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2014年5月

2014年5月30日 (金)

ZIGGY TOUR 2014~30th NIGHT STAND

『ZIGGY TOUR 2014』の千秋楽。
開演前に会場に流れるBGMは『Rise & Fall of Ziggy Stardust & Spiders From Mars』。
客電が落ちてDavid Bowieの「1984(『Diamond Dogs』収録)」が流れる。

1984年、そういば大学のマスコミ就職セミナーで「1984年」を題材に小論文を書かされたことがあった。オーウェルなんか読んでいるハズもなく、他に書くこともないので、延々とDavid Bowieのことを書いて強引に紙幅を埋めたんだっけ。

2014年、あれからちょうど30年か…。

10_2そう、あれから30年。このツアーはZIGGYの結成30年を記念して敢行された『30th NIGHT STAND』。会場は超~満員のAX!

20_2森重樹一

30v戸城憲夫

40v_2カトウタロウ

50v金川卓矢

70v佐藤達也
60v_2イヤ~、ホントにスゴかった。これぞロックの塊。ロックの「憲法第9条」。それは絶対にみんなで守っていかねばならないもの!

80_2開演前、タロウちゃんから「今日はタップリ演りますよ~」と聞かされていたが、最後までアットいう間だった。

90v_2タロウちゃんのお供はJCM2000 DSL100と1960A。

100vオープニングは「La Vie en Rose」。
こんな豹柄の衣装、これほど似合う人はいまい!

110v次から次へと飛びだす極上のロック・チューン!

120もうMCなんかほとんどなし。

130vツベコベ言ってないで、とにかくロックンロール!もうね、あまりのすさまじさに笑いが止まらんわ!
160こういうロックが本当になくなっちゃったからね。このトラディッショナルでストレートなロックだけが持つ爽快感は筆舌し難い!
180森重さんの背中。「ZIGGY SINCE 1984」だ。

140v全面には「30」のワッペンが!

150vギターを手にした「Stay Gold」では大合唱。
295アコギを手にした(やや)しっとり系の曲がまたよろしいな~。この声だからね~。
105タロウちゃんは前回(2010年)に引き続いての参加だ。
考えてみるとタロウちゃんとは結構いろんな仕事をした。雑誌の取材、テレビ番組の収録、バンド・コンテストの審査員、そしてMarshallのクリニック…タロウちゃんのまわりはいつもロックであふれている。

170まるでZIGGYの身体の一部のように溶け込んでいる。タロウちゃんのロック魂がZIGGYのそれと完全にマッチしているからに違いない。

290vそのギター族が持つピュアなロック魂はMarshallによって具現化されるのだ。

280森重さんもタロウちゃんのロック・ギターに全幅の信頼を寄せていることがわかる。

190憲夫さんのパワフルなふるまいがまた素晴らしい。コレもロック。

200それにしても次から次へと出てくる極上のロック・ナンバー!

220vこれだけの激しい曲を息をひとつも切らさず楽々と歌い続けることができるシンガーは他にいないだろうな~。

210それに応えるバック陣も大激演だ。

230v佐藤さんなんかイスに座っているより、飛び跳ねているか、イスか鍵盤の上に乗っかっている方が長かったのでは?

240vこのバンドのドラムは大変だ。アップテンポの曲を叩きっぱなし、打ちっぱなし。ただの一か所も気を休めるとことがない!この痛快なドライブ感は金川さんのドラムによるところも大きい。

250そして入魂のドラム・ソロ!

260vこれまた何回か書いたことがあるけど、かつてスティーヴ・ガッドは「ビッグ・バンドでフランク・シナトラのバックを務めるのが夢」と言っていたことがあった。
器楽演奏には超絶技巧でソロをキメる快感があるが、素晴らしいシンガーのバックを務めるという幸せもある。

270自分のギターに森重さんが声を載せてくれる…なんて気持ちいいだろうな~。

320v_2本編後半にはゲストで武田真治も登場。

322森重さんとガップリ四つに組んで豪快なブロウをキメてくれた。ストレートなロックンロールにはサキソフォンの音色が良く似合う。

325v猛然と、そして悠然とシャウトし続ける森重さん。

330合い方の憲夫さんもエネルギッシュな低音を注ぎ込みバンドをドライブさせた。
31026曲…ほとんどMCなしに突っ走った本編。あまりにもい素晴らしいパフォーマンスだった!

340そして、アンコール。

350_21回目はアコースティック・セットで4曲を披露。

360_2当然コレでコンサートが終わるワケもなく、一旦ステージをを降りた後、ダブル・アンコール。

370vここでも惜しみなくジャンジャン曲が繰り出してくる!このコンサート果たして終わりが来るのだろうか?!

380アンコールではVに持ち替えたタロウちゃん。

390vそして、武田さんも合流!

394またまた豪快なブロウ!

395vもうどこまで盛り上がるかわかない灼熱のステージ!

396 舞台から飛び降りでお客さん気分で参加する武田さん!武田さん、ZIGGY大好きなんだね。メッチャうれしそう!

397v…と、どんなに楽しい時でも終わりは来るもの。2回目のアンコールでも4曲を演奏して〆て34曲。ホントにアッという間だった。

ここで話しは冒頭に戻って…1984年、実は私は当時ロックをまったく聴いておらず、ジャズとFrank Zappaしか聴いていなかった。パンク/ニューウェイヴ、テクノあたりが出て来てからというもの、ロックに興味が失せてしまったからだ。
したがって、テレビで「GLORIA」を歌うZIGGY以外の姿は見たことも聴いたこともなかった。

それが2010年、親友のタロウちゃんがZIGGYのツアーに参加するというので、お誘いを受けてMarshall Blogの取材をさせてもらった。会場はZEPP TOKYO。
アタシャね、愕然としましたよ、そのカッコよさに!そして後悔…もっと早く見ておけばヨカッタ…と。
だから今回もタロウちゃんが参加すると聞いて狂喜乱舞!イの一番で取材を申し入れたのであった。
期待を決して裏切ることのない、前回にも増したエネルギッシュな演奏。前半のたたみかけるような展開には鳥肌と笑いが止まらなかった。人間、あんまりすごいものを見ると笑いが出てくるものである。

「職業は?」と訊かれて、「アーティスト」なんて絶対に答えて欲しくない。きっと「ロックンローラー」と答えてくれるであろう5人による「ロックかくあるべし」のい一夜だった。

客出しのBGMはLeo Sayerの「The Show Must Go On」。そう、この素晴らしいロック・ショウを終わらせてはならない!
タロウちゃん、次回もよろしく!

※Leo Sayerはイギリスのシンガーソングライター。この「The Show Must Go On」が収録されている『Silverbird』ではRuss Ballardがギターを弾いていて、ドラムはMichael Giles。名盤。
70年代には相当人気があった人で、どのアルバムもすごいミュージシャンが参加してバックを努めている。1978年の『Leo Sayer』ではJeff Prcaroを含むTOTOの面々他、もう笑うしかないメンバーが集まっており、まるで「スタジオ・ミュージシャンまつり」の様相を示している。しかし、内容はおだやかで「オレが、オレが」という箇所がまったくない。昔のスタジオ・ミュージシャンは本当に楽器がうまかったことを思わせる。興味のある方はどうぞ。

400vZIGGYの詳しい情報はコチラ⇒ROCK GUILD公式ウェブサイト

410v(一部敬称略 2014年4月27日 渋谷AXにて撮影)

2014年5月29日 (木)

リムキャット presents 「foot print」

「Footprints」といえばブルース・ワルツの名曲…Wayne Shorter。ん~、好き好き『Miles Smiles』!さらにギター弾きの私としてはPat Martinoもグっとくる。

…などと言うこととは全く関係なく「foot print」というイベントが開催された。
先日紹介したリムキャットがデモCDをリリースした記念として企画した若手バンドが集まったコンサートだ。

10

リムキャットはそのデモCDのリード・チューン「眠らない猫」のプロモーション・ビデオでもMarshall、NATAL、EDENを使用している。そして、このコンサートはその再現となった。

20 リムキャットの呼びかけで集まったのは全部で6バンド。その内の4バンドを紹介する。
まずはInsane。

Rc_img_0322 下北沢を中心に活動している5人組。「ピアノエモバンド」を標榜している。
ボーカルの庄司健太郎の大熱演が印象的だったが、一心不乱に鍵盤を叩く福田沙彩もカッコよかった。
このバンド、プロフィールを見るとメンバー全員がちゃんと名字と名前が漢字表記されている。最近は読み方さえ分からない芸名を付けているバンドが多い中、実に新鮮!

40vInsaneの詳しい情報はコチラ⇒Insane Official Web Site

35次に登場したのはFarEastMaze。

50このバンドのドラマーから話しを聴いたところ、彼らの取り組んでいる音楽のジャンルは「EDM」だという。「EDM」?
もう、言葉が通じないよ。エモバンド?「江守さん」か「江本さん」のバンドかと思うじゃない?
EDMとは「Electronic Dance Music」だそうだ。あら?案外普通なのね。「DHC」みたいな…。
「DHC」さんは「大学翻訳センター」の頭文字を取っている。
なるほど、いかにも若者が身体を動かしたくなるような音楽なワケだ←メッチャ、ジジイのコメントやね~。

60vこれは昨年12月にリリースしたアルバム、『Plug-in』。

FarEastMazeの詳しい情報はコチラ⇒FarEastMaze Official Web Site

Fem らしさの逢りか

70maiのボーカルを中心に広がる躍動感あふれる音世界。

80緩急自在なレパートリーが魅力だ。
残念ながらこの日を最後にギターとベースが脱退してしまった。

90v新メンバーを見つけて元気に活動を続けてもらいたい。

らしさの逢りかの詳しい情報はコチラ⇒らしさの逢りかオフィシャルウェブサイト

100最後に登場したのはこの日のホスト、リムキャット。

300クマ

310v

320vサトウケイタ

330vまぁ

340vこれがそのデモCD『Cat on the rim』。
スリーヴにはまぁちゃんと一緒にNATALのキットがバッチリと写っている。

Rmcd_2実はこの日、ひとバンド病欠が出て、リムキャットはその穴を埋めるべく、最初と最後に2回登場して堂々たる演奏を披露した。

350ベース・アンプはEDEN WT-800とD410XSTのスタック。やっぱりこの驚異的な音抜けは老若男女を問わずどんな音楽にもマッチするね。

360Auto-tuneを駆使した独特の世界。
クマと栞のツイン・ボーカルがライブでも炸裂した。

370ますますの活躍を期待している。

380vリムキャットの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト

390おかげさまでここでもNATALは好評でした!

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
日本語版は只今準備中です。

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年4月23日 TSUTAYA O-CRESTにて撮影)

2014年5月28日 (水)

【イギリス - ロック名所めぐり vol.12】 South Kensington(サウス・ケンジントン)を往く

メイフェア、チェルシー、マリルボーン、スイスコテージ…といえばロンドンの高級住宅街。

10ここサウス・ケンジントンもその中のひとつだ。

20vビバリー・ヒルズもそりゃ立派だけど、ありゃ立派すぎちゃってどうも実感が沸かない。ロンドンの場合、建物のどれもが飛び切り古く、その荘厳さはビバリーヒルズのそれに勝る。
それにあんなビバリーヒルズのような山の中ではちょっとコンビニに行くのも困る。セレブは行かないか…。

40そこへ行くとロンドンの高級住宅街は本当に街のど真ん中にあって、その利便性たるや田園調布の比ではない。
ここもそう。High Street Kensingtonという大通りからちょっと入っただけでこの様相だ。

30驚くのは冒頭に挙げた高級住宅街の地所はグロブナー、カドガン、ウォールデン、ポートマンといった貴族の名家の私的所有物だというのだ。
また、Regent StreetやHyde Parkのような巨大な公的資産はすべて王室の所有物となっている。

50その住宅街を進むと妙な形の建物が目に入る。

60コレ、コレ。通称「Tower House」。Jimmy Pageの家だ。

1975年、建設に着手され、1978年には概ね完成した。しかし、内部の装飾の完成にはさらに時間を要した。
設計したのはウィリアム・バージェス(William Burges)という建築家。
この屋敷はバージェスの終の棲家となっただけに何しろモノスゴイ凝りようだった。

70vJimmy Pageが購入する前、この家は元々Richard Harrisが所有していた。Richard Harrisといえば、『許されざる者』や『ハリー・ポッター』シリーズに出ているアイルランド出身の名優だ。
古くは『ナバロンの要塞』、『テレマークの要塞』等の戦争映画や『クロムウェル』や『天地創造』等の文学的作品等、目もくらむような立派なフィルモグラフィを誇っている。
中学の時、『ジャガーノート』なんて映画館に観に行ったな。

ハリスは1970年に75千ポンドで購入。現在の貨幣価値に引きなおすと982千ポンド、今のレートなら175百万円。今から44年前の話だから大変な額だ。
ハリスはVictoria and Albert Museum(ヴィクトリア&アルバート博物館:後出)で保管してあったオリジナルの図面を取り寄せ、元々内装を担当していた業者に内部のレストアをさせた。

その後、1972年にDavid Bowieと競ってJimmy Pageが350千ポンドで購入。今の貨幣価値だと3,910千ポンド、684百万円。
今日から一般公開されるという「ひばり御殿」が推定3億円だというのだから、やはりロンドンはケタが違う。ペイジの方が42年前で7億円だからね。

ペイジはバージェスのラファエル前派趣味の大ファンでこの家を大切にしていたらしい。
建物や内装だけでなく、家具も相当に高価なものが多かったが、今では散逸してしまった。たとえば「Golden Bed」はヴィクトリア&アルバート博物館に収められ、「Philosophy Cabinet」は作曲家(「Cats」や「Evita)」のAndrew Lloyd Webberに引き取られている。
きっといいものなんだろうね~。

80vちょっとお茶でもごちそうになろうかと思ったけど図々しいからヤメた。
私邸なので当然内部は一般公開されていない。でも見たい。
で、写真を見てみると、マァ~、ゴテゴテしててスゴイ。とても落ち着かん。

90v大層立派なお屋敷だけど私はイヤだな。そもそもコワイわ、ひとりでいると。

100ちょっとここから観光案内。

120vコレはKensington GardensというHyde Parkに隣接するお庭にあるKensington Place。

130現在でもグロスター公爵リチャード王子という、エリザベス女王のイトコが住んでいる。

140ちょっとコレも広すぎるわ。

150宮殿の庭。

160内部の一部を一般公開しているが、写真撮影が禁止されているので入らなかった。

170さて、今日の第二のハイライト。第一はJimmy Pageの家ね。
これがさっき出てきたVinctoria & Albert Musum(ヴィクトリア&アルバート博物館)。
この辺りはNYCでいえばMuseum Mileのようなもので(東京で言えば上野)、自然史博物館、科学博物館、ロイヤル・アルバート・ホールなどが立ち並んでいる。
どの博物館も日本の同種のモノに比べればスケールも内容も格段に上なのだが、さすがにこの歳になると立派な恐竜の骨格見本を目にしても感動を受けることはない。
その点、このヴィクトリア&アルバート博物館はケタ違いにおもしろい。もちろん無料。

180ヴィクトリア女王とそのダンナ、アルバート公にちなんで名づけられたこの博物館は装飾品や芸術品だけが陳列されている。
言い換えると、人間が作ったアイテムだけが飾られていて、その数460万点。オープンしたのは1852年のことで、今では年間300万人の人が訪れるそうだ。

下は入り口が装飾されたV&A。そう、イギリスの人はここをV&A(ヴイ・アンド・エイ)と呼ぶ。

190vパイロンで作られたオブジェ。

200エントランス・ホールのようす。

210vホントにありとあらゆるモノが展示されている。

220vどっかの史跡から引っぺがして来たモノ。

230vあ~あ~、こんなものまで持って来ちゃって!

240v下の方の人を見ればコイツのバカでかさがわかるでしょ?

250vこんなの持って来ちゃってバチが当たらないかね?

255彫刻や…

260v

270衣装。古今東西の洋服が飾られている。もちろん実物。こんなのホントに着てたんだね~。

280_2ペルシャの巨大な絨毯。

290コレ、有名なヤツ。

300v楽器もあるよ。
310
320v展示品だけでなく、荘厳な内装も見逃せない。

305v世界の4大博物館といえばルーブル、メトロポリタン、エルミタージュ、大英博物館とされている。
この話しを聞いて「ダイエーってすごいですね!」と言ったバカが実際にいた。そのダイエーじゃねーっつーの!

306残念ながら私は4つのうちメトロポリタンと大英しか観たことがないが、こうした工芸品のコレクションに関して言えば、イギリスの方が断然スゴイ。さすが「トップバリュ」だ。違うか…。

330この他にも門扉、手すり、階段等の構築物や銀食器、銃剣等々、その守備範囲はあきれるほどだ。

340v当然1日や2日じゃとても見きれない。

345v展示品が世界のエリア別に分かれているパートもあって、これは日本コーナー。

350このあたりのものは、太平洋戦争の戦利品とかかと思ったら、そのズッと前からここにあって、チャンと交易でゲットしたものだそうだ。

370これらの甲冑はかなりマイナーというか小藩の大名が所有していたモノが多い。

380でもずいぶんキチンと保管してある。

390イギリスから独立したエジプトが、「ウチから持って行った歴史的なアイテムを返してチョーダイよ」と申し入れたところ、「ナニ言ってんの?アンタとこにアレをおいておいたらみんなダメにしちゃってたでしょうが!我が大英帝国が大切に管理しておいたことに感謝しなさいよ!」と返還に応じなかったという。
でも、ロンドンの博物館はどこを観てもこのエピソードに頷けるような気もする。
360コレ何だかわかる?根付(ねづけ)。
今でいえば携帯ストラップの先っちょみたいなものといえばわかりやすいか?
大昔は、ヒモの片方に印籠なんかを付けて、そのヒモを帯の下に通し、帯から出てきたヒモに根付を付けた。着物にはポケットがないので、そうして携帯物を身に着けたというワケ。
外人に人気あるんだよね。ここらのモノは象牙でできていて作りも恐ろしく精巧だ。日本の文化は素晴らしい。
大英博物館にも「日本コーナー」があるけど、V&Aの方が品があって見応えがある。

400これが中庭。

410レストランなんかも完備しているし、ミュージアム・ショップも巨大だ。

420さて、Marshall Blog読者の皆さん、ここからが本題だよん。ここまでよくガマンして読んでいただきました!
V&Aには「Theatre and Performance」という展示コーナーがあって、そこに飾ってあるもの実にうれしい。
まずはロック・スターの衣装。

430vこれはBrian Eno。もちろんRoxy Music時代のもの。Enoの衣装が飾ってあるなんていかにもイギリス的でしょ?Roxy Musicがいかに人気があってセンセーショナルなものだったのかを物語っている。
その前座を務めて全英ツアーをしたサディスティック・ミカ・バンドの偉大さにも触れておかねばなるまい。詳しくはコチラをご覧いただきたい。

440vコレはさっきから出ているJimmy Page。
彼の衣装は他の機会でも実物を見たことがあった。それは2010年5月から7月にかけて福島県の郡山市立美術館にて開催された「スウィンギン・ロンドン’50s-’60s」という展示イベントの時のことだ。
このイベントについては何回かMarshall Blogで触れているが、オープニング企画でSHEENA & THE ROKKETSの鮎川誠さんとSHEENAさん相手に、200人以上のお客さんを前に鼎談をさせて頂いた。
イベントにはMarshallも展示されることになり、そのやり取りを主催者の方としているウチに、私にこの仕事が持ち込まれてきた。要するにいつもの調子でベラベラしゃべっていたら、「このおしゃべりのロックバカならイケる」と踏んでくれたのだろう。
得な分野の話しを大勢の人の前ですることはさして苦にならないが、鮎川さんは60年代のロックをナマで体験したロックの生き字引のような人なので、初めはこの私に相手が務まるか心配でお断わりしようと思った。しかし、こんな機会は二度とあるまいと意を決し、謹んでお受けした。

鮎川さんとSHEENAさんのご協力や、それこそ【名所めぐり】の写真を披露したりして結果は上々。実に楽しく、誇りとなるお仕事となった。
もちろん、マーシャル・ブログでレポートしたが、もう見れなくなってしまったので、いつかもう一度新しく記事を書き直して記録を残しておきたいと思っている。

で、この郡山美術館で展示されたジミー・ペイジの衣装、主催者側の方々が大層困ったそうである。
ジミー・ペイジのウエストが細すぎて用意した普通のマネキンでは、ズボンが入らなかったというのである。
そこでシャツやジャケットの前を占めて閉まりきらないウエストの部分を隠して展示したのだ。
ま、ズボンのウエストが閉まらないなんて、こちとら日常茶飯事なんだけどサ。
なるほどこうしてみるとメッチャ細いな~。これがロック・スターの基本仕様なのね。

450vこれは説明不要ですな。前回この方の住いを紹介した。Freddieだってコレ、相当細いよ!

