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2017年7月

2017年7月31日 (月)

岡井大二の青梅はAMAZINGだった!

  

今日の話題はコレ。

20vそう、梅。
同じ梅でも今日登場するのは下の写真の方。
上の梅と下の梅、色以外にどういう風に違うかわかる?
上の黄色い梅はもう熟していて、これから自家製梅干しになる。
梅と塩を広口のビンに入れて重石で漬け込んでやる。色や香りをつけるためにシソを入れることが多いが、ウチは入れない。
頃合いを見計らって漬かった梅を取り出して、しばらくの期間天日干しをする。
ビンの中に残った梅から出た水分は「梅酢」といって「グワシ!」とやる。
それは「楳図」か!
梅酢は除菌作用があって、昔はうがい薬や咳止めとして珍重されたらしい。
他に、漬物に使ったりして何のムダも出さない。昔の人は本当に賢い。
今ではその梅酢を原料に「梅ドレッシング」を作ったりもするそうだ。
取り出した梅は事務所の前の日の当たるところに置いておいて、雨が降ってきたら取り込むのが私の仕事。
Marshall AmplificationのAsia & Oceania Region Managerが製造に関わった梅干しだ…酸っぱさもしょっぱさも超ラウドだぜ!
かなり久しぶりに作るんだけど、化学調味料や添加物を一切入れない梅干しはすごくおいしいんだ。
海外では使用が厳しく禁止されているアミノ酸(グルタミン酸)が入っている食品をできる限り摂らないようにしているしね。
下の青い梅は梅酒になる。
おいしいもんね~、自家製の梅酒は!
もちろん化学系添加物は一切入らない。
実に完成が楽しみだ。
今日の舞台はこの青い方の梅。
つまり青梅ね。

10v_2

私が青梅に足を踏み入れたのは、人生でコレが初めてのこと。
東京の東の住人にとってはかなりの距離。
八王子のチョット先ぐらいに考えていたらトンデモナイのね?
お、目的地が見えてきた。

30ココが目的地。
民家ですな。
同じ「ハウス」でも、ライブハウスはMarshall Blogに数え切れないほど登場しているけど、もしかしたら普通の「ハウス」が舞台になるのはコレがはじめてのことかも知れない。

40コチラは榎本さんのお住まい。
もしくは、ご芳名の下にある通り「studio AMAZING」。

50ご新居で…結構なお住まいですな~。

60風通しのよいベランダでくつろいでいるのは、岡井大二とおなじみのギタリスト、関雅樹

70実は榎本さんは、ドラムスの録音ができるプロフェッショナル・クォリティのスタジオを自宅に作ってしまったのだ!
関ちゃんの手配で大二さんがお見えになり、そのスタジオでレコーディングをしたというワケ。
100v_2自宅のスタジオに「岡井大二」が現れるなんてまさにAMAZING!
セッティングに余念がない大二さん。

90録音に使用したキットはNATALのバーチ。
実際に大二さんがステージで何度か使っているモノだ。

80

セットを終えて軽くウォーミング・アップ。

120え、大二さんが使っているスネア?
気がついちゃった?
さすがお目が高い!
コレはNATALのStave Snare。
シェルが桶状になっている。
大二さんが叩くとスゴイんだわ!
宇宙の果てまで音が届きそうに抜けまくる!

130大二さんは案外慎重にセッティングをするが、自分の出したい音がシッカリと頭の中にあって、また楽器のツボを心得ているので時間はかからない。
一発でキメちゃう。

110

準備万端。
ヘッドホンをつけてイザ本番!

140スゴイ集中力!
コワいぐらいだ。
レンズを向けている私のことなど全く気にしない。

150ミキサー室でも関ちゃんが大二さんのプレイに集中している。
そう、コレは関ちゃんがアレンジとギターを担当した女性歌手の伴奏のレコーディングなのだ。

160まずは一回録ってみて…

170お~っと、関ディレクターがマイク位置の修正に飛び出してきた~!

180もう一回。

190v大二さんのドラミングはいつ見てもサウンド、フレーズともにこの上なく気持ちがいい。
それだけではなく、曲のコンセプトに合わせて当意即妙にプレイを変えて、音楽に当てハメていくクリエイティビティが何とも素晴らしい。
50年以上の音楽キャリアを誇る「歩くポップ・ミュージック辞典」みたいな人だからね、チョコチョコっとロックを聴いてツーバスを無遠慮に踏みまくる若者とは格も、ケタも、音楽への取り組み方も全く違う。
加えて大二さんのスゴイところは、今の若い人たちのロックもチャンと聴いているということだ。
オマケにいつまでもパワフルなのだからケチのつけようがない。

210カメラを持っていつまでもチャラチャラしていても目障りなだけなので、私は早々に現場を失礼させて頂いた。
大二さん、がんばって~!
  
このstudio AMAZING、今のところまだウェブサイトも広告も展開していない状態だけど一般開放している。
ご興味のある方は下記のアドレスへメールでお問い合わせください。
  
studio AMAZINGへのお問い合わせは⇒studio.amazing46@gmail.com

200さて、スタジオを後にして私はというと、青梅の街に散策へと繰り出した。
マーブロ名物「ワガママ観光ガイド」ね。
せっかく(ウチから)遠いところまで行くんだから、とウェブサイトで下調べをしておいた。
「古い映画の看板がたくさん飾っている街」…そうか、アレって青梅だったのか!と実は楽しみにして来たのよ。
それと、榎本さんからも情報を頂いて、まずは裏手の山の上にあるこの「青梅鉄道公園」に立ち寄った。

220私は鉄道には興味がないので中には入らなかったんだけど、こうして屋外に展示してある機関車などを眺めることができる。
「デゴイチ」ね。
一時期蒸気機関車ブームってのがあったよね。
こんなデカい鉄のカタマリが湯気で動くんだからスゴイよな~。
ちなみに蒸気機関を発明したジョージ・スティーブンソンはイギリスのノーサンバーランドの出身だ。
私がなんでこのノーサンバーランドを知っているのかというと、近くまで行ったことがあるから。
「Northumberland」と綴るんだけど、一発で読めなくて、当時Marshallに勤めていたエンジニアのスティーヴに笑われたので、かえって読み方だけは一発で覚えた。
ノーサンバーランドはニューキャッスルのチョット北に位置するイングランド最北の地域。
脱線。
ニューキャッスルのチョット南にサンダーランドというところがあるんだけど、熱心なロックファンの間ではFreeのライブ・アルバム『Free Live!』がこの街にあったホールとロンドンの南のクロイドンで収録されていることが知られている…かどうかは知らない。
で、2、3日前の東京新聞の夕刊に出ていたのがイギリスの特派員の方の話。
新聞社の海外特派員だから当然「英語の達人」なワケ。
ところがサンダーランドに取材に行って腰を抜かしてしまったという。
ナント、英語がゼンゼンわからなかったんだって。
ナゼかというと、訛りが強いことに加え、単語からしてロンドンなんかで使われている英語と全然違っていたのだそうだ。
津軽弁みたいなもんだね。
私もロンドンで乞食の英語がわからなくてホテルの人に標準英語に通訳してもらったことがあったが、それの比ではないようだ。
二ューキャッスル出身の人は「ジョーディ」と呼ばれていて、やはり訛りが強い英語を話すが、ブッ速いだけで、私にはそれほどキテレツなモノには聞こえなかった。
  
イギリス北部の珍道中はコチラ。
興味のある人はおヒマな時にどうぞ!
【イギリス-ロック名所めぐり vol.6】 サウス・シールズ(South Shields)
【イギリス - ロック名所めぐり vol.13】 Newcastle(ニューキャッスル)はよいところ
Shige Blog】イギリス紀行2012 その10~ニューキャッスル
【Shige Blog】イギリス紀行2012 その12~サウス・シールズ

230E10形式タンク蒸気機関車。

240vクモハ40054系。
私がかなり小さい頃、総武線ってこんなヤツが走っていたような記憶があるな。何しろ茶色だった。
「ク」は運転台つき。
「モ」は中間電動車。
「ハ」は普通車。
「4」は交直流。
「0」は通勤型あるいは近郊型の車両。
…とか意味があるんだよね。
昔の仕事で必要だったことがあって、ホ~ンのチョットだけ勉強したけど、「ム」しか覚えてない。
「ム」は無蓋車のこと。
要するに砂利なんかを積む屋根のついていない車両のことだね。

250山から下りて来て街の駐車場へ。

260おお~、さっそく!
『夕日のガンマン』って原題は『For a Few Dollars More』っていうのか…。
駐車場の係りのオバちゃんがまたヤケクソにいい人で色々と情報を提供してくれた。
何でも八王子から青梅にお嫁に来たというのだが、「青梅の方がゼンゼン好き!」とおっしゃっていた。

270駐車場の前のレコード屋さん。280vこっちは『シェーン』だよ。
西部劇が好きなのかな?
以前にも書いたことがあったけど、アラン・ラッド扮するシェーンって、ジャック・パランスとの決闘に勝って少年に別れを告げて去っていくでしょ?その後どうなったか知ってる?って話。
コレはサミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペイシーの『交渉人』という映画の受け売りなんだけど、馬に乗ったシェーンが最後のシーンでどう見えるか…。
ご自分で確認してみてくだされ。
私は興味があったので、レンタルしてきて確認したわ。
かなりショックを受けたよ。子供の時に観たときと違う結末がそこにあったから。
しかし「詩情をたたえ秀麗とそびえ立つ名作西部劇の最高峰!」なんて固いコピーだな~。
昔はコレでよかった。

290西部劇だけじゃない。
『シェーン』の上は『ベニイ・グッドマン物語』。
「ベニイ」だからね…「犬神サアカス團」みたいだ。
もちろん観てるけど、私は『グレン・ミラー物語』の方が好き。
でも、コレ、そういえばベニー・グッドマンのお相手役を演じたのはドナ・リードなんだよね。
ジューン・アリソンよりドナ・リードの方が断然いいな。
「グッドマン」とは名ばかりで、結構根性が悪い人だったという話を聞いたことがある。
ちなみに、「チャーリー・クリスチャン」っていう名前を聞いたことがあるでしょ?
ジャズにおいては伴奏楽器だったギターをソロ楽器として使用して見せた大イノベーター。
今、メタルの皆さんがピロピロやっていられのも、もしかしたらチャーリー・クリスチャンがいてくれたからかも知れない。
そのチャーリー・クリスチャンはベニー・グッドマン楽団で有名になった。
この1930年あたりのジャズを「スウィング・ジャズ」という。
その後、1940年代に入って別のチャーリーが出現し、ジャズのすべてを変えてしまう。
チャーリー・パーカーが中心となって巻き起こした「ビ・バップ」のムーブメントだ。
ココからのジャズを「モダン・ジャズ」と呼ぶ。
300さて、街に繰り出すぞ~!

310おお~、そこら中にあるわ、あるわ!
また西部劇。

320フリッツ・ラングの『メトロポリス』ね。1927年に作られたSF映画。
コレ、大学の時かな?リバイバルで上映されていたけど観なかったな。
私にはBe Bop Deluxeで十分です。

330
コレのことね。
ライブ・アルバムの『Live! in the Air Age』。
高校の頃、よく聴いたわ~。
Bill Nelsonは結構好きだったが、今聴くとギター歪ませすぎでしょう?

1_bbd 邦画もちょくちょく混ざってる。
名作の誉れ高い小津映画だけど、私は苦手。
コレだったかな~?『晩春』っていうヤツだったかな~?
小津作品レギュラーの笠智衆の恩師が東野英治郎で、婚期を逃したその娘が杉村春子というキャストがすさまじかった。
だってみんな同じ年ぐらいでしょう?
…と思って調べてみると、笠智衆が1904年(明治37年)で年長。恩師ゆえズッと年上であるはずの東野英治郎が何と年下で1907年。
その娘役の杉村春子が1906年という強引な配役。
黒澤明だったら絶対にこういうことをしないだろう。リアリズムが一発で消し飛んでしまうからだ。
確か飛行機の中で他に観るモノがなかったんだよな。
ま、悪くはなかったけど、オコチャマな私には向かんわ。

335vん、コレはウマい!

345 傘屋さんに『雨に唄えば』だもん。
以前、水天宮に一階が傘屋さんで、その二階の喫茶店が「シェルブール」っていうのがあったけど、こういうのはよろしいね。
こないだデビ―・レイノルズがお嬢さんのレーア姫(キャリー・フィッシャー)とほぼ同時に亡くなったのには驚いたね。

340青梅駅。
改装中だった。
ソロソロお腹が空いてきたので、駅前に行けば何か食べ物屋があるだろうと思ったが、モス・バーガーが目に入るだけで目立ったお店はなし。
ココまで来てモスというのも芸がないので他を探すことにした。
ま、通りを歩いていればそのうち何かウマいもの屋に出くわすだろう…とタカをくくってしまったのが大きな間違いだった。

350駅前の八百屋さん。
「八百梅」なんていい名前だね。
ちゃんと「おうめ」って入ってるもん。

355vしかし…あまりにも人がいなさすぎる。
こんな光景を見たのは信州の飯山以来かも知れない。
そして、商店のほとんどがシャッターを下ろしている。
商店街が休みの日なのかな?

360あ、そうか!
ココ東京だったんだ。
あんまりノンビリしているもんだから忘れてた。
都議選の宣伝カーで小池さんの顔を目にして自分が東京都内にいることを実感した。
この森村さんという方は現職を破って当選したんだね。
政治のことには触れないでおくけど。

570そこかしこに出て来る映画の看板!
『百万長者と結婚する方法』ね。
マリリン・モンローにローレン・バコール、それにベティ・グレイブル…スゴイ時代だよな。
まだアメリカが、ハリウッドがヨカッタ時代の映画だ。

370コレは…「油屋」ってぐらいだから燃料屋さんだね。

380油だから『モダン・タイムス』。
コレもウマい!

390v薬屋さんには『Gone with the Wind』。
「風邪と共に去りぬ」…か。

395vコレは「青梅市民会館」。
50年の歴史を持っていたが、過日閉館した。
さっきの駐車場のオバちゃんはこのことを大層寂しがっていた。
今、青梅で最もにぎやかなのは、「まちの駅」という地元の特産物を販売しているお店で、何でもバスで乗り付けて来る団体客もいるとのこと。

396お、『グレン・ミラー物語』が出て来たよ。
またジャズの話で恐縮だけど、時代的に仕方ない。
「Moonlight Serenade」とか「String of Pearl」とか「Tuxedo Junction」とか、音楽好きの人なら世代を問わずグレン・ミラーの曲を聴いたことのない人はいまい。
この映画では飛行機の格納庫で演奏される(と思うのだが…)代表曲のひとつ「Chattanooga Choo Choo」は世界最初のゴールド・ディスクを獲得した。
それほど人気があった。
グレンミラー楽団にはその他にも「In the Mood」とか「Pensilvania 65000」なんていうヒット曲があるんだけど、ブルースなんだよ。
正確に言うと「ブルース形式」。
やっぱり日本とは音楽の環境とか下地が全然違うんだよね。
音楽の消費者の耳が肥えていたんだね。
これまで日本で一般の人までが口ずさむようなブルース形式の曲があっただろうか?
ソバ屋の出前までが歌ったという「Moanin'」がソレっぽいが、ブルースではない。
ちなみに、「Moanin'」を歌いながら出前をしているソバ屋を見たことがある人はいないらしい。
     
私はこの映画を何回観たかわからないけど、すべてのシーンが丁寧に、かつ可愛いらしく作られていてすごく好きなんだな。
特にリード・トランぺッターがリハーサル中にソロを終えてイスに座る時に譜面台に楽器をぶつけて唇を切ってしまうシーンがある。
トランぺッターにとって唇はサックスでいうところのマウスピースと同じ。
したがって唇を切ってしまったら吹くことができない。
主旋律を奏でるリード・トランぺッターが演奏できないとなるとバンドは成り立たない。
ところが公演は明日。
さぁ、どうするグレン!
…と、グレンは部屋にひとり閉じこもって五線紙を前にアレンジをし直す。
このシーンがアホほどカッコいい。
この映画の一番の見どころと言ってもいい。
ピアノで音を確かめながらベース・ラインの四分音符をキレイに五線紙に書きつけていく。
実はコレ、薄~く下書きがしてあって、キレイに書けるようになっているんだけどね。
そうして、仕上がったアレンジというのが、クラリネットが主旋律をオクターブ上で奏でるという手法。
コレを「Killer Diller Sound」といった。
「Killer Diller」というのは当時のスラングで「メッチャかっこいいもの」みたいな意味だったらしい。
こうして、グレンは予てからの「何か自分だけの新しいオリジナル・サウンドを確立したい」という夢をかなえ、大ヒットを飛ばしていく。
ああ、また観たくなってきた。
そのグレン・ミラーも第二次大戦中、戦地の慰問に赴く飛行機に乗ったまま行方不明になってしまった。
しかしですよ、いつも思うのは、日本軍がほぼ餓死状態の白兵戦を強いられている一方、アメリカはジャズのビッグ・バンドが戦地や基地を回って兵隊さんの応援をしていたんだからねェ。
余裕だよ。
最後に…「茶色の小瓶」っていう曲があるでしょう?
この映画でもその愛らしいメロディがラスト・シーンに効果的に使われていて観る者の涙を誘う。
で、この曲は19世紀のアメリカ人音楽家の作品なんだけど、元はアルコール中毒の夫妻の歌なんだって。
知らなかった!
 
『荒野の決闘』の原題は「My Darling Clementine」。
日本では「♪雪よ岩よ 我らが宿り」の「雪山賛歌」でおなじみね。 

400vまた小津に西部劇。

410草履屋さんは『哀愁』に『道』か…。
『哀愁』は後で出て来る。
  
「ザンパノが来たよ!」
ジュリエッタ・マシーナ演じるチョイと足りないジェルソミーナが子供ながらに憐れでね、『道』は小学校の時に観たきりだ。
『禁じられた遊び』とか、ああいう貧乏くさい映画がキライなのよ。
でもザンパノを演じたアンソニー・クインはすごく好きな役者。
『アラビアのロレンス』でハウェイタット族の首長、アウダを演じた時はカッコよかった。
他の部族はラクダなのに颯爽と馬に乗ってね。
戦争に翻弄されるドイツ軍の捕虜を演じた『25時』という戦争映画はすごくヨカッタ。
アレはまた観たいナァ。

420ビットリオ・デ・シーカか…このあたりはチト苦手だな。

430「キスする時は鼻が邪魔にならないのね?」…知ったことか!
『誰のために鐘はなる』ね。
それにしてもハラが減った。
誰かのためにラーメン屋のひとつぐらいあってもいいだろうに。

440『第三の男』は中学の時に岩波ホールに観に行ったっけ。

450イギリス映画かと思っていたらアメリカ映画だった『哀愁』。
『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ、すなわちビビアン・リーはイギリス人で、アメリカの男性は「イギリスにはこんな美人がいるのか!」とブッたまげたという…ということは以前にも書いている。
実は『哀愁』はMarshall Blogでは既に何回か登場している。
というのもこの作品の原題が『The Waterloo Bridge』だから。
テムズ川にかかる大きな橋の名前だ。

460コレがそのWaterloo Bridge。

1_img_0440上から見るとこんな感じ。

6a0163044657d3970d0167692e87da97_2 ま、『哀愁』というより、なんといってもThe Kinksの必殺の名曲「Waterloo Sunset」の方が今やシックリくるか。
「テリーとジュリーは毎週金曜日の夕方にウォータールー駅で落ち合ってデートをしているけど、ボクはめんどくさがり屋だから、テムズ川に沈む美しいウォータールーの夕日を部屋から窓越しに眺めているのがパラダイスなのさ」だとさ。

1_img_0441

中にはかなりアブなそうな看板も混ざっている。
上で紹介している映画の看板は、青梅の街に映画館があった頃、実際にその映画看板を手掛けていた久保板観さんの手によるもの。
1993年に開催された『青梅宿アートフェスティバル』というイベントで約20年ぶりに久保さんが映画看板を制作したのがキッカケとなったのだそうだ。
以来、街興しの一環として久保さんの描く映画看板で町を飾り続けている。
制作には明星大学造形芸術学部の学生も商店街とのコラボで看板づくりに参加しているのだそうだ。
経費も莫大なものになるのであろう、それぞれがかなり汚れてしまっているのだけはチョット残念に思った。

470vバスの停留所には当然『バス停留所』!

480v中はネコだらけ。

490青梅は「ネコの町」でもあったんだね。
でも小津。

500気が付くとそこらじゅうネコが主役の映画の看板がかかってる!
さっき紹介した『シェーン』のコピーが『ニャーン』では「猫をたたえる名作最高峰」になってる。
そういえばネコが主役の映画ってあるかな?
『ハリーとトント』ぐらい?
アレはいい作品だったね。

510v私が子供の頃に飼っていたネコは時々どこからか芋虫を持って帰って来て、それを見つけた母がいつも飛び上がっていたな。
ちなみに私はニョディー・フォスターと生年が一緒で誕生日が一日違いなのよ。

520まぁ、『ニャジラ』は出やすいだろうな。

530こんな電話ボックスとオブジェも。
その向こうは『怪猫二十面相』と『第三の猫』。

535vこんなのもあったよ。
カレーライスを食べているのか…マジでハラ減ったな~。
朝かなり早い時間に高速のPAで食べたきりだもんね。
タマがうらやましい。
でも、見事に食べ物屋がないんだよな~。

540看板の方はもう何でもアリだ。
『Bone with the Cat』だって。
どういうことなんだろう?

550v『用心棒』は『用心猫』にすればよかったのに…。
ちゃんとピストルを持った卯之助猫まで描かれているのがうれしいね。
「空腹はつらいよ」!

560しかし、このネコづくし、東京の東では谷中が有名だけど、押しは青梅の方が断然強いね。
私はネコにナンの興味もないんだけど、facebookなんかを見ているとネコ人気の高いことよ。
皆さんがよろこぶかな?と思って並べてみた。

575青梅にはまだフィーチュアしているモノがあるよ。
それは「昭和」。
アッコちゃんが案内してくれる。
『ひみつのアッコちゃん』で思い出すのはウチの家内。
アレ?コレ以前に書いたかな?
小学校低学年の時の図工の授業で、「母の日にちなんでお母さんの絵を描きましょう」というお題が先生から出された。
すると、ある友達が実に巧みにアッコちゃんの絵を描いた。
ウチの家内は素直なもんだから、その子のお母さんが本当にアッコちゃんみたいにカワイくて、すごくうらやましく思ったらしい。
そんなバカな…。
先生はそれを見てその友達に「ウソを書いてはイケません!」と叱ったという。
ところが、その子はガンとして描き直さなかった。
後日、ウチの家内がその子の家に遊びに行った時、とうとうそのお母さんと対面した。
そこで家内は腰を抜かして驚いた。
ナ、ナント、その友達のお母さんは本当にアッコちゃんソックリだったというのだ!
テレビなどでアッコちゃんが出て来るとウチでは必ずこの話になる。
家内もよっぽどビックリしたのだろう。
ラミパス、ラミパス、ルルルルル。

580世間ではやたらと「昭和の香り」だとか「昭和の雰囲気」とかいう表現を使うけど、一体どういうのが「昭和」なんだ?と私なんかは不思議に思うワケよ。
元号が変わればすぐに文化が変わるワケないんだからさ。
「古臭い」のが「昭和」なのか?
でも、コレを見ると…失敬ながら「昭和の香り」がするわ~。
典型的な金物屋さんのルックスだね。
今はみんなホームセンターへ行っちゃうんだろうけど、昔はこういう金物屋とか荒物屋っていうのが大抵街にあった。

590「染物と洗張」のお店。
コレは昭和だわ。
「洗い張り」って知ってる?
昔、多くの人が普通に着物を着ていた時代の着物の洗濯方法ね。
着物をいったんほどいて、水洗いをし、針の付いた竹ひごや張り板にピンと張り、糊付けしてシワを伸ばしながら乾かしていく方法がそれ…って、私は知りませんでした!
着物ってスゴイよね。
昔の人の知恵や昔のモノっていうのは本当によくできている。
ムダがないんだよ。
冒頭の梅干しだってそうだったでしょ?
600v昔はポストはみんなコレだった。

610vこういう路地はいいね。
「障子紙、千代紙 その他 和紙各種取り揃えています」
千代紙なんて今使う子供いるのかな?

615vこの路地なんか未舗装だよ!
昔はこんなの全く珍しくなかった。
突き当りは蔵だね。
蔵は東京の真ん中にはほとんど残っていない。
誰かさんが焼夷弾を落として全部燃やしちゃった。

630vね、歩いていると時折こうして蔵を見つけるのよ。

640
この二階のデザインはステキだナァ。
でも、いくらステキでもハラの足しにならんわ。
ハラ減った~。
下はカフェなんだけど、もうそんなんじゃガマンできません。
ガッツリ何かを食べないと!

620vこの手の建物がたくさん並んでいる。
千葉の佐原や栃木市の街並みにはかなわないけど、かなり古い建物が残っていてうれしいにゃ~。

650この家なんかスゴイよ。

660文化庁が認めるところの国の有形文化財だもの。
  
さっきの話、「昭和」と「平成」を区別するとしたら、インターネットと携帯電話が「なかった時代」と「ある時代」ということじゃないかな…なんて最近思うんだよね。
もちろん、この違いには利便性やら犯罪やら、色んなものが絡んでくる。
私はそうした機器の出現によってヘンテコな犯罪が増えるよりも、少しぐらい不便だって平和な方がいいいいと思うんだけどね。
だって、元々は携帯電話なんかなくたって何ひとつ困ることはなかったんだから!
でもMarshall Blogはできなかったね。
そうした場合、私は今ナニをやっていたのだろうか?

670こういうのがすごく好きでしてね~、見ていて全く飽きないんだけど、もうハラ減ってガマンできん!
時計を見るともう三時じゃねーか!
誰か助けてくれ~!

680…と苦しんでいたら、お~!「かつ」の文字が目に飛び込んで来た!
やった、天の助けだ。
トンカツだ、トンカツだ、トンカツだ!
ナニ食べようかな~。ヒレか、ロースか、ミックスか!
もうこうなりゃいくらでも払う。
エビフライも付けちゃおうかな~。タルタルソースはかけないようにしてもらわないとイカンぞ。
嗚呼、ここまでガマンした甲斐があった。
ごはんとキャベツがおかわり無料だといいな~。
食うぞ~!

690…と思ったら…。
オイオイオイオイオイオイオイ、「がまかつ」って…。
「釣り針」じゃねーか!
オレは魚じゃね~ッ!
ガックシ。
こうなりゃ「四六のガマ」のカツでもいいんだけど…。

700やれやれ、「青菜に塩」状態でどうしようかと思ってトボトボ歩いていたら、途中に鶏肉屋みたいな店があったのを思い出して行ってみた。
「シカゴチキン」か…そういえば、studio AMAZINGに来ていた人がウマい鶏を食わす店がある…とおっしゃっていたな。
でも、あまりに小さい店なのでよく見落として通り過ぎてしまう…とか。
…ということを思い出した。
チョットのぞき込んでみると、鶏のモモの素揚げみたいのが数本陳列ケースに入っていた。
もう大分前に揚げたモノなんだろう。
きっと冷たくてカチンカチンに違いない。
しかし、こっちはもう本当にお腹と背中がくっつきそうな程のハラの減りようだ。
この先いくら歩いてもナニもないのはわかっている。
そこで、思い切ってそのモモを食べることにした。
薄暗い店内に向かって「このモモ1本くださ~い」と声をかけると、恐ろしく元気のないおジイさんが出て来た。
大病をされたのだろうか…食べた後のモモ肉の骨のように痩せきっている。
ありがとうございます」…と言ったのだろうか?…500円玉を一枚渡してモモ肉と引き換えた際、あまりの小声で聞き取れなかった。

710v白い紙袋に入ったモモを受け取ると、コレが意外にあたたかい…どころか熱い。
予想に反して、ナント揚げたてだったのだ。
要するにモモ肉のから揚げだ。
さっそくかぶり付いてみると…コレが本当に気を失いそうになるぐらいウマかったのだ!
塩が効いていて香ばしく揚った肉はこの上なくジューシーで、通行人の目も気にせず、道端でむさぼるようにして食べてしまった。
イヤ~、おいしかった。
極度な空腹であったことを差し引いても、もしかしたら今年食べたモノの中で一番おいしかったかもしれない。
困ったのは食べた後の骨。
あたりにゴミ箱がないのだ。
次に入る博物館に骨をそのまま持って行って「捨ててください」とお願いしたら、「鶏肉屋に返して来い」と言う。
その指示にしたがって鶏肉屋に引き返し、さっきのおじいさんに骨の処分をお願いしたら快く引き取ってくれた。
「そうだ!」と思って、あまりにもウマかったモモ肉のお礼をそのおじいさんに向かって言った。
「オジさん、メチャクチャおいしかったよ!ありがとう!」
おじいさんは少しだけほほ笑んで何かを口にしたが、その言葉は小声すぎてやはり聞き取れなかった。
コレならまた食べに来てもいいな…と思ったほどだったのだが、店先に近々閉店する旨の張り紙がしてあった。
もったいない。
シカゴチキンのおジイさん、お疲れさまでした!

