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2015年11月

2015年11月30日 (月)

【イギリス-ロック名所めぐり】vol.19~Marquee物語 <前編>

安心してください。今日はツベコベ言いませんよ。
後でたくさん言います。
まずはコレをご覧くだされ!


コレを見て興奮しないベテランのロック・ファンは誰ひとりいまい。
もし、何も感じなかったら、自分が「ロック」だと思って聴いてきた、あるいは聴いている音楽は「ロック」でない…と思った方がよい。
若い人はコレを見てどう思うんだろう?ただ単に古臭く映るだけなのかナァ~?
「ロック」という音楽が一番カッコよく、そしてクリエイティブだった時代。
うれしいね、みんなMarshallだよ。

いつもは「ブラリ、シゲさんぽ」よろしく、地区ごとにイギリスのロックに関わる名所を紹介するこのシリーズだが、今日はちょっと取り組み方を変えてお送りする。
ブリティッシュ・ロックの黄金期を育んだ、世界に名だたるライブ・ハウス、Marquee Clubに焦点を絞るのだ。

下はロンドンでももっともにぎやかなエリアのひとつ、オックスフォード・ストリート。
東京で言えば銀座の中央通りか。
恥ずかしながら今まで気が付かなかったんだけど、こんな有名かつ重要な通りなのにコレ、ナントたったの二車線しかないんだよね。
車道と歩道がほぼ同じ幅だ。この狭い道をおびただしい数の二階建てバスが行き交う。
Marqueeは数回移転しており、第一号店はこの写真の左側あたりの場所にあった。
オックスフォード・サーカスとトッテナム・コート・ロードのほぼ中間。

10ここのどこがMarqueeなんだ?という感じで面影がまったくないが、住所からするとココしかない。
30_2

Marqueeの第一号店がオープンしたのは1958年の4月。
記念すべき最初の出演者はKenny BakerとMichael Garrickという人たちのカルテットだった。「どんなもんかいな?」と思ってこの人たちの音源を探して聴いてみたら、二人ともごく普通のモダン・ジャズを演奏していた。
1950年代の中頃、ロンドンにはジャズ系のライブハウスが盛んに営業していた。同じくオックスフォード・ストリートに今もある「100 Club」、Georgie Fameで有名な「Flamingo」や「Ronnie Scott's」もこの時分に歴史をスタートさせている。

Marquee Clubはいきなりスタートしたワケではなく、Academy Cinemaという映画館の地下にあったMarquee Ballroomが前身となっている。
「ボールルーム」というくらいだから、そこはビッグ・バンドが入ってダンスを楽しむようなゆったりしたスペースだったはずだが、客の入りはあまり良くなかったようだ。
「marquee(マーキー)」というのはサーカスの会場などに使われるテントのことで、「キー」にアクセントを置いて発音する。
クラブの昔の写真や映像を見たことがある人はピンとくることと思うが、店内が赤と白のストライプでデコレイトされてるでしょう?アレは、サーカスのテントのイメージなワケ。
この店内のデザインを担当したのはAngus McBeanというデザイナー。この人はポートレイトの写真家として有名な人だ。
このAugus McBeanという名前を知っている人はビートルズ通と見て差し支えないだろう。
『Please Please Me』、『赤盤』、『青盤』のジャケット写真を撮った人なのだから。
撮影場所は、このMarqueeからほど近いマンチェスター・スクエアにあったEMIの社屋の中。(最近もチョイと寄って来たので興味のある方はコチラをご覧あれ)
適当なレンズを持ち合わせていなかったため、Angusは床に寝転がった状態で階段から見下ろす四人を撮影したという。


さて、前身のMarquee Ballroomは1957年に入ると、土日はジャズのライブ・ハウスも兼ねるようになり、先述のKenny Bakerらが出演するようになった。
要するにダンス・ホールでは商売が立ち行かなくなってきたのだ。

一方、Harold Pendletonという若い会計士がマージーサイド(リバプールがある地域)からロンドンに出て来る。
Pendletonはジャズが大好きで、ジャズ盛んなりし都会で次第にそちら方面の仕事に加わるようになる。
そうしてジャズ・トロンボニストのChris Barberと親交を深め、しまいには会計士の仕事を辞め、Chrisのマネージャーになってしまった。日本でも時々耳にする話しですな。

「好きこそモノの上手なれ」で、Pendletonはジャズ団体に加わり数多くのアイデアを提供し、1958年にはアメリカからMuddy Watersを招聘し、Chris Barberと共演させたりした。
チョット脱線するけど、1958年の日本の流行歌といえば「無法松の一生」、「嵐を呼ぶ男」、「からたち日記」、「星はなんでも知っている」、「だから云ったじゃないの」等々。
日本のジャズの黎明期を記録したレコード、『銀巴里セッション』の「銀巴里」が銀座にオープンしたのもこの年だ。
同じ頃、地球の反対側ではジャズ人気の傍ら、一部の音楽愛好家がMuddy Watersの訪英に熱狂していた。つまり、ロンドンはブルースにも夢中だった。
このあたりが「ロックにしかロックのルーツを持たない」日本のロック・シーンとの決定的な違いがある。

さて、その頃になるとMarquee Ballroomはいよいよ経営が立ち行かなくなってしまい、店はPendletonに経営についての協力を乞い、店を借りてもらうことになった。
彼はたちまちその手腕を見せ、優秀なジャズの新人を出演させて1958年の末には店の経営を盛り返すことに成功した。
その出演バンドのひとつがAlexis KornerのBlues Incorporatedだった。
Blues Incorporatedはハーモニカ&12弦ギター・プレイヤーのCyril DaviesとギタリストのAlexis Kornerが組んだバンドで、スキッフル~ブリティッシュ・ロックの黎明期を支えた。
このグループにはかつて、Jack Bruce、Ginger Baker、Charlie Watts、Graham Bond、Long John Baldry(Elton Johnの「John」はこの人のJohn)、Dick Heckstall-Smith(ColoseumやGraham Bond Organizationのテナー・サックス)らが在籍していた。
そしてMarqueeは徐々にR&B色を濃くして行き、1962年にはロンドンを代表するR&Bのクラブになった。
Jim Marshallが50年代の終わり頃にはジャズに見切りをつけ、ロック(実際にはスキッフル)のドラム教室を開いて成功したのと時を同じくしていると見てよいだろう。
ジャズは急速に「古い音楽」になっていったのだ。

ところで、Pendletonが加わっていたジャズの組織は「The National Federation of Jazz Organisations of Great Britain」といい、1961年に「National Jazz Festival」というイギリスで最古の音楽フェスティバルを開催した。
コレはいわば大型のMarquee Clubといった企画で、第一回目のフェスティバルの会場にはMarquee Clubの店内とお揃いの装いが施された。
このNational Jazz Festivalが後に「Reading Festival(レディング・フェスティバル)」に発展する。

1963年になると、Manfred Mann、Graham Bond、Brian Auger、John Mayallらが顔をそろえ、The Rolling Stonesも他のR&Bバンドの前座としてMarqueeに出演するようになり、「ロンドンで一番のR&Bライブハウス」の名を欲しいままにしていった。

しかし、好事魔多し。
1964年に目玉の出演者の一人Cyril Daviesが白血病で急逝する。
巷間では「Marqueeはつぶれてしまうのではないか?」との噂まで出始め、ほぼその通りになってしまった。
正確には、Academy Cinemaが映画館を増設することになり、Marquee Clubに立ち退きを要請してきたのだ。
20v
Pendletonはせっかく軌道に乗り始めたR&Bのライブ・ハウス・ビジネスを放り出すワケにはいかず代替地を探した。
すると、ノッている時は運も味方してくれるようで、ソーホーにほど近いウォード―・ストリートという場所に適当な物件を見つけたのだ。
その界隈にはフラミンゴやロニー・スコッツ、ラ・ディスコティックといったライブハウスが林立しており、まさにロンドンのナイト・ライフの中心地だった。

…といっても、東京とゼンゼン違うせまいせまいロンドンのこと、第二号店の候補は一号店から歩いて15分かからないぐらいのロケーションなのよ。
下の写真がウォード―・ストリート。第一号店があったオックスフォード・ストリートから入って来たところ。
このウォードー、Wardourと綴る。ずっと「ウォルドア」と発音するのかと思っていたら、どうも「ウォードー」らしい。
写真の中央の茶色いレンガ造りのビルが第二号店が入っていたビルだ。

I_img_7363この建物にMarquee Clubの第二号店があった。
90 Wardour Street, London…ロック史で最も有名な住所のひとつだろう。
前の使用者はナント、あのバーバリーだった。
オープンは1964年3月13日の金曜日。日取りは縁起でもなかったが、そんなことはツユ知らず、Marqueeの二号店はブリティッシュ・ロックの本拠地のひとつとして歴史に名を残して余りある大活躍を見せるのであった。
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また話しは反れるが、一号店の最後の日、1964年の3月5日にStan Getzが出演してR&Bを演奏し、大ウケしたことになっている。
他の記録ではLong John BauldryとThe Yardbirdsになっているのだが…。
どっちなんだ?
Stan Getzと言えばテナー・サックスの巨匠にして大スターだ。ボサノヴァで大人気を博したことを考えればジャズ以外の音楽をやっても不思議はないかもしれない。
もっと言うと、1972年にはChick CoreaとReturn to Foreverのレパートリーを演奏した『Captain Marvel』を録音している。案外なんでもやっちゃう人…という捉え方もできるかもしれない。(『Captain Marvel』のドラムはTony Wililamsでメッチャかっこいい。『Return to Forever』しか聴いたことがない人はゼヒお試しあれ。ロック・ファンにもおススメ)

それで、この辺りのことをチョット調べてみると、Getzは1964年の録音で『Live in London』というアルバムを残している。残念ながら聴いたことはないのだが、内容を調べてみると、「Here's That Rainy Day」とか普通のジャズを演ってるじゃんよ。
で、録音場所をチェックすると…なんだよ、ソーホーのロニー・スコッツじゃん!ロニー・スコッツでジャズ、マーキーでR&Bをプレイしたのか…。
とにかく1964年にはロンドンをうろついていたことは確かだった。
しかしね~、あのナイーヴな音色でR&Bを演るとはどうも思えん。
ついでに、Getzでもうひとつ。
この人、顔のどちらかの写真を撮られるのを極端にキラっていて、それを知らずにシャッターを切ったカメラマンを問答無用でブン殴っちゃったとか…。
クワバラ、クワバラ…人の写真は勝手に撮ってはイケませんな。

さて、第二号店。
お店が移転したということを常連のお客さんに感じさせないために、極力内装を第一号店に近づけた。
そして、Pendletonはこの二号店をロンドンの「ロックのメッカ」に育てあげることを決心するのだが、それには大きな悩みがあった。
つまり「爆音」のことだ。
ジャズのライブであれば数10ワットの何ら問題ない音量が、ここでは数千ワットにまでハネ上がることが予想され、かなり頑丈に防音工事をしなければならなかった。
その工事のためにステージを狭くせざるを得なかったそうだ。
記念すべき最初の舞台に上がったのはSony Boy WilliamsonとLong John BaldryとThe Yardbirds。
ちなみにこの時のLong John BaldryのバンドにはRod Stewartがいた。
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有名なThe Yardbirdsのデビュー・アルバム、『Five Live Yardbirds』はその日の録音だ。

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この頃の出演者の顔触れを見てみると…
John Mayall、Mandred Mann、The Moody Blues…日本で名の知れたバンドはコレぐらい。
他は全然知らん。地元のR&Bバンドだろう。
しかし、様子が変わり出したのは1964年の11月24日のことだ。
The WhoがMarqueeのステージに上がったのだ。今から丸51年前のことだ。64年であれば当然Marshallといっしょだろう。
この日は雨が降ってしまい、とても寒かったため客足は最悪だったが、The Whoがブレイクするまでそう時間がかからなかった。
この日のステージを観た人の思い出話がおもしろい。
その人はDick Charlesworthというジャズ・クラリネット奏者を観に行ったのだが、都合により出演がキャンセルとなり、代わりにシェファード・ブッシュからやって来たワケのわからないロック・バンドを観なければならないハメになった…という。
このワケのわからないバンドこそThe Whoだ。
デビュー間もないThe Whoをイヤイヤ観たというワケ。オイオイ。
それは「I Can't Explain」の大ヒットまであと数週間のことだった。
この人はChris Barberを観にMarqueeへよく通ったのだが、時折Steve Winwoodを客席で見かけたそうだ…スゴイね。

この後、The Whoは長期にわたり木曜日のレギュラーを務めることになる。
モノクロでピートがリッケンをしょって右手を上げたポスターを見たことがあるでしょう。キャッチコピーが「The Mazimum R&B」。
アレは「The Whoが毎週木曜日にMarqueeに出てますよ」という告知ポスターだ。

いよいよブリティッシュ・ロックが大きく動き始めた。
一方、Pendletonは最後まで爆音に悩まされていたようだ。時が経つにつれて、出演するバンドの音量がドンドン大きくなっていったのだ。
その立役者がThe WhoとMarshallだったことはMarshall Blog読者の皆さんならよくご存知のことだろう。
この時代はJimとPeteがMarshallの開発でアレコレとやり取りをしていた頃だ。
フル・スタック、100W…PendletonもさぞかしMarshallには頭を悩ましたのではなかろうか?
Peteが初めてギターを壊したのもMarqueeでのことだった。Peteが壊したリッケンバッカーをJim Marshallがセッセと修理した話しは良く知られている。
1968年のMarquee十周年の記念イベントでもThe Whoは主役を務めたそうだ。

コレは現在のMarquee二号店跡の入り口に飾ってあるプルー・プラーク。
Keith Moonがフィーチュアされている。

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1964年にはこのビルの二階に4トラック(たった!)のミキサーを擁したレコーディング・スタジオもオープンさせていて、Marquee Audio ltd.という名称で現在も別の場所で営業している。
そして、Maqueeの出演者でこのスタジオで録音したある曲がメロディ・メーカーのチャートで見事に一位をゲットする。
それはバーミンガム出身のバンド、The Moody Bluesの「Go Now!」だった。
この曲はDanny Laineの大フィーチュアでPaulの『Wings Over America』に収録されているのでご存知の方も多いことと思う。

I_img_0266でもこの曲、残念ながらThe Moody Bluesのオリジナル曲ではなくて、Bessie Banksというアメリカのソウル・シンガーの作品。
この曲のヒットに一役買ったこのプロモーション・ビデオはQueenの「Bohemian Phapsody」のそれの元のアイデアといわれている。なるほどね~。
チョット見てみようか?
The MoodysはこのビデオをMarqueeのウラで撮影したとか…。

さて、1965年に入るとMarqueeは新たなスターを迎える。メロディ・メーカーの読者投票でブライテスト・ホープに選ばれたDavid BowieとSpencer Davis GroupのSteve Winwoodだ。
才気あふれていた頃のBowieをこんな小さいお店で観ることができたらどんなにか幸せだろうか?

また、ジャズ好きのPendletonのアイデアだったのだろうか、ロニー・スコッツと共同でジャズ・スクールまで開講している。
先生のひとりはナ、ナントTubby Hayesだったっていうのだからスゴイ!Tubby Hayes好きなんだ~。
この頃になるとサイケデリックの流行が始まり、The Move、Pink Floyd、Soft MachineらもMarqueeを通過していった。
1966年8月16日、Cream初出演。その後は月一のペースで登場。
1967年1月24日、Jimi Hendrix出演。Jimiはドイツのテレビ番組『Beat Club』の収録を含めて合計3回Marqueeに登場した。
1968年10月18日、The New Yardbirds名義でLed Zeppelin出演。
Robert PlantとJohn BonhamはBand of Joyで、Jimmy PageはThe Yardbirdsで、John Paul Jonesは色々な機会ですでにMarqueeのステージに立っていた。
一部ではこれがLed Zeppelinとして最初のギグとされているようだが、この12日前、四人はニューキャッスルのThe Mayfairというハコで既にステージに立ちZeppelinナンバーを演奏している。
とにかくヤケクソに音がデカかったらしく、当時のクラブのマネージャーも「会場の大きさを考慮しない音の大きさでマイッた。お客さんからはウケるにはウケていたが、それほど熱狂的なものではなかった」と回想している。

ブルースやサイケから発展し、ハード、プログレッシブとロックが多様化を進めると同時に、書き出せばまったくキリがないぐらいスゴいバンドが毎日のようにMarqueeに出演することになる。
チョット触れると、Ten Years After、FreeT、raffic、Slade、Procol Harum、Taste、Family、Queen、The Nice、Jethro Tull、King Crimson、Genesis、Van Der Graaf Generator…。
Yesなんか、水曜日のレギュラーだったんだから。
地球上にかつてこんな場所があったなんて全く考えられん!
こういうメジャーなバンドの出演もいいんだけど、日本では一般的にあまり知られていないバンドの出演も実に興味深い。
Timebox、The Spirit of John Morgan、Titus Groan、Cressida、East of Eden、Patto…こういうのはなかなか見る機会がないでネェ。動員はどうだったんだろう?
他にロンドンと言えば、レインボーだとかハマースミス・オデオンという有名なコンサート会場があったが、それらは規模が大きく、自然とビッグ・ネームの出演が多くなるため、Marqueeのようにひと山当てる前のエグいバンドが登場することことは少なかった。
それだけにMarqueeは歴史的な価値を持っているといえるだろう。

1970年代後半に入るとパンク/ニューウェイブの嵐がMarqueeにも吹きすさぶ。
Clash、The Jam、Ultravox、The Pretenders、The Police、The Cure、Adam and the Ants、The Dammed、Generation X、The Sex Pistols…みんなMarqueeの卒業生だ。

傍ら80年代に入るとハード・ロックやプログレッシブ・ロックのリバイバルのムーブメントも加わりMarqueeはますますその存在価値を高めた。

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1987年、建築の専門家の測定により、このMarqueeの入り口が微妙に歩道側にセリ出していることがわかった。
開店以来、毎日爆音の連続で、その振動が建物を変形させてしまったというのだ。
「そんなバカな!」と思うかも知れないが、元々古い建物だし、Led Zeppelinあたりは前述の通りシャレにならないぐらい音がデカかったというからね。
結果、安全性を考慮してMarqueeは再び移転することとなったのであった。
Marquee第二号店、1988年7月18日閉鎖。
最後の出演者はJoe Satorianiだった。


ちなみにこの二号店のキャパは500~700人で、バンドによっては1000人ほど詰め込むこともあったという。
床はガムとコーラでベトベトだったらしい。
また、換気も悪く、窒息しそうなほどの高い室温がギターのチューニングを始終狂わせ、Jimi Hendrixも当惑したらしい。ま、Jimiにはあんまり関係ないような気もするが…。

当時Led Zeppelinを見た人の回想…「The New Yardbirdsを観に行ったのを覚えているわ。Jimmy Pageがお目当てだったの。その日のMarqueeはスシ詰めでもうホントに暑かった。
Robert Plantはkeith Relfに比べるともっとソウル・シンガーっぽかったわ(KeithはThe Yardbirdsのボーカリスト。つまりその時Led ZeppelinはThe New Yardbirds名義で出ていたからこのお客さんは素直にPlantをRelfを比較しているのだ)。
とにもかくにも音が大きかった!でも、「Dazed and Confused」は最高だったわ。あの時、一番よかった」
一体どれだけの爆音だったんだろうね?

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<後編>につづく

2015年11月27日 (金)

LOUDNESS WORLD TOUR 2015 "THE SUN WILL RISE AGAIN"~30th Anniversary THUNDER IN THE EAST~ in JAPAN

一昨日のこと、タマタマ久しぶりに大阪のロック・ショウ・ビジネスの大御所の方とご一緒させて頂いた。ちょうど帰り道のホテルにその方が投宿されていたので、雨が降っていたこともあって、車でお送りして差し上げた。
道々、こんな話しになった。
「ナゼ、こうまでハード・ロックやヘヴィ・メタルは関西勢が強いのか…」
リアルタイムで、あるいは関係者の中心としてその成り行きをご覧になっていたその方によると…東京では80年代の初頭、ヘヴィ・メタルが受け入れられない風潮が強かったというのだ。
フーム、確かに。
当時はロックが市民権を得ると同時にポップ化や多様化を進め、歌謡界に急接近していたように記憶している。
東京ではその傾向が強く、ハードな音楽が受け入れられにくい状況にあったのだろう。
名前はとても出せないが、それまでトンガリにトンガっていた大好きなミュージシャンが「アララ?どしちゃったのかしらん?」と思わざるを得ないような甘い内容のアルバムをリリースしてガッカリした頃でもあった。
そんなこともあって私はその頃から新しいロックを熱心に聴かなくなってしまったのだが、関西はそんなことはどこ吹く風…お構いなしにヘヴィ・メタルが隆盛を極めていたのである。
信じられない話しだが、今では社会的にも地位を保証されているようなヘヴィ・メタルの大人気グループが東京のライブハウスに出演できず、その方に泣きついて大阪で活躍し、東京に凱旋したこともあったというのだ。
そうして関西出身のヘヴィ・メタル・グループは確固たるポジションを確立し、今も、イヤ今でこそその猛威を振るっていると言っても過言ではなかろう。
現実的にこのMarshall Blogひとつをとってもハードな音楽の話題となると、関西のバンドやミュージシャンがナント多いことよ。
その代表、そして、まず名前が挙がるのがLOUDNESSであることに異論を持つ輩はあるまい。
そして、LOUDNESSは東京どころか、世界でも有数のヘヴィ・メタル・バンドとなり、日本のロック界の頂きに君臨し続けているワケだ。
その世界進出のキッカケとなったのが1985年のアルバム『Thunder in the East』。
15cd

アニメもゲームもなかった時代、音楽だけで世界に挑んだバンドだ。
何回も書いているが、海外の連中とロックの話しをする時、私は本当にLOUDNESSがいてくれたことをありがたく思う。
イギリスやアメリカの連中は別格にしても、ドイツのヤツを相手にすればアイツらにはScorpionsを伝統に据えたメタルの血筋がある上にジャーマン・プログレが盛んだ。
イタリアと来ればPFMやBancoやAreaをはじめとするあまりにも偉大なイタリアン・プログレがある。スウェーデンやフィンランドはヘヴィ・メタルの激戦区だ。フランスならGongやMagmaがいるし、オランダにはFocusやTraceやFinchがいる。
しかし、私には切り札がある…LOUDNESSだ!
Akira Takasakiの名前を連中に出して見ろ!ほとんど水戸黄門の印籠状態なのだよ。
それも『Thunder in the East』というマスター・ワークがあるからなのだ。
今日はそのリリースから30年目を記念してアルバムを再現するコンサートのレポートだ。


開演前のステージに飾られた高崎さんの二本の愛器。

10老若男女を問わず新旧のファンが入り乱れる客席。
客電が落ちた瞬間からいつもとはチョット異なる興奮の空気が会場に充満する。

30ドッカ~ン!まるで雷が落ちたかのようなステージの爆音と大歓声!こりゃタマラン!

40二井原実

50v高崎晃

60v山下昌良

70v鈴木政行

80v世界がうらやむTakasaki Tone。今日も最高のサウンドだ。

90今日はLCフレットの1960は見えないが、高崎さんの傍らには2台のJMP-1を組み込んだいつものラックが屹立していた。

100vオープニングは「Crazy Nights」。
そして「Like Hell」、「Heavy Chains」とつなげる。

110アルバム通りの展開に客席はもう大騒ぎ!

120すさまじい「タッカン」コール!
高崎さんの一挙手一投足に歓声が上がる。

130v「Get Away」、「We Could be Together」、「Run for Your Life」、「Clock Work Toy」とアルバム通りに曲は続く。

14030年前のイメージをよみがえらすビジュアル演出も功を奏した。
当時、リアルタイムに『Thunder in the East』に夢中になった人達は感無量だったハズだ。

190

高崎さんの左足には「神風」の鉢巻きが!当時、どんな気持ちでアメリカに乗り込んだのかを物語っているように見える。

160

「No Way Out」、「The Lines Are Down」…

170vそして、短いMCをはさんで「Never Change Your Mind」。

150v

『Thunder in the East』をそのまま再現したセットリスト。
この快挙に観客の興奮は大爆発!
日本を代表するロック・アルバムの30周年記念の証人となったのであった。
ここまでが第一部。

200第二部までの間休憩となるが、恐らくロック・コンサート史上もっともお客さんが席を立たない休憩だったのではないだろうか…。
そのままステージにはスクリーンが用意され、デビューからアメリカ進出の時期を具に捉えたLOUDNESSの当時のドキュメンタリー・フィルムが上映されたのだ。
面白かったナァ~。
ライブの場面では必ずステージにお目見えするMarshallのロゴ。MarshallもLOUDNESSの世界進出のお手伝いが出来たことを日本人として誇りに思ったね。

アルバム『Thunder in the East』は30周年を迎えたが、実はLOUDNESSは一昨日、11月25日からデビュー35周年イヤーに突入した!
長いね~、35周年。
チョット調べてみると、この年はロッキード事件の公判で大騒ぎになり、ピンクレディが解散し、LOUDNESSがデビューを果たした五日後には鈴木善幸内閣が発足している。『なんとなくクリスタル』が上梓された年。私は大学の二年生だった。
210当時の流行歌を見てみると出て来るのは、聖子ちゃん独壇場、「ルビーの指環」、「スニーカーぶる~す」、「長い夜」、「ハイスクールララバイ」、「もしもピアノ が弾けたなら」、「お嫁サンバ」、「すみれ色の涙」、「まちぶせ」、それに「みちのくひとり旅」、「帰って来いよ」等の演歌の大ヒット…コレ、ほ~んの一 部。
いつもMarshall Blogに書いているように私はずっと海外のロックに夢中で、子供の頃から流行歌に夢中になったことはただの一度もない。
それでもココに挙げた曲は正確ではないにしろ、全部歌えるもんね。私の世代だけでなく、チョット上下の世代の人はみんな同じだろう。1981年にまだ生まれていない人でも知っている曲は多いハズだ。
もう一度書くが、コレらの曲は氷山の一角だ。
ここで改めて思い知るのは、それだけ誰もが歌える音楽が生活の中に自然に存在していたという事実がひとつ。
そして、何しろ曲のクォリティが高かったよね。
今、35年後の子孫に渡せる新しいメロディは皆無だろう。
もうひとつ…この頃は歌謡曲とロックがまだハッキリと分かれていたことも忘れてはなるまい。
先にも書いた通り、そのロックのポップ化が急速に進んだ現象を尻目に、アメリカの本場の連中をメロメロにさせたのだからLOUDNESSはエライ。
相撲で言えば逆「高見山」だよね。

220そして、デビュー35周年をも記念して『Thunder in the East』の特別仕様盤が一昨日発売となった。
まずはCDとDVD2枚を擁する「Limited Edition」。

230さらに、3,000セット限定で発売された「Ultimate Edition」。
こちらは3枚のCD、2枚のDVD、LP、EP、カセットテープ、Tシャツ他貴重な記念グッズゾロゾロ。
ファンにはタマらない内容になっている~!

