通にやっちゃうお客さん。
「ボクがここまでやってるのに!それじゃ全然ダメ!」
118a0554「今のは健全な渋谷のハチ公前みたいな感じだった。
夜ももういい時間になっております…夜もいい時間になった円山町シリーズです」
350「1、2,1、2、3!」
「♪アアンアッアツアン」」
360やっぱりお客さんは普通になっちゃう。
ま、やらないってば!
コレを何度か繰り返して…
「あのネェ~…じゃあいいや、普通でいこう!
でも一生懸命やってくれたことは伝わってきた。
まだ恥じらいがあるような感じが…。
じゃあ、それでいこう!」
380vようやくあきらめたヤッチン。
お客さんも少しぐらいやってやりゃぁいいじゃないの!
ココはヤッチンの意地の見せどころだったのか、意外にネバってようやく曲が始まった。
ナニを演っていたんだっけ?
あ、そうだ、「気になる女の子」だ!
370とにもかくにも盛り上がりに盛り上がった~!118a0531 本編最後の曲。
『Super Rare Trax Vol.5 N゜5』から「ハダカノココロ」。
久しぶりの顔合わせとなった5人のバンド・メンバー。
最初から最後までブランクを全く感じさせないイキ合った演奏で17のヤッチン・ミュージックを奏で上げた。118a0706 118a0712  118a0570  118a0539   440v_2ヤッチン、とても楽しそうだった!450vそしてアンコール。
まずは1人でステージに姿を現したヤッチンからご挨拶。
「皆さん、本当に最高な35周年になりました。ありがとうございました!」
460「アッという間の35年だったような…すごく長かった35年だったような…いろんな感情が沸き上がります」
こうやって昔のメンバーと演奏すると、不思議なもので当時のそのステージの様子がフワ~っと浮かんで来たりするんです。
でもこうやって雨が降る寒い中、皆さんと素敵なミュージシャンが集まってくださってボクは本当に恵まれていることを改めて思います。
心から感謝いたします。ありがとうございます」470v「だいたい60歳を過ぎると急に『いつまで桜が見れるんだろう?』みたいな気持ちになっていくようなんですよ。
でも、ボクも行けるとこまでは行ってみたいと思っていますが、それも皆さまがあっての話でございます。
行けるとこまで行って、後ろを振り返ったら誰もいないなんてのは困りますからね。
これからも皆さまと一緒に走っていきたいと思います。
よろしくお願いします」480_2最後にもう一度バンドのメンバーを紹介してこの日最後の曲にとりかかった。490最後の曲はコレ。
このヤッチンのポーズは…「UP BEAT」。
510まるでこれからコンサートが始まるようなギンギンなパフォーマンス!500vこうして曾我泰久のソロ活動の35周年を記念するライヴが締めくくられた。520「どうもありがとうございました!」530ステージにひとり残ったヤッチンから最後のご挨拶。
「本当に皆さまありがとうございました。
イヤ~、メチャメチャ楽しい時間でございました!
今日一夜限りのライブにしておくにはモッタイないというか、機会があったらこのメンバーでまた演奏してみたいと思います」118a0851 「今日は真冬のような寒さで、まだ冷たい雨が降っているようですし、皆さまもいい汗をかいてると思いますのでお身体を冷やさないように。
もうすぐに次のツアーが始まります。
またこうやって皆さまと笑顔で会えるのを楽しみにしております。
今日は本当に最高の時間でした。
どうもありがとうございました!」118a0859あ~、楽しかった!
ヤッチン、ソロ活動35周年おめでとうございました!
 
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com550v<おしまい>
 

200_2(一部敬称略 2025年4月1日 渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて撮影)

2025年5月26日 (月)

曾我泰久 ソロ活動35周年記念ライヴ~NOW HERE I AM <前編>

 
曾我泰久のソロ活動の「周年」を記念するライブ『NOW HERE I AM』。
32周年記念の時にも触れたけど、「Now here I am」というのは「私は今ここにいる」とか「(約束していた場所に)来ました」という意味の決まり文句。
コレの「now」と「here」をひとつにすると「nowhere」になって「Nowhere I am」、すなわち「私はどこにもいない」と反対の意味になっちゃう。
オモシロいでしょう?
ヤッチンはビートルズが大好きだから「Nowhere Man」ならOKか?
Marshall Blogではこれまで『NOW HERE I AM』の25周年、30周年、そして前回32周年をレポートさせて頂いている。
そして、今回は35周年!
35、35…何か書きたいナァ。
と思いついたのが…
10v作家の「直木三十五」!
ドンズバじゃん!
そう、あの「直木賞」の「直木」さん。
この人、本名は「植木」さんといって「植」という字を分解して「直木」という名字をペンネームにした。
もちろん下の「三十五」もペンネームで、私は昔「みそご」と読むものかとばかり思っていたが「さんじゅうご」が正解。
以前は他のペンネームを名乗っていたが、31歳の時に「直木三十一」に改名し、「三十二」、「三十三」と毎年名前の数字を増やしていく予定だったが、菊池寛に「そんなことはヤメろ」と言われて断念した。
最も姓名判断上で不吉とされるゾロ目の「三十三」と「惨死」に通じる「三十四」は使わなかった。
大変な貧乏生活を送った人だったが、昭和のはじめに押しも押されぬ流行作家に上り詰めた。
今では「文春砲」の「週刊文春」の方がスッカリおなじみになってしまったが、本流の「文藝春秋」を創刊したのは『恩讐の彼方に』とか『真珠夫人』の有名作を書いた上に出て来た「菊池寛」。
高松へ行くと「菊池寛通り」なんてのがあるよね。
で、菊池寛は「芥川龍之介」の大の仲良しで、直木ともとても親く、実際に文藝春秋への寄稿数もこの2人はトップクラスだった。
また直木はたくさんのアイデアを菊池に授けて文藝春秋の内容のレベルアップさせた。
そこで文藝春秋誌に多大なる貢献を果たした恩返しに菊池寛が2人の名前を冠した文学賞を昭和10年(1935年)に創設した。
春秋年2回、優れた純文学作品に与えられる「芥川龍之介賞」と大衆小説に与えられる「直木三十五賞」がそれ。
でも私はもちろんのこと、周囲に「直木三十五の小説を読んだことがある」という人に会ったことがないんだよね。
私はかなり頻繁にブックオフへ行く方だけど、ただの一度も商品を目にしたことがない。
そこで仕方なく直木の甥が書いた下の伝記本を読んでみた。
オモシロかった。
「家賃は払わない主義」とか「正妻と妾を一緒に住まわす」とか、例外に漏れず直木もかなり変なヤツだったようだが、不思議と周囲の連中から好かれていたそうだ。
しかしね、ミュージシャンには「変なヤツが多い」なんて話をよく聞くけど、ゼンゼン普通な方ですよ。
美術の方がよっぽど変なヤツが多いと思うし、棋士や政治家なんかもかなりヤバい。
でも、何と言っても「変なヤツのチャンピオン」は作家先生だ。
特に「文豪」と呼ばれる類の先生方は漏れなくおかしい。
きっと頭が良すぎちゃうんだろうね。
作家先生の奇行を挙げていたらとてもキリがないのでココでは触れないが、これで「35」という数字がとても身近になったでしょう?…なるワケないか。
Img_3402_2あ、そうだ!
「大の里関」が8年ぶりの日本人横綱にキマったそうでヨカッタですな。
きっとタニマチの皆さんも喜んでいらっしゃることでしょう。
ところで、大阪出身の直木三十五は幼少の頃、蒲柳の質で母方の叔父の親友だった医者によくかかっていた。
その医者は「薄恕一(すすきじょいち)」といって、『赤ひげ』の「新出去定(にいできょじょう)」先生よろしく、貧しい人からは少なく、裕福な人からはカッチリと診察料を取るような正義感だった。
加えて大の相撲好きで、熱心に力士を経済的に援助していたため、相撲関係者たちはいつの間にか薄先生のことを「タニマチ」と呼ぶようになった。
理由はもちろん、薄先生の病院が(今でいう)大阪市中央区谷町6丁目にあったから。
ちなみに上の本を書いた「植村鞆音(ともね)」のお父さんは三十五の弟で「清二」さんといった。その名付け親は薄先生だった。

Sumo
ということで会場の「渋谷duo MUSIC EXCHANGE」にNow here I am。
会場に寄せられた祝い花の数々。
30コチラはファンの皆さまから。
20会場内の屋台村に並んだヤッチン・グッズ。
コレは「ティシュケース付きオリジナルポーチ」。
パッと見た時、茶色いヤツが目に入って、どら焼きを売っているのかと思ってビックリしちゃった!40そして、「Yatchinミニぬいぐるみ」。
コリャかわいいわ。似ているし!
50定刻通りにショウはスタート。
ステージに上がった5人がまず演奏したのは「Just summer for You」。008a0013 曾我泰久70v実川茂80v荒川泰(とおる)90v斎藤まこと100v衛藤浩一
118a0212まずはギターを提げずに登場したヤッチン。
テンポを速めてサンバ・パーカッションを加えたいつもとは異なるアレンジ。120v2続けて「流されて」。130_nhsrtこれまたいつものハードなヤツとは似ても似つかないダンサブルな編曲でビックリ!
元々がこんな感じなのかしらん?
Vvv そしていよいよスタンドからマイクを取りハズして珍しいヤッチンのハンド・マイク姿!
コレはいつも通りの「Stepin' out」だけどテンポ速し!150_so_2「♪Step in! Step up! Don't stop!」
マイクを向けられて早くもお客さんの大合唱!160v冒頭3曲、ヤッチンは歌に集中して1990年に発表した最初のソロ・アルバム『Yasuhisa Soga vol.1』からの3曲を披露した。
アッと言う間に会場が熱気にあふれ返った。170「皆さま、こんばんは!ようこそいらっしゃいました。
今日は4月の1日…年度始めでお忙しい中、そしてこの寒く冷たい雨の降る中、お越し頂きまして本当にありがとうございます。
今日、私…めでたく独立35周年を迎えることができました!
せっかくの35周年のお祝いなので、ファースト・ソロライブのスタイルを踏襲してギターを持たずに、しかもハンドマイクで歌うという暴挙に出てしまいました。
こういうことは何十年もやっていないんですよ!
でもせっかくの35周年ですから皆さまにあの時のことを何か思い出してもらいたいと思ってやってみました。
楽しんで頂けましたか?」
220v「35年ですよ!
あの大きな事務所を飛び出して…大体の方は大手のプロダクションかどこかの事務所に所属するんですが、私はバックもなければナンのつながりもない中、1人で飛び出しました。
そして35年、皆さまと共に歩んでまいりました。
なんかこの35年ってボクの中では…皆さまの中でもそうだと思うんですけど…非常に重みがあると言いますか、みんなで積み上げて来た35年だったということを今日強く感じております。
本当にありがとうございます。
しかも今日はその私のソロ活動の初期を支えてくれていたメンバーが集まってくれました。
今日は平日なので、メンバーさんのスケジューが空いているかな?と心配したんですが…空いてました。
相当前から言っていたからね」
180ココでヤッチンがコメントを交えながらこの日のバンドのメンバーをひとりずつ紹介した。
まずはソロ活動の1年目か2年目からのお付き合いの斎藤さん。
「お久しぶりでございます。
1年目からでしたね…春にはツアーに出て、3、4年くらいご一緒しました」
この日は15年ぶりぐらいの共演だったそうだ。
190結構出入りがあったキーボーズのパート。
初期から中期までを釣りが大好きな荒川さんがヤッチンを支えた。
「最近は釣りはやってないんです。
自動巻きのリールを買ったのはいいんですけど、歳で針や糸が見えなくてセットできないんです!」
200ドラムスは毎度おなじみ衛藤さん。
衛藤さんは1990年、ヤッチンのソロ活動の最初からドラムスでサポートをしていた。
だから衛藤さんも35周年。
「お元気ですか?おめでとうございます!
今後ともひとつよろしくお願い致します。
決してお邪魔はしないから…おそばに置いてほしいのよ!」
ヤッチンと衛藤さんはこのコンサートの後、「珍道中」で活動を共にしている。
210お付き合いが一番古い実川さん。
ヤッチンがジャニーズ事務所に入った時にはもうフォーリーブスのバックでギターを弾いていらした。
そしてヤッチンがトシちゃんのバックでギターを弾いてる時には実川さんとツインギターだったという。
2人はお住まいが近く、ヤッチンは実川さんから音楽を教わったり、オリジナル曲のデモ・テープを一緒に作ったりしていた。
そんな関係なのでヤッチンとしては、この日実川さんにどうしても出演して欲しかったが、長い間人前に出ていないことを理由に断られてしまった。
そこでプッシュ。そしてOK。
「どうも…実川という変わった苗字なんで『じっちゃん』と呼んでください。
今もあの時のテープがほぼ全部ウチにあるよ。
スミマセン…今日は30何年ぶりのステージなんです。
ヤッチンの音楽のマニピュレーターをやってからというもの、カラオケ制作とかそっち方面に行っちゃった。
もうステージなんて…腰が痛くて!」
セットリストにはメンバーひとりひとりをフィーチュアした曲が組み込まれた。
230「今日はこの素敵なメンバーでお送りしようと思います!」
170v次のセクションでは2枚目の『Soga』から2曲を取り上げた。
まずは衛藤さんのドラムスから。110vココでギターを提げたヤッチン。
250v_2いつものコンサート通りの「Carry on」。
240_co今日もヤッチンは当然Marshall。260ヤッチンの背後のMarshallは、人気の「STUDIOシリーズ」から「SN20H」と「SC20H」、スピーカー・キャビネットは「SC212」。260v興味のない人にはどれも同じに見えることでしょう。
よく見てもらうと、ホ~ラ、違うでしょ?
下はここのところステージで愛用している「SC20H」。
でも今日のヤッチンは上段の「SN20H」を使用した。
「N」は「Nine-hundred」の頭文字。
Marshallが1990年に発売した「JCM900」シリーズの人気モデルの小型版が「SN20H」。
「ヘェ~」って驚くのはまだ早い!…誰も驚いてないか?
実はこの時、まだこの商品が日本には入って来ていなくて、この日、我が国において初めて公の場で使われたのです。
つまりヤッチンが「日本で最初にこのモデルを使った人」になる。
ヤッチンの愛器との相性もバツグンによく、試した途端お気に召してこのステージで早速使って頂くことになった。
実際にこのアンプ、すごくよく出来ているのです。270すぐそばには「Yatchinミニぬいぐるみ」の姿が!275そのまま続けて「Stand alone」。290この曲もいつものコンサートでおなじみの1曲。
でもこうして違うバンドで聴かせてもらうとまた違った味わいがあるというものだ。300vギター・ソロ。
ウ~ム、やっぱりいい音だわ!
たとえ20Wでも太くヌケの良いサウンドは真空管アンプならではのモノ。
310「ありがとうございます。
イヤ~、最近のライブでも歌っている曲でもこうしてこのメンバーで時系列で演っていくと不思議なものでその当時のことがフワッ~と浮かんでくるんだよね。
いい曲が多いネ。
さぁ~今日はソロ・ライブなのでソロの曲しか演らない…かな?
続きましてはチョット時系列から離れてしまうんですが…事務所にいた時からやっていたミュージカルの仕事がソロを始めた頃に非常に多くなっていきました。
ライブは今みたいに月1回なんてあり得なくて、年に1回なんていう時もあったりしたんです。
でも、ミュージカルでボクのファンになってくれた方もいらっしゃると思うんです。
そうしてる間に音楽業界の方もだいぶ変わって来てしまいました」320「メジャーでCDを出さないとダメなのかな?なんて思っている時にボクは頑なに自主制作という形を推し進めて来たんです。
その時にデモ・テープをいっぱい作りました。
それでそれをCDにして出したらどうか?ということになったんですが、『そりゃないでしょ。だってデモ・テープはデモ・テープなんだから。
人間は1番最初に聴いた曲の印象が強いので未完成の音のままの印象が残ってしまいますよ』とボクは考えたんです。
ところが当時のプロデューサーの方が『後々、自分の思い通りのアレンジで好きなミュージシャンを起用してレコーディングし直したらどうですか?』と提案してくれたんです。
二段構えですよね。
それで『そんなことをやっている人もいないのでオモシロイかも?』と思って始めたのが『Super Rare Trax』というワケでございます」
330v「当時は、デモ・テープを作る時間も結構あったので、割とサクサクとCDを出すことができていたんです。
ところがここ最近はパソコンを新しくしたり、音楽制作ソフトを新しくしていたりしたらホントにね…今、迷子。
音は素晴らしいんです。
たくさん良い音が入っているんだけど、それを聴くだけでものすごく時間がかかっちゃうワケ。
今、まだ探検中でございます。
近いウチにデモ・テープを作って『Super Rare Trax』をお届けしたいと思っておりますので楽しみにしていてください」340今説明があった1998年の『Super Rare Trax vol.1』」の中から「It's alright」。
コレは初めて聴いた。
歌詞がスゴイ!…ゼンゼン「Alright」じゃない!
360v実川さんがボトルネックを披露。
指にガラスの筒をハメてニュウニュウやるヤツね。
昔の人は本物のガラスのビンをクビのところでチョン切って自分たちで作っていた。
この奏法の名手だったデュアン・オールマンは「Coricidin(コリシディン)」という風邪薬のビンを愛用していたそうな。
350v_iarヤッチンの「♪It's alright」の歌声がアーシーな感じですごくいいね~。
ヤッチンのサザン・ロック。
380そして実川さんのボトルネックが唸る!
ヤッチンの歌とのコンビネーションが実に聴いていて気持ちイイ!370v『Super Rare Trax vol.2』から「愛を育てよう」。
400いつも通りの「愛を育てよう」。
みんなで手を左右にフリフリ。
390_asy「実ちゃんのギター、カッコよかったでしょ?
最近はこのボトルネックを使っているミュージシャンってなかなか見ないですね。
続きまして、ボクは芸能生活51年になりますが、その中の大きなトピックスと言えば自分でミュージカルを企画したことです。
原案、音楽、主演をやったことが自分の中で大きな思い出になっています。
以前にも話したと思いますが、『やってみたいな』というアイディアが頭の中にイッパイあったんですね。
その中で、タイムスリップしてビートルズに会えたらうれしいな…と言う思いで『ジョーカー』という企画を考えていました」
410v「その時タマタマ新宿の飲み屋さんかな?…本当に隣にいた方が某局の舞台製作をやっていらっしゃる方だった。
そうとは知らず意気投合して話しが盛り上がって、実はこんなことやりたいと思ってるんですって言ったら『それおもしろいねぇ。企画書を書いてくれる?』って言われたんですね。
企画書なんてそれまで一度も書いたことなかったんですが『お金のことなんか心配しなくていいからやりたいこと全部書いて!』って言われた。
そりゃもう頭の中がグルグル回るでしょう?
それでやりたいことを整理して、書いて…結局、そのテレビ局の人とは仕事が出来なかったんですが、そこから回り巡って中村龍史先生にお願いすることになったんです。
実際にその舞台をやりました。
その当時はまだ高校生の役をやっていたんですが、今じゃ紗幕を落さないと!
その思い出深い『ジョーカーズ』の曲をココでお届けします」420久しぶりに歌ったという『Super Rare Trax vol.4 HIMAWARI』収録の「On the beach」。450いいな~、マージ―・ビート(風)!
ビートルズを愛するヤッチンならではのサウンドと言えようぞ。
440v20年近く前に行ったリバプールのマージ―川。
日本では「リバプール・サウンド」と呼ばれるこの辺り出身のバンドが作った音楽が「マージ―・ビート(Merseybeat)」。
ジェリ―&ザ・ペースメイカーズとか、ハーマンズ・ハーミッツとか、挙げだしたらキリがないけど、この60年代前半のイギリスのロックは実によろしいナァ。
いわゆる最初の「ブリティッシュ・インヴェイジョン」というヤツ。
それと最近「たまらなくいいな」と思っているのは日本の唱歌。
信じられないい魅力的なメロディがゴロゴロしている。Rimg0335 また衛藤さんが叩き出す軽快なビートが曲にとてもよくマッチするだわ~。430_otb続いても同じアルバムからマージ―・ビート調の「神様チャンスを」。
コレは時々取り上げられる1曲。
460_kcha荒川さんが奏でる低音域のピアノの間奏がまた雰囲気満点!470曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com480<つづく>
 