720骨の処分を断られたのがこの博物館。
立派な土蔵造りのこの建物は元は医院だったらしい。

730平成15年秋にオープンした赤塚不二夫の記念館。
赤塚不二夫自身や親戚は青梅に縁はない。
赤塚さんは新潟で過ごした青春時代に映画館看板の仕事をしていたことがあって、その符合を得てココに開館させたそうだ。

740私の世代は、「おそ松くん」にはチョット早いんだけど、「バカボン」、「ア太郎」、「アッコちゃん」はドンズバ。
「バカボン」は少年マガジンで、残りのふたつはテレビで見ていた。

760館内は一階に作品にまつわるディスプレイがセットされている。

770「レレレのおじさん」の声をテレビで初めて聞いた時って感動しなかった?
ホントにあんな声だったのかな?

780v展示を見ていると、『もーれつア太郎』関連の展示が思いのほか多いことに気付く。
ニャロメとかココロのボスとか脇役がシッカリしてたからね。

790「イヤミ」なんて実にいい名前だね。
そうそう、名作ってのはまず登場人物の名前がいいんだよ。
「シェー!!」はゴジラもやってたもんな。

800v中学の時かな?
約40年前、東京12チャンネルの「モンティ・パイソン」の余りの時間にタモリが出て来た時は驚いた。
こんなのあんの~?みたいな。
タモリが赤塚不二夫の家に居候していた話は有名だ。

810このア太郎のソノシート持ってたよ!
なつかしいな~。
このテーマソング、作曲がいずみたくで、父が感心していたのを覚えている。

820二階はときわ荘の再現や原画が豊富に展示されている。
原画は撮影禁止。
どれもスゴクきれいなのには驚いた。
赤塚不二夫のマンガって、背景が真っ白なコマがやたら多いんだよね。アレは背景を書くのが面倒だったのかな?
私はそうは夢中になったことはないが、スゴク尊敬している。
手塚治虫をビートルズに例えるなら、赤塚不二夫はジミ・ヘンドリックスだと思っている。
そのココロは「誰もやらないことをやった」というオリジナリティへの畏敬の念だ。
今、アニメも音楽も赤塚不二夫ほどにクリエイティブなスタイルを作り上げる人はいまい。

830青梅赤塚不二夫会館のとなりが…

840『昭和レトロ商品博物館』だ。
文字通り昭和に活躍した様々な商品が陳列されている…というんだけど、チョットこわかった。
だって、こちとら昭和の中頃の生まれだからして、そうした人様からは「レトロ」と扱われているアイテムが全然当たり前のモノに感じられるかも知れないじゃん?
それでも忘れていたものがたくさんあって面白かった。

850ハッハ~!
「こうだった、こうだった!」というようなモノがズラリ。

860目に留まったのがコレ。
「昆虫採集セット」ってのはいくつも買ったな~。
考えてみれば残酷な話で、コレのおかげで犠牲になったセミはかなりの数に上るぞ。
この赤だの青だのの怪しい液体。「防腐剤」とかなんとか言ってたけど、一体何が入っていたんだろうか?
そういえば、コウモリって東京では全く見なくなったね。
昔は夕方になるとチラチラと空を飛んでいたんだけどね。
  
それとこの定規のセット!
新しいデザインの入れ物で発売されると毎回欲しくなっちゃってサ。
私はだらしないもんで、分度器とか三角定規とかたいてい何かを失くしてしまって、「セット」になっている期間はいつも短かった。
そういえば、分度器なんてもう何年も使ってないな。

880鉛筆削りなんてものがこの世にあることを忘れていたよ。
このチェックライターも見なくなったね~。

870コレは輸入薬品か。
デザインがカッコいい。

890「ポン」ね、ポン。
若い人は信じられないだろうけど、我々はこの牛乳のフタでずいぶん遊んだよ。
どうやって遊ぶのかというと、自分のポンと相手のポンを二枚重ねて、ヒックリ返した手の人差し指の爪でポンの端を上から押し込むようにしてはじく。
うまくやればポンがひっくり返る。
これを相手と交互に繰り返す。
二枚目をひっくり返した選手は手のひらを広げてその二枚のポンにタッチする。
タッチできれば勝ちで、相手のポンをゲットすることができる。
タッチできなければまた最初から始める。
みんなそれぞれ簡単にはヒックリ返されない強いポンを持っていて、負けが続くとソイツを出して来て勝負をかける。
要するに、フタの端が反り返っていなければなかなかヒックリ返らないワケ。
…ってんで、「修行」とか言って、フタの端を踏んづけてペッチャンコにしたりしてね。
ナンでこんなコトがおもしろかったんだろうな。
でも少なくとも「何とかDS」や携帯電話よりは健康的で経済的だ。
今になって考えてみると、コレってもしかしたら乳製品会社の販売促進策だったんじゃないのかね?
「ドンドン牛乳を飲んでフタを集めましょう」みたいな。
今、ポンどころか牛乳ビン自体見かけないもんね。

900今私にとっての「ポン」はもっぱらこちらのお方!

910vゴミ箱。
こんなものが懐かしく思えるようになるとはナァ。
小さいね。
使い捨ての現在、これじゃ小さくてとても間に合うまい。

920ウワ~!
コレ、大キライだった!
「吸入器」っていうんだっけ?
風邪を引くとコレをやらされてね~。
何やらクスリを温めて蒸気にして、それを吸ってノドに送り込む。
それほどやった記憶はないんだけど、ナゼかその薬の味は覚えてるぞ。
クスリを飲み込むワケでなし、ズッと口をあけっぱなしにしているもんだからビチャビチャになっちゃってね。
アレ、果たして効果のほどはどうだったかな?
でも何となく真空管に共通項を見出せる感じの前時代的なデザインがカッコいいな。

930少し離れたところにあるのが『昭和幻燈館』。
「幻燈」なんて死語だよね。
『青梅赤塚不二夫会館』、『昭和レトロ商品博物館』とこの『昭和幻燈館』、それぞれ入館料を取るんだけど、3館共通券というのがあって、800円で全部回れるようになってる。

940ホラここにもネコ。

950ココは「レトロ」の別館で2015年に展示を新しくして生まれ変わったのだそうだ。
入って右側に展示しているのが青梅の街のジオラマ。
コレは駅前の夜景。

960コレはネコの街だけど、昔はこんな雰囲気だったのかしらん?

970昔の映画館って立派だったんだよね。
アールデコ調の建物が多く、ロンドンなんかは今でも営業している映画館があるよ。
浅草はもう何もなくなっちゃった。

980その他、「Q工房」という墨絵画家の有田ひろみさんとぬいぐるみ製作家のちゃぼさんの作品が展示されている。

990モチーフはネコ。
愛猫家にはタマらないんじゃないの?ネコだけに。

1000イヤ~、結構歩いたな。
ま、結果おいしいものも食べたし、久しぶりに激古い映画も思い出したし、充実の一日だった。
駐車場に戻って来ると、さっきとは違う年配の女性が係りをしていて、また少し話し込んだ。
昔は青梅もにぎやかだった…なんて話から、「この先を左に曲がった路地には映画館が三軒もあったんですよ」と聞いて驚いた。
そこを通りかかった時にそれっぽい雰囲気が全くなかったので、ワザワザ見に行ってみた。
それが下の写真。
信じられん!
でも、私が小さい頃はそこらの商店街の中に平気で映画館があったもんですよ。
駅前のデパートの中に映画館が三つも入っていたりとかね。

1010そして、最初に戻って…大二さんのドラム。
やっぱり好きだ~。
三日前にクレイジーケンバンドの小野瀬さんと四人囃子の曲だけを演奏するライブに行ってきたけど、最高だった。
やっぱり、大二さんは四人囃子の曲を演奏している時が一番楽しそうだな。
そのドラミングは本当に歌を歌っているようなのだ。
私もずいぶんたくさんのドラマーを見て来たけど、こんなに音楽を感じさせるドラマーって他にいないと思うんだよね。
若いドラマーはゼヒ参考にして欲しいと思うよ。
あ、ドラムはNATALね。
  
ところで今日の記事、期せずしてMarshall Blog史上最多の写真掲載数となった。

1_img_0330

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

  
(一部敬称略 2017年6月20日 青梅にて撮影)



2017年7月28日 (金)

Marshall EYEWARE~サングラスの新しいラインナップ

   
Marshallのメガネとサングラス、大のお気に入りで大切にいつも使っている。
そのMarshall EYEWEARが新作を発表しているので、今日はそのラインナップを紹介しちゃう。
しかし…私は生業としてこうしたファッション関係の仕事に関わったことはないけど、大変だよね~。
いつも「早い、早い」と騒いでいるけど、次から次へと新しいデザインの商品を市場に投入していかなければならないファッション関係の方々が感じる「時の早さ」は私の比ではないだろう。
かつて私が従事していたセメントなんて、紀元前3000年の古代エジプトの時代に発見されてからというもの、ほとんど変わってないんだから!

今回発表されたサングラスは16種類。
Marshall EYEWEARの魅力といえば、洗練されたデザインと高位な品質、そして、Marshallのスクリプト・ロゴ。それに加えてミュージシャンにちなんで付けられるモデル名だ。
今までのモデル名を踏襲したものある一方、今回は新しい仲間も加わった。
それではひとつずつお目にかけよう。

10まずは「BOB」。
Bob Dylanにちなんで付けられた名前ね。
内側の模様がイキだね。
見えないところのオシャレに気を遣う江戸っ子タイプ。
Bobblackconfetti_side_result台形で上の辺が下より長いく、手がレンズ・フレームの一番上についているデザインのことを「ウェリントン・タイプ」っていうんだって。
名前の由来はニュー・ジーランドのウェリントンにちなんでいる説があるが、他の説もいくつかあって正確なところは不明らしい。
ジョニー・デップがかけていたことで人気が再燃した。

Bobblackconfetti_result美人がかけるとこうなる。
アッタマちっちぇーなー。

Bob続いては「BRYAN」。
こういうのは見た目通りで、「ラウンド・タイプ」と呼ぶそうだ。
John Lennonをはじめ、マハトマ・ガンジー、島崎藤村、井上ひさし、笑福亭鶴瓶…丸メガネを愛用している人って結構多いよね。
でも、このタイプって似合う人と極端に似合わない人がハッキリしちゃう気がする。
私は全くダメ!
明治の文豪みたいな人の写真にやたらと丸メガネを見かけるのは、昔はコレがスタンダードなシェイプだったんだろうね。
江戸時代なんかの映画やドラマに出て来るメガも必ず丸い。
これは当時四角いレンズを作る技術がなかったからだろうか?

Bryanmattehavana_resultBRYANも上のBOB同様、前のモデル名の継続組。
Bryan Ferryの「Bryan」。
以前紹介した時に「Brian」と「Bryan」の違いについて触れた。
イングランド北部に「y」のブライアンが多いようなことを書いたが、あながちそうでもないようだ。
「Stacy」と「Staci」とか「Jeff」と「Geoff」のように、特段綴りの違いに意味がないようだが、「Bryan」というのは元々アイルランドのSurname、つまり、「姓」だったようだ。
それが派生してGiven name、すなわち「名前」に使われるようになったらしい。
ちなみに「John」と「Jon」は「h」の有無で意味が違うので要注意。
JohnはJohn、JonはJonathan。
ついでにJimはJames、JoeはJoseph。JackはJacobまたはJohn。
こういう愛称のことを「Diminutive」という。

Bryanmattehavana_side_result今度は「DEBBIE」。
当然BlondieのDeborah Harryから。

Debbieamber_resultコレもウェリントン・タイプ。
大き目のレンズとフレームでとてもかけやすいとのこと。
見るからに顔がスッポリ収まる感じだもんね。

Debbieamber_side_resultコレは大胆だな…ギザギザが。
「スタッド」って言うんだって。
このモデルは「FIONA」。
Fiona Apple Maggartというアメリカのシンガーソングライターにちなんでいる。

Fionared_leo_black_resultサングラスだけ見るとギョッとするようなインパクトだけど、こうして似合う人がかけるとカッコいいね~。
こんなのが似合う日本人はなかなかいないだろうな~。
頭が小さくて、細面で、鼻筋が通っていて、そして、背が高くないと、アニメに出て来る意地悪女子キャラみたいになっちゃいそう。

Fionaこういう吊り目っぽいデザインを「フォックス・タイプ」というそうだ。
よく「キツネ目」とかいうけど、実際のキツネの目って別に吊り上がってないと思わない?
西洋の童話でズル賢い役柄が多いからああいうイメージになっちゃったようだ?
日本は違う。新見南吉の「ごんぎつね」なんかは泣ける話だよね~。

Fionared_leo_black_side_resultコレも大胆だな~。
「GRACE」というモデル。
私が付けたら完全に溶接工員になっちゃうな~。

Gracesilver_on_silver_resultと~ころが、ホラこの通り!
コレも似合う人にはバッチリとハマる。
当然、Grace Jonesがモデル名の元。

Grace特徴は一枚もののレンズだそうです。
なるほど。
Marshallのロコは耳に引っ掛ける部分に入ってる。
Marshall EYEWEARの中でもハイエンド・モデルのひとつ。

Gracesilver_on_silver_side_result

Jack Whiteから名前がついた「JACK」。
フレームの上部分のみが眉毛のように太いのが特徴。
この手のデザインは「サーモント・タイプ」と呼ばれ、丸顔や四角顔の人にハマるそうだ。
Jackmatte_black_result

「サーモント(Sirmont)」ってなんじゃらホイ?と思って調べてみると…1950年代、アメリカ軍の将校にモントという人がいた。
このお方、眉毛が非常に薄く、ルックスに威厳が無いことにとても悩んでいたんだって。
昔、〚傷だらけの天使〛というテレビ・ドラマで、「眉毛のハゲ!」というセリフがあって大笑いしたが、まぁ、それに近かったんだろう。
それで、フレームに意匠を凝らして、モントさんの顔に威厳が出るようなメガネを作った。
そうして生まれたのが、このあたかも眉毛が濃いように見えるデザインのフレーム。
そこから「Sir Mont」という名前がついたんだって。
じゃ、メガネをハズした時どうすんだよ?
ズルっときちゃうじゃんね。
だからマジックで眉毛を書いちゃえばヨカッタんだよ。今なら入れ墨か?
でも、コレのおかげで、現在おしゃれを楽しんでいる人がたくさんいるというワケ。
アメリカの「眉毛のハゲ」に感謝だね?

Jackmatte_black_side_result

コレはそのサーモント・タイプと人気のラウンド・タイプを合体させたデザインの「HENRY」。

Henryred_leo_resultRollins BandのHenry Rollinsにちなんだ…と言ってもアタシャ全然知らないんだけど。
その代わりSonny Rollinsだったらいくらでも語れるぜ!
Henryred_leo_side_result

これも前ラインナップから引き継がれた「JIMI」。
「Jimi」という名前に説明は要らないだろう。

Jimiblack_leather_resultGRACE同様、ラインナップの中でもハイエンドのモデル。Jimiblack_leather_side_result

Joey Ramoneの「JOEY」。
こういうタイプのデザインを「ボストン・タイプ」という。
何で「ボストン」かというとTom Scholzが愛用していたから…ではない。
ゴメン!RamonesもBostonも全然知らないのです!

Joeymatte_havana_resultマサチューセッツのボストンで流行したためこの名前が付いたそうだ。
ボストンってハーバード大学やマサチューセッツ工科大なんがあるでしょ?
だから、アメリカの中でもエリート色が強く、知的なイメージがボストンにはあるんだって。
結果、このボストン・タイプには優しくて柔らかで、知的な雰囲気があって、ジョニー・デップがこのタイプのアイウェアを身に付けたことにより流行したらしい。
スゲエな、デップ。
ウェリントンとボストンの「トン2階級」制覇だ。

Joeymatte_havana_side_resultま、この写真では知的というより…どっちかっていうと、コエーな。

JoeyMarshall Blogらしく、「ボストン」で全然関係ない方へ脱線しておこう。
「ボストン」で私がおなじみなのは「Boston Tea Party」。
日本語では「ボストン茶会事件」なんて妙な訳が充てられているが、これはアメリカの独立直前にボストンで発生した暴動事件だ。
当時の植民地人が宗主国であるイギリスのヒドイ統治政策、すなわち、ビートルズの「Taxman」よろしく何でもかんでも税金をかけてしまうやり方に反抗して、港に停泊してあった船から積み荷の紅茶を海に投げ捨ててしまったという出来事。
「party」というのは、「パリ―ピーポー」のパーティではなくて、「党」という意味ね。
…ということにはさして興味がなくて、私がコレになじみがあるのは、The Sensational Alex Harvey Band(以下SAHB)に「Boston Tea Party」という曲があるからなのだ。
それがコレ。
歌詞を読むと、チャンとこの事件について歌っている。

カッコいいな~。
数年前にMichael Schenker Groupの前座として日本で演奏したと聞いたが、やっぱり、アータ、Alex Harveyがいなけりゃ残念ながら意味がない。
メッチャかっこいい声!ちょっと俳優のジョー・ペシみたいな。
Alexは47歳の若さで亡くなった。
死因は心臓発作だったが、グラスゴーの出身ゆえイギリス人の間では酒の飲み過ぎで死んだと思われているようだ。ま、酒も十分に関係していたんだろうけど…。
「スコットランドの出身」というだけで、イギリス人の間でも「大酒のみ」を意味するからね。
この人は元々R&Bの歌手で、私もその時代の音源を集めたコンピレーションCDを持っているが、タマらんよ!
そして、ピエロみたいな格好をしたギタリストはZal Cleminson。
MarshallとSGの組み合わせで独特のクランチ・サウンドを奏でた。
この人は1977年にSAHBが解散すると、自分のバンドを経てNazarethに加入した。
そして、1979年4月にNazarethが来日。
渋谷公会堂へ観に行ったけどカッコよかったな~。
Manny Charltonが下手、Zalが上手に立っていた。私の席は前から2列目のMannyの真ん前だったのでよく覚えている。
Nazarethは観に行っておいてヨカッタと思うロック・バンドのひとつだ。
でも、できればAlex HarveyのSAHBが観たかったな…。
   
次はもう大好きな「JOHNNY」!
なぜ大スキかというと、自分が愛用してるから。
ホントにかけやすくて、車を運転する時はい~っつもかけてる。
Johnnyblack_wood_side_resultコレもウェリントン・タイプの仲間。
ま、名前の由来がJohn Rydomというところが私には馴染まないが…。
しかし、この人、Jonny Rottenなんてステージ・ネームをよくつけたな~。
私は、パンクは大の苦手だけど、デビューアルバムのタイトルの「Bollocks」なんてのはいいね。
「bollocks」はイギリス英語で「最低のもの」を表すと同時に「最高のもの」を表す。
アメリカに住むイギリス人が車のナンバーの登録に「B.O.L.L.O.X」なんで申請してよろこぶらしい。
映画なんかの影響か、イギリス人はアメリカのスラングや変わった表現を容易に理解するが、反対にアメリカ人はイギリス人のスラングとか特殊な表現がわからないことが多いようだ。
かつてアメリカのスラングの本をMarshallの副社長に見せたところ、「普段は絶対に使わないけど、意味は全部わかる」と言っていた。
反対に、Marshallの若い連中に教わったスラング的な表現をアメリカ人に使うと、「?????」の嵐だったことがあった。Johnnyblack_wood_result次は「JUNE」。
何でいきなりJune Cater Cash?
Juneはシンガーソングライターで、Johnny Cashの奥さん。
あ、要するに上のJONNYとツガイになってるのか…。

Junered_glitter_side_resultなんかこう、ペネロープ号に乗っている淑女がかけていそうな…。
これは新入りさんかな?


Junered_glitter_result
モデルさんかけるとカッコいいな~。

Juneこれは初登場の「LEE」。
あ~、David Lee Rothね。
わかるような気がするな。

Leematte_havana_resultこうして実際にかけているところを見ると案外レンズが大きいね。
私には無理だ。

Leeこの「マット・ハバナ」というフレームは高級感があってステキだな。

Leematte_havana_side_resultこれも新しい「LIAM」。
こういうシェイプは「ティアドロップ」というそうだ。
ピックみたいだね。
LIAMは当然OASISのLian Gallagherから。

Liammatte_black_resultこのメタリックな感じは他のモデルと一線を画しますな。

Liammatte_black_side_result「MICK」も従来からのラインナップ。
まぁ、説明するまでもないだろう。
このMickはMott the Hoople、Bad CompanyのMick Ralphsから…んなワケない。
前回はMick Taylorでボケたんだっけね。
当然Mick Jagger。Mickolive_turtle_result

コレもティアドロップ・タイプ。
この形はアメリカ空軍にも正式採用されているパイロットの定番サングラスなんだって。
Mick元々は飛行中に太陽光線から来る眼球疲労を軽減させるために考案されたもの。
だからこの形のレンズは人間の眼球軌道を全てフォローするようになっているのだそうだ。
また、パイロット用のマスクを着用しても邪魔にならない形になっていて、ヘルメットを被ったままでも着用することが出来るまっすぐなテンプル(上の差し渡し)がこのシェイプの特徴だ。
しかしサ、骨格の違いからか、日差しの違いからか、白人はサングラスというものを洋服のように着用しているという感じだよね。
アメリカやイギリスに行って車に乗せてもらうと、必ずと言っていいほどみんなごく当たり前にサングラスをかける。
またソレがどんな冴えないオッサンでもよく似合うんだよね~。
昔はこういうの「トンボ・メガネ」とか呼んでた。
コレ、日本のメーカーが作ったら名前は「HIROKI」かな?

Mickolive_turtle_side_resultラウンド・タイプの「NICO」も既存のラインナップだ。

Nicosilver_crystal_resultシンプルで飽きの来ない落ち着いたデザインがいいね。

Nicosilver_crystal_side_result最後に紹介するのは「ROBERT」…Plantだ!

Roberthavana_resultウェリントン・タイプですな。
写真のカラーは「ハバナ」。
このカラー、ゴージャスでカッコいいんだけど私には似合わないんだよな~。
憧れのモデル?

Roberthavana_side_result以上の16種類。
今日ココで紹介したそれぞれのカラーはMarshall EYEWEARの輸入代理店のエムズ・プラスさんのおススメのモデルだ。
ラインナップはココに挙げただけでなく、それぞれのモデルごとにフレームとレンズのカラー・バリエーションがいくつかあるのでMarshall EYEWAREのウェブサイトをご参照頂きたい。
  
サングラスが大活躍する夏本番はこれからだからね。
Marshall EYEWAREでバッチリきめて夏をエンジョイしよう!←おおよそマーブロらしくないセリフですな。
  
Marshall EYEWAREの新しいラインナップの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

Marshalleyewear(敬称略)

2017年7月26日 (水)

あなたの知らない「汚レコード」の世界展


おはようございます。
今日の東京、涼しくていいけどスゴイ雨ですな。
先日の雹はマジで驚いたな~。
あんまりだったので一部始終を携帯で撮影したわ。
イヤ、驚くどころか「世界の終わり」を感じさせるぐらいコワかった。
まったく地球はどうなっちゃうんだろうか…。
  
突然ですが…レコード、あるいはレコード・ジャケットはお好きですか?
      
「レコード・ジャケットはレコードをしまっておく単なる『入れ物』だからして、どんなものでも構わない」、あるいは同じ理由で、「ジャケットなんか汚くても一向に気にしない」という方はもうココここで帰って頂いて構わない。
この先を読んでもちっとも面白くないから。
  
そうそう、ソニーがレコード盤の生産を始めるんだって?
1980年代の中頃、全人類を挙げてあれほど崇め奉ったCD様の音質より「音の温かみがある」ことが指示されているからだとか…。
実に結構。
そのレコード盤を真空管のアンプと38cmウーファーを搭載した堅牢なスピーカーで大音量で鳴らしてくだされ!
え?違う?
アナログ・レコードの音源をパソコンに取り込んで、パソコンのスピーカーやポータブル・オーディオとイヤホンで聴くんだって?
それじゃアタマが人間で身体がロボットみたいじゃん。
それで「♪あったかいんだから~」ってやるの?
儲けるためには何でもやっちゃうのね?…としか見えないな~、私には。
「レコードが持つ本来の音質を楽しんで頂くためには、重量のあるプレーヤー、真空管アンプとまでは言いませんが、高品質のアンプとスピーカーをご用意ください」ってことを同時に案内してレコードを販売するなら大賛成だけど。
そんなことするワケない。
それじゃ誰も寄りつかず、商売にならないもんね。
最後の方で私の貧弱なLPコレクションを開陳するけど、私はレコードで育った世代だ。
したがって、あの音質を十分経験したので、年を取った今では音質云々よりもCDの利便性の方に軍配を上げるわ。
土台音質なんて、大きな音で聴ける環境がなければ、装置にいくら凝ったところでさほど意味がないと思っている。
どんなにいい音が出るイヤホンだって絶対にパラゴンから出て来るサウンドには叶わないからね。
つまり、最終的にはオーディオもギター・アンプもアナログの方が断然いいと思っているんよ。
ナゼなら人間の耳はアナログだからだ。
    
さて、今日の記事は先月開催されていた『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』という展示会のレポートをお送りする。
「おレコード」というのは人類初の言葉か?
内容は下にあるように、故意に汚された、イヤ、私の立場から言うと「汚されてしまった」レコード・ジャケットの展示会だ。

10私はレコード・ジャケットはピッカピカでなければガマンできないタイプなのね。
だから新品で買ったゲイトフォールドのLPのジャケットなんか、180度開いたことなどただの一度もない。
背表紙に白い線が入ってしまうからだ。
おかげで内ジャケットを見たことがない2枚組のLPがウチにはゴロゴロしている。
かつては帯も同様だった。「帯至上主義」。
昔はアレ、「タスキ」とも言ったよね。
まだ学生だった頃、Pabro Cruiseのファンだった今の家内に新作をプレゼントしたところ、「うわ~!聴きたかったんだ!どうもありがとう!」と言いながら、目の前で右手の人差し指を帯に引っ掛けて、グイッと一気に引きちぎった時には卒倒しそうになった。
その様子を見て取った家内は「どうしたの?あ、帯?だって帯なんか付けていたらジャケットが全部見えないじゃん?」と生粋の横浜弁で「帯不要論」を説いてくれた。
当時、私も同じ理由で帯は外してはいたが、もちろん後生大事に保管していた。
それをウチのオヤジが引っ越しの時に捨てちまいやがって!…そこから帯に固執することは止めて真っ当な人間に戻ることができた。
だからそれまでは中古レコードを買う時も帯が完全な形で付いていないものは購買の対象から漏れて行った。
皆さんはどうです?
今ならCDに付いている帯、キープしてる?
そんな風にレコードを我が子のように大切にしているもんだから、ジャケットを単なる「入れ物」としか考えていない外人は困るのよ。
初めてニューヨークへ行った時に寄ったグリニッジ・ヴィレッジの中古レコード屋さんのアイテムの汚さには絶句した。
レコードを立ててディスプレイしていたんだけど、どのレコードも背表紙が擦れきれていて文字を読み取ることなど到底できず、棚一面白くなってた。
平気で値段をジャケットに直に書いちゃうしね。
そして、ロンドンでも。
下の写真はOASISファンならすぐにピンとくるであろう、ソーホーのバーウィック・ストリートというところ。
この通りに中古レコード屋が何軒かあるのをある時発見して以来、ロンドンに行くたびに軽く覗くのを常にしていたんだけど、どこもマァひどい。
いつか、ある店でイタリア人の女性がボロッボロ極まりない10ccの『Live and Let Live』を手にして店内を物色していた。
何しろ。まずジャケットにマジックでガツンと値段が書いてある。結構いい値段だったハズだ。
まさか、その値段でボロボロのレコードを買うはずがないだろう、と思ってどうするかとしばらく観察していたら何のためらいもなく、そのレコードをレジに差し出したのには仰天した。
もちろん私はそんな汚いモノに興味はないが、この通りにある他の店でArgentのCDを何枚か買ったことがあった。
チョット装丁が貧弱だったが、キレイで割安だったのだ。
ところが…後でわかったのだが、コレ、よくある廉価のCDボックス・セットをバラして売ってやがったんだよ。
ま、音楽の内容に変わりはないんだけどね。
とにかく、中古レコードは日本が一番!

