REAL THING~THE DYNAMITE JAM登場
『REAL THING』と冠されたイベントに登場した4人、THE DYNAMITE JAM。
「ダイナマイト」といえばサミー・デイヴィスJr.だ。「コンコンチキ、コンチキ…ダイナマイト!」というウイスキーのコマーシャルが、子供だった我々にも最高にカッコよかった。(サミーの話はまたいつか他の機会に詳しく登場させちゃうよ)
こっちのダイナマイトもサミーに勝るとも劣らない筋金入りのジャパニーズ・ハード・ロックを聴かせてくれる。
まさに「桜級」のダイナマイトだ。
ちなみに昔、ダイナマイトには桜とか松とか竹とかいうグレードがあったらしい。含有されているニトログリセリンの分量によってグレードが分けられる。
で、以前にも書いたことがあったかもしれないが、このダイナマイトという代物、食べられるらしいのだ。
昔、山奥の飯場では薄切りにした(当然取扱い注意!)ダイナマイトを肴に酒を飲んだという話しを聞いたことがある。分野は違えど実際に発破の仕事に携わる人から聞いたのであながちウソではあるまい。
味は甘いのだそうだ。
そして、グレードによっておいしさも異なり、やはり「桜」が一番おいしいらしい。
ダイナマイトといえば、よく連想されるのがトンネルの貫通シーン。私は2回ほど貫通式に出席したことがあるが、長野道の太郎山トンネルの時は結構感動的だったな。
アレは本当にその場の発破で貫通させるワケではなくて、予めもう貫通させておいて、儀式的に発破作業をする。さもないと危なくてしょうがないからね。
貫通させた後、こっち側と向こう側の工事責任者が握手する瞬間はなかなか感動的だ。
過去トンネルの工事現場は女性は立ち入り禁止だった。
よく「山の神様は女性で、女性が現場に入るとヤキモチを焼いて落盤事故を起こさせる」と言われるが、どうもコレは誤りらしい。ただの迷信。
従来のトンネルの工法では、「支保工」という木の角材を組んで、掘った箇所を補強しながら掘り進んでいく。
そして、不幸なことに山が緩んで支保工に過度な負担がかかりだすと、角材はきしみ出してノイズを発生する。そのノイズが女性の声に近いのだそうだ。
現場に女性が入ってしゃべったりすると、支保工がきしむ音と女性の声が混同して落盤の兆候がキャッチできなくなってしまう。だから女性の立ち入りを禁止したのだそうだ。
話しはかなり反れたが、「桜」級のロック・パフォーマンスを見せてくれるのがTHE DYNAMITE JAM。
ここなら落盤の心配もないし、思い切り騒いで楽しめる!
下は4月18日、すなわちこのレポートのライブ当日から発売となった3曲入りのミニ・アルバム『Violent Delusion』。
「急げ、急げ!!」…導火線に火のついたダイナマイトを積んだトラックがハートにまっしぐら…というジャケット。このバンドのイメージをよく表したデザインだ。
ライブ会場での限定販売。
鋼の重低音と派手なアクションでバンドをプッシュするOZMAさん。
説明不要のPONさん!シャツとドラム・キットのMarshall固め!
アルバムのリード・チューン「妄想が暴走」でスタート。
「妄想が暴走」か…オレのことだな。でも最近は妄想の機会も減ったな。コレも歳のせいか…。
このバンドも見ていて実に楽しそうだ。自身タップリで、も~演奏するのが楽しくて、うれしくて…こういうバンドはやっぱり観ている方も楽しい。
福島さんも夜叉時代からの長い付き合いだ。昔は雑誌の仕事なんかでもよくご一緒していただいた。根っからのMarshallistだ。
この人にもある種の「ギター道」みたいなものを感じていて、いつもストイックな姿勢で演奏に臨む姿が素晴らしいと思っている。
この日もJCM2000 DSL100を用いてエモーショナルかつスリリングなプレイで楽しませてくれた。
いつもはアッシュのNATALを使用しているPONさん。今日はメイプルのキットでゴージャスに暴れる。
材は変わってもPONグルーブは変わらず。ストレートアヘッドなロック・ドラミングがひたすら気持ちいい。「NATAL猛打賞」を差し上げたい!
問答無用のスーパー・プレイにはルックス、サウンド、ともにNATALがよく似合う。
※NATALは「ナタール」と「タ」にアクセントを置いて読んでください。「ナタル」でも「ネイタル」でもありませんのでひとつよろしくです。
OZMAさんとPONさんのコンビネーションがすさまじいエネルギーをクリエイトする。
実はOZMAさん、この日体調がかなり悪かった。このお仕事、こういう時はツライよね~。何せそう簡単には替えがきかない。「ツライ」と言ったところでやり遂げて当たり前。「体調を崩す自分が悪い」と言われるのにキマってる。
立っているのも難儀なぐらいなのに、具合の悪いそぶりを見せず始終ニコニコされていた。プロ根性を見た気がした。
この強靭なリズム隊がTHE DYNAMITE JAMの下地を作っているワケだ。
その3人のスーパー・プレイに乗っかる由美さんがまたスゴイ!
キュートなルックスやしゃべり声にダマされてはイケない。
ド迫力の歌声とハチ切れんばかりのエキサイトメント。それがどこまでヒートアップするのかわからない!
まさにこの人が「ダイナマイト」!サミー・デイヴィスJr.もビックリだ!
演奏するのは、疾走感に満ちたピュアなハード・ロック・チューンばかり。
「Help Me Out」や「Cocolo」等、THE DYNAMITE JAMのスタンダード・ナンバーが続く。
観客をあおるPONさん。PONさんのハイ・テンションはロックそのものだ。一緒にいるだけでロックを聴いているような気分になる!
終盤に演奏した同じくアルバムに収録されている「最たる私」なんて実に素晴らしい。
カラッとしたアメリカン・ロック調のヘヴィ・チューンだ。この際、私は完全にプリティッシュ派だが、イギリスでもアメリカでも何でもいい。日本にこういうシッカリとしたロックがあることがうれしいのだ。
6月には関西方面のツアーが予定されているので、西の方の方はお見逃しなく!
THE DYNAMITE JAMの詳しい情報はコチラ⇒DREAM NETWORKS公式ウェブサイト
NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
日本語版は只今準備中です。
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(一部敬称略 2014年4月18日 目黒鹿鳴館にて撮影)