双方の内容をココに記しているとキリがないほどの濃い内容なので、気になる人は特設サイトをチェックしてくだされ!
Thunder in the East 30th Anniversary特設サイト

240さらにさらに!
コレらの記念アイテムの発売に際し、イベントが催されることとなった。
日時は11月27日。すなわち今日。開場は18:30、開演は19:30。ドリンク代のみの入場無料。
場所は渋谷のTSUTAYA O-EASTってんでタイトルが「THUNDER IN THE O-EAST」!
ウマい!
立ち見の方の整理券が17:30よりO-EAST入り口のところで配布するそうなのでファンの方は見逃さないで!

Soeast そして、第二部。
トイレ行き損じてしまった!

250二井原さんと山下さんがセットの上に現れる。

260曲は「In the Mirror」。

270第二部は第二部でコレまた濃い~構成!
ヒットパレード+最近作チラリ…つまりLOUDNESSの35年を俯瞰してしまう内容なのだ。

280「Crazy Doctor」、「Shadows of War」と立て続けに三曲ブッ放す。

290この祝賀ムードを楽しんでいるのだろう、メンバーもノリノリだ!

300冴えわたる高崎さんのギター。
この音!このフレーズ!やはり日本人のソレではない!

310ここでMC。
「LOUDNESSといえば渋谷公会堂…」と切り出した二井原さんは、翌月に敢行した全米ツアーのことについて触れた。
続いて演奏したのは1984年『Thunder in the East』前夜の『Disillusion』から「Dream Fantasy」。
320v
二井原さんが触れたその全米ツアーも終了してしまったが、高崎さんは現地調達のJVMを使用してくれたそうだ。
そういえば、JVM410Hが発売された時にいち早く高崎さんに試奏してもらったことを思い出した。
JVM4に搭載されているOD2チャンネルのREDモードは、当時Marshallにしては新機軸のドンシャリ・サウンドで、往年のプレイヤーはそれよりも従来型のOD1/ORANGEモードに注目していた。
その中でただ一人、高崎さんだけは「コレ、エエな~」とそのOD2/REDモードを気持ちよさそうに爆音で鳴らしていた。ま、もっともどのチャンネルやモードを使っても出て来るのは「高崎さんの音」なんだけどね。
でも、それは高崎さんの進取の気性を見た瞬間だった。
JVMを試したことのあるギター・プレイヤーならご存知だと思うが、このOD2/REDモードは破天荒にGAINが高いためハウリングを起こしやすいのだが、その時、高崎さんはただの一度もハウリング音を出さなかった。

340

1987年の『Hurricane Eyes』から「In my Dreams」。
ここから最終コーナーに入る。
360

続いてはLOUDNESSの今。
昨年リリースした『The Sun Will Rise Again』からタイトル曲と「Mortality」を…。

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35年を一気に駆け抜けた鈴木Ampan政行。

350v二井原さんからファンに感謝の言葉が述べられた後に出てきたのは「S.D.I.」。
もちろん大合唱で締めくくった。

330

従来の渋谷公会堂で見るLOUDNESSも今日で見納めだ。
この記念すべきステキな音楽の場に居合わせたことを私は忘れない。

370当日このステージを目の当たりにしたお客さんたちは興奮して眠れなかっただろうナァ~。

Simg_0377観客に手を振るメンバー。
アンコールはなし。ク~、カッコいい~!
全18曲。これだけの充実した内容だ、アンコールなど必要あるまい。

390LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

400 (一部敬称略 2015年9月7日 渋谷公会堂にて撮影)

2015年11月26日 (木)

列伝のグッドモーニングアメリカ

最近、新木場に来ることがメッキリ減ったな~。
「定期」とは言わないまでも、ナゼか昔は電車の「回数券」を買った方がいいかな?というぐらい頻繁に足を運んだものなのよ。

10今日はスペースシャワーのシリーズ企画『列伝』。その15周年を記念する節目のイベント。
タイトルは『大大大宴会』。
グッドモーニングアメリカが登場するのだ!

20会場はそれにふさわしい雰囲気にあふれて、若い人でイッパイだった。
また今日も最年長だよ。

30今日のたなしんのオープニングは「どじょうすくい」。
ナゼかって?
今日のイベントのタイトルは『大大大宴会』…「宴会」の芸といえば「どうじょうすくい」というワケ。
今時どじょうすくいやるヤツなんているかァ?

35いつも通り客席に飛び込むたなしん。

40相変わらずのパワーであおりまくる!

50vもうすでに会場は沸騰状態!

60

70金廣 真悟

80v渡邊 幸一

90vたなしん

100vペギ

120vまずは機材チェック!
幸一ちゃんはMarshall。

130JVM210Hと1960B。

140vたなちゃんはEDEN。

150ヘッドはWT-800、キャビネットはD410XSTが2台だ。

160vそしてペギちゃんはNATAL。

170チョット今日は様子が違うよ。
そう、いつものブビンガのキットがツアー先でキープされていたのでアッシュのキットがピンチ・ヒッターで起用された。

180オープニングは「空ばかり見ていた」。

190もういきなり大合唱!
以前にも書いたけど「♪オーオー」の5小節目がすごく好き。

200vJVMとセミアコのコンビネーションによる幸一ちゃんサウンドが炸裂!

210vさっきまでドジョウをすくっていた人のワザとは思えない爆裂低音を奏でるたなしん。

220vそして、猛然とバンドをプッシュするペギちゃん。NATALアッシュの乾いた音がカイカンだ!

230ドワ~!ものスゴイ一体感!
お客さんがまさにバンドのメンバーになったかのようだ。
コレが若い人の音楽なんだよね~。Led ZeppelinやDeep Purple、ましてPink FloydやYesではコレはできん!

240続けて「キャッチアンドリリース」。
これまた大合唱!

250vこの日も持ち時間が短いので、とにかくかくにもスタート・ダッシュが肝心。
MCをはさんで「コピペ」と「未来へのスパイラル」をプレイ。

260とにかくイケイケで攻めまくる!
「ハローハローハロー」と…

270v「イチ、ニッ、サンでジャンプ」で締めくくった。この曲はとてもいいね。すごく雰囲気が明るくなって好き。
全6曲で大宴会を盛り上げまくったグドモであった!

280さて!さてさてさてさてさてさてさてさてさてさて!!!
いよいよ明日になった!
グッドモーニングアメリカの武道館、『挑戦 㐧七夜』。
連中、明日の大舞台に備えて今頃どんな気持ちなんだろ…。
たなしんは一体どこから登場するんだろう?
アソコで「グッドモーニングアメリカはじめますッ!」が聞けるなんてナァ。
楽しみだ~!
がんばれグドモ!
17:30開場、18:30開演。
明日、武道館でお会いしましょう!

ところで、Marshallが武道館の舞台に上がるのは1970年代の初頭から何万回も繰り返されて来たハズだけど、Marshall、NATAL、EDENの三役が並ぶのは初めてのことだ。
ク~、ドキドキするナァ。オレが緊張してどうする?!
オ~イ、イギリスの本社の連中聞いてるか~?!

290グッドモーニングアメリカの詳し情報はコチラ⇒Official Site

3001965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年9月22日 新木場STUDIO COASTにて撮影)

2015年11月25日 (水)

Tomo & Kelly Guitar Academy 2015 <後編>

短いながらもKellyさんの情熱に満ちたステージが終了。
今回のキネマ倶楽部は「トモ藤田さんとの共演」ということで、ココで舞台が転換する。

05さて、場内はといえば…。
所狭しとグッズが並べらた物販コーナー。
こちらはKellyさんのDVDやらCDやら。
ん~、内容もさることながらDVDジャケット写真がいいナァ。どれもココ東京キネマ倶楽部で撮影したものだ。

10_2Kellyさんもトモさんもプレイヤーとしてだけでなく、教則グッズのクリエイターとしても大活躍している。

20_2『ギター・アカデミー』の名にふさわしく、ふたりの教則著作物も多数展示された。

30_2そして、ステージは第二部に突入。
トモ藤田の登場だ。

40_2バンドはKellyさんとトモさんが単純に入れ替わった体だ。

50_2ベースに坂本学。

60vキーボードに盛山こういち

70vドラムはYosuke Yamada

80v_2一曲目は「Kyoto」という曲。京都はトモさんの故郷だ。
Al Di Meolaのルンバ、「Ritmo de la Noche」を思い出させる味わい深い曲。

90v_2トモさんはこの曲を2010年のアルバム『Pure』に収録。下の白いヤツね。
レコーディングではベースにWill Lee、ドラムにSteve Gaddを迎えた。ちなみに上でチョット触れたDi Meolaの曲もドラムはSteve Gaddが叩いている。
他にトモさんは1986年に『Put on Your Funk Face(上段右)』と2007年に『Right Place, Right Time』というリーダー・アルバムをこれまでに発表している。

この『Pure』、私的には五曲目の『Tiny Tapper』というアップ・テンポのブルースが好き。「One O'clock Jump」や管楽器の常套フレーズをクォートしながらスキマなくおいしいフレーズを並べていくサマは聴いていて実にスリリングだ。
しかも、ドラムはBernard Purdieだし~。
このアルバム、他にSteve Jordanも参加しているトモさんならではの超豪華盤なのだ!

100実はトモさんにMarshall Blogにご登場頂くのはコレが二回目。前回は原田喧ちゃんの時だった。
今回も長くはない持ち時間ではあったが、トモ・ミュージックのエキスを存分に発散してくれた。

110v二曲目は『Right Place, Right Time』収録の「Confidence Cat」。
魅惑のカッティング!
トモさん、Grant Greenもお好きなのかな?
「Wind Jammer」の頃、後期Blue Note時代のGreenをコンテンポラリーに、そして徹底的にソフィストケートした感じのファンク・チューン。

120v_2「スロー・ブルースが好き」…と紹介された曲は「Don't Wake Me」。コレは『Put on Your Funk Face』のクローサー。
形式は純粋なブルース形式ではないが、サウンドはブルース以外の何物でもない。

130_2

こんなに長くピックを持っているトモさん。もちろんプレイに応じて持ち方を変えているのだろうが、驚くほど多彩なアーティキュレーションを実現する。
それと左手のピッチ感があまりにも素晴らしい。一旦ベンドした音の音程を自由自在に変化させて様々な表情を作る。まるでJeff Beckのトレモロ・アームのようだ。

150トモさんのステージの最後は必殺のファンク・チューン、「Just Funky」。

160_2Yosukeさん、実は大のトモさんファン。しかも、この曲が一番のお気に入りとあって、一緒にプレイして超ゴキゲン!

S41a2766 しかし…トモさんのギターは「鮟鱇」だね。魚の「アンコウ」。
例えは悪いかも知れないが、コレしか思い浮かばない。
つまり、「捨てるところが何もない」。いいダシも盛大に出る。〆のおじやも最高だ。
これだけ濃いフレーズを弾き詰めるのは並大抵なことじゃないよ。「フレーズに遊びがない」って言えばいいのかな?
頭の中は常に八小節ぐらい先まで行っちゃってるんじゃないかしら?イヤ、多分曲を弾き始めた時から最後まで見通しているんでしょうね。
名人のアドリブってのはそういうものだ。
ずいぶん前からNAMMで何度もそのプレイをお見かけしているが、ドンドン進化している。

170v_2そしてKellyさんが加わる。
実はこのあたりが今日のコンサートのキモだ。
コンサートのタイトルにある「アカデミー」ね。

190_2ギター教則グッズ界の第一人者たちによるスペシャル・クリニックなのよ。
Kellyさんのメガネにも注目!アカデミックな雰囲気?

200_2おもしろかったナァ。
Kellyさんもアメリカでの活動を展開していたが、長年アメリカで暮らすトモさんの現地での苦労話や実演を交えてのギター談義。

210すごく印象に残ったのはKellyさんが、「生徒さんができないと怒ってしまったりしますか?」というような問いにこう答えたトモさん。
「イエ、絶対に怒りません。怒ったらダメです。どんなにチッポケなことでもその子のいいところを見つけてホメてあげなければいけません」…と折り目正しく説明された。
グサっと来たね。
ウチの子たちに悪いことしちゃったな…。小さい頃ピアノをやっていたんだけど、私がガミガミやったもんだから二人とも音楽をまったくやらず、私に似ず、スポーツの道を進んでしまった。
何事においても教えるってのは、忍耐を要する大変な仕事なんだよな~。

220

Kellyさんもクリニックで全国を忙しく回っていらっしゃるが、それとはまた全く異なる雰囲気でとても楽しそうだった。
このコーナー、メインの割には時間の関係で短くなってしまったのが残念だった。
時間があればもっと色んな話しが聞けただろうに…是非またやってね!

230_2最終コーナーはふたりの共演タ~イム!

240v_2まずは「Little Wing」。

250vやっぱりどんなジャンルであろうとJimiは欠かせません。

260v_2もちろんギター・バトルも欠かせない。

270_2Stevie Wonderの「Isn't She Lovely」。

280_2そして先ごろ亡くなったB.B. Kingに捧げられた「The Thrill is Gone」。

290Kellyさんも触れていたが、この曲はB.B. Kingの作品ではなくて、B.B. Kingが有名にした曲。ブルース界ではよくあるヤツ。ロック界ではArgentのRod ArgentとRuss Ballardが得意とするパターンだ。

300v歌にギターに情感タップリに演ずるKellyさんと…

310クールにしかし情熱的にフレーズを折りたたむトモさん。

320vとてもいいコントラストだ!

325vそして、そのふたりの魅力を最大限にまで弾き出したバック陣。いい仕事だ!

355v

356

357

最後はもう一度トモさんの「Just Funky」を!

350

Yosukeさんニンマリ…ヨカッタね、!

S41a2662 しかも今度はKellyさんフィーチュアだ!

340

タップリとギター・バトルを楽しんで…

360v『Tomo & Kelly Guitar Academy 2015』閉講~!

370Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Official Website
トモ藤田の詳しい情報はコチラ⇒Tomo Fujita Web Site

380終演後はサイン会。

390いつも通りファンへのサービスも忘れないKellyさんなのであった。

400v(一部敬称略 2015年10月9日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2015年11月24日 (火)

Tomo & Kelly Guitar Academy 2015 <前編>

7月にリリースした『AT THE GATES OF A WORLD』も依然好評のKelly SIMONZ。

15cd
10月上旬に十回目の東京キネマ倶楽部でコンサートを開催した。

10題して『Tomo & Kelly Guitar Academy 2015』。
新譜の発売から三か月チョット…にもかかわらず、それとは全く関連のないショウの内容となった。
開演に先立って趣旨を説明するKellyさん。

20内容はどうあれ、キネマのKelly SIMONZといえばMarshallの壁…と思ったら今日は小ぢんまりだよ。
ヘッドは1959、1987、JVM410Hを使用。
新旧フラッグシップ・モデルのそろい踏みだ。

30Kellyさんの1959と1987はともに1972年製だ。

40また、マスター・ボリューム改造が施されているのも共通点のひとつ。

50足元のようす。

60今回のバンド・メンバーは初顔合わせとなる。

70キーボードに盛山こういち

80vベースに坂本学。

90vManavuさんはEDENを使用。
WT-800とD410XSTだ。

100vドラムはKellyさんの片腕、おなじみYosuke Yamada

120vいつもとはチョイと異なる雰囲気で始めたのは…

130Leon Russellの「This Masquerade」。
この曲は1972年のLeonの代表作『Carney』からシングルカットされてヒットした「Tight Rope」のB面に収められた。この『Carney』、Frank ZappabのところにいたDon Prestonがガツンと参加してるんだよね。
その後、この曲は色んなミュージシャンにカバーされたが、1976年、George Bensonのヒット・アルバム、『Breezin'』での演奏によって「名曲」としての地位を築いたといってよかろう。
だからこの曲をGeorge Bensonの作品だと思っている人も多いようだ。Kellyさんも「Leon Russell」の作…ということに触れていた。

140で、George Benson、皆さん、歌が本職だと思っていませんか?
この人、昔はBrother Jack McDuffとかRonnie Smithというオルガ二ストとコッテコテのソウル・ジャズを演っていたんよ。全然「メローなロスの週末」ではない。真黒のコッテコテだった。
腕は確かで「十年にひとり出るか出ないか」というジャズ・ギターの逸材をして扱われた。
それが証拠に1968年のMiles Davisの『Miles in the Sky』というアルバムにMiles史上初のギタリストとしてチラリと客演している。(注:と書いたが、MailesバンドにはBensonより先にJoe Beckがギターを弾いていた。訂正します!)
Wes Montgomery派のスタイルでWesのオクターブ奏法の向こうを張って、オクターブに4度か5度の音を足した三音でブッ早いフレーズを弾き切るという超絶技巧を編み出した。
ま、残念なのは、ソロ・アルバムがどれも売れ戦狙いのニオイが何となく漂っていて、どうも真剣にジャズを弾いたピリッとした感じのアルバムがないんだよね。
その中で異彩を放っているのが『Jazz on a Sunday Afternoon』というライブ・アルバム(LP時代は二連作)。
音が悪いのがタマにキズだが、無謀なぐらいすさまじい演奏が収められていて、Bensonを歌手だと思っていた人が聴いたら腰を抜かすこと請け合いだ。チョット入手はムズカシイかも知れないが、『Love for Sale』というタイトル違いのCDが見つかるかもしれない。
Bensonはこのライブ盤でも「(I'm Afraid)The Masquerade is Over」というスタンダード曲を演っている。もしかしたら「Masqueradeマニア」なのかも?

S41a2270 Kellyさんも超絶に弾きまくる!
でもそれはどこかアダルトな雰囲気だ。こういうKellyさんがまたいい。

一曲目の最後、George Bensonでもうひとつ…。
東京のどこかのジャズ・クラブのこけら落しにBensonが出演することになって、よせばいいのにそのライブを接待に使った会社があった。
お客さんが「ナニかね?今日の出演者は有名な人なのかね?」
接待する側がそれにこう答える。
「イヤ、もうそれそれは…何ていってもベン・ジョンソンですからね!」
「おお~、それはスゴイ!ベン・ジョンソンが出るのか!」
アノ~、ジョージ・ベンソンは走り回りませんからね。
もちろん、この人たちがGeorge Bensonと一緒に「Masquerade」と「On Broadway」を完璧に歌ったことは想像に難くない。

150v二曲目はGary Mooreの「Looner」。

160この曲、Max Middletonとの共作なのね?
しかし…もうGary Mooreもこの世にいないんだもんね~。Gary Mooreのことはコチラに書いておいたので興味のある方はご覧くだされ。
GaryをGaryたらしめたのは「アイリッシュの血」であると力説していた海外のテレビ番組を最近観たけど、まさにそういうことなのだろう。
我々にはわかりにくいかもしれないが、アイリッシュならではの土着のオリジナリティがプレイに込められていたのだ。
Skid Rowなんて今聴いてもかなりカッコいいもんね。
180v
そして、この曲はまさにkellyさん向きだ。

170vkellyさんにアイリッシュの血が流れているとは思わないが、リリカルでドラマティックなギターということでは、似た成分の血が流れているのかもしれない。

190三曲目はYngwie。曲は「Far Beyond the Sun」。
あ、ここのところしばらく書いてなかったのでまた触れておきましょうか。
Yngwieは「インギー」と呼ばれるのをハッキリとイヤがっていました。
何年か前の新宿の厚生年金のコンサートの時、楽屋に挨拶に行って「インギーって呼んでもいいんですか?」と言ったら、「イヤ、やめてくれ。オレの名前はイングヴェイだ。インギーとは呼ばないでくれ」とキッパリおっしゃっていましたよ。
もしかしたら私にだけ禁じたのかもしれないけど…。だから日本人のYngwieに関する文物に「インギー」という表記を目にするとちょっとドキっとする。
私が知っている限りMarshallの連中も「インギー」って言っているのを誰一人聞いたことはないな…。「Mr. Malmsteen」と呼ぶ人はいる。でもYngwieは「I'm a Viking」とフザけてよく言っている。

200kellyさんの意図を完璧にくんだかのようにバックアップするこのバンド・メンバーもまたよき哉。

210v

S41a2525

230そして、Kellyスタンダードの「Opus #1」。
Tommy Dorseyの「Opus One」もいいけど、Kellyさんの「Opus #1」も素晴らしい。

240vkellyさんの手。
案外ピックを浅めに持っている。
まったく無駄なく各弦をはじく右手の動きはまるで精密機械のよう。見ていて快感!
それにしても赤ちゃんのようにプックラした可愛い手だ!

250一期果敢に超絶フレーズを弾ききる進撃のKelly SIMONZ~!

255実はコレがKellyさんコーナーの最後の曲。
え~、4曲~?!

260vそうなのだ。Kellyさん単独の出番はコレで終了。
それだけにまさに渾身のプレイを見せてくれた。
しかし!今日の見ものはまだまだこれからなのだ!

270Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

280<後編>につづく

(一部敬称略 2015年10月9日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2015年11月20日 (金)

冥土への手紙~寺山修司と犬神サアカス團

小学校の頃、「作文」というとみんなイヤがっていたけど、私は文章自体書くことに関してはほとんど苦痛に感じたことがなかったな。書初めなんかより全然マシだった。
もちろん、文章を書くのが得意だとか、野球より読書がスキだった(今では読書の方が断然スキ)とかいうワケでもないんだけどね。
でも、湯川秀樹の伝記の感想文を書いてナンカの作文コンクールで選出されたことが一度あった。結果、賞をもらったワケでもなんでもない。だって、最後まで書いてないんだもん。
途中から書くのが面倒になってしまって尻切れトンボになっちゃったのね。子供の頃から堪え性がないんよ。それでもナゼか選ばれた。
卒業の時の文集を書いた時も「他の生徒たちとは違う」と、先生がとても面白がっていたのを覚えている。
卒業文集といえば、みんな「10年後のわたし」とか、「楽しかった6年間」みたいなこと書くじゃない?
私は小さい頃からスイミング・スクールに通っていたので(そんな時代だ)、水泳が得意で代表選手として学校対抗の水泳大会に時折出場していた。
卒業文集ではその時のことを題材に据えたのだが、普通に書いてはつまらないので実況中継の体にしてみたのだ。
ところが、そんなもの本当は面白くも何ともなくて、スゴイものを書いた女の子が他にいた。
低学年の頃はアオッパナを垂らしてゼンゼンいけてなかったけど、長い黒髪がすごくきれいな娘だった。そういえば最近はアオッパナを垂らしている子を見かけなくなったな。昔はみんなズルズル垂らしていたもんだ。食べ物が変わったからかね?知らず知らずのうちに有毒な化学物質ばかり摂取しているのでアオッパナすら出て来ないのか?
さて、彼女には恐らく年上の兄弟がいたのだろう、もうそのころからロックを聴いていたような記憶があって、高学年になるとどこか大人っぽい雰囲気が漂っていた。
あの頃、すなわち1974年ぐらいの小学六年生がロックを聴いているなんてことはまずあり得なかった。「花の中三トリオ」が関の山よ。
私も結構マセていて、父に感化され洋画を観まくっていた。アメリカの有名な俳優の名前を山ほどど知っていたが、この子にはかなわなかったと思う。
その彼女…卒業文集に散文詩を載せたのだ。
今にして思えば担任の先生もよく許したと思うのだが、そこには文章が一切なく、彼女の好きなもの、あるいは頭に浮かんだモノがただただ並べてあったのだ。つまり、句読点で句切ったただの単語または句の羅列。
ちょっとやってみると…
「大粒の涙。海。月の影。しずくの音。まっすぐな道。くぼみ。雲。雨の後。インクの香り…」
ああ、もうできん!コレが延々と続く。
言ってみれば「よこはま・たそがれ」なんだけど、アレが本当に小学生の彼女がひとりで考えて創作したものであったのであればスゴイと思うんだけど…。
私もその時点で彼女のように文芸に興味を持っていれば今頃『鼻毛』なる作品で芥川賞ぐらい獲れていたかもな…。
それは冗談にしても、もっと若い頃から日本の詩歌や戯曲、演劇に興味を持っていればよかったな…と後悔することがある。
寺山修司のことである。
残念ながらまったく通ってこなかったを悔やんでいる。

その後悔を埋めようというワケではないが、『冥土への手紙』という寺山修司生誕80年を祝うイベントにお邪魔して来た。
犬神サアカス團が出演したのである。
呼びかけは寺山作品の音楽を担当していたJ・A・シーザーさん。
会場は恵比寿のガーデン・ホール。二日とも超満員となり、寺山修司の人気と業績の偉大さを物語った。

10会場のロビーには芝居のポスターがズラリと並べられた。コレも見ものだった。

20どれも最高にカッコいいのよ。

30目を惹く横尾作品。
もう20年ぐらい前の話しだけど、ニューヨークのMOMA(近代美術館)に行った時、パッと気が付いた日本人作品の展示は横尾さんのものだけだったな。

50

横尾さんの作品は1967年からMOMAで展示され、その後個展も開催しているからね。
その関係だろうが、ニューヨークでCreamを観たと何かのインタビューで読んだことがある。あまりの爆音で気持ち悪くなってしまったとか…。
確かジミヘンもご覧になってるんじゃないかな?調べておくね。

40さて、犬神サアカス團の出番は二日目。この日のコンセプトは、『田園に死す』。
そもそも犬神サアカス團(犬神サーカス団)というバンド名は寺山さんの映画『田園に死す』に登場するサーカスの名前なのね。バンドのビジュアルも映画の世界をそのまま模倣したものなのだそうだ。
いつかMarshall Blogで犬神サアカス團の曲の世界を黒岩重吾の小説にナゾったことがあったが、出自はこっちだ。ゴメン。
だって、先述したように通ってないんだもん。
私になんざ知らないことの方が多いし、知らなかったらすぐ「知らない」と正直に言う。そして、興味があればその時点で教えてもらって勉強するだよ。
残りの人生はコレを貫徹してひとつでもいいもの、いいことを体験して死んでいくのだ!
バンド名を名乗る時には寺山未亡人から許可も取りつけたそうだ。

寺山さんの話しになるとよくROLLYさんがATG(日本アートシアターギルド)のことを引き合いに出されるのだが、どうもアレがイケなかったのかもしれない。
昔、まだ有楽町に日劇があった頃、地下に「丸の内東宝」という映画館があった。それとは別の入り口でもうひとつ地下にあった映画館を「日劇文化」といった。私は中学一年の時にココで生まれて初めてビートルズの映画を三本立てで観た。
この日劇文化はATG作品を特化して上映する映画館で、その頃洋画に夢中だった私にはATGの作品が「何やら怪しげな日本映画」にしか見えず作品に寄り付きもしなかった。
それこそ『田園に死す』とか『本陣殺人事件』とか…。
もし、あの時、ROLLYさんのように寺山さんの作品でも観ていればまた状況は違っていたかもしれない。でも、ムリだったな~、あの頃は。
日劇がなくなってもう34年も経つのか…私も年を取るワケだ。でも、あの朝日新聞社のインクの匂いと東宝のカレーライスの味はまだ覚えているな。

とにかくそんなバンドのルーツともいえる寺山さんのイベントに出演するとだけあって、メンバーの皆さんもおおよろこび。
楽屋も個室!
安心してください。「隔離」ではないですよ。

60v 出番は最初と最後の出演者大集合による合唱のパートとバンドでの演奏だ。

70 犬神凶子

80犬神情次2号

90犬神ジン

100犬神明

110凶子さんも復帰後は絶好調。
活動休止前と変わらぬ素晴らしい歌声を披露してくれた。ルックスだけでなく、声といい巻き舌唱法といい、日本の女性シンガーの大きな個性のひとつだ。
天井桟敷のメンバーの方からも「ステキな声ね~」と絶賛されていた。
実際ステキなのだ。

115v 二日間にわたる出演は、PANTA、大槻ケンヂ、カルメン・マキ、SUGIZO、瀬間千恵、山崎ハコ、近藤等則、 ROLLY、未唯、渚ようこ、元ちとせ、蘭妖子、新高けい子、そしてもちろんJ・A・シーザー等…と寺山さんを敬愛する大勢の表現者の方々。
よってドラムの交換等、舞台の大きな転換はほとんど不可能。

120そこで今回は情次兄さんのMarshallだけが持ち込まれた。
ヘッドは愛用のJCM800 2203。

130キャビは1960B。
それでも置き場所がないのでステージの造作の下に組み込まれた。

140さて、去る10月21日、犬神サアカス團は『ここから何かが始まる』と題した新譜を発表した。
コレがまたいいんだ~。
詳しいことは他の機会に譲ることにするが犬神ワールド全開の快作だ。

150cd コレはそのスリーブの一部。
安心してください。クレジットされてますよ!
こうしてMarshll、NATAL、EDENの三役ロゴが並ぶと壮観だね。うれしいです。
ありがとうごう、犬神さま!