15さて、展示会の会場はMarshall Blogに何度か登場している東陽町のDowntown Records。
いまだにCDを置いていないこのお店は、レアな「美レコード」を良心的な価格で販売してくれるレコード好きのパラダイスだ。
Marshall GALAのTシャツや、初期のMarshall Blogのバナー、以前のカタログ等のデザインを手がけた梅村デザイン研究所がサポートしているということでお邪魔してきた。
306月3日~18日の展示期間中にはピチカート・ファイブの小西康陽さんのトークショウも開催された。

20さぁ、行くよ~、汚い世界へ!
店内に入っていきなり目に飛び込んでくるのがコレ。
説明不要。
何だってこういうことするかネェ。
「A面良し」なんて書いてしまうのはどうしたことだろう。ほっとけばいいジャン。
自分の気に入った曲に出くわすと、ジャケットの曲目のところに印を付けちゃう人がいるでしょう?
あの気持ちもわからないが、コレはさらに強力だ。
しからばB面は金輪際一切聴かないということか?
ゼッタイそうなっちゃうよね。
しかし、コレ流行ったよね~。
一応書いておくと、Ben Johnson、じゃないや、George Bensonは「10年にひとり出るか出ないかの天才ジャズ・ギタリスト」だった。
実際、音は良くないけど、『Jazz at Sunday Afternoon』なんてライブ盤の演奏はスゴイわね。
Wesのスタイルを踏襲しているワケだけど、彼はWesの伝家の宝刀「オクターブ奏法」を進化させ、オクターブの2音に4度か5度の音を加えて3音でブッ早いフレーズを弾くまくった。
アノね、速弾きばかりが「超絶」では決してないのよ。
イヤ、Tal Farlowだとか、Wesとか、この人とか、ま、ジャズ・ギター界では枚挙にいとまがないけど、ロックの速弾きより「超絶」なことを演っている人はゴマンといる。
1小節に4回しか音を出さない「超絶」とかね。
反面、私は完全に飽和状態、あるいは金太郎アメ状態に陥っているロック界の「速弾き」が今後どういう展開を見せるか、イヤミではなく、ものすごく楽しみにしているんだ。

50「汚レコード」にもいくつかのパターンがあるようで、私なりのカテゴライズに従って展示アイテムを紹介させて頂くことにしよう。
  
まずは「ぬり絵」編。
お!「ZUMA」のカラー・バージョンなんてあるのか…と、Neil Youngにツユほどの興味のない私はそんなノンキなことを考えてしまうが、さにあらず。
自分で塗っちゃった!
George Harrisonの『All Things Must Pass』なんかもリマスター盤はジャケットがカラーになったじゃない?
アレだと思えば結構いい出来なんじゃない?
だって、コレ、ぬり絵好きが元のデザインを見たら塗らずにはいられないでしょ!

60売値は200円だって。
「ジャケット・ダメージ」で返品不可。
苦心の作も「ダメージ」扱いか。

70お、すると、The Whoの『The Who By Numbers』のジャケットのアノ線をつなげちゃった場合はどうなるんだろうか?
ダメージだろうな~。
実際、昔は時々そういう中古盤を見かけたナァ。

Wbn 次は映画音楽、ボストン・ポップス・オーケストラのJohn Williamsのコンピレーション。
コレが施術前。

90r

あ~、あ~、あ~、あ~、あ~!
汚ね~な~。

80こっちはコレでよろしいんじゃないスか?

100元はコレ。

110r続いては「落書き」編。
George Lewisはディキシーランド・ジャズの名クラリネット奏者。
「ジャズの歴史的名盤紹介」となるとこの人の『Jazz at Ohio Union』というアルバムが必ず出て来るけど、シデキだけは全く聴かない私は未経験。
何やらジャンジャン落書きしてある。

140この人は知らない。
ゲ、B面が「屋根の上の仔猫」だって。PANTAさんご存知かな?
「評判が良い!Good!」…かつての持ち主はよっぽど熱心なファンだったのかな。
昭和53年に引退ということは1978年…大分古い人だね。

150

「Loveにてタマキと踊った曲!」か…。
相当楽しかったんだろうな~。
「踊る」なんてのがいいよね。この頃はディスコじゃないからね。
ビッグ・バンドの演奏に合わせて2人で身体を揺らしたんだろう。優雅な時代だ。
1965年、西田佐知子はこの「赤坂の世は更けて」で紅白に出たようだ。

160続いて「記録」編。
プレスリーの逝去が記録してある…昭和52年か。
1977年だから今年で、エ!40年?! そんな経ったの?
ウチのオヤジが「プレスリーがドーナツ食いすぎて死んだ!」って大騒ぎしてたな。
そのオヤジも2年前に死んじゃったけど…。
  
「Elvis has left the building」ってあるじゃない?
Frank Zappaの曲名にもなっているでしょ?
コンサートが終わってもアンコールをせがむ観客に向かって司会者が「もうエルヴィスはココにはいませんよ~!」と言ってショウを打ち切っていた有名なセリフ。
コレをですね、The KinksのRay Daviesが演奏をする前にこうやった。
「The Kinks just enter the building」
さすがRay!
こういうのは本当におもしろい。
The Kinks大スキ!

170コレなんか山田邦子とは何の関係もない「千代の富士優勝」のデータが書き込まれている。
今なら「こんなこと書かなくたってインターネットですぐに調べられるじゃん!」と思いがちだけど、当時はこうして何かに記録しておかないと、何事も調べるのにエラク苦労したんですよ。
反対に知らないままに済ませておくことが普通のノンビリした時代でもあった。
ま、こうしておけば「歌は世につれ、世は歌につれ」が絶対的なモノになる…とでも考えていたのかしらん?
しかし、こんなレコード買う人が実際にいるんだね~。
もっともそういう人で経済は成り立っているんだろうけど。

180「贈り物」編。
「〇〇さんから頂きました」とか「XXさんへ」系のプレゼントでレコードが使われるケース。
私はやらないけど、コレはわかる気がする。
私の経験に照らし合わせると、見たこともないようなCDが棚から転がり出て来てビックリすることが時々ある。
そんなアイテムがあったことを知らないワケだから、当然自分でお金を出して買ったモノではないハズ。
するとそれは誰かからの贈り物だったりするワケ。
私の場合、「シゲは音楽が好きだから」と海外の方が現地のCDをお土産で持ってきてくれることがちょくちょくあって、その贈り手が付き合いの短かい人だったりすると、もう誰からのギフトだったのかなんて皆目見当がつかない。
そういう意味ではこうしてモノに書き込んでおくのは有益かもしれない。
私はこれからも絶対やらないけどね。

190写真では見にくいんだけど、左下のメモにはこうある。
「〇〇へ ご入学おめでとう。リオにもこんなにステキなゴーゴーボーイがいます 1967年 XXより」
このRoberto Calrosという人はメモにあるようにブラジルのミュージシャンだ。
ただ「ゴーゴーボーイ」ではななくてシンガーソングライターのようだ。
でも、わたしの目に留まったのは「ゴーゴーボーイ」よりも、「素敵」を「ステキ」とカタカナ表記しているところ。
私もMarshall Blogではよく「素敵」を「ステキ」と書き表すが、50年も前に同じことをしていた人がいたなんてステキじゃない?

200コレも昭和49年の入学祝い。
モノは『ディズニーランドの小鳩くるみ』というディズニー映画の主題歌集。
「小鳩くるみ」というと、我々の世代では何といっても『アタックNo.1』の「鮎原こずえ」の声でしょう。
ところが、ナーニ、この人!
本当の姿はイギリス文学者並びに児童文学研究者で、目白大学外国語学部及び目白大学大学院言語文化学科の教授なんだって?
で、永井荷風や野村万作の血縁なんだと。
道理で苦しくたって平気なワケだ。

210「名前」編。
コレもまったく理解できない。
「千社札」の感覚なのかな?
何にでも名前を書いちゃう人っているんだよね。
確かに小学校の時は先生に「自分の持ち物には名前を書きなさい」と指導された。
でも、レコードに名前を入れる必要がどうしてもわからない。
誰かに持って行かれてしまうと考えるのだろうか?

230え?「前川清」?
同性同名だろうね~。
昔の仕事の取引先に「松本清」と「西田敏行」という人がいたっけナァ。

240「文字落書き」編。
もう何だか意味もなく文字で落書きしちゃう。

250何で?どうして書いちゃうの?

260「私」は百恵ちゃんということか?
関西のオバちゃんの「松坂慶子」みたいなもんやね?
「ナンでわかったん?」
実は私コレ持ってます。

270このレコードの持ち主はよっぽど拓郎さんが好きだったんだろうね~。
400落書きに迫力と愛情を感じるわ。
「浅田」ってのがスゴイね。
この相合傘は、浅田美代子じゃなくて陽水さんと一緒になれということか?
しかし、「上」という字ぐらい間違えないで書きなさいよ。

410インドネシアの歌手だそう。
外人も同じね。
ナニが書いてあるのかはわからないけど、平気でメモしちゃう。

280続いては「メッセージ」編。
レコードジャケットを用いて伝言しちゃうという。
このコーナーこそ「汚レコード」の醍醐味かも。
まずは、管原昭子という秋田出身の歌手のシングル盤。
放送局へ持ち込まれたらしいモノで、「A面キズ」と書かれているのを線で消して、新たにこう書かれている。
「キズじゃないのでかけてくださいね」
ハハハ、便利だな~、レコード・ジャケットって。
この管原さんという人、「スター誕生」で同じ秋田出身の桜田淳子と同時に合格したのだそうです。
「若い新宿」か…昭和49年、新宿は当時ナウい街だったんだな。

220

コレはカッコいい!
インナースリーヴに「愛してるよ」って書いてあるの。
しかもジャケは八代亜紀。
となると、雰囲気あるな~。
私も冒頭のPabro Cruiseのレコードに同じことを書いて、当時の彼女=ウチのカミさん=Marshall Blog記録部長に渡せばヨカッタ。
できない、できない!

310

「アタシ……マサミです。今夜も指名してくれる?」…ってコレ男じゃねーか!
「今夜も」ということは、このレコードを渡された人はマサミさんにかなりゾッコンなんだな。
でもコレ、一体どういうタイミングで渡したんだろう?
「同伴」だったらこんなことはするワケないし、開店前に一緒にいる時間があったということか?

325

古いレコードだナァ。
味の素の販促品だね。
もうこのあたりになると、少しぐらいの書き込みは何でもない。
でもコレは裏面のメモがスゴイ。

290「清水さんの家にいます  母より」
ナンでレコードに書くのッ?!
確かにおたくのママは世界一だわ。
このメモを見てお母さんを迎えに清水さんの家へ行ったのかしら?
  
『うちのママは世界一』は昭和34年から日本でも放映されたアメリカのホーム・ドラマ。
私は知らないけど、主演がドナ・リードだったんだね。
フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』で主役のジミー・スチュアートの相手役を演じた。
とても美しい人でね~。
ドナ・リードとかグレース・ケリーみたいな人を「美人」っていうんだよ。
『素晴らしき哉、人生!』も何度観ても泣ける映画だ。
ところが、後にこの映画はアメリカという国の素晴らしさを広めるためのプロパガンダ映画だと知った時はショックだった。
公開は1949年。
「アメリカってこんなにいい国なんですよ~!」、「アメリカ人はみんないい人ですよ~」と、誰もが落涙するであろう美しいヒューマン・ドラマの裏で有色人種に対してすさまじいまでの差別をしていたのだ。
そのクセ、この映画や『12人の怒れる男』だの『アラバマ物語』だの、さらには『ルーツ』なんてのを作っちゃうんだからやっぱりアメリカってのは恐ろしい。
味の素か…。

300マァ、どうしてもコレがチャンピオンだろうな。
「ごはんお たいておく事 さちこさんへ 母より」
同居か…。
お母さんはレコードのことをナンだとお思いだったのでしょう?
しかも、真ん中にキチっと書いてあるところがおもしろい。
パッと見ると俳句みたいじゃん?
「あ、いい句ができたわ。どこかに書いとかなきゃ…紙がないわ。エエイ、レコードに書いちゃえ!」みたいな?
レコードが入っていなかったので何のシングルだったのかは不明だそうだ。

320「絵柄落書き」編。
ジャケットの写真や絵に描きこんじゃう落書きの基本的手法ね。
音楽の教科書には必ず必要なヤツ。
子供の頃、いしだあゆみの頬骨は確かに気になったことがあったのでこれを施した人の気持ちがわからないでもない。

330ナゼ「③」なのじゃ?
よく見るとインナースリーブに名前のスタンプが押してある。

340メガネは基本中の基本だね。

350キチッと落書きしてる。
伊東ゆかりにはメガネとお歯黒。
この「KYOWA SANGYO KK」という会社をインターネットで調べてみたが、案の定、日本には「きょうわさんぎょう」なる会社が星の数ほどあってとても特定はできなかった。
落書きからすると海運業かなんかだろうか?
自分の大切なレコードに勤め先の情報を落書きするなんて見上げた愛社精神だ。

360どうしたんだろう?
さっきの「いしだあゆみみ」みたいにどうしても唇が気になっちゃったのかしらん?
この曲、「音頭」と銘打っているけど、なかなかイキな変形ブルース。
1963年の青山ミチの大ヒット曲。
「♪イカさぬ人にはヒジ鉄砲、イカす人には無鉄砲」なんて気の利いたことをお歌いになられている。
この曲、エンケンさんがカバーしているのには驚いた。
青山ミチは我々世代には安西マリアの「♪ギ~ラ~ギ~ラ」でおなじみの「涙の太陽」のオリジナルの人。

370え~、岩下志麻ってドドンパやってたの?
知らなかった。
私が高校生の時ね、連合赤軍事件の初公判が東京地裁であったの。
私の世代はもう学生運動なんてのは、もう無いに等しかったんだけど、当時頭脳警察を知って、学生運動に興味を持った。
当時入手不可能だったファースト・アルバムを先輩にテープに録音してもらって聴いたところ、「世界革命戦争宣言」に大きなショックを受けたんだね。
「我々はァァ!」ってヤツ。
あ、勘違いしないでよ!
「運動」に興味があったので決してなくて、自分と大差ない年齢の若者が、チョット世代が違うだけでどうしてあんな活動にのめり込んでいたのかをすごく不思議に感じたのよ。
「あさま山荘事件」が起こった時はまだ小学2年生でナニが起こっているのか知る由もなかったけど、成長して色んな本を読んでいるウチに連合赤軍の悲惨な事件を知った。
ショックだったね~。
妙義山だの、迦葉山だの、榛名山だのという名前を耳にすると、いまだに角間隆の『赤い雪』や高木彬光の『神曲地獄篇』のような、当時読んだ本のことを思い出す。
それで、その事件の初公判があるというので、傍聴券をもらうために朝一番でロック好きの友達と東京地裁に赴いた。
クジ引きの順番の列に並んでいると、「若いのにどうしてこの事件に興味を持ったの?」なんて新聞記者のインタビューを受けたりもした。まだ17歳ぐらいだったからね。
「あの、頭脳警察というロック・バンドの影響なんです」なんて答えたりしたっけ。
ところが、残念ながらクジにハズれ、傍聴券はゲットできなかった。
それでムザムザと家に帰るのもナンだし、社会勉強のために何か傍聴券を必要としない裁判を見ていこうということになった。
どうせなら「殺人事件」がいいだろうと、適当な裁判を選んで公判室に入り、イスに座って目の前のやりとりを見ていた。
もう何年も続いている裁判らしくて、もう全然ユルユルでサ、映画なんかの裁判劇とまったく違ってツマらないワケ。
こりゃサッサと帰った方がよさそうだ…と思っていると、大きなサングラスをかけた華やかな女性が静かに私の隣に腰をかけた。
いい匂い~…。
コリャ普通の女性じゃないな…と思い、チラチラと横目でその女性の顔を確かめると、ナント岩下志麻だった!
それはそれはキレイだったよ~。
数年後に岩下志麻は松本清張原作の『疑惑』で桃井かおりの弁護士役を演じたが、今にして思うと、それの役作りの勉強にきていたのではないかと思うのだ。
岩下志麻って声がまたいいんだよね~。
  
このシングル盤も岩下志麻の美しさに敬意を表してか落書きは極めて控えめだ。
  
下の青い部分。
「最高の実力を誇るモダン・フルバンドの演奏に最新決定のドドンパの踊りかた」とある。
そのバンドとは宮間利之とニューハードのこと。
曲目をみると「エリーゼのために」とか「オーソレミヨ」とか…エ~、ドドンパで踊るの?
それに誰がどうやって「最終決定」したの?
ドドンパの人気が最高潮だった頃のお話。

380それに引き換え、コレはヒドイ!
川中さん、お気の毒。
ナニが気に食わなかったんだろう?
しかも右側に書いてあるのは他の人の曲の歌詞だって!

385最後は「オリジナル」編。
勝手にジャケットを作っちゃおう!のコーナー。
コレ、レコードは「ツィゴイネルワイゼン」なのに「若大将」になっちゃってる。

420ジャケットを失くしちゃったんだろうね~。
タテ書きというのが渋い。

430コレもインナー・スリーブにタイトルを書きこんだ自作。
ご丁寧にイラストまで入っている。

440「♪フステー」の「悲しきあしおと」。
長野にいた時、ハコバンでこの曲をよく演ったな~。
コレなんかはかなりよくできてる。
ヘタすると昔実在していた感じすらあるもんね。

450これはジャケットではなくて、振り付けを記したオリジナルの解説書が付いている。
「おれは鉄平」のメモみたいじゃん!

455最後はコレ。
あ~、ジャケットをチョン切っちゃってる!

460ジャズ・ドラマーのジミー竹内のアルバム。
歌謡曲を演奏している。
アレンジに富樫雅彦が参加しているということで写真を撮っておいた。

470以上、『あなたの知らない「汚レコード」の世界展』でした。
私には想像できない世界ですな。
おもしろかった。
  
オマケで、ウチの「汚レコード」を探してみた。
コレがウチのLP棚。
昔はもっといっぱいあったんだけど、時折マーブロに書いているように、転勤の引っ越しが大変だったので20年以上前に3,000枚以上売ってCDに買い換えた。
マァ、大したコレクションじゃないけど、どれも思い出が詰まったアイテムだ。
向こう側の棚がジャズ。手前側がロック。
手前の一番下の段の大半はFrank Zappa。

480落書きがしてあるレコードなんて絶対に買わなかったので、「風呂沸かしといて!」なんて書いてあるレコードはない。
でも、汚いのは少しある。
まずコレ。
向井滋春の『Favorite Time』。
片面に香津美さんが参加していて、すさまじいギター・プレイを聴くことができる好盤。
向井さんと香津美さんがデュオで「Old Folks」を演っていて、コレが素晴らしい。
コピーして大学のビッグバンドのリサイタルでテナー・サックスのヤツと演奏したことがあった。
写真ではあまり写らないけど、ボロボロのヘナヘナなの。

490r裏ジャケもこんなに汚れている。

500rコレもヒドイ。
Pat Martinoの『Starbright』。
もうほとんどジャケットの裏表が離れ離れになっているもんだからセロテープでくっつけてある。
そのセロテープが溶けてくっついちゃってビニール袋から出すこともできない。
え、ナンでこんな汚いのを買ったのかって?
コレを買ったのは大学の時なんだけど、当時、Pat Martinoの音源ってなかなか手に入らなかったのよ。
お店で売ってるアイテムといえば、それこそライブ・アルバムぐらいで、初期のPrestige盤なんてまず見たことがなかった。
このWarner期も同様だった。
だから我慢して買ったけど、盤面もヒドくて結局ほとんど聴いていない。

510rそれと、Laurindo Almaidaの「Concerto de Aranjuez」。
コレも角が折れ曲がっているし、ボロボロのグチャグチャ!
でもですね、ボロボロにもかかわらずこの3枚を買ったのにはチョットした事情がありましてね。
かつて神保町に「コンボ」というジャズ喫茶があって、大学時代ジャズ仲間とよくそこへ時間を潰しに行った。
当時、御茶ノ水や神保町の界隈にはジャズ喫茶がたくさんあったからね。
コンボは、ひとたび足を踏み入れようものならパンツまでタバコ臭くなるような古式ゆかしい汚いジャズ喫茶の典型で、お店の奥に飾ってあったArchie Sheppのモノクロ写真のパネルがカッコよかったのが印象に残っている。
コーヒーは美味しかったナ。
ある日店に行くと、いつもと様子が違ってイスが取り払われ、店の真ん中にはレコードが詰まった段ボール箱が並んでいた。
顔見知りだったマスターに事情を訊くと、「イヤね、もうやっていかれないんで店を閉めることにしたんだよ。だからもうレコードも要らないんだ。好きなの持って行きな。一枚50円でいいよ」ということだった。
早速ハイエナのように段ボールを漁ると、そこはそれ何十年もお店で使われ続けたレコードだけあって、お世辞にもキレイなモノとはいえなかった。
でも、記念の意味もあって上で紹介した3枚を買ったのだ。しめて150円。
まだ消費税がなかった時代だからね。
本当はもう1枚、Charles Mingusの『At Carnegie』を買ったのだが、「あ、ゴメンね~、それはオリジナル盤だから高いんだよ~」と言われたのだが、値段を尋ねると700円だというので即買った。
さらに話を聞くと、熱心なお客さんは、お店のドアを売ってくれと言って来たそうだ。そんなもん持って行ってどーすんのよ!
その近くに新しくライブハウスが出来たので最近行ってみたが、コンボがあった形跡は微塵もなかった。

520r会場となったdowntown recordsさん、相変わらずのこだわりのアイテムと極めて高い商品のクォリティ、良心的な値付けに親切なマスターと、いいことずくめ。
他のレコード屋さんでは見かけることのないアイテムが目白押しでいくら見ていても飽きない。
レコード好きで未体験の方はゼヒ一度訪れてみてはいかがだろうか。
先述の通り、CDは扱ってないからね。
  
downtown recordsの詳しい情報はコチラ⇒Official websie

40

※すみません!
予てからパソコンの使い過ぎが原因で患っていた右ヒジの腱鞘炎が思わぬ方向に悪化してしまいました。
痛みはほとんどなくなったのですが、その痛みを防ぐ治療具の過度な使用で右腕が赤ちゃんの手のようにパンパンに膨れ上がってしまったのです。
「ナンダこれ!誰の腕だ?あ、オレの腕だ~!」みたいな。
マジで驚きましたわ~。
右腕だけ赤ちゃんのオッサン…コワい!コレがホントの「The right hand man」?
かといって、その治療具を使わずして作業をするともうタイヘン!
手を使わなきゃすぐ治ることはわかってるんですわ。
少し右手を休ませてやろうかと思います。
よって、様子を観る間、不定期更新とさせて頂きますことご了承くださいませ。
ライブの取材は継続します。
  
(一部敬称略 2017年6月17日 東陽町downtown recordsにて撮影)

2017年7月25日 (火)

Music Travelling~田川ヒロアキ バースデーライブ 2017

   
田川ヒロアキのバースデー・ライブ。
年に一回だけの開催だ…って当たり前か。
しかし、「バースデー・ライブ」ってのも本当に当たり前になったよね~。
昔からあるにはあったが、こんなに頻繁じゃなかったよ。
昨日もビジュアル系のバンドさんのバースデー・ライブにお邪魔してきたけど、ケーキが出るでもない、お誕生日を迎えるメンバーの曲を中心にセットリストを組む、というエラくサッパリした演出で好感が持てたな…。
ま、要するに皆さん、コンサートを企画するひとつのキッカケに「誕生日」を利用しているということなんだろうね。
結果的にはこのヒロアキくんのライブもそういうことになるだろうね。
ショウの内容はいつも通り練りに練ったもので、誕生日に関係なく「ヒロアキ・エンターテインメント」の世界が広がってたもん。
  
ステージ上のスクリーンに「旅」を連想させる映像が投影され、メンバーが登場する。
1曲目はヒロアキくんのステージでは定番の「Seascape」。

10主役の田川ヒロアキ。

20v_ssキーボードは石黒彰

30vベースに仮谷克之

40vドラムは川口千里

50vすなわち、ちょうど一年前の『Overdrive』のレコ発ツアーの千秋楽の時と同じ布陣だ。
2曲目は車をテーマにしたアルバムその『Overdrive』から「Driving Jam」。

60_djファンキーなビートに乗ってヒロアキくんが軽やかにスキャットする。

70もうノッケからコレもん。
初めての会場で、満員のお客さんを前にノリにノッているのだ!

70v石黒さんのソロも炸裂!

80vお、大事なメンバーを忘れていた。
イヤ、忘れるワケがない。Marshallのブログなんだから。
今日のMarshallはJVM210Hと1936V。

90v足元のようす。
歪みはすべてJVMで作っている。

100「超満員でうれしいです!」とヒロアキくん。
ソールド・アウトしちゃったからね。
「今日のライブは『Music Travellig』というタイトルです。音楽で色々な景色を思い浮かべてください」とコンサートのコンセプトを説明した。

1_img_0462 3曲目はちょっとジャジーに「Swing Picking」。

110v_sp

タイトルはジャズの命である「swing」とギターの奏法のひとつ「sweep picking」をかけたものだろう。
ヒロアキくんはありとあらゆるギター奏法をマスターしていて、このスウィープもソロでは頻出度の高いテクニックだ。
そんなギター・マスターのヒロアキくんなんだけど、肝心のギターの弾き方自体がどうも間違っているような気がするんだよな~。

120vゴキゲンなグルーブでヒロアキくんもエキサイトしっぱなし!

130ここで歌もの「海岸通り」。

140v_kdサビのメロディが抜群にキャッチーなこの曲、インストゥルメンタル・ナンバーが中心にセットリストが組まれた第一部の印象的なシーンのひとつとなった。

150するとどこからか「お祭り」のザワメキが…。
「どこからか」ってPAスピーカーにキマってるんだけど、こういう展開が実にヒロアキくんっぽくてよろしいな。
「夏」と言えばお祭り。
曲は「まつりメタル」!
「♪コレが町田のまつりだよ~!」ってか。
160nn1970年代の「祭り」といえば、「何もすることがなくて、バラ色のシャツを来てお祭りのある街へ行くと泣いてしまう」ものだったんだよ。(←コレ、ほとんどの人は意味がわからないと思うので、上の「 」の文章をキーワードに検索をかけてみてね)
マネージャーの美瑞穂さんから頂いたセットリストには、照明さんに指示を出すために曲調を記してある覧があって、この曲は「演歌メタル」となっていた。
ま、そういうこと。
しかし、リズムに弱いと言われる日本人だけど、この「♪ドンドンドンガラガッタ」という独特のリズムはかなり強力だと思うんだけどな。
ドドンパと双璧をなす日本を代表するリズムだと思う。
いつかの『よさこい』もそうだったんだけど、ヒロアキくんのこうした「和」と「メタル」を強引に合体させちゃうセンスってスゴクいいんだよね。
いうなれば雅楽とジャズを合体させて抜群の効果をクリエイトした穐吉さんのメタル版といったらホメすぎか?
こういうことはドンドンやって欲しい。
だって他の人がやってないことだもん。

170vメンバー紹介をはさんで「平和の風」。
最近導入したこの振り付けはヒロアキくんのアイデアだ。

180_hkん~、このソロでのメロディの歌わせ方がヒロアキくんなんだよね。
    
ヒロアキくんとはプライベートでよく政治の話をするのね。
他方、最近はセットリストに加えるバラードといえばこの曲が定番になってきた。
もちろん合唱の課題曲になるほどの佳曲ということもある。
ヒロアキくんは決してMCなどでは言わないが、最近のかなりキナ臭い世情を鑑みて、この曲を通じて「平和」への力強いメッセージを訴えかけているように見える。

190石黒さんとヒロアキくんのトークを経て早くも第一部最後の曲。
インストでナゼか「Beat It」。
この曲ではバンド・メンバー各人のソロがフィーチュアされた。

200_biまずは石黒さん。

210石黒さんとはプライベートでマニアックな音楽の話をさせて頂くことがあるんだけど、そういうのは実に楽しいな。
大二さんをはじめとして、令文さんとか、ホッピーさんもそうなんだけど、学ぶところも多く、実に気持ちがいい。
一方、若い人は言うに及ばず、最近は中堅のミュージシャンでも驚くほど音楽を聴いていない人が多いことに驚くんよ。「ホントに音楽が好きなのかな?」と疑問に思わざるを得ない人もいないではない。
昔のミュージシャンは本当に音楽に詳しかった。
やっぱりミュージシャンである前にリスナーであることは当たり前のことだからね。
そこへ行くと、マァ、石黒さんのジャズからクラシックまでお詳しいことよ!
あ、石黒さんが「古い」と言っているワケではござらんよ。
石黒さんは実に若々しい。

220v続いて仮谷さん。
240v毎度書いているけど、私は仮谷さんのベース・ソロが好きなのだ!
歪み系のクレイジーなソロもいいんだけど何と言ってもスラップだよね~。
「ヤケクソ」にも似た力強さというか、弾き出したらとにかく引っ込みがつかない「オラオラ感」がタマらないのだ!
230v千里ちゃんの番。
ドシャメシャと徹底的に叩き込んだ後は…

250vPapa JonesもMax Roachもビックリのスティック・トリック!
楽しそうにラクラクとムズカシイことをやっている人ってのはホントにカッコよろしいな~。

260vそして、ヒロアキくん。

270v全員の熱のこもったソロに負けじと密度の濃いフレーズを重ねて第一部を華々しく締めくくった。280ところで、2015年にオープンしたこのライブハウスは、町田の駅前という絶好のロケーション。
料理もおいしいし、お値段もリーズナブル。
私なんかは、何となく今は無き六本木のSweet Basilを思い出しちゃう。
客席からステージも見やすいし、すごくいいお店だ。
問題は、ウチから遠いのなんのって!
この日、NATALのイベントが終わって八王子から駆けつけたんだけど、町田って八王子から結構遠いのね?そんなことも知らなかった。
車で20分ぐらいかと思っていたらトンデモナイ。
生まれ育った環境から小田急線ってホント人生で数えるほど乗ったことがなくて、慣れないもんだから「メッチャ遠い」と感じているだけなんだけどね。
そう、私は東の人間なんです。
  
出演者のグッズが各種品よく並んでいた。

290v第二部がスタート。
ステージの上にチョコンと座っているのはヒロアキくん。
夏に向かう時合なので、これから「怪談」を一席。

300…と、思ったらさにあらず。
初めての楽器だったというピアノをソロで披露。

310vヒロアキくんの音楽歴が語られ、今日のゲストが紹介される。
すると…

320「お誕生日おめでとうございま~す!」とステージ下手奥の階段から二井原実登場!

