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2015年12月

2015年12月29日 (火)

【訃報】 Lemmy逝く

Lemmyの訃報が報じられた。
24日に誕生日を迎えたばかりだった。死因はガン。享年70歳。

Lemmy逝去のニュースは長年にわたる友人でラジオ&TVのホスト、エディ・トランクという人が報じ、その後それが事実と確認させれると各界から弔辞が寄せられた。
OzzyのTwitterへの投稿…
「今日、レミーという最愛の友を失った。みんなが悲しく、そして寂しがることだろう。彼は戦士であり伝説だった。そっち側でまた君と会おう!」

Motorheadの公式facebookでは…
「これを伝えるのはたやすいことではありませんが…強靭にして神聖な我々の友、レミーが極度の急襲性ガンのため、ごく短い闘病期間を経て今日亡くなりました。彼が病気のことを知ったのは12月26日、自宅でレインボーから持ってきたお気に入りのコンピューター・ゲームの前で家族と一緒に過ごしていた時のことでした。
我々はこのショックと悲しみを表わすことができません。言葉が見つからないのです。
これ以上のことを言うにはまだ少し時間がかかるでしょう。今はムリです。
今はMotorheadを爆音で聴くかありません。」

G_lemmy4_2 Lemmy Kilmisterも真のMarshallプレイヤーだった。
その長年の功績に対し、2008年、MarshallはLemmyのシグネチャー・モデル、1992LEMを発表した。
私の認識に誤りがなければ、Marshallからベース・アンプのシグネチャー・モデルをリリースしたのはLemmyだけだし、もう今後も現れないであろう。
このモデルは、「Murder One」と愛称が授けられていたLemmy愛用の1976年製の1992 Super Bassのクローンで、1959 Super Leadとハイブリッド仕様にされた改造もオリジナルに忠実に再現されていた。
Marshallベース・アンプ最後期の傑作だった。

G_1992lem 実は、私はHawkwindが苦手で、かつMotorhead世代ではないので彼の音楽に大きな思い入れがあるワケでは全くないが、2010年にLoud Parkで観た時は問答無用でカッコよかったナァ。
写真で見るとかなりデカイ印象だったが、ステージそででお会いした時、私と大差なかったのが意外だった。

そして、この『極悪レミー』という映画が封切られた時、配給のレコード会社からのリクエストで映画館に1992LEMをディスプレイした。
関係者向け試写会にお呼ばれで拝見したこの映画、メッチャクチャおもしろかったナァ。
いっぺんにLemmyが好きになった。
G_lemmy3_2 ロック界はまた「スペードのエース」を失ってしまった。
本当にこの先ロックはどうなっていくのだろうか?
このことばかり心配している。

Ian Fraser Kilmister…安らかにお眠りください。

 

2015年12月25日 (金)

さよなら2015、今年のMarshall Blogを振り返る!

昨日、「Marshall Gala」のお知らせをしたところ、おかげさまで信じられないぐらいの大きな反響を頂戴した。あまりの反応の良さに正直ビックリした。
もう今さら「アレは冗談だった」なんて言えなくなってしまった!
…なんてのはもちろん冗談。
今年は、私的には映画の師匠であった父を失うという不幸があったが、最後にこんなにうれしいことが待ち構えていてくれた。

2015年のMarshall Blogの更新は本日を最後とさせて頂きます。
ご愛読の皆様、制作にご協力いただいた皆様の絶大なるご支援に心から感謝申し上げる次第です。
締めくくりに今年のMarshall Blogをチョット振り返って気が付いたことを記してみた。

今年の更新した記事の数は今日の分を含めて全部で246本。
海外滞在時を除いて何とか今年も毎日更新を達成した。一、二回休んだかな?
2012年10月26日にMarshall Blogが再スタートを切って以来、記事の数の累計は800本を超えるに至った。
記事を書くためにコンサート・ホールやライブ・ハウスに出向いた回数は今年一年で146回。
この他にもレコーディングやミュージック・ジャケット・ギャラリーの取材があるので「取材全部」ということになると更に数は増加する。
一番多く記事の舞台になったライブ会場はどこかな~?アリーナは何回も訪れたが、ドームなんか一回も行かなかったな。

おかげさまでこれだけ書いていてスランプのようなモノに出くわしたことはなかった…と、いうかスランプ気取りで「書けない!」と思ったらその瞬間から書けなくなることがよくわかっているのだ。
Marshall Blogはオープニングにどうでもいいことがズラズラと書いてあることが多いでしょう?
私の場合、コレがひとつのリズムになっていて、このパートがうまくいくと、後は比較的気分よくスラスラと書くことができる。
落語の「マクラ」とまったく同じだ。
でも、スランプではなくても更新自体が本当にシンドいこともある。
音楽の良し悪しは抜きにして、やっぱり今風の若いバンドさんの音楽についてはなかなか筆が進まないことが多いナァ。
大きな世代のギャップが障害となって、自分の中にそういう音楽を引っ掛け上げるフックのようなモノがないのだ。
それとどうしても気分が乗らない時もある。ただ、イヤなの。
こういう時は「エーイ、もう止めた!止めた!あのボリュームで毎日更新する方がおかしいんだ!」なんて減量にガマンできなくなった力石徹みたいになってしまうことがある。
そんな時はウチの白木葉子である家内がコップ一杯の白湯を差し出してこういう。
「ムリよ。止めちゃいなさい。そんな毎日なんてムリなのよ。今までよく頑張ったわ!尊敬してる。でもね、毎日を更新を楽しみにしている人がたくさんいることも忘れてはいけないわ…」
と諭されて、私の四角いジャングルであるパソコンの画面に向かうのであった…アホか。
そんな気分が乗らない時でも朝になれば、「ヨッシャやるか!」という気になるから習慣とは恐ろしい。きっと疲れがたまるとヤルのイヤになっちゃうんだろね。

考えてみると365日、マーブロのことを何もしないで休んでいるという日は全くない。皆無である。
温泉にもパソコンを持って行くし、車の修理を待っている間にも原稿を書く。リハと本番の間の時間つぶしには記事を書くのが一番だ。ネット喫茶の会員証だって何枚も持っている。ま、それで「あんな記事」かと笑わば笑え。
とにかく24時間考えて(夢の中でも考えてる)、毎晩12時か1時までパソコンに向かって写真の整理をしているか、文章を書いているか、調べものをしているかのどれか。
私の仕事はMarshall Blogだけじゃなくて昼間は別のことをしていることが多いからね。だからどうしても夜中までかかってしまう。
なんて書くと、さも地獄の日々を送っているように見えるかもしれないけどさにあらず。
実に楽しいのだ!。
いい写真が撮れた時はとてもうれしいし、何かをトコトン調べて知識を蓄えるということは無上の喜びなのだ。まだまだもっと色んなことが知りたい!
そして、Marshall BlogがMarshall本家直営のブログであり、私にそれが任されているということに誇りを持って臨んでいるということも大きい。
だって、Marshallに入社する時、社長が「Marshall Blogを再開してくれ」なんて言うのよ。
手を抜くワケには行かないじゃない?!
そして何よりもあんな記事でも読者やアーティストの皆さんからおホメや励ましの言葉を頂戴するのがうれしくてやってるようなもんだ。
読んで頂いて、楽しんで頂いて、Marshallを知って頂いて…『雨に唄えば』のジーン・ケリー状態なのね。つまり「Who could ask for anything more!(この上一体何を望もうぞ!)」ということ。
それだけに「動くMarshall Blog」をテーマにした「Marshall Gala」に大きな反響があったことは最高にうれしいのだ。

今、2015年にアップした246本の記事のタイトルにザーっと目を通したんだけど、色々ありましたナァ。
ここでひとつひとつ思い出を書き出したらとてもキリがないので、お正月休みにみかんでも食べながらノンビリ2015年の記事を読み返して頂ければありがたい。

Marshall的&個人的にうれしかったのは何といってもNATAL(ナタール)の大躍進かな。
三年前には私と家内と一部のMarshallの関係者しかその名前を知る者はいなかった。
「ナタール?頭痛薬かなんか?それともアルコール・ランプに入れるヤツ?」ってな感じだった。(ちなみにアルコール・ランプの燃料はメタノールである)
すなわち日本でNATALの名前を知る人は十人にも満たなかったと思うのだが、今では比較的どこに行っても名前が通っていて、かえってこっちがビックリしちゃう。
そしてその評判がどれもいいのだ。うれしいね~。
NATALの普及にご協力を頂いている皆様にはこの場をお借りして心から御礼申し上げます。
最近海外でのNATALの勢いがスゴイので私も頑張らねば!

それと痛切に感じるのはSNS(イギリスではSocial Netowrk Media)の普及のすさまじさだよね。
例えばMarshall Gala
私は2000年、2001年、そして2005年に「マーシャル祭り」というイベントを企画したのだが、あの頃はインターネットやメールはあったにせよ、facebookやらTwitterなんでものはなかった。
チラシやポスターを作って雑誌広告を出して…もちろんこうした告知活動は今でも必要不可欠なことなのだが、そういったことなしに、たった昨日一日で、すでに五千人を軽く超す人達に「Marshall Gala」というイベントを認識して頂いた。
うれしいことに今日も朝からアクセス件数がウナギ上りである。
NATALもそうしたSNSがなければこんなに早く名前が世間に浸透することはなかったであろう。
SNSを介した犯罪が世間では頻繁に発生しているが、便利な半面、本当に使い方に気を配る必要があることを痛感する。

『Marshallだより2015<前編>&<後編>』と題してレポートした家内とのイギリス旅行は本当に有意義なものであった。
Marshallの社長夫妻の結婚記念パーティにお呼ばれしての渡英だったのだが、社長ご夫妻のご親戚一同に混ざって最高に楽しい時を過ごした。(今止まっちゃってるけどShige Blogで旅行記を連載中)
ま、イギリスに行ってる間にお父さんが死んじゃったんだけどね…。日本に帰ったてからは精神的にも肉体的にもマジでシンドイ思いをした。

そうそう、忙しくてとても手が回らなかったんだけど、英語版のMarshall BlogであるところのMarshall Blog AORも始めたんだ!
コチラはもうチョット落ち着いたら再開するつもり。Marshall Blogは世界を目指すのだ!

反対に寂しかったのは、海外のアーティストの記事は極端にアクセス数が減るということ。年々この現象が顕わになってるような気がする。
もちろん取り上げるアーティストのポテンシャルや記事のクォリティにもよるが、ココだけの話し、Jeff Beckですらあまりパッとすることはなかった。
洋楽の日本での絶滅を予感させる現象のひとつであることは間違いないが、実はコレ、SNSの効果が大きく関与していると私は分析している。要するに外タレはどうしてもfacebookのシェアやTwitterのRTが少なくなるので記事の存在が世間に知れ渡らないのだ。
こんな時、Marshall Blogの力不足を感じざるを得ないのと同時に、SNSの恐ろしさを再認識するのだ。

それと「ミュージック・ジャケット・ギャラリー」と「名所めぐり」はどうしてもアクセス件数が落ちるナァ。
このふたつのカテゴリーの記事は、それぞれ一本仕上げるのに膨大な時間をかけている労作なのよ。自分で言うのも何だけど、Marshall Blogの中で一番面白いと思うんだけどね~。
私が子供の頃にMarshall Blogがあったらこのふたつを一番楽しみにしていたと思う。
双方洋楽の話題が中心なので、ここでも洋楽離れの傾向を強く感じざるを得ない。
それと、これらのカテゴリーもSNSでの横のつながりがあまりにも脆弱だから広まらないんだろうね。誰も拡散てくれないから当然こうなる。
でも私はアクセスの数だけに拘泥するつもりはそれほどなくて、おもしろい内容であれば自然とMarshall Blogのステイタスが上がるものと信じている。

…ということで今年もどうもありがとうございました。
マーガラに関する情報は年明けからウンザリするほどアップさせて頂きます。
来年もMarshall、NATAL、EDEN、Marshall Blogをよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。

2015年12月24日 (木)

【特報!!】 Marshall GALA (マーシャル・ガラ)

先週の金曜日からウチの社長が「2016年3月6日は、Marshallのために空けといてください!」と何度もお願いしておりますが…ナニがあるのかを発表しま~す!
一日早いMarshallファンへのクリスマス・プレゼント。
勘のいい方はもう察しがついていると思うけど、3月6日にMarshall、NATAL、EDENを愛用する音楽達人が集結するオールスター・コンサートを開催するのだ!
コンサートの名前は『Marshall GALA(マーシャル・ガラ)』。
イギリスのMarshall Amplification社が主催するコンサート。
ハイ、もう「マーガラ」って呼んでもらっちゃって結構です。
この名称については後でコッテリと説明させて頂く。

さて、このコンサートは思いつきで開催するワケでも、伊達や酔狂で企画したワケでもない。
まずは背景を説明させて頂こうではないか…エラそうにすいません。
それは、それこそ「背景」のことなのだ。
最近はロックのステージの背景がチト寂しいと往年のロック・ファンは思っているハズだ。
ナニが?って、「ロックのステージ」といえば「Marshallの壁」ですわナァ。
それが一部のバンドを除いてトンと見かけなくなってしまった。
驚いたことに中にはMarshallの三段積みの実物を見たことがない若いロック・ファンやギタリストがいるんよ。
それどころか、最近はギターを始めてもアンプを買わない子が少なくないという。
我々の世代は「いいギターよりもいいアンプを買った方が上達が早い」なんてよく言ったものですよ。
それなのにどうなってんだ?一体誰がこんな風にしてしまったんだ?
答えは簡単。音楽そのものとテクノロジーだ。
最近の音楽や楽器を取り巻く環境を見ていると、テクノロジーの進化が音楽の退化を招き、退化した音楽はテクノロジーの進化に頼らないと成り立たない、という「アリ地獄」に陥ってしまっているように思えるのね。
憧れのアーティストの演奏をトコトンコピーして、左手の爪が短くなるまで練習して、お気に入りのギターをプラグインして、アンプのボリュームを思いっきり上げて弾く。
この達成感こそがエレキ・ギターを弾く真のおもしろさなのです。
そして、その頂点にMarshallの壁があるワケだ。
Marshallの壁をバックにアンプから出る風を背中で感じてギターを弾く…コレをやらなきゃロック・ギターをやったことにはならんて!
そこで、そのMarshallの壁がそんな寂しい状況に陥っていることに歯止めをかけるべく、一計を案じたのだ。

G01その「一計」とは、Marshallの壁がいつでも設置できるライブハウスを作ろうではないか!ということだった。
さっそく、弊社ジョナサン・エラリー社長(例の「3月6日」のオジちゃんね)にアイデアを提示したところ、「実にいいアイデアだ!」と大いに乗り気。
一方、こちらはMarshallをズラリと並べることができて、かつ、それを保管できる規模の大きなライブハウスを探さねばならない…ということで、すぐに思いついたのが鶯谷の東京キネマ倶楽部だった。
使わない時のMarshallほど重くて邪魔なモノはないからね~。しかし、キネマさんにもご快諾頂くことができた。
そして、度重なる折衝を経て、Marshallと東京キネマ倶楽部が手を組んだというワケ。

G02すなわち、東京キネマ倶楽部は今のところ世界でたったひとつの「いつでもMarshallの壁をフィーチュアできる」イギリスのMarshall社公認のライブハウス(Marshall Offciial Venue)となったのです。
「今のところ」というのは、実は契約書のやり取りをしている時にこんなことがあった。細かい話しなんだけど、私が書いた企画に初めて「Marshall Offcial Venue」という名前を初めて出した時、「the」を付けた。「the Marshall Official Venue」って。
それを見た英語がペラペラのウチの社長から「シゲ、これは"the"ではなくて"a"にしなさい」との指摘を頂戴した。
コレ、他にもこういうライブハウスが世界のどこかにできるかもしれない…という意味なのね。
そうなったら面白いナァ。
だって東京キネマ倶楽部がそれの「元祖」になるんだから!
それと、「飾りじゃないのよ冠詞は」ってことを再確認した。

G03下の写真はほんの一例。
あるバンドのステージのようす。
もちろんMarshallだけでなくNATALやEDENも常備されている。
これから店内の装飾も「ソレ」っぽいものに近づけていくので、Marshallファンの人達には楽しみにしておいて頂きたい。

G05

ここから先は現状の東京キネマ倶楽部のようすをご覧になりながら読んでね。
元グランド・キャバレーの威容はやっぱりいつ見ても荘厳だ。
ステージにはビッグバンドが上がり、フロアではお客さんが夜ごとワルツやタンゴを楽しむ大人の社交場だった。
ウチの父も当時何回も足を運んだらしい。そう、ウチの父はソシアルもラテンも踊れたらしいのだ。

G_img_4014
実は今回のイベントはエラリー社長の発案だった。
「せっかくの機会だもん。ナンカやるっしょ?」みたいな…。
私もにぎやかなお祭りごとが大スキなので、もちろん即了解。
ありがたいことにキネマ倶楽部さんも惜しみのないバックアップを約束してくれた。
…ということで、Marshall、NATAL、EDENを愛用して素晴らしい音楽をクリエイトしている達人たちにご参集して頂くスペシャルなコンサートがこの「Marshall Gala」なのだ。

G_img_3984
この名前ひとつ決めるのにも紆余曲折がありましてな…。
最初、「Marshall Bash」という名前にしようかと思っていた。「bash(バッシュ)」というのはアメリカの口語で「ブン殴る」という意味と「にぎやかなパーティ」という意味がある。
「にぎやかなパーティ」ということであれば、この企画にピッタリだと思ったのだが…。
エラリー社長に訊いてみると、「bashという単語はアメリカの英語で、イギリスではなじみがない」って言うじゃないの。
べらんめぇ!こちとらMarshallはイギリスのブランドよ!アメリカ英語を使った名前のコンサートなんかやってられっけェ!…とは社長は全く言わなかったが、とにかく私はイギリス・テイストで固めたかった。
そのことを伝えると社長がふたつの代案を出して来てくれた…

1. Marshall Extravaganza
2. Marshall Gala

Marshall Blogで時々使っている通り、私はFrank Zappaが自分のショウを称したこの「Extravaganza」という言葉が好きで、コレにしようかと思った。「Marshall Extravaganza」…「壮麗なマーシャルのショウ」という意味だ。
ところがハタと気が付いた…最近この単語を芸名に取り入れているオネエがいることを…Drag Queenってヤツね。
そしてよく考えた…日本人に恐らくは馴染みのないこの言葉をMarshallにつなげるとどうなるか?
ヘタをするとこりゃ「Marshallもいよいよオネエ路線か?」なんて感違いされると心配になり却下することにした。
「Gala」の方はクラシックのコンサートでよく使われるおなじみの言葉なのでコチラを選んだ。
当然、「マーガラ」と略称を得やすいということも考慮に入れた。「真柄」さん何ていう苗字もあるよね。
ところで、この「ガラ」という言葉もロックの世界ではついぞ見かけない言葉だ。
我々の耳に一番なじんでいるのは「ガーラ湯沢」かしらん?
この「ガラ」はその「ガーラ」のこと。決して鶏の足の骨のことではないし、サルヴァトーレ・ダリの愛妻の名前でもない。
語源はラテン語で、イタリア語とフランス語共通で「祝祭」という意味。何か特別なことをする時の記念に開催するお祭り事を指す。
もちろん英語でも日常的に使われている単語だ。

G_img_3994クラシックなんかでは「ガラ・コンサート」と銘打って普段のコンサートでは決して観ることのできない豪華な企画が立てられる。
「ガラ」とは別によく聞くクラシックのコンサートの名前で「ジルベスタ・コンサート」というのがあるが、「ジルベスタ」はドイツ語で大晦日の意味。
そして年が明けて「ニューイヤー・コンサ―ト」となって景気よくヨハン・シュトラウスの「ラデツキー行進曲」を楽しむ。コレがアチラ(クラシック)の方々の年末年始の音楽の楽しみ方。
G04
で、この「gala」という言葉が使われるのはクラシックだけじゃなくて、ジャズでもあるにはある。
例えばコレ…名盤です。
ココ、今日最大の脱線ね。
このルネ・マグリットの絵のようなジャケットのライブ・アルバムになっているガラ・コンサートは、1978年に西ドイツで録音されたもの。
ジャズ界のスーパー・プレイヤーがキラ星のごとく(発音注意。「キラぼしのごとく」ではなくて「キラ、ほしのごとく」が正しい)集まりビッグ・バンドを結成した。
Gerry Mulligan、Stan Getz、Nat Adderley、Art Farmer、Johnny Griffin、Grady Tate、Herb Geller、Toots Thielemans、Niels-Henning Ørsted Pedersen、Albert Mangelsdorff、Alex Riel等々の素晴らしくも渋いンツ。
おもしろいのはドラマーながらボーカル・アルバムを出すほどの美声を誇るGrady TateがVan Morrisonの「Moondance」を取り上げているんだよね。
MarshallのGalaもゼンゼン負けていないぞ!