200 (一部敬称略 2025年4月1日 渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて撮影)

2025年5月23日 (金)

山口県 長州友の会 featuring 田川ヒロアキ~私の山口県

  
いきなりで恐縮ですが…。
人様が夕べ見た夢の話と他人の卒業アルバムほどツマらないモノはないのを承知で今日は古い写真と共に私事で始めさせて頂く。
下がそれ…生まれて初めて山口県を訪れた高校の修学旅行の時の写真。
写っている連中もかなり年嵩を増し、見た目の原型をとどめていないであろうことより、モザイクなどかける必要はないと思ったが、あまりにもバカ面をした輩が多く、我が母校のレベルを推し量られてしまいそうだったのでやはり顔を隠すことにした。
最前列のほぼ真ん中で1人だけそのバカ面を臆面もなくさらけ出しているのが筆者である。
学力の程度は低かったが、今にして思うと当時の修学旅行としてはなかなか豪華なものではなかったか?
セッセと費用を積み立てて文句ひとつ言わず行かせてくれた両親には今更ながら感謝するばかりだ。
その修学旅行は、①北九州②南九州③四国④山陰&山陽の4つのコースの中から好きな行き先を選ぶことができるシステムを採っていた。
案外みんな「修学旅行の行き先なんてどこでもいいわ!」的な態度をとっていたが私は違った。
何の迷いもなく④の山陰&山陽のコースを選び、「一緒に行こうゼ!」と仲の良いクラスメイトを熱心に誘った。
広島の「原爆記念館」や倉敷の「大原美術館」を見てみたかったこともあったが、当該のコースを選んだ一番の理由は「秋芳洞」が見学コースの中に含まれていたからだった。
子供の時からどうしても日本最大級の鍾乳洞の神秘的な光景を自分の目で見てみたいと思っていたのだ。
そして、46年前に「秋吉台」で撮ったのが下の写真というワケ。
夢にまで見た秋芳洞は期待以上で、まさに旅行のハイライトだった。
仲の良いクラスメイトと自由に見て回った萩の町もとても楽しかった。
 
今日はタイトルにある通り、山口県関連のイベントのレポートなので、この後まずはしばらくの間「私の山口体験」にお付き合い頂く。
というのは…私は青森、秋田、岩手、佐賀、熊本以外の道府県はすべて行ったことがあるのだが、今回この記事を書くに当たって考えてみたところ、ホームである東京周辺や転勤の赴任先の周辺の県を除くと、大した回数ではないにしろ、期せずして山口県に一番数多く行っているような気がするから。
それはとりもなおさず今日の主役の田川ヒロアキさんのおかげもあるのです。 10_2
修学旅行の後、長い間山口県にお邪魔する機会はなかったが、18年後に宇部に赴くことになった。
某総合化学品メーカーに就職した私はセメントを担当し、そのつながりで宇部興産の工場を訪れたのだ。
セメントの主原料は石灰石で、その宝庫である秋吉台を擁する山口県には「小野田セメント」、「徳山曹達」、宇部興産といったセメントを製造する会社の工場がひしめき合っていた。
「いた」と過去形にしたのは、もちろん現在も工場は稼働しているものの、会社名やブランド名が片っ端から変わってしまったから。
しかし、宇部興産の工場って信じられないぐらい巨大で本当にブッタマげた。
私が勤めていた会社の新潟にあるメインの工場を初めて見た時もそのスケールに驚いたけど、そんなのチャンチャラおかしいぐらいだった。
何しろ「伊佐鉱山」という石灰石を採掘する山から工場までの山間を貫く全長32kmのプライベート高速道路があるんだよね。
もっともコレは本末転倒で、本来は鉱山の近所に工場を建設するものなんだけどね。
夜もみんなで宇部の町へ繰り出して案外いい思い出になった。
この時が私にとって2回目の山口県。20_2さてその後、どうしても音楽に関する仕事がしたくて自慢の英語力を活かして(←ウソ。今でも苦労のしっぱなしです)輸入楽器の商社に転職。
2006年にまた山口県に行く機会が訪れた。
今度の行き先は「熊毛郡の田布施」だった。30_2田布施にイギリスの本家が認めたマーシャルの蒐集家がいらっしゃって、そのコレクションを取材するためにはるばるお邪魔したのだ。
下がその時のコレクターのお住まい。厩がそのまま残っているとても大きくて古い民家だった。
もうスゴいコレクションで、丸2日間、ココの倉庫にこもって氏が所有されているアイテムをひとつひとつ調査させて頂いた。
そのコレクションは以前このMarshall Blogで紹介していたのだが、私の退職により記事は消滅。
近い将来「Marshall Museum」として今のこのMarshall Blogに復活させるべく現在準備中。
山口の財産ですからね。75この時からさかのぼること1年、2005年にマーシャルは同社が開発した世界初の100ワット・モデルの生誕40周年を記念して、限定でオリジナル品を忠実に再現するリイシュー・モデルの発売を企画した。
ところが、再現にあたり回路上どうしても不明な点が出て来てしまい、オリジナルの基板を参照する必要に迫られた。
しかし、マーシャルにもオリジナルのアンプは残っておらず、今となっては激レアのモデルだけあって、ロンドンのデンマーク・ストリートの楽器店も並んでいるワケもない。
そこで白羽の矢が立ったのが「田布施のマーシャル・コレクター」。
一体どこで調べたのかは知らないが、マーシャルから私のところに連絡が入り、コレクター氏にお願いして指示する回路の場所の写真を撮ってイギリスへ送ってもらってくれという。
私は田布施に行く前に氏とは面識があったのでメールでその旨をお願いし、氏が即座に対応してくださった。
そうして無事に完成したのが下のモデル。
写真はその取扱い説明書で、裏表紙には協力に対する感謝の印として、氏と私の名前が表記された。
大変な高級品でとても買い込む財力はないので、私はマーシャルに頼んで取り扱い説明書だけ頂戴して来た。
大ゲサに言えば山口県と深い関係のあるモデルなのです。Jtm さて、コレクションもすごかったが、もっとスゴかったのがこの時に泊まった田布施駅の横にあるこのビンテージ感丸出しの古宿。
寅さんは新幹線とホテルがニガテでどこへ行くのも鈍行列車とバス、そして宿泊は必ずひなびた旅館だった。
ちなみにそういう旅館の中居さんの役を毎回演じた女優を「谷よしの」さんという。
でも、コレは寅さんでも敬遠するのではないか?40玄関の唐破風屋根がシブすぎる!
昔はさぞかしにぎやかだったんでしょうナァ。
Rimg0181 中に入ると、サイズは小さいが『用心棒』の「新田の丑寅」が降りて来そうな佇まい。50「桑畑三十郎、イヤもうすぐ四十郎かな?」の風情で2階に上がる…夜になるとこの階段の踊り場が滅法コワかった!
60_2部屋は全く普通だったが、洗面台の蛇口からお湯が出ず冷水で歯を磨くのに四苦八苦させられた。
Rimg0172 帰りはそのコレクター氏愛用のオート三輪で「柳井」の駅まで送ってもらった。
私が子供の頃は東京でもこういうのがまだ普通に走っていたものだったけどねェ。
コレが3回目の山口。
柳井から鈍行列車に乗って右手に瀬戸内海を見ながら広島まで行き、新幹線に乗り換えて東京まで戻ったのだが、あの海の美しさは今でも忘れられない。
この時は行きも帰りも電車だった。
イヤ、大阪出張のついでに田布施まで足を延ばしたのかも知れない。
766年後の2012年3月、4回目の山口はその柳井にお邪魔した。
80_2私は空襲に遭わずに地方に残っている古い町並みを見て歩くのが大好きなので、この柳井という町は至極魅力的だった。Img_2376 「金魚提灯」は買わなかったけど、醤油はお土産に持って帰りました。Img_2387 ところでナゼ今度は柳井だったのか…。
先のコレクター氏が柳井市にスポンサーを得て、マーシャルの博物館を開館することになり、それに先駆けてコレクションの写真を撮って展示品に添える正式な解説文の執筆を依頼されたのだ。
それでカメラを持参してコレクションの撮影をしに行った。90_2朝早くから夜遅くまで丸5日間、館内にカンヅメになって写真を撮り続ける労苦は並大抵のモノではなかった。
どれもかなり重量が嵩むので腰がガタガタになったわ。
Img_2112 その2か月後の2012年5月、ちょうどマーシャルの前社長のアジアへの出張とタイミングが重なり、日本に寄ってミュージアムのオープニング・セレモニーに参加してくれることになった。
羽田で社長と落ち合って宇部空港から柳井へエスコートするのはもちろん私の役目。
社長はそれこそ今日の記事の後に出て来る「KRY」や「NHK」の取材を受けた。
ヒョッとしたらこの記事をご覧頂いている山口の人でそのインタビューをテレビでご覧になられた方もいらっしゃるかも知れない。
この時「いろり山賊」という山の中のどデカイ飲食店に連れて行ってもらったのだが、どうにも遠くてバスの中で社長と2人で「一体どこまで行くんだ?」と大いに心配したことを思い出す。
それもそのハズ…「山賊」というお店は岩国にあるのね?
その時が5回目。Img_47642012年はマーシャル社の創立50周年に当たり、シンコーミュージックが「ヤングギター」誌の別冊で記念のムックを編んでくれることになった。
そこで8月に取材のために担当の編集員をマーシャル・ミュージアムにお連れした。
コレが6回目の山口行き。
だからこの年は3回も山口県にお邪魔したことになる。
そして、『Marshall Chronicle』と題されたこの本は2012年12月12日に上梓された。
本の約70%は私の文章と写真で構成されていて、内容についてもアイデアを積極的に取り入れて頂きたくさんの紙幅を割いて頂いた。
この仕事は本当にオモシロかった。
コレも山口県のおかげなのです。100b7回目の山口はその3年後の2015年。
お待ちかね!…ココから「山口県の田川ヒロアキ」が登場する。
以前にも宮古島のフェスティバルに取材で呼んでもらったりしたのだが、ヒロアキくんの故郷である山口へ一緒に訪れたのはコレが初めてのことであった。
8月上旬、「山口きらら博記念公園」で開催された『世界ボーイスカウトジャンボリー』という大きなイベントだった。
イヤ~、信じられないぐらい暑かったわ~。
ベトナムを別にすれば、多分、自分の人生で一番暑かった日だと思う。
100_2夜になってようやく暑熱も収まった頃、ヒロアキくんがステージに登場し、出番の後半では「村岡山口県知事」とのギター共演を果たした。
その時のようすはコチラ。
  ↓  ↓  ↓
世界ボーイスカウトジャンボリーの田川ヒロアキ <前編>
世界ボーイスカウトジャンボリーの田川ヒロアキ <後編>

110そして6年後のコロナ真っ最中の2021年5月、萩で開催された東京オリンピックの聖火リレーのイベントにヒロアキくんが呼んでくれてその様子をマーシャル・ブログで取材させて頂いた。120_2よさこいの「馬関騎兵隊」を従えた賑やかで楽しいパフォーマンスだった。
その時のようすはコチラ。
  ↓   ↓   ↓
TOKYO 2020 OLYMPIC TORCH RELAY<前編>
TOKYO 2020 OLYMPIC TORCH RELAY<後編>

130この時、自由時間をタップリと取って萩をジックリと見て回った。
歴史に関する種々の知識を蓄えて再訪した萩は、修学旅行の時をはつかに上回るオモシロさだった。
530どういう風にオモシロかったのかはコチラをご参照願いたい。
公開当時、萩の方々からもおホメの言葉を頂戴した「我ながら…」の会心作。
   ↓   ↓   ↓
【Shige Blog】私の萩<前編>
【Shige Blog】私の萩<後編>

140だから山口県にお邪魔したのは都合8回ということになる。
「たった8回?!」と笑わば笑え。
冒頭に書いたように他の県の数々を訪れた回数に比べると断トツに多いのだ。
ナンダカンダで私もマーシャルに関わり出して今年で27年。
この山口に関連した仕事は自分のキャリアの中でも楽しい業務の数々だった。
しかし、残念なことがひとつある。
それはヒロアキくんの故郷である肝心の「下関」には一度も行ったことがないのだ。
下関は「日本映画史上最高の女優」と評価される「田中絹代」さんの故郷で、市内の「田中町」というところに「田中絹代ぶんか館」という施設があることを耳にした。
行ってみたい!
今、この記事をご覧になっている下関ご出身の皆さんの中に「溝口健二」監督の『西鶴一代女』をご存知ない方もいらっしゃることであろう。
ご覧なさい…特に若い人。年寄りの言うことはきくものです。
絹代さんはアナタの町の大英雄ですよ。
私なんか北鎌倉の「円覚寺」のお墓にお参りに行きましたよ。
この作品は『The Life of Oharu』として1952年のヴェネツィア国際映画祭で「国際賞」を獲得した大変に優れた映画です。
小津、黒澤と並んで世界的な評価が高い溝口作品には玉石混交の感があることは否めないが、コレは「玉中の玉」です。
Haru「木暮実千代」さんも下関の出身で、絹代さんの推薦で女優の道を進むことになったそうだ。
上の溝口さんの『祇園囃子』とか小津さんの『お茶漬けの味』とか、キリっとしててカッコいいんだよね~。
木暮さんはルックスや役柄のイメージとは異なり、プライベートでは福祉活動にも進んで参加するとてもやさしい人だったらしい。12_koguそれと、「藤原義江」も下関なんですってネェ。
藤原さんは「浅草オペラ」で活躍した混血のテノール歌手。
日活のトーキー第1号映画に出演してそのノドを披露した。
ちなみに日活の創設者のひとりは「梅屋庄吉」という長崎の人で、「辛亥革命」を指導した「孫文」のパトロンだった。
藤原義江のお父さんはスコットランドの人で、幕末から明治にかけて長崎でビジネスを展開した「ホーム・リンガー商会」の下関支社である「瓜生商会」の支配人をしていた。
「リンガーハット」って長崎ちゃんぽんや皿うどんのチェーン店があるでしょ?
あの「リンガー」は「ホーム・リンガー商会」を設立した「フレデリック・リンガー」のこと。
藤原さんについては私もよくは知らないけど、「高峰三枝子」と宝塚の大スターだった「轟夕起子」と「月丘夢路」を主役に据えた『米英撃滅の歌』という映画を観たことがある。
敗戦間近の1945年3月に公開されたプロパガンダ映画。
主演の3人が銃後の若き女性の気持ちを歌う「乙女の旅唄」という挿入歌は西城八十と万城目正(まんじょうめただし)による大名曲。
3人とも歌がとてもうまいので、ポップなメロディのクラシカルな仕上がりが何ともいえず味わい深い。
やはり昔の流行歌はベラボーにクォリティが高かった。
12_yosi以上が「私の山口」…もう漏れはないかな?
 
さて、今日は初めてお邪魔する六本木の「BAUHAUS」から。
『山口県 長州友の会 featuring 田川ヒロアキ』と銘打ち、山口県の皆さんが集う会合に下関出身の田川ヒロアキが出演した際のレポート。10ステージはこんな様子。
Marshallのハーフ・スタックが2セット…いい感じ!20まずは冒頭に「長州友の会」の運営委員である有吉勝昭さんが登場してひとことご挨拶。
「皆さん、こんばんは。
今日は初めての試みでございます。
山口県下関が生んだ田川ヒロアキを『応援したいナァ』と思いつつ、『どうなのかナァ』とも思ってココまで来たんですが今回企画させて頂きました!
今日はマックスの入りでございます。
両サイドのスピーカーの前は爆音席になりますので気を付けてください」
30「今回のこの会場であるBAUHAUSさんは田川さんにご紹介頂きました。
ココに1回来ましたら中学生の時を思い出すような楽しい時間でした。
たぶん今日お集まりの皆さんも楽しんで頂けると思います。
ではさっそく会をスタートしたいと思いますので、昭恵さん、乾杯の音頭をお願いします」40v会の発起人の安倍昭恵さんは車イスの上からのご挨拶。
「皆さん、こんばんは。
お久しぶりの方も多いと思います。
私、転びまして骨盤にヒビが入ってしまい、今車イスです。
私の日程を考慮して今日の日を決めて頂いていましたので『ナンとしてでも来なきゃ!』と思ってお邪魔させて頂きました」
ウワッ、どうかお大事に。
50v「田川さんは本当に素晴らしいギタリストだと思いますので、これからも皆さんで応援をしていけたらと思います。
また、世界には色んなことがありますが、山口県を中心にいい世の中になるように皆さんで今晩は楽しく演奏を聴いて懇親を深めたいと思います。
それでは乾杯したいと思います。
長州友の会の益々の発展と田川さんのこれからの益々のご活躍を祈念して…」60「カンパ~イ!」70「ありがとうございます!
長州友の会ももう17年を迎えております。
今年は『大懇親会』をやることが発表されましたのでよろしくお願いします」
有吉さんが会の段取りを説明して懇親会がスタートした。S41a0004ワイワイガヤガヤ…
食事や飲み物が用意されたカウンターは大にぎわい。80「今日はみんなテンションが違う感じがしていますね。
あと2分でいよいよ山口県下関が生んだ田川ヒロアキが登場します。
今日初めて観る人?田川さんの演奏を初めて聴く人はいらっしゃいますか?
(いくつか手が上がる)
スゴイですよ…ボクは彼のことを『可能性の男』っていつも言ってます。
一緒に皆さんに楽しんで頂きたいと思います」
撮影や録音禁止等、上演中の注意事項を説明。
「さらに彼の音楽を楽しみたい方は、今日はCDを販売しています。
田川家の家計を支えなければならない我々山口県人…皆さんでTシャツ、タオル、CD等をゼヒお買い求めくださいね!
では、山口県下関が生んだ天才ギタリスト、田川ヒロアキの登場です!」S41a0005有吉さんのご案内通り、会場の屋台村には最新CD『THE ROAD SEEKER』やTシャツを並べた。
90そして、長州の皆さんがおまちかねの田川ヒロアキ登場!110_ss1曲目はヒロアキくんのステージのオープニングではおなじみの「Seascape」。
海沿いで育ったヒロアキくんが海をイメージして作った1曲。120もちろんヒロアキくんはMarshallを使用。
今日は「JCM900 4100」と「1960BX」。130vいつも使っている「JVM210H&1936V」でなくてもMarshallであれば問題なし。
早速美しい「タガワ・トーン」を聴かせてくれた。140v続けて2曲目は「Driving Jam!」。150_dj昨年リリースしたサーキットやドライブ・ミュージックを集めたヒロアキくん初のベスト・アルバム『THE ROAD SEEKER』収録の1曲。
「ロード・シーカー」?それはナンでし~か?
タイトルに関しては『題を求める人』という短編小説が編まれているのでゼヒご覧くださいまし。
   ↓   ↓   ↓
田川ヒロアキ~New Album Release Live 2024 「ROAD」づくしの<後編>