330まずは1曲。
ヒロアキくんが奏でる耳慣れたリフで始まるのは「Kill the King」。
あ、こないだ「♪チャンジャ、チャンジャ」なんて書かなきゃヨカッタな。

330v_ktk二井原実!

340スゴイね~。
雰囲気がガラっと変わる。

350そして、これからのプログラムが見事だった。
第二部のヒロアキくんは、自分を表舞台に押し上げてくれた偉大なシンガーのサポート・ギタリストに徹したのだ。

360忘れもしないMCでは……ナニしゃべったんだっけか?
ま、大きな声じゃ言えないが、小さな声じゃ聞こえないんだけど、ヒロアキくんとの出会いを中心にした思い出話が語られた。

370vそんな流れを経て二井原さんのソロ・アルバムから1曲。
2006年のアルバム『Ashes to Glory』から「Long Live Your Life」。

380_llylヒロアキくんはインターネットを通じて二井原さんに発見され…なんて言うとヒマラヤの遭難みたいか…発掘され、このアルバムのレコーディングに参加した。
しかも、ギターにアレンジにと、アルバム制作の中核をなす全面的な参加だった。
二井原さんによれば「ふたりで作ったアルバム」。
ところが…その昔、LOUDNESSに憧れてギターの練習に励んだヒロアキくん、はじめその雲の上の存在であった二井原さんからのお誘いのメールを頂戴した時、イタズラ・メールかと思ったという。
それから2ヶ月の間ほど果たしてそのメールがホンモノかどうか信じられなかったという。

390cdヒロアキくんのリードから始まるマイナーなポップ・チューン。
改めて音源を聴くと、いい意味でまったく今のヒロアキくんと変わらない。
メロディの歌わせ方が完全にヒロアキくんなのだ。
ホンモノだから当たり前だけど。

410v

44年ぶりに髪を短くしたという二井原さん。
とってもよくお似合いです。
このルックスから「世界の二井原ヴォイス」が飛び出してくるところが何とも快感だ!

400v次。
私はコレにはマジでマイってまったよ。
この年齢にして、また音楽のスゴイ部分を目撃してしまったというか…。

430ナニを演ったのかというと、RCサクセションの「スロー・バラード」。

440始めのうちは、ま、それなりに「二井原さんの声で鑑賞する日本のロックの名バラード」だったの。
ところが…

450vサビの「♪悪い予感のカケラもないさ」のパートでホロっと来てしまった。
何たる情念!
やっぱりすべての楽器は「声」には叶わない。
私は高校の時に渋谷の屋根裏の狭いスペースで、清志郎さんが目の前でこの曲を歌うのを聴いたが、感動はそれ以上だったな。
二井原さんはご自身のアルバム『歌うたい祭り』の中でNazarethがレパートリーにしていたThe Everly Brothersのバラード「Love Hurts」を取り上げた。
実は、私は以前からNazarethのシンガー、Dan McCaffertyの声と二井原さんの声に勝手に共通項を見出していて、「もし二井原さんが『Love Hurts』を歌ったらカッコいいだろうな」と思っていたので、このチョイスには狂喜した。
Dan McCaffertyの歌を歌える日本人なんて恐らく二井原さんしかいないからね。
もちろん、仕上がりは最高。
でも、でもですね、この「スロー・バラード」の方がスゴかったかも…。
460vそして、最後は二井原さんの1989年のアルバム『ONE』から「Let's Get Together」。

470小気味よいシャッフル・リズムに乗ってメンバー全員がハジケ飛ぶ!

490

500

510二井原さんとのコール&レスポンス!
お客さんもノリノリなのよ!

520ヒロアキくんのソロ!
二井原さんからの誕生日の祝福を浴びた素晴らしいプレイだった。

530アンコールでは千里ちゃんがケーキを持って登場。

540ハイ、吹き消して。
あ~、仮谷さんも!
560
ケーキを囲んで記念撮影。
イチゴをふんだんにあしらったケーキ。
おいしそう!

550客席からは花束や…

570バースデー・プレゼントが持ち寄られた。

580さて、ココで雰囲気を変えて…「Ave Maria」だよ~。
しかし、美しい音だな~。
Marshallのおかげ、なんていうつもりはゼンゼンなくてね。
腕ですよ、腕。
何せメロディの歌わせ方が実に巧みだ。
本当にギターが歌を歌っているみたいだからね。
ソレもコレもMarshallのおかげ…アレ?
とにかくMarshallはヒロアキくんが言いたいことを完璧に代弁してくれるということだ。

590私もこんだけヒロアキくんの「Ave Maria」を聴いてるでしょ?
あるんですよ、やっぱり。
色んな要因でどうしても演奏に濃淡が出て来る。
それでも、もちろんいつでも演奏は水準をはるかに上回るモノだ。
でも今日の「Ave Maria」はピカイチだったね。
一音一音の説得力が違った。

600最後は歌モノで〆た。
Marshall GALAでも演奏してくれた「キミを乗せて」。

620v_knやっとこの曲も完全に田川スタンダードになったね。ずっと演奏し続けていくナンバーのひとつだろう。

630vハイ、お疲れさまでした~!
ヒロアキくんは超パンクチュアル。
「パンク」じゃないよ。
絶対にダラダラとコンサートをやらない。
アンコールは2曲。
いつでも上演時間をガッチリ監督している。
そういうショウマンシップというかステージ・マナーが好きだ。

640お客さんにご挨拶。
満席の場内から惜しみのない拍手や歓声がステージの5人に浴びせられた。

650さて、コレは『Winds and Waves』というヒロアキくんの最近作。
このアルバムに灘校のグリークラブとの共演が収録されているのはしばらく前にMarshall Blogで紹介したが、ヒロアキくんは作曲家として、またギタリストとして、そうした委嘱作品に取り組むことが多い。
例えば今日の最後に演奏した「キミを乗せて」はMAZDAのイベントのテーマ・ソングだし、かつてはファンキー末吉さんとカラムーチョのテーマ・ソングを演奏したこともあった。

660cd_2ヒロアキくんはそうした活動によって生まれた作品を集めたアルバムを現在制作中だ。
バラエティに富んだテーマ・ソングが、まるで遊園地のようににぎやかに1枚のアルバムに収まっている…というコンセプト。
タイトルはどうしよう?というので、「んじゃ、そのまま『Theme Park』ってのはどうよ」と私が提案したら、ホントにそのまま付けやんの。
責任持ちませんよ~!
私が責任を持つのはそのCDのジャケット。
アーティスト写真を撮らせて頂いた。
早速その中の一枚を使って作られたのがこのチラシ。
ナニナニ…レコ発ライブ?
気が早ェな~!
場所は同じまほろ座。
今度はバンドがTAGAWA!
コリャすごそうだな。
町田…遠いけど楽しみです。

670vところでその『Theme Park』のジャケット。
写真は私が担当したが、デザインは「下町のひとりヒプノシス」、梅村デザイン研究所が手掛けてくれている。
すなわち、ヒロアキくん―梅村さん―そしてアタシの『Ave Maria』トリオの復活なのよ!
ん~、コレは期待してもらっていいんじゃないかね~。
誰よりも私が一番楽しみにしているんだわ!

Am_2田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

680(一部敬称略 2017年6月11日 町田まほろ座にて撮影)

2017年7月24日 (月)

MASHA & MY MARSHALL~CODEの魅力

  
おかげさまで絶好調のCODEシリーズ。
忠実にモデリングした歴代のMarshallサウンドを、アッと驚くリーズナブルな価格で提供するとあれば…そりゃうれしいよね。
それにしてもJTM45だの、1959だの、歴代のJCMシリーズだの…我ながらMarshallってつくづくスゴイと思う。
だってアータ、コレらのMarshallが作り出したサウンドってMarshallのオリジナルだよ。
時代の音楽のニーズを先取りして、研究に研究を重ねて自分たちだけのオリジナル・サウンドを作って来たのです。
そりゃ、最初はアメリカのアンプのコピーだったかも知れない。
でもサウンドは結果的に一番最初からオリジナルだったんだから!
そんなだからMarshallは人様が苦労して作り上げたサウンドをパクッとやっちゃうようなマネはしない。グレートブリテン及び北アイルランド連合王国のプライドが許さない。
そして、こうした自社のサウンドだけをモデリングして商品が成立するところがスゴイ。
しかも、モデリングの元となっているのはサウンドは「ロックの歴史」を作って来たサウンドだ。
ま、55年もやってるからね…。
すなわちCODEを弾くことは「ロックの歴史」を弾くことなのさ。
ヨソさんからまったく同じようなコンセプトのギター・アンプが既に出て来ちゃったのには驚いたが、ウチもかつては、そのブランドの商品を手本にしたのでおあいこか…。
で、Marshallの場合、歴代シリーズ毎のサウンドのキャラクターに大きな差があるので、余計にこの手の商品に価値が出るんだよね。
要するにロックの進化とディストーション・サウンドの変遷があるからこそ実現したモデルと言えるだろう。
コレ、世の中のエレクトリック・ギターの音がズ~っとクリーンだけだったらどう考えてもおもしろくないんじゃない?
「歪み」に感謝しなくちゃいけないな。
もはや世の中には歴代のMarshallをリアルタイムで体験したことのない若い世代のギタリストが多くなったと思うが、そういう人たちはCODEでそれらの未知のアンプを色々試してみて、気に入ったモデルのホンモノ、すなわちホンモノの真空管アンプにグレードアップしてみてはいかがだろうか?
きっともっとMarshallが好きになると思うよ。
やっぱり真空管アンプで鳴らすのがロック・ギターを弾く一番の愉しみだからね。
今日はそのCODEの最新情報。

05

   
まずは、SilexのMashaがサウンドを作って、デモ演奏してくれた動画がコレ。
かつてマーブロで「ヤングギター誌付録DVDに収録されている」…なんて紹介しちゃったけど、実際にはDVDはついていなかったの。
今はもうこうしてSNSで見て頂くことになっているのだそうだ。
そりゃそうだよね、考えてみればどうせ皆さんパソコンでDVDを見るなら配信しちゃった方が手っ取り早いにキマってる。
チョット余談だけど、私なんかあまりにも古式ゆかしくて、LPやらCDを何千枚も買い込んでるでしょ?
社会的には価値がなくても、中にはもう手に入れることはできないようなアイテム、あるいはこれからゲットするには精神的、肉体的にも、そして経済的にもかなりの労苦をともなうようなモノが多数あるワケ。
それで、「大地震は必ず起こる」って言ってるでしょ?
「どのLPやCDを持って行くか…」ってマジで悩んだりするんだよね。
でも、この配信だとかYouTubeがあれば、そんなことに悩む必要なんかほとんどないもんね。
私の場合は、かなりヘンテコな音楽が多いので、自分でそうした音源をキープしておかなければならない場合も結構あるんだけど、世間一般の音楽であれば、確かにLPやCDなどのフィジカル・プロダクツなんで不要だわな~。
にもかかわらずソニーがまたLPを作り出すとかいうのはどうなのよ?
「音があたたかい!」とか言って、レコードをパソコンやイヤホンで聴くの?
そんなの目もくらむような最上級の食材を使って「もんじゃ焼き」をするようなもんだよ。(もんじゃさん、ゴメンなさい。あなたは日本のジャンク・フードの王族の一員です)
話を戻して…コレがヤングギター6月号で登場した<前編>。

コチラが同誌7月号で紹介された<後編>。

   
CODEの醍醐味は、モノマネも楽しいけど、歴代のMarshallの名器を自由に使って自分だけのサウンドをクリエイトすることだ。
でもそれだけではない。
インターネットを通じてそれらのサウンドを世界中の人と共有できるということだ。
そこでズズイとフィーチャされるべくは本国Marshallのオフィシャル・ウェブサイト内にあるCODEのコミュニティ・ページ「MY MARSHALL」。

1_2mma   
この中に「PRESETS」というページがあって、世界中のCODEユーザーやMarshallが作ったプリセットが紹介されていて、もちろんダウンロードもできるようになっている。
画面はこんな感じ。

1_3sam    
皆さん、色んなプリセットを投稿されていて、特定のアーティストのギター・サウンドを模写したモノについて、ホンモノに似ているかどうか信じるのはアナタ次第なんだけど、まぁ、とにかく世界中のギター・プレイヤーが楽しんでることだけは確かなようだ。
実際、Marshallはこの機能を存分に楽しんでもらいたいと、MY MARSHALLを活用することをプッシュしている。
MY MARSHALLを利用するには本国Marshallの英語版ウェブサイトへの登録が必要だが、日本の輸入販売代理店のヤマハミュージックジャパンがその方法を説明しているのでご参照頂きたい。
  
詳しくはコチラ⇒CODEをフル活用するなら、MYMARSHALLへ登録!

1_2mm3   
上の動画で紹介したMASHAくんのプリセットもズラリとMY MARSHALLで公開されている。
こういう世界レベルで展開しているプロジェクトを見ていて「おもしろいな」と感じるのは国民性。
このMASHAくんのプリセットで参考にしているギタリストはJimi HendrixからBilly Joe Armstrongまで徹頭徹尾Marshallのギタリストたち。
ま、元々そういう企画だからコレは当たり前のことなんだけど、私なんか「当然でしょ!」と思っちゃうのね。
だって、Marshallが作ったサウンドなんだもん、Marshallを使っているギタリストのサウンドで固めなきゃおかしいでしょ…コレが我々の国民性。
ところが、ヨソの国の人たちが作ったプリセットを見るとそんなことは一切お構いなしなんだよね。
「コイツ、Marshallじゃないじゃん!」というギタリストのサウンドを平気で投稿しちゃう。
Marshallの方でも何ら分け隔てをすることはしない。
ポジティブに考えれば、「CODEがあればヨソのメーカーのアンプの音も出まんがな」ということか…。
  
MASHAくんのプリセットのページはコチラ⇒MY MARSHALL

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他にもKelly SIMONZのプリセットもアップされているので要注目!
  
Kellyさんのプリセットのページはコチラ⇒MY MARSHALL

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さらに…ヤングギター誌に掲載された記事のリーフレットが出来した。
雑誌の記事をそのまま印刷して他へ転用することを「抜き刷り(ぬきずり)」っていうんだけど、コレがそのCODEの特集の抜き刷り。
カラー見開きの4ページ。
コレは何Kgかな?チャンといい紙を使っとる!

20  
さて、この抜き刷りがどこでゲットできるかというと…コレが目印。

30vいわゆるPOPね。
紫の方がCODE50。

40緑の方がCODE25の両A面。
写真はアンプがCODE25なのに紫が表を向いてしまっているので、「悪い使い方」のいい例だ。
このCODEのPOPを施してある全国のMarshall Shopまたは楽器店でゲットしてね。

50こういうセットね。

60    
ヤマハミュージックジャパンではこういうこともしている。
コレはTwitterね。
  
詳しくはコチラ⇒Yamaha Guitar Japan Twitter

1_2mt     
まだある。
MASHAくんのCODEのデモがあるそうだ。
開催は8月6日。
「このMarshall CODEのモデリングクォリティ、かなり高度だ…」だって!
Marshall Blog読み過ぎなんじゃないの?
どうこう言うつもりはないけれど、子供みたいな行動はつつしまないと!ナンチャッテ。
シャレついでに言うと、黒澤明の『七人の侍』で村の長老の役を演っていたおじいさんいるでしょ?
「さむれーを雇うだ!」っていうシーンは有名。
あのおじいさん、お名前を高堂国典(こうどうこくてん)とおっしゃった。初期の黒澤映画の常連だった。
ご存命ならCODEの広告に出て頂きたかったな。
「高堂のCODE!」とかいって。
しかし、明治20年のお生まれだというから…遅かった!
明治20年というと、総理大臣が誰だったか知ってる?
そう、伊藤博文。
第一期の伊藤内閣。
高堂さんって、日本で一番最初の内閣ができた頃にお生まれになってる。スゲエ!
だからハラの減った侍を7人雇うぐらいなんでもない。
もっとも『七人の侍』が公開されたのが1954年というから、もう63年も前のこと。
この60年間で映画ってのはオッソロシク退化して幼稚になったもんだな~。

Kk イカン、イカン、MASHAくんが「高度」なんて言うもんだから、つい燃えちまった!
話を元に戻してもう一回。
MASHAくんのCODEのデモがあるそうだ。
開催は8月6日。
場所はイシバシ楽器さんの梅田店。
コレは「うめだみせ」って読むのかな?
なつかしいナァ、私も昔、島ノンちゃんなんかと何回かコチラでMarshall Roadshowを開いて頂き、司会を務めさせて頂いた。
ナント、そのウチの一回をMASHAくんは見ているっていうんだよね…恥ずかしい~!
何年か前に東京キネマ倶楽部で初めてMASHAくんに会った時、「Marshall Roadshowを拝見しました」なんて言われてビックリした。
でも、今度はデモンストレーターでの参加だ。
近かったら観に行っちゃうんだけどね~。
デモ、アタシ…客席でダマっていられないからな~。

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

1_masha_code_event0806  
ってんで、私はといえば、8月3日、八王子のMatch Voxで「グッドモーニングアメリカのペギちゃんとMagic of Lifeの翔太朗くんのNATALショウ」が開催されるんだけど、ご親切にもステージに上げてくれるっていうんでソコでしゃべりまくってこようと思ってるんですわ。

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しっかしですね~。
私が初めてMarshallなんてのを知ってから40数年。
そして、Marshallに仕事で関わり出してほど20年。
ずいぶん変わりましたわ~。

CODEに関するウンチクはコチラ。おもしろいよ!⇒BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>

70(一部敬称略 協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン)

2017年7月21日 (金)

Marverics & Mystics~JILL'S PROJECT-D & SESSION

今回のトリプル・ヘッドライナーの最後に登場したのはJILL'S PROJECT-D。
やはり約1年ぶりの登場だ。

10_2

プロジェクト総帥・岡垣JILL正志20vDio Ken

25v島紀史

30vAni-Katsuさんはダブルヘッダー。

40v_2今回のドラムは金光健司!

50v_2コチラは「虹」を絵に描いたようなサウンド。

60v虹の向こうにはMarshallが!
ドロシーもトトもウットリするであろうMarshallサウンドは1967 MAJORから!

70金光さんはいつも通りNATAL。
SBLではバーチだけど、ココではメイプルね。
でもいつもと最も大きく違うのは…

80_2ツーバス~!
金光さんのツーバス姿、初めて見ました。
なかなかどうして、よくお似合いですぞ!

90オープニングが前回同様の「Reach Out For Something」。

100_2ノッケから炸裂するKenさんの雄叫び!
全身を絞り出すようにして歌う姿は迫力のカタマリだ。

110_2Kenさんの激唱ぶりを6本の弦で受け止めるノンちゃんの激独奏。
いい音だな~。Marshallらしさが存分に出てる。
終演後、その音に惹かれたお客さんから、「島さんが使っているMarshallは何というモデルですか?」と質問を受けた。
いつかノンちゃんが「Pig」を弾く姿を見てみたいものだ。
あ、どこかに初代1967 MAJORのアダ名である「Pig」があたかも正式な呼称であるようなことが書いてあったのを見かけたが、この「Pig」という名称は『THE HISTORY OF MARSHALL(コレの改定・増補版が「アンプ大名鑑~Marshall編」)』の著者、Mike Doyleが大分後になって勝手に付けた名前で、Marshallがそう呼んだワケではない。
ところが、この本があまりにも普及してしまったために、当該の正式モデル名が昔から「Pig」であると勘違いされ出したようだ。

120v続けてテンポを落とした6/8の「I Have The Shakes」。
この通り、テンポがどうあろうとKenさんのテンションは何も変わらない。Ronnieが憑りついているのだ。

130APHRODITEの時とはまた違った雰囲気を醸し出しながら鍵盤を一心不乱に叩くJILLさん。
どう違うというと、もっと七色なんだな。
でもコチラもイギリスのハード・ロック。

140_2となれば、イギリスにはイギリスを!
このチームでもNATALのドラム・サウンドが最高のパフォーマンスを見せてくれた。

150MCをはさんで「Defend Our Boast」。

170_2続けて「Heavy Rain Sheds Blood」。
轟音と共にJILL'S PROJECTの世界がドンドン深まっていく。
160「『虹部』を早く演りたい!」なんて発言がMCであったけど…ホントに好きね~。
で、虹部の部活で「Gates Of Babylon」。

190v_2

各部員とも思い入れタップリの演奏!

200ノンちゃんはどちらかというと紫式部の正部員で、ココは補強部員といったところか?

180

JILL総帥によるキーボーズのソロ。
APHRODITEの時同様、テクニックとエモーションが密接に絡み合ったスケールの大きいソロだ。

230_2

いよいよ今回のイベントも最終楽章に突入する。
曲は「Crazy me」。

210v最後はノンちゃんがクールなリフをキメる「Upsurge. Unconcious」。

205

実は前回もこの曲で幕を下ろしたのだが、JILL'S PROJECTの孤高の世界を締めくくるにふさわしいナンバーだ。

250v_2今風ではない、トラディショナルなツーバス・プレイを聞かせてくれた金光さん。
こういうツーバスならいいナァ。
金光さんは普段とは異なるツーバス・スタイルに慣れようと、実はNATALのツイン・ペダルを使って事前にしっかりトレーニングを積んでいたのだ。
「ツーバス、バッチリでしたね!」と言うと、謙虚な金光さんは、「ありがとうございます。でも、あんなんでバッチリなんて言われたら本格的にやっている人たちに失礼ですよ!」…いいえ、バッチリでした!

260v_2何か武道で初めと終わりに神棚に向かうような儀礼的な雰囲気のメロイック・ポーズ。
「今日も無事に歌わせて頂きました」とRonnieへ感謝の気持ちを込めて報告しているのだろう。

270v_2アンコールはBLINDMANとAPHRODITEのボーカリストが参加しての虹部。
今日の活動の課題は「Kill the King」。

280_2ホラ、私の「ロック原風景」。
「Burn」じゃなくてヨカッタ。
もう耳にタコタコの「Burn」は「ban」して欲しい。「Stratus」と「Spain」も同様。
私はこの曲のリフの元となったと言われているGershwinの「Fascinating Rhythm」を聴く機会の方が多いが、もうダメ!聴いてても「Burn」が出てきちゃって!
間違いなく名曲中の大名曲なんだけど、あのリフの出て来る回数が多すぎんだよね。
そりゃ、カッコいいリフだけど…ってんで数えてみた。
「♪ジャジャラジャジャ~ン、ジャジャラジャジャ~、ジャジャラジャジャ~ン、ジャジャラジャジャ~ン」の4小節をひと単位として、曲の中にこのリフが何回出て来るかと言うと…ナ、ナント21回!
つまり、全尺で何小節あるのかは知らないが、この曲は84小節をリフに費やしていることになる。
マァ、音楽の良し悪しは長短や反復でキマるワケじゃないけど、さすがに飽きた。
演奏するサイドも、飽きてしまって、もう普通に弾くんじゃツマらないので「Major Burn」なんてのを演ってる人がいたけど、アレは面白かった。
それでも中学生の時に初めて聴いた時は感動したわナァ。
そもそもタイトルがいいもん。「バーン」なんてさ。ま、周りの子たちは「紫の炎」って呼んでたけど。
今回この作業をするのに久しぶりにオリジナルをキチンと聴いたけど…カッコいいね。
でも同時に、「コリャ今の若い子たちは聴きたがらないだろうな」…と思ったよ。重厚長大すぎちゃうんだよね。
え、「ban」ってどういう意味かって?辞書引いてみて!
ゴメンナサイ!
話は「Kill the King」なのです。

290今日はトリプルボーカルズで「♪デンジャ、デンジャ」とゴキゲンだ。
誰か「♪チャンジャ、チャンジャ」なんて韓国のウマいモノの替え歌でもやらないかな?「Kimuchi the King」とかいって。
あ、全Rainbowファンを敵に回してしまったか?
イエイエ、私もかつては好きで、初来日公演を武道館に観に行きましたから!
  
やっぱコレも間違いなくハードロックの名曲だよね。
「danger」と「stranger」、「Power」と「devour」、「treason(反逆)」と「reason」等の単語で韻を踏ませているところがすごくカッコいい。
ところが、コレらは他の単語がすべて名詞であるのに対し、「devour」だけが「むさぼり食う」という動詞なんだよね。
ココ、歌詞を書く時、相当苦しかったんじゃないかしらん?
スタジオ・バージョンのRonnieの歌を聴くと「devour」だけ少し声を落として語調を変えているのがわかる…なんて思ったんだけどいかがだろう?
コレは結局、謀反だとか、国家転覆の陰謀の歌なんでしょ?
イギリスなんかはこうした「マクべス」のような話なんかいくらでもあるからね。連中は子供の頃からその歴史を学校で習ったり、そこら中にある戦争に関する博物館で学んだりする。
だから、こんな曲を作る時も、我々なんかが想像できないような感情を持って作業するんじゃないかな?
日本でやったら、やれ「明智」だ、「本能寺」だ…とか、「信之」だ、「幸村」だってなことになるワケでしょう?
もうソロソロそんな曲があってもいいんじゃないかしら?
ちなみに私は真田では案外「昌幸」が好きです。
日本語のロックの歌詞は人名にしても地名にしてもあまりにも固有名詞が少ないんよ。固有名詞がバンバンでてくるのは「お国自慢のご当地ソング」ぐらいだもんね。
それと、「韻」。やっぱりカッコいいよね。
同じ韻でも、日本人のラップがお笑いにしか聴こえてこないのは私だけだろうか?

300もうココは水を得た魚。
ノンちゃんの弾く、ますますまっ黒なトーンとフレーズに大歓声が上がった。
 
島紀史の詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Offcial Site

240

今回もAPHRODITE並びにJILL'S PROJECT-Dで岡垣正志ならではの世界を構築した。
「様式美」…どこまでも追及してもらいたい!

   

JILL'S PROJECTの詳しい情報はコチラ⇒JILL'S ROOM BLOG

310v_2

さて、クルベラブリンカのライブ・レポートでも触れたが、昨秋行われたTerra Rosaのワンオフ再結成ツアーのもようがライブ・アルバムとして7月26日にリリースされる。
岡垣さんのキーボーズが唸りまくるTerra Rosa。APHRODITEやJILL'S PROJECTのルーツを探る意味では貴重な音源になることは間違いないだろう。
そして、驚嘆すべきは岡垣さんが膨大な時間をかけて作り上げたという「テラローザ ファミリーツリー 地獄絵図…最新版!」だ。
何たるメンバー・チェンジの多さ!
私はリアルタイムに体験をしていないので、ものすごく有益な資料となる。
三宅さんはかなり初期に在籍していたものかとばかり思っていたんだけど、ツリーを上から見ていてなかなか出て来なくて驚いたわ。
ギタリストの系譜をたどると、足立祐二、三宅庸介、鈴木広美、今井芳継と、おなじみのご芳名が並んでてうれしかった。
コレ、作るの本当に大変だったと思う。
岡垣さん、大切に利用させて頂きます。

320cd  

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年6月10日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2017年7月20日 (木)

Marverics & Mystics~BLINDMAN & APHRODITE

  

すでにMarshall Blogでも数回レポートしている目黒鹿鳴館のシリーズ企画、『Marverics & Mystics』。

10今回の出演は、冒頭にBLINDMAN。

20ボーカリスト レイ

30中村達也

40v戸田達也

50v松井博樹

60實成峻

70vBLINDMANはほぼ1年前にも同名の企画で鹿鳴館の舞台を踏んでいる。
その時のレポートを見ると、「Marshall Blogが新しくなってから初めての登場だ。おかえりなさい、BLINDMAN!」とあった。
それからというもの、BLINDMANには既に何度かMarshall Blogにご登場頂いている。
要するに絶好調なのだ。

80

…というのも、若きドラマーを迎えて昨年末にリリースしたアルバム『TO THE LIGHT』が大好評で、まさに「いつやるの?今でしょ」状態ということなのであろう。
こうした伝統的な名門ロック・バンドの元気がいいとうれしいね。とても頼もしく思える。

75cd1曲目は『TO THE LIGHT』のオープナー「Rising Sun」。
ク~、相変わらずの真性ブリティッシュ・ハード・ロック・サウンド!