160残念ながら持ち時間が短く演奏されたのは二曲。

170vまずは「地獄の子守歌」。
こっちは日野日出志ダァッ!

180vミディアム・テンポのヘヴィ・チューン。

190vこの場の雰囲気にピッタリのチョイスだ。

200v 二曲目は明兄さんのアイデアで、先頃お亡くなりになった天井桟敷の昭和精吾さんとのコラボレーションを実現させた。

Img_0033 曲は新作『ここから何かが始まる』のタイトル・チューン。
そこに収録された昭和さんの声だけをマスター・テープから抜き出し、その声に合わせてバンドが演奏したのだ。

220v 凶子姉さんが遺影に話しかけると、昭和さんの肉声が流れ、演奏とともに背後にスライドが映し出されるという趣向。

230これが曲の良さも相まって実に感動的だった!

240そして、昭和さんと共演したメンバーたちの満足げな表情も印象に残った。

250ちなみにここで昭和さんが語った言葉はすべて寺山修司さんのものだ。

260しかし、明兄さんの変わらぬクリエイティビティには脱帽だね~。

犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

270豪華絢爛、二日間にわたる長尺のイベントは大成功の内に緞帳を下ろした。

それにしても、高度成長期に青春時代を過ごした人たちは幸せだ。
音楽、芸術、文芸、出て来るものすべてが新鮮でカッコよかった。
今は何かをやろうとしても、その「何か」は何らかの形で既に過去に出てしまったものばかりで本質的に新しいものや面白いものが何もない。
過去のものの順列組み合わせか単なる異種混合ばっかりだ。
それを売り手やマスコミが美辞麗句を並べ立て、若者相手に半ば強引に「面白い」と思い込ませようとするところがコワイ。
IT技術により情報は増えたけど選択肢は極端に減ってしまった。
素直に「温故知新」すればいいと思うんだけどナァ。「温故知新」しない方が得をする連中が上の方にいるんだろうな。
文芸や美術に口を出すつもりはないが、ひとつ質したい。
日本のロックの「明日はどっちだ?」

280v (一部敬称略 2015年10月12日 恵比寿ガーデンホールにて撮影)

2015年11月19日 (木)

Marshall Eyewear Launched!~マーシャルのメガネとサングラス

今日はおしゃれな話題なんだけど、シケた話しでスタートさせて頂く。
…というのは「年齢と視力」のこと。


いつもは「年を取るのも悪いことばかりじゃない」なんて強がりを言ってるけど、イヤァ、目が悪くなってきて困ったワァ。
生来、特段視力が強いというワケではないんだけど、おかげさまでどうやらウチは目がいい家系のようで、先日死んだ親父は82歳で裸眼で新聞を読んでいた。
私も子供の頃からメガネを必要としたことがなかのだが、運転免許を取る時に「眼鏡等」になってしまった。
ショックだった。
通学電車の中で本を読み過ぎたせいか、ひどい乱視になってしまっていたのだ。まさか、目が悪かっただなんて…。
18歳にして人生初めてのメガネを作った。驚いたナァ~、だって視界が一割ぐらい明るくなったんだもの!
その後、以前の会社で信州に長い間住んでいるうち、自然に視力が回復したらしく、免許証から「眼鏡等」の表示が消されて現在に至っている。
でも、最近はダメだね。写真やこのブログをやるようになってからは加速度的に視力が衰えた。
そして、老眼が加わった。
最近の名刺って凝ったデザインが多いじゃない?片隅に極端に小さな文字でゴチョゴチョっと住所や電話番号を載せていることが多い。
読めないんですよ、メール・アドレスが…。「6」か「8」か、「i」か「l」か…もう「0」か「o」かなんてまったく判別できん。
そういう時は視力抜群の下の子に読んでもらう。一発よ。若いって素晴らしい。
それと困るのがCDのライナー・ノーツ。
コレが読めない…というかツライ。
特にジャズのレコードは著名な評論家が貴重な情報をライナー・ノーツに書き込んであることが多く、いつもではないがタマにその英文を読むことがある。
LPの時はいいのだが、CDになってからというものはどうにもイカンね。
レコード会社は「どうせ誰も読みゃせんだろ」とでも思っているのか、遠慮なしに猛烈に縮小して載せやがる。読みたくても見えない!
…ってんで、しばらく前にとうとう天眼鏡を買った。
ところがコレもまたうまくいかない。凹レンズだか凸だか知らんが、アレを通して細かい字を追っていると気持ち悪くなっちゃうのだ。
そこで、天眼鏡を買おうと入った浅草仲見世通りのバッタ屋の主人の言葉を思い出して最近試してみたのがリーディング・グラス。
早い話しが老眼鏡だ。
コレはすごいね。細かいものがすべて見えるぜ!なかなかの快感!
ひとたび細かいものに目をやって、そのまま周囲を見渡そうものなら、オエっとなって、めまいがしてしまうが、小さな文字を追うには便利で快適なこと極まりない。
即日天眼鏡はパソコンの前から姿を消した。
ハイ、ジジイの独り言おわり。

さて、Marshallが「#LIVEFORMUSIC」の旗印のもと、ヘッドフォンやらスピーカーやら衣料品や携帯電話を取り扱っていることは皆さんよくご存知の通り。
今日はMarshall Eyewearのご紹介。
以前、ココで軽く触れたこともあったが、正式に発売が始まったのでその詳細をお届けすることにする。
「Eyewear(アイウェア)」という言葉は日本ではそれほどなじみがあるようには思わないが、読んで字のごとく、目に関するグッズのことだ。
すなわちメガネやサングラス。
Marshall印のそれらのアイテムがMarshall Eyewearというワケだ。

C_1411_marshall_11_1206Marshall Eyewearは大きく分けて二種類。
つまりメガネとサングラスの商品群に分けられる。
そして、それぞれに共通のデザインとフィニッシュのフレームが用意されている。
逆にいえば、ほとんどのフレームにメガネとサングラスのバージョンあるということ。
ただし、全部ではないので要注意。

そのバリエーションは14モデル、96種類に上り、すべてのフレームにはMarshallスクリプト・ロゴが入っている。
それではひとつずつ簡単に紹介していこう。まずは「Optical」と呼んでいるメガネ系。

あ、そうそう、さすがMarshallがらみの商品だけあって、それぞれのシリーズには有名ミュージシャンのファースト・ネームにちなんだかのような名前が付けられている。
しかし、このネーミングは、「このモデルは〇〇〇のイメージ」ということで付けられたワケではなく単なるシリーズの名前だということを念頭に置いておいて欲しい。
でも、その名前で誰を連想するかというのも楽しい。誰を想起するかはあなた次第。
世代によって解釈が変わってくるは必至だろう。
私なんか、「誰だコリャ?」なんてものいくつかあった。
そんな話を交えてGo!

まずは「BOB」。
BobはBob Dylanでしょう?Bob Geldofなんて言ってる人もいたな。Bob Brookmyerとか?
下は「BOB」シリーズの「Dark Turtle」というモデル。
このシリーズには他に「Graphite」と「Vinyl」というモデルがある。

C_marshall_opt_bob_dark_turtle続いては「Bryan」というシリーズ。
Bryan Ferryだな。Brianではないところに注意?だから少なくともBrian Mayは重ならない。Marshallじゃないし。
イギリスでは北の方に行くと「i」ではなく「y」のブライアンが多いようだ。ちなみにBryan Ferryは「ジョーディ」、すなわちイングランド最北の大都市、ニューキャッスル・アポン・タインの出身だ。
コレは「BRYAN」シリーズの「Crimson」というモデル。
このシリーズの他のモデルは「Black Gold」と「Havana Nights」だ。

C_marshall_opt_bryancrimson「Jack」は誰のことだろうナァ。Jack Wilkinsは私の大好きなジャズ・ギタリストだ。
写真は「Gold」。このシリーズには「Concrete」と「Havana Days」がラインナップされている。

C_marshall_opt_jackgoldJackをかけてゴキゲンなお兄ちゃん。あんまりゴキゲンには見えないか…。「チッ、何だよ、アイツ来ねーなー。15分も遅刻してるじゃねーか」みたいな?

C_1411_marshall_10_1068_blacklogoこれは「JAMES」の「Black Velvet」。このシリーズはこのモデルだけ。
Jamesは誰だ?
James Taylorか?私ならPat Methenyの「James」だな。でもこの曲はJames Taylorに捧げられたものだから同じことか?

C_marshall_opt_jamesvinyl「JIMI」とくればファースト・ネームはひとつしかあるまい。しかし、このモデルに「Jimi」と名付けるところがかえって面白いナァ。
コレは「Black Velvet」。他に「Gold」と「Gun」というモデルがある。
ちなみにJim Hendrixの本名は「James Marshall Hendrix」だ。

C_marshall_opt_jimiblack_velvetとにもかくにもAerosmithのドラマーの名前しか出てこなかった「JOEY」。私より若い世代ならすぐに「Ramone」が思いつくってサ。
これは「Gold」。この「JOEY」シリーズのラインナップはJIMIと同一。レンズまわりのデザインがJIMIより丸まっちい。

C_marshall_opt_joeygold「MICK」とくればJagger。イヤイヤそうはさせん。またTaylorと行こうか!同じバンドなんだし!
コレは「Gun」という仕上げ。ラインナップはコレもJIMIと同じ。
つまりJIMIとJOEYとMICKはフィニッシュのバリエーションが共通ということになる。
どうせなら「JIMI」と「NOEL」と「MITCH」にすればヨカッタのにね!

C_marshall_opt_mickgun「NICO」はどう転んでもNicoだね。
The Velvet UdergroundのNico。本名はChristina Paffgen。この人はドイツ人で、元々は女優でモデルだった。
1962年のBill Evansの人気盤『Moonbeams』のジャケットのモデルがNicoなのはよく知られている。

Mbそれから干支がひと周りするとこうなる。
彼女、この中でDoorsの「The End」を歌っているんだけど、中学生で初めて聴いた時、あまりのオドロオドロしさにビックリしたナァ。

J1 で、コレは「NICO」シリーズ。
「Horn Imitation」と名付けられているモデル。「horn」は「角」ね。
このシリーズのバリエーションには「Cuba」、「Turtle」、「Vinyl」がある。

C_marshall_opt_nicohorn_imitation以上がOpticalと呼ばれているメガネ系。
続いてサングラス系を紹介する。

C_1411_marshall_01_195_blacklogo_2まずは「AMY」というシリーズ。
コレはOpticalにはラインナップされていない。
AmyというのはAmy Winehouseという女性歌手のイメージだろう。我々世代で思い当たるミュージシャンはいない…いるのかな?
写真は「Crystal Wood」というモデル。「Bordeaux」と「Turtle」というチョイスもあり。

C_marshall_sun_amycrystal_wood「JOHNNY」シリーズには「Vinyl」、「Chesnut」、「Dark Turtle」、そして「Red Transparent」をラインナップ。
写真は「Vinyl」だ。
しかし、Johnnyとなると誰だろう?スッとでてくるのはJohnny Winterということになるけど…。
Johnny Thundersという説もあり。私はチト門外漢だ。

C_marshall_sun_johnnyvinyl_2

「KEITH」シリーズの「Crystal」。他にブラック仕様の「Vinyl」がある。
KeithはMoon?Richardsか、ココは。キーボード弾きの皆さんはEmersonと取って頂こうではないか。
Keith MoonのイトコがMarshallにいるのは以前にもどこかに書いたね。おエライさんだよ。

C_marshall_sun_keithcrystal

「LOU」シリーズ。コレはイメージがすんなり沸くね。Lor Reed。
一時は『Transformer』だの『Berlin』だの『Coney Island Baby』だの聴いたものだ。ごく短期間だったけど。
写真は「Vinyl」。「Dark Turtle」もあり。

C_marshall_sun_louvinyl

「NEIL」シリーズからのピックアップは「Chesnut」。「Dark Turtle」と「Vinyl」も用意されている。
NeilはYoungなんでしょ?ナンカ苦手なのばっかりなんだよな~。
このNeilというのはクセモノで、同じ発音で「Neal」と綴るパターンもある。
NealとなるとHefftiだな、私の場合。
他にもNealはSchon、Morseがいる。お、RushのドラムはNeil Pertだ。
結構ポピュラーな名前だけど、今まで「ニール」ってヤツに会ったことないナ。

C_marshall_sun_neilchestnut

以上はサングラスだけのラインナップ。
以下はOpticalと同じシリーズだがフィニッシュがチョット異なるので要注意。
サングラスの方がバリエーションが豊富だのだ。

C_1411_marshall_01_119
「BOB」シリーズは「Vinyl」、「Matte Black」、「Turtle」の3タイプ。写真は「Matte Black」。

Me_marshall_sun_bobturtle「BRYAN」シリーズは2種類に分かれる。柄の部分がOpticalと同じタイプには「Concrete」
「Black Gold」、「Crimson Front」、「Crimson」、「Havana Nights」とにぎやかなラインナップ。
ここでは「Crimson」といこう。

Me_marshall_sun_bryancrimson もうひとつの「BRYAN」。
柄の部分がワイヤーのように細い「BRYAN CABLE」シリーズだ。
写真は「Black Gold」。他のモデルは「Concrete」、「Crimson」、「Havana Nights」。

C_marshall_sun_bryan_cableblack_gol「JACK」シリーズのサングラスは「Havana Days」と「Concrete」と「Gold」。写真は「Gold」ね。

C_marshall_sun_jackhavana_days「JIMI」は写真の「Gold」の他に「Black Velvet」、「Gun」、「Havana Nights」、「Python」、「Second Skin」とコレもにぎやかッ!

C_marshall_sun_jimigold「JOEY」は「Python」、「Black Velvet」、「Gun」、「Havana Nights」、「Second Skin」。
写真は「Python」。ヘビガラではないよ。

C_marshall_sun_joeypythonそして「MICK」。
「Second Skin」、「Black Velvet」、「Gold」、「Gun」、「Havana Nights」、「Python」。
写真は「Second Skin」。

C_marshall_sun_micksecond_skin_2最後に「NICO」。写真は「Cuba」。何か甘くておいしそうだ。
他に「Dark Turtle」、「Grey Transparent」と「Vinyl」が選べる。

C_marshall_sun_nicocuba_2…と商品のラインナップは以上。
皆さんわかっていると思うけど、歪みません。
発売は2015年11月17日(火)、つまり今週の火曜日。
サイズは商品にもよるけどSとLが用意されていて、お値段の方は税別で24,000円、27,000円、32,000円の三種類の設定があるそうだ。
メガネの方はレンズは別扱い。すなわちフレームだけの取り扱いとなる。

どこで買えるかというと…
Coolens渋谷店
EXPRESS GLASS 横浜店
Oh My Glasses
リンクを貼っておいたので興味のある人はチェックしてみてね。
今後もその他眼鏡店、アパレル店を中心に随時展開予定だそうだ。。
輸入発売元は「株式会社エムズプラス」。
以上でMarshall Eyeweareの「アイウエオ」をおわかり頂けたことと思う。
オフィシャル・サイトでは別の商品写真が見れるのでご参考にどうぞ⇒コチラ

ここから先はオマケだ。
「どうしようか」とかなり悩んだけど、写真をサイズダウンして、更にモノクロにして載っけることにした。
参考だよ、参考。私が決して出たがりなワケじゃないことは皆さんご存知の通り。
オッサンがかけるとこうなるという見本ね。イメージ・ダウンにならなきゃいいが…。

コレはJOHNNYのVinyl。

Me_1KEITHのVinyl。

Me_2JACKのGold。

Me_3AMYのTurtle。

Me_4コレがですね~、どれもものすごくかけ心地がいいのよ。顔にピタ~っと張りつくような感じで重さを感じさせない。顔の一部みたいな感じなの。
気に入ったのはJOHNNY。
横のMarshallスクリプト・ロゴがうれしいなったらうれしいな!
車を運転する時はいつもかけてます。
<追記>今、輸入販売元のエムズプラスさんの友人から情報を頂いた。このJohnnyは「♪ガラセッザクィーン」のSex PistolsのJohnny Rottenからだそうだ。
ちなみに「rotten」というのは「腐ってる」という意味ですからね。今はJohn Lydonっていうのかな?
オラオラオラオラ!私もいよいよパンクだぞ!

Sg2_2 小汚いオッサンが登場してしまったのでお口直しに今日はコレでさようなら。
Marshall Eyewear、どうぞよろしく~!

Me_model

 

2015年11月18日 (水)

楠田敏之ふたたび+清水保光ファースト・ミニ・アルバム

人気声優、楠田敏之が再び鹿鳴館のステージに立った。
前回は同じく声優の近藤佳奈子ちゃんとのダブル・ヘッドライナーでの登場であったが今回は楠田さんの完全なワンマン・コンサート。
会場は大勢のファンで満員となった。

O_img_0096 楠田敏之

O_s41a0906 ギターは清水保光。

30vキーボード、高濱祐輔。

40vもうひとりのキーボード、滝口恵太。

50vベースは大舘寛幸。

60vコーラスのきゃらめるまん。

O_s41a2130 ドラムは金光KK健司。
このバンドでは「ケンケン」と呼ばれていることはもう皆さんご存知の通り。

70v清水さんはもちろんMarshall。Tシャツもスウェット・バンドもいつも通りMarshall。

80前回同様JVM210Hと1960Aだ。

90vKKもNATAL。

100アッシュのシングル・タムのキット。

110このコンサートは楠田さんの音楽活動10周年を記念するもので、趣向を凝らしたバラエティに富んだステージになった。

O_s41a0914 もちろん得意のトロンボーンも披露。
アダルトなフュージョン調の曲も楠田さんの魅力のひとつだ。

115v

10年の間に積み上げられた曲の数々。

120それを宝物ように丁寧に扱って歌う姿はとても印象的だ。

130ゲストが加わる。

140テナー・サックスのASUKA
ASUKAさんは「東京エロティカルパレード」で活躍中だ。略して「エロパレ」だって。

O_s41a1104八月に続いて二回目のステージというのに清水さんとのイキはピッタリ!

160金光さんがまたいいんだ。
Strange, Beautiful & LoudやSTANDで見せる「厳しさ」とはまったく違うドラミングがここで聴ける。

170vMarshallとNATAL、ありがたい光景ではあ~りませんか!

180メローにハードに緩急自在にステージは続く。

190ソング・ライターとしても紹介されたキーボードの滝口さん。

O_s41a1264 それにしてもASUKAさんのハードなブローっぷりがカッコいい!

200清水さんとのカラミもシックリ。

210清水さんがいつもリッチーだ、レインボーだ、アルドリッチだ…なんて言っている人には見えない。

220またね、ギターの音がいいんだ。
前回も書いたけど、おおよそMarshallらしくない。
MarshallらしくないMarshallの音ってのもなかなかにオツなもんでしてな…もちろんいい音が出てなきゃダメだよ。
ここでも清水さんはフュージョン・ギタリストもうらやむようなソフトで、そして芯がシッカリしたリッチなサウンドを出す。
そう、いつもリッチーだ、レインボーだ、アルドリッチだ…なんて騒いでる人には思えない。

O_s41a0946 楠田さんの熱唱に次ぐ熱唱でアッという間に本編が終了。

230vアンコールでは歌詞カードをお客さんに渡して「みんなで歌おう」コーナーも企画された。

240女性のお客さんが多いでね、いつもは阿鼻叫喚のデスボイスが鳴り響く鹿鳴館が、今日は女性コーラスの美しい歌声で満ち溢れた。

250アンコールでもノリノリでポーズをキメるふたり。

265

ジャンプで締めくくる皆さん。いかにライブが盛り上がっていたのかがわかるってもんだ。

260さらに、もう一回アンコール!
ここでも素晴らしいテナー・バス・トロンボーンの妙技を見せてくれた楠田さん。

270メンバー全員、華麗なプレイの連続で楠田さんの十周年をお祝いした。

271v

272

O_s41a1072 全員揃ってのエンディング。

280盛りだくさんで最高に楽しいショウだった~。

285ASUKAさんのポーズがスゴイ!まるで全盛期のSonny Rollins!

楠田敏之の詳しい情報はコチラ⇒レーベル公式WEB

290さて、今回も大活躍の清水さん。
もうすぐソロ・ミニ・アルバムを発表する。
日本のハード・ロック/メタル・シーンにおいて長い長いキャリアを誇る人の初のソロ作品集とだけあって待ち望んでいた人が多く現予約段階において品物がなくなりそうな状態だ。
でも、まだ少しだけ余裕があるようなので興味のある人は要チェック!
しかし、なんとドラマチックなジャケット。これはコンピューターで描いた「絵」なのだそうだ。

300cdタイトルは『Wind From The East』。
そんなタイトルだけ見ると、オールド・ファンはFar East Family Bandみたいな音を想像するかもしれない。しかし、それは間違い。
そう、いつもリッチーだ、レインボーだ、アルドリッチだ…なんて騒いでる人の作品として期待して大丈夫。
安心してください、シミッチョですから。


ところが!一曲目の「Geronimo' Hill」から度肝を抜かれること請け合いだ。何しろ風の音から聞こえてくるのはアコギとボトルネック・ギター。
え、コレ「清水さんの作品?」って感じ。
もちろんそこからハードに曲は展開する。ちょっとエンニオ・モリコーネを思わせるメランコリックなテーマがステキ。
しかし!
コレ、ホントに清水さんがやりたかったことなのかな?という意外な展開が続く。エレクトリック・シタールが出て来るのだ。
そして炎のシュレッディング。いいナァ、遠慮なく好き勝手に展開する曲想…好きである。
二曲目の「Song for Liberty 2015」は目の覚めるようなメタル・チューン。ハハハ、コレもヒネってるナァ~。エンディングに向けての寄り切りのソロが実にいい感じ。
三曲目はタイトル・チューンの「Wind from the East」。
清水さん、大丈夫なのか?こりゃまるで映画音楽だ。
ティンパニーがスゴイ。このやりたい放題感覚は素晴らしいナ。
そして、この図太いフロント・ピックアップの音!

310清水さんはこのアルバムのエレクトリック・ギターのほとんどをこのMG2FXを使い、マイクを立てて家で録ったのだそうだ。
曰く、「いかにDTMでうまく録音してもギターの音はどこかでアンプを通さないとダメ。
ギターはその音だけ録っても絶対うまくいかない。どんない小かろうとアンプを使って、空気を一緒に録音しないとダメなんです。ライン入力でそのまま録ったギターの音ほどつまらないものはない。
ギターは絶対にアンプが必要なんです」
何だか私と示し合わせたようなコメントだが、下打ち合わせなど何もしていない。
清水さんも私と同世代だが、コレは本当にカッコいいロックやギター・サウンドを聴いて育った世代の共通の意見なのではなかろうか?

O_mg2cfx_arm_shot_3 コレにメインのギター・パートを抜いた「Geronimo's Hill」と「Song for Liberty 2015」が収録された全五曲入りのミニ・アルバム。
ギター好きなら聴いておいて損はない作品だ。
繰り返しになるが、発売前にして商品の残りが少ないようだから要注意!

320v清水保光の詳しい情報はコチラ⇒Cyclone's Eye
オフィシャル・ウェブサイトはコチラ

O_s41a1022

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!時間がなくてなかなか進みません!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年9月26日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2015年11月17日 (火)

TAGAWA ~ PROGRESSIVE LIVE 2015

今日はいきなりMarshallの姿から…。
注目すべきは向かって左のJVM210Hと1936Vのスタック。

10オーナーになったのはこのお方、田川ヒロアキ。
見て!このうれしそうな顔。
Marshall Blogで何回も紹介してきた通り、これまでヒロアキくんはJMD501を愛用して来た。
JMDをゲットした時だってもう最高に喜んでいたんだけど、今回はそれ以上。
…というのも、ギタリストとしてこれだけ長く豊富なキャリアを誇っている割りにはフル・ヴァルブのMarshallのオーナーになるのはコレは初めてなのだそうだ。
商品が届いたっちゃ~「お礼のメール」、ハコを開けたっちゃ~「期待の電話」、スイッチを入れたっちゃ~「驚きのメール」、音を出したっちゃ~「感動の電話」…チョット待って!何も私がJVMを設計したワケでも、組み立てたワケでも、ましてやプレゼントしたワケでもないのよん!
でもね、コレほどよろこんでくれるなんてホントにホントにうれしいわ。
プロアマ問わず、Marshallをゲットして「夢」を手にした人がハッピーになってくれるのは最高のこと。
そう、私の商品は「夢」なのだ…ナンチャッテ。
しかし、世界の二井原、山崎まさよし他数えきれないぐらいの一流ロック・ミュージシャンとの共演の機会があったヒロアキくんが今までフル・ヴァルブのMarshallを持っていたことがないというのは意外だよね。
アップが後先になってしまったが、今日レポートするライブで筆を下ろして、先日レポートした国レベルのイベントで轟音を響かせたというワケ。
「筆おろし」ったって、「試運転」なんて気持ちで臨んだら間違いなくヤラれるぞ…。

20v相手がてらちんと浩二さんだからね。いくらJVMが味方しても気を引き締めてかからないと!

30…ということでただいまリハーサル中。

40コレは「田川」といううなぎ屋さんね。
宮川、喜代川、初小川、前川、色川、神田川、愛川、田川、等々うなぎ屋って「川」のつくお店が多いよね。
「宮川」ってのは、渡辺助之丞(宮川さんではない!)という人が、深川にあった「宮川」といううなぎ屋での修行を終えて、その店の廃業に伴い明治26年に築地にうなぎ屋を開業したのが始まりで、その後、約20店にのれん分けをしたそうだ。これらの店は「宮川会」という集まりを毎年ひらくほど結束が固いそうだ。
それらの店が更にのれんを分けたので、最早「宮川」という名前のうなぎ屋がどれだけ日本に存在するかまったくつかめないらしい。一種のブランドだからして、勝手につけちゃったお店もあるだろうからね。
だから「宮川」といううなぎ屋が多いのだそうだ。
ナゼ「川」のつく名前が多いのかというと「うなぎは川魚の一種だから」という乱暴な説があるようだ。
ちなみにヒロアキくんの実家はうなぎとは関係ない。
ああ、値上がりしてからというもの、ずいぶん長い間うなぎ食べてないナァ。

50vそして本番!