460v1963年、ファン・クラブ会員のために制作されたThe Beatlesのクリスマス・レコード。
ロンドンの博物館にビートルズ・グッズがおいてあるのはここだけではないが、さすが本場、『A Hard Days Night』あたりまでの古い関連アイテムが多い…ってビートルズ自体が古いか。
このシングル盤のジャケットもそうだが、さすがにどれも古式ゆかしい、うまく言おうとするなら「レトロ」…の雰囲気が濃厚なものが多い。
しかしですよ、ビートルズの音楽ってまったく古くならない。コレはもう言い古されたことだけど、こうしてヴィジュアルが絡んでくるとなおさらそのことに驚かざるを得ないのである。
でもね、ジミもジャニスもドアーズもビートルズも短命だったからこそ咲かせた花が散らないんだよね。マリリン・モンローが歳をとらないのと同じだ。

ま、とにかくポールも無事離日してヨカッタ。

470この人、人気あったよね~。今でも活動している。これは化粧品ですな。果たして女性が使ったものなのか、男性が使ったものなのか?男なんだろうね。

480レアなポスターもゾロリ。

4901969年4月14日、ロイヤル・フェスティバル・ホールでのPink Floydのコンサートのポスター。デザインはStorm Thorgerson(Hipgnosis)。
真ん中に「INTRODUCING "THE AZIMUTH CO-ORDINATOR」とある。コレは2本のレバー(Joystick)を使って音を6つのスピーカー間でパンニングさせる装置。
キーボードの故Rich Wrightが操作したらしい。デビュー当初からフロイドが音楽と照明をはじめとしたそうした特殊視覚の融合に取り組んでいたことがわかる。
この装置の1号機はクイーン・エリザベス・ホールの公演時に盗難にあい、このポスターの時は2号機が使用された。
やっぱポスターのデザイン、カッコいいな。

510vこれは『The Great South Coast Bankholiday Pop Festivity』なんて書いてあるが、いわゆる『ワイト島』の第一回目のこと。1968年の8月31日から9月1日かけて開催された。
後にMiles Davisも出演する大フェスティバルになったが、この時はイギリス国内のバンドをかき集めてごく小規模に開催された。
唯一の例外がJefferson Airplaneで、Jeffersonにとってもこの時が初めてのイギリスでの演奏だったそうだ。
司会進行はあのJohn Peel。出演は、The Pretty Things、Tyrannosaurus Rex(「T. Rex」と名乗る前)、Fairport Convention、The Aynsley Dunbar Retaliationなど。ヘッド・ライナーがArthur Brownだったなんて…。

520vMOVEのMarquee出演時の手作り風ポスター。見たかったな~。

530vQueen、1977年のEarls Court。『A Day at the Races』のレコ発ツアー。「Someday to Love」が初めて演奏され、「Bohemian Rhapsody」や「Brighton Rock」もこのツアーで初めて一曲丸々演奏された。
ニューヨークではマジソン・スクエア・ガーデンで開催され、そのチケットは瞬時にして売り切れた。この時の前座はThin Lizzyだったという。Queenの一番いい時だね。

ところで皆さん、Marx Brothers(マルクス兄弟)ってご存知ですか?グルチョ、チコ、ハーポという本当の兄弟からなる喜劇グループ。
私も好きでDVDのボックスセットなんかを買い込んできて時々見たりするんだけど、この人たちの映画に『A Night at the Opera(1935年)』と『A Day at the Race(1937年)』というのがある。どっかで聞いたことがあるでしょ?
そうQueenの『オペラ座の夜』と『華麗なるレース』の元ネタだ。『オペラ座の夜』のレコーディング中にスタジオで観たマルクス兄弟の映画をそのままアルバム・タイトルに頂き、『レース』には続編の『A Day at the Race』をこれまたそのままタイトルにしちゃったらしい。

このEarls Courtの2公演はこのツアーのファイナル。あの有名な照明セットがこの時初めて使われた。
ちょっと待てよ…このコンサートの後、Freddieって歩いてあの家に帰ったのかな?歩いて10分ぐらいだからね…どうでもいいか、そんなこと。

500前回も紹介したEarls CourtのLed Zeppelinのポスター。

540チケットの販売を促進するため、グラスゴーからニューキャッスル、リバプールからマンチェスター、全英の主たる都市のボックス・オフィスの連絡先を掲載した。

550コレはZeppelin Expressの時刻表!よ~やるわ!上の写真の矢印が組み合わさったようなデザインはイギリスの国鉄(British Railway)のロゴ・マーク。

560v機関車のドテッ腹には「PHYSICAL ROCKET」のサインが…。『Physical Graffiti』のレコ発コンサートだったからね。

570これはCovent GardenにあるTheatre Royal Drury Laneという由緒ある劇場の入場料の掲示板。
スゴイ。真ん中の「PRIVATE BOXES」というサインの下に「£1-17-0 to £7-0-0」とあるでしょ?
コレ「1 ポンド17シリング0ペンス」から「7ポンド0シリング0ペンス」と読む。
同様にその下の「16'6」だとか「3'3」なども「16シリング6ペンス」、「3シリング3ペンス」を意味している。

この補助通貨のシステムが異常に複雑で1ポンドが20シリング、1シリングが12ペンスと、20進法と12進法が組み合わさっていた。
さらによく映画なんかでも見かけるが、「ギニー」というのがあって、1ギニーが21シリングと同価値だったという。
このギニーというのは長い間価値が定まらず、18世紀の初めに1ギニーが21ポンドと決められたが、この辺りを主導したのはあのニュートンだったそうだ。
このポンドとギニーの1シリングの差はチップ込みか否かという表れだったらしい。

こんなんでどうやって買い物してたんだろうね?
今ではポンドとペンス(1の時はペニー。ペンスはペニーに複数形)しかないし、計算も100ペンスが1ポンドとごくごく簡単だが、1971年まではこのシステムが通用していた。
Roxy Musicの「Three and Nine」という曲はこの複雑なシステムを題材にしていることは以前にも書いた。この曲が収録されている『Country Life』は1974年の発表なので、そのチョット前まで、Bryan Ferryたちはこのシステムの中で生活していたことになる。

590vこれはTheatre Royal Drury Laneの実物。
このすぐ近くにフリー・メイソンの本部がある。

600私はココで『May Fair Lady』を観た。お金がないので3シリング3ペンスの一番安い席だった。

Sk_img_0004

V&Aにはこの劇場の構造図なども飾ってある。

610一番紹介したかったのはコレ。Pete Townshendによって破壊された1960年代製のGinson Les Paul Deluxe。
壊されたのは60年代の後半か、70年代初頭とされている。

620vMarshallのスピーカー・キャビネットにピートがギター・ヘッドを突き刺している有名な写真。
こうしてピートはフレット・クロスを破いてはジムの店に持ってきて修理を依頼した。それをジムがセッセと直した。
ジムによればピートはギターを突っ込んでもスピーカーを痛めることは決してなかったという。寸止めの達人だ。

630コレはどういう経緯でここに収蔵されたんだろう。折れたネックの先端部はどこへ行ったんだろう?
そんなことはヨソに、ピートが実際に目の前にあるこのギターを振り回してブッ壊したのかと思うとかなり興奮する。

ところで、コレらのコレクションはどうも常設ではないらしく、今年V&Aを訪れた友人は探し出すことができなかったと言っていた。このピートのギターなどはV&Aのウェブサイトに出ているのだが…。
もし、コレらのコレクションを目当てにV&Aに訪れることがあるならぜひ事前に情報を集めてから行ってください。
もちろんコレらなしでも十分に楽しめる博物館だ。

640vそれにしても美術館や博物館を観て歩くのは実にシンドイ。立ちっぱなしということもあるが、目と足腰が、つまり、脳と身体がまったく別の動きをしていて、知らない間に途方もない距離を歩いていることに気づかないからだろう。

650vつづく

2014年5月27日 (火)

手数セッション+五星旗3rd~ツアーファイナル<後編>

コンサートは後半に入る。手数セッションの出番だ。

300_2まずは、ほーじんさんが登場してひとワザ披露。ク~、コレコレ、タマランわ~!
500v先回書いた通り、今日は無礼講のファンキーさん一家のお祭りだ。誰が何をするんだかまったくわからない!

320…ということでいきなり「変形手数セッション」!
人の迷惑省みず、やって来たのはファンキーさん。

330きっとブったまげるほどのパワーで「えらいこっちゃ」!

340vそして、孝三さんがステージに上がってノーマル状態に…。

350江川ほーじん

420v田川ヒロアキ

370菅沼孝三

380これが手数セッション。

390相変わらず密度の濃い演奏で、テクニックのぶつかり合いを堪能させてくれる。そのサマはルール無用の真剣勝負。油断をするとバッサリやられるぞ!
440ヒロアキくんはキーボードを兼務。身に付けているのは似顔絵をあしらった本人お気に入りのオリジナルTシャツ。販売もしているが、ファン・クラブに加入するともらえるよ。

410v「料理は格闘技だ!」とか「将棋は頭脳の格闘技だ!」とかよく言うじゃない?何でも格闘技にしちゃうヤツ。この表現は好きじゃない。「柔道は畳の上の格闘技だ!」みたいな…あ、コレは合ってるわ…。
でもね、この手数セッションの演奏だけは、コレが当てはまるね。「手数セッションは器楽演奏の格闘技だ!」って。
え、コレ前にも書いた?書いてない?
ん~、最近もの忘れが激しくてね~。それこそ「もの忘れは脳ミソとの格闘技」なのよ。只今全敗中!

450今度はピアノで進藤さんが合流。

460ヒロアキくんとのスリリングな掛け合いなんかもするんだけど…

470人が真剣に弾いてりゃ、両側から鍵盤を持ち上げて…。(ほーじんさんが片側をつかんだ瞬間、ものスゴイ速さでファンキーさんが客席から飛び出して来た!そして、ピアノの反対側を手にして見事にほーじんさんをアシストした)

480こんな感じ。ほーじんさんのうれしそうな顔!
こんなことする必要まったくないんだけど、初めて見た!それでもめげずに真剣に弾ききる進藤さんも最高に愉快だ!

490フザけるところは徹底してフザける…真剣にやるところは真剣にやる!これがほーじん流!
310_2トーク・ボックスも駆使した超絶ソロ!また、その使い方が極上!

430今日も鳥肌が立った!Yesのコンサートのように各人の単独ソロも手数セッションの大きな見どころだ。

510v孝三さんのソロ。ここ10年チョットの間に一体何回観ただろうか?しか~し。いくら観てもまったく飽きることがない!

520vこんなドラム・ソロができるのは世界でも孝三さんだけだろう。
もちろんディジュリドゥ、ケロミンもバリバリに登場した。

525もちろんヒロアキくんのア・カペラ・ギター・ソロも。
ほーじんさんのおかげでメンテナンスが行き届いたJMD501がパワー全開!

530いつもの通り、いくつかのパートに分かれて構成されたソロ。最近は三味線まで出て来るからね。

400おーっと!今度はベース!

540コレがまたほーじんさんに立派に対抗できるような目の覚めるスラッピング!ちゃんと左手が逆手なところもスゴイ!

550vフロントのふたりはいつも楽しそう!

560それを猛然とバックアップする孝三さんも楽しそうなのだ!
570
これまた今日ならではの取り合わせ…手数星旗。

580このふたりはよく顔を合わせているが、違うバンドからの参加は珍しい。イヤ、八王子以外では珍しい?

590ファンキーさん、最後の壮絶なプレイ!

600vほーじんさんと仮谷さんの低音対決!

610仮谷さん、渾身のスラッピング!

620アンコールではスペシャル・ゲストで二井原実がビールを片手に飛び入り出演!

630オープニング・アクトを務めてくれた(ファンキーさんが2日前に知り合った)マレーシアのESTRANGEDの面々もステージに上がった。

640二井原さんのひと叫びで会場のステージの雰囲気が変わっちゃう!

650vみんな楽しそう!お客さんも大層よろこんでいた。

660「世界の二井原」と共演してご満悦のRich!

670しかし、ESTRANGEDの連中もビックリしたろうな~。このコンサート、ヘタをすると演奏よりも笑わせている部分の方が多いんだから!ESTRANGEDも今度来日する時はすっかりコミックバンドになってたりして…。

690最近は実にイヤな政治の話しばかりで気が滅入るが、こういう楽しいコンサートはそれを忘れさせてくれる。
「平和」でなければ、音楽なんて到底できないのですぞ!マーブロだって書けなくなっちゃう。
ファンキーさんが平和のシンボルに見えてきたわ!

ファンキー末吉の詳しい情報はコチラ⇒亜洲鼓王Funky末吉的家頁

700v今回のコンサート登場した弊社製品は、Marshall JVM210H+1960A、JMD501、そしてEDEN WT-800とD410XSTでした。

手数セッション+五星旗3rd~ツアーファイナル<前編>はコチラ

710v(一部敬称略 2014年4月19日 吉祥寺ROCK JOINT GBにて撮影)

2014年5月26日 (月)

手数セッション+五星旗3rd~ツアーファイナル<前編>

「今日は最高におもしろいよ~」…と開演前のファンキーさん。
イヤ~、そのお言葉通り、本当に楽しいコンサートだった。
ファンキーさん率いる五星旗3rdと手数セッションのダブル・ヘッドライナー…というよりファンキー一家の「音楽大宴会」とでもいうべき音楽バラエティ・コンサート。

10まずはファンキーさんが登場してごあいさつ。
…というのはこのコンサート、急遽オープニング・アクトが登場することになった。そのことについてファンキーさんが説明する。
登場するバンドはESTRANGED(エストレンジド)。マレーシアで人気の実力派バンドだ。
その彼らが自腹で日本国内をツアーしていて、ファンキーさんと飲み屋で出くわした。
「ナニ、自腹でツアーをやっている?明後日がオフならウチのコンサートに出て宣伝すればいい!」と約束したのがたったの2日前。
それで本当に出演しちゃった!呼ぶ方も呼ぶ方だけど、本当に出ちゃう方も出ちゃう方だ!
ここは長年培ったファンキーさん一流の音楽国際交流術というところだろう。音楽って素晴らしい!…といいたいところだが、実はファンキーさん、「シメシメ、ここで彼らによくしておけば、マレーシアに呼ばれるに違いない」というのが本当の狙い?
「ワシらがマレーシアに行かれるように、盛り上げて気分よくしてあげてよ~!」
…と完璧な前説なのであった。
それにしても飛行機はどこへ行ったんだ?

20そして、ESTRANGEDが登場。
バンドは2001年、クアラルンプールで結成された。名前はGUNS N'ROSESの曲名から付けられたという。

30ツアーのチラシとCD。
CDは左上から時計回りに『GREATEST HITS (2014)』、裸のおじいさんのが『Remain Unknown (2008)』、そして、昨年リリースした『Anugerah Hidup』。CDの即売も好評だった。

Img_0003 ボーカルのRich。

40vリズム・ギターのDin。

50vリード・ギターはHanafi。

60vドラムのAndy。

80vESTRANGEDは以上の4人でベースはサポートのようだ。

70v演奏はパワフルにしてメロディアスなオルタナ系のサウンド。
これはマレー語っていうのかな?音が柔らかく、8ビートに乗りやすそうな言葉だ。

90DinはJVM210Hと1960Aを使用。

110vとてもみずみずしい演奏でファンキーさんが出演を依頼したのもうなずける。
東京での3公演の他、大阪と名古屋で演奏してその名を轟かせて行った。

100ESTRANGEDの詳しい情報はコチラ⇒ESTRANGED Official Website

120さて、場面は一転する。
いきなり演奏には入らない。手数と五星旗、どちらが先にステージに上がるかさえ決まっていない。
そこで、まずは登場の順番を決める勝負が行われた。「勝負」といっても取っ組み合いでもジャンケンでもない。
それぞれのメンバーがひとりずつステージに上がりどちらが面白い話をするか…という勝負。三回戦で勝ったチーム(?)が先に演奏できるというルール。
一回目の対戦は、手数から孝三さんと五星旗からギターの岡崎猛さん。
孝三さんは演奏中にスティックを飛ばしたという話し。
一方、岡崎さんは最近もの忘れが激しくて、パソコンで何かを検索していても、途中で何を検索しているかがわからなくなってしまう…という話し。
この勝負、どちらが「おもしろい」かではなくて、どちらが「みじめ」かという基準に変わり岡崎さんの勝利。

130つづいては、仮谷さんとヒロアキくんの話し。コレもおもしろかったな~。笑ったわ~。
仮谷さんはウォシュレットのシャワーが必ず右に当たるという話しから始まった。
そして大爆笑だったのが、ツアー中、ヒロアキくんを前に立たせて、「あ~って言って」、「あ~って言って」と岡崎さんがヒロアキくんをチューナー代わりに使っていた。(この光景を想像するだけで死ぬほど面白い!)ヒロアキくんは絶対音感を持っているからね。
それでもチューニングが合わない…ということで岡崎さんがヒロアキ君にギターを見てもらうと(ここもスゴイ!)、5弦と6弦が逆に張ってあったという。

140ヒロアキくんはファンキーさんネタで勝負したが、仮谷さんの自分がらみのネタに勝てず、手数2連敗。五星旗チームの勝利!
負けた方が先に演奏するのが普通のような気もするが、そこはファンキー流、先にさっさと自分たちの仕事を片付けて、あとはビール片手に楽しんじゃおう!ということなのね?