12_images シンプルなリフに軽快なスキャット…160vパカパカとパーカッション代りにギターを叩くパートが楽しいファンク・チューン。S41a0026 シャープなギター・ソロからの展開がスリリングだ!
170「こんばんは!
皆さん、ようこそお越しいただきました、田川ヒロアキです。
『長州友の会』初のライブ懇親会を企画して頂きました。
有吉さんをはじめ、幹部の方々が1年以上前から『長州友の会』で田川くんのライブを企画したい…と念仏を唱えるようにおっしゃってくれていたんです。
ようやくその日が迎えられて本当に感慨深いです。
客席には山口県に所縁のある方、生まれも育ちも山口という方もいらっしゃると思いますので同じ志を感じながら皆さんと一緒に時を過ごしたいと思いますので最後まで楽しんでいってください」
330v「次にお届けする曲もギター・インストなんですが山口県がらみ…特に下関率が高いです。
私はこの2、30年の間、テーマ曲とかCMの曲とかを作らせてもらっているんですが、チョット変わっていたのが下関市にある『関門ジャパンボクシングジム』のテーマ曲の依頼でした。
私はボクシングをやったことがないので1回ド突かれた方がいいんじゃないかとも思ったんですが、どういう雰囲気にしていいかわからない。
でも一生懸命作った曲です」200v「ボクサーの皆さんを応援する」という意味で付けられた曲名は「Victory」。210_vct親しみやすいメロディを乗せて、「辛抱、我慢」と毎日汗みどろになってトレーニングに励み、時には眩いばかりのリングで戦う若者たちに捧げられた。
「辛抱、我慢」は相撲か?220クロスカウンターが繰り出されたように入り込んで来るギター・ソロがそのリングの様子を描いているようではないか!230v「ありがとうございます。
最初はオドロオドロしいヘヴィメタルみたいな曲だったんです。
それを納品したら『田川さん、コワいです!』と言われて今のようなちょっとポップな感じにしました。
その時『ボクシングだとこうだろう』という先入観だけで取り組むのはよくないな…と私的に思いました。
それって自分自身に対しても同じではないか?
周囲の皆さんには『見えないというのはこうだろう』という先入観がやっぱりあって、『見えないのにすごいギターを弾く』とか『見えていないとは思えません』とか、何十年も言われて来たんです。
別にうれしくないんですけど…。
音楽を演るには関係ないかな?って個人的には思っていますが、やっぱそういう先入観って人それぞれですよね。
そうして『先入観が邪魔をしてしまう』というところがあって、いつも自分が言われていることをこの曲を作る時に自分自身でそうしていた…みたいことをチョット学んだ曲でもありました」240「Victory!」は2017年発表のアルバム『THEME PARK』に収録。
発売の時に収録曲をひとつひとつMarshall Blogで解説介した。
マネージャーの美瑞穂さんの芸術的才能を紹介している<後編>はお見逃しなく!
    ↓   ↓   ↓
田川ヒロアキ『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <前編>
田川ヒロアキ『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <後編>
 
余計なことですが、このアルバムに採用されている写真はすべて私が撮影しましたとさ。12_j10_cd「今度は全国的な感じでNHKに提供させてもらった曲です。
ちょうど今の時期に合うような曲。
春はやっぱり出会いとか別れとか、そんな季節だと思いますが、それにふさわしい番組のエンディングに使う曲を作って欲しいと言われて取り組みました。
番組の司会は千原ジュニアさんで、私もコメンテーターとして何回か呼ばれたことがあります。
そんな思い出深い曲です」190「またどこかへ」はホンワカ・ムード満点のシットリ・ナンバー。260v_md「平和の風」とか、「やっと、ずっと」とか、「ニジノート」とか、こうしたヒロアキくんの作るユッタリした曲って何回も聴いているウチにドンドン味わい深くなっていくんだよね。
プライベートではギンギンのビバップやゲチョゲチョの現代音楽なんかを好んで聴いている私でもすごくスっと入って来る。270ピアノに移動したヒロアキくん。
「私が初めて『長州友の会』っちゅうのに参加させてもろたのが12年前だったごっちゃ。
こんな感じ?…なんか違和感がある感じがするけど。
みんな同じ方言じゃけどね?ウフフ」
300「12年前に初めて会に参加させてもらった時は、知り合いが誰もいない…みたいな感じでアウェイ感があったんですが、その後一気に友達が増えました。
最初はすごい集団だなと思ったんですが、皆さん、すごく温かいんですね。
やっぱり山口の話になると共通点もイッパイあって、『あ~、同士だな』と思いました。
その頃は上京してまだ何年も経っていなかったのですごく心強かったです」
280v「そのウチに昭恵さんにもお会いする機会があって、回数を重ねているウチにドンドン輪も広がっていき、私のコンサートにもお越し頂いたり、オフで飲み会をやったりとか、そんなことも増えて本当にうれしく思っています。
そして、有吉さんとか津島さんとか、お2人を中心に『今度、会で田川さんのライブやってみたい』というお話を頂きありがたく思いました。
先ほど昭恵さんもおっしゃっていらした通り、今も世界ではいろんなことが起きていますが、どんなことが起こっても自分の気持ちと周りの人たちとのつながりを大事にして、この地球に住まわせてもらっている感謝と喜びを感じながら生きていきたいと思っております」290鍵盤を優しく押しながら歌ったのは「We are the World」。310vハハン、コレはそういうイキな演出だったのか。
先日の福島県を応援するイベントでも熱唱した日本語バージョン。
みんなが仲良くなるように願うヒロアキくんの優しい願いが伝わって来る。
320会場がホッコリしたところでギターに戻る。
「もともと私はピアノから音楽を始めたんですが、そのうちギターをやりたいナァと思ったんです。
でも平和なギターじゃなくて悪いギターを覚えてしまって『コレがオレの人生だ!』と思い始めたんですね。
ズッと下関だったんですが、私の場合やっぱり職業が限られてしまうんです。
でも音楽がやりたいという気持ちをズ~っと持って来てよかったと思っています。
そのお陰で皆さんとこうして今日お会いすることができているので。
ギター1本でたくさんの色んな出会いがあって、世界中がつながることができると思っています」
180v「コロナ禍以降、学校で講演する機会が増え来てうれしく思っています。
つい最近、近い所だと浦和学院で講演をさせてもらってコンサートの他にも皆さんの質問に答える時間を設けてもらいました。
今度6月とか8月とか夏にかけて山口でもいくつか予定があるのでそういったこともやっていきたいと思っています。
さっきテーマ曲の話をしましたが、10年ぐらい『KRYニュースライブ(山口放送)』という番組で私が作ったテーマ曲が夕方に流れていました。
すると、私のことを知らなくても曲が1人歩きしてすごくうれしかったですね。
他にも色々とKRYの番組の音楽を担当していて、私を知る人が番組のエンドロールの中に私の名前を見つけて『見てるよ~』とかなんて声をかけてくださるのもうれしかったです。
今では番組が変わって山口でもそうした曲が聞けなくなってしまったので、ライブで勝手に演ってしまおうと思います。
東京ではもともと聞くこともないし…」340コレも『THEME PARK』に「KRYニュースライブ」として収録されている1曲。350_kryコレ、実際にテレビを前にしてリアルタイムで聴いてみたかったナァ。
客席の皆さんはもちろん「アレだ!」とピンと来たことでしょう。
羨ましい。0r4a0229 「コレは天気予報!」とサービス満点のヒロアキくん。360「こういう曲が必要な方はマネージャーの美瑞穂にお問い合わせください。
このシリーズを全部演るとなると何日もかかかるのでこの辺にしておこうと思います」
420v「さて、今日はメッチャ暖かい…『ぬくい』って言いますよね。
私は寒いのが苦手じゃけ~ね、やっとこういう季節が来たんじゃな~と。
でも花粉はツラいナァ~と…皆さんはいかがでしょうか?
そんな気持ちを…。
私はギターを始める前、小学校2年の時に琴を習っていたんです。
琴を習っていたらギターも弾けるようになるかな?と勝手に思っていました。
琴は作法が厳しくてギターのピックで弾いたらすごく怒られて『破門じゃ!』と言われました。
『正座も斜め45度に座り~さい!』とか言われて、苦しいな~と思い4年間やりましたがヤメました」380「さくら」の琴の音色でスタートする正統派メタル・チューン「春童謡メタル」。
童謡とヘヴィメタルの強引なる融合。
400セリフが入ったり、キャンディーズが出て来たり…私も仕事柄本当に色んなミュージシャンのステージを拝見しておりますが、こんなことを真剣にやっている人はヒロアキくん以外に見たことありません。
こうして毎回何かを作り込んで来るのは本当大変なことです。
0r4a0230_2 「イエェェェェェェェェェェェェェェ!」
何だか知らんけど大ウケでした!

ヒロアキくんはコレの「秋」のネタを持っていて、Marshall Blogで詳しく解説したことがあった。
お気に入りの記事…ヒロアキくんじゃなくて、書いた私が気に入ってるの。
  ↓   ↓   ↓
西日本豪雨災害被災者支援 田川ヒロアキの緊急チャリティーコンサート

410v「『長州友の会』でこんなこと演ってええんか?
ようわからんけど…責任は有吉さんが取ってくれる。
さて、美瑞穂と上京して10数年になりますが、こうして皆さんとご縁ができてうれしいと思っています。
人生は旅のような感じだと思って次の曲を…。
皆さんもきっと知ってる曲だと思いますので一緒に歌って盛り上げてください」S41a0095「銀河鉄道999」を取り上げた。
私は小学校の時「少年マガジン」に連載していた「男おいどん」というマンガがニガテで、それ以来松本零士の作品を読んだことがただの一度もないんだけど、あの「999」に出て来る「メーテル」というのはシーボルトの孫娘の「楠本高子」さんがモデルのひとりなんですってね。
言い換えるとシーボルトと元出島に出入りしていた丸山の遊女「楠本滝」の間に生まれ、後に日本で最初の女性産科医になった「楠本イネ」と「石井宗謙」というシーボルトの弟子のひとりとの間に望まれずして生まれた人が高子さん。
高子さんの旦那さんもまた「三瀬諸淵」という立派なお医者さんだった。
冒頭でリンクした「萩の博物館」の話じゃないけれど、もうこの辺りの話をすると止まらなくなっちゃう。
何しろ「鳴滝塾」は当然のこと、長崎の「光臺寺」にある楠本家のお墓や愛媛の大洲の諸淵のお墓、それから長崎と宇和島の皆さんの住居跡まで見て周りましたから。
山口に関係なくてスミマセン。
430_999おなじみのナンバーに客席は大盛り上がり!
ヒロアキくんもノリノリだ~!0r4a0235 ステージの上下にスクリーンが降りて来た。
440_kkrそこに映し出されるレーシング・カーの映像をバック(実際には横)に「翔 KAKERU」を演奏。
「マツダ・ファンフェスタ」の「パーティ・レース3」のテーマ曲でヒロアキくん流の応援歌として仕上がった。
『THE ROAD SEEKER』の収録曲。
460ジェスチャーを交えて熱演するヒロアキくん。450v胸のすくようなストレートなロック・チューンは大ウケ!
Marshall Blogでは昨秋「富士スピードウェイ」で開催された「MAZDA FAN FESTA」の様子を取材していいるのでそれもゼヒご覧ください。
マツダが元々ナンの商売をしていたか知ってる?
あ~、記事に書いてある、書いてある。
   ↓   ↓   ↓
田川ヒロアキ~MAZDA FAN FESTA 2024 at FUJI SPEEDWAY

470「ありがとうございます。
実はこの秋にナント大阪万博に出演することになりました!
9月の27、28日の2日間、メイン会場で演奏します。
パラリンピックの開会式につづいてまた世界へ向けて発信したいと思います。
去年は11月にハリウッドの映画の曲を作らせてもらったりしました。
今後も色々とガンバっていきたいと思いますのでどうぞ引き続きよろしくお願します!」
480v「実は『長州友の会』の企画が持ち上がって、今日BAUHAUSを貸し切りで演奏することになったのも色んなキッカケがあって、それらが1つになったという感じなんです。
私は何年か前からBAUHAUSに出演させてもらっていたんですが、ギタリストの原田喧太さんが正式に紹介してくださり、コチラの社長やスタッフの皆さんにつないで頂いたんですね。
今日、その原田喧太さんが来られてますのでチョットひとこと言お願いします」S41a0170 喧ちゃん登場!
「ヤァヤァ、田川くん!こういう会に参加させてもらってありがとうございます!」
490「ボクは生まれが岡山なんで山口は近いんです。
子供の頃、宇部港からフェリーに乗ってどっか行ったりとかよくしていました。
昔、サファリパークなかった?…子供の頃行ったわ。
初めて行ったサファリパークが山口県だから…って言うか1回しか行ったことないんですけど」500vデーモン閣下のバンドで一緒にステージを踏んでいる2人。
その記事はコチラ。
 ↓  ↓  ↓
地球魔界化計画~デーモン閣下
3152人のギター談義がハズんだ。520v「それでは、いよいよ最後です。
実は今回のコンサートにはひとつのテーマがありまして、それは山口県にまつわる曲を作るということでした。
それで皆さんにも助けてもらおうと山口に関する思い出とかふるさとを慕う気持ちを募集したところ、たくさん頂きまして読んでいて胸が熱くなったぐらい。
それらを元に作っていると、山口弁とか、名所とか、曲の中に入れたいモノがたくさん出て来てしまいました。
でも全部入れたら曲がムチャクチャ長くなってしまう…みたいな感じだったんですが、やっぱり共通しているのは、故郷を想う気持ちだな~と思いました。
その気持ちを込めて今日はその曲を持って来ました。
昨日、レコーディングし終わったばかりなので出来立てのホヤホヤです。
世界で1番最初にこちらで披露します。
皆さんもジックリと山口に思いを馳せながら聴いて頂けたらと思います」250v出来上がった曲は「ふるさとの声」。
ピアノをバックに故郷を慕う気持ちを切々と歌いあげた。530_fs拍手大喝采!
次回の「長州人の会」ではきっと大合唱だね。
しかし、「故郷」や「故郷の言葉」があるというのはうらやましいね。540v「ありがとうございます!
『ふるさとの声』、今日誕生しました。
山口県は自然も人もホント宝の山じゃ。本当にええ所じゃな…と思います。
皆さんと私で山口県への思いをご一緒出来て今日はとてもうれしかった!
またいろんな所でライブを演っていきますので、また皆さんとお会いしたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!」S41a0343当然沸き上がるアンコールの声。
「ありがとうございます!
今日の使ったバックの演奏はコンピュータではなく、ドラムスもベースも実際にスタジオに行って自分で演奏して作った音源なんですね。
実際に予定していた曲が全部終わってしまってバックの音源がないので…こうなったら、ギター1本でアンコールにお応えしたいと思います!」
「おお~!」という大歓声。S41a0241つまり弾き語りで1曲演奏を披露したのだ。
ナニを演るのかな?と思ったらニギニギしく「キミを乗せて」。S41a0268もうスッカリ田川スタンダードとなってこの曲。
ギター1本でも見事にドライブして会場を沸きに沸かせて見せた!S41a0300「ありがとうございました!」
暖かい歓声を浴びてヒロアキくんはステージを後にした。
0r4a0249 司会の有吉さんが締めくくりに入る。
「私…ほぼ泣いておりました。
田川くんのライブ、ロックでハードなのになぜか毎回泣けちゃうんですよね。
最後、ホントにいい曲でしたね。
田川さんって『可能性のカタマリ』だと私は本気で思うんです。
ありがとうございました。
今日はやってヨカッタわ~!」
560vヒロアキくんが再登場して写真撮影のコーナー。550昭恵さんから最後のご挨拶。
「皆さん、今日はそれぞれが幸せな気持ちになったと思うので、それを多くの人に伝えて頂きたいと思います。
そして、これからも田川さんを応援していきたいと思います。
ありがとうございました。
素晴らしかったです。楽しかった!」Yyみんなで記念撮影!
これにて『山口県長州人の集い featuring 田川ヒロアキ』終了!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano
570この後もヒロアキくんがステージに上がるということなので、それまでの間、ヒロアキくんがデモンストレーターを担当してくれたMarshallのデジタル・アンプのビデオをご覧ください。
 
9時を周り、BAUHAUSは通常の営業を開始。
ハコバンが入ってド迫力の演奏を繰り広げる。
そして、喧ちゃんとヒロアキくんもステージに上がった。580喧ちゃんのリードでまずは「Crossroads」。590ドワ!ドラムスはヒマちゃん!
時折ココのステージに上がっているのだそうだ。
610v当然2人とも弾きまくるわね。
600v 630ヒマちゃんもガッチリとバックを固める。650v他に「Little Wing」とボブ・ディランの「Knockin' on Heaven's Door」を演奏。S41a0469COもドバーっと噴き出してスぺシャルなセッションは大いに盛り上がった!670 

200(一部敬称略 2025年3月25日 六本木BAUHASにて撮影)

2025年5月21日 (水)