60田川ヒロアキ

70v寺沢功一

80v長谷川浩二

90v一曲目は「Fly Away」。
TAGAWAのデビュー・アルバム『Flying Carpet』を締めくくる曲。
ヒロアキくんが意気揚々とこれから音楽活動を始めるぞ!という22歳の時に書いた曲。
ファースト・ソロ・アルバムのタイトル曲でもありますな。

100ヒロアキくんの曲らしい派手なキメから始まるドライビング・チューン。

110どこまでも深く響くわたる低音。

130猛烈な律動間でバンドをプッシュするドラミング。

140否が応でも弾き狂ってしまうギター!

T_img_0171 続いて「BOUND」。
ヒロアキくんのコンセプト・アルバム、『ようこそ田川NIGHT!へ』に収録されているシャッフル。
数年前、転機を迎えた時にうれしさのあまり作った曲だという。道理で飛び跳ねているワケだ。
リフの合間に入るキメがいちいちカッコいい。

150vMC。
「TAGAWAの秋のツアー、今日始まって今日終わります!」という一発勝負。
このバンドはともするとMCが異常になるでネェ。それで最後の曲が時間切れで演奏できなくなりそうになっちゃうんだから!今日もここまで、つまり二曲演奏してはや30分!

155vでも、JVMのことも紹介してくれてうれしいなったらうれしいな!

156v広島県府中市のイメージ・ソング「フチュウにムチュウ(←正しい綴りかどうかはわかりません。私ならこう書く)」のカップリング曲、「Lofty Tree」。
府中市のメタル好きの職員さんのリクエストで名物の「タンス太鼓」を現地で叩いて作った曲。

160いつも楽しそうにギターを弾くヒロアキくんだけど、今日のヒロアキくんは特に楽しそうだ。
Marshallのせいなんだね、きっと!そうこの黒いハコはギターを弾くものを幸せにするのさ!

170v「Passion On The Strings」もソロのファースト・アルバムから。珍しいな、この曲。
典型的なジャパニーズ・メタル・ソング。
しかし、こうして見ると『Fly Away』ってメチャクチャ色んなタイプの曲が入ってたんだナァ。
ジャケットの使われているライブの写真もいいし。あ、私が撮ったんだっけ。
野音だったんだよね。『HARDなYAON』というイベント。
それより前に楽器の展示会でヒロアキくんを見て知ってはいたんだけど、お近づきになったのはその野音の時からだった。なつかしい。

180v何だか知らないけど、このバンドのひとつハイライトになっちゃった感もある「Led Boots」。どうも「LED BOOTS METAL」と勝手に呼んでいるようだけどJeff Beckにはダマっておいてあげよう!

190ヒロアキくんのアレンジによる破天荒なメタル・バージョン。

200vこの三人だから実現したようなもんやね。

210vMCをはさんでこれまた『Fly Away』収録の「Long Shout」という曲。
ロング・トーンを多用した泣きの一曲。

220vん~、これは素晴らしい。
思いっきり中域が貼り出した粘っこいトーンが最高に気持ちがいい。
ヒロアキくんのMarshall、100Wか50Wか一瞬迷ったが、JVMは以前から使って大のお気に入りだったのでチョイスが揺らぐことはなかった。
キャビネットは可搬性を考慮して2x12"にしようということになった。
そこで私からアドバイスさせてもらったのが、1936ではなくてCelestionのVintage30を搭載した1936Vにしたらどうか?ということ。
コレがバッチリきまった。
1936Vはキャビネットの大きさとスピーカー・ユニットの相性がすこぶるよく、中域リッチなサウンドを目指している人には持って来いなのだ。
ただし、1987のようなビンテージ系のヘッドに使うには硬さがでてしまって好みの分かれるところとなる。
JVMのようなコンテンポラリーのようなヘッドと2x12"の組み合わせには1936Vがいい具合だ。

230ところで、以前からその傾向はあったけど、最近ギターアンプを使わない子がドンドン増えてるんだってね。
アンプ屋だから言うワケじゃないけど、一体どうなっちゃってるんだか?
我々が若い頃には「いいギターよりいいアンプを買ったほうが上達が早い」って言われたもんだよ。いいアンプで大きい音で弾けばすぐにミュートの重要性を知るからね。
ここにも「草食系ロック」の魔の手が伸びちゃってるんだな。
ダマってこういうギターのサウンドを聞いて欲しいね。いいギターと真空管アンプ、そしてそこから風とともに飛び出す爆音こそがロック・ギターの真髄なのだから。
一体、ロックは、ギターはこの先どこへ行くつもりなんだろう…。

240vもはやおなじみMAZDAの「君を乗せて」。

250この曲を収録した『Over Drive』も大好評だ。
スリーヴの中の写真がまたいいんだ~。あ、私が撮ったんだっけ。

260cd『Flying Carpet』から「That's Over」。
ここではリズム隊ふたりが大フィーチュアされる。
まずはベース・ソロ。

270v低音暴力団の組長にふさわしいヘヴィなソロ!

280技術と気迫満点のすさまじいプレイで暴れまくる組長!

290v変わって浩二さんのドラム・ソロ。

300vコレまたすさまじいプレイ!

320vいつもより長いソロでお客さん大満足!いつ聴いても驚異的なソロだ。

330MCをはさんで、雰囲気を変えて「Seascape」。
ツワ~、きれいな音だ!
こういうところがウマいよな~。JMDの時もとてもよかったけど、ますます音が太くなって海の逞しさが表現されるようになった感じがする。
イヨ~、ポンッ!
今日は私が代わりに合いの手を入れさせて頂きました。

330vそして『Flying Carpet』から「Stranger Destroys Arms」。
反戦、平和を願ったテーマながら曲はドヘヴィ。
ホルストの「火星」を思わせるんだよな~。

340そして、本編の最後は「My Eternal Dream」。

350v
ヒロアキくんのテーマ・ソング的な曲…と私は勝手に思ってる。
失礼ながら、昔はそれほど何とも思わなかったんだけど、色々な録音や演奏を聴いているウチに「こりゃよく書けてる曲だワイ」と気が付き、今では一番好きな曲かな?
ゴキゲンだ!

360vそして、アンコール。
時間は大丈夫か?MCをがんばって切りつめたから大丈夫!
曲は「Space Walker」。

370言わなきゃいいのに「浩二さんは『パン喰い競争』、牛澤さんは『校歌ロック』と呼んでる曲です」だって!
「8時だよ、全員集合」にも触れて欲しかったナ。
なんてフザけていますが、この曲はすごく好きなのだ!

380vまぁ、上がったり下がったり…

390v最後は「ようやるわ」的な一大スペクタキュラー。
『Ave Maria』にもこういうのあったでしょ?「Symphony」かな?
時々こういった総花的な曲が出て来るのがヒロアキくんの音楽性の興味深いところでもある。

400ところで、今日のライブのタイトルの「PROGRESSIVE」は果たしてどこに行った?
あ、TAGAWAが「進化」したということか!

410v田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒Fretpiano

420v(一部敬称略 2015年10月4日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2015年11月14日 (土)

クリス・デュアルテがやってくるぞ(ベース野郎アメリカへ飛ぶ) <後編>

それではオガンちゃんのインタビュー<後編>をどうぞ!

   ★    ★    ★    ★

S:クリスと初めての日本で演ったのはいつでしたっけ?

O_img_5432_6O:2006年ですね。
S:JIROKICHIで演った時?
O:そうです。
S:ギッチギチに混んでた。考えてみると私、それも含めて以降のギグは全部観てますわ。
O:そうですか~!
あの時、実はね…時効だから言いますけど…はじめのうちはチケットが五枚しか売れてなかった。
S:え~、あんなにパンパンだったのに~?
O:それで、どうしようか?!…ってことになった。で、インターネットで「クリス・デュアルテ、テキサス、ギター、スティーヴィー・レイ・ヴォーン」と検索ワードを入れて、引っ掛かって来たレコード屋とかライブハウスに片っ端から情報を送って宣伝してもらったんです。
「トモダチ」がテーマというのは、その時の気持ちに戻ろう!っていう意味合いなんですね。


<ちょっとこの後はしばらくカット。オガンちゃんとの秘密の会話>


S:で、こないだのツアーの千秋楽がニューヨークのイリジウム。どうでした?いい店だったでしょ?20年近く前にLes Paulを観に行った。
O:Les Paulだらけですよ、店の中。写真やらなんやら。いまだにトリビュートでLes Paulのトリオが出てますよ。
ビックリするぐらい音響がヨカッタですね。張り切って演りました。有名ですもんね。
後はマンハッタンで知っているのは「バードランド」ぐらいですから。Ron Carterをバードランドで観ました。
S:まだヴィレッジ・ヴァンガードはあるでしょ?私が行った頃はまだスイート・ベイジルとかヴィジョネスとかがまだありました。モダン・ジャズの生き証人と言われるヴィレッジ・ヴァンガードの創始者、マックス・ゴードンがまだ生きていて、店の後ろの方にいましたもんね。私もヴィレッジ・ヴァンガードでRon Carterを観たことがあります。
O:へ~。
イリジウムとにかく音がヨカッタですわ~。
S:確かに。それとLes Paulのギターの音がこの世のものとは思えないぐらい美しくて、演奏がメチャクチャうまいのに驚きました。

★★★イリジウムのChris Duarte Group★★★
Thelonious Monkの「52nd Street Theme」という曲があるように1950年代は西52丁目にはバードランド(モダンジャスの始祖、Charlie Parkerのニックネーム「Yardbird」、「Bird」にちなんで名前が付けられた有名なジャズ・クラブ。今はその名前を引き継いでの場所で営業している)を中心にジャズ・クラブがひしめき合い、人気ミュージシャンが毎晩駆け足で何軒もの店をハシゴしていたという。
イギリス-ロック名所めぐり」よろしく、私も20年前に52丁目を訪れてみたが、もうジャズの姿は影も形もない。
その後、ジャズ・クラブは中心をグリニッジ・ビレッジに移したが、Brecker兄弟がやっていたセブンス・アヴェニュー・サウスやスイート・ベイジル等の人気の店も閉店し、ニューヨークのジャズ・シーンもここ20年で一段と寂しくなってしまった感がある。なんて、最近はもうずいぶん言ってないので知った風な口がきけたものでもないが…。
その中で、一流ジャズ・クラブとして気炎を吐き続けているのがアッパー・ウエストのリンカーン・センターの前にあるイリジウムというジャズ・クラブ。
リンカーンセンターといえば、メトロポリタン・オペラハウスやエイブリー・フィッシャー・ホール、世界中のクラシックのエリートが通うジュリ―アード音楽院(Miles Daivisの母校)が集まっているアメリカの音楽&演劇芸術の本拠地だ。ロケーションがいいじゃないか。
チョット前まではLes Paulが毎週月曜日に出演していることで有名だった。
Lesはそれまでミッド・マンハッタンにあったファット・チューズデイという小さな店に毎週出演してたが、閉店してしまったので拠点をイリジウムに移した。
それを知らずに初めてニューヨークに行った時、Les見たさにファット・チューデイを訪ねてしまった。その後、イリジウムのことを知り、翌年めでたくLes Paulに会うことができた…というワケ。

そんなアメリカでも今となっては一、二を争う有名なジャズ・クラブで先日The Chris Duarte Groupはツアー千秋楽を迎えたのであった。

100Chris Duarte
ホントだ!壁がLes Paulの写真だらけだ!昔は深緑色の無地の壁だったような記憶がある。

110v小笠原義弘

120vJohn McNight
相変わらずデカイ!もうすぐ彼が叩くNATALの音が楽しみでしょうがない!

130vオガンちゃんはアメリカで調達したEDEN WT-800とD115XLTを使用。
コレのデリバリーににまつわる「ポンティアック事件」は前編をご覧あれ。

140vウワ~あのプレイが聞こえてくるようだ!楽しみだな~。

150vますますパワー・アップしたというクリスとどう対峙するのか…。

160v同じく進化を続けるオガンちゃんの日本でのクリスとのプレイに注目だ。

170v

(写真提供:Jim Belmond)

インタビューに戻る。

★    ★    ★    ★

S:そうそう、クリスは自分のラスト・ネームをどう発音しています?
O:クリス・ドゥアールテ。チョット舌を巻いてドゥアールテ。

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S:日本語になると、以前は「デュアルテ」と表記していたけど、最近は「デュアーテ」になってますね。
でもMarshall Blogでは昔ながらの「デュアルテ」にしています。その発音ですと「ル」入れていい感じですね?
O:それで合ってます。
本人はハッキリ「ル」って言っています。
こういうのよくありますな。ランディ・ローズとランディ・ローデスみたいな。
S:ロリー・ギャラガーなんて「ギャラグハー」でしたからね、昔は。
オガンちゃん、そういえば、今日マクラフリン観に行くっていってたよね。
アレもそう。昔は「マクローリン」とか表記してた。でも本当は「マクラッグリン」って発音する。だから「マクラフリン」も間違えていると思っていたんだけど、アレ、「マクラッフリン」と発音する人もいますね。
O:マラッフリン、初めて観るんですよ。
S:私も観たことない。またMarshall使ってくれないかナァ。
それと、「ブルース」か「ブルーズ」かってのもある。「マイルス」か「マイルズ」か?とか。
アレ、中間が正解で、普通に話す時は「ス」。ユックリいうと「ズ」…というのが私の研究結果。
O:みんな「ブルース」って言ってますよ。あれは「ブルース」です。
クリスなんかはフザけてワザと「ブル~~ィズッ」って言ってフザけますけど。

S:さて、今回の日本でのショウの見所は?
O:ショウの構成が以前と異なりドラマチックになっています。行き当たりばったりではやらない。それとコーラスに重点を置いています。
S:もちろんクリスのニュー・アルバム『Lucky 13』からの曲も演奏されますね?

Cdcd


O:はい。半分ぐらいニュー・アルバムからの曲になると思います。
S:オガンちゃん、最近の活動は?
O:ワールド・ミュージックになるんですけど、Dave Ralstonのレコーディングに参加します。元はスワンプ・ロックの人なんですけどね(インタビュー前日、オガンちゃんはピーター・バラカン主催の『Live Magic』というイベントにこのDavid Ralstonのサポートで出演した)。

ギターはクリスに頼もうかと思ってます。予定ですけど…。
あと大阪でやっているカロリー・キングというバンドですね。肥満体ばっかり集まっていて僕が歌とベースをやってます。

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それと三年前からやりたいと思っているソロ・アルバムに取りかかりたいナァとは思っています。
S:それは楽しみ!絶対やるべし!
EDENについてもお話しを聞かせて頂けますか?
O:とにかく音がいい。
きれいに音が飛んで行ってくれるんですね。そして、音のエッジが丸いんです。丸いのに抜ける。
僕らがやっている音楽は音が丸くないとダメなんです。
「ラウンドな音」、でも輪郭はハッキリしていて太い方がいい。そうなるとアンプを選ぶのがすごく難しんです。
自分はアクティブの楽器は使わない。
で、アンプのセッティングもかなり他の人とは変わっていたんです。
S:具体的には?

O:EDENはトレブルがやさしい。5ぐらいまで上げるんです。普通は2です。
ベースも普通でしたら6~7、まで上げよるんですが、EDENだと4~5程度で済みますね。
ナニが言いたいかと言うと、EDENの場合は、EQのつまみを全部真ん中付近にすると自分が欲しい音が出るんです。
だから幅が広いんでしょうね、ハイ側にもロー側にもてん。とにかく音が作りやすい。
S:あるベーシストがおっしゃっていましたが、EDENは自分が欲しいローが自然に気持ちよく出て来てくれる。こういうベース・アンプは他になかった…って。
O:わかりますね。きれいですよ、ローが。1x15”のキャビ一台でバッチリ!
S:とにかくオガンちゃんのベースの音はいかにもベースらしくて気持ちがいい。加えてベース・ラインがこれまたベースらしくてカッコいい。ベースだけで音楽を成立させることが出来る稀有なプレイヤーだと思っています。

★★★小笠原義弘のEDEN★★★
ヘッドはWT-800のみ。
1×15"が2台のパターン。中~大会場によけるブルースやロックのセッションで使用。

40v
4x15"は小規模会場でのロック用。

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ヘッドと1x15"はジャズ、ブルース系のセッション向きだ。
EDENの4x10"は音の立ち上がりの速さが尋常でないため、ジャズ、ブルース系の仕事が多いオガンちゃんは基本的に1x15"を好む。

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O:僕はとにかくJimmy Johnsonが好きなんです。こないだも会って来ました。

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S:誰と来たんですか?もうHoldsworthでもないですもんね?
O:Steve Gaddです。
S:他は?
O:Michael Landau、Larry Goldings、Walt…Waltなんでしたっけ?ラッパの…。
S:Walt Fowler?
O:そう!「オレの仲間がいなくなった」って言って「Duke」って曲を吹いてましたよ。(George Dukeのこと。Walt FowlerはGeorge Duke在籍時のFrank Zappa& The MothersのBruce、TomのFowler兄弟の末弟)強力ですよ!
S:今度の公演、Johnの叩くNATALが楽しみで、楽しみで…。
O:Johnもよろこんでますよ!NATAL好きみたいですから。
S:それはありがたい!
ところでオガンちゃん、私はMarshall Blogに政治的なことを持ち込むことを否といているんですが、敢えて言います。
私は父の影響で小さい頃からハリウッド映画が大好きでそこから音楽の世界に入りました。昔はとにもかくにもアメリカに憧れたし、英語もアメリカ英語を身に付けたかった。それが今、イギリス英語にシフトしたくてエラく苦労しているんですが…。
アメリカ人の友達はたくさんいるし、アメリカ人のイトコも何人もいる。
アメリカって、ひとりひとりはあんなにいいヤツラなのに、色んなことを知るにつけ、最近のアメリカは政治的にホントにイヤになってしまった。多分同じことを思っている人が日本にはゴマンといると思う。
でも、やっぱりアメリカなんですかね?
O:あのね、アメリカにはですね…僕が求める音楽があるんですよ。

…とココでインタビューは終わる。
この他にも昔話やら、音楽の話し、業界の話しと話題が尽きず、陣取った恵比寿の喫茶店の片隅で時間を忘れて大いに盛り上がってしまった!

さぁ~て、19日の先代から始まるChris Duarteのジャパン・ツアー。
ひとりでも多くの人に観てもらいたいナァ~。草食系でもなく、コピーでもなく、きっと「ああ、いい音楽を聴いた」って気持ちになれるハズ。
そう、この三人は「音楽の塊り」なのだ。
今のところの予定ではChrisはJVM210Cを使う予定だ。
オガンちゃんのEDEN、JohnのNATALともども実に楽しみだ!
お見逃しなく!


小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

Jp1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!時間がなくてなかなか進みません!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略)

2015年11月13日 (金)

クリス・デュアルテがやってくるぞ(ベース野郎アメリカへ飛ぶ) <前編>

もちろん今日の記事のタイトルは四人囃子の代表曲からね。
さて、今回はオガンちゃんの話題。
前回は【春のオガンちゃん祭り】と題してお送りしたが今回は世界を股にかけた立体企画!
企画を考えて手をつけたら盛りだくさんいなりすぎちゃった!何でオガンちゃんの時はこうなるねん?
それはオガンちゃんの音楽活動の幅が広いからなんだネ~。
ということで二本立てでお送りします。

10v様々な音楽に首を突っ込んでる、ア失敬、幅広い音楽ジャンルをまたいでヴァーサタイルな活動を続けているオガンちゃんだが、そのメインに位置しているのはアメリカ人ギタリスト、Chris Cuarte(クリス・デュアルテ)との活動だ。
新旧のMarshall BlogやShige Blogに何度か登場しているのでファンでなくとも一般のMarshall Blogの読者であればその名前をご存知のことだと思う。
一昨年は目黒のBlues Alley Japanで収録した二枚組ライブ・アルバムをリリースしてその活躍ぶりを我々に見せて(聴かせて)くれた。
それが下のアルバム。
オガンちゃんのおかげで私の写真がスリーブに採用された。写真の使用に当たってはレーベルの親分であるシュラプネル・レコーズのマイク・ヴァーニーと契約書を交わしたことは何度も自慢した通り。だってうれしかったんだも~ん!チョットした鋤田正義さん気分よ。

この時の模様はShige Blogでレポートした。
コチラ  ↓   ↓   ↓
Chris Duarte Live in Japan 2012 <前編>

Chris Duarte Live in Japan 2012 <後編+YOUNG GUITAR DVD>

20cd そして、この夏はオガンちゃんがアメリカに渡り、Chris Duarte Groupの一員として全米をツアーして回った。もちろん相棒はEDENね。

12016473_1065600300140871_751586003 下はアメリカで配布されたその時の告知チラシ。
これにも私の写真を採用してもらった。
アメリカ人は私の写真が好きなのさ!←ウソこけ!
オガンちゃんいつもありがとう

30v
そして、もうすぐまたクリスが日本にやって来る!

O_o0566080013399638784 メンバーは2013年の来日時、並びにその全米ツアーの三人。
ギター/ボーカルがChris Duarte
ドラム/コーラスにJohn McKnight
そして我らが小笠原義弘

その来日公演に先立ってオガンちゃんから全米ツアーのこと、今回の国内ツアーのことで色々と語ってもらった。
面白かった~。
以下、是非ご覧くだされ!

40_2 クリス・デュアルテ来日直前!小笠原義弘インタビュー!

Shige(以下「S」):ナンダカンダでサヴォイ時代からどれくらいクリスとお付き合いされているんですか?
小笠原義弘(以下「O」):2006年ですね。10年目ですわ。
S:今回みたいにひとりで渡米してクリスと演奏したのはいつですか?
O:2013年ですね。「私ひとり」ということで言えば、それより前に日本で二回一緒んい演ってます。2011年と2013年。

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S:こういったら何ですが、他にシックリくるベースがいないからクリスはオガンちゃんを指名してくるワケですよね~?
O:ハハハ!
S:どうしてクリスはオガンちゃんと演りたがるんですかね?失礼な質問ですが…ルックスだったりして?
O:どうなんでしょうね~?気が合うんでしょうね。実際好きな音楽が似てるんです。Weather ReportとかJohn McLaughlinとか、ブルース、ロック、Led Zeppelinとかね…ほとんど同じなんです。
S;なるほど。で、今回は何か所アメリカを回ったんでしたっけ?
O:24か所ですね。
S:最初の方ではバックラインでご迷惑をおかけしちゃってスミマセンでした!例の「ポンティアック事件」!


※ポンティアック事件:オガンちゃんのリクエストでEDENのスタック・アンプをツアーの初頭から使えるよう、アメリカのMarshallのディストリビューターに頼んで滞在先のミシガン州ポンティアックのマリオット・ホテルに送り出すよう手配してもらった。
手配は完璧だったのだが、待てどくらせどオガンちゃんの手元にはヘッドしか配達されなかった。
荷主は「両方絶対送った!」、荷受人であるホテルは「絶対に荷物は一個しか来てない!」と譲らない。こっちはコントロール・タワーとして、眠い目をこすりながら真夜中にオガンちゃんからの報告を待ち続ける…。
「待てよ」…現地でクリスにも手伝ってもらって運搬を担当したFedEXを揺さぶったところ、ポンティアックにはマリオット・ホテルが二軒あって、ナゼかFedEXはキャビネットをもうひとつのマリオットに届けてしまったことが判明。
時すでに遅し!コレがわかった時にはもうオガンちゃんは次の巡業先に移動済。FedEXは大謝罪。
結果、時間を読んで完全に受け取るところができる先まで一番早い便でFedEXが無料で再配達したという次第。
日本だったらこんなことチョチョチョイと電話一本で片付けちゃうけど、やっぱり海外ってのは何をやるのも大変ですわ、ホンマ。
こっちは荷物が出て来るまでもう気が気でなかったワイ。

<下の写真はこの時オガンちゃんから送られてきた荷主振り出しの証拠のインヴォイス>

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S:で、ツアーはどんな感じ
O:今回はリハーサルなしで始まったんですよ!
S:ギャハハ!
O:スタート前にクリスの家に泊まらせてもらって軽く打ち合わせをしたんです。以前にも一緒に演っていますから、曲は覚えていました。
でも大半が新曲で…。キーが変わっていたりとか…。
でもそこは気持ちが通いあってるということで乗り切りました。
S:「キーが変わる?」
O:CDとキーが違ったりするんですわ。上がったり下がったり…。だいたいクリスはDチューニングなんですよ。
S:全部の弦を全音下げてるってこと?

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O:そうなんです。曲もドンドン変わっていく。最初、全部で37曲もらっていたんですが、最後には63曲になってもうた。せやから毎日曲を覚えなアカンのですわ。
S:その中に旅の途中でレポートしてくれた例のMingusの「Boogie Stop Shuffle」があったワケですな?(「Boogie Stop Shuffle」)は、急速調のマイナー・ブルースを基調としたベースの巨人Charles Mingusの人気曲)
余談だけど、コレをJack Wilkinsが五人のギター・アンサンブルにアレンジしたスコアがあるんですよ。音はない。

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O:ホンマですか~。クリスもアレンジして演るんですよ。テーマの構成をチョット変えたりして…。で、ギター・ソロが来て、ベース・ソロですわ。
S:あのテンポでベース・ソロは大変だ!ああいうレパートリーはどうやってキマるんですか?
O:クリスは昔からMingusとかThelonius Monkとかスキなんですよ。You needナントカとか?
S:「Well, You Needn’t」?
O:そうそう。ああいうの演りよるんですわ。
こっちもYouTubeに上がっている曲を全部チェックして予習していくんですよ。それでも知らない曲がジャンジャン出て来る。
S:そりゃいくらやったってキリがない。

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O:本番でスリー・コードじゃない曲を平気でいきなり演りよりますからね。サインが出るんですわ、コードが変わる時。精神力が鍛えられます。
S:それで一回で覚えなきゃ失格なんでしょ?向こうのジャズの連中は一回でコード進行覚えなければ使ってもらえないとか聞きますもんね。
O:はい。それで、ジャズ系の曲の時はこう言うんですよ、「ヨシ、どんな時でもスウィング感がなければダメだ!」って。
シャッフルかてそうです。言うたら連中ってホンモノなワケじゃないですか?だからイチイチ訊くんですわ。「コレでいいか?」って!
S:するとクリスは?
O:「大丈夫、大丈夫!日本人のシャッフルはチョット違う」…って言わはる。
S:やっぱり。いつもマーブロで言ってるヤツですな。「3」の感覚。
O:そう!クリスは「ヤング・ロック・シャッフル」って表現してましたね。「それでもいいけど、ZZ Topはああいう風にはしてないよ」って。
S:でもああいう人と演っているとグーッと引っ張られて自然といい感じになるんでしょ?