Jazz

それではいよいよ我がMarshall GALAにご出演頂く素晴らしい顔ぶれを紹介しよう。

【稲葉囃子(いなばやし】
四人囃子の岡井大二、坂下秀実に稲葉政裕、山崎洋が加わり、日本のロックのパイオニア、四人囃子へのトリビュート・パフォーマンスを披露。観客の皆さんには「日本のロック」史に残る名曲に舌鼓を打って頂く。

G10

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G40【LUKE&SAKI】
現在聖飢魔IIで大忙しのルーク篁にMary's BloodのSAKIがジョイントする師弟チーム!

G50OZZFEST JAPAN 2015とは異なるパフォーマンスで観客を魅了してくれること間違いなし!ナニを演るかは当日のお楽しみ。

G60【e-ZUKA】
GRANRODEOのe-ZUKAが参加!どんな演奏を聴かせてくれるのか私も楽しみ!
あのスーパー・プレイがMarshallイベントで炸裂するなんて想像したことなかったゼイッ!

G70【三宅庸介】
自身のトリオStrange Beautiful and Loudの孤高の音楽世界をひとりでも多くの人に堪能して頂きたい!超ド級のMarshallサウンドにも注目。三宅さん、思いっきり演っちゃってください。

G80【CONCERTO MOON】
先日、メンバーを一新してのレコ発ツアーを大好評のうちに終了させたCONCERTO MOON。
メタルGuruのGALA参加はメッチャうれしい!

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ナンダ、ナンダ、ナンダ、ナンダ、ナンダ、コレじゃまるでMarshall Blogじゃねーかよ~って?
そう、コレは「動くMarshall Blog」なのさっ!
「Marshall Blogを本にしてください!」なんてうれしいことを言ってくれる人が結構多くいらっしゃるのだが、本にするのは難しいので、舞台にしてみたという感じ?
つまり実写版「Marshall Blog」だ。
ってんで、Marshall Blogでおなじみのこの人…

【田川ヒロアキ】
Marshall GALAならではのバンド編成でステージに上がる田川ヒロアキ。いつものおなじみの曲が一体どう聴こえるか?楽しみだニャ~。ヒロアキくんの美しいJVMサウンドも聴きどころのひとつ。

G160【D_Drive】
ニュー・アルバムを発表したばかりのD_Drive。ワン・アンド・オンリーの驚愕のメタル・アンサンブルは初めて見る人をノックアウトすること必至。さぁて、Marshallのために、EDENのためにどの曲を選んでくれるのか!

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G200

【Neo-Zonk】
Marshallのコンサートなのになんとギターレス!アタシもいい度胸してるでしょ?
そのかわりNATALとEDENで迫ります。ウルトラG難度のプログレッシブ・ロック・トリオ。ああ、皆さんに紹介するのが待ち遠しい!

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G220_2【The Shred Masters】
若手にも弾き狂ってもらうぞ!
Marshall GALAならではの即席バンド。グループ名を見てニヤっとした人は古くからのMarshallファン?
ギターはMASHA(ex-Crying Machine)と…

G240Fury of Fearの西村守。

G250hibikiもベースでシュレッディング!
G260
【リズム隊】
リズム隊も鉄壁の布陣で臨む。
BARAKAからは、日本ベース界の重鎮…【依知川伸一】

G280Strange, Beautiful and Loudの重戦車コンビ。
ベースに【山本征史】と…

G90_2【金光KK健司】のドラム。

G100_2

QUORUMを離れ、Naked Machineに加入。今後の活躍が楽しみな【石川達也】。

G290他にもMarshallファミリー製品をご愛顧頂いている素晴らしいミュージシャンに出演して頂きたかったのだが、どうあがいても「時間の制限」からは逃れることができない。皆さんのスケジュールの都合もある。
しかし、そこはズバっと割り切って今回のラインナップにまとめさせて頂いた。
ナゼならもう次回以降の開催に期待を寄せているからだ。
是が非でも今回のコンサートを成功させてMarshall GALAをシリーズ企画に育てたいと思っているのだ!

Marshall Amplificationのジョナサン・エラリー社長もイギリスから飛んで来て登壇する。何せ言いだしっぺだからね~。

G300司会と写真撮影は私、牛澤滋由貴が務めます。
幕間にはMarshallやロックやロンドンについての色々なお話しもしたいと思っています。果たしてそんなにうまいことくいくのか?
まだ、他にも色々と考えている企画があるので、都度Marshall Blogで情報を公開していきます。チェックしてね!

G310イベントの詳細はコチラ。コピーして拡散に使ってくだされ!
--------------------きりとりせん---------------------
●イベント名称: Marshall GALA (マーシャル・ガラ)
●開催日 : 2016年3月6日(日)
●会場  : 東京キネマ倶楽部
●開場/開演 : 開場16:15/開演17:00
●入場料 : 前売3,500円 当日4,000円(税込/イス席/1ドリンク別)
●チケット : チケットは完売しました。ありがとうございます。当日券の有無につきましてはMarshall Blogにてご案内申し上げます。
●出演(順不同):
稲葉囃子(岡井大二、坂下秀実、稲葉政裕、山崎洋)
ルーク篁 from CANTA、聖飢魔II
e-ZUKA from GRANRODEO
三宅庸介
CONCERTO MOON
田川ヒロアキ
SAKI from Mary’s Blood
D_Drive
Neo-Zonk
The Shred Masters(MASHA、西村守、hibiki)
山本征史
金光健司
依知川伸一 from BARAKA
石川達也 (Naked Machine)
ジョナサン・エラリー(Marshall Amplification)
司会&撮影:牛澤滋由貴(Marshall Amplification)
--------------------きりとりせん---------------------

皆さん、3月6日はロック好き、ギター好きのお友達をお誘いあわせの上、ゼヒ東京キネマ倶楽部にお出かけくださいますようご案内申し上げます。
ゲップが出るほどカッコいい演奏をお聞かせします。かなりの長丁場になりますこと予めご留意ください。
鶯谷でお待ちしております!

(敬称略)

2015年12月22日 (火)

THE WILDHEARTS~『P.H.U.Q』20周年記念ツアー

<Marshallからのお知らせ>

Je_portrait_c_sm
2016年3月6日の予定をMarshallのために空けておいてください!
安心してください、楽しませますから。

                                            Marshall Amplification plc
                                               社長 ジョナサン・エラリー

     *            *           *           *           *           *

昨日レポートしたHWY! HELLO!を従えて二年半ぶりに来日したTHE WILDHEARTS。

10今回は彼らの『P.H.U.Q』の発売から20周年を記念しての来日。東京と大阪で各一回の公演だ。
これ「f#%$」って読むんだって。
30cd
会場はすでに十分に温まっているので初っ端っから猛ダッシュ!

20Ginger Wildheart

40vGingerサイドのMarshall。JCM800 2203と1960A&B。

50CJ Wildheart

60vCJサイドのMarshall。
JCM2000 DSL100とTSL100。キャビネットは1960AとB。

70Jon Pool

80vRich Battersby

90vRichはNATAL。

100昨日のHEY! HELLO!とシェア。
Richもキットのスネアを使用していた。
日本のドラマーって必ずと言っていいほどスネアとペダルは持参するけど、面倒なんだか知らないが、外人ってほとんどそれらを持って来ないで何にも言わず用意されたものを使うんだよね。
もっともコレはRichのリクエストに沿って私が用意したNATALのバーチ・キットなんだけどね。

110オープニングは『P.H.U.Q』の一曲目、「I Wanna Go Where the People Go」。

120ファンの方には申し訳ないけど、ワタシ、全然このバンドさんを存じ上げていなかった。
それだけにこの盛り上がりにビックリ仰天!
だってお客さんが英語で大合唱してるんだぜ!

130v訊けばニューキャッスル・アポン・タインのバンドなんですってね。要するにGeordie。
イングランド最北の街(シティ)、ニューキャッスルはなかなかに魅力的なところだ。
興味のある人はコチラをご覧あれ! ↓   ↓   ↓
【イギリス―ロック名所めぐり】Newcastle(ニューキャッスル)はよいところ

140このCJのギターのデコレーション!思わずジッと見てしまった。

145続いても『P.H.U.K』から曲順通りの「V-Day」。

150すさまじいパワーのRich。この身体だからね。実にクリスピーで気持ちのいいサウンドだ。

160笑っちゃったのはコレ。
Gingerはお付きの人に持たせてわざわざマイク・スタンドをハスにして歌うワケ。

190

コレをショウの間に何回かやるんだけど、その度にこのお付きの人が出て来てマイクをGingerの口にあてがう。
かなり真剣にやってるところがまた面白い。ナンカこの人もメンバーにいてもいい感じのルックスじゃない?

180v続けて「Just in Lust」。
このバンドのサウンドは「ビートルズとMetallicaの融合」とされるんだってね?
この形容が「ウマい」かどうかはわからないけど…

200パンクっぽいところ以外はなかなかに曲がいいですな~。
そして大変にエネルギッシュだ。

210さらに「Baby Strange」、「Nita Nitro」とまだまだ『P.H.U.Q』の曲がアルバム通りの曲順で演奏される。

230v

もう完全にアルバムを再現しちゃってるワケよ。

240

往年の人気アルバムがそのままライブで再現されるとあっては、ファンにはタマりませんわナァ。
250v
道理でファンの皆さんが次から次へと大合唱しているワケだ。
この光景は絶滅に瀕している洋楽のコンサートとは思えないほどのにぎわいだ。
恐るべし「ワイハ」!

220「Jonesing For Jones」、「Woah Shit, You Got Through」と曲を『P.H.U.Q』の曲を進め…

270v

最終の「Getting it」までアルバム全13曲を演奏しきって本編を終了。

260アンコールでは『P.H.U.Q』以外からの曲をナント十曲も演奏するというサービスぶり!

280vTHE WILDHEARTSがいかに日本のファンを大切にしているかがわかるような、至れり尽くせりのステージだった。

290vTHE WILDHEARTSの詳しい情報はコチラ⇒The Wildhearts Official Website(日本語版)

3101965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。まったくはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年11月24日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2015年12月21日 (月)

Hey! Hello! from HEY! HELLO!

<Marshallからのお知らせ>

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2016年3月6日の予定をMarshallのために空けておいてください!
安心してください、楽しませますから。

                                            Marshall Amplification plc
                                               社長 ジョナサン・エラリー

     *            *           *           *
我ながら今日の記事のタイトルが気に入っている。
たった五つの単語に「H」と「E」と「L」が四つずつ!それぞれが二つずつ入っている言葉を繰り返しているので当たり前なんだけど…。
HEY! HELLO!とは今日の主役のバンド名だ。

コレは私だけの感覚かも知れないが、我々の世代「ハロー」というのは、幼少の頃に最初に接する英語だったように思う。
街で外人を見つけると親が「ホラ、ハローって言ってごらん!」っていうシチュエーションだ。ウチの親はそんなことしなかったけどね。
で、中学校だったか高校の英語の先生が「外国では『ハロー』とは言いません」と教えてくれた時はチョット驚いた。
ま、「How are you?」あたりのことを言っていたのだろう。
これはウソです。
確かに私の周りのアメリカ人はほとんど「Hello」という言葉を口にしないが、イギリスに行けばごく普通に「Hello」とあいさつする。
アメリカでは通じないとまで言われる「Toilet」も標準語だ。ロンドンのレストランで店員に「Where is the bathroom?」なんて言うのはもはや恥ずかしい。
ナニが言いたいのかというと、日本の英語教育のイビツさなのね。
英語はイギリスの言葉なのにこういうことが起こる。
また政府の軽い思いつきで英語教育の早期導入なんて騒いでいるが、言葉を教えると同時に、もしくはそれより先に英語を使っている国の文化を教えないといつまでたっても日本人は英語がうまくならないと思うね。
ナンダ、エラそうに!なんていわれそうだけど、言います。だって、ものすごい英語で苦労してんだもん。
…と話しはあらぬ方向にスッ飛んでしまったが、これはいつものこと。
そろそろ本題に入る。

ステージにはMarshallとNATAL。いい眺めだ。

05先月来日したイギリスのバンド、THE WILDHEARTSと共にやって来たのがHEY! HELLO!。
30
THE WILDHEARTSのオープニング・アクトを務めた。
しかし、この名前なんかいいな~。
70年代に「HELLO」というバンドはあったね。

20ボーカルのHollis Mahady。

40vTHE WILDHEARTSからGinger Wildheart。

50vギターはThe Rev。

60vベースはToshi。

70vドラムがAi Sugiyamaだ。

80vThe Revの背後にはヘッドが三台とキャビネットが四台。

90JCM2000 DSL100とTSL100、それに1960AとB。

100こちらは上手、Ginger側のMarshall。
こっちはJCM800 2003と1960A&B。

110ドラムはNATAL。

120バーチのキット。フィニッシュはサンバースト・フェイド。

130コンフィギュレーションは13"、16"、22"、スネアは14"×5.5"だ。

140私はこのバンドを全く知らなかったのだが、ノッケからスゴイ熱気!

150vTHE WILDHEARTSの中心人物のGingerが参加しているだけあってすさまじいノリよう!

160サウンドの傾向は「パワー・ポップ」ということになるらしい。

170パンク/ニューウェイブ以降の世代のサウンドということなろうが、チョットそれだけではないトラディッショナルな雰囲気が実によろしい。
190
そして、ボーカルのHollisの声!
パワフルで図太い「ロック」の声だ!

180またね、コーラスがスゴイんだ。
向こうのバンドはホントにコーラスがうまいよね。

200ステージ上手でやや控えめなパフォーマンスを見せるGinger。この後、大暴れになる。

210vところで、ベースのToshiさんとドラムのAiさん…どう見ても、また名前からしても日本人だ。

220v…と思ったら日本人だった。
で、リハーサル後に楽屋を尋ねMarshall Blogへのご登場をお願いした。快諾。
ふたりともロンドンを拠点に活動を展開しているそうだ。
ロンドンに行く楽しみがまた増えたゾ…と。

230vで、ナゼ気に入ったのかというと、もちろんHEY! HELLO!のサウンドがよかったからなんだけど、リハーサルでSailorの曲を演ったんよ。
アタシャ、かなり驚いたね。
Sailorは70年代前半にデビューしたイギリスのポップ・ロック・バンド。「ニッケルオデオン」という自動演奏のピアノのようなものをウリしていた。
このバンドの75年の『Trouble』というセカンド・アルバムのエキゾチックなサウンドが好きで中学生の頃によく聴いた。そのタイトル曲を何の前触れもなくHEY! HELLO!が演奏したもんだから腰を抜かしちゃったの。
だって、Sailorなんか知ってる人そういないでしょ?イギリスでは人気があったのかな?
Sailorの三枚目のアルバム・ジャケットはHipgnosisが担当していてMusic Jacket Galleryで紹介したこともある。
1998年のベルリンのライブ盤は「何でもあり!」の極致でにぎやかで面白かった。

240で、The Revは「Rumble on」とかLed Zeppelinの曲をバリバリ弾いちゃう。
この出で立ちだもん、絶対ロケンロー野郎だと思うじゃん?
イエイエイエイエイエイエ、Led Zepplinだったのですよ。
そんなこともあってスッカリ気に入ってしまったのです。

250vステージはとにかくエキサイティング!
The Revに踏みつけられるToshiさん。

260GingerにのしかかられるToshiさん。
大変な仕事だ!

265前回のUKツアーでもNATALをレンタルして使ってくれたAiさん。
ツアー終了時は泣いちゃったんだって!
ナゼかって?
そのNATALとお別れするのが悲しかったから…わかるナァ。それがNATALってもんよ!

S41a1554 観客を徹底的にあおるHollis!

266一件バラバラのように見えなくもないが、五人の強い個性がうまく緊張し合っていていい具合。

270The Revもすさまじいエネルギーでアクションをキメまくる!

280やっぱりロックはこの声よ!

290vToshiさんが飛ぶ!

310vそしてThe Revも!思いがけずいいものを見つけた時ってのはうれしいもんですな。

320HEY! HELLO!の詳しい情報はコチラ⇒The Official Hey! Hello! Site(英語版)

3301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。まったくはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年11月24日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2015年12月18日 (金)

Marshallからのお知らせ

Marshallファンのみなさん
NATALファンのみなさん
EDENファンのみなさん
Marshall Blogファンのみなさん
ロック・ファンのみなさん
音楽ファンのみなさん…


2016年3月6日の予定をMarshallのために空けておいてください!
安心してください、楽しませますから。



                                Marshall Amplification plc
                                      社長 ジョナサン・エラリー



Marshall fans,
NATAL fans,
EDEN fans,
Marshall Blog fans,
Rock fans,
Music fans,


Please keep the 6th of March, 2016 for Marshall.
No worries, we will rock you!



                                  Marshall Amplification plc
                                            Managing Director
                                                Jonathan Ellery

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2015年12月17日 (木)

SOLDIER OF FORTUNE feat. Mike Vescera in LOUD PARK 2015

大分時間が経ってしまったけど、LOUD PARK 2015!

10 今年はSLAYERやMEGADETHがヘッド・ライナーでいい感じ!だってMarshallじゃん。
やっぱりラウドな音楽はMarshallなくしては成り立たんって!Marshallは「Father of Loud」なんだから。「爆音の父」なのだ!