150…ということで五星旗3rdが登場した。

160親方、ファンキー末吉。

170v二胡に海みのり

180vギターが先ほど話題になった岡崎猛。

190vピアノが進藤陽悟

200vベースは仮谷克之

2t_img_0108 1998年にジャズと中国民族音楽との融合を目指して結成されたバンドが五星旗。
二胡奏者が今のみのりさんで三代目になるので「五星旗3rd」として活動している。このバンド名の元ネタはみなさんのご想像にお任せする。

210深みのある二胡独特の音色とメロディをフィーチュアしたサウンドは実に心地よい。

220v五星旗の曲はNHK教育の『中国語講座』のテーマ・ソングになっているほどポピュラーなもの。道理でどこかで聴いたことのあるような感じがするワケだ。

225それと、やはり日本人はバイオリンのような擦弦楽器が好きなんだよね。
題材はファンキーさんが書く良質なメロディなのだから悪かろうハズがない。

230孝三さんが加わって…

250vファンキーさんとのツイン・ドラムとなる!

270vさらにヒロアキくんも参加。

240五星旗と手数セッション…皆さんもよくご存じの通り、今日のメンバーはファンキーさんを中心にあちこちで交流があり、バンドは2つに分かれていても完全にひとつのファミリーなのだ。
要するにこのツアーは家族旅行みたいなもので、全編「♪誰が入って来てもいいさ~(四人囃子~パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ~より)」状態なのだ。

すなわち、冒頭にどちらが先に演奏するか…を決めたりはしたものの、そんなのカンケーねぇ、全体がひとつのバンドのような展開なのよ。
だからおもしろくないワケがない!ナニが起こるかわからない!

260ゴキゲンなサウンドでゴキゲンにプレイする仮谷さん。

280v…というのも今日の仮谷さん、EDENなのだ。
フラッグ・シップ・モデル、WT-800とD410XSTの組み合わせ。

285抜群に抜けるベース・トーンで仮谷さんのダイナミックなプレイを余すところなく忠実にアンプリファイした。

286五星旗は昨年9月に発表したセルフ・カバー・アルバムからのほとんどを演奏。

5cd 宴はまだまだ続く!

ファンキー末吉の詳しい情報はコチラ⇒亜洲鼓王Funky末吉的家頁

290<後編につづく>
(一部敬称略 2014年4月19日 吉祥寺ROCK JOINT GBにて撮影)

2014年5月23日 (金)

REAL THING~THE DYNAMITE JAM登場

『REAL THING』と冠されたイベントに登場した4人、THE DYNAMITE JAM。
「ダイナマイト」といえばサミー・デイヴィスJr.だ。「コンコンチキ、コンチキ…ダイナマイト!」というウイスキーのコマーシャルが、子供だった我々にも最高にカッコよかった。(サミーの話はまたいつか他の機会に詳しく登場させちゃうよ)

05こっちのダイナマイトもサミーに勝るとも劣らない筋金入りのジャパニーズ・ハード・ロックを聴かせてくれる。
まさに「桜級」のダイナマイトだ。

ちなみに昔、ダイナマイトには桜とか松とか竹とかいうグレードがあったらしい。含有されているニトログリセリンの分量によってグレードが分けられる。
で、以前にも書いたことがあったかもしれないが、このダイナマイトという代物、食べられるらしいのだ。
昔、山奥の飯場では薄切りにした(当然取扱い注意!)ダイナマイトを肴に酒を飲んだという話しを聞いたことがある。分野は違えど実際に発破の仕事に携わる人から聞いたのであながちウソではあるまい。
味は甘いのだそうだ。
そして、グレードによっておいしさも異なり、やはり「桜」が一番おいしいらしい。

ダイナマイトといえば、よく連想されるのがトンネルの貫通シーン。私は2回ほど貫通式に出席したことがあるが、長野道の太郎山トンネルの時は結構感動的だったな。
アレは本当にその場の発破で貫通させるワケではなくて、予めもう貫通させておいて、儀式的に発破作業をする。さもないと危なくてしょうがないからね。
貫通させた後、こっち側と向こう側の工事責任者が握手する瞬間はなかなか感動的だ。


過去トンネルの工事現場は女性は立ち入り禁止だった。
よく「山の神様は女性で、女性が現場に入るとヤキモチを焼いて落盤事故を起こさせる」と言われるが、どうもコレは誤りらしい。ただの迷信。
従来のトンネルの工法では、「支保工」という木の角材を組んで、掘った箇所を補強しながら掘り進んでいく。
そして、不幸なことに山が緩んで支保工に過度な負担がかかりだすと、角材はきしみ出してノイズを発生する。そのノイズが女性の声に近いのだそうだ。
現場に女性が入ってしゃべったりすると、支保工がきしむ音と女性の声が混同して落盤の兆候がキャッチできなくなってしまう。だから女性の立ち入りを禁止したのだそうだ。

話しはかなり反れたが、「桜」級のロック・パフォーマンスを見せてくれるのがTHE DYNAMITE JAM。
ここなら落盤の心配もないし、思い切り騒いで楽しめる!

10吉越由美
240v臼井OZMA孝文

40v福島克彦

50v山口PON昌人

60v下は4月18日、すなわちこのレポートのライブ当日から発売となった3曲入りのミニ・アルバム『Violent Delusion』。
「急げ、急げ!!」…導火線に火のついたダイナマイトを積んだトラックがハートにまっしぐら…というジャケット。このバンドのイメージをよく表したデザインだ。
ライブ会場での限定販売。

70cdショウはイキのいいゴキゲンなヘヴィ・チューンが満載!

80実力派のミュージシャンが揃っているだけに見応え十分!

90v華麗なテクニックできらびやかなソロを展開する福島さん。

100v鋼の重低音と派手なアクションでバンドをプッシュするOZMAさん。

110説明不要のPONさん!シャツとドラム・キットのMarshall固め!

120vアルバムのリード・チューン「妄想が暴走」でスタート。
「妄想が暴走」か…オレのことだな。でも最近は妄想の機会も減ったな。コレも歳のせいか…。

130このバンドも見ていて実に楽しそうだ。自身タップリで、も~演奏するのが楽しくて、うれしくて…こういうバンドはやっぱり観ている方も楽しい。

140福島さんも夜叉時代からの長い付き合いだ。昔は雑誌の仕事なんかでもよくご一緒していただいた。根っからのMarshallistだ。

150この人にもある種の「ギター道」みたいなものを感じていて、いつもストイックな姿勢で演奏に臨む姿が素晴らしいと思っている。

160vこの日もJCM2000 DSL100を用いてエモーショナルかつスリリングなプレイで楽しませてくれた。

170いつもはアッシュのNATALを使用しているPONさん。今日はメイプルのキットでゴージャスに暴れる。

170v材は変わってもPONグルーブは変わらず。ストレートアヘッドなロック・ドラミングがひたすら気持ちいい。「NATAL猛打賞」を差し上げたい!

180問答無用のスーパー・プレイにはルックス、サウンド、ともにNATALがよく似合う。
※NATALは「ナタール」と「タ」にアクセントを置いて読んでください。「ナタル」でも「ネイタル」でもありませんのでひとつよろしくです。

190vOZMAさんとPONさんのコンビネーションがすさまじいエネルギーをクリエイトする。
実はOZMAさん、この日体調がかなり悪かった。このお仕事、こういう時はツライよね~。何せそう簡単には替えがきかない。「ツライ」と言ったところでやり遂げて当たり前。「体調を崩す自分が悪い」と言われるのにキマってる。
立っているのも難儀なぐらいなのに、具合の悪いそぶりを見せず始終ニコニコされていた。プロ根性を見た気がした。

200vこの強靭なリズム隊がTHE DYNAMITE JAMの下地を作っているワケだ。

210その3人のスーパー・プレイに乗っかる由美さんがまたスゴイ!
キュートなルックスやしゃべり声にダマされてはイケない。

220ド迫力の歌声とハチ切れんばかりのエキサイトメント。それがどこまでヒートアップするのかわからない!
30まさにこの人が「ダイナマイト」!サミー・デイヴィスJr.もビックリだ!

230vCDのPRもバッチリ!売り上げも好調!

250演奏するのは、疾走感に満ちたピュアなハード・ロック・チューンばかり。

260「Help Me Out」や「Cocolo」等、THE DYNAMITE JAMのスタンダード・ナンバーが続く。

270観客をあおるPONさん。PONさんのハイ・テンションはロックそのものだ。一緒にいるだけでロックを聴いているような気分になる!

280v終盤に演奏した同じくアルバムに収録されている「最たる私」なんて実に素晴らしい。
カラッとしたアメリカン・ロック調のヘヴィ・チューンだ。この際、私は完全にプリティッシュ派だが、イギリスでもアメリカでも何でもいい。日本にこういうシッカリとしたロックがあることがうれしいのだ。

290v6月には関西方面のツアーが予定されているので、西の方の方はお見逃しなく!

300THE DYNAMITE JAMの詳しい情報はコチラ⇒DREAM NETWORKS公式ウェブサイト

310NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
日本語版は只今準備中です。

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年4月18日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2014年5月22日 (木)

【イギリス - ロック名所めぐり vol.11】 Earl's Court(アールズ・コート)の見どころ

ロンドンの地下鉄、ピカデリー線でハロッズのあるナイツブリッジ駅から3つ先にあるのがこの駅。
アールズ・コート(Earl's Court)。

10vこのエリアにちなんで「アールズ・コート建築」という言葉があるらしい。
名だるた高級住宅街のエリアがある一方、戦後、オーストラリアやニュージーランド(ちなみに「ニュージーランド」はNew ZealandでNewzea Landではない。英語圏の人と話すときは「ジ」にアクセントを置かないと通じない。この手の話では、「インディアナポリス」があって、日本人は「インディアナポリス」と一本調子で「インディアナ+ポリス」っぽく発音してしまうが、正しくは「インディ+アナポリス」でアメリカ人は「ナ」に思いっきりアクセントを置いて発音する)の移民の多くがこの地に住み、今でも安ホテルが集まるエリアとして知られている。

20vどこの通りもシッカリした建造物が多く、とても立派な街並みだが、友人の女性ベーシストがかつてこの地に滞在した際、夜歩きは怖かったと言っていた。
30しかし、高級住宅街の方はというと、なかなかのもので、ダイアナ妃、アルフレッド・ヒッチコック(住いにはブルー・クラークがかかっている。残念、見逃した!)、俳優のスチュアート・グレンジャーらが住んでいた。
40_2ガッチリした石造りの建造物の間にこんなかわいらしい家も!まるでディズニーの「小さな家」。

50v_2しかし、ここは何といっても駅を出ると真ん前にそびえたつアールズ・コート・エキシビジョン・センターが有名だ。
1887年に初代のセンターが建築され、1937年に現在の建物が落成した。それでも戦前の建物だ。
商品展示会、スポーツの試合、コンサート、様々な式典等多目的な用途に使用されている。

60向こ~うの方まで続いているおっそろしくでかいホール。コンサートで使用する場合は19,000人のキャパシティだそうだ。

70v_21975年5月、Led Zeppelinの有名なコンサートはここで開催された。元々は5月23、24、25日の3回の興行だったが、すべてのチケットが4時間で売り切れとなっ たため、17と18日に公演が追加され5回興行となった。総動員数は85,000人だったという。
全米ツアーの2か月後に企画されたこの公演は、そのままステージ設備がスライドされ、40tにも及ぶ舞台装置が空輸された。
メインとなった設備はステージに備え付けられる巨大なスクリーンで、このような大がかりな映写設備を使ったコンサートはイギリスではこれがはじめてのことであったという。
また、PAシステムが支障をきたさないように入念なリハーサルが3日間も行われた。

80v一方、宣伝の方も手抜かりはなく、Peter Grantらの発案で、車内にコンサートの告知ポスター貼った「ZEPPELIN EXPRESS」をBritish Rail(日本のJR)に走らせた。
下がその時のポスター。この写真はかつてVictoria & Albert博物館に展示されていたものを私が撮影したものだ。

この5回公演のセット・リストは…
1. Rock and Roll
2. Sick Again
3. Over the Hills and Far Away
4. In My Time of Dying
5. The Song Remains the Same

このあたりからちょっと飽きてくるか?
6. The Rain Song
7. Kashmir
8. No Quarter

アコースティック・セットはどうしてもやるのね?全部飛ばして「Rumble On」演ってくれないかな~。でも、『III』あたりで聞かれるパーカッションの音はNATALのハズだからな…。
9. Tangerine
10. Going to California
11. That's the Way
12. Bron-Yr-Aur Stomp
13. Trampled Under Foot (including. 「Gallows Pole」)

ドラム・ソロ長そうだな~。でもJohn BonhamはNATALユーザーだったからな…。
14. Moby Dick

え、今から「幻惑」やんの?
15. Dazed and Confused (including 「Woodstock」、「San Francisco (Be Sure to Wear Flowers in Your Hair)」)

やっぱ最後はコレだよね。
16. Stairway to Heaven

アンコールで…
17. Whole Lotta Love (including 「The Crunge」)
18. Black Dog

そして最終日、25日のアンコールでは…
19. Heartbreaker" (Bonham, Page, Plant)
20. Communication Breakdown (including 「D'yer Mak'er」)
…だった。やっぱり観たかったな…。

Img_2230この他、Pink Floydは1973年3月に『狂気(The Dark Side of the Moon)』を発表し、その年の5月18日と19日にここでコンサートを開いた。公演は完全にソールドアウトだった。その後、1980年に『ザ・ウォール(The Wall)』のパフォーマンスを開いたのもここでのことだった。

Sladeもここでコンサートを開き、19,000人を集めた。
ニューヨークはマジソン・スクエア・ガーデンで開かれたThe Whoの『四重人格コンサート(Quadrophenia)』もここで開催された。
他にもThe Rolling Stones、Queen、Genesis、Super Tramp、Dire Straights、Oasis、R.E.M.、U2、Celine Dion、Muse等々新旧の大物アーティストによるコンサートが開催されている。

90_2建物の正面には用途をシンボライズした巨大なプラークがかかっている。

100v_2音楽会。

110vスポーツ全般。ダーツが入っているところがいかにもイギリスっぽいね。

120v花の展示会だろうか?イギリスはガーデニングが盛んで、バラ(イギリスの国花)の品評会なんてのが頻繁に開かれている。

130vこれは工業商品の展示会ですな。

140v_2別の日…ナンじゃこりゃ~!
エキシビジョン・センターがすっかり花柄になっちゃってる~!

150これは「ideal HOME SHOW」という100年以上も続いている日用品の展示会。

160_2コンサートっぽくないごく普通の人たちが大勢集まっていた…そりゃそうだ。

170v_2中に入ってみる。
受け付けがガッチリ据えつけられていて勝手に入れないのでココまで。

180_2エキシビジョン・センターからみたEarl's Court駅。元々こっち側の改札は使われていなかったが、センターの拡張に合わせて使用されるようになった。その除幕式はかつての住民ということでダイアナ妃が執り行ったという。

190インテリア、日曜大工(英語でもSunday carpentry)、調理器具、ガーデニング機器、アイデア商品等、ありとあらゆる日用品が展示されているらしい。
このセンターの造作を見ても金がかかってるのがわかりますな…。

200Marshallの100周年記念コンサートはココだな。私は観れないな~。

210vさて、こちらはエキシビジョン・センターとは反対側のEarl's Court駅。立派な駅舎だ。開業は1871年。

220駅前のようす。

230_2雰囲気のあるパブ。ロンドンを歩いていれば、こんなのどこででも出くわすが、やっぱり入ってエールの一杯もひっかけたくなる…でもまだだいぶ歩かなければならないのでもう少し我慢ね。

240vこちらも立派な建物が立ち並ぶ。

250_2こんなにデッカイTESCOも!

260しばらく周辺の景色を楽しむ。

270私は自然を楽しむ山歩きよりもこうした人間が英知を傾けた造作物を眺める方が好き。

280すげぇいい天気!晴れさえすればロンドンもこの通り!

290_2この角のウラが目的地。

300ココ、Logan Place。

310_2この右側の壁の家を見に来た。

320引くと目に入るのはごく普通の豪邸。

330コレ、勝手口というワケではないと思うんだけど、勝手口っぽい。でも他に道路に面している出入り口がない。

340_2ドアには「GARDEN LODGE」と書いてあって周囲にはおびただしい数の手紙がアクリル板に挟まれている。
「GARDEN LODGE」というのは家のアダ名だろう。イギリスの人は自分の家にニックネームを付ける習慣があるようで、特に田舎の建物には番地を記したプレートに「Rode Garden」とか「Lily House」とか可愛らしい名前が記されているのをよく見かける。
Marshallの工場の近くの古い家には「Red House」なんてのもあった。もちろんいくらMarshallの工場が近いからといってJimi Hendrixを意識してつけたアダ名というワケではないだろう。

360アクリル板に挟まれたQueenのポートレイト。
そう、ここはFreddie Mercuryの家なのだ。

370手紙はすべてFreddieへのメッセージ。

380『ぎんざNOW』盛んなりし頃、Queenは女の子のアイドル・バンドみたいで好きではなかったが、今では私の中の「見ておけばよかったリスト」のかなり上位にランクインしている。

やっぱり「Bohemian Rhapsody」はポップス史上最良の音楽作品だと思っていて、「Hey Jude」とか「Waterloo Sunset」とか「Your Song」のように、どんなに科学技術が進歩しようとも、もう人類が二度と到達し得ないレベルの名曲のうちのひとつだと確信している。アララ、やっぱりイギリスの曲ばっかりになっちゃった。
日本の曲では断トツで「木綿のハンカチーフ」だ。

390入り口には花もたむけられていた。

400この通りを通ってFreddieが家に出入りしていたとはねェ。ロンドンはロマンだ!

410_2ココを訪れた時に流通していた大好きな『CLASSIC ROCK』誌。奇しくもQueen特集だった。

420_2 つづく

2014年5月21日 (水)

摩天楼オペラ~journey to HEAVEN Tour

紗幕に映し出されるバンド・メンバーの影…

10_2摩天楼オペラ『journey to HEAVEN Tour』のツアー・ファイナルのオープニングだ。

20苑 ~sono~

30vAnzi ~anzi~

40彩雨 ~ayame~

50v燿 ~yo~

60v悠 ~yu~

310いつもの5人による壮大なロック・ショウがスタートした。

801曲目はド派手なアップ・テンポの「天国の扉」。

90始めは帽子をかぶって登場した苑だが、早くも2曲目の「Plastic Lover」で脱ぎ捨てる激唱!

100v3曲目は「Psychic Paradise」。
ここで観客は全員頭フリフリ。

110いつも通りMarshall Full Stackを背にanziも派手なアクションで観客の歓声に応える。

120息もつかせぬ急速調を3曲。もう圧巻!

125この公演はツアーの最終日になる予定であったが、一公演がこの日の後に延期となってしまったため、実際には最後から2番目のコンサートとなってしまった。
今月末で閉鎖してしまうAX。今日のコンサートはオペラ―にとってはとてもいい思い出になるでろう。

130_2ガッチリとフランジャーを利かせたイントロ。

140v4曲目は「RUSH!」これまた猛烈なアンプテンポ!ここら辺で休みたいところだが、摩天楼はそんなことはしない。お構いなしにドンドンヒートアップしていく。

150vメンバーも上下入り乱れてのハデなアクション!(写真では入り乱れていませんが…)

160早くもanziの背弾きが飛び出す!