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O:毎回本番を録音しておくんです。で、ギグが終わって、食事して、部屋に帰って練習しましたよ。負けていられないんで!で、そういうところを連中は見てるんですね。それで「良くなってる、よくなってる!」って。シビアですよ。
S:あんな自分のことを「ラーメンくん」なんて言ってるのにね!
O:だから言ってましたよ。「最近チョットギターがウマく弾けるようになった」って。それまではいつも「僕はダメだ!」って言ってた。
「十分やろ」おもいますけどね。
S:以前「Moment’s Notice」を演っていましたよね。クリスはやっぱりColtraneが好きなんですか?
O:そうです。大スキですね。そういうフレーズが出て来る。
S:そうですね。あとソロの組み立て方とかColtrane的なものを感じさせますよね。すごくカッコいい。
O:そう、ブルースの方と彼の中には二種類あるんですね。
S:ライブ・アルバムには収録されなかったけど、あのブルースアレイでイスに座って真剣に「Moment's Notice」を弾く姿がとても印象的でした。
あの時はジャケットの写真、お世話になりました!
O:イエイエ、こちらこそ~。みんなあの写真とデザインすごく気に入ってるんですよ!
S:うれしいです!なんたってシュラプネルですからね!
で、話しは戻って、お客さんの年齢層はいかがです?
O:やっぱり高いですよね。十代のギターをやってる若い子なんかも結構来ますよ。あのね、圧倒的に女性客が多いんですよ。
S:クリスは比較的コンスタントにアルバムをリリースしていますが、アメリカでは一体どういう人達がクリスのCDを買うんでしょうね?我々みたいな連中か?

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O:そう、我々みたいの。でもファンはすごく多いんですよ。だから今回はどこへ行っても満員でした。
S:ピンですよね?
O:そう、ピンです。で、大きなブルース・フェスティバルなんかではヘッド・ライナーも務める人です。
S:基本的にずっとトリオですか?
O:トリオですね。
S:向こうのライブハウスって始まりが遅いって聞きますよね、11時とか…。
O:ハイ、でも僕らに限ってはどんなに遅くても九時です。その代りツーステージ演る。
S:それ典型的なパターンではどんな感じなんですか?
O:彼らは厳格な契約社会に生きてますから、ブッキングの時に「何分演る」ということをキッチリ決めるんですね。70分×とか、90分×2とかいう形になってくる。
S:それは同じ内容を二回演ってもいいんですか?
O:ダメです。入れ替えではないので、ファースト・セットとセカンド・セットは違う内容にしなければなりません。
S:ということは90分×2で三時間分の曲のストックがないと回りませんよね?
O:そうです。ですから毎晩24、25曲を演奏します。
S:それでお客さんは帰らないで最後まで大盛り上がり?
O:イヤイヤ、セカンド・セットの最後の名曲が並ぶところなんかお客さん帰ってますよ。だいたい一時ぐらいになってますから!もしくは酒飲み過ぎてベロンベロンで演奏聴いてないとか!
S:話は脱線しますが、そんなんなっちゃうとみんな車を運転して帰るんですか?
O:ダメです、ダメです!
S:じゃ、代行?
O:代行なんてありませんよ、アメリカには!

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たいてい飲まない人がひとりいるんですよ。例えば夫婦で来れば奥さんが飲まないで運転するとか。
とんでもない田舎で演奏する時もあります。そういう時は当然車で皆さん来はりますが、飲みませんね。
S:え、結構みんな飲んでも平気で運転するのかと思ってました。
O:イエイエ、厳しいですよ。罰金百万円とか。日本でも今は運転者に酒を出すと罰せられますよね?アレは全部アメリカがお手本です。昔からああいうシステムです。
S:何となくそんなに厳しいという認識はなかったな。
O:車に酒のボトルがあっただけで大変です。そのボトルのフタが空いてたらまずアウトですね。もちろんふたを開けずに福利にボトルを入れて車に置いておいただけでも警官に見つかると結構怒られますよ。

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アメリカでは外で飲んだだけで逮捕ですから。店内だけです。もし、ボトルをもって店内からでたところにお巡りさんがいればどこかへ連れて行かれます。
ラスベガスみたいなところは別ですけどね。ベガスはアレ、少し日本が入ってます。
S:お客さんのようすは一般的にどうなんですか?曲を知っていようがいまいが、アタマっからガ~ッみたいな?
O:ガンガンにいきますよ!クリスもブッ飛ばしていくんですよ。アタマ三曲立て続けで、それからシャッフルですわ。スピーディですね今回は。
S:新譜も出たことですし、オリジナル曲で攻める?
O:イヤ、今回はカバー演っとるんですわ。前からBob Dylanは演ってるんですど…
S:ナンでしたっけ?

O:「One More Cup of Coffee」
S:『Desire』ね。
O:それとビートルズの「For No One」。
S:ポールの?アレは『Revolver』か。
O:ニューアルバムに「Minefield なんやら(Minefield of my Mind)」という曲があるんですけど、コレがすごいんですわ。ワンコードで狂ったように弾く。嵐のような曲ですわ。(YouTubeで確認したらコリャなるほどスゴイ。Jacoの「Crisis」を連想させた。このベースをオガンちゃんが弾くのかと考えただけでトリハダ立つわ)

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その曲をはさんで前後にそのカバー曲を演るんです。組曲みたいなもんですわ。
S:なんで「For No One」なんだろ。コレだけ弾いたけど「誰のためでもない」みたいな?
O:ガッハハハ!彼、ビートルズ大スキなんですよ。
それと、クリスはよく「8割オリジナル、2割カバー」って言ってますね。初めて来たお客さんが知らないオリジナル曲ばかりだと飽きてしまうので、だれもが知っているような曲を混ぜよるんですわ。ホンマ、お客さんを楽しませることを絶対に忘れない。そういうところはスゴイと思いますね。
S:そんなん聴くと今度の日本でのギグが楽しみですね。
O:今回は公私ともにクリスと関係があった人達全員に声をかけてるんですよ。「トモダチ」というのをテーマにしたんです。
で、演奏の時間は80~100分。我々の演奏だけが長くなるような構成にはならないと思います。。

<後編>に続く。<後編>ではLes Paulがホームにしていたマンハッタンの有名ジャズ・クラブ、イリジウムでのレポートを交えてお送りします。

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!


(一部敬称略)

 

2015年11月12日 (木)

D_Drive Driven by "R"~D_Driveのニュー・アルバムを聴く!(ライブ・レポートつき)

恥ずかしながらホンノ数年前まで「横綱」だと思っていた。
だって大相撲の街だからね。
「横網」って言われたって「横綱」って読んじゃうよね。実際、そう思っている人がゴマンといるハズだ。
何の話しかというと「両国」のこと。
両国国技館のある辺りの地名を「よこあみ」という。ここは「よこづな」だろう、フツウ。
ところがそれなりの由来がある。
何でも江戸時代初期にはこの周辺では海苔を作っていて、原料の海草を取る網を横向きに干していた。それでから「横網」という地名になったとか…。斜めに干していたらヘンな名前になってたぞ。ようするに「大相撲」とは何の関係もない。
で、この両国は昔、房総方面の始発駅だったんよ。海外風に言えば「ターミナル駅」。
かつてバカでかいビアガーデンとして再利用されていたロンドンのキングス・クロス駅のような立派な駅舎があるのはそのせい。
私が小学生の頃はまだその駅舎が使われていて、六年生の時に両国駅を始発に富津まで行ったことがあった。五人の十二歳の少年が寝袋等のキャンプ道具を買い込んで海辺でキャンプをしたのだ。死体は見なかったけどチョットした『スタンド・バイ・ミー』状態だった。四十年以上も前の話し。
その後、隅田川の下をくぐる鉄道トンネルができ、総武快速が開通すると始発駅の役割は東京駅へと移行した。
今では年に三回開かれる大相撲の時のみにぎわうちっぽけな駅だが、両国は下町の範囲内…根深い歴史があるのだ。
もうひとつ、横網にはあまりにも悲惨な歴史があるのだが、場をわきまえてここに記すのは控えることにしよう。
あ、それと「下町」について…。
何やら東京の中心の繁華街からちょっとハズれると全部「下町」にくくってしまうが冗談じゃネェってんだベラボウめッ!
テレビを見ていると商店街があって高層ビルがないとすぐ「下町情緒あふれる」なんて言うじゃない?
江戸の場合、元々「下町」というのは日本橋・神田周辺のことを指していた。「御城下町」の「下」だ。だから浅草寺があったにしても、浅草だって「浅草田圃」といわれて下町の内に入れなかった。浅草も郊外だった。
で、明治維新以降、武家屋敷がドンドン宅地として開放され、そこに比較的下層の人たちが入り込んで東方面に新しい町ができた。
今で言う「下町」はその範囲を意味していて、行政区画で言えば中央区・港区、千代田区、さらに台東区、墨田区・江東区の一部あたりまでを指す。
江戸城のあった千代田区やとなりの文京区は「山の手」だ。
だから両国は「下町」だ。
…とドンドン話が反れるので一気に本題に飛ぶことにする。

ナニが言いたかったのかというと我らがD_Driveが両国にやって来たのだ!(念のために言っときますが、私は両国の住人ではござんせん)
Neil Zazaというアメリカ人ギタリストとのカップリング・ツアーの東京公演だ。

O_img_0170 相変わらず燃えまくっているD_Drive…
Seiji

20vYuki

30vShimataro

40vChiiko

50何しろこういう状況なのでいいショットをお送りすることはとてもできないが、演奏はいつも通りの極上パフォーマンス!
こういう環境で写真を撮るのは久しぶりだナァ。
まったく見えないけど、SeijiさんもYukiちゃんもMarshall。もちろん最上のギター・トーン!

60ShimaちゃんはEDENでド迫力の大低爆音!WT-800とD410XSTをダブルで…。
95

オープニングの「Drive in the Starry Night」から新曲「Attraction 4D」、「M16」と一気に繋ぐ炎のセットリスト!

90「Mr. Rat Boots」、新曲「Now or Never」、「Cassis Orange」…

100v…と新旧取り混ぜたゴキゲンのステージが展開する!

70
Chiikoちゃん、ゴメン!どうにも撮れないよ~!

110もちろんギッチギチに会場を埋め尽くすお客さんは我を忘れての大盛り上がり!

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もう最先端のメタル・インスト・バンドとしての風格漂う白熱のステージだった!

130そして!
満を持してD_Drive三番目のアルバムが登場する。
タイトルは『R』。
発売はまだもうチョット先の11月27日。
ヘヘヘ、役得、役得…ズルして先に聴かせてもらっちゃったぞよ!

「D_Drive」に「r」を足すと「D_Driver」となる。すなわちD_Driveのファンの皆さんのことだ。いわゆる「動作主名詞」ってヤツだね。そのための「R」。
タイトルの「R」の意味はまずそれがひとつ。
それと同時にメンバー各人の中にも固有の「R」があるようだ。
私だったらナニかな?
大好きな街「ロンドン」かな?ロンドンの「ロ」は「L」だっちゅーのッ!

140cdここから先は11月6日に開催された東京でのワンマン・コンサートの写真を交えて私なりの『R』評を展開させてもらうことにする。
もちろんこのワンマン・コンサートの模様もMarshall Blogでレポートする予定なので乞うご期待。

150Seijiさん作の序曲的小品「Run to R」で始まるこのアルバム、ギター類はすべて実際にMarshallを爆音で鳴らし、それをマイキングして録音された。
D_Driveはデジタルでギターを鳴らさない。
だからこんなにもナマナマしいド迫力サウンドでギターが鳴り響くのだ。
160v
SeijiさんはDSL100と1960AX。

151vYukiちゃんはTSL100と1960A。

152vShimaちゃんはEDEN WT-800だ。

153v二曲目もSeijiさんの作で、上のライブでも演奏された「Attraction 4D」。
コレ、このサビのメロディがよく出たね。クロマチックで上昇するところ。ハッとさせられる。
ホントにこのバンドの曲を書くのは大変なことだと思う。
インスト・バンドなので歌詞がないのは先刻承知。その分、どれだけ人の心に残るメロディを見つけるかにかかってくる。
昨日もJimi Hendrixのところで書いたけど、そんなに指が早く回っても、小技がうまくても曲が良くなければ何の意味もなさないし、聴いている方は耐えられない。
歌詞の不在を補う分の演奏上のトリックも必要だろう。
掛け合い、ピックアップ・ソロ回しなんてことは珍しくもなんともないから、その上をいかなければならない。
かといって、いいトリックが考えついても同じワザは何度も使えないと来てる。
つまり進化が進化を必要とする「作曲のアリ地獄」に陥ってしまう。
その点、D_Driveはそれらの困難を見事に克服して来たと思うね~。
そして、このサード・アルバムで音楽性を変えることなく、もうひとつの顔を見せたと言えるのではなかろうか?

170vそれは「スタジオのD_Drive」だ。
私は以前の仕事を通じて知遇を得たSeijiさんと比較的長く、そして緊密なお付き合いをさせて頂いているが、知り合った最初の頃はSeijiさんのバンドの音を聴いたことがなかった。
初めて『Something to Drink』で一曲目の「Runaway Boy」を聴いた時の新鮮な衝撃といったらなかった。「あの人こんなことやってるのかッ!ああ、まだロックにはこういうことができる余地が残っているんだ!」とひとりごちた。
『R』を聴いた瞬間、あの時の衝撃がもう一回訪れた。
このアルバムは以前からステージで演奏されている曲を数曲収録している。
「Russian Roulette」、「Among the Distraction」、「Drive in the Starry Night」などがそれに当たるが、一体どうしたことだろう?
聴き慣れているハズのそれらの曲がまったく別のものに聴こえる。
それはスタジオに入るに当たってアレンジをし直したとか、トコトン作り込んだということではない。
でも、いつもYukiちゃんが左手の人差し指をこめかみに当てて曲紹介をする「Russian Roulette」には聞こえないのだ。
ギター・リフのひとつひとつ、ソロの隅々までがクリアに聴こえ、はち切れるようなリズム隊の完璧なコンビネーションも目の前に迫ってくる。
「ウワ!こんなことをやっていたのか!」ってな具合。


ソロの長さも収録時間も絶妙だ。「もうチョット聴きたい!」と思わせるところが名人のなせる技。
店で見て気に入って買い込んで来たツボを家で磨き上げてみたらまた別の楽しみ方が出てきたような感じ。ツボ買ったことないけど。
フト思ったのはこの『R』、YesやGentle Giantは超絶なスタジオ音源を忠実にライブで再現したが、D_Driveは正反対のことを巧みに実現したのではなかろうか?
正直、惚れ直した。

180vとにかく曲がいい。
Seijiさんの作品だけでなく、「Advance and Attack」、「Now or Never」等、収録曲の半数を占めるYukiちゃんの作品がハード極まりなくてこれまた素晴らしい。
さすが、朝起きたら突然ギターを弾く宿命を感じた人だけのことはありますな。
もうロック・ギターの技術も限界に来てるでしょ。私が高校の頃は速弾きできれば学校のヒーローだったけど、今では例え小学生がどんなに速く正確に弾いたところでもう驚くこともないし、右手を指板の上に乗せてコチョコチョやってみせたところで最早珍しくもなんともなくなっちゃった。
今はそれらの技術をいかにいい曲で使うか…というところに勝敗がかかっている。
『R』を聴けばD_Driveが勝者の口であることがわかるであろう。

それとギターという楽器について…。
ひとつ思い出したのはStanley Jordanというジャズ・ギタリスト。
同時に何本かのギターを用いてタッピングでソロとバッキングを完璧に奏でる技法で80年代の初頭にキラ星のごとく現れた。理屈としてはピアノの技術をギターに移行させたというワケ。
そりゃビックリしたよ、初めてテレビで見た時は…。録画しておこうと思わずビデオに飛びついたもん。
ギター好きならジャズを聴かなくてもご存知の方は多いと思う。
この人のスゴイところはその(当時)奇抜なテクニックもさることながら、「キチンとしたジャズ・イディオムを身に付けた高い音楽性」と言われていた。
要するにチャンとした伝統に根差したジャズが出来る…というわけね。それにLed Zeppelinの「Stairway to Heaven」なんかを取り上げたりしてたカバー曲のセンスもよかった。
ところが、デビューした時、ある辛口のジャズ評論家(ジャズ喫茶のマスターだたかもしれない)がこう言ったことを覚えている。
「確かにその通りかも知れないが、果たしてギターという楽器の魅力を発揮しているといえるのだろうか?そこがこの人の最大の弱点ではないか…」
つまり、撥弦楽器であるギターは弦をはじいてこそその楽器の魅力を発揮できるということだ。
シンガーで言い換えれば声に魅力がなかった…コレは致命的でしょう。クラシックの声楽の人達は「声」を「楽器」って呼んでるぐらいだからね)
結果どうなったかはファンの方に失礼なのでココには書かないが、今、Stanley Jordanを熱心に聴いている人を私は知らない。
翻ってD_Driveはどんなだ?
先に紹介した通り、フル・ヴァルブのMarshallで鳴らしたギターの音のなんとふくよなかことよ!
『R』を聴く時には、デジタル機器の利便性に真っ向から対抗したかのようなふたりのリッチなギター・サウンドにも十分注目してもらいたい。エレクトリック・ギターの魅力のひとつがそこにある。


そして、この才気あふれるサウンドをMarshallやEDENで奏でていることに誇りと感謝の念を表したいと思う。

190CDだけでしかD_Driveを聴いたことがない人は絶対にステージを体験するべきだし、ライブでしかD_Driveを体験したことがない人は必ず『R』を聴くべきだ。
さすればD_DriveのステージやCDが「倍」どころか「何十倍」もおもしろくなるハズだ。


あ~書いた~!スッカリ『R』に興奮しちゃったのでアール。さ、もう一回聴こっと!
おススメです。
一般発売は11月27日。もうちょっと待っててチョ!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

200(一部敬称略 ①2015年10月25日 両国SUNRIZE ②2015年11月6日 渋谷TSUTAYA -WESTにて撮影)

2015年11月11日 (水)

三宅庸介 『Sound Experience 17』 ~ Tribute to Jimi

ヒョエ~!
三宅庸介のSound Experienceももう「17」ッ?! しょっちゅうやってるワケでもないのに早いな~!
年に一回の正月やクリスマスよりがアッという間にやって来るのより早く感じるわ。
初めてお邪魔したのはまだ全然数字が若いウチだったよ。それからは皆勤。
他の人がやらない、自分だけの音楽の研鑽を積む三宅さんの姿に毎回刺激を受けに行くのだ。


今回の『Sound Experience』は山本征史率いるSTANDとステージを共にした。2バンドで出演者4人という例のエコ対バンシステム。でも内容はドロッドロに濃いぞ!
まずはSTANDの登場だ。

10ボーカル&ベース、山本征史。

20ギターは島紀史

30vドラムは金光KK健司。

40v安心してください。今日は全部MarshallとNATALですよ!

50征史さんのワイルドなベース・サウンドは…

60Marshall 1992 SUPER BASS。

70vノンちゃんのリッチなギター・サウンドも…

80vMarshall 1967 MAJOR

90vKKのクリスピーなドラム・サウンドは…

100vNATAL アッシュ。フィニッシュはグレイ・スパークルだ。

110STANDももう何回もMarshall Blogに登場してもらっているが、観るたびに音楽性の幅を広げ、変化を遂げて来ていた…ように私には見える。

120その変化もひとえに征史さんの音楽的感性によるのであろうが、ここのところチョット、ファースト・アルバムの『煩悩good!』の頃のシンプルでパワフルなハード・ロックンロールから離れて、抒情的な面を押し出す傾向が強いように感じでいた。

130vそれでもCONCERTO MOONの時とは爆発の仕方が一味違ったノンちゃんのギターと…

140Strange, Beautiful & Loudでは征史さんの恋女房の、そして、ノンちゃんとは相性抜群のKKのドラミングが征史さんの頭の中にある音楽をバッチリと具現化してしまうところが大きな聴きどころでもあった。

150それが今回のステージでは最初の頃のSTANDに戻ったような雰囲気で、コレもまたやっぱりいいもんだとスッカリ楽しんでしまった。

160v「拳をあげろ!」と呼びかける「From the Bottom to the Top」。

170v何となく横尾忠則の美術を思わせる言葉の混沌がカッコいいバンドのテーマ・ソング「STAND」。作詞が征史さん、作曲はノンちゃんだ。

180vKKのストレートなドラミングとNATALアッシュの組み合わせがすこぶる気持ちいいぞ!

190「インキュベーション」。「出る単」にも恐らく載っていない「incubation」の意味は「孵化」。
雰囲気満点の曲だ。

200記事のタイトルにある通り、このライブはJimi Hendrixに捧げられた。開催された9月18日はJimiの命日なのだ。
ロンドンのラドブローク・グローブとノッティングヒル・ゲイトの中間ぐらいのあったサマルカンド・ホテルで、ゲロをのどに詰まらせて窒息しているJimiを恋人のモニカが発見したのは現地時間の午前10時20分。その後、ハイ・ストリート・ケンジントンのセント・メアリー・アボッツ病院に担ぎ込まれたのが10時40分。そして、息を引き取ったのが11時25分…とされている。
日本時間で1970年午後7時25分。Jimi Hendrixは28歳だった。

Jimi Hendrixと言えば「エレクトリック・ギターの可能性を広げた偉大なるイノベーター」という枕詞が付いて回るじゃんね。我々ギター弾きの周辺は特にそうだ。
まったくその通りだと思うけど、その辺りのJimiの偉業はJimiがいなかったとしても、もう少し待っていれば誰かが同じようなことをしていたんじゃないか?…なんて。
ま、こういう妄想が結構おもしろい。
その心はMarshallとストラトキャスターだ。
このふたつの神器とチョコットしたアタッチメントがなければアレは実現しなかったでしょう。
だってぺランペランのクリーン・トーンとレスポールやテリーでは「ギュイーン」はムリだったし、そんなワザを思いつかなかったことは必定でしょう。
…なんていったらファンの方々に怒られそうだけど、まだ話しは続く。
Jimiのスゴイところはそれらの道具を使って自分だけの音楽を作ったということなんだと思うワケ。
Jimiが死んで45年。誰もJimiを越せないでしょう?
Charlie Parkerしかり、John Coltraneしかり、Miles、Monk、Mingus、Evans、Ornette(この人は最近亡くなった)、Zappa…いくら時間を費やしても超すことが出来ない巨人の業績というものは、決して演奏の技術だけが作るのではなくて、残した音楽のオリジナリティの高さとイマジネーションの強さだと思うんですよ。
Jim Hendrixが書いた曲や、彼が選んで演奏した曲って問答無用でカッコいいし味わい深いでしょ?
このJimiの音楽に対するオリジナリティがあったからこそ「Jimi Hendrix」が成立したのではないかと、今だからこそ思ってる。
同時にその礎となっているMarshallを誇りに思う。だって、色んな偶然が重なったにせよ他のギター・アンプにはできなかったんだから!

征史さんはベーシストだが、最も尊敬している音楽家はJimi Hendrixなのだそうだ。
…ということで、STANDからJimiに一曲捧げられた。
210v征史さんが選んだのはJimiの死後初めて未発表音源として発表されたアルバム『The Cry of Love』から「Ezy Rider」。
この曲、別名を「Slow」とか「Lullaby for the Summer」といい、映画『イージー・ライダー』に触発されてこのタイトルが付けられた。
ちなみにJimiのセカンド・アルバム、「Axis:Bold as Love』に収録されている「If 6 was 9」はこの映画に使用されている。

Img_1817 根っからのBlackmoristのノンちゃんだが、Jimiナンバーでもギター・プレイが冴えわたる。

220vここでノンちゃんの右手を見てみよう。
親指の関節の角度に注意。
曲がってるでしょ?

230その曲がっている親指を伸ばす作業によって弦をはじく。
これを若干の手首の動きと合わせてものすごいスピードで繰り返すのがノンちゃん流。
信じられないぐらいしなやかな指の動きなのだ。マネしてみたけど全然できん。

240弦にあたる角度は、いつもではないがこんな感じ。
メッチャ親指の爪を短く切ってる!コレ、深爪で痛くないの?
ま、高熱を出しても東京から神戸まで運転して来ちゃうぐらいの人だから深爪なんて屁でもあるまい。

250征史さんの右手。指弾きがメイン。

260「クライミング」をはさんで「STANDのJohnny B. Goode」と紹介された「ジェット!」。

270さらに「スパイラル」。
「ジェット!」と「スパイラル」はともに『煩悩good!』に収録されている曲だ。
全七曲中三曲が『煩悩good!』から演奏された。STANDの原点を見たような気がした。

280v「自慢のジャンボジェット」…Muddy Watersなら「ナマズ」か?サンハウスなら「魚雷」だ。
『煩悩good!』のジャケットにあるようにブルースに造詣の深い征史さんならではの一曲ではないか!それがSTANDの魅力!

300v山本征史の詳しい情報はコチラ⇒BLACK CAT BONE

310続いてはYosuke Miyake's Strange, Beautiful and Loud。

320三宅庸介

330vノンちゃんや征史さんがビンテージ系Marshallなら三宅さんはコンテンポラリーに迫る。

340今ではスッカリお気に入りとなったJVM210H。キャビネットはこだわりのBaseタイプ。

350v一曲目は三宅スタンダードの一角「if」。

360STANDで暴れまくった二人は今度はサポートにまわる…

370vといってもS,B&Lはこの三人が主役だ。
ひとりかけても音楽が成立しない。

380vん~、相変わらずの素晴らしいトーン。JVMの得意なところを全部引き出してくれているかのようだ。

390v全部で六種類のサウンド・キャラクターを持つJVM210H。
これまでにも数えきれないほど使用し、試行錯誤を繰り返していたが、CLEAN/CRUNCHのオレンジ・モードがシックリ来ているとのこと。
ゲインはフル、マスターは7.7~8。トレブル3.5、ミドル8、ベース3というセッティング。
要するに大爆音だ!

400二曲目は「murt 'n akush(マラケシュ)」。

420

三宅さんのレパートリーではわかりやすい5/4の人気曲。確かにこの曲のリフが一番口ずさみやすい。

410レパートリーの中では古い部類に入る曲、「bloom」。
これまた三宅さんの感覚がおもしろい…「ベイクド・ポテトに出ているような達人たちの演奏の仕方とムードを想像しながら作った」という。三宅さん、Michael Landau好きだからね。
そして、元々は曲のメロディがうっすらとコードの中に存在しているといった感覚で演奏していた。その後、アルバムに収録する際にメロディをドンと一番前に持ってきて、曲の主役をハッキリはっきりさせたというのだ。
S,B&L以前から演奏していた曲だが、このトリオの演奏のために完全にアレンジされ、生まれ変わった。

430v中間部のづりー・インタプレイはショウのひとつのハイライトにもなっている。
Img_1912
三宅さんにとってはそれが三人で語り合うとても楽しい時間なのだそうだ。

Img_1919
いつもとても注意を払いながらこの曲を演奏しているとのことが、作曲についてはスンナリといったそうだ。特にAパートのメロディとコードの動き方がお気に入りだとか。
ソロの後半に繰り返されるアルペジオのような部分は三宅さんが二十歳の時から使っている演奏法で三宅スタイルの特徴的な部分を占めている。

450
持ち時間も中盤に差しかかり、まずますおしゃべりに夢中になる!