20LOUD PARKも十周年ということで、ロビーには歴代のラインナップを記したボードがズラリ。壮観!

30今回も二日間、二つのステージで爆演が繰り広げられた。

50そして、Marshall Blogのお目当てはコレ!

60舞台は「BIG ROCK」。
演者にふさわしい名前ではないか!

70客席は超満員。

80ステージにはMarshallの壁!
これでロックの舞台が整った。

90大歓声に包まれてメンバーがステージに登場し、演奏はインストゥルメンタルでスタート。

100そして、シンガーが現れる。
これで役者が揃った。

110高崎晃

120v山下昌良

S41a3161マイクを握るのはMike Vescera。サポート・ドラムには、GO(from SADS)を迎えた。

150v 1991年の武道館公演以来となるファン待望の顔合わせ!

160オープニングは「Down n' Dirty」。
デビュー十周年の記念的作品、第二期LOUDNESSの『On the Prowl』から。

170ノッケから冴えわたる高崎さんのソロ!

180v 続けてアルバム『SOLDGIER OF FORTUNE』から「Danger of Love」。

190重量感タップリの哀愁のメロディが心地よい!

200同じく『SOLDGIER OF FORTUNE』から「You Shock me」。

210山下さんの地を這うような低音がバンドをすさまじくドライブさせる。

220Marshallの壁を背にした高崎さん。やっぱりこの光景が一番シックリくる。

230Mikeも背後から迫りくる激演に乗って熱唱を見せる。

240『SOLDGIER OF FORTUNE』からのレパートリーが続く。「Running for Cover」だ。

250ここでシットリと「Never Again」。

260v高崎さんの泣きのソロが素晴らしい!
それにしてもこのトロけるような美しいトーンはどうだ!日本が世界に誇るギターの音色だ。

270v おなじみ「Crazy Night」。

280観客席の盛り上がりが何段階もアップしたことは記すまでもなかろう。

290その熱気を全身で受け止めて声を振り絞るMike。

300続けて観客の耳に飛び込んで来たのは「重いコンダーラ」、イヤ、「思い込んだら」の「巨人の星」。
そういえば何年か前にここでアニメタルUSAを観たんだっけ!

310持ち時間45分。いよいよ終盤に入る。
飛び出したのはアルバム・タイトル曲、そして今日はバンド名となった「Soldier of Fortune」。

320カッコいい曲だにゃ~。やっぱり曲もギター・ソロも海外のロックの香りに満ちた規格外のサウンドだわ。

330あと二曲!
「In the Mirror」。

340ウネリまくる山下さんのベース!

350いつもの日本語の歌詞になれているので英語だとチョット別の曲のように聴こえるな~。

360SOLDGIER OF FORTUNEのステージの最後を締めくくるのは…

370「S.D.I.」!

380 何度も高崎さんのこの姿を撮らせて頂いているが、この右手を指板を乗せて弾く姿のカッコよさで高崎さんに勝る人はいないナァ。
見て、この右手の人差し指!問答無用でカッコいいワ~!
また、チョコッとしかやらないところがいいんだよね。高崎さんのステージでゼッタイに見逃せないシーンのひとつ。

390嵐のようにラウドに走り抜けた十曲!

400曲よし、演奏カッコよし…の最高のステージなのであった。
貴重なこの機会に立ち会った人、ラッキーだったね!

410 さて、LOUDNESS、先般のMarshall Blogでレポートした通り、LOUDNESSの世界進出のキッカケとなったアルバム『Thunder in the East』が30周年を迎えた。
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併せてデビュー35周年。
それらを記念して『Thunder in the East』の特別仕様盤が発売され大きな話題となっている。
ひとつはCDとDVD2枚を擁する「Limited Edition」。

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もうひとつは3,000セット限定の「Ultimate Edition」。
こちらは3枚のCD、2枚のDVD、LP、EP、カセットテープ、Tシャツ他貴重な記念グッズゾロゾロ。
ファンにはタマらない内容だ。
双方の内容をココに記しているとキリがないほどの濃い内容なので、気になる人は特設サイトをチェックしてくだされ!
Thunder in the East 30th Anniversary特設サイト

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LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

(一部敬称略 2015年10月11日 さいたまスーパーアリーナにて撮影)

2015年12月16日 (水)

劇団☆新感線のMarshallとNATAL

ロック・フィーリングあふれる楽しいミュージカルで圧倒的な人気を誇る劇団☆新感線。
その旗揚げ35周年を記念した特別な催しが開かれた。
題して『新幹線MMF』。
新感線の舞台といえば欠かせないのはギンギンのロック・バンドだ。
この特別なステージにも新感線ではおなじみのメンバーが結集した。

10ギターは岡崎司

20vギター、高井寿

30vキーボード、松崎雄一。

40vキーボードは松田信男。

50vベースは大桃俊樹。

55そしてドラムは松田翔

60vその記念すべきステージで活躍しているのがMarshall。

70岡崎さんはJVM410Hと1960A。

80v足元のようす。

90上手の高井さんもMarshall。
マスクでお顔がよくみませんが~。高井さんは夏にもMarshall Blogにご登場頂いているので気になる人はコチラをチェック。

100松田さんもJVM410Hと1960Aだ。
ッシャ~!ステレオでJVM!気持ちいい!

110v足元のようす。

120MarshallだけでなくNATALも大活躍だ。

130翔くんが使用しているのはアッシュのキット。フィニッシュはグレイ・スパークル。いつぞやブライアン・ティッシーが使っていたのと同じ材とフィニッシュ。

140コンフィギュレーションは12"、13"、16"、22"。

150翔くんはNATALのツイン・ぺダルもエラク気に入ってくれている。もんのすごい踏みやすいそうだ。

160写真はリハーサルのようす。

170vところで、このショウのタイトル、「MMF」とはなんぞや?

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音楽のMusic、映像のMovie、祭りのFestival、それぞれの頭文字を並べたそうだ。わかりやすい!

190つまりライブ演奏で新感線の歴史を振り返る…という内容。

20035年の歴史の中から選りすぐった作品をライブでプレイ。その当時の舞台の映像をビッグ・スクリーンで上映するという企画なのだ。

210vコリャ長年のファンにはタマらんわね~。
また、新しいファンには過去のステージを疑似体験する最高のチャンスとなったワケだ。

230vそして本番。会場は超満員。
公演は二日間行われた。

240イヤ、コレがまたメチャクチャ面白い!

245写真には写っていないが、バラエティに富んだ役者さんが次から次へとステージに現れては熱唱する。
上に記した通り、背面の巨大なスクリーンにはその公演の当時の映像が映されるのだが、役者さんが実際に歌っているのと完璧にシンクロしているので、二つのステージを同時に見ているような感じ?

250演奏は完璧!
MarshallもNATALも名うてのテクニシャンに操られて最高のサウンドを出しやがる!

260でね、この曲がいちいち面白い。
「アレ?この曲どっかっで聴いた?!」…なんて、私なんか何度もお終わらいしてしまった!
加えて古田新太さんの司会が実におもしろい!
イヤ~、素晴らしいショウだった。役得、役得!

270劇団☆新感線の詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルサイト

2801965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。まったくはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年10月30日 豊洲PITにて撮影)

2015年12月15日 (火)

【後日譚】 『アンプ大名鑑 [Marshall編]』のこと~あらためましてのありがとう!~

Marshall Blog読者のみなさんは、仕事や宿題をする時、早めに片付けて余裕しゃくしゃくで期限の日に臨むタイプですか?
それとも、期限が目前に近づいてプレッシャーがかからないと発進しないタイプですか?
私は完全に後者の方でしてね。
思い返してみると子供の頃から比較的そうだったかな…。もう冬休みの書初めがキライでサ。
「どうせやらなきゃならないんだから、サッサとやっちゃいないさい!」…このセリフが一体何回母の口から発せられたことか…。
母は私と正反対で、笑って締め切り日を迎えるタイプなんだよな~。なんでこうなっちゃったんだろう?
…ってんで去年の11月頃は『アンプ大名鑑』で本当に大変だった。
このことである。
(↑ 私が時々使うコレは、池波正太郎の『真田太平記』からの借用なのだが、池波正太郎って関東大震災があった大正12年、すなわち1923年生まれでジム・マーシャルと同じ歳であったことを先週発見!)
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よくある話しだけど、今にして思うとどうしてあんな時間があったナァ~と思うね。
そう、あったんです。
睡眠時間を削ったんです…シンドどかった。
コレも自業自得でしてね、私の仕事は翻訳文のチェックで、内容に齟齬がないかどうかを見極めるという作業だった。
その対象となる訳文が八月ぐらいから当方に届き出した。冒頭に述べた私の性格ゆえ、「コリャ溜めちゃうとエライことになるわい…」と最初の頃は原稿が届くたびに内容をチェックしていた。
それが日々の忙しさに紛れてしまい、いつの間にか作業から遠ざかってしまったんだな~。
「コレならいつでもできるかな」とナメてしまったことも正直ある。

気がつくと「アツイ、アツイ」と騒いでいた季節はとっくに去ってしまい、シャツが長袖になり、「し・め・き・り」と言葉が頭の中で反響するようになった。
何だかコ、コワイ!
でも、「怖がってなんかいられない」なんて、宮口精二が扮するヤクザに恫喝される『生きる』の志村喬よろしく、「コリャ、マジでヤバい!」とエンジンをかけだした。
やっぱり「ああ、お母さんの言う通りだナァ。『親の意見とナスビの花は…』ってか!」ってな具合。
朝はMarshall Blogの執筆やらSNSやら、昼はMarshall他のブランドに関する細々した仕事や写真の仕事ゴチョゴチョ、夜はイギリスとの連絡、Marshall Blogの取材や執筆…コレらの時間の合間すべてに『アンプ大名鑑』の作業をブチ込んだ。
もちろん土日なし。
特設作業机を設置して、24時間いつでもすぐに作業に取りかかれるような態勢を取った。

ところがですね、チョロイと思っていた作業がさにあらず。考えていたよりはるかに作業量が多かったのだ。そして、精神的な苦痛も伴い、やればやるほどシンドくなってきた。

この本は原本に誤謬が少なくなく、まずそれに細心の注意を払わなければならなかった。
100Wのモデルなのに表記ではパワー管が二本しか搭載されていなかったり…ま、こういう仕様に関することは長年Marshallをやっていると少しはピンと来る。
だいたいネ、イングヴェイのシグネチャー・モデルのモデル名が原本では「JMY」になってたりするんだゼ!
それと、インターネット。
なまじ何でも簡単に調べられるような環境になったので、何でも調べ切らないと気が済まない。
順調にいけば、イギリス好きな私にとってこの作業は面白いことこの上ないのだが、一旦つまづくとドツボにハマってしまってどうにも抜け出せない時間浪費のアリ地獄となってしまう。
でもネ、とにかく一番苦労したのは翻訳文のチェック作業そのものだった。当たり前か。それが仕事だもんね。
長年にわたってこれだけ毎日文章を書いていると、ヘタクソながら自分の文章のスタイル、イヤ、リズムかな?のようなものが出来上がってしまっていて、他人の書いた訳文というのはどうも座りが悪い。
私は普段Marshall Blogの文章を書く時、なるべく平易な表現を使って、読者に二度読みさせないように努めている。いつもフザけているように見えるかも知れないが、実はいつもフザけているのである。
ウソウソ!でも、「これで一発で意味が通じるかな?」と悩み、何度も何度も書き直す文章も存外に多いのである。
それだけに、そうではない複雑な記述の文章に出くわすとどうしようもなくそれが気になってしまうのだ!
それと、ギター・プレイに関する独特な表現はプロの翻訳家さんでも馴染みの薄いところであるのは仕方のないことであり、少なくない箇所で訂正を要した。
私とてそういった方面に明るくないため、アメリカ、イギリスのMarshall関係の友人に指導を乞い、たまたま観光でやって来たオーストラリアのディストリビューターの友人とは、イッパイやりながら原稿を片手にその辺りの英語に関するレクチャーを授けてもらったりもした。
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つまり、日本語となった文章をチェックするのが本来の仕事だったハズの私の作業は、すぐに原本にある「英文と首っ引きで翻訳文に目を通す」という作業に拡大した。
コレは辛かった。
あまりにも時間がかかってしまったのだ。
訳文の内容に矛盾を発見し、その真偽を見極めるためにたくさんの英語に関するウェブ・サイトをひも解き、そう長くもないひとつの英文を訳すのに30分以上を要したこともザラだった。
中には一時間考え込んでも答えが出ない英文もあった。
ネイティブなら子供でも一発で読みほどく文章なのに…だ。バカでしょう、ワタシ?

今だから言うけど、実は途中で「ムリです。できましぇん。この作業は締め切りまでには終わらないかもしれない…」と出版社の担当の方に泣きを入れたこともあった。
ところが、ウマいこと言いくるめて頂いて仕事に復帰。こっちは単純を絵に描いたような人間だからね。
写真が多いとはいえ400ページにも及ぶ大著である。その英文のほとんどすべてに目を通すのはかなり苦痛を伴なう作業だった。しかもコレだけやっていたワケじゃないし。
マァ、おかげで知らなかった熟語表現なんかもたくさん発見した。もう全部忘れちゃったけど…。
これがチェックした原稿。これとほぼ同じ量の英文も読んだ。
A3で460枚。さっき量ったら2.7kgあった。
CDを並べたのは厚さがわかるかな?と思って。
脱線…この『Amplified』という二枚組CDは大分前にLAで見つけて買ったもの。70年代の英米のロックをあまりにも無造作に詰め込んだコンピレーション。選曲の無責任さがおもしろいのと、ジャケがMarshallだったもんでゲット。ケースを開けたら中に使われている写真はF社のアンプでやんの!
左は原本。この英文ほとんどすべてに目を通した。
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表記の問題も大きかった。
アルファベット表記か、カタカナか?「ヴ」か「ブ」か?「・」を入れるか入れないか?大きな問題なのだ。

また、よしゃいいのに表紙の1959SLPと1960AXの写真まで撮らせてもらった。
これがまた結構大変だった。
表1に使われているフロントの写真はそれほど難しくないのだが、リアが死ぬほど難しかったことは以前にも書いた通り。
この我が家のスタジオも今となっては完全にNATALの倉庫になってしまったが…。ありがたいことに、NATALは色んなところからお声をかけて頂き、出入りが激しいので手元に置いておかないと動きが取れないのだ。うれしい悲鳴ってヤツ。
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さて、本の方はといえば、最後には一日に何回もバイク便を飛ばして出版社と原稿のやり取りをしなければならないほど切羽詰まった状況ではあったが、何とか締め切り日までに入稿することができた(つもり)。
だいたい初めからコツコツやっていたらあんなに苦労しなかったってんだよ!…という自業自得の見本みたいな話し。
そして予定通り2014年12月19日に発売の運びとなった。
やっぱりコレだけの分厚い本だからね、製品を手にした時にはうれしかったね!
苦労はスっ飛ばなかったけど…。
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それにも増してうれしかったのは、日頃お世話になっているMarshallプレイヤーの方にこの労作を手にして頂いたことだ。

大谷令文さん!
100Wモデルのページはお気に召して頂いたでしょうか?ココ、技術的な記述が多く死ぬほど苦労したところです。
P152のウェンブリーのThe Whoの写真はご存知でした?
令文さん、ありがとうございます!

大谷令文の詳しい情報はコチラ⇒ホームページ

O_10石原SHARA慎一郎さん!
SHARAさんご使用の歴代Marshallのモデル、すべて網羅されとります!
SHARAさん、ありがとうございます!

石原SHARA慎一郎の詳しい情報はコチラ⇒Official Blog

O_30五十嵐sun-go美貴さん!
MarqueeのJCM800ありがとうございました。
JVM410Hと1960DMもしっかり掲載されておりま~す。

五十嵐sun-go美貴の詳しい情報はコチラ⇒sun-go☆彡Blog

O_40大槻啓之さん!
日本屈指のジェフ・ベッカー。
考えてみるとジェフも1987からDSL、Vintage Modern、直近のDSL100HまでかなりのMarshallistですからね~。
大槻さん、ありがとうございます!

大槻啓之の詳しい情報はコチラ⇒BEPP Official Website

O_50_2ルーク篁さん!
ルークさんは実は歩くMarshall Museumなのだ。コンテンポラリーなMarshallは最近の1959SEまでほとんどすべて実戦でご使用頂いているけんね。
それだけじゃなくて、いくつもの即戦力の極上ビンテージMarshallのオーナーでもあるのよ。
ルークさん、ありがとうございます!

CANTAの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

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三宅庸介さん!
この本を日本で初めて販売したのは、発売日三日前の三宅さんの『Sound Experience 14』でのことだった。
よくある会場限定先行販売ってヤツね。一般のお客様にも多数お買い上げ頂いた。
みなさん、サインがへタでゴメンね。
三宅さん、ありがとうございます!

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful & Loud

55島紀史さん!
大好評の新生CONCERTO MOONでも大活躍してるのがノンちゃん自慢のMAJOR 1967。
このモデルもシッカリ一項目となって編み込まれている。
そのサウンドはCONCERTO MOONのライブで体験して欲しい。
ノンちゃん、ありがとうございます!

CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

56関西からは金谷幸久さん!
今年発表した四枚目のソロ・アルバム『CRY FOR THE MOON』も好評な根っからのMarshallistだ!
金谷さん、ありがとうございます!

金谷幸久の詳しい情報はコチラ⇒Official Blog

O_20中野重夫さん!
ウチに遊びに来て頂いた時にパチリ。
Jimi Bruce Band他でますます活動を活発にするシゲさんとMarshallは切っても切れない縁だ。
考えてみると、シゲさんって世界一のSUPER100JHのオーナーかも。なんぼ好きでも、このJimi Hendrixのシグネチャー・モデルを三セット持っている人は他にいないでしょ?
Marshallの工場にももうないかも?
シゲさん、ありがとうございます!

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒Jimi Bruce Band facebook

O_70田川ヒロアキさん!
最近はJVM201Hと1936VでブイブイいわせていることはMarshall Blogでレポートした通り。
生半可ではないMarshallへのロイヤルティにはいつも感謝しております!
ヒロアキくん、どうもありがとう!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

O_75関雅樹さん!
Marshall Blogには珍しいジャズ畑のギタリストにもゲットして頂きました。コレがまたMarshallでいい音出しよる!
最近は1974Xにズッポシはまってらっしゃる。
関ちゃん、ありがとう!

関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒Offcial Website

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Anziさん!
本を手渡すと、「こういう図鑑みたいなモノって大スキなんですよ!」とうれしそうにページをめくってくれたのがうれしかった。
摩天楼オペラのステージ、Anziさんの背中にMarshallがなかったらどうするの?
Anziさん、いつもありがとう!