170v続けざまに「落とし穴のそこはこんな世界」。またまた興奮のスピード・チューン!

180昨年のMarshall社の社長を囲んだパーティの時も真っ先に駆けつけてくれたすanzi。彼とのつきあいもそう短くはないし、Marshall Blogで何回も紹介していることが示す通り、摩天楼のステージはもう何回も拝見しているが、ここまで激しいという印象はなかったぞ。
240この曲はバッキングのおもしろいアレンジに耳を奪われるが、何といってもanziの激情ソロが素晴らしい。

220v6曲目は「AGE」。猛ダッシュがまだ続く!
うれしいね~、アタシャ、この歳になってもシットリ大人しいバラードなんぞよりも、相変わらずハデでハードなアップ・テンポが好きでしてね。ドンドンやってくれい!

190v一糸乱れぬリズム隊も猛プッシュも素晴らしい!

200v完全復調となった悠。演奏することの楽しさを実感しているような軽やかな動きだ。

210やはりこういう激しいロックのステージにはMarshall Wallがどうしても必要だ。演奏に応じた空気を作ってくれる。そう、この壁は「ロックの空気清浄器」なのだ。その性能は最高で、他の清浄機では絶対に作れないロックの空気を送り出してくれる。だから、anziの周りにはいつも澄んだロックの空気が充満している。

230MCを挟んで「Merry Drinker」。ここでようやくミディアム・テンポの曲が登場した。それでもヘヴィ。
ワウを大胆に使ったソロが実にいいね!

270v先述の通り、比較的早い時期(DELUHIと回っていた時分)から見続けている摩天楼オペラだが、大きく変化したことがある。
それは男性客の増加だ。
バンドの性質上、どうしても女性客が多いのは当然のことだと思う。以前は観客のほとんどすべてが女性客だった。しかし、今は大分がようすが変わり、驚くほど多数の男性の姿を客席でみかけるようになった。
さっきから書いているように、アップ・テンポのハードな曲のフィーチュアと比例しているのであろうか?絶対そういう気がするな~。
かく言う私も以前よりずっと大きな魅力をこのバンドに感じている。つまり、「ロック」なのだ。

250ここでドラム・ソロ。以前にも増したパワーが全開!

70vボーカルとキーボードのデュオ「DRACULA」。
320vそして、キーボードでつないで次の場面に展開する。こうした構成がショウ全体の中のひとつのアクセントとなってまたよい効果を生み出す。

290「Innovational Symphonia」でまたブっちぎる!

280vここからも本編のクロージングに向けてまたすさまじい攻めのステージが展開する。

300v「蜘蛛の糸」。新曲にもかかわらずエライ盛り上がりよう!
340「Adult Children」
370v「IMPERIAL RIOT」
380vそして「ANOMIE」。

330vここで唯一のバラード、「Orb。」

260v本編最後はドラマチックに「喝采と激情のグロリア」。
390vまさに激情と喝采のステージを展開した摩天楼オペラ。ここまで来るともはや発されるべき言葉は「感動」だ。
400vanziのソロはメロディアスの極致!
全編を通じて、テクニックに埋没しない音楽に重点を置いた密度の濃いギター・ソロが素晴らしかった!
410「♪ここで生まれて ここで命をおとすの」
激増した男性客の野太い声が混じり合唱のパートがさらに感動的に響くぞ!
まさに「摩天楼賛歌」!
350盛り上がりにまり上がる客席。5人の大熱演にみんな大満足のようすだ!

1mo_img_0240アンコールは1回だけ。3曲。これも摩天楼流。昔のバンドはみんなこうだった。
何回も出て来ていつまでも演らない!
それとアンコールの時はダラダラしゃべらない。「アンコールありがとう!それではもう3曲聴いてください」…これでいい。これが正しいステージ・マナーだ。ブライアン・エプスタインが最近のバンドを見ていたらどう指導するだろうか?
そもそも上演時間が長すぎるって!2時間で十分。摩天楼はそのあたりもチャンと計算に入れているようだ。
416アンコールは「INDEPENDENT」、「CAMEL」、「GLORIA」の3曲。
420私も約40年の間に数えきれないほどのロック・コンサートに接してきてそれなりの経験を積んでいるつもりだが、このバンドのショウは「ああしたらいいのにな~」とか「アソコはこうするべきだと思う」とかいう部分がほとんどないんだよね。自分たちの音楽や自分たち自身をすごく大切にしている印象をいつも強く受ける。
もちろん私の好みに則しての話だが、実に好感の持てるパーフォーマンスで、ロック・コンサートとして最上級のエンタテインメントだと私は評価している。
Marshall Blogを見て、試しにコンサートに行って、その結果が大満足…なんてことになれば私は言うことなし!

7月には6枚目のシングルをリリース。10月には日比谷野音公演とアグレッシブな活動を続ける摩天楼オペラから目が離せない。

430摩天楼オペラの詳しい情報はコチラ⇒摩天楼オペラOFFICICAL SITE

440v(一部敬称略 2014年4月10日 渋谷AXにて撮影)

2014年5月20日 (火)

SKID ROW ~UNITED WORLD REBELLION TOUR~

私なんかの世代だと「Skid Row」といえば、Gary Mooreが在籍していたアイルランドのSkid Rowをまず思い浮かべちゃうんだよね。『Skid』と『34 Hours』しか持ってないけどね。どちらも荒削りなGaryが素晴らしい。
調べてみるとこのバンド、Paul Chapmanがいたんだね。UFOの2回目の来日時、ドタキャンしたMichael Schenkerの後任として来たギタリスト。サンプラで見たな~。あの時はガックリ来たけど、その後頻繁に来日するSchenkerよりよっぽどレアで見ておいてよかったかも。

…といきなり話は脱線したが、アメリカのSKID ROW、19年ぶりの来日だそうだ。

10_2『Room Full of Mirrors(鏡張りの部屋:株式会社ブルース・インターアクションズ社刊)』というJimi Hendrixの有名な伝記があるが、ジミのシアトル時代のパートで「skid row」という言葉がしきりに出てくる。
「skid road」という言葉は「skid row」と同意で、「安ホテルや安ホテルが立ち並ぶうらぶれた通り」という意味。この「skid road」という言葉が最初に使われたのは1800年代の中頃のシアトルでだったらしい。

10c.c.の大ヒット曲、「Wall Street Shuffle」は金をテーマにした曲で、歌詞の中にGreenbacks、Buck(ドル)、Sterling(ポンド)、Yen(円)などの貨幣名が出て来て、「skid row」という言葉も出てくる。
「ウォール・ストリートではクールにキメろ。もししくじったらダウ・ジョーンズ(『ウォール・ストリート・ジャーナル』の発行元)は乞食は相手にしないぞ。さもないとスキッド・ロウで一文無しだぞ!」みたいな…。
あ、ちなみに現地イギリスではポンドのことを「quid」などと呼びます。ペンスはただの「p」。

20_2以上が「Skid Row」で知っていること…そんなだからレパートリーなど1曲も知らなんだが、コンサートは猛烈ににぎやかなロック・ショウで、とにかくロックの楽しさを満喫した。

30来日メンバーは;
Johnny Solinger(vo)

2sr_img_0105Snake(g)
50v_2Scotti Hill(g)

40v_2Rachel Bolan(b)

60v_2Rob Hammersmith(ds)

70v_2サポート・アクトのEARTHSHAKERのテンションの高さをそのまま引き継ぐ格好でショウはスタート。

80もう後は最後まで休みなしの全力疾走状態!

90_2ちょっと世代がズレているので私はSKID ROWをまったく通っていない。
偉そうにMarshall Blogかなんかをやっちゃってる割には勉強不足…と思われるのはチト残念だが仕方ない。よってScotti Hillの名を知ったのは実は昨年の爆風スランプ・トリビュート・コンサートの<前夜祭>でのこと。
その時の様子はコチラをご覧頂きたい⇒WE LOVE BAKUFU SLUMP 前夜祭 <後編>

この時は、ステージのScottiを見ただけでご挨拶をさせて頂いたワケでもなかった。何せものすごい人でゴッタ返していたからね。

ところがその後、このコンサートにいらっしゃったScottiの友人と偶然まったく別の現場で一緒になり、お声をかけていただいた。そこでScottiやMarshall Blogの話をして連絡先を交換した。

すると数日後、その方から電話をあり、一緒にいた帰国寸前のScottiとしばらくおしゃべりをした。当然話題はMarshallのことだ。「またすぐに日本に帰ってくるからその時に会おう!」と約束をした。それが今回の機会だ。

楽屋に挨拶に行くと、もう刎頸の交わりを感じさせるような再会…実際には初めて面と向かったワケだが…。
ステージの彼同様、とにかく底抜けに明るく、感じのいい人。メンバーをひとりひとり紹介してくれた。

そして一応Scottiに撮影とMarshall Blogへのレポート掲載の許可を乞うた。するとScottiは「もちろんOKさ!君がいい写真を撮るのはよくわかってるよ!それにみんな写真を撮られるのが大好きなんだよ!」なんて言ってくれた。ホントに知ってるのかな、私の写真。あ、マーブロを見たんだ。ありがたいこってす。

1sr_img_0467 ScottiはMarshall。
の元々のリクエストはJCM900だったのだが、JVMに変更。

110vJVM210Hが2台用意された。キャビネットは1960だ。

120_2Scottiの足元のようす…って何もない。本当に何もない。

Srimg_0649ま、強いて言えば、1960の前に置いてあるビールと水…それと向かって右に見えるのはチューナー。

140_2元々JCM900を使うつもりでエフェクターを用意してきていたのだが、JVMを試したところ、「あ、コレなら何のペダルも要らないじゃん!」とすべて取っ払ってしまったとのこと。

130v_2本番中、一回だけアンプをイジっていたが、初JVMをいきなり自分のものにしてしまったかのような素晴らしいMarshallサウンド!

145vギターのサウンドもスゴイんだけど、歪みまくっているというか、Scottiの顔がまたスゴイ!すさまじい変顔の連続で目が離せんな!

100vSnakeもMarshall。

150vSnakeもJVMだが、パワー・アンプだけを使用していた。JVMはパワー段もひとつのウリで「POWER AMP IN(=RETURN)」という端子も搭載されている。

160v動きが対照的なふたりのギタリスト。

180_2この豊かなコントラストがステージをより一層盛り上げる。

190Johnnyは今回が初めての日本なのだそうだ。

170vRachelの歌。なんぞメッチャパンク調の曲だったな。SKID ROWはポスト・パンクのデビューだからこうしたレパートリーがあってもおかしくはない。

200_2決して目立とうとはせず、ステディにバンドをドライブさせることに集中するRob。

205そうそう、ひとつものすごくビックリしたことがあった。
それはSKID ROWのことではなくてお客さんのこと。

Srimg_0652みんな大合唱なんだよね。もちろんフツーに英語。コレは一体どういうことなのかしらん?

210昔は外国のバンドとコンサートで一緒に歌える部分って、タイトルのところだけだったんだけどね。
ココはスゴイ。ほぼ全編Johnnyに合わせてお客さんが英語で歌っちゃう。
それも一人や二人じゃないからね。大合唱よ。
230_2そんなもんだから演る方も気合が入りますわな。
MCの時、何を言っても「イエー!」しか反応がないのが普通だからね、日本は。
先日、ある来日バンドの公演で、こんなことがあった…
ボーカルの人が「次の曲はニューアルバムから」と伝えると、お客さんは「イエー!」
コレは間違ってない。ボーカルの人も好反応がうれしいハズだ。以降はボーカルとお客さんのやり取り…
「おー、ありがとう!じゃアルバムの1曲目のタイトルは何だい?!」
「イエー!」
「オイオイ、イエーじゃないんだよ。こっちは質問してるんだから!」
「イエー!」
「タイトルは?」
「イエー!」
「…(ダメだこりゃ)じゃとにかく次の曲」

220_2その点、今日のお客さんはスゴイ!まるで海外のコンサート会場のようだ!楽しさも倍増!
Srimg_0427お!JohnnyのTシャツ!いいな~。「HERE'S JOHHNY(ジョニーだよ~ん)」…もちろんキューブリックの『シャイニング』から。
以前、SHOW-YAがこのJack Trance(ジャック・ニコルソンの役名)を子猫ちゃんに置き換えたパロディTシャツを作っていたがアレはいいアイデアだった!

240_2Snakeのアコギでややシットリ・コーナーもあった。

250_2勉強不足で甚だ恐縮だが、SnakeとRachelが今残っているオリジナル・メンバーなんだってね~。
…というのは楽屋でもニッコニコしているRachelが大層若く見えたもんだからテッキリ後から加入したのかと思ってた。失礼しました!

260v_2なんか、もう演ってる方が楽しそうで、楽しそうで…。私も子供の頃から数えきれないぐらいの海外バンドのコンサートを観て来たが、こんなに楽しそうに演奏する外人見たことないよ。
「いい人たちのカタマリ」みたいな…。

270vSnakeとScottiのギター・バトル。

280これがまたおもしろかった!

290オリャ~!

300あ、そう来る?
320んじゃ、コレは?

310それじゃコイツをお見舞いするゼ!

330コレ、本番中のショットです。

340みんな写真撮られるの大好きなんだって!そういう人大好き!

350v始終お客さんをアオるJohnny!何ていいお客さんだと思ったんじゃない?

360こちらも最後の最後まで精力的に弾きまくる!
380もうヤケクソにも似たラスト・スパート!お客さんもスゴイ!

365ファンから寄せ書きの入った日の丸がプレゼントされた。

370そしてアンコール。

390「I love Cheap Trick!」と叫んで「Surrender」を演った。あの武道館行きましたよ、高校の時。

400vアンコールは2回。4曲を演奏。

410全16曲。「つべこべ言ってないでロックを楽しめ!」と、ロックの本来あるべき姿を見せられたような素晴らしいショウだった。
私はまったく曲を知らなかったけど、最高に楽しめたな~。何歳か若返ったような気がするよ!

420日本公演はこの日の一回限り。Scottiによれば、この後はこのままオーストラリア、ニュージーランドの大豪州ツアーに入り、翌早朝成田からオーストラリアに向けて旅立つとのことだった。
一回きりの日本公演、値千金のコンサートだった。

430SKID ROWのウェブサイトはコチラ

440(一部敬称略 2014年4月14日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2014年5月19日 (月)

EARTHSHAKER at TSUTAYA O-EAST

19年ぶりに来日したSKID ROWのサポート・アクトとして我らがEARTHSHAKERがO-EASTのステージに現れた。

10いっきなし「MORE」でスタート!

20西田"MARCY"昌史

30v石原"SHARA"慎一郎

40v甲斐"KAI"貴之

50v工藤"KUDO"義弘

60vギターの最初の一音だけで大歓声が沸きあがる。この日本のハードロック史に残る名曲のイントロもMarshallだ!

70v SHARAさん愛用のJVM410H。

80vキャビネットはMF400B。双方、EARTHSHAKERには不可欠な装置。

90
3.放熱
4.月に叢雲花に風
5.RADIO MAGIC
持ち時間が短いのを覚悟の上の「MORE」。すさまじいドライブ感!

100続いては1984年発表の『FUGITIVE』から「記憶の中」。

120今日も「厚い」!この音はここでしか聴けないんだよな~。SHARAさんのギターの音はもちろんmintmintsでも他でも厚いんだけど、EARTHSHAKERの時はまた違う。

130vグループ・エクスプレッションというのはこういう不思議な化学反応を生み出すからおもしろい。
30年も続いているグループとなればなおさらのことだ。

140「去年30周年を迎え、これからも走り続けていく」とMARCYさん。そう、日本のロック・シーンにはEARTHSHAKERがいなくてはならないのだ。

150その30周年を記念してリリースした意欲作、『THE EARTHSHAKER』から2曲。

210vアルバム1曲目の「放熱」。シェイカーらしいご機嫌な8ビートのアップ・テンポ・チューン。

170もう1曲は「月に叢雲花に風」。
「つきにむらくも、はなにかぜ」とは、名月に雲がかかり、美しい花は風が吹いて散ってしまう…、つまり、「よいことには邪魔がはいりやすく、長続きしないものだ」というたとえ。

180EARTHSHAKERの名月や花は、これからも美しく我々の前にその姿を見せ続けてくれるに違いない。

190v「それでは最後の曲」。
「エ~!!」
160みんなで楽しく「RADIO MAGIC」!

200今日も渾身のプレイの連続で大歓声を浴びていたSHARAさん!

230シェイカー・ファンだけでなく、SKID ROWファンも「WONDER RADIO」の大合唱!名曲だけが持つパワーを思い知る。

220何たる風格。見慣れた私でも疾走感あふれるステージにウットリしてしまった。

240ひとつだけ文句を言わせてもらえるのであれば、時間が短すぎる!
EARTHSHAKERは毎回タップリ見たいバンドなのだ!

250EARTHSHAKERの詳しい情報はコチラ⇒EARTHSHAKER OFFICIAL SITE

260v(一部敬称略 2014年4月14日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2014年5月16日 (金)

CANTAの12周年"二回し目のグラン・デパール~春の胸キュン親父旅"

CANTAの12周年を記念するコンサート…長い!タイトルが長い!…のはいつものことか!

オープニングのSEはForeignorだった。
オリジナル・ベーシストのEd Gagliardiが3月にガンで亡くなったんですってね。
初来日の武道館、観に行ったっけな~。まだIan McDonaldがいるころでさ…。ベースは当然Ed。「北側」のヒドイ席で、完全にステージの後ろ側だった。アソコまでお客さんを入れてたんだもんね~。当時の人気がうかがい知れるというものだ。Foreignorはまだ活動しているけど、今じゃとても無理だろうな。Lou Grammがメッチャかっこよかった。実にいいバンドだった。

…なんてことは忘れてしまうほど派手なCANTAのオープニング。
シレ~っと3人がステージに登場して、何も言わずに大爆音の長~いかき回し大会!3人とも弾きまくるわ、叩きまわるはでもう大変な騒ぎ。

そして1曲目の「SHINE」に突入。

20今日も元気な胸キュン親父たち!

ルーク篁

30vMASAKI

40vそして雷電湯澤!

50v続けて「1400km/h」。
MCをはさんで「Are You Ready?」。ご機嫌なミィディアム・テンポの8ビート。ポップなサビが魅力的だ。
皆さん、電車に乗るときはベビーカーはたたんでくださいね。ルークさんに怒られちゃうからね。

60「みんな歌わないでね。歌って欲しいときは『歌って!』って言うから」でも次は新曲だから誰も歌えない…「Feel the light」。
ん~、このルークさんの白玉のバッキング…メッチャ音いいな~。こりゃタマらんよ。
決してソロだけがギターの音の良し悪しの判断基準じゃないからね。
バッキングの音がいい人はソロの音もいいと相場がキマっている。

90その音はコイツらから出てる。
白いヤツ。1959RR。Randy Rhoadsのシグネチャー・モデルがルークさんのお気に入りだ。
下にサブでラックに収まっているヤツはJCM2000 DSL100。

701959RRとコンビを組んでいるのが向かって左下のMF280B。
この組み合わせでないとあの音にはならない。キャビネットは重要だ。

80vこれまた新曲。素直なバラード「あなたに」。
最前列の女性の何人かはやさしく語りかけるように歌うルークさんの演奏に感動して涙をポロポロこぼしていたよ。
そんな歌を一度でいいから歌ってみたいもんだゼ!ヘタで泣かすことは簡単にできるけどよ!

