Mary's Blood~Queen's Blood Feast
熱気ムンムン。
イヤ、こりゃ「熱気」なんてもんじゃないな…もはや「殺気」とでも呼びたくなるようなテンションの高さだ。
Mary's Bloodの『Queen's Blood Feast』のツアー・ファイナル。
そんなただならぬ会場の雰囲気の中、開演予定時間が少し過ぎたところで客電が落ちる。
メンバー4人+1がステージに躍り出て轟音一発!…と思いきやさにあらず。
ステージに現れたのはRIOちゃんとMARIちゃんのリズム隊のみ。
ヘビィなコンビネーションが会場の雰囲気を一気に盛り上げる。
しかし、スゴイ熱気だわ~。
トレードマークのJVM410Hと1960AのTattoo。
しかし、改めてこうして見てみるとスゲエ絵柄だな。
アメリカのタトゥー・アーティスト、Emily Woodの作品。MarshallとEmilyのコラボではこんなモデルもあった。CUSTOM TATOO JVM1-HとC110。
5人がそろったところで1曲目は2012年のミニ・アルバム『SCARLET』から「Ms.Carrie」。
「Scarlet」か…Maryはなんか文学的な匂いがしていいナァ。
ホーソンね…高校の時に『緋文字(The Scarlet Letter)』を読んだがサッパリ何も覚えとらんナァ。
さらに『Countdown to Evolution』から「Wings」でアタマ3曲を固めて来た。
Mary's Bloodは2016~2017年にかけての『Change the Fate Tour』からココLIQUID ROOMでの公演をDVD化してヒットを飛ばした。
今回はその凱旋コンサートとでもいおうか、まさに「Feat」の名にふさわしい劇的な幕開けとなった。
「feast」とは「競演」のこと。
普段、外人のパーティでこの言葉が使われることはない…というか、見たことがない。
きっと、さぞかし豪華絢爛な宴を指すのであろう。
語源はラテン語の「祝祭」。「festival」も同じ語源だ。
「カッコいいか、コノヤロ~!」とEYEちゃん。
「DVDに勝るライブを繰り広げていきますので楽しんでいってください!タオル、用意してね!」
曲は「Ready to Go」。
ギターを弾きながらタオルを振り回すSAKIちゃん。忙しい!
続けて「Crime and Punishment」。
今回のセットリストはファンの人気投票に基づいて構成された。
「みんな激しい曲を選び過ぎ!」とEYEちゃん。
イヤイヤ、ライブ・コンサートはそうでなきゃ!
元よりレパートリーに静かな曲が少なかったが、Frank Zappaはコンサートで絶対にバラードを演らなかった。
ナゼならZappaはお客さんが好きなモノを知っていたから。
『Countdown to Evolution』から「I, Lament」。
いいね、「lament」なんて言葉。
続けて「Song for You」。
そして、「Queen of the Night」…お、モーツアルトですな?
チョット脱線。
「夜の女王(Königin der Nacht) 」というのはモーツァルトの『魔笛』の有名なアリア。
聴けば皆さんも「あ、なんだコレか…」と思うであろう有名な曲。メッチャかっこいい。
作曲されたのは1791年なんだけど、当時はクラシック音楽もかなり煮詰まっていて、みんな音楽よりも演奏のテクニックを競うことに夢中になっていたらしい。
そういう状況の中でこの「夜の女王」は、女性の声楽曲の中の超難関のひとつだったんだって。
ナゼかというと、メロディに「ハイF」という高音が出て来るからで、この声を出せる歌手が当時はほとんどいなかったらしい。当時の人間の声の高さの限界に挑んだ体育会系ナンバー。
今は食べ物もいいし、上野の学生さんでも歌える人が何人もいるでしょうけどね。
ま、私はオペラや声楽はゼンゼンまだ素人だけど、ドイツのエッダ・モーザーという人の歌を聴いてトリハダが盛大に出ちゃったよ。人間ってスゴイなぁ。
ギター界もコレとこの『魔笛』の時代と同じ。
ここまで速弾きが当たり前になってしまって、これからどういう展開になっていくか楽しみにしているんですよ、私は。
ここまでが前半。
相変わらずの大人気で、上手サイドは「チャッキー・フィーバー」が吹き荒れる!
「フィーバー」という言葉も聞かなくなったな。
昨年10月にリリースした『FATE』から「Change the Fate」を経てドラム・ソロ。
さらにSAKIちゃんのア・カペラのギターソロが炸裂した。
Mary'sのコンサートの中でもとりわけ人気のあるパートだ。
パワーはますますアップされ、本編は最終コーナーに入る。
2013年の『AZURE』から「Veronica」。
しかし、スゴイ熱狂度!
矢継ぎ早に「Marionette」。
しかし、この『Countdown to Evolution』ってアルバムは人気があるね~。
そして本編を締めくくったのは定番「Bite the Bullet」。
「♪Rocket can't stop it! Bullet can't stop it!」
もう誰もMaryを止められない!
(註:「Rocket can't stop it! Bullet can't stop it!」はFrank Zappaの「Cheepnis」という曲の一節。歌詞の中の「it」は怪獣を指している)
とても止められないのでアンコール!
EYEちゃんデザインによるTシャツで登場だ!
まずは新曲を披露。
アンコールで新曲を演奏するってのはなかなかスゴイ。
よっぽど作品に自信がなければできないことだ。
「残りの曲で体力使い果たして帰ってもらいたいです!」…と「Mebius Loop」。
Maryのパワーもすごいけど、お客さんのエネルギーもいい加減スゴイんだよ!
ギターにコーラスに大活躍の社ちゃん。
SAKIちゃんとのツイン・リードもバッチリきめてた。
「Campanula」。
ココで発見。
みんなが手を振るところをこうして後ろで見ていたんだけど、当たり前のことだとは思うが、(後ろから見てステージに向かって)上げた腕をみんな左にはググイと盛大に曲げるんだけど…
右側にはそうは曲げないんだよ。
これはみんな右腕を上げているからに他ならない。
お客さんが全員ギッチョだったら反対のことが起こるはず。見てみたい。
華麗なテクニックとアクションでファンを魅了したSAKIちゃん。
人気、実力ともにトップ・フィメイル・ギタリストの一角になったね~。
『MUONのYAON』の頃がなつかしいナァ。
最後は「Promised Land」。
Mary's Killer Tuneに客席は大興奮!
内容、演奏、雰囲気、すべてが熱狂的な素晴らしいコンサートだった!
Mary's Bloodの次の大舞台は来る7月14日にCLUB CITTA' KAWASAKIで開催される『WORLD GUITAR GIRLS COLLECTION vol.0 feat.Mary's Blood & CYNTIA』だ。
コチラもお見逃しなく!
Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site