440v三宅さんも大のお気に入りのNATALサウンド。
私もずっとそう思っていたのだが、NATALの響きはとても音楽的だ。
三宅さんもそういう風に評価してくれていてうれしい。
そう、NATALがステキなのは、ドラマーだけでなく、共演の人たちからも「音がいい」とホメられるところなの。ギター族の私としてもすごくありがたい。
三宅さんのように尋常でなく音にこだわるミュージシャンにそう言ってもらえるとさらに自信がつくナァ。

460「Stratify」もS,B&Lより以前からあった曲だ。
元々はもっとユッタリした曲だったが、この顔触れになってテンポをアップさせハードロック化させた。

470vここで三宅さんの右手も見てみよう。

480チョット見ただけでもおわかりだと思うが、異常なぐらい、ピックが弦に当たる角度、深さ、弦を弾く位置を使い分けている。

490これも常にギターが完璧な状態で、その音質の変化を忠実に表現してくれるギター・アンプがないとこの努力も徒労に終わる。
すなわち真空管アンプだけができる仕事だ。それを知っているからこそこういう人は必ずフル・ヴァルブのアンプを使うのだ。

500三宅さんお気に入りの「Petal」。
人生で一番「作曲」という言葉を意識して作ったそうだ。

510そして最後は「Virtue」。
今のレパートリー中では「bloom」と並んで一番古い曲。
2007年の冬に作られた曲で、三宅さんはその頃チャイコフスキーとマディ・ウォーターズをよく聴いてたそうだ。
Jimiは「ヘンデルとマディ・ウォーターズを合わせた音楽をやりたい」と話してた記述があるんだってね。
で、三宅さんもそれをやってみたい…ということでペンを進めたそうだ。
実際に作曲に取りかかってみると、チャイコフスキーというよりはヴィヴァルディを思い描くようになり、「調和の幻想(L'estro Armonico=クラシックの連中は「アーモール」とか呼ぶでしょ、コレ?)」という曲のイメージを保ちながら完成させたのがこの作品。
「Blues Meets Vivaldi」をやりたかったのだという。
ちなみに、ロンドン時代のJimiの家はヘンデルの家の隣だったんよ。

520vコレはロンドンのソーホーに近いビーク・ストリートというところにある「ヘンデル博物館」のリーフレット。
青くて丸いプラークが付いてるでしょ?
向かって右の茶色い方がヘンデルが住んでいたフラット。向かって左はJimiが住んでいたフラットだ。
ヘンデルは数少ないイギリスの作曲家みたいに思われているフシがあるけど、この人はドイツ人。会ったことないけど。イギリスに帰化した。

O_img_0275 若者の草食系、年配のコピー・バンドが花盛りのロック界にあって、こういう自分だけの音楽を愚直なまでに追求する人ってのはカッコいいね。
かなりアクの強い音楽だけに好き嫌いがかなり分かれるところだろうけど、演奏を一度見れば三宅さんの振る舞いに音楽の求道者の姿を見るハズだ。
ロック好き、ギター好きの諸兄には絶対に一度観てもらいたい。


そうだ!
考えてみればMarshall Blogでそういうコンサートでもやったらどうだろうか?
「百聞は一見にしかず」ってヤツよ。
いつもMarshall Blogで活躍しているガッツのある音楽家たちをかき集めたコンサート。
司会は私で、ボヤキとウンチクと自慢話しばっかりするの。
イメージとしては「動くMarshall Blog」。
そんなのがあったらみんな観に来てくれるかな~?どう?

530アンコール。
昨年同様、Jimiへ捧げる一曲。

540曲は「Angel」。
オ、奇しくもまた「The Cry of Love」!征史さんと事前に示し合わせておいたのかな?

550歌は三宅さん。
「♪Fly on my sweet angel~」…心を込めて心の師に囁いた。

560vそして、ノンちゃんとの壮絶なギター・バトル!

570珍しい。
メジャー(長調っていうことね)でこういうギター・バトルって滅多にみかけないじゃんね。

590…と思って終演後三宅さんにそれを伝えたところ「それが狙いだったんですよ!」だって。ヤッパリね!
次回も楽しみなSound Experienceなのであった。

600最後はチョット『In the West』風に…。

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒YosukeMiyake's "Strange,Beautiful&Loud"

O_s41a9135 1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!時間がなくてなかなか進みません!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年9月18日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

P.S. ところで、この「Grapefruit Moon」ってTom Waitsなのね。ダメなのよ、またTom Waitsが…イチイチこんなことばっかり言ってすみませんね。

2015年11月10日 (火)

LED ZEPAGAIN AGAIN~『Live at Earl's Court』 40周年記念 <後編>

<第一部>が終了し、現在20分の休憩中…。
ステージの前でボーッとしていたら、Marshall Blogをいつもご覧頂いているというお客さんが私に近寄って来てある話しをしてくれた…それがスゴイ話しで…。
このお客さん、ある日小型のMarshallコンボを買おうと思い立った。
「オ、いいのがあるじゃん。値段も手頃だ」…と携帯から気軽に注文した。
ところが数日後、荷物が家に届いて腰を抜かした。
「デ、デカイ…。ハコがデカすぎる…。ナゼだ?小さいMarshallを注文したハズなのに…」
で、届いたMarshallに目をやると、それは創立50周年を記して製作されたハンドワイアードの1962 Bluesbreakerだったのだ!
このお客さん、ナント、携帯の小さいディスプレイで注文したものだから、値段をヒトケタ見間違えてしまったのだ!
でもスゴイのは、「返品しようと思ったけど、50年に一回のことだから記念に買っちゃおう!」と購入してくれちゃったのだ!
あのモデルは私の親友のSteve Dawson(元The Animalsのギタリスト)がMarshallを辞める前に心血を注いて監修した彼の「白鳥の歌(Swan Song)」なのだ。だから、持っておいてきっと損はないハズだ。
でも、お支払いはよっぽどの富豪でない限り、伊達や酔狂で引き受けられるようなレベルではない。
いかほどするのかはインターネットで調べてみてください。普通の小型アンプを買おうと思っていた人なら返品するのが常識的な値段であることだけは間違いない。何しろケタが違うのだから。
このお客さんもケタ違いに男の中の男だったのだ!
この場をお借りしましてMarshall製品お買い上げとMarshall Blogご愛読の御礼を申し上げます。100周年の時もどうぞよろしく!
皆さんもネット・ショッピングには十分注意しましょう。


実は私もコレと似たようなことがあってね…大学の時の話し。スケールはグッと小さいが…。
ある朝新聞のコンサート情報の小さい文字に目をやると、ベルリン・フィルが来日し、ベートーベン、ブラームス、チャイコフスキーらの人気交響曲でカラヤンが棒を振るという。
クラシックに疎い私でもヘルベルト・フォン・カラヤンは観ておきたいと思って小遣いを握りしめて、数寄屋橋のソニービルの一階にあったプレイガイドにチケットを買いに行った、
席は安い方でもいい。どうせよくわかんないんだから。
当時大スキだったチャイコフスキーの六番とブラームスの三番を演奏する日の二日分で一万円とかその程度のものだった。
で、意気揚々とプレイガイドで「あ~、チャイコとブラームスのヤツをください。C席で結構」かなんか言ったところ、応対してくれたお姉さんが優しい声で…「合計で十万円になります」と言いながらチケットを差し出すではないの。
ナ~ニ~?やっちまったな~!
そう、新聞の告知広告に出ていた小さい文字で記載してあった値段をヒトケタ読み間違えてしまったのだ!何せクラシックのコンサートなんて行ったことなかったからね。恥ずかしかった~。
クレジット・カードなんて持っていなかったから、Marshallのお客さんみたいにチケットを買い取ることはできなかったし、仮に持っていたとしても一回五万円じゃね~。
それから七年ほど経ってカラヤンは死んでしまったが、無理してでも見ておいたほうがヨカッタかな~?…とは思えないな。アレでヨカッタんだ。
こうして恥をかいて人間は成長するのだ。イヤ、全然してないか…。

<第二部>はアコースティック・セットから。
さて、この大抵コンサートの中盤で出て来るアコースティック・セットってのは今ではアチコチで見かけるようになったけど、Led Zeppelinが開祖なのかしらん?
詳しいことは知らないんだけど、『III』をリリースした後ぐらいから始まったのかナァ?
このコーナーもLed Zeppelinの大きな魅力だったんだろうね。Deep PurpleやBlack Sabbathはやらなかったでしょう?
もちろんLED ZEPAGAINにとっても重要なショウの一部だ。
まずは三人で「Going to California」。

10_3Swan Montogomery

20vJimmy SAKURAI

30vJim Wooten

40v続いて「That's the Way」。

50<前編>にも書いた通り、Led Zeppelinといえばまず真っ先にヘヴィな曲を期待してしまうが、こうして聴くと、ホント、静かな作品にもツェッペリンの魅力ってのは詰まっているもんだよね。

60_2クドイようなだが、こういうヴァーサタイルな部分も人気の秘密だったのだろう。

70アコースティック・セットの最後は楽しい「Bron-Y-Aur Stomp」。
ウェールズのグゥイニッドというところにあった小屋の名前がタイトルになっている。意味は「金の胸」だとか…。原曲はPentabgleのBert Janschによる「The Waggoner's Lad」。
ウェールズの英語はキツイよ。
Marshallにもひとりウェールズ出身のヤツがいて、ナニを言っているのか最初サッパリわからなかった。今は結構慣れて平気になった。
Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch(ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ)という世界一長い名前の駅がウェールズにあるのはよく知られている。

80vJimはアップライトベースに持ち替え。

90v_2Derekも加わって「♪ドッチドッチ」と盛り上げる。レコードではJohn Bonhamはカスタネットとスプーンを鳴らしてるんだってね。

100vお客さんもノリノリの手拍子でにぎやかにアコースティック・セットは完了!

105ここで機材のトラブルにより<第一部>で演奏できなかった「Kashmir」をプレイ。
コレってBilly Cobhamの「Stratus」に共通する部分を個人的に感じるのね。その心は「知らない間に人気曲になってた」という。
ま、この曲に関してはそんなことないんだろうけど、隠れた名曲的な立ち位置だった印象が強く、「え?ホントにみんな昔から好きだった?」という感じがするんだよね。

120_2「Blag Dog」とか「The Ocean」とか「Candy Store Rock」とかZeppelin式変拍子の名曲。
カッコいいよね。
「♪ジャカジャッ(うん)ジャガジャッ(うん)~」に合わせて会場中のおきゃくさんが膝を上下させていた。
かえってこのアコースティック明けのタイミングの登場でヨカッタような…。

130vその名曲の名リフを奏でているのはMarshall。
1973年製の1959。
詳しくは<前編>をご覧あれ。

125続いて「No Quarter」。
<前編>でも書いた通り、静かな曲はパスするクチだったので知る由もなかったが、この「quater」ってのは「憐みの心」みたいな意味なんだね。
「25セントコイン」も持ってない貧乏人のことを歌った歌なのかと思っていた。失敬。作詞はJPJ。
でも、コレもいいよね。
やっぱり刷り込みってのは恐ろしいもんで、『永遠の詩』のC面のせいでスッカリとっつきにくくなってた。

A_s41a9258 場面はガラッと変わって跳ね飛ぶキーボードのイントロから「Trampled Under Foot」。
「trample~underfoot」は「~を蹂躙する」という熟語。歌詞の内容はRobert Johnsonから拝借した性的な内容だそうだ。
やっぱりこの1975年頃は『Physical Graffiti』もリリースして、完全にレパートリーが広がり切ったところだったので、それだけ出し物的にもヨカッタんだな~。

110_2

そして、ソロソロ出るかと思った通りの「Moby Dick」。

140_2このリフも最高だ。
ん~、なるほど…Bobby Parkerって人の1961年の「Watch Your Step」ってのとほぼ同じだナ…。中にはビートルズの「I Feel Fine」に似てるっていうヤツもいるみたいだけど、それは乱暴ででしょう。ブルース形式じゃないし。
コレにドラム・ソロをくっつけるなんてアイデアは問答無用でスゴイよな~。
しかもそれが1970年にはシングル盤になってる。
この時代、いかにロックが、そしてロック・ビジネスが貪欲になっていたかが伺えるような思いだ。
150vここからは新加入のDerekの独壇場。

160_2ドラム・ソロって大抵ショウの後半に持ってくるでしょう。
ホントにいつも思うんだけど…かわいそうでしょう、ドラマーが!
なんてことはお構いなしに遠慮なく叩きまくるDerek。

160vあるプロのレコーディング・エンジニアから聞いた話し…最近の若い人達はLed Zeppelinを聴いて、「ドラムがスカスカで軽い」って思うらしい。
今のデジタルレコーディングとイヤホンで聴くドンシャリのアミノ酸サウンド(人工調味料という意味ね)に慣れ切っちゃっているためだ。
我々からすると、今の若い人達のドラミングを見ていると、汗みどろでシャカリキになって叩いているワリにはひどく音が小さいナァ~と思うことがあるよね。もちろん全員じゃないよ。
もしくは音は大きくて手はよく回るけど、やたらと騒々しいばっかりとかね。
年齢は倍以上でもベテランの現役ドラマーは絶対そんなことをしない。
サラッとドラム・キットを撫でただけで大きく、そして美しい音を出す。もちろん音が大きくてもちっともうるさくない。
NATALを使っているから言うワケじゃないけど、岡井大二さんなんかはまさにソレ。
スティックを握った手をほんのチョット動かしただけでビックリするほど大きな音が出て来る。それでいてちっともうるさくない。
そういう意味で一番驚いたのは、ロックでなくて恐縮だけどニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードで観たPaul Motianだな。
すごいチャンジーなんだけど、ペロペロっとドラム・キットを撫でただけで爆発的にデカくてきれいな音が出ていた。その音の大きさだけ聴くと、この人が本当にBill Evans Trioのドラマーだったとは信じられないぐらいだった。
でもね、時代というモノは実に自然にうまく移ろうもので、大二さんのドラミングが今の「ありがとう」バンドにマッチするワケがない。全員ドラムに負けちゃうもん。
シャカリキに叩いて音が小さいぐらいが草食系ロックにはちょうどいいのだ。
またそのうちJohn Bonhamの時代が来るさ。
Derekの「死闘」とも呼べそうな壮絶なドラム・ソロを聴いていてそんなことを思ってしまった。

170大歓声に応えるDerek。
どこにこんなスタミナが残っていたのか?
長尺かつパワフルなソロは観る者すべてを魅了した。

180v桜井さんもギターを掲げて賞賛の意を表す。

190v_2今度はあのベースのイントロ。「Dazed and Confused」だ。「幻惑されて」の訳はウマい。邦題反対派の私だけど、コレはいいな。
この曲はJimmy PageのThe Yardbirds時代からのレパートリーで元はJake Holmesというアメリカのシンガーソングライターの作品。というか、全く同じ。それがPageクレジットになっていたので当然モメた。
でも原曲にもあるこのベースのフレーズもブルースからの引用ではなかったか?

200それを圧倒的なパワーで振り切ったのがLed Zeppelin。
それにはMarshallが必要だったのさ!

210vもちろんこの曲の大主役は桜井さん!

220v幻想的なボウイング・ソロは今年も大きな見所のひとつだった。

230vステージにひとり残ってひたすらヴァイオリン・ボウでギターをこすり、そして叩く。

240コレは一度でいいからやってみたいよね~。
桜井さん、次回は自分のレスポールを持って行くのでチョットでいいからやらせて!
あ、言っておきますが、私のレスポールはLes Paul本人がその写真を見て「美しいギターだね~」って言ってくれたのよん。その写真のウラにサインをもらった…自慢コーナー終わり。

250vタップリと桜井さんの妙技を味わった後、曲はクライマックスへ!

270完奏!大喝采に応える桜井さん!

280vまたダブルネックを手にした桜井さん。

290皆さんお待ちかねの「Stairway to Heaven」。
コレもアメリカのバンド、Spiritの「Taurus」という曲の引用といわれているが、そうかナァ。似ているのはイントロの二小節だけでゼンゼンそういう感じはしない。
曲のイメージが全く違うのだ。
でも、昨年、Spiritのベーシストが作曲者である故Randy Californiaの名前をクレジットさせようと起訴したが、証拠不十分で失敗。もしウマくいっていれば550万ドルの印税が転がり込んでくるところだったそうな。アータ、6億6千万円だよ。この一曲だけでZeppelin号は一体どれだけ儲かったのよ?って話し。
Led Zeppelinは実際「Fresh Garbage」というSpiritの曲をレパートリーにしていたこともあったそうだ。
ちなみにSpiritの中心人物であり、ギタリストであるRandy。「California」ってヘンな名前でしょ?コレ、Jimi Hendrixが付けたんだよ。同じバンドにもうひとり、Rady Palmerってのがいて、区別するために出身地を名前にくっつけた。ひとりはRandy California、もうひとりはRandy Texasだった。
アメリカだからいいけど、日本だったたチョット…ね。長野とか千葉のような普通の苗字にある名前だったら自然だ。でも沖縄太郎とか鳥取次郎とか新潟三郎とかはシックリこない。でも日本人の苗字の70%は地名だっていうからね~。

300やっぱりZeppelinの中でも一、二を争う人気曲だけあってあのイントロとあの歌にはお客さんも全身を耳にしていた。

330_2Frank Zappaもビッグ・バンドでユニゾンで演った有名なギター・ソロは完璧。シゲさんの「Purple Haze」じゃないけど、コレも桜井さんの方が本家より数多く演奏しているんじゃない?

A_s41a9866 やっぱり後半のパートの盛り上がりはタマらんね!

320

まさに渾身の演奏だ。

340v
お客さんも名曲の完全な演奏に大満足!

310v_2

「Whole Lotta Love」…ナントこれも訴えられたんだってね?
元はMuddy Watersでおなじみの「You Need Love」。奇しくもMuddy Watersはチョット前にやったばっかり。作者はWillie Dixon。コレは似てないって!
こんなこと言ってたらキリがない。向こうの連中は何でもそうやって訴えて金にしようとしているだけなんだろうけど。
それでも、こういうことを書いているのは、鮎川さんがMuddyを通じて教えてくれるように、「ロックはブルースの子供」ということを知っておいてもらいたいからだ。
そして、あわよくば草食系のボクちゃんたちにもそういうロックやそのルーツに興味を持ってもらいたいと思っているからなのだ。
揺籃期のロックがブルースのパクリなのは何もLed Zeppelinだけじゃない。でも、ブルースを下地にしてあまりにもカッコいいロックを生み出してくれた。
MuddyやDixonだって喜んだんじゃないの?「オレの子供たちだ」って。
70年代初頭の日本のロックも、入って来たての海外のロックを利用してコレをやった。だからカッコいいのだ。もちろんブルースも勉強していた。
イカン、つい熱くなってしまった。桜井さん、ゴメンちゃい!

360とにかく「Whole Lotta Love」のリフはあまりにも素晴らしい。
誰だったか覚えていないが「いいリフを作るのは本当にムズカシイ」と超一流の海外ギタリストがかつて何かのインタビューで言っていたが、やっぱJimmy Pageはスゴイよね。このリフ、基本的に音をたった三つしか使ってない!
いいリフってのは得てしてシンプルにできているものだ。

370v_2ここはもうテルミンでしょう。

380コレも一回でいいから大音量でやってみたいナァ。
テルミン・アクションもバッチリの桜井さん!

390続けて「Black Dog」。
この曲のアイデアの元がFleetwood Macの「Oh Well」というのはうなずける。その「Oh Well」の元がMuddy Waters?
もうコワくてブルース聴けない。
あ、そうそう、またしつこく書くけど「Blues」の発音について。
これはやっぱり「ブルース」としたい。というかMarshall Blogでは「ブルース」を通す。
実はこの事が気になっていて、何人かのネイティブ・スピーカーを使って調査してみた。
私の調査結果は、確かに「ブルース」と「ブルーズ」の中間のような感じもするが、普通にしゃべっている時は連中は「ブルース」と発音します。
で、「bluesをユックリ発音してみな」というと「ブル~~~ズ」と濁っているように聴こえるが、正直ハッキリとした「ズ」には聞こえない。でも「ス」ではない。一種の音便変化のようなものか?
現実的に日常の会話の中で「ブル~~~ズ」と言うことはないので「ブルース」でよいのではないか…コレが私の研究結果。

400_2コレもヤケクソにかっこいいよね。「Oh Well」もメッチャかっこいいけど、「Black Dog」を最初に聴いた時の衝撃ほどではない。

420

実際のEarl's Court公演では「Whole Lotta Love」と「Black Dog」はアンコールで演奏された。
実は今回の公演でもその予定だったが時間の関係でマキを入れたようだ。

410vコレにて本編終了。

430_2

さて、LED ZEPAGAIN、桜井さんの加入後、満を持して『The Sound Remains the Same(永遠の響)』と題した二枚のアルバムをリリースした。

500cd

どちらも無形人類遺産ともいうべきLed Zeppelinの名曲を収めている。
評判も上々だ!

510cd
そして、アンコール。

350

まずは「Heartbreaker」。

440続いて「Communiacation Breakdown」。
実はこれらはEarl's Courtの五回の公演の内、最終日にだけ演奏された二曲なのだ。

A_s41a9207 こうしてLed Zepagainの2015年の来日公演が終了した。
昨年より一時間も短いとはいえ、四時間半近い長丁場で、お客さんは十分にZep温泉に浸かって日頃のLed Zeppelin愛を満たしたことだろう。

260v

客電もついてお客さんが席を立とうとしたら、EXシアターの倉林支配人が再びステージに現れた。
「皆さん、お帰りになるのはまだ早いですよ。機材のトラブルで番狂わせがあったお詫びにもう一曲演奏してもらいましょう!」と告げると大歓声が沸き上がった。
倉林さん…ウマい!
「あの曲を聴きたいでしょう?」

A_s41a9189 …『Presence』から「Achilles Lat Stand」だ!「アキリース」ね。

450イヤ~もうホント至れり尽くせりの内容で…。

460_2前回の公演からこっちの一年間、私はほとんどLed Zeppelinを聴くことがなかった。

470vまた、向こう一年同じことになりそうだ。
これほど素晴らしいLed Zeppelinのコンサートを観てしまったのだから!

480vさ、ピカデリー線に乗って帰ろう。

490がんばれ桜井さん!「そば」はまたしばらくの間ガマンですぞ!

LED ZEPAGAINの詳しい情報はコチラ⇒LED ZEPAGAIN Official Web Site
Jimmy SAKURAIの詳しい情報はコチラ⇒MR. JIMMY OFFICIAl WEB SITE

520(一部敬称略 2015年9月20日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影)

2015年11月 9日 (月)

LED ZEPAGAIN AGAIN~『Live at Earl's Court』 40周年記念 <前編>

解散しても尚絶大な人気を誇るグループの代表と言えばThe Beatlesであることは論を俟たない。
それに次ぐロック・グループということになると…Led Zeppelinよいうことになるんだろうな~。
何でこんなにいつまでも人気があるんだろう?
ま、とにもかくにも「曲のよさ」ということに尽きるわネェ。やっぱり問答無用でカッコいいもん。
その衰えを見せない人気ブリが六本木のEXシアターで爆発した。
Led Zeppelinバンドの世界の最高峰、LED ZEPAGAINが今年もやって来たのだ!

10_2もうZeppelinムード満点!

20会場入り口にはこんな凝った電光掲示板も用意された。

30本公演のポスター。
「1975年、伝説の『アールズ・コート・ライブ』の再現!」と謳っている。だから上のポスターのデザインが登場した。
今年も「SOLD OUT」だ!

40まずは楽屋に挨拶に…。
そこで見せて頂いたのがコレ。

60絵ではない。
コレなんとメチャクチャ精巧な刺繍なのよ。
作者は「伝統工芸士」、「現代の名工(卓越技能賞)」、「黄綬褒章受章」のキャリアを誇る大澤紀代美さん。

A_img_1757 コチラは今回のジミー桜井さんの衣装。

70v新ドラゴンスーツ。
これも大澤先生の手によるものなのだ。

80いかにも元気の良さそうな、ちょっとラブリーなドラゴン。これがもうすぐ動き出す!
このウエスト…ほっそいナァ~、桜井さん。

90v桜井さんのMarshall。
手前から二番目の1973年製の1959がメイン。その向かって右隣りは現行の1959SLP。すぐ下1960Bとともにテルミン用に使用している。
110
メインの1959はこの写真の向かって右の1960AXで鳴らしている。
このキャビネット、「FLIED EGG」のステンシルにある通り、かつては成毛滋さんが使用していたもの。

A_img_1781 キャビネットのロゴに黒いテープが貼ってあるのは大人の事情でも何でもなく、ただただJimmy Pageがアールズ・コートでこうしていたからだそうだ。

100足元のようす。

120レスポール、ダン・エレクトロ、ダブルネック、アコギそれともう1本。これだけ。

130それと忘れてはならないサオがもう二本。

140コチラはベースの方の機材。
JPJ役は機材のりょいと種類がハンパじゃないからね。ベース、アップライト・ベース、マンドリンにキーボード。やっぱり大変だ。

145いよいよ開演の時間。
満員の観客の前にまず姿を現したのは昨年同様、EXシアターの支配人、倉林さん。
倉林さんはそりゃもうツェッペリン大好きだからね~。もちろんホンモノもご覧になられている。
本公演についての趣旨が説明された。それは既に冒頭に記した通り、Led Zeppelin史上最高のパフォーマンスだったといわれている1975年のロンドンのアールズ・コート公演を再現するというもの。
アールズ・コートについては何度もMarshall Blogに出て来ているので下記をご参照頂きたい。

★【イギリス - ロック名所めぐり vol.11】 Earl's Court(アールズ・コート)の見どころ

★【Shige Blog】 イギリス紀行 2015 その2~米食ってゴー!

150この公演の数日前、倉林さんからお電話を頂戴して我が耳を疑った。
「アールズ・コートが閉鎖するようですが何か情報ありますか?」
「え、『閉鎖』って…コンベンション・センターですか?この五月に行ってすぐとなりのB&Bに泊まって来たばかりですよ!アレ、改装しているんじゃなかったんですか?」
…こんな会話があった。
それですぐに調べてみると…なるほど、近い将来解体されて(demolished)、ショッピングセンターと住宅地になるようだ。
別に私はアールズ・コートに何かしてもらったワケではないのだがコレが結構ショックで、先日も東京にやってきたイギリスの友人に確かめてみると、全然平気で「Yes」と答えていた。
いきなり脱線するけど、何でもロンドンのお茶の水、「デンマーク・ストリート」もなくなるらしい。
それと以前から騒いでいるPink Floydでおなじみの「バタシー発電所」も解体が進んでいて、私が五月に電車で横を通りかかった際には、自慢の煙突四本のうちの一本がすでに撤去されていた。
ブリティッシュ・ロック好きの皆さん!もうロンドンもどんどんロックの遺産が無くなっていくようですぞ!
訪れるなら今のうち!為替レートはキツいけど!
ちなみに、バタシー発電所も巨大かつコンテンポラリーなショッピング・エリアに生まれ変わる。これはこないだ来日したPaul Wellerのところのドラム・テクから聞いたのだが、バタシーのシンボルである四本の煙突は補修してまた元の場所に戻すそうだ。

160「去年は休憩をはさんで五時間半。今年はそれよりも短くはなりますが、ゆっくりイスに座ってショウをお楽しみください!」
そして、ショウはスタートした。

170vオープニングは「Rock 'n' Roll」。
もちろんアールズ・コートもそうだった…みたワケじゃないけど。
ここからすべて1975年のセットリストに沿ってショウは展開する。

180ボーカル、Swan Montgomery。

190vベース他はJim Wooten。

200vドラムは新加入のDerek Smith。
おお、ビックリした。同姓同名のイギリス人ジャズ・ピアニストがいるのよ

300vそして、我らがJimmy SAKURAI!
自分なりに親しみを込めて以降は「桜井さん」とお呼びさせて頂く。
350v
「♪久しぶりだぜ、ロックンロール」…しかし、人類は何ともカッコいい曲を作ったことか?