100v一転してみんなで大合唱の「Fantasize」…ルークさんに歌っていいと言われたからね。
ルークさんの振り付けが見ものだが、なかなか写真がOKにならん!写真がヘタでゴメンちゃい!
代わりにMASAKIさんのキメのポーズを!

110轟音で暴れまくるMASAKIさん。いつ見ても爽快だ!

120vドラミングに没頭する雷電さん。変顔の合間にシャッターを切る!

130vクリスピーでパワフルなドラミングはこれまた爽快!

140新旧を取り混ぜて、「Crying Days」…クリーンの音も滅法太いな~。
「Bitter Sweet」、「Everyday」と続く。

170コンサートは終盤戦に入る。
「HEAVEN'S WAITING」のハード・ドライビングなソロには唸ったね。音抜けも素晴らしい!

150「Adieu!」

180「Tonight3

190v…と3人の激演が続いて…

200v本編最後は「月とチャリとGuitar」。ものスゴイ盛り上がりようだ!

210そして、アンコールはおソロのTシャツで…。

220「MIRACLE」…

230v「So Alive」…

240v…とたたみかけるように「春の嵐」。

260思う存分タオルを回して…と。

Bb_img_0262 タライのスライドから…

280タライ回し。

290最後の「Happy Birthday To You!」では恒例の客席(ミキサー卓席)乱入!

300MASAKIさんと雷電さんも合流!

310「ちょっとコレ預かっといて!」と雷電さん。この鶏は何ですか?ZappaのUncle Meatみたいですな。

320ステージに戻ってもうひと暴れ!

330当然、雷電さんの風船割り。

340電光石火ですべての風船を割り尽くす。
360v今日もキマった!

350v最後はまた3人で大かき回し大会。要するに冒頭に戻ったというワケ。音楽的に言えばD.C.ですな。
270つまり、CANTAの魂は永遠に続くということなのだ。あ、コレは私の個人的意見です。
あ~、今日も楽しかった!
250vCANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

380(一部敬称略 2014年4月12日 赤坂BLITZにて撮影)

2014年5月15日 (木)

Marshallのポテンシャルを200%引き出す人のDVD~三宅庸介の教則DVD

エレキ・ギターが世に出てきて60年以上になるのかしらん?「エレキ」もいつも間にか「エレクトリック・ギター」って呼ばれるようになったね。

ある偉大なギター製作者が生前嘆いていたそうだ。
彼は自分の名前を冠した会社で知らない者はいないほど有名なギターを開発した人。晩年は自分のギター・ブランドを新しく立ち上げた。しかし、思ったようにうまくいかない。
「車でもテレビでも、消費者は必ず新しいモノを欲しがるのに、何だってギターはいまだに古いモノばかりがもてはやされるんじゃ!ワシが昔作ったものより、今作ったモノの方がよいにキマっとる!」
…とヴィンテージ至上主義のギター・マーケットに大きな不満を抱いていたらしい。
匿名が多くて恐縮だが、コレはその偉大なギター製作者の愛弟子で、世界のスタンダードのひとつとなったブリッジを開発したイギリスの友人から私が直接聴いた話しなのでウソではないだろう。

弾き込んで時間が経つとギターの音が良くなる…とよく言うが、これは科学的にも立証されているらしい。
長い間弾き込まれることによってギターに与えられる振動が、はじめは不規則に並んでいる木の組織を規則正しく並ばさせ、振動率が改善されていくのだそうだ。
だから、古いギターの方がよい音がするという理屈は成り立つらしいのだが、このギター製作者の気持ちもよくわかる。

そして、60年の間にエレキ・ギターというものが一体何種類ぐらいこの世に生を受けてきたのだろう?数万?数十万?全然見当もつけられないな…。
で、結果、ナンダカンダ言っていつの時代もストラトキャスターとレス・ポールに収斂されてしまうよね。
製造と販売に関して、この2種類のデザインで歴史的にどれだけのシェアを確保してきたんだろう?
半分ぐらいはストラトとレスポールなのかな?もっとかな?これまた見当がつかん。
そういえば、「レスポール」の場合、省略して呼ぶ人見たことないな。「レス」とか「ポール」とか…。

それじゃストラトとレスポールの普及率ってどっちが高いのね?
経済的な理由もあるし、ストラトキャスターの方が強い感じがするな。
ビジネスを考えず人のブランドの状況を無責任にアレコレ勝手に想像するのはおもしろいな。

ナゼにストラトキャスターに人気が集まるのか?
かくいう私も最初に買ったのはストラトキャスターのコピーモデルだった。理由はイトコのマネをしただけ。私より幾分年上のそのイトコはナチュラルのストラトキャスターのコピーモデルを持っていた。リッチー・ブラックモアのファンだったからだ。
あの頃(1970年代中盤まで)の男の子は一度はDeep Purpleに憧れたからね。
「音がどうの」なんてのは後からわかることなので最初は憧れのスターや形で選ぶのも当然のこと。

今、ギターを手にする若い人たちはナニを基準にギターを選んでいるんだろう?我々の時と違いにギター・ヒーローが完全に不在なワケじゃん?
14、15歳の子が楽器店に行って「ジミー・ペイジが好きなのでレスポール見せてください」なんて言ったらかえって気味が悪いかもしれない。あるいは店員さんがジミー・ペイジのことを知らなくても当然の世の中だろう。
やっぱり形で選ぶのかな?
カッコよさを追及するのもロックのひとつの楽しみだからそれもよかろう。
その点、私はストラトキャスターというのはもっとも「エレキギター」っぽい形をしていると思っていて、それがひとつの人気の源となっているように思うがどうだろう?

今日は稀代のストラト使い、三宅庸介の4月下旬に発売された教則DVDのお話し。

10撮影現場にドップリと入り込ませていただいた。
40『ストラトのポテンシャルを200%引き出す極意』というのがDVDのタイトルだ。
30dvdいつも担当楽器に(g)でなく(Stratocaster)と記すこだわりよう。三宅さんもストラトキャスターの権化ともいえる存在なのだ。それゆえこの企画に最もふさわしい先生といえよう。
80DVDにも登場する七つ道具。三宅さん、おっそろしく物持ちいいわ~。

20まずは模範演奏の収録から…。

50バッキング・トラックでも入魂の演奏!
70vもうこの時点でストラトのポテンシャルがだいぶ引き出されちゃってるんじゃないの~?

60基本的にはギターの調整等について詳しく解説するDVDなのだが、こりゃ、普通のパフォーマンス作品と変わらんわ!

90v ポジションを変えての模範演奏。

110結構余裕。

120vこれはジャケットの撮影をしているところ。

130照れちゃってはいるものの…

140結構余裕。

150いよいよドップリとストラトキャスターの世界へ!

ギターはメチャクチャすごいんだけど、いざカメラが回っておしゃべりをしてもらうとなると信じられないぐらいうまくしゃべれない人もいるんだよね。
三宅さん、物静かだし、ステージのMCではいつも必要なこと以外はしゃべらないので、「トーク大丈夫かな?」なんて個人的に心配していたんよ。
と・こ・ろ・が!
もう立て板に水でスラスラと説明をしてくれたのには正直ビックリ。
いつも自分がギターにしてあげてることに自信があるということのあらわれなのだろう。ホント、わかりやすい説明でお上手だった。ま、もっともギターの生徒さんも取ってらっしゃるからね。

160「ここをこっちから撮って…、それじゃダメダメ」…なんてわかりやすく説明するためにカメラ・アングルにも決して妥協を許さない!

170「オラ、これがネックをハズしたとこだよ」だなんてスゴんでいるワケではない。とにかくスミからスミまで三宅さんの持つストラトのノウハウを伝授しようと真剣なのだ。

180もちろんギターの鉄人、三宅さんのこと、Marshallがなければせっかくのストラトキャスターの魅力が半減してしまうことは百も二百も承知していらっしゃる。…ということでMarshallの解説もしてくれた。
本当は担当楽器のところは(Stratocaster & Marshall)と書き入れたいに違いないが、長すぎるのでシ省略されているのだろう。
みなさん、ストラトキャスターは正しく使いましょうね。

190しかしさ~、我々の世代は幸せだと思うね。Marshallにしてもストラトにしても、もっともそれらの楽器の魅力が発揮されているであろう音楽をドップリと聴かせてもらって育ったのだから。
三宅さんのようにその楽器が本来持っている特性や長所を知り尽くしている鉄人からノウハウを学ぶ取る意義は果てしなく大きい。

195vdvd 三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful & Loud
DVDの詳しい情報はコチラ⇒アルファノート公式サイト

200 (一部敬称略 2014年3月都内某スタジオにて撮影)

2014年5月14日 (水)

ナタール・ドラムにサワール。そんな企画だったでゴザール。

ちょっと「ナタール」って10回言ってみて。

ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール

はい、それでは今、日本での発売前にも関わらずミュージシャンの間で一番話題になっているドラムといえば…?

ナタール

はいご名答!
「NATAL」と書いて「ナタール」と読みます。

事前にもMarshall Blogで紹介したが、発売前にも関わらず、このイギリスのドラム・ブランド、NATAL(ナタール)のクリニックが開催された。もちろん国内初!
人呼んで『ナタール・ドラムをサワール。そんな企画でゴザール。』

N_p開催に当たっては3台のキットを用意させて頂いた。
ステージには向かって左がバーチ。フィニッシュはタバコ・フェイド。グッドモーニングアメリカのペギの使用でおなじみのヤツ。
右はメイプルのキットで、フィニッシュはその美しさにダイオウイカもビックリして深海から浮かび上がって来そうなシー・スパークル。

N_20こちらはアッシュ。話題のDirty Old Menの岡田翔太朗がコンサートで披露したホワイト・スウォールという仕上げ。照明のせいで一見、真っ白に見えるが、ギザギザした同系統色の模様が施されている。「スウォール(swirl)」というのは「渦巻き」という意味。

N_30そして、この3台のキットのほかにNATAL自慢のPure Stave SnareやHandhammered Snareを用意してお客さんにお好きに叩いていただいた。

N_40平日の夕方の早い時間の企画だったので、正直、動員が心配だったが、予想をはるかに上回る人数の方に集まっていただいた。
さすがに、その時間にお越しいただく熱心な方々とあって、腕前はピカいち!

N_50v シビアにクォリティをチェックされちゃって、ちょっとビビったけど、そこはNATALを信頼して…と。
おかげさまで絶大なる好評価を頂戴することができた。
フフン、やるじゃないか、NATAL!!

N_60ワザワザ遠くからお越し頂いた女性ドラマー。

N_70彼女がまたビックリ仰天レベルのテクニックの持ち主!
ドラムを自由に叩き比べることができる機会がそう無いということで、熱心に、そして存分に叩き込んでいただいた。

N_80女性のお客さんには「初級8ビート講座」なんてのにもご参加いただいて「サワール」してもらった。みんな楽しそうなんよ~。私もギター持っていけばヨカッタ!…なんて言ってると次回本当にやらされるからあんまり言うのよそう。

N_90さて、今日のデモンストレーターは…
CONCERTO MOONの長田昌之!
長田ちゃんはいつもCONCERTO MOONではブビンガのキットを使ってもらっている。下のバカでかいキットがそれ。
N_110そして、GRANRODEO、Ark Stormの長井VAL一郎!

N_100そして、司会はワタクシ…。

あのね~、ものスゴイ悩んだんですよ。司会をするのがじゃないよ。今日のこのMarshall Blogの記事に出るか出まいか悩んだのですよ!
今まで総計1400回弱の記事を書いてきたけど、実は自分が登場するのはコレがはじめてなのです。
東京のコンサートの会場では比較的面も割れておりますが、地方の方、実はこんなジジイがマーブロ書いてるんですよ~!
これからもみなさんよろしくお願いします!

「なんだお前!この期に及んで自分を売り込みたくなったのか?!」なんて言わないでね。記事を書くに当たって、どうも司会が登場しないと記事のリズム感が出なくて…別にこんな汚いジジイの姿を好きこのんで暴露したワケではござらんよ!NATALクリニックも初なのでそれに合わせてみた。

N_120さて、久しぶりの司会。
ま、私はギター族なのでプレイヤーとしてドラムを語ることはできないし、絶対に知ったかぶりはしたくない。そこで、商品の説明の他、NATALの歴史や、NATALを実際に使って録音されたブリティッシュ・ロックの名曲・名盤などを紹介させていただいた。

昔は『Marshall Roadshow』と銘打ったMarshallのクリニックを全国津々浦々でやらせていただきましてな…。自分の得意なことを人前でしゃべるのは実に楽しい。
おかげで今回も存分にしゃべらせて頂いた。
後日さ、このクリニックを見に来ていた友人に「ナンダカンダ言って、しゃべりまくってるシゲさんが誰よりも楽しそうだった」と言われてしまった。ご来場の方々、ご静聴ありがとうございました!

で、お2人のデモンストレーターとドラム談義なんぞをしていただいた。

N_130これはスネア・ドラムの説明をしているところ。
NATALのスネアはホント、よくできていて皆さんからお褒めの言葉を頂戴する。
この日にも紹介したPure Staveという桶の構造を持つスネア・シリーズは今月発売のリズム&ドラム・マガジン(リットーミュージック)でも取り上げられた。

N_140ドラム・キットの説明。実際に音を出してもらう。

N_150VALさんにはバーチのキットを叩いてもらう。もちろんスイッチして音の違いをみんなで確認した。

しかし、不思議だよね~。よく岡井大二さんが「筒に皮を張って、木の棒で叩いているだけの楽器」とふざけておっしゃるが、それは間違いではまったくない。
それなのにこんなに音が違って、それによって音楽も変わってきちゃうんだから。
プリミティブでピュアな楽器だけにプレイヤーの技術や感性がストレートに露出してしまう。
ドラムってつくづくおもしろい楽器だよな~。

N_160そして、最後はお待ちかねのハイライト!
実は、このふたり、ものすごい関係が深い。それは、VALさんはCONERTO MOONのCDデビュー作『FRAGMENTS OF THE MOON』の時のドラマーで、長田ちゃんは現CONCERTO MOONのドラマーなのだ!
そして、CONCERTO MOONのドラマー史上、もっとも大きいドラマーともっとも小柄なドラマーでもある。

N_170バッキング・トラックを使って演奏したのは「Alone in Paradise」。

N_180v これは感動的!

N_190ただでさえよく鳴って音がデカいNATALが2台叩かれているだけあってモノスゴイ爆音!

N_200ワザとワザの応酬!

N_210これぞロック・ドラムの醍醐味!
ああ~、ドラム少し本気で練習しようかな~。

N_220v やってる方が満足しちゃイカンけど、大満足のイベントだった。さっそく再演のリクエストも頂戴してしまった…。

とにかくみなさん。とにかくですよ。名前を正しく憶えてくださいよ~!
NATALは「ナタル」でもなければ「ネイタル」でもありません。「ナタール」です。なんだったら「頭痛薬みたいな名前」で印象付けてもらっても構わないから!
この名前の由来は、是非クリニックに聞きに来てくださいまし。

ハイ、それでは最後に「ナタール」って10回言ってみて。

ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール
ナタール

長田昌之の詳しい情報はコチラ⇒毎日いきいきOSADA BLOG
長井VAL一郎の詳しい情報はコチラ⇒ばるの散歩道

N_230 NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
日本語版は只今準備中です。

NATALドラムは現在日本国内での販売を準備しておりますが、高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年4月25日 小岩オルフェウスにて撮影)

2014年5月13日 (火)

INTO THE BURROW vol.22~東京エクスペリエンス、QUORUM登場

今日はMarshall Blog初登場のライブ・ハウスからのレポート。

するとご出演のご予定もないのにナゼか難波弘之さんがお見えになったではないの。
そして、楽屋で中野のシゲさんとICレコーダーを間にはさんでお話を始められた。

10難波さんとは、この数日前にCLUB CITTAの『ジャパニーズ・プログレッシブ・ロックフェス 2014』でご一緒したばかりだったので「アラマ!」という感じ。
実はこの日のご用向きは、CITTAの時にも登場した難波さんのセンス・オブ・ワンダー(そうる透、松本慎二)のツアーのプロモーションで、シゲさんがFM愛知で長いことDJを務めている「中野重夫のKeep on Rockin'」というラジオ番組のインタビューだったのだ。
この番組、私も2回、延べ4本ほど出演させていただいたことがあるんね。Marshallについて好きにおしゃべりさせていただいた。

20v横で聴いていて噴き出しちゃったのは、難波さん、大人しいもんだからゲストよりホストの方がベラベラしゃべっちゃって!