90v…とくればMarshallがなければ始まらない。
達也さんは今日も愛用のJCM800 2203で暴れまくる!

100間髪入れずタイトル・チューンの「To The Light」。

110ズッシリとした思いミディアム・テンポに乗ってレイさんがジックリとメロディを聴かせる。
歌い出しのメロディが実にいいのよ!

120達っつぁんのソロ。
泣かせます、歌わせます…余計なことは一切歌わない威厳のあるギター・ソロだ。

130vMCをはさんでタイムマシーン。
1999年の『Being Human』から「Blame Yourself」。
ハハハ、ジャズのスタンダードには「Don't Blame Me」という曲があるんだけどね。

140続けて1998年の『Sensitive Pictures』からも1曲セレクトされた。
「When the Full Moon Rises」だ。
20年も前のレパートリー。
それでも峻くんは立て板に水のごとくスティックをさばいていく。
この曲が世に出た時って峻くんはまだ小学校低学年だって!
そう!
こういう新旧のミュージシャンの混じり合いこそ今のロック界に絶対に必要なことだと思うのよ。
   
ん~、BLINDMANでのNATAL…いいな。
やっぱり地産地消、ブリティッシュ・ロックにはイギリスのドラムスがベスト・マッチするということ。

150vソロでは密度の濃いフレーズを編み上げ、バッキングでは重要な役割を担うキーボーズ。
松井さんのプレイからも目が離せない!

160v2回目のMCをはさんで飛び出したのは「A Pain in the Neck」。
辛いよね~、寝違えちゃうと!

170コレはそんな首の筋の痛みなんか一発で吹っ飛んじゃうゴキゲンなナンバー。
『TO THE LIGHT』に収録されているんだけど、サビのバッキングがヤケクソにカッコいい!

180v順調にブッ飛ばしまくる達也さんのソロ!

190v新作からの選曲はココまで。
残りは過去のレパートリーを取り上げた。
BLINDMANには長い歴史があるからね~。
古いファンも大よろこびだ。
2012年の『BLAZING CRISIS』からタイトル・ナンバー。

210

その前作『Subconcious In Xperience』から「Turn Around the Heat」。
もっとさかのぼって2000年の『…IN THE DARK』から「The Touch of Gray」もプレイした。
レイさんはいくつバンドをされているのが存じ上げませんが…また新しい強力なプロジェクトへの参加が決定したそうで…そちらの方でもワタシのことよろしくお願いします!

200v達也さんのギターもタップリとフィーチュア。
ファンはうれしいよね~。
「イングヴェイ以前」と言ったら間違いなのかしらん?やっぱり私なんかはこういうギターがシックリくるわ。

220vそして、最終コーナーへと差し掛かる。

230再度『BLAZING CRISIS』から「The Tears of God」。

240vそして最後を締めくくったのは『BEING HUMAN』から「Living a Lie」。

250vもうノリにノッテる自分たちの演奏を聴かせたくてしょうがない!…という情熱が伝わってくるかのようなステージ。
こういうロックならいつでも大歓迎だ!

260v8月20日にはTAGAWAとのダブル・ヘッドライナーが決まっている。
場所はここ目黒鹿鳴館。
見逃せませんな~。
達也さんとヒロアキくんのギター対決も見ものだけど、浩二さんと峻くんの師弟対決もスゴそうだ。
とにかくMarshallサウンドがテンコ盛りのライブであることは間違いない!
  

BLINDMANの詳しい情報はコチラ⇒BLINDMAN Official Web Site

270vBLINDMANに続いてステージに上がったのはAPHRODITE。

280岡垣正志

290v荒木真為

300v西村守

310vANI-Katsu

320v堀江睦男

330v

ココのチームはメンバーやサウンドが安定しているのはもちろんのことなんだけど、皆さん、衣装もいつも同じでメッチャ安心感があるな~。
コレぞ様式美。
イメージというのはホント大切だ。

340APHRODITEは昨年の11月にも同じイベントに登場しているが今回もその時と同じ曲をオープニングに持ってきた…「アンシャン・レジューム」。
浅学にしてこの言葉をし知らなかった私は意味を調べて前回のレポート記事内に記した。
そしたら、アータ、小池さんよ!
「小池さん」ったってラーメンばかり食べている小池さんじゃないよ。
小池都知事ね。
記者会見だか何だかでガンガン「アンシャン・レジーム」って盛んに言うじゃんよ!
驚いたよ~!
小池都知事がAPHRODITEのファンだとは知らなかった!

350vドラマチックに展開するスピード・チューン。
ドラマチックな曲にはドラマチックなギターの音色が必要だ。

360vとなるとMarshallの出番だ。
西村さんはJCM2000 DSL100を使用した。

370岡垣さんのカッコいいキーボーズからスタートするのは「人形愛」。

390v

APHRODITEのステージでは必ず演奏されるスタンダード曲だ。

380vちょっとテンポを落として「Long Live The Dead」。

400こうした重厚なサウンドではこのへヴィなリズム隊がいてこそ。

410このフィールドでは「名リズム隊」と呼んで何ら差し支えはなかろう。

420お!「詩人シャロ―」だ!
難解すぎてわからんわ!
前回は瀧口修造のアブナイ詩を紹介したんだっけね。

470

ココでAPRODITE名物、岡垣さんのキーボーズ・ソロ・コーナー!

450vスポット・ライトを浴びて幽玄にして壮大な世界を演出する岡垣さん。

460徐々にエキサイトして鍵盤たちとマジでタイマンを張るこのコーナーは人気の的だ!

490

APRODITEのステージももう終盤だ。
へヴィに「Fear」をプレイ。

480v今回は西村さんのア・カペラのギター・ソロも披露されファンを狂喜させた。
このソロに限らず、今回はいつもより西村さんのフィーチュア度が高いと感じたのは私だけか?
ハイ皆さん、Marshallギタリストさんはドンドンフィーチュアしてあげてくださいね!

440「Edge Of The World」をロング・バージョンで演奏。

510そして、様式美を貫くAPHRODITEのステージにもってこいの曲を最後にプレイした。
「紅蓮の炎」だ!

520キーボーズは岡垣さんにいいように蹂躙され叫び声をあげる!

500やっぱりこうしたブリティッシュ・ロックを基調としたサウンドってのはいいね。
「ロック」を聴いているという感じがしますな。
人の数だけ「ロック」があるのだろうが、「原風景」とかいうの?私にとっての最終的な「ロック」ってやっぱりブリティッシュ・ハードなんだな。
13歳の時、Rainbowの『Rising』がリリースされ、比較的すぐに聴いて「ナンじゃ、コリャ?ずいぶんやかましい音楽だな…」と思った瞬間に刷り込まれたんだろうね。
今となってはプライベートではこの手の音楽を聴くことは全くないけど、今日のようなプログラムとくればいつでも楽しむことができるのだ。
「三つ子の魂百まで」っていうヤツ。
この後、岡垣さんがJILL'S PROJECTで再びステージにあがる。
ギターはノンちゃん。
楽しみだ!

530岡垣正志とAPHRODITEの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website

540つづく
  

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年6月10日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2017年7月19日 (水)

ARESZ 7弦Guitars☆那都己セミナー

おお!ナンダ、ナンダ!
暴走族の出勤かッ?!

10v…と思ったらARESZ!
今日は前回の翔己くんの6弦ベース・セミナーに引き続いて7弦ギターの那都己くんのセミナーが開催されるのだ。
昨日のペギちゃんのNATALに続いてMarshall Blogでイベント・ネタが2日続くのは初めてのことかも?

20_2ステージの上にはズラリとMarshall!
左からASTORIA CUSTOM(アズキ)、ASTORIA CLASSIC(抹茶)、JVM210Hと1960BV、JCM2000 DSL100と1960A。
その上のラックの中にはJMP-1も収まっている。

30_2今日の講師、ARESZ 那都己!

40_2まずは機材の説明から…ということでMarshall。
「日本国中どこのスタジオへ行っても、ライブハウスに行ってもMarshallがあるので、Marshallで自分の音を作っておくことはロック・ギタリストの重要な課題です」
那都己くんはJCM800 2203からMarshall道に入ったそうだ。

50_2アンプとエフェクターの重要性を説きながらJVMを解説。
2007年、つまりJVMが発売になった頃、もうこのJVMのデモ・ショウを日本全国でどれだけやったことか…。
JVMがJCM2000シリーズに続いてこの世に現れてからもう10年経つのね?
早いナァ~。
Marshallの工場で開催された発表会のことを思い出す。
当時デビューして間もないThe AnswerやDoug Aldrichがデモンストレーションをしたんだっけな。
お、待てよ…私がタバコを止めたのはこの時だから、吸わなくなって10年経ったのか…。
遅いナァ~。

70_2

そして、那都己くんがこの日初めて試したASTORIA。
「とても感動しました。指やピッキングの使い方で色んな音を出してくれます」…と、実際の音を聴かせながら、一台一台とても丁寧に解説してくれた。
ARESZはベースが2本という特殊なインストゥルメンタリゼーションであるため、どういうギターの音を出すのが最もふさわしいか今でも試行錯誤を繰り返しているそうだ。

60_2続いてギターの部。
140_2

那都己くんは変形ギターがお好き。
フライングVが那都己くんにとってはスタンダードな形なのだそうだ。
ARESZに加入した時もJCM900をゲットしてVで鳴らしていたとのこと。

100v_2ARESZと言えば人類の能力を超えた激しいステージ・アクション。
話はそのアクションにも及んだ。
125最初の頃は、楽器を弾くことだけで精いっぱいで、アトラクションとして誰かに見せるような弾き方などとてもできなかったという。

170vつまり、お客さんのことを見る余裕などまったくないし、自分の所作を全然カッコよくないと思っていたそうだ。
そこで、ギターを提げて、家で鏡を見ながら徹底的にポーズを考え、身体にスリ込んだ。

130v

そんな苦労の甲斐があって今ではこんなこともできるようになった!

290v

「ARESZに入ってからは、シッカリ演奏して、シッカリ動いて、それがとにかく自然にやっているように見えるよう努力をしました」
また、ひとりだけ目立たないようにも注意しているのだそうだ。
フロントのメンバー4人(写真では手が「3」になっておりますが…)がカッコよく見えないとダメだという。
なるほどね。
確かにそうだ。
あの一糸乱れぬ頭グルグルをひとりでやっていたり、回す方向がバラバラだったりしたらアクションの意味が半減しちゃうもんね。
しかし、一体だれがあんなこと考え出したのよ?
我々の世代のロックにはなかったよ。

110v

そうするためには「自分たちの感情をお客さんにシッカリと伝える気持ち」がないとダメ。
ギターの技術だけでは伝わらない。
その「伝える気持ち」をステージからお客さんに飛ばすつもりで演奏しているのだそうだ。
なるほどね~。
伝わってるわ~。
90_2ARESZはボーカルズの瑠海狐さんとベースの雅己さんがオリジナル・メンバーで、結成2年後にもうひとりのベースの翔己くんが加入。
結成10年後に那都己くんが入った。それまではARESZのローディをしていたのだそうだ。
始めのうちはメイクをすることに大きな抵抗があったそう。
しかし、ARESZがARESZであるためにどうあるべきかを考えた時、「継続」が大切であると思ったという。

120_2

ARESZは結成23年を迎えるそうなのだが、失敬ながら私は昨年末までこのバンドのことを知らなかった。
私は年間100~150回以上コンサート・ホールやライブハウスに行くことをカレコレ約10年の間続けているのだが、よく今まで一緒にならなかったのかすごく不思議。
それとも忘れていたのかな…イヤイヤ、こんな人たちは一回見れば忘れるワケがない!
それがチョットしたハズミ…というのはFEEL SO BADなんだけど…でこうして知り合うのだから面白い。
  
で、ですね、初めて会った時からメンバーの皆さんとは何となく波長があって、すぐに仲良くなってしまったのね。
那都己くんがセミナーの中で「メンバーを信じることや礼儀を重んじているのがARESZなのだ」みたいなことを言っていたけど、まさにソレ。
挨拶は決まってキチンとするし、つつましやかな態度は本当に好ましいモノで、誰もが避けたがる力仕事もみんな進んで取り組んでいる姿は見ていて実に気持ちがよい。
今はもうロック・バンドに「いい子」も「悪い子」もないでしょう。
「ロック=反抗心」みたいな精神は完全に消え失せた。
いいですかアータ、今では高校、あるいは中学で学校を上げて軽音楽部のバンド活動をプッシュする時代ですよ。
しかも部員のほとんどが女子だという。
もちろん彼女たちはかつて「エレキギターが不良であったこと」を知らないだろう。
この状況が良いとか悪いとか、ロックだとかロックじゃないとか、などということは関係ない。
「それが今のロック」という事実が目の前にあるだけだ。そして、それがマジョリティであるということを忘れるべきではない。
だから、昔のロックンローラー気質でトッポくしみても世間から疎まれるのが関の山よ。
そんな態度を取るよりも、礼儀礼節を重んじ、謙虚さを忘れないで周囲の人に可愛がってもらわなきゃ損だ。
そして、自分たちだけの音楽を作る。
正直、23年もやっていればARESZも最早「若いバンド」では決してあるまいが、ARESZが見せるそうした普段の行動からは、本当に音楽が好きでやっている初々しさのようなものが伝わってきてすごくうれしいのだ。

160この那都己くんのセミナーもそんなARESZの真摯な姿勢が垣間見れる好感度の高いモノであった。
やっぱりギター・アンプは真空管、すなわちMarshallだね~。
  

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

180_2(一部敬称略 2017年6月12日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2017年7月18日 (火)

ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子

  

ココは八王子。
東京工科大学に併設されている日本工学院八王子専門学校。
今日はグッドモーニングアメリカのペギちゃんのNATALのクリックがココで開催される。
「キャンパスが広くてわかりにくいので正門で待ち合わせましょう!」ということでペギちゃんが来るのを待つ。
ゴルフ場の入り口みたいだ。

2_2img_3944

構内に入ってビックリ仰天!
スゴイ。

10何たるゴージャスなキャンパス!
私は東京のど真ん中の学校に通っていたので、キャンパスはまったくなかった。
それだけにこういう光景に憧れてしまうね。

20「FOODS FUU」というフード・コート!
他にも大変立派な食堂があって。昼食をごちそうになったのだが、学食らしく安くてボリュームもタップリ。
「学食」とはいってもメニューが我々の世代のモノとはまったく異なる豪華版だった。
しかし、今にして思うと、あの学食のメニューってのはどうしてあんなにもマズかったかね~。
いくら値段を抑えて大量生産せざるを得ないといってもあまりにヒドかった。
ナニもあそこまでズイマにする必要はなかろうに。

30構内は緑も豊富!
「躍進」と題された駿馬のオブジェが目を引く。

40八王子の山を切り開いて造ったとだけあって、市街地から距離はあるが、たくさんのバスで常時送迎しているので安心。

50コレは地球防衛軍本部。
今日の会場はこの中だ。

60「研究棟」と呼ばれている施設に入るとこの通り。
スゴクね?

70「朝の調べ」という彫像が出迎えてくれる。
やっぱり「朝の調べ」となるとグリーグの「ペール・ギュント」か?エルガーの「朝の歌」か?

80会場はココ。

90コレがまたスゴイ。
「Music Pavilion of Real Dreams」という名前のスタジオ群。
イギリスで「パヴィリオン」といったら、ブライトンにある「快楽の王子・ジョージ四世」の別宅を指しますからね。
このあたりに興味のある人はコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.23~BrightonでRock!

100v設備&防音完備のきれいなスタジオがズラリ!
このスタジオをお借りしてNATALのクリニックを開こうというワケ。

120別のスタジオでは…お~、竜(りょう)さん!
高橋竜さんはコチラの学校で教鞭をお取りになられているのだ。
今日は来年の入校希望者のためのオープン・キャンパスで、アチコチで公開授業が開かれているのだ。

130NATALのクリニックの会場はココ。
中央にペギちゃんの24"バスドラムのメイプルのキット。
両側にアッシュとバーチのキットを設置した。

140はじまり、はじまり~!
冒頭はペギちゃんと私のオープニング・トーク。
ペギちゃんはトークがすごくウマいのよ~。
しゃべるポイントだけを記した簡単な台本は用意していたが、彼がグイグイしゃべって方向性を示してくれるので、ほとんど台本いらず!

150まずは景気づけにバッキングトラックに合わせたペギちゃんの模範演奏。

160v24"のバスドラが大迫力!
バスドラの音に定評があるNATALのキット。
コレは素晴らしい!

170いつもグッドモーニングアメリカの演奏で見聞きしてはいるものの、こうして単独でペギちゃんのドラミングを聴いていると、その良さが明確に伝わってくる。
もちろんキットのホレボレするような良質なサウンドはバンドの中でも際立っていることは言うまでもない。

180またこのスネアがアホほど強力だ。
色が似ているのでキットとおそろいのスネアかと思われるかもしれないがさにあらず。
コレはペギちゃん大愛用の14"x5.5"のアルミ・スネア。
芯がシッカリしていて、花があって、そして破壊力抜群のNATALスネア・ドラムの傑作だ。

185時と場所を選ばない相変わらずの大熱演で未来の生徒さん(=未来のNATALドラマーさん)たちの目はテンだ!

190vペギちゃんの好リードでトークのコーナーも順調に進む。
私からNATALの説明をさせてもらったり、ペギちゃんがメイプル、バーチ、アッシュの音色の違いを実演で説明した後…

200v楽器の種類を問わずクリニックでは必ず出て来る「練習方法」についてコチラも実演を交えて詳しく説明。
実はペギちゃんは今時珍しく、学校でドラムを教わっていない。
よってラタマキューだのオダキューだのフラマキューだののには詳しくないかわりに、彼独自の練習法が紹介され、受講生の大きな関心を引き寄せた。
しかし、いつも思うんだけど、あのアメリカン・ルーディメンツっていうのはスゲェ不思議だよな~。
主にマーチングの人たち向けのモノなんだろうけど、本当にアレをマスターしなきゃイカンのかね~?
アレがどういう風に役立っているのかがものすごく「謎」なのだ。
私がドラマーだったらまずあんな地道な練習できんぜよ。
でも名前は十分おもしろい。
「フラム・パラディドル・ディドル」なんて「PPAP」みたいじゃん?
「♪I have a フラム・パラディドル、I have a パラディドル・ディドル、ンッ、フラム・パラディドル・ディドル」って感じ?
ちなみに「diddle」というのは「早く上下に動かす」という意味。
さらに頭文字を「r」に変えて「riddle」にすると、それは「なぞなぞ」という意味。
やっぱりルーディメンツは私にとって「謎」だ!

205そして、ペギちゃんの呼びかけで受講者に皆さんにNATAL体験をしてもらった。

210まったくの未経験で入学される生徒さんもいなくはないが、やはり経験者が多いということで、もう皆さんドシャメシャと思う存分試して頂いた。

220皆さんの試奏中にもペギちゃんの親切な解説が続く。

225女の子チームも積極的にトライ!

230最近は本当にスゴイ女性ドラマーが多いからね~。
ドンドンやっちゃってくださいよ、NATALで!
250v彼はペギちゃんのリクエストでご登場頂いた。
ペギちゃんが頑強そうな彼の体躯にひとめ惚れし、そのドラミング・サウンドが「どうしても聴きたい!」と無理やりお願いしてドラムを叩いて頂いたのだ。
そうなんだよね、楽器はカラダなんだよね。
演奏する方も音を奏でる方も「体は音を表す」なんだ。
Marshallがデカいのも伊達や酔狂ではない。
見てごらん、デジタル・テクノロジーが普及して以降、「小型、小型」とみんな利便性を追求しすぎて、世間の楽器の音がドンドン軽薄になってる。
「大きいことはいいことだ!」が「真」であることが認められる時代に早く戻って来てもらいたいものだ…「大きいこといいことだ」かな?

240vそして、よせばいいのに、私も調子に乗ってコーナーを頂戴して少ししゃべらせて頂いた。
「どうせMarshallのことだろうがよ!」って?
ちゃうちゃう!
ナニについてしゃべったのかというと、「みんな、もっと色んな音楽を聴こうよ!」ということ。
ココに詳しく書いちゃうとヨソでこの講義ができなくなっちゃうので割愛するが、ミュージシャンにも一般リスナーにも最近は聴かれている音楽があまりにも一点集中しすぎているので、世の中にはもっとたくさんのいい音楽があって、それを楽しまずして死んでいくのはあまりにもモッタイナイ!…ということをクラシックから民族音楽まで実際の音源をはさみ込みながらしゃべらせて頂いた。
こういうのは実にやりがいのある仕事なのだ。こういうお仕事お待ちしております。

260他にもグドモの曲におけるドラミングの解説などを経て…

270v再びペギちゃんの模範演奏で締めくくった。

280私は撮影班に早変わり。
こう見えても案外忙しい。

290ペギちゃんはいつも心からドラムをプレイすることを楽しんでいるように見えるね~!

300最後に記念撮影。
先に記した通り、今回は来年度の入校希望者のみしか受講できない貴重なクリニックだったのだ。

310ハイ、お疲れさまでした~!
  
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

320日本工学院の詳しい情報はコチラ⇒日本工学院公式ウェブサイト2_img_0033

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

 
(一部敬称略 2017年6月11日 日本工学院八王子専門学校にて撮影)

2017年7月14日 (金)

KRUBERABLINKA~春のクルベラ 新曲も聴いてね

 
「待ってました!」のクルベラブリンカ、春の東京公演。
日本人ならではの独自のロック道を邁進するクルベラブリンカの音楽はいつ聴いてもクリエイティブだ。
場所は東京のホーム、四谷三丁目のソケーズ・ロック。
まずは驚いたのはコレ。
お店の数軒隣にあるラーメン屋の前に置いてあった生麺の通函。
私はこの製麺屋をよく知っていて、「こんなところまで配達しているのかよ!」とビックリした次第。
この製麺屋に話を聞いたことがあるのだが、何でも都内ではラーメン屋が増える反面、製麺屋がメッキリ減ってしまってオーダーの一極集中が進んでいるそうだ。
製麺屋さんを見たことがある人ならわかると思うのだが、事業所の周りは小麦粉で真っ白け。
恐らく近所から苦情が殺到したりして、町中で営業できなってしまうケースも少なくなかったのではなかろうか?
「ライバルが減って、オーダーが増えれば景気が良くていいね~!」なんてことを言ったら、「冗談じゃないですよ!製造がオーダーに追い付かず、従業員は休みなく夜中の2時から働いているんですよ!」…なのだそうだ。
ラーメン屋が一斉に開店する11時ぐらいには配達を完了していなければならないのだから、なるほど大変な状況が想像できる。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」…か。
どこの業界も大変だよ。
この製麺屋さんは小売りもしていて、ラーメンだけでなく、時々餃子とかワンタンの皮を買いに行くんだけど、ヤケクソにおいしいの。
作りたての餃子の皮なんて、アンをくるみやすいし、焼いた時の食感から香りから…一度食べちゃうとそこらのスーパーで売っているヤツはとてもじゃないけどマズくて食べられなくなっちゃう。
もちろん生ラーメンもおいしい。
コシがあってノビにくく、大きめのナベにタップリのお湯で茹でてやると最高にうまい。
コレでおいしいスープがあれば最高なんだけど…そこまではやっていないのです。
あ、イカン、ライブハウスに戻らなきゃ!

2_img_3837さて、今回は珍しく白いシャツに身をくるんだ和重さん。
コレまた珍しく、冒頭にご講話があった。
それは、この日限定で販売したカクテル「メロン」の説明。

2_img_0063クルベラブリンカの曲を元に、ジンをベースにして作られたカクテルだ。
「メロン」はね~、思い出深いんですよ。
いつか書いたことがあったけど、高校の時の古文の先生のアダ名だったから。
禿げていて、頭が人一倍大きなことから付けられたアダ名だったが、大きさだけでなく、その強度もズバ抜けていた。
学校の本館の入り口の分厚いガラス・ドアが閉まっていることに気付かず、アタマから突っ込んで、そのガラス・ドアを粉々に砕いてしまった。ところが、メロンのアタマには傷ひとつ付かなかった…という武勇伝があった。
顔はおもしろかったけど、授業はツマらなかったナァ。

10_2クルベラブリンカは…
ボーカルスに赤尾和重。

40v_2ギター、鈴木広美。

50vベースに鎌田学。

60vドラムスは泉谷賢。
いつもの4人。70v和重さんの冒頭のMCに続いて1曲目に演奏したのはヘビー・チューン、「場所」。90v続いてギターのイントロから始まるのは「TEST TUBE」。

80双方、最近作『Conicalify』からのチョイス。
クルベラブリンカはアルバムを一枚一枚を実にていねいに、そして着実に作っている感じがするね。
やっぱりミュージシャンはアルバムを作るのが生業だからして、彼らのアルバム制作に向き合う真摯な態度にはいつも感心させられる。

30cd_2

「改めまして『クツベラ』…、イヤイヤ、クルベラブリンカです!」
いきなり『赤尾のギャグ単』からのネタを披露!
そして、ご挨拶の後に紹介されたのが…ワタシ。
Marshall Blogが取材に入っていることに加えて機材の紹介をしてくれた。
和重さん、いつもありがとうございます!

105vまずは広美さんのMarshallから。

110vヘッドはJVM210H。
2x12"のスピーカー・キャビネットは1936ね。
Marshall好きの和重さんはそのサウンドを「温度の高い音」と形容されている。120v足元のようす。

130_2鎌田さんのEDEN。

140vヘッドはTERRA NOVA TN-501。
スピーカー・キャビネットはD410XST。
和重さん曰く、「以前のモデルより少し音がハッキリしていた感じ?」
そうなんです、こんな小さい鳴りで音ヌケ抜群、そして音作りの幅もすこぶる広いモデルなのです。

150泉谷さんのNATALはメイプル。
「鳴りが『ボンっっっ』と太くてカッコイイ!」とのこと。
その通り!

160_2「選挙の街宣カーで『大きなマイクで失礼します!』と言っているのがありますよね。『大きなマイク』ってどんなやろ?」
そうそう、わかる!
私の場合、「セメント」なのね。
生コンクリートを指して「セメント」っていう人が結構多いんだよね。「セメン」とか言う人もいる。
セメントはコンクリートを作る材料の粉です。
そこに水を加えて混ぜると「セメント・ペースト」。
それに砂を混ぜたものが「モルタル」。
さらに砂利を入れたものが「コンクリート」ですから。
街で見かけるコンクリート・ミキサー車(専門用語では「コンクリート・アジテーター車」という)の後ろのグルグル回っているヤツに入っているものは固まる前のコンクリート、すなわち「生コン」で、セメントではありません。
せっかくいい機材紹介をして頂いたのに、相変わらず「セメント」ネタで燃えてしまってすいません!

170v_m楽しい機材紹介コーナーに続いたのはセカンド・アルバムのタイトル・チューン「海図」。

180♪ザザッザ、ザザッザと迫りくるミディアム・テンポのへヴィ・チューン。
カッコいい曲だにゃ~。
190v転調に合わせてめくるめくようなフレーズを繰り出す広美さんのソロ。

100v 4曲目は久しぶりに取り上げられた「メロン」。
前の曲と同じく『海図』に収録されているアコースティック・ナンバーだ。
「メロン・ソーダみたいな曲が欲しいわ!」と言ったら出来た曲だとか。
ホンマかいな?!
次回はゼヒ「遺伝子組み換え操作をしていない材料で作ったビールみたいな曲が欲しいわ!」でお願いします。

200_m冒頭に書いた通り、この日は特別にこの曲にちなんだカクテル「メロン」が販売された。
和重さんはその「メロン」を片手にジックリと歌い上げたのだ。
210vメロン色のライトに包まれたギター・ソロはここでも自由奔放だ!