SUPER ROCK 2025 IN 巣鴨 <その3:最終回>~THE HUSH & Oka Hendrix

 
さて、『SUPER ROCK 2025 IN 巣鴨』のレポートも今回で最終回。
<その1>の冒頭に記した通り、実際の当日の進行とは異なる形でこれまでの2回の記事を連載した。
それでこの最終回では、「オープニング・アクト」と称して一番最初に登場したチームのステージのようすをまずお送りしようという寸法。10vそのオープニングを務めたチームはトリオだった。20岡田"OKAHIRO"弘(以下「オカヒロ」ちゃん)30v阿川"RYO"亮一(以下「亮」さん)40v秋元清実50vこの3人でナニを演ったのかと言うと、ジミ・ヘンドリックス…だから人呼んで「Oka Hendrix」。
通称「オカヘン」。
聴き逃したらタダじゃおかへんで!…という気合の入った演奏が冒頭から飛び出して来た。
1曲目は「Voodoo Chile」。60オカヒロちゃんも「根っからMarshallの人」。
しかもネタはジミヘンですからね。
オカヒロちゃんのMarshallっぷりの見せどころ!70…ということでオカヒロちゃんが持ち込んだ愛用のMarshallを見てみよう。
1975年製の「2203」。
「2203」というと、日本では「八百、八百」と「ワイルド7」みたいなことになるのが普通だが(←コレ、今時わかる人はいるかしらん?)、「JCM800」は1981年からのこと。
「2203」がスタ―トしたのはそこからさかのぼること6年前の1975年だった。
このピンスイッチを搭載したオカヒロちゃんの「2203」はその最初期のモデル。
90翌年の1976年からロッカー・スイッチ(赤と黒の四角いヤツね)が採用され、81年になって「Rose Morris」との販売契約を終了し、「JCM800」シリーズを始める時に下の写真のようなフル・フェイスのデザインになった。
向かって右はCALAVERASのキシケンちゃんの「JCM800 2203」。
この日は「2203の同窓会」でもあったのだ。
その後、1981年に「JCM900」が発売されて「JCM800 203」は生産終了となったが、2002年、Marshallの創立40周年を記念して製造が再開され、現在に至っている。
80「1チャンネル、100W、マスターボリューム付き」が「2203」の定義で読み方は「Two-two-oh-three」。
50Wモデルは「2204」。
コレらは「Master Model」と呼ばれた。
一方、「JCM800シリーズ」の新モデルとして1983年に発表した「2チャンネル、100W、マスターボリューム付き」は「2210」。
50Wモデルは「2205」でこれらは「Split Channel」と通称された。
このあたりのモデルを設計したのは「JCM2000」までを手掛けたエンジニア、スティーブ・グリンドロッド。
私も何度かお会いしたことがあるが、いかにも「エンジニア」って雰囲気の人だった。
以上、久しぶりに「Marshall屋」らしいことを書いてみました。100やっぱり真空管アンプをチャンと使って出す轟音はタマらんね~。
デジタル系の製品とは音のヌケ方が全く違う。
120v2曲目は「Foxy Lady」。130_flオカヒロちゃん、ナニやら楽しそう~!0r4a0152SUPERBLOODの盟友である亮さんと…150v以前に何度かご登場頂いている獅子王の秋元さんで組んだリズム隊もゴキゲン。
秋元さんは「Mitch Akimoty」の異名を持つジミヘン・ドラマーだからして、オカヒロちゃんも2人と演奏していて楽しくないハズがない!
150ストラップをハズす大熱演!
170b「サンキュー!ヘイ!獅子王!
3日前に63歳になりました…おめでとう、ボク!
その流れで今日はジミ・ヘンドリックスとリッチー・ブラックモアを好きなだけ演らせてもらいます!
ジミヘン好きな人いる?…よし、ついて来いよ~!」
160vジミヘン好きが客席にいることもわかったので安心してジックリとブルースを。
そういう時に出て来るのは「Red House」ですな。170_rhギターだけでなく歌にも気合が入る。
好きなジミヘンだからね。
私はかつてジミヘンの妹さんのジェイニーに会ったことがある…なんて話をしたことあったっけ?
180ギター・ソロとなると、まさにMCで言っていた通り「好きなだけ」弾きまくったオカヒロちゃん。S41a0020「静かなヤツ」と紹介した次の曲は「Little Wing」。190v_lw_2そして締めくくりは当然「Purple Haze」。210_ph「♪パロへッ」と力強く歌い上げ…220bエキサイティングなギター・プレをタップリと披露した。250v 230v そんなオカ・ヘンドリックスを強力にサポートしたリズム陣の2人。S41a0066_2  S41a0074 短いながらも楽しいジミヘン・ミュージックでオープニング・アクトの役割を存分に果たしたのであった。270「どうもありがとう~!」280ジミ・ヘンドリックスについてはロンドンの家にまで遊びに行って徹底的に好き勝手に書かせてもらってるので記事を未読の方はゼヒご覧あれ!
多分、ジミヘンに関するこんな記事は世界でMarshall Blogだけだと思うよ。
   ↓   ↓   ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】
vol. 57 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.1>
vol. 58 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.2>
vol. 59 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.3>
vol. 60 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.4>
vol. 61 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.5>
vol. 62 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.6>

 
しかし…我ながら本当にMarshall Blogって色んなことをやって来たナァと思うわ。
Img_9931_2場面は飛んでこの日のトリ。
「THE HUSH」と名付けられたディープ・パープルを演るチームだ。310下山武徳320v盛山こういち330v甲斐貴之340vMAD大内350vそして、オカヒロ。360vオープニング・アクトの時に「ジミ・ヘンドリックスとリッチー・ブラックモアを好きなだけ演らせてもらう」と言っていたその「リッチー部門」がコレ。
チャンと黒い衣装に身をくるんで来たオカヒロちゃん。
370当然先ほどの「2203」が再登場。
今回は「JVM210H」のハーフ・スタックがお供を務めた。380さぁて、1曲目はナニかな?
「♪タカタカタカタカ」とMADさんのスネア・ドラムがクレッシェンドして来た!390_hsはい「Highway Star」。400「♪ンノーバディゴナ」
今日もすさまじい下山さんのシャウト!気分爽快!
毎日ラーメンを食べないとこういう声は出ない。
410v盛山さんのオルガン・ソロ。
盛山さんは先日VAXPOPのレポートでご登場頂いた。
420たたずまいもロジャー・グローバーっぽい甲斐さん。
ちなみに長崎の「グラバー」って本当はロジャーと同じ「Glover」なんだよ。430vちなみに下はロジャー・グローバーのMarshall。
プロトとタイプかな?
ディープ・パープルはMarshallの製品をPRするデモ・バンドを務めていたことがあって、ギターは言うに及ばず、ボーカルズからキーボーズまで全部Marshallが作ったアンプで演奏していた時期があった。
ちなみにイアン・ギランが使っていたコンガはNATAL製でした。Img_0702
この赤い「Picture Frame Cabinet」と呼ばれるモデルはかつてはイアン・ギランの所有物だった…とか言っていたナァ。
コレは1x15"と1x12"のバージョンがあって15"の方は「2054」という型番だったようだ。
でも調べてみると、これらのモデルは「for LEAD/ORGAN」となっていてボーカルズ用に販売していたワケではなかったようだ。Img_8009 さて、みんな大好き「Highway Star」のギター・ソロ。
王様風にやるならば、「♪あ~でもない こ~でもない」。
オカヒロちゃんがバッチリとキメてくれた。440その勢いで「Smoke on the Water」へ!450_sw「『Highway Star』と『Smoke on the Water』で盛り上がると思わなかったんだけど…盛り上がってますネェ、皆さん!
でも演っている方も楽しいし…いいですよね、この年になっても。
中学生の頃から演ってるからね。
ナンて言ったって中学2年生の時の初舞台が『Smoke on the Water』ですから」
1970年代、高校生のバンド・コンテストなんてのがあると、今みたいにオリジナル曲を演奏するバンドなんてひとつもなくて、全部コピーなのが当たり前。
そして最も数多く取り上げられていたレパートリーがディープ・パープルだった。
不思議とレッド・ツェッペリンは全くいなかった。
一度私が中学生の時、高校生だったイトコが出場したバンド・コンテストを見に桜木町まで行ったことがあった。
その時出て来たバンドのうち、今でも結構ハッキリ覚えているバンドが2つあって、ひとつはオルガンのトリオでELPの「Barbarian(未開人)」を演奏していた。
原曲はハンガリーのバルトークね。
高校生ですよ!…ベースの子がトラビス・ビーンのアクリルの楽器を使っていたのも印象的だった。
もうひとつ覚えているのはサディスティック・ミカ・バンドのインストゥルメンタル「黒船」を丸々演奏したチーム。
やっぱり双方すごく目立っていたナァ。
50年前の話…いい時代だった。
あの頃はロックを聴いている子は少数派で、そういう子たちは「本当のロック」を聴いていたからね。
ロックがテレビに目をつけられた途端、ロックはロックでなくなってしまった。
460ココで下山さんがTHE HUSHのメンバーを紹介。S41a0851 次の曲はナニじゃろな?
ツーバスが迫りくるドラムスでスタート…こういうドラムスでスタートするのを「ビート・スタート」って言うんですってね?
ディープ・パープルのビート・スタート曲といえば~「Fireball」。
この曲って頭に「ギュイ~ン」っていう機械音が入っているでしょ?
2012年9月の「Marshall50周年記念のコンサート」のリハーサルをテムズ川南岸の「Bermondsey(バーモンジー)」というところにある、昔ビスケットかなんかの工場だったスタジオでやったんだけど、そこのエレベーターが滅法古くて動き出す時にいちいちあの「Fireball」のアタマのような音がするワケ。
それが聞こえて来ると、イギリス人のオッサンたちが1人残らず「Oh, Fireball!」ってよろこんでいた。
ブリティッシュ・ロックで育った私はそれを耳にして「ああ、イギリスだナァ」とうれしくなったわ。
きっとアメリカではこうはいかないでしょ?
そんなことを思い出した。
470_fbそれこそ下山さんの口の中から火の玉が飛び出して来そうなド迫力!480疾走感あふれる甲斐さんのベース・ソロ!
この曲を初めて聴いてカレコレ50年近くになるけど、最初は「なんてカッコいい曲なんだッ!?」と大いに感動したものだった。
490v今度は「Black Night」。500v_bnおなじみのナンバーが続々と飛び出して客席は大興奮!510「難儀やな…我々の愛の塊をみたか?
ありがとうございます。
今日は洋行帰りで盛り上がっています。
洋行ってバンコクとシンガポールだよ。
未だに時差ボケだよ」520v盛山さんのオルガン・ソロ。
♪グバ~ってやっておいて…530_lz「Lazy」につなげる。540下山さんのハーモニカ・ソロ。
カッチョいい~!550vオカヒロちゃんから「タイム」がかかって下山さんのMC。
「あ、久しぶりに『タイム』って聞いた。
いいですなぁ」
そういう局面に居合わせないだけかも知れないけど、そういえば「タイム」って聞かないね。
「タンマ」っていうのはどうだろう。
「ちょっとタンマ」って今の子も言うのかな?
言わないのであればそういう時にナンて言うんだろう?
560v_time
オカヒロちゃんがタイムを要求したのはギターを持ち替えるため。
ナチュラルのストラトキャスターを提げてますますリッチー・ムードで「Mistreated」。
ココから「MKIII」コーナー。570_mtコレは下山さんの声で聴きたいディープ・パープルの曲のウチのひとつ。580オカヒロちゃんはボトルネックを披露。590下山さんの大激唱!
それにしても「モノスゴイ!」としか言いようがありませんな。600vさぁ、『SUPER ROCK 2025 IN 巣鴨』もいよいよ大詰め!610_ldd_sb「Lady Double Dealer」と「Storm Bringer」を連発してド派手に出番を締めくくった!620v 0r4a0929_2 640v 650vチーム名は第1期。
演奏曲目は第2期と第3期。
幅広いディープ・パープル・ミュージックに客席も大いに満足の様子だった!660v誰か「『Who Do We Think We Are』全曲演奏」っていう企画を立ててくれないかしらん?
絶対取材に行きます。

当日の屋台村にはSUPERBLOODやそのメンバーのグッズがズラリと並んだ。670 680当然アンコール。
まずオカヒロちゃんがステージに姿を現した。
「エ~、リッチー・ブラックモアだからマイク・スタンドがないんだよね。
すっごい自由な感じでとてもうれしかったです。
今日はボクのワガママだったんですがみんな楽しんでくれたかな?
リッチー・ブラックモアが好きになってギターを始めて、それでジミ・ヘンドリックスにたどり着いた…という流れがあったんで。
今日は自分が一番大事にしているギターを2本持って来れたのが本当にうれしいです。
ありがとうございます。シアワセです!」
690v黒とナチュラルのテレキャスター。
そういえば、オカヒロちゃんって愛器たちに名前をつけていて、たしかレスポール・カスタムを「シュワルツ」と呼んでいたような気がする。
その理由を尋ねると「だってそういう感じがするじゃん?」と答えてくれた。
それでいいのだ。
この2本のストラトはナントいう名前なんだろう?
マーシャルには名前がついているのかな?
ところでマーシャルのモデル名ってアルファベットと数字の組み合わせばっかりで愛想がないでしょ?
実はそれで新商品の名前について提案したことがあったんよ。
ま、その結果はまたいつか…。810 そしてオカヒロちゃんがTHE HUSHのメンバーを紹介してステージに呼び込んだ。
すると…700『SUPER ROCK』のオーガナイザーを務める亮さんがバースデイ・ケーキを持って登場!710vOka Hendrixの時のMCで自ら触れていたように3日前がオカヒロちゃんの誕生日だった。
「♪ハッピバースディトゥ~ユ~」720フゥ~っとやって…730v「一生忘れない!ありがとうございます!
みんなありがとう!」740v最後の1曲。
オカヒロちゃんが弾き出したリフは「Burn」。
ま、そう来るでしょうネェ。750v盛り上がっているところに水を差すようで恐縮ですが…私はチョット「Burn」には満腹状態でしてね。
いつかその理由を真剣に分析したことがあった。
そのカギはこの世にもカッコいい4小節のリフにあることに気がついた。
数えてみると、曲の中でリッチーはこのリフを22回弾いてるのでその合計は88小節。
時間にするとどうなるか…4小節が約6秒だから全長としては132秒。
この曲の長さは6:04だから秒に引き直すと364秒。
すなわり曲の中でリフが占める割合は132/364秒。
ナント!この曲はその36%がリフに費やされていることがわかった。
道理で飽きるワケだ。
ジャズ/フュージョンで言うと「Spain」がコレに当たる。
ま、「リフ曲」というのはそういうモノだけど、あまりにもカッコいいリフだから、私のような飽きっぽい輩にはどうしても耳に付き過ぎてしまうんだろうね。
それに約50年前から聴いているんだもん、飽きても不思議はない。0r4a0786 …というハズなんだけど、このTHE HUSHの演奏。
バッチリ楽しませて頂きました!760 770v 780 0r4a0814  S41a0892 感動のエンディング!
4バンド、それぞれの熱演がビンビン伝わって来る楽しいイベントでした!
亮さん、ご苦労さまでした!
800<おしまい>
 200(一部敬称略 2025年3月29日 巣鴨獅子王にて撮影)

2025年5月19日 (月)

SUPER ROCK 2025 IN 巣鴨 <その2>~NAKED MACHINE

  
CALAVERASに続いて3番目に『SUPER ROCK IN 巣鴨』のステージに上がったのは…05vNAKED MACHINE!10KAN20v里村源多朗30v岡本啓祐40v復活!
本間大嗣50vCALAVERASのアメリカン・ロック・サウンドとは一線を画するブリティッシュ・ハードロック風味。
明るく楽しいアメリカン・ロックとは異なる重厚な雰囲気が何ともいえない魅力だ。
1970年代の中盤、私はこの手のロックで青春時代を過ごした。601曲目は2019年のフル・アルバム『TURN ON IGNITION』から「Evil Eyes」。
♪ズクズクズクズクと図太いこと極まりないギター・サウンドで源ちゃんが奏でるシャープなリフが大変に小気味よい。70_vowその音を出しているのはMarshall「JVM210H」と「1960A」のコンビネーション。
源ちゃんがJVMを選ぶのは珍しい?
音の粒立ちが良い凛々しいサウンドだった。80v続けて2曲目の「Vanity of the World」。80説明不要のドライビング・ナンバー。
本間さんのドラムスと…90啓祐さんのベースがカラミ合ってスリリングなグルーヴを生み出していく。100KANちゃんが丁寧に歌う印象的なメロディのサビから…S41a0418 転調して源ちゃんのソロ。
奇を衒うことのないロック・ギターの伝統を語り継ぐプレイはどのフレーズも聞き逃すことができんぞ。
250v「皆さん、『SUPER ROCK 2025 in 巣鴨』にようこそお越しくださいました。
私たち、NAKED MACHINEです!
お待たせしちゃったけれどみんなに会えてメチャメチャうれしいです!
それでは皆さんをNAKED WORLDに誘(いざな)います。
最後までごユックリお楽しみください。」
この日、総計16人のミュージシャンが集ったが、女性はKANちゃんただ1人。
今はどんなライブでも女性の比率が高いからね。
コレは「春の椿事」と言っても差支えがないぐらい現象だったのではなかろうか?
130v啓祐さんのベースが♪グリングリン暴れ出す。
何とも言えない邪悪系なフレーズ!
カッコいいわ~。
140v_dh2023年に発表した3曲入りCD『MONOCHROME HEART』から「The Devil of the Hatred」。
7/4、4/4、2/4の拍子が入り組んだ複雑なリズム展開。
いいな~、こういうのは。
そして、「vanity(虚栄心)」とか「hatrid(憎悪)」とか「出る単」の最初の方に掲げられている受験英語には欠かすことのできない重要な単語が曲名に使われていて勉強にもなるぞ。
150_7_4KANちゃんの熱のこもった歌声が響く!S41a0419中間部のコワいパートから源ちゃんのソロへとつなげる。
このコワいパートを聴くたびに私はトム・ハンクス主演の映画『ビッグ』を思いだすのだ。
遊園地で未来を予言する機械「ゾルタン」のシーン。
源ちゃんはココでも鮮やかにおいしいフレーズを披露。
170この曲は聴いているウチに目の前の世界がドンドン変わっていって時間の経過がマヒしてしまうような感じがしてオモシロイ。
曲はダ・カーポして再び啓祐さんのベースのピックアップが登場するが、イントロがもう昔のことのような感じがするワケよ。S41a0458続いて「Trust Me」。
源ちゃんのアルペジオにシットリとした歌声を被せるKANちゃん。0r4a0563 そして源ちゃんが弾くリフを囲んで爆発!0r4a0624_2 本間さんのドラムスの疾走感がすさまじい。
昨年末は椎間板ヘルニアに苦しんだ本間さんだったが、無事にお帰りになることができて本当にヨカッタ!200vガツンと転調して聴かせるサビ。
この展開にはいつもハッとさせられる。200悠然と入り込んで来るギター・ソロ。
期待通りに展開してくれるフレーズの組み立て方がうれしい。0r4a0610 もうイッチョ続けて『MONOCHROME HEART』から「Traitor's Gate」。
妖気漂うヘヴィなワルツ。
0r4a0583「♪綺麗に落としてね」って歌詞はKANちゃんうまいことやったよネェ。
コレにはアン・ブーリンもキャサリン・ハワードも納得していることでしょう。
続編で「Claimer's Gallery」というのはいかが?S41a0462リズムが4/4拍子になっての見事なソロ!
歯切れのよいピッキングは聴いていて気分爽快!210v「重かったね…コレだけがNAKED WORLDではありませんが。
私たちNAKED MACHINEは実は本当に久しぶりの東京なんですね。
数えてみると『ライブ』と言う形でココで皆さんにお会いするのは本当にお久しぶりなんです。
皆さん、元気にしてましたか?
私たちはこの先しばらく東京でライブをやります」
客席から大きな歓声が上がった。
私もうれしいわ!260 NAKED MACHINEの出番も後半に入る。
アタマから本間さんが鮮やかなスティックさばきをお見舞いする2019年に発表したフル・アルバムのタイトル・チューン「Turn on the Ignition」。270v_toi「♪One-on-one and one way road」280啓祐さんと本間さんの2人のパートから…290vギター・ソロ…コレがまたスゴイ。
ソロの間に3回転調するというスペクタキュラー!300vそしてKANちゃんの絶叫「♪Turn on the ignition~!」310v_ttlscr続けて「Walk Don't Run」。320_wdr問答無用で爆走するドライビング・ナンバーに客席は大盛り上がりだ。
みんなこういうロックが好きなのよ。330ソロ中の源ちゃんを無言で鼓舞するkANちゃん。
「もっと弾かんかい!」340「こんなにたくさん来てくれて、熱い拍手をしてくれて、そして後ろの方の人まで手を高く上げてくれて…私たちとても感激しています。
今日のイベントは一番最初に出たSUPER BLOODの亮くんが企画してくれました。
本当にありがとうございます!
改めてみんなで熱い拍手を贈りましょう。
さて、我々もあと2曲となりました。
寂しいけれど私たちも次のステップを歩み出すので、この先の旅にもずっと付いて来てください。
よろしくお願いします」
350v残す2曲のウチの1曲目は「Glory Day」。
360_gd唸るようにしてKANちゃんが歌う典型的なハードロック・ナンバー。
ポップだけどポップ過ぎない大サビの展開が実によろしいな。
370vカッコいいリフがあって、スリリングなギター・ソロがあって…ロックはコレでいいのにいつからおかしなことになっちゃったんだろうネェ…NAKED MACHINEの作品の数々を聴いているとこんなことを考えてしまう。
井上ひさし先生の受け売りになってしまうけど、コレはテレビのせいだと思う。
詳しくはまた別の機会に。
380「皆さん、ありがとうございました!
最後の曲はどうぞ写真を撮ってください。
またお会いましょう。
NAKED MACHINEでした」390vNAKED MACHINEの出番の最後飾ったのはいつものヤツ。400_fts「Fight to Survive」だ!410となるとMarshall Blogもいつものヤツで締めくくらせて頂こうじゃないか!
 