30v_2ツアーのPRの他は古いバンドやライブハウスに話題が及んで面白かったな~。どこのライブハウスには幽霊が出た…とかね(放送されるかどうか知りませんが、ここではナイショ。私も昔出たことがあるお店だけど、私の時ははセーフだった!)。
そういう話題なもんで横から口を出さないようにするのでエラク苦労した!
しかし、話を聴いていて改めて思ったけど、シゲさんも顔が広い!さすがJudas Priestの前座を務めただけのことがある。

40シゲさんのステージ。
今回は「東京エクスペリエンス」というグループでの登場。

50中野重夫

60v犬ケン

70v秋元清実

80vご年配の方はもうお察しのことと思うが、「東京エクスペリエンス」というのは昔よく見かけた「東京ビートルズ」とか「青森ベンチャーズ」とかそういう類のアレだ。
ご当地ジミヘンというワケ。

90ま~たお気楽なシゲさんのことだから、「ピック一枚でどこでもジミヘン」とかいう企画を考えているらしい。
つまり、日本国中どこへ行っても比較的ジミヘンのコピーバンドがいて、そこには必ずジミ・ヘンドリックスっぽい機材があるハズ。Marshallもギターもね。

100vそこへシゲさんがピック一枚持参して珠玉のヘンドリックス・ナンバーを現地のリズム隊と演奏しちゃおうという企画。
でもね、実際に「出前ベンチャーズ」っていうことやっているギタリストがいて、それも大人気だって言ってた。
そういえばシゲさん、ベンチャーズも全部弾けるハズ。
120今から14~15年前、Marshallのプロモーションでシゲさんと全国各地を回ってクリニックをやったことがありましてね。その後も何回もやったけど、あの時は楽しかったナァ。
お互いにずいぶん歳もとったワイ。
で、あの時、余興で現地のジミヘン自慢をステージに上げてShige Rolloberのリズム隊と演奏してもらうコーナーがあった。
「ハイ、弾きたい人!」なんて希望者を募ると、九州あたりは「ハイ、ハイ」と何人もが手を上がって「ハイ、それじゃそこの『Bold As Love』のTシャツ着てる人どうぞ!」
なんてやりましてね、「どちらから?…お名前は?…お題は?…ハイ、それでは大分からお越しの佐藤さんで、『Voodoo Chile』入りま~す!」
と振って、実際にノエル本多とミッチ蔵沢がバッキングを務めるなんてことをよくやった。
その時、どこへ行っても大盛況で、「ジミヘン業界はいつの時代も盛況だワイ」と思ったもんだ。
やっぱり、ジミは偉大なのだ。
130vシゲさんはJimi Hendrix Signature SUPER100JHを3セット持っているが、今日は何しろ東京エクスペリエンス。1959SLPと1960Aの簡易バージョンで臨んだ。

110vベースの犬ケンはシゲさんの盟友だ。
以前にも一緒に演奏をしているのを何回か見たことがあるが、何ともいえなトラディッショナルなロックの雰囲気が魅力だ。

140ベース・アンプ・ヘッドはEDEN WT-800。
だからものすごく音抜けがいい。

145vハラハラさせられるシーンもあったが、それもまたこのグループの楽しみのうちのひとつだ。

146ドラムの秋元さんは着実なプレイに徹する。

150ドラムはキットはNATAL(ナタール)のバーチ。爆発的に突き抜けるバス・ドラムのサウンドが五臓六腑に染みわたる!
ワン・タムでこれほど多彩なサウンドが出て来るとは…NATALとはそんな音楽的なドラムだ。

3_img_0024 オープニングは本人より数多く演奏しているハズ…という「Purple Haze」。

160「Manic Depression」

180v_3「Hey Joe」

190v_2「Red House」

200vそして「All Along the Watchtower」と「Voodoo Chile」で固めてステージを降りた。
また9月の「追悼コンサート」復活すればいいのにな~。

210シゲさんの一番新しい音源、『JIMI BLUES BAND』。カナダ人のボーカル&ドラムと組んだ作品。シゲさん、ボトルネックなんか派手に弾いちゃってなかなかに気持ちいい!
そして、謎の美熟女ベーシスト、Yoko Lee…以前に何回か会ったことあるような気がするナァ~。
シゲさんのコンサート会場でゲットできる。

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒中野重夫のKeep On Rockin'

Jbb_ 今日はこのTSUTAYA Oグループの一番新しい兄弟「BURROW」がシリーズで展開しているイベントだ。名付けて「Into the Burrow」。「burrow」とは「穴」とか「巣」とか「塚」という意味だ。

そして次に登場したのはおなじみQUORUM。

220浪岡真太郎

230x北川遊太

240v盆子原幸人

250v石川達也

260vオープニングいいつも通りのテーマ曲「QUORUM」。

270「Danger」、「Limousine」…次々と軽快に飛びだすQUORUMスタンダード。

280今年2月に発表した5曲入りのミニ・アルバムも予想通り好調だ。
演奏をご覧になていた難波さんも「こんなにゴキゲンはバンドを久しぶりに見た!」と絶賛していた。
そう、色々な見方、考え方はあれど、70年代のロック黄金時代を経験した世代にQUORUMがウケるのはもはや当たり前のこと。
それよりも、彼らの音源でも、ステージでもいい、ひとりでも多くの彼らと同じ世代の若者にQUORUMを聴いてもらいたい。
それがかなうかどうかに、このバンドの、そして日本のロックの将来がかかっていると思う。
QUORUMに刺激を受けたたくさんの同世代の若い連中が「オレたちも!」とフォローしたらおもしろいだろうな~。

290こちらでもNATAL(ナタール)大活躍!イギリスのドラムだけあってやっぱりこうしたブリティッシュ然としたトラディッショナルなロックにはベストマッチする。

330一回のステージに大抵1曲は組み込まれるカバー曲。今回は「Hush」をプレイ。

340QUORUM名物の遊太と…

350幸人のバトルも披露。ものすごい喝采を浴びていた。

360NATALでバンドを猛烈にプッシュした達也。

3705月23日にはワンマン・コンサートも控え、ノリにノッてるQUORUMなのだ。
310QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site

380v終演後、難波さんと音楽評論家の大野祥之さんと一緒にパチリ。

しかし、人は写真を撮る時ナゼにこれほどピースサインを出すのか?いつからのことなのか?誰が最初にやったのか?これを打ち負かす新しいサインは将来出て来るのか?…なんてことはどうでもいいか?

390(一部敬称略 2014年4月11日 BURROW SHIBUYAにて撮影)

2014年5月12日 (月)

Kelly SIMONZ~BLIND FAITH The Brave New Wolrd Order 2014

3月にリリースしたCD、『BLIND FAITH』が好評のKelly SIMONZ。多くの新しいファンも獲得し、今、日本でもっともノリにノッているギタリストのウチのひとりだろう。

10cd4月上旬に開催された『Tokyo Kinema Club "The Sixth"
"The Brave New Wolrd Order 2014』と題されたコンサート。アルバム発表直後のレコ発ライブとなった。

20Kelly SIMONZ

30Yosuke Yamada

40Kaz

50オープニングにはYosukeがひとり登場し、ドラム・キットを前にスポット・ライトを浴びた。

60いきなり意表をつくドラムのソロ・パフォーマンス。アルバムのオープナーを再現する「N.W.O」。
70vそして、BLIND FAITHのメンバーがステージに揃うとともにサブステージからボーカリストが登場!

75アルバムにもゲスト参加しているYama-Bだ。

90vいきなりのYama-Bの登場で会場の雰囲気も一気に最高潮に達する。
80ノッケからすさまじい気合のKelly SIMONZ!

100続いて「時の断片」。
個人的に久しぶりにナマのYama-Bの姿を見、声を聴かせてもらったが、このシックリ具合は尋常ではない!まるでBLIND FAITHのパーマネント・メンバーであるかのようなフィット感があった。

110_2Kellyさんの背中にはMarshall Wall。

120やはりこうした音楽にはコレが必要不可欠だ。もうこの壁だけでロックの世界観を作ってしまう。
いつも言っていることだが、並んでこれほどサマになるのはMarshallとウルトラ兄弟(歴代仮面ライダーでも可)ぐらいのものだ。
考えてみるとこのMarshall WallもMods全盛時代のThe WhoやSmall Facesあたりを始祖とするならば48年ぐらい…つまりほぼ50年が経過したワケだ。コレだもん、他のアンプにマネができるワケがない!

130「Burning in my Soul」。
135怒涛の「Opus」シリーズ…今回の公演はいつものキネマでの演奏よりは短い内容ではあったが、ビデオも大仰は演出もなく実にシンプルなもので、アルバム同様、歌ものとインストものがバランスよく散りばめられた充実した構成となった。
160リーダーの意思を汲み、Kellyミュージックを忠実に具現化するリズム隊。
170v3人をガッチリと組み合わせているものが音楽だけでなく、夢や希望でもあることを思わせるかのような完成度の高いアンサンブルだ。
180幸運なことにここ数年、キネマ倶楽部でのすべての公演の撮影のご指名を頂き、カメラのファインダーを通して誰よりも間近でKellyさんを見て来たが、いつにも増して楽しく、うれしそうだった。
150Kellyさんは、音楽的にやっていることは極めてトラディショナルでありながら、日進月歩するコンピュータ・テクノロジーを貪欲に吸収、活用し独自のプロモーションを展開している。
今では多くのミュージシャンがやっていることではあるが、彼が日常的にやっていることをマネするのは生半可なことではないだろう。
毎日、毎時、寝る間も惜しまざるを得ない膨大な作業量だ。
本人は時折自分を「インターネット・ギタリスト」などと称して笑っているが、誰にも頼らない「一匹狼」的な姿勢は、「Kelly流プロモーション」として確立されたひとつの立派な商行為といえるだろう。ミュージシャンの新しい姿かもしれない。

念のために言っておくが「トラディショナル」であることはまったく悪いことではない。いつ、どこをどう切っても「この人ならでは」…というアイデンティティこそが 重要であり、尊敬されるべきことなのだ。つまり気が遠くなるほど同じことをやれる能力を「才能」とよび、その能力を持った人こそが「プロフェッショナル」なのだ。
Marshall Blogはそういうプロフェッショナルを積極的にフィーチュアしているつもりだ。

最近、CDの販売不振を理由にAerosmithが「断CD宣言」ともいうべき発言をしたらしい。一言でいえば「CDなんか作ったところで売れやしない」ということ。代わりにコンサート活動で稼ぐというものだ。
2~3日前、某大手中古CD販売店のベテラン社員の方と話をした。私はその方が勤めるお店で毎月平均30枚程度の中古CDを買い続けている。「最近は目に見えて中古のCD棚の商品がやたら減っていますね?」と尋ねると、「はい。CDの作られる点数が激減しているんです。したがって自動的に買い取りの量も減って来るんです」というお答えだった。か、悲しい。

ナマの演奏活動ももちろん重要だが、ミュージシャンの本来の仕事はレコード(CD等のパッケージ商品)を作ることではなかったか?
コンサートは完全に音楽を楽しむ場所ではなく、騒いで雰囲気を楽しむ場所になってしまった。
極論すればコンサート会場は3丁目の公園の盆踊り会場と同じだ。踊りは楽しいけど、「東京音頭」をしみじみと味わっている人は3丁目の公園にはいまい。

そうしたことをすべて考えてみるに、CDを発売し、ナマ演奏を披露し(Kellyさんの場合は全国津々浦々のクリニック)、それらに関わる情報を間断なく積極的に発信する。
なんだってでミュージシャンがここまでやらなきゃいけないの?という憐憫の情も正直隠し得ないのであるが、Kellyさんがひとりで取り組んでいることは今だからこそ価値のあることなのだ。

140オッと失礼!またやっちまった!
一生懸命音楽に取り組んでいるKellyさんの姿を見てつい書いちまった。

ナイロンも披露。

200vショウの後半前では哀愁の「Silent Sorrow」。

190ギターの種類は異なれど、プレイのテンションは変わらない。

210v「今日はあまり長くない」と何度もMCで言っていたが、その分、後半の押し込みようはすさまじいものがあった。
そうそう、MCは相変わらずのクリニック調。それがKelly流でもある。

230オリャ~!「Allegro Maestso」でぶっ飛ばす!
240Yosuke決死のドラミング!
260vニュー・アルバムから「Requiem」。
280「Signs Of The End Of The World」で本編を締めくくり今日も存分にKellyさんのVirtuoso(ヴァーチュオーゾあるいはヴィルトーゾ)ぶりを楽しませてくれた。

270そして、アンコールには再びYama-Bが登場!

285「(冒頭の)2曲じゃ終わらせない!」と呼びこまれたYama-Bは「Revelation」を熱唱。

290その後、鳴り止まない拍手によって2回にわたって登場したアンコールではアルバムにはボーナス・トラックとして収録されていた「Now Your Turn」、さらにYngwie Malmsteenの「Never Die」を演奏した。
『The Seventh Sign』ね…次回の公演につなげたっていうことね?

そう、『The Seventh』と題した第7番目の東京キネマ倶楽部でのコンサートが決定している。
この6回目のコンサートのテンションがそのまま持ち越されることは必定だ。お見逃しなく!

300中国、台湾等、海外での演奏の機会も増えてきたKellyさん。
世界を股にかけた活躍を期待している。
220vKelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ OFFICIAL WEBSITE

310(一部敬称略 2014年4月5日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2014年5月 9日 (金)

ジャパニーズ・プログレッシヴ・ロック・フェス 2014

これは間違いなく素晴らしい企画だった…『ジャパニーズ・プログレッシヴ・ロック・フェス 2014』。
「日本で開催される「プログレッシヴ・ロックのお祭り」ではなく、「日本人がクリエイトするプログレッシヴ・ロックのお祭り」と、『ジャパン・プログレッシヴ~』と区別しているところがうれしい。

日本は『クリムゾン・キングの宮殿』が世界で一番売れる国と聞いている。本場イギリスのバンドのみならず、イタリアをはじめとするヨーロッパ諸国のプログレッシブ・ロックも流通する世界でもまれに見るプログレッシブ・ロック大国なのだ。
どこの国とロックの話しをしてもここまでていねいにプログレッシブ・ロックを聴きこんでいる国はない。これまたプログレが盛んなイタリアの人と話をしても、PFMやAreaはよく知っているけど、Arti e MesteriやQuella Vecchia Locandaは知らない…なんてことがあった。
日本の熱心なプログレ・ファンで『tilt』を聴いたことのない人はまずいまい。

そんなプログレ好きが集まる国の自国のバンドのお祭りだ、ウケないワケがない。
会場は当然の満員御礼。

出演は、新月、ムーン・ダンサー、ステラ・リー・ジョーンズ、ユカ&クロノシップ、ゲスト扱いで難波弘之&センス・オブ・ワンダー。そしてNOVELA 2014。
MarshallとNATALということでNOVELA 2014の取材に入り込ませて頂いた。

10vNOVELA 2014のスタッフTシャツ。
高校の時、クラスメイトの飯島君がNOVELAのデビュー・アルバム『魅惑劇』を学校に持って来てサ…1980年のリリースか…。あれから34年も経ったのか!

20_2まさか今になってスタッフTシャツを着せてもらえるなんて夢にも思わなかったな~。

30_2会場となったCLUB CITTAのステージ脇の廊下のようす。
もう機材だらけ!
難波さん曰く「今日はアナログ楽器の品評会みたいだね!」
まさにその通り。これでいいのだ!昔はどこでもこうだった。

40_2我がNOVELA 2014の関連機材は日下部"Burny"正則のMarshall。

50v_4現行の1987Xと70年代の1960A。
Burnyといえばレス・ポールのイメージが圧倒的に強いが、ちょっと前は335ブームだった。今はそれも過ぎSGにご執心なのだそうだ。

60v_2Burnyはもうずいぶん長いことこのキャビを使っている。
また、ヘッドはJCM800 2210というイメージが強いが、最近は1987Xだ。
2210にしてもレスポールにしても「~といったらギターは○○○○、アンプは△△△△」という定番イメージを作ることは大切だね。カッコいいわ。
その△のところにMarshallが入るケースが多いのはとても光栄なことだし、とても誇りに思っている。
しか~し、ことプログレになると△に「M」の字が入らないことが多いんだな~。CrimsonやらFloydの影響もあるんだろうな。「適材適所」は大切なことなので、無理は言わないが、プログレッシヴ・ロック好きとしてはくやしい…。
だから今日はうれしい!ありがとうBurny!!

70v_3足元のようす。なんかメッチャ男っぽいな~。80_2そしてドラムはNATAL。

90叩き手は山口PON昌人。

100_212"&13"タム、14"&16"フロア、22"バスというコンフィギュレーション。フィニッシュはシルバー・スパークル。マニキュアにしてもいい感じの色!
スローンとペダルもNATALだ。

110_2さぁ、NOVELA 2014、イザ出陣!

120NOVELA 2014はこの日、トリでの登場。

130_3みんなこの日を長い間待っていたのであろう、モノスゴイ歓声だ。

140_2五十嵐"Angie"久勝

143v永川敏郎
以上の2人がオリジナル・メンバー。
150サポートとして参加したのはギター、日下部"Burny"正則

145vベース、寺沢功一

160v_2そしてドラムが山口"PON"昌人という泣く子もうれしいオールスター・メンバー。

170v正直に言うと、私は現役時代にNOVELA夢中になったクチではなかった。
いつも書いているように、プログレッシヴ・ロックは大好きですよ。でも残念ながらNOVELAは聴かなかった。したがって本項にて曲について述べることは自粛する。…というかできない。
しかし、それだけに今回の素晴らしいステージは感動の連続で、現役時代にも押さえておけばヨカッタと後悔した。

180v_2写真撮影のためにいつも通り客席の最前列とステージの間に入り込ませて頂いた。つまりステージを見つめるお客さんの顔がよく見えるのだ。
お客さんは皆私ぐらいの年齢で、「若い」とお世辞を言うとかえってイヤミに聴こえるかもしれないレベルの方々だ。ひとことで言えばオッサンばっかり。
そのオッサン達が実に…実にいい顔なのですよ!もう今自分の目の前で起こっていることが夢でもあるかのようなウットリとした視線!
それを見ているだけでも幸せな気分になってしまった。

190_3「Don't Stop」で幕を開けたステージは王道ナンバーではなく、ファンの方に言わせればどちらかというと意外なチョイスだったらしい。
210v_2しかし、曲を知らない私にとってはどれもコレも新鮮でホント楽しめたな。
それといつもとチョット雰囲気の違う曲を演奏するてらちんやBURNYやPONさんを見るのも面白かった。
もちろん日本のロック界を代表する名手のたちのこと、どんな曲を演ろうとも演奏の密度は生半可なものではなかった。

220v「落ち着くわ~」…Burnyのギターの音。そう我々は屋根裏やロフトでこういうMarshallの音を聴いて育ったんだよね。
経験したことはないけど、気持ち的にはお母さんのお腹の中に戻ったようなとてつもない安堵を感じる。
もちろんBurnyはクチにはしないけど、「あのね、ロック・ギターってこういう風に弾くものなんだよ」と言っているかのようなプレイ。なんというか「ロック・ギターの文法」と「ロック・ギターの体育」のテストがあったらBurnyは間違いなく満点を取れる。
200v情熱的なソロ!
Burnyもいい加減ロックに詳しくて、いつも言っている「いいプレイヤーはいいリスナーたれ」の手本のような人だ。
そんなもんだから我々が寄ると触ると、そばにいる人がイヤ~な顔をするようなマイナーなロング・バンドの話しになるんだけど…

250v_2…Burnyも私も知っている限り、これほどガッツがあっりエモーショナルなギターなソロを聴かせるプログレ・バンドは世界に他にふたつとあるまい。
この日は待ち時間が異常に長く(メンバーさんは入りから撤収まで15時間ぐらい会場にいらっしゃったんじゃないかしらん?)、ロック話しだけでなく、Marshall話し、昔話までずいぶん色んなことをおしゃべりしてすごく楽しかったナ。。
240_2そして、これまたエモーショナルなドラム!

230_2PONさんの鋭くパワフルなショットがアッシュの特徴的なサウンドを引き出す。
ビシーン!バシーン!と恐ろしくヌケのよいトーンがバンド・サウンドを感動的に演出するのだ。
270vこうして見るとPONさん、アリス・クーパーみたいだな…。

260_3感極まってのクライマックス!
PONさんのドラミングはいつだってドラマチックだ。そして、NATALがそれをガッチリとサポートする!