220v場面変わって『Blanko』から「ピエロの心臓」。

230_pクールに5/8拍子を刻むボンちゃん。
とてもナチュラルな変拍子だ。

240vファーストから「砂山」。
コレは和重さんのお気に入りなのかな?
よく取り上げられるナンバーだ。
途中ガツンと四度進行するので、マイナー・ブルースっぽいイメージもあるが、演歌のようなテイストもあるので、レコーディングの時は「『演歌メタル』ということで紅白に出れるかな?」と冗談を飛ばし合ったとか。
和重さんでも紅白出たいんだね~。
でも、もはや紅白での演歌の地位もずいぶん変わっちゃったもんね。
我々の世代やそれ以降の世代で演歌を聴いている人なんてもうほとんどいないでしょう?
すると、演歌は近い将来の絶滅を避けられないだろう。
こうして考えみると、演歌もほとんど「伝承」ができなかったのではなかろうか。
その次は我々の世代のロック、すなわち70年代前半以前のロックがこの世から消え去るでしょうね。
だって状況が演歌と同じだもん。
チョット失礼しますよ…。
いいですか、芸術とか芸能ってものは作り手はもちろん重要なんだけど、それと同じぐらい、イヤそれ以上にそれらを味わったり、楽しんだりする人たちの方が大切なんだよね。
簡単に言えば、「芸術家より消費者の方が大事」ということ。
ナゼなら、芸術や芸能はなければないで片づけられるけど、作っている方はそれを嗜んでくれる人たちがいないことには創作物に意味が出て来ない。
誰かが楽しんでこその芸術や芸能ってことよ。
いつか戦前の琵琶の音楽の話をしたけど、聴き手がいなくなって絶滅した音楽はこれまでいくらでもある。
ひとつの音楽分野が消滅するってのはスゴイことだよね。
「トリビュート」と称してして昔の名曲を演奏する「コピー・バンド」が今は大流行りだが、コレも実は「伝承」とか「保存」にはならないと考えた方が妥当だろう。
理由は、演っている側と聴いている側が同じ世代だからだ。
若い人が興味を示しさえすれば、その手のモノに巨大な意義が見出せるだろう。
反対に落語を見てみて。
あの芸は、時折ブームのようなことが起こりつつ、細々ながらももう何百年も続いている。
徒弟制度がほぼ確立されていて、芸の伝承が確実に行われているということがひとつ。
ガムラン音楽みたいなもんね。
ガムランには譜面がないため、師匠が弟子に教え込むしか存続させる手段がない。
もうひとつは、落語を楽しもうとするお客さんが世代を超えて回転し続けているから。
歌舞伎もそう。
クラシック音楽やジャズもそう。
ロックだけはまったく違う。
だから、ロック業界も音楽を作ることよりも、音楽を聴く人を作る方が先決だと思うんだよね。それも若い聴き手を増やさなきゃダメ。
ま、こんなの釈迦に説法か…。
どうやってやるかは知らんよ。私の仕事ではない。
私はこのブログを通じて、ジャンルを問わず自分が魅力的だと思う音楽の情報を発信するだけ。
ま、結局の延命策は、ひたすらいい音楽を作るしかないんでしょうな。
クルベラブリンカのように替えのきかないクリエイティブなオリジナルを曲を作って、その時々の最も効果的な手段を使ってその魅力を広めるしかないでしょう。
もうひとつのアイデアとしては、作曲、作詞、編曲を楽理からキチンと勉強した専門家にお願いするということ。
軽音楽の「大政奉還」とでも言おうかね。
顔がカッコいいというだけで、つまらない自作曲を賛美してはイカンよ。
消費者サイドももっと「いいもの」と「悪いもの」を区別する能力を身に付けた方がいいと思う。ツケは自分に回って来る。
イカン、イカン、固い脱線になってしまった!

2_img_0031 「砂山」では鎌田さんのフレットレス・ベース・ソロがフィーチュアされた。
毎度言っているけど、MODULUS、なつかしいナァ。忘れじのベース・ブランドなのです。

260ふたたびタンバリンを手にした和重さんが熱唱しているのは「タンバリン」…じゃない「マンダリン」。
この曲は配信のみの発表だったので、いずれのCDにも収録されていないが、ライブではよく取り上げられる人気曲だ。

270_mdココでクルベラブリンカ・ライブの前半の名物、広美さんのギター・ソロ・コーナー。
弾くわ、弾くわ…独特の音色で徹底的に音符をブチ込んでくる!

280vそして、鎌田さんと…

290vボンちゃんが加わり…

300vスリリングなインプロヴィゼーションへと展開し…

305ダラブッカを小脇に抱えた和重さんが加わって「帳」。
コレもクルベラブリンカのステージに欠かせない、そしていかにもクルベラブリンカらしい1曲。
ディミニッシュの使い方がカッチョいい!

310_機材の紹介からメロン、インスト・パートからクルベラ・スタンダードまで盛りだくさんの第一部はこれで終了。

320黒い衣装にお召替えしての第二部。
いつもであれば、アコースティックを2曲ほど差し入れるところだが、今回はバンド形態で演奏が始まった。

330_cb曲は「Chamber」。
『Conicalify』の2曲目に収録されたドロップDのへヴィ・チューン。
ショウのオープ二ングにもってこいのノリノリな雰囲気を作り出す。

340vそして、今日のライブのタイトルにある通り、新曲を披露。
曲名は「Cell Division」。広美さんの作品。
「細胞分裂」やね。
「細胞」つながりでは、他に「単細胞」という曲が『海図』に収録されている。

350_cd「今どきの子ども達が大好きな、疾走感があって転調の多い曲を創ってみようか」…というコンセプトで作ったのだそうだ。
私も初めて聴いたのだが、オイオイオイオイ!コレどうなっちゃうんだ?という展開の転調ぶり!
無茶するな~。
ハイ、メッチャ私好みの曲でございます。

360vもうひとつ新曲が飛び出した。
「闇夜へドライブ」という曲。
前の「Cell Division」とは対照的なストレートな曲調。

370_ydこういう飾り気のない芯の通った曲をバッチリとキメるのもクルベラ流!

380vこの2人のコンビネーションがウネリを作り出すのだ。

390「ケッ、新曲はこれぐらいにしといたるわ!」と、ドライビング・チューンから一転して今度はバラード。(本当は和重さんは「ケッ」とはおっしゃっていません。上品な方ですので!SNSでは時折自分のことを「オレ」と呼んだりしていらしゃいますが…コレが滅法おもしろい!)
クルベラブリンカはさっきの「砂山」をはじめとした独特なバラード曲をいくつか持っているが、第二部では『Blanko』から「夜光虫」を取り上げた。

400_ycそして、新曲のお披露目と並ぶ第二部のハイライトがコレ。
続けて『BLANKO』からタイトル・チューンの「ブランコ」。

410_blメンバー各人のソロがフィーチュアされ、その技術を競ったのだ。

420v

430v

440v

450ナント総尺15分!
クルベラブリンカの「Space Truckin'」?
「お客さんを楽しませまくろう!」という趣向を凝らした演出の数々がニクイね?!

460「ラスト・ソング、聴いてや!」
第二部を締めくくったのも『Blamko』からの1曲、「案外」。アルバムもこの曲で締めくくっている。
景気のいいスピード・チューンで華々しく本編を終了した。

470v_agアンコールでは再びダラブッカを抱えて登場した和重さん。
このダラブッカという打楽器は「ドゥンベク」という名称の方がよく知られているだろう。
ウチの家内のライブのメモを見たら「鼓」と書いてあった。
一番わかりやすい!

475_cd曲は『Conicalify』から「カルデラ」。
Ian Gillan好きの和重さん。本当はコンガを叩きたいのだ。
IanがDeep Purple時代に使っていたコンガがNATAL製ということもご存知で、NATAL製のコンガをご所望頂いているのだが、まだ日本に入って来ていないのです。
いつかCaz Gillanを実現させましょね!

480最後までシャープなソロを聴かせてくれた広美さん。
新しいクルベラブリンカ・シャツをお召になっての熱演!

490v今度はカシシを手にした和重さん。
「案外」、「カルデラ」とアルバムのクローザーが続き、またしてもファーストアルバムの最後を飾った曲「業火」を持ってきて幕を下ろした。

510また、アンコールで演奏した2曲はデビュー作と最近作からのチョイスでもあった。
その間隔は5年!
早いな~。クルベラブリンカが始動してもう5年か!
メンバーは変わっても、全く微塵もブレない音楽に対するその姿勢が素晴らしい。

500v

今日は何となく、ここまでのクルベラブリンカの活動を総括するような意図もあったのかしらん?
新曲もあったことだし、ナンカそう思いたくなるような総花的なセットリストだったじゃんね?
おもしろかった~!
しかし…今回のライブの和重さんの最後のひと言は強烈だったよ!
「今度は9月にお邪魔します。
今日は大変大きなマイクで失礼いたしました~!」
ウマい!メッチャ狙ってた!

2_img_0222 さて、Marshall Blogでもレポートしたが、昨秋行われたTerra Rosaのワンオフ再結成ツアーのもようがライブ・アルバムとして7月26日にリリースされる。
クルベラブリンカの和重さんが歌うTerra Rosa。クルベラブリンカのルーツを探る意味では貴重な音源になることは間違いないだろう。

515cd毎回、一作一作を丁寧に作り込んでくるクルベラブリンカ。
大変かもしれないが、新作が楽しみだ。
アタシャ、「Chamber」のスタジオ・バージョンをとても楽しみにしてるのだ。

  
KRUBERABLINKAの詳しい情報はコチラ⇒KRUBERABLINKA Facebook

520v 

<オマケ>
おなじみMarshall社社長のジョナサン・エラリーと。
機材の紹介をしてくれたもんで、ジョンもよろこんでおります!

2_s41a0010  

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

 
(一部敬称略 2017年5月27日 四谷Sokehs Rockにて撮影)

 

2017年7月13日 (木)

Go! NATAL! Go!

 

今日の記事のタイトルは『フォレスト・ガンプ』から。アッチは「Run! Forest run!」だけどね。
  
さて、1965年の創業にもかかわらず、日本に入って来なかったがために見事に日本人の間には馴染みのないブランドだったNATAL。
でも、創業はMarshallよりたった3年後輩なだけなのよ。
Marshall傘下に入った後、日本に上陸した4年前、その名を知る者はMarshallの関係者とウチの家内ぐらいのものだったと言っても過言ではないであろう。
後はカルト的なT-Rexファンぐらいだったろうか?
しかし、最近大分認知度が上がって来た。
「石の上にも三年」、日本語版のウェブサイトもなしに、ココまでやって来れたのもNATALドラムにご理解を頂き、ブランドの普及に惜しみないご協力を頂いているドラマーや関係者の方々おかげ。
この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
…なんて改まった挨拶からおっぱじめると、「ああ!NATALもいよいよ店じまいか!」なんて思われそうだけど、ゼンゼン違うゼ!
その反対だゼ!
おかげさまでNATALドラムスはどこへ出してもホントに高いご評価を頂戴していて、ドラマーだけでなく、PAやレコーディング・エンジニアの人たちから評判がいいのが実にうれしい。
NATALをライブハウスを持ち込むと、「コレは一体なんですか?どこのドラムですか?」と興奮交じりの質問を頂くことが多いのだ。
…ということはまだまだ知られていないということなんだけど、ま、仕方ない。
「継続は力なり」を信じるしかない。
継続しま~す!
ところで、もう一回言っておきますけどね、NATALは「ナタル」ではないからね…コロコロチキチキペッパーズじゃないんだから。
「ナール」と「タ」にアクセントを置いて発音してくださいね。

10さて、今日のMarshall Blogは、新しいNATALの仲間を紹介する。
いずれも日本のロックを背負っていくであろうバンドのリズムやグルーヴを支えるドラマーたちだ。
つまりNATALの良さがわかる腕利きたちってことよ。

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さてさてさてさてさて、初めに登場するのは、「メランコリック写楽」。
まずこの名前にヤラれる。
「メランコリック写楽」だぜ!
姉妹バンドに「ダイナミック北斎」と「エキセントリック広重」がいる…ワケない!
女性ボーカルを擁するギター、ベース、ドラムというカルテット。

20
コレは今年の1月にリリースした最近作。
4曲入りのシングル『地球でねむらせて』。
まぁ、ユニークよ。
切れ味の鋭いハードなギター・トリオの演奏を従えて、ボーカルスのももすちゃんがホンワカというか、フワフワというか、独特の歌声を聴かせてくれる。
ま、私は後藤まりこちゃん以降、こういうのには驚かないけれど、間違いなく我々が育った時代にはありえなかったロックの形態だ
歌詞がまたスゴイ。やりたい放題。
さすがにこうなると70年代の初頭に「日本語がロックのリズムに乗るとか乗らない」とか、そんなことはあまりにもバカバカしい論争に思えるし、その血脈は完全に途切れていると思う。
やっぱりロックはその時代、その時代の若い人たちの間で進化を遂げていることを認めざるを得ない。
聴き出すとコレがなかなかハマるんですわ。
私もまだまだ若いってか!(ウソこけ!)

30cdメラシャラのドラマーはヨコピーTHEグルーヴマスター。
NATALのブビンガを使用しているが、今年ブビンガはローズウッドとともにのワシントン条約の輸出入規制品の対象になってしまったので、NATALはブビンガのキットの製造を終了した。
ヨコピーはこのブビンガのキットで「THEグルーヴマスター」の名に恥じないゴキゲンなドラミングを聴かせてくれる。
余談だが、よくMarshall Blogで「私の虫の知らせがスゴイ」って時々書いてるでしょ?
今回のもスゴかった。
ヨコピーと電話で話をしていた時のこと。
齢を重ねて来ると記憶力が著しく劣化してくるのは皆さんもご承知の通り。
私もその例にもれず、このメラシャラのアルバムのタイトルが咄嗟に思い出せずに、「アルバムのタイトルって『涅槃で待つ』だっけ?」と半ば悪フザケ、半ば当て推量でヨコピーに言うと、彼は「イエ、『地球でねむらせて』です」と言ったきり会話が止まり、二の句が継げないでいる。
私は彼が怒ってしまったのかと思い、沖雅也の「涅槃で待つ」にまつわる話をして失礼を詫びた。
すると、ヨコピーは「でも、なんで知ってるんですか?」と反対に私に質問を投げかけて来た。
「え、『知ってる』ってナニを?ただちょっとフザけただけなんだけど…」と私が答えると、「違います。そうではなくて、『地球でねむらせて』のジャケットのイラストを描いた米沢チャイナという人のツイッターのアカウントが、『涅槃で待ってる』っていうんですよ!今、死ぬほどビックリしました!」
あやうく私より先にヨコピーが涅槃に入るとこだった。
ま、単なる偶然ですよ。
ちなみに「涅槃」を英語で言うと、皆さんお好きな「Nirvana」ですな。

40vメラシャラは8月2日にミニ・アルバム『月夜の超特急』をリリースする。
それに先駆けてリード・チューンの「ムーンレフト伝説」のミュージック・ビデオが公開された。
チョット見てみて!
特に!2:00以降をお見逃しなく!
しかし、この曲、サビの「♪渋っているのよ…」のあたりがエラク耳につくわ!

メランコリック写楽の詳しい情報はコチラ⇒メランコリック写楽-official-

50  
  
次はOZ RAM INDIOというバンド。
コチラはボーカルスとベースが女性、ギターとドラムスが男性の男女混成の4人組。

60

ドラムはRin。

70

実はRinくんは3年前の秋にMarshall Blogに登場したことがあるのですよ!
Rinくんの過去を見てみたい人はコチラ

55v3年の時を経て今NATALを使ってくれているというワケ。
100コレは『NAKED』という5月にリリースしたばかりの9曲入りのアルバム。
またスゴクいいんですわ。
ナニ?ドラマーがNATALを使ってくるからヒイキ目に言ってるんだろうって?
イヤイヤイヤイヤイヤ、確かにNATALがキッカケにはなっているけど、それは関係ない。
あのね、どれも曲にシッカリしたフックがあって、聴いていて実に気持ちがいい。
さりげないキメなんかがすごくカッコいい。
こういうの「エモーショナル・ロック」っていうのね?
何なのエモーショナルって?
んなことはどうでもいい。
若い人達がやっていることに伝統的な要素を求めることなく、自分が今の世代の若者になったような、すなわち40年ぐらい若返って聴いているような自然な感じを受ける。
小気味よく言葉をリズムに乗せるMegちゃんの声と歌い回しがいい。素直にロックを楽しんでいる感じ?
Rinくんとベースのrhythmちゃん(っていうのかな?)のがクリエイトするリズムも実にダイナミックでスケールが大きい。
そして、ギターのKaeDeくん。
実は彼とは以前一度イッパイやったことがあるんだけど、こんなギターを弾くとは思わなんだ。
「Larry Carltonが好き」と言っていた。その影響なのか、すごくフレーズを大切にしながらソロを弾いているのが伝わってくる。しかし、その切り口は非常にスリリングだ。
シュレッド系ではない、今のロックに溶け込みながらもガッツのあるソロを聴かせてくれる若きギタリストの出現だ。
また少しギターのトレンドが変わってくるのかな?
もちろんアンプはMarshall。
そうでなきゃウソだ。
正直に言おうか!若い人たちのロックもいいもんだ!

90cdRinくんが使っているのはアッシュのキット。
アッシュはこういう音楽にバッチリだよね。
ソリッドを絵にしたようなサウンド。しかし、どこまでもそのトーンは音楽的だ。
それがNATAL Drums!

110OZ RAM INDIOの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

(photo by Ryon)

T 今日最後に紹介するのはvistlip。
先週Zepp Tokyoで単独コンサートを開催し結成10周年を迎えた。
この写真はその時のもよう。

130残念ながら先約があり、コンサートにはお邪魔することができなかったが、エライ盛り上がりようだ!
ステージに寄って行くと…

140オワ~、NATAL!
そう、ドラムスのTohyaさんはアッシュのホワイト・スウォールを使用。
某ライブハウスのNATALアッシュを叩いて一発でお気に召して頂いたとのこと。
NATAL、やるな~。
vistlipは来る7月24日に新宿BLAZEでワンマン・コンサートがあるので楽しみにしているところなのだ!

150vvistlipの詳しい情報はコチラ⇒vistlip official website

(photo by @tk_nonseptic)

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1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト



(一部敬称略 ※Special Thanks:真壁雄太)

2017年7月12日 (水)

Song for You~amber lumberの魅力

  
最近、征史さんに感化されてまた落語が気になっている。
落語は音楽と違って、BGR(バック・グラウンド・落語)というワケにはいかないので、一旦聴き出すとひと言も聞き逃すまいとジックリ噺と対峙しなければならない。
持て余している時間がゼンゼンない昨今、落語の生活への闖入は困りモノなのだが、古今亭志ん生のCDを買って来て「稽古屋」、「後生うなぎ」、「らくだ」あたりを久しぶりに聴いた。
コレがもうおもしろくて、おもしろくて…やっぱり聴き出したらヤメられんわい。
征史さんの落語に対する情熱や造詣の深さには全く及ぶべくもないが、どれも大学の頃、一時期落語に夢中になった時分に耳にした音源ではあるものの、細かいところはもう大分忘れていた。
また、昔に聴いた時とものすごく噺の印象が違っていて、今では、なんというか「風情を味わう」っていうのかな?
志ん生が発する言葉のひとつひとつに興味が集中してしまう。
今の生活の中では決して聞くことのない単語の数々や江戸っ子ならではの言い回しみたいなものが最高に愉快なのだ。
「横丁の隠居のデコボコ」なんて表現、何度聞いても吹き出してしまう。
落語は情景から登場人物までのすべてをたったひとりの演者が表現する世界でも稀有なパフォーマンスだと聞く。
人前でパンツ一丁になって笑いを取ろうするようなあまりにもクダらない芸とはワケもケタも違うのだ。
特に志ん生は声の質がユーモラスな上に、天衣無縫な語り口と奇想天外なくすぐり(ギャグ)が最高におもしろい。
関東大震災の時に東京中の酒がなくなったら困るというので真っ先に酒屋へ飛び込んだという話や、高座で居眠りをしてしまった志ん生を敢えて起こさず、お客さんがその寝ている志ん生の姿を見て楽しんだとか、エピソードにもこと欠かない。
噺の前半と後半でいつのまにか主人公の名前が変わっちゃってる…なんて録音も残っている。
学生の頃、『びんぼう自慢』なんて自伝も読んだが、まさに落語を演るために生まれて来たような人だ。
ジャズ・ギターで言えば間違いなくウェス・モンゴメリーだろうナァ。
一方、「黒門町の師匠」、八代目桂文楽もよく聴いた。
長い噺を何度演っても数秒しか変わらなかったという完全主義者。
こちらはパット・マルティーノだ。
そんな大名人文楽も、「道場でなら負けないが、志ん生さんと真剣で勝負をしたら斬られる」と言ったとか。
カッコいいナァ~、昔の人は。
今じゃ文楽ってペヤングだぜ。
失敬ながら、私は円鏡は「円鏡」、こぶ平は「こぶ平」、小益は「ぺヤング」と呼んでいる。
私は13歳ぐらいからドップリとロックにハマったが、10代の終わりにジャズと落語の愉しみを知ったのは超ラッキーだった。人生がまったく変わった。
今ではクラシックに持っていかれそうなの。
先日、征史さんと二人で「噺塚」を訪れたのだが、実は征史さんとは噺家の好みが正反対なのよ。
あんまり志ん生や文楽の話をしていると後で怒られそうなので今日の本題に入ることにしよう。
  
『Song for You』と題したアコースティックのイベント。

10ココに出演したのがamber lumber。
アコースティック・ギターとベースのデュオ・チームだ。

20ボーカルスとギターは森永JUDYアキラ

30v同じくボーカルスと、ベースの山本征史
この二人がamber lumber。

40v「アンバーです!」「ランバーです!」「ふたり合わせてアンバー・ランバーで~す!」なんてことは全くない。ディーゼル・エンジンじゃあるまいし…。
「amber」は琥珀。「lumber」は材木。
もちろん征史さんのこと、このふたつの単語を並べたのには幾重にも重なる深い意味があるのだ。
今年1月に結成され、5月に下の10曲入りのファースト・アルバム『運命の輪っか』を発表した。

50cdおおよそ私がプライベートで聴くようなサウンドではないのだが、征史さんからサンプル盤を頂戴してハマってしまった。
コレが実にいいのだ。
そのライブがあるというので駆けつけた。
今日はその際のレポートだ。

60征史さんのマメさとamber lumberにかける思いが化学反応を起こしたかのように会場にはいろんなアイテムが用意されていた。
コレはジャケットに使われたイラストの原画。
もちろん山本画伯の作品。
私はフザけて「幼稚園生の作品」などと言ったが、描けるもんじゃありませんよ。
そんなこたぁよ~くわかっていてそう言ったのだ。

70裏ジャケに使われた緑色の蝶。

80スリーヴ表4のハートの炎のローソク。
器用なもんですナァ。
またナント発想の柔らかなことよ!

90当然『運命の輪っか』も販売していて、その他にも…

100手作りのブレスレット…

110花札の絵柄をあしらったキーホルダー(コレはアキラさんの作)なども並んでいた。

120来場特典としているのは「本日のエッセイ」。

130征史さんは別バンドのSTANDのライブの時、お客さんにその日に演奏する曲の歌詞を印刷して配っていたりしたが、amber lumberでは征史さんとアキラさんが毎回エッセイを書いてお客さんに読んでもらうという趣向を取り入れた。
ココに「amber lumber」の由来なども詳しく記されているので、気になる人はどうにかしてバックナンバーをゲットするべし。
ひとつだけ…vol.1には琥珀の説明から流れ流れてマッコウクジラが登場するのだが、アレって英語で「Sperm whale」っていうんだって。
それを指して征史さん曰く「なんだか他人とは思えない」だって…バカなこと言ってんじゃないよ!
とにかくマメです。

140さらに最近よく見かけるスタンプラリーみたいなこともしていて、特典のCDも用意されていた。
写真はないのだが、このスタンプがまた凝っていて、消しゴムで作った手作りのハンコなのよ!
このCDのラベルもそう。
イモ判の要領で消しゴムを削ってペタンとやってるの。150ライブの1曲目はアルバムの最後を飾っているアキラさんの作品「毒を吐く」。
アキラさんが語るように歌う恨み節にのって…

170v_dh征史さんのべースが絡んでくる。
独特なサウンドだ。
歌詞はズトっと重いが、決して暗くはない。
「♪歌え、歌え」のリフレインがすさまじく印象的だ。

180v征史さんはエレクトリック・アコースティック・ベースをMarshallで鳴らしている。
コチラはStrange,Beautiful and Loudでおなじみの1978年製の1992SUPER BASS。

190vそして、メインで活躍したのがASTORIA CLASSIC。
ギター用のアンプだが、色々試した結果、このサウンドが征史さんの理想に一番近かったとのこと。
以前、是方博邦さんがエレガットをコレで鳴らしたが、やっぱりナチュラルで素晴らしい音色だった。
やはり、その楽器の持つ最も美しい部分を自然に引き出すことを使命に生まれて来たASTORIA CLASSICならではの仕事だ。

2002曲目は征史さん作の「Amber Lumber」。
テーマ・ソングということになるのかな?
「ガラクタだけどお宝だ」…なるほど。「ガラクタ」の中には「タカラ」が入ってるんだね。

210_al4ビートで軽快に飛ばすゴキゲンなナンバー。
後半ではアキラさんのKAZOOが登場する。

210vMCをはさんでamber lubmerのファンク・チューン、「Eしか弾けない」。
Sly Stoneがお好きだというアキラさん。
その影響が反映されているのかしらん?
ところでアキラさんのニックネームの「JUDY」。
何でも山下洋輔さんの命名なのだそうだ。
Judy Garlandの「JUDY」かと思ったら、「ジュディ・オング」の「ジュディ」なんだって!

220_eアキラさんが押さえているのは、なるほどE7#9。
いつの間にか世間では「ジミヘン・コード」と呼ばれているヤツ。誰か「Strange Kind of Womanコード」と言ってくれ!あの「B→A→E7#9→B」ってメッチャかっこよくない?
amber lumberのE7#9は「♪Eっていい」、「カッコいい」のコール&レスポンスでクライマックスを迎える。

220vこの曲はCDの1曲目に収録されていて、楽器好きの方ならアキラさんのコード・ストラミングに絡んでくる征史さんのベースに耳を奪われることだろう。
ホンの少し歪んだトーンが実にカッコいい。

230vこの曲のサウンドはアコースティック・ベースで録ったオリジナル・トラックを1992と1960Aでリアンプしたものだそうだ。

235v

240コレ見て!
征史さんが全曲録音の手順を図解で記録したモノ。
エフェクターのつなぎ順はもちろん、アンプのセッティングまで詳細に記してある。
ま~、ずいぶん色んなことをやってるんだね~。
やっぱりこうやって徹底的に作り込まないといいモノはできないよ。
ココで岡井大二さんの名言…「名盤ができるまでには、それが名盤となる過程を経て来ている」(若干アレンジ済)。

250

アキラさんが「E」でキメた!

260「青い月夜」。
一切飾りのない四分音符だけの四つ切りギターに、アキラさんの深い声が乗るふたりの共作のバラード。

270v

「♪泣いて 泣いて 泣いて 君の涙が涸れたなら 僕が舟をだすから」…なんてロマンチックな歌詞なのよ!
作詞は征史さん。
私は夜叉の頃からの征史さんを知っているが、その時は単なる豪放磊落なベーシストだとばかり思っていた。
ところがSTANDの時に、征史さんが作る曲を聴いて「ウワ~!この人めっちゃロマンチックじゃんけ!」と気が付いた。
このamber lumberの世界はその「征史ロマンチシズム」の世界でもあるのだ。

250vこの曲のレコーディングではMS-2も使用された。
Marshall GALAの時にMarshallの社長、ジョナサン・エラリーから出演者にプレゼントされた世界に50個しかないサイン入りMS-2だ。

240v次はアルバム2曲目の「あたし待ってんの」。
アキラさん作の16ビート・チューン。
『運命の輪っか』のアルバムとしての魅力のひとつはこの曲が2番目に収録されているということ。

280_amつまりカッコいいということ。
CDでもコンサートでも2曲目にトロいの持ってきちゃ絶対ダメ!…というのが私の持論なのさ!
歌詞と曲調とアキラさんのドスのきいた声が完璧にマッチしていて実にエキサイティングだ!

290vアキラさんの熱唱に呼応するように気迫のこもったソロを展開する征史さん。

Img_0505 とにかく楽しそうなふたり。
いい大人が音楽で遊んでいる感じ。
すごく無邪気で明るい雰囲気が伝わってくる。
音楽を作る楽しさやうれしさを改めて教えてくれてるようだ。

300ココで征史さんのロマンチシズムが極限まで炸裂する。
曲は自作の「思えども思えども」。

310_ooコレはね~、何だか知らないけど、きますよ~。
ヘタするとポロっときちゃう。
「ネコになりたい」なんて思ったことは生まれてこの方一度もないけれど、ものすごく胸が締め付けられる曲なの。
こんな曲滅多にない。
征史さんの声と歌い方でなければダメ。
いつもStrange,Beautiful and Loudで狂ったようにハードなベースを弾いている人のやることとは到底思えん。
音楽ってホントおもしろい。

320vまたねぇ、控えめに合わせるアキラさんのコーラスが泣かせるんだ。
この作品は静かなるキラー・チューンだよ。

330amber lumberの出番もいよいよ最後に曲となる。

340_ku音数の少ないギター・アルペジオでアキラさんがポツリ、ポツリと言葉を置いていく「ここにある宇宙」。350v場面は一転!
征史さんのベースが大爆発。

360v相対するように雄たけびを上げるアキラさん…とはならない。
まるで征史さんのベースが別の次元の出来事であるかにように自分の世界からは出ないでいるのだ。
ナゼならアキラさんの宇宙がそこにあるから。

370vなんのこっちゃない、ディレイを派手に使ったりして、SBLの時よりよっぽどクレイジーなベース・プレイなのよ。
コレもamber lumberのウリなんだな。

380全7曲。
短い時間ではあったが、存分にその独特の世界を展開したふたり。

390v今後の活動が楽しみなamber lumberなのであった!