「♪Fight!」420v「♪Survive!」430v「♪Alive!」440NAKED MACHINEは今日も素晴らしい演奏だけでなく、立派なステージマナーで満員のお客さんを魅了したのであった。450v「ありがとうございました!」
460NAKED MACHINEにはいつまでもガンバってもらってこのMarshallがなければ生まれて来なかったであろう種のロックの保存に努めてもらいたいと思うのです。
私は真剣にそう思っているんです。
 
NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒NAKED MACHINE OFFICIAL WEBSITE

470ギターは里村源多朗によるMarshallの混じりけのないピュアな真空管アンプのサウンドでお届けしました。
120v<つづく>
 200(一部敬称略 2025年3月29日 巣鴨獅子王にて撮影)

2025年5月16日 (金)

SUPER ROCK 2025 IN 巣鴨 <その1>~CALAVERAS

 
『SUPER ROCK IN どこそこ』というシリーズ企画。
今回は岡山、大阪に続く巣鴨でのショウのレポート。
出演したバンドは3つ+オープニング・アクトの計4チーム。
Marshall Blogのレポートでは順番を少々入れ替えて、オープニング・アクトのステージの模様を最終回に組み込んだ3本立てでお届けする。
よろしゅうござんすか?
真空管アンプから発されるピュアで良質なギター・サウンドが飛び交うステキなイベントだった。
10v_2そういうわけで2番目にステージに上がったバンドのようすから。
それはCALAVERAS!
1曲目は景気よく「Sick」。
20Doug Wilson(以下「ダグ」)30vKen Kishi(=キシケン、以下「ケンちゃん」)40vYasu Iwaki(以下「ヤッさん)50vMatt Rollo(以下「マット」)60v_2Mike Marrington(以下「マイク」)70v今日は「CALAVERASガールズ」抜きの男所帯での登板となったが、いつもの賑やかさと華やかさは全く相変わらず。80ケンちゃんが分厚いディストーション・サウンドで弾くハードなリフは「Mad about U」。90v_mayもちろんそのサウンドはMarshallから。
愛用の「JCM800 2203」を持ち込んで「JVM210H」と組み合わせた。
スピーカー・キャビネットは双方「1960A」。100_2ドライブしまくるリズム隊。S41a0130今回マイクの飛び切り歯切れのよいドラミングを初めて拝見したが、ヤッさんとの相性はバツグンだ。120_2そんな2人がクリエイトするリズムに乗ってノッケから飛ばしまくるダグ。
110そしてマットのキーボーズがアンサンブルに厚みを加え…0r4a0392 ケンちゃんが狂ったようにハードにギター・ソロをブチかます!
コレが今日のCALAVERAS。
140v曲はそのままマイクのドラムスが引き継いで…145vダグが曲名を叫ぶ…「Enemyeeeeeeeeee!(Enemy)」。0r4a0302 アメリカン・ロック然としたケンちゃんのギター・リフが重なる。160CALAVERASならではミディアム・テンポのハード・ポップ・チューン。
180ケンちゃんのソロもポップ味豊かの楽しいヤツだ!
170vハイ、みんなで「エネミーッ!!」0r4a0347 ココでダグがマットを紹介。
マットはEVEN KEELというバンドに属していて、昨年、同じ場所でのCALAVERASのステージに合流した。
だからMarshall Blogへの登場はコレが2回目。200v4曲目は「No Morte」。0r4a0332 クロマチックで構成するヘヴィなリフに…240vヤッさんの太く重い低音がカラミつく。
230v_2中間部の4/4と5/4拍子の間奏からダグが「No morte!」と叫んでギター・ソロに突入するパートが何ともスリリングなのだ。220v_2サビのメロディがとても印象的な「Ride」。S41a0157 マットはコーラスでも大活躍。
今日はCALAVERASガールズがいないからね。
250vギターのキメのフレーズとダグの歌との掛け合いのパートを経て…280_2ケンちゃんのキャッチ―にしてシャープなギターソロが続いた。
どれも曲調に完全にマッチした聴きごたえのあるソロなのよ。
270v_2ケンちゃんの物販の告知の後は、ジャケットを脱ぎ捨てたダグが「欲しいモノは決して近寄って来ないのもの」とシャウトして曲が始まる「Fear」。
290v_fr火花がはじけ飛ぶハード・チューン。
もっともっと多くの正統派アメリカン・ロック好きにCALAVERASを聴いてもらいたいネェ。
もうアメリカにもこんなにアメリカン・ロックなバンドはいないんじゃないの?
何せもうアメリカはロックではなく「ヒップホップの国」で、今はラテンが大人気だっていうから。310「♪ウォ~オゥ オウオオ」とみんなで歌うパートで大いに盛り上がった!190_2ステージから下がっていたマットが戻って来て「Smile from Heaven」。330_sfhダグがジックリと歌い込むポップなバラード。
S41a0259マットのピアノが曲を優しく包み込み…S41a0213 ケンちゃんの必殺の泣きのギター・ソロが曲をさらに感動的なモノに仕立て上げた。350_2さて、雰囲気をガラリと替えてクライマックスに突入するぞ~!
390_2曲はCALAVERASのキラー・チューンのひとつ「XXX」。380xこれぞまさに「楽しいロック」!
どんなにキャッチ―な作りでも最後の最後まで「ロック」の精神に満ちているところがうれしいね。
それがCALAVERAS!
見たかヒップホップ!
400_burnそして、ギンギンに盛り上がっている客席を前に最後の曲に入った。
曲は「Burn」。
0r4a0443全9曲、短い時間ながらも文字通り燃え尽きたCALAVERASの5人!410v_2 420v 430v_2 440v_2 450v「CALAVERASロック」の魅力を充分にアッピールしたステージだった!460「ありがとうございました~!」480_2CALAVERASの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook
15ギターはキシケンによるMarshallのピュアな真空管アンプのサウンドでお届けしました!490<つづく>
 200(一部敬称略 2025年3月29日 巣鴨獅子王にて撮影)

2025年5月14日 (水)

amber lumber~山本生誕3Days! <後編>

 
この記事のタイトルにあるように、今回の征史さんの誕生日ライブは「3Days」と謳っている。
と言ってもSHOJIMARUで3日間演奏したワケではなく、神田の後、矢継ぎ早に西の方面へ足を延ばすというプランだった。
翌日が「石山寺」という名刹があることで有名な滋賀の「石山」。
その翌日が名古屋の「御器所」。
エ?「おきしょ」?どこですか?コレ。
初めて目にする地名…ということは調べないと気が済まない。
「御器所」と書いて「ごきそ」と読むのか。知らなかった。
名古屋市昭和区にある地名。
「御器(ごき)」というのは僧侶や高貴な地位の人たちが使う蓋つきの食器のことで、熱田神宮に納める御器を作っていた所というこから「御器所」という地名になったそうだ。
Marshall BlogでよくライブのレポートをしているDEALSのギタリストは「GOKI」さん。
ご本人に確認したワケではないが、まぁ御器所とは関係がないかろう。05さて、その誕生日ライブ初日の「第2部」はいつも通りアキラさんがドラム・キットに座るところから。10vMarshallが鳴らす征史さんのヘヴィなベースと…20vアキラさんのコレまたヘヴィな声のコンビネーションが「ARMS39-forU」の独特の世界を織りなす。30そしてスピードを上げて征史さんの血が騒いだ~!40その血が征史さんの歌う「I Wanna Be Your Blood」へとつながる。
毎回やっているけど「血」でつなげるウマい展開だ。
コレがホントの「血縁」か、それとも「血脈(けちみゃく)」か?
50v_bl「♪ドクド~ク、ドクド~ク」60v今回もまさに血気溢れる大熱演!
もうコレは征史さんの「代名詞」と言ってもよいぐらいのハマり曲ですな。70暴れに暴れて…S41a0210 〆はジャ~ンプ!80v「サンキュー、赤血球!」
アラ?アキラさんも後で同じポーズを取っていたのね?
90「変なバンド!
今演った曲も違う曲みたいなアレンジになって新譜に入っています。
ところで、amber lumberは結成8年半ぐらいですか?
『Birthday ワンマン3Days』というのは今回が初めてで、今オレ京都に住んでるから名古屋、滋賀と演りながら帰っていけばいいと思ったら滋賀へ行ってから名古屋へ逆戻りなんですよ」
100「というワケで誕生日のライブが3日間あるのでプレゼントはちっちゃいのを3回あげようと思う。
今日がその1個目。ジャジャン!
この間引退した『おうのしょう』というお相撲さんがいるんだけど、その人は親方にならないで横浜の馬油屋に就職したの」
300その馬油屋で取り扱っている『おうのしょうバーム』がプレゼントされた。
鬢付け油の香りがするそうだ。
140第1回目のプレゼントを手にしてうれしそうな征史さん。
ところでお誕生日会の途中ではありますが…「おうのしょう」関って「阿武咲」って書くの?
コレ、ナニをどうやったって読めないでしょう?
「あえん」っていうのも読めなかったけどそれ以上だな。
そこでコレも調べてみた。
S41a0335この「阿武咲」という四股名の由来は「土俵上で花が咲くように」という地元の恩師の願いが込められている…っていうんだけどそれじゃゼンゼンわからん。
…と思ったら、所属する部屋の名前が「阿武松部屋(おうのまつべや)」っていうじゃない?
「咲」の音読みは「しょう」なので、そこから「阿武咲(おうのしょう)」ということになったんですな?
そういえばアキラさんがこの力士の名前を出した時、相撲博士の征史さんが即座に「青森県出身、阿武松部屋」って言っていたわ。
<前編>で書いたように相撲のことを全く知らない私としてはテッキリ「大野松部屋」かと思っていた。
で、調べているウチに「隠れ珍名ハンター」の私にとって絶対に見逃すことができないことにブチ当たった。
というのは、この阿武咲関は本名を「打越」さんとおっしゃる。
「うちこし」さんだと思うわネェ…コレ、「うてつ」さんって読むんだって!
もちろん早速私の「珍名ノート」に書き加えておきました。
あ、こんなことで油を売っていてスミマセン。
 
「頂きました。ありがとうございます!
あ、ホンマや。完全にコレ鬢付け油の匂いや」
160v鬢付け油の香りってバニラみたいだけど、あの香りを出している成分のひとつは「木蝋(もくろう)」なんですってネェ。
となるとココで大きく脱線せざるを得ない。
お急ぎの方はツラツラ~っと飛ばしてもらちゃって結構です。
 
<前編>に登場した吉村昭先生に『長英逃亡』という作品がある。
シーボルトの高弟である蘭方医、高野長英が「蛮社の獄」で小伝馬町の牢屋敷に入れられ、出入りの者に外から火を付けさせて脱獄。
その後の6年に及ぶ逃避行を描いた長編大作。
問答無用でオモシロイ。
あんまりオモシロイので、2年前に長英が隠れ住んだ先のひとつである愛媛の「宇和島」とその周辺を訪ねてみた。
いわゆるジジイの「聖地巡礼」。
そして「古い町並みがとても美しい」と聞き、宇和島に向かう途中に立ち寄ったのが下の写真の「内子町」というところ。0r4a0125_2 なるほどコレは素晴らしい!0r4a0253 ナント立派な「懸魚(げぎょ)」だこと!0r4a0115コレは大正14年(1925年)に開業した「旭館」という映画館。0r4a0143コチラは現在も使われている大正5年に建てられた「内子座」。
0r4a0211内子座は中を見学できるようになっていて、何かの授業の一環なのか、近所の中学生が付きまとって来てはヘタな説明をしてくれる。
それをからかったりすると存外にオモシロかったりする。
一生懸命やってるからね。見ていて気持ちがいい。
0r4a0216小さいながらも大変に魅力的な町だ。
その中でもひと際目を惹くのがコレ。
0r4a0118漆喰の飾りが実にカッコいい。0r4a0119_2 「芳我(はが)」さんという地元の名士の本家。
下の写真では読み取れないだろうけど「本芳我」という表札がかかっている。0r4a0122_2 もうひとつ目立つのがコレ。
コチラは「芳我家」の分家の「上芳我」さんの大邸宅。0r4a0026有料で邸内を見学できるようになっているんだけど、スゲエでかいのよ。0r4a0091庭に植わっている「櫨(はぜ)の木」。0r4a0079こんな感じで実が生る。
この実が木蝋の原材料。
0r4a0077櫨の実は「白蝋」というモノに加工され、当然主にローソクに使用される。
他にも化粧品や薬品の原料となるのだそうだ。
つまりコレが鬢付け油の香りの元になるというワケ。
そう言われてみるとローソクってチョット甘いようなニオイがするもんね。
下の写真の切り餅みたいなヤツが白蝋。0r4a0056上芳我さんはこの木蝋で莫大な富を築いた。
敷地内には木蝋の製造方法や上芳我家の繁栄を展示する木蝋の博物館がある。0r4a0072 ところで、網の目のように張り巡らされた捜査網を6年もの間かいくぐった高野長英。
下は愛媛県西予市卯之町にある隠れ家の跡のひとつ。
本当に何でもない路地にあってビックリ!0r4a0716 この卯之町には二宮敬作、楠本イネ、高野長英等、地域に関係した偉人を紹介する「宇和先哲記念館」という博物館があってコレもとてもヨカッタ。
吉村先生のファンにはタマらん施設。0r4a0761 長英は向島の小梅村を皮切りに、草津、直江津、宇和島他を逃げ回ったが、どうしてもオランダ語の勉強がしたくなり、捜査の勢いが衰えたことを見計らって江戸へ戻った。
その帰った先が下の表参道の現在「SPIRAL」ビルが立っているところ。Img_0909長英は自分であることを識別されないように硝酸を用いて自らの顔面を焼いて別人を装ったが、たまたま出くわした小伝馬町の牢屋敷で一緒だった男に感づかれてしまい奉行所に通報されてしまう。Img_0916「御用だ!御用だ!」
満を持してココにあった長英の住まいに乗り込んで来た岡っ引きは、それまで捕縛できなかった恨みを爆発させて容赦なく襲い掛かり、無抵抗の長英に殴る蹴るの猛烈な暴行を加えた。
目玉なんか飛び出しちゃったらしいよ。
結果、長英は撲殺されてこの場で絶命してしまった。
SPIRALの入り口の柱の内側にはココが高野長英の住まいであったことを示す碑が立てられている。
脱線終わりました。

Img_0915 「ホント、『仲が悪いとかいうのは嘘でしょう?』と思われるぐらい2人の趣味は似てるのよ。
でも、応援してるお相撲さんは違う。
オモシロイでしょ?だから仲良くはない。
じゃあ、その仲の悪い私たちがなぜ一緒に演っているのかって言う。
そこでamber lumberの結成のキッカケになった初めて2人で作った曲を演ります。
仲良く演ってみようと思います、仲良くね」0r4a0073「赤い血」からガラリと雰囲気を変えて「青い月夜」。
amber lumberのファースト・アルバム『運命の輪っか』から。
いい曲だよネェ。
「泣いていい」っていわれなくても泣いちゃうよ。170v_atさっきあんなに暴れていた人がこんなにロマンチックな歌詞を書くなんて全く合点がいきませんナァ。180v2人の演奏を1音たりとも聴き逃すまいと、客席から静かな熱気のようなモノさえ伝わってくる。190「ところで、SHOJIMARUでのワンマンの時に使っているMarshallのアコギ用のアンプ…今日も使っています!
いつも言ってるけどMarshallって爆音のイメージじゃんね?
でもこんなに繊細なさ音を出すアコースティック楽器用のアンプがあるんだよ。
なんか『私ってギターが上手くなったナァ』…みたいな気分になります」
アキラさんありがとうございます。200もう現在は生産していないんだけど、コレがアキラさんご用達の「AS100D」。
アコースティック・ギターも専用のアンプを使った方が絶対に音がいいんだけど、日本はダメだったナァ。
PAシステム一辺倒で全く普及しなかった。
このアンプ、最近日比谷の野音でも使ってもらったんだけど、音の良さに音響関係の人たちがビックリしていた。
でも、日本ではダメ。
ちょうど悲劇の俳人「富田木歩(とみたもっぽ)」の伝記本を読んだところなのでココで一句…アコギには アンプ無用と 日本人
210「ボクもコレ…Marshall」
220v征史さんのMarshallは「1992 SUPER BASS」という1970年代の100Wのモデル。
「100W」というと、今となってはベース・アンプとしてはかなり小さい出力なんだけど、コレでしか出せない独特の味わい深いサウンドがあるのね。
ま、それは征史さんの演奏を聴いて頂ければすぐにわかるでしょう。
ナニも「新しいモノ」ばかりが「良いモノ」とは決して限らない。
230vもう1曲『運命の輪っか』から「あたし待ってんの」。
アキラさんによれば、この曲は女性に人気なのだとか…特に強い女性に好まれるんだって。
しかし、強い女性ってどうしてわかったのかしらん?
あ、「強者は強者を知る」ということか。
聴く者をたたみ込むようにして次々と言葉を並べていくアキラさん。
S41a0122征史さんはソロにコーラスにと重要なパーツをアキラさんの歌にハメ込んでいく。260vココで「年齢を重ねる」ということについて色々な話になった。
「じゃあ山本さん、お誕生日なのでもう1曲歌ってもらおうかと思います」
290「お誕生日の時しか2曲歌わせてもらえないんですよ…じゃあナムちゃんでいきます。
去年ウチの母親の誕生日に一匹のネコが偶然ウチに迷い込んで来て、7月6日だったので『ナムちゃん』と名付けました。
会いたい。
1日、2日会わないともう会いたくなっちゃうので、今日は『ニャンコになりたい』という歌を歌いたいんです。
『♪ノドを鳴らしてニャ~ゴ』というところは、ヨカッタら皆さんも一緒に猫になって頂ければと思います」280しかし、皆さんネコ好きだネェ~。
征史さんがネコになりたいのはコレもファースト・アルバムから「思えども思えども」。320vみんなで一緒に「♪ニャ~ゴ」S41a0467もう何度この曲を耳にしたかわからないけど、いつ聴いてもサビのパートにジ~ンと来ちゃうナァ。340v曲順について。
基本的にセットリストは征史さんが組んでいるのだが…
「本番前にラインで森永さんから変更の希望が送られて来るんですよ。当然、それには従わざるを得ない。
でも対バンがある時なんかは『流れ』というモノがあるから他の人がどういう曲演っているのか見ながら咄嗟に曲順を考える。
だからステージの上でもこうやって曲順が変わったりするんですね。
実は、今日はこっちの曲の方が演りたかったんですわ」
寄席のネタ帳みたいなモノですな。
少ない人数のチームだからできること。
コレ、ジャズのビッグバンドだったらまずムリですからね。370v「あっそう?
さっき『あたし待ってんの』が女子に大人気って言ったじゃん?
この間『あたし待ってんの』と『毒を吐く』だけはライブでハズしちゃいけないって言われたんだよね。だから今日はハズそうかと思っていた『毒を吐く』という曲を演ります。
この歌のモデルとなった人に会ってはいませんが、やたらと近い所にいるので色んなところで毒を吐きまくっています…なのでワザワザ歌う必要もないと思うんですが、ウフフ。
でもね、ホントに死ねばいいのに!って思ってるよ」S41a0011「毒を吐く」も『運命の輪っか』から。
9年前、征史さんはこの曲を1人で演奏しているアキラさんを目にして「あ、いいな!」って思って声かけた。
amber lumber結成のキッカケとなった曲。380_dh毒を吐いておいて、サビで「♪踊れ 踊れ」と展開する曲の組み立ては確かに魅力的。
それもアキラさんの声で演るワケだから征史さんが惹かれてしまったのもムリからぬことであろう。390「イエーイ!毒を吐きました!ありがとうございました。
じゃあ最後の曲にしようと思います。
この間、『双六亭』というバンドがやっている武蔵野FMの『囲碁お見知りおきをラヂオ』という番組にひとりで出たの。
そんで今日のライブの宣伝とかしたんだよ。
他の人達はみんな演奏だけなんだけど、私だけ演奏とおしゃべりが半分ずつだった」
410v「私、本当にラジオやりたい。やらせてください!
結構向いていると思うよ、アハハハハ!
このいつも最後に演ってる『ここにある宇宙』も間宮アレンジで新しいアルバムに入ります。
これもすごく気に入っています。
一時ハマっていたタング・ドラムや伊勢神宮で買った鈴を鳴らしてゴキゲンでいたら『その音が邪魔だからもっと下げてください!』って言われたのよ。
ワタシ的には、ナンも邪魔じゃないワケですよ…すごい良い音だから。
イヤフォンとかヘッドフォンとかで聞くと聞こえます。
メチャいい感じで入っていますのでゼヒ探してみてください」360「山本誕生3Days!」初日の本番の最後を飾ったのはいつも通りの「ここにある宇宙」。420_kauさぁ、曲の後半は征史さんの見せどころ!430v誕生日ということとは関係なしにいつもと変わらぬエキサイティングなソロを炸裂させた!440v「オラオラオラオラオラ~!」
「ヤメれ~!」450思う存分暴れて頂いて本編を無事に、そして仲良く終了させた。460v今回のステージで徹底的にフィーチュアしたamber lumberの新作『スターズ』の発売が5月25日に決定!
これだけ話を聞かされると期待が大いに膨らむというもんですな。
楽しみにしています!Stars 「アンコールありがとうございます!
アンコールを頂いたらやりたいことがあったんです。
去年、一昨年とアンコールでこの曲を歌ったんですが、2回とも歌詞が出てこなかったんです。
だから今日は出て来るかなぁ~?
出て来たらラッキー!ぐらいで聴いて頂けたらと思います」
470v「アンコールありがとうございます。
山本さんが失敗して終わるのもナンなので私も1曲歌って終わろうと思います」
ナンてことを!
480まず征史さんの歌で「アイラ―ビュー」。500歌詞が滞ることなど全くなく、見事に完唱しきってガッツポーズ!
おめでとうございました!なんてやっていると…550本当の「おめでとうございます」のコーナー。
バースデイ・ケーキ登場~!500vネコちゃんが乗っかったとてもカワいいケーキ。510「どうもありがとう!」
征史さん、とてもうれしそうだった。520vそして最後はアキラさんの出番。
締めくくりは「Eしか弾けない」。
この曲も『運命の輪っか』から。
今回はニュー・アルバムの収録曲と『運命の輪っか』からの曲を中心に構成したライブとなった。
490v_ily今年もおめでとうございました。S41a0139お客さんも一緒に「♪Eってイイ カッコイイ!」。
この曲もニュー・アルバムに収録されているそうです。
530_esh最後は「序の口であれば白星を挙げることができるかも」と両国国技館を夢見るアキラさんの土俵入りで締めくくった。
「ヨイショ~!」
 