摩天楼オペラの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl SITE

O_76ニューアルバム『R』がバカウケのD_DriveのMarshallチーム。
まずはSeijiさん。
Seijiさんが愛用している私が企画したECフレットのDSL100は掲載されていないのが残念!
でも唯一無二のインスト・メタル・バンドでMarshallが活躍しているのは誇らしいことだ!
Seijiさん、ありがとう!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

O_80そしてYukiちゃん!
日本を代表する女性シュレッダーとしての地位を確立した感十分ありのYukiちゃん。
いつも最高のプレイとサウンドを聴かせてくれるのはうれしいナァ~。
Yukiちゃん、ありがとう!

O_90若手コーナー。
Fury of Fearから西村守くん!
ゴメンね、オジちゃんいつも「Fury of Fear」か「Fear of Fury」かわからなくなっちゃうの。
でもこれからの活躍に期待しております。
もちろんMarshallといっしょにね!
守くん、ありがとう!

Fury of Fearの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

O_100同じくFear of Furyから…イヤ違う!Fury of Fearからベースの文月りらちゃん!
こんなことやってるからいつまでたっても正確に覚えられないんだよね~、失敬、失敬。
りらちゃんは勉強熱心でしてね、昔のMarshallのベース・アンプに関する質問なんかをしてくれる。
ステージに立って髪を振り乱して四本の弦をかき鳴らす姿は大変セクシーだ。
りらちゃん、ありがとう!

O_110最後、SHARAさんや劇団☆新感線を手伝っている中村貴くん。
考えてみると貴くんとも長いお付き合いになってきた。色々とお世話になっちゃってるんだ!
貴くん、ありがとう!
そして、左は冒頭に書いたようにこの本の監修で煮え湯を頂戴した私。

O_120…以上、『アンプ大名鑑 [Marshall編]』の発売一周年を記念して一本編ませて頂きました。

もちろん、ココにお出になってはいないものの、この本をお買い上げ頂いたミュージシャンや関係者の方々もたくさんいらっしゃることと存じます。
そして、この本をお買い上げ頂いたMarshallファン、アンプ・ファン、音楽ファンの皆様、この場をお借りしましてご厚情に心から感謝を申し上げます。
次回は2062年の出版となります…てかッ?!

(一部敬称略)

 

 

2015年12月14日 (月)

SHOW-YA 30th Anniversary CLUB CIRCUIT 『PROGRESS』 Release Tour <後編>

TSUTAYA O-WESTのSHOW-YAの<後編>。

10中盤にはSHOW-YA名物のメンバー自己紹介。「自己紹介」ってのもヘンか…?でもメンバーの横顔を見ることが出来る貴重な機会。
まずは、恵子さんにステージ前方まで押されるmittan。

20v角田mittan美喜

「渋谷は昔、地味な街だったよね~」…そう、なんであんなんなっちゃったんだろうね~。私もmittanが言う地味な渋谷に育った世代だ。
何しろ、宮下公園の方の出口の駅前には養鶏場があったらしいからね。さすがにそれは私より大分前の世代の話しだけど。

30この時のドラムは寺田恵子

40v

続いて、仙波さとみ。
70v
「渋谷といえばmittanが酔っぱらってベロンベロンになって私がオンブして帰ったことがあったよね~」

80v

続いては…
「見えますか~?キャプテンで~す!」

1_img_0363中村美紀

「今年は30周年イヤー。アルバムを出して、『NAONのYAON』も二回やって、すごく幸せです!今までとても大変だったけど、このメンバーでやってこれて幸せです」

60vさらに…今日も楽しみな五十嵐sun-go美貴コーナー。

90v「今年の目標は『かわいいsun-go』だったのね!」というsun-goさんに対し、ステージ下手はこんな感じ。

100vあ~あ~あ~。
ま、撮る方も撮る方なんだけど…でも、おもしろいから撮っちゃうよ~。

110デビュー前の84年11月にSHOW-YAに加入して早30年。メンバーや関係者、そしてファンに対して御礼の言葉が述べられた。

M_s41a7799 楽しいメンバー紹介の後は、引き続きニュー・アルバム『PROGRESS』からの曲をプレイ。

120cdこのアルバム、30年の重みを感じさせるSHOW-YAらしさに溢れた曲もさることながら、sun-goさんのギター・サウンドがまた素晴らしい。
今日のライブで使用しているMarshallをギンギンに鳴らして録音してくれた。
さすがsun-goさん、やっぱりロック・ギターの録音はそうあるべし!

130ファンならギターをやらない人でもsun-goさんが使っているMarshallのモデル名を知ってるよね?
今度、上手の最前列の人はテストするよ!
ヘッドはJVM410H。

140スピーカー・キャビネットは1960BDM。
「B」は「Base」の頭文字。DMはMegadethのDave Mustaineのイニシャルね。

150sun-goさんと…

2_s41a8039キャプテンのカラミのイントロが魅力的な「Always On You Side」。

2_s41a7820ジックリと歌い込む恵子さん。

2_s41a7675 「We are SHOW-YA!」のセリフが誇らしい…

200vバンド名を頂いた「Show-yA」。

210ピュアなヘヴィ・ナンバーはSHOW-YAの真骨頂。

220飾らないシンプルな曲調が一層SHOW-YAらしさを醸し出す。「タイトル=バンド名=曲調」のトリプレット。

M_s41a7545 ここでひとまず『PROGRESS』の曲はおしまい。
最終コーナーはおなじみののナンバーが怒涛のごとく繰り出される。

240x「OUTSIDER」。

250もうこのあたりはスゴイよね。演る方も観る方もノリの波長はまったく変わらない。

260vキャプテンのキーボードが導く…

270v「流星少女」。
すっかりSHOW-YAスタンダードの仲間入りを果たしたこの曲の正式な名前は「流星少女~Shooting Star 196X~」。

280後半に入ってまずますさえるsun-goトーン。Marshallと一体化している!

「BATTLE EXPRESS」。

310ここで、シカと恵子さんから今月27日の東京フォーラム公演『SHOW-YA BIG 30』の案内があった。

M_s41a7500 SHOW-YAの30周年となった2015年の総決算だからね~。SHOW-YA史に残るであろう最強のライブがもうすぐ開催なのよ。コレは見ておいて方がいい!
んでもって、この公演、WOWOWで生放送するんだゼ。私も後頭部ぐらい映るかな?

詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA 30周年特設サイト

320本編最後は「私は嵐」。

330v

当然大合唱ね。まさに生の醍醐味!

345観客の熱気を浴び、燃えるような熱唱を続ける恵子さん。
450v
リフにソロにバッキングにコーラスにイジられ役にひとりで何役も演じたsun-goさん。
290v
キャプテンは今回はひときわ楽しそうに鍵盤を叩いていたように見えた。何たって30周年ですもんね!

370v今回はドラム・ソロはなかったけど、MCソロと素晴らしいドライブで超満員の観客を魅了したmittan。
390v
「嵐」のひとつのハイライト。炸裂するさとみさんのベースソロ!

M_img_0551 キメ・ポーズもバッチリ。今回は正面からお邪魔してます。

360
本編14曲。一分のスキもない完璧なロック・ステージ!これはあまりにも見事だ!

400ハイハイ、即座にアンコール。

405アンコールの前にコマーシャル。「コマーシャル」ったって小さいMarshallじゃないよ~、カレンダー。
2016年のSHOW-YAカレンダー好評発売中!
今回も私が撮った写真をたくさん使って頂きました。
だから…安心してください、。カッコいいですから。

530

アンコールは恵子さんとsun-goさんがアコギを手にする「限りなくはるかな自由へ~go again~」。

410vフィナーレを前にシットリとバラードを愉しむ。
曲中でエレクトリックに持ち替えるsun-goさん。新しシグネチャー・モデルだ。

420さとみさんもこの曲ではサオを交換した。

430そして最後!

440v「FAIRY」~~~!!!

1_img_0828 フロント陣全員が「あばれる君」と化す白熱の演奏!

470当然サオ回しもバッチリとキマる。

480しっかし、問答無用でカッコいいね。ウン、カッコいいよ。何の不満も文句もない。あるのは「ロックの塊り」を見た感動だけだ。

490新旧取り混ぜて全16曲を全力投球した五人。
変化球なしの直球勝負。

500そのすべてをグローブなしで身体で受け止めてくれたお客さんに感謝!

510次回は今月末、東京フォーラムでお会いしましょう!

520SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト

525(一部敬称略 2015年10月30日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2015年12月11日 (金)

SHOW-YA 30th Anniversary CLUB CIRCUIT 『PROGRESS』 Release Tour <前編>

進撃の熟女…と敢えていう。
いいじゃない、熟女。こんなロックな熟女はアメリカにもイギリスにもいやしない。
2回の野音とギネスブックの申請、原点回帰の鹿鳴館、そして、ニユー・オリジナル・アルバムのリリースにともなうクラブ・サーキット・ツアー。
後でまた言うけど、今年はまだデカイのが控えてる。
30周年を華々しく演出してきたSHOW-YA。
今日は10月末に開催されたクラブ・サーキット・ツアーの千秋楽のレポートだ。

10_2SHOW-YAが満を持して9月末に発表したニュー・アルバム『PROGRESS』。
当然ここからの曲を中心にショウは進む。

20cdオープニングは「限界LOVER 2015」。

30_2ボーカル、寺田恵子

40vギター、五十嵐sun-go美貴

50vベース、仙波さとみ

60vキーボード、中村美紀

70vドラム、角田mittan美喜

80v_2より激化した「限界LOVERS」…

90_2早くも客席のボルテージは限界に達してる!

1_img_0062 二曲目は直近のオリジナル・アルバム『Genuine Diamond』から「Bloody Rose~薔薇の紋章~」。
新「限界」に続けて『PROGRESS』から選曲しないところがニクイじゃん?

95まさにBloody Lovelyな展開!

110vsun-goさんのワイルドなMarshallトーンが会場の空気を引き裂く!

120続けて演奏したのは旧作のヘヴィ・チューン「Bad Boys」。

130意外に展開するサビのメロディがメッチャかっこいい!

140_2MCでニコ生が入っていることを恵子さんが紹介。
そして、『PROGRESS』からの曲に取り掛かる。

150v_2「秒殺Crazy Love」。

160v_2クロマチックなイントロからこれまた意外な展開を見せるスピード・チューン。

170v_2このドライブ感はまさにSHOW-YAの真骨頂だ。
190v
メロディが恵子さんにピッタリだ。

1_img_0466 sun-goさんお得意の開放弦を使用したギター・ソロが聞けるこの曲。
レコーディングでもMarshallを爆音で鳴らして弾いてくれた。

200v当然、この日もMarshall。
ヘッドはJVM410H。

210キャビネットは1960BDM。
要するにいつものsun-goさんのバックライン。

220_2足元のようす。
いつもとチト違う。

230mittanのシャープなドラムと…

240_2キャプテンのオルガンのイントロが素晴らしいのは…

320v
「MEDUSA」。
その後、この曲もドンドンSHOW-YAカラーに歌い上げられていく。

250今度はmittanとsun-goさんによるイントロ。
ちょっとファンキーな「SIGN」、「詩吟」じゃないからね。

260この超ストレートなベース・ラインを聴け~!
まるで暴走機関車。誰も止められない!

270_2この曲、エラく盛りだくさんなのよ。曲調が変わったり、コーラスがフィーチュアされたり…すごく好き。

280vmittanイントロの「BRING IT OUT」。

290_2ちょっと「Mobby Dick」を思わせるギター・リフ。sun-goさんのアイデアなのかな?

300v_2昔からズッと演っているかのようにナチュラルに新曲を歌いこなす恵子さん。もう完全に自家薬籠中のものとしている!
340v
その曲たちがSHOW-YAカラーに満ちているからなのだ。

310v全編をうっすらと覆うオルガンがまたいいんだよね。

360_2

こうしたリフ曲で抜群の重みを発揮するのがさとみさんのベース。この曲ではサオを替えた。

330_2ここまでの七曲で前半の半分ってとこかな?
そのうち、「限界」を入れて『PROGRESS』からの曲が五曲。
まったく違和感なし。
完全にSHOW-YA。どこを切ってもSHOW-YA。
イヤ、違う。
パワー・アップしたSHOW-YAだ。
まったく…後半はどうなっちゃうの?!

3502015年ももうすぐ終わっちゃうけど、SHOW-YAの30周年はまだ終わらない。
来る12月27日に、その30周年を締めくくるSHOWーYAの歴史を彩る大コンサートが東京で開催される。
今回はその模様を生中継するそうだ。
12月27日は東京国際フォーラム ホールAへ集結しよう!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト

370v_2<後編>につづく。

380(一部敬称略 2015年10月30日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2015年12月10日 (木)

犬神サアカス團単毒公怨「灼熱の氷塊」~TOKYO BAKA EXPO 2015より

「エッ!そういうことだったのか!」と背景を知り、忘れないようにどうしてもどこかに書き記しておきたいと思うことがある。
そういうモノのためのノートを作ったりしようとは思うのだが、そのノート自体がどこにあるのか忘れてしまいそうなのでいまだに取りかかっていない。
かの井上ひさしは、そうした小説のネタになりそうな事象を専用に作ったカードに書き記して、ジャンル別に仕分けして保管していたらしい。
ところが、殺人的に本を読む人だから、吸収したい情報が後を絶たず、カードの数が膨れ上がってしまった。
この手の仕事は情報を蓄えること以上に大切なのが情報の検索である。いくら豊富な情報を保有していても必要な時に引っ張り出せなければ何の意味もないからね。
案の定、井上さんは情報の仕分けが困難になり、このシステムもあきらめざるを得なかったという話しがあった。今ならパソコンを使えばうまくいくかもしれない。
実は今朝、「やっぱりそんなことをしてみようかな?」と思わせることを新聞で読んで知った。
決してMarshall Blogを備忘録がわりに使うつもりではないのだが、ちょっと紹介させてもらう。
ちゃんと今日登場する犬神サアカス團に結び付けてある。
それはまたしても「文学」。
「犬神サアカス團」がそのバンド名を寺山修司の『田園に死す』から拝借していることは前回書いた。
で、こっちの今日の文学は「ハードボイルド」。
ダシール・ハメットととかレイモンド・チャンドラーのアレね。
主役のサム・スペードやフィリップ・マーロウがどうして「ハードボイルド」と言われるのか?
このことである。
「ハードボイルド」というのは「卵」のこと。つまり「固く茹でた卵」のことね。
固く茹でた卵は当然かき回すことができないでしょ?固まってるんだから。
で、英語でこの卵をかき混ぜる時に「beat」という動詞を使う。
ハイ、英語を勉強している人はもうお分かりのことと思う。
ご明解!「beat」という動詞は「打つ」という意味がメインだけれども、転じて「打ち負かす」という意味があって、普通に日常の会話で使われている。
つまり、固く茹でた卵はbeatできないから「負けない」あるいは「無敵」という意味になるのです。つまりシャレなのです。
英語はおもしろいナァ。
…ときれいに「文学」で整いました。(ウソこけ!)

さて、今年もやって来ました『BAKA EXPO』。
驚いたことにもうコレ三回目のレポート。
何でもm年を取ると子供の頃より三倍時間が早く流れていうくらしいよ。
「あまりに早い過ゆく時の流れ…私は落ち葉に何を想ふ…」 あ、今エイディット・ピアフを聴きながらコレを書いているの。
シャンソンもいいもんだ。
そして、シャンソンと同じく儚い人生を歌う犬神サアカス團の登場だ!
いつも通り主催者のである橋沢さんのとろけるようなバリトン・ボイスによるご挨拶でスタート。

10例年通り冒頭にはコント・コーナーがセットされている。

20今年のネタも去年と同じく「いつ、どこで、誰が、誰と、どうした」ってヤツね。クジで引いたお題を各自が演じるってヤツ。
前回は凶子姉さんがいなかったからね。
そうだ!そういえば、前回は凶子姉さん、ビデオ・レターでの参加だったんだ。アレからもう一年かよ?!
やっぱ早ェな~。
ちなみに、私のパソコンは「きょうこ」とタイプすると「今日子」でも「恭子」でもなく「凶子」が変換候補のトップに来る。うれしいことだ。

30みんな凶子姉さんが帰って来てうれしそうだな~。前回はZだったからね。

40凶子姉さん、熱演で爆笑を誘う!

50そして、演奏のコーナーに突入。

60犬神凶子

70犬神情次2号

80v犬神ジン

90犬神明

100vバックラインは、へへへ、いつも通りのMarshalファミリー。
ギター・アンプはMarshall JCM800 2203と1960A。

120vベース・アンプはEDEN WT-800とD410XST。

130vドラムはNATALのバーチ。
今や鉄壁のバックライン・トリオだ!ナンチャッテ!

135_2オープニングは「光と影のトッカータ」。

140犬神家四人集まっての爆発的なパフォーマンス。コレが犬神サアカス團!

150v

160v

170v

180v「朕は国家なり」と言ったのはルイ14世だったか?今、極東の島国にも…おぉっと、アブねぇ、アブねぇ、この先は言うまい。
二曲目は「アタシは国歌」。
「アメリカ病」とか最近のZ名義の「こんなのロックじやネェ」とか、犬神の社会派のレパートリーが大スキだ。
明兄さん、ドンドンやっちゃって!

190「鬱病の道化師」…

200「虚像の誓い」…

210v「花嫁」…

220残念ながら私は犬神キャリアが長くない方なので、記事を書く時にディスコグラフィと首っ引きになるのだが、イヤま~、ホントすごいわ。
Marshall Blogを1,700回以上書いてきた中、犬神の記事の時しか決してタイプすることがない不吉な単語がそこにはゴマンと並んでる。
二十年もブレずによくもまあこのエリアだけで創作活動を続けて来たものだと、明兄さんの才能を尊敬せずにはいられない。
しかし、明兄さんがどんなに感覚を研ぎ澄まして「不吉」、「不幸」、「理不尽」をクリエイトしたとしても、もはや現実の方がヒドくなって来たのではなかろうか?
がんばれ明兄さん!

