TAGAWA ~ PROGRESSIVE LIVE 2015
今日はいきなりMarshallの姿から…。
注目すべきは向かって左のJVM210Hと1936Vのスタック。
オーナーになったのはこのお方、田川ヒロアキ。
見て!このうれしそうな顔。
Marshall Blogで何回も紹介してきた通り、これまでヒロアキくんはJMD501を愛用して来た。
JMDをゲットした時だってもう最高に喜んでいたんだけど、今回はそれ以上。
…というのも、ギタリストとしてこれだけ長く豊富なキャリアを誇っている割りにはフル・ヴァルブのMarshallのオーナーになるのはコレは初めてなのだそうだ。
商品が届いたっちゃ~「お礼のメール」、ハコを開けたっちゃ~「期待の電話」、スイッチを入れたっちゃ~「驚きのメール」、音を出したっちゃ~「感動の電話」…チョット待って!何も私がJVMを設計したワケでも、組み立てたワケでも、ましてやプレゼントしたワケでもないのよん!
でもね、コレほどよろこんでくれるなんてホントにホントにうれしいわ。
プロアマ問わず、Marshallをゲットして「夢」を手にした人がハッピーになってくれるのは最高のこと。
そう、私の商品は「夢」なのだ…ナンチャッテ。
しかし、世界の二井原、山崎まさよし他数えきれないぐらいの一流ロック・ミュージシャンとの共演の機会があったヒロアキくんが今までフル・ヴァルブのMarshallを持っていたことがないというのは意外だよね。
アップが後先になってしまったが、今日レポートするライブで筆を下ろして、先日レポートした国レベルのイベントで轟音を響かせたというワケ。
「筆おろし」ったって、「試運転」なんて気持ちで臨んだら間違いなくヤラれるぞ…。
相手がてらちんと浩二さんだからね。いくらJVMが味方しても気を引き締めてかからないと!
コレは「田川」といううなぎ屋さんね。
宮川、喜代川、初小川、前川、色川、神田川、愛川、田川、等々うなぎ屋って「川」のつくお店が多いよね。
「宮川」ってのは、渡辺助之丞(宮川さんではない!)という人が、深川にあった「宮川」といううなぎ屋での修行を終えて、その店の廃業に伴い明治26年に築地にうなぎ屋を開業したのが始まりで、その後、約20店にのれん分けをしたそうだ。これらの店は「宮川会」という集まりを毎年ひらくほど結束が固いそうだ。
それらの店が更にのれんを分けたので、最早「宮川」という名前のうなぎ屋がどれだけ日本に存在するかまったくつかめないらしい。一種のブランドだからして、勝手につけちゃったお店もあるだろうからね。
だから「宮川」といううなぎ屋が多いのだそうだ。
ナゼ「川」のつく名前が多いのかというと「うなぎは川魚の一種だから」という乱暴な説があるようだ。
ちなみにヒロアキくんの実家はうなぎとは関係ない。
ああ、値上がりしてからというもの、ずいぶん長い間うなぎ食べてないナァ。
一曲目は「Fly Away」。
TAGAWAのデビュー・アルバム『Flying Carpet』を締めくくる曲。
ヒロアキくんが意気揚々とこれから音楽活動を始めるぞ!という22歳の時に書いた曲。
ファースト・ソロ・アルバムのタイトル曲でもありますな。
ヒロアキくんの曲らしい派手なキメから始まるドライビング・チューン。
続いて「BOUND」。
ヒロアキくんのコンセプト・アルバム、『ようこそ田川NIGHT!へ』に収録されているシャッフル。
数年前、転機を迎えた時にうれしさのあまり作った曲だという。道理で飛び跳ねているワケだ。
リフの合間に入るキメがいちいちカッコいい。
MC。
「TAGAWAの秋のツアー、今日始まって今日終わります!」という一発勝負。
このバンドはともするとMCが異常になるでネェ。それで最後の曲が時間切れで演奏できなくなりそうになっちゃうんだから!今日もここまで、つまり二曲演奏してはや30分!
でも、JVMのことも紹介してくれてうれしいなったらうれしいな!
広島県府中市のイメージ・ソング「フチュウにムチュウ(←正しい綴りかどうかはわかりません。私ならこう書く)」のカップリング曲、「Lofty Tree」。
府中市のメタル好きの職員さんのリクエストで名物の「タンス太鼓」を現地で叩いて作った曲。
いつも楽しそうにギターを弾くヒロアキくんだけど、今日のヒロアキくんは特に楽しそうだ。
Marshallのせいなんだね、きっと!そうこの黒いハコはギターを弾くものを幸せにするのさ!