amber lumberの詳しい情報はコチラ⇒amber lumer Official Web Site

560<おしまい>
 

200(一部敬称略 2025年3月21日 神田SHOJIMARUにて撮影)

2025年5月12日 (月)

amber lumber~山本生誕3Days! <前編>

 
今年もやって来た山本征史の誕生日…ということでamber lumberの単独公演。
もちろん会場はamber lumberのホーム、神田SHOJIMARU。
10vアレ?…SHOJIMARUの住所は「神田淡路町」かと思っていたんだけど「神田須田町」になるのか…。
以前は銀座線「神田駅」の「須田町口」にあった「須田町デパート」にわずかにその名残りを見せていたが、神田須田町は「萬世橋停車場」を擁する東京屈指の繁華街だった。
下は大正時代に発行された萬世橋停車場の絵葉書。
この東京駅に比肩する立派な駅舎は、当の東京駅の駅舎を手掛けた「辰野金吾」の設計。
「駅」ではなく「停車場」という言葉を使っているのは恐らくこの時代には「駅」という言葉がなかったからであろう。
夏目漱石の小説には登場人物が鉄道に乗る場面が時折描かれているが、「駅」という言葉は一度も出て来ない。
すべて「停車場」という単語を使っている。
で、この萬世橋停車場、残念ながら大正12年の関東大震災で崩壊してしまい神田須田町の繁栄も衰退の一途を辿ることになった。
跡地にはかつて「交通博物館」があったが、今はもうない。
Msbところで、神田周辺の地名には「神田小川町」、「神田司町」、「神田練塀町」、「神田紺屋町」のように「神田」の2文字がアタマに付いているでしょう?
以前にもどこかに書いたような気はするが…コレは昭和22年に行政がそれまでの東京15区のウチの「麹町区」と「神田区」を合併して「千代田区」にしようとした時、神田区の住民が強硬に反対したから。
「てやんデェ!こちとら神田の生まれよ!神田が神田じゃなくなるなんてまっぴらゴメンでぇ!」
と合併を了解しなかった。
そこで、行政は神田区時代の地名の前に「神田」を付けることで住民と折り合いをつけて「千代田区」を誕生させたのだそうだ。
一方、日本橋には「日本橋室町」、「日本橋人形町」、「日本橋茅場町」等、「日本橋」を冠した地名が21もある。
コチラも「日本橋区」と「京橋区」が合併して「中央区」となる時、「日本橋」という伝統の地名を残すためにそのような処置をとった。
そういえば、数年前に東京大空襲を経験した本所出身の90歳を越えるおジイさんの話を聞きに行った時のこと。
そのおジイさん、今でもジャズ・ピアノを職業とされているものすごいベランメエ調のお方でこんなことをおっしゃっていた…「オレは本所の生まれよ。本所と向島をくっつけて『墨田区』ダァ?フザけんな!オレの住所は今でも本所区だと思ってんだ!」
カッコいい!
田舎者が集まる役所のバカ連中が「利便性がどうの」とか言って旧町名を切り貼りしたり「東西南北」をアタマにくっつけて味も素っ気もない地名に改悪してしまったんだね。
で、下はその「神田神保町」で10月に開催される古本市。
コレを見て歩くほど楽しいことはない。
開催中、何度も出かけて行ってはブックオフではついぞ見かけない本を買い込んで来る。Img_1762 去年の古本市では下のアイテムを購入した。
コレは安政時代と現在の東京の地図を重ね合わせて行ったり来たりすることができるCD-ROM。
定価が14,800円(税抜き)もするのだが、それをゾッキ本扱いで4,000円ぐらいで手に入れた。
コレがベラボーにオモシロい。
ところが、イジくっているウチに全く大した内容ではないのだが、商品に関する疑問が浮かんできた。
そこで、出版元の市川にある「株式会社エーピービーカンパニー」という会社に電話をしてみた。
受け付けの女性がとても親切で、私が質問の概要を告げると「社長と替わります」とおっしゃる。
「しゃ、社長?」…イヤイヤ、社長にお出まし頂くほど大層な質問ではないんですけど…。
すると、すぐにその社長が電話口に出て来た。
自分が神保町の古本市で当該の商品を買ったことを伝えると、私のことを覚えていらしゃって改めて手厚いお礼の言葉を頂戴した。
私の疑問はアッという間に解決し、自然と雑談のコーナーに入った。
聞くと、その社長は地道なフィールドワークを繰り返してほぼ1人でこの地図のソフトを制作したいう。
別冊の索引の詳細さも尋常でなく、数人の仲間はいるにせよこの大業を1人で達成するとはにわかには信じがたい。
私が上に書いたような「地名改悪」の話や東京の地理に関する話を口にすると、社長は私のことを熱心な「ブラタモリ」のファンだと思ったのか、「大変だけど、楽しいですよ!」と言い出して「実はお客さんのような方を探していたんです。どうです?仲間に加わりませんか?一緒にやりましょう!」と熱心に誘ってくださる。
もちろん丁重にお断りしたが、ビックリしてしまった。
世の中には色んなことをやっている人がいらっしゃるものである。
12_img_3395地図といえば…「タモリ倶楽部」にも数回登場した地図の研究家で多くの地図に関する本を著している「今尾恵介」さんは私の親しい友人でジャズ・サキソフォニストの「今尾敏道」くんの実兄だ。
この信州の本もゾッキ本扱いで神保町の古本市で購入した。
Img_3398 で、この重ね地図を使って安政年間に今のSHOJIMARUの場所にナニがあったかを調べてみてビックリ!
ナント、私の地図の見方に誤りがなければ、約170年前には「山本」さんという人が住んでいたようなのだ!Kandasuda ということで会場のようす。
20今回も楽しいamber lumberグッズがズラ~リ。30今回のステージはこんな感じ。50下手には征史さん愛用のMarshall「SUPER BASS」のハーフ・スタック。60v上手にはアキラさん愛用のMarshallのアコースティック楽器用アンプ「AS100D」。70定刻になってamber lumberの2人がステージに現れてまずはご挨拶。
「気を遣って頂いて本当にありがとうございます。明日で55歳ににゃります。
自称50歳の相方が横にいるんですけど…以前は同い年だったんですが段々年齢が離れてきているらしい。
そろそろ敬って欲しいと思っています。
今日もタップリと曲を用意していますので最後まで楽しんでいってください」80v「今、また新しいアルバムの準備中でして、今日はそのアルバムの1曲目から途中まで曲順通りに演ってみようかと思っています。
で、新しいアルバムの1曲目はナントこの曲…」110vと紹介した今日の1曲目は「ランデヴー」。100_rdv森永JUDYアキラ110v山本征史120v明るく楽しい曲調でノッケからノリノリ・ムードの今日のamber lumber。130征史さんが明さんに接近してデュオ・チームとしてのムードも満点。
今日も仲良くやりましょう!
0r4a0154 2曲目はガラリと雰囲気を変えてシリアス・ムードの「冗談じゃない」。150_jdln後半では早くもエキサイティングな征史さんのベース・ソロが飛び出した。160v「ヒゲがはえてる」と征史さんのヒゲを発見したアキラさん。
「ナンカね、ヒゲが似合ってますって言われて、剃ろうかと思ったんだけどそのままにしておきました。
どう?似合ってます?」
165v「その新しいアルバムね…『新しいアルバム』って言ってもみんなが知ってる曲ばっかりと言うか、いつもamber lumberのライブで演ってる曲をまとめている感じなの。
『福丸レコーズ』というこのSHOJIMARUがやっているレーベルの配信があって、そこの間宮さんという人が好き勝手にアレンジしてくれたんです」
今回で3枚目となる間宮さんとの共作。
音源の制作に当たっては、いつもは歌を歌うだけだったというアキラさんが制作に深く関わった。
何事も諦めずに細部まで執拗にこだわったその姿勢はまさに「粘り腰」だったとか。
180タイトルについても説明があった。
「ずっとタロット・カードで進めて来ましたが、今回は17枚目の『スター』。
星ですね…すごく重要なカードなんです」
「今までの絵の中で1番かわいいですよ」とアキラさん。S41a0107_2 「ウチで飼ってるネコなんですよ!
でもオレがジャケットにネコを描くとその子と会えなくなっちゃうんですよ。
よく野良猫とかをモデルに描いていたんだけど、急に保護されて会えなくなっちゃう。
だから子供の頃のナムちゃんを描きました」
ナムちゃんは7月6日に迷い込んで来たので「ナムちゃん」。
すなわち「リアルネコ大仏」!
S41a0110 「間宮さんのアレンジってamber lumberがいつも演ってる感じと大分変わるから、正直『いつもの方がいいかな~?』とか思ったりすることもあるんです。
でも次の曲に関しては絶対的に間宮さんのアレンジの方がカッコいい!」200v今日はいつも通りのアキラさんのファンク・ストラミングから。
曲は「ドウシテコンナニコワイノダロウ」。S41a0478芥川龍之介の遺書の中の文句のような曲名とは裏腹に、ギターが醸し出すグルーヴとアキラさんのキレのいい歌が完璧にマッチしているamber lumberのファンキーな側面を打ち出す1曲。260_dkkバッキングに、オブリガードに、ソロにと征史さんのベースがとてもスリリングだ。270v2人のノリやソリが合致した快演!
アキラさん曰く、久しぶりに演ったら「付いて来いよ!付いて来いよ!」みたいなスピードになったという。280ココで相撲トークのコーナー。
「相撲を知らない人に言っておくと『高安』っていうお相撲さんがいるんだけど…毛むくじゃらで歌がメッチャ上手いのね。
その高安ってスゴく強いのに、メンタルが弱いのかナンなのか、決勝まで行くんだけどいつも優勝できないのよ。
もう全相撲ファンの悲願が『高安優勝』。
で、今場所もそれに近づいているんだけど、この辺りでコケるのが高安だから。
今場所もあと2日…高安のことを考えていると2日が長い!
『高安が横綱になるところが見たい人生』とかもう早く終わりにしたいね」
290v「準優勝が12回ですからね。
だから今、みんな静かに応援してるんですよ」
その春場所の結果…「9度目の正直」となった優勝決定戦で大の里に送り出されて高安は優勝を逃したそうです。
気の毒に…。
300vウチはテレビで相撲を見ない…どころかスポーツ関連のニュースには全く興味がなくて、大谷翔平の話題になるとすぐにチャンネルを変えてしまうぐらいなのね。
もう朝から晩まで「大谷、大谷」って…同じ大谷でも「令文さん」だったら飽きずに見られるけど、野球はイヤ。
そんなだからニュース番組やワイドショウでもスポーツと芸能のコーナーになるとサッとチャンネルを変えるかテレビを消しちゃう。
結果、相撲の情報となると100%amber lumberのライブで仕入れることになる。
2人の相撲トークに登場する力士しか知らないワケ。
先日、銀座で開催されたスポーツ関連のイベントに取材で訪れた際、お相撲さんがひとりステージに上がった。
誰だかわからない…でも何となくどこかで見たことがあるような気はする。
もちろん、イベントの時にはチャンと紹介されていたのだが、それが誰か忘れてしまってしまい、その部分の記事の文章を書くことができない。
まさか「お相撲さん」と書くワケにはいかないでしょう?
そこですぐに頭に浮かんだのが征史さん。
写真を送って鑑定してもらった。
すぐに返事が来て、細かい経歴まで指導してくれた。
元横綱の「照ノ富士関」だった。
日本人でありながら横綱を知らないのはさすがにマズイな…と恥じ入った次第。
Marshall Blogの相撲トークは以上。320v「さて、今年の最初のライブは6年ぶりの石垣島でした。
ホントは私のソロで行こうと思っていたんだけど、石垣島でお世話になったお店がなくなっちゃうと聞いてコリャ行かないと後悔する…と、山本さんをそそのかしてamber lumberで演ったんです。
ところがナント!そのお店はなくならないことになった。
最後の盛り上がりを見てそのビルのオーナーの気が変わったらしいのね。
『こういう場をなくしちゃいけない!』って思ったんだって。
だからまた行ける」310続いてはやたらと感動をまき散らす1曲、「ウートートゥ」。
本当にアキラさんの深い歌声が場内の空気を入れ替えちゃうんだよね。
やっぱり「曲」と「声」の力っていうのはスゴイもんですな。330v_uttアキラさんの歌声と同じく深いところで4本の弦を鳴らす征史さん。
この曲はその6年前の石垣島から帰って来てすぐのお彼岸の時に作った曲なのだそうだ。
初めて人前で歌った時は泣いてしまって歌えなかったとか。
そして、今日も彼岸に歌っている。
春の彼岸は「ぼたもち」でこしあん、秋の彼岸は「おはぎ」でつぶあん…年寄がおらず、物故者がいない典型的な核家族の家で育った私は結構最近までコレを知らなかった。330v続けて「呼吸とテレパシー」。
340_ktt「♪届け、呼吸に乗せて!届け、テレパシー!」
今度はハードなストラミングにアキラさんの凛々しい歌声がコダマする。S41a0164 スページ―なバッキングから曲の後半で征史さんが2度目の噴火。
何の恨みがあるのかは存じ上げないが、ナゼかCDに収録されないのがこの曲。
充分にカッコいい曲だと思うんですけどネェ…と思ったら現在制作中の新しいアルバムに収録されるようだ。360…というのはココまでの5曲はニュー・アルバムの1曲目から5曲目までだったのだから。
間宮さんのアレンジはゼンゼン違うそうだ。
「ちなみに間宮さんはホントに脳ミソがギターに直結しているようなイメージの人で、『間宮家』というのはお徳川家の御庭番だった忍者の家系なんですよ」
「御庭番」というのは将軍直属の密偵のことね。S41a0235 「本人は間宮林蔵の家系であるということを否定してるんだけど、『間宮さん、いいじゃないですか』っていう前提で彼とは話をしています。
間宮林蔵は北海道を全部計測して海峡を調べて歩いたんですね。
忍者と言っても戦うワケじゃなくて、情報収集能力が高いんですね。
だから間宮さんはその情報処理能力がすこぶる高い。
そして、本当にギターを如意棒のように自由自在に操る。
今回、裏ジャケットはコレです…間宮さんに孫悟空になってもらいました」S41a0239 間宮さんの話が続く。
「今回、間宮さんを孫悟空にして申し訳なかったなと…次回のアルバムの裏ジャケットは、ボクが沙悟浄で、森永さんが猪八戒」
370v「なんで、私が猪八戒なの!三蔵法師でしょ?」S41a0247 とうとう出してしまいまいましたね…間宮林蔵。
江戸の昔、中国大陸と樺太の間は陸続きなのか、あるいは海なのか?というのが今風に言うと「世界七不思議」のひとつだった。
その様子を見て記録した者がいなかった。
そこで現地へ行って肉眼で確認をして、その状況を報告したのが間宮林蔵だった。
結論は、基本的には海であり、干潮時には陸地が現れる。
林蔵は歩いて中国大陸へ渡ったという。
こうして我々はその中国大陸と樺太の間のことを「間宮海峡」と呼んでいるけれど、世界的には「タタール海峡(Tatar Strait)」、中国では「韃靼海峡」と呼ばれている。
そして、伊能忠敬に教えを乞い、当時は完全に未開の地であった北海道の実測地図を作製した。

