Tomo & Kelly Guitar Academy 2015 <後編>
短いながらもKellyさんの情熱に満ちたステージが終了。
今回のキネマ倶楽部は「トモ藤田さんとの共演」ということで、ココで舞台が転換する。
さて、場内はといえば…。
所狭しとグッズが並べらた物販コーナー。
こちらはKellyさんのDVDやらCDやら。
ん~、内容もさることながらDVDジャケット写真がいいナァ。どれもココ東京キネマ倶楽部で撮影したものだ。
Kellyさんもトモさんもプレイヤーとしてだけでなく、教則グッズのクリエイターとしても大活躍している。
『ギター・アカデミー』の名にふさわしく、ふたりの教則著作物も多数展示された。
ベースに坂本学。
キーボードに盛山こういち。
ドラムはYosuke Yamada。
一曲目は「Kyoto」という曲。京都はトモさんの故郷だ。
Al Di Meolaのルンバ、「Ritmo de la Noche」を思い出させる味わい深い曲。
トモさんはこの曲を2010年のアルバム『Pure』に収録。下の白いヤツね。
レコーディングではベースにWill Lee、ドラムにSteve Gaddを迎えた。ちなみに上でチョット触れたDi Meolaの曲もドラムはSteve Gaddが叩いている。
他にトモさんは1986年に『Put on Your Funk Face(上段右)』と2007年に『Right Place, Right Time』というリーダー・アルバムをこれまでに発表している。
この『Pure』、私的には五曲目の『Tiny Tapper』というアップ・テンポのブルースが好き。「One O'clock Jump」や管楽器の常套フレーズをクォートしながらスキマなくおいしいフレーズを並べていくサマは聴いていて実にスリリングだ。
しかも、ドラムはBernard Purdieだし~。
このアルバム、他にSteve Jordanも参加しているトモさんならではの超豪華盤なのだ!
実はトモさんにMarshall Blogにご登場頂くのはコレが二回目。前回は原田喧ちゃんの時だった。
今回も長くはない持ち時間ではあったが、トモ・ミュージックのエキスを存分に発散してくれた。
二曲目は『Right Place, Right Time』収録の「Confidence Cat」。
魅惑のカッティング!
トモさん、Grant Greenもお好きなのかな?
「Wind Jammer」の頃、後期Blue Note時代のGreenをコンテンポラリーに、そして徹底的にソフィストケートした感じのファンク・チューン。
「スロー・ブルースが好き」…と紹介された曲は「Don't Wake Me」。コレは『Put on Your Funk Face』のクローサー。
形式は純粋なブルース形式ではないが、サウンドはブルース以外の何物でもない。
こんなに長くピックを持っているトモさん。もちろんプレイに応じて持ち方を変えているのだろうが、驚くほど多彩なアーティキュレーションを実現する。
それと左手のピッチ感があまりにも素晴らしい。一旦ベンドした音の音程を自由自在に変化させて様々な表情を作る。まるでJeff Beckのトレモロ・アームのようだ。
トモさんのステージの最後は必殺のファンク・チューン、「Just Funky」。
Yosukeさん、実は大のトモさんファン。しかも、この曲が一番のお気に入りとあって、一緒にプレイして超ゴキゲン!
しかし…トモさんのギターは「鮟鱇」だね。魚の「アンコウ」。
例えは悪いかも知れないが、コレしか思い浮かばない。
つまり、「捨てるところが何もない」。いいダシも盛大に出る。〆のおじやも最高だ。
これだけ濃いフレーズを弾き詰めるのは並大抵なことじゃないよ。「フレーズに遊びがない」って言えばいいのかな?
頭の中は常に八小節ぐらい先まで行っちゃってるんじゃないかしら?イヤ、多分曲を弾き始めた時から最後まで見通しているんでしょうね。
名人のアドリブってのはそういうものだ。
ずいぶん前からNAMMで何度もそのプレイをお見かけしているが、ドンドン進化している。
そしてKellyさんが加わる。
実はこのあたりが今日のコンサートのキモだ。
コンサートのタイトルにある「アカデミー」ね。
ギター教則グッズ界の第一人者たちによるスペシャル・クリニックなのよ。
Kellyさんのメガネにも注目!アカデミックな雰囲気?
おもしろかったナァ。
Kellyさんもアメリカでの活動を展開していたが、長年アメリカで暮らすトモさんの現地での苦労話や実演を交えてのギター談義。
すごく印象に残ったのはKellyさんが、「生徒さんができないと怒ってしまったりしますか?」というような問いにこう答えたトモさん。
「イエ、絶対に怒りません。怒ったらダメです。どんなにチッポケなことでもその子のいいところを見つけてホメてあげなければいけません」…と折り目正しく説明された。
グサっと来たね。
ウチの子たちに悪いことしちゃったな…。小さい頃ピアノをやっていたんだけど、私がガミガミやったもんだから二人とも音楽をまったくやらず、私に似ず、スポーツの道を進んでしまった。
何事においても教えるってのは、忍耐を要する大変な仕事なんだよな~。
Kellyさんもクリニックで全国を忙しく回っていらっしゃるが、それとはまた全く異なる雰囲気でとても楽しそうだった。
このコーナー、メインの割には時間の関係で短くなってしまったのが残念だった。
時間があればもっと色んな話しが聞けただろうに…是非またやってね!
Stevie Wonderの「Isn't She Lovely」。
そして先ごろ亡くなったB.B. Kingに捧げられた「The Thrill is Gone」。
Kellyさんも触れていたが、この曲はB.B. Kingの作品ではなくて、B.B. Kingが有名にした曲。ブルース界ではよくあるヤツ。ロック界ではArgentのRod ArgentとRuss Ballardが得意とするパターンだ。
そして、そのふたりの魅力を最大限にまで弾き出したバック陣。いい仕事だ!
最後はもう一度トモさんの「Just Funky」を!
Yosukeさんニンマリ…ヨカッタね、!
タップリとギター・バトルを楽しんで…
『Tomo & Kelly Guitar Academy 2015』閉講~!
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Official Website
トモ藤田の詳しい情報はコチラ⇒Tomo Fujita Web Site