230v凶子さん、MCでとても好きなことを口にした。
「私、音楽をやっていて、いつも楽しいから自分が貧乏だっていうことに気が付かなかったの…」
なんて美しい言葉だろう。
実はリハーサルの時「貧乏」の話しになって、「ギャラも額によっては米で頂いた方が助かる」とか言ってみんなで笑っていたワケ。
そこへ凶子さんが、この言葉をポロっと言ったのです。
私、なんか感動しちゃってサ…。
陳腐かもしれないけど、「音楽ってスゴイな」と思ったのです。
しかも本当に貧乏な人が言うから余計に感動させられた…あ、ウソウソ!凶子さん、ゴメンナサイ!
でも、コレはブルースと同じだと思ったよ。
来る日も来る日も朝から晩まで綿を積んだり、土木作業をさせられたり、何の楽しみもなく死んでいく人生…その黒人奴隷たち苦しみを癒しすために生まれたのがニグロ・スピリチュアルズとかブルースなワケだから。
犬神の皆さんが綿花畑に出たり、鉄道の敷設現場に入ったりするワケではもちろんないけれど、同じことではないかと感じた。

240さて、ここからは新曲コーナー!
10月21日にリリースしたニュー・アルバム『ここから何かが始まる』、略称「ここナニ」からの曲を演奏するのだ!
コレ、いいんだぜ~。

250cd安心してください。ロゴ入ってますよ。
Logo
まずはタイトル・チューンのバラード「ここから何かが始まる」。
例の天井桟敷の昭和精吾さんのナレーションのヤツね。
一番小さい海は?…涙。

260vシンプルな曲奏とアレンジ、そして深い歌詞とメロディ。コレが日本のロックの原点だよ。
いつか三文役者と対バンすれば面白いのにな…。三文役者は白塗りの大先輩なんだよ。
東京キネマ倶楽部あたりで演ったら雰囲気バツグンだぜ。

2706/8の「空の色は何色ですか」。
家から逃げ出したいなんて気の毒だよね。やさしいメロディに乗った薄幸感が聴く者の悲しみを誘う。
300v
ソリッドなギター・リフから展開するヘヴィ・チューン、「夜更けの数え唄」。
あのね~、もう言っちゃうけど、情次兄さんって、白塗りだったころの三文役者のちぇり~にソックリなんだよね。
聴けば、実は情事兄さんは、「兄さん」でも私の可愛い後輩なのです。そういうこともあってすごく親近感が沸いてくるのです。

I_s41a5723 犬神はこうしたハードなテイストも実によろしい。

290
犬神のツイスト・ナンバー、「死ねばいい」。

280もうイッチョ、ニュー・アルバムからは「黒い花が嗤う」。

310コレがまたいい。

320長くトリッキーなリフが実に印象的。
70年代のブリティッシュ・ハードそのものだ!

330ここから旧作のレパートリーに戻って「自殺の唄」。

340「赤い蛇」を持ってきて本編は終了。

350v四人が一丸となった素晴らしいパフォーマンスだった!

380vそして、アンコール。
「死ぬまでロック」をバッチリキメて全13曲のプログラムを終了した。

390_2 さて、犬神サアカス團は『単独巡業「2015年~ここから何かが始まる~」』と銘打ったレコ発ツアーを敢行中。
今週の13日、渋谷TSUTAYA O-WESTで千秋楽が開催される。
この独特のアングラの世界…とくとご覧あれ!

250cd

犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

4001965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。なかなかはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年10月21日 下北沢 楽園にて撮影)

2015年12月 9日 (水)

【イギリス-ロック名所めぐり】vol.21~マリルボン周辺

今日の名所めぐりは、マリルボン地区のベイカー・ストリートから。

10コレはジュビリー線の「ベイカー・ストリート」駅。この駅は他にベイカールー線、ハマースミス&シティ線等、五つもの路線が交差するロンドンの地下鉄の要所だ。
「ベイカー・ストリート」と聴いてピンとくる人はきっと根っからの推理小説ファンだろう。
そう、シャーロック・ホームズが住んでいたところだ。

20…というワケで、駅には様々なシャーロック・ホームズのイメージが使われている。
ホームの壁ではシャーロック・ホームズ作品が紹介されている。
コレは「The Speckled Band」、つまり「まだらの紐」。

30 こっちは「四つの署名」といった具合だ。

40コンコースの壁もシャーロック・ホームズ。

50シャレてるね~。
あ、皆さん、シャーロック・ホームズはコナン・ドイルの架空の人物ですからね~。実在はしていませんよ~!
でも、この近くにはシャーロック・ホームズの家があって、博物館になっている。

70_2 地上に出るとこんな感じ。
ベイカー・ストリートはその道路を作ったウィリアム・ベイカーの名前から来ている。
入り口に、「マーキー」の時に紹介したWetherspoonというチェーン・パブがあって、大繁盛している。週末になると昼間っから信じられないぐらいの賑わいを見せている。
すんごいよ、中に入るとエールのニオイが充満していて、呼吸をしただけで飲んだ気になりそう!
ま、それはどうでもよくて、実はココ、他にモノスゴイ思い出がある場所なのよ。

80vあ、ちなみにこの駅舎のビルにはかつて「SFの父」といわれるハーバート・ジョージ・ウェルズ…すなわち『宇宙戦争』で有名なH.G.ウェルズが住み、ここで執筆活動をしていたんだと。
ダスティ・スプリングフィールドもベイカー・ストリートの住人だったそうだ。

85v駅前にもシャーロック・ホームズ。

90まず、最初の思い出はこの両替所。
もう大分前のことになるが、地下鉄でサイフをスラれたことがあった。
その日は滞在の最終日で、夜の便で日本に帰ることになっていた。したがって、ヒースロー空港まで行くポンドが必要だ。
ところが、最終日だったため、残りのポンドをすべてスラれたサイフに入れていた。
面倒ではあったが日本円をいくらかスーツケースと一緒にホテルに預けてあったので、それを両替すれば空港まで行けるし、パスポートはゼンゼン無事だったので日本へ帰ることは何なくできそうだった。
ところが、ものすごく困ったことが起きた。
それはクレジット・カード。サイフには予備のカードも含めて三枚入っていた。
すぐに止めにかかるため一旦ホテルへ帰った。
幸いホテルで電話を貸してくれたので、よく使うカードの信販会社のロンドンの事務所に電話をしたところ一発で止めることができた。
ところが…最後のカードの信販会社がどうにもわからない。それは大手家電店のポイント・カードかなんかに信販機能がくっついているヤツで、勧められるままに「ホイホイ」と気軽につくったものだった。したがって、要で作ったカードでなかったためにただの一度も使ったことがなかった。
そのため、請求書なども見たことがなかったのでどこの信販会社が取り扱っているのがわからなかったのだ。
当然、管理している信販会社がわからなければカード機能を止めることはできない。
サァ、困った。
で、閃いたのが東京にいる我が家内。「そうだ!東京に電話して家内に調べてもらって止めよう!」
実にいいアイデアだった。
ホテルでお金を払うので国際電話をかけさせてもらうように頼むと、その電話では海外につながらないという。
「そんじゃ、どしたらいいの?!」と焦る私。こうしてるウチにカードが悪用されたらどうすんの!オマケに飛行機に乗り遅れたらどうすんの!
すると「ベイカー・ストリートまで行けばインターネット・カフェがあって、そこで国際電話がかけられる」ということだった。
ホテルは「フィンチリー・ロード」というジュビリー線で「ベイカー・ストリート」から北へ三駅ほど離れたところにあった。
「お~!それじゃすぐに行ってこよう!…チョット待てよ!だ~か~ら~、ポンドがスッカラカンなんだってば~!」とか言って騒いでいると、奥から若いアンちゃんが出て来て、「話は聞いた。コレを貸してあげるからすぐにベイカー・ストリートまで行ってくるといい。バスが便利だよ」…と1ポンド硬貨を渡してくれた。
うれしかったね。地獄にホトケ。
「すぐに帰ってきます!日本人ウソつかない!」とかなんとか言って、日本円を握りしめてバスに飛び乗った!
で、まず向かったのがこの両替所だったというワケ。

100まずは両替して、そして飛び込んだのがインターネット・カフェ。
家に電話する。当然すぐに電話には出ない、東京は真夜中だからね。
いつもは一旦寝入ったら目を覚まさない家内がウマい具合に電話に出てくれた!
慌てて事情を話してカードを止めるようにお願いすることができた。
もちろん、すぐに踵を返してホテルに向かい、さっきのアンちゃんにキチッと3ポンドを返すことができた。
後日譚。
何でも、そのカードを止めるのに家内はものすごく苦労したらしい。カードのブランドは有名でも、それを取り扱っている信販会社がたくさんあり、私のカードがどの信販会社が振り出しているのかがわからなかったのだ。
で、どうしたかというと、真夜中に片っ端からそれらの信販会社に電話して探し当ててくれたのだ。
当然、そのカードはそのまま消滅して終わった。
皆さんも、あのクレジット機能つきのカードの取り扱いには十分注意しましょう。私はあれから一切作らないようにしている。

110さて、ベイカー・ストリート駅を背に目の前のマリルボン・ストリートを左に進む。というかすぐ左隣がコレ。

120有名な「マダム・タッソーろう人形館」。

130コレ、今、お台場にもあるんだよね?

140なんぞ楽しそうだな~。でも一度も入ったことがない。

150 だってサ…聞いてオドロけ!
入場料が一番安いチケットでも8,000円近くするんだゼ~!あのお得なロンドン・チケットも使えない。
でも、いつもすごい人出なのよ。

160マダム・タッソーを過ぎてどんどんマリルボン通りを進む。

170お目当てはコレ。

180なんか知性的でいい感じでしょ?

190「Royal Academy of Music」。
日本語では「王立音楽院」とか「王立音楽アカデミー」という。

200vエルトン・ジョンの母校なのだ。
440v
ま、学校の中は入れないけど、コチラは無料。付属のミュージアムだ。

210v 1822年に創立した歴史あるこの学校にまつわる貴重な品々が一階に展示されている。

220

230ギョっとしたのがコレ。
なんでFrank Zappa?
ココの生徒がZappaの作品をクラシック風にアレンジして演奏しているアルバム。Zappaにはこの手の作品が何枚もあるのでそう珍しい趣向のものではないが、当然ミュージアム・ショップでゲット。最後の一枚だった。
その下に見えるのはElton Johnのニューヨークはラジオ・シティ・ミュージック・ホールでのコンサートのパス。
コチラは非売品。
ジュリアード音楽院とここアカデミーが後援したようだ。スゴイね、レジは。英米の音楽学校の最高峰が後援しちゃうんだから。

240ナゼかKenny Wheeler関連の展示が…と思ったらこの人、この学校の「ジュニア・ジャズ」というコースの後援者だった。

250vKenny Wheelerはカナダ出身のジャズ・トランぺッター。
1950年代にイギリスに渡り、タビー・ヘイズやロニー・スコットらと活動を共にした。

260vフリー・ジャズのフィールドでも活発に活動し、「Karyobin」という1968年のユニットではEvan ParkerやDerek Bailyらとグッチャグチャなフリーを演じている。
70年代にはフリーの巨匠、Anthony Blaxtonのグループの一員として活躍した。
また、Azimuthというボーカル、ピアノ、トランペットから成るトリオのフュージョン・グループで活動していた。
私もSonny Greenwichというカナダのギタリストとの共演盤を持っているが、何やら小難しいジャズを演奏していたナァ。

270v「Stella bu Starlight」の直筆譜面。
Wheelerは2014年に死去。

280vこのミュージアム、ここからがスゴイ!
まずは三階に上がる。
330
いかにもレアそうなピアノがズラ~リ。

2901920年製のスタインウェイ。コレがココの展示で最新のピアノなんだと!

300こんなの見たことないもんね。
V&Aなど、ロンドンの他の博物館でも歴史的なピアノを展示しているところがあるが、ここは圧巻!
上品で美しいことこの上ない工芸品の数々は見ているだけでも楽しい。

310
コレなんか、ベートーベンに送られたピアノで、その後、リストに渡ったんだってよ。

320工房も併設されている。

340二階は弦楽器コーナー。

350はい、ストラディバリウス。

360v今のところ、ストラティバリウスの最高落札額は2011年の16億円だって。

370vはい、アマティ。

380vニコロ・アマティはアントニオ・ストラティバリの師匠ね。
こういう楽器がゴロゴロしている。
しかし、イタリアってのはスゲエな~。

390vこんなものも展示している。
1831年のパガニーニのライブの告知ポスター。

400vその傍らにはパガニーニの肖像画が飾られている。
よくパガニーニは、古くはUli Jon Roth、さらにYngwie等の速弾き系のギタリストがネタに使っているけれど、パガニーニ自身も超絶技巧を誇ったバイオリニストだった。
病弱で顔色も悪く、暗号で記譜していたりする極端な秘密主義者で、周囲の人から気味悪がられていた。
ある演奏会でパガニーニがソロを弾いていると、運悪く弦が切れてしまった。それでも顔色ひとつ変えずに弾き続ける。ま、コレはクラシックの世界ではできる人は少なくないでしょう。
すると、他の弦が切れ、さらにまた他の弦が切れる。
とうとう四本の弦すべてが切れてしまったが、パガニーニは美しい音色でバイオリンを弾き続けていた…そんなバカな。
ミステリアスな雰囲気から、当時、そんな噂ばはしがあったらしい。
で、このポートレイトを見ると…。

410vね、もう弦が一本しか残ってない!
でもヤッコさん、全然平気で弾き続けているようす。コレがホントの超絶技巧ってか?
一体誰がこの絵を描かせたのかね?考えてみると興味深い。

420マァ、楽器がすきな人ならジックリ楽しめます。
ちなみにタダ。

430さらにマリルボン通りを進むと国鉄の「メリルボーン駅」に到達する。

450ココも駅舎がとてもステキ。

460vバーミンガム方面へ向かう列車の始発駅になっている。

455その駅舎の隣のこの道。

470ココはビートルズの最初の映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!(A Hard Days Night)』の撮影で使われたところ。
ファンに追いかけられて駅に駆け込むシーンだっていうんだけど、正直覚えていないナァ。13歳の時に一回観たきりだからナァ。
でも、列車の中のシーンは覚えている。ジョンが「I Should Have Known Better」を歌うところ。当時はこのタイトルの意味なんかサッパリわからなかったけど、今はわかる。仮定法過去完了だ。
ところで、今はこの映画のこと「ア・ハード・デイズ・ナイト」って普通に呼んでいるんだろうけど、当時はどうだったんだろうね?
「ネェ、ネェ、もう『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』観た?」なんて学校でやっていたのだろうか?聞いてみたい。

480vベイカー・ストリート駅に戻って今度はマリルボン・ストリートを渡る。
ね、パブもシャーロック・ホームズ。

490vコレは駅前の公衆トイレ。

500vすんごいきれいなの。

510vロンドンの公衆トイレは比較的どこも清潔だがココはダントツだ。感動して写真を撮ってしまった。

520ベイカー・ストリートを進むと左側に目的の建物が見えてくる。

530ブルー・プラークが見えるでしょ?

540vコレ。

550拡大すると、「JOHN LENNON M.B.E. 1940-1980  GEORGE HARRISON M.B.E. 1943-2001  worked here」とプラークに刻まれている。
ま、場所的にはそういうこと。

560vココ、1967年にオープンしたビートルズのAppleショップ(本当は「Apple Boutique」という名前だったがジョンがその名称をイヤがったらしい)があったところ。コンピュータ屋さんじゃないよ。
オープン当時はド派手でサイケなペイントが壁面に施されていたが、「見苦しい」と周囲から反対をうけ、真っ白に塗り替えられた。
この店、万引きが横行してたった8か月で閉店。最後は「もってけドロボー!」よろしく、商品をすべて無料で開放した。
ところが!
実は、その元のAppleショップあったビルは1795年に作られた大層古い建物だったので1974年に壊されてしまった。
したがって、今この写真にあるビルにAppleショップが入っていたワケではない。
だからよく見ると、ブルー・プラークもおかしい。
「ENGLISH HERITAGE」等、制定者のクレジットが入っていないのだ。勝手に作って付けちゃったんだね。
でも許す!ロンドンはロックの街なのだから!

570「Excuse me!」…と、これらの写真を撮っていたら女性から声をかけられた。
私が大きなカメラを操っていたのを見ていたのだろう。
「あの~、このカメラ、うまく撮ることがどうしてもできないんです。何か設定がおかしいのでしょうか?」
オイオイ、アタシャ取説じゃござんせんよ…と見ると、そのカメラは以前使っていたのと同じ汎用のCキャノンの一眼レフ。
ま、困っている人は助けてあげなきゃね…イヤ、美人だったからかな?
よろこんで調べてあげた。
すると、設定が確かにメチャクチャだ!
基本的な操作方法を教えてあげて、実際に撮らせてみるとバッチリ写るようになった!
「キャ~!ありがとう!」とおおよろこび。
「それじゃ、お返しに私のカメラで数枚撮らせてもらえませんか?」と投げかけると「撮って、撮って!」と大騒ぎ。
そして、レンズを向けると。全く頼みもしないのに、ふたりはビシっとポーズを取ったんですよ。
それが自然でカッコいいんだ~。
コレなんかそう。普通レンズ見るじゃない?
そうはしない。

580v「ダブル・デッカーをバックに」というリクエストに応えた一枚。
撮った写真を見せると「キャ~!送って送って!」とまた大騒ぎ。
あ~、気分いいわ~。篠山紀信になった気分だわ~。
で、メールのアドレスを渡され、写真を送って差し上げた。
二人は中東からの観光客で、いかにもお金持ちそう。
「ヒヒヒ、こりゃお礼に油田の一枚(「油田」ってどうやって数えるんだ?)ぐらいは軽いナ…」と期待していたのだが…。
油田はムリだったけど、後日キチンとお礼のメールが届いた。

590そのまま西にチョイと移動。

600モンタギュー・プレイスという場所。

610ココにもブルー・プラークが…。

620コレは正真正銘の正式プラーク。
ジョンがココに住んでいたことになってる。
ビートルズ・ファンならご存知だろうけど、実はココはリンゴの家だった。1965年にリンゴが買ってごく短期間住んでいた。
リンゴは引っ越したものの、このフラットを手放すことはせず、何人かの友人に貸し与えていた。
ポールはそのウチのひとりで、ここを簡易スタジオ(一階と地下のメゾネット・タイプだった)として利用し、「Eleanor Rigby」をここで制作したとか。
そして、ジョンが住むことになり、こうしてジョンの住いとして認識されるまでになってしまった。
ジョンとヨーコの素っ裸のジャケットで有名な『Unfinished Music No.1 : Two Virgins』ってのあるでしょ?
あのジャケット写真はココで撮影された。

680この玄関をジョンやポールが通っていたのかと思うと感慨深いナ。
そして、ナントここにはChas Chandlerと一緒にJimi Hendrixが住んでいたこともあったという。
今にもJimiが「イエ~」とか言いながら出て来そう?「家」だけに。

690vやっぱりロンドンはおもしろい!

700 

200

2015年12月 8日 (火)

三文役者、絶賛最後の悪あがき中!~ついでにアタシも悪あがき!