Mamiya
その林蔵の大業を描いたのが吉村昭の『間宮林蔵』という作品。
私は23歳ぐらいの時から吉村先生の作品を読み始め、ほぼ全部作品読破しているんだけど、コレはかなりオモシロかった部類に入る一作。
何しろ北海道よりズッと北まで踏破するワケだからね。
「ギリヤーク人」なんていう粗暴な樺太の原住民なんか出て来て、道中で待ち受けているたくさんの難関や労苦を乗り越えて行く姿を描いていく。
下の写真の左の本は、筑摩書房が昭和36年に上梓した有名な『世界ノンフィクション全集』の第1巻。
『黒龍江紀行』と題した林蔵の記録が掲載されている。
この全集は立花隆先生も若い頃に夢中になって読んだということで、私も50巻すべてメルカリで買いそろえた。
それは良いのだが、字が小さいのと、内容の大半を占める翻訳作品の訳文が規格外にオソマツで読み進めるのに大変な辛抱を強いられる。
でもこの『黒龍江紀行』は日本人が書いた文章なのでオモシロかった。
0r4a0908_2舞台はド~ンと変わって見渡す限りの休耕地。
場所は茨城県のつくばみらい市。380ココにあるのが間宮林蔵の生家跡。390林蔵の生家。
安永年間(1772~1781年)に建てられたかやぶき屋根の家。
当初あった場所から3度ほど移築したそうだ。400敷地内に建てられている間宮林蔵の銅像。
「間宮林蔵記念館」が併設されている。
440vすぐ近所で目に入った選挙の立て看板。
やっぱり間宮さん。450v生家跡からチョット離れた所にある「専称寺」。410ココに樺太探検に出る前に建てたとされる林蔵の墓がある。430v傍らには林蔵の偉業を称える立派な顕彰碑が立っている。
こういう顕彰碑というのには見方がありましてね。
ま、私のオリジナルの見方だからアテにはなりませんよ。
420vまず「篆額(てんがく)」と呼ばれる篆書体という独特のフォントで書かれた上の方の四角い部分を見る。
この場合、「間宮先生埋骨〇〇」と読める。
ね、もうコレだけでオモシロイでしょ?
〇〇の2文字はわからん。
「篆書体の漢和辞典」っていうのがあるにはあって、つい先日ブックオフで偶然見つけたんだけど滅多に使うものではないのでさすがに買わなかった。0r4a01752  

12_ksh本体にドバ~っと書かれている文章は「撰文」というんだけど、漢文なので漱石じゃあるまいし、こんなの読めるワケがないのでシカト。
その代わり最後の1行にだけ注目する。
ナンとならば、最後の1行には篆額を書いた人と撰文を書いた人の名前が必ず記されているから。
コレがオモシロイ。
案外「エ?」っていうような有名(っぽい)な人の名前が挙がっていることが多い。
この林蔵の碑の場合、篆額は「鍋島直大(なおひろ)」という人の手によるもの。
鍋島直大というのは肥前佐賀藩の第11代にして最後の藩主。
佐賀藩は討幕派だったので、後に明治政府の政治家/外交官となった。
元総理大臣の細川護熙の曽祖叔父(おジイちゃんのオジさん)。
嘉永年間、楢林宗健というシーボルトのお弟子さんが、長崎の出島の医師モーニッケ経由で入手した種痘の苗を自分の息子に接種した。
その時、佐賀藩主だった鍋島直正も自分の息子で当時4歳だった直大に接種させたという。
最近「雪の花」という吉村先生の作品が映画化されたが、種痘とか牛痘に関する話を先生はたくさんお書きになっていてそのどれもがすこぶるオモシロい。
一方、撰文の書き手は「志賀重昴(しげたか)」という人。
明治の地学学者にして衆議院議員だった。位階は「正五位」。
知らない人だけど、経歴はすこぶる素晴らしい。
 
この見方を知っているだけでも顕彰碑を見る目が変わること間違いなし。
思わぬ発見があって存外にオモシロイよ。


チョット脱線ついでに…。
下は浅草寺の境内にある「福地櫻痴」の顕彰碑。
浅草寺へ行ったらメンチを食べたり、煙を浴びたりしているだけじゃダメよ、ダメダメ。
本堂の横や「奥山」と呼ばれる裏には見応えのあるモノがゾロゾロと並んでいるんですよ。
Img_1752この櫻痴の顕彰碑の篆額を書いたのはナント「山縣有朋」。
ちなみに櫻痴は本名を「源一郎」といって、明治時代に「東京日日新聞(今の毎日新聞)」の社長を務め最晩年には衆議院議員となった人。
櫻痴は日本で最初の英語の先生と言われているラナルド・マクドナルドから英語を学び、ペリーや、プチャーチンと川路聖謨(かわじとしあきら)の仲介を務めたスーパー通訳「森山栄之助」の弟子。
櫻痴はやはり通訳として大活躍し、初めて「society」を「社会」と訳した人。
また、どの新聞にも「社説」っていうのがあるでしょう?
アレを始めたのも櫻痴。
さらに外国の文物を多く翻訳し、そのネタを三遊亭圓朝らに提供していた。
圓朝は「文七元結」、「芝浜」、「牡丹灯籠」、「真景累ケ淵」等の作者ですからね、櫻痴が提供するネタが大いにその創作に役立っていたのかも知れない。
Img_2643_2櫻痴の出身地は長崎。
「思案橋」と有名な「崇福寺」の中間あたりの「油屋町」というところ。
私は去年行って来た。
008a0317一方、墓は谷中墓地にある。
「福地源一郎」の墓碑銘で、大きめの普通のデザインの墓石が立てられている。220v最近はNHKのドラマで「吉原」が注目されているようだけど、下はその「吉原神社」。
伊藤博文や澁澤栄一等、明治のおエライさんはケタ違いに女子が大好きでいらっしゃった。
神社の入り口には「春夢正濃満街桜雲」と「秋信先通両行燈影」という漢詩が刻まれている。
コレは「春の夢の中にいたらいつのまにか辺りは桜が咲いていて」、「秋の知らせの秋雨は燈影に降る」と、遊郭で遊んでいる間は時間の経過がオッソロシク早い…ぐらいの意味らしい。
「楽しい時間は過ぎるのが早いもので次で最後の曲です」「エエエ~!」と同じ。Img_1738この漢詩を作ったのが福地櫻痴。
昔は漢詩ができるかどうか、というのはインテリジェンスのバロメーターだった。
夏目漱石は英語だけではなく、漢詩に長けていたので大いに尊敬された。
実はこの神社の門柱は吉原遊郭の入り口にかつてあった「吉原大門」を模しているそうで、もともとこの櫻痴作の漢詩は大門の門柱に刻まれていたのだそうだ。
つまり、国会議員まで務めた社会的に地位の高い人が堂々と「傾城町」を賛美していた時代があったワケです。
今の政治家は明治の昔の政治家が羨ましかろうて。
Img_1735さらに場所を変えてまさかの間宮リターン。
下は台東区にある「五臺山 源空寺」。
ココは幡随院長兵衛や画家の谷文晁、伊能忠敬やその師匠高橋至時(よしとき)の墓があることで知られている。
林蔵は地形の計測の方法を伊能忠敬にちょくちょく教わっていたので高橋家とは近い関係にあった。
「シーボルト事件」って知ってるでしょ?
高橋至時の息子の景保(=作左衛門)はシーボルトが持っていた『世界周航記』という本欲しさに忠敬が作った地図の写しをシーボルトに渡してしまう。
それが露見して国禁を犯した廉で死刑になってしまった…というのが事件の一部。
他にもシーボルトから薬を分けてもらったお礼に葵の紋服を渡してしまい、あわや打ち首になるところだった土生玄碩(はぶげんせき)という日本の眼科学の開祖なんてのもいた。455その死刑になってしまった景保の墓もこの源空寺にある。
景保は判決が出る前に小伝馬町の牢屋敷で死んでしまったため、遺体は大きな甕に塩漬けにされた。
そして1年後、「打ち首」という量刑が決定した時、甕からワザワザ遺骸を取り出して首を落としたという。
その景保とシーボルトの関係を幕府に密告したのが間宮林蔵だと言われている。
でも林蔵は「アイツ、やってますぜ」と直截的に幕府にタレ込んだのではなく、景保からもらったヤバいことが書いてありそうな手紙を封を開けずして幕府にパスしただけだったとか。
いずれにしても景保は林蔵のおかげで最終的に首と胴体が別々になった。
460v景保の顕彰碑のB面にはシーボルトから景保への献辞がドイツ語で刻まれている。
イヤ~、期せずして大きな脱線になってしまった!…お退屈さまでした。
470「ココでアルバムから離れますが、皆さんに気に入って頂いている『半分の月』という歌。
何回も秘密を話したことがありますが、娘がすごく悲しい目にあっている時に半月がピカピカで娘と被った…ということからできた歌です。
今から私…『お母さんモード』になりますからね。
それから、娘の披露宴で弾き語りをした曲を初披露してしまおうと思っています。
でも、まずはこの曲から…ホントはこの曲を披露宴で歌いたかったの。
でも結婚式には向いてなかったんだね」480vamber lumberのステージでは欠かすことができないバラード「半分の月」。490_htこういうのを「マスター・ピース」っていうんだろうね。
グ~っと感情を込めて心の内を吐露するようなアキラさんの歌い口は聴く者に大きな感動を与える。500v「♪キミが生まれた日 確かに感じたんだ 宇宙が生まれた」
コレが先頃結婚したお嬢ちゃんの披露宴で、アキラさんが留袖に身を包んで歌ったワルツ「宇宙のあかりへ」。
510v_ua征史さんが奏でる温かいフレーズが曲のやさしさを一段と引き立てる。520vしかし、お母さんが曲を作って結婚式で歌うなんてことはまず普通はあり得ないよネェ。
アキラさんナニも言っていなかったけど、お嬢ちゃんは号泣してしまったのではないかしら?
イヤ、宴席の皆さんもきっと涙を流したに違いない。530「楽しい時間は過ぎるのが早いもので次で最後の曲です」「エエエ~!」とはやらなかったけど第1部最後の曲。
「とりあえずハッピー」でにぎやかに締めくくった。540vコレはCGではありません。
征史さんがアキラさんの背後から回って2人仲良く並ぶ…の図。
曲の内容通りハッピーな雰囲気で征史さんの誕生日ライブの前半を終了した。140v「横綱豊昇龍が休場中につき私が本日の中入り…ヨイショ!で〆ますよ~」
客席の皆さんと一緒に「ヨイショ~!」
キマまった~。
四股で出番を締めくくるライブなんて他にないぞ!560v<つづく>
 

200 (一部敬称略 2025年3月21日 神田SHOJIMARUにて撮影)

2025年5月 9日 (金)

五十嵐☆sun-go☆美貴~JAPANESE ROCKの夜明けから未来へつなぐもの<その9>

 
こんなことを書いたところで読んでいる皆さんにはオモシロくもおかしくもないことは百も承知、二百も合点。
でも「超」がいくつも付くぐらいの久しぶりだったんですわ~、原宿クロコダイル。
チョット調べてみるに…7年ぶりになるのかも知れない。
それにもかかわらず西さんやスタッフの方が私のことを覚えてくださっていて、「アラ!久しぶりだね~!」と親しくお声をかけてくださりとてもうれしい思いをした。20そんな久しぶりのクロコダイルでの出し物は、シリーズで催されているイベント『JAPANESE ROCKの夜明けから未来へつなぐもの』。
「華麗なるガールズロッカー達」と副題が付けられたその9回目にゲストでご出演された五十嵐美貴さんからお誘い頂いたというワケ。104つのパートに分けられた当日の第1部はトーク・ショウ。
まず司会者が登場して「現場で活躍する女性ギタリストの目線で日本のロックの歴史を振り返ってみる」という座談会の主旨を説明した。
30司会は川上シゲさんとともにこのシリーズのプロデュースをしているハリー吉田さん。40v吉田さんの呼び込みでパネラーの皆さんが登場。50西薗まりさん60v下はウチにある四人囃子の1989年のライブ『FULL-HOUSE MANTINEE』のCDと岡井大二さんから直接お預かりしたDVD。
まりさんはこのコンサートの舞台にお立ちになっている。
だから強引に言わせてもらえば、私は音や画面を通してまりさんと面識があったというワケ。
ちなみのこのDVDの鑑賞会には私も参加してひとことご挨拶させて頂きました。
その時のようすはコチラ⇒スピンオフ四人囃子のスピンオフ!0r4a0906 武田"チャッピー"治さん80v川上シゲさん
シゲさんはご本名を「シゲユキ」さんとおっしゃって、字も私と丸っきり同じ。
高校の頃、このことを学校で友人に自慢しても、私の周囲にはまだロックを聴いている連中が極端に少なく、誰もピンと来ていなかった。
まだロックと歌謡曲がハッキリと別れていた時代の話…この頃に戻りたい。
この日初めてシゲさんにお会いしたのだが、もうこのことが言いたくて言いたくて!
予めポケットの中に準備していた運転免許証をサッと取り出して、シゲさんにそれをお見せしながら自己紹介させて頂いた。
「おお!ホントだね~。字まで同じ人は珍しいよ。
ナンカ他人のような気がしないね!」
なんておっしゃってくださった。70vそして我らが五十嵐☆sun-go☆美貴さん(以下「sun-goさん」)。
sun-goさんとまりさんは同じ歳で、sun-goさんがSHOW-YAに加入する前、まりさんが在籍していたバンドでギターの後釜を務めたことがあったそうだ。
コレはよく知られていることだが(ウソこけ!)、私もsun-goさんとは生まれ年が同じどころか、誕生日がたったの1日違いなのです。
だから今でも毎年お互いの誕生日の間に「お誕生日おめでとう!」のメールのやりとりをしているのね。
したがって、見方は違うにせよsun-goさんやまりさんががご覧になって来たロックの風景は私が見て来たモノとそう変わらないハズ。
それゆえお2人の話しがとても楽しみだった。
90v我々が中学から高校生だった時代は、「女性だけのロックバンド」といえば1976年に「THE RUNAWAYS」がデビューするまではついぞ見たことがなかった。
だからあんな格好をして「♪チチチチ」なんてやっているのを見た日にはビックリしたわ。
国内のチームではイリアさんが在籍していた「ガールズ」が最初ぐらいだったのかな?
「野良猫」なんて曲が注目されていたように記憶している。
コレが1977年。
かつて東京に「Plumage(プルーミッジ)」という民間の音楽サークルがあって、そこで「ジュリー・ジュリー」だか「ジェリー・ジェリー」だかいうガール・バンドが注目を集めていた。
1979年頃のことだったが、珍しい「女性だけのバンド」ということでものすごく目立っていた…ということを今思い出した。
彼女たち(と言っても自分よりお姉さんだった)どうしたかナァ。
一方、アメリカにはTHE RUNAWAYSより前に「The Shaggs」という女の子3人組のスゴいバンドがあった。
1969年、ニュー・ハンプシャーのお金持ちが、ロクに楽器も弾けないにもかかわらずムスメ可愛さにいきなりレコードを作って流通させてしまったという冗談のような夢のようなお話。
どんな内容かって?
フランク・ザッパは「これこそがピュアな音楽」とそのアルバムを絶賛したが、我が家では「雑音扱い」されているため、The ShaggsのCDをかけることは固く禁止されているというシロモノ。
それから50年以上の時を経た今、ことハードな音楽に関しては男子より女子の方が全然パワフルだからネェ。
110SHOW-YAの昔話やプリンセス・プリンセス、ノーマ・ジーン、ジャコウネコ等々の名前が引き合いに出され日本のガールバンドの変遷について語られていく。
ちなみに「ガールズバンド」というのは和製英語なので海外では要注意。
正しい英語としては「an all-female band」とか「an all-girl band」と表現するそうです。
コレはアメリカの女性だけのバンドで活躍している日本人ドラマーの友達から教わったんだけど、実際に彼女たちのバンドがそう呼ばれているので間違いない。
イギリスのMarshallの連中は単に「a girl band」と言っている。
いずれにしても「ガール」と複数形にすることはない。
ナンでコレ「ズ」が付いているのかね?
「girl」には形容詞があるので「girl band」で何ら問題ないんだけどね。
「ガール・バー」に引っ張られての言い方なのでは?…と私は見ているのだがどうだろう?
Marshall Blogは「ガールバンド」と表記させてもらっています。
120vSHOW-YAがロンドンに行った時の話も飛び出した。
ナニせSHOW-YAは「Marquee」のステージに立っていますからね~。
その時、ちょうどタイミングが合ってウェンブリー・アリーナに『LIVE AID』を観に行ったことにも触れた。
この時のことがよっぽど楽しかったのでしょう、sun-goさんは時折この時の話をしてくれる。
その辺りのことをsun-goさんに詳しく語って頂いたインタビューはコチラ。
   ↓   ↓   ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.20~Marquee物語 <後編>