400vamber lumberの詳し情報はコチラ⇒amber lumber Official Website

410(一部敬称略 2017年5月26日 目黒LIVE STATIONにて撮影 ※レコーディング時写真提供:山本征史氏)

2017年7月11日 (火)

さよなら優也、また逢う日まで! <後編>

  
ゲスト・コーナーの続き。
ベースとドラムスが入れ替わってThe Ironmans。

370
ベースに満園庄太郎。

400v
ドラムスに満園英二。

410v

そして、小松優也。
390
Black Sabbathのカッコ良さを伝えるコピー・バンドということで、Strange,Beautiful and Loudの対バンで一度だけMarshall Blogに登場したことがあった。

420
今回もクォリティの高い「Fairies Wear Boots」を聴かせてくれた。
コレはZakk WyldeもMarshallの50周年記念コンサートの時に取り上げていた曲だ。

430v
ココでまたメンバーが入れ替わる。

440
ドラムスにHIMAWARI。

450v
ヴォーカルスに久保田陽子。

460v
庄太郎ちゃんはそのままで…

470v

「High Wire」という曲。
BADLANDSというバンドの曲?
何しろ超正統派のハードロックでゴキゲン!

480
横浜のCLUB SENSATIONで4回ほどこのメンバーで演奏したそうだ。
メンバーの息の合った楽しい演奏だった。

490
「アコギのトリオと言いながらここからはバンド形式で進めます」とまたメンバーが入れ替わり、後半のメイン・パートとなった。

500
アコギなトリオから本園太郎。

510v

ベースは山田章典。

530v

山田さんはEDENのTERRA NOVA TN-501でプレイ。
やっぱコレいいナァ。
どこへ行っても評判よろしいわ。

540
ドラムスは外薗雄一。

550v
そして、もうひとりアコギなトリオから陽子さん。

560v
チョッ~と!ココでビックリ仰天よ!
ナニを演るのかと思ったら「I Saw the Light」。
トッドの名曲中の名曲!
630
ソロもボトルネックで演るかな~?と思ったら普通に弾いてた。
フレーズはバッチリとコピーされてたよ。

570
続いてはNeil Sedakaの「Breaking Up Is Hard To Do」。
コレは~「悲しき慕情」か?
何てタイトルだ!
1962年か…このあたりの曲は本当に素晴らしいね。いわゆる「オールディーズ」…時々聴きたくなる。
この後、ビートルズの出現により、ブリティッシュ・インヴェイジョンの時代に突入し、アメリカの音楽もドンドン変わっていくんだな。
このビートルズ前夜のアメリカのポップ・ミュージックなんて若い人たちはもっと勉強するべきだと思いますよ。
きっと曲作りのいいヒントが転がっていると思う。
それが済んだらティン・パン・アレイ。
ポップスなんてだいたいこの辺で完成しちゃってるんだよ。あとは全部、手を変え品を変えての焼き直し+順列組み合わせだ。

590

Raspberriesの「Let's Pretend」にAmericaの「A Horse With No Name」。
今、こんな曲知ってる人いないでしょう?
かく言う私も完全に門外漢で、双方ベスト盤しか持ってない。
でも、Raspberriesって名前の割にはハードなサウンドでカッコいいんだよね。

580v

ん~、いい音だな~。
深くて、芯があって、何よりも音ヌケが素晴らしい。
弾き手がいいのか。

610
ナンダ、ナンダ!
ココでまたしてもビックリ!
だって10ccの「The Things We Do For Love」なんて演るんだも~ん!
650
アレ?コレ今日初めてのイギリスもの?
あ、Sabbathがあったか。
10ccはスタジオ・ミュージシャンが集まって結成したマンチェスター出身のチーム。
この曲が収録されている『Deceptive Bends』まではどのアルバムも最高に素晴らしい。

620v

「Sundown」という曲。
Gordon Lightfootという人?
スミマセン、全く存じ上げません。
Lou Donaldsonの『Light-Foot』は大好きなんですが…。
それに続いてはJackson Browneの「Here Come Those Tears Again」。
そういう感じの曲が次々と出て来る。
私の趣味にはカスリもしないけどな。

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Olivia Newton-Johnの「Xanadu」。
コレの作曲はThe Idle Race、Move、ELOのJeff Lynneだからイギリスものだ。
わかっちゃいるけど、いい曲作るよな~。

640v

The Eaglesの「Take It To The Limit」をはさんで優也くんが最後の曲を歌う。
その前にご挨拶。
「今日はありがとうございました。次が最後の曲です。ボクのこと忘れないでくださいね。北海道に帰ったらバンドをやります。
もっともっと渋い音をだせるように頑張ります!」

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最後は本園さんの歌う「Rock Steady」。

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優也くんもバッチリとソロをキメて有終の美を飾った。

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当然、アンコール。
優也くん、最後のご挨拶。
「悔いのないように演奏して北海道に帰りたいと思います。
12年前、14本のギターを車に積んで、北海道からフェリーで仙台まで行きました。東京までの高速道路の長さにビックリしました。東京に来た時、まず東京タワーに行き、そこで決意表明をしたんです。
今回もフェリーで戻ります。
東京に来るときは寂しかったけど、北海道に帰る今回は寂しくありません!」
そして、優也くんの歌でThe Eaglesの「New Kid In Town」。

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そして、Silverの「Musician」。
Silverか…久しぶりにCDを引っ張り出して聴いてみよう。
奇しくもこのレポートの<前編>に書いたけど、音楽で食っていくのは本当に大変ことだよ。
この曲、沁みるネェ。
まさにベストな選曲だ。

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そして、最後。
Orleansの「Dance With Me」。

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大好きな仲間と弾いて、歌って、コーラスして、優也くんに悔いはなかったことだろう。

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最後はみんなで記念撮影。

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そして、出演者の皆さんと個々に写真を撮って東京での最後の演奏の思い出を作った。

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最後にMarshallと!

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打ち上げのようす。
こうして優也くんは5月30日に東京を離れ、故郷の札幌に帰って行った。
今頃、みよしののカレーと餃子を食べながら、北の大地で自分の音楽道を邁進していることだろう。
Marshallと共にね!
優也くん、色々とお世話になりました。
どうもありがとう!

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(一部敬称略 2017年5月25日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2017年7月10日 (月)

さよなら優也、また逢う日まで! <前編>

  
決してカッコつけているワケではないのよ。
それでもこんなこと書いて気を悪くする方もいらっしゃるかも知れない。
でも書く。
というのは、「東京に出る」…ということがわからないのだ。
こちとら生まれも育ちも東京だからして、「田舎から都会へ出て来る」という感覚、その重大さ、恐怖、そして期待がどうしても実感できないのだ。
昔と違って今では各種の交通機関が発達し、国内どこでも日帰りができるようになったワケだが、それでも故郷を離れて、見知らぬ土地へ行くというのは大ごとであることは間違いない。
それはわかる。
私もかつては転勤族だったので、「見知らぬ土地へ行く」という感覚については知らないワケではない。
しかし、何かを志して「東京に出る」というのとそれとは全く次元の異なる話であろう。
そして、故郷へ帰る…東京での暮らしがどうであったにせよ、これまた万感の思いがあるに違いない。
今日のMarshall Blogの主役は小松優也。
12年前に上京し、先々月故郷札幌へ帰ったギタリストの物語だ。
  
先日10年ぶりにATOMIC TORNADOが一夜限りの再結成をし、そのライブのレポートを掲載した。
そこでも書いたのだが、私は2005年に優也くんが上京し、ATOMIC TORNADOのリハーサルに初めて参加する場に居合わせた。
ちょっとトッポい感じで、「さぁ、コレから暴れてやるぞ!オレのギターを食らいやがれ!」という気概に満ちあふれていた。
で、当時の写真を掲載しようと色々探したのだが、どうしても出て来なかった。
何度もATOMIC TORNADOのステージにはお邪魔したのだが、写真に全く興味がない時分だったので、元々撮ってなかったのだろう。
 
2007年になると、優也くんは発売になったばかりのVintage Modern 2466のハーフ・スタックを買ってくれた。
「こういうアンプを待っていたんです!」と喜んでくれたのを思い出す。
そんなこともあって、優也くんとの関係は続いた。
  
2008年、ランディ・ローズのシグネチャー・モデル1959RRが発売になった時にはヤングギター誌の付録DVDでデモンストレーターを務めてくれた。

20この頃にはMarshall Blogもスタートしていて、私も始めたばかりのカメラを携えて収録スタジオにお邪魔した。

30v翌2009年、ATOMIC TORNADOが活動を停止すると自身のバンド、SAMURAI JADEを結成。
向かって右の上のMarshallが2466。

40vイの一番に送ってくれたアルバムを聴くと、いかにも優也くんらしいトラディショナルなハード・ロック・サウンドでニンマリした。
そうした音楽を演奏するバンドが激減していた頃だったので、大いに期待を寄せたものだった。

50しかし、アッという間にきれいサッパリと解散。
早かったな~、アレは。
すごく「モッタイない!」と思ったよ。

60v途中、田川ヒロアキとのセッションなんてのもあったが、それからしばらくの間は優也くんと没交渉の時期が続いた。
そして、2014年、ドラマーの山口PON昌人がNATALを使用するようになり、PONさんの誘いでBLIND BIRDなるバンドの存在を知った。
聴けばギターは「小松優也」だというじゃないの!
ベースの河野充生は以前から存じ上げていたし…よろこび勇んで直近のライブに足を運んだのであった。
だから私はサード・アルバムの『仮想粒子』からのおつきあいで期間が短い。
しかし、BLIND BIRDの音楽をエラク気に入ってしまって、Marshall Blogで何度も取り上げたのは読者の皆さんもご存知の通り。

70取り分け、BLIND BIRDにおいての優也くんのプレイはとてもクリエイティブで、ソロにバッキングにとその活躍を楽しみにしていた。
それがアータ、「BLIND BIRDを抜ける」っていうじゃないの!
もうガックリだったよ。
聴けば「故郷の札幌へ帰る」という。
  
東京で12年…。
干支がひと回りする間に優也くんが見た東京はどんなだったろう?
まさか「木綿のハンカチーフ」は持って帰らなかったろうが、楽しく、充実した、実のある東京での音楽生活であったことだろう。

80vそして、5月25日、たくさんのゆかりのあるゲストを招いて優也くんが出演する東京での最後のコンサートが開催された。

10v

ショウの母体は優也くんが8年にわたって取り組んでいたアコースティック・トリオ「アコギなトリオ」。

90久保田陽子

100v本園太郎

110vそして、主役の小松優也。

120vそして、優也くんの東京でのギタリスト生活を支え続けたMarshallが最後までお供を務めた。

130vアコギなトリオで使用したのはASTORIA CUSTOM。

140足元のようす。

145オープニングはThe Eaglesの「Seven Bridges Road」。
そう、このトリオは洋楽の名曲をオリジナルのアレンジとコーラスで聴かせるグループだ。

160「今日の主役、小松優也~!」

150
2曲目は「Mrs.Robinson」。

1803人のコーラスが美しい!

280

続けて3曲目はChicagoの「25 Or 6 To 4」。
コレは「4時25、6分前」ということですからね。
時間を表す「~to…」とか「~past…」は、「イギリス英語の表現だ」という説明をあるウェブサイトで見かけたが、そうかナァ~。
Marshallの社長なんかは私が「A quater passed ten」なんて言うとワザワザ「ten fifteen」って言い換えるよ。
私が思うに、この表現はアメリカ英語だと思うんよ。
現にこの曲の作曲者、Robert Lammはブルックリン生まれだし。

170v

今度は優也くんの歌で「Ohio」。
Neil Youngね…私が聴かない系。

200v

The Bee Geesの「Melody Fair」。

1_img_0003 この曲、最初の歌い出しの2小節、つまり「♪Who is the girl with the crying face」のところって4/4+3/4になってるんだよね。
歌詞に合わせてリズムを操作しちゃう。Frank Zappaみたいだ。
270v
コーラスものの定番、「California Dreamin'」。
The Mamas and PapasのCass Elliotについてはコチラを見てね。

190客席は満員。
「毎回これぐらいお客さんが来てくれれば札幌に帰らなくても済んだんですけど…」
そういうことだよね。
極限まで少しの人しか音楽で食えない世の中だ。
ま、「芸能で身を立てる」ことの厳しさと難しさは太古の昔から変わらないであろうが、特に今のロック業界ってのは厳しいものがあると思う。
ものスゴイ皮肉なことに、ロックという音楽が一般大衆の間に普及し、演奏者の寿命が延び、若者は学校で簡単に演奏の勉強ができるようになり…音楽を取り巻く環境がこんなににぎやかになっているのに、音楽だけでメシを食うことが究極的に難しくなった。
誰でも音楽ができる反面、誰も音楽で食えなくなってしまった。
それもこれも「音楽の無料化」が招いた結果なんだろうネェ。

220v最初のセットの最後を飾ったのはBonnie Raittの「I Can't Make You Love Me」を…
210
陽子さんの熱唱で。

240vカナダのNeil Young、オーストラリア(元はイギリス出身)のThe Bee Geesを除けば、全部アメリカの歌。
私はこうしたアメリカのロックをプライベートで聴くことはまずあり得ないが、タマにはいいもんだな。
演奏がいいからか?!

260vここからはゲストのメンバーが順々に入れ替わるバンドのセットになる。

290

BLIND BIRD仲間の山口PON昌人。

300v今日はイベントだからしてPONさんのキットを持ち込むことができなかったが、普段はこんな感じ。
NATALアッシュの最新のキット。
先週のFEEL SO BADのレコ発ライブはこのキットで超ド級のドラミングを聴かせてくれた。

2_img_0421宍倉聖悟

310v目黒郁也

320vそして、小松優也。
曲は優也くん歌うところの「Route 66」。

330vこのあたりのコーナーではアンプをスイッチ。

340vJVM210Hと1960BVが使用された。
この1960の横置きは優也くんの一種のトレードマークなんだけど、私はスキではない。
だって栄光のスクリプト・ロゴがタテになってしまっていてカッコ悪い…と思っていたら、ある親友のギタリストが一枚の写真を見せてくれた。
それはLifetime時代のAllan Holdsworthで、ナント、1960Bの上に横にした1960Aを乗せた写真だった!
ク~、アタシャどうしたらいいんだ!

350vPONさんのド派手なドラミングとパフォーマンスでバンドは66号線を猛ドライブするのであった!

360<後編>つづく

(一部敬称略 2017年5月25日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2017年7月 7日 (金)

TOSSED JAM~小笠原義弘・宅間善之・椎谷求・丹菊正和

 
いつもスカイツリーの見えるところにいて、タマに東京タワーを目にすると、「アッレ~、こんなに小さかったけか?」なんてつい思ってしまいますな。
サイズという点では話題はスカイツリーに譲らざるを得ないが、東京タワーの見慣れた佇まいはエレガントで美しい。
ココは六本木。

10v私はこうした盛り場がまったく苦手で、用もないのにプラプラと寄りつくなんてことはまずしない。
六本木に来る用事といえば、Hard Rock Cafe Tokyo。
以前、名所めぐりの『vol.26~ハイド・パークのカドッコで』に記したように撮影の仕事を頂戴していた頃はよく足を向けた。
20_2 それとライブ・ハウスですな~。
もう影も形もなくなっちゃったけど、ピット・インはよく来たものだ。
大学の時、初めて香津美さんを観たのもココだった。

20こんなアルバムもあるもんネェ。
今となってはこのアルバムの主もいなくなっちゃった。
そういえばこんな入り口だった。

Ahそれと、ピット・インよりもう少し六本木通りに行ったところにスペースシャワーさんがあって、数年前の一時期、何回か足を運んだ。
そう、このMarshallの本を編むための打ち合わせだった。

130_2そして、そのピット・インのあったビルの通りを挟んだ道をほんの少し入ったところにまた新しいライブ・ハウスがオープンした。
現場に来てみて思い出したのだが、このあたりには昔も中規模のライブハウスがあって、弾き語りのシンガーソングライターのライブで一度お邪魔したことがあったナァ。
今回オープンしたのは「Ho'okipa Square(ホオキパ・スクエア)」というジャズ系のお店。
場所がらソフィスティケイトされた雰囲気だが、値段もお手頃で、仕事帰りにちょっとジャズでイッパイなんて時にもってこいのライブハウスといえよう。
「Ho'okipa」というのはハワイのマウイ島にあるビーチの名前。
ウインドサーフィンのメッカとしてその名を知られているそうだ。
「ライブハウスが多すぎる!」と普段ブーブー言っている私だが、それはロック系のお店の話。ジャズのお店なら何ら問題あるまい。

30今日ステージに上がるのはTOSSED JAMというコンボ。

40v実は2015年に「YOKOHAMA 4」という名前でMarshall Blogに登場しているヴィブラフォン入りのカルテットだ。

50ヴィブラフォンの宅間善之

60vギターの椎谷求

70v椎谷さんはMarshall ASTORIA CLASSICを使用。

80足元のようす。

90ベースは小笠原義弘。

100vオガンちゃんはEDEN。

110vWTP-600とD410XSTのコンビネーションだ。

120ドラムはは丹菊正和

125vさて、今日は本題に入る前にスペシャル・セミナーをお届けしたいと思う。
「ヴィブラフォンの組み立て方」講座だ。
宅間さんにお願いして、組み立てるようすを撮影させて頂いた。
こんなの滅多に見れないよ!
コレを読んでおけば、いつヴィブラフォンの組み立てを頼まれても大丈夫。
ま、組み立てはできても肝心の演奏は無理だろうけど。
何しろこの楽器は打楽器の技術でピアノを弾いているようなもので、楽器の中でも取り分けマスターするのがムズカシイと言われている。
  
さて、まずはメインとなる台を取り出す。

130その台に足を取り付けて…と。

140取り付けるとこういう感じ。

150共鳴パイプを台に取り付ける。

160これでヴィブラフォンらしくなるね。
でも、まだ音を出すことはできない。

170ピアノでいう白鍵用の音響パイプも取り付けよう。

180実は、今回宅間さんが使用するのはシンセ・ヴィブラフォンだ。
今、台に取り付けている銀色のバーは音板に取り付けたピックアップからの信号を受け取る装置。

190こんな感じで取り付けられる。

200上から見たところ。

210vそしていよいよ音板を乗せる。

220まずはピアノでいう黒鍵の方から。

230ビヨーンと広げて台の上に広げて乗せる…。

240音板を乗せたら、ひとつひとつを正しい位置にハメ込んでいく。

250白鍵の方も同じ。

255音板が正しく配置されたところで今度はピックアップの結線をする。

260音板ひとつひとつにピエゾのピックアップが取り付けられていて…
290
それらをさっきの銀色のバーにつないでいくワケだ。

270そしてそのピエゾから送られてきた信号はこの装置でミックスされてシンセサイザーのコンソールに送られる。

300そして、そのコンソールから出て来た音をアンプリファイするという仕組み。
イヤま~、合体がデカい楽器だけに取り扱いは大変だよね。
でも、それだけにこの楽器から得られるサウンドは何モノにも替えられない美しさがある。
楽器というものはCDなんかで再生される音とナマで聴く音の差が大きいものだけど、ヴィブラフォンほどその差が大きい楽器はないのではなかろうか?

310会場は超満員!
しかし、お店は天井も高く、すごくユッタリしていてとてもいい雰囲気だ。
  
1曲目は椎谷さん作の「Mouffetard」。
フランスに実際にある通りの名前が曲名。

320ジンタを想起させる何ともレトロスペクティブな雰囲気が魅力の1曲。
ソロが各メンバーに回される。
ま、挨拶がわりのソロやね。

330

340

3502曲目は「水が集まるところ」を意味する「Xel-ha(シェルハ)」。マヤ語だそうだ。
宅間さんの作品。
自然な森の中をイメージしたような静謐なサウンド。
390v

丹ちゃんはギロとコンガ、ドラムスとコンガと、器用にひとり二役をこなす。
得意の「スパイシー・ビート・パーカッション」だ。

370v続いてはチョット意外な「Take Five」。
昔はね~、この曲を作曲したPaul Desmondが性に合わなかったんだけど、今は大好き。
ま、『Time Out』を聴くことはまずありませんが…。

380_t5ヴァイブのふくよかなサウンドが曲によくマッチするね。

360v

前回も取り上げた椎谷さんのオハコ、Bill Withersの「Ain't No Sunshine」。

400v第一部の最後を飾ったのは「Shotgun」という曲。
テキーラをボン!とテーブルの上に置くイメージなんだって。
ここでオガンちゃんのベースが炸裂。
もうこのベース・ラインを追っているだけで曲が楽しめるどころか、ドンブリ飯が3杯はイケる。

410v_sgその素晴らしいプレイに乗って椎谷さんもディストーション・サウンドで自由闊達なソロを展開。
ん~、やっぱASTORIAの音ってスゴイな。

420v宅間さんは3本マレットで目にも止まらない早いパッセージを遠慮なくブチ込んでくるし!

430vあ~、快感。
またEDENが演出するオガンちゃんのベースの音の素晴らしいことといったら!

440v第二部は丹ちゃんの歌で「Unlucky Day」。
最近はドラムだけでなく、歌の仕事でも忙しいとか。
このソフトな歌声は確かに替えのきかないものだ。

450丹ちゃんの熱唱を追いかけるように各人のソロがフィーチュアされる。

460v

470v

480v続いてはこの日、日本語のタイトルを持つ唯一の曲「夜光列車」を演奏。
前回も取り上げた宅間さんの作品。
「夜行」ではなくて「夜光」で間違いないのよ。

490_yrココでもオガンちゃんのベース・ソロをフィーチュア。

500v一部の「Take Five」につながる流れなのか、次に飛び出したのは「The Girl from Ipanema」。

510_imさて、次はこの日のギグの見どころのひとつとなった宅間さんの作品「Labyrinth」。
宅間さんのご厚意で譜面をココに掲載させて頂く。
パッと見ると四分音符と二分音符がおしとやかに並んでいるように見える。
私でも初見でメロディをなぞることができそうな譜面ヅラなのだが、そうは問屋が卸さない。
演奏しているうちに自分が迷路の中にいるように、どこを演奏しているのかかわからなくなってしまうらしいのだ。
だからタイトルが「迷宮」。
実際、リハーサルの時も何度もやり直しとなるシーンが見受けられた。

520v曲は何の問題もないナチュラルなもの。
しかし、この真剣な顔!
こういう曲こそおもしろいんですよ。

530宅間さんの他にオガンちゃんと椎谷さんのソロがフィーチュアされた。

540vもちろん本番は完璧。
残念ながら(?)誰も「迷宮」に入り込むことはなかった。

550vヴァイブに関するおもしろい話をうかがった。
Frank Zappaはマリンバやヴィブラフォンを加えるインストゥルメンタリゼーションを好み、Ruth UnderwoodやEd Mannという大名手の演奏をフィーチュアしたが、演奏する際には必ずマリンバやヴィブラフォンにチューニングを合わせていた。
ナゼなら鍵盤打楽器はチューニングというものが一切できないので、バンドの基音とならざるを得ないから。
それで、他の楽器をチューニングする時に、故意にマリンバやヴィブラフォンの音程より高くしたり、低くしたりすることがあるのだそうだ。
周囲の楽器のチュー二ングによって、バンドの中での鍵盤打楽器の聴こえ方が変わってくるのだ。
つまり、低くチューニングすると鍵盤打楽器が目立って聴こえたりするのだとか…。
こういう話はメッチャおもしろい!

560vそして、本編最後の曲。
オガンちゃんの作品で「Valle Colorado」。

570vブッ早い7/8拍子で灼熱の演奏を繰り広げる!

580もちろんオガンちゃんのベース・ソロが大フィーチュア。
本編を締めくくる手に汗握るパフォーマンスだった。

590vアンコール。
「今回演った曲はムズカシかったですね~。ホテルに入ってムチャクチャ練習しましたわ~。でもまたやってみたい!」と今回のステージを振り返るオガンちゃん。
「アンコールは、せっかく盛り上がったのにこの曲かい!という感じです」

600オガンちゃんが心を込めて歌うBilly Joelの「New York State of Mind」。

610あ~、こういう曲でのヴィブラフォンはタマりませんな~!

620v小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

630_2そう、是非またやってチョーダイね!
このコンボは選曲も演奏も実に楽しみどころが多いのだ。
うん、場所はココHo'okipa Squareがいいね。

640(一部敬称略 2017年5月23日 六本木Ho'okipa Squareにて撮影)

2017年7月 6日 (木)

6弦BEAST☆翔己セミナー

  
6弦の達人、翔己のベース・セミナーのレポート。
イギリス本国に倣い、私も昔は「Marshall Roadshow」と称したMarshallのクリニックをずいぶんやらせて頂いた。
さて、今、私は「セミナー」と「クリニック」という言葉を使った。
恐らく皆さんは、こと音楽関係のイベントを指す場合、これらのふたつの言葉を同じ意味で使っているのではないだろうか?
私も同じだと思っているが、どちらかといえば「クリニック」という言葉を使っている。
双方チャンとした英単語ゆえ「ダブル・ヘッドライナーとツーマン」のようなケースとは異なり、特に言葉の使い分けにこだわりはないのだが、この手のイベントにおいては自分の場合、客席より舞台の上にいる機会の方が圧倒的に多かったので、出演者として「セミナー」なんて言うとチョット偉すぎな感じがしちゃっててね。結果、自然と「クリニック」と呼んでいた。
イギリスの連中はそういうデモンストレーション・タイプの企画のことを「Clinic」と呼んでるかな。少なくとも「Seminar」って言っているのを聞いた記憶がない。
ところで、この二つの言葉、もちろん意味が違う。
意味が違うから言葉が分かれてる。
「セミナー」というのは、その時々の大きなテーマを決めておいて、参加するメンバーでその当該のテーマに基づいたことを研究したり、意見を交換したりするイメージだが、講義の形を取ることも多い。
要するに「ゼミナール」だよね。
私は大学の時、出席が足りず「ゼミ」は単位を落としているので、実際にどうなっているのかを知らない。
一方、「クリニック」は、出席者個人個人が抱えている悩みや問題点を見つけ出し、それぞれのレベルをアップさせることを目的とする会合のイメージ。
だから、Marshall Roadshowは本当は「セミナー」だったんだな。
実はこういうヤツにはもうひとつ「ワークショップ」というのがある。
コレは講師がテーマについて一方的に講義する形式とは異なり、参加者した人が自分から入りこめるような機会を作って参加者した人たちの意見を聞き取りながら進めていく方法。
だから「セミナー」と「クリニック」を合体させたようなものか?
そういえば、アメリカに長く住む日本人が、著名なフィンガーピッカーのギター集中講座に通っていたことを指して、「〇〇のワークショップに参加していた」と表現していたな。
ナンカ「ワークショップ」と聞くと、「実験工房」みたいなイメージが強いんだけどな。
何人かが集まって「アレをやってみようか?」、「こういうのはどうだ?」と研究する感じ?
ま、いいや…。
とにかく今日のイベントは翔己くんのベース・セミナーなのだ。

10ステージにはホワイト・ボードが置いてあっていかにも「セミナー」なムード。

20翔己くんは珍しいツイン・ベースのインストゥルメンタリゼーションで知られるARESZ、並びに新生FEEl SO BADのベーシスト。
6弦ベースがトレードマークだ。

30いつもはこんな感じだけど…

40v今日は真剣な面持ちでセミナーの講師を務めるというワケ。
勉強しには行ったものの、途中で逃げ出してしまったので音楽理論はわからない…という翔己くん。
理論はわからなくても「ツイン・ベースはどうあるべきか」ということについて独自の研究を重ねて来たという。
それが彼独特のベースサウンドであり、奏法であり、フレーズであり…そういったことが実演を交え一時間半にわたって丁寧に語られた。

50vまずはバッキング・トラックを使っての模範演奏。
ARESZのステージで必ず演奏される「我が生き様誉れ」だ。

60この曲の中で使われているテクニックについて解説。
翔己くんのプレイング・スタイルの中でも取り分け人気の高いテクニックであるタッピングがこの曲でもふんだんに使われているが、コレはキーボーズを意識してのことだ。
初めてARESZを聴いた時、すぐにそれがわかったよ、オジちゃんは。
そして、ボーカルズにもギターにももう一本のベースにも負けない音を作らないとただの「落ち着きのないベースの人」になってしまうと思い、10年以上もかかって自分だけのサウンド作りをしてきたという。
ウン、ベースの人って落ち着いて大人しい人が多いからね。
奏法はもちろんのこと、弦高等の楽器の調整にも余念がなかったとのこと。

5img_0006_2 今や翔己くんのトレードマークとなっている6弦ベースだが、いきなり手にしたワケではない。
「バンドにベースが2人いる意味がわからない」と言われ、試行錯誤を繰り返し、ツイン・ベースの意味や効果を追求していくうちに徐々に弦の数が増え、5弦ベースを経て6弦ベースにたどりついたのであった。
何しろアイデア先行で、触ったこともないのに楽器屋さんに6弦ベースをオーダーしちゃったんだって!
弦はステンレス。コレもサウンドを考慮してのチョイスだ。

70そして、音の要であるアンプ。
コレも翔己くんならではの自己流。

80ある時、ベースをギター・アンプで鳴らすことを思いつき、試してみたらその音がスッカリ気に入ってしまった。
音ヌケが格段に良くなったのだそうだ。
そこで、現在はMarshall系とEDEN系の2セットを同時に鳴らすのが翔己くんの正式なバックライン。
エフェクターは使用せずベースとアンプは直結だ。

90これらがアンプ・ヘッド群。

100Marshall系のヘッドは300Wの3530。
3530は1987年にMarshallの創立25周年を記念して発売した25/50 Jubilee Bassシリーズのひとつ。
本来であれば、フロント・パネル左下の「300」の表記の右には「25/50 JUBILEE BASS SERIES MODEL 3530」という銘が入っているハズなのだが、きれいサッパリ消え失せている。
25周年を過ぎてからの製造だったのかしらん?
このあたりのモデルの資料が乏しくて詳しいことがよくわからん。
このヘッドをギター用スピーカー・キャビネット1960Aにつないでいる。

110EDENチームのヘッドはTERRA NOVA TN501とWTP-600とキャビネットはD410XST。
コチラは普通のベース用アンプの組み合わせだ。

120Marshallが歪み系のサウンドを担当し、EDENがクリーン系のサウンドを受け持っていて、両方をミックスするのが翔己くんが行きついたアンプのセッティングだ。

130「試しに…」とそれぞれ単独の音を聴かせてくれてその音色の違いを説明してくれた。
アシスタントはARESZのギターの那都己くん。

140会場の都合などで機材がフルで持ち込めない時はMarshallチームの方だけを使用している。
Billy Sheehanに憧れたという翔己くんらしいベース・サウンドだが、あくまでもオリジナルのトーンだ。

150今度は奏法の解説。

160v特にピッキングについて詳しく説明をしていた。
というのは、人差指、中指、薬指と長さの違う指を使ってどうやって同じ音を出すかという研究をかなりしたのだそうだ。

170とにかく苦労したのが弦をはじく指の順番が変わっても同じ音をキープするということ。
ホワイトボードを使って説明していたが、こうしたバッキングの練習を毎日2時間以上していたのだそうだ。
こういう地味な練習が一番ツライんだよね。
コレを克服できた人が才能のある人。練習できる人が「才能のある人」。
私はまっぴらゴメンだ!つまり才能はないということになる。それでよか。
翔己くん曰く「練習の時はドMになるべし」。

190他にもレ―キングやタッピング等の奏法についても詳しく説明。

200

やはりみんなが気になるのはタッピングのテクニック?
180v
ホワイト・ボードも駆使して熱の入った講義を展開した!