先日、犬神サアカス團が寺山修司のイベントに出演した時のレポートをお届けした。
寺山修司を通っていない私は、恥ずかしながらその時初めてバンド名の由来を知った。出自は『田園に死す』。
そして、向こうが寺山ならこちらは開高。
「三文役者」のことである。
このバンド名の由来はさすがに高校生の時から知っていた。一時自分もお世話になったバンドである。
開高健の『日本三文オペラ』の主人公たちにインスパイアされた哲さんが自分のバンドに与えた名前だ。
ああ、昔のバンドの名前ってのはなんてインテレクチュアルなんだろう。
The Manhattan Transferなんてのもジョン・ドス・パノス(トス・パノスっていうドラマーはどうしてるのかな?)というアメリカの作家の同名小説をバンド名にしたものだ。
他に小説にちなんだ名前を持つ海外のバンドって他にあるのかしらん?
(…考え中…)
オ、結構ある。
まずはUriah Heep。ディケンズね。ウィリアム・バロウズの小説から頂いたSoft Machineもそうだね。読んだことないけど。
Steely Danはバロウズの『裸のランチ(The Naked Lunch)』に出て来る性具の名前だそう。Steppenwolfはヘルマン・ヘッセなんだって。
日本にもアマチュアを含めれば結構色んなのが出て来そうだよね。「金閣寺」とか「万葉集」とか…いずれにしても漢字表記のバンドは減ったよね。
実は昨日の記事を書いていてまた思ったのだ。「最近のバンド名ってのはずいぶん昔とかわったよナァ」って。
海外の文章型はチョットどうかと思うんだけどナァ。
Bring Me The Horizonとか…第四文型である。第三文型のJohnny Hates Jazzとかいうのもいたでしょ?ま、大きなお世話か。
コレは日本ではやりにくいよ。
アルバイト情報誌のCMソングをやってる「忘れらんねえよ」とか「水中、それは苦しい」とかか…。
ま、確かに一度聞くと忘れらんねェな。
いっそのこと百人一首をそのまま使っちゃうとか、歴代将軍の名前をつなげちゃうとかどうかしら?
「今日の『文学ライブ』、最初のバンドは”瀬を早み岩にせかるる滝川の割れても末に逢わむとぞ思ふ”です…通称”崇徳院”!」
とか…
「続いては”家康、秀忠&家光”です!」…Emerson, Lake & Palmerみたいでカッコいいじゃん。しかも、国語や歴史の勉強になる。
…んなワケないか。

さて、1977年結成の三文役者、奇跡の再結成後、絶賛・最後の悪あがき中である!

10花之木哲

20v大竹ちぇり~亨

30v石井正夫

40vさとっちょ

50vオープニングはいつも通り「三文役者」。

60初めて聴いたときから37年が経過したけど、いまだにワクワクするわい。
「三つ子の魂百まで」…自分の誕生した時代に感謝。イヤ、もうチョット早く生まれたかったか…。

70そういえば、高校の時、「三文役者」を「三文」と呼ぶか「役者」と呼ぶかでグループが分かれたことがあったっけな。
はじめは「三文」ってみんな呼んでいたんだけど、後からバンドを知った連中は「役者」って呼び出した。
私は学校では三文役者をもたらした「開祖」だったので、当然古くからの呼び名で「三文」と呼んでいたが、「役者」の方がカッコいいなァと思ったりもしたもんだ。
なんて書くと学校中で三文役者の大ブームがあったかのように見えるけど、残念ながらそうではない。でも学年レベルではブームがあった…といっても差し支えはないだろう。
何せYouTubeもニコ動もない時代、正式にレコードも出していないバンドがある学校でもてはやされ、何人もがワザワザ屋根裏やロフトに足を運んだのだから。
その時分、すなわちパンク/ニューウェイブ・ムーブメントが盛んになり出した頃、まだ70年代中盤ぐらいまでのロックの黄金時代の残り香が強く、「ロック」といえば「洋楽」を指していた。
だからよほどのロック好きでなければ「日本のロック」を聴いている高校生がかなり少なかったハズ。それが証拠に、当時どこのライブハウスへ行っても私が最年少だった。
翻ってみるに、1970年代の後半、まだ「日本のロック」というものは「ロック」という音楽として危険な香りがしていた一方、一般大衆の間ではまだまだくアンダーグラウンドな存在だったということだ。
脱線するが、そんな「洋楽強し」の時代でもレコードの売り上げの洋邦の比率は、歌謡曲が強かったため邦楽が勝るものの、まだ洋楽も比肩しうる状態だった。
それが今では音楽ソフトの売り上げで洋楽が占める割合は20%を完全に切り、洋楽はマイノリティになってしまった。
おもしろい調査があって、洋邦の音楽の好みを第一次産業従事者に尋ねた結果、洋楽を支持する人は2.6%だったとか…わかるナァ。まさか土佐の荒海で海の男がカツオの一本釣りをしている最中にBlack Sabbathの「Paranoid」とか歌ってたら縁起でもないもんな。

「三文役者」どう呼ぶかは皆さんにお任せするが、ウチの母はいまだに「三文」と呼んでいる。

M_s41a9337メドレーで「あやつり人形」。

80この二曲のメドレーは鉄壁だ。(「鉄板」っていう言葉は使いたくない)
高校の時、三文役者のコピー・バンド…今で言えば「トリビュート・バンド」…をやっていたんだけど、自分たちのコンサートでは敢えてこのメドレーを崩して二曲目に「ニアミス」というハード・ロックの曲を持ってきた。ヘヘヘ、そっちの方がカッコよかった。

90v

ギター・ソロ。Am-G-F-Am…いかにも日本のハード・ロック然としたコード進行だ!コレでいいのだ!

100正夫さんが使っているベース・キャビネットは1980年代中頃に発売された1520。入力600Wの4x12"。IBS(Integrated Bass System)というベース・アンプ・シリーズにラインナップされていた。
重く、深い割には切れ味の鋭いサウンド。

110三曲目は1980年代前半に発表した「Dream Crush」。

120これも「三文」らしいヘヴィ・チューン。

130v「東京デストロイ・シティ」と並ぶ哲さんの「アンチ東京賛歌」。
エンケンさんの「東京ワッショイ」と比べて聴いてみよう!

140さとっちょ絶好調!

150vなんとならばNATALがチョーお気に入りなのだ!
キットはバーチ。
さとっちょも超ベテランだからね。元「是夢」のドラマー。
やっぱりそういう人にホメられると大変うれしいね。
おかげさまでホントどこへ行ってもお褒めの言葉を頂戴するNATALちゃんです。
見て!この気分よさそうな顔!「Dr. Pepper」でも飲んでいるのかな?

160ヘヴィ・バラード「魂」。
コレ、こんなカッコいいリフだったっけか?
私も何回かステージで弾かせてもらったけど昔とすごく印象が違う。
タイトル通り、哲さんの「魂」の熱唱が聞ける。

180

続いて「Red Sugar」。
ま、元は「Brown Sugar」ですよ。哲さん、ストーンズ好きだから。でも曲調はゼンゼン違う。
コレも私がお世話になっていた頃にできた曲。
後半アクセルレイトしたかどうかは覚えていないが昔通りのエンディングで笑った。
このエンディングを決めるのに結構モメた記憶があるから。
コレ、今考えてみると、リフとメロでサビとソロのコード進行とエンディングが結構バラバラな感じなんだけど、最終的には曲としてものすごくまとまりがあって、かつシンプリシティが出ている不思議な作品。
哲マジックだ。とても好きな曲。

170第一部の最後は「Love Game」。
コレも私がいた時にできた曲。昔は「三文役者 PartIII」って呼んでいた。
ツイン・リードの曲にしようというコンセプトが最初からあったような気がするな。
そしてある日、哲さんが「ここのコードどうすればいい?」と、この曲のBメロのコード進行を相談して来たのを覚えている。
今さらナンだけど、いい曲だね。

190練習の後、みんなでホッピー飲みに行ったもんだよ。
池袋の安居酒屋でホッピーをあおる。一杯190円だったような気がする。
なんてことを思い出しているウチに第一部終了。

200第二部の前半はコンテンポラリーなレパートリーで固める。

210「Like a Rolling Stone」…
なんか最近やたらとMuddy Watersがからんでくるような気がするな~…この曲は関係ないけど。三文のロックンロール。

220vコーラスをフィーチュアした「Hold on my Way」。

270

モクモクと低音を刻み続ける正夫さん。実は今晩、頭脳警察のトシさんのイベントに出演する。
正夫さんは『悪たれ小僧』の頃、頭脳警察の後期のメンバーだったからね。
230「Hello Dear Friend」。

240前にも書いたが新しいレパートリーも魅力的だ。
哲さんが作る曲に特段新しいテイストは含まれないけれど、それでいい。
昔のトンガッた部分が少なくなり、耳なじみのいいメロディが優しく響く。それが何とも言えない親しみをもたらす。

250vそれでも不思議と「ロック感」があふれているんだよね。
昔、ロックと歌謡曲がハッキリと分かれていた頃、三文役者の曲は時として歌謡曲的に、しばし演歌的に響くことがあったが、今、こうして聴くとなんとロック的なことか!

260哲さんの曲と洋楽世代に育ったバンド陣の完全なるロックのコラボレーションだ。

280哲さんが自分で認める名バラード「聖羅」。
いつかフザけて自分で「君といつまでも」とゴッチャにして歌ってた。ア、練習の時よ。本番では哲さんはそういうことはしませんから。あ、でも年末の屋根裏で「ベスト・ヒット〇〇年」って演ったことあったな。
その年のヒット歌謡曲を三曲演奏した。
「ギンギラギンにさりげなく」と「みちのくひとり旅」とあとナンだっけ…忘れちゃった!
コピーして譜面を書いた記憶があるよ。
私がいた時代じゃないけど、楽器を交換して当時の大ヒット曲、「ランナウェイ」を演ったこともあった。

290そして、コレまた名曲「コルト'64」。
もうすぐ「コルト'65」だ。
哲さん、ワケェな~!

310

決して「ありがとう」でも「がんばれ」でもない希望の詩だ。そして、何よりもロックだ。

300加えて三文役者きってのドライビング・チューン。

320v「怒雨降り」。
いかにも哲さん好みの曲だ。日本のロック臭プンプン。
どんなにバンドの形をしていたとしても、「J-ナントカ」には出せない滋味がある。英語で言うと「full-bodied」というヤツ。ヴィンテージの高級ワインやウイスキーに使用される形容表現だ。

330v最後は新しめのレパートリーで「Good-Bye my Town」。
ホラ、また「街」だ。
よく私はわからないが、こういうのは故郷を離れた人だけが持ち合わせる「街」というモノに対する感覚なんだろうな。イヤ、「町」かな?
でも私も生まれ故郷の東京を離れていた時期が11年ぐらいあったが、そんな感覚はなかった。
家族と一緒だったからかな?
そう、家族や友達がいるところが「My town」なんだよね。
「I wanna go home」…人間、ETやガープの言う通りなんだな。
あ、ちなみに「wanna」は「want to」の口語表現であることはご存知だと思うけど、向こうの連中は普通、書く文章には絶対使わないことを知っておこう!
少なくとも私はネイティブからそう教わった。
最近、大阪のデパートのバーゲンの広告のキャッチ・コピーが世界に笑われたようだから、こんなことを書いておいた。
アンコールでは三文スタンダードの「回転木馬」をプレイ。

335さて、さてさてさてさてさてさて。
哲さんも、ホント、人がよくてサ。
今年最後の大切なライブに私をゲストで出してくれるっていうのよ。
正直、丁重にお断りするつもりだった。だって、もう全然ギター弾いてないんだもん。お受けするにはかなりの厳しいリハビリが必要だから…。さもないとトンデモナイご迷惑をかけてしまう。
ところが、熱心に哲さんがすすめてくださるので図々しくもお受けすることにした。
まずは立って弾く練習から。
フィンガリングが滅法ツラい。手の甲の筋がすぐに重くなってしまう。敏子さんが音の出ないキーボードを肌身離さず持ち歩いて、年齢とともに落ちていく筋の能力をキープしようと務めている気持ちがわかる。
それにも増して大変なのがピッキングだ。何年もの間、ギターを弾く時は座っていたので、立ってギターをブラ下げて弾いてみると、ピックと弦の当たる角度が座奏の時と著しく異なり、音どころが
手首をうまく動かすことさえ難儀なのだ。
それでも指先をヒリヒリさせながら何とか感覚を少し取り戻した。
それとさ、アクション。
ま、飛んだりハネたりするワケじゃないんだけど、自分が不格好なのがよくわかる!
イヤ~、いつもMarshall Blogに出て頂いている皆さん!
あなたが方がどれだけカッコいいかを思い知りました、ハイ。

で、いよいよ昨日スタジオに入って練習して来た。
私は就職してから赴任先の長野で長いことパブのハコバンでギターを弾いていたんだけど、バンドで演奏するのはほぼその時以来。すなわち18年ぶり。
久しぶりに弾き手としてスタジオに入ってアタフタしちゃったよ!
イヤ、それよりも三文役者で演奏するのは33年ぶりだゼ!
あ、そういえば1983年かな?三文役者を離れてから一度だけ新宿ロフトで弾かせてもらったことがあった。
大学のビッグバンドの連中でホーンセクションを編成して出してもらったんだ。
正確にはあの時以来。
いずれにしても30年以上ぶりよ。

M_img_2833ハハハハハ!
コレが30年以上前の私。
新宿ロフト。
細い!毛があっていいナァ。

340コレは渋谷の屋根裏だね。
一度だけ昔みたいにメイクをして演ろう…ということになった時。初めて白塗りの化粧をしたんだけど、唇がカパカパになってしまうのがすごく気になったのを覚えている。
マイクを握っているのはもちろん哲さん。30歳台の哲さんだ!あ、私は19歳。

350イヤ~、それにしても爆音で弾くってのは慣れないと滅法ムズカシイな。
上の写真でかすかに見えるように昔は1959(JMP時代)と1960AXを使っていたんよ。
大竹さんのお友達から譲ってもらったMarshall。ふたりで鵠沼海岸までドライブして引き取りに行ったっけ。
オ、そういえばこの白い国産のストラトも高校の時、大竹さんが勤めていた喫茶店でひと夏アルバイトをして買ったんだっけ。
当時ウルリッヒ・ロートが好きで、メイプル指板、白ボディに白ピックガードにしたかったんだけど、そういう仕様のものがなくて、楽器屋さんが「全部白はカッコ悪いよ」と忠告してくれた。あの頃の楽器屋さんの店員さんはみんなギターが超ウマくてプロみたいだったからね。でも、その忠告を聞き入れずに一本作ってもらった。
その時も大竹さんに一緒に楽器屋さんについて行ってもらったんだ。
あのギター、今も残っているとしたら白馬のディスコの壁に飾ってあるハズ。
その大竹さんとまた一緒にギターを弾くなんてナァ。信じられんよ!
正夫さんやさとっちょと演るのも実に楽しみだ!
もうひとつ楽しみしていることがある。
それはね、NATALとの共演なのです。
コレだけ高い評価を頂戴しているんだから自分でも一度体験してみたいと思っていた。
ヘヘヘ、楽しみだな~…と余裕をカマしたところだけど、弾けね~!
後は練習あるのみ!
「アブナッかしい」という意味でのスリリングな私のギターがが聴いてみたい人は…あ、そんな奇特な人がいるワケない!…今年最後の三文役者のステージを観に遊びにいらしてくだされ!
結構な曲数を弾かせて頂きます。

12月11日、荻窪ルースター・ノースサイドね。7時開演。忘年会ありだそうです。
エ?「公私混同じゃねーか」って?
イエイエ、私も三宅さんやヒロアキくんのマネをしてJVM210Hと1936で臨みますよ!MarshallのPRのお仕事です。
昨日「ところで写真どうすんだ?」って話しになって…演奏中「自撮り棒で撮れ!」だって。そんなバカな!

M_wc三文役者の詳しい情報はコチラ⇒三文役者Official website

3601965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。なかなかはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年11月18日 原宿クロコダイルにて撮影)

2015年12月 7日 (月)

Marshallだより~Joel Mananの最新バックライン情報 (2015年12月号)

忘れた頃にやって来るMarshallのアーティスト担当、Joelからのアーティスト情報…というよりバックライン情報。
また急に送って来たよ。
今回はイギリスもフェスの季節が終わり、比較的おとなしいヤツが揃ってる。
ところで、このJoelという名前。
Billy Joelなんかの影響で我々は何の抵抗もなく「ジョエル」と発音するが、ネイティブの連中がJoelのことを呼ぶ時、どうも「ジョール」って言ってるんだよね。「ジョエル」には絶対に聴こえない。
「Joe」が入ってるもんね。
ちなみにこの「Joe」は「Jacob」の愛称。この愛称のことは正式には「ニックネーム」ではなくて「ディミニュティブ(diminutive)」という。
「Joe」は「John」とは関係ない。だから矢吹丈のパスポートには「Jacob Yabuki」と書いてある…ワケないな。
Jon LordとかJon Andersonみたいな「h」が入っていない「ジョン」は「Jonathan」のディミニュティブでこれまた「John」ではないので要注意…って注意する必要はなかなかないか。
で、私も最近はマネっこして「ジョエル」のことを「ジョール」と呼ぶように務めている。

さて、最初のバックラインは1987Xと1960Xのフルスタック。
ナンダ、ナンダ?パーティの後か?
いいね~。やっぱりこの出で立ちはタマらんね。
大スキ。

M_10オーナーはシドニーのポップ・パンク・バンド、5 Seconds of Summer。略して5SOSって言うんだって。
デビューは2011年。バンド名をタイトルにしたファースト・アルバムを発表すると11カ国でナンバー・ワンをマークした。

M_20_3 お次はBring Me The Horizon。
人気あるネ~、このバンド。

M_30ステージにドバっと並ぶ1960がトレードマークだけど、今日はヘッドを紹介。
オーナーはLee Malia。

M_50v

意外にココもコンサーバティブだ。
1987XとJCM800 2203の三階建て。
何年か前のOZZ FESTで観たけど、彼らの演奏はコレらのモデルが出て来た頃の音楽とは似ても似つかないモノだ。
1987は1966年、2203は1981年の発売。
さすがMarshallやね。上の5 Seconds of Summerもそうだけど、時代を突き抜けてる。
一時期の流行でステージに並ぶアンプとは土台ワケが違う。ロックの歴史を作り、そして作り続けているギター・アンプなのだ。
君たち、若いのにようわかっとるやないけ!

M_40v何かを試しているDave Mustaine。

M_60vコチラはSlayerだよ。
JCM800 2203KKの三段積み。もちろんKerry Kingのラック。

M_70v2203KKもすごくいいアンプだった。

M_80vコチラはJeff Hannemanの後をついで加入したGary Holtのヘッド。

M_90vJCM2000 DSL100が三台ラックに収まっている。

M_100左がジョール。右はグレース。
Thank you for the nice photos as always!

前回のJoelのバックライン情報はコチラ

M_110v(敬称略)

2015年12月 4日 (金)

気が付いたら60歳ッス~誕生日過ぎたけど三国義貴バースデイライヴ

またミュージシャンの還暦を祝うコンサートがあった。
めでたいことだ。
今年還暦を迎える方々は昭和30年の生まれ。西暦では1955年。
ジャズではまだMiles DavisがPresitigeにいた頃だ。
前年にArt Blakeyが『A Night at Birdland』を発表したハードバップ前夜。そして、モダンジャズの開祖、Charlie Parkerが亡くなった年。
ロックのはじまりとされるBill Haleyの「Rock Around the Clock」がビルボードで八週連続一位を獲得し、Berryの「Maybellene」もヒット。Elvisが翌年「Heartbreak Hotel」や「Hound Dog」を歌い、ロックンロールが産声を上げた頃だ。
ちなみに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でドクとマーティ・マクフライがタイムスリップした先は1955年だ。
ちょっと前にこの映画の中のプロムのシーンで弾くマーティのギブソンのギターの時代考証が甘い…と指摘されていたが、「Johnny B. Goode」をバリバリに弾いてポカンとする高校生に向かって「君たちの未来の曲だ」というシーンは正しい。「Johnny B. Goode」がヒットするのはこの3年後の話し。

さて、今日の還暦祝いの主役は三国義貴。
北海道のご出身で、RED WORRIORSやTHE YELLOW MONKEY、ZIGGYで活躍した日本のロック・シーンには欠かせないキーボード・プレイヤーだ。

10v「気が付いたら60歳」の三国さんの還暦を祝って大勢のミュージシャンが集結した。
冒頭に三国さんからのご挨拶。
ショウの合間には普段は触れることがないという昔話をたくさん披歴し、特に色々なミュージシャンとのなれそめ話しにはお客さんがみんな耳をそばだてていた。

個人的にうれしかったのはステージのようす。
ドラム・キットが3台セットされたのだが…

20真ん中にNATALよ!
うれしいなったらうれしいなっと!