S41a0077自然とSHOW-YA関連の話題になる。
まりさんはSHOW-YAのデビュー・アルバムを耳にして自分の中で「ガール・バンドは止めた」とキメたそうだ。S41a0023 「SHOW-YAは全員揃うとスゴイ力なんだよね。もうああいうバンドは出て来ないだろうナァ」160「『エッ!これが女性のバンド?』と思った。
『ショウヤ』って居酒屋しか知らなかったからね…驚いたよ。
バンドの名前も覚えやすくてヨカッタよね」170vココで女性ギタリストのお2人に「〇」と「✕」の札を手にしてもらい、吉田さんが出すバンドやアーティストに対して「スキかキライか」ではなく、「影響を受けたか否か」を答えて頂くコーナー。
吉田さんから出されたお題はスージー・クアトロ、THE RUNAWAYS、JUDY & MARY、ROSY ROXY ROLLER、PINK SAPHIRE、SCANDAL等々。
130挙がった名前がお2人より後発の皆さんが多かったので「影響を受けた」というコメントはほとんどなかったが、それぞれに対して丁寧なコメントが発せられた。140vお話の中にスージー・クアトロの名前が何度か出て来たが、同性のお2人にはさぞかし衝撃的だったことでしょう。
私はダンナさんになるスージーのバンドのギタリストの名前が「洗濯機」と聞かされてすごく驚いた記憶がある。
まだFMのラジオ局が2つしかなかった時代、『FM fan』とか『FM レコパル』なんていうオーディオ雑誌があった。
レコパルだったと思うけど、「スージー・クアトロ物語」というマンガが掲載されたことがありましてね、その中に「どうしてスージーがベースをいう楽器を選んだか」というクダリがあって、「ギターはXXXだけど(←ココは覚えていない)、ベースは子宮に来るのよ!」というスージーのセリフが出て来た。
中学生だった私は「一体何のコッチャ?」とその時激しく思った…ま、今でもわからないけど。
もう50年近く前の話だけど、いまだに覚えているところを見るとよっぽど印象的だったのであろうぞ。
2019年のNAMMショウの時、Marshall RecordsのD_Driveがスージー・クアトロも出演する女性アーティストのイベントに招待されて私が引率したことがあった。
楽屋(Green room)がスージーと一緒だった。
本当に小柄で、とても大人しく始終ニコニコしていて、思慮深そうな「上品なおばサマ」という雰囲気だった。
期待していたんだけど「The Wild One」は演ってくれなかったです。
150v次から次へと「立て板に水」のごとく色々なことを語るsun-goさん。180こういうイベントは楽しいね。
昔の日本のロックの現場を知るレジェンドたちがお元気なうちにドンドンやるべきだと思う。190第2部は「SNARE COVER」のステージ。
まずは弾き語りで1曲。200SNARE COVERさんの水晶のように澄み切った美ししい歌声が場内に充満する。
210vピアノをバックにした情感豊かな歌。220ピアノは梅野渚さん。230vそして他の楽器も加わってSNARE COVERさんの世界を広げていく。240吉田さんもギターで参加。250vヴァイオリンはまつおかのどかさん。260vさらに…270シゲさんと…280vチャッピーさんも加わる。290v吉田さんはフルートも担当。300加えて柴崎萌さんのギターがアンサンブルに彩を添えた。310vナンというか、緑豊かな森の中でとてつもなく良い空気を吸い込んだような感じ。320ガラっと替わって第3部は「梵鉾!(ぼんぼこ)」。330富樫春生さん330v西薗まりさん340v田中邦和さん350vメッケンさん360櫻澤泰徳さん370v世界を股にかける富樫さんの歌とキーボーズを核としたフリーフォーム度の高い音楽。
私はこの手の音楽が大好きなのでゴキゲンだ!
富樫さんはデビューが杉本喜代志さんのクインテットだったんですね。
S41a0241 まりさんはシャープなファンク・ストラミングや…S41a0221 クールなソロで大活躍!380縦横無尽に暴れまくる富樫さん!S41a0282 次の展開が予想できないパフォーマンスはスリル満点だった!0r4a0120 そしてイベントの最後となる第4部を飾ったのは「五十嵐☆sun-go☆美貴スペシャルセッションバンド」。
まずはsun-goさんからご挨拶を兼ねてのメンバー紹介。
430「大先輩」と紹介したのはもちろん…  
川上シゲさんと…S41a0401武田"チャッピー"治さん。S41a0502次に紹介したのは、ココのところ毎年秋田の由利本荘で開催されるイベントのセッションでいつも子供ばんどの「サマータイム・ブルース」を一緒に演奏しているという…
410v諷花ちゃん
エンリケさんと八重樫浩さんがやっている「THE☆歌謡ROCKERS」のシンガー。
「諷」というのは「暗唱する」とか「声を出して歌う」という意味の漢字だから諷花ちゃんがやっていることにピッタリだ。
S41a0464そうして秋田では何度も演奏しているのだが、2人が一緒に東京のステージに立つのはコレが初めてのこと。
「sun-goさんのギターでガッツリ歌うのは初めてなんですよね。
いつもはワチャワチャな感じですから。
よろしくお願いします!」655そして、キーボーズに海老芳弘さん。670v「実は、シゲさんとチャッピーさんと海老さんは『千年コメッツ』なんですよ。
以前は名古屋でよく一緒になったんです。
やっぱり私たちはバンドマンなのでバンド名があると違うな…ということでバンド名をつけることにしました。
最初は千年コメッツ、THE☆歌謡ROCKERS、SHOW-YAということで『千年歌謡SHOW』にしようか?とか言っていたんです。
でも、それだと歌謡曲しばりになってしまう感じでしょ?
それでチャッピーさんに『Luminous5(ルミナス・ファイブ)』というバンド名をつけてもらいました」425v「ナニを演るのかと言うと、まっすぐなハードロックです。
気持ちは『ガールズ』ということで…。
それと、この方々と演るのであれば『絶対にハズせない』という曲をリクエストしました」
440v…と前置きして『五十嵐☆sun-go☆美貴スペシャルセッションバンド』じゃない、『Luminous5』の演奏がスタートした。
まずは耳をつんざくシゲさんの轟音!
昔、カルメン・マキ&OZのライブ盤に「シゲのソロ」という曲が収録されているのが自慢だった。
上に書いたように自分も「シゲ」だから。0r4a0093客席から「マジか!?」という声が上がった1曲目はカルメン・マキ&OZの「崩壊の前日」。520コレはsun-goさんが自ら触れたご自身のリクエストによる選曲でしょうな。
そんな演りたかった曲でノッケからバッチリと「sun-go」サウンドを聴かせてくれた。540そのsun-goサウンドを出しているのはもちろんMarshall。
ヘッドは愛用の「JVM410H」。
キャビネットはいつも使っているデイヴ・ムスティンのシグネチャー・モデルとは違う「1960B」。
考えてみるとsun-goさんとJVMの付き合いも長くなったよ~。
2009年からだからカレコレ16年!
誰にもマネができない自分だけのギター・サウンドを確立したからこそできる所業だ。
腕の立つ板前の包丁と同じ。
500vsun-goサウンドに負けないパワフルな歌声の諷花ちゃん!0r4a0249 sun-goさんとのイキもピッタリ!5701曲目から密度の濃いパフォーマンスで一気に盛り上がった!0r4a0199_3 「実はマキさんとは『NAONのYAON』で『私は風』を演ったことがあるんですよ。
あの曲は1か所でもコケるとトンデモナイことになっちゃうんで、今回はやっぱりシゲさんのアタマのベースをフィーチュアした曲をお願いしました」580v2曲目はチャッピーさんのドラムスから。590_cbゴリンゴリンのロック・ビートに「♪チチチチ」と来たぞ!
そう、もちろんThe Runawaysの「Cherry Bomb」。600諷花ちゃんはギターを引っ提げて熱唱!
上に書いたように私はこの曲をリアルタイムで耳にしたけど、今回初めて歌詞を読んでみた。
ロックだね~、昔のロックだね~。
でもコレでヨカッタ時代があったのだ。
それにしても諷花ちゃん、板についているナァ。
まるで70年代からタイムマシンに乗って飛び出して来たようだ!
610vsun-goさんの轟音ソロが炸裂!490コレはきっとやりたかったポーズでしょう?
イヤ、私もやりたいわ!630v「ホントは『メタル・クイーン』の頃を思い出してまりに歌って欲しかったですね。
諷花ちゃんのはジョーン・ジェット・バージョンで、ギター・ソロが長いんですよ…チョット間違えちゃった、ゴメンね!」640「実は私、昔のバンドでシゲさんがいらっしゃったNOIZとココで対バンしたことがあるんですよ。
そんな思い出深いクロコダイルでまたシゲさんと演奏できるのがすごくうれしいです」
実は私も1981年か82年に、今シゲさんがいらっしゃるあたりにマイMarshallとともに立ったことがあるんです。
私のMarshallは今もクロコダイルに出演している三文役者の「ちぇり~」さんのご友人から譲ってもらった今でいう「JMP1959」と「1960AX」だった。
そのちぇり~さんがsun-goさんのことをご存知で「ミキちゃん、ミキちゃん」と呼ぶ仲なのだ。
ちなみにちぇり~さんはご本名を「大竹さん」とおっしゃって、上で触れた音楽サークルのPlumageの余興の時にTHE RUNAWAYSのシェリー・カーリーの格好をして「Cherry Bomb」を歌ったことからつけられたアダ名だった。
「シゲさん」やら「クロコダイル」やら「ちぇり~」やら今日はつながりがスゴイな。
650v続いては…コレもsun-goさんのリクエストでしょうな。
カルメンマキ&OZの「空へ」。
有名なイントロのギターを奏でるsun-goさんが凛々しい!660v_srh海老さんのピアノをバックに…550見事なノドを披露する諷花ちゃん。
説得力のカタマリのような歌声!680vsun-goさんの思い入れがふんだんに詰め込まれたソロ。690v大好きなバンドの本物のリズム隊の方をバックに…
730v大好きな曲のソロを演奏するなんて一体どんな感覚なのよ?
うらやましいナ~。
S41a0568 そんな演奏をバックに諷花ちゃんは最後の最後まで大激唱!700v「ホント、シゲさんとチャッピーさんと演奏できるだけで…家宝ものです!」
ココで皆さんの活動の告知。
「さて、川上シゲ&Luminous5の次のスケジュールはシゲさんとチャッピーさんの健康にかかっております。
健康でいてくださいね!
次はもうひとり…私もすごく可愛がって頂いた日本のロックを引っ張って来たシンガーの曲です」710飛び出して来たイキのいいナンバーはアン・ルイスの「ああ無情」。750vコーラスでも活躍のsun-goさん。760v海老さんのシンセサイザーが思いっきりサウンドを分厚くして…S41a0554「ギター、五十嵐sun-go美貴!」という諷花ちゃんの掛け声で華麗なソロをブチかましてくれた。S41a0735「Luminous5の最後の曲は…」
客席から「エ~ッ!?」
「『Fairy』は演んないよ!SHOW-YAで2番目に売れた曲を演ります」S41a0732♪グワァァァ~ン!
凄まじい轟音イッパ~ツ!
S41a0577sun-goさんのテーマともいうべきあのギター・ソロ。
ク~!このソロで登場した『Marshall GALA2』を思い出すナァ。780v_waLuminous5の出番の最後を飾ったのはSHOW-YAのステージには欠かせない「私は嵐」。790「♪私は~ア~ラ~シ」諷花ちゃん本番最後の熱唱!S41a0807 ドライブしまくる…850vゴキゲンなバックで…820v得意の開放弦を使ったsun-goさんのソロ!830vそして、下手へ飛んでベース・ソロ。
このシゲさんのベース!
絶対こうなると思ったし、また期待もしていたんだけどコレぞ正真正銘の「爆音」!
多分このベースの音は恵比須か代々木ぐらいまで聞こえていたことだろう。840v今度は上手へ急げ!
ベース・ソロからの~「嵐ポーズ」!
私は10年ほどSHOW-YAのライブのオフィシャル・フォトグラファーをご拝命させて頂きましたからね、この辺の流れは身体にしみ込んでいるのです。860SHOW-YAの名曲と熱気あふれる演奏で大いに盛り上がって本編を終了させた。890_enc1アンコールの前にコチラをどうぞ。
コレがさっきのギター・ソロで始まった『Marshall GALA2』の時のsun-goさん。

アンコールでは今日の出演者がステージに上がってまずRadioheadの「Creep」を演奏した。900_crpsun-goさんは珍しいギターを使用。
910vそしてコレもsun-goさんのリクエストかな?920_trrカルメン・マキ&OZの「とりあえずRock'n'Roll」。930最後までノリノリだったsun-goさん!S41a0621 諷花ちゃんのリードでお客さんも声を出して大いに盛り上がって全プログラムを終了した。0r4a0347 最後は記念撮影。940もし同期会をやることがあったらゼヒ私も誘ってくださいまし!
古いロックの話で盛り上がりましょう!950本当に久しぶりだったクロコダイル。
今日も楽しい夜になりました。960  

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200 (一部敬称略 2025年3月20日 原宿クロコダイルにて撮影)

2025年5月 7日 (水)

East Of Eden Spring Tour 2025~Seeds Of Hope~

 
楽しかったゴールデンウィークもアッという間に終わっちゃったね。
海外の、あるいは国内の「楽園」で過ごした方も大勢いらっしゃることでしょう。
今日は待望のファースト・アルバムを引っ提げて国内各地を回ったEast Of Edenのツアー『Seeds Of Hope』の東京公演初日のレポート。10会場はZepp DiverCity。
ロビーに飾られた色とりどりのスタンド・フラワー。20「楽園へようこそ!」
ステージに姿を現したEast Of Edenがオープニングに選んだ曲は「Shooting Star」。
50このショウの1週間前に発表したファースト・アルバム『The First Eden~Sheeds Of Eden』のオープナーだ。12_40闇を切り裂くレーザー光線が縦横無尽に飛び交う中2曲目に突入!
会場は早くも猛烈な興奮状態だ。
曲は『Forbidden Fruit』から「Chasing the Moon」。
30ショウの冒頭からド迫力の爆走をキメて見せるのは…

Ayasa60v湊あかね70vMIZUKI80v新しく加入したMINA。90vそしてYuki。100vもちろんYukiちゃんはMarshall。
使い慣れた「JVM410H」と「1960A」のコンビネーション。
当然Yukiちゃんは「リターン挿し」などという流行に振り回されることはない。
普通に使った方が断然太く良い音が出てくることを本場のMarshall仕込みで熟知しているからだ。110vそしてMarshallの上に「禁断の実」を2つ。120ステージでは早速のサオ・チーム3人のフォーメーションに大きな歓声が上がった!130もう1曲続けて『The First Eden』から「Unapologetic Freedom」。
「apologetic」は「申し訳なさそうな」という意味。
それに反意を表す接頭辞の「un」がついて「unapologetic」になると「謝罪しない」とか「遠慮しない」とかいう意味になる。
曲名は「遠慮や後悔しない自由」ぐらいの意味合いか?
まさにそんなイメージの曲調。
140v_ufハードなグルーヴが心地よいドライビング・ナンバー。
Yukiちゃんは7弦ギターで臨んだ。
そう、この日はとりわけ7弦ギターの出番が多かった。
それがEOEサウンドのヒミツのひとつかな?150メンバーを紹介とひと言メッセージのコーナー。
「ありがとうございます!どの会場も暖かい世界で…本当にありがとうございます」
ママとなるYukiちゃんに客席から盛んに「おめでとう!」の掛け声がかかる。
「チョット気を付けつつ…ウフフフ、気を付けつつ演りたいと思います」170「メンバー、スタッフさん、事務所、ワーナーさんもそうだし、みんなに支えられてやらせて頂いております。
ありがとうございます。
ツアーということで名古屋、大阪とやって来たんですが、東京も熱いところを見せて頂きたいと思います…と言うか、私たちも熱いライブをお届けしたいと思っていますので、皆さん最後までよろしくお願いしま~す!」
160vメンバーのトークを楽しんだ後はニュー・アルバムから「Doesn't Matter」。
チョット余計なことを書かせてもらうと…『エデンの東』と言えば、ナンと言っても次男坊の「キャル」を演じたジェームス・ディーン。
『エデンの東』と同じ1955年に公開した『理由なき反抗(Rebel without a Cause)』の中に「It doesn't matter(イダズマラ), it dioesn't matter…」とジェームス・ディーンが繰り返す印象的なシーンがあった。
フーム、意外なつながりがあるんだな…と思ったのは私ぐらいなものでしょうナァ。
いつもこんなことばかり考えています。180_dm人気曲「鈍色のラビリンス」。0r4a0180 Ayasaさんのソロに続いてYukiちゃんのソロが炸裂。
やっぱりチャンとMarshallのすべての真空管を通して出すギターの音は素晴らしい。
太く、コシがあって、会場の隅々までYukiちゃんが弾くギターが直に届けられるようだ。
Yukiちゃん曰く、実際どこへ行ってもギターの音をホメられるそうだ。
私も鼻タカダカです。弾き手がいいからですよ!
そしてヴァイオリンとギターのバトルへと続いた。190_nlさらに目の覚めるようなドライビング・チューン「CROSS∞ROADS」が続く。
0r4a0163続くMCではメンバーが手分けをしてグッズを紹介。
「私の担当はタンブラー…『シューティング・スター・タンブラー』です。
色がシルバーとネイビーとブラックの3種類。
私は当分飲めませんけど、ハイボールとかビールとかレモンサワーとか…妊婦の私が言うのもナンですがコレに入れてグビグビ飲んじゃって頂きたい…と」
210v「こういう風にリンゴがあればフルーツを飾っておける…みたいな。
籠にフルーツを盛ったりしますからね。
そんな感じでこうやってこのタンブラーにリンゴを乗せて頂くという使い方もあります。
でも、チョット大きいのでお荷物になると思うんですよ、意外と大きいですからね。
そんなところにね!…Ayasaさん」
グッズ紹介リレーのバトンを受け取ったAyasaさんは引き続いてエコ・バッグを紹介。
そのバッグにタンブラーを入れてください…という鮮やかな営業リレーでした。220ココまでとは雰囲気を変えて『The First Eden』収録のバラード「I don't say goodbye」。
あかねちゃんが情感豊かに歌い上げる。S41a0063 バラードにはつきもののギター・ソロ。
Yukiちゃんはおなじみの「Blue Rose」に持ち替えてドラマチックに演じて見せた。240vアルバムと同じ進行で「Don't Look Back」。
Yukiちゃんはまた7弦をプレイ。
今日は一段と持ち替えが忙しい。
7弦ギターが出す低音域を活かしたメロディアスなヘヴィ・チューン。
250vココで場面が替わってあかねちゃんがステージを離れた。
 
MIZUKIちゃんのドラム・ソロに…260_ycMINAちゃんのスラップが重なり…270vYukiちゃんの奇抜なフレーズが加わる。280Ayasaさんが華麗に主題を演奏するのはインストゥルメンタル・チューンの「Yellow Card」。290一瞬のスキも見せることがないハード・ドライビング・ナンバー。
迫力のスティックさばきがタップリと詰め込まれたこの曲はMIZUKIちゃんご本人の作品。300vあかねちゃんがステージに戻ってセンチメンタルなヴァイオリンの音色も高らかに「Noise-Canceling」。
320_dlb曲調が次から次へと変わっていく劇的な1曲。
そのひとつひとつのシーンをあかねちゃんが見事に歌い上げ…330バンド・アンサンブルのパートではあかねちゃんの歌に呼応するようにAyasaさんのヴァイオリンが端正なメロディを歌い込む。430Yukiちゃんも各パートで多彩なギター・プレイを披露した。
340vMIZUKIちゃん作の「Yellow Card」にまつわるMCを経て、あかねちゃんのコブシを利かせた切れ味の鋭い歌い回しが印象的な「Darkside Lotus」。
この曲、和の風味の取り入れ方がとても自然。
加えてキメが大変に凝っていてエラくカッコいいわ~。
0r4a0430ストレートなロック・ビートで「これでもか!」と切り込んで来る「Breaker」。
450Yukiちゃんのチャンク(パームミュートをして8分で低音弦を刻むこと)が鮮やか!350v_br「オマエら、イケんのか~!」とあかねちゃんの檄が飛んで「Red Line」。
途中までいい調子に演奏したもののギターにトラブルが発生して曲は中断。
ま、生演奏の場では時折あること。
さすがEOEの皆さん、堂に入っていらっしゃる。
「チャンと演奏しているということがわかっていいじゃん!」と、超「Look on the bright sight」対応。230v_idsgギターの問題はすぐに解決。
せっかくだから「曲の前のアオリのところからやり直そう」ということになってYukiちゃんがそれをやることに。
何でも地元大阪ではバリバリにお客さんをアオったとか。
浪花千栄子ファンの私としてはYukiちゃんが「あんさん方、最後までイケまんのか~?正味な話、そんなんやったらイケしまへんで~!」とかやるところを見てみたかったが…まさかね。
「東京、まだまだイケるか~い!」と景気よくやってくれた。370vそして今度は「Red Line」を滞りなくカッチリとキメて見せた。
360_rlさぁ、「Sheeds Of Hope」の東京公演もいよいよクライマックス!
420_ikzm「♪Stand up」のパートがまずは何とも魅力的な「花美」。
繰り返す転調とハデなキメも最高に気持ちがいい!
400AyasaさんのソロからYukiちゃんのソロへとスリリングな展開!
390人気曲だけあって客席から盛大な歓声が沸き上がった。410本編を締めくくったのは『The First Eden』の最後を飾っているリード・チューン「IKIZAMA」。0r4a0487本編15曲。
『The First Eden』収録の10曲をすべて披露。
0r4a0157 メンバー5人が一丸となって密度の濃い完璧な演奏を展開。
まさに観客を「楽園」に送り込んで本編を終了させた。460もちろんすぐさまアンコール!470vアンコールの1曲目はおなじみ「Judgement Syndrome」。S41a0399メンバー各位からひと言ずつ最後のご挨拶。
「皆さん、今日はお越し頂いて本当にありがとうございます。
私も色んなところでご迷惑をおかけしていると思うんですが、こうして温かいお客さんに支えられて今日ココに立っているんだなと改めて実感しています。
明日、日本では一応ファイナルということで、明日も盛り上げるぞ!という気持ちでガンバりたいと思います。
ちなみに、明日も来てくれる方とかいるんですか?……たくさんいらっしゃる!
ありがとうございます!
これからも我々は突っ走っていきますのでよろしくお願いします!」480v最後に持って来た曲は「Evolve」。0r4a0382 幾度となくスポットライトが当てられたAyasaさんとYukiちゃんの激しくも艶やかなバトル。
最後までタップリと魅せてくれた。510演奏終了後、客席にピックを投げるYukiちゃん。0r4a0535「ありがとうございました!」
Marshallのいい音もタップリと聴かせてもらったし…あ~、楽しかった。
  
East Of Edenの詳しい情報はコチラ⇒East Of Edenの詳しい情報はコチラ⇒Official Website540 

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200 (一部敬称略 2025年3月19日 Zepp DiverCityにて撮影)