280やっぱり圧巻だったAngieさん。
Angieさんは難波さんのNUOVO IMMIGRATOで過去に何度か拝見しているが、この日も伸びやかな声でNOVELAの世界を再現してあまりある迫力があった…というかむしろ感動的でもあった。

290トータル6時間を悠に超す長大コンサート。いくらイス席とはいえ大変だぜ~、これだけプログレ聴いてるの。にもかかわらず最後は観客全員がスタンディング・オベーション。
NOVELA 2014の5人は割れんばかりの拍手に満面の笑みで応えた。

300先に私はプログレッシヴ・ロックが大好きと書いた。ロックのジャンルの中では正直一番好き。
で、最近そのプログレッシヴ・ロックで考えていることがある。

それはロック史を俯瞰するに、ロックがそのクリエイティヴィティやオリジナリティを保持し得ていたのはプログレッシヴ・ロックの全盛期までだったとということだ。
「ロックは1969年で終わった」という説は、もう3年ぐらい延ばして、是非プログレッシブロックの終焉までを包含して欲しいという立場を私は採る。
バンド単位で言うと、ナゼかYesにそのトドメを感じている(ヒイキとかいうことではないですよ、個人的にはKing Crimsonの方が全然好き)。
音楽性、演奏技術、さらに普遍性の高さも考慮した時、ロック史の終幕を飾った「ここまでやっちゃ~おしまいよ」的作品は『Close to the Edge』ではないかと感じるのだ。これが1972年。

イギリスのプログレッシヴ・ロックが衰退した時点でロックの歴史はひとまず幕を下ろし、その後は順列組み合わせでナントカ息継ぎして来た…というのが私の見方。
新しくなったのは音楽商品を制作するためのテクノロジーだけで、パンク、ニュー・ウェイヴ、テクノ、ハウス、ラップ、ナントカメタル…色んなものが出て来たが、音楽的に新しいものは何ひとつ生まれていないのではないですか?すべて誰かが以前に手掛けている。
もっとも、その時代のロックも、「今ロックがやっていることはオレがもう20年前にやっていたことだ」と1970年の最初の方でCharles Mingusにやられている。
なるほどMingusの『Pithecanthropus Erectus(『直立猿人』、1956)』も『The Clown (1957)』も曲によっては至極ロック的だ。

今から16年前、70年代に活躍したあるイギリス人ギタリストと話をした。こっちは当時何もイギリスの生の情報なんてなかったもんだから、「イギリスは今でもプログレッシヴ・ロックは盛んなんですか?」なんて訊いてしまった。
彼は「もしかしてプロッグ・ロックの事を言っているのか?そんなもんを聴いているヤツは今のUKにはひとりもいないよ!」と言われ大きなショックを受けたことがあった。

私は産業革命並みのイギリス人の発明が「プログレッシヴ・ロック」だと思っていて、それはイギリス以外のヨーロッパ諸国の人にも、アメリカ人にも、日本人にも真似することのできない独特のものだ。
大英帝国然とした、暗く、バカバカしいまでに大仰な世界はイギリスの歴史やあの風土、さらにマズイ食べ物をすべて吸収した結果編み出された音楽がプログレッシヴ・ロックなのだ。
その誇り高きプログレッシヴ・ロックが本場で絶滅に等しい状態にあることは実に嘆かわしい。

それだけに地球の裏側でこのようなフェスティバルが開催されることに快哉の声を上げたいのである。(シャレではありません)
ただ、オールドファンのための懐古イベントに終わらず、こうした企画こそ若い人に観て欲しいと思う。
今の若い子は「プログレッシヴ・ロック」という言葉すら知らないのが当たり前だ。もしかしたレコード会社の若い人も知らないないのではなかろうか?
ファンとして復興を祈るばかりである。

最後に、この素晴らしいイベントに楽器スタッフとして参加できたことをとてもうれしく思っている。

310NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
おかげさまでNATALが設置されている部屋のご指定もたくさん頂き、ますます高い評価を頂戴ております。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年3月30日 CLUB CITTAにて撮影)

2014年5月 8日 (木)

また観た!~関雅樹+岡井大二セッション

前回、あまりにも充実した演奏で大満足させて頂いた関雅樹+岡井大二セッション。また演るってんで駆け付けた。

1s_img_0004 今回も素晴らしい演奏!
いつも通りの2部構成で、最初のセットはFreddie Hubbardの「Straight Life」。ま、私の場合、「Straight Life」というとArt Pepperが真っ先に来ちゃうんだけど、Freddieのもいいよね。
実は「Red Clay」にしたら?と関ちゃんに提案したんだけど、「Red Clay」はポピュラーすぎるということでこっちになった。
CTIの頃もBlue Noteの頃のFreddieもいいけど、私の一番の愛聴盤はMPSの『The Hub of Hubbard』。この剛速球のようなスピードチューンをハードに決めるFreddieがメッチャかっこいい。ジャズの初心者にジャズの爽快感を味わってもらうに適した一枚と言えるのではないか?
それともうひとつのFreddiの魅力は時折出てくる必殺のオリジナル。「One of a Kind」とか「Breaking Point」とかものすごくカッコいい。

1s_img_0023前回同様、関ちゃんのアカペラのルバートのソロでスペイシーに始まった。派手にかけたリバース・ディレイが気持ちいい!

1s_img_0042 そこに石井為人のエレピが絡んでサウンドがより幻想的に…エレクトリック・マイルス風?

2s_img_0030インテンポになって岡井大二がバスドラムを踏んだ瞬間に最初のクライマックスがやって来る。

2s_img_0162 宮野和也のベースが複雑に絡んでくるところで役者がそろう。

2s_img_0097ちょうど良いクランチ加減でペンタトニックとアウト・フレーズでソロ組み立てる関ちゃん。

2s_img_0066ピアノ・ソロでガバッと転調。実にスリリング。

1s_img_0054リズム隊のグルーヴが半端じゃないぞ!

2s_img_0166短3度で無節操につないでしめるエンディングも印象的だ。

1s_img_0070続いてはRoberta Flackの「Feel Like Makin' Love」。MCではタイトルの意味がスゴイとか言ってたけど、このリズム隊の方がよっぽどすごい。
Roberta Flackは私のガラではないけれど、代表曲ぐらいは知ってる。
この曲をこんなにヘヴィにグルーヴさせるのは大二流!宮野さんとのコンビネーションがまた抜群だ。甘さのカケラも見せない。

2s_img_0043そこへ為人さんのウォームなピアノ・ソロ。為人のソロは実に歌う。フレーズのひとつひとつが生き生きとしている。

1s_img_0074関ちゃんのカッティングがまた気持ちいい!
ソロでは素直にブルージーにキメていたがジャブジャブにかけたディレイが関スタイルだ。

2s_img_0059 関ちゃんのオリジナル、「K.T. Street」。「K.T.」とはなんぞや?
関ちゃんによると、青山の骨董通りに夜中しか開いていない靴屋があって、値段も安く、好きでよく寄ったそうだ。そこの主人が大変な説明好きで、そのつまらない説明を我慢して聴くと値段が下がるという奇特な店だったらしい。
おいおい「K.T.」って「Kottou=骨董」の頭文字かよ!

2s_img_0018その靴屋の主人とのやり取りを表現したかのようなユーモラスなイントロ。リズムはファンク。
コレは褒め言葉で申し上げますが、この曲、メジャー・キーの「Moon Dance」を連想させる。
「Moon Dance」はアイルランド出身の大シンガー、Van Morrisonの名曲。
セカンド・アルバムに収められた自身の演奏も素晴らしいが、ドラマーとして有名なGrady Tateが渋い喉を聴かせてくれる『Jazz Gala Concert』というドイツのビッグバンドの演奏が実に魅力的だった。
男が聴いてもトロけるようなのバリトン・ボイスでGradyがラブ・バラードをつづる『All Love』というアルバムも好盤だ。

1s_img_0030今日の関雅樹のバックライン。
アンプはMarshall。メインに使用しているのは縦においてある1987のコンボ、2187。

1s_img_0017足元のようす。隠し味ではなく、メインの調味料としてこれらのエフェクターが活躍する。それが関流。

1s_img_0019曲は為人さんのファンキーなオルガンソロで締めくくられた。

2s_img_0032第一部の聴きどころのひとつ「So What」。待ってました…である。
ハードにスイングする大二さんがあまりにも素晴らしい。今回はスイング・スタイルのドラムのようにバスドラの4つ打ちで攻めまくる。

2s_img_0172ロリンズ式モールス信号ソロ。バックの4ビートに挑むかのようにパワフルなロック・フレーズで切り込む関ちゃん。
この選曲の元はLarry Carltonなんだね。

2s_img_0063大二さんはやりたい放題、し放題!

2s_img_0135その壮絶なドラミングにピタリと寄り添い猛然とスイングする宮野さん。このベースも大いに見ものだ!

2s_img_0037今日もEDEN WT-800を弾いてもらっている。この音抜け…いつ聴いても度肝を抜かれる。

1s_img_0008正統派ジャズ・フレーズでたたみ込む為人さん。カッコいい~!

2s_img_0048_2実はこのコンサートの数日前、関ちゃんと電話で選曲の話をした。…というより、「アレやって」、「コレやって」と私がリクエストするだけなのだが…。
で、前回スゴかった「So What」を演ることは決まっていた。でもね、毎回同じ曲を演られると記事を書くのが辛いのでColtraneの「Impressions」にしてほしいとリクエストした。「So What」と「Impressions」は同じ曲だからね。
実際に演奏したのは「So What」。でも、ソロの間中、思わせぶりに「Impressions」のテーマをチラチラ弾いたりもしていた。
「結局、弾かないな…」とがっかりした矢先、思いっきりあのカッコいい「Impressions」のテーマを弾きやんの!やるナァ、関ちゃん。意地の悪い演出も計算した上でのことか?!
このDmとEbmのしか出てこないモード・ジャズの代表曲、ロック・ファンにも結構おなじみですな。
「So What」が収録されているMiles Davisの『Kind of Blue』はMilesの作品を代表する、モード・ジャズを代表する、さらにはモダン・ジャズを代表する名盤として、古今東西のジャズのアルバムの中で最も売れた(売れている)作品なのだそうだ。

1s_img_0036

1s_img_0070_2一部の最後は定番の「Lady Violetta」。何百回聴いても、何千回聴いても飽きない名曲中の目名曲。こんな曲を今から40年も前に演っていたんだからナァ。昔の日本のバンドは海外なんかにいかなくても十二分にスゴかった。

2s_img_0093歪みを深くして臨んだギター・ソロ。行き当たりばったりでインとアウトを繰り返しているようにも聞こえるが、音が行き着く先々でメロディアスに解決させてしまう。緊張と弛緩の連続、それが関流ソロ。2s_img_0086第二部はNATALの紹介から…恥ずかしい~!

1s_img_0068今日の大二さんのキットはバーチのサンバースト・フェイドというフィニッシュ。

1s_img_001212"、16"、22"、14"×5.5"というコンフィギュレーション。大二さんが叩いていることもあるが、とにかく音がデカい!こっちから見ているとホント、撫でているだけのように見えるんだけど、出てくる音は大きく美しい。そしてまったくうるさくない。これが名人のなせるワザなのだ。

1s_img_0015感想は前回と同じ…「NATALのドラムは伝統的な音と新しい音が実にいい具合に混ざっている」。
偉大なるドラマーとしてだけではなく、ズバ抜けた耳を持った名音楽プロデューサーの口からそのようなコメントいただけるのは本当に光栄なことだ。
「ドラムはバンドの中で一番頭の悪い奴が担当する楽器。皮を張った筒を木の棒で叩いているだけなんだから!」なんておっしゃって大ウケしていたけどトンデモナイ!
優秀なミュージシャンはみんな頭がいいけど、特にドラマーさんたちの記憶力ってのは恐ろしいものがあるよね。それとも度胸がいいのかな?
メロディやコードを完全に記憶する必要がないのは確かだが、ドラマーがキメを少しでも忘れたりミスったりしたら間違いなく大きな責任がのしかかる。特にビッグバンドなんかはそうだ。
手もかかるし、大変な楽器だ。
敏子さんも『Road Time』の中のMCでPeter Donaldを指してそうおっしゃっている。

2s_img_0070「Giddy Up」という曲。Mick Taylorの曲なんだって。ハードなロック・チューン。
Blues BreakersもStonesも聴かないからMick Taylorはわからんな~。
唯一なじみがあるのはGongの『Expresso II』か。それじゃMick Taylor聴いたことにはならないよね。確か「Tublar Bells」の生演奏なんかにも加わっていたよね?

2s_img_0121次に飛び出したのは「Freedom Jazz Dance」。スミマセン、私の勝手なリクエスト。ワンコードだし、テーマはアホほどカッコいいし、適度にポピュラーだし。

1s_img_0040しかし、このテーマがギタリストにとっては鬼門中の鬼門。フレーズが4度と5度音程でできているから。指板に対して垂直移動で弾くとなると異弦同フレットの連続で右手が極端に難しい。左手もツライ。
今度は水平で弾くとポジション移動が多くなり左手が難しくなる。
慣れれば垂直策の方が成功率が高いような気もするが、関ちゃんは水平作戦を採ってうまく弾きこなした。
そして、ややこしいテーマ・メロディから解き放たれたかのように自由に動き回るソロ。

2s_img_0004為人さんはシンセサイザーで応戦。

2s_img_0156カバーも多い、この曲の作者はEddie Harris。『The In Sound』というアルバムにそのオリジナル録音が残されている。コレ、聴いたことある人って多いのかな?私も「Freedom Jazz Dance」のオリジナル・バージョンがただ聴きたいだけでこのアルバムを買ったんだけどね。
演奏はファンク調のリズムでかなりシレっと演奏されている。どこかのスタジオに楽器を持って入って、「とりあえず何かワン・コードでジャムってみようか?」みたいな演奏で、テーマが過ぎるとこの曲が「Freedom Jazz Dance」であることをスッカリ忘れてしまう。ま、コレはコレでいいんだけど。

Eh_2Milesの「Freedom Jazz Dance」は『Miles Smiles』にキラー・チューンとして収録されている。この緊張感に満ち溢れた演奏はEddie Harrisのリラックスしたノー天気な演奏とは同じ曲とは思えない。「♪ジャーン、チカタチカタチカタチカタチカタ…」というTony Williamsのドラムのイントロだけでチビるわい。後半8ビートになるとこもタマラン!

Md ロックファンにも比較的聴かれているのはこのヴァージョンではなかろうか?Miroslav Vitousの『Infinite Search』。ナゼならJohn McLaughlin(もう一回言っときますが、英語圏の人は「ジョン・マクラッグリン」と発音する)が参加しているから。これまた修行然として厳しい演奏はもはやEddie Harrisの演奏の微塵も感じられない。

Mv
このBeigles Daisy Toastsってのはフランスのグループなのかしらん?ファンキーなドラムにウッドベースがからんで展開する「Freedom Jazz Dance」。なかなかにカッコよろしいな。
このアルバム、中古で300円(税抜き)以上の値段が付いているのを見たことがないような気がする。でもね、他にもGeorge Bensonの「Clockwise」とかWesの「Cariba」、おなじみ「Mercy, Mercy, Mercy」なんかも取り上げていて300円では十分に安い。極めつけは「Caravane」。Ellington-Tizolの「Caravan」のことなんだけど、よくやるサビで4ビートにする手法が冴えわたっていて爽快感満点。
これギタリストがリーダーなのかな?さもなきゃ「Clockwise」なんて演らないよね。

Bg キテレツなのはコレ。イタリアの女性ヴォーカリーズ・グループ、Le Pause Del Silenzio。「♪ふり~、だむ、じゃ~ず、だんす」と繰り返すところが恥ずかしい気もするが、バック陣の演奏が強靭でかなりカッコいい。
考えてみると、今回紹介した「Freedom Jazz Dance」のウチ、完全に4ビートで演奏しているのはこのバージョンだけ。
スミマセン、長々と…。イヤ、リクエストした手前、ちょっとウンチク固めておこうかと思いまして…。

Vi さて、関+大二バージョンはというと、宮野さんと大二さんに支えられた頑強なファンク・バージョン。

2s_img_0101全員一丸となったハードな演奏に第二部のハイライトを見た!

2s_img_0165ここから2曲続けてJeff Beck。
「Behind the Veil」と「Diamond Dust」。
「ジェフ・ベック好きなんでしょ?」とよく訊かれるが、「それほどでもない」という関ちゃん。その割には「Diamond Dust」で激しく弾きまくる。今日も一番の弾き込みようだった。

2s_img_0149そして最後はThe Beatlesの「Dear Prudence」とオリジナル・アレンジの「Every Breath You Take」。

2s_img_0124大二さんからビートルズの話しで…。昔、何かのレコーディングの時にRingoっぽい音で録りたくて試行錯誤をしたことがあった。ドラムのサイズやらマイクやら悩みに悩んだが、向こうのレコーディング・エンジニアに相談したところ答え一発。「アビィロード・スタジオの録音機材を使えばいいのさ」と言われ試したところ、リミッターひとつで満足した結果が得られたんだそうだ。
つまり、奏者でもなく、楽器でもなく、レコーディングのカギは録音機材だけが握っている…というお話し。大二さんの話しはいつも興味深い!
いつかMarshall Blogでインタビューして大二さんの頭の中にある貴重な知識や経験を文字に残しておきたいと思っている。

2s_img_0047今日もありとあらゆるベースのパターンを披露してくれた宮野さん。実に頼りがいのあるスーパー・プレイヤーだ!

1s_img_0058「Deer Prudence」にはベートーベンの第九を、「Every Breath~」ではWebberの「Memory」のメロディの断片を差し込んでくれた為人さん。Dexter Gordonに代表されるこのQuotationはジャズの常套手段だ。もちろんセンスよくやらなきゃダメ。為人さんは完璧!

2s_img_0111アンコールでナニをやるかまた迷っていたので「Stratus(ストラトゥス)」をリクエストしたが却下。今回もThe Metersの「Sissy Strut」にて打ち止め~!
ああ、今日も大満足!!

1s_img_0030_2関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒Seki's Web
岡井大二の詳しい情報はコチラ⇒四人囃子Official Website

9NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
おかげさまでNATALが設置されている部屋のご指定もたくさん頂き、ますます高い評価を頂戴ております。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年4月4日高田馬場音楽室DXにて撮影)

2014年5月 7日 (水)

ひめキュン祭 〜 大江戸アイドロール!SPECIAL 其の弐

みなさんゴールデンウィークはいかがお過ごしになられましたか?
私は親の代から人がたくさんいるところが苦手なので、盆暮れ、ゴールデンウィークはひたすら家にいることにしている。それで、テレビのニュースで高速の渋滞や成田の混雑具合、新幹線の乗車率状況を見るのを楽しみにしている。
ま、ホントはマーブロの取材やら写真の整理なんかでそれどころじゃないんだけどね…。

さて、今日のマーブロはひと味違う!アイドルだゼイ!
タイトルの「ひめキュン祭」というのは愛媛のアイドル・グループ、「ひめキュンフルーツ缶」のお祭りだ。あ、愛媛だから「ひめ」なのね?

10会場は渋谷TSUTAYA O-EAST。
お祭りらしくロビーも売店が出てこんなんなっちゃった!

40射的なんかも用意されて何ともにぎやかな雰囲気!

50もちろん会場は超がいくつも付くような満員状態。
今日のマーブロはそのお祭りの中からFRUIT POCHETTE(フルーツ・ポシェット)のパフォーマンスを紹介する。
FRUITE POCHETTEは、2012年にひめキュンフルーツ缶の研修生「ひなキュン」の中から選抜された2人で結成された。

60なんだってマーブロが関連しているのかって?
それはこの赤いギターを弾いている上手の人…。

30ウワッ! ノンちゃん!

20vそう、島紀史がサポートで参加したのだ!

110vノンちゃん率いるCONCERTO MOONは昨年末の『BLACk FLAME TOUR』の最終日のライブ音源と新録をミックスした新曲、さらに過去の人気曲のリメイクを収録した『Live And Rare 』を4月9日に発表したばかり。コレがまたいい!
ジャケットの写真も私が撮ったものなので安心してお買い求めいただきたい。

島紀史の詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

Cmcdさて、FRUIT POCHETTE…。
メンバーは…

70寺谷美奈

80v東志栞
…の2人。

90vこの2人が歌って踊るワケだが、このパフォーマンスのハードさが生半可ではない!