30そして、演奏がスタート。
まずは「FLOWER STONE」という曲。

M_img_3313 ドラムには向山テツ50vそしてギターは木暮武彦。

60vステージ上手にセットされていたのはシャケさんのMarshallだったのだ。

70vヘッドは30周年記念モデルの6100の普及モデル6100LM。
シャケさん曰く、「Marshallで一番好きなモデル!」
そう6100の好きなギタリストって結構多いんだよね。ありがとうございます!

80ボトルネックも使用しての熱気のこもったプレイはさすが!

85v三国さんもMarshallプレイヤーなんだぜ。
今回は違うが、オルガンはMarshallを使って弾く。
初めて三国さんにお会いしたのはギターのichiroちゃんに誘われてお邪魔したユカイさんのレコーディングの時。
スタジオにはオレンジ色の70年代の1959がドッカと置いてあって、それが三国さんのMarshallだった。

このセット、もう一曲は「green ice」。

90vこれらの二曲は三国さんとシャケさんのユニット、深空からの選曲だ。
深空はインスト・ユニットなのだが、この「green ince」という曲はいつの間にか歌モノになっていたという。

100シャケさんの的を得たソロが素晴らしい!

110続いての松尾宗仁さんのセットではおなじみ岡井大二が登場!
そう、ステージ中央のNATALは大二さんのキットだったのだ。

120v曲はZIGGYの「愚か者のパレード」…

130そして松尾さんの「風になる」という曲。

140michiakiがステージに上がる。
michiakiさん、ひっさしぶりだナァ~!相変わらずのモノスゴイ独特の雰囲気がタマらん!

150vドラムが大二さんということもあってなのか、曲は「IF」。Pink Floydの『Atom Heart Mother(原子心母)』ですな。

160vこの日、MCで三国さんと絶妙なトークを展開したのはダディ竹千代
三国さん、おとぼけCatsもやられてたのね。
楽屋で大二さんにご紹介頂き、ダディさんと初めてお話しをさせて頂いた。
池袋のパルコの屋上のステージで三文役者が共演したこと、東京タワーへ行ったこと、野音で漫才とコラボしたこと(この時も三文役者が出演した)、屋根裏五日間連続公演を見に言ったこと、そして、数年前、ダディさんが司会を務めた野音のイベントで、「紫」のMarshallの壁が出てきた時、こうおっしゃったこと…
「皆さん、ご覧ください。コレがMarshallの壁でございます。かつてはよく見かけたもんでございましたが、最近はトンとご無沙汰でございまして…。昔はコレによじ登って、飛び降りて足の骨を折ったヤツ数知れず…」
「エ~、オレそんな失礼なこと言った~?」なんて大笑いされていた。おもしろかった~。
そして、ようやくご本人を前に東京おとぼけCatsの思い出に触れることができてスッキリした。
今でも「舟乗りの夢」を時折口ずさんでしまう私なのです。
ダディさん、今もMarshallの壁は一番のロック・アイコンとして健在でございます~!

165ベースに広瀬洋一が入る。

170vHEESEYさんのボーカルで「ならず者アイムソーリー」とTHE YELLOW MONKEYの「LOVE LOVE SHOW」をプレイ。

180vドラムはテツさん。

190vそして、ROLLYさんが加わる。

200vROLLYさんは三国さんへのプレゼントを持参。もちろん包み紙の色は赤だ。

210v曲は先ごろリリースした『ROLLY'S ROCK CIRCUS』から「タイムマシーンにおねがい」。

220vテツさんと…

230vHEESEYさん…

240v三国さんのバックでヘヴィな「タイムマシーン」に仕上がった!

250今回も楽屋で大二さんと三人でマニアックなロックの話しで盛り上がり楽しかった。
ROLLYさんが二曲目のタイトルを告げると客席から歓声が!

260vすかんちの「恋のマジックポーション」!

270ステージには再びシャケさん。

280v大二さんもステージに戻る。
シャケさんは大二さんを「この世で一番好きなドラマー」と紹介してくれた!

290vまずはThe Doorsの「Love me teo Times」。1967年、『Strange Days』からの二枚目のシングル。

300vこんな曲を選ぶところがカッコいい。戦地に行く直前、「一度は今日、もう一度は明日、二回愛しておくれ」という。Robby Kriegerの詞によるベトナム反戦歌。

310vもう一曲はRED WORRIORSの「SHAKIN' FUNKY NIGHT」。

320vシャケさんのクールな熱演に大きな歓声が上がっていた。

木暮武彦の詳しい情報はコチラ⇒official web site

415
本編の最後は三国さんの「世界の外側で」。
三国さんの味わい深い歌で締めくくった。

330vそして、アンコール。
曲はT.REXの「20th Century Boy」。お~っと!大二さん自動操縦モードかッ?!
大二さんの自動操縦についてはコチラを参照のこと。

340自動操縦モード解除。
そう、何たって曲が「空と雲」。四人囃子だ!ク~ッ!

350歌は三国さん。

360vmichiakiさんのベースも雰囲気バッチリ。
390v
やっぱりいいね、ベテランが演奏する名曲ってものは!
380v
自動操縦もスゴイが、マニュアル・モードの大二さんは当然完璧。ウットリするようなドラム・サウンドだ。ホント、外国の香り。

370vそして、ラストはダディさんが登場。

400ヤッタ~、曲は「銀座カンカン娘」。

410右へ、左へとお定まりのアクションも取り入れての激演!昔を思い出しちゃったよ。

420v大二さんも熱演!

425三国さん、おめでとうございます!
これからもお元気で日本のロックシーンを牽引してください。

三国義貴の詳しい情報はコチラ⇒official blog

430※このコンサートには上掲以外にもたくさんのミュージシャンがご出演され三国さんのご還暦をお祝いしました。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。なかなかはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年10月17日 新宿BLAZEにて撮影)

2015年12月 3日 (木)

MAGIC OF LiFE 『Don't Stop Music ~ 一周年の攻撃呪文 ~』

出世に伴い名前を変えていく落語家や力士と違って、ロック・バンドや芸能人にとって改名は一大事である。
思いがけず既存のバンドと同じ名前を付けたことがクレームになったり、バンド名を短縮したりするなんてことを時々耳にする。
前者はチョット前に上り調子の日本のバンドでもあったようだが、我々世代だと、Bay City Rollersを辞めた人(Ian Mitchell?)の周辺でそんな事件があったような…。
後者ですぐに思い浮かぶのはThe Bonzo Dong Doo-Dah BandがBonzo Dog Bandに、The Climax Chicago Blues BandがClimax Blues Bandになったことぐらいか?
お、そのChicago(来年来日するんだってね?)はその両方だ。
元々はChicago Transit Authority(=シカゴ交通局)というバンド名だったが、ホンモノのシカゴ交通局からクレームがついて短縮。結果、ただのChicagoになったという。
もう脱線するけど、日本には地名を冠したバンドってのはないね。「東京ネイルキャッツ」みたいな名前はあっても、Chicagoみたいに地名そのものを名前にしたバンドは思いつかないな。
「狸穴」とか「鬼無里」とか「長万部」なんてカッコいいと思うんだけど…。
日本人特有の奥ゆかしさからか、人名そのもののバンド名も見かけないよね。Van HalenとかArgentとかPattoみたいの。
TAGAWAぐらいか?OKAMOTO'Sはチョット意味あいが違う。
いいバンド名をつけるというのは重要かつムズカシイもんだよね。
しかも一旦定着した名前を変えるとなると尚更だ。

今日ご登場頂くMAGIC OF LiFEはかつてはDirty Old Menと名乗りMarshall Blogにも何度か出てもらっている。
「Dirty Old Men」なんてまさに「自分のことよ」と思っていたんだけどね。
新しいバンド名になってもすでにMarshall Blogにご登場頂いている。
アレ?…もしかして、同じバンドのままで二種類の名前でMarshall Blogに出てもらっているのはこのバンドだけかな?
そのDirty Old MenがMAGIC OF LiFE(以下MOL)に変わってもう一年が経過したそうだ。

10その一周年を記念して開催したのが『Don't Stop Music ~一周年の攻撃呪文 ~』というイベントだ。

20高津戸信幸

30v山下拓実

40渡辺雄司

50v岡田翔太朗

60v翔太朗さんはいつも通りNATAL。
今日はメイプルのツータムのキット。以前はワン・タムだったのよ。
美しいブルーのラメラメのフィニッシュはシースパークル。仕上げの美しさに定評あるNATALの中でも特に美麗なカラーで、この彩りに惚れてサイバーニュウニュウのセミメタルA太郎さんもサイズ違いのキットを導入してくれている。

70翔太朗さんの歯切れのよいドラミングにベスト・マッチしますな。かつてはアッシュを好んで使っていたけど、メイプルもかなりいいわ~。

90v
MOLの場合、改名後も順調な活動を展開し、ますますファン層を広げている。きっと画数がよかったんだよ。
あ、真剣な話し、姓名判断には決まったアルファベットの画数があるんよ。

80その一周年を祝って仲良しのバンドがふたつ駆けつけすさまじく盛り上がった。

100vタイトルにある『Don't Stop Music』は栃木出身のMOLが地元で開催しているロック・フェスティバルの名前でもある。
Brecker Brothersをはじめ、「Don't Stop the Music」なる曲はたくさんあるようだが、「music」に定冠詞の「the」つけるのが普通。「今、聴こえている音楽を止めないで!」ということだ。
MOLの「Don't Stop」には「the」が入っていない。きっとワザとハズしたのだろう。すなわち、「the」で縛ることのない「様々な自由な音楽」、それを止めないで!と言いたいのではなかろうか?
タイトルを見てそんなことを思ってしまった。
それが思惑かどうかは定かではないが、若い3つのバンドが満員の客席を前に自由に演奏を繰り広げるサマはすがすがしい。
そして、冠詞の取り扱いは本当にムズカシイ。

120オープニングは「弱虫な炎」。
人気アニメ『弱虫ペダル』の主題歌となった曲だ。
140

 「メリーゴーランド」、「呼吸」と続く。

130v去年リリースした最後のDirty Old Men名義のアルバム『BLAZIMNG』から「夜空のBGM」。

150v

「スターチス」。この曲好き。サビ前の盛り上がるところのメロディがすごく印象的だ。
Img_4393
「桜川」、「First Morning」…

S41a5631

MCをはさんで「音無き言葉」、「箒星の余韻」を続けて演奏して本編の幕を下ろした。
正確ではないが「変わる自分を恐れるより、変わらない自分を恐れない…」なんてこと言ってたな。
安心してください、Marshall Blogは変わりませんよ!

160アンコールは「風花ノ雫」。

17011月25日に配信限定でリリースした新曲だ。

Cdmol
「音無き言葉」なんかの二拍目のウラに入れる軽めのアクセントもそうなんだけど、このバンドのリズムの処理、すなわり翔太朗くんのドラミングはこだわりがあって面白い。

S41a5554この曲のPVをリンクしたので是非ご覧あれ!そう。NATALに注目!

ということで、MAGIC OF LiFE、改名一周年を記念したイベントはにぎにぎしく終了したのであった。

MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒MAGIC OF LiFE official web site

1901965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます。なかなかはかどりません)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2015年10月20日 赤坂BLITZにて撮影)

2015年12月 2日 (水)

Paul Weller Live in Japan

正直が取り柄のMarshall Blog。
知らんモノは知らんとハッキリいうことを「是」としている。あ、ハッタリは時折かましてます。
で、The Jamとか、世代が違うんですよ。
だからPaul Wellerのことについてもまったくといっていいほど存じ上げません。
あ~あ~、言わなきゃいいのにね。
でも、知りもしないことをゴチャゴチャ書くのはマッピラごめんだし、そもそもアーティストに対して失礼だ。
そんなことを考えながら記すPaul Wellerの来日公演。

10でも、PaulとMarshallの結びつきが強いことはよく知ってる。
2009年、MarshallはPaulの50歳を記念してシグネチャー・モデル1987PWを世界限定50台でリリースしたのだから。
日本にも数台が入荷してすぐに完売したのを記憶している。
そして、Marshallはこのモデルの売り上げを「ChildLine」という、いじめや児童虐待等の影響を受ける児童を相手にする電話カウンセリングを行う慈善団体に寄付したのだ。

20さて、このPaulのシグネチャーモデル。1987PWというモデル・ナンバーにはなっているが、元は2100 Lead & Bassという2x12"コンボだ。
Paulの大のお気に入りのモデルで、長年にわたり愛用している。今回の来日公演でもそれを使用した。
下段はエクステンション・キャビネット。
LCフレットのフル・フェイスってメッチャかっこいいよね。大スキ。

30vこの2100は1973から1976年までの間、通信販売だけで流通していたレア・アイテムだ。
JCM900の2100と混同しないように。
昔、頭の二ケタがモデルのスタイルを表していた時期があった。すなわち「19」がヘッド。「21」がコンボを意味していた。
だから2159は1959のコンボ(記録では日本未上陸)、2187は1987のコンボのモデル・ナンバーだった。
そして、2100はMarshallの中でも変わった設計のモデルとされている。

40シグネチャー・モデルの型番にあるように設計の母体は1987。すなわち50W。
「LEAD & BASS」の名が示す通り、ひとつのチャンネルがギター用、もう一方のチャンネルはベース用になっていた。
「これ一台でベーシストと楽しくジャムっちゃおう!」みたいな企画だったのであろうか?
当然、他の4インプットのモデル同様にリンクすることができ、より多彩な音作りが可能になっている。

45チェックしなかったけど、後ろのは1962かな?
もうひとつ面白いのはこのコンボのヘッド・バージョンは1964というモデル・ナンバーで存在しているが、LEAD & BASSという観点からすると、100Wバージョン・ヘッドはMarshall名義では製造せず、CMIでしか作らなかった。

50写真を撮っていたらツアー・マネージャーのロジャーが親切にもピロっとPaulのピックを置いてくれた。

60これがそのピック。もらってきちゃった!モッズファザー…カッコいいね!

70a

70b そして、こちらはドラマーBenのキット。
フロント・ヘッドは取り換えられているが、NATALのバーチだ。

8012"、16"、22"のコンフィギュレーション。
スネアもペダルもNATALを愛用している。

90ショウがスタート。
有名なGreatful Deadの熱狂的オッカケ「Dead Head」よろしく、「Weller Head」ともいうべきイギリス人カップルがいる。Paul Wellerの行くところ世界中追いかけてショウを楽しんでいるのだ。
開演前に少し話をしたのだが、この人たちがまた感じのいい人達で面白かったナ。PaulのTシャツを買いたいんだけど、「サイズが小さくて着れん!」とガッカリしていたっけ。
そのカップルはシッカリ最前列を陣取っていたので、私がプレスピットに入ると肩を叩いて声をかけてくれた。

100曲はまったくわからないけど、ストレートにロックする姿は見ていて実に気持ちがいい。
満員の観客もノッケから大ノリだ。

110vそれでですね、Paulはすごいジェントルマンだったのですよ。
スタッフの人から私がお邪魔していることを聞きつけると、私のところにワザワザ来てくれてキチッと挨拶してくれた。ビックリしちゃったよ!
差し出した手を握ると、とても柔らかくて温かかった。

120ドラムのBen Gordelier。

130vPaulのバンドはツイン・ドラムでBenはパーカッショニストとしての役割もこなしていた。

140実はPaulを観るのは二回目だ。前回は2004年の「Rock Odyssey」というイベントだった。
ナンカあの時よりもイキイキとして元気そうだった。
私より4つ年上か…。
実際に面と向かって会ってみると、細身で貫録があって実にカッコいい。
やはり一世を風靡した人ってのは雰囲気が違いますな。

11s41a4098Paulは今年五月に『Saturns Pattern』というアルバムを出したばかり。Benのバスドラム・ヘッドのデザインはこのアルバムのジャケットだ。

Cdp このアルバムからのレパートリーを中心に新旧を取り混ぜた20曲。そして二回のアンコールで8曲を演奏。すごいサービスだ。日本のファンをいかに大切にしているのかが感じ取れる。

11s41a4190_2 Paulを盛り立てるバック陣の演奏もソリッドでカッコいい!