「Passion On The Strings」もソロのファースト・アルバムから。珍しいな、この曲。
典型的なジャパニーズ・メタル・ソング。
しかし、こうして見ると『Fly Away』ってメチャクチャ色んなタイプの曲が入ってたんだナァ。
ジャケットの使われているライブの写真もいいし。あ、私が撮ったんだっけ。
野音だったんだよね。『HARDなYAON』というイベント。
それより前に楽器の展示会でヒロアキくんを見て知ってはいたんだけど、お近づきになったのはその野音の時からだった。なつかしい。
何だか知らないけど、このバンドのひとつハイライトになっちゃった感もある「Led Boots」。どうも「LED BOOTS METAL」と勝手に呼んでいるようだけどJeff Beckにはダマっておいてあげよう!
MCをはさんでこれまた『Fly Away』収録の「Long Shout」という曲。
ロング・トーンを多用した泣きの一曲。
ん~、これは素晴らしい。
思いっきり中域が貼り出した粘っこいトーンが最高に気持ちがいい。
ヒロアキくんのMarshall、100Wか50Wか一瞬迷ったが、JVMは以前から使って大のお気に入りだったのでチョイスが揺らぐことはなかった。
キャビネットは可搬性を考慮して2x12"にしようということになった。
そこで私からアドバイスさせてもらったのが、1936ではなくてCelestionのVintage30を搭載した1936Vにしたらどうか?ということ。
コレがバッチリきまった。
1936Vはキャビネットの大きさとスピーカー・ユニットの相性がすこぶるよく、中域リッチなサウンドを目指している人には持って来いなのだ。
ただし、1987のようなビンテージ系のヘッドに使うには硬さがでてしまって好みの分かれるところとなる。
JVMのようなコンテンポラリーのようなヘッドと2x12"の組み合わせには1936Vがいい具合だ。
ところで、以前からその傾向はあったけど、最近ギターアンプを使わない子がドンドン増えてるんだってね。
アンプ屋だから言うワケじゃないけど、一体どうなっちゃってるんだか?
我々が若い頃には「いいギターよりいいアンプを買ったほうが上達が早い」って言われたもんだよ。いいアンプで大きい音で弾けばすぐにミュートの重要性を知るからね。
ここにも「草食系ロック」の魔の手が伸びちゃってるんだな。
ダマってこういうギターのサウンドを聞いて欲しいね。いいギターと真空管アンプ、そしてそこから風とともに飛び出す爆音こそがロック・ギターの真髄なのだから。
一体、ロックは、ギターはこの先どこへ行くつもりなんだろう…。
この曲を収録した『Over Drive』も大好評だ。
スリーヴの中の写真がまたいいんだ~。あ、私が撮ったんだっけ。
『Flying Carpet』から「That's Over」。
ここではリズム隊ふたりが大フィーチュアされる。
まずはベース・ソロ。
いつもより長いソロでお客さん大満足!いつ聴いても驚異的なソロだ。
MCをはさんで、雰囲気を変えて「Seascape」。
ツワ~、きれいな音だ!
こういうところがウマいよな~。JMDの時もとてもよかったけど、ますます音が太くなって海の逞しさが表現されるようになった感じがする。
イヨ~、ポンッ!
今日は私が代わりに合いの手を入れさせて頂きました。
そして『Flying Carpet』から「Stranger Destroys Arms」。
反戦、平和を願ったテーマながら曲はドヘヴィ。
ホルストの「火星」を思わせるんだよな~。
ヒロアキくんのテーマ・ソング的な曲…と私は勝手に思ってる。
失礼ながら、昔はそれほど何とも思わなかったんだけど、色々な録音や演奏を聴いているウチに「こりゃよく書けてる曲だワイ」と気が付き、今では一番好きな曲かな?
ゴキゲンだ!
そして、アンコール。
時間は大丈夫か?MCをがんばって切りつめたから大丈夫!
曲は「Space Walker」。
言わなきゃいいのに「浩二さんは『パン喰い競争』、牛澤さんは『校歌ロック』と呼んでる曲です」だって!
「8時だよ、全員集合」にも触れて欲しかったナ。
なんてフザけていますが、この曲はすごく好きなのだ!
最後は「ようやるわ」的な一大スペクタキュラー。
『Ave Maria』にもこういうのあったでしょ?「Symphony」かな?
時々こういった総花的な曲が出て来るのがヒロアキくんの音楽性の興味深いところでもある。
ところで、今日のライブのタイトルの「PROGRESSIVE」は果たしてどこに行った?
あ、TAGAWAが「進化」したということか!
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