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2015年11月24日 (火)

Tomo & Kelly Guitar Academy 2015 <前編>

7月にリリースした『AT THE GATES OF A WORLD』も依然好評のKelly SIMONZ。

15cd
10月上旬に十回目の東京キネマ倶楽部でコンサートを開催した。

10題して『Tomo & Kelly Guitar Academy 2015』。
新譜の発売から三か月チョット…にもかかわらず、それとは全く関連のないショウの内容となった。
開演に先立って趣旨を説明するKellyさん。

20内容はどうあれ、キネマのKelly SIMONZといえばMarshallの壁…と思ったら今日は小ぢんまりだよ。
ヘッドは1959、1987、JVM410Hを使用。
新旧フラッグシップ・モデルのそろい踏みだ。

30Kellyさんの1959と1987はともに1972年製だ。

40また、マスター・ボリューム改造が施されているのも共通点のひとつ。

50足元のようす。

60今回のバンド・メンバーは初顔合わせとなる。

70キーボードに盛山こういち

80vベースに坂本学。

90vManavuさんはEDENを使用。
WT-800とD410XSTだ。

100vドラムはKellyさんの片腕、おなじみYosuke Yamada

120vいつもとはチョイと異なる雰囲気で始めたのは…

130Leon Russellの「This Masquerade」。
この曲は1972年のLeonの代表作『Carney』からシングルカットされてヒットした「Tight Rope」のB面に収められた。この『Carney』、Frank ZappabのところにいたDon Prestonがガツンと参加してるんだよね。
その後、この曲は色んなミュージシャンにカバーされたが、1976年、George Bensonのヒット・アルバム、『Breezin'』での演奏によって「名曲」としての地位を築いたといってよかろう。
だからこの曲をGeorge Bensonの作品だと思っている人も多いようだ。Kellyさんも「Leon Russell」の作…ということに触れていた。

140で、George Benson、皆さん、歌が本職だと思っていませんか?
この人、昔はBrother Jack McDuffとかRonnie Smithというオルガ二ストとコッテコテのソウル・ジャズを演っていたんよ。全然「メローなロスの週末」ではない。真黒のコッテコテだった。
腕は確かで「十年にひとり出るか出ないか」というジャズ・ギターの逸材をして扱われた。
それが証拠に1968年のMiles Davisの『Miles in the Sky』というアルバムにMiles史上初のギタリストとしてチラリと客演している。(注:と書いたが、MailesバンドにはBensonより先にJoe Beckがギターを弾いていた。訂正します!)
Wes Montgomery派のスタイルでWesのオクターブ奏法の向こうを張って、オクターブに4度か5度の音を足した三音でブッ早いフレーズを弾き切るという超絶技巧を編み出した。
ま、残念なのは、ソロ・アルバムがどれも売れ戦狙いのニオイが何となく漂っていて、どうも真剣にジャズを弾いたピリッとした感じのアルバムがないんだよね。
その中で異彩を放っているのが『Jazz on a Sunday Afternoon』というライブ・アルバム(LP時代は二連作)。
音が悪いのがタマにキズだが、無謀なぐらいすさまじい演奏が収められていて、Bensonを歌手だと思っていた人が聴いたら腰を抜かすこと請け合いだ。チョット入手はムズカシイかも知れないが、『Love for Sale』というタイトル違いのCDが見つかるかもしれない。
Bensonはこのライブ盤でも「(I'm Afraid)The Masquerade is Over」というスタンダード曲を演っている。もしかしたら「Masqueradeマニア」なのかも?

S41a2270 Kellyさんも超絶に弾きまくる!
でもそれはどこかアダルトな雰囲気だ。こういうKellyさんがまたいい。

一曲目の最後、George Bensonでもうひとつ…。
東京のどこかのジャズ・クラブのこけら落しにBensonが出演することになって、よせばいいのにそのライブを接待に使った会社があった。
お客さんが「ナニかね?今日の出演者は有名な人なのかね?」
接待する側がそれにこう答える。
「イヤ、もうそれそれは…何ていってもベン・ジョンソンですからね!」
「おお~、それはスゴイ!ベン・ジョンソンが出るのか!」
アノ~、ジョージ・ベンソンは走り回りませんからね。
もちろん、この人たちがGeorge Bensonと一緒に「Masquerade」と「On Broadway」を完璧に歌ったことは想像に難くない。

150v二曲目はGary Mooreの「Looner」。

160この曲、Max Middletonとの共作なのね?
しかし…もうGary Mooreもこの世にいないんだもんね~。Gary Mooreのことはコチラに書いておいたので興味のある方はご覧くだされ。
GaryをGaryたらしめたのは「アイリッシュの血」であると力説していた海外のテレビ番組を最近観たけど、まさにそういうことなのだろう。
我々にはわかりにくいかもしれないが、アイリッシュならではの土着のオリジナリティがプレイに込められていたのだ。
Skid Rowなんて今聴いてもかなりカッコいいもんね。
180v
そして、この曲はまさにkellyさん向きだ。

170vkellyさんにアイリッシュの血が流れているとは思わないが、リリカルでドラマティックなギターということでは、似た成分の血が流れているのかもしれない。

190三曲目はYngwie。曲は「Far Beyond the Sun」。
あ、ここのところしばらく書いてなかったのでまた触れておきましょうか。
Yngwieは「インギー」と呼ばれるのをハッキリとイヤがっていました。
何年か前の新宿の厚生年金のコンサートの時、楽屋に挨拶に行って「インギーって呼んでもいいんですか?」と言ったら、「イヤ、やめてくれ。オレの名前はイングヴェイだ。インギーとは呼ばないでくれ」とキッパリおっしゃっていましたよ。
もしかしたら私にだけ禁じたのかもしれないけど…。だから日本人のYngwieに関する文物に「インギー」という表記を目にするとちょっとドキっとする。
私が知っている限りMarshallの連中も「インギー」って言っているのを誰一人聞いたことはないな…。「Mr. Malmsteen」と呼ぶ人はいる。でもYngwieは「I'm a Viking」とフザけてよく言っている。

200kellyさんの意図を完璧にくんだかのようにバックアップするこのバンド・メンバーもまたよき哉。

210v

S41a2525

230そして、Kellyスタンダードの「Opus #1」。
Tommy Dorseyの「Opus One」もいいけど、Kellyさんの「Opus #1」も素晴らしい。

240vkellyさんの手。
案外ピックを浅めに持っている。
まったく無駄なく各弦をはじく右手の動きはまるで精密機械のよう。見ていて快感!
それにしても赤ちゃんのようにプックラした可愛い手だ!

250一期果敢に超絶フレーズを弾ききる進撃のKelly SIMONZ~!

255実はコレがKellyさんコーナーの最後の曲。
え~、4曲~?!

260vそうなのだ。Kellyさん単独の出番はコレで終了。
それだけにまさに渾身のプレイを見せてくれた。
しかし!今日の見ものはまだまだこれからなのだ!

270Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

280<後編>につづく

(一部敬称略 2015年10月9日 東京キネマ倶楽部にて撮影)