310v
桜井さん、やっぱり祖国で演奏するのが楽しそうだ。
食べ物が大変なんだって。わかるわ~。
320v
「♪お待ちで?」の二曲目は最近リマスター・バージョンも発売されてファンが泣いてよろこんだ『Physical Graffiti(フィジカル・グラフィーティ)』から「Sick Again」。

330
桜井さんのボトルネックが暴れまわる!

A_s41a9305 しかし、コレもカッコいい曲だよね。
『Physical Graffiti』って子供の頃あんまり夢中になって聴かなかったけど、名曲の宝庫だね。

A_s41a9321 『Houses of the Holy』…あのHipgnosisのStorm ThorgersonがJimmy Pageから怒られちゃったジャケットね…から「Over the Hills and Faraway」。
コレもいい曲だ。
曲だけでなくてジャケットもよかった。Led Zeppelinのアルバムのジャケットについては何回かMarshall Blogでも触れているので興味のある方は是非下記をご覧あれ。

★【Music Jacket Gallery】SFジャケット <中編>

★緊急特集!<追補> Hipgnosis Collectionと下町のヒプノシス

340ダブルネックに持ち替えた桜井さん。

390v

曲は「The Song Remains the Same」。「そのままに歌は残りて(拙訳)」。

370v新加入のドラマーとのイキもピッタリのリズム隊。

410

一心不乱にJohn Bonhamになり切るDerek。

400ちなみJohn BonhamもNATALプレイヤーだった。
パーカッションの話しね。
左の奥に見えるコンガはNATAL製だ。
NATAL、パーカッションもやってますのでよろしく。イヤイヤ、1965年創業のNATALは元々パーカッションなんですわ。

A_jb_1 レコード通りの展開で「Rain Song」。

420vJimはキーボードにまわる。

440v

こうして聴くとコレもいい曲だネェ。
子供の頃はZeppelinのバラードは長いばっかりで苦手だった。ライブ盤『The Song Remains the Same』のC面はあまり聴かなかったナァ。
やっぱり「Good Times, Bad Tines」とか「Heartbreaker」とかああいう景気の良い曲にシビでて聴き出すもんだからね、子供の頃は。
でも、こうして聴くとZeppelinのバラードってのは実に味わい深いものがあるね。フレーズのひとつひとつがイキでさ。
こういうバラードもシッカリ聞かせちゃうところがまた人気の理由のひとつだったに違いない。
でも、イギリスで現役のZeppelinを見た連中に話しを聞くと誰一人静かな曲について触れるヤツぁいない。
異口同音に語られるのはただ一つ「信じられないぐらい音がデカかった」だ。
ま、Zeppelinだけでなく、このアタリの話しは別の機会に書きたいと思う。爆音にまつわる冗談のような話しを見つけた。

430この後、「Kashnir」と「Nop Quarter」に続く曲順だったのだが、キーボード関係の機材のトラブルで一旦スキップ。
『III』から「Tangerine」を演奏して20分の休憩に入った。

450vLED ZEPAGAINの詳しい情報はコチラ⇒LED ZEPAGAIN Official Web Site
Jimmy SAKURAIの詳しい情報はコチラ⇒MR. JIMMY OFFICIAl WEB SITE

460<後編>につづく

【オマケ:Led Zeppelinの思ひ出】
2004年にフランクフルトの展示会のMarshallのブースで撮ったもの。だからそう古い写真ではないんだけど、日に焼けてテッカテカになっちゃった。でも、大事にしている写真。
向かって左はMarshallの営業担当Mark Saywer。
真ん中はJohn Paul Jones。
JPJはこの前年『Guitar Wars』というイベントでSteve HackettやNuno Bettencourtと来日していた。
その時、JPJのリクエストでJCM2000 DSL100を貸し出して、お会いした時にその時の販促品であるMarshallのロゴ入り扇子をJPJにプレゼントした。
八月下旬の暑いさなかだったこともあってか彼はその扇子を大層気に入ってくれた。
そして、この年のフランクフルトの展示会でJPJはまだ元気だったJim Marshallに挨拶に来てくれた。そして、帰り際、私が声をかけると…「おお!扇子のキミじゃないか!ヤァまた会えてうれしいよ!」とこの写真を撮ったのであったですよ。
フランクフルトではみんなから可愛がってもらったおかげでMarshallや英語のことだけでなく、本当にたくさんのことを勉強したし、死ぬほど一生懸命やった。私の人生を変えた場所のひとつだ。
辛いこともあったけど、楽しかったナ~、私も痩せてるし。

A_jpj 1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!時間がなくてなかなか進みません!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年9月20日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影)

2015年11月 6日 (金)

稲葉囃子~スキスキ四人囃子! <後編>

名ギタリスト、稲葉政裕と四人囃子メンバーが合体した稲葉囃子。
さて、後半は一体ナニを演るのかな?

10_2稲葉政裕

20v山崎洋

30v坂下秀実

40v岡井大二

50_3四人囃子の素晴らしい音楽を演出するのはMarshallとNATAL。

60_2稲葉さんは1962 Bluesbreaker。

70大二さんはグロス・バーガンディのバーチ・キットだ。

80第二部のオープニングは『ゴールデン・ピクニックス』から名曲ちゅうの名曲「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」。森園さんの作品。
この稀代の名曲については『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』に詳しく書いておいたので是非コチラをご覧頂きたい。
90cd「いい曲だね~」としみじみおっしゃった稲葉さん。
演奏も素晴らしい。
そして、ギターの音の美しさは非の打ちどころがない。

100v_2濃密な坂下さんのソロ。

120_2その二人をガッチリと受け止めるリズム隊。

130大二さんのドラムはまるで稲葉さんと一緒にメロディを歌っているようだ。
最上の素材に最高の演奏がうまく合致するとこういうことになる。

140_2ここで坂下さんコーナー。
坂下さんの歌で二曲をプレイ。

150_2坂下さんは『包』に収録されている「Sweet Lover Song」という何とも愛らしい曲でリード・ボーカルを担当しているが、コレがホンワカしていて実にいいのだ。

180_2

今回の二曲のうちの一曲は「I Shall Be Released」。Bob Dylanはホントに有名どころしか聴いていない私でもコレがメチャクチャいい曲だということぐらい知っている。
このバンド、またコーラスがシッカリしているのだ。

160_2

もちろん坂下さんのメローなムードもウマい具合に発揮されていてショウの進行上とてもいいアクセントになった。

170v次は待ってましたの難曲。
同じく『ゴールデン・ピクニックス』から「なすのちゃわんやき」。別名「Continental Laid Back Breakers」。コレどういう意味なんだろう?今度大二さんに訊いてみよう。

190この曲は初代ベーシスト、「中村君の作った曲」の故中村真一さんの作品。まったくスゴイ曲を作ったもんだ。
四人囃子は大二さん、森さん、中村さんが高校の時に組んだトリオ・バンド、「ザ・サンニン(←いい名前だ!)」が母体となっている。
中村さんはこの曲が収録されている『ゴールデン・ピクニックス』にはクレジットされていない。
しかし、この日本人離れしたアクロバチックな難曲の作曲者として、日本のロック史に永遠にその名前を刻むことになった。
中村さんはいつもMarshall Blogを応援してくれる私の友人も参加してしていたOrangeNotes(メンバーが中央線沿線の住民)というバンドをやっていたが、残念ながら2011年の5月に急逝してしまった。
下はその年の9月に開催された中村さんを追悼するコンサートのプログラム。
森さんや大二さん、坂下さん、末松さんら四人囃子の関係者の他にCharさんや金子マリさん、安全バンドのメンバーの方々、ROLLYさんらも駆けつけ、盛大な音楽の夕べとなった。

A_img_0219 さて、この「なすちゃ」、何でもが四人囃子の合宿中に中村さんが「こんな曲作っちゃった~」とポコンと持って来られたそうだ。
ところが内容は凝りに凝った、そして、ヒネリにヒネった難曲だったというワケ。

200v_2私は四人囃子のこういう曲が大スキで、自分流に言わせれば10ccなんだよね。
四人囃子というと、必ず「日本を代表するプログレッシブ・ロック・バンド」という枕詞が付いて回るけど、私はこのバンドがプログレッシブ・ロックのバンドだと思ったことはほとんどないんだよね。
私が認識しているプログレッシブ・ロックとは違うんだな。どちらかといえば「日本の10cc」なんだよね。「5cc」、「二人囃子」とバンド名を二つに割ることができるところも似ている?
プログレッシブ・ロックって最後までどこかワケがわからない部分が残っていて、日本人のリスナーにとってはまず歌詞がそのわからない部分であったりするんだけど、四人囃子は全部わかっちゃう。
いいメロディを複雑な構造の曲に乗せて圧倒的な演奏でわかりやすく聴かせちゃう。スタジオ・ミュージシャンの集まりだった10ccがまさにそれであり、四人囃子も同じ範疇に入ると私は観ている。
というのは、最近フト気がついたんだけど、この「プログレッシブ・ロック」というカテゴライズほど定義がアヤフヤなものはないのではないかと…。
聴く本人が自分が聴いている音楽を「プログレ」だと思えばそれは「プログレ」になっちゃう。これはどんなタイプの音楽にも当てハマるんだろうけど、プログレはその幅がやたらと広く、グッチャグチャなんだな。その定義自体がワケわからないところがプログレッシブ・ロックなのかも。
その点、四人囃子は何をやってもわかりやすい。すごくポップなのだ。

210v_2お~っと大二さん足がツった!


また笑っちゃったのが、今回はワザと前半しか演奏しなかったんだよ~。
続きが聴きたい人はまた観に来てくださいだって!

215MCもおもしろかったナ~。

240
…と言ってもしゃべってるのはほとんど大二さんと稲葉さんのふたりだけど。
とにかく当時の日本のロックに関する貴重な話が聞けるのがうれしい。

220_2いつか大二さんのその辺りのことについてインタビューしたいと思ってるんだ。
で、今回死ぬほど笑ったのが、大二さんの話し。
ま、チョットお酒が進むと眠くなっちゃうのは年を取れば仕方ない。
で、ある地方公演でチョット進んでしまった大二さん、ステージでウトウトしてしまった。それでももちろん演奏は完璧。手足はちゃんと動いている。達人だから。
ところがものすごくヘヴィなファンの方が「不謹慎だ!」と終演後注意をしたらしい。
すると傍らにいた森さんが、「大二は自動操縦ができる」と言ったらそのお客さんが余計に怒っちゃった!
「ナニが自動操縦だ!」ってな具合。
坂下さん曰く、「アレを言ったからホントに怒っちゃったんだよ」。
もう大爆笑!はじめて聞いた「自動操縦」だなんて!
でも、居眠りの話しは今に始まったことではなくて、かのCharlie Parkerもスゴかったらしい。ビッグ・バンドに参加して、自分が吹かなくていいパートでは本番中に爆睡していたらしい。ところが自分のソロが回ってくると誰も起こさないのにサッと正気に戻り、文字通り目の覚めるような素晴らしいアドリブ・ソロを披露したという。
大二さんはドラムだから休むわけにはいかないので、「自動操縦」の機能が備わっている。この日はすべてマニュアルで演奏されていました。

230_2また、稲葉さんがお話しがウマくておもしろいんだ~。すごくソフトで上品なんだな。
この日、やたらとステージに向かって声をかけて来るお客さんがいらっしゃったんだけど、その人とのやり取りが上手で大笑いしてしまったよ!

250v

満さんが参加した最初のアルバム、1977年の『PRINTED JELLY』から一曲。

250cdオリジナルではマンドリンを用いたイントロを坂下さんがキーボードで奏でる。

260v_2「ハレソラ」だ。
コレも高校の時に聴いてビビビときたもんですよ。
「♪晴れた空に一筋煙が見えてきたら~」
稲葉さんの歌があまりにも素晴らしい。

270vめまぐるしく場面が展開していくローラーコースター・ソング。
昔はこの曲をコピーして演奏する乞う構成バンドなんて結構いたんだけどね。まさに隔世の感がありますな。
昔の人は高校生でもスゴかった。
280vそして最後はこれまた待ってましたの「一触即発」。
今回は収録アルバムのジャケットを掲載してみた。この時代のアルバムって四人囃子の作品に限らずジャケットもメチャクチャいいと思わない?
十分海外の作品に対抗できる。
音楽だけでなく、ビジュアルも後世に残す価値のあるものばかりだ。

300cd相手が日本のロックの至宝のひとつだけに、薄皮を慎重に剥いていくかのような丁寧な演奏。

320もちろん充実した完璧なパフォーマンスであることは言うまでもない。

330『'73四人囃子』のような坂下さんのオルガンのリードのアレンジも聴きたいナァ。
310
この曲のアイデアのベースが「Wipping Post」とはね~。

340「♪ああ、空が破ける、ああ音もたてずに…」、歌詞もいいんだよな~。
稲葉さんの絶唱!

350v_2一番の聞かせ所の後半のテンポ・アップするところから…

360_2スリリングなキメを経て…

370_2頭に戻るところなんて感動モノよ!
こんな曲よく作って、そして演ったもんだ。

380アンコールはコレ。

390cd_2コレもコンセプト、歌詞、曲、アレンジ、演奏のすべてが完璧な、時代と若者たちの才気が生んだ奇跡と呼べる作品。

400vとにかく楽しいじゃんね?

420vメルヘンチックな歌詞とシンプルなメロディ、そして複雑なアレンジ。
どれをとっても楽しめる。

4301975年にシングルとしてリリースされた。B面のロック・ボッサともいうべき「ブエンディア」という曲は大二さんの作品。
コレもいい曲なんだわ。
いつかゼヒ演奏してもらいたい。
410v
本当はコレで終わる予定だったのだが、アンコールの呼び声が収まらず、一旦楽屋に戻った四人が再びステージに立った。
ところが、曲のストックがなかったため、第一部で演奏した「カーニバルがやってくるぞ(パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ)」をプレイした。

435cd大好きな曲だから何回演奏してもコチラは大歓迎!

440_2それにしても40年も前の曲の数々が今でもこうしてみずみずしく演奏されるのは一体どうしたことだろう?
470_2
「曲のパワー」としか言いようがない。
一曲一曲がまるで宝石にように高貴に輝いているではないか。
果たして今巷間で流れている曲たちは40年もの風雪に耐えることができるだろうか?否、それは愚問というものか?

450v

とにかく、このバンド、観れる機会があったらゼッタイに観ておいて欲しいと思う。
460v_2
大二さん、最後にキメた「Smoke on the Water」〆め!

490このバンドでは皆さん付き合ってくれました。ヨカッタね大二さん!

500_21965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年9月13日 高円寺JIROKICHIにて撮影)

2015年11月 5日 (木)

稲葉囃子~スキスキ四人囃子! <前編>

今日は四人囃子の話題。
へへへ、二本立てにしちゃった。だって大スキなんだもん。
公私混同というなかれ。
コレもこの四人囃子という日本のロックを代表してあまりある最高の音楽集団の偉業を後世に語り継ぐ「伝承作業」のひとつなのだ。
ま、誰かに頼まれたワケじゃないけど…要するに大スキなのよ!

四人囃子は1971年のデビューだから、私がまだ小学校3年生ぐらいの時からあんなことをやっていたワケで、メンバーの皆さんがまだ21歳の時分には『一触即発』してたことになる。
21歳だよ、21歳。21歳って成人式の次の年じゃん?
昔の人(大二さん、失礼!)はホントに偉かった!
それだけ歴史も長く業績も大きいので、ワタシなんぞが四人囃子についてガタガタ抜かすと、その当時から見ている大先輩に怒られそうなので、公なことには触れないでおこう。
で、レコードはもちろん昔から聴いていたものの、実は、私がホンモノの四人囃子を見たのはかなりかなり後になってからのことなのね。
だって、私がライブハウスに通いだした頃にはもう活動していなくて、見たくても見れなかった。
それである日、三文役者のライブの時にBGMで佐藤満さん時代の「カーニバルがやってくるぞ」がかかっていて、その演奏のカッコよさに腰を抜かしたことがあった。
昔の人(大二さん、失礼!)はホントにカッコよかった!
だもんだから、2000年に開催した『マーシャル祭り』に満さんをお迎えした時はものすごくうれしかった。
それから三年後の2003年、『Rock Legend』という企画でProcol Harumと四人囃子が共演する機会があった。
Procol Harumのギタリストで、当時Marshallのデモンストレーターを務めていたGeoff Whitehornに会いに日本酒の一升瓶を片手に会いに行った。
そして、その時が初めてナマで四人囃子を体験した。
それまでにも四人囃子は再結成をして何度か見るチャンスがあったのだが、昔務めていた会社の関係で、東京を離れていた期間もかなり長く、そんなにも後になってしまったのだ。
それ以降、色々な機会に恵まれ、今では大二さんにNATALを使って頂くまでに至ったという次第。
人生ナニが起こるかわからない。

コレは思いでのステージ。
2010年8月に炎天下の日比谷野音で開催された『PROGRESSIVE ROCK FES 2010』というイベントのひと幕。
「人生で最も暑かったであろう一日」ということもあるが、佐久間正英さんの四人囃子での最後のステージとなったことでとても忘れ難い日となった。

10他にRenaissanceとSteve Hackettが出演。
ご覧の通り会場は超満員だった。オジちゃんばっかりだけど…。
でもね、みんな聞きたいんだよ、プログレ。
日本人ってプログレッシブ・ロック好きでしょう?コレを誇りに思いたいのよ。
でもさ、もう風前の灯じゃんか。
イギリスはもうとっくの昔に絶滅状態だし…。
若い人たちにこの知的でカッコいいロックを知ってもらいたいナァ。こんないいものをオジちゃんたちだけに独り占めさせておくのはモッタイないよ。
…ってんで話は飛ぶけど、最近ね、スゴイの見つけたんよ。マジでスゴイ。プログレのトリオ。近日Marshall Blogで紹介するのでお楽しみにね。

20自慢コーナー行きます。
四人囃子の未発表音源をコンパイルした五枚組CD、『FROM THE VAULTS』の第二集。
上が佐久間さんのサイン。下は大二さん。
左はこのコンサートの時に持参して四人のメンバーにサインを入れてもらった。
右は大二さんだけのサイン入り。大二さんがプレゼントしてくれた。
「Thank You!! ウシさん!!」のメッセージが何ともうれしい。
どちらも家宝だ。

30コレハ森園さんのサイン。
このジャケット、白い部分が少ないもんだから色んな所にサインが飛び散ってる。

40表4には坂下さんのサインが収まっている。
もちろん第一集も持ってる。

50そして、本日の本題。
稲葉囃子。
ま、名前を見ればわかちゃうだろうけど…。

60ドラム、四人囃子の岡井大二。

70vキーボードも四人囃子の坂下秀実。

80vベースは山崎洋。

90vそして、ギターとボーカルは稲葉政裕。

100v大二さんはNATAL。
バスドラムはノン・ミュート。「NATALは本当に音がいいよ。特にバスドラムがスゴイ。ノン・ミュートでも自由自在にコントロールできちゃう」と友人のドラマーに説明していた。そのドラマーも大二さんのNATALのサウンドに大きな関心を持っていた。
大二さんが言うんだから間違いないわね。

110バーチのキット。12"、16"、22"。フィニッシュはグロス・バーガンディ。
大二さんのキットはMarshallのステッカーが目印だ。

120稲葉さんはMarshall。

130v1962 Bluesbreaker。
「コレ、どうなっての?」…と我が耳を疑いたくなるぐらいいい音だった。こんなにいい音、チョットいい加減にしてください。

140足元のようす。

150二人囃子と稲葉さん+山崎さんで稲葉囃子。「イナババヤシ」と読んでいるけど「イナバヤシ」の方が言いやすいナ。
「イナバウアー」みたい?「どうも稲林です」って苗字みたいになっちゃうか?

160一曲目は「Flying」。
あの『The Magical Mystery Tour』の「Flying」ね。
180
1976年リリース、『ゴールデン・ピクニックス』のオープニング曲。
大二さんも坂下さんも22歳の時の作品だ。
ライナーノーツの写真を見ると「若い~」と言いたいところだけどとても22歳には見えん。今の感覚だと35歳ぐらいか?
もう一流ロック・アーティストとしての貫録バリバリなのよ。
このアルバムのライナーが凝っててね、使用楽器、スタッフ、レコーディング日時までビッシリ書き込まれている。
大二さんは「まさか!」っておっしゃっていたけど、10ccのライブ盤『Live and Let Live』は『ゴールデン・ピクニックス』のアイデアを借用したのではないかなんて思っちゃう。10ccのライブ盤もやたらめったら細かいことが書いてあって、機材車の運転手の名前まで出てるんよ。

170cdもうこのアルバム大スキで大スキで…。
あんなにオリジナリティあふれるファースト・アルバムを出しておきながら、それに続くアルバムの一曲目がカバーだなんて…。
この大二さんのゴースト・ノートがタマらないんだよね。

190v稲葉さんのボトルネックがいい感じ!
この曲、ビートルズが残した唯一の純粋なブルースなんだってね。「Birthday」もそうかと思ったけど、あれはサビが付いちゃってるからね。

S41a1310 そして、12フレットのナチュラル・ハーモニクスと16分で刻むハイハット!
信じられないことにアルバム通り「カーニバルがやってくるぞ(パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ)」!…涙が出ちゃったよ、うれしくて。
260v
一緒に歌いたくてもオエオエしちゃって歌えない。
290v

中学校の時、この曲を初めて聞いた時にゃ感動したナァ~。今でも十分に感動できるけど。
特に真ん中のLeo Ferreの「パリ野郎(Paris Canaille)」がお気に入りだった。
当時はシャンソンなんてまったく知らなかったけど、とにかくこの破天荒に楽しい雰囲気に酔ったね。
こんなことする日本のバンドなっていなかったし、今なんかもとできないでしょ?40年前だよ。
最近、シャンソンもいいな…って思ってる。

240v

そして、「行け~!」とギターが爆発するところ!
200v
いきなりドラム・ソロ。大二さんの得意ワザ、足ミュートつき。

205大二さんと坂下さんによれば、今まで四人囃子がキチンとした譜面になったことがなかったとか…。
今回それを編纂した山崎さん。大変だったって!

210v三曲目は「空と雲」。
1974年に発表された日本のロック史の燦然とその名を刻む『一触即発』の二曲目。

270cd

このアルバム、一曲目は「[hΛmǽbeΘ]」という小品なので、ファンが四人囃子の実体に触れるのはこの二曲目に収められている「空と雲」になる。
坂下さんのエレキピアノだ。

280
そこにシャープな大二さんのドラムが重なる。NATAL絶好調!

220柔らかい稲葉さんの歌がまたすごくいい!

230大分前に横浜BLITZで稲葉さんが主催するイベントの取材をしたことがあった。それ以外にもアチコチで何度もお行き会いする機会があって、何となく私の顔を覚えてくださっていたようだったのだが、今年の2月、Johnny A.というギタリストのライブでガッツリご一緒させて頂いてようやくキチンをご挨拶をすることができた。
そういえばJohnnyも1962を使用している。

250で、コレは稲葉さんが展開している「わがままセッション」という企画の一環で、「四人囃子にトリビュート」するというアイデアでメンバー二人をお呼びしてに付か間にわたって開催された。

300ありがたい。
色んな形で大二さんのプレイを拝見しているが、やっぱりいいね、四人囃子の大二さんは。
そして、NATALがそのドラム・サウンドを支えていることを考えるとついニヤニヤしちゃう。

310vウワ!このイントロ!「ラム」だ!
「機械じかけのラム」…コレも初めて聴いたときは驚いた、あんまりカッコよくて。

320v1978年の『包』。
「bao」と書くけど発音は「パオ」。
後期の傑作アルバム。

330cdまさか今になって大二さんが叩くホンモノの「機械じかけのラム」を聴けるとはね~。
この曲のドラムがまたアホほどカッコいいんだ~。
というのは、四人囃子の再結成モノでは満さんの曲が演奏されることはまずないからね。私は満さん時代のレパートリーも大スキなのだ。
イヤハヤ、長生きはするもんじゃて、フォッフォッフォッ。

340vこの曲が聴けるのも稲葉さんのおかげ。
このアルバムがリリースされた1978年は稲葉さんが美容学校に入学された年だそうだ。当時は「カリスマ美容師」ならぬ何でも切っちゃう「刈ります美容師」を目指していたそうだ。
よかったね、何でも切っちゃわなくて…さもなければ小田サウンドも今のモノではなくなっていたかもしれない。

350vそして完璧な演奏に感謝…さらに感激。

360「Machine Work Rum」というタイトルの元ネタはもちろん「Clockwrok Orange」なんだろうけど、この時代で早くもコンピュータをテーマにしているところはご慧眼といえよう。
他にもPANTAさんの「HALのテーマ」もそうだが、今の子供たちがスマホをテーマにした歌を歌っているのとは土台クリエイティビティの格が違う。

370稲葉さん、ありがとう!と心の中で何度もお礼を言ってしまったよ。

380vMCでどなたかが触れていたけど、1968年に起きた「三億円事件」って知ってる?
今の価値で10億円だって。
望月三起也の「ワイルド7」に、収監者が自分の頭の良さを示唆するために「三億円事件の計画の一部は私が担当した」っていうシーンがあるんだけど、(『緑の墓』だったかな?)、アレがカッコよかった。
犯人、どうなったんかネェ?

第一部、最後の曲は『一触即発』から。

390cdチンチンチンチキ、チンチンチンチキ…このレガート。
「おまつり」にキマってんじゃん。
私はこのシンバル・レガートを「新・三大ドラム・イントロ」のひとつに選びたいね。他はSteely Danの「I Got News」。後は、「She Loves You」かな?「Birthday」かな?
大二さんの場合、「円盤」もあるからな~。

400そんな重要なパートだけど、実際はこんな感じ。
長年の経験で仕事のすべてに精通していて、部下の書類をパラっと見ただけでハンコを押すかどうか判断できちゃう部長みたいな感じ。
ま、大二部長の場合はたいてい押しちゃうんだけどね。
でも、案外ハンコがもらいにくいのが機材部門なんだよ。
勝手に「弘法筆を選ばず」かと思い込んでいたら、全然シビアなのです。ヤケクソに耳がいいからね。それだけにNATALを心底お気に召して頂いているようでうれしいのです。

420やっぱりこのイントロのギターはこういう表情になりますよね。「♪クーン」って。
それにしてもいい音だな。
このBluesbreakerってのは実に多芸なMarshallだ。ソフトでウォームなトーンから喰いつくような鋭いサウンドまで弾き手の思いを忠実に音にしてくれる。
こういういい曲があるとそれがわかりやすい。

430v四人囃子のレパートリーの中でも人気の高い曲だ。

440「♪何もすることがなくて、おろしたてのバラ色のシャツ着て…」

450ココから次々とドラマが展開していく。
480
そしてハードな頂点に!

490vああ、こういうロックが帰って来ないかナァ~。

470初代ベーシストの中村真一さん、それを引き継いだ佐久間正英さんが天国へ行ってしまった今、オリジナルの「四人」の「囃子」を聴くことはもう望めないが、とにかく、見ておいてください。
「ロック好き」を標榜しておいて「四人囃子」を見たことがない…なんてことは考えられないからね。
そんなの寿司と天ぷらだけ食って「日本食通」を気取っている外人みたいなもんだから。
この「稲葉囃子」、観れる機会があれば絶対にお見逃しなく。ゼッタイに!