170

Paulはかつてのインタビューで「ピックアップのスイッチをひねるだけで俺はMarshallの音色を自由自在に操れる。うるさいラウドな音色から、美しいクリーンな音、温かいベースの効いた音に至るまで」…と言っている。

160イヤ、まさにそうなんですよ。
ショウが始まる直前、ジャラーンとコードを試し弾きした瞬間、マジで驚いたね。
思わず小声で「ウワッ!音いい~」とつぶやいてしまった。
いかにもビンテージのMarshallのリッチな音色で、6本の弦の音がひとつひとつバラバラに聞こえて来るような素晴らしいバランス。
ソロではシャープなトーンで愛用のテリーを唸らせる。
Paulの言葉通り2100をうまく使いこなしていた。

11s41a4237 The Jamの曲も何曲か披露され、長年のPaulファンにはタマらない内容だったハズだ。

180Paul Wellerの詳しい情報はコチラ⇒Official Website(英語版)

1901965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます)
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(一部敬称略 2015年10月14日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2015年12月 1日 (火)

【イギリス-ロック名所めぐり】vol.20~Marquee物語 <後編>

それにしても爆音による振動で建て付けが狂っちゃうなんてネェ。

考えてみると今みたいにシッカリしたPAシステムなんてまったくなくてギターなんて生音だったに違いない。実際に当時のJimiやCreamの写真を見るとMarshallにはマイクが立てられていない。
230Vで鳴らした1959のボリュームをクランク・アップして思いっきり弾いていたハズだ。Marshallの真ん前に立っていたお客さんはどんなだっただろう?爆音浴の極致。
それと、空気…。
朝晩は夏でも寒いロンドンは今でもエアコンを取りつけていない建物がザラにある。しかも60~70年代ならなおさらだ。
防音のために強力に密封された狭い室内に700人も詰め込んだ阿鼻叫喚の爆音灼熱地獄。
で、当時はみんなタバコを吸うのが当たり前だったから空気は汚れ放題。
こんなんで行きたいかァ?
行きたいなァ~。
日本では見ることのできないバンドのパフォーマンスを観たかったということももちろんあるが、その当時の本場の雰囲気を味わってみたかった。
ナゼかというと、イギリスの連中と話しをしていると、アメリカのルーツ・ミュージックや一部のグループを除き、他国のロックを基本的に認めていないことがありありとわかるからだ。
ナゼか?
それはまず、イギリスは「ビートルズの国」で、今のロックを作ったという誇りを持っていて、自分たちの音楽で世界を制覇したバンドが山ほどいるからだ。
こうしたMarqueeの状況を見ればそれも無理からぬことだと思う。
そんだば、何で最近日本の若いバンドがイギリスの名だたるロック・フェスティバルに出演できるのか?
ま、大人的な色々な事情があるんだろうけど、ひとつにはやっぱり世代が変わって、こうしたMarqueeのような場所で育まれたブリティッシュ・ロックの財産の価値が下がったということだろう。栄光のブリティッシュ・ロックの進化と呼ぶのか、退化と嘆くのか?どちらが適当なのかはわからない。
とにかく、Marqueeは遠くになりにけり…だ。
50_2
ロンドンにはそれこそ「ロック名所めぐり」みたいな有料のプライベート・ツアーがあって、こうして足を止めて観光客にMarqueeの説明をしたりしている。
近くに寄ってガイドさんの話しに耳をそばだてると、「Jimi Hendrix」とか「The Who」とかいう名前がしきりに漏れ聞こえてくる…。一般の人にはそれで十分だろう。
この手のツアー、どんなもんかと思って内容を調べてみると…安心してください。Marshall Blogの方が断然内容が濃いですよ。
こんなガイドの仕事いいナァ。
どこかの旅行代理店で雇ってくれないかナァ。
『ロンドン・ロック名所めぐりとMarshall工場見学の旅』って企画。
おいしいフィッシュ&チップスつき。プログレ・ファンには「カンタベリー行き」の、メタル・ファンには「バーミンガム行き」のオプションも用意…ナンチャッテ。

I_img_0278

さて、そのMarquee。
我が日本からもLOUDNESSやVOW WOW等、栄光の二号店に出演したバンドがいくつかある。アニメもゲームもない時代だ。コレを「偉業」と呼ばずしてナント言おう?
SHOW-YAもそのうちのひとつだ。
…ということで、Marshall JVMをお使い頂いている五十嵐sun-go美貴さんにお時間を作って頂き、特別に当時のようすを語って頂いた。

4img_0259 Marshall(以下M):店内の写真が見たいですね~。
sun-go(以下s):当時は写メなんかなかったですからね~。とにかくLed Zeppelinと同じステージに立てるというのがすごくうれしかった。
M:でも、Marqueeは何度も移転していますからね…。Zeppelinが出たのと果たして同じ店舗だったのかしらん…?。
S:エ~!
M:表はこんな感じでした?(現在の様子の写真を見せる)
S:ん~、表は覚えてないですね。中だけしか覚えていません。
M:出演されたのはいつでしたっけ?
S:1985年11月25日!
M:じゃセーフですね。最も有名なMarquee二号店ですね。
S:ヨカッタ~!
M:コレはその時の公演告知ポスターですね。対バンがLAシークレッツっての。これはガールバンドだったんですか?  

135v
S:イヤ~、全然覚えてないんです。  
M:そもそも「LAシークレッツ」ってバンドだったんですかね?調べたんだけどわからないかった。
S:バンドかな?
M:ゼンゼン覚えてないんですか?緊張してた?
S:それもあるけど、メチャクチャ忙しかったし…。マーキーにいるってこと自体だけでもう満足だったのかもしれません。
M:ま、とにかくこの「LA Secrets」のことは覚えてない…ということで。
S:ハイ。でもマラカスおじさんは覚えてる。
M:「マラカスおじさん」?

4img_0026_2S:マラカス持って踊っている名物おじさんがいたんですよ。
M:へ~、そんなの初めて聞いた。
この時の渡英の目的は?
S:SHOW-YAの2枚目のシングル、「しどけなくエモーション」のPVにライブ映像を使おうということになって、その撮影に行ったんです。
M:85年は二回イギリスにいらっしゃってますね? 7月にまず行ってる。こちらの用向きは?
S:ファースト・アルバムのミックスダウンですね。アビー・ロード・スタジオでした。それとコーラスの一部をそこで録音しました。
M:どうでしたアビー・ロード・スタジオは?当時は「EMIスタジオ」って言ってたのかな?
S:Paulの卓球台なんかが昔のまま置いてあってビックリしましたね。
M:その他には何をされたんですか?
S:ライブをしました。
M:どちらで?
S:ハーフムーンとディングウォールズというお店でした。 

★ハーフ・ムーン(The Half Moon)★
現在も営業しているThe Half Moonはテムズ川の南岸のパットニーというところに位置し、ロンドンでも最も息の長いライブ・ハウスとして知られている。キャパは250。
開店は1960年代初頭で、1963年から毎晩フォークのグループがブッキングされ、その後、John Mayall's Bluesbreakers, Alexis Korner, The Yardbirds等、ブルース系のバンドが取って代わり、The Half MoonはトゥイッケナムのThe Eel Pie ClubやリッチモンドのThe Crawdaddy Clubと並ぶ人気のブルースのハコとなった。
フォーク、ブルース系の店として他にもFairport ConventionやVan Morrisonも出演。次第にジャンルも広げThe Bonzo Dog Doo Dah Bandまで出ていたらしい。
他にもThe Pretty ThingsやNashville Teens、さらにDr. Feelgoodでパブ・ロックにも幅を広げた。
The Rolling StonesやThe Who、U2なども出演している。

Steve Marriottも常連で、Elvis Costelloは70年代の中頃レギュラーで月に二回出演していたというし、Kate Bushが初めて人前でパフォーマンスをしたのもここHalf Moonだったという。
コリャなんだかMarqueeどころじゃなくなってきた?
しかし、2010年頃になると客足もメッキリ減少、(ロンドンもいいバンドが少なくなったのだろう)経営が苦しくなりほとんど閉店状態になってしまった。
あわやそのままクローズしてしまうかと思いきや、何百人分もの署名を集め、facebookのキャンペーンでは6,500人もの賛同を得、経営を続けることになった。
今では食べ物も出している。今度ロンドンに行ったら絶対に寄ってみようと思う。

★ディングウォールズ(Dingwalls)★
カムデン・ロックにある1973年から生演奏をはじめたキャパ500のパンク、ロック系のライブハウ

11img_1674_3ス。70年代後半には当時イギリスでもっとも人気を博したThe Stranglersが出演していた。
Steve Marriottは1984年7月に出演し、『Live at Dingwalls』というライブ盤をリリースした。
80年代後期から90年代初頭にはジャズ・ダンス・クラブに体裁を変えたが、現在はライブ・ハウスとして営業している。
カムデン・ロックの「ロック」は「Lock」、すなわち「閘門」のこと。運河の高低差を調節して船の行き来を可能にするエレベーターみたいなもの。「Rock」ではありませ。

M:アンプはMarshall?
S:はい。音があまりにも良くてビックリしましたね。100Vと230Vの電圧の違いを身体で感じた。

4img_0019音がすごく澄んでいて、JCM800だったんですけど歪まなかったですね。
M:鳴り方がまったく違いますよね。
S:昔のマーシャルはミッドを上げるとハイもつられて上がっちゃって…。どうやってもローが上がらず困りました。自分の弾き方のせいか耳が痛かった。なんか無意識のうちにピッキングハーモニクスで弾いているみたいな感じって言うのかな?
M:よくわかります。私なんかとても弾けない!
それはハコのMarshallだったんですかね?
S:イヤ、どこからか借りてくれたんだと思います。
あと、日本語と英語の違いもビックリした。機材の名前なんかでもちょっとした単語が通じなかったんです。そういう意味では本当に色んなことを勉強しましたね。
M:なるほど。私なんか今でもそうですよ!「え~、シールドって日本語なの?」みたいな…。イヤ、コレは昔から知っていましたけど、とにかく知らないことがいまだにたくさんある!「プレクトラム」とか…「ピック」って言って欲しい。
その他には何をされたんですか?

4img_0025_2S:7月の時にはウェンブリー・アリーナで「Live Aid」をみんなで観に行ったのが印象に残っています。
M:それヘッドライナーは誰だったんですか?
S:「Let It Be」が最後に演っていたんでPaulだったんだと思います。最後のQueenを観ました。Led Zeppelinが出るかと思ったら出なかった。それはアメリカだった!
Phil (Collins)が自家用ジェットでアメリカへ行ったんですよ。私も連れてって~!って思った!
M:それはムリでしょ。11月の時のメインの業務は?
S:なんだったんだろう?多分ミックス。それとさっき言ったセカンドシングルのPV撮りですね。
M:それでどうでした、マーキーは?うなぎの寝床?昔のELLみたいなイメージがある…。
S:やっぱり楽屋の印象しか覚えてないナァ~。
M:キャパは?
S:そんなに大きくないですよ。ステージも小さかったけど、天井は高かったですね。
スマホが当時あればネェ。とにかくマラカスおじさんが踊っているのがよく見えた。

4img_0023M:客席の雰囲気はどんな感じだったんですか?
S:みんな好き勝手にノッテるって感じかな。 なんか『ウッドストック』に出て来るお客さんみたいでしたね。
M:反応はいかがでした?
S:「オリエンタルの女性のバンド」というだけでかなりインパクトはあったようです。一回目の時もそうでしたけど、終わった後には何人もの男性から「ヨカッタ!」と言われました。
M:みんなどうやって知って来たんだと思いますか?何かで「東洋の魔女が来るぞ!」って告知された?
S:チョッ~ト!それは古すぎでしょ!「女性」の、しかも「日本から来ている」のがとにかく珍しいということだったんでしょうね。
あ、ひとつ思い出した。

4img_0011_2M:え、ナニ?
S:前の晩、ホテルのバーで飲んだ時、ホワイトソースみたいの食べたんだけど、それでお腹をコワしちゃって…。翌日モドしちゃったんです。そしたら、「妊娠疑惑」が起こっちゃって!
M:ハハハ!昔からイジられ上手だったんですね?しかし、向こうは何でもかんでも食べ物には思いっきり火を通すから何かに当たるというのは珍しい。
S:作り置きして相当時間が経ってたんじゃないですかね?
M:ショウの上演時間は?
S:40~50分ぐらいかしら?
M:当時はロンドンに飛ぶのも大変だったでしょう?
S:ロシアの上を飛べませんでしたから、南回りで24時間。カラチ経由とかでしたね。
直行便がなくて、ドゴールを経由した時にはマスターテープを通関するのに時間がかかってしまって飛行機を遅らせたこともありました。
M:しかし、うらやましいですね。一度でいいからMarqueeの中に入ってみたかった!
S:私はもうそこにいられるだけで幸せでしたね。それと楽屋や通路とかに感動。
M:わかるわかる!
S:匂いが残ってるような気がする。
M:一番うれしい残り香はLed Zeppelin?
S:そうですね。
M:1968年にYardbirds名義で初めて出演してますね。その三日後ぐらいにFreeですよ。いい時代。
S:私はとにかくLed Zeppelinですね。
M:我々、もうチョット早く生まれていれば見ることが出来たのにね。(sun-goさんと私は同級生で、誕生日は一日違いなのです)
S:2~3年早ければ私は観てたな…。
M:私も…。ありがとうございました!

Marqueeのsun-goさん、見てみたかったな~。そして写真撮りたかった!
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA オフィシャルサイト

4img_0193さて、その後Marqueeはいずこへ…。
長年住み慣れたウォードー・ストリートを離れ、Marqueeはチャリング・クロス・ロードへと引っ越したのであった。
といっても、歩いて10分ぐらいのところよ。
チャリング・クロスは本屋さんが集まる私にとっては魅力的なエリアでしてな…。

11img_8358下の写真にある「FOYLES(フォイルズ)」というのは1903年創業の老舗の本屋さん。7つの店舗を運営していて、ここはその本店。かつては「世界で最も広い店舗面積と品揃えの数の多さ」でギネス・ブックに出ていた。
知らなかったんだけど、八重洲のブックセンターはこのFOYLESの姉妹店なんだって!
CDなんかも売っているよ。
ここの音楽関係のコーナーなんて行くと書棚には見たことのない本がたくさん並んでいて実に楽しい。
ロンドンには古い本屋さんがそこら中にゴロゴロしていて、店の中を見るだけでも十分におもしろい。
あの楽器屋街、デンマーク・ストリートもこの道につながっている。

11img_2824 チョット小道に入ると古本屋さんがイッパイある。
カレー激戦区ではないけど、神保町の風情だ。

11img_8329古本もね~、ゆっくり見て、買って持って帰って来たいんだけど重くて!
こんなのインテリアにいいんじゃない?
ウチはダメダメ。読んでる本だけでも収まり切れなくて困ってるからさ。

11img_8339神保町もそうだが、車、音楽、ファッション、地理、古文書…等々このあたりの古本屋さんは取り扱いの本のジャンルをキッパリ分けて商品を取りそろえている。
脱線。
昔、井上ひさしがタヌキに関する小説を書くことになり、行きつけの神保町の古書店の主人に「タヌキに関する本を集めて欲しい」と依頼した。するとその主人は自分のネットワークを駆使してその類の本を集めた。その結果、神保町からタヌキに関する本が一冊もなくなってしまったという話しを聞いたことがある。
何冊集まったのかは知らないが、もちろん井上さんは全部ゲットして、読破し、そうして一編の小説を仕上げたのだという。
ボリュームにもよるが、本を書く人は一作編むのに最低でも書架二台分の本を読むとかいうからね。
私も『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』やこの『名所めぐり』を書く時にはかなりの量の英文の資料に目を通すが、チャンチャラおかしいね。
だから『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』や『名所めぐり』はアクセス数が伸びないのかな?
Marshall Blogの中で一番面白いと思っているのは私だけか~?

そして、その井上さんのエッセイで読んだ話し。
同じような話しで、司馬遼太郎が何かの本が必要で探したがどうしても見つからない。そうこうしているうちに井上さんが蔵書していることを知り、それを見るために井上宅を訪ねた。
その本を手にして、ツラツラと目を通しながら井上さんと雑談をする。
そのうち井上さんは「どうぞお貸ししますのでお持ち帰り下さい」と司馬さんにすすめると、「イヤ、もう内容は全部覚えましたので結構です」とその申し出を断ったという。
これにはさすがの井上さんも驚いたらしい。
井上さんの『江戸の夕立』という短編はおススメ。

11img_8330 で、Marqueeがチャリング・クロスに引っ越したことは知っていたんだけど、どうも正確な場所がわからないでいた。
おかしいな…この辺のハズなんだけど。

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チヤリング・クロス・ロードをブラついているとある時この看板が目に入った。
このおじチャンじゃないよ。
下にある「WETHERSPOON」の文字。
WETHERSPOONというのはイギリスのパブの大手チェーン。安いのよ。
日本だと田舎へ行って安くなるのはせいぜい生鮮食品ぐらいだけど、イギリスはそれだけじゃなくて電池だとか以前は必需品のひとつだったカメラのフイルムなんかもロンドンより田舎の方が格段に安い。
ビールも同様。
ロンドンのWETHERSPOONは残念ながら他店とそれほど変わらないけど、コレが田舎の店舗に行くとロンドンの半額近くで飲めちゃう。
元Marshallの友人が住むニューキャッスル近くのサウスシールズという町にもWETHERSPOONの店があって、あの時は円も強かったせいもあって、ギネスの1パイントが400円以下で飲めた。
ロンドンで飲むなら、今では東京の方が安いぐらいだよ。
ロンドンの物価は何でも日本の倍。ホテルは3~4倍。バカバカしくて何にも買えない。
でもウチは円安の方がありがたい。皆さんゴメンね。

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で、さっそく入った。

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この日のランチ。
スタウトを一杯とB&Bから持ち出した朝食のパンの残り。まるでハトのエサだ。
それでもビールがウマい!
疲れた身体にジトーっと沁み込んで行く。
イギリスのビールが大好きなのだ。
ホッとして店の壁に目をやると…。

11img_0756…「Welcome to the last home of the Marquee Club 1988 - 1996」ってアンタ…。
おいナンダ!ここがMarqueeの三号店だったんじゃないの!…なんて『猿の惑星』のテイラー船長みたいなことになった。この店の前はもう何十回も通っていたんだから!

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1988年Marqueeはこの地に移転。
ロック・ビジネスがますます大衆化を進め、隆盛を極める中、この三号店も大変な賑わいを見せ、ブリティッシュ・ロックの歴史にその名を深く刻んだ。
こけら落しは8月16日、KISSがその重責を担った。
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店内のデコレーションは意図的に一新されたが、入り口はクラシックな劇場の雰囲気をフィーチュアし、ステージの突き当たりには伝統の「Marquee」ロゴが据え付けられた。

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コレは今の内装。エントランスの部分。

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店内はこんな感じ。

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かなり広い。
スクリーンが下がっている奥がステージだった。

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ところどころソレっぽいデコレーションが施されてはいるものの、天井の高い巨大な飲み屋といった感じ。
これが夕方になると足の踏み場が全くないほど混みやがる。土日は昼間っから酔っ払いであふれかえっちゃう。1,000人ぐらい入ってるんじゃないかな?
あ、トイレは二階です。
この三号店は1995年にクローズした。
出演したバンドを調べてもほとんど知らない名前ばかりだった。
日本からはGargoyleがこのステージに立っている。

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「The last home of the Marquee Club」なんて言ってるぐらいなので、ここでMarqueeの歴史が閉じられるのか…と思うとさにあらず。

この後、2002年にEurythmicsのDave Stewartを迎えてイズリントンに復活。しかし、たった4か月でボツ。
さらに2004年にはレスター・スクエアに開店。900ものキャパの大店舗だったが2005年にはクローズ。
みんなMarqueeの名前だけで商売できると思っていやがる。
まだ続く。
2007年、レスター・スクエアとコヴェント・ガーデンの間ぐらいのロケーションで復活。
これは小ぶりな作りで、第一号店並びに二号店の雰囲気を踏襲してみたが翌年には閉店と相成った。
してみると100Clubとかロニー・スコッツなんてのはスゴイもんだ。やっぱりこういう商売は場所を変えるとシンドイようだ。

こうしてこのブリティッシュ・ロックのアイコンともいうべき大看板の歴史は閉じられた。
また復活する日が来るかも知れない。
しかし、例え復活したとしてもうまくいかないのであろう。
BPI(イギリスレコード協会)によれば、アメリカのヒットチャートの上位の曲の半分近くはイギリスのアーティストによるものだ…豪語してと息巻いているが、こと「ロック」という言葉を投影してみると…虚しい。
私の感覚ではは世界の若者を魅了するようなオリジナリティにあふれたロック・バンドがイギリスにいない…ということでもなく、最早「ロック」という音楽そのものが往年のパワーを持ち合わせていないと思うからだ。
そして、あれほどブリティッシュ・ロックを支持した日本はその衰退と交替するかのようにJ-POPが隆盛を極めロックを失い、「世界のロック後進国」になってしまった。
ロックは遠くなりにけり…か。

11img_0369_m (参考文献:The Marquee Clubオフィシャル・ウェブサイト、Tony Bacon LONDON LIVE BALAFON他)