100その密度たるや、ノンちゃんのギターのごとし。

120v島紀史といえば(今や)Marshall 1967MAJORにストラトキャスターがトレードマーク。
しかし、今宵は違う。
FRUIT POCHETTEの飛びきりハードなパフォーマンスに合わせてJCM2000 DSL100にハムバッキングのギターを組み合わせて来た。
要するに激歪みだ!

130違和感があることは否めない~。
ストラトキャスター以外のノンちゃんをステージで見るのは初めてかな?

200vサイド・ギターにはノンちゃんの旧友でもあるオジーさん。1959SLPをご持参頂いている。

140vリズム隊も強力!

150vドラムはLOKAのKEN'ICHI。

160vさすがギターの鉄人!Iron Guitarist!
チューニングが全音低かろうが歪みが増そうが、なんの澱みもなくいつも通りのプレイを見せてくれた。
結局はナニを使っても「ノンちゃんサウンド」なんだけどね…

170v素晴らしいソロ!
その激烈プレイで観客の目を引き付けた…

180v…かと思うとそうでもないか!?
みんな美奈ちゃんと志栞ちゃんに目が行っちゃってる?!
というのも何しろ…

190フルポシェの2人のパフォーマンスがノンちゃんのギターに負けないほどパワフルなのだ!

210vイヤ、ともするとギター以上?

220v歌っては、この細くて華奢な体躯のどこからそんなエネルギーが潜んでいるのかと思うぐらいパワフル。

230圧巻なのはあまりにも激しいダンス・パフォーマンス。
ま、アタシャやったことはないけど、ヘタをするとボクシングよりよっぽど激しい運動量なのではないか?

250そして、このシンクロニズム。
2人の激しい動きがこれだけピタリと合っていると実に気持ちがいい。イヤ、問答無用でカッコいい!

270お客さんも我を忘れて大興奮!
ホント、このすさまじいパフォーマンスには興奮させられるよ。

240「ギターを弾いている自分の目の前で誰かが踊っている」のを初めて見たというノンちゃん!ま、確かにいつもはせいぜい久世ちゃんの後頭部と背中しか見えないもんね。

260そうそう、このグループ、曲名がまたスゴイのよ!ズラッと並べてみようか…
1. 暴虐パラサイト
2. 漆黒ダリア
3. 炸裂バーニング
4. 月光ディストラクション

270v5. 輪廻エクスペクテイション
6. 超絶ファンタスティック
7. 幻惑ショコラビッツ
…と来たもんだ!これだけ見たらどこのデス・メタル・バンドのセットリストかと思うジャンよ?

275v実際メタルなんよ。「爆裂ノンちゃんマーシャル」が(イカン、伝染ってしまった)シックリくるほどの本格派のへヴィ・メタル。

280あ~、また観たいな~。
近い将来、東京での再演を強く望む。

285vFRUIT POCHETTEの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

290(一部敬称略 2014年3月30日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2014年5月 2日 (金)

三宅庸介・田川ヒロアキ Guitar Show 2014 <後編>

ここのところ三宅庸介の登場が頻繁と思われるかもしれない。
燃えているのだ、三宅庸介は!
ライブハウスが企画したこの『Guitar Show 2014』の後半の出演はStrange, Beautiful and Loud。

10_2三宅さんが燃えているタネ火はもちろんコレ…。
Strange Beautiful and Loudのセカンド・アルバム『Orchestra Supreme』。

20cd今日のレポートは、発売を4月2日に控え(当時)、ノリにノッている3人の姿をキャッチしたものだ。

70v_2三宅庸介

60山本征史

40v金光KK健司

50v_2さすがに何度も何度も記事を書いてきているので、何がしかの目新しい文章でこの演奏を描写することは、私のような文才に乏しい者にとって至難のワザとなってきた。
こういう時は、初心に帰ってシンプルに認める…素晴らしい演奏だった。

30v東京での演奏のほとんどすべてに定点観測的に接して来た私が感じるのは、『Orchestral Supreme』のレコーディング前後ぐらいから演奏内容が一段とグレードアップしてきたということだ。
コンサートで演奏される曲は以前から3人で演奏して来たものなので、「演奏に慣れた」というワケでは決してあるまい。

80vそうした演奏技術によるものではなく、このグループの精神性のようなものに頑強な筋が通ったように感じるのだ。
コレがパーマネントなグループのスゴさなのであろう。一期一会のセッションが生み出す奇跡も、技術に長けたプレイヤーの演奏を鑑賞する大きな魅力だが、こうしたグループ・エクスプレッションはそれとは異なる贅沢な楽しみがある。

90vそれも三宅さんがクリエイトする孤高の音楽によるところが大きい。つまり「素材」がいいのだ。
三宅さんの音楽は決してジャズではないが、ジャズを愉しむ時のようなスリル。それに覆いかぶさるロック魂全開のパワー。コレである。
さらに楽器の限界をつきつめた素晴らしいサウンド。
この組み合わせは何回観ても飽きることがない。出来る限りこの目で彼らの演奏を観ておこうと思っている。他に替えがきかないグループだからね!

100vオープニングは「Virture」と、前作からのチョイスとなったが、後は「Solitary Past」を除いて今日は『Orchestral Supreme』からの選曲となった。
こんな感じ…
1. Virtue
2. murt'n akush
3. mani
4. Solitary Past
5. Petal
6. if
7. Ring
コレ、実は珍しい。
三宅さんはいつも2枚のアルバムからほぼ均等に演奏曲目を選出することが多いからだ。
今日のこのセットリストを見返すに、新しいアルバムへの三宅さんの深い愛情を感じざるを得ない。
それだけ情熱を傾けて真剣に作ったってことよ。
レコーディングのようすをすでにレポートしているのでコチラをご参照されたい。

110前掲したが、このグループの見どころのひとつはそれぞれの楽器の音色だ。三宅さんのMarshallとストラトのコンビネーションの素晴らしさについ耳が貼りつきがちだが、征史さんの1992SUPER BASSとプレシジョン・ベースの組み合わせがクリエイトする男性的なベース・トーンも決して聴き逃してはならない。
機材はいつも紹介しているので前回のレポートをご覧いただくこととしよう。
コチラ⇒Sound Experience 11

120v_2ドラムも同様。このドラム・サウンドを失くしてはこのグループの魅力を完全に引き出すことはできない。
NATALドラムの面目躍如たるところだ!

130_2実はこの日、三宅さんが長年愛用して来たルーパーのフット・スイッチがリハーサルの時にイカれて使用できなくなってしまった。
やむなくそのルーパーを取り除きエフェクター・ボードを組み直して演奏したのだが、出て来たサウンドに感動!
あまりにもギターのトーンがピュアでストレートになったのだ。薄皮が1枚どころか5~6枚剥けて奥の方からご本尊が出て来た感じ…。今までは7年に一度の善光寺の御開帳の時の柱に触っていたような感すらある。(←コレわかる?)
ま、機材を簡素にすればするほど音が良くなるなんてことは三宅さんも私も、百も二百も承知しているが、豹変ぶりがあまりにも見事だったのだ。
利便性を目的に使用せざるを得ない周辺機器だが、たまには「素」や「直」を追求してみるのもよいことだ。

いつもとチョイと違う三宅さんのギター・トーンを味わえたというだけでも価値のあるコンサートだった。

140三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful and Loud

150vそしてアンコール。

155田川ヒロアキがStrange, Beautiful & Loudにひとり加わる。
ヒロアキくん、三宅さんとの共演はこれが初めてではない。以前、三宅さんの『Sound Experience』に登場したことがあるのだ。

160v迎え撃つ三宅庸介。ま、別にケンカするワケじゃないけど…。

170曲は「Bloom」。三宅さんの代表作のうちのひとつ。

180vこれがおっそろしく素晴らしかった!

190_2リハーサルの時に度肝を抜かれたのは、テーマのメロディをヒロアキくんが一糸乱れずピタリとハモって見せたこと。

195この三宅さんならではの特異なメロディを持つ曲がふたりのギタリストによって演奏されるのは新鮮この上ない。
コレ、もしかしたら最初で最後になるんじゃないですか、三宅さん?

230そして、お待ちかねのソロの応酬。

200_2音楽のスタイルも…

210弾き方も…

220_2ギターのトーンもまったく異なる2人がしのぎを削る姿はスリル満点!

225案外正攻法的なフレーズを織ってくる三宅さんに対し、ヒロアキくんがアクロバチックなプレイで応える「木に竹をつぐ」ような展開がおもしろい。

240やはりこういう達人の共演はいつ観ても楽しい。
このコンサートは珍しくMarshall Blogで緊急に事前告知をしたが、その価値が十分にあった内容となった。
お見えになった人ラッキー!お越しになれなかった方は是非次の機会にお見逃しなく!

三宅さんは最近教則DVDをリリースされた。その情報と撮影レポートも近日アップしますので乞うご期待!

250最後に出演者全員で記念撮影。みんなうまくいった時の満足の笑顔だな、コリャ?

260_2NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
おかげさまでNATALが設置されている部屋のご指定もたくさん頂き、ますます高い評価を頂戴ております。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2014年3月10日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2014年5月 1日 (木)

三宅庸介・田川ヒロアキ Guitar Show 2014 <前編>

三宅庸介と田川ヒロアキというMarshall Blog頻出の人気ギタリストが登場する今日と明日にわたってレポートするコンサートは、「見逃してほしくないもの」として事前にMarshall Blogで告知したモノだ。
結果はどうだったか…公私にわたって見どころが満載された、事前告知するに十分値する素晴らしい内容だった。

下の写真は、当日のアンコールで演奏する曲のリハーサルのようすを捉えたもの。
実際にMarshall Blogの記事内で使うことがないので、私は滅多にリハーサルの写真を撮らないのだが、この日はチョット様子が違った。

10内容はお定まりのセッションなのだが、2人が弾き出した途端、身体中に電流が走り、シャッターを切らずにはいられなかったのだ。
このシーンの本番は<後編>で紹介する。

20既報の通り若手ミュージシャンを引き連れて登板したヒロアキくん。準備万端!

30オープニングは「Seascape」。
バッキング・トラックに合わせスケールの大きいギターが飛び出す。
95vそして、躍動感あふれるドライビング・チューン、「Speedway」へ!
220田川ヒロアキ

50vベースは永井双樹。

60vドラムは岡田翔太朗。

70v今回は初顔合わせながら、容赦なくヒロアキくんの新旧のレパートリーが選ばれた。

あ、そうそう、コレいつか触れようと思っていたのだが、「レパートリー(repertoire)」って英語圏の人は「レパトワ」って読むんだよね。フランス語。イギリス人にどんなに英語らしく「レパートリー」と発音しても絶対通じない。
100今日は愛用のJMD501はおやすみ。JVM210Hと1960のコンビネーションで臨んだ。

80「新」のレパトワはここから。昨年の10月に発売された『ようこそ田川Night!へ』。
レギュラーで開催しているホーム・パーティのようなヒロアキくんのコンサートのエキスを詰め込んだ1枚。いわば「出前田川」盤。

90cdその『ようこそ田川Night!へ』から「BOUND」。タイトル通り心地よいノリノリのバウンス・ナンバー。

110v続いてはアーバンな雰囲気満点の「Swing Picking」。このフリ幅の大きさがヒロアキくんの魅力のひとつだ。

120vその要求にピタリと合わせる若手2人のリズム隊。実にいい雰囲気だ!

135v『ようこそ田川Night!へ』は一種のコンセプト・アルバムと言えるワケだが、それを強く印象付けるのは1曲目の「train」だろう。
何しろ「田川ナイト」の会場に向かう電車の描写から始まるのだから「サージェント・ペパーズ」も驚きだ。これを超えるのはもう「田川ナイト」へ行く日の朝の目覚まし時計の音から始めるしかない。
ウキウキして朝も飛び起きちゃう…そんなはずむ気持ちがうまく表されている「train」を次に持ってきた。

以前、ウェブサイト用にJMDのデモ演奏曲をヒロアキくんに書き下ろしてもらったことがあった。ヒロアキくんがいつも使っているJMDはプリ・アンプにデジタル回路を搭載しているため、バラエティに富んだサウンドを出せることがひとつのウリで、その異なったサウンドを使用するデモ曲を3つ用意してもらった。
そして、それぞれの曲にマーシャルにちなんだ「J」、「M」、「D」、それぞれの文字から始まる曲をタイトルをつけさせてもらった。
その中のひとつが「D」で始まる「Denbigh Road Run Down (to Tesco)」という曲だった。「Denbigh Road(デンビー・ロード)」というのはMarshallの工場が面している表通りで、「Tesco」はイギリス最大のスーパー・マーケット・チェーン(かつてJR高円寺駅からSHOWBOATに行く途中の右手にもあった)。
つまりお昼になるとみんなで「今日は何のサンドイッチにしようか?」とDenbigh Roadを歩いてTESCOに向かう設定の曲。楽しげな雰囲気がよく出ていて、この「train」を聴くたびに思い出すのだ。
ちなみに、タイトルのアイデアはSonny RollinsのImpulse盤「East Broadway Run Down」から頂いた。

133「train」の曲調に惹かれて楽しそうに演奏する翔太朗くん。特にイントロの「ガタンガタン」という電車の通過音をライド・シンバルを使ってヒロアキくんとコール&レスポンスで表現するところが印象的だった。
ちなみにCDには実地で録音された電車の音が収録されているのだが、コレが大変だったらしい。
まずロケハン。
この曲はその電車の「ガタンガタン」という音とヒロアキくんの頭の中にあるテンポをシンクロさせる必要があり、その適当なテンポの通過音を見つけるのが至難の業だった。
つまり新幹線でやると急速調のパンク・チューンになりかねないし、ホームに入ってくる電車の音では遅すぎてバラードになってしまうのだ。
で、実際にどこで録ったのかというと、鴬谷の線路のヨコだったそうだ。ここは高崎線、宇都宮線、常磐線、山手線、京浜東北線等が並走する大線路地帯。通過音もよりどりみどりなのだ。
しかも、上野駅からそう遠くないために上りの電車も下りの電車もちょうどいいバウンス・テンポで動いているというワケ。
それでも、収録したのは9月ということで、虫の声が盛大に入ってしまい、それをデジタル処理で消去するのが大変だったとか…。
考えてみればどこかで録音した音源をデジタル処理して好みのテンポにすることもできたであろうが、それを敢えてしなかったことこそ「ヒロアキズム」なのだろう。
134v旧作から「Stranger Destroys Arms」をハードにキメる双樹くん!

130それにしても見事だったのは翔太朗くんのドラミング。
複雑なキメの多いヒロアキ・チューンをカラフルに、かつ完璧に叩ききった!
180翔太朗くんが参加するバンド、DIRTY OLD MENは5月7日に『Blazing』なるニュー・アルバムを発表し、23日から7月まで全国を巡回する大ツアーが始まる。

160cd_2こちらはすでにMarshall Blogでも紹介している2月発売の人気TVアニメ『弱虫ペダル』の主題歌、「弱虫な炎」だ。
活躍著しいDIRTY OLD MENにも注目だ。

岡田翔太朗の詳しい情報はコチラ⇒DIRTY OLD MEN OFFICIAL WEB SITE

170cdもちろん翔太朗くんはNATALプレイヤー。DIRTY OLD MENではアッシュのキットを使用するが、今日はこの後に出演する金光健司さんとの使い回しでバーチのキット使用した。
アッシュの攻撃的なサウンドも魅力的だが、バーチの深みのある音像も捨てがたい。いずれにしても表現力豊かな翔太朗くんのドラミングにNATALはピッタリなのだ。

そしてもうひとつ注目すべきは、今回のようなベテランと新旧の邂逅だ。
最近富に現在の音楽界を危ぶむ声を聞くようになってきた気がしている。もし、それが勘違いだとしてもうれしいね。だって「火のないところに煙はたたない」のだから。

何回でも書くけど、未来の音楽に学ぶところはない。まだ進化するであろうテクノロジーすらもはや無視した方がいいかもしれない。音楽の退廃を招くだけだから。それは最近の歴史が見事に証明してしまった。
とにかく今は過去の音楽の中からすべてを学びとる局面だろう

若者は偉大な先輩たちが築いたロックを掘り下げて十分に研究するべきだし、ベテランもかつて自分達の中にもあふれていた若人だけがが持つエネルギーと感性を尊重すべきだと思う。
ところがこれらはすべての面において相容れることがムズカシイ。

憲法記念日も近いが、これから世の中がドンドンおかしくなっていくことだろう。その歯止めに少しでも音楽が役に立てば素晴らしいんだけどね。自由に音楽ができることこそ平和の象徴なのだから。
でもね、今の音楽には何の力も感じられない。
別にヒットなんかしなくたっていいじゃない。メジャー・デビューがどうだとか、売上が何枚だとかよりも、作り手は「いい音楽を作った」、聴き手は「本当にいい音楽を聴いた」ということに誇りを持とうではないか!

本当に「力のある音楽」というものはヒット作ではなくて、いかにいい耳を持った熱心な聴き手を抱えている音楽かどうかということではなかろうか。
ベテランも若手もいっしょになって「いい音楽」をクリエイトしてもらって、我々リスナーはそれを聴き分ける耳を研ぎ澄ませ、いいものには惜しみのないエールを送ろうではないか!
140vイカン、つい力が入っちまって久しぶりにぶってしまった。

お待ちかねのア・カペラのギター・ソロ。

190速弾きパート、タッピング・パート。三味線パート、スラップ・パート…今回はいつにも増して弾きまくっていたナァ。

200JVMのフルスタックを背にカッチリと弾き上げた!

210vもうそれこそ何回ヒロアキくんの演奏を観てきたかわからないが、今回の演奏はとてもフレッシュだったな。
もちろん若いリズム隊の影響ということは否定できまい。そのリズム隊によってヒロアキくんのメンタルな部分に変化を起こさせた。気に入った部分もあれば、気に喰わなかった箇所もあるだろう。
その内部の変化が技術面&演奏面に現れたということができるだろう。これが音楽の化学反応だ、

決して目立つようなライブではなかったが、先に述べた新旧の交わりという難しいテーマについて、典型的な手法による画期的な試みになったと思う。
この試みはドラムが一番やりやすい。残念ながらギターでは難しいだろうな。

230v終盤で派手に飛び出したのは旧作から「Keep Flying」。
せっかくノッて来たのにもう時間がッ!

240vこの日の演奏を境にYesやKANSASの音楽を聴いて真っ先に「美しい」と感いるようになったという翔太朗くん。もともと色んな音楽を聴いている彼だが、自分の中に音楽的な変化が現れたことを自覚したあたりはさすが!
ね、いくら若くたって「カッコいいロック」は世代を超えて共通なのだ。若い人たちは知らないだけ、イヤ、知らされてないだけなのだ。

250v最後は火照った身体を冷ますようにやさしく「アヴェ・マリア」をプレイして幕を閉じた。
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260<後編>につづく

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(一部敬称略 2014年3月10日 高円寺SHOWBOATにて撮影)