500
<後編>につづく

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。
M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版:現在日本語版作ってます!不慣れな作業でもうヘロヘロ!)
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(一部敬称略 2015年9月13日 高円寺JIROKICHIにて撮影)

2015年11月 3日 (火)

鮎川誠と祝うMuddy Waters生誕100年 <後編>~サンハウス登場!

誰にでも見逃してしまって後悔したり、生まれたタイミングが合わずしてどうしても実物を体験することができなかったアーティストやグループがあるハズだ。
「ないものねだり」ってヤツ…。
私なんか欲張りということもあって、その数たるやもはや測定不能だ。何しろクラシックから、ジャズから、民族音楽まで各分野にまたがっているのだから。


「あ~、観ておいてヨカッタ~」というのももちろんたくさんある。
危うく見逃すところだったのは、SHEENA & THE ROKKETSが出演した2010年に野音で開催された『ブルーズ&ソウル・カーニヴァル』で観たSolomon Burkeだ。
ソウルやリズム&ブルース系にてんで弱い私は「King Solomon Burke」という名前ぐらいしか知らなかった。
だから、シーナさんたちの出番が終わったところで野音を失礼しようと思っていたのだが、楽屋で鮎川さんが、「なにせローリング・ストーンズの師匠のソロモン・バークじゃけん、見逃すわけにはいかんち」と興奮気味にされていたので最後まで観て行くことにした。
ちなみにその時は昨日Marshall Blogにご登場頂いた永井"ホトケ"隆さんもblues.the- butcher-590213もしゅつえんされていて白熱のステージを展開した。
そして、Solomon Burke…スゴかった。
もう、歌声を聴いただけで猛烈に鳥肌が立った。
その機会を逃さないように仕向けてくれた鮎川さんに感謝した。Solomon Burkeはその五ケ月後に亡くなってしまい、もう二度と観ることができなくなってしまったのだ。

反対に、ロックの世界でその現役時代のステージを観ることができずに実に悔しい思いをしたバンドのひとつがサンハウスだった。
私の世代はもう五年早く生まれていれば「超ロック天国」だったんよ。
サンハウスを観た年上の人達の自慢話をいつも臍を噛む思いで聞いていたものだ。
私が高校の頃、1979年ぐらいの時分にはすでにレコードも手に入らず、その年上の友人から『有頂天』と『仁輪加』と『ドライブ・サンハウス』をカセット・テープに録音してもらって、大事に大事に聴いた。
サンハウスの情報が音楽誌に載ることもなかったので、それらのアルバムのジャケットすら見たことがなかった。
それが念願かなって2010年のフジ・ロックで再結成され実物を拝見した。
ものスゴイ雨でね…。帰りの新幹線の時間を気にしながら、ステージそででジックリと堪能させて頂いた。
ものすごくうれしかったのはいいんだけど、雨でビショ濡れになって乗った帰りの「とき」の車内が冷房でキンキンに冷えていて、危うく風邪風を引くところだった。
今回はそれ以来なのだ!正反対に今日はギンギンに暑い!

三番目にMuddy Watersの生誕100周年を祝うのはサンハウス!

10_2
30v_2
鮎川誠

20_2奈良敏博

40v_2浦田賢一

50v_2今回はこの四名によるサンハウスだ。

60_2オープニングは「キングスネーク・ブルース」。
「♪オレの身体は黒くて長い、夜になったら抜け出して」…ク~、この菊さんの声!タマらんわ~!

70v_21920年代のデルタ・ブルースの「Crawling King Snake」へのオマージュか。
もちろんMuddy Watersもこの曲をレコーディングしているが、John Lee HookerやThe Doorsも『L.A.Woman』に吹き込んでいる。
私の中ではサンハウスの「キングスネーク・ブルース」が上に来る。

80vコンサートも後半に入っていよいよMarshallもヒートアップ。
ちょっと歪みが深くなった。
それにしても気持ちのよい音だ。
すべてのギタリストにこのMarshallとLes Paulが直結されたピュアなサウンドを聴いてもらいたいと思うよ。

90v_2二曲目は「爆弾」。
『仁輪加』の一曲目だ。

100_2「♪ブチこわす」、「♪付いてきな」の菊さんの声を初めて聞いた時はブッ飛んだっけナァ。
これと「ナマズ」。

120_2サンハウスの鮎川さん…やっぱりヤケクソにカッコいい!

140v_2
「ハイ、もうコレでサンハウスの曲は終わり!」と菊さん。
ココからMuddyコーナーに入る。

130まずは「I'm Ready」。

150v_2「ブルースは歌えない」とおっしゃる菊さんだが、ゼンゼン最高だ!

160_2この出で立ちと、この声だけで菊さんのブルースになっちゃう!

170_2そして、鮎川さんのギター。
何でもいいからズッと聴いていたくなるわ。

180_2続けて「Muddy Waters Twist」。
コレなんかまるっきり菊さんのオリジナル曲のようだ。

190_2

「She's Alright」…この曲もピッタリ。
やっぱりロックやブルースは「声」だナァ。肉食の「声」じゃなきゃやっぱり通用しない。
それがさ、80年代に入って、ニューウェイブとやらで素っ頓狂な声で歌うロックが出て来てからこっちはダメだ。

220v_2

オリジナル通り暴れまくるギター。鮎川さんもいい加減バッチリはまりすぎてる!

200_2

Led Zeppelinでおなじみの「You Shock Me」。
この曲もWillie Dixon。
「Hoochie Coochie Man」、さっきの「I'm Ready」等のMuddy のオハコの他にもCreamで有名な「Spoonful」もWillie Dixonの作品。ちゃんと印税もらったのかナァ?
私がこの人の名前を知ったのはJohnny Winterのファースト・アルバムでのこと。ジャケットに出ていた写真を見て「スッゲェ、ハラだな~」と驚いた。
「100万ドルのギタリスト」と鳴りもの入りでデビューしたJohnny Winterもブルースの大作曲家にしてMuddy Watersのところのベーシストが自分のレコーディングに参加してさぞかしうれしかったに違いない。

210v

お次が圧巻だった…「I Just Want to Make Love to You」。

185v「♪洗濯なんかしなくていい、三度の飯と昼寝つき…●●させてくれればいい」…マーブロ的にこの先は書けない。菊さんの歌詞のコンセプトはほぼ原曲通りだ。
でもコレでいいんじゃないの?ロックは肉食であるべきなんだから。
どんなにカッコつけていたって今の若い子たちにこんなロックは歌えまい。「ありがとう」はロックじゃないんだよ。
コレこそロックの原点だ。だから「ロックはブルースの子供」なんだ。

240

「キング・スネーク」も「爆弾」に出て来る魚雷もテーマは全部そっち系の話だ。
これだけはガール・ロックにマネができないロックのサンクチュアリなのだ。
イヤ、ガール・ロックにはマネして欲しくない部分でもあったりするのは個人的な意見か?
それだけにボーイズはガンガン行って欲しいワケ!

230vマラカスを手にした菊さん。曲は「Tiger in Your Tank」。
コレも強烈な歌だ。
何かすっかりブルースが面白くなって来ちゃったぞ!

250浦田さんのドラム・ソロ。
ツブ立ちのいいストロークがすごく気持ちいい!

260_2ここでいきなりサンハウスの戻って「スーツケース・ブルース」。

M_s41a1116 曲のギター・ソロにもシビれたっけナァ。

290v_2

続々出て来るサンハウスのレパートリー。正直、うれしい!「すけこまし」から…

270_2「ミルクのみ人形」!
うれしいね~。

310

そして「地獄へドライブ」。

280_2ク~、タマらん!
この曲も夢中になって聴いたもんだ。
曲も歌詞もアレンジも非の打ち所がない!

300_2そして、締めくくりはもちろん「レモンティー」!

320vコレまた会場は大合唱!

330_2「♪あなたと飲みたいレモン・ティ」!
ダメだ、カッコよすぎる!
「Train Kept a Rollin'」よりも「Honey Hush」よりも「レモン・ティ」が好き。私はこういう曲が第一から第二世代の日本のロック・バンドが残した偉大な業績だと思っている。
つまり英米ロックのエキスの輸入と翻訳と改良だ。コレがなければ今の草食系グループもなかった。
問題はどこでどうロックがおかしくなってしまったのかとうこと。
それと、どうやってこの時代のロックに戻るかだ。その解決策のひとつは「ブルース回帰」なのではなかろうか?

340v_2もうひとつは「アナログ楽器の見直し」だ。
最新の技術を詰め込んだギター・アンプ・マシーンもいい。時代と利便性には抗えない。
でも、その前にこの鮎川さんのギター・サウンドを聞いて欲しい。それからでもゼ~ンゼン遅くはないハズだ。
370
この音はこういうセットアップからしか出すことはできない。

90v_2

イヤ~、もう最高のステージだった!もっと観たい!

菊(柴山俊之)の詳しい情報はコチラ⇒BOOGIECHILLEN
380v

ホント、思わずお礼を言いたくなる感じ!

390_2アンコール。
「(お客さんが)ギュウギュウでズッと立ってて疲れただろうから、アンコールは短くしようと思ったけどそれもムリっちゃね」と鮎川さんからご挨拶。

410

「マコちゃんとふたりで演ります」と始めたのは「Rolling Stone」。
サンハウスの「ナマズの唄」の原型だ。
歌詞には「Oh Well」と出てくる。結局Fleetwood MacだってMuddyなんだな。
やっぱりみんなMuddyの子供なのだ!

420_2

そして最後は全員集合。

400_2曲は「Go my Mojo Workin'」。

430_2しかし、この曲にしてもあまりにも強烈な内容の曲ばかりなんだよね。

450

今ではインターネットでいとも簡単に曲の意味がわかるので興味のある人はゼヒ調べてみて欲しい。
ほとんどすべての曲が男女の「ヘソ下三寸」がテーマになっている。
こうした内容の曲をストレートに味わっているネイティブの人たちの受け取り方は一体どんなだろう?
ネイティブ・スピーカーでも、どんなに英語を勉強した達人でも、自然にこういう世界に生まれた人でなければわからないのかもしれないナァ。

440_2でも、ひとつ言えるのは、やっぱりコレは「そういう音楽」ということで、その子供である「ロック」は自分の親を見習うべきだとということだろう。

480_2ステージのMuddyの息子たちに最大級の歓声が浴びせられたことはいう間でもない。

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510

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520_2「ロックはブルースのベイビー」
こういうライブこそ若い人たちに観てもらいたい。イヤ、若いミュージシャンに観てもらいたいと思うね。

SHEENA & THE ROKKETSの詳しい情報はコチラ⇒RocketWEB

470_2

(一部敬称略 2015年9月12日 下北沢GARDENにて撮影)

2015年11月 2日 (月)

鮎川誠と祝うMuddy Waters生誕100年 <前編>~SHEENA & THE ROKKETS、永井"ホトケ"隆登場!

今のロック好きの若い人たちにはとても考えられない話かもしれないが、昔、熱心にギターをやっている連中の大半は「ブルース」という音楽に興味を持ったものだ。
憧れのロック・ミュージシャンが揃ってブルースの影響を受けていたからだ。
自分の大好きなギタリストが、やれRobert JohnsonだのB.B.Kingだのという名前を口にすれば「一体どんな音楽なのか?」と気になるのが普通だ。
私もご多分に漏れずディスク・ガイドに従ってB.B. Kingの『Live at Regal』とか『Albert King Live』なんかを買って聴いてみたけど…ダメだったな。シブすぎちゃって。
ま、14、15歳ぐらいの時の話だからね。


高校の時に観た屋根裏でのウシャコダのライブで藤井さんが「一旦、ブルースの魅力に憑りつかれてしまうと…ロック(ブルブルブルブル←頭を左右に振っているところ)、ジャズ(ブルブルブルブル)、クラシック(ブルブルブルブル)…とても他の音楽は聴けなくなっちゃうよ」とおっしゃっていたことを今でもよく覚えている。ウシャコダ大スキだったから。
それでも、ウシャコダはよくてもピュアな「ブルース」はどうも苦手だった…というのが正直なところ。
この年になって時折聴くようにはなったし、時々「いいな~」と思うことはあってもどうしても「勉強聴き」の域を出ない。
でも、ロックにとってブルースの重要性はよ~く理解している。
だから最近の若い子たちが聴いているロック的なものが「ロック」を感じさせず、圧倒的に「フォーク」か「童謡」に聴こえてしまうのはブルース・フィーリングが欠落していることに起因している…という考え方は支持できると思っている。
70年代のロックを体験した世代に換言させれば、「日本の若年層の間にはもうロックは存在していない」という風になってしまうことに異論を唱えるものは少ないだろう。
善し悪しのことを言っているのではないんですよ。時代の変化だからどうしようもない。

そこへ行くと、イギリスってThe DarknessとかThe Answerとか、時折思い出したように70年代のサウンドに自分たちの世代のテイストをミックスしたようなカッコいいロック・バンドが出て来るでしょう?
何でだろうな~?と考えるに、イギリスのロックはスキッフルが発祥と言われているものの、それよりも基本的なロックの土台がブルースでできているからではないか?と最近思いついた。
コレは演る方だけでなく、聴く方もそういう下地を持っていることは間違いない。
イギリス人はブルース・ロックが大好きだからね~。


ロックをジャンル分けするときによく言われることのひとつにプログレッシブ・ロックのことを、「ブルース・フィーリングがないロック」として定義づけることがあるが、ま、そうでしょう。同感。
でも、演っている人達はそうではない。
例えばRober Frip。
Peter Gabrielのソロでむせび泣くようなブルージーなギターを弾いているし、初期の重要なレパートリー「A Man a City」は変形マイナー・ブルースだし、後期には「ProzaKc Blues」なんて曲も演ってる。
Pink FloydのDave Gilmoreはどうだ?
あのギターにブルースを感じないものはいまい。Syd Barrettのダルな曲にだってブルースのフィーリングを感じる。
ビートルズだって「Fying」がある。
50年代後半~60年代前半のロンドンのクラブに関して研究すると、驚くほどみんなブルースに夢中になっていたかがよくわかる。


そこへ行くと、日本は「ロック」というものがある日いきなり「ボッコン!」と海の向こう入って来て「コリャ金になりそうだワイ」と、ロックが何たるか、ワケがわからないウチにはびこってしまった。(コレは故佐久間正英さんの受け売り。実際に当時のレコード会社のプロデューサーの回想ではみんなそう言ってる。つまり自分が売っている商品がサッパリわからないという驚くべき状況だったのだう。こんなこと普通の商売ではあり得ない)
それでも昔のミュージシャンは冒頭に書いたように自分の手本のミュージシャンのルーツに興味を持ち、さかのぼってロックを勉強した。
もちろん今でも若い日本のミュージシャンの中にも同じようなことをしている人がいるのだろうけど、ブルースまでさかのぼっている人はまずいまい。
皆さん、驚くほど昔のロックをご存知ない。
ま、コレも無理はなくて、我々の世代は、4、5年もさかのぼればまだビートルズがいた時代で、原点に行きつくなんてことは何でもなかった。
今の若い人は大変だよ。ビートルズのデビューまで50年以上もあるんだから。ブルースどころではない。


あの「伝言ゲーム」ってあるじゃない?
今のロックが出て来た過程はアレに似てるような気がする。
ブルースから始まって、ロックンロールになって…その間、プログレだ、メタルだ、テクノだの、「ロックってこんな音楽だよ」と世代間で伝言しているウチに、気が付いてみると「アレ?ロックってこんなんだったっけ?」、「ブルースの要素は一体どこへ行っちゃったの?」という感じ。

それともうひとつは、誰がこんな風にしちゃったのかは知らないけど、ギター・ソロがほとんどなくなっちゃったのもロックからブルースっぽさを払拭してしまった原因でもあると観ている。
一般的なロックのギター・ソロを構成する音はブルースと同じだからだ。

コレはやっぱりマズイのではないか…と。
だって「ロックはブルースの子供」なんだから!
今では「ありがとう」やら「がんばれ」やらでロックはすっかりヨソのウチの子になっちゃった。
やっぱりブルース・フィーリングのないロックはロックではない。

今日と明日でレポートするのは鮎川誠を中心とした、ブルースの巨人Muddy Watersの生誕100年を祝うイベントだ。
ブルース、ロックンロール、1960年代のロックと、それらは鮎川さんの世代が間近に、あるいはリアルに体験した音楽だからね。
何せビートルズの出現を高校の時の弁当を包む新聞紙で知ったというんだから…。
そんな鮎川さんと2010年に郡山美術館で開催された『スウィンギン・ロンドン 50's-60's -ビートルズたちが輝いていた時代-』で対談することになった時にはかなりビビった。

Sl 真っ先にやったことは鮎川さんの著書『'60sロック自伝』を手に入れて鮎川さん経由でブルースを勉強し直した。
この本、鮎川さんの口述筆記のスタイルで、ロックが一番輝いていた時代のことがナマナマしく記されていてものすごくおもしろいよ。
もちろんMuddy Watersの名前は何回も登場している。

10
イベントは『マディーウォーターズ生誕100年祝賀ライブ 鮎川誠 Presents
THE BLUES BABY ROCK AND ROLL』と銘打たれた。
Muddy Watersは1912年の4月4日生まれというから、生きていれば102歳になっている計算。1983年に亡くなっているのでもう没後32年も経ったんだね。
なんて、知った風なことを言ってるけど、いつも言っているようにブルースは門外漢なので実際には詳しくはないのだが、Muddy Watersだけはチョットした思い入れがある。
それはThe Bandの『Last Waltz』なの。
高校一年ぐらいの時に映画館へ観に行った(東銀座の松竹セントラルだったかな?)。そこで初めてMuddy Watersを知った。
ご存知の通り、あの中には「Manish Boy」が収録されている。その中で「カンガルー顔のよぅ…」という歌詞が出て来て、「カンガルー顔」なんてあるのか?とすごく印象的に残った。
こっちは何も知らないもんだから、「エ~ムチヤ~」とか「ノービー」とかいうところも不思議だった。
それにしてもMuddy Watersが後のロックに与えた影響が尋常ではなかったことを鮎川さんのおかげで今回改めて勉強させてもらったな。

さぁ、ショウの始まりだ。
まずはシーナ&ロケッツが登場した。

20鮎川誠

30v奈良敏博

40v川嶋一秀

50v今日も鮎川さんの背後にはMarshall!

60愛用の1987たち。
下段のメインが1975年製。上段はサブで1974年製だ。
足元の写真はない。
何もないから。レスポートと1987だけの「直」!

70v会場はもうスシ詰めもいいとこ!パンパンだ~!

80オープニングは「Batman Theme」。「バットマンのテーマ」。これもブルースだ。
作曲はNeil Hefti。アメリカの有名な作曲家で、ジャック・レモンとウォルター・マッソーの『おかしな二人(The Odd Couple)』の音楽を担当している。好きな映画のひとつ。
ジャズを聴く人ならCount Basieでおなじみですな。この人、元々トランぺッターでWoody Hermanのところにいたんだネェ。
ちなみに…誰でも知ってるQuincy JonesもトランぺッターでCount Basie Orchestraにいたんだゼ。

今にもシーナさんが出て来そうだった。そんないつもと変わらないパワフルにしてシャープな演奏だ!

90v

100「黒いロックンロール。ビートルズもストーンズもMuddy Watersがいなければなかった!今のオレたちがあるのはMuddy Waterのおかげ!」とMuddy Watersを称えた鮎川さん。

110v二曲目は「Virus Cupsule」。

120お客さんも歌ってる。
「♪脳天を叩き割れ」では大合唱に!

135vシナロケのステージではおなじみ「ホラ吹きイナズマ」。

150v

絶好調感丸出しの三人。見ていてスゴク気持ちがいい!熱めのロックを風呂を浴びているようだ。もちろん源泉かけ流し!

160

鮎川さんがMuddyを初めて観たのが1980年の渋谷公会堂でのこと。
最初の曲で歌声を聴いた途端ナミダがこぼれ落ちてきたという。
170
そうやって紹介したのが次の曲。「Baby, Please Don't Go」。
鮎川さんのソロ・プロジェクト、Wilko Johnsonとの『London Session』にも収録されている。
このあたりからMuddyレパートリーになる。

130v 鮎川さん曰く「Muddyが男になった曲」だという「I Can' be Satisfied」。

220v
ストーンズの「(I Can't Get no)Satisfaction」のヒントとなった曲。
ここから「満足できない」系の曲が一体いくつ生まれ出て来たことか?もんなストーンズのフォローだろうが元はこうしてブルースにある。

180

それにしても、このギターの音のよさったら!
ギターとギター・アンプが織り成す最高に心地の良いサウンドはやっぱりピュアとしか言いようがない。「何もないのが一番いい音」をいいように鮎川さんは教えてくれる。
どんなに時代が変わって技術が進歩しても、この50年前も前から存在する真空管によるナチュラル・ディストーションにかなうものはないって!
このギターの音を聴くだけでも会場に足を運ぶ価値は十分にある。細かいことなんて何も言う必要がない。音楽を楽しむためのサウンドなのだ。

M_s41a0227 この日のテーマ・ソング的な一曲がココで登場。
「Mick Jaggerも、Ringo Starrもjohn Hammondもみんなブルースのベイビーでロックンロールしたんだゼッ!」と鮎川さん。
曲は「The Blues Had A Baby And They Named It Rock And Roll」…冒頭に書いたように、まったくその通り。
ウソ、この曲にインスパイアされてオープニングの件を書いたのさ。
「ブルースにはソウルがある
間違いない話しだ
でも誰もソイツを語らない
そしてブルースに子供ができた
ソイツをロックンロールと名付けたんだ」
…的な内容の曲だ。
問答無用でカッコいいわ。

190

歌詞もゴキゲンだけど、ブギ調の曲も最高!
ん~、ブルースっていいナァ。

200「俺がナマズだったらいいのにな」…の「Catfish Blues」。
「Rollin' & Tumblin'」のフレーズを引用してのソロ

225ここでSHEENA & THE ROKKETSの35周年を記念した最新作『ROKKET RIDE』から数曲を披露。
240cd_3
「シーナとMuddyと乗ろうぜ!」

250v

まずはアルバム・タイトル曲「ROKKET RIDE」をプレイ。

M_s41a0057

今日は奈良さんとのツイン・ボーカルだ。

140v

もう一曲、「Ride the Lightning」

280

ここでギターを交換して「Pinup Baby Blues」。

270ますます冴える鮎川さんのギター!

290vそして、最後は「You May Dream」。
310v
会場は大合唱。私も歌いました、ハイ。
泣けるよね。コレはどんなにこらえても泣いてしまう。
目をこすっているお客さんもたくさんいた。
音楽の力を実感する一曲だ。

300そして、最後は「I Love You」!
やった!大スキ!

M_s41a0319 この曲は今でも機嫌がいいと「♪キミがとっても~」と口ずさんでしまう。
Muddyとは正反対にI really got satisfiedなのだ!

M_s41a0090 すさまじいパワーで駆け抜けた11曲。SHEENA & THE ROKKETS健在!

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320ほんの短い休憩をはさんでステージは場面転換する。

330永井”ホトケ”隆(blues.the-butcher-590213)と…

340vキーボードの中山努がステージに上がる。

350v一曲目は「Walking Blues」。
Robert Johnsonの曲。私はThe Butterfield Blues Bandで知った。

360わかっちゃいるけど、ホトケさんの声がもうタマらん!

370vホトケさん(…というとナンカ縁起でもないな…)が下宿していた部屋の壁には高倉健と浅丘ルリ子とMudyy Watersのポスターが貼ってあって、下宿のオバサンが「健さんと浅丘ルリ子はわかるけど、この黒い人は何?」と訊かれて窮したそうだ。
そうホトケさんもドップリMuddyの息子なのだ。

380そして、ブルースに魅せられたギタリスト…イキはピッタリだ。

390二曲目はホトケさんが最初に覚えたMuddyの曲「I'm Ready」。
410v

ホトケさんのギター・ソロ。
楽器店で見つけて一度は入手をあきらめたが、「どっかのワケのわからんヤツに買われたくない!」の一念で大枚をはたいて入手したというMuddy Watersのシグネチャー・テリー。いい音しとる!

400鮎川さんのMarshall+レスポール・サウンドの雄叫びが素晴らしい!

420ベースとドラムはそのまま奈良さんと川嶋さんが担当した。

430「I Want to be Love」。
The Rollings Stonesのデビュー・シングル「Come on」のB面だったWillie Dixonのカバー曲で、ホトケさんは中学二年生の時に好きになったそうだ。中二でMuddyはスゴイ!
この曲はRegent Studioで録音された(のかな?)。

440鮎川さんはホトケさんと先の渋谷公会堂へ一緒にMuddyを観に行って、実際に本人にお会いになったそうだ。
鮎川さんは「聴いてはくれない」と思ったが、その時で出来たての『真空パック』をMuddyに手渡した。
するとMuddyは「Keep on going, keep on going!」と二回声をかけてくれたのだそうだ。
その時Muddyの傍らには27歳の若い女性がいて娘かと思ったらMuddyの奥さんだったそうだ。

M_s41a0488 「Trouble No More」はThe Allman Brothers Bandでおなじみか?1955年のMuddyの作品。

450vおなじみ「Hoochie Coochie Man」もWillie Dixonの作曲。1954年にMuddyが歌った。
ホトケさんが「精力絶倫男」と説明していたが、語源はマァ、そっち方面だ。

460v情感豊かなソロをキメるホトケさん。ん~、Muddyへの愛を感じるわ~。

500

「Blowin' Wind Blow」。
このセットになってからというもの、定番のおいしいブルース・フレーズが並ぶ鮎川さんのソロ。
ウハウハです。

470続々と出て来るMuddy Watersスタンダード。
「Longu Distance Call」。

480「40 Days 40 Night」から「I Feel so Good」…。
曲は当然のことながらすべて同じスリー・コードだが、この歌詞がスゴイ。
コンセプトというか、ソウルというか…。女とか、金のあるなしだとかに尽きる。

490v今のロックがロックを感じさせない原因のひとつは間違いなくココなんだよね。逆に言うといかにレ揺籃期のロックがブルースの伝承だったかということがよくわかる。そして、この伝承がどこかで途切れてしまっているのが現在の状況なのだ。
だからこういうイベントは絶対に必要だと思う。

520出ました「♪エ~ムチャ~」。
デンカの宝刀、「Manish Boy」。「オトコの『オ』、ガキの『ガ』じゃネェ」…日本語ではサマになりません。
ホトケさんがメチャクチャかっこいい!こんな声なら私でもブルース演りたいわ!

530さすが百戦錬磨の大ベテラン。全編にわたって素晴らしいサポートを披露してくれた中山さん。ギターやハープだけじゃなくてピアノもブルースには欠かせない楽器だ。

525

最後に持ってきたのは「Rollin' and Tumblin'」。

540イヤ~、素晴らしい演奏だった~!感動してしまった。

永井"ホトケ"隆の詳しい情報はコチラ⇒official site

550改めて鮎川さんのブルースへの愛情と造詣の深さに完全脱帽しつつ<後編>へ続く。

560v(一部敬称略 2015年9月12日 下北沢GARDENにて撮影)