206自分の愛器を持参するお客さんも数人いたし…

250
翔己くんのベースをイジらせてもらうコーナーもあった。
240v
「ホ~、そんなことやってんねや?」とARESZのメンバーさんにも日頃の努力をアッピール?

260そして、模範演奏では「6弦ベースのための超絶技巧曲第一番ロ短調」も披露した

220v
観に来てくれたお客さんが「ベースをやってみようかな…」と思ってもらえるようなセミナーを目標にしていたという翔己くん。
まさにそんな目標を達成したような内容の濃いセミナーだった。
こういうのってイザしゃべり出すと「アレも」、「コレも」ってな具合で止まらなっちゃうモノなんですよ。
翔己くんは時間配分に気を配りながら実にうまくまとめていた。
おもしろかった!

270vさて、コレは先月リリースされたFEEL SO BADの新作『PENTAGON』。
先日の伊藤広規さんの新しいライブ・アルバムが『Tetragon』だったので、このタイトルを聞いた時はチョットびっくりした。
もちろんレコーディングには翔己くんも参加している。
Marshall、NATAL、EDENそろい踏みの作品。
FSBならではの世界をトクと楽しんで頂きたい。

5pg_2 そして翔己くんは明日、『FSB presents "LIVE PENTAGON vol.01 ~TOKYO~"』と銘打ったこのアルバムのレコ発ライブに出演する。
FEEL SO BADの他にもARESZとNAKED MACHINEが登場。
翔己くんはFSBとARESZの2バンドで登板する。
場所はココと同じ吉祥寺CRESCENDO。
お見逃しなく!

   
ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official web site of ARESZ
FEEL SO BADの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

280(一部敬称略 2017年5月22日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2017年7月 5日 (水)

原田喧太 Guitar Circus Vol.6

  
Marshall Blogでも過去に何回かレポートしている原田喧太の『Guitar Circus』。
2014年の公演が収録されてDVDにもなった。
あの時はジャケ写の撮影を担当させてもらったんだけど、もうアレから3年か!
そして『Guitar Circus』も今回で6回目。
早いな~。
そもそも私が喧ちゃんと初めて仕事をしたのが2001年に開催したZildjianのイベントの時だったから、もうかれこれ16年になるのか。
エ…、16年前ってアタシャまだ30代だったんじゃん!
ホントにこりゃアッという間に一生終わっちゃうな~。

Gs 「おばんです…」のひとことで始まった今回の『Guitar Circus』。
まずは喧ちゃんがソロでステージに上がった。

3img_0017 そして、2曲目の「Lluvie」で…

20ゲストが加わる。

30Tomo Fujita

40vはたけやま裕

2img_0271 同じメンバーでイントロが「ノルウェイの森」になってる「Halleluja」。
チョット前に「ノルウェイの森」が「Norwegian Wood」の訳として適当ではない…なんてことが取り沙汰されていたネェ。
重箱の隅の隅をつつくような話に驚いたが、私はそういう話題はキライではない。
でも、ビートルズの音楽の最上の楽しみ方は、聴くことももちろんなのだが、歌詞の意味を把握した上で英語で一緒に歌うことにあると思っている。
その後に「Wood」が「森」か「家具」かを考えても遅くない。
自分も含めて日本人はビートルズの音楽を半分も楽しんでいるとは思えないのだが、この先、天変地異かなんかで日本人が英語を自国語のようにマスターして、英語を難なく聞いたり話したりするような時代が来た時、新たにビートルズのスゴさを知ることだろう。
もちろん、その時には「ツーマン」などというトンチキな和製英語は絶滅しているに違いない。
70
Tomoさんのことを「大好きなギタリスト」と紹介していたが、喧ちゃんはTomoさんと演奏するのが本当に楽しそうだ。

60v2010年リリースの『心ノ音』から「白い雨」。
決して少なくない数のお客さんが一緒に歌を口ずさんでいたのが印象的だった。
つまり、名曲なのだ。
35v
そして、アコースティック・セットの最後を締めくくったのはPrinceの「Purple Rain」。

80v「さぁ~、皆さんロックンロールの時間です!」
しばしの休憩をはさんでステージに姿を見せたのはKATAMALI。

90満園庄太郎

2img_0239 満園英二

110vそして喧ちゃんはようやくMarshallにプラグイン。

120v愛用のJVM410Hと今日は2x12"キャビネット、1936のコンビネーションだ。

130vKATAMALIの1曲目は「Strength」。

140さっそく飾り気のないプリミティブなロックが炸裂!
それがKATAMALIの魅力だ!
180

続けて「Criminal」。

160フィンガーボードの上を縦横無尽に走り回る4本の指。
喧ちゃんのギター、絶好調!

170vギターを持ち替えての1曲は「Live」。

190ディレイ・トリックを使用した華麗なソロ。

200vココでまたTomoさんと裕さんが合流する。
曲は松田優作の「天国は遠くの街」。

210前の曲が終わったところで、「ノド、終わった…」なんて言っていた。
ここのところライブが10連チャン以上だったのだそうだ。
イヤイヤ、でもゼンゼン大丈夫。
この通り最後まで熱のこもった歌声を聴かせてくれた。

220vTomoさんのフィーチュア・コーナー。
2010年のアルバム『Pure』から「Driving in Texas」。

230指弾きも交えてドラマチックなソロを展開する喧ちゃん。

240当然、Tomoさんとの掛け合いで見せ場を作るよね~。
260
裕さんはもう何度も『NAONのYAON』でご一緒させて頂いている。
パーカッション・サウンドがすごく曲にマッチしていてカッコよかったな…。

2img_0071 続いてTomoさんスタンダードの「Kyoto」。

250よく歌うソロで観客の耳を奪う。
280v
このあたりからステージは猛然と盛り上がり度を増していく。
曲は「The Good Life」。
ステージにの前面で英二さんが客席を盛り上げる光景はKATAMALIのステージのルーティン!

270もう一発Tomoさんの人気チューン、「Just Funky」!

300

喧ちゃんもこういうの好きだからね~、ソロにも気合いが入っちゃうよ~!

290vTomoさんとの共演でもう1曲。
ギターを持ち替えて 「Running Out」。

310vTomoさんがステージを降り、KATAMALIに戻って庄太郎ちゃんがハーモニカを吹くのは「R&Rに溺れよう」。
コレよくできるよな~。いつも感心しちゃう。

320v喧ちゃんは「ノドがダメ」どころか、ますます鬼気迫る熱唱で観客を魅了した。

330本編最後は「Free Way」。

350もちろんギターもバリバリ弾いた喧ちゃんだったけど、今回は歌の熱演がすごく印象に残ったな。

360vアンコール。
もう一回「Kyoto」を演奏したのだが、今度はメタル・バージョン!

370ハードに迫るTomoさんは見ものだった。
次回はFlying Vで登場すること必至!

3img_0116 最後の最後でもうひとりゲストが加わった!

380足立祐二
ビックリ!的な…ウソ、リハの時にお会いしてるから。

390vYOUさんはJCM900 4100と1960Bを使用。

400v曲はStevie Wonderの「Superstition」。

410いつも通り独特のYOU節が炸裂!
この音と歌い回しはホントYOUさんならではのものだ。
430
当然ギター・バトルで盛り上がる!

420アッという間に最後の曲。
いつも『Guitar Circus』の最後に演奏する曲…「生きてるうちが花なんだぜ」。
前も書いたけど、ホント年々この曲が心に沁みるようになってるわ~。

440「♪生きてるうちが花なんだぜ~、花なんだぜ~」…やっぱ一緒に歌っちゃうよね~。
「オラ、スタッフも歌え~!」と喧ちゃんが指さした先で大声を出して歌ったのは…

445BOOOOZEのギターの大貴くん。

450v今回も感動的なエンディングで充実の舞台を締めくくった。
喧ちゃん、ホントすごい熱演だったな~。

460現在は大黒摩季さんのツアーで大忙し!

原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

470(一部敬称略 2017年5月20日 下北沢GARDENにて撮影)

2017年7月 4日 (火)

犬神サアカス團の騒乱!混乱!大狂乱!

 

昨年11月に発表した、目下のところの最近作『黄金郷』の発売記念ツアーは今年はじめに完了。
ユックリ休む間もなく、引き続いて春のツアー、『犬神サアカス團の騒乱!混乱!大狂乱!』を催行した犬神サアカス團の4人。
今日はその千秋楽のレポートだ。
しかし、犬神さんはエライね。
曲を作ってCDにして、ツアーをやって、気の利いた物販のアイテムを考えて…バンドのテイストを変えることなくず~っとコレを繰り返してる。
しかも、コレを本当に当たり前のことのようにやってる。
いわゆる「イヌガミクス」というヤツだ。
もう日本ローリング・ストーンズだね、犬神さんは。大したもんですよ。

10今回は上述の通り、何かの新作の発表に引っ掛けてのツアーというワケではない。
膨大なレパートリ―の蓄積からセレクトされた「犬神アルマナック」といったところか。
強いて言えばフィーチュアのしどころは上のバナーにあるように『暗黒礼賛ロックンロール』か。
20
ココはメンバー同士も大変仲がよろしいな。
  
電気人間・犬神情次2号

20v情次兄さんの機材。
向かって左のJCM800 2203と1960Aが愛用のMarshall。

30足元のようす。

40学者犬・犬神ジン

50vジン兄さんの機材はEDEN。

60v今回のヘッドはWT-600。
キャビネットいつも通りのD410XSTだ。

70おかま芸者・犬神明

80v明兄さんのNATALはメイプル。
フィニッシュはブラック・スパークル。

90そしてへび女・犬神凶子。

110v凶子姉さんの機材は赤い手袋と…

130赤い足袋に赤い鼻緒の草履。
上下赤で統一されている。
今回、凶子姉さんはこの他にも数々の機材を利用して満員のお客さんを楽しませた。
追々紹介していこう。

1401曲目は2011年の『死ぬまでROCK!』から「猟奇の国のアリス」。

120

普段は演らない曲。
犬っ子としてキャリアの短い私などには初めてナマで耳する曲だ。
160v
この「アリス」も色々なところで取り上げられる人気モチーフだ。
ディズニーの「不思議の国のアリス」の主題歌は愛らしいワルツで、ジャズのスタンダードにもなっている。
そして、「アリス」を題材にしたジャズといえば何と言ってもChick Coreaの『The Mad Hatter』が真っ先に挙がるだろう。
ココのところ長い間Chick Coreaの劣化が喧伝されているが、『The Mad Hatter』 を発表した1978年頃は油の乗ったいい仕事をしていた。

Mh ルイス・キャロルも犬神サアカス團とお近づきになれてさぞかし喜んでいることだろう。
作詞は凶子姉さん。

150vつづけて犬神スタンダードの「命みぢかし恋せよ人類!」

170ココでMC。
挨拶の後、早々とMarshall Blogの取材が入っていることをアナウンスしてくれました。
凶子姉さん、ありがとう!
コレが他のバンドだと客席が「おおおおお~!」ってなって、帰り際にファンの皆さんが私を見つけて「記事を楽しみにしています!」と声をかけてくれるんよ。
しかし!
犬っ子、犬っさんは実にクールでしてね。
凶子姉さんがステージでMarshall Blogのことに触れても「シ~~~ン……」。
終演後に誰かが声をかけてくれるなどということは今までただの一度もない。
恥ずかしがってるか、Marshall Blogを見ないようにしているか、見てもMarshall Blogが気に食わないかのどれかだな。
あるいは本当は犬神サアカス團が好きではない…とか?
いいの、いいの、それでいいの。
ホントにバンドによってファンの皆さんの動向ってのがマチマチで、それがまたおもしろいんだよ。
  
「さぁ~、ウジウジしてるヒマはないよ!せっかく生まれて来たんだから!」と2005年の『スケ番ロック』から「最新型アンドロイド」。

190_ngグッと新しくなって『玉椿姫』から「逃げろ!」。

200_nt

もう1曲続けて「妄想天国」。
2006年の『形而上のエロス』からの情次兄さんの作品だ。
180
MCをはさんで最近作『黄金郷』から「樹海」。

230_jk    
今度は2006年の『待ちわびた日~形而上のエロス外伝』に収録されている「小悪魔エレジー」。
スゴイな~、行ったり来たりで。
一体どうやって曲順を決めたんだろう。
何か法則めいたモノでもあったのだろうか?

220v

中盤にさしかかったところで出て来たのが新曲「暗黒礼賛ロックンロール」。
ハイ、私やっちゃいました。
正直に白状します。
「礼賛」をつい「れいさん」と呼んでしまいました、ハイ。
正しくは「らいさん」ね。もちろん知ってたんだけど、チョットした気のゆるみから「皆さんの誤解を招きかねない表現」をしちゃったよ!
でも、その「発言は撤回した」からいいでしょ?
「今後は説明責任を果たし、全力で職責を全うしたい」と思っている。

240_arま~、よくやるわ~。
この曲がシングルになっているんだけど、バンド・スコアが付いてる。
曲はシンプルでストレートなメディアム・テンポのへヴィ・ロックだ。

250ギターとベースはタブ譜のみの表記。
しかし、このタブ譜というのは功罪あるナァ。
オジちゃんが子供の頃はタブ譜なんてモノはこの世になかった。いわゆるオタマジャクシだけ。
ギターの場合、親切なスコアには「1/13」とか「3/8」とか音符の下に記してあった。
コレ「1弦の13フレット」とか「3弦の8フレット」とかいう意味。

260CDには模範演奏の他、各パートのマイナス・ワン・バージョンが収録されていて、スコアにはメンバーからの演奏のアドバイスまで掲載している。
そして、このロゴ!
よ~、やるわ~。
コレを一ツ橋の方に持って行っちゃダメよ。

2702004年のシングル『都合のいい女・ほんとにほんとにご苦労さん』のカップリング曲、「愛の亡霊」。
そして、ジョニーちゃんの作品、「猫町」。
萩原朔太郎?
「犬神」に憑かれた者は肉ばかりを食い、「猫神」に憑かれた者は魚ばかりを食う。

280おなじみ「ビバ!アメリカ」で爽快にブッチぎる!

290_va凶子姉さんの「機材 その2」登場…タンバリンだ!

310続けて情次兄さんの歌う「開かずの踏切」。
前回、『夜行列車極楽行』に収録されている曲を演奏するのを見たことがない…とMarshall Blogに書いたところ、今回この「開かずの踏切」とさっきの「猫町」が取り上げられた。
コリャMarshall Blogに書いたからだな?と思って情次兄さんに確かめたところゼンゼン関係ないんだってよ…なんだよ。
ま、普段演らないような曲を並べたということだ。

320情次兄さんが歌っている間ステージからさがっていた凶子姉さんが「人面疔」を歌いに戻って来た。
しかし…歌詞といい、曲調といい、今時こんな曲人前で演ってんの世界広しといえどもこのバンドだけだろうな。
ウン、このままどんどん続けて欲しい。

330v_nmまた機材を手にしている!
凶子姉さんの「機材 その3」は…ドワ~、「ぬさ」だ。
神社で神主さんがファサッファッサと左右に振るアレ、「ぬさ」とか「大幣(おおぬさ)」とかいう。
あの儀式で穢れを祓うんだね。
最近は見かけなくなったが、以前の犬神のステージには卒塔婆が設置されていた。
してみると、犬神サアカス團っていうのが神仏混淆なんだね。

340間奏では凶子姉さんが大エキサイト!
狂ったようにぬさを振りまわす姿に明兄さんも笑っちゃってる!

350vショウは最終セクションに入る。

360_mmm「メメントモリ」…
そうか、リストの「死の舞踏(Totentanz)」は「メメント・モリ」と関連しているのか…。
この話はまた別に機会に。

370v『セタカムイ』からの曲は「残酷楽園」。
このアルバムにはチョーカッコいい「ドグマの呪い」が入ってるよね。

380v本編を締めくくったのは2003年のシングル「最後のアイドル」。

390vココで凶子姉さん、「機材 その4」を導入。
それはポンポン!

400ぬさに続いて振り回し系機材が活躍し、にぎやかに本編の幕を下ろした。

410そして、アンコール。
また出て来た凶子姉さん機材。「その5」だ。
今度は「かわいいウチワ」。
曲は2008年にライブ会場限定にて販売されたシングル曲で、後にベストアルバム『籠の鳥、天空を知らず』にも録された「かわいい音頭」。

420おそろいのウチワを振ってチョチョンがチョン。

430vみんなやたらと楽しそうだな。

440v音頭っていうのもすごいリズムだよね。
「リズム」より「間」を優先する国、日本が誇るオリジナル・リズム。
何といってもコレとドドンパがすごい。
四分音符ふたつに三連ふたつなんて間抜けなリズムは日本人以外に考え付かない偉大な発明だ。
なんでも名前は都都逸の「ドド」とルンバの「ンパ」から来ているとか…。

445v教わらなくても自然と盛り上がっちゃうのは日本人の証拠。
外人はこのリズムを耳にしても恐らく眉一つ動かさないだろう。
あるは眉をひそめるかもしれない。

450通常営業に戻って「運命のカルマ」。
すばらしいMarshallのクランチ・サウンドで犬神ミュージックを演出した情次兄さん。

470vナゼかジン兄さんだけアンコールで着替えなかったのよ。
写真を取り違えているワケではないぜ。
ジン兄さんのEDENの音はヌケ過ぎるぐらい抜けていた。
こういうへヴィ・ロックのベースはこういう音を聴かせなきゃイカン!

480v明兄さんの叩くNATALの音はいつ聴いても痛快だ。
このドラム・サウンドも今となっては犬神サウンドの重要な要なんじゃねーの?

490アンコールの最後は「念仏谷」。

495この後、もう一度メンバーがステージに上がり「絆」を演奏した。
タンバリン、ぬさ、ポンポン、ウチワとマッシブな機材陣を動員して観客を魅了した凶子姉さんなのであった!

500vフィニッシュ。
ムムム、ジン兄ナゼ飛ばぬ?!

2img_0220 終演後のようす。
会場は死人(しびと)の群れでゴッタ返している。
あ、失礼!お客さんだった!

510皆さんのお目当ては物販。
スゴイ売れ行きなの!

520犬神さんのアイテムは凝っていておもしろいもんね。

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5img_3740

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5img_3736 大好評だ。

530おお~、「暗黒礼賛ロックンロール」のスコア…いやCDも!
何のパートか存じ上げませんが、練習がんばってください!

540犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

5501965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年5月13日 高田馬場PHASEにて撮影)

2017年7月 3日 (月)

Mary's Blood~Queen's Blood Feast

 

熱気ムンムン。
イヤ、こりゃ「熱気」なんてもんじゃないな…もはや「殺気」とでも呼びたくなるようなテンションの高さだ。
Mary's Bloodの『Queen's Blood Feast』のツアー・ファイナル。
そんなただならぬ会場の雰囲気の中、開演予定時間が少し過ぎたところで客電が落ちる。
メンバー4人+1がステージに躍り出て轟音一発!…と思いきやさにあらず。

10ステージに現れたのはRIOちゃんとMARIちゃんのリズム隊のみ。

20ヘビィなコンビネーションが会場の雰囲気を一気に盛り上げる。
しかし、スゴイ熱気だわ~。

30そして、他のメンバーがステージに登場した!

40EYE

50vSAKI

55v社-yashiro-

56vSAKIちゃんのバックにはMarshallが良く似合う。

60vトレードマークのJVM410Hと1960AのTattoo。
しかし、改めてこうして見てみるとスゲエ絵柄だな。
アメリカのタトゥー・アーティスト、Emily Woodの作品。
70vMarshallとEmilyのコラボではこんなモデルもあった。CUSTOM TATOO JVM1-HとC110。

5j12_2 5人がそろったところで1曲目は2012年のミニ・アルバム『SCARLET』から「Ms.Carrie」。
「Scarlet」か…Maryはなんか文学的な匂いがしていいナァ。
ホーソンね…高校の時に『緋文字(The Scarlet Letter)』を読んだがサッパリ何も覚えとらんナァ。

80続けて同アルバムから「Burning Blaze」。

90さらに『Countdown to Evolution』から「Wings」でアタマ3曲を固めて来た。

100Mary's Bloodは2016~2017年にかけての『Change the Fate Tour』からココLIQUID ROOMでの公演をDVD化してヒットを飛ばした。
今回はその凱旋コンサートとでもいおうか、まさに「Feat」の名にふさわしい劇的な幕開けとなった。
「feast」とは「競演」のこと。
普段、外人のパーティでこの言葉が使われることはない…というか、見たことがない。
きっと、さぞかし豪華絢爛な宴を指すのであろう。
語源はラテン語の「祝祭」。「festival」も同じ語源だ。

110「カッコいいか、コノヤロ~!」とEYEちゃん。
「DVDに勝るライブを繰り広げていきますので楽しんでいってください!タオル、用意してね!」
曲は「Ready to Go」。

190

ギターを弾きながらタオルを振り回すSAKIちゃん。忙しい!

200

続けて「Crime and Punishment」。

S41a0053 今回のセットリストはファンの人気投票に基づいて構成された。
「みんな激しい曲を選び過ぎ!」とEYEちゃん。
イヤイヤ、ライブ・コンサートはそうでなきゃ!
元よりレパートリーに静かな曲が少なかったが、Frank Zappaはコンサートで絶対にバラードを演らなかった。
ナゼならZappaはお客さんが好きなモノを知っていたから。

S41a0187『Countdown to Evolution』から「I, Lament」。
いいね、「lament」なんて言葉。

120続けて「Song for You」。
そして、「Queen of the Night」…お、モーツアルトですな?
チョット脱線。
「夜の女王(Königin der Nacht) 」というのはモーツァルトの『魔笛』の有名なアリア。
聴けば皆さんも「あ、なんだコレか…」と思うであろう有名な曲。メッチャかっこいい。
作曲されたのは1791年なんだけど、当時はクラシック音楽もかなり煮詰まっていて、みんな音楽よりも演奏のテクニックを競うことに夢中になっていたらしい。
そういう状況の中でこの「夜の女王」は、女性の声楽曲の中の超難関のひとつだったんだって。
ナゼかというと、メロディに「ハイF」という高音が出て来るからで、この声を出せる歌手が当時はほとんどいなかったらしい。当時の人間の声の高さの限界に挑んだ体育会系ナンバー。
今は食べ物もいいし、上野の学生さんでも歌える人が何人もいるでしょうけどね。
ま、私はオペラや声楽はゼンゼンまだ素人だけど、ドイツのエッダ・モーザーという人の歌を聴いてトリハダが盛大に出ちゃったよ。人間ってスゴイなぁ。
ギター界もコレとこの『魔笛』の時代と同じ。
ここまで速弾きが当たり前になってしまって、これからどういう展開になっていくか楽しみにしているんですよ、私は。

130ここまでが前半。
相変わらずの大人気で、上手サイドは「チャッキー・フィーバー」が吹き荒れる!
「フィーバー」という言葉も聞かなくなったな。

140vMCをはさんで「ほぼ初披露」だという新曲を演奏。

150v「Loser」という曲。静かに始まり激しく展開していく。

160v昨年10月にリリースした『FATE』から「Change the Fate」を経てドラム・ソロ。
さらにSAKIちゃんのア・カペラのギターソロが炸裂した。
Mary'sのコンサートの中でもとりわけ人気のあるパートだ。

180_as

パワーはますますアップされ、本編は最終コーナーに入る。

1702013年の『AZURE』から「Veronica」。
しかし、スゴイ熱狂度!

175v矢継ぎ早に「Marionette」。
しかし、この『Countdown to Evolution』ってアルバムは人気があるね~。

S41a0109_2

そして本編を締めくくったのは定番「Bite the Bullet」。

S41a0086

「♪Rocket can't stop it!  Bullet can't stop it!」
もう誰もMaryを止められない!
(註:「Rocket can't stop it!  Bullet can't stop it!」はFrank Zappaの「Cheepnis」という曲の一節。歌詞の中の「it」は怪獣を指している)

0r4a5295とても止められないのでアンコール!
EYEちゃんデザインによるTシャツで登場だ!

220まずは新曲を披露。
アンコールで新曲を演奏するってのはなかなかスゴイ。
よっぽど作品に自信がなければできないことだ。

230v曲は「It's Alright」。
難なく大ウケ!さすが!

240v「残りの曲で体力使い果たして帰ってもらいたいです!」…と「Mebius Loop」。

S41a0382 Maryのパワーもすごいけど、お客さんのエネルギーもいい加減スゴイんだよ!

260v
ギターにコーラスに大活躍の社ちゃん。
SAKIちゃんとのツイン・リードもバッチリきめてた。

270v

「Campanula」。
ココで発見。
みんなが手を振るところをこうして後ろで見ていたんだけど、当たり前のことだとは思うが、(後ろから見てステージに向かって)上げた腕をみんな左にはググイと盛大に曲げるんだけど…

250

右側にはそうは曲げないんだよ。
これはみんな右腕を上げているからに他ならない。
お客さんが全員ギッチョだったら反対のことが起こるはず。見てみたい。

S41a0357 華麗なテクニックとアクションでファンを魅了したSAKIちゃん。
人気、実力ともにトップ・フィメイル・ギタリストの一角になったね~。
『MUONのYAON』の頃がなつかしいナァ。

290v

最後は「Promised Land」。
Mary's Killer Tuneに客席は大興奮!
内容、演奏、雰囲気、すべてが熱狂的な素晴らしいコンサートだった!

280Mary's Bloodの次の大舞台は来る7月14日にCLUB CITTA' KAWASAKIで開催される『WORLD GUITAR GIRLS COLLECTION vol.0 feat.Mary's Blood & CYNTIA』だ。
コチラもお見逃しなく!

300Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

310(一部敬称略 2017年5月13日 恵比寿LIQUID ROOMにて撮影)